7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/07(火) 19:18:09.50:5UX24LSd0

長門「無い」

古泉「言い切れますか?」

長門「言い切れる。私が笑っている写真は無い」

古泉「きっとどこかにありますよ、探します」

長門「勝手に人の家のタンスを漁らないで」

古泉「おや?これは懐かしい物が出てきましたよ」

長門「聞け」

古泉「卒業アルバムです」

長門「やめて、見ないで」

古泉「嫌です」

長門「……」


8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/07(火) 19:39:43.92:5UX24LSd0

古泉「懐かしいですね、ホントに」

長門「……」

古泉「う~ん、どの写真も長門さんは無表情ですね」

長門「見るな」バッ

古泉「おっと」ヒョイッ

長門「避けるな」

古泉「嫌ですよ、湯のみに当たると痛いじゃないですか」

長門「黙れ、見るな、それ以上ページをめくるな」

古泉「まだ最後の寄せ書きを見てないんです」

長門「!?」

古泉「おや、どうしたんですか?」

長門「見るな、返せ」ダッ

古泉「さて、どうなってるんでしょうか」ヒラリ、ペラリ

    

10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/07(火) 20:08:31.82:5UX24LSd0

古泉「…白い」
長門「……」
古泉「シミひとつ無いですね」
長門「……」
古泉「いや~、真っ白ですね~」
長門「…やめて」
古泉「何故でしょうか?僕が持ってる卒業アルバムとは全然違いますね」
長門「やめて」
古泉「僕のはもう余白が無くなるくらい色んな方が書いてくださいましたよ」
長門「やめろ」
古泉「それに引き換え長門さん、これは一体どういうことなんでしょうか?」
長門「…知らない」
古泉「知ってるでしょう、わかってるハズです」
長門「……」
古泉「長門さん、さてはアナタ…」
長門「イヤ…」
古泉「ボッチだったのではありませんか?」

11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/07(火) 20:10:24.68:5UX24LSd0

心痛い。
誰か長門を救って


13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/07(火) 20:25:57.91:5UX24LSd0

長門「……」

古泉「そうなんですね?」

長門「違う」

古泉「認めましょう長門さん」

長門「拒否する」

古泉「見てください長門さん、このページの写真。
    皆肩を組んでカメラに向かって笑顔でピースをしています。
    しかしアナタは、誰とも肩を組まず少し離れたところでボケーっと突っ立ているだけです」

長門「それは…」

古泉「長門さんが‘皆と写っている’写真はコレだけなんですよ」

長門「……」

古泉「他の写真も見てみましたが、コレだけでした。
    

14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/07(火) 20:43:52.38:5UX24LSd0

古泉「他のどの写真を見ても‘皆と写っている’長門さんはいません。
    ‘誰かと写っている’写真はありますけどね」

長門「…私はそれでもよかった」

古泉「……はぁ?」

長門「それでもよかった」

古泉「ほう、そうですか。
    あれですね長門さん。きっと孤独かっこいいとか思ってたでしょう?」

長門「!?」

古泉「かっこいいと思って休み時間に読書したり、イベント事にはまともに
    参加しなかったり、常に面倒臭いと言う態度だったり、 たまにいじ
    られる事があっても返し方がわからず不機嫌になったり、部活動に参
    加しても途中で辞めたり」
    

15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/07(火) 21:04:31.49:5UX24LSd0

古泉「孤独に酔っているフリをしていたでは?」

長門「違う」

古泉「そうこうしているうちにどんどんボッチ化が進み、
    もうどうしようも無い所まで来ちゃいましたよね?」

長門「……違う」

古泉「認めましょう長門さん」

長門「……」

古泉「私はボッチですと認めましょう」

長門「…私は」

古泉「ん?」

長門「私は一人が好き」

古泉「……」

長門「ボッチではない、一人が好きなだけ」
    

17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/07(火) 21:07:22.22:6xJtGmUI0

そこ大事だよな長門

24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/07(火) 22:06:09.73:5UX24LSd0

古泉「……そうですか」

長門「そう」

古泉「長門さん、あなたは自分の意思で一人になったのですか?」

長門「そう」

古泉「でも孤独かっこいいとか、私は孤高の存在だから誰からも理解されないとか
    実際思ってたはずです」

長門「そのことについては否定できない。事実気分は良かった」

古泉「良かったんですか?」

長門「良かった」

古泉「ふ~ん」

長門「古泉一樹にあなたに聞きたいことがある」

古泉「何でしょうか?」

26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/07(火) 22:27:43.80:5UX24LSd0

長門「これ」スッ

古泉「?」

長門「あたなの卒業アルバム」

古泉「!?!?!?何故ここに!?」

長門「情報操作」

古泉「クッ!?」

長門「ユニーク」

古泉「…見たんですか?」

長門「全部」

古泉「……」

長門「自分以外すべての人が塗り潰されている」

28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/07(火) 22:36:37.46:CTBI1vNo0

小泉怖ぇ

30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/07(火) 22:52:11.70:5UX24LSd0

古泉「……」

長門「あなたのクラスの集合写真と顔写真」

古泉「……」

長門「写っている人達の何人かは顔が削り取られてさえいる」

古泉「・・・それが、なにか?」

長門「古泉一樹」

古泉(やめろ)

長門「あなたは」

古泉(言わないで)








長門「苛められていた」

31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/07(火) 23:08:07.59:5UX24LSd0

回想     

『笑ってるwww』

『キメェwwwくせぇwww』

『おいにやけ面www』

『切れたwww怒ったよwww』

『キモ泉wwwキモ泉www』

『うわwwさわっちゃったwww』

『顔が近い』『気持ち悪いんだよ』『息を吹きかけるな』

32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/07(火) 23:13:37.87:CTBI1vNo0

『息を吹きかけるな』

それはキモイ

33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/07(火) 23:31:57.94:5UX24LSd0

古泉「……えぇそうですよ長門さんの言うとおり世間一般でいう苛めというモノ
    を受けていましたよ」

長門「それが原因?」

古泉「はいそうです、そうですよ。何か問題でも?無いですよね?別に何の問題
    も無いじゃないですか。ただ卒業アルバムの写真に写っている人を黒く塗
    り潰した、それだけじゃないですか」

長門「…この顔を削られているのは?」

古泉「わかるでしょう?わかりませんか?そいつ等ですよ中心になっていたのは。
    いいですか?もういいですよね?質問は以上ですよね?」

長門「…まだある」

古泉「なんですか?早く言ってください。言えよ」

36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/07(火) 23:46:55.25:5UX24LSd0

長門「このページ」

古泉「はいはい」

長門「私たち」

古泉「あ…」

長門「SOS団メンバーだけは塗り潰されてはいない」

古泉「……」

長門「しかし多少変色している」

古泉「……」

長門「これはどういう事?」

古泉「…長門さんならわかるのでは?」

長門「何をしたのかはわかる、理由がわからない。だから聞きたい」

古泉「……」

長門「あなたの口から直接聞きたい」

37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/08(水) 00:05:57.01:cSZjpVod0

古泉「いやですよ」

長門「何故?」

古泉「嫌といったら嫌です」

長門「不公平」

古泉「はぁ?」

長門「私はあなたの質問に答えた。あなただけ答えないのは不公平」

古泉「いや、答えも何もそんな…」

長門「わたしの答えを拒絶しなかった」

古泉「……」

長門「答えて」

古泉「…意味はありませんよ」

長門「嘘」

古泉「ホントですよ!」

長門「違う、あなたは嘘を付いている」

41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/08(水) 00:53:06.83:cSZjpVod0

古泉「嘘なんか付いていませんよ」

長門「私は一人でいることが好き」

古泉「は?」

長門「けれど寂しく感じるときもある」

古泉「…何ですか突然」

長門「不安にもなる」

古泉「……」

長門「でも、忘れることができる場所がある。
    あそこには彼が、皆がいるから忘れることができる」

古泉「……やっぱりわかってるんじゃないですか?」

長門「……」

古泉「あそこは、SOS団は僕が安らげる所なんです。学校の中では唯一の。
    涼宮さんも朝比奈さんも彼も、信用できる大切な数少ない人達です」

長門「……」

古泉「勢いで塗り潰しました。塗り潰し終えてから彼らがいない事に気づいて
    後悔しましたよ」

43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/08(水) 01:08:56.19:cSZjpVod0

古泉「彼らだけ、油性ペンを除光液で落としました」

長門「そう」

古泉「それが理由です」



45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/08(水) 01:32:23.91:cSZjpVod0

長門「これを」スッ

古泉「おっ?懐かしいですね、その色紙」

長門「SOS団員全員から私宛への寄せ書き」

古泉「そういえば書きましたね」

長門「卒業アルバムには何も書いてなくても私はコレが凄く嬉しかった。
    色紙はあなたも持ってるはず」

古泉「ええ、もってますよ」

長門「うれしい?」

古泉「あたりまえです。落書きだらけのアルバムなんか忘れるくらいに嬉しかったですよ」

長門「そう」

古泉「…今度また皆で集まりませんか?」

長門「異議なし」


おわる

49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/08(水) 01:49:10.10:P7ZBVOXn0

SOS団だけ変色ってのでぶっかけとしか思わなかった俺は死んだ方がいいのかな

50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/08(水) 01:49:25.03:Pevtg8W10

>>49
大丈夫、俺もだから