- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 17:49:43.82:GQz+BPJf0
梓「これ……何ですか?」
紬「日本人形よ」
律「にしても大きいな、梓と同じぐらいあるんじゃないかー?」ニヤリ
梓「な、私はちっちゃくないです!律先輩だって人のこと言えるほどじゃないですよ!」
律「う……まぁ、そうだけどさ」
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4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 17:57:27.49:GQz+BPJf0
唯「可愛いね、このお人形さん!」
澪「私は日本人形ってだけでイワクがありそうでなんか怖いな……」
律「澪は怖がりだなー、ほれ、何もないって!」ポン
人形「コンニチハ」
律「ぎゃあああああああああ!」
紬「これはただの日本人形じゃなくて、中にロボットが入っててご挨拶とかできるのよ♪」
律「お、驚かせやがって……」
梓「……ぷっ」
律「な、中野ぉおおおおお!」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 18:02:44.83:GQz+BPJf0
唯「こんにちはー」
人形「コンニチハ」
梓「なんか……不気味ですね」
澪「な、なんでこんな悪趣味なものが軽音部に……?」
紬「たまたま家に置いてたのを見かけて、面白そうだから持ってきちゃった♪」
澪「いいのか?仕事の関係の物じゃないのか?」
紬「お人形屋さんの取引先からのお土産だそうよ、お父様も別に興味ないみたいだし」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 18:08:23.47:GQz+BPJf0
唯「こんなに可愛いのにもったいない!この子は今日からウチの部員にしてあげよう!」
梓「ただでさえスッポンモドキが部員なのに……また変な部員が増えちゃうんですか?」ハァ
律「じゃあ入部記念にとりあえず……ネコミミとメイド服と……」ガサゴソ
梓「日本人形なのにメイド服ですか!?」
律「お!梓の服サイズほぼぴったり!」
梓「……腑に落ちない」
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 18:15:32.54:GQz+BPJf0
律「髪を結んで……はい、梓完成!」
梓「な!私日本人形じゃないです!」
唯「でも本当にあずにゃんみたーい、じゃあキミは今日からあずにゃん2号だね!」
梓「……あずにゃん2号は既にいるんですけど」ボソッ
唯「?」
梓「な、なんでもないです!」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 18:23:14.93:GQz+BPJf0
紬「でも良かったわ、気に入ってもらえて♪」
澪「メイド服着てると不思議と怖くないな」
律「じゃあ早速演奏を聞かせてやろう!」
梓「珍しく乗り気ですね、今度から毎日部員を増やしましょうか」
律「やめてー!」
唯「じゃあこれから演奏するから聞いていってね、あずにゃん2号!」
人形「……」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 18:29:22.63:GQz+BPJf0
ジャンジャカジャーン♪
唯「ふう、今日は演奏がはかどるぜ」
律「なんじゃそら」
梓「でも確かに今日は唯先輩調子良かったですね」
唯「でしょでしょー」
澪「これがみんなのいい刺激になればいいんだけどな」
紬「多分みんな明日にはお人形で遊んでるわね♪」
澪「だろうな」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 18:34:33.47:GQz+BPJf0
紬「じゃあお人形さんは部室に置いておきましょうか」
唯「私持って帰りたーい!」
律「流石に大きすぎるだろ……」
唯「ムギちゃーん」
紬「そうね……じゃあ明日唯ちゃんの家に連れて行きましょう♪」
唯「やったー!」
律「良かったなー、唯」
唯「うん!」
梓「……そんなに嬉しいものかなぁ」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 18:42:00.76:GQz+BPJf0
唯「じゃあね、あずにゃん2号!寂しくなったらトンちゃんに言ってね!」
人形「サヨウナラ」
律「亀と人形が話してる図とかシュールだな……」
澪「独りでに話す日本人形……」ガクガク
梓「何勝手に想像して怯えてるんですか……」
紬「じゃあ電源をオフにして……と」ポチッ
律「電源なんてあるんだなー」
紬「ちなみにソーラー電池だそうよ」
梓「へー」
人形「……」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 18:50:41.76:GQz+BPJf0
その日、天気予報は大きく外れ、晩から大雨が降り始めた
酷い雷に怯える者、無駄にテンションが上がってしまった者、普段と変わらぬ者……
それぞれが平凡な夜を過ごしていた
そのころ軽音部の部室では……
ぴしゃーんごろごろ!
人形「……」
ぴしゃーん!ばちばち!
人形「……」ピクッ
トンちゃん「……!」ササッ
「私は……」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 19:06:25.29:GQz+BPJf0
唯「昨日は酷い雨だったねー」
律「雷ってなんかテンション上がるよなー」
澪「男の子か!」
律「そういう澪しゃんはビクビク震えてたんでしょう?」ニヤニヤ
澪「そ、それは……」
唯「どうなのー?」ニヤニヤ
紬「どうだったの?」ニヤニヤ
澪「あぅ……」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 19:12:20.75:GQz+BPJf0
律「しっかし今日はよく晴れたもんだ」
唯「雨降って地固まる、って言うしね」
澪「関係ないだろ」
澪「でも雨が降った日の後は空気中の埃が無くなって空気が澄んでるから私は好きだな」
紬「虹とかもできるし、雨は上がった後が素敵よね」
律「地面ぐしゃぐしゃだけどな」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 19:13:27.08:61ML9u+p0
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 19:19:38.02:GQz+BPJf0
唯「あれ?今あずにゃんが走ってなかった?」
律「ん、見てなかった、ちょっと追っかけてみるか!」
澪「おいやめろよ、梓だって忙しいんだろ」
紬「そうよ、後で理由でも聞きましょう」
唯「うん、そうだね」
律「ありゃー、唯の同意得られなかったか―」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 19:24:49.18:GQz+BPJf0
梓「でね、その人形が……」
純「あはは、憂のお姉さんらしいね!」
憂「……?」
梓「憂、どうしたの?」
憂「……なんか今、梓ちゃんみたいな人がいた様な気がして」
純「憂ー、怖いこと言わない!」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 19:30:26.89:GQz+BPJf0
梓「もしかして……ドッペルゲンガー?」
純「……見たら死ぬ奴?」
憂「大変!どうにかしないと!」
梓「どうにかって……きっと見間違いだよ」
憂「だといいんだけど……」
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 19:38:43.78:GQz+BPJf0
きーんこーんかーんこーん
唯「ふあー、やっとお昼だぁ」グー
律「お前はお菓子食ってただろ」
唯「でも減るものは減るんだよぅ」
紬「……そうだ!今日はあずにゃん2号ちゃんと一緒に食べましょう♪」
唯「うん、さんせー!」
律「部室行くのめんどくさくないか?」
澪「私も行こうかな」
律「えー……まぁいっか」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 19:43:32.34:GQz+BPJf0
唯「あ、あずにゃん!」ダキッ
梓「……!」ビクッ
唯「あずにゃん、どうかしたの?」
梓「こ、こんにちは……」
律「?」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 19:48:36.29:GQz+BPJf0
澪「そういえば今日の朝、梓が走ってたって唯が言ってたけど……」
梓「……」ブンブン
紬「何か急いでるの?」
梓「!」コクコク
唯「そっか、じゃあまたねー」
梓「さようなら……」ダダダッ
澪「……さようなら?」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 19:57:46.58:GQz+BPJf0
唯「あずにゃん2ごー!ご飯食べに来たよー!」ガチャ
唯「……あれ?いない」
紬「盗まれた!?」
澪「律、鍵ちゃんと掛けたか!?」
律「わ、私!?ちゃんと掛けたよ!」
唯「となるとあとはさわちゃんか……」
律「……梓じゃないか?」
唯「なんで!?りっちゃんは部長なのに部員を疑うの!?」
澪「唯も顧問疑っただろ」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:02:43.67:GQz+BPJf0
律「だって梓今日変だっただろ」
紬「確かに」
律「きっと朝に壊したかなんかで埋めてきたんだよ!」
律「それで今日挙動不審だったのも、走ってたのも説明つくだろ?」
澪「信じたくないけど……辻褄は合うな」
唯「私は信じないよ!あずにゃんに電話して直接聞くもん!」
律「あいつが口を割るかどうか……」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:10:37.71:GQz+BPJf0
憂「でね、お姉ちゃんが牛乳溢しちゃって……」
純「あー、それでモップね」
ぶぃーん、ぶぃーん
梓「あ、唯先輩から電話!ちょっと待っててね」
唯『あずにゃん!あずにゃんは犯人じゃないよね!?』
梓「はぁ?」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:17:55.16:GQz+BPJf0
澪『おい、いきなりじゃ分からないだろ!』
唯『あ、そっか』
梓「どうしたんですか?」
唯『あずにゃん2号がどっか行っちゃったの!あずにゃん知らない?』
梓「私は知りませんけど……」
唯『そっか、良かった―!』
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:22:39.46:GQz+BPJf0
梓「待ってください!犯人って……その犯人のことですか?」
唯『うん』
梓「なんで私が?」
唯『りっちゃんたちがさっき廊下で会ったあずにゃんがキョドーフシンだからうんぬんって聞かなくて……』
梓「?」
梓「会いましたっけ?」
唯『え!?』
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:26:32.14:GQz+BPJf0
梓「私は別にみなさんに会ってないし、挙動不審に思われるようなこともしてませんよ?」
唯『嘘……でも確かに……』
梓「……ドッペル……ゲンガー」
唯『と、とにかく一度切るね!』プツン
梓「……」
純「どったん?」
梓「ドッペルゲンガー……やっぱりいるかもしれない……」
憂「!?」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:32:46.85:GQz+BPJf0
唯「というわけで、あずにゃんは犯人じゃないみたいです!」フンス
律「いやいや、明らかに梓しらを切ってるだろ!」
唯「きっとあずにゃんのニセモノがあずにゃんのフリをして評判を落とそうとしてるんだよ!」
律「偽ライダーじゃあるまいし……」
紬「さっきよく見てなかったけど、目がつり上がってたり靴が尖ってたりしたのかしら♪」キラキラ
澪「ムギ……それも違うと思うぞ」
律「まぁいいや、犯人と人形探しは後にしてご飯食べるぞ」
唯「あ、そういえばお腹ぺこぺこ……」グーギュルルル
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:37:53.17:GQz+BPJf0
放課後
唯「あずにゃんまだ来てないね」
律「やっぱりあいつが……」
澪「こら、もういいだろ」
紬「りっちゃんは自分が疑われて怒ってるだけ、よね?」
律「……」ブー
がちゃ
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:47:43.69:GQz+BPJf0
梓「……!」
唯「あ、あずにゃん!」
梓「!」バタン
澪「逃げた……?」
律「やーっぱ怪しい!どう見てもあいつだろ!」
紬「待って!お昼の話で怒られるんじゃないかと思ってるだけかもしれない!」
唯「私追いかける!」
澪「あ、唯!」
紬「行っちゃった……」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:54:27.67:GQz+BPJf0
梓「こんにちはー」ガチャ
律「おい梓!さっきのはどういう……」
梓「!?」
澪「待て律……梓、なんでさっき出ていったんだ?」
梓「え?何のことですか?」
律「またそれで逃げようと……」
紬「まぁまぁ……」
唯「あずにゃん捕まえてきたよー!」ガチャ
梓?「……!」アセアセ
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:01:16.23:GQz+BPJf0
梓「な……っ!?」
梓?「……」
唯「……あれ?」
律澪紬「……」
梓?「!」ダダダッ
唯「あ、待って……」
律「追え―!あいつがルパンだー!」
唯「あ、あいあいさー!」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:06:14.67:GQz+BPJf0
梓「……」
純『……見たら死ぬ奴?』
梓「私……死ぬの?」
澪「あ、梓が二人……」
紬「だ、大丈夫よ梓ちゃん、澪ちゃん!きっと唯ちゃんが間違えて連れてきちゃったのよ!」
澪「世界には同じ顔の人間が3人はいるって言うし……そうとしか説明が……」
梓「今までそんな子見たことも聞いたこともありませんよ!」
紬「……」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:13:10.16:GQz+BPJf0
憂「あれ?梓ちゃん、部活は?」
梓?「きょ、今日は唯先輩調子良かったですね……」
憂「?」
梓?「……」ダダダッ
憂「あ、梓ちゃん?」
唯「はぁ……はぁ……」
憂「お姉ちゃん!どうしたの!?」
唯「あ、あずにゃんのニセモノが……」ゼェゼェ
憂「も、もしかしてさっきのって……」
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:21:32.64:GQz+BPJf0
憂「私が探すからお姉ちゃんは休んでて!」
唯「す、すまんねぇ憂……捕まえたら部室に連れてきてね……」
憂(探さなきゃ!絶対に梓ちゃんを殺させはしない!)
唯「気を付けてねー……」
憂「任せて!」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:25:18.03:GQz+BPJf0
律「あ、斉藤さん!」
純「鈴木です」
律「梓知らない?」
純「梓なら軽音部に行きましたけど……」
律「その梓じゃなくて……その……」
純「?」
律「まぁいいや!ごめんな!伊藤さん!」
純「鈴木なのに……」
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:36:13.21:GQz+BPJf0
憂(……いた!)
憂「梓ちゃん?ちょっと用があるんだけど……」
梓?「!」
憂「いいかな?」
梓?「……な、なんでもないです」
憂(この先は階段一つしかないし、走れば捕まえられる!)
律「見つけたぁ!」
梓?「!」
憂「律さんナイスタイミングです!はさみ撃ちにします!」
律「おう!憂ちゃん手伝ってくれるのか!」
梓?「……」オロオロ
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:40:47.94:GQz+BPJf0
律「確保ー!」
梓?「……」
律「あれ?」
憂「観念したんじゃないですか?」
律「ようし、そのまま連行だ!」
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:46:49.43:GQz+BPJf0
律「捕まえてきたぞー!」
憂「来ましたー」
梓?「……」
唯「ふごい、もうつかまえへきはんあー」モグモグ
律「超くつろいでる……!」
澪「御苦労さま」
紬「じゃあ早速偽物さんの意見を聞きましょうか」
梓「……」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:51:43.73:GQz+BPJf0
梓?「……あずにゃん2号……部員」
律「?」
梓?「……私は日本人形じゃないです」
梓「……昨日の……会話?」
紬「も、もしかして……」
澪「」キュー
律「ああ!澪が気絶した!」
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:58:55.05:GQz+BPJf0
唯「もしかして、あずにゃん2号?」
梓?「……」コクッ
律「そ、そんな……」
梓「ドッペルゲンガーじゃなくて良かった……」ホッ
憂「良かったね、梓ちゃん」
紬「でもにわかには信じられないわ、動いて回る機能があるなんて聞いてないし、言葉も覚えないはず……」
梓2「……ぴしゃーん!」
梓「!」ビクゥ
律「……雷?まさかそれで?」
梓2「!」コクコク
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:05:37.77:GQz+BPJf0
紬「雷でロボットが意思を持つとか、おとぎ話みたいねー♪」
律「どっちかってとSFだろ」
唯「でも制服は?昨日はメイド服だったよね」
梓2「……」 rァ
律「あ、あそこに制服とかあったのか」
憂「よく見てみると二―ソックスだけで靴も履いてない……」
唯「でもこれで正式な部員としてあずにゃん2号を入れられるね!」
律「でもロボットだろー……」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:09:39.22:GQz+BPJf0
唯「あずにゃん2号も音楽やりたいよねー」
梓2「……うん」コクコク
唯「言葉も覚えさせなきゃ!」
憂「お姉ちゃん、新しい妹ができたみたいにはしゃいでるねー」
梓「……憂は悔しくない?」
憂「なんで?お姉ちゃん面白そうだし、私は嬉しいよ?」
梓「そっか……」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:13:20.69:GQz+BPJf0
律「みーお、起きろ!」
澪「う、うーん……」
唯「あずにゃん2号は見事に人間になりました!」ジャーン
澪「……はい?」
律「雷で意思を持ったんだとさ」
澪「」ブクブク
紬「ああ!澪ちゃんがまた!」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:22:16.30:GQz+BPJf0
唯「ほら覚えて、ひ・ら・さ・わ・ゆ・い!」
梓2「ひ・ら・さ・わ・ゆ・い……」
唯「すごーい!もう覚えた!」
律「私は田井中律!美人の超人気者ドラマーだぜ!」
梓2「……」
律「うおーーーー!なんで私のは覚えないんだ!」
澪「ムギの予言通り今日は人形遊びで終わりそうだな」
紬「そうね」
憂「じゃあ私はこれで」
梓「またね、憂」
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:28:17.04:GQz+BPJf0
唯「じゃあ約束通り今日はあずにゃん2号はウチに来てもらいます!」
律「あ、ずりーぞ!私んちで私を称賛する言葉を教え続けるんだ!」
唯「私は昨日から予約してたもん!」
律「昨日とは事情が変わったからなしだ!」
紬「まぁまぁ、明日はりっちゃんの家に連れていけばいいじゃない」
唯「だってさー」
律「ちぇー」
梓「……」
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:33:21.64:GQz+BPJf0
唯先輩は嬉しそうに、私に似た人形と帰宅した
私は心の中には何故だかもやもやした感覚が残った
……まさか人形に嫉妬?
いやいや、ないない、だいたい唯先輩にベタベタされるのが別に嬉しいわけでもないし……
それに……そんなレベルの感覚じゃない気がする
もっと、危険な何か……
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:41:36.01:GQz+BPJf0
唯「おはよーみんなー!」
律「おう、唯……と梓2号?」
梓2「……」フルフル
梓2「私の名前は……あずにゃん2号です」
唯「ふんす!」
澪「覚えさせたのか……」
紬「すごいわ!他に何を教えたの?」
唯「例えばねー、私の好きな食べ物は?」
梓2「アイス」
律「……なんかショボくね?」
唯「そ、そんなことないよー!」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:46:02.36:GQz+BPJf0
律「じゃあ唯、責任もってあずにゃん2号部室に連れてけよー」
唯「わかったー」
唯「ほらあずにゃん2号、私達は部室に行くよ」
梓2「……」コクッ
律「いいなー、唯の奴」
澪「律が興味持つとは思わなかったな」
律「私もあんな従順で可愛い妹が欲しい……」
澪「……」
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:50:59.31:GQz+BPJf0
唯「私達はこれから授業だから昨日みたいに勝手に歩き回っちゃダメだよー」
梓2「……」
唯「寂しかったらトンちゃんもいるよ」
梓2「……」
トンちゃん「……」プクプク
唯「じゃあまたねー」
梓2「さようなら」
唯「もー、すぐ戻ってくるから―」
梓2「……」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:55:23.29:GQz+BPJf0
放課後
唯「じゃあ私が教えた言葉を発表します!」
律「どうせ大したもんじゃないんだろ」
唯「あずにゃん2号!私は?」
梓2「好き」
律「なんだと!私は私は?」
梓2「……ニガテ」
律「唯いいいいいい!」グググ
唯「わ、私じゃない……よ」ギブギブ
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:01:06.08:GQz+BPJf0
唯「はぁ~……きっと昨日の料理だよ」
澪「料理?」
唯「昨日私の嫌いなものとか多かったから」
梓「あの憂が……珍しいですね」
唯「ちょうどニガテ克服メニューだったんだよ」
律「でもニガテって言われた……」
澪「なんか、自分のを聞きにくくなっちゃったな……」
紬「わ、私のことは好き!?」
梓「勇者だ……!」
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:06:37.26:GQz+BPJf0
梓2「好き」
紬「わー!ありがとー!」
唯「じゃあ澪ちゃんとあずにゃんは?」
澪「ちょ!唯!」
梓2「……」
梓「……」
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:12:47.25:GQz+BPJf0
梓2「きらい」
澪「がーん!」
律「ぶはははは、きらいだってさ!」
澪「律だってニガテって言われたじゃないか!」
梓「わ、私だってきらいだもん!」
唯律澪紬「……え?」
梓「人形のくせに動きまわって、私に罪を着せて……気持ち悪い!」
梓2「……気持ち悪い……不気味」
唯「ほ、ほら、あずにゃんはツンデレだから……」
梓「私は本気ですよ!」
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:19:02.66:GQz+BPJf0
澪「別にそこまで怒らなくても……」
梓「私、帰ります!」
ばたーん!
紬「……帰っちゃった」
律「……唯のせいだぞー」ポンポン
唯「ご、ごめんなさい……」
梓2「ごめんなさい」
紬「あ、あらー、ちゃんと謝れるのねー!」
律「……おばちゃんかよ」
澪「……」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:25:52.28:GQz+BPJf0
私はそのまま家に帰った
暫くは携帯が鳴っていたが、無視していたら鳴らなくなった
何があずにゃん2号だ!あいつは私じゃない!
私の声までマネして……気持ち悪い!
その上私が嫌いだって?
……頭の中ではそんな思考が永遠にループしていた
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:30:36.50:GQz+BPJf0
お風呂に入ってしばらくすると、少し落ち着いてきた
携帯を見てみる
梓「うわぁ、着信30件……あとメール1件」
梓「メールだけでも見てみよう」
唯『今日はごめんね、あとあずにゃん2号は今日はりっちゃんの家に行ってるよ』
梓「なんでその名前を出すかなぁ……」
私は携帯を机に投げ出し、ベッドに横になった
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:40:42.80:GQz+BPJf0
律「昨日の唯のような間違いは起こさないように、性格も直しておいたぞ!」
澪「あんまりひどいことしてないよな?」
律「信用ないなー」
唯「あずにゃん2号、寂しくなかった?」
梓2「はい!」
紬「元気になってるわ!」
律「しかも敬語だぞ!なんたって後輩だからな」
澪「妹じゃなかったのか?」
律「ほ、ほら、一応みんなの共有財産だし?」
梓2「律先輩はお姉ちゃんじゃありませんから!」
律「ちくしょおおおおお!」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:44:12.39:GQz+BPJf0
梓「……」
梓2「なんですか?」
梓「なんであんたが人間みたいに喋ってるのよ」
梓2「え?」
梓「あんた人形なんでしょ!人形だったらカタコトの日本語でコンニチハって言ってればいいのに!」
梓2「ご、ごめんなさい……」ペコリ
澪「あ、梓……抑えて!」
梓「……っ!」
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:53:16.00:GQz+BPJf0
梓2「昨日はごめんなさい、私言葉の意味も分からないで失礼なことを言ってしまって……」
梓「……」
澪「ホラ、謝ってるしさ、仲直りしよう」
梓「……今回は特別よ?」
梓2「ありがとうございます!」
律「一晩かけて教え込んだからなー」ヒソヒソ
唯「りっちゃんすごいね」ヒソヒソ
紬「さすが部長ね、その手のゲームでひたすら言葉を教えてそう!」ヒソヒソ
律「褒めるな褒めるなー」ヒソヒソ
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:58:21.48:GQz+BPJf0
唯「あとあずにゃん2号、ギター覚えたんだよ」
梓「!」
唯「はい、ギー太貸してあげる」
梓2「ありがとうございます」
ギュイィィィィィン♪
ジャカジャカジャーン♪
唯「どう?」
梓「癖が唯先輩と同じ……あとで再教育ですね」
唯「がーん……」
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:04:49.52:XQksmedX0
梓「でもなんで楽器を?」
澪「どうしてもやってみたいって言うから」
梓2「あの……私が入部した初日に聞かせて頂いた演奏が素敵で……私も混ざりたいなって……」
梓「どんな教育したらこんな喋れるんですか?」
律「まぁ、いろいろDVDとか見せてな、もう覚えた言葉の意味を解釈して話せるようになったみたいだぞ」
梓「……」
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:08:45.66:XQksmedX0
……トラブルがないのはいいことだけど、何かが引っかかる
アレがギターをすぐに覚えてしまったこと
昨日まではカタコトだったのに、もう会話が正しく出来るほど進化していること
……私に姿が似ていること
いや、変なこと考えるな私!
せっかく仲直りしたんだから……
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:15:23.61:XQksmedX0
今日はアレは澪先輩の家に泊まるらしい
羨ましいやらなんやら……
澪先輩のことを嫌いって言ってたのは、澪先輩がアレのことを気持ち悪がったり気絶したりしてたかららしい
澪先輩もすっかり慣れちゃって、家に来るって聞いてニッコリ笑ってた
べ、別に嫉妬してるわけじゃないし!
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:21:16.31:XQksmedX0
梓「おはよー」
憂「おはよう梓ちゃん」
純「あー梓、今日澪先輩と学校来てたよね」
梓「え?」
純「羨ましいなー、やっぱり軽音部入ろーかなー」
梓「それは……」
憂「そうだよー、純ちゃんも入りなよー」
憂「梓ちゃん、このことは黙っておこ」ヒソヒソ
梓「う、うん」ヒソヒソ
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:24:59.27:XQksmedX0
梓「でもそうか、堂々と登校してるからアレが一般人に目撃されても仕方ないのか……」
「中野さん、さっきはありがとうね」
梓「え?」
「落し物届けてくれたお礼にアメあげるね」
梓「いや、私は……」
「じゃーねー!」
梓「……いい奴なんだよね、アレ」
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:28:53.34:XQksmedX0
放課後
梓「はい、アメと四葉のクローバーと……なんか変なキーホルダー」
梓2「え?私に……ですか?」
律「ようやく二人も仲良くなったみたいだな!」
梓「違います、この子の善行の報酬を私が貰っちゃったんです」
澪「やっぱりそうなっちゃったか」
唯「澪ちゃん、知ってたの?」
澪「あずにゃん2号にも人の役に立ってもらいたくて、一緒に人助けしてたんだ」
紬「素敵♪」
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:34:30.67:XQksmedX0
梓2「あの……アメは頂けません、私食べることができないので……」
梓「そっか、じゃあせめて他のは貰ってよ、それ着けてれば私と区別しやすいし」
梓2「はい!」
梓「あと、あんまり目立たせないでくださいよ、純にも目撃されてるんですから」
澪「ダメだった?」
梓「そうですね……できれば避けてほしいです」
梓2「私も気を付けます」
梓「あ、別に気にしないでもいいんだよ」
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:35:11.98:a4LLGJXH0
さわ子「みんなー、ひさしぶ……」
律「おー、さわちゃん、紹介しよう、新しい部員の」
梓2「あずにゃん2号です、よろしくお願いします」ペコリ
澪「あれがうちの顧問の山中さわ子先生」
さわ子「何この子?」
紬「日本人形が雷で意思を持っちゃったらしいです」
さわ子「へ、へぇー……」
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:43:46.98:XQksmedX0
唯「あれ?さわちゃんだったら着替えさせ放題ね!とか言って喜ぶと思ってたのに……」
さわ子「どういう妄想よ、今自分の目を疑ってるのに耳まで疑わなくちゃいけなくて大変なのよ……」
律「大人って柔軟性がないなー」
さわ子「誰が年増ですって!」グリグリ
律「いてててて、言ってないって!」
梓「先生はどう思います?コレ」
さわ子「そうねぇ……」
梓2「……」オロオロ
さわ子「しっぽとか似合う!」
梓「……やっぱりいつもの先生だ」
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:51:13.74:XQksmedX0
今日はアレは良いことをしていた
根はいい奴なのだ、気になってるのは私だけだろう
でもいつまでアレはこのままでいるんだろうか
ずっと他人から逃げて隠れて過ごすわけにもいかないだろうし
だからといって堂々と転校生として登校とか漫画でもない限りありえない
今日はムギ先輩の家に連れていかれた
明日は私の家?
それだけはありえない、家族に何て説明するの?
先輩方はちゃんとそこまで考えてるんだろうか
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:55:41.19:XQksmedX0
唯「ムギちゃんちはどうだったー?」
梓2「前もいましたから、別にこれと言って感想は無いです……」
澪「確かに、ただの人形だった時の記憶もあるんだよな」
律「いいなームギんち、結局行ってないよなー」
紬「そうだったわね、今度みんなで来る?」
唯「さんせー!」
梓「そうですね、私も行ってみたいです」
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 01:03:58.87:XQksmedX0
梓「そういえば……」
紬「なぁに、梓ちゃん」
梓「この子の今後って考えてます?」
唯律澪紬「……」
梓「突然意思を持っちゃって、いつ元に戻るかも分かりませんし」
梓「もしかしたら一生このままかもしれないですし……」
梓2「……」
唯「私が責任を持って育てます!」
律「ここは部長である私が!」
紬「元の持ち主である私が責任を取るわ」
澪「……じゃ、じゃあ私も」
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 01:07:56.12:OUkXyZni0
梓「はぁ……そういうことじゃなくて、いつまでも一緒にいるわけにもいかないでしょう?」
梓「人間じゃないから放っておくわけにもいけませんし、大勢の目に触れるのもそれはそれでまずいし……」
澪「確かに、どうしたらいいかな?」
梓2「わ、私は人形ですから……別に倉庫でじっとしてるだけでもいいんです!慣れてますし……」
律「そんなこと言うなよ!ムギ、なんとかならないのか!」
紬「もう専用の別荘を作るしか……」
律「うわ、なんて贅沢な解決法!」
唯「あずにゃん、なんだかんだで一番あずにゃん2号のこと考えてくれてたんだね」
梓「ええ、それはもう……」
梓(自分と瓜二つな動く人形のことを考えないほうがおかしいですよ……)
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 01:20:01.55:XQksmedX0
今日はあの子はさわ子先生の家に行くことになった
先生の車に乗せられて行く様は、心の中でついドナドナを歌ってしまいたくなるものだった
変なベクトルのロックを吸収しないか心配だ
心配だ、と言ってもあの子の心配をしているわけじゃない
瓜二つだから何か事件でも起こされると私が困るのだ
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 01:26:14.18:XQksmedX0
ピロリロピロリロ!
澪「速弾き!?」
ギャイイイイイイン!
律「歯ギター!?」
さわ子「練習させちゃった♪」
梓2「お粗末さまでした」
梓「う、上手い……」
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 01:30:08.78:XQksmedX0
さわ子「ギターはしばらく私のヤツ貸してあげるわね」
梓2「ありがとうございます!」
唯「すごいね!私ぐらい上手くなっちゃったかも!」
梓「いえ、どう考えても唯先輩より上手いです」
唯「がーん…」
梓2「そ、そんなことないですよ……」
律「もう唯もお役御免かもなー」ヘヘヘ
唯「ひどいよりっちゃーん!」
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 01:36:22.08:XQksmedX0
澪「ちょっとあずにゃん2号も合わせて弾いてみるか?」
紬「いいわね♪」
唯「じゃあ私のパートをやりたまえ!」
梓2「すみません、先輩のパートを……」
唯「後輩の成長を見守るのも先輩の仕事だからね!」フンス
梓「唯先輩が見栄を張り続けている……」
律「じゃあ行くか―、1、2、3、4!」
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 01:44:09.26:XQksmedX0
あの子の成長は凄まじかった
1日でたくさん成長する
というか一瞬で物を覚える
まぁ機械なんだから仕方ないか
今日は私の家に行くことになりそうだったがもちろんお断りした
せめて親がいない日だったら問題は無かったんだけど……
結局今日はあの子は部室で過ごすことになった
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 01:56:22.00:XQksmedX0
今日は天気が悪い
今にも落ちてきそうな空だ
今日のさそり座の運勢は12位、最悪だ
占いなんて当たらないだろうと思っても、カラスの鳴き声がそれを許してはくれなかった
梓「傘持ってったほうがいいね、これは」
私はお気に入りの傘を一応持っていくことにした
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 02:01:07.08:XQksmedX0
純「あ、梓、昨日はありがとうね!」
梓「昨日?」
純「昨日の夜偶然会った梓に助けてもらったじゃん!」
梓「あ、ああ、アレね……」
梓(何で目立った行動してんのよ!)
「梓ちゃん、いる?」
梓「いるけど……」
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 02:05:19.90:XQksmedX0
憂「またあずにゃん2号?」
梓「うん……もう人目につかないようにしてって言ったのに……」
憂「昨日部室に残ってたんでしょ?きっと寂しかっただけだよ」
梓「だけならいいんだけど……」
憂「……」
窓を見ると、水滴が数粒張り付いていた
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 02:10:14.19:XQksmedX0
梓「こんにちはー、すみません遅くなって」ガチャ
唯「あ、あずにゃん2号、どこ行ってたの?」
梓「はい?」
律「じっとしてろって言ったじゃんか」
澪「心配したんだぞ」
紬「みんなでこれから探そうと思ってたのよ」
梓「わ、私は……」
梓2「そうだよ、迷惑掛かるのは私なんだから!」
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 02:12:53.83:a4LLGJXH0
梓「ちょっと!私はあずにゃん2号じゃないって!」
唯「え?でもこっちのあずにゃんは四葉のクローバーついてないし……」
梓「私にもついてませんよ!」
澪「一人で練習してたけど演奏は今まで通りだったぞ?」
梓「いつも一瞬で覚えるじゃないですか!癖までマネして!」
律「いつものあずにゃん2号と口調違うしなぁ……」
梓「私の立場を乗っ取ろうとしてるんです!」
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 02:19:41.63:XQksmedX0
梓2「もう演技はやめて!」
梓「演技!?どっちがよ!」
梓2「なんであなたは私のマネして私になろうとするの!?」
梓「その言葉、そっくり返させてもらうわ!」
唯「喧嘩はダメだよぉ……」
梓「こっちはそんなこと言ってる暇じゃないんです!」
梓2「すみません唯先輩、私が譲歩すればすぐに済みますよね」
唯「そんな!あずにゃんはニセモノじゃないよ!」
梓「唯先輩!」
135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 02:22:22.80:XQksmedX0
梓「そ、そうです!私はかばんを持ってますし、ギターも……」
梓「あれ?そういえばむったんを持ってきた覚えが……」
梓2「かばんがなくなったと思ったらあなたが盗ってたんだ、わざわざそこまでして……」
梓2「ちなみに私はギターを持ってきてますよ?」
律「うーん、これはどっちなんだ?」
澪「もう訳がわからない……」
梓「あーもう!なんでわかってくれないんですか!」
136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 02:28:15.92:XQksmedX0
梓「……唯先輩、私に抱きついてください」
唯「ほえ?」
梓「早く!」
唯「う、うん……」ギュー
梓「どうです?」
唯「いつも通りだよ?」
梓「じゃああっちに抱きついてみてください!」
梓2「わ、私は……」
唯「?」
139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 02:34:51.83:XQksmedX0
梓2「だ、抱きつかないでください!私は抱きつかれるのが嫌いです!」
唯「がーん……」
梓「あれは抱きつかれるとぼろが出るからです!構わずギューっとやっちゃってください!」
唯「わ、わかったよー」ギュー
梓2「……っ!」
唯「……なんか変、抱き心地が違う気がする」
律「じゃあやっぱり!?」
梓「どう?観念した?」
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 02:40:16.15:XQksmedX0
梓2「こ……これは……」
澪「どうしてそんなことしたんだ?」
梓2「ち、違うんです!心を入れ替えられたんです!」
唯律澪紬梓「!?」
梓「まだくだらない抵抗を……そんなことあるわけ……」
梓2「人形に意思が生まれたのに今更だよ!とにかく心は本物のあずにゃんです!」
唯「う……んー……」
141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 02:45:45.61:XQksmedX0
梓「異議あり!私は自分のことをあずにゃんとは言わない!」
梓2「!」
紬「決定的ね」
ザァーーーー……
梓2「……そうです、私があずにゃん2号です」
梓「……」
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 02:52:44.30:YydC2x+M0
梓2「私は今まであなた達の家に行っていろんなことを学びました」
梓2「言葉、コミュニケーション、楽器、ゲーム……」
梓2「私は楽しかった、それはとても刺激的だった」
梓2「でも私は人形、自由にそれを楽しむことはできない」
梓2「だから乗っ取ってやろうと思ったんです!私に瓜二つの、この女の人生を!」
梓「……本性を現したわね、デクノボー!」
145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 03:05:14.04:XQksmedX0
梓2「入れ替わりを考えたのは律先輩が見せてくれた映画がヒントでした」
律「え、私!?」
梓2「そのためにギターを練習したし、ボランティアをしてお礼をさせてこの女を引きとめました」
梓2「学校からこっそり抜け出してギターを盗んだ時にお前の友達に会った時はどうしようかと思ったけど、
逆に利用させてもらいました」
梓「そんなこと、べらべら話してどうする気?もう許さないよ」
梓2「許す?ふふふ、面白いことを言いますね」
梓2「私はあなた達を全員殺してあずにゃんになるんです!」
ピシャーン!ゴロゴロ
146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 03:08:53.44:eBxL1ZI30
澪「に、ににににに逃げなきゃ!」ガチャガチャ
澪「あ、開かない!」
律「落ちつけ!ドアは押すんじゃなくて引け!」ガチャ
梓2「待ってください!」
唯「うぅ……」
梓「何やってるんです!逃げますよ!」
唯「うん……」
149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 03:14:49.79:XQksmedX0
律「ここで一旦散るぞ!澪、来い!」
澪「あわわわ……」
紬「じゃあ私がこっちに引きつけるから唯ちゃんと梓ちゃんは向こうに逃げて!」
梓「わかりました!」
唯「ムギちゃん……生きててね」
紬「大丈夫、ちゃんと逃げるから♪」ニコッ
150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 03:18:39.58:XQksmedX0
梓2「……ムギ先輩、他の人はどこですか?」
紬「教えないに決まってるじゃない」
梓2「……そんなに殺されたいですか?」
紬「それも違うわ」ダダダッ
梓2「!……待ってください!」
151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 03:23:02.36:XQksmedX0
澪「はぁ……はぁ……」
さわ子「……ホントにそんなことが?」
律「ああ、ホントだ」
さわ子「……私、助けに行くわ」
律「私も行く!」
澪「!」
律「大丈夫だって、流石に職員室にいれば安全だろ」
さわ子「生徒がちょっと待たされてても他の先生も気にしないわ」
澪「ごめん……」
律「まぁちゃっちゃとやっつけて帰ってくるからさ」
153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 03:27:54.92:XQksmedX0
梓「はぁ……はぁ……」
唯「なんで廊下も教室もだれも居ないの……?」
梓「酷い雨ですから、みんな帰っちゃったんですよ」
梓「全く……今日はついてないなぁ……」
唯「ごめんねあずにゃん、私達のせいでこんなことになっちゃって……」
梓「別に気にしてませんよ、というか気にしてる場合じゃないです!」
唯「そっか、ごめんね」
154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 03:31:52.26:XQksmedX0
紬「はぁ……はぁ……」
梓2「所詮は人間ですね、もう疲れたんですか」
紬「きっともう梓ちゃんたちは逃げ切ったところだと思うし、私の役目は終わりよ」
梓2「……そうやって負け惜しみを言えばどうにかなると思いましたか?」
紬「……」
155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 03:35:48.11:XQksmedX0
律「消火器アタァーーーーック!」ゴスッ
梓2「!」
律「どうだコノヤロー!」
梓2「私の後ろ頭……へこんじゃいました……」
紬「りっちゃん!」
さわ子「ムギちゃん、これ!効くかどうかわからないけど!」ヒュン
紬「これは……ライター?」パシッ
梓2「くっ……3人に増えましたか……」
156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 03:40:21.22:XQksmedX0
律「かかってこいよ!スクラップにしてやる!」
梓2「うおおおおおおおお!」ガキーン
律「ぐ……力つよ……」グギギギギ
紬「後ろががら空きよ!」シュボッ
梓2「ぐああああああああああ!」
さわ子「さあ、逃げましょう!」
律「頼む!焼け死んでくれ!」
紬「……もう見てられない」
159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 04:05:17.78:XQksmedX0
梓2「……体が……燃える」
梓2「このままじゃあ……人間の姿じゃなくなっちゃう……」
梓2「雨……そうだ、雨が降ってるじゃないですか!」
がしゃーん!
160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 04:09:35.23:XQksmedX0
唯「玄関はすぐそこだよ!」
梓「はい!」
ぐしゃあ!
唯梓「!?」
梓2「ふふふ……見つけた……今日はついてますね……」
唯「あ、あ、あ……」
162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 04:13:26.96:XQksmedX0
梓「……っ!」スチャ
唯「あずにゃん!」
梓「来い!化け物!」ガタガタ
梓2「そんな傘一本でどうする気です?」
梓「お前に唯先輩は……こ、殺させない!」
163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 04:17:53.86:XQksmedX0
澪「梓ーーー!傘を奴に刺せーーーー!」
梓「澪先輩!分かりました!」
梓「当たれえええええ!」ヒュン
グサッ!
梓2「でもこの程度じゃあ痛くもかゆくも……」
ピシャーーーーーン!
梓2「ぐああああああああああ!」
164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 04:22:20.62:XQksmedX0
梓「避雷針!?」
澪「大丈夫かーーー!唯ーーーー!梓ーーーー!」
梓「おかげさまで大丈夫です!ありがとうございました!」
澪「あ、すみません、傘をさせって言うのは雨が降ってるからであって決して危ないことを推奨してるわけじゃ……」
唯「ふぅ……これにて一件落着かな」
梓2「……」
165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 04:27:57.32:XQksmedX0
梓「あとはみんなを呼んでアレを処分しないと……」
梓「この傘、お気に入りだったのになぁ……」
梓2「……アーモウボロボロジャナイカ」
人形「……コロシマス」
唯「あずにゃん!後ろ!」
梓「え?」
ブォン!
166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 04:34:45.43:XQksmedX0
梓「きゃあああああああ!」
人形「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス……」バキバキ
唯「自分の左手をもいでる……!」
人形「コロスコロスコロスコロスコロス……コ、コンニチハコンニチハコンニチハコンニチハ……」ブォンブォン
梓「いやああああああ!た、助け……」
グサッ!
167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 04:38:41.50:XQksmedX0
梓「……え?」
澪「梓!離れろ!」
梓「は、はい!」
ピシャアアアアアアアアン!
人形「!!!!!!!!!!!!!!」
人形「コ、コン……ナラ……サヨウナラ……サヨウナラ……あずにゃん2号だね!今日からあず」
人形「……」
168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 04:42:37.80:XQksmedX0
唯「今日ダーツに行ったら私達高得点だね」
梓「ゆ……唯先ぱぁああああああい!うわあああああああああん!」
唯「よしよし、あずにゃん無事でよかったね」
紬「さっき澪ちゃんが叫んでたけど大丈夫だった!?」
律「奴は!?」
唯「アレだよ」
さわ子「グロっ!」
169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 04:45:56.67:a4LLGJXH0
律「澪、大活躍だったみたいだな!」
澪「えへへ」
律「それに唯と梓もよく戦ったよあの化け物と」
梓「それは律先輩も同じじゃないですか」
律「それにムギ、初めに自分を囮にしようなんてすごい勇気だったな」
紬「そんなことないわよ♪」
律「それに引き換えさわちゃん!あれだけ意気込んで何もやってないじゃん!」
さわ子「私だって活躍したかったわよー」
173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 04:53:54.49:UoTfqdwPO
梓「あれ?だんだん雨が弱くなってる?」
律「おかしいな、今日は朝から曇りの予報なのに晴れてきたぞ」
澪「見ろ!虹だ!」
紬「綺麗!」
唯「雨降って地固まる、だね!」
澪「ちょっと違うと思うぞ」
梓「私達は傘失くしたんで最悪ですよ、虹程度で満足すると思ってるんですか」
律「誰に言ってるんだ?」
梓「神様ですよ」
175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 05:09:59.17:XQksmedX0
その後あの人形が動くことはありませんでした
専門家がああなった原因を探ろうとしましたが、コンピューターはメタメタになっていて調べることは敵いませんでした
製造元の社長さんはこの話を聞いてただ嫌な顔をしていたそうです
こっちは命がかかってたのに、大人は勝手です
さて、みなさんはこれに懲りて真面目に練習……
唯「あー!そのケーキは私が最初に目を付けてたんだよ!」
律「言われなかったらわかんねーよ!」
澪「くだらないケンカするな!」
紬「まぁまぁ、ここは公平にじゃんけんで決めたら?」
してほしいです……
おわり
176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 05:21:09.46:XQksmedX0
日本人形ロボット製造工場
がっしゃん、がっしゃん
男A「回収された人形の話って知ってるか?」
男B「何だよそれ」
男A「なんでも人を襲う人形がいたんだってさ!」
男B「なんだ、怪談かよ」
男A「社長の知り合いのお子さんが被害者だとか」
男B「ふーん」
男A「もっと興味持てよ……」
177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 05:27:04.70:XQksmedX0
男B「で、それがどうした?」
男A「その人形、実は溶かされてここの工場に材料としてやってきたって噂だぜ!」
男B「何を根拠に……」
男A「さぁな、でも面白そうじゃないか?」
男B「別に」
男A「つれないなぁ……」
男B「それより動作チェックだろ、口より手ぇ動かせ」
男A「はーい」
178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 05:34:02.72:XQksmedX0
「コンニチハ」
「コンニチハ」
「コンニチハ」
「コンニチハ」
「こんにちは」
TO BE CONTINUED!?
179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 05:37:37.22:eBxL1ZI30
唯「可愛いね、このお人形さん!」
澪「私は日本人形ってだけでイワクがありそうでなんか怖いな……」
律「澪は怖がりだなー、ほれ、何もないって!」ポン
人形「コンニチハ」
律「ぎゃあああああああああ!」
紬「これはただの日本人形じゃなくて、中にロボットが入っててご挨拶とかできるのよ♪」
律「お、驚かせやがって……」
梓「……ぷっ」
律「な、中野ぉおおおおお!」
唯「こんにちはー」
人形「コンニチハ」
梓「なんか……不気味ですね」
澪「な、なんでこんな悪趣味なものが軽音部に……?」
紬「たまたま家に置いてたのを見かけて、面白そうだから持ってきちゃった♪」
澪「いいのか?仕事の関係の物じゃないのか?」
紬「お人形屋さんの取引先からのお土産だそうよ、お父様も別に興味ないみたいだし」
唯「こんなに可愛いのにもったいない!この子は今日からウチの部員にしてあげよう!」
梓「ただでさえスッポンモドキが部員なのに……また変な部員が増えちゃうんですか?」ハァ
律「じゃあ入部記念にとりあえず……ネコミミとメイド服と……」ガサゴソ
梓「日本人形なのにメイド服ですか!?」
律「お!梓の服サイズほぼぴったり!」
梓「……腑に落ちない」
律「髪を結んで……はい、梓完成!」
梓「な!私日本人形じゃないです!」
唯「でも本当にあずにゃんみたーい、じゃあキミは今日からあずにゃん2号だね!」
梓「……あずにゃん2号は既にいるんですけど」ボソッ
唯「?」
梓「な、なんでもないです!」
紬「でも良かったわ、気に入ってもらえて♪」
澪「メイド服着てると不思議と怖くないな」
律「じゃあ早速演奏を聞かせてやろう!」
梓「珍しく乗り気ですね、今度から毎日部員を増やしましょうか」
律「やめてー!」
唯「じゃあこれから演奏するから聞いていってね、あずにゃん2号!」
人形「……」
ジャンジャカジャーン♪
唯「ふう、今日は演奏がはかどるぜ」
律「なんじゃそら」
梓「でも確かに今日は唯先輩調子良かったですね」
唯「でしょでしょー」
澪「これがみんなのいい刺激になればいいんだけどな」
紬「多分みんな明日にはお人形で遊んでるわね♪」
澪「だろうな」
紬「じゃあお人形さんは部室に置いておきましょうか」
唯「私持って帰りたーい!」
律「流石に大きすぎるだろ……」
唯「ムギちゃーん」
紬「そうね……じゃあ明日唯ちゃんの家に連れて行きましょう♪」
唯「やったー!」
律「良かったなー、唯」
唯「うん!」
梓「……そんなに嬉しいものかなぁ」
唯「じゃあね、あずにゃん2号!寂しくなったらトンちゃんに言ってね!」
人形「サヨウナラ」
律「亀と人形が話してる図とかシュールだな……」
澪「独りでに話す日本人形……」ガクガク
梓「何勝手に想像して怯えてるんですか……」
紬「じゃあ電源をオフにして……と」ポチッ
律「電源なんてあるんだなー」
紬「ちなみにソーラー電池だそうよ」
梓「へー」
人形「……」
その日、天気予報は大きく外れ、晩から大雨が降り始めた
酷い雷に怯える者、無駄にテンションが上がってしまった者、普段と変わらぬ者……
それぞれが平凡な夜を過ごしていた
そのころ軽音部の部室では……
ぴしゃーんごろごろ!
人形「……」
ぴしゃーん!ばちばち!
人形「……」ピクッ
トンちゃん「……!」ササッ
「私は……」
唯「昨日は酷い雨だったねー」
律「雷ってなんかテンション上がるよなー」
澪「男の子か!」
律「そういう澪しゃんはビクビク震えてたんでしょう?」ニヤニヤ
澪「そ、それは……」
唯「どうなのー?」ニヤニヤ
紬「どうだったの?」ニヤニヤ
澪「あぅ……」
律「しっかし今日はよく晴れたもんだ」
唯「雨降って地固まる、って言うしね」
澪「関係ないだろ」
澪「でも雨が降った日の後は空気中の埃が無くなって空気が澄んでるから私は好きだな」
紬「虹とかもできるし、雨は上がった後が素敵よね」
律「地面ぐしゃぐしゃだけどな」
-――――- 、
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/::_〈 〈::{c> <っレイ:_」 これはホラー展開の予感
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/::::::ハ / { >rー<| {
/::::::::{〈._/ 八ノ{ヽノl:|. '、
/:::::::::∧/{. /:::::Ⅵノじ'::{ 〉
唯「あれ?今あずにゃんが走ってなかった?」
律「ん、見てなかった、ちょっと追っかけてみるか!」
澪「おいやめろよ、梓だって忙しいんだろ」
紬「そうよ、後で理由でも聞きましょう」
唯「うん、そうだね」
律「ありゃー、唯の同意得られなかったか―」
梓「でね、その人形が……」
純「あはは、憂のお姉さんらしいね!」
憂「……?」
梓「憂、どうしたの?」
憂「……なんか今、梓ちゃんみたいな人がいた様な気がして」
純「憂ー、怖いこと言わない!」
梓「もしかして……ドッペルゲンガー?」
純「……見たら死ぬ奴?」
憂「大変!どうにかしないと!」
梓「どうにかって……きっと見間違いだよ」
憂「だといいんだけど……」
きーんこーんかーんこーん
唯「ふあー、やっとお昼だぁ」グー
律「お前はお菓子食ってただろ」
唯「でも減るものは減るんだよぅ」
紬「……そうだ!今日はあずにゃん2号ちゃんと一緒に食べましょう♪」
唯「うん、さんせー!」
律「部室行くのめんどくさくないか?」
澪「私も行こうかな」
律「えー……まぁいっか」
唯「あ、あずにゃん!」ダキッ
梓「……!」ビクッ
唯「あずにゃん、どうかしたの?」
梓「こ、こんにちは……」
律「?」
澪「そういえば今日の朝、梓が走ってたって唯が言ってたけど……」
梓「……」ブンブン
紬「何か急いでるの?」
梓「!」コクコク
唯「そっか、じゃあまたねー」
梓「さようなら……」ダダダッ
澪「……さようなら?」
唯「あずにゃん2ごー!ご飯食べに来たよー!」ガチャ
唯「……あれ?いない」
紬「盗まれた!?」
澪「律、鍵ちゃんと掛けたか!?」
律「わ、私!?ちゃんと掛けたよ!」
唯「となるとあとはさわちゃんか……」
律「……梓じゃないか?」
唯「なんで!?りっちゃんは部長なのに部員を疑うの!?」
澪「唯も顧問疑っただろ」
律「だって梓今日変だっただろ」
紬「確かに」
律「きっと朝に壊したかなんかで埋めてきたんだよ!」
律「それで今日挙動不審だったのも、走ってたのも説明つくだろ?」
澪「信じたくないけど……辻褄は合うな」
唯「私は信じないよ!あずにゃんに電話して直接聞くもん!」
律「あいつが口を割るかどうか……」
憂「でね、お姉ちゃんが牛乳溢しちゃって……」
純「あー、それでモップね」
ぶぃーん、ぶぃーん
梓「あ、唯先輩から電話!ちょっと待っててね」
唯『あずにゃん!あずにゃんは犯人じゃないよね!?』
梓「はぁ?」
澪『おい、いきなりじゃ分からないだろ!』
唯『あ、そっか』
梓「どうしたんですか?」
唯『あずにゃん2号がどっか行っちゃったの!あずにゃん知らない?』
梓「私は知りませんけど……」
唯『そっか、良かった―!』
梓「待ってください!犯人って……その犯人のことですか?」
唯『うん』
梓「なんで私が?」
唯『りっちゃんたちがさっき廊下で会ったあずにゃんがキョドーフシンだからうんぬんって聞かなくて……』
梓「?」
梓「会いましたっけ?」
唯『え!?』
梓「私は別にみなさんに会ってないし、挙動不審に思われるようなこともしてませんよ?」
唯『嘘……でも確かに……』
梓「……ドッペル……ゲンガー」
唯『と、とにかく一度切るね!』プツン
梓「……」
純「どったん?」
梓「ドッペルゲンガー……やっぱりいるかもしれない……」
憂「!?」
唯「というわけで、あずにゃんは犯人じゃないみたいです!」フンス
律「いやいや、明らかに梓しらを切ってるだろ!」
唯「きっとあずにゃんのニセモノがあずにゃんのフリをして評判を落とそうとしてるんだよ!」
律「偽ライダーじゃあるまいし……」
紬「さっきよく見てなかったけど、目がつり上がってたり靴が尖ってたりしたのかしら♪」キラキラ
澪「ムギ……それも違うと思うぞ」
律「まぁいいや、犯人と人形探しは後にしてご飯食べるぞ」
唯「あ、そういえばお腹ぺこぺこ……」グーギュルルル
放課後
唯「あずにゃんまだ来てないね」
律「やっぱりあいつが……」
澪「こら、もういいだろ」
紬「りっちゃんは自分が疑われて怒ってるだけ、よね?」
律「……」ブー
がちゃ
梓「……!」
唯「あ、あずにゃん!」
梓「!」バタン
澪「逃げた……?」
律「やーっぱ怪しい!どう見てもあいつだろ!」
紬「待って!お昼の話で怒られるんじゃないかと思ってるだけかもしれない!」
唯「私追いかける!」
澪「あ、唯!」
紬「行っちゃった……」
梓「こんにちはー」ガチャ
律「おい梓!さっきのはどういう……」
梓「!?」
澪「待て律……梓、なんでさっき出ていったんだ?」
梓「え?何のことですか?」
律「またそれで逃げようと……」
紬「まぁまぁ……」
唯「あずにゃん捕まえてきたよー!」ガチャ
梓?「……!」アセアセ
梓「な……っ!?」
梓?「……」
唯「……あれ?」
律澪紬「……」
梓?「!」ダダダッ
唯「あ、待って……」
律「追え―!あいつがルパンだー!」
唯「あ、あいあいさー!」
梓「……」
純『……見たら死ぬ奴?』
梓「私……死ぬの?」
澪「あ、梓が二人……」
紬「だ、大丈夫よ梓ちゃん、澪ちゃん!きっと唯ちゃんが間違えて連れてきちゃったのよ!」
澪「世界には同じ顔の人間が3人はいるって言うし……そうとしか説明が……」
梓「今までそんな子見たことも聞いたこともありませんよ!」
紬「……」
憂「あれ?梓ちゃん、部活は?」
梓?「きょ、今日は唯先輩調子良かったですね……」
憂「?」
梓?「……」ダダダッ
憂「あ、梓ちゃん?」
唯「はぁ……はぁ……」
憂「お姉ちゃん!どうしたの!?」
唯「あ、あずにゃんのニセモノが……」ゼェゼェ
憂「も、もしかしてさっきのって……」
憂「私が探すからお姉ちゃんは休んでて!」
唯「す、すまんねぇ憂……捕まえたら部室に連れてきてね……」
憂(探さなきゃ!絶対に梓ちゃんを殺させはしない!)
唯「気を付けてねー……」
憂「任せて!」
律「あ、斉藤さん!」
純「鈴木です」
律「梓知らない?」
純「梓なら軽音部に行きましたけど……」
律「その梓じゃなくて……その……」
純「?」
律「まぁいいや!ごめんな!伊藤さん!」
純「鈴木なのに……」
憂(……いた!)
憂「梓ちゃん?ちょっと用があるんだけど……」
梓?「!」
憂「いいかな?」
梓?「……な、なんでもないです」
憂(この先は階段一つしかないし、走れば捕まえられる!)
律「見つけたぁ!」
梓?「!」
憂「律さんナイスタイミングです!はさみ撃ちにします!」
律「おう!憂ちゃん手伝ってくれるのか!」
梓?「……」オロオロ
律「確保ー!」
梓?「……」
律「あれ?」
憂「観念したんじゃないですか?」
律「ようし、そのまま連行だ!」
律「捕まえてきたぞー!」
憂「来ましたー」
梓?「……」
唯「ふごい、もうつかまえへきはんあー」モグモグ
律「超くつろいでる……!」
澪「御苦労さま」
紬「じゃあ早速偽物さんの意見を聞きましょうか」
梓「……」
梓?「……あずにゃん2号……部員」
律「?」
梓?「……私は日本人形じゃないです」
梓「……昨日の……会話?」
紬「も、もしかして……」
澪「」キュー
律「ああ!澪が気絶した!」
唯「もしかして、あずにゃん2号?」
梓?「……」コクッ
律「そ、そんな……」
梓「ドッペルゲンガーじゃなくて良かった……」ホッ
憂「良かったね、梓ちゃん」
紬「でもにわかには信じられないわ、動いて回る機能があるなんて聞いてないし、言葉も覚えないはず……」
梓2「……ぴしゃーん!」
梓「!」ビクゥ
律「……雷?まさかそれで?」
梓2「!」コクコク
紬「雷でロボットが意思を持つとか、おとぎ話みたいねー♪」
律「どっちかってとSFだろ」
唯「でも制服は?昨日はメイド服だったよね」
梓2「……」 rァ
律「あ、あそこに制服とかあったのか」
憂「よく見てみると二―ソックスだけで靴も履いてない……」
唯「でもこれで正式な部員としてあずにゃん2号を入れられるね!」
律「でもロボットだろー……」
唯「あずにゃん2号も音楽やりたいよねー」
梓2「……うん」コクコク
唯「言葉も覚えさせなきゃ!」
憂「お姉ちゃん、新しい妹ができたみたいにはしゃいでるねー」
梓「……憂は悔しくない?」
憂「なんで?お姉ちゃん面白そうだし、私は嬉しいよ?」
梓「そっか……」
律「みーお、起きろ!」
澪「う、うーん……」
唯「あずにゃん2号は見事に人間になりました!」ジャーン
澪「……はい?」
律「雷で意思を持ったんだとさ」
澪「」ブクブク
紬「ああ!澪ちゃんがまた!」
唯「ほら覚えて、ひ・ら・さ・わ・ゆ・い!」
梓2「ひ・ら・さ・わ・ゆ・い……」
唯「すごーい!もう覚えた!」
律「私は田井中律!美人の超人気者ドラマーだぜ!」
梓2「……」
律「うおーーーー!なんで私のは覚えないんだ!」
澪「ムギの予言通り今日は人形遊びで終わりそうだな」
紬「そうね」
憂「じゃあ私はこれで」
梓「またね、憂」
唯「じゃあ約束通り今日はあずにゃん2号はウチに来てもらいます!」
律「あ、ずりーぞ!私んちで私を称賛する言葉を教え続けるんだ!」
唯「私は昨日から予約してたもん!」
律「昨日とは事情が変わったからなしだ!」
紬「まぁまぁ、明日はりっちゃんの家に連れていけばいいじゃない」
唯「だってさー」
律「ちぇー」
梓「……」
唯先輩は嬉しそうに、私に似た人形と帰宅した
私は心の中には何故だかもやもやした感覚が残った
……まさか人形に嫉妬?
いやいや、ないない、だいたい唯先輩にベタベタされるのが別に嬉しいわけでもないし……
それに……そんなレベルの感覚じゃない気がする
もっと、危険な何か……
唯「おはよーみんなー!」
律「おう、唯……と梓2号?」
梓2「……」フルフル
梓2「私の名前は……あずにゃん2号です」
唯「ふんす!」
澪「覚えさせたのか……」
紬「すごいわ!他に何を教えたの?」
唯「例えばねー、私の好きな食べ物は?」
梓2「アイス」
律「……なんかショボくね?」
唯「そ、そんなことないよー!」
律「じゃあ唯、責任もってあずにゃん2号部室に連れてけよー」
唯「わかったー」
唯「ほらあずにゃん2号、私達は部室に行くよ」
梓2「……」コクッ
律「いいなー、唯の奴」
澪「律が興味持つとは思わなかったな」
律「私もあんな従順で可愛い妹が欲しい……」
澪「……」
唯「私達はこれから授業だから昨日みたいに勝手に歩き回っちゃダメだよー」
梓2「……」
唯「寂しかったらトンちゃんもいるよ」
梓2「……」
トンちゃん「……」プクプク
唯「じゃあまたねー」
梓2「さようなら」
唯「もー、すぐ戻ってくるから―」
梓2「……」
放課後
唯「じゃあ私が教えた言葉を発表します!」
律「どうせ大したもんじゃないんだろ」
唯「あずにゃん2号!私は?」
梓2「好き」
律「なんだと!私は私は?」
梓2「……ニガテ」
律「唯いいいいいい!」グググ
唯「わ、私じゃない……よ」ギブギブ
唯「はぁ~……きっと昨日の料理だよ」
澪「料理?」
唯「昨日私の嫌いなものとか多かったから」
梓「あの憂が……珍しいですね」
唯「ちょうどニガテ克服メニューだったんだよ」
律「でもニガテって言われた……」
澪「なんか、自分のを聞きにくくなっちゃったな……」
紬「わ、私のことは好き!?」
梓「勇者だ……!」
梓2「好き」
紬「わー!ありがとー!」
唯「じゃあ澪ちゃんとあずにゃんは?」
澪「ちょ!唯!」
梓2「……」
梓「……」
梓2「きらい」
澪「がーん!」
律「ぶはははは、きらいだってさ!」
澪「律だってニガテって言われたじゃないか!」
梓「わ、私だってきらいだもん!」
唯律澪紬「……え?」
梓「人形のくせに動きまわって、私に罪を着せて……気持ち悪い!」
梓2「……気持ち悪い……不気味」
唯「ほ、ほら、あずにゃんはツンデレだから……」
梓「私は本気ですよ!」
澪「別にそこまで怒らなくても……」
梓「私、帰ります!」
ばたーん!
紬「……帰っちゃった」
律「……唯のせいだぞー」ポンポン
唯「ご、ごめんなさい……」
梓2「ごめんなさい」
紬「あ、あらー、ちゃんと謝れるのねー!」
律「……おばちゃんかよ」
澪「……」
私はそのまま家に帰った
暫くは携帯が鳴っていたが、無視していたら鳴らなくなった
何があずにゃん2号だ!あいつは私じゃない!
私の声までマネして……気持ち悪い!
その上私が嫌いだって?
……頭の中ではそんな思考が永遠にループしていた
お風呂に入ってしばらくすると、少し落ち着いてきた
携帯を見てみる
梓「うわぁ、着信30件……あとメール1件」
梓「メールだけでも見てみよう」
唯『今日はごめんね、あとあずにゃん2号は今日はりっちゃんの家に行ってるよ』
梓「なんでその名前を出すかなぁ……」
私は携帯を机に投げ出し、ベッドに横になった
律「昨日の唯のような間違いは起こさないように、性格も直しておいたぞ!」
澪「あんまりひどいことしてないよな?」
律「信用ないなー」
唯「あずにゃん2号、寂しくなかった?」
梓2「はい!」
紬「元気になってるわ!」
律「しかも敬語だぞ!なんたって後輩だからな」
澪「妹じゃなかったのか?」
律「ほ、ほら、一応みんなの共有財産だし?」
梓2「律先輩はお姉ちゃんじゃありませんから!」
律「ちくしょおおおおお!」
梓「……」
梓2「なんですか?」
梓「なんであんたが人間みたいに喋ってるのよ」
梓2「え?」
梓「あんた人形なんでしょ!人形だったらカタコトの日本語でコンニチハって言ってればいいのに!」
梓2「ご、ごめんなさい……」ペコリ
澪「あ、梓……抑えて!」
梓「……っ!」
梓2「昨日はごめんなさい、私言葉の意味も分からないで失礼なことを言ってしまって……」
梓「……」
澪「ホラ、謝ってるしさ、仲直りしよう」
梓「……今回は特別よ?」
梓2「ありがとうございます!」
律「一晩かけて教え込んだからなー」ヒソヒソ
唯「りっちゃんすごいね」ヒソヒソ
紬「さすが部長ね、その手のゲームでひたすら言葉を教えてそう!」ヒソヒソ
律「褒めるな褒めるなー」ヒソヒソ
唯「あとあずにゃん2号、ギター覚えたんだよ」
梓「!」
唯「はい、ギー太貸してあげる」
梓2「ありがとうございます」
ギュイィィィィィン♪
ジャカジャカジャーン♪
唯「どう?」
梓「癖が唯先輩と同じ……あとで再教育ですね」
唯「がーん……」
梓「でもなんで楽器を?」
澪「どうしてもやってみたいって言うから」
梓2「あの……私が入部した初日に聞かせて頂いた演奏が素敵で……私も混ざりたいなって……」
梓「どんな教育したらこんな喋れるんですか?」
律「まぁ、いろいろDVDとか見せてな、もう覚えた言葉の意味を解釈して話せるようになったみたいだぞ」
梓「……」
……トラブルがないのはいいことだけど、何かが引っかかる
アレがギターをすぐに覚えてしまったこと
昨日まではカタコトだったのに、もう会話が正しく出来るほど進化していること
……私に姿が似ていること
いや、変なこと考えるな私!
せっかく仲直りしたんだから……
今日はアレは澪先輩の家に泊まるらしい
羨ましいやらなんやら……
澪先輩のことを嫌いって言ってたのは、澪先輩がアレのことを気持ち悪がったり気絶したりしてたかららしい
澪先輩もすっかり慣れちゃって、家に来るって聞いてニッコリ笑ってた
べ、別に嫉妬してるわけじゃないし!
梓「おはよー」
憂「おはよう梓ちゃん」
純「あー梓、今日澪先輩と学校来てたよね」
梓「え?」
純「羨ましいなー、やっぱり軽音部入ろーかなー」
梓「それは……」
憂「そうだよー、純ちゃんも入りなよー」
憂「梓ちゃん、このことは黙っておこ」ヒソヒソ
梓「う、うん」ヒソヒソ
梓「でもそうか、堂々と登校してるからアレが一般人に目撃されても仕方ないのか……」
「中野さん、さっきはありがとうね」
梓「え?」
「落し物届けてくれたお礼にアメあげるね」
梓「いや、私は……」
「じゃーねー!」
梓「……いい奴なんだよね、アレ」
放課後
梓「はい、アメと四葉のクローバーと……なんか変なキーホルダー」
梓2「え?私に……ですか?」
律「ようやく二人も仲良くなったみたいだな!」
梓「違います、この子の善行の報酬を私が貰っちゃったんです」
澪「やっぱりそうなっちゃったか」
唯「澪ちゃん、知ってたの?」
澪「あずにゃん2号にも人の役に立ってもらいたくて、一緒に人助けしてたんだ」
紬「素敵♪」
梓2「あの……アメは頂けません、私食べることができないので……」
梓「そっか、じゃあせめて他のは貰ってよ、それ着けてれば私と区別しやすいし」
梓2「はい!」
梓「あと、あんまり目立たせないでくださいよ、純にも目撃されてるんですから」
澪「ダメだった?」
梓「そうですね……できれば避けてほしいです」
梓2「私も気を付けます」
梓「あ、別に気にしないでもいいんだよ」
だんだん怖くなってきたな
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:38:25.40:XQksmedX0さわ子「みんなー、ひさしぶ……」
律「おー、さわちゃん、紹介しよう、新しい部員の」
梓2「あずにゃん2号です、よろしくお願いします」ペコリ
澪「あれがうちの顧問の山中さわ子先生」
さわ子「何この子?」
紬「日本人形が雷で意思を持っちゃったらしいです」
さわ子「へ、へぇー……」
唯「あれ?さわちゃんだったら着替えさせ放題ね!とか言って喜ぶと思ってたのに……」
さわ子「どういう妄想よ、今自分の目を疑ってるのに耳まで疑わなくちゃいけなくて大変なのよ……」
律「大人って柔軟性がないなー」
さわ子「誰が年増ですって!」グリグリ
律「いてててて、言ってないって!」
梓「先生はどう思います?コレ」
さわ子「そうねぇ……」
梓2「……」オロオロ
さわ子「しっぽとか似合う!」
梓「……やっぱりいつもの先生だ」
今日はアレは良いことをしていた
根はいい奴なのだ、気になってるのは私だけだろう
でもいつまでアレはこのままでいるんだろうか
ずっと他人から逃げて隠れて過ごすわけにもいかないだろうし
だからといって堂々と転校生として登校とか漫画でもない限りありえない
今日はムギ先輩の家に連れていかれた
明日は私の家?
それだけはありえない、家族に何て説明するの?
先輩方はちゃんとそこまで考えてるんだろうか
唯「ムギちゃんちはどうだったー?」
梓2「前もいましたから、別にこれと言って感想は無いです……」
澪「確かに、ただの人形だった時の記憶もあるんだよな」
律「いいなームギんち、結局行ってないよなー」
紬「そうだったわね、今度みんなで来る?」
唯「さんせー!」
梓「そうですね、私も行ってみたいです」
梓「そういえば……」
紬「なぁに、梓ちゃん」
梓「この子の今後って考えてます?」
唯律澪紬「……」
梓「突然意思を持っちゃって、いつ元に戻るかも分かりませんし」
梓「もしかしたら一生このままかもしれないですし……」
梓2「……」
唯「私が責任を持って育てます!」
律「ここは部長である私が!」
紬「元の持ち主である私が責任を取るわ」
澪「……じゃ、じゃあ私も」
怖くなってきた
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 01:13:21.70:XQksmedX0梓「はぁ……そういうことじゃなくて、いつまでも一緒にいるわけにもいかないでしょう?」
梓「人間じゃないから放っておくわけにもいけませんし、大勢の目に触れるのもそれはそれでまずいし……」
澪「確かに、どうしたらいいかな?」
梓2「わ、私は人形ですから……別に倉庫でじっとしてるだけでもいいんです!慣れてますし……」
律「そんなこと言うなよ!ムギ、なんとかならないのか!」
紬「もう専用の別荘を作るしか……」
律「うわ、なんて贅沢な解決法!」
唯「あずにゃん、なんだかんだで一番あずにゃん2号のこと考えてくれてたんだね」
梓「ええ、それはもう……」
梓(自分と瓜二つな動く人形のことを考えないほうがおかしいですよ……)
今日はあの子はさわ子先生の家に行くことになった
先生の車に乗せられて行く様は、心の中でついドナドナを歌ってしまいたくなるものだった
変なベクトルのロックを吸収しないか心配だ
心配だ、と言ってもあの子の心配をしているわけじゃない
瓜二つだから何か事件でも起こされると私が困るのだ
ピロリロピロリロ!
澪「速弾き!?」
ギャイイイイイイン!
律「歯ギター!?」
さわ子「練習させちゃった♪」
梓2「お粗末さまでした」
梓「う、上手い……」
さわ子「ギターはしばらく私のヤツ貸してあげるわね」
梓2「ありがとうございます!」
唯「すごいね!私ぐらい上手くなっちゃったかも!」
梓「いえ、どう考えても唯先輩より上手いです」
唯「がーん…」
梓2「そ、そんなことないですよ……」
律「もう唯もお役御免かもなー」ヘヘヘ
唯「ひどいよりっちゃーん!」
澪「ちょっとあずにゃん2号も合わせて弾いてみるか?」
紬「いいわね♪」
唯「じゃあ私のパートをやりたまえ!」
梓2「すみません、先輩のパートを……」
唯「後輩の成長を見守るのも先輩の仕事だからね!」フンス
梓「唯先輩が見栄を張り続けている……」
律「じゃあ行くか―、1、2、3、4!」
あの子の成長は凄まじかった
1日でたくさん成長する
というか一瞬で物を覚える
まぁ機械なんだから仕方ないか
今日は私の家に行くことになりそうだったがもちろんお断りした
せめて親がいない日だったら問題は無かったんだけど……
結局今日はあの子は部室で過ごすことになった
今日は天気が悪い
今にも落ちてきそうな空だ
今日のさそり座の運勢は12位、最悪だ
占いなんて当たらないだろうと思っても、カラスの鳴き声がそれを許してはくれなかった
梓「傘持ってったほうがいいね、これは」
私はお気に入りの傘を一応持っていくことにした
純「あ、梓、昨日はありがとうね!」
梓「昨日?」
純「昨日の夜偶然会った梓に助けてもらったじゃん!」
梓「あ、ああ、アレね……」
梓(何で目立った行動してんのよ!)
「梓ちゃん、いる?」
梓「いるけど……」
憂「またあずにゃん2号?」
梓「うん……もう人目につかないようにしてって言ったのに……」
憂「昨日部室に残ってたんでしょ?きっと寂しかっただけだよ」
梓「だけならいいんだけど……」
憂「……」
窓を見ると、水滴が数粒張り付いていた
梓「こんにちはー、すみません遅くなって」ガチャ
唯「あ、あずにゃん2号、どこ行ってたの?」
梓「はい?」
律「じっとしてろって言ったじゃんか」
澪「心配したんだぞ」
紬「みんなでこれから探そうと思ってたのよ」
梓「わ、私は……」
梓2「そうだよ、迷惑掛かるのは私なんだから!」
ついに来たか…
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 02:14:16.49:XQksmedX0梓「ちょっと!私はあずにゃん2号じゃないって!」
唯「え?でもこっちのあずにゃんは四葉のクローバーついてないし……」
梓「私にもついてませんよ!」
澪「一人で練習してたけど演奏は今まで通りだったぞ?」
梓「いつも一瞬で覚えるじゃないですか!癖までマネして!」
律「いつものあずにゃん2号と口調違うしなぁ……」
梓「私の立場を乗っ取ろうとしてるんです!」
梓2「もう演技はやめて!」
梓「演技!?どっちがよ!」
梓2「なんであなたは私のマネして私になろうとするの!?」
梓「その言葉、そっくり返させてもらうわ!」
唯「喧嘩はダメだよぉ……」
梓「こっちはそんなこと言ってる暇じゃないんです!」
梓2「すみません唯先輩、私が譲歩すればすぐに済みますよね」
唯「そんな!あずにゃんはニセモノじゃないよ!」
梓「唯先輩!」
梓「そ、そうです!私はかばんを持ってますし、ギターも……」
梓「あれ?そういえばむったんを持ってきた覚えが……」
梓2「かばんがなくなったと思ったらあなたが盗ってたんだ、わざわざそこまでして……」
梓2「ちなみに私はギターを持ってきてますよ?」
律「うーん、これはどっちなんだ?」
澪「もう訳がわからない……」
梓「あーもう!なんでわかってくれないんですか!」
梓「……唯先輩、私に抱きついてください」
唯「ほえ?」
梓「早く!」
唯「う、うん……」ギュー
梓「どうです?」
唯「いつも通りだよ?」
梓「じゃああっちに抱きついてみてください!」
梓2「わ、私は……」
唯「?」
梓2「だ、抱きつかないでください!私は抱きつかれるのが嫌いです!」
唯「がーん……」
梓「あれは抱きつかれるとぼろが出るからです!構わずギューっとやっちゃってください!」
唯「わ、わかったよー」ギュー
梓2「……っ!」
唯「……なんか変、抱き心地が違う気がする」
律「じゃあやっぱり!?」
梓「どう?観念した?」
梓2「こ……これは……」
澪「どうしてそんなことしたんだ?」
梓2「ち、違うんです!心を入れ替えられたんです!」
唯律澪紬梓「!?」
梓「まだくだらない抵抗を……そんなことあるわけ……」
梓2「人形に意思が生まれたのに今更だよ!とにかく心は本物のあずにゃんです!」
唯「う……んー……」
梓「異議あり!私は自分のことをあずにゃんとは言わない!」
梓2「!」
紬「決定的ね」
ザァーーーー……
梓2「……そうです、私があずにゃん2号です」
梓「……」
変なおじさんかよw
143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 03:00:27.67:XQksmedX0梓2「私は今まであなた達の家に行っていろんなことを学びました」
梓2「言葉、コミュニケーション、楽器、ゲーム……」
梓2「私は楽しかった、それはとても刺激的だった」
梓2「でも私は人形、自由にそれを楽しむことはできない」
梓2「だから乗っ取ってやろうと思ったんです!私に瓜二つの、この女の人生を!」
梓「……本性を現したわね、デクノボー!」
梓2「入れ替わりを考えたのは律先輩が見せてくれた映画がヒントでした」
律「え、私!?」
梓2「そのためにギターを練習したし、ボランティアをしてお礼をさせてこの女を引きとめました」
梓2「学校からこっそり抜け出してギターを盗んだ時にお前の友達に会った時はどうしようかと思ったけど、
逆に利用させてもらいました」
梓「そんなこと、べらべら話してどうする気?もう許さないよ」
梓2「許す?ふふふ、面白いことを言いますね」
梓2「私はあなた達を全員殺してあずにゃんになるんです!」
ピシャーン!ゴロゴロ
殺ってやるです!
147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 03:10:57.07:XQksmedX0澪「に、ににににに逃げなきゃ!」ガチャガチャ
澪「あ、開かない!」
律「落ちつけ!ドアは押すんじゃなくて引け!」ガチャ
梓2「待ってください!」
唯「うぅ……」
梓「何やってるんです!逃げますよ!」
唯「うん……」
律「ここで一旦散るぞ!澪、来い!」
澪「あわわわ……」
紬「じゃあ私がこっちに引きつけるから唯ちゃんと梓ちゃんは向こうに逃げて!」
梓「わかりました!」
唯「ムギちゃん……生きててね」
紬「大丈夫、ちゃんと逃げるから♪」ニコッ
梓2「……ムギ先輩、他の人はどこですか?」
紬「教えないに決まってるじゃない」
梓2「……そんなに殺されたいですか?」
紬「それも違うわ」ダダダッ
梓2「!……待ってください!」
澪「はぁ……はぁ……」
さわ子「……ホントにそんなことが?」
律「ああ、ホントだ」
さわ子「……私、助けに行くわ」
律「私も行く!」
澪「!」
律「大丈夫だって、流石に職員室にいれば安全だろ」
さわ子「生徒がちょっと待たされてても他の先生も気にしないわ」
澪「ごめん……」
律「まぁちゃっちゃとやっつけて帰ってくるからさ」
梓「はぁ……はぁ……」
唯「なんで廊下も教室もだれも居ないの……?」
梓「酷い雨ですから、みんな帰っちゃったんですよ」
梓「全く……今日はついてないなぁ……」
唯「ごめんねあずにゃん、私達のせいでこんなことになっちゃって……」
梓「別に気にしてませんよ、というか気にしてる場合じゃないです!」
唯「そっか、ごめんね」
紬「はぁ……はぁ……」
梓2「所詮は人間ですね、もう疲れたんですか」
紬「きっともう梓ちゃんたちは逃げ切ったところだと思うし、私の役目は終わりよ」
梓2「……そうやって負け惜しみを言えばどうにかなると思いましたか?」
紬「……」
律「消火器アタァーーーーック!」ゴスッ
梓2「!」
律「どうだコノヤロー!」
梓2「私の後ろ頭……へこんじゃいました……」
紬「りっちゃん!」
さわ子「ムギちゃん、これ!効くかどうかわからないけど!」ヒュン
紬「これは……ライター?」パシッ
梓2「くっ……3人に増えましたか……」
律「かかってこいよ!スクラップにしてやる!」
梓2「うおおおおおおおお!」ガキーン
律「ぐ……力つよ……」グギギギギ
紬「後ろががら空きよ!」シュボッ
梓2「ぐああああああああああ!」
さわ子「さあ、逃げましょう!」
律「頼む!焼け死んでくれ!」
紬「……もう見てられない」
梓2「……体が……燃える」
梓2「このままじゃあ……人間の姿じゃなくなっちゃう……」
梓2「雨……そうだ、雨が降ってるじゃないですか!」
がしゃーん!
唯「玄関はすぐそこだよ!」
梓「はい!」
ぐしゃあ!
唯梓「!?」
梓2「ふふふ……見つけた……今日はついてますね……」
唯「あ、あ、あ……」
梓「……っ!」スチャ
唯「あずにゃん!」
梓「来い!化け物!」ガタガタ
梓2「そんな傘一本でどうする気です?」
梓「お前に唯先輩は……こ、殺させない!」
澪「梓ーーー!傘を奴に刺せーーーー!」
梓「澪先輩!分かりました!」
梓「当たれえええええ!」ヒュン
グサッ!
梓2「でもこの程度じゃあ痛くもかゆくも……」
ピシャーーーーーン!
梓2「ぐああああああああああ!」
梓「避雷針!?」
澪「大丈夫かーーー!唯ーーーー!梓ーーーー!」
梓「おかげさまで大丈夫です!ありがとうございました!」
澪「あ、すみません、傘をさせって言うのは雨が降ってるからであって決して危ないことを推奨してるわけじゃ……」
唯「ふぅ……これにて一件落着かな」
梓2「……」
梓「あとはみんなを呼んでアレを処分しないと……」
梓「この傘、お気に入りだったのになぁ……」
梓2「……アーモウボロボロジャナイカ」
人形「……コロシマス」
唯「あずにゃん!後ろ!」
梓「え?」
ブォン!
梓「きゃあああああああ!」
人形「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス……」バキバキ
唯「自分の左手をもいでる……!」
人形「コロスコロスコロスコロスコロス……コ、コンニチハコンニチハコンニチハコンニチハ……」ブォンブォン
梓「いやああああああ!た、助け……」
グサッ!
梓「……え?」
澪「梓!離れろ!」
梓「は、はい!」
ピシャアアアアアアアアン!
人形「!!!!!!!!!!!!!!」
人形「コ、コン……ナラ……サヨウナラ……サヨウナラ……あずにゃん2号だね!今日からあず」
人形「……」
唯「今日ダーツに行ったら私達高得点だね」
梓「ゆ……唯先ぱぁああああああい!うわあああああああああん!」
唯「よしよし、あずにゃん無事でよかったね」
紬「さっき澪ちゃんが叫んでたけど大丈夫だった!?」
律「奴は!?」
唯「アレだよ」
さわ子「グロっ!」
なんかちょっと可哀想だな
171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 04:48:21.75:XQksmedX0律「澪、大活躍だったみたいだな!」
澪「えへへ」
律「それに唯と梓もよく戦ったよあの化け物と」
梓「それは律先輩も同じじゃないですか」
律「それにムギ、初めに自分を囮にしようなんてすごい勇気だったな」
紬「そんなことないわよ♪」
律「それに引き換えさわちゃん!あれだけ意気込んで何もやってないじゃん!」
さわ子「私だって活躍したかったわよー」
メカにゃん…
174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 05:05:22.42:XQksmedX0梓「あれ?だんだん雨が弱くなってる?」
律「おかしいな、今日は朝から曇りの予報なのに晴れてきたぞ」
澪「見ろ!虹だ!」
紬「綺麗!」
唯「雨降って地固まる、だね!」
澪「ちょっと違うと思うぞ」
梓「私達は傘失くしたんで最悪ですよ、虹程度で満足すると思ってるんですか」
律「誰に言ってるんだ?」
梓「神様ですよ」
その後あの人形が動くことはありませんでした
専門家がああなった原因を探ろうとしましたが、コンピューターはメタメタになっていて調べることは敵いませんでした
製造元の社長さんはこの話を聞いてただ嫌な顔をしていたそうです
こっちは命がかかってたのに、大人は勝手です
さて、みなさんはこれに懲りて真面目に練習……
唯「あー!そのケーキは私が最初に目を付けてたんだよ!」
律「言われなかったらわかんねーよ!」
澪「くだらないケンカするな!」
紬「まぁまぁ、ここは公平にじゃんけんで決めたら?」
してほしいです……
おわり
日本人形ロボット製造工場
がっしゃん、がっしゃん
男A「回収された人形の話って知ってるか?」
男B「何だよそれ」
男A「なんでも人を襲う人形がいたんだってさ!」
男B「なんだ、怪談かよ」
男A「社長の知り合いのお子さんが被害者だとか」
男B「ふーん」
男A「もっと興味持てよ……」
男B「で、それがどうした?」
男A「その人形、実は溶かされてここの工場に材料としてやってきたって噂だぜ!」
男B「何を根拠に……」
男A「さぁな、でも面白そうじゃないか?」
男B「別に」
男A「つれないなぁ……」
男B「それより動作チェックだろ、口より手ぇ動かせ」
男A「はーい」
「コンニチハ」
「コンニチハ」
「コンニチハ」
「コンニチハ」
「こんにちは」
TO BE CONTINUED!?
おお、なかなか面白かったおつかれ様
181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 05:43:20.69:XQksmedX0見てくださった方ありがとうございます
正直こんなに見てもらえるとは思ってなかったです
パニックホラーのテンプレートみたいな話にできてたら嬉しいです
187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 12:54:40.95:oDQbBZiA0正直こんなに見てもらえるとは思ってなかったです
パニックホラーのテンプレートみたいな話にできてたら嬉しいです
途中からどうしてこうなった
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が、そこはメカあずにゃん。雷には勝てなんだか
ていうかゴジラ対メカゴジラだと思ってたのに