- 25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 02:31:38.03:MBC+tDNQO
さやか「うわっちゃー、雨降ってる」
まどか「天気予報、外れたねぇ」
さやか「まどか……傘は持ってきてない、よねぇ」
まどか「うん。さやかちゃんも持ってないよねぇ」
さやか「……でえぇぇいっ!!仕方ないっこうなったらー!!」
だだだ
まどか「?!な、なにしてるのさやかちゃん!!」
さやか「すぐ止むような雨じゃないっしょ、コレ!うだうだしてたら、日が暮れちゃうよ!まどかもちょっとくらい濡れるのはガマンして、さっさと走って帰ろ!」
まどか「え、で、でも」
さやか「あーもぉ!!とにかく私は先帰るかんね、まどかも早く帰るんだよー!!」
だだだ
まどか「行っちゃった……」
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26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 02:36:18.38:MBC+tDNQO
まどか「んー、さやかちゃんはああ言うけど、私とろいし、たぶんこんな雨の中濡れて帰ったら風邪引いちゃう……」
こつ
まどか「?」くる
ほむら「……」
まどか「ほむらちゃん……」
ほむら「貴女も、今帰り?」
まどか「う、うん、そう」
ほむら「……雨ね」
まどか「う、うん」
ほむら「貴女、傘は?」
まどか「朝の天気予報じゃ、降らないって言ってたから……」
ほむら「そう」
まどか「ほむらちゃんは……?」
ほむら「教室に置き傘を置いてるから」
まどか「そ、そうなんだ」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 02:42:09.70:MBC+tDNQO
かつかつ
しとしと
まどか「ほ、ほむらちゃん」
ほむら「……何かしら」
まどか「また、明日ね……」
ほむら「……ええ、また明日」
まどか「……」
ほむら「……貴女は、どうするの」
まどか「わ、私は……雨が止むか、小降りになるまで待とうかな、って……」
ほむら「雲がどんどん厚くなっている。このままだと雨脚は強くなる一方よ。小降りになんかなりはしないわ」
まどか「えっ……」
ほむら「……入りなさい」
まどか「……えっ?」
ほむら「家まで送るわ。私の傘に入りなさい」
まどか「ほ、ほむらちゃん……」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 02:59:39.41:MBC+tDNQO
しとしと
ちゃぷちゃぷ
まどか「ありがとう、ほむらちゃん」
ほむら「礼には及ばないわ。ただ、見捨てて帰れるほど冷血じゃないってだけ」
まどか「それでも、ほむらちゃんは優しいよ」
ほむら「……貴女は、まだ私を誤解しているのね」
まどか「誤解っていうか、私はほむらちゃんのこと……あんまりよく知らないの。でも、ほむらちゃんのこと優しいって思うのは、誤解じゃないよ」
ほむら「……」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 03:00:55.82:VFNdYDMVO
まどか「ねぇ、ほむらちゃん」
ほむら「何かしら」
まどか「肩とか、濡れてない?大丈夫?」
ほむら「少しくらい平気よ。貴女より身体は丈夫に出来ているから」
まどか「だめだよ、そんな」
ほむら「気にしないで。魔法少女ってそういう……」
ぎゅ
ほむら「……!」
まどか「ほら、こうやってくっつけば、濡れないよ」
ほむら「……あ、歩きにくいわ」
まどか「えへへ」
ほむら「……」ぷい
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 03:24:37.98:MBC+tDNQO
しとしと
まどか「今日はありがとうね、ほむらちゃん」
ほむら「どうってことないわ。貴女は放っておくと危険なことばかりするから……できるだけ目の届くところに置いておきたいもの」
まどか「えへへ。じゃあ私、ずっとほむらちゃんのそばにいてあげたいな」
ほむら「……」ぷい
まどか「あ、ほむらちゃん照れてる」
ほむら「……照れてなんかいないわ」
まどか「えー?照れてるよぅ」
ほむら「……」ぷい
まどか「くすくす」
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 03:33:08.81:MBC+tDNQO
しとしと
まどか「雨の日って、肌寒いことが多いよね」
ほむら「……そうね」
まどか「えへへ、でも今日は、とっても暖かいの」
ほむら「……」
まどか「……ほむらちゃんがいるからだよ」
ほむら「……鹿目、まどか……」
まどか「……ほむらちゃんは、寒くない?」
ほむら「……ええ、大丈夫よ」
まどか「そっか、よかった」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 03:46:30.26:MBC+tDNQO
しとしと
ざんざん
まどか「わ、強くなってきたね」
ほむら「……そのうち、もっと強くなるわ。急ぎましょう」
まどか「え、う、うん」
ほむら「……どうしたの」
まどか「あ、ううん。……何でもないの」
ほむら「……そう」
まどか「……ただね。ゆっくり歩いたら、そのぶんほむらちゃんと一緒にお話できる時間が長くなるのになぁって……」
ほむら「……」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 03:58:56.97:MBC+tDNQO
~~~~一方そのころ~~~~
さやか「っひー!!強くなってきやがったぜちくしょー!!」だだだ
さやか「やっぱムリがあったかなー、強行突破は……!」だだだ
さやか「……おっ!雨宿りできそうな公園発見!」だだだ
さやか「……ふぅ、屋根つきのベンチとは、また都合のいい場所があったもんだ……」
杏子「……あれ?」
さやか「?」
杏子「おー、やっぱオマエか」
さやか「あ、アンタ……」
杏子「おっすー。アンタも雨宿り?」
さやか「……」
杏子「おぅおぅ、そんなコワイ顔すんなってー。別に今日は取って食ったりゃしねーよぉ」
さやか「……どうだか」
杏子「マジだっつーの。こんな日に戦いしかけて、ドロだらけになるのはゴメンだよ」
さやか「……そう」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 04:11:04.21:MBC+tDNQO
杏子「隣、いいかい」
さやか「好きにしたら」
杏子「んしょ、っと。……食うかい、コレ?」
さやか「?なにそれ」
杏子「見りゃ分かんだろ、肉まんだよ。雨降ると肌寒いだろー?てことでたらふく買ってやった」
さやか「ふぅん、今回はちゃんと買ったものか……じゃ、一つもらおっかな」
杏子「おう、食いねぇ食いねぇ」
さやか「はむっ」
杏子「どーだ?」
さやか「ん、美味しい」
杏子「だろだろ♪」
さやか「なんでアンタが得意げなのよ」くす
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 04:24:16.78:MBC+tDNQO
杏子「好きなんだよ」
さやか「は?」
杏子「人がうまそーにもの食ってるサマがね」
さやか「ああ、そっちね」
杏子「あ?”そっち”ってなんのことだ」
さやか「いーや、なんも」
杏子「ふぅん。ま・いいわ。それよかほれほれ、二個でも三個でも食いなよ」
さやか「いやいや、そんなに入らないっつーの!」
杏子「あーん?育ち盛りにもったいないこと言うなーオマエ」
さやか「こちとら、食ったら食ったぶんだけ脂肪つくのよ……」
杏子「難儀だねーそういう体質。私ゃいくら食っても何も変わりゃしないけどサ」
さやか「アンタみたいなヤツには、そういう体質って願ったり叶ったりよね……」
杏子「ははっ。違ぇねえや」
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 04:34:42.63:MBC+tDNQO
さやか「ま、でも……」
ぱく
さやか「たまには、ね」
杏子「……にひひ。イケるクチだね、アンタ」
さやか「こういう日もあるってだけよ」
ざんざん
杏子「……雨、やまねーなー」
さやか「っていうか、止む気配ないっしょ、これ」
杏子「オマエ、この後どーすんだ?」
さやか「んー、正直マジにどうしようっていうか……。そういうアンタはどーなのよ」
杏子「さぁ?止むまで待つだろ」
さやか「……ヘタすりゃ明日の朝になっても止まないよ?」
杏子「えっ?!マジで?!」
さやか「バカかアンタ」
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 13:09:13.30:MBC+tDNQO
杏子「はぁーっ。そんじゃマジでどうすっかなぁ」
さやか「雨足もこれぐらい強くなると、強行突破じゃきついよ。……魔法使うってんなら、別かもしんないけどさ」
杏子「ん……。だめだな、今日はそういう気分じゃねーや」
さやか「……そう」
杏子「おう、そう。だから私もしばらく、ここにいさせてもらうわ」
さやか「……そっか」
杏子「あ、肉まんもう無ぇのか……」
さやか「なに、アンタけっこう食べてたじゃない。足りないの?」
杏子「そーだね、ぶっちゃけ足りねぇ。美味いもんはいくらでも食えっから」
さやか「……」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 13:17:53.32:MBC+tDNQO
むしっ
さやか「……ほら」
杏子「あん?」
さやか「半分あげるわよ。私じゃ多すぎるくらいだし」
杏子「……サンキュ」
さやか「……ん」
杏子「……やっぱ違うな」
さやか「え?」
杏子「一人で食う飯と、こうやって食う飯は全然違う。……誰かと一緒に食う飯のほうがずっと美味い」
さやか「そうだね……」
66: ◆dWVtcnK36s :2011/03/03(木) 13:48:21.99:PlmR+tbf0
杏子「かぁーっ。……なあ、寒くねぇか?」
さやか「んー、ちょっとくらいは」
杏子「だよなぁだよなぁ」
すすす
さやか「な、なによ……」
杏子「いやなに、だから取って食おうとかってつもりはねえから。安心しなって」
すすす
さやか「だからなんで近づいてくんのよ?!」
68: ◆dWVtcnK36s :2011/03/03(木) 14:01:11.66:PlmR+tbf0
杏子「だから言ってんだろー。寒いって」
さやか「いや、寒いのはわかるけど……!」
杏子「気にするこたぁ無ぇだろ。女同士だぜ?」
さやか「い、いやそれはそうかもしんないけど……?」
杏子「まー、そう減るもんでもないだろ。ほれほれぎゅーっと」
ぎゅ
さやか「ひぁっ?!」
杏子「おー、あったけえ」
70: ◆dWVtcnK36s :2011/03/03(木) 14:39:27.45:PlmR+tbf0
~~~~そのころ~~~~
ざんざん
まどか「……でねでね、そこのケーキ屋さん、すっごく美味しいの」
ほむら「……そう」
まどか「あ……ごめん、ほむらちゃん、こういうおはなし、興味ないかな」
ほむら「……そうでもないわ。私も、甘いものは嫌いじゃないし」
まどか「そっか……。そっかぁ……!」
ほむら「?嬉しそうね」
まどか「うん。なんだかね、ほむらちゃんとこういうおはなしができるの、すっごく嬉しいの」
ほむら「……そう」
まどか「でね……あっ、ほむらちゃん、道、そっちじゃなくてこっちだよ」
ほむら「あ……そうだったわね。うっかりしてたわ」
まどか「ふふっ」
74: ◆dWVtcnK36s :2011/03/03(木) 16:00:03.10:PlmR+tbf0
さやか「ちょ、ちょっと……!」
杏子「私はさー、オマエのこと、べつに嫌いじゃないんだぜ」
さやか「……?」
杏子「むしろ好きだよ。オマエみたいなやつ」
さやか「へ……?」
杏子「うれうれ」ぐいぐい
さやか「ふぁっ……!や、あんっ……!」
杏子「おうおう、可愛い声出すじゃん」
79: ◆dWVtcnK36s :2011/03/03(木) 16:46:14.78:PlmR+tbf0
さやか「や、やめろって、この……!」
杏子「やーなこった。離れたら寒いじゃん。うれ」
こちょ
さやか「~~~~っ?!」びく
杏子「ほほーう。くすぐりに弱いときたか」
さやか「あ、アンタねぇ……!」
杏子「そう怖い顔しなさんなって。うーらうーら」こちょこちょ
さやか「うわっ……、や、やめっ……!……うひゃ、うひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!」
杏子「おー。ここかぁ、ここが弱いのか」こちょ
さやか「だからやめっ……!やめ……ぎゃははははははははははっ!!」
80: ◆dWVtcnK36s :2011/03/03(木) 17:18:37.67:PlmR+tbf0
さやか「はぁっ……!はぁっ……!」ぜぇぜぇ
杏子「あはは。どーよ、あったまったろ?」
さやか「そっ、それより疲れたわよ……」ぜぇぜぇ
杏子「そーかい」けらけら
さやか「んでアンタ……ほんとにどうすんのよ」
杏子「んー、それだよなぁ。こっからじゃどう頑張ってもずぶ濡れになっちまう」
さやか「まどかは、大丈夫かなあ……」
杏子「……まどか、ってあの、トロくさそーなヤツのことか?」
さやか「そ。あの子も傘忘れてさ、今ごろどうしてるんだか……。ずぶ濡れになってなきゃいいけど」
杏子「……むぅ」
さやか「……なによ、その顔」
杏子「ぶぇっつにーぃ」
93: ◆dWVtcnK36s :2011/03/03(木) 20:30:10.68:MBC+tDNQO
さやか「はいはい、さみしーのね」
ぎゅ
杏子「ふぁ、な、なにすんだおま……!」
さやか「人にえらそーに説教垂れるワリには、まるで子供みたいなとこあんじゃないアンタ」
杏子「なっ、だ、誰が……!」
さやか「私にひっついたのだって、要は甘えたかったからなんでしょ?」
杏子「ち、ちが……!」
さやか「はいはい、わかったわかった」
ぎゅ
杏子「う、うぬぬ……」
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 20:53:41.60:MBC+tDNQO
~~~~そのころ~~~~
まどか「……?あれ」
ほむら「どうしたの」
まどか「あそこ、見て」
ほむら「……?」
まどか「あれ、さやかちゃんとこの前の……」
ほむら「……!!」
しゅん
まどか「わ?!あ、あれ、ほむらちゃん?!」
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 21:02:52.25:MBC+tDNQO
しゅん
ほむら「……何しているの、貴女」
さやか「げっ、転校生……!」
ほむら「言ったはずよ、美樹さやかは私が対処する、と……?」
さやか「待て待て転校生。今これが戦ってるように見えるか?」
ほむら「……何しているの、貴女達」
ばしゃばしゃ
まどか「ほむらちゃーん!さやかちゃーん!」
さやか「わ、まどか……!ち、ちょっと静かに!」
まどか「え?」
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 21:26:02.77:MBC+tDNQO
杏子「……Zzz」すぅすぅ
まどか「あ、あれ、この子……」
ほむら「寝ている……?」
さやか「そ。だからちょっと静かにしてて」
まどか「しかもさやかちゃんのひざまくら……。う、うらやましいような……?」
ほむら「」ぎろ
まどか「……へっ?え、えぇ?!」
さやか「あはは、あんたらも知らないうちに仲良くなってるみたいね」
まどか「ね、ねぇほむらちゃんなんで睨むの……?」
ほむら「別に睨んでなんかいないわ」ぷい
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 22:07:39.21:MBC+tDNQO
杏子「ん……ぅ」
さやか「お。起きたな」
杏子「んあ……?あれ、なんでオマエ……」
ほむら「……佐倉杏子。説明してもらえるかしら、これはどういうことなの」
杏子「ぉ、テメーもいたのか……どういうこと、って、いやなんつうか」
さやか「平たく言うと、コイツ意外と可愛いヤツだったんだよっていうハナシ」
まどか「……?」
杏子「む……そ、そういうことを人前でぽんぽん言うんじゃねぇよ……」ぎゅ
さやか「ね?けっこう可愛いでしょ、甘えん坊でさ」
ほむら(意味が分からない……)
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 22:32:58.88:MBC+tDNQO
まどか「さ、さやかちゃん、いいの?その子は……」
さやか「んー、まぁ命張って魔法少女やってるワケだからさ、衝突することもあるけど。そういうのを抜きにしたら、実はコイツ、けっこういいヤツだよ」
まどか「そ、そうなの……?」
さやか「そうなのっ」なで
杏子「んぅ……」
ほむら「……」
なで
まどか「……?な、なぁに、ほむらちゃん……?」
ほむら「……何でもないわ」ぷい
さやか「にっしっし」
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 22:55:19.93:MBC+tDNQO
まどか「それで、さやかちゃん達はここで何してたの?」
さやか「雨宿りだよ。さすがに走って帰るには無茶っぽい雨足になってきたしね」
杏子「テメーらは傘あんだろー?さっさと帰れ帰れー」しっしっ
さやか「こら、そういうこと言わない」
杏子「むぅ……」
ほむら「と、いうか」
さやか「?」
まどか「もう……止んでるよ」
杏子「は?……あっ!!」
さやか「あれっ……ぜんぜん気がつかなかった……」
まどか「ついさっきだけどね。ずっと降ると思ってたけど、夕立だったのかな」
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 23:11:45.91:MBC+tDNQO
まどか「これでさやかちゃん達も帰れるね」
さやか「あ……?う、うん、そうね」
杏子「……むぅ」
ほむら「送っていくのはここまででもいいかしら、鹿目まどか」
まどか「あ、うん。ありがとうね、ほむらちゃん」
杏子「ん、んじゃあ私も……帰っかなぁ」
さやか「ん、そっか。またね」
杏子「おう、また」
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 23:29:50.82:MBC+tDNQO
まどか「あ、そうだ、ほむらちゃん」
ほむら「?」くる
まどか「今日の帰り道はとっても楽しかったよ!……だから、さっき話したケーキ屋さん、今度一緒に行かない?」
ほむら「……ええ、いいわよ。……楽しみにしているわ」
まどか「……うんっ!!じゃあね、ほむらちゃん!」
ほむら「また明日ね、鹿目まどか」
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 23:33:09.82:MBC+tDNQO
さやか「ねぇ」
杏子「あん?」
さやか「私らって、次は、どんな風に会うのかな」
杏子「……さぁな。そりゃわからん」
さやか「……また、笑って会えたらいいのにね」
杏子「おいおい、そういうこと言うと笑って会えなくなんぞ?」
さやか「……あははっ。それもそうだ」
杏子「つーわけだ。また、な」
さやか「うん……また」
杏子「……また、膝貸してくれよ」
さやか「……うん!」
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 23:45:30.02:MBC+tDNQO
まどか「えへへ、なんだか今日は楽しかったなぁ。」
まどか「……みんな、みんな仲良しにだったよね。……そうだよ、友達に、なれるんだよ、私達」
まどか「……あれ、でもそういえば」
~~~~~~~~
まどか「でね……あっ、ほむらちゃん、道、そっちじゃなくてこっちだよ」
ほむら「あ……そうだったわね。うっかりしてたわ」
まどか「ふふっ」
~~~~
まどか「……ほむらちゃん、なんで私の家までの道知ってたんだろう?」
おわり
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 00:08:32.20:91bfCLF40
まどか「んー、さやかちゃんはああ言うけど、私とろいし、たぶんこんな雨の中濡れて帰ったら風邪引いちゃう……」
こつ
まどか「?」くる
ほむら「……」
まどか「ほむらちゃん……」
ほむら「貴女も、今帰り?」
まどか「う、うん、そう」
ほむら「……雨ね」
まどか「う、うん」
ほむら「貴女、傘は?」
まどか「朝の天気予報じゃ、降らないって言ってたから……」
ほむら「そう」
まどか「ほむらちゃんは……?」
ほむら「教室に置き傘を置いてるから」
まどか「そ、そうなんだ」
かつかつ
しとしと
まどか「ほ、ほむらちゃん」
ほむら「……何かしら」
まどか「また、明日ね……」
ほむら「……ええ、また明日」
まどか「……」
ほむら「……貴女は、どうするの」
まどか「わ、私は……雨が止むか、小降りになるまで待とうかな、って……」
ほむら「雲がどんどん厚くなっている。このままだと雨脚は強くなる一方よ。小降りになんかなりはしないわ」
まどか「えっ……」
ほむら「……入りなさい」
まどか「……えっ?」
ほむら「家まで送るわ。私の傘に入りなさい」
まどか「ほ、ほむらちゃん……」
しとしと
ちゃぷちゃぷ
まどか「ありがとう、ほむらちゃん」
ほむら「礼には及ばないわ。ただ、見捨てて帰れるほど冷血じゃないってだけ」
まどか「それでも、ほむらちゃんは優しいよ」
ほむら「……貴女は、まだ私を誤解しているのね」
まどか「誤解っていうか、私はほむらちゃんのこと……あんまりよく知らないの。でも、ほむらちゃんのこと優しいって思うのは、誤解じゃないよ」
ほむら「……」
杏子ちゃん!杏子ちゃんはどこ!
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/03(木) 03:10:49.63:MBC+tDNQOまどか「ねぇ、ほむらちゃん」
ほむら「何かしら」
まどか「肩とか、濡れてない?大丈夫?」
ほむら「少しくらい平気よ。貴女より身体は丈夫に出来ているから」
まどか「だめだよ、そんな」
ほむら「気にしないで。魔法少女ってそういう……」
ぎゅ
ほむら「……!」
まどか「ほら、こうやってくっつけば、濡れないよ」
ほむら「……あ、歩きにくいわ」
まどか「えへへ」
ほむら「……」ぷい
しとしと
まどか「今日はありがとうね、ほむらちゃん」
ほむら「どうってことないわ。貴女は放っておくと危険なことばかりするから……できるだけ目の届くところに置いておきたいもの」
まどか「えへへ。じゃあ私、ずっとほむらちゃんのそばにいてあげたいな」
ほむら「……」ぷい
まどか「あ、ほむらちゃん照れてる」
ほむら「……照れてなんかいないわ」
まどか「えー?照れてるよぅ」
ほむら「……」ぷい
まどか「くすくす」
しとしと
まどか「雨の日って、肌寒いことが多いよね」
ほむら「……そうね」
まどか「えへへ、でも今日は、とっても暖かいの」
ほむら「……」
まどか「……ほむらちゃんがいるからだよ」
ほむら「……鹿目、まどか……」
まどか「……ほむらちゃんは、寒くない?」
ほむら「……ええ、大丈夫よ」
まどか「そっか、よかった」
しとしと
ざんざん
まどか「わ、強くなってきたね」
ほむら「……そのうち、もっと強くなるわ。急ぎましょう」
まどか「え、う、うん」
ほむら「……どうしたの」
まどか「あ、ううん。……何でもないの」
ほむら「……そう」
まどか「……ただね。ゆっくり歩いたら、そのぶんほむらちゃんと一緒にお話できる時間が長くなるのになぁって……」
ほむら「……」
~~~~一方そのころ~~~~
さやか「っひー!!強くなってきやがったぜちくしょー!!」だだだ
さやか「やっぱムリがあったかなー、強行突破は……!」だだだ
さやか「……おっ!雨宿りできそうな公園発見!」だだだ
さやか「……ふぅ、屋根つきのベンチとは、また都合のいい場所があったもんだ……」
杏子「……あれ?」
さやか「?」
杏子「おー、やっぱオマエか」
さやか「あ、アンタ……」
杏子「おっすー。アンタも雨宿り?」
さやか「……」
杏子「おぅおぅ、そんなコワイ顔すんなってー。別に今日は取って食ったりゃしねーよぉ」
さやか「……どうだか」
杏子「マジだっつーの。こんな日に戦いしかけて、ドロだらけになるのはゴメンだよ」
さやか「……そう」
杏子「隣、いいかい」
さやか「好きにしたら」
杏子「んしょ、っと。……食うかい、コレ?」
さやか「?なにそれ」
杏子「見りゃ分かんだろ、肉まんだよ。雨降ると肌寒いだろー?てことでたらふく買ってやった」
さやか「ふぅん、今回はちゃんと買ったものか……じゃ、一つもらおっかな」
杏子「おう、食いねぇ食いねぇ」
さやか「はむっ」
杏子「どーだ?」
さやか「ん、美味しい」
杏子「だろだろ♪」
さやか「なんでアンタが得意げなのよ」くす
杏子「好きなんだよ」
さやか「は?」
杏子「人がうまそーにもの食ってるサマがね」
さやか「ああ、そっちね」
杏子「あ?”そっち”ってなんのことだ」
さやか「いーや、なんも」
杏子「ふぅん。ま・いいわ。それよかほれほれ、二個でも三個でも食いなよ」
さやか「いやいや、そんなに入らないっつーの!」
杏子「あーん?育ち盛りにもったいないこと言うなーオマエ」
さやか「こちとら、食ったら食ったぶんだけ脂肪つくのよ……」
杏子「難儀だねーそういう体質。私ゃいくら食っても何も変わりゃしないけどサ」
さやか「アンタみたいなヤツには、そういう体質って願ったり叶ったりよね……」
杏子「ははっ。違ぇねえや」
さやか「ま、でも……」
ぱく
さやか「たまには、ね」
杏子「……にひひ。イケるクチだね、アンタ」
さやか「こういう日もあるってだけよ」
ざんざん
杏子「……雨、やまねーなー」
さやか「っていうか、止む気配ないっしょ、これ」
杏子「オマエ、この後どーすんだ?」
さやか「んー、正直マジにどうしようっていうか……。そういうアンタはどーなのよ」
杏子「さぁ?止むまで待つだろ」
さやか「……ヘタすりゃ明日の朝になっても止まないよ?」
杏子「えっ?!マジで?!」
さやか「バカかアンタ」
杏子「はぁーっ。そんじゃマジでどうすっかなぁ」
さやか「雨足もこれぐらい強くなると、強行突破じゃきついよ。……魔法使うってんなら、別かもしんないけどさ」
杏子「ん……。だめだな、今日はそういう気分じゃねーや」
さやか「……そう」
杏子「おう、そう。だから私もしばらく、ここにいさせてもらうわ」
さやか「……そっか」
杏子「あ、肉まんもう無ぇのか……」
さやか「なに、アンタけっこう食べてたじゃない。足りないの?」
杏子「そーだね、ぶっちゃけ足りねぇ。美味いもんはいくらでも食えっから」
さやか「……」
むしっ
さやか「……ほら」
杏子「あん?」
さやか「半分あげるわよ。私じゃ多すぎるくらいだし」
杏子「……サンキュ」
さやか「……ん」
杏子「……やっぱ違うな」
さやか「え?」
杏子「一人で食う飯と、こうやって食う飯は全然違う。……誰かと一緒に食う飯のほうがずっと美味い」
さやか「そうだね……」
杏子「かぁーっ。……なあ、寒くねぇか?」
さやか「んー、ちょっとくらいは」
杏子「だよなぁだよなぁ」
すすす
さやか「な、なによ……」
杏子「いやなに、だから取って食おうとかってつもりはねえから。安心しなって」
すすす
さやか「だからなんで近づいてくんのよ?!」
杏子「だから言ってんだろー。寒いって」
さやか「いや、寒いのはわかるけど……!」
杏子「気にするこたぁ無ぇだろ。女同士だぜ?」
さやか「い、いやそれはそうかもしんないけど……?」
杏子「まー、そう減るもんでもないだろ。ほれほれぎゅーっと」
ぎゅ
さやか「ひぁっ?!」
杏子「おー、あったけえ」
~~~~そのころ~~~~
ざんざん
まどか「……でねでね、そこのケーキ屋さん、すっごく美味しいの」
ほむら「……そう」
まどか「あ……ごめん、ほむらちゃん、こういうおはなし、興味ないかな」
ほむら「……そうでもないわ。私も、甘いものは嫌いじゃないし」
まどか「そっか……。そっかぁ……!」
ほむら「?嬉しそうね」
まどか「うん。なんだかね、ほむらちゃんとこういうおはなしができるの、すっごく嬉しいの」
ほむら「……そう」
まどか「でね……あっ、ほむらちゃん、道、そっちじゃなくてこっちだよ」
ほむら「あ……そうだったわね。うっかりしてたわ」
まどか「ふふっ」
さやか「ちょ、ちょっと……!」
杏子「私はさー、オマエのこと、べつに嫌いじゃないんだぜ」
さやか「……?」
杏子「むしろ好きだよ。オマエみたいなやつ」
さやか「へ……?」
杏子「うれうれ」ぐいぐい
さやか「ふぁっ……!や、あんっ……!」
杏子「おうおう、可愛い声出すじゃん」
さやか「や、やめろって、この……!」
杏子「やーなこった。離れたら寒いじゃん。うれ」
こちょ
さやか「~~~~っ?!」びく
杏子「ほほーう。くすぐりに弱いときたか」
さやか「あ、アンタねぇ……!」
杏子「そう怖い顔しなさんなって。うーらうーら」こちょこちょ
さやか「うわっ……、や、やめっ……!……うひゃ、うひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!」
杏子「おー。ここかぁ、ここが弱いのか」こちょ
さやか「だからやめっ……!やめ……ぎゃははははははははははっ!!」
さやか「はぁっ……!はぁっ……!」ぜぇぜぇ
杏子「あはは。どーよ、あったまったろ?」
さやか「そっ、それより疲れたわよ……」ぜぇぜぇ
杏子「そーかい」けらけら
さやか「んでアンタ……ほんとにどうすんのよ」
杏子「んー、それだよなぁ。こっからじゃどう頑張ってもずぶ濡れになっちまう」
さやか「まどかは、大丈夫かなあ……」
杏子「……まどか、ってあの、トロくさそーなヤツのことか?」
さやか「そ。あの子も傘忘れてさ、今ごろどうしてるんだか……。ずぶ濡れになってなきゃいいけど」
杏子「……むぅ」
さやか「……なによ、その顔」
杏子「ぶぇっつにーぃ」
さやか「はいはい、さみしーのね」
ぎゅ
杏子「ふぁ、な、なにすんだおま……!」
さやか「人にえらそーに説教垂れるワリには、まるで子供みたいなとこあんじゃないアンタ」
杏子「なっ、だ、誰が……!」
さやか「私にひっついたのだって、要は甘えたかったからなんでしょ?」
杏子「ち、ちが……!」
さやか「はいはい、わかったわかった」
ぎゅ
杏子「う、うぬぬ……」
~~~~そのころ~~~~
まどか「……?あれ」
ほむら「どうしたの」
まどか「あそこ、見て」
ほむら「……?」
まどか「あれ、さやかちゃんとこの前の……」
ほむら「……!!」
しゅん
まどか「わ?!あ、あれ、ほむらちゃん?!」
しゅん
ほむら「……何しているの、貴女」
さやか「げっ、転校生……!」
ほむら「言ったはずよ、美樹さやかは私が対処する、と……?」
さやか「待て待て転校生。今これが戦ってるように見えるか?」
ほむら「……何しているの、貴女達」
ばしゃばしゃ
まどか「ほむらちゃーん!さやかちゃーん!」
さやか「わ、まどか……!ち、ちょっと静かに!」
まどか「え?」
杏子「……Zzz」すぅすぅ
まどか「あ、あれ、この子……」
ほむら「寝ている……?」
さやか「そ。だからちょっと静かにしてて」
まどか「しかもさやかちゃんのひざまくら……。う、うらやましいような……?」
ほむら「」ぎろ
まどか「……へっ?え、えぇ?!」
さやか「あはは、あんたらも知らないうちに仲良くなってるみたいね」
まどか「ね、ねぇほむらちゃんなんで睨むの……?」
ほむら「別に睨んでなんかいないわ」ぷい
杏子「ん……ぅ」
さやか「お。起きたな」
杏子「んあ……?あれ、なんでオマエ……」
ほむら「……佐倉杏子。説明してもらえるかしら、これはどういうことなの」
杏子「ぉ、テメーもいたのか……どういうこと、って、いやなんつうか」
さやか「平たく言うと、コイツ意外と可愛いヤツだったんだよっていうハナシ」
まどか「……?」
杏子「む……そ、そういうことを人前でぽんぽん言うんじゃねぇよ……」ぎゅ
さやか「ね?けっこう可愛いでしょ、甘えん坊でさ」
ほむら(意味が分からない……)
まどか「さ、さやかちゃん、いいの?その子は……」
さやか「んー、まぁ命張って魔法少女やってるワケだからさ、衝突することもあるけど。そういうのを抜きにしたら、実はコイツ、けっこういいヤツだよ」
まどか「そ、そうなの……?」
さやか「そうなのっ」なで
杏子「んぅ……」
ほむら「……」
なで
まどか「……?な、なぁに、ほむらちゃん……?」
ほむら「……何でもないわ」ぷい
さやか「にっしっし」
まどか「それで、さやかちゃん達はここで何してたの?」
さやか「雨宿りだよ。さすがに走って帰るには無茶っぽい雨足になってきたしね」
杏子「テメーらは傘あんだろー?さっさと帰れ帰れー」しっしっ
さやか「こら、そういうこと言わない」
杏子「むぅ……」
ほむら「と、いうか」
さやか「?」
まどか「もう……止んでるよ」
杏子「は?……あっ!!」
さやか「あれっ……ぜんぜん気がつかなかった……」
まどか「ついさっきだけどね。ずっと降ると思ってたけど、夕立だったのかな」
まどか「これでさやかちゃん達も帰れるね」
さやか「あ……?う、うん、そうね」
杏子「……むぅ」
ほむら「送っていくのはここまででもいいかしら、鹿目まどか」
まどか「あ、うん。ありがとうね、ほむらちゃん」
杏子「ん、んじゃあ私も……帰っかなぁ」
さやか「ん、そっか。またね」
杏子「おう、また」
まどか「あ、そうだ、ほむらちゃん」
ほむら「?」くる
まどか「今日の帰り道はとっても楽しかったよ!……だから、さっき話したケーキ屋さん、今度一緒に行かない?」
ほむら「……ええ、いいわよ。……楽しみにしているわ」
まどか「……うんっ!!じゃあね、ほむらちゃん!」
ほむら「また明日ね、鹿目まどか」
さやか「ねぇ」
杏子「あん?」
さやか「私らって、次は、どんな風に会うのかな」
杏子「……さぁな。そりゃわからん」
さやか「……また、笑って会えたらいいのにね」
杏子「おいおい、そういうこと言うと笑って会えなくなんぞ?」
さやか「……あははっ。それもそうだ」
杏子「つーわけだ。また、な」
さやか「うん……また」
杏子「……また、膝貸してくれよ」
さやか「……うん!」
まどか「えへへ、なんだか今日は楽しかったなぁ。」
まどか「……みんな、みんな仲良しにだったよね。……そうだよ、友達に、なれるんだよ、私達」
まどか「……あれ、でもそういえば」
~~~~~~~~
まどか「でね……あっ、ほむらちゃん、道、そっちじゃなくてこっちだよ」
ほむら「あ……そうだったわね。うっかりしてたわ」
まどか「ふふっ」
~~~~
まどか「……ほむらちゃん、なんで私の家までの道知ってたんだろう?」
おわり
おつかれ
また書いてくれ
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 00:47:19.66:KsCdhmUx0また書いてくれ
よし。よし…これで覚悟はできた
コメント 14
コメント一覧 (14)
本編はどうして日常パートを入れなかったし…(´Д`)
そうしたら…本当に…うぅぅぅぅぅぅ
涙が、涙がとまらないんだあぁぁぁ
結局公式のカップリングもこんな感じだし。
お前が言うな