1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/03/23(水) 21:08:45.81 :B98e+kjh0
此処は、あらゆるもの全てが混沌とした、とある薄暗い街。通称「イサクラ」。
法も秩序も倫理も無く、あるのは欲望のみで御座います。
親は子を売り、子は親を殺し、道端に転がる死肉には、今日も烏どもが舞い降ります。
……おや、そんな街の路地裏で、何やら話し声が聞こえてくるようですよ?
「ひっひっひ……まぁたワシの勝ちじゃな。お主も飽きんのう」
薄汚れたボロ布を羽織った老人は、からからの林檎を片手に、そのしわだらけの顔をにたりと歪ませます。
「クソジジイめ――ほらよ」
黒いマントに、頬に蜥蜴の刺青をした男は、不機嫌そうに酒の入ったボトルをその手から投げました。
「これで5勝0敗じゃのぉ、おぉ弱い弱い」
「うるせえ……次はこいつだ」
男は、懐から見えない「何か」を取り出しました。
「なるほどのぉ……ワシは、赤に賭けよう」
「なら俺は紫だ……行くぜ」
男が手をかざすと、それは炎に包まれ、どこかへ消え去りました。
「さぁて、どこのどいつが拾うかね……」
此処は、欲望が渦巻く街、「イサクラ」。日没と共に、闇は一層勢力を伸ばしていきます。
読む →
此処は、あらゆるもの全てが混沌とした、とある薄暗い街。通称「イサクラ」。
法も秩序も倫理も無く、あるのは欲望のみで御座います。
親は子を売り、子は親を殺し、道端に転がる死肉には、今日も烏どもが舞い降ります。
……おや、そんな街の路地裏で、何やら話し声が聞こえてくるようですよ?
「ひっひっひ……まぁたワシの勝ちじゃな。お主も飽きんのう」
薄汚れたボロ布を羽織った老人は、からからの林檎を片手に、そのしわだらけの顔をにたりと歪ませます。
「クソジジイめ――ほらよ」
黒いマントに、頬に蜥蜴の刺青をした男は、不機嫌そうに酒の入ったボトルをその手から投げました。
「これで5勝0敗じゃのぉ、おぉ弱い弱い」
「うるせえ……次はこいつだ」
男は、懐から見えない「何か」を取り出しました。
「なるほどのぉ……ワシは、赤に賭けよう」
「なら俺は紫だ……行くぜ」
男が手をかざすと、それは炎に包まれ、どこかへ消え去りました。
「さぁて、どこのどいつが拾うかね……」
此処は、欲望が渦巻く街、「イサクラ」。日没と共に、闇は一層勢力を伸ばしていきます。