- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 01:45:15.21:sUaFK4oY0
梓「ですね」
律「なー」
梓「っていうか大きな窓しかないじゃないですか」
律「うん。部屋自体は狭いしな」
梓「っていうかよく見ると窓もあまり大きくないですね」
律「な」
梓「(比較的)大きな窓がある(すごく狭い)お部屋♪」
律「()の中身に悪意を感じるんだけど」
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2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 01:47:33.95:sUaFK4oY0
梓「なんでこんなところ借りたんですか」
律「つい」
梓「律先輩って勢いだけで行動して取り返しのつかない過ちを犯すタイプの人間ですよね」
律「うっせ」
梓「ここに引っ越しません?」ピラッ
律「なんだ?ここ」
梓「律先輩がどうしょうもないから私が探してきてあげたんですよ」
律「そうか、心にぐさっと刺さる言い方どうもありがとう」
梓「で、どうです?」
律「いや、ここ借りたばっかだし。家賃前払いしたし」
梓「いいから」
律「いくないから」
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 01:51:00.61:sUaFK4oY0
梓「先輩はよくても私は嫌です」
律「我慢しろよ。っていうか嫌なら出てけバカ」
梓「それはもっと嫌」
律「我が侭太郎」
梓「駄菓子でありそうな名前ですね」
律「違う」
梓「?」
律「とりあえず、2年はここに住まないと」
梓「えー?」
律「契約の更新の時期になったらまた部屋探そうぜ?」
梓「・・・」
律「あーもー、わかったよ。梓が持ってきてくれたその書類見せてくれ」
梓「・・・!」パァァァ!
律「可愛いなちきしょう」ピラッ
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 01:55:03.17:sUaFK4oY0
梓「緑の多い街のお部屋♪」
律「大学まで3時間かかる件について」
梓「え?あぁ、そう」
律「いや、クールになってる場合じゃないから」
梓「だってこの部屋嫌なんだもん」
律「ばーか。ん?こっちは・・・?」
梓「収納たっぷりあるお部屋♪」
律「家賃15万とか馬鹿じゃねぇの」
梓「・・・」シュン
律「え!?なんで落ち込んでんの!?ここ本命だったとか言うなよ!?」
梓「律のばか、もういいよ」
律「敬語、敬語」
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 01:57:56.00:sUaFK4oY0
梓「あ、そうだった。えっと、じゃあそっちの部屋はどうですか?」
律「これか?」ピラッ
梓「海まで歩いていけるお部屋♪」
律「緑の多い街のお部屋の方がまだ大学に近かったな」
梓「もう!」
律「なんだよー」
梓「先輩は選り好みし過ぎです!」
律「選り好みし過ぎなのはこの部屋に不満を抱いてるお前だと思うんだ?」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 02:00:49.11:sUaFK4oY0
梓「ほらっ、次の書類見て!」
律「自分に都合が悪くなったらそうやって話を逸らすんだな?・・・って、え?次の書類?」
梓「うん、いっぱい持ってきたから」
律「うげぇ・・・」
梓「なに」
律「いや、その、いいんじゃない?この部屋で。住めば都って言うだろ?」
梓「私の辞書にそんな言葉は存在しない」
律「今すぐ登録しろ」
梓「断る」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 02:04:16.60:sUaFK4oY0
律「このやろ。・・・それより、レポートやったのか?」
梓「いいえ、面倒なのでやってないです」
律「面倒とか!?お前なー・・・一年の頃からそんなこと言ってるなんて先が思いやられるな」
梓「別に。私、放課後ティータイム続けたくてこの大学選んだだけなんで」
律「ほう?んじゃ唯じゃなくて私を選んだのはなんで?」
梓「いきなり恥ずかしい質問してんじゃないよ、この子はホントにねー」
律「なんで急におばさんみたいなキャラになってんだよ」
梓「いいから。せっかく不動産屋さんから貰ってきたんだから目を通してよ」
律「へいへい。えーと・・・?」
梓「駅から5分!築2年!オートロック付きの物件!」
律「分譲じゃねぇかぁぁぁぁ!!!」
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 02:06:55.66:sUaFK4oY0
梓「えー?」
律「お前、賃貸と分譲の違いを知ってるか?」
梓「うん」
律「じゃ、じゃあ」
梓「買えばいいじゃん」
律「何その4、500円のもの買おうかみたいな軽いノリ」
梓「そうしたら簡単に別れられなくなるし、ね」
律「わお腹黒い」
梓「文句あるんですか?」
律「ううん、ない。そういうとこも割と好きだぞ」
梓「ふん///」
律「でもな、そもそもこんな物件簡単に買えないっての。というわけで、次」ペラッ
梓「家賃4万!駅から15分!築8年!2LDK!」
律「で、ここでは何人が死んでるんだ?」
梓「え?」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 02:10:13.18:sUaFK4oY0
律「どうせ人が死んでるから馬鹿みたいに安いんだろ」
梓「ううん」
律「え?本当か・・・?じゃ、じゃあここ行ってみるk」
梓「周り墓地だけどね」
律「はい却下」
梓「なんで」
律「なんで」
梓「別にいいでしょ」
律「 い や だ 」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 02:13:54.37:sUaFK4oY0
梓「律先輩は本当に我が侭ですね」ハァ・・・
律「我が侭なのは私かな?」
梓「それじゃ、次の見てみてください」
律「おう」ペラッ
梓「・・・」ドキドキ
律「なんじゃこりゃぁ!!」
梓「どう?」
律「築10年、家賃無料、一軒家、だと・・・!?!?」
梓「ぶっちゃけそれが本命なんだよね」
律「ちょ、ちょっと待て。家賃無料ってどういうことだ、おかしいだろ・・・」
梓「よく読んで」
律「なになに?『仕事の都合で家をしばらく空けることになりました。
無人状態にしたくないので、誰かに住んでいただきたいです。
家賃はいりませんが、その代わり部屋を綺麗に使える方限定でお願いします』」
梓「どう?」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 02:16:54.45:sUaFK4oY0
律「いや、そりゃ綺麗に使うくらいできるけど・・・こういうのって普通、親族や
知り合いに頼んだりしないか?」
梓「まぁ、私がそうなんだけどね」
律「マジ!?すげぇ知り合いがいるんだな・・・」
梓「それほどでも。ただ、一応面接をすることになってるんですよ。受けます?」
律「受ける受ける!」
梓「本当?じゃあ明日そのお家に行ってみましょうか」
・・・
・・・
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 02:20:30.54:pRIRRXB80
狭いほうがいちゃつけるじゃん
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 02:23:08.12:VXBPLmTfP
>>16
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 02:22:06.49:sUaFK4oY0
次の日
律「って、お前の家じゃねぇかぁぁぁ!!!」
梓「え?うん」
律「言えよ!」
梓「別に隠してたつもりはないですよ?」
律「だーから、重要なことは言えって!」
梓「うん、わかったわかった」
律「流すなよっ!」
梓「家の前で話すのもなんだし、入りましょう?」ガチャ
律「お、おう」バタンッ
梓「ただいまー」
律「お、お邪魔しまーす」
梓「あ、そうそう」
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 02:26:14.06:sUaFK4oY0
律「どうした?」
梓「私と律先輩は付き合ってるって言ってあるんで、そのつもりで」
律「どのつもり!?」
梓「え?だから」
律「待て待て待て」
梓「もー・・・なに?」
律「私はそんな話聞いてないぞ?どんだけだよ、ねぇちょっと」
梓「へたれ」
律「へたれ!?誰だってビックリするだろ!?親にカミングアウトとか、いつ済ませたんだよ!?」
梓「え?付き合うことになった日だけど?」
律「私の高校生活の何かが音を立てて崩れたんだけど」
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 02:29:45.87:sUaFK4oY0
梓「まだ私の親に会ったことないでしょ?」
律「無視か。・・・確かに、地方公演とかで一度も会ったことないな」
梓「よかったじゃん」
律「え、これなんてドッキリ?」
梓「まぁ、ドッキリっていうか・・・冗談だy」
梓ママ「はーい」パタパタ
梓「あ、お母さん。連れてきたよー」
梓ママ「久しぶりね、おかえり。・・・えっと」チラッ
律「あ、えっと、初めまして。その、田井中と申します・・・」オズオズ
梓ママ「もしかして『律先輩』?」
律「あ、はい。そうです。えっと、梓さんとお付き合いさせていただいてます・・・///」カァァァ
梓ママ「」
梓「」
律「・・・え?」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 02:33:50.38:sUaFK4oY0
梓ママ「今、なんて」
律「え、えっと・・・え?」チラッ
梓「ごめん、律。さっきの冗談のつもりだったんだけど・・・」
律「はぁ!!?!?」
梓「まさかそんな挨拶の仕方すると思ってなかったから・・・ごめん」
律「おまっ、えっ、うっそ・・・」ガーン
梓ママ「ちょっと待っててね、お父さんに」クルッ
律「あぁ!待ってください!今のは冗談!冗談だったんです!ごめんなさい!」
梓ママ「そうなの・・・?」チラッ
梓「え、なんで私に聞くの?」
梓ママ「いいから答えなさい」
梓「・・・」サッ
梓ママ「どうして目を逸らすの!?」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 02:37:05.72:sUaFK4oY0
梓「・・・」
律「お、おい。梓・・・?」
梓「う・・・うるっさいなぁ!もう!」
律&梓ママ「!!?!?!?」
梓「別にいいでしょ!?私は律が好きなの!律は私が好きなの!だから付き合ってるの!」
梓「文句ある!?」
律「」
梓ママ「え?ないわよ?」
律「ないんかい!!」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 02:41:29.96:sUaFK4oY0
梓ママ「やーねー、こう見えて私だって音楽業界の人間よ?結構そういう人多いし、理解はあるつもりだけど?」
梓「そ、そう、なの・・・?」
梓ママ「もちろん。これ、お父さんに話しても大丈夫?」
律「え゛」
梓「・・・いいよ」
律「いいのか!?」
梓「はい。いずれ話さなければいけないことだと思ってたので」
律「そ、そっか・・・」
梓「・・・こんな形で両親と会わせることになっちゃって、すみません・・・」
律「・・・」
梓「嫌、でしたよね・・・」
律「梓」
梓「は、はい」
律「お前、敬語になったりタメ口になったり、聞いてるこっちが疲れる。どっちかにしろよ」
梓「それ、今言う必要ありました?」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 02:46:21.68:sUaFK4oY0
律「親の前なんだからタメ口の方がいいか、うん。よし、そうしような」
梓「え、え?」
律「なんだよ、ほら。行こうぜ?」グイッ
梓「律・・・!///」
律「う、うっさい///」
梓「・・・///」
律「こ、こうなったらちゃんと挨拶しないとな!」ヘヘッ
梓「あ、うん。そんなことより」
律「人の一大決心を『そんなこと』扱い!?」
梓「お父さんに会う前にその全開になってる社会の窓を閉めておいてね」
律「もっと早く言えよ!!!///」
・・・
・・・
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 02:49:50.46:sUaFK4oY0
梓パパ「えーと、梓と付き合ってる(?)田井中さん?」
律「あ、その、はい。そうです」
梓パパ「うーん・・・」
律「・・・」ソワソワ
梓「律、シャキッとしてよ」ボソッ
律「そ、そんなこと言ったって」ボソッ
梓パパ「あのさ」
律「ひゃ、ひゃい!?」
梓「うわ、だっさー」
律「こらぁぁぁ!!」
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 02:52:48.52:sUaFK4oY0
梓パパ「ははは、本当に仲がいいんだね」アハハ
律「はははっ、す、すみません・・・」
梓ママ「いいのよ?気にしないで?」
律「はい・・・」
梓パパ「それじゃ、お父さんと呼んでみてくれるかな」
律「はい?」
梓「ねぇお父さん、ちょっと黙って」
梓パパ「いいから」
梓ママ「あなた」
律「え、えっと・・・お父さん?」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 02:54:48.25:sUaFK4oY0
梓パパ「・・・」
律「・・・」ドキドキ
梓パパ「もう一回」
律「お、お父さん!」
梓パパ「・・・合格ぅ!」
律梓「!!?」
梓ママ「お父さんさっきから何言ってるの?」
梓「そうだよ、さすがの律も戸惑ってるよ」
律「え、えーと、何が合格なんですか?」
梓パパ「色々だよ、家を貸すのも、梓との交際も全部許すからね!」
律「え、なんでこの人こんなにノリ軽いの」
梓「お父さん、ちょっと変わってるんだよ」
律「『ちょっと』・・・?」
梓「何?」
律「なんでもない」
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 02:57:41.19:sUaFK4oY0
梓ママ「ほら、言ったでしょ?パパもこういうのに理解ある方だって」
梓「理解あるっていうか、なんであんなに嬉しそうなの?」
梓パパ「そりゃ、娘が増えたようなものだから嬉しいよ。りっちゃんはドラムだっけ?」
律梓「りっちゃん!!?」
梓パパ「あれ?嫌だった・・・?」
律「いやいやいや、嫌じゃないですよ?はい」アセアセ
梓「私は嫌」
梓パパ「・・・」シュン・・・
律「いいじゃん、私はフランクに接してもらえて嬉しいぞ?」
梓「そ、そう?」
律「おうっ」
梓パパ「僕、ベースも弾けるから今度みんなでセッションしようね」
梓ママ「あら、じゃあ私はキーボードで参加するわ」
律「おぉ、すげぇ・・・さすが音楽一家」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 03:01:36.41:sUaFK4oY0
梓「二人とも今はこんなだけど、楽器持つと人変わるからね」
律「あ、すみません。セッションはやっぱり無しで」
梓ママ「えー」ガーン
梓パパ「僕はりっちゃんが走っても気にしないよ」
律「なんで走り癖あるって知ってるんですか」
梓「さぁ?なんでだろうね」
律「明らかにお前のせいだろぉ!?」
梓ママ「まあまあ」クスクス
梓パパ「じゃあ、部屋はあとで梓に案内してもらって」
律「はい。ありがとうございますっ!!でも、本当にいいんですか?」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 03:05:49.30:sUaFK4oY0
梓ママ「いいのよ。長い間、無人にすると物騒だし。使って貰った方が部屋の維持もできるし」
律「でも」
梓ママ「こちらこそ助かったわ」ニコッ
梓パパ「僕らは数ヶ月に一回くらい帰ってくると思うけど、大丈夫かな?」
律「ももももちろんです!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
数十分後
梓ママ「それにしても、ルームシェアしてる先輩と実は付き合ってたとは・・・」
律「隠しててごめんなさい」
梓ママ「いえ、いいのよ。あなた達なりに考えたんでしょう?」
梓「うん。いつ別れるかわかんないんだし、とりあえずまだいっかって話に」
律「なってないぞ!?そんな悲しい憶測の上で決めたことじゃないよな!?」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 03:08:14.24:sUaFK4oY0
梓「冗談だよ。ただ律がヘタレてただけ」
律「本当のことだけどそんな言い方しなくてもいいだろっ」
梓パパ「ごめんごめん。もういいよ」
律「どこに行ってたんですか?」
梓パパ「僕の書斎だよ。りっちゃんに使ってもらおうと思って」
律「え!?悪いですよ!?」
梓ママ「いいのいいの。気にしないで好きに使ってね」
律「いやでも」
梓パパ「うん、100万くらいするギターが3本くらい置いてあるけど気にしないでね」
律「滅茶苦茶気になりますけど!?」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 03:14:29.02:sUaFK4oY0
梓「よし、じゃあ案内してあげるよ。律の部屋」
律「え、え?」
梓パパ「いってらっしゃい。本当に遠慮しないくていいからねー」
律「え、えっと、それじゃ、いってきます・・・?」
梓「うん。律、こっちだよ」グイッ
律「お、おう」テクテク
梓パパ「気にいって、くれるといいな」
梓ママ「きっと気に入るわよ」
梓パパ「そうかな」
梓ママ「そうよ」
梓パパ「・・・」エヘヘ
・・・
・・・
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 03:18:32.96:sUaFK4oY0
律「結構広いなー」テクテク
梓「そう?律の家もあまり変わらなくない?」
律「そうか?」
梓「そうだよ」ガチャ
律「こ、ここか?」
梓「うん、入って」キィィ・・・
律「お邪魔しまーす・・・」ソロソロ
梓「どう?」
律「って、ああぁぁぁ!!」
梓「何っ!?」
律「大きな窓のあるお部屋だぁ!」
おわり
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/24(金) 03:24:15.46:1b23tK9k0
おつうー
梓「なんでこんなところ借りたんですか」
律「つい」
梓「律先輩って勢いだけで行動して取り返しのつかない過ちを犯すタイプの人間ですよね」
律「うっせ」
梓「ここに引っ越しません?」ピラッ
律「なんだ?ここ」
梓「律先輩がどうしょうもないから私が探してきてあげたんですよ」
律「そうか、心にぐさっと刺さる言い方どうもありがとう」
梓「で、どうです?」
律「いや、ここ借りたばっかだし。家賃前払いしたし」
梓「いいから」
律「いくないから」
梓「先輩はよくても私は嫌です」
律「我慢しろよ。っていうか嫌なら出てけバカ」
梓「それはもっと嫌」
律「我が侭太郎」
梓「駄菓子でありそうな名前ですね」
律「違う」
梓「?」
律「とりあえず、2年はここに住まないと」
梓「えー?」
律「契約の更新の時期になったらまた部屋探そうぜ?」
梓「・・・」
律「あーもー、わかったよ。梓が持ってきてくれたその書類見せてくれ」
梓「・・・!」パァァァ!
律「可愛いなちきしょう」ピラッ
梓「緑の多い街のお部屋♪」
律「大学まで3時間かかる件について」
梓「え?あぁ、そう」
律「いや、クールになってる場合じゃないから」
梓「だってこの部屋嫌なんだもん」
律「ばーか。ん?こっちは・・・?」
梓「収納たっぷりあるお部屋♪」
律「家賃15万とか馬鹿じゃねぇの」
梓「・・・」シュン
律「え!?なんで落ち込んでんの!?ここ本命だったとか言うなよ!?」
梓「律のばか、もういいよ」
律「敬語、敬語」
梓「あ、そうだった。えっと、じゃあそっちの部屋はどうですか?」
律「これか?」ピラッ
梓「海まで歩いていけるお部屋♪」
律「緑の多い街のお部屋の方がまだ大学に近かったな」
梓「もう!」
律「なんだよー」
梓「先輩は選り好みし過ぎです!」
律「選り好みし過ぎなのはこの部屋に不満を抱いてるお前だと思うんだ?」
梓「ほらっ、次の書類見て!」
律「自分に都合が悪くなったらそうやって話を逸らすんだな?・・・って、え?次の書類?」
梓「うん、いっぱい持ってきたから」
律「うげぇ・・・」
梓「なに」
律「いや、その、いいんじゃない?この部屋で。住めば都って言うだろ?」
梓「私の辞書にそんな言葉は存在しない」
律「今すぐ登録しろ」
梓「断る」
律「このやろ。・・・それより、レポートやったのか?」
梓「いいえ、面倒なのでやってないです」
律「面倒とか!?お前なー・・・一年の頃からそんなこと言ってるなんて先が思いやられるな」
梓「別に。私、放課後ティータイム続けたくてこの大学選んだだけなんで」
律「ほう?んじゃ唯じゃなくて私を選んだのはなんで?」
梓「いきなり恥ずかしい質問してんじゃないよ、この子はホントにねー」
律「なんで急におばさんみたいなキャラになってんだよ」
梓「いいから。せっかく不動産屋さんから貰ってきたんだから目を通してよ」
律「へいへい。えーと・・・?」
梓「駅から5分!築2年!オートロック付きの物件!」
律「分譲じゃねぇかぁぁぁぁ!!!」
梓「えー?」
律「お前、賃貸と分譲の違いを知ってるか?」
梓「うん」
律「じゃ、じゃあ」
梓「買えばいいじゃん」
律「何その4、500円のもの買おうかみたいな軽いノリ」
梓「そうしたら簡単に別れられなくなるし、ね」
律「わお腹黒い」
梓「文句あるんですか?」
律「ううん、ない。そういうとこも割と好きだぞ」
梓「ふん///」
律「でもな、そもそもこんな物件簡単に買えないっての。というわけで、次」ペラッ
梓「家賃4万!駅から15分!築8年!2LDK!」
律「で、ここでは何人が死んでるんだ?」
梓「え?」
律「どうせ人が死んでるから馬鹿みたいに安いんだろ」
梓「ううん」
律「え?本当か・・・?じゃ、じゃあここ行ってみるk」
梓「周り墓地だけどね」
律「はい却下」
梓「なんで」
律「なんで」
梓「別にいいでしょ」
律「 い や だ 」
梓「律先輩は本当に我が侭ですね」ハァ・・・
律「我が侭なのは私かな?」
梓「それじゃ、次の見てみてください」
律「おう」ペラッ
梓「・・・」ドキドキ
律「なんじゃこりゃぁ!!」
梓「どう?」
律「築10年、家賃無料、一軒家、だと・・・!?!?」
梓「ぶっちゃけそれが本命なんだよね」
律「ちょ、ちょっと待て。家賃無料ってどういうことだ、おかしいだろ・・・」
梓「よく読んで」
律「なになに?『仕事の都合で家をしばらく空けることになりました。
無人状態にしたくないので、誰かに住んでいただきたいです。
家賃はいりませんが、その代わり部屋を綺麗に使える方限定でお願いします』」
梓「どう?」
律「いや、そりゃ綺麗に使うくらいできるけど・・・こういうのって普通、親族や
知り合いに頼んだりしないか?」
梓「まぁ、私がそうなんだけどね」
律「マジ!?すげぇ知り合いがいるんだな・・・」
梓「それほどでも。ただ、一応面接をすることになってるんですよ。受けます?」
律「受ける受ける!」
梓「本当?じゃあ明日そのお家に行ってみましょうか」
・・・
・・・
狭いほうがいちゃつけるじゃん
>>16
`¨ - 、 __ _,. -‐' ¨´
| `Tーて_,_` `ー<^ヽ
| ! `ヽ ヽ ヽ
r / ヽ ヽ _Lj
、 /´ \ \ \_j/ヽ
` ー ヽイ⌒r-、ヽ ヽ__j´ `¨´
 ̄ー┴'^´
次の日
律「って、お前の家じゃねぇかぁぁぁ!!!」
梓「え?うん」
律「言えよ!」
梓「別に隠してたつもりはないですよ?」
律「だーから、重要なことは言えって!」
梓「うん、わかったわかった」
律「流すなよっ!」
梓「家の前で話すのもなんだし、入りましょう?」ガチャ
律「お、おう」バタンッ
梓「ただいまー」
律「お、お邪魔しまーす」
梓「あ、そうそう」
律「どうした?」
梓「私と律先輩は付き合ってるって言ってあるんで、そのつもりで」
律「どのつもり!?」
梓「え?だから」
律「待て待て待て」
梓「もー・・・なに?」
律「私はそんな話聞いてないぞ?どんだけだよ、ねぇちょっと」
梓「へたれ」
律「へたれ!?誰だってビックリするだろ!?親にカミングアウトとか、いつ済ませたんだよ!?」
梓「え?付き合うことになった日だけど?」
律「私の高校生活の何かが音を立てて崩れたんだけど」
梓「まだ私の親に会ったことないでしょ?」
律「無視か。・・・確かに、地方公演とかで一度も会ったことないな」
梓「よかったじゃん」
律「え、これなんてドッキリ?」
梓「まぁ、ドッキリっていうか・・・冗談だy」
梓ママ「はーい」パタパタ
梓「あ、お母さん。連れてきたよー」
梓ママ「久しぶりね、おかえり。・・・えっと」チラッ
律「あ、えっと、初めまして。その、田井中と申します・・・」オズオズ
梓ママ「もしかして『律先輩』?」
律「あ、はい。そうです。えっと、梓さんとお付き合いさせていただいてます・・・///」カァァァ
梓ママ「」
梓「」
律「・・・え?」
梓ママ「今、なんて」
律「え、えっと・・・え?」チラッ
梓「ごめん、律。さっきの冗談のつもりだったんだけど・・・」
律「はぁ!!?!?」
梓「まさかそんな挨拶の仕方すると思ってなかったから・・・ごめん」
律「おまっ、えっ、うっそ・・・」ガーン
梓ママ「ちょっと待っててね、お父さんに」クルッ
律「あぁ!待ってください!今のは冗談!冗談だったんです!ごめんなさい!」
梓ママ「そうなの・・・?」チラッ
梓「え、なんで私に聞くの?」
梓ママ「いいから答えなさい」
梓「・・・」サッ
梓ママ「どうして目を逸らすの!?」
梓「・・・」
律「お、おい。梓・・・?」
梓「う・・・うるっさいなぁ!もう!」
律&梓ママ「!!?!?!?」
梓「別にいいでしょ!?私は律が好きなの!律は私が好きなの!だから付き合ってるの!」
梓「文句ある!?」
律「」
梓ママ「え?ないわよ?」
律「ないんかい!!」
梓ママ「やーねー、こう見えて私だって音楽業界の人間よ?結構そういう人多いし、理解はあるつもりだけど?」
梓「そ、そう、なの・・・?」
梓ママ「もちろん。これ、お父さんに話しても大丈夫?」
律「え゛」
梓「・・・いいよ」
律「いいのか!?」
梓「はい。いずれ話さなければいけないことだと思ってたので」
律「そ、そっか・・・」
梓「・・・こんな形で両親と会わせることになっちゃって、すみません・・・」
律「・・・」
梓「嫌、でしたよね・・・」
律「梓」
梓「は、はい」
律「お前、敬語になったりタメ口になったり、聞いてるこっちが疲れる。どっちかにしろよ」
梓「それ、今言う必要ありました?」
律「親の前なんだからタメ口の方がいいか、うん。よし、そうしような」
梓「え、え?」
律「なんだよ、ほら。行こうぜ?」グイッ
梓「律・・・!///」
律「う、うっさい///」
梓「・・・///」
律「こ、こうなったらちゃんと挨拶しないとな!」ヘヘッ
梓「あ、うん。そんなことより」
律「人の一大決心を『そんなこと』扱い!?」
梓「お父さんに会う前にその全開になってる社会の窓を閉めておいてね」
律「もっと早く言えよ!!!///」
・・・
・・・
梓パパ「えーと、梓と付き合ってる(?)田井中さん?」
律「あ、その、はい。そうです」
梓パパ「うーん・・・」
律「・・・」ソワソワ
梓「律、シャキッとしてよ」ボソッ
律「そ、そんなこと言ったって」ボソッ
梓パパ「あのさ」
律「ひゃ、ひゃい!?」
梓「うわ、だっさー」
律「こらぁぁぁ!!」
梓パパ「ははは、本当に仲がいいんだね」アハハ
律「はははっ、す、すみません・・・」
梓ママ「いいのよ?気にしないで?」
律「はい・・・」
梓パパ「それじゃ、お父さんと呼んでみてくれるかな」
律「はい?」
梓「ねぇお父さん、ちょっと黙って」
梓パパ「いいから」
梓ママ「あなた」
律「え、えっと・・・お父さん?」
梓パパ「・・・」
律「・・・」ドキドキ
梓パパ「もう一回」
律「お、お父さん!」
梓パパ「・・・合格ぅ!」
律梓「!!?」
梓ママ「お父さんさっきから何言ってるの?」
梓「そうだよ、さすがの律も戸惑ってるよ」
律「え、えーと、何が合格なんですか?」
梓パパ「色々だよ、家を貸すのも、梓との交際も全部許すからね!」
律「え、なんでこの人こんなにノリ軽いの」
梓「お父さん、ちょっと変わってるんだよ」
律「『ちょっと』・・・?」
梓「何?」
律「なんでもない」
梓ママ「ほら、言ったでしょ?パパもこういうのに理解ある方だって」
梓「理解あるっていうか、なんであんなに嬉しそうなの?」
梓パパ「そりゃ、娘が増えたようなものだから嬉しいよ。りっちゃんはドラムだっけ?」
律梓「りっちゃん!!?」
梓パパ「あれ?嫌だった・・・?」
律「いやいやいや、嫌じゃないですよ?はい」アセアセ
梓「私は嫌」
梓パパ「・・・」シュン・・・
律「いいじゃん、私はフランクに接してもらえて嬉しいぞ?」
梓「そ、そう?」
律「おうっ」
梓パパ「僕、ベースも弾けるから今度みんなでセッションしようね」
梓ママ「あら、じゃあ私はキーボードで参加するわ」
律「おぉ、すげぇ・・・さすが音楽一家」
梓「二人とも今はこんなだけど、楽器持つと人変わるからね」
律「あ、すみません。セッションはやっぱり無しで」
梓ママ「えー」ガーン
梓パパ「僕はりっちゃんが走っても気にしないよ」
律「なんで走り癖あるって知ってるんですか」
梓「さぁ?なんでだろうね」
律「明らかにお前のせいだろぉ!?」
梓ママ「まあまあ」クスクス
梓パパ「じゃあ、部屋はあとで梓に案内してもらって」
律「はい。ありがとうございますっ!!でも、本当にいいんですか?」
梓ママ「いいのよ。長い間、無人にすると物騒だし。使って貰った方が部屋の維持もできるし」
律「でも」
梓ママ「こちらこそ助かったわ」ニコッ
梓パパ「僕らは数ヶ月に一回くらい帰ってくると思うけど、大丈夫かな?」
律「ももももちろんです!」
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数十分後
梓ママ「それにしても、ルームシェアしてる先輩と実は付き合ってたとは・・・」
律「隠しててごめんなさい」
梓ママ「いえ、いいのよ。あなた達なりに考えたんでしょう?」
梓「うん。いつ別れるかわかんないんだし、とりあえずまだいっかって話に」
律「なってないぞ!?そんな悲しい憶測の上で決めたことじゃないよな!?」
梓「冗談だよ。ただ律がヘタレてただけ」
律「本当のことだけどそんな言い方しなくてもいいだろっ」
梓パパ「ごめんごめん。もういいよ」
律「どこに行ってたんですか?」
梓パパ「僕の書斎だよ。りっちゃんに使ってもらおうと思って」
律「え!?悪いですよ!?」
梓ママ「いいのいいの。気にしないで好きに使ってね」
律「いやでも」
梓パパ「うん、100万くらいするギターが3本くらい置いてあるけど気にしないでね」
律「滅茶苦茶気になりますけど!?」
梓「よし、じゃあ案内してあげるよ。律の部屋」
律「え、え?」
梓パパ「いってらっしゃい。本当に遠慮しないくていいからねー」
律「え、えっと、それじゃ、いってきます・・・?」
梓「うん。律、こっちだよ」グイッ
律「お、おう」テクテク
梓パパ「気にいって、くれるといいな」
梓ママ「きっと気に入るわよ」
梓パパ「そうかな」
梓ママ「そうよ」
梓パパ「・・・」エヘヘ
・・・
・・・
律「結構広いなー」テクテク
梓「そう?律の家もあまり変わらなくない?」
律「そうか?」
梓「そうだよ」ガチャ
律「こ、ここか?」
梓「うん、入って」キィィ・・・
律「お邪魔しまーす・・・」ソロソロ
梓「どう?」
律「って、ああぁぁぁ!!」
梓「何っ!?」
律「大きな窓のあるお部屋だぁ!」
おわり
おつうー
コメント 3
コメント一覧 (3)
律梓もっと増えろー
※2
ベタな話の作者っぽいな
違ったらすいません