- ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」 1 2 3 4 5 6
元スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1300712068/
1:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 21:54:30.19:ttCbVaun0
モンスターハンターの創作小説です
今迄は2chで投稿していましたが、移動してきました
第三部の第5話からの投稿となります
前作までのURLはこちらです
■まとめサイトTOP:http://plaza.rakuten.co.jp/MikenekoMilk/
・第一部:http://plaza.rakuten.co.jp/MikenekoMilk/2000
・第二部:http://plaza.rakuten.co.jp/MikenekoMilk/2001
・外伝:http://plaza.rakuten.co.jp/MikenekoMilk/2002
■第三部(順次更新していきます):http://plaza.rakuten.co.jp/MikenekoMilk/2003
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【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」

【速報】尾田っち、ワンピース最新話でやってしまうwwww

【東方】ルックス100点の文ちゃん

【日向坂46】ひなあい、大事件が勃発!?

韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
2:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:03:07.75:ttCbVaun0
第三部 あらすじ
第1話:縄張りに近づくべからず
→人間とモンスターの間に不穏な空気が流れているユクモ村
ハンターの、ハンマーと太刀は、そんな中、渓流に現れたジンオウガの討伐を頼まれます
しかし、そのジンオウガには妻と子供がいました
ジンオウガは、ハンターから分捕った、「未来を見通せるお守り」でドスジャギィの暴挙を予知しますが……
第2話:轟竜迎撃戦
→妻と子供の安否を知るため、お守りをなくしてしまったジンオウガは、火山のウラガンキンの元に向かいます
そこに、彼を知るティガレックス亜種が攻め込んできます
火山で対峙するジンオウガとティガレックス亜種
そこに、ハンマーとオトモアイルーの小鉄も参戦しますが……
第3話:戦慄の進軍
→シュレイド地方の金リオレイア、銀リオレウスに拾われたジンオウガ妻と仔ジンオウガ
仔ジンオウガは、「未来を見通せるお守り」を飲み込んでしまっていました
一方、ティガレックス亜種との戦いで大怪我を負った小鉄の治療のために、ポッケ村に戻ることを提案するハンマー
そんな彼らに、夜中、奇妙なハプルボッカが襲い掛かります
第4話:今そこにある恐怖
→ジンオウガ妻の協力をすることになった少女達
続々とシュレイド地方のモンスター達が集まってきます
その最中、彼女達を、死んだはずのティガレックス亜種、そしてデュラガウア達が襲います
迎撃するモンスター達でしたが、ジンオウガ妻が犠牲になってしまい……
以下続刊です
3:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:11:46.51:ttCbVaun0
5.フラッシュフラッド
天国なんて存在するのか?
地獄なんて存在するのか?
死んだらどうなってしまうのか
残された彼には、それは分からないことだった
4:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:12:20.92:ttCbVaun0
大雨の中、彼は立ち尽くしていた
突然の土砂降りの中、彼はただ呆然とそこに立ったまま、動けないでいた
目の前には、無残に切り裂かれた、見慣れた父と母の姿しかなかったから
だから、彼は動くことが出来なかった
5:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:13:07.10:ttCbVaun0
目の前のそれを、現実と認識することが出来なかったから
いつもの通り、家に帰って、いつもの通り、家族で食事をして、一緒に寝て
そしてまた、いつもの明日が来ると、彼はそう信じていたから
雨が血を流していくのにも気づかず、彼は漫然と立ち尽くしていた
その日、彼は生まれて初めて一人になった
6:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:14:05.21:ttCbVaun0
―樹海、イャンクックの巣<朝>―
弓 「ちょ……小鉄、何してるの……?」
小鉄 「あ、旦那さん。紹介するニャ。今日からオイラの義弟になった、迅雷ニャ」
迅雷 「グォウ」
ハンマー 「小鉄が……ジンオウガに乗っている……」
太刀 「油断も隙もない猫ね……いつの間に手なづけたのかしら……」
7:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:15:23.33:ttCbVaun0
小鉄 「手なづけたとか、不穏なことを言わないで欲しいニャ」
小鉄 「オイラは、身寄りのないこいつを引き取ってやったんだニャ」
小鉄 「二匹で黒いティガレックスに復讐することを誓った仲だニャ!!」
小鉄 「迅雷も何とか言うニャ」
迅雷 「ゴゥウ」
ハンマー 「その……大丈夫、なのか? 流石に一概には信じられんが……」
8:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:22:37.92:ttCbVaun0
太刀 「オトモアイルーのくせにジンオウガの義兄になったつもりなわけ?」
小鉄 「どこまでも失礼な奴らだニャ! オイラとこいつはもはや兄弟ニャ!」
小鉄 「てゆうか『くせに』って何だニャ! オトモ軽視の発言は聞き逃せんニャ!!」
弓 「…………」
迅雷 「グォウ」
少女 「本当のことだよ。この子の名前は迅雷。小鉄ちゃんの弟だって言ってる」
9:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:23:03.15:ttCbVaun0
ハンマー 「そうなのか……小鉄、どんな卑劣な手段を使って騙した?」
小鉄 「やかましいニャ! どうして話をそういう方向に持っていこうとするニャ!」
小鉄 「迅雷、あの馬鹿をかみ殺してしまえニャ!!」
迅雷 「ゴウ!」
ハンマー 「何だ? やる気か?(ガシャコン)」
10:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:23:40.22:ttCbVaun0
ティガレックス弟 「あの猫、どっか兄者に似てるな……」
ティガレックス兄 「グガァァアアアア!!! Zzz……!!!!」
少女 「ちょっと、やめて、小鉄ちゃん、迅雷。こんなところで喧嘩しないで」
迅雷 「兄貴の言うことは聞かなきゃ。お前は関係ないから見逃してやるぞ!」
小鉄 「ダッハッハだニャ! そうだニャ! オイラたちコンビに勝てる奴などいないニャ! 邪魔をするでないニャ!!」
テオ・テスカトル 「…………(ズン、ズン……)」
11:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:24:12.17:ttCbVaun0
小鉄 (ビクッ)
迅雷 (ビクッ)
テオ・テスカトル 「ふむ………………」
テオ・テスカトル 「まず構えがなっておらぬ。ここを、こうだ(グイ)」
迅雷 「な…………何だよ……?」
テオ・テスカトル 「口の利き方もなっていない。点数もつけられんな」
12:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:24:49.82:ttCbVaun0
小鉄 「な……何だニャ! 何か文句があるのかニャ!?」
ナナ・テスカトリ 「まぁまぁ、小鉄さんとやら。少しは朝ですから、静かにしたらいかがですか?(ズイッ)」
小鉄 (ビクビクゥッ!)
ナルガクルガ 「何だ? 喧嘩か?」
紫ガミザミ 「いや、馬鹿猫が、何故かジンオウガにまたがって阿呆言ってるだけじゃ」
小鉄 「そこの蟹! しっかり聞こえてるニャ!!」
13:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:25:15.27:ttCbVaun0
ナナ・テスカトリ 「戦うと言っても、戦い方も知らないでしょう? ジンオウガさん」
小鉄 「迅雷だニャ。こいつには由緒正しき英猫、小鉄がつけたカッコいい名前があるニャ」
ナナ・テスカトリ 「まぁ……モンスターに名前ですって……?」
テオ・テスカトル 「奇特なことだな」
イャンクック 「面白いことを考える。今まで、そんなことは考えたこともなかった」
少女 「そうだねぇ」
イャンガルルガ 「まぁ……いいんじゃねぇのか。本人が満足してればな……」
14:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:26:32.51:ttCbVaun0
迅雷 (ビクビク)
ナナ・テスカトリ 「私達を怖がるようでは、お父上とお母様の仇をとることなどできませんよ」
テオ・テスカトル 「左様。迅雷……とか言ったか? お前は、まだ戦う術も何もない。まずはそれを『勉強』しなければ」
迅雷 「勉強……?」
テオ・テスカトル 「ああ、そうだ」
小鉄 「迅雷にはオイラが全てを教えるニャ! 余計なことを吹き込むなニャ!!」
15:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:27:08.04:ttCbVaun0
ナルガクルガ 「本当だな……あの猫、ジンオウガに乗ったら急に態度が大きくなったぞ……」
ティガレックス弟 「猫のクセに中々面白いじゃねーか」
小鉄 「そこのナルガクルガにティガレックスも、陰口は全部聞こえてるニャ!!」
小鉄 「無敵の小鉄様に対して猫軽視の発言は許せんニャ!!」
イャンガルルガ 「増徴しすぎだぞお前……」
16:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:27:38.86:ttCbVaun0
ハンマー 「と……とりあえず、少女。小鉄は何を言っているんだ?」
少女 「よく分かんない……」
弓 「小鉄、降りてきなさい! 危ないわ!!」
小鉄 「旦那さん!! オイラはこいつを手に入れたから無敵になったニャ!!」
弓 「馬鹿なこといってないで!! それに、手に入れたって言っても、まだ子供のジンオウガじゃない!」
弓 「それ以上、このモンスターたちを刺激すると、私達もどうなるか分からないわ!!!!」
17:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:28:59.15:ttCbVaun0
小鉄 「………………」
テオ・テスカトル 「………………」
ナナ・テスカトリ 「………………」
ナルガクルガ 「………………」
ティガレックス兄 「グガアアアアアアアアア!!! Zzzzz!!!!!!」
ティガレックス弟 「………………」
紫ガミザミ 「………………」
イャンクック 「………………」
キリン 「………………」
イャンガルルガ 「………………」
18:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:29:35.25:ttCbVaun0
ハンマー 「………………」
小鉄 「お前なんでそっちサイドにいるニャ!?」
ハンマー 「まぁ……落ち着けよ小鉄。お前、ここで死にたいのか?」
小鉄 「そんな古典的な脅しに屈する小鉄様だとでも思ってるのかニャ!(フンス)」
ハンマー 「俺はいいんだ。でもこのモンスター達を止めることは出来んぞ」
小鉄 「………………」
21:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:34:43.51:ttCbVaun0
小鉄 「(よじよじ)と……とりあえず降りるニャ」
ハンマー 「それがいい」
迅雷 「あ……兄貴……?」
小鉄 「じ……迅雷。とりあえず今はこいつらの言うことを聞いておくニャ。隙を見て逃げ出せば済む話ニャ」
イャンガルルガ 「丸聞こえだぞ」
22:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:35:49.14:ttCbVaun0
テオ・テスカトル 「……迅雷、お前の母上のことは、守れなかった私達にも責任がある」
テオ・テスカトル 「それはすなわち、お前を私達の仲間に迎え入れたいということだ」
オテ・テスカトル 「お前の心を重視するが、どうだろうか。私達の元で勉強するつもりはないか?」
迅雷 「仲間……あんた達が?」
迅雷 「(キッ)母さんを助けられなかった奴らの仲間になんて、なりたくないね!!」
小鉄 「ようし、よく言ったニャ迅雷」
23:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:36:21.66:ttCbVaun0
ナナ・テスカトリ 「…………」
テオ・テスカトル 「ふむ……まぁ、お前の言うことも一理ある」
小鉄 「一理どころじゃないニャ。全理あるニャ」
小鉄 「こんだけ頭数がそろっていながら、何で迅雷の母ちゃんを助けられなかったニャ?」
小鉄 「それすなわち! お前達が弱いからだニャ!!」
俊足ガーグァ(物陰) (駄目だ……旦那、死んだな…………)
24:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:36:54.83:ttCbVaun0
小鉄 「だから迅雷はオイラが育てるニャ。そもそもお前達は胡散臭くて信用できんニャ」
小鉄 「ティガレックスはいびきうるさいし」
ティガレックス弟 「あンだとォ?(ズイッ)」
小鉄 「ひぃ! 迅雷、雷を落とすニャ!!」
迅雷 「まだ落とし方が分からないよ!!」
ナルガクルガ 「よくもまぁ、命の恩人達に対してそこまで増徴できるものだ」
ナルガクルガ 「猫にしてはよくやる。もはや才能のひとつだな」
25:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:37:26.84:ttCbVaun0
小鉄 「そこのナルガクルガ! 猫軽視の発言は一切認めないニャ!!!」
キリン 「どうしたものでしょう……説得に応じる気配がありませんが……」
イャンガルルガ 「ケケ……好きにさせときゃいいんだよ」
キリン 「そんな……」
イャンガルルガ 「それで死んだとしても、こいつらの本望なんだろ。だったらむざむざ死なせてやれよ」
ティガレックス弟 「全くだぜ」
ナナ・テスカトリ 「コラ、貴方達。なんてことを言うんです」
26:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:38:48.55:ttCbVaun0
テオ・テスカトル 「分かった。ならば仲間になれとは言わぬ」
テオ・テスカトル 「しかし少なくとも、お前は戦い方の技術、生き抜く術くらいは学ばねばならぬ」
小鉄 「オイラを無視して話を進めるなニャ!!」
テオ・テスカトル 「猫、お前もだ」
小鉄 「ニャ!?」
テオ・テスカトル 「何かを育てるというのは、お前が思っている以上に大変なことだ」
テオ・テスカトル 「迅雷のためを思うならば、お前も色々と学ぶべきものがあるはずだ」
27:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:40:57.10:ttCbVaun0
小鉄 「ぬぬ……」
迅雷 「あ……兄貴、どうするの?」
小鉄 「完全に包囲されてるニャ。卑劣な奴らだニャ」
ティガレックス弟 「丸聞こえだぜ」
ハンマー 「いい加減にしろ小鉄(ガシッ)」
小鉄 「頭を掴むなニャ…………!!!」
ハンマー 「少女、炎帝は何と言っているんだ?」
28:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:41:46.77:ttCbVaun0
少女 「迅雷と小鉄ちゃんに、勉強の必要があるって。戦い方とか、生活の知恵とか……」
太刀 「勉強?」
少女 「そうだよ。テオ先生達は、私達の『学校』の先生なの」
弓 「プッ……学校? モンスターが……?」
弓 「この子、本当に頭大丈夫?」
少女 「………………でも……本当だもん…………」
ハンマー 「少女の言うことは本当だ。この炎帝は、他の若いモンスターを教育している」
小鉄 「頭を離せニャ……!!(ジタバタ)」
29:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:44:01.47:ttCbVaun0
ハンマー 「まずは小鉄。お前、炎帝にきちんとお礼を言ったのか?」
小鉄 「ニャ!? お礼?」
ハンマー 「お前に古龍の血を与えて、傷を治してくれたのはこのモンスターなんだぞ」
小鉄 「傷? そういえば全然痛くないニャ!」
ハンマー 「今まで全く気が付かなかったのか……」
ハンマー (というか、あの傷で動けていたのもおかしい……)
ハンマー (こいつが首から下げている、あのお守りのせいか?)
ハンマー (スキを見て奪い取った方がいいかもしれないな……)
30:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:45:43.95:ttCbVaun0
小鉄 「そうだったのかニャ……オイラは古龍の血でここまで回復したのかニャ……」
小鉄 「だ……だとしたらあんたさんがたは命の恩人、いや、恩モンスターだニャ……」
ティガレックス弟 「やっと分かったか」
イャンガルルガ 「てめーは何もしてねーだろうが」
小鉄 「だけど、それとこれとは別問題だニャ!」
ナナ・テスカトリ 「……そうですね」
小鉄 「オイラの命を救ってくれたことには感謝するニャ。でも、それならなんで迅雷の母ちゃんを助けられなかったニャ!?」
迅雷 「……! そうだ! そんなに強いなら……!!」
31:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:46:42.33:ttCbVaun0
テオ・テスカトル 「すまない。古龍の血も万能ではないのだ」
小鉄 「所詮その程度だニャ! 親を亡くした子供の気持ちが、お前たちにわかるのかニャ!!」
小鉄 「仲間になれとか、笑わせるニャ! 親だニャ!? 親が死んだんだニャ!!」
小鉄 「ちょっとは迅雷の気持ちも考えるニャ!!」
迅雷 「あ……兄貴……」
テオ・テスカトル 「ふむ……」
テオ・テスカトル 「確かにお前の言うとおりだ、猫よ」
32:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:47:18.22:ttCbVaun0
テオ・テスカトル 「ならば、我々はこれからどうすれば良い?」
小鉄 「ニャ!?」
テオ・テスカトル 「お前の言うとおりだが、感情論で物事が運ぶほど、世界は甘くはないぞ」
テオ・テスカトル 「そこまで言うからには、お前にも解決策があるのだろう?」
テオ・テスカトル 「それとも、二匹で黒いティガレックス達……に挑んで、返り討ちに遭うつもりか?」
テオ・テスカトル 「冷静になれ。お前の火照った頭では、迅雷をさらに危険にさらすだけだ」
33:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:48:00.39:ttCbVaun0
小鉄 「ぐぬぬ……」
テオ・テスカトル 「今のところは我々と行動するのが一番良い。少なくとも……迅雷がきちんとした力を身に着けるまでな」
キリン 「雷の落とし方なら教えてあげますよ」
ティガレックス弟 (ビクッ)
ナナ・テスカトリ 「戦い方も教えてあげましょう」
迅雷 「雷……」
迅雷 「兄貴、僕、雷を落としてみたい」
迅雷 「もっと強くなりたいよ」
34:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:48:41.32:ttCbVaun0
小鉄 「迅雷……」
小鉄 「ええい仕方ないニャ。あんた達の世話になってやるニャ!!」
ナルガクルガ 「何故こいつはこんなに態度がでかいんだ?」
紫ガミザミ 「分からぬ。並々ならぬ猫じゃな……」
キリン 「ふふ……元気があって良いではないですか」
小鉄 「てゆうか頭を離すニャ!! いい加減にするニャ!!(ジタバタ)」
ハンマー 「話はついたのか?」
35:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:50:40.86:ttCbVaun0
小鉄 「こいつらの世話になることにしたニャ。偉大な小鉄様がここまで譲歩してやったんだから、頭を話すニャ!!」
少女 「ハンマーさん、離してあげないと頭がもげそうだよ」
弓 「小鉄を離して……!」
ハンマー 「ああ。まぁ話がついたんならいいだろう(パッ)」
小鉄 「(ドサッ)ギニャ!」
弓 「小鉄!」
迅雷 「グルルル!!!」
弓 「!!」
36:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:52:00.15:ttCbVaun0
小鉄 「やめるニャ迅雷! あの人間だけは襲っちゃいかんニャ」
少女 (他はいいんだ……)
迅雷 「でもハンターの格好をしてるよ!」
小鉄 「あの人間は、オイラのご主人様だニャ。お前も旦那さんと呼ぶニャ」
迅雷 「うん……分かった!」
弓 「小鉄……大丈夫? 近づいても……」
37:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:53:02.15:ttCbVaun0
小鉄 「大丈夫だニャ。旦那さん、迅雷は分かる子だニャ」
迅雷 「グル……」
弓 「本当……ジンオウガが私の手を舐めてる……」
ハンマー 「驚いたな。本当にてなづけたようだ」
太刀 「いずれ騙されてることに気付くわよ、あのジンオウガ」
小鉄 「迅雷、あの人間二匹は襲っていいニャ。隙あらばヤレニャ」
38:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:55:20.92:ttCbVaun0
少女 「………………っていうことを小鉄ちゃんは言ってるよ」
小鉄 「頭を離せニャ!!!(ジタバタ)」
太刀 「あんたには恩を感じる脳みそもないわけ?(ギギギ)」
小鉄 「ず……頭蓋骨が割れる…………ニャ…………」
弓 「小鉄をいじめないで!!」
太刀 「うるっさいわね! こういう傲慢なオトモには初期教育段階でヤキを入れとかなきゃいけないのよ!!」
太刀 「あんた、監督不行き届きなんじゃないの!?」
弓 「何ですって……!!!?」
39:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:56:07.89:ttCbVaun0
ハンマー 「おい太刀、やめろ。ジンオウガが動き出した」
太刀 「え? 何何?」
迅雷 「兄貴を離せ! 人間!!(バッ!!)」
太刀 「!!」
ハンマー 「(ガシッ)ふん……子供のジンオウガなら、武器を使うこともあるまい……!!」
迅雷 「(グググ)……な……何だよ、この人間……」
太刀 「ジンオウガを手で抑え込んでる……赤ん坊だけど……」
40:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:57:13.91:ttCbVaun0
テオ・テスカトル 「ほう……ナナ、あれは本当に人間か?」
ナナ・テスカトリ 「だと思いますが……」
小鉄 「拘束が緩んだニャ!!(バッ)」
太刀 「あ! コラ馬鹿猫!!」
小鉄 「(ゲシッゲシッ!!)迅雷を離すニャ!!!」
ハンマー 「仕掛けたのはお前だろ!!」
迅雷 「兄貴! 痛いよ!!!」
小鉄 「待ってるニャ迅雷! 今こいつにビッグブーメランを……」
41:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:58:12.71:ttCbVaun0
少女 「小鉄ちゃん、仲良くしようよ……」
小鉄 「! お前は、モンスター語を話す変な人間!!」
少女 「誰も怖い人はいないよ。だから、仲良くしようよ」
少女 「迅雷のお母さんのことは、あなたも悲しいし、私も悲しいよ」
少女 「だから、一緒に生きていこうよ」
小鉄 「………………」
小鉄 (この人間、見ず知らずの他モンスターのために泣いてるニャ)
小鉄 (ぐぬぬ……)
42:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 22:59:26.92:ttCbVaun0
小鉄 「……迅雷、とりあえず今のところはやめておくニャ」
迅雷 「兄貴?」
小鉄 「とりあえずオイラ達が譲歩しないと話が進まないっぽいニャ」
小鉄 「少し大人になるニャ」
迅雷 「う、うん、分かった……」
イャンガルルガ (よく言うぜ……)
ハンマー 「! ジンオウガが下がった!」
43:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:00:24.37:ttCbVaun0
小鉄 「てゆうか俊足ガーグァとモンジロウ、そんな隅っこで何してるニャ」
俊足ガーグァ 「旦那……生きてるのが不思議ですぜ……」
モンジロウ 「こてっちゃん……あんたは猫の中の猫、いや、雄の中の雄だニャ……!!」
小鉄 「??」
小鉄 「いいからこっちにくるニャ」
俊足ガーグァ 「あんた……炎帝を前にしてなんて不遜ぶりだ……」
モンジロウ 「しかもジンオウガまで味方につけちまった……! これは世界中に広めるべき大ニュースだニャ!」
44:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:01:11.98:ttCbVaun0
ハンマー 「とりあえず小鉄は落ち着いたのか?」
少女 「そうみたい。もう大丈夫みたいだよ」
ハンマー 「泣くな。どんな生き物にも天が定めた時間というものがある。迅雷の母親が死んだのは、お前たちのせいではない」
少女 「うん……」
テオ・テスカトル 「少女。この人間達と少し話をしてくるといいだろう」
イャンクック 「!!」
ナナ・テスカトリ 「イャンクック様、ここは……」
45:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:01:53.99:ttCbVaun0
少女 「分かった。おじさん、ちょっと行ってくるね」
イャンクック 「う……うむ。気を付けて行きなさい……」
少女 「? うん」
ハンマー 「何だ?」
少女 「テオ先生が、みんなと少し話をしてきなさいって言ってる」
弓 (本当にモンスターと会話してるのね……最初はからかってるのかと思ってたけど…………)
ハンマー 「それでは雪山の俺のテントに行くか。弓も太刀も、ここでは落ち着かないだろう」
46:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:02:23.91:ttCbVaun0
太刀 「あはは……そうね。ティガレックスとナルガクルガが一緒にいることでさえ悪夢だわ」
太刀 「しかも寝てる方のティガレックス、洞窟からはみ出てない?」
少女 「あれは太ってるだけだよ」
太刀 「そうなんだ……」
ハンマー 「とりあえず、炎帝には世話になったと伝えてくれ。それと、小鉄はどうするんだ?」
少女 「小鉄ちゃんは、迅雷と一緒にここに残れって」
ハンマー 「そうか。じゃあな小鉄。短い間だったが、お前みたいな馬鹿なオトモにはもう二度と出会わないだろうな」
47:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:04:24.74:ttCbVaun0
小鉄 「お前のケツに、いつかビッグブーメランを突き刺してくれるニャ……」
弓 「小鉄が残るなら、私も……」
ハンマー 「やめておいた方がいい」
弓 「!」
ハンマー 「ここはモンスター達の縄張りだ。一晩は過ごしたが、本来俺たちがいていい場所ではない」
少女 「大丈夫だよ。雪山とここはあんまり離れてないから」
弓 「小鉄……一人で大丈夫?」
小鉄 「すぐに勉強とやらを終わらせて、迅雷と一緒に行くニャ」
小鉄 「心配無用だニャ!」
48:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:04:50.58:ttCbVaun0
弓 「小鉄がそう言うなら……」
ハンマー 「まぁ、死んでも死なないような猫だ。こんな地獄のような環境でも、当たり前のように生き残るさ」
小鉄 「今更褒めても何も出ないニャ」
太刀 「褒めたの?」
ハンマー 「もういい。行くぞ(ガチャリ)」
キリン 「少女ちゃん、行くの? 私が乗せて行ってあげるわ」
少女 「お姉ちゃん、ありがとう!!」
49:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:05:53.75:ttCbVaun0
太刀 「何? もしかしてキリンも一緒に来んの!?」
テオ・テスカトル 「待ちなさい、キリン……」
ナナ・テスカトリ 「あなた様、もう少女ちゃんはキリンちゃんに乗ってしまいましたわ……」
テオ・テスカトル 「少女が人間と単独で接触できる機会を作りたかったのだが……」
イャンクック 「キリンちゃんは心得ていると思います。それに、あの異様なモンスター群も気になる……」
イャンクック 「あの子を守るためにも、多少の戦力は必要なのでは……」
テオ・テスカトル 「ふむ……確かにそうだな……」
50:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:07:19.18:ttCbVaun0
ティガレックス弟 「じゃあ俺が……」
イャンガルルガ 「馬鹿かお前は」
ティガレックス弟 「何ィ!? 馬鹿って言った奴が馬鹿なんだぜ!!!」
ナルガクルガ 「俺が行こう。隠密行動ならお手の物だ」
イャンガルルガ (……チィ)
紫ガミザミ 「尾行じゃな。楽しそうじゃ。わしも行くぞえ」
ナルガクルガ 「そうか。頭に乗れ」
テオ・テスカトル 「分かった。ならばお前たちに任せよう。さりげなく少女を守ってやってくれ」
ナルガクルガ 「了解した」
紫ガミザミ 「うむ」
51:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:07:58.68:ttCbVaun0
弓 「小鉄……」
小鉄 「旦那さんはゆっくり怪我を治すニャ!」
弓 「うん、分かった。小鉄も気をつけてね……」
ハンマー (弓の怪我は、ついでに炎帝から拝借した血で治っているのだが、言わない方がよさそうだな……)
ハンマー (それにしても、小鉄があそこまで怒るとは……あいつも、もしかして過去に……)
弓 「…………」
少女 「どうしたの? ハンマーさん」
ハンマー 「いや、なんでもない。行こう」
52:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:09:36.72:ttCbVaun0
―5年前、人里離れたアイルーの村<夜>―
子アイルー (ふら……ふら……)
子アイルー (ドサッ)
子アイルー 「…………」
子アイルー (体中から力が抜けていくニャ……)
子アイルー (父ちゃん、母ちゃん…………)
子アイルー (待ってるニャ……今、オイラが行くニャ…………)
53:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:10:10.05:ttCbVaun0
子アイルー (………………)
>ザァァァァァァ―ッ!!
子アイルー (ハッ!!)
子アイルー (うう……雨が冷たいニャ……)
子アイルー 「!! 父ちゃん! 母ちゃん!!」
子アイルー 「か……体が動かんニャ…………」
子アイルー 「頑張るニャおいら……もうすぐ村だニャ……」
54:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:10:52.91:ttCbVaun0
子アイルー 「………………」
子アイルー 「な……何だニャ……これは…………」
彼が見たのは、ボロボロに壊れた、自分が育った村だった
すべてが粉々に砕け散っていた
そして散乱する、猫だったもの
隣の家族。村長さん
知っている顔がたくさんいた
たくさんいた
誰も、もう動かなかった
55:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:11:57.96:ttCbVaun0
子アイルー 「父ちゃん!! 母ちゃん!!」
父アイルー 「…………」
母アイルー 「…………」
子アイルー 「しっかりするニャ! 今薬草をつけるニャ!!」
子アイルー 「…………血が……血が止まらんニャ!!!」
子アイルー 「誰かー!!! 誰かいないかニャ!!!!」
子アイルー 「父ちゃんが!! 母ちゃんが!!!」
子アイルー 「おいらの父ちゃんと母ちゃんだニャ!! 助けてくれニャー!!!」
56:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:12:39.40:ttCbVaun0
子アイルー 「誰か―!!!!!!!」
>グルルルルルルル……
子アイルー (ビクッ)
子アイルー (な……何か村の奥にいるニャ……)
子アイルー (でっかい何かが…………)
子アイルー (こっちを見てるニャ…………)
××××××× 「グルルルルルルルルル…………」
57:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:13:19.37:ttCbVaun0
子アイルー 「だ……誰でもいいニャ!! 父ちゃんと母ちゃんが……」
子アイルー 「い……い、息をしてないんだニャ!!!!!!」
子アイルー 「見てないで助けてくれニャ!!!」
子アイルー 「お願いだから助けてくれニャ!!!!」
××××××× 『クク…………カカ…………』
子アイルー 「!! 何がおかしいんだニャ!!!! 助け……」
××××××× 『カカカカカカカカカ!!! クク……ハハハハハハハハハハ!!!!!!』
子アイルー (ビクッ!!!)
58:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:13:48.18:ttCbVaun0
××××××× 『息がない? 助けろ? 何故?』
××××××× 『お前に、そこまでのリスクを背負うだけの覚悟はあるのか?』
子アイルー 「お……お前……お前が…………!!!」
××××××× 『猫ごときにお前呼ばわりされる筋合いはない』
子アイルー 「な……何でだニャ!? オイラ達が何か悪いことをしたかニャ!!」
子アイルー 「何でこんなこと……こんなひどいこと……」
子アイルー 「お前には心がないのかニャー!!!!!!!」
59:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:14:43.12:ttCbVaun0
××××××× 『心……?』
××××××× 『ほう……面白いことを言う猫だ』
××××××× 『ならば問おう。心とは何だ?』
子アイルー 「ごちゃごちゃうるさいニャ!!! お前を倒して、父ちゃんと母ちゃんの手当てをするニャ!!」
子アイルー (ふら……ふら……)
子アイルー 「ここから出ていくニャー!!!!」
××××××× 『ふん……答えを期待した我が馬鹿だったか……』
>ヒュバッ!!!
子アイルー 「ギニャアアアアア!!!」
>ドゴッ!!!!
60:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:16:32.78:ttCbVaun0
子アイルー (ズルズル……)
子アイルー (ドサッ……)
子アイルー (か……風……?)
子アイルー (すんげぇ突風が……オイラを吹っ飛ばして…………)
子アイルー 「父ちゃん……」
子アイルー 「母ちゃん…………」
父アイルー 「…………」
母アイルー 「…………」
子アイルー 「うおおおおお!!!!!」
61:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:17:19.38:ttCbVaun0
××××××× 『ほう……まだ立ち上がるか』
子アイルー 「やかましいニャこの外道!!!」
子アイルー 「オイラは……オイラは絶対にお前を許さないニャ!!!!」
××××××× 『クク……カカカカカカッ!!!』
××××××× 『すぐに殺してやろうかと思ったが、なかなかどうして、良い憎しみを持っている』
××××××× 『生かしてやろう』
××××××× 『我を憎め。憎みつくせ。それが我の力となり糧となる』
子アイルー 「どうして……どうしてみんなを……」
子アイルー 「みんなを……殺したニャー!!!!!!!!」
子アイルー 「答えろぉぉぉぉおお!!!!!」
62:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:18:04.09:ttCbVaun0
××××××× 『どうして?』
××××××× 『ふむ……どうしてだろうな……』
××××××× 『暇つぶし……か?』
子アイルー 「暇つぶし…………?」
子アイルー 「…………暇つぶし…………?」
子アイルー 「暇つぶし……!!!!!!!?」
子アイルー 「く……ぐ……(ギリギリ)」
子アイルー 「うおおおおおお!!!!!!(バッ!!!)」
63:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:18:32.66:ttCbVaun0
××××××× 『良い目だ。憎しみで張り裂けそうになっている』
××××××× 『我を憎め、猫よ。お前の友人と、家族を殺した我を憎め』
××××××× 『我の声を、忘れるな』
××××××× 『さすれば、いつかまた会いまみえる時が来る』
子アイルー 「やかましいニャアアア!!!!」
>ビュゥゥゥゥッ!!!!
子アイルー 「ギャアアア!!!!」
××××××× 『そのまま海まで飛んで行け……』
××××××× 『運が良ければ助かるだろう』
××××××× 『運が良ければ……な』
××××××× 『クククク……カーハッハハハハハハハハハハ!!!!!!』
64:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:19:10.29:ttCbVaun0
どれだけ海を漂っていたのか分からない
彼は、もう自分は死んでしまうのだと思った
それも、またいいのかもしれないと彼は思った
父や母、そして仲間達がいる場所にいけるのであれば、それもまたいいのではないか
彼はそう思った
しかし、彼の体は意思に反して水面を目指していた
どうして水面を目指すのか、それは彼にも分からなかった
それは、憎しみから来るものだったのか
それとも、ただ単に生きたい、それ一念だったのか
彼には、よく分からなかった
65:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:19:36.96:ttCbVaun0
意識が段々と下に落ちていく中、彼の体は上を目指していた
上に
もっと上に
沈み行く体は、意に反して動き続けていた
脆弱な猫の体で、彼は、何故か必死に生きようとしていた
何時間……いや、何日経った頃だか、彼にはよく分からなかった
気づいた時、彼は見知らぬ人間に抱えられていた
66:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY:2011/03/21(月) 23:20:45.87:ttCbVaun0
第三部 あらすじ
第1話:縄張りに近づくべからず
→人間とモンスターの間に不穏な空気が流れているユクモ村
ハンターの、ハンマーと太刀は、そんな中、渓流に現れたジンオウガの討伐を頼まれます
しかし、そのジンオウガには妻と子供がいました
ジンオウガは、ハンターから分捕った、「未来を見通せるお守り」でドスジャギィの暴挙を予知しますが……
第2話:轟竜迎撃戦
→妻と子供の安否を知るため、お守りをなくしてしまったジンオウガは、火山のウラガンキンの元に向かいます
そこに、彼を知るティガレックス亜種が攻め込んできます
火山で対峙するジンオウガとティガレックス亜種
そこに、ハンマーとオトモアイルーの小鉄も参戦しますが……
第3話:戦慄の進軍
→シュレイド地方の金リオレイア、銀リオレウスに拾われたジンオウガ妻と仔ジンオウガ
仔ジンオウガは、「未来を見通せるお守り」を飲み込んでしまっていました
一方、ティガレックス亜種との戦いで大怪我を負った小鉄の治療のために、ポッケ村に戻ることを提案するハンマー
そんな彼らに、夜中、奇妙なハプルボッカが襲い掛かります
第4話:今そこにある恐怖
→ジンオウガ妻の協力をすることになった少女達
続々とシュレイド地方のモンスター達が集まってきます
その最中、彼女達を、死んだはずのティガレックス亜種、そしてデュラガウア達が襲います
迎撃するモンスター達でしたが、ジンオウガ妻が犠牲になってしまい……
以下続刊です
5.フラッシュフラッド
天国なんて存在するのか?
地獄なんて存在するのか?
死んだらどうなってしまうのか
残された彼には、それは分からないことだった
大雨の中、彼は立ち尽くしていた
突然の土砂降りの中、彼はただ呆然とそこに立ったまま、動けないでいた
目の前には、無残に切り裂かれた、見慣れた父と母の姿しかなかったから
だから、彼は動くことが出来なかった
目の前のそれを、現実と認識することが出来なかったから
いつもの通り、家に帰って、いつもの通り、家族で食事をして、一緒に寝て
そしてまた、いつもの明日が来ると、彼はそう信じていたから
雨が血を流していくのにも気づかず、彼は漫然と立ち尽くしていた
その日、彼は生まれて初めて一人になった
―樹海、イャンクックの巣<朝>―
弓 「ちょ……小鉄、何してるの……?」
小鉄 「あ、旦那さん。紹介するニャ。今日からオイラの義弟になった、迅雷ニャ」
迅雷 「グォウ」
ハンマー 「小鉄が……ジンオウガに乗っている……」
太刀 「油断も隙もない猫ね……いつの間に手なづけたのかしら……」
小鉄 「手なづけたとか、不穏なことを言わないで欲しいニャ」
小鉄 「オイラは、身寄りのないこいつを引き取ってやったんだニャ」
小鉄 「二匹で黒いティガレックスに復讐することを誓った仲だニャ!!」
小鉄 「迅雷も何とか言うニャ」
迅雷 「ゴゥウ」
ハンマー 「その……大丈夫、なのか? 流石に一概には信じられんが……」
太刀 「オトモアイルーのくせにジンオウガの義兄になったつもりなわけ?」
小鉄 「どこまでも失礼な奴らだニャ! オイラとこいつはもはや兄弟ニャ!」
小鉄 「てゆうか『くせに』って何だニャ! オトモ軽視の発言は聞き逃せんニャ!!」
弓 「…………」
迅雷 「グォウ」
少女 「本当のことだよ。この子の名前は迅雷。小鉄ちゃんの弟だって言ってる」
ハンマー 「そうなのか……小鉄、どんな卑劣な手段を使って騙した?」
小鉄 「やかましいニャ! どうして話をそういう方向に持っていこうとするニャ!」
小鉄 「迅雷、あの馬鹿をかみ殺してしまえニャ!!」
迅雷 「ゴウ!」
ハンマー 「何だ? やる気か?(ガシャコン)」
ティガレックス弟 「あの猫、どっか兄者に似てるな……」
ティガレックス兄 「グガァァアアアア!!! Zzz……!!!!」
少女 「ちょっと、やめて、小鉄ちゃん、迅雷。こんなところで喧嘩しないで」
迅雷 「兄貴の言うことは聞かなきゃ。お前は関係ないから見逃してやるぞ!」
小鉄 「ダッハッハだニャ! そうだニャ! オイラたちコンビに勝てる奴などいないニャ! 邪魔をするでないニャ!!」
テオ・テスカトル 「…………(ズン、ズン……)」
小鉄 (ビクッ)
迅雷 (ビクッ)
テオ・テスカトル 「ふむ………………」
テオ・テスカトル 「まず構えがなっておらぬ。ここを、こうだ(グイ)」
迅雷 「な…………何だよ……?」
テオ・テスカトル 「口の利き方もなっていない。点数もつけられんな」
小鉄 「な……何だニャ! 何か文句があるのかニャ!?」
ナナ・テスカトリ 「まぁまぁ、小鉄さんとやら。少しは朝ですから、静かにしたらいかがですか?(ズイッ)」
小鉄 (ビクビクゥッ!)
ナルガクルガ 「何だ? 喧嘩か?」
紫ガミザミ 「いや、馬鹿猫が、何故かジンオウガにまたがって阿呆言ってるだけじゃ」
小鉄 「そこの蟹! しっかり聞こえてるニャ!!」
ナナ・テスカトリ 「戦うと言っても、戦い方も知らないでしょう? ジンオウガさん」
小鉄 「迅雷だニャ。こいつには由緒正しき英猫、小鉄がつけたカッコいい名前があるニャ」
ナナ・テスカトリ 「まぁ……モンスターに名前ですって……?」
テオ・テスカトル 「奇特なことだな」
イャンクック 「面白いことを考える。今まで、そんなことは考えたこともなかった」
少女 「そうだねぇ」
イャンガルルガ 「まぁ……いいんじゃねぇのか。本人が満足してればな……」
迅雷 (ビクビク)
ナナ・テスカトリ 「私達を怖がるようでは、お父上とお母様の仇をとることなどできませんよ」
テオ・テスカトル 「左様。迅雷……とか言ったか? お前は、まだ戦う術も何もない。まずはそれを『勉強』しなければ」
迅雷 「勉強……?」
テオ・テスカトル 「ああ、そうだ」
小鉄 「迅雷にはオイラが全てを教えるニャ! 余計なことを吹き込むなニャ!!」
ナルガクルガ 「本当だな……あの猫、ジンオウガに乗ったら急に態度が大きくなったぞ……」
ティガレックス弟 「猫のクセに中々面白いじゃねーか」
小鉄 「そこのナルガクルガにティガレックスも、陰口は全部聞こえてるニャ!!」
小鉄 「無敵の小鉄様に対して猫軽視の発言は許せんニャ!!」
イャンガルルガ 「増徴しすぎだぞお前……」
ハンマー 「と……とりあえず、少女。小鉄は何を言っているんだ?」
少女 「よく分かんない……」
弓 「小鉄、降りてきなさい! 危ないわ!!」
小鉄 「旦那さん!! オイラはこいつを手に入れたから無敵になったニャ!!」
弓 「馬鹿なこといってないで!! それに、手に入れたって言っても、まだ子供のジンオウガじゃない!」
弓 「それ以上、このモンスターたちを刺激すると、私達もどうなるか分からないわ!!!!」
小鉄 「………………」
テオ・テスカトル 「………………」
ナナ・テスカトリ 「………………」
ナルガクルガ 「………………」
ティガレックス兄 「グガアアアアアアアアア!!! Zzzzz!!!!!!」
ティガレックス弟 「………………」
紫ガミザミ 「………………」
イャンクック 「………………」
キリン 「………………」
イャンガルルガ 「………………」
ハンマー 「………………」
小鉄 「お前なんでそっちサイドにいるニャ!?」
ハンマー 「まぁ……落ち着けよ小鉄。お前、ここで死にたいのか?」
小鉄 「そんな古典的な脅しに屈する小鉄様だとでも思ってるのかニャ!(フンス)」
ハンマー 「俺はいいんだ。でもこのモンスター達を止めることは出来んぞ」
小鉄 「………………」
小鉄 「(よじよじ)と……とりあえず降りるニャ」
ハンマー 「それがいい」
迅雷 「あ……兄貴……?」
小鉄 「じ……迅雷。とりあえず今はこいつらの言うことを聞いておくニャ。隙を見て逃げ出せば済む話ニャ」
イャンガルルガ 「丸聞こえだぞ」
テオ・テスカトル 「……迅雷、お前の母上のことは、守れなかった私達にも責任がある」
テオ・テスカトル 「それはすなわち、お前を私達の仲間に迎え入れたいということだ」
オテ・テスカトル 「お前の心を重視するが、どうだろうか。私達の元で勉強するつもりはないか?」
迅雷 「仲間……あんた達が?」
迅雷 「(キッ)母さんを助けられなかった奴らの仲間になんて、なりたくないね!!」
小鉄 「ようし、よく言ったニャ迅雷」
ナナ・テスカトリ 「…………」
テオ・テスカトル 「ふむ……まぁ、お前の言うことも一理ある」
小鉄 「一理どころじゃないニャ。全理あるニャ」
小鉄 「こんだけ頭数がそろっていながら、何で迅雷の母ちゃんを助けられなかったニャ?」
小鉄 「それすなわち! お前達が弱いからだニャ!!」
俊足ガーグァ(物陰) (駄目だ……旦那、死んだな…………)
小鉄 「だから迅雷はオイラが育てるニャ。そもそもお前達は胡散臭くて信用できんニャ」
小鉄 「ティガレックスはいびきうるさいし」
ティガレックス弟 「あンだとォ?(ズイッ)」
小鉄 「ひぃ! 迅雷、雷を落とすニャ!!」
迅雷 「まだ落とし方が分からないよ!!」
ナルガクルガ 「よくもまぁ、命の恩人達に対してそこまで増徴できるものだ」
ナルガクルガ 「猫にしてはよくやる。もはや才能のひとつだな」
小鉄 「そこのナルガクルガ! 猫軽視の発言は一切認めないニャ!!!」
キリン 「どうしたものでしょう……説得に応じる気配がありませんが……」
イャンガルルガ 「ケケ……好きにさせときゃいいんだよ」
キリン 「そんな……」
イャンガルルガ 「それで死んだとしても、こいつらの本望なんだろ。だったらむざむざ死なせてやれよ」
ティガレックス弟 「全くだぜ」
ナナ・テスカトリ 「コラ、貴方達。なんてことを言うんです」
テオ・テスカトル 「分かった。ならば仲間になれとは言わぬ」
テオ・テスカトル 「しかし少なくとも、お前は戦い方の技術、生き抜く術くらいは学ばねばならぬ」
小鉄 「オイラを無視して話を進めるなニャ!!」
テオ・テスカトル 「猫、お前もだ」
小鉄 「ニャ!?」
テオ・テスカトル 「何かを育てるというのは、お前が思っている以上に大変なことだ」
テオ・テスカトル 「迅雷のためを思うならば、お前も色々と学ぶべきものがあるはずだ」
小鉄 「ぬぬ……」
迅雷 「あ……兄貴、どうするの?」
小鉄 「完全に包囲されてるニャ。卑劣な奴らだニャ」
ティガレックス弟 「丸聞こえだぜ」
ハンマー 「いい加減にしろ小鉄(ガシッ)」
小鉄 「頭を掴むなニャ…………!!!」
ハンマー 「少女、炎帝は何と言っているんだ?」
少女 「迅雷と小鉄ちゃんに、勉強の必要があるって。戦い方とか、生活の知恵とか……」
太刀 「勉強?」
少女 「そうだよ。テオ先生達は、私達の『学校』の先生なの」
弓 「プッ……学校? モンスターが……?」
弓 「この子、本当に頭大丈夫?」
少女 「………………でも……本当だもん…………」
ハンマー 「少女の言うことは本当だ。この炎帝は、他の若いモンスターを教育している」
小鉄 「頭を離せニャ……!!(ジタバタ)」
ハンマー 「まずは小鉄。お前、炎帝にきちんとお礼を言ったのか?」
小鉄 「ニャ!? お礼?」
ハンマー 「お前に古龍の血を与えて、傷を治してくれたのはこのモンスターなんだぞ」
小鉄 「傷? そういえば全然痛くないニャ!」
ハンマー 「今まで全く気が付かなかったのか……」
ハンマー (というか、あの傷で動けていたのもおかしい……)
ハンマー (こいつが首から下げている、あのお守りのせいか?)
ハンマー (スキを見て奪い取った方がいいかもしれないな……)
小鉄 「そうだったのかニャ……オイラは古龍の血でここまで回復したのかニャ……」
小鉄 「だ……だとしたらあんたさんがたは命の恩人、いや、恩モンスターだニャ……」
ティガレックス弟 「やっと分かったか」
イャンガルルガ 「てめーは何もしてねーだろうが」
小鉄 「だけど、それとこれとは別問題だニャ!」
ナナ・テスカトリ 「……そうですね」
小鉄 「オイラの命を救ってくれたことには感謝するニャ。でも、それならなんで迅雷の母ちゃんを助けられなかったニャ!?」
迅雷 「……! そうだ! そんなに強いなら……!!」
テオ・テスカトル 「すまない。古龍の血も万能ではないのだ」
小鉄 「所詮その程度だニャ! 親を亡くした子供の気持ちが、お前たちにわかるのかニャ!!」
小鉄 「仲間になれとか、笑わせるニャ! 親だニャ!? 親が死んだんだニャ!!」
小鉄 「ちょっとは迅雷の気持ちも考えるニャ!!」
迅雷 「あ……兄貴……」
テオ・テスカトル 「ふむ……」
テオ・テスカトル 「確かにお前の言うとおりだ、猫よ」
テオ・テスカトル 「ならば、我々はこれからどうすれば良い?」
小鉄 「ニャ!?」
テオ・テスカトル 「お前の言うとおりだが、感情論で物事が運ぶほど、世界は甘くはないぞ」
テオ・テスカトル 「そこまで言うからには、お前にも解決策があるのだろう?」
テオ・テスカトル 「それとも、二匹で黒いティガレックス達……に挑んで、返り討ちに遭うつもりか?」
テオ・テスカトル 「冷静になれ。お前の火照った頭では、迅雷をさらに危険にさらすだけだ」
小鉄 「ぐぬぬ……」
テオ・テスカトル 「今のところは我々と行動するのが一番良い。少なくとも……迅雷がきちんとした力を身に着けるまでな」
キリン 「雷の落とし方なら教えてあげますよ」
ティガレックス弟 (ビクッ)
ナナ・テスカトリ 「戦い方も教えてあげましょう」
迅雷 「雷……」
迅雷 「兄貴、僕、雷を落としてみたい」
迅雷 「もっと強くなりたいよ」
小鉄 「迅雷……」
小鉄 「ええい仕方ないニャ。あんた達の世話になってやるニャ!!」
ナルガクルガ 「何故こいつはこんなに態度がでかいんだ?」
紫ガミザミ 「分からぬ。並々ならぬ猫じゃな……」
キリン 「ふふ……元気があって良いではないですか」
小鉄 「てゆうか頭を離すニャ!! いい加減にするニャ!!(ジタバタ)」
ハンマー 「話はついたのか?」
小鉄 「こいつらの世話になることにしたニャ。偉大な小鉄様がここまで譲歩してやったんだから、頭を話すニャ!!」
少女 「ハンマーさん、離してあげないと頭がもげそうだよ」
弓 「小鉄を離して……!」
ハンマー 「ああ。まぁ話がついたんならいいだろう(パッ)」
小鉄 「(ドサッ)ギニャ!」
弓 「小鉄!」
迅雷 「グルルル!!!」
弓 「!!」
小鉄 「やめるニャ迅雷! あの人間だけは襲っちゃいかんニャ」
少女 (他はいいんだ……)
迅雷 「でもハンターの格好をしてるよ!」
小鉄 「あの人間は、オイラのご主人様だニャ。お前も旦那さんと呼ぶニャ」
迅雷 「うん……分かった!」
弓 「小鉄……大丈夫? 近づいても……」
小鉄 「大丈夫だニャ。旦那さん、迅雷は分かる子だニャ」
迅雷 「グル……」
弓 「本当……ジンオウガが私の手を舐めてる……」
ハンマー 「驚いたな。本当にてなづけたようだ」
太刀 「いずれ騙されてることに気付くわよ、あのジンオウガ」
小鉄 「迅雷、あの人間二匹は襲っていいニャ。隙あらばヤレニャ」
少女 「………………っていうことを小鉄ちゃんは言ってるよ」
小鉄 「頭を離せニャ!!!(ジタバタ)」
太刀 「あんたには恩を感じる脳みそもないわけ?(ギギギ)」
小鉄 「ず……頭蓋骨が割れる…………ニャ…………」
弓 「小鉄をいじめないで!!」
太刀 「うるっさいわね! こういう傲慢なオトモには初期教育段階でヤキを入れとかなきゃいけないのよ!!」
太刀 「あんた、監督不行き届きなんじゃないの!?」
弓 「何ですって……!!!?」
ハンマー 「おい太刀、やめろ。ジンオウガが動き出した」
太刀 「え? 何何?」
迅雷 「兄貴を離せ! 人間!!(バッ!!)」
太刀 「!!」
ハンマー 「(ガシッ)ふん……子供のジンオウガなら、武器を使うこともあるまい……!!」
迅雷 「(グググ)……な……何だよ、この人間……」
太刀 「ジンオウガを手で抑え込んでる……赤ん坊だけど……」
テオ・テスカトル 「ほう……ナナ、あれは本当に人間か?」
ナナ・テスカトリ 「だと思いますが……」
小鉄 「拘束が緩んだニャ!!(バッ)」
太刀 「あ! コラ馬鹿猫!!」
小鉄 「(ゲシッゲシッ!!)迅雷を離すニャ!!!」
ハンマー 「仕掛けたのはお前だろ!!」
迅雷 「兄貴! 痛いよ!!!」
小鉄 「待ってるニャ迅雷! 今こいつにビッグブーメランを……」
少女 「小鉄ちゃん、仲良くしようよ……」
小鉄 「! お前は、モンスター語を話す変な人間!!」
少女 「誰も怖い人はいないよ。だから、仲良くしようよ」
少女 「迅雷のお母さんのことは、あなたも悲しいし、私も悲しいよ」
少女 「だから、一緒に生きていこうよ」
小鉄 「………………」
小鉄 (この人間、見ず知らずの他モンスターのために泣いてるニャ)
小鉄 (ぐぬぬ……)
小鉄 「……迅雷、とりあえず今のところはやめておくニャ」
迅雷 「兄貴?」
小鉄 「とりあえずオイラ達が譲歩しないと話が進まないっぽいニャ」
小鉄 「少し大人になるニャ」
迅雷 「う、うん、分かった……」
イャンガルルガ (よく言うぜ……)
ハンマー 「! ジンオウガが下がった!」
小鉄 「てゆうか俊足ガーグァとモンジロウ、そんな隅っこで何してるニャ」
俊足ガーグァ 「旦那……生きてるのが不思議ですぜ……」
モンジロウ 「こてっちゃん……あんたは猫の中の猫、いや、雄の中の雄だニャ……!!」
小鉄 「??」
小鉄 「いいからこっちにくるニャ」
俊足ガーグァ 「あんた……炎帝を前にしてなんて不遜ぶりだ……」
モンジロウ 「しかもジンオウガまで味方につけちまった……! これは世界中に広めるべき大ニュースだニャ!」
ハンマー 「とりあえず小鉄は落ち着いたのか?」
少女 「そうみたい。もう大丈夫みたいだよ」
ハンマー 「泣くな。どんな生き物にも天が定めた時間というものがある。迅雷の母親が死んだのは、お前たちのせいではない」
少女 「うん……」
テオ・テスカトル 「少女。この人間達と少し話をしてくるといいだろう」
イャンクック 「!!」
ナナ・テスカトリ 「イャンクック様、ここは……」
少女 「分かった。おじさん、ちょっと行ってくるね」
イャンクック 「う……うむ。気を付けて行きなさい……」
少女 「? うん」
ハンマー 「何だ?」
少女 「テオ先生が、みんなと少し話をしてきなさいって言ってる」
弓 (本当にモンスターと会話してるのね……最初はからかってるのかと思ってたけど…………)
ハンマー 「それでは雪山の俺のテントに行くか。弓も太刀も、ここでは落ち着かないだろう」
太刀 「あはは……そうね。ティガレックスとナルガクルガが一緒にいることでさえ悪夢だわ」
太刀 「しかも寝てる方のティガレックス、洞窟からはみ出てない?」
少女 「あれは太ってるだけだよ」
太刀 「そうなんだ……」
ハンマー 「とりあえず、炎帝には世話になったと伝えてくれ。それと、小鉄はどうするんだ?」
少女 「小鉄ちゃんは、迅雷と一緒にここに残れって」
ハンマー 「そうか。じゃあな小鉄。短い間だったが、お前みたいな馬鹿なオトモにはもう二度と出会わないだろうな」
小鉄 「お前のケツに、いつかビッグブーメランを突き刺してくれるニャ……」
弓 「小鉄が残るなら、私も……」
ハンマー 「やめておいた方がいい」
弓 「!」
ハンマー 「ここはモンスター達の縄張りだ。一晩は過ごしたが、本来俺たちがいていい場所ではない」
少女 「大丈夫だよ。雪山とここはあんまり離れてないから」
弓 「小鉄……一人で大丈夫?」
小鉄 「すぐに勉強とやらを終わらせて、迅雷と一緒に行くニャ」
小鉄 「心配無用だニャ!」
弓 「小鉄がそう言うなら……」
ハンマー 「まぁ、死んでも死なないような猫だ。こんな地獄のような環境でも、当たり前のように生き残るさ」
小鉄 「今更褒めても何も出ないニャ」
太刀 「褒めたの?」
ハンマー 「もういい。行くぞ(ガチャリ)」
キリン 「少女ちゃん、行くの? 私が乗せて行ってあげるわ」
少女 「お姉ちゃん、ありがとう!!」
太刀 「何? もしかしてキリンも一緒に来んの!?」
テオ・テスカトル 「待ちなさい、キリン……」
ナナ・テスカトリ 「あなた様、もう少女ちゃんはキリンちゃんに乗ってしまいましたわ……」
テオ・テスカトル 「少女が人間と単独で接触できる機会を作りたかったのだが……」
イャンクック 「キリンちゃんは心得ていると思います。それに、あの異様なモンスター群も気になる……」
イャンクック 「あの子を守るためにも、多少の戦力は必要なのでは……」
テオ・テスカトル 「ふむ……確かにそうだな……」
ティガレックス弟 「じゃあ俺が……」
イャンガルルガ 「馬鹿かお前は」
ティガレックス弟 「何ィ!? 馬鹿って言った奴が馬鹿なんだぜ!!!」
ナルガクルガ 「俺が行こう。隠密行動ならお手の物だ」
イャンガルルガ (……チィ)
紫ガミザミ 「尾行じゃな。楽しそうじゃ。わしも行くぞえ」
ナルガクルガ 「そうか。頭に乗れ」
テオ・テスカトル 「分かった。ならばお前たちに任せよう。さりげなく少女を守ってやってくれ」
ナルガクルガ 「了解した」
紫ガミザミ 「うむ」
弓 「小鉄……」
小鉄 「旦那さんはゆっくり怪我を治すニャ!」
弓 「うん、分かった。小鉄も気をつけてね……」
ハンマー (弓の怪我は、ついでに炎帝から拝借した血で治っているのだが、言わない方がよさそうだな……)
ハンマー (それにしても、小鉄があそこまで怒るとは……あいつも、もしかして過去に……)
弓 「…………」
少女 「どうしたの? ハンマーさん」
ハンマー 「いや、なんでもない。行こう」
―5年前、人里離れたアイルーの村<夜>―
子アイルー (ふら……ふら……)
子アイルー (ドサッ)
子アイルー 「…………」
子アイルー (体中から力が抜けていくニャ……)
子アイルー (父ちゃん、母ちゃん…………)
子アイルー (待ってるニャ……今、オイラが行くニャ…………)
子アイルー (………………)
>ザァァァァァァ―ッ!!
子アイルー (ハッ!!)
子アイルー (うう……雨が冷たいニャ……)
子アイルー 「!! 父ちゃん! 母ちゃん!!」
子アイルー 「か……体が動かんニャ…………」
子アイルー 「頑張るニャおいら……もうすぐ村だニャ……」
子アイルー 「………………」
子アイルー 「な……何だニャ……これは…………」
彼が見たのは、ボロボロに壊れた、自分が育った村だった
すべてが粉々に砕け散っていた
そして散乱する、猫だったもの
隣の家族。村長さん
知っている顔がたくさんいた
たくさんいた
誰も、もう動かなかった
子アイルー 「父ちゃん!! 母ちゃん!!」
父アイルー 「…………」
母アイルー 「…………」
子アイルー 「しっかりするニャ! 今薬草をつけるニャ!!」
子アイルー 「…………血が……血が止まらんニャ!!!」
子アイルー 「誰かー!!! 誰かいないかニャ!!!!」
子アイルー 「父ちゃんが!! 母ちゃんが!!!」
子アイルー 「おいらの父ちゃんと母ちゃんだニャ!! 助けてくれニャー!!!」
子アイルー 「誰か―!!!!!!!」
>グルルルルルルル……
子アイルー (ビクッ)
子アイルー (な……何か村の奥にいるニャ……)
子アイルー (でっかい何かが…………)
子アイルー (こっちを見てるニャ…………)
××××××× 「グルルルルルルルルル…………」
子アイルー 「だ……誰でもいいニャ!! 父ちゃんと母ちゃんが……」
子アイルー 「い……い、息をしてないんだニャ!!!!!!」
子アイルー 「見てないで助けてくれニャ!!!」
子アイルー 「お願いだから助けてくれニャ!!!!」
××××××× 『クク…………カカ…………』
子アイルー 「!! 何がおかしいんだニャ!!!! 助け……」
××××××× 『カカカカカカカカカ!!! クク……ハハハハハハハハハハ!!!!!!』
子アイルー (ビクッ!!!)
××××××× 『息がない? 助けろ? 何故?』
××××××× 『お前に、そこまでのリスクを背負うだけの覚悟はあるのか?』
子アイルー 「お……お前……お前が…………!!!」
××××××× 『猫ごときにお前呼ばわりされる筋合いはない』
子アイルー 「な……何でだニャ!? オイラ達が何か悪いことをしたかニャ!!」
子アイルー 「何でこんなこと……こんなひどいこと……」
子アイルー 「お前には心がないのかニャー!!!!!!!」
××××××× 『心……?』
××××××× 『ほう……面白いことを言う猫だ』
××××××× 『ならば問おう。心とは何だ?』
子アイルー 「ごちゃごちゃうるさいニャ!!! お前を倒して、父ちゃんと母ちゃんの手当てをするニャ!!」
子アイルー (ふら……ふら……)
子アイルー 「ここから出ていくニャー!!!!」
××××××× 『ふん……答えを期待した我が馬鹿だったか……』
>ヒュバッ!!!
子アイルー 「ギニャアアアアア!!!」
>ドゴッ!!!!
子アイルー (ズルズル……)
子アイルー (ドサッ……)
子アイルー (か……風……?)
子アイルー (すんげぇ突風が……オイラを吹っ飛ばして…………)
子アイルー 「父ちゃん……」
子アイルー 「母ちゃん…………」
父アイルー 「…………」
母アイルー 「…………」
子アイルー 「うおおおおお!!!!!」
××××××× 『ほう……まだ立ち上がるか』
子アイルー 「やかましいニャこの外道!!!」
子アイルー 「オイラは……オイラは絶対にお前を許さないニャ!!!!」
××××××× 『クク……カカカカカカッ!!!』
××××××× 『すぐに殺してやろうかと思ったが、なかなかどうして、良い憎しみを持っている』
××××××× 『生かしてやろう』
××××××× 『我を憎め。憎みつくせ。それが我の力となり糧となる』
子アイルー 「どうして……どうしてみんなを……」
子アイルー 「みんなを……殺したニャー!!!!!!!!」
子アイルー 「答えろぉぉぉぉおお!!!!!」
××××××× 『どうして?』
××××××× 『ふむ……どうしてだろうな……』
××××××× 『暇つぶし……か?』
子アイルー 「暇つぶし…………?」
子アイルー 「…………暇つぶし…………?」
子アイルー 「暇つぶし……!!!!!!!?」
子アイルー 「く……ぐ……(ギリギリ)」
子アイルー 「うおおおおおお!!!!!!(バッ!!!)」
××××××× 『良い目だ。憎しみで張り裂けそうになっている』
××××××× 『我を憎め、猫よ。お前の友人と、家族を殺した我を憎め』
××××××× 『我の声を、忘れるな』
××××××× 『さすれば、いつかまた会いまみえる時が来る』
子アイルー 「やかましいニャアアア!!!!」
>ビュゥゥゥゥッ!!!!
子アイルー 「ギャアアア!!!!」
××××××× 『そのまま海まで飛んで行け……』
××××××× 『運が良ければ助かるだろう』
××××××× 『運が良ければ……な』
××××××× 『クククク……カーハッハハハハハハハハハハ!!!!!!』
どれだけ海を漂っていたのか分からない
彼は、もう自分は死んでしまうのだと思った
それも、またいいのかもしれないと彼は思った
父や母、そして仲間達がいる場所にいけるのであれば、それもまたいいのではないか
彼はそう思った
しかし、彼の体は意思に反して水面を目指していた
どうして水面を目指すのか、それは彼にも分からなかった
それは、憎しみから来るものだったのか
それとも、ただ単に生きたい、それ一念だったのか
彼には、よく分からなかった
意識が段々と下に落ちていく中、彼の体は上を目指していた
上に
もっと上に
沈み行く体は、意に反して動き続けていた
脆弱な猫の体で、彼は、何故か必死に生きようとしていた
何時間……いや、何日経った頃だか、彼にはよく分からなかった
気づいた時、彼は見知らぬ人間に抱えられていた
お疲れ様です。今日の更新分は以上となります
ここまでで、第5話の中盤までとなります
続きは、出来次第、ここにUPさせていただきます
気長にお待ちくださいね
70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2011/03/21(月) 23:52:46.92:ZYjRl6nf0ここまでで、第5話の中盤までとなります
続きは、出来次第、ここにUPさせていただきます
気長にお待ちくださいね
更新お疲れ様でした!
兎にも角にも、再開を目の当たりに出来て嬉しい限りです。
新しい板に移動する、という告知を見て飛んできました。
御身体には何卒お気をつけて。
次の更新も首をミラボレアスくらいにして待ってます。
71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道):2011/03/21(月) 23:58:48.57:MIFg6ivZ0兎にも角にも、再開を目の当たりに出来て嬉しい限りです。
新しい板に移動する、という告知を見て飛んできました。
御身体には何卒お気をつけて。
次の更新も首をミラボレアスくらいにして待ってます。
お疲れ様でした!
次回作も楽しみにしています^^
次へ 次回作も楽しみにしています^^









































コメント 7
コメント一覧 (7)
それだけ引き込まれて読んでるって事なんだろうけどw
↑
コイツ、コテハン付けて自己主張激しいくせに
つまんないコメントしかしないよね
でも弓と小鉄少しムカつくww