- 10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 17:50:33.57:4b/TbOtr0
キョン「そうです。キツく締めてくださいよ」
鶴屋「こ、こうかい…?」
―-鶴屋さんは、その白魚のような指で首輪を締め始めた。
キョン「まだです、まだ緩い」
鶴屋「う、ううう…」
キョン「そう、それで良いんですよ」
鶴屋「こんなんじゃ、息をするのも苦しいよ…」
キョン「そのくらいが丁度良いんですよ」
――俺は、首輪につながるリードをぐい、と引っ張った
鶴屋「あっ! そんなっ!」
キョン「何の為の首輪だと思ってたんですか?」
鶴屋「で、でも…でも…」
キョン「これから校内をまわりますよ」
――俺は宣言した。
鶴屋「…! そんな…そんな事…!」
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15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 17:57:02.38:4b/TbOtr0
キョン「今更、嫌だとでも言うんですか?」
鶴屋「違うよ、嫌じゃない、だけど…」
キョン「俺は御主人様ですよ? 犬は犬らしく、言う事を聞くもんです」
鶴屋「…せめて、服だけでも」
――リードを更に、ぐいと引っ張る。
鶴屋「あっ…」
キョン「犬が服を着ますか?」
鶴屋「着る犬もいるさ…」
キョン「それは『着る』んじゃなく『着させられてる』んですよ」
鶴屋「…」
キョン「犬に主導権はありません。御主人様が脱げと言えば脱がなければならないんです」
鶴屋「…分かったよ」
――本当に分かっているのだろうか?
キョン「じゃあ…散歩に出かけましょう」
鶴屋「…」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 18:05:15.73:4b/TbOtr0
――放課後の学校。真っ赤に照らされた廊下。
キョン「人は少ないですね」
鶴屋「…部活の子たちは残ってるよ?」
キョン「だから?」
鶴屋「見られたら…」
キョン「見られたら? 何がどうなるんですか?」
鶴屋「…キョン君が、変に思われちゃうよ」
――俺は鞭を取り出した。家畜用の、棒状の鞭を。
鶴屋「ひっ…!」
キョン「…」
――鞭を一回、振るう。白い犬の肌に、赤い線が残る。
鶴屋「っ…!」
キョン「…よく頭が回りますね。けど、俺は別に構わないんですよ」
鶴屋「…人生、棒に振ろうってのかい?」
キョン「それもまた、一興だと思いませんか? ははっ!」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 18:12:00.59:4b/TbOtr0
――俺は狂っているのだろうか? いや、それは無い。
何故なら俺は、自分の狂気を理解しているからだ。
狂人は、自分が狂ってるとは思わない。
俺は狂ってる。だから狂ってない。
鶴屋「歩くのが、早すぎ、る、よっ」
キョン「四つん這いになってるから遅いんですよ」
鶴屋「キョン君が、そうしろって」
――鞭。
鶴屋「~~っ!」
キョン「この白い肌が、真っ赤になるまで続けましょうか?」
鶴屋「…ごめんよ、もう、言わないから、だからっ」
キョン「それなら良いんです」
――校庭からは部活動の連中の声。
鶴屋「…」
キョン「…」
――俺の、俺だけの犬は、従順に歩く。
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 18:18:41.61:4b/TbOtr0
キョン「校庭に、出ましょうか」
鶴屋「え…それはっ、そんな事は、それだけはっ!」
――支離滅裂だ。返事になってない。
キョン「ま、意見を求めたわけじゃないんですけどね」
鶴屋「…」
キョン「前もって、教えてあげただけです」
――次に起こる事を、予め教えて貰えれば心の準備が出来るだろう?
違う。
絶対に回避できない未来に、恐怖する顔が見たかっただけだ。
鶴屋「服…せめて、服、だけでも…」
――何を言っているのだろう?
さっき言ったはずじゃないか。
犬に服は着せない、と。
キョン「さあ、こっちです」
鶴屋「そっ、そんなに引っ張らなくてもっ!」
キョン「うるさいっ!」
鶴屋「ひっ!」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 18:31:07.63:4b/TbOtr0
キョン「このっ! 俺にっ! 逆らうなっ!」
――鞭を、己の衝動の赴くままに、犬の背中に、叩きつける。
鶴屋「っ! やっ、やめっ! やめてくださいっ!」
――犬は、泣いている。鳴いている。
キョン「はあっ、はあっ、はあっ」
――犬の背中は、真っ赤に腫れ上がった。皮膚が裂け、血が滴る。
鶴屋「分かった…分かりまし、た…逆らいません、だから、これ以上は…」
キョン「はあ、はあ、はあ」
鶴屋「…」
キョン「…分かれば、良いんですよ。分かれば」
――犬は理解した。理解しなくてはならない。
この俺には逆らえないのだと。
キョン「…あれは、野球部の連中ですね」
鶴屋「…うん」
キョン「グラウンドの真ん中で、小便をしましょう」
鶴屋「…っ!?」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 18:39:08.79:4b/TbOtr0
キョン「地面は土です。小便くらい大丈夫です」
鶴屋「や、野球部のみんなに、迷惑が…」
――鞭。
キョン「小便を、するんです」
鶴屋「…分かりました」
――俺たちが近づくにつれ、野球部の連中が気がつき始めた。
指を差し、何やら喚いている。
構うものか。
野球部員「お前たち、一体何を…」
キョン「どけ。ここで犬に小便をさせる」
野球部員「い、犬…?」
――ニキビ面の丸刈りが、犬を見て生唾を飲み込む。
俺の犬だ。貴様は見るだけだ。
鶴屋「こっ、ここで…するのかい?」
キョン「そうですよ。みんなに見てもらえますね」
――野球部員の何人かは、わざわざ携帯を持ち出し、録画しようとしていた。
オーケィ、いいさ。見るだけだ。許してやるよ。
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 18:49:26.58:4b/TbOtr0
――俺は犬の腹を、軽く靴で蹴ってやった。
鶴屋「んんんっ…!」
――中々出ない。本気で出そうとしているのか?
キョン「鞭も必要ですかね?」
鶴屋「ま、待ってほしい…よっ」
―― 一滴。
最初の一滴が、垂れた。
キョン「…おお」
鶴屋「み、見ないでぇ! 携帯で撮らないでぇ!」
――その後は、出るわ出るわ。
犬は、いやらしいくらいに、どぼどぼと小便を垂れ流す。
ピッチャーマウンドに、小さな水たまりができちまった。
キョン「見ていてくれた人たちに、お礼を言ってください」
鶴屋「あ…う…ありが、とう、ございまし、た…」
キョン「何をしたのを見て頂いての、『ありがとうございました』なんですか?」
鶴屋「…お、おしっこ、するのを、見て、頂いて、ありがと、う、ござい、まし、た」
キョン「…それで良いんです」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 18:58:15.74:4b/TbOtr0
キョン「…ところで、これ、何か分かりますか?」
鶴屋「スコップ、と…ビニール、袋?」
キョン「せっかく用意したんで、これも使いたいんです」
――犬の顔色が、真っ青になった。
鶴屋「だ、駄目だよ…大きいほうは、本当に…」
キョン「ンキィャーーーーーーーーーーーーーッ!」
鶴屋「ひぃっ!」
キョン「もう小便を垂れ流してるだろうが! 糞を捻り出すのも大して変わらないだろ!」
――右手の鞭を、滅茶苦茶に振るう。
左手にも鞭があれば良かったのに。
ああ、左手にはリードを持ってなきゃいけない。
鞭は、右手にしか持てない。
鶴屋「…も、もうやめて、やめてください…逆らわないから、逆らいませんから!」
キョン「むふぅー、ふー」
鶴屋「うん…ち、だよね」
キョン「…はい。マウンドを、高くしてやりましょう!」
鶴屋「あ、は、はは…」
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 19:17:17.81:qhVVYf2v0
――野球部員たちは、既に好奇心の塊となり、俺たちのすぐ傍で見学していた。
いや、野球部員だけじゃなく、他の部活、サッカー部、陸上部、果ては文化系の部であろう、
土や泥で汚れていない制服の奴らが、一斉に携帯のカメラを向けていた。
キョン「さあ、皆さんのご期待通りに…」
鶴屋「…だよ、駄目だよ…」
キョン「その綺麗な尻の穴から、ド臭い大便を捻り出しやがれぇ!」
――犬の顔が真っ赤に染まる。
羞恥と、興奮と、大便を排泄する為の力を入れたその顔は。
実に夕日とマッチングしていた。
鶴屋「…ゃぁ…ぁ…ぁ」
――肛門が捲れ上がり、そこから大きな糞の塊が、ゆっくりと、
しかし確実に、このグラウンドの中心に降臨しようとしていた。
俺は俺たちを囲んでいる衆愚どもと同じようにその光景に食い入るように魅入られていた。
鶴屋「ぁ…ぁぁ…んっ!」
――少し、左に曲がった、一本糞が、この北高のグラウンドに誕生されたのだ。
犬と呼ばれる、人間だったそれは、もはやその尊厳の欠片すら無く、
自分が産み出した御糞を虚ろな目で見つめ続けるだけだった。
キョン「…良く、やった」
――俺の褒め言葉も耳に届いていないだろう、その姿は携帯で動画として残された。
この情報化社会での流布するスピードを考えるに、世界的にこの犬はこれまでの人としての生活を変えられるのだ。
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 19:34:13.73:4b/TbOtr0
――俺は犬の頭に足を置き、犬は俺の靴を舐める。
そこに対等な関係などという愚かしいものは存在せず、
主と従の、ごくシンプルな縦社会が構成されていた。
鶴屋「…」
キョン「…」
――既に俺たちに言葉は必要ではなかった。
ただ見て、見返して、それで通じる。
これが本来有るべき姿なのだと分かっていた。
野次馬「これ、いいのかよ…?」
野次馬「マジで? マジもん?」
野次馬「おい、大至急、部室に戻ってホームページを開設しろ!コンピ研が全てを始めるのだ!」
――そう。
既に俺と犬は俺だけの存在ではなくなっていた。
本質としての関係は犬と御主人様ではあるが、もはや俺たちは公人であり私人ではない。
一挙一動が衆愚に観察される、言わば役人としての公的立場を得てしまったと言えよう。
俺は犬の顔に近づく為に跪き、腹を撫でてやると犬は大いに喜んだ。
背中の赤真っ赤な鞭の後を夕日が焼いて血が滴り、
それは俺と犬をつなげるリードの代替物と成りえる生の印である。
本来なら従えて置くべきはずの犬に対して俺が今、持ち得た感情は愛情と言ってもよいものであり、
その犬の首輪を引っ張り顔を向けさせて唇にキスをするのは当然の行為であり、
俺は犬と混合すべく全裸になって犬と同じ地点まで落ちる。
頭上には何も無く俺は犬に犬は俺にと変化を続けそれは正に、
正に俺が求めてやまなかった平穏無事の生活を明示させるものだった。
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 19:58:55.85:4b/TbOtr0
――
キョン「…とまあこんな感じか」
――俺が話し終えるとハルヒは溜息を吐いた。
ハルヒ「あんたが馬鹿なのは知ってたけど…ここまで馬鹿だとは思わなかった」
――ハルヒが俺に向けるのは軽蔑の眼差しではなく哀れみの感情。
キョン「しかし俺は後悔はしていない」
ハルヒ「…そう。あんたの親と、妹ちゃん…悲しんでたわ」
キョン「済まなかったと伝えてくれるか」
ハルヒ「団長である、あたしの監督不行き届きだもの…それくらいはするわ」
キョン「『犬』は元気にしているか?」
ハルヒ「とても元気よ。…『犬』、としてはね。でも彼の御両親はあんたのことを」
キョン「覚悟していた事だ。不本意だが裁判は受けるさ」
ハルヒ「…古泉君を壊したように、あんたはあんた自身を壊してるのね。
鶴屋さん、言ってたわ。『キョン君を止められなかった事が、私の罪だ』って」
キョン「あの人がいなければ俺と犬…古泉の関係は構築できなかった。礼を言っておいてくれ」
ハルヒ「礼なんて言ったら自殺するわ、鶴屋さん。今でさえ、髪の毛が全部抜けちゃってるくらいなのに」
【終】
51:南部十四朗 ◆pTqMLhEhmY :2011/01/10(月) 19:59:36.30:4b/TbOtr0
キョン「今更、嫌だとでも言うんですか?」
鶴屋「違うよ、嫌じゃない、だけど…」
キョン「俺は御主人様ですよ? 犬は犬らしく、言う事を聞くもんです」
鶴屋「…せめて、服だけでも」
――リードを更に、ぐいと引っ張る。
鶴屋「あっ…」
キョン「犬が服を着ますか?」
鶴屋「着る犬もいるさ…」
キョン「それは『着る』んじゃなく『着させられてる』んですよ」
鶴屋「…」
キョン「犬に主導権はありません。御主人様が脱げと言えば脱がなければならないんです」
鶴屋「…分かったよ」
――本当に分かっているのだろうか?
キョン「じゃあ…散歩に出かけましょう」
鶴屋「…」
――放課後の学校。真っ赤に照らされた廊下。
キョン「人は少ないですね」
鶴屋「…部活の子たちは残ってるよ?」
キョン「だから?」
鶴屋「見られたら…」
キョン「見られたら? 何がどうなるんですか?」
鶴屋「…キョン君が、変に思われちゃうよ」
――俺は鞭を取り出した。家畜用の、棒状の鞭を。
鶴屋「ひっ…!」
キョン「…」
――鞭を一回、振るう。白い犬の肌に、赤い線が残る。
鶴屋「っ…!」
キョン「…よく頭が回りますね。けど、俺は別に構わないんですよ」
鶴屋「…人生、棒に振ろうってのかい?」
キョン「それもまた、一興だと思いませんか? ははっ!」
――俺は狂っているのだろうか? いや、それは無い。
何故なら俺は、自分の狂気を理解しているからだ。
狂人は、自分が狂ってるとは思わない。
俺は狂ってる。だから狂ってない。
鶴屋「歩くのが、早すぎ、る、よっ」
キョン「四つん這いになってるから遅いんですよ」
鶴屋「キョン君が、そうしろって」
――鞭。
鶴屋「~~っ!」
キョン「この白い肌が、真っ赤になるまで続けましょうか?」
鶴屋「…ごめんよ、もう、言わないから、だからっ」
キョン「それなら良いんです」
――校庭からは部活動の連中の声。
鶴屋「…」
キョン「…」
――俺の、俺だけの犬は、従順に歩く。
キョン「校庭に、出ましょうか」
鶴屋「え…それはっ、そんな事は、それだけはっ!」
――支離滅裂だ。返事になってない。
キョン「ま、意見を求めたわけじゃないんですけどね」
鶴屋「…」
キョン「前もって、教えてあげただけです」
――次に起こる事を、予め教えて貰えれば心の準備が出来るだろう?
違う。
絶対に回避できない未来に、恐怖する顔が見たかっただけだ。
鶴屋「服…せめて、服、だけでも…」
――何を言っているのだろう?
さっき言ったはずじゃないか。
犬に服は着せない、と。
キョン「さあ、こっちです」
鶴屋「そっ、そんなに引っ張らなくてもっ!」
キョン「うるさいっ!」
鶴屋「ひっ!」
キョン「このっ! 俺にっ! 逆らうなっ!」
――鞭を、己の衝動の赴くままに、犬の背中に、叩きつける。
鶴屋「っ! やっ、やめっ! やめてくださいっ!」
――犬は、泣いている。鳴いている。
キョン「はあっ、はあっ、はあっ」
――犬の背中は、真っ赤に腫れ上がった。皮膚が裂け、血が滴る。
鶴屋「分かった…分かりまし、た…逆らいません、だから、これ以上は…」
キョン「はあ、はあ、はあ」
鶴屋「…」
キョン「…分かれば、良いんですよ。分かれば」
――犬は理解した。理解しなくてはならない。
この俺には逆らえないのだと。
キョン「…あれは、野球部の連中ですね」
鶴屋「…うん」
キョン「グラウンドの真ん中で、小便をしましょう」
鶴屋「…っ!?」
キョン「地面は土です。小便くらい大丈夫です」
鶴屋「や、野球部のみんなに、迷惑が…」
――鞭。
キョン「小便を、するんです」
鶴屋「…分かりました」
――俺たちが近づくにつれ、野球部の連中が気がつき始めた。
指を差し、何やら喚いている。
構うものか。
野球部員「お前たち、一体何を…」
キョン「どけ。ここで犬に小便をさせる」
野球部員「い、犬…?」
――ニキビ面の丸刈りが、犬を見て生唾を飲み込む。
俺の犬だ。貴様は見るだけだ。
鶴屋「こっ、ここで…するのかい?」
キョン「そうですよ。みんなに見てもらえますね」
――野球部員の何人かは、わざわざ携帯を持ち出し、録画しようとしていた。
オーケィ、いいさ。見るだけだ。許してやるよ。
――俺は犬の腹を、軽く靴で蹴ってやった。
鶴屋「んんんっ…!」
――中々出ない。本気で出そうとしているのか?
キョン「鞭も必要ですかね?」
鶴屋「ま、待ってほしい…よっ」
―― 一滴。
最初の一滴が、垂れた。
キョン「…おお」
鶴屋「み、見ないでぇ! 携帯で撮らないでぇ!」
――その後は、出るわ出るわ。
犬は、いやらしいくらいに、どぼどぼと小便を垂れ流す。
ピッチャーマウンドに、小さな水たまりができちまった。
キョン「見ていてくれた人たちに、お礼を言ってください」
鶴屋「あ…う…ありが、とう、ございまし、た…」
キョン「何をしたのを見て頂いての、『ありがとうございました』なんですか?」
鶴屋「…お、おしっこ、するのを、見て、頂いて、ありがと、う、ござい、まし、た」
キョン「…それで良いんです」
キョン「…ところで、これ、何か分かりますか?」
鶴屋「スコップ、と…ビニール、袋?」
キョン「せっかく用意したんで、これも使いたいんです」
――犬の顔色が、真っ青になった。
鶴屋「だ、駄目だよ…大きいほうは、本当に…」
キョン「ンキィャーーーーーーーーーーーーーッ!」
鶴屋「ひぃっ!」
キョン「もう小便を垂れ流してるだろうが! 糞を捻り出すのも大して変わらないだろ!」
――右手の鞭を、滅茶苦茶に振るう。
左手にも鞭があれば良かったのに。
ああ、左手にはリードを持ってなきゃいけない。
鞭は、右手にしか持てない。
鶴屋「…も、もうやめて、やめてください…逆らわないから、逆らいませんから!」
キョン「むふぅー、ふー」
鶴屋「うん…ち、だよね」
キョン「…はい。マウンドを、高くしてやりましょう!」
鶴屋「あ、は、はは…」
ンキィヤーーーーーッwwwwwwww
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 19:15:40.89:4b/TbOtr0――野球部員たちは、既に好奇心の塊となり、俺たちのすぐ傍で見学していた。
いや、野球部員だけじゃなく、他の部活、サッカー部、陸上部、果ては文化系の部であろう、
土や泥で汚れていない制服の奴らが、一斉に携帯のカメラを向けていた。
キョン「さあ、皆さんのご期待通りに…」
鶴屋「…だよ、駄目だよ…」
キョン「その綺麗な尻の穴から、ド臭い大便を捻り出しやがれぇ!」
――犬の顔が真っ赤に染まる。
羞恥と、興奮と、大便を排泄する為の力を入れたその顔は。
実に夕日とマッチングしていた。
鶴屋「…ゃぁ…ぁ…ぁ」
――肛門が捲れ上がり、そこから大きな糞の塊が、ゆっくりと、
しかし確実に、このグラウンドの中心に降臨しようとしていた。
俺は俺たちを囲んでいる衆愚どもと同じようにその光景に食い入るように魅入られていた。
鶴屋「ぁ…ぁぁ…んっ!」
――少し、左に曲がった、一本糞が、この北高のグラウンドに誕生されたのだ。
犬と呼ばれる、人間だったそれは、もはやその尊厳の欠片すら無く、
自分が産み出した御糞を虚ろな目で見つめ続けるだけだった。
キョン「…良く、やった」
――俺の褒め言葉も耳に届いていないだろう、その姿は携帯で動画として残された。
この情報化社会での流布するスピードを考えるに、世界的にこの犬はこれまでの人としての生活を変えられるのだ。
――俺は犬の頭に足を置き、犬は俺の靴を舐める。
そこに対等な関係などという愚かしいものは存在せず、
主と従の、ごくシンプルな縦社会が構成されていた。
鶴屋「…」
キョン「…」
――既に俺たちに言葉は必要ではなかった。
ただ見て、見返して、それで通じる。
これが本来有るべき姿なのだと分かっていた。
野次馬「これ、いいのかよ…?」
野次馬「マジで? マジもん?」
野次馬「おい、大至急、部室に戻ってホームページを開設しろ!コンピ研が全てを始めるのだ!」
――そう。
既に俺と犬は俺だけの存在ではなくなっていた。
本質としての関係は犬と御主人様ではあるが、もはや俺たちは公人であり私人ではない。
一挙一動が衆愚に観察される、言わば役人としての公的立場を得てしまったと言えよう。
俺は犬の顔に近づく為に跪き、腹を撫でてやると犬は大いに喜んだ。
背中の赤真っ赤な鞭の後を夕日が焼いて血が滴り、
それは俺と犬をつなげるリードの代替物と成りえる生の印である。
本来なら従えて置くべきはずの犬に対して俺が今、持ち得た感情は愛情と言ってもよいものであり、
その犬の首輪を引っ張り顔を向けさせて唇にキスをするのは当然の行為であり、
俺は犬と混合すべく全裸になって犬と同じ地点まで落ちる。
頭上には何も無く俺は犬に犬は俺にと変化を続けそれは正に、
正に俺が求めてやまなかった平穏無事の生活を明示させるものだった。
――
キョン「…とまあこんな感じか」
――俺が話し終えるとハルヒは溜息を吐いた。
ハルヒ「あんたが馬鹿なのは知ってたけど…ここまで馬鹿だとは思わなかった」
――ハルヒが俺に向けるのは軽蔑の眼差しではなく哀れみの感情。
キョン「しかし俺は後悔はしていない」
ハルヒ「…そう。あんたの親と、妹ちゃん…悲しんでたわ」
キョン「済まなかったと伝えてくれるか」
ハルヒ「団長である、あたしの監督不行き届きだもの…それくらいはするわ」
キョン「『犬』は元気にしているか?」
ハルヒ「とても元気よ。…『犬』、としてはね。でも彼の御両親はあんたのことを」
キョン「覚悟していた事だ。不本意だが裁判は受けるさ」
ハルヒ「…古泉君を壊したように、あんたはあんた自身を壊してるのね。
鶴屋さん、言ってたわ。『キョン君を止められなかった事が、私の罪だ』って」
キョン「あの人がいなければ俺と犬…古泉の関係は構築できなかった。礼を言っておいてくれ」
ハルヒ「礼なんて言ったら自殺するわ、鶴屋さん。今でさえ、髪の毛が全部抜けちゃってるくらいなのに」
【終】
鶴屋さんが犬で終わらせても良いのですが、
何も悪くない鶴屋さんをどうしてこんな酷い、犬畜生の扱いができましょうか。
鶴屋さんは鶴屋さんであってその上でも下でもないのです。
彼女がウンチングスタイルで顔を真っ赤に染め上げてる光景を思い浮かべ、
興奮しているような人はサディストであり、その性的趣向はとても理解できますが、
されとてそれを文章にする事は鶴屋さんに対する侮辱であり、
今後発行される涼宮ハルヒシリーズで鶴屋さんが登場するたびに『犬』として見てしまう自分を
容易に予想できるので、その『犬』の役割を古泉一樹に任せた次第であります。
どうもありがとうございました。
2011年1月10日 鶴屋さんのイラストに向かい深い謝罪をしつつ。
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 20:02:03.64:Hsc0MHJG0何も悪くない鶴屋さんをどうしてこんな酷い、犬畜生の扱いができましょうか。
鶴屋さんは鶴屋さんであってその上でも下でもないのです。
彼女がウンチングスタイルで顔を真っ赤に染め上げてる光景を思い浮かべ、
興奮しているような人はサディストであり、その性的趣向はとても理解できますが、
されとてそれを文章にする事は鶴屋さんに対する侮辱であり、
今後発行される涼宮ハルヒシリーズで鶴屋さんが登場するたびに『犬』として見てしまう自分を
容易に予想できるので、その『犬』の役割を古泉一樹に任せた次第であります。
どうもありがとうございました。
2011年1月10日 鶴屋さんのイラストに向かい深い謝罪をしつつ。
乙
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 23:54:12.57:uDROIMEU0南部に初めてリアルタイムで会えた
コメント 9
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(゚д゚)ポカーン
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管理人さんgj。
南部はん最高やw
どうしてくれる。