- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 01:39:23.17:gr+eoJkX0
女「ねえ……キミと、逢いたいな」
男「えっ……? 逢いたいって、え、リアルで?」
女「うん、嫌?」
男「あ、いや、逢いたい、のは逢いたいけど……でも……」
女「でも、どうしたの?」
男「いやあ……がっかりするんじゃない? 僕、不細工だし……」

【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」

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韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 01:41:31.15:gr+eoJkX0
女「えーしないよー。だってあたし面食いじゃないし」
男「そ、そう? でもなー……がっかりしそうだな……」
女「もう、しないって! あたしのことそんな風に思ってたの?」
男「う、ううん。そんなことないけど」
僕が彼女と出会ったのは、ラグナロクファンタジーオンライン
というネットゲームだった。
引っ込み思案で、リアルではもちろんゲームの中でもぼっちだった僕に
彼女が声を掛けてくれたのが切っ掛けだったんだ。
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 01:45:05.24:ixjENyy7O
xしぃx「あのーこの狩場一緒に使っていいですか(*゚ー゚)?」
tekitou「a」
xしぃx「だめかにゃ?(/ω・\)チラッ」
tekitou「iidesuyo」
xしぃx「ありがとう(*^_^*)」
xしぃx「もしかして外国の人かにゃ?(´゚ω゚`)」
tekitou「iie」
tekitou 「misu いいえ」
xしぃx「ww」
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 01:47:15.93:gr+eoJkX0
tekitou「いいえ日本人です」
xしぃx「名前なんでてきとう?適当なの?w( ´_ゝ`)σ)Д`)ツンツン」
tekitou「うん適当につけたからtekitou」
xしぃx「そっかー適当さんなんだーあたしもよく適当すぎってゆわれる(ノ´∀`*)」
……彼女に対して最初に感じたことは、「僕に構うなよ」だった。
僕は自分のテリトリーに無神経に入り込んでくる、馴れ馴れしい人間が嫌いだ。
それでも彼女はお構いなしに、僕の領域を侵す。
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 01:50:44.02:gr+eoJkX0
xしぃx「ねーねーギルド入ってないならウチにおいでよ~ヘ(´ー`*) カモーン」
tekitou「僕、人と喋るの苦手だし」
xしぃx「ねー入ってよぉおねがーいc(`Д´と⌒c)つ彡 ジタバタ」
そんな彼女のペースに巻き込まれ、次第に打ち解けていった僕は、
いつしか彼女に好意を抱くようになった。
xしぃx「あのさー・・・お願いがあるんだけどぉ・・・(/ω\)」
tekitou「なに?」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 01:53:14.45:gr+eoJkX0
xしぃx「しぃをお嫁さんにしてほしいのにゃ(*´Д`)」
tekitou「・・・・・・・・お嫁さん?」
僕らはゲーム内で結婚式を挙げた。
バーチャルな世界の中での『夫婦』だけれど、生まれて初めて出来た
信頼できるパートナーに、僕は愛という感情を覚えたんだ。
そしてメールのやり取りや、スカイプで話をするようになり、
密かに期待しつつ、また恐れていた事態をついに迎えることとなった。
女「明日、空いてる?」
男「うん……暇だけど」
女「じゃあ明日逢おうよ。ね? 決まり!」
男「う、うん、わかった」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 01:55:47.72:gr+eoJkX0
僕は容姿に自信が無かった。男らしい顔つきじゃなく、どちらかと言えば
可愛いと茶化されるような、女みたいな顔にコンプレックスを持っていた。
それに人と会話することに慣れていないことが、オドオドした頼りない雰囲気を
発していて、好きな女の子にこんな自分を見せたくなかった。
女「キミって○○市だったよね? ○○駅前の噴水のところで5時でおっけー?」
男「駅前に5時……うん」
きっと彼女は僕に失望するんじゃないだろうか。いくら面食いじゃないと
口でいったって、女の子はみんな顔で男を判断するんだ。
よく言うじゃないか、「ただしイケメンに限る」ってさ。
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 01:58:21.69:gr+eoJkX0
女「じゃあ楽しみにしてるね。またあしたね! 愛してるよっ」
男「うん、また明日」
しかも彼女は僕より8つも上の28歳。沢山の恋愛を経験してきたらしい。
僕はといえば、彼女イナイ歴20年。当然童貞。
僕みたいな男と一緒にいて楽しいんだろうか。僕なんてただの暇つぶしじゃないのか。
つまらないうえに不細工な僕と逢ったら、興味を無くしてしまうんじゃないだろうか。
男「はぁ~……」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:00:37.39:gr+eoJkX0
考えれば考えるほど、浮かぶのはネガティブなことばかり。
今まで恋愛というものから縁遠かったツケが回ってきたのだろうか。
それともこんな性格だから、恋愛に縁がなかったのだろうか。
中高と男子校で、大学も理系で殆ど女の子と触れ合う機会が無かったせいも
あるのだろう。
男「逢いたい……けど逢いたくない……」
期待と不安の入り交じった感情が渦巻いて、
まともに眠れないまま翌日を迎えた。
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:02:45.42:gr+eoJkX0
待ち合わせ場所の駅前は、多くの人々でごった返している。
はっきり言ってこういう所は苦手だ。繁華街、人の多い場所、
他人の視線が怖い。出来る限りのお洒落をしようと努力したが、
そんな大した服は持っていないし、髪型だって今風じゃないと思う。
きっと僕は格好悪い。ダサい。それなのにこんな所にいる。
息がつまりそうで、帰りたくなった気持ちを、携帯のメールを見て抑える。
『予定より5分ぐらい遅れるかも、ごめんね(^.^; デニムのジャケットに
白いブラウスと黒のひらひらのスカートが目印だから( ´∀`)b』
そろそろ5時を5分すぎる。彼女に逢える。彼女に逢える、けど……。
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:04:40.19:gr+eoJkX0
美人「お待たせー!」
男「えっ……」
声に反応して顔を上げると、
デニムのジャケット、白いブラウス、黒いスカートの女の子が立っていた。
美人「待たせてごめんねっ」
ファッションモデルみたいにすらりとした体に小さい顔。
とても28歳とは思えない幼さの残る綺麗な顔立ちの美人を目にして、
心臓がドクン、と跳ねた。
男「あ、いや、大丈夫、待ってない……」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:06:44.51:gr+eoJkX0
チャラ男「おーいおっせえぞー」
美人「ごめんごめん! 急に電話あってさー」
チャラ男「さっさといこーぜ映画」
美人「うんいこー、いそごー」
男「え……?」
チャラ男っぽい奴と腕を組んで、完全に僕を無視して歩き出す彼女。
え、どうして? 意味がわからない。なんの冗談? どういうこと?
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:09:13.66:gr+eoJkX0
女「フー、あの、適当さん? フー……」
男「あ……」
僕の顔を覗き込むそれは、
デニムのジャケット、白いブラウス、黒いスカートを着せた……ええと、え?
女「フー、しぃですけどー。フー、適当くんだよね?」
男「あ……はい」
その力士のように肥えた彼女を見て、『ジャイアントマッドブル』のようだと思った。
ジャイアントマッドブルというのは、ラグナロクファンタジーオンラインに登場する
半牛半人のモンスターで、高い攻撃力と耐久力を持ち、ソロで倒すには大変な労力を
要する非常に厄介なモンスターだ。そのジャイアントマッドブルが、なぜここに。
いや、わかってる。これが彼女だということは理解している。だが理解したくない。
だってこんなの、こんなの……。
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:12:22.50:Bw22Z++eO
女「フー、初めましてー……だねっ。フー、ねーキミぶさいくとか言ってたけど
イケメンじゃーん。フー、可愛い顔だね~」
男「ど……どうも……初めまして」
女「フー、それにしても今日ちょっと暑いねー。フー……」
男「そ、そうだね、ちょっと暑いですね……」
あの、今11月ですよ。肌寒いぐらいですよ。
なんで汗かいて……しかも息荒いし。つーか28? え、嘘でしょ。
オバサンだよね……? なに、なんなの、なにこれ……。
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:14:31.71:gr+eoJkX0
女「フー、ねーさっそくだけどー、カラオケでもいこっかー」
男「あ、うん……そうですね……」
ブルと並んで歩く。人通りの多い繁華街を歩く。
すれ違うひとたちが僕らを見て笑っているような気がする。
指を指されているような気がする……。
女「ねー、なんかテンション低い?」
男「い、いや、そんなことない……。
ほら、緊張してさ……。た、楽しいよ」
女「そうー? フー、あたし内心、逢って幻滅されたらどうしようって
思っててー。フー、してないー?」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:15:55.13:gr+eoJkX0
男「し、し、してないよ。してない。嬉しい、逢えて……」
女「ほんとに? あたしも逢えて嬉しいよー! フー、フー、もっと好きになりそう」
男「そ、そう……。ありがとう」
幻滅っていうかなんかもう……滅したい。この豚を殲滅したい。
100年の恋も冷めるとはまさにこの事だ。別に凄く可愛い子を期待してた
わけじゃない。いやしてたけど、現実的な線からいくと、可愛くなくても
OKだと思ってた。OKだけどさ……人間に見えないのはさすがに無理です……。
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:18:00.81:gr+eoJkX0
女「ここJOYSOUND入ってる! ねーここにしよーっ」
男「はい、お好きにどうぞ……」
カラオケの店員が明らかに僕達を奇異の目で見ている。
きっと僕らが案内されたあと、「おいあれ見たかよwww」と
笑うのだろう。
女「さーて何歌おうかなー」
男「あの……ちょっとこの部屋狭くないかな?」
女「そう? でも狭いほうがあたしはいいけど~」
男「あ、そう……」
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:20:50.93:gr+eoJkX0
近い。凄く近い。スカートからはみ出したボンレスハムが
僕の太ももに触れている。
しかもブルは10度ほど僕に向かって傾斜している。
なので僕も逃げるように10度傾斜している。やめろ、この体勢は辛い。
というかこの部屋、何か臭う……。そう、ワキガみたいな。ってまさか!?
男「ぐっ! ごほっ、ごほおぇえ!」
女「ど、どしたの? むせた?」
男「う……ううん、大丈夫」
女「ほんとに? よし、東方にしよーっと」
……歌、上手いし。声がやたら可愛いし。
ああ、余計むかつく。イライラする。
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:23:54.78:gr+eoJkX0
女「キミは歌わないの? 歌聞きたいなー、歌ってぇ」
男「え、あ、うん、そうだね、歌うよ」
あ……リモコンがブルの向こう側にある。
男「えーと、リモコンどこかなー……」
女「ここにあるよー」
いや、お前取れよ……。
ブルの横幅を横断するようにリモコンを取ったら、体勢がやばいし。
男「あ、じゃあちょっと、失礼するね……」
動くなよブル……いい子だ、動くんじゃないぞ……。
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:25:42.81:gr+eoJkX0
女「ねえ……」
男「ひいっ!」
あああ、僕がブルに覆いかぶさるような体勢になった瞬間
すかさず手を重ねられた。
これはやばい、第四種異種接近遭遇が起ころうとしている。
女「キミと、逢えてよかった」
男「あっ、あうっ、あ……」
ブルの顔が接近し、ニンニク臭い息が僕に直撃する。
女「キミと、ゲームの中だけの関係でいたくないな……。
あたし、キミとずっと一緒にいたい」
男「あ、ううううん、そ、そう……」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:28:26.49:gr+eoJkX0
女「駄目……?」
ブルの眼が潤んでいる。あ、鼻毛出てる。
男「駄目っていうかなんていうか……その、ほら……」
女「やっぱ、あたし、駄目かな……」
ブルの眼から涙が零れる。涙滴の着地点が僕のズボンの上であることに
苛立ちを覚える。帰ったらすぐ消毒しないと。
男「う、ううん……なんというか……」
勇気を出して拒否するんだ。こんな化物と付き合うなんて、
ありえない。一生の汚点になる……汚点に……
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:34:11.39:gr+eoJkX0
xしぃx「ねえ適当くん、あんまりギルチャ参加しないね?(´・ω・`)」
tekitou「あーうん・・・人と話すの苦手だから」
xしぃx「あたしとは普通に話せるじゃない( ‘д‘)つ))`Д´)グリグリ」
tekitou「しぃさんは話しやすいから・・・」
xしぃx「じゃあ慣れるまであたしだけと話してればいいよw(∀`*ゞ)
メッセいっぱいいれるから(*´・ω・)(・ω・`*)ネー」
tekitou「えー・・・気をつかわなくていいですよ^^;」
ネットの中のことなんてどうでもいい!
こんな……化物……。
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:35:49.88:gr+eoJkX0
xしぃx「ねえ、キミって彼女とかいるの?w」
tekitou「いない・・・出来たこと無い^^;」
xしぃx「そうなの?w割とモテそうな気がするけど( ´ノω`)コッソリ」
tekitou「モテないよ^^;全然モテない」
xしぃx「告白されたこととかは?(/ω・\)チラッ」
tekitou「うーん・・・他の学校の子に告白されたことはあるけど、
よく知らない人は怖いから・・・^^;」
xしぃx「じゃあ知ってる人なら付き合うの?m9( ゚д゚)」
tekitou「えっどうだろ・・・^^;」
xしぃx「あたしが付き合ってって言ったら?(/ω\*)」
tekitou「えええ^^;」
……思い出なんて捨ててしまえばいいのに。
どうして思い出してしまうんだ。
目の前にいるのは化物、ありえないドブスなんだぞ……。
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:41:33.93:gr+eoJkX0
男「……」
女「ぐすっ……なんか、逢ったら嫌われちゃったみたいだね……」
所詮ネトゲで知り合っただけの女なのに。
ちょっと好きになってしまっただけなのに。
でも……ああだめだ、僕は彼女を傷つけたくない。
だって彼女は優しいから……僕に優しくしてくれるから……。
男「いい……よ」
女「え……」
男「僕でよかったら……付き合ってほしい……」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:42:20.57:gr+eoJkX0
女「ほんとに?」
男「う、うん……」
女「ありがと、嬉しい……愛してるからね」
男「あ、うん……」
そうだ、女は顔じゃない。心だ。
彼女は心が綺麗じゃないか。とても良い子じゃないか。
女は顔じゃない、女は顔じゃない、女は顔じゃない……。
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:42:36.18:AFKcdUj8O
男「とは言ってもなあ……うう……」
……ここはラブホテル。彼女に半ば強引に連れてこられ、
拒否できなかった。
男「顔以前にあの体……うっぷ……」
彼女は今シャワーを浴びている。僕はこれから彼女とセックスをする……。
……馬鹿な。ありえない。人間としてのプライドはないのか。
――やめろ、やめるんだ。あれを抱いたらもう後戻りはできないぞ。
――いややるんだ。この女と付き合うと言っただろう、責任を取れ。
愛があれば見た目なんて関係ないだろう、腹をくくれ。
――いやだめだ。一生後悔する、絶対に抱くな。逃げろ、逃げるんだ。
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:50:05.33:gr+eoJkX0
女「ふー、キミも浴びてきなよ」
男「げっ!! あっ、いや、僕はいい、よ……」
女「シャワー浴びないの? まーキミは汗臭くなさそうだもんね」
うん、絶対お前のほうが臭い。マジで臭い。
ああもう、直視出来ない。バスタオル一枚のジャイアントマッドブルを
見たくない。吐きそう。助けて、誰か助けて……!
女「エッチするの初めてなんだよね?」
男「う、うん……」
女「緊張しなくていいからね。あたしが気持ちよくしてあげるから……」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:52:41.00:gr+eoJkX0
ブルが僕ににじりよってくる。バスタオルからはみ出した象のケツみたいな
ワキの肉と区別の付かない胸が押し当てられる。
満員電車で中年おばさんの胸が当たった時を数倍にしたような不快さが湧き上がる。
女「キス……しよっか」
男「……」
ブルが僕の首に腕を回す。小鹿ぐらいなら一瞬で絞め殺してしまいそうな
太い腕に恐怖を覚える。いやむしろいっそ殺してくれ。こんなの、こんなの、
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:53:24.26:gr+eoJkX0
女「大好きだよ……」
男「……」
息が臭い、ワキガが臭い、汗でヌルってる、分厚い唇が僕に迫ってくる。
嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だあああああ!!
男「うあああああああああああああっ!!」
――僕の本能が反射的に体を動かし、ブルの顔面に思いきり右フックを叩き込んだ。
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:57:50.53:gr+eoJkX0
女「ぐぼぁっ!!」
不意をつかれて強烈な拳をまともに食らったブルは、
そのまま横倒しに地面に頭を打ち付ける。
男「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ……」
おい、僕は何をやってるんだ、正気か!?
女を、愛した女を殴るなんて気が狂ったのか!?
女「あ……あが……あ……」
男「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ……ごめん、無理……」
女「な、な、なにするのよおおおおおおぼおおおうううううおおおおおおっ!!」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:58:13.36:MEg/ThPO0
野獣の咆哮が室内に響き渡り、彼女は起き上がった。
その目は驚きと怒りと悲しみが入り交じり、血走っている。
男「無理……ほんとに無理……キモいし、臭いし、絶対無理……」
そう言い放つと彼女、いや、ジャイアントマッドブルの顔は紅潮し、
怒りでさらに歪んだ顔で僕を睨みつけた。
女「うぉ……うぉ……うぼぁああああああああああああああああっ!!」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:02:13.38:gr+eoJkX0
そして、僕とジャイアントマッドブルの貞操と命を賭けた戦いが幕を開けた――
[tekitou] LV20 STR50 DEX100 AGI100 STATUS:NORMAL
HP200llllllllllllllllllllllllllllll
,V S
[Giantmadbull] LV28 STR150 DEX50 AGI50 STATUS:ANGRY
HP400lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll
.FIGHT!!
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:08:27.37:gr+eoJkX0
女「うぼっ、うぼぁあああっ!! 許せない……許せないいいいいいっ!!」
ブルとの距離はおよそ3メートル。相手は相撲の立会いの体勢で
突進の機会を伺っている。もしブルのタックルをまともに喰らえば
致命傷は免れない。その先に待っているのは――強姦。
女「ぶるぁあああああああああああああああっ!!」
来た――ドスドスと床を鳴らし猛スピードで突進してくるブル。
横跳びしてかわす……いや、それではその後の対処が間に合わない。
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:09:36.58:gr+eoJkX0
女「ぶぉうぇえええええっ!!」
男「ぐっ!」
タックルを喰らう瞬間、小ジャンプし、そのまま首根っこを掴んで
抑えつけ、タックルを切る。
女「ぐべっ! ごぁ、ごぁああああああ!!」
男「ぐぐぐ……ぐ……!」
体重をかけて力いっぱい首を抑えつけるが、予想以上にブルの力は強かった。
だんだんと首が持ち上がってくる。
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:12:53.01:gr+eoJkX0
女「ほげ、ほげえええええ!!」
男「シャアアアアアッ!!」
だが僕は冷静に、持ち上がった顔面に膝蹴りをぶち込む。
女「ごぎゃあああっ!!」
[Giantmadbull] LV28 STR150 DEX50 AGI50 STATUS:ANGRY
HP370llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll -30
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:13:37.59:PWDDJ50E0
そのまま髪の毛を掴み、二発、三発、全力で膝蹴りを浴びせていく。
ブルの鼻からは血が吹き出す。これで呼吸が苦しくなるはず……!
女「ぎょっ! ぎょああっ!! ぎゃべえっ!!」
[Giantmadbull] LV28 STR120 DEX40 AGI40 STATUS:HEMORRHAGE
HP320llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll -50
そして最後に渾身の膝蹴りを見舞うと、ブルはのけぞり、仰向けに倒れる。
[Giantmadbull] LV28 STR120 DEX40 AGI40 STATUS:HEMORRHAGE
HP220lllllllllllllllllllllllllllllllllllll -100
.CRITICAL HIT!!
女「がああぎゃああっ!!」
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:17:48.28:gr+eoJkX0
仕留めたか……?
――な……しまった!!
男「うあああっ!!」
[tekitou] STR40 DEX80 AGI80 STATUS:BAD
HP180lllllllllllllllllllllllllllll-20
バスタオルがはだけて奴が全裸を晒した上に、
ドス黒い○○○○を直視してしまった……!
男「ぐっ……ぐうう……!」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:21:31.24:gr+eoJkX0
女「どぅへ……どぅぶぇえええええ!!」
体勢を立て直したブルは、僕に掴みかかり力強くハグをする。
ブニョブニョした不快な感触に悪寒が走る。
男「あ……うああ……」
女「どぉおおおおおおおおおおおっっせいいいい!!」
そのままバックに回りこみ、僕を持ち上げる――
男「裏投げ――? ああああっ!!」
[tekitou] LV20 STR40 DEX80 AGI80 STATUS:SHOCK
HP60llllllllll-120
.CRITICAL HIT!!
男「げぼぉえっ!!」
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:23:45.62:pcZ3ZyITO
ブルの放った裏投げにより、高速でベッドに叩きつけられる。
息ができない、苦しい! もしこれが地面だったら、絶命していた……!
豚「デュフッ、デュフェェエエエエエエ!!」
体が動かない。ブルは僕の上にまたがり、
マウントポジションで顔面に張り手を見舞う。
豚「じゃおらああああああああっ!!」
[tekitou] LV20 STR40 DEX80 AGI80 STATUS:SHOCK
HP20lll-40
男「がっ!! へぶっ!! ぐあああっ!」
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:26:27.73:pIPcRYv+0
豚「ぶぉおおおおおおらあああああああああああっ!!」
そして強烈な掌底を胸に叩き込まれ、一瞬心臓が止まる。
柔道だけじゃなく中国拳法も体得しているなんて……!
男「がっ……あ……」
[tekitou] STR40 DEX80 AGI80 STATUS:DEAD
HP0-20
そして……僕はブルに敗北を喫した。
豚「はあ……はふー……はあ……はふ……」
もはや僕の体は掌底の一打によりピクリとも動かない。
きっと秘孔を突かれたのだろう。
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:31:37.31:gr+eoJkX0
豚「はあ……はあ……ふうううう……」
呼吸を整えたブルが僕の服を脱がしていく。
上着を脱がされ、ズボンを下ろされ、パンツを……。
女「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、おちんちん……おちんちん……」
男「ぐ……」
ブルは僕の縮み上がった○○○を舐め回すように凝視してから、
そのゴツゴツした野獣の手で○○○を握った。
男「ぁ……ぅぁぁ……」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:35:22.93:gr+eoJkX0
大声で悲鳴をあげようとしても、かすれ声しか出せない。
ブルは包み込むようにゆっくりと○○○をしごき出した。
豚「ハッ、ハッ、ハッ、おつゆ、おつゆう……」
男「ぁ……ぁぃいぁぁあぅ……」
やめろ、やめろ、やめてくれ……
こんな、こんな化物に、ジャイアントマッドブルに勃起させられる――
だが、僕の○○○はあっという間にガチガチになり、
先からヌルヌルしたものを出し始めた。
豚「デュ、デュフュゥ……デュフュフ……」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:39:02.05:gr+eoJkX0
くちゅくちゅという音とブルの荒い息が響き渡る室内で、
僕はかぼそい声で泣いた。
男「ぁ~……ぁぁ~……」
豚「フー、フー、そろそろいれるよ……」
男「ゃめ……」
豚「……」
豚のぐしょぐしょになったビラビラが飛びでたドス黒い○○○○が、
僕のモノに近づいていく。
ああ、犯される。何でこんなことになっちゃったんだろう。
何でこんなことに……。
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:45:00.59:gr+eoJkX0
男「あっ……あぅぅ……ああああぁ……」
豚「ねえ、そんなに……嫌なの……?」
男「うっ、うっ、ああああああぁ……」
豚「そっか、そんなに嫌か……」
だけどブルは……挿入する直前で手を止め、そして僕の上から離れた。
豚「ごめんね、無理やりしようとして」
男「あぁうぅ……」
ブルは泣いていた。
そしてボロボロと涙を零しながら、服を着始めた。
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:47:55.14:gr+eoJkX0
男「ぇ……あ……」
豚「さようなら……大好きだったよ」
そして――ブルは部屋を出ていった。
それっきりブルとは、二度と逢うことは無かった。
リアルでも、ネットでも――
それからしばらくの後、僕はラグナロクファンタジーオンラインに
ログインしなかった。数週間が経った後、意を決してログインしてみたが、
ブルの……いや彼女との結婚も、彼女ギルドも、消えてなくなっていた。
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:51:25.70:vxmnMr/g0
僕はそれから……また『ぼっち』として、ゲームを再開した。
毎日のようにログインしても、フレンドリストに彼女の灯りが灯ることはない。
僕は思い出す、彼女との思い出を。彼女の優しさを。彼女への気持ちを。
ジャイアントマッドブルを狩るたびに、彼女の面影を感じた。
僕はこれからもずっと、ブルを狩り続ける。
愛する彼女を待ちながら――。
END
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 04:30:15.89:Yp+yyaC+O
女「えーしないよー。だってあたし面食いじゃないし」
男「そ、そう? でもなー……がっかりしそうだな……」
女「もう、しないって! あたしのことそんな風に思ってたの?」
男「う、ううん。そんなことないけど」
僕が彼女と出会ったのは、ラグナロクファンタジーオンライン
というネットゲームだった。
引っ込み思案で、リアルではもちろんゲームの中でもぼっちだった僕に
彼女が声を掛けてくれたのが切っ掛けだったんだ。
童貞はいっつも受け身だな
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 01:46:01.28:gr+eoJkX0xしぃx「あのーこの狩場一緒に使っていいですか(*゚ー゚)?」
tekitou「a」
xしぃx「だめかにゃ?(/ω・\)チラッ」
tekitou「iidesuyo」
xしぃx「ありがとう(*^_^*)」
xしぃx「もしかして外国の人かにゃ?(´゚ω゚`)」
tekitou「iie」
tekitou 「misu いいえ」
xしぃx「ww」
tekitou「いいえ日本人です」
xしぃx「名前なんでてきとう?適当なの?w( ´_ゝ`)σ)Д`)ツンツン」
tekitou「うん適当につけたからtekitou」
xしぃx「そっかー適当さんなんだーあたしもよく適当すぎってゆわれる(ノ´∀`*)」
……彼女に対して最初に感じたことは、「僕に構うなよ」だった。
僕は自分のテリトリーに無神経に入り込んでくる、馴れ馴れしい人間が嫌いだ。
それでも彼女はお構いなしに、僕の領域を侵す。
xしぃx「ねーねーギルド入ってないならウチにおいでよ~ヘ(´ー`*) カモーン」
tekitou「僕、人と喋るの苦手だし」
xしぃx「ねー入ってよぉおねがーいc(`Д´と⌒c)つ彡 ジタバタ」
そんな彼女のペースに巻き込まれ、次第に打ち解けていった僕は、
いつしか彼女に好意を抱くようになった。
xしぃx「あのさー・・・お願いがあるんだけどぉ・・・(/ω\)」
tekitou「なに?」
xしぃx「しぃをお嫁さんにしてほしいのにゃ(*´Д`)」
tekitou「・・・・・・・・お嫁さん?」
僕らはゲーム内で結婚式を挙げた。
バーチャルな世界の中での『夫婦』だけれど、生まれて初めて出来た
信頼できるパートナーに、僕は愛という感情を覚えたんだ。
そしてメールのやり取りや、スカイプで話をするようになり、
密かに期待しつつ、また恐れていた事態をついに迎えることとなった。
女「明日、空いてる?」
男「うん……暇だけど」
女「じゃあ明日逢おうよ。ね? 決まり!」
男「う、うん、わかった」
僕は容姿に自信が無かった。男らしい顔つきじゃなく、どちらかと言えば
可愛いと茶化されるような、女みたいな顔にコンプレックスを持っていた。
それに人と会話することに慣れていないことが、オドオドした頼りない雰囲気を
発していて、好きな女の子にこんな自分を見せたくなかった。
女「キミって○○市だったよね? ○○駅前の噴水のところで5時でおっけー?」
男「駅前に5時……うん」
きっと彼女は僕に失望するんじゃないだろうか。いくら面食いじゃないと
口でいったって、女の子はみんな顔で男を判断するんだ。
よく言うじゃないか、「ただしイケメンに限る」ってさ。
女「じゃあ楽しみにしてるね。またあしたね! 愛してるよっ」
男「うん、また明日」
しかも彼女は僕より8つも上の28歳。沢山の恋愛を経験してきたらしい。
僕はといえば、彼女イナイ歴20年。当然童貞。
僕みたいな男と一緒にいて楽しいんだろうか。僕なんてただの暇つぶしじゃないのか。
つまらないうえに不細工な僕と逢ったら、興味を無くしてしまうんじゃないだろうか。
男「はぁ~……」
考えれば考えるほど、浮かぶのはネガティブなことばかり。
今まで恋愛というものから縁遠かったツケが回ってきたのだろうか。
それともこんな性格だから、恋愛に縁がなかったのだろうか。
中高と男子校で、大学も理系で殆ど女の子と触れ合う機会が無かったせいも
あるのだろう。
男「逢いたい……けど逢いたくない……」
期待と不安の入り交じった感情が渦巻いて、
まともに眠れないまま翌日を迎えた。
待ち合わせ場所の駅前は、多くの人々でごった返している。
はっきり言ってこういう所は苦手だ。繁華街、人の多い場所、
他人の視線が怖い。出来る限りのお洒落をしようと努力したが、
そんな大した服は持っていないし、髪型だって今風じゃないと思う。
きっと僕は格好悪い。ダサい。それなのにこんな所にいる。
息がつまりそうで、帰りたくなった気持ちを、携帯のメールを見て抑える。
『予定より5分ぐらい遅れるかも、ごめんね(^.^; デニムのジャケットに
白いブラウスと黒のひらひらのスカートが目印だから( ´∀`)b』
そろそろ5時を5分すぎる。彼女に逢える。彼女に逢える、けど……。
美人「お待たせー!」
男「えっ……」
声に反応して顔を上げると、
デニムのジャケット、白いブラウス、黒いスカートの女の子が立っていた。
美人「待たせてごめんねっ」
ファッションモデルみたいにすらりとした体に小さい顔。
とても28歳とは思えない幼さの残る綺麗な顔立ちの美人を目にして、
心臓がドクン、と跳ねた。
男「あ、いや、大丈夫、待ってない……」
チャラ男「おーいおっせえぞー」
美人「ごめんごめん! 急に電話あってさー」
チャラ男「さっさといこーぜ映画」
美人「うんいこー、いそごー」
男「え……?」
チャラ男っぽい奴と腕を組んで、完全に僕を無視して歩き出す彼女。
え、どうして? 意味がわからない。なんの冗談? どういうこと?
女「フー、あの、適当さん? フー……」
男「あ……」
僕の顔を覗き込むそれは、
デニムのジャケット、白いブラウス、黒いスカートを着せた……ええと、え?
女「フー、しぃですけどー。フー、適当くんだよね?」
男「あ……はい」
その力士のように肥えた彼女を見て、『ジャイアントマッドブル』のようだと思った。
ジャイアントマッドブルというのは、ラグナロクファンタジーオンラインに登場する
半牛半人のモンスターで、高い攻撃力と耐久力を持ち、ソロで倒すには大変な労力を
要する非常に厄介なモンスターだ。そのジャイアントマッドブルが、なぜここに。
いや、わかってる。これが彼女だということは理解している。だが理解したくない。
だってこんなの、こんなの……。
これは……www
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:12:42.46:gr+eoJkX0女「フー、初めましてー……だねっ。フー、ねーキミぶさいくとか言ってたけど
イケメンじゃーん。フー、可愛い顔だね~」
男「ど……どうも……初めまして」
女「フー、それにしても今日ちょっと暑いねー。フー……」
男「そ、そうだね、ちょっと暑いですね……」
あの、今11月ですよ。肌寒いぐらいですよ。
なんで汗かいて……しかも息荒いし。つーか28? え、嘘でしょ。
オバサンだよね……? なに、なんなの、なにこれ……。
女「フー、ねーさっそくだけどー、カラオケでもいこっかー」
男「あ、うん……そうですね……」
ブルと並んで歩く。人通りの多い繁華街を歩く。
すれ違うひとたちが僕らを見て笑っているような気がする。
指を指されているような気がする……。
女「ねー、なんかテンション低い?」
男「い、いや、そんなことない……。
ほら、緊張してさ……。た、楽しいよ」
女「そうー? フー、あたし内心、逢って幻滅されたらどうしようって
思っててー。フー、してないー?」
男「し、し、してないよ。してない。嬉しい、逢えて……」
女「ほんとに? あたしも逢えて嬉しいよー! フー、フー、もっと好きになりそう」
男「そ、そう……。ありがとう」
幻滅っていうかなんかもう……滅したい。この豚を殲滅したい。
100年の恋も冷めるとはまさにこの事だ。別に凄く可愛い子を期待してた
わけじゃない。いやしてたけど、現実的な線からいくと、可愛くなくても
OKだと思ってた。OKだけどさ……人間に見えないのはさすがに無理です……。
女「ここJOYSOUND入ってる! ねーここにしよーっ」
男「はい、お好きにどうぞ……」
カラオケの店員が明らかに僕達を奇異の目で見ている。
きっと僕らが案内されたあと、「おいあれ見たかよwww」と
笑うのだろう。
女「さーて何歌おうかなー」
男「あの……ちょっとこの部屋狭くないかな?」
女「そう? でも狭いほうがあたしはいいけど~」
男「あ、そう……」
近い。凄く近い。スカートからはみ出したボンレスハムが
僕の太ももに触れている。
しかもブルは10度ほど僕に向かって傾斜している。
なので僕も逃げるように10度傾斜している。やめろ、この体勢は辛い。
というかこの部屋、何か臭う……。そう、ワキガみたいな。ってまさか!?
男「ぐっ! ごほっ、ごほおぇえ!」
女「ど、どしたの? むせた?」
男「う……ううん、大丈夫」
女「ほんとに? よし、東方にしよーっと」
……歌、上手いし。声がやたら可愛いし。
ああ、余計むかつく。イライラする。
女「キミは歌わないの? 歌聞きたいなー、歌ってぇ」
男「え、あ、うん、そうだね、歌うよ」
あ……リモコンがブルの向こう側にある。
男「えーと、リモコンどこかなー……」
女「ここにあるよー」
いや、お前取れよ……。
ブルの横幅を横断するようにリモコンを取ったら、体勢がやばいし。
男「あ、じゃあちょっと、失礼するね……」
動くなよブル……いい子だ、動くんじゃないぞ……。
女「ねえ……」
男「ひいっ!」
あああ、僕がブルに覆いかぶさるような体勢になった瞬間
すかさず手を重ねられた。
これはやばい、第四種異種接近遭遇が起ころうとしている。
女「キミと、逢えてよかった」
男「あっ、あうっ、あ……」
ブルの顔が接近し、ニンニク臭い息が僕に直撃する。
女「キミと、ゲームの中だけの関係でいたくないな……。
あたし、キミとずっと一緒にいたい」
男「あ、ううううん、そ、そう……」
女「駄目……?」
ブルの眼が潤んでいる。あ、鼻毛出てる。
男「駄目っていうかなんていうか……その、ほら……」
女「やっぱ、あたし、駄目かな……」
ブルの眼から涙が零れる。涙滴の着地点が僕のズボンの上であることに
苛立ちを覚える。帰ったらすぐ消毒しないと。
男「う、ううん……なんというか……」
勇気を出して拒否するんだ。こんな化物と付き合うなんて、
ありえない。一生の汚点になる……汚点に……
xしぃx「ねえ適当くん、あんまりギルチャ参加しないね?(´・ω・`)」
tekitou「あーうん・・・人と話すの苦手だから」
xしぃx「あたしとは普通に話せるじゃない( ‘д‘)つ))`Д´)グリグリ」
tekitou「しぃさんは話しやすいから・・・」
xしぃx「じゃあ慣れるまであたしだけと話してればいいよw(∀`*ゞ)
メッセいっぱいいれるから(*´・ω・)(・ω・`*)ネー」
tekitou「えー・・・気をつかわなくていいですよ^^;」
ネットの中のことなんてどうでもいい!
こんな……化物……。
xしぃx「ねえ、キミって彼女とかいるの?w」
tekitou「いない・・・出来たこと無い^^;」
xしぃx「そうなの?w割とモテそうな気がするけど( ´ノω`)コッソリ」
tekitou「モテないよ^^;全然モテない」
xしぃx「告白されたこととかは?(/ω・\)チラッ」
tekitou「うーん・・・他の学校の子に告白されたことはあるけど、
よく知らない人は怖いから・・・^^;」
xしぃx「じゃあ知ってる人なら付き合うの?m9( ゚д゚)」
tekitou「えっどうだろ・・・^^;」
xしぃx「あたしが付き合ってって言ったら?(/ω\*)」
tekitou「えええ^^;」
……思い出なんて捨ててしまえばいいのに。
どうして思い出してしまうんだ。
目の前にいるのは化物、ありえないドブスなんだぞ……。
男「……」
女「ぐすっ……なんか、逢ったら嫌われちゃったみたいだね……」
所詮ネトゲで知り合っただけの女なのに。
ちょっと好きになってしまっただけなのに。
でも……ああだめだ、僕は彼女を傷つけたくない。
だって彼女は優しいから……僕に優しくしてくれるから……。
男「いい……よ」
女「え……」
男「僕でよかったら……付き合ってほしい……」
女「ほんとに?」
男「う、うん……」
女「ありがと、嬉しい……愛してるからね」
男「あ、うん……」
そうだ、女は顔じゃない。心だ。
彼女は心が綺麗じゃないか。とても良い子じゃないか。
女は顔じゃない、女は顔じゃない、女は顔じゃない……。
あるあるwww
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 02:47:13.08:gr+eoJkX0男「とは言ってもなあ……うう……」
……ここはラブホテル。彼女に半ば強引に連れてこられ、
拒否できなかった。
男「顔以前にあの体……うっぷ……」
彼女は今シャワーを浴びている。僕はこれから彼女とセックスをする……。
……馬鹿な。ありえない。人間としてのプライドはないのか。
――やめろ、やめるんだ。あれを抱いたらもう後戻りはできないぞ。
――いややるんだ。この女と付き合うと言っただろう、責任を取れ。
愛があれば見た目なんて関係ないだろう、腹をくくれ。
――いやだめだ。一生後悔する、絶対に抱くな。逃げろ、逃げるんだ。
女「ふー、キミも浴びてきなよ」
男「げっ!! あっ、いや、僕はいい、よ……」
女「シャワー浴びないの? まーキミは汗臭くなさそうだもんね」
うん、絶対お前のほうが臭い。マジで臭い。
ああもう、直視出来ない。バスタオル一枚のジャイアントマッドブルを
見たくない。吐きそう。助けて、誰か助けて……!
女「エッチするの初めてなんだよね?」
男「う、うん……」
女「緊張しなくていいからね。あたしが気持ちよくしてあげるから……」
ブルが僕ににじりよってくる。バスタオルからはみ出した象のケツみたいな
ワキの肉と区別の付かない胸が押し当てられる。
満員電車で中年おばさんの胸が当たった時を数倍にしたような不快さが湧き上がる。
女「キス……しよっか」
男「……」
ブルが僕の首に腕を回す。小鹿ぐらいなら一瞬で絞め殺してしまいそうな
太い腕に恐怖を覚える。いやむしろいっそ殺してくれ。こんなの、こんなの、
女「大好きだよ……」
男「……」
息が臭い、ワキガが臭い、汗でヌルってる、分厚い唇が僕に迫ってくる。
嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だあああああ!!
男「うあああああああああああああっ!!」
――僕の本能が反射的に体を動かし、ブルの顔面に思いきり右フックを叩き込んだ。
女「ぐぼぁっ!!」
不意をつかれて強烈な拳をまともに食らったブルは、
そのまま横倒しに地面に頭を打ち付ける。
男「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ……」
おい、僕は何をやってるんだ、正気か!?
女を、愛した女を殴るなんて気が狂ったのか!?
女「あ……あが……あ……」
男「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ……ごめん、無理……」
女「な、な、なにするのよおおおおおおぼおおおうううううおおおおおおっ!!」
これはwww
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:00:16.54:gr+eoJkX0野獣の咆哮が室内に響き渡り、彼女は起き上がった。
その目は驚きと怒りと悲しみが入り交じり、血走っている。
男「無理……ほんとに無理……キモいし、臭いし、絶対無理……」
そう言い放つと彼女、いや、ジャイアントマッドブルの顔は紅潮し、
怒りでさらに歪んだ顔で僕を睨みつけた。
女「うぉ……うぉ……うぼぁああああああああああああああああっ!!」
そして、僕とジャイアントマッドブルの貞操と命を賭けた戦いが幕を開けた――
[tekitou] LV20 STR50 DEX100 AGI100 STATUS:NORMAL
HP200llllllllllllllllllllllllllllll
,V S
[Giantmadbull] LV28 STR150 DEX50 AGI50 STATUS:ANGRY
HP400lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll
.FIGHT!!
女「うぼっ、うぼぁあああっ!! 許せない……許せないいいいいいっ!!」
ブルとの距離はおよそ3メートル。相手は相撲の立会いの体勢で
突進の機会を伺っている。もしブルのタックルをまともに喰らえば
致命傷は免れない。その先に待っているのは――強姦。
女「ぶるぁあああああああああああああああっ!!」
来た――ドスドスと床を鳴らし猛スピードで突進してくるブル。
横跳びしてかわす……いや、それではその後の対処が間に合わない。
女「ぶぉうぇえええええっ!!」
男「ぐっ!」
タックルを喰らう瞬間、小ジャンプし、そのまま首根っこを掴んで
抑えつけ、タックルを切る。
女「ぐべっ! ごぁ、ごぁああああああ!!」
男「ぐぐぐ……ぐ……!」
体重をかけて力いっぱい首を抑えつけるが、予想以上にブルの力は強かった。
だんだんと首が持ち上がってくる。
女「ほげ、ほげえええええ!!」
男「シャアアアアアッ!!」
だが僕は冷静に、持ち上がった顔面に膝蹴りをぶち込む。
女「ごぎゃあああっ!!」
[Giantmadbull] LV28 STR150 DEX50 AGI50 STATUS:ANGRY
HP370llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll -30
HP有り余りすぎワロチ
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:14:04.74:gr+eoJkX0そのまま髪の毛を掴み、二発、三発、全力で膝蹴りを浴びせていく。
ブルの鼻からは血が吹き出す。これで呼吸が苦しくなるはず……!
女「ぎょっ! ぎょああっ!! ぎゃべえっ!!」
[Giantmadbull] LV28 STR120 DEX40 AGI40 STATUS:HEMORRHAGE
HP320llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll -50
そして最後に渾身の膝蹴りを見舞うと、ブルはのけぞり、仰向けに倒れる。
[Giantmadbull] LV28 STR120 DEX40 AGI40 STATUS:HEMORRHAGE
HP220lllllllllllllllllllllllllllllllllllll -100
.CRITICAL HIT!!
女「がああぎゃああっ!!」
仕留めたか……?
――な……しまった!!
男「うあああっ!!」
[tekitou] STR40 DEX80 AGI80 STATUS:BAD
HP180lllllllllllllllllllllllllllll-20
バスタオルがはだけて奴が全裸を晒した上に、
ドス黒い○○○○を直視してしまった……!
男「ぐっ……ぐうう……!」
女「どぅへ……どぅぶぇえええええ!!」
体勢を立て直したブルは、僕に掴みかかり力強くハグをする。
ブニョブニョした不快な感触に悪寒が走る。
男「あ……うああ……」
女「どぉおおおおおおおおおおおっっせいいいい!!」
そのままバックに回りこみ、僕を持ち上げる――
男「裏投げ――? ああああっ!!」
[tekitou] LV20 STR40 DEX80 AGI80 STATUS:SHOCK
HP60llllllllll-120
.CRITICAL HIT!!
男「げぼぉえっ!!」
もうモンスター以外の何者でもないなwww
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:24:27.33:gr+eoJkX0ブルの放った裏投げにより、高速でベッドに叩きつけられる。
息ができない、苦しい! もしこれが地面だったら、絶命していた……!
豚「デュフッ、デュフェェエエエエエエ!!」
体が動かない。ブルは僕の上にまたがり、
マウントポジションで顔面に張り手を見舞う。
豚「じゃおらああああああああっ!!」
[tekitou] LV20 STR40 DEX80 AGI80 STATUS:SHOCK
HP20lll-40
男「がっ!! へぶっ!! ぐあああっ!」
負けないで!
86:あれ? いつのまにか「女」が「豚」に・・・まあいいやそのままで:2010/11/16(火) 03:29:11.70:gr+eoJkX0豚「ぶぉおおおおおおらあああああああああああっ!!」
そして強烈な掌底を胸に叩き込まれ、一瞬心臓が止まる。
柔道だけじゃなく中国拳法も体得しているなんて……!
男「がっ……あ……」
[tekitou] STR40 DEX80 AGI80 STATUS:DEAD
HP0-20
そして……僕はブルに敗北を喫した。
豚「はあ……はふー……はあ……はふ……」
もはや僕の体は掌底の一打によりピクリとも動かない。
きっと秘孔を突かれたのだろう。
豚「はあ……はあ……ふうううう……」
呼吸を整えたブルが僕の服を脱がしていく。
上着を脱がされ、ズボンを下ろされ、パンツを……。
女「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、おちんちん……おちんちん……」
男「ぐ……」
ブルは僕の縮み上がった○○○を舐め回すように凝視してから、
そのゴツゴツした野獣の手で○○○を握った。
男「ぁ……ぅぁぁ……」
大声で悲鳴をあげようとしても、かすれ声しか出せない。
ブルは包み込むようにゆっくりと○○○をしごき出した。
豚「ハッ、ハッ、ハッ、おつゆ、おつゆう……」
男「ぁ……ぁぃいぁぁあぅ……」
やめろ、やめろ、やめてくれ……
こんな、こんな化物に、ジャイアントマッドブルに勃起させられる――
だが、僕の○○○はあっという間にガチガチになり、
先からヌルヌルしたものを出し始めた。
豚「デュ、デュフュゥ……デュフュフ……」
くちゅくちゅという音とブルの荒い息が響き渡る室内で、
僕はかぼそい声で泣いた。
男「ぁ~……ぁぁ~……」
豚「フー、フー、そろそろいれるよ……」
男「ゃめ……」
豚「……」
豚のぐしょぐしょになったビラビラが飛びでたドス黒い○○○○が、
僕のモノに近づいていく。
ああ、犯される。何でこんなことになっちゃったんだろう。
何でこんなことに……。
男「あっ……あぅぅ……ああああぁ……」
豚「ねえ、そんなに……嫌なの……?」
男「うっ、うっ、ああああああぁ……」
豚「そっか、そんなに嫌か……」
だけどブルは……挿入する直前で手を止め、そして僕の上から離れた。
豚「ごめんね、無理やりしようとして」
男「あぁうぅ……」
ブルは泣いていた。
そしてボロボロと涙を零しながら、服を着始めた。
男「ぇ……あ……」
豚「さようなら……大好きだったよ」
そして――ブルは部屋を出ていった。
それっきりブルとは、二度と逢うことは無かった。
リアルでも、ネットでも――
それからしばらくの後、僕はラグナロクファンタジーオンラインに
ログインしなかった。数週間が経った後、意を決してログインしてみたが、
ブルの……いや彼女との結婚も、彼女ギルドも、消えてなくなっていた。
ネトゲこえええええええええええ
絶対やらないわ
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:51:45.05:gr+eoJkX0絶対やらないわ
僕はそれから……また『ぼっち』として、ゲームを再開した。
毎日のようにログインしても、フレンドリストに彼女の灯りが灯ることはない。
僕は思い出す、彼女との思い出を。彼女の優しさを。彼女への気持ちを。
ジャイアントマッドブルを狩るたびに、彼女の面影を感じた。
僕はこれからもずっと、ブルを狩り続ける。
愛する彼女を待ちながら――。
END
乙!オフ会が怖くなったwww
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 04:42:27.30:noycyAb90クソスレだと思っていた時期が僕にもありました
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 05:01:15.39:lLYv/hteO乙
久しぶりに良スレ
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/16(火) 03:59:23.77:/kCjpVpt0久しぶりに良スレ
乙!
このあと痩せて美少女になったブルとの続編をお楽しみに!
このあと痩せて美少女になったブルとの続編をお楽しみに!
コメント 2
コメント一覧 (2)
よくねえよww
お前の※見て読んじまったじゃねえかww