
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/22(月) 21:40:47.74:XVzjXdUoO
4月…まだ冬の寒さが残る入学式当日、期待と不安に胸を膨らます桜高の新入生の中に、彼は居た。
五条「ククク…まさか本当にこの私が女子高に通うことになるとは」
桜高は女子高であるが、毎年数名の男子学生の入学枠を設けていた。
しかし五条は何も好きこのんで桜高に入学した訳ではなかった。
五条「…あのサッカーバトルで私の人生がこれほどまでに歪んでしまうとは…ククク…ハハハ…アーッハッハ!!」
教師「ちょっと君、入学式中よ!!静かになさい!!」

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韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/22(月) 21:48:05.71:B8JzZCqP0
入学式が終わり、桜高は今、各部活動が新入部員の獲得に躍起になっている。
新入生は、歩けばイナゴの大群に襲われるかのごとく先輩方のアプローチを受ける。
そんな中、五条は数年振りの男子入学生ということと、そのいでたちからか、
新入生の中でも唯一、全く勧誘を受けていなかった。
五条「ふう…」
大きな溜め息をついた。寂しいなどというちんけな感情故ではない。
溜め息はこれからの高校生活に対するものだ。
五条「…おや?」
ふと掲示板に目を向ける。そこは部活動の勧誘ポスターで埋め尽くされていた。
五条「女子サッカー部ですか…」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/22(月) 22:07:07.73:XVzjXdUoO
━━桜高女子サッカー部。五条のような能力者が入部すれば、間違いなく五条はもてはやされるだろう。
五条「ククク…」
五条はポスターから目を離し、校門へ向かった。
五条(もう、あのサッカーバトルを味わうことは出来ないでしょう。
サッカーバトルは『彼ら』としか味わうことが出来ないのです。
やはり、この高校に私のような存在の居場所はないのです…。)
帰路へつこうと校門へ向かう五条であったが、そこに佇む異形の存在に一瞬にして目を奪われてしまった。
五条(…何ですか、あの巨大なニワトリは…?)
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/22(月) 22:26:12.52:XVzjXdUoO
???「あ、そこの君!!音楽に興味ありませんか!?」
ニワトリを凝視していると、それに気付いたニワトリが猛ダッシュで
駆け寄り、話しかけてきた。
五条「…」
???「けいおん部って言うんですけど、よかったら部室に来て話を…」
五条「フヒヒ…あいにく私はサッカー一筋で生きてきた人間ですので、
ご期待にはそえないでしょう。」
???「大丈夫!!私もね、入部したときは楽器なんて全然できなかったんだよ!!
あ、そうだ!!明日講堂で新歓ライブがあるの!!聴きに来てね!!」
五条「…いえ、私は」
???「はいこれチラシ!!あ!私もう行かなきゃいけないから、ごめんね!またね!!」
そういうと、巨大なニワトリの少女は走って行ってしまった。
五条「クク…人の話を聞かない娘さんですね」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/22(月) 22:47:43.51:XVzjXdUoO
新歓ライブ当日、講堂に五条の姿はなかった。
五条は今日も帰路につこうと、廊下を歩いていた。
――もうサッカーバトルに興じることはできない。
その事実が五条の気分を曇らせていた。
無理もない、まだ短い人生とは言え、サッカーバトルに
全てを注いできたのだ。そうそう簡単に未練を断ち切ることはできない。
???「あれ、五条君?」
五条「…あなたは、確か山中教諭ですね」
さわ子「フフッ、なぁに、その呼び方」
さわ子「まぁいいわ。五条君、ちょっと頼みごとがあるんだけど…」
五条「…?」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/22(月) 23:03:34.60:XVzjXdUoO
―――
さわ子「ごめんなさいね、急に手伝ってもらっちゃって」
五条「ククク…構いませんよ、どうせもう帰るつもりでしたし」
さわ子「ここ女子高でしょう?あなたのような男手が増えて先生助かっちゃうわ」
五条はさわ子先生に頼まれ、大きな段ボール箱を持って音楽準備室へ向かっていた。
???「ちょっと山中先生、探しましたよ!!職員会議が始まりますよ」
さわ子「あ、はい!!」
五条「…では、後は私が運んでおきましょう。たしか音楽準備室はこの階段を
上がったところでしたね。」
さわ子「でも…」
五条「ご安心ください。さ、会議に遅れてしまいますよ…クク」
さわ子「そう…?悪いわね、準備室に置いておいてくれれば大丈夫だから」
???「山中先生!!」
さわ子「はい、今行きます!!ごめんね五条君、それじゃあお願いね」
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/22(月) 23:11:16.71:gcT+RGUJ0
階段を上がると、音楽準備室の扉が見えた。
その横にはようこそけいおん部へ」と書かれた
プレートが下げられたカエルの置物が置かれている。
それを見て、昨日のニワトリの娘のことを思い出した。
五条「…」
五条「ククク・・・ここが軽音部ですか」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/22(月) 23:19:42.63:XVzjXdUoO
段ボールを床に置き、ドアノブを引いた。
――開かない。
五条「フヒヒ…施錠されているとは盲点でした」
五条(山中教諭を待つべきか…鍵を取りに職員室へ向かうべきか…)
五条(…否)
五条「ククク…スーパースキャン!!」
五条は鞄からクリップを取り出しまっすぐに伸ばすと、スキャンした鍵穴へと挿し込
んだ。
ガチャリ。
五条「…他愛もない」
五条は難なく音楽準備室の鍵を解錠し、段ボールを持って中へと入った。
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/22(月) 23:23:20.81:XVzjXdUoO
五条「さて、用も片付いたことですし帰ると致しますか。」
???「…もう喉カラカラだよ~、早くお茶にしようよ~」
五条「…この声は」
外の廊下から聞こえてきたその声は、昨日のニワトリの娘の
声であった。
ガチャ。
???1「あれ、鍵が開かない」
???2「鍵、開いてたのかしら?もう一回回してみて?」
ガチャ。
???1「あ、ほんとだ」
???3「ほんとだじゃないですよ、律先輩、鍵かけなかったんですか?」
???1「おかしーなー、かけたと思ったんだが」
五条「…」
???1「あ、あれ…?どなた…?」
五条が出ていくよりも先に、けいおん部の部員が戻ってきてしまったようだ。
カチューシャを付けた娘が、驚いた様子で声をかけてきた。
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/22(月) 23:52:02.69:XVzjXdUoO
???1「もしかして…」
???4「あ!!君昨日の新入生だよね!!来てくれたんだ!!」
五条「とすると、あなたはニワトリの…」
???3「唯先輩、お知り合いなんですか?」
唯「昨日ね、是非けいおん部に来てくださいって声かけたの!!
来てくれたんだねぇ!!」
五条「…いえ、オレは」
???1「じゃあ入部希望か!!良かったな!!梓!!」
唯「まだ名前聞いてなかったよね、なんて言うの?」
???1「中学で何か音楽やってたのか?」
五条「…だから」
???2「そうだ、お茶をいれましょう」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/22(月) 23:58:21.40:y6aoD8GeP
――
五条「ありがとうございます。…はぁ」
五条は出された紅茶に口をつけ、ため息をついた。
この娘たちは人の話を全く聞こうとしない。
それに5名もの女性に囲まれて質問攻めにあうこと自体、
五条にとっては初めての経験であった。
お茶を出してもらってため息をつくとは失礼だと
気付いたが、自然とため息が出てしまっていた。
???5「質問ばかりして、全然答えを聞いてないじゃないか。
…私は秋山澪。ベース担当だ。君の名前は?」
五条「五条…勝です」
唯「私は平沢唯、ギターだよ」
律「部長の田井中律だ、あ、ドラムね」
ムギ「琴吹紬です、キーボードを担当しているの」
梓「中野梓です。私もギター担当です。」
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 00:23:37.28:6lXZhDHoO
さわ子先生の手伝いをするだけのはずが、
どんどん思いも寄らぬ方向に話が進んでいく。
澪「五条君はこれまで何か音楽をやっていたの?」
唯「ずっとサッカーやってたんだって!!」
澪「そっか。でも大丈夫、音楽経験無しから始めた部員もいるから」
唯「えへへ~」
五条「…」
サッカーバトルではディフェンダーを務めた五条だったが、
彼女たちの質問攻めにはまったく無力であった。
ムギ「じゃあ何かやってみたい楽器はあるのかしら」
五条「…オレは」
一同「ワクワク」
五条「…」
五条「ヘブンズタイム!!」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 00:38:00.49:6lXZhDHoO
――ヘブンズタイムによって時を止めた五条は
音楽準備室を後にして、走って家を目指していた。
五条(…ちがう。あの技はこんなことをするために習得したのではない)
五条(…何故でしょう、もうサッカーバトルはできないというのに。
オレは未練を断ち切れぬままサッカーバトルの技まで使い続けている)
五条(オレの居場所はもうないはずなのに…彼女たちは私を…)
五条「…」
足を止めて、五条は呟いた。
五条「ククク…オレとしたことが血迷いごとを」
パラッ
五条「…?これは昨日頂いたチラシ…」
貰ったときには目も通さなかったチラシに、五条は初めて
目を向けた。
五条「曲目…『ふわふわタイム』…」
五条の中の何かが動き出した瞬間であった。
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 00:49:43.04:6lXZhDHoO
――翌日
唯「あずにゃん、今日はあずにゃんの好きなタイ焼きだよ~」
梓「きょ、今日は練習してからって約束したじゃないですか!!」
ガラッ
五条「こんにちは…」
一同「…!!」
澪「う、うわああぁぁぁ!!」
律「ご、五条君…!?」
梓「だから言ったじゃないですか!!やっぱり幽霊なんかじゃなかったんですよ!!」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 00:51:26.12:6lXZhDHoO
五条君「ククク…」
一同「ビクッ」
五条「昨日は突然帰宅してしまいすみませんでした…」
律「そ、そーだね、突然と言えば突然過ぎたね」
唯「ねぇあれどうやったの?」
澪「聞こえない聞こえない聞こえない」
紬「大丈夫よ澪ちゃん、五条君は幽霊じゃなかったわ」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 00:53:56.21:sJjAoBm90
結局、五条はけいおん部に入部することとなった。
ヘブンズタイムの件をごまかすのには苦労したが、
入部の話を切り出すとすぐに担当楽器の話となり、
ヘブンズタイムの件についてはそれ以上突っ込まれることはなかった。
梓「う~ん、一通り楽器はそろってますしねぇ」
唯「五条君は何かやってみたい楽器ないの?」
五条「オレはサッカー一筋、ディフェンダーでしたから、
指先を使う楽器はあまり得意ではないですね」
律「じゃあドラムだ!!」
澪「ドラム二人かぁ…」
ムギ「あ!!まだ誰も担当していない箇所があるわ!!」
唯「なになに?」
ムギ「ボーカルよ」
一同「…!!」
五条「…!!!」
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 01:10:11.29:+7O1Yu10O
五条(…このオレが…ボーカルだと…?)
唯「それは私が…」
ムギ「唯ちゃんはギターやりながらでしょ?
そうじゃなくって、ボーカル専門。
楽器も使わないし、言い考えだと思わない?」
梓「確かにギター弾きながらは結構大変でしょうけど…」
梓(でもあの歌詞を五条君に歌わせるの…?)
澪「五条君はどう?」
五条「オレは…あまりそういうのは…」
唯「大丈夫だよ、五条君!!私だって入部したときはギターなんて
弾けるとも思ってなかったんだから!!」
五条「…は、はぁ」
律「決まり、だな。」
キーンコーンカーン…
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 01:36:53.69:6lXZhDHoO
――湯船に浸かりながら、五条は考えていた。
五条(…オレが…ボーカル…)
今までの五条ではあり得ないことであった。
五条自身、あまり表立って目立つことを
好く人間ではなかった。その五条が
反論することもできずボーカルを務める
ことになってしまったのだ。
――あの日、何かが変わるとは思っていた。
サッカーバトルへの未練を断ち切れず、
もやもやした霧のような思いの中に、
あのけいおん部が割り入ってきた。
サッカー以外の場所に、オレの居場所があるのだろうか。
オレは何故それほどまでに居場所を気にするのだ。
サッカーがなければ、俺は存在しないというのだろうか。
…否。オレは今、ここにいる――。
五条「ククク…帝国学園の彼らが今の俺を見たら、笑うでしょうね」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 01:42:31.98:6lXZhDHoO
風呂からあがった五条は、澪から
歌詞が書かれた紙を受け取ったことを
思い出し、鞄から取り出すと目を通した。
五条「…」
五条「…キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI…?」
五条「…揺れる思いはマシュマロみたいにふわ☆ふわ…?」
五条「…いつもがんばる君の横顔、ずっと見てても気づかないよね…?」
五条「…歌えというのか」
五条「…この歌詞をオレに歌えと言うのか」
五条「…ククク、ハハハ、アーハッハッハッハ!!」
母「勝!!夜遅くに近所迷惑でしょ!!静かになさい!!」
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 01:55:29.61:6lXZhDHoO
それから数週間、お茶の時間の合間にたまにある
練習の時間、五条はその歌声を披露するものの、
そこには妙な違和感が漂っていた。
――絶望的に合わない。
誰もが口にしないが、誰もがそう感じていた。
五条本人が一番身に染みていることだ。
五条の声質に問題があるのではない。
ただ、HTTの歌詞には、その声は絶望的にそぐわないのだ。
だが誰もそれを口に出せずにいた。
五条は未だ恥じらいのようなものを持ちつつも、
懸命に歌っていた。それは他の部員から見てもよく
わかる。…だからこそ辛い。
それに、ボーカルをやめたところで五条は何をする
のだろうか?その代替案も浮ばぬこともあり、
誰も五条のボーカルにはっきりと言及できぬまま
ただただ時間が過ぎて行った。
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 02:32:59.95:6lXZhDHoO
五条(…マズイですね)
五条は焦っていた。
五条(…オレのせいで、けいおん部そのものにおかしな空気が
漂い始めてしまいました)
五条(サッカーでも挫折しそうになったことは何度もありましたが、
今度ばかりは…)
五条(やはりボーカルは無理な話だったのです…)
五条(…)
五条「…サッカーをしていた頃のオレなら、どうしたでしょうか」
五条「…!」
五条「…サッカー…バトル…!?」
五条「ククク…その手がありましたか…!!」
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 02:41:45.17:6lXZhDHoO
――数ヵ月後
唯たち3年生は修学旅行へ行っており、
今日の部室は五条と梓の二人だけであった。
五条「…」
梓「…」
梓(…どうしよう、五条君と二人きりなのは初めてだな)
梓(…よく考えたら、先輩たちが卒業しちゃったら、私と
五条君で新入生を勧誘しなければいけないんだよね)
梓(…はぁ。大丈夫なのかな、この先)
五条「ククク…」
梓「ビクッ」
五条「中野さん、ご相談があるのですが…」
梓「な、何かな?」
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 02:46:20.93:OkiZigs3O
五条「…オレは、サッカーバトルではディフェンダーを務めていました。」
梓「はぁ」
五条「表立って活躍するよりも、陰ながらチームを支える役回りの方が、
オレには向いているのです。」
梓「…?」
五条「…率直に申します、メインボーカルを…中野さんに担っていただきたいのです」
梓「…え!?」
五条「最近の部内の妙な違和感、あれは明らかにオレのせいです。このままオレが
メインボーカルを務めることは、チーム全体にとって不利益です。」
梓(…確かに五条君があの歌詞を歌い続けるのは無理があると思うけど)
梓「で、でもさ、何カ月もがんばってきたんだし…。あ、そうか、他にやりたい楽器でも出てきたとか?」
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 03:04:44.70:6lXZhDHoO
五条「ククク…説明が不十分でしたね。私もボーカルを辞めるわけではありません。」
梓「…???」
五条「中野さんがメインボーカル、私はサブボーカルです。」
梓「あ、なるほど…でもそういうことならメインは唯先輩の方がいいんじゃ」
五条「あの方は来年で卒業されてしまいます。平沢さんでも構いませんが、いずれあなたに
お願いすることになるのです」
五条「ククク…まぁとにかく、一度、一緒にふわふわタイムをお願いします」
梓「…は、はぁ」
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 03:09:51.62:6lXZhDHoO
五条「では…」
五条「狂え、純粋に……!」
~♪
五条(…ここだ!!)
五条「ぶんしんフェイント!!」
梓「キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI」
五条「キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI」
梓(…!)
梓(…何これ…五条君一人で複数のパートを歌っている!?)
梓(すごい、今この部室にいるのは私たち二人だけなのに…)
梓(まるで合唱部みたい…!)
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 03:10:45.12:x3Rhdjbp0
――後日
唯「ムギちゃん、今日のおやつはなぁに?」
ムギ「今日はねぇ」
梓「お茶の前に先輩方に見ていただきたいものがあるんです!!」
律「お、なんだなんだ?」
梓「…五条君!!」
五条「ククク…狂え、純粋に……!」
~♪
一同「…おぉ」
――――
唯「凄いよ!!なんて言うか、うまく言えないけど凄いよ!!」
澪「私たちが修学旅行へ行っている間にこれを…?」
梓「はい。五条君の提案で」
五条「ククク…」
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 03:27:22.48:6lXZhDHoO
この一件で、けいおん部に長らく流れていた
妙な違和感は消え去った。
五条はメインボーカルを自ら降り、サブボーカルとして
演奏に加わることとなったが、五条が与えるインパクトは
梓のメインボーカルにも、どの楽器にも劣らないものであった。
そして、けいおん部は学園祭を迎えた。
――――
唯「…というわけで、いろいろ驚かされることもあったけど、
今ではかけがえのないメンバー、五条勝君です。」
五条「ククク…五条勝です。さ、私はもういいですから次に行きましょう。」
唯「え~…。じゃあ次、GO!GO!MANIACです!!」
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 03:30:09.14:6lXZhDHoO
梓「やばい 止まれない 止まらない」
梓「昼に夜に朝にsinging so loud」
梓「好きなことしてるだけだよ Girls Go Maniac」
梓「あんなメロディ こんなリリック」
梓「探していきたいんだ もっともっと」
梓「みんな一緒にね Chance Chance 願いを
Jump Jump掲げて」
梓「Fun Fun想いを Shout Shout伝えよう」
梓「ミスったらリハってことにして、もっかい!」
五条「ヘェア!!」
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 03:32:08.67:2tRDgsfN0
大盛況の中、超次元ライブを終えたけいおん部の
面々は、音楽準備室で、窓から差し込む夕日に照らされ、
壁にもたれかかっていた。
唯「…大成功、だったよね?」
澪「なんか、あっという間だったけどな」
ムギ「ちゃんと演奏できていたか全然覚えてないわ」
唯「…でも」
唯「すっごく楽しかったよね!!」
澪「今までで最高のライブだったな!」
律「みんなの演奏もバッチリあってたし」
五条「ククク…」
唯「ねぇねぇ、この後何する?」
梓「とりあえず、ケーキが食べたいです」
唯「じゃあそれ食べてから、次の事考えよう?」
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 03:40:00.07:BmM/0MN+0
澪「次は、クリスマスパーティだよな!!」
ムギ「その次はお正月ね」
五条「ククク…初詣」
澪「それから、次の新歓ライブかぁ」
律「また学校に泊まり込んじゃおっか!?」
唯「今度はさわちゃんも誘おうよ!!」
梓「いいですね、それ!」
唯「楽しみだねぇ、その次はぁ」
梓「えーと、その次はですねぇ…」
律「って、次はないない!!」
唯「来年の学園祭は、もっともっと上手くなってるよ」
――皆、涙していた。笑顔で未来を語りながら、
訪れぬ未来に想いを馳せながら、涙していた。
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 03:53:38.51:gcPirGq8O
五条「…ヘブンズタイ…」
五条「…」
五条はヘブンズタイムを発動しようとし、
やめた。
ヘブンズタイムを発動しても、静止した時の
中を動けるのは五条だけだ。
そこにいればこのメンバーとずっと一緒にいられるだろう。
でもそこにいるのは五条、ただ一人である。
五条はその不敵な笑顔を崩さず、眼鏡の奥でそっと涙を流した。
五条は、サッカーバトルから離れた自分の居場所を再認識した。
今この瞬間、ともに涙を流せる時間の中に、五条勝の居場所があった。
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 03:55:59.66:BmM/0MN+0
――月日は瞬く間に流れ、ついに
唯たち3年生の卒業式の日を迎えた。
五条「ククク…ついにこの日がやってきてしまいましたね」
桜高へ向かう道中、五条はこれまでの生活を振り返っていた。
サッカーバトルがもうできないと悟ったときのこと、
自分の居場所を見失ったときのこと、
…ニワトリの少女に出会ったあの日。
あの日から五条勝の人生は大きく変わったのだ。
帝国学園出身のディフェンダー、五条勝が女子高へ入学し、
けいおん部へ入部し、あまつさえボーカルを担うことになると、
誰が想像できたであろうか。
五条「おや、あんなところに子猫が」
思えば、五条にはあだ名がない。入学以来ずっと「五条君」と
呼ばれ続けていた。
五条「…とはいえ、『まさにゃん』なんてあだ名は御免ですがね、ククク」
五条「…!!」
道路を優雅にわたる猫に、それに気付いていないのか、猛スピードの車が
迫っている。
五条「…あぶない!!」
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 04:20:27.72:x3Rhdjbp0
五条「キラースライド!!」
五条から繰り出される無数の蹴りが猫を舞い上げ、
車からの攻撃を瀬戸際でブロックした。
ピシッ
五条「くっ…」
五条「眼鏡にひびが…クク、この程度でこのざまとは、
もはやディフェンダー失格ですね」
予備の眼鏡を取りに戻る時間もなく、五条は桜高へと向かった。
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 04:23:27.96:07Go1ipO0
――無事卒業式も終わり、けいおん部の3年生は
音楽準備室へ集まっていた。
ムギ「はい」
律「サンキュー」
いつもと同じ場所、いつもと同じお茶の時間。
しかしそれも、3年生の彼女たちにとっては今日で最後である。
ガチャ
澪「おぉ、梓、五条君」
五条「…すみません、今日くらいは私がお茶をいれようと思っていたのですがね」
ムギ「フフッ、だめよ」
律「梓、五条君、こっちこっち」
――
律「なあ梓、五条君。これからのことなんだけど…」
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 04:38:25.10:6lXZhDHoO
梓「大丈夫です!!」
唯「でも、私たち今まであんまり…」
五条「…」
梓「本当に大丈夫ですから!!新入部員ビシビシ勧誘しますし、
とんちゃんも五条君もいますから!!」
ムギ「梓ちゃん…?」
梓「それより私、今までちゃんとお礼をいっていなかったような…」
梓「だから、お礼の手紙を書いて…はい」
唯「ありがとう!!ね、今読んでもいい?」
梓「はい、どうぞ」
五条「ククク…私からも贈り物が、少々お待ちを」
そう言うと、五条はごそごそと準備を始めた。
五条「先輩方、ご卒業おめでとう…」
五条「…」
唯「…?どうしたの?」
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 04:44:43.96:6lXZhDHoO
五条「ククク…」
澪「五条君…?」
五条「ハハハ…」
律「五条君?」
五条「アーハッハッハッハ!!」
五条は高らかな笑い声を響かせながら、ボロボロと
大粒の涙を流していた。
ガクッ
唯「五条君!?」
屈み込んでしまった五条に、唯が駆け寄った。
五条「…ククク、すみません…」
唯「!!」
唯「眼鏡、どうしたの!?」
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 04:52:08.74:6lXZhDHoO
ムギ「怪我しちゃったの?」
澪「ぶつけたのか?」
五条「ええ…卒業式だというのに…ククク…申し訳ない」
唯「私、接着剤持ってるよ」
――
唯「はい!」
五条「申し訳ない、情けない醜態をさらしてしまい…。笑って見送るつもりだったの
ですが」
唯「うん」
五条「オレは大丈夫です。中野さんも、とんも居ますので…」
唯「はい、これをあげよう。あずにゃんにも」
五条&梓「…?」
唯「私たちが一年のときの写真だよ、今の五条君くらいだよ」
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 04:54:51.63:KpcB73sc0
五条「…」
五条「…そうでした、私からも贈り物があるんです。中野さん」
梓「うん」
唯「?」
――
五条「…」チラ
梓「コクリ」
五条「…狂え、純粋に……!」
五条「ぶんしんフェイント!!」
一同「…!!」
音楽が始まり、五条のいつも通りの分身が始まった。
だが今日の分身はいつもとは様子が違う。
――五条勝の分身は、唯のリードギター、律のドラム、澪のベース、ムギのキーボードのパートを補っていた。
いずれのパートも、完璧とは言えない。一つ一つの楽器は、とても3年生の各人の
レベルには追い付いていない。
だがそこには、五条勝らしい、けいおん部を守らんとするディフェンダーの熱き魂の叫びが流れていた。
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 05:04:23.85:V1oqAWJE0
五条「ヘブンズタイム!!」
静止した時の中で、五条は一時分身を解き、
各パートのソロを演奏した。
五条以外の時は止まっている。その音色は
他の誰の耳に届くことはない。
だが魂には――きっと魂にはその想いが届いたはずだ。
138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 05:18:08.39:42yl2TC40
――
唯「凄いよ!!ほんとうに、ほんとうの超次元ライブだったよ!!」
五条「ククク…やはり、私一人では皆さんを補うことなど到底無理でした。」
澪「そんなこと…」
五条「ですから」
五条「ですから、最後にもう一度ご一緒に、さぁ!」
ムギ「五条君…」
律「よし、やるか!!」
梓「はい!」
ガチャ
唯「あ、さわちゃん。私たちの曲、聞いてくれる?」
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 05:20:24.04:6lXZhDHoO
この日を境に、五条勝は二度とヘブンズタイムを発動することはなかった。
彼はもっと重要な「時間」を、唯たちから受け継いだのだ。
――そして新歓ライブ
梓「…というわけで、興味がある方は是非部室へ来て下さいね」
五条「ククク…中野さん、そろそろ始めましょう」
梓「あ、そうだね。じゃあ、聞いてください。」
五条「ふわふわ時間!!」
―――fin
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 05:23:36.16:42yl2TC40
なぜこうなった
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/22(月) 21:56:56.23:XVzjXdUoO入学式が終わり、桜高は今、各部活動が新入部員の獲得に躍起になっている。
新入生は、歩けばイナゴの大群に襲われるかのごとく先輩方のアプローチを受ける。
そんな中、五条は数年振りの男子入学生ということと、そのいでたちからか、
新入生の中でも唯一、全く勧誘を受けていなかった。
五条「ふう…」
大きな溜め息をついた。寂しいなどというちんけな感情故ではない。
溜め息はこれからの高校生活に対するものだ。
五条「…おや?」
ふと掲示板に目を向ける。そこは部活動の勧誘ポスターで埋め尽くされていた。
五条「女子サッカー部ですか…」
━━桜高女子サッカー部。五条のような能力者が入部すれば、間違いなく五条はもてはやされるだろう。
五条「ククク…」
五条はポスターから目を離し、校門へ向かった。
五条(もう、あのサッカーバトルを味わうことは出来ないでしょう。
サッカーバトルは『彼ら』としか味わうことが出来ないのです。
やはり、この高校に私のような存在の居場所はないのです…。)
帰路へつこうと校門へ向かう五条であったが、そこに佇む異形の存在に一瞬にして目を奪われてしまった。
五条(…何ですか、あの巨大なニワトリは…?)
???「あ、そこの君!!音楽に興味ありませんか!?」
ニワトリを凝視していると、それに気付いたニワトリが猛ダッシュで
駆け寄り、話しかけてきた。
五条「…」
???「けいおん部って言うんですけど、よかったら部室に来て話を…」
五条「フヒヒ…あいにく私はサッカー一筋で生きてきた人間ですので、
ご期待にはそえないでしょう。」
???「大丈夫!!私もね、入部したときは楽器なんて全然できなかったんだよ!!
あ、そうだ!!明日講堂で新歓ライブがあるの!!聴きに来てね!!」
五条「…いえ、私は」
???「はいこれチラシ!!あ!私もう行かなきゃいけないから、ごめんね!またね!!」
そういうと、巨大なニワトリの少女は走って行ってしまった。
五条「クク…人の話を聞かない娘さんですね」
新歓ライブ当日、講堂に五条の姿はなかった。
五条は今日も帰路につこうと、廊下を歩いていた。
――もうサッカーバトルに興じることはできない。
その事実が五条の気分を曇らせていた。
無理もない、まだ短い人生とは言え、サッカーバトルに
全てを注いできたのだ。そうそう簡単に未練を断ち切ることはできない。
???「あれ、五条君?」
五条「…あなたは、確か山中教諭ですね」
さわ子「フフッ、なぁに、その呼び方」
さわ子「まぁいいわ。五条君、ちょっと頼みごとがあるんだけど…」
五条「…?」
―――
さわ子「ごめんなさいね、急に手伝ってもらっちゃって」
五条「ククク…構いませんよ、どうせもう帰るつもりでしたし」
さわ子「ここ女子高でしょう?あなたのような男手が増えて先生助かっちゃうわ」
五条はさわ子先生に頼まれ、大きな段ボール箱を持って音楽準備室へ向かっていた。
???「ちょっと山中先生、探しましたよ!!職員会議が始まりますよ」
さわ子「あ、はい!!」
五条「…では、後は私が運んでおきましょう。たしか音楽準備室はこの階段を
上がったところでしたね。」
さわ子「でも…」
五条「ご安心ください。さ、会議に遅れてしまいますよ…クク」
さわ子「そう…?悪いわね、準備室に置いておいてくれれば大丈夫だから」
???「山中先生!!」
さわ子「はい、今行きます!!ごめんね五条君、それじゃあお願いね」
燃え尽きた五条さんか…眼鏡越しのその瞳は何を見る
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/22(月) 23:11:34.10:XVzjXdUoO階段を上がると、音楽準備室の扉が見えた。
その横にはようこそけいおん部へ」と書かれた
プレートが下げられたカエルの置物が置かれている。
それを見て、昨日のニワトリの娘のことを思い出した。
五条「…」
五条「ククク・・・ここが軽音部ですか」
段ボールを床に置き、ドアノブを引いた。
――開かない。
五条「フヒヒ…施錠されているとは盲点でした」
五条(山中教諭を待つべきか…鍵を取りに職員室へ向かうべきか…)
五条(…否)
五条「ククク…スーパースキャン!!」
五条は鞄からクリップを取り出しまっすぐに伸ばすと、スキャンした鍵穴へと挿し込
んだ。
ガチャリ。
五条「…他愛もない」
五条は難なく音楽準備室の鍵を解錠し、段ボールを持って中へと入った。
ちなみに私はイナイレ見たことないので、能力の詳細とかよく知らずに書いてます。
原作の設定とかけ離れた能力の使い方を多々するかもしれませんがお許し下さい。
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/22(月) 23:42:26.17:XVzjXdUoO原作の設定とかけ離れた能力の使い方を多々するかもしれませんがお許し下さい。
五条「さて、用も片付いたことですし帰ると致しますか。」
???「…もう喉カラカラだよ~、早くお茶にしようよ~」
五条「…この声は」
外の廊下から聞こえてきたその声は、昨日のニワトリの娘の
声であった。
ガチャ。
???1「あれ、鍵が開かない」
???2「鍵、開いてたのかしら?もう一回回してみて?」
ガチャ。
???1「あ、ほんとだ」
???3「ほんとだじゃないですよ、律先輩、鍵かけなかったんですか?」
???1「おかしーなー、かけたと思ったんだが」
五条「…」
???1「あ、あれ…?どなた…?」
五条が出ていくよりも先に、けいおん部の部員が戻ってきてしまったようだ。
カチューシャを付けた娘が、驚いた様子で声をかけてきた。
???1「もしかして…」
???4「あ!!君昨日の新入生だよね!!来てくれたんだ!!」
五条「とすると、あなたはニワトリの…」
???3「唯先輩、お知り合いなんですか?」
唯「昨日ね、是非けいおん部に来てくださいって声かけたの!!
来てくれたんだねぇ!!」
五条「…いえ、オレは」
???1「じゃあ入部希望か!!良かったな!!梓!!」
唯「まだ名前聞いてなかったよね、なんて言うの?」
???1「中学で何か音楽やってたのか?」
五条「…だから」
???2「そうだ、お茶をいれましょう」
フヒヒなんてキモオタみたいな事五条さんはいわないよ
もっとマッドサイエンティストみたいな口調
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 00:06:43.64:6lXZhDHoOもっとマッドサイエンティストみたいな口調
>>34
すみません、完全に見た目で「言いそう」とか思って言わせてしまってましたwww
とりあえず他の口癖候補に「ククク」と「ヘェア」があるんだけど、こっちは使っても大丈夫そうかな。
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 00:07:31.01:Yq7G75df0すみません、完全に見た目で「言いそう」とか思って言わせてしまってましたwww
とりあえず他の口癖候補に「ククク」と「ヘェア」があるんだけど、こっちは使っても大丈夫そうかな。
「ヘェア」はどこで使うんだよwwwwww
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 00:04:19.16:6lXZhDHoO――
五条「ありがとうございます。…はぁ」
五条は出された紅茶に口をつけ、ため息をついた。
この娘たちは人の話を全く聞こうとしない。
それに5名もの女性に囲まれて質問攻めにあうこと自体、
五条にとっては初めての経験であった。
お茶を出してもらってため息をつくとは失礼だと
気付いたが、自然とため息が出てしまっていた。
???5「質問ばかりして、全然答えを聞いてないじゃないか。
…私は秋山澪。ベース担当だ。君の名前は?」
五条「五条…勝です」
唯「私は平沢唯、ギターだよ」
律「部長の田井中律だ、あ、ドラムね」
ムギ「琴吹紬です、キーボードを担当しているの」
梓「中野梓です。私もギター担当です。」
さわ子先生の手伝いをするだけのはずが、
どんどん思いも寄らぬ方向に話が進んでいく。
澪「五条君はこれまで何か音楽をやっていたの?」
唯「ずっとサッカーやってたんだって!!」
澪「そっか。でも大丈夫、音楽経験無しから始めた部員もいるから」
唯「えへへ~」
五条「…」
サッカーバトルではディフェンダーを務めた五条だったが、
彼女たちの質問攻めにはまったく無力であった。
ムギ「じゃあ何かやってみたい楽器はあるのかしら」
五条「…オレは」
一同「ワクワク」
五条「…」
五条「ヘブンズタイム!!」
――ヘブンズタイムによって時を止めた五条は
音楽準備室を後にして、走って家を目指していた。
五条(…ちがう。あの技はこんなことをするために習得したのではない)
五条(…何故でしょう、もうサッカーバトルはできないというのに。
オレは未練を断ち切れぬままサッカーバトルの技まで使い続けている)
五条(オレの居場所はもうないはずなのに…彼女たちは私を…)
五条「…」
足を止めて、五条は呟いた。
五条「ククク…オレとしたことが血迷いごとを」
パラッ
五条「…?これは昨日頂いたチラシ…」
貰ったときには目も通さなかったチラシに、五条は初めて
目を向けた。
五条「曲目…『ふわふわタイム』…」
五条の中の何かが動き出した瞬間であった。
――翌日
唯「あずにゃん、今日はあずにゃんの好きなタイ焼きだよ~」
梓「きょ、今日は練習してからって約束したじゃないですか!!」
ガラッ
五条「こんにちは…」
一同「…!!」
澪「う、うわああぁぁぁ!!」
律「ご、五条君…!?」
梓「だから言ったじゃないですか!!やっぱり幽霊なんかじゃなかったんですよ!!」
五条君「ククク…」
一同「ビクッ」
五条「昨日は突然帰宅してしまいすみませんでした…」
律「そ、そーだね、突然と言えば突然過ぎたね」
唯「ねぇあれどうやったの?」
澪「聞こえない聞こえない聞こえない」
紬「大丈夫よ澪ちゃん、五条君は幽霊じゃなかったわ」
とりあえず五条さんにヘェア使わせようぜwwwwwwwwww
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 01:03:59.91:6lXZhDHoO結局、五条はけいおん部に入部することとなった。
ヘブンズタイムの件をごまかすのには苦労したが、
入部の話を切り出すとすぐに担当楽器の話となり、
ヘブンズタイムの件についてはそれ以上突っ込まれることはなかった。
梓「う~ん、一通り楽器はそろってますしねぇ」
唯「五条君は何かやってみたい楽器ないの?」
五条「オレはサッカー一筋、ディフェンダーでしたから、
指先を使う楽器はあまり得意ではないですね」
律「じゃあドラムだ!!」
澪「ドラム二人かぁ…」
ムギ「あ!!まだ誰も担当していない箇所があるわ!!」
唯「なになに?」
ムギ「ボーカルよ」
一同「…!!」
五条「…!!!」
五条さんがヴォーカルwwwwww
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 01:15:06.30:fVZbozUl0ヘェアヘェアタイムか
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 01:21:28.53:6lXZhDHoO五条(…このオレが…ボーカルだと…?)
唯「それは私が…」
ムギ「唯ちゃんはギターやりながらでしょ?
そうじゃなくって、ボーカル専門。
楽器も使わないし、言い考えだと思わない?」
梓「確かにギター弾きながらは結構大変でしょうけど…」
梓(でもあの歌詞を五条君に歌わせるの…?)
澪「五条君はどう?」
五条「オレは…あまりそういうのは…」
唯「大丈夫だよ、五条君!!私だって入部したときはギターなんて
弾けるとも思ってなかったんだから!!」
五条「…は、はぁ」
律「決まり、だな。」
キーンコーンカーン…
――湯船に浸かりながら、五条は考えていた。
五条(…オレが…ボーカル…)
今までの五条ではあり得ないことであった。
五条自身、あまり表立って目立つことを
好く人間ではなかった。その五条が
反論することもできずボーカルを務める
ことになってしまったのだ。
――あの日、何かが変わるとは思っていた。
サッカーバトルへの未練を断ち切れず、
もやもやした霧のような思いの中に、
あのけいおん部が割り入ってきた。
サッカー以外の場所に、オレの居場所があるのだろうか。
オレは何故それほどまでに居場所を気にするのだ。
サッカーがなければ、俺は存在しないというのだろうか。
…否。オレは今、ここにいる――。
五条「ククク…帝国学園の彼らが今の俺を見たら、笑うでしょうね」
風呂からあがった五条は、澪から
歌詞が書かれた紙を受け取ったことを
思い出し、鞄から取り出すと目を通した。
五条「…」
五条「…キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI…?」
五条「…揺れる思いはマシュマロみたいにふわ☆ふわ…?」
五条「…いつもがんばる君の横顔、ずっと見てても気づかないよね…?」
五条「…歌えというのか」
五条「…この歌詞をオレに歌えと言うのか」
五条「…ククク、ハハハ、アーハッハッハッハ!!」
母「勝!!夜遅くに近所迷惑でしょ!!静かになさい!!」
それから数週間、お茶の時間の合間にたまにある
練習の時間、五条はその歌声を披露するものの、
そこには妙な違和感が漂っていた。
――絶望的に合わない。
誰もが口にしないが、誰もがそう感じていた。
五条本人が一番身に染みていることだ。
五条の声質に問題があるのではない。
ただ、HTTの歌詞には、その声は絶望的にそぐわないのだ。
だが誰もそれを口に出せずにいた。
五条は未だ恥じらいのようなものを持ちつつも、
懸命に歌っていた。それは他の部員から見てもよく
わかる。…だからこそ辛い。
それに、ボーカルをやめたところで五条は何をする
のだろうか?その代替案も浮ばぬこともあり、
誰も五条のボーカルにはっきりと言及できぬまま
ただただ時間が過ぎて行った。
五条(…マズイですね)
五条は焦っていた。
五条(…オレのせいで、けいおん部そのものにおかしな空気が
漂い始めてしまいました)
五条(サッカーでも挫折しそうになったことは何度もありましたが、
今度ばかりは…)
五条(やはりボーカルは無理な話だったのです…)
五条(…)
五条「…サッカーをしていた頃のオレなら、どうしたでしょうか」
五条「…!」
五条「…サッカー…バトル…!?」
五条「ククク…その手がありましたか…!!」
――数ヵ月後
唯たち3年生は修学旅行へ行っており、
今日の部室は五条と梓の二人だけであった。
五条「…」
梓「…」
梓(…どうしよう、五条君と二人きりなのは初めてだな)
梓(…よく考えたら、先輩たちが卒業しちゃったら、私と
五条君で新入生を勧誘しなければいけないんだよね)
梓(…はぁ。大丈夫なのかな、この先)
五条「ククク…」
梓「ビクッ」
五条「中野さん、ご相談があるのですが…」
梓「な、何かな?」
これは実に気まずいwwwww
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 02:57:31.49:6lXZhDHoO五条「…オレは、サッカーバトルではディフェンダーを務めていました。」
梓「はぁ」
五条「表立って活躍するよりも、陰ながらチームを支える役回りの方が、
オレには向いているのです。」
梓「…?」
五条「…率直に申します、メインボーカルを…中野さんに担っていただきたいのです」
梓「…え!?」
五条「最近の部内の妙な違和感、あれは明らかにオレのせいです。このままオレが
メインボーカルを務めることは、チーム全体にとって不利益です。」
梓(…確かに五条君があの歌詞を歌い続けるのは無理があると思うけど)
梓「で、でもさ、何カ月もがんばってきたんだし…。あ、そうか、他にやりたい楽器でも出てきたとか?」
五条「ククク…説明が不十分でしたね。私もボーカルを辞めるわけではありません。」
梓「…???」
五条「中野さんがメインボーカル、私はサブボーカルです。」
梓「あ、なるほど…でもそういうことならメインは唯先輩の方がいいんじゃ」
五条「あの方は来年で卒業されてしまいます。平沢さんでも構いませんが、いずれあなたに
お願いすることになるのです」
五条「ククク…まぁとにかく、一度、一緒にふわふわタイムをお願いします」
梓「…は、はぁ」
五条「では…」
五条「狂え、純粋に……!」
~♪
五条(…ここだ!!)
五条「ぶんしんフェイント!!」
梓「キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI」
五条「キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI」
梓(…!)
梓(…何これ…五条君一人で複数のパートを歌っている!?)
梓(すごい、今この部室にいるのは私たち二人だけなのに…)
梓(まるで合唱部みたい…!)
五条さんかっけええええええええええええええええええ
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 03:14:50.45:OkiZigs3Oこれが超次元ライブか……
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 03:17:41.72:6lXZhDHoO――後日
唯「ムギちゃん、今日のおやつはなぁに?」
ムギ「今日はねぇ」
梓「お茶の前に先輩方に見ていただきたいものがあるんです!!」
律「お、なんだなんだ?」
梓「…五条君!!」
五条「ククク…狂え、純粋に……!」
~♪
一同「…おぉ」
――――
唯「凄いよ!!なんて言うか、うまく言えないけど凄いよ!!」
澪「私たちが修学旅行へ行っている間にこれを…?」
梓「はい。五条君の提案で」
五条「ククク…」
この一件で、けいおん部に長らく流れていた
妙な違和感は消え去った。
五条はメインボーカルを自ら降り、サブボーカルとして
演奏に加わることとなったが、五条が与えるインパクトは
梓のメインボーカルにも、どの楽器にも劣らないものであった。
そして、けいおん部は学園祭を迎えた。
――――
唯「…というわけで、いろいろ驚かされることもあったけど、
今ではかけがえのないメンバー、五条勝君です。」
五条「ククク…五条勝です。さ、私はもういいですから次に行きましょう。」
唯「え~…。じゃあ次、GO!GO!MANIACです!!」
梓「やばい 止まれない 止まらない」
梓「昼に夜に朝にsinging so loud」
梓「好きなことしてるだけだよ Girls Go Maniac」
梓「あんなメロディ こんなリリック」
梓「探していきたいんだ もっともっと」
梓「みんな一緒にね Chance Chance 願いを
Jump Jump掲げて」
梓「Fun Fun想いを Shout Shout伝えよう」
梓「ミスったらリハってことにして、もっかい!」
五条「ヘェア!!」
ヘェア
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 03:39:03.09:6lXZhDHoO大盛況の中、超次元ライブを終えたけいおん部の
面々は、音楽準備室で、窓から差し込む夕日に照らされ、
壁にもたれかかっていた。
唯「…大成功、だったよね?」
澪「なんか、あっという間だったけどな」
ムギ「ちゃんと演奏できていたか全然覚えてないわ」
唯「…でも」
唯「すっごく楽しかったよね!!」
澪「今までで最高のライブだったな!」
律「みんなの演奏もバッチリあってたし」
五条「ククク…」
唯「ねぇねぇ、この後何する?」
梓「とりあえず、ケーキが食べたいです」
唯「じゃあそれ食べてから、次の事考えよう?」
自然にまぎれてるwwww
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 03:45:58.45:6lXZhDHoO澪「次は、クリスマスパーティだよな!!」
ムギ「その次はお正月ね」
五条「ククク…初詣」
澪「それから、次の新歓ライブかぁ」
律「また学校に泊まり込んじゃおっか!?」
唯「今度はさわちゃんも誘おうよ!!」
梓「いいですね、それ!」
唯「楽しみだねぇ、その次はぁ」
梓「えーと、その次はですねぇ…」
律「って、次はないない!!」
唯「来年の学園祭は、もっともっと上手くなってるよ」
――皆、涙していた。笑顔で未来を語りながら、
訪れぬ未来に想いを馳せながら、涙していた。
全く違和感ない
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 03:54:06.96:6lXZhDHoO五条「…ヘブンズタイ…」
五条「…」
五条はヘブンズタイムを発動しようとし、
やめた。
ヘブンズタイムを発動しても、静止した時の
中を動けるのは五条だけだ。
そこにいればこのメンバーとずっと一緒にいられるだろう。
でもそこにいるのは五条、ただ一人である。
五条はその不敵な笑顔を崩さず、眼鏡の奥でそっと涙を流した。
五条は、サッカーバトルから離れた自分の居場所を再認識した。
今この瞬間、ともに涙を流せる時間の中に、五条勝の居場所があった。
やばいな…感動しているぞ
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 04:16:11.70:6lXZhDHoO――月日は瞬く間に流れ、ついに
唯たち3年生の卒業式の日を迎えた。
五条「ククク…ついにこの日がやってきてしまいましたね」
桜高へ向かう道中、五条はこれまでの生活を振り返っていた。
サッカーバトルがもうできないと悟ったときのこと、
自分の居場所を見失ったときのこと、
…ニワトリの少女に出会ったあの日。
あの日から五条勝の人生は大きく変わったのだ。
帝国学園出身のディフェンダー、五条勝が女子高へ入学し、
けいおん部へ入部し、あまつさえボーカルを担うことになると、
誰が想像できたであろうか。
五条「おや、あんなところに子猫が」
思えば、五条にはあだ名がない。入学以来ずっと「五条君」と
呼ばれ続けていた。
五条「…とはいえ、『まさにゃん』なんてあだ名は御免ですがね、ククク」
五条「…!!」
道路を優雅にわたる猫に、それに気付いていないのか、猛スピードの車が
迫っている。
五条「…あぶない!!」
うわあああああああああああああああああ
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 04:22:04.18:6lXZhDHoO五条「キラースライド!!」
五条から繰り出される無数の蹴りが猫を舞い上げ、
車からの攻撃を瀬戸際でブロックした。
ピシッ
五条「くっ…」
五条「眼鏡にひびが…クク、この程度でこのざまとは、
もはやディフェンダー失格ですね」
予備の眼鏡を取りに戻る時間もなく、五条は桜高へと向かった。
五条Δ
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 04:28:43.10:6lXZhDHoO――無事卒業式も終わり、けいおん部の3年生は
音楽準備室へ集まっていた。
ムギ「はい」
律「サンキュー」
いつもと同じ場所、いつもと同じお茶の時間。
しかしそれも、3年生の彼女たちにとっては今日で最後である。
ガチャ
澪「おぉ、梓、五条君」
五条「…すみません、今日くらいは私がお茶をいれようと思っていたのですがね」
ムギ「フフッ、だめよ」
律「梓、五条君、こっちこっち」
――
律「なあ梓、五条君。これからのことなんだけど…」
梓「大丈夫です!!」
唯「でも、私たち今まであんまり…」
五条「…」
梓「本当に大丈夫ですから!!新入部員ビシビシ勧誘しますし、
とんちゃんも五条君もいますから!!」
ムギ「梓ちゃん…?」
梓「それより私、今までちゃんとお礼をいっていなかったような…」
梓「だから、お礼の手紙を書いて…はい」
唯「ありがとう!!ね、今読んでもいい?」
梓「はい、どうぞ」
五条「ククク…私からも贈り物が、少々お待ちを」
そう言うと、五条はごそごそと準備を始めた。
五条「先輩方、ご卒業おめでとう…」
五条「…」
唯「…?どうしたの?」
五条「ククク…」
澪「五条君…?」
五条「ハハハ…」
律「五条君?」
五条「アーハッハッハッハ!!」
五条は高らかな笑い声を響かせながら、ボロボロと
大粒の涙を流していた。
ガクッ
唯「五条君!?」
屈み込んでしまった五条に、唯が駆け寄った。
五条「…ククク、すみません…」
唯「!!」
唯「眼鏡、どうしたの!?」
ムギ「怪我しちゃったの?」
澪「ぶつけたのか?」
五条「ええ…卒業式だというのに…ククク…申し訳ない」
唯「私、接着剤持ってるよ」
――
唯「はい!」
五条「申し訳ない、情けない醜態をさらしてしまい…。笑って見送るつもりだったの
ですが」
唯「うん」
五条「オレは大丈夫です。中野さんも、とんも居ますので…」
唯「はい、これをあげよう。あずにゃんにも」
五条&梓「…?」
唯「私たちが一年のときの写真だよ、今の五条君くらいだよ」
とんwwwwwwwwww
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 04:55:58.23:0RpZOGzaOなんだこれwwww
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 05:00:17.20:gcPirGq8O腹痛いwwwwwww
猫救ったのはこの伏線だったとは
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 05:02:42.29:6lXZhDHoO猫救ったのはこの伏線だったとは
五条「…」
五条「…そうでした、私からも贈り物があるんです。中野さん」
梓「うん」
唯「?」
――
五条「…」チラ
梓「コクリ」
五条「…狂え、純粋に……!」
五条「ぶんしんフェイント!!」
一同「…!!」
音楽が始まり、五条のいつも通りの分身が始まった。
だが今日の分身はいつもとは様子が違う。
――五条勝の分身は、唯のリードギター、律のドラム、澪のベース、ムギのキーボードのパートを補っていた。
いずれのパートも、完璧とは言えない。一つ一つの楽器は、とても3年生の各人の
レベルには追い付いていない。
だがそこには、五条勝らしい、けいおん部を守らんとするディフェンダーの熱き魂の叫びが流れていた。
なんだろう
良い話っぽいのに笑いしか出てこないよ
137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 05:14:05.75:6lXZhDHoO良い話っぽいのに笑いしか出てこないよ
五条「ヘブンズタイム!!」
静止した時の中で、五条は一時分身を解き、
各パートのソロを演奏した。
五条以外の時は止まっている。その音色は
他の誰の耳に届くことはない。
だが魂には――きっと魂にはその想いが届いたはずだ。
五条さん・・・
139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 05:18:38.96:6lXZhDHoO――
唯「凄いよ!!ほんとうに、ほんとうの超次元ライブだったよ!!」
五条「ククク…やはり、私一人では皆さんを補うことなど到底無理でした。」
澪「そんなこと…」
五条「ですから」
五条「ですから、最後にもう一度ご一緒に、さぁ!」
ムギ「五条君…」
律「よし、やるか!!」
梓「はい!」
ガチャ
唯「あ、さわちゃん。私たちの曲、聞いてくれる?」
この日を境に、五条勝は二度とヘブンズタイムを発動することはなかった。
彼はもっと重要な「時間」を、唯たちから受け継いだのだ。
――そして新歓ライブ
梓「…というわけで、興味がある方は是非部室へ来て下さいね」
五条「ククク…中野さん、そろそろ始めましょう」
梓「あ、そうだね。じゃあ、聞いてください。」
五条「ふわふわ時間!!」
―――fin
>>140最高だったよ!
144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 05:26:45.30:BmM/0MN+0>>140
お疲れ
これは五条さんに投票せざるを得ない
146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 05:30:18.16:3ZP2Ex0R0お疲れ
これは五条さんに投票せざるを得ない
>>140のせいでもう五条さん以外投票できない
乙!最高だった
149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 05:38:01.56:6lXZhDHoO乙!最高だった
皆さんありがとうございました。
初のSSで、突然舞い降りたチャンスに乗っかったので、至らない点が多々あったかと思いますが、おかげでなんとか完走することができました。
>>1さん、腹筋スレとは言え乗っ取ってしまってすみません。私はスレ立て出来ないので、>>1さんがいなかったらこのSSは生まれていませんでした。
アドバイスを下さった方々や、レスして下さった方々にも感謝です。
すごくモチベーションが上がりましたし、途中の「超次元ライブ」やラストの「分身でパート補完」のアイディアも拝借してしまいました。
皆さん、イナイレ選挙で是非とも五条さんの壁紙をゲットしましょう!!
150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 05:41:14.04:x3Rhdjbp0初のSSで、突然舞い降りたチャンスに乗っかったので、至らない点が多々あったかと思いますが、おかげでなんとか完走することができました。
>>1さん、腹筋スレとは言え乗っ取ってしまってすみません。私はスレ立て出来ないので、>>1さんがいなかったらこのSSは生まれていませんでした。
アドバイスを下さった方々や、レスして下さった方々にも感謝です。
すごくモチベーションが上がりましたし、途中の「超次元ライブ」やラストの「分身でパート補完」のアイディアも拝借してしまいました。
皆さん、イナイレ選挙で是非とも五条さんの壁紙をゲットしましょう!!
激しく乙
151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 05:45:58.03:V1oqAWJE0乙
初SSでこれとは今後に期待できるな
152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 07:30:36.94:fVZbozUl0初SSでこれとは今後に期待できるな
よくこんな無茶な設定でさくっと書ききったなw
コメント 9
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なんでSSになってんだよwwwww