- 3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:40:34.90:jaCNJXg9O
妹「お兄」
「なんだ」
妹「明日から私は修学旅行ですが」
「なんだ」
妹「・・・」
「?・・・どうした?」
妹「・・・いえ。おやすみなさい」
「ああ?ああ。おやすみ」

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韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:44:54.29:jaCNJXg9O
「ん、ん~。朝飯つくらないと」
目覚ましを止め身体を起こす。両親は出張中。妹は修学旅行
「修学旅行は4日だっけか。その間は全部一人でやるのか・・・」
面倒だな・・・と思いながらリビングに繋がるドアを開くと、今頃はバスに乗っているはずの妹がそこにいた
「・・・は?」
妹「おはようございます」
「・・・・・・」
妹「おはようございます」
「あ、ああ。おはよう・・・え?」
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:47:03.66:jaCNJXg9O
「なんだなんだ。何をやっているんだお前は」
妹「休みました。四連休です」
「四連休か。羨ましいな」
「・・・」
「じゃなくって」
「お前は何をやっているんだ」
妹「だから、言ったじゃないですか」
妹「修学旅行を」
妹「休んだ。と」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:51:02.17:jaCNJXg9O
「・・・何で?」
妹「私の求める楽しみがそこには無いからです」
「・・・」
「お前の求める楽しみってなんだ?」
妹「お兄には秘密です」
「・・・はぁ。飯、食うよな?」
妹「・・・怒らないんですね」
「出発は一時間も前だろ。怒っても仕方ない。というか、呆れてる」
妹「そうですか。あ、私ジャムで」
「分かってるよ」
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:55:37.80:jaCNJXg9O
「はい。すみません。よろしくお願いします」
妹「電話、本当にしちゃいましたね」
「お前を見たら学校に行くのが面倒になったからな」
妹「妹に擦り付けるんですか。ずる休みの責任を」
「そんなつもりじゃない」
妹「わかってますよ」
「お前は・・・。まぁいいや。じゃあな」
妹「部屋に戻るんですか?」
「ああ、着替えるからさ」
妹「どこか行くんですか?」
「まぁ、暇だし」
妹「見つかれば補導されますよ」
「そんなの滅多にないよ」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:01:21.02:jaCNJXg9O
着替えを終えリビングへと進むと、そこには私服に着替えた妹が立っていた
「お前もどこか行くのか?」
妹「・・・お兄に同行します」
「へ?」
妹「お、お兄が」
妹「お兄が変な事しないように見張るためです」
「なんだよ、変な事って・・・」
妹「そ、それに・・・一人でいたって暇ですから」
「・・・」
俺が学校に行っていたらお前はどうしていたんだ?という質問は野暮か
「じゃあ行くか」
妹「あ・・・」
妹「はいっ」
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:04:39.68:jaCNJXg9O
「へぇ。じゃあ明日から普通に学校行くのか」
妹「修学旅行を休んだからといって、4日全て休めるわけではありませんからね」
妹「通学出来るようになれば行かなければなりません」
「まぁ、普通に今日も通学出来るけどな。風邪のかの字もないし」
妹「それは、いいっこなしです」
ぷくっと頬を膨らまして言う。ちょっと可愛かった
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:09:57.35:jaCNJXg9O
妹「ずる休みしてゲームセンターですか。ワルですね。私達」
「お前が言ったんじゃないか・・・」
妹「あ、お兄」
「ん」
妹が指差す方を見る。それはゆるゆるのアームである意味有名なUFOキャッチャーだった
妹「あのカエル、可愛いです」
「・・・ちなみにお前、財布は」
妹「・・・お家に忘れました」
「・・・お前、最初からたかる気だったな」
妹「そ、そんな事ほんの少しも」
「・・・まぁいいや。あれでいいのか?」
妹「良いんですか?」
「ここでやらなきゃ、甲斐性無しだからな」
妹「・・・あ、ありがとうございます」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:12:05.05:jaCNJXg9O
妹「可愛いです」
(・・・グロい)
妹「宝物にします・・・」ボソッ
「ん?」
妹「い、いえ・・・なんでもありません」
「そか。・・・なぁ」
妹「は、はい」
「腹へったな」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:15:08.96:jaCNJXg9O
「なぁ、外食で良くないか?」
妹「私が作る料理じゃ不満ですか?」
「いや、そんな事はないが」
妹の料理は旨い。もし「この料理は出来損ないだ」なんて言う奴がいたら迷わずぶん殴ってしまうくらい
「旨い」
妹「はい?」
「あ、いや、こっちの話し」
妹「?」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:20:35.45:jaCNJXg9O
妹「これとこれと・・・これも」
次々にカゴに食材を入れていく妹
(これ、カゴに入っていく度に俺の財布から大切なモノが抜けていくんだよな・・・)
妹「これも・・」
「・・・」
「なぁ」
妹「なんです?」
「何だかこうしているとさ、新婚生活みたいだな。はは。なんて、ベタだったか?」
妹「・・・」
反応が無い。それどころか、妹が手にしていた野菜がポロリと床に落ちる始末
「なんだなんだ。どうした」
妹「・・・・ば」
「?」
妹「ばかお兄・・・・・」
「ひどい」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:23:42.51:jaCNJXg9O
「ごちそうさま」
妹「お粗末様です。ばかお兄」
「まだ言うか」
妹「あの、それよりお兄。・・・・今夜」
「うん?」
妹「一緒に寝てもいいですか?」
「えっっ??」
妹「・・・・ぷっ」
「あっっ!お前・・・っ」
妹「先程の仕返しです。べーっ」
「ったく」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:26:59.10:jaCNJXg9O
「すぅ・・・すぅ」
妹「あなたが・・・」
「・・ぅ・・・すぅ」
妹「あなたが・・・鈍感なのがいけないんですよ」
妹「・・・ん」
「ん・・・ぷふっ・・・・ん、く・・・ふぅ・・・すぅ」
妹「・・・また来ます」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:32:09.37:jaCNJXg9O
妹「修学旅行中だと言うのに、こうしてお兄と登校していると変な感じですね」
「そうだな。・・・つうかさ、自分だけ修学旅行行ってないと、皆に会いづらいとか無いか?」
妹「そんな事ありませんし、今更グダグダ言っても仕方ありません」
「そうだけど・・・」
妹「それに、4日も会えないなんて耐えれないし、お兄と会いづらくなった時の事を考えるとそんな事全然辛くないもん・・・」ボソボソ
「ん?」
妹「な、なんでもありません」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:39:02.89:jaCNJXg9O
お昼休み。妹からあらかじめ来ていたメール通り、食堂のテラスであいつを待つ事数分
「・・・・・・おっ」
妹「すみません。遅くなりました」
「いいよ、じゃあ食べようぜ」
互いに弁当箱を開ける。今日の料理担当は俺だ。全体的に形はいびつだが、味は保証できる出来であると自負してある
妹「でも、本当に良かったんですか?お兄にも付き合いがあるでしょう」
「自分から誘っておいてそれはないだろうが。それに、妹が一人細々と食べいるのはちょっとほっとけないだろ」
妹「あ、ありがとうございます」
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:43:26.28:jaCNJXg9O
「もぐもぐ・・・・どうなんだ?授業」
妹「ほとんど自習ですよ。プリントを渡した後、先生は授業が終わるまで戻ってきません」
「なにぃ。信頼されてんな」
妹「お兄ほどではありませんが」
「お互い成績優秀だからな」
妹「自分で言いますか」
「はは。まぁ、たまには天狗になるのも、な」
妹「・・ふふ、そうですね」
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:47:46.80:jaCNJXg9O
教師「えー、お前ら。私はちょっと忙しいので」
と、黒板に大きく自習。と書いて教室を後にする先生
(相変わらずあの先生は適当だな・・)
ゲームを始めるモノ、マンガを読む奴、真面目にプリントに取り組む奴、化粧、談笑・・・・
(さて、俺はどうするかね)
友人の輪に入るか。そう思ったが、その時、妹の言葉が脳裏によぎった
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:53:17.64:jaCNJXg9O
ガラガラガラガラ
妹「ん?」
「ぃよう」
妹「・・・・」
「・・・・・」
妹「・・・・・えっっ!?あっ、お、お兄っっ!?」
「馬鹿、声デカイって」
妹「あ、ごめんなさい。って、そうじゃないです!なにやってるんですかっ?!」
「俺のクラス、自習になったからさ。遊びに来た」
妹「あ、遊びに来たって・・・」
「それ、プリント貸して。二人でればすぐ終わるだろ」
妹「ず、ズルはダメですよ・・・」
「俺とお前、字、似てるし。バレないだろ」
そう言って無理矢理プリントを数枚奪う
妹「あっ。も、もう・・・強引なんですから・・・」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 03:01:15.80:jaCNJXg9O
妹「・・・・」チラッ
妹「・・・・」チラッ
妹「・・・・」チラッ
「・・・・」ガタッ
おもむろに立ち上がる俺
妹「っ?」
「先生!隣の人が何度もちら見してきます!」
誰もいない壇上に向かって言う俺
妹「なっ!なにをやっているんですかお兄っ」
「なはは。お前が何度もちら見するからだぞ」
妹「そ、それは・・・」
「なんだ?分からない所でもあったか?」
妹「い、いえ・・・そういう訳ではなく・・・」
「?」
妹「も、もし、お、お兄と同じ学年で・・・同じクラスだったら・・・・こんな感じだったのかな・・・と」
「ぁあ・・・」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 03:05:05.99:jaCNJXg9O
「・・・・」
妹「えへへ、なんて」
「・・・なぁ」
妹「は、はいっ?」
「教科書忘れちまったから見せてくれ」
妹「・・・あ・・・ふふっ、いいですよ」
そう言ってお互い机を寄せる。どこにでもありそうな教室の中の風景。それから俺たちは、時間一杯までそんな事を繰り返していった
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 03:07:56.99:jaCNJXg9O
妹「お兄」
「よう。待ったか?」
校門に寄り添うようにして立っていた妹に声をかける
妹「いえ。今、来た所ですから」
「はは。何だか、今からデートするような言い方だな、それ」
妹「なっっ」
妹「・・・・・」
妹「・・・・馬鹿お兄」
「ひどい」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 03:17:00.11:jaCNJXg9O
「すぅ・・・すぅ」
妹「今日も・・・来ましたよ」
妹「・・・・」
妹「本当はあなたが起きている時に沢山甘えたいのだけれど・・・」
妹「拒絶されるのが・・・怖い・・・」
妹「お兄・・・・・ちゃん・・・・」
妹「ん・・・・はむ・・・むむ・・ん」
妹「こんなに好きなのに・・・どうしてわかってくれないの・・・・お兄ちゃんと会えなくなっちゃうのが嫌だから・・・修学旅行だって休んだのに」
妹「ばかお兄ちゃん・・・はむっ、ん・・・ぷはっ」
妹「・・・」
今ここで寄り添うようにして寝れば・・・朝、お兄ちゃんはどんな反応をするだろうか・・・
妹「それで・・・」
妹「忘れちゃったの・・・?昨日の夜・・・とか言っちゃったりして」
くすりと笑う。わかってる。自分にはそんな勇気なんてない
妹「おやすみ。お兄ちゃん」
そういって兄の部屋を後にした
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 03:50:13.25:jaCNJXg9O
それから、二度の桜を見た
そこから私の憂鬱な日々が始まった。私の隣の部屋は空き部屋となり物置となった
兄が大学進学と同時に一人暮らしを始めたのだ
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 03:52:59.67:jaCNJXg9O
仲の良い友達と話す
ちゃんと笑えているか。そんな事ばかり考えていた
教師と話す
うつ向いてはいないか
両親と話す
泣いてはいないか
たまに帰ってくる兄と話す
何も、考えないでいられた
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 03:58:59.24:jaCNJXg9O
兄は忙しい。だから、私から電話をかける事は滅多にない
でもその時はたまたま兄の声が無性に聞きたくなり、電話をかけた
兄が出る。いやに弱々しい兄の声が聴こえた
「お兄、どうしたんですか?」
兄「いやぁ、風邪ひいたっぽくて」
「えっ!大変!今、そっちに行きますよっ!」
兄「いや、いいよ。せっかくの日曜日なんだし、好きに・・ゴホッゴホッ・・・・過ごせよ」
「じゃあ好きにやらせていただきますから!」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:04:07.20:jaCNJXg9O
兄「・・・・・悪い」
「何度も謝らないで下さい。おかゆ、作りましたよ」
兄「・・・・ん」
上体を起こそうとする兄。私は慌ててその背中を支えた
「ゆっくり、ゆっくりですよ」
兄「おお・・・げさだな・・・・・ったく」
「風邪は万病の元ですよ。自分の身体、しっかりいたわって下さい」
兄「不甲斐ない」
「べっ、別にそういうつもりで言った訳じゃ・・・」
兄「はは、わかってるよ。・・・おかゆ、貸して」
「・・・ダメです」
兄「ん?」
「わ、わた・・・私が食べさせてあげますっっ」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:07:50.00:jaCNJXg9O
兄「あー・・・む」
「熱くないですか?・・美味しいですか?」
兄「うむ。素晴らしいおかゆだ」
「えへへ、そうですか。良かったです」
兄「・・・・懐かしいな」
「へっ?」
兄「昔にもこんな事なかったか?」
「・・・あ~、そうですね。私が看病されたり、したり・・・ふふ、本当、懐かしいですね」
兄「・・・・本当はさ」
「はい?」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:09:04.65:JzVhGzvf0
兄「一人暮らし・・・あんまりする気はなかったんだ」
「・・・・えっ?」
兄「ただ、いつまでも親に甘える訳にはいかないだろ?だからさ」
兄「本当は・・・あんまり離れたくなかったんだよ、実家。やっぱ、寂しいしさ」
「お兄・・・・・ちゃん」
兄「・・・・・・・ん?お兄ちゃん?」
「・・・」
「・・・・・・・・・・・あっ・・・」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:20:18.71:jaCNJXg9O
兄「あはは、懐かしいなそれも。昔はお兄ちゃんお兄ちゃんって慕ってたよなぁ」
「あ、ぐ・・・い、いまのはそ、その、な、なんというか、あ、あの」
兄「良いじゃないか、お兄ちゃん。懐かしくてあの頃を思いだすよ」
「えっ?・・・あ、あの・・・えと・・・」
「わ、私が・・・」
「私がお兄ちゃん。って呼ぶの、変じゃ・・・ない??」
兄「いや、全然」
「・・・・こ、これからも・・・お兄ちゃんって呼ぶ・・・よ、呼んでも良い??」
兄「ああ、構わないぞ」
「・・・・!!・・・・・あ、ああ、そっか。ふ、ふーん・・・」
「・・・お兄ちゃん」
兄「なんだ?」
「・・・・・呼んでみただけ」
兄「なんだそりゃ」
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 13:29:50.00:jaCNJXg9O
兄「はぁ・・・それにしても助かったよ」
「・・・ねぇ、お兄ちゃん」
兄「なんだ?」
「私も、ここに住んでいいですか?」
兄「・・・・・・へ?」
「ここからなら大学も近いですし、いざという時、お兄ちゃんのお世話もできます」
兄「大学も近いって・・・お前まさか」
「はい。お兄ちゃんと同じ大学、選びました」
兄「・・・・全く」
「えへへ」
兄「まぁ、別に構わないけど・・・」
「やったぁっ」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 13:32:53.90:jaCNJXg9O
それから一年が経ち
妹「今日から、お世話になります」
妹が、やってきた
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 13:41:14.17:jaCNJXg9O
妹「お兄ちゃん、それ、とって」と、醤油を指差す
「ん」
妹「ありがとう」
「・・・」
妹「?なに・・・?どうかしたんですか?」
「いや・・・お前さ、最近・・・しゃべり方が砕けてきたな」
妹「・・・えっ?」
「基本的に敬語だけど、たまに砕ける」
妹「えっ?う、嘘・・・」
「ほら」
妹「あっ」
気付いたのか顔が赤くなっていく妹。以前なら「う、嘘です!」なんて言い方だったハズだ
妹「ど、同居してからというもの、幸せすぎて油断していました・・・」ボソボソ
「・・・?なに?」
妹「な、なんでもないよっ!・・・・あ」
「・・・・・ぷっ」思わず、吹き出した
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 13:46:31.96:jaCNJXg9O
妹「だ、だ・・・駄目・・・なんですか」
「へ?」
妹「しゃ、しゃべり方・・・砕けてちゃ・・・駄目・・・なんですか・・?」
「いいや。むしろそっちのが良いよ」
妹「そ、そうですか」
「・・・」
「いつからだったか・・・お前が敬語になって・・・ちょっと壁を感じてなぁ。少し、寂しいものがあったな」
妹「うぐっ。あ、あれはその、は・・・ちょっと反抗的な態度をとってお兄ちゃんに気付いて欲しい思いがあったというかあの、その」ボソボソ
「なに?よく聞こえ―――――
妹「な、なんでもないもん!!」
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 13:53:01.69:jaCNJXg9O
妹「起きて下さい。お兄ちゃんってば。・・・んもぅ・・・起きてよぉ、お兄ちゃん」
「休日くらい寝かせてくれよ・・・今日はバイトもないし・・・」
妹「そんな、休日のお父さんみたいな事言ってないで、起きてよぉ、お兄ちゃんってば」
「ん・・・ん~。ったく、なんなんだ一体」
妹「これ」
「どれ」
妹が手にしていた長方形の紙切れ二枚が視界にはいる
「ん、ん~?遊園地のチケット?」
妹「さっきね!お買い物したら福引き券をもらって・・・そしたら一等賞のペアチケットがあたったの!」
「・・・すげー。行ってらっしゃい」
妹「お、お兄ちゃんっ!二度寝しちゃ駄目ーーっ!」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 13:59:01.44:jaCNJXg9O
「また今度、な」
妹「駄目だよ!今日含めて三日間しか有効期限ないんだからっ!平日に行く訳には行かないでしょっ?」
「・・・・全く」
重い身体を起こす
妹「それはこっちの台詞です。ほんっっっとーにお兄ちゃんは朝が弱いんだから・・・」
「へいへい、じゃあ着替えるから、出てって・・・・」
妹「あ、それは大丈夫です」
「・・・・は?」
よく見ると、既に俺は普段着に着替えていた
「・・・・ね、寝相が悪い・・・でいいのか?この場合・・・」
妹「ち、違いますよぉ。それは私が着替えさせたんです。あと、お兄ちゃんは寝相良いですよ、とても」
「・・・さいですか」
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 14:04:10.12:jaCNJXg9O
妹「見て下さいお兄ちゃんっ!周りはカップルだらけですよっ」
「そうだな」
妹「わ、私達も・・・カップルに見えていたりするのかな・・・?」
「・・・お前、昔ならそんな台詞絶対言わなかったよな・・・。以前なら俺が言って、恥ずかしがるお前をからかう構図だったのに」
妹「も、もう・・・同居してから幸せの連続で感覚が麻痺してゴニョゴニョ」
「?・・・・お、アレ乗ろうぜ」
妹「はいっ!」
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 14:08:17.63:jaCNJXg9O
妹「ふー、一通り周りましたね」
「へい彼女、まだ行ってない所があるぜ?」
妹「え?ど、どこですか??」
「お前が大好きな所」
妹「へっ?どこでしょう??」
「・・・」
「お化け屋敷」
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 14:14:31.64:jaCNJXg9O
「・・・」
妹「あ、あわ、あわわわ」
妹「や、やっぱり引き返そうよぅ・・・お兄ちゃぁん」
「大丈夫大丈夫」
妹「な、何を根拠に・・・ひゃわっっ!!」
「落ち着け、ただの冷風だ」
妹「お、おお、お兄ちゃんがおちっ、おっ、落ち着きすすすぎぎわぁああーーっっっ!」
「な、なんだっ」
叫び声と同時に俺の腕にしがみつく妹
「・・・こんにゃくが首筋にあたったのか。今時古風な・・・」
妹「やぁだぁ・・・もう帰りたい・・・あぅ・・・」
「・・・はぁ。よいっしょ」
妹「はわっ!?お、お兄ちゃんっ!?」
「走るから口閉じてろ」
妹「こ、これお姫様だっ
「しゃべるなって。舌噛むぞ」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 14:19:15.51:jaCNJXg9O
「ふーっ」
妹「」フニャ~
「何だかえらい幸せそうな顔してるな。そんなに嬉しいのか、お化け屋敷から出てきた事が」
妹「・・・・はぁ」
「今度はため息かよ。・・・まぁいいや、下ろすぞ」
妹「・・・めです」
「は?」
妹「駄目です!」
「え、ちょ」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 14:24:57.97:jaCNJXg9O
妹「駄目ったら駄目なのーっ!このまま観覧車乗るーっ!」
「えぇ??おま、観覧車って。この時間だと結構並んでると思うんだが・・・この状態で乗るってのか??」
妹「仕返しです。今度はお兄ちゃんが醜態を晒す番ですっ」
「いや、お前も晒される事になるんだが」
妹「私は、お兄ちゃんの胸に顔、うずくめて隠れてますから」
「ひ、卑怯な・・・」
妹「私にあんな醜態晒させたんですよ?せ、責任とってください」
「・・・・・・はぁ、わかったよ」
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 14:28:43.53:jaCNJXg9O
「・・・・・・・・・・・・」
妹「わぁ~。見て下さい、お兄ちゃん」
「・・・・・・・」
妹「・・・・はぁ。一体いつまでそうやっていじけてるつもりですか?」
「ダレノセイダヨダレノ」
妹「お兄ちゃん?」
「おめーだよっ!お前にはわかるまいっ!周りの視線視線視線視線視線しせんんんんっっっ!!お兄ちゃんすっっっごく恥ずかしかったぞ!!」
妹「あ、あの辺、私達のお家じゃない??」
「oh...スルーかよ」
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 14:33:43.36:vnBy7839O
妹「う、わっ」
「?」
妹「お、お兄ちゃん・・・後ろのカップル・・・」
そう言われて振り向くと・・・・
「う、わ・・・・ま、マジでやる人達っているのな」
こんな所でおしべとめしべの関係を生で見る事になるとは・・・
妹「・・・・・」
「・・・・・」
(き、気まずい・・・・・は、早く一周してくれ・・・・)
妹「・・・・」
妹「・・・・・・ねぇ、お兄ちゃん」
「ひゃ、ひゃぃっ!?」
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 14:38:57.30:jaCNJXg9O
妹「・・・・」
「な、なんだよ・・・?」
妹「が、我慢出来なくなったら・・・私が処理してあげようか?」
「・・・・は??」
妹「ほ、ほほ、ほらっ!お、男の人って我慢するの難しいらしいしっ」
「な、何を言って
妹「こ、このままムラムラしたまま、だと、お、おお、お兄ちゃん、犯罪起こしちゃうかもしれないしっっ」
「あ、あほっ。どんな獣だ俺は!と、というか妹に欲情するかって!お前も、冗談はやめ
妹「本当に?」
「え?」
妹「本当に、妹には欲情したりしない・・・の?」
「お、おい・・・」
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 14:46:48.77:jaCNJXg9O
向かいに座っていた妹がおもむろに立ち上がり俺の首裏に両腕を回す
お互いの吐息が鼻にかかる距離
少しでも首を動かせば互いの唇に触れてしまいそうな―――そんな、距離
妹「・・お兄ちゃん」
「・・・」
呼吸ができない。頭が真っ白になる。目の前にいる女の子がとても輝いて見える
妹は可愛い。外見も、性格も。そんな事はわかっている・・・・でも
妹「私を、女の子として・・・見る事、でき・・・ない?」
「・・・」
妹の唇を、指で押さえ、押すようにして距離を開けた
妹「・・・・」
「冗談が長いのは、駄目だぞ」
妹「・・・・・・・ん・・・・・そだね」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 14:51:50.37:jaCNJXg9O
観覧車を出た後はお互い無言だった。正確に言えば、あの時からだが・・・
「・・・なぁ」
妹「・・・どうしたの?」
「ちょっと、寄りたい所があるんだ。ついて来てくれ」
妹「え?ちょっ、お兄ちゃんっ?そっちは出入口じゃないよっ?」
「帰るにはまだ早いんだよ」
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 14:57:11.12:jaCNJXg9O
妹「ここ、遊園地の中心だよね?こんな所で、なにするの?」
「まぁまぁ」
困惑する妹をなだめ、スタッフに声をかけた
スタッフ「はい。たしかに、全てのスタンプが押されていますね。おめでとうございます。どうぞ」
そう言って受け取ったのは、対になっている指輪
妹「お兄ちゃん?それって・・・」
「スタンプラリーだよ。パンフに書いててさ。お化け屋敷に行ったのもその為。ごめんな、驚かせようと思って」
妹「お兄ちゃん・・・・ううん、いいの。・・・それ」
「あぁ、あげるよ、勿論」
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 15:05:23.82:jaCNJXg9O
そう言って、兄が2つの指輪を私に渡す
「へ?2つとも・・・?」
兄「その指輪は、つけた二人の仲を未来永劫繋げてくれるって噂だぜ。仲の良い友達にでもあげたらどうだ?」
「・・・・・だったら・・・」
兄の左手を引っ張り、薬指にはめる
「お兄ちゃんが・・・つけていて下さい・・・」
兄「いいのか?」
「はい」
兄「そうか。はは、それにしても薬指か・・・はは、何だか恥ずかしいな」
「えへへ」
兄「・・・・」
「お兄ちゃん?」
兄「・・・・・・お前が・・・」
「?」
兄「・・・・いや、なんでもないよ。帰ろう」
「あ、はいっ」
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 15:12:46.75:jaCNJXg9O
大学に入ってからの三度目の春。
仲は良いし、噂じゃお兄ちゃん、告白されては振っているしで、私達の甘い生活は順風満帆に進んでいた
(まぁまだ兄と妹の関係だけど)
そして、その生活も一旦おしまい
兄「それじゃあこの部屋、よろしく頼むぜぃ」
「うん。じゃあお兄ちゃん、駅まで行こう?」
兄「あぁ」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 15:19:00.41:jaCNJXg9O
兄が仕事先に近い所に部屋を借りたので、引っ越すという訳だ
私が卒業した時、一緒に住んでもいいと言ってくれた
(だから、一年の我慢・・・・)
(くふ、くふふ・・・)
(次はもう、ずっと一緒にいられる・・・うふふ・・・・えへへ)
兄「じゃあ、行くよ」
「あ、う、うんっ!行ってらっしゃい!」
響き渡るベルがさよならを告げる。それが、本当にさよならを告げるベルだったなんて
その日、兄の乗っていた電車は脱線事故を起こした
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 15:20:10.96:irQE2TR+O
何もない真っ白な世界に
俺は一人
たたずんでいた
『どうしたの?』
どこか見覚えのある少女が俺にたずねる
またこの夢か。一体何度目だろう。そんな事を思いながら、俺は決まってこの台詞を言う
「どこに行けばいいのか、わからないんだ」
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 15:30:24.56:jaCNJXg9O
『・・・』
「なぁ、ここはどこなんだ?」
『・・・・ここは・・・。・・・夢の中』
夢とは思っていたが、夢の中で「ここは夢の中です」なんて言われると変な違和感があるな・・
「・・・君は、誰なんだ?」
『・・・・わからない?』
「・・・・うーん。どこかで見たハズなんだよな・・・」
『あなたが、安心出来る声』
「え?」
『あなたが大好きな温もり』
「・・・?」
『他にも沢山。・・・それら全てを持っている女の子よ』
「す、すげぇな」
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 15:35:03.30:jaCNJXg9O
『そう。凄い女の子。でもね、そんな女の子が何度アプローチをかけようが、あなたは気付いてないふり』
『ひどいと思わない?』
「・・・・」
「・・・あぁ」
『・・・自問自答はこれくらいにしておく?』
「・・・・ああ」
『・・・行き先はわかるかしら』
「大丈夫。・・・多分」
『・・・頼りない』
「すまん」
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 15:38:13.07:jaCNJXg9O
『会えたら、言える?』
「大丈夫」
『私で練習する?』
「大丈夫」
『・・・ん。じゃあ、頑張って』
「・・・・ありがとうよ。ふふ、まさか夢の中で説教されるとはな」
『・・・ふふ』
女の子が背景に溶けていく
白く
白く――――――
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 15:46:02.17:jaCNJXg9O
目が覚めると白い天井が目に飛び込む
同時に、懐かしい声。母さんだ
「ん・・・ここは・・・?」
上体を起こそうとするも上手くいかない。全く力が入らなかった
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 15:50:28.11:jaCNJXg9O
脱線事故
そして、俺が三年も昏睡状態だった事
色々、聞かされた
でもそんな事はどうでもよかった。俺が一番知りたい事じゃない
俺は、俺が知りたいのは――――
母「わからないわ。連絡をとろうにも、あの子が今どこにいるかなんて・・・あなたが事故にあって以来、会ってないもの」
なんてこった
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 16:00:49.45:jaCNJXg9O
母「なんて、嘘よ。嘘。テレビつければ映ってるんじゃないかしら」
「は?」
母がテレビをつける。
そこには俺の記憶と変わらない妹が、画面に映っていた
母「凄いわよ、あの子。なんだか、大学の時書いた論文がどうのこうので、すごーい博士みたいな仕事をしているのよ」
母よ、その説明ではよくわからん・・・・が
「随分・・・偉くなったんだな」
母「ふふっ」
「な、なんだよ」
母「あの子、言ってたわよ。お兄ちゃんのが頭良い。って」
「そ、そーかよ」
母「うふふ」
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 16:04:06.01:jaCNJXg9O
「・・・・本当に・・・」
「・・・・」
なんだか、妹を凄く遠くに感じる
母「一応あの子にも連絡入れなきゃね」
「母さん」
母「なに」
「入れなくていいよ。あいつ、忙しそうだし」
母「そうは言ってもねぇ。一番会いたがってたのよ?あの子」
「いいから。落ち着いたら俺から連絡するよ」
母「・・・そう?わかったわ」
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 16:08:18.35:jaCNJXg9O
10日ほどのリハビリ生活を繰り返し、晴れて退院となった
母「当分は社会復帰しなくていいわ。しばらくは面倒見てあげるから。ゆっくり行きましょう。ね?」
「あぁ・・・・。ちょっと、出掛けてくるよ」
母「あ、ちょっと」
「ん」
母「はいこれ。財布。今日はお父さんも早いし、退院祝いにパーっとやるから、なるべく遅くならないようにね」
「あぁ」
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 16:14:37.11:jaCNJXg9O
さて。どこに行こうか
そんな事を考えながら財布を開く
(あ、これ、よく見ると俺が使ってた奴だ。無事だったのか・・・)
中を見ると諭吉が十枚も入っている
(うぉ、か、母さん・・・入れすぎ・・・・・ん?)
見覚えのある紙切れを見つける
そこには、遊園地の名前が載ってあった
「これ・・・・・」
(いかん。街中で泣いたら変な奴だ・・・我慢。我慢。・・・あ)
(そういえば・・・指輪・・・どこにいったんだろ・・・)
(電車に乗る時にはつけていたハズだけど・・・)
(・・・)
(後で母さんに聞いてみるか)
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 16:18:28.61:jaCNJXg9O
「さて」
(駅についた訳だが)
(・・・つーか何で駅)
(・・・・・まぁいいか)
なんだかは今は無性に、このやるせない気持ちをどうにかしたい気分だった
(行った事も無い所でも行くかな・・・)
(・・・・あ)
(・・・・・あそこ、行ってみるか)
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 16:22:58.39:jaCNJXg9O
「・・・」
ザザーッ
「・・・さむっ」
流石に真冬の海には誰もいない。というか、なんでこんな所にきたんだろう俺は
「・・・こんな所・・・か」
自分で自分を笑う。そんな事わかってる。ここは、大切な思い出の場所
初めて親に貰ったおこづかい。出来る事は少ないけれど
それでもあの頃の俺たちには大金だった
そして、何の脈絡もなく、俺は妹にたずねる
このお金で、電車に乗って、どこかへ行ってみないか。と
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 16:26:01.52:jaCNJXg9O
妹「お兄ちゃん!わたし、海に行きたい!」
「えぇー?いまは冬だぞ。寒いぞー?」
妹「海・・・いきたい・・・グスッ」
「だーっ、泣くな泣くなっ!わかったよ、海だなっ!?海!」
妹「・・・行ってくれるの?」
「おう!にーちゃんにまかせとけっ!」
妹「わ~っ、お兄ちゃんだーい好き~っ!」
「だ、抱きつくなって」
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 16:29:53.90:jaCNJXg9O
妹「わ~っ!!ひっろ~い!」
「おぉ、寒い」
妹「ねっ、ねっ!お兄ちゃんっ!」
「うん?」
妹「また、一緒に来てくれるっ?」
「え?あ、ああ、そりゃもちろん」
妹「えへへっ!今度来るときは・・こいびとどうしだといいなっ!」
「な、なに言ってんだっ」
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 16:33:46.81:jaCNJXg9O
「・・・・・・」
「今度来るときは恋人同士・・・・ね。・・・約束、破っちゃったな」
そういえばあの日以来、あいつは海に行く事をひたすらに拒否していたっけ
「今思えばあれは・・・そういう事だったのか・・・」
次に行く時は恋人同士・・・
その約束を守ろうとしていた訳だ
「バカな・・・俺」
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 16:44:22.05:jaCNJXg9O
そう呟きながら携帯を開く。あいつのアドレスを呼び出して・・・
『今頃気付いたんですか』
「え?」
『私は・・・ずっと、思ってましたけど。お兄は、馬鹿。って』
「・・・・俺の方が、頭が良かったんじゃなかったのか?」
『今のは、精神的に馬鹿。と言ったのです』
「・・・ったく・・・余計な事しやがって。母さんだろ。今、連絡入れようとしたのによ。俺にだって心の準備ってやつが・・・」
『・・・・・』
「・・・どうした?」
『・・・え、えと・・・言いたい事が沢山あったんですが・・・』
「・・・」
『お、お兄・・・ちゃんの顔みたら、なんだかワケわかんなくなっちゃって・・・』
そう言いながら俺の隣に腰をおろす。横顔が目に入る。俺の安心する声、大好きな温もりが、そこにあった
「相変わらず元気そうでよかったよ、我が妹よ」
妹「う、うるさい・・・ばか・・・」
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 16:50:47.10:jaCNJXg9O
妹「・・・・」
「・・・・」
『大丈夫?』
(大丈夫だよ)
『会ったら、言えるんでしょう?』
(ああ・・・・大丈夫だよ)
大丈夫。もう恐れたりしない。もう甘えないよ。気付かないふりは、やめだ
妹「え、えと・・・」
「・・・・・・・・・あのな」
妹「は、はいっ」
「一回しか言わないから、心して聞け」
妹「え、えっ??」
「俺は、お前が好きだ。出来れば、ずっと一緒にいて欲しい」
妹「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ」
「もう、言わないからな」
妹「えっ、えっ!え~~~~~~~っっ!!ちょ、ちょっと待って下さいお兄ちゃんっ!も、もう一回言って下さいよっ!」
121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 16:53:08.97:jaCNJXg9O
「やなこったです」
妹「むむぅ・・・・・」
「好きだ」
妹「ひゃぅんっ!」
「あはははは!」
妹「ふ、不意打ちとは卑怯な」
「愛してるぞ」
妹「あっ、あ、あぅあぅあぅあう・・・・」
「ははは」
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 16:58:58.37:jaCNJXg9O
妹「・・・さ、三年間・・・すごく・・・待ったんですよ・・・?」
「すまん」
妹「すごく、心配したんですから」
「すまん」
妹「もう、離れないで下さい」
「ああ」
妹「私が好きって言ったら、好きって答えてくれますか?」
「ああ」
妹「たまにはお兄ちゃんからも好きって、言ってくれますか?」
「そんときは、お前も好きって答えろよな」
妹「えへへ、そんなの、当たり前です」
そう言って、お互いの唇を重ねる。幸せが、そこにあった
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 17:03:47.66:jaCNJXg9O
妹「お兄ちゃん、左手を」
「ん?」
言われるがままに左手を差し出す。どこから取り出したのか、見覚えのある指輪を俺の薬指にはめる妹
妹「大好きだよ。お兄ちゃん」
「お前が、持ってたのか・・・」
妹「・・・・ぶぅ」
「え?」
妹「私、今、大好きだよって、言ったんだけど・・・」
「あ、ああ・・・・俺も、好きだよ」
妹「・・・・」
「ま、まだなにか?」
妹「大好き。そう言ったんですよ?私」
「・・・。・・・大好きだよ、俺も」
妹「えへへ。はいっ」
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 17:09:48.76:jaCNJXg9O
田舎の路線だ。車内には俺と妹しかいなかった
寄り添うようにして座り、車窓から差し込む夕焼けに二人、あてられていた。
ものすごくおだやかで幸せな一時
「そういやお前、偉い仕事についたもんだな」
妹「もう、やめましたけどね」
「え?」
妹「お兄ちゃんが目覚めたから」
「え、え?」
妹「もう、二人分の一生を過ごせるだけのお金はあるから」
「あ、あのー、話しが見えないんだが」
妹「お互い、もう働く必要はないからね。ずっと一緒だよお兄ちゃん」
「え、えーと」
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 17:15:00.04:jaCNJXg9O
妹「お兄ちゃんが目覚めた時、困らないように。そして、ずっと一緒に過ごせるように」
「だから、頑張ったのか」
妹「うん!」
「それだと、俺が悪いなぁ・・・」
妹「・・・・じゃあ、これから一生をかけて、私を幸せにしてよ・・・お兄ちゃん」
「そうだな。そうしよう」
妹「えへへ」
妹「お兄ちゃん・・・・大好きだよっ!」
おしまい
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 17:17:15.75:jaCNJXg9O
「ん、ん~。朝飯つくらないと」
目覚ましを止め身体を起こす。両親は出張中。妹は修学旅行
「修学旅行は4日だっけか。その間は全部一人でやるのか・・・」
面倒だな・・・と思いながらリビングに繋がるドアを開くと、今頃はバスに乗っているはずの妹がそこにいた
「・・・は?」
妹「おはようございます」
「・・・・・・」
妹「おはようございます」
「あ、ああ。おはよう・・・え?」
「なんだなんだ。何をやっているんだお前は」
妹「休みました。四連休です」
「四連休か。羨ましいな」
「・・・」
「じゃなくって」
「お前は何をやっているんだ」
妹「だから、言ったじゃないですか」
妹「修学旅行を」
妹「休んだ。と」
「・・・何で?」
妹「私の求める楽しみがそこには無いからです」
「・・・」
「お前の求める楽しみってなんだ?」
妹「お兄には秘密です」
「・・・はぁ。飯、食うよな?」
妹「・・・怒らないんですね」
「出発は一時間も前だろ。怒っても仕方ない。というか、呆れてる」
妹「そうですか。あ、私ジャムで」
「分かってるよ」
「はい。すみません。よろしくお願いします」
妹「電話、本当にしちゃいましたね」
「お前を見たら学校に行くのが面倒になったからな」
妹「妹に擦り付けるんですか。ずる休みの責任を」
「そんなつもりじゃない」
妹「わかってますよ」
「お前は・・・。まぁいいや。じゃあな」
妹「部屋に戻るんですか?」
「ああ、着替えるからさ」
妹「どこか行くんですか?」
「まぁ、暇だし」
妹「見つかれば補導されますよ」
「そんなの滅多にないよ」
着替えを終えリビングへと進むと、そこには私服に着替えた妹が立っていた
「お前もどこか行くのか?」
妹「・・・お兄に同行します」
「へ?」
妹「お、お兄が」
妹「お兄が変な事しないように見張るためです」
「なんだよ、変な事って・・・」
妹「そ、それに・・・一人でいたって暇ですから」
「・・・」
俺が学校に行っていたらお前はどうしていたんだ?という質問は野暮か
「じゃあ行くか」
妹「あ・・・」
妹「はいっ」
「へぇ。じゃあ明日から普通に学校行くのか」
妹「修学旅行を休んだからといって、4日全て休めるわけではありませんからね」
妹「通学出来るようになれば行かなければなりません」
「まぁ、普通に今日も通学出来るけどな。風邪のかの字もないし」
妹「それは、いいっこなしです」
ぷくっと頬を膨らまして言う。ちょっと可愛かった
妹「ずる休みしてゲームセンターですか。ワルですね。私達」
「お前が言ったんじゃないか・・・」
妹「あ、お兄」
「ん」
妹が指差す方を見る。それはゆるゆるのアームである意味有名なUFOキャッチャーだった
妹「あのカエル、可愛いです」
「・・・ちなみにお前、財布は」
妹「・・・お家に忘れました」
「・・・お前、最初からたかる気だったな」
妹「そ、そんな事ほんの少しも」
「・・・まぁいいや。あれでいいのか?」
妹「良いんですか?」
「ここでやらなきゃ、甲斐性無しだからな」
妹「・・・あ、ありがとうございます」
妹「可愛いです」
(・・・グロい)
妹「宝物にします・・・」ボソッ
「ん?」
妹「い、いえ・・・なんでもありません」
「そか。・・・なぁ」
妹「は、はい」
「腹へったな」
「なぁ、外食で良くないか?」
妹「私が作る料理じゃ不満ですか?」
「いや、そんな事はないが」
妹の料理は旨い。もし「この料理は出来損ないだ」なんて言う奴がいたら迷わずぶん殴ってしまうくらい
「旨い」
妹「はい?」
「あ、いや、こっちの話し」
妹「?」
妹「これとこれと・・・これも」
次々にカゴに食材を入れていく妹
(これ、カゴに入っていく度に俺の財布から大切なモノが抜けていくんだよな・・・)
妹「これも・・」
「・・・」
「なぁ」
妹「なんです?」
「何だかこうしているとさ、新婚生活みたいだな。はは。なんて、ベタだったか?」
妹「・・・」
反応が無い。それどころか、妹が手にしていた野菜がポロリと床に落ちる始末
「なんだなんだ。どうした」
妹「・・・・ば」
「?」
妹「ばかお兄・・・・・」
「ひどい」
「ごちそうさま」
妹「お粗末様です。ばかお兄」
「まだ言うか」
妹「あの、それよりお兄。・・・・今夜」
「うん?」
妹「一緒に寝てもいいですか?」
「えっっ??」
妹「・・・・ぷっ」
「あっっ!お前・・・っ」
妹「先程の仕返しです。べーっ」
「ったく」
「すぅ・・・すぅ」
妹「あなたが・・・」
「・・ぅ・・・すぅ」
妹「あなたが・・・鈍感なのがいけないんですよ」
妹「・・・ん」
「ん・・・ぷふっ・・・・ん、く・・・ふぅ・・・すぅ」
妹「・・・また来ます」
妹「修学旅行中だと言うのに、こうしてお兄と登校していると変な感じですね」
「そうだな。・・・つうかさ、自分だけ修学旅行行ってないと、皆に会いづらいとか無いか?」
妹「そんな事ありませんし、今更グダグダ言っても仕方ありません」
「そうだけど・・・」
妹「それに、4日も会えないなんて耐えれないし、お兄と会いづらくなった時の事を考えるとそんな事全然辛くないもん・・・」ボソボソ
「ん?」
妹「な、なんでもありません」
お昼休み。妹からあらかじめ来ていたメール通り、食堂のテラスであいつを待つ事数分
「・・・・・・おっ」
妹「すみません。遅くなりました」
「いいよ、じゃあ食べようぜ」
互いに弁当箱を開ける。今日の料理担当は俺だ。全体的に形はいびつだが、味は保証できる出来であると自負してある
妹「でも、本当に良かったんですか?お兄にも付き合いがあるでしょう」
「自分から誘っておいてそれはないだろうが。それに、妹が一人細々と食べいるのはちょっとほっとけないだろ」
妹「あ、ありがとうございます」
「もぐもぐ・・・・どうなんだ?授業」
妹「ほとんど自習ですよ。プリントを渡した後、先生は授業が終わるまで戻ってきません」
「なにぃ。信頼されてんな」
妹「お兄ほどではありませんが」
「お互い成績優秀だからな」
妹「自分で言いますか」
「はは。まぁ、たまには天狗になるのも、な」
妹「・・ふふ、そうですね」
教師「えー、お前ら。私はちょっと忙しいので」
と、黒板に大きく自習。と書いて教室を後にする先生
(相変わらずあの先生は適当だな・・)
ゲームを始めるモノ、マンガを読む奴、真面目にプリントに取り組む奴、化粧、談笑・・・・
(さて、俺はどうするかね)
友人の輪に入るか。そう思ったが、その時、妹の言葉が脳裏によぎった
ガラガラガラガラ
妹「ん?」
「ぃよう」
妹「・・・・」
「・・・・・」
妹「・・・・・えっっ!?あっ、お、お兄っっ!?」
「馬鹿、声デカイって」
妹「あ、ごめんなさい。って、そうじゃないです!なにやってるんですかっ?!」
「俺のクラス、自習になったからさ。遊びに来た」
妹「あ、遊びに来たって・・・」
「それ、プリント貸して。二人でればすぐ終わるだろ」
妹「ず、ズルはダメですよ・・・」
「俺とお前、字、似てるし。バレないだろ」
そう言って無理矢理プリントを数枚奪う
妹「あっ。も、もう・・・強引なんですから・・・」
妹「・・・・」チラッ
妹「・・・・」チラッ
妹「・・・・」チラッ
「・・・・」ガタッ
おもむろに立ち上がる俺
妹「っ?」
「先生!隣の人が何度もちら見してきます!」
誰もいない壇上に向かって言う俺
妹「なっ!なにをやっているんですかお兄っ」
「なはは。お前が何度もちら見するからだぞ」
妹「そ、それは・・・」
「なんだ?分からない所でもあったか?」
妹「い、いえ・・・そういう訳ではなく・・・」
「?」
妹「も、もし、お、お兄と同じ学年で・・・同じクラスだったら・・・・こんな感じだったのかな・・・と」
「ぁあ・・・」
「・・・・」
妹「えへへ、なんて」
「・・・なぁ」
妹「は、はいっ?」
「教科書忘れちまったから見せてくれ」
妹「・・・あ・・・ふふっ、いいですよ」
そう言ってお互い机を寄せる。どこにでもありそうな教室の中の風景。それから俺たちは、時間一杯までそんな事を繰り返していった
妹「お兄」
「よう。待ったか?」
校門に寄り添うようにして立っていた妹に声をかける
妹「いえ。今、来た所ですから」
「はは。何だか、今からデートするような言い方だな、それ」
妹「なっっ」
妹「・・・・・」
妹「・・・・馬鹿お兄」
「ひどい」
「すぅ・・・すぅ」
妹「今日も・・・来ましたよ」
妹「・・・・」
妹「本当はあなたが起きている時に沢山甘えたいのだけれど・・・」
妹「拒絶されるのが・・・怖い・・・」
妹「お兄・・・・・ちゃん・・・・」
妹「ん・・・・はむ・・・むむ・・ん」
妹「こんなに好きなのに・・・どうしてわかってくれないの・・・・お兄ちゃんと会えなくなっちゃうのが嫌だから・・・修学旅行だって休んだのに」
妹「ばかお兄ちゃん・・・はむっ、ん・・・ぷはっ」
妹「・・・」
今ここで寄り添うようにして寝れば・・・朝、お兄ちゃんはどんな反応をするだろうか・・・
妹「それで・・・」
妹「忘れちゃったの・・・?昨日の夜・・・とか言っちゃったりして」
くすりと笑う。わかってる。自分にはそんな勇気なんてない
妹「おやすみ。お兄ちゃん」
そういって兄の部屋を後にした
それから、二度の桜を見た
そこから私の憂鬱な日々が始まった。私の隣の部屋は空き部屋となり物置となった
兄が大学進学と同時に一人暮らしを始めたのだ
仲の良い友達と話す
ちゃんと笑えているか。そんな事ばかり考えていた
教師と話す
うつ向いてはいないか
両親と話す
泣いてはいないか
たまに帰ってくる兄と話す
何も、考えないでいられた
兄は忙しい。だから、私から電話をかける事は滅多にない
でもその時はたまたま兄の声が無性に聞きたくなり、電話をかけた
兄が出る。いやに弱々しい兄の声が聴こえた
「お兄、どうしたんですか?」
兄「いやぁ、風邪ひいたっぽくて」
「えっ!大変!今、そっちに行きますよっ!」
兄「いや、いいよ。せっかくの日曜日なんだし、好きに・・ゴホッゴホッ・・・・過ごせよ」
「じゃあ好きにやらせていただきますから!」
兄「・・・・・悪い」
「何度も謝らないで下さい。おかゆ、作りましたよ」
兄「・・・・ん」
上体を起こそうとする兄。私は慌ててその背中を支えた
「ゆっくり、ゆっくりですよ」
兄「おお・・・げさだな・・・・・ったく」
「風邪は万病の元ですよ。自分の身体、しっかりいたわって下さい」
兄「不甲斐ない」
「べっ、別にそういうつもりで言った訳じゃ・・・」
兄「はは、わかってるよ。・・・おかゆ、貸して」
「・・・ダメです」
兄「ん?」
「わ、わた・・・私が食べさせてあげますっっ」
兄「あー・・・む」
「熱くないですか?・・美味しいですか?」
兄「うむ。素晴らしいおかゆだ」
「えへへ、そうですか。良かったです」
兄「・・・・懐かしいな」
「へっ?」
兄「昔にもこんな事なかったか?」
「・・・あ~、そうですね。私が看病されたり、したり・・・ふふ、本当、懐かしいですね」
兄「・・・・本当はさ」
「はい?」
スレタイと中身がビックリするほど関係ない
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:13:29.09:jaCNJXg9O>>40最初はIDの数だけ空飛んでもらおうって思いでスレ建てたんだけど
あまりにも人こないから公開オナニー始めたって感じ
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:11:37.36:jaCNJXg9Oあまりにも人こないから公開オナニー始めたって感じ
兄「一人暮らし・・・あんまりする気はなかったんだ」
「・・・・えっ?」
兄「ただ、いつまでも親に甘える訳にはいかないだろ?だからさ」
兄「本当は・・・あんまり離れたくなかったんだよ、実家。やっぱ、寂しいしさ」
「お兄・・・・・ちゃん」
兄「・・・・・・・ん?お兄ちゃん?」
「・・・」
「・・・・・・・・・・・あっ・・・」
兄「あはは、懐かしいなそれも。昔はお兄ちゃんお兄ちゃんって慕ってたよなぁ」
「あ、ぐ・・・い、いまのはそ、その、な、なんというか、あ、あの」
兄「良いじゃないか、お兄ちゃん。懐かしくてあの頃を思いだすよ」
「えっ?・・・あ、あの・・・えと・・・」
「わ、私が・・・」
「私がお兄ちゃん。って呼ぶの、変じゃ・・・ない??」
兄「いや、全然」
「・・・・こ、これからも・・・お兄ちゃんって呼ぶ・・・よ、呼んでも良い??」
兄「ああ、構わないぞ」
「・・・・!!・・・・・あ、ああ、そっか。ふ、ふーん・・・」
「・・・お兄ちゃん」
兄「なんだ?」
「・・・・・呼んでみただけ」
兄「なんだそりゃ」
兄「はぁ・・・それにしても助かったよ」
「・・・ねぇ、お兄ちゃん」
兄「なんだ?」
「私も、ここに住んでいいですか?」
兄「・・・・・・へ?」
「ここからなら大学も近いですし、いざという時、お兄ちゃんのお世話もできます」
兄「大学も近いって・・・お前まさか」
「はい。お兄ちゃんと同じ大学、選びました」
兄「・・・・全く」
「えへへ」
兄「まぁ、別に構わないけど・・・」
「やったぁっ」
それから一年が経ち
妹「今日から、お世話になります」
妹が、やってきた
妹「お兄ちゃん、それ、とって」と、醤油を指差す
「ん」
妹「ありがとう」
「・・・」
妹「?なに・・・?どうかしたんですか?」
「いや・・・お前さ、最近・・・しゃべり方が砕けてきたな」
妹「・・・えっ?」
「基本的に敬語だけど、たまに砕ける」
妹「えっ?う、嘘・・・」
「ほら」
妹「あっ」
気付いたのか顔が赤くなっていく妹。以前なら「う、嘘です!」なんて言い方だったハズだ
妹「ど、同居してからというもの、幸せすぎて油断していました・・・」ボソボソ
「・・・?なに?」
妹「な、なんでもないよっ!・・・・あ」
「・・・・・ぷっ」思わず、吹き出した
妹「だ、だ・・・駄目・・・なんですか」
「へ?」
妹「しゃ、しゃべり方・・・砕けてちゃ・・・駄目・・・なんですか・・?」
「いいや。むしろそっちのが良いよ」
妹「そ、そうですか」
「・・・」
「いつからだったか・・・お前が敬語になって・・・ちょっと壁を感じてなぁ。少し、寂しいものがあったな」
妹「うぐっ。あ、あれはその、は・・・ちょっと反抗的な態度をとってお兄ちゃんに気付いて欲しい思いがあったというかあの、その」ボソボソ
「なに?よく聞こえ―――――
妹「な、なんでもないもん!!」
妹「起きて下さい。お兄ちゃんってば。・・・んもぅ・・・起きてよぉ、お兄ちゃん」
「休日くらい寝かせてくれよ・・・今日はバイトもないし・・・」
妹「そんな、休日のお父さんみたいな事言ってないで、起きてよぉ、お兄ちゃんってば」
「ん・・・ん~。ったく、なんなんだ一体」
妹「これ」
「どれ」
妹が手にしていた長方形の紙切れ二枚が視界にはいる
「ん、ん~?遊園地のチケット?」
妹「さっきね!お買い物したら福引き券をもらって・・・そしたら一等賞のペアチケットがあたったの!」
「・・・すげー。行ってらっしゃい」
妹「お、お兄ちゃんっ!二度寝しちゃ駄目ーーっ!」
「また今度、な」
妹「駄目だよ!今日含めて三日間しか有効期限ないんだからっ!平日に行く訳には行かないでしょっ?」
「・・・・全く」
重い身体を起こす
妹「それはこっちの台詞です。ほんっっっとーにお兄ちゃんは朝が弱いんだから・・・」
「へいへい、じゃあ着替えるから、出てって・・・・」
妹「あ、それは大丈夫です」
「・・・・は?」
よく見ると、既に俺は普段着に着替えていた
「・・・・ね、寝相が悪い・・・でいいのか?この場合・・・」
妹「ち、違いますよぉ。それは私が着替えさせたんです。あと、お兄ちゃんは寝相良いですよ、とても」
「・・・さいですか」
妹「見て下さいお兄ちゃんっ!周りはカップルだらけですよっ」
「そうだな」
妹「わ、私達も・・・カップルに見えていたりするのかな・・・?」
「・・・お前、昔ならそんな台詞絶対言わなかったよな・・・。以前なら俺が言って、恥ずかしがるお前をからかう構図だったのに」
妹「も、もう・・・同居してから幸せの連続で感覚が麻痺してゴニョゴニョ」
「?・・・・お、アレ乗ろうぜ」
妹「はいっ!」
妹「ふー、一通り周りましたね」
「へい彼女、まだ行ってない所があるぜ?」
妹「え?ど、どこですか??」
「お前が大好きな所」
妹「へっ?どこでしょう??」
「・・・」
「お化け屋敷」
「・・・」
妹「あ、あわ、あわわわ」
妹「や、やっぱり引き返そうよぅ・・・お兄ちゃぁん」
「大丈夫大丈夫」
妹「な、何を根拠に・・・ひゃわっっ!!」
「落ち着け、ただの冷風だ」
妹「お、おお、お兄ちゃんがおちっ、おっ、落ち着きすすすぎぎわぁああーーっっっ!」
「な、なんだっ」
叫び声と同時に俺の腕にしがみつく妹
「・・・こんにゃくが首筋にあたったのか。今時古風な・・・」
妹「やぁだぁ・・・もう帰りたい・・・あぅ・・・」
「・・・はぁ。よいっしょ」
妹「はわっ!?お、お兄ちゃんっ!?」
「走るから口閉じてろ」
妹「こ、これお姫様だっ
「しゃべるなって。舌噛むぞ」
「ふーっ」
妹「」フニャ~
「何だかえらい幸せそうな顔してるな。そんなに嬉しいのか、お化け屋敷から出てきた事が」
妹「・・・・はぁ」
「今度はため息かよ。・・・まぁいいや、下ろすぞ」
妹「・・・めです」
「は?」
妹「駄目です!」
「え、ちょ」
妹「駄目ったら駄目なのーっ!このまま観覧車乗るーっ!」
「えぇ??おま、観覧車って。この時間だと結構並んでると思うんだが・・・この状態で乗るってのか??」
妹「仕返しです。今度はお兄ちゃんが醜態を晒す番ですっ」
「いや、お前も晒される事になるんだが」
妹「私は、お兄ちゃんの胸に顔、うずくめて隠れてますから」
「ひ、卑怯な・・・」
妹「私にあんな醜態晒させたんですよ?せ、責任とってください」
「・・・・・・はぁ、わかったよ」
「・・・・・・・・・・・・」
妹「わぁ~。見て下さい、お兄ちゃん」
「・・・・・・・」
妹「・・・・はぁ。一体いつまでそうやっていじけてるつもりですか?」
「ダレノセイダヨダレノ」
妹「お兄ちゃん?」
「おめーだよっ!お前にはわかるまいっ!周りの視線視線視線視線視線しせんんんんっっっ!!お兄ちゃんすっっっごく恥ずかしかったぞ!!」
妹「あ、あの辺、私達のお家じゃない??」
「oh...スルーかよ」
スレタイを忘れさせる良スレだ
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 14:34:15.55:jaCNJXg9O妹「う、わっ」
「?」
妹「お、お兄ちゃん・・・後ろのカップル・・・」
そう言われて振り向くと・・・・
「う、わ・・・・ま、マジでやる人達っているのな」
こんな所でおしべとめしべの関係を生で見る事になるとは・・・
妹「・・・・・」
「・・・・・」
(き、気まずい・・・・・は、早く一周してくれ・・・・)
妹「・・・・」
妹「・・・・・・ねぇ、お兄ちゃん」
「ひゃ、ひゃぃっ!?」
妹「・・・・」
「な、なんだよ・・・?」
妹「が、我慢出来なくなったら・・・私が処理してあげようか?」
「・・・・は??」
妹「ほ、ほほ、ほらっ!お、男の人って我慢するの難しいらしいしっ」
「な、何を言って
妹「こ、このままムラムラしたまま、だと、お、おお、お兄ちゃん、犯罪起こしちゃうかもしれないしっっ」
「あ、あほっ。どんな獣だ俺は!と、というか妹に欲情するかって!お前も、冗談はやめ
妹「本当に?」
「え?」
妹「本当に、妹には欲情したりしない・・・の?」
「お、おい・・・」
向かいに座っていた妹がおもむろに立ち上がり俺の首裏に両腕を回す
お互いの吐息が鼻にかかる距離
少しでも首を動かせば互いの唇に触れてしまいそうな―――そんな、距離
妹「・・お兄ちゃん」
「・・・」
呼吸ができない。頭が真っ白になる。目の前にいる女の子がとても輝いて見える
妹は可愛い。外見も、性格も。そんな事はわかっている・・・・でも
妹「私を、女の子として・・・見る事、でき・・・ない?」
「・・・」
妹の唇を、指で押さえ、押すようにして距離を開けた
妹「・・・・」
「冗談が長いのは、駄目だぞ」
妹「・・・・・・・ん・・・・・そだね」
観覧車を出た後はお互い無言だった。正確に言えば、あの時からだが・・・
「・・・なぁ」
妹「・・・どうしたの?」
「ちょっと、寄りたい所があるんだ。ついて来てくれ」
妹「え?ちょっ、お兄ちゃんっ?そっちは出入口じゃないよっ?」
「帰るにはまだ早いんだよ」
妹「ここ、遊園地の中心だよね?こんな所で、なにするの?」
「まぁまぁ」
困惑する妹をなだめ、スタッフに声をかけた
スタッフ「はい。たしかに、全てのスタンプが押されていますね。おめでとうございます。どうぞ」
そう言って受け取ったのは、対になっている指輪
妹「お兄ちゃん?それって・・・」
「スタンプラリーだよ。パンフに書いててさ。お化け屋敷に行ったのもその為。ごめんな、驚かせようと思って」
妹「お兄ちゃん・・・・ううん、いいの。・・・それ」
「あぁ、あげるよ、勿論」
そう言って、兄が2つの指輪を私に渡す
「へ?2つとも・・・?」
兄「その指輪は、つけた二人の仲を未来永劫繋げてくれるって噂だぜ。仲の良い友達にでもあげたらどうだ?」
「・・・・・だったら・・・」
兄の左手を引っ張り、薬指にはめる
「お兄ちゃんが・・・つけていて下さい・・・」
兄「いいのか?」
「はい」
兄「そうか。はは、それにしても薬指か・・・はは、何だか恥ずかしいな」
「えへへ」
兄「・・・・」
「お兄ちゃん?」
兄「・・・・・・お前が・・・」
「?」
兄「・・・・いや、なんでもないよ。帰ろう」
「あ、はいっ」
大学に入ってからの三度目の春。
仲は良いし、噂じゃお兄ちゃん、告白されては振っているしで、私達の甘い生活は順風満帆に進んでいた
(まぁまだ兄と妹の関係だけど)
そして、その生活も一旦おしまい
兄「それじゃあこの部屋、よろしく頼むぜぃ」
「うん。じゃあお兄ちゃん、駅まで行こう?」
兄「あぁ」
兄が仕事先に近い所に部屋を借りたので、引っ越すという訳だ
私が卒業した時、一緒に住んでもいいと言ってくれた
(だから、一年の我慢・・・・)
(くふ、くふふ・・・)
(次はもう、ずっと一緒にいられる・・・うふふ・・・・えへへ)
兄「じゃあ、行くよ」
「あ、う、うんっ!行ってらっしゃい!」
響き渡るベルがさよならを告げる。それが、本当にさよならを告げるベルだったなんて
その日、兄の乗っていた電車は脱線事故を起こした
え
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 15:23:37.46:jaCNJXg9O何もない真っ白な世界に
俺は一人
たたずんでいた
『どうしたの?』
どこか見覚えのある少女が俺にたずねる
またこの夢か。一体何度目だろう。そんな事を思いながら、俺は決まってこの台詞を言う
「どこに行けばいいのか、わからないんだ」
『・・・』
「なぁ、ここはどこなんだ?」
『・・・・ここは・・・。・・・夢の中』
夢とは思っていたが、夢の中で「ここは夢の中です」なんて言われると変な違和感があるな・・
「・・・君は、誰なんだ?」
『・・・・わからない?』
「・・・・うーん。どこかで見たハズなんだよな・・・」
『あなたが、安心出来る声』
「え?」
『あなたが大好きな温もり』
「・・・?」
『他にも沢山。・・・それら全てを持っている女の子よ』
「す、すげぇな」
『そう。凄い女の子。でもね、そんな女の子が何度アプローチをかけようが、あなたは気付いてないふり』
『ひどいと思わない?』
「・・・・」
「・・・あぁ」
『・・・自問自答はこれくらいにしておく?』
「・・・・ああ」
『・・・行き先はわかるかしら』
「大丈夫。・・・多分」
『・・・頼りない』
「すまん」
『会えたら、言える?』
「大丈夫」
『私で練習する?』
「大丈夫」
『・・・ん。じゃあ、頑張って』
「・・・・ありがとうよ。ふふ、まさか夢の中で説教されるとはな」
『・・・ふふ』
女の子が背景に溶けていく
白く
白く――――――
目が覚めると白い天井が目に飛び込む
同時に、懐かしい声。母さんだ
「ん・・・ここは・・・?」
上体を起こそうとするも上手くいかない。全く力が入らなかった
脱線事故
そして、俺が三年も昏睡状態だった事
色々、聞かされた
でもそんな事はどうでもよかった。俺が一番知りたい事じゃない
俺は、俺が知りたいのは――――
母「わからないわ。連絡をとろうにも、あの子が今どこにいるかなんて・・・あなたが事故にあって以来、会ってないもの」
なんてこった
母「なんて、嘘よ。嘘。テレビつければ映ってるんじゃないかしら」
「は?」
母がテレビをつける。
そこには俺の記憶と変わらない妹が、画面に映っていた
母「凄いわよ、あの子。なんだか、大学の時書いた論文がどうのこうので、すごーい博士みたいな仕事をしているのよ」
母よ、その説明ではよくわからん・・・・が
「随分・・・偉くなったんだな」
母「ふふっ」
「な、なんだよ」
母「あの子、言ってたわよ。お兄ちゃんのが頭良い。って」
「そ、そーかよ」
母「うふふ」
「・・・・本当に・・・」
「・・・・」
なんだか、妹を凄く遠くに感じる
母「一応あの子にも連絡入れなきゃね」
「母さん」
母「なに」
「入れなくていいよ。あいつ、忙しそうだし」
母「そうは言ってもねぇ。一番会いたがってたのよ?あの子」
「いいから。落ち着いたら俺から連絡するよ」
母「・・・そう?わかったわ」
10日ほどのリハビリ生活を繰り返し、晴れて退院となった
母「当分は社会復帰しなくていいわ。しばらくは面倒見てあげるから。ゆっくり行きましょう。ね?」
「あぁ・・・・。ちょっと、出掛けてくるよ」
母「あ、ちょっと」
「ん」
母「はいこれ。財布。今日はお父さんも早いし、退院祝いにパーっとやるから、なるべく遅くならないようにね」
「あぁ」
さて。どこに行こうか
そんな事を考えながら財布を開く
(あ、これ、よく見ると俺が使ってた奴だ。無事だったのか・・・)
中を見ると諭吉が十枚も入っている
(うぉ、か、母さん・・・入れすぎ・・・・・ん?)
見覚えのある紙切れを見つける
そこには、遊園地の名前が載ってあった
「これ・・・・・」
(いかん。街中で泣いたら変な奴だ・・・我慢。我慢。・・・あ)
(そういえば・・・指輪・・・どこにいったんだろ・・・)
(電車に乗る時にはつけていたハズだけど・・・)
(・・・)
(後で母さんに聞いてみるか)
「さて」
(駅についた訳だが)
(・・・つーか何で駅)
(・・・・・まぁいいか)
なんだかは今は無性に、このやるせない気持ちをどうにかしたい気分だった
(行った事も無い所でも行くかな・・・)
(・・・・あ)
(・・・・・あそこ、行ってみるか)
「・・・」
ザザーッ
「・・・さむっ」
流石に真冬の海には誰もいない。というか、なんでこんな所にきたんだろう俺は
「・・・こんな所・・・か」
自分で自分を笑う。そんな事わかってる。ここは、大切な思い出の場所
初めて親に貰ったおこづかい。出来る事は少ないけれど
それでもあの頃の俺たちには大金だった
そして、何の脈絡もなく、俺は妹にたずねる
このお金で、電車に乗って、どこかへ行ってみないか。と
妹「お兄ちゃん!わたし、海に行きたい!」
「えぇー?いまは冬だぞ。寒いぞー?」
妹「海・・・いきたい・・・グスッ」
「だーっ、泣くな泣くなっ!わかったよ、海だなっ!?海!」
妹「・・・行ってくれるの?」
「おう!にーちゃんにまかせとけっ!」
妹「わ~っ、お兄ちゃんだーい好き~っ!」
「だ、抱きつくなって」
妹「わ~っ!!ひっろ~い!」
「おぉ、寒い」
妹「ねっ、ねっ!お兄ちゃんっ!」
「うん?」
妹「また、一緒に来てくれるっ?」
「え?あ、ああ、そりゃもちろん」
妹「えへへっ!今度来るときは・・こいびとどうしだといいなっ!」
「な、なに言ってんだっ」
「・・・・・・」
「今度来るときは恋人同士・・・・ね。・・・約束、破っちゃったな」
そういえばあの日以来、あいつは海に行く事をひたすらに拒否していたっけ
「今思えばあれは・・・そういう事だったのか・・・」
次に行く時は恋人同士・・・
その約束を守ろうとしていた訳だ
「バカな・・・俺」
そう呟きながら携帯を開く。あいつのアドレスを呼び出して・・・
『今頃気付いたんですか』
「え?」
『私は・・・ずっと、思ってましたけど。お兄は、馬鹿。って』
「・・・・俺の方が、頭が良かったんじゃなかったのか?」
『今のは、精神的に馬鹿。と言ったのです』
「・・・ったく・・・余計な事しやがって。母さんだろ。今、連絡入れようとしたのによ。俺にだって心の準備ってやつが・・・」
『・・・・・』
「・・・どうした?」
『・・・え、えと・・・言いたい事が沢山あったんですが・・・』
「・・・」
『お、お兄・・・ちゃんの顔みたら、なんだかワケわかんなくなっちゃって・・・』
そう言いながら俺の隣に腰をおろす。横顔が目に入る。俺の安心する声、大好きな温もりが、そこにあった
「相変わらず元気そうでよかったよ、我が妹よ」
妹「う、うるさい・・・ばか・・・」
妹「・・・・」
「・・・・」
『大丈夫?』
(大丈夫だよ)
『会ったら、言えるんでしょう?』
(ああ・・・・大丈夫だよ)
大丈夫。もう恐れたりしない。もう甘えないよ。気付かないふりは、やめだ
妹「え、えと・・・」
「・・・・・・・・・あのな」
妹「は、はいっ」
「一回しか言わないから、心して聞け」
妹「え、えっ??」
「俺は、お前が好きだ。出来れば、ずっと一緒にいて欲しい」
妹「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ」
「もう、言わないからな」
妹「えっ、えっ!え~~~~~~~っっ!!ちょ、ちょっと待って下さいお兄ちゃんっ!も、もう一回言って下さいよっ!」
「やなこったです」
妹「むむぅ・・・・・」
「好きだ」
妹「ひゃぅんっ!」
「あはははは!」
妹「ふ、不意打ちとは卑怯な」
「愛してるぞ」
妹「あっ、あ、あぅあぅあぅあう・・・・」
「ははは」
妹「・・・さ、三年間・・・すごく・・・待ったんですよ・・・?」
「すまん」
妹「すごく、心配したんですから」
「すまん」
妹「もう、離れないで下さい」
「ああ」
妹「私が好きって言ったら、好きって答えてくれますか?」
「ああ」
妹「たまにはお兄ちゃんからも好きって、言ってくれますか?」
「そんときは、お前も好きって答えろよな」
妹「えへへ、そんなの、当たり前です」
そう言って、お互いの唇を重ねる。幸せが、そこにあった
妹「お兄ちゃん、左手を」
「ん?」
言われるがままに左手を差し出す。どこから取り出したのか、見覚えのある指輪を俺の薬指にはめる妹
妹「大好きだよ。お兄ちゃん」
「お前が、持ってたのか・・・」
妹「・・・・ぶぅ」
「え?」
妹「私、今、大好きだよって、言ったんだけど・・・」
「あ、ああ・・・・俺も、好きだよ」
妹「・・・・」
「ま、まだなにか?」
妹「大好き。そう言ったんですよ?私」
「・・・。・・・大好きだよ、俺も」
妹「えへへ。はいっ」
田舎の路線だ。車内には俺と妹しかいなかった
寄り添うようにして座り、車窓から差し込む夕焼けに二人、あてられていた。
ものすごくおだやかで幸せな一時
「そういやお前、偉い仕事についたもんだな」
妹「もう、やめましたけどね」
「え?」
妹「お兄ちゃんが目覚めたから」
「え、え?」
妹「もう、二人分の一生を過ごせるだけのお金はあるから」
「あ、あのー、話しが見えないんだが」
妹「お互い、もう働く必要はないからね。ずっと一緒だよお兄ちゃん」
「え、えーと」
妹「お兄ちゃんが目覚めた時、困らないように。そして、ずっと一緒に過ごせるように」
「だから、頑張ったのか」
妹「うん!」
「それだと、俺が悪いなぁ・・・」
妹「・・・・じゃあ、これから一生をかけて、私を幸せにしてよ・・・お兄ちゃん」
「そうだな。そうしよう」
妹「えへへ」
妹「お兄ちゃん・・・・大好きだよっ!」
おしまい
おまいらありがとう。
なんかありきたりな話しになってしまったのは突っ込むなyo!!
即興なんだ。勘弁
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 17:17:55.32:N6PdFxpi0なんかありきたりな話しになってしまったのは突っ込むなyo!!
即興なんだ。勘弁
乙!まさかこんなになるとは思わなかった
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 17:18:48.89:ehEbiFs/0激しく乙!
135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 17:47:06.20:VS97vgL90なんだろう。ありきたりかもしれないけど、凄く良かった。このスレを見て本当に良かった。
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