- 律「METAL GEAR RITU WORLD OF SONG」 1
律「METAL GEAR RITU WORLD OF SONG」 2
律「METAL GEAR RITU WORLD OF SONG」 3
1:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 17:00:41.09:psjHZ2AO
トゥルルトゥルル…
「……あたしだよんっ!」
「……もっと真面目に出来ないのかしらあなたは……」
「ごめんごめん~、でも堅っ苦しいのは私には似合わないかな~なんて……」
「……まあいいわ。確かにリラックスは大切ね。筋肉の緊張をほぐしてミッションに有効な……」
「ちょっと前まで音楽教師とは思えないセリフだな~」
「今は一応FOXDIEDの局長だからね……そしてあなたは……」
「その隊員……か。あれから数年足らずでまさかこんなことになるなんて思っても見なかったよ」
「でも止められるのはあなただけよ、りっちゃん」
律「わかってる……わかってるよ、さわちゃん」
律「ふー……」
酸素マスクを取り外す。地毛の茶色がかった髪が海風に靡く。
海中でお世話になったスニーキングスーツも脱ぎ捨て、中から緑色の迷彩服が露になる。華奢な律の体にはとても似つかわしくない。
バックパックから迷彩柄のカチューシャを装着する。
律「こちら律、テロリストが占拠している無人島に潜入した。指示を宜しく」
────METAL GEAR RITU
WORLD OF SONG───

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韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
2:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 17:12:48.86:psjHZ2AO
さわ子『案外あっさりと潜入出来たのは意外だったわね…。』
律『衛星カメラで東側だけ警備が手薄だったから何かの罠かと思ったけど……見たところ人がいる気配はないな』
さわ子『ではミッション内容の確認をします。』
律『行く前に何回もやったじゃ~んパスパ~ス』
さわ子『いいから聞きなさい!!』
律『はい……』
さわ子『あなたの一番の目標はテロリストの兵器とされる新型METAL GEARの破壊、そして首謀者……』
律『秋山澪の抹殺……か』
さわ子『このミッションに望んだ時点で迷いは吹っ切れていると私達は判断しているわ。テロリスト側の言っている「世界中の核ミサイル、そのコードを意のままに操れる」と言う脅しで世界政府は恐慌状態、この島に武力介入どころかヘリ一つ飛ばせない状況の中頼れるのはあなただけなの、りっちゃん』
4:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 17:26:01.98:psjHZ2AO
律『わかってるよ……もう……決めたから』
さわ子『ええ、そう言ってくれると思ってたわ。じゃあ具体的な説明に入りましょうか』
律『……うん』
さわ子『その無人島は直径15kmほどしかない小さな無人島よ。まあ隠れるには絶好の場所ね。テロリストがいる建物はそこから西に5kmにある即席で建てられたラボね。小さな島だし建物はそこしかないから迷わないと思うわ。衛星から見た感じ結構大きな建物だからそこからでも見えるかもしれないわ』
律『ここからは……木が邪魔で見えないなー』
さわ子『そう、まあそのまま直進すれば見えて来る筈よ。』
律『了解』
さわ子『じゃあ次は装備の確認ね。武器は基本現地調達、これは自分の武器が相手に渡らないようにするためと潜入の痕跡を残さない為よ。わかって頂戴ね』
律『FOXHOUNDの習わしかと思ってたらちゃんと意味あったんだ!』
5:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 17:34:17.64:psjHZ2AO
さわ子『勿論それもあるわ。このFOXDIEDは伝説の組織FOXHOUNDを真似て創ったものですもの。あなたが取得しているCQC、Close Quarters Combatもあの伝説の傭兵が使用していたと言う理由で採用してるのよ!』
律『ミーハーだなさわちゃん……』
さわ子『う、うるさいわね!けどCQCは近接格闘においては最強とも呼ばれる体術よ。きっと役に立つと思うわ。』
律『へいへい……』
6:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 17:42:37.83:psjHZ2AO
律『まあMk.22、双眼鏡、無人島のマップ、ドラムスティックがあれば大丈夫っ』
さわ子『またドラムスティックなんてかさばる物持って来て……』
律『ちっちっちっ、意外と役に立つんだよこれが。まあ見てなって』
さわ子『もう持って来てしまったものは仕方ないわ。上手く活用して頂戴。じゃあそろそろ通信切るわね。何か聞きたいことがあったりしたらCALLして。周波数は143.85よ』
律『いよっ、さわこ!で覚えるね!』
さわ子『好きにしなさい……』
7:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 18:03:27.50:psjHZ2AO
さわ子『ああそうそう。あなたのナビゲーター兼メディカルチェック担当を紹介しておくわ。いいわよ、話して』
『お久しぶりです、律さん』
律『その声は……憂ちゃん?!なんでFD(FOXDIED)に?』
憂『律さんがその……澪さんと対峙するって聞いて……私も正しいことをしたいって思ったんです。確かに澪さん達の気持ちもわかるけど……けどそれは悲しみしか産まないから……』
律『憂ちゃん……』
憂『それにお姉ちゃんも……ううん、何でもないです。微力ながらですが力になります!体調のことや対処法、治療の方法、後はその島の特徴なんかも少しだけなら答えられます。聞きたいことがあったら311.15にCALLしてください』
律『う~む……ういいい子と覚えようか!』
憂『3が……うですか?』
律『携帯なんかで1を3回打つと「う」になるから……だめ?』
憂『ふふ、律さんらしいです』
8:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 18:09:10.85:Uno9tiEo
劇画調のりっちゃん隊員が浮かぶ
9:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 18:13:15.88:psjHZ2AO
律『そうなった時に困るから先に言っとくけどさ……。』
律『多分……唯もいるよ、ここに。それでも憂ちゃんは私達につくの?』
憂『……律さんも澪さんと敵対してまでそこにいるんですよね…。しかも私なんかと違って実際に赴いて……しかも抹消なんて……』
律『憂ちゃん……』
憂『大丈夫です…。もう弱い自分は捨てました。お姉ちゃんが間違ったことをしてるなら妹として……私は止めないと、叱らないと駄目だと思ったんです。だからここにいます。それじゃ…いけませんか?』
律『(叱る…か、そんな生温い状況じゃないのは憂ちゃんもわかってる筈……もしかしたら最愛の姉を私が殺すことになるかもしれない……それを覚悟してるのか……)』
11:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 18:30:01.47:psjHZ2AO
律『(いや……わかってないとしてもきっとこの子はジッとして居られなかったんだ。自分の知らない間に全て終わってしまう前に……。こうして唯と対峙することがどれだけ苦しかったことだろう……。澪、唯……お前達はそんな者達を捨ててまで……愛したと言うんだな、音楽を)』
律『ううん、十分だよ、憂ちゃん。一緒にあのバカ達を叱りに行こうぜ!』
憂『はい!』
律『(必ず取り返してみせる……この子の為にも)』
さわ子『さて、そろそろ作戦開始時刻よ。健闘を祈るわ』
律『了解っ』
さわ子『ここから先はコードネームで呼びます。いいわね?』
律『コードネームって言ってもあんま変わらないじゃ……』
さわ子『気持ちの問題よ気持ちの。じゃあ頑張ってね、りっちゃん』
りっちゃん『コードネームがりっちゃんって……』
ピピュン……
12:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 18:34:33.92:psjHZ2AO
りっちゃん「さ~てと、行くか」
中腰になりながら辺りを警戒し森の中へと入って行くりっちゃん。
この先に待ち構えてるであろう旧友達、国を捨て友を捨てたった一つ得た音楽と言う名の柵(しがらみ)。
彼女らは全てを捨てた、そう……音楽の為に。
事は2年前の事件に遡る──────
13:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 18:57:59.86:psjHZ2AO
2年前に起きた全世界規模で起きたテロ、後にWORLD OF SONGと呼ばれる事件。
爆弾が何かに反応して全世界ほぼ一斉に爆発したと言う恐ろしい事件だった。
その何か、が問題視された。最初は複数の組織による同時多発テロかと見られていたが声明は出ず、世界は恐怖に見まわれた。
それからも何度か同時に近い爆発が起こり、メディアは踏まずに爆発する地雷などと煽りたてた。
しかし1つの爆弾が爆発するまでに見つかり、事件は見方を変えた。
アメリカの研究所に持ち込まれた爆弾を解析した結果、その爆弾は音に反応して爆発すると言うことがわかった。
ただ普通の音ではない、それは音楽、……に乗った歌によって爆発する爆弾。
SONG BOMB……と恐れられた。
14:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 19:07:29.97:psjHZ2AO
人々はあり得ないと非難した。歌によって爆発する爆弾など聞いたことがない、と。
しかし爆発は主に音楽のステージ近くや歌と音楽が流れる大型テレビ近くなどで起こっていることがわかり、人々はこれを認めざるを得なかった。
目的は何か、またいつ爆発するかわからず犯人の特定も困難と化していた。
爆発を仕掛けて何時間、いや、何日経ったかわからない為に絞り込みが出来ない。
リモコン操作などなら爆発の数時間前にその辺りを通った者に限定されるがSONG BOMBはそう言った概念がなかった。
一人なのか多数なのか団体なのかもわからないまま……人々は恐怖し、次第に歌うのをやめていった……。
15:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 19:16:28.40:psjHZ2AO
歌わなければ、奏でなければ爆発しない。
簡単な話だった……音楽を、歌を愛さないものには。
それから歌や音楽が廃へ、楽器等で奏でる行為は法律で禁止されるまでになった。
これが犯人の描いた未来なのだろうか、だとしたら余りにも上手くいった結末だろう。
しかし、禁止されても音楽を愛し、奏で続ける者達はいた。
だが無情にも爆弾はそれに反応し、また歌わぬ者も巻き込み、歌う者は悪と言うレッテルが貼られ……世界から一つの文化が消滅した。
それがちょうど今から一年前の話である。
16:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 19:38:00.93:psjHZ2AO
音楽、歌がが禁止されてから数ヶ月して……
音楽を、歌うことをやめた世界を……彼女達は憎んだ────
1ヶ月前、無人島から世界に贈られたメッセージは、歌ない世の中に対する宣戦布告だった。
あの時の澪の顔を……私は今でも覚えている。
彼女らは旧型と化していたメタルギアを改造し、世界に散らばる核、そのコードを掌握したと発表。
試しに、と、ロシアの核実験に使用されている核のロックを発射シークエンスギリギリまで外してみせたらしい。
どの様な手を使って行なったかは不明だがこれで世界はこの無人島に迂闊に干渉することが出来なくなったのだ。
彼女らはあの歌がなくなった日にちなんでか、自分達をWORLD OF SONGと名乗り、世界に歌、音楽を取り戻せと通告。
政府はSONG BOMBと核に板挟みにされた状態になる事となった……。
17:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 19:50:44.44:psjHZ2AO
それを受けて発足されたのがFOXDIED。FOXHOUND後釜、いや、亡霊と言った方がいいだろう。
そんな組織に、私は入った。
入った理由は色々ある。
1つは家族の保身の為。自らの身を潔白する為だ。
同じ軽音楽部として過ごしていた仲間が今や世界を揺るがすテロリストなのだ。放課後ティータイムというバンドまで組んでいた元メンバーの私が分子として疑われないわけがなかった。
自ら対立する組織に入ることで身の潔白を証明出来た。
ただ政府はそれだけじゃ飽きたらず、一番身近に居た私にテロリストを討て、と命令してきたのだ。
18:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 20:07:26.45:psjHZ2AO
断れば世界に敵対する反乱分子と決めつけられ……家族共々始末されるだろうことは容易に想像が出来た。
でもそんなこと言われる前から私は自分でみんなを止める、そう覚悟していた。
FOXDIED結成より数ヶ月前に
澪に、誘われてたんだよね。
「一緒に取り返さないか?」って
あの恥ずかしがり屋で怖がりで……そんな澪が全部投げ売ってまで取り返したかったモノ……それが音楽や歌だった。
迷った、迷った、凄く、凄く、死にたい程迷った。
けど
断った。
「私にはそこまでする理由がわからない」って
実際にわからなかったんだから仕方ない!
世界を敵に回してまで奏でる意味が、歌う意味があるのだろうか?
あるわけがない。他に楽しいことはいくらだってある筈だ。ならそれをすればいい、わざわざ茨の道を行く必要なんて……。
そう思ってたのは私だけだったみたいだ。他のみんなはその日を境に、連絡がつかなくなった。
19:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 20:26:21.94:psjHZ2AO
答えはわからなかった、どっちが正しくてどっちが悪いのか。
その答えを知るために、いつか来る日の為に訓練し、訓練し、訓練し、訓練した……。
世界を代表して、あのわからず屋達を説得する権利を得る為に。
これが2つ目。
そして最後は……友達だから。大切な、誰にも代えられない、大切な……
律「澪にはずっと私がいるからな……」
いつか言った言葉だ。これを聞いた澪は照れたりふざけてると思って私を殴ったりしたっけ。
違う形かもしれない、澪には嫌われるかもしれない。
それでも、私は私の思う道であの言葉を守るから。
律「待ってろ、澪」
20:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 20:33:12.24:psjHZ2AO
─────────
「誰か来たよ~? りっちゃんかなぁ?」
「律先輩……」
「まさかりっちゃんが敵対するなんて……」
「……」
「仕方ないよぉ、私達はりっちゃんに裏切られたんだよ。悪いのはりっちゃんなんだ。ね、澪ちゃん?」
「……そうだな」
「殺す……んですか?」
「そんなっ!りっちゃんならきっとわかってくれるわ!もう一回話し合うべきよ!」
「お嬢様……言葉を濁すようで悪いのですが田井中律は我々を抹殺する組織、FOXDIEDのメンバーです。迂闊に接触しては……」
「……黙りなさい」
「仰せのままに」
「なら最初は私が行くよ~。りっちゃんとは色々話したいことがあるし。大丈夫、きっとわかってくれるよ」
「……任せた、唯」
唯「じゃあいこっか……ギー太」
ジャラ……
21:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 20:37:12.60:U.NKYok0
wktk
26:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 22:59:39.91:psjHZ2AO
りっちゃん「ようやくお出まし……か」
バックパックから可変式双眼鏡を取り出すと「どれどれ…」何て女風呂を覗くおっさんの様な面ごちで双眼鏡を宛てる。
りっちゃん「他の音楽を取り戻す活動の奴らも合流してんのか……」
りっちゃん「装備はAK-47のⅢ型にマークⅡのパイナップル、後はM84スタングレネードに無線機か……」
りっちゃん「(一兵士にしては装備がしっかりし過ぎてる……むぎの財力か? それに死角を作らない見張りの仕方を見るに……こりゃ島に上陸してるのがバレてるな)」
茂みに伏せながら指を耳の裏に宛てる、CALLの仕草だ。
トゥルルトゥルル……
27:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/19(土) 23:08:53.07:psjHZ2AO
りっちゃん『さわちゃん、どうやら……』
さわ子『えぇ、こちらの動きは筒抜けのようね』
りっちゃん『いいの~?核発射されたりされない?』
さわ子『今のところ動きはないわ。もっとも東側の警備の薄さを見た時からおかしいとは思ってたけれどね』
りっちゃん『誘ってる……か。で? どうすんの?』
さわ子『確かにあちらは何らかの手段でこちらの動きを把握してるみたいだけど見逃してくれてるなら都合はいいわ。そのまま澪ちゃんのところまで行っちゃいなさい!!!』
りっちゃん『う~んでもこの装備じゃここを突破するのは厳しいかなぁ。Mkで一人眠らしたとしても後の二人が問題だよな~。音で引き付けるとしてもみんな気づいちゃう位置だし』
さわ子『そう言うパターンはVR訓練で何回かやったでしょ? それを思い出してりっちゃん』
りっちゃん『VR訓練……か。そういややったけ。わかった、上手くやってみる!』
プツン...
30:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 00:25:32.28:pOsIzj60
俺のリロードはレボリューションだ!
MGSのSSでジョニー佐々木を見かけた事がないな
31:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 01:06:11.16:pXZdYMAO
りっちゃん「やるか……」スチャ
まずは一人に狙いをつける。
ヒュンッ────
SONG兵A「あう……ォ……」
首筋に麻酔針が刺さり一発で昏倒。
SONG兵B「なんだッ!?」
SONG兵C「敵襲!?」
りっちゃん「」ヒュイッ
兵士Aが昏倒し、視線が集まってる内にりっちゃんが素早く残り二人の後ろの方の茂みにドラムスティックを投げ込み陽動をかける。
ガササッ
SONG兵B「そこかッ!」
SONG兵C「」
兵士Cがおもむろに腰の無線機手を伸ばすのが見えた。そこでりっちゃんは目標を兵士Cに定めもう一発首筋に……。
ブゥンンン
りっちゃん「(うわっデッカい虫っ)」
シュンッ────
SONG兵「がっ……くっ、なんだこれはっ! 針……?! 麻酔弾か!!!」
りっちゃん「(あっちゃ~外した)」
首筋を狙ったつもりが肩口に当たり睡眠薬の廻りが首筋より遅れたのだ。
りっちゃん「(こうなったら……)」
32:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 01:25:05.05:pXZdYMAO
《超スーパースローモードで回想してください》
ブアッ
綺麗な側転で一気に茂みから出るりっちゃん
SONG兵C「なんだッ!」
AK-47を構えようとする兵士C────
りっちゃん「(遅いッ)」
水平に構えられたAKを蹴り上げる。銃身は上に向き、、そのまま引き金が弾かれ……
バババババッ
中空に乱射、
りっちゃんは兵士Cの首筋に今度こそ麻酔弾撃ち込む。
SONG兵士C「ガッ……」
昏倒、そして何が起こったのか理解しきれていないSONG兵士BのAKを左手で掴み込む。
ここでようやく覚醒したのか手を振り払って銃身をりっちゃんに向けようと力を込める、が、
ガシッ
ブワッ
SONG兵士B「なッ」
手を離すと同時に右足で兵士Bの足を払う。引っ張ることに力を入れていたため上半身の力は後ろへと流れている、半ば反った形になっていたところに足を払われたのだ。
兵士Cは成すすべなく綱引きで急に手を離された様に倒れ込んだ。
りっちゃん「おやすみ」ニヒッ
シュンッ───
33:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 01:39:26.76:pXZdYMAO
りっちゃん「15点……かな。VR訓練の元にもなってるあの伝説の傭兵なら銃声を鳴らささず、麻酔弾も3発……いや最後の一人はCQCで倒して2発で留めたかな」
りっちゃん「やっぱり実戦と訓練は違うかー。」
茂みに兵士を隠し思案に更けるりっちゃん。
りっちゃん「(誘い出された気がしたけど兵士は迷わず発砲してきた……こんなとこで死ぬ様なら用はないってか。澪達は新型のメタルギア以外戦力になるようなものはない……歩兵としてならそこらの兵士以下だろう。だから……か)」
迷ってるのか……澪。
目視出来るまで近付いたラボを見据える。
りっちゃん「銃声はまずかったな……早く離れないと」
「んふふ、りっちゃん凄いね」
りっちゃん「ッ!?」
34:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 01:54:33.69:pXZdYMAO
りっちゃん「その声は……唯か!? (どこにいる……)」
唯「その銃で私や澪ちゃんも殺しに来たの……?」フォン...
りっちゃん「違うんだ唯! 話を聞いてくれ! 」
話をしながらも声のした方から位置を確認するりっちゃん、だがしかし、
りっちゃん「(速い……走って出るスピードじゃない……ほんとに唯か……?)」
唯「聞くよ~話ならいくらでも。私達のりっちゃんになってくれたら……だけどね!」フォン.....
りっちゃん「(つまり聞く耳持たないってわけか……! 唯には悪いけど憂ちゃんの為にも無理矢理でも連れて帰る……!)」
フォン......
りっちゃん「そこかッ!」
シュンッ──────
フッ ガッ
麻酔弾が木に刺さり込む音を受けてりっちゃんは驚愕する。
りっちゃん「(間違いなく当てた筈なのに……)」
唯「私に向かって撃って来るなんて……りっちゃんも変わったんだね。澪ちゃんの言った通り…」
35:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 02:06:33.24:pXZdYMAO
とうとう姿を見せた唯、その姿は昔の唯とはかけ離れていた。
緑色の長いコートに身を包み、目は眠そうに半分塞がっている。
足には何やら特別な靴の様な物を履いていて、地上から数センチ浮いている。
前腰辺りにダラりと唯の愛楽器、ギー太をぶら下げている。
りっちゃん「唯……お前」
唯「りっちゃん……。どうして? どうして私達を裏切ったの?? 同じけいおん部の仲間だと思ってたのに……ッ!」
りっちゃん「唯……。だからってお前達は楽器の代わりに武器を持つのか? それがお前らの答えなのか!!!」
唯「武器なんて……」
りっちゃん「とぼけるなよ……いつからギー太はそんな厳つくなったんだ?」
唯「……んふふ、カッコいいでしょ? ギー太もきっと喜んでるよぉ」
36:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 02:26:21.42:pXZdYMAO
りっちゃん「あれだけ大切にしてたギー太だろ!? 世間に対する考えは変わっても……音楽に対する思いは変わってないと思ったのにぃッ!!唯っ!」
銃口を唯に向けるりっちゃん
唯「違うよぉりっちゃん~……銃声ってね……スゴぉい良い音がするんだよ!!!」
ジャラアアアアアアン
ギー太を掻き鳴らす唯
するとギー太のトップ(表板)がいくつか開き、そこから銃弾が飛び出した。
りっちゃん「なっ」
それをギリギリ木の影に入ってやり過ごす。
唯「ほらね……凄い綺麗……。 歌ってるみたい」
チュインッ
ヒュンッ
ビュンッ
色々な弾、威力の伝わりなのか出る銃声出る銃声がバラバラだ。
それがまるで演奏に唯は聞こえるのだろう。
りっちゃん「パトリオットギー太……とでも言っておこうか」
唯「それカッコいいっ!ギー太は今からパトリオットギー太だよっ!」
チュインチュインッ
ビュンッ
唯「あはは、喜んでる喜んでる」
りっちゃん「(お前がかき鳴らしてるだけだろっ!)」
37:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 02:33:04.37:pXZdYMAO
りっちゃん「(一体どんな改造したのか知らないけどすっかりおかしくなっちゃってるな……唯のやつ。元々一つのことだけやり込めば天才クラスだからな……)」
楽しそうにかき鳴らす唯を影から観察するりっちゃん。
りっちゃん「(あの靴も油断出来ない……さっきの麻酔弾をかわした程の速度が出るんだ……全くむぎの会社の発明か何か知らないけど唯をこんな戦闘狂に変えて何がしたいんだよ……! それとも唯が言うように綺麗な音が出ればなんだって良いってかぁ!)」
合間を塗って麻酔弾を唯の腕に向けて撃つ、
唯はそれを軽々しくかわし森の中を滑る様に滑走していく。
りっちゃん「くそっ!」
トゥルルトゥルル……
38:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 02:40:40.27:pXZdYMAO
りっちゃん『あれなんだよ! 反則! それにあれ誰だよ!』
さわ子『落ち着いて、りっちゃん』
りっちゃん『こんな状態で落ち着けるわけ……』
憂『りっちゃんさん……落ち着いてください……』
りっちゃん『憂ちゃん……』
さわ子『あれは恐らくホバークラフトの様なものね。』
りっちゃん『ホバークラフト?』
さわ子『吸い込んだ空気を吹き続けることによって浮力を得ている乗り物のよ。日本ではあまり見られないわね。恐らくあれはそのホバークラフトを靴状にして小型化したものだと思うわ』
りっちゃん『むぎの奴何でもありだなもうっ!』
さわ子『でも安心して、弱点はあるわ』
39:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 02:47:12.26:pXZdYMAO
りっちゃん『弱点なになに!?』
さわ子『燃費がとてつもなく悪いのよ。それは小型化しても同じだと思うわ。』
りっちゃん『つまり隠れながら電池が切れるのを待てってこと!?』
さわ子『簡単に言えばそうなるかしら』
りっちゃん『結局逃げ廻るのか……まあ上手くやってみる』
さわ子『気を付けてね』
憂『りっちゃんさん!』
りっちゃん『ん?』
憂『お姉ちゃんを……』
りっちゃん『憂ちゃん……、それ以上は言わなくてもわかってるよん』
憂『ありがとうございます……ッ!』
ピュン……
りっちゃん「さ~て逃げまくるとしましょうか!」
40:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 02:59:48.90:pXZdYMAO
唯「りっちゃ~ん~どこ~?」
りっちゃん「(動き回らせて燃費を悪くさせてやるッ……)」
りっちゃん「こっちこっち~」
唯「りっちゃん待って~!」
ズバババババ
りっちゃん「(まるで昔に戻ったみたいだな……飛んで来るのが銃弾じゃなければだけど)」
森をジグザグに走り狙いを絞らせず、確実にホバーシューズのエネルギーを消費させて行く。
りっちゃん「(しかしあれ燃料何使ってんだろ……ガソリンか?)」
唯「むぅ……そうだっ!」
痺れを切らした唯が何やら思い付いた様にホバーの速度を上げる。
りっちゃん「(追い付いてから確実に仕留めるつもりか? 考え方は唯のままだな)」
りっちゃんは踏ん張り、隣にあった太めの樹回り込む様に方向転換。
勢いが強い分小回りは効きにくいと判断したのだ。
41:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 03:10:41.21:pXZdYMAO
唯「甘いよっ!りっちゃん!」
後ろへ体重をかけて上手くブレーキをし、りっちゃんの方へ方向転換。
りっちゃん「思ったより小回りが効くんだなー! けどその距離からじゃ下手っぴな唯じゃ当たりもしないよー!」
唯「えぇいっ」
パァンッ
案の定唯が撃った銃弾はりっちゃんから大きく外れ……頭上の太めの木の枝に当たる。
上手く折れた木はりっちゃんに降って、
りっちゃん「(唯の割には味な真似をッ! けどっ!)」
素早く前転をしかわす。前転は体術の基本中の基本、りっちゃんも初めの何日はこの前転に明け暮れたものだ。
りっちゃん「甘いあま……」
唯「ごめんね、りっちゃん……」
りっちゃん「しまっ……」
枝木に注意を反らし過ぎて急接近していた唯に気づかずにいた。
唯がギー太掻き鳴らす、瞬間、それは訪れた─────
42:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 03:20:16.25:pXZdYMAO
ザンッ
唯「えっ」
りっちゃん「なっ」
ギー太の弦が一斉に弾け飛ぶ─────
「…………」
りっちゃん「ニン……ジャ?」
唯「ああっ!ギー太がああっ!ニンジャさん酷い!」
ニンジャ「」シュゥ……シュゥ……
唯に刃を向けたまま静止するニンジャ。
唯「ギー太があああ」
ピリリッピリリッ……
唯「あっ澪ちゃん? うんうん……ギー太がねぇ……うん……それに変なニンジャさんが……」
りっちゃん「(ナノマシン通信の筈なのに声出てるぞ唯……)」
唯「わかったぁ……弦も張り替えなきゃだしね。と言うわけでまたね、りっちゃんっ! 次会った時は……殺すから」
眠たそうな目からは確かに殺気込められていた……。
43:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 03:29:54.90:pXZdYMAO
りっちゃん「全く……昔と変わらないのか変わったのか……」
りっちゃん「で、……あんたは?」
ニンジャ「……」
りっちゃん「(シャドーモセスの時にも現れたと言われるニンジャ……中の人は一体……そして敵かな?味方かな?)」
ニンジャ「キヲツケロ、コノサキニスナイパーガアンブッシュシテイル。」
りっちゃん「えっ…」
ニンジャ「……」
りっちゃん「えっと……ありがとう」
ニンジャ「……アナタハカワラナイノネ」
りっちゃん「えっ…」
そう言うとニンジャは木に登り素早く去って行った……。
りっちゃん「一体どうなってんだよ……」
ガサガサ……
「女の……兵士か? 珍しいな……。性欲を持て余す」
─────────
47:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 17:00:06.04:pXZdYMAO
りっちゃん=スネークみたいなコードネームにしたかったけど地の文の時に浮きまくるので地の文の時は律にします。
スレタイカタカナにするんだったぜ……制作は存外メタルギアファン少ないのかな
続き書きます
48:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 17:10:57.23:pXZdYMAO
トゥルルトゥルル……
りっちゃん「ん、さわちゃんからか」
ピュン
さわ子『りっちゃんさっきのニンジャまさか!』
りっちゃん『外装や装備何か資料とそっくりだったよ。でもグレイ・フォックスはシャドーモセスで死んだんじゃ……』
さわ子『武器はなんだった!? マチェットだった!? りっちゃんにデジカメ渡しとくんだったわ!』
りっちゃん『さわちゃんほんとミーハーだな。急に現れて唯のギターの弦だけを一閃するなんて並みの腕じゃないのは認めるけどさ~……正直あのセンスはどうかと思うんだよね』
49:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 17:20:07.90:pXZdYMAO
さわ子『あの曲線美がわからないなんて……りっちゃんまだまだ子供ね。コスプレハンターとしては堪らない一品よあれは!』
りっちゃん『ああそっちの意味だったのね……。』
さわ子『でもまあ敵じゃないみたいだし大丈夫なんじゃない? それにしてもいよいよシャドーモセス化して来たわね……くぅ~指揮官冥利に尽きるわ』
りっちゃん『はいはい……』
りっちゃん『?』
さわ子『ニンジャさんの忠告じゃこの先にスナイパーがいるそうね。辺りを警戒しながら進んで。こっちはスナイパーライフルみたいな長距離射撃武器はないから戦闘になれば不利よ』
りっちゃん『りょ~かい』
さわ子『あ、後ね!』
りっちゃん『?』
さわ子『またさっきのニンジャに会ったらサイン(ry』
ピュン……
50:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 17:26:11.30:pXZdYMAO
ピリリッピリリッ……
りっちゃん『憂ちゃん、悪い……唯のやつ逃がしちゃった』
憂『仕方ないです……気にしないでください』
りっちゃん『……憂ちゃん……唯は』
憂『はい……まるで別人でした…。お姉ちゃんはあんな簡単に人を……殺そうとする人じゃ……』
りっちゃん『何が唯をあそこまで変えたのかはわからない……けどまだ説得出来ないと決まった訳じゃないしさ! 元気出しなよ』
憂『りっちゃんさん……』
りっちゃん『そう言えばそのりっちゃんさんって……なに?』
憂『あ、えと……コードネーム領域なのでコードネームで呼ばないとダメじゃないですか?』
りっちゃん『そだね』
憂『それでその……「りっちゃん」って云うコードネームに……さんを……』
りっちゃん『なるほどそれでりっちゃんさん……ややこしい』
51:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 17:33:49.15:pXZdYMAO
りっちゃん『別にりっちゃんでいいよ! それかお姉ちゃんでもいいよ? なーんて』
憂『お姉ちゃん……ですか。なんだかくすぐったいですね。』エヘヘ
りっちゃん『私もほんとは弟なんかより妹が欲しくってさー! 憂ちゃんみたいな妹なら大歓迎なのに』
憂『そんな……私なんて』
りっちゃん『まあ好きに呼んでよ。さん付け意外でねッ』
憂『はい、わかりました……その……律お姉ちゃん』
りっちゃん『くっは……』
憂『?』
りっちゃん『いや思ったより破壊力あるな~と……』
憂『律お姉ちゃん、お姉ちゃんをよろしくお願いします…』
りっちゃん『律お姉ちゃんに任せとけって』
ピュン……
52:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 17:42:51.52:pXZdYMAO
りっちゃん「さてと……妹にお願いされたことだし頑張りますか」
りっちゃん「唯……憂ちゃんみたいなをいい子置いてぼりにすんなよな……」
りっちゃん「あの渓谷を抜けたらいよいよラボか……急ごう」
さっき戦った兵士達はまだ眠っておりすんなりと抜けることが出来た。
兵士のAK-47の少し迷ってから拾う。
律が持つ武器で唯一殺傷能力がある武器になった。
りっちゃん「一人も殺さずに済めばいいんだけどな……っとドラムスティックドラムスティック」
53:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 17:57:19.92:pXZdYMAO
───無人島 渓谷────
高さはそんなにない山々との間に川があり、そこに一本のつり橋が掛かっている。
山と山を結ぶその橋の長さは300mほど、橋としては大型な部類だろう。
りっちゃん「……アンブッシュ(待ち伏せ)してるならここか……」
見晴らしが良すぎるぐらいに開けている。
橋を渡る時に狙撃されてはひとたまりもないだろう。
りっちゃん「さて……どうしよっかな~…」
ラボへ向かう為に通常ルートを進めばまずこのつり橋を渡るしかない。川を渡ると云う選択肢もあるにはあるが、川の流れは緩やかとは言っても足場も悪く水位もそこそこにありそうだからだ。
りっちゃん「渡るしかないか……」
55:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/20(日) 18:12:08.00:pXZdYMAO
りっちゃん「(こんな見晴らしがいいところに兵士いない……まるで来てみろって感じか)」
「……来たか……田井中律、FOXDIED所属のソルジャー……そして紬お嬢様の元ご友学……」
「お嬢様……」
─────────
唯「あはは~やられちゃった」
「大丈夫ですか唯先輩っ」
唯「へーきだよぉあずにゃん。なんか変なニンジャのコスプレした人に弦切られちゃっただけだよ。せっかくこないだあずにゃんに張り替えてもらったのにぃ」ブーブー
「まだ余りありますから、こっちに来てください」
唯「はぁーい」
澪「変な……ニンジャか」
59:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 18:59:57.50:XVALYwAO
紬「りっちゃん……」
梓「次は私が行きましょうか? さすがにこれ以上は計画に支障が出ると思うんです。だから説得なんてやめてさっさと殺しちゃいましょうよ」
紬「あずさちゃん何を……!」
澪「……」
梓「じゃあ……行ってきますね」トコトコ……
紬「待って!!! 最後に私にチャンスをちょうだい……」
梓「ですって、澪先輩どうしますか?」
澪「……むぎ、律をこっちに引き込めるのか?」
紬「ええ……ちょっと粗っぽいやり方になるけど……」
澪「わかった……。むぎに任せるよ。律は私達に必要だからな……出来れば引き入れたい」
紬「任せて、澪ちゃん」
61:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 19:23:05.54:XVALYwAO
紬「斎藤」
シュタッ
斎藤「ここに」
紬「りっちゃんを眠らせてここまで連れてきて。くれぐれも傷つけないように」
斎藤「……はっ」
紬「もし殺したりしたら……斎藤、その時はあなたも一緒に死んでもらうわよ」ギロ
斎藤「心得ております」
─────────
斎藤「お嬢様はああ言われたが……。この先のことを考えれば殺しておいた方が上策。邪魔立てするのはもうFOXDIEDの娘だけなのだから……」
斎藤の手にあるのはモシン・ナガンM1891、そして……PSG-1……。
斎藤「捕縛が無理なら……殺す。」
モシン・ナガンは麻酔弾の大きさ故に速度、音、共にPSG-1に遥かに劣ることを斎藤はすでに認識している。
紬の執事になる前はCIA、グリーンベレーにも所属していた強者でもあった。
斎藤「FOXDIEDの田井中律……噂通りか確かめさせてもらおう」
62:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 19:48:09.64:XVALYwAO
りっちゃん「あれで行くか……ちょうどさっき仕入れたし」
律はバックパックからあるものを取り出し
りっちゃん「せいっ」
中空に向かって投げた。
それは静かな爆発音を醸しながらもわもわと何かを吐き出して行く──────。
斎藤「スモークグレネードか……! ここでアンブッシュしていると確信しているな」
りっちゃん「煙がある内に!!」
橋の滑走する律。
律のブーツが木のつり橋を踏みしめる度にきぃ……と嫌な音がする。
63:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 19:57:00.91:XVALYwAO
斎藤「考えたものだな……だが」
斎藤は頭にかけていたものを下げる
斎藤「暗視ゴーグル越しなら……」
斎藤のモシン・ナガンのスコープが律の姿を映し出す。
りっちゃん「そろそろかな? よっと」
またバックパックから何かを抜き出すと放り投げる。
パァンッと言う乾いた音に鼓膜をツン裂く震動。
そして、眩しい閃光────
斎藤「しまっ……」
暗視ゴーグルが一気に白く染まり上がる。
あまりに強い光の刺激故に斎藤も思わず目が眩む。
斎藤「ちぃっ」
バァンッ
さっき居た場所から予測して憶測で発射。
チュィンッ
りっちゃん「っと……闇雲に撃って来たか。武器はモシン・ナガンか……殺す気はないのか。撃って来た方角からして……」
64:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 20:04:22.16:XVALYwAO
向こう山の遠い遠い場所に見晴らしのいい丘がある。
りっちゃん「あそこかっ! あ~でも届く武器ないや。森の中に隠れてやり過ごすのが先決か」
考えながらも脚を止めずに走破してゆく。
後100mもないだろうか。
斎藤「くっ…」
ようやく目に光が戻った時には既に律が橋を抜けようと言うところだった。
斎藤「(リロードしてたら間に合わんッ!)」
斎藤はもう1つの拳銃、PSG-1を手に取り、
バァァッン─────
66:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 20:15:15.38:XVALYwAO
チッ
りっちゃん「~ッ……」
律の頬が微かに裂け、内から血が滲み出る。
りっちゃん「実弾に切り替えてきた……こんな器用な真似してくるやつなんていたっけ……」
りっちゃん「(リロードに数秒……オートマチック式なら森に入るに撃たれる……)」
咄嗟の判断で律は、
りっちゃん「あらよっと」
橋を飛び越えた。
下は川、川までの高さはビル四回建てにもなるだろうか。
幾ら撃たれる可能性がある、と言えどこちらも自殺と変わらない。
斎藤「消えた……? どこだ……」
PSG-1のスコープで見据えるも見当たらない。
斎藤「まさか飛び降りたか……? しかし水位もなくあの高さから落ちれば……」
斎藤「死んだか……田井中律」
68:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 20:31:26.40:XVALYwAO
斎藤「お嬢様にはどう説明するか……、いや、まだ死んだとは決まっていない。愚体を晒すのはお嬢様の名誉にも関わるが素直に事の内容を話すとしよう……」
2丁の狙撃銃を背中に抱え高台を降りて行く。
斎藤「所詮つい最近まで女子高生だったと言うわけか。政府が唯一送り込んで来た人材だからもうちょっとは出来ると思ったが……核を撃たれない唯一の人材だった、ってだけか……。」
斎藤「しかしお嬢様のご友学の皆……昔お嬢様に聞いた話と随分違っていたな……。やはりあの男が関係あるのか……いや、自分には関係ないな。お嬢様の為だけに居ればいい……」
─────────
69:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 20:47:56.14:XVALYwAO
────無人島 つり橋────
りっちゃん「そろそろ行ったかな~手ぇ吊ってきた~」
落ちたと思われた律だったが現存している。
橋の下の部分に上手く掴まっている。
エルード───
橋や外面が露出している道などで使えるスニーキングミッション時に用要られる技法。
りっちゃん「VRじゃ散々やったけど実戦じゃこれが初めてだから緊張した~。成功して良かった良かった!」
アハハハと気楽に笑いながら念のためエルードしたまま橋を渡る。
りっちゃん「最初からこうしとけば良かったかな」
普通のつり橋では斎藤が律を見失うことはなかっただろう。
ただこのつり橋は普通よりしっかりしていて道端も広い、故にぶら下がった
橋の横の面積>律の身長
となり反対側から見た斎藤には律が映らなかったのだ。
身長が小さいのが幸いし(ry
70:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 20:58:40.54:XVALYwAO
りっちゃん「よっとぅ」
振り子の勢いを利用して逆逆上がりのようにクルッと回り足の裏が空を向いた時に手を離し、その勢いを利用してそのまま着地。
エルードの基本の上がり方だが一般人は見ているだけでヒヤヒヤするであろう。
ピリリッピリリッ
りっちゃん「ん~? 憂ちゃんからか」
ピィリンッ
憂『律お姉ちゃん大丈夫!?』
りっちゃん『えっ!? ああ~大丈夫大丈夫! 律お姉ちゃんは元気だよんっ!』
憂『ほっぺた……怪我してます。早く治療しないと痕が残っちゃう!』
りっちゃん『いーよいーよこれぐらい。かすり傷だから』
憂『律お姉ちゃんは可愛いんだからちゃんとそういうケアはしないと! いくら全世界を賭けたミッションでも……女の子だから』
71:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 21:08:01.52:XVALYwAO
りっちゃん『……、わかったよ。憂ちゃんには敵わないなぁ』
憂『うんっ。じゃあバックパックの医療用持ち物の消毒液で消毒した後ガーゼとテープを出して下さい』
りっちゃん『ガーゼ? 絆創膏なら一応持って来てるけど』
憂『絆創膏は確かに消毒と防菌をいっぺんに出来て便利だけど逆に治りが遅くなるって云う特徴もあるんですよ。それにそうすると瘡蓋も出来ちゃう。ガーゼで菌をシャットアウトして後は自然回復ってやり方が最近の医学何です。これだと傷跡も残りません』
りっちゃん『ほへ~』
74:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 21:19:31.01:XVALYwAO
りっちゃん『早速やってみるよ!』
憂『他にも何かあったら言ってね律お姉ちゃん』
りっちゃん『あいよっ』
ピピュン
りっちゃん「いい妹を持ったもんだ……」シンミリ
手早く消毒し、ガーゼとテープで傷口を塞ぐ
りっちゃん「さて……さっきのお返しと行きますか」ニヤリ
──────────
75:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 21:29:07.98:XVALYwAO
───無人島 渓谷付近───
斎藤「重いな……やはり2丁は欲張り過ぎたか」
ラボまではまだ少しある。
斎藤「この間にお嬢様への言い訳を考えとかないとな……。」
ヒュゥゥゥゥー……
斎藤「風か……」
「…………」スッ
斎藤「……」 「動くな」
斎藤「!?」
「思ったより遅かったな。あんただろ? さっきの狙撃手」
斎藤「……何故ここを通るとわかった?」
狙撃銃を地面に下ろし、そして静かに両手を上げる斎藤。
「簡単だよ。銃弾の向きからどこから撃って来たかはわかってたからね~……。あの後撃って来なくなったことを考えてもあんたは私が死んだと思ったんだろ? ならラボへ向かう道を遠回りするわけもない……。」
76:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 21:36:13.55:XVALYwAO
「あの高台からラボへ向かうならこの一番開けた山道を使う……そう踏んだんだよ」
斎藤「ほぅ……」
「銃声は二種類したから2丁持って来てるのは明白。そうでなくても狙撃手はオートマチックじゃないものを使う場合もしも外した時、リロードの時間を削ぐ為にもう一丁を即座に担いで撃つ……」
斎藤「(……見誤ったな、こいつ……)」
「高低さを考えてそう差はついてない、横道からこっちの道に出るまでの時間を考えて……間に合うと思ったんだよ」
斎藤「そこまで予測していたか……田井中律。いや、FOXDIEDのりっちゃん……と言った方がいいかな?」
りっちゃん「……」
78:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 21:46:30.75:XVALYwAO
りっちゃん「あんた……誰だよ?」
斎藤「……自分は紬お嬢様の執事、斎藤だ」
りっちゃん「……むぎに殺す様に命じられたのか?」
斎藤「…………そうだ」
りっちゃん「ッ……」ギリッ
乱雑にMk22を首筋に突きつける。
りっちゃん「もういいっ……寝てろ……!」
斎藤「殺さないのか?」
りっちゃん「生憎短銃がなくてな! 夢見心地を楽しめよ」
そうして引き金を引こうとした時、
斎藤「何故仲間にならなかった?」
りっちゃん「えっ……」
斎藤「仲間になっていれば結果がどうであれ幸せだったろう? 例えば失敗し、結果死ぬことになったとしても……仲間と一緒なら悔いないだろう? 違うか?」
りっちゃん「…………」
79:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 21:54:02.39:XVALYwAO
りっちゃん「確かにそうかもしれないな……けど、」
律は斎藤にわからない笑みを作った。
りっちゃん「悪いことをしたら誰かが叱りに来るだろ? それが……私でありたかったのかな……。こうなるって……澪の誘いを断った時から思ってたよ。あの時はそれが正しいことじゃないって私が思ってたから断った。その過去に私は従うよ。そして現在(いま)で変える……自分が叱る。澪達を、部長として」
斎藤「……中野梓には注意しろ。いや、恐らく全員、君の知ってるものとは違うかもしれない……」
りっちゃん「警告ありがとう。じゃあな、おやすみ」
パシュンッ
斎藤「ウッ……」
バタンッ
りっちゃん「変わったのは……多分私も一緒だよ」
斎藤の非殺傷力のモシン・ナガン、殺傷力のあるPSG-1を見つめ……
りっちゃん「……」
PSG-1を担いで先に急いだ──────
80:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 22:06:29.16:XVALYwAO
───ラボ 内部───
梓「遅いですね、むぎ先輩の従者」
紬「斎藤……」
澪「あれから二時間は経つ。恐らく律に……」
紬「殺されたって云うの!? やめてよ!! みんな変よっ! あんなにみんなのことを思ってて……みんなのこと大好きなりっちゃんが……人を殺すなんて……」
梓「でも唯先輩に向かって撃ってきたって言ってましたよ?」
紬「それは……」
梓「変わったんですよ、律先輩は。そして……私達も変わらなきゃならない。部活ごっこして漫然と律先輩を待ってたりしたら……殺されるのはこっちですっ!」
澪「……」
紬「……」
唯「うふふ……ギィ太ぁ……」
澪「律は……ただ私達より世界を取ったんだ。見えなくて薄暗くて……自分にとって何にもならない存在をっ……!」
81:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 22:14:31.07:XVALYwAO
紬「……」
澪「でも……律だからそうしたんだとも言える。私達は……あまりにも子供だ。」
梓「……」
澪「でも……子供だからこそがむしゃらに欲しがるんだ……! ただ1つの……私達を繋いでいたものを取り戻す為に!!!!!」
パチ…パチ…パチ…
澪「ッ!?」
「いや~素晴らしい。その純粋なまでに音楽を欲する姿勢に我々も感服して協力させてもらいましたが……」
澪「ご協力には感謝してますよ。あなたがいなかったらこの計画は成り立たなかった」
「いえいえ、私方としても音楽を取り戻したいですから。人類が産み出した世界を繋ぐとも言われる音楽、歌を自ら捨てるなどッ! っと声を荒げてすみません」
澪「……」
82:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 22:27:19.59:XVALYwAO
「メタルギアの方は既に最終段階にあります。もし要求が受け入れられない場合は……」
澪「わかってる……。」
「わかっておられるなら結構です。では…私はこれで」
トッ…トッ…トッ……
梓「相変わらず何を考えてるかわからない人ですね、あの人」
澪「ああ……」
澪「(律、それがお前の答えなら……)」
澪「作戦を最終段階に移す─────」
紬「!?」
澪「梓!」
梓「はい?」
澪「邪魔者を排除しておいてくれ」
紬「澪ちゃんっ!!!」
澪「むぎ、あの人と一緒に最終段階の移行を手伝ってくれ」
紬「でも……」
澪「これは命令だ」
紬「……はい」
梓「ふぅぅぅぅとうとう来ましたかっ! 私の出番が」
思いっ切り背伸びをして小柄な体を泳がす。
梓「いこっか……みんな」
梓「律先輩……勝負です」ニヤリ
89:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/24(木) 23:49:54.74:WntCysAO
むぎに殺す様に命じられたのか?
─────そうだ。
りっちゃん「………ッ」
イライラする……、
りっちゃん「こうなるってわかってたんだろ……律ッ!」
自分の決断、
意思、
想い、
大切にしてたモノ、
全部ぐちゃぐちゃになって頭の中で飛び交う。
何で仲間にならなかった?音楽はお前にとってはその程度で他の奴らにはそれ程のモノなんだよ?お前は仲間だと思っていたがそうじゃない、自分は同じ場所に立ってなかっただからこうなった。
りっちゃん「違うッ……」
馬鹿らしい……、そう思ったんだろ?
りっちゃん「思ってないッ……」
たかが音楽が奏でられないってだけで駄々捏ねて、子供みたいなわがままで、行き過ぎた兵器で世界に刃向かって、そんなあいつらを馬鹿らしいって思ってるからこそ今ここにいるんだろ?
りっちゃん「違うッ!!!!!!」
りっちゃん「はあッ……はあッ……はあッ……」
お前にとってはそうでも、
あいつらにとって音楽とはそれほどのものだったんだよ。
りっちゃん「…………知ってるよ、田井中律…。でも私は……りっちゃんだ。田井中律じゃ………ないッ」
90:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 00:02:48.77:7efMEIAO
りっちゃん「ミッション開始から三時間……急がなきゃ…」
たった5kmが果てしなく遠く感じる────
ラボに近づく度に仲間を撃たないといけないと云う重圧感が体を襲う。
りっちゃん「次……誰が来ようと私は容赦しない」
殺傷力のある武器はPSG-1しかないがスタンドショットも訓練済みだ。
大丈夫、やれる。
ラボの全体がはっきりして来た。
即席で建てた割にはしっかりしていて、大きさもかなりある。
無機質な金属の塊、その入り口の前に
梓「思ったより早かったですね……律先輩」
嘗ての後輩梓、中野梓がいた
91:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 00:04:51.28:pVJQVu60
いいぞいいぞ
92:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 00:14:08.45:7efMEIAO
りっちゃん「……」
律は周囲を見渡す。他に人はなく梓一人なことを確認すると気軽に話かけ始めた。
りっちゃん「梓みたいに可愛い子を待たすわけにはいかないからさ」
梓「…………」
ふざけて言ったつもりだが確かに梓は可愛い、いや、綺麗だった。見たのは1年ぶりだがあの時より身長も少し伸び、黒いワンピースに赤いミニスカートとと言う大人っぽい格好も似合うぐらいに。
昔は二つに結んでいた髪も今は下ろし、長い黒髪が風にそよいでいる。
梓「こんな時まで軽口が言えるなんて律先輩……やっぱり変わってませんね」
りっちゃん「どうかな? 私にはわかんないや。まあそっちは色々と変わったみたいだけどな」
93:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 00:21:20.66:7efMEIAO
梓「世界を敵に回してるんです、変わりますよ」
りっちゃん「その世界を代表して私が止めに来た。それもわかってるんだよな?」
梓「だからこうして迎え討ちに来たんじゃないですか」
りっちゃん「……本気、なんだな」
梓「勿論ですよ。説得出来るほど簡単な人じゃないってこともわかってます。澪先輩も、唯先輩も、むぎ先輩も、私も……。もう受け入れましたから」
りっちゃん「受け入れた? なにを」
梓「あなたが敵だってことを、ですッ」
りっちゃん「…………」
律は静かに目を瞑る。
りっちゃん「(迷うな……今の立ち位置こそが全てなんだ)」
りっちゃん「梓……私も、容赦しないから」
94:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 00:33:54.84:7efMEIAO
梓「勝負ですッ! 律先輩ッ!」
りっちゃん「ッ……」
その瞬間律も目を開けMkを凄い速度で引き抜く。
りっちゃん「(接近戦じゃPSG-1は役に立たない……眠らせてから……殺すッ!)」
ツゥンッ────
梓「フフ……」
発弾された麻酔弾を梓はまるで見えてるかの様にかわす。
りっちゃん「(避けたッ!?)」
呆気に取られている律を嬉しそうに見据える梓。
梓「何を驚いてるんですか律先輩? これくらい出来なくて世界と戦えるわけないじゃないですか」
りっちゃん「へぇ~、何をしたのか知らないけど……これならッ!」
狙いを定め連続で引き金を弾く─────
95:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 00:59:30.86:7efMEIAO
連続で弾き出された麻酔弾をかわし、逆に梓が律に向かって駆け出す。
りっちゃん「(はやッ)」
腰からナイフを抜き出しそのまま斬り上げる。
りっちゃん「~ッ!」
仰け反る様にかわすが刃が僅かに律のつけていたガーゼに掛かりそのまま引き剥がされる。
りっちゃん「っのッ!」
シュンッ
梓「!!!」
崩されながらも右手に握っているMkの引き金を絞る。
さすがに回避しきれない距離から発射された麻酔弾を梓は左腕で受ける。
梓「うっ……」
腕に麻酔の針が刺さり顔をしかめるも素早くそれを抜き去り律を睨む。
りっちゃん「ま~だ治ってないのに」ニヤリ
対する律は頬をなぞり梓に不気味な微笑みを返した。
96:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 01:15:33.22:7efMEIAO
梓「っう……」くらっ
りっちゃん「……(いくら早く抜いたとはいえ小さい梓の身体ならあの量でも……)」
梓「ふぅぅ……」
自らを奮い立たすように小さく吼える。
梓「血……出ちゃったか……」
ワンピースの袖を上げ傷口をペロりと舐める。
昔見た梓との印象が余りにも違うため律も少しだけ息を呑むが梓の持っているナイフを見て引き戻される。
りっちゃん「(ゴツいサバイバルナイフだな……似合わない)」
梓「やっぱり一人じゃちょっとキツいかな……」
りっちゃん「唯でも呼ぶのか?」
挑発するように言い放つも梓はさして気にせず傷口をペロペロと舐め続けている。
その様子はまるで猫さながらだった。
97:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 01:26:03.35:7efMEIAO
梓「律先輩……、私、先輩のこと好きでしたよ」
りっちゃん「…………」
梓「練習にはあんまり献身的じゃなかったですけど…いざって時に頼りなるし……みんなのことを一番考えてて……。そんな律先輩がみんな好きで……」
りっちゃん「なんだよ、急に」
梓「軽音部がなくなって一番悲しかったのは律先輩だと思ってました。けど、違ったんですね」
りっちゃん「………」
梓「見損ないましたよ、律先輩。お別れです。さようなら」
りっちゃん「…?」
梓「に゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
鼓膜が破れんばかりの獣声。
それは森の中を駆け抜け、無人島全土に響き渡った。
98:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 01:36:04.59:7efMEIAO
りっちゃん「なっ、なんだ……!?」
地面が震える
それは段々と近くなり、
森の奥から異出る。
「ガアアア」
「ゴアア」
「グルゥゥゥウウウウ」
梓「よしよし……みんな元気にしてた?」
「グルゥゥ…」
「グゥ……」
・・
それは梓に擦りつくようにじゃれている。
「ペロペロ」
梓「あは、くすぐったいよむすたんぐ」
むすたんぐと呼ばれた・・
それが一番懐いてるのか梓を優しくナメている。
りっちゃん「なんだよ……これ」
何頭いるだろうか
5?10?
いやそれよりいる……
この無人島に似つかわしくない、百獣の王ライオンがそこに群残していた。
99:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 01:46:22.47:7efMEIAO
梓「驚きました? 律先輩」
りっちゃん「正直驚いてるよ、どんな魔法使ったんだよ梓?」
汗がツゥ─と額から流れるのを見て梓も満足したのか嬉しそうに語る。
梓「この子達はみんなサーカスとか動物園とかで歳を取ったり気性が荒くて処分されかけた子達なんですよ。それを私が一年近く前から引き取ったりしてたんです。ここに来てからは仲間は増えなくなりましたけど……」
りっちゃん「(通りで兵が少ないわけか……)」
梓「人間は勝手なんですよ。いらなくなったら、出来なくなったら簡単になんでも捨ててしまう。それが例え今まで世界を共に刻んで来たものでも……」
100:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 01:53:45.61:7efMEIAO
りっちゃん「答えになってないッ……! そのライオン達は何故お前にそんなにも懐いてるのかを聞いてるんだよ!!」
梓「フフ……知ってますか? 律先輩、こんな怖そうな身なりをしたライオンも、ネコ科なんですよ?」
りっちゃん「はんっ、自分も猫だから襲われないなんて言うんじゃないだろーな!」
梓「わかってるじゃないですか。その通りですよ。私は猫、あずにゃん。この子達、そして私達の目的の為に死んでもらいますよ!!! 律先輩ッ!」
その瞬間、
「ガアアアアアッ」
「グルゥゥウウウ」
何体かのライオンが律に向かって疾走を開始する。
りっちゃん「うっそだろおッ!」
101:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 02:10:52.66:7efMEIAO
りっちゃん「ひいいいいいい」
梓のことを一時保留し、全力で逃げることに集中する。
ピリリッピリリッ
りっちゃん「こんな時にCALLとかさわちゃん空気読めよぉぉぉぉ」
ピリィン
りっちゃん『助けてさわちゃぁんっ!!!』
さわ子『落ち着きなさいりっちゃん』
りっちゃん『落ち着けるわけないでしょっ!!!!』
さわ子『VR訓練で野生の動物の対処法もやったはずよ。それにサーカスや動物園に居たライオンなら捕食能力も著しく低いわ。木や障害物を盾にしながら麻酔弾を撃ち込んで』
りっちゃん『VRとリアルじゃ違うよさわちゃんっ!!! 怖いよっ!!!』
104:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 02:38:40.08:7efMEIAO
さわ子『あなたがやらないのダメなのッ!!!!!』
りっちゃん『っ……さわちゃん?』
さわ子『さっきまた勧告があったの……SONGBOMBを恐れずに音楽を奏で、歌を歌い、取り戻せと。それをニュースで流し中継しない場合次は本当に核兵器を撃つ……って』
りっちゃん『でもそんなことをしたら……』
さわ子『全世界で何人の人が死ぬかわからないわ……。政府の予想じゃSONGBOMBの数はアフリカに仕掛けられた地雷より多い、なんて言われてるほどよ…。今から探して見つけて、それを安全を確保した後爆発処理、そんなことしてる時間はないの。つまり彼女達は音楽の為に死ねって言ってきてるのよりっちゃん』
りっちゃん『……そんな…なんだよ…この世界は』
110:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 21:38:18.40:7efMEIAO
さわ子『彼女達がどれほど音楽が好きなのかはわかってるつもりよ。けど何もこんなやり方じゃなくても取り戻す方法はあると思うの……』
りっちゃん『……もう遅いよ、さわちゃん。あいつらはもう引き返せないところまで来てる』
さわ子『……』
りっちゃん『音楽なんてモノのために世界を敵に回して……人々を恐怖に陥れて……決して許されることじゃないよ』
さわ子『あなた……変わったわね』
りっちゃん『……そうかもね』
さわ子『FOXDIEDの局長としては嬉しいわ。けどあなた達の軽音部の顧問、山中さわ子としてはちょっと寂しいわね』
りっちゃん『……』
りっちゃん『友達だった私がケリをつける……それがせめてもの手向けだよ』
ピピィン……
111:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 21:46:34.67:7efMEIAO
梓「ふぅ……はぁッ……」
眠い……瞼が錘のようだ。
梓「でも……寝ちゃったら…私きっと殺されちゃうね」
むすたんぐ「グルゥ…」
へたり込んでる梓を包むように座るむすたんぐ。その様はまるで親子のようだ。
梓「むすたんぐ……ありがとう。暖かい……昔の軽音部みたい」
虚ろな瞳からは昔の記憶が蘇ってるのだろうか。微かに微笑んでいる。
梓「少しくらいなら……眠ってもいいよね。むすたんぐ……」
梓「(どうして……こうなったんだろう……私は……ただ……)」
そのまま深い夢へ堕ちて行った
112:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 21:59:35.81:7efMEIAO
りっちゃん「(右に二匹左に四匹……)」
集中力が一気に高まっていくのがわかる。
要因は澪達への怒りか?
それとも仲間を助けたいという想いか。
りっちゃん「しっ……」
息を大きく吐き出しながらリロードする。
こうすることで空気を吸った時より胸部の圧迫がなく腕の関節が機能しやすい。
約2秒で全弾リロードし終え振り返る。
「ゴガアアアアッ」
すぐ近くにまで来ていた群れの一匹の額に一発。
ライオンは体が大きいが血流に近い場所に撃ち込めば象でさえ数秒で眠るほどの威力がある。
額に撃ち込まれたライオンは歳だったこともありすぐに昏倒した。
りっちゃん「次ッ!」
113:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 22:11:22.23:7efMEIAO
───無人島 研究所前───
カツ、カツ、カツ……
むすたんぐ「グルゥゥゥウ……」
梓「ん……」
むすたんぐの唸りにより危険を察知したのか眠たい目を無理矢理起こし覚醒させる。
りっちゃん「よく眠れたか? 梓」
梓「っ……! 他の子は……」
りっちゃん「心配するなよ。殺しちゃいないさ。動物を無意味に殺すなんて度がしがたい真似しないよ」
梓「……」
むすたんぐ「」スゥ
梓が立ちやすいように軽くお尻を持ち上げながらむすたんぐも立ち上がる。
梓「ありがとむすたんぐ」
いとおしそうにむすたんぐを撫でるとキッと律に向き直った。
りっちゃん「(そんな目で見るなよ……)」
まるで自分が平穏を脅かしに来た悪魔みたいに思えるだろう。
115:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 22:22:37.84:7efMEIAO
サバイバルナイフを抜き出すと重しく口を開く
梓「律先輩、澪先輩より……世界を取るんですね」
りっちゃん「世界の上に私達がいるんだ。その世界を守らなくてどうするんだよ」
梓「詭弁ですね。澪先輩がいない世界でもいいんですね先輩は」
りっちゃん「それは……」
梓「お互いもう昔の立場じゃないのはわかっているつもりです。ならせめて……躊躇わないでくださいッ!」
りっちゃん「梓……」
梓「私は私が信じている道を進んでいるつもりです……だから律先輩も」
りっちゃん「……わかった。ありがとう、梓」
梓「はいっ」ニコ
この時の笑顔だけは、昔みた梓のままだった。
梓「行きます……」
りっちゃん「こいっ……」
116:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 22:28:04.41:7efMEIAO
梓が先に動く────
律に真っ正面から突進する。
りっちゃん「(さっきみたいに弾を避けるつもりかッ!)」
律もMkで狙いをつける。
梓はそれを見ても真っ正面から突き進んでくる。
りっちゃん「(考えるな……当たる……!)」
梓との距離はもう3mと言うところでようやく律が引き金を……
梓「先輩……生きてください。澪先輩と」
りっちゃん「!!?」
弾いた─────
117:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 22:37:47.48:7efMEIAO
ぐったり律に凭れ(もた)かかるように眠る梓。
それを律は抱き抱える様に受け止めている。
りっちゃん「なんで……」
梓は自ら撃たれるつもりだった。麻酔弾だからじゃない、きっと実弾を使用してもそうしただろう。
梓【躊躇わないでください】
その言葉が何よりの証拠だった。
りっちゃん「あずさ……」
梓をゆっくり地面に寝かすと背中に掛けているPSG-1をリロードする。
ガチャリ、と無機質な金属音がし、これが今から友達の命を奪うのかと思うと身体が震える。
りっちゃん「…………」
梓【律先輩! 真面目に練習してください!】
梓【律先輩ってもっといい加減かと思ってました】
梓【律先輩のドラム、私は好きですよ】
梓【先輩っ】
りっちゃん「……うぅ」
気付けば涙が溢れていた。
私にはあまりなつかなかった後輩。
軽音部で初めて出来た可愛い、可愛い、後輩。
いつも練習に真面目で、でも唯にケーキを口まで運ばれるとついつい食べてしまったり……。
りっちゃん「殺せないよぉッ……! いやだよぉ……」
118:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 22:48:38.07:3XOYFL6o
ヤバイ泣きそう
119:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 22:57:50.07:7efMEIAO
「殺す必要などない」
りっちゃん「えっ……」
「殺したくないものを無理に殺す意味なんてないだろう?」
りっちゃん「あんたは……?」
「ん? ああ~……、ただの写真家だ」
りっちゃん「こんなところで!?」
「ここには綺麗な鳥がいっぱいいるからな。たまに来るんだ」
りっちゃん「(怪しい……)」
「俺には君とその子がどういった関係かはわからない。だがこんな可愛い女の子達が殺し合うのは見たくないもんだな」
りっちゃん「……あんたにはわからないさ。写真家なんてしてるあんたには」
「そうでもないぞ? 写真家は色々なものを見るからな。戦争や民族間の争い……いろんなものを見てきた」
りっちゃん「……」
不思議だった。誰かを思い出しているような、そんな目をしていた。
「俺はもう行くが……え~……」
りっちゃん「……りっちゃんだ」
「りっちゃん? 自分にちゃんづけとは恐れいったな!」
りっちゃん「ぐっ……だから嫌なんだよこのコードネーム……」
「まあなんだ、りっちゃん。戦場に感情を流されるな。後で後悔しない道を選べ。それが例え国の忠義の為だとしても……だ」
りっちゃん「えっ……」
振り返った時には男はもう既に歩き出していた。
言えることは言った、そんな背中だった。
120:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 23:08:53.40:7efMEIAO
りっちゃん「……なんかすっかり削がれちゃったな」
誰だったんだろ、あの人。写真家って言ってたけど……。
りっちゃん「澪の仲間って感じもしなかったしなぁ……」
梓「ん……ムニャ……」
りっちゃん「梓……」
寝ている梓に寄り添う。すやすやと寝息をたて眠っている梓。
りっちゃん「そうだよな……殺したくないのに殺す必要なんてないよな」
あのおっさんの言う通りだ。
りっちゃん「自分の信じた道を来てたつもりなのにいつの間にか曲げて、自分の気持ちなんてこれっぽっちも確認してなかった」
梓と対峙してようやくその事にわからされたなんてな……ほんとに良くできた後輩だよ。
むすたんぐ「グルゥ…」
黙って見ていたむすたんぐが寄ってくる。さっきのライオンの群れの中でも一番歳老いた感じがあり歩く姿ももう百獣の王をイメージさせない。
りっちゃん「大丈夫、お前のご主人を殺したりしないよ」
そう言いながら優しく撫でると嬉しそうに目を細めるむすたんぐ。
梓の隣に身を下ろすとまるで護るように梓を包んだ。
りっちゃん「決めた」
今、この瞬間決めたんだ、私は
りっちゃん「他の道を……澪達と一緒に探す!!!」
嘘偽りない気持ち。その為には全員わからせる必要があるな、とゆっくりその意思を噛み締めるように立ち上がる。
りっちゃん「むすたんぐ、ちょっと間梓のことよろしく頼んだぞ」ニコ
むすたんぐ「グルゥ」
122:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 23:15:50.92:7efMEIAO
トゥルルトゥルルッ
ピリィン
りっちゃん『さわちゃん、聞いてた?』
さわ子『ええ』
りっちゃん『そういうことだから。私は私がしたいようにする。澪達も助けてこの騒動も止める』
さわ子『……駄目よ』
りっちゃん『なんでッ!?』
さわ子『考えてみてりっちゃん。どの道政府に重罪人として処刑されるわ。そんな道を彼女達に選ばせたいの?』
りっちゃん『……。なんとかする』
さわ子『自惚れないで。あなたはただのFOXDIEDの隊員に過ぎないのよ? 代わりなんていくらでも…』
りっちゃん『なら出せばいいだろ! 私はやめない。決めたから、もう』
さわ子『子供ね。自分の思ってることが全て正しいなんて考えるのは』
りっちゃん『あ~あ~子供で結構!』
124:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 23:20:41.97:7efMEIAO
りっちゃん『ここでみんなを殺して国に忠義を果たすより…みんなと全部取り戻す道を進んだ方が100倍気持ちいいっ! これは私の物語だから……!』
さわ子『……好きにしなさい。どうせこっちは他の兵は出せないわ。恐らくあなただから許されたのだろうからね。他の兵が入り込んだ瞬間核を撃ち込むなんてことしかねないわ今の彼女達なら』
りっちゃん『止めるよ、ちゃんと』
さわ子『ミッション内容に変更はないわ。頑張りなさい、りっちゃん』
りっちゃん『ありがと、さわちゃん』
ピピュン
126:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 23:25:37.12:7efMEIAO
トゥルルトゥルルッ
りっちゃん『憂ちゃんも聞いてた?』
憂『はい……』
りっちゃん『憂ちゃん? もしかして泣いてるの?』
憂『うッ……わたし……嬉しくて……』
りっちゃん『憂ちゃん……』
憂『律お姉ちゃんが梓ちゃんを殺しちゃったら……私、きっと心じゃ憎んでました。だから……嬉しくて……どうにもならないって……思ってたのに……よかったぁッ……』
りっちゃん『うん……。唯も、むぎも、澪も……きっとわかってくれるよ。梓みたいに』
憂『はいッ……!』
りっちゃん『じゃあ、行ってくるね』
憂『行ってらっしゃい、律お姉ちゃんっ』
ピピュン
127:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 23:31:11.86:7efMEIAO
りっちゃん「さて、行こう」
さっきのおっさんのおかげだな、ほんと。
次会うことがあったらお礼しとかないと。
ラボの入り口に立つ。
りっちゃん「いよいよか……この中にむぎや唯、そして澪も……」
りっちゃん「よしっ、いざっ!」
プップー
りっちゃん「えっ…」
りっちゃん「……、いざっ!」
プップー
りっちゃん「……開かないよぉぉぉぉ」
─────────
128:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/25(金) 23:37:48.35:7efMEIAO
─────────
トゥルルトゥルル
『なんだ?』
『余計な接触は避けてくれよ? こっちも一応隠密行動なんだからな』
『すまない。だが昔の俺を見てるようでな。口を出さずにはいられなかった』
『ボス、あんたはほんと人が良すぎるんじゃないか?』
『そうかもしれないな』
『しかしFOXDIEDの隊員がまさか女の子だとはな。びっくりしたよ。後寝ている女の子も可愛かったな! そこじゃなければフルトン回収をお願いしているところだ!』
『カズ……』
『わかってるわかってる。冗談だよボス。じゃあ引き続きメタルギアの探索を頼むよ』
『ああ。どうやらこの無人島には俺達の他にも何人か潜り込んでるみたいだ。急がないとな』
『了解』
『しかしあの迷彩色(めいさいしょく)のカチューシャ……いいセンスだ』
─────────
143:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 00:58:07.42:PKa/QgAO
MGS全くわからないけど面白いから支援してるわ
147:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 21:57:02.66:E1IIu2AO
>>143の人みたいに片方知ってて片方知らないって人もいっぱいいそうなのでここで補足キャラ説明しときます。
軽音側
田井中律 今作の主人公。桜ヶ丘高校軽音部の部長。普段はふざけているがみんなのことと部のことを誰よりも気にしている。ドラムス担当
平沢唯 けいおん!の主人公。天然でマイペースだが一つのことに対する集中力は目を見張る。ギターのギー太をとても大切にしている
秋山澪 恥ずかしがり屋で怖がり。律とは幼馴染みでいいツッコミ役でもある。律のことが大好き。ベース担当。
琴吹紬 おっとりぽわぽわ。眉毛が沢庵に似ている。百合大好き。キーボード担当。
中野梓 唯達の後輩でしっかり者。でも甘いものに釣られて手な付けられることもしばしば。唯のスキンシップ(抱きつき)を嫌がってはいるものの本当は……?ギター担当。
平沢憂(うい) 唯の妹。姉を溺愛しており休みの日にごろごろしている唯を見ているだけで幸せというほどの溺愛ぶり。梓とは同級生
山中さわ子 軽音部の顧問。昔はデスメタラーでロックを愛していた。そんなこともあってか教師になってからはおしとやかに振る舞うよう心がけている模様。
149:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 22:08:44.42:E1IIu2AO
メタルギア側
ソリッド・スネーク 元FOXHOUNDで伝説の傭兵。ビッグボス(ネイキッド・スネーク)の遺伝子から産まれた一人。
ネイキッド・スネーク ビッグボスの称号を持つ。ザンジバーランドでソリッド・スネークに倒されるが……?
カズ ビッグボスの相棒。MSF(国境なき軍隊)の中心的存在。女をフルトン回収(敵の身体に気球をつけ浮き上がらせたものをヘリで回収するというシステム)するとよぉぉぉしっ!などと物凄く喜んだりする一面もある。
150:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 22:11:01.97:E1IIu2AO
メタルギア側全然出してないな
明確には出してないだけだけど……
どんどん書いてまたキャラが増えたら適当に補足キャラ説明することにします
と言ってもあまり書きすぎてもネタバレになるのでちょっとだけしか書きませんけどね!
これを読んでメタルギアプレイしたよ的なことがあれば嬉しいです。
では続き書きます
152:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 22:15:53.16:E1IIu2AO
「コフー……やはり目標対象と接触し続けることで自我が優先されるか……コフー……」
「コフー……ある程度許しておかなくてはそのもののポテンシャルが発揮されないからな……ヤツは別だが…………コフー……」
「一応伝えておくか……コフー……」
ガガッ
『……ボス、中野梓がやられました……コフー……』
『ほぅ……死んだのか?』
『いえ、眠らされているかと。どうしますか? 殺せと言うなら今すぐにでも……コフー……』
『……いや、生かして置こう。』
『また使えるとは限りませんが……?』
『私は猫が好きなんだ。他意はない』
153:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 22:16:49.86:E1IIu2AO
『……コフー……』
『それに面白い客が何人か入り込んでいる。退屈はしないだろう』
『あの女には言ったんですか……?』
『言う必要はない。所詮奴らなど囮に過ぎない。メタルギア……が完成次第用済みだ』
『さようで……コフー……』
『FOXDIED、FOXHOUND、MSF、フィランソロピー、ペンタゴン、中国……。世界がこの無人島に興味深々というわけだ。面白くなってきたではないか。彼女達には立派に役目を果たしてもらおう。ふはははは』
『……コフー……』
154:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 22:19:53.62:E1IIu2AO
───無人島 研究所入り口前───
りっちゃん「IDカードとな? う~ん……」
ピピィ
りっちゃん「えっ……あっ! やばっ」
律は何かに気付いたのか急いで茂みの中に隠れた。
ガガー
分厚い扉から人が何人か出て来る。
SONG兵A「見張りのライオンがやられたせいで俺達が見張りとはな」
SONG兵B「ああ。全くやってらんねーよ」
SONG兵C「しかしあの女の子達可愛いよな~。俺ここ入って良かったかも」
SONG兵B「やめとけやめとけ。ありゃどう考えても普通の女じゃないって」
SONG兵A「ライオンと遊んでるぐらいだからな」
SONG兵C「ばっかそこがいいんだろ? 俺もライオンみたいに……」
SONG兵A「病人がいるぞ」
155:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 22:20:52.73:E1IIu2AO
SONG兵A「じゃあ唯は俺の嫁な」
SONG兵C「俺は当然あずにゃんだ!!!」
SONG兵B「むぎゅうに決まってんだろ……」
三人はそんなことをぼやきながら入り口周りを巡回し始めた。
りっちゃん「(あの三人の誰かがIDカードを持ってんのか……?)」
茂みに隠れながらその様子を見ていると
ピリリッピリリッ
りっちゃん「CALL……誰からだこれ?」
登録外からのCALLに眉をひそめる律。
りっちゃん『もしも~し』
『その扉はIDカード、声紋、指紋の三つで開くようになっているわ』
りっちゃん『あの~…どちら様でしょうか?』
156:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 22:21:27.31:E1IIu2AO
『あなたのファン……とでも言っておくわ』
りっちゃん『……(怪しすぎる)』
『メタルギアが最終段階に入ったわ。急ぎなさい……間に合わなくなる前に』
りっちゃん『待って! あなたさっきの忍者の人でしょ?! 』
『……』
りっちゃん『なんで色々教えてくれたりするの……?』
『……私は変わってしまったから。だから私にはもうどうすることも出来ない。彼女達を救えるのはあなただけよ、律』
りっちゃん『えっ』
ピピュン
157:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 22:24:37.36:E1IIu2AO
りっちゃん「まさか……」
思案することはいくつもあるが考えている暇はない。新型メタルギアが完成し、世界が条件を呑まなければ核が発射される。
りっちゃん「(今の澪ならやりかねない、急がないと)」
開ける為には
IDカード
声紋
指紋
がいる。IDカード、指紋は問題はない。
眠らせてしまえば容易に入手出来る。
だが声紋は眠らしてしまえば入手出来なくなる。
りっちゃん「(あそこから出てきた梓なら……いや)」
りっちゃん「あんなグッスリ眠ってるのを邪魔出来ないよな。むすたんぐにも怒られそうだし」ハハッ
後輩にこれ以上頼ってはいられない
158:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 22:34:15.34:E1IIu2AO
りっちゃん「(一人は眠らさずホールドアップさせる……)」
そう決めると観察を開始。
装備はさっき見た兵とほとんど同じ。唯一違うのは接近戦用にスタンロッドがあることだ。
りっちゃん「(厄介だけど……上手く眠らせば……)」
入り口をウロウロするのが一人、ラボから少し離れ、森へ入る手前に二人。
森付近にいる兵はお互いに死角を消し合う様に立っている為一人を眠らしてしまうとすぐに気づかれてしまう。
それに二人を眠らせてしまうとラボを背にしている兵をホールドアップしなければならない。
159:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 22:34:55.60:E1IIu2AO
りっちゃん「(入り口の兵は眠らす……森付近にいる兵の一人をホールドアップ……これで行こう!)」
そう決めると早速Mkを取り出し茂みから入り口の兵を狙う。
りっちゃん「ていっ」
SONG兵C「ふあ~」
りっちゃん「あっ」
SONG兵C「ふぐわっ」
SONG兵C「何か刺さったあああああああ」
りっちゃん「あっちゃぁ~……」
首筋を狙ったつもりが兵の突飛な行動(伸び)のせいで麻酔弾が腕に当たったのだ。
りっちゃん「これはまずい……」
SONG兵C「……」キョロキョロ
SONG兵C「まあいいやー」
りっちゃん「バカで良かったぁッ!」
161:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 22:47:50.16:E1IIu2AO
SONG兵C「なんか……眠たく……」バタッ
りっちゃん「よしっ」
兵に麻酔が回ったのを見て森付近の兵へ近づく。ラボから森の入り口の距離は30mほどあり、更にその間にも数本の木がある為に視界は開けていない。
木に隠れながら近づく律。
兵の見張りも完璧ではない。気になることがあれば当然そこを確認する為に近づいたりすることもあるだろう。
兵と兵が離れて行く。遠合わせに背中と背中が向き合っている時、
りっちゃん「(今だッ……)」
ゴッゴッ
SONG兵A「ん?」
律が木を少し叩き音を出す。兵からは死角で律の姿は見えないが音は聴こえたはずだ。
りっちゃん「(さぁこいよ……)」
ツゥ……と汗が流れるのがわかる。それを拭うことも忘れて律は背中で兵の気配を感じることに集中する。
162:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 22:59:34.58:E1IIu2AO
SONG兵A「音がした……?」
りっちゃん「……」
兵がゆっくりと確認しに来る。
りっちゃんは木をゆっくりと兵士とは逆側に回る様に移動する。
図
兵
↓〇↑
律
SONG兵A「なんだなんもな(ry」
りっちゃん「動くな」
SONG兵A「ひっ…」
手をしゅばっと上げる兵士。
りっちゃん「振り向けば撃つ、動いても撃つ、いいな?」
SONG兵A「あ…? その声女か? チッ、なめられたもんだな俺も」
りっちゃん「なに?」
SONG兵A「女が撃てるのか人をよォ? 今なら許してやるよ。だから銃を(ry」
その瞬間律は思い切り兵士の膝を後ろから蹴り込み膝をつかせる。
更にそのまま頭を掴み倒し地に伏せさせると兵の後頭部に直接銃を突き付けた。
163:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 23:04:55.95:E1IIu2AO
SONG兵B「あれ? あいついない。しょんべんか? ったく……」
りっちゃん「女だと思って撃たない? ハハッ、面白いこと言うなぁ~……」
ギリギリ……
SONG兵A「ひっ」
引き金を絞る時の嫌な束調音が後頭部越しに伝わる。
りっちゃん「動いちゃったし、殺しちゃおうかな」
ここでようやく本気だと受け取ったのか
SONG兵A「お助けーッ!」
命乞いを開始した。
りっちゃん「(チョロいチョロい♪)」
164:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 23:12:34.42:E1IIu2AO
バックパックから縄を取り出し腕を拘束する
りっちゃん「声をあげても殺すから。おとなしく従ってくれたら殺さない。それどころかお礼してあげるよん♪」
SONG兵A「お、お礼……」ゴクリ
SONG兵A「あのっ、俺囮やりますよ! あっちにいる兵も邪魔でしょ!?」
りっちゃん「えっ……ああ、うん、まあ……」
SONG兵A「俺が捕まってるとこ見たら速攻飛んで来ますよ無防備で!!!」
りっちゃん「でもー……」
SONG兵A「任せといてくださいよ!!! 絶対裏切ったりしませんから!!!」
りっちゃん「う~ん……(腕は拘束してるし途中で叫ばれてもなんとかなるか……)わかった。」
SONG兵A「ありがたき幸せ!(ご褒美ご褒美うへへへ。悪く思うなよB!!!)」
165:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 23:18:36.93:E1IIu2AO
SONG兵B「いくらなんでも遅いな……見に行くか」
兵士Aが受け持っている見張りルートを行くと……
SONG兵A「お助けーッ!」
SONG兵B「A!!! どうした!?? 敵か!!!」
縛られている兵士Aを見て慌てて駆け寄る兵士B。
SONG兵A「気をつけろ……敵は……」
SONG兵B「敵は?!」
SONG兵A「可愛い」
SONG兵B「はっ? あう……」バタンッ
りっちゃん「大丈夫、眠ってもらっただけだから。それにしてもいい演技だったよ。」
SONG兵A「そりゃどーも。元々ミュージカルなんてしてたからそのせいかもな」
りっちゃん「……ふ~ん…そっか……」
166:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 23:31:09.70:E1IIu2AO
兵士Aを立たせラボの入り口へ向かう。
りっちゃん「あのさ、変なこと聞くんだけどなんであんたはこんなとこでこんなことやってんの?」
SONG兵A「あ? ん~……他にやることがなくなったから……かな。俺には音楽しかなかったわけだし。その音楽がなくなったなんて言われたんだ、やることなくなるさ」
りっちゃん「それでこんな場所で取り返す活動を?」
SONG兵A「まあな」
りっちゃん「やっぱり取り返したい……から?」
SONG兵A「いや……それもあるけどさ。あんな女の子が世界を敵にしてまで取り返そうとしてんの見てさ、俺も手伝いたくなったんだ」
りっちゃん「……」
SONG兵A「自分の全てだった音楽がなくなっても俺はあんな大それたことは絶対出来ない。けど彼女はやろうとした、無理だと承知でもな。その為に自分の命が使えるならいいかなってさ」
りっちゃん「例えそれが間違ったことだとしても?」
SONG兵A「間違った間違ってないは自分で決めりゃあいい。俺達は世界で生きてるわけじゃない、俺達が生きているから世界があるんだって俺は思ってる」
りっちゃん「……傲慢なやつ」
167:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 23:50:44.61:E1IIu2AO
りっちゃん「(ここにいる一人一人が色々な理由を持って立ってるんだな……澪、お前はそれを知っててやってるのか?)」
今は別々の道を選んだ澪に問いかける。
いつも側にいた澪に
今はいない澪に……。
気が付くと入り口の前に立っていた。
りっちゃん「さて、開けてもらおっか」
SONG兵A「ああ。手、ほどいてくれないか? 大丈夫裏切ったりしないさ。所詮雇われなんだ命は惜しい」
りっちゃん「……わかった」
シュル……
SONG兵A「あ~痛かった」
手をブラブラと何回か振るとポケットからIDカードを出す。
それを差し込み次に指紋、そして声紋、「あーあー」と簡単な声を出すとゆっくり扉が開く。
SONG兵C「」ピクッ
168:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/27(日) 23:59:41.43:E1IIu2AO
りっちゃん「敵にこんなこと言うのもなんだけど、ありがと」
SONG兵A「あんたも色々大変何だろうけど頑張れよ。さて、ご褒美ご褒美!」
りっちゃん「そうだったそうだった! ご褒美はこれだっ!」
カチャッ
SONG兵A「鉛玉ktkrwww」
りっちゃん「いい夢を」
そう言って引き金を引く────
りっちゃん「きゃっああああ」
SONG兵A「!?」
律が急に叫び声をあげ震えながら崩れ落ちる。
SONG兵C「ちっ……気付かないわけ……ねぇだろう……が」
眠そうな目を無理矢理開き律を見下ろす。
あの時確かに麻酔弾を撃ち込まれた。しかしそれを見て兵士Cは囮にしようと考えたのだ。
眠くなって倒れるフリをして素早く麻酔針を抜き出し寝たフリを開始。
律達が来るのを息を潜めて待っていた。
169:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/28(月) 00:19:05.50:y8dR1ok0
なんという策士
170:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/28(月) 00:20:07.83:DQN2aYAO
しかし抜く前に身体に入った分があるのか面ごちは重い。
SONG兵C「なにやってんだ……? 早く殺せよ」
SONG兵A「えっ、あ……あぁ」
SONG兵C「俺は身体がもう持ちそうにない……しばらく眠らせて……」ドサッ
SONG兵C「....zZZ」
りっちゃん「……」
律は気を失ってるのか動かない。
SONG兵A「やれやれ……」
SONG兵Aは律を担ぐとラボの中に入っていく。
SONG兵A「こちら巡回兵。HQ、侵入者を捕らえた。今から牢にブチ込みに行く、オーバー」
『良くやった!!! 澪様にも報告しておく。貴様名前は?』
SONG兵A「ジョニー、ジョニー佐々木だ」
─────────
171:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/28(月) 00:22:17.96:oA6mDFk0
ジョニーキタwww
177:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/28(月) 00:42:41.93:DQN2aYAO
─────────
───無人島 研究所入り口前───
その一部始終を見ていたものがいた。
森の中にアンデザインな段ボールを被り取っ手である隙間から覗いている。
トゥルルトゥルル
『さっき見た女兵が連れ去られた』
『助けないのかい?』
『ここに来た時点で覚悟は出来ているだろう。おかげで扉は開いた』
『スネーク……君は』
『オタコン、俺達はメタルギアを破壊しに来たんだ。他のことは二の次だ』
『わかってるよスネーク。ステルス迷彩の具合はどうだい?』
『上々だ。ただ慣れすぎて普段のミッションに支障が出たら困る。便利過ぎるのも考えものだな』
『バッテリーがあるから使いすぎないように気をつけてくれよ。じゃあよろしく頼む』
『了解』
ピピュン
段ボールを脱ぎ捨て日光を浴びる。
全身グレーの強化スーツ、スニーキングスーツに身を包み、額には灰色のバンダナ
煙草をくわえながら立ち上がる。
スネーク「こちらスネーク、これよりメタルギア破壊活動に移る」
─────────
183:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/28(月) 00:59:39.00:DQN2aYAO
─────────
小学校4年の時だった。澪の作文が入賞し、全校生徒の前で読むことになった。
澪「やりたくないよぉ……やだよぉ……」
律「みおちゃんなんでやりたくないのぉ? 入賞なんてすごいことなんだよぉ?」
澪「だったらりっちゃんが賞もらったらよかったのにっ」
律「~?」
澪「ぁ、ごめん……でも読みたくないよぅ……恥ずかしいよぅ……」
そう本気で泣き出す澪を見て、私は思った。
ああ、この子は本当に嫌がってるんだなと。自分なら喜んで大声を出しながら読むだろう。でもこの子は……
律「わかったぁ! じゃあ今からウチいこっ」ニヘッ
澪「えっ……でもぉ……」
律「いいからぁ~」ニコニコ
澪の手を引き走る。
人はこんなにも違っている。幼いながらに感じ取っていた。
でも、だからこそ私は澪を大好きになったのだ。
──────────
186:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/28(月) 01:09:25.21:DQN2aYAO
りっちゃん「ん……」
身体が冷たい、ひんやりする....。
身体の感覚が薄い、それに頭が靄がかかったようにボヤけている。
りっちゃん「ここ……どこ?」
目の前にあるの銀色の鉄の柵。
部屋を見回しても簡単なベッドやトイレがつけられているだけ。
りっちゃん「独房……か」
体を触るとバックパックや装備がなくなっている。
しかし衣服に乱れはないことに、ふぅと心を撫で下ろす。
兵士になっても気にしてしまうのは弱さだろうか。
りっちゃん「私……そうか、後ろからスタンロッドで……」
それで気絶してる内にここに入れられたんだ。
りっちゃん「~ん」
辺りをキョロキョロする律。
りっちゃん「澪がいた気がしたんだけど……気のせいか」
188:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/28(月) 01:15:05.96:DQN2aYAO
ピリリッピリリッ!!!
ピリリッピリリッ!!!
りっちゃん「CALLか」
ピピィン
りっちゃん『こちらりっちゃ(ry』
憂『心配したんですよ!!!!! なんで……出てくれないんですか……』
りっちゃん『あ~……えっと捕まっちゃって……ごめんね』
憂『つかまっ……何か変なことされてませんよねッ!!?』
りっちゃん『うん、大丈夫。ありがと憂ちゃん』
憂『良かった……』
さわ子『全く……あまり心配かけないでよ? 老けが進んじゃうじゃない』
りっちゃん『ごめんって。ちょっと油断してたよ』
さわ子『油断ってあなたねぇ……』
りっちゃん『それより脱出方法を考えようぜっ! 装備なんかは全部押収されたみたい。どうしよっか?』
189:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/28(月) 01:23:40.57:DQN2aYAO
さわ子『脱出方法は色々あるわ。誰かに開けてもらったり死んだ振りをしたり身体に仕込んでる鉄切りノコで切るとか……』
りっちゃん『身体にそんなの仕込んでないし無理だよー』
さわ子『誰か開けてくれそうな人は? さっきの忍者とか! シャドーモセスじゃスネークの味方だったらしいわ! つまりあなたはスネークなの! りっちゃん!!』
りっちゃん『好きだよな~その話さわちゃん』
さわ子『とりあえず死んだ真似からしてみたらどう?』
りっちゃん『なにその軽いノリ!!!』
さわ子『他に方法がないんだから仕方ないじゃない』ブー
りっちゃん『ったくもうっ』
憂『気をつけてねお姉ちゃん』
りっちゃん『まあ頑張ってみるよなんとか』
190:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/28(月) 01:39:41.92:DQN2aYAO
りっちゃん「」ぐったり
りっちゃん「」グターリ
「おい、起きろ」
りっちゃん「」クッタリーノ
「微妙に体が上下してんだよ」
りっちゃん「ちっ。なんだよせっかく人が気持ち良く寝てるってーのにさぁ……」
頭をかきながら律が顔を上げるとそこにはさっき自分がホールドアップした兵士がいた。
りっちゃん「あっ! あんた!」
「しっ、声がデカい」
りっちゃん「なんだよ……?」
「もうしばらく経ったらここの見張りが俺一人になる。そしたら俺はトイレに立つ、長い、長~いやつだ」
りっちゃん「あんた何言って」
「今から腹が痛いといいながらポケットから下剤を取り出す。その時一緒にここの鍵も落としちまう、いいな?」
りっちゃん「あんた……」
ジョニー「ジョニーだ。俺の家系は腹が弱くてな。最も俺は賢いから下剤を飲ん……」グルルル……
ジョニー「がっ……腹がっ……」
りっちゃん「(おおっ! 凄い演技だっ!)」
ジョニー「さっき飲んだのに……なんで……」
ジョニーがポケットから薬を取り出すとクルクル回しながら何かを見ている。
ジョニー「腐ってやがる……」
ジョニーはそのままトイレに直行し、長い、長い旅路へと旅立った。
りっちゃん「演技……だよな?」
191:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/28(月) 01:51:55.30:DQN2aYAO
ジョニーが落としていった鍵をありがたく拾い、開ける。
周りを確認しながら外に出る。
りっちゃん「(監視カメラか……)」
監視カメラに映らないようにタイミングを見計らいながら出て、先程ジョニーが入っていったトイレを
コンコンッ
と軽くノックする。
ジョニー「永遠に入ってます」
りっちゃん「なんで……」
ジョニー「あの先は俺のカードじゃ開かないところばっかりだしな。ここからなら大体どこでも繋がってるからこっちの方があんたに都合がいいかなと」
りっちゃん「なんでっ……」
ジョニー「俺はただの一兵士だけどよォ、それでもただの人間だから。自分がしたいようにやったまでさ。さっきまではこんなリスク犯すことはないって思ってたんだがな……」
─────────
192:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/28(月) 01:54:00.59:oA6mDFk0
ジョニーかっこよすぎだろ……
4の扱いェ……
193:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/28(月) 02:01:17.71:DQN2aYAO
数分前───────
澪「…………」
りっちゃん「くぅ………くぅ…」
澪「律……」
ジョニー「そんな物欲しそうに見つめてどうしたんですかい?」
澪「見張りご苦労。志願兵の君達には本当に感謝している」
ビシッと敬礼をしてくる澪に思わずジョニーにも返す。
ジョニー「いえいえ。ここに配属してくれたのは澪さんって聞きましたが……」
澪「呼び捨てで構わないよ。私の方が年下じゃないか」
ジョニー「へい。かたっくるしいのは苦手なんで助かります」
澪「あはは。そうだよ。律を連れてきてくれたって聞いてもし酷いことされてたらどうしようって思っててさ……けどそんなことなくて。あなたなら信用出来ると思って」
ジョニー「へぇ……二人はどう言ったご関係で?」
194:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/28(月) 02:12:49.12:DQN2aYAO
澪「幼馴染みだよ。ずっと、ずっと一緒だった」
ジョニー「そりゃなんとも」
澪「律は昔から正義感溢れるやつだったからな。こうなることはわかってたんだ。それでも……」
ジョニー「……殺すんですかい?」
澪「……仲間にならないな、そうすることも……」
さっきと同じ顔なのに、全然別人に映る。
SONG兵「澪様、あの方がお呼びです」
澪「今行くよ。じゃあジョニーさん、律のことよろしく頼みます」
ジョニー「はいよ」
澪「ああそうだ。これ、良かったら」
そう言って下剤を渡す澪。
澪「ここは少し寒いですからお腹、冷やさない様にしてください」ニコッ
ジョニー「こりゃどうも」
立ち去る澪の後ろ姿を見ながら思う。
こんな世の中間違っていると
─────────
195:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/28(月) 02:14:00.04:oA6mDFk0
下剤って出す方じゃなかったっけ?
200:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/28(月) 02:26:40.35:DQN2aYAO
下剤て便秘の薬……
いや、まあジョニーをトイレに向かわすにはうってつけ(ry
お腹のいい薬に脳内変換しといてくださいな
>>195
指摘サンクスwww
後ずっと見てくれてあざす
196:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/28(月) 02:22:31.76:DQN2aYAO
───研究所内部 独房───
りっちゃん「澪……」
ジョニー「今思えばあのアマ盛りやがってぇぇぇ」
ジョニー「(言葉とは裏腹に助け出してくれって言ってるようなもんだろ。)」
ジョニー「いいから早く何処へなりと行けよ」
りっちゃん「ありがとう……ジョニー!!! 私あんたのこと忘れない」
ジョニー「もう二度と出会うことはないだろうが達者でな、えーと律だっけか」
りっちゃん「うんっ!! ほんとにありがとっ!」タッタッタ……
ジョニー「装備取り忘れんなよ~? 」
ジョニー「はあ……全く世話焼きも大概にしとかないとな。だが……」
間違ったことはしてないよな……。
ジョニー「ぐっ……キタキタキタァッ!」グルギュウウウ
りっちゃん「ありがとう……。」
何回言っても言い切れない。
何気なく立っている一人の兵にも、家族があり思いがあり、産まれてきたこれまでがある。
その事を律は改めて認識させられた。
その想いを抱き、メタルギア破壊へ再び走り出す─────
214:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 23:12:11.55:Vow9XYAO
数時間前
───無人島 上空───
「……」
「時間だ」
「タイムリミットは?」
「明確には言われてないが明日の明朝までだろうな。」
「了解した」
「ステルス機なんてどっからかっぱらって来たんだか。ママに感謝しねぇとな」
「ああ」
白い外装に包まれた男がハッチを開くボタンを押す。
「パラシュート自体は目視されないとバレないだろうが……あんたの熱源で怪しまれる可能性がある、気を付けてくれ」
「この辺りにはオオワシと言う猛禽類が生息していた筈だ。体を縮めれば大きさも同じ程度だろう」
215:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 23:13:21.17:Vow9XYAO
「そうか。情報じゃ他の勢力も上陸してるって話だ。協力するか否かはあんたに任せるが出来るだけ協力してやった方がいい。障害は少ない方がいいからな」
「ああ」
二歩、三歩と外が剥き出しになっているハッチへ向かう。
白い外装の男は一度だけ振り向くと、
「ローズを頼む」
そうとだけ言い夜の帳(とばり)に身を投げた。
「GoodLuck、雷電」
誰もいない機内で男はそう呟いた。
216:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 23:16:51.57:Vow9XYAO
夜が迸る(ほとばし)。凄いスピードで降りて行くのにまるでそれを感じさせない。周りの景色のせいで自分が落ちているのではなく体が浮いていると錯覚しそうになる。
雷電は膝を手で抱えて体を丸めると弾丸の様な速度で地上に向かう。
通常のスカイダイビングなら12500フィートからダイビングした場合、約3000フィート辺りで開傘が安全と言えるダイビングだろう。
だが雷電は10000フィートから降り、残り1500フィートと言うところでも開傘をする様子はない。
そしてついに1000フィートを割り込む。
※1フィートで30.48cm
217:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 23:19:10.91:Vow9XYAO
それと同時にパラシュートを展開、どう考えても間に合うタイミングではなかったが、
ググッと雷電の体が開いたパラシュートの空気抵抗により浮き上がる。地面までの距離はもう数十m、そのまま減速しながら森に入る前にパラシュートを切り離す。
黒のパラシュートは夜に紛れてどこかへと吹き飛ぶ。雷電は半ば投げ出された様な勢いで地面へと向かって行く、
普通の人間なら骨折ではすまないだろう勢い。
ザザァッ
が、雷電は何事もなかったかのように四つん這いになりながら地面へと着地してみせた。
218:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 23:27:34.35:Vow9XYAO
雷電「……」
ピリリッピリリッ
『上手く着地出来たようだな。短高度用のパラシュートなんざ担いで行くから死なないか心配したぞ』
雷電『さすがの強度だ。あの勢いで落下して開いても糸が切れなかった。切り離してしまったが回収して部屋に飾りたいぐらいだ』
『はは。あんたもジョークを言うんだな。さっきも言ったがそこには他にも複数の勢力がいるって話だ。同じメタルギア破壊を目標としてるなら協力すればやりやすくなるだろう』
雷電『必要ならそうしよう』
『やれやれ……』
220:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 23:34:36.84:Vow9XYAO
『他の奴らの目的が何にしろそいつが完成してしまえばこの世界はまた冷戦時代に突入だ……それだけは止めてくれ』
雷電『了解した』
『じゃあ俺はこれで行くぜ。目視されるわけにはいかないからメタルギアを何とかするまで回収は出来ない。そのつもりでいてくれ』
雷電『ああ』
ピピュン
雷電「……」
夜風に晒されながら空を仰ぐ雷電。
雷電「記憶があろうとなかろうと俺は結局ここ(戦場)にしか居場所がないんだな…。あんたもそうなのか…スネーク……」
221:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 23:43:26.47:Vow9XYAO
───無人島 研究所内部 ───
りっちゃん「迷った……」
思えば研究所内部の見取図なのは入手してなく、あてもなく隠れながらウロウロしている。
りっちゃん「さわちゃんに連絡しようにもここいらはジャミングが強くて繋がらないし……」
しかしのんびり迷っている場合ではないことを思い出す。
曲がり角いくつか曲がると人の気配を察知し、壁際から覗く。
りっちゃん「(迷った時は聞きましょうってな)」
無防備に背中を見せたまま何やらしている兵に物音立てずに忍び寄る。
222:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 23:51:50.46:Vow9XYAO
Mkをすっ、と抜くとその兵の背中に銃身をわざと付け、
りっちゃん「動くな」
と、女の子にしては低い声で威圧する。
りっちゃん「(決まった……)」
内心そんなことを思っていた刹那、
「っふん……」
兵がいきなり振り向きMkを握りしめ銃身を明後日の方向へ向ける。
りっちゃん「なっ」
更にその兵は離すまいとしている律のMkを捻る様にして締め上げる。
律の右腕が左に捻られ離さなければ折れる、と云うところまで締め上げられたところで律もようやく反撃に移る。
223:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/07(水) 00:02:16.05:DXlp6QAO
近くの壁を1.2と勢いよく蹴り側転。
律の締め上げられた腕を元に戻す様に一回転し、戻ると同時に降りながら兵の肩目掛けて踵を降り下ろす。
「いい動きだ」ボソッ
りっちゃん「!?」
それを読んでいたかのように兵は内側に入り込み、律の腕を持ったまま背中に抱えるような格好になった。
そのまま勢いよく律の腕を引きながら、左足に重心を乗せ、肩を丸めながら投げ飛ばす。
りっちゃん「(これって)」
そう、日本の格闘技。
柔道の技、
一 本 背 負 い だ
そのまま成す術なく背中から地面に叩きつけられた律は「げほっ、げほっ」と蒸せながら仰向けに倒れこんだ。
224:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/07(水) 00:07:32.86:DXlp6QAO
「動きは悪くない。だが背中に銃身をつけるのは頂けないな。銃身の大きさで大体の種類はわかるからな」
いつの間にか律から奪ったMkを律に向けながら言い放つ。
「壁を蹴って抜けるのは派手だが実用性はない。実戦とVRを勘違いしないことだ」
りっちゃん「ぐっ……」
まさかここの兵にこれ程の強者がいるとは思っていなかった。いや、律自体慢心していたのだ。
ここに来てまともにやり合い、ねじ伏せられた相手はいなかった。
そこに「一般兵などに遅れを取ることはない」とタカをくくっていたのだ。
無意識化に
225:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/07(水) 00:15:19.60:DXlp6QAO
「さて……ここを案内してもら……ん? お前は……」
律「えっ……あんたは……」
─────────
───無人島 研究所 地下───
紬「……何もおっしゃらないんですね」
「何がですかな?」
紬「……貴方が何を考えてるのかは知りません。でも私の大切な友達達に何かあれば……」
「わかっておりますよ。あなたとあなたのお父様には大量の援助を頂きました。それを仇で返す程我々も白状者じゃありませんよ」フフ
紬「……(汚い大人)」
「メタルギアの方はどうですかな?」
226:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/07(水) 00:26:42.90:DXlp6QAO
紬「95%は完成済みです。ただ残りの5%は部品が足りないと技術部から申し出がありましたので取り寄せないと……」
「ふむ、例の装置の設置は済んでるのですかな?」
紬「ええ。あなたのご注文通りに」
「なるほどなるほど。わかりました。」
ニヤニヤとふやけた顔を見せる男に紬が言葉を投げかけた。
紬「あなたの本当の目的は何なの?」
「勿論世界に音楽を取り戻すことですよ」
紬「……本当かしら」
「本当ですよ。我々も音楽を愛しているのですよ、本当に……ね」クックック
紬「……」
ただ怪しげな表情を浮かべる男を信じるしかない自分に嫌気を感じながらも最終調整を続ける。どの道このメタルギアが音楽を取り戻すキーになるのは間違いないのだ。
利害など知ったことじゃない。
紬「(私はただあの頃を取り戻したいだけ……何としても!)」
227:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/07(水) 00:32:20.52:DXlp6QAO
─────────
───無人島 研究所 中央作戦室───
唯「……」
ガタッ
澪「唯、行くのか?」
相棒のギー太を手に携え作戦室の出口に向かう唯を見て澪が視線も向けずに呟いた。
唯「あずにゃんも帰ってこないし……むぎちゃんはあの兵器にかかりっきりだしさ」
澪「そうか」
唯「……澪ちゃん」
澪「何だ?」
唯「迷わないでね。あずにゃんはりっちゃんに殺されたんだから」
澪「っ……」
静かに苦虫を噛み潰す表情を見せる澪。そんな澪の反応に満足したのか唯はゆっくりと部屋を後にした。
唯「殺さないと……殺さないと……敵だから……あいつは敵だから……殺さないと……」ブツブツ
次へ
さわ子『案外あっさりと潜入出来たのは意外だったわね…。』
律『衛星カメラで東側だけ警備が手薄だったから何かの罠かと思ったけど……見たところ人がいる気配はないな』
さわ子『ではミッション内容の確認をします。』
律『行く前に何回もやったじゃ~んパスパ~ス』
さわ子『いいから聞きなさい!!』
律『はい……』
さわ子『あなたの一番の目標はテロリストの兵器とされる新型METAL GEARの破壊、そして首謀者……』
律『秋山澪の抹殺……か』
さわ子『このミッションに望んだ時点で迷いは吹っ切れていると私達は判断しているわ。テロリスト側の言っている「世界中の核ミサイル、そのコードを意のままに操れる」と言う脅しで世界政府は恐慌状態、この島に武力介入どころかヘリ一つ飛ばせない状況の中頼れるのはあなただけなの、りっちゃん』
律『わかってるよ……もう……決めたから』
さわ子『ええ、そう言ってくれると思ってたわ。じゃあ具体的な説明に入りましょうか』
律『……うん』
さわ子『その無人島は直径15kmほどしかない小さな無人島よ。まあ隠れるには絶好の場所ね。テロリストがいる建物はそこから西に5kmにある即席で建てられたラボね。小さな島だし建物はそこしかないから迷わないと思うわ。衛星から見た感じ結構大きな建物だからそこからでも見えるかもしれないわ』
律『ここからは……木が邪魔で見えないなー』
さわ子『そう、まあそのまま直進すれば見えて来る筈よ。』
律『了解』
さわ子『じゃあ次は装備の確認ね。武器は基本現地調達、これは自分の武器が相手に渡らないようにするためと潜入の痕跡を残さない為よ。わかって頂戴ね』
律『FOXHOUNDの習わしかと思ってたらちゃんと意味あったんだ!』
さわ子『勿論それもあるわ。このFOXDIEDは伝説の組織FOXHOUNDを真似て創ったものですもの。あなたが取得しているCQC、Close Quarters Combatもあの伝説の傭兵が使用していたと言う理由で採用してるのよ!』
律『ミーハーだなさわちゃん……』
さわ子『う、うるさいわね!けどCQCは近接格闘においては最強とも呼ばれる体術よ。きっと役に立つと思うわ。』
律『へいへい……』
律『まあMk.22、双眼鏡、無人島のマップ、ドラムスティックがあれば大丈夫っ』
さわ子『またドラムスティックなんてかさばる物持って来て……』
律『ちっちっちっ、意外と役に立つんだよこれが。まあ見てなって』
さわ子『もう持って来てしまったものは仕方ないわ。上手く活用して頂戴。じゃあそろそろ通信切るわね。何か聞きたいことがあったりしたらCALLして。周波数は143.85よ』
律『いよっ、さわこ!で覚えるね!』
さわ子『好きにしなさい……』
さわ子『ああそうそう。あなたのナビゲーター兼メディカルチェック担当を紹介しておくわ。いいわよ、話して』
『お久しぶりです、律さん』
律『その声は……憂ちゃん?!なんでFD(FOXDIED)に?』
憂『律さんがその……澪さんと対峙するって聞いて……私も正しいことをしたいって思ったんです。確かに澪さん達の気持ちもわかるけど……けどそれは悲しみしか産まないから……』
律『憂ちゃん……』
憂『それにお姉ちゃんも……ううん、何でもないです。微力ながらですが力になります!体調のことや対処法、治療の方法、後はその島の特徴なんかも少しだけなら答えられます。聞きたいことがあったら311.15にCALLしてください』
律『う~む……ういいい子と覚えようか!』
憂『3が……うですか?』
律『携帯なんかで1を3回打つと「う」になるから……だめ?』
憂『ふふ、律さんらしいです』
劇画調のりっちゃん隊員が浮かぶ
律『そうなった時に困るから先に言っとくけどさ……。』
律『多分……唯もいるよ、ここに。それでも憂ちゃんは私達につくの?』
憂『……律さんも澪さんと敵対してまでそこにいるんですよね…。しかも私なんかと違って実際に赴いて……しかも抹消なんて……』
律『憂ちゃん……』
憂『大丈夫です…。もう弱い自分は捨てました。お姉ちゃんが間違ったことをしてるなら妹として……私は止めないと、叱らないと駄目だと思ったんです。だからここにいます。それじゃ…いけませんか?』
律『(叱る…か、そんな生温い状況じゃないのは憂ちゃんもわかってる筈……もしかしたら最愛の姉を私が殺すことになるかもしれない……それを覚悟してるのか……)』
律『(いや……わかってないとしてもきっとこの子はジッとして居られなかったんだ。自分の知らない間に全て終わってしまう前に……。こうして唯と対峙することがどれだけ苦しかったことだろう……。澪、唯……お前達はそんな者達を捨ててまで……愛したと言うんだな、音楽を)』
律『ううん、十分だよ、憂ちゃん。一緒にあのバカ達を叱りに行こうぜ!』
憂『はい!』
律『(必ず取り返してみせる……この子の為にも)』
さわ子『さて、そろそろ作戦開始時刻よ。健闘を祈るわ』
律『了解っ』
さわ子『ここから先はコードネームで呼びます。いいわね?』
律『コードネームって言ってもあんま変わらないじゃ……』
さわ子『気持ちの問題よ気持ちの。じゃあ頑張ってね、りっちゃん』
りっちゃん『コードネームがりっちゃんって……』
ピピュン……
りっちゃん「さ~てと、行くか」
中腰になりながら辺りを警戒し森の中へと入って行くりっちゃん。
この先に待ち構えてるであろう旧友達、国を捨て友を捨てたった一つ得た音楽と言う名の柵(しがらみ)。
彼女らは全てを捨てた、そう……音楽の為に。
事は2年前の事件に遡る──────
2年前に起きた全世界規模で起きたテロ、後にWORLD OF SONGと呼ばれる事件。
爆弾が何かに反応して全世界ほぼ一斉に爆発したと言う恐ろしい事件だった。
その何か、が問題視された。最初は複数の組織による同時多発テロかと見られていたが声明は出ず、世界は恐怖に見まわれた。
それからも何度か同時に近い爆発が起こり、メディアは踏まずに爆発する地雷などと煽りたてた。
しかし1つの爆弾が爆発するまでに見つかり、事件は見方を変えた。
アメリカの研究所に持ち込まれた爆弾を解析した結果、その爆弾は音に反応して爆発すると言うことがわかった。
ただ普通の音ではない、それは音楽、……に乗った歌によって爆発する爆弾。
SONG BOMB……と恐れられた。
人々はあり得ないと非難した。歌によって爆発する爆弾など聞いたことがない、と。
しかし爆発は主に音楽のステージ近くや歌と音楽が流れる大型テレビ近くなどで起こっていることがわかり、人々はこれを認めざるを得なかった。
目的は何か、またいつ爆発するかわからず犯人の特定も困難と化していた。
爆発を仕掛けて何時間、いや、何日経ったかわからない為に絞り込みが出来ない。
リモコン操作などなら爆発の数時間前にその辺りを通った者に限定されるがSONG BOMBはそう言った概念がなかった。
一人なのか多数なのか団体なのかもわからないまま……人々は恐怖し、次第に歌うのをやめていった……。
歌わなければ、奏でなければ爆発しない。
簡単な話だった……音楽を、歌を愛さないものには。
それから歌や音楽が廃へ、楽器等で奏でる行為は法律で禁止されるまでになった。
これが犯人の描いた未来なのだろうか、だとしたら余りにも上手くいった結末だろう。
しかし、禁止されても音楽を愛し、奏で続ける者達はいた。
だが無情にも爆弾はそれに反応し、また歌わぬ者も巻き込み、歌う者は悪と言うレッテルが貼られ……世界から一つの文化が消滅した。
それがちょうど今から一年前の話である。
音楽、歌がが禁止されてから数ヶ月して……
音楽を、歌うことをやめた世界を……彼女達は憎んだ────
1ヶ月前、無人島から世界に贈られたメッセージは、歌ない世の中に対する宣戦布告だった。
あの時の澪の顔を……私は今でも覚えている。
彼女らは旧型と化していたメタルギアを改造し、世界に散らばる核、そのコードを掌握したと発表。
試しに、と、ロシアの核実験に使用されている核のロックを発射シークエンスギリギリまで外してみせたらしい。
どの様な手を使って行なったかは不明だがこれで世界はこの無人島に迂闊に干渉することが出来なくなったのだ。
彼女らはあの歌がなくなった日にちなんでか、自分達をWORLD OF SONGと名乗り、世界に歌、音楽を取り戻せと通告。
政府はSONG BOMBと核に板挟みにされた状態になる事となった……。
それを受けて発足されたのがFOXDIED。FOXHOUND後釜、いや、亡霊と言った方がいいだろう。
そんな組織に、私は入った。
入った理由は色々ある。
1つは家族の保身の為。自らの身を潔白する為だ。
同じ軽音楽部として過ごしていた仲間が今や世界を揺るがすテロリストなのだ。放課後ティータイムというバンドまで組んでいた元メンバーの私が分子として疑われないわけがなかった。
自ら対立する組織に入ることで身の潔白を証明出来た。
ただ政府はそれだけじゃ飽きたらず、一番身近に居た私にテロリストを討て、と命令してきたのだ。
断れば世界に敵対する反乱分子と決めつけられ……家族共々始末されるだろうことは容易に想像が出来た。
でもそんなこと言われる前から私は自分でみんなを止める、そう覚悟していた。
FOXDIED結成より数ヶ月前に
澪に、誘われてたんだよね。
「一緒に取り返さないか?」って
あの恥ずかしがり屋で怖がりで……そんな澪が全部投げ売ってまで取り返したかったモノ……それが音楽や歌だった。
迷った、迷った、凄く、凄く、死にたい程迷った。
けど
断った。
「私にはそこまでする理由がわからない」って
実際にわからなかったんだから仕方ない!
世界を敵に回してまで奏でる意味が、歌う意味があるのだろうか?
あるわけがない。他に楽しいことはいくらだってある筈だ。ならそれをすればいい、わざわざ茨の道を行く必要なんて……。
そう思ってたのは私だけだったみたいだ。他のみんなはその日を境に、連絡がつかなくなった。
答えはわからなかった、どっちが正しくてどっちが悪いのか。
その答えを知るために、いつか来る日の為に訓練し、訓練し、訓練し、訓練した……。
世界を代表して、あのわからず屋達を説得する権利を得る為に。
これが2つ目。
そして最後は……友達だから。大切な、誰にも代えられない、大切な……
律「澪にはずっと私がいるからな……」
いつか言った言葉だ。これを聞いた澪は照れたりふざけてると思って私を殴ったりしたっけ。
違う形かもしれない、澪には嫌われるかもしれない。
それでも、私は私の思う道であの言葉を守るから。
律「待ってろ、澪」
─────────
「誰か来たよ~? りっちゃんかなぁ?」
「律先輩……」
「まさかりっちゃんが敵対するなんて……」
「……」
「仕方ないよぉ、私達はりっちゃんに裏切られたんだよ。悪いのはりっちゃんなんだ。ね、澪ちゃん?」
「……そうだな」
「殺す……んですか?」
「そんなっ!りっちゃんならきっとわかってくれるわ!もう一回話し合うべきよ!」
「お嬢様……言葉を濁すようで悪いのですが田井中律は我々を抹殺する組織、FOXDIEDのメンバーです。迂闊に接触しては……」
「……黙りなさい」
「仰せのままに」
「なら最初は私が行くよ~。りっちゃんとは色々話したいことがあるし。大丈夫、きっとわかってくれるよ」
「……任せた、唯」
唯「じゃあいこっか……ギー太」
ジャラ……
wktk
りっちゃん「ようやくお出まし……か」
バックパックから可変式双眼鏡を取り出すと「どれどれ…」何て女風呂を覗くおっさんの様な面ごちで双眼鏡を宛てる。
りっちゃん「他の音楽を取り戻す活動の奴らも合流してんのか……」
りっちゃん「装備はAK-47のⅢ型にマークⅡのパイナップル、後はM84スタングレネードに無線機か……」
りっちゃん「(一兵士にしては装備がしっかりし過ぎてる……むぎの財力か? それに死角を作らない見張りの仕方を見るに……こりゃ島に上陸してるのがバレてるな)」
茂みに伏せながら指を耳の裏に宛てる、CALLの仕草だ。
トゥルルトゥルル……
りっちゃん『さわちゃん、どうやら……』
さわ子『えぇ、こちらの動きは筒抜けのようね』
りっちゃん『いいの~?核発射されたりされない?』
さわ子『今のところ動きはないわ。もっとも東側の警備の薄さを見た時からおかしいとは思ってたけれどね』
りっちゃん『誘ってる……か。で? どうすんの?』
さわ子『確かにあちらは何らかの手段でこちらの動きを把握してるみたいだけど見逃してくれてるなら都合はいいわ。そのまま澪ちゃんのところまで行っちゃいなさい!!!』
りっちゃん『う~んでもこの装備じゃここを突破するのは厳しいかなぁ。Mkで一人眠らしたとしても後の二人が問題だよな~。音で引き付けるとしてもみんな気づいちゃう位置だし』
さわ子『そう言うパターンはVR訓練で何回かやったでしょ? それを思い出してりっちゃん』
りっちゃん『VR訓練……か。そういややったけ。わかった、上手くやってみる!』
プツン...
俺のリロードはレボリューションだ!
MGSのSSでジョニー佐々木を見かけた事がないな
りっちゃん「やるか……」スチャ
まずは一人に狙いをつける。
ヒュンッ────
SONG兵A「あう……ォ……」
首筋に麻酔針が刺さり一発で昏倒。
SONG兵B「なんだッ!?」
SONG兵C「敵襲!?」
りっちゃん「」ヒュイッ
兵士Aが昏倒し、視線が集まってる内にりっちゃんが素早く残り二人の後ろの方の茂みにドラムスティックを投げ込み陽動をかける。
ガササッ
SONG兵B「そこかッ!」
SONG兵C「」
兵士Cがおもむろに腰の無線機手を伸ばすのが見えた。そこでりっちゃんは目標を兵士Cに定めもう一発首筋に……。
ブゥンンン
りっちゃん「(うわっデッカい虫っ)」
シュンッ────
SONG兵「がっ……くっ、なんだこれはっ! 針……?! 麻酔弾か!!!」
りっちゃん「(あっちゃ~外した)」
首筋を狙ったつもりが肩口に当たり睡眠薬の廻りが首筋より遅れたのだ。
りっちゃん「(こうなったら……)」
《超スーパースローモードで回想してください》
ブアッ
綺麗な側転で一気に茂みから出るりっちゃん
SONG兵C「なんだッ!」
AK-47を構えようとする兵士C────
りっちゃん「(遅いッ)」
水平に構えられたAKを蹴り上げる。銃身は上に向き、、そのまま引き金が弾かれ……
バババババッ
中空に乱射、
りっちゃんは兵士Cの首筋に今度こそ麻酔弾撃ち込む。
SONG兵士C「ガッ……」
昏倒、そして何が起こったのか理解しきれていないSONG兵士BのAKを左手で掴み込む。
ここでようやく覚醒したのか手を振り払って銃身をりっちゃんに向けようと力を込める、が、
ガシッ
ブワッ
SONG兵士B「なッ」
手を離すと同時に右足で兵士Bの足を払う。引っ張ることに力を入れていたため上半身の力は後ろへと流れている、半ば反った形になっていたところに足を払われたのだ。
兵士Cは成すすべなく綱引きで急に手を離された様に倒れ込んだ。
りっちゃん「おやすみ」ニヒッ
シュンッ───
りっちゃん「15点……かな。VR訓練の元にもなってるあの伝説の傭兵なら銃声を鳴らささず、麻酔弾も3発……いや最後の一人はCQCで倒して2発で留めたかな」
りっちゃん「やっぱり実戦と訓練は違うかー。」
茂みに兵士を隠し思案に更けるりっちゃん。
りっちゃん「(誘い出された気がしたけど兵士は迷わず発砲してきた……こんなとこで死ぬ様なら用はないってか。澪達は新型のメタルギア以外戦力になるようなものはない……歩兵としてならそこらの兵士以下だろう。だから……か)」
迷ってるのか……澪。
目視出来るまで近付いたラボを見据える。
りっちゃん「銃声はまずかったな……早く離れないと」
「んふふ、りっちゃん凄いね」
りっちゃん「ッ!?」
りっちゃん「その声は……唯か!? (どこにいる……)」
唯「その銃で私や澪ちゃんも殺しに来たの……?」フォン...
りっちゃん「違うんだ唯! 話を聞いてくれ! 」
話をしながらも声のした方から位置を確認するりっちゃん、だがしかし、
りっちゃん「(速い……走って出るスピードじゃない……ほんとに唯か……?)」
唯「聞くよ~話ならいくらでも。私達のりっちゃんになってくれたら……だけどね!」フォン.....
りっちゃん「(つまり聞く耳持たないってわけか……! 唯には悪いけど憂ちゃんの為にも無理矢理でも連れて帰る……!)」
フォン......
りっちゃん「そこかッ!」
シュンッ──────
フッ ガッ
麻酔弾が木に刺さり込む音を受けてりっちゃんは驚愕する。
りっちゃん「(間違いなく当てた筈なのに……)」
唯「私に向かって撃って来るなんて……りっちゃんも変わったんだね。澪ちゃんの言った通り…」
とうとう姿を見せた唯、その姿は昔の唯とはかけ離れていた。
緑色の長いコートに身を包み、目は眠そうに半分塞がっている。
足には何やら特別な靴の様な物を履いていて、地上から数センチ浮いている。
前腰辺りにダラりと唯の愛楽器、ギー太をぶら下げている。
りっちゃん「唯……お前」
唯「りっちゃん……。どうして? どうして私達を裏切ったの?? 同じけいおん部の仲間だと思ってたのに……ッ!」
りっちゃん「唯……。だからってお前達は楽器の代わりに武器を持つのか? それがお前らの答えなのか!!!」
唯「武器なんて……」
りっちゃん「とぼけるなよ……いつからギー太はそんな厳つくなったんだ?」
唯「……んふふ、カッコいいでしょ? ギー太もきっと喜んでるよぉ」
りっちゃん「あれだけ大切にしてたギー太だろ!? 世間に対する考えは変わっても……音楽に対する思いは変わってないと思ったのにぃッ!!唯っ!」
銃口を唯に向けるりっちゃん
唯「違うよぉりっちゃん~……銃声ってね……スゴぉい良い音がするんだよ!!!」
ジャラアアアアアアン
ギー太を掻き鳴らす唯
するとギー太のトップ(表板)がいくつか開き、そこから銃弾が飛び出した。
りっちゃん「なっ」
それをギリギリ木の影に入ってやり過ごす。
唯「ほらね……凄い綺麗……。 歌ってるみたい」
チュインッ
ヒュンッ
ビュンッ
色々な弾、威力の伝わりなのか出る銃声出る銃声がバラバラだ。
それがまるで演奏に唯は聞こえるのだろう。
りっちゃん「パトリオットギー太……とでも言っておこうか」
唯「それカッコいいっ!ギー太は今からパトリオットギー太だよっ!」
チュインチュインッ
ビュンッ
唯「あはは、喜んでる喜んでる」
りっちゃん「(お前がかき鳴らしてるだけだろっ!)」
りっちゃん「(一体どんな改造したのか知らないけどすっかりおかしくなっちゃってるな……唯のやつ。元々一つのことだけやり込めば天才クラスだからな……)」
楽しそうにかき鳴らす唯を影から観察するりっちゃん。
りっちゃん「(あの靴も油断出来ない……さっきの麻酔弾をかわした程の速度が出るんだ……全くむぎの会社の発明か何か知らないけど唯をこんな戦闘狂に変えて何がしたいんだよ……! それとも唯が言うように綺麗な音が出ればなんだって良いってかぁ!)」
合間を塗って麻酔弾を唯の腕に向けて撃つ、
唯はそれを軽々しくかわし森の中を滑る様に滑走していく。
りっちゃん「くそっ!」
トゥルルトゥルル……
りっちゃん『あれなんだよ! 反則! それにあれ誰だよ!』
さわ子『落ち着いて、りっちゃん』
りっちゃん『こんな状態で落ち着けるわけ……』
憂『りっちゃんさん……落ち着いてください……』
りっちゃん『憂ちゃん……』
さわ子『あれは恐らくホバークラフトの様なものね。』
りっちゃん『ホバークラフト?』
さわ子『吸い込んだ空気を吹き続けることによって浮力を得ている乗り物のよ。日本ではあまり見られないわね。恐らくあれはそのホバークラフトを靴状にして小型化したものだと思うわ』
りっちゃん『むぎの奴何でもありだなもうっ!』
さわ子『でも安心して、弱点はあるわ』
りっちゃん『弱点なになに!?』
さわ子『燃費がとてつもなく悪いのよ。それは小型化しても同じだと思うわ。』
りっちゃん『つまり隠れながら電池が切れるのを待てってこと!?』
さわ子『簡単に言えばそうなるかしら』
りっちゃん『結局逃げ廻るのか……まあ上手くやってみる』
さわ子『気を付けてね』
憂『りっちゃんさん!』
りっちゃん『ん?』
憂『お姉ちゃんを……』
りっちゃん『憂ちゃん……、それ以上は言わなくてもわかってるよん』
憂『ありがとうございます……ッ!』
ピュン……
りっちゃん「さ~て逃げまくるとしましょうか!」
唯「りっちゃ~ん~どこ~?」
りっちゃん「(動き回らせて燃費を悪くさせてやるッ……)」
りっちゃん「こっちこっち~」
唯「りっちゃん待って~!」
ズバババババ
りっちゃん「(まるで昔に戻ったみたいだな……飛んで来るのが銃弾じゃなければだけど)」
森をジグザグに走り狙いを絞らせず、確実にホバーシューズのエネルギーを消費させて行く。
りっちゃん「(しかしあれ燃料何使ってんだろ……ガソリンか?)」
唯「むぅ……そうだっ!」
痺れを切らした唯が何やら思い付いた様にホバーの速度を上げる。
りっちゃん「(追い付いてから確実に仕留めるつもりか? 考え方は唯のままだな)」
りっちゃんは踏ん張り、隣にあった太めの樹回り込む様に方向転換。
勢いが強い分小回りは効きにくいと判断したのだ。
唯「甘いよっ!りっちゃん!」
後ろへ体重をかけて上手くブレーキをし、りっちゃんの方へ方向転換。
りっちゃん「思ったより小回りが効くんだなー! けどその距離からじゃ下手っぴな唯じゃ当たりもしないよー!」
唯「えぇいっ」
パァンッ
案の定唯が撃った銃弾はりっちゃんから大きく外れ……頭上の太めの木の枝に当たる。
上手く折れた木はりっちゃんに降って、
りっちゃん「(唯の割には味な真似をッ! けどっ!)」
素早く前転をしかわす。前転は体術の基本中の基本、りっちゃんも初めの何日はこの前転に明け暮れたものだ。
りっちゃん「甘いあま……」
唯「ごめんね、りっちゃん……」
りっちゃん「しまっ……」
枝木に注意を反らし過ぎて急接近していた唯に気づかずにいた。
唯がギー太掻き鳴らす、瞬間、それは訪れた─────
ザンッ
唯「えっ」
りっちゃん「なっ」
ギー太の弦が一斉に弾け飛ぶ─────
「…………」
りっちゃん「ニン……ジャ?」
唯「ああっ!ギー太がああっ!ニンジャさん酷い!」
ニンジャ「」シュゥ……シュゥ……
唯に刃を向けたまま静止するニンジャ。
唯「ギー太があああ」
ピリリッピリリッ……
唯「あっ澪ちゃん? うんうん……ギー太がねぇ……うん……それに変なニンジャさんが……」
りっちゃん「(ナノマシン通信の筈なのに声出てるぞ唯……)」
唯「わかったぁ……弦も張り替えなきゃだしね。と言うわけでまたね、りっちゃんっ! 次会った時は……殺すから」
眠たそうな目からは確かに殺気込められていた……。
りっちゃん「全く……昔と変わらないのか変わったのか……」
りっちゃん「で、……あんたは?」
ニンジャ「……」
りっちゃん「(シャドーモセスの時にも現れたと言われるニンジャ……中の人は一体……そして敵かな?味方かな?)」
ニンジャ「キヲツケロ、コノサキニスナイパーガアンブッシュシテイル。」
りっちゃん「えっ…」
ニンジャ「……」
りっちゃん「えっと……ありがとう」
ニンジャ「……アナタハカワラナイノネ」
りっちゃん「えっ…」
そう言うとニンジャは木に登り素早く去って行った……。
りっちゃん「一体どうなってんだよ……」
ガサガサ……
「女の……兵士か? 珍しいな……。性欲を持て余す」
─────────
りっちゃん=スネークみたいなコードネームにしたかったけど地の文の時に浮きまくるので地の文の時は律にします。
スレタイカタカナにするんだったぜ……制作は存外メタルギアファン少ないのかな
続き書きます
トゥルルトゥルル……
りっちゃん「ん、さわちゃんからか」
ピュン
さわ子『りっちゃんさっきのニンジャまさか!』
りっちゃん『外装や装備何か資料とそっくりだったよ。でもグレイ・フォックスはシャドーモセスで死んだんじゃ……』
さわ子『武器はなんだった!? マチェットだった!? りっちゃんにデジカメ渡しとくんだったわ!』
りっちゃん『さわちゃんほんとミーハーだな。急に現れて唯のギターの弦だけを一閃するなんて並みの腕じゃないのは認めるけどさ~……正直あのセンスはどうかと思うんだよね』
さわ子『あの曲線美がわからないなんて……りっちゃんまだまだ子供ね。コスプレハンターとしては堪らない一品よあれは!』
りっちゃん『ああそっちの意味だったのね……。』
さわ子『でもまあ敵じゃないみたいだし大丈夫なんじゃない? それにしてもいよいよシャドーモセス化して来たわね……くぅ~指揮官冥利に尽きるわ』
りっちゃん『はいはい……』
りっちゃん『?』
さわ子『ニンジャさんの忠告じゃこの先にスナイパーがいるそうね。辺りを警戒しながら進んで。こっちはスナイパーライフルみたいな長距離射撃武器はないから戦闘になれば不利よ』
りっちゃん『りょ~かい』
さわ子『あ、後ね!』
りっちゃん『?』
さわ子『またさっきのニンジャに会ったらサイン(ry』
ピュン……
ピリリッピリリッ……
りっちゃん『憂ちゃん、悪い……唯のやつ逃がしちゃった』
憂『仕方ないです……気にしないでください』
りっちゃん『……憂ちゃん……唯は』
憂『はい……まるで別人でした…。お姉ちゃんはあんな簡単に人を……殺そうとする人じゃ……』
りっちゃん『何が唯をあそこまで変えたのかはわからない……けどまだ説得出来ないと決まった訳じゃないしさ! 元気出しなよ』
憂『りっちゃんさん……』
りっちゃん『そう言えばそのりっちゃんさんって……なに?』
憂『あ、えと……コードネーム領域なのでコードネームで呼ばないとダメじゃないですか?』
りっちゃん『そだね』
憂『それでその……「りっちゃん」って云うコードネームに……さんを……』
りっちゃん『なるほどそれでりっちゃんさん……ややこしい』
りっちゃん『別にりっちゃんでいいよ! それかお姉ちゃんでもいいよ? なーんて』
憂『お姉ちゃん……ですか。なんだかくすぐったいですね。』エヘヘ
りっちゃん『私もほんとは弟なんかより妹が欲しくってさー! 憂ちゃんみたいな妹なら大歓迎なのに』
憂『そんな……私なんて』
りっちゃん『まあ好きに呼んでよ。さん付け意外でねッ』
憂『はい、わかりました……その……律お姉ちゃん』
りっちゃん『くっは……』
憂『?』
りっちゃん『いや思ったより破壊力あるな~と……』
憂『律お姉ちゃん、お姉ちゃんをよろしくお願いします…』
りっちゃん『律お姉ちゃんに任せとけって』
ピュン……
りっちゃん「さてと……妹にお願いされたことだし頑張りますか」
りっちゃん「唯……憂ちゃんみたいなをいい子置いてぼりにすんなよな……」
りっちゃん「あの渓谷を抜けたらいよいよラボか……急ごう」
さっき戦った兵士達はまだ眠っておりすんなりと抜けることが出来た。
兵士のAK-47の少し迷ってから拾う。
律が持つ武器で唯一殺傷能力がある武器になった。
りっちゃん「一人も殺さずに済めばいいんだけどな……っとドラムスティックドラムスティック」
───無人島 渓谷────
高さはそんなにない山々との間に川があり、そこに一本のつり橋が掛かっている。
山と山を結ぶその橋の長さは300mほど、橋としては大型な部類だろう。
りっちゃん「……アンブッシュ(待ち伏せ)してるならここか……」
見晴らしが良すぎるぐらいに開けている。
橋を渡る時に狙撃されてはひとたまりもないだろう。
りっちゃん「さて……どうしよっかな~…」
ラボへ向かう為に通常ルートを進めばまずこのつり橋を渡るしかない。川を渡ると云う選択肢もあるにはあるが、川の流れは緩やかとは言っても足場も悪く水位もそこそこにありそうだからだ。
りっちゃん「渡るしかないか……」
りっちゃん「(こんな見晴らしがいいところに兵士いない……まるで来てみろって感じか)」
「……来たか……田井中律、FOXDIED所属のソルジャー……そして紬お嬢様の元ご友学……」
「お嬢様……」
─────────
唯「あはは~やられちゃった」
「大丈夫ですか唯先輩っ」
唯「へーきだよぉあずにゃん。なんか変なニンジャのコスプレした人に弦切られちゃっただけだよ。せっかくこないだあずにゃんに張り替えてもらったのにぃ」ブーブー
「まだ余りありますから、こっちに来てください」
唯「はぁーい」
澪「変な……ニンジャか」
紬「りっちゃん……」
梓「次は私が行きましょうか? さすがにこれ以上は計画に支障が出ると思うんです。だから説得なんてやめてさっさと殺しちゃいましょうよ」
紬「あずさちゃん何を……!」
澪「……」
梓「じゃあ……行ってきますね」トコトコ……
紬「待って!!! 最後に私にチャンスをちょうだい……」
梓「ですって、澪先輩どうしますか?」
澪「……むぎ、律をこっちに引き込めるのか?」
紬「ええ……ちょっと粗っぽいやり方になるけど……」
澪「わかった……。むぎに任せるよ。律は私達に必要だからな……出来れば引き入れたい」
紬「任せて、澪ちゃん」
紬「斎藤」
シュタッ
斎藤「ここに」
紬「りっちゃんを眠らせてここまで連れてきて。くれぐれも傷つけないように」
斎藤「……はっ」
紬「もし殺したりしたら……斎藤、その時はあなたも一緒に死んでもらうわよ」ギロ
斎藤「心得ております」
─────────
斎藤「お嬢様はああ言われたが……。この先のことを考えれば殺しておいた方が上策。邪魔立てするのはもうFOXDIEDの娘だけなのだから……」
斎藤の手にあるのはモシン・ナガンM1891、そして……PSG-1……。
斎藤「捕縛が無理なら……殺す。」
モシン・ナガンは麻酔弾の大きさ故に速度、音、共にPSG-1に遥かに劣ることを斎藤はすでに認識している。
紬の執事になる前はCIA、グリーンベレーにも所属していた強者でもあった。
斎藤「FOXDIEDの田井中律……噂通りか確かめさせてもらおう」
りっちゃん「あれで行くか……ちょうどさっき仕入れたし」
律はバックパックからあるものを取り出し
りっちゃん「せいっ」
中空に向かって投げた。
それは静かな爆発音を醸しながらもわもわと何かを吐き出して行く──────。
斎藤「スモークグレネードか……! ここでアンブッシュしていると確信しているな」
りっちゃん「煙がある内に!!」
橋の滑走する律。
律のブーツが木のつり橋を踏みしめる度にきぃ……と嫌な音がする。
斎藤「考えたものだな……だが」
斎藤は頭にかけていたものを下げる
斎藤「暗視ゴーグル越しなら……」
斎藤のモシン・ナガンのスコープが律の姿を映し出す。
りっちゃん「そろそろかな? よっと」
またバックパックから何かを抜き出すと放り投げる。
パァンッと言う乾いた音に鼓膜をツン裂く震動。
そして、眩しい閃光────
斎藤「しまっ……」
暗視ゴーグルが一気に白く染まり上がる。
あまりに強い光の刺激故に斎藤も思わず目が眩む。
斎藤「ちぃっ」
バァンッ
さっき居た場所から予測して憶測で発射。
チュィンッ
りっちゃん「っと……闇雲に撃って来たか。武器はモシン・ナガンか……殺す気はないのか。撃って来た方角からして……」
向こう山の遠い遠い場所に見晴らしのいい丘がある。
りっちゃん「あそこかっ! あ~でも届く武器ないや。森の中に隠れてやり過ごすのが先決か」
考えながらも脚を止めずに走破してゆく。
後100mもないだろうか。
斎藤「くっ…」
ようやく目に光が戻った時には既に律が橋を抜けようと言うところだった。
斎藤「(リロードしてたら間に合わんッ!)」
斎藤はもう1つの拳銃、PSG-1を手に取り、
バァァッン─────
チッ
りっちゃん「~ッ……」
律の頬が微かに裂け、内から血が滲み出る。
りっちゃん「実弾に切り替えてきた……こんな器用な真似してくるやつなんていたっけ……」
りっちゃん「(リロードに数秒……オートマチック式なら森に入るに撃たれる……)」
咄嗟の判断で律は、
りっちゃん「あらよっと」
橋を飛び越えた。
下は川、川までの高さはビル四回建てにもなるだろうか。
幾ら撃たれる可能性がある、と言えどこちらも自殺と変わらない。
斎藤「消えた……? どこだ……」
PSG-1のスコープで見据えるも見当たらない。
斎藤「まさか飛び降りたか……? しかし水位もなくあの高さから落ちれば……」
斎藤「死んだか……田井中律」
斎藤「お嬢様にはどう説明するか……、いや、まだ死んだとは決まっていない。愚体を晒すのはお嬢様の名誉にも関わるが素直に事の内容を話すとしよう……」
2丁の狙撃銃を背中に抱え高台を降りて行く。
斎藤「所詮つい最近まで女子高生だったと言うわけか。政府が唯一送り込んで来た人材だからもうちょっとは出来ると思ったが……核を撃たれない唯一の人材だった、ってだけか……。」
斎藤「しかしお嬢様のご友学の皆……昔お嬢様に聞いた話と随分違っていたな……。やはりあの男が関係あるのか……いや、自分には関係ないな。お嬢様の為だけに居ればいい……」
─────────
────無人島 つり橋────
りっちゃん「そろそろ行ったかな~手ぇ吊ってきた~」
落ちたと思われた律だったが現存している。
橋の下の部分に上手く掴まっている。
エルード───
橋や外面が露出している道などで使えるスニーキングミッション時に用要られる技法。
りっちゃん「VRじゃ散々やったけど実戦じゃこれが初めてだから緊張した~。成功して良かった良かった!」
アハハハと気楽に笑いながら念のためエルードしたまま橋を渡る。
りっちゃん「最初からこうしとけば良かったかな」
普通のつり橋では斎藤が律を見失うことはなかっただろう。
ただこのつり橋は普通よりしっかりしていて道端も広い、故にぶら下がった
橋の横の面積>律の身長
となり反対側から見た斎藤には律が映らなかったのだ。
身長が小さいのが幸いし(ry
りっちゃん「よっとぅ」
振り子の勢いを利用して逆逆上がりのようにクルッと回り足の裏が空を向いた時に手を離し、その勢いを利用してそのまま着地。
エルードの基本の上がり方だが一般人は見ているだけでヒヤヒヤするであろう。
ピリリッピリリッ
りっちゃん「ん~? 憂ちゃんからか」
ピィリンッ
憂『律お姉ちゃん大丈夫!?』
りっちゃん『えっ!? ああ~大丈夫大丈夫! 律お姉ちゃんは元気だよんっ!』
憂『ほっぺた……怪我してます。早く治療しないと痕が残っちゃう!』
りっちゃん『いーよいーよこれぐらい。かすり傷だから』
憂『律お姉ちゃんは可愛いんだからちゃんとそういうケアはしないと! いくら全世界を賭けたミッションでも……女の子だから』
りっちゃん『……、わかったよ。憂ちゃんには敵わないなぁ』
憂『うんっ。じゃあバックパックの医療用持ち物の消毒液で消毒した後ガーゼとテープを出して下さい』
りっちゃん『ガーゼ? 絆創膏なら一応持って来てるけど』
憂『絆創膏は確かに消毒と防菌をいっぺんに出来て便利だけど逆に治りが遅くなるって云う特徴もあるんですよ。それにそうすると瘡蓋も出来ちゃう。ガーゼで菌をシャットアウトして後は自然回復ってやり方が最近の医学何です。これだと傷跡も残りません』
りっちゃん『ほへ~』
りっちゃん『早速やってみるよ!』
憂『他にも何かあったら言ってね律お姉ちゃん』
りっちゃん『あいよっ』
ピピュン
りっちゃん「いい妹を持ったもんだ……」シンミリ
手早く消毒し、ガーゼとテープで傷口を塞ぐ
りっちゃん「さて……さっきのお返しと行きますか」ニヤリ
──────────
───無人島 渓谷付近───
斎藤「重いな……やはり2丁は欲張り過ぎたか」
ラボまではまだ少しある。
斎藤「この間にお嬢様への言い訳を考えとかないとな……。」
ヒュゥゥゥゥー……
斎藤「風か……」
「…………」スッ
斎藤「……」 「動くな」
斎藤「!?」
「思ったより遅かったな。あんただろ? さっきの狙撃手」
斎藤「……何故ここを通るとわかった?」
狙撃銃を地面に下ろし、そして静かに両手を上げる斎藤。
「簡単だよ。銃弾の向きからどこから撃って来たかはわかってたからね~……。あの後撃って来なくなったことを考えてもあんたは私が死んだと思ったんだろ? ならラボへ向かう道を遠回りするわけもない……。」
「あの高台からラボへ向かうならこの一番開けた山道を使う……そう踏んだんだよ」
斎藤「ほぅ……」
「銃声は二種類したから2丁持って来てるのは明白。そうでなくても狙撃手はオートマチックじゃないものを使う場合もしも外した時、リロードの時間を削ぐ為にもう一丁を即座に担いで撃つ……」
斎藤「(……見誤ったな、こいつ……)」
「高低さを考えてそう差はついてない、横道からこっちの道に出るまでの時間を考えて……間に合うと思ったんだよ」
斎藤「そこまで予測していたか……田井中律。いや、FOXDIEDのりっちゃん……と言った方がいいかな?」
りっちゃん「……」
りっちゃん「あんた……誰だよ?」
斎藤「……自分は紬お嬢様の執事、斎藤だ」
りっちゃん「……むぎに殺す様に命じられたのか?」
斎藤「…………そうだ」
りっちゃん「ッ……」ギリッ
乱雑にMk22を首筋に突きつける。
りっちゃん「もういいっ……寝てろ……!」
斎藤「殺さないのか?」
りっちゃん「生憎短銃がなくてな! 夢見心地を楽しめよ」
そうして引き金を引こうとした時、
斎藤「何故仲間にならなかった?」
りっちゃん「えっ……」
斎藤「仲間になっていれば結果がどうであれ幸せだったろう? 例えば失敗し、結果死ぬことになったとしても……仲間と一緒なら悔いないだろう? 違うか?」
りっちゃん「…………」
りっちゃん「確かにそうかもしれないな……けど、」
律は斎藤にわからない笑みを作った。
りっちゃん「悪いことをしたら誰かが叱りに来るだろ? それが……私でありたかったのかな……。こうなるって……澪の誘いを断った時から思ってたよ。あの時はそれが正しいことじゃないって私が思ってたから断った。その過去に私は従うよ。そして現在(いま)で変える……自分が叱る。澪達を、部長として」
斎藤「……中野梓には注意しろ。いや、恐らく全員、君の知ってるものとは違うかもしれない……」
りっちゃん「警告ありがとう。じゃあな、おやすみ」
パシュンッ
斎藤「ウッ……」
バタンッ
りっちゃん「変わったのは……多分私も一緒だよ」
斎藤の非殺傷力のモシン・ナガン、殺傷力のあるPSG-1を見つめ……
りっちゃん「……」
PSG-1を担いで先に急いだ──────
───ラボ 内部───
梓「遅いですね、むぎ先輩の従者」
紬「斎藤……」
澪「あれから二時間は経つ。恐らく律に……」
紬「殺されたって云うの!? やめてよ!! みんな変よっ! あんなにみんなのことを思ってて……みんなのこと大好きなりっちゃんが……人を殺すなんて……」
梓「でも唯先輩に向かって撃ってきたって言ってましたよ?」
紬「それは……」
梓「変わったんですよ、律先輩は。そして……私達も変わらなきゃならない。部活ごっこして漫然と律先輩を待ってたりしたら……殺されるのはこっちですっ!」
澪「……」
紬「……」
唯「うふふ……ギィ太ぁ……」
澪「律は……ただ私達より世界を取ったんだ。見えなくて薄暗くて……自分にとって何にもならない存在をっ……!」
紬「……」
澪「でも……律だからそうしたんだとも言える。私達は……あまりにも子供だ。」
梓「……」
澪「でも……子供だからこそがむしゃらに欲しがるんだ……! ただ1つの……私達を繋いでいたものを取り戻す為に!!!!!」
パチ…パチ…パチ…
澪「ッ!?」
「いや~素晴らしい。その純粋なまでに音楽を欲する姿勢に我々も感服して協力させてもらいましたが……」
澪「ご協力には感謝してますよ。あなたがいなかったらこの計画は成り立たなかった」
「いえいえ、私方としても音楽を取り戻したいですから。人類が産み出した世界を繋ぐとも言われる音楽、歌を自ら捨てるなどッ! っと声を荒げてすみません」
澪「……」
「メタルギアの方は既に最終段階にあります。もし要求が受け入れられない場合は……」
澪「わかってる……。」
「わかっておられるなら結構です。では…私はこれで」
トッ…トッ…トッ……
梓「相変わらず何を考えてるかわからない人ですね、あの人」
澪「ああ……」
澪「(律、それがお前の答えなら……)」
澪「作戦を最終段階に移す─────」
紬「!?」
澪「梓!」
梓「はい?」
澪「邪魔者を排除しておいてくれ」
紬「澪ちゃんっ!!!」
澪「むぎ、あの人と一緒に最終段階の移行を手伝ってくれ」
紬「でも……」
澪「これは命令だ」
紬「……はい」
梓「ふぅぅぅぅとうとう来ましたかっ! 私の出番が」
思いっ切り背伸びをして小柄な体を泳がす。
梓「いこっか……みんな」
梓「律先輩……勝負です」ニヤリ
むぎに殺す様に命じられたのか?
─────そうだ。
りっちゃん「………ッ」
イライラする……、
りっちゃん「こうなるってわかってたんだろ……律ッ!」
自分の決断、
意思、
想い、
大切にしてたモノ、
全部ぐちゃぐちゃになって頭の中で飛び交う。
何で仲間にならなかった?音楽はお前にとってはその程度で他の奴らにはそれ程のモノなんだよ?お前は仲間だと思っていたがそうじゃない、自分は同じ場所に立ってなかっただからこうなった。
りっちゃん「違うッ……」
馬鹿らしい……、そう思ったんだろ?
りっちゃん「思ってないッ……」
たかが音楽が奏でられないってだけで駄々捏ねて、子供みたいなわがままで、行き過ぎた兵器で世界に刃向かって、そんなあいつらを馬鹿らしいって思ってるからこそ今ここにいるんだろ?
りっちゃん「違うッ!!!!!!」
りっちゃん「はあッ……はあッ……はあッ……」
お前にとってはそうでも、
あいつらにとって音楽とはそれほどのものだったんだよ。
りっちゃん「…………知ってるよ、田井中律…。でも私は……りっちゃんだ。田井中律じゃ………ないッ」
りっちゃん「ミッション開始から三時間……急がなきゃ…」
たった5kmが果てしなく遠く感じる────
ラボに近づく度に仲間を撃たないといけないと云う重圧感が体を襲う。
りっちゃん「次……誰が来ようと私は容赦しない」
殺傷力のある武器はPSG-1しかないがスタンドショットも訓練済みだ。
大丈夫、やれる。
ラボの全体がはっきりして来た。
即席で建てた割にはしっかりしていて、大きさもかなりある。
無機質な金属の塊、その入り口の前に
梓「思ったより早かったですね……律先輩」
嘗ての後輩梓、中野梓がいた
いいぞいいぞ
りっちゃん「……」
律は周囲を見渡す。他に人はなく梓一人なことを確認すると気軽に話かけ始めた。
りっちゃん「梓みたいに可愛い子を待たすわけにはいかないからさ」
梓「…………」
ふざけて言ったつもりだが確かに梓は可愛い、いや、綺麗だった。見たのは1年ぶりだがあの時より身長も少し伸び、黒いワンピースに赤いミニスカートとと言う大人っぽい格好も似合うぐらいに。
昔は二つに結んでいた髪も今は下ろし、長い黒髪が風にそよいでいる。
梓「こんな時まで軽口が言えるなんて律先輩……やっぱり変わってませんね」
りっちゃん「どうかな? 私にはわかんないや。まあそっちは色々と変わったみたいだけどな」
梓「世界を敵に回してるんです、変わりますよ」
りっちゃん「その世界を代表して私が止めに来た。それもわかってるんだよな?」
梓「だからこうして迎え討ちに来たんじゃないですか」
りっちゃん「……本気、なんだな」
梓「勿論ですよ。説得出来るほど簡単な人じゃないってこともわかってます。澪先輩も、唯先輩も、むぎ先輩も、私も……。もう受け入れましたから」
りっちゃん「受け入れた? なにを」
梓「あなたが敵だってことを、ですッ」
りっちゃん「…………」
律は静かに目を瞑る。
りっちゃん「(迷うな……今の立ち位置こそが全てなんだ)」
りっちゃん「梓……私も、容赦しないから」
梓「勝負ですッ! 律先輩ッ!」
りっちゃん「ッ……」
その瞬間律も目を開けMkを凄い速度で引き抜く。
りっちゃん「(接近戦じゃPSG-1は役に立たない……眠らせてから……殺すッ!)」
ツゥンッ────
梓「フフ……」
発弾された麻酔弾を梓はまるで見えてるかの様にかわす。
りっちゃん「(避けたッ!?)」
呆気に取られている律を嬉しそうに見据える梓。
梓「何を驚いてるんですか律先輩? これくらい出来なくて世界と戦えるわけないじゃないですか」
りっちゃん「へぇ~、何をしたのか知らないけど……これならッ!」
狙いを定め連続で引き金を弾く─────
連続で弾き出された麻酔弾をかわし、逆に梓が律に向かって駆け出す。
りっちゃん「(はやッ)」
腰からナイフを抜き出しそのまま斬り上げる。
りっちゃん「~ッ!」
仰け反る様にかわすが刃が僅かに律のつけていたガーゼに掛かりそのまま引き剥がされる。
りっちゃん「っのッ!」
シュンッ
梓「!!!」
崩されながらも右手に握っているMkの引き金を絞る。
さすがに回避しきれない距離から発射された麻酔弾を梓は左腕で受ける。
梓「うっ……」
腕に麻酔の針が刺さり顔をしかめるも素早くそれを抜き去り律を睨む。
りっちゃん「ま~だ治ってないのに」ニヤリ
対する律は頬をなぞり梓に不気味な微笑みを返した。
梓「っう……」くらっ
りっちゃん「……(いくら早く抜いたとはいえ小さい梓の身体ならあの量でも……)」
梓「ふぅぅ……」
自らを奮い立たすように小さく吼える。
梓「血……出ちゃったか……」
ワンピースの袖を上げ傷口をペロりと舐める。
昔見た梓との印象が余りにも違うため律も少しだけ息を呑むが梓の持っているナイフを見て引き戻される。
りっちゃん「(ゴツいサバイバルナイフだな……似合わない)」
梓「やっぱり一人じゃちょっとキツいかな……」
りっちゃん「唯でも呼ぶのか?」
挑発するように言い放つも梓はさして気にせず傷口をペロペロと舐め続けている。
その様子はまるで猫さながらだった。
梓「律先輩……、私、先輩のこと好きでしたよ」
りっちゃん「…………」
梓「練習にはあんまり献身的じゃなかったですけど…いざって時に頼りなるし……みんなのことを一番考えてて……。そんな律先輩がみんな好きで……」
りっちゃん「なんだよ、急に」
梓「軽音部がなくなって一番悲しかったのは律先輩だと思ってました。けど、違ったんですね」
りっちゃん「………」
梓「見損ないましたよ、律先輩。お別れです。さようなら」
りっちゃん「…?」
梓「に゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
鼓膜が破れんばかりの獣声。
それは森の中を駆け抜け、無人島全土に響き渡った。
りっちゃん「なっ、なんだ……!?」
地面が震える
それは段々と近くなり、
森の奥から異出る。
「ガアアア」
「ゴアア」
「グルゥゥゥウウウウ」
梓「よしよし……みんな元気にしてた?」
「グルゥゥ…」
「グゥ……」
・・
それは梓に擦りつくようにじゃれている。
「ペロペロ」
梓「あは、くすぐったいよむすたんぐ」
むすたんぐと呼ばれた・・
それが一番懐いてるのか梓を優しくナメている。
りっちゃん「なんだよ……これ」
何頭いるだろうか
5?10?
いやそれよりいる……
この無人島に似つかわしくない、百獣の王ライオンがそこに群残していた。
梓「驚きました? 律先輩」
りっちゃん「正直驚いてるよ、どんな魔法使ったんだよ梓?」
汗がツゥ─と額から流れるのを見て梓も満足したのか嬉しそうに語る。
梓「この子達はみんなサーカスとか動物園とかで歳を取ったり気性が荒くて処分されかけた子達なんですよ。それを私が一年近く前から引き取ったりしてたんです。ここに来てからは仲間は増えなくなりましたけど……」
りっちゃん「(通りで兵が少ないわけか……)」
梓「人間は勝手なんですよ。いらなくなったら、出来なくなったら簡単になんでも捨ててしまう。それが例え今まで世界を共に刻んで来たものでも……」
りっちゃん「答えになってないッ……! そのライオン達は何故お前にそんなにも懐いてるのかを聞いてるんだよ!!」
梓「フフ……知ってますか? 律先輩、こんな怖そうな身なりをしたライオンも、ネコ科なんですよ?」
りっちゃん「はんっ、自分も猫だから襲われないなんて言うんじゃないだろーな!」
梓「わかってるじゃないですか。その通りですよ。私は猫、あずにゃん。この子達、そして私達の目的の為に死んでもらいますよ!!! 律先輩ッ!」
その瞬間、
「ガアアアアアッ」
「グルゥゥウウウ」
何体かのライオンが律に向かって疾走を開始する。
りっちゃん「うっそだろおッ!」
りっちゃん「ひいいいいいい」
梓のことを一時保留し、全力で逃げることに集中する。
ピリリッピリリッ
りっちゃん「こんな時にCALLとかさわちゃん空気読めよぉぉぉぉ」
ピリィン
りっちゃん『助けてさわちゃぁんっ!!!』
さわ子『落ち着きなさいりっちゃん』
りっちゃん『落ち着けるわけないでしょっ!!!!』
さわ子『VR訓練で野生の動物の対処法もやったはずよ。それにサーカスや動物園に居たライオンなら捕食能力も著しく低いわ。木や障害物を盾にしながら麻酔弾を撃ち込んで』
りっちゃん『VRとリアルじゃ違うよさわちゃんっ!!! 怖いよっ!!!』
さわ子『あなたがやらないのダメなのッ!!!!!』
りっちゃん『っ……さわちゃん?』
さわ子『さっきまた勧告があったの……SONGBOMBを恐れずに音楽を奏で、歌を歌い、取り戻せと。それをニュースで流し中継しない場合次は本当に核兵器を撃つ……って』
りっちゃん『でもそんなことをしたら……』
さわ子『全世界で何人の人が死ぬかわからないわ……。政府の予想じゃSONGBOMBの数はアフリカに仕掛けられた地雷より多い、なんて言われてるほどよ…。今から探して見つけて、それを安全を確保した後爆発処理、そんなことしてる時間はないの。つまり彼女達は音楽の為に死ねって言ってきてるのよりっちゃん』
りっちゃん『……そんな…なんだよ…この世界は』
さわ子『彼女達がどれほど音楽が好きなのかはわかってるつもりよ。けど何もこんなやり方じゃなくても取り戻す方法はあると思うの……』
りっちゃん『……もう遅いよ、さわちゃん。あいつらはもう引き返せないところまで来てる』
さわ子『……』
りっちゃん『音楽なんてモノのために世界を敵に回して……人々を恐怖に陥れて……決して許されることじゃないよ』
さわ子『あなた……変わったわね』
りっちゃん『……そうかもね』
さわ子『FOXDIEDの局長としては嬉しいわ。けどあなた達の軽音部の顧問、山中さわ子としてはちょっと寂しいわね』
りっちゃん『……』
りっちゃん『友達だった私がケリをつける……それがせめてもの手向けだよ』
ピピィン……
梓「ふぅ……はぁッ……」
眠い……瞼が錘のようだ。
梓「でも……寝ちゃったら…私きっと殺されちゃうね」
むすたんぐ「グルゥ…」
へたり込んでる梓を包むように座るむすたんぐ。その様はまるで親子のようだ。
梓「むすたんぐ……ありがとう。暖かい……昔の軽音部みたい」
虚ろな瞳からは昔の記憶が蘇ってるのだろうか。微かに微笑んでいる。
梓「少しくらいなら……眠ってもいいよね。むすたんぐ……」
梓「(どうして……こうなったんだろう……私は……ただ……)」
そのまま深い夢へ堕ちて行った
りっちゃん「(右に二匹左に四匹……)」
集中力が一気に高まっていくのがわかる。
要因は澪達への怒りか?
それとも仲間を助けたいという想いか。
りっちゃん「しっ……」
息を大きく吐き出しながらリロードする。
こうすることで空気を吸った時より胸部の圧迫がなく腕の関節が機能しやすい。
約2秒で全弾リロードし終え振り返る。
「ゴガアアアアッ」
すぐ近くにまで来ていた群れの一匹の額に一発。
ライオンは体が大きいが血流に近い場所に撃ち込めば象でさえ数秒で眠るほどの威力がある。
額に撃ち込まれたライオンは歳だったこともありすぐに昏倒した。
りっちゃん「次ッ!」
───無人島 研究所前───
カツ、カツ、カツ……
むすたんぐ「グルゥゥゥウ……」
梓「ん……」
むすたんぐの唸りにより危険を察知したのか眠たい目を無理矢理起こし覚醒させる。
りっちゃん「よく眠れたか? 梓」
梓「っ……! 他の子は……」
りっちゃん「心配するなよ。殺しちゃいないさ。動物を無意味に殺すなんて度がしがたい真似しないよ」
梓「……」
むすたんぐ「」スゥ
梓が立ちやすいように軽くお尻を持ち上げながらむすたんぐも立ち上がる。
梓「ありがとむすたんぐ」
いとおしそうにむすたんぐを撫でるとキッと律に向き直った。
りっちゃん「(そんな目で見るなよ……)」
まるで自分が平穏を脅かしに来た悪魔みたいに思えるだろう。
サバイバルナイフを抜き出すと重しく口を開く
梓「律先輩、澪先輩より……世界を取るんですね」
りっちゃん「世界の上に私達がいるんだ。その世界を守らなくてどうするんだよ」
梓「詭弁ですね。澪先輩がいない世界でもいいんですね先輩は」
りっちゃん「それは……」
梓「お互いもう昔の立場じゃないのはわかっているつもりです。ならせめて……躊躇わないでくださいッ!」
りっちゃん「梓……」
梓「私は私が信じている道を進んでいるつもりです……だから律先輩も」
りっちゃん「……わかった。ありがとう、梓」
梓「はいっ」ニコ
この時の笑顔だけは、昔みた梓のままだった。
梓「行きます……」
りっちゃん「こいっ……」
梓が先に動く────
律に真っ正面から突進する。
りっちゃん「(さっきみたいに弾を避けるつもりかッ!)」
律もMkで狙いをつける。
梓はそれを見ても真っ正面から突き進んでくる。
りっちゃん「(考えるな……当たる……!)」
梓との距離はもう3mと言うところでようやく律が引き金を……
梓「先輩……生きてください。澪先輩と」
りっちゃん「!!?」
弾いた─────
ぐったり律に凭れ(もた)かかるように眠る梓。
それを律は抱き抱える様に受け止めている。
りっちゃん「なんで……」
梓は自ら撃たれるつもりだった。麻酔弾だからじゃない、きっと実弾を使用してもそうしただろう。
梓【躊躇わないでください】
その言葉が何よりの証拠だった。
りっちゃん「あずさ……」
梓をゆっくり地面に寝かすと背中に掛けているPSG-1をリロードする。
ガチャリ、と無機質な金属音がし、これが今から友達の命を奪うのかと思うと身体が震える。
りっちゃん「…………」
梓【律先輩! 真面目に練習してください!】
梓【律先輩ってもっといい加減かと思ってました】
梓【律先輩のドラム、私は好きですよ】
梓【先輩っ】
りっちゃん「……うぅ」
気付けば涙が溢れていた。
私にはあまりなつかなかった後輩。
軽音部で初めて出来た可愛い、可愛い、後輩。
いつも練習に真面目で、でも唯にケーキを口まで運ばれるとついつい食べてしまったり……。
りっちゃん「殺せないよぉッ……! いやだよぉ……」
ヤバイ泣きそう
「殺す必要などない」
りっちゃん「えっ……」
「殺したくないものを無理に殺す意味なんてないだろう?」
りっちゃん「あんたは……?」
「ん? ああ~……、ただの写真家だ」
りっちゃん「こんなところで!?」
「ここには綺麗な鳥がいっぱいいるからな。たまに来るんだ」
りっちゃん「(怪しい……)」
「俺には君とその子がどういった関係かはわからない。だがこんな可愛い女の子達が殺し合うのは見たくないもんだな」
りっちゃん「……あんたにはわからないさ。写真家なんてしてるあんたには」
「そうでもないぞ? 写真家は色々なものを見るからな。戦争や民族間の争い……いろんなものを見てきた」
りっちゃん「……」
不思議だった。誰かを思い出しているような、そんな目をしていた。
「俺はもう行くが……え~……」
りっちゃん「……りっちゃんだ」
「りっちゃん? 自分にちゃんづけとは恐れいったな!」
りっちゃん「ぐっ……だから嫌なんだよこのコードネーム……」
「まあなんだ、りっちゃん。戦場に感情を流されるな。後で後悔しない道を選べ。それが例え国の忠義の為だとしても……だ」
りっちゃん「えっ……」
振り返った時には男はもう既に歩き出していた。
言えることは言った、そんな背中だった。
りっちゃん「……なんかすっかり削がれちゃったな」
誰だったんだろ、あの人。写真家って言ってたけど……。
りっちゃん「澪の仲間って感じもしなかったしなぁ……」
梓「ん……ムニャ……」
りっちゃん「梓……」
寝ている梓に寄り添う。すやすやと寝息をたて眠っている梓。
りっちゃん「そうだよな……殺したくないのに殺す必要なんてないよな」
あのおっさんの言う通りだ。
りっちゃん「自分の信じた道を来てたつもりなのにいつの間にか曲げて、自分の気持ちなんてこれっぽっちも確認してなかった」
梓と対峙してようやくその事にわからされたなんてな……ほんとに良くできた後輩だよ。
むすたんぐ「グルゥ…」
黙って見ていたむすたんぐが寄ってくる。さっきのライオンの群れの中でも一番歳老いた感じがあり歩く姿ももう百獣の王をイメージさせない。
りっちゃん「大丈夫、お前のご主人を殺したりしないよ」
そう言いながら優しく撫でると嬉しそうに目を細めるむすたんぐ。
梓の隣に身を下ろすとまるで護るように梓を包んだ。
りっちゃん「決めた」
今、この瞬間決めたんだ、私は
りっちゃん「他の道を……澪達と一緒に探す!!!」
嘘偽りない気持ち。その為には全員わからせる必要があるな、とゆっくりその意思を噛み締めるように立ち上がる。
りっちゃん「むすたんぐ、ちょっと間梓のことよろしく頼んだぞ」ニコ
むすたんぐ「グルゥ」
トゥルルトゥルルッ
ピリィン
りっちゃん『さわちゃん、聞いてた?』
さわ子『ええ』
りっちゃん『そういうことだから。私は私がしたいようにする。澪達も助けてこの騒動も止める』
さわ子『……駄目よ』
りっちゃん『なんでッ!?』
さわ子『考えてみてりっちゃん。どの道政府に重罪人として処刑されるわ。そんな道を彼女達に選ばせたいの?』
りっちゃん『……。なんとかする』
さわ子『自惚れないで。あなたはただのFOXDIEDの隊員に過ぎないのよ? 代わりなんていくらでも…』
りっちゃん『なら出せばいいだろ! 私はやめない。決めたから、もう』
さわ子『子供ね。自分の思ってることが全て正しいなんて考えるのは』
りっちゃん『あ~あ~子供で結構!』
りっちゃん『ここでみんなを殺して国に忠義を果たすより…みんなと全部取り戻す道を進んだ方が100倍気持ちいいっ! これは私の物語だから……!』
さわ子『……好きにしなさい。どうせこっちは他の兵は出せないわ。恐らくあなただから許されたのだろうからね。他の兵が入り込んだ瞬間核を撃ち込むなんてことしかねないわ今の彼女達なら』
りっちゃん『止めるよ、ちゃんと』
さわ子『ミッション内容に変更はないわ。頑張りなさい、りっちゃん』
りっちゃん『ありがと、さわちゃん』
ピピュン
トゥルルトゥルルッ
りっちゃん『憂ちゃんも聞いてた?』
憂『はい……』
りっちゃん『憂ちゃん? もしかして泣いてるの?』
憂『うッ……わたし……嬉しくて……』
りっちゃん『憂ちゃん……』
憂『律お姉ちゃんが梓ちゃんを殺しちゃったら……私、きっと心じゃ憎んでました。だから……嬉しくて……どうにもならないって……思ってたのに……よかったぁッ……』
りっちゃん『うん……。唯も、むぎも、澪も……きっとわかってくれるよ。梓みたいに』
憂『はいッ……!』
りっちゃん『じゃあ、行ってくるね』
憂『行ってらっしゃい、律お姉ちゃんっ』
ピピュン
りっちゃん「さて、行こう」
さっきのおっさんのおかげだな、ほんと。
次会うことがあったらお礼しとかないと。
ラボの入り口に立つ。
りっちゃん「いよいよか……この中にむぎや唯、そして澪も……」
りっちゃん「よしっ、いざっ!」
プップー
りっちゃん「えっ…」
りっちゃん「……、いざっ!」
プップー
りっちゃん「……開かないよぉぉぉぉ」
─────────
─────────
トゥルルトゥルル
『なんだ?』
『余計な接触は避けてくれよ? こっちも一応隠密行動なんだからな』
『すまない。だが昔の俺を見てるようでな。口を出さずにはいられなかった』
『ボス、あんたはほんと人が良すぎるんじゃないか?』
『そうかもしれないな』
『しかしFOXDIEDの隊員がまさか女の子だとはな。びっくりしたよ。後寝ている女の子も可愛かったな! そこじゃなければフルトン回収をお願いしているところだ!』
『カズ……』
『わかってるわかってる。冗談だよボス。じゃあ引き続きメタルギアの探索を頼むよ』
『ああ。どうやらこの無人島には俺達の他にも何人か潜り込んでるみたいだ。急がないとな』
『了解』
『しかしあの迷彩色(めいさいしょく)のカチューシャ……いいセンスだ』
─────────
MGS全くわからないけど面白いから支援してるわ
>>143の人みたいに片方知ってて片方知らないって人もいっぱいいそうなのでここで補足キャラ説明しときます。
軽音側
田井中律 今作の主人公。桜ヶ丘高校軽音部の部長。普段はふざけているがみんなのことと部のことを誰よりも気にしている。ドラムス担当
平沢唯 けいおん!の主人公。天然でマイペースだが一つのことに対する集中力は目を見張る。ギターのギー太をとても大切にしている
秋山澪 恥ずかしがり屋で怖がり。律とは幼馴染みでいいツッコミ役でもある。律のことが大好き。ベース担当。
琴吹紬 おっとりぽわぽわ。眉毛が沢庵に似ている。百合大好き。キーボード担当。
中野梓 唯達の後輩でしっかり者。でも甘いものに釣られて手な付けられることもしばしば。唯のスキンシップ(抱きつき)を嫌がってはいるものの本当は……?ギター担当。
平沢憂(うい) 唯の妹。姉を溺愛しており休みの日にごろごろしている唯を見ているだけで幸せというほどの溺愛ぶり。梓とは同級生
山中さわ子 軽音部の顧問。昔はデスメタラーでロックを愛していた。そんなこともあってか教師になってからはおしとやかに振る舞うよう心がけている模様。
メタルギア側
ソリッド・スネーク 元FOXHOUNDで伝説の傭兵。ビッグボス(ネイキッド・スネーク)の遺伝子から産まれた一人。
ネイキッド・スネーク ビッグボスの称号を持つ。ザンジバーランドでソリッド・スネークに倒されるが……?
カズ ビッグボスの相棒。MSF(国境なき軍隊)の中心的存在。女をフルトン回収(敵の身体に気球をつけ浮き上がらせたものをヘリで回収するというシステム)するとよぉぉぉしっ!などと物凄く喜んだりする一面もある。
メタルギア側全然出してないな
明確には出してないだけだけど……
どんどん書いてまたキャラが増えたら適当に補足キャラ説明することにします
と言ってもあまり書きすぎてもネタバレになるのでちょっとだけしか書きませんけどね!
これを読んでメタルギアプレイしたよ的なことがあれば嬉しいです。
では続き書きます
「コフー……やはり目標対象と接触し続けることで自我が優先されるか……コフー……」
「コフー……ある程度許しておかなくてはそのもののポテンシャルが発揮されないからな……ヤツは別だが…………コフー……」
「一応伝えておくか……コフー……」
ガガッ
『……ボス、中野梓がやられました……コフー……』
『ほぅ……死んだのか?』
『いえ、眠らされているかと。どうしますか? 殺せと言うなら今すぐにでも……コフー……』
『……いや、生かして置こう。』
『また使えるとは限りませんが……?』
『私は猫が好きなんだ。他意はない』
『……コフー……』
『それに面白い客が何人か入り込んでいる。退屈はしないだろう』
『あの女には言ったんですか……?』
『言う必要はない。所詮奴らなど囮に過ぎない。メタルギア……が完成次第用済みだ』
『さようで……コフー……』
『FOXDIED、FOXHOUND、MSF、フィランソロピー、ペンタゴン、中国……。世界がこの無人島に興味深々というわけだ。面白くなってきたではないか。彼女達には立派に役目を果たしてもらおう。ふはははは』
『……コフー……』
───無人島 研究所入り口前───
りっちゃん「IDカードとな? う~ん……」
ピピィ
りっちゃん「えっ……あっ! やばっ」
律は何かに気付いたのか急いで茂みの中に隠れた。
ガガー
分厚い扉から人が何人か出て来る。
SONG兵A「見張りのライオンがやられたせいで俺達が見張りとはな」
SONG兵B「ああ。全くやってらんねーよ」
SONG兵C「しかしあの女の子達可愛いよな~。俺ここ入って良かったかも」
SONG兵B「やめとけやめとけ。ありゃどう考えても普通の女じゃないって」
SONG兵A「ライオンと遊んでるぐらいだからな」
SONG兵C「ばっかそこがいいんだろ? 俺もライオンみたいに……」
SONG兵A「病人がいるぞ」
SONG兵A「じゃあ唯は俺の嫁な」
SONG兵C「俺は当然あずにゃんだ!!!」
SONG兵B「むぎゅうに決まってんだろ……」
三人はそんなことをぼやきながら入り口周りを巡回し始めた。
りっちゃん「(あの三人の誰かがIDカードを持ってんのか……?)」
茂みに隠れながらその様子を見ていると
ピリリッピリリッ
りっちゃん「CALL……誰からだこれ?」
登録外からのCALLに眉をひそめる律。
りっちゃん『もしも~し』
『その扉はIDカード、声紋、指紋の三つで開くようになっているわ』
りっちゃん『あの~…どちら様でしょうか?』
『あなたのファン……とでも言っておくわ』
りっちゃん『……(怪しすぎる)』
『メタルギアが最終段階に入ったわ。急ぎなさい……間に合わなくなる前に』
りっちゃん『待って! あなたさっきの忍者の人でしょ?! 』
『……』
りっちゃん『なんで色々教えてくれたりするの……?』
『……私は変わってしまったから。だから私にはもうどうすることも出来ない。彼女達を救えるのはあなただけよ、律』
りっちゃん『えっ』
ピピュン
りっちゃん「まさか……」
思案することはいくつもあるが考えている暇はない。新型メタルギアが完成し、世界が条件を呑まなければ核が発射される。
りっちゃん「(今の澪ならやりかねない、急がないと)」
開ける為には
IDカード
声紋
指紋
がいる。IDカード、指紋は問題はない。
眠らせてしまえば容易に入手出来る。
だが声紋は眠らしてしまえば入手出来なくなる。
りっちゃん「(あそこから出てきた梓なら……いや)」
りっちゃん「あんなグッスリ眠ってるのを邪魔出来ないよな。むすたんぐにも怒られそうだし」ハハッ
後輩にこれ以上頼ってはいられない
りっちゃん「(一人は眠らさずホールドアップさせる……)」
そう決めると観察を開始。
装備はさっき見た兵とほとんど同じ。唯一違うのは接近戦用にスタンロッドがあることだ。
りっちゃん「(厄介だけど……上手く眠らせば……)」
入り口をウロウロするのが一人、ラボから少し離れ、森へ入る手前に二人。
森付近にいる兵はお互いに死角を消し合う様に立っている為一人を眠らしてしまうとすぐに気づかれてしまう。
それに二人を眠らせてしまうとラボを背にしている兵をホールドアップしなければならない。
りっちゃん「(入り口の兵は眠らす……森付近にいる兵の一人をホールドアップ……これで行こう!)」
そう決めると早速Mkを取り出し茂みから入り口の兵を狙う。
りっちゃん「ていっ」
SONG兵C「ふあ~」
りっちゃん「あっ」
SONG兵C「ふぐわっ」
SONG兵C「何か刺さったあああああああ」
りっちゃん「あっちゃぁ~……」
首筋を狙ったつもりが兵の突飛な行動(伸び)のせいで麻酔弾が腕に当たったのだ。
りっちゃん「これはまずい……」
SONG兵C「……」キョロキョロ
SONG兵C「まあいいやー」
りっちゃん「バカで良かったぁッ!」
SONG兵C「なんか……眠たく……」バタッ
りっちゃん「よしっ」
兵に麻酔が回ったのを見て森付近の兵へ近づく。ラボから森の入り口の距離は30mほどあり、更にその間にも数本の木がある為に視界は開けていない。
木に隠れながら近づく律。
兵の見張りも完璧ではない。気になることがあれば当然そこを確認する為に近づいたりすることもあるだろう。
兵と兵が離れて行く。遠合わせに背中と背中が向き合っている時、
りっちゃん「(今だッ……)」
ゴッゴッ
SONG兵A「ん?」
律が木を少し叩き音を出す。兵からは死角で律の姿は見えないが音は聴こえたはずだ。
りっちゃん「(さぁこいよ……)」
ツゥ……と汗が流れるのがわかる。それを拭うことも忘れて律は背中で兵の気配を感じることに集中する。
SONG兵A「音がした……?」
りっちゃん「……」
兵がゆっくりと確認しに来る。
りっちゃんは木をゆっくりと兵士とは逆側に回る様に移動する。
図
兵
↓〇↑
律
SONG兵A「なんだなんもな(ry」
りっちゃん「動くな」
SONG兵A「ひっ…」
手をしゅばっと上げる兵士。
りっちゃん「振り向けば撃つ、動いても撃つ、いいな?」
SONG兵A「あ…? その声女か? チッ、なめられたもんだな俺も」
りっちゃん「なに?」
SONG兵A「女が撃てるのか人をよォ? 今なら許してやるよ。だから銃を(ry」
その瞬間律は思い切り兵士の膝を後ろから蹴り込み膝をつかせる。
更にそのまま頭を掴み倒し地に伏せさせると兵の後頭部に直接銃を突き付けた。
SONG兵B「あれ? あいついない。しょんべんか? ったく……」
りっちゃん「女だと思って撃たない? ハハッ、面白いこと言うなぁ~……」
ギリギリ……
SONG兵A「ひっ」
引き金を絞る時の嫌な束調音が後頭部越しに伝わる。
りっちゃん「動いちゃったし、殺しちゃおうかな」
ここでようやく本気だと受け取ったのか
SONG兵A「お助けーッ!」
命乞いを開始した。
りっちゃん「(チョロいチョロい♪)」
バックパックから縄を取り出し腕を拘束する
りっちゃん「声をあげても殺すから。おとなしく従ってくれたら殺さない。それどころかお礼してあげるよん♪」
SONG兵A「お、お礼……」ゴクリ
SONG兵A「あのっ、俺囮やりますよ! あっちにいる兵も邪魔でしょ!?」
りっちゃん「えっ……ああ、うん、まあ……」
SONG兵A「俺が捕まってるとこ見たら速攻飛んで来ますよ無防備で!!!」
りっちゃん「でもー……」
SONG兵A「任せといてくださいよ!!! 絶対裏切ったりしませんから!!!」
りっちゃん「う~ん……(腕は拘束してるし途中で叫ばれてもなんとかなるか……)わかった。」
SONG兵A「ありがたき幸せ!(ご褒美ご褒美うへへへ。悪く思うなよB!!!)」
SONG兵B「いくらなんでも遅いな……見に行くか」
兵士Aが受け持っている見張りルートを行くと……
SONG兵A「お助けーッ!」
SONG兵B「A!!! どうした!?? 敵か!!!」
縛られている兵士Aを見て慌てて駆け寄る兵士B。
SONG兵A「気をつけろ……敵は……」
SONG兵B「敵は?!」
SONG兵A「可愛い」
SONG兵B「はっ? あう……」バタンッ
りっちゃん「大丈夫、眠ってもらっただけだから。それにしてもいい演技だったよ。」
SONG兵A「そりゃどーも。元々ミュージカルなんてしてたからそのせいかもな」
りっちゃん「……ふ~ん…そっか……」
兵士Aを立たせラボの入り口へ向かう。
りっちゃん「あのさ、変なこと聞くんだけどなんであんたはこんなとこでこんなことやってんの?」
SONG兵A「あ? ん~……他にやることがなくなったから……かな。俺には音楽しかなかったわけだし。その音楽がなくなったなんて言われたんだ、やることなくなるさ」
りっちゃん「それでこんな場所で取り返す活動を?」
SONG兵A「まあな」
りっちゃん「やっぱり取り返したい……から?」
SONG兵A「いや……それもあるけどさ。あんな女の子が世界を敵にしてまで取り返そうとしてんの見てさ、俺も手伝いたくなったんだ」
りっちゃん「……」
SONG兵A「自分の全てだった音楽がなくなっても俺はあんな大それたことは絶対出来ない。けど彼女はやろうとした、無理だと承知でもな。その為に自分の命が使えるならいいかなってさ」
りっちゃん「例えそれが間違ったことだとしても?」
SONG兵A「間違った間違ってないは自分で決めりゃあいい。俺達は世界で生きてるわけじゃない、俺達が生きているから世界があるんだって俺は思ってる」
りっちゃん「……傲慢なやつ」
りっちゃん「(ここにいる一人一人が色々な理由を持って立ってるんだな……澪、お前はそれを知っててやってるのか?)」
今は別々の道を選んだ澪に問いかける。
いつも側にいた澪に
今はいない澪に……。
気が付くと入り口の前に立っていた。
りっちゃん「さて、開けてもらおっか」
SONG兵A「ああ。手、ほどいてくれないか? 大丈夫裏切ったりしないさ。所詮雇われなんだ命は惜しい」
りっちゃん「……わかった」
シュル……
SONG兵A「あ~痛かった」
手をブラブラと何回か振るとポケットからIDカードを出す。
それを差し込み次に指紋、そして声紋、「あーあー」と簡単な声を出すとゆっくり扉が開く。
SONG兵C「」ピクッ
りっちゃん「敵にこんなこと言うのもなんだけど、ありがと」
SONG兵A「あんたも色々大変何だろうけど頑張れよ。さて、ご褒美ご褒美!」
りっちゃん「そうだったそうだった! ご褒美はこれだっ!」
カチャッ
SONG兵A「鉛玉ktkrwww」
りっちゃん「いい夢を」
そう言って引き金を引く────
りっちゃん「きゃっああああ」
SONG兵A「!?」
律が急に叫び声をあげ震えながら崩れ落ちる。
SONG兵C「ちっ……気付かないわけ……ねぇだろう……が」
眠そうな目を無理矢理開き律を見下ろす。
あの時確かに麻酔弾を撃ち込まれた。しかしそれを見て兵士Cは囮にしようと考えたのだ。
眠くなって倒れるフリをして素早く麻酔針を抜き出し寝たフリを開始。
律達が来るのを息を潜めて待っていた。
なんという策士
しかし抜く前に身体に入った分があるのか面ごちは重い。
SONG兵C「なにやってんだ……? 早く殺せよ」
SONG兵A「えっ、あ……あぁ」
SONG兵C「俺は身体がもう持ちそうにない……しばらく眠らせて……」ドサッ
SONG兵C「....zZZ」
りっちゃん「……」
律は気を失ってるのか動かない。
SONG兵A「やれやれ……」
SONG兵Aは律を担ぐとラボの中に入っていく。
SONG兵A「こちら巡回兵。HQ、侵入者を捕らえた。今から牢にブチ込みに行く、オーバー」
『良くやった!!! 澪様にも報告しておく。貴様名前は?』
SONG兵A「ジョニー、ジョニー佐々木だ」
─────────
ジョニーキタwww
─────────
───無人島 研究所入り口前───
その一部始終を見ていたものがいた。
森の中にアンデザインな段ボールを被り取っ手である隙間から覗いている。
トゥルルトゥルル
『さっき見た女兵が連れ去られた』
『助けないのかい?』
『ここに来た時点で覚悟は出来ているだろう。おかげで扉は開いた』
『スネーク……君は』
『オタコン、俺達はメタルギアを破壊しに来たんだ。他のことは二の次だ』
『わかってるよスネーク。ステルス迷彩の具合はどうだい?』
『上々だ。ただ慣れすぎて普段のミッションに支障が出たら困る。便利過ぎるのも考えものだな』
『バッテリーがあるから使いすぎないように気をつけてくれよ。じゃあよろしく頼む』
『了解』
ピピュン
段ボールを脱ぎ捨て日光を浴びる。
全身グレーの強化スーツ、スニーキングスーツに身を包み、額には灰色のバンダナ
煙草をくわえながら立ち上がる。
スネーク「こちらスネーク、これよりメタルギア破壊活動に移る」
─────────
─────────
小学校4年の時だった。澪の作文が入賞し、全校生徒の前で読むことになった。
澪「やりたくないよぉ……やだよぉ……」
律「みおちゃんなんでやりたくないのぉ? 入賞なんてすごいことなんだよぉ?」
澪「だったらりっちゃんが賞もらったらよかったのにっ」
律「~?」
澪「ぁ、ごめん……でも読みたくないよぅ……恥ずかしいよぅ……」
そう本気で泣き出す澪を見て、私は思った。
ああ、この子は本当に嫌がってるんだなと。自分なら喜んで大声を出しながら読むだろう。でもこの子は……
律「わかったぁ! じゃあ今からウチいこっ」ニヘッ
澪「えっ……でもぉ……」
律「いいからぁ~」ニコニコ
澪の手を引き走る。
人はこんなにも違っている。幼いながらに感じ取っていた。
でも、だからこそ私は澪を大好きになったのだ。
──────────
りっちゃん「ん……」
身体が冷たい、ひんやりする....。
身体の感覚が薄い、それに頭が靄がかかったようにボヤけている。
りっちゃん「ここ……どこ?」
目の前にあるの銀色の鉄の柵。
部屋を見回しても簡単なベッドやトイレがつけられているだけ。
りっちゃん「独房……か」
体を触るとバックパックや装備がなくなっている。
しかし衣服に乱れはないことに、ふぅと心を撫で下ろす。
兵士になっても気にしてしまうのは弱さだろうか。
りっちゃん「私……そうか、後ろからスタンロッドで……」
それで気絶してる内にここに入れられたんだ。
りっちゃん「~ん」
辺りをキョロキョロする律。
りっちゃん「澪がいた気がしたんだけど……気のせいか」
ピリリッピリリッ!!!
ピリリッピリリッ!!!
りっちゃん「CALLか」
ピピィン
りっちゃん『こちらりっちゃ(ry』
憂『心配したんですよ!!!!! なんで……出てくれないんですか……』
りっちゃん『あ~……えっと捕まっちゃって……ごめんね』
憂『つかまっ……何か変なことされてませんよねッ!!?』
りっちゃん『うん、大丈夫。ありがと憂ちゃん』
憂『良かった……』
さわ子『全く……あまり心配かけないでよ? 老けが進んじゃうじゃない』
りっちゃん『ごめんって。ちょっと油断してたよ』
さわ子『油断ってあなたねぇ……』
りっちゃん『それより脱出方法を考えようぜっ! 装備なんかは全部押収されたみたい。どうしよっか?』
さわ子『脱出方法は色々あるわ。誰かに開けてもらったり死んだ振りをしたり身体に仕込んでる鉄切りノコで切るとか……』
りっちゃん『身体にそんなの仕込んでないし無理だよー』
さわ子『誰か開けてくれそうな人は? さっきの忍者とか! シャドーモセスじゃスネークの味方だったらしいわ! つまりあなたはスネークなの! りっちゃん!!』
りっちゃん『好きだよな~その話さわちゃん』
さわ子『とりあえず死んだ真似からしてみたらどう?』
りっちゃん『なにその軽いノリ!!!』
さわ子『他に方法がないんだから仕方ないじゃない』ブー
りっちゃん『ったくもうっ』
憂『気をつけてねお姉ちゃん』
りっちゃん『まあ頑張ってみるよなんとか』
りっちゃん「」ぐったり
りっちゃん「」グターリ
「おい、起きろ」
りっちゃん「」クッタリーノ
「微妙に体が上下してんだよ」
りっちゃん「ちっ。なんだよせっかく人が気持ち良く寝てるってーのにさぁ……」
頭をかきながら律が顔を上げるとそこにはさっき自分がホールドアップした兵士がいた。
りっちゃん「あっ! あんた!」
「しっ、声がデカい」
りっちゃん「なんだよ……?」
「もうしばらく経ったらここの見張りが俺一人になる。そしたら俺はトイレに立つ、長い、長~いやつだ」
りっちゃん「あんた何言って」
「今から腹が痛いといいながらポケットから下剤を取り出す。その時一緒にここの鍵も落としちまう、いいな?」
りっちゃん「あんた……」
ジョニー「ジョニーだ。俺の家系は腹が弱くてな。最も俺は賢いから下剤を飲ん……」グルルル……
ジョニー「がっ……腹がっ……」
りっちゃん「(おおっ! 凄い演技だっ!)」
ジョニー「さっき飲んだのに……なんで……」
ジョニーがポケットから薬を取り出すとクルクル回しながら何かを見ている。
ジョニー「腐ってやがる……」
ジョニーはそのままトイレに直行し、長い、長い旅路へと旅立った。
りっちゃん「演技……だよな?」
ジョニーが落としていった鍵をありがたく拾い、開ける。
周りを確認しながら外に出る。
りっちゃん「(監視カメラか……)」
監視カメラに映らないようにタイミングを見計らいながら出て、先程ジョニーが入っていったトイレを
コンコンッ
と軽くノックする。
ジョニー「永遠に入ってます」
りっちゃん「なんで……」
ジョニー「あの先は俺のカードじゃ開かないところばっかりだしな。ここからなら大体どこでも繋がってるからこっちの方があんたに都合がいいかなと」
りっちゃん「なんでっ……」
ジョニー「俺はただの一兵士だけどよォ、それでもただの人間だから。自分がしたいようにやったまでさ。さっきまではこんなリスク犯すことはないって思ってたんだがな……」
─────────
ジョニーかっこよすぎだろ……
4の扱いェ……
数分前───────
澪「…………」
りっちゃん「くぅ………くぅ…」
澪「律……」
ジョニー「そんな物欲しそうに見つめてどうしたんですかい?」
澪「見張りご苦労。志願兵の君達には本当に感謝している」
ビシッと敬礼をしてくる澪に思わずジョニーにも返す。
ジョニー「いえいえ。ここに配属してくれたのは澪さんって聞きましたが……」
澪「呼び捨てで構わないよ。私の方が年下じゃないか」
ジョニー「へい。かたっくるしいのは苦手なんで助かります」
澪「あはは。そうだよ。律を連れてきてくれたって聞いてもし酷いことされてたらどうしようって思っててさ……けどそんなことなくて。あなたなら信用出来ると思って」
ジョニー「へぇ……二人はどう言ったご関係で?」
澪「幼馴染みだよ。ずっと、ずっと一緒だった」
ジョニー「そりゃなんとも」
澪「律は昔から正義感溢れるやつだったからな。こうなることはわかってたんだ。それでも……」
ジョニー「……殺すんですかい?」
澪「……仲間にならないな、そうすることも……」
さっきと同じ顔なのに、全然別人に映る。
SONG兵「澪様、あの方がお呼びです」
澪「今行くよ。じゃあジョニーさん、律のことよろしく頼みます」
ジョニー「はいよ」
澪「ああそうだ。これ、良かったら」
そう言って下剤を渡す澪。
澪「ここは少し寒いですからお腹、冷やさない様にしてください」ニコッ
ジョニー「こりゃどうも」
立ち去る澪の後ろ姿を見ながら思う。
こんな世の中間違っていると
─────────
下剤って出す方じゃなかったっけ?
下剤て便秘の薬……
いや、まあジョニーをトイレに向かわすにはうってつけ(ry
お腹のいい薬に脳内変換しといてくださいな
>>195
指摘サンクスwww
後ずっと見てくれてあざす
───研究所内部 独房───
りっちゃん「澪……」
ジョニー「今思えばあのアマ盛りやがってぇぇぇ」
ジョニー「(言葉とは裏腹に助け出してくれって言ってるようなもんだろ。)」
ジョニー「いいから早く何処へなりと行けよ」
りっちゃん「ありがとう……ジョニー!!! 私あんたのこと忘れない」
ジョニー「もう二度と出会うことはないだろうが達者でな、えーと律だっけか」
りっちゃん「うんっ!! ほんとにありがとっ!」タッタッタ……
ジョニー「装備取り忘れんなよ~? 」
ジョニー「はあ……全く世話焼きも大概にしとかないとな。だが……」
間違ったことはしてないよな……。
ジョニー「ぐっ……キタキタキタァッ!」グルギュウウウ
りっちゃん「ありがとう……。」
何回言っても言い切れない。
何気なく立っている一人の兵にも、家族があり思いがあり、産まれてきたこれまでがある。
その事を律は改めて認識させられた。
その想いを抱き、メタルギア破壊へ再び走り出す─────
数時間前
───無人島 上空───
「……」
「時間だ」
「タイムリミットは?」
「明確には言われてないが明日の明朝までだろうな。」
「了解した」
「ステルス機なんてどっからかっぱらって来たんだか。ママに感謝しねぇとな」
「ああ」
白い外装に包まれた男がハッチを開くボタンを押す。
「パラシュート自体は目視されないとバレないだろうが……あんたの熱源で怪しまれる可能性がある、気を付けてくれ」
「この辺りにはオオワシと言う猛禽類が生息していた筈だ。体を縮めれば大きさも同じ程度だろう」
「そうか。情報じゃ他の勢力も上陸してるって話だ。協力するか否かはあんたに任せるが出来るだけ協力してやった方がいい。障害は少ない方がいいからな」
「ああ」
二歩、三歩と外が剥き出しになっているハッチへ向かう。
白い外装の男は一度だけ振り向くと、
「ローズを頼む」
そうとだけ言い夜の帳(とばり)に身を投げた。
「GoodLuck、雷電」
誰もいない機内で男はそう呟いた。
夜が迸る(ほとばし)。凄いスピードで降りて行くのにまるでそれを感じさせない。周りの景色のせいで自分が落ちているのではなく体が浮いていると錯覚しそうになる。
雷電は膝を手で抱えて体を丸めると弾丸の様な速度で地上に向かう。
通常のスカイダイビングなら12500フィートからダイビングした場合、約3000フィート辺りで開傘が安全と言えるダイビングだろう。
だが雷電は10000フィートから降り、残り1500フィートと言うところでも開傘をする様子はない。
そしてついに1000フィートを割り込む。
※1フィートで30.48cm
それと同時にパラシュートを展開、どう考えても間に合うタイミングではなかったが、
ググッと雷電の体が開いたパラシュートの空気抵抗により浮き上がる。地面までの距離はもう数十m、そのまま減速しながら森に入る前にパラシュートを切り離す。
黒のパラシュートは夜に紛れてどこかへと吹き飛ぶ。雷電は半ば投げ出された様な勢いで地面へと向かって行く、
普通の人間なら骨折ではすまないだろう勢い。
ザザァッ
が、雷電は何事もなかったかのように四つん這いになりながら地面へと着地してみせた。
雷電「……」
ピリリッピリリッ
『上手く着地出来たようだな。短高度用のパラシュートなんざ担いで行くから死なないか心配したぞ』
雷電『さすがの強度だ。あの勢いで落下して開いても糸が切れなかった。切り離してしまったが回収して部屋に飾りたいぐらいだ』
『はは。あんたもジョークを言うんだな。さっきも言ったがそこには他にも複数の勢力がいるって話だ。同じメタルギア破壊を目標としてるなら協力すればやりやすくなるだろう』
雷電『必要ならそうしよう』
『やれやれ……』
『他の奴らの目的が何にしろそいつが完成してしまえばこの世界はまた冷戦時代に突入だ……それだけは止めてくれ』
雷電『了解した』
『じゃあ俺はこれで行くぜ。目視されるわけにはいかないからメタルギアを何とかするまで回収は出来ない。そのつもりでいてくれ』
雷電『ああ』
ピピュン
雷電「……」
夜風に晒されながら空を仰ぐ雷電。
雷電「記憶があろうとなかろうと俺は結局ここ(戦場)にしか居場所がないんだな…。あんたもそうなのか…スネーク……」
───無人島 研究所内部 ───
りっちゃん「迷った……」
思えば研究所内部の見取図なのは入手してなく、あてもなく隠れながらウロウロしている。
りっちゃん「さわちゃんに連絡しようにもここいらはジャミングが強くて繋がらないし……」
しかしのんびり迷っている場合ではないことを思い出す。
曲がり角いくつか曲がると人の気配を察知し、壁際から覗く。
りっちゃん「(迷った時は聞きましょうってな)」
無防備に背中を見せたまま何やらしている兵に物音立てずに忍び寄る。
Mkをすっ、と抜くとその兵の背中に銃身をわざと付け、
りっちゃん「動くな」
と、女の子にしては低い声で威圧する。
りっちゃん「(決まった……)」
内心そんなことを思っていた刹那、
「っふん……」
兵がいきなり振り向きMkを握りしめ銃身を明後日の方向へ向ける。
りっちゃん「なっ」
更にその兵は離すまいとしている律のMkを捻る様にして締め上げる。
律の右腕が左に捻られ離さなければ折れる、と云うところまで締め上げられたところで律もようやく反撃に移る。
近くの壁を1.2と勢いよく蹴り側転。
律の締め上げられた腕を元に戻す様に一回転し、戻ると同時に降りながら兵の肩目掛けて踵を降り下ろす。
「いい動きだ」ボソッ
りっちゃん「!?」
それを読んでいたかのように兵は内側に入り込み、律の腕を持ったまま背中に抱えるような格好になった。
そのまま勢いよく律の腕を引きながら、左足に重心を乗せ、肩を丸めながら投げ飛ばす。
りっちゃん「(これって)」
そう、日本の格闘技。
柔道の技、
一 本 背 負 い だ
そのまま成す術なく背中から地面に叩きつけられた律は「げほっ、げほっ」と蒸せながら仰向けに倒れこんだ。
「動きは悪くない。だが背中に銃身をつけるのは頂けないな。銃身の大きさで大体の種類はわかるからな」
いつの間にか律から奪ったMkを律に向けながら言い放つ。
「壁を蹴って抜けるのは派手だが実用性はない。実戦とVRを勘違いしないことだ」
りっちゃん「ぐっ……」
まさかここの兵にこれ程の強者がいるとは思っていなかった。いや、律自体慢心していたのだ。
ここに来てまともにやり合い、ねじ伏せられた相手はいなかった。
そこに「一般兵などに遅れを取ることはない」とタカをくくっていたのだ。
無意識化に
「さて……ここを案内してもら……ん? お前は……」
律「えっ……あんたは……」
─────────
───無人島 研究所 地下───
紬「……何もおっしゃらないんですね」
「何がですかな?」
紬「……貴方が何を考えてるのかは知りません。でも私の大切な友達達に何かあれば……」
「わかっておりますよ。あなたとあなたのお父様には大量の援助を頂きました。それを仇で返す程我々も白状者じゃありませんよ」フフ
紬「……(汚い大人)」
「メタルギアの方はどうですかな?」
紬「95%は完成済みです。ただ残りの5%は部品が足りないと技術部から申し出がありましたので取り寄せないと……」
「ふむ、例の装置の設置は済んでるのですかな?」
紬「ええ。あなたのご注文通りに」
「なるほどなるほど。わかりました。」
ニヤニヤとふやけた顔を見せる男に紬が言葉を投げかけた。
紬「あなたの本当の目的は何なの?」
「勿論世界に音楽を取り戻すことですよ」
紬「……本当かしら」
「本当ですよ。我々も音楽を愛しているのですよ、本当に……ね」クックック
紬「……」
ただ怪しげな表情を浮かべる男を信じるしかない自分に嫌気を感じながらも最終調整を続ける。どの道このメタルギアが音楽を取り戻すキーになるのは間違いないのだ。
利害など知ったことじゃない。
紬「(私はただあの頃を取り戻したいだけ……何としても!)」
─────────
───無人島 研究所 中央作戦室───
唯「……」
ガタッ
澪「唯、行くのか?」
相棒のギー太を手に携え作戦室の出口に向かう唯を見て澪が視線も向けずに呟いた。
唯「あずにゃんも帰ってこないし……むぎちゃんはあの兵器にかかりっきりだしさ」
澪「そうか」
唯「……澪ちゃん」
澪「何だ?」
唯「迷わないでね。あずにゃんはりっちゃんに殺されたんだから」
澪「っ……」
静かに苦虫を噛み潰す表情を見せる澪。そんな澪の反応に満足したのか唯はゆっくりと部屋を後にした。
唯「殺さないと……殺さないと……敵だから……あいつは敵だから……殺さないと……」ブツブツ










































コメント 2
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どういうことなんだ!?
大佐?大佐ぁぁぁああぁぁああ!!!!!!
って、スネークならいいかねない。
その情報に間違いはないけど。