- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:48:10.91:GDLvKrqJO
ある日のこと
○○トーーク!
『○○○!!』
『○○○○○!!?』
唯「あははは」ポリポリ
唯はお菓子を食べながらテレビを見ていた。
唯「みやさこちゃん面白いな~」ポリポリ
『そう言う時めっちゃ気まずいよな!』
『そうそう!』
唯「今日は気まずい芸人かぁ。わたし達には無縁の話だけどね! 軽音部はみんな仲良しだもんっ!」フンスッ!
が、ここでテレビの中の人はそんな唯の言葉を見透かした様なことを言い出す。

【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」

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韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:54:28.63:GDLvKrqJO
『みんなでいると仲良いのに二人になると急によそよそしくなったりしません?』
『あるあるwww』
『お、おぅ、昨日テレビ見た?』
『あ、み、見てないわ。みたいなwwwwww』
『wwwwww』
唯「むむっ!」
『みんな仲良し言ってるけど友達の友達と二人きりは気まずいよなwwwwww』
『みんなでいる時は仲良いけど単体だと気まずいのに自分達仲良いとか思ってるやつ結構いますよwww』
『おるおるwwwwww』
唯「そんなことないもんっ!」
『仲良し五人組言うても端と端はただの知り合いレベル的なwww』
唯「むうっ!!」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:02:04.28:GDLvKrqJO
唯「わたし達は違うよ! りっちゃんとも澪ちゃんともムギちゃんともあずにゃんとも仲良しだもんね!」
『そんで中心のやつは自分が全員と仲ええから余計そう錯覚して気まずさ増やすんよなwww』
『俺こいつと全然絡みないのに二人で買い物行かされるとかちょっと待てよwww』
『wwwwww』
唯「!? みんなはどうなんだろう……?」
『気まずwwwwww』
『wwwwww』
唯「あの楽しい部室の中にも実は気まずい空気も流れてるのかな…?」
唯「これは確かめる必要があるよ!」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:04:58.15:+vEDMXWm0
翌日!部室!
唯「気まずさ選手権をやります!」フンスッ!!!
澪「へ?」
紬「あら?」
梓「え?」
律「唯、昨日テレビ見たろ」
唯「ふふ、さすがりっちゃん話が早いね! 実は……この中に気まずい空気が流れてるのかもしれないのです!」
律「な、なんだってー!?」
澪「……」
澪「よーし練習するぞー」
梓「ですね」
律「お、おい! 唯の話を聞いてやれよ!」
澪「お前は練習したくないだけだろ」
律「バレちゃった☆」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:13:53.44:GDLvKrqJO
律「でも面白そうじゃないか? 五人の時は普通だけど二人っきりになったら気まずくなる組み合わせとかありそうじゃん」
澪「ないない」
梓「そうですよ。気まずいなんて……」
唯「!! あずにゃん今ちょっと気まずそうな顔した!」
梓「し、してませんよ!」
澪「いいから練習するぞ」
律「あら~ん? 澪ちゃんは自信ないのかしらぁん? 誰かと気まずくなっちゃうからやだよぅって?」
澪「っ! だ、誰がっ!」
唯「澪ちゃん、わたしはね……ここにいるみんなは一人一人が仲良しだと思ってるの。もし気まずい空気があったとしたらそれを取り除きたい! その為の気まずさ選手権なのです!」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:18:48.03:GDLvKrqJO
澪「でも……」
律「じゃあ多数決な! やりたい人! はいっ!」シュビッ!
唯「はいっ!」シュビッ!
紬「はーい」シュビッ!
澪「ムギいいいっ」
紬「だって面白そうだもの~」
梓「多数決で律先輩達に勝ったことないような……」
律「細かいこと気にすんなって! で、どうやって決めるんだ? 唯」
澪「選手権ってことは一番気まずい人?を決めるってことか?」
唯「そう来ると思って書いてきました!」
唯澪律紬梓
唯\
澪 \
律 \
紬 \
梓 \
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:22:34.36:t3laEy5M0
梓「どうでもいいですけど線書くの下手くそですね唯先輩」
唯「気にしてることをストレートに突くねあずにゃん!」
律「で、これに○~とか×~って書いてくのか?」
唯「甘いよりっちゃん! それじゃ総合評価が曖昧になっちゃう!」
澪「じゃあどうするんだ?」
唯「ちょっと待ってちょうだいね~」ゴソゴソ
バッグを必死に漁る唯。
紬「唯ちゃん?」
唯「これです!」
梓「なんですかそれ?」
唯が取り出したのは三つプレート。
唯「これにマジックで点数を書くんだよ! 1~5点ね!」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:26:09.37:t3laEy5M0
唯「二人は中(部室)で5分間一緒にいてもらいます! 後の三人は外からその様子を見て二人の気まずさを点数で現してもらうんだよっ!」
律「ほうほう」
澪「高い程気まずいってことか?」
唯「そういうことだね!」
紬「なんだかドキドキね」
梓「MAX15点、最低3点。最終的に得点が高い人がこの中で一番気まずい空気を発生させてる張本人ってことになるわけですよね……」
唯「そう!」フンスッ!!!
律「(これって…)
澪「(思ったより……)」
梓「(過酷なゲームな気がする…)」
紬「楽しみ~」ニコニコ
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:40:54.61:GDLvKrqJO
こうして始まった気まずさ選手権。
これが思いもよらぬ結果になることを……今はまだ誰も知らない。
唯「じゃあまず澪ちゃんとわたしね!」
澪「いきなりっ!?」
唯「この表通りにした方がわかりやすいかな~って」
律「じゃあわたし達は外で二人の様子を観察するか!」
梓「(唯先輩と澪先輩か……。仲良さそうだけど二人きりのところはあんまり見たことないような…)」
紬「二人とも頑張って~」
澪「うぅっ。(改めてこうなるとなんだか緊張する…)」
唯「じゃあ澪ちゃん、よろしくねっ」ニコッ
澪「う、うん」
気まずさ選手権一回戦!
唯澪
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:46:57.95:GDLvKrqJO
スタート!
唯「今日は暖かいね~澪ちゃん」
澪「そ、そうだな」
澪「(ふ、普通にしないと。唯とは仲の良い友達だし一年の頃からずっと軽音部で一緒だった。気まずくなる理由がないじゃないか!)」
澪「(普通にしてればいいんだ! 普通に……)」
澪「ゆ、ゆいっ!」
唯「は、はひ!?」
律『おおっと急に声が上ずった!』
梓『逆に意識し過ぎましたね』
紬『澪ちゃん頑張って!』
澪「(なにやってんだよ私! これで得点が高かったら私のせいで唯も……)」
唯「澪ちゃん、わたしの手触ってみて」
澪「……?」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:52:01.90:GDLvKrqJO
おずおずと手を伸ばし、唯の手に触れる澪。
澪「こ、これは!」
律『!?』
梓「!!?」
紬『(こんなことが何回もあるなんて……耐えられるかしら私)』
澪「かたい! かたいぞ唯!」
唯「えへへ~」
澪「一年の頃は全然だったのに。こうやって直に触ってみると成長を感じるな」
唯「澪ちゃんのは?」
澪「私のはもっとかたくなったぞ!」フフンッ
唯「どれどれ…」プニプニ
澪「///」
唯「わぁ~ほんとだ! やっぱり澪ちゃんにはかなわないやぁ」プニプニ
澪「ゆ、唯?」
唯「プニプニ~」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:03:01.97:GDLvKrqJO
律「は~い5分経ったぞ~」
梓「お疲れ様でした」
紬「凄く良かったわ~」
唯「もう終わりか~残念!」
澪「(残念……なんだ。良かった)」
唯「それでは得点をお願いします! 公平にね!」
律「うむ」
律 4
梓 3
紬 1
合計8
唯「ええっ!?」
澪「り、律! 4点って!」
律「客観的に見させてもらった結果だ!」
唯「あずにゃんも手厳しいよぅ」
梓「律先輩と同じ意見です。後の方は良かったですけど序盤はかなり見てて気まずかったので3点で」
紬「最高だったので一点~」
澪「うぅ……。ごめんな唯」
唯「気にしなくていいよ澪ちゃん!」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:10:10.04:GDLvKrqJO
唯澪律紬梓
唯\8
澪8\
律 \
紬 \
梓 \
唯「次! りっちゃんとわたし!」
律「ん~連続になっちゃうけどいいのか?」
唯「スタミナ十分であります!」
律「わたしの特訓は厳しいぞ~?」
唯「明日へ走れ!」
律「青春の汗ーッ!」
ツッタターッ
梓「あの二人は問題なさそうですね」
紬「りっちゃんと唯ちゃんはいつも仲良しだもんね」
澪「私と唯だって……」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:17:11.57:GDLvKrqJO
気まずさ選手権! 二回戦
唯律
唯「りっちゃんカチューシャ貸して!」
律「おぉういいぞ~」
唯「どうかな?」スチャ
律「バカ野郎! それじゃつけただけだろ! デコを出せデコを!」
唯「え~……恥ずかしいよ」
律「恥ずかしくないっ! さあっ! お前のデコを見せて見ろーッ!」
唯「あ~れ~」
梓『問題なさそうですね』
紬『私もりっちゃんのカチューシャつけたい!』
澪『梓、安心するのはまだ早いぞ』
梓『えっ?』
澪『あそこには魔物が住んでいる……』
そう、気まずさと云う魔物が!
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:27:00.12:GDLvKrqJO
唯「どう……かな?」
律「あ、うん……。似合って(プフ)るよ」
唯「あっ! りっちゃん今笑った!」
律「笑ってないない。とっても似合ってるぞ唯!」
唯「むー」プイッ
律「ゆ、唯?」
澪『ほら気まずくなった!』
梓『なんで嬉しそうなんですか』
紬『喧嘩はダメよ二人とも!』
律「わたしが悪かったよ唯。機嫌治せよ~」
唯「……」
律「ゆーい。ほら、貞子!」デーン
唯「……ぷ、ぷふふ」
律「獅子舞!」ドゥルーン
唯「あはははっ、りっちゃん前髪長すぎ~」
律「そかぁ?」
紬『やっぱり仲良しね』
梓『まあ否定はしませんけど…』
澪『魔物が……魔物が……』
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:34:50.44:GDLvKrqJO
律「でさ~美容院で前髪切らないでっ! 言ったら……」
唯「あははは! 床屋さんも困っただろうね」
律「と、床屋ぁ!?」
唯「?」
律「唯まさか髪床屋で……」
梓「5分経ちましたよ」
紬「またまた良かったわ~」
澪「魔物は現れなかったみたいだな」
唯「魔物?」
律「ってか髪の話がまだ終わって(ry」
梓「それはまた今度お願いします」
唯「あずにゃん先輩厳しいッス! じゃあ得点お願いします!」
澪 ①
梓 ①
紬 ①
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:39:12.44:BRzaYWUX0
唯「おぉっ! 満点!」
律「あれ? カチューシャのとこでちょっと気まずく見えたとか思ってたけど」
梓「私も最初はそこで加点するか迷いましたけど、あれで加点するのはちょっと違うかなって。気まずい感じはしませんでしたし」
澪「私も。おでこを出した唯を律が笑って……唯が拗ねたのを律が慰めて、それっていつも通りだしな。そして笑いあって話してるのを見たら……な」
紬「文句なく①点!」
律「まあ普段通りだからな。当然と言えば当然だよな!」
澪「くっ……」
唯「じゃあ次ムギちゃんとわたしね!」
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:48:28.06:GDLvKrqJO
唯澪律紬梓
唯\⑧③
澪⑧\
律③ \
紬 \
梓 \
三回戦!
唯紬
紬「せっかくだしお菓子食べながら話しましょっか!」
唯「うんうん!」
紬「今日はクッキーとアップルティーなの」
唯「いい匂いだね~」
紬「はいどうぞ」
唯「ありがとう~」
二人並んで椅子に座りお菓子とお茶をいただく二人。
唯「クッキー美味しいね!」サクサク
紬「ありがとう。今日は手作りなの」
唯「ほんとに!? お店で売ってるみたいに美味しいよ!」
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:53:15.60:+6iaY/0R0
唯「こんな美味しいお菓子どうやって作れるの?」
紬「家にいるパティシエの人に教えてもらったり本を見たりして、かな」
唯「わたしも憂に教えてもらおうかなぁ。そうだ! 今度わたしの家で一緒にお菓子作ろうよ! それで~教えてくれたり? 食べさせてくれたり!」
紬「ええ。何作ろっか?」
唯「えっとね~……ケーキ! 難しいかなあ?」
紬「ケーキは見た目より簡単なのよ唯ちゃん」
唯「なんと! そうなの?」
律『ああ、部室だな』
梓『いつもの部室ですね』
澪『仲良し羨ましい……』
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 23:00:59.11:GDLvKrqJO
唯「お菓子作れるようになったらわたしも部室に持ってくるよ!」
紬「楽しみ~」
律「5分経ったぞ~」
唯「もう? じゃあまた今度メールするね!」
紬「うん!」
澪「なんだか唯が遠くなって行く……」
唯「澪ちゃんも一緒にお菓子作ろうよ!」
澪「う、うん!」
律「仲間外れは良くないぞーッ!」
唯「じゃあみんなで作ろっか!」
梓「(私達まで巻き込むこの空気……! 唯紬ペア恐るべし!)」
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 23:05:49.19:GDLvKrqJO
律「得点……は出すまでもないか」
澪「だな」
梓「はい」
紬「?」
唯「んぅ?」
唯澪律紬梓
唯\⑧③③
澪⑧\
律③ \
紬③ \
梓 \
唯「じゃあ次! あずにゃ~ん!」ダキッ
梓「ひいっ」
唯「あっちでゆっくり語ろうか! トンちゃんについて!」
梓「なんでトンちゃんについてなんですかぁっ!」
連れ去られる梓を見て三人は開始される前に得点を出していたと云う。
律 ①
澪 ①
紬 ①
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 23:07:52.77:JPS1B/bA0
5分間、唯は梓に抱きつきっぱなしだったと云う……。
梓「気まずさを感じる暇もありませんでしたよ…」
律「なんと言うか……お疲れ」
唯「でもあずにゃんも嫌がらなかったくせにぃ」
梓「あ、あそこで嫌がったら気まずくなるかなって……。だからですっ!」
唯「あずにゃんのいけずぅ」
紬「でも梓ちゃんに抱きついて気まずくならないのって唯ちゃんだけじゃない?」
律「た、確かに!」
澪「それは気まずいって言うより違和感じゃ…」
唯「ってわけであずにゃんぎゅ(ry」
梓「もう今日はおしまいです!」
唯「あーん」
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 23:20:17.16:GDLvKrqJO
唯「わたしは終わったかな!」
律「だなー、得点はっと」
唯澪律紬梓
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\
律③ \
紬③ \
梓③ \
梓「最高12点中で17点はかなり高得点ですね」
紬「唯ちゃん凄いわ!」
唯「えへへ~」
律「まあ唯は気まずいってのとは無縁だからな」
澪「そうそう」
梓「何も考えてなさそうですもんね」
唯「えぇっ」ガガーン
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 23:27:22.75:GDLvKrqJO
律「(唯がこうなることは大体想像してたけどな。気まずくなる要素がない、となると問題は……)」
澪「(一番にはなりたくない……)」
紬「(まだまだ触れ合えるのね~楽しみ~)」
梓「(仕掛けた本人が一抜けとはやってくれます! 一年遅い私が不利……。だけど!)」
唯「次は澪ちゃんとりっちゃんね!」
紬「幼なじみペア来たわ!」ムギュン!
梓「(見せてもらいましょうか、幼なじみの実力とやらを!)」
律「な~んだ澪か」
澪「なんだとはなんだ!」
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 23:32:37.74:+6iaY/0R0
気まずさ選手権!
五回戦!
澪律
律「なあ、澪」
澪「ん?」
律「なんで弦張りなんかしてんだ?」
澪「暇だから」
律「なんだよぉ! もっと構ってくれよぉ!」ユサユサ
澪「わぁ、わかったっ! わかったから揺らすな」
律「な、澪」
澪「ん?」
律「わたし達が音楽始めてなかったらさ、軽音部もなくて……唯達にも出会えなかったのかな」
澪「そうかもな」
律「ってことはあの時一緒にDVD見なかったら今こうしてなかったってことだよな」
澪「まあ…そうなるかな」
律「不思議だよな」
澪「……ああ」
135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 23:38:29.06:GDLvKrqJO
律「そんな些細なことをしただけでその先にこんな楽しいことが待ってるなんてさ」
澪「うん」
律「わたし達、間違ってないよな?」
澪「律?」
律「この先もこんな楽しくなるような選択をし続けられるのかなって思うと……ちょっと不安でさ。何か他にも大切なものを溢して来たんじゃないかって…たまに考えたり」
澪「らしくないぞ」
律「やっぱり? でもやっぱり今が楽しい程気になってさ」
律「澪は考えたりしないのか? そういうこと」
澪「……ちょっとはする、かな」
139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 23:47:37.00:GDLvKrqJO
律「やっぱり?」
澪「うん、でも……な」
律「ん?」
顔を少し隠しながら、小さな声で呟く。
澪「律と一緒なら……きっとどこだって楽しくなる……と思う」
律「…澪」
澪「小学校の頃あのまま声をかけてくれなかったら…多分私だけここにいない…。律の隣にはきっと他の仲の良い友達がいて…。唯達もいて…。律はどこでも誰とでも仲良くなれるから」
律「みーお」
澪「……」
律「わたしは澪と一緒で良かったよ」
澪「律……」
145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 23:58:11.84:GDLvKrqJO
律「何をするのだって澪が一緒にいることを前提に考えてるわたしがいつもいる。だからかな、さっきの話の中でも澪が一緒にいたんだ。隣にいた。それで一緒に選択して行くんだ」
澪「私も、いっつも律は~とか考えたりしてる」
律「ふふ、でもこれからは五人で選択していこう。唯やムギや梓も入れてもっともっと楽しい未来を選んで行こうぜ」
澪「うん、そうだな」
律「きっともっともっと楽しくなる。だから……」
澪「だから……?」
律「……ずっと一緒に(ry」
唯「ええ話や~」メソメソ
梓「」コクコク
紬「」ズピー
149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 00:04:08.53:Pl0P1Gk0O
唯「5分経ったよぉ」
律「あ、そ、そっか」
澪「さっき何言おうとしたんだ? 律」
律「何でもない何でもない! 忘れてくれ!」
澪「気になるだろ? 言ってくれよ」
律「何でもないやい! お腹のお肉ぎゅー」
澪「ちょ、なにするんだよ!」
律「あらんちょっとお太りになりまして?」
澪「///」カァァ
律「お菓子の食べ過ぎじゃ(ry」
イラッ
澪「ふんっ!」ゴチンッ!!!
律「あたっ!」
唯「おぉっ! いつもの二人だ!」
155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 00:10:52.28:Pl0P1Gk0O
梓「(いつもはふざけあってるけど二人きりになることで今まで二人が歩んできた私達が知らない二人だけのエピソードを話すことが出来るわけですね……。
幼なじみっていいな……)」
紬「二人と゛も゛お゛しあ゛わぜにぃ」
律「おい」
澪「とりあえず鼻を拭こうな、ムギ」
唯「得点発表だよ!」
梓「1点さえつけるのが惜しいくらいです」
紬「気持ちは0点!」
唯 ①
梓 ①
紬 ①
157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 00:11:58.07:wp8s8JW80
唯澪律紬梓
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\③
律③③\
紬③ \
梓③ \
唯「次は澪ちゃんとムギちゃんだね!」
澪「よろしくな、ムギ」
紬「よろしくね、澪ちゃん」
律「(これは…)」
梓「(既にこっちが気まずいです)」
気まずさ選手権!
六回戦!
澪紬
紬「澪ちゃんお茶どうぞ」
澪「ありがとう、ムギ」
171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 00:25:50.55:Pl0P1Gk0O
澪「この時期は寒いから暖かいミルクティは助かるよ」
紬「うふふ」
二人はミルクティを口に含み、
澪「ふぅ~」
紬「はぁ~」
大きく一息つく。
そしてどちらからでもなく、
「何キロ痩せた?」
そう呟く。
紬「私は(ゴニョゴニョ)kg……」
澪「ほんとに!? いいな~」
紬「ううん……。太ったの……」
澪「そ、そうなんだ……。でも私だって……(ゴニョゴニョ)kg太った……」
紬「澪ちゃんも…?」
澪「今月はあんまりお菓子も食べなかった筈なんだけど…。ムギは?」
紬「」ドキッ
180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 00:32:12.73:Pl0P1Gk0O
律『なんかひそひそ話してるな』
唯『聞こえないよ~』
梓『何の話してるんでしょうね? 気まずそうには見えませんけど』
紬「お菓子を作った時に味見で……パクパクっと」
澪「ああ……。なんかごめんな、私達の為に」
紬「ううん。食べた分はまた他で燃焼させたらいいもの!」
澪「だな! 今度また一緒にサウナ行こうよ」
紬「また触りっこしましょうね澪ちゃん」
澪「それは///ちょっと///」
律『何か澪が気まずそうにしてるぞ!』
梓『加点ですね!』
唯『サウ?とかなんとか。んん~聞こえないよぉ』
186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 00:36:41.22:Pl0P1Gk0O
紬「これもカロリー控え目なの! 砂糖を少なめにしても甘めのミルクティを……」
澪「ほんとに!? こんな甘いのにカロリー控え目だなんて二挙両得だな!」
律「5分来たぞ~」
梓「(助けに来ましたよ! 二人とも!)」
唯「何話してたの~?」
律「そうだぞ~。全然聞こえなかったぞ!」
澪「それは……」
紬「内緒で……」
梓「(よっぽど気まずかったんですね……。可哀想だから甘めに採点してあげよう)」
189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 00:44:06.66:Pl0P1Gk0O
唯「得点だよ!」
唯 ②
律 ③
梓 ④
梓「(あれっ!? 私が一番高い?!)」
唯「あずにゃんは辛口だね~」
律「お~怖い怖い」
澪「(やっぱりボソボソ聞かれないように話してたからか……。でもちょうどいい機会だったし仕方ない、か)」
紬「残念」ションボリ
梓「あ、あの……(みんな5点つけるものだとばかりッ!)」
梓「す、すみません。やっぱりちょっと気まずそうに見えたので……」
澪「仕方ないさ」
紬「仕方ないわね」
梓「(あれ? 案外あっさり…)」
191:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 00:47:08.36:3ffUuu4e0
唯澪律紬梓
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\③⑨
律③③\
紬③⑨ \
梓③ \
律「澪ぶっちぎりじゃん」
澪「つ、次で挽回すればまだわからないぞ!」
律「澪ちゅわんで決まりだと思うけどな~?」
澪「~ッ!」
梓「次は私と澪先輩ですね」
澪「ああ、律何か放っておいてあっちで話そう」
律「怒るなよ~み~お~」
澪「ふんっ」
梓「(こうして見るとさっきのが嘘みたい。でもこの二人に私が届くことは…もうないんだよね)」
198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 00:56:55.41:Pl0P1Gk0O
気まずさ選手権!
七回戦!
澪梓
梓「(これ以上澪先輩が加点されちゃったら澪先輩が気まずさ選手権優勝になっちゃう…。あれ? もしかしてこれってチャンスなんじゃ…。ってバカバカ! そんなわざと気まずくするような真似するなんて澪先輩に失礼でしょ私!
そもそもそんな考えが浮かぶ自体私って最低だ)」ノラリ~クラリ~
澪「なにやってんだ? 梓」
梓「い、いえっ! なんでも。せっかくですし練習でもしますか?」
澪「そうだな。私達が練習してるところを見せてあっちのメンバーにも見習ってもらわないと」
200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 01:01:02.22:/xPGgnmf0
梓「(さっきので加点されちゃったかな?? だったらどうしよう……。こっからちゃんとしなきゃ!)」
澪「梓、唯のギター持ってどうするんだ?」
梓「えっ? あれっ?(しまったっー!!!)」
唯『あずにゃんそこまでわたしのことを思って……!』
律『いや違うだろ』
梓「(ごまかすんだ梓! 奴らに加点の理由を与えるな!)レスポールもいいな~って。私にはちょっと重たいですけど…。私の体がもうちょっと大きかったら……レスポールを握ってたかもしれません」シンミリ
澪「梓……」
梓「(セーフ! セーフ! ナイスフォロー私!)」
203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 01:03:38.82:74447Gr/O
唯『あずにゃん……』
律『そんな理由が……』
澪「ムスタングもいいギターじゃないか。気に入ってるんだろ?」
梓「それはもう。弾きやすいですし見た目も可愛いし。大切にしてるつもりです。唯先輩とはベクトルが違いますけど」
澪「ならいいじゃないか。私も右利きだったら…とか思ったことあるけど今じゃレフティで良かったと思ってる。おかげでエリザベスにも出会えたしさ」
梓「そう……ですね」
澪「じゃあふわふわからいこっか」
梓「はい」
梓「(ああ、そっか。気まずさって…考えれば考えるほど生まれるんだ。なんとなくわかった気がする…)」
210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 01:16:17.13:Pl0P1Gk0O
~♪
澪「~っと、こんなもんかな」
梓「良かったと思います。ただ二人だとちょっと寂しいですね」
澪「ドラムがいないとやっぱり迫力にはかけるよな」
梓「はい…」
澪「そろそろ五分経つかな。これでみんな練習する気になってくれたらいいけど…」
梓「…澪先輩!」
澪「ん? なに?」
梓「あの、その……すみません!」
澪「なにが?」
梓「私のせいで優勝しちゃったら……」
澪「なんだそんなことか」
212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 01:25:17.15:Pl0P1Gk0O
梓「でも……」
澪「そんなこと気にしないよ。梓はちょっと気にしすぎなんじゃないか?」
梓「気にしすぎ…?」
澪「うん。もうちょっと自然に身を任せるって言うかさ」
梓「自然に、ですか」
澪「このことだって私が自分のせいで優勝しそうだからって本気で謝ったり。そうやって謝られた方が気まずくなることもあると思うんだ」
梓「あっ…」
澪「でもそういう梓の真面目なところ、私は好きだよ。遊びとちゃんとするとこの境界線を保ててるのは梓のおかげでもあるしさ」
梓「そんなこと……ないです」
216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 01:32:53.23:Pl0P1Gk0O
澪「ううん。梓が入って来てくれたおかげでみんな先輩って言う意識をしっかり持てたと思う。後輩がしっかり練習してるのに自分達がサボるわけにはいかないってなる、実際なってると思うんだ」
梓「……(私は……さっきまでこれで優勝しちゃったらどうしようなんて考えてたのに……)」
澪「だから梓が入って来てくれてほんとに嬉しいよ」
梓「(澪先輩はそんなことより私のことを気遣ってくれて……ほんとダメな子)」
澪「私達が卒業したら大変だと思うけど……頑張ってな。遊びに来るからさ」
梓「はい、ありがとうございます。澪先輩。私も澪先輩達に出会えて良かったです。(だから今はこの人の為に精一杯笑おう。
それが今の私に出来る唯一のことだから。
精一杯笑おう、気まずさなんて吹き飛ばすくらいに)」
217:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 01:33:10.07:YzQ4bLHzO
律「5分経ったぞ」
澪「ああ。有意義な練習と話が出来たよ。唯に感謝しないとな。二人きりっていつもと違ってその人に対する思いとか、そういうことを話しやすい気がする」
律「まあ、な」
唯「そうなの?」
紬「?」
梓「得点を(神様、どうかいるのならやっぱり澪先輩を優勝にしないでッ!)」
唯①
律①
紬①
梓「えっ?」
唯「練習してる澪ちゃんとあずにゃん凄い楽しそうだったよ!」
律「先輩と後輩って感じがしたな。梓の考えすぎなところを澪も上手くフォローしてたし」
紬「二人とも可愛かったから1点!」
梓「(なんだ……見透かされてたんだ)」
223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 01:44:51.28:VQpVm5Ug0
梓「(そうだ、いつも通りの私でいいんだ。それで気まずくなるなら仕方ない。そうなってから考えよう)」
梓「ちゃんとこれが終わったら練習ですからね!」
唯「やっぱりぃ~?」
律「ぶーぶー」
澪「全くちょっとは後輩を見習ってだなぁ…」
梓「(それに気まずくなるのも、それはそれで悪くない気がする)」
だって、それは相手のことを考えられる瞬間だから。
唯澪律紬梓
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\③⑨③ ⑳
律③③\
紬③⑨ \
梓③③ \
230:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 01:52:25.51:Pl0P1Gk0O
唯「さあいよいよ終盤に差し掛かりました! 次いってみよ~!」
律「次はわたしとムギか」
紬「よろしくね~りっちゃん」
気まずさ選手権!
八回戦!
律紬
律「ムギ、お茶~」
紬「は~い」
律「ふぅ、落ち着くなぁ」
紬「そうね~」
律「……」
紬「……」
律「(あれ? 話すことが見当たらない)」
律「(テレビの話……は見てなさそうだしゲームの話……も知らないだろうし)」
律「(こないだ行ったゲームセンターや駄菓子屋の話でも…いや、それは何か他に話すことがないから出したみたいな感じがしないか私? うーむ…)」
紬「(りっちゃんの髪綺麗~)」
236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 02:07:14.79:Pl0P1Gk0O
梓『唸ってますね、律先輩』
澪『ムギと律は仲は良いけど趣味というかやってることの共通点は音楽ぐらいしかないんだよな。ムギってゲームとか漫画とかほとんど知らないだろうし』
唯『ムギちゃん漫画読まないんだ! 勿体無い!』
梓『私もそんな読みませんよ。音楽の雑誌はよく読みますけど。後は憂の家に行ったときぐらいです』
唯『憂も結構持ってるよね! トキメキ猫ちゃんとかペットモペットとか面白いよね!』
梓『あ、それは読んでないです』
唯『読みなよ~面白いよ~?』
242:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 02:15:14.52:Pl0P1Gk0O
律「(せっかくだし聞いたことない話でも聞いとこう)そういやムギは中学時代どんなだったんだ?」
紬「中学生の頃? 中学生の頃はフィンランドに住んでたの。お父様の仕事の関係で」
律「フィ、フィンランド……さいですか(ヤバい地雷踏んだ)」
紬「お母様の出身地でもあるの!(りっちゃんが私のこと知りたがってる!)」
律「へ、へぇ~(フィンランドってどこにあったっけ……)」
紬「それでね、住んでたところはヘルシンキ何だけど綺麗なところで毎日お母様とお散歩したり……」
律「(ヘルシンキって言うお菓子あったような……いやないか)」
245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 02:21:45.06:Pl0P1Gk0O
紬「フィンランドはムーミンが生まれた場所でもあるの」
律「おおっ!」←知ってる人物が出てきて喜んでる人の図
紬「サンタクロースもいるって言われてて凄くいいところよ~」
律「なんかロマンチックだな~」
紬「それでね、それでね、一家に一台サウナが……」
律「ここと全然違うんだな。ムギが住んでた世界って」
紬「えっ…」
梓『(あちゃ~。やっぱりわかってませんね律先輩は。加点です)』
246:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 02:22:59.98:wp8s8JW80
紬「そうね……ちょっと違うかも…」
律「家に執事がいて、フィンランドなんて凄いところに前は住んでて。わたしなんて多分一生経験することがないことをムギは体験してるんだよな」
紬「……」
澪『なんかちょっと気まずいかも』
梓『だからこそ普通に憧れてるムギ先輩の気持ちを律先輩はわかってません! 律先輩だけ加点です!』
唯『一生で一回だけなんだ、あずにゃん』
梓『? なにがですか?』
唯『ペットを飼って良いのは、一生に一度だけだ! ペットモペットのセリフだよ!』
梓『澪先輩はどう思いますか?』
唯『あーん、あずにゃーん!』
253:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 02:33:22.66:Pl0P1Gk0O
紬「……でも、」
律「でも、その代わりわたしには当たり前の生活を、ムギは知らないんだよな。だから何でも興味を持つし楽しそうなんだ」
紬「……うん」
律「わたしもフィンランドに行ったらきっと夢だったの~って言っちゃうかもな」ニシッ
紬「りっちゃん……」
律「だからさ、いっぱいいっぱいここでしか出来ないことやろうな! 次はダーツとかビリヤードとかやろう!」
紬「ありがとう、りっちゃん。私りっちゃんと話せて良かった。ずっと不安だったの……」
律「不安?」
紬「うん。自分の当たり前が周りと違うのが……ずっと怖かったの」
258:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 02:40:26.09:Pl0P1Gk0O
紬「だから知らない間にみんなを傷つけたりしてないかなって……」
律「ムギ……」
紬「だからなるべくみんなとは違うなってことは喋らないようにしたり……。でも、やっぱりわからなくて……何にも知らなくて……だから」
律「違ったっていいだろ」
紬「えっ?」
律「それがムギなんだから。隠すことなんかないと思う。確かにわたしはフィンランドのこととかさっぱりだけどさ……ムギが楽しそうに話してるのを見て何だかこっちまで嬉しくなった!」
紬「りっちゃんも嬉しく…?」
律「うん。だから、さ。不安がることなんてないよ。少なくともここの四人は多少違ったぐらいでムギのことを悪く言うやつなんて絶対いない! わたしが保証するよ!」
261:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 02:49:15.07:Pl0P1Gk0O
律「だからもっと聞かせてくれよ。ムギがどうやってここまで来たのか。遠い世界で見てきたことをわたしにも見せてくれ、なーんて」ニコッ
紬「うんっ……うんっ!」
溶けて行く、私の中で。
ちょっとした不安や、怖いって感じが。
紬「(これがお母様が言ってた本当の友達……)」
フィンランドの海辺での散歩で言っていた。
本当の友達が出来たら、大切にしなさい。そして、自分のことを知ってもらいなさいって。そうしたらきっとあなたのことも大切にしてくれるから、と。
だから、話して行こう。少しづつでもいいから、知ってもらおう、私のことを。
私の、 律「お茶うめぇ~」 大好きな友達に
266:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 02:56:40.21:Pl0P1Gk0O
澪「5分経ったぞ~」
律「お~、ってムギ何泣いてんだ!」
紬「り、りっちゃああん」ギュッ
梓「はい、ムギ先輩。チーン」
紬「」チーン
唯「わたしも聞きたいな! ムギちゃんのこと」
澪「ああ。今度みんなで聞こう」
紬「ズズ、ええ。でもそんな凄い話はないの。お父様がサンタクロースに扮して本物のトナカイにソリを引かせてフィンランド中を駆け回ったとか……」
律「十分凄いわ!」ビシッ
紬「えへ」
269:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 02:59:17.09:fuKIcvr+P
梓「確かにいい話でした、が! それと気まずさ得点は違います!」
澪「まあな。序盤は明らかに気まずそうだったし」
律「ちぇ~」
唯「じゃあ得点を!」
唯②
澪②
梓②
澪「まあ無難なとこだな」
梓「最初以外は特にでしたし、これぐらいかなと」
唯「(中盤聞いてなかったからみんなに合わせとこ!)」
唯澪律紬梓
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\③⑨③ ⑳
律③③\⑥
紬③⑨⑥\
梓③③ \
271:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 03:03:18.26:E6A4GhKS0
律「さて、次はわたしと梓か(来たか……、来てしまったか)」
梓「はい(いよいよ本丸ですか…)」
律「よし、じゃあ」
バァン!
和「律!!! 体育館の申請用紙出してって行ったでしょ! ライブ出来なくなるわよ!?」
警察がガサ入れする時こんな感じだろうといった様子で和が突入してくる。
律「すみましぇぇんっ!!! 今から書きます!!!」
和「全く、三年連続とは恐れいったわ」
律「ごめんなさいごめんなさい! ちゃちゃ~と書いてくるから先やっててくれ!」
そう言い残し、律と和は消えていった。
278:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 03:12:46.13:wp8s8JW80
澪「怒る間もなく出ていったな」
唯「どうしよう、先にやっててって言っても審査員が足りないよ?」
「話は聞かせてもらったわ!!!」
紬「そ、その声は!」
さわ子「りっちゃんから話は聞かせてもらったわ! りっちゃんの代わりに審査するわ! というかこんな楽しそうなことしてるのに教えてくれないなんて酷いっ!」
澪「何と言うか自分でも何でこんなことしてるのかわからない状態で…」
梓「顧問なら遊んでるのを怒ってくださいよ」
さわ子「さあ始めましょう! 次は誰と誰!?」
紬「私と梓ちゃんね!」
梓「はい。よろしくです。ムギ先輩」
282:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 03:25:03.30:Pl0P1Gk0O
気まずさ選手権!
九回戦!
梓紬
紬「梓ちゃん、トンちゃんに餌あげましょう」
梓「そうですね。今日はこの選手権のせいであげる暇もなかったですし」
紬「えいっ」パラパラ
梓「ごめんねトンちゃん。お腹減ったよね」
トン「(一番気まずいのは俺だっつーの!)」パクパク
紬「食べてるわね~」
梓「はい」
紬「来年も再来年もこうして軽音部を守ってくれるのね~トンちゃんは」
梓「あっ」
紬「ん? どうかしたの?」
梓「いえ…、そう言えばトンちゃんは私が卒業したら……どうなるんだろうって…思って」
285:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 03:31:08.24:Pl0P1Gk0O
紬「きっと梓ちゃんの後輩がしっかり飼ってくれるんじゃないかしら」
梓「そうです…かね」
紬「そしたらこの先ずっと先の軽音部もトンちゃんは見ていくのかしら……。私達のこと覚えてくれてるかしら?」
梓「(ずっと先の軽音部……)」
瞳を閉じる、少しだけ私はそれを想像してみることにした。
287:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 03:35:50.61:Pl0P1Gk0O
──
私が桜が丘高等学校を卒業してから5年、まさか戻って来ることになるなんて思わなかったな。
梓「もうこの学校で私のことを知ってるのはさわ子先生とトンちゃんだけ、か。トンちゃん、元気にしてるかな?」
音楽準備室
梓「懐かしいな、あの時ここでムギ先輩とトンちゃんがどうなるかって話したっけ」
ゆっくりとドアを開けると、そこには荒れ果てた荒野が広がっていた。
梓「えっ?」
様々な楽器が置かれている、もはや物置としてしか機能してないと思われる部屋の隅に……。
プカァ~……。
梓「!!?」
──
289:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 03:39:59.92:Pl0P1Gk0O
梓「ダメーーーッ!」
紬「あ、梓ちゃん?」
梓「あっ、すみません! ちょっと考え事を…」
紬「ふふ、トンちゃんのこと?」
梓「はい。やっぱり私が卒業する時になったら家で飼おうと思います」
紬「それは未来の後輩さんは残念ね」
梓「でも……、やっぱり心配なんです。私がいなくなってもしっかり世話してくれるのか……。もし軽音部がなくなって……、誰も飼えないからって川に放流されて…」
【危険亀発見!?】
梓「みたいなことになったら私っ!」
紬「梓ちゃんはほんとにトンちゃん思いね」
292:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 03:47:49.80:Pl0P1Gk0O
紬「そんな梓ちゃんを見てきっとみんなトンちゃん思いになると思うわ」
梓「…なってくれますかね?」
紬「ええ。きっと」
梓「(そんな保証ないけれど……、ムギ先輩が言うと本当にそうなる気がするから不思議だな。トンちゃんを大事にしてくれそうな優しい子が軽音部に入ってくれたらいいな)」
梓「じゃあトンちゃんは殿堂入りですね。軽音部の」
紬「そうね~」
さわ子「もう一人の殿堂入りを忘れてないかしら!?」ダダンッ
澪「確かにさわ子先生は殿堂入りしてるな……ある意味」
唯「五分経ったよ~」
293:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 03:55:33.37:Pl0P1Gk0O
得点!
唯①
澪①
さ①
さわ子「いつまで経っても気まずくならないんてつまらないじゃない!」
澪「さわ子先生、そういうゲームじゃないです」
唯「トンちゃんに妬けちゃうね~」
梓「唯先輩みたいに餌をやり過ぎる人には任せられませんから」
唯「あずにゃんクールビズぅ」
澪「唯それ意味違うからな」
唯澪律紬梓
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\③⑨③ 23
律③③\⑥
紬③⑨⑥\③ 21
梓③③ ③\
294:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 04:00:14.80:80+ZOfmEO
唯「これは澪ちゃん優勝濃厚だね~」ニヤニヤ
澪「いいんだ。色々わかったこともあるし、やって良かったよ」
紬「ほんとね、ありがとう唯ちゃん」
梓「確かに…この時間がなかったら色々わからないままでした。だからこの時間を作ってくれた唯先輩に感謝です。ありがとうございます唯先輩」
唯「ふふふ。わたしもやって良かったよ! やっぱりみんな仲良しなんだってわかって」
澪「うん。じゃあ優勝は私ってことでみんな練習しようか!」
梓「そうですね!」
バァン!
律「待たせたな!」
298:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 04:06:37.33:Pl0P1Gk0O
梓「待ってないです」
律「そんなこと言うなよぉ~」
澪「全くまた和に迷惑かけて……」
律「机の奥底に眠ってたんだ……」
唯「りっちゃん置きべんするからだよぅ」
律「なにをーっ!? 唯だって「忘れないように置いてこう!」とかやってるだろーぅっ!?」
唯「あれは戦略だよ、りっちゃん!」
律「わたしのも戦略だいっ! 」
さわ子「あなた達……、ちゃんと持って帰りなさいね」
唯律「ひゃい……」
梓「……」イラッ
澪「じゃあ最後、律と梓な」
299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 04:13:19.09:Pl0P1Gk0O
気まずさ選手権!
最終戦……!
律梓
律「(梓と二人きりとかなったことないしな~……何話していいか全くわからん!)」
梓「……」
律「(まあここは先輩としてエスコートしてやらないとな。優勝は澪で決まりだし。さーて何の話をしたもんかー)」
梓「……私、律先輩のこと見直してました」
律「ん?」
梓「澪先輩やムギ先輩と一緒にいる姿を見て、正直見直しました。この人は友達を大事にしてるんだなって」
律「改めてそう言われると照れるな…」
梓「でも……、だからって他を疎かにし過ぎです! 律先輩は!」
300:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 04:18:44.52:DXNkZxeb0
律「……」
梓「部長なのに申請用紙を出すの忘れたり、それなのに悪びれた様子もないなんて!
それが当たり前みたいな感じになってるからってそのままずっと引きずるなんてやっぱりおかしいと思います!」
律「……悪かったよ」
梓「後、勉強もちゃんとした方がいいと思います。同じ大学行くならもっと…」
律「……言いたいことはそれで終わりか?」
梓「えっと……、さっきので終わりです」
律「あっそ。ありがとなわざわざ。心配かけて悪かったな!」
梓「あ、あの……」
302:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 04:27:14.70:EbZiiuas0
澪『……、止めてくる』
唯『わたしも行くよ、澪ちゃん』
紬『喧嘩しちゃ駄目……』
さわ子『待ちなさいみんな』
澪『さわ子先生! あのままじゃ喧嘩に……』
さわ子『梓ちゃんの言ってることは正論よ。確かにりっちゃんはちょっと周りの対応に甘えてた節があるわ。これはそれを直すいい機会だと思うの』
澪『でも……』
さわ子『この中であれを言って真面目に受け取らせることが出来るのは梓ちゃんだけなのよ。だから、見守りましょう』
澪『律……』
唯『あずにゃん……』
紬『二人とも……』
307:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 04:38:33.70:Pl0P1Gk0O
律「話すことを色々考えてたのがバカらしくなったよ」
梓「すみません……。でもやっぱり部長としての責任をちゃんと持って欲しいんです!」
律「ああ、わかってる。わかってるからこそ自分に腹が立つんだよ。後輩に言われるまで直そうとしなかったわたしに……!」
梓「律先輩……」
律「確かに、わたしが悪かったよ。梓。そのことについては謝る。もう申請用紙を出すことはないけど…この先にあったらもらった瞬間出すようにするよう……、ん、努力する!」
梓「はい! それがいいと思います!」
律「でも……」
律「こ で言っ 欲 くな った 。梓は私 こ やっ り い んだな」
梓「えっ……」
308:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 04:44:46.08:Pl0P1Gk0O
小さく、カスれた弱々しい声で、そう聞こえた。
律「もういいだろ」
澪「5分……、経ってないけどいいのか?」
律「ああ。梓に悪いことしちゃったな……」
唯「二人とも……」
紬「喧嘩はだめよ……?」
律「しないしない。みんなの大事な後輩なんだから……さ」
さわ子「これだけは言っておくわね。梓ちゃんの気持ちをわかってあげなさい」
律「うん、……はい」
梓「(私……、私は……)」
そうして、気まずさ選手権は終わりを告げた。一つの大きな気まずさを残したまま……。
310:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 04:48:26.74:0IMP3RVW0
唯澪律紬梓
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\③⑨③ 23
律③③\⑥⑮ 27
紬③⑨⑥\③ 21
梓③③⑮③\ 24
優勝 田井中律
そうして、時は流れた──
319:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 04:58:36.84:Pl0P1Gk0O
──
学園祭が終わり、唯先輩達の受験も無事終わり、そして……卒業式。
梓「……」
私は部室で一人ぼんやりしていた。
唯先輩達に私の為の歌を聞かされて……、いっぱい泣いて、帰って唯先輩の家で卒業パーティーをしようって話になって、私は忘れ物を取りにこの部室にいる。
梓「……」
さっきまでのことがまるで夢のように現実味がない。
本当に唯先輩達は卒業してしまうのだろうか?
そんなことをまだ考えてる自分がとても弱々しく見えて……、この先私一人でやっていけるのか……不安で、不安で。
バァン!
梓「!?」
320:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 05:03:31.18:Pl0P1Gk0O
律「はあ……、はあ……」
梓「律……、先輩?」
律「わ、忘れ物は?」
梓「あ、はい。ありました。わざわざ迎えに来てくれたんですか?」
律「いや……、ちょっとわたしも忘れ物してさ」
梓「そうなんですか。じゃあ早く持って戻り」
律「半年くらい前、ここに気まずさを忘れたままにしてたから」
梓「!! ……、そのことはもう……気にしてませんから」
梓「私も悪かったですし……」
322:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 05:10:36.51:Pl0P1Gk0O
梓「確かにあんなとこで言うことじゃなかったですよね」
あの言葉が甦る──
律『ここで言って欲しくなかったよ。梓は私のことやっぱり嫌いなんだな』
そうだ。今までみんな二人の仲を深めようとしている流れで、私は律先輩には不満をぶちまけて。
私が律先輩だったら同じように怒っていたと思う。
あの言葉の意味がわかった頃にはもう戻れなくて、私も律先輩もあそこに気まずさを置いてきた。
梓「だからもう……、いいんです」
でもそれはそのまま忘れてしまった方がいい。その事を気にすればする程、私達はもっと気まずくなるのだから。
333:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 05:21:06.54:Pl0P1Gk0O
律「わたしさ、梓に言われてから考えたんだ。言葉で言っても伝わらないことってあると思うから。だから頑張った。勉強もだし、部長らしく振る舞ったつもりだ」
梓「(確かにあれから自分から練習しようぜっとか言うようになったっけ……)」
律「だから今日言いに来たんだ。わたしは……、ちゃんと部長出来てたか?」
梓「律先輩…」
この人はあの日のことをこんなにも重く受け止めてくれてたんだ。
ただ言葉でそうする、じゃなく行動でちゃんと見せてくれた。
梓「勿論です。最高の……部長でした」
340:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 05:27:58.27:Pl0P1Gk0O
律「そっか。じゃあ次はその最高の部長に梓がならないとな」
梓「律先輩みたいに上手く出来ませんよ……プッ」
律「な~か~の! 自信満々じゃねぇか!」
梓「ええ、だから安心して卒業してください。ここは私が守りますから、絶対に」
律「ああ、任せたよ。梓」
澪「5分、経ったな」
梓「澪先輩?!」
唯「①点!」
梓「唯先輩まで!」
紬「私も①点!」
梓「ムギ先輩も…! どうして…」
343:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 05:33:51.92:Pl0P1Gk0O
澪「私も、①点」
唯「ってことは澪ちゃんが優勝かな?」
澪「うっ……、まあ別にいいけどさ」
紬「気まずさ気まずさとんでけ~」
澪「律がどうしてもやり直したいって言うからさ」
梓「そうなんですか…」
律「ああ。5分経ってなかったしな。それにみんなの可愛い後輩ってフレーズをわたしだけ気まずくて使えないなんて許せん!」
梓「なんですかそれ」
律「つーまーりーこういうことだっ!」ぎゅむ
梓「ちょ、やめてください律先輩!」
律「なーかーのーっ」
唯「便乗! あ~ずにゃん!」ダキッ
346:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 05:43:22.75:Pl0P1Gk0O
澪「私も、ちょっとだけ///」
紬「みんな暖かい……」
──
347:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 05:45:02.63:Pl0P1Gk0O
──
気まずさと言うものはどうして生まれるんだろうか。
ちょっと考えてみた。
相手が今何を考えていて、何をどう話しかければいいかを自分が考える。
多分相手の人もそうだろう。
だから、自分が考えれば考えるほどあっちも気まずくなる。
まるで鏡のように写し合う、その間にあるものが気まずさ。
なら、どうしたらいいか?
答えは簡単。
梓「あの、軽音部、入りませんか?」
自分から話しかければ、後はなるようになる、です。
おしまい
350:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 05:48:06.24:Pl0P1Gk0O
これはもう一つのお話
梓と律はギクシャク&気まずい空気で見事律の逆転優勝となったわけだが……。
律「意義あーり!」
唯「え~あれはどう見ても気まずいよ~?」
澪「そうだぞ律。トンちゃんの餌をやろうとして梓にもうさっきあげましたって突っ込まれるとこなんてもう最高に気まずかったじゃないか」
律「それはわたしが申請用紙を書きに行ってて知らなかったからで……。だからリベンジマッチを要求する!」
唯「リベンジマッチ?」
梓「懲りませんね律先輩は…」
紬「またみんなと触れ合えるのね!」
427:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:16:59.15:Pl0P1Gk0O
律「ちっちっち」
指を振りながら甘いぜみたいな仕草を見せる律。
律「このままもう一回普通にやってもつまらないだろ? だから……」
澪「だから……?」
律「他のメンバーを入れてそのメンバーとの得点+今の得点を足して多かったやつが優勝! これでどうだ!?」
唯「お~!」
紬「お~!」
梓「他のメンバーって言っても……誰ですか?」
律「うむ、よくぞ聞いてくれた! わたしは考えたんだ……この五人が知り合いで、尚且つ上手くバランス取れたメンバー……それは!」
唯「それは!?」
律「和! 憂ちゃん! 後、え~と……、すずきさん? 梓の同級生の」
428:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:20:09.24:9m+Vliaq0
梓「純ですか?」
律「そうそう純ちゃん純ちゃん! その三人を加えてのリベンジマッチだああああ!!!」
澪「ま、待てよ律! そんなの唯が有利に決まってるじゃないか!」
唯「ふぇ?」
梓「確かにそうですね。妹の憂と気まずくなるわけがないし和先輩は幼なじみですし」
律「そう! だからこその異分子……、純ちゃんだ!」
梓「純……可哀想に、異分子扱いされてるよ」
律「唯! 純ちゃんとの親密度は!?」
唯「う~ん……憂とは中学生からの友達らしいけどわたしとはあんまりかなぁ。家にも遊びに来なかったしぃ」
律「聞いたかみんな!!!」
432:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:27:00.51:Pl0P1Gk0O
律「つまり純ちゃんに関しては同じクラスである梓以外はみんな鬼門! だが梓にとって和は鬼門! みんな一人はほとんど絡みのない人がいるこの構図! 完璧だろ!?」
澪「い、言われてみれば確かに……」
紬「あんまり知らない子達とコミュニケーションね!」
梓「和先輩ですか……確かにほとんど喋ったことないかも」
唯「なんだか面白そうだね!」
律「更に!! 特別ジャッジにさ~わ~ちゃ~ん!」
さわ子「話は聞かせてもらってたわ! 気まずさって外で見てる分には最高よねぇ!!」
澪梓「(悪どい……)」
434:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:32:05.90:Pl0P1Gk0O
律「さわちゃんはななななんと1~10ポイントがつけられる特別審査員なので他のみんなが1点でもさわちゃん次第じゃ……!」
さわ子「消し飛ぶわよ~?」
澪「なにこのクイズ番組のおしまいの方の展開……」
梓「よっぽど負けたくなかったんですかね」
唯「悪いけど死守させてもらうよ!」
紬「楽しみね!」
律「明日は祝日で休みだから開催は明後日な! じゃあかいさ~ん」
澪「まて、」
律「…はい?」
澪「練習、しような?」
律「あははは……、当然じゃないですかぁ! 嫌だな~秋山さんは~」
梓「はあ……」
こうして気まずさ選手権! リベンジマッチ!の火蓋は切って落とされた。
436:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:37:51.43:Pl0P1Gk0O
翌日!
律「昨日はああ言ったが……」
やっぱり一番不利なのはどう考えてもわたしだ。
憂ちゃんとはゲームの話で何とかなるとしても……和は昨日のこともあるしその時点で気まずい。
更に更に鈴木……、じゃない純ちゃん!(名字で呼ぶとその時点で気まずい)は一回軽音部に遊びに来たときぐらいしか接点がない……!
律「ならば……作ればいい!」
さっそく携帯を起動、しかし、メールの宛先選択にて手が止まる。
律「純ちゃんのアドレス知ってそうなのは……わたしの知ってる限りじゃ梓ぐらいか。これで梓に聞いたら」
梓『律先輩必死になってやんの~あずプップッ~』
律「ぐぬぬぬ……、中野には聞けん!」
438:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:44:08.28:wp8s8JW80
律「ってことはもう一人の仲良しさんの憂ちゃんに聞くしかないか。しかし憂ちゃんのアドレスも知らない……。唯に聞いてもいいけどな~……やっぱり和に聞こう」
ピポパ……。
律「さて、出掛ける準備するか」
まさかたかだか遊びでここまでするとは思うまい!
だがやるからには勝つ!
それがりっちゃんの心情だぜ!
ピリリリン
律「来た! 何々? あなたで二人目よ。今日憂のアドレス聞いて来たの。だと……?」
律「まさか…わたしの他にも動いてるやつがいると言うのか! こうしてはいられ~ん! サンキュー和っと! 次は憂ちゃんにメールして純ちゃんのアドレスゲットだ!!」
440:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:49:17.33:VMIBSupfO
その少し前、既に行動を開始している人物がいた。
オールしまむらファッションに身を包み、いざ、平沢家へ。
澪「和は同じクラスだったし問題ない。純ちゃんも同じベーシストだからベースの話をしてたら大丈夫。となるとやっぱり問題は憂ちゃんだ」
歩きながら思案する。
澪「憂ちゃんとまともにしゃべったのは正直記憶にないぐらいだからな……。今日でその気まずさを埋めとかなくちゃ」
しかし我ながら今日の自分行動力には驚かされる。
朝、一番気まずくなるであろう憂ちゃんに狙いを定め、和にアドレスと電話番号を聞き、メールよりは電話の方が誘い易いか?っと思い電話したのが数十分前。
443:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 00:00:08.56:dwcn4XKCO
──
澪「も、もしもし」
『はい、どちら様でしょうか?』
澪「あ、えと……。澪だけど」
『澪? 澪さん?』
澪「うん! 澪だよ!」
『どうしたんですか? お姉ちゃんに何か用事ですか? お姉ちゃんなら二階で寝てますよ。起こして来ましょうか?』
澪「いや、今日は唯じゃなくて憂ちゃんに用事があるんだ!」
『私に……ですか? 澪さんが?』
澪「う、うん」
『どんな用事ですか?』
澪「きょ、今、日一緒に遊びに行かないっ?!」
──
444:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 00:03:12.61:ZlUS2eCl0
そうして今に至る。
澪「思い出すだけで火が出そう……」
唯には内緒で遊ぼうなんて……、なんと言うか怪しいとか思われてないだろうか?
澪「いいって言ってくれたし……とりあえず嫌われてはなそうで良かった」
澪「うん! 今日を機に仲良くなるのも良いな!」
仲良くなれるのだろうか……?
澪「胃が痛い……」
澪「って気まずくないようにするために今気まずくなってどうするんだ!」
澪「大丈夫! きっと仲良くなれるさ!」ミョンッ!
子供「ままーあの人変だよ~?」
母親「見ちゃいけません!」
447:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 00:15:50.18:dwcn4XKCO
──
真鍋和の携帯は朝から大忙しだった。
同級生二人から幼なじみの妹のアドレスやら電話番号やらを聞かれたと思うと次は後輩から遊びましょう!なんてメールが来たのだ。
和「全く軽音部はまた何かやってるのかしら……」
今日も一日勉強をしようと思っていたのだが……。
和「まさか梓ちゃんから誘われるなんて思わなかったわね……。唯とかなら突っぱねるところなんだけど」
訝しげながらも出掛ける準備を進める。
和「後輩とデートね。たまには悪くないかも」
──
448:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 00:23:57.54:dwcn4XKCO
──
純「ぐがあ……」
純「ずぴぃ~……」
純母「純~! 起きなさ~い! 友達来てるわよ~」
純「……んあ? ともだひ? あへ~そんな約束してたっけ」
純「あ、携帯光ってる。梓かな? も~遊ぶなら昨日の内に言っといてよね!」
急いで準備すまし、玄関に向かう。
純「ごめ~んお待たせ。でも梓も遊ぶなら遊ぶでちゃんと昨日メールしとい……」
律「よっ!」
純「……」
律「……、コホンッ!」
律「どもー」
純「……」
ガチャン
律「閉めないでっ~!」
449:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 00:31:01.99:dwcn4XKCO
純「なんで律先輩が家の前にいるんですか! 夢かと思って閉めちゃいましたよ!」
律「一応メールはしたんだけど」
純「えっ、あ、ほんとだ。あれ? アドレス教えた覚えが……」
律「まあまあ細かいことは気にしない気にしない!」
純「はあ……、で、何か用事ですか?」
律「遊びに行こうっぜ!」
純「……わたしとですか?」
律「そう」
純「二人で?」
律「そうそう」
純「……何でですかッ!? 全く状況が理解出来ないですけど?!」
律「純ちゃん。わたしは常々純ちゃんと仲良くなりたかったんだよ」
純「ほえっ!?」
459:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 00:50:34.28:dwcn4XKCO
律「いつか部室に来てくれたことがあったろ? え~と、確かわたし達がメイド服来てた時!」
純「は、はい……、ありましたね」
律「その時思ったんだよ。純ちゃんと仲良くなりたいなって……」トオイメ
純「そうなんですか……。でもあれから随分時間が経ってるのに今更過ぎません?」
律「うっ……。い、今までは機会がなかったっていうか~……」
純「はあ……、そうなんですか」
律「まあとにかくいい機会だし遊びに行こうぜ!」
純「あっ、えっ、ちょっと! 律先輩?!」
律が純の肩を抱くとそのまま強引に連れ去って行くのだった。
461:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 00:59:04.90:dwcn4XKCO
──
憂「澪さんから遊ぼうなんて……。どうしたんだろう?」
面識はあるものの接点はお姉ちゃんが所属する部活の友達、私にとっては知り合いの先輩でしかない。
憂「でも……、ちょっと楽しみだな」
これをきっかけに仲良くなれるかもしれないと思うと少し心がわくわくした。
憂「準備しなきゃ!」
後掃除と……お姉ちゃんのお昼ごはんも作っとかないと!
462:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 01:05:49.25:dwcn4XKCO
憂「掃除も終わったし洗濯物も干したしご飯も作ったから後は準備して……」
唯「う~い~ご飯~」
憂「あっお姉ちゃん。おはよう。ご飯出来てるよ~。お昼ご飯だけど」
唯「ん~ん~……」
憂「私はこれからちょっと出掛けるけど、お姉ちゃんは?」
唯「わたしは家でペットモペットの最新巻を読んでるよ~」
憂「じゃあもし4時ぐらいまで私が帰って来なかったら洗濯物お願い」
唯「わかったぁよぉ~」
464:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 01:56:10.61:dwcn4XKCO
──
澪「まだかな……?」ウロウロ
澪「ついたってメールはしたんだけど……」ウロウロ
ウロウロしながら公園で待つこと5分。
憂「お待たせしました~!」
澪「や、やぁ憂ちゃん」
憂「色々しとくことがあって……待ちましたか?」
澪「ううん。今来たとこだよ(平常心平常心……)」
憂「良かったぁ。でも今日はどうしたんですか? 二人きりで遊びに行こうだなんて」
澪「まあ、それは行きながら説明するよ」
憂「そうですか。わかりました」
澪「憂ちゃんご飯食べた?」
憂「いえ、まだですけど」
澪「そっか。じゃあこれからどこかに食べに行こうよ」
465:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 02:05:15.46:dwcn4XKCO
憂「あ、あのっ」
澪「ん?」
憂「余計なことかな?って思ったんですけど……作って来たんです」
澪「えっ? お昼ご飯を?」
憂「はい」
澪「…私の為に?」
憂「はい。ご迷惑でしたか?」
澪「ううん! すっごく嬉しいよ!(憂ちゃんいい子だなぁ~)」
憂「良かったぁ。じゃああっちで食べましょう。いいところがあるんです」
澪「うん」
先に歩いて行く憂ちゃんの小さな背中を見ながらつくづく思う。
澪「(良くできた子だなぁ)」
466:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 02:11:13.09:dwcn4XKCO
──
梓「ちょっと早く来すぎたかな」
12時で駅で待ち合わせてるのだが現時刻は11:45。
辺りを見渡すもまだ和先輩の姿はなかった。
梓「和先輩と二人っきりか……緊張するな」
自分から誘っといて緊張するのも失礼な話だけど緊張するものは仕方ない。
梓「どんなこと話そう…。やっぱり唯先輩のことかな?」
和先輩と共通の話と言えば唯先輩のことぐらいだろうし、他の話はあまり間が持ちそうにない。
梓「あとはなるようになれです!」
和「何がなるようになれなの?」
梓「ひゃいっ!」
467:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 02:16:04.57:dwcn4XKCO
和「ごめん、びっくりさせちゃったかしら」
梓「い、いえっ! とんでもないです!」
和「? それにしても早いわね。私も早く来たつもりなんだけれど。待たせちゃったかしら?」
梓「私もさっき来たところです! ぜんぜんっ、ぜんぜん大丈夫です!」
和「そう? ならいいんだけど。お昼ご飯は食べた?」
梓「あっ、まっ、まだです」
和「そう。じゃあどこか入りましょうか」
梓「はひ!」
和「そんな緊張しなくていいのよ。唯達と一緒にいる時みたいな感じでさ」
梓「すみません……。こっちから誘っといて気を遣わせてしまって」
468:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 02:22:45.78:dwcn4XKCO
和「気にしないで。後輩をエスコートするのは先輩の仕事だもの」
そう言って微笑んでくれる和先輩がとても頼りに見えました。
梓「(軽音部の先輩達とは違って何だか頼りになるなぁ)」
先を歩く和先輩の後ろをまるで雛鳥の様にちょこちょこついて行く私。
梓「(これじゃほんとにどっちが誘ったのかわかんないや)」
でも今は頼りがいのあるこの背中について行くことにした。
心に少しの気まずさを残しながら。
470:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 02:30:17.04:dwcn4XKCO
──
某ハンバーガーショップ
律「ガンガン食べてくれ! 今日は先輩の奢りだ!」
純「はあ、どうも」
ハンバーガーをモソモソ食べながら律の様子を伺う。
純「(この人は何を考えてるんだろう……。いきなり家に来たと思ったら遊ぼうぜ!なんて……)」
律「ぷっはぁ! やっぱりハンバーガーにはコーラだよねん」
純「そうですね…(悪い人じゃないのは梓から大体聞いてるし……、女同士だから危なくはないだろうけど……やっぱり気まずいなぁ)」
奢ってもらったシェイクをチューチューと吸引しながら元気そうに振る舞う律の話を適当に相づちを打ちながらやり過ごす。
471:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 02:39:02.90:qqmwc6EG0
律「なぁ、純ちゃん」
純「はい?(急に真面目なトーンになった!?)」
律「人と人ってさ、どこから仲が良くなって行くんだろうな……」
純「へ?」
律「わたしは今日純ちゃんと仲良くなりに来たんだ。でもその当人はどこか上の空……!」
純「す、すみません」
律「いや、いいんだ。まあ確かに無理やり仲良くなろうってのが無理な話だもんな。徐々にそうなってければいいなって……、わたしは思ってるから」
純「……(なんだ……いい人じゃん。わたしと仲良くなる為にこんな頑張ってくれるなんて。
梓が律先輩は適当でずぼらでいつも遊んでばっかりとか言うからダメダメな人なのかな?って思ってたのに。拍子抜けした)」
473:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 02:48:03.46:dwcn4XKCO
純「すみません! 律先輩!」
いきなり立ち上がり、一礼。
律「ふ?」
それを見たハンバーガーをくわえたままの律がそんな空気の抜けた声を出した。
純「わたし律先輩のこと勘違いしてました! わたしの為にこんなに良くしてくれてるのに何か裏があるんじゃないか~? とか疑ったりしてすみません!」
律「えっ? あ~、いいんだよ! 過ぎたことはりっちゃん気にしない!」
純「律先輩……!」
律「ま、まあ座りなさい。目立つから、ね?」
純「あっ! はい!」
律「まあ和解出来たってことで。これからよろしくね、純ちゃん」
純「はい! よろしくお願いします!」
そうして私達は固い握手を交わした。
律「(計画通り)」
その時、律先輩の目がにわかに光った気がしたのは気のせいだろう。
474:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 02:59:41.26:dwcn4XKCO
──
澪「すっごく美味しかったよ憂ちゃん!」
憂「お粗末様でした」
笑顔でそう答える憂ちゃんが誰よりも可愛くて……。
思わず、
澪「憂ちゃんって可愛いな」
なんて口走ってしまった。
憂「えっ?」
澪「あ、えと、その……。私は一人っ子だから。こんな可愛い妹がいるなんて唯が羨ましいなって」
憂「そうなんですか。私は産まれてからずっとお姉ちゃんが一緒にいたから一人っ子の気持ちはわからないですけど……(澪先輩寂しいのかな?)」
澪「だよね! ごめんなこんな話して。次はどこに行こうかな~」
憂「(もし妹がいたらどうなのかな?みたいな感じで私を呼んだ…とかなら)……澪先輩が良かったら、今日は姉妹になりませんか?(気付いてあげないと!)」
澪「え? ええええええええええええ!!!??」
475:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 03:03:19.53:dwcn4XKCO
澪「(気まずさをなくす為に遊びに誘ったら姉妹になっちゃった! じゃない何かとんでもないことに……)」
憂「次はどこにいっこか? お姉ちゃん♪」
澪「私が……お姉ちゃん」
家ではずっと一人で小中学校じゃ律しか友達がいなかった私に……妹!?
憂「映画にする? それとも……澪さん?」
澪「えっ?!」
憂「やっぱり迷惑でしたか…?」
澪「そんなことないよ! ただちょっとびっくりして」
憂「そうですか(良かったぁ。間違ってたら恥ずかしい子だったよぉ)」
澪「じゃ、じゃあ映画に行こっか」
憂「うん! お姉ちゃん」
澪「(何だかよくわかんない展開になったけど……唯が羨ましい!!!)」
481:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 03:20:52.08:dwcn4XKCO
──
和「迷ったわ……」
梓「えええええっ!?」
しばらく歩き、ついて行った挙げ句、開口一番のセリフがそれだった。
和「ごめんなさい。行きたい店があったのだけれど……。また間違っちゃったみたいね」
梓「またって前にも迷ったことがあるんですか?」
和「三回に一回はたどり着けるのだけど……変ね」
梓「それって着かない確率の方が高いんじゃ…」
和「仕方ないわね。そこら辺の喫茶店にでも入りましょうか」
梓「……いえ、和先輩が行こうとした店に行きましょう! せっかくお勧めな店に連れてってくれてたのに途中で諦めるのは勿体無いです!」
485:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 03:27:56.21:dwcn4XKCO
和「まあお勧めと言えばお勧めなんだけれど……。でもここがどこかすらわからない中でたどり着くなんて……一体その頃には何時になるか」
梓「店の名前は知ってるんですよね?」
和「ええ。シャルディベって名前の喫茶店だったかしら」
梓「じゃあ大丈夫です! ちょっと待っててください!」
和「?」
近くのコンビニへ入ると暇をもて余している店員を掴まえる。
梓「すみません、この近くにシャルディベって言う喫茶店ありませんか?」
店員「あ~ちょっと待ってくださいね(道聞く客ほどウザいもんはねぇわ……)」
店員「こっから真っ直ぐ行って突き当たりを左のその先二つ目の信号を左で見えてくると思いますよ」
梓「そうですか! ありがとうございます!」
店員「い、いや! 店員の義務ッスから!」←今顔見た人の図
490:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 03:34:43.76:dwcn4XKCO
梓「わかりましたよ店の場所! 行きましょう!」
和「コンビニで地図でも買って来たの? 悪いからお金半分払うわ」
梓「え? いや道を聞いて来ただけですけど。そもそも地図に店の名前載ってませんし」
和「コンビニって店の場所まで教えてくれるの? 凄いわね……」
梓「(まさか知らなかった? 和先輩って意外と……)」
和「じゃあ行きましょうか、梓ちゃん」
梓「ああっ! そっちじゃないですよ和先輩! こっちこっち!(和先輩って意外と抜けてる?!)」
494:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 03:41:09.34:dwcn4XKCO
──
ゲームセンター
律「とぅぅぅりゃあああああ」
純「なんのぉぉぉっ!!!」
律「やるなぁ!? ここまでついて来られたのは純ちゃんが初めてだ!」
純「そっちこそやりますね! 梓なら今頃コースアウトしてますよ!」
今二人がやっているのは、
激突! カーチェイス!
というカーレースもののゲームだ。クリアするまでに何台クラッシュさせられるかという速さよりも悪どさが求められる斬新さが売りらしい。
今はもう残り律カー(黄色のヤン車)と純カー(茶色のジープ)しか残っていない。
クラッシュさせた数も10づつと同数だ。
496:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 03:49:36.23:dwcn4XKCO
律「クラッシュさせた数も同数なら先にゴールした方が勝ち……ならばわたしは先に行かせてもらう!」
そう言って一層アクセルを強く踏み込む律。
純「速度の遅いヤン車でこの純ジープにかなうとでも思ってるんですか!?」
純もそれにつられる様にアクセルを踏んだ。
律「(かかった!)」
前を行く律カーのブレーキランプが点灯。
純「(こんなところでブレーキ!? 正気ですか!?)」
体が反応し、すぐさまブレーキを踏む純。
律「はっはっは! 悪いな!」
純「しまった!」
律がブレーキをしたのは一瞬だけだが、純は律より長くブレーキをした分減速した為にスピードの立ち上がりの差がそのまま距離となる。
498:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 03:55:10.39:dwcn4XKCO
律「これが地元テクよ!」
純「地元全く関係ないじゃないですか! でも……!」
純は素早く左のアイテムボタンを押すとジープの後ろからロケットブースターの様なものが出現し、噴射。
律「なにいいいい!?」
純「切り札は最後までとっておくものですよ、先輩!」
グングンと差を詰めてくる純カー。
律「(まずいっ! このままじゃゴールにつく前に抜かれる!)」
純「もらったああ!!!」
律「させええん!!!」
ハンドルをうねる様に左にきると律カーが純カーに激突!
純「なにいいい!?」
そのまま純カーはクラッシュ、しかし律カーも純カーにぶつかられた衝撃で横転、クラッシュとなった。
500:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 04:00:33.95:dwcn4XKCO
律「いやー良い勝負だった」
純「どこがですか! どう考えてもさっきのはわたしの勝ちですよ!」
律「純ちゃん、これはクラッシュゲームだ! クラッシュさせたもん勝ちなんだよ!」
純「くっ……! 確かにそうですけど」
律「じゃあ次はあれで勝負しようぜ!」
律が指したのは太鼓の鉄人。
純「どう考えてもドラムやってる律先輩が有利じゃないですか!?」
律「バレたか」
純「じゃああっちにしましょう」
純が指したのはベースマニア。
律「そっちこそ卑怯だぞー!! ベースやってんの知ってんだからな!」
純「なら両方で勝負なら文句ないでしょう!?」
律「望むところだああ!!!」
503:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 04:06:33.48:dwcn4XKCO
デデデデデデデデッデデデデデデン♪
50コンボー
律「うっひゃっひゃっひゃ」
純「そりゃっそりゃ」
スカッ、スカッ、
ベーベーベーベーベーベーベン♪
COOLッ!
純「たのし~ッ!」
律「え~とこれがこっちで……あーーーッ! 指吊ったあああッ!」
BAD
律「はあ……はあ……」
純「はあ……はあ……」
律「やるな、純ちゃん」
純「律先輩こそ」
505:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 04:13:09.31:dwcn4XKCO
──
澪「えっと、ここかな」
暗闇の中何とか席までたどり着き一安心。
憂「楽しみだねお姉ちゃん」
澪「そ、そうだね」
自然と振る舞ってくれる憂ちゃんには未だに慣れないけど……。
澪「(お姉ちゃんか……。悪くないかも)」
憂「お姉ちゃんポップコーン食べる?」
澪「う、うんっ!」
澪「(幸せだ~)」
憂「あ、始まるよ~」
私達の選んだ映画、それは。
『わんちゃん大冒険』
タイトル通り可愛いもの系の映画だ。
澪「(憂ちゃんも可愛いの好きなんだな。律だったら痒くなるとか言われそうな映画のタイトルなのに。意外と気が合うのかも)」
506:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 04:18:54.56:dwcn4XKCO
映画が進むにつれ犬のヌペが段々弱っていく。
憂「ヌペ……」
目頭を押さえながら小さな声で頑張れ! 頑張れ!と呟く憂ちゃんを私は、
澪「(憂ちゃん頑張れ! 頑張れ!)」
と応援していた。
とうとう冒険の半ばに倒れてしまったヌペ。
憂「ああっ」
澪「(ああっ! 憂ちゃんが悲しそうじゃないか! 頑張れヌペ!)」
私の想いが届いたのかヌペは気力を振り絞り、また立ち上がった!
憂「良かった……」
澪「(良かった……憂ちゃんが元気になって)」
507:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 04:23:52.75:dwcn4XKCO
いよいよフィナーレ。
綺麗な湖にたどり着いたヌペ、その畔には優しそうな女の子が立っていた。
優しく微笑む彼女と一緒にヌペは天に登って行く。
そう、この冒険はヌペの夢だったのだ。
街中で捨てられたヌペは最後に幸せな夢を見て天国へ行った……。
憂「ヌペぇ……」
ぐすぐすと泣く憂ちゃん。
澪「憂ちゃん……」
私も一人だったら大泣きだったろう。でも今は、今日だけは姉なのだ、この子の。
ならばしっかりしなくては、そんな想いが私を強くしたのかもしれない。
澪「よしよし」
憂「」グスグス
いつもは見ないスタッフロールをバックに、私はいつまでも憂ちゃんの頭を撫でていた。
508:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 04:32:13.60:5q9ALcY30
──
和「ようやくたどり着いたわね……」
梓「何が二つ目の信号を左ですかあの店員! 思いっきり三つ目じゃないですか! 騙されました! 文句言って来てやるです!」
和「まあまあ。ついたんだからいいじゃない。」
梓「和先輩がそう言うなら……」
和「じゃあ入りましょうか」
梓「はい」
ガチャ
梓「……ガチャ?」
ガチャガチャ
和「……」
梓「……」
そこにはこうあった。【本日定休日】
梓「お休み……みたいですね」
和「……」
梓「(ダメだ最高に気まずい)」
和「ちょっと待っててね、梓ちゃん。開けさせて来るから」
そう言って裏口に回ろうとする和先輩を全力で止めに入ったのだった。
511:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 04:38:31.45:k06N4ALz0
和「はあ……」
結局手短の喫茶店に入った頃にはお昼、と言うよりは夕方、に近い時間帯となっていた。
和先輩の落ち込み具合も日の傾きのと同じ様にどんどん沈んで行っている……、みたい。
梓「和先輩は悪くないです! たまたまお店がお休みだっただけで……」
和「いえ、何回も行ったことがある私が定休日を覚えていないのが悪いのよ…。ごめんね梓ちゃん。お詫びと言うか元々奢るつもりだったけど奢るわ」
梓「そんなっ! 誘ったのは私からですし私が出します!」
和「いーえ、ここは譲れないわ。ここまでしといて奢られたりしたら生徒会の、ううん、全世界の先輩の名折れだわ!」
梓「は、はあ(何か変なところは意地っぱりだなぁ)」
514:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 04:47:13.41:dwcn4XKCO
私はナポリタン、和先輩はミックスサンドを頼みとりあえずは水で空腹を満たす。
和「そう言えばお昼食べてなかったんだよね私達。今梓ちゃんがナポリタン注文してから思い出したわ」
梓「私もです。ケーキセットを頼もうかなって思ったんですが何か違うぞ? お腹減ってるぞ? みたいになって、ああ、そう言えばってなりました」
お互い軽く微笑みながら楽しい会話を続ける。
和「後で頼んでいいわよ。ケーキセット」
梓「はい。お代は自分で出しますけど」
和「なかなか頑固ね梓ちゃんも」
梓「和先輩こそ」
そうしてまた、二人は微笑んだ。
515:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 04:53:27.45:dwcn4XKCO
──
律「ゲーセンの後と言えば」
純「駄菓子屋ですよね!」
律「見よ! このうまー棒の食べ方!」スポーンサクサクサク!
純「なんの! このただ一つの変わらない純の吸引力!」チュルチュルチュル
駄菓子屋のおばあちゃん「二人とも元気でええのう」
純「元気だけが取り柄みたいな人ですから! 律先輩は!」
律「なんだとぉっ!? 純だって同じもんだろうっ!?」
駄菓子ばあちゃん「どれ。仲がいい若者二人にサービスしてやるかのう」
律&純「ありがとうおばあちゃん!」
駄菓子「ほっほっほ」
518:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 04:59:56.12:dwcn4XKCO
律「は~遊んだ遊んだ」
純「ですね~」
駄菓子屋に設置されているベンチに座りお菓子を食べる二人。
気づけばもう日は随分と傾いており、早いところではそろそろ晩御飯が出てきてもおかしくない時間帯だ。
律「ごめんな、何かこんな遊びばっかりで」
純「いえ、わたしもこういう方が好きなんで。楽しかったです、凄く」
律「そっか」ニシッ
純「(こんなにいい先輩がいるなら軽音部に入っとくんだったなぁ)」
律「また遊ぼうな、純ちゃん」
純「はい、是非! 次は負けませんよ! 太鼓の鉄人」
律「わたしもベースマニア練習しとくよ」
純「……ふっ、ぷははは」
律「ぷっ、つ、あははは」
519:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 05:06:20.46:dwcn4XKCO
律「家まで送るよ」
純「一人で大丈夫ですよ」
律「だーめ。女の子の一人歩きは危ないんだぞ!」
純「律先輩だって女の子じゃないですか」
律「わたしはドラムで鍛えたこの筋力があるからだいじょーぶ」
純「あはは、じゃあ途中までお願いします」
律「任せとけい!」
純「(本当にいい先輩だな。今度梓が律先輩の悪口言ったら口つねってやるんだから)」ニヤニヤ
律「な~にニヤニヤしてるんだよ純」
純「何でもないですよー」棒読み
律「なんだそれ」ププッ
人と人はどこから仲良くなるんだろう?
律先輩が言ってた言葉だ。今日それがわかるかもって思ったけど、やっぱりわからなかったや。
純「(だってほんとにいつの間にか仲良くなっていたからっ!)」
521:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 05:15:27.31:dwcn4XKCO
──
憂「さっきはすみませんでした」
澪「いや、いいよ。いい話だったよね」
憂「はい! 犬のヌペがけなげに頑張るところとか凄い可愛かったです! 今度お姉ちゃんとも見ようっと」
澪「……」
憂「あっ、すみません(今は澪さんがお姉ちゃんなのに…)」
澪「唯が羨ましいな。憂ちゃんみたいな可愛くてしっかりした妹がいるなんて」
憂「そんな……私なんて」
澪「……、さて! 次はどこに行こっか? 服でも買いにいく?」
映画の時間は勿論、映画が始まるまでの待ち時間も含めて時刻は結構なものになっていた。
憂「(洗濯物はお姉ちゃんに頼んでるけど大丈夫かな…?)」
522:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 05:23:19.27:dwcn4XKCO
憂「(取り込もうとしてお布団と一緒に落ちたり……)」ソワソワ
澪「憂ちゃん?」
憂「(晩ご飯も作らないとお腹減ったよ~って泣きながらうい~って言ったり……)」ソワッ……ソワッ……
澪「(……そっか)」
澪「帰ろっか、憂ちゃん」
憂「えっ? ま、まだ大丈夫ですよ! それでどこに」
澪「唯が心配なんだろ?」
憂「……はい。お姉ちゃん無理しちゃわないかやっぱり心配で……。こないだ梓ちゃん達と遊んでて遅くなったら私が料理作るよっ!
って意気込んだのはいいけどお鍋が一つご臨終に……」
澪「唯らしいな」
憂「お鍋はいいんですけどお姉ちゃんが心配で……」
澪「(やっぱり本当の姉妹には勝てないな。気まずさを無くすためだけにこれ以上連れ回すのも悪いし、残念だけど姉妹ごっこはここまでにしよう。
本当に残念だけど……ね)」
528:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 05:31:25.00:dwcn4XKCO
澪「送るよ」
憂「澪先輩の家逆方向じゃないですか? いいですよ、一人で大丈夫です」
澪「……もうちょっとだけ、もうちょっとだけ姉妹でいたいから。途中まで一緒に帰ろう。憂」
憂「…うんっ! お姉ちゃん!」
夕日を背に隣同士仲良く歩く姿は、どこから見ても仲の良い姉妹そのものだった。
531:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 05:40:36.37:dwcn4XKCO
──
和「昔唯と砂の橋を作ってね。作ったのはいいのだけれど唯がみじゅが流れてない! とか言い出してさ。でも公園の水道は遠いし水を汲むものもなかったの」
和「それで唯どうしたと思う?」
梓「どうしたんですか?」
和「あの子ったら家からホースを引っ張って来て憂に蛇口開けさせてさ。ホースが道路を横断してたわ」
梓「プッ、唯先輩らしいですね」
和「それで砂場水浸しにして砂の橋も水没した後近くのおばさんに怒られて、唯はその後お母さんにも怒られたらしいわ」
梓「唯先輩のお母さんってすっごく興味あります!」
和「梓達は知らないんだっけ」
梓「はい、いつも留守で」
532:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 05:47:51.06:dwcn4XKCO
和「唯のお母さんは普通の人よ」
梓「へ~意外です」
和「ただお父さんが……ね。何と言うか……すっごい唯に似てるわ」
梓「唯先輩はお父さん似なんですね……」
和「顔は両方母親に似てるのに性格はしっかり分裂したみたいね」
梓「やっぱり幼なじみは違いますね! 唯先輩の知られざる真実がどんどん明らかになりました!」
和「まあね。付き合いだけは無駄に長いから。……そろそろ出ましょうか。唯の話してたらすっかり遅くなったし」
梓「そうですね。お代わりしまくったせいか店員さんの目もそろそろ痛いですし」
結局お代は仲良く割り勘となり、二人は喫茶店を出た。
カランカラン、アリガトウゴザイヤシターッ!
533:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 05:55:47.62:dwcn4XKCO
和「まだ私は時間大丈夫だけれど……梓ちゃんは?」
梓「私も大丈夫ですけど、今日はもういいです」
和「あら残念」
梓「真面目な受験生をこれ以上連れ回すのも悪いですし」
和「真面目な後輩を連れ回すのはいいのかしら?」
梓「それはいいんじゃないですか? 暇ですから」
和「ふふ、じゃあお言葉に甘えて連れ回したいところだけど今日はやめとくわ。遅くなると弟と妹が心配するしね」
梓「弟さんと妹さんがいるんですか? 初耳です!」
和「その話はまた今度ね、駅まで送るわ」
梓「はい、ありがとうございます」
535:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 06:06:33.03:dwcn4XKCO
──
駅前
律純「あ」
澪憂「あ」
梓和「あ」
綺麗にあ、が重なった。
律「(やっぱり他のやつらも動いてたか! しかしまさかこの組み合わせとは……)」
澪「(やっぱり唯とムギは動かなかったか。あの二人は自分の醸し出す空気で何とかしちゃうからな。しかしこの組み合わせは……!)」
梓「(律先輩と純が仲良く歩いてるなんて何かありそうだけど信じらんない! 澪先輩と憂はどことなく姉妹っぽいけどこの組み合わせは……)」
律澪梓「(正直気まずい)」
律「(憂ちゃんと澪とか絶対気まずかったろ!! よく遊ぶ気になったなおい!)」
澪「(梓と和が一緒にいるところなんて想像もつかないな……正直。今目の前にいるけど)」
梓「(律先輩と純、律先輩と純ププッ)」
538:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 06:12:28.89:dwcn4XKCO
和「また珍しい組み合わせね」
和は全てわかっているように、
純「梓が和先輩とって……プフ-ッ似合わない似合わない」
純は特に気にした様子もなく、
憂「(みんないつの間にか仲良くなってたんだね~)」
憂はいつも通りに、
そして、三人は
律「(明日覚悟しとけよ?)」バチバチ
澪「(せいぜいがんばって優勝してくれよ? 律ぅ)」バチバチ
梓「(私を忘れてもらっちゃ困りますよ、センパァイ?)」バチバチ
激突する!!!
明日、頂上決戦!!!
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
和、純、憂参戦編
気まずさよ、天高く舞え!
582:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 19:28:35.85:dwcn4XKCO
翌日の放課後!
律「いよいよ来たか……この時が!」
澪「まさかこんな長丁場の戦いになるとはな」
梓「あの時は思いませんでしたね」
唯「びっくりだね~」
紬「(わくわく)」ワクワク
澪「って唯が提案したんだろ!」
梓「それをまるで他人事のように……!」
唯「そうでした!」
律「まあしかし……今では感謝したいぐらいだよ、唯に」
澪「私もだ。おかげで色々見えてきたものがある」
梓「私もです。見た目と中身って一致する人としない人がいるってわかりました」
583:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 19:33:29.86:dwcn4XKCO
律「ここまで来たらさ、悔いなくやろうぜ?」
澪「ああ。勿論だ」
梓「はい。頑張りましょう」
紬「こうやって友達の輪が広がって行くのね~」
唯「最初と何か主旨が変わってるけど頑張ろうっ!」
律「(お前が優勝だよ、澪)」バチバチ
澪「(優勝おめでとう律)」バチバチ
梓「(がんばって優勝してくださいよ先輩方)」
もはや意地である。
さわ子「呼んで来たわよ~」
和「こんなことだろうと思ったわ」
純「朝梓に聞きましたよ! また軽音部はこんな面白そうなイベントを!」
憂「気まずさ選手権?」
584:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 19:37:23.27:dwcn4XKCO
律「ご苦労さわちゃん! お三方よく来てくださった! ささっ、こちらに」
律が三人を椅子に座らすとすかさずムギはお菓子とお茶を用意。
和「ありがとうムギ。大体の話はさわ子先生から聞いたけど」
純「ケーキうんまぁ~。こんなケーキが毎日食べられるなんて! 梓ぁ! 変わって!」
梓「来年入れば? お菓子はないけど」
純「それじゃ意味ないよー! (それに律先輩もいないし……」ボソ
梓「えっ?(なぬ?)」
純「ううんなんでもない!」
梓「(まさか……! 律先輩にキャとられたか純!)」
585:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 19:42:08.84:dwcn4XKCO
憂「ありがとうございます紬さん」
紬「いえいえ~(憂ちゃんともスキンシップ出来るなんて夢のようだわ~)」
唯「ムギちゃんのケーキ美味しいでしょ~?」
憂「うんっ。これを毎日食べられるなんて羨ましいな。けど持って来てばっかりじゃ悪いから今度私の作ったお菓子をお姉ちゃんに持って行ってもらいますね」
紬「そんな気を遣わなくていいのよ? 私が好きで持って来てるから」
憂「いえ、それでもです。親しき中にも礼儀ありですから」
紬「(いい子すぎるわ! 憂ちゃんにロックオン!)」ムギュギュギュギュ
586:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 19:47:51.08:dwcn4XKCO
唯「今度みんなでお菓子作ろうねって話してたんだぁ」
憂「皆さんで? じゃあ今日帰ったら念入りに掃除しとかなきゃ」
唯「まだいつやるかは決まってないからそんな焦らなくていいよぉ」
律「(早くも差を感じさせてくれるじゃないか……!)」
澪「(戦いはもう始まってるってわけか)」
梓「(どれぐらい親密度上げて来たのかは知りませんが完全網羅した私には勝てませんよ二人とも!)」
律「(まあ……)」
澪「(唯とムギには……)」
梓「(勝てそうにないですけど)」
さわ子「そろそろルール説明したら?」
589:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 19:52:24.35:dwcn4XKCO
律「ホワイトボードカモンッ!」
そう言われた瞬間いそいそとホワイトを持って来る梓と澪。
律「今から三人には私達一人一人と一対一で五分間他愛のない会話をしてもらいます!」
紬「してもらいま~す」
律「その会話や仕草、場の空気などを他のメンバーがこのプレートで採点します!」
唯「1~5点だよ! 高いほど気まずかったってことだよ!」
さわ子「私は特別審査員だから1~10点だけどね!」
律「それが一番高い人が気まずさ選手権優勝!」
澪「何か勝手に巻き込んでごめんな」
590:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 19:56:29.87:dwcn4XKCO
和「昨日の変な組み合わせはこれのせいね。てかあんた達も暇ね」
澪「ごもっともです…」
唯「まあまあ! 和ちゃん! 楽しければ大正解だよ!」
純「(なるほど、だから律先輩はわたしと仲良くなって今日話しやすく……。でもそれって何だかちょっと寂しいかも)」
憂「(/// てっきり澪先輩寂しいのかと思って妹のフリなんかしちゃったよぉ)」
律「大体の説明は終わったところで……累積得点を!」
唯「はっ! ここに! 唯ちゃんグラフ改でございます!」
律「うむ」
592:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 19:59:54.80:dwcn4XKCO
唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\③⑨③ 23
律③③\⑥⑮ 27
紬③⑨⑥\③ 21
梓③③⑮③\ 24
梓「相変わらず線の引き方汚いですね唯先輩」
唯「ご愛敬~ご愛敬~」
紬「今回はこんなもの作ってみました~」ジャジャ~ン
律「おおっ!くじ引きか!」
紬「この方がドキドキ出来ると思って」
唯「ナイスだよムギちゃん!」
律「じゃあさっそく……」ガサゴソ
和「はあ……まあいいけど」
純「(律先輩……)」
憂「(何が出るかな~♪)」
601:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 20:16:58.18:dwcn4XKCO
律「記念すべきリベンジマッチ第一回戦の組み合わせは~」
紬「ジャカジャカジャカ」
律「じゃんっ! 唯&和!」
唯「幼なじみパワーだね! 和ちゃん!」
和「どんなパワーよそれ」
律「さて、抽選も終わったことだしみんなはプレート持って外に行った行った~」
そう言いながら全員にプレートを渡す律。
澪「あれ? 私達だけじゃないのか?」
律「それだと外側がつまらないだろ~?」
澪「ってことはさわちゃんを入れて7人が採点するわけか……」
梓「なんかもうインフレしまくってますね」
律「細かいことは気にしない気にしない(これで前半の得点など無意味よ! ふはは!)」
602:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 20:23:39.05:dwcn4XKCO
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
一回戦 唯和
和「って言っても今更よね。もう何年も一緒にいるのに気まずくなんてなるわけないじゃない」
唯「幼なじみだもんね~」スリヨリ
和「なんで擦り寄って来るのよ」
唯「だってぇ。こうして和ちゃんと二人きりって久しぶりだから。嬉しくて!」
和「外から凄い見られてるけどね」
唯「気にしたら負けだよ!」
律『さ~いよいよ始まりました気まずさ選手権リベンジマッチ! 実況はわたくし才色兼備な桜ヶ丘高校のアイドル田井中がお送りしま~す!』
梓『自分で才色兼備って痛いですよ律先輩』
603:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 20:33:02.03:dwcn4XKCO
紬『同じ幼なじみとしてどう見ますか?』
澪『やっぱり仲良いよなあの二人も』
紬『二人も、ってところに愛を感じてもよろしいんですね!?』
澪『ちょ、ムギ落ち着けよ!』
律『二人を良く知る憂ちゃんに聞いてみましょう!』
憂『昔からとっても仲がいいですよ。私も和ちゃん…じゃなくて和さんの家によく遊びに行きました』
さわ子『幼なじみ、もえるわね。気まずさは微塵も感じないけど』
純『(……)』
梓『(さっきから純元気なさそう……何かあったのかな?)』
604:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 20:41:23.19:dwcn4XKCO
和「大学はみんなと一緒のところへ行くんだっけ?」
唯「うん! これからがんばって勉強するよ!」フンスッ
和「そ……。じゃあ幼稚園からの付き合いも高校でおしまいね」
唯「えっ……」
和「違う大学に行っても連絡は取るとは思うけど、やっぱりちょっと寂しいわね。でも軽音部のみんなと一緒なら安心出来るわ。いい友達見つけたわね、唯」
律『……』
澪『……』
紬『……』
唯「やだよ……! ずっと…ずっと一緒にいたいよ……和ちゃん」
和「バカね。大学が違っても家は近いんだから会おうと思えば会えるわよ。ああでもどっちかが寮に入ったりしたら簡単には会えなくなる…か」
606:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 20:49:51.21:dwcn4XKCO
唯「和ちゃん……」
和「唯。私はあなたに何度も助けられたわ。あなたの仕草に、あなたの言葉に。きっと軽音部のみんなもそう」
唯「そ゛う゛なの?」
和「私はもう十分あなたに色々もらったわ。だから次は軽音部のみんなに分けてあげて」
唯「ぅんっ……うんっ!」
和「なんて顔してるのよ。別々の大学に行ったって寮に入ったって会えなくなるわけじゃないんだから。それに……」
和「私達が幼馴染みってことは永遠に変わらないもの」
唯「和ちゃああああん」ギュッ
梓「あ、あの……。いいところ申し訳ないんですが5分経ちました」
610:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 20:55:55.23:dwcn4XKCO
和「ほら、唯。5分経ったって」
唯「のどかち゛ゃあああああん」スリスリ
律「え゛え゛話やー」グスグス
澪「幼馴染みっていいなぁ!」グスグス
紬「唯ちゃんは大切に育てます」ズピー
憂「違う大学に行っても絶対遊びに来てね和ちゃ~ん」メソメソ
和「あらあら」
梓「(やっぱり和先輩優しいな)」
さわ子「いいもの見せてもらったわ!」
618:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:03:23.21:dwcn4XKCO
得点!
①①①①①①①
律澪紬梓憂純さ
律「文句なぁし!」
澪「あれに1点じゃなかったらこの先何が来ても1点つけられないしな」
梓「ですね」
紬「私にも幼なじみがいたらな~」
さわ子「まあこの辺りはね~」
唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦ 24
澪⑧\③⑨③ 23
律③③\⑥⑮ 27
紬③⑨⑥\③ 21
梓③③⑮③\ 24
律「さあどんどんいってみよ~!」
620:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:10:45.36:dwcn4XKCO
紬「ドォルドォルドォル~」
律「どんっ! 澪&純ちゃ~ん」
澪「(純ちゃんか。三人の中じゃ一番話したことないけどベース繋がりだし大丈夫かな)」
純「……」
梓「純。呼ばれたよ?」
純「ん? ああっ! はいはい」
梓「何かあったの?」
純「ん~ん。何でも。じゃあ行ってくるね」
梓「憧れの澪先輩と二人きりなんだからもっと喜びなよ」
純「そ、そうだね。うん……」
梓「(律先輩のことかな? 純がここまでシュンとするなんて珍しい…。ほんとに何があったんだろ)」
622:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:20:14.64:dwcn4XKCO
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
二回戦 澪純
澪「よろしくね、純ちゃん」
純「あっはい! よろしくお願いします!」
澪「そんなに緊張しなくていいよ。同じベーシスト同士仲良くしよう」
純「はい……。(いつもなら飛び上がる程嬉しい筈なのに……なんでだろ)」
澪「純ちゃんは何でベース始めたの?」
純「音色がいいから……後はカッコいいからですかね」
澪「やっぱり? ベースの音色っていいよね。あの重く空気に震動する感じが何度も……ベース何使ってるの?」
純「YAMAHAのSBV‐500です」
627:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:29:21.87:dwcn4XKCO
澪「ネックも持ちやすいから弾きやすいし値段もリーズナブルだからいいよね」
純「ありがとう……ございます」
澪「私の弾いてみる? って言ってもレフティだから弾きにくいと思うけど……形だけでもさ」
純「いいんですか?」
澪「うん。色々なベースを触ってみてわかることもあるだろうし」
純「(こんな優しくしてくれてるのに上の空だなんて……。しっかりしろ純!)」
純「じゃあ……ちょっとだけ」
純「(この先必ず律先輩と二人になる機会があるんだ。その時に聞こう……)」
630:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:36:55.89:dwcn4XKCO
ベンベンベベンベン
純「(わたしのよりちょっと重たいかな? でも右手なら弾きやすそう)」
澪「どうかな?」
純「いいですね。持った感じもいいですし……凄い手入れが行き届いてるってわかります。弦も張り替えたばっかりでご機嫌って感じです!」
澪「昨日変えたばっかりなんだ。良かった、気に入ってもらったみたいで。エリザベスも喜んでるよきっと」
純「エ、エリザベス?」
澪「い、いや、何でもないよ!」
唯「5分経ったよ~」
631:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:42:22.55:dwcn4XKCO
得点!
①①①①①①①
唯律紬梓和憂さ
唯「ベース仲間って感じがしたね!」
律「やっぱり楽曲繋がりは話が広がるな~」
紬「私の番まだかしら~」
梓「お疲れ純。どうだった?」
純「やっぱり澪先輩は憧れの先輩だった!」
梓「そ(元気になったみたいで良かった)」
純「(くよくよしてるなんてわたしらしくないよね!)」
唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦ 24
澪⑧\③⑨③ ⑦ 30
律③③\⑥⑮ 27
紬③⑨⑥\③ 21
梓③③⑮③\ 24
さわ子「次ね」
632:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:49:31.93:dwcn4XKCO
律「三回戦目は~」
紬「私!私!」
律「梓&憂ちゃ~ん」
紬「」ションボリ
憂「よろしく梓ちゃん」
梓「うん。何の話しよっか」
さわ子「何だか気まずくなりそうにないメンバーばっかり当たるわね。つまんな~い。早く10点つけたいわ」
律「わたしの時はやめてねさわちゃん」
澪「私の時も……」
634:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:58:29.99:dwcn4XKCO
梓「今度の休みどこ遊びに行こっか?」
憂「う~んまたバッティングセンターとか」
梓「じゃあさ、じゃあさ。その後喫茶店行かない? 昨日和先輩とさまよってたらたまたま良いところ見つけてさ」
憂「うん。いいよ」
梓「そう言えば和先輩って見た目によらず方向音痴なんだね。私びっくりしちゃった」
憂「あはは……。本人もそれ気にしてるみたい」
唯『和ちゃんは実は方向音痴なのだ!』
和『わざわざ言い直さなくてもいいわよっ!』
635:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:05:00.83:dwcn4XKCO
得点!
①①①①①①①
唯律澪紬和純さ
律「1点が並ぶな~」
澪「これが普通なんだけどな」
紬「次こそ私!」
唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦ 24
澪⑧\③⑨③ ⑦ 30
律③③\⑥⑮ 27
紬③⑨⑥\③ 21
梓③③⑮③\ ⑦ 24
律「ガラガラ~ぽんっ!」
律「良かったなムギ! 紬&純だ!」
紬「やったわ!」
さわ子「(いきなりクライマックス来ちゃったああ!!)」
641:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:17:18.17:dwcn4XKCO
気まずさ選手権!リベンジマッチ!
四回戦 紬純
紬「お茶どうぞ~」
純「は、はい」
律『駄目だ、もう気まずい』
さわ子『これよ! これを待ってたのよ!』
和『ムギは普通だけど鈴木さんがちょっと苦しそうね』
紬「純ちゃんって呼んでいいかしら? 私のこともムギちゃんでいいから」
純「そ、そんな呼べませんよ! 先輩ですし……」
紬「遠慮しなくていいのよ? 仲良くなるにはまず呼び方からってお母様が……」
梓『(よっぽどたまってたのかムギ先輩の仲良くなりましょパワーがとんでもないことに!)』
644:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:21:27.71:dwcn4XKCO
紬「純ちゃん♪」
純「(えっ、もしかして私も呼べってこと?)」
紬「じゅ~んちゃん♪」
純「む、む、むぅぎぃちゃあん……///」
紬「うふふ、ありがとう」
律『気まずMAX』
澪『ムギは幸せそうだけどな……』
和『相手のこともフォローしつつ気まずさを感じさせないようにしなきゃならない……以外とこのゲーム過酷ね』
唯『でしょう!?』
憂『純ちゃんファイト~。紬さんいい人だから大丈夫だよ~』
649:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:29:06.68:dwcn4XKCO
紬「純ちゃんの髪の毛可愛くて素敵ね」
純「そ、そうですかね? 凄い癖毛だから気にしてるんですけど。梓とかにはモップ髪とかバカにされてるんですよ!」
紬「まあ! それはちょっと酷いわね。同じ癖毛仲間としては見過ごせないわ!」
純「ムギ先輩も癖毛なんですか?」
紬「む~」プクー
純「む、ムギちゃんも癖毛何ですか……?」
紬「」ニコー
紬「ええ。雨の日なんて湿気で髪の毛がよく跳ねるの」
純「こんな綺麗な髪なのに……(意外だ!)」
653:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:37:04.15:dwcn4XKCO
紬「ちょっといいかしら?」
純「へ? あ、あのっ」
紬「ん~?」
縛っている髪をほどいて櫛で研き出す。
純「私の髪なんて……」
紬「そんなことないわ。私は好きよ、純ちゃんの髪」
純「///」
律『恥ずかしそうにしてるけど気まずくはないな』
澪『だな。やっぱりムギはいるだけで空気が和むっていうか……』
梓『わかります。いつもニコニコしてるからこっちもそうなるって言うか』
唯『ムギちゃんぽわぽわだからね~』
654:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:38:45.89:Kda+oqXfO
紬「ストレートにしてみましょうか」
純「えっ!? それはちょっと無理っていうか……」
紬「大丈夫よ。私に任せといて」
純「じゃなくてぇ! その……、く、くっ」
バキッ
紬「あら?」
唯律澪梓和憂さわ子『あ』
純「……ストレートにしようとすると櫛がいっつも耐えられなくて……えへへ」
紬「そ、そうなの~」
梓『これは気まずい』
657:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:46:33.48:dwcn4XKCO
得点!
律「悪いな……ムギ」
澪「なんかごめんな……」
梓「すいませんムギ先輩、恨むなら純の髪の毛を恨んでください」
さわ子「これは……ね」
唯「面白かったよムギちゃん!」
和「審査は厳正に行われるべきだから……」
③⑤⑤⑤⑤①⑩
唯律澪梓和憂さ
梓「(やっぱりとんでもない高得点出ちゃった! けど……)」
紬「ごめんね純ちゃん……。髪の毛痛くなかった?」
純「いえ……。大丈夫です。それよりわたしのせいですみません……」
660:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:54:17.86:dwcn4XKCO
紬「ううん、いいのよ。気にしないで。今度またお話しましょうね。私が良く行く美容院とか紹介するわ」
純「ありがとうございます、ムギちゃん先輩」
梓「(これはこれで……良かったかもしれない、よね)」
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦--24
澪⑧\③⑨③-⑦-30
律③③\⑥⑮---27
紬③⑨⑥\③-34-55
梓③③⑮③\--⑦31
律「次行くか~(優勝おめでとうムギ)」
662:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:02:53.91:dwcn4XKCO
律「せいやっ! 何々
~? おっといよいよ出番か律&憂~!」
梓「(またまた意外なペアですね)」
澪「(唯の勉強教えてた時とか普通に二人きりでゲームとかしてたからそんな気まずくはならないかな)」
憂「よろしくお願いします律さん」
律「おぅよ!」
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
五回戦 律憂
664:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:09:56.88:dwcn4XKCO
律「前々から言おうと思ってたんだけど憂ちゃんってゲーム上手いよな!」
憂「そうですか? お姉ちゃんとちょっとするぐらいですけど」
律「あの時完敗したのがまだ忘れられないよ! あのゲーム聡と一緒に結構やりこんだんだけどな~」
憂「あのゲームはほとんど負けたことないんです。梓ちゃんと純ちゃんとやっても勝ってばっかりで。ちょっと悪いかな?とか思ってます」
律「いや! ゲーマーたるもの鼠を狩るのも常に全力を出さなきゃ!」
さわ子『思ったより普通ね』
梓『ですね。まあどっちもゲーム好きですし。憂はそこまでやってないと思いますけど。話を合わせてるんだと思います』
さわ子『憂ちゃん空気読めそうだもんね~』
澪『憂ちゃんは人見知りとかしないタイプなの?』
唯『人見知り?』
澪『唯に聞いた私がバカだったよ』
和『気持ちはわかるわ、澪』
665:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:13:39.61:dwcn4XKCO
律「外ゲーとかやらないの?」
憂「梓ちゃんと純ちゃんとたまにやりますよ」
律「じゃああれやった?! クラッシュカーチェイス!」
憂「はい」
律「わたしあれ上手いんだぜ~? 今度やりに行こっか?」
憂「はい。是非」
純『(誰とでも行っちゃうんだ……って当たり前じゃん何言ってんのよわたしは!)』
純『(でも……やっぱりなんか面白くない)』モヤモヤ
梓『……』
666:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:22:03.54:dwcn4XKCO
得点!
①①①①①②②
唯澪紬梓和純さ
律「ありゃ、満点じゃなかったか」
さわ子「話題の振り方が無理やりと言うか予め用意された感じがしたから気まずくなかったけど加点したわ」
律「厳し~な~さわちゃん」
梓「純も……2点?」
純「えっ? あっ、うん……。さわ子先生と同じ理由かな」
律「……そっか。ならしょうがないな」
ぽん、と純の頭に手を置き撫でる。
さわ子「……(ほんとは1点にしようと思ったんだけどね。難しい年頃よね~)」
紬「(100点目指しちゃお~う)」
667:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:24:15.41:mG/iOb8/0
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦--24
澪⑧\③⑨③-⑦-30
律③③\⑥⑮--⑨36
紬③⑨⑥\③-34-55
梓③③⑮③\--⑦31
律「次は~梓&純~」
澪「これも7点濃厚だな」
梓「純~行くよ~」
純「う、うん」
和「(暇ね)」
唯「なかなか出番こないなぁ」
670:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:32:11.26:dwcn4XKCO
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
六回戦 梓純
梓「やっと回ってきた。話したいことあったから」
純「話したいこと?」
梓「声のトーン落として」
純「え? でもそれだと気まずそうとか言われたり……」
梓「いいから。ポイント的にも余裕あるし大丈夫」
純「うん…わかった。ありがとう梓」
梓「で、律先輩のことなんだけど、何かあったの? 昨日」
純「うんうん。多分梓と和先輩と同じだよ。普通にご飯食べて……普通にゲーセン行って……駄菓子食べて」
梓「ならなんでさっき2点なんてつけたの? さわ子先生が2点つけてくれたから目立たなかったけど……。どう見ても1点な内容だったと思うよ?」
672:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:37:03.61:dwcn4XKCO
純「わかんない……。だからこんなモヤモヤしてるんだと思う」
梓「モヤモヤ?」
純「律先輩が昨日わたしと仲良くなりたいって言ってくれたの凄く嬉しかったんだ。けどそれって所詮このゲームの為にだよね?」
梓「……」
純「それとなんだかね……律先輩が憂と仲良くしてるの見て、一緒にゲーセン行くって言ってるの聞いて……嫌だった」
梓「もしかして……律先輩のこと、好きなの?」
純「ううん。多分そんなんじゃないよ。いっつも側にいて面倒見てくれたお姉ちゃんが実はめんどくさいながら面倒見てたってわかった瞬間……みたいな感じ」
673:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:40:57.93:dwcn4XKCO
梓「純、私はそんな律先輩とは親しくないけど……。ゲームの為だけに仲良くなるような人じゃないのは知ってるよ」
純「……」
梓「寧ろいい機会って思ってたと思う。私も和先輩を誘うときそんな感じだったし」
純「……ほんと?」
梓「ま、答えはあそこで一生懸命聞き耳立ててる人と話す時にもらいなよ」
律『聞こえね~』
純「うん、そだね。そうする」
676:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:45:22.34:OIbG3BdEO
得点!
③④③③③②⑩
唯律澪紬和憂さ
梓「あっれぇー!?」
さわ子「聞こえないのは一番つまらないわ」
律「そうだそうだー!」
紬「可愛かったけど聞こえないと可愛さ半減……」
澪「私の時もつけられたからな。平等だぞ梓」
唯「なに話してたか気になりますなぁ」
憂「ごめんね梓ちゃん」
和「面白くなって来たわね」
純「ごめんね梓!」
梓「うそーん」
679:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:54:18.59:dwcn4XKCO
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦--24
澪⑧\③⑨③-⑦-30
律③③\⑥⑮--⑨36
紬③⑨⑥\③-34-55
梓③③⑮③\-28⑦57
律「続きましては~ばんっ! ……唯&憂」
唯「やっと出番だね!」
さわ子「①。私寝てるから終わったら起こしてね」
和「①。先生風邪引きますよ?」
紬「①。お布団持って来ましょうか?」
澪「①。ムギ、布団なんてあるのか?」
律「①。さすがにないだろ。いくらムギでも」
純「①。ムギちゃん先輩ならもしかしたら!」
梓「①。仲の良い姉妹話を聞かせてもらいますか」
唯「え、えぇ~……」
憂「ふふっ///」←ちょっと嬉しい人の図
680:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:59:44.43:UjVrzOu6P
5分間唯と憂の楽しい姉妹会話があったとさ。
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦-⑦31
澪⑧\③⑨③-⑦-30
律③③\⑥⑮--⑨36
紬③⑨⑥\③-34-55
梓③③⑮③\-28⑦57
澪「二つ終わって31点か」
律「まだ一つ微妙なのが残ってるじゃん! MAX叩いたら唯も全然逆転あるって!」
唯「ふふ~ん。私と純ちゃんも仲良しなんだよっ!」
律「なにっ!? 中学の頃は家に来なかったって……しまった!」
唯「中学の時は、ね! 最近はよくあずにゃんと一緒に遊びに来るよ!」
梓「憂に会いにですけど」
唯「あずにゃあん……」
682:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:06:51.38:B63OgvhfO
律「さ~て次いくぞ~」
律「次は~ゴソゴソっと。律&和」
和「やっと言いたいことが言えるわ」
律「えっ?」
和「三年間をこの5分間に込めるのは大変だけれど……私がんばってみるわね、律」
律「しょ、しょれは頑張らなくても……」
和「さあ行きましょう。さわ子先生、少しペン貸してもらっていいですか?」
さわ子「え、えぇ」
和「申請用紙の書き方を教えてあげないと」
澪「え? 書き方って……」
和「こないだ申請用紙の書き方がわからなくて出すのが毎回遅れるんだ~とか言ってたから」
683:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:11:46.20:B63OgvhfO
澪「り~つ?」
律「行けど帰れど地獄……か」
和「澪には帰ってから怒られなさい。私が先だから」
律「きょ、今日は勘弁しておくんなましいい! ポイントが! ポイントがああっ」
和「じゃあ気まずくなさそうに笑いながらなんてどうかしら?」
律「そんなぁ……」
そうして律は和に連れ去られて行った。
唯「りっちゃん隊員に敬礼!」
紬「敬礼!」
さわ子「生徒会長恐るべしね」
それから5分間律は和にひたすら説教と申請用紙の大事さ、遅れるとどうなるかなどをひたすら説いたと云う。
685:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:12:37.99:CxgCsTS5P
得点!
④⑤③⑤③②⑩
唯澪紬梓憂純さ
律「ですよねー……」
澪「気持ち的には100点つけたい」
唯「ちゃんと出さなきゃ駄目だよ~?」
紬「がんばって部長」
梓「私にとってはいい反面教師です。ありがとうございます律先輩」
さわ子「担任としては見逃せないわね」
憂「(律先輩には悪いけど……和ちゃんを困らせるのはやめてほしいな)」
純「(さっき1点高くつけちゃったから、その分マイナスしとこ)」
687:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:24:51.90:B63OgvhfO
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦-⑦31
澪⑧\③⑨③-⑦-30
律③③\⑥⑮32-⑨68
紬③⑨⑥\③-34-55
梓③③⑮③\-28⑦57
梓「もう誰が優勝するか全くわかりませんね」
律「そもそもわたしのは気まずさとは関係ない気が……」
和「日頃の行いが気まずさに繋がったってことよ」
律「はいすみません……」
澪「やっぱり和の説教は効くなぁ。私じゃこうはいかないよ」
唯「りっちゃんが戦意損失気味だから代わりにわたしがガシャポンするね!」
696:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:26:36.13:B63OgvhfO
唯「なにが出るかな~なにが出るかな~?」
唯「はいっ! 出ました! 和ちゃん澪ちゃんだよ!」
和「さっき溜まったストレスを癒せそうね」
澪「うちの部長がご迷惑を……」
律「ああもうその話はやめてくれぇ~!」
和「だそうよ。いつまでも虐めるのも可哀想だからこれぐらいにしといてあげましょうか」
澪「和って怒らすと怖い……」
唯「和ちゃんと澪ちゃんは二年の時同じクラスだったからわたし達が知らない二人だけの秘密とかありそう!」
紬「それってなんだか素敵ね~」
697:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:29:17.16:B63OgvhfO
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
九回戦
澪和
和「澪とならまず気まずくなることもないけど、改めて話なさいって言われたらなんだか困るわね」
澪「いつも通りでいいよ。そう言えば生徒会は大丈夫? だいぶ長い時間拘束してこんなこと言うのもあれだけど……」
和「学園祭の用意やら何やらで結構忙しいわね」
澪「嗚呼、やっぱりっ! 今すぐ行ってもらっても私は全然構わないから!」
和「でもまあ生徒会の他の子達にはさわ子先生の用事ってことにしてるから大丈夫よ。それにそろそろ私がいなくても段取り組んでもらわないと来年困るもの」
698:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:35:09.58:B63OgvhfO
澪「うぅ……でもやっぱりごめん」
和「いいのよ。私も楽しんでるし。もうこうやってみんなで何かする機会は数回あるかないかでしょう。いい思いで作りよ」
澪「和……。二年のクラス分けの時、和がいてくれてほんとに良かった!」
和「どうしたのよ急に?」
澪「ずっとずっと言っときたかったんだ。あの時和があのクラスにいてくれなかったら多分私……毎日学校行くのが苦痛になってたと思うんだ」
和「大げさね。クラスは違ったって放課後に唯達と毎日会えるじゃない。唯達が良くこっちに遊びに来たりしてたし」
澪「それでもなんだ! ほんとに……ほんとにっ……嬉しかった」
699:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:41:49.15:B63OgvhfO
和「澪……」
澪「大学は別々になったけど…、これからもいい友達でいような、和」
和「ええ、勿論よ」
澪「学園祭頑張ろうな!」
和「ええ。澪のロミオ期待してるわ」
澪「えっ…?」
和「こないだ決まったじゃない。ロミオが澪でジュリエットが律って」
澪「……What?」
和「顔色悪いわよ? 大丈夫?」
澪「……アハハハハ……ダイジョブダイジョブ」
唯「しゅ~りょ~!」
700:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:45:55.22:B63OgvhfO
得点!
②③②③②①④
唯律紬梓純憂さ
律「最後のやりとりがなかったらな~満点だったのに」
梓「その一言に限りますね」
唯「惜しかった!」
紬「でも澪ちゃんのロミオとりっちゃんのジュリエット楽しみよね!」
律「明日から練習が始まるんだ……今はそっとしておいてくれないか」
澪「はは、ははははは」
和「そんなにやりたくなかったのね……」
唯「澪ちゃんは恥ずかしがり屋だからねぇ~」
701:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:50:44.79:B63OgvhfO
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦-⑦31
澪⑧\③⑨③17⑦-47
律③③\⑥⑮32-⑨68
紬③⑨⑥\③-34-55
梓③③⑮③\-28⑦57
唯「接戦だね!」
律「お前以外はな」
梓「最近7点の方が珍しくなって来ましたね」
律「良いことなんだか悪いことなんだか」
さわ子「見てる方にとっては面白くていいわよ!」
律「次々~」
唯「さ~て次は~ガラガラ~はいっ! わたしと純ちゃんだよ!」
703:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:55:54.73:B63OgvhfO
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
十回戦 唯純
唯「純ちゃん純ちゃん!」
純「はい、ってええっ?」
唯「わたしも純ちゃんと同じ髪型にしてみました!」
純「はあ……(相変わらず掴めない人だなぁ。どんな反応すればいいんだっての!)」
唯「触ってごらん!」
純「は、はあ」
モフモフ
唯「どうかな?」
純「モフモフしてますね」
唯「純ちゃんのも触っていい?」
純「はい、別にいいですけど」
ゴワゴワ
唯「ゴワゴワだったね……」
純「うぅ……気にしてるのに」
705:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:07:18.81:B63OgvhfO
梓『珍しいですね、唯先輩がいじめてますよ』
憂『ち、違うよぉ! あれはお姉ちゃんなりの純ちゃんとのスキンシップなの!』
律『独特過ぎてわからん』
唯「でもね純ちゃん! 安心して! 私も仲間だよ!」
純「仲間って?」
唯「同じ髪型の仲間だよ! だから一人じゃないよ!」
純「……ってことは明日も明後日も明明後日もその髪型ですか?」
唯「ど、努力するよ!」
純「……気持ちだけは受け取っておきます。ありがとうございます唯先輩」
唯「えへへ。どういたしまして! 純ちゃんさっき悩んでたから慰めようと思って憂にやってもらったんだぁ」
純「そうなんですか(悪い人じゃないんだけどね……ほんと)」
738:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 10:52:29.83:B63OgvhfO
唯「純ちゃんってジャズ研だよね?」
純「はい、そうですけど」
唯「ジャズ研って軽音部とどう違うの?」
純「どう違うって言われると難しいですね……」
唯「軽音部はかる~い音楽……じゃなくて……あれ? なんだっけ?」
純「軽音楽は確かそのままの意味だったような気がしますよ。クラシックとか行々しいものを簡単にした感じみたいな」
唯「ふむふむ」
純「ジャズは多分自由な音楽って感じじゃないですかね。感じ的に」
唯「けいおん部も自由にやってるよ!」
純「えっと……音楽的にですよ唯先輩」
739:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:03:59.43:B63OgvhfO
唯「つまり軽音楽は簡単な感じの音楽で~ジャズは自由な感じの音楽ってことなんだね!」
純「多分そんな感じだと思いますよ」
唯「不思議だよね!」
純「何がですか?」
唯「だって音楽部とかだと合唱とか~後指揮者とかいたりするのに軽!がつくだけでこんなにさっぱりになっちゃうなんて!」
純「言われて見れば確かに……オーケストラとかは何十人いるのに……ちょっと軽くなりすぎましたね」
唯「軽音はオーケストラからの生き残りなんだよきっと。それか喧嘩別れしちゃったのか…」
純「派生したんだと思いますけど…」
741:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:16:43.64:B63OgvhfO
唯「仲直りしなきゃ!」
純「どうやってですか?(面白いから止めないでおこ)」
唯「みんなで音楽部に入るんだよ!」
梓『軽音部消滅の危機!?』
純「でもそしたら唯先輩ギター弾けませんよ?」
唯「え?」
純「代わりにバイオリンとかチェロとか、もしかしたらコントラバスとか弾かなきゃいけなくなるかも」
唯「コントラバス??」
律『実物と唯が今想像してるコントラバスは違うと断言出来るな』
梓『変なバスでも想像してるんじゃないですか?』
742:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:31:08.11:B63OgvhfO
唯「音楽部はギターひけないの? 元は一緒の音楽だったんだよっ!?」
純「想像してみてください唯先輩! NHK何かであるオーケストラに一人ギターがいたら……!」
唯「……」想像中
──
指揮者「」さっ
バイオリンを持った人「」ささっ
チェロ?を持った人「」さささっ
コントラバス?を持った人「」ぶぅんぶぅんっ
唯「」フンスッ!
指揮者「……うんたんっ」
唯「」ジャンジャンジャンジャンジッジャジャーン
コントラバス「」ぐぉんぐぉーん!
バイオリン「……」
チェロ「……」
──
唯「ダメだね!」
純「でしょう!?」
744:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:38:08.53:B63OgvhfO
唯「仲直りは諦めよっか……」
純「軽音楽は軽音楽として生きていくべきですよ!」
唯「でも……ジャズは自由な音楽だから軽音楽と仲良しだよね?」
純「はい! ギターもベースもガンガンですよ!」
唯「もし純ちゃんが良かったら……来年軽音楽と仲良しになってあげてね」
純「へっ?? どういう……あっ」
梓『……』
澪『梓』
ぽん、と肩に手を置く澪。
純「……はい! 梓一人にはさせませんよ!(やっぱりいい先輩だよね、唯先輩も)」
746:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:46:08.20:B63OgvhfO
得点!
②②①②②①③
律澪紬梓和憂さ
澪「最初はどうなることかと思ったけど」
律「気づいたら唯ワールド炸裂だよな」
紬「唯ちゃんワールド~」
和「しっかり勧誘してる当たり後輩想いなところは伺えたわね」
梓「……」
憂「良かったね梓ちゃん」
梓「……うん。(こんな時でもちゃんと考えてくれてたんだ…唯先輩)」
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦13⑦44
澪⑧\③⑨③17⑦-47
律③③\⑥⑮32-⑨68
紬③⑨⑥\③-34-55
梓③③⑮③\-28⑦57
747:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:52:20.44:B63OgvhfO
律「この時点で唯は逆トップ確定か……」
澪「やっぱり唯は強いな」
紬「唯ちゃんさすがね!」
唯「もう終わったんだと思うとちょっと残念だけどね」
梓「こんなのさっさと終わらせて早く学園祭に向けて練習しましょう」
澪「そうだな」
律「全くだ」
唯「みんなひどいっ」
和「ロミオとジュリエッ(ry」
澪「あーあーただいまマイクのテスト中ー」
律「町内会のおっさんかお前は」
唯「次いっくよ~?」
748:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:02:17.34:B63OgvhfO
唯「残すところ後五回となってきましたこの気まずさ選手権! 次の組み合わせは~」
紬「来たっ!」ムギュギュギュギュ
唯「はいっ! ムギちゃんと憂だよ!」
紬「やったわっ!!! ずっとロックオンしてたの~」
澪「いや、なにをだ」
憂「よろしくお願いします紬さん」
紬「ええ、こちらこそ」
紬「(憂ちゃんとスキンシップする千載一隅のチャンスよ!)」
紬「うふふひひ」ジュルリ
750:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:14:04.53:B63OgvhfO
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
十一回戦 紬憂
紬「今お茶入れるわね」
憂「あっ、私が入れますよ!」
紬「だーめ。憂ちゃんはお客様なんだから(健気な憂ちゃん可愛いわ~)」
憂「じゃあ…お言葉に甘えて」
紬「は~い」
しばらくして、
紬「どうぞ」
憂「いただきます」
数口それを口に含むと一気に憂の顔に笑顔が咲く。
憂「凄く美味しいです!」
紬「ありがとう」
憂「何か入れ方のコツとかあるんですか?」
紬「そうね~……。大したことはしてないけれど…」
751:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:24:29.17:B63OgvhfO
紬「温度差が出ないようにティーポットは温めといた方がいいわね。後はお水はカルキが入ってないミネラル水を使った方が茶葉そのものの香りが出るかしら」
紬「茶葉の分量を正確に量るのは勿論ジャンピングも大切よ」
憂「ジャンピング?」
紬「紅茶を作る過程で茶葉はもまれるからどうしてもねじれちゃうの。それを沸騰し過ぎずでも温すぎずの空気を十分に含んだお湯をかけてあげることでポットのなかでのびのびと動き回るの~」
憂「ジャンピング……。(私もマスターしてお姉ちゃんに美味しいお茶を)」
753:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:30:11.88:B63OgvhfO
紬「後は蒸らす時間も大切かしら。茶葉の大きさによって変わるんだけど…。大きいほど蒸らす時間を増やした方がいいかしらね。目安としては2~4分ぐらいかしら」
憂「はい!」
律『憂ちゃんメモとってるぞ』
澪『真面目だな』
梓『というか今までそんな高等テクニックを駆使してお茶を入れてくれてたことに驚きましょうよ』
唯『ムギちゃんいつもありがとう』
さわ子『そろそろ五分よ』
律「お~い五分経ったぞ~」
紬「えっ!!?」
755:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:36:08.31:B63OgvhfO
紬「(しまったわ! お茶の話に夢中でなんにもスキンシップ出来てない!)」
憂「ためになる話をありがとうございました。紬さん」ペコリ
紬「(ああっ! 憂ちゃんが行っちゃう! これを逃したら自然とコミュニケーション出来る機会はもうないわ! 行くのよ紬! 憂ちゃんとコミュニケーション!)」
紬「」むぎゅ
憂「え?」
律「……なにやってんだ? ムギ」
紬「コミュニケーション」むぎゅん
憂「つ、紬さん?」
紬「憂ちゃんいい匂い……」
唯「とぅっ」ぎゅっ
憂「お姉ちゃん!?」
唯「憂はお日様の匂いがするね~」
760:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:46:32.55:B63OgvhfO
得点!
①②②②②②②
唯律澪梓和純さ
律「最後の行動により加点!」
紬「憂ちゃんと仲良くなりたかったの……」
澪「さっきみたいに紅茶の話とかしてれば自然と仲良くなれるよ」
紬「うん……」
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦⑬⑦44
澪⑧\③⑨③⑰⑦-47
律③③\⑥⑮32-⑨68
紬③⑨⑥\③-34⑬68
梓③③⑮③\-28⑦57
梓「律先輩と並びましたね」
澪「接戦だな」
律「(そして見事出かけたメンバーは残ってる……か。出かけた時に如何に新密度を高めたかで勝敗が別れるな)」
762:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:53:02.15:B63OgvhfO
唯「悲しいかな後四回でこの楽しい楽しい選手権も終わりだよ……。さて、後の四組は一体どのようなドラマを生むのか~? はいっ! 次はあずにゃんと和ちゃんだよ!」
梓「来ましたか」
さわ子「気まずくなりそうね。あんまり接点なさそうだし」
澪「(普通ならさわ子先生の言う通り気まずいところだけど……)」
律「(昨日一日でどれだけ距離を埋めて来たか……)」
和「じゃあ行きましょうか、梓ちゃん」
梓「はい、和先輩」
763:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:05:32.64:B63OgvhfO
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
十二回戦 梓和
和「昨日はごめんなさいね。色々と」
梓「いえ、楽しかったです」
唯『昨日とな!?』
律『ふっ、昨日から戦いは水面下で行われていたのさ!』
和「じゃあ昨日話せなかった私の兄弟の話でもしましょうか」
梓「はい! 聞きたいです! 和先輩の兄弟の話」
和「多分軽音部でも知ってるのは唯と憂くらいかしら。私には小学生の弟と妹がいるの」
梓「小学生なんですか。ずいぶん離れてますね」
和「そうそう。だから私が第二のお母さんみたいになっちゃってるわ」
771:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:10:30.65:B63OgvhfO
梓「和先輩が面倒見がいいのはそこから来てるんですね」
和「ううん。逆よ逆」
梓「え?」
和「だって唯とは幼稚園の頃からの付き合いだもの。だからもう十年以上の付き合い」
梓「あっ、そっか。まだ小学生ですもんね。ってことは……」
和「そう。言ってみれば一番最初で一番手のかかったのが唯だったわけ」
梓「なるほど! 唯先輩っていう一番面倒がかかる人を身近で支えて来た和先輩にとって兄弟の面倒を見るのなんて朝飯前ってことですか!」
和「そこまでは言わないけど、まあ面倒見の源流は唯から来てるのは間違いないわね」
唯『あずにゃんも和ちゃんも失礼だね!』
律『苦労したんだな……和』
777:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:25:54.38:B63OgvhfO
和「兄弟の話をしてたのにいつの間にか唯の話になっちゃってるわね」
梓「そうですね。それだけ和先輩にとって唯先輩は身近な人ってことですよきっと」
和「…そうね」
梓「(和先輩……?)」
そうね、と言ってどこか遠くを眺める和先輩。多分昨日話さなければわかっていなかっただろう。
この意味を……。
梓「……」
不意に悲しみが込み上げて来る、私のことじゃないのに……。
和先輩の優しさと、強さと、思いがわかってしまったから……。
梓「……」
私の瞳から、涙が滲んで、溢れ落ちた。
778:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:33:43.56:B63OgvhfO
和「梓ちゃん?」
梓「えっ、はっい!」
和「どうしたの?」
梓「いえっ、これは、何でもないんです!」
制服の裾で必死に拭い取る。
梓「勝手に思い込んで勝手に悲しんで……その当人でもないのにバカですよね私」
その時だった。
他の何かが私の顔を拭ってくれる。
和「……」
梓「和先輩……」
無言で、けれど優しく私の顔をハンカチで拭ってくれた。
私には兄弟はいないけど、お姉ちゃんの匂いと言うのはまさにこんな感じなんだろう。
唯先輩とはまた違った暖かさだった。
和「間違ってたら……ごめんなさいね」
そう言って、和先輩はゆっくり喋り始めた。
779:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:42:19.81:B63OgvhfO
和「唯と離れるのは確かにちょっと悲しいわ。けど他に仲の良い友達が出来てそれで唯が楽しそうなら私はそれでいいの」
梓「でもっ! やっぱり悲しいです……」
私には幼なじみはいない、けれどもし純が幼なじみだとして……昔は仲が良かったのに今は他の友達ばかりと遊ぶようになったらやっぱり悲しいし寂しいと思う。
それでも和先輩はそんなことは一切言わず、寂しさも見せず、心配もかけず、ただ、ただ見守ってくれている。
唯先輩だけじゃない。軽音部のみんなだって学園祭のことやクラスのことでお世話になってる筈だ。
それでも……っ! 和先輩は嫌な顔一つせずただ……見守ってくれている。
そして一番大切な唯先輩が遠くに行こうとしてることさえ唯先輩の幸せを考えて……それがいいって言ってくれている。
785:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:53:41.20:B63OgvhfO
梓「どうしてそんなに優しくなれるんですか?」
心に渦巻く素直な気持ちをぶつける。
私なら絶対真似出来ない、絶対どこかで爆発してしまうような寂しさを抱えても尚、笑っていられる和先輩。
和「優しくなんてないわよ。ただ……人のことを好きになるのってそういうことだと私は思ってるから」
梓「好きになる……」
和「誰もが表面と裏側を一緒に持ちながら接してると思うの。ただ私はそれを出さないだけ。だって……、私が泣いてたらみんな困るでしょ?」
そう笑いながら答えてくれた。
梓「(もう……やめよう)」
一日やそこら一緒にいただけで踏み込める領域じゃないのだ。
あの二人の関係は……。
786:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:57:42.97:B63OgvhfO
唯『……』
律『唯……お前、泣いてるのか?』
澪『律、そっとしといてやれ』
澪『(いつもみたいな冗談まじりの泣き方じゃない……。唯もわかってたからこそ流せる涙なんだよな。私と律も同じだから……わかるよ)』
そうして、長くて短い五分は終わった。
792:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:06:57.14:B63OgvhfO
得点!
①③①①①①①
唯律澪紬憂純さ
律「あれ?! 見てる方はちょっと気まずかったからもっと行くと思ってたんだけど」
さわ子「りっちゃん、ここシリアスパートだから。ちゃんと空気読みなさい」
律「得点は厳正にじゃ……」
澪「優しさはあったけど、二人に気まずさはなかったよ」
律「得点つけるのって難しいな……」
和「ほら、終わったんだからもう泣かない」
梓「は゛い、すみ゛まぜん……」
和「また手のかかる妹が増えちゃったかしらね」
梓「私は唯先輩みたいに手を煩わせたりしません!」
和「あらそう? それは残念ね」
794:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:10:24.11:B63OgvhfO
梓「次は私と和先輩の話をしましょう」
和「そうね。唯の話ばっかりしたら梓ちゃんに失礼だもの」
梓「そうじゃないんです。ただ、私にはまだ足りないから」
和「……そ」
いつか誰かと、唯先輩と和先輩みたいな関係になれたらいいな。
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦⑬⑦44
澪⑧\③⑨③⑰⑦-47
律③③\⑥⑮32-⑨68
紬③⑨⑥\③-34⑬68
梓③③⑮③\⑨28⑦66
795:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:12:35.50:B63OgvhfO
律「梓に抜けられたのは痛い……」
澪「いよいよトップ争いか……。ははっ、鬱だな」
紬「後は和ちゃんとね(……あれ? 何話せばいいのかしら)」
唯「さっ! 気をとりなおしていくよ! 残る三つ! ガシャポン! 澪ちゃん憂~」
澪「よし! トリは回避したな!」
律「トリってだけで気まずくなれるもんな……」
唯「ではお二人ごゆるりと~」
憂「お姉ちゃん大丈夫?」
唯「ん? なにが?」
憂「ううん、何でもない」
唯「澪ちゃんとラブラブしちゃってらっしゃい!」
憂「うぅ……(お姉ちゃんは私と澪さんがそうなってもいいのかな?)」
800:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:26:57.95:B63OgvhfO
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
十三回戦 澪憂
憂「(お姉ちゃん…私のことそんな好きじゃないのかな?)」ソワソワ
憂「(澪さんにならいいってことかな…? う~……)」ソワソワ
澪「(なんか憂ちゃんすっごいソワソワしてる! チラチラ扉の方見て……)」
唯『』フンスッ
憂「~っ」
澪「(やっぱり唯が原因か。しかしこのままじゃ優勝しちゃう……ここまで来て優勝するのはやっぱり嫌だ!)」
澪「憂ちゃん、どうかしたの?」
憂「な、なんでもないです」
澪「(そうだよ憂ちゃん、冷静になろう。唯はいないけどみおねえちゃんがついてるぞ!)」
803:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:37:43.90:B63OgvhfO
澪「今度またどっか行こっか。次は三人でさ(ダブルお姉ちゃんと一緒なら憂ちゃんも安心だろう)」
憂「(お姉ちゃん……どうなのかな?)」
唯「」キキミミタテタテ
憂「(ちょっと確かめてよう!)」
憂「ふ、二人きりで行きましょう澪さん!」
澪「え?」
唯『なんですとおおおおっ!?』
律『ははっ~キャとられてやんの』
和『ついにお姉ちゃん離れしたのね、憂も』
澪「でも…さ、三人の方が憂ちゃんもいいだろ?」
憂「」チラッチラッ
憂「みおお姉ちゃんと二人で行きたいの」
唯『みおねえちゃん!!!???』
和『まさか乗り換えるとは、やるわね憂』
律『みおねえちゃん駅~みおねえちゃん駅~。あ、なんか聡思い出して腹が立った』
805:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:44:43.27:B63OgvhfO
澪「(お、落ち着け私! 私が動揺してどうする!)」
澪「そんなこと言ったら唯が悲しむぞ? ほら、扉のところでプルプル寂しそうに震えてるじゃないか」
唯『う、うい~』
憂「(お姉ちゃん……。やっぱり私のことを思ってくれてたんだね。困ってるお姉ちゃんも可愛いけどそろそろやめてあげないと可哀想)」
憂「そうですね。三人で行きましょう」
澪「えっ? あれ?」
律『切り替えはやっ』
和『やっぱりお姉ちゃん離れはまだ先かしらね……』
唯『うい~カムバァァックゥ』
808:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:54:34.86:B63OgvhfO
澪「でも憂ちゃんってほんと良くできた妹だよな。掃除に洗濯に料理に、お菓子も作れるんだっけ?」
憂「はい。少しだけなら」
澪「そりゃ唯みたいになっちゃうよな。実際私が唯だとしてもだらけちゃいそうだよ」
憂「(お姉ちゃんみたいな澪さん……)」
──
澪「憂~お菓子作って~」
憂「はいはい」
──
澪「憂~あいす~」
憂「ご飯食べてからっ」
──
憂「お姉ちゃん起きて~」
澪「後五時間~」
──
0o。
憂「(かわいいけどやっぱり違うかなぁ)」
810:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:10:55.57:B63OgvhfO
憂「澪さんは澪さんのままだったと思いますよ。お姉ちゃんもお姉ちゃんもままですから」
澪「昔からああだったんだ……」
憂「はい! それに私お姉ちゃんの世話とかするの大好きですから」
澪「そっか。(あの姉あってのこの妹でもあるんだな。なんとなく憂ちゃんのことわかった気がする)」
澪「じゃあ今度三人で出かけよう。私と、憂ちゃんのお姉ちゃんの唯とで」
憂「……はい!」
澪「(お姉ちゃんごっこもこれで終わりだ。これからは普通の先輩後輩として付き合っていこう)」
憂「楽しみですね」
澪「うん(さよなら、お姉ちゃんだった私。そしてありがとう、憂ちゃん。本当の姉妹でいつまでも末永く仲良くな)」
811:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:20:18.06:B63OgvhfO
得点!
②②①②①①③
唯律紬梓和純さ
唯「お姉ちゃんからの無言のメッセージ(加点)だよ!」
和「ちゃんと戻って来たんだからいいじゃない。それに憂はあなただけの妹じゃないわよ?」
律「なんだ~? 次は憂ちゃん争奪戦でもやるか!?」
梓「もうこりごりですよ……」
紬「いよいよ後二回……。ついに終わっちゃうかと思うと寂しいわね」
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦⑬⑦44
澪⑧\③⑨③⑰⑦⑫59
律③③\⑥⑮32-⑨68
紬③⑨⑥\③-34⑬68
梓③③⑮③\⑨28⑦66
813:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:24:23.93:B63OgvhfO
澪「やったああああああああ抜けたぞおおおおおおお」
律「どんだけ負けたくなかったんだよ」
梓「律先輩とムギ先輩の一騎討ちですか。見物ですね」
紬「負けないわよりっちゃん!」
律「望むところだ!!! 次こーい!」
唯「じゃあ次いくよ」
憂「お姉ちゃ~ん」
唯「つーん」
憂「お姉ちゃん……」
唯「ふーん」
憂「グスン…」
唯「ごめん憂っ! 嘘だよぉ~」
憂「お姉ちゃん……!」
律「はよ引け」
815:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:33:43.07:B63OgvhfO
唯「残るは後二つ! トリはどっちかな~?」ガサゴソ
唯「はいっ! りっちゃんと純ちゃんでした!」
律「っとトリ回避か。良かった良かった」
紬「私が最後ね」
梓「純」
純「わかってるよ、梓」
澪「いよいよ決まるんだな」
和「早く終わらしてもらわないと困るわ。ムギも台本とか(ry」
澪「トキメキシュガー! 淡い淡い恋心!」
唯「澪ちゃんが急に詩を朗読し始めたよ!」
さわ子「どんだけ劇やりたくないのよ」
817:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:46:24.79:B63OgvhfO
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
十四回戦 律純
律「よっ、二人きりは昨日ぶりかな」
純「はい……」
律「んだよ~元気ないな。昨日みたいに楽しくやろうぜ! てか今日これ終わってから暇? またゲーセン行かない?」
純「その前に一つだけ聞かせてください!」
律「ん? なに?」
純「わたしと仲良くなったのはこの為なんですか?」
律「えっ?」
純「わたしと昨日のうちに仲良くなって……今日気まずくならないために……」
律「……」
819:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:57:48.05:B63OgvhfO
純「わたしはそれでもいいんです、全然! だから……気にしないでください。わたし、これがなかったら律先輩とこんな風に出会えなかったと思います」
律「純……」
純「でもなんだか変ですよね。気まずさを争う選手権なのに、みんなそれを一生懸命なくそうと始まる前からがんばってるなんて。澪先輩も…梓も」
律「おかしくないさ。だって、誰だって他の人と仲良くなれたらっていつも思ってるんだから」
純「……そう…ですよね」
律「…この大会は実は気まずさを測るもの何かじゃないってこと、もう気づいてるだろ?」
純「…薄々は」
820:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:04:10.84:B63OgvhfO
律「少なくとも最初の時はそうだったかもしれない。でもそもそもわたし達の中で決定的な気まずさなんて生まれるわけないんだ。
もう三年間、梓も二年間ぐらいずっと一緒にいて……いくらあんまり二人きりになったことがないって言っても気まずくなんてならないさ」
純「……」
まるで事件を解決していく探偵のような饒舌さで律の話は続く。
律「でも……意味が変わって来たのはリベンジマッチが決まってからだ。和、憂ちゃん、そして純ちゃん。この中でほとんど面識がなくて話すこともなかったのが純ちゃんだった。わたしにとってはね」
純「わたしも…昨日まで律先輩と話した記憶なんて見学に行った時ぐらいでしたよ」
823:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:12:22.53:B63OgvhfO
律「だから私は考えた。このまま行けば間違いなく気まずくなるし、何より純ちゃんに悪いってさ」
純「だから誘ったんですか? 遊びに」
律「ああ。じゃあ仲良くなったらいいじゃんってさ」
純「そうですか……(でもそれって結局わたしが最初に言ったことと変わらないよね)」
律「ああもう言葉が足らない! 簡単に言ったらきっかけは確かに選手権だったけど! わたしと純の仲の良さに嘘はないから!」
純「……」
精一杯ぶっきらぼうにそう叫んでくれた。
律「仲良くなって、ほんと良かったと思ってる」
そして小さく、恥ずかしそうにそう付け足した。
826:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:20:45.74:B63OgvhfO
純「律先輩」
律「なんだっ!?」
純「クプッ、なんだかよくわかんないです!」
律「大丈夫! わたしもよくわかんないから!」
純「何します?」
律「へっ? 何が?」
純「やだな、ゲーセンでですよ」
律「あ、あーそうだったな! やっぱりクラッシュカーチェイスは外せないとして……」
純「太鼓の鉄人も教えてくださいね、律先輩」
律「ベースマニアもな! あっ、澪も連れてこっか!」
純「わたしのハイスコアが消されちゃいますよ!」
純「(仲良くなるのに理由やきっかけなんて関係ないよね)」
そんな細かいこと気にする鈴木純はクラッシュしちゃえ!
そう、思った。
827:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:29:35.58:B63OgvhfO
得点!
①①①①①①②
唯澪紬梓和憂さ
律「くはぁっ最高得点じゃなかったか!」
純「律先輩があんなぶっきらぼうに告白するから」
律「告白ってなんだ告白って!!」
澪「(気まずさを測るための選手権、それに負けたくないから仲良くなる、けどそんなのきっかけでしかないんだよな)」
梓「(だって気まずさは、仲良くなりたいの裏返しなんだから)」
紬「いよいよ最後ね!」
さわ子「(逆転出来る為に1点増やしといたわよムギちゃん! いつもお菓子もらってるからこれくらいはしないとね!
それにオチ的にりっちゃんが二連覇した方が面白そうだし)」
829:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:36:07.33:B63OgvhfO
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦⑬⑦44
澪⑧\③⑨③⑰⑦⑫59
律③③\⑥⑮32⑧⑨76
紬③⑨⑥\③-34⑬68
梓③③⑮③\⑨28⑦68
澪「ムギが7点出せば……」
梓「はい…」
律「さわちゃんめ……謀ったな!」
唯「ムギちゃんがんばって~」
紬「う、うん(直前になっても何話していいかわからない…)」
完全ノーカットでお送り致します。
831:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:44:52.45:B63OgvhfO
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
最終戦 紬和
紬「和ちゃんお茶どうぞ~」
和「ありがとう、ムギ」
紬「(ここまではいつも通りだけど…)」
和「(何話したらいいかしら…)」
沈黙──
紬「(好きな食べ物とか聞いてみようかしら)」
和「(好きな食べ物……いや典型的過ぎるわね。音楽のことはよくわからないし……)」
続、沈黙──
紬「(何か話さなきゃ。よぅし好きなもの聞くぞっ)」
和「(無難に休みの日何やってるか聞きましょうか。実際気になるし)」
紬「あの」
和「ムギってさ」
紬「(か、被っちゃった)」
和「(まいったわね……)」
833:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:53:40.24:B63OgvhfO
さわ子『ようやく来たわね! 気まずさの王道パターン! 考えた末にお互いの言葉が被る!!!』
紬「和ちゃんから言って?」
和「ムギからでいいわよ」
さわ子『この譲り合い溜まらないわっ!!!』
紬「じゃあ私からね。和ちゃんって好きな食べ物ってなぁに?」
和「(良かった…その質問空けといて)得にはないわね。好き嫌いはかな」
紬「そ、そうなの…」
和「(本当のこと言ったのになんだか気まずいわね…)」
さわ子『もうううっ! 堪らないわあああっ! 気まずいって素晴らしいっ!』
澪『嬉しそうですね』
梓『まあ何となくこうなるとはわかってましたけどね』
834:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:00:27.18:B63OgvhfO
結果発表!
平沢唯 44点
秋山澪 59点
中野梓 68点
田井中律 76点
.
.
.
.
.
優勝は……!
琴吹紬! ジャスト100点!
紬「やったわ~」
律「なんで喜ぶんだよ」
澪「気にしてなくて良かった。三人ともありがとな、こんなことに付き合わせて」
和「ま、楽しかったからいいわ」
純「律先輩とも仲良くなれましたし」
憂「私もみなさんと仲良くなれて良かったです」
835:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:05:01.02:B63OgvhfO
梓「そもそもムギ先輩はほとんど1点しかつけてないじゃないですか!」
紬「みんな可愛かったから」
律「ま、ムギらしいな」
澪「だな」
唯「これにて気まずさ選手権! 終了~」
さわ子「待ちなさい!!!」
律「さ、さわちゃん!?」
さわ子「まだよ! まだ終わってないわ! まだ私との気まずさ選手権が残ってもの! 続行よ! 継続よ! 倍プッシュよ!」
唯律澪梓「お断りします」
さわ子「なんでようっ!」
紬「はーい! 私は賛成でーす!」
紬の声虚しくさわ子を交えた気まずさ選手権は行われなかったという。
836:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:08:29.89:B63OgvhfO
──
ある日のこと
唯「憂~お風呂空いたよ~」
『あっはっはっは!』
『せやねんせやねん!』
憂「あ、うん。すぐ行くね」
唯「あれ? それって気まずさ芸人!? 憂撮ってたの?」
憂「うん。私好きだから。お姉ちゃん見てるならそのままにしとこっか?」
唯「うん見る見る」
憂「じゃあ行ってくるね」
唯「ゆっくり浸かってらっしゃ~い」
『あはははは! ちゃいますやん!』
唯「やっぱりみやさこちゃん面白いなぁ」
837:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:14:39.81:B63OgvhfO
『でもあれですよね、気まずさってそんな悪いもんじゃないですよね』
唯「あれ? こんなこと言ってたっけ? あっ、そっか。この後すぐに表の作成に取りかかったから見てなかったんだね」
『そうそうwwwwww 気まずさの中にある思い遣りみたいなwwwwww』
唯「気まずさの中にある思い遣り……?」
『気まずいってことは相手のこと思ってるからであってどうでもええんなら死ねカスとか言いまくりますよねwwwwww』
唯「ってことは……!」
『気まずさは優しさの裏返しってことやなwwwwww』
唯「なんだぁ、気まずいのって全然悪いことじゃないのかぁ」
じゃあこの度の騒ぎは一体何だったんだろう……?
唯「面白かったからいいや」ニコリッ
お し ま い
838:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:16:50.58:B63OgvhfO
『みんなでいると仲良いのに二人になると急によそよそしくなったりしません?』
『あるあるwww』
『お、おぅ、昨日テレビ見た?』
『あ、み、見てないわ。みたいなwwwwww』
『wwwwww』
唯「むむっ!」
『みんな仲良し言ってるけど友達の友達と二人きりは気まずいよなwwwwww』
『みんなでいる時は仲良いけど単体だと気まずいのに自分達仲良いとか思ってるやつ結構いますよwww』
『おるおるwwwwww』
唯「そんなことないもんっ!」
『仲良し五人組言うても端と端はただの知り合いレベル的なwww』
唯「むうっ!!」
唯「わたし達は違うよ! りっちゃんとも澪ちゃんともムギちゃんともあずにゃんとも仲良しだもんね!」
『そんで中心のやつは自分が全員と仲ええから余計そう錯覚して気まずさ増やすんよなwww』
『俺こいつと全然絡みないのに二人で買い物行かされるとかちょっと待てよwww』
『wwwwww』
唯「!? みんなはどうなんだろう……?」
『気まずwwwwww』
『wwwwww』
唯「あの楽しい部室の中にも実は気まずい空気も流れてるのかな…?」
唯「これは確かめる必要があるよ!」
唯がいない間は普通に練習してるHTTであった
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:07:16.23:GDLvKrqJO翌日!部室!
唯「気まずさ選手権をやります!」フンスッ!!!
澪「へ?」
紬「あら?」
梓「え?」
律「唯、昨日テレビ見たろ」
唯「ふふ、さすがりっちゃん話が早いね! 実は……この中に気まずい空気が流れてるのかもしれないのです!」
律「な、なんだってー!?」
澪「……」
澪「よーし練習するぞー」
梓「ですね」
律「お、おい! 唯の話を聞いてやれよ!」
澪「お前は練習したくないだけだろ」
律「バレちゃった☆」
律「でも面白そうじゃないか? 五人の時は普通だけど二人っきりになったら気まずくなる組み合わせとかありそうじゃん」
澪「ないない」
梓「そうですよ。気まずいなんて……」
唯「!! あずにゃん今ちょっと気まずそうな顔した!」
梓「し、してませんよ!」
澪「いいから練習するぞ」
律「あら~ん? 澪ちゃんは自信ないのかしらぁん? 誰かと気まずくなっちゃうからやだよぅって?」
澪「っ! だ、誰がっ!」
唯「澪ちゃん、わたしはね……ここにいるみんなは一人一人が仲良しだと思ってるの。もし気まずい空気があったとしたらそれを取り除きたい! その為の気まずさ選手権なのです!」
澪「でも……」
律「じゃあ多数決な! やりたい人! はいっ!」シュビッ!
唯「はいっ!」シュビッ!
紬「はーい」シュビッ!
澪「ムギいいいっ」
紬「だって面白そうだもの~」
梓「多数決で律先輩達に勝ったことないような……」
律「細かいこと気にすんなって! で、どうやって決めるんだ? 唯」
澪「選手権ってことは一番気まずい人?を決めるってことか?」
唯「そう来ると思って書いてきました!」
唯澪律紬梓
唯\
澪 \
律 \
紬 \
梓 \
梓と紬は放課後にギター練習するぐらいの仲だからなあ
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:23:39.56:9X+tGVvEO梓と律が気になるな
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:24:01.43:PyqnKtig0澪ムギは真面目な話で盛り上がりそうだし
律梓くらいか?
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:25:01.68:GDLvKrqJO律梓くらいか?
梓「どうでもいいですけど線書くの下手くそですね唯先輩」
唯「気にしてることをストレートに突くねあずにゃん!」
律「で、これに○~とか×~って書いてくのか?」
唯「甘いよりっちゃん! それじゃ総合評価が曖昧になっちゃう!」
澪「じゃあどうするんだ?」
唯「ちょっと待ってちょうだいね~」ゴソゴソ
バッグを必死に漁る唯。
紬「唯ちゃん?」
唯「これです!」
梓「なんですかそれ?」
唯が取り出したのは三つプレート。
唯「これにマジックで点数を書くんだよ! 1~5点ね!」
律と梓はふざけ合ったりって描写はあるけど二人っきりになったとしたらまあうん
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:26:17.64:PyqnKtig0そこに和と憂と純が入ればそれはそれは気まずくなりそうだ
特に和と純
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:29:24.52:W2MFsQTt0特に和と純
>>27
そこ普通に友達じゃねえだろwwwwwwwwwwww
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:31:53.77:GDLvKrqJOそこ普通に友達じゃねえだろwwwwwwwwwwww
唯「二人は中(部室)で5分間一緒にいてもらいます! 後の三人は外からその様子を見て二人の気まずさを点数で現してもらうんだよっ!」
律「ほうほう」
澪「高い程気まずいってことか?」
唯「そういうことだね!」
紬「なんだかドキドキね」
梓「MAX15点、最低3点。最終的に得点が高い人がこの中で一番気まずい空気を発生させてる張本人ってことになるわけですよね……」
唯「そう!」フンスッ!!!
律「(これって…)
澪「(思ったより……)」
梓「(過酷なゲームな気がする…)」
紬「楽しみ~」ニコニコ
こうして始まった気まずさ選手権。
これが思いもよらぬ結果になることを……今はまだ誰も知らない。
唯「じゃあまず澪ちゃんとわたしね!」
澪「いきなりっ!?」
唯「この表通りにした方がわかりやすいかな~って」
律「じゃあわたし達は外で二人の様子を観察するか!」
梓「(唯先輩と澪先輩か……。仲良さそうだけど二人きりのところはあんまり見たことないような…)」
紬「二人とも頑張って~」
澪「うぅっ。(改めてこうなるとなんだか緊張する…)」
唯「じゃあ澪ちゃん、よろしくねっ」ニコッ
澪「う、うん」
気まずさ選手権一回戦!
唯澪
スタート!
唯「今日は暖かいね~澪ちゃん」
澪「そ、そうだな」
澪「(ふ、普通にしないと。唯とは仲の良い友達だし一年の頃からずっと軽音部で一緒だった。気まずくなる理由がないじゃないか!)」
澪「(普通にしてればいいんだ! 普通に……)」
澪「ゆ、ゆいっ!」
唯「は、はひ!?」
律『おおっと急に声が上ずった!』
梓『逆に意識し過ぎましたね』
紬『澪ちゃん頑張って!』
澪「(なにやってんだよ私! これで得点が高かったら私のせいで唯も……)」
唯「澪ちゃん、わたしの手触ってみて」
澪「……?」
おずおずと手を伸ばし、唯の手に触れる澪。
澪「こ、これは!」
律『!?』
梓「!!?」
紬『(こんなことが何回もあるなんて……耐えられるかしら私)』
澪「かたい! かたいぞ唯!」
唯「えへへ~」
澪「一年の頃は全然だったのに。こうやって直に触ってみると成長を感じるな」
唯「澪ちゃんのは?」
澪「私のはもっとかたくなったぞ!」フフンッ
唯「どれどれ…」プニプニ
澪「///」
唯「わぁ~ほんとだ! やっぱり澪ちゃんにはかなわないやぁ」プニプニ
澪「ゆ、唯?」
唯「プニプニ~」
律「は~い5分経ったぞ~」
梓「お疲れ様でした」
紬「凄く良かったわ~」
唯「もう終わりか~残念!」
澪「(残念……なんだ。良かった)」
唯「それでは得点をお願いします! 公平にね!」
律「うむ」
律 4
梓 3
紬 1
合計8
唯「ええっ!?」
澪「り、律! 4点って!」
律「客観的に見させてもらった結果だ!」
唯「あずにゃんも手厳しいよぅ」
梓「律先輩と同じ意見です。後の方は良かったですけど序盤はかなり見てて気まずかったので3点で」
紬「最高だったので一点~」
澪「うぅ……。ごめんな唯」
唯「気にしなくていいよ澪ちゃん!」
唯澪律紬梓
唯\8
澪8\
律 \
紬 \
梓 \
唯「次! りっちゃんとわたし!」
律「ん~連続になっちゃうけどいいのか?」
唯「スタミナ十分であります!」
律「わたしの特訓は厳しいぞ~?」
唯「明日へ走れ!」
律「青春の汗ーッ!」
ツッタターッ
梓「あの二人は問題なさそうですね」
紬「りっちゃんと唯ちゃんはいつも仲良しだもんね」
澪「私と唯だって……」
気まずさ選手権! 二回戦
唯律
唯「りっちゃんカチューシャ貸して!」
律「おぉういいぞ~」
唯「どうかな?」スチャ
律「バカ野郎! それじゃつけただけだろ! デコを出せデコを!」
唯「え~……恥ずかしいよ」
律「恥ずかしくないっ! さあっ! お前のデコを見せて見ろーッ!」
唯「あ~れ~」
梓『問題なさそうですね』
紬『私もりっちゃんのカチューシャつけたい!』
澪『梓、安心するのはまだ早いぞ』
梓『えっ?』
澪『あそこには魔物が住んでいる……』
そう、気まずさと云う魔物が!
唯「どう……かな?」
律「あ、うん……。似合って(プフ)るよ」
唯「あっ! りっちゃん今笑った!」
律「笑ってないない。とっても似合ってるぞ唯!」
唯「むー」プイッ
律「ゆ、唯?」
澪『ほら気まずくなった!』
梓『なんで嬉しそうなんですか』
紬『喧嘩はダメよ二人とも!』
律「わたしが悪かったよ唯。機嫌治せよ~」
唯「……」
律「ゆーい。ほら、貞子!」デーン
唯「……ぷ、ぷふふ」
律「獅子舞!」ドゥルーン
唯「あはははっ、りっちゃん前髪長すぎ~」
律「そかぁ?」
紬『やっぱり仲良しね』
梓『まあ否定はしませんけど…』
澪『魔物が……魔物が……』
律「でさ~美容院で前髪切らないでっ! 言ったら……」
唯「あははは! 床屋さんも困っただろうね」
律「と、床屋ぁ!?」
唯「?」
律「唯まさか髪床屋で……」
梓「5分経ちましたよ」
紬「またまた良かったわ~」
澪「魔物は現れなかったみたいだな」
唯「魔物?」
律「ってか髪の話がまだ終わって(ry」
梓「それはまた今度お願いします」
唯「あずにゃん先輩厳しいッス! じゃあ得点お願いします!」
澪 ①
梓 ①
紬 ①
俺は唯ともりっちゃんとも気まずくなる自信あるぞ
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:42:56.03:GDLvKrqJO唯「おぉっ! 満点!」
律「あれ? カチューシャのとこでちょっと気まずく見えたとか思ってたけど」
梓「私も最初はそこで加点するか迷いましたけど、あれで加点するのはちょっと違うかなって。気まずい感じはしませんでしたし」
澪「私も。おでこを出した唯を律が笑って……唯が拗ねたのを律が慰めて、それっていつも通りだしな。そして笑いあって話してるのを見たら……な」
紬「文句なく①点!」
律「まあ普段通りだからな。当然と言えば当然だよな!」
澪「くっ……」
唯「じゃあ次ムギちゃんとわたしね!」
唯澪律紬梓
唯\⑧③
澪⑧\
律③ \
紬 \
梓 \
三回戦!
唯紬
紬「せっかくだしお菓子食べながら話しましょっか!」
唯「うんうん!」
紬「今日はクッキーとアップルティーなの」
唯「いい匂いだね~」
紬「はいどうぞ」
唯「ありがとう~」
二人並んで椅子に座りお菓子とお茶をいただく二人。
唯「クッキー美味しいね!」サクサク
紬「ありがとう。今日は手作りなの」
唯「ほんとに!? お店で売ってるみたいに美味しいよ!」
唯のコミュ力は異常
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:54:22.69:GDLvKrqJO唯「こんな美味しいお菓子どうやって作れるの?」
紬「家にいるパティシエの人に教えてもらったり本を見たりして、かな」
唯「わたしも憂に教えてもらおうかなぁ。そうだ! 今度わたしの家で一緒にお菓子作ろうよ! それで~教えてくれたり? 食べさせてくれたり!」
紬「ええ。何作ろっか?」
唯「えっとね~……ケーキ! 難しいかなあ?」
紬「ケーキは見た目より簡単なのよ唯ちゃん」
唯「なんと! そうなの?」
律『ああ、部室だな』
梓『いつもの部室ですね』
澪『仲良し羨ましい……』
唯「お菓子作れるようになったらわたしも部室に持ってくるよ!」
紬「楽しみ~」
律「5分経ったぞ~」
唯「もう? じゃあまた今度メールするね!」
紬「うん!」
澪「なんだか唯が遠くなって行く……」
唯「澪ちゃんも一緒にお菓子作ろうよ!」
澪「う、うん!」
律「仲間外れは良くないぞーッ!」
唯「じゃあみんなで作ろっか!」
梓「(私達まで巻き込むこの空気……! 唯紬ペア恐るべし!)」
律「得点……は出すまでもないか」
澪「だな」
梓「はい」
紬「?」
唯「んぅ?」
唯澪律紬梓
唯\⑧③③
澪⑧\
律③ \
紬③ \
梓 \
唯「じゃあ次! あずにゃ~ん!」ダキッ
梓「ひいっ」
唯「あっちでゆっくり語ろうか! トンちゃんについて!」
梓「なんでトンちゃんについてなんですかぁっ!」
連れ去られる梓を見て三人は開始される前に得点を出していたと云う。
律 ①
澪 ①
紬 ①
これは納得できるなw
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 23:14:53.98:GDLvKrqJO5分間、唯は梓に抱きつきっぱなしだったと云う……。
梓「気まずさを感じる暇もありませんでしたよ…」
律「なんと言うか……お疲れ」
唯「でもあずにゃんも嫌がらなかったくせにぃ」
梓「あ、あそこで嫌がったら気まずくなるかなって……。だからですっ!」
唯「あずにゃんのいけずぅ」
紬「でも梓ちゃんに抱きついて気まずくならないのって唯ちゃんだけじゃない?」
律「た、確かに!」
澪「それは気まずいって言うより違和感じゃ…」
唯「ってわけであずにゃんぎゅ(ry」
梓「もう今日はおしまいです!」
唯「あーん」
唯「わたしは終わったかな!」
律「だなー、得点はっと」
唯澪律紬梓
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\
律③ \
紬③ \
梓③ \
梓「最高12点中で17点はかなり高得点ですね」
紬「唯ちゃん凄いわ!」
唯「えへへ~」
律「まあ唯は気まずいってのとは無縁だからな」
澪「そうそう」
梓「何も考えてなさそうですもんね」
唯「えぇっ」ガガーン
律「(唯がこうなることは大体想像してたけどな。気まずくなる要素がない、となると問題は……)」
澪「(一番にはなりたくない……)」
紬「(まだまだ触れ合えるのね~楽しみ~)」
梓「(仕掛けた本人が一抜けとはやってくれます! 一年遅い私が不利……。だけど!)」
唯「次は澪ちゃんとりっちゃんね!」
紬「幼なじみペア来たわ!」ムギュン!
梓「(見せてもらいましょうか、幼なじみの実力とやらを!)」
律「な~んだ澪か」
澪「なんだとはなんだ!」
梓がなんだかんだでやる気マンマンなのがそれっぽいなwwwwww
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 23:32:48.78:GDLvKrqJO気まずさ選手権!
五回戦!
澪律
律「なあ、澪」
澪「ん?」
律「なんで弦張りなんかしてんだ?」
澪「暇だから」
律「なんだよぉ! もっと構ってくれよぉ!」ユサユサ
澪「わぁ、わかったっ! わかったから揺らすな」
律「な、澪」
澪「ん?」
律「わたし達が音楽始めてなかったらさ、軽音部もなくて……唯達にも出会えなかったのかな」
澪「そうかもな」
律「ってことはあの時一緒にDVD見なかったら今こうしてなかったってことだよな」
澪「まあ…そうなるかな」
律「不思議だよな」
澪「……ああ」
律「そんな些細なことをしただけでその先にこんな楽しいことが待ってるなんてさ」
澪「うん」
律「わたし達、間違ってないよな?」
澪「律?」
律「この先もこんな楽しくなるような選択をし続けられるのかなって思うと……ちょっと不安でさ。何か他にも大切なものを溢して来たんじゃないかって…たまに考えたり」
澪「らしくないぞ」
律「やっぱり? でもやっぱり今が楽しい程気になってさ」
律「澪は考えたりしないのか? そういうこと」
澪「……ちょっとはする、かな」
律「やっぱり?」
澪「うん、でも……な」
律「ん?」
顔を少し隠しながら、小さな声で呟く。
澪「律と一緒なら……きっとどこだって楽しくなる……と思う」
律「…澪」
澪「小学校の頃あのまま声をかけてくれなかったら…多分私だけここにいない…。律の隣にはきっと他の仲の良い友達がいて…。唯達もいて…。律はどこでも誰とでも仲良くなれるから」
律「みーお」
澪「……」
律「わたしは澪と一緒で良かったよ」
澪「律……」
律「何をするのだって澪が一緒にいることを前提に考えてるわたしがいつもいる。だからかな、さっきの話の中でも澪が一緒にいたんだ。隣にいた。それで一緒に選択して行くんだ」
澪「私も、いっつも律は~とか考えたりしてる」
律「ふふ、でもこれからは五人で選択していこう。唯やムギや梓も入れてもっともっと楽しい未来を選んで行こうぜ」
澪「うん、そうだな」
律「きっともっともっと楽しくなる。だから……」
澪「だから……?」
律「……ずっと一緒に(ry」
唯「ええ話や~」メソメソ
梓「」コクコク
紬「」ズピー
唯「5分経ったよぉ」
律「あ、そ、そっか」
澪「さっき何言おうとしたんだ? 律」
律「何でもない何でもない! 忘れてくれ!」
澪「気になるだろ? 言ってくれよ」
律「何でもないやい! お腹のお肉ぎゅー」
澪「ちょ、なにするんだよ!」
律「あらんちょっとお太りになりまして?」
澪「///」カァァ
律「お菓子の食べ過ぎじゃ(ry」
イラッ
澪「ふんっ!」ゴチンッ!!!
律「あたっ!」
唯「おぉっ! いつもの二人だ!」
梓「(いつもはふざけあってるけど二人きりになることで今まで二人が歩んできた私達が知らない二人だけのエピソードを話すことが出来るわけですね……。
幼なじみっていいな……)」
紬「二人と゛も゛お゛しあ゛わぜにぃ」
律「おい」
澪「とりあえず鼻を拭こうな、ムギ」
唯「得点発表だよ!」
梓「1点さえつけるのが惜しいくらいです」
紬「気持ちは0点!」
唯 ①
梓 ①
紬 ①
次は・・・
158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 00:12:43.39:R5QRNs6K0一番気になる澪ムギ
167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 00:22:15.90:Pl0P1Gk0O唯澪律紬梓
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\③
律③③\
紬③ \
梓③ \
唯「次は澪ちゃんとムギちゃんだね!」
澪「よろしくな、ムギ」
紬「よろしくね、澪ちゃん」
律「(これは…)」
梓「(既にこっちが気まずいです)」
気まずさ選手権!
六回戦!
澪紬
紬「澪ちゃんお茶どうぞ」
澪「ありがとう、ムギ」
澪「この時期は寒いから暖かいミルクティは助かるよ」
紬「うふふ」
二人はミルクティを口に含み、
澪「ふぅ~」
紬「はぁ~」
大きく一息つく。
そしてどちらからでもなく、
「何キロ痩せた?」
そう呟く。
紬「私は(ゴニョゴニョ)kg……」
澪「ほんとに!? いいな~」
紬「ううん……。太ったの……」
澪「そ、そうなんだ……。でも私だって……(ゴニョゴニョ)kg太った……」
紬「澪ちゃんも…?」
澪「今月はあんまりお菓子も食べなかった筈なんだけど…。ムギは?」
紬「」ドキッ
律『なんかひそひそ話してるな』
唯『聞こえないよ~』
梓『何の話してるんでしょうね? 気まずそうには見えませんけど』
紬「お菓子を作った時に味見で……パクパクっと」
澪「ああ……。なんかごめんな、私達の為に」
紬「ううん。食べた分はまた他で燃焼させたらいいもの!」
澪「だな! 今度また一緒にサウナ行こうよ」
紬「また触りっこしましょうね澪ちゃん」
澪「それは///ちょっと///」
律『何か澪が気まずそうにしてるぞ!』
梓『加点ですね!』
唯『サウ?とかなんとか。んん~聞こえないよぉ』
紬「これもカロリー控え目なの! 砂糖を少なめにしても甘めのミルクティを……」
澪「ほんとに!? こんな甘いのにカロリー控え目だなんて二挙両得だな!」
律「5分来たぞ~」
梓「(助けに来ましたよ! 二人とも!)」
唯「何話してたの~?」
律「そうだぞ~。全然聞こえなかったぞ!」
澪「それは……」
紬「内緒で……」
梓「(よっぽど気まずかったんですね……。可哀想だから甘めに採点してあげよう)」
唯「得点だよ!」
唯 ②
律 ③
梓 ④
梓「(あれっ!? 私が一番高い?!)」
唯「あずにゃんは辛口だね~」
律「お~怖い怖い」
澪「(やっぱりボソボソ聞かれないように話してたからか……。でもちょうどいい機会だったし仕方ない、か)」
紬「残念」ションボリ
梓「あ、あの……(みんな5点つけるものだとばかりッ!)」
梓「す、すみません。やっぱりちょっと気まずそうに見えたので……」
澪「仕方ないさ」
紬「仕方ないわね」
梓「(あれ? 案外あっさり…)」
あずにゃんが少しずつ浮き始めてきた・・・
193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 00:50:05.52:Pl0P1Gk0O唯澪律紬梓
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\③⑨
律③③\
紬③⑨ \
梓③ \
律「澪ぶっちぎりじゃん」
澪「つ、次で挽回すればまだわからないぞ!」
律「澪ちゅわんで決まりだと思うけどな~?」
澪「~ッ!」
梓「次は私と澪先輩ですね」
澪「ああ、律何か放っておいてあっちで話そう」
律「怒るなよ~み~お~」
澪「ふんっ」
梓「(こうして見るとさっきのが嘘みたい。でもこの二人に私が届くことは…もうないんだよね)」
気まずさ選手権!
七回戦!
澪梓
梓「(これ以上澪先輩が加点されちゃったら澪先輩が気まずさ選手権優勝になっちゃう…。あれ? もしかしてこれってチャンスなんじゃ…。ってバカバカ! そんなわざと気まずくするような真似するなんて澪先輩に失礼でしょ私!
そもそもそんな考えが浮かぶ自体私って最低だ)」ノラリ~クラリ~
澪「なにやってんだ? 梓」
梓「い、いえっ! なんでも。せっかくですし練習でもしますか?」
澪「そうだな。私達が練習してるところを見せてあっちのメンバーにも見習ってもらわないと」
読んでる方もハラハラします
202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 01:01:59.15:Pl0P1Gk0O梓「(さっきので加点されちゃったかな?? だったらどうしよう……。こっからちゃんとしなきゃ!)」
澪「梓、唯のギター持ってどうするんだ?」
梓「えっ? あれっ?(しまったっー!!!)」
唯『あずにゃんそこまでわたしのことを思って……!』
律『いや違うだろ』
梓「(ごまかすんだ梓! 奴らに加点の理由を与えるな!)レスポールもいいな~って。私にはちょっと重たいですけど…。私の体がもうちょっと大きかったら……レスポールを握ってたかもしれません」シンミリ
澪「梓……」
梓「(セーフ! セーフ! ナイスフォロー私!)」
あずにゃんは自滅型すなぁ
209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 01:07:55.27:Pl0P1Gk0O唯『あずにゃん……』
律『そんな理由が……』
澪「ムスタングもいいギターじゃないか。気に入ってるんだろ?」
梓「それはもう。弾きやすいですし見た目も可愛いし。大切にしてるつもりです。唯先輩とはベクトルが違いますけど」
澪「ならいいじゃないか。私も右利きだったら…とか思ったことあるけど今じゃレフティで良かったと思ってる。おかげでエリザベスにも出会えたしさ」
梓「そう……ですね」
澪「じゃあふわふわからいこっか」
梓「はい」
梓「(ああ、そっか。気まずさって…考えれば考えるほど生まれるんだ。なんとなくわかった気がする…)」
~♪
澪「~っと、こんなもんかな」
梓「良かったと思います。ただ二人だとちょっと寂しいですね」
澪「ドラムがいないとやっぱり迫力にはかけるよな」
梓「はい…」
澪「そろそろ五分経つかな。これでみんな練習する気になってくれたらいいけど…」
梓「…澪先輩!」
澪「ん? なに?」
梓「あの、その……すみません!」
澪「なにが?」
梓「私のせいで優勝しちゃったら……」
澪「なんだそんなことか」
梓「でも……」
澪「そんなこと気にしないよ。梓はちょっと気にしすぎなんじゃないか?」
梓「気にしすぎ…?」
澪「うん。もうちょっと自然に身を任せるって言うかさ」
梓「自然に、ですか」
澪「このことだって私が自分のせいで優勝しそうだからって本気で謝ったり。そうやって謝られた方が気まずくなることもあると思うんだ」
梓「あっ…」
澪「でもそういう梓の真面目なところ、私は好きだよ。遊びとちゃんとするとこの境界線を保ててるのは梓のおかげでもあるしさ」
梓「そんなこと……ないです」
澪「ううん。梓が入って来てくれたおかげでみんな先輩って言う意識をしっかり持てたと思う。後輩がしっかり練習してるのに自分達がサボるわけにはいかないってなる、実際なってると思うんだ」
梓「……(私は……さっきまでこれで優勝しちゃったらどうしようなんて考えてたのに……)」
澪「だから梓が入って来てくれてほんとに嬉しいよ」
梓「(澪先輩はそんなことより私のことを気遣ってくれて……ほんとダメな子)」
澪「私達が卒業したら大変だと思うけど……頑張ってな。遊びに来るからさ」
梓「はい、ありがとうございます。澪先輩。私も澪先輩達に出会えて良かったです。(だから今はこの人の為に精一杯笑おう。
それが今の私に出来る唯一のことだから。
精一杯笑おう、気まずさなんて吹き飛ばすくらいに)」
澪センパイかっけーな
222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 01:42:31.74:Pl0P1Gk0O律「5分経ったぞ」
澪「ああ。有意義な練習と話が出来たよ。唯に感謝しないとな。二人きりっていつもと違ってその人に対する思いとか、そういうことを話しやすい気がする」
律「まあ、な」
唯「そうなの?」
紬「?」
梓「得点を(神様、どうかいるのならやっぱり澪先輩を優勝にしないでッ!)」
唯①
律①
紬①
梓「えっ?」
唯「練習してる澪ちゃんとあずにゃん凄い楽しそうだったよ!」
律「先輩と後輩って感じがしたな。梓の考えすぎなところを澪も上手くフォローしてたし」
紬「二人とも可愛かったから1点!」
梓「(なんだ……見透かされてたんだ)」
あずにゃんがたった今成長した
もう大丈夫だ
226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 01:49:32.31:Pl0P1Gk0Oもう大丈夫だ
梓「(そうだ、いつも通りの私でいいんだ。それで気まずくなるなら仕方ない。そうなってから考えよう)」
梓「ちゃんとこれが終わったら練習ですからね!」
唯「やっぱりぃ~?」
律「ぶーぶー」
澪「全くちょっとは後輩を見習ってだなぁ…」
梓「(それに気まずくなるのも、それはそれで悪くない気がする)」
だって、それは相手のことを考えられる瞬間だから。
唯澪律紬梓
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\③⑨③ ⑳
律③③\
紬③⑨ \
梓③③ \
てか23だった
訂正
唯澪律紬梓
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\③⑨③ 23
律③③\
紬③⑨ \
梓③③ \
234:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 02:00:06.15:Pl0P1Gk0O訂正
唯澪律紬梓
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\③⑨③ 23
律③③\
紬③⑨ \
梓③③ \
唯「さあいよいよ終盤に差し掛かりました! 次いってみよ~!」
律「次はわたしとムギか」
紬「よろしくね~りっちゃん」
気まずさ選手権!
八回戦!
律紬
律「ムギ、お茶~」
紬「は~い」
律「ふぅ、落ち着くなぁ」
紬「そうね~」
律「……」
紬「……」
律「(あれ? 話すことが見当たらない)」
律「(テレビの話……は見てなさそうだしゲームの話……も知らないだろうし)」
律「(こないだ行ったゲームセンターや駄菓子屋の話でも…いや、それは何か他に話すことがないから出したみたいな感じがしないか私? うーむ…)」
紬「(りっちゃんの髪綺麗~)」
梓『唸ってますね、律先輩』
澪『ムギと律は仲は良いけど趣味というかやってることの共通点は音楽ぐらいしかないんだよな。ムギってゲームとか漫画とかほとんど知らないだろうし』
唯『ムギちゃん漫画読まないんだ! 勿体無い!』
梓『私もそんな読みませんよ。音楽の雑誌はよく読みますけど。後は憂の家に行ったときぐらいです』
唯『憂も結構持ってるよね! トキメキ猫ちゃんとかペットモペットとか面白いよね!』
梓『あ、それは読んでないです』
唯『読みなよ~面白いよ~?』
律「(せっかくだし聞いたことない話でも聞いとこう)そういやムギは中学時代どんなだったんだ?」
紬「中学生の頃? 中学生の頃はフィンランドに住んでたの。お父様の仕事の関係で」
律「フィ、フィンランド……さいですか(ヤバい地雷踏んだ)」
紬「お母様の出身地でもあるの!(りっちゃんが私のこと知りたがってる!)」
律「へ、へぇ~(フィンランドってどこにあったっけ……)」
紬「それでね、住んでたところはヘルシンキ何だけど綺麗なところで毎日お母様とお散歩したり……」
律「(ヘルシンキって言うお菓子あったような……いやないか)」
紬「フィンランドはムーミンが生まれた場所でもあるの」
律「おおっ!」←知ってる人物が出てきて喜んでる人の図
紬「サンタクロースもいるって言われてて凄くいいところよ~」
律「なんかロマンチックだな~」
紬「それでね、それでね、一家に一台サウナが……」
律「ここと全然違うんだな。ムギが住んでた世界って」
紬「えっ…」
梓『(あちゃ~。やっぱりわかってませんね律先輩は。加点です)』
あちゃー
249:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 02:27:04.64:Pl0P1Gk0O紬「そうね……ちょっと違うかも…」
律「家に執事がいて、フィンランドなんて凄いところに前は住んでて。わたしなんて多分一生経験することがないことをムギは体験してるんだよな」
紬「……」
澪『なんかちょっと気まずいかも』
梓『だからこそ普通に憧れてるムギ先輩の気持ちを律先輩はわかってません! 律先輩だけ加点です!』
唯『一生で一回だけなんだ、あずにゃん』
梓『? なにがですか?』
唯『ペットを飼って良いのは、一生に一度だけだ! ペットモペットのセリフだよ!』
梓『澪先輩はどう思いますか?』
唯『あーん、あずにゃーん!』
紬「……でも、」
律「でも、その代わりわたしには当たり前の生活を、ムギは知らないんだよな。だから何でも興味を持つし楽しそうなんだ」
紬「……うん」
律「わたしもフィンランドに行ったらきっと夢だったの~って言っちゃうかもな」ニシッ
紬「りっちゃん……」
律「だからさ、いっぱいいっぱいここでしか出来ないことやろうな! 次はダーツとかビリヤードとかやろう!」
紬「ありがとう、りっちゃん。私りっちゃんと話せて良かった。ずっと不安だったの……」
律「不安?」
紬「うん。自分の当たり前が周りと違うのが……ずっと怖かったの」
紬「だから知らない間にみんなを傷つけたりしてないかなって……」
律「ムギ……」
紬「だからなるべくみんなとは違うなってことは喋らないようにしたり……。でも、やっぱりわからなくて……何にも知らなくて……だから」
律「違ったっていいだろ」
紬「えっ?」
律「それがムギなんだから。隠すことなんかないと思う。確かにわたしはフィンランドのこととかさっぱりだけどさ……ムギが楽しそうに話してるのを見て何だかこっちまで嬉しくなった!」
紬「りっちゃんも嬉しく…?」
律「うん。だから、さ。不安がることなんてないよ。少なくともここの四人は多少違ったぐらいでムギのことを悪く言うやつなんて絶対いない! わたしが保証するよ!」
律「だからもっと聞かせてくれよ。ムギがどうやってここまで来たのか。遠い世界で見てきたことをわたしにも見せてくれ、なーんて」ニコッ
紬「うんっ……うんっ!」
溶けて行く、私の中で。
ちょっとした不安や、怖いって感じが。
紬「(これがお母様が言ってた本当の友達……)」
フィンランドの海辺での散歩で言っていた。
本当の友達が出来たら、大切にしなさい。そして、自分のことを知ってもらいなさいって。そうしたらきっとあなたのことも大切にしてくれるから、と。
だから、話して行こう。少しづつでもいいから、知ってもらおう、私のことを。
私の、 律「お茶うめぇ~」 大好きな友達に
澪「5分経ったぞ~」
律「お~、ってムギ何泣いてんだ!」
紬「り、りっちゃああん」ギュッ
梓「はい、ムギ先輩。チーン」
紬「」チーン
唯「わたしも聞きたいな! ムギちゃんのこと」
澪「ああ。今度みんなで聞こう」
紬「ズズ、ええ。でもそんな凄い話はないの。お父様がサンタクロースに扮して本物のトナカイにソリを引かせてフィンランド中を駆け回ったとか……」
律「十分凄いわ!」ビシッ
紬「えへ」
むぎゅうううううううううううう
270:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 03:01:55.49:Pl0P1Gk0O梓「確かにいい話でした、が! それと気まずさ得点は違います!」
澪「まあな。序盤は明らかに気まずそうだったし」
律「ちぇ~」
唯「じゃあ得点を!」
唯②
澪②
梓②
澪「まあ無難なとこだな」
梓「最初以外は特にでしたし、これぐらいかなと」
唯「(中盤聞いてなかったからみんなに合わせとこ!)」
唯澪律紬梓
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\③⑨③ ⑳
律③③\⑥
紬③⑨⑥\
梓③③ \
唯さんwwwwwwwwwwww
277:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 03:11:03.58:Pl0P1Gk0O律「さて、次はわたしと梓か(来たか……、来てしまったか)」
梓「はい(いよいよ本丸ですか…)」
律「よし、じゃあ」
バァン!
和「律!!! 体育館の申請用紙出してって行ったでしょ! ライブ出来なくなるわよ!?」
警察がガサ入れする時こんな感じだろうといった様子で和が突入してくる。
律「すみましぇぇんっ!!! 今から書きます!!!」
和「全く、三年連続とは恐れいったわ」
律「ごめんなさいごめんなさい! ちゃちゃ~と書いてくるから先やっててくれ!」
そう言い残し、律と和は消えていった。
おい
280:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 03:17:30.87:Pl0P1Gk0O澪「怒る間もなく出ていったな」
唯「どうしよう、先にやっててって言っても審査員が足りないよ?」
「話は聞かせてもらったわ!!!」
紬「そ、その声は!」
さわ子「りっちゃんから話は聞かせてもらったわ! りっちゃんの代わりに審査するわ! というかこんな楽しそうなことしてるのに教えてくれないなんて酷いっ!」
澪「何と言うか自分でも何でこんなことしてるのかわからない状態で…」
梓「顧問なら遊んでるのを怒ってくださいよ」
さわ子「さあ始めましょう! 次は誰と誰!?」
紬「私と梓ちゃんね!」
梓「はい。よろしくです。ムギ先輩」
気まずさ選手権!
九回戦!
梓紬
紬「梓ちゃん、トンちゃんに餌あげましょう」
梓「そうですね。今日はこの選手権のせいであげる暇もなかったですし」
紬「えいっ」パラパラ
梓「ごめんねトンちゃん。お腹減ったよね」
トン「(一番気まずいのは俺だっつーの!)」パクパク
紬「食べてるわね~」
梓「はい」
紬「来年も再来年もこうして軽音部を守ってくれるのね~トンちゃんは」
梓「あっ」
紬「ん? どうかしたの?」
梓「いえ…、そう言えばトンちゃんは私が卒業したら……どうなるんだろうって…思って」
紬「きっと梓ちゃんの後輩がしっかり飼ってくれるんじゃないかしら」
梓「そうです…かね」
紬「そしたらこの先ずっと先の軽音部もトンちゃんは見ていくのかしら……。私達のこと覚えてくれてるかしら?」
梓「(ずっと先の軽音部……)」
瞳を閉じる、少しだけ私はそれを想像してみることにした。
──
私が桜が丘高等学校を卒業してから5年、まさか戻って来ることになるなんて思わなかったな。
梓「もうこの学校で私のことを知ってるのはさわ子先生とトンちゃんだけ、か。トンちゃん、元気にしてるかな?」
音楽準備室
梓「懐かしいな、あの時ここでムギ先輩とトンちゃんがどうなるかって話したっけ」
ゆっくりとドアを開けると、そこには荒れ果てた荒野が広がっていた。
梓「えっ?」
様々な楽器が置かれている、もはや物置としてしか機能してないと思われる部屋の隅に……。
プカァ~……。
梓「!!?」
──
梓「ダメーーーッ!」
紬「あ、梓ちゃん?」
梓「あっ、すみません! ちょっと考え事を…」
紬「ふふ、トンちゃんのこと?」
梓「はい。やっぱり私が卒業する時になったら家で飼おうと思います」
紬「それは未来の後輩さんは残念ね」
梓「でも……、やっぱり心配なんです。私がいなくなってもしっかり世話してくれるのか……。もし軽音部がなくなって……、誰も飼えないからって川に放流されて…」
【危険亀発見!?】
梓「みたいなことになったら私っ!」
紬「梓ちゃんはほんとにトンちゃん思いね」
紬「そんな梓ちゃんを見てきっとみんなトンちゃん思いになると思うわ」
梓「…なってくれますかね?」
紬「ええ。きっと」
梓「(そんな保証ないけれど……、ムギ先輩が言うと本当にそうなる気がするから不思議だな。トンちゃんを大事にしてくれそうな優しい子が軽音部に入ってくれたらいいな)」
梓「じゃあトンちゃんは殿堂入りですね。軽音部の」
紬「そうね~」
さわ子「もう一人の殿堂入りを忘れてないかしら!?」ダダンッ
澪「確かにさわ子先生は殿堂入りしてるな……ある意味」
唯「五分経ったよ~」
得点!
唯①
澪①
さ①
さわ子「いつまで経っても気まずくならないんてつまらないじゃない!」
澪「さわ子先生、そういうゲームじゃないです」
唯「トンちゃんに妬けちゃうね~」
梓「唯先輩みたいに餌をやり過ぎる人には任せられませんから」
唯「あずにゃんクールビズぅ」
澪「唯それ意味違うからな」
唯澪律紬梓
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\③⑨③ 23
律③③\⑥
紬③⑨⑥\③ 21
梓③③ ③\
あとは…ゴクリ
295:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 04:00:42.93:Pl0P1Gk0O唯「これは澪ちゃん優勝濃厚だね~」ニヤニヤ
澪「いいんだ。色々わかったこともあるし、やって良かったよ」
紬「ほんとね、ありがとう唯ちゃん」
梓「確かに…この時間がなかったら色々わからないままでした。だからこの時間を作ってくれた唯先輩に感謝です。ありがとうございます唯先輩」
唯「ふふふ。わたしもやって良かったよ! やっぱりみんな仲良しなんだってわかって」
澪「うん。じゃあ優勝は私ってことでみんな練習しようか!」
梓「そうですね!」
バァン!
律「待たせたな!」
梓「待ってないです」
律「そんなこと言うなよぉ~」
澪「全くまた和に迷惑かけて……」
律「机の奥底に眠ってたんだ……」
唯「りっちゃん置きべんするからだよぅ」
律「なにをーっ!? 唯だって「忘れないように置いてこう!」とかやってるだろーぅっ!?」
唯「あれは戦略だよ、りっちゃん!」
律「わたしのも戦略だいっ! 」
さわ子「あなた達……、ちゃんと持って帰りなさいね」
唯律「ひゃい……」
梓「……」イラッ
澪「じゃあ最後、律と梓な」
気まずさ選手権!
最終戦……!
律梓
律「(梓と二人きりとかなったことないしな~……何話していいか全くわからん!)」
梓「……」
律「(まあここは先輩としてエスコートしてやらないとな。優勝は澪で決まりだし。さーて何の話をしたもんかー)」
梓「……私、律先輩のこと見直してました」
律「ん?」
梓「澪先輩やムギ先輩と一緒にいる姿を見て、正直見直しました。この人は友達を大事にしてるんだなって」
律「改めてそう言われると照れるな…」
梓「でも……、だからって他を疎かにし過ぎです! 律先輩は!」
中野選手のアップが終了した様です
301:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 04:24:24.26:Pl0P1Gk0O律「……」
梓「部長なのに申請用紙を出すの忘れたり、それなのに悪びれた様子もないなんて!
それが当たり前みたいな感じになってるからってそのままずっと引きずるなんてやっぱりおかしいと思います!」
律「……悪かったよ」
梓「後、勉強もちゃんとした方がいいと思います。同じ大学行くならもっと…」
律「……言いたいことはそれで終わりか?」
梓「えっと……、さっきので終わりです」
律「あっそ。ありがとなわざわざ。心配かけて悪かったな!」
梓「あ、あの……」
お?
303:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 04:29:37.27:Pl0P1Gk0O澪『……、止めてくる』
唯『わたしも行くよ、澪ちゃん』
紬『喧嘩しちゃ駄目……』
さわ子『待ちなさいみんな』
澪『さわ子先生! あのままじゃ喧嘩に……』
さわ子『梓ちゃんの言ってることは正論よ。確かにりっちゃんはちょっと周りの対応に甘えてた節があるわ。これはそれを直すいい機会だと思うの』
澪『でも……』
さわ子『この中であれを言って真面目に受け取らせることが出来るのは梓ちゃんだけなのよ。だから、見守りましょう』
澪『律……』
唯『あずにゃん……』
紬『二人とも……』
律「話すことを色々考えてたのがバカらしくなったよ」
梓「すみません……。でもやっぱり部長としての責任をちゃんと持って欲しいんです!」
律「ああ、わかってる。わかってるからこそ自分に腹が立つんだよ。後輩に言われるまで直そうとしなかったわたしに……!」
梓「律先輩……」
律「確かに、わたしが悪かったよ。梓。そのことについては謝る。もう申請用紙を出すことはないけど…この先にあったらもらった瞬間出すようにするよう……、ん、努力する!」
梓「はい! それがいいと思います!」
律「でも……」
律「こ で言っ 欲 くな った 。梓は私 こ やっ り い んだな」
梓「えっ……」
小さく、カスれた弱々しい声で、そう聞こえた。
律「もういいだろ」
澪「5分……、経ってないけどいいのか?」
律「ああ。梓に悪いことしちゃったな……」
唯「二人とも……」
紬「喧嘩はだめよ……?」
律「しないしない。みんなの大事な後輩なんだから……さ」
さわ子「これだけは言っておくわね。梓ちゃんの気持ちをわかってあげなさい」
律「うん、……はい」
梓「(私……、私は……)」
そうして、気まずさ選手権は終わりを告げた。一つの大きな気まずさを残したまま……。
かすれ後半わからん
311:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 04:49:06.59:Pl0P1Gk0O唯澪律紬梓
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\③⑨③ 23
律③③\⑥⑮ 27
紬③⑨⑥\③ 21
梓③③⑮③\ 24
優勝 田井中律
そうして、時は流れた──
──
学園祭が終わり、唯先輩達の受験も無事終わり、そして……卒業式。
梓「……」
私は部室で一人ぼんやりしていた。
唯先輩達に私の為の歌を聞かされて……、いっぱい泣いて、帰って唯先輩の家で卒業パーティーをしようって話になって、私は忘れ物を取りにこの部室にいる。
梓「……」
さっきまでのことがまるで夢のように現実味がない。
本当に唯先輩達は卒業してしまうのだろうか?
そんなことをまだ考えてる自分がとても弱々しく見えて……、この先私一人でやっていけるのか……不安で、不安で。
バァン!
梓「!?」
律「はあ……、はあ……」
梓「律……、先輩?」
律「わ、忘れ物は?」
梓「あ、はい。ありました。わざわざ迎えに来てくれたんですか?」
律「いや……、ちょっとわたしも忘れ物してさ」
梓「そうなんですか。じゃあ早く持って戻り」
律「半年くらい前、ここに気まずさを忘れたままにしてたから」
梓「!! ……、そのことはもう……気にしてませんから」
梓「私も悪かったですし……」
梓「確かにあんなとこで言うことじゃなかったですよね」
あの言葉が甦る──
律『ここで言って欲しくなかったよ。梓は私のことやっぱり嫌いなんだな』
そうだ。今までみんな二人の仲を深めようとしている流れで、私は律先輩には不満をぶちまけて。
私が律先輩だったら同じように怒っていたと思う。
あの言葉の意味がわかった頃にはもう戻れなくて、私も律先輩もあそこに気まずさを置いてきた。
梓「だからもう……、いいんです」
でもそれはそのまま忘れてしまった方がいい。その事を気にすればする程、私達はもっと気まずくなるのだから。
律「わたしさ、梓に言われてから考えたんだ。言葉で言っても伝わらないことってあると思うから。だから頑張った。勉強もだし、部長らしく振る舞ったつもりだ」
梓「(確かにあれから自分から練習しようぜっとか言うようになったっけ……)」
律「だから今日言いに来たんだ。わたしは……、ちゃんと部長出来てたか?」
梓「律先輩…」
この人はあの日のことをこんなにも重く受け止めてくれてたんだ。
ただ言葉でそうする、じゃなく行動でちゃんと見せてくれた。
梓「勿論です。最高の……部長でした」
律「そっか。じゃあ次はその最高の部長に梓がならないとな」
梓「律先輩みたいに上手く出来ませんよ……プッ」
律「な~か~の! 自信満々じゃねぇか!」
梓「ええ、だから安心して卒業してください。ここは私が守りますから、絶対に」
律「ああ、任せたよ。梓」
澪「5分、経ったな」
梓「澪先輩?!」
唯「①点!」
梓「唯先輩まで!」
紬「私も①点!」
梓「ムギ先輩も…! どうして…」
澪「私も、①点」
唯「ってことは澪ちゃんが優勝かな?」
澪「うっ……、まあ別にいいけどさ」
紬「気まずさ気まずさとんでけ~」
澪「律がどうしてもやり直したいって言うからさ」
梓「そうなんですか…」
律「ああ。5分経ってなかったしな。それにみんなの可愛い後輩ってフレーズをわたしだけ気まずくて使えないなんて許せん!」
梓「なんですかそれ」
律「つーまーりーこういうことだっ!」ぎゅむ
梓「ちょ、やめてください律先輩!」
律「なーかーのーっ」
唯「便乗! あ~ずにゃん!」ダキッ
澪「私も、ちょっとだけ///」
紬「みんな暖かい……」
──
──
気まずさと言うものはどうして生まれるんだろうか。
ちょっと考えてみた。
相手が今何を考えていて、何をどう話しかければいいかを自分が考える。
多分相手の人もそうだろう。
だから、自分が考えれば考えるほどあっちも気まずくなる。
まるで鏡のように写し合う、その間にあるものが気まずさ。
なら、どうしたらいいか?
答えは簡単。
梓「あの、軽音部、入りませんか?」
自分から話しかければ、後はなるようになる、です。
おしまい
終わりです
ほんとは純や和や憂も参戦予定でしたが時間がないため割合で。
オチも上が絡むとだいぶ違ったんですがまあ仕方ない。
クリスマスに保守なんかさせられませんしwwwwwwみんな忙しいだろwwwwww
俺は暇だけどな
読んでくれた方ありがとうございました
368:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 08:04:14.16:DXNkZxeb0ほんとは純や和や憂も参戦予定でしたが時間がないため割合で。
オチも上が絡むとだいぶ違ったんですがまあ仕方ない。
クリスマスに保守なんかさせられませんしwwwwwwみんな忙しいだろwwwwww
俺は暇だけどな
読んでくれた方ありがとうございました
>>350
盛大に乙!
良いプレゼントをありがとう
355:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 05:56:21.58:3FqTrFLf0盛大に乙!
良いプレゼントをありがとう
おもしろかったぜ乙
358:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 06:04:54.84:vqP9uPs+0数時間でここまで伸びてるけいおんss久しぶりに見たな
終わり方は賛否両論だと思うけど俺は面白かったな
乙です
359:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 06:06:44.30:3WN8Hn4lO終わり方は賛否両論だと思うけど俺は面白かったな
乙です
乙!面白かったよ
371:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 08:32:16.58:2kNHv2DGO久々に面白いアイデアだった。俺は逆にああいうクライマックスのが好きだわ。ちょっと駆け足に感じたけどね、書き切った事のが大事。>>1乙です。
418:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 19:03:45.18:Pl0P1Gk0Oまだ残っててワロタ
寧ろカプスレSSでここまで荒れなかったのが不思議だな
この時間まで残ってるのわかってたら和、純、憂参戦パターン書く予定だったからEND変わってたかもな
424:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:53:31.32:o+ygzNXZO寧ろカプスレSSでここまで荒れなかったのが不思議だな
この時間まで残ってるのわかってたら和、純、憂参戦パターン書く予定だったからEND変わってたかもな
>>418
エンディング直前から分岐して書いてもいいんだぜ?
お願いします書いてください
421:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:51:17.83:5luC936h0エンディング直前から分岐して書いてもいいんだぜ?
お願いします書いてください
続き希望
425:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:11:37.71:Pl0P1Gk0Oこれはもう一つのお話
梓と律はギクシャク&気まずい空気で見事律の逆転優勝となったわけだが……。
律「意義あーり!」
唯「え~あれはどう見ても気まずいよ~?」
澪「そうだぞ律。トンちゃんの餌をやろうとして梓にもうさっきあげましたって突っ込まれるとこなんてもう最高に気まずかったじゃないか」
律「それはわたしが申請用紙を書きに行ってて知らなかったからで……。だからリベンジマッチを要求する!」
唯「リベンジマッチ?」
梓「懲りませんね律先輩は…」
紬「またみんなと触れ合えるのね!」
律「ちっちっち」
指を振りながら甘いぜみたいな仕草を見せる律。
律「このままもう一回普通にやってもつまらないだろ? だから……」
澪「だから……?」
律「他のメンバーを入れてそのメンバーとの得点+今の得点を足して多かったやつが優勝! これでどうだ!?」
唯「お~!」
紬「お~!」
梓「他のメンバーって言っても……誰ですか?」
律「うむ、よくぞ聞いてくれた! わたしは考えたんだ……この五人が知り合いで、尚且つ上手くバランス取れたメンバー……それは!」
唯「それは!?」
律「和! 憂ちゃん! 後、え~と……、すずきさん? 梓の同級生の」
この時点で気まずいじゃねーか
429:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:22:43.11:Pl0P1Gk0O梓「純ですか?」
律「そうそう純ちゃん純ちゃん! その三人を加えてのリベンジマッチだああああ!!!」
澪「ま、待てよ律! そんなの唯が有利に決まってるじゃないか!」
唯「ふぇ?」
梓「確かにそうですね。妹の憂と気まずくなるわけがないし和先輩は幼なじみですし」
律「そう! だからこその異分子……、純ちゃんだ!」
梓「純……可哀想に、異分子扱いされてるよ」
律「唯! 純ちゃんとの親密度は!?」
唯「う~ん……憂とは中学生からの友達らしいけどわたしとはあんまりかなぁ。家にも遊びに来なかったしぃ」
律「聞いたかみんな!!!」
律「つまり純ちゃんに関しては同じクラスである梓以外はみんな鬼門! だが梓にとって和は鬼門! みんな一人はほとんど絡みのない人がいるこの構図! 完璧だろ!?」
澪「い、言われてみれば確かに……」
紬「あんまり知らない子達とコミュニケーションね!」
梓「和先輩ですか……確かにほとんど喋ったことないかも」
唯「なんだか面白そうだね!」
律「更に!! 特別ジャッジにさ~わ~ちゃ~ん!」
さわ子「話は聞かせてもらってたわ! 気まずさって外で見てる分には最高よねぇ!!」
澪梓「(悪どい……)」
律「さわちゃんはななななんと1~10ポイントがつけられる特別審査員なので他のみんなが1点でもさわちゃん次第じゃ……!」
さわ子「消し飛ぶわよ~?」
澪「なにこのクイズ番組のおしまいの方の展開……」
梓「よっぽど負けたくなかったんですかね」
唯「悪いけど死守させてもらうよ!」
紬「楽しみね!」
律「明日は祝日で休みだから開催は明後日な! じゃあかいさ~ん」
澪「まて、」
律「…はい?」
澪「練習、しような?」
律「あははは……、当然じゃないですかぁ! 嫌だな~秋山さんは~」
梓「はあ……」
こうして気まずさ選手権! リベンジマッチ!の火蓋は切って落とされた。
翌日!
律「昨日はああ言ったが……」
やっぱり一番不利なのはどう考えてもわたしだ。
憂ちゃんとはゲームの話で何とかなるとしても……和は昨日のこともあるしその時点で気まずい。
更に更に鈴木……、じゃない純ちゃん!(名字で呼ぶとその時点で気まずい)は一回軽音部に遊びに来たときぐらいしか接点がない……!
律「ならば……作ればいい!」
さっそく携帯を起動、しかし、メールの宛先選択にて手が止まる。
律「純ちゃんのアドレス知ってそうなのは……わたしの知ってる限りじゃ梓ぐらいか。これで梓に聞いたら」
梓『律先輩必死になってやんの~あずプップッ~』
律「ぐぬぬぬ……、中野には聞けん!」
>>梓『律先輩必死になってやんの~あずプップッ~』
何これかわいいんだけど
439:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:45:49.38:Pl0P1Gk0O何これかわいいんだけど
律「ってことはもう一人の仲良しさんの憂ちゃんに聞くしかないか。しかし憂ちゃんのアドレスも知らない……。唯に聞いてもいいけどな~……やっぱり和に聞こう」
ピポパ……。
律「さて、出掛ける準備するか」
まさかたかだか遊びでここまでするとは思うまい!
だがやるからには勝つ!
それがりっちゃんの心情だぜ!
ピリリリン
律「来た! 何々? あなたで二人目よ。今日憂のアドレス聞いて来たの。だと……?」
律「まさか…わたしの他にも動いてるやつがいると言うのか! こうしてはいられ~ん! サンキュー和っと! 次は憂ちゃんにメールして純ちゃんのアドレスゲットだ!!」
一番不利なのはどう考えてもムギだろw
442:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:54:32.11:av9UuyEZI>>440
※ムギにはお茶の使用が許可されています
441:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:53:56.34:Pl0P1Gk0O※ムギにはお茶の使用が許可されています
その少し前、既に行動を開始している人物がいた。
オールしまむらファッションに身を包み、いざ、平沢家へ。
澪「和は同じクラスだったし問題ない。純ちゃんも同じベーシストだからベースの話をしてたら大丈夫。となるとやっぱり問題は憂ちゃんだ」
歩きながら思案する。
澪「憂ちゃんとまともにしゃべったのは正直記憶にないぐらいだからな……。今日でその気まずさを埋めとかなくちゃ」
しかし我ながら今日の自分行動力には驚かされる。
朝、一番気まずくなるであろう憂ちゃんに狙いを定め、和にアドレスと電話番号を聞き、メールよりは電話の方が誘い易いか?っと思い電話したのが数十分前。
──
澪「も、もしもし」
『はい、どちら様でしょうか?』
澪「あ、えと……。澪だけど」
『澪? 澪さん?』
澪「うん! 澪だよ!」
『どうしたんですか? お姉ちゃんに何か用事ですか? お姉ちゃんなら二階で寝てますよ。起こして来ましょうか?』
澪「いや、今日は唯じゃなくて憂ちゃんに用事があるんだ!」
『私に……ですか? 澪さんが?』
澪「う、うん」
『どんな用事ですか?』
澪「きょ、今、日一緒に遊びに行かないっ?!」
──
気まずすぎて怖い
446:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 00:06:54.18:dwcn4XKCOそうして今に至る。
澪「思い出すだけで火が出そう……」
唯には内緒で遊ぼうなんて……、なんと言うか怪しいとか思われてないだろうか?
澪「いいって言ってくれたし……とりあえず嫌われてはなそうで良かった」
澪「うん! 今日を機に仲良くなるのも良いな!」
仲良くなれるのだろうか……?
澪「胃が痛い……」
澪「って気まずくないようにするために今気まずくなってどうするんだ!」
澪「大丈夫! きっと仲良くなれるさ!」ミョンッ!
子供「ままーあの人変だよ~?」
母親「見ちゃいけません!」
──
真鍋和の携帯は朝から大忙しだった。
同級生二人から幼なじみの妹のアドレスやら電話番号やらを聞かれたと思うと次は後輩から遊びましょう!なんてメールが来たのだ。
和「全く軽音部はまた何かやってるのかしら……」
今日も一日勉強をしようと思っていたのだが……。
和「まさか梓ちゃんから誘われるなんて思わなかったわね……。唯とかなら突っぱねるところなんだけど」
訝しげながらも出掛ける準備を進める。
和「後輩とデートね。たまには悪くないかも」
──
──
純「ぐがあ……」
純「ずぴぃ~……」
純母「純~! 起きなさ~い! 友達来てるわよ~」
純「……んあ? ともだひ? あへ~そんな約束してたっけ」
純「あ、携帯光ってる。梓かな? も~遊ぶなら昨日の内に言っといてよね!」
急いで準備すまし、玄関に向かう。
純「ごめ~んお待たせ。でも梓も遊ぶなら遊ぶでちゃんと昨日メールしとい……」
律「よっ!」
純「……」
律「……、コホンッ!」
律「どもー」
純「……」
ガチャン
律「閉めないでっ~!」
純「なんで律先輩が家の前にいるんですか! 夢かと思って閉めちゃいましたよ!」
律「一応メールはしたんだけど」
純「えっ、あ、ほんとだ。あれ? アドレス教えた覚えが……」
律「まあまあ細かいことは気にしない気にしない!」
純「はあ……、で、何か用事ですか?」
律「遊びに行こうっぜ!」
純「……わたしとですか?」
律「そう」
純「二人で?」
律「そうそう」
純「……何でですかッ!? 全く状況が理解出来ないですけど?!」
律「純ちゃん。わたしは常々純ちゃんと仲良くなりたかったんだよ」
純「ほえっ!?」
律「いつか部室に来てくれたことがあったろ? え~と、確かわたし達がメイド服来てた時!」
純「は、はい……、ありましたね」
律「その時思ったんだよ。純ちゃんと仲良くなりたいなって……」トオイメ
純「そうなんですか……。でもあれから随分時間が経ってるのに今更過ぎません?」
律「うっ……。い、今までは機会がなかったっていうか~……」
純「はあ……、そうなんですか」
律「まあとにかくいい機会だし遊びに行こうぜ!」
純「あっ、えっ、ちょっと! 律先輩?!」
律が純の肩を抱くとそのまま強引に連れ去って行くのだった。
──
憂「澪さんから遊ぼうなんて……。どうしたんだろう?」
面識はあるものの接点はお姉ちゃんが所属する部活の友達、私にとっては知り合いの先輩でしかない。
憂「でも……、ちょっと楽しみだな」
これをきっかけに仲良くなれるかもしれないと思うと少し心がわくわくした。
憂「準備しなきゃ!」
後掃除と……お姉ちゃんのお昼ごはんも作っとかないと!
憂「掃除も終わったし洗濯物も干したしご飯も作ったから後は準備して……」
唯「う~い~ご飯~」
憂「あっお姉ちゃん。おはよう。ご飯出来てるよ~。お昼ご飯だけど」
唯「ん~ん~……」
憂「私はこれからちょっと出掛けるけど、お姉ちゃんは?」
唯「わたしは家でペットモペットの最新巻を読んでるよ~」
憂「じゃあもし4時ぐらいまで私が帰って来なかったら洗濯物お願い」
唯「わかったぁよぉ~」
──
澪「まだかな……?」ウロウロ
澪「ついたってメールはしたんだけど……」ウロウロ
ウロウロしながら公園で待つこと5分。
憂「お待たせしました~!」
澪「や、やぁ憂ちゃん」
憂「色々しとくことがあって……待ちましたか?」
澪「ううん。今来たとこだよ(平常心平常心……)」
憂「良かったぁ。でも今日はどうしたんですか? 二人きりで遊びに行こうだなんて」
澪「まあ、それは行きながら説明するよ」
憂「そうですか。わかりました」
澪「憂ちゃんご飯食べた?」
憂「いえ、まだですけど」
澪「そっか。じゃあこれからどこかに食べに行こうよ」
憂「あ、あのっ」
澪「ん?」
憂「余計なことかな?って思ったんですけど……作って来たんです」
澪「えっ? お昼ご飯を?」
憂「はい」
澪「…私の為に?」
憂「はい。ご迷惑でしたか?」
澪「ううん! すっごく嬉しいよ!(憂ちゃんいい子だなぁ~)」
憂「良かったぁ。じゃああっちで食べましょう。いいところがあるんです」
澪「うん」
先に歩いて行く憂ちゃんの小さな背中を見ながらつくづく思う。
澪「(良くできた子だなぁ)」
──
梓「ちょっと早く来すぎたかな」
12時で駅で待ち合わせてるのだが現時刻は11:45。
辺りを見渡すもまだ和先輩の姿はなかった。
梓「和先輩と二人っきりか……緊張するな」
自分から誘っといて緊張するのも失礼な話だけど緊張するものは仕方ない。
梓「どんなこと話そう…。やっぱり唯先輩のことかな?」
和先輩と共通の話と言えば唯先輩のことぐらいだろうし、他の話はあまり間が持ちそうにない。
梓「あとはなるようになれです!」
和「何がなるようになれなの?」
梓「ひゃいっ!」
和「ごめん、びっくりさせちゃったかしら」
梓「い、いえっ! とんでもないです!」
和「? それにしても早いわね。私も早く来たつもりなんだけれど。待たせちゃったかしら?」
梓「私もさっき来たところです! ぜんぜんっ、ぜんぜん大丈夫です!」
和「そう? ならいいんだけど。お昼ご飯は食べた?」
梓「あっ、まっ、まだです」
和「そう。じゃあどこか入りましょうか」
梓「はひ!」
和「そんな緊張しなくていいのよ。唯達と一緒にいる時みたいな感じでさ」
梓「すみません……。こっちから誘っといて気を遣わせてしまって」
和「気にしないで。後輩をエスコートするのは先輩の仕事だもの」
そう言って微笑んでくれる和先輩がとても頼りに見えました。
梓「(軽音部の先輩達とは違って何だか頼りになるなぁ)」
先を歩く和先輩の後ろをまるで雛鳥の様にちょこちょこついて行く私。
梓「(これじゃほんとにどっちが誘ったのかわかんないや)」
でも今は頼りがいのあるこの背中について行くことにした。
心に少しの気まずさを残しながら。
──
某ハンバーガーショップ
律「ガンガン食べてくれ! 今日は先輩の奢りだ!」
純「はあ、どうも」
ハンバーガーをモソモソ食べながら律の様子を伺う。
純「(この人は何を考えてるんだろう……。いきなり家に来たと思ったら遊ぼうぜ!なんて……)」
律「ぷっはぁ! やっぱりハンバーガーにはコーラだよねん」
純「そうですね…(悪い人じゃないのは梓から大体聞いてるし……、女同士だから危なくはないだろうけど……やっぱり気まずいなぁ)」
奢ってもらったシェイクをチューチューと吸引しながら元気そうに振る舞う律の話を適当に相づちを打ちながらやり過ごす。
wktk
472:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 02:40:11.05:dwcn4XKCO律「なぁ、純ちゃん」
純「はい?(急に真面目なトーンになった!?)」
律「人と人ってさ、どこから仲が良くなって行くんだろうな……」
純「へ?」
律「わたしは今日純ちゃんと仲良くなりに来たんだ。でもその当人はどこか上の空……!」
純「す、すみません」
律「いや、いいんだ。まあ確かに無理やり仲良くなろうってのが無理な話だもんな。徐々にそうなってければいいなって……、わたしは思ってるから」
純「……(なんだ……いい人じゃん。わたしと仲良くなる為にこんな頑張ってくれるなんて。
梓が律先輩は適当でずぼらでいつも遊んでばっかりとか言うからダメダメな人なのかな?って思ってたのに。拍子抜けした)」
純「すみません! 律先輩!」
いきなり立ち上がり、一礼。
律「ふ?」
それを見たハンバーガーをくわえたままの律がそんな空気の抜けた声を出した。
純「わたし律先輩のこと勘違いしてました! わたしの為にこんなに良くしてくれてるのに何か裏があるんじゃないか~? とか疑ったりしてすみません!」
律「えっ? あ~、いいんだよ! 過ぎたことはりっちゃん気にしない!」
純「律先輩……!」
律「ま、まあ座りなさい。目立つから、ね?」
純「あっ! はい!」
律「まあ和解出来たってことで。これからよろしくね、純ちゃん」
純「はい! よろしくお願いします!」
そうして私達は固い握手を交わした。
律「(計画通り)」
その時、律先輩の目がにわかに光った気がしたのは気のせいだろう。
──
澪「すっごく美味しかったよ憂ちゃん!」
憂「お粗末様でした」
笑顔でそう答える憂ちゃんが誰よりも可愛くて……。
思わず、
澪「憂ちゃんって可愛いな」
なんて口走ってしまった。
憂「えっ?」
澪「あ、えと、その……。私は一人っ子だから。こんな可愛い妹がいるなんて唯が羨ましいなって」
憂「そうなんですか。私は産まれてからずっとお姉ちゃんが一緒にいたから一人っ子の気持ちはわからないですけど……(澪先輩寂しいのかな?)」
澪「だよね! ごめんなこんな話して。次はどこに行こうかな~」
憂「(もし妹がいたらどうなのかな?みたいな感じで私を呼んだ…とかなら)……澪先輩が良かったら、今日は姉妹になりませんか?(気付いてあげないと!)」
澪「え? ええええええええええええ!!!??」
このままじゃ選手権行くまでに朝になるから割愛してく
479:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 03:14:03.44:dwcn4XKCO澪「(気まずさをなくす為に遊びに誘ったら姉妹になっちゃった! じゃない何かとんでもないことに……)」
憂「次はどこにいっこか? お姉ちゃん♪」
澪「私が……お姉ちゃん」
家ではずっと一人で小中学校じゃ律しか友達がいなかった私に……妹!?
憂「映画にする? それとも……澪さん?」
澪「えっ?!」
憂「やっぱり迷惑でしたか…?」
澪「そんなことないよ! ただちょっとびっくりして」
憂「そうですか(良かったぁ。間違ってたら恥ずかしい子だったよぉ)」
澪「じゃ、じゃあ映画に行こっか」
憂「うん! お姉ちゃん」
澪「(何だかよくわかんない展開になったけど……唯が羨ましい!!!)」
──
和「迷ったわ……」
梓「えええええっ!?」
しばらく歩き、ついて行った挙げ句、開口一番のセリフがそれだった。
和「ごめんなさい。行きたい店があったのだけれど……。また間違っちゃったみたいね」
梓「またって前にも迷ったことがあるんですか?」
和「三回に一回はたどり着けるのだけど……変ね」
梓「それって着かない確率の方が高いんじゃ…」
和「仕方ないわね。そこら辺の喫茶店にでも入りましょうか」
梓「……いえ、和先輩が行こうとした店に行きましょう! せっかくお勧めな店に連れてってくれてたのに途中で諦めるのは勿体無いです!」
和「まあお勧めと言えばお勧めなんだけれど……。でもここがどこかすらわからない中でたどり着くなんて……一体その頃には何時になるか」
梓「店の名前は知ってるんですよね?」
和「ええ。シャルディベって名前の喫茶店だったかしら」
梓「じゃあ大丈夫です! ちょっと待っててください!」
和「?」
近くのコンビニへ入ると暇をもて余している店員を掴まえる。
梓「すみません、この近くにシャルディベって言う喫茶店ありませんか?」
店員「あ~ちょっと待ってくださいね(道聞く客ほどウザいもんはねぇわ……)」
店員「こっから真っ直ぐ行って突き当たりを左のその先二つ目の信号を左で見えてくると思いますよ」
梓「そうですか! ありがとうございます!」
店員「い、いや! 店員の義務ッスから!」←今顔見た人の図
梓「わかりましたよ店の場所! 行きましょう!」
和「コンビニで地図でも買って来たの? 悪いからお金半分払うわ」
梓「え? いや道を聞いて来ただけですけど。そもそも地図に店の名前載ってませんし」
和「コンビニって店の場所まで教えてくれるの? 凄いわね……」
梓「(まさか知らなかった? 和先輩って意外と……)」
和「じゃあ行きましょうか、梓ちゃん」
梓「ああっ! そっちじゃないですよ和先輩! こっちこっち!(和先輩って意外と抜けてる?!)」
──
ゲームセンター
律「とぅぅぅりゃあああああ」
純「なんのぉぉぉっ!!!」
律「やるなぁ!? ここまでついて来られたのは純ちゃんが初めてだ!」
純「そっちこそやりますね! 梓なら今頃コースアウトしてますよ!」
今二人がやっているのは、
激突! カーチェイス!
というカーレースもののゲームだ。クリアするまでに何台クラッシュさせられるかという速さよりも悪どさが求められる斬新さが売りらしい。
今はもう残り律カー(黄色のヤン車)と純カー(茶色のジープ)しか残っていない。
クラッシュさせた数も10づつと同数だ。
律「クラッシュさせた数も同数なら先にゴールした方が勝ち……ならばわたしは先に行かせてもらう!」
そう言って一層アクセルを強く踏み込む律。
純「速度の遅いヤン車でこの純ジープにかなうとでも思ってるんですか!?」
純もそれにつられる様にアクセルを踏んだ。
律「(かかった!)」
前を行く律カーのブレーキランプが点灯。
純「(こんなところでブレーキ!? 正気ですか!?)」
体が反応し、すぐさまブレーキを踏む純。
律「はっはっは! 悪いな!」
純「しまった!」
律がブレーキをしたのは一瞬だけだが、純は律より長くブレーキをした分減速した為にスピードの立ち上がりの差がそのまま距離となる。
律「これが地元テクよ!」
純「地元全く関係ないじゃないですか! でも……!」
純は素早く左のアイテムボタンを押すとジープの後ろからロケットブースターの様なものが出現し、噴射。
律「なにいいいい!?」
純「切り札は最後までとっておくものですよ、先輩!」
グングンと差を詰めてくる純カー。
律「(まずいっ! このままじゃゴールにつく前に抜かれる!)」
純「もらったああ!!!」
律「させええん!!!」
ハンドルをうねる様に左にきると律カーが純カーに激突!
純「なにいいい!?」
そのまま純カーはクラッシュ、しかし律カーも純カーにぶつかられた衝撃で横転、クラッシュとなった。
律「いやー良い勝負だった」
純「どこがですか! どう考えてもさっきのはわたしの勝ちですよ!」
律「純ちゃん、これはクラッシュゲームだ! クラッシュさせたもん勝ちなんだよ!」
純「くっ……! 確かにそうですけど」
律「じゃあ次はあれで勝負しようぜ!」
律が指したのは太鼓の鉄人。
純「どう考えてもドラムやってる律先輩が有利じゃないですか!?」
律「バレたか」
純「じゃああっちにしましょう」
純が指したのはベースマニア。
律「そっちこそ卑怯だぞー!! ベースやってんの知ってんだからな!」
純「なら両方で勝負なら文句ないでしょう!?」
律「望むところだああ!!!」
デデデデデデデデッデデデデデデン♪
50コンボー
律「うっひゃっひゃっひゃ」
純「そりゃっそりゃ」
スカッ、スカッ、
ベーベーベーベーベーベーベン♪
COOLッ!
純「たのし~ッ!」
律「え~とこれがこっちで……あーーーッ! 指吊ったあああッ!」
BAD
律「はあ……はあ……」
純「はあ……はあ……」
律「やるな、純ちゃん」
純「律先輩こそ」
──
澪「えっと、ここかな」
暗闇の中何とか席までたどり着き一安心。
憂「楽しみだねお姉ちゃん」
澪「そ、そうだね」
自然と振る舞ってくれる憂ちゃんには未だに慣れないけど……。
澪「(お姉ちゃんか……。悪くないかも)」
憂「お姉ちゃんポップコーン食べる?」
澪「う、うんっ!」
澪「(幸せだ~)」
憂「あ、始まるよ~」
私達の選んだ映画、それは。
『わんちゃん大冒険』
タイトル通り可愛いもの系の映画だ。
澪「(憂ちゃんも可愛いの好きなんだな。律だったら痒くなるとか言われそうな映画のタイトルなのに。意外と気が合うのかも)」
映画が進むにつれ犬のヌペが段々弱っていく。
憂「ヌペ……」
目頭を押さえながら小さな声で頑張れ! 頑張れ!と呟く憂ちゃんを私は、
澪「(憂ちゃん頑張れ! 頑張れ!)」
と応援していた。
とうとう冒険の半ばに倒れてしまったヌペ。
憂「ああっ」
澪「(ああっ! 憂ちゃんが悲しそうじゃないか! 頑張れヌペ!)」
私の想いが届いたのかヌペは気力を振り絞り、また立ち上がった!
憂「良かった……」
澪「(良かった……憂ちゃんが元気になって)」
いよいよフィナーレ。
綺麗な湖にたどり着いたヌペ、その畔には優しそうな女の子が立っていた。
優しく微笑む彼女と一緒にヌペは天に登って行く。
そう、この冒険はヌペの夢だったのだ。
街中で捨てられたヌペは最後に幸せな夢を見て天国へ行った……。
憂「ヌペぇ……」
ぐすぐすと泣く憂ちゃん。
澪「憂ちゃん……」
私も一人だったら大泣きだったろう。でも今は、今日だけは姉なのだ、この子の。
ならばしっかりしなくては、そんな想いが私を強くしたのかもしれない。
澪「よしよし」
憂「」グスグス
いつもは見ないスタッフロールをバックに、私はいつまでも憂ちゃんの頭を撫でていた。
すばらしい
三つとも好きな組み合わせだ
510:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 04:35:20.81:dwcn4XKCO三つとも好きな組み合わせだ
──
和「ようやくたどり着いたわね……」
梓「何が二つ目の信号を左ですかあの店員! 思いっきり三つ目じゃないですか! 騙されました! 文句言って来てやるです!」
和「まあまあ。ついたんだからいいじゃない。」
梓「和先輩がそう言うなら……」
和「じゃあ入りましょうか」
梓「はい」
ガチャ
梓「……ガチャ?」
ガチャガチャ
和「……」
梓「……」
そこにはこうあった。【本日定休日】
梓「お休み……みたいですね」
和「……」
梓「(ダメだ最高に気まずい)」
和「ちょっと待っててね、梓ちゃん。開けさせて来るから」
そう言って裏口に回ろうとする和先輩を全力で止めに入ったのだった。
和wwww
513:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 04:42:07.58:dwcn4XKCO和「はあ……」
結局手短の喫茶店に入った頃にはお昼、と言うよりは夕方、に近い時間帯となっていた。
和先輩の落ち込み具合も日の傾きのと同じ様にどんどん沈んで行っている……、みたい。
梓「和先輩は悪くないです! たまたまお店がお休みだっただけで……」
和「いえ、何回も行ったことがある私が定休日を覚えていないのが悪いのよ…。ごめんね梓ちゃん。お詫びと言うか元々奢るつもりだったけど奢るわ」
梓「そんなっ! 誘ったのは私からですし私が出します!」
和「いーえ、ここは譲れないわ。ここまでしといて奢られたりしたら生徒会の、ううん、全世界の先輩の名折れだわ!」
梓「は、はあ(何か変なところは意地っぱりだなぁ)」
私はナポリタン、和先輩はミックスサンドを頼みとりあえずは水で空腹を満たす。
和「そう言えばお昼食べてなかったんだよね私達。今梓ちゃんがナポリタン注文してから思い出したわ」
梓「私もです。ケーキセットを頼もうかなって思ったんですが何か違うぞ? お腹減ってるぞ? みたいになって、ああ、そう言えばってなりました」
お互い軽く微笑みながら楽しい会話を続ける。
和「後で頼んでいいわよ。ケーキセット」
梓「はい。お代は自分で出しますけど」
和「なかなか頑固ね梓ちゃんも」
梓「和先輩こそ」
そうしてまた、二人は微笑んだ。
──
律「ゲーセンの後と言えば」
純「駄菓子屋ですよね!」
律「見よ! このうまー棒の食べ方!」スポーンサクサクサク!
純「なんの! このただ一つの変わらない純の吸引力!」チュルチュルチュル
駄菓子屋のおばあちゃん「二人とも元気でええのう」
純「元気だけが取り柄みたいな人ですから! 律先輩は!」
律「なんだとぉっ!? 純だって同じもんだろうっ!?」
駄菓子ばあちゃん「どれ。仲がいい若者二人にサービスしてやるかのう」
律&純「ありがとうおばあちゃん!」
駄菓子「ほっほっほ」
律「は~遊んだ遊んだ」
純「ですね~」
駄菓子屋に設置されているベンチに座りお菓子を食べる二人。
気づけばもう日は随分と傾いており、早いところではそろそろ晩御飯が出てきてもおかしくない時間帯だ。
律「ごめんな、何かこんな遊びばっかりで」
純「いえ、わたしもこういう方が好きなんで。楽しかったです、凄く」
律「そっか」ニシッ
純「(こんなにいい先輩がいるなら軽音部に入っとくんだったなぁ)」
律「また遊ぼうな、純ちゃん」
純「はい、是非! 次は負けませんよ! 太鼓の鉄人」
律「わたしもベースマニア練習しとくよ」
純「……ふっ、ぷははは」
律「ぷっ、つ、あははは」
律「家まで送るよ」
純「一人で大丈夫ですよ」
律「だーめ。女の子の一人歩きは危ないんだぞ!」
純「律先輩だって女の子じゃないですか」
律「わたしはドラムで鍛えたこの筋力があるからだいじょーぶ」
純「あはは、じゃあ途中までお願いします」
律「任せとけい!」
純「(本当にいい先輩だな。今度梓が律先輩の悪口言ったら口つねってやるんだから)」ニヤニヤ
律「な~にニヤニヤしてるんだよ純」
純「何でもないですよー」棒読み
律「なんだそれ」ププッ
人と人はどこから仲良くなるんだろう?
律先輩が言ってた言葉だ。今日それがわかるかもって思ったけど、やっぱりわからなかったや。
純「(だってほんとにいつの間にか仲良くなっていたからっ!)」
──
憂「さっきはすみませんでした」
澪「いや、いいよ。いい話だったよね」
憂「はい! 犬のヌペがけなげに頑張るところとか凄い可愛かったです! 今度お姉ちゃんとも見ようっと」
澪「……」
憂「あっ、すみません(今は澪さんがお姉ちゃんなのに…)」
澪「唯が羨ましいな。憂ちゃんみたいな可愛くてしっかりした妹がいるなんて」
憂「そんな……私なんて」
澪「……、さて! 次はどこに行こっか? 服でも買いにいく?」
映画の時間は勿論、映画が始まるまでの待ち時間も含めて時刻は結構なものになっていた。
憂「(洗濯物はお姉ちゃんに頼んでるけど大丈夫かな…?)」
憂「(取り込もうとしてお布団と一緒に落ちたり……)」ソワソワ
澪「憂ちゃん?」
憂「(晩ご飯も作らないとお腹減ったよ~って泣きながらうい~って言ったり……)」ソワッ……ソワッ……
澪「(……そっか)」
澪「帰ろっか、憂ちゃん」
憂「えっ? ま、まだ大丈夫ですよ! それでどこに」
澪「唯が心配なんだろ?」
憂「……はい。お姉ちゃん無理しちゃわないかやっぱり心配で……。こないだ梓ちゃん達と遊んでて遅くなったら私が料理作るよっ!
って意気込んだのはいいけどお鍋が一つご臨終に……」
澪「唯らしいな」
憂「お鍋はいいんですけどお姉ちゃんが心配で……」
澪「(やっぱり本当の姉妹には勝てないな。気まずさを無くすためだけにこれ以上連れ回すのも悪いし、残念だけど姉妹ごっこはここまでにしよう。
本当に残念だけど……ね)」
澪「送るよ」
憂「澪先輩の家逆方向じゃないですか? いいですよ、一人で大丈夫です」
澪「……もうちょっとだけ、もうちょっとだけ姉妹でいたいから。途中まで一緒に帰ろう。憂」
憂「…うんっ! お姉ちゃん!」
夕日を背に隣同士仲良く歩く姿は、どこから見ても仲の良い姉妹そのものだった。
──
和「昔唯と砂の橋を作ってね。作ったのはいいのだけれど唯がみじゅが流れてない! とか言い出してさ。でも公園の水道は遠いし水を汲むものもなかったの」
和「それで唯どうしたと思う?」
梓「どうしたんですか?」
和「あの子ったら家からホースを引っ張って来て憂に蛇口開けさせてさ。ホースが道路を横断してたわ」
梓「プッ、唯先輩らしいですね」
和「それで砂場水浸しにして砂の橋も水没した後近くのおばさんに怒られて、唯はその後お母さんにも怒られたらしいわ」
梓「唯先輩のお母さんってすっごく興味あります!」
和「梓達は知らないんだっけ」
梓「はい、いつも留守で」
和「唯のお母さんは普通の人よ」
梓「へ~意外です」
和「ただお父さんが……ね。何と言うか……すっごい唯に似てるわ」
梓「唯先輩はお父さん似なんですね……」
和「顔は両方母親に似てるのに性格はしっかり分裂したみたいね」
梓「やっぱり幼なじみは違いますね! 唯先輩の知られざる真実がどんどん明らかになりました!」
和「まあね。付き合いだけは無駄に長いから。……そろそろ出ましょうか。唯の話してたらすっかり遅くなったし」
梓「そうですね。お代わりしまくったせいか店員さんの目もそろそろ痛いですし」
結局お代は仲良く割り勘となり、二人は喫茶店を出た。
カランカラン、アリガトウゴザイヤシターッ!
和「まだ私は時間大丈夫だけれど……梓ちゃんは?」
梓「私も大丈夫ですけど、今日はもういいです」
和「あら残念」
梓「真面目な受験生をこれ以上連れ回すのも悪いですし」
和「真面目な後輩を連れ回すのはいいのかしら?」
梓「それはいいんじゃないですか? 暇ですから」
和「ふふ、じゃあお言葉に甘えて連れ回したいところだけど今日はやめとくわ。遅くなると弟と妹が心配するしね」
梓「弟さんと妹さんがいるんですか? 初耳です!」
和「その話はまた今度ね、駅まで送るわ」
梓「はい、ありがとうございます」
──
駅前
律純「あ」
澪憂「あ」
梓和「あ」
綺麗にあ、が重なった。
律「(やっぱり他のやつらも動いてたか! しかしまさかこの組み合わせとは……)」
澪「(やっぱり唯とムギは動かなかったか。あの二人は自分の醸し出す空気で何とかしちゃうからな。しかしこの組み合わせは……!)」
梓「(律先輩と純が仲良く歩いてるなんて何かありそうだけど信じらんない! 澪先輩と憂はどことなく姉妹っぽいけどこの組み合わせは……)」
律澪梓「(正直気まずい)」
律「(憂ちゃんと澪とか絶対気まずかったろ!! よく遊ぶ気になったなおい!)」
澪「(梓と和が一緒にいるところなんて想像もつかないな……正直。今目の前にいるけど)」
梓「(律先輩と純、律先輩と純ププッ)」
和「また珍しい組み合わせね」
和は全てわかっているように、
純「梓が和先輩とって……プフ-ッ似合わない似合わない」
純は特に気にした様子もなく、
憂「(みんないつの間にか仲良くなってたんだね~)」
憂はいつも通りに、
そして、三人は
律「(明日覚悟しとけよ?)」バチバチ
澪「(せいぜいがんばって優勝してくれよ? 律ぅ)」バチバチ
梓「(私を忘れてもらっちゃ困りますよ、センパァイ?)」バチバチ
激突する!!!
明日、頂上決戦!!!
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
和、純、憂参戦編
気まずさよ、天高く舞え!
翌日の放課後!
律「いよいよ来たか……この時が!」
澪「まさかこんな長丁場の戦いになるとはな」
梓「あの時は思いませんでしたね」
唯「びっくりだね~」
紬「(わくわく)」ワクワク
澪「って唯が提案したんだろ!」
梓「それをまるで他人事のように……!」
唯「そうでした!」
律「まあしかし……今では感謝したいぐらいだよ、唯に」
澪「私もだ。おかげで色々見えてきたものがある」
梓「私もです。見た目と中身って一致する人としない人がいるってわかりました」
律「ここまで来たらさ、悔いなくやろうぜ?」
澪「ああ。勿論だ」
梓「はい。頑張りましょう」
紬「こうやって友達の輪が広がって行くのね~」
唯「最初と何か主旨が変わってるけど頑張ろうっ!」
律「(お前が優勝だよ、澪)」バチバチ
澪「(優勝おめでとう律)」バチバチ
梓「(がんばって優勝してくださいよ先輩方)」
もはや意地である。
さわ子「呼んで来たわよ~」
和「こんなことだろうと思ったわ」
純「朝梓に聞きましたよ! また軽音部はこんな面白そうなイベントを!」
憂「気まずさ選手権?」
律「ご苦労さわちゃん! お三方よく来てくださった! ささっ、こちらに」
律が三人を椅子に座らすとすかさずムギはお菓子とお茶を用意。
和「ありがとうムギ。大体の話はさわ子先生から聞いたけど」
純「ケーキうんまぁ~。こんなケーキが毎日食べられるなんて! 梓ぁ! 変わって!」
梓「来年入れば? お菓子はないけど」
純「それじゃ意味ないよー! (それに律先輩もいないし……」ボソ
梓「えっ?(なぬ?)」
純「ううんなんでもない!」
梓「(まさか……! 律先輩にキャとられたか純!)」
憂「ありがとうございます紬さん」
紬「いえいえ~(憂ちゃんともスキンシップ出来るなんて夢のようだわ~)」
唯「ムギちゃんのケーキ美味しいでしょ~?」
憂「うんっ。これを毎日食べられるなんて羨ましいな。けど持って来てばっかりじゃ悪いから今度私の作ったお菓子をお姉ちゃんに持って行ってもらいますね」
紬「そんな気を遣わなくていいのよ? 私が好きで持って来てるから」
憂「いえ、それでもです。親しき中にも礼儀ありですから」
紬「(いい子すぎるわ! 憂ちゃんにロックオン!)」ムギュギュギュギュ
唯「今度みんなでお菓子作ろうねって話してたんだぁ」
憂「皆さんで? じゃあ今日帰ったら念入りに掃除しとかなきゃ」
唯「まだいつやるかは決まってないからそんな焦らなくていいよぉ」
律「(早くも差を感じさせてくれるじゃないか……!)」
澪「(戦いはもう始まってるってわけか)」
梓「(どれぐらい親密度上げて来たのかは知りませんが完全網羅した私には勝てませんよ二人とも!)」
律「(まあ……)」
澪「(唯とムギには……)」
梓「(勝てそうにないですけど)」
さわ子「そろそろルール説明したら?」
律「ホワイトボードカモンッ!」
そう言われた瞬間いそいそとホワイトを持って来る梓と澪。
律「今から三人には私達一人一人と一対一で五分間他愛のない会話をしてもらいます!」
紬「してもらいま~す」
律「その会話や仕草、場の空気などを他のメンバーがこのプレートで採点します!」
唯「1~5点だよ! 高いほど気まずかったってことだよ!」
さわ子「私は特別審査員だから1~10点だけどね!」
律「それが一番高い人が気まずさ選手権優勝!」
澪「何か勝手に巻き込んでごめんな」
和「昨日の変な組み合わせはこれのせいね。てかあんた達も暇ね」
澪「ごもっともです…」
唯「まあまあ! 和ちゃん! 楽しければ大正解だよ!」
純「(なるほど、だから律先輩はわたしと仲良くなって今日話しやすく……。でもそれって何だかちょっと寂しいかも)」
憂「(/// てっきり澪先輩寂しいのかと思って妹のフリなんかしちゃったよぉ)」
律「大体の説明は終わったところで……累積得点を!」
唯「はっ! ここに! 唯ちゃんグラフ改でございます!」
律「うむ」
唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\③⑨③ 23
律③③\⑥⑮ 27
紬③⑨⑥\③ 21
梓③③⑮③\ 24
梓「相変わらず線の引き方汚いですね唯先輩」
唯「ご愛敬~ご愛敬~」
紬「今回はこんなもの作ってみました~」ジャジャ~ン
律「おおっ!くじ引きか!」
紬「この方がドキドキ出来ると思って」
唯「ナイスだよムギちゃん!」
律「じゃあさっそく……」ガサゴソ
和「はあ……まあいいけど」
純「(律先輩……)」
憂「(何が出るかな~♪)」
律「記念すべきリベンジマッチ第一回戦の組み合わせは~」
紬「ジャカジャカジャカ」
律「じゃんっ! 唯&和!」
唯「幼なじみパワーだね! 和ちゃん!」
和「どんなパワーよそれ」
律「さて、抽選も終わったことだしみんなはプレート持って外に行った行った~」
そう言いながら全員にプレートを渡す律。
澪「あれ? 私達だけじゃないのか?」
律「それだと外側がつまらないだろ~?」
澪「ってことはさわちゃんを入れて7人が採点するわけか……」
梓「なんかもうインフレしまくってますね」
律「細かいことは気にしない気にしない(これで前半の得点など無意味よ! ふはは!)」
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
一回戦 唯和
和「って言っても今更よね。もう何年も一緒にいるのに気まずくなんてなるわけないじゃない」
唯「幼なじみだもんね~」スリヨリ
和「なんで擦り寄って来るのよ」
唯「だってぇ。こうして和ちゃんと二人きりって久しぶりだから。嬉しくて!」
和「外から凄い見られてるけどね」
唯「気にしたら負けだよ!」
律『さ~いよいよ始まりました気まずさ選手権リベンジマッチ! 実況はわたくし才色兼備な桜ヶ丘高校のアイドル田井中がお送りしま~す!』
梓『自分で才色兼備って痛いですよ律先輩』
紬『同じ幼なじみとしてどう見ますか?』
澪『やっぱり仲良いよなあの二人も』
紬『二人も、ってところに愛を感じてもよろしいんですね!?』
澪『ちょ、ムギ落ち着けよ!』
律『二人を良く知る憂ちゃんに聞いてみましょう!』
憂『昔からとっても仲がいいですよ。私も和ちゃん…じゃなくて和さんの家によく遊びに行きました』
さわ子『幼なじみ、もえるわね。気まずさは微塵も感じないけど』
純『(……)』
梓『(さっきから純元気なさそう……何かあったのかな?)』
和「大学はみんなと一緒のところへ行くんだっけ?」
唯「うん! これからがんばって勉強するよ!」フンスッ
和「そ……。じゃあ幼稚園からの付き合いも高校でおしまいね」
唯「えっ……」
和「違う大学に行っても連絡は取るとは思うけど、やっぱりちょっと寂しいわね。でも軽音部のみんなと一緒なら安心出来るわ。いい友達見つけたわね、唯」
律『……』
澪『……』
紬『……』
唯「やだよ……! ずっと…ずっと一緒にいたいよ……和ちゃん」
和「バカね。大学が違っても家は近いんだから会おうと思えば会えるわよ。ああでもどっちかが寮に入ったりしたら簡単には会えなくなる…か」
唯「和ちゃん……」
和「唯。私はあなたに何度も助けられたわ。あなたの仕草に、あなたの言葉に。きっと軽音部のみんなもそう」
唯「そ゛う゛なの?」
和「私はもう十分あなたに色々もらったわ。だから次は軽音部のみんなに分けてあげて」
唯「ぅんっ……うんっ!」
和「なんて顔してるのよ。別々の大学に行ったって寮に入ったって会えなくなるわけじゃないんだから。それに……」
和「私達が幼馴染みってことは永遠に変わらないもの」
唯「和ちゃああああん」ギュッ
梓「あ、あの……。いいところ申し訳ないんですが5分経ちました」
和「ほら、唯。5分経ったって」
唯「のどかち゛ゃあああああん」スリスリ
律「え゛え゛話やー」グスグス
澪「幼馴染みっていいなぁ!」グスグス
紬「唯ちゃんは大切に育てます」ズピー
憂「違う大学に行っても絶対遊びに来てね和ちゃ~ん」メソメソ
和「あらあら」
梓「(やっぱり和先輩優しいな)」
さわ子「いいもの見せてもらったわ!」
得点!
①①①①①①①
律澪紬梓憂純さ
律「文句なぁし!」
澪「あれに1点じゃなかったらこの先何が来ても1点つけられないしな」
梓「ですね」
紬「私にも幼なじみがいたらな~」
さわ子「まあこの辺りはね~」
唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦ 24
澪⑧\③⑨③ 23
律③③\⑥⑮ 27
紬③⑨⑥\③ 21
梓③③⑮③\ 24
律「さあどんどんいってみよ~!」
紬「ドォルドォルドォル~」
律「どんっ! 澪&純ちゃ~ん」
澪「(純ちゃんか。三人の中じゃ一番話したことないけどベース繋がりだし大丈夫かな)」
純「……」
梓「純。呼ばれたよ?」
純「ん? ああっ! はいはい」
梓「何かあったの?」
純「ん~ん。何でも。じゃあ行ってくるね」
梓「憧れの澪先輩と二人きりなんだからもっと喜びなよ」
純「そ、そうだね。うん……」
梓「(律先輩のことかな? 純がここまでシュンとするなんて珍しい…。ほんとに何があったんだろ)」
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
二回戦 澪純
澪「よろしくね、純ちゃん」
純「あっはい! よろしくお願いします!」
澪「そんなに緊張しなくていいよ。同じベーシスト同士仲良くしよう」
純「はい……。(いつもなら飛び上がる程嬉しい筈なのに……なんでだろ)」
澪「純ちゃんは何でベース始めたの?」
純「音色がいいから……後はカッコいいからですかね」
澪「やっぱり? ベースの音色っていいよね。あの重く空気に震動する感じが何度も……ベース何使ってるの?」
純「YAMAHAのSBV‐500です」
澪「ネックも持ちやすいから弾きやすいし値段もリーズナブルだからいいよね」
純「ありがとう……ございます」
澪「私の弾いてみる? って言ってもレフティだから弾きにくいと思うけど……形だけでもさ」
純「いいんですか?」
澪「うん。色々なベースを触ってみてわかることもあるだろうし」
純「(こんな優しくしてくれてるのに上の空だなんて……。しっかりしろ純!)」
純「じゃあ……ちょっとだけ」
純「(この先必ず律先輩と二人になる機会があるんだ。その時に聞こう……)」
ベンベンベベンベン
純「(わたしのよりちょっと重たいかな? でも右手なら弾きやすそう)」
澪「どうかな?」
純「いいですね。持った感じもいいですし……凄い手入れが行き届いてるってわかります。弦も張り替えたばっかりでご機嫌って感じです!」
澪「昨日変えたばっかりなんだ。良かった、気に入ってもらったみたいで。エリザベスも喜んでるよきっと」
純「エ、エリザベス?」
澪「い、いや、何でもないよ!」
唯「5分経ったよ~」
得点!
①①①①①①①
唯律紬梓和憂さ
唯「ベース仲間って感じがしたね!」
律「やっぱり楽曲繋がりは話が広がるな~」
紬「私の番まだかしら~」
梓「お疲れ純。どうだった?」
純「やっぱり澪先輩は憧れの先輩だった!」
梓「そ(元気になったみたいで良かった)」
純「(くよくよしてるなんてわたしらしくないよね!)」
唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦ 24
澪⑧\③⑨③ ⑦ 30
律③③\⑥⑮ 27
紬③⑨⑥\③ 21
梓③③⑮③\ 24
さわ子「次ね」
律「三回戦目は~」
紬「私!私!」
律「梓&憂ちゃ~ん」
紬「」ションボリ
憂「よろしく梓ちゃん」
梓「うん。何の話しよっか」
さわ子「何だか気まずくなりそうにないメンバーばっかり当たるわね。つまんな~い。早く10点つけたいわ」
律「わたしの時はやめてねさわちゃん」
澪「私の時も……」
梓「今度の休みどこ遊びに行こっか?」
憂「う~んまたバッティングセンターとか」
梓「じゃあさ、じゃあさ。その後喫茶店行かない? 昨日和先輩とさまよってたらたまたま良いところ見つけてさ」
憂「うん。いいよ」
梓「そう言えば和先輩って見た目によらず方向音痴なんだね。私びっくりしちゃった」
憂「あはは……。本人もそれ気にしてるみたい」
唯『和ちゃんは実は方向音痴なのだ!』
和『わざわざ言い直さなくてもいいわよっ!』
得点!
①①①①①①①
唯律澪紬和純さ
律「1点が並ぶな~」
澪「これが普通なんだけどな」
紬「次こそ私!」
唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦ 24
澪⑧\③⑨③ ⑦ 30
律③③\⑥⑮ 27
紬③⑨⑥\③ 21
梓③③⑮③\ ⑦ 24
律「ガラガラ~ぽんっ!」
律「良かったなムギ! 紬&純だ!」
紬「やったわ!」
さわ子「(いきなりクライマックス来ちゃったああ!!)」
気まずさ選手権!リベンジマッチ!
四回戦 紬純
紬「お茶どうぞ~」
純「は、はい」
律『駄目だ、もう気まずい』
さわ子『これよ! これを待ってたのよ!』
和『ムギは普通だけど鈴木さんがちょっと苦しそうね』
紬「純ちゃんって呼んでいいかしら? 私のこともムギちゃんでいいから」
純「そ、そんな呼べませんよ! 先輩ですし……」
紬「遠慮しなくていいのよ? 仲良くなるにはまず呼び方からってお母様が……」
梓『(よっぽどたまってたのかムギ先輩の仲良くなりましょパワーがとんでもないことに!)』
紬「純ちゃん♪」
純「(えっ、もしかして私も呼べってこと?)」
紬「じゅ~んちゃん♪」
純「む、む、むぅぎぃちゃあん……///」
紬「うふふ、ありがとう」
律『気まずMAX』
澪『ムギは幸せそうだけどな……』
和『相手のこともフォローしつつ気まずさを感じさせないようにしなきゃならない……以外とこのゲーム過酷ね』
唯『でしょう!?』
憂『純ちゃんファイト~。紬さんいい人だから大丈夫だよ~』
紬「純ちゃんの髪の毛可愛くて素敵ね」
純「そ、そうですかね? 凄い癖毛だから気にしてるんですけど。梓とかにはモップ髪とかバカにされてるんですよ!」
紬「まあ! それはちょっと酷いわね。同じ癖毛仲間としては見過ごせないわ!」
純「ムギ先輩も癖毛なんですか?」
紬「む~」プクー
純「む、ムギちゃんも癖毛何ですか……?」
紬「」ニコー
紬「ええ。雨の日なんて湿気で髪の毛がよく跳ねるの」
純「こんな綺麗な髪なのに……(意外だ!)」
紬「ちょっといいかしら?」
純「へ? あ、あのっ」
紬「ん~?」
縛っている髪をほどいて櫛で研き出す。
純「私の髪なんて……」
紬「そんなことないわ。私は好きよ、純ちゃんの髪」
純「///」
律『恥ずかしそうにしてるけど気まずくはないな』
澪『だな。やっぱりムギはいるだけで空気が和むっていうか……』
梓『わかります。いつもニコニコしてるからこっちもそうなるって言うか』
唯『ムギちゃんぽわぽわだからね~』
>>653
>唯 お前もポワポワだ
655:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:41:04.70:dwcn4XKCO>唯 お前もポワポワだ
紬「ストレートにしてみましょうか」
純「えっ!? それはちょっと無理っていうか……」
紬「大丈夫よ。私に任せといて」
純「じゃなくてぇ! その……、く、くっ」
バキッ
紬「あら?」
唯律澪梓和憂さわ子『あ』
純「……ストレートにしようとすると櫛がいっつも耐えられなくて……えへへ」
紬「そ、そうなの~」
梓『これは気まずい』
得点!
律「悪いな……ムギ」
澪「なんかごめんな……」
梓「すいませんムギ先輩、恨むなら純の髪の毛を恨んでください」
さわ子「これは……ね」
唯「面白かったよムギちゃん!」
和「審査は厳正に行われるべきだから……」
③⑤⑤⑤⑤①⑩
唯律澪梓和憂さ
梓「(やっぱりとんでもない高得点出ちゃった! けど……)」
紬「ごめんね純ちゃん……。髪の毛痛くなかった?」
純「いえ……。大丈夫です。それよりわたしのせいですみません……」
紬「ううん、いいのよ。気にしないで。今度またお話しましょうね。私が良く行く美容院とか紹介するわ」
純「ありがとうございます、ムギちゃん先輩」
梓「(これはこれで……良かったかもしれない、よね)」
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦--24
澪⑧\③⑨③-⑦-30
律③③\⑥⑮---27
紬③⑨⑥\③-34-55
梓③③⑮③\--⑦31
律「次行くか~(優勝おめでとうムギ)」
律「せいやっ! 何々
~? おっといよいよ出番か律&憂~!」
梓「(またまた意外なペアですね)」
澪「(唯の勉強教えてた時とか普通に二人きりでゲームとかしてたからそんな気まずくはならないかな)」
憂「よろしくお願いします律さん」
律「おぅよ!」
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
五回戦 律憂
律「前々から言おうと思ってたんだけど憂ちゃんってゲーム上手いよな!」
憂「そうですか? お姉ちゃんとちょっとするぐらいですけど」
律「あの時完敗したのがまだ忘れられないよ! あのゲーム聡と一緒に結構やりこんだんだけどな~」
憂「あのゲームはほとんど負けたことないんです。梓ちゃんと純ちゃんとやっても勝ってばっかりで。ちょっと悪いかな?とか思ってます」
律「いや! ゲーマーたるもの鼠を狩るのも常に全力を出さなきゃ!」
さわ子『思ったより普通ね』
梓『ですね。まあどっちもゲーム好きですし。憂はそこまでやってないと思いますけど。話を合わせてるんだと思います』
さわ子『憂ちゃん空気読めそうだもんね~』
澪『憂ちゃんは人見知りとかしないタイプなの?』
唯『人見知り?』
澪『唯に聞いた私がバカだったよ』
和『気持ちはわかるわ、澪』
律「外ゲーとかやらないの?」
憂「梓ちゃんと純ちゃんとたまにやりますよ」
律「じゃああれやった?! クラッシュカーチェイス!」
憂「はい」
律「わたしあれ上手いんだぜ~? 今度やりに行こっか?」
憂「はい。是非」
純『(誰とでも行っちゃうんだ……って当たり前じゃん何言ってんのよわたしは!)』
純『(でも……やっぱりなんか面白くない)』モヤモヤ
梓『……』
得点!
①①①①①②②
唯澪紬梓和純さ
律「ありゃ、満点じゃなかったか」
さわ子「話題の振り方が無理やりと言うか予め用意された感じがしたから気まずくなかったけど加点したわ」
律「厳し~な~さわちゃん」
梓「純も……2点?」
純「えっ? あっ、うん……。さわ子先生と同じ理由かな」
律「……そっか。ならしょうがないな」
ぽん、と純の頭に手を置き撫でる。
さわ子「……(ほんとは1点にしようと思ったんだけどね。難しい年頃よね~)」
紬「(100点目指しちゃお~う)」
むぎwww
668:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:26:28.02:dwcn4XKCO\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦--24
澪⑧\③⑨③-⑦-30
律③③\⑥⑮--⑨36
紬③⑨⑥\③-34-55
梓③③⑮③\--⑦31
律「次は~梓&純~」
澪「これも7点濃厚だな」
梓「純~行くよ~」
純「う、うん」
和「(暇ね)」
唯「なかなか出番こないなぁ」
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
六回戦 梓純
梓「やっと回ってきた。話したいことあったから」
純「話したいこと?」
梓「声のトーン落として」
純「え? でもそれだと気まずそうとか言われたり……」
梓「いいから。ポイント的にも余裕あるし大丈夫」
純「うん…わかった。ありがとう梓」
梓「で、律先輩のことなんだけど、何かあったの? 昨日」
純「うんうん。多分梓と和先輩と同じだよ。普通にご飯食べて……普通にゲーセン行って……駄菓子食べて」
梓「ならなんでさっき2点なんてつけたの? さわ子先生が2点つけてくれたから目立たなかったけど……。どう見ても1点な内容だったと思うよ?」
純「わかんない……。だからこんなモヤモヤしてるんだと思う」
梓「モヤモヤ?」
純「律先輩が昨日わたしと仲良くなりたいって言ってくれたの凄く嬉しかったんだ。けどそれって所詮このゲームの為にだよね?」
梓「……」
純「それとなんだかね……律先輩が憂と仲良くしてるの見て、一緒にゲーセン行くって言ってるの聞いて……嫌だった」
梓「もしかして……律先輩のこと、好きなの?」
純「ううん。多分そんなんじゃないよ。いっつも側にいて面倒見てくれたお姉ちゃんが実はめんどくさいながら面倒見てたってわかった瞬間……みたいな感じ」
梓「純、私はそんな律先輩とは親しくないけど……。ゲームの為だけに仲良くなるような人じゃないのは知ってるよ」
純「……」
梓「寧ろいい機会って思ってたと思う。私も和先輩を誘うときそんな感じだったし」
純「……ほんと?」
梓「ま、答えはあそこで一生懸命聞き耳立ててる人と話す時にもらいなよ」
律『聞こえね~』
純「うん、そだね。そうする」
>梓「純、私はそんな律先輩とは親しくないけど……
梓の友達のハードル高いなw
677:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:46:12.32:dwcn4XKCO梓の友達のハードル高いなw
得点!
③④③③③②⑩
唯律澪紬和憂さ
梓「あっれぇー!?」
さわ子「聞こえないのは一番つまらないわ」
律「そうだそうだー!」
紬「可愛かったけど聞こえないと可愛さ半減……」
澪「私の時もつけられたからな。平等だぞ梓」
唯「なに話してたか気になりますなぁ」
憂「ごめんね梓ちゃん」
和「面白くなって来たわね」
純「ごめんね梓!」
梓「うそーん」
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦--24
澪⑧\③⑨③-⑦-30
律③③\⑥⑮--⑨36
紬③⑨⑥\③-34-55
梓③③⑮③\-28⑦57
律「続きましては~ばんっ! ……唯&憂」
唯「やっと出番だね!」
さわ子「①。私寝てるから終わったら起こしてね」
和「①。先生風邪引きますよ?」
紬「①。お布団持って来ましょうか?」
澪「①。ムギ、布団なんてあるのか?」
律「①。さすがにないだろ。いくらムギでも」
純「①。ムギちゃん先輩ならもしかしたら!」
梓「①。仲の良い姉妹話を聞かせてもらいますか」
唯「え、えぇ~……」
憂「ふふっ///」←ちょっと嬉しい人の図
これはほんと聞くまでもねえなw
681:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:00:43.89:B63OgvhfO5分間唯と憂の楽しい姉妹会話があったとさ。
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦-⑦31
澪⑧\③⑨③-⑦-30
律③③\⑥⑮--⑨36
紬③⑨⑥\③-34-55
梓③③⑮③\-28⑦57
澪「二つ終わって31点か」
律「まだ一つ微妙なのが残ってるじゃん! MAX叩いたら唯も全然逆転あるって!」
唯「ふふ~ん。私と純ちゃんも仲良しなんだよっ!」
律「なにっ!? 中学の頃は家に来なかったって……しまった!」
唯「中学の時は、ね! 最近はよくあずにゃんと一緒に遊びに来るよ!」
梓「憂に会いにですけど」
唯「あずにゃあん……」
律「さ~て次いくぞ~」
律「次は~ゴソゴソっと。律&和」
和「やっと言いたいことが言えるわ」
律「えっ?」
和「三年間をこの5分間に込めるのは大変だけれど……私がんばってみるわね、律」
律「しょ、しょれは頑張らなくても……」
和「さあ行きましょう。さわ子先生、少しペン貸してもらっていいですか?」
さわ子「え、えぇ」
和「申請用紙の書き方を教えてあげないと」
澪「え? 書き方って……」
和「こないだ申請用紙の書き方がわからなくて出すのが毎回遅れるんだ~とか言ってたから」
澪「り~つ?」
律「行けど帰れど地獄……か」
和「澪には帰ってから怒られなさい。私が先だから」
律「きょ、今日は勘弁しておくんなましいい! ポイントが! ポイントがああっ」
和「じゃあ気まずくなさそうに笑いながらなんてどうかしら?」
律「そんなぁ……」
そうして律は和に連れ去られて行った。
唯「りっちゃん隊員に敬礼!」
紬「敬礼!」
さわ子「生徒会長恐るべしね」
それから5分間律は和にひたすら説教と申請用紙の大事さ、遅れるとどうなるかなどをひたすら説いたと云う。
これはデコが悪い
和もっとやれ
686:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:19:54.52:B63OgvhfO和もっとやれ
得点!
④⑤③⑤③②⑩
唯澪紬梓憂純さ
律「ですよねー……」
澪「気持ち的には100点つけたい」
唯「ちゃんと出さなきゃ駄目だよ~?」
紬「がんばって部長」
梓「私にとってはいい反面教師です。ありがとうございます律先輩」
さわ子「担任としては見逃せないわね」
憂「(律先輩には悪いけど……和ちゃんを困らせるのはやめてほしいな)」
純「(さっき1点高くつけちゃったから、その分マイナスしとこ)」
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦-⑦31
澪⑧\③⑨③-⑦-30
律③③\⑥⑮32-⑨68
紬③⑨⑥\③-34-55
梓③③⑮③\-28⑦57
梓「もう誰が優勝するか全くわかりませんね」
律「そもそもわたしのは気まずさとは関係ない気が……」
和「日頃の行いが気まずさに繋がったってことよ」
律「はいすみません……」
澪「やっぱり和の説教は効くなぁ。私じゃこうはいかないよ」
唯「りっちゃんが戦意損失気味だから代わりにわたしがガシャポンするね!」
唯「なにが出るかな~なにが出るかな~?」
唯「はいっ! 出ました! 和ちゃん澪ちゃんだよ!」
和「さっき溜まったストレスを癒せそうね」
澪「うちの部長がご迷惑を……」
律「ああもうその話はやめてくれぇ~!」
和「だそうよ。いつまでも虐めるのも可哀想だからこれぐらいにしといてあげましょうか」
澪「和って怒らすと怖い……」
唯「和ちゃんと澪ちゃんは二年の時同じクラスだったからわたし達が知らない二人だけの秘密とかありそう!」
紬「それってなんだか素敵ね~」
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
九回戦
澪和
和「澪とならまず気まずくなることもないけど、改めて話なさいって言われたらなんだか困るわね」
澪「いつも通りでいいよ。そう言えば生徒会は大丈夫? だいぶ長い時間拘束してこんなこと言うのもあれだけど……」
和「学園祭の用意やら何やらで結構忙しいわね」
澪「嗚呼、やっぱりっ! 今すぐ行ってもらっても私は全然構わないから!」
和「でもまあ生徒会の他の子達にはさわ子先生の用事ってことにしてるから大丈夫よ。それにそろそろ私がいなくても段取り組んでもらわないと来年困るもの」
澪「うぅ……でもやっぱりごめん」
和「いいのよ。私も楽しんでるし。もうこうやってみんなで何かする機会は数回あるかないかでしょう。いい思いで作りよ」
澪「和……。二年のクラス分けの時、和がいてくれてほんとに良かった!」
和「どうしたのよ急に?」
澪「ずっとずっと言っときたかったんだ。あの時和があのクラスにいてくれなかったら多分私……毎日学校行くのが苦痛になってたと思うんだ」
和「大げさね。クラスは違ったって放課後に唯達と毎日会えるじゃない。唯達が良くこっちに遊びに来たりしてたし」
澪「それでもなんだ! ほんとに……ほんとにっ……嬉しかった」
和「澪……」
澪「大学は別々になったけど…、これからもいい友達でいような、和」
和「ええ、勿論よ」
澪「学園祭頑張ろうな!」
和「ええ。澪のロミオ期待してるわ」
澪「えっ…?」
和「こないだ決まったじゃない。ロミオが澪でジュリエットが律って」
澪「……What?」
和「顔色悪いわよ? 大丈夫?」
澪「……アハハハハ……ダイジョブダイジョブ」
唯「しゅ~りょ~!」
得点!
②③②③②①④
唯律紬梓純憂さ
律「最後のやりとりがなかったらな~満点だったのに」
梓「その一言に限りますね」
唯「惜しかった!」
紬「でも澪ちゃんのロミオとりっちゃんのジュリエット楽しみよね!」
律「明日から練習が始まるんだ……今はそっとしておいてくれないか」
澪「はは、ははははは」
和「そんなにやりたくなかったのね……」
唯「澪ちゃんは恥ずかしがり屋だからねぇ~」
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦-⑦31
澪⑧\③⑨③17⑦-47
律③③\⑥⑮32-⑨68
紬③⑨⑥\③-34-55
梓③③⑮③\-28⑦57
唯「接戦だね!」
律「お前以外はな」
梓「最近7点の方が珍しくなって来ましたね」
律「良いことなんだか悪いことなんだか」
さわ子「見てる方にとっては面白くていいわよ!」
律「次々~」
唯「さ~て次は~ガラガラ~はいっ! わたしと純ちゃんだよ!」
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
十回戦 唯純
唯「純ちゃん純ちゃん!」
純「はい、ってええっ?」
唯「わたしも純ちゃんと同じ髪型にしてみました!」
純「はあ……(相変わらず掴めない人だなぁ。どんな反応すればいいんだっての!)」
唯「触ってごらん!」
純「は、はあ」
モフモフ
唯「どうかな?」
純「モフモフしてますね」
唯「純ちゃんのも触っていい?」
純「はい、別にいいですけど」
ゴワゴワ
唯「ゴワゴワだったね……」
純「うぅ……気にしてるのに」
梓『珍しいですね、唯先輩がいじめてますよ』
憂『ち、違うよぉ! あれはお姉ちゃんなりの純ちゃんとのスキンシップなの!』
律『独特過ぎてわからん』
唯「でもね純ちゃん! 安心して! 私も仲間だよ!」
純「仲間って?」
唯「同じ髪型の仲間だよ! だから一人じゃないよ!」
純「……ってことは明日も明後日も明明後日もその髪型ですか?」
唯「ど、努力するよ!」
純「……気持ちだけは受け取っておきます。ありがとうございます唯先輩」
唯「えへへ。どういたしまして! 純ちゃんさっき悩んでたから慰めようと思って憂にやってもらったんだぁ」
純「そうなんですか(悪い人じゃないんだけどね……ほんと)」
唯「純ちゃんってジャズ研だよね?」
純「はい、そうですけど」
唯「ジャズ研って軽音部とどう違うの?」
純「どう違うって言われると難しいですね……」
唯「軽音部はかる~い音楽……じゃなくて……あれ? なんだっけ?」
純「軽音楽は確かそのままの意味だったような気がしますよ。クラシックとか行々しいものを簡単にした感じみたいな」
唯「ふむふむ」
純「ジャズは多分自由な音楽って感じじゃないですかね。感じ的に」
唯「けいおん部も自由にやってるよ!」
純「えっと……音楽的にですよ唯先輩」
唯「つまり軽音楽は簡単な感じの音楽で~ジャズは自由な感じの音楽ってことなんだね!」
純「多分そんな感じだと思いますよ」
唯「不思議だよね!」
純「何がですか?」
唯「だって音楽部とかだと合唱とか~後指揮者とかいたりするのに軽!がつくだけでこんなにさっぱりになっちゃうなんて!」
純「言われて見れば確かに……オーケストラとかは何十人いるのに……ちょっと軽くなりすぎましたね」
唯「軽音はオーケストラからの生き残りなんだよきっと。それか喧嘩別れしちゃったのか…」
純「派生したんだと思いますけど…」
唯「仲直りしなきゃ!」
純「どうやってですか?(面白いから止めないでおこ)」
唯「みんなで音楽部に入るんだよ!」
梓『軽音部消滅の危機!?』
純「でもそしたら唯先輩ギター弾けませんよ?」
唯「え?」
純「代わりにバイオリンとかチェロとか、もしかしたらコントラバスとか弾かなきゃいけなくなるかも」
唯「コントラバス??」
律『実物と唯が今想像してるコントラバスは違うと断言出来るな』
梓『変なバスでも想像してるんじゃないですか?』
唯「音楽部はギターひけないの? 元は一緒の音楽だったんだよっ!?」
純「想像してみてください唯先輩! NHK何かであるオーケストラに一人ギターがいたら……!」
唯「……」想像中
──
指揮者「」さっ
バイオリンを持った人「」ささっ
チェロ?を持った人「」さささっ
コントラバス?を持った人「」ぶぅんぶぅんっ
唯「」フンスッ!
指揮者「……うんたんっ」
唯「」ジャンジャンジャンジャンジッジャジャーン
コントラバス「」ぐぉんぐぉーん!
バイオリン「……」
チェロ「……」
──
唯「ダメだね!」
純「でしょう!?」
唯「仲直りは諦めよっか……」
純「軽音楽は軽音楽として生きていくべきですよ!」
唯「でも……ジャズは自由な音楽だから軽音楽と仲良しだよね?」
純「はい! ギターもベースもガンガンですよ!」
唯「もし純ちゃんが良かったら……来年軽音楽と仲良しになってあげてね」
純「へっ?? どういう……あっ」
梓『……』
澪『梓』
ぽん、と肩に手を置く澪。
純「……はい! 梓一人にはさせませんよ!(やっぱりいい先輩だよね、唯先輩も)」
得点!
②②①②②①③
律澪紬梓和憂さ
澪「最初はどうなることかと思ったけど」
律「気づいたら唯ワールド炸裂だよな」
紬「唯ちゃんワールド~」
和「しっかり勧誘してる当たり後輩想いなところは伺えたわね」
梓「……」
憂「良かったね梓ちゃん」
梓「……うん。(こんな時でもちゃんと考えてくれてたんだ…唯先輩)」
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦13⑦44
澪⑧\③⑨③17⑦-47
律③③\⑥⑮32-⑨68
紬③⑨⑥\③-34-55
梓③③⑮③\-28⑦57
律「この時点で唯は逆トップ確定か……」
澪「やっぱり唯は強いな」
紬「唯ちゃんさすがね!」
唯「もう終わったんだと思うとちょっと残念だけどね」
梓「こんなのさっさと終わらせて早く学園祭に向けて練習しましょう」
澪「そうだな」
律「全くだ」
唯「みんなひどいっ」
和「ロミオとジュリエッ(ry」
澪「あーあーただいまマイクのテスト中ー」
律「町内会のおっさんかお前は」
唯「次いっくよ~?」
唯「残すところ後五回となってきましたこの気まずさ選手権! 次の組み合わせは~」
紬「来たっ!」ムギュギュギュギュ
唯「はいっ! ムギちゃんと憂だよ!」
紬「やったわっ!!! ずっとロックオンしてたの~」
澪「いや、なにをだ」
憂「よろしくお願いします紬さん」
紬「ええ、こちらこそ」
紬「(憂ちゃんとスキンシップする千載一隅のチャンスよ!)」
紬「うふふひひ」ジュルリ
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
十一回戦 紬憂
紬「今お茶入れるわね」
憂「あっ、私が入れますよ!」
紬「だーめ。憂ちゃんはお客様なんだから(健気な憂ちゃん可愛いわ~)」
憂「じゃあ…お言葉に甘えて」
紬「は~い」
しばらくして、
紬「どうぞ」
憂「いただきます」
数口それを口に含むと一気に憂の顔に笑顔が咲く。
憂「凄く美味しいです!」
紬「ありがとう」
憂「何か入れ方のコツとかあるんですか?」
紬「そうね~……。大したことはしてないけれど…」
紬「温度差が出ないようにティーポットは温めといた方がいいわね。後はお水はカルキが入ってないミネラル水を使った方が茶葉そのものの香りが出るかしら」
紬「茶葉の分量を正確に量るのは勿論ジャンピングも大切よ」
憂「ジャンピング?」
紬「紅茶を作る過程で茶葉はもまれるからどうしてもねじれちゃうの。それを沸騰し過ぎずでも温すぎずの空気を十分に含んだお湯をかけてあげることでポットのなかでのびのびと動き回るの~」
憂「ジャンピング……。(私もマスターしてお姉ちゃんに美味しいお茶を)」
紬「後は蒸らす時間も大切かしら。茶葉の大きさによって変わるんだけど…。大きいほど蒸らす時間を増やした方がいいかしらね。目安としては2~4分ぐらいかしら」
憂「はい!」
律『憂ちゃんメモとってるぞ』
澪『真面目だな』
梓『というか今までそんな高等テクニックを駆使してお茶を入れてくれてたことに驚きましょうよ』
唯『ムギちゃんいつもありがとう』
さわ子『そろそろ五分よ』
律「お~い五分経ったぞ~」
紬「えっ!!?」
紬「(しまったわ! お茶の話に夢中でなんにもスキンシップ出来てない!)」
憂「ためになる話をありがとうございました。紬さん」ペコリ
紬「(ああっ! 憂ちゃんが行っちゃう! これを逃したら自然とコミュニケーション出来る機会はもうないわ! 行くのよ紬! 憂ちゃんとコミュニケーション!)」
紬「」むぎゅ
憂「え?」
律「……なにやってんだ? ムギ」
紬「コミュニケーション」むぎゅん
憂「つ、紬さん?」
紬「憂ちゃんいい匂い……」
唯「とぅっ」ぎゅっ
憂「お姉ちゃん!?」
唯「憂はお日様の匂いがするね~」
得点!
①②②②②②②
唯律澪梓和純さ
律「最後の行動により加点!」
紬「憂ちゃんと仲良くなりたかったの……」
澪「さっきみたいに紅茶の話とかしてれば自然と仲良くなれるよ」
紬「うん……」
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦⑬⑦44
澪⑧\③⑨③⑰⑦-47
律③③\⑥⑮32-⑨68
紬③⑨⑥\③-34⑬68
梓③③⑮③\-28⑦57
梓「律先輩と並びましたね」
澪「接戦だな」
律「(そして見事出かけたメンバーは残ってる……か。出かけた時に如何に新密度を高めたかで勝敗が別れるな)」
唯「悲しいかな後四回でこの楽しい楽しい選手権も終わりだよ……。さて、後の四組は一体どのようなドラマを生むのか~? はいっ! 次はあずにゃんと和ちゃんだよ!」
梓「来ましたか」
さわ子「気まずくなりそうね。あんまり接点なさそうだし」
澪「(普通ならさわ子先生の言う通り気まずいところだけど……)」
律「(昨日一日でどれだけ距離を埋めて来たか……)」
和「じゃあ行きましょうか、梓ちゃん」
梓「はい、和先輩」
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
十二回戦 梓和
和「昨日はごめんなさいね。色々と」
梓「いえ、楽しかったです」
唯『昨日とな!?』
律『ふっ、昨日から戦いは水面下で行われていたのさ!』
和「じゃあ昨日話せなかった私の兄弟の話でもしましょうか」
梓「はい! 聞きたいです! 和先輩の兄弟の話」
和「多分軽音部でも知ってるのは唯と憂くらいかしら。私には小学生の弟と妹がいるの」
梓「小学生なんですか。ずいぶん離れてますね」
和「そうそう。だから私が第二のお母さんみたいになっちゃってるわ」
梓「和先輩が面倒見がいいのはそこから来てるんですね」
和「ううん。逆よ逆」
梓「え?」
和「だって唯とは幼稚園の頃からの付き合いだもの。だからもう十年以上の付き合い」
梓「あっ、そっか。まだ小学生ですもんね。ってことは……」
和「そう。言ってみれば一番最初で一番手のかかったのが唯だったわけ」
梓「なるほど! 唯先輩っていう一番面倒がかかる人を身近で支えて来た和先輩にとって兄弟の面倒を見るのなんて朝飯前ってことですか!」
和「そこまでは言わないけど、まあ面倒見の源流は唯から来てるのは間違いないわね」
唯『あずにゃんも和ちゃんも失礼だね!』
律『苦労したんだな……和』
和「兄弟の話をしてたのにいつの間にか唯の話になっちゃってるわね」
梓「そうですね。それだけ和先輩にとって唯先輩は身近な人ってことですよきっと」
和「…そうね」
梓「(和先輩……?)」
そうね、と言ってどこか遠くを眺める和先輩。多分昨日話さなければわかっていなかっただろう。
この意味を……。
梓「……」
不意に悲しみが込み上げて来る、私のことじゃないのに……。
和先輩の優しさと、強さと、思いがわかってしまったから……。
梓「……」
私の瞳から、涙が滲んで、溢れ落ちた。
和「梓ちゃん?」
梓「えっ、はっい!」
和「どうしたの?」
梓「いえっ、これは、何でもないんです!」
制服の裾で必死に拭い取る。
梓「勝手に思い込んで勝手に悲しんで……その当人でもないのにバカですよね私」
その時だった。
他の何かが私の顔を拭ってくれる。
和「……」
梓「和先輩……」
無言で、けれど優しく私の顔をハンカチで拭ってくれた。
私には兄弟はいないけど、お姉ちゃんの匂いと言うのはまさにこんな感じなんだろう。
唯先輩とはまた違った暖かさだった。
和「間違ってたら……ごめんなさいね」
そう言って、和先輩はゆっくり喋り始めた。
和「唯と離れるのは確かにちょっと悲しいわ。けど他に仲の良い友達が出来てそれで唯が楽しそうなら私はそれでいいの」
梓「でもっ! やっぱり悲しいです……」
私には幼なじみはいない、けれどもし純が幼なじみだとして……昔は仲が良かったのに今は他の友達ばかりと遊ぶようになったらやっぱり悲しいし寂しいと思う。
それでも和先輩はそんなことは一切言わず、寂しさも見せず、心配もかけず、ただ、ただ見守ってくれている。
唯先輩だけじゃない。軽音部のみんなだって学園祭のことやクラスのことでお世話になってる筈だ。
それでも……っ! 和先輩は嫌な顔一つせずただ……見守ってくれている。
そして一番大切な唯先輩が遠くに行こうとしてることさえ唯先輩の幸せを考えて……それがいいって言ってくれている。
梓「どうしてそんなに優しくなれるんですか?」
心に渦巻く素直な気持ちをぶつける。
私なら絶対真似出来ない、絶対どこかで爆発してしまうような寂しさを抱えても尚、笑っていられる和先輩。
和「優しくなんてないわよ。ただ……人のことを好きになるのってそういうことだと私は思ってるから」
梓「好きになる……」
和「誰もが表面と裏側を一緒に持ちながら接してると思うの。ただ私はそれを出さないだけ。だって……、私が泣いてたらみんな困るでしょ?」
そう笑いながら答えてくれた。
梓「(もう……やめよう)」
一日やそこら一緒にいただけで踏み込める領域じゃないのだ。
あの二人の関係は……。
唯『……』
律『唯……お前、泣いてるのか?』
澪『律、そっとしといてやれ』
澪『(いつもみたいな冗談まじりの泣き方じゃない……。唯もわかってたからこそ流せる涙なんだよな。私と律も同じだから……わかるよ)』
そうして、長くて短い五分は終わった。
得点!
①③①①①①①
唯律澪紬憂純さ
律「あれ?! 見てる方はちょっと気まずかったからもっと行くと思ってたんだけど」
さわ子「りっちゃん、ここシリアスパートだから。ちゃんと空気読みなさい」
律「得点は厳正にじゃ……」
澪「優しさはあったけど、二人に気まずさはなかったよ」
律「得点つけるのって難しいな……」
和「ほら、終わったんだからもう泣かない」
梓「は゛い、すみ゛まぜん……」
和「また手のかかる妹が増えちゃったかしらね」
梓「私は唯先輩みたいに手を煩わせたりしません!」
和「あらそう? それは残念ね」
梓「次は私と和先輩の話をしましょう」
和「そうね。唯の話ばっかりしたら梓ちゃんに失礼だもの」
梓「そうじゃないんです。ただ、私にはまだ足りないから」
和「……そ」
いつか誰かと、唯先輩と和先輩みたいな関係になれたらいいな。
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦⑬⑦44
澪⑧\③⑨③⑰⑦-47
律③③\⑥⑮32-⑨68
紬③⑨⑥\③-34⑬68
梓③③⑮③\⑨28⑦66
この唯と和のお話は別付録となりますのでご容赦ください
796:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:14:06.76:64jtNfZmP聡「オレも参加しようかな」
799:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:21:20.84:B63OgvhfO律「梓に抜けられたのは痛い……」
澪「いよいよトップ争いか……。ははっ、鬱だな」
紬「後は和ちゃんとね(……あれ? 何話せばいいのかしら)」
唯「さっ! 気をとりなおしていくよ! 残る三つ! ガシャポン! 澪ちゃん憂~」
澪「よし! トリは回避したな!」
律「トリってだけで気まずくなれるもんな……」
唯「ではお二人ごゆるりと~」
憂「お姉ちゃん大丈夫?」
唯「ん? なにが?」
憂「ううん、何でもない」
唯「澪ちゃんとラブラブしちゃってらっしゃい!」
憂「うぅ……(お姉ちゃんは私と澪さんがそうなってもいいのかな?)」
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
十三回戦 澪憂
憂「(お姉ちゃん…私のことそんな好きじゃないのかな?)」ソワソワ
憂「(澪さんにならいいってことかな…? う~……)」ソワソワ
澪「(なんか憂ちゃんすっごいソワソワしてる! チラチラ扉の方見て……)」
唯『』フンスッ
憂「~っ」
澪「(やっぱり唯が原因か。しかしこのままじゃ優勝しちゃう……ここまで来て優勝するのはやっぱり嫌だ!)」
澪「憂ちゃん、どうかしたの?」
憂「な、なんでもないです」
澪「(そうだよ憂ちゃん、冷静になろう。唯はいないけどみおねえちゃんがついてるぞ!)」
澪「今度またどっか行こっか。次は三人でさ(ダブルお姉ちゃんと一緒なら憂ちゃんも安心だろう)」
憂「(お姉ちゃん……どうなのかな?)」
唯「」キキミミタテタテ
憂「(ちょっと確かめてよう!)」
憂「ふ、二人きりで行きましょう澪さん!」
澪「え?」
唯『なんですとおおおおっ!?』
律『ははっ~キャとられてやんの』
和『ついにお姉ちゃん離れしたのね、憂も』
澪「でも…さ、三人の方が憂ちゃんもいいだろ?」
憂「」チラッチラッ
憂「みおお姉ちゃんと二人で行きたいの」
唯『みおねえちゃん!!!???』
和『まさか乗り換えるとは、やるわね憂』
律『みおねえちゃん駅~みおねえちゃん駅~。あ、なんか聡思い出して腹が立った』
澪「(お、落ち着け私! 私が動揺してどうする!)」
澪「そんなこと言ったら唯が悲しむぞ? ほら、扉のところでプルプル寂しそうに震えてるじゃないか」
唯『う、うい~』
憂「(お姉ちゃん……。やっぱり私のことを思ってくれてたんだね。困ってるお姉ちゃんも可愛いけどそろそろやめてあげないと可哀想)」
憂「そうですね。三人で行きましょう」
澪「えっ? あれ?」
律『切り替えはやっ』
和『やっぱりお姉ちゃん離れはまだ先かしらね……』
唯『うい~カムバァァックゥ』
澪「でも憂ちゃんってほんと良くできた妹だよな。掃除に洗濯に料理に、お菓子も作れるんだっけ?」
憂「はい。少しだけなら」
澪「そりゃ唯みたいになっちゃうよな。実際私が唯だとしてもだらけちゃいそうだよ」
憂「(お姉ちゃんみたいな澪さん……)」
──
澪「憂~お菓子作って~」
憂「はいはい」
──
澪「憂~あいす~」
憂「ご飯食べてからっ」
──
憂「お姉ちゃん起きて~」
澪「後五時間~」
──
0o。
憂「(かわいいけどやっぱり違うかなぁ)」
憂「澪さんは澪さんのままだったと思いますよ。お姉ちゃんもお姉ちゃんもままですから」
澪「昔からああだったんだ……」
憂「はい! それに私お姉ちゃんの世話とかするの大好きですから」
澪「そっか。(あの姉あってのこの妹でもあるんだな。なんとなく憂ちゃんのことわかった気がする)」
澪「じゃあ今度三人で出かけよう。私と、憂ちゃんのお姉ちゃんの唯とで」
憂「……はい!」
澪「(お姉ちゃんごっこもこれで終わりだ。これからは普通の先輩後輩として付き合っていこう)」
憂「楽しみですね」
澪「うん(さよなら、お姉ちゃんだった私。そしてありがとう、憂ちゃん。本当の姉妹でいつまでも末永く仲良くな)」
得点!
②②①②①①③
唯律紬梓和純さ
唯「お姉ちゃんからの無言のメッセージ(加点)だよ!」
和「ちゃんと戻って来たんだからいいじゃない。それに憂はあなただけの妹じゃないわよ?」
律「なんだ~? 次は憂ちゃん争奪戦でもやるか!?」
梓「もうこりごりですよ……」
紬「いよいよ後二回……。ついに終わっちゃうかと思うと寂しいわね」
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦⑬⑦44
澪⑧\③⑨③⑰⑦⑫59
律③③\⑥⑮32-⑨68
紬③⑨⑥\③-34⑬68
梓③③⑮③\⑨28⑦66
澪「やったああああああああ抜けたぞおおおおおおお」
律「どんだけ負けたくなかったんだよ」
梓「律先輩とムギ先輩の一騎討ちですか。見物ですね」
紬「負けないわよりっちゃん!」
律「望むところだ!!! 次こーい!」
唯「じゃあ次いくよ」
憂「お姉ちゃ~ん」
唯「つーん」
憂「お姉ちゃん……」
唯「ふーん」
憂「グスン…」
唯「ごめん憂っ! 嘘だよぉ~」
憂「お姉ちゃん……!」
律「はよ引け」
唯「残るは後二つ! トリはどっちかな~?」ガサゴソ
唯「はいっ! りっちゃんと純ちゃんでした!」
律「っとトリ回避か。良かった良かった」
紬「私が最後ね」
梓「純」
純「わかってるよ、梓」
澪「いよいよ決まるんだな」
和「早く終わらしてもらわないと困るわ。ムギも台本とか(ry」
澪「トキメキシュガー! 淡い淡い恋心!」
唯「澪ちゃんが急に詩を朗読し始めたよ!」
さわ子「どんだけ劇やりたくないのよ」
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
十四回戦 律純
律「よっ、二人きりは昨日ぶりかな」
純「はい……」
律「んだよ~元気ないな。昨日みたいに楽しくやろうぜ! てか今日これ終わってから暇? またゲーセン行かない?」
純「その前に一つだけ聞かせてください!」
律「ん? なに?」
純「わたしと仲良くなったのはこの為なんですか?」
律「えっ?」
純「わたしと昨日のうちに仲良くなって……今日気まずくならないために……」
律「……」
純「わたしはそれでもいいんです、全然! だから……気にしないでください。わたし、これがなかったら律先輩とこんな風に出会えなかったと思います」
律「純……」
純「でもなんだか変ですよね。気まずさを争う選手権なのに、みんなそれを一生懸命なくそうと始まる前からがんばってるなんて。澪先輩も…梓も」
律「おかしくないさ。だって、誰だって他の人と仲良くなれたらっていつも思ってるんだから」
純「……そう…ですよね」
律「…この大会は実は気まずさを測るもの何かじゃないってこと、もう気づいてるだろ?」
純「…薄々は」
律「少なくとも最初の時はそうだったかもしれない。でもそもそもわたし達の中で決定的な気まずさなんて生まれるわけないんだ。
もう三年間、梓も二年間ぐらいずっと一緒にいて……いくらあんまり二人きりになったことがないって言っても気まずくなんてならないさ」
純「……」
まるで事件を解決していく探偵のような饒舌さで律の話は続く。
律「でも……意味が変わって来たのはリベンジマッチが決まってからだ。和、憂ちゃん、そして純ちゃん。この中でほとんど面識がなくて話すこともなかったのが純ちゃんだった。わたしにとってはね」
純「わたしも…昨日まで律先輩と話した記憶なんて見学に行った時ぐらいでしたよ」
律「だから私は考えた。このまま行けば間違いなく気まずくなるし、何より純ちゃんに悪いってさ」
純「だから誘ったんですか? 遊びに」
律「ああ。じゃあ仲良くなったらいいじゃんってさ」
純「そうですか……(でもそれって結局わたしが最初に言ったことと変わらないよね)」
律「ああもう言葉が足らない! 簡単に言ったらきっかけは確かに選手権だったけど! わたしと純の仲の良さに嘘はないから!」
純「……」
精一杯ぶっきらぼうにそう叫んでくれた。
律「仲良くなって、ほんと良かったと思ってる」
そして小さく、恥ずかしそうにそう付け足した。
純「律先輩」
律「なんだっ!?」
純「クプッ、なんだかよくわかんないです!」
律「大丈夫! わたしもよくわかんないから!」
純「何します?」
律「へっ? 何が?」
純「やだな、ゲーセンでですよ」
律「あ、あーそうだったな! やっぱりクラッシュカーチェイスは外せないとして……」
純「太鼓の鉄人も教えてくださいね、律先輩」
律「ベースマニアもな! あっ、澪も連れてこっか!」
純「わたしのハイスコアが消されちゃいますよ!」
純「(仲良くなるのに理由やきっかけなんて関係ないよね)」
そんな細かいこと気にする鈴木純はクラッシュしちゃえ!
そう、思った。
得点!
①①①①①①②
唯澪紬梓和憂さ
律「くはぁっ最高得点じゃなかったか!」
純「律先輩があんなぶっきらぼうに告白するから」
律「告白ってなんだ告白って!!」
澪「(気まずさを測るための選手権、それに負けたくないから仲良くなる、けどそんなのきっかけでしかないんだよな)」
梓「(だって気まずさは、仲良くなりたいの裏返しなんだから)」
紬「いよいよ最後ね!」
さわ子「(逆転出来る為に1点増やしといたわよムギちゃん! いつもお菓子もらってるからこれくらいはしないとね!
それにオチ的にりっちゃんが二連覇した方が面白そうだし)」
\唯澪律紬梓和純憂合
唯\⑧③③③⑦⑬⑦44
澪⑧\③⑨③⑰⑦⑫59
律③③\⑥⑮32⑧⑨76
紬③⑨⑥\③-34⑬68
梓③③⑮③\⑨28⑦68
澪「ムギが7点出せば……」
梓「はい…」
律「さわちゃんめ……謀ったな!」
唯「ムギちゃんがんばって~」
紬「う、うん(直前になっても何話していいかわからない…)」
完全ノーカットでお送り致します。
気まずさ選手権! リベンジマッチ!
最終戦 紬和
紬「和ちゃんお茶どうぞ~」
和「ありがとう、ムギ」
紬「(ここまではいつも通りだけど…)」
和「(何話したらいいかしら…)」
沈黙──
紬「(好きな食べ物とか聞いてみようかしら)」
和「(好きな食べ物……いや典型的過ぎるわね。音楽のことはよくわからないし……)」
続、沈黙──
紬「(何か話さなきゃ。よぅし好きなもの聞くぞっ)」
和「(無難に休みの日何やってるか聞きましょうか。実際気になるし)」
紬「あの」
和「ムギってさ」
紬「(か、被っちゃった)」
和「(まいったわね……)」
さわ子『ようやく来たわね! 気まずさの王道パターン! 考えた末にお互いの言葉が被る!!!』
紬「和ちゃんから言って?」
和「ムギからでいいわよ」
さわ子『この譲り合い溜まらないわっ!!!』
紬「じゃあ私からね。和ちゃんって好きな食べ物ってなぁに?」
和「(良かった…その質問空けといて)得にはないわね。好き嫌いはかな」
紬「そ、そうなの…」
和「(本当のこと言ったのになんだか気まずいわね…)」
さわ子『もうううっ! 堪らないわあああっ! 気まずいって素晴らしいっ!』
澪『嬉しそうですね』
梓『まあ何となくこうなるとはわかってましたけどね』
結果発表!
平沢唯 44点
秋山澪 59点
中野梓 68点
田井中律 76点
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優勝は……!
琴吹紬! ジャスト100点!
紬「やったわ~」
律「なんで喜ぶんだよ」
澪「気にしてなくて良かった。三人ともありがとな、こんなことに付き合わせて」
和「ま、楽しかったからいいわ」
純「律先輩とも仲良くなれましたし」
憂「私もみなさんと仲良くなれて良かったです」
梓「そもそもムギ先輩はほとんど1点しかつけてないじゃないですか!」
紬「みんな可愛かったから」
律「ま、ムギらしいな」
澪「だな」
唯「これにて気まずさ選手権! 終了~」
さわ子「待ちなさい!!!」
律「さ、さわちゃん!?」
さわ子「まだよ! まだ終わってないわ! まだ私との気まずさ選手権が残ってもの! 続行よ! 継続よ! 倍プッシュよ!」
唯律澪梓「お断りします」
さわ子「なんでようっ!」
紬「はーい! 私は賛成でーす!」
紬の声虚しくさわ子を交えた気まずさ選手権は行われなかったという。
──
ある日のこと
唯「憂~お風呂空いたよ~」
『あっはっはっは!』
『せやねんせやねん!』
憂「あ、うん。すぐ行くね」
唯「あれ? それって気まずさ芸人!? 憂撮ってたの?」
憂「うん。私好きだから。お姉ちゃん見てるならそのままにしとこっか?」
唯「うん見る見る」
憂「じゃあ行ってくるね」
唯「ゆっくり浸かってらっしゃ~い」
『あはははは! ちゃいますやん!』
唯「やっぱりみやさこちゃん面白いなぁ」
『でもあれですよね、気まずさってそんな悪いもんじゃないですよね』
唯「あれ? こんなこと言ってたっけ? あっ、そっか。この後すぐに表の作成に取りかかったから見てなかったんだね」
『そうそうwwwwww 気まずさの中にある思い遣りみたいなwwwwww』
唯「気まずさの中にある思い遣り……?」
『気まずいってことは相手のこと思ってるからであってどうでもええんなら死ねカスとか言いまくりますよねwwwwww』
唯「ってことは……!」
『気まずさは優しさの裏返しってことやなwwwwww』
唯「なんだぁ、気まずいのって全然悪いことじゃないのかぁ」
じゃあこの度の騒ぎは一体何だったんだろう……?
唯「面白かったからいいや」ニコリッ
お し ま い
終わったああああああああああああああああ
クリスマスと日曜潰してやるもんじゃないな
最初のとこでやめとくんだった
長いってそれだけで悪癖だよな
なにはともあれ読んでくれた人、保守や支援してくれた人に最大級の気まずさを!
841:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:19:31.86:oTay+Gcu0クリスマスと日曜潰してやるもんじゃないな
最初のとこでやめとくんだった
長いってそれだけで悪癖だよな
なにはともあれ読んでくれた人、保守や支援してくれた人に最大級の気まずさを!
乙!
おもしろかった
843:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:20:19.79:DybCvOdJ0おもしろかった
もう終わりかよちくしょおおおおおおおおお
858:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:49:45.68:HCfe2uVh0前半も普通に面白かったし
後半は普段ない組み合わせが見れて楽しかった
865:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:17:01.00:p0poLwm30後半は普段ない組み合わせが見れて楽しかった
乙
皆いい子だよなやっぱり
皆いい子だよなやっぱり
コメント 20
コメント一覧 (20)
フフフ…あずにゃんや澪はどんなコミュ障っぷりを発揮してくれるのかな?ワクワク
という気持ちで読み始めた自分が恥ずかしくなる。そんなSS
願わくばクリスマス期間SSを書き続けた>>1に幸あれ
このパターンがありすぎて死ねる
アイディアはすごく面白いなーと思ったんだけどなー、糞SS認定
たいして面白くもないくせに無駄に長い
文句あるなら読むなよゆとりが
どうせ自分はなにも書けないくせに
あと律厨キモイ
作者さん自演乙ですwwwwwwwwwwwwwwww
この作者絶対唯好きだよね。
期待している
そもそも高得点=悪いって訳でもないし
本当に良かったよ!人が仲良くなるきっかけなんて些細な事だよな!
それを気付かせてくれた>>1はマジで天才!
が、やはり律×梓の場面が気になってしまう
じゃなくて、「もっと線上手く引いて下さいよ~」って言って欲しかった
和梓のあたりで涙腺崩壊しちまったよ…