- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 21:21:01.49:Sb6m7XyP0
律「は?」
澪「彼氏、欲しい……///」
律「いやいや、顔を赤らめて言わなくてもわかるから」

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韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 21:26:10.07:ejZKYCCMO
律「ていうか、今までそんなこと言わなかったじゃん」
澪「まあ、それは恥ずかしがりやだし。ほら、私って基本的に引っ込み思案だろ?」
律「自分で言うか……」
澪「それに考えても見ろよ。『ふわふわ時間』とか、もろラブソングだろ?
なんていうか私の行き場のない愛が詰まってる、みたいな」
律「もしかして澪、酔っ払ってる?」
澪「まさか。私は高校一年のころからずっと愛に餓えてたんだよ」
律「はあ……さいですか」
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 21:29:24.72:ejZKYCCMO
律「……うーん、じゃあどうして女子高の桜高なんかに入ったんだよ」
澪「あーあ……たぶん、中学生のころはそういう恋愛的なものに対して抵抗があったんだと思う」
律「たしかに澪って、男子とは全然話すことできなかったもんな」
澪「うん。異性ってだけで恥ずかしくなる」
律「聡は?」
澪「あんなガキンチョは男のうちに入らないよ」
律「さすがに聡も今それを聞いたら怒るかもな」
澪「まあ、聡ぐらいしか男子と交流がなかったっていうのも、考えてみればヒドイ話だよな」
律「うははは」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 21:33:07.88:ejZKYCCMO
澪「律は男子とも仲良かったよな」
律「まあね。しかし、今考えるとどうなんだろうとも思うな。アイツら私のことを女子扱いしてたのかな?」
澪「そう言われてみると律は、なんかなあ……」
律「なんだよ?」
澪「いや、たまたま盗み聞きした話なんだけど、律ってやわらちゃんに似てるから話しやすいって……」
律「…………光栄です」
澪「なんでやわらちゃんに似てるって言われてたんだろうな」
律「髪上げてたからとしか思えないけど、なんだろ……ショックだ」
澪「なんでショックなんだ? やわらちゃんカワイイのに」
律「……そうだな」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 21:36:26.37:ejZKYCCMO
律「しかし、澪はいまだに男と話すの苦手だよな。この前道を尋ねられたときも……ぷっ」
澪「う、うるさい! あ、あれはけっこうカッコイイ人だったから……」
律「そうか? 背もそんなに高くなかったし、私の好みじゃないなあ」
澪「……」
律「ん? どうした?」
澪「好み……」
律「は?」
澪「好みの話だよ。律はどういう男の人が好きなんだ?」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 21:40:32.19:ejZKYCCMO
律「私の好みの男?」
澪「うん。やっぱりあるだろ?」
律「好きなタイプねえ。いや、あるんだろうけど……ていうかさ」
澪「なんだよ」
律「顔が近いし、鼻息がかかってキモチワルイ……」
澪「フンス!」
律「唯の真似か?」
澪「うん。なんとなく」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 21:44:35.31:ejZKYCCMO
澪「……ふと思ったんだけど」
律「なんだよ?」
澪「唯ってどんなタイプの男の人が好きなんだろうな」
律「唯か。そういえば唯はどうなんだろうな」
澪「唯は誰でもよさそうなイメージがあるな」
律「と言うよりも、女ですらオッケーな気がするな」
澪「……たしかに。ここのところますます梓と親密になってるみたいだしな」
律「このまま結婚しちゃったりして」
澪「色々と飛ばしすぎだろ……」
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 21:49:31.03:ejZKYCCMO
律「いつか言おうと思ってたんだけど、澪って恋愛そのものに憧れてない?」
澪「そ、そうか? そんな子供じゃあるまいし……」
律「いや、あながち否定できないだろ。『ピュアピュアハート』とかといいさ」
澪「いや、普通にいいタイトルだっただろ」
律「……まあB'zに比べたらまだマシかもな」
澪「B'zの曲でタイトルが変なのなんてあったか?」
律「まあいいわ」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 21:52:39.21:ejZKYCCMO
律「ところで澪よ。ズバリ聞きたいことがあるんだが、聞いてもいいか?」
澪「ん? なに?」
律「ズバリ! 澪は『婚カツ』についてはどう思う?」
澪「あんなのはダメだ。恋愛はやっぱり過程が大事で、結婚は一つのターニングポイントだ」
律「やっぱ、澪は婚カツ反対なんだな」
澪「うん、あの仕組まれてる感じが嫌い。
あと愛じゃなくてお金を求めてる感じも嫌い。まだお見合いのほうがマシだな」
律「……ふうん」
澪「恋愛っていうのはまずは出会いが大切だと思うんだ」
律「たとえば?」
澪「たとえば……私が電車に乗ってたりするだろ。
そこでだ。私は誰かにお尻を触られてるんだけど怖くて抵抗できない。
けれど素敵な男性が言うんだ。『この人痴漢です』って。そして彼は言うんだ。
『お怪我はありませんか?』って……ポッ」
律「ふーん」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 21:57:00.99:ejZKYCCMO
澪「なかなか素敵だと思わない?」
律「あー、うん、そうだな。いいと思うよ」
澪「だろ。まず大事なのは出会いだよ。
そしてそこで生まれた小さな愛を大事に育んでいくことが大事なんだよ。そうだろ?」
律「ドヤ顔で言われてもな。出会いは突然訪れるとも言うし……あ、いや、アホなこと言ったわ」
澪「いや! その通りだ!」
律「そ、そうか?」
澪「出会いはどれだって突然だよ。だからこそ運命って言葉があるんだよ……!」
律「なに言ってんだコイツ」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 22:01:30.49:ejZKYCCMO
律「つうか、そんなこと言ってるから澪には彼氏ができないんだよ」
澪「私は今、グッと握った拳を振り下ろそうか迷ったが……一応、律の言い分を聞こうか」
律「彼氏欲しいって、さっき言ったよな?」
澪「言ったよ」
律「だったら出会いを待つなよ。出会いに行けよ」
澪「……」
律「自分から積極的に行かなきゃ、恋人なんてできないと思うぞ」
澪「……そうだな。その通りだな」
律「で、ぶっちゃけ澪の理想の男性像は?」
澪「そ、それは……」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 22:05:09.83:ejZKYCCMO
律「恥ずかしがることもないだろ? 子供のころからの付き合いなんだから」
澪「い、いや……でもな……」
律「そんな照れんなって。ほら、話せよ」
澪「馬鹿にしないか?」
律「しないしない」
澪「誰にも言わない?」
律「言わない言わない」
澪「じゃ、じゃあ、律にだけ特別に教える」
律(まあだいたい予想できるけどな)
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 22:10:18.23:ejZKYCCMO
澪「まずやっぱり……」
律「うん」
澪「優しい人がいいな」
律「いかにも澪らしい理由だな」
澪「そうか? 誰だって包容力のある優しい人がいいだろ?」
律「まあ、な」
澪「でもそれ以外にもあるんだ。あるんだよ。聞きたい?」チラッ
律「聞きたい聞きたい」
律(……なんか知らんけど急に積極的になったな)
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 22:14:41.90:ejZKYCCMO
澪「私の作ったご飯をおいしいって言って、嬉しそうに食べてくれる人がいいな」
律「……おお」
澪「食事に関心のない男の人はダメだよ。料理のできない女と同じくらいダメだ」
律「言うね」
澪「言うよ」
律「でもわからなくもないかもな。自分の作ったご飯はきちんと食べてほしいよな」
澪「ああ、あとそれから」
律「まだあるんかいっ」
澪「うん」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 22:17:48.71:ejZKYCCMO
澪「プロポーズは海の見える丘でしてほしいな……」
律「はい?」
澪「いや、月の見える丘でもいいな」
律「……」
澪「そして『彼』は言うんだ。『今夜は一緒にいたいよ』って」
律「・・・・・・」
澪「やがて二人は月の見える丘で、手を繋いで……」
律「あの……話題変えてもいいっすか?」
澪「なんだよ。人に聞いておいて最後まで話を聞かないなんて。どうかと思うぞ」
律「ああ……お前の言ってることは正論だよ、うん」
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 22:22:33.53:ejZKYCCMO
澪「で、なんだ? 他になにか私に聞きたいことでもあるのか?
ちなみに私は将来的には子供は二人産みたいな、って考えてる」
律「聞いてねえし!」
澪「そんな怒鳴るなよ。疲れたのか?」
律「おう、たった今な」
澪「人間ドックでも受けたほうがいいんじゃないか?」
律「うるせーよ。ていうか私の話を聞けよ」
澪「なに?」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 22:26:23.54:ejZKYCCMO
律(好きな人のこと喋らせると面倒だから……)
律「あのさ。今は理想の男性像を聞いたじゃん」
澪「そうだな。なんならまだまだ語れないこともないけど」
律「いや、いいよ。それはまた今度の楽しみに取っとく。
それでだ。逆に澪ってどんなタイプの人がダメなの?」
澪「苦手なタイプか……まあぶっちゃけ男の人じたいが苦手な気がしないでもないけど……」
律「なんだそりゃ」
澪「ああ、一個浮かんだのがある」
律「なになに?」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 22:30:33.86:ejZKYCCMO
澪「オタク」
律「…………」
澪「オタク」
律「二度も言わんでいい」
澪「ちなみにこの場合のオタクは典型的なアニメとかゲームとかのオタクな」
律「なにがどう苦手なんだ?」
澪「いや、正直なところ私自身はオタッキーな人と会ったことも話したこともないんけど」
律「私もないな。仏像オタクならいたけど」
澪「だからあくまでイメージなんだけど」
律「うん」
澪「気持ちわるい」
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 22:35:39.81:ejZKYCCMO
律「ストレートだな」
澪「さらに言うと、なるべく近い場所にいてほしくない。同じ電車とかバスとか勘弁してほしい」
律「ああ、それはわかる。体臭キツそうだもんな」
澪「オタクの人ってたいてい肥満体型でハゲてるって感じじゃないか?」
律「うんうん、多少の偏見はあるんだろうけど間違いない」
澪「というかアニメとかにあんなに夢中になれる時点で、けっこう本格的にヤバい気がする」
律「うーん、どうなんだろ」
澪「律はオタクの人についてはどう思うんだ?」
律「私? 私はべつにそこまでオタクに否定的でもないよ」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 22:39:19.16:ejZKYCCMO
澪「そうなのか。律はオタクとかすごく嫌いそうだと思っていたのに」
律「そんなイメージあるか?」
澪「オタクとか真っ先にひっぱたいて、説教しそうなイメージがある」
律「いや、しないからな……ていうかそこまでオタクってダメか?」
澪「少なくとも私には無理だな。オタクの人と結婚するとか、オタクの人が彼氏とかありえない」
律「……そりゃあ私も積極的に付き合いたいとかは思わない。けど」
澪「けど?」
律「カッコよかったらありかな、とは思う」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 22:44:38.02:ejZKYCCMO
澪「カッコイイ人だったら……」
律「まあ、いいかなって思うよ。それにオタクの人って浮気しなさそうじゃん。
彼女とかめったにできないぶん大事にしてくれそうじゃね?」
澪「そうか? むしろアニメとかのキャラにばかり夢中になって、相手にされなかったりして」
律「……意外とありそうだな」
澪「それとイケメンなのにオタクって逆に私はいやかも」
律「ん? どうして?」
澪「だってイケメンなのにアニメなんかに夢中になるんだぞ?
普通はもっとアウトドアな趣味を持つだろ。性格に致命的な欠陥がありそう」
律「…………」
澪「なに? 急に黙ったりして?」
律「性格に致命的な欠陥、ね……」
澪「?」
律「なんにも。気にすんなって」
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 22:48:31.47:ejZKYCCMO
澪「律はどんなタイプの人がいいんだ?」
律「私のタイプの人……?
……パッとは出てこないな」
澪「律は誰でもいいの?」
律「そうでもない。収入とかはやっぱ重要じゃん」
澪「恋愛ってお金じゃないと思う」
律「うん、私もそう思う。
けど金の切れ目が縁の切れ目って言うくらいなんだからさ。収入は重要だよ」
澪「それは、そうかもしれないけど……」
律「べつに私の場合、婚カツ女みたいに年収八百万じゃなきゃダメっ、てわけじゃないしさ」
澪「男の人の収入が少なくても自分が稼げばいいしな」
律「それはどうかと思う」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 22:53:22.70:ejZKYCCMO
澪「なんで?」
律「だってそれこそ男女の関係が悪化しそうじゃない?
引け目を感じたりしてさ」
澪「ムギは?」
律「ムギの場合は例外すぎるだろ。
とにかく、男はある程度は稼げなきゃダメだと思う」
澪「まあ、言われてみるとお金を稼げる人ってそれだけでカッコよく見える、かも……」
律「わかるようなわからないような感覚だな」
澪「ていうか律は嫌いな男の人の嫌いなタイプってなに?」
律「嫌いなタイプ、ねえ」
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 23:00:44.74:ejZKYCCMO
澪「嫌いなタイプの人とかいないの?」
律「わかんない。そういうのってけっこう曖昧なもんだと思うんだけど」
澪「そうか? むしろ私わ明確なものな気がする……」
律「案外話してみたら、思いのほかいい人だった、みたいな話はよく耳にするだろ?」
澪「ないこともないな」
律「だから自分の好みなんて決めないほうがいいんじゃね、と私は思うわけだ」
澪「なるほど。いいこと言うな、律」
律「でしょでしょ? あ、でも」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 23:03:22.45:ejZKYCCMO
澪「でも?」
律「澪みたいな男がいたら、たぶんぶん殴る自信がある」
澪「…………はい?」
律「澪みたいな男がいたら、たぶんぶん殴る自信がある」
澪「え? え? ど、ど、どどどどういうこと?」
律「そんなに動揺するなよ」
澪「いやいやいやいや、ええ!?」
律「冷静に考えてみろよ。ファンクラブの面前でイタい詩を朗読したりとか。
ちょっと痛そうな話したらビビって、あげく気絶したり」
澪「…………」
律「そんなヤツの嫁になったら色んな意味で苦労するぞ」
澪「あ、あはは……女に生まれてよかった……」
律「うん。澪が女でよかったよ」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 23:08:19.67:ejZKYCCMO
律「ああ、あともう一個許せないタイプがいる」
澪「なに?」
律「さっき収入の話したじゃん」
澪「……したっけ?」
律「なんか妙にぽけーっとしてるけど大丈夫?」
澪「律に言われたことが予想外にダメージになってて……」
律「あらま。あんまり気にするなよ。澪ちゅわん大好き、ちゅー」
澪「ば、バカ!」
律「あ、いてっ」
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 23:12:10.90:ejZKYCCMO
澪「それでなんの話だったっけ?」
律「頭がズキズキする……だからアレ、私が許せない男の話」
澪「ああ、思い出した」
律「許せない、というかいつまでもそうであってほしいっていう感じかな」
澪「どういうこと?」
律「あんまへりくだるのもどうかと思うってこと。やっぱ、ある程度は謙虚な人がいいかなって」
澪「なるほど。たしかにそうだな」
律「酒飲みだしたら、調子に乗って自分の収入を誇示して他人にケンカ売ったりとか絶対に許せない」
澪「妙に具体的だな……」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 23:21:09.95:ejZKYCCMO
律「でもさ、最終的にはこの人だ、って思える人に出会えたらそれでいいよな」
澪「そうだな。それが一番だよな」
律「いつどこでだれを好きになるか、なんてわからないしな」
澪「最高の人に出会えて、それでカワイイ子供を産んで……」
律「そんでもって幸せな家庭を築けたら人生文句なしだよな」
澪「うんうん」
律「なんか澪としゃべったらスッキリしたし、そろそろ帰るよ」
澪「そういえばもともとは愚痴りに来たんだよな……」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 23:25:36.63:ejZKYCCMO
律「なんかいつのまにか話題変わっちゃったけどな……っと、電話だ」
澪「あ、私のほうにもだ。誰からだろ……」
律「あ、唯からじゃん」
澪「『私の誕生日忘れてるでしょ! ひどいよお! あずにゃんとムギちゃんはきちんと祝ってくれたのに(プンプンマーク)』」
律「そういえば唯の誕生日っていつだっけ?」
澪「11月27日だな」
律「一週間ぐらい前だな……すっかり忘れてた」
澪「ていうかもう師走か……早いな」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 23:28:27.93:ejZKYCCMO
律「ホントに年齢上がるたびに時間の感覚が早くなるよな」
澪「本当だな」
律「ていうか唯の誕生日忘れてたなんてな……本当に人間ドック受けたほうがいいかも」
澪「まあ、私たちも今年で四十路に突入だからな」
律「彼氏欲しい、な……」
澪「ていうか結婚したい……」
律「……そろそろ帰るわ。明日も早いし」
澪「うん、おやすみ」
律「また明日」
おわり♪
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 23:31:53.46:WtkgAzsy0
律「ていうか、今までそんなこと言わなかったじゃん」
澪「まあ、それは恥ずかしがりやだし。ほら、私って基本的に引っ込み思案だろ?」
律「自分で言うか……」
澪「それに考えても見ろよ。『ふわふわ時間』とか、もろラブソングだろ?
なんていうか私の行き場のない愛が詰まってる、みたいな」
律「もしかして澪、酔っ払ってる?」
澪「まさか。私は高校一年のころからずっと愛に餓えてたんだよ」
律「はあ……さいですか」
律「……うーん、じゃあどうして女子高の桜高なんかに入ったんだよ」
澪「あーあ……たぶん、中学生のころはそういう恋愛的なものに対して抵抗があったんだと思う」
律「たしかに澪って、男子とは全然話すことできなかったもんな」
澪「うん。異性ってだけで恥ずかしくなる」
律「聡は?」
澪「あんなガキンチョは男のうちに入らないよ」
律「さすがに聡も今それを聞いたら怒るかもな」
澪「まあ、聡ぐらいしか男子と交流がなかったっていうのも、考えてみればヒドイ話だよな」
律「うははは」
澪「律は男子とも仲良かったよな」
律「まあね。しかし、今考えるとどうなんだろうとも思うな。アイツら私のことを女子扱いしてたのかな?」
澪「そう言われてみると律は、なんかなあ……」
律「なんだよ?」
澪「いや、たまたま盗み聞きした話なんだけど、律ってやわらちゃんに似てるから話しやすいって……」
律「…………光栄です」
澪「なんでやわらちゃんに似てるって言われてたんだろうな」
律「髪上げてたからとしか思えないけど、なんだろ……ショックだ」
澪「なんでショックなんだ? やわらちゃんカワイイのに」
律「……そうだな」
律「しかし、澪はいまだに男と話すの苦手だよな。この前道を尋ねられたときも……ぷっ」
澪「う、うるさい! あ、あれはけっこうカッコイイ人だったから……」
律「そうか? 背もそんなに高くなかったし、私の好みじゃないなあ」
澪「……」
律「ん? どうした?」
澪「好み……」
律「は?」
澪「好みの話だよ。律はどういう男の人が好きなんだ?」
律「私の好みの男?」
澪「うん。やっぱりあるだろ?」
律「好きなタイプねえ。いや、あるんだろうけど……ていうかさ」
澪「なんだよ」
律「顔が近いし、鼻息がかかってキモチワルイ……」
澪「フンス!」
律「唯の真似か?」
澪「うん。なんとなく」
澪「……ふと思ったんだけど」
律「なんだよ?」
澪「唯ってどんなタイプの男の人が好きなんだろうな」
律「唯か。そういえば唯はどうなんだろうな」
澪「唯は誰でもよさそうなイメージがあるな」
律「と言うよりも、女ですらオッケーな気がするな」
澪「……たしかに。ここのところますます梓と親密になってるみたいだしな」
律「このまま結婚しちゃったりして」
澪「色々と飛ばしすぎだろ……」
律「いつか言おうと思ってたんだけど、澪って恋愛そのものに憧れてない?」
澪「そ、そうか? そんな子供じゃあるまいし……」
律「いや、あながち否定できないだろ。『ピュアピュアハート』とかといいさ」
澪「いや、普通にいいタイトルだっただろ」
律「……まあB'zに比べたらまだマシかもな」
澪「B'zの曲でタイトルが変なのなんてあったか?」
律「まあいいわ」
律「ところで澪よ。ズバリ聞きたいことがあるんだが、聞いてもいいか?」
澪「ん? なに?」
律「ズバリ! 澪は『婚カツ』についてはどう思う?」
澪「あんなのはダメだ。恋愛はやっぱり過程が大事で、結婚は一つのターニングポイントだ」
律「やっぱ、澪は婚カツ反対なんだな」
澪「うん、あの仕組まれてる感じが嫌い。
あと愛じゃなくてお金を求めてる感じも嫌い。まだお見合いのほうがマシだな」
律「……ふうん」
澪「恋愛っていうのはまずは出会いが大切だと思うんだ」
律「たとえば?」
澪「たとえば……私が電車に乗ってたりするだろ。
そこでだ。私は誰かにお尻を触られてるんだけど怖くて抵抗できない。
けれど素敵な男性が言うんだ。『この人痴漢です』って。そして彼は言うんだ。
『お怪我はありませんか?』って……ポッ」
律「ふーん」
澪「なかなか素敵だと思わない?」
律「あー、うん、そうだな。いいと思うよ」
澪「だろ。まず大事なのは出会いだよ。
そしてそこで生まれた小さな愛を大事に育んでいくことが大事なんだよ。そうだろ?」
律「ドヤ顔で言われてもな。出会いは突然訪れるとも言うし……あ、いや、アホなこと言ったわ」
澪「いや! その通りだ!」
律「そ、そうか?」
澪「出会いはどれだって突然だよ。だからこそ運命って言葉があるんだよ……!」
律「なに言ってんだコイツ」
律「つうか、そんなこと言ってるから澪には彼氏ができないんだよ」
澪「私は今、グッと握った拳を振り下ろそうか迷ったが……一応、律の言い分を聞こうか」
律「彼氏欲しいって、さっき言ったよな?」
澪「言ったよ」
律「だったら出会いを待つなよ。出会いに行けよ」
澪「……」
律「自分から積極的に行かなきゃ、恋人なんてできないと思うぞ」
澪「……そうだな。その通りだな」
律「で、ぶっちゃけ澪の理想の男性像は?」
澪「そ、それは……」
律「恥ずかしがることもないだろ? 子供のころからの付き合いなんだから」
澪「い、いや……でもな……」
律「そんな照れんなって。ほら、話せよ」
澪「馬鹿にしないか?」
律「しないしない」
澪「誰にも言わない?」
律「言わない言わない」
澪「じゃ、じゃあ、律にだけ特別に教える」
律(まあだいたい予想できるけどな)
澪「まずやっぱり……」
律「うん」
澪「優しい人がいいな」
律「いかにも澪らしい理由だな」
澪「そうか? 誰だって包容力のある優しい人がいいだろ?」
律「まあ、な」
澪「でもそれ以外にもあるんだ。あるんだよ。聞きたい?」チラッ
律「聞きたい聞きたい」
律(……なんか知らんけど急に積極的になったな)
澪「私の作ったご飯をおいしいって言って、嬉しそうに食べてくれる人がいいな」
律「……おお」
澪「食事に関心のない男の人はダメだよ。料理のできない女と同じくらいダメだ」
律「言うね」
澪「言うよ」
律「でもわからなくもないかもな。自分の作ったご飯はきちんと食べてほしいよな」
澪「ああ、あとそれから」
律「まだあるんかいっ」
澪「うん」
澪「プロポーズは海の見える丘でしてほしいな……」
律「はい?」
澪「いや、月の見える丘でもいいな」
律「……」
澪「そして『彼』は言うんだ。『今夜は一緒にいたいよ』って」
律「・・・・・・」
澪「やがて二人は月の見える丘で、手を繋いで……」
律「あの……話題変えてもいいっすか?」
澪「なんだよ。人に聞いておいて最後まで話を聞かないなんて。どうかと思うぞ」
律「ああ……お前の言ってることは正論だよ、うん」
澪「で、なんだ? 他になにか私に聞きたいことでもあるのか?
ちなみに私は将来的には子供は二人産みたいな、って考えてる」
律「聞いてねえし!」
澪「そんな怒鳴るなよ。疲れたのか?」
律「おう、たった今な」
澪「人間ドックでも受けたほうがいいんじゃないか?」
律「うるせーよ。ていうか私の話を聞けよ」
澪「なに?」
律(好きな人のこと喋らせると面倒だから……)
律「あのさ。今は理想の男性像を聞いたじゃん」
澪「そうだな。なんならまだまだ語れないこともないけど」
律「いや、いいよ。それはまた今度の楽しみに取っとく。
それでだ。逆に澪ってどんなタイプの人がダメなの?」
澪「苦手なタイプか……まあぶっちゃけ男の人じたいが苦手な気がしないでもないけど……」
律「なんだそりゃ」
澪「ああ、一個浮かんだのがある」
律「なになに?」
澪「オタク」
律「…………」
澪「オタク」
律「二度も言わんでいい」
澪「ちなみにこの場合のオタクは典型的なアニメとかゲームとかのオタクな」
律「なにがどう苦手なんだ?」
澪「いや、正直なところ私自身はオタッキーな人と会ったことも話したこともないんけど」
律「私もないな。仏像オタクならいたけど」
澪「だからあくまでイメージなんだけど」
律「うん」
澪「気持ちわるい」
律「ストレートだな」
澪「さらに言うと、なるべく近い場所にいてほしくない。同じ電車とかバスとか勘弁してほしい」
律「ああ、それはわかる。体臭キツそうだもんな」
澪「オタクの人ってたいてい肥満体型でハゲてるって感じじゃないか?」
律「うんうん、多少の偏見はあるんだろうけど間違いない」
澪「というかアニメとかにあんなに夢中になれる時点で、けっこう本格的にヤバい気がする」
律「うーん、どうなんだろ」
澪「律はオタクの人についてはどう思うんだ?」
律「私? 私はべつにそこまでオタクに否定的でもないよ」
澪「そうなのか。律はオタクとかすごく嫌いそうだと思っていたのに」
律「そんなイメージあるか?」
澪「オタクとか真っ先にひっぱたいて、説教しそうなイメージがある」
律「いや、しないからな……ていうかそこまでオタクってダメか?」
澪「少なくとも私には無理だな。オタクの人と結婚するとか、オタクの人が彼氏とかありえない」
律「……そりゃあ私も積極的に付き合いたいとかは思わない。けど」
澪「けど?」
律「カッコよかったらありかな、とは思う」
澪「カッコイイ人だったら……」
律「まあ、いいかなって思うよ。それにオタクの人って浮気しなさそうじゃん。
彼女とかめったにできないぶん大事にしてくれそうじゃね?」
澪「そうか? むしろアニメとかのキャラにばかり夢中になって、相手にされなかったりして」
律「……意外とありそうだな」
澪「それとイケメンなのにオタクって逆に私はいやかも」
律「ん? どうして?」
澪「だってイケメンなのにアニメなんかに夢中になるんだぞ?
普通はもっとアウトドアな趣味を持つだろ。性格に致命的な欠陥がありそう」
律「…………」
澪「なに? 急に黙ったりして?」
律「性格に致命的な欠陥、ね……」
澪「?」
律「なんにも。気にすんなって」
澪「律はどんなタイプの人がいいんだ?」
律「私のタイプの人……?
……パッとは出てこないな」
澪「律は誰でもいいの?」
律「そうでもない。収入とかはやっぱ重要じゃん」
澪「恋愛ってお金じゃないと思う」
律「うん、私もそう思う。
けど金の切れ目が縁の切れ目って言うくらいなんだからさ。収入は重要だよ」
澪「それは、そうかもしれないけど……」
律「べつに私の場合、婚カツ女みたいに年収八百万じゃなきゃダメっ、てわけじゃないしさ」
澪「男の人の収入が少なくても自分が稼げばいいしな」
律「それはどうかと思う」
澪「なんで?」
律「だってそれこそ男女の関係が悪化しそうじゃない?
引け目を感じたりしてさ」
澪「ムギは?」
律「ムギの場合は例外すぎるだろ。
とにかく、男はある程度は稼げなきゃダメだと思う」
澪「まあ、言われてみるとお金を稼げる人ってそれだけでカッコよく見える、かも……」
律「わかるようなわからないような感覚だな」
澪「ていうか律は嫌いな男の人の嫌いなタイプってなに?」
律「嫌いなタイプ、ねえ」
澪「嫌いなタイプの人とかいないの?」
律「わかんない。そういうのってけっこう曖昧なもんだと思うんだけど」
澪「そうか? むしろ私わ明確なものな気がする……」
律「案外話してみたら、思いのほかいい人だった、みたいな話はよく耳にするだろ?」
澪「ないこともないな」
律「だから自分の好みなんて決めないほうがいいんじゃね、と私は思うわけだ」
澪「なるほど。いいこと言うな、律」
律「でしょでしょ? あ、でも」
澪「でも?」
律「澪みたいな男がいたら、たぶんぶん殴る自信がある」
澪「…………はい?」
律「澪みたいな男がいたら、たぶんぶん殴る自信がある」
澪「え? え? ど、ど、どどどどういうこと?」
律「そんなに動揺するなよ」
澪「いやいやいやいや、ええ!?」
律「冷静に考えてみろよ。ファンクラブの面前でイタい詩を朗読したりとか。
ちょっと痛そうな話したらビビって、あげく気絶したり」
澪「…………」
律「そんなヤツの嫁になったら色んな意味で苦労するぞ」
澪「あ、あはは……女に生まれてよかった……」
律「うん。澪が女でよかったよ」
律「ああ、あともう一個許せないタイプがいる」
澪「なに?」
律「さっき収入の話したじゃん」
澪「……したっけ?」
律「なんか妙にぽけーっとしてるけど大丈夫?」
澪「律に言われたことが予想外にダメージになってて……」
律「あらま。あんまり気にするなよ。澪ちゅわん大好き、ちゅー」
澪「ば、バカ!」
律「あ、いてっ」
澪「それでなんの話だったっけ?」
律「頭がズキズキする……だからアレ、私が許せない男の話」
澪「ああ、思い出した」
律「許せない、というかいつまでもそうであってほしいっていう感じかな」
澪「どういうこと?」
律「あんまへりくだるのもどうかと思うってこと。やっぱ、ある程度は謙虚な人がいいかなって」
澪「なるほど。たしかにそうだな」
律「酒飲みだしたら、調子に乗って自分の収入を誇示して他人にケンカ売ったりとか絶対に許せない」
澪「妙に具体的だな……」
律「でもさ、最終的にはこの人だ、って思える人に出会えたらそれでいいよな」
澪「そうだな。それが一番だよな」
律「いつどこでだれを好きになるか、なんてわからないしな」
澪「最高の人に出会えて、それでカワイイ子供を産んで……」
律「そんでもって幸せな家庭を築けたら人生文句なしだよな」
澪「うんうん」
律「なんか澪としゃべったらスッキリしたし、そろそろ帰るよ」
澪「そういえばもともとは愚痴りに来たんだよな……」
律「なんかいつのまにか話題変わっちゃったけどな……っと、電話だ」
澪「あ、私のほうにもだ。誰からだろ……」
律「あ、唯からじゃん」
澪「『私の誕生日忘れてるでしょ! ひどいよお! あずにゃんとムギちゃんはきちんと祝ってくれたのに(プンプンマーク)』」
律「そういえば唯の誕生日っていつだっけ?」
澪「11月27日だな」
律「一週間ぐらい前だな……すっかり忘れてた」
澪「ていうかもう師走か……早いな」
律「ホントに年齢上がるたびに時間の感覚が早くなるよな」
澪「本当だな」
律「ていうか唯の誕生日忘れてたなんてな……本当に人間ドック受けたほうがいいかも」
澪「まあ、私たちも今年で四十路に突入だからな」
律「彼氏欲しい、な……」
澪「ていうか結婚したい……」
律「……そろそろ帰るわ。明日も早いし」
澪「うん、おやすみ」
律「また明日」
おわり♪
おぅふ…
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 23:37:47.39:ejZKYCCMO読んでくれた人ありがとう
律と澪は婆になってもかわいいよ
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 23:40:26.91:HfuubSUd0律と澪は婆になってもかわいいよ
この展開だと唯と梓の結婚はリアルだな
コメント 10
コメント一覧 (10)
この澪が男縁ないのはわかりやすいが、律の方も色々難あるんだろうな
よく見ると伏線らしきものもあるから気付けるという…
いたら文句言う奴や発狂する奴がいることが目に見えるから