1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/27(金) 00:56:50.20 ID:3S5oQ1Bm0

梓(えっ…?)

澪「ひぃぃぃっ」

律「まぁ、もう夏だしな…」

梓(今あずにゃんって言いかけたような…)

唯「私、あずにゃ…ゴキブリは本当苦手でさぁ。見た瞬間、気絶しそうになっちゃったよ~」

梓(またっ!)

澪「わかるわかる…想像すらしたくないよ」

紬「そんなに怖いの?」

唯「怖いよぉ~。だって、あずにゃん…いや、ゴキブリは一匹見たら30匹はいるって言うでしょ?
だから、もう恐ろしくて恐ろしくて」

梓「ちょっ…ちょっと唯先輩!?」



2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/27(金) 00:59:29.55 ID:3S5oQ1Bm0

唯「どうしたの?あずにゃん?」

梓「さっきから私とゴキブリを言い間違えそうになってませんか?」

唯「えっ?私があずにゃんをあずにゃん…ゴキブリなんかと言い間違えたりしないよ」

梓「言い間違えてるじゃないですか!?」

律「おい、唯。梓に失礼だろ、いくらゴキブリに似てるからっt……いや、すまん、なんでもない」

梓「今、とんでもなく失礼なこと言いかけましたよね!?」

澪「お前らいい加減にしろ!こんなかわいいゴキブリが梓なんかに似てる訳…
いや、こんなかわいい梓がゴキブリなんかに似てる訳ないだ……あれ、どっちだ」

梓「澪先輩が一番ひどいです!」

紬「私、ゴキブリって見たことないんだけど、梓ちゃんみたいな虫なら歓迎だわぁ」

梓「だから、違います!」


4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/27(金) 01:03:08.63 ID:3S5oQ1Bm0

~翌日の朝~

憂「あれ?髪型どうしたの?イメチェン?」

梓「うん。ツインテールはやっぱり駄目だよ。変な言い間違いされるし」

憂「…?よく分からないけど、ストレートも似合ってるね、ふふっ」


~放課後~

梓(これでもうゴキブリと間違えられることはないはず…)

梓「こんにちはー」ガチャ

唯(えっ?)

律(誰?この子?)

紬(ギターケース持ってるけど…もしかして…)

澪「もしかして、入部希望者!?」

梓「えっ?」


5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/27(金) 01:05:54.00 ID:3S5oQ1Bm0

紬「やっぱり、入部希望者だったのね!」

律「そうか!入部希望者か!軽音部にようこそ!私が部長の田井中律だ!」

梓「私、梓ですけど…」

唯「えっ?君もアズサっていうの!?すごい偶然だね!」

律「あずさ2号だと…」

梓「だから、違います!!私、中野梓です!」

唯「えっ…あずにゃん…?」

律「おいおい、梓の訳ないだろ。触覚ついてないし」

梓「はぁ!?」

澪「軽音部ってこんな雰囲気だけど、別に無理に冗談言おうとしなくてもいいんだぞ。
気楽に行こうな、あずさ2号」

梓「冗談じゃないですよ!!」


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/27(金) 01:11:14.59 ID:3S5oQ1Bm0

唯「あずさ2号が入ってくれて、きっとゴキブリ…いや、あずにゃんも喜んでくれるよ!」

梓「あーもう!!!」

梓はポケットから髪留めのゴムを取り出すと、ツインテールに髪を結った。

梓「これを見てください!」

唯「えっ?あずにゃん?」

律「あ、梓!?お前いつからそこにいたんだ?……あっ、新入部員を紹介するよ。
この子があずさ2ご……あれ、あずさ2号どこ言ったんだ」

梓「もうこの部やめようかな」


~翌日~

憂「あれ?髪型戻したんだ?」

梓「うん。ストレートはやっぱりだめだよ。2号になっちゃうし」

憂(2号…?)


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/27(金) 01:14:13.28 ID:3S5oQ1Bm0

唯「知ってる?茶色のあずにゃんが出る家はもう末期なんだって」

梓「末期なのは先輩の頭じゃないですか?」

律「あっそれ知ってる!茶色の梓は繁殖力旺盛で、卵を大量に産むらしいな」

澪「ひぃぃぃぃ。梓の話はやめてくれよぉ…」

梓「…」

唯「あと、あずにゃんってさ。夜、寝てる時に口元まで来て口内の水分を…」

澪「おいぃぃ!その話はやめてくれぇぇぇ!!!」

紬「梓ちゃんって積極的なのね…」ドキドキ

梓「もう2号でいいからストレートにしようかな」


~翌日~

憂「またストレートにしたの?」

梓「うん。ゴキブリ扱いされたくないしね」

憂(……どうしよう…家でこっそりゴキブリのこと「梓ちゃん」って呼んでるのバレてるのかな…)


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/27(金) 01:16:33.27 ID:3S5oQ1Bm0

~放課後~

梓「こんにちはー」ガチャ

唯「あずさ2号だ!」

律「この前はどうしたんだ?急に帰っちゃったりして」

梓「すいません、ゴキブリがいきなり出てきたのでびっくりしちゃって…」

澪「ゴキブリ?ああ、梓のことか。確かに急に現れたよな」

梓「否定してくださいよ」

律「しかし、あずさ2号がいる時はゴキブリの奴、来ないなぁ」

唯「ゴキブリにあずさ2号のこと紹介したいのにね」

梓「もうずっと2号のままでいようっと」


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/27(金) 01:19:11.50 ID:3S5oQ1Bm0

梓があずさ2号になってから一ヶ月の月日が流れた。


澪「あずさ2号、新入部員なのに私たちの演奏とすんなり合うな。
まるで、ゴキブ…梓と一緒にやってるみたいだよ」

梓「恐れいります」

律「しかし、梓の奴、最近全然部室に顔出さなくなったよな…」

澪「あずさ2号が来てくれるようになったのにな…うまくいかないものだな」

梓「…」

唯「うんしょっ、うんしょっ」

唯が物置から大きなダンボールの箱を持ってきた。

紬「あら?唯ちゃん、そのダンボールは何?」


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/27(金) 01:21:41.23 ID:3S5oQ1Bm0

唯「これはあずにゃんホイホイだよ!」

律「なんだそれ?」

唯「あずにゃんの好きなものをたくさん詰め込んだ素敵な家なんだよ。
バナナケーキに、チョコプリンに、ババロア……」

澪「本当だ。梓の好物ばっかりだな」

唯「へへっ、ムギちゃんの出してくれるお菓子の中で、あずにゃんの好きなものが出たら取っておいたんだよ。
あずにゃんが来てくれないと寂しいからね!」

梓「唯先輩…」キュン

紬「でも、バナナケーキ出したのって3週間ほど前だったと思うんだけど…」

梓「おえぇぇえっ!!」

律「お、おい!あずにゃんホイホイの中に梓がいっぱい沸いてるぞ!!」

澪「うわああああああ!!!」


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/27(金) 01:26:44.04 ID:3S5oQ1Bm0

………

唯「本当にすみまえんでした…ぐすっ…」

澪「全く、夏場にあんなもの放置したら、どうなるかわかるだろ」

律「まぁ、あんまり攻めてやるなよ。唯は梓に来て欲しい一心でやったんだからさ」

梓「……」

唯「だって、あずにゃんがいないのが寂しくて…寂しくて…」

紬「確かに、梓ちゃんがいないと軽音部って感じがしないわね…」

澪「梓は軽音部のアイドルだったからなぁ」

律「みんなに愛されてたもんな…梓…」

梓「先輩方…」


~翌日~

憂「またツインテールに戻したの?」

梓「うん。なんだかんだ言って、私も先輩たちの事が好きだから」


19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/27(金) 01:28:21.93 ID:lEivDQlcP


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20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/27(金) 01:29:08.82 ID:3S5oQ1Bm0

~放課後~

梓「こんにちはー」

唯「あずにゃん!?」

律「あ、梓!今までどうしたんだよ!?みんな心配してたんだぞ?」

梓「すみません…。あとこれ、あずさ2号から預かってきました」

澪「えっ?退部届!?」

紬「あずさ2号ちゃんやめちゃうの?」

梓「はい、もう軽音部には来ないって言ってました」

律「そ、そうか…残念だな…でも…」

唯「あずにゃんが来てくれるようになって…本当によかったよ…うえーん」

梓「も、もう。抱きつかないでくださいよ」


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/27(金) 01:32:47.83 ID:3S5oQ1Bm0

澪「あずさ2号のことは残念だけど、梓が復活してくれて凄く嬉しいよ」

律「放課後ティータイム完全復活だな」

梓「へへっ…」

唯「ところで、『あずにゃんホイホイ2』作ったんだよ!」

澪「お、おい。それ大丈夫なのか?」

唯「ふふっ、憂に頼んで作ってもらった奴だからね。
『ゴキブリが喜びそうなものをいっぱい入れてね』ってお願いしたんだぁ」

梓「えっ…」

律「憂ちゃんが作った物なら大丈夫だな」

澪「うん。憂ちゃんなら安心だ」

唯「さぁ!あずにゃん!受け取って!」

唯がダンボールの蓋を開けると、おびただしい数の梓が出てきた。


終わり


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/27(金) 01:35:44.42 ID:lEivDQlcP

面白かったけど死ね


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