- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 14:32:04.10:k1WBKChV0
和『プロローグ』
唯「ねぇ和ちゃん」
和「何?唯」
唯「プロローグってなぁに?」
和「ふぅ、これだから唯は……」
唯「こ、これだから唯はって、冒頭からいきなり呆れないでよぉ!」
【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」
【速報】尾田っち、ワンピース最新話でやってしまうwwww
【東方】ルックス100点の文ちゃん
【日向坂46】ひなあい、大事件が勃発!?
韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 14:35:19.86:k1WBKChV0
和「呆れさせる唯が悪いのよ、そんなんじゃニートになっちゃうわよ」
唯「ニート関係ないよ!」
和「まぁいいわ、特別に教えてあげる」
唯「なんだかんだ言って和ちゃんは優しいね!」
和「プロローグっていうのは、プロのローグの事よ」
唯「……」
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 14:39:51.75:k1WBKChV0
唯「ローグって何?」
和「あら、また質問?この食いしん坊さん」
唯「私は太りにくいからいいの!」
和「ここからは会員様のみご覧になれます」
唯「ええ~」
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 14:42:32.00:k1WBKChV0
和「会員になるためにはその憂のお弁当をください」
唯「はぁい……」
和「じゃあ説明するわ、ローグっていうのはRPGの祖先のようなものね」モグモグ
唯「へぇ……」
和「まさかRPGが分からないって事はないわよね?」
唯「さすがに……MOTHERとかヴァルキリープロファイルぐらいはやったことあるよぉ」
和「意外ね」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 14:44:39.82:k1WBKChV0
唯「でもプロのRPGってどんなのなの?」
和「そうね、それはもう相当のプロ集団でしょうね」
唯「集団なの?」
和「そうよ、そいつらはトーナメント形式で戦ったりするのよ」
和「これをプロリーグと言うわ」
唯「……」
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 14:50:29.67:k1WBKChV0
唯「そういえばプロローグって話のはじめに書いてるよね、私たちも書いた方がいいのかな?」
和「そうね、じゃあ書きましょうか」
唯「出だしはどうしよう」
和「そうね……やっぱりなんでリーグに行くことになったのか、プロローグを書いた方がいいわね」
唯「あれ?」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 14:55:50.49:k1WBKChV0
唯『カスタネット禁止令』
平沢唯が中学生の頃、凶悪な連続通り魔事件が起きた。
被害者は145名、そのうち113名が重傷、32名が命を落とした。
犯人はカスタネットを用いて殺人を繰り返していた。
唯「すみません!入部断りにきたんです!」
律「待って!せめて私たちの曲を聴いてよ!」
唯「私のために演奏してくれるんですか!?」
9:1:2010/12/18(土) 15:00:26.09:k1WBKChV0
唯「私なんて、軽音楽ってカスタネットとかやると思ってた人なのに……」
律「んだとぉ!?」
唯「…ひぃっ!」
律「人殺しはロックじゃねぇ!おまえに聴かせる曲なんてねぇ!帰れ!」
唯「ええ~…?」
田井中聡、件の事件の27人目の被害者の名前だ。
10:2:2010/12/18(土) 15:10:35.19:k1WBKChV0
唯『ムギちゃんのたくあん』
唯「ムギちゃんの眉毛はたくあんだよね」
律「……」
澪「……」
紬「……」
11:2:2010/12/18(土) 15:15:15.61:k1WBKChV0
唯(あれー?こんな空気になる発言だったかな……)
唯(……確かに私はよく無意識に暴言はいたりしちゃうけど)
律「唯……いつ気付いたんだ?」
唯「え?」
唯(もしかして……本当にたくあんなの?)
唯「きょ、今日……太いしたくあんっぽいなぁって……」
律「……」
12:2:2010/12/18(土) 15:21:18.51:k1WBKChV0
律「だよなー」
唯「う、うん」
澪「……」
紬「……」
13:2:2010/12/18(土) 15:26:19.41:k1WBKChV0
澪「唯」
唯「ひゃい!?」
澪「今から変なこと言うけど、絶対に笑わないで聞いてくれ」
唯「う、うん」
唯(もしかして……宇宙人的なことなの?)
14:2:2010/12/18(土) 15:33:49.54:k1WBKChV0
澪「……言うよ?」
唯「……」
澪「布団に寝ころんだ」
唯「……え?」
澪「よ、よし!」
唯(そういうこと!?何が「よし!」なの!?ってか何も掛かってないよ!?)
15:2:2010/12/18(土) 15:40:45.74:k1WBKChV0
紬「唯ちゃん」
唯「は、はい!」
唯(とうとう来た、真実はやっぱり本人の口から伝えられるんだね)
紬「言いにくいんだけど……」
唯「……」
16:2:2010/12/18(土) 15:48:08.99:k1WBKChV0
紬「今日のイチゴショート、イチゴ無いの……」
唯「……はい?」
紬「本当にごめんなさい!おいしくてつい!」
唯「い、いいよー」
唯(たくあんの謎に比べたら……)
18:2:2010/12/18(土) 15:54:09.00:k1WBKChV0
紬「代わりにドライフルーツ乗せるわね」マユゲノセ
唯「ドライフルーツだったのか……!」
20:3:2010/12/18(土) 16:10:50.72:k1WBKChV0
中学時代の律の部屋
澪「今日は何するの?」
律「じゃーん、D・V・D!」
澪「こ、怖いのじゃない……よな?」
律「安心しろって、今日の目的はそんなんじゃねーよ」
澪「じゃあ何?ディズニー?」
律「お前は本当に……脳内エレクトリカルパレードだな」
澪「?」
21:3:2010/12/18(土) 16:15:31.20:k1WBKChV0
律「まぁいいさ、実際見てもらった方が早いしな」
律「プレイヤーオープン!」ジー
律「DVDセット!」カシャ
律「再生!」ピ
澪「どきどき……」
22:3:2010/12/18(土) 16:20:24.52:k1WBKChV0
律「よく見てろー、これが本場の……」
どごーん!
律「……」
澪「……」ガタガタ
律『いんせき』
23:3:2010/12/18(土) 16:27:35.94:k1WBKChV0
澪「これが本場の……隕石?」
律「だ、だよなー!これ隕石だよなー!」
澪「う、うん……」
律「いやー焦ったわ、ちょっとでも私DVDプレイヤーに近かったら死んでたわー!」アセアセ
澪「無事でよかった……」
24:3:2010/12/18(土) 16:34:43.38:k1WBKChV0
律「これって事件だよな……」
澪「うん、大事件……」
律「……」
澪「……」
澪「隕石って、流れ星が燃え尽きなかったものなんだよな」
律「うん」
澪「そう考えるとロマンチックだよな」
律「そういうのいいから」
澪「……うん」
25:3:2010/12/18(土) 16:42:52.19:k1WBKChV0
澪「じゃあさ、これは知ってる?」
律「なんだよ」
澪「隕石って日本の場合、発見された地域の郵便局の名前がつくんだって」
律「へぇ」
澪「何でも発見者の名前にしたら争いが起こるからだそうな」
律「トリビアだな」
澪「この場合、実際使えるんだからトリビアじゃないよ」
律「確かにそうだな」
26:3:2010/12/18(土) 16:50:03.65:k1WBKChV0
律「名前つけていいんだったら田井中律ビューティフル隕石!とかにしたのに」
澪「私だって見たんだぞ、それにビューティフルて……」
律「何だと、ここは私の家だ」
澪「ほら、争いが起こる」
律「うん、そうだな」
27:3:2010/12/18(土) 17:00:50.15:k1WBKChV0
律「じゃあ隕石の事なんて忘れて、DVD見ますかー」
澪「でもプレーヤーは……」
律「じゃーん、P・S・2!」
どごーん!
律「……」
澪「……」
その後、律と澪は軽音部を作って幸せに過ごしたという
28:4:2010/12/18(土) 17:15:24.76:k1WBKChV0
梓『軽音楽』
私はある日、その場のノリで唯先輩と弾き語りをした
その間、なんやかんやあった結果、唯先輩は高校生ミュージシャンになっていた
アナウンサー『ではどうぞ!平沢唯さん!』
唯『いえいえ、どーもどーも』
29:4:2010/12/18(土) 17:23:13.06:k1WBKChV0
唯先輩は若者の間で大人気、彼女はタモさんは意外とちっちゃかった、と語ってくれた
梓「でもあれが音楽と言えるのだろうか……」
純「梓、嫉妬ー?」
梓「嫉妬じゃないけど……」
唯『私メジャーデビューしてもギー太とカスタネットは忘れないって決めてたんです!』
アナウンサー『それで今の演奏法を思いついたわけですね!』
唯『恥ずかしながらぁ……』クネクネ
唯先輩はギターをカスタネットで弾くという演奏法を編み出していた
30:4:2010/12/18(土) 17:31:19.65:k1WBKChV0
憂「梓ちゃん、純ちゃん、ご飯出来たよー」
純「うっはーい!うまそー!」
梓「はしゃぎすぎ」
純「で、梓は何が不満なの?先輩の幸せそうな顔が見れるんだよ」
憂「ホントお姉ちゃん幸せそう♪」
梓「いや、唯先輩のことはいいんだけど、あれが流行ってるのが分からないっていうか」
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 17:34:59.18:YBOYnGfp0
アナウンサー『では、平沢唯さんのセカンドシングル
<そろそろギー太の手入れをしたいけど仕方がわかんない>です!』
観客『ワー!』
唯『ギッターのぉ~手入れはわっからねぇ~♪』カッチャカッチャベンベベン
観客『わっかんない!わっかんない!』
憂「このカスタネットの音とギターの音の調和がいいよねー♪」
純「梓は頭堅いからこの良さが分からないんだよ」
梓「……そういうもんかな」
33:4:2010/12/18(土) 17:51:11.21:k1WBKChV0
純「だいたい、流行る曲って言うのはいいフレーズ、奇抜なフレーズとか
人の記憶に残りやすいものってことなんだよ」
梓「う、ん……」
唯『だから店員さんに張り替えてもらうんですー♪たまに妹にも替えてもらうんですー♪』
憂「……」ウットリ
純「だから梓的にだめな曲でも、いい部分っていうのはあるんだよ」
梓「……言いたいことは分かるけど」
34:4:2010/12/18(土) 18:00:44.80:k1WBKChV0
アナウンサー『この曲はどういう思いで作られたんですか?』
唯『恋人に接する方法が分からない乙女心を、ギターにたとえて表現してみました!』フンス
アナウンサー『ほう、唯さんらしい視点ですねぇ!』
観客『ぱちぱちぱちぱち……』
梓純「それは絶対嘘だろ!」
35:5:2010/12/18(土) 18:10:22.89:k1WBKChV0
憂『ユイダー』
憂「実は隠してたんだけど」
梓「何?」
憂「お姉ちゃんはアンドロイドだったのです」
梓「何!?」
36:5:2010/12/18(土) 18:14:52.44:k1WBKChV0
憂「私が作った」
梓「すごいなあんた」
憂「名前はユイダー」
梓「仮面のやつ?アンドロイドのやつっていたっけ?」
憂「違うよ、お姉ちゃんバイク乗れないじゃん」
梓「あ、そうか」
37:5:2010/12/18(土) 18:19:42.16:k1WBKChV0
梓「じゃああれか、ギター持ってるし良心回路とか搭載してる感じの」
憂「違うよ、そしたら私悪の組織に誘拐されちゃうじゃん」
梓「そうか、名前的にもそうかなと思ったんだけど」
憂「特に漫画とか参考にしてないよ」
憂「実は私の本当のお姉ちゃんは3年前にトラックにはねられて……」
梓「……」
39:5:2010/12/18(土) 18:25:35.04:k1WBKChV0
唯「ただいま!憂!」
憂「おかえりお姉ちゃん!」
梓「あ、おじゃましてます……」
唯「君が梓ちゃんか、"私"がお世話になってます」ペコリ
梓「……!?」
憂「あっちがオリジナルだよ、梓ちゃんは初めてだったね」
40:5:2010/12/18(土) 18:29:19.76:k1WBKChV0
梓「で、でも唯先輩は……!」
憂「死んでないよ?全治2週間の重傷だったけど」
梓「はぁ?」
憂「桜高のほうのお姉ちゃんはそのときの代返用に私が作ったの」
梓「……私のしんみりを返せ」
42:5:2010/12/18(土) 18:33:52.13:k1WBKChV0
ユイダー「ただいまー」
憂「おかえりお姉ちゃん!」
ユイダー「あ、あずにゃんも来てたんだー」ギュッ
梓「やめてください唯先輩!」
憂「お姉ちゃん、今日は唯お姉ちゃんもいるんだよー」
ユイダー「へぇー、そーなんだー」
ユイダー「……オリジナル……せば……私が……」ボソニヤリ
梓「……!?」
43:5:2010/12/18(土) 18:37:57.63:k1WBKChV0
ユイダー「じゃあ私アイス食べるねー」
憂「うん、ガルガリ君冷えてるよ!」
梓「憂、近いうちに何か起こっても私は知らないからね」
憂「?」
44:6:2010/12/18(土) 19:09:45.05:k1WBKChV0
澪『Wiiと私』
律「うおー!スマーッシュ!」
唯「うわぁ、やられたー!」
澪「……」
45:6:2010/12/18(土) 19:15:27.65:k1WBKChV0
私の家にWiiがある
おかしいな、あるはず無いのに
前からWiiは欲しかったし、嬉しいはずなんだけどなぜか喜べないなぁ
紬「これってどうやって使うのかしら?」
梓「それは投げたらキャラを跳ね返しちゃうんですよ」
澪「……」
そして、私秋山澪には思うところがあります
46:6:2010/12/18(土) 19:20:39.03:k1WBKChV0
5人いるときに4人用のゲームやるなよ!
いや、やるのは百歩譲っていいさ
桃鉄の時代からゲームは最大4人で当たり前みたいな流れはあったし
でもさ……
47:6:2010/12/18(土) 19:27:11.46:k1WBKChV0
唯「じゃあ私次はこの子かな?」
梓「プリンですか……また初心者向けじゃないのを」
唯「そういうあずにゃんは同じのしか使わなくてつまんないよー!」
梓「持ちキャラですから」
1回ごとに交換しろよ!
1回戦終わったらビリでも1位でも私と代われよ!
私の部屋だぞ!
48:6:2010/12/18(土) 19:33:12.09:k1WBKChV0
律「あー、やっぱしスマブラ飽きたなー」
梓「出たの結構前ですしね」
飽きたんなら交換しろ!
だいたいなんで今スマブラなんだ
私は毛糸のカービィとかやりたいな、可愛いし
49:6:2010/12/18(土) 19:40:50.16:k1WBKChV0
唯「つまらないのは飽きたからじゃ無いと思う」
あ、そうだった
律「言うな!悲しくなるだろ!」
私……
唯「澪ちゃんがいないとやっぱだめだよぅ……」グスッ
梓「だからこうやって楽しんでる姿見せるって……言ったじゃないですか!」グスッ
紬「泣いちゃだめ、澪ちゃんが悲しむわ……」
私、今意識不明なんだった
50:7:2010/12/18(土) 19:50:49.26:k1WBKChV0
唯『最速の軽音部』
軽音部は今年中に4名揃わなければ廃部になってしまう運命にあった
そんな中、平沢唯という少女が入ってくる、という情報が入った
部員たちは大いに盛り上がり、いっそう練習に力を入れた
唯「あのー、私平沢ゆ……」
次の瞬間、琴吹紬の仕掛けた地雷が炸裂した
唯「ぎょぎゃぷっ!」
部員は3人になってしまい、軽音部は廃部した
51:8:2010/12/18(土) 20:00:33.26:k1WBKChV0
唯『けいおんSSを書こう!』
唯「むっふっふ、今日はけいおん!のSSを書いてしまおうと思うのです」
和「それを私に言ってどうしようって言うのよ」
唯「……いい案ない?」
和「考えてから書く予定を立てなさいよ」
52:8:2010/12/18(土) 20:08:30.91:k1WBKChV0
唯「そんなこと言わずに~」
和「そうね、誰もやったことが無いような……拷問とか?」
唯「そんなのやられ飽きてるよー」
和「知らないわよ、私けいおんSS見てないんだから」
53:8:2010/12/18(土) 20:17:58.22:k1WBKChV0
唯「別に奇抜じゃなくてもいいからさー」
和「そうね……じゃあこんなのはどうかしら」
和「けいおんSSを書くSS!」
唯「!」
54:8:2010/12/18(土) 20:22:45.61:k1WBKChV0
唯「すごいよ和ちゃん!なんか新しい!」
和「そう?良かったわ」
唯「んじゃースレタイは……『唯「けいおんSSを書こう!」』とかどうかな!」
和「どうかなって言われても……」
唯「よーし!じゃあ書き出しは……」
55:8:2010/12/18(土) 20:28:33.95:k1WBKChV0
唯「むっふっふ、今日はけいおん!のSSを書いてしまおうと思うのです」
和「それを私に言ってどうしようって言うのよ」
唯「……いい案ない?」
和「考えてから書く予定を立てなさいよ」
56:9:2010/12/18(土) 20:45:08.33:k1WBKChV0
紬『孤高の音楽家』
ぐしゃばりどごごん
べろんべろんびーびー
唯「ふぅ!いい演奏だった!」
澪「唯も上達したよな」
唯「えへへー」
57:9:2010/12/18(土) 20:52:31.56:k1WBKChV0
紬「……」
このところずっとこの調子だ
部室内の音楽と言う音楽が醜く、歪な不協和音に聴こえる
私がおかしいのか、皆がおかしいのか……
律「私も上手くなっただろ!」
梓「律先輩は相変わらずリズムキープが甘いです」
律「うぐ……」
58:9:2010/12/18(土) 21:00:09.00:k1WBKChV0
皆がロボットに見えたりとか、そういう他の症状らしいものはない
紬「……」ポロリン
しかも私が弾いた音に限り、私には正常に聴こえる
それを他人が異常な音と聴こえることもないらしい
律「最近ムギ元気ないよな」
唯「時々一人でキーボード弾いてるよね」
59:9:2010/12/18(土) 21:07:37.98:k1WBKChV0
時々、音楽への不満が爆発して一人で黙々とキーボードを弾いている時がある
澪「その曲、いいな」
紬「……そう?」
でもこの曲をバンド用にすると、雑音が入ってしまうことになる
澪「その曲、今年の学園祭でやらないか?」
紬「……」
61:9:2010/12/18(土) 21:13:52.65:k1WBKChV0
聞きたくなかった言葉だ
紬「こ、これは……そういうのじゃないから」
澪「そうか、変なこと言ってゴメンな」
でも、私は他の人たちにいらない心配をかけているのだ
その埋め合わせになるのなら……
紬「澪ちゃん、やっぱり……やってみよう!」
62:9:2010/12/18(土) 21:24:26.30:k1WBKChV0
ぐじょぐじょべんべんぶりぶる
唯「さすがムギちゃん、天才だね!」
やっぱりだ
……予想通り汚い音だ
律「おいムギ!」
紬「……?」
律「何か、悩みがあるんだろ?」
72:9:2010/12/19(日) 01:41:40.86:IK53LgKp0
紬「皆には分からないわ」
律「分からねえよ……」
紬「……」
律「何も言ってくれなきゃ分かりようがねぇよ!」
紬「……!」
73:9:2010/12/19(日) 01:46:18.36:IK53LgKp0
律「だから……言ってみろ!」ポン
紬「りっちゃん……」
紬「実は、最近皆で演奏すると不協和音に聴こえるの!」
74:9:2010/12/19(日) 01:51:13.52:IK53LgKp0
律「あー、それか」
唯「新しい方向性かなーって」
澪「私も最初は反対してたんだけどな」
梓「時代は奇抜を望んでますからね」
紬「……」
紬「まず私に相談しなさい!!」
75:10:2010/12/19(日) 02:00:33.67:IK53LgKp0
律『ハンバーグにしてやるぜ!』
最近、世界中でみんなが暴れているらしい
唯「乱心した純ちゃんはマラカス持って踊ってたけど、りっちゃんはどうなってる事やら」
和「ここは通さないわ」
唯「和ちゃん、そこを通して」
和「私はあなたに復讐しに来たのよ」
76:10:2010/12/19(日) 02:04:38.81:IK53LgKp0
唯「分かったよ、でもその頭のハートマークはどうにかしたほうがいいよ」
和「……生徒会行くね」
唯「さて、ロンドンは広いなぁ」
律「何しに来やがったぁ!」
77:10:2010/12/19(日) 02:10:40.59:IK53LgKp0
唯「りっちゃんを正気に戻しに来たんだよ!」
律「ハンバーグにしてやるぜ!」
唯「これでも喰らえ!」デカバクダー
律「あう!」ドゴーン
78:10:2010/12/19(日) 02:14:32.88:IK53LgKp0
律「おれはしょうきにもどった」
唯「その発言は不安が残るから」
律「冗談はさておき、アメリカの澪が気になるな」
唯「じゃあ私行ってくるよ」
律「ああ、お前ならできるさ」
79:10:2010/12/19(日) 02:20:33.55:IK53LgKp0
その後、私はアメリカの澪ちゃん、アフリカのあずにゃん
日本では忍者の格好をした憂と演歌を歌うムギちゃんと戦った
彼女らを操っていたのはさわちゃんだったらしい!
私の冒険は続く……
80:11:2010/12/19(日) 02:31:00.01:IK53LgKp0
唯『タイムマシン』
紬「みんなにお土産があるの!」
律「おお!何々!?」
唯「おいしいもの!?」
澪「食い付き過ぎだろ」
81:11:2010/12/19(日) 02:35:51.36:IK53LgKp0
紬「ターイームーマーシーンー」シュピピピーン
澪「タイムマシン、素敵な響きだな!」
紬「知り合いのおじさんに貰ったの♪」
律「早速乗ってみようぜ!」
82:11:2010/12/19(日) 02:44:35.60:IK53LgKp0
唯「待ってよ、何で机の形なの?」
紬「様式美よ」
律「そんなこといいから早く乗ろうぜー」ヒョイ
澪「う、いざとなると怖い……」
紬「私が一緒に入ってあげるから」
澪「ご、ごめん」
83:11:2010/12/19(日) 02:54:28.35:IK53LgKp0
唯「じゃあ私も……」
紬「ごめんなさい、このタイムマシン3人乗りなの」
唯「ええー!?」
律「じゃあ、時間旅行へレッツゴー!」
84:11:2010/12/19(日) 03:04:54.03:IK53LgKp0
みんなが時間旅行に出てから1か月経った
みんながいなくなったら、部屋がなんだかがらんとしちゃったよ
机「がちゃ」
唯「!」
85:11:2010/12/19(日) 03:11:17.61:IK53LgKp0
梓「ここが軽音部ですか」ヨイショ
唯「……誰?」
梓「唯先輩、私はあなたの妹に言われてあなたをしっかりものに教育するために来ました」
唯「未来のロボット!?」
梓「……?違います、来年桜高に入ろうと思っている者です」
唯「なぁんだ……」
86:11:2010/12/19(日) 03:21:35.13:IK53LgKp0
唯「でも軽音部は部員が1人になっちゃったから廃部したよ」
梓「……え?」
そしてまた私は部室で一人きりになった
87:12:2010/12/19(日) 04:14:58.17:IK53LgKp0
紬『野生の情熱』
ここはサバンナ、野生の軽音部がたくさん生息しています
早速見てみましょう
88:12:2010/12/19(日) 04:22:00.95:IK53LgKp0
おおっと、律が梓を狙っていますねー
律が梓に飛びついた!
梓もそれに気づいて逃げます
ああっと!律が紬に衝突してしまいました!これは絶体絶命!
90:12:2010/12/19(日) 04:32:54.92:IK53LgKp0
今度は律が紬に追われています
とうとう体力の限界、律は紬に食べられてしまいました
食べっぷりが大胆ですねー
梓は間一髪でしたね
っと、紬が律を食べ終わる前に梓に襲いかかる!
無残にも梓もやられてしまいましたねー
91:12:2010/12/19(日) 04:44:27.71:IK53LgKp0
紬が梓を食べている間に、澪が律を食べ始めました
澪は狩りをしないでひっそりとおこぼれをもらって生きて……
ああっと!これは紬の罠だった!
律を食べているうちにあっさりと澪は狩られてしまいました!
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 04:46:28.12:TSTr+vwl0
おや、今度は唯が梓を食べています
唯は先ほどの澪が狩られるのを見ていなかったのでしょうか
ああ!唯も例にもれず紬に食べられてしまいました!
女ナレーション「罠には気をつけなきゃいけないんだがう!」
99:13:2010/12/19(日) 09:01:43.83:IK53LgKp0
澪『律男と律子』
最近、律の秘密に気がついた
律の頭の、カチューシャの境界に、隙間があるようなのだ
100:13:2010/12/19(日) 09:13:10.23:IK53LgKp0
澪「律……」
律「ん?何だー、澪?」
澪「いや、何でもない……」
しかし本人に言えるわけもなく、日常は続いた
101:13:2010/12/19(日) 09:30:44.47:IK53LgKp0
澪(今日こそは言おう……)
澪「り、律!」
律「ん?」
澪(見えてる!なんか具が見えてる!)
澪「あ、頭……」
律「頭?」
102:13:2010/12/19(日) 09:47:22.79:IK53LgKp0
澪「頭が……見えてるぞ」
律「え!?あ、マズっ!」カチャ
澪「……それ、どういう」
律「あー、ちょっとトイレ行ってくるわ」
澪「ちょ、待って……」
結局この日も深く追求する事は出来なかった
103:13:2010/12/19(日) 10:02:48.93:IK53LgKp0
澪「今日こそは絶対秘密を暴いてやる!」
律「?……何言ってんだ澪」
澪「ふああ!?り、律……」
律「?」
澪「中……見えてる……」
律「あい?」
104:13:2010/12/19(日) 10:28:45.58:IK53LgKp0
律のカチューシャと頭の境界からは、男の顔が覗いていた
律「あちゃー、とうとう見えるとこまで壊れちゃったかー」
律「よいしょ」
律の中の人が出てくる
意外にももう一人女が入っていた
どんな異次元だ
106:13:2010/12/19(日) 10:56:01.46:IK53LgKp0
律男「いやー、教えてくれてありがとう、澪ちゃん」
澪「き、気安く呼ばないでください、おじさん!」
律男「……僕まだ28なんだけどなー」
律子「あなたは老け顔だから仕方ないわよ」フフフ
澪「そ、それより律は……」
107:13:2010/12/19(日) 11:13:42.47:IK53LgKp0
律子「ああ、りっちゃんね、彼女はまだ……」
あ、そうだった
律男「僕は老け顔じゃないよー」
律は……
律子「まだダメみたいね……」
律、今意識不明なんだった
108:14:2010/12/19(日) 11:36:21.45:IK53LgKp0
紬『おとな銀行』
紬「唯ちゃん、マッサージしてくれないかしら」
唯「はい、奥様」モミモミ
梓「奥様、電話が入っております」
紬「後にしてって言っておいて」
梓「了解致しました」
109:14:2010/12/19(日) 11:44:40.12:IK53LgKp0
紬「銀河美少女、田井中律……か」
梓「奥様」
紬「さっきから気になってるんだけど、その奥様って言うのをやめてくださる?」
梓「はい?」
紬「私、結婚なんかしてないわよ」
梓「確かに」
111:14:2010/12/19(日) 11:52:18.53:IK53LgKp0
紬「じゃあ私は団地行ってくるわね」
唯「お供します、奥様」
梓「……奥様も結構楽しんでるじゃないですか」
梓「……私はあの人が嫌いだ」
114:15:2010/12/19(日) 12:10:18.69:IK53LgKp0
唯『ムギちゃんのマユゲ』
律「おっす唯!」
唯「おっすー」
紬「全員揃ったし、お茶にしましょうか♪」
澪「お茶よりれん……」
梓「お茶より練習です!」
115:15:2010/12/19(日) 12:17:45.82:IK53LgKp0
いつもどおりの展開、いつも通りの風景
でも私には気になることがある
律「みおちゅわん、梓に役取られてくやしいでちゅかぁ?」
澪「うっさい!」
紬「お茶の準備できたわよー♪」
梓「はやっ!」
唯(ムギちゃんの眉毛……あれ、海苔だよね?)
116:15:2010/12/19(日) 12:26:16.64:IK53LgKp0
唯(みんなは何故か気にしてないみたいだけど……)
律「おい唯、どうした?食べないのか?」
唯「あ、う、うん、食べるよ!すっごい食べるよ!」
澪「自分の分だけにしろよ」
紬「お茶はお代わり自由よ♪」
唯(……探りを入れてみよう)
117:15:2010/12/19(日) 12:35:28.07:IK53LgKp0
唯「いやあ、ケーキ美味しいから気分"ノリノリ"だよー!」
梓「じゃあ今日は練習もばっちりですね」
唯「あはは……そこまでじゃ……」
紬「しゃらんらしゃらんらー♪」
唯(くっ、私が自爆しただけで何一つ動揺が見られない……)
118:15:2010/12/19(日) 12:41:49.84:IK53LgKp0
唯(こうなりゃヤケだ!)
唯「そ、そういえば今日はのり弁が食べたかったんだよねー!」
律「へぇー」
澪「ふーん」
梓「そうですか」
唯(みんな冷たい!)ガーン
119:15:2010/12/19(日) 12:53:25.64:IK53LgKp0
唯(肝心のムギちゃんは!?)チラッ
紬「しゃらんら?」
唯(無反応!あーんどしゃらんらがもう鳴き声化してるよ!)
和「また必要書類出てないんだけど!」ガラッ
唯(救世主<メシア>来た!)
120:15:2010/12/19(日) 13:01:01.36:IK53LgKp0
和「!」
紬「?」
和「……」
紬「……?」
唯「……」ゴクリ
121:15:2010/12/19(日) 13:12:49.52:IK53LgKp0
和「ムギ、イメチェンしたんだ」
紬「あら、分かった?」
和「うん、ちょっと髪短めになったわね」
律「マジか」
紬「いつ気付いてもらえるかドキドキしてたの♪」
唯「……」
122:15:2010/12/19(日) 13:20:53.49:IK53LgKp0
唯(そこじゃないでしょ!)
澪「気付かないもんだな」
梓「気付かなくてすみません」
紬「いいのよ~」
和「あ、それと」
123:15:2010/12/19(日) 13:23:56.12:IK53LgKp0
和「どうして眉毛が海苔なの?」
紬「あ、やっと突っ込んでもらえた~」ペリッ
唯律澪梓「突っ込んで良かったのか!」
125:16:2010/12/19(日) 13:42:08.38:IK53LgKp0
唯『トンちゃん』
ハーイ!アタイスッポンモドキのトンちゃん!チェケラッチョイ!
実は今、アタイは大変ヤバイ状態にあるの!
具体的には……
126:16:2010/12/19(日) 13:48:25.27:IK53LgKp0
唯「……もう食べるものが無い」
律「……腹減った」
紬「……」
澪「なんか言えよ……」
梓「やめましょう、喋ると余計お腹が減ります……」
127:16:2010/12/19(日) 13:54:46.77:IK53LgKp0
と、こんな具合に軽音部のメンバーが突然部室ごと砂漠に飛ばされちゃったの!
唯「スッポンってさ……」
律「……んあ?」
唯「スッポンって食べれるよね?」
澪「スッポン料理とかあるよな……」
梓「やめましょう、料理の話をすると余計にお腹が減ります……」
128:16:2010/12/19(日) 14:00:53.79:IK53LgKp0
唯「スッポンが食べれるんならさ……スッポンモドキも食べれるのかな?」
律「……そうだな、食べれるんだろうな」
紬「……」
澪「でも料理人とかいないぞ……」
あ、危なかったわ!澪ちゃんナイス!チェケラッチョイ!
129:16:2010/12/19(日) 14:10:42.09:IK53LgKp0
唯「もう踊り食いでもいいんじゃない?」
律「……一人占めする気か?」
唯「違うよ!みんなで踊り食いするんだよ!」
律「どういう状態だよ!説明してみせろ!」
梓「やめましょう、叫ぶと余計お腹が減ります……」
130:16:2010/12/19(日) 14:17:25.66:IK53LgKp0
紬「……」ボソッ
澪「ムギ、なんか言った……?」
紬「……スッポンモドキ、カメ目スッポンモドキ科スッポンモドキ属に分類されるカメ」
唯「……」
紬「……別名ブタハナガメ」
律「……」
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 14:25:54.55:IK53LgKp0
紬「……背甲はドーム状に盛り上がり、上から見ると楕円形」
梓「もう……やめてください……」
梓ちゃん……
梓「……分かりました、私がトンちゃんを料理します!」
梓ちゃん!?
132:16:2010/12/19(日) 14:33:27.32:IK53LgKp0
澪「できるのか?」
梓「やってみなきゃ分からないですよ」
律「や、やめとけ……」
そうそう!やめるべきなのよ!
梓「もう後には引き返せません」
まだ戻ってこれるわよ!チェケラッチョイ!
133:16:2010/12/19(日) 14:40:34.95:IK53LgKp0
唯「ちょっと待ってあずにゃん……」
梓「なんです?」
唯「トンちゃんの最後に……」パラパラ
律「おい、それは……」
唯「最後の晩餐だよ、トンちゃん……」
134:16:2010/12/19(日) 14:48:21.97:IK53LgKp0
澪「そ、それはトンちゃんの餌……!」
唯「う、うん」
律「やった!これでもうしばらく持つぞ!」
紬「……生息地では卵も含めて食用とされる……」
梓「私達がこの餌を食べ続ければ……!」
やったわ!なんとかアタイの命は助かったわ!
135:16:2010/12/19(日) 14:53:20.92:IK53LgKp0
唯「そっか、じゃあ……」
律澪「……」コクン
紬「……」
梓「食いぶちは……減らさないとですね!」
……
136:17:2010/12/19(日) 15:00:27.32:IK53LgKp0
律『さわちゃんのギター』
店員「五十万円で買い取らせて頂きます」
律「ご、ごじゅうまんえん……!?」
律「な、なんでそんなに高いんですか?」
137:17:2010/12/19(日) 15:09:28.70:IK53LgKp0
店員「このモデルは1960年代初めに生まれたギターでして、
当初は材質や形などが決まっておらず、
様々な仕様のマイナーチェンジを繰り返しつつ現在の形になったといいます」
「ちくわ大明神」
店員「お客様のお持ち頂いたギターは指板にハカランダという今になっては貴重な木が使われていまして
これが高い値段の一つの要因となっています」
律「誰だ今の」
138:18:2010/12/19(日) 15:23:02.31:IK53LgKp0
梓『猫耳モード』
唯「ここにさわちゃんの置いていったネコミミ……」
律「そして目の前には入りたての部員……」
梓「……は、はい?」
140:18:2010/12/19(日) 15:31:10.67:IK53LgKp0
唯「りっちゃん!押さえたよ!」ギュー
梓「にゃ!?は、離してください!」ジタバタ
律「よーし、ネコミミそうちゃーく!」スチャ
梓「にゃにゃあ~!?!?」
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 15:37:44.25:9Jrxlc/t0
梓「……」
唯「あれ?あ、梓ちゃん?」
律「も、もしかして怒っちゃっ……た?」
梓「にゃん……」
唯「……?」
144:18:2010/12/19(日) 15:45:17.79:IK53LgKp0
梓「にゃんにゃにゃー!」ピョーン
律「跳んだ!?」
唯「梓ちゃん!棚の上は危ないよ!」
梓「ふー!」
律「警戒してる……のか?」
146:18:2010/12/19(日) 15:56:49.83:IK53LgKp0
唯「よしよーし、あずにゃーん、怖くないよー」
律「おいおい、急に襲ってきた相手が怖くないわけないじゃん、それにあずにゃんって何だよ」
唯「梓ちゃんが猫だからあずにゃんだよ?」
梓「……にゃ」スタ
律「!?」
147:18:2010/12/19(日) 16:02:28.46:IK53LgKp0
梓「なーん」スリスリ
唯「よーしよーし、わしゃしゃしゃしゃ」
律「な、懐いた!」
梓「ごろごろ」
148:18:2010/12/19(日) 16:09:14.88:IK53LgKp0
唯「私動物に好かれるタイプなんだ―」
律「それは多分なめられてるんだなー」
唯「素直に褒めてよー!」ブー
梓「にゃーん」
律「これ、どうするよ」
唯「ネコミミ取ればいいんじゃない?」ヒョイ
149:18:2010/12/19(日) 16:16:28.38:IK53LgKp0
梓「!?あ、あれ?私……」
唯「あずにゃんはさっきまで……」ムグ
律「な、なんでもないよ!?えーっと、急に立ちくらみで倒れたから介抱してたんだ!」
梓「……なんでもあるじゃないですか、ご迷惑おかけしました、すみません」ペコリ
唯「いえいえ、こちらこそ」
梓「……?」
150:18:2010/12/19(日) 16:23:37.93:IK53LgKp0
唯「なんで嘘ついたの、りっちゃん」ヒソヒソ
律「ばーか、梓のあの性格だぞ、真実を知ったら発狂しかねん」ヒソヒソ
唯「たしかに」ヒソヒソ
梓「な、何を話してるんですか?」
律「なんでもねーよぉ!」アセアセ
唯「そ、そう!練習をサボる方法について話してたんだー!」
律「こ、こらー唯!言っちゃダメだろー!」
151:18:2010/12/19(日) 16:31:57.59:IK53LgKp0
梓「もう!本当に先輩方はだらしないですね……」プイッ
律「よくやったぞ、唯隊員!」
唯「よ、良かったの?」
律「ああ、たとえ私達が傷つこうと、彼女の自尊心を傷つけるようなことがあってはならない」
唯「可愛い後輩だもんね!」
152:18:2010/12/19(日) 16:39:11.88:IK53LgKp0
澪「遅くなってごめんなー」ガチャ
唯「あ、澪ちゃん実はね……」ムグ
律「バカモン!梓の件は私達だけの秘密だ!」ヒソヒソ
唯「そ、そっか……」ヒソヒソ
澪「?」
153:18:2010/12/19(日) 16:46:03.42:IK53LgKp0
紬「あら?今日は私が最後みたいね」ガチャ
梓「みんな揃いましたね!早速合わせてみたいです!」
澪「梓は良い子だなー」ウルウル
澪「それに比べてこの二人は……!」ギロリ
唯律「ごめんなさい!」
唯「でも練習始まればこの件もうやむやになりそうだね」ヒソヒソ
律「ああ、そうだな」ヒソヒソ
154:18:2010/12/19(日) 16:53:48.48:IK53LgKp0
さわ子「あら、みんな揃ってるのね!」ガチャ
唯律「びくぅ!」
澪「こんにちは先生」
さわ子「どうしたの、唯ちゃんりっちゃん、そんなに驚いて」
唯「い、いえ!別に!」
律「ええ、まぁ、急に入ってくるから……」
さわ子「そう、ならいいんだけど」
155:18:2010/12/19(日) 16:58:29.71:IK53LgKp0
さわ子「それより、ここに置いてたネコミミは?」
律「ぎくぅ!」
紬「りっちゃん?」
律「いえ!別に私は知りませんよ!」フルフル
さわ子「……出しなさい」
律「は、はい……」
156:18:2010/12/19(日) 17:03:16.39:IK53LgKp0
澪「何でネコミミなんですか?」
さわ子「梓ちゃんに似合うと思って!」
梓「……な、なんですか?」ビクッ
さわ子「ほーら、ネコミミよぉ」ズズイ
梓「……ひぃ!」
157:18:2010/12/19(日) 17:08:22.00:IK53LgKp0
律「やめろ!」
さわ子「な、何よりっちゃん、普段ならあなたが一番乗ってくれそうなものなのに!」
律「さわちゃん、梓嫌がってるじゃねーか」
さわ子「……」
律「私は部員が泣いてる姿なんて見たくない」
澪「……私は?」
律「澪は別」
澪「な、なんだよそれ!」
158:18:2010/12/19(日) 17:16:55.73:IK53LgKp0
梓「律先輩!」キラキラ
さわ子「……分かった、諦めるわ」
唯「……ほっ」
さわ子「じゃあお茶にして頂戴」ポーイ
澪「結局お茶になるのか……」
160:18:2010/12/19(日) 17:21:02.91:IK53LgKp0
梓「にゃにゃあ~!?!?」カポ
唯「ああ!さわちゃんの投げたネコミミが梓ちゃんの頭に!」
梓「にゃーん!」
その後、梓がネコミミを装着すると猫化することは軽音部(+顧問)の知るところとなり
あだ名は満場一致であずにゃんに決定した
161:19:2010/12/19(日) 17:30:38.38:IK53LgKp0
律『4人目の部員!』
律「入部希望の平沢さんっていう子がいるんだって!」
澪「へぇ、ギター上手いのかな?」
紬「だと良いですね♪」
162:19:2010/12/19(日) 17:35:12.73:IK53LgKp0
律「ちょっと外見てくるわ」
澪「あんまりはしゃいで引かせるなよ?」
紬「いってらっしゃい♪」
律「おう!」
163:19:2010/12/19(日) 17:39:10.95:IK53LgKp0
唯「……」
律「うちの部室の前で何やってるの?」
唯「お前が軽音部かあああああああ!?」
律「ひぃっ!」
唯「私は唯!軽音部に入りにきたぁ!」
律「そ、そですか……じゃあどうぞー……」
164:19:2010/12/19(日) 17:43:06.79:IK53LgKp0
律「み、みんなー、新入部員が来たぞー……」
澪「本当か!」
紬「まぁ!」
唯「どうもおおおおおおおおお!」
澪「……」
紬「まぁ……」
165:19:2010/12/19(日) 17:46:28.72:IK53LgKp0
澪「よ、ようこそ軽音部へ……」
紬「さ、さっそくお茶の準備をしますわ……」ソソクサ
律(逃げたな……)
唯「軽音部というわりに気が利くのだなぁ!」
律(こいつ声でかい……)
166:19:2010/12/19(日) 17:49:44.29:IK53LgKp0
律「じ、実は今月中に4人集まらなきゃ廃部って言われてて、だから無理して入らなくても……」
唯「そんなこと聞いちゃあますます入るしかねえだろおおおおおお!」
澪「びくっ!」
律「あ、あはは……本当に、ありがとう」
167:19:2010/12/19(日) 17:53:55.98:IK53LgKp0
唯「でも私実はギターできなくてえええええええ!」
律「じゃあ何なら……できますか?」
澪(自然に敬語になってる……!)
唯「カスタ……ハーモニカアアアアアアア!」←見栄
律「ど、どうぞ!」ササッ
唯「まさか!?あるとはああああああああああ!」
168:19:2010/12/19(日) 17:59:05.74:IK53LgKp0
律「じゃ、じゃあ演奏だけでも聴いてってよ……」
唯「私のために演奏してくれるなんてえええええ!うおおおおおおおお!」←号泣
律「は、ははは……」
紬(りっちゃん……余計なことを……!)
169:19:2010/12/19(日) 18:03:57.53:IK53LgKp0
律「じゃあ行くぞ、1、2、3、4!」
~♪
唯「……」ジー
澪(……視線が刺さるように痛い)
紬(集中よ、演奏に集中よ!)
律(あはははは、もうどうにでもなれ!)
171:19:2010/12/19(日) 18:07:32.99:IK53LgKp0
律「ど、どうだった?」
唯「あんまりうまくねえなあ!がはははは!」
律「……」プルプル
唯「……でも」
律「帰れぇ!ここから出ていけぇ!」ウルウル
唯「なんだとおおおおお!?」
172:19:2010/12/19(日) 18:10:35.37:IK53LgKp0
こうして、軽音部の平和は守られた
豊崎唯さんも悪い人じゃあなかったんだけどね♪
その後平沢唯さんが入ってきたが、みんな笑顔で迎えた
173:20:2010/12/19(日) 18:30:35.22:IK53LgKp0
律「……ここは?」
気がつくと世界は滅びていた
滅びていた、と言っても廃墟が連なっているわけじゃない
ただ、真っ白な砂と、地平線が見えるだけなのだ
まるで世界にアイロンをかけたように何もない
174:20:2010/12/19(日) 18:34:57.01:IK53LgKp0
私が茫然と立ち尽くしていると、背後から音が聞こえた
男「おい、大丈夫か?」
音は男の声だった
私は男を目視するや否や、人に会えた喜びと、この状況への再認識から涙を流した
律「……ひっく」
男「人がいて良かった、もう誰もいないかと思ってたから」
175:20:2010/12/19(日) 18:40:30.44:IK53LgKp0
男が言うには、だいたい私と同じように、気が付いたらこうなっていたらしい
律「もしかして、もう私達しかいねーのかな……」
男「何言ってんだ!諦めるのはまだ早いだろ!?」
律「……ごめん」
176:20:2010/12/19(日) 18:43:10.61:IK53LgKp0
でも食料もなく、何も見えない灼熱の大地で、希望を持つことは不可能に等しかった
男「疲れたか?休もう」
律「ん、まだ大丈夫……」
男「そうか、でも無理はするなよ」
律「悪い……」
177:20:2010/12/19(日) 18:47:46.50:IK53LgKp0
どこまでも続く白と青の世界
私はこの男がいなければ気が狂っていただろう
律「その、ありがとな」
男「なんだよ、急に」
律「お前がいなかったら……私……」
男「そんなのお互い様だろ」
律「ふふっ、そっか!」
178:20:2010/12/19(日) 18:50:08.48:IK53LgKp0
律「そういえば名前をまだ聞いてなかったな、私は田井中律」
男「俺は……」
>>1「>>1って言うんだ」
>>1『律と俺』
179:21:2010/12/19(日) 19:01:47.12:IK53LgKp0
澪『未来視』
澪「私、ちょっと先の未来が見えたんだ」
律「……澪がふざけるとか珍しいな」
澪「ホントなんだよぉ!」
律「じゃあ今否定されるのも見えたんじゃないのか―?」ニヤニヤ
澪「茶化すなよ、そこまでは見えなかったんだって!」
180:21:2010/12/19(日) 19:06:39.93:IK53LgKp0
律「じゃあ何が見えたんだよ」
澪「……パンツ」
律「ぷっ……」
澪「わ、笑うなよぉ!」
律「パンツて……くくく、あー腹いてぇ!せめて世界は滅亡するとかそういうのだろ!」
澪「で、でも私は滅亡しちゃう……」
律「何?澪のパンツ関係なの?」
181:21:2010/12/19(日) 19:12:20.28:IK53LgKp0
澪「……」コク
律「まー、本人はその気みたいだし聞いてやるよ」
澪「私が今日部室前で転んで、下の階まで落ちた挙句に、パンツが丸見えになる……」
律「そこまで分かってんなら気を付ければいいんじゃね?」
澪「……律は真剣に聞いてくれないんだな」
律「つってもさー」
182:21:2010/12/19(日) 19:18:54.83:IK53LgKp0
澪「もういい、私先に部室行くから」
律「おい!待てよ!」
澪「きっと唯かムギか梓ならちゃんと聞いてくれる」タタッ
律「……その前に当たっちゃうんじゃないか?」
183:21:2010/12/19(日) 19:24:34.50:IK53LgKp0
澪「きゃああああああ!」ドカドカドコン
律「……」
「きゃー!パンツ丸見え///」
「それより保健室の先生呼んできて!」
184:21:2010/12/19(日) 19:28:04.30:IK53LgKp0
澪「……」
律「まぁ気を落とすなって」
澪「……」
律「あの高さから落ちて生きてただけでも良いと思えよ」
澪「……死にたい」
律「そんなこと言うなよ」
185:21:2010/12/19(日) 19:30:21.37:IK53LgKp0
澪「さっき……」
律「ん?」
澪「さっき気絶してるときに、また未来が見えたんだ」
律「……」
186:21:2010/12/19(日) 19:35:51.34:IK53LgKp0
澪「私の……」
律「……」
澪「パンツ……」
律「え?」
澪「私のパンツが爆発するの……」
律「なんだよそれ!」
188:21:2010/12/19(日) 19:40:32.96:IK53LgKp0
律「……でもさっきも当たったし、これはまずいぞ!澪、パンツ脱げ!」
澪「い、嫌だ!恥ずかしい!」
律「恥ずかしがってる場合か!命にかかわるぞ!」
澪「律に見られるんだったら死んだほうがマシだ!」
律「この分からずや!」ヌガシッ
澪「いやあああああ……」
189:21:2010/12/19(日) 19:45:02.67:IK53LgKp0
律「そぉい!」
どかーん!
律「よし!なんとか助かぐはぁ……!」バキィ
澪「もう殺すしかない!」ウルウル
命の代償は大きかった
190:22:2010/12/19(日) 20:01:11.50:IK53LgKp0
純『すあま!』
憂「いただきまーす」
梓「憂のお弁当は美味しそう」
憂「そんなことないよー」
梓「それに比べて純は……何それ?」
純「すあまだよ」フモフモ
191:22:2010/12/19(日) 20:05:28.79:IK53LgKp0
梓「……」
純「すあまの何が悪いのさ!」
梓「いや、別にすあまに罪はないんだけどさ」
憂「純ちゃん、すあまだけで大丈夫なの?」
純「ふふーん、キミらはすあまを甘く見てるね、すあまだけに!」
梓「上手くないよ」
192:22:2010/12/19(日) 20:09:23.45:IK53LgKp0
純「すあまは美味い!」
梓「そういう意味じゃないって」
純「しかもお腹に溜まる!」
憂「おもちだしね」
純「そして安い!」
梓「褒めすぎじゃない?」
193:22:2010/12/19(日) 20:15:08.09:IK53LgKp0
純「梓も食べてみれば分かるって」
梓「私はいいよ……」
純「梓のウインナーと交換ね」ヒョイパク
梓「あああ!純このやろー!」フモフモ
194:22:2010/12/19(日) 20:18:52.97:IK53LgKp0
純「お味はいかが?」
梓「……美味しい」
純「んー?」
梓「惜しいって言ったの!」
憂「美味しいね、純ちゃん!」
純「憂は素直だなー」
梓「……」
195:22:2010/12/19(日) 20:23:35.89:IK53LgKp0
純「残りのすあまは憂と二人で食べようかなー」
梓「……はい、ウインナー」
純「何のマネ?」
梓「ウインナー食べてよ!」
純「ぱくっ」
梓「お、お返しなんだから」フモフモ
憂「梓ちゃんは素直じゃないなー」
私達の関係も、すあまのようにあまあまです
196:23:2010/12/19(日) 20:40:29.25:IK53LgKp0
唯「うーん……」カスッ
律「何柄にもなく悩んでんだ?」
唯「指パッチンが鳴らせないの……」
律「……柄にもあったな」
唯『指パッチン』
197:23:2010/12/19(日) 20:45:52.04:IK53LgKp0
唯「うーん……」バフッ
律「本当にできないのか?」
唯「本当にできないよー」
律「どーれ、私が手本見せてやる!」
唯「うわー、りっちゃん珍しくかっこいい!」
律「珍しくは余計だ!」
198:23:2010/12/19(日) 20:50:31.93:IK53LgKp0
律「ほい!」バツッ
律「うりゃ!」ビチッ
律「……」
唯「……」
律「あ、あれだよ!指パッチンを封じる粒子が部屋中に……」
澪「何してるんだ?」ガラッ
唯「あ、澪ちゃん!」
199:23:2010/12/19(日) 20:55:34.08:IK53LgKp0
律「……」
澪「何?指パッチン?」
唯「うん、どうしてもしたかったんだ」
澪「こんな感じかな」パチンッ
律「ええ!?」
唯「おお!」
澪「ふふーん」
200:23:2010/12/19(日) 21:10:09.74:IK53LgKp0
唯「どうやってやるの?教えて!」
澪「まず唯、ちょっとやってみろ」
唯「う、うん」カスッ
澪「あー、これは指擦ってるだけだな」
唯「え?擦って出すんじゃないの?」
201:23:2010/12/19(日) 21:20:53.92:IK53LgKp0
澪「指を擦るのは勢いをつけるためだ、実際は指が手のひらに当たって音が出るんだ」
唯「へぇー」
律「……」
澪「律、お前もやってみろ」
律「な、なんだよ!?」
澪「いいから」
203:23:2010/12/19(日) 21:24:35.64:IK53LgKp0
律「そいやさ!」バチッ
律「指いて―……」
澪「これがダメな例その2」
律「あ、澪てめー私をダメな例に使いやがったな!」
澪「綺麗な音を出すためには薬指と小指は浮かせなきゃダメなんだ」
唯「そうなんだ」
204:23:2010/12/19(日) 21:30:06.38:IK53LgKp0
澪「この空洞で音が反響して……」
律「おお!鳴るぞ!」パチンッパチンッ
澪「うるさい!」
律「ごめんなさい……」ショボン
澪「音が反響して大きくなるんだ」
唯「じゃあ私も」パチンッ
唯「~~~!」パァァ
206:23:2010/12/19(日) 21:34:17.62:IK53LgKp0
澪「やったな、唯」
律「やるじゃねーか!」
唯「うん、私、やったよ!」
紬「あら、みんないるのね」
唯「あ、ムギちゃん!私凄いんだよ!」
紬「え、な、何?」
207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:36:43.94:4OE3oGOjP
紬「ああ、指パッチン!」
唯「うん、こんな感じで」パチンッ
律「そういえばムギはできるイメージないけど」
紬「私はできるわよ」
澪「意外だな、やってみて」
紬「それがダメなの、鳴らすと執事が来ちゃうから……」
唯律澪「恐るべし琴吹家!」
209:24:2010/12/19(日) 21:47:14.95:IK53LgKp0
唯『広がる恋愛の輪』
唯「……」
和「ここはこの公式を使って……って、聞いてる、唯?」
唯「あ……あ、うん!聞いてるよ!」
和「本当かしら」
唯「ごめんなさい、嘘です」
210:24:2010/12/19(日) 21:51:34.24:IK53LgKp0
和「まったく、唯は集中し始めるまでが大変よね」
唯「……集中できるわけないよ」
和「?」
唯「だって……私……」
和「何?」
212:24:2010/12/19(日) 21:55:24.47:IK53LgKp0
唯「の、和ちゃんのこと、好きなんだもん!」
和「え?な、どういうこと?」
唯「……言っちゃった」
和「……いつから?どうして?」
唯「好きになったのは中学の頃かな、頼ってるうちにだんだん好きになっちゃった」
和「……」
唯「ごめんね、迷惑……だよね?」
和「ううん、迷惑じゃないわ」
213:24:2010/12/19(日) 21:58:30.52:IK53LgKp0
唯「じゃあ……」
和「でも、私にも好きな人がいるの……」
唯「うん、知ってたよ」
和「どうして?誰にも気づかれてないと思ってたのに……」
唯「だって和ちゃん、私が大好きって言っただけで恋の話だってすぐに解釈したでしょ」
和「あ」
唯「和ちゃんも告白しなよ、応援、するから」
和「ごめんなさい」
215:24:2010/12/19(日) 22:02:20.19:IK53LgKp0
唯「いいんだよ、さあ、思い立ったが吉日だよ!」
和「うん、ありがとう唯!」タタッ
唯「これで…いいんだよね」ウルッ
217:24:2010/12/19(日) 22:05:16.23:IK53LgKp0
和「澪!」
澪「なんだ和、突然家まで来て……」
和「話があるの、ちょっと上がらせてもらうわ」
澪「あ、ああ……」
218:24:2010/12/19(日) 22:09:15.42:IK53LgKp0
澪「なんだ、話って?」
和「驚かないで聞いてほしいんだけど、私は澪が好きなの、女として!」
澪「はう!?」
和「ごめんなさい、驚かないでっていうのも無理な話よね……」
澪「あ、あの……その……何だ」
219:24:2010/12/19(日) 22:14:30.63:IK53LgKp0
和「私、2年の時同じクラスだったでしょ、その時に話が合うって思って」
澪「……」
和「もうこの人しかいないんじゃないかって思ったの」
澪「……ごめん和、私なんかじゃなくてもっといい男は山のようにいると思うよ」
和「……」
澪「あとお付き合いは成人してから、だぞ」
和「ふふっ、古風なのね」
220:24:2010/12/19(日) 22:17:49.94:IK53LgKp0
澪(ゴメン和、私、別に女の子同士だからダメってわけじゃなかったんだ……)
澪(私が好きなのは……)
律「おい澪、元気ないな!まるで土偶だよ!」
澪「そうか?」
律「そうそう、いつもみたいに突っ込み来ないし」
澪「そうか」
律「なぁなぁ、どうしたんだよ」
221:24:2010/12/19(日) 22:25:35.25:IK53LgKp0
澪「律って好きな人とかいるの?」
律「ぶっ!ばかっ!何聞いてんだよ!」
澪「私は律が好き」
律「……はぁ?」
澪「嘘じゃないぞ、本当だからな!」
律「……」
222:24:2010/12/19(日) 22:27:59.24:IK53LgKp0
律「私も澪のことは好きだ」
澪「……!」
律「でも、もっと好きな人がいるんだ」
澪「幼馴染の私より?」
律「ごめんな、これだけは譲れないんだ」
澪「……そうか」
223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:32:10.77:4OE3oGOjP
律「私が好きなのは……」
紬「何のお話?」
律「うっひゃあああああ!」
紬「……!?」
律「あ、ごめんごめん、急に話しかけられたから……」
紬「そ、そう……」
225:24:2010/12/19(日) 22:37:47.24:IK53LgKp0
澪「ムギは好きな人とかいるのか?」
紬「あら?そういうお話だったの?」
律「……」
紬「私は……梓ちゃんかな」
律「!」
澪「へぇ、そうだったんだ」
226:24:2010/12/19(日) 22:40:51.15:IK53LgKp0
律「……っ」タタッ
澪「おい律、どこに……」
紬「行っちゃった……追いかけないと!」
澪「……待て、今はほっといてやろう」
紬「……いいの?」
澪「ああ、それより何で梓なんだ?」
紬「梓ちゃん可愛いし、後輩なのに私にギター教えてくれて……カッコよかった」
澪「そうか、私達が知らないうちに結構会ってたもんな」
229:24:2010/12/19(日) 23:00:17.89:IK53LgKp0
澪「律」
律「なんだよ、笑いに来たか?それともこれを機会に告白しに来たか?」
澪「違うよ」
律「……ごめん」
澪「いいんだ、話したいことは全部私に話せ」
律「……ムギとは、デートした時に恋しちゃったんだ」
230:24:2010/12/19(日) 23:04:16.41:IK53LgKp0
律「なんかさ、今まではお嬢様でちょっと近寄りにくかったところもあったのに
急に内側の、女の子なところを見せられちゃったらさ」
律「ずるいよ、ムギは……」
澪「うん……」
232:24:2010/12/19(日) 23:08:58.87:IK53LgKp0
紬「梓ちゃん♪」
梓「あ、ムギ先輩」
紬「今日ね、実は梓ちゃんに言いたいことがあって」
梓「何ですか、別にそんな前振りなく言ってもいいんですよ?」
紬「あ、あのね!私、梓ちゃんのことが大好きなの!付き合って!」
梓「!?」
233:24:2010/12/19(日) 23:12:47.09:IK53LgKp0
梓「わ、私は……」
紬「ダメ……?」
梓「私は……純が好きなんです」
紬「……そう」
梓「ごめんなさい」
紬「いいの、分かってたわ、あなたの純ちゃんを見る目、恋する乙女の目だったもの」
梓「にゃ!?ば、ばれてたんですか……?」
紬「うふふ、動揺する梓ちゃん可愛い♪」
梓「もう、ムギ先輩!」
234:24:2010/12/19(日) 23:18:37.03:IK53LgKp0
梓「自然に自然に……」
純「何呟いてんのよ梓」
梓「にゃ!?な、何でもないよ!」
純「まったく、隠しごとできない体質は不便だねー」
梓「ど、どういう意味よ!」
235:24:2010/12/19(日) 23:25:09.19:IK53LgKp0
純「ズバリ、梓は私のこと好きでしょ」
梓「!?ち、ちがっ!」
純「全く、バレバレだよ」
梓「ど、どうして……」
純「恋する乙女の感、って奴かな」
梓「……ぷっ」
純「何で笑うのよー!」
236:24:2010/12/19(日) 23:31:13.35:IK53LgKp0
梓「純が……恋する乙女……ぷっ」
純「失礼な奴め、くすぐるぞ」
梓「……でも、そっか、純も私以外を見てたんだね」
純「うん、中学から、ね」
梓「そうだよね、敵いっこないよね」
237:24:2010/12/19(日) 23:35:17.77:IK53LgKp0
純「でも私も知ってるんだ、憂はお姉ちゃんのことが好きなんだよね」
梓「そうだね」
純「でもさ、梓もそんな惰性で付き合うのヤでしょ」
梓「告白するの?」
純「うん、梓に勇気もらったからね」
238:24:2010/12/19(日) 23:39:38.24:IK53LgKp0
純「憂!」
憂「なぁに、純ちゃん?」
純「好きだ!結婚してくれ!」
憂「!?」
純「……とまぁ、好きなんだ、憂のこと」
憂「そ、そうなんだ」
239:24:2010/12/19(日) 23:44:41.92:IK53LgKp0
純「やっぱダメ?」
憂「うん、私にはお姉ちゃんがいるから……」
純「だよねー」
憂「ごめんね」
純「憂は告白とかしないの?」
憂「お、お姉ちゃんに、こ、告白……」
純「おやおや、これはいかんですなぁ」
241:24:2010/12/20(月) 00:02:32.49:gnq2lT/C0
憂「ダメだよー、告白なんて!」
純「ほら、私が付いてったげるから」
憂「……ごめんね」
純「いいんだよ、好きな人の幸せを願うのも愛だからね」
憂「純ちゃん、ありがとう」
純「いえいえ」
242:24:2010/12/20(月) 00:07:46.09:gnq2lT/C0
憂「でもそのセリフ、クサイよ♪」
純「なんですとー!」
唯「あ、憂に純ちゃん!どうして私の教室に?」
純「唯先輩に用があって」
憂「実はね……」
244:25:2010/12/20(月) 00:15:07.27:gnq2lT/C0
唯『できそこない』
みなさん、私は平沢唯になれなかったものです
つまりできそこないと言ってもいいでしょう
名前なんてありはしませんが、宜しければお好きなようにお呼びください
まぁ、ここでは平沢唯は出ませんから仮に『唯』と呼ばれさせていただきます
247:25:2010/12/20(月) 00:19:22.76:gnq2lT/C0
唯「何で私ができそこないかといいますと、まず先ほどの文面から分かりますように
私はとにかく卑屈でして、元気ハツラツな女の子になどなれはしません」
唯「まぁ尤も、できそこないだから卑屈なのかもしれませんがね」
唯「外見のほうを気にしてらっしゃる方もおられるかと思いますが……」
唯「期待しないでください、何せできそこないですから」
唯「まぁ、ヘアピンの位置が同じで、髪が長くて顔の半分が隠れている、って感じですか」
250:25:2010/12/20(月) 00:23:57.68:gnq2lT/C0
唯「私の話はいいんです」
唯「いや、私の話でしたね」
唯「いえ、話すのは何分苦手でして……」
唯「そういえばここはどこなんでしょうね」
唯「真っ暗な森のようなところですが……」
251:25:2010/12/20(月) 00:28:59.00:gnq2lT/C0
ゆい「ゆい!」
唯「おお!あなたもできそこないですか?」
ゆい「ゆい!」
唯「皆さんには分からないでしょうけど、できそこない同士の以心伝心意思疎通で私には分かります」
唯「『わたしはできそこないじゃない』」
ゆい「ゆい!」
唯「うーん、そのただの黒丸の目や顔から手が生えている造形はできそこない以外の形容ができませんがね?」
252:25:2010/12/20(月) 00:32:53.30:gnq2lT/C0
ゆい「ゆい!」
唯「そうですかそうですか、あなたのほうがパーフェクトですか」
唯「まぁ、偉い人は足が付いてないと不良品だと決めつけてしまいますからね」
ゆい「ゆい!」
唯「では仲間も増えたことですし、早速森の奥へと向かいましょうか」
ゆい「ゆい!」
253:25:2010/12/20(月) 00:37:02.51:gnq2lT/C0
唯「まぁ奥と言っても、手前かもしれませんが、元々私が向いていた方向ですので戻ってはいないでしょう」
ゆい「ゆい!」
唯「おやおや、ダメですよできそこない、それはキノコではなくてできそこないですよ」
ゆい「ゆい!」ガツガツ
唯「あらら、食べちゃいましたね」
唯「おいしかったですか?」
ゆい「ゆい!」
唯「そうですか、では私も頂きましょう」
254:25:2010/12/20(月) 00:40:13.63:gnq2lT/C0
唯「む、これは……」
ゆい「ゆい……」
唯「うーむ、私の語彙力では説明できない味ですね」
唯「私の説明で味を補完しようと思っていた方は申し訳ありません」
唯「しかし、敢えて言うなら……平沢唯の味でしたね」
ゆい「ゆい!」
255:25:2010/12/20(月) 00:43:57.67:gnq2lT/C0
唯「さて……困ったもので何もない森がずっと続いてますね」
ゆい「ゆい!」
唯「これではコメントしがたい」
唯「もしかしてこの森自体が平沢唯のできそこないなのかもしれませんね」
ゆい「ゆい!」
256:25:2010/12/20(月) 01:00:29.92:gnq2lT/C0
唯「おや、子犬がいますね」
犬「わん!」
ゆい「ゆい!」
唯「早速仲良くなったみたいですね」
犬「わんわん!」
ゆい「ゆいゆい!」
258:25:2010/12/20(月) 01:04:03.34:gnq2lT/C0
唯「でももうお別れです、私達は急ぎますから」
犬「くぅ~ん……」
唯「ゆい……」
唯「さ、行きますよ」
ゆい「ゆい」
259:25:2010/12/20(月) 01:09:32.75:gnq2lT/C0
唯「でも、さっきの子犬、本当に子犬だったのでしょうか」
ゆい「ゆい」
唯「あれもまた平沢唯のできそこないなのかもしれませんね」
唯「……出口はまだですかね」
ゆい「ゆい!」
唯「もしかして出口なんてないのかも知れませんね」
260:25:2010/12/20(月) 01:14:27.87:gnq2lT/C0
唯「おっと、制限時間が来てしまいました」
ゆい「ゆい?」
唯「私達は所詮できそこないですから、時間が経てば消えてしまうんですよ」
ゆい「ゆい!」
唯「そんなことは無いのかもしれませんが、私の場合はそうなのです」
261:25:2010/12/20(月) 01:20:21.39:gnq2lT/C0
唯「消える前に指パッチンの練習でもしておけばよかったなぁ……」
ゆい「ゆ、ゆい!」
これはある平沢唯になれなかった者のお話です
私もいつか消えてしまうのかもしれないし、そうでないかもしれません
でも私は忘れない、私の親友に卑屈なできそこないがいたことを……
262:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 01:30:55.97:gnq2lT/C0
唯『100人目の平沢唯』
律「じゃあなー」
澪「また、大学でな」
唯「私の引越しの手伝いに来てよー」
紬「それだけじゃなくて、これからも毎日のように集まりましょ♪」
律「ああ、そうだな」
263:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 01:38:49.42:gnq2lT/C0
唯「じゃあまたね、みんな!」
律澪紬「またねー」
唯「……高校卒業しちゃったなぁ」
唯「あずにゃん、泣いてたよね」
唯「ふふっ、可愛かったなぁ」
264:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 01:46:12.27:gnq2lT/C0
唯「ただいまー」
唯「あれ?今日はお父さんもお母さんもいるんじゃ……」
唯「家の鍵も開いてたし」
唯「不用心んだなー」
唯父「唯」
唯「うわ!お父さん、いたんだ!」
265:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 01:53:59.51:gnq2lT/C0
唯父「……まず、おめでとう」
唯「う、うん、ありがとう」
唯(なんか雰囲気がおかしいよぅ……)
唯父「"初めて"高校を卒業することができたね」
唯「?」
266:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 02:02:15.85:gnq2lT/C0
唯「初めて……?」
唯父「そう、今まで多くの平沢唯が目指して、不可能だった道のり」
唯「待って!平沢唯は私だよ!同姓同名の人が何人いるかは別として!」
唯母「あなたは100人目の平沢唯」
唯「……お母さん!」
268:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 02:10:47.48:gnq2lT/C0
唯父「平沢唯は最後の人間だった」
唯母「その最後の可能性を潰えさせないため、私達は仮想人格によるシミュレーションを行った」
唯父「その結果、平沢唯は多くの場合高校卒業までに死亡する事が分かった」
唯母「その状況を避けるのが私達の目的」
唯「な、何が何だか分からないよ!」
269:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 02:18:03.23:gnq2lT/C0
唯父「ある唯はトラックに轢かれ」
唯母「またある唯は軽音部に入ってすぐに爆死した」
唯「わ、私は生きてるよ!?」
唯父「確かに君は生きている」
唯母「しかし、それもまた仮想生命」
271:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 02:22:51.56:gnq2lT/C0
唯「じゃあ何?今までの私の人生は全部偽物だったってこと!?」
唯父「この過程が、平沢唯が生き続けるものであればそれは現実となる」
唯母「仮想平沢唯の完成された人生は、本人にそのままフィードバックされる」
唯「……そういう意味じゃないよ」
272:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 02:30:40.29:gnq2lT/C0
憂「お姉ちゃん」
唯「憂!憂は……」
憂「お姉ちゃんの今まで辿ってきた道は確かに空想の産物に過ぎない」
唯「……」
憂「でも、この世界の全ての仮想人格は、それぞれの思惑で動いている」
憂「だから、それが偽物かどうかはお姉ちゃんが決めていい」
273:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 02:38:40.70:gnq2lT/C0
唯父「このシミュレーションももうすぐ終わる」
唯母「このシミュレーションポイントから、また別のシミュレーションが行われる」
憂「また、その後のシミュレーションの結果、不適切な行動があった場合は今回のデータはリセットされる」
唯「でも、この世界は確かにあった!100人目の私は確かにここにいた!」
唯父「それでいいんだ、唯……」
唯母「唯は私の自慢の娘よ」
憂「そして私の大好きなお姉ちゃんなんだから……」
274:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 02:54:51.95:gnq2lT/C0
ジリリリリリ!
唯「ふぁ……あ!もうこんな時間!」
唯「もう朝の講義間に合わないよー……」
プルルルル
唯「はーい」
律『おい唯!もう講義はじまんぞ!』
唯「ゴメン!寝坊しちゃった!」
275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 03:07:12.57:gnq2lT/C0
律『ったく、しょうがねーな……代返してやっからさっさと準備して来い!』
唯「ありがとう!すぐ準備するからー!」
『現時点で異常なし、観察を続行する』
唯「りっちゃんなんか言った?」
律『はぁ?私は何も言ってないけど?』
唯「そっか、じゃあいいや」
例え私が101人目だとしても、この世界は私にとっての本物なのだ
279:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 04:32:18.37:gnq2lT/C0
さわ子『エピローグ』
気がつくと世界は滅びていた
滅びていた、と言っても何も見えない訳じゃない
真っ白な砂と人気のない家屋が並ぶ空間がそこにはあった
280:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 04:44:39.28:gnq2lT/C0
さわ子「何なのよ、ここ……」
初めは夢か、はたまた何者かの超能力で連れてこられた異空間か、とも考えたが
その予想は意外な形で否定された
さわ子「……これ、桜ケ丘高校よね」
私の目の前に、グラウンドが真っ白な以外は普段と変わらない校舎が現れた
282:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 04:57:30.48:8wRh8R+zP
さわ子「……開かない!」
校舎の1階は4分の1が砂で埋まっており、ガラス戸を開けるのは困難だった
さわ子「……しゃーないな」
私は思いっきりガラス戸を蹴り飛ばした
がしゃん、と透明な破片が散らばり、白い砂に吸い込まれていった
さわ子「こんなの高校以来ね……」
思えば高校時代はかなりやんちゃしていたものだ
285:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 05:13:37.94:gnq2lT/C0
さわ子「誰かいませんか―!」
しーん、という擬音を考えた人物の感覚には恐れ入る、と思わせるほど学校の中は静かだった
さわ子「……いないか」
まだ誰もいないほうが、異形の怪物が現れるよりはマシである、と考えることにした
286:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 05:27:05.34:gnq2lT/C0
例にもれず誰もいない職員室
さわ子「……時計は止まってるけど、カレンダーは昨日の日付ね」
その他の備品も、風化こそしていたものの昨日と同じものばかりであった
さわ子「……ということは、私が意識のあった最後の日に何かがあったのね」
こういう状況では何よりも情報収集が重要になる
不覚にも、異常な状況でも冷静な自分をカッコいいと思ってしまった
288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 05:39:09.82:gnq2lT/C0
他の教室を回るも、何も変化はない
ただ、人がいないだけである
そして最後の部屋、第2音楽室の扉を開いた
さわ子「……!?」
そこには、1匹の生き物の死骸が転がっていた
289:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 05:57:41.75:gnq2lT/C0
さわ子「……何よこれ」
それは近くで確認するまでもなく、スッポンモドキであること、この軽音部で飼われていたことは分かった
間違いない、トンちゃんだ
さわ子「無残に殺されてる……」
一応部屋を注意深く見てみる
もしかすると怪物が潜んでいるのかもしれない
290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 06:09:52.06:gnq2lT/C0
部屋に大きな変化もなく、怪物も潜んではいないようだった
強いて変化を挙げるとすれば、見知らぬ机が増えていたことぐらいだろうか
さわ子「学校にはもう何もなさそうね」
あまりにも人気が無いので、独り言が絶えない
まずは人を探してみようか
292:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 07:54:18.49:gnq2lT/C0
学校があるのなら、他の建物もあるはずだ
滅びていない世界の記憶を頼りに歩くと、平沢家が見えた
さわ子「ビンゴ!」
もしかすると人がいるかもしれない、そんな期待を胸に私は走りだした
293:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 08:02:44.73:gnq2lT/C0
さわ子「おじゃましまーす……」
ドア付近の砂を避け、ドアを開けてみると鍵はかかっていなかった
家の電気は付いていなく、人気も無かった
さわ子「……はずれ、か」
294:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 08:11:07.10:gnq2lT/C0
電気が付いていないのは人がいないからではなかったようだ
冷蔵庫は動作しておらず、ドロドロに溶けたガルガリ君が入っていた
さわ子「そういえば、結構ものが風化してるけど……未来なのかしら?」
机の上には見たことのないCDケースがあり、「……太の……したい……んない」の文字だけ判別できた
肝心のCDは無いみたいだけど
297:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 08:30:51.49:gnq2lT/C0
昨日の新聞を見つけた
「4年前のカスタネット凶悪連続殺人犯、とうとう死刑」
知らない記事だ
もしかしたらこの世界はパラレルワールドなのかもしれない
いや、そうであってほしい
298:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 08:38:24.98:gnq2lT/C0
唯ちゃんの部屋にも誰もいなかった
さわ子「あの子……パソコンなんて持ってたんだ」
唯ちゃんの机にはデスクトップパソコンが置いてあり、その横にはメモ書きがあった
「けいおんSSを書こう!唯「むっふっふ、今日はけいおん!のSSを書いてしまおうと思うのです」」
さわ子「意味が分からないわね……」
私はとりあえず平沢家を後にした
299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 08:45:37.46:gnq2lT/C0
私は小腹がすいてきたので、近場のスーパーに寄った
スーパーといっても、廃墟なのだが……
さわ子「生ものは全滅か……」
さわ子「残ってるのは……たくあん、海苔、ドライフルーツ、すあま」
さわ子「意外と生きていけそうね」
こんなときに缶詰めでもあれば心強いのだが
301:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 09:00:43.27:gnq2lT/C0
次は澪ちゃんの家に向かおう、と決めた瞬間、どこからか私の出していない音が聞こえた
罠には気をつけなければいけない、と昨日テレビで聞いた気がする
トンちゃんの例もあるので、注意深くあたりを見回した
猫「にゃーん」
さわ子「……猫?」
私の足元に、黒猫が1匹寄り添っていた
302:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 09:12:04.94:gnq2lT/C0
さわ子「初めて生き物に遭った……」
猫「にゃう?」
さわ子「あんた、名前何て言うの?」
猫「にゃんにゃ!」
さわ子「猫に言っても分からないか」
306:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 09:40:03.75:gnq2lT/C0
さわ子「付いてくるか?」
猫「にゃん!」
私がまるで桃太郎か、はたまたハーメルンの笛吹きにでもなったかのように猫は私に付いてきた
そのまま、私達は澪ちゃんの家に到着した
308:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 09:49:27.89:gnq2lT/C0
人がいることにはもはや期待していなかった
人がいなくても猫がいてくれる
秋山家でも人を呼んでも、返事は無かった
しかし、澪ちゃんの部屋には、澪ちゃんがいた
310:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 10:00:09.10:gnq2lT/C0
さわ子「澪ちゃん!」
返事は無い、が屍ではないようだ
脈はある、息もしている
どうやら意識不明なだけのようだ
さわ子「でもどうしてパンツ丸出しで……ぷっ」
その滑稽さに、ついつい笑いが込み上げてきた
猫に人、私もだいぶ余裕が出てきたみたいだ
311:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 10:09:01.25:gnq2lT/C0
次はりっちゃんの家
私はスカートを履かせた澪ちゃんを背負い、猫を従えてりっちゃんの家を訪問した
りっちゃんの家は廃墟だった
廃墟と言っても今までのとはレベルが違う
まるで、隕石でも落ちたかのようにボロボロだった
312:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 10:15:50.24:gnq2lT/C0
そんな中、りっちゃんは幸いにも生きていた
澪ちゃんと同じく意識はないようだが
りっちゃんの周りだけ意図を感じるぐらい正確に隕石が落ちていなかった
さわ子「りっちゃん!起きて!」
猫「にゃー!」
313:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 10:21:26.70:gnq2lT/C0
さわ子「うーん、起きないなぁ……」
さわ子「あなたはこの音を聞いたら深い眠りから覚めます!」パチンッ
さわ子「……なんてね」
律「……!」ガバッ
さわ子「うわーびっくりしたー!」
314:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 10:29:02.96:gnq2lT/C0
律「……おはようさわちゃん」
さわ子「お、おはよう」
律「……これは、どういう状況なんだ?」
さわ子「気が付いたら辺り一面廃墟だったのよ」
律「……そういえば夢でも同じような状況だったような」
315:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 10:37:39.57:gnq2lT/C0
律「夢ではさわちゃんじゃなくて変な男だったんだけど」
律「その人は、世界は終わった、って言ってた」
さわ子「じゃあこの世界も終わった世界なのかもね」
律「……かもな」
猫「にゃー!」
316:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 10:41:36.37:gnq2lT/C0
さわ子「私達、いつまで生きてるかしらね」
律「さあな、世界が終わっても生きてんだ、結構持つんじゃねーの?」
さわ子「だといいわね♪」
たとえ世界が終わっているのだとしても、私達は生き続けるのだ
命あるかぎり
おわり
318:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 10:48:45.55:gnq2lT/C0
和「呆れさせる唯が悪いのよ、そんなんじゃニートになっちゃうわよ」
唯「ニート関係ないよ!」
和「まぁいいわ、特別に教えてあげる」
唯「なんだかんだ言って和ちゃんは優しいね!」
和「プロローグっていうのは、プロのローグの事よ」
唯「……」
唯「ローグって何?」
和「あら、また質問?この食いしん坊さん」
唯「私は太りにくいからいいの!」
和「ここからは会員様のみご覧になれます」
唯「ええ~」
和「会員になるためにはその憂のお弁当をください」
唯「はぁい……」
和「じゃあ説明するわ、ローグっていうのはRPGの祖先のようなものね」モグモグ
唯「へぇ……」
和「まさかRPGが分からないって事はないわよね?」
唯「さすがに……MOTHERとかヴァルキリープロファイルぐらいはやったことあるよぉ」
和「意外ね」
唯「でもプロのRPGってどんなのなの?」
和「そうね、それはもう相当のプロ集団でしょうね」
唯「集団なの?」
和「そうよ、そいつらはトーナメント形式で戦ったりするのよ」
和「これをプロリーグと言うわ」
唯「……」
唯「そういえばプロローグって話のはじめに書いてるよね、私たちも書いた方がいいのかな?」
和「そうね、じゃあ書きましょうか」
唯「出だしはどうしよう」
和「そうね……やっぱりなんでリーグに行くことになったのか、プロローグを書いた方がいいわね」
唯「あれ?」
唯『カスタネット禁止令』
平沢唯が中学生の頃、凶悪な連続通り魔事件が起きた。
被害者は145名、そのうち113名が重傷、32名が命を落とした。
犯人はカスタネットを用いて殺人を繰り返していた。
唯「すみません!入部断りにきたんです!」
律「待って!せめて私たちの曲を聴いてよ!」
唯「私のために演奏してくれるんですか!?」
唯「私なんて、軽音楽ってカスタネットとかやると思ってた人なのに……」
律「んだとぉ!?」
唯「…ひぃっ!」
律「人殺しはロックじゃねぇ!おまえに聴かせる曲なんてねぇ!帰れ!」
唯「ええ~…?」
田井中聡、件の事件の27人目の被害者の名前だ。
唯『ムギちゃんのたくあん』
唯「ムギちゃんの眉毛はたくあんだよね」
律「……」
澪「……」
紬「……」
唯(あれー?こんな空気になる発言だったかな……)
唯(……確かに私はよく無意識に暴言はいたりしちゃうけど)
律「唯……いつ気付いたんだ?」
唯「え?」
唯(もしかして……本当にたくあんなの?)
唯「きょ、今日……太いしたくあんっぽいなぁって……」
律「……」
律「だよなー」
唯「う、うん」
澪「……」
紬「……」
澪「唯」
唯「ひゃい!?」
澪「今から変なこと言うけど、絶対に笑わないで聞いてくれ」
唯「う、うん」
唯(もしかして……宇宙人的なことなの?)
澪「……言うよ?」
唯「……」
澪「布団に寝ころんだ」
唯「……え?」
澪「よ、よし!」
唯(そういうこと!?何が「よし!」なの!?ってか何も掛かってないよ!?)
紬「唯ちゃん」
唯「は、はい!」
唯(とうとう来た、真実はやっぱり本人の口から伝えられるんだね)
紬「言いにくいんだけど……」
唯「……」
紬「今日のイチゴショート、イチゴ無いの……」
唯「……はい?」
紬「本当にごめんなさい!おいしくてつい!」
唯「い、いいよー」
唯(たくあんの謎に比べたら……)
紬「代わりにドライフルーツ乗せるわね」マユゲノセ
唯「ドライフルーツだったのか……!」
中学時代の律の部屋
澪「今日は何するの?」
律「じゃーん、D・V・D!」
澪「こ、怖いのじゃない……よな?」
律「安心しろって、今日の目的はそんなんじゃねーよ」
澪「じゃあ何?ディズニー?」
律「お前は本当に……脳内エレクトリカルパレードだな」
澪「?」
律「まぁいいさ、実際見てもらった方が早いしな」
律「プレイヤーオープン!」ジー
律「DVDセット!」カシャ
律「再生!」ピ
澪「どきどき……」
律「よく見てろー、これが本場の……」
どごーん!
律「……」
澪「……」ガタガタ
律『いんせき』
澪「これが本場の……隕石?」
律「だ、だよなー!これ隕石だよなー!」
澪「う、うん……」
律「いやー焦ったわ、ちょっとでも私DVDプレイヤーに近かったら死んでたわー!」アセアセ
澪「無事でよかった……」
律「これって事件だよな……」
澪「うん、大事件……」
律「……」
澪「……」
澪「隕石って、流れ星が燃え尽きなかったものなんだよな」
律「うん」
澪「そう考えるとロマンチックだよな」
律「そういうのいいから」
澪「……うん」
澪「じゃあさ、これは知ってる?」
律「なんだよ」
澪「隕石って日本の場合、発見された地域の郵便局の名前がつくんだって」
律「へぇ」
澪「何でも発見者の名前にしたら争いが起こるからだそうな」
律「トリビアだな」
澪「この場合、実際使えるんだからトリビアじゃないよ」
律「確かにそうだな」
律「名前つけていいんだったら田井中律ビューティフル隕石!とかにしたのに」
澪「私だって見たんだぞ、それにビューティフルて……」
律「何だと、ここは私の家だ」
澪「ほら、争いが起こる」
律「うん、そうだな」
律「じゃあ隕石の事なんて忘れて、DVD見ますかー」
澪「でもプレーヤーは……」
律「じゃーん、P・S・2!」
どごーん!
律「……」
澪「……」
その後、律と澪は軽音部を作って幸せに過ごしたという
梓『軽音楽』
私はある日、その場のノリで唯先輩と弾き語りをした
その間、なんやかんやあった結果、唯先輩は高校生ミュージシャンになっていた
アナウンサー『ではどうぞ!平沢唯さん!』
唯『いえいえ、どーもどーも』
唯先輩は若者の間で大人気、彼女はタモさんは意外とちっちゃかった、と語ってくれた
梓「でもあれが音楽と言えるのだろうか……」
純「梓、嫉妬ー?」
梓「嫉妬じゃないけど……」
唯『私メジャーデビューしてもギー太とカスタネットは忘れないって決めてたんです!』
アナウンサー『それで今の演奏法を思いついたわけですね!』
唯『恥ずかしながらぁ……』クネクネ
唯先輩はギターをカスタネットで弾くという演奏法を編み出していた
憂「梓ちゃん、純ちゃん、ご飯出来たよー」
純「うっはーい!うまそー!」
梓「はしゃぎすぎ」
純「で、梓は何が不満なの?先輩の幸せそうな顔が見れるんだよ」
憂「ホントお姉ちゃん幸せそう♪」
梓「いや、唯先輩のことはいいんだけど、あれが流行ってるのが分からないっていうか」
まさか100個やるつもりなのか
32:4:2010/12/18(土) 17:43:52.96:k1WBKChV0アナウンサー『では、平沢唯さんのセカンドシングル
<そろそろギー太の手入れをしたいけど仕方がわかんない>です!』
観客『ワー!』
唯『ギッターのぉ~手入れはわっからねぇ~♪』カッチャカッチャベンベベン
観客『わっかんない!わっかんない!』
憂「このカスタネットの音とギターの音の調和がいいよねー♪」
純「梓は頭堅いからこの良さが分からないんだよ」
梓「……そういうもんかな」
純「だいたい、流行る曲って言うのはいいフレーズ、奇抜なフレーズとか
人の記憶に残りやすいものってことなんだよ」
梓「う、ん……」
唯『だから店員さんに張り替えてもらうんですー♪たまに妹にも替えてもらうんですー♪』
憂「……」ウットリ
純「だから梓的にだめな曲でも、いい部分っていうのはあるんだよ」
梓「……言いたいことは分かるけど」
アナウンサー『この曲はどういう思いで作られたんですか?』
唯『恋人に接する方法が分からない乙女心を、ギターにたとえて表現してみました!』フンス
アナウンサー『ほう、唯さんらしい視点ですねぇ!』
観客『ぱちぱちぱちぱち……』
梓純「それは絶対嘘だろ!」
憂『ユイダー』
憂「実は隠してたんだけど」
梓「何?」
憂「お姉ちゃんはアンドロイドだったのです」
梓「何!?」
憂「私が作った」
梓「すごいなあんた」
憂「名前はユイダー」
梓「仮面のやつ?アンドロイドのやつっていたっけ?」
憂「違うよ、お姉ちゃんバイク乗れないじゃん」
梓「あ、そうか」
梓「じゃああれか、ギター持ってるし良心回路とか搭載してる感じの」
憂「違うよ、そしたら私悪の組織に誘拐されちゃうじゃん」
梓「そうか、名前的にもそうかなと思ったんだけど」
憂「特に漫画とか参考にしてないよ」
憂「実は私の本当のお姉ちゃんは3年前にトラックにはねられて……」
梓「……」
唯「ただいま!憂!」
憂「おかえりお姉ちゃん!」
梓「あ、おじゃましてます……」
唯「君が梓ちゃんか、"私"がお世話になってます」ペコリ
梓「……!?」
憂「あっちがオリジナルだよ、梓ちゃんは初めてだったね」
梓「で、でも唯先輩は……!」
憂「死んでないよ?全治2週間の重傷だったけど」
梓「はぁ?」
憂「桜高のほうのお姉ちゃんはそのときの代返用に私が作ったの」
梓「……私のしんみりを返せ」
ユイダー「ただいまー」
憂「おかえりお姉ちゃん!」
ユイダー「あ、あずにゃんも来てたんだー」ギュッ
梓「やめてください唯先輩!」
憂「お姉ちゃん、今日は唯お姉ちゃんもいるんだよー」
ユイダー「へぇー、そーなんだー」
ユイダー「……オリジナル……せば……私が……」ボソニヤリ
梓「……!?」
ユイダー「じゃあ私アイス食べるねー」
憂「うん、ガルガリ君冷えてるよ!」
梓「憂、近いうちに何か起こっても私は知らないからね」
憂「?」
澪『Wiiと私』
律「うおー!スマーッシュ!」
唯「うわぁ、やられたー!」
澪「……」
私の家にWiiがある
おかしいな、あるはず無いのに
前からWiiは欲しかったし、嬉しいはずなんだけどなぜか喜べないなぁ
紬「これってどうやって使うのかしら?」
梓「それは投げたらキャラを跳ね返しちゃうんですよ」
澪「……」
そして、私秋山澪には思うところがあります
5人いるときに4人用のゲームやるなよ!
いや、やるのは百歩譲っていいさ
桃鉄の時代からゲームは最大4人で当たり前みたいな流れはあったし
でもさ……
唯「じゃあ私次はこの子かな?」
梓「プリンですか……また初心者向けじゃないのを」
唯「そういうあずにゃんは同じのしか使わなくてつまんないよー!」
梓「持ちキャラですから」
1回ごとに交換しろよ!
1回戦終わったらビリでも1位でも私と代われよ!
私の部屋だぞ!
律「あー、やっぱしスマブラ飽きたなー」
梓「出たの結構前ですしね」
飽きたんなら交換しろ!
だいたいなんで今スマブラなんだ
私は毛糸のカービィとかやりたいな、可愛いし
唯「つまらないのは飽きたからじゃ無いと思う」
あ、そうだった
律「言うな!悲しくなるだろ!」
私……
唯「澪ちゃんがいないとやっぱだめだよぅ……」グスッ
梓「だからこうやって楽しんでる姿見せるって……言ったじゃないですか!」グスッ
紬「泣いちゃだめ、澪ちゃんが悲しむわ……」
私、今意識不明なんだった
唯『最速の軽音部』
軽音部は今年中に4名揃わなければ廃部になってしまう運命にあった
そんな中、平沢唯という少女が入ってくる、という情報が入った
部員たちは大いに盛り上がり、いっそう練習に力を入れた
唯「あのー、私平沢ゆ……」
次の瞬間、琴吹紬の仕掛けた地雷が炸裂した
唯「ぎょぎゃぷっ!」
部員は3人になってしまい、軽音部は廃部した
唯『けいおんSSを書こう!』
唯「むっふっふ、今日はけいおん!のSSを書いてしまおうと思うのです」
和「それを私に言ってどうしようって言うのよ」
唯「……いい案ない?」
和「考えてから書く予定を立てなさいよ」
唯「そんなこと言わずに~」
和「そうね、誰もやったことが無いような……拷問とか?」
唯「そんなのやられ飽きてるよー」
和「知らないわよ、私けいおんSS見てないんだから」
唯「別に奇抜じゃなくてもいいからさー」
和「そうね……じゃあこんなのはどうかしら」
和「けいおんSSを書くSS!」
唯「!」
唯「すごいよ和ちゃん!なんか新しい!」
和「そう?良かったわ」
唯「んじゃースレタイは……『唯「けいおんSSを書こう!」』とかどうかな!」
和「どうかなって言われても……」
唯「よーし!じゃあ書き出しは……」
唯「むっふっふ、今日はけいおん!のSSを書いてしまおうと思うのです」
和「それを私に言ってどうしようって言うのよ」
唯「……いい案ない?」
和「考えてから書く予定を立てなさいよ」
紬『孤高の音楽家』
ぐしゃばりどごごん
べろんべろんびーびー
唯「ふぅ!いい演奏だった!」
澪「唯も上達したよな」
唯「えへへー」
紬「……」
このところずっとこの調子だ
部室内の音楽と言う音楽が醜く、歪な不協和音に聴こえる
私がおかしいのか、皆がおかしいのか……
律「私も上手くなっただろ!」
梓「律先輩は相変わらずリズムキープが甘いです」
律「うぐ……」
皆がロボットに見えたりとか、そういう他の症状らしいものはない
紬「……」ポロリン
しかも私が弾いた音に限り、私には正常に聴こえる
それを他人が異常な音と聴こえることもないらしい
律「最近ムギ元気ないよな」
唯「時々一人でキーボード弾いてるよね」
時々、音楽への不満が爆発して一人で黙々とキーボードを弾いている時がある
澪「その曲、いいな」
紬「……そう?」
でもこの曲をバンド用にすると、雑音が入ってしまうことになる
澪「その曲、今年の学園祭でやらないか?」
紬「……」
聞きたくなかった言葉だ
紬「こ、これは……そういうのじゃないから」
澪「そうか、変なこと言ってゴメンな」
でも、私は他の人たちにいらない心配をかけているのだ
その埋め合わせになるのなら……
紬「澪ちゃん、やっぱり……やってみよう!」
ぐじょぐじょべんべんぶりぶる
唯「さすがムギちゃん、天才だね!」
やっぱりだ
……予想通り汚い音だ
律「おいムギ!」
紬「……?」
律「何か、悩みがあるんだろ?」
紬「皆には分からないわ」
律「分からねえよ……」
紬「……」
律「何も言ってくれなきゃ分かりようがねぇよ!」
紬「……!」
律「だから……言ってみろ!」ポン
紬「りっちゃん……」
紬「実は、最近皆で演奏すると不協和音に聴こえるの!」
律「あー、それか」
唯「新しい方向性かなーって」
澪「私も最初は反対してたんだけどな」
梓「時代は奇抜を望んでますからね」
紬「……」
紬「まず私に相談しなさい!!」
律『ハンバーグにしてやるぜ!』
最近、世界中でみんなが暴れているらしい
唯「乱心した純ちゃんはマラカス持って踊ってたけど、りっちゃんはどうなってる事やら」
和「ここは通さないわ」
唯「和ちゃん、そこを通して」
和「私はあなたに復讐しに来たのよ」
唯「分かったよ、でもその頭のハートマークはどうにかしたほうがいいよ」
和「……生徒会行くね」
唯「さて、ロンドンは広いなぁ」
律「何しに来やがったぁ!」
唯「りっちゃんを正気に戻しに来たんだよ!」
律「ハンバーグにしてやるぜ!」
唯「これでも喰らえ!」デカバクダー
律「あう!」ドゴーン
律「おれはしょうきにもどった」
唯「その発言は不安が残るから」
律「冗談はさておき、アメリカの澪が気になるな」
唯「じゃあ私行ってくるよ」
律「ああ、お前ならできるさ」
その後、私はアメリカの澪ちゃん、アフリカのあずにゃん
日本では忍者の格好をした憂と演歌を歌うムギちゃんと戦った
彼女らを操っていたのはさわちゃんだったらしい!
私の冒険は続く……
唯『タイムマシン』
紬「みんなにお土産があるの!」
律「おお!何々!?」
唯「おいしいもの!?」
澪「食い付き過ぎだろ」
紬「ターイームーマーシーンー」シュピピピーン
澪「タイムマシン、素敵な響きだな!」
紬「知り合いのおじさんに貰ったの♪」
律「早速乗ってみようぜ!」
唯「待ってよ、何で机の形なの?」
紬「様式美よ」
律「そんなこといいから早く乗ろうぜー」ヒョイ
澪「う、いざとなると怖い……」
紬「私が一緒に入ってあげるから」
澪「ご、ごめん」
唯「じゃあ私も……」
紬「ごめんなさい、このタイムマシン3人乗りなの」
唯「ええー!?」
律「じゃあ、時間旅行へレッツゴー!」
みんなが時間旅行に出てから1か月経った
みんながいなくなったら、部屋がなんだかがらんとしちゃったよ
机「がちゃ」
唯「!」
梓「ここが軽音部ですか」ヨイショ
唯「……誰?」
梓「唯先輩、私はあなたの妹に言われてあなたをしっかりものに教育するために来ました」
唯「未来のロボット!?」
梓「……?違います、来年桜高に入ろうと思っている者です」
唯「なぁんだ……」
唯「でも軽音部は部員が1人になっちゃったから廃部したよ」
梓「……え?」
そしてまた私は部室で一人きりになった
紬『野生の情熱』
ここはサバンナ、野生の軽音部がたくさん生息しています
早速見てみましょう
おおっと、律が梓を狙っていますねー
律が梓に飛びついた!
梓もそれに気づいて逃げます
ああっと!律が紬に衝突してしまいました!これは絶体絶命!
今度は律が紬に追われています
とうとう体力の限界、律は紬に食べられてしまいました
食べっぷりが大胆ですねー
梓は間一髪でしたね
っと、紬が律を食べ終わる前に梓に襲いかかる!
無残にも梓もやられてしまいましたねー
紬が梓を食べている間に、澪が律を食べ始めました
澪は狩りをしないでひっそりとおこぼれをもらって生きて……
ああっと!これは紬の罠だった!
律を食べているうちにあっさりと澪は狩られてしまいました!
ムギ無双wwwwwwww
93:12:2010/12/19(日) 04:55:43.25:IK53LgKp0おや、今度は唯が梓を食べています
唯は先ほどの澪が狩られるのを見ていなかったのでしょうか
ああ!唯も例にもれず紬に食べられてしまいました!
女ナレーション「罠には気をつけなきゃいけないんだがう!」
澪『律男と律子』
最近、律の秘密に気がついた
律の頭の、カチューシャの境界に、隙間があるようなのだ
澪「律……」
律「ん?何だー、澪?」
澪「いや、何でもない……」
しかし本人に言えるわけもなく、日常は続いた
澪(今日こそは言おう……)
澪「り、律!」
律「ん?」
澪(見えてる!なんか具が見えてる!)
澪「あ、頭……」
律「頭?」
澪「頭が……見えてるぞ」
律「え!?あ、マズっ!」カチャ
澪「……それ、どういう」
律「あー、ちょっとトイレ行ってくるわ」
澪「ちょ、待って……」
結局この日も深く追求する事は出来なかった
澪「今日こそは絶対秘密を暴いてやる!」
律「?……何言ってんだ澪」
澪「ふああ!?り、律……」
律「?」
澪「中……見えてる……」
律「あい?」
律のカチューシャと頭の境界からは、男の顔が覗いていた
律「あちゃー、とうとう見えるとこまで壊れちゃったかー」
律「よいしょ」
律の中の人が出てくる
意外にももう一人女が入っていた
どんな異次元だ
律男「いやー、教えてくれてありがとう、澪ちゃん」
澪「き、気安く呼ばないでください、おじさん!」
律男「……僕まだ28なんだけどなー」
律子「あなたは老け顔だから仕方ないわよ」フフフ
澪「そ、それより律は……」
律子「ああ、りっちゃんね、彼女はまだ……」
あ、そうだった
律男「僕は老け顔じゃないよー」
律は……
律子「まだダメみたいね……」
律、今意識不明なんだった
紬『おとな銀行』
紬「唯ちゃん、マッサージしてくれないかしら」
唯「はい、奥様」モミモミ
梓「奥様、電話が入っております」
紬「後にしてって言っておいて」
梓「了解致しました」
紬「銀河美少女、田井中律……か」
梓「奥様」
紬「さっきから気になってるんだけど、その奥様って言うのをやめてくださる?」
梓「はい?」
紬「私、結婚なんかしてないわよ」
梓「確かに」
紬「じゃあ私は団地行ってくるわね」
唯「お供します、奥様」
梓「……奥様も結構楽しんでるじゃないですか」
梓「……私はあの人が嫌いだ」
唯『ムギちゃんのマユゲ』
律「おっす唯!」
唯「おっすー」
紬「全員揃ったし、お茶にしましょうか♪」
澪「お茶よりれん……」
梓「お茶より練習です!」
いつもどおりの展開、いつも通りの風景
でも私には気になることがある
律「みおちゅわん、梓に役取られてくやしいでちゅかぁ?」
澪「うっさい!」
紬「お茶の準備できたわよー♪」
梓「はやっ!」
唯(ムギちゃんの眉毛……あれ、海苔だよね?)
唯(みんなは何故か気にしてないみたいだけど……)
律「おい唯、どうした?食べないのか?」
唯「あ、う、うん、食べるよ!すっごい食べるよ!」
澪「自分の分だけにしろよ」
紬「お茶はお代わり自由よ♪」
唯(……探りを入れてみよう)
唯「いやあ、ケーキ美味しいから気分"ノリノリ"だよー!」
梓「じゃあ今日は練習もばっちりですね」
唯「あはは……そこまでじゃ……」
紬「しゃらんらしゃらんらー♪」
唯(くっ、私が自爆しただけで何一つ動揺が見られない……)
唯(こうなりゃヤケだ!)
唯「そ、そういえば今日はのり弁が食べたかったんだよねー!」
律「へぇー」
澪「ふーん」
梓「そうですか」
唯(みんな冷たい!)ガーン
唯(肝心のムギちゃんは!?)チラッ
紬「しゃらんら?」
唯(無反応!あーんどしゃらんらがもう鳴き声化してるよ!)
和「また必要書類出てないんだけど!」ガラッ
唯(救世主<メシア>来た!)
和「!」
紬「?」
和「……」
紬「……?」
唯「……」ゴクリ
和「ムギ、イメチェンしたんだ」
紬「あら、分かった?」
和「うん、ちょっと髪短めになったわね」
律「マジか」
紬「いつ気付いてもらえるかドキドキしてたの♪」
唯「……」
唯(そこじゃないでしょ!)
澪「気付かないもんだな」
梓「気付かなくてすみません」
紬「いいのよ~」
和「あ、それと」
和「どうして眉毛が海苔なの?」
紬「あ、やっと突っ込んでもらえた~」ペリッ
唯律澪梓「突っ込んで良かったのか!」
唯『トンちゃん』
ハーイ!アタイスッポンモドキのトンちゃん!チェケラッチョイ!
実は今、アタイは大変ヤバイ状態にあるの!
具体的には……
唯「……もう食べるものが無い」
律「……腹減った」
紬「……」
澪「なんか言えよ……」
梓「やめましょう、喋ると余計お腹が減ります……」
と、こんな具合に軽音部のメンバーが突然部室ごと砂漠に飛ばされちゃったの!
唯「スッポンってさ……」
律「……んあ?」
唯「スッポンって食べれるよね?」
澪「スッポン料理とかあるよな……」
梓「やめましょう、料理の話をすると余計にお腹が減ります……」
唯「スッポンが食べれるんならさ……スッポンモドキも食べれるのかな?」
律「……そうだな、食べれるんだろうな」
紬「……」
澪「でも料理人とかいないぞ……」
あ、危なかったわ!澪ちゃんナイス!チェケラッチョイ!
唯「もう踊り食いでもいいんじゃない?」
律「……一人占めする気か?」
唯「違うよ!みんなで踊り食いするんだよ!」
律「どういう状態だよ!説明してみせろ!」
梓「やめましょう、叫ぶと余計お腹が減ります……」
紬「……」ボソッ
澪「ムギ、なんか言った……?」
紬「……スッポンモドキ、カメ目スッポンモドキ科スッポンモドキ属に分類されるカメ」
唯「……」
紬「……別名ブタハナガメ」
律「……」
紬「……背甲はドーム状に盛り上がり、上から見ると楕円形」
梓「もう……やめてください……」
梓ちゃん……
梓「……分かりました、私がトンちゃんを料理します!」
梓ちゃん!?
澪「できるのか?」
梓「やってみなきゃ分からないですよ」
律「や、やめとけ……」
そうそう!やめるべきなのよ!
梓「もう後には引き返せません」
まだ戻ってこれるわよ!チェケラッチョイ!
唯「ちょっと待ってあずにゃん……」
梓「なんです?」
唯「トンちゃんの最後に……」パラパラ
律「おい、それは……」
唯「最後の晩餐だよ、トンちゃん……」
澪「そ、それはトンちゃんの餌……!」
唯「う、うん」
律「やった!これでもうしばらく持つぞ!」
紬「……生息地では卵も含めて食用とされる……」
梓「私達がこの餌を食べ続ければ……!」
やったわ!なんとかアタイの命は助かったわ!
唯「そっか、じゃあ……」
律澪「……」コクン
紬「……」
梓「食いぶちは……減らさないとですね!」
……
律『さわちゃんのギター』
店員「五十万円で買い取らせて頂きます」
律「ご、ごじゅうまんえん……!?」
律「な、なんでそんなに高いんですか?」
店員「このモデルは1960年代初めに生まれたギターでして、
当初は材質や形などが決まっておらず、
様々な仕様のマイナーチェンジを繰り返しつつ現在の形になったといいます」
「ちくわ大明神」
店員「お客様のお持ち頂いたギターは指板にハカランダという今になっては貴重な木が使われていまして
これが高い値段の一つの要因となっています」
律「誰だ今の」
梓『猫耳モード』
唯「ここにさわちゃんの置いていったネコミミ……」
律「そして目の前には入りたての部員……」
梓「……は、はい?」
唯「りっちゃん!押さえたよ!」ギュー
梓「にゃ!?は、離してください!」ジタバタ
律「よーし、ネコミミそうちゃーく!」スチャ
梓「にゃにゃあ~!?!?」
独特のノリだな
143:18:2010/12/19(日) 15:38:07.86:IK53LgKp0梓「……」
唯「あれ?あ、梓ちゃん?」
律「も、もしかして怒っちゃっ……た?」
梓「にゃん……」
唯「……?」
梓「にゃんにゃにゃー!」ピョーン
律「跳んだ!?」
唯「梓ちゃん!棚の上は危ないよ!」
梓「ふー!」
律「警戒してる……のか?」
唯「よしよーし、あずにゃーん、怖くないよー」
律「おいおい、急に襲ってきた相手が怖くないわけないじゃん、それにあずにゃんって何だよ」
唯「梓ちゃんが猫だからあずにゃんだよ?」
梓「……にゃ」スタ
律「!?」
梓「なーん」スリスリ
唯「よーしよーし、わしゃしゃしゃしゃ」
律「な、懐いた!」
梓「ごろごろ」
唯「私動物に好かれるタイプなんだ―」
律「それは多分なめられてるんだなー」
唯「素直に褒めてよー!」ブー
梓「にゃーん」
律「これ、どうするよ」
唯「ネコミミ取ればいいんじゃない?」ヒョイ
梓「!?あ、あれ?私……」
唯「あずにゃんはさっきまで……」ムグ
律「な、なんでもないよ!?えーっと、急に立ちくらみで倒れたから介抱してたんだ!」
梓「……なんでもあるじゃないですか、ご迷惑おかけしました、すみません」ペコリ
唯「いえいえ、こちらこそ」
梓「……?」
唯「なんで嘘ついたの、りっちゃん」ヒソヒソ
律「ばーか、梓のあの性格だぞ、真実を知ったら発狂しかねん」ヒソヒソ
唯「たしかに」ヒソヒソ
梓「な、何を話してるんですか?」
律「なんでもねーよぉ!」アセアセ
唯「そ、そう!練習をサボる方法について話してたんだー!」
律「こ、こらー唯!言っちゃダメだろー!」
梓「もう!本当に先輩方はだらしないですね……」プイッ
律「よくやったぞ、唯隊員!」
唯「よ、良かったの?」
律「ああ、たとえ私達が傷つこうと、彼女の自尊心を傷つけるようなことがあってはならない」
唯「可愛い後輩だもんね!」
澪「遅くなってごめんなー」ガチャ
唯「あ、澪ちゃん実はね……」ムグ
律「バカモン!梓の件は私達だけの秘密だ!」ヒソヒソ
唯「そ、そっか……」ヒソヒソ
澪「?」
紬「あら?今日は私が最後みたいね」ガチャ
梓「みんな揃いましたね!早速合わせてみたいです!」
澪「梓は良い子だなー」ウルウル
澪「それに比べてこの二人は……!」ギロリ
唯律「ごめんなさい!」
唯「でも練習始まればこの件もうやむやになりそうだね」ヒソヒソ
律「ああ、そうだな」ヒソヒソ
さわ子「あら、みんな揃ってるのね!」ガチャ
唯律「びくぅ!」
澪「こんにちは先生」
さわ子「どうしたの、唯ちゃんりっちゃん、そんなに驚いて」
唯「い、いえ!別に!」
律「ええ、まぁ、急に入ってくるから……」
さわ子「そう、ならいいんだけど」
さわ子「それより、ここに置いてたネコミミは?」
律「ぎくぅ!」
紬「りっちゃん?」
律「いえ!別に私は知りませんよ!」フルフル
さわ子「……出しなさい」
律「は、はい……」
澪「何でネコミミなんですか?」
さわ子「梓ちゃんに似合うと思って!」
梓「……な、なんですか?」ビクッ
さわ子「ほーら、ネコミミよぉ」ズズイ
梓「……ひぃ!」
律「やめろ!」
さわ子「な、何よりっちゃん、普段ならあなたが一番乗ってくれそうなものなのに!」
律「さわちゃん、梓嫌がってるじゃねーか」
さわ子「……」
律「私は部員が泣いてる姿なんて見たくない」
澪「……私は?」
律「澪は別」
澪「な、なんだよそれ!」
梓「律先輩!」キラキラ
さわ子「……分かった、諦めるわ」
唯「……ほっ」
さわ子「じゃあお茶にして頂戴」ポーイ
澪「結局お茶になるのか……」
梓「にゃにゃあ~!?!?」カポ
唯「ああ!さわちゃんの投げたネコミミが梓ちゃんの頭に!」
梓「にゃーん!」
その後、梓がネコミミを装着すると猫化することは軽音部(+顧問)の知るところとなり
あだ名は満場一致であずにゃんに決定した
律『4人目の部員!』
律「入部希望の平沢さんっていう子がいるんだって!」
澪「へぇ、ギター上手いのかな?」
紬「だと良いですね♪」
律「ちょっと外見てくるわ」
澪「あんまりはしゃいで引かせるなよ?」
紬「いってらっしゃい♪」
律「おう!」
唯「……」
律「うちの部室の前で何やってるの?」
唯「お前が軽音部かあああああああ!?」
律「ひぃっ!」
唯「私は唯!軽音部に入りにきたぁ!」
律「そ、そですか……じゃあどうぞー……」
律「み、みんなー、新入部員が来たぞー……」
澪「本当か!」
紬「まぁ!」
唯「どうもおおおおおおおおお!」
澪「……」
紬「まぁ……」
澪「よ、ようこそ軽音部へ……」
紬「さ、さっそくお茶の準備をしますわ……」ソソクサ
律(逃げたな……)
唯「軽音部というわりに気が利くのだなぁ!」
律(こいつ声でかい……)
律「じ、実は今月中に4人集まらなきゃ廃部って言われてて、だから無理して入らなくても……」
唯「そんなこと聞いちゃあますます入るしかねえだろおおおおおお!」
澪「びくっ!」
律「あ、あはは……本当に、ありがとう」
唯「でも私実はギターできなくてえええええええ!」
律「じゃあ何なら……できますか?」
澪(自然に敬語になってる……!)
唯「カスタ……ハーモニカアアアアアアア!」←見栄
律「ど、どうぞ!」ササッ
唯「まさか!?あるとはああああああああああ!」
律「じゃ、じゃあ演奏だけでも聴いてってよ……」
唯「私のために演奏してくれるなんてえええええ!うおおおおおおおお!」←号泣
律「は、ははは……」
紬(りっちゃん……余計なことを……!)
律「じゃあ行くぞ、1、2、3、4!」
~♪
唯「……」ジー
澪(……視線が刺さるように痛い)
紬(集中よ、演奏に集中よ!)
律(あはははは、もうどうにでもなれ!)
律「ど、どうだった?」
唯「あんまりうまくねえなあ!がはははは!」
律「……」プルプル
唯「……でも」
律「帰れぇ!ここから出ていけぇ!」ウルウル
唯「なんだとおおおおお!?」
こうして、軽音部の平和は守られた
豊崎唯さんも悪い人じゃあなかったんだけどね♪
その後平沢唯さんが入ってきたが、みんな笑顔で迎えた
律「……ここは?」
気がつくと世界は滅びていた
滅びていた、と言っても廃墟が連なっているわけじゃない
ただ、真っ白な砂と、地平線が見えるだけなのだ
まるで世界にアイロンをかけたように何もない
私が茫然と立ち尽くしていると、背後から音が聞こえた
男「おい、大丈夫か?」
音は男の声だった
私は男を目視するや否や、人に会えた喜びと、この状況への再認識から涙を流した
律「……ひっく」
男「人がいて良かった、もう誰もいないかと思ってたから」
男が言うには、だいたい私と同じように、気が付いたらこうなっていたらしい
律「もしかして、もう私達しかいねーのかな……」
男「何言ってんだ!諦めるのはまだ早いだろ!?」
律「……ごめん」
でも食料もなく、何も見えない灼熱の大地で、希望を持つことは不可能に等しかった
男「疲れたか?休もう」
律「ん、まだ大丈夫……」
男「そうか、でも無理はするなよ」
律「悪い……」
どこまでも続く白と青の世界
私はこの男がいなければ気が狂っていただろう
律「その、ありがとな」
男「なんだよ、急に」
律「お前がいなかったら……私……」
男「そんなのお互い様だろ」
律「ふふっ、そっか!」
律「そういえば名前をまだ聞いてなかったな、私は田井中律」
男「俺は……」
>>1「>>1って言うんだ」
>>1『律と俺』
澪『未来視』
澪「私、ちょっと先の未来が見えたんだ」
律「……澪がふざけるとか珍しいな」
澪「ホントなんだよぉ!」
律「じゃあ今否定されるのも見えたんじゃないのか―?」ニヤニヤ
澪「茶化すなよ、そこまでは見えなかったんだって!」
律「じゃあ何が見えたんだよ」
澪「……パンツ」
律「ぷっ……」
澪「わ、笑うなよぉ!」
律「パンツて……くくく、あー腹いてぇ!せめて世界は滅亡するとかそういうのだろ!」
澪「で、でも私は滅亡しちゃう……」
律「何?澪のパンツ関係なの?」
澪「……」コク
律「まー、本人はその気みたいだし聞いてやるよ」
澪「私が今日部室前で転んで、下の階まで落ちた挙句に、パンツが丸見えになる……」
律「そこまで分かってんなら気を付ければいいんじゃね?」
澪「……律は真剣に聞いてくれないんだな」
律「つってもさー」
澪「もういい、私先に部室行くから」
律「おい!待てよ!」
澪「きっと唯かムギか梓ならちゃんと聞いてくれる」タタッ
律「……その前に当たっちゃうんじゃないか?」
澪「きゃああああああ!」ドカドカドコン
律「……」
「きゃー!パンツ丸見え///」
「それより保健室の先生呼んできて!」
澪「……」
律「まぁ気を落とすなって」
澪「……」
律「あの高さから落ちて生きてただけでも良いと思えよ」
澪「……死にたい」
律「そんなこと言うなよ」
澪「さっき……」
律「ん?」
澪「さっき気絶してるときに、また未来が見えたんだ」
律「……」
澪「私の……」
律「……」
澪「パンツ……」
律「え?」
澪「私のパンツが爆発するの……」
律「なんだよそれ!」
律「……でもさっきも当たったし、これはまずいぞ!澪、パンツ脱げ!」
澪「い、嫌だ!恥ずかしい!」
律「恥ずかしがってる場合か!命にかかわるぞ!」
澪「律に見られるんだったら死んだほうがマシだ!」
律「この分からずや!」ヌガシッ
澪「いやあああああ……」
律「そぉい!」
どかーん!
律「よし!なんとか助かぐはぁ……!」バキィ
澪「もう殺すしかない!」ウルウル
命の代償は大きかった
純『すあま!』
憂「いただきまーす」
梓「憂のお弁当は美味しそう」
憂「そんなことないよー」
梓「それに比べて純は……何それ?」
純「すあまだよ」フモフモ
梓「……」
純「すあまの何が悪いのさ!」
梓「いや、別にすあまに罪はないんだけどさ」
憂「純ちゃん、すあまだけで大丈夫なの?」
純「ふふーん、キミらはすあまを甘く見てるね、すあまだけに!」
梓「上手くないよ」
純「すあまは美味い!」
梓「そういう意味じゃないって」
純「しかもお腹に溜まる!」
憂「おもちだしね」
純「そして安い!」
梓「褒めすぎじゃない?」
純「梓も食べてみれば分かるって」
梓「私はいいよ……」
純「梓のウインナーと交換ね」ヒョイパク
梓「あああ!純このやろー!」フモフモ
純「お味はいかが?」
梓「……美味しい」
純「んー?」
梓「惜しいって言ったの!」
憂「美味しいね、純ちゃん!」
純「憂は素直だなー」
梓「……」
純「残りのすあまは憂と二人で食べようかなー」
梓「……はい、ウインナー」
純「何のマネ?」
梓「ウインナー食べてよ!」
純「ぱくっ」
梓「お、お返しなんだから」フモフモ
憂「梓ちゃんは素直じゃないなー」
私達の関係も、すあまのようにあまあまです
唯「うーん……」カスッ
律「何柄にもなく悩んでんだ?」
唯「指パッチンが鳴らせないの……」
律「……柄にもあったな」
唯『指パッチン』
唯「うーん……」バフッ
律「本当にできないのか?」
唯「本当にできないよー」
律「どーれ、私が手本見せてやる!」
唯「うわー、りっちゃん珍しくかっこいい!」
律「珍しくは余計だ!」
律「ほい!」バツッ
律「うりゃ!」ビチッ
律「……」
唯「……」
律「あ、あれだよ!指パッチンを封じる粒子が部屋中に……」
澪「何してるんだ?」ガラッ
唯「あ、澪ちゃん!」
律「……」
澪「何?指パッチン?」
唯「うん、どうしてもしたかったんだ」
澪「こんな感じかな」パチンッ
律「ええ!?」
唯「おお!」
澪「ふふーん」
唯「どうやってやるの?教えて!」
澪「まず唯、ちょっとやってみろ」
唯「う、うん」カスッ
澪「あー、これは指擦ってるだけだな」
唯「え?擦って出すんじゃないの?」
澪「指を擦るのは勢いをつけるためだ、実際は指が手のひらに当たって音が出るんだ」
唯「へぇー」
律「……」
澪「律、お前もやってみろ」
律「な、なんだよ!?」
澪「いいから」
律「そいやさ!」バチッ
律「指いて―……」
澪「これがダメな例その2」
律「あ、澪てめー私をダメな例に使いやがったな!」
澪「綺麗な音を出すためには薬指と小指は浮かせなきゃダメなんだ」
唯「そうなんだ」
澪「この空洞で音が反響して……」
律「おお!鳴るぞ!」パチンッパチンッ
澪「うるさい!」
律「ごめんなさい……」ショボン
澪「音が反響して大きくなるんだ」
唯「じゃあ私も」パチンッ
唯「~~~!」パァァ
澪「やったな、唯」
律「やるじゃねーか!」
唯「うん、私、やったよ!」
紬「あら、みんないるのね」
唯「あ、ムギちゃん!私凄いんだよ!」
紬「え、な、何?」
良いなァ…
208:23:2010/12/19(日) 21:39:38.74:IK53LgKp0紬「ああ、指パッチン!」
唯「うん、こんな感じで」パチンッ
律「そういえばムギはできるイメージないけど」
紬「私はできるわよ」
澪「意外だな、やってみて」
紬「それがダメなの、鳴らすと執事が来ちゃうから……」
唯律澪「恐るべし琴吹家!」
唯『広がる恋愛の輪』
唯「……」
和「ここはこの公式を使って……って、聞いてる、唯?」
唯「あ……あ、うん!聞いてるよ!」
和「本当かしら」
唯「ごめんなさい、嘘です」
和「まったく、唯は集中し始めるまでが大変よね」
唯「……集中できるわけないよ」
和「?」
唯「だって……私……」
和「何?」
唯「の、和ちゃんのこと、好きなんだもん!」
和「え?な、どういうこと?」
唯「……言っちゃった」
和「……いつから?どうして?」
唯「好きになったのは中学の頃かな、頼ってるうちにだんだん好きになっちゃった」
和「……」
唯「ごめんね、迷惑……だよね?」
和「ううん、迷惑じゃないわ」
唯「じゃあ……」
和「でも、私にも好きな人がいるの……」
唯「うん、知ってたよ」
和「どうして?誰にも気づかれてないと思ってたのに……」
唯「だって和ちゃん、私が大好きって言っただけで恋の話だってすぐに解釈したでしょ」
和「あ」
唯「和ちゃんも告白しなよ、応援、するから」
和「ごめんなさい」
唯「いいんだよ、さあ、思い立ったが吉日だよ!」
和「うん、ありがとう唯!」タタッ
唯「これで…いいんだよね」ウルッ
和「澪!」
澪「なんだ和、突然家まで来て……」
和「話があるの、ちょっと上がらせてもらうわ」
澪「あ、ああ……」
澪「なんだ、話って?」
和「驚かないで聞いてほしいんだけど、私は澪が好きなの、女として!」
澪「はう!?」
和「ごめんなさい、驚かないでっていうのも無理な話よね……」
澪「あ、あの……その……何だ」
和「私、2年の時同じクラスだったでしょ、その時に話が合うって思って」
澪「……」
和「もうこの人しかいないんじゃないかって思ったの」
澪「……ごめん和、私なんかじゃなくてもっといい男は山のようにいると思うよ」
和「……」
澪「あとお付き合いは成人してから、だぞ」
和「ふふっ、古風なのね」
澪(ゴメン和、私、別に女の子同士だからダメってわけじゃなかったんだ……)
澪(私が好きなのは……)
律「おい澪、元気ないな!まるで土偶だよ!」
澪「そうか?」
律「そうそう、いつもみたいに突っ込み来ないし」
澪「そうか」
律「なぁなぁ、どうしたんだよ」
澪「律って好きな人とかいるの?」
律「ぶっ!ばかっ!何聞いてんだよ!」
澪「私は律が好き」
律「……はぁ?」
澪「嘘じゃないぞ、本当だからな!」
律「……」
律「私も澪のことは好きだ」
澪「……!」
律「でも、もっと好きな人がいるんだ」
澪「幼馴染の私より?」
律「ごめんな、これだけは譲れないんだ」
澪「……そうか」
まさかの百合の輪‼
224:24:2010/12/19(日) 22:34:08.97:IK53LgKp0律「私が好きなのは……」
紬「何のお話?」
律「うっひゃあああああ!」
紬「……!?」
律「あ、ごめんごめん、急に話しかけられたから……」
紬「そ、そう……」
澪「ムギは好きな人とかいるのか?」
紬「あら?そういうお話だったの?」
律「……」
紬「私は……梓ちゃんかな」
律「!」
澪「へぇ、そうだったんだ」
律「……っ」タタッ
澪「おい律、どこに……」
紬「行っちゃった……追いかけないと!」
澪「……待て、今はほっといてやろう」
紬「……いいの?」
澪「ああ、それより何で梓なんだ?」
紬「梓ちゃん可愛いし、後輩なのに私にギター教えてくれて……カッコよかった」
澪「そうか、私達が知らないうちに結構会ってたもんな」
澪「律」
律「なんだよ、笑いに来たか?それともこれを機会に告白しに来たか?」
澪「違うよ」
律「……ごめん」
澪「いいんだ、話したいことは全部私に話せ」
律「……ムギとは、デートした時に恋しちゃったんだ」
律「なんかさ、今まではお嬢様でちょっと近寄りにくかったところもあったのに
急に内側の、女の子なところを見せられちゃったらさ」
律「ずるいよ、ムギは……」
澪「うん……」
紬「梓ちゃん♪」
梓「あ、ムギ先輩」
紬「今日ね、実は梓ちゃんに言いたいことがあって」
梓「何ですか、別にそんな前振りなく言ってもいいんですよ?」
紬「あ、あのね!私、梓ちゃんのことが大好きなの!付き合って!」
梓「!?」
梓「わ、私は……」
紬「ダメ……?」
梓「私は……純が好きなんです」
紬「……そう」
梓「ごめんなさい」
紬「いいの、分かってたわ、あなたの純ちゃんを見る目、恋する乙女の目だったもの」
梓「にゃ!?ば、ばれてたんですか……?」
紬「うふふ、動揺する梓ちゃん可愛い♪」
梓「もう、ムギ先輩!」
梓「自然に自然に……」
純「何呟いてんのよ梓」
梓「にゃ!?な、何でもないよ!」
純「まったく、隠しごとできない体質は不便だねー」
梓「ど、どういう意味よ!」
純「ズバリ、梓は私のこと好きでしょ」
梓「!?ち、ちがっ!」
純「全く、バレバレだよ」
梓「ど、どうして……」
純「恋する乙女の感、って奴かな」
梓「……ぷっ」
純「何で笑うのよー!」
梓「純が……恋する乙女……ぷっ」
純「失礼な奴め、くすぐるぞ」
梓「……でも、そっか、純も私以外を見てたんだね」
純「うん、中学から、ね」
梓「そうだよね、敵いっこないよね」
純「でも私も知ってるんだ、憂はお姉ちゃんのことが好きなんだよね」
梓「そうだね」
純「でもさ、梓もそんな惰性で付き合うのヤでしょ」
梓「告白するの?」
純「うん、梓に勇気もらったからね」
純「憂!」
憂「なぁに、純ちゃん?」
純「好きだ!結婚してくれ!」
憂「!?」
純「……とまぁ、好きなんだ、憂のこと」
憂「そ、そうなんだ」
純「やっぱダメ?」
憂「うん、私にはお姉ちゃんがいるから……」
純「だよねー」
憂「ごめんね」
純「憂は告白とかしないの?」
憂「お、お姉ちゃんに、こ、告白……」
純「おやおや、これはいかんですなぁ」
憂「ダメだよー、告白なんて!」
純「ほら、私が付いてったげるから」
憂「……ごめんね」
純「いいんだよ、好きな人の幸せを願うのも愛だからね」
憂「純ちゃん、ありがとう」
純「いえいえ」
憂「でもそのセリフ、クサイよ♪」
純「なんですとー!」
唯「あ、憂に純ちゃん!どうして私の教室に?」
純「唯先輩に用があって」
憂「実はね……」
唯『できそこない』
みなさん、私は平沢唯になれなかったものです
つまりできそこないと言ってもいいでしょう
名前なんてありはしませんが、宜しければお好きなようにお呼びください
まぁ、ここでは平沢唯は出ませんから仮に『唯』と呼ばれさせていただきます
唯「何で私ができそこないかといいますと、まず先ほどの文面から分かりますように
私はとにかく卑屈でして、元気ハツラツな女の子になどなれはしません」
唯「まぁ尤も、できそこないだから卑屈なのかもしれませんがね」
唯「外見のほうを気にしてらっしゃる方もおられるかと思いますが……」
唯「期待しないでください、何せできそこないですから」
唯「まぁ、ヘアピンの位置が同じで、髪が長くて顔の半分が隠れている、って感じですか」
唯「私の話はいいんです」
唯「いや、私の話でしたね」
唯「いえ、話すのは何分苦手でして……」
唯「そういえばここはどこなんでしょうね」
唯「真っ暗な森のようなところですが……」
ゆい「ゆい!」
唯「おお!あなたもできそこないですか?」
ゆい「ゆい!」
唯「皆さんには分からないでしょうけど、できそこない同士の以心伝心意思疎通で私には分かります」
唯「『わたしはできそこないじゃない』」
ゆい「ゆい!」
唯「うーん、そのただの黒丸の目や顔から手が生えている造形はできそこない以外の形容ができませんがね?」
ゆい「ゆい!」
唯「そうですかそうですか、あなたのほうがパーフェクトですか」
唯「まぁ、偉い人は足が付いてないと不良品だと決めつけてしまいますからね」
ゆい「ゆい!」
唯「では仲間も増えたことですし、早速森の奥へと向かいましょうか」
ゆい「ゆい!」
唯「まぁ奥と言っても、手前かもしれませんが、元々私が向いていた方向ですので戻ってはいないでしょう」
ゆい「ゆい!」
唯「おやおや、ダメですよできそこない、それはキノコではなくてできそこないですよ」
ゆい「ゆい!」ガツガツ
唯「あらら、食べちゃいましたね」
唯「おいしかったですか?」
ゆい「ゆい!」
唯「そうですか、では私も頂きましょう」
唯「む、これは……」
ゆい「ゆい……」
唯「うーむ、私の語彙力では説明できない味ですね」
唯「私の説明で味を補完しようと思っていた方は申し訳ありません」
唯「しかし、敢えて言うなら……平沢唯の味でしたね」
ゆい「ゆい!」
唯「さて……困ったもので何もない森がずっと続いてますね」
ゆい「ゆい!」
唯「これではコメントしがたい」
唯「もしかしてこの森自体が平沢唯のできそこないなのかもしれませんね」
ゆい「ゆい!」
唯「おや、子犬がいますね」
犬「わん!」
ゆい「ゆい!」
唯「早速仲良くなったみたいですね」
犬「わんわん!」
ゆい「ゆいゆい!」
唯「でももうお別れです、私達は急ぎますから」
犬「くぅ~ん……」
唯「ゆい……」
唯「さ、行きますよ」
ゆい「ゆい」
唯「でも、さっきの子犬、本当に子犬だったのでしょうか」
ゆい「ゆい」
唯「あれもまた平沢唯のできそこないなのかもしれませんね」
唯「……出口はまだですかね」
ゆい「ゆい!」
唯「もしかして出口なんてないのかも知れませんね」
唯「おっと、制限時間が来てしまいました」
ゆい「ゆい?」
唯「私達は所詮できそこないですから、時間が経てば消えてしまうんですよ」
ゆい「ゆい!」
唯「そんなことは無いのかもしれませんが、私の場合はそうなのです」
唯「消える前に指パッチンの練習でもしておけばよかったなぁ……」
ゆい「ゆ、ゆい!」
これはある平沢唯になれなかった者のお話です
私もいつか消えてしまうのかもしれないし、そうでないかもしれません
でも私は忘れない、私の親友に卑屈なできそこないがいたことを……
唯『100人目の平沢唯』
律「じゃあなー」
澪「また、大学でな」
唯「私の引越しの手伝いに来てよー」
紬「それだけじゃなくて、これからも毎日のように集まりましょ♪」
律「ああ、そうだな」
唯「じゃあまたね、みんな!」
律澪紬「またねー」
唯「……高校卒業しちゃったなぁ」
唯「あずにゃん、泣いてたよね」
唯「ふふっ、可愛かったなぁ」
唯「ただいまー」
唯「あれ?今日はお父さんもお母さんもいるんじゃ……」
唯「家の鍵も開いてたし」
唯「不用心んだなー」
唯父「唯」
唯「うわ!お父さん、いたんだ!」
唯父「……まず、おめでとう」
唯「う、うん、ありがとう」
唯(なんか雰囲気がおかしいよぅ……)
唯父「"初めて"高校を卒業することができたね」
唯「?」
唯「初めて……?」
唯父「そう、今まで多くの平沢唯が目指して、不可能だった道のり」
唯「待って!平沢唯は私だよ!同姓同名の人が何人いるかは別として!」
唯母「あなたは100人目の平沢唯」
唯「……お母さん!」
唯父「平沢唯は最後の人間だった」
唯母「その最後の可能性を潰えさせないため、私達は仮想人格によるシミュレーションを行った」
唯父「その結果、平沢唯は多くの場合高校卒業までに死亡する事が分かった」
唯母「その状況を避けるのが私達の目的」
唯「な、何が何だか分からないよ!」
唯父「ある唯はトラックに轢かれ」
唯母「またある唯は軽音部に入ってすぐに爆死した」
唯「わ、私は生きてるよ!?」
唯父「確かに君は生きている」
唯母「しかし、それもまた仮想生命」
唯「じゃあ何?今までの私の人生は全部偽物だったってこと!?」
唯父「この過程が、平沢唯が生き続けるものであればそれは現実となる」
唯母「仮想平沢唯の完成された人生は、本人にそのままフィードバックされる」
唯「……そういう意味じゃないよ」
憂「お姉ちゃん」
唯「憂!憂は……」
憂「お姉ちゃんの今まで辿ってきた道は確かに空想の産物に過ぎない」
唯「……」
憂「でも、この世界の全ての仮想人格は、それぞれの思惑で動いている」
憂「だから、それが偽物かどうかはお姉ちゃんが決めていい」
唯父「このシミュレーションももうすぐ終わる」
唯母「このシミュレーションポイントから、また別のシミュレーションが行われる」
憂「また、その後のシミュレーションの結果、不適切な行動があった場合は今回のデータはリセットされる」
唯「でも、この世界は確かにあった!100人目の私は確かにここにいた!」
唯父「それでいいんだ、唯……」
唯母「唯は私の自慢の娘よ」
憂「そして私の大好きなお姉ちゃんなんだから……」
ジリリリリリ!
唯「ふぁ……あ!もうこんな時間!」
唯「もう朝の講義間に合わないよー……」
プルルルル
唯「はーい」
律『おい唯!もう講義はじまんぞ!』
唯「ゴメン!寝坊しちゃった!」
律『ったく、しょうがねーな……代返してやっからさっさと準備して来い!』
唯「ありがとう!すぐ準備するからー!」
『現時点で異常なし、観察を続行する』
唯「りっちゃんなんか言った?」
律『はぁ?私は何も言ってないけど?』
唯「そっか、じゃあいいや」
例え私が101人目だとしても、この世界は私にとっての本物なのだ
さわ子『エピローグ』
気がつくと世界は滅びていた
滅びていた、と言っても何も見えない訳じゃない
真っ白な砂と人気のない家屋が並ぶ空間がそこにはあった
さわ子「何なのよ、ここ……」
初めは夢か、はたまた何者かの超能力で連れてこられた異空間か、とも考えたが
その予想は意外な形で否定された
さわ子「……これ、桜ケ丘高校よね」
私の目の前に、グラウンドが真っ白な以外は普段と変わらない校舎が現れた
そんな!
まだ74個ものエピソードがあるはずなのに!
283:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 05:00:15.52:gnq2lT/C0まだ74個ものエピソードがあるはずなのに!
さわ子「……開かない!」
校舎の1階は4分の1が砂で埋まっており、ガラス戸を開けるのは困難だった
さわ子「……しゃーないな」
私は思いっきりガラス戸を蹴り飛ばした
がしゃん、と透明な破片が散らばり、白い砂に吸い込まれていった
さわ子「こんなの高校以来ね……」
思えば高校時代はかなりやんちゃしていたものだ
さわ子「誰かいませんか―!」
しーん、という擬音を考えた人物の感覚には恐れ入る、と思わせるほど学校の中は静かだった
さわ子「……いないか」
まだ誰もいないほうが、異形の怪物が現れるよりはマシである、と考えることにした
例にもれず誰もいない職員室
さわ子「……時計は止まってるけど、カレンダーは昨日の日付ね」
その他の備品も、風化こそしていたものの昨日と同じものばかりであった
さわ子「……ということは、私が意識のあった最後の日に何かがあったのね」
こういう状況では何よりも情報収集が重要になる
不覚にも、異常な状況でも冷静な自分をカッコいいと思ってしまった
他の教室を回るも、何も変化はない
ただ、人がいないだけである
そして最後の部屋、第2音楽室の扉を開いた
さわ子「……!?」
そこには、1匹の生き物の死骸が転がっていた
さわ子「……何よこれ」
それは近くで確認するまでもなく、スッポンモドキであること、この軽音部で飼われていたことは分かった
間違いない、トンちゃんだ
さわ子「無残に殺されてる……」
一応部屋を注意深く見てみる
もしかすると怪物が潜んでいるのかもしれない
部屋に大きな変化もなく、怪物も潜んではいないようだった
強いて変化を挙げるとすれば、見知らぬ机が増えていたことぐらいだろうか
さわ子「学校にはもう何もなさそうね」
あまりにも人気が無いので、独り言が絶えない
まずは人を探してみようか
学校があるのなら、他の建物もあるはずだ
滅びていない世界の記憶を頼りに歩くと、平沢家が見えた
さわ子「ビンゴ!」
もしかすると人がいるかもしれない、そんな期待を胸に私は走りだした
さわ子「おじゃましまーす……」
ドア付近の砂を避け、ドアを開けてみると鍵はかかっていなかった
家の電気は付いていなく、人気も無かった
さわ子「……はずれ、か」
電気が付いていないのは人がいないからではなかったようだ
冷蔵庫は動作しておらず、ドロドロに溶けたガルガリ君が入っていた
さわ子「そういえば、結構ものが風化してるけど……未来なのかしら?」
机の上には見たことのないCDケースがあり、「……太の……したい……んない」の文字だけ判別できた
肝心のCDは無いみたいだけど
昨日の新聞を見つけた
「4年前のカスタネット凶悪連続殺人犯、とうとう死刑」
知らない記事だ
もしかしたらこの世界はパラレルワールドなのかもしれない
いや、そうであってほしい
唯ちゃんの部屋にも誰もいなかった
さわ子「あの子……パソコンなんて持ってたんだ」
唯ちゃんの机にはデスクトップパソコンが置いてあり、その横にはメモ書きがあった
「けいおんSSを書こう!唯「むっふっふ、今日はけいおん!のSSを書いてしまおうと思うのです」」
さわ子「意味が分からないわね……」
私はとりあえず平沢家を後にした
私は小腹がすいてきたので、近場のスーパーに寄った
スーパーといっても、廃墟なのだが……
さわ子「生ものは全滅か……」
さわ子「残ってるのは……たくあん、海苔、ドライフルーツ、すあま」
さわ子「意外と生きていけそうね」
こんなときに缶詰めでもあれば心強いのだが
次は澪ちゃんの家に向かおう、と決めた瞬間、どこからか私の出していない音が聞こえた
罠には気をつけなければいけない、と昨日テレビで聞いた気がする
トンちゃんの例もあるので、注意深くあたりを見回した
猫「にゃーん」
さわ子「……猫?」
私の足元に、黒猫が1匹寄り添っていた
さわ子「初めて生き物に遭った……」
猫「にゃう?」
さわ子「あんた、名前何て言うの?」
猫「にゃんにゃ!」
さわ子「猫に言っても分からないか」
さわ子「付いてくるか?」
猫「にゃん!」
私がまるで桃太郎か、はたまたハーメルンの笛吹きにでもなったかのように猫は私に付いてきた
そのまま、私達は澪ちゃんの家に到着した
人がいることにはもはや期待していなかった
人がいなくても猫がいてくれる
秋山家でも人を呼んでも、返事は無かった
しかし、澪ちゃんの部屋には、澪ちゃんがいた
さわ子「澪ちゃん!」
返事は無い、が屍ではないようだ
脈はある、息もしている
どうやら意識不明なだけのようだ
さわ子「でもどうしてパンツ丸出しで……ぷっ」
その滑稽さに、ついつい笑いが込み上げてきた
猫に人、私もだいぶ余裕が出てきたみたいだ
次はりっちゃんの家
私はスカートを履かせた澪ちゃんを背負い、猫を従えてりっちゃんの家を訪問した
りっちゃんの家は廃墟だった
廃墟と言っても今までのとはレベルが違う
まるで、隕石でも落ちたかのようにボロボロだった
そんな中、りっちゃんは幸いにも生きていた
澪ちゃんと同じく意識はないようだが
りっちゃんの周りだけ意図を感じるぐらい正確に隕石が落ちていなかった
さわ子「りっちゃん!起きて!」
猫「にゃー!」
さわ子「うーん、起きないなぁ……」
さわ子「あなたはこの音を聞いたら深い眠りから覚めます!」パチンッ
さわ子「……なんてね」
律「……!」ガバッ
さわ子「うわーびっくりしたー!」
律「……おはようさわちゃん」
さわ子「お、おはよう」
律「……これは、どういう状況なんだ?」
さわ子「気が付いたら辺り一面廃墟だったのよ」
律「……そういえば夢でも同じような状況だったような」
律「夢ではさわちゃんじゃなくて変な男だったんだけど」
律「その人は、世界は終わった、って言ってた」
さわ子「じゃあこの世界も終わった世界なのかもね」
律「……かもな」
猫「にゃー!」
さわ子「私達、いつまで生きてるかしらね」
律「さあな、世界が終わっても生きてんだ、結構持つんじゃねーの?」
さわ子「だといいわね♪」
たとえ世界が終わっているのだとしても、私達は生き続けるのだ
命あるかぎり
おわり
見てくださった方、保守してくださった方、ありがとうございます
あと100話なくてすみません、そんなにこさえられませんでした
もともと「100人目の平沢唯」は単体で書こうとして、広がらなかったからリサイクルしたっていうだけですので
100という数字には意味は無いんです
他もおおよそスレ建てるほど広げられなかったものの蔵出しです
319:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 10:52:44.10:Y8H8OUlX0あと100話なくてすみません、そんなにこさえられませんでした
もともと「100人目の平沢唯」は単体で書こうとして、広がらなかったからリサイクルしたっていうだけですので
100という数字には意味は無いんです
他もおおよそスレ建てるほど広げられなかったものの蔵出しです
お疲れ様、ゆっくり休んでくれ
321:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 11:47:07.19:DpBJv1DB0いろいろ面白かったよ
おつ!!
323:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 15:05:49.06:8wRh8R+zPおつ!!
実験的?なスレだったんだよ。
お疲れ様
お疲れ様
コメント 2
コメント一覧 (2)