今日は学校が祝日で休み。
だけど何故か学校に行ってしまうのは、きっとあの軽音楽部の部室の居心地が良すぎるからだな。
祝日に部活をしている生徒の姿もなく、今日の学校は貸し切り状態みたいだ。
律「う~さむっ」
もう冬も近いし、この時期夕方はやっぱり冷えるな。
早くムギの入れた暖かい紅茶が飲みたい
そんなことを考えながら、あたしは部室のドアを開いた
【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」
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韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
- 2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 09:58:21.54:qu3CjCCkO
ガチャ
律「うぃっす」
唯「律ちゃん遅かったね~」
紬「いまお茶入れるね~」
律「あれ?二人だけか」
唯「澪ちゃんと梓ちゃんは遅れるみたいだよ~それよりさぁさぁ!律ちゃんも座って座って!」
律「そっか。まぁ気長に待つか」
いつもの部室。いつもの雰囲気。やっぱり部室は落ち着くな。
紬「律ちゃんどうぞ~」コトッ
律「おお、サンキュームギ」
唯「はやく飲んで!はやく飲んで!」
律「?なんだよ唯、そんなに飲んで欲しいのか?」
唯「えっ!?いや~別にそういう訳じゃ~……」
紬「あああああったかい内に飲んで欲しいの!ほら!そっ外も寒かっし!」
律「……そうか」
怪しい。二人とも何か変だ。やけに挙動不審だし……
さては紅茶に悪戯でもしたのか?
律「お前ら、紅茶の中に何か入れたな?」ニヤニヤ
唯「!」
紬「……」
おいおいマジかよ!わかりやす過ぎるだろ!
律「お前らバレバレだぞ~何入れたんだよ?」ニヤニヤ
唯「……」
紬「……チッ」
えっ?なんだよこの雰囲気。
律「いや……バレて悔しいのは分かるけどさ、そんなに落ち込まなくてもよくないか?」
いくらなんでも沈み過ぎな気が……
唯「……アトチョットダッタノニ」
律「えっ」
紬「バレたなら仕方ないわね~」スッ
ムギがポケットから何かを取り出して机に置いた
律「これ……なんだよこの薬みたいなのは……?」
唯「睡眠薬だよ律ちゃん」ニヤニヤ
紬「ふふふ」
睡眠薬?なんでそんなもんを……
律「いや笑えないだろ!これ飲ませて何するつもり立ったんだよ!?」
唯「ペロペロだよ」
紬「ペロペロよね~唯ちゃん」
明らかに普通じゃない。あたしは二人の姿にどこか恐怖すら覚えた
それに……ペロペロ?何だよそれ
唯「律ちゃんがそんなに綺麗なおでこを出してるのが悪いんだよ~」
紬「そんな魅力的なおでこを前にしてペロペロしたくない人なんていないわよ~」
律「い、いや何言ってんの二人とも?おでこを舐める?訳がわかんな――」
唯「律ちゃん」
私の言葉を遮るように唯は冷たく私の名前を呼ぶ。
紬「おでこ、ペロペロ」
唯「リッちャんノ、オデこ、ペろペロ」
律「ひっ……おっおい、その手に持ってんのはなんだよ……?」
紬「コれアてルト、ビリビりシテきもチイイのヨ」ビリビリ
唯「リッちャンりッチャンリっチゃンリッチャん」ビリビリ
二人の手にはスタンガンがあった
あたしは思わず後ずさる
そして二人が私に近づいてくる。
全体的に力が入っていない感じで、まるで何処かのホラー映画のゾンビだ。
二人の目を見る。まるで死んでいるような、全く光の無い目をしていた。
――明らかに狂っている。
私は部室を飛び出した。
唯「マっテーリっちャン」
紬「ニげテもムだヨーきモチヨくなリまショウ」
律「うわあああああああ!!!!!!」
後ろから二人の声が追いかけてくる。
いや、最早あいつらは私の知っているあいつらじゃない。
全くの別人だ。何かに憑依されたのではないかと疑いたくなる程の。
あたしは振り向くことなく全力で走った。
学校の本館まで来たところで、ようやく2人を撒き、廊下で一息つく
律「……一人じゃ心細い。とりあえず澪と梓を探そう」
澪と梓はいざというときに頼りになる。
あたしは2人に絶対的な信頼を寄せている。
そして何よりも、今は誰かと一緒にいたい。
そう思っていたその時、向かいの方から歩いてくるよく知る顔を見つけた。
律「梓だ……梓ーっ!」
あたしが手を振り近付くと、梓は驚いたような表情を見せ、おじきをした。
梓「あっ!律先輩、お疲れさまです。……どうしたんですか?そんなに慌てて」
律「ぜぇぜぇ……いや、変なんだよ!」
梓「変?何がですか?」
首を傾げる梓
律「唯とムギだよ!狂ってるぞあれ!」
梓「えっと……先輩?」
梓「唯先輩はいつも狂ってるような気がしますけど」
律「梓……それは言い過ぎだ」
良かった……梓は普通みたいだ。
とりあえず今日はこのまま帰ろう。明日にはあの二人もいつも通りになるかもしれないし。
きっと何か悪いものでも食ったのだろう。そう思いたい。例え冗談だとしてもタチが悪すぎる
律「梓、今日は部活中止な」
梓「えっ中止ですか?」
律「悪いな。今日は何かもう部活って気分じゃないんだ」
梓「そうですか……分かりました」
律「よし!そうと決まれば一緒に――」
梓「そっちの方が都合がいいです」
律「……梓?」
梓が俯く。
俯いた梓が次に顔をあげた時には、すでにいつもの可愛らしい後輩の面影はなかった。
目は赤く充血しており、顔面は血が巡っていないのかと思う程蒼白していた
梓は不気味な笑みを浮かべ呟く
梓「リツセンパイ、オデコペロペロ」
律「おい梓……まさかお前も……」
梓「ヤっテやるデスケケケケケケケけケケケケケケケけケケケケけケケケけけケケケケケけケけケケケケケケケケけケケケ」
律「うわあああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
私は梓――いや
『梓だった者』から逃げるために全力で走った。
何も考えたくない。
なんだこの世界は。
おでこが何だ?どうしたっていうんだ?
色々と滅茶苦茶過ぎるだろ。
あたしは完全にパニック状態だった
律「もう意味わかんねぇ!」
あたしは『梓だった者』から充分な距離を取れたことを確認し、トイレの個室に逃げ込んだ。
『誰にも入れない場所』と思って咄嗟にトイレに入ってしまったが……
よく考えたらこれ、かなり危険な状況なんじゃないか。逃げ場がない
律「冷静な判断なんか出来るかよ……」
駄目だ。とりあえずここで一旦頭を冷やそう。
もしかしてもしかすると、今までの出来事は長い夢かもしれないしな。
そんなことを考えていたその刹那、誰かの足音がトイレに響いた。
梓「リツセンぱイ、ドコでスカ」
律「――っ!」
この声は梓だ。
しかしいつもの柔らかく可愛らしい中にもしっかりとした梓のイメージは全く無く、まるで感情が無い機械的な声。
ここで見つかったら終わりだ。
梓「……トビらガひトツしマっテルでス」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
やばい……!
『梓だった者』があたしが入っている個室のドアを叩く
梓「りツセんパイリつセンぱイりつセんパイリツせンパい」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
怖い。怖い怖い怖い怖い。
私の脳内はその言葉だけで埋め尽くされた。
まさか梓に泣かされる日が来るだなんて思ってもみなかった。
今の梓を、梓とは認めたくないけど。
私はただ縮こまって『梓だった者』が踵を返すのを待つことしかできなかった。
梓「……コこニハイなイノかナ」
足音が遠ざかっていくのを聞いて私は緊張を解く。とりあえずは凌いだのかな。
律「……こういう時は上から覗いてたりしてな」
思い切って上を見る。
……良かった。誰もいない。
律「でもまだ油断はできないな」
もしかするとさっきの足音はフェイントで、まだドアの前にあいつがいるかもしれない。
私はドアと床との隙間から外を覗いた。
赤く充血した目と視線が合った。
梓「ミィィつケタぁ」
律「――っ!!!!!!!!!!?」
恐怖と驚きのあまり思わずその場から飛び跳ねて後ずさる。
外から『梓だった者』がこちらを覗いていた。
梓「ミつケタでスみツケたデスふフフフフふフフふフフフフフフフフフフフフふフフフフフフフふフフフフふフ」
ドンドンドンドンドンドンドンドン
そいつはまた個室のドアを叩き始めた。
梓「りツセんパイアけテクだサイペろペロシたイデすペロぺろシタいデす」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
さっきよりも更に激しくドアを叩いている。
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
このままじゃ唯やムギも駆けつけてしまう。そうなれば全て終わりだ
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
――早くここから出なきゃ。
覚悟を決めたあたしはドアの鍵に手をかける。
本当はこんなこと、したくはなかったんだけどな
律「梓、ごめんな」
あたしはドアを思い切り引く。
ドアに寄りかかるようにしていた『梓だった者』が、あたし側に引かれたドアの勢い余ってあたしの方へと倒れ込むような状態になる。
そしてあたしはそいつの腹部を一発殴った。
梓「キェっ!!」
そいつは奇声をあげ、そのまま私の足元に倒れた。
律「……」
梓を殴ってしまった。
例えそれが狂っているとしか思えない状態だったとしても
『後輩を殴った』という事実は嫌でも私の頭には残る。
自分のことを嫌いになりそうだ
律「……今は逃げることだけを考えよう」
そうだ。今は逃げるしかない。
逃げて逃げて逃げまくって
この狂った世界が終わるのを祈ろう。
倒れた梓を気にしつつ、私はトイレを出た。
律「さて、これからどうするか……」
トイレからだいぶ離れた所で足を止める
学校にいるのは危険かもしれない。
あの三人はきっとあたしを捕まえるまで追い続けるだろう
律「……もう足が限界だ」
廊下に座り込み、息を整える
澪は学校に来ているのだろうか
いやもしかしたら澪も……
それだけは考えたくないな
律「……誰かと一緒にいたい」
こんな状況を一人で乗り越えるなんて、流石に精神的にやられそうだ
まぁこんな状況、めったにないけどな
?「こんなところでなにをしているの?」
律「――っ!」
いきなり誰かの声がして心臓が止まりそうな程驚いてしまう
?「?大丈夫?田井中さん」
律「……和?」
和「なにをしているの?こんなところで」
律「えっ……いや……」
和と距離を取る
もしかしてこいつも――
和「……何かあったの?」、
律「……」
あたしはいま、友達を疑っている
そういう思いがあたしを自己嫌悪の渦に飲み込む
……らしくないな。
そうだ、試しに和に話してみよう。何か分かるかもしれないし
律「和、実はな――」
……
和「要するに、みんなが田井中さんのオデコを狙ってゾンビになっている、ということね」
律「……あぁ」
和「そう。大変だったのね」
律「……こんな話、信じるのか?」
和「えぇ。さぁ、早く学校を出ましょう」
こんな馬鹿げた話を随分と簡単に信じた和。
律「和、今日生徒会だろ?いいのか?」
友達だからこそ分かる
和「いいのよ、そんなの」
和はこういう時に、一番冷静に判断できるやつだ。空想話は唯との長い付き合いで慣れているはずだからな
律「大事な生徒会を『そんなの』ねぇ」
これは疑っている訳じゃない
和「……何がいいたいの?」
あたしは確信している
律「お前は、本当の和じゃない」
髪下ろせよ
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 12:44:53.26:qu3CjCCkO和「……バレちャッたカ」
和の表情が変わる。唯たちと同じような雰囲気――
やっぱりこいつもか
律「友達、だからな」
和「ジャあシカたナイわネ……」
あたしは和と一歩距離を取ろうとする
が、しかし和はその瞬間すでにあたしの胸元にまで迫っていた
そして和はあたしの首を掴んだ
和「ジャアワタしオでコペロペろスルね」ミシミシ
律「が……はっ……」
和の腕の力が強くなり、あたしを持ち上げる
なんて馬鹿力だ……尋常じゃないぞ
このままじゃ殺されちまう
本能でそう感じたあたしは和のメガネ目掛け思いっきり殴る
和「ギゃッ!!」
メガネは割れ、和の腕の力が弱まった隙に離れる
やっぱり眼鏡が本体だったのか
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 13:45:20.10:qu3CjCCkO律「ゲホッゲホッ」
息が苦しい。あたしはその場にしゃがんでしまう
和はその間に立ち上がりあたしに近付いてくる
和「せイトかイやスんデマデあナタヲまっテタのヨ、いイジャなイ」
一歩、また一歩。和の姿は少しずつ大きくなる
殺される。マジで殺される
どうにかしないと――
その時、あたしの視界の隅にあるものが映った
――やられる前に、やるしかない
あたしは隅にある消火器を手にし、和に向かって噴射した
和「ギャぁああァッ!!!」
消火器の煙をモロに受けた和が怯む。
やるならいまだ!
律「和、恨むなよ――!」
そしてあたしはその消火器で怯んだ和の後頭部を一発殴打した
和「ガはッ!」
和はそのまま倒れる
律「はぁ……はぁ……」
倒れた和の頭部からは出血が見られる
……またあたしは、友達を――
律「う……うわあああああああああああ」
もう、何が何だかわからない
和「リ……リつ……」
律「!」
和が起き上がろうとする
律「……ごめんなさい、和」
もう、嫌だ
あたしはその場から走って逃げた
………
……
和と会った場所から離れ、あたしは自分のクラスの教室に入った
少しでも馴染みのある場所で、少しでも落ち着きたかった
……もう、あたしはどうしたらいいんだろう
誰を信じればいいんだろう
いや、むしろ皆を信じられなくなっている自分が本当に嫌だ
律「……誰か、助けてくれよ」
その時、あたしのポケットの中の携帯電話が鳴った
色々なことがいっぺんに起こったお陰ですっかり存在を忘れかけていた携帯電話を取り出し、画面を確認する
澪
080*******
律「……澪」
秋山澪
あたしの一番の友達、親友
友達に順番を付けるなんてあんまりいいことじゃないけど、それでもあたしは、澪を本当に大切な存在だと思っている
いまはとにかく、澪の顔を見たい
――澪がいれば、あたしはきっと大丈夫
律「……もしもし」
澪『あっ律!お前らどこにいるんだよ?部室誰もいなかったぞ』
律「澪……お前ペロペロとかしないよな?」
澪『……?ペロペロってなんだよ?』
律「信じて……いいんだな?」
澪『なにがだ?意味がわかんないぞ。まぁいつものことか』
律「……ふふっ」
澪のいつもの声を聞き、思わず涙が零れる。
澪『……律、泣いてるのか?』
律「泣いてないやい!」
澪『何か、あったのか?』
あたしは弱い。そう実感した。
そして今は澪に会いたくて会いたくて仕方がなかった。
澪が隣にいてくれれば、それで――
澪『律……いまどこにいるんだ?』
律「今は……教室』
澪『すぐ行くから、待ってろよ』
そう吐き捨て電話を切る澪。
澪に会える。
それだけでもう何も怖くない。
あたしは教室で澪を待った
……
ガラッ
澪「……律?」
律「わっ!」
澪「ひぃっ!……おい止めろよそういうの!」
教室の扉の横に隠れて澪を驚かせる
良かった。いつもの怖がりな澪だ。
……安心する
律「なに~澪ちゃんびびっちゃったの~?可愛いでちゅね~」
澪「うるさいっ!お前だってさっき泣いてたくせに!」
律「うっ……」
そうだ。ここにいたら危ない。もしかしたら澪まで襲われるかもしれないし。
律「そうだ澪!早く学校を出よう!」
澪「えっ?部活はどうするんだよ?」
律「そんな場合じゃないんだよ!」
澪「……なぁ律。今まで何があったのか、話してくれないか?」
律「……分かった」
そうだな。ここは一旦落ち着こう。
あたしはもう、一人じゃない。
……
澪「……俄には信じがたいが……まぁいい。律のそんな姿見せられたらな……大変だったな」
律「信じられないかもしれないけどさ……全く、本当に意味が分からないんだよ」
澪「みんな狂ってる……か」
律「……あぁ」
なんでこんなことになっちまったんだろうな。早くあの暖かい軽音部に戻りたい。
唯とあたしがボケて
梓と澪がつっこんで
ムギがそれを暖かく見守る
まぁムギもたまにボケるけどな
そんな当たり前だった日常に、時間に、世界に、戻りたい
律「とりあえず、早くここから逃げよう」
澪「いや、駄目だ」
律「なんで?」
澪「もしかしたら律の家に押し掛けてくる可能性だってなくはないだろ?」
律「……そう、だよな」
今の『あいつら』なら、その可能性はゼロではない。最早、普通の思考回路ではないからな。
澪「だから、唯たちが諦めて帰るのを待とう。とりあえず教室の電気は消しておいてここで凌ごう」
律「……分かった」
澪「よし。この状況だと結構遅くなるだろうし、悪いがちょっと家に電話かけてくるな」
律「うん」
澪がこんなにも頼もしく見えるのは初めてかもしれない。昔はよく泣いてたのに。まぁ今でもそれは変わらないかな
窓の外はすっかり暗くなっていた。
……
澪「悪い、待たせたな」
律「いや全然」
澪「とりあえず電気消すぞ」
教室が一瞬にして暗くなる。窓の外からの月の灯りが教室を微かに照らす
窓際の壁にもたれて座っていた私の横に澪がくっつくようにして座る
澪「……暗いな」
律「そうだな。澪は暗いのも駄目だもんな」
澪「怖いものは仕方ないだろ」
律「ふふっ。澪は全然変わらないな」
澪「律こそ。子供の頃からそのままだろ。何かと人にちょっかいだして」
律「……そうかもな」
付き合いの長い澪が言うのだから間違いないだろう。
澪「……なぁ律、覚えてるか?」
律「ん?」
澪「小さい頃、お前が私によくちょっかい出してきてさ」
澪「よく泣かされたよなお前には」
澪「でも私さ、本当に楽しかったんだよ。いやもちろん、今も律といられて楽しい」
澪「引っ込み思案だった私に少しの勇気をくれたのもお前だったよな」
律「そうだっけか?」
澪「そうだよ。律には本当に色々と感謝してるんだ。ありがとう。」
律「やっ止めろよ……照れるだろ」
澪「私はな、本当に律のことを大切な存在だと思ってるんだ。だから――」ガラッ
澪が何かを言いかけたその時、教室の扉が開いた
唯「リッちゃン、みツケたヨぉ」
紬「ペロペろサセてモラうワヨ」
梓「りツセンパいリつセンぱイ」
和「わタシがイチバんニペろペロスルわ」
律「――ちくしょう!」
まさかこんなに早く見つかるなんて……何でだよくそっ!早くここから逃げなきゃ――!!
あたしは澪の手を取る
律「澪!はやく逃げるぞ!」
しかし澪は立ち上がろうとしない。もしかして怖くて失神しちまったのか?
律「おい澪!どうしたんだよ!はやくしないとあいつらに――」
澪「なぁ、律」
澪があたしの名を呼び、
そしてあたしの腕を掴む
律「痛っ!」
あまりの馬鹿力に思わず叫んでしまう。
澪「そんなに慌てるなよ。」
澪「唯たちを呼んだのは、ワタシだ」
律「えっ……?」
もしかしてさっき澪が電話をかけたのは澪の家ではなく、唯たち……
っていうことはつまり澪は――
澪「律、聞いてくれ」
澪「人間ってさ、欲求を抑えすぎているといつか爆発してしまうらしいんだ」
澪「お前トは付き合イ長いからサ、ワタしの欲求も限界二来てたンだヨ」
澪「みンナ、リつノコと、だイスきナンだヨ」
澪の顔を見る
月明かりに照らされた澪の顔
しかしそれは最早、澪ではなかった
白目を向き、歯軋りをたてながら不気味に微笑む澪
澪の手の力が強くなる。あたしは完全に腰が抜けてしまいその場に座りこむ。もう声を出すこともできない。
澪「オ前のオデこが魅力的スギるカらいケナイんダゾ」
みんながあたしを取り囲む
唯「りッチャん」
これは夢だ
紬「ホうカごハコれカらヨ」
きっと夢なんだ
梓「ヤッてヤルでスやッテヤルデす」
夢から覚めたらまたいつものように――
和「ジャあアタしカラいクネ」
またみんなで――
澪「ケけケケケこケケけケケケケけケケケケケケケケけケケケケケケケケオデコペロペロオデコペロペロオデコペロペロオデコペロペロケケケケケケケケケケケケケケけケけケケケケケケケケケケケケケケケけけ」
あたしの意識はそこで途切れた
……
長い夢を見ている気分だった
今日は何だか学校に行きたくない気分で時計の針が午後4時を指した時点でもあたしはまだ家のベッドに寝ていた
体が、心が、きつい
昨日は、なにをしていたっけ
もしかしたら、夢、だったのかもしれない
律「……部室に行こう」
そうだ、部室に行ってみんなに会おう
唯とふざけあって
ムギのお茶を飲んで
梓につっこまれて
澪をからかって
そんな日常を、当たり前の日常を、求めに行こう
午後6時
あたしはいま部室の扉の前にいる
律「……みんな、来てるかな」
今日は無断欠席だったしな
みんなに色々と言われるかもしれないな
言い訳……考えないと
律「……よし」
そうしてあたしが扉に手をかけた時、中から微かに話声が聞こえた
「――マたペろぺロシたイネ」
……ペロペロ?
「唯チャンいッパイシてタジャなイ」
……そうか
「ツぎハくンカくンカシテやルデす」
あたしはまだ
「リつ、オソいナァあ」
きっと夢の中なんだ
?「……何をしているの」
律「!?」
背後から声がした
律「……さわちゃん」
さわ子「中、入らないの?」
帰ってもう一回寝よう。そしたらきっとこの悪夢は無くなっているはず
律「今日は帰ります」
さわちゃんの横を通り過ぎようとした時、さわちゃんに肩を掴まれた
さわ子「待ちなさい」
あぁ、またなのか
さわ子「ワタシ、昨日イナカッタカラ」
なんて長い夢なんだ
さわ子「わタシモモうガまンデきナイノ」
さわ子「オでコ、ペろペロさセナサい」
そのままなすすべなく部室へと引きずられる
あたしの放課後は、まだまだ終わりそうにない
おしまい
お付き合いいただきありがとうございました。世にも奇妙な物語ぽくしようとしましたが何か中途半端になっちゃいました
なんでみんな律凸ペロペロしたくなったのかは深く考えないでください。律凸が魅力的だから、ただそれだけです
駄文でしたが読んでいただきありがとうございました
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 15:33:46.24:1rixbwnZ0なんでみんな律凸ペロペロしたくなったのかは深く考えないでください。律凸が魅力的だから、ただそれだけです
駄文でしたが読んでいただきありがとうございました
まぁ結局、デコ舐められるだけなのかな?w
乙!
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 15:36:55.86:yDV1xIaA0乙!
乙
りっちゃんはデコにからし塗っておけばいいんじゃねw
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 19:46:31.38:u1W8OPYU0りっちゃんはデコにからし塗っておけばいいんじゃねw
これがりっちゃんハーレムか
けいおん! 田井中律 (1/7スケールPVC塗装済み完成品)
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コメント一覧 (8)
下手に抵抗するからスタンガンとか持ち出される
朝起きたらその子供は…
骨だけになっていた!