- 14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 00:02:20.29:4VMQO8V20
唯は墓石に花を手向けると、悲しそうに、静かに、手を合わせる
「………………」
永く、永く――
唯の背中を見ていると……いつもは元気な唯が、あの時と――1年前のあの時の唯と重なって見えた
私もその唯の隣へ、そして律の眠る場所に、線香を手向けて手を合わせる
……律
心の中で律に呟いても、返ってこない返事
「…………律っちゃん」
目を瞑ると聞こえてきた声……
唯の呟く声が、私の耳に、微かに聞こえる
「りっ……ちゃぁ……ん……」
時折混ざる、小さな嗚咽――
「……うぅ……っっくぅ……っ」
その声は、静かな霊園に佇む数々の思い出の跡に飲み込まれていくように――
あふれては消え、こぼれては消え……
静かに、静かに
唯の悲しみが消えるまで――
絶対に消えることはないけれど――僅かでも消えるまで……唯の嗚咽は治まるまることはなかった
律……律……どうして……どうして……