1:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/14(木) 21:46:46.70 :CuqjDj3U0
男「……ヤバい」
男「あれ、どうしてこうなったんだろう……。今日は、高校の入学式だったはずなのに……」
ザワザワ
男「い、いや、ここも高校なのかな……? そんなことが書いてあった気もするけど、正直それどころじゃない……」
男「マズいなぁ……。これは大変マズいなぁ……」
男「……ってか……――」
男「なんで、みんな鎧来てるんだよ……」
男「……ヤバい」
男「あれ、どうしてこうなったんだろう……。今日は、高校の入学式だったはずなのに……」
ザワザワ
男「い、いや、ここも高校なのかな……? そんなことが書いてあった気もするけど、正直それどころじゃない……」
男「マズいなぁ……。これは大変マズいなぁ……」
男「……ってか……――」
男「なんで、みんな鎧来てるんだよ……」
2:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/14(木) 22:07:33.42 :CuqjDj3U0
ガチャガチャ
男「鎧もそうだけど、みんな剣とかも普通に持ち歩いてるし……。なんだよ、アレって銃刀法違反とかに引っかかるんじゃないのかよ……?」ブツブツ
男「いや、鎧着てるのはまだ人だってわかるからいいさ。なんで、下半身蜘蛛の人とかいるの? いや、あれは人なの?」ブツブツ
男「あのカラスと人をミックスさせたような奴はなんなの? 剥製? ……そっか、剥製か。趣味悪すぎないか――あぁ、ダメだ動いたよ。アレ生きてるよ……」ブツブツ
男「これは夢なの……? 夢だよね……。こんなの現実じゃありえないよね……」ブツブツ
ガチャガチャ
ボゥッ
男「あれ今あの人、手から火出したけど……。マジック? マジックやってるの? なんで? どういう仕組みなの?」ブツブツ
男「夢……これは夢……。夢……だと思いたいけど――」
ガチャガチャ
カキンッキンッ
男「あぁあああ……どうしよう……。ヘタに動いたら殺されそうで怖い……」
男「なんか、流されるままに席についちゃったけど、マズいんじゃないのか……。この席の人きたら、俺刺されるんじゃないのか……」ブツブツ
男「い、いや、でも……一応案内されたんだし、俺は悪くないよな。いや、悪いはずがない。……てか、悪くてもいいから、一刻も早く家に帰してくれ……」ブツブツ
ドサッ
?「――よぉっ!」
男「――――っ!!?」ビクゥッ‼
?「ん? お前見たことない顔だな……。――あぁ、高校から入ってきたやつか?」
男「あ……、は、はい…………そう、です……」ビクビク
?「あー、そうなのか……。まぁ、いいや」
アオニート「俺はアオニートっていうんだ。よろしくな」
男「あ、あおにーと……??」
男(どういうことなんだ……? し、しかし、まともそうな人でよかった……)
アオニート「あぁ。……お前はなんて言うんだ?」
男「あっ……お、男っていいます……」
アオニート「はははっ! そんなかしこまらなくてもいいって! ――男な、わかった。わからないことだらけで不安だろうから、俺がいろいろ教えてやるよ」
男「あ、あり……がとう……」オドオド
アオニート「――それにしても変な装備してるんだな。武器も持ってないって……。持たざる者ってやつか? 高校デビューのつもりなら、やめた方がいいぞ?」
男「あ、あはは…………??」
ガチャガチャ
男「鎧もそうだけど、みんな剣とかも普通に持ち歩いてるし……。なんだよ、アレって銃刀法違反とかに引っかかるんじゃないのかよ……?」ブツブツ
男「いや、鎧着てるのはまだ人だってわかるからいいさ。なんで、下半身蜘蛛の人とかいるの? いや、あれは人なの?」ブツブツ
男「あのカラスと人をミックスさせたような奴はなんなの? 剥製? ……そっか、剥製か。趣味悪すぎないか――あぁ、ダメだ動いたよ。アレ生きてるよ……」ブツブツ
男「これは夢なの……? 夢だよね……。こんなの現実じゃありえないよね……」ブツブツ
ガチャガチャ
ボゥッ
男「あれ今あの人、手から火出したけど……。マジック? マジックやってるの? なんで? どういう仕組みなの?」ブツブツ
男「夢……これは夢……。夢……だと思いたいけど――」
ガチャガチャ
カキンッキンッ
男「あぁあああ……どうしよう……。ヘタに動いたら殺されそうで怖い……」
男「なんか、流されるままに席についちゃったけど、マズいんじゃないのか……。この席の人きたら、俺刺されるんじゃないのか……」ブツブツ
男「い、いや、でも……一応案内されたんだし、俺は悪くないよな。いや、悪いはずがない。……てか、悪くてもいいから、一刻も早く家に帰してくれ……」ブツブツ
ドサッ
?「――よぉっ!」
男「――――っ!!?」ビクゥッ‼
?「ん? お前見たことない顔だな……。――あぁ、高校から入ってきたやつか?」
男「あ……、は、はい…………そう、です……」ビクビク
?「あー、そうなのか……。まぁ、いいや」
アオニート「俺はアオニートっていうんだ。よろしくな」
男「あ、あおにーと……??」
男(どういうことなんだ……? し、しかし、まともそうな人でよかった……)
アオニート「あぁ。……お前はなんて言うんだ?」
男「あっ……お、男っていいます……」
アオニート「はははっ! そんなかしこまらなくてもいいって! ――男な、わかった。わからないことだらけで不安だろうから、俺がいろいろ教えてやるよ」
男「あ、あり……がとう……」オドオド
アオニート「――それにしても変な装備してるんだな。武器も持ってないって……。持たざる者ってやつか? 高校デビューのつもりなら、やめた方がいいぞ?」
男「あ、あはは…………??」
3:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/14(木) 22:40:25.52 :CuqjDj3U0
アオニート「しっかし、お前みたいなやつ珍しいな。だいたい中学から上がってくるってやつのはずなんだけど……」
男「あ、あぁ、そうなんだ……。お、俺も、なんでここに居るのか…………」ビクビク
アオニート「まぁ、でもそんなことは些細なことだっ! 今日から、同じ釜の飯を食う仲になるわけだし、仲良くしようぜ」
男「う、うん……こちら……こそ………………へっ?」パチクリ
アオニート「あぁ? どうした?」
男「い、いやっ……なんでも……ない……です……」
男(いま同じ釜の飯を食う仲って言った……? あれ、出れないの? こ、これって本格的にマズいんじゃ……――)
アオニート「――おっ、始まるみたいだな」
男「え、えっ?」
「あー、皆さん。自分の席にお戻りください」
「――これより、入学式を始めます。まず初めに、学園長からのお言葉です」
グウィン「ゴホンっ! えー、一年生の皆さん初めまして。学園長のグウィンだ……――」
男「ぐうぃん……??」
アオニート「よそから来ても、うちの学園長は知ってるだろ? いつ見てもすげぇ髭だよな」
男(なんだろう。なんか、アルバス・パーシバル・ウルフリック・ブライアン・ダンブル○ア先生みたい……)ボー
グウィン「こんな良き日に、皆さんと出会えたことを、とてもうれしく思う。えぇー、これからの学校生活も――」
男(…………あぁ、目を瞑れば、別に何でもないのになぁ……)
グウィン「――自分の夢に向かって、このワシの雷の槍のようにまっすぐ進んでもらいたいと思います……――」
グウィン「――間違っても! この髭のようにちぢれないでもらいたい!」
シーン…
グウィン「……ふっ……ふふ……けっさく……ふふふふ…………っ!」クスクス
シーン…
「――……えぇー、学園長のお言葉でした。学園長、今日までご苦労様でした」
グウィン「ファッ!?」
アオニート「しっかし、お前みたいなやつ珍しいな。だいたい中学から上がってくるってやつのはずなんだけど……」
男「あ、あぁ、そうなんだ……。お、俺も、なんでここに居るのか…………」ビクビク
アオニート「まぁ、でもそんなことは些細なことだっ! 今日から、同じ釜の飯を食う仲になるわけだし、仲良くしようぜ」
男「う、うん……こちら……こそ………………へっ?」パチクリ
アオニート「あぁ? どうした?」
男「い、いやっ……なんでも……ない……です……」
男(いま同じ釜の飯を食う仲って言った……? あれ、出れないの? こ、これって本格的にマズいんじゃ……――)
アオニート「――おっ、始まるみたいだな」
男「え、えっ?」
「あー、皆さん。自分の席にお戻りください」
「――これより、入学式を始めます。まず初めに、学園長からのお言葉です」
グウィン「ゴホンっ! えー、一年生の皆さん初めまして。学園長のグウィンだ……――」
男「ぐうぃん……??」
アオニート「よそから来ても、うちの学園長は知ってるだろ? いつ見てもすげぇ髭だよな」
男(なんだろう。なんか、アルバス・パーシバル・ウルフリック・ブライアン・ダンブル○ア先生みたい……)ボー
グウィン「こんな良き日に、皆さんと出会えたことを、とてもうれしく思う。えぇー、これからの学校生活も――」
男(…………あぁ、目を瞑れば、別に何でもないのになぁ……)
グウィン「――自分の夢に向かって、このワシの雷の槍のようにまっすぐ進んでもらいたいと思います……――」
グウィン「――間違っても! この髭のようにちぢれないでもらいたい!」
シーン…
グウィン「……ふっ……ふふ……けっさく……ふふふふ…………っ!」クスクス
シーン…
「――……えぇー、学園長のお言葉でした。学園長、今日までご苦労様でした」
グウィン「ファッ!?」
9:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/15(金) 00:51:17.01 :2hNvDMl00
「えー続きまして、生徒会長から歓迎の言葉です」
「みなさん、おはようございます。わたくし、副会長のサリヴァーンと申します」
サリヴァーン「えー、本日。会長のエルドリッチ君が体調不良でお休みのため、代わりにわたくしが歓迎の言葉を読ませていただきます」
男「……なんか、怖い人だな……」
アオニート「あぁ、その感じは間違ってないかもな。実際、生徒会のエルドリッチ先輩とサリヴァーン先輩、書記のマクダネル先輩は、何かと黒いうわさがあるからなぁ……」
アオニート「――あっ、このことはあんまり口にしないほうがいいぜ? どこでだれに聞かれてるかわからないからな……」
男「う、うん……気を付けるよ……」
サリヴァーン「――以上をもって、歓迎の言葉とします」
「えー、サリヴァーンさん、ありがとうございました。……それでは続きまして――」
――――――
――――
――
男「…………終わった……」
男「……なんていうか、生きてる気がしねぇ……」
アオニート「おーい、男。早く教室行こうぜ」
男「えっ、あ、あぁ、うん……」オズオズ
男(とりあえず、今はおとなしくしておこう……。残念ながら夢じゃないみたいだし……、隙をみて帰らないと……――。しかし、ここどこなんだろう。なんかものすごい景色が外に広がってる気がするけど、気のせいだよね。俺、帰れる――)
ドンッ‼
男「――うわっ!!」ドサッ
「――きゃっ」
男「ごっ、ごめんなさいっ! 俺、ぼーっとしてて――っ!」
「――いえ、こちらこそごめんなさい。お怪我はありませんか……?」ニッコリ
男「――っ。……い、いえ、全然……大丈夫です……」
男(すごい……綺麗で大きな人だな……身長2メートルぐらいあるんじゃないか……? ……別のとこも、すごく……大きい……)
「それならよかったです。……新入生の人ですか? ――あっ、失礼しました。私の名はグヴィネヴィアと言います。……あなたは?」ニッコリ
男「あっ、えっと……お、男……と、いいます……」オドオド
グヴィネヴィア「ふふっ、男くんですね。覚えておきます。――あっ、いけない用事があるんでした……。それでは、男くん……また会えるといいですね?」ニッコリ
男「は…………はい……こちらこそ…………」
「えー続きまして、生徒会長から歓迎の言葉です」
「みなさん、おはようございます。わたくし、副会長のサリヴァーンと申します」
サリヴァーン「えー、本日。会長のエルドリッチ君が体調不良でお休みのため、代わりにわたくしが歓迎の言葉を読ませていただきます」
男「……なんか、怖い人だな……」
アオニート「あぁ、その感じは間違ってないかもな。実際、生徒会のエルドリッチ先輩とサリヴァーン先輩、書記のマクダネル先輩は、何かと黒いうわさがあるからなぁ……」
アオニート「――あっ、このことはあんまり口にしないほうがいいぜ? どこでだれに聞かれてるかわからないからな……」
男「う、うん……気を付けるよ……」
サリヴァーン「――以上をもって、歓迎の言葉とします」
「えー、サリヴァーンさん、ありがとうございました。……それでは続きまして――」
――――――
――――
――
男「…………終わった……」
男「……なんていうか、生きてる気がしねぇ……」
アオニート「おーい、男。早く教室行こうぜ」
男「えっ、あ、あぁ、うん……」オズオズ
男(とりあえず、今はおとなしくしておこう……。残念ながら夢じゃないみたいだし……、隙をみて帰らないと……――。しかし、ここどこなんだろう。なんかものすごい景色が外に広がってる気がするけど、気のせいだよね。俺、帰れる――)
ドンッ‼
男「――うわっ!!」ドサッ
「――きゃっ」
男「ごっ、ごめんなさいっ! 俺、ぼーっとしてて――っ!」
「――いえ、こちらこそごめんなさい。お怪我はありませんか……?」ニッコリ
男「――っ。……い、いえ、全然……大丈夫です……」
男(すごい……綺麗で大きな人だな……身長2メートルぐらいあるんじゃないか……? ……別のとこも、すごく……大きい……)
「それならよかったです。……新入生の人ですか? ――あっ、失礼しました。私の名はグヴィネヴィアと言います。……あなたは?」ニッコリ
男「あっ、えっと……お、男……と、いいます……」オドオド
グヴィネヴィア「ふふっ、男くんですね。覚えておきます。――あっ、いけない用事があるんでした……。それでは、男くん……また会えるといいですね?」ニッコリ
男「は…………はい……こちらこそ…………」
11:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/15(金) 14:04:58.23 :2hNvDMl00
男「………………」ボー
アオニート「――おいッ! 男っ!」
男「――っ! な、なにっ? どうしたの!?」
アオニート「お、お前……グヴィネヴィア先輩と知り合いなのかッ!!?」ガシッ
男「え、えっ!?? い、いやぁ違うよ! 今ぼーっとしてたら、ぶつかっちゃって……」
アオニート「マジかよっ!? いいなぁ、羨ましいぜ……」
男「えっと……さっきの人って、そんな有名な人なの?」
アオニート「はぁ!? 当たり前だろ?? いくら他所から来たって言っても、グヴィネヴィア先輩ぐらいは知ってろよっ!」
男「あ、あぁ……うん、ごめん……」
アオニート「あの美貌……。あの物腰の柔らかさ……。そしておっぱいっ! いやぁ、たまんねぇよ……」
男「……たしかに……」ボソッ
アオニート「――まぁ、だから。校内外問わず、ファンクラブがあるらしいぜ」
男「へ、へぇ……すごいね……」
アオニート「校外のことは知らないが……。――あぁ、噂をすれば……。おい、アレ見てみろよ」
男「え? あ、……あれは……?」
アオニート「グヴィネヴィアファンクラブの、ナンバー2と3……。オーンスタイン先輩とスモウ先輩だ……」
男「あ、あれが…………。す、すごい迫力だね……。――……って、あれ? ね、ねぇ、こっちに向かってきてない??」
アオニート「…………俺、先に教室で待ってるからよ。じゃなっ!」ダッシュ
男「えっ? えっ?? ちょ、ちょっと――」
ガシッ
男「――っ!!」ビクゥッ‼
オーンスタイン「おう新入生。ちょっと話聞いてもいいか……?」ギロッ
男「は、はいぃ……」ビクビク
スモウ「お前、今、グヴィネヴィア様に、ぶつかった、か?」
男「あ、いや……あの……不可抗力と言いますか……。ちょ、ちょっと考え事をしてまして……」ガクガク
オーンスタイン「へぇ、考え事してたら、グヴィネヴィア様にぶつかっても許されるのか? そうじゃないよなぁ?」
男「あっ、いや……ボク、あの、全然知らなくて……」
スモウ「新入生、だからって、許せる、ことと、許せないことが、ある」
男「………………」ボー
アオニート「――おいッ! 男っ!」
男「――っ! な、なにっ? どうしたの!?」
アオニート「お、お前……グヴィネヴィア先輩と知り合いなのかッ!!?」ガシッ
男「え、えっ!?? い、いやぁ違うよ! 今ぼーっとしてたら、ぶつかっちゃって……」
アオニート「マジかよっ!? いいなぁ、羨ましいぜ……」
男「えっと……さっきの人って、そんな有名な人なの?」
アオニート「はぁ!? 当たり前だろ?? いくら他所から来たって言っても、グヴィネヴィア先輩ぐらいは知ってろよっ!」
男「あ、あぁ……うん、ごめん……」
アオニート「あの美貌……。あの物腰の柔らかさ……。そしておっぱいっ! いやぁ、たまんねぇよ……」
男「……たしかに……」ボソッ
アオニート「――まぁ、だから。校内外問わず、ファンクラブがあるらしいぜ」
男「へ、へぇ……すごいね……」
アオニート「校外のことは知らないが……。――あぁ、噂をすれば……。おい、アレ見てみろよ」
男「え? あ、……あれは……?」
アオニート「グヴィネヴィアファンクラブの、ナンバー2と3……。オーンスタイン先輩とスモウ先輩だ……」
男「あ、あれが…………。す、すごい迫力だね……。――……って、あれ? ね、ねぇ、こっちに向かってきてない??」
アオニート「…………俺、先に教室で待ってるからよ。じゃなっ!」ダッシュ
男「えっ? えっ?? ちょ、ちょっと――」
ガシッ
男「――っ!!」ビクゥッ‼
オーンスタイン「おう新入生。ちょっと話聞いてもいいか……?」ギロッ
男「は、はいぃ……」ビクビク
スモウ「お前、今、グヴィネヴィア様に、ぶつかった、か?」
男「あ、いや……あの……不可抗力と言いますか……。ちょ、ちょっと考え事をしてまして……」ガクガク
オーンスタイン「へぇ、考え事してたら、グヴィネヴィア様にぶつかっても許されるのか? そうじゃないよなぁ?」
男「あっ、いや……ボク、あの、全然知らなくて……」
スモウ「新入生、だからって、許せる、ことと、許せないことが、ある」
17:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/15(金) 19:34:40.81 :2hNvDMl00
男「そ、そんな……っ!」
オーンスタイン「――さて、ここじゃ場所も悪いし……移動するか」グイッ
男「えっ、あの、どこに行くんですか……?」
スモウ「黙って、ついて、こい」ドンッ
男「うわぁっ!」
男「――……あぁ、もうダメだ……。きっとあの槍で刺されて、でっかいハンマーでつぶされちゃうんだ……。あぁ、どうしてこんなことに……。俺が悪いのかな……俺、何かしたっけかな……。あれかな……、燃えるゴミの日にペットボトル出しちゃったからかな……あはは……ついてねぇ……――」ブツブツ
オーンスタイン「ふんっ、情けない野郎だ。……まぁ、見せしめになってくれや。物のついでだ、この学校のルールを体に教え込んでやる」
男「…………………………」ブツブツ
スモウ「なにか、言い残すこと、あるか」
男「…………あぁ……。――そうだ、お二人はどっちがナンバー2で、どっちがナンバー3なんですか? ……なーんて……」アハハ…
オーンスタイン「あぁ? 決まってんだろ。俺が会員ナンバー2だっ!」ドヤッ
スモウ「違う、俺、2番」
男「……えっ?」
オーンスタイン「あぁっ?」ギロッ
スモウ「なんだよ」ドンッ
オーンスタイン「おうおうおうおう、クソデブが調子乗ってんじゃねぇぞ? てめぇがナンバー2なわけがねぇだろ?」
スモウ「黙れ、弱っちい、攻撃しか、できない、くせに」
オーンスタイン「うるせぇよ。俺はおめぇみてぇな脳筋野郎とは違うんだよ」
スモウ「雑魚」
オーンスタイン「――っ! よーし分かったいい度胸だ。……今、ここでどっちがナンバー2だか決めようじゃねぇかっ!」スッ
スモウ「望む、ところ」ドンッ
男「………………」
男(――えっ、戦うのこの二人?? 大丈夫だよね。巻き添え食らって死んだりしないよね。ってか、この人たちにとっての命って、軽すぎやしないか……。……とりあえず、逃げたいけど……いや、でも、刺されるかもしれないし……。あぁ、どうしよう……――)
「――おいっ! そこで何をやっているっ!!」
オーンスタイン「……チッ。邪魔が入ったな……」
スモウ「これは、厄介」
男「そ、そんな……っ!」
オーンスタイン「――さて、ここじゃ場所も悪いし……移動するか」グイッ
男「えっ、あの、どこに行くんですか……?」
スモウ「黙って、ついて、こい」ドンッ
男「うわぁっ!」
男「――……あぁ、もうダメだ……。きっとあの槍で刺されて、でっかいハンマーでつぶされちゃうんだ……。あぁ、どうしてこんなことに……。俺が悪いのかな……俺、何かしたっけかな……。あれかな……、燃えるゴミの日にペットボトル出しちゃったからかな……あはは……ついてねぇ……――」ブツブツ
オーンスタイン「ふんっ、情けない野郎だ。……まぁ、見せしめになってくれや。物のついでだ、この学校のルールを体に教え込んでやる」
男「…………………………」ブツブツ
スモウ「なにか、言い残すこと、あるか」
男「…………あぁ……。――そうだ、お二人はどっちがナンバー2で、どっちがナンバー3なんですか? ……なーんて……」アハハ…
オーンスタイン「あぁ? 決まってんだろ。俺が会員ナンバー2だっ!」ドヤッ
スモウ「違う、俺、2番」
男「……えっ?」
オーンスタイン「あぁっ?」ギロッ
スモウ「なんだよ」ドンッ
オーンスタイン「おうおうおうおう、クソデブが調子乗ってんじゃねぇぞ? てめぇがナンバー2なわけがねぇだろ?」
スモウ「黙れ、弱っちい、攻撃しか、できない、くせに」
オーンスタイン「うるせぇよ。俺はおめぇみてぇな脳筋野郎とは違うんだよ」
スモウ「雑魚」
オーンスタイン「――っ! よーし分かったいい度胸だ。……今、ここでどっちがナンバー2だか決めようじゃねぇかっ!」スッ
スモウ「望む、ところ」ドンッ
男「………………」
男(――えっ、戦うのこの二人?? 大丈夫だよね。巻き添え食らって死んだりしないよね。ってか、この人たちにとっての命って、軽すぎやしないか……。……とりあえず、逃げたいけど……いや、でも、刺されるかもしれないし……。あぁ、どうしよう……――)
「――おいっ! そこで何をやっているっ!!」
オーンスタイン「……チッ。邪魔が入ったな……」
スモウ「これは、厄介」
19:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/15(金) 20:02:33.73 :2hNvDMl00
「オーンスタインとスモウ……。またお前たち二人かっ! 今日という今日は……――」
オーンスタイン「――しょうがねぇ、引くぞ」
スモウ「勝負、お預け」
オーンスタイン「――おいっ、新入生っ!!」
男「は、はいぃっ!」ビクッ‼
オーンスタイン「今回は見逃してやるが……次はねぇからな。覚悟しておけよ」
男「あ、ありがとうございます……」
ダッダッダ…
「――待てっ! ……チッ、逃げ足の速い……」
「……ん? あぁ、新入生か……。今回は災難だったな……」
男「あ、あはは…………」
「……だけど、勘違いしないでくれ。あいつらが少し特殊なだけで、いい学校なんだ」ニコッ
男「あ、いや……。大丈夫です……」
男(女の人だ……。少し、男勝りな感じだけど……、きれいな人だな……)
グウィンドリン「私は、二年風紀委員のグウィンドリンだ。……君の名前は?」
男「あ、男って、言います……」
グウィンドリン「男……? ――あぁ、そういえばさっき姉さんが言ってたのは君か」
男「お、お姉さん……ですか??」
グウィンドリン「ん、知らないのか? ははっ、逆に珍しいな。……三年生のグヴィネヴィアは私の姉なんだ。さっき会ったんだろう?」
男「――あっ! そ、そうだったんですか……!」
グウィンドリン「あぁ……。なんだろうな、君とは長い付き合いになりそうだ」
グウィンドリン「――それにしても、何も武器を持っていないなんて……。君は相当腕に自信があるんだなっ!」
男「へっ!? い、いやっ、そ、そういうわけでは――」
グウィンドリン「まぁまぁ……。どうだ? よかったら君も風紀委員に入らないか? 歓迎するぞっ」
男「あっ、えっと……。か、考えておきます……」
グウィンドリン「そうだな。――さて、そろそろ教室に行かないと遅れてしまうぞ」
男「えっ? あぁっ! そ、それじゃ、ぐうぃんどりんさん。ありがとうございましたっ!」
グウィンドリン「あぁ、君も気を付けるんだぞ」
「オーンスタインとスモウ……。またお前たち二人かっ! 今日という今日は……――」
オーンスタイン「――しょうがねぇ、引くぞ」
スモウ「勝負、お預け」
オーンスタイン「――おいっ、新入生っ!!」
男「は、はいぃっ!」ビクッ‼
オーンスタイン「今回は見逃してやるが……次はねぇからな。覚悟しておけよ」
男「あ、ありがとうございます……」
ダッダッダ…
「――待てっ! ……チッ、逃げ足の速い……」
「……ん? あぁ、新入生か……。今回は災難だったな……」
男「あ、あはは…………」
「……だけど、勘違いしないでくれ。あいつらが少し特殊なだけで、いい学校なんだ」ニコッ
男「あ、いや……。大丈夫です……」
男(女の人だ……。少し、男勝りな感じだけど……、きれいな人だな……)
グウィンドリン「私は、二年風紀委員のグウィンドリンだ。……君の名前は?」
男「あ、男って、言います……」
グウィンドリン「男……? ――あぁ、そういえばさっき姉さんが言ってたのは君か」
男「お、お姉さん……ですか??」
グウィンドリン「ん、知らないのか? ははっ、逆に珍しいな。……三年生のグヴィネヴィアは私の姉なんだ。さっき会ったんだろう?」
男「――あっ! そ、そうだったんですか……!」
グウィンドリン「あぁ……。なんだろうな、君とは長い付き合いになりそうだ」
グウィンドリン「――それにしても、何も武器を持っていないなんて……。君は相当腕に自信があるんだなっ!」
男「へっ!? い、いやっ、そ、そういうわけでは――」
グウィンドリン「まぁまぁ……。どうだ? よかったら君も風紀委員に入らないか? 歓迎するぞっ」
男「あっ、えっと……。か、考えておきます……」
グウィンドリン「そうだな。――さて、そろそろ教室に行かないと遅れてしまうぞ」
男「えっ? あぁっ! そ、それじゃ、ぐうぃんどりんさん。ありがとうございましたっ!」
グウィンドリン「あぁ、君も気を付けるんだぞ」
30:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/16(土) 15:54:41.45 :HMFUbgU00
男「――……って、ぐうぃん……なんとかさんと別れたはいいけど……。そもそも俺、どこが自分の教室なのかもわからないんだけど……」
男「うーん…………」ウロウロ
男「……あれっ?」
「………………」ウロウロ
男「……あの、フード被った人……。入学式の時に同じ列に座ってた人だよな……? ――ってことは、あの人に聞けば、自分の教室がわかるかもしれない……!」
男「……よしっ」
男「――……あ、あのー?」
「………………っ!!」ビクッ
男「あ、あっ、ごめんなさい。えっと、たぶん同じクラスの人ですよね……?? 俺……ちょっと、自分の教室がわからなくなっちゃって……」
「………………っ」アセアセ
男「………………?」
「………………!」バタバタ
男「………………??」
男(人見知りな人だったのかな……?? まぁ、鎧着た人たちよりかは、安心するけど……。……しかし、そんなローブみたいので右往左往してたら――)
ガッ‼
「………………っ!」
男「――危ないッ!!」
ガシッ
ドンガラガッシャーン‼
男「……いてて……。――あ、あはは、大丈夫だった?」
「………………」カァアア
「――……ロザリアさーん……、どこいったの―……? ――……えっ?」パチクリ
「――っ!! ちょ、ちょっとっ! あなた、ロザリアさんに何してるんですかっ!!」
男「へっ!? ――い、いいいいいやいや、違うんですっ!! じ、事故なんですっ!」
「い、いくらロザリアさんが、無口で人見知りだからって……! そんな破廉恥なっ! ……ふ、風紀委員の兄様に言いつけますからねっ!」ビシッ
男「ま、待ってくださいっ! ほ、本当に誤解なんですっ!!」
「いいや、待ちませんっ! ほらっ、ロザリアさん……。――……えっ? 違う……勘違い?」
男「――……って、ぐうぃん……なんとかさんと別れたはいいけど……。そもそも俺、どこが自分の教室なのかもわからないんだけど……」
男「うーん…………」ウロウロ
男「……あれっ?」
「………………」ウロウロ
男「……あの、フード被った人……。入学式の時に同じ列に座ってた人だよな……? ――ってことは、あの人に聞けば、自分の教室がわかるかもしれない……!」
男「……よしっ」
男「――……あ、あのー?」
「………………っ!!」ビクッ
男「あ、あっ、ごめんなさい。えっと、たぶん同じクラスの人ですよね……?? 俺……ちょっと、自分の教室がわからなくなっちゃって……」
「………………っ」アセアセ
男「………………?」
「………………!」バタバタ
男「………………??」
男(人見知りな人だったのかな……?? まぁ、鎧着た人たちよりかは、安心するけど……。……しかし、そんなローブみたいので右往左往してたら――)
ガッ‼
「………………っ!」
男「――危ないッ!!」
ガシッ
ドンガラガッシャーン‼
男「……いてて……。――あ、あはは、大丈夫だった?」
「………………」カァアア
「――……ロザリアさーん……、どこいったの―……? ――……えっ?」パチクリ
「――っ!! ちょ、ちょっとっ! あなた、ロザリアさんに何してるんですかっ!!」
男「へっ!? ――い、いいいいいやいや、違うんですっ!! じ、事故なんですっ!」
「い、いくらロザリアさんが、無口で人見知りだからって……! そんな破廉恥なっ! ……ふ、風紀委員の兄様に言いつけますからねっ!」ビシッ
男「ま、待ってくださいっ! ほ、本当に誤解なんですっ!!」
「いいや、待ちませんっ! ほらっ、ロザリアさん……。――……えっ? 違う……勘違い?」
33:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/16(土) 22:31:49.24 :HMFUbgU00
「――本当にすみませんでしたっ!!」
男「い、いやっ、そんな気にしないでくださいっ! 紛らわしかったのは事実ですし……」
ヨルシカ「申し遅れました。私の名はヨルシカと申します。――こちらは従妹のロザリアさん。すごく恥ずかしがり屋さんなんですけど、どうか仲良くしてください……」
ロザリア「………………っ」ペコリッ
男「そうなんだ……。さっきはごめんなさい。怖がらせちゃったよね……」
ロザリア「………………っ!」ブンブンッ
男「あははっ、許してくれるの? ありがとう」ニッコリ
ロザリア「………………」カァアア
男(やっと、話の通じそうな人に会えた……)
ヨルシカ「ふふっ、とても優しい方なんですね。……こんな方を暴漢と間違えてしまうなんて……」
男「ほ、本当に気にしないでください。……すごく仲がいいんですね」
ヨルシカ「まぁ、姉妹みたいなものですから……」ニコッ
ヨルシカ「――しかし、見たことのない不思議な装備ですね……。武器も持ってないなんて……、とても勇敢な方なのですねっ」
男「あ、あはは…………。…………そんな変なのか……これ…………」ボソッ
ヨルシカ「あっ……もうこんな時間ですね……。男さんも同じクラスなのでしょう? 行きましょうか」
男「あ、はい! ついていきます……」
――――――
――――
――
アオニート「――よぉっ! 遅かったな」
男「あ、アオニートくん……っ。さっきは――っ!」
アオニート「――おっと! 誰が風紀委員のキアラン先輩に報告したと思ってるんだ? えぇ??」
男「え……? あ、アオニートくんが呼んでくれたの?」
アオニート「へへっ、まぁな。二人つかまったっていいことないしな」
男「あ……ありがとう……」
アオニート「いいってことよ。ほら、早く席つけよ」
男「う、うん……」
「――本当にすみませんでしたっ!!」
男「い、いやっ、そんな気にしないでくださいっ! 紛らわしかったのは事実ですし……」
ヨルシカ「申し遅れました。私の名はヨルシカと申します。――こちらは従妹のロザリアさん。すごく恥ずかしがり屋さんなんですけど、どうか仲良くしてください……」
ロザリア「………………っ」ペコリッ
男「そうなんだ……。さっきはごめんなさい。怖がらせちゃったよね……」
ロザリア「………………っ!」ブンブンッ
男「あははっ、許してくれるの? ありがとう」ニッコリ
ロザリア「………………」カァアア
男(やっと、話の通じそうな人に会えた……)
ヨルシカ「ふふっ、とても優しい方なんですね。……こんな方を暴漢と間違えてしまうなんて……」
男「ほ、本当に気にしないでください。……すごく仲がいいんですね」
ヨルシカ「まぁ、姉妹みたいなものですから……」ニコッ
ヨルシカ「――しかし、見たことのない不思議な装備ですね……。武器も持ってないなんて……、とても勇敢な方なのですねっ」
男「あ、あはは…………。…………そんな変なのか……これ…………」ボソッ
ヨルシカ「あっ……もうこんな時間ですね……。男さんも同じクラスなのでしょう? 行きましょうか」
男「あ、はい! ついていきます……」
――――――
――――
――
アオニート「――よぉっ! 遅かったな」
男「あ、アオニートくん……っ。さっきは――っ!」
アオニート「――おっと! 誰が風紀委員のキアラン先輩に報告したと思ってるんだ? えぇ??」
男「え……? あ、アオニートくんが呼んでくれたの?」
アオニート「へへっ、まぁな。二人つかまったっていいことないしな」
男「あ……ありがとう……」
アオニート「いいってことよ。ほら、早く席つけよ」
男「う、うん……」
38:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/17(日) 17:23:14.80 :pYb1Ple10
男(――ってか……。俺の席あるのか……? これ、さすがにいよいよ気づかれるんじゃないのか……)
男(そしたらどうなるんだろう。俺、殺されちゃうのかな……。やだなぁ……、死にたくねぇなぁ……)ブツブツ
ザワザワ…
アオニート「――しっかし、担任の先生は誰なんだろうなぁ……。気になるよなっ?」
男「えっ? あ、あぁ、そうだね……」
アオニート「俺的には、奇跡のレア先生だといいなぁ……」
男「き、奇跡……??」
男(奇跡のレア先生ってなんだよ……。奇跡って……、奇跡ってなんだ……?? 宗教的な何かなのか……? ここってそういうところなのか――??)
ザワザワ…
ガララッ‼
「はーい、席ついてーっ!」アハッ
シーン…
男「……どういうことなの……」ポカーン…
男(……なんで頭に麻袋かぶってるの……?)
アオニート「……クソッ……最悪だ……っ!!」ガンッ
男「えっ!?」
アオニート「あいつ……。――いや、アレは家庭科のミルドレット……」
男「か、家庭科の先生なんだ……」
アオニート「あぁ……だから包丁持ってるだろ?」
男「いや、俺の知ってる包丁と違う」
アオニート「ミルドレット先生は、独身をこじらせていてな……。いまや、参加する合コンで自分が気に入った相手が居れば、男はもちろん、女だろうが関係なく食おうと襲い掛かるんだ……」
男「へ、へぇ……」
アオニート「その所業からついたあだ名が『人食いミルドレット』。……気を付けろよ、男……。これは、やばい一年間になりそうだぜ……」
男「………………っ」ゴクッ
男(――ってか……。俺の席あるのか……? これ、さすがにいよいよ気づかれるんじゃないのか……)
男(そしたらどうなるんだろう。俺、殺されちゃうのかな……。やだなぁ……、死にたくねぇなぁ……)ブツブツ
ザワザワ…
アオニート「――しっかし、担任の先生は誰なんだろうなぁ……。気になるよなっ?」
男「えっ? あ、あぁ、そうだね……」
アオニート「俺的には、奇跡のレア先生だといいなぁ……」
男「き、奇跡……??」
男(奇跡のレア先生ってなんだよ……。奇跡って……、奇跡ってなんだ……?? 宗教的な何かなのか……? ここってそういうところなのか――??)
ザワザワ…
ガララッ‼
「はーい、席ついてーっ!」アハッ
シーン…
男「……どういうことなの……」ポカーン…
男(……なんで頭に麻袋かぶってるの……?)
アオニート「……クソッ……最悪だ……っ!!」ガンッ
男「えっ!?」
アオニート「あいつ……。――いや、アレは家庭科のミルドレット……」
男「か、家庭科の先生なんだ……」
アオニート「あぁ……だから包丁持ってるだろ?」
男「いや、俺の知ってる包丁と違う」
アオニート「ミルドレット先生は、独身をこじらせていてな……。いまや、参加する合コンで自分が気に入った相手が居れば、男はもちろん、女だろうが関係なく食おうと襲い掛かるんだ……」
男「へ、へぇ……」
アオニート「その所業からついたあだ名が『人食いミルドレット』。……気を付けろよ、男……。これは、やばい一年間になりそうだぜ……」
男「………………っ」ゴクッ
41:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/19(火) 23:34:13.32 :2Q5J4axr0
ミルドレット「――みんなーっ。はじめましてだよねぇ~っ?」キャハッ
シーン…
ミルドレット「私の名前は~……。――家庭科のミルドレットちゃんでーすっ!」キャピキャピ
シーン…
ミルドレット「今日から一年間、このクラスの担任を受け持つことになったから、よろしくねーっ!」
ミルドレット「好きな食べ物はぁ、お肉かなぁ~! えへへ、だからぁちょーっと肉食系っていわれることもあるんだけどぉ~……」テヘッ
シーン…
ミルドレット「私は、いま彼氏募集してるから……ねっ!」ウィンクッ
シーン…
男「………………キツイなぁ……」ボソッ
アオニート「……目を合わせるなよ……とにかく時間が過ぎ去るのを待つんだ……」
ミルドレット「…………ちっ……。――はぁーい、ではまずは……――」
――――――
――――
――
キーンコーンカーンコーン
男「……終わったぁ……」
男(しかし、まったく何も言われなかったけど、大丈夫なの? 何か言われそうでビクビクしてたけど、逆に何も言われないっていうのも、怖いな……。俺、こんなところの入学試験受けたつもりはないぞ……)
アオニート「――……ふぅ、ひとまずはやり過ごしたな……。で、今日はどこ行く?」
男「えっ?? 行くって……どこに?」
アオニート「いやほら、部活の見学とか、委員会の見学とかよ」
男「あ、あぁ……。ど、どうしようかな……」アハハ…
アオニート「ほら、どれに行くよ?」ピラッ
男「え、えぇっと…………」
男(……なんだこれ……、普通のに交じってよくわからないのがいっぱいあるな……。黒騎士部とか……、折れた直剣委員会とか…………)
男「――……あっ、飼育委員なんてあるんだ……」
アオニート「ん? なんだ、動物好きなのか?」
男「う、うん。動物って結構好きなんだよね……」
ミルドレット「――みんなーっ。はじめましてだよねぇ~っ?」キャハッ
シーン…
ミルドレット「私の名前は~……。――家庭科のミルドレットちゃんでーすっ!」キャピキャピ
シーン…
ミルドレット「今日から一年間、このクラスの担任を受け持つことになったから、よろしくねーっ!」
ミルドレット「好きな食べ物はぁ、お肉かなぁ~! えへへ、だからぁちょーっと肉食系っていわれることもあるんだけどぉ~……」テヘッ
シーン…
ミルドレット「私は、いま彼氏募集してるから……ねっ!」ウィンクッ
シーン…
男「………………キツイなぁ……」ボソッ
アオニート「……目を合わせるなよ……とにかく時間が過ぎ去るのを待つんだ……」
ミルドレット「…………ちっ……。――はぁーい、ではまずは……――」
――――――
――――
――
キーンコーンカーンコーン
男「……終わったぁ……」
男(しかし、まったく何も言われなかったけど、大丈夫なの? 何か言われそうでビクビクしてたけど、逆に何も言われないっていうのも、怖いな……。俺、こんなところの入学試験受けたつもりはないぞ……)
アオニート「――……ふぅ、ひとまずはやり過ごしたな……。で、今日はどこ行く?」
男「えっ?? 行くって……どこに?」
アオニート「いやほら、部活の見学とか、委員会の見学とかよ」
男「あ、あぁ……。ど、どうしようかな……」アハハ…
アオニート「ほら、どれに行くよ?」ピラッ
男「え、えぇっと…………」
男(……なんだこれ……、普通のに交じってよくわからないのがいっぱいあるな……。黒騎士部とか……、折れた直剣委員会とか…………)
男「――……あっ、飼育委員なんてあるんだ……」
アオニート「ん? なんだ、動物好きなのか?」
男「う、うん。動物って結構好きなんだよね……」
43:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/19(火) 23:50:52.48 :2Q5J4axr0
アオニート「ふぅーん……。じゃ、今日のところはそれにするか……。俺も、暇だし付き合うぜ」
男「あ、うん。ありがとう……」
ヨルシカ「……男さん?」
男「え? あ、あぁ、ヨルシカさんとロザリアさん……」
ロザリア「………………」ペコリッ
ヨルシカ「男さん達は、どこに見学に行くんですか?」
男「と、とりあえず、飼育委員を見に行ってみようかなって……。ヨルシカさん達もどこか行くの?」
ヨルシカ「飼育委員ですか……。やっぱり、とても勇気のある方なのですねっ!」
男「えっ?」
ヨルシカ「私は、兄様と同じ風紀委員に入ろうと思ってますので、ロザリアさんに付き合おうと思っています」
男「そっか、もう決まってるんだね」
ヨルシカ「えぇ……。――では、また明日お会いしましょう?」
男「う、うん……また明日……」
グイッ
男「んっ?」
ロザリア「………………」アセアセ
男「え……手紙??」
ロザリア「………………」ダッシュ
男「あ、あっ、ちょっと……っ!」
ヨルシカ「まぁ……っ! ふふっ、ロザリアさんからの友情の証みたいなものだと思いますよ?」
男「そ、そっか……。うれしいな……」
ヨルシカ「ロザリアさんが、自分からこういうことをするのはとても珍しいので……。ぜひ、仲良くしてあげてください」ニコッ
男「うん、そうするよ」
ヨルシカ「では、私はロザリアさんを追いかけますので、では……」
男「ま、またね……」
男「…………まぁ、いいことだよな……」
アオニート「――……男……お前、ヨルシカさんと仲いいのか……っ?」
男「えっ……? い、いや、仲がいいというか、ちょっと教室まで案内してもらったんだけど……」
アオニート「ふぅーん……。じゃ、今日のところはそれにするか……。俺も、暇だし付き合うぜ」
男「あ、うん。ありがとう……」
ヨルシカ「……男さん?」
男「え? あ、あぁ、ヨルシカさんとロザリアさん……」
ロザリア「………………」ペコリッ
ヨルシカ「男さん達は、どこに見学に行くんですか?」
男「と、とりあえず、飼育委員を見に行ってみようかなって……。ヨルシカさん達もどこか行くの?」
ヨルシカ「飼育委員ですか……。やっぱり、とても勇気のある方なのですねっ!」
男「えっ?」
ヨルシカ「私は、兄様と同じ風紀委員に入ろうと思ってますので、ロザリアさんに付き合おうと思っています」
男「そっか、もう決まってるんだね」
ヨルシカ「えぇ……。――では、また明日お会いしましょう?」
男「う、うん……また明日……」
グイッ
男「んっ?」
ロザリア「………………」アセアセ
男「え……手紙??」
ロザリア「………………」ダッシュ
男「あ、あっ、ちょっと……っ!」
ヨルシカ「まぁ……っ! ふふっ、ロザリアさんからの友情の証みたいなものだと思いますよ?」
男「そ、そっか……。うれしいな……」
ヨルシカ「ロザリアさんが、自分からこういうことをするのはとても珍しいので……。ぜひ、仲良くしてあげてください」ニコッ
男「うん、そうするよ」
ヨルシカ「では、私はロザリアさんを追いかけますので、では……」
男「ま、またね……」
男「…………まぁ、いいことだよな……」
アオニート「――……男……お前、ヨルシカさんと仲いいのか……っ?」
男「えっ……? い、いや、仲がいいというか、ちょっと教室まで案内してもらったんだけど……」
46:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/20(水) 00:09:49.55 :UwK0pO540
アオニート「はぁ……? お前、ヨルシカさんが誰の妹だか知ってるのか……?」
男「い、いや、知らないけど……」
アオニート「なんか、お前には縁があるみたいだが……。あの、グヴィネヴィアさんの妹なんだぜ?」
男「えっ!? あっ、そ、そうだったんだ……。たしかに、きれいな人だもんね……」
アオニート「助けてもらった時には、グウィンドリン先輩に助けてもらったんだろ?」
男「あ、うん……。そっか、確かにすごい偶然だね」
アオニート「かぁーっ! 羨ましいぜまったく……中学からの俺だって、まともに話したこともねぇのにさっ!」
男「あ、あはは……」
男(ってことは……、ヨルシカさんが兄が風紀委員とか言ってたし、グウィンドリンさんとは別にもう一人いるのか……。……それって――)
男「ヨルシカさん達って、(男一人女三人の)四人兄妹なんだねっ!」
アオニート「えっ? あぁ、(男二人女二人の)四人兄妹だな」
男「そっかぁ……。そのもう一人のお兄さんも見てみたいなぁ……」
アオニート「あー……。まあ、あの人はある意味伝説みたいな人だからなぁ……」
男「そうなのっ!!?」
アオニート「おう。……あのオーンスタイン先輩も、頭が上がらないらしいぜ……」
男「へ、へぇ……すごい人なんだなぁ……」
アオニート「――……さて、そいじゃ飼育委員に見学に行こうぜー」
男「うん、そうだねっ!」
――――――
――――
――
アオニート「――……えぇっと、ここらのはずなんだけどなぁ……」
「――あれ、君たち……。もしかして見学に来たのかい?」
男「あ、はいっ。そうなんです」
アルトリウス「いやー、うれしいなぁ。――あ、ボクは三年のアルトリウスって言うんだ。一応、飼育委員の委員長をやってるよ、よろしくね」
男「よ、よろしくお願いします……」
男(かっこいい鎧の人だなぁ……。――……って、もう、みんな鎧で居ることに違和感を感じなくなってきてるな……。でも、この人は優しそうな人だし、よかった……)
アオニート「はぁ……? お前、ヨルシカさんが誰の妹だか知ってるのか……?」
男「い、いや、知らないけど……」
アオニート「なんか、お前には縁があるみたいだが……。あの、グヴィネヴィアさんの妹なんだぜ?」
男「えっ!? あっ、そ、そうだったんだ……。たしかに、きれいな人だもんね……」
アオニート「助けてもらった時には、グウィンドリン先輩に助けてもらったんだろ?」
男「あ、うん……。そっか、確かにすごい偶然だね」
アオニート「かぁーっ! 羨ましいぜまったく……中学からの俺だって、まともに話したこともねぇのにさっ!」
男「あ、あはは……」
男(ってことは……、ヨルシカさんが兄が風紀委員とか言ってたし、グウィンドリンさんとは別にもう一人いるのか……。……それって――)
男「ヨルシカさん達って、(男一人女三人の)四人兄妹なんだねっ!」
アオニート「えっ? あぁ、(男二人女二人の)四人兄妹だな」
男「そっかぁ……。そのもう一人のお兄さんも見てみたいなぁ……」
アオニート「あー……。まあ、あの人はある意味伝説みたいな人だからなぁ……」
男「そうなのっ!!?」
アオニート「おう。……あのオーンスタイン先輩も、頭が上がらないらしいぜ……」
男「へ、へぇ……すごい人なんだなぁ……」
アオニート「――……さて、そいじゃ飼育委員に見学に行こうぜー」
男「うん、そうだねっ!」
――――――
――――
――
アオニート「――……えぇっと、ここらのはずなんだけどなぁ……」
「――あれ、君たち……。もしかして見学に来たのかい?」
男「あ、はいっ。そうなんです」
アルトリウス「いやー、うれしいなぁ。――あ、ボクは三年のアルトリウスって言うんだ。一応、飼育委員の委員長をやってるよ、よろしくね」
男「よ、よろしくお願いします……」
男(かっこいい鎧の人だなぁ……。――……って、もう、みんな鎧で居ることに違和感を感じなくなってきてるな……。でも、この人は優しそうな人だし、よかった……)
51:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/20(水) 20:18:27.67 :UwK0pO540
そういや、ダークソウル2のDLCやってなかった。
アルトリウス「いやいや、全然新入生来てくれなかったから、どうしようかなーと思ってたところなんだよね」アハハ…
男「そうなんですか……。それで、どんなのを飼育してるんですか?」
アルトリウス「まあ、そんな珍しいものはないよ……。――あぁ、しいて言えば竜が居ることぐらいかな。中学じゃ飼えないもんね?」
男「り……りゅう……??」
男(……りゅう……リュウ………………竜?? い、いや、聞き間違えだよな……)
アオニート「――あぁ、アルトリウス先輩。こいつ、高校から入ったやつなんで知らないんですよ」
アルトリウス「あっ、そうなんだ。へぇー珍しいねぇ……」
アルトリウス「――まぁ、興味があるなら見ていきなよ。案内するからさ」
男「あっ……、お願いします……」
アルトリウス「ははっ、そんなに怖がらなくてもいいよ。一年生に竜の世話はやらせないからさ。……ほら、ここには小動物をまとめてるんだ。一年生はまずここからかな」
男「小動物ですかぁ……」
男(前半部分は聞かなかったことにしよう……)
ガチャ…
男「」
アオニート「――ん? おー、さすが高校になると違うもんだなぁ……」
アルトリウス「まぁ、ちょっと大きくなりすぎたとこもあるけどね……。――ん、男くん? どうかしたかい?」
男「……あ、いや…………なんでも…………ないです……」
男(でかいでかいでかいでかいでかい……。あれ、ネズミなのか!? 突然変異にもほどがあるだろぉおお……)
男(いや、ダメだって、どっちかと言えばこっちが捕食対象だよ……。ヤバいよ、これヤバいって……)
アオニート「――おいっ! ……どうかしたのか?」
男「あ、あああああああぁ……。ちょ、ちょっとネズミが……」
アルトリウス「あれ、ネズミ嫌いだったのか……。じゃあ、そっちに猫が居るけど……」
男「ね、猫ですかっ! い、いいですね!!」
男(――あれ、待てよ……。まさか、化け猫みたいなやつじゃないよな……)
アルトリウス「ははっ、猫好きなんだねー」アハハッ
そういや、ダークソウル2のDLCやってなかった。
アルトリウス「いやいや、全然新入生来てくれなかったから、どうしようかなーと思ってたところなんだよね」アハハ…
男「そうなんですか……。それで、どんなのを飼育してるんですか?」
アルトリウス「まあ、そんな珍しいものはないよ……。――あぁ、しいて言えば竜が居ることぐらいかな。中学じゃ飼えないもんね?」
男「り……りゅう……??」
男(……りゅう……リュウ………………竜?? い、いや、聞き間違えだよな……)
アオニート「――あぁ、アルトリウス先輩。こいつ、高校から入ったやつなんで知らないんですよ」
アルトリウス「あっ、そうなんだ。へぇー珍しいねぇ……」
アルトリウス「――まぁ、興味があるなら見ていきなよ。案内するからさ」
男「あっ……、お願いします……」
アルトリウス「ははっ、そんなに怖がらなくてもいいよ。一年生に竜の世話はやらせないからさ。……ほら、ここには小動物をまとめてるんだ。一年生はまずここからかな」
男「小動物ですかぁ……」
男(前半部分は聞かなかったことにしよう……)
ガチャ…
男「」
アオニート「――ん? おー、さすが高校になると違うもんだなぁ……」
アルトリウス「まぁ、ちょっと大きくなりすぎたとこもあるけどね……。――ん、男くん? どうかしたかい?」
男「……あ、いや…………なんでも…………ないです……」
男(でかいでかいでかいでかいでかい……。あれ、ネズミなのか!? 突然変異にもほどがあるだろぉおお……)
男(いや、ダメだって、どっちかと言えばこっちが捕食対象だよ……。ヤバいよ、これヤバいって……)
アオニート「――おいっ! ……どうかしたのか?」
男「あ、あああああああぁ……。ちょ、ちょっとネズミが……」
アルトリウス「あれ、ネズミ嫌いだったのか……。じゃあ、そっちに猫が居るけど……」
男「ね、猫ですかっ! い、いいですね!!」
男(――あれ、待てよ……。まさか、化け猫みたいなやつじゃないよな……)
アルトリウス「ははっ、猫好きなんだねー」アハハッ
53:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/20(水) 21:04:13.85 :UwK0pO540
ニャーン…
アルトリウス「――ほらっ」
男「あっ…………猫だ…………」ホッ
男「わぁ……かわいいなぁ……」ナデナデ
「おい、アルトリウス……これはなんだい? 私たちは見世物じゃあないんだよ」
男「えっ?」キョロキョロ
アルトリウス「まぁまぁ、そういわないでよアルヴィナ……。ほら、この子新入生なんだ。猫が好きなんだってさ」
アオニート「おぉー。二匹もいるのか……。よかったな、男」
男「えっ? もう一匹は――」
アルヴィナ「ふんっ、それがなんだってんだい? はぁ……まったく……」
男「」
男(しゃべってる……。えっ、嘘だよな……。猫がしゃべってる……。てか、でけぇ……)
「――……あら、もう私には興味が無くなったのかしら?」
男「えっ……?」
シャラゴア「私は、シャラゴアっていうのよ。……ふふっ、あなた、いい匂いね」ゴロゴロ
男「」
男「………………」
男「………………」スクッ
男「………………」スタスタ
アオニート「お、おいっ、男! どこ行くんだよ――……」
ガチャ
バタン
男「…………夢かっ。……そうだよな、それ以外に考えられないよ。……このネズミたちも、ちょっと大きくなりすぎちゃっただけなんだよな。ネズミに罪はない――」
「……ん? おい人間、腹が空いたぞ。早く余に食べ物を持ってこい」
男「………………――」フラッ
バタッ…
ニャーン…
アルトリウス「――ほらっ」
男「あっ…………猫だ…………」ホッ
男「わぁ……かわいいなぁ……」ナデナデ
「おい、アルトリウス……これはなんだい? 私たちは見世物じゃあないんだよ」
男「えっ?」キョロキョロ
アルトリウス「まぁまぁ、そういわないでよアルヴィナ……。ほら、この子新入生なんだ。猫が好きなんだってさ」
アオニート「おぉー。二匹もいるのか……。よかったな、男」
男「えっ? もう一匹は――」
アルヴィナ「ふんっ、それがなんだってんだい? はぁ……まったく……」
男「」
男(しゃべってる……。えっ、嘘だよな……。猫がしゃべってる……。てか、でけぇ……)
「――……あら、もう私には興味が無くなったのかしら?」
男「えっ……?」
シャラゴア「私は、シャラゴアっていうのよ。……ふふっ、あなた、いい匂いね」ゴロゴロ
男「」
男「………………」
男「………………」スクッ
男「………………」スタスタ
アオニート「お、おいっ、男! どこ行くんだよ――……」
ガチャ
バタン
男「…………夢かっ。……そうだよな、それ以外に考えられないよ。……このネズミたちも、ちょっと大きくなりすぎちゃっただけなんだよな。ネズミに罪はない――」
「……ん? おい人間、腹が空いたぞ。早く余に食べ物を持ってこい」
男「………………――」フラッ
バタッ…
58:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/22(金) 20:04:01.39 :CLe4MJfM0
――
――――
――――――
男(――……なんだか、いい匂いがする……)
男(……すごく、落ち着くなぁ……)
男(ずっと、寝ていたい気分だ……。……って、あれ、なんで、俺は、寝てるんだっけ……?)
男「……ネズミ……」ボソッ
「――……あっ、男くん……目が覚めましたか?」
男「えっ……?」ボーッ
男(……この大きなかたまりは……――)
グヴィネヴィア「ふふっ、また会いましたね」ニッコリ
男「――っ! ぐ、グヴィネヴィアさんっ!!? ど、どうして……っ。――って、ここは……!!?」キョロキョロ
グヴィネヴィア「ここは保健室ですよ。でも、ビックリしました……。アルトリウスくんが、急に倒れたって言って担いできたんですから」
男「あ、あぁ……そっか……。……で、でもどうして、グヴィネヴィアさんが……?」
グヴィネヴィア「私は保健委員ですから」ニコッ
男「な、なるほど……」
グヴィネヴィア「……しかし、いったい何があったんですか? 急に倒れたというのは……」
男「い、いやぁ……なんて言えばいいんでしょう……。……いろいろ、いっぱいになっちゃって…………」ハァ…
グヴィネヴィア「…………? ――まぁ、初めてのことだらけで心配ですよね。……ゆっくり慣れていけば大丈夫ですよ」フフッ
男「……そうですね。……ははっ、グヴィネヴィアさんが保健室に居たら、みんな怪我して保健室にきちゃいそうですね」
グヴィネヴィア「……よくわかりましたね」ビックリ
男「えっ?」
グヴィネヴィア「……そうなんですよ。私の当番の日になると、急に怪我人が……。だから、普段はやらないんですけど、今日は偶然でした」
男「へ、へぇ……」
グヴィネヴィア「偶然……。ふふっ、これは、運命だったりするのかもしれませんね?」ニコッ
男「…………えっ??」カァアア
ガララッ
アオニート「し、失礼しますっ!! お、男くんの友達のアオニートですっ!」
――
――――
――――――
男(――……なんだか、いい匂いがする……)
男(……すごく、落ち着くなぁ……)
男(ずっと、寝ていたい気分だ……。……って、あれ、なんで、俺は、寝てるんだっけ……?)
男「……ネズミ……」ボソッ
「――……あっ、男くん……目が覚めましたか?」
男「えっ……?」ボーッ
男(……この大きなかたまりは……――)
グヴィネヴィア「ふふっ、また会いましたね」ニッコリ
男「――っ! ぐ、グヴィネヴィアさんっ!!? ど、どうして……っ。――って、ここは……!!?」キョロキョロ
グヴィネヴィア「ここは保健室ですよ。でも、ビックリしました……。アルトリウスくんが、急に倒れたって言って担いできたんですから」
男「あ、あぁ……そっか……。……で、でもどうして、グヴィネヴィアさんが……?」
グヴィネヴィア「私は保健委員ですから」ニコッ
男「な、なるほど……」
グヴィネヴィア「……しかし、いったい何があったんですか? 急に倒れたというのは……」
男「い、いやぁ……なんて言えばいいんでしょう……。……いろいろ、いっぱいになっちゃって…………」ハァ…
グヴィネヴィア「…………? ――まぁ、初めてのことだらけで心配ですよね。……ゆっくり慣れていけば大丈夫ですよ」フフッ
男「……そうですね。……ははっ、グヴィネヴィアさんが保健室に居たら、みんな怪我して保健室にきちゃいそうですね」
グヴィネヴィア「……よくわかりましたね」ビックリ
男「えっ?」
グヴィネヴィア「……そうなんですよ。私の当番の日になると、急に怪我人が……。だから、普段はやらないんですけど、今日は偶然でした」
男「へ、へぇ……」
グヴィネヴィア「偶然……。ふふっ、これは、運命だったりするのかもしれませんね?」ニコッ
男「…………えっ??」カァアア
ガララッ
アオニート「し、失礼しますっ!! お、男くんの友達のアオニートですっ!」
59:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/22(金) 20:23:05.06 :CLe4MJfM0
グヴィネヴィア「……あっ、ちょうどいま、目を覚ましたところですよ」ニコッ
アオニート「は、はいっ!! 恐縮ですっ!!」
アルトリウス「――やぁやぁ……。よかった……、もし目が覚まさなかったらどうしようかと思ったよ……」
男「ご、ご心配をおかけしました……」
アルトリウス「ははっ、気にしないでくれよ。……とりあえず、今日のところは帰った方がいいかもね」
男「はい……」
アルトリウス「まぁ、委員会に入らなくても、気が向いたら遊びに来ればいいよ。シャラゴアも君のこと気に入ったみたいだし、まだまだ狼とか蛇とかもいるからねっ!」
男「ははっ、ありがとうございます」
アルトリウス「うん。それじゃ……グヴィネヴィアさん、アオニート君……後はよろしく」
スタスタ…
男「本当、アルトリウス先輩はいい人ですね……」
グヴィネヴィア「そうですね……。でも、あぁ見えても剣を持てば、とてもお強いんですよ」
男「そうなんですか……へぇ……」
男(…………でも、なにと戦うの……??)
グヴィネヴィア「――さて、それじゃそろそろ大丈夫そうですか?」
男「あっ、はい! すいません、ありがとうございました!」ビシッ
グヴィネヴィア「はい、体には気を付けて……。……アオニートくん、ちゃんと部屋まで届けてあげてくださいね?」ニコッ
アオニート「は、はいぃ!!! おまかせくださいっ!!」
男「あ、あはは…………――」
――――――
――――
――
アオニート「――はぁー、緊張したぜ……」
男「本当、きれいな人だよね……」
アオニート「なぁ、最後見たか? あのグヴィネヴィア先輩が俺に笑ってくれたんだぜっ!? も、もしかしたら……もしかするかもしれねぇよな…………」
男「あーうん。そうだといいね」
アオニート「うおぉおおおおおおお!! がんばるぜぇええええええ!!」
グヴィネヴィア「……あっ、ちょうどいま、目を覚ましたところですよ」ニコッ
アオニート「は、はいっ!! 恐縮ですっ!!」
アルトリウス「――やぁやぁ……。よかった……、もし目が覚まさなかったらどうしようかと思ったよ……」
男「ご、ご心配をおかけしました……」
アルトリウス「ははっ、気にしないでくれよ。……とりあえず、今日のところは帰った方がいいかもね」
男「はい……」
アルトリウス「まぁ、委員会に入らなくても、気が向いたら遊びに来ればいいよ。シャラゴアも君のこと気に入ったみたいだし、まだまだ狼とか蛇とかもいるからねっ!」
男「ははっ、ありがとうございます」
アルトリウス「うん。それじゃ……グヴィネヴィアさん、アオニート君……後はよろしく」
スタスタ…
男「本当、アルトリウス先輩はいい人ですね……」
グヴィネヴィア「そうですね……。でも、あぁ見えても剣を持てば、とてもお強いんですよ」
男「そうなんですか……へぇ……」
男(…………でも、なにと戦うの……??)
グヴィネヴィア「――さて、それじゃそろそろ大丈夫そうですか?」
男「あっ、はい! すいません、ありがとうございました!」ビシッ
グヴィネヴィア「はい、体には気を付けて……。……アオニートくん、ちゃんと部屋まで届けてあげてくださいね?」ニコッ
アオニート「は、はいぃ!!! おまかせくださいっ!!」
男「あ、あはは…………――」
――――――
――――
――
アオニート「――はぁー、緊張したぜ……」
男「本当、きれいな人だよね……」
アオニート「なぁ、最後見たか? あのグヴィネヴィア先輩が俺に笑ってくれたんだぜっ!? も、もしかしたら……もしかするかもしれねぇよな…………」
男「あーうん。そうだといいね」
アオニート「うおぉおおおおおおお!! がんばるぜぇええええええ!!」
66:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/25(月) 21:36:02.94 :E589+ySi0
アオニート「――さて、着いた……」
男「……着いちゃった……」ボソッ
アオニート「あ? なんか言ったか??」
男「いや、なにも」
アオニート「ここが、男子寮だ。お前も一回ぐらい見てるんじゃないのか?」
男「い、いや、まぁ……。色々あってさ……」
アオニート「ふーん……、まあいいけどよ。――……で、お前何号室なんだ?」
男「…………え?」
アオニート「は? いや、だから何号室だよ」
男「………………さぁ……」シラー
アオニート「はぁ……。なんだお前、自分の部屋の番号見てくるの忘れたのかよ……」
男「――あ、あははっ! そ、そうなんだよね……」
アオニート「しょうがねぇやつだな……。うーん、ミリーちゃんなら知ってるかな……」
男「ミリーちゃん…………?」
アオニート「あぁ、男子寮の寮長やってる人だよ……。――あ、おーいっ! ミリーちゃーんっ!」
ミリベス「――いや、アオニートくん……。私はミリベスですから、そんな風に呼ばないでと……」ウンザリ
アオニート「まぁまぁ! こいつが自分の部屋わからないって言ってるんだけど、ミリーちゃんわかる?」
ミリベス「えっ? ……あぁ、男くんですね? えぇっと……、確か男くんは……――」
男(えっ……初対面だよな……? なんで俺のこと知って……)
ミリベス「あぁ、208号室ですね。……もう、ダメですよ? ちゃんと見てこないと……」ハァ…
男「は、はい、ごめんなさい……」
アオニート「――おっ、なんだよ俺の隣かよ! 俺、209号室なんだよな!」
男「あっ、そうなんだ……。よかったよ、知ってる人で……」
アオニート「よしっ、じゃあさっさと行こうぜー……! ありがとね、ミリーちゃん」
ミリベス「はいはい」
男「あはは……――」
アオニート「――さて、着いた……」
男「……着いちゃった……」ボソッ
アオニート「あ? なんか言ったか??」
男「いや、なにも」
アオニート「ここが、男子寮だ。お前も一回ぐらい見てるんじゃないのか?」
男「い、いや、まぁ……。色々あってさ……」
アオニート「ふーん……、まあいいけどよ。――……で、お前何号室なんだ?」
男「…………え?」
アオニート「は? いや、だから何号室だよ」
男「………………さぁ……」シラー
アオニート「はぁ……。なんだお前、自分の部屋の番号見てくるの忘れたのかよ……」
男「――あ、あははっ! そ、そうなんだよね……」
アオニート「しょうがねぇやつだな……。うーん、ミリーちゃんなら知ってるかな……」
男「ミリーちゃん…………?」
アオニート「あぁ、男子寮の寮長やってる人だよ……。――あ、おーいっ! ミリーちゃーんっ!」
ミリベス「――いや、アオニートくん……。私はミリベスですから、そんな風に呼ばないでと……」ウンザリ
アオニート「まぁまぁ! こいつが自分の部屋わからないって言ってるんだけど、ミリーちゃんわかる?」
ミリベス「えっ? ……あぁ、男くんですね? えぇっと……、確か男くんは……――」
男(えっ……初対面だよな……? なんで俺のこと知って……)
ミリベス「あぁ、208号室ですね。……もう、ダメですよ? ちゃんと見てこないと……」ハァ…
男「は、はい、ごめんなさい……」
アオニート「――おっ、なんだよ俺の隣かよ! 俺、209号室なんだよな!」
男「あっ、そうなんだ……。よかったよ、知ってる人で……」
アオニート「よしっ、じゃあさっさと行こうぜー……! ありがとね、ミリーちゃん」
ミリベス「はいはい」
男「あはは……――」
67:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/25(月) 21:52:11.13 :E589+ySi0
――部屋の前――
アオニート「――おーっし。……んじゃ、お前は一応倒れてるんだし、今日のところは安静にしてろよ」
男「あー……、そうだね。ありがとう」
アオニート「まぁたぶん、俺も部屋に居ると思うからさ、何かあったら遠慮せずに呼べよな」
男「わかった。それじゃ……」
アオニート「おーう……」
ガチャ
バタン
男「…………ここが俺の部屋か……」
男「ベッドに、机と椅子……。最低限のものはあるって感じだなぁ……」
男「…………ふぅ……」ドサッ
男「…………もう、夢じゃないんだよなぁ……」
男「やっと落ち着けるようになったんだし、少し状況を考えよう……」
男「………………」
男「――……って言っても、気付いたらこの学校の入学式会場に居て、そのまま流されに流されただけだもんなぁ……」
男「……異世界に迷い込んでしまったのだろうか? いや、そんなファンタジーな……」
男「……でも、そうとしか説明もできないし……。……ってか、俺はこの世界では、普通に認知されてたみたいだよな……。席だって俺の席あるし、この部屋だって……」
男「うぅー……わからない……。……ははっ、寝たらちゃっかり家にいたりして……」
男「…………そうだな、とりあえず寝るか……」
男「――はぁ、せっかくピカピカの学ランも、この世界じゃ何だか浮くだけだなぁ……――」
ガサッ
男「――ん? ポケットになにか……」
男「……あっ、これ……。ロザリアさんがくれた手紙じゃないか……」
――ふふっ、ロザリアさんからの友情の証みたいなものだと思いますよ?
男「……たしか、ヨルシカさんがそんなこと言ってたよね……」
男「寝る前に、読んでおかないと……――」
ピラッ
――部屋の前――
アオニート「――おーっし。……んじゃ、お前は一応倒れてるんだし、今日のところは安静にしてろよ」
男「あー……、そうだね。ありがとう」
アオニート「まぁたぶん、俺も部屋に居ると思うからさ、何かあったら遠慮せずに呼べよな」
男「わかった。それじゃ……」
アオニート「おーう……」
ガチャ
バタン
男「…………ここが俺の部屋か……」
男「ベッドに、机と椅子……。最低限のものはあるって感じだなぁ……」
男「…………ふぅ……」ドサッ
男「…………もう、夢じゃないんだよなぁ……」
男「やっと落ち着けるようになったんだし、少し状況を考えよう……」
男「………………」
男「――……って言っても、気付いたらこの学校の入学式会場に居て、そのまま流されに流されただけだもんなぁ……」
男「……異世界に迷い込んでしまったのだろうか? いや、そんなファンタジーな……」
男「……でも、そうとしか説明もできないし……。……ってか、俺はこの世界では、普通に認知されてたみたいだよな……。席だって俺の席あるし、この部屋だって……」
男「うぅー……わからない……。……ははっ、寝たらちゃっかり家にいたりして……」
男「…………そうだな、とりあえず寝るか……」
男「――はぁ、せっかくピカピカの学ランも、この世界じゃ何だか浮くだけだなぁ……――」
ガサッ
男「――ん? ポケットになにか……」
男「……あっ、これ……。ロザリアさんがくれた手紙じゃないか……」
――ふふっ、ロザリアさんからの友情の証みたいなものだと思いますよ?
男「……たしか、ヨルシカさんがそんなこと言ってたよね……」
男「寝る前に、読んでおかないと……――」
ピラッ
73:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/27(水) 01:09:55.28 :JJ7ShVOQ0
『好きです』
男「」
男「………………」ゴシゴシ
男「ふぅ……落ち着け……俺……。……一気に眠気も冷めたけど、まぁ落ち着けよ……」
男「え、えぇっと……?」チラッ
『好きです』
男「…………ほ、本当に書いてあるよな……?」
男「…………なんで? ロザリアさんとは今日あったばかりだよな……」
男「……しかし、これしか書いてない……のか……。……ん? いや、二枚目もあるのか……――」
『生年月日は何ですか?
血液型は?
好きな食べ物は何ですか?
休みの日は何をやっているんですか?
趣味は何ですか?
部屋は何号室ですか?
いつも何時ごろに起きますか?
朝ごはんはパンですか?
好きな女性のタイプは?
どんな髪型が好きですか?
背は高い方が好きですか?
胸は大きい方が好きですか?
眼鏡属性はありますか?
……三枚目の紙に書いて
明日私に下さい』
男「………………」
ガタッ‼ ガチャガチャ…
男「――っ!!」ビクゥッ‼
男(……げ、玄関から物音が……。い、いいいいいいやっ! 気のせいだよな気のせいに違いないよな……よしっ――!)
男「寝よう」
『好きです』
男「」
男「………………」ゴシゴシ
男「ふぅ……落ち着け……俺……。……一気に眠気も冷めたけど、まぁ落ち着けよ……」
男「え、えぇっと……?」チラッ
『好きです』
男「…………ほ、本当に書いてあるよな……?」
男「…………なんで? ロザリアさんとは今日あったばかりだよな……」
男「……しかし、これしか書いてない……のか……。……ん? いや、二枚目もあるのか……――」
『生年月日は何ですか?
血液型は?
好きな食べ物は何ですか?
休みの日は何をやっているんですか?
趣味は何ですか?
部屋は何号室ですか?
いつも何時ごろに起きますか?
朝ごはんはパンですか?
好きな女性のタイプは?
どんな髪型が好きですか?
背は高い方が好きですか?
胸は大きい方が好きですか?
眼鏡属性はありますか?
……三枚目の紙に書いて
明日私に下さい』
男「………………」
ガタッ‼ ガチャガチャ…
男「――っ!!」ビクゥッ‼
男(……げ、玄関から物音が……。い、いいいいいいやっ! 気のせいだよな気のせいに違いないよな……よしっ――!)
男「寝よう」
83:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/27(水) 17:52:21.39 :JJ7ShVOQ0
――――翌日
ドンドンッ!!
アオニート「――おーい男ー? まだ寝てんのかー?」
男「い、今行くよー!」イソイソ
ガチャ
男「――お、お待たせ……」
アオニート「おせぇよ……ったく」
男(……結局、夢なんかじゃなかったなぁ……)ハァ…
アオニート「なんだよため息なんてついて……。――あぁ、飯食ってねぇのか?」
男「ま、まぁそんなとこ……」
アオニート「昨日の夜、誘いはしたんだぜ? でも、返事なかったからよ……」
男「そうだったんだ……。別れた後、すぐ寝ちゃって……。ごめん」
アオニート「気にすんなよ、昨日はしょうがねぇだろ。――……あ、そういやさ」
男「うん」
アオニート「お前を呼ぼうとしたときに、ロザリアさんを見た気がしたんだよなぁ……。でも、あのロザリアさんが男子寮に居るわけねぇし……。お前、知らないよな?」
男「う、うん……。ま、まったくわからないなぁ……」
アオニート「だよなぁ……。なんだったんだろ……」
男「あ、あはは……」
――――――
――――
――
ガララッ
アオニート「――おいーっす」
男「お、おはよう……」
ヨルシカ「――男さんっ! 大丈夫なんですかっ!?」
男「え、えっ……――?」
――――翌日
ドンドンッ!!
アオニート「――おーい男ー? まだ寝てんのかー?」
男「い、今行くよー!」イソイソ
ガチャ
男「――お、お待たせ……」
アオニート「おせぇよ……ったく」
男(……結局、夢なんかじゃなかったなぁ……)ハァ…
アオニート「なんだよため息なんてついて……。――あぁ、飯食ってねぇのか?」
男「ま、まぁそんなとこ……」
アオニート「昨日の夜、誘いはしたんだぜ? でも、返事なかったからよ……」
男「そうだったんだ……。別れた後、すぐ寝ちゃって……。ごめん」
アオニート「気にすんなよ、昨日はしょうがねぇだろ。――……あ、そういやさ」
男「うん」
アオニート「お前を呼ぼうとしたときに、ロザリアさんを見た気がしたんだよなぁ……。でも、あのロザリアさんが男子寮に居るわけねぇし……。お前、知らないよな?」
男「う、うん……。ま、まったくわからないなぁ……」
アオニート「だよなぁ……。なんだったんだろ……」
男「あ、あはは……」
――――――
――――
――
ガララッ
アオニート「――おいーっす」
男「お、おはよう……」
ヨルシカ「――男さんっ! 大丈夫なんですかっ!?」
男「え、えっ……――?」
84:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/27(水) 18:20:18.22 :JJ7ShVOQ0
ヨルシカ「昨日……急に倒れたみたいじゃないですか……。私もロザリアさんも、すごく心配したんですよ……?」
ロザリア「………………っ」コクコクッ
男「あ、あぁ、知ってたんだ……。――でも、もう大丈夫だよ! 心配してくれてありがとう」
ヨルシカ「そうですか……。……でも、びっくりしましたよ。ちょうど、私たちが保健委員の見学に行こうとしたときに、男さんが担ぎ込まれていたので……」
男「あ、あはは……。かっこ悪いとこ見られちゃったね……」
ヨルシカ「なにかお手伝いをと思ったのですけど、グヴィネヴィア姉様も居たことですし、邪魔しちゃいけないと思ってその日は帰ったんです……」
ヨルシカ「でも、よかった……。帰ってからも心配で心配で……」
男「……ありがとう、ヨルシカさん」ニコッ
ヨルシカ「……っ。い、いえ、別に……普通の事ですし……」
男「……と、ところでなんだけど……。ろ、ロザリアさんとはずっと一緒に居たの……?」コソコソッ
ヨルシカ「えっ? ま、まぁ……お互い自分の部屋に戻ったときは、さすがに一緒には居なかったですけど……」
男「……そ、そっか」
グイッ
男「あ、ろ、ロザリアさん……。あ、改めておはよう」
ロザリア「………………」ペコリッ
ロザリア「………………っ」グイグイッ
男「え、えっ? な、なにどうしたの??」
ロザリア「………………!」ガサガサ
男「か、紙……? ――あ、あぁご、ごめんねっ! 手紙はどっかに落としちゃったみたいでさっ! 答えは書いてこれなかったんだよね! あ、あははは……」
ロザリア「………………っ!!」ガーン…
ロザリア「――………………っ」カキカキ
男「あ、あれ……ロザリアさん……?」
ロザリア「………………」ピラッ
男「こ、これは……」
男「ま、また同じの書いてくれたんだ……」
ロザリア「………………」キラキラ
男「う、うん……今度は、書くよ……」アハハ…
男(――……あれ? 質問が変わってる……? たしか、部屋の番号の質問があった気がしたけど……。それが無くなって、『部屋の鍵は2本以上ありますか?』の質問が増えてる……)
ヨルシカ「昨日……急に倒れたみたいじゃないですか……。私もロザリアさんも、すごく心配したんですよ……?」
ロザリア「………………っ」コクコクッ
男「あ、あぁ、知ってたんだ……。――でも、もう大丈夫だよ! 心配してくれてありがとう」
ヨルシカ「そうですか……。……でも、びっくりしましたよ。ちょうど、私たちが保健委員の見学に行こうとしたときに、男さんが担ぎ込まれていたので……」
男「あ、あはは……。かっこ悪いとこ見られちゃったね……」
ヨルシカ「なにかお手伝いをと思ったのですけど、グヴィネヴィア姉様も居たことですし、邪魔しちゃいけないと思ってその日は帰ったんです……」
ヨルシカ「でも、よかった……。帰ってからも心配で心配で……」
男「……ありがとう、ヨルシカさん」ニコッ
ヨルシカ「……っ。い、いえ、別に……普通の事ですし……」
男「……と、ところでなんだけど……。ろ、ロザリアさんとはずっと一緒に居たの……?」コソコソッ
ヨルシカ「えっ? ま、まぁ……お互い自分の部屋に戻ったときは、さすがに一緒には居なかったですけど……」
男「……そ、そっか」
グイッ
男「あ、ろ、ロザリアさん……。あ、改めておはよう」
ロザリア「………………」ペコリッ
ロザリア「………………っ」グイグイッ
男「え、えっ? な、なにどうしたの??」
ロザリア「………………!」ガサガサ
男「か、紙……? ――あ、あぁご、ごめんねっ! 手紙はどっかに落としちゃったみたいでさっ! 答えは書いてこれなかったんだよね! あ、あははは……」
ロザリア「………………っ!!」ガーン…
ロザリア「――………………っ」カキカキ
男「あ、あれ……ロザリアさん……?」
ロザリア「………………」ピラッ
男「こ、これは……」
男「ま、また同じの書いてくれたんだ……」
ロザリア「………………」キラキラ
男「う、うん……今度は、書くよ……」アハハ…
男(――……あれ? 質問が変わってる……? たしか、部屋の番号の質問があった気がしたけど……。それが無くなって、『部屋の鍵は2本以上ありますか?』の質問が増えてる……)
90:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/28(木) 20:34:50.54 :CK8yh7dR0
男「――……それにしても、クラスをよく見るといろんな人が居るんだね」
アオニート「は? 急にどうした?」
男「い、いや……、昨日はあまり見る余裕がなかったからさ……。――……心に……」ボソッ
アオニート「俺は中学からだから、別にいつも通りな感じだけどな」
男「まぁ、そうだよね……。あのトゲトゲの人とか、特徴的だよね。……なんか怖いし……」
アオニート「あぁ、カークな。あいつ、すごく内向的な性格なんだよ。それを鎧でカバーしてるつもりらしいぜ」
男「そ、そうなんだ……。人は見かけによらないってやつだね……」
男「あと、気になるのは……。――あっ、あの人かな」
アオニート「ん? あぁ、ジークリンデのことか?」
男「そうかな? なんか……えっと……なんて言えばいいのかな……」
男「まるで……あれは……永s――」
アオニート「――おっと! ……男、決してあいつのことを『玉ねぎみたい』って言っちゃダメだぜ?」
男「えっ? あ、あぁ……うん……」
アオニート「あいつら、あんなふざけた格好してるけどな。『玉ねぎ』って言われると怒るんだよ」
男「へぇー……」
アオニート「あぁ、だから『玉ねぎ』ってあいつらの前で言っちゃダメだぞ?」
男「も、もうわかったよ?」
アオニート「まぁわかる。どう見たって『玉ねぎ』だしな。でも、しかし、だ……。うっかり『玉ねぎ』なんて――」
ガンッッッ‼‼
ジークリンデ「うっっるさいのよっ!!! ――またあんたね、ホークウッドっ!!」
アオニート「――っ! ……いってぇな玉ねぎっ!!」グワッ
ジークリンデ「なっ……! また言ったわね! 今日こそタダじゃおかないんだからっ!!」
アオニート「おうおう上等だっ! みじん切りにしてやるぜ……。――玉ねぎだけになっ!!」
ワーワーギャーギャー
男「………………」
ヨルシカ「……この光景、中学の時もよく見ました」
男「へぇ……」
男「――……それにしても、クラスをよく見るといろんな人が居るんだね」
アオニート「は? 急にどうした?」
男「い、いや……、昨日はあまり見る余裕がなかったからさ……。――……心に……」ボソッ
アオニート「俺は中学からだから、別にいつも通りな感じだけどな」
男「まぁ、そうだよね……。あのトゲトゲの人とか、特徴的だよね。……なんか怖いし……」
アオニート「あぁ、カークな。あいつ、すごく内向的な性格なんだよ。それを鎧でカバーしてるつもりらしいぜ」
男「そ、そうなんだ……。人は見かけによらないってやつだね……」
男「あと、気になるのは……。――あっ、あの人かな」
アオニート「ん? あぁ、ジークリンデのことか?」
男「そうかな? なんか……えっと……なんて言えばいいのかな……」
男「まるで……あれは……永s――」
アオニート「――おっと! ……男、決してあいつのことを『玉ねぎみたい』って言っちゃダメだぜ?」
男「えっ? あ、あぁ……うん……」
アオニート「あいつら、あんなふざけた格好してるけどな。『玉ねぎ』って言われると怒るんだよ」
男「へぇー……」
アオニート「あぁ、だから『玉ねぎ』ってあいつらの前で言っちゃダメだぞ?」
男「も、もうわかったよ?」
アオニート「まぁわかる。どう見たって『玉ねぎ』だしな。でも、しかし、だ……。うっかり『玉ねぎ』なんて――」
ガンッッッ‼‼
ジークリンデ「うっっるさいのよっ!!! ――またあんたね、ホークウッドっ!!」
アオニート「――っ! ……いってぇな玉ねぎっ!!」グワッ
ジークリンデ「なっ……! また言ったわね! 今日こそタダじゃおかないんだからっ!!」
アオニート「おうおう上等だっ! みじん切りにしてやるぜ……。――玉ねぎだけになっ!!」
ワーワーギャーギャー
男「………………」
ヨルシカ「……この光景、中学の時もよく見ました」
男「へぇ……」
95:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/29(金) 09:49:35.32 :WMCseKFHO
青くねえじゃねーか!
96:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/04/29(金) 10:29:44.34 :HftJBpDMO
ニートでもないな。
98:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/29(金) 13:33:36.05 :VcY8eLIx0
>>95 >>96
キャベツ太郎だって、キャベツも太郎も入ってないぞ。
アオニート「………………」チーン…
ジークリンデ「はぁ……はぁ……。私の勝ちね……」ゼェゼェ
ジークリンデ「――ゴホンッ……。え、えっと、男くん……だよね? 初めまして、私はジークリンデって言うの。よろしくねっ?」
男「えっ? あ、あぁ……よろしく、お願いします……」オドオド
男(あ……普通の人なのか……)
ジークリンデ「あ、あの、えーっと……。ほ、ホークウッドとはね、えっとまぁ……小さい頃からの腐れ縁みたいな感じで……。だ、だから気にしないでね?」
男「べ、別に、何も気にしてないよ……」
ジークリンデ「そ、そう? なら、いいんだけ――」
ガシッ
アオニート「――ふっ、油断したな?」
ガンッ‼
ジークリンデ「――いっ……! あ、あんたねぇ……っ!!」
ワーワーギャーギャー
男「あ、あはは……」
「お、男くん……?」
男「へっ? は、はいっ」
カーク「は、初めまして……。ぼ、僕……カークって言うんだ……よろしくね」
男「あぁ……。お、男って言います、よろしく……」
カーク「うん、みんな知ってると思うよ……。君は、有名人だからね……」
男「えっ!!? そ、そう……なの……?」
カーク「うん……。と、とても珍しい装備だし……」
男「あ、あぁ…………」ハハッ…
カーク「そ、それで……。――あ、あのっ! ろ、ロザリアさん……」
ロザリア「………………っ!」ビクッ
カーク「あ、ご、ごめん……。驚かす気は、なかったんだ……」
>>95 >>96
キャベツ太郎だって、キャベツも太郎も入ってないぞ。
アオニート「………………」チーン…
ジークリンデ「はぁ……はぁ……。私の勝ちね……」ゼェゼェ
ジークリンデ「――ゴホンッ……。え、えっと、男くん……だよね? 初めまして、私はジークリンデって言うの。よろしくねっ?」
男「えっ? あ、あぁ……よろしく、お願いします……」オドオド
男(あ……普通の人なのか……)
ジークリンデ「あ、あの、えーっと……。ほ、ホークウッドとはね、えっとまぁ……小さい頃からの腐れ縁みたいな感じで……。だ、だから気にしないでね?」
男「べ、別に、何も気にしてないよ……」
ジークリンデ「そ、そう? なら、いいんだけ――」
ガシッ
アオニート「――ふっ、油断したな?」
ガンッ‼
ジークリンデ「――いっ……! あ、あんたねぇ……っ!!」
ワーワーギャーギャー
男「あ、あはは……」
「お、男くん……?」
男「へっ? は、はいっ」
カーク「は、初めまして……。ぼ、僕……カークって言うんだ……よろしくね」
男「あぁ……。お、男って言います、よろしく……」
カーク「うん、みんな知ってると思うよ……。君は、有名人だからね……」
男「えっ!!? そ、そう……なの……?」
カーク「うん……。と、とても珍しい装備だし……」
男「あ、あぁ…………」ハハッ…
カーク「そ、それで……。――あ、あのっ! ろ、ロザリアさん……」
ロザリア「………………っ!」ビクッ
カーク「あ、ご、ごめん……。驚かす気は、なかったんだ……」
99:ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz:2016/04/29(金) 13:49:46.39 :VcY8eLIx0
カーク「え、えっと……覚えてるかな……? 僕、中学のころ同じクラスだったんだけど……」
ロザリア「………………」
カーク「………………」
ロザリア「………………」
カーク「……あ、あはは…………」
ロザリア「………………?」
カーク「」
ヨルシカ「――ろ、ロザリアさんっ? ほ、ほら、後ろのほうの席に居たじゃないですかっ、ねっ??」
ロザリア「………………??」
カーク「」
ロザリア「………………」フイッ
カーク「」
ヨルシカ「あぁ……もう……」
ロザリア「………………っ!」グイグイッ
男「え、えっ、俺?? な、なに……??」
ロザリア「………………っ」
男「――い、いや、本当だって! 部屋の鍵は一本しかないから! う、嘘なんて書かないよ……」アセアセ
カーク「」
カーク「――……随分、仲がいいんだね……男くん……」
男「い、いや……そ、そうなる……――」
カーク「………………」ゴゴゴゴゴゴ…
男「――……の……かな……」アハハ…
男(あれ? すごい怒ってないか……? よく見えないけど、睨み付けられてる気がする……)ビクビク
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カーク「え、えっと……覚えてるかな……? 僕、中学のころ同じクラスだったんだけど……」
ロザリア「………………」
カーク「………………」
ロザリア「………………」
カーク「……あ、あはは…………」
ロザリア「………………?」
カーク「」
ヨルシカ「――ろ、ロザリアさんっ? ほ、ほら、後ろのほうの席に居たじゃないですかっ、ねっ??」
ロザリア「………………??」
カーク「」
ロザリア「………………」フイッ
カーク「」
ヨルシカ「あぁ……もう……」
ロザリア「………………っ!」グイグイッ
男「え、えっ、俺?? な、なに……??」
ロザリア「………………っ」
男「――い、いや、本当だって! 部屋の鍵は一本しかないから! う、嘘なんて書かないよ……」アセアセ
カーク「」
カーク「――……随分、仲がいいんだね……男くん……」
男「い、いや……そ、そうなる……――」
カーク「………………」ゴゴゴゴゴゴ…
男「――……の……かな……」アハハ…
男(あれ? すごい怒ってないか……? よく見えないけど、睨み付けられてる気がする……)ビクビク