- ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」 1 2 3 4 5 6
1:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 16:58:59.57:kkO+/ANt0
ジンオウガ 「行け、猫よ…………!!」
ジンオウガ 「お前のお守りは…………時期が来れば必ずお前の元に還る………………!!!!」
小鉄 「ジ……ジンオウガ…………!? 超帯電状態じゃないと駄目だニャアアア!!」
ティガレックス亜種 「ヘヘヘヘヘ!!! ウキャキャキャキャ!!!!!」
ティガレックス亜種 「死ねェェエアアア!!!」
3.戦慄の進軍

【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」

【速報】尾田っち、ワンピース最新話でやってしまうwwww

【東方】ルックス100点の文ちゃん

【日向坂46】ひなあい、大事件が勃発!?

韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
10:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:02:09.14:kkO+/ANt0
―ユクモ村<夜>―
小鉄 「………………」
太刀 「小鉄、ずっと眠ったままだね……」
ハンマー 「アレだけ恐ろしい思いをしたんだから、当然だろう。それに傷もかなり深い」
ハンマー 「秘薬をありったけ使ったが、轟竜の牙から雑菌が入ったようだ。傷が膿んでいる」
ハンマー 「ユクモ村の医療術士では、どうにもできないそうだ」
太刀 「あのまま小鉄、死んじゃうの?」
13:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:03:24.63:kkO+/ANt0
ハンマー 「分からん……眠りに入る前はやけに元気に喚いていたが……」
ハンマー 「ん?」
>キラッ
ハンマー 「これは…………」
太刀 「何かしら? 小鉄が小さな石を持ってる」
ハンマー 「お守りか? 火山で見つけたのか……」
ハンマー 「ジンオウガに近づいた時に分捕ったのかもしれないな。もしかしたら、こいつの主人のものかも……」
太刀 「どこまでもセコい猫ねぇ………………」
14:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:04:45.33:kkO+/ANt0
弓 「ウチの猫を……悪く言わないで欲しい」
ハンマー 「!?」
太刀 「だ、誰?」
弓 「……………………」
太刀 (ぜ……全然気配を感じなかった……)
ハンマー 「君はもしかして、小鉄の飼い主の……」
弓 「……………………」
16:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:05:52.76:kkO+/ANt0
ハンマー 「傷の具合はいいのか? 重傷だと聞いたが……」
弓 (スタスタスタ)
弓 (パァンッ!)
ハンマー 「……!」
太刀 「ちょ……何ハンマーのことブッ叩いてるのよ!!」
弓 「小鉄に何をしたの……? あなた、強いんでしょ…………?」
弓 「何で小鉄がこんなことになったの……?」
17:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:06:51.09:kkO+/ANt0
ハンマー 「………………」
ハンマー 「順を追って話す。とりあえず、君の体も本調子ではなさそうだ。座らないか?」
弓 「………………」
弓 (スッ)
ハンマー 「どこから話したものか……信じてもらえるかは分からないが……」
20:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:08:04.83:kkO+/ANt0
弓 「ジンオウガと黒いティガレックスが戦って…………助けられた小鉄が巻き込まれた?」
弓 「黒いティガレックス? とても大きな……?」
弓 「そんな話、誰が信用するの……?」
太刀 「あんたねぇ……!!」
ハンマー 「いいんだ、太刀。黙ってろ」
弓 「第一、モンスターが私達を助けるなんて、ある筈がないじゃない…………?」
弓 「あんたバカ?」
22:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:09:20.83:kkO+/ANt0
小鉄 「…………だ……旦那さん…………?」
小鉄 「旦那さんの声がするニャ…………」
弓 「!! 小鉄!?」
小鉄 「旦那さんだニャ!!(ガバッ) ……!! 体が動かないニャ!!!」
弓 「小鉄、寝てなさい。凄い怪我よ…………」
小鉄 「何でか全然痛くないんだニャ!! この通りピンッピンニャ!!!」
小鉄 「ニャ!? 体が全然動かないニャ!!!」
23:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:10:22.60:kkO+/ANt0
太刀 「起きたら起きたで騒がしい奴ね……」
太刀 「でも、あんなに血が出てるのに、何であんなに元気なのアレ」
太刀 「死んでもおかしくない怪我なのよ……?」
弓 「小鉄、寝てなさい!!」
小鉄 「!! 旦那さん、何を怒ってるニャ?」
弓 「お……怒ってないけど…………寝てた方がいいよ……」
小鉄 「旦那さんがそう言うならそうするニャ!!(ガバッ!)」
24:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:11:18.93:kkO+/ANt0
弓 「…………」
小鉄 「あぁそうそう、旦那さん!」
弓 「?」
小鉄 「そこにいる大馬鹿ハンマーの言うことは、多分おおむね合ってるニャ」
弓 「小鉄、あなた…………」
小鉄 「バカ野郎だけど、信用しても良いニャ」
26:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:12:14.50:kkO+/ANt0
小鉄 「…………何でか、凄く眠いニャ…………」
小鉄 「旦那さん、それとジンオウガが…………」
小鉄 「ジンオウ…………ガ…………が……………………」
小鉄 (すぴーZzz…………)
27:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:13:29.28:kkO+/ANt0
弓 「……………………(バッ)」
ハンマー 「! おい待て!!」
太刀 「ハンマー、あんな奴追いかけることないよ!」
ハンマー 「このままにしてはおけない。少し待っていてくれ」
ハンマー 「それに、俺は彼女にちゃんと説明しなくてはいけないんだ」
ハンマー 「小鉄が……死んでしまう前に!」
28:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:14:28.37:kkO+/ANt0
―ユクモ村、集会浴場前<夜>―
弓 「はぁ……はぁ…………」
>ズキズキ
弓 (まだ……怪我が治っていない…………)
弓 「う……うぅ……」
弓 (小鉄…………)
弓 (あんなに気丈に…………)
弓 (あの怪我……)
弓 (小鉄はもう、助からない…………)
29:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:15:29.02:kkO+/ANt0
ハンマー 「待ってくれ!」
弓 「………………」
弓 「放っておいて……くれないかな……」
弓 「あなたが嘘をついていようと、どうだろうと……小鉄はもう、駄目なんでしょ……?」
弓 「………………」
弓 「あの子は、私が小さい頃から一緒にいる猫で……」
弓 「前の飼い主に捨てられたところを拾ったんだ………………」
弓 「…………家族のような、ものなんだよ…………」
30:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:16:32.22:kkO+/ANt0
弓 「それをあなたは…………」
弓 「小鉄が死んだら……許さないから」
弓 「呪い殺してやる……!!」
ハンマー 「分かった。小鉄に万が一のことがあったら、俺を好きにするといい」
弓 「!」
ハンマー 「その代わり、もう少し小鉄を俺に預けてくれないか?」
弓 「どうして……?」
31:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:17:59.96:kkO+/ANt0
ハンマー 「ユクモ村では治療は無理だが、俺の故郷の、ポッケ村では治療が出来る可能性があるんだ」
ハンマー 「いや、正確には、ポッケ村の周りに住む『モンスター』に頼めばなんだが……」
弓 「……は?」
ハンマー 「そのことを説明したい。俺の話を、少し聞いてくれ」
弓 「……………………」
ハンマー 「一概には信じられないことかもしれないが……」
ハンマー 「ポッケ村の近く、樹海にはモンスターと話ができる、不思議な力を持つ少女が、モンスターと暮らしている」
32:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:18:55.58:kkO+/ANt0
ハンマー 「そして火山には、俺も何度か、共に戦ったことがあるが、炎帝と呼ばれる古龍が棲んでいる」
ハンマー 「その少女の話だと、古龍の血には、どんな深い傷も癒してしまう力があるそうだ」
ハンマー 「現に、その少女は盲目の状態から、古龍の血で快癒している」
ハンマー 「小鉄の膿んでしまった怪我も、古龍の血ならば治すことが出来ると思うんだ」
ハンマー 「ユクモ村は、ここから、どんなに急いでもガーヴァ便で一週間はかかる」
ハンマー 「すぐにでも村を発ちたい」
33:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:19:50.52:kkO+/ANt0
弓 「………………」
弓 「ハハッ、モンスターと話が出来る女の子?」
弓 「バッカじゃないの……?」
弓 「モンスターに知性なんてないわ……あいつらはただのケダモノよ……」
弓 「あなた、クスリでもやってるの?」
弓 「頭大丈夫?」
34:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:20:46.37:kkO+/ANt0
ハンマー 「俺の頭は、残念ながら至って正常だ」
ハンマー 「そして君の想像とは違って、モンスターにも家族があり、高い知性があり、コミュニティも作っている」
ハンマー 「俺も最初は信じられなかったが、これは、自信を持って言えることなんだ」
弓 「………………」
弓 「ポッケ村だっけ……?」
弓 「確か、シュレイド地方の……」
ハンマー 「ああ。山を越えていかなければいけない」
弓 「その間、小鉄の体がもつという保障は……?」
ハンマー 「ない」
35:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:21:48.47:kkO+/ANt0
ハンマー 「だが、古龍の血を手に入れることが出来れば、確実に小鉄は治療することが出来ると思う」
ハンマー 「それに賭けてみてはくれないか?」
ハンマー 「本当は俺にとっても他人事なのだが……」
ハンマー 「小鉄とは短い付き合いだが、どこか他人とは思えないんだ」
ハンマー 「性格が似ているせいかもしれないな……」
弓 「………………」
ハンマー 「こうなったのは、ほぼ俺の責任だ。一緒にいながら、小鉄に傷を負わせてしまった」
ハンマー 「だから、何としてもあいつを治してやりたい」
36:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:23:06.95:kkO+/ANt0
弓 「………………このままじっとしてても、小鉄は死ぬだけなんでしょ……?」
ハンマー 「……ああ」
弓 「行くわ。私も、ポッケ村……」
ハンマー 「君も……? しかし、その体では……」
37:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:24:01.18:kkO+/ANt0
弓 「ジンオウガは倒れたんでしょ……? なら、何の問題もない筈……」
弓 「それに、もしものことがあったとき、近くにいなきゃ……」
弓 「あなたを、呪い殺せない……」
ハンマー 「…………」
ハンマー 「分かった。一緒に行こう」
38:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:25:07.25:kkO+/ANt0
弓 「それと、お守り……」
ハンマー 「……? アレは、君のものではないのか?」
ハンマー 「俺には、小鉄がジンオウガから分捕ったように思えたが……」
弓 「あれは、私のものではない……」
ハンマー 「そうか……」
ハンマー 「小鉄は、ずっとそのことを気にしていた」
ハンマー 「残念だが…………君からも、あいつに一言、言ってやって欲しい」
弓 「……………………」
39:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:26:03.60:kkO+/ANt0
―ユクモ村<朝>―
村長 「ハンマーさん、お世話になりました……名残惜しいですが、是非またいらしてくださいまし」
ハンマー 「はい。小鉄が治ったら、またここに来させていただきます」
ハンマー 「村の強化も忘れないでください」
番台猫 「最速の超・ガーヴァ便を用意しましたニャ。あまりの速さに誰も扱えない奴なのですが、あなたになら扱える筈ですニャ」
ハンマー 「ありがとう。助かります」
小鉄 (すぴー…………すぴー…………Zzz…………)
40:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:27:18.50:kkO+/ANt0
弓 「小鉄…………」
村長 「弓も、気をつけて……」
弓 「村長さん……うん、分かった」
太刀 「あんた、早く乗りなさいよ! 置いていかれたいの?」
弓 「………………」
太刀 「な、何よ」
弓 (ガシャガシャ)
太刀 (き……気味が悪い女ね…………)
41:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:28:38.14:kkO+/ANt0
オトモアイルー達 「こてっちゃん…………(わらわら)」
オトモアイルー達 「こてっちゃん……ジンオウガと相討ちなんてカッコ良すぎる死に方だニャ…………」
オトモアイルー達 「英猫だニャ……」
オトモアイルー達 「雄の中の雄だニャ……」
オトモアイルー達 「こてっちゃんのことは一生忘れないニャ(グス……)」
太刀 「ああもう、こっちにわらわら集まってんじゃないわよ! 駄猫共!!!」
太刀 「それと小鉄、まだ死んでないから!!」
42:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:29:59.46:kkO+/ANt0
ハンマー 「出発するぞ!」
太刀 「じゃあねー、村長さん達ー!!!」
弓 「………………」
>パシィ!
駿足ガーヴァ 「!!! クワァ!!(シュバッ!!!!)」
ハンマー 「うお!? は、速い!!!!」
43:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:31:17.84:kkO+/ANt0
―海岸<昼>―
金リオレイア 「しっがし見だごとねぇもんすたぁだなぁ」
銀リオレウス 「んだァ。どっことなぐカムとノノに似でんなぁ」
ジンオウガ妻 「………………」
仔ジンオウガ 「………………」
金リオレイア 「息しでっがァ?」
銀リオレウス 「すらねぇ。ちぃっど見でみっがァ」
49:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:35:40.75:kkO+/ANt0
金リオレイア 「どぉだぁ? 父ぢゃん?」
銀リオレウス 「子供の方は大丈夫だぁ。んでも、こったら親の方は虫の息ンだぁ」
金リオレイア 「そいづァ矢婆いだァ」
銀リオレウス 「すっがだねぇ。連れでけぇるぞぉ」
金リオレイア 「んだんだ。すっがだねぇけんども、わぁるどつぁあは中止だぁ」
50:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:36:43.88:kkO+/ANt0
金リオレイア 「(ビュゥゥゥゥゥ)んだっでも、なしで光っだように見えだんだべぇ」
銀リオレウス 「(ビュゥゥゥゥゥ)なぁーんが、こっだら子供ン方がら、いやぁーな気配がすっどなぁ」
銀リオレウス 「(ビュゥゥゥゥゥ)アゴ美達なら、何が知っでっがもしれんなぁ」
金リオレイア 「(ビュゥゥゥゥゥ)とっがく、早ぇどごテオ達ンどご連れでぐべ」
仔ジンオウガ (もぞもぞ)
51:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:38:01.60:kkO+/ANt0
―シュレイド地方、樹海<昼>―
イャンクック 「少女ー! おーい、どこに行ったんだー!!」
イャンクック 「………………」
イャンクック (また一人で人間の村近くまで行ったのだろうか……)
イャンクック (『あのハンター』がいるから心配はないと思うが……)
イャンクック (ン? そういえば、『あのハンター』は、今別の地方に旅行中と聞いたが……)
イャンクック (…………砦ドラゴンの一件が終わってから、さして時間も経っていない。心配だ……)
イャンクック (少し様子を見に行くとしよう)
52:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:39:10.76:kkO+/ANt0
イャンクック 「良い朝だ。砦ドラゴンが去ってから、本当に春になったな……」
イャンクック (何事も起きていなければ良いが……)
イャンクック (ン……あれは……)
イャンガルルガ (バサッ、バサッ)
54:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:40:39.26:kkO+/ANt0
イャンクック 「やあ、ガルルガ君。おはよう」
イャンガルルガ 「………………」
イャンガルルガ 「てめぇなんぞに用はねぇ。少女はどこだ?」
イャンクック 「いや、私も今探しているところでね。起きたらいなくなっていたんだ」
55:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:41:52.27:kkO+/ANt0
イャンガルルガ 「何だと?」
イャンクック 「いや、いつも通りに散歩に出ているだけだと思うから、心配はないが……」
イャンクック 「おそらく雪山の方だろう」
イャンクック 「少し行ってみようかと思っていたところなんだ」
イャンクック 「良ければ一緒に行くかい?」
イャンガルルガ 「…………ケッ、誰がてめぇなんぞと同伴するかよ」
イャンガルルガ 「いねぇならいい」
56:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:43:15.16:kkO+/ANt0
イャンクック 「そうか。何か用事があるなら伝えておくが……」
イャンガルルガ 「用事……?」
イャンガルルガ 「別に用事ってことは……」
イャンガルルガ 「ねぇが……」
イャンクック 「(にこり)そうか」
イャンガルルガ 「ケッ」
イャンガルルガ 「胸くそ悪ィ。じゃあな(バサッ)」
57:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:44:30.22:kkO+/ANt0
イャンクック (あれは少女を探しに行ったな……)
イャンクック (私も探すとしようか……)
イャンクック (雪山のどこかだとは思うが……何をしに行ったんだろう)
イャンクック (最近はあの子も、一人で出歩くことも多くなったが……)
イャンクック (やはり心配だ)
58:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:45:32.23:kkO+/ANt0
イャンクック (それに、あの子の体は……)
イャンクック (………………)
イャンクック (少女のことはガルルガ君に任せて、少しヤマツカミ様に相談に行ってみようか……)
イャンクック (少女がいるときには、何かと相談しづらいところがあるからな……)
60:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:46:41.56:kkO+/ANt0
―樹海、入り口<朝>―
イャンガルルガ (チィ。面倒臭ェ)
イャンガルルガ (昼に来いとか言われてたのに、朝に来ちまった……)
イャンガルルガ (馬鹿みてぇじゃねぇか、俺は……!!)
イャンガルルガ (あんなちっぽけな人間の何に翻弄されてるんだ……)
イャンガルルガ (くそっ……! だけどあいつは弱いからな…………)
イャンガルルガ (気になるぜ……)
イャンガルルガ (確か、雪山の方とか言ってたな……)
61:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:48:03.30:kkO+/ANt0
―樹海、奥<朝>―
イャンクック (バサッ、バサッ)
イャンクック (あの影は……)
イャンクック (バサッ)
イャンクック 「おはよう、キング」
62:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:49:07.91:kkO+/ANt0
キングチャチャブー 「………………よう」
チャチャブー達 「ビィ! イャンクックだ!」
チャチャブー達 「ひき肉にするぞ! 鳥め!!」
キングチャチャブー 「黙らねぇか……てめぇら……」
チャチャブー達 「ビィ!!」
64:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:50:10.94:kkO+/ANt0
イャンクック 「はは……君達はいつでも元気だな」
キングチャチャブー 「狩りの途中だ……邪魔すんな」
イャンクック 「あぁ、すぐに行くよ」
キングチャチャブー 「? 少女はどうした?」
イャンクック 「ン……それなんだが、今朝から姿が見えなくてね」
イャンクック 「まぁ、いつもの通りに雪山に行っているんだと思うが……」
イャンクック 「ガルルガ君に任せて、私はヤマツカミ様のところに、相談に行こうという所だ」
65:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:51:41.64:kkO+/ANt0
キングチャチャブー 「ヤマツカミに……? あァ……あのことか」
イャンクック 「うむ……最近、とみに違和感を覚えるようになってきてね……」
イャンクック 「この森に来て、もうかなりの年月が経つというのに、あの子の姿は昔のまま変わらない」
イャンクック 「全く『成長をしていない』といってもいい」
イャンクック 「おそらく古龍の血による副作用なんだろうが、心配だ……」
イャンクック 「本人は、私達モンスターの中に入って生活しているがゆえに、気づいていないようだが……」
イャンクック 「このままでは、あの子は普通の生活を送れなくなってしまう気がしてね……」
67:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:54:40.01:kkO+/ANt0
キングチャチャブー 「普通の生活……『普通』の生活ねぇ……」
キングチャチャブー 「何が普通なのかどうかは、てめぇが決めてることだろうが……」
キングチャチャブー 「それが、あいつのためになっているかどうかは、別としてな……」
イャンクック 「まぁ……その通りではあるが……」
キングチャチャブー 「モンスターの中で生活している時点で、もう既にあいつは『普通』じゃぁねぇ……」
キングチャチャブー 「今この生活が、幸せなのかどうかなんて、俺達に判断できることじゃねぇ気がするがね……」
イャンクック 「……ふむ。確かに……」
キングチャチャブー 「…………まァ……ヤマツカミに聞くくらいは別にかまわねぇんじゃねぇのか……?」
68:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:55:47.70:kkO+/ANt0
イャンクック 「助言、感謝する。かまわず狩りに戻ってくれ」
キングチャチャブー 「そうさせてもらうとするぜ……行くぜてめぇら……」
チャチャブー達 「ビィ!!!」
イャンクック (確かに、キングの言うとおり、少女は既に『人間』としての生活を送れない環境にいる……)
イャンクック (それがあの子のためになっているのかどうかは、私にも判断が付かないことなのだが……)
イャンクック (何があの子の幸せになっているのか、どれが不幸せなのか、考えていかなければいけないな……)
69:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:57:12.87:kkO+/ANt0
―雪山<朝>―
イャンガルルガ (バサッ、バサッ)
イャンガルルガ (……イャンクックはついてきてねぇな……)
イャンガルルガ (あの野郎、俺に任せやがったな……)
イャンガルルガ (まァ……別に構わねぇが……)
イャンガルルガ (それにしても、春先だっていうのにすげぇ吹雪だぜ……)
イャンガルルガ (こんなところに少女はいるのか?)
70:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:58:17.95:kkO+/ANt0
イャンガルルガ (? あれは……)
イャンガルルガ (チィッ! 面倒な奴らがいやがる)
ティガレックス兄 「ファァァ………………ァ゛!!」
ティガレックス兄 「弟者、起きろ。弟者」
ティガレックス弟 「ファァァァァ………………アァ゛!!」
ティガレックス弟 「何だ兄者、まだ朝じゃねェか」
ティガレックス兄 「腹が減ったンだよ。何か探しに行くぜ」
71:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 17:59:34.83:kkO+/ANt0
ティガレックス弟 「兄者は最近益々太ったからな……俺はいいよ。兄者だけで行ってきてくれよ」
ティガレックス弟 「まだ眠いぜ」
ティガレックス兄 「つっても、俺らこんな雪山のド真ん中で寝てたから、関節がカッチコチだぜ!」
ティガレックス兄 「ヒャハハ! 動けねぇ!!」
ティガレックス弟 「ン? ホントだ動けねぇや!! ヒャハ!!」
イャンガルルガ 「(バサァッ)…………何してんだてめぇら…………」
72:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:00:46.66:kkO+/ANt0
ティガレックス兄 「お……おお、丁度良かった、何だっけ? …………少女の友達さんよ!」
ティガレックス弟 「ガルルガだろ、ガルルガ」
イャンガルルガ 「………………」
ティガレックス兄 「ポポいじめに飽きて、こんなところで寝てたら固まっちまった。ちょっくら溶かしてくれ」
イャンガルルガ 「全くお前らは底なしの馬鹿だな」
ティガレックス兄 「何ィ!? 馬鹿って言う奴が馬鹿なんだぜ!!!」
ティガレックス弟 「ヒャッハッハ!! バーカバーカ!! …………動けねぇ!!!」
ティガレックス兄 「そういえば動けねぇ!!!」
73:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:03:56.00:kkO+/ANt0
イャンガルルガ 「…………分かったよ…………(ボォォォゥッ!!)」
ティガレックス兄 「うわ熱ッ!!(ジュゥ!!)」
ティガレックス弟 「熱ウゥッ!!!(ジュゥ!!!)」
ティガレックス兄 「ン、これで氷が溶けたぜ!」
ティガレックス弟 「鱗は少々焦げたがな! ガルルガ、てめぇは嫌な奴だが、実は結構良い奴だったりもするんだな!」
イャンガルルガ 「………………」
イャンガルルガ (この馬鹿達に構ってると時間がなくなる)
イャンガルルガ (放っておいて先に行こう)
74:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:04:49.94:kkO+/ANt0
ティガレックス兄 「あぁ待て、何しにこんなとこに来たんだ?」
ティガレックス弟 「また少女のケツ追っかけてんのか? ヒャハ!」
イャンガルルガ (カチン)
イャンガルルガ 「ンだァ? 調子こいてんじゃねぇぞてめぇら」
75:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:05:50.57:kkO+/ANt0
ティガレックス兄 「あァァ? ヤんのかコラァ!?」
ティガレックス弟 「2対1だぞコラァ!!」
ティガレックス兄 「あんまナメた態度とってやがると、ここにいる弟が黙ってねぇぞコラァ!!」
ティガレックス弟 「!?」
76:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:06:59.20:kkO+/ANt0
イャンガルルガ 「………………?」
ティガレックス兄 「聞いてんのかコラァ!! いてこますぞ! 弟がなァ!!」
ティガレックス弟 「兄者はやんねぇのか?」
ティガレックス兄 「俺はその間、狩りに行ってくる」
77:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:08:52.82:kkO+/ANt0
イャンガルルガ 「馬鹿共、静かにしろ」
ティガレックス兄 「また馬鹿って言ったぜこいつ」
ティガレックス弟 「馬鹿って言う奴が馬鹿なんだぜ!!! ヒャッハハハ! バーカ!!」
ティガレックス兄 「バーカ!!!」
78:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:09:48.48:kkO+/ANt0
イャンガルルガ (……あれはキリンか……背中に乗ってるのは……)
イャンガルルガ (ン、少女だ)
キリン (ヒュゥゥゥゥゥゥゥ)
キリン (スタッ)
キリン 「おはようございます、みなさん!!」
ティガレックス兄 「あァん? ヤんのかコラァァ!!!」
ティガレックス弟 「兄者。キリンだ。キリン」
ティガレックス兄 「(ズシン、ズシン)何だ、後ろから声かけられたから敵かと思ったぜ」
80:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:15:35.96:kkO+/ANt0
キリン 「皆さんお元気そうですね。っていうか、何でこんなところにいるんですか?」
少女 「おはよう、ティガ兄さんに弟さん」
少女 「ガルルガさんも!!」
ティガレックス兄 「よう。俺らはポポいじめしてたら、気が付いたらここで凍ってたんだよ」
ティガレックス弟 「ガルルガに解凍してもらわなかったら動けなかったぜ!!」
キリン 「凍ってたんですか……」
少女 「大丈夫? どこか痛くない?」
ティガレックス兄 「いや、別に」
ティガレックス弟 「腹がすいただけだな」
82:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:16:50.63:kkO+/ANt0
少女 「待っててね。干したサシミウオがあるの(ごそごそ)」
少女 「ほら」
ティガレックス兄 「ケェ。朝から魚かよ(モグモグ)」
ティガレックス弟 「肉が食いてぇ肉が(モグモグ)」
ティガレックス兄 「…………(もぐもぐ)」
ティガレックス弟 「…………(もぐもぐ)」
ティガレックス兄 「うんめぇぇ~~~!!!(モグモグ)」
ティガレックス弟 「サシミウオ最高ォォ!!!(モグモグ)」
ティガレックス兄 「このシャリシャリした食感がたまんねぇぜ!!(モグモグ)」
83:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:18:27.77:kkO+/ANt0
キリン 「それは凍ってるだけじゃ……」
イャンガルルガ 「食えりゃ何でもいいんじゃねぇのか……?」
キリン 「ガルルガさん、おはようございます。どうしたんですか?」
少女 「そうだよ、ガルルガさん。約束はお昼からだよ」
84:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:19:39.10:kkO+/ANt0
イャンガルルガ 「いや……何…………」
イャンガルルガ 「散歩……」
イャンガルルガ 「そう、散歩だ」
少女 「そうなんだー。偶然だね!」
キリン (ふふ……)
85:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:20:34.55:kkO+/ANt0
イャンガルルガ 「それより、何でてめぇこそ朝っぱらから雪山にいる?」
イャンガルルガ 「イャンクックの野郎が探してたぜ」
少女 「うん、ちょっとスープに使う雪山草を探しにきたの」
キリン 「私は、途中で少女ちゃんと会ったんです」
86:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:21:31.69:kkO+/ANt0
イャンガルルガ 「寒くねぇのか? すげぇ吹雪だが」
少女 「ナナ先生の毛と、ティガさんたちの鱗を、オオナヅチさんの皮に縫いこんだから、全然寒くないよ」
キリン 「私は雷の膜を張ることが出来ますから、二人でいれば、多少の吹雪も問題ないんです」
イャンガルルガ 「そうか……それならいいんだが……」
87:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:23:07.23:kkO+/ANt0
ティガレックス兄 「少女! もっとねぇのか?」
ティガレックス弟 「腹が減ったよ腹がァ!!」
少女 「それなら、一緒にお家に行こうよ」
イャンガルルガ 「……!?」
88:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:24:15.00:kkO+/ANt0
ティガレックス兄 「それはいい考えだぜ!」
ティガレックス弟 「暇だしな!!!」
イャンガルルガ (…………チッ)
キリン 「そうですね。雪山草も沢山採れましたし、皆さんで食べましょうか」
89:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:25:10.75:kkO+/ANt0
少女 「ガルルガさんも、朝ごはんまだ?」
イャンガルルガ 「ああ」
少女 「それじゃ一緒にお家に行こう」
イャンガルルガ 「そうだな……」
ティガレックス兄 「まぁ今日は魚でいいか!!」
ティガレックス弟 「肉は明日にするか!」
イャンガルルガ (こいつらも一緒か……)
90:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:27:13.98:kkO+/ANt0
―樹海、奥深く、ヤマツカミの棲家<朝>―
イャンクック 「ヤマツカミ様、失礼します」
ヤマツカミ 「おお、イャンクックか。中に入りなさい」
イャンクック 「……ぬ?」
テオ・テスカトル 「イャンクック殿か。おはよう」
ナナ・テスカトリ 「おはようございます」
イャンクック 「テオ殿、ナナ殿。朝早くからどうされた?」
91:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:28:22.58:kkO+/ANt0
テオ・テスカトル 「いや、目的は貴殿と同じだと思うが……」
ナナ・テスカトリ 「少女ちゃんのことです」
イャンクック 「ふむ……」
テオ・テスカトル 「今まで、私やオオナズチ君の血を、あの子に大分与えてきたが……」
テオ・テスカトル 「その影響からか、最近、何か異変があるのではないか?」
イャンクック 「仰るとおりです。そのことで、今日はヤマツカミ様にお話を賜りに来ました」
ヤマツカミ 「我らの血による、人間への影響か……」
92:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:29:57.55:kkO+/ANt0
ヤマツカミ 「その兆候に気づいたのは、いつ頃からだね?」
テオ・テスカトル 「その点につきましては、私どもよりは、常に共にいるイャンクック殿の口からの方がいいかと」
イャンクック 「はい。気づいたのは、数ヶ月前です。モンスターの我々は、すぐに成長し、大人の期間が長いが……」
イャンクック 「人間は逆です。子供の期間が長い……」
イャンクック 「最初はそのせいかとも思っていたのですが、あまりにも少女は成長しなさ過ぎる」
イャンクック 「ここに来た頃と比べて健康にはなりましたが、体格もさして変わりはありません」
イャンクック 「あの子の持つ、不思議な力の訳もいまだに分からない状況でもありますが……」
94:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:31:02.12:kkO+/ANt0
イャンクック 「私は、あの子が何か、人間とは別のモノになってしまってきているような気がするのです……」
ヤマツカミ 「と、申すと?」
イャンクック 「我らモンスターと同じような体質に、変わってしまっているのではないでしょうか?」
イャンクック 「あの小さな姿のまま、定着してしまったのではないかと思うのです」
テオ・テスカトル 「ふむ……」
95:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:31:54.62:kkO+/ANt0
テオ・テスカトル 「残念なことに、我々も同じ意見なのだ」
イャンクック 「やはり……」
ナナ・テスカトリ 「私達の学校にあの子はよく来てくれますが、やはりいつ見ても変わり栄えがありません」
ナナ・テスカトリ 「人間ではよく見られる、頭の部分の体毛の伸びも見られません」
96:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:33:21.29:kkO+/ANt0
イャンクック 「もしやとは思っていたが、やはり少女の体には異変が起こっているのか……」
テオ・テスカトル 「それが悪いことなのか、いいことなのかということは我々には分からぬ」
テオ・テスカトル 「しかし、我々でさえ、この年月が経てばある程度の変化が現れるところを考えると……」
テオ・テスカトル 「やはり少女は今現在異常な状態にあると考えられる」
97:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:34:17.58:kkO+/ANt0
イャンクック 「………………」
ナナ・テスカトリ 「成長しないということが、どのように悪い結果をもたらすのかは分かりません……」
ナナ・テスカトリ 「もしかしたら、わたくし達モンスターのように、一定期間が経てば一気に歳をとるのかもしれませんが……」
ナナ・テスカトリ 「あの子の『将来』のことを考えれば、やはり普通ではないということは障害になるような気がするのです」
98:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:35:21.60:kkO+/ANt0
イャンクック 「と、申しますと……?」
ナナ・テスカトリ 「少女は、いずれ人間の元に還らなければなりません」
イャンクック 「!!」
ナナ・テスカトリ 「人間社会がどれだけあの子を拒絶したといえ、あの子は人間です」
ナナ・テスカトリ 「世代を築き、子供を育てるためには、あの子には同じ人間の伴侶が必要です」
ナナ・テスカトリ 「不老というのは、わたくし達生き物にとっての一種の憧れではありますが……」
ナナ・テスカトリ 「共に老いることが出来ないというのは、辛いものです」
ナナ・テスカトリ 「分かりませんか?」
99:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:36:51.62:kkO+/ANt0
イャンクック 「………………」
イャンクック 「そう……ですな。いや……その通りだ」
テオ・テスカトル 「…………何も今すぐというわけではない」
テオ・テスカトル 「そうでなくとも、あの子は色々と人間離れしてしまっているのだ」
テオ・テスカトル 「先ずはその問題を解決しないことには、どうとも言えぬ」
ナナ・テスカトリ 「そうですね……」
ナナ・テスカトリ 「そのためにわたくし達はヤマツカミ様にご相談に伺ったというわけなのです」
100:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:37:59.84:kkO+/ANt0
イャンクック (いずれ少女はここを離れなければならない……)
イャンクック (考えてはいたことだが……)
イャンクック (だが……あの子は…………)
イャンクック (私の……)
イャンクック (……家族だ……)
101:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:39:06.50:kkO+/ANt0
ヤマツカミ 「………………」
ヤマツカミ 「うむ……ひとまず、少女には何があっても古龍の血は、もう与えないようにするとよかろう」
イャンクック 「!」
イャンクック 「しかしヤマツカミ殿。少女はいまだ、視力が完全には戻っていません」
102:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:40:00.21:kkO+/ANt0
イャンクック 「時折視界がぼやけることもあるそうです」
イャンクック 「それが治るまでは……」
テオ・テスカトル 「いや、もうやめた方が良かろう」
イャンクック 「テオ殿!」
103:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:41:09.99:kkO+/ANt0
テオ・テスカトル 「先ほども言ったとおり、これ以上の血の投入は、何を引き起こすか分からぬ」
テオ・テスカトル 「もしかしたら、少女は人間に『戻れなく』なってしまうかもしれぬ」
テオ・テスカトル 「お主はそれでも良いというのか?」
イャンクック 「それは…………」
104:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:42:08.77:kkO+/ANt0
イャンクック 「うぅむ……」
ナナ・テスカトリ 「様子を見ながら投与というわけにはいきませんか?」
ヤマツカミ 「いや、やめた方が良かろう」
ヤマツカミ 「この件については、わしも考えておく。ご三方は下がると良い」
107:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:43:41.39:kkO+/ANt0
イャンクック 「しかしヤマツカミ様……」
ヤマツカミ 「わしは、『様子を見る』という意味で言ったのだ。何も完全に禁止をしたわけではない」
ヤマツカミ 「今度、一度少女をここに連れてくると良かろう」
イャンクック 「……分かりました」
108:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:45:34.03:kkO+/ANt0
テオ・テスカトル 「ヤマツカミ殿はお休みになられたか……」
テオ・テスカトル 「………………出すぎた真似をしたかもしれぬが、やはり少女は我らの家族も同然、気になるのはお主だけではない」
イャンクック 「ありがとうございます。しかし……」
イャンクック 「私は、あの子の目を、完全に治してやりたい……」
ナナ・テスカトリ 「それはわたくしも同じです」
ナナ・テスカトリ 「しかし今は、ヤマツカミ様の仰るとおり、様子を見ましょう」
109:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:46:51.39:kkO+/ANt0
ナナ・テスカトリ 「それと、少女ちゃんにこれを」
イャンクック 「これは……」
テオ・テスカトル 「どの道話が終わったら、お主の所に向かう予定だった」
テオ・テスカトル 「この前に鱗が一部生え変わったのだ」
110:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:48:11.89:kkO+/ANt0
テオ・テスカトル 「さしづめ、これは私の『獄炎の厚龍鱗』といったところか」
イャンクック 「いただいていいのですか?」
テオ・テスカトル 「暑さを大分防げる。火山に来る時に、着物に縫い込めば重宝できるだろう」
イャンクック 「分かりました。有難く頂戴しておきます(ゴソゴソ)」
111:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:49:08.70:kkO+/ANt0
イャンクック 「お二方とも、宜しければ私の家で朝食などいかがか?」
イャンクック 「おそらく、ガルルガ君が少女を連れ戻してくれている頃だと思います」
テオ・テスカトル 「うむ……それではお言葉に甘えて参ろうか」
ナナ・テスカトリ 「そうですね。お邪魔いたします」
112:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:50:10.04:kkO+/ANt0
イャンクック 「いえいえ。それでは行きましょう(バサッ)」
テオ・テスカトル 「(バサッ)…………」
テオ・テスカトル (妻はああ言ったが、果たして少女は人間の世界に適応できるだろうか……)
テオ・テスカトル (難しいように思えるが…………)
113:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:51:06.21:kkO+/ANt0
―樹海、イャンクックの巣<朝>―
少女 「おじさん、いないみたいだね」
キリン 「どこかにお出かけ中でしょうか?」
ティガレックス兄 「ケェ。どうでもいいから早く飯を作れよ」
ティガレックス弟 「そうだな。腹が減ったぜ」
イャンガルルガ 「………………」
少女 「待っててね。今作るから」
114:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:52:05.64:kkO+/ANt0
>バサッ、バサッ!!
>ドッシャァァ!!
少女 「!!」
ティガレックス兄 「外で何か音がしたぞ」
ティガレックス弟 「イャンクックでも帰ってきたんじゃねぇのか?」
少女 「おじさん?」
イャンガルルガ 「俺が見てくる……(ズン、ズン)」
115:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:53:23.90:kkO+/ANt0
金リオレイア 「ふぅぅ~~ぃ。やっばり長距離飛ぶのんはきっづいなぁ」
銀リオレウス 「オイラらも、もう歳だなぁーぃ」
金リオレイア 「少女っづぁーん、少女っづぁんはいるがいぃ?」
イャンガルルガ 「ンだァ? クソババァとクソジジィじゃねぇか……」
117:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:54:20.32:kkO+/ANt0
金リオレイア 「やっがましいわ坊主。なしでおめぇがこごにいるだ?」
銀リオレウス 「これこれ。クソジジイとクソババアに、ほんどのこどいっぢゃいけん」
金リオレイア 「んだ」
イャンガルルガ 「…………」
119:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:55:23.62:kkO+/ANt0
少女 「あ、金さんに銀さん!」
キリン 「お久しぶりです。どうかされましたか?」
ティガレックス兄 「またうっせぇのが来たぞ」
ティガレックス弟 「よ! クソジジイにクソバアア!! まだ死んでなかったのか!!!」
金リオレイア 「いちいち癪にさわるガキィめらだぁァ」
銀リオレウス 「これこれ。クソジジイとクソババアにはァ、ほんどのこどいっぢゃぁいけん」
金リオレイア 「んだァ」
121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 18:56:30.20:6MTuYmlZ0
少女 「わ、何!?」
ジンオウガ妻 「………………」
仔ジンオウガ 「キュゥゥゥーン…………」
金リオレイア 「少女ぢゃん、人間の薬ィもっでだよなぁ」
銀リオレウス 「テオとナナがみづからんでなぁ。ちぃっどばかじ、こっぢのでかい方にかけでやっでくんなまし」
123:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:58:23.67:kkO+/ANt0
少女 「いにしえの秘薬? まだあるよ(ゴソゴソ)」
少女 「これでいいかな(ジュッ)」
ジンオウガ妻 「……………………」
ジンオウガ妻 (スゥ……スゥ…………)
124:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:59:17.78:kkO+/ANt0
金リオレイア 「ンむ。一時的にァ死なずに済んだァ」
銀リオレウス 「んだんだ。これでテオ達がみづかれば、万事解決だぁ」
テオ・テスカトル 「私はここにいますが、何か御用でしょうか?(ズシン、ズシン)」
ナナ・テスカトル 「あら、金様に銀様。おはようございます」
126:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:00:10.02:kkO+/ANt0
イャンクック 「少女! 戻っていたか!!」
少女 「おじさん!(バッ)」
少女 「ごめんね、おじさん寝てたから、起こすと悪いと思って……」
イャンクック 「いや、いいんだ。これからは私が寝ていても、起こしてから行ってくれ」
少女 「うん!」
129:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:02:34.87:kkO+/ANt0
イャンクック 「金さんに銀さんではないですか。いかがなされた?」
イャンクック 「む? このモンスターは…………」
ジンオウガ妻 「……………………」
仔ジンオウガ 「キュゥゥー…………」
130:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:03:28.19:kkO+/ANt0
少女 「見たことがないモンスターだねぇ」
金リオレイア 「わぁるどつぁあに出だどき、みづげただ」
銀リオレウス 「海岸に埋まっでだだぁ」
イャンクック 「ふぅむ……別の大陸のモンスターだろうか……流されてきたのか?」
131:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:04:22.24:kkO+/ANt0
仔ジンオウガ 「キュゥ……」
少女 「怯えてる……大丈夫。怖くないよ(撫で撫で)」
仔ジンオウガ 「…………キュゥゥ…………」
少女 「この子もだいぶ弱ってるみたい」
132:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:05:30.71:kkO+/ANt0
テオ・テスカトル 「成る程。それで、我々の血を探されていたというわけですか」
金リオレイア 「んだ」
テオ・テスカトル 「それでは、少し失礼する(ガブッ)」
テオ・テスカトル (ポタポタ)
>シュゥゥゥゥゥゥ
133:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:06:23.06:kkO+/ANt0
ジンオウガ妻 (ピクッ)
ジンオウガ妻 「…………ン……ンン…………」
仔ジンオウガ 「! キュゥ!」
ジンオウガ妻 「…………? こ…………ここは…………」
ジンオウガ妻 「!! あなた!! あなた!?」
テオ・テスカトル 「落ち着いてください。ここは樹海です。私のことが分かりますか?」
ジンオウガ妻 「樹海……? 樹海とは……」
ジンオウガ妻 「それに、あなた方は……」
134:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:07:59.02:kkO+/ANt0
ジンオウガ妻 「!! 坊や!!!」
仔ジンオウガ 「キュゥ!!(バッ)」
ジンオウガ妻 「良かった……坊や……無事で…………!!!」
金リオレイア 「………………」
銀リオレウス 「………………」
135:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:09:08.22:kkO+/ANt0
金リオレイア 「(ひそひそ)ぃやっばり、あんの子供ン方がらいやァな気がすっぞ」
銀リオレウス 「(ひそひそ)んだんだ。何だべが」
金リオレイア 「(ひそひそ)忌み子じゃねぇがありゃァ……?」
銀リオレウス 「(ひそひそ)んだでも、殺ずわげにもいかんっべぇ?」
136:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:10:00.76:kkO+/ANt0
少女 「金さん銀さん、どうしたの?」
金リオレイア 「ン? 何でもねぇ」
銀リオレウス 「んだァ」
少女 「??」
イャンクック 「名前は何ですか? どこから来ました?」
137:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:11:56.29:kkO+/ANt0
ジンオウガ妻 「……わ、私達は渓流に住む、ジンオウ組の者です」
ジンオウガ妻 「ここは渓流のどこですか? まだ地理に疎くて、よく分からないのです」
ティガレックス兄 「ジンオウ組? 弟者、聞いたことあるか?」
ティガレックス弟 「ねぇなァ。何だそりゃ」
ジンオウガ妻 「……!!!!!!!??」
138:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:18:39.23:kkO+/ANt0
ジンオウガ妻 「お……お前達は!!!!」
ジンオウガ妻 「ウォォォォォォォォ――――――――――ンッッッ!!!!!」
>バヂィッ!!
>バリバリバリバリバリバリバリバリバリ
ジンオウガ妻(超帯電) 「ティガレックス!!!!!!!」
ジンオウガ妻(超帯電) 「坊や、私の後ろに隠れなさい!!!!」
仔ジンオウガ 「キュゥゥゥーン…………(ソロソロ)」
140:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:23:05.35:kkO+/ANt0
ティガレックス兄 「……?」
ティガレックス弟 「……??」
ティガレックス兄 「ンだァ? ヤんのかコラァアア!!!!!!」
ティガレックス弟 「いてこますぞオラァアアア!!!」
ティガレックス兄 「行け! 弟者!!!」
ティガレックス弟 「また俺かよ!?」
142:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:26:44.70:kkO+/ANt0
ジンオウガ妻(超帯電) 「ティガレックスは殺す!! こんなところまで追いかけてくるなんて……!!!」
ジンオウガ妻(超帯電) 「私の坊やは、絶対に渡さない!!!!!」
ジンオウガ妻(超帯電) 「ガアアアアアア!!!!!」
>ピシャァアアアアン!! ピシャアアアアアン!!!!
143:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:29:02.60:kkO+/ANt0
キリン 「!!!!」
>バッ
>バヂィィィィ!!!!!
キリン 「みなさん、私の後ろに!!」
ティガレックス兄 「か……雷落としやがった!!!」
ティガレックス弟 「雷は反則だろォ!!!! てか俺ら何かした!?」
ティガレックス兄 「覚えがありすぎてわからねぇ!!!!!!!!!」
144:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:31:46.69:kkO+/ANt0
イャンクック 「いかん! 少女、こっちに来るんだ!!!」
テオ・テスカトル 「まずい……!!」
ナナ・テスカトリ 「少女ちゃん!!!!!」
金リオレイア 「まにあわん!!」
銀リオレウス 「少女ぢゃん!!」
少女 「!!!!」
146:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:33:26.40:kkO+/ANt0
イャンガルルガ 「何してやがる!!(バッ)」
>ピシャアアアアアンッ!!!
>ピシャアアアアアンッ!!!
>ピシャアアアアアンッ!!!
イャンガルルガ 「グアアアアアアアア!!!!!!」
イャンガルルガ (ドサリ)
147:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:35:28.43:kkO+/ANt0
少女 「ガルルガさん!!!」
ジンオウガ妻(超帯電) 「ウオオオオオオオオオ――――ンッ!!!!!!」
>ピシャァアアアアン!! ピシャアアアアアン!!!!
>ピシャァアアアアン!! ピシャアアアアアン!!!!
キリン 「少女ちゃん!!!!!」
149:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:36:53.21:kkO+/ANt0
少女 (キッ)
>ピシャアアアアンッ!!!
>バチィィィィィンッ!!!!
イャンクック 「!!!!!?」
テオ・テスカトル 「な……何と!!」
ナナ・テスカトリ 「少女ちゃんが、雷を弾いた!?」
イャンクック (少女の目が赤く光っている……)
イャンクック (あの力は……!!!)
少女 「いい加減にして!! ガルルガさんは何の関係もないでしょ!!!」
150:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:39:01.06:kkO+/ANt0
ジンオウガ妻(超帯電) 「人間……!! あのハンター達の一味か!!!(バリバリ)」
テオ・テスカトル (シュバッ!!)
ナナ・テスカトリ (シュバッ!!)
>ガシッ
152:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:40:47.34:kkO+/ANt0
ジンオウガ妻(超帯電) 「グゥゥゥゥ!!! 離せええええ!!!(バリバリバリバリバリバリ)」
テオ・テスカトル 「グウウウウウ!!!」
ナナ・テスカトリ 「ウ……ウウ……!!!」
少女 「………………」
153:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:43:20.55:kkO+/ANt0
少女 (スタスタ)
キリン (か……雷が、少女ちゃんのことを避けていく……)
キリン (どこであんな力を…………)
少女 (パァンッ!!)
ジンオウガ妻(超帯電) 「……!!!」
154:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:44:36.36:kkO+/ANt0
イャンクック (あのモンスターの頬を、少女が張った!!!!)
少女 「子供さんが怖がってる! 私の友達をこれ以上傷つけないで!!!」
ジンオウガ妻(超帯電) 「………………」
ジンオウガ妻 (スゥ)
155:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:45:39.14:kkO+/ANt0
ジンオウガ妻 「超帯電状態の……私を叩いた……?」
ジンオウガ妻 「それに言葉を……」
ジンオウガ妻 「人間……貴方は一体……?」
仔ジンオウガ 「キュゥゥゥーン…………」
158:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:47:37.67:kkO+/ANt0
少女 「ガルルガさん! しっかりして!!!」
テオ・テスカトル 「(プスプス)まだ私から血が出ている。これで快癒するはずだ(ポタポタ)」
ナナ・テスカトリ 「ガルルガ君……身を挺して……」
イャンガルルガ (ハッ!)
159:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:48:59.86:kkO+/ANt0
イャンガルルガ 「な、何が起きた!?」
少女 「ガルルガさん!(抱き!)」
イャンガルルガ 「!?」
イャンクック 「まぁ……ジンオウ組といったか……? そこの貴女、少々落ち着かれてはいかがだろうか?」
イャンクック 「確かにこの二匹はティガレックスだが、貴女に危害を及ぼすとは考えづらい」
160:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:51:02.61:kkO+/ANt0
ティガレックス兄 「いや、心当たりがありすぎてわかんねぇって」
ティガレックス弟 「しかしケンカなら買うぜェ」
金リオレイア 「莫迦共。黙っとれい」
銀リオレウス 「んだ。ややっこしぐなるだ」
161:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:52:01.15:kkO+/ANt0
ジンオウガ妻 「あなた方は……一体……?」
テオ・テスカトル 「私達は、この地方に住むモンスターです。この少女は、我々の中に混じっている、不思議な力を持つ人間です」
テオ・テスカトル 「異様に映るかもしれませんが、本当のことです」
テオ・テスカトル 「あなたは……?」
テオ・テスカトル 「見たところ、この地方のモンスターではないようですが……」
163:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:52:53.01:kkO+/ANt0
ジンオウガ妻 「この『地方』の……??」
ジンオウガ妻 「ここは渓流ではないの……?」
ナナ・テスカトリ 「この方々が、あなた方をここに運んでくださったのですよ」
金リオレイア 「んだ」
銀リオレウス 「んだ」
164:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:53:46.83:kkO+/ANt0
ジンオウガ妻 「まさか……でも、そんな…………」
ジンオウガ妻 「私達は、滝の崩落に巻き込まれて……流されて………………」
ジンオウガ妻 「流されて………………」
ジンオウガ妻 「痛ッ!(ビクッ)」
イャンガルルガ 「………………」
キリン 「無理をしない方がいいです。まだ、傷が完全に治っていないようですよ」
165:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:55:29.68:kkO+/ANt0
ジンオウガ妻 「じょ……状況がよく分かりませんが、先ほどの無礼は謝罪します……!!!」
ジンオウガ妻 「ですから、どうか……」
ジンオウガ妻 「どうか、夫を助けに……!!!!」
イャンクック (夫……?)
金リオレイア 「………………」
銀リオレウス 「………………」
仔ジンオウガ 「キュゥゥゥーン………………」
166:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:57:05.38:kkO+/ANt0
―ユクモ村外、砂原<夜>―
小鉄 「ジンオウガ!!! 死んじゃうニャ!!!!!」
ジンオウガ 「猫よ……お前にこのお守りを託す(キラッ)」
ジンオウガ 「借り物だが………………それを使い、我が家族の力になってはくれないか……」
小鉄 「だ……旦那さんのお守りじゃニャい!? これは何ニャ!!!!」
ティガレックス亜種 「それは俺のモンだああああああああああああ!!!!!(ギリッ)」
小鉄 「ギニャァアア!!!!」
167:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:57:58.35:kkO+/ANt0
>ガバッ
小鉄 「はぁ……はぁ……」
小鉄 (こ……ここは……砂原……)
小鉄 (夜だからガーヴァが休んでるのかニャ…………)
小鉄 (うう……ジンオウガの、あの最期の目が忘れられないニャ……)
小鉄 (それに、ティガレックス……正直怖かったニャ…………死ぬかと思ったニャ……)
168:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 19:59:12.12:kkO+/ANt0
>ジクジク
小鉄 (う……それにしてもティガレックスにえぐられた傷の具合が酷いニャ)
小鉄 (自分で見ても、何で生きてるのか不思議だニャ)
小鉄 (でも全然痛くニャい……)
169:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:00:30.54:kkO+/ANt0
小鉄 (多分……っていうか、絶対このお守りのせいだニャ)
>キラッ
小鉄 (多分このお守りには、痛いのを消す効果があるんだニャ)
小鉄 (痛くないのはいいけど、かえって不安になるニャ)
170:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:01:24.09:kkO+/ANt0
小鉄 「………………」
弓 「すぅ……すぅ……」
ハンマー 「グガァ…………グガァ…………」
太刀 「くぅ……くぅ…………」
小鉄 (旦那さんを起こしてはまずいニャ。っていうか、何でオイラ達はこんなところにいるニャ?)
小鉄 (所々記憶が飛んでて分からないニャ)
>モゾモゾ
171:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:03:38.24:kkO+/ANt0
小鉄 「ふぅ。やっとこ荷車の外に出れたニャ」
俊足ガーヴァ 「お目覚めですかい」
小鉄 「ニャ!? お前は暴れん坊の俊足ガーヴァ!!」
俊足ガーヴァ 「この度はあんた達を送る役を命じられてるんでね。暴れん坊というのはよしてもらおうか」
小鉄 「丁度良かったニャ。事情がさっぱり分からないニャ。お前、知ってる範囲でいいからオイラに教えるニャ」
俊足ガーヴァ 「そうかい。お前さんはずっと寝てたからな……オトモ達に説明された内容でよければ、答えるよ」
174:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:05:00.79:kkO+/ANt0
小鉄 「ニャ…………そうすると、オイラの怪我を治すために、旦那さんたちはポッケ村とかいうところに行こうと……」
俊足ガーヴァ 「ああ、そうなるな」
俊足ガーヴァ 「しかし、お前さんもスゲェな……」
俊足ガーヴァ 「ジンオウガと相討ちに持ち込んで、ティガレックスも溶岩に叩き落したんだろ?」
俊足ガーヴァ 「もはやお前さん、猫じゃねぇよ。猫の形をした何かだよ」
小鉄 (そ……そんなことになってるのかニャ……)
183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:12:34.23:v4t1EyYa0
小鉄 「ふ……ふん。オイラにかかれば、それくらい朝飯前だニャ」
俊足ガーヴァ 「惚れたぜ。まさに雄の中の雄だな」
小鉄 「もっと褒めるニャ」
俊足ガーヴァ 「しかし、その怪我、寝てなきゃヤベェんじゃあねぇのか?」
小鉄 「このお守りがあるから、全然痛くないんだニャ」
>キラッ
176:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:08:18.98:kkO+/ANt0
俊足ガーヴァ 「へぇ。それがさっき言ってた、ジンオウガから分捕ったっつぅお守りかい」
俊足ガーヴァ 「でも、怪我が治るわけじゃねぇんだろ?」
小鉄 「秘薬も塗られてるみたいだし、こんな怪我全然問題ないニャ」
小鉄 「雄の中の雄には無用な心配だニャ」
177:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:09:10.31:kkO+/ANt0
俊足ガーヴァ 「そうだな。お前さんには無用な心配だったな」
俊足ガーヴァ 「……?」
小鉄 「? どうしたニャ?」
俊足ガーヴァ 「いや、何。ちょっと悲鳴が聞こえたモンでね」
178:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:10:14.43:kkO+/ANt0
小鉄 「悲鳴?(モゾモゾ)」
小鉄 「丁度小型望遠鏡を持ってるニャ。どこらへんだニャ?」
俊足ガーヴァ 「結構離れたところでよ、ほら、俺から見て北の方で砂煙が上がってるだろ?」
俊足ガーヴァ 「あそこからさァ」
181:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:11:06.54:kkO+/ANt0
小鉄 「ふむふむ(ガチャ)」
小鉄 「!!」
小鉄 「あ、あれは……!!!!」
××××× 「ギニャアアアアアアアアアアア!!!!!!!(ダダダダダダダダ)」
小鉄 「あの樽の上を激走してる猫は……モンジロウ!!」
小鉄 「大変だニャ! モンジロウが、でっかい口のモンスターに追われてるニャ!!」
184:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:12:50.53:kkO+/ANt0
俊足ガーヴァ 「それは、多分ハプルボッカだな」
俊足ガーヴァ 「しかし、モンスターが猫を……まして、百戦錬磨のモンジロウを襲うとは珍しいな」
小鉄 「た、助けなきゃいかんニャ!!!」
小鉄 「(ハッ)……でも旦那さんは今、怪我が…………」
小鉄 (それにあの馬鹿ハンマーと馬鹿太刀の力は、旦那さんの前では借りたくないニャ)
小鉄 (血も止まってきたし……)
小鉄 (旦那さんに、いいとこ見せるニャ!!!)
186:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:14:45.96:kkO+/ANt0
小鉄 「よい……ニュ…………(ゴソゴソ)」
俊足ガーヴァ 「どうした? 俺の背中に乗ったりして……」
小鉄 「よ、よし乗れたニャ……(ぜぇぜぇ)」
小鉄 (あ……足が動かないニャ……自分の体で移動するのは無理っぽいニャ)
小鉄 (でもモンジロウは助けなきゃ…………)
俊足ガーヴァ 「おい、ハンター達を起こした方が良いんじゃねぇのか? こっちに向かってくるぞ」
189:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:16:46.48:kkO+/ANt0
小鉄 「あのハプルボッカは、英猫、小鉄が片付けるニャ!(ガシャン!!)」
小鉄 「俊足ガーヴァ、お前、協力するニャ!!」
俊足ガーヴァ 「マジかよ? おいおい、一匹でやる気か?」
小鉄 「ジンオウガとティガレックスを倒したオイラに不可能はないニャ! 信じるニャ!!」
俊足ガーヴァ 「そう言われたら信じざるをえねぇな! 行くぜ!!(シュバッ!!)」
小鉄 「ニャ!! 速すぎるニャ!!!!」
190:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:17:59.30:kkO+/ANt0
―砂原、少し離れたところ<夜>―
モンジロウ 「ギィニャアアアア!!!!(ダダダダダダダ)」
ハプルボッカ 「ヒャハハハ!! ヒャッハハハハハハハハ!!!」
ハプルボッカ 「食わせろォォォォ!!! 肉! 肉ゥゥゥゥ!!」
モンジロウ (お、追いつかれる……!!!)
191:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:18:54.53:kkO+/ANt0
モンジロウ (何でだぜ!? モンスターに襲われるなんて、今までの猫生でなかったことニャ!?)
モンジロウ (しかもこのハプルボッカ…………)
ハプルボッカ 「ヒャハハハハハハハ!!!!」
モンジロウ (どこか腐臭がするニャ!!! 後頭部あたりからは骨が見えてるし……)
192:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:20:09.04:kkO+/ANt0
モンジロウ (ひぃぃぃぃぃ!!!)
モンジロウ (何か不気味だニャ! てゆうか怖ッ!! 怖ァッ!!!)
ハプルボッカ 「逃げるな肉ゥゥゥ!!! コリコリ食わせろォォォ!! ボキボキ砕かせろォォォ!!!」
ハプルボッカ 「腹が!! 腹が減って仕方ねぇんだよぉおおおお!!!!」
モンジロウ 「ギィニャアアアアア!!!」
モンジロウ 「拙者はただの運び屋猫だっつーのニャ!! いい加減にするニャ――!!!」
ハプルボッカ 「ヒャアアハハハハハハ!!!! 黙って食われろォォォォ!!!!」
193:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:21:01.58:kkO+/ANt0
×××××××× 「……………………」
×××××××× 「……フン……ハプルボッカは『失敗』か……」
194:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:21:56.71:kkO+/ANt0
モンジロウ 「!! あれは……!!!」
俊足ガーヴァ (シュバババババババ)
小鉄 「ひぃえぇえええええええ!!!!!」
俊足ガーヴァ 「旦那! どうするんでェ!?」
小鉄 「も、もうちょい速度を緩めるニャ!! 目があかねぇニャ!!!」
モンジロウ (あれはユクモ村の俊足ガーヴァ……!! それに乗ってるのは……)
モンジロウ 「こてっちゃん!!!」
196:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:23:27.29:kkO+/ANt0
小鉄 「モンジロウ! 伏せるニャ!!!」
モンジロウ 「無茶言うなァァ!!!(ダダダダダダダ)」
ハプルボッカ 「ヒャハハハハハハハ!!!!」
小鉄 「ビッグブーメランを喰らうニャ! ニャァァアアア!!!(ブゥゥゥゥンッ!!)」
>ザンッ!!
ハプルボッカ 「!! ガァ!!!」
俊足ガーヴァ 「すげぇ! さすが旦那! あのハプルボッカがひるんでやがる!!!」
198:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:24:22.91:kkO+/ANt0
>ヒュンヒュン
>パシッ
小鉄 (あ……あれ?)
小鉄 (そんなに強く投げたつもりはないのに、だいぶ顔の肉が剥がれて……)
小鉄 (ってゆうか、骨が見えて…………)
小鉄 (えぇぇえええ!?)
小鉄 (な……何で骨が見えてるのに、血が出てないニャ!!?)
199:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:25:25.81:kkO+/ANt0
モンジロウ (ドッシャァァアアア)
モンジロウ 「チィッ! 足をひねっちまった!!!」
モンジロウ 「こてっちゃん! 何とかしてくれニャ――!!!」
小鉄 「が……合点承知だニャ!」
200:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:26:24.79:kkO+/ANt0
俊足ガーヴァ 「旦那、あのハプルボッカ、何かおかしいですぜ」
俊足ガーヴァ 「体のいたるところから骨が見えてますぜ!!!」
俊足ガーヴァ 「ってゆうか、あれは最近、ハンターに殺されたハプルボッカじゃ……」
小鉄 「じゃ……じゃあお化けかニャ!!!?」
201:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:27:27.68:kkO+/ANt0
小鉄 (ま……参ったニャ……お化けはオイラだいっ嫌いなんだニャ……)
小鉄 (タラー………………)
モンジロウ 「こてっちゃーん!!!!!」
小鉄 「(ハッ)モンジロウ!!!」
203:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:28:19.36:kkO+/ANt0
ハプルボッカ 「ヒャハ!! ヘヘヘヘ!! ケケケケケケケ!!!!!」
ハプルボッカ 「肉が三つゥゥゥゥゥ!!!!」
俊足ガーヴァ 「さりげなく俺も追加されてやがる!!?」
小鉄 (ど……どうするニャ!? ノリで来てみたのはいいけど、オイラの体はそんなに動かないニャ……)
204:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:29:15.93:kkO+/ANt0
小鉄 (でもこのままじゃ、モンジロウが食われちまうニャ!!)
小鉄 (か……各なる上は……)
小鉄 (オトモアイルー最終奥義を使うしかないニャ!!!)
>シュボッ!!!
205:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:30:49.49:kkO+/ANt0
俊足ガーヴァ 「旦那! そいつは!!!」
小鉄 「大樽爆弾Gを喰らうニャ――ッ!!!!」
俊足ガーヴァ 「そ、そんな!? 旦那、それを爆発させたら、俺達も巻き添えですぜ!!!」
小鉄 「オイラに考えがあるニャ!! お前はまっすぐ走るニャ!!!」
206:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:31:52.12:kkO+/ANt0
モンジロウ 「こてっちゃん、逃げないでくれニャ!!!!」
小鉄 「お化けボッカ――!! こっちに来るニャ!!!」
ハプルボッカ 「……?」
小鉄 「あの荷車に人間が三人いるニャ!! そっちの方がきっと美味いニャ!!!」
207:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:32:52.69:kkO+/ANt0
ハプルボッカ 「人間……(ジュルリ)」
ハプルボッカ 「肉……肉……」
ハプルボッカ 「でっかい肉食いてぇよぉおおおお!!!!(ドドドドドドドドド)」
小鉄 「! こっちに来た!!」
208:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:33:58.61:kkO+/ANt0
小鉄 「お前の俊足が頼りだニャ! 頼むニャ!!」
俊足ガーヴァ 「伊達にユクモ村最速を名乗ってはいませんぜ! 任せな!!!」
ハプルボッカ 「肉ゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」
小鉄 「今だニャ!!!!」
俊足ガーヴァ (シュババババババ)
モンジロウ (な……何をしてるんだニャ!?)
モンジロウ (俊足ガーヴァとこてっちゃんが、ハプルボッカに向かって走り出した!!!)
209:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:35:00.94:kkO+/ANt0
小鉄 「ここだニャ!!」
俊足ガーヴァ 「!!」
小鉄 「跳ぶニャァァアア!!!!」
>ヒュバッ!!!!
210:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:35:54.84:kkO+/ANt0
モンジロウ (ハプルボッカを……飛び越した!!?)
>ポイッ
ハプルボッカ (バクッ)
モンジロウ (すれ違いざまに投げた大樽爆弾が、口の中に…………!!!!)
211:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:36:46.34:kkO+/ANt0
小鉄 「!! ギニャ!!(ドシャ!!!)」
俊足ガーヴァ 「旦那!!(ズサァアアアア……!!!)」
小鉄 「う……うう……(よろよろ)」
モンジロウ (こてっちゃんが落馬した!!!!)
モンジロウ 「……こてっちゃん、逃げるニャ――!!!!」
212:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:37:46.04:kkO+/ANt0
小鉄 (や……やべぇニャ……視界がかすんできたニャ…………)
ハプルボッカ 「…………ゲヘ……ゲヘヘヘ………………」
ハプルボッカ 「てめぇ今何食わせた……??? 不味いモン食わせたな……?」
ハプルボッカ 「何を俺に食わせたァアアアアアアアア!!!!!!!」
214:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:39:38.79:kkO+/ANt0
小鉄 (ふ……不発!?)
小鉄 (口の中に入れたとき、導火線の火が消えたんだニャ!!)
小鉄 (でも……飲み込んでることにかわりはないニャ…………)
>ジャララララ
小鉄 (この、小樽爆弾Gで起爆させてやるニャ!!!)
ハプルボッカ 「まずは猫! 邪魔なてめえから食ってやる!!!」
ハプルボッカ 「コリコリボキボキ噛み砕いてやるヨォォォォォォ!!!!」
ハプルボッカ 「肉ヲ食わセロォオオおおおおお!!!!」
215:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:40:37.56:kkO+/ANt0
小鉄 (向かってくるニャ!!!)
俊足ガーヴァ 「旦那!!!」
モンジロウ 「こてっちゃん!!!」
小鉄 (こんなお化けボッカ、ティガレックスや……)
小鉄 (あのジンオウガに比べたら、屁でもねぇニャ!!!!)
小鉄 「ウオニャアアアアア!!!!(ブンッ!!!)」
ハプルボッカ (バクンッ!!!)
216:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:41:34.10:kkO+/ANt0
俊足ガーヴァ (旦那が、爆弾ごと食われた!!!!)
モンジロウ 「こてっちゃ――ん!!!!!!」
ハプルボッカ 「………………!!!!」
ハプルボッカ 「な……何だ!? 何してヤガる……!!!」
俊足ガーヴァ 「!」
モンジロウ 「!?」
ハプルボッカ 「わ……分カッた。分かっタ。お前ハ強い……お前ノホウが……強…………」
217:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:42:26.06:kkO+/ANt0
>チュッドォォォォォォォォンッ!!!!!!
ハプルボッカ 「ギオオォォォアアオアァオァオオアオオ!!!!!!!」
>ヒュルルルルルルルルルルル
>ボテッ
小鉄 「ギニャ!」
218:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:43:26.18:kkO+/ANt0
俊足ガーヴァ 「旦那!(ダダッ!!!)」
モンジロウ (こてっちゃんが、ハプルボッカの口から吐き出されてきた……!!!)
ハプルボッカ (グラ…………グラ………………)
小鉄 「い……今だ……ニャ…………」
小鉄 「今なら…………トドメをさせるニャ…………」
219:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:44:23.49:kkO+/ANt0
小鉄 (か…………)
小鉄 (体が動かねぇニャ………………)
小鉄 (この肝心な時に……)
小鉄 (オイラの体……動くニャ…………)
小鉄 (動く……ニャ………………)
>ドサリ
220:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:45:17.27:kkO+/ANt0
小鉄 (あ……れ……?)
小鉄 (目の前が暗くなってきたニャ………………)
小鉄 (旦那さん…………)
小鉄 (オイラは……やるニャ…………)
小鉄 (オイラは…………)
222:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:46:09.60:kkO+/ANt0
小鉄 「……………………」
ハンマー 「…………うおおらあああ!!!(ブンブンブン)」
>ドッゴォォォォオオオ!!!!
ハプルボッカ 「グッギャアアアアアアアアアアア!!!!!!」
ハンマー 「トドメだァアアア!!!」
>ドォォォォォンッ!!!!
ハプルボッカ 「ガ……カ…………(ビクンッ、ビクンッ…………)」
>ガクッ………………
224:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:47:04.85:ajFp6vI70
ハンマー 「はぁ……はぁ…………」
太刀 「ハンマー、いきなり出てってどうしたの!!?」
弓 「!!? 小鉄!!!!」
ハンマー 「(バッ)小鉄! しっかりしろ、小鉄!!!」
モンジロウ 「こてっちゃん!!!! しっかりするんだぜ!!!」
ハンマー 「小鉄!!!」
小鉄 「……………………」
ハンマー 「時間がない。今すぐここを発つぞ!!!」
226:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:48:59.90:kkO+/ANt0
―砂原、数時間後<夜>―
×××××××× 「チィ。クソの役にもたたねぇ奴を復活させちまった(ドガッ)」
ハプルボッカ 「……………………」
×××××××× 「奴らが逃げた方角は……あっちか……」
×××××× 「兄貴ィ。いいからさっさと襲って喰っちまおうぜェ…………」
×××××××× 「まァ待て」
×××××××× 「あの猫が持ってるお守りは、俺のモンだ。出来れば無傷で取り返してぇ」
×××××××× 「それまで、少し待ってな……ケケ……」
229:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:51:11.24:kkO+/ANt0
231:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:52:52.93:ER7OUsy90
―ユクモ村<夜>―
小鉄 「………………」
太刀 「小鉄、ずっと眠ったままだね……」
ハンマー 「アレだけ恐ろしい思いをしたんだから、当然だろう。それに傷もかなり深い」
ハンマー 「秘薬をありったけ使ったが、轟竜の牙から雑菌が入ったようだ。傷が膿んでいる」
ハンマー 「ユクモ村の医療術士では、どうにもできないそうだ」
太刀 「あのまま小鉄、死んじゃうの?」
ハンマー 「分からん……眠りに入る前はやけに元気に喚いていたが……」
ハンマー 「ん?」
>キラッ
ハンマー 「これは…………」
太刀 「何かしら? 小鉄が小さな石を持ってる」
ハンマー 「お守りか? 火山で見つけたのか……」
ハンマー 「ジンオウガに近づいた時に分捕ったのかもしれないな。もしかしたら、こいつの主人のものかも……」
太刀 「どこまでもセコい猫ねぇ………………」
弓 「ウチの猫を……悪く言わないで欲しい」
ハンマー 「!?」
太刀 「だ、誰?」
弓 「……………………」
太刀 (ぜ……全然気配を感じなかった……)
ハンマー 「君はもしかして、小鉄の飼い主の……」
弓 「……………………」
ハンマー 「傷の具合はいいのか? 重傷だと聞いたが……」
弓 (スタスタスタ)
弓 (パァンッ!)
ハンマー 「……!」
太刀 「ちょ……何ハンマーのことブッ叩いてるのよ!!」
弓 「小鉄に何をしたの……? あなた、強いんでしょ…………?」
弓 「何で小鉄がこんなことになったの……?」
ハンマー 「………………」
ハンマー 「順を追って話す。とりあえず、君の体も本調子ではなさそうだ。座らないか?」
弓 「………………」
弓 (スッ)
ハンマー 「どこから話したものか……信じてもらえるかは分からないが……」
弓 「ジンオウガと黒いティガレックスが戦って…………助けられた小鉄が巻き込まれた?」
弓 「黒いティガレックス? とても大きな……?」
弓 「そんな話、誰が信用するの……?」
太刀 「あんたねぇ……!!」
ハンマー 「いいんだ、太刀。黙ってろ」
弓 「第一、モンスターが私達を助けるなんて、ある筈がないじゃない…………?」
弓 「あんたバカ?」
小鉄 「…………だ……旦那さん…………?」
小鉄 「旦那さんの声がするニャ…………」
弓 「!! 小鉄!?」
小鉄 「旦那さんだニャ!!(ガバッ) ……!! 体が動かないニャ!!!」
弓 「小鉄、寝てなさい。凄い怪我よ…………」
小鉄 「何でか全然痛くないんだニャ!! この通りピンッピンニャ!!!」
小鉄 「ニャ!? 体が全然動かないニャ!!!」
太刀 「起きたら起きたで騒がしい奴ね……」
太刀 「でも、あんなに血が出てるのに、何であんなに元気なのアレ」
太刀 「死んでもおかしくない怪我なのよ……?」
弓 「小鉄、寝てなさい!!」
小鉄 「!! 旦那さん、何を怒ってるニャ?」
弓 「お……怒ってないけど…………寝てた方がいいよ……」
小鉄 「旦那さんがそう言うならそうするニャ!!(ガバッ!)」
弓 「…………」
小鉄 「あぁそうそう、旦那さん!」
弓 「?」
小鉄 「そこにいる大馬鹿ハンマーの言うことは、多分おおむね合ってるニャ」
弓 「小鉄、あなた…………」
小鉄 「バカ野郎だけど、信用しても良いニャ」
小鉄 「…………何でか、凄く眠いニャ…………」
小鉄 「旦那さん、それとジンオウガが…………」
小鉄 「ジンオウ…………ガ…………が……………………」
小鉄 (すぴーZzz…………)
弓 「……………………(バッ)」
ハンマー 「! おい待て!!」
太刀 「ハンマー、あんな奴追いかけることないよ!」
ハンマー 「このままにしてはおけない。少し待っていてくれ」
ハンマー 「それに、俺は彼女にちゃんと説明しなくてはいけないんだ」
ハンマー 「小鉄が……死んでしまう前に!」
―ユクモ村、集会浴場前<夜>―
弓 「はぁ……はぁ…………」
>ズキズキ
弓 (まだ……怪我が治っていない…………)
弓 「う……うぅ……」
弓 (小鉄…………)
弓 (あんなに気丈に…………)
弓 (あの怪我……)
弓 (小鉄はもう、助からない…………)
ハンマー 「待ってくれ!」
弓 「………………」
弓 「放っておいて……くれないかな……」
弓 「あなたが嘘をついていようと、どうだろうと……小鉄はもう、駄目なんでしょ……?」
弓 「………………」
弓 「あの子は、私が小さい頃から一緒にいる猫で……」
弓 「前の飼い主に捨てられたところを拾ったんだ………………」
弓 「…………家族のような、ものなんだよ…………」
弓 「それをあなたは…………」
弓 「小鉄が死んだら……許さないから」
弓 「呪い殺してやる……!!」
ハンマー 「分かった。小鉄に万が一のことがあったら、俺を好きにするといい」
弓 「!」
ハンマー 「その代わり、もう少し小鉄を俺に預けてくれないか?」
弓 「どうして……?」
ハンマー 「ユクモ村では治療は無理だが、俺の故郷の、ポッケ村では治療が出来る可能性があるんだ」
ハンマー 「いや、正確には、ポッケ村の周りに住む『モンスター』に頼めばなんだが……」
弓 「……は?」
ハンマー 「そのことを説明したい。俺の話を、少し聞いてくれ」
弓 「……………………」
ハンマー 「一概には信じられないことかもしれないが……」
ハンマー 「ポッケ村の近く、樹海にはモンスターと話ができる、不思議な力を持つ少女が、モンスターと暮らしている」
ハンマー 「そして火山には、俺も何度か、共に戦ったことがあるが、炎帝と呼ばれる古龍が棲んでいる」
ハンマー 「その少女の話だと、古龍の血には、どんな深い傷も癒してしまう力があるそうだ」
ハンマー 「現に、その少女は盲目の状態から、古龍の血で快癒している」
ハンマー 「小鉄の膿んでしまった怪我も、古龍の血ならば治すことが出来ると思うんだ」
ハンマー 「ユクモ村は、ここから、どんなに急いでもガーヴァ便で一週間はかかる」
ハンマー 「すぐにでも村を発ちたい」
弓 「………………」
弓 「ハハッ、モンスターと話が出来る女の子?」
弓 「バッカじゃないの……?」
弓 「モンスターに知性なんてないわ……あいつらはただのケダモノよ……」
弓 「あなた、クスリでもやってるの?」
弓 「頭大丈夫?」
ハンマー 「俺の頭は、残念ながら至って正常だ」
ハンマー 「そして君の想像とは違って、モンスターにも家族があり、高い知性があり、コミュニティも作っている」
ハンマー 「俺も最初は信じられなかったが、これは、自信を持って言えることなんだ」
弓 「………………」
弓 「ポッケ村だっけ……?」
弓 「確か、シュレイド地方の……」
ハンマー 「ああ。山を越えていかなければいけない」
弓 「その間、小鉄の体がもつという保障は……?」
ハンマー 「ない」
ハンマー 「だが、古龍の血を手に入れることが出来れば、確実に小鉄は治療することが出来ると思う」
ハンマー 「それに賭けてみてはくれないか?」
ハンマー 「本当は俺にとっても他人事なのだが……」
ハンマー 「小鉄とは短い付き合いだが、どこか他人とは思えないんだ」
ハンマー 「性格が似ているせいかもしれないな……」
弓 「………………」
ハンマー 「こうなったのは、ほぼ俺の責任だ。一緒にいながら、小鉄に傷を負わせてしまった」
ハンマー 「だから、何としてもあいつを治してやりたい」
弓 「………………このままじっとしてても、小鉄は死ぬだけなんでしょ……?」
ハンマー 「……ああ」
弓 「行くわ。私も、ポッケ村……」
ハンマー 「君も……? しかし、その体では……」
弓 「ジンオウガは倒れたんでしょ……? なら、何の問題もない筈……」
弓 「それに、もしものことがあったとき、近くにいなきゃ……」
弓 「あなたを、呪い殺せない……」
ハンマー 「…………」
ハンマー 「分かった。一緒に行こう」
弓 「それと、お守り……」
ハンマー 「……? アレは、君のものではないのか?」
ハンマー 「俺には、小鉄がジンオウガから分捕ったように思えたが……」
弓 「あれは、私のものではない……」
ハンマー 「そうか……」
ハンマー 「小鉄は、ずっとそのことを気にしていた」
ハンマー 「残念だが…………君からも、あいつに一言、言ってやって欲しい」
弓 「……………………」
―ユクモ村<朝>―
村長 「ハンマーさん、お世話になりました……名残惜しいですが、是非またいらしてくださいまし」
ハンマー 「はい。小鉄が治ったら、またここに来させていただきます」
ハンマー 「村の強化も忘れないでください」
番台猫 「最速の超・ガーヴァ便を用意しましたニャ。あまりの速さに誰も扱えない奴なのですが、あなたになら扱える筈ですニャ」
ハンマー 「ありがとう。助かります」
小鉄 (すぴー…………すぴー…………Zzz…………)
弓 「小鉄…………」
村長 「弓も、気をつけて……」
弓 「村長さん……うん、分かった」
太刀 「あんた、早く乗りなさいよ! 置いていかれたいの?」
弓 「………………」
太刀 「な、何よ」
弓 (ガシャガシャ)
太刀 (き……気味が悪い女ね…………)
オトモアイルー達 「こてっちゃん…………(わらわら)」
オトモアイルー達 「こてっちゃん……ジンオウガと相討ちなんてカッコ良すぎる死に方だニャ…………」
オトモアイルー達 「英猫だニャ……」
オトモアイルー達 「雄の中の雄だニャ……」
オトモアイルー達 「こてっちゃんのことは一生忘れないニャ(グス……)」
太刀 「ああもう、こっちにわらわら集まってんじゃないわよ! 駄猫共!!!」
太刀 「それと小鉄、まだ死んでないから!!」
ハンマー 「出発するぞ!」
太刀 「じゃあねー、村長さん達ー!!!」
弓 「………………」
>パシィ!
駿足ガーヴァ 「!!! クワァ!!(シュバッ!!!!)」
ハンマー 「うお!? は、速い!!!!」
―海岸<昼>―
金リオレイア 「しっがし見だごとねぇもんすたぁだなぁ」
銀リオレウス 「んだァ。どっことなぐカムとノノに似でんなぁ」
ジンオウガ妻 「………………」
仔ジンオウガ 「………………」
金リオレイア 「息しでっがァ?」
銀リオレウス 「すらねぇ。ちぃっど見でみっがァ」
金リオレイア 「どぉだぁ? 父ぢゃん?」
銀リオレウス 「子供の方は大丈夫だぁ。んでも、こったら親の方は虫の息ンだぁ」
金リオレイア 「そいづァ矢婆いだァ」
銀リオレウス 「すっがだねぇ。連れでけぇるぞぉ」
金リオレイア 「んだんだ。すっがだねぇけんども、わぁるどつぁあは中止だぁ」
金リオレイア 「(ビュゥゥゥゥゥ)んだっでも、なしで光っだように見えだんだべぇ」
銀リオレウス 「(ビュゥゥゥゥゥ)なぁーんが、こっだら子供ン方がら、いやぁーな気配がすっどなぁ」
銀リオレウス 「(ビュゥゥゥゥゥ)アゴ美達なら、何が知っでっがもしれんなぁ」
金リオレイア 「(ビュゥゥゥゥゥ)とっがく、早ぇどごテオ達ンどご連れでぐべ」
仔ジンオウガ (もぞもぞ)
―シュレイド地方、樹海<昼>―
イャンクック 「少女ー! おーい、どこに行ったんだー!!」
イャンクック 「………………」
イャンクック (また一人で人間の村近くまで行ったのだろうか……)
イャンクック (『あのハンター』がいるから心配はないと思うが……)
イャンクック (ン? そういえば、『あのハンター』は、今別の地方に旅行中と聞いたが……)
イャンクック (…………砦ドラゴンの一件が終わってから、さして時間も経っていない。心配だ……)
イャンクック (少し様子を見に行くとしよう)
イャンクック 「良い朝だ。砦ドラゴンが去ってから、本当に春になったな……」
イャンクック (何事も起きていなければ良いが……)
イャンクック (ン……あれは……)
イャンガルルガ (バサッ、バサッ)
イャンクック 「やあ、ガルルガ君。おはよう」
イャンガルルガ 「………………」
イャンガルルガ 「てめぇなんぞに用はねぇ。少女はどこだ?」
イャンクック 「いや、私も今探しているところでね。起きたらいなくなっていたんだ」
イャンガルルガ 「何だと?」
イャンクック 「いや、いつも通りに散歩に出ているだけだと思うから、心配はないが……」
イャンクック 「おそらく雪山の方だろう」
イャンクック 「少し行ってみようかと思っていたところなんだ」
イャンクック 「良ければ一緒に行くかい?」
イャンガルルガ 「…………ケッ、誰がてめぇなんぞと同伴するかよ」
イャンガルルガ 「いねぇならいい」
イャンクック 「そうか。何か用事があるなら伝えておくが……」
イャンガルルガ 「用事……?」
イャンガルルガ 「別に用事ってことは……」
イャンガルルガ 「ねぇが……」
イャンクック 「(にこり)そうか」
イャンガルルガ 「ケッ」
イャンガルルガ 「胸くそ悪ィ。じゃあな(バサッ)」
イャンクック (あれは少女を探しに行ったな……)
イャンクック (私も探すとしようか……)
イャンクック (雪山のどこかだとは思うが……何をしに行ったんだろう)
イャンクック (最近はあの子も、一人で出歩くことも多くなったが……)
イャンクック (やはり心配だ)
イャンクック (それに、あの子の体は……)
イャンクック (………………)
イャンクック (少女のことはガルルガ君に任せて、少しヤマツカミ様に相談に行ってみようか……)
イャンクック (少女がいるときには、何かと相談しづらいところがあるからな……)
―樹海、入り口<朝>―
イャンガルルガ (チィ。面倒臭ェ)
イャンガルルガ (昼に来いとか言われてたのに、朝に来ちまった……)
イャンガルルガ (馬鹿みてぇじゃねぇか、俺は……!!)
イャンガルルガ (あんなちっぽけな人間の何に翻弄されてるんだ……)
イャンガルルガ (くそっ……! だけどあいつは弱いからな…………)
イャンガルルガ (気になるぜ……)
イャンガルルガ (確か、雪山の方とか言ってたな……)
―樹海、奥<朝>―
イャンクック (バサッ、バサッ)
イャンクック (あの影は……)
イャンクック (バサッ)
イャンクック 「おはよう、キング」
キングチャチャブー 「………………よう」
チャチャブー達 「ビィ! イャンクックだ!」
チャチャブー達 「ひき肉にするぞ! 鳥め!!」
キングチャチャブー 「黙らねぇか……てめぇら……」
チャチャブー達 「ビィ!!」
イャンクック 「はは……君達はいつでも元気だな」
キングチャチャブー 「狩りの途中だ……邪魔すんな」
イャンクック 「あぁ、すぐに行くよ」
キングチャチャブー 「? 少女はどうした?」
イャンクック 「ン……それなんだが、今朝から姿が見えなくてね」
イャンクック 「まぁ、いつもの通りに雪山に行っているんだと思うが……」
イャンクック 「ガルルガ君に任せて、私はヤマツカミ様のところに、相談に行こうという所だ」
キングチャチャブー 「ヤマツカミに……? あァ……あのことか」
イャンクック 「うむ……最近、とみに違和感を覚えるようになってきてね……」
イャンクック 「この森に来て、もうかなりの年月が経つというのに、あの子の姿は昔のまま変わらない」
イャンクック 「全く『成長をしていない』といってもいい」
イャンクック 「おそらく古龍の血による副作用なんだろうが、心配だ……」
イャンクック 「本人は、私達モンスターの中に入って生活しているがゆえに、気づいていないようだが……」
イャンクック 「このままでは、あの子は普通の生活を送れなくなってしまう気がしてね……」
キングチャチャブー 「普通の生活……『普通』の生活ねぇ……」
キングチャチャブー 「何が普通なのかどうかは、てめぇが決めてることだろうが……」
キングチャチャブー 「それが、あいつのためになっているかどうかは、別としてな……」
イャンクック 「まぁ……その通りではあるが……」
キングチャチャブー 「モンスターの中で生活している時点で、もう既にあいつは『普通』じゃぁねぇ……」
キングチャチャブー 「今この生活が、幸せなのかどうかなんて、俺達に判断できることじゃねぇ気がするがね……」
イャンクック 「……ふむ。確かに……」
キングチャチャブー 「…………まァ……ヤマツカミに聞くくらいは別にかまわねぇんじゃねぇのか……?」
イャンクック 「助言、感謝する。かまわず狩りに戻ってくれ」
キングチャチャブー 「そうさせてもらうとするぜ……行くぜてめぇら……」
チャチャブー達 「ビィ!!!」
イャンクック (確かに、キングの言うとおり、少女は既に『人間』としての生活を送れない環境にいる……)
イャンクック (それがあの子のためになっているのかどうかは、私にも判断が付かないことなのだが……)
イャンクック (何があの子の幸せになっているのか、どれが不幸せなのか、考えていかなければいけないな……)
―雪山<朝>―
イャンガルルガ (バサッ、バサッ)
イャンガルルガ (……イャンクックはついてきてねぇな……)
イャンガルルガ (あの野郎、俺に任せやがったな……)
イャンガルルガ (まァ……別に構わねぇが……)
イャンガルルガ (それにしても、春先だっていうのにすげぇ吹雪だぜ……)
イャンガルルガ (こんなところに少女はいるのか?)
イャンガルルガ (? あれは……)
イャンガルルガ (チィッ! 面倒な奴らがいやがる)
ティガレックス兄 「ファァァ………………ァ゛!!」
ティガレックス兄 「弟者、起きろ。弟者」
ティガレックス弟 「ファァァァァ………………アァ゛!!」
ティガレックス弟 「何だ兄者、まだ朝じゃねェか」
ティガレックス兄 「腹が減ったンだよ。何か探しに行くぜ」
ティガレックス弟 「兄者は最近益々太ったからな……俺はいいよ。兄者だけで行ってきてくれよ」
ティガレックス弟 「まだ眠いぜ」
ティガレックス兄 「つっても、俺らこんな雪山のド真ん中で寝てたから、関節がカッチコチだぜ!」
ティガレックス兄 「ヒャハハ! 動けねぇ!!」
ティガレックス弟 「ン? ホントだ動けねぇや!! ヒャハ!!」
イャンガルルガ 「(バサァッ)…………何してんだてめぇら…………」
ティガレックス兄 「お……おお、丁度良かった、何だっけ? …………少女の友達さんよ!」
ティガレックス弟 「ガルルガだろ、ガルルガ」
イャンガルルガ 「………………」
ティガレックス兄 「ポポいじめに飽きて、こんなところで寝てたら固まっちまった。ちょっくら溶かしてくれ」
イャンガルルガ 「全くお前らは底なしの馬鹿だな」
ティガレックス兄 「何ィ!? 馬鹿って言う奴が馬鹿なんだぜ!!!」
ティガレックス弟 「ヒャッハッハ!! バーカバーカ!! …………動けねぇ!!!」
ティガレックス兄 「そういえば動けねぇ!!!」
イャンガルルガ 「…………分かったよ…………(ボォォォゥッ!!)」
ティガレックス兄 「うわ熱ッ!!(ジュゥ!!)」
ティガレックス弟 「熱ウゥッ!!!(ジュゥ!!!)」
ティガレックス兄 「ン、これで氷が溶けたぜ!」
ティガレックス弟 「鱗は少々焦げたがな! ガルルガ、てめぇは嫌な奴だが、実は結構良い奴だったりもするんだな!」
イャンガルルガ 「………………」
イャンガルルガ (この馬鹿達に構ってると時間がなくなる)
イャンガルルガ (放っておいて先に行こう)
ティガレックス兄 「あぁ待て、何しにこんなとこに来たんだ?」
ティガレックス弟 「また少女のケツ追っかけてんのか? ヒャハ!」
イャンガルルガ (カチン)
イャンガルルガ 「ンだァ? 調子こいてんじゃねぇぞてめぇら」
ティガレックス兄 「あァァ? ヤんのかコラァ!?」
ティガレックス弟 「2対1だぞコラァ!!」
ティガレックス兄 「あんまナメた態度とってやがると、ここにいる弟が黙ってねぇぞコラァ!!」
ティガレックス弟 「!?」
イャンガルルガ 「………………?」
ティガレックス兄 「聞いてんのかコラァ!! いてこますぞ! 弟がなァ!!」
ティガレックス弟 「兄者はやんねぇのか?」
ティガレックス兄 「俺はその間、狩りに行ってくる」
イャンガルルガ 「馬鹿共、静かにしろ」
ティガレックス兄 「また馬鹿って言ったぜこいつ」
ティガレックス弟 「馬鹿って言う奴が馬鹿なんだぜ!!! ヒャッハハハ! バーカ!!」
ティガレックス兄 「バーカ!!!」
イャンガルルガ (……あれはキリンか……背中に乗ってるのは……)
イャンガルルガ (ン、少女だ)
キリン (ヒュゥゥゥゥゥゥゥ)
キリン (スタッ)
キリン 「おはようございます、みなさん!!」
ティガレックス兄 「あァん? ヤんのかコラァァ!!!」
ティガレックス弟 「兄者。キリンだ。キリン」
ティガレックス兄 「(ズシン、ズシン)何だ、後ろから声かけられたから敵かと思ったぜ」
キリン 「皆さんお元気そうですね。っていうか、何でこんなところにいるんですか?」
少女 「おはよう、ティガ兄さんに弟さん」
少女 「ガルルガさんも!!」
ティガレックス兄 「よう。俺らはポポいじめしてたら、気が付いたらここで凍ってたんだよ」
ティガレックス弟 「ガルルガに解凍してもらわなかったら動けなかったぜ!!」
キリン 「凍ってたんですか……」
少女 「大丈夫? どこか痛くない?」
ティガレックス兄 「いや、別に」
ティガレックス弟 「腹がすいただけだな」
少女 「待っててね。干したサシミウオがあるの(ごそごそ)」
少女 「ほら」
ティガレックス兄 「ケェ。朝から魚かよ(モグモグ)」
ティガレックス弟 「肉が食いてぇ肉が(モグモグ)」
ティガレックス兄 「…………(もぐもぐ)」
ティガレックス弟 「…………(もぐもぐ)」
ティガレックス兄 「うんめぇぇ~~~!!!(モグモグ)」
ティガレックス弟 「サシミウオ最高ォォ!!!(モグモグ)」
ティガレックス兄 「このシャリシャリした食感がたまんねぇぜ!!(モグモグ)」
キリン 「それは凍ってるだけじゃ……」
イャンガルルガ 「食えりゃ何でもいいんじゃねぇのか……?」
キリン 「ガルルガさん、おはようございます。どうしたんですか?」
少女 「そうだよ、ガルルガさん。約束はお昼からだよ」
イャンガルルガ 「いや……何…………」
イャンガルルガ 「散歩……」
イャンガルルガ 「そう、散歩だ」
少女 「そうなんだー。偶然だね!」
キリン (ふふ……)
イャンガルルガ 「それより、何でてめぇこそ朝っぱらから雪山にいる?」
イャンガルルガ 「イャンクックの野郎が探してたぜ」
少女 「うん、ちょっとスープに使う雪山草を探しにきたの」
キリン 「私は、途中で少女ちゃんと会ったんです」
イャンガルルガ 「寒くねぇのか? すげぇ吹雪だが」
少女 「ナナ先生の毛と、ティガさんたちの鱗を、オオナヅチさんの皮に縫いこんだから、全然寒くないよ」
キリン 「私は雷の膜を張ることが出来ますから、二人でいれば、多少の吹雪も問題ないんです」
イャンガルルガ 「そうか……それならいいんだが……」
ティガレックス兄 「少女! もっとねぇのか?」
ティガレックス弟 「腹が減ったよ腹がァ!!」
少女 「それなら、一緒にお家に行こうよ」
イャンガルルガ 「……!?」
ティガレックス兄 「それはいい考えだぜ!」
ティガレックス弟 「暇だしな!!!」
イャンガルルガ (…………チッ)
キリン 「そうですね。雪山草も沢山採れましたし、皆さんで食べましょうか」
少女 「ガルルガさんも、朝ごはんまだ?」
イャンガルルガ 「ああ」
少女 「それじゃ一緒にお家に行こう」
イャンガルルガ 「そうだな……」
ティガレックス兄 「まぁ今日は魚でいいか!!」
ティガレックス弟 「肉は明日にするか!」
イャンガルルガ (こいつらも一緒か……)
―樹海、奥深く、ヤマツカミの棲家<朝>―
イャンクック 「ヤマツカミ様、失礼します」
ヤマツカミ 「おお、イャンクックか。中に入りなさい」
イャンクック 「……ぬ?」
テオ・テスカトル 「イャンクック殿か。おはよう」
ナナ・テスカトリ 「おはようございます」
イャンクック 「テオ殿、ナナ殿。朝早くからどうされた?」
テオ・テスカトル 「いや、目的は貴殿と同じだと思うが……」
ナナ・テスカトリ 「少女ちゃんのことです」
イャンクック 「ふむ……」
テオ・テスカトル 「今まで、私やオオナズチ君の血を、あの子に大分与えてきたが……」
テオ・テスカトル 「その影響からか、最近、何か異変があるのではないか?」
イャンクック 「仰るとおりです。そのことで、今日はヤマツカミ様にお話を賜りに来ました」
ヤマツカミ 「我らの血による、人間への影響か……」
ヤマツカミ 「その兆候に気づいたのは、いつ頃からだね?」
テオ・テスカトル 「その点につきましては、私どもよりは、常に共にいるイャンクック殿の口からの方がいいかと」
イャンクック 「はい。気づいたのは、数ヶ月前です。モンスターの我々は、すぐに成長し、大人の期間が長いが……」
イャンクック 「人間は逆です。子供の期間が長い……」
イャンクック 「最初はそのせいかとも思っていたのですが、あまりにも少女は成長しなさ過ぎる」
イャンクック 「ここに来た頃と比べて健康にはなりましたが、体格もさして変わりはありません」
イャンクック 「あの子の持つ、不思議な力の訳もいまだに分からない状況でもありますが……」
イャンクック 「私は、あの子が何か、人間とは別のモノになってしまってきているような気がするのです……」
ヤマツカミ 「と、申すと?」
イャンクック 「我らモンスターと同じような体質に、変わってしまっているのではないでしょうか?」
イャンクック 「あの小さな姿のまま、定着してしまったのではないかと思うのです」
テオ・テスカトル 「ふむ……」
テオ・テスカトル 「残念なことに、我々も同じ意見なのだ」
イャンクック 「やはり……」
ナナ・テスカトリ 「私達の学校にあの子はよく来てくれますが、やはりいつ見ても変わり栄えがありません」
ナナ・テスカトリ 「人間ではよく見られる、頭の部分の体毛の伸びも見られません」
イャンクック 「もしやとは思っていたが、やはり少女の体には異変が起こっているのか……」
テオ・テスカトル 「それが悪いことなのか、いいことなのかということは我々には分からぬ」
テオ・テスカトル 「しかし、我々でさえ、この年月が経てばある程度の変化が現れるところを考えると……」
テオ・テスカトル 「やはり少女は今現在異常な状態にあると考えられる」
イャンクック 「………………」
ナナ・テスカトリ 「成長しないということが、どのように悪い結果をもたらすのかは分かりません……」
ナナ・テスカトリ 「もしかしたら、わたくし達モンスターのように、一定期間が経てば一気に歳をとるのかもしれませんが……」
ナナ・テスカトリ 「あの子の『将来』のことを考えれば、やはり普通ではないということは障害になるような気がするのです」
イャンクック 「と、申しますと……?」
ナナ・テスカトリ 「少女は、いずれ人間の元に還らなければなりません」
イャンクック 「!!」
ナナ・テスカトリ 「人間社会がどれだけあの子を拒絶したといえ、あの子は人間です」
ナナ・テスカトリ 「世代を築き、子供を育てるためには、あの子には同じ人間の伴侶が必要です」
ナナ・テスカトリ 「不老というのは、わたくし達生き物にとっての一種の憧れではありますが……」
ナナ・テスカトリ 「共に老いることが出来ないというのは、辛いものです」
ナナ・テスカトリ 「分かりませんか?」
イャンクック 「………………」
イャンクック 「そう……ですな。いや……その通りだ」
テオ・テスカトル 「…………何も今すぐというわけではない」
テオ・テスカトル 「そうでなくとも、あの子は色々と人間離れしてしまっているのだ」
テオ・テスカトル 「先ずはその問題を解決しないことには、どうとも言えぬ」
ナナ・テスカトリ 「そうですね……」
ナナ・テスカトリ 「そのためにわたくし達はヤマツカミ様にご相談に伺ったというわけなのです」
イャンクック (いずれ少女はここを離れなければならない……)
イャンクック (考えてはいたことだが……)
イャンクック (だが……あの子は…………)
イャンクック (私の……)
イャンクック (……家族だ……)
ヤマツカミ 「………………」
ヤマツカミ 「うむ……ひとまず、少女には何があっても古龍の血は、もう与えないようにするとよかろう」
イャンクック 「!」
イャンクック 「しかしヤマツカミ殿。少女はいまだ、視力が完全には戻っていません」
イャンクック 「時折視界がぼやけることもあるそうです」
イャンクック 「それが治るまでは……」
テオ・テスカトル 「いや、もうやめた方が良かろう」
イャンクック 「テオ殿!」
テオ・テスカトル 「先ほども言ったとおり、これ以上の血の投入は、何を引き起こすか分からぬ」
テオ・テスカトル 「もしかしたら、少女は人間に『戻れなく』なってしまうかもしれぬ」
テオ・テスカトル 「お主はそれでも良いというのか?」
イャンクック 「それは…………」
イャンクック 「うぅむ……」
ナナ・テスカトリ 「様子を見ながら投与というわけにはいきませんか?」
ヤマツカミ 「いや、やめた方が良かろう」
ヤマツカミ 「この件については、わしも考えておく。ご三方は下がると良い」
イャンクック 「しかしヤマツカミ様……」
ヤマツカミ 「わしは、『様子を見る』という意味で言ったのだ。何も完全に禁止をしたわけではない」
ヤマツカミ 「今度、一度少女をここに連れてくると良かろう」
イャンクック 「……分かりました」
テオ・テスカトル 「ヤマツカミ殿はお休みになられたか……」
テオ・テスカトル 「………………出すぎた真似をしたかもしれぬが、やはり少女は我らの家族も同然、気になるのはお主だけではない」
イャンクック 「ありがとうございます。しかし……」
イャンクック 「私は、あの子の目を、完全に治してやりたい……」
ナナ・テスカトリ 「それはわたくしも同じです」
ナナ・テスカトリ 「しかし今は、ヤマツカミ様の仰るとおり、様子を見ましょう」
ナナ・テスカトリ 「それと、少女ちゃんにこれを」
イャンクック 「これは……」
テオ・テスカトル 「どの道話が終わったら、お主の所に向かう予定だった」
テオ・テスカトル 「この前に鱗が一部生え変わったのだ」
テオ・テスカトル 「さしづめ、これは私の『獄炎の厚龍鱗』といったところか」
イャンクック 「いただいていいのですか?」
テオ・テスカトル 「暑さを大分防げる。火山に来る時に、着物に縫い込めば重宝できるだろう」
イャンクック 「分かりました。有難く頂戴しておきます(ゴソゴソ)」
イャンクック 「お二方とも、宜しければ私の家で朝食などいかがか?」
イャンクック 「おそらく、ガルルガ君が少女を連れ戻してくれている頃だと思います」
テオ・テスカトル 「うむ……それではお言葉に甘えて参ろうか」
ナナ・テスカトリ 「そうですね。お邪魔いたします」
イャンクック 「いえいえ。それでは行きましょう(バサッ)」
テオ・テスカトル 「(バサッ)…………」
テオ・テスカトル (妻はああ言ったが、果たして少女は人間の世界に適応できるだろうか……)
テオ・テスカトル (難しいように思えるが…………)
―樹海、イャンクックの巣<朝>―
少女 「おじさん、いないみたいだね」
キリン 「どこかにお出かけ中でしょうか?」
ティガレックス兄 「ケェ。どうでもいいから早く飯を作れよ」
ティガレックス弟 「そうだな。腹が減ったぜ」
イャンガルルガ 「………………」
少女 「待っててね。今作るから」
>バサッ、バサッ!!
>ドッシャァァ!!
少女 「!!」
ティガレックス兄 「外で何か音がしたぞ」
ティガレックス弟 「イャンクックでも帰ってきたんじゃねぇのか?」
少女 「おじさん?」
イャンガルルガ 「俺が見てくる……(ズン、ズン)」
金リオレイア 「ふぅぅ~~ぃ。やっばり長距離飛ぶのんはきっづいなぁ」
銀リオレウス 「オイラらも、もう歳だなぁーぃ」
金リオレイア 「少女っづぁーん、少女っづぁんはいるがいぃ?」
イャンガルルガ 「ンだァ? クソババァとクソジジィじゃねぇか……」
金リオレイア 「やっがましいわ坊主。なしでおめぇがこごにいるだ?」
銀リオレウス 「これこれ。クソジジイとクソババアに、ほんどのこどいっぢゃいけん」
金リオレイア 「んだ」
イャンガルルガ 「…………」
少女 「あ、金さんに銀さん!」
キリン 「お久しぶりです。どうかされましたか?」
ティガレックス兄 「またうっせぇのが来たぞ」
ティガレックス弟 「よ! クソジジイにクソバアア!! まだ死んでなかったのか!!!」
金リオレイア 「いちいち癪にさわるガキィめらだぁァ」
銀リオレウス 「これこれ。クソジジイとクソババアにはァ、ほんどのこどいっぢゃぁいけん」
金リオレイア 「んだァ」
金さん銀さんわろたwww
122:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 18:57:10.82:kkO+/ANt0少女 「わ、何!?」
ジンオウガ妻 「………………」
仔ジンオウガ 「キュゥゥゥーン…………」
金リオレイア 「少女ぢゃん、人間の薬ィもっでだよなぁ」
銀リオレウス 「テオとナナがみづからんでなぁ。ちぃっどばかじ、こっぢのでかい方にかけでやっでくんなまし」
少女 「いにしえの秘薬? まだあるよ(ゴソゴソ)」
少女 「これでいいかな(ジュッ)」
ジンオウガ妻 「……………………」
ジンオウガ妻 (スゥ……スゥ…………)
金リオレイア 「ンむ。一時的にァ死なずに済んだァ」
銀リオレウス 「んだんだ。これでテオ達がみづかれば、万事解決だぁ」
テオ・テスカトル 「私はここにいますが、何か御用でしょうか?(ズシン、ズシン)」
ナナ・テスカトル 「あら、金様に銀様。おはようございます」
イャンクック 「少女! 戻っていたか!!」
少女 「おじさん!(バッ)」
少女 「ごめんね、おじさん寝てたから、起こすと悪いと思って……」
イャンクック 「いや、いいんだ。これからは私が寝ていても、起こしてから行ってくれ」
少女 「うん!」
イャンクック 「金さんに銀さんではないですか。いかがなされた?」
イャンクック 「む? このモンスターは…………」
ジンオウガ妻 「……………………」
仔ジンオウガ 「キュゥゥー…………」
少女 「見たことがないモンスターだねぇ」
金リオレイア 「わぁるどつぁあに出だどき、みづげただ」
銀リオレウス 「海岸に埋まっでだだぁ」
イャンクック 「ふぅむ……別の大陸のモンスターだろうか……流されてきたのか?」
仔ジンオウガ 「キュゥ……」
少女 「怯えてる……大丈夫。怖くないよ(撫で撫で)」
仔ジンオウガ 「…………キュゥゥ…………」
少女 「この子もだいぶ弱ってるみたい」
テオ・テスカトル 「成る程。それで、我々の血を探されていたというわけですか」
金リオレイア 「んだ」
テオ・テスカトル 「それでは、少し失礼する(ガブッ)」
テオ・テスカトル (ポタポタ)
>シュゥゥゥゥゥゥ
ジンオウガ妻 (ピクッ)
ジンオウガ妻 「…………ン……ンン…………」
仔ジンオウガ 「! キュゥ!」
ジンオウガ妻 「…………? こ…………ここは…………」
ジンオウガ妻 「!! あなた!! あなた!?」
テオ・テスカトル 「落ち着いてください。ここは樹海です。私のことが分かりますか?」
ジンオウガ妻 「樹海……? 樹海とは……」
ジンオウガ妻 「それに、あなた方は……」
ジンオウガ妻 「!! 坊や!!!」
仔ジンオウガ 「キュゥ!!(バッ)」
ジンオウガ妻 「良かった……坊や……無事で…………!!!」
金リオレイア 「………………」
銀リオレウス 「………………」
金リオレイア 「(ひそひそ)ぃやっばり、あんの子供ン方がらいやァな気がすっぞ」
銀リオレウス 「(ひそひそ)んだんだ。何だべが」
金リオレイア 「(ひそひそ)忌み子じゃねぇがありゃァ……?」
銀リオレウス 「(ひそひそ)んだでも、殺ずわげにもいかんっべぇ?」
少女 「金さん銀さん、どうしたの?」
金リオレイア 「ン? 何でもねぇ」
銀リオレウス 「んだァ」
少女 「??」
イャンクック 「名前は何ですか? どこから来ました?」
ジンオウガ妻 「……わ、私達は渓流に住む、ジンオウ組の者です」
ジンオウガ妻 「ここは渓流のどこですか? まだ地理に疎くて、よく分からないのです」
ティガレックス兄 「ジンオウ組? 弟者、聞いたことあるか?」
ティガレックス弟 「ねぇなァ。何だそりゃ」
ジンオウガ妻 「……!!!!!!!??」
ジンオウガ妻 「お……お前達は!!!!」
ジンオウガ妻 「ウォォォォォォォォ――――――――――ンッッッ!!!!!」
>バヂィッ!!
>バリバリバリバリバリバリバリバリバリ
ジンオウガ妻(超帯電) 「ティガレックス!!!!!!!」
ジンオウガ妻(超帯電) 「坊や、私の後ろに隠れなさい!!!!」
仔ジンオウガ 「キュゥゥゥーン…………(ソロソロ)」
ティガレックス兄 「……?」
ティガレックス弟 「……??」
ティガレックス兄 「ンだァ? ヤんのかコラァアア!!!!!!」
ティガレックス弟 「いてこますぞオラァアアア!!!」
ティガレックス兄 「行け! 弟者!!!」
ティガレックス弟 「また俺かよ!?」
ジンオウガ妻(超帯電) 「ティガレックスは殺す!! こんなところまで追いかけてくるなんて……!!!」
ジンオウガ妻(超帯電) 「私の坊やは、絶対に渡さない!!!!!」
ジンオウガ妻(超帯電) 「ガアアアアアア!!!!!」
>ピシャァアアアアン!! ピシャアアアアアン!!!!
キリン 「!!!!」
>バッ
>バヂィィィィ!!!!!
キリン 「みなさん、私の後ろに!!」
ティガレックス兄 「か……雷落としやがった!!!」
ティガレックス弟 「雷は反則だろォ!!!! てか俺ら何かした!?」
ティガレックス兄 「覚えがありすぎてわからねぇ!!!!!!!!!」
イャンクック 「いかん! 少女、こっちに来るんだ!!!」
テオ・テスカトル 「まずい……!!」
ナナ・テスカトリ 「少女ちゃん!!!!!」
金リオレイア 「まにあわん!!」
銀リオレウス 「少女ぢゃん!!」
少女 「!!!!」
イャンガルルガ 「何してやがる!!(バッ)」
>ピシャアアアアアンッ!!!
>ピシャアアアアアンッ!!!
>ピシャアアアアアンッ!!!
イャンガルルガ 「グアアアアアアアア!!!!!!」
イャンガルルガ (ドサリ)
少女 「ガルルガさん!!!」
ジンオウガ妻(超帯電) 「ウオオオオオオオオオ――――ンッ!!!!!!」
>ピシャァアアアアン!! ピシャアアアアアン!!!!
>ピシャァアアアアン!! ピシャアアアアアン!!!!
キリン 「少女ちゃん!!!!!」
少女 (キッ)
>ピシャアアアアンッ!!!
>バチィィィィィンッ!!!!
イャンクック 「!!!!!?」
テオ・テスカトル 「な……何と!!」
ナナ・テスカトリ 「少女ちゃんが、雷を弾いた!?」
イャンクック (少女の目が赤く光っている……)
イャンクック (あの力は……!!!)
少女 「いい加減にして!! ガルルガさんは何の関係もないでしょ!!!」
ジンオウガ妻(超帯電) 「人間……!! あのハンター達の一味か!!!(バリバリ)」
テオ・テスカトル (シュバッ!!)
ナナ・テスカトリ (シュバッ!!)
>ガシッ
ジンオウガ妻(超帯電) 「グゥゥゥゥ!!! 離せええええ!!!(バリバリバリバリバリバリ)」
テオ・テスカトル 「グウウウウウ!!!」
ナナ・テスカトリ 「ウ……ウウ……!!!」
少女 「………………」
少女 (スタスタ)
キリン (か……雷が、少女ちゃんのことを避けていく……)
キリン (どこであんな力を…………)
少女 (パァンッ!!)
ジンオウガ妻(超帯電) 「……!!!」
イャンクック (あのモンスターの頬を、少女が張った!!!!)
少女 「子供さんが怖がってる! 私の友達をこれ以上傷つけないで!!!」
ジンオウガ妻(超帯電) 「………………」
ジンオウガ妻 (スゥ)
ジンオウガ妻 「超帯電状態の……私を叩いた……?」
ジンオウガ妻 「それに言葉を……」
ジンオウガ妻 「人間……貴方は一体……?」
仔ジンオウガ 「キュゥゥゥーン…………」
少女 「ガルルガさん! しっかりして!!!」
テオ・テスカトル 「(プスプス)まだ私から血が出ている。これで快癒するはずだ(ポタポタ)」
ナナ・テスカトリ 「ガルルガ君……身を挺して……」
イャンガルルガ (ハッ!)
イャンガルルガ 「な、何が起きた!?」
少女 「ガルルガさん!(抱き!)」
イャンガルルガ 「!?」
イャンクック 「まぁ……ジンオウ組といったか……? そこの貴女、少々落ち着かれてはいかがだろうか?」
イャンクック 「確かにこの二匹はティガレックスだが、貴女に危害を及ぼすとは考えづらい」
ティガレックス兄 「いや、心当たりがありすぎてわかんねぇって」
ティガレックス弟 「しかしケンカなら買うぜェ」
金リオレイア 「莫迦共。黙っとれい」
銀リオレウス 「んだ。ややっこしぐなるだ」
ジンオウガ妻 「あなた方は……一体……?」
テオ・テスカトル 「私達は、この地方に住むモンスターです。この少女は、我々の中に混じっている、不思議な力を持つ人間です」
テオ・テスカトル 「異様に映るかもしれませんが、本当のことです」
テオ・テスカトル 「あなたは……?」
テオ・テスカトル 「見たところ、この地方のモンスターではないようですが……」
ジンオウガ妻 「この『地方』の……??」
ジンオウガ妻 「ここは渓流ではないの……?」
ナナ・テスカトリ 「この方々が、あなた方をここに運んでくださったのですよ」
金リオレイア 「んだ」
銀リオレウス 「んだ」
ジンオウガ妻 「まさか……でも、そんな…………」
ジンオウガ妻 「私達は、滝の崩落に巻き込まれて……流されて………………」
ジンオウガ妻 「流されて………………」
ジンオウガ妻 「痛ッ!(ビクッ)」
イャンガルルガ 「………………」
キリン 「無理をしない方がいいです。まだ、傷が完全に治っていないようですよ」
ジンオウガ妻 「じょ……状況がよく分かりませんが、先ほどの無礼は謝罪します……!!!」
ジンオウガ妻 「ですから、どうか……」
ジンオウガ妻 「どうか、夫を助けに……!!!!」
イャンクック (夫……?)
金リオレイア 「………………」
銀リオレウス 「………………」
仔ジンオウガ 「キュゥゥゥーン………………」
―ユクモ村外、砂原<夜>―
小鉄 「ジンオウガ!!! 死んじゃうニャ!!!!!」
ジンオウガ 「猫よ……お前にこのお守りを託す(キラッ)」
ジンオウガ 「借り物だが………………それを使い、我が家族の力になってはくれないか……」
小鉄 「だ……旦那さんのお守りじゃニャい!? これは何ニャ!!!!」
ティガレックス亜種 「それは俺のモンだああああああああああああ!!!!!(ギリッ)」
小鉄 「ギニャァアア!!!!」
>ガバッ
小鉄 「はぁ……はぁ……」
小鉄 (こ……ここは……砂原……)
小鉄 (夜だからガーヴァが休んでるのかニャ…………)
小鉄 (うう……ジンオウガの、あの最期の目が忘れられないニャ……)
小鉄 (それに、ティガレックス……正直怖かったニャ…………死ぬかと思ったニャ……)
>ジクジク
小鉄 (う……それにしてもティガレックスにえぐられた傷の具合が酷いニャ)
小鉄 (自分で見ても、何で生きてるのか不思議だニャ)
小鉄 (でも全然痛くニャい……)
小鉄 (多分……っていうか、絶対このお守りのせいだニャ)
>キラッ
小鉄 (多分このお守りには、痛いのを消す効果があるんだニャ)
小鉄 (痛くないのはいいけど、かえって不安になるニャ)
小鉄 「………………」
弓 「すぅ……すぅ……」
ハンマー 「グガァ…………グガァ…………」
太刀 「くぅ……くぅ…………」
小鉄 (旦那さんを起こしてはまずいニャ。っていうか、何でオイラ達はこんなところにいるニャ?)
小鉄 (所々記憶が飛んでて分からないニャ)
>モゾモゾ
小鉄 「ふぅ。やっとこ荷車の外に出れたニャ」
俊足ガーヴァ 「お目覚めですかい」
小鉄 「ニャ!? お前は暴れん坊の俊足ガーヴァ!!」
俊足ガーヴァ 「この度はあんた達を送る役を命じられてるんでね。暴れん坊というのはよしてもらおうか」
小鉄 「丁度良かったニャ。事情がさっぱり分からないニャ。お前、知ってる範囲でいいからオイラに教えるニャ」
俊足ガーヴァ 「そうかい。お前さんはずっと寝てたからな……オトモ達に説明された内容でよければ、答えるよ」
小鉄 「ニャ…………そうすると、オイラの怪我を治すために、旦那さんたちはポッケ村とかいうところに行こうと……」
俊足ガーヴァ 「ああ、そうなるな」
俊足ガーヴァ 「しかし、お前さんもスゲェな……」
俊足ガーヴァ 「ジンオウガと相討ちに持ち込んで、ティガレックスも溶岩に叩き落したんだろ?」
俊足ガーヴァ 「もはやお前さん、猫じゃねぇよ。猫の形をした何かだよ」
小鉄 (そ……そんなことになってるのかニャ……)
>>174
こうして伝説とか英雄ってのが出来るんだな…
175:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:06:22.45:kkO+/ANt0こうして伝説とか英雄ってのが出来るんだな…
小鉄 「ふ……ふん。オイラにかかれば、それくらい朝飯前だニャ」
俊足ガーヴァ 「惚れたぜ。まさに雄の中の雄だな」
小鉄 「もっと褒めるニャ」
俊足ガーヴァ 「しかし、その怪我、寝てなきゃヤベェんじゃあねぇのか?」
小鉄 「このお守りがあるから、全然痛くないんだニャ」
>キラッ
俊足ガーヴァ 「へぇ。それがさっき言ってた、ジンオウガから分捕ったっつぅお守りかい」
俊足ガーヴァ 「でも、怪我が治るわけじゃねぇんだろ?」
小鉄 「秘薬も塗られてるみたいだし、こんな怪我全然問題ないニャ」
小鉄 「雄の中の雄には無用な心配だニャ」
俊足ガーヴァ 「そうだな。お前さんには無用な心配だったな」
俊足ガーヴァ 「……?」
小鉄 「? どうしたニャ?」
俊足ガーヴァ 「いや、何。ちょっと悲鳴が聞こえたモンでね」
小鉄 「悲鳴?(モゾモゾ)」
小鉄 「丁度小型望遠鏡を持ってるニャ。どこらへんだニャ?」
俊足ガーヴァ 「結構離れたところでよ、ほら、俺から見て北の方で砂煙が上がってるだろ?」
俊足ガーヴァ 「あそこからさァ」
小鉄 「ふむふむ(ガチャ)」
小鉄 「!!」
小鉄 「あ、あれは……!!!!」
××××× 「ギニャアアアアアアアアアアア!!!!!!!(ダダダダダダダダ)」
小鉄 「あの樽の上を激走してる猫は……モンジロウ!!」
小鉄 「大変だニャ! モンジロウが、でっかい口のモンスターに追われてるニャ!!」
俊足ガーヴァ 「それは、多分ハプルボッカだな」
俊足ガーヴァ 「しかし、モンスターが猫を……まして、百戦錬磨のモンジロウを襲うとは珍しいな」
小鉄 「た、助けなきゃいかんニャ!!!」
小鉄 「(ハッ)……でも旦那さんは今、怪我が…………」
小鉄 (それにあの馬鹿ハンマーと馬鹿太刀の力は、旦那さんの前では借りたくないニャ)
小鉄 (血も止まってきたし……)
小鉄 (旦那さんに、いいとこ見せるニャ!!!)
小鉄 「よい……ニュ…………(ゴソゴソ)」
俊足ガーヴァ 「どうした? 俺の背中に乗ったりして……」
小鉄 「よ、よし乗れたニャ……(ぜぇぜぇ)」
小鉄 (あ……足が動かないニャ……自分の体で移動するのは無理っぽいニャ)
小鉄 (でもモンジロウは助けなきゃ…………)
俊足ガーヴァ 「おい、ハンター達を起こした方が良いんじゃねぇのか? こっちに向かってくるぞ」
小鉄 「あのハプルボッカは、英猫、小鉄が片付けるニャ!(ガシャン!!)」
小鉄 「俊足ガーヴァ、お前、協力するニャ!!」
俊足ガーヴァ 「マジかよ? おいおい、一匹でやる気か?」
小鉄 「ジンオウガとティガレックスを倒したオイラに不可能はないニャ! 信じるニャ!!」
俊足ガーヴァ 「そう言われたら信じざるをえねぇな! 行くぜ!!(シュバッ!!)」
小鉄 「ニャ!! 速すぎるニャ!!!!」
―砂原、少し離れたところ<夜>―
モンジロウ 「ギィニャアアアア!!!!(ダダダダダダダ)」
ハプルボッカ 「ヒャハハハ!! ヒャッハハハハハハハハ!!!」
ハプルボッカ 「食わせろォォォォ!!! 肉! 肉ゥゥゥゥ!!」
モンジロウ (お、追いつかれる……!!!)
モンジロウ (何でだぜ!? モンスターに襲われるなんて、今までの猫生でなかったことニャ!?)
モンジロウ (しかもこのハプルボッカ…………)
ハプルボッカ 「ヒャハハハハハハハ!!!!」
モンジロウ (どこか腐臭がするニャ!!! 後頭部あたりからは骨が見えてるし……)
モンジロウ (ひぃぃぃぃぃ!!!)
モンジロウ (何か不気味だニャ! てゆうか怖ッ!! 怖ァッ!!!)
ハプルボッカ 「逃げるな肉ゥゥゥ!!! コリコリ食わせろォォォ!! ボキボキ砕かせろォォォ!!!」
ハプルボッカ 「腹が!! 腹が減って仕方ねぇんだよぉおおおお!!!!」
モンジロウ 「ギィニャアアアアア!!!」
モンジロウ 「拙者はただの運び屋猫だっつーのニャ!! いい加減にするニャ――!!!」
ハプルボッカ 「ヒャアアハハハハハハ!!!! 黙って食われろォォォォ!!!!」
×××××××× 「……………………」
×××××××× 「……フン……ハプルボッカは『失敗』か……」
モンジロウ 「!! あれは……!!!」
俊足ガーヴァ (シュバババババババ)
小鉄 「ひぃえぇえええええええ!!!!!」
俊足ガーヴァ 「旦那! どうするんでェ!?」
小鉄 「も、もうちょい速度を緩めるニャ!! 目があかねぇニャ!!!」
モンジロウ (あれはユクモ村の俊足ガーヴァ……!! それに乗ってるのは……)
モンジロウ 「こてっちゃん!!!」
小鉄 「モンジロウ! 伏せるニャ!!!」
モンジロウ 「無茶言うなァァ!!!(ダダダダダダダ)」
ハプルボッカ 「ヒャハハハハハハハ!!!!」
小鉄 「ビッグブーメランを喰らうニャ! ニャァァアアア!!!(ブゥゥゥゥンッ!!)」
>ザンッ!!
ハプルボッカ 「!! ガァ!!!」
俊足ガーヴァ 「すげぇ! さすが旦那! あのハプルボッカがひるんでやがる!!!」
>ヒュンヒュン
>パシッ
小鉄 (あ……あれ?)
小鉄 (そんなに強く投げたつもりはないのに、だいぶ顔の肉が剥がれて……)
小鉄 (ってゆうか、骨が見えて…………)
小鉄 (えぇぇえええ!?)
小鉄 (な……何で骨が見えてるのに、血が出てないニャ!!?)
モンジロウ (ドッシャァァアアア)
モンジロウ 「チィッ! 足をひねっちまった!!!」
モンジロウ 「こてっちゃん! 何とかしてくれニャ――!!!」
小鉄 「が……合点承知だニャ!」
俊足ガーヴァ 「旦那、あのハプルボッカ、何かおかしいですぜ」
俊足ガーヴァ 「体のいたるところから骨が見えてますぜ!!!」
俊足ガーヴァ 「ってゆうか、あれは最近、ハンターに殺されたハプルボッカじゃ……」
小鉄 「じゃ……じゃあお化けかニャ!!!?」
小鉄 (ま……参ったニャ……お化けはオイラだいっ嫌いなんだニャ……)
小鉄 (タラー………………)
モンジロウ 「こてっちゃーん!!!!!」
小鉄 「(ハッ)モンジロウ!!!」
ハプルボッカ 「ヒャハ!! ヘヘヘヘ!! ケケケケケケケ!!!!!」
ハプルボッカ 「肉が三つゥゥゥゥゥ!!!!」
俊足ガーヴァ 「さりげなく俺も追加されてやがる!!?」
小鉄 (ど……どうするニャ!? ノリで来てみたのはいいけど、オイラの体はそんなに動かないニャ……)
小鉄 (でもこのままじゃ、モンジロウが食われちまうニャ!!)
小鉄 (か……各なる上は……)
小鉄 (オトモアイルー最終奥義を使うしかないニャ!!!)
>シュボッ!!!
俊足ガーヴァ 「旦那! そいつは!!!」
小鉄 「大樽爆弾Gを喰らうニャ――ッ!!!!」
俊足ガーヴァ 「そ、そんな!? 旦那、それを爆発させたら、俺達も巻き添えですぜ!!!」
小鉄 「オイラに考えがあるニャ!! お前はまっすぐ走るニャ!!!」
モンジロウ 「こてっちゃん、逃げないでくれニャ!!!!」
小鉄 「お化けボッカ――!! こっちに来るニャ!!!」
ハプルボッカ 「……?」
小鉄 「あの荷車に人間が三人いるニャ!! そっちの方がきっと美味いニャ!!!」
ハプルボッカ 「人間……(ジュルリ)」
ハプルボッカ 「肉……肉……」
ハプルボッカ 「でっかい肉食いてぇよぉおおおお!!!!(ドドドドドドドドド)」
小鉄 「! こっちに来た!!」
小鉄 「お前の俊足が頼りだニャ! 頼むニャ!!」
俊足ガーヴァ 「伊達にユクモ村最速を名乗ってはいませんぜ! 任せな!!!」
ハプルボッカ 「肉ゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」
小鉄 「今だニャ!!!!」
俊足ガーヴァ (シュババババババ)
モンジロウ (な……何をしてるんだニャ!?)
モンジロウ (俊足ガーヴァとこてっちゃんが、ハプルボッカに向かって走り出した!!!)
小鉄 「ここだニャ!!」
俊足ガーヴァ 「!!」
小鉄 「跳ぶニャァァアア!!!!」
>ヒュバッ!!!!
モンジロウ (ハプルボッカを……飛び越した!!?)
>ポイッ
ハプルボッカ (バクッ)
モンジロウ (すれ違いざまに投げた大樽爆弾が、口の中に…………!!!!)
小鉄 「!! ギニャ!!(ドシャ!!!)」
俊足ガーヴァ 「旦那!!(ズサァアアアア……!!!)」
小鉄 「う……うう……(よろよろ)」
モンジロウ (こてっちゃんが落馬した!!!!)
モンジロウ 「……こてっちゃん、逃げるニャ――!!!!」
小鉄 (や……やべぇニャ……視界がかすんできたニャ…………)
ハプルボッカ 「…………ゲヘ……ゲヘヘヘ………………」
ハプルボッカ 「てめぇ今何食わせた……??? 不味いモン食わせたな……?」
ハプルボッカ 「何を俺に食わせたァアアアアアアアア!!!!!!!」
小鉄 (ふ……不発!?)
小鉄 (口の中に入れたとき、導火線の火が消えたんだニャ!!)
小鉄 (でも……飲み込んでることにかわりはないニャ…………)
>ジャララララ
小鉄 (この、小樽爆弾Gで起爆させてやるニャ!!!)
ハプルボッカ 「まずは猫! 邪魔なてめえから食ってやる!!!」
ハプルボッカ 「コリコリボキボキ噛み砕いてやるヨォォォォォォ!!!!」
ハプルボッカ 「肉ヲ食わセロォオオおおおおお!!!!」
小鉄 (向かってくるニャ!!!)
俊足ガーヴァ 「旦那!!!」
モンジロウ 「こてっちゃん!!!」
小鉄 (こんなお化けボッカ、ティガレックスや……)
小鉄 (あのジンオウガに比べたら、屁でもねぇニャ!!!!)
小鉄 「ウオニャアアアアア!!!!(ブンッ!!!)」
ハプルボッカ (バクンッ!!!)
俊足ガーヴァ (旦那が、爆弾ごと食われた!!!!)
モンジロウ 「こてっちゃ――ん!!!!!!」
ハプルボッカ 「………………!!!!」
ハプルボッカ 「な……何だ!? 何してヤガる……!!!」
俊足ガーヴァ 「!」
モンジロウ 「!?」
ハプルボッカ 「わ……分カッた。分かっタ。お前ハ強い……お前ノホウが……強…………」
>チュッドォォォォォォォォンッ!!!!!!
ハプルボッカ 「ギオオォォォアアオアァオァオオアオオ!!!!!!!」
>ヒュルルルルルルルルルルル
>ボテッ
小鉄 「ギニャ!」
俊足ガーヴァ 「旦那!(ダダッ!!!)」
モンジロウ (こてっちゃんが、ハプルボッカの口から吐き出されてきた……!!!)
ハプルボッカ (グラ…………グラ………………)
小鉄 「い……今だ……ニャ…………」
小鉄 「今なら…………トドメをさせるニャ…………」
小鉄 (か…………)
小鉄 (体が動かねぇニャ………………)
小鉄 (この肝心な時に……)
小鉄 (オイラの体……動くニャ…………)
小鉄 (動く……ニャ………………)
>ドサリ
小鉄 (あ……れ……?)
小鉄 (目の前が暗くなってきたニャ………………)
小鉄 (旦那さん…………)
小鉄 (オイラは……やるニャ…………)
小鉄 (オイラは…………)
小鉄 「……………………」
ハンマー 「…………うおおらあああ!!!(ブンブンブン)」
>ドッゴォォォォオオオ!!!!
ハプルボッカ 「グッギャアアアアアアアアアアア!!!!!!」
ハンマー 「トドメだァアアア!!!」
>ドォォォォォンッ!!!!
ハプルボッカ 「ガ……カ…………(ビクンッ、ビクンッ…………)」
>ガクッ………………
ハンマーいいとこ持ってたな
225:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 20:47:42.63:kkO+/ANt0ハンマー 「はぁ……はぁ…………」
太刀 「ハンマー、いきなり出てってどうしたの!!?」
弓 「!!? 小鉄!!!!」
ハンマー 「(バッ)小鉄! しっかりしろ、小鉄!!!」
モンジロウ 「こてっちゃん!!!! しっかりするんだぜ!!!」
ハンマー 「小鉄!!!」
小鉄 「……………………」
ハンマー 「時間がない。今すぐここを発つぞ!!!」
―砂原、数時間後<夜>―
×××××××× 「チィ。クソの役にもたたねぇ奴を復活させちまった(ドガッ)」
ハプルボッカ 「……………………」
×××××××× 「奴らが逃げた方角は……あっちか……」
×××××× 「兄貴ィ。いいからさっさと襲って喰っちまおうぜェ…………」
×××××××× 「まァ待て」
×××××××× 「あの猫が持ってるお守りは、俺のモンだ。出来れば無傷で取り返してぇ」
×××××××× 「それまで、少し待ってな……ケケ……」
231:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:52:52.93:ER7OUsy90
乙!
236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 21:25:57.31:CzUJEFLE0ガーヴァ?ガーグァ?
237:三毛猫 ◆58jPV91aG. :2011/02/01(火) 21:28:40.21:kkO+/ANt0>>236
ガーグァでしたね……申し訳ありません
次から修正するようにします
240:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 22:10:45.42:yXjbOy90Oガーグァでしたね……申し訳ありません
次から修正するようにします
俺もオトモに小鉄って名前つけよう。
次へ










































コメント 7
コメント一覧 (7)
面白いなあこれ。続きが楽しみだ。
・・・が、どうにも小鉄や弓ハンターがなんかウゼーと思ってしまう。
心が汚れているからなのか・・・
最初ジンオウガ周囲を主人公にしたモンスター側の話しかと思ったけど
いつの間にか小鉄などの人間側の話しになってた
面白いが若干期待外れ
話を聞かないで他者を一方的に悪者にする系のキャラはどうしてもうざくなりがち
弓も小鉄もこれからの成長に期待したいな
早くハンマーが小鉄の恩人だって事に気づいてくれるといいんだけどな
相変わらずこの人マジ書くの上手いな。すげー読ませる