- 3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:36:20.82:XbB6gwh+O
~笠地蔵~
むかしむかし、ある所に唯と憂の姉妹がいました。
年の瀬も迫っていますが、餅一つ買えるほどお金がありませんでした。
そこで、憂は笠を作ってお金を稼ごうと考えました。
唯「じゃあ憂、町に行って笠売ってくるね」
憂「うん。気をつけてね、お姉ちゃん」
唯「うんたん♪うんたん♪」
意気揚々と雪道を歩く唯でした。
【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」
【速報】尾田っち、ワンピース最新話でやってしまうwwww
【東方】ルックス100点の文ちゃん
【日向坂46】ひなあい、大事件が勃発!?
韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:37:11.40:XbB6gwh+O
ところが、町へ出て笠を売ろうとしても、一向に売れる気配はありませんでした。
唯「売れないや……」
もう少し粘ろうと思いましたが、雪が強くなって来たので、唯は諦めて帰り支度をしました。
唯(憂が心配するから帰ろう!)
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:40:02.91:XbB6gwh+O
家に近付き始めた頃、雪は強くなりかけていました。
唯(うー、早く帰ろ)
唯「あっ、お地蔵様!」
唯が目にしたのは、峠にある七体の地蔵でした。
唯「こんなに雪が積もって、寒いね。頭の雪、どけてあげるね」パッパッ
唯「んー、でもすぐに積もるな……そうだ!」
唯「笠を頭に乗せればいいんだ」
唯は商品の笠を地蔵の頭に乗せてあげる事にしました。
ちなみに地蔵は右側から和→律→澪→紬→梓→純→さわ子の並びである。
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:42:09.81:XbB6gwh+O
唯「んしょ、んしょ」
唯は持っていた五つの笠を右側の地蔵から順に(和・律・澪・紬・梓)、頭に乗せました。
唯「あっ、もうないや……私の笠あげるね」
唯は自分が被っていた笠を純の頭に乗せました。
唯「はっ、もう一体いた……」
唯「うーん。私の手ぬぐいあるけど、これは憂が作ってくれたものだし……」
唯「うん。帰ろう!」
唯「うんたん♪うんたん♪」
さわ子「」
さわ子(……酷い)シクシク
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:43:57.80:XbB6gwh+O
唯は家路につくと早速、憂に地蔵の話をしました。
憂「お姉ちゃん、優しいね」ニコッ
唯「てへへ」
憂「もしかしたら、恩返しに来るかもね」
唯「だったらいいなー」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:45:28.28:XbB6gwh+O
一方、峠では
律「よーし、笠のお礼をしにいくぞー」
澪「あぁ、あの人には感謝だな」
和「そうね」
紬「私、誰かにお礼するのが夢だったのー」
梓「やってやるです!」
純「あれ、誰かいない」
さわ子「なんで、なんで私にだけ笠がないのよ!」シクシク
律「泣くなよ、さわちゃん」ポンポン
さわ子「泣きたいわよ!」
紬「あらあら」
梓「やってやるです!」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:48:18.90:XbB6gwh+O
地蔵一行は、籠にありったけの食材を詰めて、唯の家の前までやって来ました。
律「よし、じゃあ家の人に会うか?」
澪「いやいや、私達は地蔵だぞ。家の人が見たら卒倒するぞ」
和「じゃあ、手紙でも書いとく?」
紬「それいいかもー」
純「私、紙とペンあり……」
さわ子「おらー!出て来いやー、サツガイすんぞコラァー!」ドンドン
律「さわちゃん!!」
梓「やってやるです!」ドンドン
純「あずさー!!」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:54:20.74:XbB6gwh+O
澪「おい!あんまり騒ぐと……」
憂「どなたですかー?」
和「まずいわ。隠れましょ!」スタコラピー
ガタッ
憂「誰も……いないね。風の音かな?」
バタン
律「ふぅー。さわちゃん、頼むから静かに」
さわ子「ぶーぶー」
純「ほら梓、あんたも」
梓「……」シュン
紬「は、早く書きましょ」アタフタ
律「だな」
澪「あぁ」
地蔵達は各々、唯への感謝の気持ちを一言、手紙に書いた。
律「よし、これで籠を置いて……完了だ」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:57:05.48:XbB6gwh+O
和「それじゃ、帰りましょうか」
澪「そうだな」
律「帰るか」
紬「よいお年を」
純「風邪引かないでね」バイバイ
梓「……」
さわ子「なんか、納得いかないわ」
律「えっ?」
さわ子「やっぱり出て来いやー!!」ドンドン
律「ひぃー、さわちゃん!!」
梓「こんなんじゃダメです!」ドンドン
純「このバカタレー!!」
バンッ!
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:05:11.64:XbB6gwh+O
憂「やかましいわ!サツガイしたろかコラァー!!」
一同「ひっ!」ビクッ
憂「さっきから何、人んちの戸、叩きまくっとるんや?」
憂「地蔵風情が舐めたらアカンで!」
律「あわわわわわ」ガクブル
憂「なんやったらあんたらの首、半分だけ回したろか!?」クイッ
一同「す、すいませんでしたー」スタコラピー
憂「ほんま、最近の地蔵はアカンなー。あら、ヤキいれたらな……」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:10:19.05:XbB6gwh+O
唯「憂ー、どうしたの?」
憂「あっ、あのね。お地蔵様が来てたみたいだけど……」
憂「私を見たら驚いて帰っちゃった」テヘッ
唯「えー、いいなー。私も見たかったなー」
憂「ご、ごめんねー。次来たら、一緒に見ようね」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:14:43.82:XbB6gwh+O
唯「あっ、その籠は何かな?」
憂「これ……うわぁ」
唯「食材だよ!これだけあれば、年を越せるよ」
憂「やっぱり、お姉ちゃんが良い事したからだね」
唯「いやー、それほどでもぉ」
憂「あっ、手紙があるよ。お地蔵様のかな?」
唯「きっとそうだよ」
唯「ねぇ、読んでみようよ!」
憂「そうだね!」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:19:39.55:XbB6gwh+O
律『笠、ありがとな!これで風邪を引かずに済むぜ』
澪『頭が冷えてたので助かりました』
和『ありがとう、良いお年を』
紬『百合はいいですよー』
純『もっと目立ちたい!』
憂「うーん。上三つは理解できるけど、下二つは……」
唯「まだ続きがあるよ」
憂「うん」
さわ子『テメェーのヴァージン奪ったろか!』
梓『奪ってやるです!』
憂「……」ピキッ
唯「どういう意味だろう?」
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:26:14.66:XbB6gwh+O
憂「た、多分!ありがとうの最終形態じゃないかな!?」
唯「そうかー、感謝されてるんだー」ニンマリ
憂(勘違いするお姉ちゃんかわいい!)
憂「じゃあ明日、私がお地蔵様の所に行くね」
唯「何しに行くの?」
憂「(制裁的な意味での)お礼だよ」
唯「私も行くー」
憂「お姉ちゃん、起きれないよね」
唯「起きれるもん!」プンプン
憂「はいはい」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:31:17.65:XbB6gwh+O
唯「じゃあ憂、明日の為に早く寝よう!」
憂「そうだね、お姉ちゃん」
唯「じゃあ、おやすみー」
憂「おやすみ、お姉ちゃん」
こうして、二人は眠りにつきました。
そして、憂は唯より早く起きて外に出た。
憂(お姉ちゃん。悪い地蔵は、私がやっつけるからね)
早朝、峠から謎の悲鳴が響き渡ったが、唯は何も知らない。
オブツハ、ショウドクダー!
ギャー!
ヤッテヤルデスゥー!
唯「んー、むにゃむにゃ……えへへ」
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:37:15.26:XbB6gwh+O
とみ「おや、今日は左端のお地蔵様(さわ子)の姿がないわねぇ」
とみ「それに、みんな表情が強張って……あら、右から5番目(梓)のお地蔵様は、首がみんなと違って半回転してるわ」
とみ「不思議な事もあるものね」
とみ「もしかしたら朝の悲鳴、あれは鬼が何かやったんだわ」
とみ「唯ちゃんと憂ちゃんにも注意しときましょう」
尚、この事は鬼の仕業と言う事で丸く収まった。
もちろん、とみは憂が犯人だという事は知りません。
ちなみに、さわ子は未だに発見されていない模様。
~笠地蔵編・終~
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:51:43.58:XbB6gwh+O
~かぐや姫~
むかしむかし、竹取りの唯という人がいました。
唯「ロッカーはいつだってね “今”やんちゃ盛り♪」
ある日、唯は金色に輝く竹を見つけました。
唯「何かな?よし、切っちゃえ」スパッ
切り取った竹の中を見た唯は驚きました。
なんと、小さな女の子がいました。
?「おんぎゃー」
唯「うわー、どうしよう」アセアセ
唯「そうだ!憂に相談しよう」
子供を連れ帰って来た唯の姿を見て、憂は卒倒した。
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:53:49.42:XbB6gwh+O
月日は流れました。
二人は子供に「律」と名付けました。
律は異常なまでに早い成長を遂げていました。(胸以外)
唯「りっちゃん。可愛いね」ダキッ
律「よせやい」
唯「頭、撫でてあげる」ナデナデ
律「や、やめろ!」バッ
憂「やめなよ、お姉ちゃん」
律「そうだよ」
唯「ぶー」
三人の生活は楽しい事だらけでした。
何不自由なく、ただ時間だけが過ぎて行くだけでした。
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:56:33.31:XbB6gwh+O
そんなある日の事、平沢家に可愛い娘がいるという噂を聞き付けた、五人の若者が唯の家にやって来ました。
なんでも、律を嫁に欲しいらしい。
和「律を私にくれるかしら?」メガネ、クイッ
紬「りっちゃんを嫁に貰うのが夢だったのー」
梓「何言ってるんですかー。律先輩は私のです」
純「よく分かりませんが、来ました」
憂「じゃあ、純ちゃんは用無しだね」ニコッ
純(さりげなく酷い)シクシク
澪「おい、律は誰のモノでもない。私だけのモノだ!」
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 23:03:13.15:XbB6gwh+O
律「いや、お前のモノでも……」
和「何言ってるのかしら?律は私の嫁になるのよ」メガネ、キラーン
紬「わ、私のよー!」
梓「私のです。あと、唯先輩も欲しいです///」モジモジ
憂「おい中野。ちょっと表出ろや」ガシッ
梓「な、何すんの!はっ、離せー!無礼だぞ!!」ズリズリ、ジタバタ
憂「お姉ちゃんを欲しいと言うだけで無礼極まりないよ!本来なら切腹モノだよ!!」
梓「私は中野家の娘だぞ!天皇家直属だぞ」
憂「お姉ちゃんの前で自分の家の家柄なんて、トイレットペーパーと同じだよ!!」グイッ
梓「うわーん!!」バタバタ
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 23:05:13.84:XbB6gwh+O
律「なんか、憂ちゃん怖かったな」
唯「そうかなー」
澪「律!」バッ
律「うわっ!」
澪「律、お前は私のモノだ。さぁ、私の家に帰ろう」
和「何やってるの!?」
紬「ずるい澪ちゃん!」
澪「うるさい!律は誰にもやらん!!」
律「私はモノじゃねぇー!」
唯「りっちゃん、モテモテだね」
律「あのなー!」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 23:08:13.09:XbB6gwh+O
律「うーん。よし、じゃあ私が欲しいモノを持って来い!」
澪「じゃあ、私は私を献上する!」
律「やかましい!」
和「で、何を持って来ればいいの?」
律「そんなもん。私を嫁にしたいなら、自ずと分かるはずだ」
和「?」
律「感じろ……フォースを感じるんだ!」ゴゴゴッ
紬「はぅー」ハァハァ
澪「りぃつぅー!」ビクン
律「こらー!!」
律「もうなんでも良い!なんか持って来い!!」
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 23:13:48.61:XbB6gwh+O
和「じゃあ私、何か持って来るわ」スタスタ
紬「何かを……ハァハァ……持って……ハァハァ」スタスタ
澪「律。必ず私のモノにしてやる」スタスタ
純「あのー、私は?」
律「ん?用無しなら帰っていいぞ」
純「はい。帰ります」シクシク
唯「りっちゃん、あんなので良かったの?」
律「いいんだよ。ところで憂ちゃんは?」
唯「まだ、表じゃないかなー」
律「ふーん」
その後、梓の悲鳴が響いたのは、言うまでもない。
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 23:16:38.24:XbB6gwh+O
その日の夜。
律は月を眺めていました。とても綺麗な月です。
が、その表情はどこか寂しそうでした。
唯「りっちゃん、どうしたのかな?」
憂「月ばっかり見てるね」
唯「どうしたんだろうね」
律(はぁー、いつかは言わなくちゃな)
律(ただ、タイミングは大事だよな)
一方、梓は平沢家の門前で正座させられていた。
「私はいけない娘ですぅー」と立て札に書かれ、村人から晒者になっていた。
梓「ごめんなさい」ヒグッ
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 23:20:47.10:XbB6gwh+O
翌日。
律「よーし。私が欲しいモノを出してくれ」
和「私はこれね」
唯「『女の子らしく生きる方法』だって」
律「ふざけんなー!」ビリビリ
和「ちょっと!」
律「私は女だ!」
和「私の嫁になるなら、女の子らしくしなさい!」
和「今のままじゃ、まるで男ね。なんなら、私が調教という名の矯正を施そうかしら?」
和「律を見てると、いじめたくなるの。泣きそうな顔になると、そそるわー」
紬(SMなのね!)
澪「おい、律に手を出せるのは私だけだ!」
律「やっかましいわ!ほら、次!」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 23:23:47.02:XbB6gwh+O
紬「これなのー」
唯「『猿でも分かる。百合入門~初級~』だって」
律「なんじゃこりゃー!」ビリビリ
紬「はぅー」
律「確かに今の状況だと同性結婚させられそうだけど!」
紬「だから、百合を勉強して知識を……」
律「お前は自分の眉毛でオナニーでもしてろ!」
紬「じゃあ、そうするわ」ベリッ
紬「ハァハァ、ハァハァ///」
澪「百合だろうがレズだろうが、私が一夜漬けで教えてやる」
律「うっさいわ!ほら、次は澪だぞ!」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 23:29:03.37:XbB6gwh+O
澪「やっぱり律を一番理解してるのは私だな」
律「ほぉー」
澪「私はこれだ!」
唯「『媚薬』だって」
澪「そうだ。早い話、律は私だけを見てればいい。それで万事解決」
律「なんちゅー、自分勝手な!」
澪「律、さぁ飲め。私の愛が詰まった薬だ」
律「飲まねー!」
澪「なら、飲ませるだけ!」ダッ
律「澪。これじゃあ、レイプみたいじゃねぇか!」バッ
澪「関係あるか!百合もレズもレイプも似た様なものだ!」
澪「赤信号、みんなで渡れば怖くないの精神で問題解決!」ググッ
律「全然違うわボケ!ついでに、みんな撥ねられちまえ!」バッ
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 23:32:04.42:XbB6gwh+O
?「ねぇ、みんないるー?」
唯「ん?誰だろう」
憂「さぁ?」
和「あ、あなたは!?」
紬「ハァハァ」
澪「み、帝様!」
帝(みかど)とは、偉い人の事らしい。
さわ子「偉いも何も、偉いわよ!あと、エロいけど」エッヘン
律「威張って言う事かよ」
澪「帝様!何故こちらに」
さわ子「いやー、可愛い娘がいるから様子見に来ただけ。あと、梓ちゃんが泣いてたわ」
さわ子「んで、この娘かな?」
唯「ほぇ!」
憂「」ピキッ
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 23:34:17.08:XbB6gwh+O
さわ子「素材としては良いわね」ジロジロ
唯「///」
律「あのー?」
さわ子「なーに?」
律「可愛い娘は私」ニコッ
さわ子「ごめん。あんたは、ないわ」
律「」ガーン
澪「あぁ、律」
さわ子「よし、この娘を私の嫁にする」
唯「えぇー!」
さわ子「帝様の命令でーす。今日から私の……」
憂「おい」ガシッ
さわ子「えっ?」
さわ子「ひぃっ!」ビクッ
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 23:38:08.98:XbB6gwh+O
憂「貴様は大罪を犯した。よって、ここに死刑を宣告する」ゴォォー
さわ子「た、大罪!?」ガクブル
憂「お姉ちゃんは神。お姉ちゃんがいるからこそ、世界は存在する。それを貴様は気安く……」ゴォォー
さわ子「ご、ごめんなさい!」
憂「って、嘘ですよ」ニコッ
さわ子「えっ?」
憂「お姉ちゃんの可愛いさは罪ですから。みんな、罪を犯したくて仕方ないんですよ」
さわ子「そ、そうよね」パアァ
憂「だから。表で頭、冷やそうか」ニコッ
さわ子「」ガーン
憂「これで、梓ちゃも寂しくないね」ニコッ
さわ子「」ズルズル
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 23:41:58.48:XbB6gwh+O
その日の夜。
律はまた、月を眺めていました。
唯「りっちゃん、寂しそうだね」
憂「何かあったのかな?」
澪「あれは、恋だな」
和「間違いないわね」
澪「お前がなんでいる!えっと……わ?」
和「私の名前は『のどか』だ!『わ』とか『なごみ』とか言うな!」
紬「わちゃん」ハァハァ
和「まだオナニーしてるの?腐れ沢庵」
律「なぁ……」
唯「何、りっちゃん」
律「実はさ、言わなければならん事がある」
憂「なんですか?」
律「実は私、月の世界のお姫様なんだよねー」
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 23:44:21.83:XbB6gwh+O
一同「はいー!?」
律「黙ってて悪かった」
和「何を言うかと思えば……」
紬「まさかの」ハァハァ
憂「し、信じられません」
唯「りっちゃん、おかしくなった?」
澪「そ、それでも私は構わないぞ!律がなんであろうと、私のモノに変わりない」
律「あと、明日の晩。月から迎えが来るんだ」
唯「えっ?」
律「明日は満月だ。月と地球が唯一、繋がる日なんだ。だから、帰らなくちゃならないんだ!本当に急ですまん!!」
唯「りっちゃん……」
和「そうなんだ……」
紬「お別れは辛いわね」ハァハァ
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 23:56:37.12:XbB6gwh+O
憂「帰る場所があるなら、やっぱり帰るべき……」
澪「やだ!」
唯「澪ちゃん?」
澪「律が帰るなんて、こんなんじゃダメだー!」バタバタ
和「我が儘言わない!」
唯「気持ちは分かるけど」
紬「仕方ないかも」ハァハァ
律「澪……すまん」
澪「うわーん!!」バタバタ
その後も、澪は泣き続けたと言う。
平沢家の門前では、梓とさわ子が正座させられたままでした。
梓「……」シュン
さわ子「……」クスン
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 23:59:48.91:XbB6gwh+O
翌日の夜。とうとう、律が帰る時がやって来ました。
空には綺麗な満月が出ています。
律「澪……」
澪「なんだよー、バカ律ぅー」
律「すまんな」ナデナデ
澪「りつぅー」グスッ
紬「はぁー、律×澪。いや澪×律。もう、どっちでもいいや」ハァハァ
和「あんたは何やってんのよ?」ハァー
紬「わちゃんには分からないわ」
和「『わ』じゃねぇよ!『のどか』だよ!」
律「喧嘩すんなって」ヤレヤレ
憂(何か良い方法はないかな……)
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 00:05:52.06:XbB6gwh+O
唯「りっちゃん!」
律「唯、ありがとな」
唯「うんうん。私も楽しかったよ」ニコッ
律「ありがとな」ニコッ
憂「うーん」
律「憂ちゃんも、ありがとな」
憂「あっ、はい。いえ、お元気で」
シャランラ、シャランラ♪
澪「な、なんだ?」
律「来たんだよ、迎えが」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 00:09:28.19:+LTuIs8FO
空から牛車と使者がやって来ました。
風子「姫様、お迎えに来ました」
エリ「元気してますかー」
姫子「やっほー」
いちご「……ふっ」
律「あぁ、私は元気だ」
唯「あれが、月の人」
和「私達と変わらないわね」
紬「そうね」
律「心配かけて悪かった」
エリ「いえいえ。そうだ、姫様に弟が出来ましたよ」
律「なにー、私に弟だと!?」
いちご「……聡」
律「そうか。帰ったら、とりあえず挨拶代わりに……」
澪「律、行かないでくれ!」ダキッ
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 00:14:21.00:+LTuIs8FO
律「澪?」
澪「律、地球に残って」
律「ごめん。私にも家族があるから」
澪「唯達は家族じゃないのか!?」
律「もちろん家族だ。だけど、産んでくれた親は悲しんでるかもしれない」
澪「確かにそうだけど……」
姫子「『おお娘な。誰だっけ?』って、私達に冗談混じりに言ってたけどね」
エリ「私には『息子最高や!娘なんかいらんかったんやー』とも言ってたよ」
律「」
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 00:20:05.71:+LTuIs8FO
澪「なら律、帰らなくても……」
律「ふざけんな!」
澪「お、おい」
律「とりあえず帰って親殴りに行く!」
唯「りっちゃん!」
律「私の育児カプセルを誤って地球行きの宅配に出す親だぞ。ぶん殴らないと気が済まない!」
和「だからって、暴力はダメよ!」
律「離せコラ!」バタバタ
澪「離すもんか!」ダキッ
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 00:32:45.77:+LTuIs8FO
風子「そういえば、なんで姫様を誤って宅配に出したんだっけ?」
姫子「確か、なんかのチケットの応募券を出す予定が、間違えて……」
いちご「……AKB」
律「なんだそりゃー!!」
和「AKB。私も以前、オーディションに出たけど、落ちたわ」
律「そんなの、どうでもいいわー!!」バタバタ
澪「律、暴れるな!」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 00:35:46.20:+LTuIs8FO
唯「憂、どうしよ……」
憂「……」
唯「憂?」
憂「あっ、良い解決方法が浮かんだ」ポン
一同「?」
憂「私達も月に移住すれば良いんだよ」
一同「えっ!?」
さわ子「なんか騒がしいわね」
梓「ほんとです」
ドッカーン!ゴゴゴッ
さわ子「じ、地震!?」
梓「ち、違うです。あれです!!」
梓が指差すその先には、牛車と小型ロケットが月へ向けて飛び立つ瞬間でもありました。
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 00:43:15.66:+LTuIs8FO
唯「見て、地球だよー」
憂「綺麗だね」
律「にしても、凄い発想だな憂ちゃん」
憂「いえ、こうした方が丸く収まる気がして……」
エリ「牛車の乗り心地はどう?」
唯「うん。快適だよ」
風子「良かった。月まで、ゆっくりして下さいね」
唯・憂「はーい」
エリ「あれ、後方のロケットが月コースからの軌道を……」
唯「あっ、あの二人忘れた……まっ、いいや」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 00:44:34.27:+LTuIs8FO
澪「狭すぎるだろ。このロケット」
姫子「仕方ないじゃない。緊急用のロケットなんだし」
澪「てか、なんで唯と憂ちゃんは律と同じ牛車なんだよ」
和「あみだくじだから、仕方ないでしょ」
いちご「……狭い」
紬「狭い空間で五人が……」ハァハァ
和「あんたね」
紬「なーに、なごみちゃん?」
和「『なごみ』じゃねぇよ!『のどか』だよ!落とすぞ」
姫子「あぁ、暴れれんな!」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 00:53:03.44:+LTuIs8FO
エリ『姫ちゃーん。軌道からずれてるよ』
姫子「えっ、やばっ!」
和「な、何!?」
姫子「あんたらが騒ぐから、月コースの軌道から外れ始めてる」
澪「な、なんだって!?」
いちご「……」
姫子「修正可能だから、心配しないで」
澪「良かった」ホッ
その後、軌道修正したはずのロケットは、火星に不時着したらしい。
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 00:54:17.63:2TGJadMK0
それから月日は流れた。
今、一人の男が月に降り立とうとしていた。
男「ここが月。ようやく、来れた。長い年月の結晶……」
姫子「ようこそ、月へ」パーン
男「な、なんだ!?」
姫子「あなたは、私達以外で月に降り立った人類第一号です」
エリ「記念品に、この石を差し上げます」
男「えっ?」
律「おーい、どうしたー?」
姫子「地球からお客さんだよ」
律「なんだ。つか、その服脱いだら?」
男(宇宙服なし、だと……)
唯「りっちゃーん」
澪「律ぅー」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 00:58:45.15:+LTuIs8FO
男(な、ここは月なんだよな!?なんで、人間が!?)
和「月に人が来るなんて」
紬「珍しいわねー」
男「えっと、君達は……つか、宇宙服は?」
憂「そんなのなくても平気ですよ」ニコッ
男「」
男(そうだ……これは夢だ。宇宙服もなしに人間が……)
男(多分。厳しい訓練で疲れて……今頃、僕は自分の部屋で寝てるはず)
男(なら、こんな夢から覚めなくちゃ!)
男「じゃあ、僕は夢から覚めます!あなた達の事は、見なかった事にします」ダッ
男「お母さーん!僕は今から、地球に帰還しまーす」
ロケット、ファイヤー!
律「帰っちまったよ」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 01:01:33.70:+LTuIs8FO
澪「律、律、律ぅー」スリスリ、チュッチュッ
律「うぜぇー、やめろ澪!」
澪「なんだとー!?」
和「見てられないわ」
唯「そうだね」
律と澪は結婚してませんが、毎日、ラブラブです。
それでも、唯達は何不自由なく、仲良くみんなと月で暮らしています。
また、エリが男に渡した石が「月の石」として大阪万博で人気を博した事は有名な話である。
~かぐや姫編・終~
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 01:18:06.32:+LTuIs8FO
~一休さん~
むかしむかし、ある所に和と言う、とんちで評判の小僧さんがいました。
そんなある日、和の評判を聞き付けた将軍が、城に和を招き入れました。
和「真鍋和です」
?「来ましたね。さぁ、入るがよい」
和「あら、あなたが将軍なのね」
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 01:22:46.00:+LTuIs8FO
梓「そうなのです。私が将軍なのです!!」
梓「わっはっはー」
和「そう。じゃあ、帰るわね」スタスタ
梓「ま、待って下さい!」
和「あら、まだ何か?」
梓「用があるから呼んだんです!」
和「なら、早くしなさい」メガネ、クイッ
梓(ちっ、後で叩き斬ってやる!)
梓「コホン!えー、これはなんだと思いますか?」
和「そうね……猫の絵が描かれている屏風ね」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 01:24:57.59:+LTuIs8FO
梓「うむ。その通り」
梓「実を言うと、夜になると猫がこの屏風から飛び出して来て、悪さをします」
梓「なので、私は猫を懲らしめたいと思うのですが、いつも良い所で逃げられます!」グッ
和(何言ってるのかしらね)
梓「だから!」バンッ
梓「猫を捕まえて欲しい!」
和「はぁ」
梓「もちろん。捕まえたら褒美は出します!」
和(てか、屏風から猫なんて、どう考えても有り得ないけど……)
和(このままだと、帰れそうもないわね)
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 01:27:53.78:+LTuIs8FO
和「分かりました。その件、引き受けます」
梓「本当ですか!」パアァ
和「えぇ、でもちょっと待ってね」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チーン♪
和「そうね。まず、檻を用意してくれるかしら」
梓「檻を持ってくるです!」
和「それで、一晩待ってくれる?」
和「明日には、檻に屏風の猫が捕まっているはずよ」
梓「ま、待ってやるです!」
和(まっ、どう足掻いても屏風から猫なんか出ないんだけどね)
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 01:30:57.36:+LTuIs8FO
翌日
梓「んでんでんで~ にゃ~んで♪」
バンッ
梓「さぁ、捕まえた猫ちゃんはどこですか~」
和「あら、猫なら屏風にいるわよ」
梓「え~!捕まえたんじゃないですか!?」
和「屏風という名の檻にね」
梓「それじゃダメです!ちゃんと外に出た状態じゃないと」
和「あのね、屏風から猫が出るなんて、常識で考えても有り得ないわ」
梓「とんちで屏風から猫くらい……」
和「私はドラえもんじゃないのよ。そんなの無理ね」
梓「のび太のくせに……」ボソッ
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 01:36:23.85:+LTuIs8FO
和「のび太でも構わないわ。所詮、私は眼鏡キャラだから」
梓「……」ウルウル
和「じゃあ私、帰るわね」スタスタ
梓「こ……こ……」ウルウル
和「?」
梓「こんなんじゃダメですー!」バタバタ
和「な、何よ急に!」
梓「だって、和先輩のとんちで、屏風の猫ちゃん外に出したかったんだもん!!」ジタバタ
和「無理言わない!とんちは不可能を可能にするものじゃないわ!!」
梓「だって、猫ちゃん飼いたいもん!あずにゃん2号、飼いたいもん!!うわーん!!」バタバタ
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 01:38:52.74:+LTuIs8FO
和「あー、この娘は!?あんたは我が儘娘か!」
梓「うっさいです!褒美はやらないです!切腹しろです!眼鏡割ってやるです!!」バタバタ
和「目茶苦茶だわ……この国、終わったかも」
梓「私の命令は絶対ですー!さっさと、腹切れぇー!!うわーん!!!!」バタバタ
和「困ったわね……」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チーン♪
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 01:40:56.60:+LTuIs8FO
和「ちょっと待ってなさい!」
しばらくして、
和「ほら、猫よ。これでいいでしょ」
梓「わー!!猫だ、あずにゃん2号だ」パアァ
2号「にゃ、にゃあ?」
梓「わーい、わーい」
和「まるで子供ね……」フー
和(まっ、適当に軒先に居た猫を捕まえただけなんだけど……)
梓「あずにゃん2号、今日から私が飼い主だよ!」
2号「にゃーん」
和「まっ、いっか」
その頃、
純「おーい、何処行ったのー」
純「……」グゥ
純「……お腹空いた」
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 01:52:15.97:+LTuIs8FO
~~~
ある日、和は同じ小僧の唯と律と一緒に寺の掃除をしていました。すると、近所のおかみさんがやって来ました。
紬「ぼた餅作ったの、みんなで食べてね」ニコッ
唯「わーい」
律「いっただきまーす!」
和「じゃあ、いただく……」
ボキッ
唯&律「かってぇー!!」
和「な、何!?」
唯「か、固いよ、このぼた餅」
律「あー!これ、ぼた餅じゃなくて石じゃん」
和「嘘……あら、ほんとだわ」
律「おいコラ、テメェー!」
唯「ひどいよー」
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 01:54:27.91:+LTuIs8FO
紬「私、人を騙すのが夢だったの」
ボンッ
唯「あっ、狐だ!」
紬「捕まえてごら~ん」コーンッ
律「な、舐めやがって」グギギ
和「狐に化かされるとは……」
律「とりあえず、奴を捕まえて締め上げる!行くぞ、唯!!」
唯「合点だよ、りっちゃん!」グッ
狐の捜索を始める三人でしたが、狐を見つけることは、出来ませんでした。
律「ちくしょー!何処行った」
和「もう逃げたんじゃない」
律「くそっ!!」
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 01:56:13.94:+LTuIs8FO
さわ子「ちょっとみんな、大変よ!」
和「あら、和尚様だわ」
律「なんだよ、さわちゃん!」
さわ子「大変よ、本堂の仏像が増えたのよ!」
律「仏像が?」
和「どう言う事かしら?」
さわ子「とにかく、本堂に来て!」
さわ子に言われるがまま、三人は本堂に行きました。
するとそこには、本来なら一体しかない仏像が二体ありました。
和「これはまた……」
唯「私が本堂を掃除した時は一体しかなかったよ」
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 01:58:10.67:+LTuIs8FO
さわ子「あんた達、何かした?」
律「してないし。つか、狐を追って……」
律「分かった!どっちかは狐が化けてるんだ」
唯「そうなの?」
律「唯が掃除してる時は一体しか仏像はなかったんだろ?」
律「それに、仏像を一人で運ぶのは私達では無理だ。更に言うと、あの仏像と瓜二つの仏像があるのは、絶対に有り得ない!」ビシッ
紬(しまった。この仏像はこの世に一つとない仏像なのね!?)
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 02:01:12.91:+LTuIs8FO
さわ子「そりゃ、各パーツを中古市で適当に見つけて、適当に組み立てたから、あんな仏像他にはないけど」
和「それに、あの仏像の顔、何回変わった事か」
唯「だって、あれの方が可愛いんだもん」
紬(……いつか仏罰が下るわね)
律「なら話は早い。ぶっ壊してやる!」
和「律、待ちなさい。壊したら、また掃除しなきゃならないのよ」
律「大丈夫だって、頭を吹っ飛ばすだけだから」
唯「そうだよ。頭が壊れて力が出ない~」
さわ子「アンパンマンみたいね」
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 02:02:39.88:+LTuIs8FO
律「よーし、早速……」
和「待ちなさい!」グイッ
律「ぐへっ!」
和「なるべく穏便に済ませましょう……唯、仏像に尻尾はあるかしら?」
唯「うんとねー、ないよ」
紬(当たり前じゃない。化けるのは天才的なのよ)フンス
和「そう……なら」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チーン♪
和「だったら、こうしましょう……集まってくれるかしら?」
ヒソヒソ、ボソボソ
紬(あら、内緒話)
紬(聞こえないわね)
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 02:09:04.13:+LTuIs8FO
律「なっ///」
唯「えっ///」
和「それでお願いね」
律「いやいや、なんでそうなる!?」
唯「///」
さわ子「面白そうね」
律「面白がるな!」
和「私の言う通りにやれば、必ず上手く行くわ」
律「なんか納得いかないけど……」
和「つべこべ言わず……ほら」
唯「りっちゃん、よろしくね」
律「あ、あぁ」
紬(あら、何か始まるようね)
紬(何かしら)ワクワク
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 02:13:22.27:+LTuIs8FO
律「唯、前からお前の事が好きだったんだ!」
紬(!!)
唯「でも、りっちゃんには澪ちゃんが///」
律「澪の事はどうでもいいんだよ!あれはただのホルスタインだ」ダキッ
唯「り、りっちゃん///」
律「ほら、身体は正直じゃねぇか」サワサワ
唯「や、やめてよー」
紬(な、なんという展開でしょうか!?)
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 02:17:28.98:+LTuIs8FO
律「唯、いいだろ!もう我慢出来ない!!」
唯「でも、仏様の前だよ。罰が当たるよ」
律「私達の愛に、仏もクソもあるか!あんなのな、ただの置物なんだよ!!」バンッ
唯「お、押し倒すなんて!!」
律「おっと、もっとソフトが良かったか?」
唯「い、いや!その」
律「じゃあ、行くぜ。私はもう、止まれない」
唯「澪ちゃん、ごめんなさい」ポロポロ
紬「キマシタワー!!」
ボンッ
律「あー、正体見せやがったな!」
紬「正体なんかどうでもいいの!」
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 02:19:49.56:+LTuIs8FO
紬「やるのね、やるのね!つか、はよやれやデコ!!」
律「何言ってんだ!」ポカッ
紬「はぅ!」
律「よし唯、縛り上げろ!」
唯「おっけー、りっちゃん!」
紬「あぁ、縛りプレイなのね」ハァハァ
律「変な事言うな」
和「成功したみたいね」
さわ子「あんた達、アドリブで良くやるわね。見てるこっちが恥ずかしいわ」
律「いやー、なんとなく」アハハ
唯「もう少しで貞操が///」
律「奪わねぇよ」ポカッ
唯「はぅ!」
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 02:23:14.30:+LTuIs8FO
さわ子「それにしても、よく思い付いたわね」
和「この狐は『ムギツネ』と言う珍種で、女の子同士の絡みに反応するって、文献で読んだ事があります」
和「と言っても、ムギツネという確証はなく、思い切って博打に出ただけなんだけど」
律「とんちじゃねぇじゃん」
和「律、人間は常に博打をしながら生きてるものよ」
律「そういうもんなのかねぇー」
和「それに、律の本性が垣間見たのには驚きだわ」
律「うっせぇー」
和「まっ、もしダメだったら、普通にぶっ壊してたけどね」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 02:27:02.24:+LTuIs8FO
律「だったら、最初から私の案で良かったじゃん。何も唯との絡みを披露しなくても」
和「それはそれ、これはこれ。分かった?」
唯「はーい」
律「なんか上手く丸め込まれたような……」
和「さて、あなたはどうする?」
紬「律×唯」ハァハァ
和「ダメね。後で山に捨てに行きましょう」
紬「百合はええのー」ハァハァ
唯「和ちゃん、お腹空いたー」
和「そうね。もうすぐ夕飯時だから、ご飯にしましょう」
さわ子「あっ、ご飯炊くの忘れてたわ」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 02:28:53.87:+LTuIs8FO
律「よーし、今日は外食だー!」
唯「おー!」
和「いいのかしら?」
さわ子「いいのよ、めんどーだし」
和「はぁ」
紬「ご飯はおかず」ハァハァ
こうして、一騒動は終幕した。
澪(私も狐に化かされて、律と××したい!)
澪(あと、ホルスタインって///)サワサワ
憂(お姉ちゃん……)
ちなみに、紬は山に捨てられた。
純「おーい、猫!」
純「もう何日も帰らないとか……」
純「……」グゥ
純「お腹空いた」
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 02:51:02.85:+LTuIs8FO
~~~
ある日、和尚のさわ子は小さな容器を大切そうに持っていました。
その様子を小僧の唯と律は目撃しました。
律「なぁ、あれなんだと思う?」
唯「なんだろ」
律「答えはな、水飴だ」
唯「水飴!」
律「あぁ、さわちゃんは水飴を一人占めする気だぜ」
唯「えー、ずるくない!?」
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 02:55:17.35:+LTuIs8FO
律「だよな。よし、問い詰めよう」
律「おい、さわちゃん!」
さわ子「何?」
律「私達に隠し事ないか?」
さわ子「はぁ?あるワケないでしょ」
律「やっかましい!こちとら、ネタはあがってるんだよ」バンッ
さわ子「えっ、えぇ?」
唯「さわちゃんさ。あの容器だよ」
さわ子「容器……あぁ、あれね。あれがどうしたの?」
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 02:59:43.84:+LTuIs8FO
律「あれを一人占めする気だろ?」
さわ子「はぁ?」
律「大丈夫。和には黙っててやるよ」
さわ子「?」
律「だからよ、その中身を私達にも分けてくれないか?」
さわ子「分けてって、ダメよ。後で必要なんだから」
律「それを今、私達が必要としている!」
さわ子「ワケ分かんないわね。あっ、これから秋山屋さんの所に行かなきゃ」
律「逃げんのか!?」
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 03:05:45.77:+LTuIs8FO
さわ子「逃げないわよ。じゃあ、私行くからね」
唯「さわちゃん!」
さわ子「それと、容器の中身は勝手に出さないでね。後で処理が面倒だから」スタスタ
律「行っちまいやがった……でも、処理が面倒って事は」
唯「水飴だね。あれ、ベタベタしてるもん」
律「そーゆー事だ。容器はさわちゃんの部屋だ」
唯「取りに行こう!」ダッ
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 03:10:09.14:+LTuIs8FO
二人はさわ子の言い付けを破りました。
律「へっへーん。水飴、ご開帳~」カパッ
唯「うわっ、なんか臭うよ」
律「あれだろ。きっと高級品なんだろ」
唯「あぁ、果物の王様も臭いもんね」
律「それと同じ理屈だ。よーし、出すぞ」
ドロ~リ
律「見てみ、この透明さ」
唯「間違いなく水飴だね」
律「よし、分けるぞー」
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 03:13:19.00:+LTuIs8FO
律は水飴なるものを均等に分けました。
律「んじゃ、いっただきまーす」パクッ
唯「はむはむ」
律「なんか、微妙だなおい」
唯「うん。良く食べる水飴より、甘くない」
律「きっと、庶民の私達に高級品は理解できないという事か……」
唯「とりあえず、食べちゃおう」
二人は水飴なるものを完全に食べ尽くしました。
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 03:20:28.08:+LTuIs8FO
一方、和は買い物に出かけて、ようやく寺に戻って来ました。
和(はぁ、井戸端会議も疲れるわ)
ガラッ
和(あら、唯と律がいないわね)
和(和尚様は確か、澪の所に行くって……)
和「唯ー、律ー、何処にいるの?」
唯「ここだよ、和ちゃん」
和(あそこは、和尚様の部屋ね)
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 03:25:20.95:+LTuIs8FO
和「何やってるの……って、マジで何やってるの?」
唯「水飴食べてたの」
律「和の分はないけどな」ニシシ
和「別にいいけど……てゆーか、水飴食べて虫歯にならないでよ」
律「歯のケアはばっちり!」
和「ふん。でも、なんか臭うわね」クンクン
唯「高級品の水飴だからだよ」
和「えっ、高級品の水飴って臭いもんなの?」
律「果物の王様が臭いのと、同じ原理だよ」
和(何それ)
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 03:32:58.14:+LTuIs8FO
和「ねぇ、それって本当に水飴なの?」
律「だから、そうだって」
和「なんか変な感覚とかはない?」
唯「そういや、舌がバリバリする」
律「唯もか。私も舌がもバリバリするぞ。いや、パリパリか?それに、舌と歯がたまに引っ付く」
和(バリバリする。引っ付く)
和「あんた達、もしかして……」
さわ子「たっだいまー」
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 03:36:46.41:+LTuIs8FO
律「やべっ、さわちゃんだ」
唯「ど、どうしよう!」
律「和!ここは、いつものアレで」
和「えぇ!?」
唯「お願い、和ちゃん」ウルウル
和「あーもう、仕方ない!」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チ~ン♪
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 03:41:23.72:+LTuIs8FO
和「これだ!」ダッ
律「お、おい!それって、さわちゃんの大事な壺」
唯「ど、どうするの?」
和「こうする。ふん!」ガシャーン
律「あー、さわちゃんの大事な壺を割りやがった!」
唯「和ちゃん!!」
和「いいから。あんたらは、泣く準備でもしてなさい!」
律「なんで?」
さわ子「ちょっと、何よ今の音!!」
和「いいから、ふんっ!!」ガツン
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 03:45:27.91:+LTuIs8FO
唯・律「あんぎゃー!!」
律「み、澪のより痛い!」
唯「うぅー」
和「いい、泣いてなさいよ!」
さわ子「一体、何事……って、これは?」
さわ子が見たのは、自分の大切な壺が無残に割れ、唯と律が号泣し、和が容器の中身を舐めている光景でした。
和(正確には、舐めるフリね)
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 03:50:27.49:+LTuIs8FO
律「うわーん」バタバタ
唯「うぇーん!!」
さわ子「これは一体……」
和「申し訳ありません。和尚様」
和「和尚様が大事にしてる壺を私達の不注意で割ってしまいました」
さわ子「えっ?」
和「なので、私は和尚様の謝罪の意味を込め、死のうと容器の中身を舐めてますが、死ねません」グスッ
さわ子「えっと……」
和(容器の中身で死ねりゃ、苦労しないわね)
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 04:05:55.62:+LTuIs8FO
唯「さわちゃん、ごめんなさい!」
律「私達、死んで詫びるから!」
和(少し、大袈裟過ぎるかしら)
さわ子「バカね。あんた達」ニコッ
さわ子「あんな壺、あんた達の命と比べたら屁でもないわ」
和(おや?)
さわ子「いい、壺はまた買えばいいの。でも、あんた達の命は買えないのよ。いくらお金を出しても買えないの」
さわ子「だから、軽々しく死ぬとか言っちゃダメよ」
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 04:12:26.37:+LTuIs8FO
さわ子「いい?」ナデナデ
律「私達を……許してくれるのか?」
さわ子「許すも何も、今の私は和尚です。そして、小僧である三人は、私にとっては大切な娘も同然です」
唯「さ、さわちゃ~ん」ポロポロ
さわ子「ほら、みんなおいで」バッ
唯・律「さわちゃん!」ダキッ
唯・律「うわーん」
和(なんか、予想外な展開ね)ポリポリ
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 04:17:37.39:+LTuIs8FO
さわ子「和ちゃん。あなたもどう?」
和「えっと///」ポリポリ
和「キャラに合わないというか……」
さわ子「今日くらい、いいんじゃない?」
和「……では、お言葉に甘えます」ダキッ
和(こういうのも、ありよね)
和はしばしの間、さわ子に甘えた。
普段、甘えるようなキャラでない和にとって、それはとても新鮮な気分だった。
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 04:23:20.90:+LTuIs8FO
さわ子「ところで、何を舐めてたの?」
和「和尚様が持っていた容器の中身です」
さわ子「あぁ、りっちゃんが欲しがってたやつね」
律「てへへ」
さわ子「でも、あれで死ねるもんなの?」
和(まずい)
律「ま、まぁ……いいじゃんか!」
唯「そ、そうだよ!」
さわ子「ふーん。あぁ、そうそう。りっちゃんの為に、あれ買って来たわよ」
律「あれ?」
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 04:32:55.38:+LTuIs8FO
さわ子「もう、りっちゃん欲しがってたじゃない」
律「あぁ、あれね」アセアセ
さわ子「今日、澪ちゃんの所に行ったから、ついでに買っておいたわよ」
さわ子「とんちゃん印の水糊・工作用」
唯・律「へっ?」
さわ子「その容器にあったやつよりも、臭いは数倍キツいけどね。これが欲しかったんでしょ。でも、臭いでラリっちゃダメよ」
律「み、みず……のり?」
唯「み、水飴じゃないの?」
和(あちゃー)
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 04:39:18.05:+LTuIs8FO
さわ子「水飴って?」
唯「だ、だって……りっちゃんが」
律「あれ、水飴じゃ……ないの?」
さわ子「はぁ?そんなの、一言も言ってないわよ」
律「えっと……つまり?」
和「早い話が、律のはやとちりね。ただ、あの臭いで糊なのは把握してたけど、和尚様が帰って来て、言ってる暇が」
律「ゆ、ゆい~」スタスタ
唯「り、りっちゃ~ん」スタスタ
さわ子「おい、何処に行く気だ」
121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 04:52:37.82:+LTuIs8FO
律「ちょ、ちょっと」ガクブル
唯「ト、トイレ」ガクブル
ガシッ
さわ子「テメェらに使わすトイレは……ウチにはねぇんだよ!!」
唯・律「ひぇー!!」
その後、二人はさわ子同伴で病院に行った。
糊を落とすのに時間が掛かった。
医者はなんとか、糊を落とすのに成功し、口内やら食道やらを洗浄した。
そして、やっぱり二人にさわ子の雷は落ちた。
壺の件より、さわ子の服に糊が付いたのが許せなかったそうで、修行の意味も込め、外国に飛ばされた。
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 05:09:08.33:+LTuIs8FO
梓母「梓、早く寝なさい」
梓「はーい。一緒に寝ようね、あずにゃん2号」ナデナデ
2号「にゃーん」
梓「くぅー、可愛いです!やっぱり猫ちゃん最高です!」ダキッ
2号「にゃ、にゃーあ」
梓「将軍は、偉大なのです!」
梓「わっはっはー」
紬(梓×2号……需要がないわね)
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 05:34:48.92:+LTuIs8FO
~~~
ある日、和と唯と律の三人は町に来ていた。
律「もう修行はやだ」
和「何やったのよ」
律「あん?トロッコに乗った。そんで吐きそうになった」
和「はぁ?」
唯「あと、釣り橋から落ちてワニに食べられる人を見た」
律「あの先生、非常識だらけだったなー」
唯「でも、あの人にとっては常識らしいよ」
和「あんた達、それ修行なの?」
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 05:47:11.40:+LTuIs8FO
律「そうじゃね?まぁ、澪の土産話には丁度いいだろう」
唯「だねー」
和「ふむ」
本日、三人は律の幼馴染み、秋山屋の娘・澪に招待されました。
なんでも、律が構ってくれなくて寂しいそうです。
それもそのはず、律は唯と共に修行に出ていたからなのです。
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 05:49:32.03:+LTuIs8FO
しかし、ここである問題が発生しました。
秋山屋の手前に木製の橋がありますが、橋に立て札が立てられていました。
唯「この橋、渡るべからず……だって」
和「あら、この橋は渡れないって事ね」
唯「じゃあ、回り道する?」
律「めんどいなー、隣りの橋まで一キロは離れてるぞ」
和「面倒な土地ね」
律「トロッコがあればなー」
和「あるワケないでしょ」
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 05:53:19.62:+LTuIs8FO
秋山屋は、材木問屋である。
その秋山屋では
梓「私が将軍なのです!わっはっはー」
澪「はいはい。騒ぐなら帰れ」
梓「酷くないですか?私は将軍ですよ。今日は材木を買いに来たんですよ」
澪「気のせいだよ。将軍様は疲れてるんだ」
梓「酷いよねー、あずにゃん2号」
2号「にゃー」
梓「あずにゃん2号が酷いと言ってます。切腹しろです!」
澪「たい焼き食べるか?」
梓「食べるです、さっさと寄越すです!!」バッ
澪(はー、律と××したい)
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 05:56:42.36:+LTuIs8FO
和達はと言うと、
律「なぁ和、何とかして渡る方法ないのか?トロッコないし」
和「隣りの橋まで行くしかないわね。いい加減、トロッコから離れなさい」
律「えー、それじゃあ時間掛かるよ。ここは、和のとんちで」
唯「和ちゃん、お願い」
和「もう……まぁ、澪を待たせるのも悪いわね」
和「仕方ない」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チーン♪
和「そうね。橋を渡るべからず……橋の『端』を通らなければいい」
和「つまり、橋の『中央』を渡ればいいわ」
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 05:59:31.98:+LTuIs8FO
律「よーし、じゃあお先にー」ダッ
唯「あっ、りっちゃん!」
律「へっへーん……うぉっ!」ズボッ
ザブーン!
唯「あっ、りっちゃんが落ちた!」
和「これはまた……」
憂「あーあ、まだ橋の工事の途中なのにー」
そこに現れたのは、唯の妹の憂。
大工である。
唯「あっ、憂」
憂「お姉ちゃん、和さん。こんにちわ」
和「あら、工事中だったの?」
憂「はい。立て札を立てたのですが……」
律「おいコラ!工事中なんて聞いてないぞ」
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 06:02:04.12:+LTuIs8FO
唯「りっちゃんの声がする」
和「浅い川だったのね」
憂「律さんが落ちたのですか……バカですね」
唯・和「……」
律「コラァー!聞こえてるぞ」
憂「うるさいんだよ、デコ!」
律「……」
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 06:07:40.57:+LTuIs8FO
憂「全く……立て札も読めないとは」
律「いや、だって和が……」
憂「それに、お姉ちゃんの貞操まで奪おうとして!」
律「それも和が……」
憂「人のせいにしちゃいけません。めっ!!」グッ
律「うわーん、ごめんなさーい!」
憂「お姉ちゃんに糊を食べさせた事、私は許しませんからね!」
律「うわーん!!」
和「……」
唯「の、和ちゃん……」
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 06:08:51.88:+LTuIs8FO
和「唯、人間は常に博打をしながら生きてるものって、以前、言ったわよね」
唯「う、うん」
和「今回、律は博打を打って大失敗した。ただ、それだけよ。もちろん、それ以上も以下もないわ」
唯(つっこむべきかなぁ?)
和「じゃあ、隣りの橋まで歩きましょう」
唯「えっ、りっちゃんは?」
和「あのまま、川を真っ直ぐ歩いた方が近いでしょ」
唯「う、うん」
憂「めっ!」グッ
律「うわーん!!不幸だー!!!!」
135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 06:11:46.71:+LTuIs8FO
和「唯、今回は『急がば回れ』の教訓よ。覚えておきなさい」
唯(どっからそんな言葉が出たんだろう)
和「返事は?」
唯「は、はい!」
和「そう。じゃあ、行きましょ」
唯(逆らったら、負けだね)
その後、秋山屋に唯と和が到着するまで、律は憂の説教を受けたらしい。
純「もう……猫が……何処行ったの」
梓「私が将軍なのです!わっはっはー」
純(いかにもアホそうな将軍だなー)
純(あれが将軍だと、この国に未来はないよね)
136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 06:17:42.71:+LTuIs8FO
純「ウチの猫が、あんなアホ将軍に拾われているワケないか……所詮、アホ将軍だし」
梓「たい焼き、うめぇーです」
澪(律と××したいよぉ)
澪「律ぅー、お前は私のモノだぁー」
純(あの女の人もヤバそうだね)
純「はぁー」
純「……」グゥ
純「お腹空いた」
純「帰ろ」
梓「あずにゃん2号、行くです!」
2号(マジで帰りたいわ。将軍がアホやから、なんもでけへん)
その後、純が猫を見つけ出す事は出来なかった。
137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 06:21:12.93:+LTuIs8FO
律「和!」
唯「和ちゃん!」
憂「和さーん!」
和「はーい」
和「何事も慌てないことが重要ね」
和「あと、私の事を『わ』とか『なごみ』って言わないでね」
和「じゃあ私、一休みするわね」
~一休さん編・終~
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 06:39:35.26:+LTuIs8FO
唯「……これで、私が創作した『おとぎ話!』の発表を終わります」ペコッ
パチパチパチパチ
和(よく出来てたけど、おとぎ話なのかしら?)
律(ツッコミ満載な作品だな、おい。私の扱い酷くね?)
澪(は、恥ずかしい///)
紬(いいですわー。百合最高やわー)
教師「では、平沢さんの作品について、質問はありますか?」
いちご「……」スッ
唯「はい、いちごちゃん!」
いちご「……律は激しいのがお好きなの?あんなに迫られたら……興奮するわね」
律「ぶー!!」
紬「あらあら」
澪(律ぅー)
141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 06:41:56.97:+LTuIs8FO
風子「秋山さんの独占欲の強さには……」
唯「大丈夫!みんな、計算済みだから!これが正常ですから!」
律・澪「おい!」ガタッ
エリ「はい!真鍋さんの下の名前が『のどか』だと初めて気付きました!」
和「今頃なの!?」ガタッ
信代「普段、名字で呼ぶし」
アカネ「名簿見た時は、わ?」
しずか「なごみちゃん?」
和「おお、もう……」ガクッ
姫子「お、落ち込まないで、真鍋さん!」
バンッ!
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 06:44:21.98:+LTuIs8FO
教師「あら、山中先生」
さわ子「平沢さん。私の扱い、なんか酷くない?」
唯「そうかなー」
さわ子「酷いわよ!何よ、行方不明とか正座とか!」
さわ子「私を舐めてるワケ?」
教師「山中先生、落ち着いて!」
さわ子「平沢さん!即刻、訂正しなさい。さもないと……」
憂「だったら、なんですか?」
さわ子「!?」
憂「さわ子先生、お姉ちゃんを苛めるんですか?」ゴォォー
さわ子「いや、これはね。ちゃんとした教育の一環で……」
憂「ふーん。そうですか」ニコッ
143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 06:47:11.95:+LTuIs8FO
憂「屋上行きませんか?久しぶりにキレちゃいましたよ」ニコッ
さわ子「」ガシッ
さわ子(私の人生、詰んだわ。さよならお父さん、お母さん)ズルズル
バンッ!
風子「ひ、平沢さんの妹さんを怒らせたら怖い……」ガクブル
いちご「……それが結論ね」
教師「し、質問はこれくらいにしましょう」
教師「平沢さん。あなたの話、とても良かったわ。途中でキャラ崩壊してたけど」
唯「はい!ありがとうございます」
144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 07:00:09.95:+LTuIs8FO
教師「ちょっと、エッチな部分もあったけど、まさかあれは……経験済みなの?」
唯「りっちゃんに押し倒された部分だけは実体験で、あとはムギちゃんに教えて貰いました!」
律「おいー!!」バンッ
紬「まあ///」
エリ「そうなんだ!」
律「あっ、いや……」ガシッ
澪「律」
律「ひぃっ!」
澪「どういう意味か説明しろ」ゴォォー
律(や、やばい!)
澪「あと、私がホルスタインだと!?」
145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 07:05:03.47:+LTuIs8FO
律「そ、それはだな……」
澪「あぁ!?」ギロッ
律「ゆ、唯に頼まれ……」アセアセ
唯「りっちゃんに押し倒されました!」
律「ゆいー!!」
澪「ふざけんなよ、バカ律!私ですら、お前に押し倒された事ないのに!」
紬「まあまあ」ボタボタ
和「わ……なごみ……ふふっ」
ピンポンパンポーン♪
教師「あら、授業中に放送なんて……」
憂『三年二組の田井中さん。至急、屋上まで来てください』
憂『キレちゃったからよー!さっさと来いやぁー!!』
ブチッ
147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 07:09:30.06:+LTuIs8FO
一同「……」
律「おお、もう……」ガクッ
澪「行こうか、律。閻魔様がお待ち兼ねだ」グイッ
律「一番悪いのは唯じゃんか!バカだろ!バカとしか言えねぇー」ズルズル
澪「往生際が悪い!」ゴチン
律「あんぎゃー!!」ズルズル
バンッ!
この後、さわ子と律の処刑の模様は、放送を通じて学校中に流された。
それにより、トラウマになった人がいるとか、いないとか
唯「みんなでお話、作ろうよ!」
~唯「おとぎ話!」・完~
148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 07:11:18.01:QULVopMkO
ところが、町へ出て笠を売ろうとしても、一向に売れる気配はありませんでした。
唯「売れないや……」
もう少し粘ろうと思いましたが、雪が強くなって来たので、唯は諦めて帰り支度をしました。
唯(憂が心配するから帰ろう!)
家に近付き始めた頃、雪は強くなりかけていました。
唯(うー、早く帰ろ)
唯「あっ、お地蔵様!」
唯が目にしたのは、峠にある七体の地蔵でした。
唯「こんなに雪が積もって、寒いね。頭の雪、どけてあげるね」パッパッ
唯「んー、でもすぐに積もるな……そうだ!」
唯「笠を頭に乗せればいいんだ」
唯は商品の笠を地蔵の頭に乗せてあげる事にしました。
ちなみに地蔵は右側から和→律→澪→紬→梓→純→さわ子の並びである。
唯「んしょ、んしょ」
唯は持っていた五つの笠を右側の地蔵から順に(和・律・澪・紬・梓)、頭に乗せました。
唯「あっ、もうないや……私の笠あげるね」
唯は自分が被っていた笠を純の頭に乗せました。
唯「はっ、もう一体いた……」
唯「うーん。私の手ぬぐいあるけど、これは憂が作ってくれたものだし……」
唯「うん。帰ろう!」
唯「うんたん♪うんたん♪」
さわ子「」
さわ子(……酷い)シクシク
唯は家路につくと早速、憂に地蔵の話をしました。
憂「お姉ちゃん、優しいね」ニコッ
唯「てへへ」
憂「もしかしたら、恩返しに来るかもね」
唯「だったらいいなー」
一方、峠では
律「よーし、笠のお礼をしにいくぞー」
澪「あぁ、あの人には感謝だな」
和「そうね」
紬「私、誰かにお礼するのが夢だったのー」
梓「やってやるです!」
純「あれ、誰かいない」
さわ子「なんで、なんで私にだけ笠がないのよ!」シクシク
律「泣くなよ、さわちゃん」ポンポン
さわ子「泣きたいわよ!」
紬「あらあら」
梓「やってやるです!」
地蔵一行は、籠にありったけの食材を詰めて、唯の家の前までやって来ました。
律「よし、じゃあ家の人に会うか?」
澪「いやいや、私達は地蔵だぞ。家の人が見たら卒倒するぞ」
和「じゃあ、手紙でも書いとく?」
紬「それいいかもー」
純「私、紙とペンあり……」
さわ子「おらー!出て来いやー、サツガイすんぞコラァー!」ドンドン
律「さわちゃん!!」
梓「やってやるです!」ドンドン
純「あずさー!!」
澪「おい!あんまり騒ぐと……」
憂「どなたですかー?」
和「まずいわ。隠れましょ!」スタコラピー
ガタッ
憂「誰も……いないね。風の音かな?」
バタン
律「ふぅー。さわちゃん、頼むから静かに」
さわ子「ぶーぶー」
純「ほら梓、あんたも」
梓「……」シュン
紬「は、早く書きましょ」アタフタ
律「だな」
澪「あぁ」
地蔵達は各々、唯への感謝の気持ちを一言、手紙に書いた。
律「よし、これで籠を置いて……完了だ」
和「それじゃ、帰りましょうか」
澪「そうだな」
律「帰るか」
紬「よいお年を」
純「風邪引かないでね」バイバイ
梓「……」
さわ子「なんか、納得いかないわ」
律「えっ?」
さわ子「やっぱり出て来いやー!!」ドンドン
律「ひぃー、さわちゃん!!」
梓「こんなんじゃダメです!」ドンドン
純「このバカタレー!!」
バンッ!
憂「やかましいわ!サツガイしたろかコラァー!!」
一同「ひっ!」ビクッ
憂「さっきから何、人んちの戸、叩きまくっとるんや?」
憂「地蔵風情が舐めたらアカンで!」
律「あわわわわわ」ガクブル
憂「なんやったらあんたらの首、半分だけ回したろか!?」クイッ
一同「す、すいませんでしたー」スタコラピー
憂「ほんま、最近の地蔵はアカンなー。あら、ヤキいれたらな……」
唯「憂ー、どうしたの?」
憂「あっ、あのね。お地蔵様が来てたみたいだけど……」
憂「私を見たら驚いて帰っちゃった」テヘッ
唯「えー、いいなー。私も見たかったなー」
憂「ご、ごめんねー。次来たら、一緒に見ようね」
唯「あっ、その籠は何かな?」
憂「これ……うわぁ」
唯「食材だよ!これだけあれば、年を越せるよ」
憂「やっぱり、お姉ちゃんが良い事したからだね」
唯「いやー、それほどでもぉ」
憂「あっ、手紙があるよ。お地蔵様のかな?」
唯「きっとそうだよ」
唯「ねぇ、読んでみようよ!」
憂「そうだね!」
律『笠、ありがとな!これで風邪を引かずに済むぜ』
澪『頭が冷えてたので助かりました』
和『ありがとう、良いお年を』
紬『百合はいいですよー』
純『もっと目立ちたい!』
憂「うーん。上三つは理解できるけど、下二つは……」
唯「まだ続きがあるよ」
憂「うん」
さわ子『テメェーのヴァージン奪ったろか!』
梓『奪ってやるです!』
憂「……」ピキッ
唯「どういう意味だろう?」
憂「た、多分!ありがとうの最終形態じゃないかな!?」
唯「そうかー、感謝されてるんだー」ニンマリ
憂(勘違いするお姉ちゃんかわいい!)
憂「じゃあ明日、私がお地蔵様の所に行くね」
唯「何しに行くの?」
憂「(制裁的な意味での)お礼だよ」
唯「私も行くー」
憂「お姉ちゃん、起きれないよね」
唯「起きれるもん!」プンプン
憂「はいはい」
唯「じゃあ憂、明日の為に早く寝よう!」
憂「そうだね、お姉ちゃん」
唯「じゃあ、おやすみー」
憂「おやすみ、お姉ちゃん」
こうして、二人は眠りにつきました。
そして、憂は唯より早く起きて外に出た。
憂(お姉ちゃん。悪い地蔵は、私がやっつけるからね)
早朝、峠から謎の悲鳴が響き渡ったが、唯は何も知らない。
オブツハ、ショウドクダー!
ギャー!
ヤッテヤルデスゥー!
唯「んー、むにゃむにゃ……えへへ」
とみ「おや、今日は左端のお地蔵様(さわ子)の姿がないわねぇ」
とみ「それに、みんな表情が強張って……あら、右から5番目(梓)のお地蔵様は、首がみんなと違って半回転してるわ」
とみ「不思議な事もあるものね」
とみ「もしかしたら朝の悲鳴、あれは鬼が何かやったんだわ」
とみ「唯ちゃんと憂ちゃんにも注意しときましょう」
尚、この事は鬼の仕業と言う事で丸く収まった。
もちろん、とみは憂が犯人だという事は知りません。
ちなみに、さわ子は未だに発見されていない模様。
~笠地蔵編・終~
~かぐや姫~
むかしむかし、竹取りの唯という人がいました。
唯「ロッカーはいつだってね “今”やんちゃ盛り♪」
ある日、唯は金色に輝く竹を見つけました。
唯「何かな?よし、切っちゃえ」スパッ
切り取った竹の中を見た唯は驚きました。
なんと、小さな女の子がいました。
?「おんぎゃー」
唯「うわー、どうしよう」アセアセ
唯「そうだ!憂に相談しよう」
子供を連れ帰って来た唯の姿を見て、憂は卒倒した。
月日は流れました。
二人は子供に「律」と名付けました。
律は異常なまでに早い成長を遂げていました。(胸以外)
唯「りっちゃん。可愛いね」ダキッ
律「よせやい」
唯「頭、撫でてあげる」ナデナデ
律「や、やめろ!」バッ
憂「やめなよ、お姉ちゃん」
律「そうだよ」
唯「ぶー」
三人の生活は楽しい事だらけでした。
何不自由なく、ただ時間だけが過ぎて行くだけでした。
そんなある日の事、平沢家に可愛い娘がいるという噂を聞き付けた、五人の若者が唯の家にやって来ました。
なんでも、律を嫁に欲しいらしい。
和「律を私にくれるかしら?」メガネ、クイッ
紬「りっちゃんを嫁に貰うのが夢だったのー」
梓「何言ってるんですかー。律先輩は私のです」
純「よく分かりませんが、来ました」
憂「じゃあ、純ちゃんは用無しだね」ニコッ
純(さりげなく酷い)シクシク
澪「おい、律は誰のモノでもない。私だけのモノだ!」
律「いや、お前のモノでも……」
和「何言ってるのかしら?律は私の嫁になるのよ」メガネ、キラーン
紬「わ、私のよー!」
梓「私のです。あと、唯先輩も欲しいです///」モジモジ
憂「おい中野。ちょっと表出ろや」ガシッ
梓「な、何すんの!はっ、離せー!無礼だぞ!!」ズリズリ、ジタバタ
憂「お姉ちゃんを欲しいと言うだけで無礼極まりないよ!本来なら切腹モノだよ!!」
梓「私は中野家の娘だぞ!天皇家直属だぞ」
憂「お姉ちゃんの前で自分の家の家柄なんて、トイレットペーパーと同じだよ!!」グイッ
梓「うわーん!!」バタバタ
律「なんか、憂ちゃん怖かったな」
唯「そうかなー」
澪「律!」バッ
律「うわっ!」
澪「律、お前は私のモノだ。さぁ、私の家に帰ろう」
和「何やってるの!?」
紬「ずるい澪ちゃん!」
澪「うるさい!律は誰にもやらん!!」
律「私はモノじゃねぇー!」
唯「りっちゃん、モテモテだね」
律「あのなー!」
律「うーん。よし、じゃあ私が欲しいモノを持って来い!」
澪「じゃあ、私は私を献上する!」
律「やかましい!」
和「で、何を持って来ればいいの?」
律「そんなもん。私を嫁にしたいなら、自ずと分かるはずだ」
和「?」
律「感じろ……フォースを感じるんだ!」ゴゴゴッ
紬「はぅー」ハァハァ
澪「りぃつぅー!」ビクン
律「こらー!!」
律「もうなんでも良い!なんか持って来い!!」
和「じゃあ私、何か持って来るわ」スタスタ
紬「何かを……ハァハァ……持って……ハァハァ」スタスタ
澪「律。必ず私のモノにしてやる」スタスタ
純「あのー、私は?」
律「ん?用無しなら帰っていいぞ」
純「はい。帰ります」シクシク
唯「りっちゃん、あんなので良かったの?」
律「いいんだよ。ところで憂ちゃんは?」
唯「まだ、表じゃないかなー」
律「ふーん」
その後、梓の悲鳴が響いたのは、言うまでもない。
その日の夜。
律は月を眺めていました。とても綺麗な月です。
が、その表情はどこか寂しそうでした。
唯「りっちゃん、どうしたのかな?」
憂「月ばっかり見てるね」
唯「どうしたんだろうね」
律(はぁー、いつかは言わなくちゃな)
律(ただ、タイミングは大事だよな)
一方、梓は平沢家の門前で正座させられていた。
「私はいけない娘ですぅー」と立て札に書かれ、村人から晒者になっていた。
梓「ごめんなさい」ヒグッ
翌日。
律「よーし。私が欲しいモノを出してくれ」
和「私はこれね」
唯「『女の子らしく生きる方法』だって」
律「ふざけんなー!」ビリビリ
和「ちょっと!」
律「私は女だ!」
和「私の嫁になるなら、女の子らしくしなさい!」
和「今のままじゃ、まるで男ね。なんなら、私が調教という名の矯正を施そうかしら?」
和「律を見てると、いじめたくなるの。泣きそうな顔になると、そそるわー」
紬(SMなのね!)
澪「おい、律に手を出せるのは私だけだ!」
律「やっかましいわ!ほら、次!」
紬「これなのー」
唯「『猿でも分かる。百合入門~初級~』だって」
律「なんじゃこりゃー!」ビリビリ
紬「はぅー」
律「確かに今の状況だと同性結婚させられそうだけど!」
紬「だから、百合を勉強して知識を……」
律「お前は自分の眉毛でオナニーでもしてろ!」
紬「じゃあ、そうするわ」ベリッ
紬「ハァハァ、ハァハァ///」
澪「百合だろうがレズだろうが、私が一夜漬けで教えてやる」
律「うっさいわ!ほら、次は澪だぞ!」
澪「やっぱり律を一番理解してるのは私だな」
律「ほぉー」
澪「私はこれだ!」
唯「『媚薬』だって」
澪「そうだ。早い話、律は私だけを見てればいい。それで万事解決」
律「なんちゅー、自分勝手な!」
澪「律、さぁ飲め。私の愛が詰まった薬だ」
律「飲まねー!」
澪「なら、飲ませるだけ!」ダッ
律「澪。これじゃあ、レイプみたいじゃねぇか!」バッ
澪「関係あるか!百合もレズもレイプも似た様なものだ!」
澪「赤信号、みんなで渡れば怖くないの精神で問題解決!」ググッ
律「全然違うわボケ!ついでに、みんな撥ねられちまえ!」バッ
?「ねぇ、みんないるー?」
唯「ん?誰だろう」
憂「さぁ?」
和「あ、あなたは!?」
紬「ハァハァ」
澪「み、帝様!」
帝(みかど)とは、偉い人の事らしい。
さわ子「偉いも何も、偉いわよ!あと、エロいけど」エッヘン
律「威張って言う事かよ」
澪「帝様!何故こちらに」
さわ子「いやー、可愛い娘がいるから様子見に来ただけ。あと、梓ちゃんが泣いてたわ」
さわ子「んで、この娘かな?」
唯「ほぇ!」
憂「」ピキッ
さわ子「素材としては良いわね」ジロジロ
唯「///」
律「あのー?」
さわ子「なーに?」
律「可愛い娘は私」ニコッ
さわ子「ごめん。あんたは、ないわ」
律「」ガーン
澪「あぁ、律」
さわ子「よし、この娘を私の嫁にする」
唯「えぇー!」
さわ子「帝様の命令でーす。今日から私の……」
憂「おい」ガシッ
さわ子「えっ?」
さわ子「ひぃっ!」ビクッ
憂「貴様は大罪を犯した。よって、ここに死刑を宣告する」ゴォォー
さわ子「た、大罪!?」ガクブル
憂「お姉ちゃんは神。お姉ちゃんがいるからこそ、世界は存在する。それを貴様は気安く……」ゴォォー
さわ子「ご、ごめんなさい!」
憂「って、嘘ですよ」ニコッ
さわ子「えっ?」
憂「お姉ちゃんの可愛いさは罪ですから。みんな、罪を犯したくて仕方ないんですよ」
さわ子「そ、そうよね」パアァ
憂「だから。表で頭、冷やそうか」ニコッ
さわ子「」ガーン
憂「これで、梓ちゃも寂しくないね」ニコッ
さわ子「」ズルズル
その日の夜。
律はまた、月を眺めていました。
唯「りっちゃん、寂しそうだね」
憂「何かあったのかな?」
澪「あれは、恋だな」
和「間違いないわね」
澪「お前がなんでいる!えっと……わ?」
和「私の名前は『のどか』だ!『わ』とか『なごみ』とか言うな!」
紬「わちゃん」ハァハァ
和「まだオナニーしてるの?腐れ沢庵」
律「なぁ……」
唯「何、りっちゃん」
律「実はさ、言わなければならん事がある」
憂「なんですか?」
律「実は私、月の世界のお姫様なんだよねー」
一同「はいー!?」
律「黙ってて悪かった」
和「何を言うかと思えば……」
紬「まさかの」ハァハァ
憂「し、信じられません」
唯「りっちゃん、おかしくなった?」
澪「そ、それでも私は構わないぞ!律がなんであろうと、私のモノに変わりない」
律「あと、明日の晩。月から迎えが来るんだ」
唯「えっ?」
律「明日は満月だ。月と地球が唯一、繋がる日なんだ。だから、帰らなくちゃならないんだ!本当に急ですまん!!」
唯「りっちゃん……」
和「そうなんだ……」
紬「お別れは辛いわね」ハァハァ
憂「帰る場所があるなら、やっぱり帰るべき……」
澪「やだ!」
唯「澪ちゃん?」
澪「律が帰るなんて、こんなんじゃダメだー!」バタバタ
和「我が儘言わない!」
唯「気持ちは分かるけど」
紬「仕方ないかも」ハァハァ
律「澪……すまん」
澪「うわーん!!」バタバタ
その後も、澪は泣き続けたと言う。
平沢家の門前では、梓とさわ子が正座させられたままでした。
梓「……」シュン
さわ子「……」クスン
翌日の夜。とうとう、律が帰る時がやって来ました。
空には綺麗な満月が出ています。
律「澪……」
澪「なんだよー、バカ律ぅー」
律「すまんな」ナデナデ
澪「りつぅー」グスッ
紬「はぁー、律×澪。いや澪×律。もう、どっちでもいいや」ハァハァ
和「あんたは何やってんのよ?」ハァー
紬「わちゃんには分からないわ」
和「『わ』じゃねぇよ!『のどか』だよ!」
律「喧嘩すんなって」ヤレヤレ
憂(何か良い方法はないかな……)
唯「りっちゃん!」
律「唯、ありがとな」
唯「うんうん。私も楽しかったよ」ニコッ
律「ありがとな」ニコッ
憂「うーん」
律「憂ちゃんも、ありがとな」
憂「あっ、はい。いえ、お元気で」
シャランラ、シャランラ♪
澪「な、なんだ?」
律「来たんだよ、迎えが」
空から牛車と使者がやって来ました。
風子「姫様、お迎えに来ました」
エリ「元気してますかー」
姫子「やっほー」
いちご「……ふっ」
律「あぁ、私は元気だ」
唯「あれが、月の人」
和「私達と変わらないわね」
紬「そうね」
律「心配かけて悪かった」
エリ「いえいえ。そうだ、姫様に弟が出来ましたよ」
律「なにー、私に弟だと!?」
いちご「……聡」
律「そうか。帰ったら、とりあえず挨拶代わりに……」
澪「律、行かないでくれ!」ダキッ
律「澪?」
澪「律、地球に残って」
律「ごめん。私にも家族があるから」
澪「唯達は家族じゃないのか!?」
律「もちろん家族だ。だけど、産んでくれた親は悲しんでるかもしれない」
澪「確かにそうだけど……」
姫子「『おお娘な。誰だっけ?』って、私達に冗談混じりに言ってたけどね」
エリ「私には『息子最高や!娘なんかいらんかったんやー』とも言ってたよ」
律「」
澪「なら律、帰らなくても……」
律「ふざけんな!」
澪「お、おい」
律「とりあえず帰って親殴りに行く!」
唯「りっちゃん!」
律「私の育児カプセルを誤って地球行きの宅配に出す親だぞ。ぶん殴らないと気が済まない!」
和「だからって、暴力はダメよ!」
律「離せコラ!」バタバタ
澪「離すもんか!」ダキッ
風子「そういえば、なんで姫様を誤って宅配に出したんだっけ?」
姫子「確か、なんかのチケットの応募券を出す予定が、間違えて……」
いちご「……AKB」
律「なんだそりゃー!!」
和「AKB。私も以前、オーディションに出たけど、落ちたわ」
律「そんなの、どうでもいいわー!!」バタバタ
澪「律、暴れるな!」
唯「憂、どうしよ……」
憂「……」
唯「憂?」
憂「あっ、良い解決方法が浮かんだ」ポン
一同「?」
憂「私達も月に移住すれば良いんだよ」
一同「えっ!?」
さわ子「なんか騒がしいわね」
梓「ほんとです」
ドッカーン!ゴゴゴッ
さわ子「じ、地震!?」
梓「ち、違うです。あれです!!」
梓が指差すその先には、牛車と小型ロケットが月へ向けて飛び立つ瞬間でもありました。
唯「見て、地球だよー」
憂「綺麗だね」
律「にしても、凄い発想だな憂ちゃん」
憂「いえ、こうした方が丸く収まる気がして……」
エリ「牛車の乗り心地はどう?」
唯「うん。快適だよ」
風子「良かった。月まで、ゆっくりして下さいね」
唯・憂「はーい」
エリ「あれ、後方のロケットが月コースからの軌道を……」
唯「あっ、あの二人忘れた……まっ、いいや」
澪「狭すぎるだろ。このロケット」
姫子「仕方ないじゃない。緊急用のロケットなんだし」
澪「てか、なんで唯と憂ちゃんは律と同じ牛車なんだよ」
和「あみだくじだから、仕方ないでしょ」
いちご「……狭い」
紬「狭い空間で五人が……」ハァハァ
和「あんたね」
紬「なーに、なごみちゃん?」
和「『なごみ』じゃねぇよ!『のどか』だよ!落とすぞ」
姫子「あぁ、暴れれんな!」
エリ『姫ちゃーん。軌道からずれてるよ』
姫子「えっ、やばっ!」
和「な、何!?」
姫子「あんたらが騒ぐから、月コースの軌道から外れ始めてる」
澪「な、なんだって!?」
いちご「……」
姫子「修正可能だから、心配しないで」
澪「良かった」ホッ
その後、軌道修正したはずのロケットは、火星に不時着したらしい。
wwwwww
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 00:55:20.62:+LTuIs8FOそれから月日は流れた。
今、一人の男が月に降り立とうとしていた。
男「ここが月。ようやく、来れた。長い年月の結晶……」
姫子「ようこそ、月へ」パーン
男「な、なんだ!?」
姫子「あなたは、私達以外で月に降り立った人類第一号です」
エリ「記念品に、この石を差し上げます」
男「えっ?」
律「おーい、どうしたー?」
姫子「地球からお客さんだよ」
律「なんだ。つか、その服脱いだら?」
男(宇宙服なし、だと……)
唯「りっちゃーん」
澪「律ぅー」
男(な、ここは月なんだよな!?なんで、人間が!?)
和「月に人が来るなんて」
紬「珍しいわねー」
男「えっと、君達は……つか、宇宙服は?」
憂「そんなのなくても平気ですよ」ニコッ
男「」
男(そうだ……これは夢だ。宇宙服もなしに人間が……)
男(多分。厳しい訓練で疲れて……今頃、僕は自分の部屋で寝てるはず)
男(なら、こんな夢から覚めなくちゃ!)
男「じゃあ、僕は夢から覚めます!あなた達の事は、見なかった事にします」ダッ
男「お母さーん!僕は今から、地球に帰還しまーす」
ロケット、ファイヤー!
律「帰っちまったよ」
澪「律、律、律ぅー」スリスリ、チュッチュッ
律「うぜぇー、やめろ澪!」
澪「なんだとー!?」
和「見てられないわ」
唯「そうだね」
律と澪は結婚してませんが、毎日、ラブラブです。
それでも、唯達は何不自由なく、仲良くみんなと月で暮らしています。
また、エリが男に渡した石が「月の石」として大阪万博で人気を博した事は有名な話である。
~かぐや姫編・終~
~一休さん~
むかしむかし、ある所に和と言う、とんちで評判の小僧さんがいました。
そんなある日、和の評判を聞き付けた将軍が、城に和を招き入れました。
和「真鍋和です」
?「来ましたね。さぁ、入るがよい」
和「あら、あなたが将軍なのね」
梓「そうなのです。私が将軍なのです!!」
梓「わっはっはー」
和「そう。じゃあ、帰るわね」スタスタ
梓「ま、待って下さい!」
和「あら、まだ何か?」
梓「用があるから呼んだんです!」
和「なら、早くしなさい」メガネ、クイッ
梓(ちっ、後で叩き斬ってやる!)
梓「コホン!えー、これはなんだと思いますか?」
和「そうね……猫の絵が描かれている屏風ね」
梓「うむ。その通り」
梓「実を言うと、夜になると猫がこの屏風から飛び出して来て、悪さをします」
梓「なので、私は猫を懲らしめたいと思うのですが、いつも良い所で逃げられます!」グッ
和(何言ってるのかしらね)
梓「だから!」バンッ
梓「猫を捕まえて欲しい!」
和「はぁ」
梓「もちろん。捕まえたら褒美は出します!」
和(てか、屏風から猫なんて、どう考えても有り得ないけど……)
和(このままだと、帰れそうもないわね)
和「分かりました。その件、引き受けます」
梓「本当ですか!」パアァ
和「えぇ、でもちょっと待ってね」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チーン♪
和「そうね。まず、檻を用意してくれるかしら」
梓「檻を持ってくるです!」
和「それで、一晩待ってくれる?」
和「明日には、檻に屏風の猫が捕まっているはずよ」
梓「ま、待ってやるです!」
和(まっ、どう足掻いても屏風から猫なんか出ないんだけどね)
翌日
梓「んでんでんで~ にゃ~んで♪」
バンッ
梓「さぁ、捕まえた猫ちゃんはどこですか~」
和「あら、猫なら屏風にいるわよ」
梓「え~!捕まえたんじゃないですか!?」
和「屏風という名の檻にね」
梓「それじゃダメです!ちゃんと外に出た状態じゃないと」
和「あのね、屏風から猫が出るなんて、常識で考えても有り得ないわ」
梓「とんちで屏風から猫くらい……」
和「私はドラえもんじゃないのよ。そんなの無理ね」
梓「のび太のくせに……」ボソッ
和「のび太でも構わないわ。所詮、私は眼鏡キャラだから」
梓「……」ウルウル
和「じゃあ私、帰るわね」スタスタ
梓「こ……こ……」ウルウル
和「?」
梓「こんなんじゃダメですー!」バタバタ
和「な、何よ急に!」
梓「だって、和先輩のとんちで、屏風の猫ちゃん外に出したかったんだもん!!」ジタバタ
和「無理言わない!とんちは不可能を可能にするものじゃないわ!!」
梓「だって、猫ちゃん飼いたいもん!あずにゃん2号、飼いたいもん!!うわーん!!」バタバタ
和「あー、この娘は!?あんたは我が儘娘か!」
梓「うっさいです!褒美はやらないです!切腹しろです!眼鏡割ってやるです!!」バタバタ
和「目茶苦茶だわ……この国、終わったかも」
梓「私の命令は絶対ですー!さっさと、腹切れぇー!!うわーん!!!!」バタバタ
和「困ったわね……」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チーン♪
和「ちょっと待ってなさい!」
しばらくして、
和「ほら、猫よ。これでいいでしょ」
梓「わー!!猫だ、あずにゃん2号だ」パアァ
2号「にゃ、にゃあ?」
梓「わーい、わーい」
和「まるで子供ね……」フー
和(まっ、適当に軒先に居た猫を捕まえただけなんだけど……)
梓「あずにゃん2号、今日から私が飼い主だよ!」
2号「にゃーん」
和「まっ、いっか」
その頃、
純「おーい、何処行ったのー」
純「……」グゥ
純「……お腹空いた」
~~~
ある日、和は同じ小僧の唯と律と一緒に寺の掃除をしていました。すると、近所のおかみさんがやって来ました。
紬「ぼた餅作ったの、みんなで食べてね」ニコッ
唯「わーい」
律「いっただきまーす!」
和「じゃあ、いただく……」
ボキッ
唯&律「かってぇー!!」
和「な、何!?」
唯「か、固いよ、このぼた餅」
律「あー!これ、ぼた餅じゃなくて石じゃん」
和「嘘……あら、ほんとだわ」
律「おいコラ、テメェー!」
唯「ひどいよー」
紬「私、人を騙すのが夢だったの」
ボンッ
唯「あっ、狐だ!」
紬「捕まえてごら~ん」コーンッ
律「な、舐めやがって」グギギ
和「狐に化かされるとは……」
律「とりあえず、奴を捕まえて締め上げる!行くぞ、唯!!」
唯「合点だよ、りっちゃん!」グッ
狐の捜索を始める三人でしたが、狐を見つけることは、出来ませんでした。
律「ちくしょー!何処行った」
和「もう逃げたんじゃない」
律「くそっ!!」
さわ子「ちょっとみんな、大変よ!」
和「あら、和尚様だわ」
律「なんだよ、さわちゃん!」
さわ子「大変よ、本堂の仏像が増えたのよ!」
律「仏像が?」
和「どう言う事かしら?」
さわ子「とにかく、本堂に来て!」
さわ子に言われるがまま、三人は本堂に行きました。
するとそこには、本来なら一体しかない仏像が二体ありました。
和「これはまた……」
唯「私が本堂を掃除した時は一体しかなかったよ」
さわ子「あんた達、何かした?」
律「してないし。つか、狐を追って……」
律「分かった!どっちかは狐が化けてるんだ」
唯「そうなの?」
律「唯が掃除してる時は一体しか仏像はなかったんだろ?」
律「それに、仏像を一人で運ぶのは私達では無理だ。更に言うと、あの仏像と瓜二つの仏像があるのは、絶対に有り得ない!」ビシッ
紬(しまった。この仏像はこの世に一つとない仏像なのね!?)
さわ子「そりゃ、各パーツを中古市で適当に見つけて、適当に組み立てたから、あんな仏像他にはないけど」
和「それに、あの仏像の顔、何回変わった事か」
唯「だって、あれの方が可愛いんだもん」
紬(……いつか仏罰が下るわね)
律「なら話は早い。ぶっ壊してやる!」
和「律、待ちなさい。壊したら、また掃除しなきゃならないのよ」
律「大丈夫だって、頭を吹っ飛ばすだけだから」
唯「そうだよ。頭が壊れて力が出ない~」
さわ子「アンパンマンみたいね」
律「よーし、早速……」
和「待ちなさい!」グイッ
律「ぐへっ!」
和「なるべく穏便に済ませましょう……唯、仏像に尻尾はあるかしら?」
唯「うんとねー、ないよ」
紬(当たり前じゃない。化けるのは天才的なのよ)フンス
和「そう……なら」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チーン♪
和「だったら、こうしましょう……集まってくれるかしら?」
ヒソヒソ、ボソボソ
紬(あら、内緒話)
紬(聞こえないわね)
律「なっ///」
唯「えっ///」
和「それでお願いね」
律「いやいや、なんでそうなる!?」
唯「///」
さわ子「面白そうね」
律「面白がるな!」
和「私の言う通りにやれば、必ず上手く行くわ」
律「なんか納得いかないけど……」
和「つべこべ言わず……ほら」
唯「りっちゃん、よろしくね」
律「あ、あぁ」
紬(あら、何か始まるようね)
紬(何かしら)ワクワク
律「唯、前からお前の事が好きだったんだ!」
紬(!!)
唯「でも、りっちゃんには澪ちゃんが///」
律「澪の事はどうでもいいんだよ!あれはただのホルスタインだ」ダキッ
唯「り、りっちゃん///」
律「ほら、身体は正直じゃねぇか」サワサワ
唯「や、やめてよー」
紬(な、なんという展開でしょうか!?)
律「唯、いいだろ!もう我慢出来ない!!」
唯「でも、仏様の前だよ。罰が当たるよ」
律「私達の愛に、仏もクソもあるか!あんなのな、ただの置物なんだよ!!」バンッ
唯「お、押し倒すなんて!!」
律「おっと、もっとソフトが良かったか?」
唯「い、いや!その」
律「じゃあ、行くぜ。私はもう、止まれない」
唯「澪ちゃん、ごめんなさい」ポロポロ
紬「キマシタワー!!」
ボンッ
律「あー、正体見せやがったな!」
紬「正体なんかどうでもいいの!」
紬「やるのね、やるのね!つか、はよやれやデコ!!」
律「何言ってんだ!」ポカッ
紬「はぅ!」
律「よし唯、縛り上げろ!」
唯「おっけー、りっちゃん!」
紬「あぁ、縛りプレイなのね」ハァハァ
律「変な事言うな」
和「成功したみたいね」
さわ子「あんた達、アドリブで良くやるわね。見てるこっちが恥ずかしいわ」
律「いやー、なんとなく」アハハ
唯「もう少しで貞操が///」
律「奪わねぇよ」ポカッ
唯「はぅ!」
さわ子「それにしても、よく思い付いたわね」
和「この狐は『ムギツネ』と言う珍種で、女の子同士の絡みに反応するって、文献で読んだ事があります」
和「と言っても、ムギツネという確証はなく、思い切って博打に出ただけなんだけど」
律「とんちじゃねぇじゃん」
和「律、人間は常に博打をしながら生きてるものよ」
律「そういうもんなのかねぇー」
和「それに、律の本性が垣間見たのには驚きだわ」
律「うっせぇー」
和「まっ、もしダメだったら、普通にぶっ壊してたけどね」
律「だったら、最初から私の案で良かったじゃん。何も唯との絡みを披露しなくても」
和「それはそれ、これはこれ。分かった?」
唯「はーい」
律「なんか上手く丸め込まれたような……」
和「さて、あなたはどうする?」
紬「律×唯」ハァハァ
和「ダメね。後で山に捨てに行きましょう」
紬「百合はええのー」ハァハァ
唯「和ちゃん、お腹空いたー」
和「そうね。もうすぐ夕飯時だから、ご飯にしましょう」
さわ子「あっ、ご飯炊くの忘れてたわ」
律「よーし、今日は外食だー!」
唯「おー!」
和「いいのかしら?」
さわ子「いいのよ、めんどーだし」
和「はぁ」
紬「ご飯はおかず」ハァハァ
こうして、一騒動は終幕した。
澪(私も狐に化かされて、律と××したい!)
澪(あと、ホルスタインって///)サワサワ
憂(お姉ちゃん……)
ちなみに、紬は山に捨てられた。
純「おーい、猫!」
純「もう何日も帰らないとか……」
純「……」グゥ
純「お腹空いた」
~~~
ある日、和尚のさわ子は小さな容器を大切そうに持っていました。
その様子を小僧の唯と律は目撃しました。
律「なぁ、あれなんだと思う?」
唯「なんだろ」
律「答えはな、水飴だ」
唯「水飴!」
律「あぁ、さわちゃんは水飴を一人占めする気だぜ」
唯「えー、ずるくない!?」
律「だよな。よし、問い詰めよう」
律「おい、さわちゃん!」
さわ子「何?」
律「私達に隠し事ないか?」
さわ子「はぁ?あるワケないでしょ」
律「やっかましい!こちとら、ネタはあがってるんだよ」バンッ
さわ子「えっ、えぇ?」
唯「さわちゃんさ。あの容器だよ」
さわ子「容器……あぁ、あれね。あれがどうしたの?」
律「あれを一人占めする気だろ?」
さわ子「はぁ?」
律「大丈夫。和には黙っててやるよ」
さわ子「?」
律「だからよ、その中身を私達にも分けてくれないか?」
さわ子「分けてって、ダメよ。後で必要なんだから」
律「それを今、私達が必要としている!」
さわ子「ワケ分かんないわね。あっ、これから秋山屋さんの所に行かなきゃ」
律「逃げんのか!?」
さわ子「逃げないわよ。じゃあ、私行くからね」
唯「さわちゃん!」
さわ子「それと、容器の中身は勝手に出さないでね。後で処理が面倒だから」スタスタ
律「行っちまいやがった……でも、処理が面倒って事は」
唯「水飴だね。あれ、ベタベタしてるもん」
律「そーゆー事だ。容器はさわちゃんの部屋だ」
唯「取りに行こう!」ダッ
二人はさわ子の言い付けを破りました。
律「へっへーん。水飴、ご開帳~」カパッ
唯「うわっ、なんか臭うよ」
律「あれだろ。きっと高級品なんだろ」
唯「あぁ、果物の王様も臭いもんね」
律「それと同じ理屈だ。よーし、出すぞ」
ドロ~リ
律「見てみ、この透明さ」
唯「間違いなく水飴だね」
律「よし、分けるぞー」
律は水飴なるものを均等に分けました。
律「んじゃ、いっただきまーす」パクッ
唯「はむはむ」
律「なんか、微妙だなおい」
唯「うん。良く食べる水飴より、甘くない」
律「きっと、庶民の私達に高級品は理解できないという事か……」
唯「とりあえず、食べちゃおう」
二人は水飴なるものを完全に食べ尽くしました。
一方、和は買い物に出かけて、ようやく寺に戻って来ました。
和(はぁ、井戸端会議も疲れるわ)
ガラッ
和(あら、唯と律がいないわね)
和(和尚様は確か、澪の所に行くって……)
和「唯ー、律ー、何処にいるの?」
唯「ここだよ、和ちゃん」
和(あそこは、和尚様の部屋ね)
和「何やってるの……って、マジで何やってるの?」
唯「水飴食べてたの」
律「和の分はないけどな」ニシシ
和「別にいいけど……てゆーか、水飴食べて虫歯にならないでよ」
律「歯のケアはばっちり!」
和「ふん。でも、なんか臭うわね」クンクン
唯「高級品の水飴だからだよ」
和「えっ、高級品の水飴って臭いもんなの?」
律「果物の王様が臭いのと、同じ原理だよ」
和(何それ)
和「ねぇ、それって本当に水飴なの?」
律「だから、そうだって」
和「なんか変な感覚とかはない?」
唯「そういや、舌がバリバリする」
律「唯もか。私も舌がもバリバリするぞ。いや、パリパリか?それに、舌と歯がたまに引っ付く」
和(バリバリする。引っ付く)
和「あんた達、もしかして……」
さわ子「たっだいまー」
律「やべっ、さわちゃんだ」
唯「ど、どうしよう!」
律「和!ここは、いつものアレで」
和「えぇ!?」
唯「お願い、和ちゃん」ウルウル
和「あーもう、仕方ない!」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チ~ン♪
和「これだ!」ダッ
律「お、おい!それって、さわちゃんの大事な壺」
唯「ど、どうするの?」
和「こうする。ふん!」ガシャーン
律「あー、さわちゃんの大事な壺を割りやがった!」
唯「和ちゃん!!」
和「いいから。あんたらは、泣く準備でもしてなさい!」
律「なんで?」
さわ子「ちょっと、何よ今の音!!」
和「いいから、ふんっ!!」ガツン
唯・律「あんぎゃー!!」
律「み、澪のより痛い!」
唯「うぅー」
和「いい、泣いてなさいよ!」
さわ子「一体、何事……って、これは?」
さわ子が見たのは、自分の大切な壺が無残に割れ、唯と律が号泣し、和が容器の中身を舐めている光景でした。
和(正確には、舐めるフリね)
律「うわーん」バタバタ
唯「うぇーん!!」
さわ子「これは一体……」
和「申し訳ありません。和尚様」
和「和尚様が大事にしてる壺を私達の不注意で割ってしまいました」
さわ子「えっ?」
和「なので、私は和尚様の謝罪の意味を込め、死のうと容器の中身を舐めてますが、死ねません」グスッ
さわ子「えっと……」
和(容器の中身で死ねりゃ、苦労しないわね)
唯「さわちゃん、ごめんなさい!」
律「私達、死んで詫びるから!」
和(少し、大袈裟過ぎるかしら)
さわ子「バカね。あんた達」ニコッ
さわ子「あんな壺、あんた達の命と比べたら屁でもないわ」
和(おや?)
さわ子「いい、壺はまた買えばいいの。でも、あんた達の命は買えないのよ。いくらお金を出しても買えないの」
さわ子「だから、軽々しく死ぬとか言っちゃダメよ」
さわ子「いい?」ナデナデ
律「私達を……許してくれるのか?」
さわ子「許すも何も、今の私は和尚です。そして、小僧である三人は、私にとっては大切な娘も同然です」
唯「さ、さわちゃ~ん」ポロポロ
さわ子「ほら、みんなおいで」バッ
唯・律「さわちゃん!」ダキッ
唯・律「うわーん」
和(なんか、予想外な展開ね)ポリポリ
さわ子「和ちゃん。あなたもどう?」
和「えっと///」ポリポリ
和「キャラに合わないというか……」
さわ子「今日くらい、いいんじゃない?」
和「……では、お言葉に甘えます」ダキッ
和(こういうのも、ありよね)
和はしばしの間、さわ子に甘えた。
普段、甘えるようなキャラでない和にとって、それはとても新鮮な気分だった。
さわ子「ところで、何を舐めてたの?」
和「和尚様が持っていた容器の中身です」
さわ子「あぁ、りっちゃんが欲しがってたやつね」
律「てへへ」
さわ子「でも、あれで死ねるもんなの?」
和(まずい)
律「ま、まぁ……いいじゃんか!」
唯「そ、そうだよ!」
さわ子「ふーん。あぁ、そうそう。りっちゃんの為に、あれ買って来たわよ」
律「あれ?」
さわ子「もう、りっちゃん欲しがってたじゃない」
律「あぁ、あれね」アセアセ
さわ子「今日、澪ちゃんの所に行ったから、ついでに買っておいたわよ」
さわ子「とんちゃん印の水糊・工作用」
唯・律「へっ?」
さわ子「その容器にあったやつよりも、臭いは数倍キツいけどね。これが欲しかったんでしょ。でも、臭いでラリっちゃダメよ」
律「み、みず……のり?」
唯「み、水飴じゃないの?」
和(あちゃー)
さわ子「水飴って?」
唯「だ、だって……りっちゃんが」
律「あれ、水飴じゃ……ないの?」
さわ子「はぁ?そんなの、一言も言ってないわよ」
律「えっと……つまり?」
和「早い話が、律のはやとちりね。ただ、あの臭いで糊なのは把握してたけど、和尚様が帰って来て、言ってる暇が」
律「ゆ、ゆい~」スタスタ
唯「り、りっちゃ~ん」スタスタ
さわ子「おい、何処に行く気だ」
律「ちょ、ちょっと」ガクブル
唯「ト、トイレ」ガクブル
ガシッ
さわ子「テメェらに使わすトイレは……ウチにはねぇんだよ!!」
唯・律「ひぇー!!」
その後、二人はさわ子同伴で病院に行った。
糊を落とすのに時間が掛かった。
医者はなんとか、糊を落とすのに成功し、口内やら食道やらを洗浄した。
そして、やっぱり二人にさわ子の雷は落ちた。
壺の件より、さわ子の服に糊が付いたのが許せなかったそうで、修行の意味も込め、外国に飛ばされた。
梓母「梓、早く寝なさい」
梓「はーい。一緒に寝ようね、あずにゃん2号」ナデナデ
2号「にゃーん」
梓「くぅー、可愛いです!やっぱり猫ちゃん最高です!」ダキッ
2号「にゃ、にゃーあ」
梓「将軍は、偉大なのです!」
梓「わっはっはー」
紬(梓×2号……需要がないわね)
~~~
ある日、和と唯と律の三人は町に来ていた。
律「もう修行はやだ」
和「何やったのよ」
律「あん?トロッコに乗った。そんで吐きそうになった」
和「はぁ?」
唯「あと、釣り橋から落ちてワニに食べられる人を見た」
律「あの先生、非常識だらけだったなー」
唯「でも、あの人にとっては常識らしいよ」
和「あんた達、それ修行なの?」
律「そうじゃね?まぁ、澪の土産話には丁度いいだろう」
唯「だねー」
和「ふむ」
本日、三人は律の幼馴染み、秋山屋の娘・澪に招待されました。
なんでも、律が構ってくれなくて寂しいそうです。
それもそのはず、律は唯と共に修行に出ていたからなのです。
しかし、ここである問題が発生しました。
秋山屋の手前に木製の橋がありますが、橋に立て札が立てられていました。
唯「この橋、渡るべからず……だって」
和「あら、この橋は渡れないって事ね」
唯「じゃあ、回り道する?」
律「めんどいなー、隣りの橋まで一キロは離れてるぞ」
和「面倒な土地ね」
律「トロッコがあればなー」
和「あるワケないでしょ」
秋山屋は、材木問屋である。
その秋山屋では
梓「私が将軍なのです!わっはっはー」
澪「はいはい。騒ぐなら帰れ」
梓「酷くないですか?私は将軍ですよ。今日は材木を買いに来たんですよ」
澪「気のせいだよ。将軍様は疲れてるんだ」
梓「酷いよねー、あずにゃん2号」
2号「にゃー」
梓「あずにゃん2号が酷いと言ってます。切腹しろです!」
澪「たい焼き食べるか?」
梓「食べるです、さっさと寄越すです!!」バッ
澪(はー、律と××したい)
和達はと言うと、
律「なぁ和、何とかして渡る方法ないのか?トロッコないし」
和「隣りの橋まで行くしかないわね。いい加減、トロッコから離れなさい」
律「えー、それじゃあ時間掛かるよ。ここは、和のとんちで」
唯「和ちゃん、お願い」
和「もう……まぁ、澪を待たせるのも悪いわね」
和「仕方ない」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チーン♪
和「そうね。橋を渡るべからず……橋の『端』を通らなければいい」
和「つまり、橋の『中央』を渡ればいいわ」
律「よーし、じゃあお先にー」ダッ
唯「あっ、りっちゃん!」
律「へっへーん……うぉっ!」ズボッ
ザブーン!
唯「あっ、りっちゃんが落ちた!」
和「これはまた……」
憂「あーあ、まだ橋の工事の途中なのにー」
そこに現れたのは、唯の妹の憂。
大工である。
唯「あっ、憂」
憂「お姉ちゃん、和さん。こんにちわ」
和「あら、工事中だったの?」
憂「はい。立て札を立てたのですが……」
律「おいコラ!工事中なんて聞いてないぞ」
唯「りっちゃんの声がする」
和「浅い川だったのね」
憂「律さんが落ちたのですか……バカですね」
唯・和「……」
律「コラァー!聞こえてるぞ」
憂「うるさいんだよ、デコ!」
律「……」
憂「全く……立て札も読めないとは」
律「いや、だって和が……」
憂「それに、お姉ちゃんの貞操まで奪おうとして!」
律「それも和が……」
憂「人のせいにしちゃいけません。めっ!!」グッ
律「うわーん、ごめんなさーい!」
憂「お姉ちゃんに糊を食べさせた事、私は許しませんからね!」
律「うわーん!!」
和「……」
唯「の、和ちゃん……」
和「唯、人間は常に博打をしながら生きてるものって、以前、言ったわよね」
唯「う、うん」
和「今回、律は博打を打って大失敗した。ただ、それだけよ。もちろん、それ以上も以下もないわ」
唯(つっこむべきかなぁ?)
和「じゃあ、隣りの橋まで歩きましょう」
唯「えっ、りっちゃんは?」
和「あのまま、川を真っ直ぐ歩いた方が近いでしょ」
唯「う、うん」
憂「めっ!」グッ
律「うわーん!!不幸だー!!!!」
和「唯、今回は『急がば回れ』の教訓よ。覚えておきなさい」
唯(どっからそんな言葉が出たんだろう)
和「返事は?」
唯「は、はい!」
和「そう。じゃあ、行きましょ」
唯(逆らったら、負けだね)
その後、秋山屋に唯と和が到着するまで、律は憂の説教を受けたらしい。
純「もう……猫が……何処行ったの」
梓「私が将軍なのです!わっはっはー」
純(いかにもアホそうな将軍だなー)
純(あれが将軍だと、この国に未来はないよね)
純「ウチの猫が、あんなアホ将軍に拾われているワケないか……所詮、アホ将軍だし」
梓「たい焼き、うめぇーです」
澪(律と××したいよぉ)
澪「律ぅー、お前は私のモノだぁー」
純(あの女の人もヤバそうだね)
純「はぁー」
純「……」グゥ
純「お腹空いた」
純「帰ろ」
梓「あずにゃん2号、行くです!」
2号(マジで帰りたいわ。将軍がアホやから、なんもでけへん)
その後、純が猫を見つけ出す事は出来なかった。
律「和!」
唯「和ちゃん!」
憂「和さーん!」
和「はーい」
和「何事も慌てないことが重要ね」
和「あと、私の事を『わ』とか『なごみ』って言わないでね」
和「じゃあ私、一休みするわね」
~一休さん編・終~
唯「……これで、私が創作した『おとぎ話!』の発表を終わります」ペコッ
パチパチパチパチ
和(よく出来てたけど、おとぎ話なのかしら?)
律(ツッコミ満載な作品だな、おい。私の扱い酷くね?)
澪(は、恥ずかしい///)
紬(いいですわー。百合最高やわー)
教師「では、平沢さんの作品について、質問はありますか?」
いちご「……」スッ
唯「はい、いちごちゃん!」
いちご「……律は激しいのがお好きなの?あんなに迫られたら……興奮するわね」
律「ぶー!!」
紬「あらあら」
澪(律ぅー)
風子「秋山さんの独占欲の強さには……」
唯「大丈夫!みんな、計算済みだから!これが正常ですから!」
律・澪「おい!」ガタッ
エリ「はい!真鍋さんの下の名前が『のどか』だと初めて気付きました!」
和「今頃なの!?」ガタッ
信代「普段、名字で呼ぶし」
アカネ「名簿見た時は、わ?」
しずか「なごみちゃん?」
和「おお、もう……」ガクッ
姫子「お、落ち込まないで、真鍋さん!」
バンッ!
教師「あら、山中先生」
さわ子「平沢さん。私の扱い、なんか酷くない?」
唯「そうかなー」
さわ子「酷いわよ!何よ、行方不明とか正座とか!」
さわ子「私を舐めてるワケ?」
教師「山中先生、落ち着いて!」
さわ子「平沢さん!即刻、訂正しなさい。さもないと……」
憂「だったら、なんですか?」
さわ子「!?」
憂「さわ子先生、お姉ちゃんを苛めるんですか?」ゴォォー
さわ子「いや、これはね。ちゃんとした教育の一環で……」
憂「ふーん。そうですか」ニコッ
憂「屋上行きませんか?久しぶりにキレちゃいましたよ」ニコッ
さわ子「」ガシッ
さわ子(私の人生、詰んだわ。さよならお父さん、お母さん)ズルズル
バンッ!
風子「ひ、平沢さんの妹さんを怒らせたら怖い……」ガクブル
いちご「……それが結論ね」
教師「し、質問はこれくらいにしましょう」
教師「平沢さん。あなたの話、とても良かったわ。途中でキャラ崩壊してたけど」
唯「はい!ありがとうございます」
教師「ちょっと、エッチな部分もあったけど、まさかあれは……経験済みなの?」
唯「りっちゃんに押し倒された部分だけは実体験で、あとはムギちゃんに教えて貰いました!」
律「おいー!!」バンッ
紬「まあ///」
エリ「そうなんだ!」
律「あっ、いや……」ガシッ
澪「律」
律「ひぃっ!」
澪「どういう意味か説明しろ」ゴォォー
律(や、やばい!)
澪「あと、私がホルスタインだと!?」
律「そ、それはだな……」
澪「あぁ!?」ギロッ
律「ゆ、唯に頼まれ……」アセアセ
唯「りっちゃんに押し倒されました!」
律「ゆいー!!」
澪「ふざけんなよ、バカ律!私ですら、お前に押し倒された事ないのに!」
紬「まあまあ」ボタボタ
和「わ……なごみ……ふふっ」
ピンポンパンポーン♪
教師「あら、授業中に放送なんて……」
憂『三年二組の田井中さん。至急、屋上まで来てください』
憂『キレちゃったからよー!さっさと来いやぁー!!』
ブチッ
一同「……」
律「おお、もう……」ガクッ
澪「行こうか、律。閻魔様がお待ち兼ねだ」グイッ
律「一番悪いのは唯じゃんか!バカだろ!バカとしか言えねぇー」ズルズル
澪「往生際が悪い!」ゴチン
律「あんぎゃー!!」ズルズル
バンッ!
この後、さわ子と律の処刑の模様は、放送を通じて学校中に流された。
それにより、トラウマになった人がいるとか、いないとか
唯「みんなでお話、作ろうよ!」
~唯「おとぎ話!」・完~
おつかれさん!
コメント 4
コメント一覧 (4)
とりあえず、梓は猫
唯普段中野のことバカとして見てんのかな
でも嫌いじゃないわ