
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 10:43:11.28:MrqHvtWH0
唯「やっほー。きたよー」
「いらっしゃいませ。お待ちしておりました平沢様」
唯「今日は誰にしよっかなー。あ、姫ちゃんは非番?」
「申し訳ありません」
唯「えーっと、じゃあ適当に……写真みせて!」
「どうぞ」
唯「いちごちゃんは先週指名したっけな。んー」
「お気に召しませんか?」
唯「いやいや、みんな可愛いよー」
唯「けど新しい刺激が欲しんだよね。あ、コスチュームプレイとか? ふふふ」
唯「とりあえず猫耳あたりが似合う子を指名したいんだけど」

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5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 10:48:09.12:MrqHvtWH0
「では、この子はいかがでしょうか?」
唯「おぉ、可愛いねぇ!!」
「大変申し上げにくいのですが実は初出勤でして」
唯「初出勤~?」
「少々不安がっております。ですが平沢様がお相手なら心配はないかと」
唯「常連様だしぃ? みたいな?」
「はい」
唯「んー、そこまで信頼されてもなぁ」
唯「まぁ、物は試し。いいよ! じゃあその子で!」
「かしこまりました。VIPルームにてしばらくお待ちください」
唯「紅茶でも飲みながらゆっくりしてるよ」
唯「あー可愛い子だったなぁー」
唯「ちっちゃくて少しツンとしてそうで、しっかりものさんみたいな」
唯「でも写真詐欺の可能性もあるしね~」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 10:53:36.34:MrqHvtWH0
唯「この店も初めて来たときはひどかったなー」
唯「私が女だからって舐め腐ってさ、まぁ追い返されはしなかったけど……」
唯「美少女だなんていってあんな肝っ玉怪力ゴリラあてがうなんてひどいよ」
唯「結局文句いってお金は返してもらったけどアレはトラウマだよ」
唯「あの子を覗いたら結構ハイレベルな店なんだけどなー」
唯「ってかいままでいくら使ったんだろう」
唯「今日だけで少なくとも2万は飛ぶよね」
唯「でも指名ナンバー1のmiomioは仲良くなれたし」
唯「こないだはあのいちごちゃんとお食事もできたし」
唯「もはや怖いものなど無い。ソープ王だね私」
唯「一体今日はどんな子と出会えるのか」
唯「泡姫との日々の出会いが私を成長させてくれるよ」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 10:57:32.45:MrqHvtWH0
唯「っと、もう結構時間たってるな」
唯「なーにやってんだろ」
唯「ちょっと外の様子でも」
ガチャ
ゴンッ
「あいたっ」
唯「わわっ! ごめっ」
「いえ、すいません……すいません……」ペコペコ
唯「んー……あっ! 写真の!!」
「あ、えっと、はい。初めまして……あずさと申します」
「きょ、きょきょ……今日はよろ、よろしくお願いしまひゅっ!!」
唯「……わぉ」
梓「あ、あの……」オドオド
唯「か……可愛いし……写真以上……」
梓「す、すいません! 私っ、はじめてなもので申しわけありせん!!」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 11:02:45.82:MrqHvtWH0
唯「えへぇ~可愛い~~」ギュウウ
梓「うっ、な、なにするんですかっ!」ビクッ
唯「あ、ごめんごめん。つい可愛いものをみるとさ」
梓「そ、そうですか……ずいぶん変わってますね」
唯「おやおや、緊張してるね?」
梓「はい……すいません」
唯「初出勤なんだっけ? 大丈夫? 色々教えてあげようか?」
梓「えっと、なにを……」
唯「あははっ、ここで生き延びるコツとか? ま、私に気に入られたらだいたいOKなんだけど」
梓「はぁ……」
唯「あずさちゃんだっけ? は超ラッキーだよ。初日で私に出会えるなんてさ!!」
梓「あの……それはどういう……」
唯「何を隠そう、桜ヶ丘のソープ王とは私のことなのだ!!」
梓「…………プッ、そうなんですか?」クスクス
唯「あ、やっと笑ったね? よし、行こ?」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 11:08:31.83:MrqHvtWH0
梓「えっと、特別ルームに行けっていわれてます」
唯「あ、こっちこっち」グイッ
梓「ちょっ」ビクッ
唯「おや? 手つなぐだけでこんなにビクビクしてたら、この後どうするの」
梓「そ、それは……」
唯「するんだよ? 私と。えっちな事」
梓「そうですけど……」
唯「まぁ、大丈夫大丈夫。私にまかせんしゃい……ってこっちは客やねんでー!!」
梓「……ふふっ……あはは」
唯「そうそう、笑顔笑顔。かわいーんだから笑わないともったいないよ」
梓「お部屋まで連れて行ってくれますか?」
唯「おっけー。庭みたいなもんだからね」
梓「ふふふ、あんまり自慢できることじゃないですよね」
唯「しっつれいな子だよ~、だからこっちは客だぞー!!」
梓「す、すいませんっ……」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 11:15:51.23:MrqHvtWH0
……
唯「さぁ入って入って」
梓「ごめんなさい。お客様にこんなことさせてしまって」
唯「気にしないでいいよ」
梓「で、では早速……」
唯「あーその前にちょっとだけお話しよ?」
梓「お話ですか」
唯「そこのベッド座って」
梓「は、はい」
フワリ ボスン
梓「柔らかい……」
唯「そりゃあVIPだもん! みてみてーポヨンポヨンだよー!」ボスンボスン
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 11:20:18.89:MrqHvtWH0
梓「それでお話って」
唯「あー……いきなりで悪いけどさぁ……あずさちゃんっていまいくつ?」
梓「えっ……あのそれは……18です」
唯「ほんとに? じゃあ私と同い年だね」
梓「そ、そうですか」
唯「…………」
梓「あの、お客様はいまどんなお仕事をってすいません失礼しました」
唯「いやいやーたいしたことやってないよ。ちょっとCDだしてるくらい」
梓「そうなんですか……すごいですね」
唯「あんまりテレビとか見ない派? 最近若者のテレビ離れがうんぬんって言われるね」
梓「はい……すいません」
唯(おっかしーなー今のPOPミュージックでユイっていえば結構有名なのに)
唯(私のCMとか一日に何回も流れてるはずだよ)
唯(髪型とか雰囲気かえてるからさすがにわかんないのかなー)
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 11:27:57.37:MrqHvtWH0
唯(他の子は私とすすんでやりたがったよ)
唯(わたしの体にも唯様のサインくださーい♪なんて言ってね)
唯(はは…………傑作だ)
唯(……そういえば私のことしらないなんてこの子がはじめてかも)
唯(あ、そっか。それでなんだか私、さっきからホッとしてるんだ)
唯(この数年、何処へ行こうが人の目からは逃げられなかったからね)
唯(癒しをもとめに出かけて逆に疲れるって、ははは……馬鹿みたい)
唯「ねぇ、コスチュームプレイとか興味ある?」
梓「あ、大丈夫ですよ」
唯「いやいや、システム的に大丈夫とかじゃなくてさ。あずさちゃん個人の趣向としてね」
梓「えっと……着せ替え遊びですよね?」
唯「うん、例えばー……ほい!」
スチャ
梓「ん?」
唯「おー猫耳やっぱ似合う~」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 11:33:35.19:MrqHvtWH0
梓「猫耳……」サワサワ
唯「ねぇ、にゃーって言ってみてにゃーって」
梓「にゃ、にゃー……」
唯「おおおおっ! 可愛いいい!」
梓「あ、ありがとうございます」
唯「あだ名はあずにゃんで決定だね!」
梓「あずにゃん……ですか?」
唯「あ、早速アドレス交換しよ? あずにゃん、って登録したい!」
梓「その……ごめんなさい持ってないんです」
唯「えぇ~、まさかのお断り~、大丈夫だよ変なメールしないって!」
梓「いえ、だから……ほんとに持ってないんです」
唯「うそぉホントに!? 携帯もってないとか何もの!? まさかあずにゃんって……宇宙人?」
梓「ここのお給料がはいったら買います……その時は登録よろしくお願いします」
唯「あ、お金なくて買えないの? まぁ月々の支払い結構するもんね。 本体だけなら買ってあげようか?」
梓「えっ、いえ、いいです。自分で買いますので……お気遣いなく」
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 11:38:44.28:MrqHvtWH0
唯「まぁそういうことならいっか。お風呂いこっ!」
梓「はい……わかりました」
唯「その猫耳防水だからとらないでね」
梓「はい」
唯「また表情硬くなってきたね」
梓「き、緊張しますので」
唯「んふー、なーんか初々しい。こういうの久しぶり」
梓「……」
唯「あ、それとも女とするなんていやだった? 普通はそうだよね……」
梓「い、いえ……そんなことは……お客様とっても可愛いですし、よく見たらカッコイイし」
唯「可愛いだなんて~~もう、おだてても何もでないよ?」
梓「す、すいません」
唯「そこで謝られるのもなんかヤだなぁ……」
梓「い、いきましょうっ」
唯「お風呂はいるだけで意気込みすぎだよあずにゃん」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 11:42:54.69:MrqHvtWH0
……
唯「あずにゃ~ん、早く脱ごうよ~、こっちは時間制限あるんだから」
梓「すいません……でも、恥ずかしくて……」
唯「もうっ、無理やり剥ぎとれってこと?」
梓「うぅ……」
唯「…………むぅ」
梓「ごめんなさい……ごめんなさい……やっぱり私」
唯「ふむ……ちょっと待ってね」
梓「え?」
唯「内線これか」
prrrr
唯「あー、もしもしー? 私だよ」
唯「うん、延長。そう、フリーにしといて。どうせ他に指名はいってないでしょ?」
唯「えっ!? もっとまけてよ!! ぼりすぎじゃない? あーはいはい。じゃね」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 11:49:29.78:MrqHvtWH0
唯「ふーこれでゆっくりできるよー」
梓「あ、あの延長って……」
唯「うん。どうせ今日は暇だし……あはは、歌手が暇してるってまずいよね」
梓「お客様……もしかして私のために……」
唯「いやー違うって、どれもこれもずばり私の性欲のためだよ」
梓「せいよ……ひっ……すいませんすいません」
唯「謝らない謝らない」ナデナデ
梓「う……もう脱ぎます。お客様の貴重なお時間無駄にできません」
唯「うん、いい子だね」ナデナデ
梓「……」
スルスル ヌギヌギ
唯「いいね。可愛いよーあずにゃん」
梓「あの……ぱ、ぱんつもですよね……当然ですよね」
唯「履いたままどうやって風呂はいるの」
梓「わ、わかってますよ! …………えいっ」スルッ
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 11:55:05.63:MrqHvtWH0
唯「……ほぉ、あずにゃんも剃ってるんだ。ココの子みんなそうだねー」
梓「いえ……その」
唯「えっ! も、もしかしてぇ!!」
梓「私、いい年してなかなか生えないんです……」
唯「おほおおおっ! レアモノだね!!」
梓「うぅ……恥ずかしいですよぉ」
唯「こうしちゃいられないっ! よし、私も脱ごっ!!」ヌギヌギ
梓「あ、お客様は……発育よさそうでなによりです……」
唯「おー視線が突き刺さるねぇ。おっきいおっぱいは羨ましいかね」
梓「……いっつもこんな感じなんですか?」
唯「いっつもって?」
梓「その、変なテンションというか……ノリ?」
唯「うーん仕事のときは全然違うかも。これは割と素顔に近いかな」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 12:00:56.68:MrqHvtWH0
梓「そうなんですか」
唯「おっぱい小さくてもいいことあるよー、いじけなーい!!」
梓「いじけてません!!」
唯「あはっ、怒ってる顔もかっわいいー」ギュウウ
梓「ふぁ……ちょっ! 裸で……なにするんですかっ」
唯「えー何って? 何言ってるの。これからもっとすごいことするのに」
梓「す、すごいこと……お客様と……そうですよね」
唯「あー、そうだ。そのお客様っていうのやめてほしいなー」
梓「はぁ……えっと、ではどう呼べば」
唯「みんなはユイちゃんとかユイって呼ぶよ。たまにユイ様って呼ばれたり」
梓「……ゆい様ですか……」
唯「んーでもあずにゃんにはユイ様より、唯先輩って呼んで欲しいかな」
梓「ゆい先輩……?」
唯「新手のプレイだと思っていいよ。だってあずにゃんって後輩っぽい感じがするもん」
梓「わ、わかりました……ゆい先輩」
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 12:05:38.12:MrqHvtWH0
……
唯「やっとシャワー浴びれるね。あずにゃん」
梓「はい。ではお背中流します。後ろ向いてください」
唯「えっ?」
梓「はい?」
唯「んー、ちょっといま不安が脳裏を……ね」
梓「あの……なにか」
唯「あずにゃんってさ、こういうお店のことなーんもしらない?」
梓「…………すいません」
唯「ちょ、ちょっと試しに背中流してみて」
梓「はい」
ザパァー
梓「流しました!!」
唯「あは…………教育係とかいないんだ」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 12:10:20.55:MrqHvtWH0
梓「な、なにか違ったんですか……」
唯「背中を流すってのはー」
梓「?」
唯「こうやって体に石鹸つけてねー」
梓「……?」
唯「こうやるんだよおおおー!!!」
ピトッ
梓「にゃっ!?」
唯「ほーれすりすり」
ヌチョヌチョ ヒチャペチャ
梓「あっ、あああっ! そんな! ぬるぬるって!!」
唯「自分の体で、ご奉仕するの! わかる? ってなんで私がやってるの!!」
梓「お客さ……ゆい先輩……こんなの私できません!」
唯「できませんお金を稼げるかー!!」ヌルヌルヌル
梓「ひいいいっ!!!!」
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 12:14:47.00:MrqHvtWH0
唯「おわかり? これがお背中流しだよ」
梓「……よーくわかりました」
唯「気持ちよかったでしょ?」
梓「……はい、悔しながら」
唯「あずにゃんもできるよね?」
梓「それでゆい先輩が気持ちよくなるなら……頑張ってみます」
唯「よし! プロ根性みせてみんしゃい」
梓「はい! えっと、こうやって体に塗りこんで」サワサワ
唯「いいよいいよー。真っ白になるまでねー」
梓「い、いきますよっ!」
唯「ちょっと待って。今度は正面からいこう!」
梓「えっ! 正面~!!?」
唯「裸でだっこしあう感じ。えろいね~~あずにゃんえろえろ~」
梓「うっ……」
唯「ほれ、飛び込んでおいで。おっぱいあるよ」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 12:20:24.24:MrqHvtWH0
梓「ゆい先輩っ!」ダキッ
唯「おおお!! 子猫ちゃん!」
梓「こ、これで動けばいいんですよね!!? 間違ってませんよね!?」
唯「どぞ」
梓「……よし」ヌルヌル
梓「…………」ヌチョヌチョ
梓「…………」ヌチョヌチョ
唯「……えらい真剣だね」
梓「きもちいですか?」ヌルヌル
唯「うん。まぁまぁ」
梓「まぁまぁですか」
唯「やっぱする側はコレおっぱいないと……あ、ごめ忘れて」
梓「……うぅ、ひどいです」
唯「じゃあ次はチューね。はい、んー」
梓「ちゅう……? えっ!? チューするんですか!?」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 12:26:25.52:MrqHvtWH0
唯「は? ……チューくらいするでしょ」
梓「……チューくらいって」
唯「ヤなの?」
梓「チューは好きな人とするって……本に書いてあったので」
唯「えー何それー! でも私あずにゃんのことすきだよー」
梓「あの、そういう好きでチューしちゃっていいんですかね……」
唯「…………はぁ、だめだこりゃ」
梓「え? はむっ!?……んちゅ……チュプ……んぅふっ!!!」
唯「……チュプ……チュパ……んむ、おいひい」
梓「はっ……ちょ、ちょっと!!」
唯「こんなに顔が近くにあったらチューするでしょ普通」
梓「そ、そんなぁ……私、はじめてだったのに……」
唯「はじめて……? えぇ……マジですか」
梓「うぅ……グス」
唯「あずにゃん……いくらなんでもチュー未体験でここで働くなんて……」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 12:31:24.31:MrqHvtWH0
唯「あ~~! ってことはあっちもはじめて!!?」
梓「あっちって?」
唯「えっちのほう!!」
梓「……はい。初めてです……」
唯「うそ~、えー、初出勤ですいませんってレベルじゃないよコレ!!」
梓「あ、あのあの……すいません」
唯「すいませんって……すいませんってあずにゃん!!!」
梓「うぅ……ごめんなさいごめんなさい」
唯「だめだ、歴戦のソープ王といえどこんな強敵は初めてだ」
梓「私……がんばりますから……怒らないで……おねがい……」
唯「え? 別に怒ってないけど……」
梓「怒らないで…………怒らないで……いやぁ!! ぶたないで!! いやあああ!!」
唯「ちょっ……あずにゃん……?」
梓「いやだいやだいやだ!! なんでそんなことするの!! いやあああああ!!」
唯「……ほえ? ……ちょ、ちょちょ、待ってよ!!」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 12:37:45.71:MrqHvtWH0
梓「やめて!! 痛いよ!! ぶたないで……いい子に……してるから」
唯「あずにゃん……?」
梓「ヒッグ……うっく……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい私が悪かったです」
唯「……あの」
梓「私がいい子にしてなかったからですだからごめんなさいごめんなさいぶたないでください」
梓「もう痛いのはいやです。暗いのもいやです。ご飯がほしいです」
梓「おねがいしますお父さんお母さん許してください。おねがいしますおねがいします」
唯「…………」
梓「おねが…………ヒック……グス、します」
唯「あずにゃん……」
梓「……」
唯「泡ながすね?」
梓「……」
唯「……」ナデナデ
梓「ひっ……いやあ」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 12:42:53.71:MrqHvtWH0
唯「いい子いい子。あずにゃんはとってもいい子」ヨシヨシ
梓「……」
唯「ね? そうだよね? ……落ち着いた?」
梓「……」
唯「体ふこ? 風邪引いちゃう」
梓「……」
唯「勝手に拭いちゃうよ。 ほら立って」
梓「ヒッグ……グス」
唯「大丈夫。私は絶対にひどいことしないから」フキフキ
梓「……」
唯「ごめんね、チューしちゃって。怖かったよね」フキフキ
梓「……いえ」
唯「さぁ、拭いたよ。ベッド戻ろ? もう今日はおやすみ」
梓「……」
唯「おやすみ……あずにゃん」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 12:49:12.77:MrqHvtWH0
……
梓「んぅ……ふぁ……あれ」
唯「スピー……zzz」
梓「あ、いま何時だろ……もう夕方だ……」
唯「グゴー……ムニャムニャ」
梓「あれ、私何で…………ああっ!!」
唯「アジュニャ……ムニュムニュ」
梓「すいませんおきてください! おきて!!」ユサユサ
唯「ほぇ……ふぁーあ……おはよー」
梓「ごめんなさい!! お客様、私ったら!!! ほんとごめんなさい!!」
唯「ゆい先輩。だよ」
梓「いえっ!! 大変申し訳ありません。本日の代金は結構です。私がオーナーに謝りますので」
梓「ですからなにとぞ……なにとぞ当店を……うっ……グス」
唯「……ふぅむ……この後どうしよっかなー」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 12:54:20.19:/0bJI8a+P
梓「……お客様……それでも気に食わなければ私を好きにしてください」
唯「えー、だってそんなことしても意味ないし。もう時間だし」
梓「ごめんなさい!! なんて謝ればいいのか」
唯「そうだねー……んーじゃあさー、アフター付き合ってよ」
梓「アフター……ですか? ってなんですか?」
唯「あーそれはね。この後一緒にどっか行こ!ってこと」
梓「えっと……でも私、お金とかなくて」
唯「私がだすにきまってんじゃん!! まだあずにゃんは仕事中!!」
梓「そうなんですか……でも、お店が……謝らないと」
唯「そんなのいいっていいって、いい子にしてたって言っとくから。さ、服着ていきましょう」
梓「服……あぅ、裸だったんだ……」
唯「それとも時間ギリギリまでいいことするー? ふへへへ」
梓「え、あの、ゆい先輩がお望みならもう何してくださってもかまいません」
唯「あ、うそうそ冗談。ひどいことは絶対しない。はい服きましょう」
梓「はぁ……わかりました」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 12:59:43.79:MrqHvtWH0
唯「内線内線」
唯「あ、私。アフターね。ちょっと気に入ったから」
唯「え~、高いって。まぁいいけどね……」
唯「それじゃいつもどおり裏からでる。お金はベッドにおいとくね」
唯「そんじゃあねー」
唯「はい終わり。ね? すごいでしょ? 常連パワー」
梓「は、はぁ……」
唯「いこいこっ! 手つないでいい?」
梓「わかりました」
唯「よーし、どこ行こっかなー!」
……
梓「外ではサングラスかけるんですか」
唯「一応ね。バレたらいやだし」
梓「CDだしてるって言ってましたよね? ゆい先輩って結構有名人なんですか?」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 13:05:52.46:MrqHvtWH0
唯「んー、かもね」
梓「すいません。私なんかで」
唯「かわいいよー」
梓「こんなこと聞くのも失礼かと思いますけど、ゆい先輩って女の人が好きなんですか?」
唯「うん」
梓「即答なんですね」
唯「ビアン界では有名な話」
梓「有名人……すごいなぁ」
唯「ほんとに私のこと知らないんだね……ふふ」
梓「ごめんなさい……テレビ……ないんで、貧乏ですから」
唯「……そっかぁ。苦労するねぇ」
梓「なにもないんですよ私……だからあんなトコでしか働けません」
梓「高校を途中でやめてから……ずっとアルバイトで生計を立ててました」
唯「……両親は」
梓「えっ……いや……もう、いないです」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 13:11:07.65:MrqHvtWH0
唯「いない……?」
梓「ふたりとも事故で死んじゃったんです……二年前の◯◯高速の玉突きしってます?」
唯「あっ……ごめんね……無神経なこと聞いて」
梓「いえ、サイテーな人たちでしたから」
唯「……あずにゃん、だめだよそんな事言っちゃ」
梓「でも、あんなサイテーな人間でも……死んだら悲しいんもんですね……」
唯「……」
梓「その後親戚にひきとられましたが……そこでも私……ダメで」
梓「逃げ出すようにこの街に逃れてきて……」
唯「……」ナデナデ
梓「それで行き着いた先がソープって……馬鹿ですよね私」
唯「……」ナデナデ
梓「この先どうなるんだろう」
唯「ねぇ、あずにゃんの今のおうち行ってみていい?」
梓「え?」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 13:16:50.75:MrqHvtWH0
唯「もっと知りたいな。あずにゃんのこと」
梓「ゆい先輩……だめですよ、お客様にあんなのみせられません」
唯「私、大丈夫だから。信じてくれない?」
梓「そうですか……わかりました。ならさっきのお詫びということで」
唯「うん!」
……
梓「つきましたよ……」
唯「ここ……?」
梓「はい……このアパートです」
唯(アパートっていうか、なにこれ……ボッロォ……)
唯「こ、ここに住んでるの? ひとりで?」
梓「はい……トイレも階ごとに共有ですし。お風呂もありません」
梓「言ったでしょ? 私……ほんとに何も無いんです。0です」
唯(こんなとこ、女の子が暮らすには寂しすぎる……)
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 13:21:36.81:MrqHvtWH0
梓「入ってください。あ、電気はつけないで。料理するときだけでいいですから」
唯「真っ暗だよー」
梓「すぐ慣れます」
唯「ねーあずにゃアイタっ! 足ぶつけた~」
梓「大丈夫ですか?」
唯「うい、大丈夫っす……」
梓「……あっ」
唯「どしたの?」
梓「あっ……ヒッグ、うぇぇええん」
唯「えっ? えっ? なんで泣くの? ぶつけた?」
梓「うぅ……もう、いや……もういやだ……」
唯「あずにゃん?」
梓「……また、盗られちゃいました。下着……あはは……」
唯「ッ!!!」
梓「こんなボロ屋ですもんね……空き巣なんて簡単……通帳持ち歩いててよかった……グス」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 13:27:10.50:MrqHvtWH0
梓「こわいよぉ……こわいよぉ……グス」
唯「あずにゃん! でよう!! すぐに!!!」
梓「でも……私、どこにも行くトコが……」
唯「私のおうちにおいで!! 荷物まとめて!!」
梓「そんなわけには……」
唯「いいから!! こんな危ないとこいちゃダメ!! あずにゃんはだめなの!!」
梓「……ゆい先輩」
唯「いくんだよ!! しっかりしなきゃ!!」
梓「……」
唯「もう私我慢ならないの!! あずにゃんは絶対に笑ってくらさなきゃだめなの!!」
梓「どうして……私なんかに」
唯「いいからっ、いまは行くの!!」
梓「……はい」
唯「タクシー呼ぶからね!! その間荷物まとめといて」
梓「ごめんなさい……」
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 13:31:23.39:MrqHvtWH0
……
梓「おじゃまします……」
唯「いいよいいよ入って」
梓「あの……ほんとにおじゃましちゃっていいんですか?」
唯「うん。まぁ広いしゆっくりしていってよ」
梓「でも、お金とか……」
唯「んーそれは後で考えよう」
梓「はい……」
唯「こっちこっち!」
唯「ここあずにゃんが使っていい部屋だよ」
梓「部屋までいただけるんですか?」
唯「うん。……どうせ空いてるし、使ったほうがいいんだ」
梓「ありがとうございます」
唯「服も……ん、ここにあるの全部着ていいよ。もう誰も着てないから」
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 13:37:07.86:MrqHvtWH0
梓「えっ……こんなに?」
唯「うん、たぶんサイズもいい感じじゃないかな?」
梓「お古ですか? それにしては綺麗なような」
唯「まぁね、気にしないで。あとはー、お風呂の使い方とー洗濯機とー」
梓「あの……」
唯「あずにゃんや」
梓「は、はいっ!!」
唯「突然だけど、メイドっていうか、うちで家政婦さんしない?」
梓「家政婦……?」
唯「私さ、実はひとり暮らしなんだよ。でも仕事で家あけることが多くてさ」
唯「掃除もまれにするんだけどこんな広いとなかなか行き渡らないんだよね」
梓「えっと……家政婦……」
唯「うん! いろいろ家事をしてもらうよ。それなら遠慮なくここで暮らせる?」
梓「そうですね……ギブアンドテイクなら……それでも感謝しつくせないですけど」
唯「おっけー! じゃあ今日から私のメイドさんね!」
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 13:41:35.17:MrqHvtWH0
梓「は、はい! 頑張ります! でも日中はソープが」
唯「あぁ、あれ。あずにゃんクビ。さっき電話してクビにしてもらった」
梓「えっ!?」
唯「てかさ、あずにゃんさー?」
梓「……」
唯「年齢詐称してたよね?」
梓「いえ……18です」
唯「干支は?」
梓「……………………すいません」
唯「ふーあぶないあぶない。手を出してたら私お縄にかかってるとこだよ」
梓「すいませんすいません!」
唯「人気シンガー・ソングライターユイ買春容疑で逮捕! なんて一面にね!」
梓「……あはは」
唯「笑いごっちゃ無いよおおお!!」
梓「ひいいいっ!!」
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 13:47:13.21:MrqHvtWH0
……
梓「あれから三日か~」トントントントン
梓「家事にはだいぶなれたね」カチャカチャ
梓「私のお料理好きって言ってもらえた……」
『えっ!? これあずにゃんが作ったの!? すごい』
『すっごいおいしいよ~~これでもう外食買い食いから開放される~~』
『えへー私家事てんでだめでしてー』
梓「ふふっ……唯先輩……平沢唯先輩……私のご主人様? 旦那様?奥様?」
梓「なんか違うな……」
梓「てかほんとにテレビにでてる……有名人なんだ」
梓「早く帰ってこないかな~」ジュウジュウ
梓「今晩のおかずは唯先輩のリクエストでオムライスっ!」
梓「……うれしいなぁ、久しぶりに幸せかも」
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 13:50:26.86:MrqHvtWH0
「おぅーい、帰ったよー」
梓「あ、はーい!」トタトタ
唯「ん~ただいま~」
梓「お、おかえりなさい! お仕事お疲れ様!」
唯「えへ~今日の収録たのしかったー」
梓「よかったですね!」
唯「ご飯は?」
梓「もうできてますよ。手洗ってうがいしてください」
唯「ねー、その前にさー」
梓「はい?」
唯「ただいまのチューは?」
梓「!! だ、だめです! ただの家政婦ですから!」
唯「ちぇー、ケチー」
梓「もうっ、早く着替えてきてください」
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 13:55:35.90:MrqHvtWH0
……
唯「んぅ~おいひ~幸せ~、ほっぺた落ちそう」
梓「どもです。あ、ほら、テレビ。唯先輩でてますよ」
唯「え~、照れますなぁ。これなんの番組だっけ」
梓「えっと、波瀾万丈ってやつです」
唯「……」プチ
梓「あれっ! なんで消すんですか! 見ましょうよ!」
唯「い、いいよ~みなくてー。ほらー、ここに生のユイがいるんだよ~」
梓「えー見たいです」
唯「うーん……」
梓「この間のMステは一緒にみたじゃないですか!」
唯「そ、そうだねぇ……」
梓「唯先輩のトークって案外おもしろいですよね。てかキャラ違いすぎ」
唯「素顔になれるのはプライベートだけだね」
梓「じゃあつけますね」
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 14:01:17.26:MrqHvtWH0
『シンガー・ソングライターユイの波瀾万丈な人生』
唯「釘付けじゃなくてさ、お話しながらでいい?」
梓「あ、それはかまいませんよ」
唯「今日の収録でね」
『ユイは19××年、〇〇県〇〇市にうまれ~』
唯「共演したグループがね、おもしろくってさー」
梓「へぇ」
『天真爛漫な彼女はたくさんの友達に支えられながら、順調にすこやかに育った』
唯「おしゃべり上手なんだよ。私はクールキャラだから相槌うつしかできなくてさ」
梓「ですよね。こんな饒舌なユイびっくりです」
唯「えへへー」
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 14:05:09.97:MrqHvtWH0
『しかし、二年前の夏。彼女の身に悲劇が訪れる』
唯「おかしいよねー……」
梓「……」
『突然の交通事故、最愛の両親と妹を亡くし彼女は絶望の真っ只中にいた』
唯「おかしいよね……」
梓「唯先ぱ……」
『そんな彼女を救ってくれたのは、いま彼女の生きる力となる音楽そのものであった』
唯「……あはは、やーな番組っ」
梓「唯先輩……あの……」
唯「どうしろっていうの……こんな広い家に私だけ残してさ……ばーか」
梓「うっ……グス……唯先輩」
唯「何であずにゃんが泣くのー……」
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 14:10:53.60:MrqHvtWH0
梓「ごめんなさい……ごめんなさい、ヒグ」
唯「……」
梓「唯先輩のこと……なにもしらないくせにでしゃばって……」
唯「いいんだよーあずにゃんは悪くないもん」
梓「グス……唯先輩もずっと……一人だったんですか?」
唯「まぁね」
梓「それで、寂しくてあんなとこ行って……うぇぇぇぇええん」
唯「な、泣かないで……もう行かないから! あずにゃん!」
梓「ないてっ、ヒグ、ないですってグス」
唯「私、あずにゃんがいれば寂しくないよ」
梓「唯先輩……」
唯「疲れておうちに帰ったらね、電気ついてて、あずにゃんが笑顔で出迎えてくれる」
唯「お風呂がわいてて、暖かいご飯がある」
唯「私にも、やっと帰る場所ができたんだよ? それだけで嬉しいの」
唯「あずにゃん。ありがとう」
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 14:18:14.30:MrqHvtWH0
梓「唯先輩唯先輩……っ」
唯「この家も喜んでるよ。ずっと真っ暗だったもの」
唯「それに、あずにゃんが着てくれてる憂のお洋服もね」
梓「でも……私にはっ、こんな大事な服きる資格なんてありませんよぉ……グス」
唯「ありがとう……ありがとうあずにゃん」
唯「あずにゃんは優しいから……人のために泣けるんだね」ナデナデ
梓「……唯先輩、私たちって……」
唯「似たもの同士だったのかな……だから、あずにゃんのことほうって置けなくて」
梓「同情……ですか」
唯「はじめはそうだったのかも。だけどね、聞いて?」
梓「……」
唯「とってもあずにゃんが好き。わがままだけど、あずにゃんに居て欲しいよ。ずっと」
梓「……」
唯「だって私、こんなに暖かい家……久しぶり……グス、もう、手放したくない……!!」
唯「あずにゃんがいないと寂しくて!! うっく……うぇぇぇええええん」
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 14:23:53.07:MrqHvtWH0
梓「ゆ、唯先輩っ!!」
唯「ごべんで……ごめんね、勝手に泣いちゃって、ずるいよね」
梓「私……私……」
唯「あずにゃんの人生、ヒグ、だもん……好きにしたらいいよ」
唯「それこそ私にはどうこう言う資格なんてないんだから」
唯「でもあずにゃんがいいなら……」
梓「いいですよ」
唯「え……?」
梓「ここに居させてください。私、もう居場所、ここしかないんで」
唯「あずにゃん……」
梓「……私だって……寂しい……寂しかった!」
梓「唯先輩にはじめてあったとき不安でしかたなかった!!」
梓「人生がガラガラと音を立てて崩れていくような……そんな感じ」
梓「だけどそうしないと生きて行くことすら難しかったから……」
梓「……それなのに、唯先輩に手を引っ張られたとき、なんだかホッとしたんです」
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 14:30:14.36:MrqHvtWH0
梓「唯先輩の笑顔が……妙に離れなくて」
唯「……あずにゃん」
梓「人に優しくされたことってあんまりないから……頭、わからなくなって」
唯「……」
梓「きっと好きになっちゃったんです。そうです。たぶん私惚れっぽいんです」
梓「だから、大好きな唯先輩と一緒に暮らせるなら……これほど嬉しいことはありません」
梓「唯先輩のお世話なんでもします。なんならお金貯めて免許とって、唯先輩を送り迎えだってします」
梓「おねがいします。ここに居させてください。唯先輩」
唯「……うん」
唯「うん! ずっと居ていいよ! ううん、居てください!」
梓「はい!」
唯「あずにゃん!」ダキッ
唯「あったかあったか……あったかあったか」
梓「なんですかそれ?」
唯「心も体も暖かくなるおまじないだよ!」
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 14:38:28.65:MrqHvtWH0
梓「あったかいです……いままで一番」
唯「わたしもー」
梓「唯先輩……このまま二人で……」
唯「だねー」
梓「幸せになれますかね?」
唯「なれるとおもうよ。私にまかせんしゃい。幸せにしてあげよう」
梓「それ、なんか、プ、プロポーズみたいですね。私からふっといてなんですが」
唯「ん? んーそっかな?」
梓「女の子同士で……ちょっとそれは……てかまだ出会って数日……」
唯「はっはっは、大丈夫だよ。私はそっちの世界では有名な有名なユイさんだから」
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 14:40:10.01:MrqHvtWH0
梓「うっ……や、やっぱりまだ考えさせてください。少し身の危険を感じました……」
唯「えぇ~ここに居てよ~」
梓「そりゃ居ますけどっ! ずっといますけど……はぁ」
唯「顔赤いよ?」
梓「ちょ、ちょっと想像が膨らんだだけです!! なんでもないですってば!!」
唯「もしかしてあずにゃんの理想は家政婦さんじゃなくてお嫁さんかな!!? いや~ん♪」
梓「ちがいます~っ!!」
唯「遠慮しないで~ほらあずにゃんむちゅちゅ~」
梓「もぉ~なんなんですか!! ……一回だけですよ」
チュー
お し ま い
136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 14:54:20.20:Yc5rdCadO
梓「唯先輩まだかなーまだかなー」
梓「……」チラッ
梓「十時まで……あと五分ある……」
梓「……まだ五分あるもん」
『これから十時までに帰れなかったら、たぶんその日はもう帰れない。ごめんね』
『だからその場合悪いけどあずにゃん一人で先に寝といて?』
『ご飯は……ごめん。冷蔵庫いれといてくれたら次の日食べるけど……』
梓「はぁ……唯先輩……今日も帰って来ないかなぁ……」
梓「……ま、まだ三分あるもん!」
梓「…………」
梓「…………あっ、そうだお味噌汁あたためなおさなきゃ」
梓「先にお茶もいれとこう!」
梓「……唯先輩」
梓「…………ばか」
197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 22:17:49.16:MrqHvtWH0
梓「あーあ……頑張って作ったのにな」
梓「ハンバーグ、冷蔵庫いれたら固くなっちゃう……」
梓「食べてほしかったな……」
梓「あずにゃんのご飯おいしいって……言って」
梓「帰ってきてよ……唯先輩……」
梓「……っと、ダメダメ。私は唯先輩のお仕事応援するんだもん」
梓「よし、書き置きして寝よ!」
梓「冷蔵庫に、ハンバーグとサラダが入ってます、お味噌汁は、温め直して食べてくださいね、っと」
梓「ふー、また一人の夜がきちゃった」
梓「唯先輩と暮らし始めてもうかれこれ1ヶ月かぁ」
梓「売れっ子ってほんとに大変なんだ……」
梓「私、一体なにしてるんだろう……毎日ひとりでお掃除とお料理と洗濯……」
梓「あ、そうだ。唯先輩の番組録画しなきゃ」
梓「今度ドラマもはじまるんだよね。絶対見る」
梓「唯先輩に役者なんてできるのかな……ふふっ」
201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 22:22:57.65:MrqHvtWH0
梓「そうだよ。忙しいんだから……」
梓「私の、ただの家政婦のわがままなんて聞いてる暇はないよね」
梓「わかってる」
梓「でも、寂しい……」
梓「近くにいるはずなのに……唯先輩の姿をテレビで見るたびに距離を感じちゃう」
梓「所詮、住む世界が違うんだって……」
梓「あーあ、私も何かしようかな……あっ! そういえば求人広告どこいったかな」
梓「よーし! 決めた! またバイトしよう。普通のね」
梓「大丈夫だもん! 時間はたっぷりある」
梓「それで少しでもこの家にお金いれるんだ」
梓「そしたら唯先輩の負担も減るはず……」
梓「いっぱい仕事しなくてすむ……」
梓「いっぱい家にいてくれる……」
梓「そうですよね? 唯先輩……」
……
204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 22:28:42.46:MrqHvtWH0
……
梓「ん、朝……むにゅ」
梓「あれ、なんかあったか……」
唯「スピー……zzz」
梓「あっ、唯先輩帰ってきてたんだ……なんでくっついてるんだろう」
梓「唯先輩、おはよーございます。朝ですよー」ナデナデ
唯「グコー……zzz」
梓「いつの間に帰ってきたんですか? 晩ご飯たべましたか?」
唯「ムニャ……」
梓「はぁ、人の気もしらないでなんて幸せそうな……」
唯「ん……あずにゃ」
梓「あ、おはよーございます。朝御飯たべますか? お味噌汁ありますよ」
唯「きのうはごめんねぇー……ムニャ」
梓「……別にいいですよ。もう慣れました」
206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 22:33:36.37:MrqHvtWH0
唯「おきる……」
梓「まだ眠いんでしょ? ご飯できたら起こしに来ましょうか?」
唯「じゃーそーしてー……うー、昨日の収録、きつかったな……zzz」
梓「……お疲れ様でした、ほんとに」
唯「スピー……zzz」
梓「ファイト、私」
梓「唯先輩はこんなに頑張ってる。だから私も頑張って唯先輩のお世話をする」
梓「よしっ! 朝はお味噌汁とお魚と、たまごを焼こう!」
唯「zzz」
梓「唯先輩待っててくださいね。すぐにおいしいおいしい朝ご飯つくりますから」
唯「zzz」
梓「……」
梓「……かわい」
梓「唯先輩」
梓「……おかえりなさい」ナデナデ
210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 22:39:28.88:MrqHvtWH0
……
唯「でねっ! そんなにたべれないよーって言ってるのにまだ持ってくるんだよ! ひどいよね!?」
梓「そりゃあ晩ご飯たべられませんよね」
唯「私は芸能人さんとは違うんだからさー、ちょっと事務所も気を使って欲しいよね」
梓「てかなんでそんな番組からオファーがきたんですか」
唯「しらないよー、あっでも最近印象変わったねってよく言われるかも。それでかな?」
梓「変わった……唯先輩が?」
唯「うん、きっとあずにゃんに出会ったからだよ」
梓「え? ……もう、またぁ」
唯「なんていうかあずにゃんのため、あずにゃんのため!って思えば仕事に身が入るって言うか」
梓「はぁ」
唯「早く帰りたくなる」
梓「だめじゃないですか」
唯「でへへー」
梓「でへへじゃないです。あ、ほっぺたごはんついてますよ」ヒョイ
212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 22:43:48.29:MrqHvtWH0
唯「お、なんかいまのお嫁さんみたいだねぇ」
梓「えっ、あっ、いやちがいます。私は……家政婦として」
唯「家政婦ってそんなことまでするの? 知らなかった。ねぇそれどこ情報?」
梓「ど、ドラマ……」
唯「あずにゃん、テレビおもしろい? 家にいるときはずっとテレビ見てるの?」
梓「はい。家事しながらテレビみたり唯先輩のCD聞いたり……」
唯「もしかして退屈? ごめんね?」
梓「いえ、おもしろいですけど」
唯「ほんとに……?」
梓「……大丈夫です」
唯「なにか欲しい物あったら言ってよ。ゲームでも玩具でもなんでも買ってあげるよ?」
梓「あ……それなら……」
唯「ほう、何がほしいんだい子猫ちゃん」
梓「アルバイト……したいかなって」
唯「えっ?」
214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 22:48:43.41:MrqHvtWH0
梓「あ、いえ……なんでもないです」
唯「アルバイト? ソープはダメだよ?」
梓「わ、わかってますよ! あんなとこもうごめんです!」
唯「思い出の場所だけどね」
梓「もうっ!!」
唯「ごみんごみん」
梓「それで、いろいろ求人広告みたりしてたんですけど」
唯「うーん……あずにゃんがバイトかー」
梓「……だ、だめですか? だめならもういいですけど」
唯「そうだよねー……外でないとねー」
梓「はい。外ではたらいて、お金入れて、今以上にもっと唯先輩のお役にたてれば」
唯「いや、そうじゃなくてさ。ほら、あずにゃんもここにきて一ヶ月」
唯「だいぶ落ち着いたし、そろそろ色々なことしたほうがいいかなって思ってたんだ」
梓「いろいろですか」
唯「うん。あずにゃんが楽しい生活を送れるようにってね」
218:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 22:55:10.83:MrqHvtWH0
唯「そりゃあ、このおうちで私だけの家政婦さんしてくれるのも嬉しいけどね」
唯「でも私はもっとあずにゃんに広い世界をしってほしいなって思ってさ」
梓「唯先輩……」
唯「だからあずにゃんがアルバイトしたいって言うなら止めないよ」
唯「習い事とか旅行とかほかにしたいことがあったらお金もだしてあげる」
唯「若いうちにいろんな経験してたくさん思い出つくって、二人で立派な大人になろうよ」
梓「唯先輩はとっくに大人です……私なんかとは比べ物にならないくらい」
唯「私はかなり特殊な世界だからね。まわりもみんな大人だよ。私自身はとても胸張って立派とは言えないけど」
梓「それでも……唯先輩は大人です……すごく大きくて、遠く感じるときがあります」
唯「そっかなー」
梓「大人に……私もなれますか?」
唯「うん! アダルティーなあずにゃんを期待してるよ」
梓「そ、そういう意味じゃないでしょ!!」
唯「でも背はおっきくならないでね! 私いまのあずにゃんが抱き心地最高だとおもってるから」
梓「牛乳いっぱい飲んでやります」
220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 23:01:23.60:MrqHvtWH0
唯「それで、バイトの目星はつけた?」
梓「はい、どうせなら接客をやろうかなと」
唯「度胸あるね。さすがソープにむぐががあいひゃいいひゃい」
梓「最低です」
唯「で、でで、どんな職種?」
梓「まだわかりません。この広告以外にも街中にでてたりするのでそっちも見てみようかと」
唯「働くようになったら通うよ」
梓「だめです。噂されちゃいます」
唯「あ、でも晩ご飯はちゃんとつくって待っててね?」
梓「はい。だからせめて夕方にはあがれるバイトにしようかと。ちょっと都合良すぎですかね」
唯「いやいや、バイトさがしがんばれー」
梓「あ、唯先輩。もうそろそろ行く時間っていってませんでした? マネージャーさんと駅で待ち合わせしてますよね?」
唯「おぉ! しまった。ついあずにゃんに夢中になってた。ごちそうさま!」
梓「いってらっしゃい唯先輩」
唯「ねー。いってきますのチュー」
221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 23:07:03.09:MrqHvtWH0
梓「もうっ……チュ。これでいいですか」
唯「おっ、今日はしてくれた! 機嫌いいんだ」
梓「……むぅ」
唯「私がちゃんと帰ってきたから嬉しいんだよねー?」ナデナデナデナデ
梓「もぉ! 遅れますよ!」
唯「まぁこわぁい……ふふふ、いってきまーす!」
梓「ふふっ、お仕事がんばってくださいね」
ドタドタ ガチャン バタン
梓「……いっちゃった」
梓「今日は打ち合わせだけって言ってたから夜には帰って来るかな」
梓「あ、晩ご飯のリクエスト聞くの忘れてた」
梓「こういうときやっぱ携帯電話ほしいなーって思う」
梓「あ、バイトするなら買わないとだめかも」
梓「唯先輩買ってくれるかな? でも高いよね……」
223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 23:12:44.94:MrqHvtWH0
梓「なんか唯先輩にはいろいろもらってばっかりだなー」
梓「結局服とか靴も買ってもらっちゃったし……」
梓「私、唯先輩に何かしてあげれてるのかな」
梓「料理は自身あるけど、それでもやっぱレストランのほうがおいしいし……」
梓「唯先輩って外でいいものたくさん食べてそう」
梓「だって話題沸騰中の歌手だよ。国民的スターだよ」
梓「私ってなんてちっぽけ……あぁ」
梓「……だめだめっ、がんばるって決めたもん」
梓「お買い物にいくついでに求人さがそう」
梓「あと、唯先輩のニューシングルも買わなきゃ」
梓「……そういえばなんで私にお小遣いくれるんだろう」
梓「月に一万円ももらっても使い道ないよ」
梓「……もらってばっかりの生活早くやめたい」
……
224:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 23:22:09.21:MrqHvtWH0
スーパー
梓「んー、こっちも安い……でもこれも食べたい……」
梓「……」キョロキョロ
梓「平日の昼間から買い物してる若い子なんて私くらいだよね」
梓「あーあ、何だと思われてるんだろう」
梓「まさか世紀のスターユイの家政婦とは思うまい」
梓「ふふふっ……あ、私いま気持ち悪い」
梓「んー、よし。お豆腐安いし今晩はマーボー豆腐にしよ」
梓「お昼は昨日の残りがあるから大丈夫」
梓「唯先輩はお肉多めがいいのかな」
梓「……そういえばスーパーのバイトってどうなんだろう」
梓「ここ、求人貼ってないかな……あっ、あった!」
梓「えっと……18歳以上。10時~18時まで!」
梓「……無理か」
梓「どうせなら楽しそうな仕事がいいな」
226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 23:33:59.94:MrqHvtWH0
……
梓「あ、求人張り紙……」
【田井中うどん】
接客、宅配従業員募集中
時給710円~
学歴不問
年齢16歳以上 女性可 高校生不可
個人経営の働きやすくて楽しい職場です
交通費、まかない有り 制服貸与
梓「うどん屋……うどん屋かぁ……」
梓「私に似合うかなぁ……」
梓「ここにしよっかな」
梓「……よしここにしよ!」
梓「駅前かー。帰りにのぞいてみよう」
梓「早く働いて唯先輩に楽させなきゃ!!」
227:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 23:34:57.88:0h92Ff2rO
……
梓「ここだ……な、なんか怖そう」
梓「やってるのかな……」
梓「ええいっ」
梓「ごめんくださーぃ……」
梓「……?」
梓「ごめんくださ」
「はいはいはい、いらっしゃいいらっしゃい!」
梓「うわっ!」
「お一人様で? 奥の席あいてますよー」
梓「いや、その……私、求人をみて……きました」
「あ、アルバイト希望の人? おーやった! じゃああがってあがって」
梓「は、はい」
「そこ座って。荷物ここ。あ、買い物帰り? 水飲む?」
232:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 23:42:51.25:MrqHvtWH0
「はじめまして私はここの店長やってる田井中律。よろしくねん」
梓「あ、中野梓と申します……」
律「かたくならなくていいってー!」
梓「はぁ……」
梓(苦手なタイプかも……)
律「で、お嬢ちゃんおいくつ?」
梓「あの、一応17歳です……」
律「17!? まじ? 中学生かと思った」
梓「……」
律「うそうそ冗談! てか中学生雇えねーし! あははっ」
梓「それで……」
律「17ってことは高校生? うち高校生は」
梓「いえ、高校には……いってません」
律「じゃあいまフリーター?」
梓「あの……家政婦です……家政婦!」
239:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 23:47:56.57:MrqHvtWH0
律「ふーん、なかなか変わってるね。うちでほんとにやってける?」
梓「接客したりするんですよね?」
律「そうそう。慣れれば簡単だよー」
梓「はい……大丈夫です」
律「うーん、ちょっと表情がかたいかな。うちは元気が売りだから」
梓「頑張ります」
律「よし、採用!」
梓「はやっ」
律「がんばるっていったじゃん! ならそれでよし!」
梓「あの、ほんとにいいんですか? こんなどこの馬の骨ともしらない……」
律「いいんじゃない? 悪い人には見えないし」
梓「あ、ありがとうございます。嬉しいです」
律「人間いろいろあるって! はっは!」バシバシ
梓「いた……いたた」
律「じゃあ明日から早速いいかな? 人手たりなくて困ってたんだー」
241:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 23:52:33.98:MrqHvtWH0
梓「はい! よろしくおねがいします!」
律「うむ、良い返事だ梓」
梓「あ、梓……」
律「いい名前じゃん、梓。あ、私のことは律店長って呼んでくれ!」
梓「あ、わ、わかりました律店長!」
律「おっけい! じゃあ私まだ仕事あるから、また明日な!」
梓「はい!」
平沢家
梓「…………なんかあっというまに決まった」
梓「……やった。やったぁ……!」
梓「唯先輩、私アルバイト決まりましたっ!」
梓「うれしいなぁ……ちょっとガラ悪いけどいい人そうだったし」
梓「よーし、がんばるぞー!」
梓「晩ご飯つくろっ!!」
248:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 00:29:49.87:DGIvuoLF0
……
梓「~~♪」ジュウジュウ
梓「~♪~♪」ジュージュー
梓「早く帰ってこないかなー早く帰ってこないかなー」
梓「んー、もう七時」
梓「~♪ ~~♪」
ガチャリ
梓「あっ!! 帰ってきた!」
「あずにゃ~んただいまああ~!!」
梓「はぁーい! おかえりなさーい!!」
「ちょっときてー」
梓「はいはい、行きますよっ」トコトコ
梓「はい、なんですか♪」
249:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 00:33:15.58:DGIvuoLF0
唯「えへ~、あずにゃんただいまー!」
梓「聞こえてましたよ。おかえりなさい!」
唯「あのねー」
梓「あ、おかえりのチューですか? だめですよっ!
唯「ほえ? してくれるの?」
梓「い、いえ……でなんですか?」
唯「あのねー」
梓「はい」
唯「あずにゃんに紹介したい人がいるんだー、でへへ」
梓「えっ……? 紹介……え?」
唯「いま外でまってるー」
梓「あの……いまなんて……」
唯「紹介したい人がいるんだー」
梓「……」フラッ
唯「あずにゃん? どったの?」
254:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 00:40:24.16:DGIvuoLF0
梓「……わ、わたしもう寝ます……」フラフラ
唯「えぇ!? なんで!」
梓「わ、わかんないんですか……ヒッグ」
唯「え? え? 泣いてるの? あずにゃん!」
梓「どうせ私なんて……私なんてただの家政婦……グス」
唯「ちょ、ちょっとまってよー。わけわかんない」
梓「私、馬鹿みたい……一人で舞い上がって……」
唯「なんかよくわからないけど……よしよし」ナデナデ
梓「やめてください! そういうのはっ!!」バッ
唯「あっ……」
梓「その紹介したいっていう大事な人にすればいいじゃないですか!!」
唯「あ、あずにゃん……っ」
梓「もうしらない!! 唯先輩のことなんかしらない!! あとはご勝手に!!」
唯「え? や、やだよー」
「ちょっと唯、なんかその子盛大に勘違いしてない?」
255:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 00:48:37.38:DGIvuoLF0
唯「あ、和ちゃん。ごめんね? はいってはいって」
梓「ふぇ……?」
和「はじめまして梓ちゃん。私唯のマネージャーやってる真鍋和です」
梓「ま、まね……?」
唯「だから紹介したいって言ったじゃん。あれ? マネージャーとは言わなかったか。てへっ」
梓「あっ……あっ……あああっ!! にゃあああっ!!」ボンッ
唯「おやおや。あずにゃんどうしたー真っ赤になって」
和「唯、なんとかしなさい」
梓「うわああっ!! すいませんすいません!! うわあああっ!! 恥ずかしっ!!」
唯「あぁー、嫉妬してくれたんだ。それで泣きそうだったのねーういヤツういヤツ」
梓「ち、ちがっ!!」
唯「そうなんでしょ……? 嬉しいなーあずにゃん」
梓「うぅ……」
唯「あ、和ちゃん! この子があずにゃん。中野梓ちゃん。私のお嫁さ」
梓「家政婦ですっ!!」
258:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 00:56:50.09:DGIvuoLF0
和「唯から耳にたこができるほど話は聞いてるわ。よろしくね梓ちゃん」
梓「は、はい! どうも先ほどはお見苦しいトコをおみせしました。すいません」
唯「かわいーかわいー」
梓「もうっ、からかわないでください!!」
和「ふふっ、ほんとに仲がいいのね。……ありがとう」
梓「え? お礼なんて、どうして」
和「これでも唯はね、梓ちゃんにであってからすっごく明るくなったのよ」
唯「そ、そうかなぁ……えへへ」
和「毎日毎日幸せそう。それはあなたのおかげ」
梓「そんな……私なんて……」
和「いいえ、長い付き合いだからわかるの」
梓「そうなんですか」
和「そう、とっても長いのよ……それでも私にはあの時の唯を笑顔にすることはできなかった」
唯「和ちゃん……」
和「すごいのね。梓ちゃん。ただそれを言いにきたの。邪魔したわね」
261:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 01:03:47.71:DGIvuoLF0
梓「いえっ、そんな……あ、せっかくですから晩ご飯一緒にいかがですか」
唯「あーそうだよー食べていきなってー」
和「うーん、遠慮しとくわ。私新婚さんに割って入るほど図太くないもの」
梓「し、新婚さん……?」
和「あら? 唯からはそう聞いてるけど」
唯「え? えへへー……えへへ和ちゃんなんで言っちゃうかなぁ」
和「?」
梓「ゆーいせんぱぁい?」
唯「こ、言葉のあやでして……許してぇ……」
和「でも一緒にお風呂はいったり寝たりもするんでしょ? なら実態は変わらないわ」
梓「ちょっと!! なんでそんなことまで!!!」
唯「の、和ちゃん……」
梓「唯先輩!」
和「もう帰るわね。それじゃあ」
唯「和ちゃんひどいよ~あずにゃんに嫌われちゃう~~」
266:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 01:12:52.25:DGIvuoLF0
和「唯は底なしらしいけど、その時はがんばってね」
梓「にゃ、なにを!!?」
唯「……むふ」
和「あと、唯。先週の放課後ソープ天国は経費じゃ落ちないから。それだけ伝えとくわ」
唯「ちょっと和ちゃん!!!?」
梓「…………は? 放課後何?」
梓「ソープ……? ……は?」
唯「えっと、それはっ、誤解だよ! ほんと!!」
梓「ねぇ、もういかないって約束は……?」
和「あ。唯、今言うことじゃなかったわね。反省してるわ。また明日」
ガチャン バタン
唯「……あうあうあう」
梓「唯……せんぱい?」
唯「誤解なんだって~」
梓「うふ、うふふふっ……えぇ、怒ってませんよぉ~? ただ、ちょこーっとお話を伺わなければいけませんねぇ~?」
269:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 01:19:25.03:DGIvuoLF0
……
唯「というわけなんだよ」
梓「なるほど。わざわーざ、ソープまでお別れの挨拶にいってたんですね?」
唯「う、うん……だってなんだかんだで付き合いあったし……ほら、ソープ王だし、元」
梓「んでお別れついでにあーんなことやこーんなことをしてきたと?」
梓「お別れのチューとか! キスとか! 接吻とかしてきたんでしょ!! 白状しなさい!!」
唯「してないしてない! 信じてよ!! ほんとお茶飲んだだけ!! ってか全部チューじゃんそれ!!」
梓「……」ジー
唯「なにその目っ! 疑ってるの!?」
梓「唯先輩の女ったらし」
唯「うっ……でもいまは……あ、あずにゃん一筋だもん!!」
梓「……」ジー
唯「信じてよぉ……」
梓「じゃあ私一筋ってどうやって証明するんですか」
271:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 01:23:00.54:DGIvuoLF0
唯「えっ……それは」
梓「……」
唯「……いいの?」
梓「……」
唯「……ゴクリ」
梓「ヤです」
唯「えー……」
梓「私こんなムードでしたくありません」
唯「あずにゃーん……」
梓「するなら一人でどうぞ……あ、なんならまた大好きなソープいったらどうですか?」
唯「うえーん……ひどいー」
梓「ふんっ」
唯「…………あずにゃーん」ギュウウ
梓「だ、抱きしめたって許さないんですから」
273:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 01:29:11.10:DGIvuoLF0
唯「そろそろお腹すいた」
梓「あっ……そうですね。晩ご飯食べましょうか。マーボー豆腐です」
唯「うん…………ごめんね?」
梓「……いまさら謝ったって」
唯「許してなんていえないよね? でもね、私にとってはあれも大事な思い出だったんだ」
梓「……」
唯「もういかないよ。今度こそ。いや前回だって遊びに行ったわけじゃないんだから、行った内には入らないけど」
梓「……ほんとですか? 信じていいんですか?」
唯「うん」
梓「じゃあ信じます……あと、唯先輩」
唯「ありがと」
梓「もし……ソープいきたくなったら……その……」
唯「?」
梓「私が……代わりに……あの」
唯「え? え?」
277:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 01:36:36.08:DGIvuoLF0
梓「わ、忘れてくださいっ! さ、ご飯たべましょう」
唯「ソープいきたい」
梓「!」
唯「あーソープいきたいソープいきたい」
梓「ちょっ……!!」
唯「で?」
梓「…………」
唯「私ソープ行って猫耳似合う子を指名したいんだけど」
梓「…………」
梓「……私で我慢してください」
唯「はい喜んで!」
梓「……もぉおおおおっ」
318:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 11:00:49.51:DGIvuoLF0
翌朝
梓「ん……ふぁ……眠」
唯「おはよーございまーす」ボソッ
梓「あっ……唯……」
唯「朝だよー」ギュウウ
梓「んっ……ちょっと、やめ」
唯「どしたの?」
梓「恥ず……かしくて、いま……私たち」
唯「え? あぁ……ふふ」
梓「先に服着て……顔でも洗っててください」
唯「……可愛かったねぇあずにゃん」
梓「!!」
唯「あんな声だすんだね」
梓「うぅ……唯のいじわる……」
320:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 11:06:00.43:9qJEMB1z0
唯「でも良かったでしょ?」
梓「…………うん」
唯「ねぇ、いまからまたする?」
梓「し、しませんっ。私今日からアルバイトなんで!」
唯「ざーんねん」
梓「……」
唯「でもたぶん今晩もソープいきたくなるとおもうなー」
梓「……だめ」
唯「じゃああずにゃん指名してもいい?」
梓「それも……だめです」
唯「えー」
梓「こういうのは一週間に一回くらいで……」
唯「私の性欲なめてんの?」
梓「じゃあ三回……」
唯「あずにゃんもハマったんだね、うんうん」
325:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 11:18:02.55:DGIvuoLF0
梓「だって唯が……あんな顔するとはおもわなかったし」
唯「私どんな顔してた?」
梓「……変な顔」
唯「素直じゃないなぁ」
梓「そ、そろそろ朝御飯の準備してきます……」
唯「うん」
梓「あれ、下着どこやったかな……」キョロキョロ
唯「あ、たぶん床に散らばってるよ」
梓「……唯のせい」
唯「怒んないでよー」
梓「いいもん。今晩のおかず唯の苦手な野菜いれちゃいますから」
唯「ひどーい」
梓「はいはい。さ、ちゃんと顔洗っておりて来てくださいね」
唯「ねぇ、それよりシャワーあびない?」
梓「ん……そっちのほうが良さそうですね……」
326:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 11:24:57.16:ZYEfRKPl0
……
唯「でさー、どこでアルバイトするんだっけ」モグモグ
梓「はい、駅前のうどん屋です」カチャカチャ
唯「……ふーん。大丈夫そう?」モグモグ
梓「えぇ、主人もいい人っぽくて」
唯「あぁーなんか悔しー」
梓「え?」
唯「私だけのあずにゃんはもう卒業なんだなぁって」
梓「……心配しないでください。私は唯だけの家政婦です。ちゃんと戻って来ますから」
唯「まぁ無理しない程度に頑張って。暇ができたら見に行く」
梓「こ、こなくていいですよぉ……」
唯「あずにゃんが外でどんな風に生活してるのかも見届けないと」
梓「……はい。一生懸命役に立つよう働きます」
唯「頑張れ……頑張れあずにゃん!」
329:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 11:32:10.43:DGIvuoLF0
三週間後
梓「あ……うそっ、もうこんなに使っちゃったんだ」
唯「ん? どしたの?」
梓「唯先ぱぁい、今月の食費きれちゃいました」
唯「ん、ほい。一万円で足りる?」
梓「はい、大丈夫です! ありがとうございます」
唯「いつもすまんねー」
梓「私のほうこそただで居候させてもらって」
唯「それは言わない約束ー」
梓「すいません。でももうすぐお給料はいるんで! お金いれます!」
唯「そんな気をつかわなくていいけどね」
梓「一緒にがんばるっていったじゃないですか!」
唯「……よしよし、じゃ行ってくるね」ナデナデ
梓「はい! いってらっしゃい! なるべく早く戻ってきてくださいね!」
332:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 11:38:47.02:DGIvuoLF0
唯「了解……で、いってきますのチューは?」
梓「むぅ……いってらっしゃい!」チュッ
唯「ふへへ……いい子だねあずにゃん。これで今日も一日頑張れるかな」
梓「私も頑張ります!」
ガチャン バタン
梓「……もうすぐ冬かぁ……」
梓「最近また仕事いそがしそう……年末に近づくにつれてもっと忙しくなるのかな」
梓「ドラマの撮影もはじまったみたいだし」
梓「ドラマかぁ……一応原作本よんだけど」
梓「やだなぁ……」
梓「これだと最後に唯が……主人公とチューしちゃうじゃん」
梓「唯の仕事とはいえ……そんなとこみたくないよ……」
梓「まぁソープ王ってくらいだし、チューなんて慣れたもんだろうけど」
梓「それでも複雑……はぁ」
334:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 11:46:08.62:DGIvuoLF0
梓「唯は私のことどうおもってるのかな」
梓「好きっていってくれたのに」
梓「……なんか唯が忙しくなる度に私こんなネガティブなことばっか」
梓「ヤな子」
梓「今はもうバイトしてるし、ギター教室にも行きはじめたし。寂しくないもん!!」
梓「……寂しくないもん」
梓「……はぁ。バイトいく準備しなきゃ」
梓「お給料はいったら何買おうかな」
梓「2万円は家にいれるとして、あとは貯金?」
梓「あ、携帯電話買わなきゃ……」
梓「唯いっぱいメールくれるかなぁ……えへへ」
梓「たしか写真とか送れるんだよね……ふふふ」
梓「…………」
梓「今日は……帰って来るよね?」
梓「待ってますから……」
336:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 11:54:54.22:DGIvuoLF0
……
梓「はーいそがしいそがし」
梓「寒い日はやっぱ出前の注文おおいなぁ」
梓「ひー、手がかちかちだよ……軍手してきたらよかった」
梓「全く、私ばっかり宅配なんて律店長ずるい!」
梓「って私はうどんうてないけど……えへへ」
ガラガラ
梓「店ちょーただいま戻りましたー」
律「おーっすおかえりー」
澪「……」ペコッ
梓「あ!! 律店長! そちらの方……」
律「ん? あぁ、こっちは客じゃなくて」
梓「も、モデルのMIOさんですよね!!?」
律「えっ、あ……うん」
337:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 11:56:01.55:9qJEMB1z0
澪「律」
律「あ、うちのバイトの梓。悪いね騒がしくなって」
澪「いや、いいんだ。よろしくね」
梓「はい! あ、あのっ! サインとかいただけますか?」
澪「いいよ。私のでよければ」
律「梓ミーハーだなー」
梓「ちがうんです! 私、MIOさんにちょっと憧れてるところがあって」
澪「へぇ、嬉しいな」
梓「どうやったらそんなスタイルになれるんですか!?」
澪「え、それは……えっと……」
律「……ふむ」チラッ チラッ
梓「…………」
澪「…………」
律「……残念。生まれつきだ」
342:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 12:08:02.05:DGIvuoLF0
梓「……店長も相当ですけどね」
律「にゃにおう!」
澪「仲いいんだな」
梓「でもほんとにMIOさんに憧れてる人は多いです!」
澪「ありがとう」
梓「私が前働いてたとこにもMIOさんのファンの人いましたもん!」
律「前どっかで働いてたのか?」
梓「それは言わないですけど」
律「なんで」
澪「律、邪魔しといてなんだけどお前はそろそろ仕事しろ」
律「へいへい。でも昼すぎたら暇なんだよ」
澪「そんなだらだらしててやっていけるのか?」
梓「潰れたら困ります。頑張ってください」
律「澪ーこのなまいきなバイトちゃんなんとかしてくれよー」
344:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 12:15:19.41:DGIvuoLF0
梓「あの、ところでMIOさんは店長とどういった関係で?」
律「あー、澪とは幼なじみなんだ」
澪「うんまぁ、腐れ縁というかなんというか」
律「昔っからちょくちょくうちに食いに来るよ」
澪「都会に行ってもこの味は忘れられなくてさ」
律「魂に刻まれてるんだよな。うちのうどん」
梓「な、なんかかっこいい!」
律「だろぉ?」
梓「MIOさんが」
律「おいっ!!」
澪「でも……えっと、梓もおいしいとおもうだろ?」
梓「はい……まぁ、ずっとまかないがうどんだと飽きてきますけどね」
律「よーし! 梓今度から茹で汁だけな!」
梓「冗談ですって!」
律「いつのまにこんな口悪くなったんだー。最初と全然違うぞ、イメージ詐欺だぞ」
347:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 12:19:46.87:DGIvuoLF0
澪「それじゃあ私はそろそろ帰るよ」
律「ういーっすまいどありー、さっきの話はまぁ考えとく」
澪「うん」
梓「話?」
律「んーいやいや、ただのお誘い」
梓「そうですか? お店休みます?」
律「まだ未定」
澪「あ。律、テレビみて。唯だ」
梓「!」
律「おー唯じゃん。変な服だ」
澪「でも不思議と似合ってる」
梓「おふたりともユイには興味あるんですか?」
律「興味っていうかな」
律「はっはっは!私はなんと! あの国民的シンガーのユイと友達なのだ!」
梓「えぇ!!?」
349:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 12:26:35.14:DGIvuoLF0
澪「私たち、高校すこしの間一緒だったんだ。もう最近は忙しくて会ってないけどな」
律「そそ。いやー私は当時から唯には類まれなる才能があるとふんでいたよ、うんうん」
澪「うそつけ……」
梓「なんとも……以外なとこでつながりが」
律「まぁね。何? 梓はユイのファンでもあるの?」
梓「えっ! あ、あの、ファンっていうか……その」
梓(いまさら、実はユイの家政婦なんですなんて言い出しづらいな……)
律「もしかして嫌い?」
梓「いえ! 違います。ま、まぁまぁ好きですね……」
律「なーんだ」
梓(唯ごめんなさい)
澪「まぁ音楽は好き嫌いがあるからな。ユイの音楽が万人ウケする理由もない」
梓(ほんとは唯の音楽も唯自身も大好きです)
律「唯もくるんだよなー」
梓「あ、さっきの話ですか? よければ教えてくださいよ」
354:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 12:33:23.39:DGIvuoLF0
澪「あぁ、うん。今度友達の家でホームパーティがあるからこないかって話だ」
律「なーんとあの琴吹家のパーティなんだぜー!」
梓「ホームパーティ?」
律「あ、なんか反応薄い」
澪「えっと、まぁただの宴会。芸能人とかが数人集まるだけの小さなパーティ」
梓「あぁー! 律店長それにいくんですか?」
律「たぶんな!」
梓「うどん屋なのに?」
律「おいっ!!」
澪「琴吹家の息女とも友達なんだよ。高校が一緒で」
梓「へぇー」
律「よし、お土産もってかえってやるからな!」
梓「あ、行くの決定ですか。ならその日はおやすみですよね?」
律「おうっ!」
梓(唯もいくんだよね……すごいなぁ。MIOさんに琴吹家、芸能人の集まり、やっぱり私なんかとは住む世界が違うんだ)
356:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 12:41:03.16:DGIvuoLF0
澪「それじゃあまたな。梓も元気で」
梓「はい! 会えて嬉しかったです!」
澪「うん、また来るから。その時は梓がうどん運んでくれ」
梓「もちろんです! 楽しみにしてます」
律「んじゃねん」
ガラガラ バタン
律「ふぅー。あ、こんな時間か。梓ー今日はもうあがっていいぞー」
梓「はい。お疲れ様でした」
律「あー、あと明日は定休日だから先に給料渡しとくか。ほい」
梓「どうもありがとうございます!」
律「それでなんか買うの?」
梓「えっと、家に少しお金いれて……あとは携帯電話くらいかな……」
律「なにそれ、えらいじゃん。ふつー服かったり漫画かったり、ねぇ?」
梓「まぁ……いいんです!」
律「ふーん。まぁよくやってくれたよ。また明後日からよろしく」
357:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 12:48:19.46:DGIvuoLF0
商店街
梓「えへへ……」
梓「これで唯に少しだけ恩返しできる」
梓「そうだ、何か買っていってあげようかな」
梓「でも欲しがってるもの無さそうだし……うーん」
『あずにゃんがいてくれたらそれでいいよ~』
梓「……」フルフル
梓「……えへへ」
梓「だめだ、にやけちゃう」
梓「あ、ドラマのポスターみっけ!」
梓「わぁ、唯可愛いなぁ……」
梓「こんな可愛い人が旦那様……」
「おーい、あーずさっ」
梓「えへへ……唯……唯先輩」
358:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 12:53:05.54:DGIvuoLF0
「きいてんのー?」
梓「……えへへへ」
「にやけてるぞー」
梓「はっ! あっ、純!!」
純「あんたそんなにこの俳優すきだっけ?」
梓「な、なんでいるのっ」
純「ん? あ、今バイトの帰り?」
梓「うん……そうだけど」
純「明日教室くる?」
梓「いくよ!」
純「始めたばっかなのにギターうまいよねー腹立つわー」
梓「そ、そうかな……」
梓(家に大先生がいるからね……)
純「でさでさ、梓この俳優好きなの?」
梓「えっ、いや……俳優のほうじゃなくて……こっち」
359:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 12:54:45.36:T6r0TG5k0
純「ユイ……?」
梓「う、うん……」
純「あー、なんか印象ちがうよねー。いつもはクールな感じなのに」
梓「そうかな……」
純「事務所のプッシュ必死だなーって感じ」
梓「そういうのはわかんないけど……」
純「ユイは歌ってるだけでいいんだって。わかってないなー」
梓「……むぅ」
純「そういえばユイって前から噂がたえないよね」
梓「噂……?」
純「うん、交際関係。まぁさぞやもてるんだだろうね、あんだけルックスいいんだし」
梓「えっ……」
純「取っ換え引っ換え、二又三又は余裕らしいよ! すごっ!」
梓「えっ、えっ……」
純「あとユイのファンなら絶対ネットで検索はしないほうがいいよ」
367:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 13:00:13.90:oV1BpZiA0
梓「どうして?」
純「んー、まぁ人気のある人にはそれなりにアンチがいるってことさ」
梓「……」
純「でも浮気癖はさすがになー。まだ18でしょ? それも女相手だっけ? あははっ、どこのおっさんだ!」
梓「……嘘だもん」
純「いかがわしいお店からでてくるところを目撃した人もいるんだって!」
梓「……う、うそ……だもん……」
梓(そんな……唯先輩……あんなに言ったのに……)
純「あ、ごめん。結構ショックだったり? てか知らなかったの? 裏世界では有名だよ?」
梓「そんなことないもん!」
純「スターに憧れたところで私ら庶民には縁のない話しさ」
梓「……問い詰めないと」
純「は?」
梓「純。もしかしたら今晩の成り行きしだいでは明日のギター教室いけないかも」
純「ほえ? さわ子先生つたえとく?」
373:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 13:13:13.72:T6r0TG5k0
梓「うん。お願い」
純「……な、なんか顔こわいよ? 変なこといってごめん」
梓「いやいや、情報感謝してるよ……」
純「あんたさぁ……なんかあった?」
梓「ふぅー……いや、そろそろ首輪でも買わないとだめなのかなーって。このお給料で」
純「犬?」
梓「盛りが付いちゃって大変なの……」
純「そりゃあ苦労するね。まぁ興味ないけど頑張れ」
梓「ありがと。じゃあね」
……
梓「…………遅い」
梓「…………遅い」
梓「……」イライラ
梓「……まだなの」
376:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 13:18:06.40:DGIvuoLF0
ガチャ
梓「!」
バタン ドタドタドタドタ
唯「あっずにゃ~んただいま~。出迎えてよ~」
梓「唯先輩」
唯「!!」
唯(あ、あれ~……唯先ぱぁい♪じゃなくて、唯先輩って呼ぶ時は……)
唯(あわわわ、な、なんか悪いことしたっけ……あ、ただいまのチュー忘れてたのか!)
唯「あずにゃ~ん、むちゅちゅー」
梓「そこ座ってください」
唯「!!!」
唯(どどど、どうしよう、怒ってる……冷たい目してるよー……)
梓「ふぅー……水でも飲みます?」
唯「は、はい……いただきます」ゴクゴク
梓「……で、なにか言う事あるでしょう?」
380:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 13:23:24.47:DGIvuoLF0
唯「……ないです」
梓「……そうですか」
唯「……うぅ」
梓「ま、それならいいんですけどね……ふ」
唯「あ、あのあの……あずにゃんさん」
梓「なんですか? ご飯たべますか?」
唯「……悪いニュースと良いニュースがあります」
梓「……ふーん」
唯「ど、どっちから聞きたいかな……」
梓「じゃあ空気が重くなるのもあれなんで、先に悪いほう消化しちゃいましょうか」
唯「……すでに超重いっす……」
梓「で、話してくださいよ」
唯「あのですね……絶対怒ると思うんだけど……あぁああ怖いっ!!!」
梓「おこりませんってば!」
唯「もう怒ってるもん!! やだよー話したくない!!」
384:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 13:29:07.03:DGIvuoLF0
梓「話してください……話しなさい」
唯「……はい」
梓「…………」
唯「ドラマ、無しになっちゃった。……てへっ」
梓「…………は?」
唯「降ろされちゃった……」
梓「な、どうして!」
唯「チューするのいやになって……」
梓「え? チュー?」
唯「あずにゃん以外の人とチューするの嫌になって……」
梓「あっ……あぁ、ラストシーンの?」
唯「監督さんにそういったら……同じ事務所から他の人が演じることに……」
梓「そ、そんなことできるんですか!! てか仕事でしょ!?」
唯「勝手して申し訳ありません……」
梓「それはほかのキャストやスタッフにいってください!!」
386:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 13:36:15.09:DGIvuoLF0
唯「だよね……和ちゃんがいろいろ頑張ってくれてね」
唯「あ、あとあと、ムギちゃ……琴吹家がスポンサーだったからなんとかなった……」
梓「なんとかなったじゃないですよ……せっかくのドラマなのに」
唯「私には向いてないんだよ……演技下手だし。その、ほらこれ見て。インターネットの評判だけど」
梓「ん?」
ユイ(笑) 大根役者
抜擢に問題があるかと思います これでは原作のイメージぶち壊しです
ユイの枕っぷり半端ねぇな さすが浮気女
ユイはほんと頭ふわふわ時間だからな メンヘラ臭やばすぎ
梓「な、なにこれ……ひどい」
唯「こんなもんだよ。所詮私はただの歌手ってこと」
梓「た、タフですね……」
唯「まぁね。そりゃ最初にネットみたときは寝込んだけどね」
梓「も、もうとじてください。私みたくないです!」
390:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 13:44:15.63:DGIvuoLF0
唯「ほい。っとこれが悪いニュース……です」
梓「……」
唯「怒らないの?」
梓「つくづく……私ってヤな子ですよね」
唯「え?」
梓「最低だ……唯のお仕事がなくなったのに……なぜかホッとしてる」
唯「あずにゃん……」
梓「大事な大事な舞台を蹴るほど唯は私のことかんがえてくれてたのに……」
梓「私は唯のことを信じきれてなかった……うっく、ごめんなさ……」
唯「……あずにゃん」
梓「ごめ……また、泣いちゃいそう……もう、寝る」
梓「あしたまた……続き聞きますんで……すいません」
唯「……あずにゃんぎゅー」ギュウ
梓「あっ……ふぁ」
唯「ごめんね? 私がこんなだからたくさん心配かけたね?」
392:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 13:55:41.12:DGIvuoLF0
唯「ホントはあずにゃんの側にずっといたいんだけどね」
梓「……しかたないですよ……唯はこんなお仕事だし」
唯「ううん、私が悪いの。だってこんな可愛い人を泣かせちゃったんだから」
梓「……唯」
唯「そりゃあ過去にはいろいろあったけどさ……私は絶対あずにゃん一筋」
唯「それはこれからも変わらないよ」
梓「……私も唯一筋です……」
唯「うん、知ってる。だってあずにゃんは私のために泣いてくれたんだもん」
唯「ね?」
梓「でも、こんなに苦しくて寂しいなら……好きにならなければよかったって思ったこともあります」
唯「……うん、それでも好きでいてくれたんだよね? 私はそれだけでいいんだー」
梓「はい……嫌いになれるはずありません」
唯「うれしいよ……とっても」
梓「……そんな顔……ずるいです」
唯「あはは、なんだかしんみりしちゃったね? テレビでもつけて、ごはんたべよっか?」
394:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:00:16.56:DGIvuoLF0
梓「……はい!」
唯「あ、それと良いニュースがまだだったね」
梓「きかせてください」
唯「今度ね、私パーティにいくんだけどさ」
梓「あ、それ聞きました」
唯「え? 言ったっけ?」
梓「いえ、バイト先の店長に。そうそうそのこと聞きたかったんですよ」
唯「え? バイト先のって……りっちゃん? まさかりっちゃんのトコでバイトしてたの!?」
梓「りっちゃん? 田井中うどんです」
唯「そ、そうなんだ……知らなかったなぁ……りっちゃんも言ってくれればいいのに」
梓「いえ、私がここで家政婦してることはしりませんし」
唯「そっか」
梓「お友達なんですよね? MIOさんとも」
唯「うん! 大事な友だちだよ! あとムギちゃんも!」
梓「ムギちゃん?」
396:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:06:55.29:DGIvuoLF0
唯「さっきドラマの関係でちょろって言ったけど。琴吹家の琴吹紬、ムギちゃん!」
梓「あ、その人も同級生なんですよね」
唯「うん。ムギちゃんが主催のパーティにお呼ばれしちゃってさ」
梓「……いいなぁ。あ、MIOさんと律店長もいくみたいですよ」
唯「そうなんだ! でさっ」
梓「……良い話って自慢話ですか」
唯「ううん、あずにゃんもいこ?」
梓「え?」
唯「ほら、あずにゃんの分の招待券もあるよ! ほらほら~」
梓「いや……でもっ」
唯「遠慮しないでさー、いこうよー。きっとおいしいものいっぱい食べれるよ」
梓「私みたいな庶民……いいのかな」
唯「みんな結構友達とか同伴でくるみたいだよ」
梓「そうなんですか?」
唯「そろそろ私もあずにゃんのこと、ちゃんとみんなに紹介したいんだー」
398:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:15:04.57:DGIvuoLF0
梓「紹介って……家政婦なんか紹介してどうするんですか」
唯「うちのよく出来たお嫁さんです! ってね!」
梓「えっ……あっ、そ、それは……まずいことになるんじゃ」
唯「そっかなー」
梓「だめですよ。ただでさえ噂の絶えない人って言われてるんですから」
唯「だからー。噂じゃなくなればいいんでしょ?」
梓「……あ、そっか。ってダメダメ! お仕事また減っちゃいます!! 人気さがりますよ」
唯「それはテレビスターとして、でしょ? だけど私は音楽ができたらそれでいいんだよー?」
梓「でもでもっ、気が気でありませんよ! 私の存在がユイの足をひっぱるなんて」
唯「あのね、私はドラマとかテレビにひっぱりだこされる騒がしい日常よりもさ……」
唯「あずにゃんと音楽と、友達に囲まれた穏やかな毎日が欲しい……」
梓「18やそこらで隠居めいた生活を欲してどうするんですか」
唯「だってー……うぅ、やっぱ性にあってないんだって。テレビみててわかるでしょ?」
梓「……そうですか? 最近はよく頑張ってやってるような……笑顔だし」
唯「なにより家に帰れないのが辛い! こんな辛いのたえられないよ!」
399:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:22:17.69:DGIvuoLF0
梓「でも仕事なんですから! 我慢しなきゃ……」
唯「私はシンガーソングライターだよ」
梓「うっ……」
唯「事務所が売り出したいのはわかるけど、私は私の音楽を続けたい」
梓「それは……いい心構えかと」
唯「いまの私が音楽で描く世界には、必ずあずにゃんがいるの……だから……」
唯「なによりも、あずにゃんと暮らしたい……ドラマやテレビなんていらない」
梓「……わがままです」
唯「わがままなくらいが感性を磨くにはちょうど良い。ってさわちゃん先生が言ってたよ」
梓「あの人は……また違うでしょ」
唯「ね? 少しロックな生き方してみようよ」
梓「ですが……いつユイの人気が落ちるかなんてわかりませんし。あ、すいません」
唯「もしもお金に困ったらもっともっと働くよ。曲もいっぱい作る」
梓「わ、私ももっともっと働きます!!」
唯「二人なら大丈夫……大丈夫だよ」
401:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:30:51.68:DGIvuoLF0
梓「わかりました……なら、行きます。パーティ」
唯「おお! やったぁ!!」
梓「浮かないような服用意しないと」
唯「ドレスでも着る?」
梓「似合うかなぁ……」
唯「服はさわちゃんに任せたらいいんじゃない?」
梓「そ、そうですね……でもそれはそれで不安だなぁ」
唯「えへへっ、とっても楽しみだね!」
梓「はい。そうですね!」
唯「あずにゃんを紹介したら、みんなどんな顔するんだろう」
梓「きっとどん引きですよ! あはは!」
唯「それは随分ロックだね!」
梓「はい! もうどうにでもなれです! 唯がいたら私はそれでいいんです!」
唯「ありがとうあずにゃん! 私もあずにゃんがいるだけで幸せ!」
梓「えへへっ」
404:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:38:42.90:DGIvuoLF0
深夜
梓「ん……だめ……ですよぉ」
唯「いいじゃんいいじゃん」
梓「週3って言ったでしょ……さ、さわらないで」
唯「週3かー、そんなんでいいの?」ナデナデ
梓「……むぅ」
唯「むくれてる顔も可愛い可愛い」
梓「……」
唯「明日あずにゃんお休みでしょ?」
梓「……はい」
唯「なら朝までコースがいいなぁ」
梓「えぇ……明日は買い物いきましょうよ……お給料入ったし……」
唯「夕方からでいいじゃーん。あ、それとも明日一日中しちゃう? それでもいいよ」
梓「だ、だめです……昼間っからなんて、そんなのハレンチです」
408:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:46:49.09:DGIvuoLF0
梓「それに唯も仕事があるし……」
唯「といってももう撮影もないし、和ちゃんと打ち合わせしつつ、後はマッタリだよ」
梓「うぅ……底なしぃ。性欲オバケ」
唯「解消してあげるのも妻の役目でしょ?」
梓「さいてーです」
唯「あーんなに焼きもち焼いてたくせに」
梓「むぐぐ……」
唯「泣いたくせにー」
梓「ち、ちがうもんっ……」
唯「あー可愛い可愛い、子猫ちゃん」
唯「あ、パーティでは新しく猫飼ったって紹介しようか?」
梓「嫌です……ちゃんと紹介してください」
唯「冗談……もぉ、すぐ本気にして」
梓「いじわるです……」
唯「そりゃ、誰でもいじわるしたくなっちゃうよ……チュ」
410:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 15:00:00.09:DGIvuoLF0
唯「こんな小さくて可愛くていい匂いがするあずにゃんなんだから……」
梓「へんたいです……こんなちんちくりんな体に興奮するなんて」
唯「ロックだね」
梓「へんたい……」
唯「大好き」
梓「へんたい……」
唯「大好き」
梓「……大好き……大好き」
唯「えへへ、いただきます。もちろん付け合せは猫耳で!」
梓「にゃああ……」
唯「あっずにゃ~ん♪―――――――
―――お父さん、お母さん、憂。この人が私の大切な新しい家族です。
私はこの人と一緒に、ずっと一緒にこれからの人生を歩んでいきます。
だから、ちゃんと見守っていてね? 私、もう泣かないから――――――
411:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 15:00:56.16:/KjLP5XC0
お し ま い
<⌒/ヽ___
/<_/____/
432:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 17:10:49.99:f91w40PSP
445:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:17:14.78:/KjLP5XC0
「では、この子はいかがでしょうか?」
唯「おぉ、可愛いねぇ!!」
「大変申し上げにくいのですが実は初出勤でして」
唯「初出勤~?」
「少々不安がっております。ですが平沢様がお相手なら心配はないかと」
唯「常連様だしぃ? みたいな?」
「はい」
唯「んー、そこまで信頼されてもなぁ」
唯「まぁ、物は試し。いいよ! じゃあその子で!」
「かしこまりました。VIPルームにてしばらくお待ちください」
唯「紅茶でも飲みながらゆっくりしてるよ」
唯「あー可愛い子だったなぁー」
唯「ちっちゃくて少しツンとしてそうで、しっかりものさんみたいな」
唯「でも写真詐欺の可能性もあるしね~」
唯「この店も初めて来たときはひどかったなー」
唯「私が女だからって舐め腐ってさ、まぁ追い返されはしなかったけど……」
唯「美少女だなんていってあんな肝っ玉怪力ゴリラあてがうなんてひどいよ」
唯「結局文句いってお金は返してもらったけどアレはトラウマだよ」
唯「あの子を覗いたら結構ハイレベルな店なんだけどなー」
唯「ってかいままでいくら使ったんだろう」
唯「今日だけで少なくとも2万は飛ぶよね」
唯「でも指名ナンバー1のmiomioは仲良くなれたし」
唯「こないだはあのいちごちゃんとお食事もできたし」
唯「もはや怖いものなど無い。ソープ王だね私」
唯「一体今日はどんな子と出会えるのか」
唯「泡姫との日々の出会いが私を成長させてくれるよ」
唯「っと、もう結構時間たってるな」
唯「なーにやってんだろ」
唯「ちょっと外の様子でも」
ガチャ
ゴンッ
「あいたっ」
唯「わわっ! ごめっ」
「いえ、すいません……すいません……」ペコペコ
唯「んー……あっ! 写真の!!」
「あ、えっと、はい。初めまして……あずさと申します」
「きょ、きょきょ……今日はよろ、よろしくお願いしまひゅっ!!」
唯「……わぉ」
梓「あ、あの……」オドオド
唯「か……可愛いし……写真以上……」
梓「す、すいません! 私っ、はじめてなもので申しわけありせん!!」
唯「えへぇ~可愛い~~」ギュウウ
梓「うっ、な、なにするんですかっ!」ビクッ
唯「あ、ごめんごめん。つい可愛いものをみるとさ」
梓「そ、そうですか……ずいぶん変わってますね」
唯「おやおや、緊張してるね?」
梓「はい……すいません」
唯「初出勤なんだっけ? 大丈夫? 色々教えてあげようか?」
梓「えっと、なにを……」
唯「あははっ、ここで生き延びるコツとか? ま、私に気に入られたらだいたいOKなんだけど」
梓「はぁ……」
唯「あずさちゃんだっけ? は超ラッキーだよ。初日で私に出会えるなんてさ!!」
梓「あの……それはどういう……」
唯「何を隠そう、桜ヶ丘のソープ王とは私のことなのだ!!」
梓「…………プッ、そうなんですか?」クスクス
唯「あ、やっと笑ったね? よし、行こ?」
梓「えっと、特別ルームに行けっていわれてます」
唯「あ、こっちこっち」グイッ
梓「ちょっ」ビクッ
唯「おや? 手つなぐだけでこんなにビクビクしてたら、この後どうするの」
梓「そ、それは……」
唯「するんだよ? 私と。えっちな事」
梓「そうですけど……」
唯「まぁ、大丈夫大丈夫。私にまかせんしゃい……ってこっちは客やねんでー!!」
梓「……ふふっ……あはは」
唯「そうそう、笑顔笑顔。かわいーんだから笑わないともったいないよ」
梓「お部屋まで連れて行ってくれますか?」
唯「おっけー。庭みたいなもんだからね」
梓「ふふふ、あんまり自慢できることじゃないですよね」
唯「しっつれいな子だよ~、だからこっちは客だぞー!!」
梓「す、すいませんっ……」
……
唯「さぁ入って入って」
梓「ごめんなさい。お客様にこんなことさせてしまって」
唯「気にしないでいいよ」
梓「で、では早速……」
唯「あーその前にちょっとだけお話しよ?」
梓「お話ですか」
唯「そこのベッド座って」
梓「は、はい」
フワリ ボスン
梓「柔らかい……」
唯「そりゃあVIPだもん! みてみてーポヨンポヨンだよー!」ボスンボスン
梓「それでお話って」
唯「あー……いきなりで悪いけどさぁ……あずさちゃんっていまいくつ?」
梓「えっ……あのそれは……18です」
唯「ほんとに? じゃあ私と同い年だね」
梓「そ、そうですか」
唯「…………」
梓「あの、お客様はいまどんなお仕事をってすいません失礼しました」
唯「いやいやーたいしたことやってないよ。ちょっとCDだしてるくらい」
梓「そうなんですか……すごいですね」
唯「あんまりテレビとか見ない派? 最近若者のテレビ離れがうんぬんって言われるね」
梓「はい……すいません」
唯(おっかしーなー今のPOPミュージックでユイっていえば結構有名なのに)
唯(私のCMとか一日に何回も流れてるはずだよ)
唯(髪型とか雰囲気かえてるからさすがにわかんないのかなー)
唯(他の子は私とすすんでやりたがったよ)
唯(わたしの体にも唯様のサインくださーい♪なんて言ってね)
唯(はは…………傑作だ)
唯(……そういえば私のことしらないなんてこの子がはじめてかも)
唯(あ、そっか。それでなんだか私、さっきからホッとしてるんだ)
唯(この数年、何処へ行こうが人の目からは逃げられなかったからね)
唯(癒しをもとめに出かけて逆に疲れるって、ははは……馬鹿みたい)
唯「ねぇ、コスチュームプレイとか興味ある?」
梓「あ、大丈夫ですよ」
唯「いやいや、システム的に大丈夫とかじゃなくてさ。あずさちゃん個人の趣向としてね」
梓「えっと……着せ替え遊びですよね?」
唯「うん、例えばー……ほい!」
スチャ
梓「ん?」
唯「おー猫耳やっぱ似合う~」
梓「猫耳……」サワサワ
唯「ねぇ、にゃーって言ってみてにゃーって」
梓「にゃ、にゃー……」
唯「おおおおっ! 可愛いいい!」
梓「あ、ありがとうございます」
唯「あだ名はあずにゃんで決定だね!」
梓「あずにゃん……ですか?」
唯「あ、早速アドレス交換しよ? あずにゃん、って登録したい!」
梓「その……ごめんなさい持ってないんです」
唯「えぇ~、まさかのお断り~、大丈夫だよ変なメールしないって!」
梓「いえ、だから……ほんとに持ってないんです」
唯「うそぉホントに!? 携帯もってないとか何もの!? まさかあずにゃんって……宇宙人?」
梓「ここのお給料がはいったら買います……その時は登録よろしくお願いします」
唯「あ、お金なくて買えないの? まぁ月々の支払い結構するもんね。 本体だけなら買ってあげようか?」
梓「えっ、いえ、いいです。自分で買いますので……お気遣いなく」
唯「まぁそういうことならいっか。お風呂いこっ!」
梓「はい……わかりました」
唯「その猫耳防水だからとらないでね」
梓「はい」
唯「また表情硬くなってきたね」
梓「き、緊張しますので」
唯「んふー、なーんか初々しい。こういうの久しぶり」
梓「……」
唯「あ、それとも女とするなんていやだった? 普通はそうだよね……」
梓「い、いえ……そんなことは……お客様とっても可愛いですし、よく見たらカッコイイし」
唯「可愛いだなんて~~もう、おだてても何もでないよ?」
梓「す、すいません」
唯「そこで謝られるのもなんかヤだなぁ……」
梓「い、いきましょうっ」
唯「お風呂はいるだけで意気込みすぎだよあずにゃん」
……
唯「あずにゃ~ん、早く脱ごうよ~、こっちは時間制限あるんだから」
梓「すいません……でも、恥ずかしくて……」
唯「もうっ、無理やり剥ぎとれってこと?」
梓「うぅ……」
唯「…………むぅ」
梓「ごめんなさい……ごめんなさい……やっぱり私」
唯「ふむ……ちょっと待ってね」
梓「え?」
唯「内線これか」
prrrr
唯「あー、もしもしー? 私だよ」
唯「うん、延長。そう、フリーにしといて。どうせ他に指名はいってないでしょ?」
唯「えっ!? もっとまけてよ!! ぼりすぎじゃない? あーはいはい。じゃね」
唯「ふーこれでゆっくりできるよー」
梓「あ、あの延長って……」
唯「うん。どうせ今日は暇だし……あはは、歌手が暇してるってまずいよね」
梓「お客様……もしかして私のために……」
唯「いやー違うって、どれもこれもずばり私の性欲のためだよ」
梓「せいよ……ひっ……すいませんすいません」
唯「謝らない謝らない」ナデナデ
梓「う……もう脱ぎます。お客様の貴重なお時間無駄にできません」
唯「うん、いい子だね」ナデナデ
梓「……」
スルスル ヌギヌギ
唯「いいね。可愛いよーあずにゃん」
梓「あの……ぱ、ぱんつもですよね……当然ですよね」
唯「履いたままどうやって風呂はいるの」
梓「わ、わかってますよ! …………えいっ」スルッ
唯「……ほぉ、あずにゃんも剃ってるんだ。ココの子みんなそうだねー」
梓「いえ……その」
唯「えっ! も、もしかしてぇ!!」
梓「私、いい年してなかなか生えないんです……」
唯「おほおおおっ! レアモノだね!!」
梓「うぅ……恥ずかしいですよぉ」
唯「こうしちゃいられないっ! よし、私も脱ごっ!!」ヌギヌギ
梓「あ、お客様は……発育よさそうでなによりです……」
唯「おー視線が突き刺さるねぇ。おっきいおっぱいは羨ましいかね」
梓「……いっつもこんな感じなんですか?」
唯「いっつもって?」
梓「その、変なテンションというか……ノリ?」
唯「うーん仕事のときは全然違うかも。これは割と素顔に近いかな」
梓「そうなんですか」
唯「おっぱい小さくてもいいことあるよー、いじけなーい!!」
梓「いじけてません!!」
唯「あはっ、怒ってる顔もかっわいいー」ギュウウ
梓「ふぁ……ちょっ! 裸で……なにするんですかっ」
唯「えー何って? 何言ってるの。これからもっとすごいことするのに」
梓「す、すごいこと……お客様と……そうですよね」
唯「あー、そうだ。そのお客様っていうのやめてほしいなー」
梓「はぁ……えっと、ではどう呼べば」
唯「みんなはユイちゃんとかユイって呼ぶよ。たまにユイ様って呼ばれたり」
梓「……ゆい様ですか……」
唯「んーでもあずにゃんにはユイ様より、唯先輩って呼んで欲しいかな」
梓「ゆい先輩……?」
唯「新手のプレイだと思っていいよ。だってあずにゃんって後輩っぽい感じがするもん」
梓「わ、わかりました……ゆい先輩」
……
唯「やっとシャワー浴びれるね。あずにゃん」
梓「はい。ではお背中流します。後ろ向いてください」
唯「えっ?」
梓「はい?」
唯「んー、ちょっといま不安が脳裏を……ね」
梓「あの……なにか」
唯「あずにゃんってさ、こういうお店のことなーんもしらない?」
梓「…………すいません」
唯「ちょ、ちょっと試しに背中流してみて」
梓「はい」
ザパァー
梓「流しました!!」
唯「あは…………教育係とかいないんだ」
梓「な、なにか違ったんですか……」
唯「背中を流すってのはー」
梓「?」
唯「こうやって体に石鹸つけてねー」
梓「……?」
唯「こうやるんだよおおおー!!!」
ピトッ
梓「にゃっ!?」
唯「ほーれすりすり」
ヌチョヌチョ ヒチャペチャ
梓「あっ、あああっ! そんな! ぬるぬるって!!」
唯「自分の体で、ご奉仕するの! わかる? ってなんで私がやってるの!!」
梓「お客さ……ゆい先輩……こんなの私できません!」
唯「できませんお金を稼げるかー!!」ヌルヌルヌル
梓「ひいいいっ!!!!」
唯「おわかり? これがお背中流しだよ」
梓「……よーくわかりました」
唯「気持ちよかったでしょ?」
梓「……はい、悔しながら」
唯「あずにゃんもできるよね?」
梓「それでゆい先輩が気持ちよくなるなら……頑張ってみます」
唯「よし! プロ根性みせてみんしゃい」
梓「はい! えっと、こうやって体に塗りこんで」サワサワ
唯「いいよいいよー。真っ白になるまでねー」
梓「い、いきますよっ!」
唯「ちょっと待って。今度は正面からいこう!」
梓「えっ! 正面~!!?」
唯「裸でだっこしあう感じ。えろいね~~あずにゃんえろえろ~」
梓「うっ……」
唯「ほれ、飛び込んでおいで。おっぱいあるよ」
梓「ゆい先輩っ!」ダキッ
唯「おおお!! 子猫ちゃん!」
梓「こ、これで動けばいいんですよね!!? 間違ってませんよね!?」
唯「どぞ」
梓「……よし」ヌルヌル
梓「…………」ヌチョヌチョ
梓「…………」ヌチョヌチョ
唯「……えらい真剣だね」
梓「きもちいですか?」ヌルヌル
唯「うん。まぁまぁ」
梓「まぁまぁですか」
唯「やっぱする側はコレおっぱいないと……あ、ごめ忘れて」
梓「……うぅ、ひどいです」
唯「じゃあ次はチューね。はい、んー」
梓「ちゅう……? えっ!? チューするんですか!?」
唯「は? ……チューくらいするでしょ」
梓「……チューくらいって」
唯「ヤなの?」
梓「チューは好きな人とするって……本に書いてあったので」
唯「えー何それー! でも私あずにゃんのことすきだよー」
梓「あの、そういう好きでチューしちゃっていいんですかね……」
唯「…………はぁ、だめだこりゃ」
梓「え? はむっ!?……んちゅ……チュプ……んぅふっ!!!」
唯「……チュプ……チュパ……んむ、おいひい」
梓「はっ……ちょ、ちょっと!!」
唯「こんなに顔が近くにあったらチューするでしょ普通」
梓「そ、そんなぁ……私、はじめてだったのに……」
唯「はじめて……? えぇ……マジですか」
梓「うぅ……グス」
唯「あずにゃん……いくらなんでもチュー未体験でここで働くなんて……」
唯「あ~~! ってことはあっちもはじめて!!?」
梓「あっちって?」
唯「えっちのほう!!」
梓「……はい。初めてです……」
唯「うそ~、えー、初出勤ですいませんってレベルじゃないよコレ!!」
梓「あ、あのあの……すいません」
唯「すいませんって……すいませんってあずにゃん!!!」
梓「うぅ……ごめんなさいごめんなさい」
唯「だめだ、歴戦のソープ王といえどこんな強敵は初めてだ」
梓「私……がんばりますから……怒らないで……おねがい……」
唯「え? 別に怒ってないけど……」
梓「怒らないで…………怒らないで……いやぁ!! ぶたないで!! いやあああ!!」
唯「ちょっ……あずにゃん……?」
梓「いやだいやだいやだ!! なんでそんなことするの!! いやあああああ!!」
唯「……ほえ? ……ちょ、ちょちょ、待ってよ!!」
梓「やめて!! 痛いよ!! ぶたないで……いい子に……してるから」
唯「あずにゃん……?」
梓「ヒッグ……うっく……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい私が悪かったです」
唯「……あの」
梓「私がいい子にしてなかったからですだからごめんなさいごめんなさいぶたないでください」
梓「もう痛いのはいやです。暗いのもいやです。ご飯がほしいです」
梓「おねがいしますお父さんお母さん許してください。おねがいしますおねがいします」
唯「…………」
梓「おねが…………ヒック……グス、します」
唯「あずにゃん……」
梓「……」
唯「泡ながすね?」
梓「……」
唯「……」ナデナデ
梓「ひっ……いやあ」
唯「いい子いい子。あずにゃんはとってもいい子」ヨシヨシ
梓「……」
唯「ね? そうだよね? ……落ち着いた?」
梓「……」
唯「体ふこ? 風邪引いちゃう」
梓「……」
唯「勝手に拭いちゃうよ。 ほら立って」
梓「ヒッグ……グス」
唯「大丈夫。私は絶対にひどいことしないから」フキフキ
梓「……」
唯「ごめんね、チューしちゃって。怖かったよね」フキフキ
梓「……いえ」
唯「さぁ、拭いたよ。ベッド戻ろ? もう今日はおやすみ」
梓「……」
唯「おやすみ……あずにゃん」
……
梓「んぅ……ふぁ……あれ」
唯「スピー……zzz」
梓「あ、いま何時だろ……もう夕方だ……」
唯「グゴー……ムニャムニャ」
梓「あれ、私何で…………ああっ!!」
唯「アジュニャ……ムニュムニュ」
梓「すいませんおきてください! おきて!!」ユサユサ
唯「ほぇ……ふぁーあ……おはよー」
梓「ごめんなさい!! お客様、私ったら!!! ほんとごめんなさい!!」
唯「ゆい先輩。だよ」
梓「いえっ!! 大変申し訳ありません。本日の代金は結構です。私がオーナーに謝りますので」
梓「ですからなにとぞ……なにとぞ当店を……うっ……グス」
唯「……ふぅむ……この後どうしよっかなー」
あずにゃん…
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 12:55:03.34:MrqHvtWH0梓「……お客様……それでも気に食わなければ私を好きにしてください」
唯「えー、だってそんなことしても意味ないし。もう時間だし」
梓「ごめんなさい!! なんて謝ればいいのか」
唯「そうだねー……んーじゃあさー、アフター付き合ってよ」
梓「アフター……ですか? ってなんですか?」
唯「あーそれはね。この後一緒にどっか行こ!ってこと」
梓「えっと……でも私、お金とかなくて」
唯「私がだすにきまってんじゃん!! まだあずにゃんは仕事中!!」
梓「そうなんですか……でも、お店が……謝らないと」
唯「そんなのいいっていいって、いい子にしてたって言っとくから。さ、服着ていきましょう」
梓「服……あぅ、裸だったんだ……」
唯「それとも時間ギリギリまでいいことするー? ふへへへ」
梓「え、あの、ゆい先輩がお望みならもう何してくださってもかまいません」
唯「あ、うそうそ冗談。ひどいことは絶対しない。はい服きましょう」
梓「はぁ……わかりました」
唯「内線内線」
唯「あ、私。アフターね。ちょっと気に入ったから」
唯「え~、高いって。まぁいいけどね……」
唯「それじゃいつもどおり裏からでる。お金はベッドにおいとくね」
唯「そんじゃあねー」
唯「はい終わり。ね? すごいでしょ? 常連パワー」
梓「は、はぁ……」
唯「いこいこっ! 手つないでいい?」
梓「わかりました」
唯「よーし、どこ行こっかなー!」
……
梓「外ではサングラスかけるんですか」
唯「一応ね。バレたらいやだし」
梓「CDだしてるって言ってましたよね? ゆい先輩って結構有名人なんですか?」
唯「んー、かもね」
梓「すいません。私なんかで」
唯「かわいいよー」
梓「こんなこと聞くのも失礼かと思いますけど、ゆい先輩って女の人が好きなんですか?」
唯「うん」
梓「即答なんですね」
唯「ビアン界では有名な話」
梓「有名人……すごいなぁ」
唯「ほんとに私のこと知らないんだね……ふふ」
梓「ごめんなさい……テレビ……ないんで、貧乏ですから」
唯「……そっかぁ。苦労するねぇ」
梓「なにもないんですよ私……だからあんなトコでしか働けません」
梓「高校を途中でやめてから……ずっとアルバイトで生計を立ててました」
唯「……両親は」
梓「えっ……いや……もう、いないです」
唯「いない……?」
梓「ふたりとも事故で死んじゃったんです……二年前の◯◯高速の玉突きしってます?」
唯「あっ……ごめんね……無神経なこと聞いて」
梓「いえ、サイテーな人たちでしたから」
唯「……あずにゃん、だめだよそんな事言っちゃ」
梓「でも、あんなサイテーな人間でも……死んだら悲しいんもんですね……」
唯「……」
梓「その後親戚にひきとられましたが……そこでも私……ダメで」
梓「逃げ出すようにこの街に逃れてきて……」
唯「……」ナデナデ
梓「それで行き着いた先がソープって……馬鹿ですよね私」
唯「……」ナデナデ
梓「この先どうなるんだろう」
唯「ねぇ、あずにゃんの今のおうち行ってみていい?」
梓「え?」
唯「もっと知りたいな。あずにゃんのこと」
梓「ゆい先輩……だめですよ、お客様にあんなのみせられません」
唯「私、大丈夫だから。信じてくれない?」
梓「そうですか……わかりました。ならさっきのお詫びということで」
唯「うん!」
……
梓「つきましたよ……」
唯「ここ……?」
梓「はい……このアパートです」
唯(アパートっていうか、なにこれ……ボッロォ……)
唯「こ、ここに住んでるの? ひとりで?」
梓「はい……トイレも階ごとに共有ですし。お風呂もありません」
梓「言ったでしょ? 私……ほんとに何も無いんです。0です」
唯(こんなとこ、女の子が暮らすには寂しすぎる……)
梓「入ってください。あ、電気はつけないで。料理するときだけでいいですから」
唯「真っ暗だよー」
梓「すぐ慣れます」
唯「ねーあずにゃアイタっ! 足ぶつけた~」
梓「大丈夫ですか?」
唯「うい、大丈夫っす……」
梓「……あっ」
唯「どしたの?」
梓「あっ……ヒッグ、うぇぇええん」
唯「えっ? えっ? なんで泣くの? ぶつけた?」
梓「うぅ……もう、いや……もういやだ……」
唯「あずにゃん?」
梓「……また、盗られちゃいました。下着……あはは……」
唯「ッ!!!」
梓「こんなボロ屋ですもんね……空き巣なんて簡単……通帳持ち歩いててよかった……グス」
梓「こわいよぉ……こわいよぉ……グス」
唯「あずにゃん! でよう!! すぐに!!!」
梓「でも……私、どこにも行くトコが……」
唯「私のおうちにおいで!! 荷物まとめて!!」
梓「そんなわけには……」
唯「いいから!! こんな危ないとこいちゃダメ!! あずにゃんはだめなの!!」
梓「……ゆい先輩」
唯「いくんだよ!! しっかりしなきゃ!!」
梓「……」
唯「もう私我慢ならないの!! あずにゃんは絶対に笑ってくらさなきゃだめなの!!」
梓「どうして……私なんかに」
唯「いいからっ、いまは行くの!!」
梓「……はい」
唯「タクシー呼ぶからね!! その間荷物まとめといて」
梓「ごめんなさい……」
……
梓「おじゃまします……」
唯「いいよいいよ入って」
梓「あの……ほんとにおじゃましちゃっていいんですか?」
唯「うん。まぁ広いしゆっくりしていってよ」
梓「でも、お金とか……」
唯「んーそれは後で考えよう」
梓「はい……」
唯「こっちこっち!」
唯「ここあずにゃんが使っていい部屋だよ」
梓「部屋までいただけるんですか?」
唯「うん。……どうせ空いてるし、使ったほうがいいんだ」
梓「ありがとうございます」
唯「服も……ん、ここにあるの全部着ていいよ。もう誰も着てないから」
梓「えっ……こんなに?」
唯「うん、たぶんサイズもいい感じじゃないかな?」
梓「お古ですか? それにしては綺麗なような」
唯「まぁね、気にしないで。あとはー、お風呂の使い方とー洗濯機とー」
梓「あの……」
唯「あずにゃんや」
梓「は、はいっ!!」
唯「突然だけど、メイドっていうか、うちで家政婦さんしない?」
梓「家政婦……?」
唯「私さ、実はひとり暮らしなんだよ。でも仕事で家あけることが多くてさ」
唯「掃除もまれにするんだけどこんな広いとなかなか行き渡らないんだよね」
梓「えっと……家政婦……」
唯「うん! いろいろ家事をしてもらうよ。それなら遠慮なくここで暮らせる?」
梓「そうですね……ギブアンドテイクなら……それでも感謝しつくせないですけど」
唯「おっけー! じゃあ今日から私のメイドさんね!」
梓「は、はい! 頑張ります! でも日中はソープが」
唯「あぁ、あれ。あずにゃんクビ。さっき電話してクビにしてもらった」
梓「えっ!?」
唯「てかさ、あずにゃんさー?」
梓「……」
唯「年齢詐称してたよね?」
梓「いえ……18です」
唯「干支は?」
梓「……………………すいません」
唯「ふーあぶないあぶない。手を出してたら私お縄にかかってるとこだよ」
梓「すいませんすいません!」
唯「人気シンガー・ソングライターユイ買春容疑で逮捕! なんて一面にね!」
梓「……あはは」
唯「笑いごっちゃ無いよおおお!!」
梓「ひいいいっ!!」
……
梓「あれから三日か~」トントントントン
梓「家事にはだいぶなれたね」カチャカチャ
梓「私のお料理好きって言ってもらえた……」
『えっ!? これあずにゃんが作ったの!? すごい』
『すっごいおいしいよ~~これでもう外食買い食いから開放される~~』
『えへー私家事てんでだめでしてー』
梓「ふふっ……唯先輩……平沢唯先輩……私のご主人様? 旦那様?奥様?」
梓「なんか違うな……」
梓「てかほんとにテレビにでてる……有名人なんだ」
梓「早く帰ってこないかな~」ジュウジュウ
梓「今晩のおかずは唯先輩のリクエストでオムライスっ!」
梓「……うれしいなぁ、久しぶりに幸せかも」
「おぅーい、帰ったよー」
梓「あ、はーい!」トタトタ
唯「ん~ただいま~」
梓「お、おかえりなさい! お仕事お疲れ様!」
唯「えへ~今日の収録たのしかったー」
梓「よかったですね!」
唯「ご飯は?」
梓「もうできてますよ。手洗ってうがいしてください」
唯「ねー、その前にさー」
梓「はい?」
唯「ただいまのチューは?」
梓「!! だ、だめです! ただの家政婦ですから!」
唯「ちぇー、ケチー」
梓「もうっ、早く着替えてきてください」
……
唯「んぅ~おいひ~幸せ~、ほっぺた落ちそう」
梓「どもです。あ、ほら、テレビ。唯先輩でてますよ」
唯「え~、照れますなぁ。これなんの番組だっけ」
梓「えっと、波瀾万丈ってやつです」
唯「……」プチ
梓「あれっ! なんで消すんですか! 見ましょうよ!」
唯「い、いいよ~みなくてー。ほらー、ここに生のユイがいるんだよ~」
梓「えー見たいです」
唯「うーん……」
梓「この間のMステは一緒にみたじゃないですか!」
唯「そ、そうだねぇ……」
梓「唯先輩のトークって案外おもしろいですよね。てかキャラ違いすぎ」
唯「素顔になれるのはプライベートだけだね」
梓「じゃあつけますね」
『シンガー・ソングライターユイの波瀾万丈な人生』
唯「釘付けじゃなくてさ、お話しながらでいい?」
梓「あ、それはかまいませんよ」
唯「今日の収録でね」
『ユイは19××年、〇〇県〇〇市にうまれ~』
唯「共演したグループがね、おもしろくってさー」
梓「へぇ」
『天真爛漫な彼女はたくさんの友達に支えられながら、順調にすこやかに育った』
唯「おしゃべり上手なんだよ。私はクールキャラだから相槌うつしかできなくてさ」
梓「ですよね。こんな饒舌なユイびっくりです」
唯「えへへー」
『しかし、二年前の夏。彼女の身に悲劇が訪れる』
唯「おかしいよねー……」
梓「……」
『突然の交通事故、最愛の両親と妹を亡くし彼女は絶望の真っ只中にいた』
唯「おかしいよね……」
梓「唯先ぱ……」
『そんな彼女を救ってくれたのは、いま彼女の生きる力となる音楽そのものであった』
唯「……あはは、やーな番組っ」
梓「唯先輩……あの……」
唯「どうしろっていうの……こんな広い家に私だけ残してさ……ばーか」
梓「うっ……グス……唯先輩」
唯「何であずにゃんが泣くのー……」
梓「ごめんなさい……ごめんなさい、ヒグ」
唯「……」
梓「唯先輩のこと……なにもしらないくせにでしゃばって……」
唯「いいんだよーあずにゃんは悪くないもん」
梓「グス……唯先輩もずっと……一人だったんですか?」
唯「まぁね」
梓「それで、寂しくてあんなとこ行って……うぇぇぇぇええん」
唯「な、泣かないで……もう行かないから! あずにゃん!」
梓「ないてっ、ヒグ、ないですってグス」
唯「私、あずにゃんがいれば寂しくないよ」
梓「唯先輩……」
唯「疲れておうちに帰ったらね、電気ついてて、あずにゃんが笑顔で出迎えてくれる」
唯「お風呂がわいてて、暖かいご飯がある」
唯「私にも、やっと帰る場所ができたんだよ? それだけで嬉しいの」
唯「あずにゃん。ありがとう」
梓「唯先輩唯先輩……っ」
唯「この家も喜んでるよ。ずっと真っ暗だったもの」
唯「それに、あずにゃんが着てくれてる憂のお洋服もね」
梓「でも……私にはっ、こんな大事な服きる資格なんてありませんよぉ……グス」
唯「ありがとう……ありがとうあずにゃん」
唯「あずにゃんは優しいから……人のために泣けるんだね」ナデナデ
梓「……唯先輩、私たちって……」
唯「似たもの同士だったのかな……だから、あずにゃんのことほうって置けなくて」
梓「同情……ですか」
唯「はじめはそうだったのかも。だけどね、聞いて?」
梓「……」
唯「とってもあずにゃんが好き。わがままだけど、あずにゃんに居て欲しいよ。ずっと」
梓「……」
唯「だって私、こんなに暖かい家……久しぶり……グス、もう、手放したくない……!!」
唯「あずにゃんがいないと寂しくて!! うっく……うぇぇぇええええん」
梓「ゆ、唯先輩っ!!」
唯「ごべんで……ごめんね、勝手に泣いちゃって、ずるいよね」
梓「私……私……」
唯「あずにゃんの人生、ヒグ、だもん……好きにしたらいいよ」
唯「それこそ私にはどうこう言う資格なんてないんだから」
唯「でもあずにゃんがいいなら……」
梓「いいですよ」
唯「え……?」
梓「ここに居させてください。私、もう居場所、ここしかないんで」
唯「あずにゃん……」
梓「……私だって……寂しい……寂しかった!」
梓「唯先輩にはじめてあったとき不安でしかたなかった!!」
梓「人生がガラガラと音を立てて崩れていくような……そんな感じ」
梓「だけどそうしないと生きて行くことすら難しかったから……」
梓「……それなのに、唯先輩に手を引っ張られたとき、なんだかホッとしたんです」
梓「唯先輩の笑顔が……妙に離れなくて」
唯「……あずにゃん」
梓「人に優しくされたことってあんまりないから……頭、わからなくなって」
唯「……」
梓「きっと好きになっちゃったんです。そうです。たぶん私惚れっぽいんです」
梓「だから、大好きな唯先輩と一緒に暮らせるなら……これほど嬉しいことはありません」
梓「唯先輩のお世話なんでもします。なんならお金貯めて免許とって、唯先輩を送り迎えだってします」
梓「おねがいします。ここに居させてください。唯先輩」
唯「……うん」
唯「うん! ずっと居ていいよ! ううん、居てください!」
梓「はい!」
唯「あずにゃん!」ダキッ
唯「あったかあったか……あったかあったか」
梓「なんですかそれ?」
唯「心も体も暖かくなるおまじないだよ!」
梓「あったかいです……いままで一番」
唯「わたしもー」
梓「唯先輩……このまま二人で……」
唯「だねー」
梓「幸せになれますかね?」
唯「なれるとおもうよ。私にまかせんしゃい。幸せにしてあげよう」
梓「それ、なんか、プ、プロポーズみたいですね。私からふっといてなんですが」
唯「ん? んーそっかな?」
梓「女の子同士で……ちょっとそれは……てかまだ出会って数日……」
唯「はっはっは、大丈夫だよ。私はそっちの世界では有名な有名なユイさんだから」
梓「うっ……や、やっぱりまだ考えさせてください。少し身の危険を感じました……」
唯「えぇ~ここに居てよ~」
梓「そりゃ居ますけどっ! ずっといますけど……はぁ」
唯「顔赤いよ?」
梓「ちょ、ちょっと想像が膨らんだだけです!! なんでもないですってば!!」
唯「もしかしてあずにゃんの理想は家政婦さんじゃなくてお嫁さんかな!!? いや~ん♪」
梓「ちがいます~っ!!」
唯「遠慮しないで~ほらあずにゃんむちゅちゅ~」
梓「もぉ~なんなんですか!! ……一回だけですよ」
チュー
お し ま い
乙
唯になら梓を任せられる
梓が幸せになれて良かった
137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 14:54:51.12:IvMyvTGG0唯になら梓を任せられる
梓が幸せになれて良かった
乙
他の面子がどうなってるのかちょっと気になるな
なんかソープにいるっぽいやつもいるが
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 14:58:06.56:2Mj2oSXr0他の面子がどうなってるのかちょっと気になるな
なんかソープにいるっぽいやつもいるが
最初ただのエロssかと思ったがいいssだった
乙!
193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 22:10:22.89:MrqHvtWH0乙!
梓「唯先輩まだかなーまだかなー」
梓「……」チラッ
梓「十時まで……あと五分ある……」
梓「……まだ五分あるもん」
『これから十時までに帰れなかったら、たぶんその日はもう帰れない。ごめんね』
『だからその場合悪いけどあずにゃん一人で先に寝といて?』
『ご飯は……ごめん。冷蔵庫いれといてくれたら次の日食べるけど……』
梓「はぁ……唯先輩……今日も帰って来ないかなぁ……」
梓「……ま、まだ三分あるもん!」
梓「…………」
梓「…………あっ、そうだお味噌汁あたためなおさなきゃ」
梓「先にお茶もいれとこう!」
梓「……唯先輩」
梓「…………ばか」
梓「あーあ……頑張って作ったのにな」
梓「ハンバーグ、冷蔵庫いれたら固くなっちゃう……」
梓「食べてほしかったな……」
梓「あずにゃんのご飯おいしいって……言って」
梓「帰ってきてよ……唯先輩……」
梓「……っと、ダメダメ。私は唯先輩のお仕事応援するんだもん」
梓「よし、書き置きして寝よ!」
梓「冷蔵庫に、ハンバーグとサラダが入ってます、お味噌汁は、温め直して食べてくださいね、っと」
梓「ふー、また一人の夜がきちゃった」
梓「唯先輩と暮らし始めてもうかれこれ1ヶ月かぁ」
梓「売れっ子ってほんとに大変なんだ……」
梓「私、一体なにしてるんだろう……毎日ひとりでお掃除とお料理と洗濯……」
梓「あ、そうだ。唯先輩の番組録画しなきゃ」
梓「今度ドラマもはじまるんだよね。絶対見る」
梓「唯先輩に役者なんてできるのかな……ふふっ」
梓「そうだよ。忙しいんだから……」
梓「私の、ただの家政婦のわがままなんて聞いてる暇はないよね」
梓「わかってる」
梓「でも、寂しい……」
梓「近くにいるはずなのに……唯先輩の姿をテレビで見るたびに距離を感じちゃう」
梓「所詮、住む世界が違うんだって……」
梓「あーあ、私も何かしようかな……あっ! そういえば求人広告どこいったかな」
梓「よーし! 決めた! またバイトしよう。普通のね」
梓「大丈夫だもん! 時間はたっぷりある」
梓「それで少しでもこの家にお金いれるんだ」
梓「そしたら唯先輩の負担も減るはず……」
梓「いっぱい仕事しなくてすむ……」
梓「いっぱい家にいてくれる……」
梓「そうですよね? 唯先輩……」
……
……
梓「ん、朝……むにゅ」
梓「あれ、なんかあったか……」
唯「スピー……zzz」
梓「あっ、唯先輩帰ってきてたんだ……なんでくっついてるんだろう」
梓「唯先輩、おはよーございます。朝ですよー」ナデナデ
唯「グコー……zzz」
梓「いつの間に帰ってきたんですか? 晩ご飯たべましたか?」
唯「ムニャ……」
梓「はぁ、人の気もしらないでなんて幸せそうな……」
唯「ん……あずにゃ」
梓「あ、おはよーございます。朝御飯たべますか? お味噌汁ありますよ」
唯「きのうはごめんねぇー……ムニャ」
梓「……別にいいですよ。もう慣れました」
唯「おきる……」
梓「まだ眠いんでしょ? ご飯できたら起こしに来ましょうか?」
唯「じゃーそーしてー……うー、昨日の収録、きつかったな……zzz」
梓「……お疲れ様でした、ほんとに」
唯「スピー……zzz」
梓「ファイト、私」
梓「唯先輩はこんなに頑張ってる。だから私も頑張って唯先輩のお世話をする」
梓「よしっ! 朝はお味噌汁とお魚と、たまごを焼こう!」
唯「zzz」
梓「唯先輩待っててくださいね。すぐにおいしいおいしい朝ご飯つくりますから」
唯「zzz」
梓「……」
梓「……かわい」
梓「唯先輩」
梓「……おかえりなさい」ナデナデ
……
唯「でねっ! そんなにたべれないよーって言ってるのにまだ持ってくるんだよ! ひどいよね!?」
梓「そりゃあ晩ご飯たべられませんよね」
唯「私は芸能人さんとは違うんだからさー、ちょっと事務所も気を使って欲しいよね」
梓「てかなんでそんな番組からオファーがきたんですか」
唯「しらないよー、あっでも最近印象変わったねってよく言われるかも。それでかな?」
梓「変わった……唯先輩が?」
唯「うん、きっとあずにゃんに出会ったからだよ」
梓「え? ……もう、またぁ」
唯「なんていうかあずにゃんのため、あずにゃんのため!って思えば仕事に身が入るって言うか」
梓「はぁ」
唯「早く帰りたくなる」
梓「だめじゃないですか」
唯「でへへー」
梓「でへへじゃないです。あ、ほっぺたごはんついてますよ」ヒョイ
唯「お、なんかいまのお嫁さんみたいだねぇ」
梓「えっ、あっ、いやちがいます。私は……家政婦として」
唯「家政婦ってそんなことまでするの? 知らなかった。ねぇそれどこ情報?」
梓「ど、ドラマ……」
唯「あずにゃん、テレビおもしろい? 家にいるときはずっとテレビ見てるの?」
梓「はい。家事しながらテレビみたり唯先輩のCD聞いたり……」
唯「もしかして退屈? ごめんね?」
梓「いえ、おもしろいですけど」
唯「ほんとに……?」
梓「……大丈夫です」
唯「なにか欲しい物あったら言ってよ。ゲームでも玩具でもなんでも買ってあげるよ?」
梓「あ……それなら……」
唯「ほう、何がほしいんだい子猫ちゃん」
梓「アルバイト……したいかなって」
唯「えっ?」
梓「あ、いえ……なんでもないです」
唯「アルバイト? ソープはダメだよ?」
梓「わ、わかってますよ! あんなとこもうごめんです!」
唯「思い出の場所だけどね」
梓「もうっ!!」
唯「ごみんごみん」
梓「それで、いろいろ求人広告みたりしてたんですけど」
唯「うーん……あずにゃんがバイトかー」
梓「……だ、だめですか? だめならもういいですけど」
唯「そうだよねー……外でないとねー」
梓「はい。外ではたらいて、お金入れて、今以上にもっと唯先輩のお役にたてれば」
唯「いや、そうじゃなくてさ。ほら、あずにゃんもここにきて一ヶ月」
唯「だいぶ落ち着いたし、そろそろ色々なことしたほうがいいかなって思ってたんだ」
梓「いろいろですか」
唯「うん。あずにゃんが楽しい生活を送れるようにってね」
唯「そりゃあ、このおうちで私だけの家政婦さんしてくれるのも嬉しいけどね」
唯「でも私はもっとあずにゃんに広い世界をしってほしいなって思ってさ」
梓「唯先輩……」
唯「だからあずにゃんがアルバイトしたいって言うなら止めないよ」
唯「習い事とか旅行とかほかにしたいことがあったらお金もだしてあげる」
唯「若いうちにいろんな経験してたくさん思い出つくって、二人で立派な大人になろうよ」
梓「唯先輩はとっくに大人です……私なんかとは比べ物にならないくらい」
唯「私はかなり特殊な世界だからね。まわりもみんな大人だよ。私自身はとても胸張って立派とは言えないけど」
梓「それでも……唯先輩は大人です……すごく大きくて、遠く感じるときがあります」
唯「そっかなー」
梓「大人に……私もなれますか?」
唯「うん! アダルティーなあずにゃんを期待してるよ」
梓「そ、そういう意味じゃないでしょ!!」
唯「でも背はおっきくならないでね! 私いまのあずにゃんが抱き心地最高だとおもってるから」
梓「牛乳いっぱい飲んでやります」
唯「それで、バイトの目星はつけた?」
梓「はい、どうせなら接客をやろうかなと」
唯「度胸あるね。さすがソープにむぐががあいひゃいいひゃい」
梓「最低です」
唯「で、でで、どんな職種?」
梓「まだわかりません。この広告以外にも街中にでてたりするのでそっちも見てみようかと」
唯「働くようになったら通うよ」
梓「だめです。噂されちゃいます」
唯「あ、でも晩ご飯はちゃんとつくって待っててね?」
梓「はい。だからせめて夕方にはあがれるバイトにしようかと。ちょっと都合良すぎですかね」
唯「いやいや、バイトさがしがんばれー」
梓「あ、唯先輩。もうそろそろ行く時間っていってませんでした? マネージャーさんと駅で待ち合わせしてますよね?」
唯「おぉ! しまった。ついあずにゃんに夢中になってた。ごちそうさま!」
梓「いってらっしゃい唯先輩」
唯「ねー。いってきますのチュー」
梓「もうっ……チュ。これでいいですか」
唯「おっ、今日はしてくれた! 機嫌いいんだ」
梓「……むぅ」
唯「私がちゃんと帰ってきたから嬉しいんだよねー?」ナデナデナデナデ
梓「もぉ! 遅れますよ!」
唯「まぁこわぁい……ふふふ、いってきまーす!」
梓「ふふっ、お仕事がんばってくださいね」
ドタドタ ガチャン バタン
梓「……いっちゃった」
梓「今日は打ち合わせだけって言ってたから夜には帰って来るかな」
梓「あ、晩ご飯のリクエスト聞くの忘れてた」
梓「こういうときやっぱ携帯電話ほしいなーって思う」
梓「あ、バイトするなら買わないとだめかも」
梓「唯先輩買ってくれるかな? でも高いよね……」
梓「なんか唯先輩にはいろいろもらってばっかりだなー」
梓「結局服とか靴も買ってもらっちゃったし……」
梓「私、唯先輩に何かしてあげれてるのかな」
梓「料理は自身あるけど、それでもやっぱレストランのほうがおいしいし……」
梓「唯先輩って外でいいものたくさん食べてそう」
梓「だって話題沸騰中の歌手だよ。国民的スターだよ」
梓「私ってなんてちっぽけ……あぁ」
梓「……だめだめっ、がんばるって決めたもん」
梓「お買い物にいくついでに求人さがそう」
梓「あと、唯先輩のニューシングルも買わなきゃ」
梓「……そういえばなんで私にお小遣いくれるんだろう」
梓「月に一万円ももらっても使い道ないよ」
梓「……もらってばっかりの生活早くやめたい」
……
スーパー
梓「んー、こっちも安い……でもこれも食べたい……」
梓「……」キョロキョロ
梓「平日の昼間から買い物してる若い子なんて私くらいだよね」
梓「あーあ、何だと思われてるんだろう」
梓「まさか世紀のスターユイの家政婦とは思うまい」
梓「ふふふっ……あ、私いま気持ち悪い」
梓「んー、よし。お豆腐安いし今晩はマーボー豆腐にしよ」
梓「お昼は昨日の残りがあるから大丈夫」
梓「唯先輩はお肉多めがいいのかな」
梓「……そういえばスーパーのバイトってどうなんだろう」
梓「ここ、求人貼ってないかな……あっ、あった!」
梓「えっと……18歳以上。10時~18時まで!」
梓「……無理か」
梓「どうせなら楽しそうな仕事がいいな」
……
梓「あ、求人張り紙……」
【田井中うどん】
接客、宅配従業員募集中
時給710円~
学歴不問
年齢16歳以上 女性可 高校生不可
個人経営の働きやすくて楽しい職場です
交通費、まかない有り 制服貸与
梓「うどん屋……うどん屋かぁ……」
梓「私に似合うかなぁ……」
梓「ここにしよっかな」
梓「……よしここにしよ!」
梓「駅前かー。帰りにのぞいてみよう」
梓「早く働いて唯先輩に楽させなきゃ!!」
ここでまさかの律か
230:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/07(月) 23:38:53.52:MrqHvtWH0……
梓「ここだ……な、なんか怖そう」
梓「やってるのかな……」
梓「ええいっ」
梓「ごめんくださーぃ……」
梓「……?」
梓「ごめんくださ」
「はいはいはい、いらっしゃいいらっしゃい!」
梓「うわっ!」
「お一人様で? 奥の席あいてますよー」
梓「いや、その……私、求人をみて……きました」
「あ、アルバイト希望の人? おーやった! じゃああがってあがって」
梓「は、はい」
「そこ座って。荷物ここ。あ、買い物帰り? 水飲む?」
「はじめまして私はここの店長やってる田井中律。よろしくねん」
梓「あ、中野梓と申します……」
律「かたくならなくていいってー!」
梓「はぁ……」
梓(苦手なタイプかも……)
律「で、お嬢ちゃんおいくつ?」
梓「あの、一応17歳です……」
律「17!? まじ? 中学生かと思った」
梓「……」
律「うそうそ冗談! てか中学生雇えねーし! あははっ」
梓「それで……」
律「17ってことは高校生? うち高校生は」
梓「いえ、高校には……いってません」
律「じゃあいまフリーター?」
梓「あの……家政婦です……家政婦!」
律「ふーん、なかなか変わってるね。うちでほんとにやってける?」
梓「接客したりするんですよね?」
律「そうそう。慣れれば簡単だよー」
梓「はい……大丈夫です」
律「うーん、ちょっと表情がかたいかな。うちは元気が売りだから」
梓「頑張ります」
律「よし、採用!」
梓「はやっ」
律「がんばるっていったじゃん! ならそれでよし!」
梓「あの、ほんとにいいんですか? こんなどこの馬の骨ともしらない……」
律「いいんじゃない? 悪い人には見えないし」
梓「あ、ありがとうございます。嬉しいです」
律「人間いろいろあるって! はっは!」バシバシ
梓「いた……いたた」
律「じゃあ明日から早速いいかな? 人手たりなくて困ってたんだー」
梓「はい! よろしくおねがいします!」
律「うむ、良い返事だ梓」
梓「あ、梓……」
律「いい名前じゃん、梓。あ、私のことは律店長って呼んでくれ!」
梓「あ、わ、わかりました律店長!」
律「おっけい! じゃあ私まだ仕事あるから、また明日な!」
梓「はい!」
平沢家
梓「…………なんかあっというまに決まった」
梓「……やった。やったぁ……!」
梓「唯先輩、私アルバイト決まりましたっ!」
梓「うれしいなぁ……ちょっとガラ悪いけどいい人そうだったし」
梓「よーし、がんばるぞー!」
梓「晩ご飯つくろっ!!」
……
梓「~~♪」ジュウジュウ
梓「~♪~♪」ジュージュー
梓「早く帰ってこないかなー早く帰ってこないかなー」
梓「んー、もう七時」
梓「~♪ ~~♪」
ガチャリ
梓「あっ!! 帰ってきた!」
「あずにゃ~んただいまああ~!!」
梓「はぁーい! おかえりなさーい!!」
「ちょっときてー」
梓「はいはい、行きますよっ」トコトコ
梓「はい、なんですか♪」
唯「えへ~、あずにゃんただいまー!」
梓「聞こえてましたよ。おかえりなさい!」
唯「あのねー」
梓「あ、おかえりのチューですか? だめですよっ!
唯「ほえ? してくれるの?」
梓「い、いえ……でなんですか?」
唯「あのねー」
梓「はい」
唯「あずにゃんに紹介したい人がいるんだー、でへへ」
梓「えっ……? 紹介……え?」
唯「いま外でまってるー」
梓「あの……いまなんて……」
唯「紹介したい人がいるんだー」
梓「……」フラッ
唯「あずにゃん? どったの?」
梓「……わ、わたしもう寝ます……」フラフラ
唯「えぇ!? なんで!」
梓「わ、わかんないんですか……ヒッグ」
唯「え? え? 泣いてるの? あずにゃん!」
梓「どうせ私なんて……私なんてただの家政婦……グス」
唯「ちょ、ちょっとまってよー。わけわかんない」
梓「私、馬鹿みたい……一人で舞い上がって……」
唯「なんかよくわからないけど……よしよし」ナデナデ
梓「やめてください! そういうのはっ!!」バッ
唯「あっ……」
梓「その紹介したいっていう大事な人にすればいいじゃないですか!!」
唯「あ、あずにゃん……っ」
梓「もうしらない!! 唯先輩のことなんかしらない!! あとはご勝手に!!」
唯「え? や、やだよー」
「ちょっと唯、なんかその子盛大に勘違いしてない?」
唯「あ、和ちゃん。ごめんね? はいってはいって」
梓「ふぇ……?」
和「はじめまして梓ちゃん。私唯のマネージャーやってる真鍋和です」
梓「ま、まね……?」
唯「だから紹介したいって言ったじゃん。あれ? マネージャーとは言わなかったか。てへっ」
梓「あっ……あっ……あああっ!! にゃあああっ!!」ボンッ
唯「おやおや。あずにゃんどうしたー真っ赤になって」
和「唯、なんとかしなさい」
梓「うわああっ!! すいませんすいません!! うわあああっ!! 恥ずかしっ!!」
唯「あぁー、嫉妬してくれたんだ。それで泣きそうだったのねーういヤツういヤツ」
梓「ち、ちがっ!!」
唯「そうなんでしょ……? 嬉しいなーあずにゃん」
梓「うぅ……」
唯「あ、和ちゃん! この子があずにゃん。中野梓ちゃん。私のお嫁さ」
梓「家政婦ですっ!!」
和「唯から耳にたこができるほど話は聞いてるわ。よろしくね梓ちゃん」
梓「は、はい! どうも先ほどはお見苦しいトコをおみせしました。すいません」
唯「かわいーかわいー」
梓「もうっ、からかわないでください!!」
和「ふふっ、ほんとに仲がいいのね。……ありがとう」
梓「え? お礼なんて、どうして」
和「これでも唯はね、梓ちゃんにであってからすっごく明るくなったのよ」
唯「そ、そうかなぁ……えへへ」
和「毎日毎日幸せそう。それはあなたのおかげ」
梓「そんな……私なんて……」
和「いいえ、長い付き合いだからわかるの」
梓「そうなんですか」
和「そう、とっても長いのよ……それでも私にはあの時の唯を笑顔にすることはできなかった」
唯「和ちゃん……」
和「すごいのね。梓ちゃん。ただそれを言いにきたの。邪魔したわね」
梓「いえっ、そんな……あ、せっかくですから晩ご飯一緒にいかがですか」
唯「あーそうだよー食べていきなってー」
和「うーん、遠慮しとくわ。私新婚さんに割って入るほど図太くないもの」
梓「し、新婚さん……?」
和「あら? 唯からはそう聞いてるけど」
唯「え? えへへー……えへへ和ちゃんなんで言っちゃうかなぁ」
和「?」
梓「ゆーいせんぱぁい?」
唯「こ、言葉のあやでして……許してぇ……」
和「でも一緒にお風呂はいったり寝たりもするんでしょ? なら実態は変わらないわ」
梓「ちょっと!! なんでそんなことまで!!!」
唯「の、和ちゃん……」
梓「唯先輩!」
和「もう帰るわね。それじゃあ」
唯「和ちゃんひどいよ~あずにゃんに嫌われちゃう~~」
和「唯は底なしらしいけど、その時はがんばってね」
梓「にゃ、なにを!!?」
唯「……むふ」
和「あと、唯。先週の放課後ソープ天国は経費じゃ落ちないから。それだけ伝えとくわ」
唯「ちょっと和ちゃん!!!?」
梓「…………は? 放課後何?」
梓「ソープ……? ……は?」
唯「えっと、それはっ、誤解だよ! ほんと!!」
梓「ねぇ、もういかないって約束は……?」
和「あ。唯、今言うことじゃなかったわね。反省してるわ。また明日」
ガチャン バタン
唯「……あうあうあう」
梓「唯……せんぱい?」
唯「誤解なんだって~」
梓「うふ、うふふふっ……えぇ、怒ってませんよぉ~? ただ、ちょこーっとお話を伺わなければいけませんねぇ~?」
……
唯「というわけなんだよ」
梓「なるほど。わざわーざ、ソープまでお別れの挨拶にいってたんですね?」
唯「う、うん……だってなんだかんだで付き合いあったし……ほら、ソープ王だし、元」
梓「んでお別れついでにあーんなことやこーんなことをしてきたと?」
梓「お別れのチューとか! キスとか! 接吻とかしてきたんでしょ!! 白状しなさい!!」
唯「してないしてない! 信じてよ!! ほんとお茶飲んだだけ!! ってか全部チューじゃんそれ!!」
梓「……」ジー
唯「なにその目っ! 疑ってるの!?」
梓「唯先輩の女ったらし」
唯「うっ……でもいまは……あ、あずにゃん一筋だもん!!」
梓「……」ジー
唯「信じてよぉ……」
梓「じゃあ私一筋ってどうやって証明するんですか」
唯「えっ……それは」
梓「……」
唯「……いいの?」
梓「……」
唯「……ゴクリ」
梓「ヤです」
唯「えー……」
梓「私こんなムードでしたくありません」
唯「あずにゃーん……」
梓「するなら一人でどうぞ……あ、なんならまた大好きなソープいったらどうですか?」
唯「うえーん……ひどいー」
梓「ふんっ」
唯「…………あずにゃーん」ギュウウ
梓「だ、抱きしめたって許さないんですから」
唯「そろそろお腹すいた」
梓「あっ……そうですね。晩ご飯食べましょうか。マーボー豆腐です」
唯「うん…………ごめんね?」
梓「……いまさら謝ったって」
唯「許してなんていえないよね? でもね、私にとってはあれも大事な思い出だったんだ」
梓「……」
唯「もういかないよ。今度こそ。いや前回だって遊びに行ったわけじゃないんだから、行った内には入らないけど」
梓「……ほんとですか? 信じていいんですか?」
唯「うん」
梓「じゃあ信じます……あと、唯先輩」
唯「ありがと」
梓「もし……ソープいきたくなったら……その……」
唯「?」
梓「私が……代わりに……あの」
唯「え? え?」
梓「わ、忘れてくださいっ! さ、ご飯たべましょう」
唯「ソープいきたい」
梓「!」
唯「あーソープいきたいソープいきたい」
梓「ちょっ……!!」
唯「で?」
梓「…………」
唯「私ソープ行って猫耳似合う子を指名したいんだけど」
梓「…………」
梓「……私で我慢してください」
唯「はい喜んで!」
梓「……もぉおおおおっ」
翌朝
梓「ん……ふぁ……眠」
唯「おはよーございまーす」ボソッ
梓「あっ……唯……」
唯「朝だよー」ギュウウ
梓「んっ……ちょっと、やめ」
唯「どしたの?」
梓「恥ず……かしくて、いま……私たち」
唯「え? あぁ……ふふ」
梓「先に服着て……顔でも洗っててください」
唯「……可愛かったねぇあずにゃん」
梓「!!」
唯「あんな声だすんだね」
梓「うぅ……唯のいじわる……」
ついに越えたか~
321:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 11:07:33.39:OcNZmEbj0これもう事後じゃないすか
322:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 11:09:02.42:DGIvuoLF0唯「でも良かったでしょ?」
梓「…………うん」
唯「ねぇ、いまからまたする?」
梓「し、しませんっ。私今日からアルバイトなんで!」
唯「ざーんねん」
梓「……」
唯「でもたぶん今晩もソープいきたくなるとおもうなー」
梓「……だめ」
唯「じゃああずにゃん指名してもいい?」
梓「それも……だめです」
唯「えー」
梓「こういうのは一週間に一回くらいで……」
唯「私の性欲なめてんの?」
梓「じゃあ三回……」
唯「あずにゃんもハマったんだね、うんうん」
梓「だって唯が……あんな顔するとはおもわなかったし」
唯「私どんな顔してた?」
梓「……変な顔」
唯「素直じゃないなぁ」
梓「そ、そろそろ朝御飯の準備してきます……」
唯「うん」
梓「あれ、下着どこやったかな……」キョロキョロ
唯「あ、たぶん床に散らばってるよ」
梓「……唯のせい」
唯「怒んないでよー」
梓「いいもん。今晩のおかず唯の苦手な野菜いれちゃいますから」
唯「ひどーい」
梓「はいはい。さ、ちゃんと顔洗っておりて来てくださいね」
唯「ねぇ、それよりシャワーあびない?」
梓「ん……そっちのほうが良さそうですね……」
やべえニヤニヤする
328:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 11:25:58.08:DGIvuoLF0……
唯「でさー、どこでアルバイトするんだっけ」モグモグ
梓「はい、駅前のうどん屋です」カチャカチャ
唯「……ふーん。大丈夫そう?」モグモグ
梓「えぇ、主人もいい人っぽくて」
唯「あぁーなんか悔しー」
梓「え?」
唯「私だけのあずにゃんはもう卒業なんだなぁって」
梓「……心配しないでください。私は唯だけの家政婦です。ちゃんと戻って来ますから」
唯「まぁ無理しない程度に頑張って。暇ができたら見に行く」
梓「こ、こなくていいですよぉ……」
唯「あずにゃんが外でどんな風に生活してるのかも見届けないと」
梓「……はい。一生懸命役に立つよう働きます」
唯「頑張れ……頑張れあずにゃん!」
三週間後
梓「あ……うそっ、もうこんなに使っちゃったんだ」
唯「ん? どしたの?」
梓「唯先ぱぁい、今月の食費きれちゃいました」
唯「ん、ほい。一万円で足りる?」
梓「はい、大丈夫です! ありがとうございます」
唯「いつもすまんねー」
梓「私のほうこそただで居候させてもらって」
唯「それは言わない約束ー」
梓「すいません。でももうすぐお給料はいるんで! お金いれます!」
唯「そんな気をつかわなくていいけどね」
梓「一緒にがんばるっていったじゃないですか!」
唯「……よしよし、じゃ行ってくるね」ナデナデ
梓「はい! いってらっしゃい! なるべく早く戻ってきてくださいね!」
唯「了解……で、いってきますのチューは?」
梓「むぅ……いってらっしゃい!」チュッ
唯「ふへへ……いい子だねあずにゃん。これで今日も一日頑張れるかな」
梓「私も頑張ります!」
ガチャン バタン
梓「……もうすぐ冬かぁ……」
梓「最近また仕事いそがしそう……年末に近づくにつれてもっと忙しくなるのかな」
梓「ドラマの撮影もはじまったみたいだし」
梓「ドラマかぁ……一応原作本よんだけど」
梓「やだなぁ……」
梓「これだと最後に唯が……主人公とチューしちゃうじゃん」
梓「唯の仕事とはいえ……そんなとこみたくないよ……」
梓「まぁソープ王ってくらいだし、チューなんて慣れたもんだろうけど」
梓「それでも複雑……はぁ」
梓「唯は私のことどうおもってるのかな」
梓「好きっていってくれたのに」
梓「……なんか唯が忙しくなる度に私こんなネガティブなことばっか」
梓「ヤな子」
梓「今はもうバイトしてるし、ギター教室にも行きはじめたし。寂しくないもん!!」
梓「……寂しくないもん」
梓「……はぁ。バイトいく準備しなきゃ」
梓「お給料はいったら何買おうかな」
梓「2万円は家にいれるとして、あとは貯金?」
梓「あ、携帯電話買わなきゃ……」
梓「唯いっぱいメールくれるかなぁ……えへへ」
梓「たしか写真とか送れるんだよね……ふふふ」
梓「…………」
梓「今日は……帰って来るよね?」
梓「待ってますから……」
……
梓「はーいそがしいそがし」
梓「寒い日はやっぱ出前の注文おおいなぁ」
梓「ひー、手がかちかちだよ……軍手してきたらよかった」
梓「全く、私ばっかり宅配なんて律店長ずるい!」
梓「って私はうどんうてないけど……えへへ」
ガラガラ
梓「店ちょーただいま戻りましたー」
律「おーっすおかえりー」
澪「……」ペコッ
梓「あ!! 律店長! そちらの方……」
律「ん? あぁ、こっちは客じゃなくて」
梓「も、モデルのMIOさんですよね!!?」
律「えっ、あ……うん」
おいおい、それじゃmiomioは誰なんだ・・・
339:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 11:58:38.88:tlO1f2Kw0>>337
曽我部なら源氏名にmiomio付けてもおかしくないかもwww
341:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 12:02:15.69:DGIvuoLF0曽我部なら源氏名にmiomio付けてもおかしくないかもwww
澪「律」
律「あ、うちのバイトの梓。悪いね騒がしくなって」
澪「いや、いいんだ。よろしくね」
梓「はい! あ、あのっ! サインとかいただけますか?」
澪「いいよ。私のでよければ」
律「梓ミーハーだなー」
梓「ちがうんです! 私、MIOさんにちょっと憧れてるところがあって」
澪「へぇ、嬉しいな」
梓「どうやったらそんなスタイルになれるんですか!?」
澪「え、それは……えっと……」
律「……ふむ」チラッ チラッ
梓「…………」
澪「…………」
律「……残念。生まれつきだ」
梓「……店長も相当ですけどね」
律「にゃにおう!」
澪「仲いいんだな」
梓「でもほんとにMIOさんに憧れてる人は多いです!」
澪「ありがとう」
梓「私が前働いてたとこにもMIOさんのファンの人いましたもん!」
律「前どっかで働いてたのか?」
梓「それは言わないですけど」
律「なんで」
澪「律、邪魔しといてなんだけどお前はそろそろ仕事しろ」
律「へいへい。でも昼すぎたら暇なんだよ」
澪「そんなだらだらしててやっていけるのか?」
梓「潰れたら困ります。頑張ってください」
律「澪ーこのなまいきなバイトちゃんなんとかしてくれよー」
梓「あの、ところでMIOさんは店長とどういった関係で?」
律「あー、澪とは幼なじみなんだ」
澪「うんまぁ、腐れ縁というかなんというか」
律「昔っからちょくちょくうちに食いに来るよ」
澪「都会に行ってもこの味は忘れられなくてさ」
律「魂に刻まれてるんだよな。うちのうどん」
梓「な、なんかかっこいい!」
律「だろぉ?」
梓「MIOさんが」
律「おいっ!!」
澪「でも……えっと、梓もおいしいとおもうだろ?」
梓「はい……まぁ、ずっとまかないがうどんだと飽きてきますけどね」
律「よーし! 梓今度から茹で汁だけな!」
梓「冗談ですって!」
律「いつのまにこんな口悪くなったんだー。最初と全然違うぞ、イメージ詐欺だぞ」
澪「それじゃあ私はそろそろ帰るよ」
律「ういーっすまいどありー、さっきの話はまぁ考えとく」
澪「うん」
梓「話?」
律「んーいやいや、ただのお誘い」
梓「そうですか? お店休みます?」
律「まだ未定」
澪「あ。律、テレビみて。唯だ」
梓「!」
律「おー唯じゃん。変な服だ」
澪「でも不思議と似合ってる」
梓「おふたりともユイには興味あるんですか?」
律「興味っていうかな」
律「はっはっは!私はなんと! あの国民的シンガーのユイと友達なのだ!」
梓「えぇ!!?」
澪「私たち、高校すこしの間一緒だったんだ。もう最近は忙しくて会ってないけどな」
律「そそ。いやー私は当時から唯には類まれなる才能があるとふんでいたよ、うんうん」
澪「うそつけ……」
梓「なんとも……以外なとこでつながりが」
律「まぁね。何? 梓はユイのファンでもあるの?」
梓「えっ! あ、あの、ファンっていうか……その」
梓(いまさら、実はユイの家政婦なんですなんて言い出しづらいな……)
律「もしかして嫌い?」
梓「いえ! 違います。ま、まぁまぁ好きですね……」
律「なーんだ」
梓(唯ごめんなさい)
澪「まぁ音楽は好き嫌いがあるからな。ユイの音楽が万人ウケする理由もない」
梓(ほんとは唯の音楽も唯自身も大好きです)
律「唯もくるんだよなー」
梓「あ、さっきの話ですか? よければ教えてくださいよ」
澪「あぁ、うん。今度友達の家でホームパーティがあるからこないかって話だ」
律「なーんとあの琴吹家のパーティなんだぜー!」
梓「ホームパーティ?」
律「あ、なんか反応薄い」
澪「えっと、まぁただの宴会。芸能人とかが数人集まるだけの小さなパーティ」
梓「あぁー! 律店長それにいくんですか?」
律「たぶんな!」
梓「うどん屋なのに?」
律「おいっ!!」
澪「琴吹家の息女とも友達なんだよ。高校が一緒で」
梓「へぇー」
律「よし、お土産もってかえってやるからな!」
梓「あ、行くの決定ですか。ならその日はおやすみですよね?」
律「おうっ!」
梓(唯もいくんだよね……すごいなぁ。MIOさんに琴吹家、芸能人の集まり、やっぱり私なんかとは住む世界が違うんだ)
澪「それじゃあまたな。梓も元気で」
梓「はい! 会えて嬉しかったです!」
澪「うん、また来るから。その時は梓がうどん運んでくれ」
梓「もちろんです! 楽しみにしてます」
律「んじゃねん」
ガラガラ バタン
律「ふぅー。あ、こんな時間か。梓ー今日はもうあがっていいぞー」
梓「はい。お疲れ様でした」
律「あー、あと明日は定休日だから先に給料渡しとくか。ほい」
梓「どうもありがとうございます!」
律「それでなんか買うの?」
梓「えっと、家に少しお金いれて……あとは携帯電話くらいかな……」
律「なにそれ、えらいじゃん。ふつー服かったり漫画かったり、ねぇ?」
梓「まぁ……いいんです!」
律「ふーん。まぁよくやってくれたよ。また明後日からよろしく」
商店街
梓「えへへ……」
梓「これで唯に少しだけ恩返しできる」
梓「そうだ、何か買っていってあげようかな」
梓「でも欲しがってるもの無さそうだし……うーん」
『あずにゃんがいてくれたらそれでいいよ~』
梓「……」フルフル
梓「……えへへ」
梓「だめだ、にやけちゃう」
梓「あ、ドラマのポスターみっけ!」
梓「わぁ、唯可愛いなぁ……」
梓「こんな可愛い人が旦那様……」
「おーい、あーずさっ」
梓「えへへ……唯……唯先輩」
「きいてんのー?」
梓「……えへへへ」
「にやけてるぞー」
梓「はっ! あっ、純!!」
純「あんたそんなにこの俳優すきだっけ?」
梓「な、なんでいるのっ」
純「ん? あ、今バイトの帰り?」
梓「うん……そうだけど」
純「明日教室くる?」
梓「いくよ!」
純「始めたばっかなのにギターうまいよねー腹立つわー」
梓「そ、そうかな……」
梓(家に大先生がいるからね……)
純「でさでさ、梓この俳優好きなの?」
梓「えっ、いや……俳優のほうじゃなくて……こっち」
純でた
364:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 12:59:26.15:DGIvuoLF0純「ユイ……?」
梓「う、うん……」
純「あー、なんか印象ちがうよねー。いつもはクールな感じなのに」
梓「そうかな……」
純「事務所のプッシュ必死だなーって感じ」
梓「そういうのはわかんないけど……」
純「ユイは歌ってるだけでいいんだって。わかってないなー」
梓「……むぅ」
純「そういえばユイって前から噂がたえないよね」
梓「噂……?」
純「うん、交際関係。まぁさぞやもてるんだだろうね、あんだけルックスいいんだし」
梓「えっ……」
純「取っ換え引っ換え、二又三又は余裕らしいよ! すごっ!」
梓「えっ、えっ……」
純「あとユイのファンなら絶対ネットで検索はしないほうがいいよ」
余計なこと言うな純
370:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 13:06:29.41:DGIvuoLF0梓「どうして?」
純「んー、まぁ人気のある人にはそれなりにアンチがいるってことさ」
梓「……」
純「でも浮気癖はさすがになー。まだ18でしょ? それも女相手だっけ? あははっ、どこのおっさんだ!」
梓「……嘘だもん」
純「いかがわしいお店からでてくるところを目撃した人もいるんだって!」
梓「……う、うそ……だもん……」
梓(そんな……唯先輩……あんなに言ったのに……)
純「あ、ごめん。結構ショックだったり? てか知らなかったの? 裏世界では有名だよ?」
梓「そんなことないもん!」
純「スターに憧れたところで私ら庶民には縁のない話しさ」
梓「……問い詰めないと」
純「は?」
梓「純。もしかしたら今晩の成り行きしだいでは明日のギター教室いけないかも」
純「ほえ? さわ子先生つたえとく?」
>>370
さわちゃん先生かよw
メタルな教室になりそうだ
374:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 13:13:14.35:DGIvuoLF0さわちゃん先生かよw
メタルな教室になりそうだ
梓「うん。お願い」
純「……な、なんか顔こわいよ? 変なこといってごめん」
梓「いやいや、情報感謝してるよ……」
純「あんたさぁ……なんかあった?」
梓「ふぅー……いや、そろそろ首輪でも買わないとだめなのかなーって。このお給料で」
純「犬?」
梓「盛りが付いちゃって大変なの……」
純「そりゃあ苦労するね。まぁ興味ないけど頑張れ」
梓「ありがと。じゃあね」
……
梓「…………遅い」
梓「…………遅い」
梓「……」イライラ
梓「……まだなの」
ガチャ
梓「!」
バタン ドタドタドタドタ
唯「あっずにゃ~んただいま~。出迎えてよ~」
梓「唯先輩」
唯「!!」
唯(あ、あれ~……唯先ぱぁい♪じゃなくて、唯先輩って呼ぶ時は……)
唯(あわわわ、な、なんか悪いことしたっけ……あ、ただいまのチュー忘れてたのか!)
唯「あずにゃ~ん、むちゅちゅー」
梓「そこ座ってください」
唯「!!!」
唯(どどど、どうしよう、怒ってる……冷たい目してるよー……)
梓「ふぅー……水でも飲みます?」
唯「は、はい……いただきます」ゴクゴク
梓「……で、なにか言う事あるでしょう?」
唯「……ないです」
梓「……そうですか」
唯「……うぅ」
梓「ま、それならいいんですけどね……ふ」
唯「あ、あのあの……あずにゃんさん」
梓「なんですか? ご飯たべますか?」
唯「……悪いニュースと良いニュースがあります」
梓「……ふーん」
唯「ど、どっちから聞きたいかな……」
梓「じゃあ空気が重くなるのもあれなんで、先に悪いほう消化しちゃいましょうか」
唯「……すでに超重いっす……」
梓「で、話してくださいよ」
唯「あのですね……絶対怒ると思うんだけど……あぁああ怖いっ!!!」
梓「おこりませんってば!」
唯「もう怒ってるもん!! やだよー話したくない!!」
梓「話してください……話しなさい」
唯「……はい」
梓「…………」
唯「ドラマ、無しになっちゃった。……てへっ」
梓「…………は?」
唯「降ろされちゃった……」
梓「な、どうして!」
唯「チューするのいやになって……」
梓「え? チュー?」
唯「あずにゃん以外の人とチューするの嫌になって……」
梓「あっ……あぁ、ラストシーンの?」
唯「監督さんにそういったら……同じ事務所から他の人が演じることに……」
梓「そ、そんなことできるんですか!! てか仕事でしょ!?」
唯「勝手して申し訳ありません……」
梓「それはほかのキャストやスタッフにいってください!!」
唯「だよね……和ちゃんがいろいろ頑張ってくれてね」
唯「あ、あとあと、ムギちゃ……琴吹家がスポンサーだったからなんとかなった……」
梓「なんとかなったじゃないですよ……せっかくのドラマなのに」
唯「私には向いてないんだよ……演技下手だし。その、ほらこれ見て。インターネットの評判だけど」
梓「ん?」
ユイ(笑) 大根役者
抜擢に問題があるかと思います これでは原作のイメージぶち壊しです
ユイの枕っぷり半端ねぇな さすが浮気女
ユイはほんと頭ふわふわ時間だからな メンヘラ臭やばすぎ
梓「な、なにこれ……ひどい」
唯「こんなもんだよ。所詮私はただの歌手ってこと」
梓「た、タフですね……」
唯「まぁね。そりゃ最初にネットみたときは寝込んだけどね」
梓「も、もうとじてください。私みたくないです!」
唯「ほい。っとこれが悪いニュース……です」
梓「……」
唯「怒らないの?」
梓「つくづく……私ってヤな子ですよね」
唯「え?」
梓「最低だ……唯のお仕事がなくなったのに……なぜかホッとしてる」
唯「あずにゃん……」
梓「大事な大事な舞台を蹴るほど唯は私のことかんがえてくれてたのに……」
梓「私は唯のことを信じきれてなかった……うっく、ごめんなさ……」
唯「……あずにゃん」
梓「ごめ……また、泣いちゃいそう……もう、寝る」
梓「あしたまた……続き聞きますんで……すいません」
唯「……あずにゃんぎゅー」ギュウ
梓「あっ……ふぁ」
唯「ごめんね? 私がこんなだからたくさん心配かけたね?」
唯「ホントはあずにゃんの側にずっといたいんだけどね」
梓「……しかたないですよ……唯はこんなお仕事だし」
唯「ううん、私が悪いの。だってこんな可愛い人を泣かせちゃったんだから」
梓「……唯」
唯「そりゃあ過去にはいろいろあったけどさ……私は絶対あずにゃん一筋」
唯「それはこれからも変わらないよ」
梓「……私も唯一筋です……」
唯「うん、知ってる。だってあずにゃんは私のために泣いてくれたんだもん」
唯「ね?」
梓「でも、こんなに苦しくて寂しいなら……好きにならなければよかったって思ったこともあります」
唯「……うん、それでも好きでいてくれたんだよね? 私はそれだけでいいんだー」
梓「はい……嫌いになれるはずありません」
唯「うれしいよ……とっても」
梓「……そんな顔……ずるいです」
唯「あはは、なんだかしんみりしちゃったね? テレビでもつけて、ごはんたべよっか?」
梓「……はい!」
唯「あ、それと良いニュースがまだだったね」
梓「きかせてください」
唯「今度ね、私パーティにいくんだけどさ」
梓「あ、それ聞きました」
唯「え? 言ったっけ?」
梓「いえ、バイト先の店長に。そうそうそのこと聞きたかったんですよ」
唯「え? バイト先のって……りっちゃん? まさかりっちゃんのトコでバイトしてたの!?」
梓「りっちゃん? 田井中うどんです」
唯「そ、そうなんだ……知らなかったなぁ……りっちゃんも言ってくれればいいのに」
梓「いえ、私がここで家政婦してることはしりませんし」
唯「そっか」
梓「お友達なんですよね? MIOさんとも」
唯「うん! 大事な友だちだよ! あとムギちゃんも!」
梓「ムギちゃん?」
唯「さっきドラマの関係でちょろって言ったけど。琴吹家の琴吹紬、ムギちゃん!」
梓「あ、その人も同級生なんですよね」
唯「うん。ムギちゃんが主催のパーティにお呼ばれしちゃってさ」
梓「……いいなぁ。あ、MIOさんと律店長もいくみたいですよ」
唯「そうなんだ! でさっ」
梓「……良い話って自慢話ですか」
唯「ううん、あずにゃんもいこ?」
梓「え?」
唯「ほら、あずにゃんの分の招待券もあるよ! ほらほら~」
梓「いや……でもっ」
唯「遠慮しないでさー、いこうよー。きっとおいしいものいっぱい食べれるよ」
梓「私みたいな庶民……いいのかな」
唯「みんな結構友達とか同伴でくるみたいだよ」
梓「そうなんですか?」
唯「そろそろ私もあずにゃんのこと、ちゃんとみんなに紹介したいんだー」
梓「紹介って……家政婦なんか紹介してどうするんですか」
唯「うちのよく出来たお嫁さんです! ってね!」
梓「えっ……あっ、そ、それは……まずいことになるんじゃ」
唯「そっかなー」
梓「だめですよ。ただでさえ噂の絶えない人って言われてるんですから」
唯「だからー。噂じゃなくなればいいんでしょ?」
梓「……あ、そっか。ってダメダメ! お仕事また減っちゃいます!! 人気さがりますよ」
唯「それはテレビスターとして、でしょ? だけど私は音楽ができたらそれでいいんだよー?」
梓「でもでもっ、気が気でありませんよ! 私の存在がユイの足をひっぱるなんて」
唯「あのね、私はドラマとかテレビにひっぱりだこされる騒がしい日常よりもさ……」
唯「あずにゃんと音楽と、友達に囲まれた穏やかな毎日が欲しい……」
梓「18やそこらで隠居めいた生活を欲してどうするんですか」
唯「だってー……うぅ、やっぱ性にあってないんだって。テレビみててわかるでしょ?」
梓「……そうですか? 最近はよく頑張ってやってるような……笑顔だし」
唯「なにより家に帰れないのが辛い! こんな辛いのたえられないよ!」
梓「でも仕事なんですから! 我慢しなきゃ……」
唯「私はシンガーソングライターだよ」
梓「うっ……」
唯「事務所が売り出したいのはわかるけど、私は私の音楽を続けたい」
梓「それは……いい心構えかと」
唯「いまの私が音楽で描く世界には、必ずあずにゃんがいるの……だから……」
唯「なによりも、あずにゃんと暮らしたい……ドラマやテレビなんていらない」
梓「……わがままです」
唯「わがままなくらいが感性を磨くにはちょうど良い。ってさわちゃん先生が言ってたよ」
梓「あの人は……また違うでしょ」
唯「ね? 少しロックな生き方してみようよ」
梓「ですが……いつユイの人気が落ちるかなんてわかりませんし。あ、すいません」
唯「もしもお金に困ったらもっともっと働くよ。曲もいっぱい作る」
梓「わ、私ももっともっと働きます!!」
唯「二人なら大丈夫……大丈夫だよ」
梓「わかりました……なら、行きます。パーティ」
唯「おお! やったぁ!!」
梓「浮かないような服用意しないと」
唯「ドレスでも着る?」
梓「似合うかなぁ……」
唯「服はさわちゃんに任せたらいいんじゃない?」
梓「そ、そうですね……でもそれはそれで不安だなぁ」
唯「えへへっ、とっても楽しみだね!」
梓「はい。そうですね!」
唯「あずにゃんを紹介したら、みんなどんな顔するんだろう」
梓「きっとどん引きですよ! あはは!」
唯「それは随分ロックだね!」
梓「はい! もうどうにでもなれです! 唯がいたら私はそれでいいんです!」
唯「ありがとうあずにゃん! 私もあずにゃんがいるだけで幸せ!」
梓「えへへっ」
深夜
梓「ん……だめ……ですよぉ」
唯「いいじゃんいいじゃん」
梓「週3って言ったでしょ……さ、さわらないで」
唯「週3かー、そんなんでいいの?」ナデナデ
梓「……むぅ」
唯「むくれてる顔も可愛い可愛い」
梓「……」
唯「明日あずにゃんお休みでしょ?」
梓「……はい」
唯「なら朝までコースがいいなぁ」
梓「えぇ……明日は買い物いきましょうよ……お給料入ったし……」
唯「夕方からでいいじゃーん。あ、それとも明日一日中しちゃう? それでもいいよ」
梓「だ、だめです……昼間っからなんて、そんなのハレンチです」
梓「それに唯も仕事があるし……」
唯「といってももう撮影もないし、和ちゃんと打ち合わせしつつ、後はマッタリだよ」
梓「うぅ……底なしぃ。性欲オバケ」
唯「解消してあげるのも妻の役目でしょ?」
梓「さいてーです」
唯「あーんなに焼きもち焼いてたくせに」
梓「むぐぐ……」
唯「泣いたくせにー」
梓「ち、ちがうもんっ……」
唯「あー可愛い可愛い、子猫ちゃん」
唯「あ、パーティでは新しく猫飼ったって紹介しようか?」
梓「嫌です……ちゃんと紹介してください」
唯「冗談……もぉ、すぐ本気にして」
梓「いじわるです……」
唯「そりゃ、誰でもいじわるしたくなっちゃうよ……チュ」
唯「こんな小さくて可愛くていい匂いがするあずにゃんなんだから……」
梓「へんたいです……こんなちんちくりんな体に興奮するなんて」
唯「ロックだね」
梓「へんたい……」
唯「大好き」
梓「へんたい……」
唯「大好き」
梓「……大好き……大好き」
唯「えへへ、いただきます。もちろん付け合せは猫耳で!」
梓「にゃああ……」
唯「あっずにゃ~ん♪―――――――
―――お父さん、お母さん、憂。この人が私の大切な新しい家族です。
私はこの人と一緒に、ずっと一緒にこれからの人生を歩んでいきます。
だから、ちゃんと見守っていてね? 私、もう泣かないから――――――
泣いた
413:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 15:02:02.44:DGIvuoLF0お し ま い
<⌒/ヽ___
/<_/____/
おっつ乙
ニヤニヤした
449:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:12:37.60:P4WpodnBPニヤニヤした
ちょっと待てブログのURL教えてくれよ
450:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:13:36.08:Ub7T8yqN0445:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:17:14.78:/KjLP5XC0
お疲れさん
本当に良いSSだった
ゆいあずは永遠に一緒だ
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ゆいあずは永遠に一緒だ

- けいおん!! TVアニメ公式ガイドブック~桜高軽音部メモリアルアルバム~ (まんがタイムKRコミックス)
- 原作:かきふらい まんがタイムきらら編集部
- 芳文社 2011-02-18
by G-Tools , 2011/02/08
コメント 22
コメント一覧 (22)
憂がちゃっかり死んでるwwwwwwwwwwwwww
就職難の中、同級生たちの働き場を造ったかんじで
それどこ情報よ~?
無くても見たい…ッ!くわっ
虐待とかw酷過ぎるw
実際、あんな気遣いがきちんと出来る子なんだから親も素晴らしいはず(・ω・)てなことで、良かったよ。
そんな分解者さんには
梓「今の私の幸せは憂とのキス3回分」~秋想奏
梓「それが憂の答えなら」~秋追奏
がオススメです!
いやあ堪能した…良い唯梓だった