- 6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 23:11:45.54:/15Ma4eB0
とあるアパート・木山春生の部屋――――
黒子「そ、そんなおバカな話……、私が信じるはずがありませんの………」
木山「……と、言われてもな…。これは事実なんだ、受け入れてくれ」
黒子「な、なんでそんなことに……」
木山「さあな、詳しい原理は私にもわからんよ」
木山「なにか、この原因の心当たりはないのか……?」
黒子「心当たり……。1つ、ありますの……」
黒子「実は、先日、ジャッジメントの仕事で学園都市に潜入した男と戦闘をいたしました」
黒子「捕り物自体は呆気なかったのですが、捕まえた直後、その男におかしな粉袋をぶつけられました」
黒子「この症状が出たのは、その直後ですの」
木山「なるほど。しかし、初耳だな。少なくとも、私が知る限りではこんな症状が出たのは君が初めてだ」
木山「信じられんが、科学ではない、なにか魔術的な能力が君に作用しているのかもな…」
黒子「それで、解決の方法は……」
木山「今のところ、さっき提示したもの以外には方法が思い浮かばんよ。申し訳ない」
木山「君は、異性と性行為をしない限り、一切の能力を使えない体になってしまったようだ」
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7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 23:23:18.69:/15Ma4eB0
黒子「はあ…………(溜め息…」
木山「わからんな。そんなに落ち込むようなことか……?」
木山「元教育者としては望ましくない発言であることは承知しているが……」
木山「君くらいの年齢であれば、性行為を経験済みの者も別段珍しくはないだろう…?」
黒子「確かに珍しくないかもしれませんが、私の場合は無理なんですの」
木山「……なぜだい?」
黒子「私が愛しているのは、この世でただ一人だからですの」
木山「好きな人がいるのか……。だったら、その男の子と…」
黒子「御坂美琴お姉さまですの」
木山「…………なんだって?」
黒子「私が愛しているのは、この世で美琴お姉さまただ一人ですの!」
木山「君は…そういう方向の人だったか……」
木山「いや、同性愛を否定するつもりはないよ。しかし、今回の場合、それは問題だな」
黒子「確認をいたしますが、同性同士では……」
木山「ダメだ。男性との性行為でなければ、君は能力を取り戻すことはできない」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 23:27:26.22:q4Ls74NF0
木山「まあ、そんなに落ち込むこともないさ。能力なんかなくとも生活はできる」
黒子「しかし……」
木山「君の友人――佐天涙子といったか――も、無能力者だが普通に暮らしていけているのだろう」
木山「能力など一切なくとも、生きていくことはできるさ」
黒子「しかし、それではジャッジメントの仕事に支障が……」
木山「それは、休むしかないだろう。残念だが」
黒子「でも、一七七支部は私がいなければ……」
木山「自分の身を第一に考えなさい。能力のない君になにができる…」
黒子「…………。……わかりましたの…(ションボリ…」
黒子「木山先生、本日はどうもありがとうございました……」
木山「礼には及ばんよ。それと、あんまり気を落とすな」
黒子「はあ………」
ファミレス・テーブル席――――
佐天「ええっ!!? 男とセックスしないと、能力が使えない病気にかかったぁ!!!」
黒子「ちょ、ちょっと、佐天さん!! 声が大きいですの!!!」
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 23:51:20.12:/15Ma4eB0
佐天「そ、それって本当なんですか?」
黒子「こんなしょうもないウソ、つくわけがありませんの……」
初春「でも、能力が使えないだなんて、どうするんですか…?」
黒子「それをどうにかするために、こうしてアナタたちにお話を伺ってるんじゃありませんか…」
佐天「ちなみに確認しときたいんですけど、素直に男の子とセックスするって選択はないんですか?」
佐天「ほら、私たちくらいの年齢なら、やってる娘なんて別に珍しくないですし…」
初春「ちょ、ちょっと! 佐天さん!!」
佐天「もちろん、私は初春ラブ一筋だから、男と付き合ったことなんてないですけどね!!」
初春「もう……」
黒子「その選択は、問題外ですの!! 美琴お姉さま以外と寝るだなんて、不潔極まりません!!」
初春「だったら……、諦めるしかないんじゃないでしょうか?」
黒子「あ、諦めるって……」
初春「大丈夫ですよ。ジャッジメントの仕事なら、白井さん抜きでも回してみせますから!」
初春「だいたい、白井さんは前線で体を張ってきたんだから、ちょっとくらい休んだっていいじゃないですか…」
初春「ね、戦士の休息ってやつですよ。良い機会ですから、普通の女の子に戻ってみたらどうです?」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 00:03:00.09:czEbm3LC0
黒子「うーん…………」
初春「ジャッジメントには、私から休職届けを出しておきますから」
黒子「…………わかりましたの」
黒子「それと、もう1つ…」
佐天「なんですか…?」
黒子「このことは、お姉さまには秘密にしておいてもらえませんでしょうか」
佐天「え? どうしてです? 御坂さんなら、色々と協力してくれそうなのに……」
黒子「だからこそですの。お姉さまは、極度のお節介焼きです」
黒子「もしも、私の今の状態を知ったら、あれこれと世話を焼かせることになりそうですので…」
初春「………そうですか。わかりました。御坂さんには秘密にしておきます」
佐天「私も、です」
黒子「ありがとうですの。……相談に乗ってもらったお礼に、ここは私のおごりですわ」
黒子「なんでも好きなモノを頼んでくださいませ」
佐天「やった! 奢りだって!! 初春、なに頼もっか?」
初春「うーん、そうですねぇ……」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 00:17:29.99:czEbm3LC0
学園都市・路上――――
黒子「しかし…、私が瞬間移動能力を失くしてしまうなんて……、なんだか実感が湧きませんわ…」
黒子「……。…ん? あれは……」
学園都市・路地裏――――
スキルアウトA「おらおら、財布持ってんだろ! とっとと、出せや、オラぁ!!」
スキルアウトB「モタモタしてんじゃねぇよ!!」
スキルアウトC「ボコボコにすっぞ、ゴラぁ!!?」
黒子「そこまでですの!」
スキルアウトA「あァん? 誰だ、お前??」
黒子「ジャッジメントですの!! 大人しくこの場を後にしなさい!! さもないと痛い目に……」
黒子「……………………」
黒子「……ああ!!? 能力が使用できないの、すっかり忘れてましたの!!!!」
スキルアウトA「なあ、この女、腕章付けてねえけど、本当にジャッジメントかぁ?」
スキルアウトB「まさか、こんな細い女がジャッジメントなわけねェだろ? 騙りだべ、きっとよ!」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 00:27:16.82:czEbm3LC0
スキルアウトA「どうする、この女……?」
スキルアウトC「人気(ひとけ)もないし、脱がしてやっちまおうぜ!!」
黒子(うぅ……、これはちょっとピンチですの…)
「ちょっと、待て!」
スキルアウト「あん?」
黒子「ふぇ……?」
「そんなか弱い女の子1人に、チンピラが3人がかりって、そいつは少し情けないんとちゃうか?」
スキルアウトB「なんだテメぇ? やんのかァ??」
「おう! このボクが相手になったるわ!!」
黒子「あ、あなた、危ないですわよ!!」
「大丈夫、ボクにまかせといてぇな!!」
3分後――――
「ま、まいりました……。も、もう、勘弁してください……(ボロボロ……」
黒子「お、驚きの弱さですの……(あんぐり……」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 00:38:43.53:czEbm3LC0
スキルアウトB「……おい、どうするよ………」
スキルアウトC「なんか、あんまりにも弱過ぎて覚めちまったわ……」
スキルアウトA「もう行こうぜ……。おい、そこの、弱いくせに喧嘩売ってんじゃねぇぞ!!?」
ツカツカ ――――
黒子「……行ってしまいましたの…。かつあげされていた生徒も、気付いたら逃げたようですわね…」
黒子「そんなことより、あなた、大丈夫ですの……?」
「あ、ああ…。なんとか……」
「ははは、カミやんや土御門みたいには、上手くいかんもんやね…」
黒子「まったく、勝てもしないくせに、どうして首を突っ込もうなどと思ったんですの?」
「勝てもしないくせに……? ボクは最初から、喧嘩に勝つ気なんてあらへんかったよ」
黒子「へ…?」
「ボクが引き付けてる間に君を逃がそうとおもたんやけど、君がちーっとも逃げへんから……」
「ボク、こんなボコボコにされてしもったんやないかい……」
黒子「……それは、申し訳ありませんでしたの…」
黒子「…………。立てますか? 寮で、手当てをして差し上げますの」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 00:54:42.51:czEbm3LC0
常盤台中学校の学生寮・美琴と黒子の部屋――――
「ん、ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「ま、まさか、このボクみたいな男が中学生の女子寮に入れるだなんて……」
「やっぱり、人助けってもんは、してみるもんなんやねぇ……」
「あぁああああ、む、むっちゃええ匂いがするわぁ…(クンカクンカ、クンカクンカ、クンカクンカ、クンカッ!!」
黒子「ちょっとちょっと、なにを1人で興奮してるんですの。この変態…」
黒子「治療に取りかかりますので、さっさと上着を脱いでくださいませ!!」
「あ、ああ、すまんかった……」
ヌギッ!! ――――
黒子「では、ちょっと染みますわよ。堪えてくださいませ……」
「はいよ…。あ、ああ、痛たたたたたたッ!! これ、結構、クるわぁ…!!」
黒子「ところで……」
「ん? なにぃ?」
黒子「あなた、お名前はなんて申しますの…?」
「ボクの名前? うーん、知り合いには、青髪ピアスって呼ばれとるね」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 01:08:31.83:czEbm3LC0
黒子「青髪…ピアス……?」
黒子「そのあだ名、あなたの外見まんまを言ってるだけじゃありませんか……」
青髪「あはは、まあ、他に特徴もないからなぁ、ボク…」
黒子「まあ、それはともかく、お姉さまがお出かけのときでよかったですの……」
青髪「お姉さま…? 誰なん、それ……?」
黒子「ルームメイトの先輩のことです。とっても素晴らしい方なんですのよ」
青髪「ふーん、…………もしかして自分…」
黒子「はい?」
青髪「その先輩のことが好きなんちゃうかぁ?」
黒子「!!? …………ど、どうして、初対面のあなたがその事を…」
青髪「いや、なんか、先輩のことを語るときの顔が嬉しそうだったから、そんな気がしただけやけど…」
黒子「……むぅ…。と、とにかく、お姉さまがいないときでよかったですの」
黒子「私と半裸の男が、部屋に2人きりでいるところなんかを目撃されたら……」
ガチャッ!! ――――
美琴「黒子、ただいまー、……って、その人、誰…??」
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 01:28:06.98:czEbm3LC0
黒子「お、お姉さま……、ず、随分とお早いお帰りですのね………」
美琴「あらぁ、黒子ったら、男の子を連れ込むなんて……(ニマニマ…」
黒子「ち、違うんですの…、これは………(アタフタ…」
美琴「じゃあ、私は外で時間を潰してくるから、遠慮せずにねー(ニマニマ…」
ガチャッ、バタン!! ――――
黒子「か、完全に、ご、誤解をされましたの…………(orz…」
青髪「あはは、そやね、なんか誤解されてしまったみたいやねー」
黒子「………………(ギロッ…」
青髪「え、な、なに…? なんで、そんな恐ろしい目で睨んでますのん?」
黒子「あ、あんたのせいで、愛しのお姉さまにいらぬ誤解を受けましたの!!」
黒子「さあ! 治療が済みましたので、さっさとテレポートで外に追い出し……」
青髪「……な、なに、どうしたん??」
黒子「そ、そうだ、能力は使えませんでしたの……」
青髪「おーい、どうかしたん??」
黒子「と、とにかく、とっととこの部屋を後にしてくださいませッ!!!」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 01:40:10.96:czEbm3LC0
その日の夜、常盤台中学の学生寮・美琴と黒子の部屋――――
美琴「しっかし、驚いたわよ、あれだけ、お姉さまお姉さまって言ってた黒子が…」
美琴「まさか、私がいない間に、男の子と部屋で密会していただなんてねー」
美琴「それで、あの男の子とは、どのくらいまで進んだのか白状しなさいよ!!」
黒子「で、す、か、らぁ!! あの方は傷の手当てをしてあげただけです!!」
黒子「お姉さまが邪推しておられるような、不埒な関係ではございませんの!!」
美琴「ふーん、……ま、それで納得してあげるけどさ、寮監には見つからないようにしなさいよ」
黒子「お姉さま、まったく信用されておられませんわね?」
美琴「まーね! じゃあ、私はもう寝るから。おやすみ、黒子!!」
黒子「……おやすみなさいですの」
美琴「……夢の中で、彼に会えるといいわね!!」
黒子「だ、だから、あの男とは!!?」
美琴「わかったわかった、じゃ、おやすみ!!」
黒子(…………まったくもう…。誤解だと言ってますのに……)
黒子(……。それは置いておいて、やはり、能力が使えないというのは問題ですわね…)
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 01:54:03.01:czEbm3LC0
翌日、ファミレス・テーブル席――――
佐天「え? やっぱり能力を取り戻すために、男の人とセックスすることにした!!」
黒子「だ、だから、声が大きいと言ってますでしょうに!!?」
初春「……でも白井さん、昨日は、御坂さん以外と寝るのは嫌だって言ってたじゃないですか?」
黒子「実はですわね、昨日、あなたたちと別れたあと、スキルアウトに襲われまして……」
黒子「その結果、かくかくしかじか…………それで、結局、能力は必要だという結論に達しましたの」
佐天「それはわかりましたけど……」
初春「いいんですか、白井さん?」
黒子「なにがですの?」
佐天「それって、能力回復が目的で好きでもない人とHするってことですよね?」
初春「ほら、白井さん、そういうの嫌がりそうだから……」
黒子「当然、嫌で嫌で仕方ないに決まってますの!」
黒子「……ですが、そうしないと瞬間移動が使えないのだから仕方ありませんでしょう?」
黒子「能力が使えなければ、いざというときにお姉さまを守ることもできませんし……」
黒子「そういうわけで、相手探しに協力していただけませんこと?」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 02:07:35.50:czEbm3LC0
学園都市・橋の下――――
削板「彼女ォ?」
黒子「はい、私と少し、お付き合いしてみませんこと?」
削板「笑止! 鍛練中の身だッ! 色恋に興じている時間等ありはしないッ!!」
佐天「でも、少しくらいなら……」
削板「くどいッ!!? 正拳突きッ!! あと148回ッ!!」
削板「根性ゥ――――!!?」
学園都市・公園――――
垣根「俺と付き合いたいだと?」
黒子「そ、そうですの! 少し、恋人が欲しいなぁと思いまして……」
初春「ね? どうですか? 彼女、家庭的で可愛らしい一面もあるんですよ?」
垣根「悪いが、そういう青春臭いのには興味がなくてな」
垣根「申し訳ないが、他の男を当たってくれ」
黒子「…………それは、残念ですの」
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 02:18:16.09:czEbm3LC0
学園都市・広場――――
上条父「あっはっはっは、こんな若くて可愛らしい娘に告白されるなんて、私も捨てたもんじゃないかな…?」
黒子「ちょっと、佐天さん……(ヒソヒソ…」
佐天「はいはい、なんでしょう……?」
黒子「この方は少し、恋人にするには歳を取り過ぎではありませんの…?(ヒソヒソ…」
佐天「なに言ってるんですか、白井さん。経験ないんですから、リードしてくれる年上の人の方がいいんですよ(ヒソヒソ…」
上条父「いやぁ、嬉しい申し出だけど、後ろにいる妻を怒らせると恐いから遠慮しておくよ…、ははは」
上条母「……………………(ゴゴゴゴゴゴゴゴ……」
学園都市・教会前――――
建宮「悪いが、こう見えても聖職者。あまり気軽に異性と交わるわけにはいかんのよな…」
学園都市・ゲームセンター――――
海原「申し訳ありませんが、御坂美琴さん以外の女性に興味がないんです」
学園都市・駅前――――
ステイル「悪いが、インデックス以外の女性に興味がないんだ。他を当たってくれ」
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 02:26:16.02:JurqSNf00
学園都市・路上――――
佐天「ね、ねぇ、初春……。堅気に見えないけど、この人に声掛けるの…?(ヒソヒソ…」
初春「大丈夫ですよ…。見た目は恐いですけど、話しかけちゃえばなんとかなるもんですって!」
一方通行「あン…? なに見てンだ、お前ら……?」
初春「はい、あのですね……、失礼ですけど、彼女とかいらっしゃいますか?」
一方通行「彼女…? あのなァ、暗部で生きる人間に、ンなもンがいるわけねェじゃねェかよ…」
初春「そうですか。よかった」
一方通行「よかっただァ……。お前、俺のこと馬鹿にしてンのかァ?」
初春「あの、よかったっていうのはですね、あなたに紹介したい女性がいるんですよ。ね、白井さん?」
黒子「え、ええ……」
初春「どうですか? 彼女を恋人にしてみませんか?」
一方通行「…………なァ、お前、何歳だよ?」
黒子「じゅ、13歳の中学一年ですの……」
一方通行「……13…? やれやれだ、……いいか、一度しか言わねェから、よォく聞いておけ…?」
一方通行「中学生ってのはなァ、もう、賞味期限切れで不味くて食ェやしねェンだよ!!?」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 02:42:09.32:ZP1C7JUm0
学園都市・ファミレス・テーブル席――――
初春「あ、白井さん、あの人なんかどうですか?」
黒子「……ん?」
絹旗「浜面、のどが超乾きました。ドリンクバーでジュース注いできてください」
滝壺「はまづら、私のもお願いしてもいい?」
フレンダ「ちょっと、サバ缶食べたいんだけど、早く買ってきなさいよね!!」
麦野「ああ、ついでに、私のシャケ弁もお願いするわ」
浜面「だあああああ!! うるせえ!! 一度にいっぺんに頼みごとするんじゃねえ!!!」
麦野「頼みごとじゃなくて、これは命令よ」
フレンダ「ウダウダ言ってないで、とっとと行ってきて!!」
絹旗「まったく、浜面が超トロいのは相変わらずですね」
滝壺「大丈夫、そんなトロいはまづらでも、私は応援しているから」
黒子「うーん、でも、すでにハーレムを築いている男性に手を出すというのも……」
佐天(あれはハーレムじゃなく、パシリというのでは……?)
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 03:09:39.73:czEbm3LC0
学園都市・公園――――
黒子「やれやれ……、殿方を探すのって、考えていた以上に大変ですの……」
黒子「いつもはお姉さま以外はアウトオブ眼中でしたので、気付かぬ苦労でしたわ」
初春「これから、どうしますか…?」
佐天「うーん、そうだなー、こんなところで女3人でボーっとしてても仕方がないし……」
「かっのじょ~、なにしているのかにゃー」
黒子&佐天&初春「……ん?」
土御門「ひょっとして、暇なのかにゃ? だったら、俺たちと遊ぼうぜぃ!」
佐天「俺たち?」
土御門「ああ、後2人いるから、ちょうど3人ずつだぜよ」
ツカツカ ――――
上条「あれー、白井じゃないか。なにしてんだ、こんなとこで……?」
青髪「お、なんやなんや、デートしてくれる女の子、見つけたんか?」
黒子「上条当麻……、それにあなたは…」
青髪「あ、君は昨日の……。これまた、偶然やね!」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 09:18:30.83:czEbm3LC0
遊園地・エントランス――――
上条「中学生3枚と高校生3枚、お願いします」
券売のお姉さん「わかりました。少々お待ちください……」
黒子「むぅ……」
初春「どうしたんですか、そんな、不満そうな顔して……」
黒子「いえ、殿方と、それもあの類人猿たちとデートなど、本当によかったのかと……」
佐天「もう……、白井さん、ここまで来て、まだそんなこと言ってるんですか?」
初春「そうですよ! 白井さん、能力を取り戻したいって言ってたじゃないですか!!」
黒子「そ、それはそうなのですが……」
佐天「大丈夫ですって! こんなの、最初の一歩を踏み出しちゃえば、案外なんとかなるもんですよ!!」
黒子「そ、そうなんですの…?」
佐天「い、いえ……経験ないから、口から出まかせですけど………」
初春「とにかく、今さら怖気づいたって仕方ないですよ!!」
初春「なるようになります! ここは、GOの一択のみです!!」
黒子「…………わかりました。気は進みませんが、やってみますの…」
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 09:33:53.05:czEbm3LC0
佐天「それで、誰にします?」
黒子「……へ?」
佐天「へ?……じゃなくて、三人一度には付き合えないですから、誰か選ばなきゃ…」
黒子「そ、そうですわね……、と言われましても、どうやって選べばいいのやら……」
初春「白井さんの、好みの男性のタイプに一番近い人を選べばいいんですよ」
黒子「しかし、私はこれまで、お姉さま一筋でしたので、特に好みのタイプというのは……」
佐天「うーん、そうだなぁ……。私だったら、あの黒髪の人を選ぶ、かな…?」
佐天「青髪の人と金髪の人は、なんか変態っぽい感じがするんですよね~」
佐天「黒髪の人が、一番まともな気がするんですよ! 受動的な感じがいまひとつ物足りないとは思うものの…」
初春「そうですか…? 私だったら、金髪の人を選ぶけどなぁ……」
初春「男の人に必要なスキルは、頼もしさですよ! あの人、強そうだし、頼れる兄貴って感じがします!!」
佐天「それで、決めました、白井さん?」
黒子「……類人猿はお姉さまの想い人なので、選択肢から外すとして………」
黒子「あのグラサン、土御門舞夏の兄ですわよね……? 知り合いの兄弟と付き合うのも気が引けますし………」
黒子「となると、残るのは………。でも、なんだかパッとしない男ですわね……」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 09:46:12.37:czEbm3LC0
遊園地・女子から少し離れた位置――――
土御門「カミやん、チケット買えたかい?」
上条「お前ら、割り勘だからな。ちゃんと払ってくれよ」
土御門「はいはい、わかってるって。心配するなよ」
青髪「それで、みんな誰にするん?」
上条「俺は、誰でもいいよ。あの子たち中学生だろ?」
上条「年上のお姉さん好きの上条さんとしては、全員、ストライクゾーンから外れてますので」
青髪「ボクも、誰でもええよ! 女の子は全員ストライクゾーンに入りますんで」
土御門「この、積極性の欠片もない連中めが……」
土御門「俺は選ぶぜよ! あの花飾りの娘だにゃ!! あの娘が一番、ロリ魂をくすぐられるぜぃ!!」
上条「そうだな…。しいて言えば、あの黒髪ロングの子…かな?」
上条「白井よりもあの子のほうが大人っぽい感じもするし……」
上条「それに、白井に手を出すとビリビリに追いかけ回されそうな気もするしな……」
青髪「ほな、ボクはあのツインの娘に決まりやね……」
青髪(でもあの娘、昨日会った感じだと、先輩のことが好きみたいなんよね。どうしよっかなぁ……?)
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 10:02:50.74:ANtLTqBF0
遊園地・ジェットコースター ――――
佐天「まずは、遊園地っていったら定番のコレですよねー」
黒子「これはまた……随分とスリルのありそうなアトラクションですわね…」
佐天「鉄骨じゃなくて白木で組んだゆえ、今にも崩れるんじゃないかという振動が恐怖を助長する…」
佐天「この遊園地の名物アトラクション“ホワイトドラゴン”ですよっ!!」
初春「ほ、本当にコレ、乗るんですかぁ……(ガクブル…」
土御門「はっはっはっは、お花ちゃんは恐がりだにゃー」
青髪「だいじょぶ、だいじょぶ、こんなん、ま、ちょっと爽快感があるかなってくらいの子供騙しやから!」
上条「まあ、アレだけ死線を潜ってきた俺や土御門にとっては、屁でもないよな!」
乗車後――――
初春「乗る前は恐くて仕方なかったですけど、乗ってみると凄く楽しかったですね!!」
佐天「でしょ? こんなんでビビるやつなんて、いないって!!」
黒子「まあ、そこそこのスリルでしたの………」
上条&土御門&青髪「……………………」
上条&土御門&青髪「…………死ぬかと思った…(ガタガタガタガタ……」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 10:40:01.48:czEbm3LC0
遊園地・お化け屋敷――――
佐天「続いては、定番その2ですね」
黒子「しかしまあ、この科学万能の街でお化けとは……」
初春「白井さん、お化け、恐くないんですか……?」
土御門「なーんだにゃ、お花ちゃん、お化けが恐いだなんて可愛いぜよ!」
青髪「あはは、大丈夫やで、男が3人もいるんやから、ホントに出ても追っ払ってやるで」
上条「ああ、なんたって、俺には無敵の幻想殺しもあるしなッ!!」
出た後――――
初春「面白かったですね!! 私、ハマっちゃいそうです!!」
佐天「でしょ! もう一回、入ろうか?」
上条&土御門&青髪「……………………」
上条&土御門&青髪「…………勘弁してください…(ガタガタガタガタ……」
黒子「……………………」
黒子(こんなところ、男性と来てもなにも面白くはございませんわね……)
黒子(ああ、お姉さまとでしたら、きっとこの上なく楽しかったでしょうに…。はあ………)
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 11:14:21.29:czEbm3LC0
遊園地・広場――――
佐天「じゃあ、ここからは3組に分かれて行動しましょうか?」
佐天「2時間後に、またこの場所に集合ってことで!」
遊園地・カフェ――――
初春「土御門さんって、あの土御門舞夏さんのお兄さんなんですよね?」
初春「私、アガシオンで街を歩いている舞夏さんに、何度か会ったことがありますよ」
初春「………………あの……」
初春「聞いてます? 土御門さん……?」
土御門(お、おお……、こ、こ、こんなクオリティの高い給仕服、初めて見たんだぜぃ…)
土御門(あ、侮れんな、遊園地……)
土御門(確かに、言われてみれば、遊園地では店員も場を作る演出装置の1つ…)
土御門(だから、給仕服1つ取っても、ここまでこだわるのは当然と言えば当然だが……)
土御門(なるほど、しかし、遊園地……、このメイド狂の元春、意外な穴場を見落としていたとは…)
土御門(なんたる不覚……、これは、しばらく毎日、この遊園地に通わねば…………)
初春「もしもーし、聞いてますかー??」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 11:30:07.57:czEbm3LC0
遊園地・ショッピング通り――――
上条「……さ、財布を落とした…。ふ、不幸だ………」
佐天(不幸だ…、か……。これで今日、18回目よ…)
佐天(歩いていたらソフトクリームを服に付けられる、鳩の糞が頭に直撃する……)
佐天(ゴーカートと正面衝突する、誤って着ぐるみのお姉さんに抱きついて殴られる…)
佐天(故障して暴走したメリーゴーラウンドの馬から振り落とされる……)
佐天(コーヒーカップで酔ってしまい、吐いた子供の吐瀉物が靴にかかる……)
佐天(観覧車に乗ったらドアをロックし忘れていて、あやうく頂上から落ちかける)
佐天(迷子の子供を案内していたら、誘拐犯と間違われ警備員に追われる……)
佐天(とかとかとかとかとかとか…………)
佐天(この人、ちょっと災難に見舞われ過ぎじゃないんですか…?)
佐天(それに、彼と歩いてるとやたらとスカートが不可抗力でめくれることが多いんですよねー)
佐天(私は、スカートをめくりたい派であって、めくられたい派じゃないのに……)
上条「……こ、今度は、犬の糞をふんづけた……。なんで遊園地で…。ふ、不幸だ……」
佐天(あ、19回目だ……)
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 12:10:41.94:Yl5RkJN+0
遊園地・スワンボート・湖上――――
青髪「いやぁ、良い天気やねー」
黒子「…………そうですわね」
青髪「まさに、絶好のデート日和って感じや」
黒子「…………そうですわね」
青髪「ええっと、…白井さんの趣味とかはなにかな?」
黒子「…………そうですわね」
青髪「あ、あはは、えっと、ボクの趣味は女の子観察なんやけど…」
黒子「…………そうですわね」
青髪「う、うん、そこはなんというか、『単なる変態ですの!』みたいなツッコミが欲しいんやけど…」
黒子「…………そうですわね」
青髪「あ、あの、ひょっとして、ものすごく退屈してらっしゃる…?」
黒子「……ええ、その通りですの」
青髪「それはひょっとして……、件の先輩と一緒じゃないからかな?」
黒子「…………。あなた、読心術かなにかを持ってらっしゃいますの?」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 14:42:52.60:czEbm3LC0
青髪「そりゃあ、そんなつまんなそうな顔してるの見れば誰だって……」
黒子「そうではなくて、なぜ私がお姉さまのことを好きだとわかるんですの?」
黒子「実は、高位のテレパス系能力者だとか……」
青髪「ありえへん、ありえへん、ボク、どこにでもいる無能力者やで?」
黒子「でしたら、なぜ……」
青髪「身近に、異常に恋事に鈍感な男がおってな…、そいつに惚れてる女の子はたくさんいるんやけど…」
青髪「その男は、そんな女の子たちの気持ちにまったく気付いてへんみたいなんや……」
青髪「で、そんな女の子たちの顔を眺めてたら、なんとなく、『ああ、この子は誰それが好きなんやろな』って…」
青髪「だいたい読めるようになってしもたって感じやね」
黒子「…………上条当麻?」
青髪「当たり!」
青髪「しかし、君はその美琴お姉さまのことが好きで好きで仕方ないんやろ?」
青髪「だったら、なんでボクらみたいな冴えない男とデートしてんの?」
黒子「それは……、ちょっとした事情がありまして…………」
ドボン!! ――――
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 14:53:58.58:czEbm3LC0
黒子「あの音は……!」
青髪「子供が池に落ちた! あかん、溺れとるでッ!!」
黒子「すぐ、助けに行きますの!!」
青髪「って、自分、なにするつもりや!!」
黒子「ご心配なく。私はこう見えても、ジャッジメントの瞬間移動能力者…」
黒子「溺れた子供を助けるなど、造作もな…」
黒子「…………あ…、そうだ、私は能力を…」
青髪「…………。待っとき…」
黒子「………へ?」
青髪「君はここで待っとき!! ボクが泳いで助けに行くからっ!!」
ドボン!! ――――
黒子「ちょ、ちょっと!」
青髪「心配せんでもいいで! ボク、犬かき50メートル30秒やから!!!」
5分後――――
青髪「…で、子供を助けられたんはいいけど……、なんで君まで飛び込むの?」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 15:03:48.40:ewMdeZXm0
黒子「いえ、あなた1人だと頼りなかったので、つい……」
青髪「ああ、服びちゃびちゃやし、ヘドロでどろっどろや…、ばっちぃなぁ……」
黒子「おまけに、遊泳用の水ではないので、ひどく臭いますの……」
青髪「どうしようなあ……」
黒子「このままでは、帰れませんしねえ…………」
青髪「売店で、着替えとタオルとか売ってへんやろうか?」
2時間後、遊園地・広場――――
佐天「みんな集まったみたいですね」
初春「じゃあ、帰りましょうか。この後、どうします?」
上条「それはいいけどさ……」
土御門「なーんで、2人はペアルックなんだにゃー?」
土御門「も、もしかして、この2時間でそんな親密な仲に…!!」
黒子「…………事情があってのことですの…(ブスー」
青髪「いやぁ、池に落ちてしもてな……、売店で売ってる服で、一番安いのがこのセットだったんや」
黒子「…………別に、それ以外の他意はありませんの…(ブスー」
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 15:24:18.66:czEbm3LC0
学園都市・モノレール内――――
土御門「…で、結局、遊園地の後はお開きになったんだが、どうだったかにゃ?」
上条「俺、あの佐天って女の子とアドレス交換したけど……」
土御門「おお、カミやんもか!! 俺も、お花ちゃんのアドレスゲットしたんだぜぃ!」
青髪「いいなぁ、自分ら……。ボク、なんにももらわれへんかったわ………」
土御門「あっはっはっは! そいつは残念賞だにゃー、青髪!!」
土御門「まあ、俺とカミやんの勝ち組コンビは、これからこのアドレスに……」
ブーブー、ブーブー、ブーブー ――――
上条「あ、佐天さんからメールが来た……」
土御門「おお!! 俺もお花ちゃんからメールが届いたぜよ!」
上条&土御門「……………………」
青髪「なに? 2人ともだんまりして、メールにはなんて書いてあるん?」
上条「『側にいると私まで不幸になるから、一緒に遊べません』だって……(orz……」
土御門「『メイド服ばかりに鼻の下を伸ばしている変態とは、遊べません』だってにゃ……(orz……」
青髪「あははは、なんや自分ら! ボクに勝利宣言してたくせに、カッコ悪ぅ!!?」
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 15:48:20.26:czEbm3LC0
土御門「はあ……、つまり、男全員、ダメでしたってわけか…」
上条「ま、こういうときも、たまにはあるさ」
青髪「たまにはって……、ボクら、女の子を誘って成功したこと、一度もない気がするけど……」
上条「ん? そうだったか?」
土御門「あー、はいはい、モテモテのカミやんは余裕で羨ましいことですにゃー」
青髪「そうそう、自分、いっつも1人だけ色んな女の子とフラグ立て取るもんねー」
上条「おいおい、ちょっと待ってくれよ、俺、フラグなんて立てた覚えないぞ!」
土御門「はいはい、あー、鈍感鈍感」
青髪「ああ、羨ましいなー、まるで息を吸うかのように女の子と仲良うなれるスペックだなんて…」
上条「だから、意味がわかんねっての!!?」
青髪「やれやれ、またこれが、自覚なしっていうのが……、ん…?」
青髪(なんやろ…? 売店で買った換えのズボンの中に、紙切れが入っとる……)
青髪(んー、なんや? なにか、書いてあるで……これは、ケータイのアドレス…?)
上条「ん、どうした、青髪?」
青髪「あ、いや、……なんでもあらへんよ。……とにかく、今日は全員、残念やったね」
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 18:57:00.50:czEbm3LC0
その日の夜、常盤台中学学生寮・美琴と黒子の部屋――――
黒子(着信…なし…………っと…)
美琴「どうしたの、黒子?」
黒子「へ…?」
美琴「さっきから、ケータイばっかり見つめて。誰かからの返信待ってるの…?」
黒子「…べ、別に、な、なんでもございませんの……」
美琴「それにしてもさ、遊園地に行ったんなら私も誘ってくれてもよかったのに……(ブー」
黒子「へ? ど、ど、どうして知ってますの?」
美琴「ほら、アンタが着てた服さ、あれってあそこのマスコットが印刷されてるじゃない」
美琴「あの服って、あの遊園地でしか販売されてない限定品よ?」
美琴「誰と行ってきたの? 初春さんたち?」
黒子「………………」
黒子「ちょっと、ジャッジメントの仕事で用事があって行っただけですの」
美琴「ふーん、そっか……」
黒子「……実に………くだらない仕事でしたわ…………」
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:04:07.42:czEbm3LC0
美琴「……ねえ、黒子、あんたさ、もしかして…………」
ブーブー、ブーブー
黒子「……………………」
美琴「…………。ケータイ、着信してるわよ」
黒子「は、はいですの……」
黒子「………………………」
美琴「誰から?」
黒子「…………。……迷惑メールでしたの」
美琴「……そっか」
黒子「……それで、なんですの?」
美琴「ん?」
黒子「『あんたさ、もしかして……』の続きですの……」
美琴「ん、ああ、やっぱりいいや、私の思い違いかもしれないし…」
美琴「じゃあ、私、お風呂入ってくるから……」
黒子「行ってらっしゃいですの……」
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:22:53.10:czEbm3LC0
ジャー、ジャー ――――
黒子(シャワーの音…。お姉さま、確かにお風呂に行かれたみたいですわね……)
黒子(あの人から、メールが来ましたの……)
黒子(『来週、会わないか』……か)
黒子(さて、どういたしましょうか……)
黒子(悪い印象を受ける殿方ではありませんでしたが…)
美琴(……なーんてね、シャワーはただ流しっぱなしにしてるだけのフェイク………)
美琴(物陰から様子を観察してたんだけど……)
美琴(“迷惑メール”をじっと見つめてるなんて、……あれは、きっとなにかあったわね?)
美琴(……ひょっとして、昨日会った青髪の男の人と関係があるのかしら…?)
美琴(あの人って、確かアイツの友達……よね?)
美琴(前に、金髪の人と3人で歩いてるのを見かけたし…)
美琴(ちょっと、探りを入れてみるか……)
美琴(可愛い後輩が、悪い人に騙されていたりしても嫌だしね……)
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:42:42.72:czEbm3LC0
翌日、高校・校門前――――
上条「はあ……、上条さんはちんぷんかんぷんの授業の後で疲れているんですよ……」
上条「ですので、決闘はまた今度にしていただけませんでしょうかとビリビリにお願いします」
美琴「ビリビリ言うなって言ってんでしょうが!! ……じゃなくて、今日はそういう用じゃないの」
上条「え? じゃなかったら、なにしに俺に会いに来たんだよ?」
ツカツカ ――――
土御門「おお、カミやん、また押しかけ妻かにゃ? まったく、君はいつもいつも羨ましいぜぃ……」
上条「土御門……、だから、ビリビリとはそんなんじゃねぇっての!」
土御門「はっはっは、まあ、土御門さんは大人なのでその言い分で納得してやるぜよ!」
土御門「それじゃ、また明日……」
美琴「あ、待った……」
土御門「……ん?」
美琴「あなたにも、ちょっと伺いたいことがあるの…」
土御門「俺にも? それは、いったい……?」
美琴「私の後輩、白井黒子についての話よ」
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:07:49.04:czEbm3LC0
学園都市・公園――――
上条「え? 青髪について聞きたいだって…?」
土御門「か、カミやんならともかく、あの青髪が興味を持たれるだなんて!!」
土御門「こ、これは天変地異の前触れかなにかな予感がするぜよ……」
美琴「あのね、黒子のやつ、ひょっとして、その青髪ピアスさんのことが好きなんじゃないかって」
上条「まさか……」
土御門「ないない! だって、あの服着た変態の青髪ピアス先生だぜ?」
美琴「服着た変態……?」
上条「ああ、あの男は、女の子とあればどんな属性であろうと喰いつく変態だ」
土御門「というか、可愛かったらちんちん付いてても手を出す気がするぜよ」
美琴「…………。……あ、ああ、そっか」
土御門「なに?」
美琴「いや、一瞬、なにがおかしいのかわかんなかった」
美琴「だって、黒子って、相手が好きなら、例え同性でもアタックかける女だから…」
上条「あ、あれ…? ひょっとして、変態同士で意外と相性良いのか……?」
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:20:14.25:czEbm3LC0
美琴「ねえ、その青髪さんって、昨日、なにしてたか知らない…?」
美琴「もしかして、黒子と一緒に遊園地に行ってたとか?」
上条「ああ、行ってたよ。俺と土御門、それに佐天って女の子たちとな」
美琴「そっか、やっぱり、ジャッジメントの仕事で行ったなんて嘘だったんだ」
美琴「……………………ん?」
美琴「『俺と土御門、それに佐天って女の子たちと』…ですって?」
土御門「ああ、カミやんたちとで、彼女らをナンパしてな」
美琴(…………佐天さんたち…、私をハブったの…?)
美琴「それで、黒子と青髪さん、どんな感じだった…?」
上条「どんな感じって…、別に、お前が考えているような仲にはならなかったんじゃないのか?」
土御門「メアドも教えてもらえなかったようだしにゃー」
美琴「……そっか、じゃあ、黒子と青髪さんがメールのやり取りしてるってのは、私の勘違いか…」
上条「え? アイツ、白井とそんなことしてるのか?」
美琴「……と、なんとなく思ってたんだけど…」
土御門「にゃるほど…、こいつは確認してみる必要がありそうだぜよ(ニヤリ…」
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:40:17.60:czEbm3LC0
高校・教室――――
上条「あったぞ、青髪のカバン。やっぱり、まだアイツ、学校に残ってたな」
土御門「ああ、小萌先生の手伝いをするって言ってたからにゃ。まあ、下心からだろうけど……」
ゴソゴソ ――――
土御門「お、はっけ~ん!! 青髪のケータイ、ゲットだぜぃ!」
美琴「それで……?」
土御門「おいおい、『それで?』じゃないだろ? こいつのメール履歴を確認するんだぜよ」
美琴「ちょ、ちょっと、人のケータイを勝手に見るなんて……」
上条「それにだいたい、ロックが掛ってるじゃねぇか……」
土御門「そいつはノープロブレム! なんたって、電子の専門家がいるんだからな」
美琴「わ、私……?」
土御門「電撃使いの君なら、市販のケータイ程度のロックを解除するなんて朝飯前だろ?」
美琴「そ、それは確かに、そうなんだけど……」
土御門「君は、後輩のことが気になるんじゃなかったのかにゃ……?」
美琴「…………。……青髪さん、ごめん!!」
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:51:05.44:czEbm3LC0
ピッピッピッ!! ――――
美琴「か、解除できたわよ……」
土御門「グッドジョブ!! さぁ~て、メール履歴はというと……」
上条「おいおい、こいつの画像フォルダ、エッチな画像でいっぱいじゃねぇか……」
土御門「をを! 本当だ、こいつは怪しからんぜぃ! 証拠として、俺のマイクロフォルダに転送してと……」
上条「おい、土御門! そのお色気ムンムンなお姉さんの画像を、俺のやつにも頼む!!」
土御門「それなら、俺はこのロリっ娘バニーちゃんの画像を頂戴するんだにゃー」
美琴「……ちょっと、アンタたち、本来の目的を忘れてんでしょ?」
上条「……あ、ああ、そうだった」
土御門「メールの履歴、履歴っと…………」
土御門「…………お、ビンゴ!! やっぱり青髪のやつ、君の後輩とメールのやり取りしてるようだ」
美琴「………勘は、当たったわけか…」
土御門「うーん、どうやらこの2人、来週に会う約束をしてるみたいだが……。どうする?」
美琴「へ? どうするって…?」
土御門「俺は、青髪を尾行するつもりまんまんなんだが…………心配性の先輩さんはどうする気か聞いてるんだぜよ?」
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:06:56.80:czEbm3LC0
一週間後、ファミレス・テーブル席――――
土御門「確かに俺は尾行すると言ったわけだが……君たち、その格好はいったい…」
上条「いや、お前が尾行するっていったから、変装用に付けヒゲして七三分けにしてきたんだけど……」
美琴「尾行するって言ったから、変装用にギャル服を着てガン黒の化粧してきたんだけど……」
土御門「やれやれ、……これだから、潜入工作の素人さんたちは…………」
土御門「普通の恰好に戻して来なさい、そこの化粧室で……」
10分後――――
美琴「というわけで、化粧を落としてきたけど……」
上条「あの2人、現れたか……?」
土御門「しっ! ………2人とも、ちょうど今、来たところだぜよ…」
美琴「え? どこどこ……??」
土御門「ほら、あそこの、奥のテーブル席……」
上条「けど、遠くて会話の内容がわからないな…」
土御門「大丈夫! 盗聴器は既に設置済みなんだぜぃ!!」
上条「……。お前、用意がいい奴だな………」
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:11:56.14:8DxvhV6nP
黒子「せっかくの休日に、お呼び出ししてしまい申し訳ありませんの」
青髪「ええよ、別にぃ。ボク、暇人やからー。……なんか頼む?」
黒子「いえ、結構です。すぐにここを出ますので…」
青髪「そっか、じゃあ、ボクはコーヒーを頼もっかな…」
店員「コーヒーをおひとつ、お持ちいたしました。ごゆっくりどうぞー」
ツカツカ ――――
青髪「それで、ボクに話ってなんなん?」
黒子「その前におひとつ、お伺いしたいのですが……、今、付き合っている女性はおられますの?」
青髪「ははは、そんなんおったら、一週間前、君らをナンパなんてしとらへんよ」
黒子「それでは、今、気になっている女性などは……?」
青髪「それもおらんけど……。なんやろ? なにを聞きたいのかが、よくわからへんけど……」
黒子「……………………」
黒子「あの…、知り合ったばかりの殿方にこんなことを言うのは失礼とはわかってますが……」
黒子「黒子と、黒子と……」
黒子「この白井黒子と、寝てはもらえないでしょうか!!!」
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:24:32.31:VRCaIGG10
上条&土御門&美琴「!!!!???」
美琴「く、黒子のやつ!! い、いったい、なにを言ってるのよ!!」
土御門「あ、青髪のやつ、羨ましすぎるだろがァ!!?」
土御門「ああ……、こんなご都合フラグを立てまくるのは、カミやんだけで充分だってのに……」
上条「2人とも静かにしてくれ! なんか、話に続きがあるみたいだぞ……」
青髪「じ、自分、いきなりなに言いだすんや!!」
青髪「飲んでたコーヒー、噴き出してしもうたやないかい……」
黒子「く、黒子は本気ですの!!」
青髪「ほ、本気って言われても……。あの、確認を取りたいんやけど、ボクのことが好きってわけじゃ……」
黒子「それは、ないですの」
青髪「そ、そうやろね……、ボク、モテへんもんね………(orz……」
黒子「あ、あの、勘違いしないでくださいませ……、恋愛感情はなくとも、好感は持っておりますので」
青髪「そ、そうか…、慰めをどうもありがと……」
青髪「でも…、恋愛感情がないなら、なんでボクに抱いてくれなんて……」
黒子「…………。……全ては能力を、瞬間移動を取り戻すために、ですの」
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:53:02.47:czEbm3LC0
青髪「能力を取り戻す……? どういうこと…?」
黒子「私は元々、ジャッジメント第一七七支部に所属する、レベル4の大能力者でしたの」
青髪「そっか、君、常盤台のお嬢様やもんな……。レベル4って、大したもんやなぁ…」
黒子「ところがです、ひょんなことから、一週間前に私は能力を使えなくなってしまいました」
青髪「ふむふむ……」
黒子「それで詳細は省きますが、殿方と床をともにすることにより、能力を取り戻すことができるらしいのです…」
青髪「あの……、確認しときたいんやけど、これって、新手のナンパとは違うよね?」
黒子「全て事実ですの。木山春生という、信頼できる研究者から言われたことですので…」
上条「なあ御坂、白井の言ってることって本当なのか……?」
美琴「さあ、初耳だけど……でも、木山先生のことなら知ってる。確かに、信頼できる人よ」
上条「木山……?」
美琴「ほら、あんたも会ったことがあるはず、あの目の下にクマのある、すぐ脱ぎたがる人よ」
上条(……そんな人、あったことあったっけ?)
土御門「ああ、木山春生なら、俺もアレイスターから聞かされてるなぁ」
土御門「なんでも、あの事件を起こした主犯の天才研究者だとか……」
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:55:54.00:Vm10l3qOP
青髪「はあ……、それは、まあ、なんというか、災難やったなあ……」
青髪「でも、別に無理して能力を取り戻す必要なんてあらへんと思うけどなあ………」
青髪「ほら、この街のほとんどの人間は、低レベルの能力者なわけやし……」
黒子「いえ、それではいけませんの。……黒子は、能力をなんとしてでも取り戻さなければなりません」
青髪「なして…?」
黒子「それは…、それは、白井黒子は御坂美琴お姉さまを敬愛しているからですの」
青髪「……。どういうこと…?」
黒子「お姉さまは、その立場上、トラブルに巻き込まれることがとても多いお方です」
黒子「ですので、私は、お姉さまの身の安全を守れるよう強くあらねばならない……」
黒子「ですが…、先日のスキルアウトの件と、溺れている子供の件で実感いたしました」
黒子「能力を持たない私では、人を、ましてやお姉さまをお守りすることなど、到底不可能ですの」
青髪「はあ、なるほど……」
黒子「私が愛しているのは美琴お姉さま唯一人です、あなたに愛情は抱いておりません……」
黒子「恋愛感情を持っていない相手に、こんなことを頼むのが失礼であることは承知しております」
黒子「でも、それでも、この白井黒子の想いのために、私を抱いてはくれないでしょうか……?」
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:23:48.58:ywxgNcNr0
土御門「……と、君の可愛い後輩ちゃんは言ってるみたいだが、どうするのかにゃ?」
美琴「冗談じゃないわよ!! 止めるに決まってるじゃない!!!」
美琴「私は、自分の身は自分で守れるし、それに……」
美琴「私のために黒子が好きでもない男に貞操を捧げるなんて、間違ってるし、するべきじゃない!!」
青髪「……ふーん」
黒子「それで、お返事のほうは……」
青髪「それで君が後悔しないっていうんなら、ボクは別にええけど……」
黒子「……ありがとうございます。ご厚意、感謝いたしますの」
黒子「それでは、さっそく参りましょう……」
青髪「え、行くってどこに…?」
黒子「もちろん、それ専用のホテルに……ですの」
上条「お、おい、あの2人、出て行っちゃったぞ……」
土御門「はてさて、どうしようか…」
美琴「どうするって、決まってるじゃない! 追いかけて、阻止するのよ!!」
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:36:37.73:ywxgNcNr0
ホテル・正面入り口前――――
美琴「ここね…、あの2人が入っていったのは………」
上条「で、どうするんだよ…?」
美琴「決まってるわ!! 中に入るのよ!!!」
土御門「入るって、ここがなにする場所なのか、わかってて言ってるのか!」
ホテル・入口――――
従業員「年齢のことは問わないけど……、君たち…」
美琴「入れてください! 料金なら、2組分を払いますから!!」
従業員「いや、でも、ここは普通、男女2組でくるところで……」
美琴「いいでしょ! 私たち、3人でするんだから!!」
上条「おいおい、俺、こんなとこ来るの初めてだぞ……」
土御門「お、俺だって初めてだぜよ……」
ツカツカ ――――
美琴「あの2人の、隣の部屋を借りたわ。さあ、早くいくわよ……」
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:50:40.45:ywxgNcNr0
ホテル・965号室――――
青髪「ふーん、初めて来たけど、こういうホテルの部屋の内装って、こんな感じなんやね」
青髪「それで、どないする? 経験ないけど、こういうときって、最初にシャワーとか浴びるんちゃう?」
黒子「そ、そうですわね……」
青髪「どっちが先にする…?」
黒子「…………私が先に、失礼いたしますの」
青髪「そう、じゃあ、ごゆっくり……」
ホテル・966号室――――
美琴「どう? 聞こえる…?」
上条「ああ、こうして、壁に耳を当ててるとな…」
土御門「さすがボロホテル…、安普請な作りだぜぃ」
ホテル・965号室――――
黒子「お先に、お湯を借りましたの…。青髪さんもどうぞ……」
青髪「ん、じゃあ、浴びてくるから、ちょいと待っててぇな…」
135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:51:20.58:+fDVX71f0
ホテル・966号室――――
上条「で、でも、ここからどうするんだよ…?」
土御門「これって、俺たち単なる出歯亀なんじゃないのか?」
美琴「どうするって…、決まってるわ、あの男が黒子を襲おうとしたら、突入して止めるのよ!」
ホテル・965号室――――
青髪「はぁ、いいお湯でしたっと、……いや、シャワーなんやけどね…」
黒子「……………………」
青髪「……。じゃあ、そろそろ始めよか、それが目的で来たわけやし…」
黒子「……はい、ですの………」
青髪「…………。……なあ、その前に確認しときたいんやけど…」
黒子「……なんですの…?」
青髪「……ホンマに、後悔はないの……?」
黒子「…………。……後悔など、あるはずがありませんの…」
青髪「そう……。じゃあ、さっそく………」
青髪「君が纏っている、そのバスローブをはぎ取らしてもらうで……」
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 01:20:39.35:ywxgNcNr0
バシン!! ――――
青髪「あれぇ、おかしいなぁ…、ローブを脱がそうとして伸ばしたボクの右手が……」
青髪「なんか、君の左手にはじかれてしまったみたいやで……」
黒子「…………あ、すいませんですの…。つい、手が……」
青髪「……………………」
青髪「君、あれやね……、ウソつきや…」
黒子「……へ…?」
青髪「…………ほら、君、さっき、好きでもないボクに身体を許すのに後悔はないって言ったわりに……」
青髪「なんか…、むっちゃ身体を震わしとるやん……」
黒子「……………………(ガクガク、ガクガク…」
黒子「……。あ、あれ…、変ですの……(ガクガク、ガクガク…」
黒子「……た、たかがこれくらいのこと、私が恐れるはずが………(ガクガク、ガクガク…」
青髪「……………やれやれ…」
青髪「……やめやめ、予定は取りやめやな…」
青髪「ほら、恐ろしい君の保護者も、どうやら迎えに来てくれたみたいやし」
144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 01:34:06.64:ywxgNcNr0
黒子「へ、ほ、保護者……?(ガタガタ…」
ガチャ、バタンッ!! ――――
美琴「黒子ッ!? 助けに来たわよッ!!!」
黒子「お、お姉さまっ!! ど、どうしてここにっ!!!」
美琴「あ、あんたァ……、私の後輩になにしてんのよォ!!!」
ビリッ! ビリビリッ!! ――――
青髪「の、のわぁ!(ヒョイ…) あ、危な、い、今の、間一髪で当たるとこやったで!!!」
美琴「避けたっ、電撃を!!」
タッタッタッタッ!! ――――
上条「お、おい、落ち着けって、御坂!!」
土御門「腹が立つのはわかるが、乱暴はいかんぜよ!!」
黒子「……あ、あなたがたは………。なぜ、ここに…??」
青髪「…………ああ、やっぱり」
青髪「……なんか変な視線を感じるなぁってファミレスから感じ取ったけど…」
青髪「やっぱり、君ら、ボクたちのことをつけてたんやな…?」
145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 01:50:58.05:ywxgNcNr0
上条「青髪、お前……」
土御門「気付いてたのか…?」
青髪「ああ、なんや、変な気配がするなあって……」
美琴「ってことは、あんた、最初から……?」
青髪「うん、当たり前やん……、確かにボクは女の子が大好きやけど……」
青髪「したくないことしなきゃならないって怯えてる子を、むりやり襲ったりはせえへんよ…」
青髪「それで、この子を寮に送り届けてくれる人が必要だったから、件の先輩さんに付いてきてもらったんや」
美琴「…………(それならそうと、先に言っといてくれたらいいのに……)」
青髪「……。まあ、そういうことやで、白井さん……」
青髪「興味のない男と寝るなんて無理やってわかったやろ?」
青髪「ほなら、早く服を着替えて、さっさと……」
黒子「…………すの」
青髪「……え? なんやって…?」
黒子「余計なお世話だって、そう言いましたのっ!!!」
黒子「お姉さまも! あなたも!! それと他の殿方たちも!! 全員、余計なお世話ですの!!?」
148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 02:08:10.84:ywxgNcNr0
青髪「余計なお世話って……」
黒子「お姉さま……、私をつけていたということは、今、私が置かれている状況については……」
美琴「うん、知ってる……」
美琴「でも、大丈夫よ、私なら、自分のことは自分でできるし……」
美琴「それに、能力のない間、黒子のことを守ってあげることもできるから………」
美琴「だから、そんなに焦って瞬間移動を取り戻そうとしなくたって…」
黒子「……それではいけませんのっ!!?」
黒子「お姉さまを、この命をかけてお守りすることが、この白井黒子の使命ですの!!」
黒子「だから、だから、なんとしてでも早急に、私はレベル4の白井黒子に戻らねばなりませんの!!!」
美琴「……黒子…でも…………」
土御門「………………」
上条「……ああ、なるほど、わかったよ…………」
黒子「……へ…?」
上条「このまま帰りたくねぇ、でも、好きでもない男とするのも嫌だ…お前は、そう言うんだよな……?」
上条「それはもう、あれだな……、ムリヤリ押し倒してやるしかねぇってことだよな?」
150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 02:33:05.22:+fDVX71f0
黒子「む、ムリヤリ……」
美琴「ちょ、ちょっと、あんた、なに言って……」
上条「だってそうだろ? 能力を取り戻して、御坂を守ってやりたい……」
上条「でも、青髪とするのは嫌だっていう…、なら、ムリヤリやってやれば満足ってことだろ?」
ジリ、ジリ……
黒子「い、嫌…、来ないでくださいませ……(ジリ、ジリ……」
上条「おいおい、逃げるなよ。恐くてできないっていうから、人が親切に襲ってやろうって言ってんのに……」
黒子「や、嫌ですの…、ムリヤリ、貞操を奪われるなんて……(ジリ、ジリ……」
上条「さあ、諦めて楽になろうぜ、白井……」
黒子「あ、ああ、…………(ジリ、ジリ……」
バンッ!! ――――
黒子「ひっ!!?」
上条「ビビって怖気づくくらいなら、最初から青髪を誘惑なんてするんじゃねぇ!!?」
黒子「………………うぅ…」
黒子「だ、だって、私は、お、お姉さまの、お、お役にた、…うぅ……(ひっく、ひっく……」
158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 03:17:22.04:ywxgNcNr0
黒子「お、お姉さまを、た、たす、助けたく、くて、しかたな、……(ひっく、ひっく……」
黒子「うわああああああああああああああんんんんんっ!!!!!」
タッタッタッタッタッ!! ――――
美琴「黒子っ! 待って!! どこ行くのよ!!!」
上条「白井っ!! 待てって!」
美琴「…………。行っちゃった……」
土御門「おいおい、カミやん、さっきのはビビらせすぎだと思うぜぃ……」
上条「……すまん…」
美琴「とにかく、黒子を追いかけないと……」
美琴「……と、その前に、……ごめんなさい、私の後輩が…」
青髪「ん? ああ、ええよ、別に、大して気にしとらへんから」
青髪「そんなことより、早く探しにいかんと、白井さん、風邪ひいてしまうで…」
上条「あ、そういえば、アイツ、バスローブ一枚で飛び出していきやがった……」
青髪「ほなら、ボクは着替えてから追うから、カミやんたちは先に行っといて」
上条「わかった、……じゃあ、手分けして探すぞ、御坂、土御門」
160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 03:26:35.37:ywxgNcNr0
常盤台中学の女子寮・美琴と黒子の部屋――――
美琴「いない…。帰ってきてないか………」
学園都市・公園――――
上条「ちくしょう、いないな……。どこ行ったんだよ…」
学園都市・駅前――――
土御門「おーい、どこだー?」
学園都市・橋の下――――
黒子「………………」
黒子「………………」
ツカツカ ――――
青髪「見ぃーつけた。……ほら、そんなローブ一枚でいると、風邪ひくで?」
黒子「………………」
青髪「ああ、君に着替えの服を持ってくるのって、これで二回目やな……」
163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 03:38:40.42:nDxpqGwuP
青髪「ほな、ボク、君が着替え終わるまでむこう向いてるから、終わったら声掛けてなぁ…」
黒子「………………」
シュル、パサッ ――――
黒子「私は…、能力のない私は、お姉さまのお役に立てませんの………」
青髪「う、うん…。でも、まあ、そないに気に病む必要はないんとちゃうの……?」
黒子「お姉さまのお役に立てない私は、ただの役立たずですの……」
青髪「そんなことはないやろ……」
黒子「能力のない人間が、どうやってお姉さまを助けられるというのでしょうか………」
青髪「…………。あのな、カミやんと土御門、ほら、ボクの友達の2人、知ってるやろ……」
黒子「………………はい」
青髪「アイツら、ボクの知らないところ――暗部とかいうんかな――で、なんかコソコソやっとるみたいやけど…」
青髪「なにをやっとるのか、ボクにちぃーっとも話してくれへん。気付かれてないって思っとるんやろな……」
青髪「ボクは薄々、なんか危険なことに首突っ込んでんやろなって感づいてるんやけど……」
青髪「能力のないボクにはアイツらを助けることはできへんし、積極的に介入しようとも思ってへん……」
青髪「でも、手助けできなくても友情ってのは成り立っとるんやから、君らもそんな関係でもええんとちゃうかな……?」
166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 04:00:45.13:ywxgNcNr0
青髪「……………………」
黒子「……………………」
青髪「…………あ、ああああ、あかんあかん! これはなんというか、ボクのキャラやないな!!」
青髪「ほら、ボク、基本は変態性癖を周りに撒き散らすギャグキャラやし、こんな真面目なの似合わへんわ!!!」
青髪「あー、やめよやめよ、ギャグキャラに戻ろ、うん、うんうん……」
黒子「…………。………着替え、終わりましたの……」
青髪「あ、そうか、じゃ、みんなも心配してるし、君の寮に帰ろか……」
黒子「……はいですの…………」
学園都市・路上――――
黒子「…………。青髪さん、ああは言ってもらえましたが……」
青髪「うん?」
黒子「やはり、私の使命は、能力を持ってお姉さまをサポートする以外、考えられませんの…」
青髪「そっか……」
黒子「ですので、私はきっと、瞬間移動の能力を取り戻してみせます……」
黒子「だから、そのために、この白井黒子に、協力をしていただけませんですの…?」
167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 04:14:37.19:ywxgNcNr0
青髪「いや、でも……君、さっき………」
黒子「もちろん、今すぐに、というのはムリです。けれど…………」
黒子「これから、数日間、数週間、数ヶ月間を一緒に過ごして、あなたに馴れていけるようにします」
青髪「……………………」
黒子「もちろん、あなたがOKを出してくれるのならば、の話ですけれど……」
青髪「ふん、なるほどなぁ……」
黒子「あの、どうでしょうか……?」
青髪「……。ええよ、数ヶ月でも、なんでも、数年…はちょっと、困るけど……」
青髪「白井さん、ボクはなぁ、人のことを待つことができる人間なんやで」
一年後、学園都市・路上――――
美琴「……黒子、今日はあの人とデートだってさ…」
上条「ああ、姿を見ないと思ったら…。しかし、あの2人が一年も続くなんてな……」
美琴「やれやれ……」
美琴(先輩の私は、コイツと親しくなるどころか、どんどん障害が増えてるってのに…)
169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 04:30:03.79:ywxgNcNr0
ホテル・965号室――――
青髪「一年ぶり…やね………」
黒子「あまり人が入ってる様子もありませんが、潰れてないのが驚きですの……」
青髪「それで、どないする? 経験ないけど、こういうときって、最初にシャワーとか浴びるんちゃう?」
黒子「そ、そうですわね……」
青髪「どっちが先にする…?」
黒子「………………」
黒子「…………あの…、2人で一緒に入りませんの……」
青髪「え、あ、でも……」
黒子「ほら、どうせ、見られることになるのですし………」
2時間後、ベッドの中――――
青髪「……遂に、………」
黒子「……、目的を、果たしましたの………」
黒子「…………これで……」
172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 04:42:26.56:ywxgNcNr0
ホテル・正面入り口前――――
ヒュン!! ――――
青髪「おおっ!! 君、ホントに瞬間移動能力者だったんやな!!!」
ヒュン!! ――――
黒子「も、戻って来たんですの!! 私に、能力が戻って来たんですの!!!」
黒子「青髪さん! どうもありがとうですの!! おかげさまで、完全回復ですの!!」
青髪「そっかそっか、良かったなぁ、白井さん……」
青髪「それで………、それで、君は、これからどないするつもりかな…?」
黒子「……え?」
青髪「元々は、好きな先輩を守りたいから、能力を復活させたかったんやろ?」
青髪「それで、瞬間移動能力は復活したわけやけど……」
黒子「………………」
黒子「あの…、青髪さん………」
青髪「ええよ、君が、どんな結論を出しても、ボクはそれを受け入れるから…」
黒子「青髪さん、私は………」
174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 04:53:04.10:ywxgNcNr0
常盤台中学の女子寮・シャワールーム――――
黒子「ああ、なんてこと……、私のリボンが…、リボンが………」
黒子「お姉さまが使用中のシャワーブースの中にぃぃいいいいいいいい!!!!」
ヒュン!! ――――
美琴「!!? く、黒子ぉぉおおおおおおおおおお!!!!」
ドガッ!! ――――
美琴「シャワー中に、飛びついてくるなって、いつも言ってんでしょうがっ!!」
黒子「あぅぅ、お姉さまの愛の鉄拳……、随分と久しぶりですの……(ヒリヒリ…」
美琴「あ、あれ……、あんた、今、テレポートを……」
黒子「はいですの! 白井黒子、能力をついに、ついに取り戻しましたの!!」
美琴「そっか! 良かったじゃない!! おめでとう!!!」
黒子「はい、これで一年前のように、お姉さまを全力でお慕いすることができますの!」
美琴「ははは、それはちょっと、遠慮するけどさ……」
黒子「もう、お姉さま、そんなこと言わずに……。私が愛してるのは、御坂美琴ただ1人ですから!」
美琴「…………え? 青髪さんは…?」
178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 05:09:52.16:ywxgNcNr0
「青髪さん、私は…2人の人間を同時に愛することはできませんの………」
「ですので、今日、私は、御坂美琴お姉さまを偏執的に愛していた後輩に戻ります……」
「私のことを、身勝手だと恨まれましても、構いませんから………。では、………」
昼放課、高校・教室――――
青髪「まさか……、ボクが、人を恨んだりするはずあらへんやろ……(ボソッ……」
土御門「青髪ぃ、彼女にフラれたんだって? そいつは残念だったにゃー(ニヤニヤ…」
青髪「むぅ……。なんか、ちぃーっとも残念そうには見えへんねんけど……」
土御門「いやいや、こう見えても、ダチの失恋を痛ましく思っているですたい(ニヤニヤ…」
上条「まあ、落ち込むなって、青髪……」
青髪「べ、別に落ち込んでなんかおらへんって!!」
吹寄「おい、うるさいぞ、3馬鹿ッ!! 飯くらい静かに食べろっ!!!」
土御門「へーい。……やれやれ、怒られてしまったぜぃ…」
青髪「……。それに………」
青髪(異性との交際を知ってしまったわけで…、ホントに、今までのように、『お姉さま』と付き合えるかな…?)
青髪(白井さん、ボクはなぁ、人が心変わりする程度の期間なら、人のことを、待つことができる人間なんやで……)
179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 05:19:23.16:ywxgNcNr0
とあるアパート・木山春生の部屋――――
一方通行「そ、そンなバカな話……、俺が信じるはずがねェだろうがァ………」
木山「……と、言われてもな…。これは事実なんだ、受け入れてくれ」
一方通行「な、なンでそんなことによォ……」
木山「さあな、詳しい原理は私にもわからんよ。…なにか、この原因の心当たりはないのか……?」
一方通行「心当たり、かァ……。1つだけならあるが……」
一方通行「実は、この前、グループの仕事で学園都市に潜入した男と戦ったンだがよォ……」
一方通行「捕り物自体は呆気なかったンだが、捕まえた直後、ソイツにおかしな粉袋をぶつけらて……」
木山「なるほど。私が知る限りでは、君が二例目だな……」
一方通行「そンで、解決方法はそれしかねェってのかよォ……」
木山「今のところ、さっき提示したもの以外には方法が思い浮かばんよ。申し訳ない」
木山「君は、異性と性行為をしない限り、一切の能力を使えない体になってしまったようだ」
木山「付け加えると、その異性というのは、初潮を迎えた女性に限定される」
――――――――――――――――――――――――――――――
土御門「…………おしまいだぜぃ!」 ‐End‐
181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 05:23:33.45:qyKkFi7xO
黒子「はあ…………(溜め息…」
木山「わからんな。そんなに落ち込むようなことか……?」
木山「元教育者としては望ましくない発言であることは承知しているが……」
木山「君くらいの年齢であれば、性行為を経験済みの者も別段珍しくはないだろう…?」
黒子「確かに珍しくないかもしれませんが、私の場合は無理なんですの」
木山「……なぜだい?」
黒子「私が愛しているのは、この世でただ一人だからですの」
木山「好きな人がいるのか……。だったら、その男の子と…」
黒子「御坂美琴お姉さまですの」
木山「…………なんだって?」
黒子「私が愛しているのは、この世で美琴お姉さまただ一人ですの!」
木山「君は…そういう方向の人だったか……」
木山「いや、同性愛を否定するつもりはないよ。しかし、今回の場合、それは問題だな」
黒子「確認をいたしますが、同性同士では……」
木山「ダメだ。男性との性行為でなければ、君は能力を取り戻すことはできない」
なかなかいける設定だな
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 23:38:02.57:/15Ma4eB0木山「まあ、そんなに落ち込むこともないさ。能力なんかなくとも生活はできる」
黒子「しかし……」
木山「君の友人――佐天涙子といったか――も、無能力者だが普通に暮らしていけているのだろう」
木山「能力など一切なくとも、生きていくことはできるさ」
黒子「しかし、それではジャッジメントの仕事に支障が……」
木山「それは、休むしかないだろう。残念だが」
黒子「でも、一七七支部は私がいなければ……」
木山「自分の身を第一に考えなさい。能力のない君になにができる…」
黒子「…………。……わかりましたの…(ションボリ…」
黒子「木山先生、本日はどうもありがとうございました……」
木山「礼には及ばんよ。それと、あんまり気を落とすな」
黒子「はあ………」
ファミレス・テーブル席――――
佐天「ええっ!!? 男とセックスしないと、能力が使えない病気にかかったぁ!!!」
黒子「ちょ、ちょっと、佐天さん!! 声が大きいですの!!!」
佐天「そ、それって本当なんですか?」
黒子「こんなしょうもないウソ、つくわけがありませんの……」
初春「でも、能力が使えないだなんて、どうするんですか…?」
黒子「それをどうにかするために、こうしてアナタたちにお話を伺ってるんじゃありませんか…」
佐天「ちなみに確認しときたいんですけど、素直に男の子とセックスするって選択はないんですか?」
佐天「ほら、私たちくらいの年齢なら、やってる娘なんて別に珍しくないですし…」
初春「ちょ、ちょっと! 佐天さん!!」
佐天「もちろん、私は初春ラブ一筋だから、男と付き合ったことなんてないですけどね!!」
初春「もう……」
黒子「その選択は、問題外ですの!! 美琴お姉さま以外と寝るだなんて、不潔極まりません!!」
初春「だったら……、諦めるしかないんじゃないでしょうか?」
黒子「あ、諦めるって……」
初春「大丈夫ですよ。ジャッジメントの仕事なら、白井さん抜きでも回してみせますから!」
初春「だいたい、白井さんは前線で体を張ってきたんだから、ちょっとくらい休んだっていいじゃないですか…」
初春「ね、戦士の休息ってやつですよ。良い機会ですから、普通の女の子に戻ってみたらどうです?」
黒子「うーん…………」
初春「ジャッジメントには、私から休職届けを出しておきますから」
黒子「…………わかりましたの」
黒子「それと、もう1つ…」
佐天「なんですか…?」
黒子「このことは、お姉さまには秘密にしておいてもらえませんでしょうか」
佐天「え? どうしてです? 御坂さんなら、色々と協力してくれそうなのに……」
黒子「だからこそですの。お姉さまは、極度のお節介焼きです」
黒子「もしも、私の今の状態を知ったら、あれこれと世話を焼かせることになりそうですので…」
初春「………そうですか。わかりました。御坂さんには秘密にしておきます」
佐天「私も、です」
黒子「ありがとうですの。……相談に乗ってもらったお礼に、ここは私のおごりですわ」
黒子「なんでも好きなモノを頼んでくださいませ」
佐天「やった! 奢りだって!! 初春、なに頼もっか?」
初春「うーん、そうですねぇ……」
学園都市・路上――――
黒子「しかし…、私が瞬間移動能力を失くしてしまうなんて……、なんだか実感が湧きませんわ…」
黒子「……。…ん? あれは……」
学園都市・路地裏――――
スキルアウトA「おらおら、財布持ってんだろ! とっとと、出せや、オラぁ!!」
スキルアウトB「モタモタしてんじゃねぇよ!!」
スキルアウトC「ボコボコにすっぞ、ゴラぁ!!?」
黒子「そこまでですの!」
スキルアウトA「あァん? 誰だ、お前??」
黒子「ジャッジメントですの!! 大人しくこの場を後にしなさい!! さもないと痛い目に……」
黒子「……………………」
黒子「……ああ!!? 能力が使用できないの、すっかり忘れてましたの!!!!」
スキルアウトA「なあ、この女、腕章付けてねえけど、本当にジャッジメントかぁ?」
スキルアウトB「まさか、こんな細い女がジャッジメントなわけねェだろ? 騙りだべ、きっとよ!」
スキルアウトA「どうする、この女……?」
スキルアウトC「人気(ひとけ)もないし、脱がしてやっちまおうぜ!!」
黒子(うぅ……、これはちょっとピンチですの…)
「ちょっと、待て!」
スキルアウト「あん?」
黒子「ふぇ……?」
「そんなか弱い女の子1人に、チンピラが3人がかりって、そいつは少し情けないんとちゃうか?」
スキルアウトB「なんだテメぇ? やんのかァ??」
「おう! このボクが相手になったるわ!!」
黒子「あ、あなた、危ないですわよ!!」
「大丈夫、ボクにまかせといてぇな!!」
3分後――――
「ま、まいりました……。も、もう、勘弁してください……(ボロボロ……」
黒子「お、驚きの弱さですの……(あんぐり……」
スキルアウトB「……おい、どうするよ………」
スキルアウトC「なんか、あんまりにも弱過ぎて覚めちまったわ……」
スキルアウトA「もう行こうぜ……。おい、そこの、弱いくせに喧嘩売ってんじゃねぇぞ!!?」
ツカツカ ――――
黒子「……行ってしまいましたの…。かつあげされていた生徒も、気付いたら逃げたようですわね…」
黒子「そんなことより、あなた、大丈夫ですの……?」
「あ、ああ…。なんとか……」
「ははは、カミやんや土御門みたいには、上手くいかんもんやね…」
黒子「まったく、勝てもしないくせに、どうして首を突っ込もうなどと思ったんですの?」
「勝てもしないくせに……? ボクは最初から、喧嘩に勝つ気なんてあらへんかったよ」
黒子「へ…?」
「ボクが引き付けてる間に君を逃がそうとおもたんやけど、君がちーっとも逃げへんから……」
「ボク、こんなボコボコにされてしもったんやないかい……」
黒子「……それは、申し訳ありませんでしたの…」
黒子「…………。立てますか? 寮で、手当てをして差し上げますの」
常盤台中学校の学生寮・美琴と黒子の部屋――――
「ん、ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「ま、まさか、このボクみたいな男が中学生の女子寮に入れるだなんて……」
「やっぱり、人助けってもんは、してみるもんなんやねぇ……」
「あぁああああ、む、むっちゃええ匂いがするわぁ…(クンカクンカ、クンカクンカ、クンカクンカ、クンカッ!!」
黒子「ちょっとちょっと、なにを1人で興奮してるんですの。この変態…」
黒子「治療に取りかかりますので、さっさと上着を脱いでくださいませ!!」
「あ、ああ、すまんかった……」
ヌギッ!! ――――
黒子「では、ちょっと染みますわよ。堪えてくださいませ……」
「はいよ…。あ、ああ、痛たたたたたたッ!! これ、結構、クるわぁ…!!」
黒子「ところで……」
「ん? なにぃ?」
黒子「あなた、お名前はなんて申しますの…?」
「ボクの名前? うーん、知り合いには、青髪ピアスって呼ばれとるね」
黒子「青髪…ピアス……?」
黒子「そのあだ名、あなたの外見まんまを言ってるだけじゃありませんか……」
青髪「あはは、まあ、他に特徴もないからなぁ、ボク…」
黒子「まあ、それはともかく、お姉さまがお出かけのときでよかったですの……」
青髪「お姉さま…? 誰なん、それ……?」
黒子「ルームメイトの先輩のことです。とっても素晴らしい方なんですのよ」
青髪「ふーん、…………もしかして自分…」
黒子「はい?」
青髪「その先輩のことが好きなんちゃうかぁ?」
黒子「!!? …………ど、どうして、初対面のあなたがその事を…」
青髪「いや、なんか、先輩のことを語るときの顔が嬉しそうだったから、そんな気がしただけやけど…」
黒子「……むぅ…。と、とにかく、お姉さまがいないときでよかったですの」
黒子「私と半裸の男が、部屋に2人きりでいるところなんかを目撃されたら……」
ガチャッ!! ――――
美琴「黒子、ただいまー、……って、その人、誰…??」
黒子「お、お姉さま……、ず、随分とお早いお帰りですのね………」
美琴「あらぁ、黒子ったら、男の子を連れ込むなんて……(ニマニマ…」
黒子「ち、違うんですの…、これは………(アタフタ…」
美琴「じゃあ、私は外で時間を潰してくるから、遠慮せずにねー(ニマニマ…」
ガチャッ、バタン!! ――――
黒子「か、完全に、ご、誤解をされましたの…………(orz…」
青髪「あはは、そやね、なんか誤解されてしまったみたいやねー」
黒子「………………(ギロッ…」
青髪「え、な、なに…? なんで、そんな恐ろしい目で睨んでますのん?」
黒子「あ、あんたのせいで、愛しのお姉さまにいらぬ誤解を受けましたの!!」
黒子「さあ! 治療が済みましたので、さっさとテレポートで外に追い出し……」
青髪「……な、なに、どうしたん??」
黒子「そ、そうだ、能力は使えませんでしたの……」
青髪「おーい、どうかしたん??」
黒子「と、とにかく、とっととこの部屋を後にしてくださいませッ!!!」
その日の夜、常盤台中学の学生寮・美琴と黒子の部屋――――
美琴「しっかし、驚いたわよ、あれだけ、お姉さまお姉さまって言ってた黒子が…」
美琴「まさか、私がいない間に、男の子と部屋で密会していただなんてねー」
美琴「それで、あの男の子とは、どのくらいまで進んだのか白状しなさいよ!!」
黒子「で、す、か、らぁ!! あの方は傷の手当てをしてあげただけです!!」
黒子「お姉さまが邪推しておられるような、不埒な関係ではございませんの!!」
美琴「ふーん、……ま、それで納得してあげるけどさ、寮監には見つからないようにしなさいよ」
黒子「お姉さま、まったく信用されておられませんわね?」
美琴「まーね! じゃあ、私はもう寝るから。おやすみ、黒子!!」
黒子「……おやすみなさいですの」
美琴「……夢の中で、彼に会えるといいわね!!」
黒子「だ、だから、あの男とは!!?」
美琴「わかったわかった、じゃ、おやすみ!!」
黒子(…………まったくもう…。誤解だと言ってますのに……)
黒子(……。それは置いておいて、やはり、能力が使えないというのは問題ですわね…)
翌日、ファミレス・テーブル席――――
佐天「え? やっぱり能力を取り戻すために、男の人とセックスすることにした!!」
黒子「だ、だから、声が大きいと言ってますでしょうに!!?」
初春「……でも白井さん、昨日は、御坂さん以外と寝るのは嫌だって言ってたじゃないですか?」
黒子「実はですわね、昨日、あなたたちと別れたあと、スキルアウトに襲われまして……」
黒子「その結果、かくかくしかじか…………それで、結局、能力は必要だという結論に達しましたの」
佐天「それはわかりましたけど……」
初春「いいんですか、白井さん?」
黒子「なにがですの?」
佐天「それって、能力回復が目的で好きでもない人とHするってことですよね?」
初春「ほら、白井さん、そういうの嫌がりそうだから……」
黒子「当然、嫌で嫌で仕方ないに決まってますの!」
黒子「……ですが、そうしないと瞬間移動が使えないのだから仕方ありませんでしょう?」
黒子「能力が使えなければ、いざというときにお姉さまを守ることもできませんし……」
黒子「そういうわけで、相手探しに協力していただけませんこと?」
学園都市・橋の下――――
削板「彼女ォ?」
黒子「はい、私と少し、お付き合いしてみませんこと?」
削板「笑止! 鍛練中の身だッ! 色恋に興じている時間等ありはしないッ!!」
佐天「でも、少しくらいなら……」
削板「くどいッ!!? 正拳突きッ!! あと148回ッ!!」
削板「根性ゥ――――!!?」
学園都市・公園――――
垣根「俺と付き合いたいだと?」
黒子「そ、そうですの! 少し、恋人が欲しいなぁと思いまして……」
初春「ね? どうですか? 彼女、家庭的で可愛らしい一面もあるんですよ?」
垣根「悪いが、そういう青春臭いのには興味がなくてな」
垣根「申し訳ないが、他の男を当たってくれ」
黒子「…………それは、残念ですの」
学園都市・広場――――
上条父「あっはっはっは、こんな若くて可愛らしい娘に告白されるなんて、私も捨てたもんじゃないかな…?」
黒子「ちょっと、佐天さん……(ヒソヒソ…」
佐天「はいはい、なんでしょう……?」
黒子「この方は少し、恋人にするには歳を取り過ぎではありませんの…?(ヒソヒソ…」
佐天「なに言ってるんですか、白井さん。経験ないんですから、リードしてくれる年上の人の方がいいんですよ(ヒソヒソ…」
上条父「いやぁ、嬉しい申し出だけど、後ろにいる妻を怒らせると恐いから遠慮しておくよ…、ははは」
上条母「……………………(ゴゴゴゴゴゴゴゴ……」
学園都市・教会前――――
建宮「悪いが、こう見えても聖職者。あまり気軽に異性と交わるわけにはいかんのよな…」
学園都市・ゲームセンター――――
海原「申し訳ありませんが、御坂美琴さん以外の女性に興味がないんです」
学園都市・駅前――――
ステイル「悪いが、インデックス以外の女性に興味がないんだ。他を当たってくれ」
海原…もし黒子が能力持ってたら危なかったたぞ
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 02:33:55.33:czEbm3LC0学園都市・路上――――
佐天「ね、ねぇ、初春……。堅気に見えないけど、この人に声掛けるの…?(ヒソヒソ…」
初春「大丈夫ですよ…。見た目は恐いですけど、話しかけちゃえばなんとかなるもんですって!」
一方通行「あン…? なに見てンだ、お前ら……?」
初春「はい、あのですね……、失礼ですけど、彼女とかいらっしゃいますか?」
一方通行「彼女…? あのなァ、暗部で生きる人間に、ンなもンがいるわけねェじゃねェかよ…」
初春「そうですか。よかった」
一方通行「よかっただァ……。お前、俺のこと馬鹿にしてンのかァ?」
初春「あの、よかったっていうのはですね、あなたに紹介したい女性がいるんですよ。ね、白井さん?」
黒子「え、ええ……」
初春「どうですか? 彼女を恋人にしてみませんか?」
一方通行「…………なァ、お前、何歳だよ?」
黒子「じゅ、13歳の中学一年ですの……」
一方通行「……13…? やれやれだ、……いいか、一度しか言わねェから、よォく聞いておけ…?」
一方通行「中学生ってのはなァ、もう、賞味期限切れで不味くて食ェやしねェンだよ!!?」
歪みねェなセロリさン・・・
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 02:48:30.30:mp0l1mTU0さすが俺たちのセロリさンだ
男たるもの一本貫いたところがねェとな
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 02:49:47.83:czEbm3LC0男たるもの一本貫いたところがねェとな
学園都市・ファミレス・テーブル席――――
初春「あ、白井さん、あの人なんかどうですか?」
黒子「……ん?」
絹旗「浜面、のどが超乾きました。ドリンクバーでジュース注いできてください」
滝壺「はまづら、私のもお願いしてもいい?」
フレンダ「ちょっと、サバ缶食べたいんだけど、早く買ってきなさいよね!!」
麦野「ああ、ついでに、私のシャケ弁もお願いするわ」
浜面「だあああああ!! うるせえ!! 一度にいっぺんに頼みごとするんじゃねえ!!!」
麦野「頼みごとじゃなくて、これは命令よ」
フレンダ「ウダウダ言ってないで、とっとと行ってきて!!」
絹旗「まったく、浜面が超トロいのは相変わらずですね」
滝壺「大丈夫、そんなトロいはまづらでも、私は応援しているから」
黒子「うーん、でも、すでにハーレムを築いている男性に手を出すというのも……」
佐天(あれはハーレムじゃなく、パシリというのでは……?)
学園都市・公園――――
黒子「やれやれ……、殿方を探すのって、考えていた以上に大変ですの……」
黒子「いつもはお姉さま以外はアウトオブ眼中でしたので、気付かぬ苦労でしたわ」
初春「これから、どうしますか…?」
佐天「うーん、そうだなー、こんなところで女3人でボーっとしてても仕方がないし……」
「かっのじょ~、なにしているのかにゃー」
黒子&佐天&初春「……ん?」
土御門「ひょっとして、暇なのかにゃ? だったら、俺たちと遊ぼうぜぃ!」
佐天「俺たち?」
土御門「ああ、後2人いるから、ちょうど3人ずつだぜよ」
ツカツカ ――――
上条「あれー、白井じゃないか。なにしてんだ、こんなとこで……?」
青髪「お、なんやなんや、デートしてくれる女の子、見つけたんか?」
黒子「上条当麻……、それにあなたは…」
青髪「あ、君は昨日の……。これまた、偶然やね!」
遊園地・エントランス――――
上条「中学生3枚と高校生3枚、お願いします」
券売のお姉さん「わかりました。少々お待ちください……」
黒子「むぅ……」
初春「どうしたんですか、そんな、不満そうな顔して……」
黒子「いえ、殿方と、それもあの類人猿たちとデートなど、本当によかったのかと……」
佐天「もう……、白井さん、ここまで来て、まだそんなこと言ってるんですか?」
初春「そうですよ! 白井さん、能力を取り戻したいって言ってたじゃないですか!!」
黒子「そ、それはそうなのですが……」
佐天「大丈夫ですって! こんなの、最初の一歩を踏み出しちゃえば、案外なんとかなるもんですよ!!」
黒子「そ、そうなんですの…?」
佐天「い、いえ……経験ないから、口から出まかせですけど………」
初春「とにかく、今さら怖気づいたって仕方ないですよ!!」
初春「なるようになります! ここは、GOの一択のみです!!」
黒子「…………わかりました。気は進みませんが、やってみますの…」
佐天「それで、誰にします?」
黒子「……へ?」
佐天「へ?……じゃなくて、三人一度には付き合えないですから、誰か選ばなきゃ…」
黒子「そ、そうですわね……、と言われましても、どうやって選べばいいのやら……」
初春「白井さんの、好みの男性のタイプに一番近い人を選べばいいんですよ」
黒子「しかし、私はこれまで、お姉さま一筋でしたので、特に好みのタイプというのは……」
佐天「うーん、そうだなぁ……。私だったら、あの黒髪の人を選ぶ、かな…?」
佐天「青髪の人と金髪の人は、なんか変態っぽい感じがするんですよね~」
佐天「黒髪の人が、一番まともな気がするんですよ! 受動的な感じがいまひとつ物足りないとは思うものの…」
初春「そうですか…? 私だったら、金髪の人を選ぶけどなぁ……」
初春「男の人に必要なスキルは、頼もしさですよ! あの人、強そうだし、頼れる兄貴って感じがします!!」
佐天「それで、決めました、白井さん?」
黒子「……類人猿はお姉さまの想い人なので、選択肢から外すとして………」
黒子「あのグラサン、土御門舞夏の兄ですわよね……? 知り合いの兄弟と付き合うのも気が引けますし………」
黒子「となると、残るのは………。でも、なんだかパッとしない男ですわね……」
遊園地・女子から少し離れた位置――――
土御門「カミやん、チケット買えたかい?」
上条「お前ら、割り勘だからな。ちゃんと払ってくれよ」
土御門「はいはい、わかってるって。心配するなよ」
青髪「それで、みんな誰にするん?」
上条「俺は、誰でもいいよ。あの子たち中学生だろ?」
上条「年上のお姉さん好きの上条さんとしては、全員、ストライクゾーンから外れてますので」
青髪「ボクも、誰でもええよ! 女の子は全員ストライクゾーンに入りますんで」
土御門「この、積極性の欠片もない連中めが……」
土御門「俺は選ぶぜよ! あの花飾りの娘だにゃ!! あの娘が一番、ロリ魂をくすぐられるぜぃ!!」
上条「そうだな…。しいて言えば、あの黒髪ロングの子…かな?」
上条「白井よりもあの子のほうが大人っぽい感じもするし……」
上条「それに、白井に手を出すとビリビリに追いかけ回されそうな気もするしな……」
青髪「ほな、ボクはあのツインの娘に決まりやね……」
青髪(でもあの娘、昨日会った感じだと、先輩のことが好きみたいなんよね。どうしよっかなぁ……?)
はたしてここからどうやってスレタイにつながるのだろうか
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 10:27:28.73:czEbm3LC0遊園地・ジェットコースター ――――
佐天「まずは、遊園地っていったら定番のコレですよねー」
黒子「これはまた……随分とスリルのありそうなアトラクションですわね…」
佐天「鉄骨じゃなくて白木で組んだゆえ、今にも崩れるんじゃないかという振動が恐怖を助長する…」
佐天「この遊園地の名物アトラクション“ホワイトドラゴン”ですよっ!!」
初春「ほ、本当にコレ、乗るんですかぁ……(ガクブル…」
土御門「はっはっはっは、お花ちゃんは恐がりだにゃー」
青髪「だいじょぶ、だいじょぶ、こんなん、ま、ちょっと爽快感があるかなってくらいの子供騙しやから!」
上条「まあ、アレだけ死線を潜ってきた俺や土御門にとっては、屁でもないよな!」
乗車後――――
初春「乗る前は恐くて仕方なかったですけど、乗ってみると凄く楽しかったですね!!」
佐天「でしょ? こんなんでビビるやつなんて、いないって!!」
黒子「まあ、そこそこのスリルでしたの………」
上条&土御門&青髪「……………………」
上条&土御門&青髪「…………死ぬかと思った…(ガタガタガタガタ……」
遊園地・お化け屋敷――――
佐天「続いては、定番その2ですね」
黒子「しかしまあ、この科学万能の街でお化けとは……」
初春「白井さん、お化け、恐くないんですか……?」
土御門「なーんだにゃ、お花ちゃん、お化けが恐いだなんて可愛いぜよ!」
青髪「あはは、大丈夫やで、男が3人もいるんやから、ホントに出ても追っ払ってやるで」
上条「ああ、なんたって、俺には無敵の幻想殺しもあるしなッ!!」
出た後――――
初春「面白かったですね!! 私、ハマっちゃいそうです!!」
佐天「でしょ! もう一回、入ろうか?」
上条&土御門&青髪「……………………」
上条&土御門&青髪「…………勘弁してください…(ガタガタガタガタ……」
黒子「……………………」
黒子(こんなところ、男性と来てもなにも面白くはございませんわね……)
黒子(ああ、お姉さまとでしたら、きっとこの上なく楽しかったでしょうに…。はあ………)
遊園地・広場――――
佐天「じゃあ、ここからは3組に分かれて行動しましょうか?」
佐天「2時間後に、またこの場所に集合ってことで!」
遊園地・カフェ――――
初春「土御門さんって、あの土御門舞夏さんのお兄さんなんですよね?」
初春「私、アガシオンで街を歩いている舞夏さんに、何度か会ったことがありますよ」
初春「………………あの……」
初春「聞いてます? 土御門さん……?」
土御門(お、おお……、こ、こ、こんなクオリティの高い給仕服、初めて見たんだぜぃ…)
土御門(あ、侮れんな、遊園地……)
土御門(確かに、言われてみれば、遊園地では店員も場を作る演出装置の1つ…)
土御門(だから、給仕服1つ取っても、ここまでこだわるのは当然と言えば当然だが……)
土御門(なるほど、しかし、遊園地……、このメイド狂の元春、意外な穴場を見落としていたとは…)
土御門(なんたる不覚……、これは、しばらく毎日、この遊園地に通わねば…………)
初春「もしもーし、聞いてますかー??」
遊園地・ショッピング通り――――
上条「……さ、財布を落とした…。ふ、不幸だ………」
佐天(不幸だ…、か……。これで今日、18回目よ…)
佐天(歩いていたらソフトクリームを服に付けられる、鳩の糞が頭に直撃する……)
佐天(ゴーカートと正面衝突する、誤って着ぐるみのお姉さんに抱きついて殴られる…)
佐天(故障して暴走したメリーゴーラウンドの馬から振り落とされる……)
佐天(コーヒーカップで酔ってしまい、吐いた子供の吐瀉物が靴にかかる……)
佐天(観覧車に乗ったらドアをロックし忘れていて、あやうく頂上から落ちかける)
佐天(迷子の子供を案内していたら、誘拐犯と間違われ警備員に追われる……)
佐天(とかとかとかとかとかとか…………)
佐天(この人、ちょっと災難に見舞われ過ぎじゃないんですか…?)
佐天(それに、彼と歩いてるとやたらとスカートが不可抗力でめくれることが多いんですよねー)
佐天(私は、スカートをめくりたい派であって、めくられたい派じゃないのに……)
上条「……こ、今度は、犬の糞をふんづけた……。なんで遊園地で…。ふ、不幸だ……」
佐天(あ、19回目だ……)
上条さん不幸に磨きがかかってる
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 14:30:34.20:czEbm3LC0遊園地・スワンボート・湖上――――
青髪「いやぁ、良い天気やねー」
黒子「…………そうですわね」
青髪「まさに、絶好のデート日和って感じや」
黒子「…………そうですわね」
青髪「ええっと、…白井さんの趣味とかはなにかな?」
黒子「…………そうですわね」
青髪「あ、あはは、えっと、ボクの趣味は女の子観察なんやけど…」
黒子「…………そうですわね」
青髪「う、うん、そこはなんというか、『単なる変態ですの!』みたいなツッコミが欲しいんやけど…」
黒子「…………そうですわね」
青髪「あ、あの、ひょっとして、ものすごく退屈してらっしゃる…?」
黒子「……ええ、その通りですの」
青髪「それはひょっとして……、件の先輩と一緒じゃないからかな?」
黒子「…………。あなた、読心術かなにかを持ってらっしゃいますの?」
青髪「そりゃあ、そんなつまんなそうな顔してるの見れば誰だって……」
黒子「そうではなくて、なぜ私がお姉さまのことを好きだとわかるんですの?」
黒子「実は、高位のテレパス系能力者だとか……」
青髪「ありえへん、ありえへん、ボク、どこにでもいる無能力者やで?」
黒子「でしたら、なぜ……」
青髪「身近に、異常に恋事に鈍感な男がおってな…、そいつに惚れてる女の子はたくさんいるんやけど…」
青髪「その男は、そんな女の子たちの気持ちにまったく気付いてへんみたいなんや……」
青髪「で、そんな女の子たちの顔を眺めてたら、なんとなく、『ああ、この子は誰それが好きなんやろな』って…」
青髪「だいたい読めるようになってしもたって感じやね」
黒子「…………上条当麻?」
青髪「当たり!」
青髪「しかし、君はその美琴お姉さまのことが好きで好きで仕方ないんやろ?」
青髪「だったら、なんでボクらみたいな冴えない男とデートしてんの?」
黒子「それは……、ちょっとした事情がありまして…………」
ドボン!! ――――
黒子「あの音は……!」
青髪「子供が池に落ちた! あかん、溺れとるでッ!!」
黒子「すぐ、助けに行きますの!!」
青髪「って、自分、なにするつもりや!!」
黒子「ご心配なく。私はこう見えても、ジャッジメントの瞬間移動能力者…」
黒子「溺れた子供を助けるなど、造作もな…」
黒子「…………あ…、そうだ、私は能力を…」
青髪「…………。待っとき…」
黒子「………へ?」
青髪「君はここで待っとき!! ボクが泳いで助けに行くからっ!!」
ドボン!! ――――
黒子「ちょ、ちょっと!」
青髪「心配せんでもいいで! ボク、犬かき50メートル30秒やから!!!」
5分後――――
青髪「…で、子供を助けられたんはいいけど……、なんで君まで飛び込むの?」
俺の青髪がこんなにかっこいいわけ(ry
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 15:05:28.03:czEbm3LC0黒子「いえ、あなた1人だと頼りなかったので、つい……」
青髪「ああ、服びちゃびちゃやし、ヘドロでどろっどろや…、ばっちぃなぁ……」
黒子「おまけに、遊泳用の水ではないので、ひどく臭いますの……」
青髪「どうしようなあ……」
黒子「このままでは、帰れませんしねえ…………」
青髪「売店で、着替えとタオルとか売ってへんやろうか?」
2時間後、遊園地・広場――――
佐天「みんな集まったみたいですね」
初春「じゃあ、帰りましょうか。この後、どうします?」
上条「それはいいけどさ……」
土御門「なーんで、2人はペアルックなんだにゃー?」
土御門「も、もしかして、この2時間でそんな親密な仲に…!!」
黒子「…………事情があってのことですの…(ブスー」
青髪「いやぁ、池に落ちてしもてな……、売店で売ってる服で、一番安いのがこのセットだったんや」
黒子「…………別に、それ以外の他意はありませんの…(ブスー」
学園都市・モノレール内――――
土御門「…で、結局、遊園地の後はお開きになったんだが、どうだったかにゃ?」
上条「俺、あの佐天って女の子とアドレス交換したけど……」
土御門「おお、カミやんもか!! 俺も、お花ちゃんのアドレスゲットしたんだぜぃ!」
青髪「いいなぁ、自分ら……。ボク、なんにももらわれへんかったわ………」
土御門「あっはっはっは! そいつは残念賞だにゃー、青髪!!」
土御門「まあ、俺とカミやんの勝ち組コンビは、これからこのアドレスに……」
ブーブー、ブーブー、ブーブー ――――
上条「あ、佐天さんからメールが来た……」
土御門「おお!! 俺もお花ちゃんからメールが届いたぜよ!」
上条&土御門「……………………」
青髪「なに? 2人ともだんまりして、メールにはなんて書いてあるん?」
上条「『側にいると私まで不幸になるから、一緒に遊べません』だって……(orz……」
土御門「『メイド服ばかりに鼻の下を伸ばしている変態とは、遊べません』だってにゃ……(orz……」
青髪「あははは、なんや自分ら! ボクに勝利宣言してたくせに、カッコ悪ぅ!!?」
土御門「はあ……、つまり、男全員、ダメでしたってわけか…」
上条「ま、こういうときも、たまにはあるさ」
青髪「たまにはって……、ボクら、女の子を誘って成功したこと、一度もない気がするけど……」
上条「ん? そうだったか?」
土御門「あー、はいはい、モテモテのカミやんは余裕で羨ましいことですにゃー」
青髪「そうそう、自分、いっつも1人だけ色んな女の子とフラグ立て取るもんねー」
上条「おいおい、ちょっと待ってくれよ、俺、フラグなんて立てた覚えないぞ!」
土御門「はいはい、あー、鈍感鈍感」
青髪「ああ、羨ましいなー、まるで息を吸うかのように女の子と仲良うなれるスペックだなんて…」
上条「だから、意味がわかんねっての!!?」
青髪「やれやれ、またこれが、自覚なしっていうのが……、ん…?」
青髪(なんやろ…? 売店で買った換えのズボンの中に、紙切れが入っとる……)
青髪(んー、なんや? なにか、書いてあるで……これは、ケータイのアドレス…?)
上条「ん、どうした、青髪?」
青髪「あ、いや、……なんでもあらへんよ。……とにかく、今日は全員、残念やったね」
その日の夜、常盤台中学学生寮・美琴と黒子の部屋――――
黒子(着信…なし…………っと…)
美琴「どうしたの、黒子?」
黒子「へ…?」
美琴「さっきから、ケータイばっかり見つめて。誰かからの返信待ってるの…?」
黒子「…べ、別に、な、なんでもございませんの……」
美琴「それにしてもさ、遊園地に行ったんなら私も誘ってくれてもよかったのに……(ブー」
黒子「へ? ど、ど、どうして知ってますの?」
美琴「ほら、アンタが着てた服さ、あれってあそこのマスコットが印刷されてるじゃない」
美琴「あの服って、あの遊園地でしか販売されてない限定品よ?」
美琴「誰と行ってきたの? 初春さんたち?」
黒子「………………」
黒子「ちょっと、ジャッジメントの仕事で用事があって行っただけですの」
美琴「ふーん、そっか……」
黒子「……実に………くだらない仕事でしたわ…………」
美琴「……ねえ、黒子、あんたさ、もしかして…………」
ブーブー、ブーブー
黒子「……………………」
美琴「…………。ケータイ、着信してるわよ」
黒子「は、はいですの……」
黒子「………………………」
美琴「誰から?」
黒子「…………。……迷惑メールでしたの」
美琴「……そっか」
黒子「……それで、なんですの?」
美琴「ん?」
黒子「『あんたさ、もしかして……』の続きですの……」
美琴「ん、ああ、やっぱりいいや、私の思い違いかもしれないし…」
美琴「じゃあ、私、お風呂入ってくるから……」
黒子「行ってらっしゃいですの……」
ジャー、ジャー ――――
黒子(シャワーの音…。お姉さま、確かにお風呂に行かれたみたいですわね……)
黒子(あの人から、メールが来ましたの……)
黒子(『来週、会わないか』……か)
黒子(さて、どういたしましょうか……)
黒子(悪い印象を受ける殿方ではありませんでしたが…)
美琴(……なーんてね、シャワーはただ流しっぱなしにしてるだけのフェイク………)
美琴(物陰から様子を観察してたんだけど……)
美琴(“迷惑メール”をじっと見つめてるなんて、……あれは、きっとなにかあったわね?)
美琴(……ひょっとして、昨日会った青髪の男の人と関係があるのかしら…?)
美琴(あの人って、確かアイツの友達……よね?)
美琴(前に、金髪の人と3人で歩いてるのを見かけたし…)
美琴(ちょっと、探りを入れてみるか……)
美琴(可愛い後輩が、悪い人に騙されていたりしても嫌だしね……)
翌日、高校・校門前――――
上条「はあ……、上条さんはちんぷんかんぷんの授業の後で疲れているんですよ……」
上条「ですので、決闘はまた今度にしていただけませんでしょうかとビリビリにお願いします」
美琴「ビリビリ言うなって言ってんでしょうが!! ……じゃなくて、今日はそういう用じゃないの」
上条「え? じゃなかったら、なにしに俺に会いに来たんだよ?」
ツカツカ ――――
土御門「おお、カミやん、また押しかけ妻かにゃ? まったく、君はいつもいつも羨ましいぜぃ……」
上条「土御門……、だから、ビリビリとはそんなんじゃねぇっての!」
土御門「はっはっは、まあ、土御門さんは大人なのでその言い分で納得してやるぜよ!」
土御門「それじゃ、また明日……」
美琴「あ、待った……」
土御門「……ん?」
美琴「あなたにも、ちょっと伺いたいことがあるの…」
土御門「俺にも? それは、いったい……?」
美琴「私の後輩、白井黒子についての話よ」
学園都市・公園――――
上条「え? 青髪について聞きたいだって…?」
土御門「か、カミやんならともかく、あの青髪が興味を持たれるだなんて!!」
土御門「こ、これは天変地異の前触れかなにかな予感がするぜよ……」
美琴「あのね、黒子のやつ、ひょっとして、その青髪ピアスさんのことが好きなんじゃないかって」
上条「まさか……」
土御門「ないない! だって、あの服着た変態の青髪ピアス先生だぜ?」
美琴「服着た変態……?」
上条「ああ、あの男は、女の子とあればどんな属性であろうと喰いつく変態だ」
土御門「というか、可愛かったらちんちん付いてても手を出す気がするぜよ」
美琴「…………。……あ、ああ、そっか」
土御門「なに?」
美琴「いや、一瞬、なにがおかしいのかわかんなかった」
美琴「だって、黒子って、相手が好きなら、例え同性でもアタックかける女だから…」
上条「あ、あれ…? ひょっとして、変態同士で意外と相性良いのか……?」
美琴「ねえ、その青髪さんって、昨日、なにしてたか知らない…?」
美琴「もしかして、黒子と一緒に遊園地に行ってたとか?」
上条「ああ、行ってたよ。俺と土御門、それに佐天って女の子たちとな」
美琴「そっか、やっぱり、ジャッジメントの仕事で行ったなんて嘘だったんだ」
美琴「……………………ん?」
美琴「『俺と土御門、それに佐天って女の子たちと』…ですって?」
土御門「ああ、カミやんたちとで、彼女らをナンパしてな」
美琴(…………佐天さんたち…、私をハブったの…?)
美琴「それで、黒子と青髪さん、どんな感じだった…?」
上条「どんな感じって…、別に、お前が考えているような仲にはならなかったんじゃないのか?」
土御門「メアドも教えてもらえなかったようだしにゃー」
美琴「……そっか、じゃあ、黒子と青髪さんがメールのやり取りしてるってのは、私の勘違いか…」
上条「え? アイツ、白井とそんなことしてるのか?」
美琴「……と、なんとなく思ってたんだけど…」
土御門「にゃるほど…、こいつは確認してみる必要がありそうだぜよ(ニヤリ…」
高校・教室――――
上条「あったぞ、青髪のカバン。やっぱり、まだアイツ、学校に残ってたな」
土御門「ああ、小萌先生の手伝いをするって言ってたからにゃ。まあ、下心からだろうけど……」
ゴソゴソ ――――
土御門「お、はっけ~ん!! 青髪のケータイ、ゲットだぜぃ!」
美琴「それで……?」
土御門「おいおい、『それで?』じゃないだろ? こいつのメール履歴を確認するんだぜよ」
美琴「ちょ、ちょっと、人のケータイを勝手に見るなんて……」
上条「それにだいたい、ロックが掛ってるじゃねぇか……」
土御門「そいつはノープロブレム! なんたって、電子の専門家がいるんだからな」
美琴「わ、私……?」
土御門「電撃使いの君なら、市販のケータイ程度のロックを解除するなんて朝飯前だろ?」
美琴「そ、それは確かに、そうなんだけど……」
土御門「君は、後輩のことが気になるんじゃなかったのかにゃ……?」
美琴「…………。……青髪さん、ごめん!!」
ピッピッピッ!! ――――
美琴「か、解除できたわよ……」
土御門「グッドジョブ!! さぁ~て、メール履歴はというと……」
上条「おいおい、こいつの画像フォルダ、エッチな画像でいっぱいじゃねぇか……」
土御門「をを! 本当だ、こいつは怪しからんぜぃ! 証拠として、俺のマイクロフォルダに転送してと……」
上条「おい、土御門! そのお色気ムンムンなお姉さんの画像を、俺のやつにも頼む!!」
土御門「それなら、俺はこのロリっ娘バニーちゃんの画像を頂戴するんだにゃー」
美琴「……ちょっと、アンタたち、本来の目的を忘れてんでしょ?」
上条「……あ、ああ、そうだった」
土御門「メールの履歴、履歴っと…………」
土御門「…………お、ビンゴ!! やっぱり青髪のやつ、君の後輩とメールのやり取りしてるようだ」
美琴「………勘は、当たったわけか…」
土御門「うーん、どうやらこの2人、来週に会う約束をしてるみたいだが……。どうする?」
美琴「へ? どうするって…?」
土御門「俺は、青髪を尾行するつもりまんまんなんだが…………心配性の先輩さんはどうする気か聞いてるんだぜよ?」
一週間後、ファミレス・テーブル席――――
土御門「確かに俺は尾行すると言ったわけだが……君たち、その格好はいったい…」
上条「いや、お前が尾行するっていったから、変装用に付けヒゲして七三分けにしてきたんだけど……」
美琴「尾行するって言ったから、変装用にギャル服を着てガン黒の化粧してきたんだけど……」
土御門「やれやれ、……これだから、潜入工作の素人さんたちは…………」
土御門「普通の恰好に戻して来なさい、そこの化粧室で……」
10分後――――
美琴「というわけで、化粧を落としてきたけど……」
上条「あの2人、現れたか……?」
土御門「しっ! ………2人とも、ちょうど今、来たところだぜよ…」
美琴「え? どこどこ……??」
土御門「ほら、あそこの、奥のテーブル席……」
上条「けど、遠くて会話の内容がわからないな…」
土御門「大丈夫! 盗聴器は既に設置済みなんだぜぃ!!」
上条「……。お前、用意がいい奴だな………」
上条さんの髪の毛は寝かせることが出来たのか
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:23:22.03:czEbm3LC0黒子「せっかくの休日に、お呼び出ししてしまい申し訳ありませんの」
青髪「ええよ、別にぃ。ボク、暇人やからー。……なんか頼む?」
黒子「いえ、結構です。すぐにここを出ますので…」
青髪「そっか、じゃあ、ボクはコーヒーを頼もっかな…」
店員「コーヒーをおひとつ、お持ちいたしました。ごゆっくりどうぞー」
ツカツカ ――――
青髪「それで、ボクに話ってなんなん?」
黒子「その前におひとつ、お伺いしたいのですが……、今、付き合っている女性はおられますの?」
青髪「ははは、そんなんおったら、一週間前、君らをナンパなんてしとらへんよ」
黒子「それでは、今、気になっている女性などは……?」
青髪「それもおらんけど……。なんやろ? なにを聞きたいのかが、よくわからへんけど……」
黒子「……………………」
黒子「あの…、知り合ったばかりの殿方にこんなことを言うのは失礼とはわかってますが……」
黒子「黒子と、黒子と……」
黒子「この白井黒子と、寝てはもらえないでしょうか!!!」
ストレートすぎんだろwwwwwww
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:38:24.01:czEbm3LC0上条&土御門&美琴「!!!!???」
美琴「く、黒子のやつ!! い、いったい、なにを言ってるのよ!!」
土御門「あ、青髪のやつ、羨ましすぎるだろがァ!!?」
土御門「ああ……、こんなご都合フラグを立てまくるのは、カミやんだけで充分だってのに……」
上条「2人とも静かにしてくれ! なんか、話に続きがあるみたいだぞ……」
青髪「じ、自分、いきなりなに言いだすんや!!」
青髪「飲んでたコーヒー、噴き出してしもうたやないかい……」
黒子「く、黒子は本気ですの!!」
青髪「ほ、本気って言われても……。あの、確認を取りたいんやけど、ボクのことが好きってわけじゃ……」
黒子「それは、ないですの」
青髪「そ、そうやろね……、ボク、モテへんもんね………(orz……」
黒子「あ、あの、勘違いしないでくださいませ……、恋愛感情はなくとも、好感は持っておりますので」
青髪「そ、そうか…、慰めをどうもありがと……」
青髪「でも…、恋愛感情がないなら、なんでボクに抱いてくれなんて……」
黒子「…………。……全ては能力を、瞬間移動を取り戻すために、ですの」
青髪「能力を取り戻す……? どういうこと…?」
黒子「私は元々、ジャッジメント第一七七支部に所属する、レベル4の大能力者でしたの」
青髪「そっか、君、常盤台のお嬢様やもんな……。レベル4って、大したもんやなぁ…」
黒子「ところがです、ひょんなことから、一週間前に私は能力を使えなくなってしまいました」
青髪「ふむふむ……」
黒子「それで詳細は省きますが、殿方と床をともにすることにより、能力を取り戻すことができるらしいのです…」
青髪「あの……、確認しときたいんやけど、これって、新手のナンパとは違うよね?」
黒子「全て事実ですの。木山春生という、信頼できる研究者から言われたことですので…」
上条「なあ御坂、白井の言ってることって本当なのか……?」
美琴「さあ、初耳だけど……でも、木山先生のことなら知ってる。確かに、信頼できる人よ」
上条「木山……?」
美琴「ほら、あんたも会ったことがあるはず、あの目の下にクマのある、すぐ脱ぎたがる人よ」
上条(……そんな人、あったことあったっけ?)
土御門「ああ、木山春生なら、俺もアレイスターから聞かされてるなぁ」
土御門「なんでも、あの事件を起こした主犯の天才研究者だとか……」
さりげなくアレイスターとか暴露してんじゃねぇよwwwwwwwwww
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:01:28.46:x4o1uNvv0おいwwwww
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:06:36.80:Yr9vlOVG0この土御門はエージェントとしての自覚ねぇなwwwwww
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:12:12.00:ywxgNcNr0青髪「はあ……、それは、まあ、なんというか、災難やったなあ……」
青髪「でも、別に無理して能力を取り戻す必要なんてあらへんと思うけどなあ………」
青髪「ほら、この街のほとんどの人間は、低レベルの能力者なわけやし……」
黒子「いえ、それではいけませんの。……黒子は、能力をなんとしてでも取り戻さなければなりません」
青髪「なして…?」
黒子「それは…、それは、白井黒子は御坂美琴お姉さまを敬愛しているからですの」
青髪「……。どういうこと…?」
黒子「お姉さまは、その立場上、トラブルに巻き込まれることがとても多いお方です」
黒子「ですので、私は、お姉さまの身の安全を守れるよう強くあらねばならない……」
黒子「ですが…、先日のスキルアウトの件と、溺れている子供の件で実感いたしました」
黒子「能力を持たない私では、人を、ましてやお姉さまをお守りすることなど、到底不可能ですの」
青髪「はあ、なるほど……」
黒子「私が愛しているのは美琴お姉さま唯一人です、あなたに愛情は抱いておりません……」
黒子「恋愛感情を持っていない相手に、こんなことを頼むのが失礼であることは承知しております」
黒子「でも、それでも、この白井黒子の想いのために、私を抱いてはくれないでしょうか……?」
土御門「……と、君の可愛い後輩ちゃんは言ってるみたいだが、どうするのかにゃ?」
美琴「冗談じゃないわよ!! 止めるに決まってるじゃない!!!」
美琴「私は、自分の身は自分で守れるし、それに……」
美琴「私のために黒子が好きでもない男に貞操を捧げるなんて、間違ってるし、するべきじゃない!!」
青髪「……ふーん」
黒子「それで、お返事のほうは……」
青髪「それで君が後悔しないっていうんなら、ボクは別にええけど……」
黒子「……ありがとうございます。ご厚意、感謝いたしますの」
黒子「それでは、さっそく参りましょう……」
青髪「え、行くってどこに…?」
黒子「もちろん、それ専用のホテルに……ですの」
上条「お、おい、あの2人、出て行っちゃったぞ……」
土御門「はてさて、どうしようか…」
美琴「どうするって、決まってるじゃない! 追いかけて、阻止するのよ!!」
ホテル・正面入り口前――――
美琴「ここね…、あの2人が入っていったのは………」
上条「で、どうするんだよ…?」
美琴「決まってるわ!! 中に入るのよ!!!」
土御門「入るって、ここがなにする場所なのか、わかってて言ってるのか!」
ホテル・入口――――
従業員「年齢のことは問わないけど……、君たち…」
美琴「入れてください! 料金なら、2組分を払いますから!!」
従業員「いや、でも、ここは普通、男女2組でくるところで……」
美琴「いいでしょ! 私たち、3人でするんだから!!」
上条「おいおい、俺、こんなとこ来るの初めてだぞ……」
土御門「お、俺だって初めてだぜよ……」
ツカツカ ――――
美琴「あの2人の、隣の部屋を借りたわ。さあ、早くいくわよ……」
ホテル・965号室――――
青髪「ふーん、初めて来たけど、こういうホテルの部屋の内装って、こんな感じなんやね」
青髪「それで、どないする? 経験ないけど、こういうときって、最初にシャワーとか浴びるんちゃう?」
黒子「そ、そうですわね……」
青髪「どっちが先にする…?」
黒子「…………私が先に、失礼いたしますの」
青髪「そう、じゃあ、ごゆっくり……」
ホテル・966号室――――
美琴「どう? 聞こえる…?」
上条「ああ、こうして、壁に耳を当ててるとな…」
土御門「さすがボロホテル…、安普請な作りだぜぃ」
ホテル・965号室――――
黒子「お先に、お湯を借りましたの…。青髪さんもどうぞ……」
青髪「ん、じゃあ、浴びてくるから、ちょいと待っててぇな…」
クロコ号室とは
137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 01:04:13.68:ywxgNcNr0ホテル・966号室――――
上条「で、でも、ここからどうするんだよ…?」
土御門「これって、俺たち単なる出歯亀なんじゃないのか?」
美琴「どうするって…、決まってるわ、あの男が黒子を襲おうとしたら、突入して止めるのよ!」
ホテル・965号室――――
青髪「はぁ、いいお湯でしたっと、……いや、シャワーなんやけどね…」
黒子「……………………」
青髪「……。じゃあ、そろそろ始めよか、それが目的で来たわけやし…」
黒子「……はい、ですの………」
青髪「…………。……なあ、その前に確認しときたいんやけど…」
黒子「……なんですの…?」
青髪「……ホンマに、後悔はないの……?」
黒子「…………。……後悔など、あるはずがありませんの…」
青髪「そう……。じゃあ、さっそく………」
青髪「君が纏っている、そのバスローブをはぎ取らしてもらうで……」
バシン!! ――――
青髪「あれぇ、おかしいなぁ…、ローブを脱がそうとして伸ばしたボクの右手が……」
青髪「なんか、君の左手にはじかれてしまったみたいやで……」
黒子「…………あ、すいませんですの…。つい、手が……」
青髪「……………………」
青髪「君、あれやね……、ウソつきや…」
黒子「……へ…?」
青髪「…………ほら、君、さっき、好きでもないボクに身体を許すのに後悔はないって言ったわりに……」
青髪「なんか…、むっちゃ身体を震わしとるやん……」
黒子「……………………(ガクガク、ガクガク…」
黒子「……。あ、あれ…、変ですの……(ガクガク、ガクガク…」
黒子「……た、たかがこれくらいのこと、私が恐れるはずが………(ガクガク、ガクガク…」
青髪「……………やれやれ…」
青髪「……やめやめ、予定は取りやめやな…」
青髪「ほら、恐ろしい君の保護者も、どうやら迎えに来てくれたみたいやし」
黒子「へ、ほ、保護者……?(ガタガタ…」
ガチャ、バタンッ!! ――――
美琴「黒子ッ!? 助けに来たわよッ!!!」
黒子「お、お姉さまっ!! ど、どうしてここにっ!!!」
美琴「あ、あんたァ……、私の後輩になにしてんのよォ!!!」
ビリッ! ビリビリッ!! ――――
青髪「の、のわぁ!(ヒョイ…) あ、危な、い、今の、間一髪で当たるとこやったで!!!」
美琴「避けたっ、電撃を!!」
タッタッタッタッ!! ――――
上条「お、おい、落ち着けって、御坂!!」
土御門「腹が立つのはわかるが、乱暴はいかんぜよ!!」
黒子「……あ、あなたがたは………。なぜ、ここに…??」
青髪「…………ああ、やっぱり」
青髪「……なんか変な視線を感じるなぁってファミレスから感じ取ったけど…」
青髪「やっぱり、君ら、ボクたちのことをつけてたんやな…?」
上条「青髪、お前……」
土御門「気付いてたのか…?」
青髪「ああ、なんや、変な気配がするなあって……」
美琴「ってことは、あんた、最初から……?」
青髪「うん、当たり前やん……、確かにボクは女の子が大好きやけど……」
青髪「したくないことしなきゃならないって怯えてる子を、むりやり襲ったりはせえへんよ…」
青髪「それで、この子を寮に送り届けてくれる人が必要だったから、件の先輩さんに付いてきてもらったんや」
美琴「…………(それならそうと、先に言っといてくれたらいいのに……)」
青髪「……。まあ、そういうことやで、白井さん……」
青髪「興味のない男と寝るなんて無理やってわかったやろ?」
青髪「ほなら、早く服を着替えて、さっさと……」
黒子「…………すの」
青髪「……え? なんやって…?」
黒子「余計なお世話だって、そう言いましたのっ!!!」
黒子「お姉さまも! あなたも!! それと他の殿方たちも!! 全員、余計なお世話ですの!!?」
青髪「余計なお世話って……」
黒子「お姉さま……、私をつけていたということは、今、私が置かれている状況については……」
美琴「うん、知ってる……」
美琴「でも、大丈夫よ、私なら、自分のことは自分でできるし……」
美琴「それに、能力のない間、黒子のことを守ってあげることもできるから………」
美琴「だから、そんなに焦って瞬間移動を取り戻そうとしなくたって…」
黒子「……それではいけませんのっ!!?」
黒子「お姉さまを、この命をかけてお守りすることが、この白井黒子の使命ですの!!」
黒子「だから、だから、なんとしてでも早急に、私はレベル4の白井黒子に戻らねばなりませんの!!!」
美琴「……黒子…でも…………」
土御門「………………」
上条「……ああ、なるほど、わかったよ…………」
黒子「……へ…?」
上条「このまま帰りたくねぇ、でも、好きでもない男とするのも嫌だ…お前は、そう言うんだよな……?」
上条「それはもう、あれだな……、ムリヤリ押し倒してやるしかねぇってことだよな?」
おおっ、スレタイか
155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 03:04:14.80:ywxgNcNr0黒子「む、ムリヤリ……」
美琴「ちょ、ちょっと、あんた、なに言って……」
上条「だってそうだろ? 能力を取り戻して、御坂を守ってやりたい……」
上条「でも、青髪とするのは嫌だっていう…、なら、ムリヤリやってやれば満足ってことだろ?」
ジリ、ジリ……
黒子「い、嫌…、来ないでくださいませ……(ジリ、ジリ……」
上条「おいおい、逃げるなよ。恐くてできないっていうから、人が親切に襲ってやろうって言ってんのに……」
黒子「や、嫌ですの…、ムリヤリ、貞操を奪われるなんて……(ジリ、ジリ……」
上条「さあ、諦めて楽になろうぜ、白井……」
黒子「あ、ああ、…………(ジリ、ジリ……」
バンッ!! ――――
黒子「ひっ!!?」
上条「ビビって怖気づくくらいなら、最初から青髪を誘惑なんてするんじゃねぇ!!?」
黒子「………………うぅ…」
黒子「だ、だって、私は、お、お姉さまの、お、お役にた、…うぅ……(ひっく、ひっく……」
黒子「お、お姉さまを、た、たす、助けたく、くて、しかたな、……(ひっく、ひっく……」
黒子「うわああああああああああああああんんんんんっ!!!!!」
タッタッタッタッタッ!! ――――
美琴「黒子っ! 待って!! どこ行くのよ!!!」
上条「白井っ!! 待てって!」
美琴「…………。行っちゃった……」
土御門「おいおい、カミやん、さっきのはビビらせすぎだと思うぜぃ……」
上条「……すまん…」
美琴「とにかく、黒子を追いかけないと……」
美琴「……と、その前に、……ごめんなさい、私の後輩が…」
青髪「ん? ああ、ええよ、別に、大して気にしとらへんから」
青髪「そんなことより、早く探しにいかんと、白井さん、風邪ひいてしまうで…」
上条「あ、そういえば、アイツ、バスローブ一枚で飛び出していきやがった……」
青髪「ほなら、ボクは着替えてから追うから、カミやんたちは先に行っといて」
上条「わかった、……じゃあ、手分けして探すぞ、御坂、土御門」
常盤台中学の女子寮・美琴と黒子の部屋――――
美琴「いない…。帰ってきてないか………」
学園都市・公園――――
上条「ちくしょう、いないな……。どこ行ったんだよ…」
学園都市・駅前――――
土御門「おーい、どこだー?」
学園都市・橋の下――――
黒子「………………」
黒子「………………」
ツカツカ ――――
青髪「見ぃーつけた。……ほら、そんなローブ一枚でいると、風邪ひくで?」
黒子「………………」
青髪「ああ、君に着替えの服を持ってくるのって、これで二回目やな……」
青髪はやればできる子
164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 03:49:29.94:ywxgNcNr0青髪「ほな、ボク、君が着替え終わるまでむこう向いてるから、終わったら声掛けてなぁ…」
黒子「………………」
シュル、パサッ ――――
黒子「私は…、能力のない私は、お姉さまのお役に立てませんの………」
青髪「う、うん…。でも、まあ、そないに気に病む必要はないんとちゃうの……?」
黒子「お姉さまのお役に立てない私は、ただの役立たずですの……」
青髪「そんなことはないやろ……」
黒子「能力のない人間が、どうやってお姉さまを助けられるというのでしょうか………」
青髪「…………。あのな、カミやんと土御門、ほら、ボクの友達の2人、知ってるやろ……」
黒子「………………はい」
青髪「アイツら、ボクの知らないところ――暗部とかいうんかな――で、なんかコソコソやっとるみたいやけど…」
青髪「なにをやっとるのか、ボクにちぃーっとも話してくれへん。気付かれてないって思っとるんやろな……」
青髪「ボクは薄々、なんか危険なことに首突っ込んでんやろなって感づいてるんやけど……」
青髪「能力のないボクにはアイツらを助けることはできへんし、積極的に介入しようとも思ってへん……」
青髪「でも、手助けできなくても友情ってのは成り立っとるんやから、君らもそんな関係でもええんとちゃうかな……?」
青髪「……………………」
黒子「……………………」
青髪「…………あ、ああああ、あかんあかん! これはなんというか、ボクのキャラやないな!!」
青髪「ほら、ボク、基本は変態性癖を周りに撒き散らすギャグキャラやし、こんな真面目なの似合わへんわ!!!」
青髪「あー、やめよやめよ、ギャグキャラに戻ろ、うん、うんうん……」
黒子「…………。………着替え、終わりましたの……」
青髪「あ、そうか、じゃ、みんなも心配してるし、君の寮に帰ろか……」
黒子「……はいですの…………」
学園都市・路上――――
黒子「…………。青髪さん、ああは言ってもらえましたが……」
青髪「うん?」
黒子「やはり、私の使命は、能力を持ってお姉さまをサポートする以外、考えられませんの…」
青髪「そっか……」
黒子「ですので、私はきっと、瞬間移動の能力を取り戻してみせます……」
黒子「だから、そのために、この白井黒子に、協力をしていただけませんですの…?」
青髪「いや、でも……君、さっき………」
黒子「もちろん、今すぐに、というのはムリです。けれど…………」
黒子「これから、数日間、数週間、数ヶ月間を一緒に過ごして、あなたに馴れていけるようにします」
青髪「……………………」
黒子「もちろん、あなたがOKを出してくれるのならば、の話ですけれど……」
青髪「ふん、なるほどなぁ……」
黒子「あの、どうでしょうか……?」
青髪「……。ええよ、数ヶ月でも、なんでも、数年…はちょっと、困るけど……」
青髪「白井さん、ボクはなぁ、人のことを待つことができる人間なんやで」
一年後、学園都市・路上――――
美琴「……黒子、今日はあの人とデートだってさ…」
上条「ああ、姿を見ないと思ったら…。しかし、あの2人が一年も続くなんてな……」
美琴「やれやれ……」
美琴(先輩の私は、コイツと親しくなるどころか、どんどん障害が増えてるってのに…)
ホテル・965号室――――
青髪「一年ぶり…やね………」
黒子「あまり人が入ってる様子もありませんが、潰れてないのが驚きですの……」
青髪「それで、どないする? 経験ないけど、こういうときって、最初にシャワーとか浴びるんちゃう?」
黒子「そ、そうですわね……」
青髪「どっちが先にする…?」
黒子「………………」
黒子「…………あの…、2人で一緒に入りませんの……」
青髪「え、あ、でも……」
黒子「ほら、どうせ、見られることになるのですし………」
2時間後、ベッドの中――――
青髪「……遂に、………」
黒子「……、目的を、果たしましたの………」
黒子「…………これで……」
ホテル・正面入り口前――――
ヒュン!! ――――
青髪「おおっ!! 君、ホントに瞬間移動能力者だったんやな!!!」
ヒュン!! ――――
黒子「も、戻って来たんですの!! 私に、能力が戻って来たんですの!!!」
黒子「青髪さん! どうもありがとうですの!! おかげさまで、完全回復ですの!!」
青髪「そっかそっか、良かったなぁ、白井さん……」
青髪「それで………、それで、君は、これからどないするつもりかな…?」
黒子「……え?」
青髪「元々は、好きな先輩を守りたいから、能力を復活させたかったんやろ?」
青髪「それで、瞬間移動能力は復活したわけやけど……」
黒子「………………」
黒子「あの…、青髪さん………」
青髪「ええよ、君が、どんな結論を出しても、ボクはそれを受け入れるから…」
黒子「青髪さん、私は………」
常盤台中学の女子寮・シャワールーム――――
黒子「ああ、なんてこと……、私のリボンが…、リボンが………」
黒子「お姉さまが使用中のシャワーブースの中にぃぃいいいいいいいい!!!!」
ヒュン!! ――――
美琴「!!? く、黒子ぉぉおおおおおおおおおお!!!!」
ドガッ!! ――――
美琴「シャワー中に、飛びついてくるなって、いつも言ってんでしょうがっ!!」
黒子「あぅぅ、お姉さまの愛の鉄拳……、随分と久しぶりですの……(ヒリヒリ…」
美琴「あ、あれ……、あんた、今、テレポートを……」
黒子「はいですの! 白井黒子、能力をついに、ついに取り戻しましたの!!」
美琴「そっか! 良かったじゃない!! おめでとう!!!」
黒子「はい、これで一年前のように、お姉さまを全力でお慕いすることができますの!」
美琴「ははは、それはちょっと、遠慮するけどさ……」
黒子「もう、お姉さま、そんなこと言わずに……。私が愛してるのは、御坂美琴ただ1人ですから!」
美琴「…………え? 青髪さんは…?」
「青髪さん、私は…2人の人間を同時に愛することはできませんの………」
「ですので、今日、私は、御坂美琴お姉さまを偏執的に愛していた後輩に戻ります……」
「私のことを、身勝手だと恨まれましても、構いませんから………。では、………」
昼放課、高校・教室――――
青髪「まさか……、ボクが、人を恨んだりするはずあらへんやろ……(ボソッ……」
土御門「青髪ぃ、彼女にフラれたんだって? そいつは残念だったにゃー(ニヤニヤ…」
青髪「むぅ……。なんか、ちぃーっとも残念そうには見えへんねんけど……」
土御門「いやいや、こう見えても、ダチの失恋を痛ましく思っているですたい(ニヤニヤ…」
上条「まあ、落ち込むなって、青髪……」
青髪「べ、別に落ち込んでなんかおらへんって!!」
吹寄「おい、うるさいぞ、3馬鹿ッ!! 飯くらい静かに食べろっ!!!」
土御門「へーい。……やれやれ、怒られてしまったぜぃ…」
青髪「……。それに………」
青髪(異性との交際を知ってしまったわけで…、ホントに、今までのように、『お姉さま』と付き合えるかな…?)
青髪(白井さん、ボクはなぁ、人が心変わりする程度の期間なら、人のことを、待つことができる人間なんやで……)
とあるアパート・木山春生の部屋――――
一方通行「そ、そンなバカな話……、俺が信じるはずがねェだろうがァ………」
木山「……と、言われてもな…。これは事実なんだ、受け入れてくれ」
一方通行「な、なンでそんなことによォ……」
木山「さあな、詳しい原理は私にもわからんよ。…なにか、この原因の心当たりはないのか……?」
一方通行「心当たり、かァ……。1つだけならあるが……」
一方通行「実は、この前、グループの仕事で学園都市に潜入した男と戦ったンだがよォ……」
一方通行「捕り物自体は呆気なかったンだが、捕まえた直後、ソイツにおかしな粉袋をぶつけらて……」
木山「なるほど。私が知る限りでは、君が二例目だな……」
一方通行「そンで、解決方法はそれしかねェってのかよォ……」
木山「今のところ、さっき提示したもの以外には方法が思い浮かばんよ。申し訳ない」
木山「君は、異性と性行為をしない限り、一切の能力を使えない体になってしまったようだ」
木山「付け加えると、その異性というのは、初潮を迎えた女性に限定される」
――――――――――――――――――――――――――――――
土御門「…………おしまいだぜぃ!」 ‐End‐
一方通行さんならロリコン道を選ぶはずだ
182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 05:35:35.87:nDxpqGwuP打ち止め「ミサカは準備OKって、ミサカはミサカは宣言してみたり」
187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 09:42:12.73:IRHzbcMF0乙
青髪ピアスさんの好感度が勝手に上がるスレだったわ
188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 10:07:15.01:bCQEEWYv0青髪ピアスさんの好感度が勝手に上がるスレだったわ
面白かった
>>1乙!!
190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 12:59:10.04:yyAn5d5v0>>1乙!!
青黒はやっぱり最高だな・・・
そして一方さんのロリコン卒業フラグktkr
そして一方さんのロリコン卒業フラグktkr
コメント 5
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それはともかくおもしろかった。
でもシリアスシーンで疑問形で叫ばれると違和感が。