- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 18:57:34.55:f5DtejoR0
~常盤台中学校、御坂の教室~
同級生A「あ~、やっとお昼休みだ~。 一緒にお弁当食べよ~」
同級生B「うん、席くっつけて~」
御坂「…………」スゥ…
同級生C「ねぇ、御坂さんってさ、お昼休みになるといっつもどこかへ行くよね」
同級生D「レベル5だから、色々あるんじゃないの? 実験とか」
同級生E「そっか、でもあの人って、はっきり言ってクラスで浮いてるよね」
同級生F「あたし、あの人とほとんど喋ったことないよ」
同級生G「あたしも。 何かあの人暗いよね」
【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」
【速報】尾田っち、ワンピース最新話でやってしまうwwww
【東方】ルックス100点の文ちゃん
【日向坂46】ひなあい、大事件が勃発!?
韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 18:59:58.33:f5DtejoR0
~トイレの個室~
御坂「……はぁ、今日も便所飯かぁ」
御坂は、個室に持ち込んだ菓子パンの袋を開け、
力なくもぐもぐと食し始めた。
御坂「まぁ、この学校のトイレって綺麗だから、ここで食事しても全然不自然じゃないわよね!」
もぐ…… もぐ……
御坂「別に……、友達くらい作ろうと思えば作れるんだから……。 そうよ、私が本気を出せば……」ブツブツ
ガチャッ バタンッ
御坂(んっ? 誰か、隣に入ったわね)
ぶりっ! ぶぶぶぶぶっ!
御坂「ぶはっ!」
御坂(ちょ、ちょっと! 誰よ! 人が食事してる最中に隣でウンコしてる馬鹿は!!)
ぶりぶりぶりっ!
御坂「くぅ~! く、臭い……!」ツーン
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 19:03:26.78:f5DtejoR0
ジャ~!
婚后「あ~、すっきりしましたわ~♪」ガチャ
御坂(この声……、貴様か! 婚后ッ!)
婚后は素晴らしい香りを撒き散らし、その場を後にした……。
御坂(く、臭い! こんなところでパンなんか食べられないわっ! い、移動しましょう……!)
~廊下~
御坂(はぁ、昼休みなんて何で存在するのかしら……。 どこか時間を潰せる場所は……)トボトボ
御坂「あっそうだ! 黒子のところへ行きましょう!」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 19:08:28.76:f5DtejoR0
~黒子の教室~
御坂「えーっと、いたいた! お~い黒――」
友人A「それで遂にわたくしも恋人ができたんですよ~」
黒子「んまぁ~! あらあら~」
友人B「いいな~。 私もカレ欲しい~」
友人C「今日の合コン、気合入れなきゃね~。 黒子もきなよ」
黒子「わたくし、そういうのはあまり興味がないんですが」
友人D「まぁまぁ、黒子なら絶対モテるって! 男の子と一緒に遊ぶのって楽しいよ~」
黒子「そ、そうですの? じゃあ、わたくしもついていこうかしら」
きゃっきゃ うふふっ
御坂「……へぇ、楽しそうねぇ。 あいつ、友達多いんだ…………」
結局、御坂は校舎をぐるっと周って、
何か用があるかのようなフリをして時間を潰し、その後、教室へ戻った。
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 19:11:52.55:f5DtejoR0
~放課後~
『きりーつ、れーい』
御坂「…………」サッ
放課後のHRが終わると、御坂は誰よりも早く教室から飛び出す。
友達のいない御坂にとって、放課後の教室など居心地が悪いだけであった。
御坂(今日も一日やっと終わったわ。 さ、黒子とどっか遊びに行こうっと!)
友人B「――だからさ、はっきり言えばいいのよ」
黒子「はぁ……」
御坂「あっ、黒子~! 一緒に帰りましょう~」
黒子「あ、お姉様……」
黒子の友人たち「…………」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 19:15:41.11:f5DtejoR0
黒子「あ、あの、お姉様……、わたくし、今日は少々野暮用がございまして……」
御坂「……野暮用?」
御坂は、昼休みの黒子たちの会話を思い出す。
御坂「あはは、まさか合コンにでも行くわけぇ?」
黒子「っ!? どうしてそれを!?」
友人C「この人、盗み聞きしてたんじゃないの? 昼、教室の入り口まで来てたもん」
御坂「なっ! そそそ、そんなわけ――」シドロモドロ
友人D「っていうか、同じクラスの人と帰ればいいじゃないですか。 後輩にべったりして変ですよ」
御坂「そ、それは……」
友人E「じゃあ、そういうことですから失礼しますね、先輩」
黒子「申し訳ありません、お姉様……。 また後で……」
タッタッタッ
御坂「……ふん、な~にがお姉様よ。 結局、男がいいんじゃん」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 19:17:07.86:jqzQ9Z1G0
御坂「ま、まあ、私にはまだ他に友達いるしね!」ピッポッパ
ぷるるるる ぷるるるる ぷるるガチャ
御坂「あっ、初春さん? 御坂だけどー」
初春『あ、御坂さん、どうもー』
御坂「今、私ヒマしてるんだけどさー」
初春『あっ、ごめんなさい。 私、今日は学校のみんなと一緒で……』
御坂「えっ……、あ、そうなんだ……」
初春『すいません、また今度誘ってください。 あっ、待ってください佐天さーん! それじゃまた!』ガチャ
ツー ツー ツー
御坂「…………」
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 19:21:54.80:f5DtejoR0
~学園都市、第7学区のストリート~
御坂「……退屈ねぇ」
ソレデナーカミヤーン アハハー コラーカミジョウトウマー
御坂(ん? あいつは……!)
上条「マジかよそれー」アハハ
御坂「いいところで会ったわっ! おー――……い……って…………」
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 19:23:22.72:f5DtejoR0
青ピ「せやから、ボク思うねん。 カミやんとずっと一緒におれば、おこぼれに与れるんちゃうんかなぁと」
土御門「その発想はミジメすぎるぜよ、青ピ~」
青ピ「くぅ~! つっちーはええよなぁ! あんな可愛い義妹がいて~!」
土御門「はっは~! 羨ましいか~、ん~?」
吹寄「まったく、下らない話しかしないな、貴様らは」
上条「あのなぁ、俺だってそんな出会いがあるわけじゃないぞ?」
姫神「上条くん。本気で言ってるなら病院を紹介する」
カミヤーン フラグノタテカタオシエテー クッツクナー アハハー
御坂(……アイツも友達多いんだ。 いいわね、楽しそうで…………)
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 19:26:19.54:f5DtejoR0
~御坂の部屋~
御坂(……おかしいな、いつからこうなったんだろ)
御坂は中学に入学してから、ずっと一人ぼっちであった。
レベル5の自分なら、放っておいても向こうから人が群がってくるだろうと、
タカを括っていた結果、誰にも相手にされず、今日に至る。
御坂(……せめて2年に進級してクラス替えがあった時!
あの時、頑張って友達作りに励むべきだった……!)
チックタック チックタック
御坂(……黒子、何時に帰ってくるかしら。 門限までには戻ると思うけど……)
ぐううぅぅ
御坂「……しょうがない、一人で晩御飯食べにいこう」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 19:30:17.71:f5DtejoR0
~牛丼屋~
店員「いらっしゃいませー!」
御坂「牛大盛りネギだくで」
店員「はい! 少々お待ちください!」
御坂は慣れた様子で素早く注文する。
お一人様でも気兼ねなく入れる店に関しては、御坂はプロであった。
御坂(……はぁ、もう学校行きたくないなぁ)
ミサカハミサカハー ウッセエゾクソガキー
御坂「……ん?」
打ち止め「へー、ここが牛丼屋なんだー。 初めて来たー」
一方通行「俺も初めてだな」
御坂(げっ! 何であいつらがこんなところに!)サッ
御坂はとっさに身を隠す。
一人で牛丼屋に来ているところを見られるなど、御坂のプライドが許さないのだ。
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 19:32:45.72:f5DtejoR0
芳川「あなたはこういうところ、よくきそうね?」
黄泉川「どういう意味じゃん? まぁその通りだけど」
一方通行「おい、随分メニューが少ねェな。 営業努力を怠ってるぞ、この店」
黄泉川「牛丼屋なんだから当然じゃん」
打ち止め「あ、カレーがあるよ。 カレーがあるよ」
黄泉川「あー、こういうとこのカレーは不味いじゃんよ。 無難に定食か牛丼にしとくじゃん」
芳川「詳しいわねぇ」
アハハー ミサカハンバーグー コノアカイノナンダ? ベニショウガジャン
御坂(くぅ……! 4人で牛丼屋なんかに来てんじゃないわよ! ぼっちの聖地なのに!!)
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 19:35:29.45:f5DtejoR0
店員「大盛りネギだくお待たせいたしましたー!」ドンッ
御坂「う……うう……!」バッ
店員「お、お客様っ……!?」
御坂は、店員が運んできたどんぶりを持って、
なんとトイレへ直行した!
バタンッ!
御坂「くぅぅ……!」ガツガツガツ
そして、小汚いトイレの中で大盛りの牛丼(ネギだく)を凄い勢いで食べ始めた!
和式トイレなので座れない! 立ち食いであるッ!!
御坂「味が分からない……、私……なにやってんだろ…………」グスッ
その後、御坂は一方通行たちが帰るまでトイレを占拠し、
便所飯の女として、この店の伝説となった。
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 19:36:15.51:ZNQd2XDT0
~そして翌日、再び学校のトイレ~
御坂「はぁ……、もうあの牛丼屋には行けないわね……」
昼休み、御坂はいつものようにトイレの個室でパンをかじる。
御坂(あ~~! もうイヤ!! 学校にも来たくない! 学園都市から出て行きたいわ!!)
御坂は頭を掻き毟り、己の半生に絶望の念を抱く。
と、そこで、傷心の彼女に追い打ちをかける出来事が起こってしまう……。
『それでさー、メグミのカレがねー』 『うんうん、カッコいいよねー』
御坂(ったく誰よ……! 人のプライベート空間にズケズケと……!)
プライベートどころか、パブリックこの上ない場所なのであるが、
毎日ここへ通い詰めてる御坂にとっては、彼女の私室のようなものであった。
『……ねぇ、まただよ』
『あー、ほんとだ』
御坂(……ん? 何の話かしら)
『この個室さー、昼休みにくると必ず誰かが使ってるんだよねー』
御坂(げっ! 私のことだっ!)ガタッ
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 19:46:35.74:f5DtejoR0
『不気味だよねー。 誰が入ってるんだろ』
『もしもーし、誰かいますかー?』コンコン
御坂(くぅ……! や、やばい……!)ダラダラ
『誰も入ってないのかな?』
『いやいる! 物音がしたもん!』
御坂(あ~~~! 人生で一番のピンチだわ!!)
『私たちの呼びかけに応えず、黙って立て篭もってるってこと!? 怖すぎ!!』
『ちょっとー! そこにいるのは分かってんのよ! 出てきなさい!』
ドンドンドンドンッ!!
御坂(どうしようどうしようどうしよう!!)ドキドキドキ
『あ、そうだ! メグミの能力って透視だったじゃん! 呼んでくるね!』ダッダッダッ
御坂( 絶 体 絶 命 !!)
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 19:50:58.93:f5DtejoR0
『つーか、何でこんなところに閉じこもってんの~?』ドンドンッ
『あれじゃない? 便所飯ってやつじゃない?w』
『便所飯?』
『友達いなくて、一緒に昼ご飯食べる人がいない奴が、トイレでご飯食べるんだってw』
『なにそれー! 気持ち悪い~!!』
御坂(おっしゃる通りでございます! 重々自覚しておりますので、どうか見逃してください!!)ガタガタ
『メグミつれてきたよ~』
『呼ばれてきたけど、どうしたの~?』
御坂(終わった……。 私の学園生活完全終了…………)
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 19:55:24.66:f5DtejoR0
終局の鐘が、御坂の頭の中に鳴り響く……。
しかし、天は御坂を見捨てなかった……!!
『あなたたち、何をしているんですの?』
御坂(こ、この声……! 黒子!!)
『あー黒子~、実はこの中に便所飯で閉じこもってる奴がいるみたいなのよ~w』
黒子『まったく……、そんなことよりも、もうすぐ授業始まりますわよ』
『えー、もうそんな時間~?』
『じゃ、せめてメグミ~、どんな奴が入ってるか透視してよ~w』
黒子『はいはいはい、下らないこと言ってないで行きますわよ~』
『ちょ、ちょっと黒子~、押さないでよ~』
ミタカッタナー ドンナヤツガハイッテタンダロー
御坂「………………」
御坂(はぁ~~~~~~!! 助かった~~~~~~~!!!)プハァ
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 19:59:58.80:f5DtejoR0
御坂(ありがとう黒子! 今日ほどあんたのことを頼もしく思ったことはないわ……!!)
御坂は窮地を脱し、安堵の空気に包まれた。
そして、周りに誰もいなくなったのを見計らい……。
御坂(もうそろそろいいかしら。 早く教室に戻らないと……)
ガチャ
心理掌握「…………」
御坂「…………」
心理掌握「…………」
御坂「あ、どうも、じゃっ」ソソクサッ
心理掌握「トイレで食べるパンはそんなに美味しいのかしら?」
御坂「…………」
御坂( 終 わ っ た )
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 20:04:55.59:f5DtejoR0
心理掌握「いやー、さっきから興味深かったから観察してたんだけど、便所飯って実在するのねぇ」
御坂(よりによってこいつに見つかるなんて……。 もう駄目だ、明日には学校中に知れ渡る……)
彼女、心理掌握は御坂と並ぶレベル5の超能力者。
心に関することならば何でも出来るチート能力の持ち主で、他人の心を読むなど朝飯前である。
御坂は、彼女のことを何よりも恐れ、決して近寄らなかったのだが……、
その努力は、今この瞬間、水泡に帰した。
御坂「お、お願い……、誰にも言わないで……」
心理掌握「『お願い』っていうのはタメ口よね?」
御坂「お願いします! どうかこのことはご内密に……! 後生ですから……!!」
心理掌握「あっはっはっ、冗談よぉ~。
それにしても……ぶっ! 牛丼屋のトイレで立ち食い……?
あっははははははっ! お、お腹痛いっ……!」アハハハハ
御坂「ど、どうしてそのことを……あ、記憶を覗いたのね……!」
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 20:08:09.11:f5DtejoR0
心理掌握「いや~、あなたって本当に面白いわぁ。 そんなに友達が欲しいなら、私と友達になりましょう?」
御坂「う、うう……」ダジダジ
心理掌握「そんなに警戒しないでぇ。 私たち、数少ないレベル5同士じゃない?
きっと馬が合うわぁ。 ねぇ、そう思わない?」
御坂(私に選択の余地なんかないわ……。 こんな奴、近寄るのもイヤだけど……。
あっ、まずい。 今考えてることも筒抜けなんだ……)
心理掌握「ふふ、こんな奴……ねぇ?」
御坂「あっ、いやっ、そのっ」アタフタ
心理掌握「いいのよ、信頼っていうのは徐々に積み上げていくものよね。 よろしくね、美琴♪」
御坂「こ、こちらこそ、よろしくぅ……」アハハ…
こうして、御坂は心理掌握の傘下に加わった。
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 20:12:31.77:f5DtejoR0
~御坂の部屋~
御坂(最悪……、よりによってあいつに目を付けられるなんて……)
御坂はベッドの上でうつ伏せになり、今日あった最悪の出来事を振り返る。
御坂(記憶を見られるなんて、あいつの恐ろしさの一端に過ぎないわ……。
毎日、あいつと顔を合わせるだなんて、想像しただけでも身の毛がよだつ……!)
御坂にとって心理掌握は、一方通行と並んで絶対に勝てないと思わせられた相手である。
何せ、他人の記憶や意識の改竄まで可能なのだから、
自分で気付かない内に洗脳されてしまうかもしれないのだ。
ひょっとしたら、既に何かされた後なのかもしれない。
御坂(胃が痛い……。 学校行きたくないよ…………)
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 20:16:08.42:f5DtejoR0
~更に翌日の昼休み、御坂の教室~
御坂(うう、どうしよう……。 また別のトイレでご飯食べようか……?)
心理掌握「美琴~、一緒にご飯食べましょ♪」
御坂「へ……? えっ、ええ…………」
同級生A「あの人、レベル5の女王サマだ……」
同級生B「御坂さんって、やっぱああいう凄い人とお友達だったんだねぇ」
同級生C「へぇ、雲の上の人は違うなぁ」
御坂(へ? 今、私……羨望の眼差しを浴びてる……?)
心理掌握「ふふ、食堂に行きましょう?」
御坂「そ、そうね! 行きましょうっ!」
御坂(なんか……悪くないかも! いよいよ、私も便所飯卒業だわ!)
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 20:20:39.89:f5DtejoR0
~食堂~
御坂「食堂って混んでるのねぇ……」
心理掌握「ふふ、注文の仕方分かる? 券売機にお金を入れるのよ?」
御坂「そ、それくらい分かるわよ! えーっと、何にしようかな」
心理掌握「お蕎麦がオススメかしら」
御坂「そ、そう? じゃあ月見そばで」ピッ
心理掌握「それじゃ、カウンターに並びましょう」
御坂「ええ」
御坂(あれ……、こいつ結構いい奴……?)
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 20:23:52.91:f5DtejoR0
おばちゃん「はい、月見そばお待ち」ドンッ
御坂「よっと」
心理掌握「それじゃテーブルで食べましょう」
御坂「空いてるところあるかしら……」
心理掌握「大丈夫よ、ほら、あそこ」
生徒A「女王サマ~! こっちで~す!」
心理掌握「席を確保してくれてありがとうね」
生徒B「いえいえ! 女王サマのためならこれくらい!」
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 20:26:26.46:f5DtejoR0
生徒C「でも珍しいですね。 女王サマが食堂で食べたいだなんて」
心理掌握「たまにはね。 ……あら、でも困ったわ。 席が一つしか空いてないわ」
生徒D「えっ、あっ! ごめんなさい……、もう一人いるとは思わなくて……」
心理掌握「うーん、困ったなぁ……。 あ、そうだ。 美琴は立って食べればいいのよ」
御坂「……へ?」ポカン
心理掌握「ふふ、美琴、立ち食い得意ですものねぇ?」ウフフ
御坂「うぐっ……!」
心理掌握「さ、どうぞ。 冷めないうちに召し上がれ」フフ…
御坂「うう……、い、いただきます……」
ずるっ ずるるっ
『ちょw 何あの人www』 『立って食べてるwww』 『きめえwwwww』
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 20:27:45.70:Lq7fonzt0
心理掌握「ふふ、私、立ちながらお蕎麦食べる人はじめて見たわ」
生徒E「わ、私も……うぷぷっ」
生徒F「御坂さんって面白いですねwww」
生徒G「これがほんとの立ち食いそばwwwww」
御坂(…………死にたい)ズルズル
この日をもって、御坂のあだ名は『超電磁砲』から『立ち食いそば』に生まれ変わった。
それからの彼女の学園生活は、悲惨という他なかった。
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 20:33:23.81:f5DtejoR0
~とある日の朝~
御坂「私の椅子がない……」
同級生A「あ、ほんとだ! でも御坂さんなら立ちながら勉強できるよねwww」
同級生B「レベル5の『立ち食いそば』だもんwww」
御坂「はは……」
御坂は机の前にポツンと立つ。
同級生C「立ってるwww ほんとにあのまま授業受けるつもりかなwwwww」
同級生D「さすがレベル5wwwww」
御坂(……私って生きてる価値あるのかな…………)
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 20:36:30.53:f5DtejoR0
担任教師「よーし、お前ら席に着けー」ガラッ
生徒たち「はーい」
御坂「…………」ポツーン
担任「ん? どうした御坂。 早く座れ」
御坂「……はい」スッ
御坂、その場に体育座りッ!
生徒たち「あっははははははwwwwwwwwwwwwww」ドッ
担任「ちょw どうした御坂www 椅子はどこへやったwwwww」
御坂「……失くしました」
担任「失くしちゃったのかwww 仕方ない奴だなwwwwwwww」
生徒たち「イス失くしたとかwwwwwwwwwwwww」アッハッハ
御坂(…………死にたい。 消えてなくなりたい…………)
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 20:40:12.87:f5DtejoR0
~そして昼休みのトイレ~
心理掌握「みんな~、ここが美琴の指定席よ~」
生徒A「御坂さん、こんなところでご飯食べてたんですかwww」
生徒B「ウンコするところですよwww ここwwwwww」
御坂「は、はは……」
御坂(誰にも言わないって言ったのに……! 結局言いふらすなんて……!!)
心理掌握「ね、見せて。 いつもどんな風に食べてるの?」
御坂「い、いや……、便器に座って……こう…………」モグモグ
生徒たち「ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
心理掌握「あっははははっ! 美琴って本当に面白いわぁ~。 写真に撮りましょう」パシャ
御坂「あはは…………」モグモグ
生徒たち「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
この便器に座ってパンを頬張る御坂の写真は、学校中にばら撒かれ、
便所飯の御坂の二つ名を知らぬものは、常盤台にいない勢いとなった。
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 20:44:55.32:f5DtejoR0
~第7学区のとある道~
御坂(どうしてこうなったんだろ……私が何をしたっていうの…………)トボトボ
御坂妹「あっ……」
御坂「あっ……。 ひ、久しぶりね……?」
御坂妹「何でトイレなんかで食べてるんですか? とミサカは詰問します」
御坂「ど、どうしてそのことをあんたが……!?」
御坂妹「昨日、常盤台の生徒にあなたと間違われて、散々からかわれました。
あなたのおかげでいい迷惑です。 とミサカは本音をぶっちゃけます」
御坂「あの……その…………」
御坂妹「……はぁ、何でこんな人のクローンに生まれたんだろ……。
もう話しかけないでくださいね。 これからは他人です。 それじゃ」
御坂「……はは、遂に妹にも見捨てられたかぁ…………」
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 20:49:58.13:f5DtejoR0
~御坂の部屋~
ガチャ
御坂「……黒子? 帰ってないの……?」
御坂は部屋の電気を点け、疲れ果てた様子でベッドに腰掛けた。
そこで、部屋の異常に気が付く。
御坂「あれ……。 何か……荷物がやけに少ない……。 これ何だろ……」
いつのまにか閑散とした部屋の机の上に、書き置きがあるのを見つける御坂。
御坂「……これって」
『学年の違う私がお姉様と同じ部屋で生活するのは、
やはり不自然ですので、出て行くことにします。 お世話になりました。 白井黒子』
御坂「はは……、黒子もか…………。 そりゃそうよね……あはは…………」
御坂「う……ううぅぅ……うわああああああああああああああああん!!」ポロポロポロ
御坂は泣いた。 わんわん泣いた。
何もかもが悲しかった。 遂に彼女は本当に一人になってしまった。
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 20:51:03.69:WplmMRmJ0
チックタック チックタック
御坂「…………」
電気を消し、ベッドの中で朝が来るのを待つ。
静寂の中、聞こえてくるのは時計の音だけだ。
チックタック チックタック
御坂「…………」
チックタック チックタック
御坂「…………死のう」
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 20:54:25.29:XhC4RH7G0
~とあるビルの屋上~
御坂「これだけ高ければ間違いなく死ぬわね……」
早朝、やつれきった顔の御坂が、
幽霊のようにふらふらと歩きながら、ビルの屋上までやってきた。
御坂「あはは……私みたいなクズはさっさとこうするべきだったのよ……」ガシッ
御坂はフェンスを乗り越え、屋上の淵に立ち、地面を見下ろす。
御坂「……死ぬんだ、飛び降りたら間違いなく死ぬ…………」ゴクリッ
御坂「ハァ……ハァ……! う、ううぅぅ…………!」ガクガクッ
動機が激しくなり、呼吸は荒い。
足は震え、御坂の脳は恐怖で支配された。
本能が警告する……、この場を去れと。
彼女の意識は、はっきりと死を拒んでいた。
御坂「ううぅぅ……怖い……怖いよぉ……死にたくないよぉ…………!!」ガクガクガクッ
御坂は恐ろしさのあまり、フェンスにしがみつき……、
そして、またも大泣きした……。
御坂「うわあああああああああああああああああん!!!」ポロポロポロ
121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 21:00:38.77:f5DtejoR0
~第7学区の公園~
御坂「…………」ボー
上条「ふんふーん♪ ……ん? あれは……」
上条「おーい! 御坂ー! 何やってんだ、こんなとこでー!」
御坂「っ! あ、アンタ……」
上条「お前、目が真っ赤だぞ……? 泣いてたのか……?」
御坂「……っ!」ダッ
上条「お、おい! どこに行くんだ!」
御坂「ついてこないで……! アンタにまで馬鹿にされたら……私…………!」ウウッ
上条「誰がそんなことするかよ! 一体何があったんだ……?」
御坂「うっうううぅぅ……うわあああああああああああああん!!」ポロポロポロ
上条「御坂……!」ギュ
上条(あの御坂が、ここまでやつれて大泣きするなんて……。
くそっ! 俺はなんで気付いてやれなかったんだ!
こいつがここまで追い詰められてるのに……!)
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 21:04:24.67:f5DtejoR0
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御坂「ヒック…ヒック……、だから、もう私……学校に行きたく……ヒック……ない……」ポロポロ
上条「そうか……、辛かったな……」
心理掌握「あらぁ? こんなところで何やってるのかしらぁ? 美琴?」
御坂「ひ、ひぃぃ!!」ビクッ
心理掌握「あらあら、そんな怯えることないでしょ? こんなところで道草してたら遅刻するわよ?」ウフフ
上条「……お前か? 御坂を苛めてる奴は」
心理掌握「苛めてるだなんて……。 一緒に遊んでるだけよ。 ねぇ? 私たち友達よね?」
御坂「お願い……、もう私に構わないで……」
心理掌握「そんなこと言っていいのかしらぁ?
今度は全校生徒の前で、オナニーでもしてもらおうかしら?
私の能力ならそれができるんだけどなぁ」
御坂「そ、そんな……! や、やめて……!」
心理掌握「だったら、反抗的な態度は改めることね」ウフフ
御坂「は、はい…………」
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 21:04:58.74:86DUtrH70
上条「こんな奴の言うことなんか聞くことはないぞ、御坂」
心理掌握「……こんな奴? あなたは?」
気分を害した心理掌握が、上条に鋭い視線を送る。
上条「御坂を苛めるのはやめろ。 俺が許さない」
心理掌握「……あらあら、私が誰だか分かって言ってるのかしら。 このお猿さんは」
上条「知らねぇよ。 約束しろ、御坂に二度と手を出さないと」
心理掌握(……妙ね、何故かこいつの心の声が聞こえない。 こいつもメンタル系の能力者なのかしら……)
心理掌握「……イヤよ。 私に指図するなんていい度胸じゃない。
決めた。 あんたも苛めてあげる」ウフフ
上条「……お前みたいな奴はいつもそうだ。 他人の痛みが分からない」
心理掌握「分かるわよぉ? 私はレベル5のサイコマスターですもの。
私ほど他人の気持ちを理解できる人間はいないでしょうね」
上条「だったらなんで――」
心理掌握「楽しいからよぉ。 弱いものイジメするとスカっとするのよねぇ~。 それ以上の理由なんてないわ」アハハ
御坂「……も、もういいわよ。 アンタまでこいつと関わることなんてない……!」
上条「御坂、これは俺の問題でもある。 友達が困ってるのに放っておくことなんかできるかよ!」
146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 21:13:33.86:f5DtejoR0
御坂(こんな私のことを友達だって言ってくれるなんて……。 同じだ……、一方通行と戦った時と……。
コイツはいつだって他人のために一生懸命な奴なんだ……)
心理掌握(一方通行? ……!? こいつがあの第1位を倒したっていうの!?)
御坂の記憶を読んだ心理掌握は、目の前の相手が只者ではないと知り、思わず動揺してしまう。
心理掌握(電撃を無効化っ? 超電磁砲もベクトル操作も効かない!? な、何者なの、こいつ!!)
上条「いいぜ……、テメエが俺の友達に手を出すっていうんなら……!」
上条が拳を握り、心理掌握に迫る……!
心理掌握「ぐっ! メンタルアウト!! 攻撃の意志を書き換え――――」
上条「 ま ず は そ の 幻 想 を ぶ ち 殺 す !!」
ブオンッ! バキッ!!
心理掌握「ふんぎゃあああああああああああああああああああっ!!!」
ドンガラガッシャーンッ!!
上条の男女平等パンチが、心理掌握の顔面にぶち込まれた!!
彼女は悶絶しながら地面に叩きつけられるッ!!
147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 21:14:28.40:86DUtrH70
御坂「す、すごい……! あいつを殴れるだなんて……!」
心理掌握「ひ、ひぃぃぃいいいいぃぃいいい!!! 血が……鼻血があああああっ!!!」
上条「御坂が受けた心の痛みはこんなもんじゃないぞ……。 立て」
心理掌握「私に指図するなァァァァ!! お前なんか自殺させてやるッ!!
メンタルアウトォォ!! 舌を噛み切って自殺し――――」
上条「ふんっ!!」ブオンッ
ゲシッ!!
心理掌握「ぐはっ!!! げほっげほっ!! な、なに……!!!」ゲホッゲホッ
地面を這いつくばっている心理掌握の脇腹に容赦なく蹴りを入れる上条。
傍から見ると、DQN高校生がいたいけな女子中学生に暴行を加えてるようにしか見えない。
心理掌握(き、効かない……! こいつには私の能力が一切通用しない……!?)
176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 21:20:47.40:f5DtejoR0
上条「約束するか? もう二度と御坂を苦しめないと」
心理掌握(ほ、本人に効かないのなら……)
御坂「……!?」
御坂の意識が急速に遠ざかっていく……。
心理掌握(御坂を操ってこいつに攻撃させれば――)
ドスッ!! ボキッ!!
心理掌握「ぎにゃあああああああああああああああ」
しかし、心理掌握は指を思いっきり上条に踏まれ、骨を折られてしまうッ!
御坂「はっ……!」
と、同時に、意識を奪われた御坂が正気を取り戻す。
心理掌握が、能力を使うための演算を強制的に中断させられたからだ。
上条「お前が考えそうなことなんかお見通しだ」
御坂「そ、そうか……。 私、今こいつの能力で何かされそうになって……」
190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 21:24:39.76:f5DtejoR0
心理掌握「い、痛いよおおおおおおおおおお!!!」
上条「どうする? 続けるか?」
心理掌握「こ、降参しますううううう!! もう許してええええええええええ!!!」
彼女、心理掌握は容姿・才能共に恵まれ、子供の頃から挫折を知らない人間であった。
だが、能力を封じられればただのか弱い少女。
抗いようのない男の暴力に晒され、負け知らずの彼女の心は、今ここで初めて折れた。
上条「よし、まずは御坂に謝れ」
心理掌握「は、はい! 御坂さんゴメンナサイ!!」
御坂「……いえ」
上条「それと、お前が御坂にやらせたこと。
食堂で立たせて食わせたり、便所で食わせて写真を撮ったこと。
これを常盤台の全校生徒の記憶から消すんだ。 写真は勿論全部回収だ」
心理掌握「ぜ、全校生徒ですか~~~!? それはちょっと難しいかと……。
写真も……どれだけばら撒かれたか、自分でもよく分からないし……」
上条「今度は足をへし折られたいか?」
心理掌握「謹んでお受けさせていただきます!!」
199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 21:27:29.46:f5DtejoR0
上条「よし、それじゃあこの件はもうおしまいだ。 約束が守られなかったら、もっと酷い目に遭わすぞ?」
心理掌握「は、はいぃぃぃ!!」
上条「ほら、さっさと病院にでも行け」
心理掌握「ひぃぃぃいいいぃぃ!!!」
ダッダッダッダッ
203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 21:28:58.33:f5DtejoR0
御坂「あ……、また助けられちゃったね…………」
上条「これで多分大丈夫だろ。 学校……逃げるなよ?」
御坂「……うん」
上条「それとさ、お前は可愛いし頭もいいんだから、
お前から話しかければ、きっと友達なんてすぐに作れるよ」
御坂「そう……かな……」
上条「ま、勇気を持って最初の一歩を踏むことだな。
……やっべ、完全に遅刻だ。 それじゃ俺はもう行くな! またな!」
御坂「あ、……ありがとう!!」
上条は後姿のまま腕を振り御坂の声に応え……、そして走り去っていった。
御坂「本当に……礼を言っても言い尽くせないわよ……アンタには…………」
209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 21:31:15.63:f5DtejoR0
~翌朝、御坂の教室~
御坂(……よし、今日から生まれ変わろう……! 心理掌握がみんなの記憶を消してるはず!)
ガラガラッ
御坂「お、おはよう……みんな!!」
シーン……
同級生たち「…………」
御坂(う……、何この空気……ひょっとして記憶を消されてないんじゃ……!)
213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 21:32:31.39:f5DtejoR0
同級生A「おはよう、御坂さん。 急に大きな声出すからびっくりしちゃった」
同級生B「珍しいね。 いつも黙って席に着くのに」
御坂「あ、はは……! そうかなっ……!」
御坂(大丈夫……よね?)
御坂は席には着かず、そのまま雑談をしている仲良しグループの元に向かう。
同級生C「……? 何か用?」
御坂「あ、あのね……、よかったら……」
「お昼ご飯、一緒に食べていいかな……」
218:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 21:34:59.34:f5DtejoR0
~それから一週間後の下校道~
上条(あれから、御坂もすっかり元気を取り戻したみたいだし、本当によかった。
ただ一つ……、新たな問題ができたが…………)
「当麻サマ~~~~~!!」
上条「げ、今日もきやがった……!」
心理掌握「お待ちください当麻サマ~」ギュッ
上条「ひ、ひっつくなぁ~!」
心理掌握「そ、そんな……、当麻サマは私のことがお嫌いですか……?」ウルウル
上条「い、いや、嫌いじゃないけど……」
心理掌握「よかったぁ~! 私も当麻サマのことを愛していますわっ!」ギュウウウ
上条「だからひっつくなってぇ! 大体、俺のどこがそんなにいいんだぁ?」
心理掌握「うふふ、当麻サマに折檻された時、私、胸がドキドキしましたの。
こんな経験初めてです……。 そう! これぞまさしく初恋ですわっ!」
上条「いや……、絶対違うと思うけど……」
222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 21:37:26.09:qUuNYLKP0
心理掌握「それに、私が心を読むことができないのはあなただけ……。
想い人の胸中を覗けないというのは世の理ですわっ!」
上条「いや、それは幻想殺しっていう俺の右腕がだな……」
心理掌握「当麻サマ、素敵ですっ」ギュウッ
上条「ああもう! また変な女に追っかけまわされて――――」
「不幸だ~~~~~~!!!」
おわり
234:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 21:40:04.18:3IQ7Koa2O
~トイレの個室~
御坂「……はぁ、今日も便所飯かぁ」
御坂は、個室に持ち込んだ菓子パンの袋を開け、
力なくもぐもぐと食し始めた。
御坂「まぁ、この学校のトイレって綺麗だから、ここで食事しても全然不自然じゃないわよね!」
もぐ…… もぐ……
御坂「別に……、友達くらい作ろうと思えば作れるんだから……。 そうよ、私が本気を出せば……」ブツブツ
ガチャッ バタンッ
御坂(んっ? 誰か、隣に入ったわね)
ぶりっ! ぶぶぶぶぶっ!
御坂「ぶはっ!」
御坂(ちょ、ちょっと! 誰よ! 人が食事してる最中に隣でウンコしてる馬鹿は!!)
ぶりぶりぶりっ!
御坂「くぅ~! く、臭い……!」ツーン
ジャ~!
婚后「あ~、すっきりしましたわ~♪」ガチャ
御坂(この声……、貴様か! 婚后ッ!)
婚后は素晴らしい香りを撒き散らし、その場を後にした……。
御坂(く、臭い! こんなところでパンなんか食べられないわっ! い、移動しましょう……!)
~廊下~
御坂(はぁ、昼休みなんて何で存在するのかしら……。 どこか時間を潰せる場所は……)トボトボ
御坂「あっそうだ! 黒子のところへ行きましょう!」
~黒子の教室~
御坂「えーっと、いたいた! お~い黒――」
友人A「それで遂にわたくしも恋人ができたんですよ~」
黒子「んまぁ~! あらあら~」
友人B「いいな~。 私もカレ欲しい~」
友人C「今日の合コン、気合入れなきゃね~。 黒子もきなよ」
黒子「わたくし、そういうのはあまり興味がないんですが」
友人D「まぁまぁ、黒子なら絶対モテるって! 男の子と一緒に遊ぶのって楽しいよ~」
黒子「そ、そうですの? じゃあ、わたくしもついていこうかしら」
きゃっきゃ うふふっ
御坂「……へぇ、楽しそうねぇ。 あいつ、友達多いんだ…………」
結局、御坂は校舎をぐるっと周って、
何か用があるかのようなフリをして時間を潰し、その後、教室へ戻った。
~放課後~
『きりーつ、れーい』
御坂「…………」サッ
放課後のHRが終わると、御坂は誰よりも早く教室から飛び出す。
友達のいない御坂にとって、放課後の教室など居心地が悪いだけであった。
御坂(今日も一日やっと終わったわ。 さ、黒子とどっか遊びに行こうっと!)
友人B「――だからさ、はっきり言えばいいのよ」
黒子「はぁ……」
御坂「あっ、黒子~! 一緒に帰りましょう~」
黒子「あ、お姉様……」
黒子の友人たち「…………」
黒子「あ、あの、お姉様……、わたくし、今日は少々野暮用がございまして……」
御坂「……野暮用?」
御坂は、昼休みの黒子たちの会話を思い出す。
御坂「あはは、まさか合コンにでも行くわけぇ?」
黒子「っ!? どうしてそれを!?」
友人C「この人、盗み聞きしてたんじゃないの? 昼、教室の入り口まで来てたもん」
御坂「なっ! そそそ、そんなわけ――」シドロモドロ
友人D「っていうか、同じクラスの人と帰ればいいじゃないですか。 後輩にべったりして変ですよ」
御坂「そ、それは……」
友人E「じゃあ、そういうことですから失礼しますね、先輩」
黒子「申し訳ありません、お姉様……。 また後で……」
タッタッタッ
御坂「……ふん、な~にがお姉様よ。 結局、男がいいんじゃん」
おおう
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 19:18:12.09:f5DtejoR0御坂「ま、まあ、私にはまだ他に友達いるしね!」ピッポッパ
ぷるるるる ぷるるるる ぷるるガチャ
御坂「あっ、初春さん? 御坂だけどー」
初春『あ、御坂さん、どうもー』
御坂「今、私ヒマしてるんだけどさー」
初春『あっ、ごめんなさい。 私、今日は学校のみんなと一緒で……』
御坂「えっ……、あ、そうなんだ……」
初春『すいません、また今度誘ってください。 あっ、待ってください佐天さーん! それじゃまた!』ガチャ
ツー ツー ツー
御坂「…………」
~学園都市、第7学区のストリート~
御坂「……退屈ねぇ」
ソレデナーカミヤーン アハハー コラーカミジョウトウマー
御坂(ん? あいつは……!)
上条「マジかよそれー」アハハ
御坂「いいところで会ったわっ! おー――……い……って…………」
青ピ「せやから、ボク思うねん。 カミやんとずっと一緒におれば、おこぼれに与れるんちゃうんかなぁと」
土御門「その発想はミジメすぎるぜよ、青ピ~」
青ピ「くぅ~! つっちーはええよなぁ! あんな可愛い義妹がいて~!」
土御門「はっは~! 羨ましいか~、ん~?」
吹寄「まったく、下らない話しかしないな、貴様らは」
上条「あのなぁ、俺だってそんな出会いがあるわけじゃないぞ?」
姫神「上条くん。本気で言ってるなら病院を紹介する」
カミヤーン フラグノタテカタオシエテー クッツクナー アハハー
御坂(……アイツも友達多いんだ。 いいわね、楽しそうで…………)
~御坂の部屋~
御坂(……おかしいな、いつからこうなったんだろ)
御坂は中学に入学してから、ずっと一人ぼっちであった。
レベル5の自分なら、放っておいても向こうから人が群がってくるだろうと、
タカを括っていた結果、誰にも相手にされず、今日に至る。
御坂(……せめて2年に進級してクラス替えがあった時!
あの時、頑張って友達作りに励むべきだった……!)
チックタック チックタック
御坂(……黒子、何時に帰ってくるかしら。 門限までには戻ると思うけど……)
ぐううぅぅ
御坂「……しょうがない、一人で晩御飯食べにいこう」
~牛丼屋~
店員「いらっしゃいませー!」
御坂「牛大盛りネギだくで」
店員「はい! 少々お待ちください!」
御坂は慣れた様子で素早く注文する。
お一人様でも気兼ねなく入れる店に関しては、御坂はプロであった。
御坂(……はぁ、もう学校行きたくないなぁ)
ミサカハミサカハー ウッセエゾクソガキー
御坂「……ん?」
打ち止め「へー、ここが牛丼屋なんだー。 初めて来たー」
一方通行「俺も初めてだな」
御坂(げっ! 何であいつらがこんなところに!)サッ
御坂はとっさに身を隠す。
一人で牛丼屋に来ているところを見られるなど、御坂のプライドが許さないのだ。
芳川「あなたはこういうところ、よくきそうね?」
黄泉川「どういう意味じゃん? まぁその通りだけど」
一方通行「おい、随分メニューが少ねェな。 営業努力を怠ってるぞ、この店」
黄泉川「牛丼屋なんだから当然じゃん」
打ち止め「あ、カレーがあるよ。 カレーがあるよ」
黄泉川「あー、こういうとこのカレーは不味いじゃんよ。 無難に定食か牛丼にしとくじゃん」
芳川「詳しいわねぇ」
アハハー ミサカハンバーグー コノアカイノナンダ? ベニショウガジャン
御坂(くぅ……! 4人で牛丼屋なんかに来てんじゃないわよ! ぼっちの聖地なのに!!)
店員「大盛りネギだくお待たせいたしましたー!」ドンッ
御坂「う……うう……!」バッ
店員「お、お客様っ……!?」
御坂は、店員が運んできたどんぶりを持って、
なんとトイレへ直行した!
バタンッ!
御坂「くぅぅ……!」ガツガツガツ
そして、小汚いトイレの中で大盛りの牛丼(ネギだく)を凄い勢いで食べ始めた!
和式トイレなので座れない! 立ち食いであるッ!!
御坂「味が分からない……、私……なにやってんだろ…………」グスッ
その後、御坂は一方通行たちが帰るまでトイレを占拠し、
便所飯の女として、この店の伝説となった。
これはひどい
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 19:36:26.28:fb6PLgNt0この発想はなかったわ
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 19:41:26.14:f5DtejoR0~そして翌日、再び学校のトイレ~
御坂「はぁ……、もうあの牛丼屋には行けないわね……」
昼休み、御坂はいつものようにトイレの個室でパンをかじる。
御坂(あ~~! もうイヤ!! 学校にも来たくない! 学園都市から出て行きたいわ!!)
御坂は頭を掻き毟り、己の半生に絶望の念を抱く。
と、そこで、傷心の彼女に追い打ちをかける出来事が起こってしまう……。
『それでさー、メグミのカレがねー』 『うんうん、カッコいいよねー』
御坂(ったく誰よ……! 人のプライベート空間にズケズケと……!)
プライベートどころか、パブリックこの上ない場所なのであるが、
毎日ここへ通い詰めてる御坂にとっては、彼女の私室のようなものであった。
『……ねぇ、まただよ』
『あー、ほんとだ』
御坂(……ん? 何の話かしら)
『この個室さー、昼休みにくると必ず誰かが使ってるんだよねー』
御坂(げっ! 私のことだっ!)ガタッ
『不気味だよねー。 誰が入ってるんだろ』
『もしもーし、誰かいますかー?』コンコン
御坂(くぅ……! や、やばい……!)ダラダラ
『誰も入ってないのかな?』
『いやいる! 物音がしたもん!』
御坂(あ~~~! 人生で一番のピンチだわ!!)
『私たちの呼びかけに応えず、黙って立て篭もってるってこと!? 怖すぎ!!』
『ちょっとー! そこにいるのは分かってんのよ! 出てきなさい!』
ドンドンドンドンッ!!
御坂(どうしようどうしようどうしよう!!)ドキドキドキ
『あ、そうだ! メグミの能力って透視だったじゃん! 呼んでくるね!』ダッダッダッ
御坂( 絶 体 絶 命 !!)
『つーか、何でこんなところに閉じこもってんの~?』ドンドンッ
『あれじゃない? 便所飯ってやつじゃない?w』
『便所飯?』
『友達いなくて、一緒に昼ご飯食べる人がいない奴が、トイレでご飯食べるんだってw』
『なにそれー! 気持ち悪い~!!』
御坂(おっしゃる通りでございます! 重々自覚しておりますので、どうか見逃してください!!)ガタガタ
『メグミつれてきたよ~』
『呼ばれてきたけど、どうしたの~?』
御坂(終わった……。 私の学園生活完全終了…………)
終局の鐘が、御坂の頭の中に鳴り響く……。
しかし、天は御坂を見捨てなかった……!!
『あなたたち、何をしているんですの?』
御坂(こ、この声……! 黒子!!)
『あー黒子~、実はこの中に便所飯で閉じこもってる奴がいるみたいなのよ~w』
黒子『まったく……、そんなことよりも、もうすぐ授業始まりますわよ』
『えー、もうそんな時間~?』
『じゃ、せめてメグミ~、どんな奴が入ってるか透視してよ~w』
黒子『はいはいはい、下らないこと言ってないで行きますわよ~』
『ちょ、ちょっと黒子~、押さないでよ~』
ミタカッタナー ドンナヤツガハイッテタンダロー
御坂「………………」
御坂(はぁ~~~~~~!! 助かった~~~~~~~!!!)プハァ
御坂(ありがとう黒子! 今日ほどあんたのことを頼もしく思ったことはないわ……!!)
御坂は窮地を脱し、安堵の空気に包まれた。
そして、周りに誰もいなくなったのを見計らい……。
御坂(もうそろそろいいかしら。 早く教室に戻らないと……)
ガチャ
心理掌握「…………」
御坂「…………」
心理掌握「…………」
御坂「あ、どうも、じゃっ」ソソクサッ
心理掌握「トイレで食べるパンはそんなに美味しいのかしら?」
御坂「…………」
御坂( 終 わ っ た )
心理掌握「いやー、さっきから興味深かったから観察してたんだけど、便所飯って実在するのねぇ」
御坂(よりによってこいつに見つかるなんて……。 もう駄目だ、明日には学校中に知れ渡る……)
彼女、心理掌握は御坂と並ぶレベル5の超能力者。
心に関することならば何でも出来るチート能力の持ち主で、他人の心を読むなど朝飯前である。
御坂は、彼女のことを何よりも恐れ、決して近寄らなかったのだが……、
その努力は、今この瞬間、水泡に帰した。
御坂「お、お願い……、誰にも言わないで……」
心理掌握「『お願い』っていうのはタメ口よね?」
御坂「お願いします! どうかこのことはご内密に……! 後生ですから……!!」
心理掌握「あっはっはっ、冗談よぉ~。
それにしても……ぶっ! 牛丼屋のトイレで立ち食い……?
あっははははははっ! お、お腹痛いっ……!」アハハハハ
御坂「ど、どうしてそのことを……あ、記憶を覗いたのね……!」
心理掌握「いや~、あなたって本当に面白いわぁ。 そんなに友達が欲しいなら、私と友達になりましょう?」
御坂「う、うう……」ダジダジ
心理掌握「そんなに警戒しないでぇ。 私たち、数少ないレベル5同士じゃない?
きっと馬が合うわぁ。 ねぇ、そう思わない?」
御坂(私に選択の余地なんかないわ……。 こんな奴、近寄るのもイヤだけど……。
あっ、まずい。 今考えてることも筒抜けなんだ……)
心理掌握「ふふ、こんな奴……ねぇ?」
御坂「あっ、いやっ、そのっ」アタフタ
心理掌握「いいのよ、信頼っていうのは徐々に積み上げていくものよね。 よろしくね、美琴♪」
御坂「こ、こちらこそ、よろしくぅ……」アハハ…
こうして、御坂は心理掌握の傘下に加わった。
~御坂の部屋~
御坂(最悪……、よりによってあいつに目を付けられるなんて……)
御坂はベッドの上でうつ伏せになり、今日あった最悪の出来事を振り返る。
御坂(記憶を見られるなんて、あいつの恐ろしさの一端に過ぎないわ……。
毎日、あいつと顔を合わせるだなんて、想像しただけでも身の毛がよだつ……!)
御坂にとって心理掌握は、一方通行と並んで絶対に勝てないと思わせられた相手である。
何せ、他人の記憶や意識の改竄まで可能なのだから、
自分で気付かない内に洗脳されてしまうかもしれないのだ。
ひょっとしたら、既に何かされた後なのかもしれない。
御坂(胃が痛い……。 学校行きたくないよ…………)
~更に翌日の昼休み、御坂の教室~
御坂(うう、どうしよう……。 また別のトイレでご飯食べようか……?)
心理掌握「美琴~、一緒にご飯食べましょ♪」
御坂「へ……? えっ、ええ…………」
同級生A「あの人、レベル5の女王サマだ……」
同級生B「御坂さんって、やっぱああいう凄い人とお友達だったんだねぇ」
同級生C「へぇ、雲の上の人は違うなぁ」
御坂(へ? 今、私……羨望の眼差しを浴びてる……?)
心理掌握「ふふ、食堂に行きましょう?」
御坂「そ、そうね! 行きましょうっ!」
御坂(なんか……悪くないかも! いよいよ、私も便所飯卒業だわ!)
~食堂~
御坂「食堂って混んでるのねぇ……」
心理掌握「ふふ、注文の仕方分かる? 券売機にお金を入れるのよ?」
御坂「そ、それくらい分かるわよ! えーっと、何にしようかな」
心理掌握「お蕎麦がオススメかしら」
御坂「そ、そう? じゃあ月見そばで」ピッ
心理掌握「それじゃ、カウンターに並びましょう」
御坂「ええ」
御坂(あれ……、こいつ結構いい奴……?)
おばちゃん「はい、月見そばお待ち」ドンッ
御坂「よっと」
心理掌握「それじゃテーブルで食べましょう」
御坂「空いてるところあるかしら……」
心理掌握「大丈夫よ、ほら、あそこ」
生徒A「女王サマ~! こっちで~す!」
心理掌握「席を確保してくれてありがとうね」
生徒B「いえいえ! 女王サマのためならこれくらい!」
生徒C「でも珍しいですね。 女王サマが食堂で食べたいだなんて」
心理掌握「たまにはね。 ……あら、でも困ったわ。 席が一つしか空いてないわ」
生徒D「えっ、あっ! ごめんなさい……、もう一人いるとは思わなくて……」
心理掌握「うーん、困ったなぁ……。 あ、そうだ。 美琴は立って食べればいいのよ」
御坂「……へ?」ポカン
心理掌握「ふふ、美琴、立ち食い得意ですものねぇ?」ウフフ
御坂「うぐっ……!」
心理掌握「さ、どうぞ。 冷めないうちに召し上がれ」フフ…
御坂「うう……、い、いただきます……」
ずるっ ずるるっ
『ちょw 何あの人www』 『立って食べてるwww』 『きめえwwwww』
そうきたか
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 20:30:03.56:hA9bpu/n0もう駄目だ
心が痛くて見てられない
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 20:30:49.16:f5DtejoR0心が痛くて見てられない
心理掌握「ふふ、私、立ちながらお蕎麦食べる人はじめて見たわ」
生徒E「わ、私も……うぷぷっ」
生徒F「御坂さんって面白いですねwww」
生徒G「これがほんとの立ち食いそばwwwww」
御坂(…………死にたい)ズルズル
この日をもって、御坂のあだ名は『超電磁砲』から『立ち食いそば』に生まれ変わった。
それからの彼女の学園生活は、悲惨という他なかった。
~とある日の朝~
御坂「私の椅子がない……」
同級生A「あ、ほんとだ! でも御坂さんなら立ちながら勉強できるよねwww」
同級生B「レベル5の『立ち食いそば』だもんwww」
御坂「はは……」
御坂は机の前にポツンと立つ。
同級生C「立ってるwww ほんとにあのまま授業受けるつもりかなwwwww」
同級生D「さすがレベル5wwwww」
御坂(……私って生きてる価値あるのかな…………)
担任教師「よーし、お前ら席に着けー」ガラッ
生徒たち「はーい」
御坂「…………」ポツーン
担任「ん? どうした御坂。 早く座れ」
御坂「……はい」スッ
御坂、その場に体育座りッ!
生徒たち「あっははははははwwwwwwwwwwwwww」ドッ
担任「ちょw どうした御坂www 椅子はどこへやったwwwww」
御坂「……失くしました」
担任「失くしちゃったのかwww 仕方ない奴だなwwwwwwww」
生徒たち「イス失くしたとかwwwwwwwwwwwww」アッハッハ
御坂(…………死にたい。 消えてなくなりたい…………)
~そして昼休みのトイレ~
心理掌握「みんな~、ここが美琴の指定席よ~」
生徒A「御坂さん、こんなところでご飯食べてたんですかwww」
生徒B「ウンコするところですよwww ここwwwwww」
御坂「は、はは……」
御坂(誰にも言わないって言ったのに……! 結局言いふらすなんて……!!)
心理掌握「ね、見せて。 いつもどんな風に食べてるの?」
御坂「い、いや……、便器に座って……こう…………」モグモグ
生徒たち「ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
心理掌握「あっははははっ! 美琴って本当に面白いわぁ~。 写真に撮りましょう」パシャ
御坂「あはは…………」モグモグ
生徒たち「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
この便器に座ってパンを頬張る御坂の写真は、学校中にばら撒かれ、
便所飯の御坂の二つ名を知らぬものは、常盤台にいない勢いとなった。
~第7学区のとある道~
御坂(どうしてこうなったんだろ……私が何をしたっていうの…………)トボトボ
御坂妹「あっ……」
御坂「あっ……。 ひ、久しぶりね……?」
御坂妹「何でトイレなんかで食べてるんですか? とミサカは詰問します」
御坂「ど、どうしてそのことをあんたが……!?」
御坂妹「昨日、常盤台の生徒にあなたと間違われて、散々からかわれました。
あなたのおかげでいい迷惑です。 とミサカは本音をぶっちゃけます」
御坂「あの……その…………」
御坂妹「……はぁ、何でこんな人のクローンに生まれたんだろ……。
もう話しかけないでくださいね。 これからは他人です。 それじゃ」
御坂「……はは、遂に妹にも見捨てられたかぁ…………」
~御坂の部屋~
ガチャ
御坂「……黒子? 帰ってないの……?」
御坂は部屋の電気を点け、疲れ果てた様子でベッドに腰掛けた。
そこで、部屋の異常に気が付く。
御坂「あれ……。 何か……荷物がやけに少ない……。 これ何だろ……」
いつのまにか閑散とした部屋の机の上に、書き置きがあるのを見つける御坂。
御坂「……これって」
『学年の違う私がお姉様と同じ部屋で生活するのは、
やはり不自然ですので、出て行くことにします。 お世話になりました。 白井黒子』
御坂「はは……、黒子もか…………。 そりゃそうよね……あはは…………」
御坂「う……ううぅぅ……うわああああああああああああああああん!!」ポロポロポロ
御坂は泣いた。 わんわん泣いた。
何もかもが悲しかった。 遂に彼女は本当に一人になってしまった。
黒子だけは…と思ったのに…
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 20:52:32.73:f5DtejoR0チックタック チックタック
御坂「…………」
電気を消し、ベッドの中で朝が来るのを待つ。
静寂の中、聞こえてくるのは時計の音だけだ。
チックタック チックタック
御坂「…………」
チックタック チックタック
御坂「…………死のう」
止めてくれ・・・俺の過去を暴かれてるみたいで・・・畜生・・・
でも続き読みたい
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 20:57:00.40:f5DtejoR0でも続き読みたい
~とあるビルの屋上~
御坂「これだけ高ければ間違いなく死ぬわね……」
早朝、やつれきった顔の御坂が、
幽霊のようにふらふらと歩きながら、ビルの屋上までやってきた。
御坂「あはは……私みたいなクズはさっさとこうするべきだったのよ……」ガシッ
御坂はフェンスを乗り越え、屋上の淵に立ち、地面を見下ろす。
御坂「……死ぬんだ、飛び降りたら間違いなく死ぬ…………」ゴクリッ
御坂「ハァ……ハァ……! う、ううぅぅ…………!」ガクガクッ
動機が激しくなり、呼吸は荒い。
足は震え、御坂の脳は恐怖で支配された。
本能が警告する……、この場を去れと。
彼女の意識は、はっきりと死を拒んでいた。
御坂「ううぅぅ……怖い……怖いよぉ……死にたくないよぉ…………!!」ガクガクガクッ
御坂は恐ろしさのあまり、フェンスにしがみつき……、
そして、またも大泣きした……。
御坂「うわあああああああああああああああああん!!!」ポロポロポロ
~第7学区の公園~
御坂「…………」ボー
上条「ふんふーん♪ ……ん? あれは……」
上条「おーい! 御坂ー! 何やってんだ、こんなとこでー!」
御坂「っ! あ、アンタ……」
上条「お前、目が真っ赤だぞ……? 泣いてたのか……?」
御坂「……っ!」ダッ
上条「お、おい! どこに行くんだ!」
御坂「ついてこないで……! アンタにまで馬鹿にされたら……私…………!」ウウッ
上条「誰がそんなことするかよ! 一体何があったんだ……?」
御坂「うっうううぅぅ……うわあああああああああああああん!!」ポロポロポロ
上条「御坂……!」ギュ
上条(あの御坂が、ここまでやつれて大泣きするなんて……。
くそっ! 俺はなんで気付いてやれなかったんだ!
こいつがここまで追い詰められてるのに……!)
・
・
・
御坂「ヒック…ヒック……、だから、もう私……学校に行きたく……ヒック……ない……」ポロポロ
上条「そうか……、辛かったな……」
心理掌握「あらぁ? こんなところで何やってるのかしらぁ? 美琴?」
御坂「ひ、ひぃぃ!!」ビクッ
心理掌握「あらあら、そんな怯えることないでしょ? こんなところで道草してたら遅刻するわよ?」ウフフ
上条「……お前か? 御坂を苛めてる奴は」
心理掌握「苛めてるだなんて……。 一緒に遊んでるだけよ。 ねぇ? 私たち友達よね?」
御坂「お願い……、もう私に構わないで……」
心理掌握「そんなこと言っていいのかしらぁ?
今度は全校生徒の前で、オナニーでもしてもらおうかしら?
私の能力ならそれができるんだけどなぁ」
御坂「そ、そんな……! や、やめて……!」
心理掌握「だったら、反抗的な態度は改めることね」ウフフ
御坂「は、はい…………」
なんてわかりやすい悪役だ
137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 21:09:16.37:f5DtejoR0上条「こんな奴の言うことなんか聞くことはないぞ、御坂」
心理掌握「……こんな奴? あなたは?」
気分を害した心理掌握が、上条に鋭い視線を送る。
上条「御坂を苛めるのはやめろ。 俺が許さない」
心理掌握「……あらあら、私が誰だか分かって言ってるのかしら。 このお猿さんは」
上条「知らねぇよ。 約束しろ、御坂に二度と手を出さないと」
心理掌握(……妙ね、何故かこいつの心の声が聞こえない。 こいつもメンタル系の能力者なのかしら……)
心理掌握「……イヤよ。 私に指図するなんていい度胸じゃない。
決めた。 あんたも苛めてあげる」ウフフ
上条「……お前みたいな奴はいつもそうだ。 他人の痛みが分からない」
心理掌握「分かるわよぉ? 私はレベル5のサイコマスターですもの。
私ほど他人の気持ちを理解できる人間はいないでしょうね」
上条「だったらなんで――」
心理掌握「楽しいからよぉ。 弱いものイジメするとスカっとするのよねぇ~。 それ以上の理由なんてないわ」アハハ
御坂「……も、もういいわよ。 アンタまでこいつと関わることなんてない……!」
上条「御坂、これは俺の問題でもある。 友達が困ってるのに放っておくことなんかできるかよ!」
御坂(こんな私のことを友達だって言ってくれるなんて……。 同じだ……、一方通行と戦った時と……。
コイツはいつだって他人のために一生懸命な奴なんだ……)
心理掌握(一方通行? ……!? こいつがあの第1位を倒したっていうの!?)
御坂の記憶を読んだ心理掌握は、目の前の相手が只者ではないと知り、思わず動揺してしまう。
心理掌握(電撃を無効化っ? 超電磁砲もベクトル操作も効かない!? な、何者なの、こいつ!!)
上条「いいぜ……、テメエが俺の友達に手を出すっていうんなら……!」
上条が拳を握り、心理掌握に迫る……!
心理掌握「ぐっ! メンタルアウト!! 攻撃の意志を書き換え――――」
上条「 ま ず は そ の 幻 想 を ぶ ち 殺 す !!」
ブオンッ! バキッ!!
心理掌握「ふんぎゃあああああああああああああああああああっ!!!」
ドンガラガッシャーンッ!!
上条の男女平等パンチが、心理掌握の顔面にぶち込まれた!!
彼女は悶絶しながら地面に叩きつけられるッ!!
容赦無いなwwwwwww
148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 21:14:29.44:ZA8ZfCKh0男女平等パンチwwwww
161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 21:17:08.60:f5DtejoR0御坂「す、すごい……! あいつを殴れるだなんて……!」
心理掌握「ひ、ひぃぃぃいいいいぃぃいいい!!! 血が……鼻血があああああっ!!!」
上条「御坂が受けた心の痛みはこんなもんじゃないぞ……。 立て」
心理掌握「私に指図するなァァァァ!! お前なんか自殺させてやるッ!!
メンタルアウトォォ!! 舌を噛み切って自殺し――――」
上条「ふんっ!!」ブオンッ
ゲシッ!!
心理掌握「ぐはっ!!! げほっげほっ!! な、なに……!!!」ゲホッゲホッ
地面を這いつくばっている心理掌握の脇腹に容赦なく蹴りを入れる上条。
傍から見ると、DQN高校生がいたいけな女子中学生に暴行を加えてるようにしか見えない。
心理掌握(き、効かない……! こいつには私の能力が一切通用しない……!?)
上条「約束するか? もう二度と御坂を苦しめないと」
心理掌握(ほ、本人に効かないのなら……)
御坂「……!?」
御坂の意識が急速に遠ざかっていく……。
心理掌握(御坂を操ってこいつに攻撃させれば――)
ドスッ!! ボキッ!!
心理掌握「ぎにゃあああああああああああああああ」
しかし、心理掌握は指を思いっきり上条に踏まれ、骨を折られてしまうッ!
御坂「はっ……!」
と、同時に、意識を奪われた御坂が正気を取り戻す。
心理掌握が、能力を使うための演算を強制的に中断させられたからだ。
上条「お前が考えそうなことなんかお見通しだ」
御坂「そ、そうか……。 私、今こいつの能力で何かされそうになって……」
心理掌握「い、痛いよおおおおおおおおおお!!!」
上条「どうする? 続けるか?」
心理掌握「こ、降参しますううううう!! もう許してええええええええええ!!!」
彼女、心理掌握は容姿・才能共に恵まれ、子供の頃から挫折を知らない人間であった。
だが、能力を封じられればただのか弱い少女。
抗いようのない男の暴力に晒され、負け知らずの彼女の心は、今ここで初めて折れた。
上条「よし、まずは御坂に謝れ」
心理掌握「は、はい! 御坂さんゴメンナサイ!!」
御坂「……いえ」
上条「それと、お前が御坂にやらせたこと。
食堂で立たせて食わせたり、便所で食わせて写真を撮ったこと。
これを常盤台の全校生徒の記憶から消すんだ。 写真は勿論全部回収だ」
心理掌握「ぜ、全校生徒ですか~~~!? それはちょっと難しいかと……。
写真も……どれだけばら撒かれたか、自分でもよく分からないし……」
上条「今度は足をへし折られたいか?」
心理掌握「謹んでお受けさせていただきます!!」
上条「よし、それじゃあこの件はもうおしまいだ。 約束が守られなかったら、もっと酷い目に遭わすぞ?」
心理掌握「は、はいぃぃぃ!!」
上条「ほら、さっさと病院にでも行け」
心理掌握「ひぃぃぃいいいぃぃ!!!」
ダッダッダッダッ
御坂「あ……、また助けられちゃったね…………」
上条「これで多分大丈夫だろ。 学校……逃げるなよ?」
御坂「……うん」
上条「それとさ、お前は可愛いし頭もいいんだから、
お前から話しかければ、きっと友達なんてすぐに作れるよ」
御坂「そう……かな……」
上条「ま、勇気を持って最初の一歩を踏むことだな。
……やっべ、完全に遅刻だ。 それじゃ俺はもう行くな! またな!」
御坂「あ、……ありがとう!!」
上条は後姿のまま腕を振り御坂の声に応え……、そして走り去っていった。
御坂「本当に……礼を言っても言い尽くせないわよ……アンタには…………」
~翌朝、御坂の教室~
御坂(……よし、今日から生まれ変わろう……! 心理掌握がみんなの記憶を消してるはず!)
ガラガラッ
御坂「お、おはよう……みんな!!」
シーン……
同級生たち「…………」
御坂(う……、何この空気……ひょっとして記憶を消されてないんじゃ……!)
同級生A「おはよう、御坂さん。 急に大きな声出すからびっくりしちゃった」
同級生B「珍しいね。 いつも黙って席に着くのに」
御坂「あ、はは……! そうかなっ……!」
御坂(大丈夫……よね?)
御坂は席には着かず、そのまま雑談をしている仲良しグループの元に向かう。
同級生C「……? 何か用?」
御坂「あ、あのね……、よかったら……」
「お昼ご飯、一緒に食べていいかな……」
~それから一週間後の下校道~
上条(あれから、御坂もすっかり元気を取り戻したみたいだし、本当によかった。
ただ一つ……、新たな問題ができたが…………)
「当麻サマ~~~~~!!」
上条「げ、今日もきやがった……!」
心理掌握「お待ちください当麻サマ~」ギュッ
上条「ひ、ひっつくなぁ~!」
心理掌握「そ、そんな……、当麻サマは私のことがお嫌いですか……?」ウルウル
上条「い、いや、嫌いじゃないけど……」
心理掌握「よかったぁ~! 私も当麻サマのことを愛していますわっ!」ギュウウウ
上条「だからひっつくなってぇ! 大体、俺のどこがそんなにいいんだぁ?」
心理掌握「うふふ、当麻サマに折檻された時、私、胸がドキドキしましたの。
こんな経験初めてです……。 そう! これぞまさしく初恋ですわっ!」
上条「いや……、絶対違うと思うけど……」
あちゃー心理掌握ソッチの方だったかー
223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 21:37:29.47:f5DtejoR0心理掌握「それに、私が心を読むことができないのはあなただけ……。
想い人の胸中を覗けないというのは世の理ですわっ!」
上条「いや、それは幻想殺しっていう俺の右腕がだな……」
心理掌握「当麻サマ、素敵ですっ」ギュウッ
上条「ああもう! また変な女に追っかけまわされて――――」
「不幸だ~~~~~~!!!」
おわり
乙!
面白かったぜ
289:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 23:51:13.21:njFXUZRiP面白かったぜ
乙
ハッピーエンドでほんと良かった
ハッピーエンドでほんと良かった
コメント 17
コメント一覧 (17)
上条さんってすごーいパンチ止めれんのかな
上条さん…あんたやっぱすげぇよっ
タグにゴミクズの名前があるけど、どこで分かるんだ?文体?
ハッピーエンドで良かった!
楽しめた、乙!
当麻さん、
これからは兄貴と呼ばせていただきます
最後ので兄貴×心理掌握が見たくなってしまったorz
御坂…頑張ったな
それ、心理定規じゃないですか?
俺でもデパートのファーストフード店で買ったバーガー的な物を、同店の便所で食べたことはあるので、共感出来る部分はあった。
乙!!
ハッピーエンドで本当によかった。