- 奴隷商「さあさあ、本日の目玉だよ!」
子供「苦しいよ……誰か、助けて……」
女勇者「魔王は死んだ……」
女勇者「魔王は死んだ……」~あれから半年~
旅芸人「遂に魔王が蘇った!」 前編
旅芸人「遂に魔王が蘇った!」 後編
元スレ SS速報VIP
1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/18(金) 22:29:26.76:LtjdKyO80
僧侶「うーん、案外北の大陸と変わらないものね」
戦士「酒場にいろんな仕事が張り出されていたりするけどな」
僧侶「へー、討伐依頼とか?」
魔法「採集から調査、護衛などなど。何か仕事を取ってくる?」
勇者「もう取ってきたよ」
戦士「お、流石。肝心の内容は?」
勇者「暴れている魔物の群れの制圧」
魔法「割と普通ね。魔物の構成は……バイソン?」
戦士「なーんか親玉がいそうだな……ボスクラスか」
勇者「久々に気を引き締めていこうか」

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韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/18(金) 22:35:37.57:LtjdKyO8o
バイソンの群れが現れた!
勇者「ボスはいないようだ!今のうちに頭数を減らすぞ!」
僧侶「了解!」
僧侶は目にも留まらない速さで弓矢を放っていく!
魔法使いは流水魔法・中を唱えた!
目にも留まらぬ勢いで大量の水が射出される!バイソン達に刺傷と打撲を与えた!
勇者「それが新しい魔法か」
魔法「弱を使う機会がなかったけどもね」
戦士「お、でけぇのが来るぞ!」
暴れバイソンが現れた!
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/18(金) 22:41:00.99:LtjdKyO8o
バイソン達は距離を取って、勇者達を取り囲む!
勇者「くそ……戦い辛いな」
戦士「こりゃ取り巻きをどうにかしないとだな」
魔法「か、囲まれて……っは!」
バイソンHが魔法使いに飛び掛る!
戦士は身を投げ出して魔法使いの盾となった!
魔法「せ、戦士……」
戦士「怪我は?!」
魔法「大丈夫だけど、あなたが……」
戦士「このままじゃジリ貧だ!一気に巻き返すぞ!」
魔法「……分かったわ、特大の魔法を唱えるから時間を!」
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/18(金) 22:47:16.16:LtjdKyO8o
僧侶は華麗なフットワークで暴れバイソンの攻撃をかわした!
僧侶は暴れバイソンの目に弓矢を打ち込んだ!
勇者「……一人で魔王も倒せそうだな」
暴れバイソンはいきりたって僧侶に飛び掛る!
戦士は暴れバイソンの足を切り払い、動きを止めた!
暴れバイソンは角で僧侶を貫こうと襲い掛かる!
盾を構えた勇者が角を受け止め、剣を振るう。
暴れバイソンは大きく嘶いた!
勇者「大丈夫か?!」
僧侶「……ふふ、ありがとう」
僧侶はパワーショットを放った!引き絞られた弓矢は暴れバイソンの頭部を貫いた!
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/18(金) 22:52:21.52:LtjdKyO8o
「知っているか?可愛い子が勇者のPTが……」
「もしかしたら、このまま魔王を倒しちまうかもしれないな」
「黄金の国の魔物を倒したって話だぞ」
勇者「俺らがいない間に頑張っているみたいだな」
戦士「ここまで有名になるとはなぁ」
僧侶「知り合いなの?」
魔法「旅の途中で知り合った人達よ。にしてもこの様子じゃ、もう魔王の城へ攻めていたりして」
戦士「それはありえるな……」
勇者「これ以上他の事する必要もないだろう。俺らも急いで向かわないとな」
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/18(金) 22:59:05.74:LtjdKyO8o
戦士「うがー……また山登りかぁ」
勇者「はは、そう言うなよ」
僧侶「楽しそうね。山登りも趣味なの?」
勇者「趣味って訳じゃないが、ここの山なら登るのは大歓迎さ」
魔法「食材でもあるのかしらねぇ……あら?」
戦士「……なんだこの臭い。卵が腐ったみたいな」
僧侶「なるほど、そういう事か」
勇者「そういう事さ」
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/18(金) 23:04:21.24:LtjdKyO8o
戦士「おーいい湯だなぁ」
勇者「温泉って言うやつだ」
戦士「すげーな。どっかで薪をくべてるわけじゃないんだろ?」
勇者「ここ最近全くないが、火山って噴火するとマグマが吹き出るだろ?」
勇者「火山の地中深くにはこのマグマが常にあって、その熱で暖められたのがこの温泉なんだ」
戦士「おーなるほどなー」
勇者「もっと細かい所は多分言っても分からないんだろうな」
戦士「なんとなしの原理さえ知ってりゃ十分なんだよ、俺は」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/18(金) 23:08:55.41:LtjdKyO8o
僧侶「ふーいい湯ねー」
魔法「ねえ……この際だから聞いてもいいかしら?」
僧侶「答えられる内容ならなんでもどうぞ~」
魔法「何が目的なの?」
僧侶「……はい?」
魔法「あたしには、貴女が何か企んでいるとしか思えないわ。一体、何が目的でこのPTに加わったの?」
僧侶「本気で疑っているのか、悩むところね」
魔法「え?」
僧侶「この状況で聞いても、あなたが不利なだけよ。これだけ近い状態なら、魔法を唱えられる前に口を塞げるわよ?」
魔法「あー……」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/18(金) 23:17:26.29:LtjdKyO8o
僧侶「んー……あまり詳しく話したくは無いんだけどな」
魔法「仲間であっても?」
僧侶「ちょっとこの身の上話が嫌なのよ。一言で言ってしまえば、魔王を倒す事に命を捧げたのよ」
魔法「……本当なの?」
僧侶「ええ。あ、二人には言わないでね?勇者なんか、もうあたしの事を気遣ってくれているから」
僧侶「これ以上は気遣われても、申し訳なくってあたし自身が困るのよ」
魔法「分かっていたけどやっぱり胸の支えは取れないわね」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/18(金) 23:21:15.07:LtjdKyO8o
僧侶「まあ、悪意はないから安心して頂戴」
魔法「……なんか納得行かないわね。勝負よ」
僧侶「はい?」
魔法「これでも魔法職の端くれ。口封じをされる前に魔法を唱えてみせるわ」
僧侶「ああその事ね。でも流石のあたしも防具無しで魔法を受けたくないんだけど」
魔法「あたしだって嫌よ。あそこの木に向かって魔法を放つわ」
僧侶「ふぅん、魔法を唱えきればあなたの勝ち、きれなければあたしの勝ち、ね」
魔法「鼻を明かすくらいしなくちゃ気持ちが治まらないわ」
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/18(金) 23:27:34.54:LtjdKyO8o
僧侶「じゃあこの石が地面か、この温泉の中に落ちたら開始ね」ザブザブ
魔法「あら、そんなに離れていいのかしら?」
僧侶「これでもあなたより何倍も生きる年長者。少しくらいハンデを上げないと大人げないじゃない」ポイ
魔法「……ふふ、後で無しにはさせないわよ」ゴゴゴ
僧侶「勝ち逃げなんてしないから安心して。何度でも挑戦を受けてあげるから」ゴゴゴ
ポチャン
魔法「氷モゴモゴ」ザバァ
僧侶「ふっふー、まだまだね」バシャバシャ
魔法(なに?なに?!一瞬で目の前に……化け物?!)
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/18(金) 23:34:07.85:LtjdKyO8o
僧侶「……うーん、最近の子は発育がいいのね」バシャバシャ
魔法(いい加減、手をどかせーー!)モゴモゴ
僧侶「悪戯しちゃおうか★」バシャバシャ
魔法「?! モゴモゴ、ぷは、なにを、止め!」バシャバシャ
戦士「……」 ソコ バカ アッ!>
勇者「……」 エエンカーココ ガッ! ナ ナグラナクテモ! コーナッタラ!>
戦士「……」 チョ!ジョウダンニナッテ ン! ヤァ! ダメッ!>
勇者「……」 モーニガサンヨ フヒヒ!>
戦士「俺、ちょっと便所に行ってくるわ」 ヤ ヤメ! アン! アッ!>
勇者「行ったら絶対に戻ってくるなよ」 ココカァ ココガエエノンカー>
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/18(金) 23:38:22.60:LtjdKyO8o
魔法「……」
僧侶「いやぁ、マジ殴りされるとは」
魔法「当たり前じゃない!あなたの頭には蛆でも湧いてるの?!」
僧侶「そこまで言わなくても……あ、勇者達はもう上がってたのか」
魔法「……っ!」カァ
勇者「ああ、ゆっくり森林浴をしているよ」
戦士「登るのは嫌だが……これは有りだよな」
魔法「何だろう……戦士のこの落ち着いた態度。逆に不安だ……」
僧侶「あー……そうもなるか」
魔法「……何を納得したのよ?」
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/19(土) 23:30:02.03:g1tDREEvo
勇者「ここの山を越えてしばらくすると、泉の国の領土だな」
魔法「元、ね」
戦士「残った町とかってどういう扱いなんだ?」
勇者「最寄の国の領土として、塀の国と風と山の都市が兵士を出しているな」
僧侶「その泉の国って何が起きたの?」
戦士「魔王に滅ぼされたのさ。最も首都と魔王城の間にある町だけだがよ」
僧侶「はぁ……随分とアクティブな魔王ね。大人しく勇者を待っていればいいのに」
勇者「そのお陰で、多くの国が尻込みしているんだけどな」
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/19(土) 23:33:07.81:g1tDREEvo
戦士「本来の領土としてはここが風の都市の外れか」
魔法「ええ、ここからは泉の国の領土内にはなるけども……魔物とか大丈夫かしら?」
勇者「多少は強くなっているが、まだ普通に生活できる町とかが残っている所を考えると」
勇者「首都を落とした後は目立った動きをしていない、って分析になるな」
僧侶「ふーん……南の事情がよく分かっていないからねぇ。もう少し詳しく聞いておくべきだったか」
勇者「立ち話もあれだしとりあえず宿を取ろうか」
戦士「今日はもう自由行動か」
勇者「……ぶっちゃけ、小切手とか余りまくっているんだ。皆、少し散財してこい」
戦士「いや……こんな所で買い替える装備はないからなぁ。俺は精々食事くらいしか」
魔法「あたしは元々結構切り詰めて生活していたから……いざ使えって言われても、ここじゃ魔法書もねぇ」
僧侶「あたしも別に使う必要がないわ」
勇者「これで魔王を倒したら、こいつはただの紙切れになりそうだな……」
26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/19(土) 23:36:31.79:g1tDREEvo
勇者「じゃあ、何から知りたい?」
僧侶「んー、魔王が出現してからの魔王の動きと、各国の対応がいいかな」
勇者「そこら辺は俺もリアルタイムで話を聞いていなかったからなぁ……まあいいか」
勇者「魔王は現れてすぐに、軍隊を差し向けて泉の国を滅ぼした」
勇者「いや、戦士が言っていたように、首都と周辺の町を滅ぼした、が正しいか」
勇者「大きい軍事力が無いとは言え、一日ともたない事を考えると、よほどの戦力を持っていると考えていい」
勇者「そんな訳で各国は軍を動かす事に難色を示しているのさ」
僧侶「で、この称号ってどういう効果があるの?」
勇者「一部……国から支援を受けている店において、多少の割引が利くのと」
勇者「魔物から得られた収集物をある程度の値段で買い取ってもらえる。討伐報酬みたいなもんだな」
僧侶「至れり尽せりじゃない」
勇者「ただ、討伐量が少ないと称号剥奪、重税というコンボになる」
僧侶「ま、当然ね」
27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/19(土) 23:39:54.92:g1tDREEvo
僧侶「地理が今一つ分からないからそこもお願い」
勇者「えーと、あったあった」ガサガサ
勇者「俺達が今いるのが……あの、近づきすぎじゃないか?」
僧侶「……そう?」ピト
僧侶「ああ、今は亡き想い人の温もりは懐かしく……凍える身は仲間の温もりを求めたのに」
僧侶「頼ってくれと言った彼には拒絶されて……」ヨヨヨ
勇者「分かった。分かったよ。好きなだけ引っ付けばいいさ」
僧侶「それじゃあ遠慮なく」ギュ
勇者「……」
僧侶「ありゃ、照れてる?かっわいー」
勇者「くそ、男として……恥だ」
28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/19(土) 23:46:20.16:g1tDREEvo
僧侶「気にする事は無いさ。見た目はちょっと年上くらいでも、年齢差は酷いんだから」
僧侶「ふふ、初心な男の子っていじると可愛いんだよねー」ギュー
勇者「だー!地理の説明行くぞ!」
勇者「魔王は大陸の西!ここは真ん中よりやや北!以上!」
僧侶「説明が素気なーい。勇者がいた場所とかってどの辺り?」
勇者「大陸の東側だな。この一帯が森になっている近くだ」
僧侶「結構離れているのね」
勇者「なんだかんだで結構長い旅をしているからな」
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/19(土) 23:49:44.17:g1tDREEvo
戦士「行商人の露店か」
戦士(こんな町だ。この手じゃないといい装備なんか手に入らないだろうな)
戦士「……お」
戦士「これ、やるよ」
魔法「あら首飾り……て、これどうしたのよ!これだけ上位の魔石、そうは買えないわよ!」
戦士「行商人が俺以上に魔石に詳しくなかったからな。ちょいと折れてやったら上機嫌なもんさ」
魔法「これは……正直言って凄い嬉しいわ。ありがとうね」
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/19(土) 23:53:14.61:g1tDREEvo
「色々と手を……関しては」
「俺しか……いないんだ……」
「……声を聞く……剣を抜く……」
「何を求め……生まれ……答えて……」
「すまない……俺が……世界の事も……」
「我が声に応えよ。我が問いに答えよ。魔剣を抜きし者」
勇者「うわぁ!」ガバ
勇者(……最後の、近くで言われたみたいだ)ドッドッドッドッ
勇者(間違いない!魔剣の記憶の間に、今現在も存在している意思に語りかけられてる)ドッドッ
勇者(うおおぉぉどうなるんだ?魔剣の言葉が完全に聞こえるようになったら、どうなってしまうんだ?!)ドクン ドクン
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/19(土) 23:56:54.79:g1tDREEvo
蜘蛛の群れが現れた!
戦士「苦い思い出だな」
勇者「だが、今更恐れる相手でもないな」
魔法「あたしは後ろで待機しているわね」
戦士「ま、こいつらに使う魔翌力なんてねーもんな」
戦士の攻撃!蜘蛛Aの頭部を叩き切った!
勇者の攻撃!蜘蛛Cの頭部を刎ねた!
僧侶の攻撃!蜘蛛Bの頭部に弓矢が突き刺さる!
魔法「……圧倒的ね」
蜘蛛Dの攻撃!戦士の鎧の隙間に噛み付いた!
戦士の身体に毒が流し込まれる!
勇者は蜘蛛Dの胴体を両断した!
魔物の群れを倒した!
32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/20(日) 00:01:01.68:hIphp0JTo
勇者「あれくらい避けてくれよ……」
戦士「ぐ……っはぁ……っはぁ!」
僧侶「……っ!」
僧侶は解毒魔法・強を唱えた!しかし戦士の毒は消えない!
魔法「え……何、どうして?」
勇者「戦士!しっかりしろ!」
戦士「苦し、どうなって……」
僧侶「不味いわね、脈が異常よ。心臓に作用する毒だとしたら……魔法なんかじゃ解毒できないわよ」
勇者「……よし、戦士。お前は死んだ」
戦士「……はぁ、はぁ……マジ、か」
勇者「だからもう諦めてこの薬を飲め。どうせ助からないのなら、苦しまずに逝けた方がいいだろう」
魔法「あなた、自分が何を言っているのか分かって!!」
戦士「いい……このやりとりは二度目……助かるも八卦、助からぬも八卦……だろ」
戦士は勇者が差し出す薬を一気に飲み干した!
33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/20(日) 00:04:51.60:hIphp0JTo
戦士「……」ビクンビクン
勇者「まあ……こうなるよなぁ」
魔法「……」
僧侶「一体何を飲ませたの?」
勇者「ブシとセンソとジギタリスと……あともう少し入れてあったと思ったが、なんだったかなぁ」
魔法「……あたしには分からないんだけど、効果は何?」
僧侶「強心、まあ眩暈とか動悸がある人に使うものね」
僧侶「最もその時の処方だともっと易しい内容だけど……魔法使いは絶対飲んじゃダメだからね」
魔法「そ、その心は?」
僧侶「そんな恐ろしい事言えないわ……」
魔法「どれだけやばい薬なのよ!」
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/20(日) 00:10:24.95:hIphp0JTo
戦士「俺、今、生きてる、凄い、感動」
勇者「九死に一生を得て良かったじゃないか」
戦士「良かった……死ぬ覚悟は出来ていた分、凄い嬉しい」
魔法「そこまでなの?」
戦士「昔、俺が猛毒蛇に噛まれた時も同じ事言って薬をくれたんだ」
戦士「あん時は割りと普通に生還したが……毒の後遺症の確認に医者にかかった時に何て言われたと思う?」
僧侶「よく生きてたね?」
戦士「私だったら、そんな恐ろしい物を飲ますくらいなら、麻酔や睡眠薬を使って楽にさせていただろうな」
勇者「あの時は、今日より二割は生存の可能性があったんだぞ?」
戦士「今日のがやばかったのか!」
勇者「ああ……あの材料で薬効が危険域に突入しないか不安だった」
僧侶「そりゃあそうよねぇ……」
43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 00:36:42.89:fPOtAFsho
勇者「ふぅ……流石にこの辺りの魔物は強いな」
戦士「伊達に魔王城に近い訳じゃないんだな」
魔法「次の町が最後ね……」
僧侶「その先に町はないんだ」
戦士「全部、魔王の軍隊に潰されちまったからなぁ」
僧侶「あー……」
勇者「明日一日は休んでから向かおうか」
魔法「万全な態勢で臨みたいものね」
戦士「……あっちのPTに追いつけないところを見ると」
勇者「それは俺も少し不安だな。着いたら魔王は死んでました、じゃただのコントだ」
僧侶「盛大でつまらないコントね」
44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 00:41:32.15:fPOtAFsho
「ああ、あの女勇者さんならもう三日前にこの町を発ったよ」
「塀の国と風の都市、石の国の連合軍が魔王軍と戦うらしいぞ」
「女勇者さん達もそれに合わせて、魔王城へ突入するって話だ」
「会戦?まだ軍隊が集まりきっていないからなぁ……早くて七日後くらいじゃないか?」
勇者「余裕はある、か……」
魔法「向こうは焦っているのかしら」
戦士「あいつらを考えると野良の駆逐に励んでいそうだがな」
勇者「むしろそれが目的で先に行っている気がするな」
僧侶「相当強いPTなのかしら?」
勇者「強いな……リーダーの女勇者は鎧姿だ」
魔法「……まあ、あちらの戦士と盗賊も自信に満ちた目をしていたから、さぞ頼りになるんでしょうね」
戦士「……おまけに武道家はどんな男でも倒す奴だ。逃げねばやられる」
僧侶「それどんだけ凄い武道家よ」
45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 00:45:03.65:fPOtAFsho
勇者「佳境に入った旅の成功を願いまして、乾杯!」
戦士「乾杯っ!」
魔法「乾杯」
僧侶「乾杯!」
戦士「これが町で乾杯する最後の機会にならないといいな」
勇者「おいおい……」
魔法「大丈夫よきっと。ただ、四人でできるかは……」
勇者「魔法使いまで……」
僧侶「彼らの乾杯がこれで最後になるとは……まだ誰も知る由は無かった」
勇者「魔王城にすら着いていないぞ!?てか明日中に全滅かよ!明日は休むんだぞ?!」
46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 00:48:08.22:fPOtAFsho
僧侶「正直なところ本当はどうなのよー。えー最後の最後でも嘘を言うのー?」
僧侶「真面目な話、相手も自分も最悪のケースは考えるべきよ」
僧侶「今日を逃がしてどうする気?」
僧侶「何というか……見た目の割りに行動はしっかりしているのよねぇ……」
僧侶「まともな宿泊施設、今日明日で最後よ?」
僧侶「男なら当たって砕けろ!」グッ
勇者「おかしいな……戦士と一緒に荷物を置いたはずなのに、なんで僧侶と相部屋になっているんだ?」
僧侶「あの二人からのお願いでねー。野暮な事は聞いちゃ駄目よー」
勇者(ああ……なんだかんだで上手くいっていたのか……戦士、やったじゃないか)
47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県):2011/03/21(月) 00:50:58.17:azsUnqcco
僧侶「……ふふ」ジリジリ
勇者「……えーと、何故に舌なめずりをしながらにじり寄って来るんでしょうか?」
僧侶「あら、相部屋になった男女がする事なんて一つじゃない」
勇者「いやその発想はおかしい、不健全だ」
勇者「こういう事は御互いを受け入れ、御互いを理解し合って行うべきで……」
僧侶「えー。だいたいこれから魔王と戦うのよ」
僧侶「生きて帰れる保障なんてないのに、不健全だとか、互いの意思だとか言っている状況じゃないでしょ」
勇者「うーん、いや、しかし……」
僧侶「あたしの事は……嫌い?」シュン
勇者「それはない!そんな事は……!」
僧侶「あたしは勇者の事好きよ。ほら問題ない!」
勇者「あー……んー……据え膳か……」
49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 00:56:42.97:fPOtAFsho
僧侶「んむ……んっ……っぷは」
勇者「……」
僧侶「ふふ……本当に可愛いなぁもう」ギュウ
勇者「やっぱり上手いんだな」
僧侶「これだけ長い事生きていて、初々しかったら逆に気持ち悪いでしょ」
勇者「それもそうなんだが……」
僧侶「ふふ。さあ攻めてこないと……こちらが押し倒すよ?」
52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 01:04:53.03:fPOtAFsho
戦士「あ、わりぃ、それ取ってくれ」
魔法「……はい」
戦士「サンキュ」
戦士「……」
魔法「……あーもー!」ガバ
戦士「どうした?」
魔法「どうした?じゃない!なんであなたはそー……ポーカーフェイスというか、気のある素振りがないのよ!」
戦士「そうか?」
魔法「……この男は」
戦士「……素振りか。確かに見せていないかもしれんが、お前と二人でいられるよう、色々と動いてはいたぞ?」
53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 01:07:20.65:fPOtAFsho
戦士「それに……あんまりこういう事言いたくは無いが」
戦士「いっつも勇者とつるんでいたけど、大抵何かあるとすれば勇者なわけだ」
戦士「だからかなぁ。下手にがっつくより、静かーに近くにいられる方がよっぽどいい、て考えになったんだよ」
魔法「あなたには似合わない保守的な考えね」
戦士「そうかもな」
魔法「だからってさあ……この状況になってまで、それでなくてもいいんじゃないの?」
戦士「……へ?いや、だってお前、俺も勇者も仲間としか見ていないんじゃ?」
魔法「え、そこが問題なの?」
54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 01:10:04.27:fPOtAFsho
魔法「だいたい、そういう事はやたら滅多に言いふらすものでもないでしょう」
戦士「そうか?俺は知らずに三角関係になっている、とかは嫌なんだがなぁ」
魔法「まあ……そこは価値観の相違だから深くは問わないけども……」
魔法「もっとこう、さ!アピールとかしないわけ?!好感度を上げたいとか思わないわけ?!」
戦士「俺の場合、それがいつも裏目にでていたからなぁ……」
魔法「あーもー……分かり辛い人ね。好きなら好きで、もっと思わせぶりな態度も取りなさいよ!あたしが困るじゃない!」
戦士「そりゃあすまな……いや、待て。そもそもそれってつまり……」
55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 01:13:03.63:fPOtAFsho
魔法「……」
戦士「それって……そういうkムガ」
魔法「……全部言わす気?」
戦士「いや……悪かった」
魔法「……」
戦士「……」
戦士「……好きだ、魔法使い」ギュ
魔法「……!」カァ
56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 01:17:33.70:fPOtAFsho
「魔剣を抜きし者よ……まだか、まだなのか」
「我が声は何時になったら届く?何時になったら応える?」
「もう……時間が無いぞ」
(微かに聞こえていた話声はもう聞こえないが……はっきりとした言葉は聞こえる……)
(俺はこれに応えるべきなのだろうか?)
「魔剣を抜きし者よ、我が声に応えよ!」
「……頼む、気づいてくれ……応えてくれ」
(悪意はないように聞こえるが……俺は……)
57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 01:21:51.61:fPOtAFsho
戦士「……」ソワソワ
魔法「……」ソワソワ
戦士「……勇者達遅いな」ソワソワ
魔法「……そ、そうね」ソワソワ
僧侶「あら初々しい。若いっていいわねー」ツヤツヤ
勇者「ふぁぁ……おは、よう……」ゲッソリ
戦士「……」
魔法「……」
僧侶「七割はあたしが原因だけど、残りの三割は違うわよ?」
勇者「いつもの夢見の悪さがレベルアップ……ふぁ……今日は休みだし、また寝ていいか?」
58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 01:25:59.01:fPOtAFsho
勇者「……ん、んんーー」
勇者「夢は見なかったな……てか暗いな。今何時だ」
僧侶「もう九時になるわよー」
勇者「あー生活リズム壊滅だな」
僧侶「晩御飯にする?シャワーでも浴びる?それともあ・た」
勇者「昨日あれだけだったのに、今日もやられたら体力もたないって」
僧侶「あら、今日は控え目にする為に、昨日めいいっぱいしたのよ?」
勇者「……飯食べてシャワー浴びてくる」
59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 01:29:45.90:fPOtAFsho
勇者「よし、魔王城に向けて出発するぞ」
僧侶「おー!」
戦士「おー!」
魔法「テンション高いわねぇ……」
勇者「ここからが正念場だからな」
勇者「連合軍の野営予定地は調べてあるから、そこで待機していれば女勇者のPTに会えるだろう」
勇者「連合軍と魔王軍が衝突するタイミングで、一緒に魔王城へ乗り込み魔王を討つ」
勇者「これが大まかな予定だ」
戦士「異議なーし。よっしゃ、行こうぜ」
60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 01:32:42.80:fPOtAFsho
勇者達は魔物の群れを倒した!
戦士「ここらへんの連中も、もう大した脅威じゃないわな」
魔法「これだけ戦っていればね」
勇者「そうだな」
僧侶「軍が野営する場所って、まだ先なの」
勇者「この調子なら明日には着くだろうな」
戦士「ま、着いたら少し休もうぜ」
戦士「なんか美味い物作ってくれよ」
勇者「ああ、分かった」
僧侶「……?」
61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 01:35:29.65:fPOtAFsho
女勇者「お、おおおーーー!まさかこのタイミングで会えるなんて!奇跡に近いんじゃない?!」
戦士「タイミングよく戻ってこれたぜー」
魔法「結局北まで行ってきたわ……」
男盗賊「マジか。じゃあ、そちらの方が北の大陸の、と」
男戦士「……狩人を仲間にしたのか」
勇者「いや、僧侶だ」
女勇者「……え?」
勇者「僧侶だ」
僧侶「僧侶でっす☆」
男盗賊「ちょっと何を言っているのか分かんないんだけど」
62:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 01:38:22.40:fPOtAFsho
男戦士「……僧侶は弓を持つものなのか?」
僧侶「回復魔法は任せて!遊撃も任せて!」
女勇者「えー……殺生しちゃんですか?」
僧侶「称号が僧侶。そう、職業では無いからなんら問題ありません」
男盗賊「……凄い人を見つけたもんだね」
勇者「俺達がびっくりさ」
戦士「今考えると、本当に紆余曲折したな。こっちに戻ってからも」
男武道家「そのようだな……特にそちらの戦士は本当に逞しくなったな」ゴクリ
戦士は剣を上段から振り下ろした!しかし、男武道家には当たらない!
男武道家「……ふふふふふ」
戦士(野営する時は勇者を盾にしよう)サ
63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 01:40:57.89:fPOtAFsho
女勇者「連合軍到着まで、後二日くらいかな」
戦士「おう、知っているぞ」
男盗賊「え、知っていて来たのかい?」
魔法「きっと周辺の魔物の数を減らしていると思ってね。あたし達も手伝うわ」
女勇者「おおー頼もしい!」
男戦士「……そっちの勇者、口数が減ったように感じるが何かあったのか?」ボソボソ
戦士「最近こんな調子だ。戦闘は変わりが無いから、体調がってわけでもなさそうだ」
男戦士「決戦前だぞ?共に戦うのだから頼むぞ」
68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 13:32:38.08:fPOtAFsho
戦士「ただ魔物を倒すだけってのもなぁ」
魔法「そう言わないの」
勇者「そろそろ日が暮れるな……野営地まで戻るか」
僧侶「そういえば、今日中に軍が集まるのよね」
戦士「多分、テントとか炊き出しとか野営の準備で忙しいんだろうな」
勇者「何事も無く集まっていれば、な」
僧侶「集まっていないと困るけどもねぇ」
魔法「ねえ……ずっと思っていたんだけど、勇者の様子が」ボソボソ
戦士(なんでよってたかって、皆俺に聞いてくるんだよ。俺も知りたい側だっての)
69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 13:35:54.48:fPOtAFsho
戦士「おー結構な数だな」
魔法「予定していた野営地より足が出ているんじゃないの?」
僧侶「やっぱり国によって装備が違うのね」
魔法「……」チラ
勇者「防衛力、魔法、狩猟やゲリラ戦に秀でる国々だからな」
魔法(老若男女、鎧姿の兵士がいるのに反応しないだなんて)
勇者「……」ブルブル
戦士(そういや、勇者は僧侶と……。流石に相手がいると抑制できるんだな、少し安心したぜ)
70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 13:38:57.22:fPOtAFsho
勇者「ぐ、これほどのストレスか……」ギリギリ
勇者「くそ……!俺には……俺にはどうする事もできないのか!」ズリズリ
勇者「俺は、どうしたらいいんだ!!」ダン
僧侶「勇者が地面に額を擦り付けながら、咽び泣いてるんだけど何かあったの?」
戦士「欲望と理性の葛藤に苦しんでいるだけだから放置でいいぞ」
魔法「何でだろう。色々と安心した気がする」
戦士「……まあ、完全に余裕がなくなっているってわけではなさそうだな」
71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 13:45:25.32:fPOtAFsho
男戦士「どうやら、称号を持ったPTの一部は軍隊に混じって戦うようだな」
戦士「そうなのか?」
男盗賊「ほら、あそこ。明らかに軍人じゃない四人組」
魔法「あら……よく見ると、そういう人多いわね」
男武道家「魔王と対峙するのに比べたら、よっぽど生還の見込みがあるからな」
勇者「大博打か生存か……」
戦士「見た目大博打だが、俺達はイカサマ師だからな」
女勇者「秘策でもあるの?」
勇者「見てのお楽しみだ」
72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 13:54:19.91:fPOtAFsho
勇者「……!戦士、あれ、あれ!」
戦士「お前が慌てるなんて珍し、うおおおおおおお!」
僧侶「二人して五月蝿いわねぇ」
勇者「み、み、ミスター・ブシドーーーー!!」
戦士「本物だ!すげぇ、本物だ!!」
魔法「誰それ」
勇者「黄金の国の戦士、サムラーイ。その中で最強の者にはミスター・ブシドーの称号が与えられるという」
戦士「すげぇ、すっげぇ!ああ、やっぱり軍隊とは別行動か!あっちの陣営って事は北側から攻めるのか!向こうに行かないか?!」
勇者「行きたいけど今進行ルートを変更すると、軍の隊列の邪魔にもなるから無理だろ。くそぉ、共に前線で戦いたかったなぁ」
魔法「……すこぶる元気そうね」
僧侶「一過性っぽそうだけどね」
73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 13:58:22.41:fPOtAFsho
魔法「あら、何処行っていたの?」
勇者「ちょっと連合軍の方に顔を出してた」
勇者「明日は軍隊を展開。斥候と罠師を派遣し、魔王城近辺を埋めるようだ」
僧侶「ふんふん、明後日会戦?」
勇者「だな。太陽が起きだす前に奇襲を行うんだとさ」
僧侶「流石に緊張してくるわね」
勇者「以外だな、僧侶が緊張だなんて」ギュ
僧侶「……積極的じゃない。どうしたの?」
勇者「ゆっくりできるのも今晩が最後だ。明日は早くに寝るんだから今日しかないだろ」
僧侶「うーん……勇者は初心な方が良かったんだけどな」
勇者「それを言われると男として本当に悲しくなるから止めてね」
74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 14:04:30.51:fPOtAFsho
戦士「……」
魔法「何時まで外で寝っ転がっているのよ。いい加減中に入らないの?」
戦士「いやー中々流れ星ってのはでないもんだな」
魔法「星に願い事を言う性格でもないのに……どうしたの?」
戦士「そりゃあ……明後日の祈願ぐらいはするさ」ギュウ
魔法「……」
戦士「今は何も言えない。怖くて言えん」
魔法「……うん」ギュ
戦士「が、賽は投げられてるんだ。魔王の面に一発ぶちこんでやろうじゃないか」
魔法「ええ、絶対に打ち勝つわよ」
75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 14:11:56.13:fPOtAFsho
女勇者「今日一日はのんびり養生!」
男戦士「ま、これだけ戦ったんだ。この近辺はもう戦力は残っていないものな」
勇者「今のうちに弓を新調しておくか」
僧侶「ありがとー」
戦士「装備の手入れでもしておくか」
魔法「あ、あたしもしておこっと」
男武道家「……向こうは見事にペアになっているようだな」
男盗賊「……何でだ……くそ……どうして……」
男戦士「ああ、そういえばお前年上が好みなんだっけ」
女勇者「僧侶さん、ドストライクだったのね」
76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 14:16:21.65:fPOtAFsho
勇者「一つ……聞いて言いか」ギリギリ
僧侶「二つでも三つでもいいわよー」
勇者「……僧侶は、魔王を倒す事が目的なんだよな」
僧侶「……そうよ」
勇者「そっか……やっぱそうなのか」
僧侶「……」
勇者「どんな結果になろうとも俺は進むよ。死と隣り合わせの旅をする事になった時から、な」
77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 14:19:42.81:fPOtAFsho
魔法「あら、難しい顔をしてどうかしたの?」
戦士「勇者の様子が、な。あんだけ思いつめてて、俺に一切相談してこないってのはちょっと気にかかる」
魔法「流石の信頼関係ね」
戦士「信用だ。あいつに直接確かめるのが手っ取り早いが、何も言ってこないって事は言いたくない、言えない事情なんだよなぁ……」
魔法「何よそれ、結局どうする気なの?」
戦士「まだ様子を見るか」
魔法「決戦直前だっていうのに……」
78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 14:25:50.59:fPOtAFsho
勇者「……」
戦士「お、もう起きていたのか」
勇者「なあ、一つ思った事を言っていいか?」
戦士「……どうした」
勇者「連合軍は魔王城周辺、そして合戦となる道に罠を仕掛けたって話だ」
戦士「まあ、連中の戦力を殺ぐ為にも必要だな」
勇者「……俺達はこの鬱蒼とした森の、それも暗闇の中魔王城に向かうわけだが」
戦士「……お前先頭な」
79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 14:31:36.27:fPOtAFsho
女勇者「軍も動き出したね……」
男戦士「巻き込まれると厄介だからな、大きく迂回して城を目指すか」
勇者「……」パンパン!
勇者「よし、これが最後の戦いだ!行くぞ!」
魔法「あら……」
戦士「……そうだな。また町で皆で杯を鳴らそうぜ」
男武道家「その折には我々も混じらせてもらおう」
僧侶「ええ、必ず皆で宴会をするぞー!」
男盗賊「おー!」
勇者「……」
80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 14:39:45.55:fPOtAFsho
男戦士「何だ?兵士が来るぞ?」
戦士「……どうしたんだ、あっ」
勇者「……え、おおっ」
兵士B「久しぶりだな」
魔法「石の国の出兵は無かったはずだけども……」
兵士B「志願してみたら許可が下りたのさ。兵士Aはリハビリ中だからいないがな」
魔法A「俺達石の国の部隊は、魔王城までの活路を作る」
兵士C「あんた達勇者の護衛にあたる。宜しく頼むぜ」
戦士「至れつくせりだな」
兵士B「お前達には感謝してもしきれない恩があるからな……」
女勇者「何をしたの?」
勇者「石の国で蜘蛛退治を」
男戦士「石の国の英雄ってお前達だったのか?!」
魔法「話が凄い事になっていたのね」
82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 14:47:10.87:fPOtAFsho
魔物の群れが現れた!
石の兵士PTA、Bの突撃!
魔物の群れを蹴散らした!
戦士「随分と数に物を言うやり方だな」
兵士B「迅速かつ穏便にお前達を運ぶ為だ。こちらだって撤退の余力を残さないとだからな」
女勇者「うーん、道中の野良を相手しなきゃと思っていた分、これはぐっと勝率が上がるね!」
男戦士「この調子なら2PT共に魔王に挑めるだろうな」
魔法「ふぅ……ふぅ……」
戦士「大丈夫か?少し休むか?」
勇者「魔王城は山頂だからな。無理をする事はない」
魔法「流石のあたしも、こんな所で、休むわけには、いかないわ」ゼェゼェ
83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 14:53:48.05:fPOtAFsho
勇者「魔王城……」
僧侶「禍々しいわね」
男盗賊「……おいでになったみたいだなぁ」
おびただしい数の魔物が押し寄せてくる!
女勇者「野良じゃなさそうね」
戦士「隊列組んでるもんなぁ」
兵士C「我々は我々の仕事をしよう」
石の兵士PTA、B、Cは勇者達から離れた。
魔法A「余力があればそちらにも向かうが」
兵士B「魔王の事は任せたぞ!」
兵士達と魔物達の戦闘が始まった!!
84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 15:05:21.18:fPOtAFsho
魔王城内部
女王蜘蛛が現れた!
勇者「おおおお!!」
戦士「おおおお!!」
男戦士「おおお!!」
勇者達はバーサークを発動させた!
三人はいきりたって女王蜘蛛に斬りかかる!
魔法「蛮族ねぇ……」
僧侶「ま、あたし達は適度に魔法を使って、魔翌力を満タンに保っていよう」
男盗賊「流石に魔王城ともなると、敵もボスクラスだね」
85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 15:13:41.63:fPOtAFsho
アリゲーターとアナコンダが現れた!
勇者「これは厳しそうだな……」
魔法「ま、仕方ないわね」
女勇者「ふっふー、これでも魔法も成長しているからね」
僧侶「さくっと終わらせますかねー」
男戦士「おお、女性陣の本気」
男盗賊「ポロリはないよ」
戦士「せめてサービスカットを」
勇者「おい、二人……」
86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 15:24:54.75:fPOtAFsho
女勇者は氷石魔法・強を唱えた!周辺に氷山をも思わせる氷塊が降り注ぐ!
僧侶は風刃魔法・強を唱えた!真空の刃が渦巻き、魔物の群れを引き裂いていく!
魔法使いは流水魔法・強を唱えた!風を切る音と共に細い水の筋が魔物の群れを襲う!
群れている魔物の肉を殺ぎ、あたり一面に血の池が出来上がった!
男性陣「……」
女勇者「うっわ、あたしも自信あったけど、二人とも凄いね!」
僧侶「いやいや、まさか魔法使いが最凶魔法に分類される流水魔法・強が使えるとは」
魔法「あー風系の魔法ってやっぱりスマートで使いやすそうね……炎と水を専攻するんじゃなかったわ」
戦士「どうする……どれにツッコミをいれるべきなんだ」
男盗賊「駄目だ、多すぎる!」
勇者「俺は僧侶が攻撃魔法も使えた事にツッコミいれるから、戦士はあの無慈悲な凶悪魔法にツッコミを……」
戦士「いれられねーよ!ワニとアナコンダが肉片を散らしてたんだぞ!こえーよ!」
87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 15:28:37.24:fPOtAFsho
水辺の処刑者が現れた!
女勇者「うわっ!」
戦士「あんな大蟹……初めて見るな。耐久力が高そうで嫌になるぜ」
男戦士「あれに近づくな!あの大きなハサミで首を刎ねられるぞ」
男武道家「この場は我々に任せてもらおうか」
水辺の処刑者が男武道家に向かって、大ハサミを振り上げ突進してくる!
男盗賊のトラップが発動した!水辺の処刑者は電流で痺れている!
男武道家の痛恨の一撃!
戦士「甲羅ごと蟹味噌がばらばらに吹っ飛んだぞ」
魔法「……」
僧侶「……末恐ろしい」
勇者(攻撃翌力いくつなんだ、あれ)
88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 15:33:54.05:fPOtAFsho
勇者「……!」
戦士「おーおー……俺でも感じるぞ」
男戦士「この魔翌力……間違いなく魔王だな」
女勇者「……」ゴクリ
僧侶「一旦休む?」
男盗賊「そうだね……少し一息付こうよ」
魔法「他のPTもきていないみたいね」
90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 15:40:53.38:fPOtAFsho
魔王「来たか……愚かなる人間よ」
戦士「……」
勇者「……ちょっと時間貰っていいか?」
魔王「……なんだと?」
勇者「どうなっているんだ、あれ」ヒソヒソ
戦士「分からん。魔王ってのは人外の姿、どちらというと動物をベースにしたものだって教わったが」
女勇者「見た目人だよねぇあれ」
僧侶「……う~ん」
男戦士「俺も喋れて二足歩行する魔物だと思っていたからなぁ」
男武道家「流石に対人となるとやり辛いな」
男盗賊「でも急所は分かりやすいよね」
勇者「……とりあえず魔王で間違いないようだし、戦うとするか」
91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 15:48:18.41:fPOtAFsh0
勇者「俺達は人間でも魔族でもない。お前が延々と眠る間に二者の血は混ざり合い、その区別はできなくなったんだ」
魔王「魔族……ならば貴様らはなんだ?人間にも魔族にもなれん貴様らは何者だ?」
勇者「……何だろうな」
戦士「思いの他、哲学チックになったな」
僧侶「……んー特別な呼称はないけれども、皆自分達の事を人、と呼んでいるわね」
魔法「あ、北の大陸でもそうなんだ。南もそうなのよね」
女勇者「へー、案外北と南って変わらないのかなぁ」
男戦士(緊張感に欠ける)
92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 16:01:00.12:fPOtAFsh0
魔王「ふん……どちらにもならない半端な存在、人か」
魔王「よかろう!ならばその人の力、我に見せてみよ!!」
魔王が現れた!
三人はバーサークを発動させた!
男盗賊のトラップが発動した!
男武道家の懇親の一撃!
三人は攻撃魔法・強を唱えた!
魔王「」
93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県):2011/03/21(月) 16:04:52.68:azsUnqcco
魔王「おのれ……よってたかって……」
勇者「いや、正々堂々と戦える相手じゃないしなぁ」
戦士「つーかお前酷いな。人型に流水魔法使ったのかよ」
魔法「魔王相手に出し惜しみなんてできないじゃないの!」
男戦士「だが、それでも刺傷しか与えられないのか」
男盗賊「流石に強いね……」
男武道家「やはり、熾烈を極める戦いとなるな」
女勇者「それに……まだ、ありそうだね」
95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 16:17:13.16:fPOtAFsh0
魔王「くくく……いいだろう」
魔王「適当にあしらってくれようと思っていたが、過小評価をしていたようだ」
魔王「お前達は生きてここから出る事は、適わぬ願いとなるのだ!!」
全身を強張らせる魔王。
すると、突如巨大な翼が背を突き破り、額と耳の後ろから鋭利な角が突き出た!
魔王「オオオオオオオオオオ!!」
大きく仰け反り、大気を震撼させる咆哮が城内を揺るがした!
魔王が襲い掛かってきた!!
96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 16:26:04.44:fPOtAFsh0
僧侶「……最悪だ」ギリ
勇者「いや、まだこちらにはこいつがある!」
勇者は魔剣・魔王殺しを引き抜いた!強大な魔翌力が勇者を包み込む!
勇者は魔剣を横に薙ぎ払う!斬撃は衝撃波となり魔王を襲う!!
魔王「む……これは?」
魔王は腕を払い、衝撃波を弾いた!
戦士「……」
勇者「……」
女勇者「お!……おお?」
98:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 16:37:30.34:fPOtAFsh0
勇者「倒すどころか弾かれたぞ!」
僧侶「だから最悪って言ってるのよ!あいつにこの魔剣は効かないの!」
戦士「おいおい、ガチ戦闘かよ!!」
魔王は腕を振り上げ、戦士を引き裂いた!
戦士は鮮血を上げて倒れこんだ!
僧侶は回復魔法・強を唱えた!
僧侶「正々堂々と行くわよ!」
女勇者「……皆!」
男戦士「任せろ!」
男盗賊「こうでなくっちゃあ!」
男武道家「元よりそのつもりだ!」
99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 16:43:41.56:fPOtAFsh0
三人は連携し、魔王に飛び掛る!
が、魔王は既にそこにはいない!!
魔王「やはり全力を出してしまうとつまらないものだな」
魔王「既にこれは戦闘ではない。お前達が害虫を潰すのと同じ、一方的な駆除でしかないのだ」
魔王は三人に手をかざした!
勇者は魔王の懐に飛び込み、胴体目掛けて深く切り込んだ!
魔王「む……」
勇者「害虫だって空を飛んで、人に襲い掛かるのさ」
勇者「さっきは弾かれたが、鋭利さも優秀な剣なんだよ」
100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 16:48:29.27:fPOtAFsh0
魔王「オオオオオオオオオ!」
魔王は魔翌力が膨れ上がり、周囲を吹き飛ばす!
四人は後方へと弾かれた!
魔王「図に乗るなぁ!!」
女勇者「あ、駄目押しでもう一つ乗らせて」
魔王「その華奢な身体で何ができ……」
女勇者は魔法の詠唱が完了した。
女勇者「凍土!」カッ
101:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 16:53:33.57:fPOtAFsh0
魔王の間が白銀の世界となった!
女勇者「……」ポケー
僧侶は範囲回復魔法・中を唱えた!
男戦士「待っていろ、今魔翌力回復剤を与える」
女勇者「ありがとー」ポケー
男盗賊「流石に女勇者最強の魔法には魔王もこれか」
魔法「すっごい……こんな魔法があったなんて」
僧侶「……昔の魔法ね。まさか今でも使える人がいたなんて」
部屋を蝕む氷にヒビが入り……砕け散った!!
魔王「ふ、ふふ……ふはははははは!何処まで私を楽しませてくれるのだ、貴様らは!」
魔王のテンションは上がっている
102:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 17:01:34.73:fPOtAFsh0
勇者「……」
魔王の攻撃!男戦士は遥か後方へと吹き飛ばされた!
戦士は上段から剣を振り下ろす!しかし魔王には当たらない!
勇者「……これほどなのか、魔王とは」
魔法使いは流水魔法・強を唱えた!
風を切る音と共に細い水の筋が魔王を襲う!しかし、魔王は魔翌力を込めた手で受け止めた!!
勇者「……俺達では、勝てないな」
男盗賊のトラップが発動した!しかし、魔王には効果がない!
勇者「これまでか……僧侶」
僧侶「……そうね」
103:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 17:10:45.09:fPOtAFsh0
僧侶「魔法使いは魔王を足止めできる魔法をお願い。女勇者はさっきの凍土をもう一度」
魔法使い「分かったけども……一体何を?」
女勇者「もう魔翌力回復剤なんてないからね。これがラストチャンスだよ」
勇者「俺らが盾になって時間を稼ぐから、安心して魔法の準備に入ってくれ」
戦士「既に満身創痍だがな」
僧侶は範囲回復魔法・強を唱えた!全員のキズが完治した!
勇者「これが最後だ!」
戦士「全力で行くぞ!」
104:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 17:20:13.91:fPOtAFsh0
魔王「まだ気力は尽きないのか……これでも策があるのか?」
魔王「まあいいだろう……貴様らの余興に付き合い」
魔王「我も剣をもって応えてやろう!」
戦士「よっしゃ、剣対剣なら俺にも分が!」
戦士の攻撃!より素早く魔王が薙ぎ払う!
戦士は刀身で攻撃を受け止めた!が、バランスを崩し転倒した!
男戦士「基礎能力の差がこうも大きいとな」
男盗賊「でも、飽くまで僕らは足止めだ」
勇者「そうだな……うまく牽制する事だけを考えるべきだな」
106:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 17:26:30.28:fPOtAFsh0
魔法使いは詠唱を完了した!
魔法「間欠泉!!」
突如、魔王の足元から高温に熱せられた液体が吹き上げる!
宙を舞った魔王は地面に叩きつけられた!
勇者「あれは魔法なのか……?」
僧侶「女勇者の凍土みたいなものね。一部の者のみ体得できると言われ……今じゃ珍しいものね」
男武道家の懇親の一撃!魔王の胴体に拳が深く食い込む!!
魔王「お、ぐ……ふ、ふふ、我にここまで傷を負わせるとは……だが、そろそろ終わりに」
女勇者「凍土!」カッ
勇者(見も蓋も無い)
戦士(流石に可哀相だな)
魔法(同情を禁じえないわ)
107:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 17:42:38.60:fPOtAFsh0
僧侶「勇者」
勇者「……ああ」
勇者「……皆、撤退しよう」
戦士「おいおい、これは逃げる為の時間稼ぎか?」
勇者「後は僧侶が終わらせる」
女勇者「どーゆー事ー?」ポケー
男戦士「……事情は分からんが、こちらはこれ以上の戦闘は無理だ。四の五を言わずに引かせてもらう」
男盗賊「ま、仕方が無いね」
男武道家「先に失礼する」
魔法「あれと僧侶が一対一……?何をふざけた事を……」
僧侶「大丈夫よ」
勇者「……」
僧侶「さ、行きなさい。もうすぐ、氷が割られるから」
勇者「……ああ」
108:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 17:49:54.64:fPOtAFsh0
戦士「おい!いいのかよ!」
勇者「……」
魔法「……僧侶、殺されるわよ」
勇者「殺されなんかしないさ」カチャカチャ
勇者「魔王が何十人いても……僧侶には勝てない」シュポ
勇者は筒を操作すると、赤い光が宙に飛んでいった!
戦士「……一体何を?」
勇者「さあ、行くぞ。俺達も早くここを離れないとな」
109:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 17:59:54.69:fPOtAFsh0
魔王城麓
戦士「木が……山も城も……」
魔法「この白いのは……菌糸類……?」
勇者「それに触れるなよ……触れたらお陀仏だからな」
戦士「お、おい……これじゃあ……魔王と僧侶は!!」
勇者「……さあな」
魔法「……勇者」
勇者「野営地まで戻ろう……。今日は、もう……疲れた……」
115:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 21:51:49.56:fPOtAFsho
……
「我を、魔剣を何処で知りえた」
勇者「樹海の国で仲間になった人が祠まで案内をしてくれたんだ」
「そうか……ならば、お前は魔物の王を討つつもりなのだな」
勇者「魔王の事で合ってる、よな?この魔剣もあるんだ。倒す気マンマンさ」
「その旅に……樹海の国の者は付いて行くと?」
勇者「ああ、僧侶っていう女性だ。転生の巫女とも呼ばれているけどな」
「……お前は魔物の王を倒すにあたり」
「仲間を失う覚悟があるか?」
勇者「……辛いな。辛いが旅を始めた時に、戦士さえも失う覚悟はしていた。あ、戦士ってのは俺の親友だ」
「……例え、お前一人が生き残る事になろうとも?」
勇者「……」
勇者「もしかしたら……皆の後を追ってしまうかもしれない」
勇者「だが、それは魔王を倒してからの話だ」
116:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 21:55:02.59:fPOtAFsho
勇者(ならば魔物の王を倒した後に、お前はこの夢に訪れるだろう……か)
勇者(今更何ができるんだ……)
勇者(お前の言う、僧侶の全てを根絶やしにする胞子とやらは発動した……)
勇者(爆心地の魔王と共に僧侶も……)
勇者(救えなかった……僧侶……僧侶……)
「我は魔物の王を討つ為にあるのではない」
117:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 22:00:10.43:fPOtAFsho
「すっげえな……」
「あの白いのに寄生されると、死ぬまで生命力を奪われるそうだぞ」
「魔王の命ごと吸い尽くしたって事かよ?これ以上拡散しないよな……」
勇者「……」
魔法「勇者……」
戦士「……こういうのもなんだがよ、正気か?」
「魔王の魔力はもう感じられないそうだ」
「以外と呆気なかったな」
「ま、元々俺らは魔王軍との戦いだしな」
勇者「元からこうなる筋書きだったらしい。そしてこの魔剣は、これで終わるはずの筋書きに一筆いれる為のものだって言うんだ」
勇者「……寄生された木が倒れる頃、だそうだ。朝方試しに石を投げてみたら崩れたよ」
「各自撤退の準備に移れ」
「これからが大変だな。称号の為に支出した費用ってどうする気なんだ?」
「泉の国の難民の事もあるし、問題は山積したままだな」
戦士「触れたら死ぬって言ったのはお前だろ?その魔剣の意識を信じるのか」
勇者「僧侶を助けられるのなら……その価値がある」
118:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 22:05:55.54:fPOtAFsho
魔王城麓
勇者「……」
「……よし、進め」
勇者「夢の中でなくても話せるんだな」
「飽くまでお前にしか聞こえない……テレパシー的なものだ」
「そして現実にこうして会話ができる状態となった以上、もう後戻りはできない」
「この形が保てない程の魔力を放出する準備段階に入っているのだ」
勇者「戻る気なんかないさ……」
勇者「それにしても……本当にこの剣の一部の魔力で、魔王城周囲の死の胞子を防げるんだな」
「でなければ、お前は既に死んでいるぞ」
勇者「僧侶も化け物だと思ったが……お前の方がよっぽど化け物だ」
「まともな者がこうして剣になってまで命を捧げたりはしまい」
119:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 22:08:58.47:fPOtAFsho
勇者「やばい……一面真っ白で魔王城のどの辺りか分からないぞ」
勇者「……時間、まだ大丈夫か?」
「問題ない。それと死の胞子とは言ったが、これはカビだ」
勇者「……できればその情報は聞きたくなかったな」
「そして時間にしても、魔王の間までの最短距離も」
勇者「この間のあれで覚えたっていうのか?」
「これが目的だからな。とは言うものの、僧侶とやらの魔力が強く感じる方に向かえば、自ずと目的地にでる」
勇者「ああ……なるほど」
「それに一度では道など覚えられんさ」
120:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 22:13:18.65:fPOtAFsho
勇者「……?……ふん!扉が、開かない!」
「中がカビで満たされているのだろう」
「止むを得まい。切り捨てろ」
勇者「了解!」
勇者は扉を切り捨てた!すると……
部屋から敷き詰められた綿のように、カビが溢れ出てきた!!
勇者「……」ズモモモモモモ
「……」モモモ
勇者「これ、見た目が悪い種類だったら絶対にトラウマだよな」
「目に優しいカビで心から安心した」
121:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 22:18:35.19:fPOtAFsho
勇者「……これ、まずはかき出さないとだよな」
「……そうだな」
勇者「時間、大丈夫なんだよな」
「問題ない。頑張れよ」
勇者「くそ……くじけそうだ」
勇者「ううー流石に手づかみとか……うおおお」
「カビそのものは付着しないのだからいいだろう」
勇者「そりゃあ、付着しないから生きていられるってのは分かっているんだが」
勇者「魔力の膜を通して感触がー発狂しそうだー……」
122:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 22:24:04.90:fPOtAFsho
勇者「こんなものか」
「向こうの塊は魔物の王か。まだ形が残っているようだな」
勇者「……うお、崩れた」
「カビに存在さえも吸い上げられたか……」
勇者「……魔王がこれって、僧侶は!」
「元々、この状態になってしまえば、全身がカビとなる」
「そこにあるもう一つの塊はカビそのものだ」
勇者「……これで、どうなるっていうんだ」
勇者「原型すらないんだぞ!」
「これが本来の姿だからな」
勇者「……え?」
123:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 22:27:55.12:fPOtAFsho
勇者「どういう事だ……?」
「詳しく知りたければ本人に聞くといい」
「我を、剣をそのカビの塊に突き刺せ」
勇者「大丈夫なのか、それ」
「問題は無い。が、それによって我との会話は終了となる」
「この身の全て魔力を原型の、このカビの全ての大本に流し込む」
「それで僧侶は人の姿に戻る事ができるはずだ」
勇者「原理が分からないな……」
「こんなものの原理など、この世界の何処にも残っていないだろう」
「気にせずやってくれ」
124:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 22:30:46.28:fPOtAFsho
勇者「じゃあ……いくぞ」
「最後に。この僧侶という者に二つ伝言を頼む」
「お前が撤退してから間も無く目覚めるまでの経緯と」
「ざまあみろ、と」
勇者「……やっぱ、お前と僧侶は面識があったんだな」
「まあな」
勇者「そんな気はしていた。正直妬けるよ」
「そういう間柄ではない。が……親友ではあったな」
125:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 22:34:34.50:fPOtAFsho
勇者「……何だかんだで、色々と有難うな」
「気にする事は無い。むしろこちらが礼を言いたい。お前を駒にしたのだからな」
勇者「俺なんかで駒になるならいくらだってなるさ」
勇者「……ありがとう、さようなら」
勇者は魔剣を構えた!
(……これで俺の役目も終わる)
(あの時のお前に何かしてやれれば良かったが……これで勘弁してくれ)
(さて、先に逝っているぞ。残されるお前はゆっくり人生を楽しんでから来ればいい)
勇者は魔剣をカビの塊に突き刺した!
126:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 22:42:00.57:fPOtAFsho
……
僧侶「……あれ、ここは……?」
勇者「お早う、僧侶」
僧侶「……どうなったの?」
勇者は魔剣に頼まれた伝言を伝えた。
僧侶「そう……そっか……あいつもとんだペテン師ね」
僧侶「何だよ、結局あたしはあいつに助けられたのか。あいつはそんな筋書きを書いておいたのか」
勇者「……僧侶は、魔王を倒した後の事はどうでもよかったのか?生きたい、とは思わなかったのか?」
127:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 22:45:45.55:fPOtAFsho
僧侶「……んー長話をしてもいい?」
勇者「俺が嫌だと言うとでも?」
僧侶「ふふ、そーね。あたしはさ、転生の巫女なんて言われててずっと生きてるみたいな事を言ったけど」
僧侶「あれ、本当は嘘なの。勇者が見たあの……菌糸類があたしの本当の姿なんだけど」
僧侶「それを二つに分けて、また人の姿に戻る。元のあたしと、幼いあたしに分かれる」
僧侶「広大な範囲に広がらない限り、人の姿に戻る事はできるからね」
僧侶「で、一番初めの……ある意味オリジナルであったあたしはもうとっくに死んでしまったわ」
僧侶「あたし達はその彼女の意思や知識、記憶を受け継いだ……劣化コピーなのよ」
128:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 22:52:09.55:fPOtAFsho
僧侶「毎回二人に分かれる時に必ず言われる事があるの」
僧侶「あたし達は魔物の王を倒す為に生きなくっちゃいけない。その命も魔物の王が復活する事無く、無駄に終わる事もあるだろう」
僧侶「だからこそ、目的の為に使われるこの人生の中で、小さくても何でもいいから幸せを見つけなさい……って」
僧侶「今までのあたしは、皆平凡に暮らして二人に分かれて消えていった。だからあたしもそうなんだとばかり思っていたよ」
僧侶「でも、あたしの代で魔物の王は復活した」
僧侶「当然、すぐに南の大陸に行かなくちゃ、って思ったよ」
僧侶「だけども……急に怖くなった。死ぬ事がじゃない」
僧侶「あたしを知る人は皆、転生の巫女としてしか知らない中死んだら……」
僧侶「誰も本当のあたしを知らない……オリジナルである彼女の存在を無かった事にされる」
僧侶「そんな気がして、恐怖で押しつぶされそうになって……発狂してしまいそうになった」
129:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 22:57:36.48:fPOtAFsho
僧侶「彼女の死を辱めるのではないだろうか……彼女の決意を傷つけるのではないだろうか……」
僧侶「そんな事を考え出したら、一歩も前に進めなくなったわ」
僧侶「でも、そんな時に現れたのが貴方達だった」
僧侶「彼らと共に行こう。そして本当のあたしを知ってもらおう……あたしを知る人がいる限り」
僧侶「あたしの死は、彼女の意思は蔑まれる事は無い。彼女の決意は勇敢で崇高で……誇れるものだと伝えてくれるはずだ」
僧侶「勇者が仲間を探していると言った時、そんな事を考えていたわ」
僧侶「だからあたしは、心置きなく死ねると思っていたよ」
130:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 23:02:53.71:fPOtAFsho
勇者「それと……こういう時に非常に言いにくいのだが……」
僧侶「何?何でも言っちゃいなよー」
勇者「何故僧侶が死ぬ必要が?というか僧侶は何者なんだ」
僧侶「……」
勇者「……」
僧侶「よくもまあ、この雰囲気をぶち壊せるね」
勇者「だから嫌だったんだよ!だけど謎が多すぎるんだよ!何がどうなってるんだ!」
131:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 23:09:10.14:fPOtAFsho
僧侶「まあいいけどね。んー本来の姿がアレの説明した方が早いかな」
僧侶「あたしは事実上、最後の純血の魔族だからね。昔の魔族には、本来の姿は人外であるのは珍しくなかったのよ」
勇者「それって満月になると狼男になるとか、か……?」
僧侶「そういう伝われ方はあるね。実際にはドラゴンであったりゴーレムであったり……単純にそういう種族は魔族」
僧侶「その中でも、あたしのように人の姿が取れる種族は魔族の扱いだったのよ」
勇者「へー……」
勇者「あれ?さらっと言われて気付かなかったが、これって凄い話を聞いているんじゃないか?!」
僧侶「え、今更?」
132:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 23:13:51.68:fPOtAFsho
僧侶「その辺りは置いておいて、であたしの本来の姿だけど、ありとあらゆるものに寄生しエネルギーを吸い尽くす」
勇者「それは分かっているが……確かに魔王は強かったが……」
僧侶「あれが何度も復活する理由がね、ここを中心とした魔方陣の効力によるものなの。それこそ本当の転生術よ」
僧侶「魔方陣は周囲の大気や大地に流れる魔力を蓄え、一定量を超えると転生、復活を遂げる……」
僧侶「まあ、前回の戦いで魔方陣が大きくえぐられた所為で、時間がかなりかかったようだけどね」
僧侶「で、あたしを必要とした訳は、周囲に広がる魔方陣ごと寄生し、機能しなくなるまで力を吸い上げる」
僧侶「魔方陣さえ機能しなければ魔物の王は復活しない。が、そこまで拡散してしまえば、あたしは人の姿に戻れない」
僧侶「だから、ここで枯れ果てる必要があったのよ。存在しているだけで、周囲の命を奪う生命体だからね」
133:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 23:19:07.88:fPOtAFsho
勇者「魔剣の魔力は解放しすぎた力を収縮させ、人の姿に戻したのか」
僧侶「そのようね。全くこんな事を考えていたとは」
僧侶「何百年も前に魔剣になったというのに……普段は頭悪そうな事していたけど、やっぱりあいつは凄いなぁ」
勇者「……」
僧侶「もう少し妬いてくれた方が可愛げがあるんだけどなぁ」
勇者「正直複雑な気持ちではあるよ」
135:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 23:27:04.40:fPOtAFsho
勇者「だけど……生きていてくれ、ありがとう」
僧侶「な~に~、それ。あたしが助けてくれありがとうって言うものでしょ」
勇者「正直に言えば、俺は僧侶がもう助からないと思っていたよ」
勇者「魔剣から話を聞くまで、助ける事ができなかったってずっと……」
勇者「だけど、またこうして話せる。こうして僧侶に触れられる……」
勇者「だから」
勇者「ありがとう」
136:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 23:34:54.64:fPOtAFsho
僧侶「……あたしからも、ね」
僧侶「あんな得体の知れない剣の言葉を信じ」
僧侶「こんな異界のような死地にまで来て助けてくれてありがとう」
僧侶「目が覚めた時、勇者が傍にいてくれて……本当に嬉しかったよ」
勇者「……僧侶」ギュ
僧侶「はは……君よりも何十倍も年上なのに……涙、止まらないや」ギュ
137:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 23:42:03.63:fPOtAFsho
勇者「落ち着いた?」
僧侶「うん、ありがとう」
僧侶「あー恥ずかしいなぁ。勇者にこんな姿を見せるなんて」
勇者「俺は……逆に嬉しいよ。今までよりももっと、僧侶に近づけた気がして」
僧侶「……」
勇者「さあ、帰ろうか」
僧侶「……何処へ?」
勇者「そうだなぁ……樹海の国でもいいし、俺が住んでいる場所も悪くない。生まれ育った町もいいな」
勇者「旅先で見かけた町が良ければ、そこだって構わないよ」
勇者「僧侶が守ってくれたこの世界が、魔剣が守ってくれた僧侶の帰る場所なんだからさ」
旅芸人「遂に魔王が蘇った!」 完
138:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県):2011/03/21(月) 23:43:52.26:azsUnqcco
141:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県):2011/03/21(月) 23:55:31.74:bG0vePBI0
バイソンの群れが現れた!
勇者「ボスはいないようだ!今のうちに頭数を減らすぞ!」
僧侶「了解!」
僧侶は目にも留まらない速さで弓矢を放っていく!
魔法使いは流水魔法・中を唱えた!
目にも留まらぬ勢いで大量の水が射出される!バイソン達に刺傷と打撲を与えた!
勇者「それが新しい魔法か」
魔法「弱を使う機会がなかったけどもね」
戦士「お、でけぇのが来るぞ!」
暴れバイソンが現れた!
バイソン達は距離を取って、勇者達を取り囲む!
勇者「くそ……戦い辛いな」
戦士「こりゃ取り巻きをどうにかしないとだな」
魔法「か、囲まれて……っは!」
バイソンHが魔法使いに飛び掛る!
戦士は身を投げ出して魔法使いの盾となった!
魔法「せ、戦士……」
戦士「怪我は?!」
魔法「大丈夫だけど、あなたが……」
戦士「このままじゃジリ貧だ!一気に巻き返すぞ!」
魔法「……分かったわ、特大の魔法を唱えるから時間を!」
僧侶は華麗なフットワークで暴れバイソンの攻撃をかわした!
僧侶は暴れバイソンの目に弓矢を打ち込んだ!
勇者「……一人で魔王も倒せそうだな」
暴れバイソンはいきりたって僧侶に飛び掛る!
戦士は暴れバイソンの足を切り払い、動きを止めた!
暴れバイソンは角で僧侶を貫こうと襲い掛かる!
盾を構えた勇者が角を受け止め、剣を振るう。
暴れバイソンは大きく嘶いた!
勇者「大丈夫か?!」
僧侶「……ふふ、ありがとう」
僧侶はパワーショットを放った!引き絞られた弓矢は暴れバイソンの頭部を貫いた!
「知っているか?可愛い子が勇者のPTが……」
「もしかしたら、このまま魔王を倒しちまうかもしれないな」
「黄金の国の魔物を倒したって話だぞ」
勇者「俺らがいない間に頑張っているみたいだな」
戦士「ここまで有名になるとはなぁ」
僧侶「知り合いなの?」
魔法「旅の途中で知り合った人達よ。にしてもこの様子じゃ、もう魔王の城へ攻めていたりして」
戦士「それはありえるな……」
勇者「これ以上他の事する必要もないだろう。俺らも急いで向かわないとな」
戦士「うがー……また山登りかぁ」
勇者「はは、そう言うなよ」
僧侶「楽しそうね。山登りも趣味なの?」
勇者「趣味って訳じゃないが、ここの山なら登るのは大歓迎さ」
魔法「食材でもあるのかしらねぇ……あら?」
戦士「……なんだこの臭い。卵が腐ったみたいな」
僧侶「なるほど、そういう事か」
勇者「そういう事さ」
戦士「おーいい湯だなぁ」
勇者「温泉って言うやつだ」
戦士「すげーな。どっかで薪をくべてるわけじゃないんだろ?」
勇者「ここ最近全くないが、火山って噴火するとマグマが吹き出るだろ?」
勇者「火山の地中深くにはこのマグマが常にあって、その熱で暖められたのがこの温泉なんだ」
戦士「おーなるほどなー」
勇者「もっと細かい所は多分言っても分からないんだろうな」
戦士「なんとなしの原理さえ知ってりゃ十分なんだよ、俺は」
僧侶「ふーいい湯ねー」
魔法「ねえ……この際だから聞いてもいいかしら?」
僧侶「答えられる内容ならなんでもどうぞ~」
魔法「何が目的なの?」
僧侶「……はい?」
魔法「あたしには、貴女が何か企んでいるとしか思えないわ。一体、何が目的でこのPTに加わったの?」
僧侶「本気で疑っているのか、悩むところね」
魔法「え?」
僧侶「この状況で聞いても、あなたが不利なだけよ。これだけ近い状態なら、魔法を唱えられる前に口を塞げるわよ?」
魔法「あー……」
僧侶「んー……あまり詳しく話したくは無いんだけどな」
魔法「仲間であっても?」
僧侶「ちょっとこの身の上話が嫌なのよ。一言で言ってしまえば、魔王を倒す事に命を捧げたのよ」
魔法「……本当なの?」
僧侶「ええ。あ、二人には言わないでね?勇者なんか、もうあたしの事を気遣ってくれているから」
僧侶「これ以上は気遣われても、申し訳なくってあたし自身が困るのよ」
魔法「分かっていたけどやっぱり胸の支えは取れないわね」
僧侶「まあ、悪意はないから安心して頂戴」
魔法「……なんか納得行かないわね。勝負よ」
僧侶「はい?」
魔法「これでも魔法職の端くれ。口封じをされる前に魔法を唱えてみせるわ」
僧侶「ああその事ね。でも流石のあたしも防具無しで魔法を受けたくないんだけど」
魔法「あたしだって嫌よ。あそこの木に向かって魔法を放つわ」
僧侶「ふぅん、魔法を唱えきればあなたの勝ち、きれなければあたしの勝ち、ね」
魔法「鼻を明かすくらいしなくちゃ気持ちが治まらないわ」
僧侶「じゃあこの石が地面か、この温泉の中に落ちたら開始ね」ザブザブ
魔法「あら、そんなに離れていいのかしら?」
僧侶「これでもあなたより何倍も生きる年長者。少しくらいハンデを上げないと大人げないじゃない」ポイ
魔法「……ふふ、後で無しにはさせないわよ」ゴゴゴ
僧侶「勝ち逃げなんてしないから安心して。何度でも挑戦を受けてあげるから」ゴゴゴ
ポチャン
魔法「氷モゴモゴ」ザバァ
僧侶「ふっふー、まだまだね」バシャバシャ
魔法(なに?なに?!一瞬で目の前に……化け物?!)
僧侶「……うーん、最近の子は発育がいいのね」バシャバシャ
魔法(いい加減、手をどかせーー!)モゴモゴ
僧侶「悪戯しちゃおうか★」バシャバシャ
魔法「?! モゴモゴ、ぷは、なにを、止め!」バシャバシャ
戦士「……」 ソコ バカ アッ!>
勇者「……」 エエンカーココ ガッ! ナ ナグラナクテモ! コーナッタラ!>
戦士「……」 チョ!ジョウダンニナッテ ン! ヤァ! ダメッ!>
勇者「……」 モーニガサンヨ フヒヒ!>
戦士「俺、ちょっと便所に行ってくるわ」 ヤ ヤメ! アン! アッ!>
勇者「行ったら絶対に戻ってくるなよ」 ココカァ ココガエエノンカー>
魔法「……」
僧侶「いやぁ、マジ殴りされるとは」
魔法「当たり前じゃない!あなたの頭には蛆でも湧いてるの?!」
僧侶「そこまで言わなくても……あ、勇者達はもう上がってたのか」
魔法「……っ!」カァ
勇者「ああ、ゆっくり森林浴をしているよ」
戦士「登るのは嫌だが……これは有りだよな」
魔法「何だろう……戦士のこの落ち着いた態度。逆に不安だ……」
僧侶「あー……そうもなるか」
魔法「……何を納得したのよ?」
勇者「ここの山を越えてしばらくすると、泉の国の領土だな」
魔法「元、ね」
戦士「残った町とかってどういう扱いなんだ?」
勇者「最寄の国の領土として、塀の国と風と山の都市が兵士を出しているな」
僧侶「その泉の国って何が起きたの?」
戦士「魔王に滅ぼされたのさ。最も首都と魔王城の間にある町だけだがよ」
僧侶「はぁ……随分とアクティブな魔王ね。大人しく勇者を待っていればいいのに」
勇者「そのお陰で、多くの国が尻込みしているんだけどな」
戦士「本来の領土としてはここが風の都市の外れか」
魔法「ええ、ここからは泉の国の領土内にはなるけども……魔物とか大丈夫かしら?」
勇者「多少は強くなっているが、まだ普通に生活できる町とかが残っている所を考えると」
勇者「首都を落とした後は目立った動きをしていない、って分析になるな」
僧侶「ふーん……南の事情がよく分かっていないからねぇ。もう少し詳しく聞いておくべきだったか」
勇者「立ち話もあれだしとりあえず宿を取ろうか」
戦士「今日はもう自由行動か」
勇者「……ぶっちゃけ、小切手とか余りまくっているんだ。皆、少し散財してこい」
戦士「いや……こんな所で買い替える装備はないからなぁ。俺は精々食事くらいしか」
魔法「あたしは元々結構切り詰めて生活していたから……いざ使えって言われても、ここじゃ魔法書もねぇ」
僧侶「あたしも別に使う必要がないわ」
勇者「これで魔王を倒したら、こいつはただの紙切れになりそうだな……」
勇者「じゃあ、何から知りたい?」
僧侶「んー、魔王が出現してからの魔王の動きと、各国の対応がいいかな」
勇者「そこら辺は俺もリアルタイムで話を聞いていなかったからなぁ……まあいいか」
勇者「魔王は現れてすぐに、軍隊を差し向けて泉の国を滅ぼした」
勇者「いや、戦士が言っていたように、首都と周辺の町を滅ぼした、が正しいか」
勇者「大きい軍事力が無いとは言え、一日ともたない事を考えると、よほどの戦力を持っていると考えていい」
勇者「そんな訳で各国は軍を動かす事に難色を示しているのさ」
僧侶「で、この称号ってどういう効果があるの?」
勇者「一部……国から支援を受けている店において、多少の割引が利くのと」
勇者「魔物から得られた収集物をある程度の値段で買い取ってもらえる。討伐報酬みたいなもんだな」
僧侶「至れり尽せりじゃない」
勇者「ただ、討伐量が少ないと称号剥奪、重税というコンボになる」
僧侶「ま、当然ね」
僧侶「地理が今一つ分からないからそこもお願い」
勇者「えーと、あったあった」ガサガサ
勇者「俺達が今いるのが……あの、近づきすぎじゃないか?」
僧侶「……そう?」ピト
僧侶「ああ、今は亡き想い人の温もりは懐かしく……凍える身は仲間の温もりを求めたのに」
僧侶「頼ってくれと言った彼には拒絶されて……」ヨヨヨ
勇者「分かった。分かったよ。好きなだけ引っ付けばいいさ」
僧侶「それじゃあ遠慮なく」ギュ
勇者「……」
僧侶「ありゃ、照れてる?かっわいー」
勇者「くそ、男として……恥だ」
僧侶「気にする事は無いさ。見た目はちょっと年上くらいでも、年齢差は酷いんだから」
僧侶「ふふ、初心な男の子っていじると可愛いんだよねー」ギュー
勇者「だー!地理の説明行くぞ!」
勇者「魔王は大陸の西!ここは真ん中よりやや北!以上!」
僧侶「説明が素気なーい。勇者がいた場所とかってどの辺り?」
勇者「大陸の東側だな。この一帯が森になっている近くだ」
僧侶「結構離れているのね」
勇者「なんだかんだで結構長い旅をしているからな」
戦士「行商人の露店か」
戦士(こんな町だ。この手じゃないといい装備なんか手に入らないだろうな)
戦士「……お」
戦士「これ、やるよ」
魔法「あら首飾り……て、これどうしたのよ!これだけ上位の魔石、そうは買えないわよ!」
戦士「行商人が俺以上に魔石に詳しくなかったからな。ちょいと折れてやったら上機嫌なもんさ」
魔法「これは……正直言って凄い嬉しいわ。ありがとうね」
「色々と手を……関しては」
「俺しか……いないんだ……」
「……声を聞く……剣を抜く……」
「何を求め……生まれ……答えて……」
「すまない……俺が……世界の事も……」
「我が声に応えよ。我が問いに答えよ。魔剣を抜きし者」
勇者「うわぁ!」ガバ
勇者(……最後の、近くで言われたみたいだ)ドッドッドッドッ
勇者(間違いない!魔剣の記憶の間に、今現在も存在している意思に語りかけられてる)ドッドッ
勇者(うおおぉぉどうなるんだ?魔剣の言葉が完全に聞こえるようになったら、どうなってしまうんだ?!)ドクン ドクン
蜘蛛の群れが現れた!
戦士「苦い思い出だな」
勇者「だが、今更恐れる相手でもないな」
魔法「あたしは後ろで待機しているわね」
戦士「ま、こいつらに使う魔翌力なんてねーもんな」
戦士の攻撃!蜘蛛Aの頭部を叩き切った!
勇者の攻撃!蜘蛛Cの頭部を刎ねた!
僧侶の攻撃!蜘蛛Bの頭部に弓矢が突き刺さる!
魔法「……圧倒的ね」
蜘蛛Dの攻撃!戦士の鎧の隙間に噛み付いた!
戦士の身体に毒が流し込まれる!
勇者は蜘蛛Dの胴体を両断した!
魔物の群れを倒した!
勇者「あれくらい避けてくれよ……」
戦士「ぐ……っはぁ……っはぁ!」
僧侶「……っ!」
僧侶は解毒魔法・強を唱えた!しかし戦士の毒は消えない!
魔法「え……何、どうして?」
勇者「戦士!しっかりしろ!」
戦士「苦し、どうなって……」
僧侶「不味いわね、脈が異常よ。心臓に作用する毒だとしたら……魔法なんかじゃ解毒できないわよ」
勇者「……よし、戦士。お前は死んだ」
戦士「……はぁ、はぁ……マジ、か」
勇者「だからもう諦めてこの薬を飲め。どうせ助からないのなら、苦しまずに逝けた方がいいだろう」
魔法「あなた、自分が何を言っているのか分かって!!」
戦士「いい……このやりとりは二度目……助かるも八卦、助からぬも八卦……だろ」
戦士は勇者が差し出す薬を一気に飲み干した!
戦士「……」ビクンビクン
勇者「まあ……こうなるよなぁ」
魔法「……」
僧侶「一体何を飲ませたの?」
勇者「ブシとセンソとジギタリスと……あともう少し入れてあったと思ったが、なんだったかなぁ」
魔法「……あたしには分からないんだけど、効果は何?」
僧侶「強心、まあ眩暈とか動悸がある人に使うものね」
僧侶「最もその時の処方だともっと易しい内容だけど……魔法使いは絶対飲んじゃダメだからね」
魔法「そ、その心は?」
僧侶「そんな恐ろしい事言えないわ……」
魔法「どれだけやばい薬なのよ!」
戦士「俺、今、生きてる、凄い、感動」
勇者「九死に一生を得て良かったじゃないか」
戦士「良かった……死ぬ覚悟は出来ていた分、凄い嬉しい」
魔法「そこまでなの?」
戦士「昔、俺が猛毒蛇に噛まれた時も同じ事言って薬をくれたんだ」
戦士「あん時は割りと普通に生還したが……毒の後遺症の確認に医者にかかった時に何て言われたと思う?」
僧侶「よく生きてたね?」
戦士「私だったら、そんな恐ろしい物を飲ますくらいなら、麻酔や睡眠薬を使って楽にさせていただろうな」
勇者「あの時は、今日より二割は生存の可能性があったんだぞ?」
戦士「今日のがやばかったのか!」
勇者「ああ……あの材料で薬効が危険域に突入しないか不安だった」
僧侶「そりゃあそうよねぇ……」
勇者「ふぅ……流石にこの辺りの魔物は強いな」
戦士「伊達に魔王城に近い訳じゃないんだな」
魔法「次の町が最後ね……」
僧侶「その先に町はないんだ」
戦士「全部、魔王の軍隊に潰されちまったからなぁ」
僧侶「あー……」
勇者「明日一日は休んでから向かおうか」
魔法「万全な態勢で臨みたいものね」
戦士「……あっちのPTに追いつけないところを見ると」
勇者「それは俺も少し不安だな。着いたら魔王は死んでました、じゃただのコントだ」
僧侶「盛大でつまらないコントね」
「ああ、あの女勇者さんならもう三日前にこの町を発ったよ」
「塀の国と風の都市、石の国の連合軍が魔王軍と戦うらしいぞ」
「女勇者さん達もそれに合わせて、魔王城へ突入するって話だ」
「会戦?まだ軍隊が集まりきっていないからなぁ……早くて七日後くらいじゃないか?」
勇者「余裕はある、か……」
魔法「向こうは焦っているのかしら」
戦士「あいつらを考えると野良の駆逐に励んでいそうだがな」
勇者「むしろそれが目的で先に行っている気がするな」
僧侶「相当強いPTなのかしら?」
勇者「強いな……リーダーの女勇者は鎧姿だ」
魔法「……まあ、あちらの戦士と盗賊も自信に満ちた目をしていたから、さぞ頼りになるんでしょうね」
戦士「……おまけに武道家はどんな男でも倒す奴だ。逃げねばやられる」
僧侶「それどんだけ凄い武道家よ」
勇者「佳境に入った旅の成功を願いまして、乾杯!」
戦士「乾杯っ!」
魔法「乾杯」
僧侶「乾杯!」
戦士「これが町で乾杯する最後の機会にならないといいな」
勇者「おいおい……」
魔法「大丈夫よきっと。ただ、四人でできるかは……」
勇者「魔法使いまで……」
僧侶「彼らの乾杯がこれで最後になるとは……まだ誰も知る由は無かった」
勇者「魔王城にすら着いていないぞ!?てか明日中に全滅かよ!明日は休むんだぞ?!」
僧侶「正直なところ本当はどうなのよー。えー最後の最後でも嘘を言うのー?」
僧侶「真面目な話、相手も自分も最悪のケースは考えるべきよ」
僧侶「今日を逃がしてどうする気?」
僧侶「何というか……見た目の割りに行動はしっかりしているのよねぇ……」
僧侶「まともな宿泊施設、今日明日で最後よ?」
僧侶「男なら当たって砕けろ!」グッ
勇者「おかしいな……戦士と一緒に荷物を置いたはずなのに、なんで僧侶と相部屋になっているんだ?」
僧侶「あの二人からのお願いでねー。野暮な事は聞いちゃ駄目よー」
勇者(ああ……なんだかんだで上手くいっていたのか……戦士、やったじゃないか)
おやおや
48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 00:52:22.73:fPOtAFsho僧侶「……ふふ」ジリジリ
勇者「……えーと、何故に舌なめずりをしながらにじり寄って来るんでしょうか?」
僧侶「あら、相部屋になった男女がする事なんて一つじゃない」
勇者「いやその発想はおかしい、不健全だ」
勇者「こういう事は御互いを受け入れ、御互いを理解し合って行うべきで……」
僧侶「えー。だいたいこれから魔王と戦うのよ」
僧侶「生きて帰れる保障なんてないのに、不健全だとか、互いの意思だとか言っている状況じゃないでしょ」
勇者「うーん、いや、しかし……」
僧侶「あたしの事は……嫌い?」シュン
勇者「それはない!そんな事は……!」
僧侶「あたしは勇者の事好きよ。ほら問題ない!」
勇者「あー……んー……据え膳か……」
僧侶「んむ……んっ……っぷは」
勇者「……」
僧侶「ふふ……本当に可愛いなぁもう」ギュウ
勇者「やっぱり上手いんだな」
僧侶「これだけ長い事生きていて、初々しかったら逆に気持ち悪いでしょ」
勇者「それもそうなんだが……」
僧侶「ふふ。さあ攻めてこないと……こちらが押し倒すよ?」
戦士「あ、わりぃ、それ取ってくれ」
魔法「……はい」
戦士「サンキュ」
戦士「……」
魔法「……あーもー!」ガバ
戦士「どうした?」
魔法「どうした?じゃない!なんであなたはそー……ポーカーフェイスというか、気のある素振りがないのよ!」
戦士「そうか?」
魔法「……この男は」
戦士「……素振りか。確かに見せていないかもしれんが、お前と二人でいられるよう、色々と動いてはいたぞ?」
戦士「それに……あんまりこういう事言いたくは無いが」
戦士「いっつも勇者とつるんでいたけど、大抵何かあるとすれば勇者なわけだ」
戦士「だからかなぁ。下手にがっつくより、静かーに近くにいられる方がよっぽどいい、て考えになったんだよ」
魔法「あなたには似合わない保守的な考えね」
戦士「そうかもな」
魔法「だからってさあ……この状況になってまで、それでなくてもいいんじゃないの?」
戦士「……へ?いや、だってお前、俺も勇者も仲間としか見ていないんじゃ?」
魔法「え、そこが問題なの?」
魔法「だいたい、そういう事はやたら滅多に言いふらすものでもないでしょう」
戦士「そうか?俺は知らずに三角関係になっている、とかは嫌なんだがなぁ」
魔法「まあ……そこは価値観の相違だから深くは問わないけども……」
魔法「もっとこう、さ!アピールとかしないわけ?!好感度を上げたいとか思わないわけ?!」
戦士「俺の場合、それがいつも裏目にでていたからなぁ……」
魔法「あーもー……分かり辛い人ね。好きなら好きで、もっと思わせぶりな態度も取りなさいよ!あたしが困るじゃない!」
戦士「そりゃあすまな……いや、待て。そもそもそれってつまり……」
魔法「……」
戦士「それって……そういうkムガ」
魔法「……全部言わす気?」
戦士「いや……悪かった」
魔法「……」
戦士「……」
戦士「……好きだ、魔法使い」ギュ
魔法「……!」カァ
「魔剣を抜きし者よ……まだか、まだなのか」
「我が声は何時になったら届く?何時になったら応える?」
「もう……時間が無いぞ」
(微かに聞こえていた話声はもう聞こえないが……はっきりとした言葉は聞こえる……)
(俺はこれに応えるべきなのだろうか?)
「魔剣を抜きし者よ、我が声に応えよ!」
「……頼む、気づいてくれ……応えてくれ」
(悪意はないように聞こえるが……俺は……)
戦士「……」ソワソワ
魔法「……」ソワソワ
戦士「……勇者達遅いな」ソワソワ
魔法「……そ、そうね」ソワソワ
僧侶「あら初々しい。若いっていいわねー」ツヤツヤ
勇者「ふぁぁ……おは、よう……」ゲッソリ
戦士「……」
魔法「……」
僧侶「七割はあたしが原因だけど、残りの三割は違うわよ?」
勇者「いつもの夢見の悪さがレベルアップ……ふぁ……今日は休みだし、また寝ていいか?」
勇者「……ん、んんーー」
勇者「夢は見なかったな……てか暗いな。今何時だ」
僧侶「もう九時になるわよー」
勇者「あー生活リズム壊滅だな」
僧侶「晩御飯にする?シャワーでも浴びる?それともあ・た」
勇者「昨日あれだけだったのに、今日もやられたら体力もたないって」
僧侶「あら、今日は控え目にする為に、昨日めいいっぱいしたのよ?」
勇者「……飯食べてシャワー浴びてくる」
勇者「よし、魔王城に向けて出発するぞ」
僧侶「おー!」
戦士「おー!」
魔法「テンション高いわねぇ……」
勇者「ここからが正念場だからな」
勇者「連合軍の野営予定地は調べてあるから、そこで待機していれば女勇者のPTに会えるだろう」
勇者「連合軍と魔王軍が衝突するタイミングで、一緒に魔王城へ乗り込み魔王を討つ」
勇者「これが大まかな予定だ」
戦士「異議なーし。よっしゃ、行こうぜ」
勇者達は魔物の群れを倒した!
戦士「ここらへんの連中も、もう大した脅威じゃないわな」
魔法「これだけ戦っていればね」
勇者「そうだな」
僧侶「軍が野営する場所って、まだ先なの」
勇者「この調子なら明日には着くだろうな」
戦士「ま、着いたら少し休もうぜ」
戦士「なんか美味い物作ってくれよ」
勇者「ああ、分かった」
僧侶「……?」
女勇者「お、おおおーーー!まさかこのタイミングで会えるなんて!奇跡に近いんじゃない?!」
戦士「タイミングよく戻ってこれたぜー」
魔法「結局北まで行ってきたわ……」
男盗賊「マジか。じゃあ、そちらの方が北の大陸の、と」
男戦士「……狩人を仲間にしたのか」
勇者「いや、僧侶だ」
女勇者「……え?」
勇者「僧侶だ」
僧侶「僧侶でっす☆」
男盗賊「ちょっと何を言っているのか分かんないんだけど」
男戦士「……僧侶は弓を持つものなのか?」
僧侶「回復魔法は任せて!遊撃も任せて!」
女勇者「えー……殺生しちゃんですか?」
僧侶「称号が僧侶。そう、職業では無いからなんら問題ありません」
男盗賊「……凄い人を見つけたもんだね」
勇者「俺達がびっくりさ」
戦士「今考えると、本当に紆余曲折したな。こっちに戻ってからも」
男武道家「そのようだな……特にそちらの戦士は本当に逞しくなったな」ゴクリ
戦士は剣を上段から振り下ろした!しかし、男武道家には当たらない!
男武道家「……ふふふふふ」
戦士(野営する時は勇者を盾にしよう)サ
女勇者「連合軍到着まで、後二日くらいかな」
戦士「おう、知っているぞ」
男盗賊「え、知っていて来たのかい?」
魔法「きっと周辺の魔物の数を減らしていると思ってね。あたし達も手伝うわ」
女勇者「おおー頼もしい!」
男戦士「……そっちの勇者、口数が減ったように感じるが何かあったのか?」ボソボソ
戦士「最近こんな調子だ。戦闘は変わりが無いから、体調がってわけでもなさそうだ」
男戦士「決戦前だぞ?共に戦うのだから頼むぞ」
戦士「ただ魔物を倒すだけってのもなぁ」
魔法「そう言わないの」
勇者「そろそろ日が暮れるな……野営地まで戻るか」
僧侶「そういえば、今日中に軍が集まるのよね」
戦士「多分、テントとか炊き出しとか野営の準備で忙しいんだろうな」
勇者「何事も無く集まっていれば、な」
僧侶「集まっていないと困るけどもねぇ」
魔法「ねえ……ずっと思っていたんだけど、勇者の様子が」ボソボソ
戦士(なんでよってたかって、皆俺に聞いてくるんだよ。俺も知りたい側だっての)
戦士「おー結構な数だな」
魔法「予定していた野営地より足が出ているんじゃないの?」
僧侶「やっぱり国によって装備が違うのね」
魔法「……」チラ
勇者「防衛力、魔法、狩猟やゲリラ戦に秀でる国々だからな」
魔法(老若男女、鎧姿の兵士がいるのに反応しないだなんて)
勇者「……」ブルブル
戦士(そういや、勇者は僧侶と……。流石に相手がいると抑制できるんだな、少し安心したぜ)
勇者「ぐ、これほどのストレスか……」ギリギリ
勇者「くそ……!俺には……俺にはどうする事もできないのか!」ズリズリ
勇者「俺は、どうしたらいいんだ!!」ダン
僧侶「勇者が地面に額を擦り付けながら、咽び泣いてるんだけど何かあったの?」
戦士「欲望と理性の葛藤に苦しんでいるだけだから放置でいいぞ」
魔法「何でだろう。色々と安心した気がする」
戦士「……まあ、完全に余裕がなくなっているってわけではなさそうだな」
男戦士「どうやら、称号を持ったPTの一部は軍隊に混じって戦うようだな」
戦士「そうなのか?」
男盗賊「ほら、あそこ。明らかに軍人じゃない四人組」
魔法「あら……よく見ると、そういう人多いわね」
男武道家「魔王と対峙するのに比べたら、よっぽど生還の見込みがあるからな」
勇者「大博打か生存か……」
戦士「見た目大博打だが、俺達はイカサマ師だからな」
女勇者「秘策でもあるの?」
勇者「見てのお楽しみだ」
勇者「……!戦士、あれ、あれ!」
戦士「お前が慌てるなんて珍し、うおおおおおおお!」
僧侶「二人して五月蝿いわねぇ」
勇者「み、み、ミスター・ブシドーーーー!!」
戦士「本物だ!すげぇ、本物だ!!」
魔法「誰それ」
勇者「黄金の国の戦士、サムラーイ。その中で最強の者にはミスター・ブシドーの称号が与えられるという」
戦士「すげぇ、すっげぇ!ああ、やっぱり軍隊とは別行動か!あっちの陣営って事は北側から攻めるのか!向こうに行かないか?!」
勇者「行きたいけど今進行ルートを変更すると、軍の隊列の邪魔にもなるから無理だろ。くそぉ、共に前線で戦いたかったなぁ」
魔法「……すこぶる元気そうね」
僧侶「一過性っぽそうだけどね」
魔法「あら、何処行っていたの?」
勇者「ちょっと連合軍の方に顔を出してた」
勇者「明日は軍隊を展開。斥候と罠師を派遣し、魔王城近辺を埋めるようだ」
僧侶「ふんふん、明後日会戦?」
勇者「だな。太陽が起きだす前に奇襲を行うんだとさ」
僧侶「流石に緊張してくるわね」
勇者「以外だな、僧侶が緊張だなんて」ギュ
僧侶「……積極的じゃない。どうしたの?」
勇者「ゆっくりできるのも今晩が最後だ。明日は早くに寝るんだから今日しかないだろ」
僧侶「うーん……勇者は初心な方が良かったんだけどな」
勇者「それを言われると男として本当に悲しくなるから止めてね」
戦士「……」
魔法「何時まで外で寝っ転がっているのよ。いい加減中に入らないの?」
戦士「いやー中々流れ星ってのはでないもんだな」
魔法「星に願い事を言う性格でもないのに……どうしたの?」
戦士「そりゃあ……明後日の祈願ぐらいはするさ」ギュウ
魔法「……」
戦士「今は何も言えない。怖くて言えん」
魔法「……うん」ギュ
戦士「が、賽は投げられてるんだ。魔王の面に一発ぶちこんでやろうじゃないか」
魔法「ええ、絶対に打ち勝つわよ」
女勇者「今日一日はのんびり養生!」
男戦士「ま、これだけ戦ったんだ。この近辺はもう戦力は残っていないものな」
勇者「今のうちに弓を新調しておくか」
僧侶「ありがとー」
戦士「装備の手入れでもしておくか」
魔法「あ、あたしもしておこっと」
男武道家「……向こうは見事にペアになっているようだな」
男盗賊「……何でだ……くそ……どうして……」
男戦士「ああ、そういえばお前年上が好みなんだっけ」
女勇者「僧侶さん、ドストライクだったのね」
勇者「一つ……聞いて言いか」ギリギリ
僧侶「二つでも三つでもいいわよー」
勇者「……僧侶は、魔王を倒す事が目的なんだよな」
僧侶「……そうよ」
勇者「そっか……やっぱそうなのか」
僧侶「……」
勇者「どんな結果になろうとも俺は進むよ。死と隣り合わせの旅をする事になった時から、な」
魔法「あら、難しい顔をしてどうかしたの?」
戦士「勇者の様子が、な。あんだけ思いつめてて、俺に一切相談してこないってのはちょっと気にかかる」
魔法「流石の信頼関係ね」
戦士「信用だ。あいつに直接確かめるのが手っ取り早いが、何も言ってこないって事は言いたくない、言えない事情なんだよなぁ……」
魔法「何よそれ、結局どうする気なの?」
戦士「まだ様子を見るか」
魔法「決戦直前だっていうのに……」
勇者「……」
戦士「お、もう起きていたのか」
勇者「なあ、一つ思った事を言っていいか?」
戦士「……どうした」
勇者「連合軍は魔王城周辺、そして合戦となる道に罠を仕掛けたって話だ」
戦士「まあ、連中の戦力を殺ぐ為にも必要だな」
勇者「……俺達はこの鬱蒼とした森の、それも暗闇の中魔王城に向かうわけだが」
戦士「……お前先頭な」
女勇者「軍も動き出したね……」
男戦士「巻き込まれると厄介だからな、大きく迂回して城を目指すか」
勇者「……」パンパン!
勇者「よし、これが最後の戦いだ!行くぞ!」
魔法「あら……」
戦士「……そうだな。また町で皆で杯を鳴らそうぜ」
男武道家「その折には我々も混じらせてもらおう」
僧侶「ええ、必ず皆で宴会をするぞー!」
男盗賊「おー!」
勇者「……」
男戦士「何だ?兵士が来るぞ?」
戦士「……どうしたんだ、あっ」
勇者「……え、おおっ」
兵士B「久しぶりだな」
魔法「石の国の出兵は無かったはずだけども……」
兵士B「志願してみたら許可が下りたのさ。兵士Aはリハビリ中だからいないがな」
魔法A「俺達石の国の部隊は、魔王城までの活路を作る」
兵士C「あんた達勇者の護衛にあたる。宜しく頼むぜ」
戦士「至れつくせりだな」
兵士B「お前達には感謝してもしきれない恩があるからな……」
女勇者「何をしたの?」
勇者「石の国で蜘蛛退治を」
男戦士「石の国の英雄ってお前達だったのか?!」
魔法「話が凄い事になっていたのね」
魔物の群れが現れた!
石の兵士PTA、Bの突撃!
魔物の群れを蹴散らした!
戦士「随分と数に物を言うやり方だな」
兵士B「迅速かつ穏便にお前達を運ぶ為だ。こちらだって撤退の余力を残さないとだからな」
女勇者「うーん、道中の野良を相手しなきゃと思っていた分、これはぐっと勝率が上がるね!」
男戦士「この調子なら2PT共に魔王に挑めるだろうな」
魔法「ふぅ……ふぅ……」
戦士「大丈夫か?少し休むか?」
勇者「魔王城は山頂だからな。無理をする事はない」
魔法「流石のあたしも、こんな所で、休むわけには、いかないわ」ゼェゼェ
勇者「魔王城……」
僧侶「禍々しいわね」
男盗賊「……おいでになったみたいだなぁ」
おびただしい数の魔物が押し寄せてくる!
女勇者「野良じゃなさそうね」
戦士「隊列組んでるもんなぁ」
兵士C「我々は我々の仕事をしよう」
石の兵士PTA、B、Cは勇者達から離れた。
魔法A「余力があればそちらにも向かうが」
兵士B「魔王の事は任せたぞ!」
兵士達と魔物達の戦闘が始まった!!
魔王城内部
女王蜘蛛が現れた!
勇者「おおおお!!」
戦士「おおおお!!」
男戦士「おおお!!」
勇者達はバーサークを発動させた!
三人はいきりたって女王蜘蛛に斬りかかる!
魔法「蛮族ねぇ……」
僧侶「ま、あたし達は適度に魔法を使って、魔翌力を満タンに保っていよう」
男盗賊「流石に魔王城ともなると、敵もボスクラスだね」
アリゲーターとアナコンダが現れた!
勇者「これは厳しそうだな……」
魔法「ま、仕方ないわね」
女勇者「ふっふー、これでも魔法も成長しているからね」
僧侶「さくっと終わらせますかねー」
男戦士「おお、女性陣の本気」
男盗賊「ポロリはないよ」
戦士「せめてサービスカットを」
勇者「おい、二人……」
女勇者は氷石魔法・強を唱えた!周辺に氷山をも思わせる氷塊が降り注ぐ!
僧侶は風刃魔法・強を唱えた!真空の刃が渦巻き、魔物の群れを引き裂いていく!
魔法使いは流水魔法・強を唱えた!風を切る音と共に細い水の筋が魔物の群れを襲う!
群れている魔物の肉を殺ぎ、あたり一面に血の池が出来上がった!
男性陣「……」
女勇者「うっわ、あたしも自信あったけど、二人とも凄いね!」
僧侶「いやいや、まさか魔法使いが最凶魔法に分類される流水魔法・強が使えるとは」
魔法「あー風系の魔法ってやっぱりスマートで使いやすそうね……炎と水を専攻するんじゃなかったわ」
戦士「どうする……どれにツッコミをいれるべきなんだ」
男盗賊「駄目だ、多すぎる!」
勇者「俺は僧侶が攻撃魔法も使えた事にツッコミいれるから、戦士はあの無慈悲な凶悪魔法にツッコミを……」
戦士「いれられねーよ!ワニとアナコンダが肉片を散らしてたんだぞ!こえーよ!」
水辺の処刑者が現れた!
女勇者「うわっ!」
戦士「あんな大蟹……初めて見るな。耐久力が高そうで嫌になるぜ」
男戦士「あれに近づくな!あの大きなハサミで首を刎ねられるぞ」
男武道家「この場は我々に任せてもらおうか」
水辺の処刑者が男武道家に向かって、大ハサミを振り上げ突進してくる!
男盗賊のトラップが発動した!水辺の処刑者は電流で痺れている!
男武道家の痛恨の一撃!
戦士「甲羅ごと蟹味噌がばらばらに吹っ飛んだぞ」
魔法「……」
僧侶「……末恐ろしい」
勇者(攻撃翌力いくつなんだ、あれ)
勇者「……!」
戦士「おーおー……俺でも感じるぞ」
男戦士「この魔翌力……間違いなく魔王だな」
女勇者「……」ゴクリ
僧侶「一旦休む?」
男盗賊「そうだね……少し一息付こうよ」
魔法「他のPTもきていないみたいね」
魔王「来たか……愚かなる人間よ」
戦士「……」
勇者「……ちょっと時間貰っていいか?」
魔王「……なんだと?」
勇者「どうなっているんだ、あれ」ヒソヒソ
戦士「分からん。魔王ってのは人外の姿、どちらというと動物をベースにしたものだって教わったが」
女勇者「見た目人だよねぇあれ」
僧侶「……う~ん」
男戦士「俺も喋れて二足歩行する魔物だと思っていたからなぁ」
男武道家「流石に対人となるとやり辛いな」
男盗賊「でも急所は分かりやすいよね」
勇者「……とりあえず魔王で間違いないようだし、戦うとするか」
勇者「俺達は人間でも魔族でもない。お前が延々と眠る間に二者の血は混ざり合い、その区別はできなくなったんだ」
魔王「魔族……ならば貴様らはなんだ?人間にも魔族にもなれん貴様らは何者だ?」
勇者「……何だろうな」
戦士「思いの他、哲学チックになったな」
僧侶「……んー特別な呼称はないけれども、皆自分達の事を人、と呼んでいるわね」
魔法「あ、北の大陸でもそうなんだ。南もそうなのよね」
女勇者「へー、案外北と南って変わらないのかなぁ」
男戦士(緊張感に欠ける)
魔王「ふん……どちらにもならない半端な存在、人か」
魔王「よかろう!ならばその人の力、我に見せてみよ!!」
魔王が現れた!
三人はバーサークを発動させた!
男盗賊のトラップが発動した!
男武道家の懇親の一撃!
三人は攻撃魔法・強を唱えた!
魔王「」
oh...
94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 16:10:56.16:fPOtAFsh0魔王「おのれ……よってたかって……」
勇者「いや、正々堂々と戦える相手じゃないしなぁ」
戦士「つーかお前酷いな。人型に流水魔法使ったのかよ」
魔法「魔王相手に出し惜しみなんてできないじゃないの!」
男戦士「だが、それでも刺傷しか与えられないのか」
男盗賊「流石に強いね……」
男武道家「やはり、熾烈を極める戦いとなるな」
女勇者「それに……まだ、ありそうだね」
魔王「くくく……いいだろう」
魔王「適当にあしらってくれようと思っていたが、過小評価をしていたようだ」
魔王「お前達は生きてここから出る事は、適わぬ願いとなるのだ!!」
全身を強張らせる魔王。
すると、突如巨大な翼が背を突き破り、額と耳の後ろから鋭利な角が突き出た!
魔王「オオオオオオオオオオ!!」
大きく仰け反り、大気を震撼させる咆哮が城内を揺るがした!
魔王が襲い掛かってきた!!
僧侶「……最悪だ」ギリ
勇者「いや、まだこちらにはこいつがある!」
勇者は魔剣・魔王殺しを引き抜いた!強大な魔翌力が勇者を包み込む!
勇者は魔剣を横に薙ぎ払う!斬撃は衝撃波となり魔王を襲う!!
魔王「む……これは?」
魔王は腕を払い、衝撃波を弾いた!
戦士「……」
勇者「……」
女勇者「お!……おお?」
勇者「倒すどころか弾かれたぞ!」
僧侶「だから最悪って言ってるのよ!あいつにこの魔剣は効かないの!」
戦士「おいおい、ガチ戦闘かよ!!」
魔王は腕を振り上げ、戦士を引き裂いた!
戦士は鮮血を上げて倒れこんだ!
僧侶は回復魔法・強を唱えた!
僧侶「正々堂々と行くわよ!」
女勇者「……皆!」
男戦士「任せろ!」
男盗賊「こうでなくっちゃあ!」
男武道家「元よりそのつもりだ!」
三人は連携し、魔王に飛び掛る!
が、魔王は既にそこにはいない!!
魔王「やはり全力を出してしまうとつまらないものだな」
魔王「既にこれは戦闘ではない。お前達が害虫を潰すのと同じ、一方的な駆除でしかないのだ」
魔王は三人に手をかざした!
勇者は魔王の懐に飛び込み、胴体目掛けて深く切り込んだ!
魔王「む……」
勇者「害虫だって空を飛んで、人に襲い掛かるのさ」
勇者「さっきは弾かれたが、鋭利さも優秀な剣なんだよ」
魔王「オオオオオオオオオ!」
魔王は魔翌力が膨れ上がり、周囲を吹き飛ばす!
四人は後方へと弾かれた!
魔王「図に乗るなぁ!!」
女勇者「あ、駄目押しでもう一つ乗らせて」
魔王「その華奢な身体で何ができ……」
女勇者は魔法の詠唱が完了した。
女勇者「凍土!」カッ
魔王の間が白銀の世界となった!
女勇者「……」ポケー
僧侶は範囲回復魔法・中を唱えた!
男戦士「待っていろ、今魔翌力回復剤を与える」
女勇者「ありがとー」ポケー
男盗賊「流石に女勇者最強の魔法には魔王もこれか」
魔法「すっごい……こんな魔法があったなんて」
僧侶「……昔の魔法ね。まさか今でも使える人がいたなんて」
部屋を蝕む氷にヒビが入り……砕け散った!!
魔王「ふ、ふふ……ふはははははは!何処まで私を楽しませてくれるのだ、貴様らは!」
魔王のテンションは上がっている
勇者「……」
魔王の攻撃!男戦士は遥か後方へと吹き飛ばされた!
戦士は上段から剣を振り下ろす!しかし魔王には当たらない!
勇者「……これほどなのか、魔王とは」
魔法使いは流水魔法・強を唱えた!
風を切る音と共に細い水の筋が魔王を襲う!しかし、魔王は魔翌力を込めた手で受け止めた!!
勇者「……俺達では、勝てないな」
男盗賊のトラップが発動した!しかし、魔王には効果がない!
勇者「これまでか……僧侶」
僧侶「……そうね」
僧侶「魔法使いは魔王を足止めできる魔法をお願い。女勇者はさっきの凍土をもう一度」
魔法使い「分かったけども……一体何を?」
女勇者「もう魔翌力回復剤なんてないからね。これがラストチャンスだよ」
勇者「俺らが盾になって時間を稼ぐから、安心して魔法の準備に入ってくれ」
戦士「既に満身創痍だがな」
僧侶は範囲回復魔法・強を唱えた!全員のキズが完治した!
勇者「これが最後だ!」
戦士「全力で行くぞ!」
魔王「まだ気力は尽きないのか……これでも策があるのか?」
魔王「まあいいだろう……貴様らの余興に付き合い」
魔王「我も剣をもって応えてやろう!」
戦士「よっしゃ、剣対剣なら俺にも分が!」
戦士の攻撃!より素早く魔王が薙ぎ払う!
戦士は刀身で攻撃を受け止めた!が、バランスを崩し転倒した!
男戦士「基礎能力の差がこうも大きいとな」
男盗賊「でも、飽くまで僕らは足止めだ」
勇者「そうだな……うまく牽制する事だけを考えるべきだな」
魔法使いは詠唱を完了した!
魔法「間欠泉!!」
突如、魔王の足元から高温に熱せられた液体が吹き上げる!
宙を舞った魔王は地面に叩きつけられた!
勇者「あれは魔法なのか……?」
僧侶「女勇者の凍土みたいなものね。一部の者のみ体得できると言われ……今じゃ珍しいものね」
男武道家の懇親の一撃!魔王の胴体に拳が深く食い込む!!
魔王「お、ぐ……ふ、ふふ、我にここまで傷を負わせるとは……だが、そろそろ終わりに」
女勇者「凍土!」カッ
勇者(見も蓋も無い)
戦士(流石に可哀相だな)
魔法(同情を禁じえないわ)
僧侶「勇者」
勇者「……ああ」
勇者「……皆、撤退しよう」
戦士「おいおい、これは逃げる為の時間稼ぎか?」
勇者「後は僧侶が終わらせる」
女勇者「どーゆー事ー?」ポケー
男戦士「……事情は分からんが、こちらはこれ以上の戦闘は無理だ。四の五を言わずに引かせてもらう」
男盗賊「ま、仕方が無いね」
男武道家「先に失礼する」
魔法「あれと僧侶が一対一……?何をふざけた事を……」
僧侶「大丈夫よ」
勇者「……」
僧侶「さ、行きなさい。もうすぐ、氷が割られるから」
勇者「……ああ」
戦士「おい!いいのかよ!」
勇者「……」
魔法「……僧侶、殺されるわよ」
勇者「殺されなんかしないさ」カチャカチャ
勇者「魔王が何十人いても……僧侶には勝てない」シュポ
勇者は筒を操作すると、赤い光が宙に飛んでいった!
戦士「……一体何を?」
勇者「さあ、行くぞ。俺達も早くここを離れないとな」
魔王城麓
戦士「木が……山も城も……」
魔法「この白いのは……菌糸類……?」
勇者「それに触れるなよ……触れたらお陀仏だからな」
戦士「お、おい……これじゃあ……魔王と僧侶は!!」
勇者「……さあな」
魔法「……勇者」
勇者「野営地まで戻ろう……。今日は、もう……疲れた……」
……
「我を、魔剣を何処で知りえた」
勇者「樹海の国で仲間になった人が祠まで案内をしてくれたんだ」
「そうか……ならば、お前は魔物の王を討つつもりなのだな」
勇者「魔王の事で合ってる、よな?この魔剣もあるんだ。倒す気マンマンさ」
「その旅に……樹海の国の者は付いて行くと?」
勇者「ああ、僧侶っていう女性だ。転生の巫女とも呼ばれているけどな」
「……お前は魔物の王を倒すにあたり」
「仲間を失う覚悟があるか?」
勇者「……辛いな。辛いが旅を始めた時に、戦士さえも失う覚悟はしていた。あ、戦士ってのは俺の親友だ」
「……例え、お前一人が生き残る事になろうとも?」
勇者「……」
勇者「もしかしたら……皆の後を追ってしまうかもしれない」
勇者「だが、それは魔王を倒してからの話だ」
勇者(ならば魔物の王を倒した後に、お前はこの夢に訪れるだろう……か)
勇者(今更何ができるんだ……)
勇者(お前の言う、僧侶の全てを根絶やしにする胞子とやらは発動した……)
勇者(爆心地の魔王と共に僧侶も……)
勇者(救えなかった……僧侶……僧侶……)
「我は魔物の王を討つ為にあるのではない」
「すっげえな……」
「あの白いのに寄生されると、死ぬまで生命力を奪われるそうだぞ」
「魔王の命ごと吸い尽くしたって事かよ?これ以上拡散しないよな……」
勇者「……」
魔法「勇者……」
戦士「……こういうのもなんだがよ、正気か?」
「魔王の魔力はもう感じられないそうだ」
「以外と呆気なかったな」
「ま、元々俺らは魔王軍との戦いだしな」
勇者「元からこうなる筋書きだったらしい。そしてこの魔剣は、これで終わるはずの筋書きに一筆いれる為のものだって言うんだ」
勇者「……寄生された木が倒れる頃、だそうだ。朝方試しに石を投げてみたら崩れたよ」
「各自撤退の準備に移れ」
「これからが大変だな。称号の為に支出した費用ってどうする気なんだ?」
「泉の国の難民の事もあるし、問題は山積したままだな」
戦士「触れたら死ぬって言ったのはお前だろ?その魔剣の意識を信じるのか」
勇者「僧侶を助けられるのなら……その価値がある」
魔王城麓
勇者「……」
「……よし、進め」
勇者「夢の中でなくても話せるんだな」
「飽くまでお前にしか聞こえない……テレパシー的なものだ」
「そして現実にこうして会話ができる状態となった以上、もう後戻りはできない」
「この形が保てない程の魔力を放出する準備段階に入っているのだ」
勇者「戻る気なんかないさ……」
勇者「それにしても……本当にこの剣の一部の魔力で、魔王城周囲の死の胞子を防げるんだな」
「でなければ、お前は既に死んでいるぞ」
勇者「僧侶も化け物だと思ったが……お前の方がよっぽど化け物だ」
「まともな者がこうして剣になってまで命を捧げたりはしまい」
勇者「やばい……一面真っ白で魔王城のどの辺りか分からないぞ」
勇者「……時間、まだ大丈夫か?」
「問題ない。それと死の胞子とは言ったが、これはカビだ」
勇者「……できればその情報は聞きたくなかったな」
「そして時間にしても、魔王の間までの最短距離も」
勇者「この間のあれで覚えたっていうのか?」
「これが目的だからな。とは言うものの、僧侶とやらの魔力が強く感じる方に向かえば、自ずと目的地にでる」
勇者「ああ……なるほど」
「それに一度では道など覚えられんさ」
勇者「……?……ふん!扉が、開かない!」
「中がカビで満たされているのだろう」
「止むを得まい。切り捨てろ」
勇者「了解!」
勇者は扉を切り捨てた!すると……
部屋から敷き詰められた綿のように、カビが溢れ出てきた!!
勇者「……」ズモモモモモモ
「……」モモモ
勇者「これ、見た目が悪い種類だったら絶対にトラウマだよな」
「目に優しいカビで心から安心した」
勇者「……これ、まずはかき出さないとだよな」
「……そうだな」
勇者「時間、大丈夫なんだよな」
「問題ない。頑張れよ」
勇者「くそ……くじけそうだ」
勇者「ううー流石に手づかみとか……うおおお」
「カビそのものは付着しないのだからいいだろう」
勇者「そりゃあ、付着しないから生きていられるってのは分かっているんだが」
勇者「魔力の膜を通して感触がー発狂しそうだー……」
勇者「こんなものか」
「向こうの塊は魔物の王か。まだ形が残っているようだな」
勇者「……うお、崩れた」
「カビに存在さえも吸い上げられたか……」
勇者「……魔王がこれって、僧侶は!」
「元々、この状態になってしまえば、全身がカビとなる」
「そこにあるもう一つの塊はカビそのものだ」
勇者「……これで、どうなるっていうんだ」
勇者「原型すらないんだぞ!」
「これが本来の姿だからな」
勇者「……え?」
勇者「どういう事だ……?」
「詳しく知りたければ本人に聞くといい」
「我を、剣をそのカビの塊に突き刺せ」
勇者「大丈夫なのか、それ」
「問題は無い。が、それによって我との会話は終了となる」
「この身の全て魔力を原型の、このカビの全ての大本に流し込む」
「それで僧侶は人の姿に戻る事ができるはずだ」
勇者「原理が分からないな……」
「こんなものの原理など、この世界の何処にも残っていないだろう」
「気にせずやってくれ」
勇者「じゃあ……いくぞ」
「最後に。この僧侶という者に二つ伝言を頼む」
「お前が撤退してから間も無く目覚めるまでの経緯と」
「ざまあみろ、と」
勇者「……やっぱ、お前と僧侶は面識があったんだな」
「まあな」
勇者「そんな気はしていた。正直妬けるよ」
「そういう間柄ではない。が……親友ではあったな」
勇者「……何だかんだで、色々と有難うな」
「気にする事は無い。むしろこちらが礼を言いたい。お前を駒にしたのだからな」
勇者「俺なんかで駒になるならいくらだってなるさ」
勇者「……ありがとう、さようなら」
勇者は魔剣を構えた!
(……これで俺の役目も終わる)
(あの時のお前に何かしてやれれば良かったが……これで勘弁してくれ)
(さて、先に逝っているぞ。残されるお前はゆっくり人生を楽しんでから来ればいい)
勇者は魔剣をカビの塊に突き刺した!
……
僧侶「……あれ、ここは……?」
勇者「お早う、僧侶」
僧侶「……どうなったの?」
勇者は魔剣に頼まれた伝言を伝えた。
僧侶「そう……そっか……あいつもとんだペテン師ね」
僧侶「何だよ、結局あたしはあいつに助けられたのか。あいつはそんな筋書きを書いておいたのか」
勇者「……僧侶は、魔王を倒した後の事はどうでもよかったのか?生きたい、とは思わなかったのか?」
僧侶「……んー長話をしてもいい?」
勇者「俺が嫌だと言うとでも?」
僧侶「ふふ、そーね。あたしはさ、転生の巫女なんて言われててずっと生きてるみたいな事を言ったけど」
僧侶「あれ、本当は嘘なの。勇者が見たあの……菌糸類があたしの本当の姿なんだけど」
僧侶「それを二つに分けて、また人の姿に戻る。元のあたしと、幼いあたしに分かれる」
僧侶「広大な範囲に広がらない限り、人の姿に戻る事はできるからね」
僧侶「で、一番初めの……ある意味オリジナルであったあたしはもうとっくに死んでしまったわ」
僧侶「あたし達はその彼女の意思や知識、記憶を受け継いだ……劣化コピーなのよ」
僧侶「毎回二人に分かれる時に必ず言われる事があるの」
僧侶「あたし達は魔物の王を倒す為に生きなくっちゃいけない。その命も魔物の王が復活する事無く、無駄に終わる事もあるだろう」
僧侶「だからこそ、目的の為に使われるこの人生の中で、小さくても何でもいいから幸せを見つけなさい……って」
僧侶「今までのあたしは、皆平凡に暮らして二人に分かれて消えていった。だからあたしもそうなんだとばかり思っていたよ」
僧侶「でも、あたしの代で魔物の王は復活した」
僧侶「当然、すぐに南の大陸に行かなくちゃ、って思ったよ」
僧侶「だけども……急に怖くなった。死ぬ事がじゃない」
僧侶「あたしを知る人は皆、転生の巫女としてしか知らない中死んだら……」
僧侶「誰も本当のあたしを知らない……オリジナルである彼女の存在を無かった事にされる」
僧侶「そんな気がして、恐怖で押しつぶされそうになって……発狂してしまいそうになった」
僧侶「彼女の死を辱めるのではないだろうか……彼女の決意を傷つけるのではないだろうか……」
僧侶「そんな事を考え出したら、一歩も前に進めなくなったわ」
僧侶「でも、そんな時に現れたのが貴方達だった」
僧侶「彼らと共に行こう。そして本当のあたしを知ってもらおう……あたしを知る人がいる限り」
僧侶「あたしの死は、彼女の意思は蔑まれる事は無い。彼女の決意は勇敢で崇高で……誇れるものだと伝えてくれるはずだ」
僧侶「勇者が仲間を探していると言った時、そんな事を考えていたわ」
僧侶「だからあたしは、心置きなく死ねると思っていたよ」
勇者「それと……こういう時に非常に言いにくいのだが……」
僧侶「何?何でも言っちゃいなよー」
勇者「何故僧侶が死ぬ必要が?というか僧侶は何者なんだ」
僧侶「……」
勇者「……」
僧侶「よくもまあ、この雰囲気をぶち壊せるね」
勇者「だから嫌だったんだよ!だけど謎が多すぎるんだよ!何がどうなってるんだ!」
僧侶「まあいいけどね。んー本来の姿がアレの説明した方が早いかな」
僧侶「あたしは事実上、最後の純血の魔族だからね。昔の魔族には、本来の姿は人外であるのは珍しくなかったのよ」
勇者「それって満月になると狼男になるとか、か……?」
僧侶「そういう伝われ方はあるね。実際にはドラゴンであったりゴーレムであったり……単純にそういう種族は魔族」
僧侶「その中でも、あたしのように人の姿が取れる種族は魔族の扱いだったのよ」
勇者「へー……」
勇者「あれ?さらっと言われて気付かなかったが、これって凄い話を聞いているんじゃないか?!」
僧侶「え、今更?」
僧侶「その辺りは置いておいて、であたしの本来の姿だけど、ありとあらゆるものに寄生しエネルギーを吸い尽くす」
勇者「それは分かっているが……確かに魔王は強かったが……」
僧侶「あれが何度も復活する理由がね、ここを中心とした魔方陣の効力によるものなの。それこそ本当の転生術よ」
僧侶「魔方陣は周囲の大気や大地に流れる魔力を蓄え、一定量を超えると転生、復活を遂げる……」
僧侶「まあ、前回の戦いで魔方陣が大きくえぐられた所為で、時間がかなりかかったようだけどね」
僧侶「で、あたしを必要とした訳は、周囲に広がる魔方陣ごと寄生し、機能しなくなるまで力を吸い上げる」
僧侶「魔方陣さえ機能しなければ魔物の王は復活しない。が、そこまで拡散してしまえば、あたしは人の姿に戻れない」
僧侶「だから、ここで枯れ果てる必要があったのよ。存在しているだけで、周囲の命を奪う生命体だからね」
勇者「魔剣の魔力は解放しすぎた力を収縮させ、人の姿に戻したのか」
僧侶「そのようね。全くこんな事を考えていたとは」
僧侶「何百年も前に魔剣になったというのに……普段は頭悪そうな事していたけど、やっぱりあいつは凄いなぁ」
勇者「……」
僧侶「もう少し妬いてくれた方が可愛げがあるんだけどなぁ」
勇者「正直複雑な気持ちではあるよ」
勇者「だけど……生きていてくれ、ありがとう」
僧侶「な~に~、それ。あたしが助けてくれありがとうって言うものでしょ」
勇者「正直に言えば、俺は僧侶がもう助からないと思っていたよ」
勇者「魔剣から話を聞くまで、助ける事ができなかったってずっと……」
勇者「だけど、またこうして話せる。こうして僧侶に触れられる……」
勇者「だから」
勇者「ありがとう」
僧侶「……あたしからも、ね」
僧侶「あんな得体の知れない剣の言葉を信じ」
僧侶「こんな異界のような死地にまで来て助けてくれてありがとう」
僧侶「目が覚めた時、勇者が傍にいてくれて……本当に嬉しかったよ」
勇者「……僧侶」ギュ
僧侶「はは……君よりも何十倍も年上なのに……涙、止まらないや」ギュ
勇者「落ち着いた?」
僧侶「うん、ありがとう」
僧侶「あー恥ずかしいなぁ。勇者にこんな姿を見せるなんて」
勇者「俺は……逆に嬉しいよ。今までよりももっと、僧侶に近づけた気がして」
僧侶「……」
勇者「さあ、帰ろうか」
僧侶「……何処へ?」
勇者「そうだなぁ……樹海の国でもいいし、俺が住んでいる場所も悪くない。生まれ育った町もいいな」
勇者「旅先で見かけた町が良ければ、そこだって構わないよ」
勇者「僧侶が守ってくれたこの世界が、魔剣が守ってくれた僧侶の帰る場所なんだからさ」
旅芸人「遂に魔王が蘇った!」 完
uoooo超乙!
139:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/03/21(月) 23:46:42.74:dQK37aR5o乙、あれの続きだったのか
140:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/21(月) 23:52:29.72:fPOtAFsho141:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県):2011/03/21(月) 23:55:31.74:bG0vePBI0
乙
あの魔王とことん最後まで世界のこと考えて…
そういや勇者とあの魔王の間に血縁関係はあるのかな
142:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/03/22(火) 00:06:19.55:h3YAk/8Ooあの魔王とことん最後まで世界のこと考えて…
そういや勇者とあの魔王の間に血縁関係はあるのかな
よくよく考えたら魔族側のご長寿組は
数百年じゃ数代も進まないよなぁ……見誤った
>>141
血縁的には
勇者(荒ぶる)戦士(断ち切る)僧侶(水)僧侶(深緑の分裂)
143:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/03/22(火) 00:21:46.17:H98uuFjAO数百年じゃ数代も進まないよなぁ……見誤った
>>141
血縁的には
勇者(荒ぶる)戦士(断ち切る)僧侶(水)僧侶(深緑の分裂)
1乙
最高だった
144:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県):2011/03/22(火) 00:28:31.04:rUggXwOn0最高だった
>>142
なるほど、勇者は血縁関係あるんだろうなと思ってたけど
戦士と魔法使いもだったのか
男衆を恐れさせた魔法ぶっ放したのも頷ける
145:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県):2011/03/22(火) 00:41:26.69:XEqdUu1ooなるほど、勇者は血縁関係あるんだろうなと思ってたけど
戦士と魔法使いもだったのか
男衆を恐れさせた魔法ぶっ放したのも頷ける
超乙です!
148:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/26(土) 05:15:53.21:joOhjJcm0乙!
おもしろかった
150:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/30(水) 01:07:51.29:4poKLjVDOおもしろかった
乙でした!続きが気になってたけどようやく読めて良かった
引き継いでるのが乾杯と料理スキルってのは流石だな
引き継いでるのが乾杯と料理スキルってのは流石だな









































コメント 25
コメント一覧 (25)
面白かったし、完結して本当に良かった
他に魔王の過去編やら続編もあって、僧侶や魔王殺しの剣とかの経緯がわかるよ
女勇者「魔王は死んだ」じゃないのか?
教えて頂きありがとうございます。
他にまとめているサイトさんがあったのでリンクを載せようと思ったのですが
読みながらまとめる癖がついてしまったため、まとめてしまいました。
※1、5、6さん
すいませんでした。。
前のお話を夕方位からアップするので、よろしければどうぞ。
こんなに続いて長いのに、ちゃんと構想が練ってあるのがすごい。全部読んではじめて分かる要素もあっていいな。最高だった、まとめも乙でした。
シリーズ通して今までで一番いいSSだったよ!
これで最初の女勇者と魔王も天国であえると思うと泣けるわぁ
遂に完結か…
荒ぶる魔王たちの時代も凄い好きだったから、彼らの血縁が活躍してて嬉しい
>>1乙!
これで、もう剣じゃない時代の人は消えちゃったのか。完全に。
結局、暴れる魔物がいる世界は荒ぶる魔王または荒ぶる魔王の策ですべて片付けて、
格好よすぎだ
それにしても女勇者はどこで凍土を覚えたのだろう?
魔王のみならず、魔王の友人達が子孫に残したものが集うって素敵だな。
このシリーズ、最初から呼んだけど、本当に読み応えあったです^^
最初の方の話からいろいろな伏線が考えられていたってのがすごいです^^b
勇者の親戚一同が集まる話、あ~読みたい読みたい
戦士⇒断ち切るは剣だけでは負けなかった事で納得しましたw
女勇者は魔王と女勇者(昔)の娘から枝分かれした勇者と同じ血縁なのかなと思ったんですが‥違うんですねf^_^;
後できたら完結したシリーズものや関連したリンクを
タイトル~1
⇒1
⇒2
⇒3
みたいにまとめてあると読みやすいです←
探しても見つからなくて‥とゆうのが何回かあったのであると助かります(^^)
間欠泉と先祖代々の剣技ってので魔法と戦士は分かった
魔王の血筋が南の大陸に渡ってきてたんだね
僧侶は先代の勇者だと予想してたけどそっちだったかー
転生は荒ぶる魔王が居なくなった後も研究が進められて実用化されたんだと思ってたけど本当に転生してたわけじゃなかったのね
女勇者が凍土を使えるのは遠い親戚か何か?
ところでゴーレムのダンジョンと化した鉱山の地下はどうなった?
あと剣を渡された人間の少年のその後が気になる
どっかでお話→某所でお話→???
引っ越し先が見つからん
もぅーどこ行ったんだよー
全て終わったよ的な感じな