- 11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/19(火) 08:37:46.58:CP+5MZJd0
佐天「あっ、噂をすればあそこに見ゆるは上条さん」
佐天「そして前方には私と待ち合わせ中の初春、と」
佐天「……」キュピーン
佐天「能力発動っ!」
佐天「なーにがおっこるっかな~」
---
上条「あー、今日も補習とかマジ勘弁だぜ全く・・・あれ、あそこにいるのは確か・・・」
上条「おーい、初春さーん」
初春「えっ? あぁ、上条さ」フワッ
上条「……」
初春「……きゃ……ゃぁぁぁぁあっ!」ペタン
上条「(くまさん……)」ドキドキ
初春「み、見ましたか? 見ましたよね!?」
上条「う、あ、あはは……嫌だなぁ、この学園都市屈指の紳士上条さんがそんなくまさんパンツなんて……」
初春「ぃゃぁぁぁぁっ!////」
上条「しまったぁぁぁ!」

【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」

【速報】尾田っち、ワンピース最新話でやってしまうwwww

【東方】ルックス100点の文ちゃん

【日向坂46】ひなあい、大事件が勃発!?

韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/19(火) 08:42:44.70:CP+5MZJd0
上条「い、いやほら、あのですね、とっても可愛くてお似合いでしたよ!?」
初春「慰められている気がしませんよぅ……」
上条「「(デスヨネー)」
---
佐天「……全然幸せになってないような気がする……」
---
美琴「ちょっとそこの! アタシの友達に何して……って、アンタ!」
上条「げぇっ、ビリビリ! 待て! 違うんだ! 誤解だ! 初春さんのパンツなんて見てない!」
美琴「……パンツ?」
上条「Oh...」
美琴「2回死ねぇぇぇぇぇっ!」バリバリ
上条「やめてー!」
黒子「……自業自得ですわね……」
---
佐天「あわわわ……幸せどころか不幸になっちゃったよ……」
おしまい
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/19(火) 09:04:01.15:s5zuvGMZ0
上条「あーひどい目にあったぜ・・・」トボトボ
佐天「あのう・・・すみません」
上条「はいはい、なんでせう? って佐天さんか」
佐天「こ、コンニチハ・・・」
上条「はい、どーもこんちわ。こんなとこでどうかしたかい?」
佐天「いえ、あの、その・・・実は、上条さんに謝罪したくて」
上条「謝罪? 女子中学生に謝ってもらう事なんかあったかなぁ」
佐天「えーとですね。さっき御坂さんに電撃食らってましたよね?」
上条「うわ、見てたのか? お恥ずかしいところをお見せしちゃったな」
佐天「す、すみません! あれ、原因は私なんです!」
上条「・・・へ?」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 15:42:12.23:B0UWlVyj0
ファミレス
上条「俺を幸せにする能力・・・?」
佐天「はい・・・なんか変な能力なんですけど・・・」
上条「変・・・」
佐天「あっ、いやその上条さんが変って訳じゃなくてですね」
上条「佐天さんがそういう意味で言ったんじゃないのは分かってますって」
佐天「うう・・・」
上条「でもなぁ、俺は自然発生的には幸せになれないらしいんですよね」
佐天「え、それどういうことですか?」
上条「んー、この右手のこと、知ってる?」
佐天「幻想殺し、イマジンブレーカーですよね。全ての異能を無効化するっていう」
上条「そう。幻想殺し。神の奇跡だってキャンセルしちまうっぽいんだけど
知人の見立てでは、神様からの祝福みたいなもんまでキャンセルされちまうらしい」
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 15:45:55.63:B0UWlVyj0
佐天「・・・つまり?」
上条「例えば、財布が見つからない。運が良いと部屋の中から出てきたり
遺失物として届けられてたりして、戻ってきたりするんだろうけど
俺の場合、そういう幸運も全部キャンセル扱いされるんだよね」
佐天「・・・ということは?」
上条「この右手がある限り、偶然とか運が絡んだハッピーはありえないって事、らしい」
佐天「そんな、ひどいです!」
上条「まぁ理不尽っちゃ理不尽かもしれないけど、そういうもんだから仕方ないですよ」
佐天「そんな・・・」
上条「この右手がなければ幸せになれるのかもしれないけど、気軽に試そうとは思わないですしね」
佐天「それは・・・そうですけど・・・」
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 15:50:16.45:B0UWlVyj0
上条「で、これは仮説なんですがね」
佐天「・・・はい」
上条「先ほどのように、初春さんの、そのえーとなんだ。
スカートの中身がチラッと顔を覗かせたりするような
いわゆる思春期の盛りであるところの男子高校生にとっては
とってもラッキー且つハッピーなイベントが例え起こったとしても
その後のビリビリみたいに更に大きな不幸で塗り潰されちまうんじゃないかと」
佐天「・・・それじゃあ」
上条「一時的には良い目を見れるかもしれないですが、
結局のところ、不幸になりそうって感じですね」
佐天「・・・」
上条「それじゃあ出ませうか。なんか付き合って頂いて申し訳なかったですね」
佐天「・・・」
上条「(やべえ、かえって傷つけちまったかな・・・上条さんには女の子は難しいぜ・・・)」
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 15:52:36.34:B0UWlVyj0
道端
上条「(時間も遅くなったし、送って行くことになったのは良いとして)」
佐天「・・・」
上条「・・・」
佐天「・・・・・・」
上条「・・・・・・」
佐天「・・・・・・・・・」
上条「(気まずいぃぃぃぃ! な、なんとかして話題! 話題を!)」
佐天「・・・はぁ。アタシって、やっぱり無能なんだな」
上条「・・・え?」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 15:59:41.64:B0UWlVyj0
佐天「せっかくレベル0から1に上がれて、結構嬉しかったんですよ。
ずっと無能力者ってことにコンプレックスがあったので」
上条「・・・」
佐天「正直言って、なんか変わった能力だなーって思いました。
御坂さんみたいに電気を操る訳じゃなく、白井さんみたいなテレポートが
できる訳でもない。発熱したり重力を操作したり・・・能力ってそういうものかなって
漠然と思っていたものですから」
上条「・・・まぁ、そういうのが分かりやすくてメジャーではあるな」
佐天「でしょう? だから、特定の個人を幸せにする・・・ってどういう能力なんだろうって」
佐天「それでも、良かった。何もできない訳じゃない。アタシにも能力がとうとう発現したんだって」
佐天「初春や御坂さん、白井さんに言ったらどんな顔するかなって」
佐天「1人でワクワクしながら考えたりして・・・」
上条「・・・」
佐天「でも、この能力を使えば、上条さんは結果的に不幸になっちゃう。
これじゃあ、無能なのと、何もできないのと変わりませんよね・・・」
上条「・・・おい」
佐天「えっ?」
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 16:15:50.21:Jea+1GVuO
上条「確かに、せっかく手に入れられたと思った能力が、使い道もなさそうじゃ
ガッカリしたくなる気持ちも分かるけどな。少なくとも今は無能力者じゃねえだろ?」
佐天「で、でも・・・」
上条「そりゃ小さなラッキーの後にバカデカい不幸をお見舞いされちまったが
恥も外聞も捨てて言わせてもらえりゃ、初春さんのくまさんパンツ見た時は
一瞬ラッキーついてるぜ!とか思っちまった!あーここ最近で一番幸せだなって思った!
佐天さんの能力は確かに俺を幸せにした!そこにはなんの間違いも、疑いの余地もねぇ!
だから佐天さんが無能であるはずがねぇ!堂々と胸を張れよ、佐天涙子!」
佐天「上条さん・・・」
上条「それに、もしかしたら、その能力が成長すりゃ俺だけじゃない。
君の周りの人間を幸せにしたり、不幸から救ってやる事だってできるかもしれないだろ」
佐天「そ、それは・・・」
上条「だったら今はその小ささに絶望してないで、希望を持ってやってみようぜ、佐天さん」
佐天「は、はい!」
上条「おっし、良い返事だ。って、いきなり怒鳴っちまったりしてゴメンな。
たまにこう・・・なんつーかカッときて熱くなっちまう癖があるんだよ」
佐天「あ・・・」
上条「ん?」
佐天「上条さん、やっと敬語抜きで話してくれましたね」ニコッ
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 16:56:16.53:B0UWlVyj0
上条「え? あ、いや・・・(あ、あれ・・・?)」ドキドキ
佐天「上条さんってやっぱり凄いですね」
上条「えっ?」
佐天「アタシはいっつもできない事ばっか気にしてて
自分ができる事に対して全然目を向けてやれてなかったんだなって」
上条「佐天さん・・・」
佐天「でも上条さんのお陰で、目が覚めました。
これからは、もうちょっと自分のこと、褒めてやろっかなって思います!」
上条「そう、だな。佐天さんは無能なんかじゃない。すげえ素敵な女の子だと思う」
佐天「えっ////」
上条「え・・・あっ、いや、あー・・・////」
佐天「///」
上条「///」
佐天「「か、帰りましょっか!」
上条「そ、そうだな! 帰ろう!」
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 16:58:55.43:B0UWlVyj0
美琴「・・・あれは・・・佐天さんと・・・当麻・・・!?」
黒子「お姉様? どうかしましたの?」
美琴「う、ううん、なんでもない!」
美琴「(・・・見間違い・・・じゃないよね・・・?)」
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:02:55.19:B0UWlVyj0
翌日の放課後
黒子「お待たせですの」
初春「あ、白井さん、御坂さん。こんにちは」
佐天「こんちゃーっす!」ツヤツヤ
美琴「う、うん、2人ともこんにちは・・・(なんか佐天さんがキラキラしてる)」
佐天「あれー? 御坂さん、なんか元気なくないですか?」
美琴「へっ!? いや、そんな事は・・・ないと・・・思うけど・・・」
黒子「確かにちょっとおかしいですわね。お姉様、熱でもありますの?」
美琴「ないない! 全然そういうんじゃないから!」
黒子「では念のためワタクシがお姉様の慎ましい胸で触診をハブッ」
美琴「・・・ったく。いい加減にしなさい」
黒子「・・・もしやまさか、あの類人猿の事ですの?」キラーン
美琴「へっ!?」
初春「?」
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:05:20.47:B0UWlVyj0
美琴「(なんでこの子はいつもこういうところで鋭いかなあ・・・いや、でもこれはチャンス?)」
美琴「あ、あのさ、佐天さん」
佐天「はい?」
美琴「なんか、いい事あった?」
佐天「え? ・・・あー・・・あははは、やだなあ、顔に出てます?」
初春「えー? 私には分かりませんけど・・・?」
美琴「そ、それってもしかして・・・昨日、と・・・上条当麻と一緒にいたのは関係あるのかしら?」
黒子「!?」
初春「?」
佐天「?」
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:10:07.17:B0UWlVyj0
佐天「んー? 御坂さん、見てたんですか?」
美琴「じゃ、じゃあやっぱりあれ・・・」
黒子「なんですの!? なんですの!? あの類人猿、佐天さんにまで・・・」
佐天「違いますよー。昨日ちょっと凹んでたんですが、
上条さんに叱ってもらったらなんだかスッキリしちゃって」
美琴「叱って・・・?」
佐天「ええ。ウジウジしてたら一喝されちゃいました。
なんかそれでふっきれたっていうか・・・。
あーでも、お説教されてるところを御坂さんに見られてたなんて恥っずかしいなぁ!」
美琴「え? いや、あれ?」
佐天「あんまりあの時の事は言わないでくださいよー。
アタシ、泣きそうなの我慢してたんで、多分変な顔してたでしょ?」
美琴「え、う、ううん・・・そんな事・・・なかった、よ?」
佐天「本当ですか? だったら良かったです」
黒子「全く。人騒がせですわねえ」
初春「??」
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:14:45.43:B0UWlVyj0
ちょっと戻って学校 昼休み
初春「能力に目覚めた!? やったじゃないですか、佐天さん!」
佐天「あっはっは。ありがと、初春。あ、ちなみに今回は幻想御手使ってないよ?」
初春「もー茶化さないでくださいよ。真面目にお祝いしてるんですから」
佐天「ごめんごめん」
初春「それで、どんな能力なんですか?」
佐天「え?」
初春「佐天さんの能力ですよ! ベクトル操作ですか? 熱量操作ですか? それともー」
佐天「いや・・・そんな大層なもんじゃなくてさ・・・」
初春「えー?」
佐天「だって初春も自分の能力教えてくれてないじゃん」
初春「わ、私のはちょっと弱いから恥ずかしくて・・・」
佐天「アタシもそんなようなもんだから。あんま深く聞かないでやってよ。
御坂さんたちにも今のトコ言うつもりはないしね」
初春「はぁ・・・」
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:20:06.98:B0UWlVyj0
また戻って放課後
土御門「んじゃカミやーん、お先に失礼するぜい」
青ピ「補習頑張ってやー」
上条「裏切り者め・・・。あーあ。不幸だー・・・外は良い天気だってのなぁ」
小萌「なら赤点取らないでください、上条ちゃん」
上条「うっ、先生・・・」
小萌「なんですか、その態度! 早く帰りたいのを我慢して
上条ちゃんのために補習をやっているんですよ!
そんな教師心に感謝の一つ、あっても良いでしょう!?」
上条「なら見逃してください・・・」
小萌「それじゃ本末転倒じゃないですかっ!」
上条「くう・・・不幸だ・・・」
小萌「先生だって泣きたいです・・・」
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:25:04.33:B0UWlVyj0
上条「ったく、やっと補習終わりかよ・・・まーた腹空かして怒ってる
インデックスをなだめる作業が始まる・・・」トボトボ
佐天「あれ? あそこにいるの、上条さんじゃないですか?」
御坂「ホントだ・・・」
黒子「まーた相変わらず冴えない顔をしてますのねえ」
初春「声かけなくて良いんですか?」
美琴「えっ、あう・・・///」
黒子「(この分なら心配はなさそうですの)」
佐天「じゃあアタシが。上条さーーーん!」ブンブン
美琴「えっ」
上条「あれ? あそこにいるのは佐天さんと・・・いつものメンバーか」
美琴「(佐天さん・・・あっさり当麻に声かけるんだなぁ・・・)」
黒子「(これはもしや・・・)」
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:32:58.05:B0UWlVyj0
上条「どうも・・・えーと初春さん、昨日は大変申し訳ありませんデシタ」
初春「あっ、いえいえ、その節はこちらこそお見苦しいものを・・・」
上条「とんでもない! 可愛らしくて・・・あっ」
初春「うっ」ビクッ
美琴「アンタねぇ・・・」ビリビリ
上条「ま、待てビリビリ! 今のは・・・ちょっとした間違いだ!」
美琴「問答無用!」
佐天「(ヤバイ! 上条さんが!)」
フワッ
美琴「・・・?・・・ッ!!///」
黒子「・・・相変わらずの短パン・・・じゃ、ない・・・だと・・・」
初春「白のレース・・・」
上条「Oh...」
佐天「・・・」
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:37:57.84:B0UWlVyj0
美琴「ちょ、なに!? 何が起こった訳!?」
黒子「お姉様の・・・白レースパンティー・・・ぐっ、いくら鼻血をテレポートさせても
止め処なく溢れてきますの!!」
初春「み、御坂さん、落ち着いてください!」
上条「(と、とんでもないものを見てしまった気がする・・・)///」
美琴「ななななんで? なんで!?」
黒子「し、しばらくはオカズに困りそうにありませんわ・・・」ハァハァ
初春「御坂さん! どうしたんですか、御坂さん!」
美琴「・・・のに・・・」
初春「え?」
美琴「短パン・・・穿いてきたはずなのに・・・」
上条「?」
美琴「ど、どこかで脱げちゃった? え? でも気づかないなんてありえる?」ワタワタ
初春「(御坂さんの狼狽っぷりがかつてない程に・・・!)
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:41:57.20:B0UWlVyj0
美琴「黒子っ!」
黒子「まさかお姉様がキャラものプリント柄以外の下着を持っていらしたとは・・・
しかもその日に限って短パンを穿いておらず、更にはナイスな風の煽りで」
美琴「話を、聞けぇぇぇぇえっ!」バリバリ
黒子「あばばばばばばば」
上条「・・・し、白井っ!?」
初春「あ、大丈夫ですよ、上条さん。いつものことですから」
上条「(いつもって・・・)」
黒子「お姉様の電撃で・・・軽く・・・イキかけましたわ・・・」
美琴「もっぺん食らう?」
黒子「それで、お姉様、どうかなさいましたの?」
初春「(切り替え早っ)」
上条「(本当に無事だ・・・)」
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:46:22.70:B0UWlVyj0
美琴「アンタ、アタシの短パン、どこかにテレポートさせた?」
黒子「いえ? そのような事はしておりませんが」
美琴「本っ当に?」バチバチ
黒子「本当ですの! この黒子、やるなら真正面から堂々と!
しかも2人きりの状況でやりますのっ!」
美琴「そんな事で胸を張るな!」ゴチン
黒子「っ」
美琴「そんなぁ・・・じゃあ本当にどこかに置き忘れてきたとか・・・?」
初春「トイレとか・・・体育とかですか?」
美琴「今日は体育なかったのよ。あるとすればトイレかなあ」
初春「今から学校戻ります?」
美琴「うーん、仕方ないから明日で良いわ。寮に戻れば替えがあるしね」
黒子「チッ」
上条「(・・・なんだろう、すごくいたたまれない空気だ・・・)」
佐天「・・・」
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:51:22.79:B0UWlVyj0
美琴「とりあえず今日は帰りましょ。こんなんじゃうかうか外出もできないわ」
黒子「お姉様。お言葉ですが世の女性は基本的に短パンなどという
無粋なものは身につけずに昼夜生活しているんですのよ」
美琴「それはそれ。これはこれ」
黒子「むぅ・・・自然なお姿ですのに・・・」
初春「それじゃあ帰りますか。・・・? 佐天さん?」
佐天「あ、うん。今行く! そ、それじゃ上条さん、また!」
上条「へ? あ、はい。また・・・」
初春「上条さん、さようならー」
黒子「御機嫌ようですの。できたら2度とお会いしたくありませんが」
美琴「じゃあね・・・って、あれ? アンタそういやアタシの下着・・・」
上条「・・・」
美琴「・・・」
上条「さらば!!」ダッ
美琴「あっ、待ちなさい! こらー!」バリバリ
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:59:01.51:B0UWlVyj0
上条「・・・追ってこない、か。はぁ、助かったぜえ」ゼェゼェ
上条「それにしても・・・ちょっと妙と言えば妙だよな」テクテク
上条「ビリビリはあの時、間違いなく俺を電撃で攻撃しようとしていた」テクテク
上条「でも急に風が吹いて、ビリビリのスカートが捲れて・・・」テクテク
上条「・・・ま、まぁ、見えたものの話はさて置いてだな///」テクテク
上条「例の短パンをアイツは穿いてなかった」テクテク
上条「でもそれはビリビリにとって異常だったらしい」テクテク
上条「毎日身につけているものが、例えば半日もなかったとして、気づかないもんだろうか?」カツカツ
上条「・・・もし俺がトイレにトランクス忘れて出てきたら・・・絶対気づくよな・・・」カツカツ
上条「・・・うーん。なんか引っかかるなぁっと、っただいまー」
イン「おかえりとうまー。おなかすいたー」
上条「へいへい。今ご飯準備しますよっと。あ、そうだ。なぁ、インデックス。
女の子って、例えばパンツ穿き忘れても気がつかないもんなのか?」
イン「れ、レディーに対してなんてこと聞いてるのかな!? とうまはデリカシーが欠けすぎなんだよっ!!」ガブッ
上条「い、いてぇ! 噛むなインデックス! あーもう不幸だぁぁぁ!」
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 18:02:59.79:B0UWlVyj0
佐天の部屋
佐天「あの時・・・」
---
上条「ま、待てビリビリ! 今のは・・・ちょっとした間違いだ!」
美琴「問答無用!」
佐天「(ヤバイ! 上条さんが!)」
---
佐天「上条さんが危ないって思って、そしたら風が吹いて
御坂さんのスカートをめくった」
佐天「そして短パンを穿いてないって状態」
佐天「後者はちょっと分からないけれど、前者は同じ、なんだよね」
佐天「・・・初春の時と・・・」
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 18:10:13.50:B0UWlVyj0
佐天「・・・もし、あの風がアタシの能力によって起きた現象なら
あの風は上条さんに幸せをもたらすものでなければいけないはず」
佐天「そういう能力なんだから。スカートを捲れるくらいの弱い風を起こす能力、じゃなくて
アタシの能力は『上条当麻を幸せにする能力』」
佐天「あれで上条さんは、幸せになったのかな」
佐天「結果的には、確かに電撃を食らわずに済んだ」
佐天「そういう意味では確かに、間違いなく、『不幸は起きなかった』」
佐天「じゃあ、もしあの時、御坂さんがいつも通り短パンを穿いてたら?」
佐天「スカートの中身が見えようが、気にしない。気にしなければ多分あのまま電撃を撃ってたはず」
佐天「・・・上条さんなら幻想殺しがあるから、打ち消せるのかもしれないけど」
佐天「まぁ、それは置いといて。今大事なのは、もしあの時、御坂さんが短パンを穿いていれば
上条さんは不幸になったかどうか・・・」
佐天「もし、『御坂さんの短パンがない』事を前提として『スカートが捲れ』れば上条さんが不幸を回避できた?」
佐天「・・・アタシの能力が、風を起こしただけじゃなく、御坂さんの短パンも、どこかへやっちゃった・・・?」
佐天「・・・確証はないけど、だとしたら・・・?」
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 18:13:05.20:B0UWlVyj0
また次の日 風紀委員事務所
初春「こーんにちはー」
佐天「こーんちわー」
固法「あら、初春さんに佐天さん。いらっしゃい」
初春「固法さん、お疲れ様です」
佐天「お疲れ様です!」
固法「今日もよろしくね」
初春「はい!」
佐天「あの、白井さんたちは・・・?」
固法「彼女たちももうすぐ来ると思うわよ」
黒子「お疲れ様ですのー」
美琴「こんにちはー」
固法「ほらね」
黒子「?」
美琴「?」
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 18:18:08.30:B0UWlVyj0
佐天「あ、御坂さん、ちょっとお聞きしたいんですけど」
美琴「ん? どうしたの?」
佐天「あの、昨日の短パンの事なんですけど・・・どこかにありました?」
美琴「あーそれねー。いやー寮の部屋に戻ったらさ、
ベッドの上に綺麗に折り畳まれて置いてあったのよ」
佐天「ベッドの上に・・・?」
美琴「そうなの。箪笥から出したまんまみたいに放置されてたの。
だから昨日、アタシ本当に忘れたまま外に出ちゃったみたい」
初春「そうだったんですかぁ。珍しいですねえ」
黒子「これを機に、短パンなどお止めになってくださいまし!」
美琴「今日はキチンと穿いてますー」
黒子「ううっ・・・黒子は悲しいですの」
佐天「(ホントに・・・そうなのかな・・・うーん、やっぱりハッキリしないなぁ)」
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 18:25:21.69:B0UWlVyj0
固法「なんの話?」
美琴「実はその、かくかくしかじかって事がありまして」
固法「へー。まるまるうまうまって訳だったのね。
うーん、でもおかしいわね」
美琴「え?」
固法「これ本当は黙ってるもりだったんだけどね?」
黒子「どうしましたの?」
固法「昨日、巡回でセブンスミストの辺りに行ったのよ。
で、私の能力で衣服の下を軽く透視して、危険物がないか確認してたの」
初春「固法先輩の能力ですもんね。透視能力」
黒子「そういえばワタクシたちも昨日セブンスミストへ・・・」
固法「ご明察。みんなの事も透視しちゃったのよ」
佐天「それってつまり・・・」
固法「みんなの服の下、見ちゃった」
美琴「!?」
121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 18:29:01.54:B0UWlVyj0
初春「ええー!」
固法「まぁこれは任務だし、一般人には公開していない機密だから
くれぐれも他言しちゃダメよ?」
美琴「そ、それはまぁ」
佐天「それで、固法先輩・・・」
固法「あ、うん。で、御坂さんのスカートの下も見てしまったんだけど
その時は多分、短パン穿いてたと思うのよね」
美琴「えっ」
初春「それって・・・どういう・・・」
固法「ちょっと一瞥しただけだから、ハッキリとは覚えてないけど・・・」
黒子「お姉様・・・これは・・・」
美琴「何が起きてるの・・・?」
佐天「・・・」
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 18:34:34.73:B0UWlVyj0
佐天「(やっぱり・・・アタシの能力・・・アタシの能力で・・・
御坂さんの短パンが消えちゃったんだ)」
初春「やっぱり白井さんが御坂さんの短パンをテレポートさせたんじゃないですかぁ?」
美琴「・・・現実的に考えてそれが一番理に適ってるわね」
黒子「で、ですから昨日も申し上げましたとおり、黒子ではないと!」
美琴「・・・本当かしら・・・」ジトー
黒子「お、お姉様! この黒子の真摯な心が届かないのですか!?」
美琴「アンタの前科と日頃の行いからしてそれはムリ」
黒子「ご無体な!」
美琴「ええい、吐けっ! 白状しなさいっ!」バリバリ
黒子「お姉様ぁぁっ!」ヒュンヒュン
固法「ちょっと貴方たち、事務所で騒がないの!」
初春「御坂さん本気ですねえ」カラカラ
佐天「・・・」
初春「・・・佐天さん?」
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 18:41:18.45:B0UWlVyj0
佐天「ご、ごめん、初春。アタシなんだか急に具合悪くなったみたい。今日は帰るね」
初春「大丈夫ですか? 身体が辛いならちょっと横になってから帰ったほうが・・・」
固法「佐天さん、大丈夫?」
佐天「だ、大丈夫です。ちょっとここんとこ寝不足気味だったのが堪えたみたいで」
固法「そう? じゃあ家でしっかり寝た方が良いわね。1人で帰れる?」
佐天「はい・・・帰れます」
固法「分かったわ、気をつけてね」
初春「お大事に、佐天さん!」
佐天「ありがと、初春、固法先輩。後ろでじゃれ合ってる2人にもよろしく伝えてください」
固法「ふふ、伝えておくわ。じゃあお大事にね」
初春「また明日~」
佐天「また明日ね」バタン
佐天「・・・ふう」
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 18:44:45.12:B0UWlVyj0
上条「ふんふーん ふっふふーん」
上条「いやー今日は補習を免れたおかげで特売に間に合ったし
久しぶりに俺の分まで食事にありつけそうですよ」
上条「って、おーい、佐天さーん」
佐天「・・・あ・・・上条さん!」
上条「あれ? なんか具合でも悪いの? 顔色良くないよ?」
佐天「・・・」
上条「んー・・・ちょっとどこか、公園でも入ろうか?」
佐天「・・・」コクン
上条{(中学生の頃なんて悩み多い年頃だからなぁ)」
佐天「(上条さん・・・優しいなあ・・・)」
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 18:48:29.87:B0UWlVyj0
公園
上条「ほい、チョコサイダーで良いかな?」
佐天「あ、ありがとうございます・・・」
上条「ジュース1本どうってことないですよ(いやホントはピンチだけど)」
佐天「また敬語に戻ってます・・・」
上条「え? そうだっけ?」
佐天「もう・・・」クスッ
上条「やっと笑ったな」
佐天「え・・・?」
上条「なんか青い顔してたからさ。やっぱ佐天さんは笑顔のほうが似合うよ」
佐天「あ・・・///」
上条「・・・何があったか、聞いて良いか?」
佐天「は、はい・・・。実は――――」
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 19:32:29.52:B0UWlVyj0
上条「・・・なるほどねえ」
佐天「やっぱり私の能力が成長してるんでしょうか?」
上条「うーん。俺は知っての通りレベル0の人間だからよく分かんないけど
最初のアレが全力じゃなかった、みたいな仮説は成り立たないのかな」
佐天「というと・・・?」
上条「『風を起こす事』は佐天さんの能力の本質ではない訳だろ?」
佐天「はい。あくまで『上条さんを幸せにする』のがこの能力です」
上条「って事は、自分で言うのもなんだけど、俺を幸せにするためなら、
結構大規模な事だってできちまうのかもしんねえってこと」
佐天「大規模・・・」
上条「聞いた事ない、要はレアな能力だから、他の能力とは比較できないけどさ。
佐天さんの能力がレベルアップすると、『幸せにできる人数が増える』のか
『大掛かりな事ができるようになる』のか、イマイチよく分かんないよな」
佐天「なるほど」
上条「まぁいくら大掛かりって言っても、やれる事には限度があるだろうけど・・・」
佐天「・・・」
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 19:37:56.85:B0UWlVyj0
上条「でも、さっきはなんであんなに青い顔してたんだ?」
佐天「え?」
上条「いや、もし能力が成長したんなら、普通は喜ぶもんじゃないかなってさ」
佐天「うーん・・・そうかもしれないんですが、私は長い事レベル0だったので
能力が発現して、しかもレベルアップしちゃったのかも!
っていうのが不安だったのかもしれません」
上条「あー・・・貧乏人が宝くじ当てたけど金の使い道が分からない!みたいな?」
佐天「あはは。きっとそんな感じです」
上条「まぁもし不安なら俺の担任も紹介できるし、佐天さんの学校にも能力開発に
詳しい先生はいるだろうから、相談してみるのが早いよ」
佐天「そうですね、ありがとうございます。上条さんのおかげでまた楽になりました」
上条「いや・・・ジュース奢ったくらいしかしてないから・・・」
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 19:42:14.25:B0UWlVyj0
風紀委員事務所
美琴「ったく・・・折れないわね・・・」ハァハァ
黒子「今回の件に関しては黒子は潔白ですの」ゼェゼェ
固法「はいはい、そろそろ2人とも落ち着いて。白井さんは仕事でしょ」
美琴「むー、仕方ない。ついてきて邪魔してんじゃ本末転倒だもんね」
黒子「うう・・・まだ信じて頂けませんのね・・・」
美琴「あれ? 佐天さんは?」
初春「帰りましたよ。なんだか体調が優れないって」
美琴「あら大丈夫なの?」
初春「ええ。ちょっと寝不足気味だそうで・・・」
美琴「ふーん、なら平気か。それじゃどうしようかな」
黒子「どうかなさいまして?」
美琴「2人が仕事終わるまで、ファミレスかどこかでお話しでもしよっかなーって思ってたからさ」
初春「なるほど」
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 19:47:36.51:B0UWlVyj0
美琴「でも帰っちゃったんじゃ仕方ないわね。コンビニで立ち読みでもしてくるわ」
黒子「お姉様・・・常盤台のエースともあろう御方が・・・」
美琴「はいはい。んじゃ2人とも、それから固法先輩。仕事頑張ってください」
固法「ええ、ありがとう」
初春「お気をつけて~」
黒子「あの類人猿にはくれぐれもお気をつけて!」
美琴「はーい」パタン
美琴「全く、黒子はアイツのこと気にしすぎだし」
美琴「・・・アイツも黒子の半分くらいアタシのこと気にしてくれたって・・・///」ブツブツ
美琴「そういえば、いつものコンビニは顔覚えられてるかもしんないわよね」
美琴「もう1件遠くのコンビニにしようかな」スタスタ
美琴「・・・あれ? あそこにいるの、佐天さん?」スタスタ
美琴「(具合悪いから、もしかしてあそこに座って休んでるのかしら)」トコトコ
美琴「(家まで送ってってあげようかな)」トコトコ
135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 19:53:33.45:B0UWlVyj0
美琴「(・・・嘘・・・)」グワン
上条「今日はこの後どうするんだ? そういやいつも一緒の初春さんたちは・・・」
佐天「あ、さっきまで一緒にいたんですけど、具合悪いから先に帰るって・・・」
美琴「(佐天さんが・・・アイツと・・・)」グワングワン
上条「今日はこの後どうするんだ? そういやいつも一緒の初春さんたちは・・・」
(2人きりになれたね)
佐天「あ、さっきまで一緒にいたんですけど、具合悪いから先に帰るって・・・」
(仮病ついてフけてきちゃった)
美琴「・・・によ、それ・・・」グワングワン
136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 19:55:26.49:B0UWlVyj0
上条「大丈夫か? 家の近くまで送っていこうか?」
(おいおい、送り狼しちゃうぞ)
佐天「いやいや、昨日の今日で、いや、一昨日の今日、か?
また送ってもらったりしちゃ悪いですって」
(いやーん、また食べられちゃう)
美琴「なんっじゃそりゃああああああああああああああ!!」
137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 19:56:13.96:B0UWlVyj0
138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 19:58:49.15:B0UWlVyj0
上条「うおぉっ!?」
佐天「きゃぁぁぁっ!」
上条「爆発!? なんだなんだ!? 魔術師か!?」
佐天「えっ?」
上条「いや、こっちの話で・・・」
美琴「ちょっとアンタたち・・・」ユラリ
上条「ビリビリ!?」
佐天「御坂さん!?」
美琴「公共の面前で何してくれちゃってんのよぉぉぉおおお!!」バリバリ
上条「はぁ!? お前何言ってんだ! ていうか今の爆発はお前の仕業か!」
美琴「・・・それが何だって言うのよ」
上条「な・・・!」
139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 20:03:07.27:B0UWlVyj0
上条「もし周りに一般人がいたらどうすんだ! 佐天さんは俺が守れたから良いけどよ」
美琴「佐天さん・・・?」
佐天「え・・・」
美琴「なんでアンタ、佐天さんと一緒にいる訳?」
上条「は?」
美琴「こないだも夜に佐天さんと2人で歩いてたわよねえ」
上条「あ、あれは」
美琴「言い訳なんて聞きたくないから」
上条「ちょっと待て、お前なんか勘違いしてるって!」
美琴「もういい」
上条「何が良いんだよ」
美琴「アンタは、ここで殺す」
上条「なっ・・・何言ってんだ」
美琴「・・・アタシのモノにならないなら、いらない」バチバチバチッ
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 20:06:13.50:mWOl91An0
上条「(・・・こりゃ本気だな・・・)」
上条「佐天さん、仕方ねえ。ちょっと離れてな」
佐天「で、でも・・・危ないですよ!」
上条「大丈夫大丈夫。これでも上条さんはビリビリとよく喧嘩してっから」
佐天「・・・」
上条「ただ、この右手が守れるのは基本的に自分だけだからな。
佐天さんを巻き添えにはしたくねえんだ」
佐天「わかりました・・・。あの、2人とも、あんまりひどい怪我しないでくださいね」
上条「ははっ、善処してみましょう」ニッ
佐天「はいっ!」タタッ
上条「・・・殺すとか言ってた割に待っててくれるたぁな。大層寛大じゃねえか」
美琴「最期だからね。アンタはすぐ殺す。佐天さんはすぐには殺してあげない」
上条「んだとテメェ」
美琴「当麻のことは、苦しまないように殺してあげるんだから、感謝しなさいよね」バチバチバチ
上条「誰が、するかっ!」ダッ
143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 20:14:09.54:B0UWlVyj0
美琴「ふん!」バチッ
上条「食らうか!」キーン
美琴「・・・その右手・・・邪魔よね」バリバリ
上条「どうする? お前じゃ俺は殺せねぇぞ」
美琴「どうかしら?」バチィッ
上条「ぐおっ! こりゃ・・・砂鉄か! 砂鉄の煙幕!」
上条「だが、これくらいじゃこの右手は――」
佐天「上条さん、上――」
上条「なっ・・・」
美琴「これならアンタの右手が電撃を打ち消せても意味ないでしょ!」バリバリバリッ
佐天「ロードローラーッ!?」
上条「(こんな重いもんを電気で吊り上げたのかっ! この一瞬で!)」
佐天「上条さん!」
美琴「バイバイ、当麻」
145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 20:18:42.92:B0UWlVyj0
ロードローラーが、落下する
間に合わない
上条さんが、潰れて死んじゃう
あんないい人が
こんな死に方なんて
絶対に、幸せじゃないよ
不幸だ
なら、アタシはどうすれば良い
アタシの能力が及ぶ範囲で、できそうな事――
なんだ、そうか
146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 20:19:35.64:B0UWlVyj0
アタシが、替われば良い
147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 20:19:50.98:l1gDBAPcO
上条「っ!?」ドンッ
美琴「っ!?」
佐天「あ、成功した」
上条「さ――」
グシャッ
151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 20:25:20.50:B0UWlVyj0
黒子「これは何事ですの! って、お、お姉様!?」ヒュン
初春「白井さん、早いです~」ハァハァ
美琴「あ、くろ・・・こ・・・」
黒子「これは・・・一体・・・」
美琴「さ、さてんさんが・・・とうまの、かわりに・・・」
初春「佐天さん!?」
黒子「くっ、イマイチ状況が飲み込めませんが、一刻を争うようですわね!」
上条「くそっ!重てぇっ・・・こんなの動かせねぇぞ」
初春「上条さん! 手伝います!」
黒子「さすがにワタクシのテレポートでも動かせませんの・・・増援を呼んで参ります!」
上条「チクショウ! チクショウ!」
初春「佐天さん! 佐天さん!」
152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 20:30:50.22:B0UWlVyj0
――――、――――!!
(・・・? なんだろう・・・?)
――――、――――こ!!
(なにか、こえがきこえて――)
上条「涙子! 涙子!!」
佐天「・・・上条、さん・・・?」
上条「おま・・・生きて・・・」
佐天「なんで、笑ってるんですか?」
上条「そりゃ・・・お前が無事で・・・幸せだからに、決まってんだろうが・・・」
佐天「・・・上条、さん・・・」
初春「ざでん゙ざぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙あ゙ん゙!」
佐天「初春・・・」
美琴「さてん、さ・・・ごめ・・・ごめん・・・」
佐天「御坂さん・・・」
154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 20:37:00.13:B0UWlVyj0
翌日 とある病院
黒子「・・・一体、どういう奇跡ですの?」
医者「ロードローラーに完全に潰されてたら人間の熨斗死体が出来上がってたね」
黒子「状況を聞けば聞くほど、不可解ですわ」
黒子「公園整備のために近くに停めてあったロードローラーを強力な電気で吊り上げる」
黒子「それを上条当麻の上に放り落とした、と。ここまでは何の問題もありません」
上条「おい」
黒子「つまりこの時点で車はお姉様の制御を離れ、自然落下していた」
黒子「そこに佐天さんが飛び込んで、上条当麻を突き飛ばし、身代わりに」
佐天「・・・我ながら凄い事やったなあ」
黒子「計算では佐天さんは車の真下。普通ならそのままジ・エンドですわよ」
初春「本当ですよ。こうして生きてるから良かったようなものを・・・」
美琴「ごめん・・・」シュン
155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 20:41:21.75:B0UWlVyj0
黒子「まぁ、お姉様の処分は連絡待ちです。
計算上、あり得ないエネルギー、座標で、佐天さんが無事という事実」
黒子「こんなの報告書にどう書けって言うんですの?」
上条「・・・白井、佐天さんの能力って知ってっか?」
黒子「はて? 佐天さんの能力とは・・・?」
佐天「実は私、つい先日とうとうレベル0から昇格したんです」
黒子「なんと、そうでしたの!? 水臭いですわ、教えてくだされば良かったのに・・・」
佐天「いや、ちょっと言いにくい能力でして・・・」
初春「そう言えば私にも教えてもらってませんよね、能力名」
佐天「実は、上条さんを幸せにする能力、なんだよね」
黒子「!?」
初春「!?」
美琴「!」
医者「へー」
156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 20:45:34.80:OajW/zLI0
佐天「でも、それがどうしたって言うんですか?」
上条「いや・・・だからさ、つまり、えーその、なんだ」
黒子「男ならハッキリなさい。キモいだけですわよ」
上条「えぇい、分かったよ! 言ってやりゃ良いんだろ!」
上条「佐天さんが死んだら、俺が幸せになれないだろ!!」
佐天「えっ」
佐天「・・・」
佐天「//////」カーッ
黒子「Oh...」
初春「Woo...」
美琴「・・・」
医者「ほー」ニヤニヤ
161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:05:13.99:B0UWlVyj0
初春「えー、じゃああの時、私のスカートが捲れたのも・・・」
美琴「私のスカートが捲れたのも・・・」
黒子「ついでに短パンが消えたのも・・・」
佐天「・・・多分、ラストのも入れて、全部アタシです」
初春「も~! 何してんですかぁ!」ポカポカ
佐天「痛い痛い!」
黒子「はー、なんだか全部分かったらドッと疲れが出てきましたわ・・・」
初春「うー・・・理解できましたが納得できません・・・」
医者「まぁそろそろ患者の身体に障るから、良いかな?」
黒子「あ、はい。わかりましたの。それじゃ佐天さん、それから上条当麻。ご協力ありがとうですの」
美琴「・・・」ペコリ
初春「2人ともお幸せに~」
佐天「こ、コラ、初春!」
初春「えっへへ~」パタン
163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:13:07.05:B0UWlVyj0
佐天「・・・」
上条「・・・」
佐天「で、もう下の名前で呼んでくれないんですかー?」
上条「さっきはみんないたから、ちと恥ずかしくてな・・・」
佐天「でも、今はもういませんよね」
上条「・・・涙子」
佐天「・・・へへっ」
上条「なんだよ・・・」
佐天「上条当麻を幸せにする能力かぁ・・・」
上条「ん?」
佐天「上条さん、今、幸せですか?」
上条「・・・あぁ。幸せだよ。涙子と一緒だからな」
トウマ ハ マタ ニュウイン ナンダヨー ニャー
上条「さて、同居人の紹介、しなくちゃな」ヤレヤレ
164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:14:47.21:B0UWlVyj0
上条「い、いやほら、あのですね、とっても可愛くてお似合いでしたよ!?」
初春「慰められている気がしませんよぅ……」
上条「「(デスヨネー)」
---
佐天「……全然幸せになってないような気がする……」
---
美琴「ちょっとそこの! アタシの友達に何して……って、アンタ!」
上条「げぇっ、ビリビリ! 待て! 違うんだ! 誤解だ! 初春さんのパンツなんて見てない!」
美琴「……パンツ?」
上条「Oh...」
美琴「2回死ねぇぇぇぇぇっ!」バリバリ
上条「やめてー!」
黒子「……自業自得ですわね……」
---
佐天「あわわわ……幸せどころか不幸になっちゃったよ……」
おしまい
えー
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/19(火) 09:04:11.96:sJ5L/GuwO続きまだー?
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 15:24:31.39:B0UWlVyj0上条「あーひどい目にあったぜ・・・」トボトボ
佐天「あのう・・・すみません」
上条「はいはい、なんでせう? って佐天さんか」
佐天「こ、コンニチハ・・・」
上条「はい、どーもこんちわ。こんなとこでどうかしたかい?」
佐天「いえ、あの、その・・・実は、上条さんに謝罪したくて」
上条「謝罪? 女子中学生に謝ってもらう事なんかあったかなぁ」
佐天「えーとですね。さっき御坂さんに電撃食らってましたよね?」
上条「うわ、見てたのか? お恥ずかしいところをお見せしちゃったな」
佐天「す、すみません! あれ、原因は私なんです!」
上条「・・・へ?」
ファミレス
上条「俺を幸せにする能力・・・?」
佐天「はい・・・なんか変な能力なんですけど・・・」
上条「変・・・」
佐天「あっ、いやその上条さんが変って訳じゃなくてですね」
上条「佐天さんがそういう意味で言ったんじゃないのは分かってますって」
佐天「うう・・・」
上条「でもなぁ、俺は自然発生的には幸せになれないらしいんですよね」
佐天「え、それどういうことですか?」
上条「んー、この右手のこと、知ってる?」
佐天「幻想殺し、イマジンブレーカーですよね。全ての異能を無効化するっていう」
上条「そう。幻想殺し。神の奇跡だってキャンセルしちまうっぽいんだけど
知人の見立てでは、神様からの祝福みたいなもんまでキャンセルされちまうらしい」
佐天「・・・つまり?」
上条「例えば、財布が見つからない。運が良いと部屋の中から出てきたり
遺失物として届けられてたりして、戻ってきたりするんだろうけど
俺の場合、そういう幸運も全部キャンセル扱いされるんだよね」
佐天「・・・ということは?」
上条「この右手がある限り、偶然とか運が絡んだハッピーはありえないって事、らしい」
佐天「そんな、ひどいです!」
上条「まぁ理不尽っちゃ理不尽かもしれないけど、そういうもんだから仕方ないですよ」
佐天「そんな・・・」
上条「この右手がなければ幸せになれるのかもしれないけど、気軽に試そうとは思わないですしね」
佐天「それは・・・そうですけど・・・」
上条「で、これは仮説なんですがね」
佐天「・・・はい」
上条「先ほどのように、初春さんの、そのえーとなんだ。
スカートの中身がチラッと顔を覗かせたりするような
いわゆる思春期の盛りであるところの男子高校生にとっては
とってもラッキー且つハッピーなイベントが例え起こったとしても
その後のビリビリみたいに更に大きな不幸で塗り潰されちまうんじゃないかと」
佐天「・・・それじゃあ」
上条「一時的には良い目を見れるかもしれないですが、
結局のところ、不幸になりそうって感じですね」
佐天「・・・」
上条「それじゃあ出ませうか。なんか付き合って頂いて申し訳なかったですね」
佐天「・・・」
上条「(やべえ、かえって傷つけちまったかな・・・上条さんには女の子は難しいぜ・・・)」
道端
上条「(時間も遅くなったし、送って行くことになったのは良いとして)」
佐天「・・・」
上条「・・・」
佐天「・・・・・・」
上条「・・・・・・」
佐天「・・・・・・・・・」
上条「(気まずいぃぃぃぃ! な、なんとかして話題! 話題を!)」
佐天「・・・はぁ。アタシって、やっぱり無能なんだな」
上条「・・・え?」
佐天「せっかくレベル0から1に上がれて、結構嬉しかったんですよ。
ずっと無能力者ってことにコンプレックスがあったので」
上条「・・・」
佐天「正直言って、なんか変わった能力だなーって思いました。
御坂さんみたいに電気を操る訳じゃなく、白井さんみたいなテレポートが
できる訳でもない。発熱したり重力を操作したり・・・能力ってそういうものかなって
漠然と思っていたものですから」
上条「・・・まぁ、そういうのが分かりやすくてメジャーではあるな」
佐天「でしょう? だから、特定の個人を幸せにする・・・ってどういう能力なんだろうって」
佐天「それでも、良かった。何もできない訳じゃない。アタシにも能力がとうとう発現したんだって」
佐天「初春や御坂さん、白井さんに言ったらどんな顔するかなって」
佐天「1人でワクワクしながら考えたりして・・・」
上条「・・・」
佐天「でも、この能力を使えば、上条さんは結果的に不幸になっちゃう。
これじゃあ、無能なのと、何もできないのと変わりませんよね・・・」
上条「・・・おい」
佐天「えっ?」
ワクワク
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 16:51:08.04:B0UWlVyj0上条「確かに、せっかく手に入れられたと思った能力が、使い道もなさそうじゃ
ガッカリしたくなる気持ちも分かるけどな。少なくとも今は無能力者じゃねえだろ?」
佐天「で、でも・・・」
上条「そりゃ小さなラッキーの後にバカデカい不幸をお見舞いされちまったが
恥も外聞も捨てて言わせてもらえりゃ、初春さんのくまさんパンツ見た時は
一瞬ラッキーついてるぜ!とか思っちまった!あーここ最近で一番幸せだなって思った!
佐天さんの能力は確かに俺を幸せにした!そこにはなんの間違いも、疑いの余地もねぇ!
だから佐天さんが無能であるはずがねぇ!堂々と胸を張れよ、佐天涙子!」
佐天「上条さん・・・」
上条「それに、もしかしたら、その能力が成長すりゃ俺だけじゃない。
君の周りの人間を幸せにしたり、不幸から救ってやる事だってできるかもしれないだろ」
佐天「そ、それは・・・」
上条「だったら今はその小ささに絶望してないで、希望を持ってやってみようぜ、佐天さん」
佐天「は、はい!」
上条「おっし、良い返事だ。って、いきなり怒鳴っちまったりしてゴメンな。
たまにこう・・・なんつーかカッときて熱くなっちまう癖があるんだよ」
佐天「あ・・・」
上条「ん?」
佐天「上条さん、やっと敬語抜きで話してくれましたね」ニコッ
上条「え? あ、いや・・・(あ、あれ・・・?)」ドキドキ
佐天「上条さんってやっぱり凄いですね」
上条「えっ?」
佐天「アタシはいっつもできない事ばっか気にしてて
自分ができる事に対して全然目を向けてやれてなかったんだなって」
上条「佐天さん・・・」
佐天「でも上条さんのお陰で、目が覚めました。
これからは、もうちょっと自分のこと、褒めてやろっかなって思います!」
上条「そう、だな。佐天さんは無能なんかじゃない。すげえ素敵な女の子だと思う」
佐天「えっ////」
上条「え・・・あっ、いや、あー・・・////」
佐天「///」
上条「///」
佐天「「か、帰りましょっか!」
上条「そ、そうだな! 帰ろう!」
美琴「・・・あれは・・・佐天さんと・・・当麻・・・!?」
黒子「お姉様? どうかしましたの?」
美琴「う、ううん、なんでもない!」
美琴「(・・・見間違い・・・じゃないよね・・・?)」
翌日の放課後
黒子「お待たせですの」
初春「あ、白井さん、御坂さん。こんにちは」
佐天「こんちゃーっす!」ツヤツヤ
美琴「う、うん、2人ともこんにちは・・・(なんか佐天さんがキラキラしてる)」
佐天「あれー? 御坂さん、なんか元気なくないですか?」
美琴「へっ!? いや、そんな事は・・・ないと・・・思うけど・・・」
黒子「確かにちょっとおかしいですわね。お姉様、熱でもありますの?」
美琴「ないない! 全然そういうんじゃないから!」
黒子「では念のためワタクシがお姉様の慎ましい胸で触診をハブッ」
美琴「・・・ったく。いい加減にしなさい」
黒子「・・・もしやまさか、あの類人猿の事ですの?」キラーン
美琴「へっ!?」
初春「?」
美琴「(なんでこの子はいつもこういうところで鋭いかなあ・・・いや、でもこれはチャンス?)」
美琴「あ、あのさ、佐天さん」
佐天「はい?」
美琴「なんか、いい事あった?」
佐天「え? ・・・あー・・・あははは、やだなあ、顔に出てます?」
初春「えー? 私には分かりませんけど・・・?」
美琴「そ、それってもしかして・・・昨日、と・・・上条当麻と一緒にいたのは関係あるのかしら?」
黒子「!?」
初春「?」
佐天「?」
佐天「んー? 御坂さん、見てたんですか?」
美琴「じゃ、じゃあやっぱりあれ・・・」
黒子「なんですの!? なんですの!? あの類人猿、佐天さんにまで・・・」
佐天「違いますよー。昨日ちょっと凹んでたんですが、
上条さんに叱ってもらったらなんだかスッキリしちゃって」
美琴「叱って・・・?」
佐天「ええ。ウジウジしてたら一喝されちゃいました。
なんかそれでふっきれたっていうか・・・。
あーでも、お説教されてるところを御坂さんに見られてたなんて恥っずかしいなぁ!」
美琴「え? いや、あれ?」
佐天「あんまりあの時の事は言わないでくださいよー。
アタシ、泣きそうなの我慢してたんで、多分変な顔してたでしょ?」
美琴「え、う、ううん・・・そんな事・・・なかった、よ?」
佐天「本当ですか? だったら良かったです」
黒子「全く。人騒がせですわねえ」
初春「??」
ちょっと戻って学校 昼休み
初春「能力に目覚めた!? やったじゃないですか、佐天さん!」
佐天「あっはっは。ありがと、初春。あ、ちなみに今回は幻想御手使ってないよ?」
初春「もー茶化さないでくださいよ。真面目にお祝いしてるんですから」
佐天「ごめんごめん」
初春「それで、どんな能力なんですか?」
佐天「え?」
初春「佐天さんの能力ですよ! ベクトル操作ですか? 熱量操作ですか? それともー」
佐天「いや・・・そんな大層なもんじゃなくてさ・・・」
初春「えー?」
佐天「だって初春も自分の能力教えてくれてないじゃん」
初春「わ、私のはちょっと弱いから恥ずかしくて・・・」
佐天「アタシもそんなようなもんだから。あんま深く聞かないでやってよ。
御坂さんたちにも今のトコ言うつもりはないしね」
初春「はぁ・・・」
また戻って放課後
土御門「んじゃカミやーん、お先に失礼するぜい」
青ピ「補習頑張ってやー」
上条「裏切り者め・・・。あーあ。不幸だー・・・外は良い天気だってのなぁ」
小萌「なら赤点取らないでください、上条ちゃん」
上条「うっ、先生・・・」
小萌「なんですか、その態度! 早く帰りたいのを我慢して
上条ちゃんのために補習をやっているんですよ!
そんな教師心に感謝の一つ、あっても良いでしょう!?」
上条「なら見逃してください・・・」
小萌「それじゃ本末転倒じゃないですかっ!」
上条「くう・・・不幸だ・・・」
小萌「先生だって泣きたいです・・・」
上条「ったく、やっと補習終わりかよ・・・まーた腹空かして怒ってる
インデックスをなだめる作業が始まる・・・」トボトボ
佐天「あれ? あそこにいるの、上条さんじゃないですか?」
御坂「ホントだ・・・」
黒子「まーた相変わらず冴えない顔をしてますのねえ」
初春「声かけなくて良いんですか?」
美琴「えっ、あう・・・///」
黒子「(この分なら心配はなさそうですの)」
佐天「じゃあアタシが。上条さーーーん!」ブンブン
美琴「えっ」
上条「あれ? あそこにいるのは佐天さんと・・・いつものメンバーか」
美琴「(佐天さん・・・あっさり当麻に声かけるんだなぁ・・・)」
黒子「(これはもしや・・・)」
上条「どうも・・・えーと初春さん、昨日は大変申し訳ありませんデシタ」
初春「あっ、いえいえ、その節はこちらこそお見苦しいものを・・・」
上条「とんでもない! 可愛らしくて・・・あっ」
初春「うっ」ビクッ
美琴「アンタねぇ・・・」ビリビリ
上条「ま、待てビリビリ! 今のは・・・ちょっとした間違いだ!」
美琴「問答無用!」
佐天「(ヤバイ! 上条さんが!)」
フワッ
美琴「・・・?・・・ッ!!///」
黒子「・・・相変わらずの短パン・・・じゃ、ない・・・だと・・・」
初春「白のレース・・・」
上条「Oh...」
佐天「・・・」
美琴「ちょ、なに!? 何が起こった訳!?」
黒子「お姉様の・・・白レースパンティー・・・ぐっ、いくら鼻血をテレポートさせても
止め処なく溢れてきますの!!」
初春「み、御坂さん、落ち着いてください!」
上条「(と、とんでもないものを見てしまった気がする・・・)///」
美琴「ななななんで? なんで!?」
黒子「し、しばらくはオカズに困りそうにありませんわ・・・」ハァハァ
初春「御坂さん! どうしたんですか、御坂さん!」
美琴「・・・のに・・・」
初春「え?」
美琴「短パン・・・穿いてきたはずなのに・・・」
上条「?」
美琴「ど、どこかで脱げちゃった? え? でも気づかないなんてありえる?」ワタワタ
初春「(御坂さんの狼狽っぷりがかつてない程に・・・!)
美琴「黒子っ!」
黒子「まさかお姉様がキャラものプリント柄以外の下着を持っていらしたとは・・・
しかもその日に限って短パンを穿いておらず、更にはナイスな風の煽りで」
美琴「話を、聞けぇぇぇぇえっ!」バリバリ
黒子「あばばばばばばば」
上条「・・・し、白井っ!?」
初春「あ、大丈夫ですよ、上条さん。いつものことですから」
上条「(いつもって・・・)」
黒子「お姉様の電撃で・・・軽く・・・イキかけましたわ・・・」
美琴「もっぺん食らう?」
黒子「それで、お姉様、どうかなさいましたの?」
初春「(切り替え早っ)」
上条「(本当に無事だ・・・)」
美琴「アンタ、アタシの短パン、どこかにテレポートさせた?」
黒子「いえ? そのような事はしておりませんが」
美琴「本っ当に?」バチバチ
黒子「本当ですの! この黒子、やるなら真正面から堂々と!
しかも2人きりの状況でやりますのっ!」
美琴「そんな事で胸を張るな!」ゴチン
黒子「っ」
美琴「そんなぁ・・・じゃあ本当にどこかに置き忘れてきたとか・・・?」
初春「トイレとか・・・体育とかですか?」
美琴「今日は体育なかったのよ。あるとすればトイレかなあ」
初春「今から学校戻ります?」
美琴「うーん、仕方ないから明日で良いわ。寮に戻れば替えがあるしね」
黒子「チッ」
上条「(・・・なんだろう、すごくいたたまれない空気だ・・・)」
佐天「・・・」
美琴「とりあえず今日は帰りましょ。こんなんじゃうかうか外出もできないわ」
黒子「お姉様。お言葉ですが世の女性は基本的に短パンなどという
無粋なものは身につけずに昼夜生活しているんですのよ」
美琴「それはそれ。これはこれ」
黒子「むぅ・・・自然なお姿ですのに・・・」
初春「それじゃあ帰りますか。・・・? 佐天さん?」
佐天「あ、うん。今行く! そ、それじゃ上条さん、また!」
上条「へ? あ、はい。また・・・」
初春「上条さん、さようならー」
黒子「御機嫌ようですの。できたら2度とお会いしたくありませんが」
美琴「じゃあね・・・って、あれ? アンタそういやアタシの下着・・・」
上条「・・・」
美琴「・・・」
上条「さらば!!」ダッ
美琴「あっ、待ちなさい! こらー!」バリバリ
上条「・・・追ってこない、か。はぁ、助かったぜえ」ゼェゼェ
上条「それにしても・・・ちょっと妙と言えば妙だよな」テクテク
上条「ビリビリはあの時、間違いなく俺を電撃で攻撃しようとしていた」テクテク
上条「でも急に風が吹いて、ビリビリのスカートが捲れて・・・」テクテク
上条「・・・ま、まぁ、見えたものの話はさて置いてだな///」テクテク
上条「例の短パンをアイツは穿いてなかった」テクテク
上条「でもそれはビリビリにとって異常だったらしい」テクテク
上条「毎日身につけているものが、例えば半日もなかったとして、気づかないもんだろうか?」カツカツ
上条「・・・もし俺がトイレにトランクス忘れて出てきたら・・・絶対気づくよな・・・」カツカツ
上条「・・・うーん。なんか引っかかるなぁっと、っただいまー」
イン「おかえりとうまー。おなかすいたー」
上条「へいへい。今ご飯準備しますよっと。あ、そうだ。なぁ、インデックス。
女の子って、例えばパンツ穿き忘れても気がつかないもんなのか?」
イン「れ、レディーに対してなんてこと聞いてるのかな!? とうまはデリカシーが欠けすぎなんだよっ!!」ガブッ
上条「い、いてぇ! 噛むなインデックス! あーもう不幸だぁぁぁ!」
佐天の部屋
佐天「あの時・・・」
---
上条「ま、待てビリビリ! 今のは・・・ちょっとした間違いだ!」
美琴「問答無用!」
佐天「(ヤバイ! 上条さんが!)」
---
佐天「上条さんが危ないって思って、そしたら風が吹いて
御坂さんのスカートをめくった」
佐天「そして短パンを穿いてないって状態」
佐天「後者はちょっと分からないけれど、前者は同じ、なんだよね」
佐天「・・・初春の時と・・・」
佐天「・・・もし、あの風がアタシの能力によって起きた現象なら
あの風は上条さんに幸せをもたらすものでなければいけないはず」
佐天「そういう能力なんだから。スカートを捲れるくらいの弱い風を起こす能力、じゃなくて
アタシの能力は『上条当麻を幸せにする能力』」
佐天「あれで上条さんは、幸せになったのかな」
佐天「結果的には、確かに電撃を食らわずに済んだ」
佐天「そういう意味では確かに、間違いなく、『不幸は起きなかった』」
佐天「じゃあ、もしあの時、御坂さんがいつも通り短パンを穿いてたら?」
佐天「スカートの中身が見えようが、気にしない。気にしなければ多分あのまま電撃を撃ってたはず」
佐天「・・・上条さんなら幻想殺しがあるから、打ち消せるのかもしれないけど」
佐天「まぁ、それは置いといて。今大事なのは、もしあの時、御坂さんが短パンを穿いていれば
上条さんは不幸になったかどうか・・・」
佐天「もし、『御坂さんの短パンがない』事を前提として『スカートが捲れ』れば上条さんが不幸を回避できた?」
佐天「・・・アタシの能力が、風を起こしただけじゃなく、御坂さんの短パンも、どこかへやっちゃった・・・?」
佐天「・・・確証はないけど、だとしたら・・・?」
また次の日 風紀委員事務所
初春「こーんにちはー」
佐天「こーんちわー」
固法「あら、初春さんに佐天さん。いらっしゃい」
初春「固法さん、お疲れ様です」
佐天「お疲れ様です!」
固法「今日もよろしくね」
初春「はい!」
佐天「あの、白井さんたちは・・・?」
固法「彼女たちももうすぐ来ると思うわよ」
黒子「お疲れ様ですのー」
美琴「こんにちはー」
固法「ほらね」
黒子「?」
美琴「?」
佐天「あ、御坂さん、ちょっとお聞きしたいんですけど」
美琴「ん? どうしたの?」
佐天「あの、昨日の短パンの事なんですけど・・・どこかにありました?」
美琴「あーそれねー。いやー寮の部屋に戻ったらさ、
ベッドの上に綺麗に折り畳まれて置いてあったのよ」
佐天「ベッドの上に・・・?」
美琴「そうなの。箪笥から出したまんまみたいに放置されてたの。
だから昨日、アタシ本当に忘れたまま外に出ちゃったみたい」
初春「そうだったんですかぁ。珍しいですねえ」
黒子「これを機に、短パンなどお止めになってくださいまし!」
美琴「今日はキチンと穿いてますー」
黒子「ううっ・・・黒子は悲しいですの」
佐天「(ホントに・・・そうなのかな・・・うーん、やっぱりハッキリしないなぁ)」
固法「なんの話?」
美琴「実はその、かくかくしかじかって事がありまして」
固法「へー。まるまるうまうまって訳だったのね。
うーん、でもおかしいわね」
美琴「え?」
固法「これ本当は黙ってるもりだったんだけどね?」
黒子「どうしましたの?」
固法「昨日、巡回でセブンスミストの辺りに行ったのよ。
で、私の能力で衣服の下を軽く透視して、危険物がないか確認してたの」
初春「固法先輩の能力ですもんね。透視能力」
黒子「そういえばワタクシたちも昨日セブンスミストへ・・・」
固法「ご明察。みんなの事も透視しちゃったのよ」
佐天「それってつまり・・・」
固法「みんなの服の下、見ちゃった」
美琴「!?」
初春「ええー!」
固法「まぁこれは任務だし、一般人には公開していない機密だから
くれぐれも他言しちゃダメよ?」
美琴「そ、それはまぁ」
佐天「それで、固法先輩・・・」
固法「あ、うん。で、御坂さんのスカートの下も見てしまったんだけど
その時は多分、短パン穿いてたと思うのよね」
美琴「えっ」
初春「それって・・・どういう・・・」
固法「ちょっと一瞥しただけだから、ハッキリとは覚えてないけど・・・」
黒子「お姉様・・・これは・・・」
美琴「何が起きてるの・・・?」
佐天「・・・」
佐天「(やっぱり・・・アタシの能力・・・アタシの能力で・・・
御坂さんの短パンが消えちゃったんだ)」
初春「やっぱり白井さんが御坂さんの短パンをテレポートさせたんじゃないですかぁ?」
美琴「・・・現実的に考えてそれが一番理に適ってるわね」
黒子「で、ですから昨日も申し上げましたとおり、黒子ではないと!」
美琴「・・・本当かしら・・・」ジトー
黒子「お、お姉様! この黒子の真摯な心が届かないのですか!?」
美琴「アンタの前科と日頃の行いからしてそれはムリ」
黒子「ご無体な!」
美琴「ええい、吐けっ! 白状しなさいっ!」バリバリ
黒子「お姉様ぁぁっ!」ヒュンヒュン
固法「ちょっと貴方たち、事務所で騒がないの!」
初春「御坂さん本気ですねえ」カラカラ
佐天「・・・」
初春「・・・佐天さん?」
佐天「ご、ごめん、初春。アタシなんだか急に具合悪くなったみたい。今日は帰るね」
初春「大丈夫ですか? 身体が辛いならちょっと横になってから帰ったほうが・・・」
固法「佐天さん、大丈夫?」
佐天「だ、大丈夫です。ちょっとここんとこ寝不足気味だったのが堪えたみたいで」
固法「そう? じゃあ家でしっかり寝た方が良いわね。1人で帰れる?」
佐天「はい・・・帰れます」
固法「分かったわ、気をつけてね」
初春「お大事に、佐天さん!」
佐天「ありがと、初春、固法先輩。後ろでじゃれ合ってる2人にもよろしく伝えてください」
固法「ふふ、伝えておくわ。じゃあお大事にね」
初春「また明日~」
佐天「また明日ね」バタン
佐天「・・・ふう」
上条「ふんふーん ふっふふーん」
上条「いやー今日は補習を免れたおかげで特売に間に合ったし
久しぶりに俺の分まで食事にありつけそうですよ」
上条「って、おーい、佐天さーん」
佐天「・・・あ・・・上条さん!」
上条「あれ? なんか具合でも悪いの? 顔色良くないよ?」
佐天「・・・」
上条「んー・・・ちょっとどこか、公園でも入ろうか?」
佐天「・・・」コクン
上条{(中学生の頃なんて悩み多い年頃だからなぁ)」
佐天「(上条さん・・・優しいなあ・・・)」
公園
上条「ほい、チョコサイダーで良いかな?」
佐天「あ、ありがとうございます・・・」
上条「ジュース1本どうってことないですよ(いやホントはピンチだけど)」
佐天「また敬語に戻ってます・・・」
上条「え? そうだっけ?」
佐天「もう・・・」クスッ
上条「やっと笑ったな」
佐天「え・・・?」
上条「なんか青い顔してたからさ。やっぱ佐天さんは笑顔のほうが似合うよ」
佐天「あ・・・///」
上条「・・・何があったか、聞いて良いか?」
佐天「は、はい・・・。実は――――」
上条「・・・なるほどねえ」
佐天「やっぱり私の能力が成長してるんでしょうか?」
上条「うーん。俺は知っての通りレベル0の人間だからよく分かんないけど
最初のアレが全力じゃなかった、みたいな仮説は成り立たないのかな」
佐天「というと・・・?」
上条「『風を起こす事』は佐天さんの能力の本質ではない訳だろ?」
佐天「はい。あくまで『上条さんを幸せにする』のがこの能力です」
上条「って事は、自分で言うのもなんだけど、俺を幸せにするためなら、
結構大規模な事だってできちまうのかもしんねえってこと」
佐天「大規模・・・」
上条「聞いた事ない、要はレアな能力だから、他の能力とは比較できないけどさ。
佐天さんの能力がレベルアップすると、『幸せにできる人数が増える』のか
『大掛かりな事ができるようになる』のか、イマイチよく分かんないよな」
佐天「なるほど」
上条「まぁいくら大掛かりって言っても、やれる事には限度があるだろうけど・・・」
佐天「・・・」
上条「でも、さっきはなんであんなに青い顔してたんだ?」
佐天「え?」
上条「いや、もし能力が成長したんなら、普通は喜ぶもんじゃないかなってさ」
佐天「うーん・・・そうかもしれないんですが、私は長い事レベル0だったので
能力が発現して、しかもレベルアップしちゃったのかも!
っていうのが不安だったのかもしれません」
上条「あー・・・貧乏人が宝くじ当てたけど金の使い道が分からない!みたいな?」
佐天「あはは。きっとそんな感じです」
上条「まぁもし不安なら俺の担任も紹介できるし、佐天さんの学校にも能力開発に
詳しい先生はいるだろうから、相談してみるのが早いよ」
佐天「そうですね、ありがとうございます。上条さんのおかげでまた楽になりました」
上条「いや・・・ジュース奢ったくらいしかしてないから・・・」
風紀委員事務所
美琴「ったく・・・折れないわね・・・」ハァハァ
黒子「今回の件に関しては黒子は潔白ですの」ゼェゼェ
固法「はいはい、そろそろ2人とも落ち着いて。白井さんは仕事でしょ」
美琴「むー、仕方ない。ついてきて邪魔してんじゃ本末転倒だもんね」
黒子「うう・・・まだ信じて頂けませんのね・・・」
美琴「あれ? 佐天さんは?」
初春「帰りましたよ。なんだか体調が優れないって」
美琴「あら大丈夫なの?」
初春「ええ。ちょっと寝不足気味だそうで・・・」
美琴「ふーん、なら平気か。それじゃどうしようかな」
黒子「どうかなさいまして?」
美琴「2人が仕事終わるまで、ファミレスかどこかでお話しでもしよっかなーって思ってたからさ」
初春「なるほど」
美琴「でも帰っちゃったんじゃ仕方ないわね。コンビニで立ち読みでもしてくるわ」
黒子「お姉様・・・常盤台のエースともあろう御方が・・・」
美琴「はいはい。んじゃ2人とも、それから固法先輩。仕事頑張ってください」
固法「ええ、ありがとう」
初春「お気をつけて~」
黒子「あの類人猿にはくれぐれもお気をつけて!」
美琴「はーい」パタン
美琴「全く、黒子はアイツのこと気にしすぎだし」
美琴「・・・アイツも黒子の半分くらいアタシのこと気にしてくれたって・・・///」ブツブツ
美琴「そういえば、いつものコンビニは顔覚えられてるかもしんないわよね」
美琴「もう1件遠くのコンビニにしようかな」スタスタ
美琴「・・・あれ? あそこにいるの、佐天さん?」スタスタ
美琴「(具合悪いから、もしかしてあそこに座って休んでるのかしら)」トコトコ
美琴「(家まで送ってってあげようかな)」トコトコ
美琴「(・・・嘘・・・)」グワン
上条「今日はこの後どうするんだ? そういやいつも一緒の初春さんたちは・・・」
佐天「あ、さっきまで一緒にいたんですけど、具合悪いから先に帰るって・・・」
美琴「(佐天さんが・・・アイツと・・・)」グワングワン
上条「今日はこの後どうするんだ? そういやいつも一緒の初春さんたちは・・・」
(2人きりになれたね)
佐天「あ、さっきまで一緒にいたんですけど、具合悪いから先に帰るって・・・」
(仮病ついてフけてきちゃった)
美琴「・・・によ、それ・・・」グワングワン
上条「大丈夫か? 家の近くまで送っていこうか?」
(おいおい、送り狼しちゃうぞ)
佐天「いやいや、昨日の今日で、いや、一昨日の今日、か?
また送ってもらったりしちゃ悪いですって」
(いやーん、また食べられちゃう)
美琴「なんっじゃそりゃああああああああああああああ!!」
__,,:::========:::,,__
...‐''゙ . ` ´ ´、 ゝ ''‐...
..‐´ ゙ `‐..
/ \
.................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´ ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
.......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙ .' ヽ ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
;;;;;;゙゙゙゙゙ / ゙: ゙゙゙゙゙;;;;;;
゙゙゙゙゙;;;;;;;;............ ;゙ ゙; .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;............................. ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
ノi|lli; i . .;, 、 .,, ` ; 、 .; ´ ;,il||iγ
/゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li ' ; .` .; il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
`;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `, ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙i|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´
上条「うおぉっ!?」
佐天「きゃぁぁぁっ!」
上条「爆発!? なんだなんだ!? 魔術師か!?」
佐天「えっ?」
上条「いや、こっちの話で・・・」
美琴「ちょっとアンタたち・・・」ユラリ
上条「ビリビリ!?」
佐天「御坂さん!?」
美琴「公共の面前で何してくれちゃってんのよぉぉぉおおお!!」バリバリ
上条「はぁ!? お前何言ってんだ! ていうか今の爆発はお前の仕業か!」
美琴「・・・それが何だって言うのよ」
上条「な・・・!」
上条「もし周りに一般人がいたらどうすんだ! 佐天さんは俺が守れたから良いけどよ」
美琴「佐天さん・・・?」
佐天「え・・・」
美琴「なんでアンタ、佐天さんと一緒にいる訳?」
上条「は?」
美琴「こないだも夜に佐天さんと2人で歩いてたわよねえ」
上条「あ、あれは」
美琴「言い訳なんて聞きたくないから」
上条「ちょっと待て、お前なんか勘違いしてるって!」
美琴「もういい」
上条「何が良いんだよ」
美琴「アンタは、ここで殺す」
上条「なっ・・・何言ってんだ」
美琴「・・・アタシのモノにならないなら、いらない」バチバチバチッ
ヤンデレ化ktkr
141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 20:08:03.10:B0UWlVyj0上条「(・・・こりゃ本気だな・・・)」
上条「佐天さん、仕方ねえ。ちょっと離れてな」
佐天「で、でも・・・危ないですよ!」
上条「大丈夫大丈夫。これでも上条さんはビリビリとよく喧嘩してっから」
佐天「・・・」
上条「ただ、この右手が守れるのは基本的に自分だけだからな。
佐天さんを巻き添えにはしたくねえんだ」
佐天「わかりました・・・。あの、2人とも、あんまりひどい怪我しないでくださいね」
上条「ははっ、善処してみましょう」ニッ
佐天「はいっ!」タタッ
上条「・・・殺すとか言ってた割に待っててくれるたぁな。大層寛大じゃねえか」
美琴「最期だからね。アンタはすぐ殺す。佐天さんはすぐには殺してあげない」
上条「んだとテメェ」
美琴「当麻のことは、苦しまないように殺してあげるんだから、感謝しなさいよね」バチバチバチ
上条「誰が、するかっ!」ダッ
美琴「ふん!」バチッ
上条「食らうか!」キーン
美琴「・・・その右手・・・邪魔よね」バリバリ
上条「どうする? お前じゃ俺は殺せねぇぞ」
美琴「どうかしら?」バチィッ
上条「ぐおっ! こりゃ・・・砂鉄か! 砂鉄の煙幕!」
上条「だが、これくらいじゃこの右手は――」
佐天「上条さん、上――」
上条「なっ・・・」
美琴「これならアンタの右手が電撃を打ち消せても意味ないでしょ!」バリバリバリッ
佐天「ロードローラーッ!?」
上条「(こんな重いもんを電気で吊り上げたのかっ! この一瞬で!)」
佐天「上条さん!」
美琴「バイバイ、当麻」
ロードローラーが、落下する
間に合わない
上条さんが、潰れて死んじゃう
あんないい人が
こんな死に方なんて
絶対に、幸せじゃないよ
不幸だ
なら、アタシはどうすれば良い
アタシの能力が及ぶ範囲で、できそうな事――
なんだ、そうか
アタシが、替われば良い
おいやめろ
149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 20:21:30.81:B0UWlVyj0上条「っ!?」ドンッ
美琴「っ!?」
佐天「あ、成功した」
上条「さ――」
グシャッ
黒子「これは何事ですの! って、お、お姉様!?」ヒュン
初春「白井さん、早いです~」ハァハァ
美琴「あ、くろ・・・こ・・・」
黒子「これは・・・一体・・・」
美琴「さ、さてんさんが・・・とうまの、かわりに・・・」
初春「佐天さん!?」
黒子「くっ、イマイチ状況が飲み込めませんが、一刻を争うようですわね!」
上条「くそっ!重てぇっ・・・こんなの動かせねぇぞ」
初春「上条さん! 手伝います!」
黒子「さすがにワタクシのテレポートでも動かせませんの・・・増援を呼んで参ります!」
上条「チクショウ! チクショウ!」
初春「佐天さん! 佐天さん!」
――――、――――!!
(・・・? なんだろう・・・?)
――――、――――こ!!
(なにか、こえがきこえて――)
上条「涙子! 涙子!!」
佐天「・・・上条、さん・・・?」
上条「おま・・・生きて・・・」
佐天「なんで、笑ってるんですか?」
上条「そりゃ・・・お前が無事で・・・幸せだからに、決まってんだろうが・・・」
佐天「・・・上条、さん・・・」
初春「ざでん゙ざぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙あ゙ん゙!」
佐天「初春・・・」
美琴「さてん、さ・・・ごめ・・・ごめん・・・」
佐天「御坂さん・・・」
翌日 とある病院
黒子「・・・一体、どういう奇跡ですの?」
医者「ロードローラーに完全に潰されてたら人間の熨斗死体が出来上がってたね」
黒子「状況を聞けば聞くほど、不可解ですわ」
黒子「公園整備のために近くに停めてあったロードローラーを強力な電気で吊り上げる」
黒子「それを上条当麻の上に放り落とした、と。ここまでは何の問題もありません」
上条「おい」
黒子「つまりこの時点で車はお姉様の制御を離れ、自然落下していた」
黒子「そこに佐天さんが飛び込んで、上条当麻を突き飛ばし、身代わりに」
佐天「・・・我ながら凄い事やったなあ」
黒子「計算では佐天さんは車の真下。普通ならそのままジ・エンドですわよ」
初春「本当ですよ。こうして生きてるから良かったようなものを・・・」
美琴「ごめん・・・」シュン
黒子「まぁ、お姉様の処分は連絡待ちです。
計算上、あり得ないエネルギー、座標で、佐天さんが無事という事実」
黒子「こんなの報告書にどう書けって言うんですの?」
上条「・・・白井、佐天さんの能力って知ってっか?」
黒子「はて? 佐天さんの能力とは・・・?」
佐天「実は私、つい先日とうとうレベル0から昇格したんです」
黒子「なんと、そうでしたの!? 水臭いですわ、教えてくだされば良かったのに・・・」
佐天「いや、ちょっと言いにくい能力でして・・・」
初春「そう言えば私にも教えてもらってませんよね、能力名」
佐天「実は、上条さんを幸せにする能力、なんだよね」
黒子「!?」
初春「!?」
美琴「!」
医者「へー」
医者wwwww
158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:00:33.86:B0UWlVyj0佐天「でも、それがどうしたって言うんですか?」
上条「いや・・・だからさ、つまり、えーその、なんだ」
黒子「男ならハッキリなさい。キモいだけですわよ」
上条「えぇい、分かったよ! 言ってやりゃ良いんだろ!」
上条「佐天さんが死んだら、俺が幸せになれないだろ!!」
佐天「えっ」
佐天「・・・」
佐天「//////」カーッ
黒子「Oh...」
初春「Woo...」
美琴「・・・」
医者「ほー」ニヤニヤ
初春「えー、じゃああの時、私のスカートが捲れたのも・・・」
美琴「私のスカートが捲れたのも・・・」
黒子「ついでに短パンが消えたのも・・・」
佐天「・・・多分、ラストのも入れて、全部アタシです」
初春「も~! 何してんですかぁ!」ポカポカ
佐天「痛い痛い!」
黒子「はー、なんだか全部分かったらドッと疲れが出てきましたわ・・・」
初春「うー・・・理解できましたが納得できません・・・」
医者「まぁそろそろ患者の身体に障るから、良いかな?」
黒子「あ、はい。わかりましたの。それじゃ佐天さん、それから上条当麻。ご協力ありがとうですの」
美琴「・・・」ペコリ
初春「2人ともお幸せに~」
佐天「こ、コラ、初春!」
初春「えっへへ~」パタン
佐天「・・・」
上条「・・・」
佐天「で、もう下の名前で呼んでくれないんですかー?」
上条「さっきはみんないたから、ちと恥ずかしくてな・・・」
佐天「でも、今はもういませんよね」
上条「・・・涙子」
佐天「・・・へへっ」
上条「なんだよ・・・」
佐天「上条当麻を幸せにする能力かぁ・・・」
上条「ん?」
佐天「上条さん、今、幸せですか?」
上条「・・・あぁ。幸せだよ。涙子と一緒だからな」
トウマ ハ マタ ニュウイン ナンダヨー ニャー
上条「さて、同居人の紹介、しなくちゃな」ヤレヤレ
終わり。支援くれた人あんがと!
うまく書けなくてすまんこ
あと佐天さん可愛いよ佐天さん
170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 23:09:54.78:Pmb2EGJlOうまく書けなくてすまんこ
あと佐天さん可愛いよ佐天さん
乙でした!
佐天さん可愛い
佐天さん可愛い
コメント 0