- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 20:10:21.43:J5xu4NeO0
キョン「あん?」
ハルヒ「こういうのを言うらしいのよね」
キョン「!!」
キョン「冗談はやめろ」
キョン「マジ危ないって!」
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2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 20:10:51.37:Hkg9MPMw0
ヽ`
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5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 20:12:59.63:J5xu4NeO0
キョン「それが本物じゃなかったとしてもビビるって」
キョン「だから、よせ!」
ハルヒ「ふふん。何よキョン。ビックリした?」
キョン「何なんだ、何なんだよ……」
ハルヒ「あたしのことは今日からレールガン、もしくは第三位って呼ぶこと」
ハルヒ「いいわね!」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 20:14:50.49:J5xu4NeO0
古泉「これは困ったことになりましたね」
キョン「お前……いたのか」
古泉「ええ。これは異常事態です」
古泉「さっきのご覧になりましたか?」
キョン「あの状況で見ていないわけがなかろう」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 20:17:51.98:29kMxVzX0
古泉「涼宮さんはレールガンと呼んでいましたが」
キョン「何なんだあれは」
古泉「超電磁砲ですよ」
古泉「理屈はリニアモーターカーと一緒です」
古泉「超強力な電磁石を使って金属の砲弾を打ち出す艦載兵器のことなんですが」
古泉「涼宮さんは自らそれを打ち出している」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 20:22:16.57:J5xu4NeO0
キョン「俺が聞きたいのはそこじゃない」
キョン「何でハルヒはあんなことができるんだ」
古泉「涼宮さんの力のせいですよ」
キョン「またあの力か」
古泉「それ以外考えられないでしょう」
古泉「とても人間業とは思えません」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 20:26:23.24:J5xu4NeO0
キョン「ハルヒは現に実現しちまってるがな」
古泉「それが涼宮さんの力ですから」
キョン「今度は何だ。艦載兵器でドンパチやる映画にでも影響されちまったのか?」
古泉「いえ、とある小説によるものです」
キョン「とある小説?」
古泉「ええ、文字通り」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 20:32:13.60:J5xu4NeO0
キョン「小説……戦争物か?ハルヒの力で第三次世界大戦が起こらなけりゃいいが」
古泉「それが違うんですよ。その小説でWWⅢは起こっていますが」
古泉「あれは超能力です」
キョン「超能力?じゃああれか、ハルヒはお前たち『機関』の仲間入りしちまったってわけか?」
古泉「私の能力とは違います。もっと強大で、恐ろしいものです」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 20:37:06.53:J5xu4NeO0
古泉「その小説では学生たちに超能力を科学的に発現させる研究が行われているんです」
キョン「なんとも夢のある話だな」
古泉「胸が躍りませんか?」
キョン「……」
キョン「その小説の話を続けろ」
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 20:44:30.88:J5xu4NeO0
古泉「はい。涼宮さんはその小説に登場するあるキャラクターに自己投影してしまったようなんです」
キョン「そのキャラクターが使う超能力ってのがさっきのやつか」
古泉「その通りです」
古泉「そのキャラクターの性格が涼宮さんに似ているところがあり」
古泉「そこに共感したのかもしれません」
キョン「どんな性格なんだ?」
古泉「それは、今は置いておきましょう」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 20:52:37.08:J5xu4NeO0
古泉「発電系の能力なんですがその強大さが先ほどのような砲撃を可能にしているんです」
古泉「その小説の理屈では超能力の発現には自分だけの現実、パーソナルリアリティというものが重要なんですが」
キョン「なんだそれは」
古泉「自分の中の世界、とでも言いましょうか」
古泉「とにかく超能力者はその自分の中の世界にある法則を現実の世界に持ち出すことができるんです」
古泉「そして今の涼宮さんは小説のキャラ同様、電気の他に電磁波、磁場などを操る力を持っています」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 21:00:31.03:J5xu4NeO0
キョン「しかしだな、それは随分とマシになったんじゃないか」
古泉「と、いいますと?」
キョン「今までは世界の改変だなんだとお前は叫んでいたな。挙句の果てには『神』だとか」
古泉「ええ」
キョン「ハルヒの中の常識が自分の力を発揮させるのを防いでいたということだったが」
キョン「それがだ、電気を操るぐらいのもんになったんだ。これはスケールダウンだろ?」
古泉「そう捉えることも可能です。極めて楽観的ですが」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 21:07:26.49:J5xu4NeO0
キョン「どういうことだ?」
古泉「今の涼宮さんはそのキャラクターに自己投影しているだけに過ぎないため影響も最小限で済んでいます」
古泉「しかし、涼宮さんがそれに飽き足らず小説の世界に完全に陶酔してしまったら」
キョン「少年少女が超能力を使うファンタジー世界の完成ってわけか」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 21:10:36.90:J5xu4NeO0
古泉「いえ、それだけじゃありません」
古泉「魔術というものが世界中に普通に存在するものになってしまうんですよ」
キョン「なんなんだよそれは」
古泉「小説の中の話です。それも置いておきましょう」
古泉「我々はその先も考えています」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 21:13:58.65:J5xu4NeO0
古泉「魔術や超能力が存在する世界を現実に作りだした涼宮さんはおそらく悟るでしょう」
古泉「自分の持っていた力を」
キョン「……」
古泉「自分だけの現実を具現化できるという認識が涼宮さんに本来の力を自覚させる呼び水になる可能性が高い、と我々は考えています」
キョン「小説の世界を超えて更にハルヒ中心の好き勝手な世界になるってことか」
古泉「はい。涼宮さんが自らの常識を超えてその小説の世界を作り出したとしても、まだ小説の枠内に収まっています」
古泉「しかし、それを超えてしまったら……想像もつきませんね」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 21:18:48.59:J5xu4NeO0
キョン「確かに恐ろしいな」
古泉「まさしく、『新約』の世界です」
キョン「何のことだ?」
古泉「小説の話ですよ」
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 21:24:23.10:J5xu4NeO0
キョン「どうすりゃいいんだ。あいつに所詮小説の話だって言うか?」
古泉「それは無駄だと思います。今の涼宮さんはまだそこは割り切っています」
古泉「しかし、時間はないかと思います。急がなければ」
古泉「涼宮さんはキャラクターと自らを同一のものとする幻想を抱いています」
キョン「どうすんだよそれで」
古泉「簡単です」
古泉「幻想を殺してしまえばいいんですよ」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 21:28:07.49:RLycK6jIO
キョン「幻想を……殺す……?」
古泉「はい。私は先ほど影響は最小限だと言いました」
古泉「その最小限の中にはあなたも含まれています」
キョン「なんだと!?」
古泉「そうですよね、長門さん」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 21:34:57.89:J5xu4NeO0
キョン「長門……どういうことだ」
長門「涼宮ハルヒは十日前この世界に存在しえない物理法則を操り始めた」
長門「涼宮ハルヒの力は日に日に大きくなっていった」
長門「情報統合思念体は新たな情報爆発を期待した」
長門「しかし、一定値以上の情報の拡散は観測されなかった」
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 21:41:32.59:J5xu4NeO0
長門「ある別の力によって涼宮ハルヒの力は打ち消されていることがわかった」
キョン「別の力……?」
長門「それが、あなたの右手」
古泉「今、あなたの右手には涼宮さんの力を打ち消す能力があるんです」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 21:46:56.40:J5xu4NeO0
キョン「はあ。どうして俺なんだ。……不幸だ」
古泉「早速影響が現れているみたいですね」
古泉「いいじゃないですか。涼宮さんを幻想の世界から現実へと救い出す、これはちょっとしたヒーローですよ」
キョン「ふざけてんのか」
古泉「冗談です」
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 21:50:48.41:J5xu4NeO0
キョン「で、だ。この右手をどうすればいい」
古泉「おそらく、朝比奈さんが鍵になってきます」
キョン「朝比奈さん?そういえば朝比奈さんはどこにいるんだ?」
古泉「朝比奈さんは今、逃げ回っています」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 21:55:38.99:J5xu4NeO0
キョン「なんだって?」
古泉「彼女もまた涼宮さんの力によって超能力を手にしてしまったのです」
キョン「いったいどんな能力だ?」
古泉「朝比奈さんは今、男性を一方通行に惹きつける力を手にしてしまっています」
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 21:59:41.00:juBykGxf0
キョン「じゃあ男たちから逃げ回っているというわけか」
古泉「ええ。そして涼宮さんはその力があなたに働いてしまうことを恐れている」
古泉「涼宮さんは朝比奈さんの力の強さに無力感を覚え、先ほどの力を振るおうとしているのです」
キョン「なんてこった。俺は朝比奈さんをどうすりゃいいんだ?」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 22:10:35.17:J5xu4NeO0
古泉「おそらく、あなたが右手で朝比奈さんに触れれば彼女の力は無くなるでしょう」
古泉「そしてあなたは朝比奈さんに触れつつも、彼女に惹かれているわけではないことを涼宮さんにアピールしなければなりません」
キョン「随分と回りくどいな。ハルヒに触れるだけじゃだめなのか?」
古泉「やはり小説のキャラに自己投影している以上、小説内のシーンに従うことが必要かと」
古泉「ですから、朝比奈さんのことは触れるというより殴る必要があります」
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 22:14:58.81:J5xu4NeO0
キョン「あ、朝比奈さんをか!?」
古泉「仕方がありません。この世界のためですから」
キョン「はあ、とんでもないことになっちまった」
古泉「朝比奈さんを殴った後、涼宮さんの方を向き、こう言って下さい」
古泉「お前とお前の周りの世界は俺が守る、と」
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 22:20:12.23:J5xu4NeO0
キョン「……何だそれは?」
古泉「台詞ですよ」
古泉「涼宮さんがなりきっているキャラがおそらく最も幸福を感じた台詞です」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 22:27:33.52:J5xu4NeO0
古泉「それをあなたの口から発することでその幸福を涼宮さん自身に体験させるんです」
古泉「あなたがそう宣言することで涼宮さんは元の世界に戻してくれますよ」
古泉「そんなあなたがいる元の世界に涼宮さんは少なからず憧れを抱いているはずですから」
古泉「そして涼宮さんに歩み寄り、触れながら可愛いとでも褒めればいいでしょう」
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 22:32:07.94:J5xu4NeO0
キョン「よくわからんがまあいい。ハルヒのとこへ行くぞ」
古泉「それはいけません」
キョン「なぜだ?」
古泉「シチュエーションというものが大事なんですよ」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 22:37:15.91:J5xu4NeO0
長門「今から四時間三二分後、学校のグラウンドに朝比奈みくるが現れる」
長門「そこへあなたが対峙したところで涼宮ハルヒも現れる」
古泉「その時が勝負です」
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 22:40:27.58:J5xu4NeO0
キョン「おいおい、夜じゃねえか」
古泉「小説でも夜ですし、他の人がいないことを涼宮さんなりに考慮したのでしょう」
古泉「では解散としましょうか。時間の方、お忘れなく」
古泉「期待しています」
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 22:43:22.06:J5xu4NeO0
キョン「まったく、なぜ俺なのだ」
キョン「くそっ、家に帰ってひと眠りするか」
みくる(大人)「キョンくん」
キョン「あ、朝比奈さん」
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 22:46:24.51:J5xu4NeO0
みくる(大人)「今日この後、わたしのことを殴りに行くんでしょう?」
キョン「はい……すいません」
みくる(大人)「いいの。今では充分大事なことってわかってるから」
みくる(大人)「でもね、この時代のわたしは気が小さいから」
みくる(大人)「殴る前に優しい言葉をかけてくれないかな?」
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 22:56:06.71:ujqIkVRZ0
キョン「わかりました。ただ殴るんじゃ俺も申し訳ないですし」
みくる(大人)「あ、それからもう一つ」
キョン「何ですか?」
みくる(大人)「あまりこの時間にとどまれないの。だから手短に言います」
みくる(大人)「インデックスって、知ってます?」
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 22:54:21.47:J5xu4NeO0
キョン「目次か何かですか?」
みくる(大人)「禁書目録のことなんだけどね、最後に涼宮さんに触れる時この言葉を思い出してほしいの」
みくる(大人)「とある小説に出てくるキャラクターなんだけど」
キョン「はあ」
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 22:59:10.16:J5xu4NeO0
みくる(大人)「古泉くんのだけだと、足りない気がするから」
みくる(大人)「小説を超えた幸福をあげないと」
みくる(大人)「ヒントだと思って。これがわたしの精いっぱい」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 23:04:00.65:J5xu4NeO0
キョン「ええ。覚えておきますよ」
みくる(大人)「じゃあ、もう行きます」
みくる(大人)「最後にもう一つだけ。わたしに容赦しないで。世界のためだから」
キョン「俺も一つ教えてください!」
キョン「俺が朝比奈さんの能力で朝比奈さんに惹かれてたら、どうしてました?」
みくる(大人)「禁則事項です」
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 23:07:42.13:J5xu4NeO0
キョン「時刻は午後八時三十分」
キョン「ふむ……朝比奈さんは、いるな」
キョン「怯えていらっしゃる。さぞかしひどく追いかけまわされたのだろう」
キョン「よし、行くか」
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 23:13:57.04:J5xu4NeO0
みくる「きょ、キョンくん!」
キョン「こんな時間に何してるんですか」
みくる「助かりましたぁ!」
みくる「聞いて下さい。今日一日中男の人に追いかけまわされて……」
みくる「どこへ行っても次々に違う男の人が追いかけてきたんです」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 23:19:21.57:J5xu4NeO0
キョン「それはそれは大変でしたね」
みくる「だからキョンくんがきてくれて本当に!」
キョン「朝比奈さん!あんまりこっちに近づかないでください!仲良くしているのを見られると――」
ハルヒ「止まりなさい、みくるちゃん!」
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 23:23:19.39:J5xu4NeO0
みくる「ふええ!? 涼宮さん、電気が頭からバチバチ……」
キョン「やめろ、ハルヒ!」
ハルヒ「何でよ。キョンは何してるのよ」
キョン「いいからその手を下ろせ!」
ハルヒ「やだ」
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 23:26:31.63:J5xu4NeO0
キョン「そんなもん撃つな!」
ハルヒ「……」
キョン「ハルヒ!」
ハルヒ「や、めて」
キョン「朝比奈さんに手を向けるな!」
ハルヒ「やめて、よ」
ハルヒ「何よ!あんたまでみくるちゃんに惹かれちゃったの!?」
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 23:31:34.23:J5xu4NeO0
キョン「違う!」
ハルヒ「じゃあ何だっていうの!?」
キョン「ここは、俺に任せろ」
ハルヒ「無理よ、そんなの……」
ハルヒ「そんなことしたらキョンは自分を止められない」
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 23:47:36.52:J5xu4NeO0
ハルヒ「私は直接みくるちゃんの能力を見たのは一度しかないわ」
ハルヒ「けど、たったそれだけでも分かる」
ハルヒ「みくるちゃんの能力は鳥肌が立つぐらいなのよ」
ハルヒ「みくるちゃんと向かい合った男は、もう勝ちと負けの混在する勝負にならない」
ハルヒ「みくるちゃんにとって男ってのは、ワンサイドゲームする相手なんだから」
キョン「あいつは何を語っているんだ……?小説の台詞か?」
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 23:53:46.95:J5xu4NeO0
キョン「まあいい」
キョン「俺なら、大丈夫だ」
ハルヒ「なに、言ってんの?」
キョン「俺の右手は――」
ハルヒ「無理よ、あんたはみくるちゃんの力が分かってないからそんなことが言えるだけなのよ!」
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 23:57:53.95:J5xu4NeO0
ハルヒ「あんな、世界中の男を前にしてそのすべてを惹きつけてしまうような――」
ハルヒ「マンガに出てくる反則じみたヒロインみたいなヤツと正面から向き合おうなんて考えがもうおかしいんだってば!」
ハルヒ「次元のずれた存在って考えた方がいい。ハナから反則な人間」
キョン「ああ、朝比奈さんになんてことを言うんだ。あながち外れちゃいないが」
キョン「しかし、完全になりきってるな……よし」
ハルヒ「あんな化け物に――」
キョン「大丈夫だって言ってんだろ!」
ハルヒ「っ……」
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 00:11:18.47:r9Dh8fZl0
キョン「……ふざけやがって」
キョン「ざっけんなよテメェ!」
キョン「ナメた事言いやがって、人を勝手に値踏みしてんじゃねえ!」
キョン「朝比奈さんの魅力?一方通行に惹きつける力?」
キョン「確かにスゲェな」
キョン「とんでもねー力だし聞いた今でも信じらんねえような荒唐無稽な能力だよ」
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 00:16:36.99:r9Dh8fZl0
キョン「だけどな」
キョン「たった、それだけなんだろ?」
ハルヒ「キョン……」
キョン「見くびってんじゃねえ」
キョン「たかだか能力ぐらいで俺の気持ちが揺らぐと思ってんのか!」
キョン「ざっけんなよ」
キョン「んな程度の覚悟ならハナからこんなとこにきてねーんだよ!」
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 00:22:04.57:hNqs+3rJ0
キョン「――はっ!?」
キョン「い、いかん……気持ちが入ると何かに身体が乗っ取られるように……」
キョン「これも……ハルヒの力の影響なのか?」
キョン「くっ……また――」
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 00:31:15.81:r9Dh8fZl0
キョン「――身体の内側と外側から……何かが――」
キョン「ハルヒ」
ハルヒ「……何?」
キョン「俺はなんだかんだ言いながら今までの暮らしがけっこう好きだったんだな」
キョン「……この世界が『神様』の思った通りに動いてるってんなら――」
キョン「――まずは、その幻想をぶち殺す!」
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 00:34:43.26:r9Dh8fZl0
ハルヒ「ちょっとキョン!」
ハルヒ「『神様』って何!?」
ハルヒ「誰の事なの!?」
キョン「下がってろ!」
ハルヒ「――! ……うん」
キョン「――はっ! 戻ったか……」
キョン「ハルヒも静かになったようだ」
キョン「また乗っ取られる前に、やるか」
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 00:42:30.96:r9Dh8fZl0
キョン「大人の朝比奈さんの言いつけを守るためにも冷静でいなきゃな」
キョン「ハルヒも大人しくこっちを見ていることだし」
キョン「もう乗っ取られるわけにはいかねえな」
キョン「ハルヒ」
ハルヒ「……何よ」
キョン「ちゃんと見てろよ」
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 00:48:39.01:r9Dh8fZl0
キョン「朝比奈さん」
みくる「ふえ?どうしたんですかキョンくん……怖い顔して」
キョン「すいません」
みくる「えっ?」
キョン「……行きます」
みくる「ふええええええええええええええ!?」
ハルヒ「はっ!」
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 00:55:44.91:r9Dh8fZl0
ハルヒ「あたしが言わなきゃ」
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 01:06:59.64:r9Dh8fZl0
ハルヒ「歯を食いしばれよ、最強――」
キョン「朝比奈さん、ごめんなさい」
みくる「?」
ハルヒ「――キョンの最弱は」
キョン「正直、たまりません」
ハルヒ「ちっとばっか響くぞ!」
みくる「ふわぁぁああああああああああああん!」
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 01:09:37.27:r9Dh8fZl0
キョン「はぁ、はぁ……本当に、殴っちまった」
みくる「ぐすっ……キョンくんのばかぁぁあああああ!」
キョン「あ、行ってしまわれた……」
ハルヒ「キョン……」
121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 01:15:14.68:r9Dh8fZl0
キョン「……」
ハルヒ「……」
キョン「あれを言うのか……」
キョン「よくよく考えてみればかなり恥ずかしい台詞なんじゃないか?」
キョン「仕方がない……のか」
キョン「朝比奈さんを殴ってしまったんだ、最後までやらにゃならんな」
キョン「なあハルヒ」
ハルヒ「な、何よ」
キョン「お前とお前の周りの世界は俺が守る」
ハルヒ「っ!」
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 01:21:24.83:r9Dh8fZl0
キョン「まだ頭から電気出してやがる……そうか触れなきゃならないんだったか」
キョン「!?」
キョン「頭に……何かが流れ込んでくる……!」
キョン「さっきのとは……違うな」
キョン「これは……長門か!?」
長門「あなたに賭ける」
長門「10万3000冊の魔道書図書館」
長門「>index」
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 01:28:26.07:r9Dh8fZl0
キョン「不等号と、インデックス……忘れていた。しかし、不等号ってのは……」
古泉『そして涼宮さんに歩み寄り、触れながら可愛いとでも褒めればいいでしょう』
みくる(大人)『とある小説に出てくるキャラクターなんだけど』
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 01:34:05.77:r9Dh8fZl0
キョン「……そうか……よし」
キョン「ハルヒ」
ハルヒ「……何よ、頭撫でたりして」
キョン「インデックスより可愛いぞ」
ハルヒ「――――」
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 01:36:38.72:r9Dh8fZl0
キョン「ふう。治まったか」
ハルヒ「ふふっ」
キョン「なんだよ。何笑ってやがる」
ハルヒ「うっさいわね」
キョン「お前が笑う時にはろくなことにならん」
ハルヒ「あたし、大事なことに気づいたの」
キョン「ほう」
ハルヒ「だから、この世界が案外捨てたもんじゃない気がしてきたわ」
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 01:40:08.47:r9Dh8fZl0
キョン「そいつはよかったな」
キョン「で、何に気づいたというんだ?」
ハルヒ「何でもいいでしょ。どっか行きなさいよ」
キョン「そうかよ。じゃあ俺は行くぞ」
ハルヒ「――キョンは」
ハルヒ「ずっと名前で呼んでくれてたな」
THE END
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 02:26:31.62:ZdjPFZLSP
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キョン「それが本物じゃなかったとしてもビビるって」
キョン「だから、よせ!」
ハルヒ「ふふん。何よキョン。ビックリした?」
キョン「何なんだ、何なんだよ……」
ハルヒ「あたしのことは今日からレールガン、もしくは第三位って呼ぶこと」
ハルヒ「いいわね!」
古泉「これは困ったことになりましたね」
キョン「お前……いたのか」
古泉「ええ。これは異常事態です」
古泉「さっきのご覧になりましたか?」
キョン「あの状況で見ていないわけがなかろう」
うっひょーい、久しぶりのハルヒスレだぜぃ!
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 20:18:35.13:J5xu4NeO0古泉「涼宮さんはレールガンと呼んでいましたが」
キョン「何なんだあれは」
古泉「超電磁砲ですよ」
古泉「理屈はリニアモーターカーと一緒です」
古泉「超強力な電磁石を使って金属の砲弾を打ち出す艦載兵器のことなんですが」
古泉「涼宮さんは自らそれを打ち出している」
キョン「俺が聞きたいのはそこじゃない」
キョン「何でハルヒはあんなことができるんだ」
古泉「涼宮さんの力のせいですよ」
キョン「またあの力か」
古泉「それ以外考えられないでしょう」
古泉「とても人間業とは思えません」
キョン「ハルヒは現に実現しちまってるがな」
古泉「それが涼宮さんの力ですから」
キョン「今度は何だ。艦載兵器でドンパチやる映画にでも影響されちまったのか?」
古泉「いえ、とある小説によるものです」
キョン「とある小説?」
古泉「ええ、文字通り」
キョン「小説……戦争物か?ハルヒの力で第三次世界大戦が起こらなけりゃいいが」
古泉「それが違うんですよ。その小説でWWⅢは起こっていますが」
古泉「あれは超能力です」
キョン「超能力?じゃああれか、ハルヒはお前たち『機関』の仲間入りしちまったってわけか?」
古泉「私の能力とは違います。もっと強大で、恐ろしいものです」
古泉「その小説では学生たちに超能力を科学的に発現させる研究が行われているんです」
キョン「なんとも夢のある話だな」
古泉「胸が躍りませんか?」
キョン「……」
キョン「その小説の話を続けろ」
古泉「はい。涼宮さんはその小説に登場するあるキャラクターに自己投影してしまったようなんです」
キョン「そのキャラクターが使う超能力ってのがさっきのやつか」
古泉「その通りです」
古泉「そのキャラクターの性格が涼宮さんに似ているところがあり」
古泉「そこに共感したのかもしれません」
キョン「どんな性格なんだ?」
古泉「それは、今は置いておきましょう」
古泉「発電系の能力なんですがその強大さが先ほどのような砲撃を可能にしているんです」
古泉「その小説の理屈では超能力の発現には自分だけの現実、パーソナルリアリティというものが重要なんですが」
キョン「なんだそれは」
古泉「自分の中の世界、とでも言いましょうか」
古泉「とにかく超能力者はその自分の中の世界にある法則を現実の世界に持ち出すことができるんです」
古泉「そして今の涼宮さんは小説のキャラ同様、電気の他に電磁波、磁場などを操る力を持っています」
キョン「しかしだな、それは随分とマシになったんじゃないか」
古泉「と、いいますと?」
キョン「今までは世界の改変だなんだとお前は叫んでいたな。挙句の果てには『神』だとか」
古泉「ええ」
キョン「ハルヒの中の常識が自分の力を発揮させるのを防いでいたということだったが」
キョン「それがだ、電気を操るぐらいのもんになったんだ。これはスケールダウンだろ?」
古泉「そう捉えることも可能です。極めて楽観的ですが」
キョン「どういうことだ?」
古泉「今の涼宮さんはそのキャラクターに自己投影しているだけに過ぎないため影響も最小限で済んでいます」
古泉「しかし、涼宮さんがそれに飽き足らず小説の世界に完全に陶酔してしまったら」
キョン「少年少女が超能力を使うファンタジー世界の完成ってわけか」
古泉「いえ、それだけじゃありません」
古泉「魔術というものが世界中に普通に存在するものになってしまうんですよ」
キョン「なんなんだよそれは」
古泉「小説の中の話です。それも置いておきましょう」
古泉「我々はその先も考えています」
古泉「魔術や超能力が存在する世界を現実に作りだした涼宮さんはおそらく悟るでしょう」
古泉「自分の持っていた力を」
キョン「……」
古泉「自分だけの現実を具現化できるという認識が涼宮さんに本来の力を自覚させる呼び水になる可能性が高い、と我々は考えています」
キョン「小説の世界を超えて更にハルヒ中心の好き勝手な世界になるってことか」
古泉「はい。涼宮さんが自らの常識を超えてその小説の世界を作り出したとしても、まだ小説の枠内に収まっています」
古泉「しかし、それを超えてしまったら……想像もつきませんね」
キョン「確かに恐ろしいな」
古泉「まさしく、『新約』の世界です」
キョン「何のことだ?」
古泉「小説の話ですよ」
キョン「どうすりゃいいんだ。あいつに所詮小説の話だって言うか?」
古泉「それは無駄だと思います。今の涼宮さんはまだそこは割り切っています」
古泉「しかし、時間はないかと思います。急がなければ」
古泉「涼宮さんはキャラクターと自らを同一のものとする幻想を抱いています」
キョン「どうすんだよそれで」
古泉「簡単です」
古泉「幻想を殺してしまえばいいんですよ」
ああ、つまりぶん殴るのね
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 21:30:15.41:J5xu4NeO0キョン「幻想を……殺す……?」
古泉「はい。私は先ほど影響は最小限だと言いました」
古泉「その最小限の中にはあなたも含まれています」
キョン「なんだと!?」
古泉「そうですよね、長門さん」
キョン「長門……どういうことだ」
長門「涼宮ハルヒは十日前この世界に存在しえない物理法則を操り始めた」
長門「涼宮ハルヒの力は日に日に大きくなっていった」
長門「情報統合思念体は新たな情報爆発を期待した」
長門「しかし、一定値以上の情報の拡散は観測されなかった」
長門「ある別の力によって涼宮ハルヒの力は打ち消されていることがわかった」
キョン「別の力……?」
長門「それが、あなたの右手」
古泉「今、あなたの右手には涼宮さんの力を打ち消す能力があるんです」
キョン「はあ。どうして俺なんだ。……不幸だ」
古泉「早速影響が現れているみたいですね」
古泉「いいじゃないですか。涼宮さんを幻想の世界から現実へと救い出す、これはちょっとしたヒーローですよ」
キョン「ふざけてんのか」
古泉「冗談です」
キョン「で、だ。この右手をどうすればいい」
古泉「おそらく、朝比奈さんが鍵になってきます」
キョン「朝比奈さん?そういえば朝比奈さんはどこにいるんだ?」
古泉「朝比奈さんは今、逃げ回っています」
キョン「なんだって?」
古泉「彼女もまた涼宮さんの力によって超能力を手にしてしまったのです」
キョン「いったいどんな能力だ?」
古泉「朝比奈さんは今、男性を一方通行に惹きつける力を手にしてしまっています」
みくる「きンそくじこうですゥ」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 22:03:41.91:J5xu4NeO0キョン「じゃあ男たちから逃げ回っているというわけか」
古泉「ええ。そして涼宮さんはその力があなたに働いてしまうことを恐れている」
古泉「涼宮さんは朝比奈さんの力の強さに無力感を覚え、先ほどの力を振るおうとしているのです」
キョン「なんてこった。俺は朝比奈さんをどうすりゃいいんだ?」
古泉「おそらく、あなたが右手で朝比奈さんに触れれば彼女の力は無くなるでしょう」
古泉「そしてあなたは朝比奈さんに触れつつも、彼女に惹かれているわけではないことを涼宮さんにアピールしなければなりません」
キョン「随分と回りくどいな。ハルヒに触れるだけじゃだめなのか?」
古泉「やはり小説のキャラに自己投影している以上、小説内のシーンに従うことが必要かと」
古泉「ですから、朝比奈さんのことは触れるというより殴る必要があります」
キョン「あ、朝比奈さんをか!?」
古泉「仕方がありません。この世界のためですから」
キョン「はあ、とんでもないことになっちまった」
古泉「朝比奈さんを殴った後、涼宮さんの方を向き、こう言って下さい」
古泉「お前とお前の周りの世界は俺が守る、と」
キョン「……何だそれは?」
古泉「台詞ですよ」
古泉「涼宮さんがなりきっているキャラがおそらく最も幸福を感じた台詞です」
古泉「それをあなたの口から発することでその幸福を涼宮さん自身に体験させるんです」
古泉「あなたがそう宣言することで涼宮さんは元の世界に戻してくれますよ」
古泉「そんなあなたがいる元の世界に涼宮さんは少なからず憧れを抱いているはずですから」
古泉「そして涼宮さんに歩み寄り、触れながら可愛いとでも褒めればいいでしょう」
キョン「よくわからんがまあいい。ハルヒのとこへ行くぞ」
古泉「それはいけません」
キョン「なぜだ?」
古泉「シチュエーションというものが大事なんですよ」
長門「今から四時間三二分後、学校のグラウンドに朝比奈みくるが現れる」
長門「そこへあなたが対峙したところで涼宮ハルヒも現れる」
古泉「その時が勝負です」
キョン「おいおい、夜じゃねえか」
古泉「小説でも夜ですし、他の人がいないことを涼宮さんなりに考慮したのでしょう」
古泉「では解散としましょうか。時間の方、お忘れなく」
古泉「期待しています」
キョン「まったく、なぜ俺なのだ」
キョン「くそっ、家に帰ってひと眠りするか」
みくる(大人)「キョンくん」
キョン「あ、朝比奈さん」
みくる(大人)「今日この後、わたしのことを殴りに行くんでしょう?」
キョン「はい……すいません」
みくる(大人)「いいの。今では充分大事なことってわかってるから」
みくる(大人)「でもね、この時代のわたしは気が小さいから」
みくる(大人)「殴る前に優しい言葉をかけてくれないかな?」
>>80
> キョン「はい……すいません」
ワロタ
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 22:50:49.98:J5xu4NeO0> キョン「はい……すいません」
ワロタ
キョン「わかりました。ただ殴るんじゃ俺も申し訳ないですし」
みくる(大人)「あ、それからもう一つ」
キョン「何ですか?」
みくる(大人)「あまりこの時間にとどまれないの。だから手短に言います」
みくる(大人)「インデックスって、知ってます?」
キョン「目次か何かですか?」
みくる(大人)「禁書目録のことなんだけどね、最後に涼宮さんに触れる時この言葉を思い出してほしいの」
みくる(大人)「とある小説に出てくるキャラクターなんだけど」
キョン「はあ」
みくる(大人)「古泉くんのだけだと、足りない気がするから」
みくる(大人)「小説を超えた幸福をあげないと」
みくる(大人)「ヒントだと思って。これがわたしの精いっぱい」
キョン「ええ。覚えておきますよ」
みくる(大人)「じゃあ、もう行きます」
みくる(大人)「最後にもう一つだけ。わたしに容赦しないで。世界のためだから」
キョン「俺も一つ教えてください!」
キョン「俺が朝比奈さんの能力で朝比奈さんに惹かれてたら、どうしてました?」
みくる(大人)「禁則事項です」
キョン「時刻は午後八時三十分」
キョン「ふむ……朝比奈さんは、いるな」
キョン「怯えていらっしゃる。さぞかしひどく追いかけまわされたのだろう」
キョン「よし、行くか」
みくる「きょ、キョンくん!」
キョン「こんな時間に何してるんですか」
みくる「助かりましたぁ!」
みくる「聞いて下さい。今日一日中男の人に追いかけまわされて……」
みくる「どこへ行っても次々に違う男の人が追いかけてきたんです」
キョン「それはそれは大変でしたね」
みくる「だからキョンくんがきてくれて本当に!」
キョン「朝比奈さん!あんまりこっちに近づかないでください!仲良くしているのを見られると――」
ハルヒ「止まりなさい、みくるちゃん!」
みくる「ふええ!? 涼宮さん、電気が頭からバチバチ……」
キョン「やめろ、ハルヒ!」
ハルヒ「何でよ。キョンは何してるのよ」
キョン「いいからその手を下ろせ!」
ハルヒ「やだ」
キョン「そんなもん撃つな!」
ハルヒ「……」
キョン「ハルヒ!」
ハルヒ「や、めて」
キョン「朝比奈さんに手を向けるな!」
ハルヒ「やめて、よ」
ハルヒ「何よ!あんたまでみくるちゃんに惹かれちゃったの!?」
キョン「違う!」
ハルヒ「じゃあ何だっていうの!?」
キョン「ここは、俺に任せろ」
ハルヒ「無理よ、そんなの……」
ハルヒ「そんなことしたらキョンは自分を止められない」
ハルヒ「私は直接みくるちゃんの能力を見たのは一度しかないわ」
ハルヒ「けど、たったそれだけでも分かる」
ハルヒ「みくるちゃんの能力は鳥肌が立つぐらいなのよ」
ハルヒ「みくるちゃんと向かい合った男は、もう勝ちと負けの混在する勝負にならない」
ハルヒ「みくるちゃんにとって男ってのは、ワンサイドゲームする相手なんだから」
キョン「あいつは何を語っているんだ……?小説の台詞か?」
キョン「まあいい」
キョン「俺なら、大丈夫だ」
ハルヒ「なに、言ってんの?」
キョン「俺の右手は――」
ハルヒ「無理よ、あんたはみくるちゃんの力が分かってないからそんなことが言えるだけなのよ!」
ハルヒ「あんな、世界中の男を前にしてそのすべてを惹きつけてしまうような――」
ハルヒ「マンガに出てくる反則じみたヒロインみたいなヤツと正面から向き合おうなんて考えがもうおかしいんだってば!」
ハルヒ「次元のずれた存在って考えた方がいい。ハナから反則な人間」
キョン「ああ、朝比奈さんになんてことを言うんだ。あながち外れちゃいないが」
キョン「しかし、完全になりきってるな……よし」
ハルヒ「あんな化け物に――」
キョン「大丈夫だって言ってんだろ!」
ハルヒ「っ……」
キョン「……ふざけやがって」
キョン「ざっけんなよテメェ!」
キョン「ナメた事言いやがって、人を勝手に値踏みしてんじゃねえ!」
キョン「朝比奈さんの魅力?一方通行に惹きつける力?」
キョン「確かにスゲェな」
キョン「とんでもねー力だし聞いた今でも信じらんねえような荒唐無稽な能力だよ」
キョン「だけどな」
キョン「たった、それだけなんだろ?」
ハルヒ「キョン……」
キョン「見くびってんじゃねえ」
キョン「たかだか能力ぐらいで俺の気持ちが揺らぐと思ってんのか!」
キョン「ざっけんなよ」
キョン「んな程度の覚悟ならハナからこんなとこにきてねーんだよ!」
どっちもなりきってんな
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 00:22:38.71:r9Dh8fZl0キョン「――はっ!?」
キョン「い、いかん……気持ちが入ると何かに身体が乗っ取られるように……」
キョン「これも……ハルヒの力の影響なのか?」
キョン「くっ……また――」
キョン「――身体の内側と外側から……何かが――」
キョン「ハルヒ」
ハルヒ「……何?」
キョン「俺はなんだかんだ言いながら今までの暮らしがけっこう好きだったんだな」
キョン「……この世界が『神様』の思った通りに動いてるってんなら――」
キョン「――まずは、その幻想をぶち殺す!」
ハルヒ「ちょっとキョン!」
ハルヒ「『神様』って何!?」
ハルヒ「誰の事なの!?」
キョン「下がってろ!」
ハルヒ「――! ……うん」
キョン「――はっ! 戻ったか……」
キョン「ハルヒも静かになったようだ」
キョン「また乗っ取られる前に、やるか」
キョン「大人の朝比奈さんの言いつけを守るためにも冷静でいなきゃな」
キョン「ハルヒも大人しくこっちを見ていることだし」
キョン「もう乗っ取られるわけにはいかねえな」
キョン「ハルヒ」
ハルヒ「……何よ」
キョン「ちゃんと見てろよ」
キョン「朝比奈さん」
みくる「ふえ?どうしたんですかキョンくん……怖い顔して」
キョン「すいません」
みくる「えっ?」
キョン「……行きます」
みくる「ふええええええええええええええ!?」
ハルヒ「はっ!」
ハルヒ「あたしが言わなきゃ」
ハルヒ「歯を食いしばれよ、最強――」
キョン「朝比奈さん、ごめんなさい」
みくる「?」
ハルヒ「――キョンの最弱は」
キョン「正直、たまりません」
ハルヒ「ちっとばっか響くぞ!」
みくる「ふわぁぁああああああああああああん!」
キョン「はぁ、はぁ……本当に、殴っちまった」
みくる「ぐすっ……キョンくんのばかぁぁあああああ!」
キョン「あ、行ってしまわれた……」
ハルヒ「キョン……」
キョン「……」
ハルヒ「……」
キョン「あれを言うのか……」
キョン「よくよく考えてみればかなり恥ずかしい台詞なんじゃないか?」
キョン「仕方がない……のか」
キョン「朝比奈さんを殴ってしまったんだ、最後までやらにゃならんな」
キョン「なあハルヒ」
ハルヒ「な、何よ」
キョン「お前とお前の周りの世界は俺が守る」
ハルヒ「っ!」
キョン「まだ頭から電気出してやがる……そうか触れなきゃならないんだったか」
キョン「!?」
キョン「頭に……何かが流れ込んでくる……!」
キョン「さっきのとは……違うな」
キョン「これは……長門か!?」
長門「あなたに賭ける」
長門「10万3000冊の魔道書図書館」
長門「>index」
キョン「不等号と、インデックス……忘れていた。しかし、不等号ってのは……」
古泉『そして涼宮さんに歩み寄り、触れながら可愛いとでも褒めればいいでしょう』
みくる(大人)『とある小説に出てくるキャラクターなんだけど』
キョン「……そうか……よし」
キョン「ハルヒ」
ハルヒ「……何よ、頭撫でたりして」
キョン「インデックスより可愛いぞ」
ハルヒ「――――」
キョン「ふう。治まったか」
ハルヒ「ふふっ」
キョン「なんだよ。何笑ってやがる」
ハルヒ「うっさいわね」
キョン「お前が笑う時にはろくなことにならん」
ハルヒ「あたし、大事なことに気づいたの」
キョン「ほう」
ハルヒ「だから、この世界が案外捨てたもんじゃない気がしてきたわ」
キョン「そいつはよかったな」
キョン「で、何に気づいたというんだ?」
ハルヒ「何でもいいでしょ。どっか行きなさいよ」
キョン「そうかよ。じゃあ俺は行くぞ」
ハルヒ「――キョンは」
ハルヒ「ずっと名前で呼んでくれてたな」
THE END
いいじゃない乙
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 02:32:47.48:r9Dh8fZl0あ、残ってた
SS書くの2回目なので色々お許しください
ではー
これからもハルヒと禁書が盛り上がりますように
SS書くの2回目なので色々お許しください
ではー
これからもハルヒと禁書が盛り上がりますように
コメント 13
コメント一覧 (13)
正直厳しい
(´・ω・)?
キョンがみくるを殴った事にもうちょっと言及しても良いと思う
ということは、これはむしろ禁書ssなのでは