- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 21:49:31.77:LcNe6HjwO
梓「唯先輩もみんなもいなくなった…」
梓「憂もクラスが別になってから私の相手をしてくれない……」
梓「けど、純は違うよね?私の話を聞いてくれるし、私のことを大切に想ってくれてる」
梓「すっごく嬉しいよ、純」
梓「だからずっと一緒いようね!」ギュッ
純「あ、梓…?」

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4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 21:56:10.78:LcNe6HjwO
梓「えへへっ」
純「あの…梓、腕離してくれない?」
梓「やだ、このままでいたい」
純「私動けないんだけど…」
梓「動かなくてもいいじゃん」
純「いや…」
梓「~♪」ギュ~ッ
純「……」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 22:05:08.48:LcNe6HjwO
キーンコーンカーンコーン
純「ほら、チャイム鳴ったよ!」
梓「そうだね」
純「席に戻らないと…」
梓「なんで?」
純「は?」
梓「これで授業受ければいいじゃん。ね? 離れるのはイヤだよ純。純がいないと私寂しくて死んじゃう。イヤだよ純、離れたくないよ」
純「離れたくないって…同じクラスじゃん」
梓「でも席は遠いし…」
純「ま、また休み時間に私のところに来ればいいじゃん。それまで我慢しよ?」
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 22:06:54.14:LcNe6HjwO
梓「……」
純「このままだと私も困るし…」
梓「……わかった、じゃあ離れる。純を困らせたくないもん。私、純のことが大好きだから」
梓「だから離れる。つらいけど」
純「あ、ありがとう」
梓「えへー」
純「……」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 22:11:37.57:LcNe6HjwO
――授業中
純(はぁ…疲れた)
純(まさか梓があんなめんどくさい性格だなんて…)
純(そりゃ憂も相手しなくなるよね)
純「はぁ~…」
梓「……」ジーッ
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 22:15:38.19:LcNe6HjwO
純「……」
純(なんかずっと見てくるし……こわっ)
純(休み時間約束しちゃったけど、どうしよう…)
純(逃げちゃおうかな)
キーンコーンカーンコーン
純(きたっ! に、逃げちゃえ!!)ダダダッ
梓「じゅ、純? どこ行くの…?」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 22:22:49.67:LcNe6HjwO
――隣のクラス
純「――ってことがあってさぁ、もう大変だったんだよ」
憂「そうなんだ…」
純「あ~疲れる 」
憂「梓ちゃん……寂しがりやだから」
純「でもあれは異常だって。しつこいくらいついてくるんだもん」
純「なんとかならないかな? ねぇ憂ー」
憂「……ごめん、私は力になれそうにないよ」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 22:29:12.41:LcNe6HjwO
純「え…?」
憂「梓ちゃんね、独占欲がすごいの。前もお姉ちゃんがそれで困ってて…」
憂「私もそのことについて梓ちゃんと話したんだけど、聞いてもらえなかったし」
純「……」
憂「それに今も、こうしてると…」チラッ
梓「……」ジーッ
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 22:32:46.55:LcNe6HjwO
純「あ、梓…」
憂「戻った方がいいよ純ちゃん…後がこわいから」
純「……うん」
純「じゃあ私はこれで」
憂「気をつけてね」
純「あはは、そんな大げさな」
憂「……」
純「…マジで?」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 22:37:13.24:LcNe6HjwO
純(憂はあんなこと言ってたけど……大したことじゃないよね)
純(殴ったりされるわけじゃないだろうし)
純(……)
純「た、ただいま~」
梓「何してたの?」
純「へ?」
梓「憂と何してたの?」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 22:46:24.20:LcNe6HjwO
純「べ、別に…なにもしてないけど」
梓「ウソ、楽しそうに話してた」
梓「なに話してたの?」
純「た、ただの世間話だよ」
梓「ふーん」
梓「なんでそんなことするの? 約束したよね、休み時間は一緒にいるって。なのになんで? なんで破るの? なんで憂のクラスに行ったの? おかしいね、約束したのに。離れないって約束したのに。おかしいよね? 間違ってるよね? ねぇ純」
純「あ、梓さん…?」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 22:56:45.74:LcNe6HjwO
梓「寂しかったんだよ? 純がいない5分間がものすごく辛かったんだよ? 純と同じ空気が吸えなくて辛かった……息ができないかと思った。死ぬかと思った。分かる? この気持ち」
純「……」
梓「ねぇ純、なんで憂のところに行ったの? ねぇ答えてよ純」
純「そ、その……教科書を」
梓「なに?」
純「憂から借りてた数学の教科書を返しに行ってたの。本当だよ?」
梓「……」
純「なのに梓ったら、勘違いしちゃって。そそっかしいなー…あはは」
梓「……」
純「……梓?」
梓「…なんだ、そんなことだったんだ」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 22:57:05.15:JJYW1kk6O
梓「私はてっきり純が浮気してるのかと思ってたよ」ニコニコ
純(浮気って…)
梓「ごめんね純、疑って。本当にごめんなさい…」
純「い、いいっていいって。気にしないでよ」
梓「純…ありがとう!」
梓「やっぱり純は優しいね! 大好き!!」ギュッ
純「は、ははは…」
梓「でも憂には気をつけてね?」
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 23:13:36.05:LcNe6HjwO
純「憂?」
梓「うん、憂ってああ見えてすごい嫉妬深いんだよ。私が唯先輩とちょっと仲良くしてただけで怒ったりして」
純「ちょ、ちょっと仲良くって……なにしたの?」
梓「え? キスしたり…おっぱい揉んだり」
純「……」
梓「唯先輩も喜んでたよ? それなのに憂ったら……自分がお姉ちゃんとられたくないからって」
梓「純まで取られたらどうしようかと思った…」ギュッ
純「……」
純(それでちょっと仲良くって……どんだけ…)
梓「あっ、でも唯先輩とはもう何もないよ。安心して、ただの先輩だから。特別な感情なんてないよ」
梓「今は純に夢中なんだから!」ギュ~ッ
純「うぐっ!?」
純(く、苦しい!!)
梓「だぁ~いすきっ♪」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 23:21:53.89:LcNe6HjwO
――放課後
純(ヤバいよ…梓ヤバいよ…)
純(レズビアンとか…ヤバすぎだよ)
純(どんびきだよ~……)
純(…どうしよう、これからどうやって接すればいいんだろう)
純(もう普通の友人関係は築けないだろうし)
純(ていうか…)
純「……」
純(もしかして私、狙われてる?)
梓「じゅーん! 部室行こっ」
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 23:26:38.30:LcNe6HjwO
純「えっ、あ…」
梓「どうしたの? なんか汗出てるよ」
純「いや……ちょっと暑いかな~って」
梓「ハンカチで拭いてあげるね」フキフキ
純「あ、ありがとう…」
梓「えへへ……純の汗が染み込んだハンカチ」
梓「大切にしよっ」
純「……」
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 23:36:55.42:LcNe6HjwO
梓「そうだ、早く部室に行こうよ」
純「あ……うん」
純(そういえば私、軽音部に入ってたんだった)
純(こんなことになるならジャズ研辞めなければよかった…)
梓「~♪」
純(結局、新入部員も入ってこなくて……軽音部は軽音事実上廃部)
純(それでも部室は空いてるから使わせてもらってるけど…梓と二人っきりってのがちょっと…)
梓「今日の練習も楽しみだね!」
純「う、うん…」
純(帰りたい…)
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 23:42:48.45:pLQ+OEHU0
――部室
梓「よし、じゃあ早速お茶にしよっか」
純「え…練習は?」
梓「それは後。軽音部はまずお茶からなのっ」
純「そ、そうなんだ…」
梓「でもティーセットはムギ先輩が持って帰っちゃったから、これで我慢してね」ドンッ
純(伊右衛門…)
梓「お菓子はコンビニで買ってきた。ほら、純の好きなやつばかりだよ」
梓「嬉しい? 純。嬉しい?」
純「わ、わーうれしいなー」
梓「えへへ、よかった」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 23:51:25.11:LcNe6HjwO
梓「ポッキー食べる? はい、あ~ん」
純「いいよ、自分で食べるから」
梓「遠慮しないで。あ~ん」
純「……あ~ん」ポリポリ
梓「美味しい?」
純「うん……美味しいよ」
梓「じゃあもう一本、あ~ん」
純「……」ポリポリ
梓「えへへ、美味しい?」
純「……ねえ梓」
梓「なに?」
純「そろそろさ……新入部員集めてみない?」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 23:56:42.22:LcNe6HjwO
梓「え……?」
純「いやほら、廃部になっちゃったけどさ……また4人以上揃えば復活させてもらえるかもしれないじゃん」
純「一年生でまだ部活入ってない子もいるだろうし……勧誘してみようよ」
梓「……」
純「…どう?」
梓「……純は」
純「え?」
梓「純は私と二人じゃつまんないの?」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 00:05:40.66:JP5Sk8q1O
純「な、なに言ってんの梓……そういうことじゃなくて…」
梓「だってそうじゃん。さっきからずっと上の空だし…」
梓「私といるの…つまらない?」
純「梓…」
梓「イヤだよ、見捨てないでよ純! 私、純を退屈させないよう頑張るから!! だからね? だからお願い…そんなこと言わないで」
純「そ、そうじゃなくて! このままだと軽音部は活動できないんだよ!?」
梓「純と二人だったらそんなの平気だもん!」
純「梓ぁ~…ちゃんと人の話を聞いて…」
ガチャッ
一年生「あの…すいません」
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 00:13:30.22:JP5Sk8q1O
梓「!?」
純「は、はい!」
純(やった…新入部員が来た!)
一年生「あの…ここで軽音部が活動してるって聞いたんですけど」
純「はいはい! 軽音部ですよー、どうぞ入って」
一年生「あ、じゃあお邪魔します」
梓「……」
純「入部希望者かな?」
一年生「はい。遅れちゃいましたけど…大丈夫ですか?」
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 00:14:33.46:JP5Sk8q1O
純「もちろん! うちは一年中募集してるから」
一年生「よかった~」
純「ほら部長、部員来たよ」
梓「……」
一年生「よろしくお願いします。えっと~…」
梓「…梓、中野梓だよ」
一年生「あっ、私は…」
梓「ところで君さ、パートはなに?」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 00:20:21.96:JP5Sk8q1O
一年生「え?」
梓「パートだよパート、聞こえなかったの? 君は何の楽器をやってるの?」
一年生「あ、ご、ごめんなさい…」
梓「謝って欲しいんじゃなくてさ、何やってるか聞いてるんだけど」
一年生「ひっ…」
純「ちょっと梓、なに怖がらせてんの!」
梓「……」
一年生「……ギ、ギターです」
純「へ、へぇーそうなんだ! なら梓と同じだね」
一年生「よ、よろしくお願いします中野先輩。あと私の名前は…」
梓「そうなんだ、じゃあ今から入部テストするから」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 00:26:15.28:JP5Sk8q1O
純「は? 入部テスト?」
梓「うん」
一年生「え、えっと…」オロオロ
純「なにそれ…聞いてないんだけど」
梓「どれぐらいの腕か確かめるだけだよ。それだけ……いいよね?」
一年生「は、はい!」
梓「純、それで悪いんだけど…テストの間は部室の外にいてくれない?」
純「な、なんで…」
梓「お願い♪ お菓子持ってていいから」
純「……わ、わかったよ」
ガチャッ、バタン
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 00:32:10.45:JP5Sk8q1O
梓「さてと……じゃあ弾いて」
一年生「はい!」
一年生(先輩に認めてもらえるよう頑張らなくちゃ…)
ジャーン♪ジャジャーン♪
一年生「ど、どうですか…?」
梓「不合格、もう帰っていいよ」
一年生「え……」
梓「また聞こえないの? 君本当に耳が遠いんだね…音楽やる資格ないよ」
一年生「な、中野せんぱ…」
梓「不合格って言ったの! ふ・ご・う・か・く!!」
梓「帰って!! 二度と来るな!!」
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 00:45:00.42:JP5Sk8q1O
一年生「ま、待ってください! 何が悪かったんですか!?」
梓「部長の私が不合格って言ったら不合格なの。諦めて、バイバイ」
一年生「そんな…納得できないです!」
梓「君は人を不愉快にさせるのが得意だね…なんなの? 嫌がらせ?」
梓「私をストレスで殺すつもり?」
一年生「わ、私はただ…」
梓「君がいると神聖な部室の空気が汚れるの。分かる? 汚いんだよ君の息は!!」
一年生「ひっ…」
梓「ねぇ…もう帰ってくれないかな? これ以上部室を汚して何が楽しいの? ねぇ、やめてよ。私たちの部室を汚さないでよ。なんでそんなことするの?考えられない。頭おかしすぎるよ」
梓「耳も遠いしギターも下手だし…君に存在価値なし、帰って。邪魔。二度と来るな、二度と私の前に現れるな。消えて、永遠に」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 00:50:13.69:JP5Sk8q1O
一年生「う…うわ~ん!!」ダダダッ
梓「……ふん、純は誰にも渡さないんだから」
純「ちょ、ちょっと! 何があったの!?」
純「今の子泣いてどっか行っちゃ…」
梓「分かんない、急に泣き出すんだもん。こっちも困ったよ」
純「はぁ? 何もなくて泣くわけないじゃん」
梓「でもそうなんだもん、意味分かんないよ。あんな子は軽音部に入れない方がいいよ」
純「……私、追いかけてくる」
梓「あっ、純!」
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 00:54:28.83:JP5Sk8q1O
一年生「グスッ…グスッ…」
純「大丈夫?」
一年生「!?」
一年生「ご、ごめんなさい!!」
純「謝らなくてもいいよ……何があったか知らないけど」
一年生「……」
純「…あのさ、入部のことなんだけど」
一年生「私…軽音部に入るのやめます」
純「えっ……な、なんで!」
一年生「だって私にはそんな資格ないって…中野先輩が」
純(梓…どうしてそんなこと)
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 01:00:05.85:JP5Sk8q1O
一年生「すいません…私もう帰ります。失礼しました」
純「あっ、待って!」
一年生「先輩…?」
純(このままじゃこの子がかわいそうだよ…なんとかしてあげないと)
純「よかったらさ…ジャズ研に入ってみない?」
一年生「え…」
純「私去年までそこに所属してたから、よかったらジャズ研の子に話つけて今から入部できるようにしてあげるよ」
一年生「で、でも」
純「ギター…せっかく買ったんだしさ、続けたいでしょ?」
一年生「先輩…」
純「大丈夫、私に任せて!」
一年生「あ、ありがとうございます!!」
梓「……」
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 01:07:20.46:JP5Sk8q1O
純(ふぅ…これでいいかな)
純(それよりも梓…ひどいよ。あんな子を泣かすなんて)
純(こうなったら一度ガツンと言わないと)
ガチャッ
純「梓、あのさ――…」
梓「あっ、おかえり純~♪」ギュッ
純「わっ!?」
梓「純がいなくて寂しかったんだよ、えへへー」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 01:12:12.89:JP5Sk8q1O
純「あ、梓…あのさ」
梓「分かってるよ、純の言いたいことは。私もちょっときつく言い過ぎたと思ってる」
梓「反省してる…」シュン
純「……」
梓「で、でも悪気はなかったんだよ? 音楽に真剣でありたいからつい…」
梓「本当だよ! 本当に反省してます」
純「梓…」
梓「でも、純はこんな時でも優しいんだね」
純「…え?」
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 01:17:28.86:JP5Sk8q1O
梓「だって、泣いてるあの子を励ましたじゃん」
純「あれは…ほっとけなかったから」
梓「純は優しいなぁ…偉いなぁ、すごいなぁ」
純「そ、そうかな? あはは」
梓「うんっ! 純のそういうところ私、大好きだよ!」
梓「純はかっこいい!」
純「そんなほめられると照れちゃうなーもう!」
梓「えへへー」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 02:29:31.01:JP5Sk8q1O
――翌日
純「――ってな感じでさぁ、怒り損ねちゃって」
憂「そうなんだ」
純「まさか私が梓に言いくるめられるとは…」
憂「純ちゃん、大丈夫なの? 私と話してて」
純「この時間はまだ登校してないから大丈夫だよ」
純「それより憂、なんとかなんないかな?」
純「この先梓と二人っきりなんて無理だよ~…」
憂「とりあえず穏便にすませるしかないよ…頑張って純ちゃん」
純「そんなー…」
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 02:38:24.35:JP5Sk8q1O
「おはよー」
「あっ、おはよう」
「今日はあたたかいね」
「そうだね~」
梓「……」
「ねぇ○○ちゃん、今日学校終わったらどこか遊びに行こうよ」
「いいよ、どこ行く?」
「○○ちゃんの好きなところでいいよ!」
「もぅ~、それが一番困るんだって」
梓「……」
梓(純……怒ってるかな)
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 02:44:48.60:JP5Sk8q1O
梓(昨日はごまかせたけど…今日怒ってたらヤだなぁ)
梓(だいたいあの子が悪いんだよ)
梓(一年生のくせに……純に優しくされるなんて。生意気だよ)
梓(私だって優しくされたいのに、ナデナデとかされたいのに…)
梓(純……)
梓(離れちゃイヤだよ、唯先輩みたいに…)
梓(……ううん、私が絶対離さない)
梓(今度こそは…!)
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 02:53:11.85:JP5Sk8q1O
――教室
梓「おはよう純」ギュッ
純「梓…朝一番から抱きつかないでよ」
梓「なんで? みんなこれぐらいしてるよ」
純「してないし、誰も」
梓「……」ギュ~ッ
純「…はぁ」
梓(純…良いにおい。大好き。ずっとこうしてたいよ…できれば裸で。抱き合いたい愛し合いたい愛してるよ純…純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純)ハァハァ
166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 19:10:59.73:1DoH0ylZO
――放課後
梓「純、この後どこか遊びに行かない?」
純「え……練習は?」
梓「今日は休み」
純「でも…」
梓「部長が休みって言ったら休みなの! いいから遊びに行こっ」
純「わ、分かったよ。ちなみにどこ行くの?」
梓「純の好きなところでいいよ」
純「誘っといてなにそれ…」
168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 19:16:20.12:1DoH0ylZO
純「めんどくさいから梓が決めてよ」
梓「じゃあ――…私の家」
純「……は?」
梓「私の家で遊ぼっ! 決定!」
純「ちょ、ちょっと…」
梓「私が決めていいんでしょ? 純言ったじゃん」
純「そうだけどさ…」
純(このままじゃ梓に何されるか分かんない…)
純「あっそうだ! 憂も誘わない?」
169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 19:21:04.19:1DoH0ylZO
梓「え?」
純「ほら、久しぶりに三人で集まろうよ。二年生のころみたいにさ」
梓「……」
純「…梓?」
梓「……ダメ」ギロッ
純「ひっ」
梓「ダメに決まってるじゃん。なんで憂を誘うの? 邪魔だよ。必要ないよ。私は純と二人でいたいの。ね? いいでしょ? ね???」
171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 19:28:37.26:1DoH0ylZO
純「あ、梓落ち着いて…」
梓「それとも私のこと嫌いになっちゃった? ごめんなさい、昨日のことは謝るから。純のことでついカッとなっちゃって…反省してるから。お願い許して」ギュッ
純「いや…」
梓「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
純「ゆ、許すから…許すからもう…」
梓「あっ、分かった。憂にたぶらかされたんだね。だから純は憂のことなんて気にかけて……ほんと恥知らずな女だよね、憂って。唯先輩だけじゃなくて純まで私から奪おうとして」
梓「とんだ雌豚だよ」
172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 19:37:31.07:1DoH0ylZO
純「……」
梓「もうあんな女に近づいちゃダメだよ? たぶん、きっと純のことも籠絡するつもりなんだよ。最低だよね。自分ばっかり…。でも大丈夫、純は私が守ってあげるから。あんな女に渡さない。純は私とずっと一緒だから安心してね」
純「……」
梓「それじゃあうちに行こっか」ギュッ
純「……」
梓「えへへ、こうやって腕組みながら歩いてるとこ…恋人みたいだねっ///」
純「……」
純(なに言ってるのか分からなかった…)
176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 19:45:43.64:1DoH0ylZO
――梓の部屋
梓「お茶とお菓子持ってくるから待っててね」
純「あ…うん、ありがとう」
梓「そこら辺で適当にくつろいでていいよ」
純「うん…」
梓(じゅ、純が私の部屋に…私の部屋に純のにおいが…!)
梓「はぁはぁ…」
純「梓? どうしたの」
梓「ううん…なんでもない。行ってくるね」
梓(興奮してきた…)
177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 19:51:51.52:1DoH0ylZO
――台所
クチュックチャッ
梓「あ…純」
梓「気持ちいいよ…アソコが気持ちいいよぉ」クチュクチュ
梓「イク…あっあっ…」
梓「そうだ…コップに」
梓「ッ!!」ビクン
梓「イクぅぅぅぅぅ!!」プシャー
梓「はぁはぁ……私の愛液、いっぱい出ちゃった」
梓「ジュースに混ぜたら…純、喜んでくれるかな///」
179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 19:55:43.38:aAEMwDuU0
――梓の部屋
純「……」キョロキョロ
純(普通の部屋…だよね)
純「……ん? なんだろうこれ」
純「アルバム…かな」パラパラ
純「へぇ~軽音部の写真がいっぱい……あれ?」
純「なんで唯先輩の顔だけ切り取られて…」
ガチャッ
梓「お待たせー♪」
181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 20:16:12.29:1DoH0ylZO
純「あ…」
梓「なに見てるの?」
純「ご、ごめん! そこにあったからつい…」
梓「別にいいよ? 見ても」
梓「懐かしいな~軽音部。あの頃は先輩たちが騒がしくて」
純「そ、そうなんだ…」
純(唯先輩の写真については触れないほうがいいかな…)
梓「あっ、ジュース持ってきたから飲んでいいよ」
183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 20:22:40.56:1DoH0ylZO
純「ありがと…」ゴクゴク
梓「…美味しい?」
純「え? 美味しいけど」
梓「えへへ///」
純「?」
梓「ねぇ純――大好きだよっ」
純「う、うん…」
184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 20:30:05.04:1DoH0ylZO
梓「大好き」
純「……」
梓「本当に大好きだよ。世界で一番」
梓「先輩たちよりも友達よりもお母さんよりも……純が一番大好き」
純「そんな大げさな…」
梓「大げさじゃないよ、この気持ちは本物…純のことが大大大好きなのっ」
純「わ、分かったからそんな近づかなくても」
梓「分かってくれたの? 嬉しい……私の気持ちが届いたんだね」ギュッ
純「うっ」
梓「嬉しいよ純。…純も私のこと好きだよね?」
186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 20:38:22.01:1DoH0ylZO
純「好きって…どういう意味で?」
梓「言わなくても分かるでしょ?」
純「…………友達って意味?」
梓「……」ギュ~~ッ
純「いだっ! いたたっ!!」
梓「もぉ~純ったらぁ、相変わらず冗談ばっか言うんだから」
純「くっ、苦し…」
純(梓ってこんなに力あったっけ!?)
梓「照れてるんだよね? 本当のこと言うのが恥ずかしいから…」
梓「純ってそういう子だもん、私知ってる。ね? そうだよね??」ギュッッッッ!!!
純「あっ…ぐっ…」
梓「ねえ!!! そうだよねっ!!!!!!」
187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 20:43:48.63:1DoH0ylZO
純「梓…し、死ぬ……」
梓「はっ! ご、ごめん大丈夫!?」
純「けほっけほっ…」
梓「ごめんね、ごめんね純…私つい」
梓「あぁ…ごめんなさいごめんなさいゴメンナサイ!!」
純「だ、大丈夫だから…落ち着いてくれればそれでいいから…」
梓「純…」ウルウル
190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 20:49:30.17:1DoH0ylZO
梓「うぅ…グズッ」
純「はぁ…はぁ…」
純(さっきの梓の目…ヤバかった)
純(焦点が合ってなくて…すごく怖くて…)
梓「……お仕置きして」
純「へ?」
梓「純を苦しめるなんて…私悪い子だよ。だからお仕置きして」
191:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 20:55:27.67:1DoH0ylZO
純「お仕置きって…」
梓「…ぶって」
純「ぶ、ぶって?」
梓「私のこと、おもいっきりぶっていいよ」
純「そんなことできるわけないじゃん!?」
梓「いいの! これは償いなんだから…」
純「だからってそんな…!」
梓「お願い殴って! 私を殴って!! 純に殴られたいのっ!!!」
純「ひぃっ!?」
193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 21:02:43.13:1DoH0ylZO
梓「殴って! 殴ってよ純!!」
純「梓、ひとまず深呼吸でもしよう。ね?」
梓「一回だけでいいから、一回だけでいいから殴ってよ。お願い」
純「こわいよ梓…どうしちゃったの」
梓「お願い…お願いお願いお願い」
純「うっ…」
純(ダメだ…またあの目)
純(こりゃ目を覚ませるためにも殴ったほうがいい…かな)
197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 21:14:10.99:1DoH0ylZO
純「お…おりゃー!!」ベシッ
梓「にゃあっ!!」ドサッ
純「ごめん…強すぎた?」
梓「ううん……気持ちいいよぉ///」
純「あ…そう」
純(ダメだ、今の梓は気持ち悪い)
純「そうだ、私用事があったんだ」
梓「………え?」
純「割るんだけどさ、もう帰らないと…」
ガシッ
純「!?」
梓「待ってよ、どこ行くの?」
199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 21:24:29.67:1DoH0ylZO
純「いや、用事が…」
梓「用事ってなに?」
純「用事っていうのは…その…」
梓「今日は私と遊ぶんでしょ? ダメだよどこか行っちゃ」
純「あ…」
梓「ねぇ、ダメだよ? ダメなんだからね」ギロッ
純「……はい」
梓「えへへ、よかった。純がいなかったら私寂しくて死んじゃうよ」
純「……」
201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 21:28:25.33:1DoH0ylZO
梓「えへー、だーい好きっ♪」ギュッ
純「……」
梓「好き好き、純のこと大好きだよ」
純「……」
梓「ねぇ純」
純「な、なに…?」
梓「私のこと…あずにゃんって呼んで」
純「え?」
梓「呼んで! よーんーでー!」
純「……あずにゃん」
梓「えへへ~///」ギュ~
純「……」
純(帰りたい…)
202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 21:35:13.38:1DoH0ylZO
数時間後
梓「~♪」
純(結局くっついたまま離れず…疲れてきた)
梓「だぁ~い好きっ」
純(何回言えば気がすむのよ…来なきゃよかった)
梓「あっ、もうこんな時間だ…外真っ暗」
純(チャンス!!)
純「そ、そろそろ帰らないと…」
梓「純、夕飯食べていくでしょ?」
203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 21:42:31.32:1DoH0ylZO
純「は…?」
梓「食べていくよね?」
純「わ、悪いよそんなの…いいって」
梓「遠慮しないで」
梓「今日ね、お母さんたち帰ってこないから…私が夕飯作るの。よかったら食べてってよ」
純「……」
梓「食べるよね?」
純「……」
梓「食べてくれるでしょ?」
純「………うん、食べます」
梓「じゃあ今すぐ作ってくるねっ!」
純「……」
211:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 22:54:49.71:1DoH0ylZO
純(ヤバいよ…ヤバいよぉ~)
純(梓があんなに怖いなんて…)
純(逃げたいけど……どうすれば…)
純(そうだ! 憂に電話してみよう)
純(そんでもって助けてもらって…)Prrrr、Prrrr
憂『はい、もしもし』
純「憂、助けて!!」
213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 23:01:08.34:1DoH0ylZO
憂『じゅ、純ちゃんどうしたの?』
純「今梓の家にいるんだけど、逃げられなくて…」
憂『えっ、なんでそんなところに!?』
純「梓に無理やり連れられて……ど、どうすればいい?」
憂『私に言われても…』
純「お願い! 憂だけが頼りなの!!」
憂『でも……あっ、お姉ちゃんなに?』
憂『え? いいけど…』
純「な、なに?」
憂『純ちゃん、お姉ちゃんが電話代わりたいって』
214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 23:04:46.86:1DoH0ylZO
純「唯先輩が…?」
唯『もしもし、純ちゃん?』
純「あっ…どうもです」
唯『憂から聞いたよ、梓ちゃんに狙われてるんだってね』
純「はい……ん? 梓ちゃん?」
唯『どうしたの?』
純「唯先輩……今、梓ちゃんって」
215:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 23:14:59.70:1DoH0ylZO
唯『……』
純「いつもあずにゃんって言ってたじゃないですか」
唯『…それだよ、それがいけなかったんだよ』
純「唯先輩?」
唯『私があずにゃんなんて名前つけてベタベタするから…梓ちゃん勘違いしちゃって私にまとわりついてきたの』
純「……」
唯『最初は抱きついたりするぐらいで私も構ってあげてたけど、段々と行為がエスカレートして…』
唯『胸をもんできたり…キスを迫ってきたり』
唯『私物も色々盗まれたりした。鼻かんでティッシュもゴミ箱漁って拾ってたんだよ?』
純「……」
唯『梓ちゃん…おかしいよね』
218:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 23:22:37.70:1DoH0ylZO
純「梓が…そこまで…」
唯『しつこすぎるから卒業式の日に、梓ちゃんに別れようって言ったんだ』
唯『そうしたら梓ちゃん、私に泣きすがりついて…』
唯『私が何度もさよならを言っても離さなくて…』
純「……」
唯『それでつい、「大嫌い」って言ったら梓ちゃん…私の首をしめてきたの』
220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 23:26:04.76:jiSiCTk0O
純「えっ…」
唯『その時は憂に助けてもらったんだけど、それ以来憂も私も梓ちゃんに敵視されてて…』
純「だから梓、憂にひどいこと言って…」
唯『梓ちゃん、卒業式の後は相当落ち込んでたんだと思う。純ちゃん…その時優しくしたりしなかった?』
純「………あっ」
唯『たぶんその時だよ、梓ちゃんが純ちゃんのこと好きになったの』
純「で、でも私は…梓が軽音部で一人になるのが寂しいんだと思って!!」
唯『向こうはそんな風にとらえていないよ』
純「うっ…」
225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 23:42:02.11:1DoH0ylZO
唯『梓ちゃんは誰かに依存しなきゃ生きていけないんだよ。そして誰もいなかった軽音部に入部した純ちゃんは……梓ちゃんにとって救世主だった』
唯『そんな純ちゃんを梓ちゃんは離すわけがない』
純「…じゃ、じゃあどうすればいいんですか!?」
唯『どうしようもないよ』
純「ッ!?」
唯『もうどうしようもないんだよ…残念だけど』
226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 23:43:07.05:gXiE06GGO
純「なんで…」
唯『私に逃げられてから、愛する人を失う恐怖を知った梓ちゃんは…純ちゃんを二度と手放さないはずだよ。だってそういう子だもん』
純「や、やめてくださいよ……そんなこと言わないで助けてくださいよ!!」
唯『もう私たちもイヤなの!!』
純「っ…」
唯『私たちだって…梓ちゃんに関わりたくないの』
純「唯…先輩…」
唯『…ごめんね純ちゃん、本当にごめん。お願いだから梓ちゃんの愛を受けとめてあげて。それだけが助かる道だから』
純「無理です…唯先輩ができなかったことを私ができるわけないじゃないですか…」
236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 23:56:46.25:1DoH0ylZO
唯『……』
純「どうしろって言うんですか…あんなの受けとめられるわけないですよ…」
唯『……ごめんなさい』ピッ
純「!?」
ツー、ツー
純「唯先輩! 唯先輩!!」
純「なんでよ…なんでなのよ!!!」
純「なんで私がこんな……っ」
239:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 00:03:20.45:cm7L/40DO
――平沢家
唯「……」
憂「……」
唯「最低だよね私…勝手なことしておいて」
憂「……」
唯「でも私が梓ちゃんと付き合っても、梓ちゃん…憂のこと邪魔者だと思ってひどいことするから…」
唯「こうでもしなきゃ…憂のこと守れないよ…」
憂「お姉ちゃん…」
唯「グズッ……ごめん…ごめんなさい……」
憂「……」
242:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 00:11:33.23:cm7L/40DO
唯「…純ちゃんには悪いことしちゃったけど、しょうがないよ」
唯「梓ちゃんが好きになった相手なんだもん…もう逃げられるわけがないんだ」
憂「でも……純ちゃんは私の友達なんだよ?」
唯「……」
憂「……私、梓ちゃんの家に行ってくる」
唯「え…」
憂「やっぱりよくないよ、見捨てるなんて…助けに行かなきゃ」
唯「だ、ダメっ! 危ないよ!!」
憂「大丈夫、梓ちゃんとお話してくるだけだから」
245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 00:15:08.13:cm7L/40DO
唯「無理だよ! 梓ちゃんが話を聞いてくれるわけないじゃん!!」
憂「聞いてくれるよ…きっと」
唯「憂…」
憂「お姉ちゃんはうちで待ってて。帰ったら美味しいご飯作ってあげるから」
唯「……」
憂「……行ってきます」
248:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 00:23:03.37:cm7L/40DO
――中野家
梓「~♪」
梓「待っててね純、もうすぐご飯ができるよ」
梓「ふふ…ふふふ」
梓「純……じゅんジュンジュン純じゅん純ジュンじゅん純ジュン純純じゅんじゅん純ジュン純ジュンじゅん純じゅんジュンジュン純ジュンじゅん純」
梓「えへへ…なんか最近幸せだなぁ」
梓「純がいれば何もいらない…純がいれば辛いことも平気」
梓「私は純のことが大好き、純も私のことが大好き」
梓「大好き……ダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキ」
梓「大好きだよ純…ふふ」
ピンポーン
梓「!?」
252:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 00:27:28.34:cm7L/40DO
ピンポーン
梓「……」
梓(誰…? 郵便?)
梓「……」
梓(二人だけの時間を邪魔されるなんてすごく不愉快だよ。早く追っ払おう)
ガチャッ
梓「どちら様…」
憂「あっ……梓ちゃん」
253:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 00:27:42.22:KvzYqnb7O
梓「……」
憂「ど、どうも…」
梓(なんで…なんでこの子が……?)
憂「あの…梓ちゃん、今時間あいてる?」
梓「ないよ、バイバイ」
憂「待って! お願いだから話を聞いて!!」
憂「純ちゃんも来てるんでしょ?」
梓「!」ピクッ
梓「なに? ……邪魔しに来たの?」
259:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 00:37:27.42:cm7L/40DO
憂「そうじゃなくて…」
梓「はぁ~…なるほど、嫉妬してるんだ」
憂「え?」
梓「私が純と仲良くしてるから…私に焼きもちやいてるんでしょ?」
憂「ち、違うよ! そうじゃなくて話を聞いて!!」
梓「うるさい!! 帰れこの雌豚!!」
梓「私の純に近づくな!!!」
261:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 00:42:18.31:cm7L/40DO
憂「梓ちゃん…」
梓「目障りだから早く消えてって言ってるんだよ? 分かんない?」
憂「……私はね梓ちゃん、純ちゃんを助けに来たの」
梓「…………は?」
憂「そして梓ちゃん…あなたも助ける」
梓「何を言ってるのかな? 意味不明なんだけど」
憂「梓ちゃん、こんなの間違ってるよ。また三人で仲良くしよ?」
262:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 00:50:17.18:cm7L/40DO
梓「……間違ってる? なにが?」
梓「なにが間違ってるの? ねぇ憂」
憂「純ちゃんは梓ちゃんのこと愛してないの!!」
梓「!?」
憂「純ちゃんはただ…一人になった梓ちゃんをほっとけないから気にかけてただけで、愛してるとかそういうのじゃないの」
梓「……」
憂「純ちゃんにとって今の梓ちゃんは重荷にしかならない…苦しんでるんだよ純ちゃんは」
憂「お姉ちゃんもそうだった…」
梓「唯先輩も……?」
憂「だからこんなこともうやめようよ…普通の友達に戻ろうよ」
憂「グズッ…今ならまだ間に合うよ、梓ちゃん!!」
263:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 00:55:41.71:cm7L/40DO
梓「……」
梓(間違ってる…マチガッテル…マチガッテル……)
梓(何が……?)
梓(私は純と愛し合ってるだけ…何が間違ってるの?)
ガシッ
憂「がっ…!?」
梓(ねぇ…何が間違ってるの? 答えてよ憂)
憂「あ、梓ちゃんやめ…っ……首……しめない……っ」
梓(間違ってないよ…私はマチガッテナイ)グググッ
265:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 00:57:25.00:m2txGPMDO
憂「あぎっ……かは………っ!?」
梓「ねぇ憂、そういえば憂は純と中学のころから友達なんだよね?」
憂「い…ぎっ……」
梓「うらやましいなー、私も二人と同じ中学だったらよかったのに」
梓「そうすれば純とも早く仲良く…」グッ
憂「かっ……」
梓「ほんと憂はズルいよねー」
269:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 01:04:50.87:cm7L/40DO
憂「ひっ……ひぃっ……」
梓「勉強ができて運動もできて、ギターもすぐ弾けて」
梓「唯先輩のお姉ちゃんで純の同級生で…」
憂「……っ…ぁ………」
梓「私に無いもの全部持ってて、ほんと…」
梓「だいっ嫌い!!!」
275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 01:13:00.15:cm7L/40DO
憂「……ぁ…ず……」
梓「そうだ、夕飯の材料にお肉が足りなかったんだけど…ちょうどいいのがあった」
憂「私…はっ……梓ちゃ……ん………がはっ!!」
梓「憂のことは嫌いだけど、食材になるなら大歓迎だよ」
梓「純と二人でおいしく食べてあげる…!」
憂「……す…っ…………」
梓「死んじゃえ…死んじゃえぇぇえええええ!!!!」
ドンッ!!!
梓「っ!?」
純「憂! しっかりして!!」
281:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 01:22:16.73:cm7L/40DO
憂「かはっ…はぁはぁ……」
純「立って…い、今のうちに逃げよう」
梓「じゅ、純…」
純「!?」
梓「どこ行くの…? 待っててって言ったじゃん」
純「梓…」
梓「もうすぐ美味しいお肉食べさせてあげるから、ね? ほら…戻ってきて」
純「う、憂には手出しさせない…!」
憂「かはっ…ごほっ」
梓「ダメだよ純…そいつから離れて。汚いバイ菌が移っちゃうよ。早く私のところに来て。そいつは殺したらちゃんと加熱処理して食べさせるから」
憂「ひっ…」
285:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 01:28:54.90:cm7L/40DO
梓「ねぇ純、戻ろうよ。二人だけの幸せな世界に。ね? 純は私のこと大好きなんでしょ? だから私と一緒にいてくれたんでしょ??」
純「……」
梓「唯先輩に裏切られて一人ぼっちで寂しかった私に…救いの手を差し出してくれた純、私の話をちゃんと聞いてくれた純、私の目を真正面から見てくれた純、私を思いやってくれる純…」
梓「こんなに愛されたの私、初めてだよ」
梓「そして私もあなたのことを愛してます、純」
純「っ…」
梓「だからこっちに来て…理想郷に」
梓「二人だけの理想郷に、戻ってきて!!」
純「……ふざけないでよ」
288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 01:35:08.99:cm7L/40DO
梓「………………え?」
純「勝手なことばっか言って…独りよがりなんだよ、梓は」
梓「な、なに言ってるの? 私は純のために…」
純「はっきり言うけどね…私はあんたのことなんか大嫌い!!」
梓「!?」
純「逃げるよ憂!」
憂「で、でも…」
純「早く!!」ダダダッ
290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 01:40:30.85:cm7L/40DO
梓「……」
梓「……」
梓「大……嫌……い………?」
梓「大嫌い…大…嫌い…ダイキ…ライ」
梓「ダイキライ…ダイキライ…ダイキライダイキライダイキライダイキライダイキライダイキライダイキライダイキライダイキライダイキライダイキライダイキライダイキライ」
梓「あっ…あぁ゛ああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
梓「うぁあああああああああああああ!!!!! いやぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
293:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 01:46:27.90:cm7L/40DO
純「はぁ…はぁ…」
憂「じゅ、純ちゃ…」
純「早く! 走って!」
純「逃げなきゃ…梓から逃げなきゃ!!」
憂「でもどこに…」
純「警察は?」
憂「きっと話聞いてもらえないよ…」
純「じゃあ…憂の家は…」
憂「私の家…だめっ! お姉ちゃんが危険な目に…」
純「くっ…と、とりあえず遠くに行こう!!」
296:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 01:54:35.91:cm7L/40DO
――平沢家
唯「憂…遅いなぁ」
唯「大丈夫かな…」
唯「……」
ピンポーン
唯「!!」
唯(憂…帰ってきたんだ!!)
ピンポーンピンポーン
唯「はいはーい! 今あけるよ~」
ガチャッ
唯「遅いようい~、もうお腹ペコペ…」
梓「こんばんは」
299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 02:02:36.91:cm7L/40DO
唯「――え?」
梓「憂たち来てますか?」
唯「う、憂は梓ちゃんの家に…」
梓「えぇ来ましたよ。でもすぐにどっか行っちゃって」
唯「どっか行ったって…」
梓「まぁいいです、来てないなら」
唯「梓…ちゃ…」
梓「そういえば私、お腹すいてるんです」ガシッ
唯「え? え??」
梓「お腹すいてるんですよ、私」
唯「!?」
唯「ちょ…やめっ――――」
303:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 02:10:18.67:cm7L/40DO
――――――――――
―――――――
――――
Prrrr、Prrrr
純「……どう?」
憂「繋がらない。お姉ちゃん大丈夫かな…」
純「……」
憂「…これからどうしよう」
377:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 20:23:32.59:cm7L/40DO
純「…とにかくもう、疲れちゃったよ」
憂「うん、そこの公園で休もっか」
純「憂…」
憂「なに?」
純「助けに来てくれて…ありがとう」
憂「純ちゃん…」
純「怖かった……怖かったよ憂ぃ~」グスッ
憂「大丈夫だよ純ちゃん、大丈夫だから……」
378:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 20:29:58.80:cm7L/40DO
純「…グズッ……」
憂「……」
純「……どうして…こんな事になったんだろうね」
憂「……」
純「去年まで……みんな楽しくやってたのに…」
憂「……」
純「なのに…梓は……」
純「もう分かんないよどうすればいいのか…」
憂「…今は休もうよ、純ちゃん」
380:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 20:38:23.61:cm7L/40DO
――平沢家
梓「結局一人ぼっち……一人ぼっち」
梓「一人はヤだよ…なんでみんな私を一人にするの…?」
梓「なんで……なんでなんでなんで」
梓「……」
梓「純……」
梓「私には分かるよ…本当は私のこと好きなんだよね?」
梓「でもあの雌豚に脅されて…」
梓「そうだ、きっとそうだ」
梓「あの雌豚が純を……!!」
384:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 20:46:12.20:cm7L/40DO
梓「許さない……絶対に許さない」
梓「あ…アあァアぁアアアあいつだだだけはっ、ゆっゆ、ゆるさっ、許さないい゛ぃいいっ」
梓「ぃいい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」
梓「殺す、殺してやる!!!」
梓「私の純をよくもぉおおおおお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
梓「う゛ぁぁああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああああああああああああああああああ!!!!!!!」
386:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 20:53:26.25:cm7L/40DO
――公園
純「……」
憂「……」
純「……」
憂「……」
純「……ね、ねぇ」
憂「なに?」
純「そろそろ移動しないと…見つかっちゃうかも」
憂「…そうだね、どこか行かないと」
388:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 20:58:51.39:cm7L/40DO
純「……」
憂「……」
純「どこ行こうか」
憂「…純ちゃんが決めていいよ」
純「困るなぁ…そういうこと言われても」
~♪
憂「!…お姉ちゃんからメールだ」
純「唯先輩から…なんだって?」
390:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 21:03:45.86:cm7L/40DO
憂「……」ジーッ
純「憂…?」
憂「家に…梓ちゃんが来たみたい」
純「えっ!?」
憂「けど何とか逃げ出して、近くの空き家に隠れてるって」
憂「助けに行かなきゃ!」
純「う、うん…」
392:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 21:08:33.63:cm7L/40DO
――空き家
憂「ここ…だよね」
純「……」
憂「入ろう、純ちゃん」
純「ねぇ…やっぱやめない?」
憂「え…?」
純「だってなんか…雰囲気が怪しいし…」
393:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 21:14:03.79:cm7L/40DO
憂「で、でもお姉ちゃんがいるんだよ!? ほっとけるわけないよ!!」
純「……」
憂「…まさか純ちゃん、純ちゃんのことを見捨てたお姉ちゃんを恨んでる?」
純「ち、違うよ! そうじゃなくて…」
憂「……分かった、ここには私一人で入る」
純「憂!!」
憂「すぐ戻ってくるけど…何かあったら大声出してね」
純「……」
395:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 21:18:15.75:cm7L/40DO
ガチャッ
憂「お邪魔しまー…す」
憂「……」
憂(暗い…お姉ちゃんどこ?)
ガタンッ
憂「!!」ビクッ
憂(こ、怖いよぉ…)
396:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 21:24:50.22:cm7L/40DO
憂「お、お姉ちゃーん」
憂「お姉ちゃーん!!」
シーン・・・
憂「……」
憂(どこか違う所に移動したのかな…)
「………ぅ……ぃ…………」
憂「っ!!」
憂(聞こえた…お姉ちゃんの声!!)
「……う……ぃ………」
398:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 21:29:58.96:cm7L/40DO
憂「お姉ちゃん! お姉ちゃん!!」
「うい……ぃ…」
憂(この部屋だ…この部屋から!)
ガチャッ
憂「お姉ちゃん!!」
唯「憂…!」
憂「良かった…無事で良かったぁ」
403:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 21:36:37.12:cm7L/40DO
唯「憂…ういぃ~」グズッ
憂「お姉ちゃん!」ギュッ
唯「こわかったよぉ~…梓ちゃんが、梓ちゃんが…っ」
憂(お姉ちゃん…服もボロボロで傷だらけ…)
唯「憂ぃ…グズッ…」
憂「安心して、もう大丈夫だよ」
唯「…ありがとう、憂」
憂「ふふっ」
唯「でも……どうして私がここにいるって分かったの?」
404:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 21:37:25.43:wPi6WppIO
憂「え…だって携帯からメールが」
唯「携帯…?」
憂「メール送ったよね? お姉ちゃん」
唯「ううん。というか…携帯持ってない」
憂「え…」
唯「梓ちゃんに襲われた時に落としちゃったんだ…」
409:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 21:46:25.07:cm7L/40DO
憂「そんな…!?」
唯「あの時は逃げるのに必死で…」
憂「で、でも確かにメール来たんだよ! ほら!」
唯「本当だ…なんで」
憂「これじゃあまるで、誰かがお姉ちゃんの携帯を…」
憂「!!」
憂「まさか…」
梓「そのまさかだよ、憂」
415:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 21:52:15.26:cm7L/40DO
唯「あっ…」
梓「……」
憂「梓……ちゃ…ん」
梓「私がメールを送ったの。ほら、唯先輩の携帯もここに」
唯「私の携帯!!」
憂「……どういうつもり?」
梓「決まってるじゃん、平沢姉妹の人生を終わらせに来たんだよ」
418:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 21:57:26.33:cm7L/40DO
唯「ひっ…」
梓「あは…あはははははははは!!」
梓「唯先輩ぃ」
唯「!?」ビクッ
梓「今度はちゃんと切り刻んであげますからね…」
憂「その包丁…!」
梓「憂の家から持ってきたの。切れ味いいよね」
梓「さすが憂が使ってるだけはあるよ」
憂「っ…」
420:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 22:03:27.86:cm7L/40DO
梓「さてと、じゃあ早速…」
憂「梓ちゃんいい加減にして」
梓「!」ピクッ
憂「これ以上お姉ちゃんに何かするつもりなら…私怒るよ」
梓「へぇ…憂でも怒ることあるんだ」
憂「……」
梓「邪魔だなぁ…本当に邪魔だなぁ~」
梓「憂は邪魔だなぁ~」
425:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 22:16:01.33:cm7L/40DO
憂「……」
梓「こわいね…目が。犯罪者みたい」
梓「そういえばここに来る途中、憂と初めて会ったときのこと思い出してたよ」
梓「あの頃は優しい顔して私に近づいたよね……けど本性がこんなだって知ってたら、友達になんかならなかったよ」
憂「梓ちゃん…自分のやってることがまだ分からないの!?」
梓「分かってるよ!! 純のため…全部純のた、ためなん…だ…」
梓「あ、ァアアあ、あんたががっ、いると、じゅ、じゅじゅ純ががががっ……!!」
憂「っ…」
梓「コ、コロス……殺シテヤル!!!」
唯「に、逃げよう憂!!」
428:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 22:25:17.44:cm7L/40DO
梓「うあぁぁあああ!! うああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
憂「きゃっ!?」
憂(梓ちゃんをなんとしないと、逃げられない…!)
梓「あああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
憂「お姉ちゃん…私が囮になるから先に逃げて」
唯「そ、そんなことできるわけないよ!!」
憂「お願いだから早く!!」
唯「憂…」
梓「うあああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
憂「くっ…!」ガシッ
梓「!?」
憂「い、今のうち! 私が押さえつけてる間に!!」
431:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 22:30:16.81:cm7L/40DO
唯「あ…あぁ…」
梓「離せぇ!! 離せぇええええ!!!」
憂「早く逃げて!!」
唯「うぅ…」
憂「早くしてぇ!!!」
梓「がああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああああああ!!!」
唯「でも……もう見捨てることなんてできないよ!!」
唯「えーいっ!!」ドンッ
梓「っ!?」
433:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 22:34:25.97:cm7L/40DO
憂「お姉ちゃん!」
唯「二人で逃げよう、憂!!」
梓「逃がさないですよ…逃がさないですよ!!!」ドンッ
唯「わっ!?」
梓「殺シテヤル…オマエナンカ殺シテヤル」
唯「あっ…」
憂「やめて梓ちゃん!!」ガッ
梓「くっ…うぃぃいいいいっ!!」
436:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 22:38:38.40:cm7L/40DO
梓「お前が!! お前がいなければぁぁあああああ!!」
憂「梓ちゃ…っ」
憂(だめ…もう梓ちゃんは昔の梓ちゃんじゃない)
憂(このままにしたら…私たち全員殺される)
梓「うあああああああああああああああああああああああ!!!!」
憂「……ごめんなさい、梓ちゃん」
ドンッ
梓「あがっ!?」
437:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 22:42:07.26:cm7L/40DO
カランカラン
梓「しまった…包丁が…」
スッ…
梓「!?」
唯「ひっ…」
憂「お姉ちゃん!!」
唯「憂…この包丁どうしよう…」
梓「返せ…包丁返せぇえええええ!!」
唯「ひぃっ!?」
――――――ドスッ
441:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 22:46:25.47:cm7L/40DO
梓「――かっ」
唯「あ…いや…!?」
カランカラン
梓「いっ……だ…」
唯「いやぁぁあああああああ!!!」
憂「……」
憂(お姉ちゃんが…梓ちゃんを刺した…)
唯「憂!! 憂ぃぃいいいい!!!」
梓「ぎっ…が……」
憂「!!」
443:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 22:49:03.78:cm7L/40DO
憂「お姉ちゃん危ない!!」
梓「うがああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
憂「このっ――」スッ
憂「う、うわあああああああああ!!」
ドスッドスッドスッ
梓「がひゃっ!!?」
憂「お姉ちゃんに近づくなぁぁああああああああああああ!!!」
445:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 22:51:47.38:cm7L/40DO
ドスッドスッ
唯「憂……憂もういいよやめて!!」
憂「はぁ…はぁ…」グッタリ
梓「あっ…ぐ…」
唯「梓ちゃん…」
梓「……ふ、ふふ」
唯「!?」
梓「ふふふ…」フラフラ
447:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 22:54:56.45:cm7L/40DO
梓「あは…い…だい…」
憂「梓ちゃん…!」
梓「ふふ…じゅ~ん」フラフラ
憂「待って!!」
唯「梓ちゃん、どこ行くつもり…?」
憂「まさか…純ちゃんのところに!?」
唯「えぇっ!?」
憂「追いかけないと…」
唯「ま、待って…腰抜かして動けない…」
449:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 22:58:48.76:cm7L/40DO
梓「純…今行くよ」
ガチャッ
憂「しっかりしてお姉ちゃん!」
唯「うぅ…」
憂「梓ちゃん! もうやめて!!」
ガチャッ
憂「梓ちゃ――」
純「」
憂「……え?」
梓「純…お待たせ」
450:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 22:59:31.65:g2S3PfP4P
憂「……」
憂(な、なんで純ちゃんが死んで…)
梓「あはは…驚いてる。……憂が、この家に入ってすぐに……殺したん……だよ」
憂「そんな…」
唯「な、なに? なにがあったの??」
ピーポーピーポー
憂「!」
憂「この音…パトカー!?」
梓「さっき…呼んだ」
梓「このまま…だと……憂たちは…殺人……犯とし…て、捕まる……ね」
457:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 23:10:48.35:cm7L/40DO
憂「!?」
梓「あは……あはははははは!!!」
梓「本当は…二人の……こと、殺…そうと、思ったけ…ど………やめた」
梓「でも……二人の人生は……終わったも、同…然……だよ…ね」
憂「うっ…」
唯「え? え??」
459:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 23:15:07.67:cm7L/40DO
純「」
梓「ねぇ…純、……天国に…行って……も、ずぅっ…と……一緒……だ…よ」
純「」
梓「えへ…へ……じゅ……ん………大…す……き………」
憂「……」
梓「」
唯「う、憂……これは…」
憂「お姉ちゃん…」
警察「そこの二人! 動くな!!」
462:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 23:19:53.78:cm7L/40DO
唯「!?」
憂「……」
警察A「なんて酷いことを…」
警察B「武器を捨てろ! 動くな!!」
唯「ま、待ってください! 私たちはなにもしてません!!」
憂「……」
警察B「おとなしくするんだ!」
唯「やめて!!やめてぇえええええええええ!!」
唯「いやぁぁああああああああああああああ!!!」
憂「……」
この日、私たちの人生は終わった。
464:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 23:22:01.59:wPi6WppIO
おまけ
――あの世
梓「えへへ、一緒になれたね純」
純「……」
梓「私が切ったとき痛かった? ごめんなさい」
純「……はぁ」
梓「~♪」
466:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 23:23:54.74:Zn0ie01lO
梓「えへへっ」
純「あの…梓、腕離してくれない?」
梓「やだ、このままでいたい」
純「私動けないんだけど…」
梓「動かなくてもいいじゃん」
純「いや…」
梓「~♪」ギュ~ッ
純「……」
キーンコーンカーンコーン
純「ほら、チャイム鳴ったよ!」
梓「そうだね」
純「席に戻らないと…」
梓「なんで?」
純「は?」
梓「これで授業受ければいいじゃん。ね? 離れるのはイヤだよ純。純がいないと私寂しくて死んじゃう。イヤだよ純、離れたくないよ」
純「離れたくないって…同じクラスじゃん」
梓「でも席は遠いし…」
純「ま、また休み時間に私のところに来ればいいじゃん。それまで我慢しよ?」
梓「……」
純「このままだと私も困るし…」
梓「……わかった、じゃあ離れる。純を困らせたくないもん。私、純のことが大好きだから」
梓「だから離れる。つらいけど」
純「あ、ありがとう」
梓「えへー」
純「……」
――授業中
純(はぁ…疲れた)
純(まさか梓があんなめんどくさい性格だなんて…)
純(そりゃ憂も相手しなくなるよね)
純「はぁ~…」
梓「……」ジーッ
純「……」
純(なんかずっと見てくるし……こわっ)
純(休み時間約束しちゃったけど、どうしよう…)
純(逃げちゃおうかな)
キーンコーンカーンコーン
純(きたっ! に、逃げちゃえ!!)ダダダッ
梓「じゅ、純? どこ行くの…?」
――隣のクラス
純「――ってことがあってさぁ、もう大変だったんだよ」
憂「そうなんだ…」
純「あ~疲れる 」
憂「梓ちゃん……寂しがりやだから」
純「でもあれは異常だって。しつこいくらいついてくるんだもん」
純「なんとかならないかな? ねぇ憂ー」
憂「……ごめん、私は力になれそうにないよ」
純「え…?」
憂「梓ちゃんね、独占欲がすごいの。前もお姉ちゃんがそれで困ってて…」
憂「私もそのことについて梓ちゃんと話したんだけど、聞いてもらえなかったし」
純「……」
憂「それに今も、こうしてると…」チラッ
梓「……」ジーッ
純「あ、梓…」
憂「戻った方がいいよ純ちゃん…後がこわいから」
純「……うん」
純「じゃあ私はこれで」
憂「気をつけてね」
純「あはは、そんな大げさな」
憂「……」
純「…マジで?」
純(憂はあんなこと言ってたけど……大したことじゃないよね)
純(殴ったりされるわけじゃないだろうし)
純(……)
純「た、ただいま~」
梓「何してたの?」
純「へ?」
梓「憂と何してたの?」
純「べ、別に…なにもしてないけど」
梓「ウソ、楽しそうに話してた」
梓「なに話してたの?」
純「た、ただの世間話だよ」
梓「ふーん」
梓「なんでそんなことするの? 約束したよね、休み時間は一緒にいるって。なのになんで? なんで破るの? なんで憂のクラスに行ったの? おかしいね、約束したのに。離れないって約束したのに。おかしいよね? 間違ってるよね? ねぇ純」
純「あ、梓さん…?」
梓「寂しかったんだよ? 純がいない5分間がものすごく辛かったんだよ? 純と同じ空気が吸えなくて辛かった……息ができないかと思った。死ぬかと思った。分かる? この気持ち」
純「……」
梓「ねぇ純、なんで憂のところに行ったの? ねぇ答えてよ純」
純「そ、その……教科書を」
梓「なに?」
純「憂から借りてた数学の教科書を返しに行ってたの。本当だよ?」
梓「……」
純「なのに梓ったら、勘違いしちゃって。そそっかしいなー…あはは」
梓「……」
純「……梓?」
梓「…なんだ、そんなことだったんだ」
病みにゃんだったか
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 23:02:47.28:LcNe6HjwO梓「私はてっきり純が浮気してるのかと思ってたよ」ニコニコ
純(浮気って…)
梓「ごめんね純、疑って。本当にごめんなさい…」
純「い、いいっていいって。気にしないでよ」
梓「純…ありがとう!」
梓「やっぱり純は優しいね! 大好き!!」ギュッ
純「は、ははは…」
梓「でも憂には気をつけてね?」
純「憂?」
梓「うん、憂ってああ見えてすごい嫉妬深いんだよ。私が唯先輩とちょっと仲良くしてただけで怒ったりして」
純「ちょ、ちょっと仲良くって……なにしたの?」
梓「え? キスしたり…おっぱい揉んだり」
純「……」
梓「唯先輩も喜んでたよ? それなのに憂ったら……自分がお姉ちゃんとられたくないからって」
梓「純まで取られたらどうしようかと思った…」ギュッ
純「……」
純(それでちょっと仲良くって……どんだけ…)
梓「あっ、でも唯先輩とはもう何もないよ。安心して、ただの先輩だから。特別な感情なんてないよ」
梓「今は純に夢中なんだから!」ギュ~ッ
純「うぐっ!?」
純(く、苦しい!!)
梓「だぁ~いすきっ♪」
――放課後
純(ヤバいよ…梓ヤバいよ…)
純(レズビアンとか…ヤバすぎだよ)
純(どんびきだよ~……)
純(…どうしよう、これからどうやって接すればいいんだろう)
純(もう普通の友人関係は築けないだろうし)
純(ていうか…)
純「……」
純(もしかして私、狙われてる?)
梓「じゅーん! 部室行こっ」
純「えっ、あ…」
梓「どうしたの? なんか汗出てるよ」
純「いや……ちょっと暑いかな~って」
梓「ハンカチで拭いてあげるね」フキフキ
純「あ、ありがとう…」
梓「えへへ……純の汗が染み込んだハンカチ」
梓「大切にしよっ」
純「……」
梓「そうだ、早く部室に行こうよ」
純「あ……うん」
純(そういえば私、軽音部に入ってたんだった)
純(こんなことになるならジャズ研辞めなければよかった…)
梓「~♪」
純(結局、新入部員も入ってこなくて……軽音部は軽音事実上廃部)
純(それでも部室は空いてるから使わせてもらってるけど…梓と二人っきりってのがちょっと…)
梓「今日の練習も楽しみだね!」
純「う、うん…」
純(帰りたい…)
こういうのもいいね
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 23:44:57.10:5MP0vc8u0むしろこういうのが一番いい
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/10(水) 23:45:29.88:LcNe6HjwO――部室
梓「よし、じゃあ早速お茶にしよっか」
純「え…練習は?」
梓「それは後。軽音部はまずお茶からなのっ」
純「そ、そうなんだ…」
梓「でもティーセットはムギ先輩が持って帰っちゃったから、これで我慢してね」ドンッ
純(伊右衛門…)
梓「お菓子はコンビニで買ってきた。ほら、純の好きなやつばかりだよ」
梓「嬉しい? 純。嬉しい?」
純「わ、わーうれしいなー」
梓「えへへ、よかった」
梓「ポッキー食べる? はい、あ~ん」
純「いいよ、自分で食べるから」
梓「遠慮しないで。あ~ん」
純「……あ~ん」ポリポリ
梓「美味しい?」
純「うん……美味しいよ」
梓「じゃあもう一本、あ~ん」
純「……」ポリポリ
梓「えへへ、美味しい?」
純「……ねえ梓」
梓「なに?」
純「そろそろさ……新入部員集めてみない?」
梓「え……?」
純「いやほら、廃部になっちゃったけどさ……また4人以上揃えば復活させてもらえるかもしれないじゃん」
純「一年生でまだ部活入ってない子もいるだろうし……勧誘してみようよ」
梓「……」
純「…どう?」
梓「……純は」
純「え?」
梓「純は私と二人じゃつまんないの?」
純「な、なに言ってんの梓……そういうことじゃなくて…」
梓「だってそうじゃん。さっきからずっと上の空だし…」
梓「私といるの…つまらない?」
純「梓…」
梓「イヤだよ、見捨てないでよ純! 私、純を退屈させないよう頑張るから!! だからね? だからお願い…そんなこと言わないで」
純「そ、そうじゃなくて! このままだと軽音部は活動できないんだよ!?」
梓「純と二人だったらそんなの平気だもん!」
純「梓ぁ~…ちゃんと人の話を聞いて…」
ガチャッ
一年生「あの…すいません」
梓「!?」
純「は、はい!」
純(やった…新入部員が来た!)
一年生「あの…ここで軽音部が活動してるって聞いたんですけど」
純「はいはい! 軽音部ですよー、どうぞ入って」
一年生「あ、じゃあお邪魔します」
梓「……」
純「入部希望者かな?」
一年生「はい。遅れちゃいましたけど…大丈夫ですか?」
純「もちろん! うちは一年中募集してるから」
一年生「よかった~」
純「ほら部長、部員来たよ」
梓「……」
一年生「よろしくお願いします。えっと~…」
梓「…梓、中野梓だよ」
一年生「あっ、私は…」
梓「ところで君さ、パートはなに?」
一年生「え?」
梓「パートだよパート、聞こえなかったの? 君は何の楽器をやってるの?」
一年生「あ、ご、ごめんなさい…」
梓「謝って欲しいんじゃなくてさ、何やってるか聞いてるんだけど」
一年生「ひっ…」
純「ちょっと梓、なに怖がらせてんの!」
梓「……」
一年生「……ギ、ギターです」
純「へ、へぇーそうなんだ! なら梓と同じだね」
一年生「よ、よろしくお願いします中野先輩。あと私の名前は…」
梓「そうなんだ、じゃあ今から入部テストするから」
純「は? 入部テスト?」
梓「うん」
一年生「え、えっと…」オロオロ
純「なにそれ…聞いてないんだけど」
梓「どれぐらいの腕か確かめるだけだよ。それだけ……いいよね?」
一年生「は、はい!」
梓「純、それで悪いんだけど…テストの間は部室の外にいてくれない?」
純「な、なんで…」
梓「お願い♪ お菓子持ってていいから」
純「……わ、わかったよ」
ガチャッ、バタン
梓「さてと……じゃあ弾いて」
一年生「はい!」
一年生(先輩に認めてもらえるよう頑張らなくちゃ…)
ジャーン♪ジャジャーン♪
一年生「ど、どうですか…?」
梓「不合格、もう帰っていいよ」
一年生「え……」
梓「また聞こえないの? 君本当に耳が遠いんだね…音楽やる資格ないよ」
一年生「な、中野せんぱ…」
梓「不合格って言ったの! ふ・ご・う・か・く!!」
梓「帰って!! 二度と来るな!!」
一年生「ま、待ってください! 何が悪かったんですか!?」
梓「部長の私が不合格って言ったら不合格なの。諦めて、バイバイ」
一年生「そんな…納得できないです!」
梓「君は人を不愉快にさせるのが得意だね…なんなの? 嫌がらせ?」
梓「私をストレスで殺すつもり?」
一年生「わ、私はただ…」
梓「君がいると神聖な部室の空気が汚れるの。分かる? 汚いんだよ君の息は!!」
一年生「ひっ…」
梓「ねぇ…もう帰ってくれないかな? これ以上部室を汚して何が楽しいの? ねぇ、やめてよ。私たちの部室を汚さないでよ。なんでそんなことするの?考えられない。頭おかしすぎるよ」
梓「耳も遠いしギターも下手だし…君に存在価値なし、帰って。邪魔。二度と来るな、二度と私の前に現れるな。消えて、永遠に」
一年生「う…うわ~ん!!」ダダダッ
梓「……ふん、純は誰にも渡さないんだから」
純「ちょ、ちょっと! 何があったの!?」
純「今の子泣いてどっか行っちゃ…」
梓「分かんない、急に泣き出すんだもん。こっちも困ったよ」
純「はぁ? 何もなくて泣くわけないじゃん」
梓「でもそうなんだもん、意味分かんないよ。あんな子は軽音部に入れない方がいいよ」
純「……私、追いかけてくる」
梓「あっ、純!」
一年生「グスッ…グスッ…」
純「大丈夫?」
一年生「!?」
一年生「ご、ごめんなさい!!」
純「謝らなくてもいいよ……何があったか知らないけど」
一年生「……」
純「…あのさ、入部のことなんだけど」
一年生「私…軽音部に入るのやめます」
純「えっ……な、なんで!」
一年生「だって私にはそんな資格ないって…中野先輩が」
純(梓…どうしてそんなこと)
一年生「すいません…私もう帰ります。失礼しました」
純「あっ、待って!」
一年生「先輩…?」
純(このままじゃこの子がかわいそうだよ…なんとかしてあげないと)
純「よかったらさ…ジャズ研に入ってみない?」
一年生「え…」
純「私去年までそこに所属してたから、よかったらジャズ研の子に話つけて今から入部できるようにしてあげるよ」
一年生「で、でも」
純「ギター…せっかく買ったんだしさ、続けたいでしょ?」
一年生「先輩…」
純「大丈夫、私に任せて!」
一年生「あ、ありがとうございます!!」
梓「……」
純(ふぅ…これでいいかな)
純(それよりも梓…ひどいよ。あんな子を泣かすなんて)
純(こうなったら一度ガツンと言わないと)
ガチャッ
純「梓、あのさ――…」
梓「あっ、おかえり純~♪」ギュッ
純「わっ!?」
梓「純がいなくて寂しかったんだよ、えへへー」
純「あ、梓…あのさ」
梓「分かってるよ、純の言いたいことは。私もちょっときつく言い過ぎたと思ってる」
梓「反省してる…」シュン
純「……」
梓「で、でも悪気はなかったんだよ? 音楽に真剣でありたいからつい…」
梓「本当だよ! 本当に反省してます」
純「梓…」
梓「でも、純はこんな時でも優しいんだね」
純「…え?」
梓「だって、泣いてるあの子を励ましたじゃん」
純「あれは…ほっとけなかったから」
梓「純は優しいなぁ…偉いなぁ、すごいなぁ」
純「そ、そうかな? あはは」
梓「うんっ! 純のそういうところ私、大好きだよ!」
梓「純はかっこいい!」
純「そんなほめられると照れちゃうなーもう!」
梓「えへへー」
――翌日
純「――ってな感じでさぁ、怒り損ねちゃって」
憂「そうなんだ」
純「まさか私が梓に言いくるめられるとは…」
憂「純ちゃん、大丈夫なの? 私と話してて」
純「この時間はまだ登校してないから大丈夫だよ」
純「それより憂、なんとかなんないかな?」
純「この先梓と二人っきりなんて無理だよ~…」
憂「とりあえず穏便にすませるしかないよ…頑張って純ちゃん」
純「そんなー…」
「おはよー」
「あっ、おはよう」
「今日はあたたかいね」
「そうだね~」
梓「……」
「ねぇ○○ちゃん、今日学校終わったらどこか遊びに行こうよ」
「いいよ、どこ行く?」
「○○ちゃんの好きなところでいいよ!」
「もぅ~、それが一番困るんだって」
梓「……」
梓(純……怒ってるかな)
梓(昨日はごまかせたけど…今日怒ってたらヤだなぁ)
梓(だいたいあの子が悪いんだよ)
梓(一年生のくせに……純に優しくされるなんて。生意気だよ)
梓(私だって優しくされたいのに、ナデナデとかされたいのに…)
梓(純……)
梓(離れちゃイヤだよ、唯先輩みたいに…)
梓(……ううん、私が絶対離さない)
梓(今度こそは…!)
――教室
梓「おはよう純」ギュッ
純「梓…朝一番から抱きつかないでよ」
梓「なんで? みんなこれぐらいしてるよ」
純「してないし、誰も」
梓「……」ギュ~ッ
純「…はぁ」
梓(純…良いにおい。大好き。ずっとこうしてたいよ…できれば裸で。抱き合いたい愛し合いたい愛してるよ純…純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純純)ハァハァ
――放課後
梓「純、この後どこか遊びに行かない?」
純「え……練習は?」
梓「今日は休み」
純「でも…」
梓「部長が休みって言ったら休みなの! いいから遊びに行こっ」
純「わ、分かったよ。ちなみにどこ行くの?」
梓「純の好きなところでいいよ」
純「誘っといてなにそれ…」
純「めんどくさいから梓が決めてよ」
梓「じゃあ――…私の家」
純「……は?」
梓「私の家で遊ぼっ! 決定!」
純「ちょ、ちょっと…」
梓「私が決めていいんでしょ? 純言ったじゃん」
純「そうだけどさ…」
純(このままじゃ梓に何されるか分かんない…)
純「あっそうだ! 憂も誘わない?」
梓「え?」
純「ほら、久しぶりに三人で集まろうよ。二年生のころみたいにさ」
梓「……」
純「…梓?」
梓「……ダメ」ギロッ
純「ひっ」
梓「ダメに決まってるじゃん。なんで憂を誘うの? 邪魔だよ。必要ないよ。私は純と二人でいたいの。ね? いいでしょ? ね???」
純「あ、梓落ち着いて…」
梓「それとも私のこと嫌いになっちゃった? ごめんなさい、昨日のことは謝るから。純のことでついカッとなっちゃって…反省してるから。お願い許して」ギュッ
純「いや…」
梓「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
純「ゆ、許すから…許すからもう…」
梓「あっ、分かった。憂にたぶらかされたんだね。だから純は憂のことなんて気にかけて……ほんと恥知らずな女だよね、憂って。唯先輩だけじゃなくて純まで私から奪おうとして」
梓「とんだ雌豚だよ」
純「……」
梓「もうあんな女に近づいちゃダメだよ? たぶん、きっと純のことも籠絡するつもりなんだよ。最低だよね。自分ばっかり…。でも大丈夫、純は私が守ってあげるから。あんな女に渡さない。純は私とずっと一緒だから安心してね」
純「……」
梓「それじゃあうちに行こっか」ギュッ
純「……」
梓「えへへ、こうやって腕組みながら歩いてるとこ…恋人みたいだねっ///」
純「……」
純(なに言ってるのか分からなかった…)
――梓の部屋
梓「お茶とお菓子持ってくるから待っててね」
純「あ…うん、ありがとう」
梓「そこら辺で適当にくつろいでていいよ」
純「うん…」
梓(じゅ、純が私の部屋に…私の部屋に純のにおいが…!)
梓「はぁはぁ…」
純「梓? どうしたの」
梓「ううん…なんでもない。行ってくるね」
梓(興奮してきた…)
――台所
クチュックチャッ
梓「あ…純」
梓「気持ちいいよ…アソコが気持ちいいよぉ」クチュクチュ
梓「イク…あっあっ…」
梓「そうだ…コップに」
梓「ッ!!」ビクン
梓「イクぅぅぅぅぅ!!」プシャー
梓「はぁはぁ……私の愛液、いっぱい出ちゃった」
梓「ジュースに混ぜたら…純、喜んでくれるかな///」
いよいよ変態だな
180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 20:08:06.02:1DoH0ylZO――梓の部屋
純「……」キョロキョロ
純(普通の部屋…だよね)
純「……ん? なんだろうこれ」
純「アルバム…かな」パラパラ
純「へぇ~軽音部の写真がいっぱい……あれ?」
純「なんで唯先輩の顔だけ切り取られて…」
ガチャッ
梓「お待たせー♪」
純「あ…」
梓「なに見てるの?」
純「ご、ごめん! そこにあったからつい…」
梓「別にいいよ? 見ても」
梓「懐かしいな~軽音部。あの頃は先輩たちが騒がしくて」
純「そ、そうなんだ…」
純(唯先輩の写真については触れないほうがいいかな…)
梓「あっ、ジュース持ってきたから飲んでいいよ」
純「ありがと…」ゴクゴク
梓「…美味しい?」
純「え? 美味しいけど」
梓「えへへ///」
純「?」
梓「ねぇ純――大好きだよっ」
純「う、うん…」
梓「大好き」
純「……」
梓「本当に大好きだよ。世界で一番」
梓「先輩たちよりも友達よりもお母さんよりも……純が一番大好き」
純「そんな大げさな…」
梓「大げさじゃないよ、この気持ちは本物…純のことが大大大好きなのっ」
純「わ、分かったからそんな近づかなくても」
梓「分かってくれたの? 嬉しい……私の気持ちが届いたんだね」ギュッ
純「うっ」
梓「嬉しいよ純。…純も私のこと好きだよね?」
純「好きって…どういう意味で?」
梓「言わなくても分かるでしょ?」
純「…………友達って意味?」
梓「……」ギュ~~ッ
純「いだっ! いたたっ!!」
梓「もぉ~純ったらぁ、相変わらず冗談ばっか言うんだから」
純「くっ、苦し…」
純(梓ってこんなに力あったっけ!?)
梓「照れてるんだよね? 本当のこと言うのが恥ずかしいから…」
梓「純ってそういう子だもん、私知ってる。ね? そうだよね??」ギュッッッッ!!!
純「あっ…ぐっ…」
梓「ねえ!!! そうだよねっ!!!!!!」
純「梓…し、死ぬ……」
梓「はっ! ご、ごめん大丈夫!?」
純「けほっけほっ…」
梓「ごめんね、ごめんね純…私つい」
梓「あぁ…ごめんなさいごめんなさいゴメンナサイ!!」
純「だ、大丈夫だから…落ち着いてくれればそれでいいから…」
梓「純…」ウルウル
梓「うぅ…グズッ」
純「はぁ…はぁ…」
純(さっきの梓の目…ヤバかった)
純(焦点が合ってなくて…すごく怖くて…)
梓「……お仕置きして」
純「へ?」
梓「純を苦しめるなんて…私悪い子だよ。だからお仕置きして」
純「お仕置きって…」
梓「…ぶって」
純「ぶ、ぶって?」
梓「私のこと、おもいっきりぶっていいよ」
純「そんなことできるわけないじゃん!?」
梓「いいの! これは償いなんだから…」
純「だからってそんな…!」
梓「お願い殴って! 私を殴って!! 純に殴られたいのっ!!!」
純「ひぃっ!?」
梓「殴って! 殴ってよ純!!」
純「梓、ひとまず深呼吸でもしよう。ね?」
梓「一回だけでいいから、一回だけでいいから殴ってよ。お願い」
純「こわいよ梓…どうしちゃったの」
梓「お願い…お願いお願いお願い」
純「うっ…」
純(ダメだ…またあの目)
純(こりゃ目を覚ませるためにも殴ったほうがいい…かな)
純「お…おりゃー!!」ベシッ
梓「にゃあっ!!」ドサッ
純「ごめん…強すぎた?」
梓「ううん……気持ちいいよぉ///」
純「あ…そう」
純(ダメだ、今の梓は気持ち悪い)
純「そうだ、私用事があったんだ」
梓「………え?」
純「割るんだけどさ、もう帰らないと…」
ガシッ
純「!?」
梓「待ってよ、どこ行くの?」
純「いや、用事が…」
梓「用事ってなに?」
純「用事っていうのは…その…」
梓「今日は私と遊ぶんでしょ? ダメだよどこか行っちゃ」
純「あ…」
梓「ねぇ、ダメだよ? ダメなんだからね」ギロッ
純「……はい」
梓「えへへ、よかった。純がいなかったら私寂しくて死んじゃうよ」
純「……」
梓「えへー、だーい好きっ♪」ギュッ
純「……」
梓「好き好き、純のこと大好きだよ」
純「……」
梓「ねぇ純」
純「な、なに…?」
梓「私のこと…あずにゃんって呼んで」
純「え?」
梓「呼んで! よーんーでー!」
純「……あずにゃん」
梓「えへへ~///」ギュ~
純「……」
純(帰りたい…)
数時間後
梓「~♪」
純(結局くっついたまま離れず…疲れてきた)
梓「だぁ~い好きっ」
純(何回言えば気がすむのよ…来なきゃよかった)
梓「あっ、もうこんな時間だ…外真っ暗」
純(チャンス!!)
純「そ、そろそろ帰らないと…」
梓「純、夕飯食べていくでしょ?」
純「は…?」
梓「食べていくよね?」
純「わ、悪いよそんなの…いいって」
梓「遠慮しないで」
梓「今日ね、お母さんたち帰ってこないから…私が夕飯作るの。よかったら食べてってよ」
純「……」
梓「食べるよね?」
純「……」
梓「食べてくれるでしょ?」
純「………うん、食べます」
梓「じゃあ今すぐ作ってくるねっ!」
純「……」
純(ヤバいよ…ヤバいよぉ~)
純(梓があんなに怖いなんて…)
純(逃げたいけど……どうすれば…)
純(そうだ! 憂に電話してみよう)
純(そんでもって助けてもらって…)Prrrr、Prrrr
憂『はい、もしもし』
純「憂、助けて!!」
憂『じゅ、純ちゃんどうしたの?』
純「今梓の家にいるんだけど、逃げられなくて…」
憂『えっ、なんでそんなところに!?』
純「梓に無理やり連れられて……ど、どうすればいい?」
憂『私に言われても…』
純「お願い! 憂だけが頼りなの!!」
憂『でも……あっ、お姉ちゃんなに?』
憂『え? いいけど…』
純「な、なに?」
憂『純ちゃん、お姉ちゃんが電話代わりたいって』
純「唯先輩が…?」
唯『もしもし、純ちゃん?』
純「あっ…どうもです」
唯『憂から聞いたよ、梓ちゃんに狙われてるんだってね』
純「はい……ん? 梓ちゃん?」
唯『どうしたの?』
純「唯先輩……今、梓ちゃんって」
唯『……』
純「いつもあずにゃんって言ってたじゃないですか」
唯『…それだよ、それがいけなかったんだよ』
純「唯先輩?」
唯『私があずにゃんなんて名前つけてベタベタするから…梓ちゃん勘違いしちゃって私にまとわりついてきたの』
純「……」
唯『最初は抱きついたりするぐらいで私も構ってあげてたけど、段々と行為がエスカレートして…』
唯『胸をもんできたり…キスを迫ってきたり』
唯『私物も色々盗まれたりした。鼻かんでティッシュもゴミ箱漁って拾ってたんだよ?』
純「……」
唯『梓ちゃん…おかしいよね』
純「梓が…そこまで…」
唯『しつこすぎるから卒業式の日に、梓ちゃんに別れようって言ったんだ』
唯『そうしたら梓ちゃん、私に泣きすがりついて…』
唯『私が何度もさよならを言っても離さなくて…』
純「……」
唯『それでつい、「大嫌い」って言ったら梓ちゃん…私の首をしめてきたの』
Oh…
223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 23:30:04.46:1DoH0ylZO純「えっ…」
唯『その時は憂に助けてもらったんだけど、それ以来憂も私も梓ちゃんに敵視されてて…』
純「だから梓、憂にひどいこと言って…」
唯『梓ちゃん、卒業式の後は相当落ち込んでたんだと思う。純ちゃん…その時優しくしたりしなかった?』
純「………あっ」
唯『たぶんその時だよ、梓ちゃんが純ちゃんのこと好きになったの』
純「で、でも私は…梓が軽音部で一人になるのが寂しいんだと思って!!」
唯『向こうはそんな風にとらえていないよ』
純「うっ…」
唯『梓ちゃんは誰かに依存しなきゃ生きていけないんだよ。そして誰もいなかった軽音部に入部した純ちゃんは……梓ちゃんにとって救世主だった』
唯『そんな純ちゃんを梓ちゃんは離すわけがない』
純「…じゃ、じゃあどうすればいいんですか!?」
唯『どうしようもないよ』
純「ッ!?」
唯『もうどうしようもないんだよ…残念だけど』
純終了のお知らせщ(゚д゚щ)
231:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/12(金) 23:50:09.38:1DoH0ylZO純「なんで…」
唯『私に逃げられてから、愛する人を失う恐怖を知った梓ちゃんは…純ちゃんを二度と手放さないはずだよ。だってそういう子だもん』
純「や、やめてくださいよ……そんなこと言わないで助けてくださいよ!!」
唯『もう私たちもイヤなの!!』
純「っ…」
唯『私たちだって…梓ちゃんに関わりたくないの』
純「唯…先輩…」
唯『…ごめんね純ちゃん、本当にごめん。お願いだから梓ちゃんの愛を受けとめてあげて。それだけが助かる道だから』
純「無理です…唯先輩ができなかったことを私ができるわけないじゃないですか…」
唯『……』
純「どうしろって言うんですか…あんなの受けとめられるわけないですよ…」
唯『……ごめんなさい』ピッ
純「!?」
ツー、ツー
純「唯先輩! 唯先輩!!」
純「なんでよ…なんでなのよ!!!」
純「なんで私がこんな……っ」
――平沢家
唯「……」
憂「……」
唯「最低だよね私…勝手なことしておいて」
憂「……」
唯「でも私が梓ちゃんと付き合っても、梓ちゃん…憂のこと邪魔者だと思ってひどいことするから…」
唯「こうでもしなきゃ…憂のこと守れないよ…」
憂「お姉ちゃん…」
唯「グズッ……ごめん…ごめんなさい……」
憂「……」
唯「…純ちゃんには悪いことしちゃったけど、しょうがないよ」
唯「梓ちゃんが好きになった相手なんだもん…もう逃げられるわけがないんだ」
憂「でも……純ちゃんは私の友達なんだよ?」
唯「……」
憂「……私、梓ちゃんの家に行ってくる」
唯「え…」
憂「やっぱりよくないよ、見捨てるなんて…助けに行かなきゃ」
唯「だ、ダメっ! 危ないよ!!」
憂「大丈夫、梓ちゃんとお話してくるだけだから」
唯「無理だよ! 梓ちゃんが話を聞いてくれるわけないじゃん!!」
憂「聞いてくれるよ…きっと」
唯「憂…」
憂「お姉ちゃんはうちで待ってて。帰ったら美味しいご飯作ってあげるから」
唯「……」
憂「……行ってきます」
――中野家
梓「~♪」
梓「待っててね純、もうすぐご飯ができるよ」
梓「ふふ…ふふふ」
梓「純……じゅんジュンジュン純じゅん純ジュンじゅん純ジュン純純じゅんじゅん純ジュン純ジュンじゅん純じゅんジュンジュン純ジュンじゅん純」
梓「えへへ…なんか最近幸せだなぁ」
梓「純がいれば何もいらない…純がいれば辛いことも平気」
梓「私は純のことが大好き、純も私のことが大好き」
梓「大好き……ダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキダイスキ」
梓「大好きだよ純…ふふ」
ピンポーン
梓「!?」
ピンポーン
梓「……」
梓(誰…? 郵便?)
梓「……」
梓(二人だけの時間を邪魔されるなんてすごく不愉快だよ。早く追っ払おう)
ガチャッ
梓「どちら様…」
憂「あっ……梓ちゃん」
やべぇやべぇやべぇやべぇ
257:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 00:33:11.38:cm7L/40DO梓「……」
憂「ど、どうも…」
梓(なんで…なんでこの子が……?)
憂「あの…梓ちゃん、今時間あいてる?」
梓「ないよ、バイバイ」
憂「待って! お願いだから話を聞いて!!」
憂「純ちゃんも来てるんでしょ?」
梓「!」ピクッ
梓「なに? ……邪魔しに来たの?」
憂「そうじゃなくて…」
梓「はぁ~…なるほど、嫉妬してるんだ」
憂「え?」
梓「私が純と仲良くしてるから…私に焼きもちやいてるんでしょ?」
憂「ち、違うよ! そうじゃなくて話を聞いて!!」
梓「うるさい!! 帰れこの雌豚!!」
梓「私の純に近づくな!!!」
憂「梓ちゃん…」
梓「目障りだから早く消えてって言ってるんだよ? 分かんない?」
憂「……私はね梓ちゃん、純ちゃんを助けに来たの」
梓「…………は?」
憂「そして梓ちゃん…あなたも助ける」
梓「何を言ってるのかな? 意味不明なんだけど」
憂「梓ちゃん、こんなの間違ってるよ。また三人で仲良くしよ?」
梓「……間違ってる? なにが?」
梓「なにが間違ってるの? ねぇ憂」
憂「純ちゃんは梓ちゃんのこと愛してないの!!」
梓「!?」
憂「純ちゃんはただ…一人になった梓ちゃんをほっとけないから気にかけてただけで、愛してるとかそういうのじゃないの」
梓「……」
憂「純ちゃんにとって今の梓ちゃんは重荷にしかならない…苦しんでるんだよ純ちゃんは」
憂「お姉ちゃんもそうだった…」
梓「唯先輩も……?」
憂「だからこんなこともうやめようよ…普通の友達に戻ろうよ」
憂「グズッ…今ならまだ間に合うよ、梓ちゃん!!」
梓「……」
梓(間違ってる…マチガッテル…マチガッテル……)
梓(何が……?)
梓(私は純と愛し合ってるだけ…何が間違ってるの?)
ガシッ
憂「がっ…!?」
梓(ねぇ…何が間違ってるの? 答えてよ憂)
憂「あ、梓ちゃんやめ…っ……首……しめない……っ」
梓(間違ってないよ…私はマチガッテナイ)グググッ
oh…
266:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 00:59:27.63:cm7L/40DO憂「あぎっ……かは………っ!?」
梓「ねぇ憂、そういえば憂は純と中学のころから友達なんだよね?」
憂「い…ぎっ……」
梓「うらやましいなー、私も二人と同じ中学だったらよかったのに」
梓「そうすれば純とも早く仲良く…」グッ
憂「かっ……」
梓「ほんと憂はズルいよねー」
憂「ひっ……ひぃっ……」
梓「勉強ができて運動もできて、ギターもすぐ弾けて」
梓「唯先輩のお姉ちゃんで純の同級生で…」
憂「……っ…ぁ………」
梓「私に無いもの全部持ってて、ほんと…」
梓「だいっ嫌い!!!」
憂「……ぁ…ず……」
梓「そうだ、夕飯の材料にお肉が足りなかったんだけど…ちょうどいいのがあった」
憂「私…はっ……梓ちゃ……ん………がはっ!!」
梓「憂のことは嫌いだけど、食材になるなら大歓迎だよ」
梓「純と二人でおいしく食べてあげる…!」
憂「……す…っ…………」
梓「死んじゃえ…死んじゃえぇぇえええええ!!!!」
ドンッ!!!
梓「っ!?」
純「憂! しっかりして!!」
憂「かはっ…はぁはぁ……」
純「立って…い、今のうちに逃げよう」
梓「じゅ、純…」
純「!?」
梓「どこ行くの…? 待っててって言ったじゃん」
純「梓…」
梓「もうすぐ美味しいお肉食べさせてあげるから、ね? ほら…戻ってきて」
純「う、憂には手出しさせない…!」
憂「かはっ…ごほっ」
梓「ダメだよ純…そいつから離れて。汚いバイ菌が移っちゃうよ。早く私のところに来て。そいつは殺したらちゃんと加熱処理して食べさせるから」
憂「ひっ…」
梓「ねぇ純、戻ろうよ。二人だけの幸せな世界に。ね? 純は私のこと大好きなんでしょ? だから私と一緒にいてくれたんでしょ??」
純「……」
梓「唯先輩に裏切られて一人ぼっちで寂しかった私に…救いの手を差し出してくれた純、私の話をちゃんと聞いてくれた純、私の目を真正面から見てくれた純、私を思いやってくれる純…」
梓「こんなに愛されたの私、初めてだよ」
梓「そして私もあなたのことを愛してます、純」
純「っ…」
梓「だからこっちに来て…理想郷に」
梓「二人だけの理想郷に、戻ってきて!!」
純「……ふざけないでよ」
梓「………………え?」
純「勝手なことばっか言って…独りよがりなんだよ、梓は」
梓「な、なに言ってるの? 私は純のために…」
純「はっきり言うけどね…私はあんたのことなんか大嫌い!!」
梓「!?」
純「逃げるよ憂!」
憂「で、でも…」
純「早く!!」ダダダッ
梓「……」
梓「……」
梓「大……嫌……い………?」
梓「大嫌い…大…嫌い…ダイキ…ライ」
梓「ダイキライ…ダイキライ…ダイキライダイキライダイキライダイキライダイキライダイキライダイキライダイキライダイキライダイキライダイキライダイキライダイキライ」
梓「あっ…あぁ゛ああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
梓「うぁあああああああああああああ!!!!! いやぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
純「はぁ…はぁ…」
憂「じゅ、純ちゃ…」
純「早く! 走って!」
純「逃げなきゃ…梓から逃げなきゃ!!」
憂「でもどこに…」
純「警察は?」
憂「きっと話聞いてもらえないよ…」
純「じゃあ…憂の家は…」
憂「私の家…だめっ! お姉ちゃんが危険な目に…」
純「くっ…と、とりあえず遠くに行こう!!」
――平沢家
唯「憂…遅いなぁ」
唯「大丈夫かな…」
唯「……」
ピンポーン
唯「!!」
唯(憂…帰ってきたんだ!!)
ピンポーンピンポーン
唯「はいはーい! 今あけるよ~」
ガチャッ
唯「遅いようい~、もうお腹ペコペ…」
梓「こんばんは」
唯「――え?」
梓「憂たち来てますか?」
唯「う、憂は梓ちゃんの家に…」
梓「えぇ来ましたよ。でもすぐにどっか行っちゃって」
唯「どっか行ったって…」
梓「まぁいいです、来てないなら」
唯「梓…ちゃ…」
梓「そういえば私、お腹すいてるんです」ガシッ
唯「え? え??」
梓「お腹すいてるんですよ、私」
唯「!?」
唯「ちょ…やめっ――――」
――――――――――
―――――――
――――
Prrrr、Prrrr
純「……どう?」
憂「繋がらない。お姉ちゃん大丈夫かな…」
純「……」
憂「…これからどうしよう」
純「…とにかくもう、疲れちゃったよ」
憂「うん、そこの公園で休もっか」
純「憂…」
憂「なに?」
純「助けに来てくれて…ありがとう」
憂「純ちゃん…」
純「怖かった……怖かったよ憂ぃ~」グスッ
憂「大丈夫だよ純ちゃん、大丈夫だから……」
純「…グズッ……」
憂「……」
純「……どうして…こんな事になったんだろうね」
憂「……」
純「去年まで……みんな楽しくやってたのに…」
憂「……」
純「なのに…梓は……」
純「もう分かんないよどうすればいいのか…」
憂「…今は休もうよ、純ちゃん」
――平沢家
梓「結局一人ぼっち……一人ぼっち」
梓「一人はヤだよ…なんでみんな私を一人にするの…?」
梓「なんで……なんでなんでなんで」
梓「……」
梓「純……」
梓「私には分かるよ…本当は私のこと好きなんだよね?」
梓「でもあの雌豚に脅されて…」
梓「そうだ、きっとそうだ」
梓「あの雌豚が純を……!!」
梓「許さない……絶対に許さない」
梓「あ…アあァアぁアアアあいつだだだけはっ、ゆっゆ、ゆるさっ、許さないい゛ぃいいっ」
梓「ぃいい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」
梓「殺す、殺してやる!!!」
梓「私の純をよくもぉおおおおお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
梓「う゛ぁぁああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああああああああああああああああああ!!!!!!!」
――公園
純「……」
憂「……」
純「……」
憂「……」
純「……ね、ねぇ」
憂「なに?」
純「そろそろ移動しないと…見つかっちゃうかも」
憂「…そうだね、どこか行かないと」
純「……」
憂「……」
純「どこ行こうか」
憂「…純ちゃんが決めていいよ」
純「困るなぁ…そういうこと言われても」
~♪
憂「!…お姉ちゃんからメールだ」
純「唯先輩から…なんだって?」
憂「……」ジーッ
純「憂…?」
憂「家に…梓ちゃんが来たみたい」
純「えっ!?」
憂「けど何とか逃げ出して、近くの空き家に隠れてるって」
憂「助けに行かなきゃ!」
純「う、うん…」
――空き家
憂「ここ…だよね」
純「……」
憂「入ろう、純ちゃん」
純「ねぇ…やっぱやめない?」
憂「え…?」
純「だってなんか…雰囲気が怪しいし…」
憂「で、でもお姉ちゃんがいるんだよ!? ほっとけるわけないよ!!」
純「……」
憂「…まさか純ちゃん、純ちゃんのことを見捨てたお姉ちゃんを恨んでる?」
純「ち、違うよ! そうじゃなくて…」
憂「……分かった、ここには私一人で入る」
純「憂!!」
憂「すぐ戻ってくるけど…何かあったら大声出してね」
純「……」
ガチャッ
憂「お邪魔しまー…す」
憂「……」
憂(暗い…お姉ちゃんどこ?)
ガタンッ
憂「!!」ビクッ
憂(こ、怖いよぉ…)
憂「お、お姉ちゃーん」
憂「お姉ちゃーん!!」
シーン・・・
憂「……」
憂(どこか違う所に移動したのかな…)
「………ぅ……ぃ…………」
憂「っ!!」
憂(聞こえた…お姉ちゃんの声!!)
「……う……ぃ………」
憂「お姉ちゃん! お姉ちゃん!!」
「うい……ぃ…」
憂(この部屋だ…この部屋から!)
ガチャッ
憂「お姉ちゃん!!」
唯「憂…!」
憂「良かった…無事で良かったぁ」
唯「憂…ういぃ~」グズッ
憂「お姉ちゃん!」ギュッ
唯「こわかったよぉ~…梓ちゃんが、梓ちゃんが…っ」
憂(お姉ちゃん…服もボロボロで傷だらけ…)
唯「憂ぃ…グズッ…」
憂「安心して、もう大丈夫だよ」
唯「…ありがとう、憂」
憂「ふふっ」
唯「でも……どうして私がここにいるって分かったの?」
!?
406:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 21:41:13.63:cm7L/40DO憂「え…だって携帯からメールが」
唯「携帯…?」
憂「メール送ったよね? お姉ちゃん」
唯「ううん。というか…携帯持ってない」
憂「え…」
唯「梓ちゃんに襲われた時に落としちゃったんだ…」
憂「そんな…!?」
唯「あの時は逃げるのに必死で…」
憂「で、でも確かにメール来たんだよ! ほら!」
唯「本当だ…なんで」
憂「これじゃあまるで、誰かがお姉ちゃんの携帯を…」
憂「!!」
憂「まさか…」
梓「そのまさかだよ、憂」
唯「あっ…」
梓「……」
憂「梓……ちゃ…ん」
梓「私がメールを送ったの。ほら、唯先輩の携帯もここに」
唯「私の携帯!!」
憂「……どういうつもり?」
梓「決まってるじゃん、平沢姉妹の人生を終わらせに来たんだよ」
唯「ひっ…」
梓「あは…あはははははははは!!」
梓「唯先輩ぃ」
唯「!?」ビクッ
梓「今度はちゃんと切り刻んであげますからね…」
憂「その包丁…!」
梓「憂の家から持ってきたの。切れ味いいよね」
梓「さすが憂が使ってるだけはあるよ」
憂「っ…」
梓「さてと、じゃあ早速…」
憂「梓ちゃんいい加減にして」
梓「!」ピクッ
憂「これ以上お姉ちゃんに何かするつもりなら…私怒るよ」
梓「へぇ…憂でも怒ることあるんだ」
憂「……」
梓「邪魔だなぁ…本当に邪魔だなぁ~」
梓「憂は邪魔だなぁ~」
憂「……」
梓「こわいね…目が。犯罪者みたい」
梓「そういえばここに来る途中、憂と初めて会ったときのこと思い出してたよ」
梓「あの頃は優しい顔して私に近づいたよね……けど本性がこんなだって知ってたら、友達になんかならなかったよ」
憂「梓ちゃん…自分のやってることがまだ分からないの!?」
梓「分かってるよ!! 純のため…全部純のた、ためなん…だ…」
梓「あ、ァアアあ、あんたががっ、いると、じゅ、じゅじゅ純ががががっ……!!」
憂「っ…」
梓「コ、コロス……殺シテヤル!!!」
唯「に、逃げよう憂!!」
梓「うあぁぁあああ!! うああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
憂「きゃっ!?」
憂(梓ちゃんをなんとしないと、逃げられない…!)
梓「あああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
憂「お姉ちゃん…私が囮になるから先に逃げて」
唯「そ、そんなことできるわけないよ!!」
憂「お願いだから早く!!」
唯「憂…」
梓「うあああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
憂「くっ…!」ガシッ
梓「!?」
憂「い、今のうち! 私が押さえつけてる間に!!」
唯「あ…あぁ…」
梓「離せぇ!! 離せぇええええ!!!」
憂「早く逃げて!!」
唯「うぅ…」
憂「早くしてぇ!!!」
梓「がああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああああああ!!!」
唯「でも……もう見捨てることなんてできないよ!!」
唯「えーいっ!!」ドンッ
梓「っ!?」
憂「お姉ちゃん!」
唯「二人で逃げよう、憂!!」
梓「逃がさないですよ…逃がさないですよ!!!」ドンッ
唯「わっ!?」
梓「殺シテヤル…オマエナンカ殺シテヤル」
唯「あっ…」
憂「やめて梓ちゃん!!」ガッ
梓「くっ…うぃぃいいいいっ!!」
梓「お前が!! お前がいなければぁぁあああああ!!」
憂「梓ちゃ…っ」
憂(だめ…もう梓ちゃんは昔の梓ちゃんじゃない)
憂(このままにしたら…私たち全員殺される)
梓「うあああああああああああああああああああああああ!!!!」
憂「……ごめんなさい、梓ちゃん」
ドンッ
梓「あがっ!?」
カランカラン
梓「しまった…包丁が…」
スッ…
梓「!?」
唯「ひっ…」
憂「お姉ちゃん!!」
唯「憂…この包丁どうしよう…」
梓「返せ…包丁返せぇえええええ!!」
唯「ひぃっ!?」
――――――ドスッ
梓「――かっ」
唯「あ…いや…!?」
カランカラン
梓「いっ……だ…」
唯「いやぁぁあああああああ!!!」
憂「……」
憂(お姉ちゃんが…梓ちゃんを刺した…)
唯「憂!! 憂ぃぃいいいい!!!」
梓「ぎっ…が……」
憂「!!」
憂「お姉ちゃん危ない!!」
梓「うがああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
憂「このっ――」スッ
憂「う、うわあああああああああ!!」
ドスッドスッドスッ
梓「がひゃっ!!?」
憂「お姉ちゃんに近づくなぁぁああああああああああああ!!!」
ドスッドスッ
唯「憂……憂もういいよやめて!!」
憂「はぁ…はぁ…」グッタリ
梓「あっ…ぐ…」
唯「梓ちゃん…」
梓「……ふ、ふふ」
唯「!?」
梓「ふふふ…」フラフラ
梓「あは…い…だい…」
憂「梓ちゃん…!」
梓「ふふ…じゅ~ん」フラフラ
憂「待って!!」
唯「梓ちゃん、どこ行くつもり…?」
憂「まさか…純ちゃんのところに!?」
唯「えぇっ!?」
憂「追いかけないと…」
唯「ま、待って…腰抜かして動けない…」
梓「純…今行くよ」
ガチャッ
憂「しっかりしてお姉ちゃん!」
唯「うぅ…」
憂「梓ちゃん! もうやめて!!」
ガチャッ
憂「梓ちゃ――」
純「」
憂「……え?」
梓「純…お待たせ」
うわああああああああああああああああああああ
452:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 23:06:57.58:cm7L/40DO憂「……」
憂(な、なんで純ちゃんが死んで…)
梓「あはは…驚いてる。……憂が、この家に入ってすぐに……殺したん……だよ」
憂「そんな…」
唯「な、なに? なにがあったの??」
ピーポーピーポー
憂「!」
憂「この音…パトカー!?」
梓「さっき…呼んだ」
梓「このまま…だと……憂たちは…殺人……犯とし…て、捕まる……ね」
憂「!?」
梓「あは……あはははははは!!!」
梓「本当は…二人の……こと、殺…そうと、思ったけ…ど………やめた」
梓「でも……二人の人生は……終わったも、同…然……だよ…ね」
憂「うっ…」
唯「え? え??」
純「」
梓「ねぇ…純、……天国に…行って……も、ずぅっ…と……一緒……だ…よ」
純「」
梓「えへ…へ……じゅ……ん………大…す……き………」
憂「……」
梓「」
唯「う、憂……これは…」
憂「お姉ちゃん…」
警察「そこの二人! 動くな!!」
唯「!?」
憂「……」
警察A「なんて酷いことを…」
警察B「武器を捨てろ! 動くな!!」
唯「ま、待ってください! 私たちはなにもしてません!!」
憂「……」
警察B「おとなしくするんだ!」
唯「やめて!!やめてぇえええええええええ!!」
唯「いやぁぁああああああああああああああ!!!」
憂「……」
この日、私たちの人生は終わった。
あーあ…
465:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 23:22:06.03:cm7L/40DOおまけ
――あの世
梓「えへへ、一緒になれたね純」
純「……」
梓「私が切ったとき痛かった? ごめんなさい」
純「……はぁ」
梓「~♪」
憂「っていう夢を見たの」
梓「そ、そう」
471:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 23:25:53.29:EJvlpVwQO梓「そ、そう」
>>466
俺はお前に救われた
寝る
508:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/14(日) 11:02:48.02:MAi+isZM0俺はお前に救われた
寝る
>>466の仕事ぶりが異常
477:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 23:29:48.03:/Z0J8oAs0終わり方ちょっと微妙
だけど充分楽しかったぜ乙
519:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/14(日) 17:56:49.87:chcbXcdhOだけど充分楽しかったぜ乙
桜ヶ丘症候群
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血まみれのまま抱きついたら「もうっ!制服が汚れちゃうじゃないですか!」ってあずにゃんが言うんだ
は~、あずにゃんはマジ天使にゃん
わたしはJUMから離れないのだわ