- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 15:21:24.27:EHAtYD5S0
見ないと損です。
だってこんなにも可愛くて可憐であり
あどけなさが残っていてお茶目でキュートなお姉ちゃんだから。
私にとって最愛の人です。
それがたとえ実の姉であっても。
見てるだけで癒される――それがお姉ちゃんなのです。
今日も朝から見ましょう。
見て見ていっぱい見て頭の中に刻み込んでおきたいと思います。

【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」

【速報】尾田っち、ワンピース最新話でやってしまうwwww

【東方】ルックス100点の文ちゃん

【日向坂46】ひなあい、大事件が勃発!?

韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 15:27:54.79:EHAtYD5S0
今日はおやすみの日です。
いつもと違って寝坊できる日です。
でも私にはそんなのはありません。
いつもと同じ時間に起き、いつもと同じように朝食の準備をします。
ある程度整ったらお姉ちゃんを起こしに行きます。
お姉ちゃんのお部屋の扉を開けるとお姉ちゃんの匂いが薄っすらと感じます。
シャンプーやボディソープ、化粧品等等。
お姉ちゃんの身の回りのものが一つになってお姉ちゃんの匂いとなっています。
その匂いは甘くて甘くてアイスのように甘くて食べてしまいたい衝動に駆られます。
少しこころを落ち着かせ、いつものようにお姉ちゃんを起こしましょう。
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 15:34:40.34:EHAtYD5S0
でも、起こす前にお姉ちゃんの寝顔をしっかりと堪能しておきたいと思います。
なぜならいつ見ても癒されるからです。
口を半開きにして、涎を垂らして
くてんと寝ている格好は愛でたくなる気持ちにさせます
いつものように可愛い――と思いながら顔を見詰めます。
髪の毛を撫でたり、たまにほっぺたをつっついたり
鼻も指で押し付けたり、色色とイタズラをしちゃいます。
――だって可愛いから。
たまにうーうー言いながらモゾモゾ動くお姉ちゃんが堪らなく可愛いから。
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 15:40:42.60:EHAtYD5S0
そんなイタズラをいっぱいしていると、漸くお姉ちゃんが起きました。
うーいー?なんて言いながら目をぱちぱちさせて起きます。
私もおはよう!と元気よく挨拶をしました。
凄い寝癖だよと苦笑しながら言います。
もうあちこち跳ねて、笑うしかない状態です。
いったいどうやったらこんな風になるのでしょうかね。
毎日毎日不思議です。
こんど一緒に寝たときに観察でもしてみましょう。
ベッドの上で寝ながら体操でもしてそうな気がします。
いえ、もしかしたらギー太を弾いてるのかもしれません。
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 15:47:33.56:EHAtYD5S0
お姉ちゃんはおやすみだからもっと寝たいよーと言います。
そうですね。おやすみの日の二度寝は気持ちのいいものかもしれません。
けど、あまり怠けていると体に悪いです。
お姉ちゃんの体が悪くなると、私は大変悲しくなります。
風邪をこじらせた時でさえ、気が重くなるのに
それ以上の病気を発症させるのは耐えられません。
憂「ダメだよ。おやすみだからっていつまでも寝てたらダーメッ」
唯「え~」
口を尖らせて言いました。
嫌々ながら上体を起こします。
憂「ご飯用意してあるから、早く食べようね」
そう言い、腰を上げ、部屋を出ようとします。
けど、お姉ちゃんに手を引っ張られ
私はお姉ちゃんに覆いかぶさるようにベッドに倒れこみました。
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 15:57:50.43:EHAtYD5S0
憂「痛いよ、お姉ちゃん」
唯「えへへごめんね」
顔に――頬にお姉ちゃんの胸の感触。
マシュマロみたいに柔らかい感触。
お姉ちゃんの手が私の背中と後頭部に周り、私をガッチリ掴んでいます。
ドキドキと鼓動が早くなります。
お姉ちゃんからもドキドキと音が聞こえてきそうでした。
お姉ちゃんの身体はとてもあたたかいです。
冬も近づき、肌寒い季節でもお姉ちゃんは変わらずあたたかいのです。
唯「ういも寝ようよー。二度寝気持ちいいよ」
憂「でも……ご飯食べないと」
唯「ご飯は後でも食べることできるよ」
そう言いながら大きなあくびをしました。
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 16:04:51.42:EHAtYD5S0
唯「うい、ちょっと冷たい」
憂「今日も冷えるもん」
唯「じゃあ、私があたためてあげましょう」
背中と頭に回していた手を私の頬に添えました。
冷やりと冷たい感触がします。
ごめんねお姉ちゃん。お姉ちゃんの手は冷たいや。
起きたばっかりだからね。
あたたかいご飯でも食べれば直ぐにでもあったかになるのにね。
唯「おお、ういのほっぺたあたたかい!」
憂「お姉ちゃんの手が冷たいんだよ」
憂「代わりに私があたためてあげる」
両手で、お姉ちゃんの手を包み込むように触れ
そのまま私の頬にぎゅっと押し付けました。
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 16:11:51.99:EHAtYD5S0
唯「わー、あったかーい」
けらけらと子どものように笑うお姉ちゃん。
そんなお姉ちゃんを私は暖かい目で見詰めます。
憂「ほら、段々お姉ちゃんの手もあたたかくなってきたよ」
私の頬と変わらないくらいあたたかくなったお姉ちゃんの手。
キメの細かいその手は何度擦っても気持ちのいい感触でした。
そんな手が私の頬に触れている。
そう思うと自分で押し付けておいてなんですが
ちょっとばかり恥ずかしくなります。
でも、頬も身体もこころも、ぽかぽかとあたたかくなって来た気がします。
これもお姉ちゃんのおかげですね。
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 16:21:38.30:EHAtYD5S0
唯「ういは、体はもう冷たくないの?」
憂「うん、お姉ちゃんがほっぺたに手をおいてくれたから」
そっかーと言いました。
お姉ちゃんはにこにこと笑顔です。
唯「それじゃあ、もっともーっとあたたかくしてあげる」
そう言うとベッドのカバーを私の上に掛けます。
そしてそのままぎゅっと先ほどより強く抱きつかれました。
お姉ちゃんと一緒にベッドに寝ている状態です。
憂「わっ。お姉ちゃん寝ちゃダメだよ」
唯「まだ眠いもん……。ういと一緒に寝ればあたたかくなるよー」
私の胸に顔を押し付け目を瞑るお姉ちゃんは
寝る準備が万端と言えそうでした。
憂「先にご飯食べようよ。ほ~ら~」
私が何を言っても反応がなくなりました。
私の胸の中が心地よいのか、すやすやと寝息が聞こえてきます。
憂「もうっ……」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 16:30:03.94:EHAtYD5S0
そう言いましたが別に嫌なわけじゃありません。
ただ、ご飯が冷めちゃうな――と思うばかりです。
そんななかリビングの方から
チン!と云う音が聞こえてきました。
はい、パンが焼けましたね。
今日はイチゴジャムたっぷりのパンに、目玉焼き
栄養満点の野菜サラダ。そしてオレンジジュース。
このままじゃパンも目玉焼きも覚めちゃうかな。
ふふっと苦笑してお姉ちゃんの寝顔に目を移します。
お姉ちゃんの寝顔って何でこんなにも可愛いのでしょうかね。
いつもいつも見ているけど、この疑問は解決しません。
知ってる人が居たら教えて欲しいくらいです。
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 16:38:44.97:EHAtYD5S0
お姉ちゃんの髪の毛を人差し指でくるくると絡めます。
目が覚めないのでちょっと暇です。
お姉ちゃんは離してくれそうもありません。
寝ているお姉ちゃんを見ているのもいいけど
起きて活発に動いているお姉ちゃんもいいのです。
特にギー太を弾いているお姉ちゃんは格好いいこと間違いなしですから。
文化祭でのステージ上のお姉ちゃんはとても輝いていました。
中心に立ち、みんながお姉ちゃんに注目しています。
キレイな歌声と力強いギターの演奏。
その二つがミックスされお姉ちゃんの魅力となり
私をひきつけています。
目が離せません。終わるまでずっと見ていました。
凄いですお姉ちゃんは!
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 16:45:53.81:EHAtYD5S0
なのでいつまでも寝てるわけにはいきません。
早くお姉ちゃんを起こしましょう。
憂「お姉ちゃん~」
ちょっと力強く体を揺さぶり声を掛けます。
唯「ふぇ……」
憂「はい、起きた起きた!ご飯食べる時間だよ」
唯「ねーむーいー」
いやいやと首を振りました。
うん、仕方ありません。ここは無理矢理起きてもらいましょう。
唯「わっ」
お姉ちゃんを担ぎ上げるとずしっと腕に重さが加わりました。
そのまま部屋の外まで行きます。ちょっと疲れました。
いえ、そろそろ限界です。
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 16:53:06.51:EHAtYD5S0
腕もぷるぷると震える感覚です。
お姉ちゃんは私にしがみつき言います。
唯「このままリビングまで運んでー」
へらへらと言いました。
私は苦笑いです。
お姉ちゃん途中で落っことしたらゴメンね。
ゆっくりゆっくりと階段を下りていきます。
唯「わーうい凄いー」
ありがとうお姉ちゃん。でも腕の感覚が無いんだよ。
早く下まで行かないと本当に落としてしまいそうです。
唯「ういーがんばれー」
うん。がんばる!
その言葉のおかげでがんばれるから。
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 16:57:41.25:EHAtYD5S0
まあ、そんなこんなで無事落とさずに下りれました。
憂「ふ~」
唯「ありがとう!憂!!」
憂「えへへ。どういたしまして」
憂「早くご飯食べよう。もう冷めちゃってるけど」
唯「ういのは冷めててもおいしいよー」
そんな嬉しいことを言ってくれたので
笑顔でお姉ちゃんにありがとうと言いました。
そして椅子に座り朝食を摂ります。
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 17:07:59.00:EHAtYD5S0
おいしいご飯を食べて笑顔満点。
ちょっとした雑談をしつつ食を進めます。
私の前に座るお姉ちゃんは笑顔のオーラを振りまいています。
それに触れると何だかとってもあたたかくなるのです。
朝からこれを味わえる私は幸せ者ですね。
ああ、なんでおいしい物を食べるとこんなにも笑顔になるんだろう。
お姉ちゃんのその笑顔は私と違い、一段と輝いてるようでした。
いつまでもおいしいおいしいと言い続けるようです。
作った身としては大変嬉しいばかりです。
それがお姉ちゃんに言ってもらえることがもう堪りません。
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 17:16:30.15:EHAtYD5S0
朝食を済まし、私はお皿洗いです。
お姉ちゃんは――テレビを見ていますね。
アニメかな。
尻尾の生えた変な模様の人が映っています。
ちょっと可笑しくてふふっと笑いが零れました。
洗い物を済ませ、お姉ちゃんの隣へ座り
一緒にこたつに当たりました。
リビングは広い分少し寒いです。
ぬくぬく出来るこたつは大変ありがたいのです。
お姉ちゃんはもっと寒くなるとこたつに篭り
カメのように顔だけだします。
そしてそこから動こうとしません。
どこへ行くにしてもこたつを離さない感じで――本当にカメさんみたいです。
これもまた可笑しくてついつい笑っちゃうんですよね。
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 17:26:51.13:EHAtYD5S0
ちょっと冷えた手をあたためるためにこたつの中へ手を入れました。
そして軽く触れる私の手とお姉ちゃんの手。
その手はとてもあたたかかったです。
唯「ひゃっ!」
憂「あわわっ。ごめんね」
唯「うい……手すごい冷たい。さっきはあたたかかったのに」
憂「お水に触れたからね。お湯使うとガス代かかっちゃうし」
唯「ういの手こんなに冷たくてかわいそう」
憂「もう平気だよ。こたつに当たれば直にあったまるもん」
唯「そっか。じゃあ私の手も手伝ってあげる」
そう言うとベッドの上でしたように、手を包み込んでくれました。
憂「……あったかーい」
唯「よかった」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 17:36:08.50:EHAtYD5S0
唯「ういー。体も冷えちゃうからもっとこっちにおいで」
憂「うん」
ぴったりと寄り添うように肩を並べます。
お姉ちゃんと私の間には隙間がなくなりました。
手はお姉ちゃんが握ってくれたままです。
私は頭をちょこんとお姉ちゃんの肩に乗せました。
なんとなく、自然に頭が動いてそこについたのです。
そのまま特に何をするわけでもなく
ただただぼーっとテレビの方に顔を向けているだけでした。
ニュースキャスターの声が静かにリビングに響くと
なんとも言えない心地よさに襲われました。
催眠術にでもかかったような感覚です。
ふとお姉ちゃんに目をやると目を瞑っています。
また眠ってしまったのでしょうか。
本当によく眠るお姉ちゃんです。
でもそこが――可愛い!
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 17:45:53.59:EHAtYD5S0
はっと気付くとちょっと陽が傾いているようでした。
いったいどれだけ寝ていたんだろう。
ケイタイを開くと3時過ぎ。
うん、幾ら何でも寝すぎだよね。
やすみだからってだらけちゃいけません。
再びお姉ちゃんを起こしましょう。
憂「お姉ちゃん。こたつで寝ちゃダメだよ」
憂「おーきーてー」
唯「ふぇ……」
って……ああ!
肩に涎が垂れています。ちょっぴり生暖かい感触。
後で拭いておきましょう。
唯「んん……!よく寝たー!!」
大きく背伸びをして
大きなあくびもしてお姉ちゃんは元気ハツラツ状態です。
元気いっぱいなのはいいことです。
元気なお姉ちゃんが一番です。
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 17:55:13.60:EHAtYD5S0
唯「さて、いつの間にかこんな時間」
憂「寝すぎだよ」
唯「中途半端な時間だからご飯食べるわけにもいかず、さてどうしたものか」
憂「お姉ちゃん……私お姉ちゃんがギター弾いてるところ見たい!」
唯「おお!ギー太の出番ですか。いいよ!まってて!!」
やった!と思いました。
お姉ちゃんのギターを弾く姿を見るのは学園祭のライブ以来です。
しかもあの時とは違って今回は間近で見れます。
ギターの弾くお姉ちゃんは可愛い――よりも格好いい!です。
可愛くもあるんですけどね。
こころときめいて、ぴょんぴょんと小躍りしたくなります。
そんな思いでお姉ちゃんが来るのを心待ちにしていました。
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 18:02:56.64:EHAtYD5S0
暫くするとどたどたと階段を駆け下り
ギー太を抱えたお姉ちゃんが登場しました。
唯「じゃーん!」
憂「わっ、お姉ちゃん格好いい!!」
唯「いやあテレるねえ」
ちょっと頬を赤くして笑っています。
そんなお姉ちゃんを、お姉ちゃんがっばって!と応援しました。
唯「よーっし。憂のためにやっちゃうよー」
憂「わーい」
大きな拍手でお姉ちゃんを迎えます。
唯「どーもどーも」
唯「じゃあ最初はやっぱりふわふわ時間!」
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 18:12:35.00:EHAtYD5S0
聞きなれたイントロから始まり痛快なメロディが流れます。
私も拍手で合いの手を入れました。
そして澪さんが書いた歌詞を歌っていきます。
とてもメルヘンチックでちょっと恥ずかしいけど
お姉ちゃんはとても楽しそうに歌います。
楽しそうに歌うお姉ちゃんの声はとても心地よいものでした。
歌っている本人が楽しそうだから聴く方も楽しくなって仕方ないのです。
歌ってる笑顔が、声が、もう全身から楽しさが伝わってくるようでした。
そんなお姉ちゃんを間近で見れるのが嬉しくて嬉しくて
すこし、涙ぐんでしまいます。
でもお姉ちゃんに涙を見せるわけにはいきません。
心配かけるとギターを弾くどころじゃあありませんから。
それを誤魔化すように大きく拍手してお姉ちゃんを――この場を盛り上げました。
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 18:20:54.89:EHAtYD5S0
じゃーんと云う終わりの音が響きます。
お姉ちゃんは右手を大きく上に上げ、ポーズを決めていました。
顔もぎゅっと引き締まって俗に言う“ドヤ顔”ですね。
そんなお姉ちゃんも格好よく、可愛いです!
私は立ち上がってこれでもかと云うくらい拍手をしました。
憂「お姉ちゃん格好いい!!」
唯「ありがとうありがとう!」
テンションが高いのか先程のようなテレはありません。
そんなお姉ちゃんが大きく見えます。
とっても頼れるお姉ちゃんな気がしてなりません。
ついつい見惚れてしまいました。
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 18:29:54.30:EHAtYD5S0
唯「ふふん、惚れちゃいけないぜ!」
予想外の言葉にビックリと恥ずかしさを覚えました。
カーっと顔が熱くなってきます。
唯「あっ、うい顔あかーい」
憂「あ、赤くないよ!!」
両手で顔を覆い隠し、お姉ちゃんに言います。
自分の手が頬に触れると尋常じゃないくらい熱くなっていました。
自分の顔はどれくらい赤いのでしょう。
気になって仕方ありません。
トマトのように赤いのでしょうか。
そう思うと顔から火が出そうでした。
憂「お姉ちゃんが変なこと言うから……」
唯「えー。私別に変なこと言ってないのに」
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 18:42:42.77:EHAtYD5S0
憂「私のことはいいから、次のお願い。もっと聴きたいなあ」
唯「おっけーおっけー。まかせなさい」
憂「えへへ、ありがとう」
ふんすっと鼻息を荒げてお姉ちゃんは再び演奏をします。
そんなお姉ちゃんをずっと見続けました。
いっぱい歌っていっぱいギー太をしゃべらせ
いっぱい笑顔になっています。
私はお姉ちゃんに負けずに笑顔で応えます。
笑顔を貰ってばかりじゃいけないもんね。
おかえしをしないと、そう思うばかりです。
ふわふわ時間から始まり、新曲のいちごパフェが止まらない
ごはんはおかず、冬の日、天使にふれたよ!
そしてもちろん――U&Iも歌ってくれました。
お姉ちゃん自らが書いた歌詞です。
素敵な歌詞だと思います。キミ――と言うのは私のことだよね。
初めて目にした時は心があたたまりただ笑顔になるだけでした。
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 18:52:33.80:EHAtYD5S0
お姉ちゃんの声は私の心をあたためてくれる魔法の声です。
いつまでも聴いていたい。そんな声なのです。
そして再び終わりのポーズを決め、演奏は止まります。
ギターの音が響き、私は余韻に浸っていました。
唯「ういー?」
憂「あっ!凄すぎて意識が飛んじゃいそうだった!」
唯「またまた大げさな」
くすくす笑うお姉ちゃん。
大げさじゃないよと私も笑って答えます。
本当に良い音楽をありがとうと言いたくなる演奏でした。
そう思うと初めてギターをさわっている時を思い出します。
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 18:59:52.08:EHAtYD5S0
高校一年生の時に買ってきたギターは
ちょっとばかりお姉ちゃんには大きく見えました。
初めはコードも知らないみたいでただ弦を弾いてたり
服着せてたりしているだけでした。
でも、ちょっとずつちょっとずつさわる時間は増え
いつの間にか難しいコードも弾けるようになり
リビングで楽しそうにしているお姉ちゃんを私は見てきました。
お姉ちゃんはがんばれば出来るのです!
そう思わせる出来事でした。
それからどんどん上手になり、校内ではファンの子もいっぱい居るそうです。
自分のことじゃないけど、何故か嬉しくなります。
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 19:06:34.48:EHAtYD5S0
唯「ういー。そろそろおなか空いたよー」
そう力なく言いました。
そうですね、もうお夕飯の時間です。
いっぱい演奏したお姉ちゃんにはいっぱいご飯を食べて力をつけてもらいましょう。
憂「あ、そうだね。直ぐ作るよ」
唯「ほーい。ちかれたー」
ギー太を部屋に置いて、戻ってきたお姉ちゃんはソファーに倒れこみます。
沢山演奏したからね、疲れているんだよね。
それなら今日のご飯はお姉ちゃんの好きなカレーかな。
かーれーちょっぴりらいすたぁっぷり!なんてね。
カレーのちライスを鼻歌で歌いながら調理していきました。
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 19:14:41.82:EHAtYD5S0
一時間ほどで完成し、テーブルへカレーを運びます。
ちょっぴり甘めのカレー。
ぱくぱく食べれてお姉ちゃんは大好物です。
私は辛いのもいけるけど、甘いのもそれなりに好きかな。
お姉ちゃんを呼ぶと、待ってましたと言わんばかりの勢いでテーブルに着きました。
子どものようにはしゃぐお姉ちゃんに笑いながら
二人で手を合わせていただきます。
お昼は食べてなかったのでいつも以上においしく感じました。
胃にカレーが沁み込んでる感じです。
お姉ちゃんもおいしいおいしいと言っています。
まあ、空腹に勝る調味料は無いといいますからこれはこれでよかったのでしょう。
おいしく食べれて良かったね。お姉ちゃん。
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 19:20:46.23:EHAtYD5S0
いつもの1.5倍は食べたお姉ちゃん。
おなかを苦しそうに抱えています。
憂「だから食べすぎって言ったのに~」
唯「だって……おいしかったもん」
ちょっと涙目で床に寝そべりながら言いました。
憂「はい、いっぱい食べてくれてありがとう」
憂「次は八分目にしとこうね~」
唯「わかったよー」
うーんうーんと唸りながら床を転がっています。
ちょっとかわいそうですけど、私にはどうすることもできません。
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 19:26:57.81:EHAtYD5S0
お皿の片付けも終わり、お姉ちゃんの方へ目をやると相変わらず寝転がっています。
ウシになるんじゃないかな――と思いながら声を掛けます。
憂「お風呂沸いてるけど入る?」
唯「ういが先入っていいよー」
憂「そう?じゃあ先入っちゃうよ」
唯「うんーどうぞー」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 19:35:37.53:EHAtYD5S0
――カポーン
湯船に浸かっていると色色と考えることができます。
学校のこと友達のこと嫌なこと楽しいこと。
今日は――お姉ちゃんのことだらけ。
おやすみだから、いつも以上に一緒に居られて楽しかったもんね。
頭の中で今日の出来事が廻ります。
朝起きてからご飯食べて、一緒にまた寝て
ギター演奏してくれて、またご飯食べて
いっぱい笑ったなあ。
残り少ない高校生活をお姉ちゃんと楽しもう。
そう思うばかりです。
卒業したら一緒に居られる時間はより減るのかもしれないですから。
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 19:42:58.87:EHAtYD5S0
お風呂を出て、リビングへ戻ると
こたつに突っ伏しているお姉ちゃんが見えました。
こんな所で寝ちゃダメだよと言うもなかなか起きてくれません。
そうとうお疲れのようです。
仕方ありません。今日はここで寝かせましょう。
上に運ぶ力は私には残っていません。
というか流石に大変です。
けどお姉ちゃんをこんな広いリビングで一人で寝かせるのも忍びないので
私も一緒に寝ることにしました。
こたつの電源を切って、お姉ちゃんに毛布を掛けます。
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 19:49:08.02:EHAtYD5S0
今日最初に見たお姉ちゃんは寝顔のお姉ちゃん。
今日最後に見るお姉ちゃんも寝顔のお姉ちゃん。
――いつみても可愛い!
今朝みたいに頭を撫でてほっぺたつっついたり
色色とイタズラします。
唯「ん……んん」
憂「あ……っと。あぶないあぶない」
今日はちょっぴり早いけど
お姉ちゃんと一緒に寝ることにしましょう。
リビングの電気を消して
お姉ちゃんにピッタリとコアラのようにくっつきます。
お姉ちゃんがあたたかいから離れることはできません。
憂「お姉ちゃんおやすみ」
真っ暗闇の中、お姉ちゃんを見ながらそうささやきました。
おしまい
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 20:00:54.78:XxOQUpmu0
今日はおやすみの日です。
いつもと違って寝坊できる日です。
でも私にはそんなのはありません。
いつもと同じ時間に起き、いつもと同じように朝食の準備をします。
ある程度整ったらお姉ちゃんを起こしに行きます。
お姉ちゃんのお部屋の扉を開けるとお姉ちゃんの匂いが薄っすらと感じます。
シャンプーやボディソープ、化粧品等等。
お姉ちゃんの身の回りのものが一つになってお姉ちゃんの匂いとなっています。
その匂いは甘くて甘くてアイスのように甘くて食べてしまいたい衝動に駆られます。
少しこころを落ち着かせ、いつものようにお姉ちゃんを起こしましょう。
でも、起こす前にお姉ちゃんの寝顔をしっかりと堪能しておきたいと思います。
なぜならいつ見ても癒されるからです。
口を半開きにして、涎を垂らして
くてんと寝ている格好は愛でたくなる気持ちにさせます
いつものように可愛い――と思いながら顔を見詰めます。
髪の毛を撫でたり、たまにほっぺたをつっついたり
鼻も指で押し付けたり、色色とイタズラをしちゃいます。
――だって可愛いから。
たまにうーうー言いながらモゾモゾ動くお姉ちゃんが堪らなく可愛いから。
そんなイタズラをいっぱいしていると、漸くお姉ちゃんが起きました。
うーいー?なんて言いながら目をぱちぱちさせて起きます。
私もおはよう!と元気よく挨拶をしました。
凄い寝癖だよと苦笑しながら言います。
もうあちこち跳ねて、笑うしかない状態です。
いったいどうやったらこんな風になるのでしょうかね。
毎日毎日不思議です。
こんど一緒に寝たときに観察でもしてみましょう。
ベッドの上で寝ながら体操でもしてそうな気がします。
いえ、もしかしたらギー太を弾いてるのかもしれません。
お姉ちゃんはおやすみだからもっと寝たいよーと言います。
そうですね。おやすみの日の二度寝は気持ちのいいものかもしれません。
けど、あまり怠けていると体に悪いです。
お姉ちゃんの体が悪くなると、私は大変悲しくなります。
風邪をこじらせた時でさえ、気が重くなるのに
それ以上の病気を発症させるのは耐えられません。
憂「ダメだよ。おやすみだからっていつまでも寝てたらダーメッ」
唯「え~」
口を尖らせて言いました。
嫌々ながら上体を起こします。
憂「ご飯用意してあるから、早く食べようね」
そう言い、腰を上げ、部屋を出ようとします。
けど、お姉ちゃんに手を引っ張られ
私はお姉ちゃんに覆いかぶさるようにベッドに倒れこみました。
憂「痛いよ、お姉ちゃん」
唯「えへへごめんね」
顔に――頬にお姉ちゃんの胸の感触。
マシュマロみたいに柔らかい感触。
お姉ちゃんの手が私の背中と後頭部に周り、私をガッチリ掴んでいます。
ドキドキと鼓動が早くなります。
お姉ちゃんからもドキドキと音が聞こえてきそうでした。
お姉ちゃんの身体はとてもあたたかいです。
冬も近づき、肌寒い季節でもお姉ちゃんは変わらずあたたかいのです。
唯「ういも寝ようよー。二度寝気持ちいいよ」
憂「でも……ご飯食べないと」
唯「ご飯は後でも食べることできるよ」
そう言いながら大きなあくびをしました。
唯「うい、ちょっと冷たい」
憂「今日も冷えるもん」
唯「じゃあ、私があたためてあげましょう」
背中と頭に回していた手を私の頬に添えました。
冷やりと冷たい感触がします。
ごめんねお姉ちゃん。お姉ちゃんの手は冷たいや。
起きたばっかりだからね。
あたたかいご飯でも食べれば直ぐにでもあったかになるのにね。
唯「おお、ういのほっぺたあたたかい!」
憂「お姉ちゃんの手が冷たいんだよ」
憂「代わりに私があたためてあげる」
両手で、お姉ちゃんの手を包み込むように触れ
そのまま私の頬にぎゅっと押し付けました。
唯「わー、あったかーい」
けらけらと子どものように笑うお姉ちゃん。
そんなお姉ちゃんを私は暖かい目で見詰めます。
憂「ほら、段々お姉ちゃんの手もあたたかくなってきたよ」
私の頬と変わらないくらいあたたかくなったお姉ちゃんの手。
キメの細かいその手は何度擦っても気持ちのいい感触でした。
そんな手が私の頬に触れている。
そう思うと自分で押し付けておいてなんですが
ちょっとばかり恥ずかしくなります。
でも、頬も身体もこころも、ぽかぽかとあたたかくなって来た気がします。
これもお姉ちゃんのおかげですね。
唯「ういは、体はもう冷たくないの?」
憂「うん、お姉ちゃんがほっぺたに手をおいてくれたから」
そっかーと言いました。
お姉ちゃんはにこにこと笑顔です。
唯「それじゃあ、もっともーっとあたたかくしてあげる」
そう言うとベッドのカバーを私の上に掛けます。
そしてそのままぎゅっと先ほどより強く抱きつかれました。
お姉ちゃんと一緒にベッドに寝ている状態です。
憂「わっ。お姉ちゃん寝ちゃダメだよ」
唯「まだ眠いもん……。ういと一緒に寝ればあたたかくなるよー」
私の胸に顔を押し付け目を瞑るお姉ちゃんは
寝る準備が万端と言えそうでした。
憂「先にご飯食べようよ。ほ~ら~」
私が何を言っても反応がなくなりました。
私の胸の中が心地よいのか、すやすやと寝息が聞こえてきます。
憂「もうっ……」
そう言いましたが別に嫌なわけじゃありません。
ただ、ご飯が冷めちゃうな――と思うばかりです。
そんななかリビングの方から
チン!と云う音が聞こえてきました。
はい、パンが焼けましたね。
今日はイチゴジャムたっぷりのパンに、目玉焼き
栄養満点の野菜サラダ。そしてオレンジジュース。
このままじゃパンも目玉焼きも覚めちゃうかな。
ふふっと苦笑してお姉ちゃんの寝顔に目を移します。
お姉ちゃんの寝顔って何でこんなにも可愛いのでしょうかね。
いつもいつも見ているけど、この疑問は解決しません。
知ってる人が居たら教えて欲しいくらいです。
お姉ちゃんの髪の毛を人差し指でくるくると絡めます。
目が覚めないのでちょっと暇です。
お姉ちゃんは離してくれそうもありません。
寝ているお姉ちゃんを見ているのもいいけど
起きて活発に動いているお姉ちゃんもいいのです。
特にギー太を弾いているお姉ちゃんは格好いいこと間違いなしですから。
文化祭でのステージ上のお姉ちゃんはとても輝いていました。
中心に立ち、みんながお姉ちゃんに注目しています。
キレイな歌声と力強いギターの演奏。
その二つがミックスされお姉ちゃんの魅力となり
私をひきつけています。
目が離せません。終わるまでずっと見ていました。
凄いですお姉ちゃんは!
なのでいつまでも寝てるわけにはいきません。
早くお姉ちゃんを起こしましょう。
憂「お姉ちゃん~」
ちょっと力強く体を揺さぶり声を掛けます。
唯「ふぇ……」
憂「はい、起きた起きた!ご飯食べる時間だよ」
唯「ねーむーいー」
いやいやと首を振りました。
うん、仕方ありません。ここは無理矢理起きてもらいましょう。
唯「わっ」
お姉ちゃんを担ぎ上げるとずしっと腕に重さが加わりました。
そのまま部屋の外まで行きます。ちょっと疲れました。
いえ、そろそろ限界です。
腕もぷるぷると震える感覚です。
お姉ちゃんは私にしがみつき言います。
唯「このままリビングまで運んでー」
へらへらと言いました。
私は苦笑いです。
お姉ちゃん途中で落っことしたらゴメンね。
ゆっくりゆっくりと階段を下りていきます。
唯「わーうい凄いー」
ありがとうお姉ちゃん。でも腕の感覚が無いんだよ。
早く下まで行かないと本当に落としてしまいそうです。
唯「ういーがんばれー」
うん。がんばる!
その言葉のおかげでがんばれるから。
まあ、そんなこんなで無事落とさずに下りれました。
憂「ふ~」
唯「ありがとう!憂!!」
憂「えへへ。どういたしまして」
憂「早くご飯食べよう。もう冷めちゃってるけど」
唯「ういのは冷めててもおいしいよー」
そんな嬉しいことを言ってくれたので
笑顔でお姉ちゃんにありがとうと言いました。
そして椅子に座り朝食を摂ります。
おいしいご飯を食べて笑顔満点。
ちょっとした雑談をしつつ食を進めます。
私の前に座るお姉ちゃんは笑顔のオーラを振りまいています。
それに触れると何だかとってもあたたかくなるのです。
朝からこれを味わえる私は幸せ者ですね。
ああ、なんでおいしい物を食べるとこんなにも笑顔になるんだろう。
お姉ちゃんのその笑顔は私と違い、一段と輝いてるようでした。
いつまでもおいしいおいしいと言い続けるようです。
作った身としては大変嬉しいばかりです。
それがお姉ちゃんに言ってもらえることがもう堪りません。
朝食を済まし、私はお皿洗いです。
お姉ちゃんは――テレビを見ていますね。
アニメかな。
尻尾の生えた変な模様の人が映っています。
ちょっと可笑しくてふふっと笑いが零れました。
洗い物を済ませ、お姉ちゃんの隣へ座り
一緒にこたつに当たりました。
リビングは広い分少し寒いです。
ぬくぬく出来るこたつは大変ありがたいのです。
お姉ちゃんはもっと寒くなるとこたつに篭り
カメのように顔だけだします。
そしてそこから動こうとしません。
どこへ行くにしてもこたつを離さない感じで――本当にカメさんみたいです。
これもまた可笑しくてついつい笑っちゃうんですよね。
ちょっと冷えた手をあたためるためにこたつの中へ手を入れました。
そして軽く触れる私の手とお姉ちゃんの手。
その手はとてもあたたかかったです。
唯「ひゃっ!」
憂「あわわっ。ごめんね」
唯「うい……手すごい冷たい。さっきはあたたかかったのに」
憂「お水に触れたからね。お湯使うとガス代かかっちゃうし」
唯「ういの手こんなに冷たくてかわいそう」
憂「もう平気だよ。こたつに当たれば直にあったまるもん」
唯「そっか。じゃあ私の手も手伝ってあげる」
そう言うとベッドの上でしたように、手を包み込んでくれました。
憂「……あったかーい」
唯「よかった」
唯「ういー。体も冷えちゃうからもっとこっちにおいで」
憂「うん」
ぴったりと寄り添うように肩を並べます。
お姉ちゃんと私の間には隙間がなくなりました。
手はお姉ちゃんが握ってくれたままです。
私は頭をちょこんとお姉ちゃんの肩に乗せました。
なんとなく、自然に頭が動いてそこについたのです。
そのまま特に何をするわけでもなく
ただただぼーっとテレビの方に顔を向けているだけでした。
ニュースキャスターの声が静かにリビングに響くと
なんとも言えない心地よさに襲われました。
催眠術にでもかかったような感覚です。
ふとお姉ちゃんに目をやると目を瞑っています。
また眠ってしまったのでしょうか。
本当によく眠るお姉ちゃんです。
でもそこが――可愛い!
はっと気付くとちょっと陽が傾いているようでした。
いったいどれだけ寝ていたんだろう。
ケイタイを開くと3時過ぎ。
うん、幾ら何でも寝すぎだよね。
やすみだからってだらけちゃいけません。
再びお姉ちゃんを起こしましょう。
憂「お姉ちゃん。こたつで寝ちゃダメだよ」
憂「おーきーてー」
唯「ふぇ……」
って……ああ!
肩に涎が垂れています。ちょっぴり生暖かい感触。
後で拭いておきましょう。
唯「んん……!よく寝たー!!」
大きく背伸びをして
大きなあくびもしてお姉ちゃんは元気ハツラツ状態です。
元気いっぱいなのはいいことです。
元気なお姉ちゃんが一番です。
唯「さて、いつの間にかこんな時間」
憂「寝すぎだよ」
唯「中途半端な時間だからご飯食べるわけにもいかず、さてどうしたものか」
憂「お姉ちゃん……私お姉ちゃんがギター弾いてるところ見たい!」
唯「おお!ギー太の出番ですか。いいよ!まってて!!」
やった!と思いました。
お姉ちゃんのギターを弾く姿を見るのは学園祭のライブ以来です。
しかもあの時とは違って今回は間近で見れます。
ギターの弾くお姉ちゃんは可愛い――よりも格好いい!です。
可愛くもあるんですけどね。
こころときめいて、ぴょんぴょんと小躍りしたくなります。
そんな思いでお姉ちゃんが来るのを心待ちにしていました。
暫くするとどたどたと階段を駆け下り
ギー太を抱えたお姉ちゃんが登場しました。
唯「じゃーん!」
憂「わっ、お姉ちゃん格好いい!!」
唯「いやあテレるねえ」
ちょっと頬を赤くして笑っています。
そんなお姉ちゃんを、お姉ちゃんがっばって!と応援しました。
唯「よーっし。憂のためにやっちゃうよー」
憂「わーい」
大きな拍手でお姉ちゃんを迎えます。
唯「どーもどーも」
唯「じゃあ最初はやっぱりふわふわ時間!」
聞きなれたイントロから始まり痛快なメロディが流れます。
私も拍手で合いの手を入れました。
そして澪さんが書いた歌詞を歌っていきます。
とてもメルヘンチックでちょっと恥ずかしいけど
お姉ちゃんはとても楽しそうに歌います。
楽しそうに歌うお姉ちゃんの声はとても心地よいものでした。
歌っている本人が楽しそうだから聴く方も楽しくなって仕方ないのです。
歌ってる笑顔が、声が、もう全身から楽しさが伝わってくるようでした。
そんなお姉ちゃんを間近で見れるのが嬉しくて嬉しくて
すこし、涙ぐんでしまいます。
でもお姉ちゃんに涙を見せるわけにはいきません。
心配かけるとギターを弾くどころじゃあありませんから。
それを誤魔化すように大きく拍手してお姉ちゃんを――この場を盛り上げました。
じゃーんと云う終わりの音が響きます。
お姉ちゃんは右手を大きく上に上げ、ポーズを決めていました。
顔もぎゅっと引き締まって俗に言う“ドヤ顔”ですね。
そんなお姉ちゃんも格好よく、可愛いです!
私は立ち上がってこれでもかと云うくらい拍手をしました。
憂「お姉ちゃん格好いい!!」
唯「ありがとうありがとう!」
テンションが高いのか先程のようなテレはありません。
そんなお姉ちゃんが大きく見えます。
とっても頼れるお姉ちゃんな気がしてなりません。
ついつい見惚れてしまいました。
唯「ふふん、惚れちゃいけないぜ!」
予想外の言葉にビックリと恥ずかしさを覚えました。
カーっと顔が熱くなってきます。
唯「あっ、うい顔あかーい」
憂「あ、赤くないよ!!」
両手で顔を覆い隠し、お姉ちゃんに言います。
自分の手が頬に触れると尋常じゃないくらい熱くなっていました。
自分の顔はどれくらい赤いのでしょう。
気になって仕方ありません。
トマトのように赤いのでしょうか。
そう思うと顔から火が出そうでした。
憂「お姉ちゃんが変なこと言うから……」
唯「えー。私別に変なこと言ってないのに」
憂「私のことはいいから、次のお願い。もっと聴きたいなあ」
唯「おっけーおっけー。まかせなさい」
憂「えへへ、ありがとう」
ふんすっと鼻息を荒げてお姉ちゃんは再び演奏をします。
そんなお姉ちゃんをずっと見続けました。
いっぱい歌っていっぱいギー太をしゃべらせ
いっぱい笑顔になっています。
私はお姉ちゃんに負けずに笑顔で応えます。
笑顔を貰ってばかりじゃいけないもんね。
おかえしをしないと、そう思うばかりです。
ふわふわ時間から始まり、新曲のいちごパフェが止まらない
ごはんはおかず、冬の日、天使にふれたよ!
そしてもちろん――U&Iも歌ってくれました。
お姉ちゃん自らが書いた歌詞です。
素敵な歌詞だと思います。キミ――と言うのは私のことだよね。
初めて目にした時は心があたたまりただ笑顔になるだけでした。
お姉ちゃんの声は私の心をあたためてくれる魔法の声です。
いつまでも聴いていたい。そんな声なのです。
そして再び終わりのポーズを決め、演奏は止まります。
ギターの音が響き、私は余韻に浸っていました。
唯「ういー?」
憂「あっ!凄すぎて意識が飛んじゃいそうだった!」
唯「またまた大げさな」
くすくす笑うお姉ちゃん。
大げさじゃないよと私も笑って答えます。
本当に良い音楽をありがとうと言いたくなる演奏でした。
そう思うと初めてギターをさわっている時を思い出します。
高校一年生の時に買ってきたギターは
ちょっとばかりお姉ちゃんには大きく見えました。
初めはコードも知らないみたいでただ弦を弾いてたり
服着せてたりしているだけでした。
でも、ちょっとずつちょっとずつさわる時間は増え
いつの間にか難しいコードも弾けるようになり
リビングで楽しそうにしているお姉ちゃんを私は見てきました。
お姉ちゃんはがんばれば出来るのです!
そう思わせる出来事でした。
それからどんどん上手になり、校内ではファンの子もいっぱい居るそうです。
自分のことじゃないけど、何故か嬉しくなります。
唯「ういー。そろそろおなか空いたよー」
そう力なく言いました。
そうですね、もうお夕飯の時間です。
いっぱい演奏したお姉ちゃんにはいっぱいご飯を食べて力をつけてもらいましょう。
憂「あ、そうだね。直ぐ作るよ」
唯「ほーい。ちかれたー」
ギー太を部屋に置いて、戻ってきたお姉ちゃんはソファーに倒れこみます。
沢山演奏したからね、疲れているんだよね。
それなら今日のご飯はお姉ちゃんの好きなカレーかな。
かーれーちょっぴりらいすたぁっぷり!なんてね。
カレーのちライスを鼻歌で歌いながら調理していきました。
一時間ほどで完成し、テーブルへカレーを運びます。
ちょっぴり甘めのカレー。
ぱくぱく食べれてお姉ちゃんは大好物です。
私は辛いのもいけるけど、甘いのもそれなりに好きかな。
お姉ちゃんを呼ぶと、待ってましたと言わんばかりの勢いでテーブルに着きました。
子どものようにはしゃぐお姉ちゃんに笑いながら
二人で手を合わせていただきます。
お昼は食べてなかったのでいつも以上においしく感じました。
胃にカレーが沁み込んでる感じです。
お姉ちゃんもおいしいおいしいと言っています。
まあ、空腹に勝る調味料は無いといいますからこれはこれでよかったのでしょう。
おいしく食べれて良かったね。お姉ちゃん。
いつもの1.5倍は食べたお姉ちゃん。
おなかを苦しそうに抱えています。
憂「だから食べすぎって言ったのに~」
唯「だって……おいしかったもん」
ちょっと涙目で床に寝そべりながら言いました。
憂「はい、いっぱい食べてくれてありがとう」
憂「次は八分目にしとこうね~」
唯「わかったよー」
うーんうーんと唸りながら床を転がっています。
ちょっとかわいそうですけど、私にはどうすることもできません。
お皿の片付けも終わり、お姉ちゃんの方へ目をやると相変わらず寝転がっています。
ウシになるんじゃないかな――と思いながら声を掛けます。
憂「お風呂沸いてるけど入る?」
唯「ういが先入っていいよー」
憂「そう?じゃあ先入っちゃうよ」
唯「うんーどうぞー」
――カポーン
湯船に浸かっていると色色と考えることができます。
学校のこと友達のこと嫌なこと楽しいこと。
今日は――お姉ちゃんのことだらけ。
おやすみだから、いつも以上に一緒に居られて楽しかったもんね。
頭の中で今日の出来事が廻ります。
朝起きてからご飯食べて、一緒にまた寝て
ギター演奏してくれて、またご飯食べて
いっぱい笑ったなあ。
残り少ない高校生活をお姉ちゃんと楽しもう。
そう思うばかりです。
卒業したら一緒に居られる時間はより減るのかもしれないですから。
お風呂を出て、リビングへ戻ると
こたつに突っ伏しているお姉ちゃんが見えました。
こんな所で寝ちゃダメだよと言うもなかなか起きてくれません。
そうとうお疲れのようです。
仕方ありません。今日はここで寝かせましょう。
上に運ぶ力は私には残っていません。
というか流石に大変です。
けどお姉ちゃんをこんな広いリビングで一人で寝かせるのも忍びないので
私も一緒に寝ることにしました。
こたつの電源を切って、お姉ちゃんに毛布を掛けます。
今日最初に見たお姉ちゃんは寝顔のお姉ちゃん。
今日最後に見るお姉ちゃんも寝顔のお姉ちゃん。
――いつみても可愛い!
今朝みたいに頭を撫でてほっぺたつっついたり
色色とイタズラします。
唯「ん……んん」
憂「あ……っと。あぶないあぶない」
今日はちょっぴり早いけど
お姉ちゃんと一緒に寝ることにしましょう。
リビングの電気を消して
お姉ちゃんにピッタリとコアラのようにくっつきます。
お姉ちゃんがあたたかいから離れることはできません。
憂「お姉ちゃんおやすみ」
真っ暗闇の中、お姉ちゃんを見ながらそうささやきました。
おしまい
非常に良いほのぼのでした
おつ
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 21:12:45.29:vLeYdbqO0おつ
やっぱ唯憂は最高だな、おつでした
コメント 6
コメント一覧 (6)