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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 21:02:17.90:Ac/9C/aE0
女「人間とは変わりませんよ?」
男「……どこでもいいのか?」
女「はい、どこでも」
男「それじゃあ……」
女「脚、ですか?」
男「ふむふむ……」
女「エッチな触り方ですね」
男「ほっとけ」
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7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 21:03:52.02:Ac/9C/aE0
男「本当に生身の人間そのものだな」
女「はい」
男「……うなじも?」
女「はい」
男「どれどれ……」
女「なんだか、とっても変な人なのですね」
男「なんで?」
女「お胸とか、お尻ではないのですか?」
男「いいじゃんなんでも」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 21:05:07.97:/zb5EkFG0
女「いえ、私の中のデータでは女性魅力カテゴリーでは『うなじ』はレベルが低いので」
男「水準で物を決めちゃいけないぜ」
女「そうですか」
男「ふむ……綺麗で素敵だ」
女「そうですか」
男「それで、あんたはなんで俺の家に?」
女「言わなければならないのですか?」
男「当たり前だろう」
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 21:10:53.82:Ac/9C/aE0
女「これは……家と言っていいのですか?」
男「はいはい、見栄張りましたアパートです。貸家ですよ」
女「わかりました。私のことについてお話します」
男「よろしくお願いします」
女「ここに住ませて欲しいのです」
男「……」
女「……」
男「それだけ?」
女「はい、あなたがすることは」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 21:13:33.15:Ac/9C/aE0
男「俺がすることは?」
女「そうです。あなたがすることはそれだけです」
男「じゃあ、他の人がいるのか?」
女「なにがですか?」
男「いや、だから、俺以外にすることがある人がいるのか?」
女「はい、もちろんです」
男「誰だ?」
女「えっと、それは言わなければならないのでしょうか?」
男「言ってよ普通に」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 21:17:39.10:Ac/9C/aE0
女「わかりました、言います」
男「お願いします」
女「私が人間と生活しても支障がないかどうかを調べるのです」
男「ふむ」
女「それを日々観察・記録し、報告する係が一人」
男「ふむふむ」
女「そして、その報告をうけて私を改良する係がいます」
男「つまり、二人?」
女「はい」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 21:22:36.52:Ac/9C/aE0
男「ちょ、ちょっと待って」
女「はい?」
男「こんな可愛い子と一つ屋根の下で、しかも二人で生活?」
女「いえ、一つ屋根の下では、他にも……」
男「……ああ、そうだね」
女「わかってくださったのならよろしいです」
男「それで……観察してる人がいるの?」
女「はい」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 21:26:12.66:Ac/9C/aE0
男(うっおおおおおお……)
女「どうしましたか?」
男(こんな可愛い子に何もできないのかよぉぉぉ……)
女「?」
男「いや、なんでもない」
女「そうですか」
男「どこで観察してるんだ?」
女「いえ、そこまでは記憶していません」
男「そうですか」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 21:30:42.57:Ac/9C/aE0
男「わかった」
女「わかったのですか?」
男「え、なんで?」
女「たくさんの方に頼んだのですが、誰も手伝ってくださらなかったので」
男「そうなの?」
女「はい、私って、ダメなんでしょうか?」
男「そんなことないよ、可愛いし」
女「可愛いですか?」
男「うん、可愛い」
女「可愛い……」
男「ん?」
女「いえ、なんでもないです」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 21:36:55.82:Ac/9C/aE0
男「それで、君はお風呂とか必要?」
女「はい、見た目以外も大分人間に近いので」
男「いや、というか人間っぽくないところってあるの?」
女「はい、たくさんあります」
男「どこ?」
女「全ての点を挙げると、何日必要かわかりません」
男「そんなにあるんだ……」
女「はい」
男「じゃあ、お風呂は必要ってことね」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 21:39:39.68:Ac/9C/aE0
女「はい」
男「じゃあ、行くか」
女「どこにですか?」
男「銭湯」
女「戦闘?」
男「戦わない闘わない」
女「それではなんでしょう?」
男「まあ、行けばわかるよ」
女「そうですか」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 21:45:18.17:Ac/9C/aE0
男「じゃあ準備するから待っててね」
女「おでかけですか?」
男「うん」
女「いってらっしゃいませ」
男「いやいや、あんたも行くの」
女「そうなのですか?」
男「うん」
女「わかりました。お待ちしております」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 21:48:36.53:Ac/9C/aE0
男「おっしこれでオーケー」
女「よろしいのですか?」
男「うん」
女「楽しみです」
男「いや、そんな楽しいとこじゃないよ」
女「それでも、お散歩は大好きです」
男「そうなんだ」
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 21:51:53.73:Ac/9C/aE0
トコトコ
男「あのさ、あんた」
女「はい?」
男「なんて呼べばいいのかな?」
女「呼称……ですか?」
男「うん、あんたのね」
女「ならば、DDL‐003です」
男「……なにそれ?」
女「私の番号であり、名前です」
男「……うーん、なんか呼びづらいなぁ」
女「そうでしょうか?」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 21:56:27.63:Ac/9C/aE0
トコトコ
男「普通に、『女』でいいかな?」
ピタリ
女「女……ですか?」
男「うん」
女「わかりました。私は『女』です」
男「それじゃあ、早く行こうか」
女「はい」
男「お風呂の入り方とかはわかる?」
女「はい、全て記憶されています」
男「それなら良かった」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:02:21.82:Ac/9C/aE0
男「はいっ、着きましたっと」
女「ここですか?」
男「ボロいけど、いいとこなんだよね」
女「なにをするところなのですか?」
男「いや、だからお風呂に入るとこ」
女「お風呂……? なぜ、お風呂に入りにこんなところに?」
男「銭湯ってのは、そういうものなの」
女「そうなのですか……初めて知りました」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:04:28.46:Ac/9C/aE0
~銭湯~
男「それじゃあ、ここで」
女「?」
トコトコ
男「いやいや、女」
女「はい?」
男「こっちは男湯」
女「男湯?」
男「あんたはそっち」
女「女湯?」
男「うん」
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:10:47.33:Ac/9C/aE0
女「それがなにかあるのでしょうか?」
男「いや、え?」
女「え? とは?」
男「なんであんたは男湯に入ろうとしてるの?」
女「それに、理由は必要ですか?」
男「とっても必要です」
女「私が女湯に入った場合、あなたは来てくれますか?」
男「そっちの方が問題だから!」
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:16:19.26:Ac/9C/aE0
女「不可能、ですか?」
男「はい、無理です」
女「それでは、男湯に入らせていただきます」
男「なんでそーなるの!」
女「古いギャグですね」
男「55号じゃないから、それはおいといて……なんで、ダメなわけ?」
女「私はあなたの傍にいないといけないのです」
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:21:58.36:Ac/9C/aE0
男「おお……なんでかな?」
女「観察の条件です」
男「マジッすか?」
女「本当です」
男「どれくらい離れちゃいけないの?」
女「……それは……わからないです」
男「わからないんだ」
女「とにかく、男湯と女湯との距離は観察条件に反している……そうです」
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:25:12.72:Ac/9C/aE0
男(曖昧だな……)
女「行きましょう」
男「いや、ダメなんだよ」
女「ダメですか?」
男「うん、残念ながら」
女「それでは、どうするのですか?」
男(これじゃあ風呂入れないぞ……)
女「……」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:32:17.34:Ac/9C/aE0
男「なんか、一緒に入れる場所とかないのかな?」
女「索敵しますか?」
男「できれば普通に探してほしいんだけど」
女「失礼しました、それでは、検索します」
男「よろしく」
女「一番近い場所でよろしいでしょうか?」
男「うん、それがいいかな」
女「……ピピッ」
男(あっ、可愛い)
女「……発見しました。」
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:37:53.12:Ac/9C/aE0
女「ラブペイン……という場所があります」
男「んじゃあそこに行きましょー」
女「はい、わかりました」
男(……ラブペイン?)
女「どうかしましたか?」
男「いや……あの……ねぇ」
女「?」
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:42:25.46:Ac/9C/aE0
男(ラブホテルじゃねえか……)
女「ここからあまり遠くはありません」
男「いや、そういうことじゃ……」
女「嫌ですか?」
男「どういう意味で!?」
女「?」
男「いや、ああ、そうだよね……」
女「なにか問題が?」
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:46:14.52:Ac/9C/aE0
男「うん、たくさんあってね……」
女「お悩みですか?」
男「結構」
女「それは、どのような件で?」
男「……」
女「私は、邪魔ですか?」
男「そんなことないよ、全然」
女「……ですが」
男「……他の場所は?」
女「他の銭湯があります」
男「いや、それじゃ変わんないよ……」
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:13:43.76:Ac/9C/aE0
女「……ごめんなさい」
男「いや、謝ることなんてないよ」
女「……」
男(……あんまり表情にも声色にも出ないけど……)
女「それでは、どうしましょう?」
男(凄く、気にしてるのか)
女「?」
男「あ、えっと……」
女「……」
男(行くしかないか)
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:14:15.29:AgXjMvHp0
男「行こう」
女「はい」
男(この子に恥はないだろうし)
女「どんな場所なんですか?」
男「別に、普通の場所だよ」
女「そうですか」
男(……大丈夫、見なきゃいいんだから)
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:23:18.73:Ac/9C/aE0
トコトコトコ
男(いやはやな……)
女「夜のお散歩ですね」
男(ラブホテルなんてのは、俺には無縁だと思ってたけど)
女「ラブペイン……なんだか、意味深な名前ですね」
男(まさかこんな可愛い子と入れるとは……!)
女「……」
男(って、何本番考えてんだ俺は!?)
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:29:55.21:Ac/9C/aE0
女「……あの」
男「ぐえっ!? なに?」
女「……つまらないですか?」
男「な、なにが?」
女「私と、二人きりは」
男「ど、どうして?」
女「気のせいだったら申し訳ありません。でも、私の発言に反応がありませんので……」
男「ごめん、考えことしてて……」
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:37:32.42:Ac/9C/aE0
女「考え事ですか?」
男「うん、ごめんね」
女「考え事なら、私にお話し下さい」
男「え?」
女「私にも、その悩みを共有させて欲しいのです」
男「でも、それは迷惑じゃないか」
女「迷惑じゃありません。とてもうれしいことです」
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:40:42.32:Ac/9C/aE0
男「嬉しいこと?」
女「悩みを共有することは、二人の秘密ができることなのです」
男「……」
女「それは信頼した二人のみで成立すること、信用が無ければありえないことです」
男「でも……」
女「私は嘘をつきません。だから、信用してください」
男「……ありがとう。でも」
女「でも……?」
男「それは、できないよ」
女「……」
男(というか、こんな変態なこと考えてましたなんて言えないっつーの!)
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:45:30.04:Ac/9C/aE0
女「ここです」
男「お、おお……」
女「桃色ですね」
男「ピンクいっすねえ……」
女「入りますか?」
男「入り……ますか」
女「はい、行きましょう」
男(勇ましいなぁ)
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:48:04.84:Ac/9C/aE0
そして
男「……女、行くよー……?」
女「……」ジーッ
男「なに見てるの?」
女「ガチャガチャがあります。はじめて見るグッズです」
男「おふぅ、そうですか」
女「……ローター?」
男「さっさと部屋に行きましょうねー!」
女「はい」
121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:52:30.43:Ac/9C/aE0
男(なんだよあれ……)
男(あんなの置いてあるのかよ)
女「お部屋も桃色なのですね」
男「そうだね」
女「ベッドがあります」
男「泊まらないからね」
女「わかりました」
男「風呂は……こっちか」
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:55:33.88:Ac/9C/aE0
男(あれ、案外普通だな……)
女「風呂、ですね」
男「うん」
女「早速入りますか?」
男「もちろん。そのために来たんだから」
女「そうでしたね。それでは……」
ヌギヌギ
男「……脱ぐの?」
女「脱いでいます。現在進行形で」
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:01:24.00:50Trfnl+0
男「早くない?」
女「いえ、そんなことは」
男(もう下着じゃねえか!)
女「どうかしましたか?」
男「いや、別に」
女「……?」
男(マジマジと見ても全然気にしてない……これは、これは本当に?)
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:08:28.44:50Trfnl+0
女「……」
男(ダメだ、見ちゃいけない!)
女「……?」
男「とりあえず、俺も脱ぐから」
女「はい」
男「先に入ってて」
女「それはできません」
男「じゃあ、どうするの?」
女「待っています」
男「なんでずっと見てるんだ!?」
135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:12:24.17:50Trfnl+0
女「お気になさらず、どうぞ」
男「できれば見て欲しくないんだけどなぁ……」
女「嫌、ですか?」
男「うーん……そうだね」
女「……それでは、目を閉じています」
男「そ、そう」
女「ついでに、視神経を一時的に停止します」
男「いや、そこまではしなくても大丈夫」
138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:15:42.38:50Trfnl+0
女「わかりました」
男「……」ヌギヌギ
女「……あ、そういえば」
男「はいっ!?」
女「大丈夫です、目は開けてません」
男「う、うん。で?」
女「今考えて見たのですが」
男「う、うん」
女「私は目以外にも色んな場所で見ることができるのです」
男「」
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:21:14.97:50Trfnl+0
女「これが、一つ人間と違う場所です」
男「……先に言ってくれよ」
女「何故ですか?」
男「……もういいや」
女「『もういい』?」
男「うん、もういい」
女「それはいけません」
男「な、なんで?」
144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:25:44.89:50Trfnl+0
女「それは諦めです」
男「諦め?」
女「自分の意志ではないこと、それは嘘です」
男「……」
女「私は、嘘をつきません。だから嘘をつかれたくないのです」
男「……」
女「そして、あなたに嘘をついて欲しくありません。そして私はつきません」
男「……わかったよ、女」
女「そうですか」
男(カッコいいけど、裸で言われるとなぁ……)
146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:32:07.05:50Trfnl+0
男「じゃあ、目以外の視覚もストップしてくれる?」
女「はい、わかりました」
男「……」
女「……完了しました」
男「本当に?」
女「はい、本当に」
男「……」
チュッ
女「?」
男「どうかした?」
女「今、柔らかい感触が」
男「気のせいだよ」
女「そうですか」
147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:39:03.30:50Trfnl+0
男(やばい……何してんだ俺は……)
女「……」
男(罪悪感しかないぞ……)
女「終わりましたか?」
男「ちょい待ち……」
女「はい」
男「はい、いいよ」
女「……視神経復帰しました」
男「えっと、ごめん」
女「何がですか?」
男「な、なんでもないよ。なんでも」
149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:46:08.41:50Trfnl+0
女「入りましょう」
男「うん、でも……」
女「はい?」
男「タオルを……巻いてくれないかな?」
女「タオルですか?」
男「うん、できればでいいんだけど」
女「わかりました」
男「よかった」
152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:51:35.06:50Trfnl+0
男「……えーっと……」
女「……」
男「あの、どうしたの?」
女「なんでもありません」
男「そっか」
女「はい、申し訳ありません」
男「いいよ、気にしなくて」
153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:54:11.37:50Trfnl+0
男(どうするべきだ)
女「湯加減はいいですね」
男「そだね」(女性と一緒に風呂に入るなんて、未体験だぞ!?)
女「……?」
男「先に、汗流しとく?」
女「汗は流しますが、大丈夫です」
男「じゃあ、先に湯に浸かる?」
女「お構いなく」
男(どうすりゃいいのさ!?)
157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:02:46.13:50Trfnl+0
男「じゃあ、俺先に汗流すから、先に入ってて!」
女「わかりました」
男「……」(ちょっと、頭冷やそう。体が熱いぜまったく)
シャー
男(冷たくて気持ちいい……)
ピチャンッ
女「ひゃっ」
男「どうした?」
女「急な温度差を確認しました」
158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:07:33.58:50Trfnl+0
男「ごめん」
女「!」
男「ど、どしたの!?」
女「体温の上昇を確認、異常ありませんか?」
男「いや、大丈夫だよ」
女「でも……」
男「ちょっと水出してたからさ」
女「そうですか……」
159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:10:36.35:50Trfnl+0
女「お手を」
男「え?」
女「……」
男「ちょ、ちょっと……」
サワリサワリ
男(うう……女の子の手って柔らかい……!)
女「……一応調べさせていただきました。異常なしですね」
男「それはよかった」
163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:16:37.26:50Trfnl+0
女「……」
男「なに?」
女「男の人の手、初めて触れました」
男「そうなんだ」
女「もう少し、触らせて下さい」
男「え、うん」
女「……」
男(うーん、恥ずい)
165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:23:58.97:50Trfnl+0
女「あの、お願いがあります」
男「なんですか?」
女「……あなたは私の体を触りました」
男「! ……はい、触りました」
女「……私にも触らせて下さい」
男「え……?」
女「私に、あなたの体を触らせてほしいのです」
168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:35:02.13:50Trfnl+0
男「い、今?」
女「はい。今なら衣服もありませんから、障害もありませんし」
男「いや、困る」
女「何故でしょうか?」
男(反応しちまうぞ……)
女「……?」
男(ただでさえ今の状況は俺にはきついのに)
169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:38:39.42:50Trfnl+0
女「いけませんか……」
男(うう、でもこれじゃあ)
女「……」
男(触っておいて、触らせないなんて、ダメだ)
女「どうなされましたか?」
男「わ、わかったよ。いいよ、触って」
171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:43:11.44:50Trfnl+0
女「ありがとうございます」
男「……」
女「それでは、生殖器を」
男「え、マジで!?」
女「はい、嫌ですか?」
男「いや……えーっと……」
女「?」
172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:46:45.71:50Trfnl+0
男「やっぱり触らせないとダメ?」
女「触りたいです」
男(まずい……)
女「触ってはいけないのでしょうか?」
男「わかったよ、触っても、全然構わないよ!」
女「え?」
男「もういい、もういい!」
女「…………」
174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:51:52.54:50Trfnl+0
女「……もういい、ですか」
男「……へ?」
女「さっき、言いましたよね?」
男「あ……」
女「……私も至らぬ点がありました。ごめんなさい」
男「……」
女「お背中、お流しします」
男「あ、はい」
177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 02:01:26.18:50Trfnl+0
女「……」
ゴシゴシ
男(あれ……なんで背中流してもらってるんだ?)
女「痛くないでしょうか?」
男「うん、大丈夫だよ」
女「そうですか」
男「……」
女「これも、気持ち良いですか?」
フニンッ
男「!!!」
178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 02:02:33.87:0TuBIY/6P
女「私の記憶内に入っていた『気持ち良いこと』です」
男「いやあ……あははは……」
女「気持ち良いですか?」
男「気持ち……良いです」
女「それは良かったです」
男(ああ……俺、なにやってんだろ)
319:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:14:08.59:50Trfnl+0
男(背中に柔らかいものが当たっている……)
女「あなたにもこのデータは適用できるようですね」
男(まだ胸とは決まってないじゃないか!)
女「安心しました。マイノリティーな方なのかと思いましたから」
男(この目でしかと……確かめる!)
チラリ
女「?」
男(お、おっぱいだーーーーー!!)
323:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:18:06.99:50Trfnl+0
女「どうかなされましたか?」
男「いや、なんでもないです」
女「目が泳いでいます。体温も上昇中、なにか異常が?」
男「大丈夫ですから! お気になさらず!」
女「顔をこちらに向けてください」
男「えっ!?」
コツン
女「ピピッ……体温は平熱、異常ありません」
男(でこ……くっつけられた)
324:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:21:16.89:50Trfnl+0
女「体温が上昇したと思ったのですが……」
男「気のせいだって、それより……さ」
女「はい?」
男「そろそろ、どけてくれないかな?」
女「なにをですか?」
男「えっと……」
女「胸ですか?」
男「は、はい、そうです」
325:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:24:34.94:50Trfnl+0
女「気持ち良いのではないですか?」
男「そうなんだけど……」
女「嫌でしょうか?」
男「少なくとも、なんか自分を許せなくなりそうです」
女「自分を許すことは必要なことです」
男「またそういうこと言うの?」
女「申し訳ありません」
男「謝ることじゃないよ……はは」
331:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:29:25.03:50Trfnl+0
女「胸は大きい方が好みでしょうか?」
男「えっ、選べるの?」
女「あなたのお望みなら」
男「うーん……大きいのも好きだし、ひかえめもなかなか……」
女「ふむふむ」
男「……女の子の前で男のロマン語ったら気持ち悪いよね」
女「そんなことありません、もっとお話し下さい」
男(こっちが持たないよ)
333:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:32:38.45:50Trfnl+0
男「今の設定は?」
女「おそらく……中の上です」
男「へえ、そうなんだ」
女「どうしますか?」
男「正直どうでもいいよ、俺は」
女「いいのですか?」
男「うん、別に、大好きってわけでもないし」
女「……あなたのような人もいるのですね」
男「え?」
女「いえ、なんでも」
334:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:37:50.58:50Trfnl+0
シャー
男「……」チャポン
女「……」ゴシゴシ
男(見た目なーんも人間と変わらない)
女「あ、目に泡が侵入しました、痛いです」
男「痛覚ちゃんとしてるんだね」
女「はい、痛いです」
339:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:48:45.98:50Trfnl+0
女「……質問があります」
男「ん?」
女「私はあなたのことをなんと呼べば良いでしょうか?」
男「俺も普通で良いよ。『男』でさ」
女「『男』……さん」
男「さん付けなのね」
女「よろしくないですか?」
男「いや、あんたらしいよ」
340:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:53:25.08:50Trfnl+0
女「私、らしい?」
男「うん、あんたらしい」
女「私らしさとは、なんでしょうか?」
男「んー、なんだろうな」
女「教えてください」
男「いや、俺もわからないよ」
女「それでは、なぜ今、『私らしい』と?」
男「随分突っ込んでくるね」
女「不明瞭な点は明らかにしたいのです」
341:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:57:48.87:50Trfnl+0
男「まあ……あんたはあんただってこと」
女「それは答えになっていません」
男「でも、俺にもちゃんとした説明は」
女「あ」
男「!?」
女「目に泡が侵入しました、痛いです」
男「……ちゃんと目閉じとけー」
344:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:03:42.64:50Trfnl+0
男「……あーちょっと」
女「はい?」
男「ごめん、のぼせてきたかも。先出ていいかな?」
女「少々お待ちを」
男「うん」
女「……」ゴシゴシ
男「あれ、体洗うのにタオル取らないの?」
女「『巻いてくれ』と言われたので」
男「いや、それじゃあ体洗えないでしょ」
女「男さんの言うことが最優先です」
345:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:06:47.76:50Trfnl+0
男「じゃあ、体洗う時は取って洗って。も、もちろん見ないから」
女「見てもよろしいですよ?」
男「いや、それはね」
女「わかりました、それではお待ちを」
男「……」
女「……」ゴシゴシ
男(目を背けてるけど、近くで女の子が体を洗ってるのか……)
346:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:13:47.46:50Trfnl+0
女 シャー
男「……終わった?」
女「終わりました」
男「じゃあ、あがろうか」
女「はい、お待たせしてしまい申し訳ありません」
男「大丈夫大丈夫」
女「あ、待って下さい」
男「え?」
女「タオル、巻いてませんでした」
男「……」タラァ
女「? 鼻血……」
男(のぼせたからで……あって欲しい)
349:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:22:41.35:50Trfnl+0
男「――ん?」
女「気がつきました?」
男「あれ……ここ……?」
女「鼻血を出してしまって、気を失ったので、こちらまでお運びさせていただきました」
男「ベッド……? なんかピンクいけど……」
女「はい、そのようです」
男「って、なんでタオルのままなんだ!?」
女「『巻いて』と言われたので」
男「ずっと巻いてる必要はない!」
351:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:25:26.51:50Trfnl+0
女「そうですか、それでは」
男「早速脱ごうとするな! 俺の見えないところで」
女「それは条件に反します」
男「いや、でも」
女「大丈夫です、私に恥じらいはありません」
男「こっちの恥じらいは無視!?」
352:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:33:52.00:50Trfnl+0
女「男さんの恥じらい?」
男「そうだよ、俺の恥じらい!」
女「……」
男「……あれ?」
女「申し訳ありませんでした。全く思考に入れていなかった私の責任です」ペコリ
男(可愛い……)「わ、わかればいいんだけどさ」
女「それでは」クルリ
ハラリ
女「これでよろしいですね?」
男(お尻丸見えなんだけどなぁ……)
354:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:39:55.40:50Trfnl+0
女「……大変です、男さん」
男「今度はなんだよ……」
女「下着がありません」
男「なんで!?」
女「体内洗浄中で、今ここにありません」
男「こっち振り向かなくていいから、とりあえず、そのままで」
女「人と話す時は目を見て話すのが常識です」
男「今、その常識は破壊された!」
355:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:45:45.68:50Trfnl+0
女「常識を破壊すると、秩序が乱れます」
男「こっち見たら俺はあんたと二度と話さない」
女「……ごめんなさい」
男「とりあえず、その体内洗浄って?」
女「私の体内で下着や衣服などを洗浄することです」
男(そのまんまだ)
女「衣服は洗浄していないので、大丈夫ですが、衣服を着ますか?」
男「ああ、それがいい。風邪をひいたらまずいからね」
女「大丈夫です、風邪は引きま……」
男「ん?」
女「くしゅん」
男「……はぁ」
366:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:12:10.54:50Trfnl+0
女「くしゃみが出ました」
男「風邪引いちまったじゃん」
女「違います、これは鼻に入ったバイ菌……くしゅん」
男「はいはい」
女「なんですか?」
コツン
男「……わかんねえ」
女「あの、なにを?」
男「お返しだ、お返し」
368:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:17:03.08:50Trfnl+0
女「お返し?」
男「そそ、お返し」
女「私は、なにかあなたにしましたか?」
男「……」
女「?」
男「いや、とりあえず、服を着てくれ。全裸は相当まずい」
女「わかりました」
369:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:22:25.38:50Trfnl+0
男(ふう……やれやれ)
女「男さん、こんなところにマスクがありました」
男「おうおう、それは良かったな。じゃあつけとけ」
女「ふむ、はむ……?」
男「どうした? ……っておい!」
女「?」
男(猿ぐつわかよ!)
372:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:26:59.20:50Trfnl+0
女「ぷはっ……マスクではないのですか?」
男「なんでこれをマスクだと思ったんだ!?」
女「口に使うものだったので」
男「いや、おかしいだろ!? まったくガードできてねぇじゃん、筒抜けじゃん!」
女「本当ですね」
男「ちゃんと確認してからつけなさい!」
女「申し訳ありません」
374:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:30:09.17:50Trfnl+0
男「……まったく」
女「……男さん」
男「なに?」
女「怒ってますか?」
男「ちょっとね」
女「申し訳ありません、欠点の多い欠陥品で」
男「そ、そんなこと言うなよ」
女「いえ、自分でもよくわかっているのです、それは」
375:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:33:47.70:50Trfnl+0
男「……」
女「私はあなたを安心させたいがために、これをつけて、安心させようとしました」
男(俺を?)
女「ですが、逆効果でした。考えなしに行ったからです」
男「なんで、俺を安心させようと?」
女「迷惑をかけているからです」
男「そんなこと……」
女「あります」
376:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:38:02.74:50Trfnl+0
女「ごめんなさい」
男「……」
女「私にできることなら、なんでもいたします」
男「……なんでも?」
女「はい、なんでも」
男「本当に、なんでもか?」
女「はい、なんでも」
男「いいのか? なんでも」
女「はい、なんでも」
男「……じゃあ」
379:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:41:31.13:50Trfnl+0
トコトコトコ
男「……」
女「……」
トコトコトコ
女「あの……」
男「ん?」
女「私は……」
男「なんだ?」
女「……いえ、なんでもないです」
トコトコトコ
382:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:45:06.43:50Trfnl+0
―――――
女「はい、なんなりと」
男「女」
女「はい、なんですか?」
男「二度と自分のことを責めるな」
女「?」
男「自分はああだからこうだからって、理由をつけるなって言ってるの」
女「でも、それは事実……」
男「事実だって知ったことか、人間はみんな完璧じゃないんだからさ」
女「……はい」
―――――
386:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:49:20.46:50Trfnl+0
男(毎回あんなところに行けないし……風呂ありに引っ越すかな)
女「貸家ですね」
男「はいはい、そうですよ……」
ガチャ
?「あ、おかえり~」
男「……」
女「あ」
男「えっと、誰?」
389:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:55:04.16:50Trfnl+0
?「どもども、初めまして! このたびはDDL‐003の研究にご協力いただけるとお聞きしたので、一応挨拶に来ました!」
男「DDL-003って……」
女「私です」
助手「DDL-003、お久だね! 助手だよ、わかる?」
男「助手?」
女「博士の助手さんです」
助手「どもども、男さん!」
男「えっと、こんな女の子が助手なの?」
助手「酷いなぁ。それ、偏見?」
男「ち、違うけど」
女「助手さん、男さんが困っています、やめてください」
390:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:59:13.41:50Trfnl+0
助手「むふふ、そうみたいだね~」
女「……」
助手「まあ、これからよろしくお願いするね、男さん」
男「は、はぁ……」
助手「私はいつでも観察してるから、なにかあったら呼んでね~」
男「……え?」
助手「それじゃね」
女「はい、さようなら」
男「ちょ、ちょっと待って女」
女「はい?」
394:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:04:17.89:iBOu7h8j0
男「え、観察係あの子?」
女「はい」
男「……マジかよ……」
女「大丈夫ですか?」
男「う、うん、多分」
女「多分では心配です」
男「当分大丈夫」
女「そうですか、安心です」
395:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:07:28.25:iBOu7h8j0
女「それでは、これから何をしますか?」
男「……うーん、もう寝たいかな」
女「わかりました」
男「やっぱり、睡眠は必要?」
女「そうですね、そういうところは人間に準拠しているので」
男「あー、そっか……」
女「なにか支障でも?」
男「うん」
女「どのような障害が?」
男「布団、一枚しかないんだ」
397:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:10:53.63:iBOu7h8j0
女「私は心配なさらないでください」
男「いや、でも……」
女「風邪をひいてしまいますよ?」
男(鼻水をちょっと垂らしながら何言ってんだよ)
女「男さんが風邪をひいてしまったら困ります」
男「俺はお前の病状が悪化する方が嫌だよ」
399:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:16:12.90:iBOu7h8j0
女「それでは……」
男「……ああ、もういいよ」
女「……」
男「あ、ご、ごめん」
女「いえ、お構いなく」
男「……はぁ」
女「?」
男「一緒に寝るか」
女「はい」
403:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:20:45.24:iBOu7h8j0
男「……」
女「あの」
男「なに?」
女「できればこちらを向いていただけると嬉しいのですが」
男「なんで」
女「反対側を向くと、布団が引きずられて……」
男「うおっ、くっつくな!」
女「寒いです、とっても」
男「わかったわかった! 向くから離れろ!」
406:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:25:55.17:iBOu7h8j0
男「……」(う、顔近い)
女「……男さん」
男(息当たってる! めっちゃ良い匂い!)
女「今日はとても楽しかったです」
男「はいはい、俺も変な体験ができて驚いたよ」
女「それは良かったです。これからも沢山のことをしましょう」
男「おう」
女「それじゃあ、おやすみなさい」
男「へいへい」
女「あの、男さん」
男「次はなんだ?」
女「今日一日、ありがとうございました」ニコッ
男「あっ……」
女「スリープモードに移行します」
男「……ふんっ……おやすみ」
408:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:31:04.11:iBOu7h8j0
男「……ゲットぅ!」
プニンッ
男「……ん? この柔らかい感触……」
女「―――」
男「うわああああ、すまん!」
女「―――」
男「えーっと……?」
女「ピピッ、通常モードに移行します」
男「お、おお」
女「おはようございます、男さん」
409:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:33:11.22:iBOu7h8j0
男「おはよう、女」
女「今日は良い天気ですね」
男「そうだな」
女「お散歩に行きませんか?」
男「ああ、いいぜ」
女「それでは、着替えてきます」
男「着替えあるのか?」
女「ありません」
男「ないのかよ」
411:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:36:25.18:iBOu7h8j0
女「でも、男さんの衣服があるのでそれで」
男「あんたに似合うようなもの持ってないぞ」
女「そうですか、私は一向に構いませんよ」
男「うーん……どうしようか」
女「とりあえず、服を洗浄します」
男「おい、それじゃあお前……!」
女「昨日洗浄した下着はもう穿いております」
男「よか……よくねえよ!」
418:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:56:26.24:iBOu7h8j0
女「一応、着ました」
男「ううむ……やはりなぁ」
女「いけませんか?」
男(胸のふくらみが……まずいことになってる)
女「?」
男(昨日の女の服はわりと厚かったから下着がなくても大丈夫だったけど、これはダメだ)
女「あの……」
419:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:58:37.31:iBOu7h8j0
男「なに?」
女「どこが、いけませんか?」
男「色々と」
女「そうですか……」
男「……仕方ない、すいませーん、助手さーん」
ガチャ
助手「どもどもー呼ばれたらすぐにかけつけますよー」
男(本当に、観察されてる……!)「えっと、ちょっとお願いごとがありまして」
女「おはようございます、助手さん」
助手「おっはよ。ん、なになに男さん?」
421:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 01:06:15.54:iBOu7h8j0
男「女物の服、ないかな?」
助手「私に聞いちゃう?」
男「えっと、ダメだった?」
助手「ふふふ……君は良い選択をしたよ、男さん!」
男「え?」
助手「私の趣味はお洋服作り!」
男「マジッすか!?」
助手「もちろん、DDL‐003に着せるんでしょ……下着だけじゃ、男さんも困るもんね、主に性欲が」
男「……まあ、それもコミコミで」
423:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 01:08:48.63:iBOu7h8j0
助手「じゃあ、ちょっと失礼するね。行くよ、DDL-003」
女「あ、これ以上離れたら……」
助手「観察係の私が許す! だからこっちきなさーい」
女「それでは、男さん」
助手「ちゃっちゃとすませるから、お待ちを~」
男「はい」(……って、ほんのちょっとだけなのに、それでもダメなのか)
424:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 01:13:33.29:iBOu7h8j0
ガチャ
助手「おまたせー!」
男「あ、はい」
助手「どうよどうよ! ほら、DDL-003早くこっち来なさい!」
男(助手さんが洋服作れる人で良かった……これで服には困らな――)
女「男さん、どうでしょうか?」
男「じょ、助手さん?」
助手「なに?」
男「あれ、なんです?」
助手「メイド!」
男「……」(やっぱり良くなかった)
426:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 01:18:09.39:2xbu1V5C0
女「?」
男「ああ、似合ってるよ、女」
女「そうですか」
男「だけど、助手さん!」
助手「ちょーっと待ってね……すこしだけ……」
女「ひぐっ!?」
男「な、なにを!?」
女「ら、らめれす、いきなりデータをいじりゃないでくだしゃい……」
男「お、女ぁ!?」
助手「ふふふ、これでよっし!」
438:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 01:35:19.61:iBOu7h8j0
女「はぁはぁ……一体何を?」
男(元に戻った)
助手「ふふ、すぐにわかるっさ! それじゃあ、またね~」
男「大丈夫か、女」
女「はい、大丈夫……だと思います。些細なデータ書き換えのようです」
男「なにされたかわかるのか?」
女「いえ、わかりません」
441:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 01:39:35.18:iBOu7h8j0
男「まあ、とにかく、性格変わってないから大丈夫か」
女「はい、そのようです。……あれ?」
男「ん?」
女「ということは、私の性格は、変わらなくても良いということですか?」
男「え、あ」
女「そうなのですか?」
男「ま、まあな」
女「それは良かったです。嬉しいです」
444:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 01:43:35.39:iBOu7h8j0
男「……なんか、恥ずかしいな」
女「恥ずかしい?」
男「……繰り返すな、恥ずかしい」
女「恥ずかしいのですか?」
男「ああ、恥ずかしい」
女「恥ずかしいとは、どんな気持ちなんですか?」
男(さっきから恥ずかしい恥ずかしいうるせえ!)
447:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 01:48:16.59:iBOu7h8j0
男「そんな気持ち、説明はできない」
女「私には恥じらいはありません、だからこそ、教えてほしいのです」
男「……わからん」
女「どういう時に、恥ずかしいと思うのですか?」
男「色々な場面があるさ。失敗したとき、褒められた時、……くさい言葉とかもな」
女「なるほど、記録しました」
男「……女、なにかしたことあるか?」
女「私ですか?」
男「おう、なんでもいいぜ」
女「私は、ご主人様とお散歩がしたいです」
男「…………へ?」
女「?」
男「ごしゅじんさま……?」
583:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 23:55:59.26:iBOu7h8j0
男「ちょ、ちょっと待て女」
女「はい?」
男「今、なんて?」
女「私、なにかおかしいことを言いましたか?」
男「言った」
女「? ご主人様に、なにか言いましたか?」
男「それだそれ!」
588:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 23:57:34.97:iBOu7h8j0
女「え?」
男「ご主人様って……なんだ?」
女「ご主人様はご主人様です」
男「いや、俺はご主人様じゃ……」
女「私は仕えるメイドです。ご主人様のご奉仕をすることが役目です」
男(助手さんめ、色々いじくったな……!)
589:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 23:59:31.59:iBOu7h8j0
女「ご主人様?」
男「な、なに?」
女「散歩……は?」
男「ああ、散歩ね、散歩……」
女「嫌であれば遠慮なさってもかまいませんが……」
男(その格好の女とは、ちょっと難しいんだよなぁ)
591:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 00:02:26.28:UkOo0ce+0
女「ご主人様の意向に従います」
男「……べ、別にいいよ。断る理由もないし」
女「ありがとうございます」
男「それじゃあ、行く?」
女「はい」
男「着替えてくるから、ちょい待ちね」
女「もちろんです」
595:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 00:07:45.04:UkOo0ce+0
女「……」
男(うう、まったく無表情で着替えを見られてる……)
女「今日はストライプトランクスですね」
男「み、見るな!」
女「申し訳ありませんでした。視神経を遮断します」
男「そこまではもう、しなくてもいいよ。できるだけ見てないようにしてくれれば」
女「了解いたしました」
598:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 00:14:18.79:UkOo0ce+0
男(見られてても目を閉じてくれてれば、少なからず気分は良い)
女「そういえば、ご主人様」
男「なに?」
女「ご主人様に『似合っている』と言われた時から、なんだかとても変なのです」
男「なにが?」
女「服をです」
男「いや、それはわかってるんだけど」
女「とても変なのです」
男「いや、それもわかってるんだけどさ……」
599:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 00:19:40.01:UkOo0ce+0
女「……それ以上の説明ができません」
男「そうだと思ったよ……体調が悪いとかじゃないの?」
女「はい、それは異常ありません」
男「なら大丈夫さ。それが『恥ずかしい』って気持ち」
女「……『恥ずかしい』」
男「照れるって言うのかな? でも、『恥ずかしい気持ち』だよ」
女「なるほど」
600:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 00:21:13.31:UkOo0ce+0
男「よし、着替え完了、行こうか?」
女「はい」
男「……」
女「?」
男(可愛いけどなぁ……メイド)
女「どうしましたか?」
男「いや、なんでもない」
603:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 00:28:44.00:UkOo0ce+0
トコトコトコ
女「ご主人様は物知りなのですね」
男「そうか?」
女「はい、私の知らないことをたくさん知っています」
男「自分の理屈しか言ってないよ、俺は」
女「自分の意見を言える人は素敵です」
男「あ、ありがとう」
605:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 00:33:51.12:UkOo0ce+0
女「感謝されることはしていません」
男「それでも、一応な」
女「わかりました」
男(……まぁ、いいか)
女「ヒラヒラしていて、すこし歩きづらいです」
男「そうだろうな、メイド服は歩きづらそうだ」
女「これは、メイド服と言うのですか?」
男「え、知らなかったの?」
女「メイドのという職種は知っていましたが、服は知りませんでした」
男「そうなんだ」
696:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 19:46:39.95:UkOo0ce+0
女「ご主人様はメイドはお好きですか?」
男「うーん、メイド喫茶とかは別にいいけど、メイド自体は好きかな」
女「では、私は好きですか?」
男「ど、どういう意味?」
女「やはり、メイド服だけでは、メイドとは言えないでしょうか」
男「本職の人は怒るかもな」
698:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 19:48:13.12:UkOo0ce+0
女「今から勉強して、メイドになります」
男「なんで?」
女「なぜかわかりません、それでも、なりたいのです」
男「あんたはあんたのままでいいだろう」
女「私のまま」
男「そそ、そのままでさ」
700:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 19:55:58.08:UkOo0ce+0
女「それが、あなたの望みですか?」
男「俺が決めることじゃないよ」
女「そうですか」
男「そうなんです」
女「ご主人様」
男「ん?」
女「手を、つなぎませんか?」
703:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 20:04:14.51:UkOo0ce+0
男「手?」
女「はい、手」
男(いきなり、なんだ?)
女「……」
男(つないで良いのか!?)
女「……」スッ
男「いいのか?」
女「はい」
704:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 20:09:38.78:UkOo0ce+0
男(別に、相手からだからいいよな)
女「嫌……ですか?」
男「いや、いいよ」(だから別にね、大丈夫だよね)
女「嬉しいです」
男「うん」
助手 ニヤリ
男「!」
女「?」
男「ちょ、ちょーっと待とうか女」
706:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 20:13:51.84:UkOo0ce+0
女「? はい」
男(なんで助手さんいるんだよ!)
女「ご主人様?」
男(観察してるのは知ってた。しかし、なんで見える所にいるんだよ)
女「なにか、問題が?」
男「いや、なんでもないよ。とりあえず、歩こう」
女「はい」
708:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 20:17:15.11:UkOo0ce+0
男「……」
女「……」
トコトコトコ
男「あのさ」
女「あの」
男「ごめん」
女「こちらこそ」
男「……喫茶店でも寄るか?」
女「メイド喫茶ですか?」
男「まずそこから離れよう」
709:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 20:23:17.81:UkOo0ce+0
男「普通の喫茶店だよ、普通の」
女「普通の、とは?」
男「んー、まあおしゃべりとかできたり、軽くお茶できるってこと」
女「わかりました」
男「んじゃ、行く?」
女「はい」
710:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 20:30:43.08:UkOo0ce+0
カランコロン
男「んじゃ、ここに座って」
女「はい」
男(わかる、俺には分かるぞ)
女「ここから選べばいいのでしょうか」
男「おう、なんでもいいよ」(他人の目が痛い)
女「……」
713:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 20:35:10.48:UkOo0ce+0
男「決まった?」
女「思考中です」
男「ん、待ってるよ」
女「大丈夫です。先に注文してください」
男「あ、うん。わかった」
女「……」
男(ひたすらメニュー見てる……)
735:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 23:05:39.92:UkOo0ce+0
男「えーっと、コーヒー一つ」
女「……」
男「……女?」
女「それでは、私は――」
男(なにを頼むんだ?)
女「この、カップルジュースというものを」
男「!!」
738:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 23:09:32.22:UkOo0ce+0
男「ちょ、何頼んでるんだよ!」
女「え?」
男「それはカップルが頼むものであってだな!」
女「カップル――男女二人の組み合わせを言うのではないのでしょうか?」
男「え……そうなのか?」
女「はい」
男(……まあ、とりあえずくるまで様子見だ)
741:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 23:12:52.22:UkOo0ce+0
オマタセイタシマシター
男「……」
女「とても大きいですね」
男「……」(確実に二人用だぁぁぁ!!)
女「ストローが二つあります」
男「ああ……そうだな」
女「これはどういう意味でしょうか?」
男「……少し考えれば結論に至れると思うぜ」
742:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 23:16:24.41:UkOo0ce+0
女「ああ、なるほど」
男「ん?」
女「一緒に飲みませんか?」
男「……よく恥ずかしげもなく言えるなぁ」
女「ここは恥じらう所でしたか?」
男「俺だったらね」
女「設定しました」
男「いや、無理して恥ずかしがらなくてもいいからな?」
744:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 23:23:43.43:UkOo0ce+0
女「わかりました」
男「ん、じゃあコーヒー飲んだら飲ませてもらうよ」
女「はい」
男「……」ズズ
女「……」チュゥチュゥ
男(やっぱり不思議だなぁ)
女「ぷはぁ」
男(おかしなこと言わなけりゃ、というかだまってりゃ普通の女の子なのに)
747:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 23:28:27.22:UkOo0ce+0
女「美味しいです」
男「そりゃ良かった」
女「ご主人様も、コーヒーはどうですか?」
男「ああ、苦いね」
女「美味しいですか?」
男「うん、この苦さがいいね」
女「ご主人様は苦いのが好き……」
男「いや、それはちょっと誤解を招く」
749:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 23:32:37.01:UkOo0ce+0
女「苦いものが好きな女の子はモテるそうです」
男「それは多分ガセネタだと思うぞ」
女「そうなんですか」
男「なんか、ちょっと嫌な感じがするし」
女「どうしてですか?」
男「いや、それは俺の口からは」
女「それでは私の口から」
男「いや、無理だろ」
750:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 23:33:48.82:UkOo0ce+0
男「そうこうしてるうちにコーヒー飲み終わっちゃった」
女「飲みますか?」
男「うん、いただくよ」
女「……」
男「いただきます」
男 チュゥ
女 チュウゥ
男「……お、美味しいね」
女「はい、とっても」
751:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 23:38:53.34:UkOo0ce+0
女「カップルとは、このようなものなのでしょうか」
男「どうなんだろうね」
女「私は、男性との交際をしたことがありません。もちろん、女性とも」
男「……」
女「ご主人様なら、わかりますか?」
男「俺だってないよ」
女「そうなのですか」
男「……残念ながらね」
752:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/19(火) 23:43:31.15:UkOo0ce+0
女「そんなことはありません」
男「え?」
女「私はあなたが初めての人で、あなたは私が初めての人なのです」
男「……」
女「違いますか?」
男「そ、そうだね」
女「それは、とっても喜ばしいことです」
男(また誤解を招く解釈だなぁ)
755:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 00:00:11.96:WG5DV9sP0
女「そして」
男「?」
女「カップルでもあります」
チュゥ
男「! それ、俺のストロー……」
女「カップルですから」
男「……」
女「間接的粘膜接触です」
男(おお、ロマンの欠片もない響き……)
女「いわゆる、間接キスです」
男「イエス!」
女「?」
男「な、なんでもない」
758:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 00:06:23.88:WG5DV9sP0
女「ご主人様の味」
男「え?」
女「なんでもありません」
男「今、なんかあやしいこと言わなかった?」
女「いえ、言っていませんよ?」
男「そ、そう?」
女「はい」
764:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 00:20:31.72:WG5DV9sP0
男(明らかに言動がおかしい)
女「ご馳走さまです」
男「おう」
女「とても美味しかったです」
男(一体どんな改造を?)
女「ご主人様、どうしますか?」
男「ん?」
女「これから、です」
男「ああ、そうだな」
770:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 00:40:38.16:WG5DV9sP0
女「私はご主人様に従います」
男(忠誠心と言うか、なんというか)
女「どうしますか?」
男「軽くここで雑談しないか? あんたのことをもっと知りたいし」
女「はい」
男(……と、言っても聞くことなんかそんなにないんだけど)
773:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 00:52:27.00:WG5DV9sP0
女「それでは、好きな女性のタイプを教えてください」
男「いきなりそんな話?」
女「はい」
男「うーん、なんだろうなぁ」
女「具体的例があると嬉しいです」
男「……と、言われてもなぁ。難しいなぁ」
女「そうなのですか?」
男「うん、そんなに好きなタイプとかはないしね」
774:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 00:55:13.69:WG5DV9sP0
女「なるほど」
男「しいて言うなら、優しい子かな」
女「データによると、優しくて良い人はそれ以上の関係になりえないと言っています」
男「ああ、確かによく言われるかも」
女「あなたは、優しくて良い人が良いのですか?」
男「うーん、ただの優しさじゃないけどね」
女「どのような優しさですか?」
男「時には厳しく接したりとか、そういう具合の」
女「なるほど、鞭で叩いたり」
男「それは厳し過ぎ」
777:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 00:58:51.97:WG5DV9sP0
女「難しいのですね」
男「いや、直接的な厳しさじゃないよ」
女「間接的ということですか?」
男「うん。上手く表せないけど」
女「そうですか。ありがとうございます」
男「ど、どういたしまして?」
女「それでは、なにか質問はありますか?」
779:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 01:02:00.74:WG5DV9sP0
男「うーん、君はなにかモデルとかはいるの?」
女「私の骨格ですか?」
男「まあ、そんなとこ」
女「いえ、とくには。 製作者の好みだと思われます」
男「なるほどね、大分見る目があるよ」
女「え?」
男「こっちの話」
女「どっちの話ですか?」
男「……」
781:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 01:06:08.35:WG5DV9sP0
女「では、次は私が」
男「うん」
女「好きな女性はいますか?」
男「いないよ」
女「そうですか」
男「そっちの話は正直、俺には無縁だよ」
女「それはまだわかりません」
男「え?」
女「これから体験する可能性も、大いにありますから」
男「そうなのかな」
783:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 01:10:58.91:WG5DV9sP0
女「はい」
男「ありがとう、なんだかやる気になったよ」
女「そうですか?」
男「うん」
女「それでは、次の質問を」
男「好きな色は?」
女「とくにありません、あなたは?」
男「明るい色はわりと好きかも」
女「今から私も明るい色が好きです」
男「俺の言葉に惑わされないように」
785:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 01:18:48.31:WG5DV9sP0
女「わかりました」
男「素直すぎるよな、あんた」
女「そうですか?」
男「うん、ちょっと心配」
女「心配してくださるのですか?」
男「当たり前だろ」
女「当たり前……なのですか」
男「うん」
789:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 01:33:36.63:WG5DV9sP0
女「心配してくれると、なぜか気持ちが良いです」
男「うーん、でもそうかもな」
女「そうなのですか?」
男「心配してくれるってことは、その人のことを思ってるってことだし」
女「なるほど」
男「まあ、ちょっと照れ臭いけど」
女「においますか?」
男「そっちじゃないよ」
女「私を想って下さること、嬉しいです」
男「うーん、それも違うと思う」
790:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 01:36:51.06:WG5DV9sP0
女「違いますか」
男「それは恋だと思うんだよね」
女「故意ですか」
男「あんたはよく変換ミスるね」
女「ありがとうございます」
男「褒めてないぞ?」
794:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 01:44:40.00:WG5DV9sP0
女「残念です」
男「でもさ、あんたは面白いよ」
女「そうですか?」
男「うん、なんかいつもの人と違ってさ」
女「人……」
男「うん」
女「私は、人ではありませんから」
795:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 01:46:11.48:WG5DV9sP0
男「……」
女「申し訳ありません、すこし暗いことを言った自覚があります」
男「いや……」
女「……」
男(気にしてるのかな)
女「好きな食べ物はなんですか?」
男「なんだろう?」
女「ナンですか」
男「言葉遊びかよ!」
796:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 02:02:21.03:WG5DV9sP0
女「気を取り直して、好きな食べ物は?」
男「うーん、基本なんでも食べれるからなぁ」
女「やはり、ナンですか?」
男「離れろ、そこから」
女「はい」
男「いや、席は離れなくてもいいよ」
800:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 02:16:48.69:WG5DV9sP0
男「ああ、もう!」
女「?」
男「ちょっとは普通にしろよな」
女「普通?」
男「調子狂って困るって」
女「困りますか?」
男「うん」
女「ごめんなさい」
801:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 02:20:12.28:WG5DV9sP0
男(あれ?)
女「……」
男(落ち込んでる?)
女「……」
男「あの……」
女「ごめんなさい」
男「いや」
女「ごめんなさい」
男「えっと……」
女「ごめんなさい」
男「……」
802:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 02:39:46.67:WG5DV9sP0
男「もう大丈夫だから、こっちを向いてくれ」
女「……」
男(……参ったな)
女「私は……」
男「……欠陥品ってか?」
女「……」コクリ
男「だから、そういうこと言うなって」
女「……でも」
804:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 02:47:54.71:WG5DV9sP0
男「はぁ……」
女「……」
男「ダメなところは直せばいい」
女「……」
男「難しくても、あんたならやれるはずだから」
女「私なら……?」
男「ああ、人間じゃないことを逆手に取ればいいのさ」
女「人間じゃないことを……?」
男「うん」
806:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 03:07:19.40:WG5DV9sP0
男「あんたは色んなことが出来るから」
女「色んなこと……」
男「不可能だって、可能になる」
女「……」
男(我ながらくさいこと言ってるなぁ)
女「……不可能が可能になるなら」
男「?」
女「私は、あなたを――」
男「え?」
女「――なんでもないです」
874:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 20:21:24.52:WG5DV9sP0
男(なんか、言おうとしてたけど)
女「ご主人様」
男「ん?」
女「そろそろ、出ませんか?」
男「ん、いいけど、どうした?」
女「えっと……」
男「? うわっ!!」
女「たくさんの人が……」
男(なんかあやしげな人たちが女を見てやがる!)
876:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 20:28:24.83:WG5DV9sP0
女「あの……」
男「行こう、女!」
ギュッ
女「あ……はい」
男(ああいうタチの悪そうな人たちはスルーが一番)
女「……」
880:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 20:32:12.99:WG5DV9sP0
タッタッタッタッ
男「どうした?」
女「あの、どうして人だかりができていたのでしょう?」
男「わかんない?」
女「はい、なにかのイベントでしょうか?」
男「いや、違うよ」
女「なにかあると思ったのですが……残念です」
男(ああ、だから出ようって言ったのか)
881:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 20:42:56.55:WG5DV9sP0
男「あれはあんたが可愛くて見惚れてたんだよ」
女「え?」
男「二度は言わないからな」
女「ご主人様も、思っていますか?」
男「ん?」
女「私が、可愛いと」
男「……う、うん」テレテレ
女「そうですか」
882:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 20:43:32.00:WG5DV9sP0
女「あの」
男「?」
女「手、つないでくれましたね」
男「! あ、これは……」
女「嬉しいです」
男「……そっか」
女「……」
男(それでも、無表情は変わらないか)
888:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 21:02:13.73:WG5DV9sP0
ポツリ
男「……?」
女「雨です」
男「ああ、小雨だな、家に戻るかぁ」
ポツポツ
男「おいおい……」
ザァー
男「マジかよ!」
890:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 21:03:48.03:WG5DV9sP0
女「大雨です」
男「いきなりどうして!?」
女「いえ、いきなりではありません。降水確率は水準を上回っていました」
男「だったら先に言って!」
女「はい」
男「ああ、もう! 雨宿りできるところ……」
女「ありますか?」
男「ん、公園!」
894:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 21:15:54.92:WG5DV9sP0
女「公園?」
男「あそこなら雨宿りできる……はず!」
女「そうなのですか」
男「なにゆっくりしてんだ! 早く!」ギュッ
女「あっ」
男「行くぞ!」
女「はい」
899:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 21:27:22.24:WG5DV9sP0
ザァー
男「ふぅ……」
女「結局濡れてしまいましたね」
男「寒くないか?」
女「大丈夫です」
男「これ」
女「ありがとうございます」
男「この雨、止むのか?」
女「はい、あと1時間ほどで」
男「1時間……か」
902:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 21:45:47.86:WG5DV9sP0
女「ご主人様」
男「ん?」
女「寒くないですか?」
男「大丈夫だよ、それより、風邪気味のあんたのが心配だ」
女「心配していただけて光栄です」
男「そうかい」ブルルッ
女「寒いのですね」
男「体は正直だ……」
905:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 21:57:59.93:WG5DV9sP0
女「……」ヒョコ
男「!」
女「くっつけば暖かいです」
男「そんなの、どこで覚えたんだ?」
女「基礎知識です」
男「……そうか」
女「はい」
906:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 22:00:37.65:WG5DV9sP0
男(だけどだな……)
女「どうしましたか?」
男「濡れてるからなぁ」
女「そうですか」
男「って、まさかとは思うが……」
女「はい?」ヌギヌギ
男「やっぱりな……」
907:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 22:08:41.10:WG5DV9sP0
女「人肌はあたたかいですよ?」
男「ああ、それも基礎知識なんだろ」
女「はい、基礎知識です」
男(こんなとこ誰かに見られたらまずいぞ……)
女「完了しました、それでは……」
男「いやいや、それはまずいって」
女「?」
909:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 22:14:05.27:WG5DV9sP0
男「『?』って……」
女「私では嫌ですか?」
男「誰でもダメだよ」
女「ご主人様には欲が無いのですか?」
男「いや、あるよ」
女「私が性的対象に入っていない……ということでしょうか」
男「そんな真っ直ぐな目で俺を見ないでくれ」
911:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 22:25:10.98:WG5DV9sP0
女「どういう意味ですか?」
男「いや……なんか」(嘘がつけなくなるっつーか)
女「ご主人様が初めてです」
男「?」
女「こういう接し方をしてくれるのは」
男「え……でも、俺が初めて実験協力者なんじゃ?」
女「はい、そうです」
男「なのに、なんで?」
女「さっきの人だかり、散歩中の視線……」
男「……」
女「性的な目が、私に向けられていました」
男「……ああ」
921:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 22:59:17.40:WG5DV9sP0
女「でも、あなたは違います」
男「……」
女「私を、一人の女として――」
男「……」
女「――見て、くれました」
ガバッ
女「……」
男「俺がいつ、あんたのことを性的な目で見てないって言った?」
女「……言っていませんでした」
923:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 23:05:58.02:WG5DV9sP0
男「……」
女「最初から、ですか?」
男「?」
女「最初から、ずっと……私を」
男「……」
女「そう……ですか」
男「……」
女「でも、私は……」
男「?」
女「ご主人様なら、構いません」
924:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 23:09:31.95:WG5DV9sP0
男「……はぁ……」
女「?」
男「そんなわけないだろ……」
女「え?」
男「というか、あんたはもっと抵抗しないと」
女「抵抗する理由がありません」
男「大アリだろ!」
925:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 23:16:00.67:WG5DV9sP0
助手「もう、いいとこだったのにー」
男「いやいや、そんなこと……ってうわぁ!」
女「あ、助手さん」
助手「どもども」
男「いや、神出鬼没すぎるでしょ!?」
助手「そうかな? まま、そんなこと置いといてさ、どうよ、メイドは?」
男「え、メイド?」
助手「私が頑張って色々いじってみたけど、可愛かったでしょ?」
男「ま、まあ……というか、助手さん、ビチョビチョじゃないですか。中入ってください」
助手「いいの、悪いね~」
926:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 23:19:43.35:WG5DV9sP0
男(って、助手さん、透けてる……!)
女「……」
助手「いやあ、まさか雨に降られると思わなかったからね~」
男「こんな公園の遊具で雨宿りしてる3人って……」
女「狭いですか?」
男「いやいや、全然」
助手「さて、そろそろDDL-003直さないとね~」
男「直すんですか?」
助手「うん、博士に怒られちゃうし」
カチャ
女「あひぃ!?」
928:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 23:25:37.82:WG5DV9sP0
男「まさか、あれは……」
助手「私の独断でーす、ごめんねー」
女「らめです、そこは……ひゃぁあっ……」
男(うう、声が生々しい)
助手「うん、これでオーケー!」
女「はぁはぁ……はしたないところを見せてしまいました、ごめんなさい」
男「だ、大丈夫か?」
女「心配して下さるのですか?」
男「あ、ああ」
女「嬉しいです」
男「……」
930:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 23:29:23.81:WG5DV9sP0
男(なんか、なぁ)
助手「うう、寒いなぁ」
男「大丈夫ですか?」
助手「うん、平気平気! これでもカイロ沢山持ってるからね」
男(それは逆に熱いような……)
助手「それじゃあ、私はまた観察に戻りまーす」
男「え、外に出るんですか?」
助手「いや、しばらくはここにいるつもり」
男「え、じゃあ……」
助手「じゃっじゃじゃーん、傘ー」
931:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 23:32:26.64:WG5DV9sP0
ザァー
男「……」
スタスタスタ
女「……」ピッタリ
男(胸の感触が……)
助手『メイド服が濡れちゃうからこのスタイリッシュなワンピースにしましょー!』
男(確かに可愛いけど……)
女「?」
男(これはちょっと反則的な可愛さだぞ……! しかも腕に胸当たってるんですけど!)
934:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 23:35:08.71:WG5DV9sP0
女「相合傘です」
男「そうだな」
女「カップルは相合傘をすると、密着します」
男「今の状態だな」
女「そうですね」
男(落ち着け、この柔らかい感触を忘れないように……って、落ち着ける場合じゃないけどな!)
女「あ、かたつむり」
935:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 23:36:23.46:WG5DV9sP0
男「ああ、雨降るとよく見かけるよな」
女「ゆっくりゆっくり、歩いてます」
男「おう」
女「まるで、私みたい」
男「あんたはかたつむりより可愛いけどな」
女「え?」
男「な、なんでもない」
938:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 23:39:58.41:WG5DV9sP0
女「男さん」
男(あ、戻ってる)「なに?」
女「他の機械にも、会いたいですか?」
男「え?」
女「はい、私はDDL-003、つまり001,002がいればそれ以上の者もいます」
男「なんで急に」
女「私が嫌であれば、いつでもチェンジができるのです」
男「嫌なわけないだろ」
女「……本当ですか?」
男「本当だよ、女」
941:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/21(木) 00:01:21.01:ylgrfMXd0
女「……」
男「もう、俺たちは友達なんだから」
女「友達……」
男「まあ、その言い方は変かもしれないけどな」
女「……変じゃないです」
男「そうか? なら良かった」
女「……嬉しいのに」
男「え?」
女「嬉しいのに、上手く表現ができません」
男(……なんか、こんな展開どこかで見たことあるような気がする……ぞ?)
952:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/21(木) 00:15:21.22:ylgrfMXd0
女「これから、すこしずつ、できるようになって見せます」
男「……女」
女「応援、してくれますか?」
男「おう、もちろん」
女「嬉しいです」ギュッ
男(やわらけええええ!!)
女「?」
957:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/21(木) 00:20:06.63:ylgrfMXd0
ガチャ
男「ただいま~」
女「誰に言ってるのですか?」
男「誰もいなくても言うの」
女「なるほど。ただいま戻りました」
男「それでよし」
女「はい」
男「まあ、今日も色々あったけども」
女「はい」
男「これからよろしくね」
女「こちらこそ」
961:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/21(木) 00:24:20.25:ylgrfMXd0
―――――
助手「博士、観察結果は送ったはずですけど?」
助手「ふむふむ、いやいやいやいや……」
助手「確かに良い結果が出てますね。DDL-003らしからぬ思考ルーチンの成長が起きています」
助手「はい……はいはい……」
助手「え? 他のも送って、完成に近づける?」
助手「マジですか? はい、わかってますよわかってますよん。博士が冗談を言うタチでないことはわかってます」
助手「……わかりました、それじゃあ」プツッ
助手「ふふ、楽しくなるかもなぁ~……観察は大変になるけどね」
966:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/21(木) 00:42:09.63:ylgrfMXd0
男「これからずっと一緒とは約束できない」
女「それでも未来はあるはず」
男「だからこそ俺は――」
女「だからこそ私は――」
――前へ進む。
SS速報に続く。
337:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:46:52.48:E5XvZBBMO
男「本当に生身の人間そのものだな」
女「はい」
男「……うなじも?」
女「はい」
男「どれどれ……」
女「なんだか、とっても変な人なのですね」
男「なんで?」
女「お胸とか、お尻ではないのですか?」
男「いいじゃんなんでも」
男は皆、だきしめたときに女のうなじの匂いをかぐのだ
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 21:07:00.31:Ac/9C/aE0女「いえ、私の中のデータでは女性魅力カテゴリーでは『うなじ』はレベルが低いので」
男「水準で物を決めちゃいけないぜ」
女「そうですか」
男「ふむ……綺麗で素敵だ」
女「そうですか」
男「それで、あんたはなんで俺の家に?」
女「言わなければならないのですか?」
男「当たり前だろう」
女「これは……家と言っていいのですか?」
男「はいはい、見栄張りましたアパートです。貸家ですよ」
女「わかりました。私のことについてお話します」
男「よろしくお願いします」
女「ここに住ませて欲しいのです」
男「……」
女「……」
男「それだけ?」
女「はい、あなたがすることは」
男「俺がすることは?」
女「そうです。あなたがすることはそれだけです」
男「じゃあ、他の人がいるのか?」
女「なにがですか?」
男「いや、だから、俺以外にすることがある人がいるのか?」
女「はい、もちろんです」
男「誰だ?」
女「えっと、それは言わなければならないのでしょうか?」
男「言ってよ普通に」
女「わかりました、言います」
男「お願いします」
女「私が人間と生活しても支障がないかどうかを調べるのです」
男「ふむ」
女「それを日々観察・記録し、報告する係が一人」
男「ふむふむ」
女「そして、その報告をうけて私を改良する係がいます」
男「つまり、二人?」
女「はい」
男「ちょ、ちょっと待って」
女「はい?」
男「こんな可愛い子と一つ屋根の下で、しかも二人で生活?」
女「いえ、一つ屋根の下では、他にも……」
男「……ああ、そうだね」
女「わかってくださったのならよろしいです」
男「それで……観察してる人がいるの?」
女「はい」
男(うっおおおおおお……)
女「どうしましたか?」
男(こんな可愛い子に何もできないのかよぉぉぉ……)
女「?」
男「いや、なんでもない」
女「そうですか」
男「どこで観察してるんだ?」
女「いえ、そこまでは記憶していません」
男「そうですか」
男「わかった」
女「わかったのですか?」
男「え、なんで?」
女「たくさんの方に頼んだのですが、誰も手伝ってくださらなかったので」
男「そうなの?」
女「はい、私って、ダメなんでしょうか?」
男「そんなことないよ、可愛いし」
女「可愛いですか?」
男「うん、可愛い」
女「可愛い……」
男「ん?」
女「いえ、なんでもないです」
男「それで、君はお風呂とか必要?」
女「はい、見た目以外も大分人間に近いので」
男「いや、というか人間っぽくないところってあるの?」
女「はい、たくさんあります」
男「どこ?」
女「全ての点を挙げると、何日必要かわかりません」
男「そんなにあるんだ……」
女「はい」
男「じゃあ、お風呂は必要ってことね」
女「はい」
男「じゃあ、行くか」
女「どこにですか?」
男「銭湯」
女「戦闘?」
男「戦わない闘わない」
女「それではなんでしょう?」
男「まあ、行けばわかるよ」
女「そうですか」
男「じゃあ準備するから待っててね」
女「おでかけですか?」
男「うん」
女「いってらっしゃいませ」
男「いやいや、あんたも行くの」
女「そうなのですか?」
男「うん」
女「わかりました。お待ちしております」
男「おっしこれでオーケー」
女「よろしいのですか?」
男「うん」
女「楽しみです」
男「いや、そんな楽しいとこじゃないよ」
女「それでも、お散歩は大好きです」
男「そうなんだ」
トコトコ
男「あのさ、あんた」
女「はい?」
男「なんて呼べばいいのかな?」
女「呼称……ですか?」
男「うん、あんたのね」
女「ならば、DDL‐003です」
男「……なにそれ?」
女「私の番号であり、名前です」
男「……うーん、なんか呼びづらいなぁ」
女「そうでしょうか?」
トコトコ
男「普通に、『女』でいいかな?」
ピタリ
女「女……ですか?」
男「うん」
女「わかりました。私は『女』です」
男「それじゃあ、早く行こうか」
女「はい」
男「お風呂の入り方とかはわかる?」
女「はい、全て記憶されています」
男「それなら良かった」
男「はいっ、着きましたっと」
女「ここですか?」
男「ボロいけど、いいとこなんだよね」
女「なにをするところなのですか?」
男「いや、だからお風呂に入るとこ」
女「お風呂……? なぜ、お風呂に入りにこんなところに?」
男「銭湯ってのは、そういうものなの」
女「そうなのですか……初めて知りました」
~銭湯~
男「それじゃあ、ここで」
女「?」
トコトコ
男「いやいや、女」
女「はい?」
男「こっちは男湯」
女「男湯?」
男「あんたはそっち」
女「女湯?」
男「うん」
女「それがなにかあるのでしょうか?」
男「いや、え?」
女「え? とは?」
男「なんであんたは男湯に入ろうとしてるの?」
女「それに、理由は必要ですか?」
男「とっても必要です」
女「私が女湯に入った場合、あなたは来てくれますか?」
男「そっちの方が問題だから!」
女「不可能、ですか?」
男「はい、無理です」
女「それでは、男湯に入らせていただきます」
男「なんでそーなるの!」
女「古いギャグですね」
男「55号じゃないから、それはおいといて……なんで、ダメなわけ?」
女「私はあなたの傍にいないといけないのです」
男「おお……なんでかな?」
女「観察の条件です」
男「マジッすか?」
女「本当です」
男「どれくらい離れちゃいけないの?」
女「……それは……わからないです」
男「わからないんだ」
女「とにかく、男湯と女湯との距離は観察条件に反している……そうです」
男(曖昧だな……)
女「行きましょう」
男「いや、ダメなんだよ」
女「ダメですか?」
男「うん、残念ながら」
女「それでは、どうするのですか?」
男(これじゃあ風呂入れないぞ……)
女「……」
男「なんか、一緒に入れる場所とかないのかな?」
女「索敵しますか?」
男「できれば普通に探してほしいんだけど」
女「失礼しました、それでは、検索します」
男「よろしく」
女「一番近い場所でよろしいでしょうか?」
男「うん、それがいいかな」
女「……ピピッ」
男(あっ、可愛い)
女「……発見しました。」
女「ラブペイン……という場所があります」
男「んじゃあそこに行きましょー」
女「はい、わかりました」
男(……ラブペイン?)
女「どうかしましたか?」
男「いや……あの……ねぇ」
女「?」
男(ラブホテルじゃねえか……)
女「ここからあまり遠くはありません」
男「いや、そういうことじゃ……」
女「嫌ですか?」
男「どういう意味で!?」
女「?」
男「いや、ああ、そうだよね……」
女「なにか問題が?」
男「うん、たくさんあってね……」
女「お悩みですか?」
男「結構」
女「それは、どのような件で?」
男「……」
女「私は、邪魔ですか?」
男「そんなことないよ、全然」
女「……ですが」
男「……他の場所は?」
女「他の銭湯があります」
男「いや、それじゃ変わんないよ……」
女「……ごめんなさい」
男「いや、謝ることなんてないよ」
女「……」
男(……あんまり表情にも声色にも出ないけど……)
女「それでは、どうしましょう?」
男(凄く、気にしてるのか)
女「?」
男「あ、えっと……」
女「……」
男(行くしかないか)
wktk
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:19:30.34:Ac/9C/aE0男「行こう」
女「はい」
男(この子に恥はないだろうし)
女「どんな場所なんですか?」
男「別に、普通の場所だよ」
女「そうですか」
男(……大丈夫、見なきゃいいんだから)
トコトコトコ
男(いやはやな……)
女「夜のお散歩ですね」
男(ラブホテルなんてのは、俺には無縁だと思ってたけど)
女「ラブペイン……なんだか、意味深な名前ですね」
男(まさかこんな可愛い子と入れるとは……!)
女「……」
男(って、何本番考えてんだ俺は!?)
女「……あの」
男「ぐえっ!? なに?」
女「……つまらないですか?」
男「な、なにが?」
女「私と、二人きりは」
男「ど、どうして?」
女「気のせいだったら申し訳ありません。でも、私の発言に反応がありませんので……」
男「ごめん、考えことしてて……」
女「考え事ですか?」
男「うん、ごめんね」
女「考え事なら、私にお話し下さい」
男「え?」
女「私にも、その悩みを共有させて欲しいのです」
男「でも、それは迷惑じゃないか」
女「迷惑じゃありません。とてもうれしいことです」
男「嬉しいこと?」
女「悩みを共有することは、二人の秘密ができることなのです」
男「……」
女「それは信頼した二人のみで成立すること、信用が無ければありえないことです」
男「でも……」
女「私は嘘をつきません。だから、信用してください」
男「……ありがとう。でも」
女「でも……?」
男「それは、できないよ」
女「……」
男(というか、こんな変態なこと考えてましたなんて言えないっつーの!)
女「ここです」
男「お、おお……」
女「桃色ですね」
男「ピンクいっすねえ……」
女「入りますか?」
男「入り……ますか」
女「はい、行きましょう」
男(勇ましいなぁ)
そして
男「……女、行くよー……?」
女「……」ジーッ
男「なに見てるの?」
女「ガチャガチャがあります。はじめて見るグッズです」
男「おふぅ、そうですか」
女「……ローター?」
男「さっさと部屋に行きましょうねー!」
女「はい」
男(なんだよあれ……)
男(あんなの置いてあるのかよ)
女「お部屋も桃色なのですね」
男「そうだね」
女「ベッドがあります」
男「泊まらないからね」
女「わかりました」
男「風呂は……こっちか」
男(あれ、案外普通だな……)
女「風呂、ですね」
男「うん」
女「早速入りますか?」
男「もちろん。そのために来たんだから」
女「そうでしたね。それでは……」
ヌギヌギ
男「……脱ぐの?」
女「脱いでいます。現在進行形で」
男「早くない?」
女「いえ、そんなことは」
男(もう下着じゃねえか!)
女「どうかしましたか?」
男「いや、別に」
女「……?」
男(マジマジと見ても全然気にしてない……これは、これは本当に?)
女「……」
男(ダメだ、見ちゃいけない!)
女「……?」
男「とりあえず、俺も脱ぐから」
女「はい」
男「先に入ってて」
女「それはできません」
男「じゃあ、どうするの?」
女「待っています」
男「なんでずっと見てるんだ!?」
女「お気になさらず、どうぞ」
男「できれば見て欲しくないんだけどなぁ……」
女「嫌、ですか?」
男「うーん……そうだね」
女「……それでは、目を閉じています」
男「そ、そう」
女「ついでに、視神経を一時的に停止します」
男「いや、そこまではしなくても大丈夫」
女「わかりました」
男「……」ヌギヌギ
女「……あ、そういえば」
男「はいっ!?」
女「大丈夫です、目は開けてません」
男「う、うん。で?」
女「今考えて見たのですが」
男「う、うん」
女「私は目以外にも色んな場所で見ることができるのです」
男「」
女「これが、一つ人間と違う場所です」
男「……先に言ってくれよ」
女「何故ですか?」
男「……もういいや」
女「『もういい』?」
男「うん、もういい」
女「それはいけません」
男「な、なんで?」
女「それは諦めです」
男「諦め?」
女「自分の意志ではないこと、それは嘘です」
男「……」
女「私は、嘘をつきません。だから嘘をつかれたくないのです」
男「……」
女「そして、あなたに嘘をついて欲しくありません。そして私はつきません」
男「……わかったよ、女」
女「そうですか」
男(カッコいいけど、裸で言われるとなぁ……)
男「じゃあ、目以外の視覚もストップしてくれる?」
女「はい、わかりました」
男「……」
女「……完了しました」
男「本当に?」
女「はい、本当に」
男「……」
チュッ
女「?」
男「どうかした?」
女「今、柔らかい感触が」
男「気のせいだよ」
女「そうですか」
男(やばい……何してんだ俺は……)
女「……」
男(罪悪感しかないぞ……)
女「終わりましたか?」
男「ちょい待ち……」
女「はい」
男「はい、いいよ」
女「……視神経復帰しました」
男「えっと、ごめん」
女「何がですか?」
男「な、なんでもないよ。なんでも」
女「入りましょう」
男「うん、でも……」
女「はい?」
男「タオルを……巻いてくれないかな?」
女「タオルですか?」
男「うん、できればでいいんだけど」
女「わかりました」
男「よかった」
男「……えーっと……」
女「……」
男「あの、どうしたの?」
女「なんでもありません」
男「そっか」
女「はい、申し訳ありません」
男「いいよ、気にしなくて」
男(どうするべきだ)
女「湯加減はいいですね」
男「そだね」(女性と一緒に風呂に入るなんて、未体験だぞ!?)
女「……?」
男「先に、汗流しとく?」
女「汗は流しますが、大丈夫です」
男「じゃあ、先に湯に浸かる?」
女「お構いなく」
男(どうすりゃいいのさ!?)
男「じゃあ、俺先に汗流すから、先に入ってて!」
女「わかりました」
男「……」(ちょっと、頭冷やそう。体が熱いぜまったく)
シャー
男(冷たくて気持ちいい……)
ピチャンッ
女「ひゃっ」
男「どうした?」
女「急な温度差を確認しました」
男「ごめん」
女「!」
男「ど、どしたの!?」
女「体温の上昇を確認、異常ありませんか?」
男「いや、大丈夫だよ」
女「でも……」
男「ちょっと水出してたからさ」
女「そうですか……」
女「お手を」
男「え?」
女「……」
男「ちょ、ちょっと……」
サワリサワリ
男(うう……女の子の手って柔らかい……!)
女「……一応調べさせていただきました。異常なしですね」
男「それはよかった」
女「……」
男「なに?」
女「男の人の手、初めて触れました」
男「そうなんだ」
女「もう少し、触らせて下さい」
男「え、うん」
女「……」
男(うーん、恥ずい)
女「あの、お願いがあります」
男「なんですか?」
女「……あなたは私の体を触りました」
男「! ……はい、触りました」
女「……私にも触らせて下さい」
男「え……?」
女「私に、あなたの体を触らせてほしいのです」
男「い、今?」
女「はい。今なら衣服もありませんから、障害もありませんし」
男「いや、困る」
女「何故でしょうか?」
男(反応しちまうぞ……)
女「……?」
男(ただでさえ今の状況は俺にはきついのに)
女「いけませんか……」
男(うう、でもこれじゃあ)
女「……」
男(触っておいて、触らせないなんて、ダメだ)
女「どうなされましたか?」
男「わ、わかったよ。いいよ、触って」
女「ありがとうございます」
男「……」
女「それでは、生殖器を」
男「え、マジで!?」
女「はい、嫌ですか?」
男「いや……えーっと……」
女「?」
男「やっぱり触らせないとダメ?」
女「触りたいです」
男(まずい……)
女「触ってはいけないのでしょうか?」
男「わかったよ、触っても、全然構わないよ!」
女「え?」
男「もういい、もういい!」
女「…………」
女「……もういい、ですか」
男「……へ?」
女「さっき、言いましたよね?」
男「あ……」
女「……私も至らぬ点がありました。ごめんなさい」
男「……」
女「お背中、お流しします」
男「あ、はい」
女「……」
ゴシゴシ
男(あれ……なんで背中流してもらってるんだ?)
女「痛くないでしょうか?」
男「うん、大丈夫だよ」
女「そうですか」
男「……」
女「これも、気持ち良いですか?」
フニンッ
男「!!!」
oh yeah!!!
179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 02:06:22.53:50Trfnl+0女「私の記憶内に入っていた『気持ち良いこと』です」
男「いやあ……あははは……」
女「気持ち良いですか?」
男「気持ち……良いです」
女「それは良かったです」
男(ああ……俺、なにやってんだろ)
男(背中に柔らかいものが当たっている……)
女「あなたにもこのデータは適用できるようですね」
男(まだ胸とは決まってないじゃないか!)
女「安心しました。マイノリティーな方なのかと思いましたから」
男(この目でしかと……確かめる!)
チラリ
女「?」
男(お、おっぱいだーーーーー!!)
女「どうかなされましたか?」
男「いや、なんでもないです」
女「目が泳いでいます。体温も上昇中、なにか異常が?」
男「大丈夫ですから! お気になさらず!」
女「顔をこちらに向けてください」
男「えっ!?」
コツン
女「ピピッ……体温は平熱、異常ありません」
男(でこ……くっつけられた)
女「体温が上昇したと思ったのですが……」
男「気のせいだって、それより……さ」
女「はい?」
男「そろそろ、どけてくれないかな?」
女「なにをですか?」
男「えっと……」
女「胸ですか?」
男「は、はい、そうです」
女「気持ち良いのではないですか?」
男「そうなんだけど……」
女「嫌でしょうか?」
男「少なくとも、なんか自分を許せなくなりそうです」
女「自分を許すことは必要なことです」
男「またそういうこと言うの?」
女「申し訳ありません」
男「謝ることじゃないよ……はは」
女「胸は大きい方が好みでしょうか?」
男「えっ、選べるの?」
女「あなたのお望みなら」
男「うーん……大きいのも好きだし、ひかえめもなかなか……」
女「ふむふむ」
男「……女の子の前で男のロマン語ったら気持ち悪いよね」
女「そんなことありません、もっとお話し下さい」
男(こっちが持たないよ)
男「今の設定は?」
女「おそらく……中の上です」
男「へえ、そうなんだ」
女「どうしますか?」
男「正直どうでもいいよ、俺は」
女「いいのですか?」
男「うん、別に、大好きってわけでもないし」
女「……あなたのような人もいるのですね」
男「え?」
女「いえ、なんでも」
シャー
男「……」チャポン
女「……」ゴシゴシ
男(見た目なーんも人間と変わらない)
女「あ、目に泡が侵入しました、痛いです」
男「痛覚ちゃんとしてるんだね」
女「はい、痛いです」
女「……質問があります」
男「ん?」
女「私はあなたのことをなんと呼べば良いでしょうか?」
男「俺も普通で良いよ。『男』でさ」
女「『男』……さん」
男「さん付けなのね」
女「よろしくないですか?」
男「いや、あんたらしいよ」
女「私、らしい?」
男「うん、あんたらしい」
女「私らしさとは、なんでしょうか?」
男「んー、なんだろうな」
女「教えてください」
男「いや、俺もわからないよ」
女「それでは、なぜ今、『私らしい』と?」
男「随分突っ込んでくるね」
女「不明瞭な点は明らかにしたいのです」
男「まあ……あんたはあんただってこと」
女「それは答えになっていません」
男「でも、俺にもちゃんとした説明は」
女「あ」
男「!?」
女「目に泡が侵入しました、痛いです」
男「……ちゃんと目閉じとけー」
男「……あーちょっと」
女「はい?」
男「ごめん、のぼせてきたかも。先出ていいかな?」
女「少々お待ちを」
男「うん」
女「……」ゴシゴシ
男「あれ、体洗うのにタオル取らないの?」
女「『巻いてくれ』と言われたので」
男「いや、それじゃあ体洗えないでしょ」
女「男さんの言うことが最優先です」
男「じゃあ、体洗う時は取って洗って。も、もちろん見ないから」
女「見てもよろしいですよ?」
男「いや、それはね」
女「わかりました、それではお待ちを」
男「……」
女「……」ゴシゴシ
男(目を背けてるけど、近くで女の子が体を洗ってるのか……)
女 シャー
男「……終わった?」
女「終わりました」
男「じゃあ、あがろうか」
女「はい、お待たせしてしまい申し訳ありません」
男「大丈夫大丈夫」
女「あ、待って下さい」
男「え?」
女「タオル、巻いてませんでした」
男「……」タラァ
女「? 鼻血……」
男(のぼせたからで……あって欲しい)
男「――ん?」
女「気がつきました?」
男「あれ……ここ……?」
女「鼻血を出してしまって、気を失ったので、こちらまでお運びさせていただきました」
男「ベッド……? なんかピンクいけど……」
女「はい、そのようです」
男「って、なんでタオルのままなんだ!?」
女「『巻いて』と言われたので」
男「ずっと巻いてる必要はない!」
女「そうですか、それでは」
男「早速脱ごうとするな! 俺の見えないところで」
女「それは条件に反します」
男「いや、でも」
女「大丈夫です、私に恥じらいはありません」
男「こっちの恥じらいは無視!?」
女「男さんの恥じらい?」
男「そうだよ、俺の恥じらい!」
女「……」
男「……あれ?」
女「申し訳ありませんでした。全く思考に入れていなかった私の責任です」ペコリ
男(可愛い……)「わ、わかればいいんだけどさ」
女「それでは」クルリ
ハラリ
女「これでよろしいですね?」
男(お尻丸見えなんだけどなぁ……)
女「……大変です、男さん」
男「今度はなんだよ……」
女「下着がありません」
男「なんで!?」
女「体内洗浄中で、今ここにありません」
男「こっち振り向かなくていいから、とりあえず、そのままで」
女「人と話す時は目を見て話すのが常識です」
男「今、その常識は破壊された!」
女「常識を破壊すると、秩序が乱れます」
男「こっち見たら俺はあんたと二度と話さない」
女「……ごめんなさい」
男「とりあえず、その体内洗浄って?」
女「私の体内で下着や衣服などを洗浄することです」
男(そのまんまだ)
女「衣服は洗浄していないので、大丈夫ですが、衣服を着ますか?」
男「ああ、それがいい。風邪をひいたらまずいからね」
女「大丈夫です、風邪は引きま……」
男「ん?」
女「くしゅん」
男「……はぁ」
女「くしゃみが出ました」
男「風邪引いちまったじゃん」
女「違います、これは鼻に入ったバイ菌……くしゅん」
男「はいはい」
女「なんですか?」
コツン
男「……わかんねえ」
女「あの、なにを?」
男「お返しだ、お返し」
女「お返し?」
男「そそ、お返し」
女「私は、なにかあなたにしましたか?」
男「……」
女「?」
男「いや、とりあえず、服を着てくれ。全裸は相当まずい」
女「わかりました」
男(ふう……やれやれ)
女「男さん、こんなところにマスクがありました」
男「おうおう、それは良かったな。じゃあつけとけ」
女「ふむ、はむ……?」
男「どうした? ……っておい!」
女「?」
男(猿ぐつわかよ!)
女「ぷはっ……マスクではないのですか?」
男「なんでこれをマスクだと思ったんだ!?」
女「口に使うものだったので」
男「いや、おかしいだろ!? まったくガードできてねぇじゃん、筒抜けじゃん!」
女「本当ですね」
男「ちゃんと確認してからつけなさい!」
女「申し訳ありません」
男「……まったく」
女「……男さん」
男「なに?」
女「怒ってますか?」
男「ちょっとね」
女「申し訳ありません、欠点の多い欠陥品で」
男「そ、そんなこと言うなよ」
女「いえ、自分でもよくわかっているのです、それは」
男「……」
女「私はあなたを安心させたいがために、これをつけて、安心させようとしました」
男(俺を?)
女「ですが、逆効果でした。考えなしに行ったからです」
男「なんで、俺を安心させようと?」
女「迷惑をかけているからです」
男「そんなこと……」
女「あります」
女「ごめんなさい」
男「……」
女「私にできることなら、なんでもいたします」
男「……なんでも?」
女「はい、なんでも」
男「本当に、なんでもか?」
女「はい、なんでも」
男「いいのか? なんでも」
女「はい、なんでも」
男「……じゃあ」
トコトコトコ
男「……」
女「……」
トコトコトコ
女「あの……」
男「ん?」
女「私は……」
男「なんだ?」
女「……いえ、なんでもないです」
トコトコトコ
―――――
女「はい、なんなりと」
男「女」
女「はい、なんですか?」
男「二度と自分のことを責めるな」
女「?」
男「自分はああだからこうだからって、理由をつけるなって言ってるの」
女「でも、それは事実……」
男「事実だって知ったことか、人間はみんな完璧じゃないんだからさ」
女「……はい」
―――――
男(毎回あんなところに行けないし……風呂ありに引っ越すかな)
女「貸家ですね」
男「はいはい、そうですよ……」
ガチャ
?「あ、おかえり~」
男「……」
女「あ」
男「えっと、誰?」
?「どもども、初めまして! このたびはDDL‐003の研究にご協力いただけるとお聞きしたので、一応挨拶に来ました!」
男「DDL-003って……」
女「私です」
助手「DDL-003、お久だね! 助手だよ、わかる?」
男「助手?」
女「博士の助手さんです」
助手「どもども、男さん!」
男「えっと、こんな女の子が助手なの?」
助手「酷いなぁ。それ、偏見?」
男「ち、違うけど」
女「助手さん、男さんが困っています、やめてください」
助手「むふふ、そうみたいだね~」
女「……」
助手「まあ、これからよろしくお願いするね、男さん」
男「は、はぁ……」
助手「私はいつでも観察してるから、なにかあったら呼んでね~」
男「……え?」
助手「それじゃね」
女「はい、さようなら」
男「ちょ、ちょっと待って女」
女「はい?」
男「え、観察係あの子?」
女「はい」
男「……マジかよ……」
女「大丈夫ですか?」
男「う、うん、多分」
女「多分では心配です」
男「当分大丈夫」
女「そうですか、安心です」
女「それでは、これから何をしますか?」
男「……うーん、もう寝たいかな」
女「わかりました」
男「やっぱり、睡眠は必要?」
女「そうですね、そういうところは人間に準拠しているので」
男「あー、そっか……」
女「なにか支障でも?」
男「うん」
女「どのような障害が?」
男「布団、一枚しかないんだ」
女「私は心配なさらないでください」
男「いや、でも……」
女「風邪をひいてしまいますよ?」
男(鼻水をちょっと垂らしながら何言ってんだよ)
女「男さんが風邪をひいてしまったら困ります」
男「俺はお前の病状が悪化する方が嫌だよ」
女「それでは……」
男「……ああ、もういいよ」
女「……」
男「あ、ご、ごめん」
女「いえ、お構いなく」
男「……はぁ」
女「?」
男「一緒に寝るか」
女「はい」
男「……」
女「あの」
男「なに?」
女「できればこちらを向いていただけると嬉しいのですが」
男「なんで」
女「反対側を向くと、布団が引きずられて……」
男「うおっ、くっつくな!」
女「寒いです、とっても」
男「わかったわかった! 向くから離れろ!」
男「……」(う、顔近い)
女「……男さん」
男(息当たってる! めっちゃ良い匂い!)
女「今日はとても楽しかったです」
男「はいはい、俺も変な体験ができて驚いたよ」
女「それは良かったです。これからも沢山のことをしましょう」
男「おう」
女「それじゃあ、おやすみなさい」
男「へいへい」
女「あの、男さん」
男「次はなんだ?」
女「今日一日、ありがとうございました」ニコッ
男「あっ……」
女「スリープモードに移行します」
男「……ふんっ……おやすみ」
男「……ゲットぅ!」
プニンッ
男「……ん? この柔らかい感触……」
女「―――」
男「うわああああ、すまん!」
女「―――」
男「えーっと……?」
女「ピピッ、通常モードに移行します」
男「お、おお」
女「おはようございます、男さん」
男「おはよう、女」
女「今日は良い天気ですね」
男「そうだな」
女「お散歩に行きませんか?」
男「ああ、いいぜ」
女「それでは、着替えてきます」
男「着替えあるのか?」
女「ありません」
男「ないのかよ」
女「でも、男さんの衣服があるのでそれで」
男「あんたに似合うようなもの持ってないぞ」
女「そうですか、私は一向に構いませんよ」
男「うーん……どうしようか」
女「とりあえず、服を洗浄します」
男「おい、それじゃあお前……!」
女「昨日洗浄した下着はもう穿いております」
男「よか……よくねえよ!」
女「一応、着ました」
男「ううむ……やはりなぁ」
女「いけませんか?」
男(胸のふくらみが……まずいことになってる)
女「?」
男(昨日の女の服はわりと厚かったから下着がなくても大丈夫だったけど、これはダメだ)
女「あの……」
男「なに?」
女「どこが、いけませんか?」
男「色々と」
女「そうですか……」
男「……仕方ない、すいませーん、助手さーん」
ガチャ
助手「どもどもー呼ばれたらすぐにかけつけますよー」
男(本当に、観察されてる……!)「えっと、ちょっとお願いごとがありまして」
女「おはようございます、助手さん」
助手「おっはよ。ん、なになに男さん?」
男「女物の服、ないかな?」
助手「私に聞いちゃう?」
男「えっと、ダメだった?」
助手「ふふふ……君は良い選択をしたよ、男さん!」
男「え?」
助手「私の趣味はお洋服作り!」
男「マジッすか!?」
助手「もちろん、DDL‐003に着せるんでしょ……下着だけじゃ、男さんも困るもんね、主に性欲が」
男「……まあ、それもコミコミで」
助手「じゃあ、ちょっと失礼するね。行くよ、DDL-003」
女「あ、これ以上離れたら……」
助手「観察係の私が許す! だからこっちきなさーい」
女「それでは、男さん」
助手「ちゃっちゃとすませるから、お待ちを~」
男「はい」(……って、ほんのちょっとだけなのに、それでもダメなのか)
ガチャ
助手「おまたせー!」
男「あ、はい」
助手「どうよどうよ! ほら、DDL-003早くこっち来なさい!」
男(助手さんが洋服作れる人で良かった……これで服には困らな――)
女「男さん、どうでしょうか?」
男「じょ、助手さん?」
助手「なに?」
男「あれ、なんです?」
助手「メイド!」
男「……」(やっぱり良くなかった)
うむ、ロボメイドは基本だな
434:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 01:31:13.99:iBOu7h8j0女「?」
男「ああ、似合ってるよ、女」
女「そうですか」
男「だけど、助手さん!」
助手「ちょーっと待ってね……すこしだけ……」
女「ひぐっ!?」
男「な、なにを!?」
女「ら、らめれす、いきなりデータをいじりゃないでくだしゃい……」
男「お、女ぁ!?」
助手「ふふふ、これでよっし!」
女「はぁはぁ……一体何を?」
男(元に戻った)
助手「ふふ、すぐにわかるっさ! それじゃあ、またね~」
男「大丈夫か、女」
女「はい、大丈夫……だと思います。些細なデータ書き換えのようです」
男「なにされたかわかるのか?」
女「いえ、わかりません」
男「まあ、とにかく、性格変わってないから大丈夫か」
女「はい、そのようです。……あれ?」
男「ん?」
女「ということは、私の性格は、変わらなくても良いということですか?」
男「え、あ」
女「そうなのですか?」
男「ま、まあな」
女「それは良かったです。嬉しいです」
男「……なんか、恥ずかしいな」
女「恥ずかしい?」
男「……繰り返すな、恥ずかしい」
女「恥ずかしいのですか?」
男「ああ、恥ずかしい」
女「恥ずかしいとは、どんな気持ちなんですか?」
男(さっきから恥ずかしい恥ずかしいうるせえ!)
男「そんな気持ち、説明はできない」
女「私には恥じらいはありません、だからこそ、教えてほしいのです」
男「……わからん」
女「どういう時に、恥ずかしいと思うのですか?」
男「色々な場面があるさ。失敗したとき、褒められた時、……くさい言葉とかもな」
女「なるほど、記録しました」
男「……女、なにかしたことあるか?」
女「私ですか?」
男「おう、なんでもいいぜ」
女「私は、ご主人様とお散歩がしたいです」
男「…………へ?」
女「?」
男「ごしゅじんさま……?」
男「ちょ、ちょっと待て女」
女「はい?」
男「今、なんて?」
女「私、なにかおかしいことを言いましたか?」
男「言った」
女「? ご主人様に、なにか言いましたか?」
男「それだそれ!」
女「え?」
男「ご主人様って……なんだ?」
女「ご主人様はご主人様です」
男「いや、俺はご主人様じゃ……」
女「私は仕えるメイドです。ご主人様のご奉仕をすることが役目です」
男(助手さんめ、色々いじくったな……!)
女「ご主人様?」
男「な、なに?」
女「散歩……は?」
男「ああ、散歩ね、散歩……」
女「嫌であれば遠慮なさってもかまいませんが……」
男(その格好の女とは、ちょっと難しいんだよなぁ)
女「ご主人様の意向に従います」
男「……べ、別にいいよ。断る理由もないし」
女「ありがとうございます」
男「それじゃあ、行く?」
女「はい」
男「着替えてくるから、ちょい待ちね」
女「もちろんです」
女「……」
男(うう、まったく無表情で着替えを見られてる……)
女「今日はストライプトランクスですね」
男「み、見るな!」
女「申し訳ありませんでした。視神経を遮断します」
男「そこまではもう、しなくてもいいよ。できるだけ見てないようにしてくれれば」
女「了解いたしました」
男(見られてても目を閉じてくれてれば、少なからず気分は良い)
女「そういえば、ご主人様」
男「なに?」
女「ご主人様に『似合っている』と言われた時から、なんだかとても変なのです」
男「なにが?」
女「服をです」
男「いや、それはわかってるんだけど」
女「とても変なのです」
男「いや、それもわかってるんだけどさ……」
女「……それ以上の説明ができません」
男「そうだと思ったよ……体調が悪いとかじゃないの?」
女「はい、それは異常ありません」
男「なら大丈夫さ。それが『恥ずかしい』って気持ち」
女「……『恥ずかしい』」
男「照れるって言うのかな? でも、『恥ずかしい気持ち』だよ」
女「なるほど」
男「よし、着替え完了、行こうか?」
女「はい」
男「……」
女「?」
男(可愛いけどなぁ……メイド)
女「どうしましたか?」
男「いや、なんでもない」
トコトコトコ
女「ご主人様は物知りなのですね」
男「そうか?」
女「はい、私の知らないことをたくさん知っています」
男「自分の理屈しか言ってないよ、俺は」
女「自分の意見を言える人は素敵です」
男「あ、ありがとう」
女「感謝されることはしていません」
男「それでも、一応な」
女「わかりました」
男(……まぁ、いいか)
女「ヒラヒラしていて、すこし歩きづらいです」
男「そうだろうな、メイド服は歩きづらそうだ」
女「これは、メイド服と言うのですか?」
男「え、知らなかったの?」
女「メイドのという職種は知っていましたが、服は知りませんでした」
男「そうなんだ」
女「ご主人様はメイドはお好きですか?」
男「うーん、メイド喫茶とかは別にいいけど、メイド自体は好きかな」
女「では、私は好きですか?」
男「ど、どういう意味?」
女「やはり、メイド服だけでは、メイドとは言えないでしょうか」
男「本職の人は怒るかもな」
女「今から勉強して、メイドになります」
男「なんで?」
女「なぜかわかりません、それでも、なりたいのです」
男「あんたはあんたのままでいいだろう」
女「私のまま」
男「そそ、そのままでさ」
女「それが、あなたの望みですか?」
男「俺が決めることじゃないよ」
女「そうですか」
男「そうなんです」
女「ご主人様」
男「ん?」
女「手を、つなぎませんか?」
男「手?」
女「はい、手」
男(いきなり、なんだ?)
女「……」
男(つないで良いのか!?)
女「……」スッ
男「いいのか?」
女「はい」
男(別に、相手からだからいいよな)
女「嫌……ですか?」
男「いや、いいよ」(だから別にね、大丈夫だよね)
女「嬉しいです」
男「うん」
助手 ニヤリ
男「!」
女「?」
男「ちょ、ちょーっと待とうか女」
女「? はい」
男(なんで助手さんいるんだよ!)
女「ご主人様?」
男(観察してるのは知ってた。しかし、なんで見える所にいるんだよ)
女「なにか、問題が?」
男「いや、なんでもないよ。とりあえず、歩こう」
女「はい」
男「……」
女「……」
トコトコトコ
男「あのさ」
女「あの」
男「ごめん」
女「こちらこそ」
男「……喫茶店でも寄るか?」
女「メイド喫茶ですか?」
男「まずそこから離れよう」
男「普通の喫茶店だよ、普通の」
女「普通の、とは?」
男「んー、まあおしゃべりとかできたり、軽くお茶できるってこと」
女「わかりました」
男「んじゃ、行く?」
女「はい」
カランコロン
男「んじゃ、ここに座って」
女「はい」
男(わかる、俺には分かるぞ)
女「ここから選べばいいのでしょうか」
男「おう、なんでもいいよ」(他人の目が痛い)
女「……」
男「決まった?」
女「思考中です」
男「ん、待ってるよ」
女「大丈夫です。先に注文してください」
男「あ、うん。わかった」
女「……」
男(ひたすらメニュー見てる……)
男「えーっと、コーヒー一つ」
女「……」
男「……女?」
女「それでは、私は――」
男(なにを頼むんだ?)
女「この、カップルジュースというものを」
男「!!」
男「ちょ、何頼んでるんだよ!」
女「え?」
男「それはカップルが頼むものであってだな!」
女「カップル――男女二人の組み合わせを言うのではないのでしょうか?」
男「え……そうなのか?」
女「はい」
男(……まあ、とりあえずくるまで様子見だ)
オマタセイタシマシター
男「……」
女「とても大きいですね」
男「……」(確実に二人用だぁぁぁ!!)
女「ストローが二つあります」
男「ああ……そうだな」
女「これはどういう意味でしょうか?」
男「……少し考えれば結論に至れると思うぜ」
女「ああ、なるほど」
男「ん?」
女「一緒に飲みませんか?」
男「……よく恥ずかしげもなく言えるなぁ」
女「ここは恥じらう所でしたか?」
男「俺だったらね」
女「設定しました」
男「いや、無理して恥ずかしがらなくてもいいからな?」
女「わかりました」
男「ん、じゃあコーヒー飲んだら飲ませてもらうよ」
女「はい」
男「……」ズズ
女「……」チュゥチュゥ
男(やっぱり不思議だなぁ)
女「ぷはぁ」
男(おかしなこと言わなけりゃ、というかだまってりゃ普通の女の子なのに)
女「美味しいです」
男「そりゃ良かった」
女「ご主人様も、コーヒーはどうですか?」
男「ああ、苦いね」
女「美味しいですか?」
男「うん、この苦さがいいね」
女「ご主人様は苦いのが好き……」
男「いや、それはちょっと誤解を招く」
女「苦いものが好きな女の子はモテるそうです」
男「それは多分ガセネタだと思うぞ」
女「そうなんですか」
男「なんか、ちょっと嫌な感じがするし」
女「どうしてですか?」
男「いや、それは俺の口からは」
女「それでは私の口から」
男「いや、無理だろ」
男「そうこうしてるうちにコーヒー飲み終わっちゃった」
女「飲みますか?」
男「うん、いただくよ」
女「……」
男「いただきます」
男 チュゥ
女 チュウゥ
男「……お、美味しいね」
女「はい、とっても」
女「カップルとは、このようなものなのでしょうか」
男「どうなんだろうね」
女「私は、男性との交際をしたことがありません。もちろん、女性とも」
男「……」
女「ご主人様なら、わかりますか?」
男「俺だってないよ」
女「そうなのですか」
男「……残念ながらね」
女「そんなことはありません」
男「え?」
女「私はあなたが初めての人で、あなたは私が初めての人なのです」
男「……」
女「違いますか?」
男「そ、そうだね」
女「それは、とっても喜ばしいことです」
男(また誤解を招く解釈だなぁ)
女「そして」
男「?」
女「カップルでもあります」
チュゥ
男「! それ、俺のストロー……」
女「カップルですから」
男「……」
女「間接的粘膜接触です」
男(おお、ロマンの欠片もない響き……)
女「いわゆる、間接キスです」
男「イエス!」
女「?」
男「な、なんでもない」
女「ご主人様の味」
男「え?」
女「なんでもありません」
男「今、なんかあやしいこと言わなかった?」
女「いえ、言っていませんよ?」
男「そ、そう?」
女「はい」
男(明らかに言動がおかしい)
女「ご馳走さまです」
男「おう」
女「とても美味しかったです」
男(一体どんな改造を?)
女「ご主人様、どうしますか?」
男「ん?」
女「これから、です」
男「ああ、そうだな」
女「私はご主人様に従います」
男(忠誠心と言うか、なんというか)
女「どうしますか?」
男「軽くここで雑談しないか? あんたのことをもっと知りたいし」
女「はい」
男(……と、言っても聞くことなんかそんなにないんだけど)
女「それでは、好きな女性のタイプを教えてください」
男「いきなりそんな話?」
女「はい」
男「うーん、なんだろうなぁ」
女「具体的例があると嬉しいです」
男「……と、言われてもなぁ。難しいなぁ」
女「そうなのですか?」
男「うん、そんなに好きなタイプとかはないしね」
女「なるほど」
男「しいて言うなら、優しい子かな」
女「データによると、優しくて良い人はそれ以上の関係になりえないと言っています」
男「ああ、確かによく言われるかも」
女「あなたは、優しくて良い人が良いのですか?」
男「うーん、ただの優しさじゃないけどね」
女「どのような優しさですか?」
男「時には厳しく接したりとか、そういう具合の」
女「なるほど、鞭で叩いたり」
男「それは厳し過ぎ」
女「難しいのですね」
男「いや、直接的な厳しさじゃないよ」
女「間接的ということですか?」
男「うん。上手く表せないけど」
女「そうですか。ありがとうございます」
男「ど、どういたしまして?」
女「それでは、なにか質問はありますか?」
男「うーん、君はなにかモデルとかはいるの?」
女「私の骨格ですか?」
男「まあ、そんなとこ」
女「いえ、とくには。 製作者の好みだと思われます」
男「なるほどね、大分見る目があるよ」
女「え?」
男「こっちの話」
女「どっちの話ですか?」
男「……」
女「では、次は私が」
男「うん」
女「好きな女性はいますか?」
男「いないよ」
女「そうですか」
男「そっちの話は正直、俺には無縁だよ」
女「それはまだわかりません」
男「え?」
女「これから体験する可能性も、大いにありますから」
男「そうなのかな」
女「はい」
男「ありがとう、なんだかやる気になったよ」
女「そうですか?」
男「うん」
女「それでは、次の質問を」
男「好きな色は?」
女「とくにありません、あなたは?」
男「明るい色はわりと好きかも」
女「今から私も明るい色が好きです」
男「俺の言葉に惑わされないように」
女「わかりました」
男「素直すぎるよな、あんた」
女「そうですか?」
男「うん、ちょっと心配」
女「心配してくださるのですか?」
男「当たり前だろ」
女「当たり前……なのですか」
男「うん」
女「心配してくれると、なぜか気持ちが良いです」
男「うーん、でもそうかもな」
女「そうなのですか?」
男「心配してくれるってことは、その人のことを思ってるってことだし」
女「なるほど」
男「まあ、ちょっと照れ臭いけど」
女「においますか?」
男「そっちじゃないよ」
女「私を想って下さること、嬉しいです」
男「うーん、それも違うと思う」
女「違いますか」
男「それは恋だと思うんだよね」
女「故意ですか」
男「あんたはよく変換ミスるね」
女「ありがとうございます」
男「褒めてないぞ?」
女「残念です」
男「でもさ、あんたは面白いよ」
女「そうですか?」
男「うん、なんかいつもの人と違ってさ」
女「人……」
男「うん」
女「私は、人ではありませんから」
男「……」
女「申し訳ありません、すこし暗いことを言った自覚があります」
男「いや……」
女「……」
男(気にしてるのかな)
女「好きな食べ物はなんですか?」
男「なんだろう?」
女「ナンですか」
男「言葉遊びかよ!」
女「気を取り直して、好きな食べ物は?」
男「うーん、基本なんでも食べれるからなぁ」
女「やはり、ナンですか?」
男「離れろ、そこから」
女「はい」
男「いや、席は離れなくてもいいよ」
男「ああ、もう!」
女「?」
男「ちょっとは普通にしろよな」
女「普通?」
男「調子狂って困るって」
女「困りますか?」
男「うん」
女「ごめんなさい」
男(あれ?)
女「……」
男(落ち込んでる?)
女「……」
男「あの……」
女「ごめんなさい」
男「いや」
女「ごめんなさい」
男「えっと……」
女「ごめんなさい」
男「……」
男「もう大丈夫だから、こっちを向いてくれ」
女「……」
男(……参ったな)
女「私は……」
男「……欠陥品ってか?」
女「……」コクリ
男「だから、そういうこと言うなって」
女「……でも」
男「はぁ……」
女「……」
男「ダメなところは直せばいい」
女「……」
男「難しくても、あんたならやれるはずだから」
女「私なら……?」
男「ああ、人間じゃないことを逆手に取ればいいのさ」
女「人間じゃないことを……?」
男「うん」
男「あんたは色んなことが出来るから」
女「色んなこと……」
男「不可能だって、可能になる」
女「……」
男(我ながらくさいこと言ってるなぁ)
女「……不可能が可能になるなら」
男「?」
女「私は、あなたを――」
男「え?」
女「――なんでもないです」
男(なんか、言おうとしてたけど)
女「ご主人様」
男「ん?」
女「そろそろ、出ませんか?」
男「ん、いいけど、どうした?」
女「えっと……」
男「? うわっ!!」
女「たくさんの人が……」
男(なんかあやしげな人たちが女を見てやがる!)
女「あの……」
男「行こう、女!」
ギュッ
女「あ……はい」
男(ああいうタチの悪そうな人たちはスルーが一番)
女「……」
タッタッタッタッ
男「どうした?」
女「あの、どうして人だかりができていたのでしょう?」
男「わかんない?」
女「はい、なにかのイベントでしょうか?」
男「いや、違うよ」
女「なにかあると思ったのですが……残念です」
男(ああ、だから出ようって言ったのか)
男「あれはあんたが可愛くて見惚れてたんだよ」
女「え?」
男「二度は言わないからな」
女「ご主人様も、思っていますか?」
男「ん?」
女「私が、可愛いと」
男「……う、うん」テレテレ
女「そうですか」
女「あの」
男「?」
女「手、つないでくれましたね」
男「! あ、これは……」
女「嬉しいです」
男「……そっか」
女「……」
男(それでも、無表情は変わらないか)
ポツリ
男「……?」
女「雨です」
男「ああ、小雨だな、家に戻るかぁ」
ポツポツ
男「おいおい……」
ザァー
男「マジかよ!」
女「大雨です」
男「いきなりどうして!?」
女「いえ、いきなりではありません。降水確率は水準を上回っていました」
男「だったら先に言って!」
女「はい」
男「ああ、もう! 雨宿りできるところ……」
女「ありますか?」
男「ん、公園!」
女「公園?」
男「あそこなら雨宿りできる……はず!」
女「そうなのですか」
男「なにゆっくりしてんだ! 早く!」ギュッ
女「あっ」
男「行くぞ!」
女「はい」
ザァー
男「ふぅ……」
女「結局濡れてしまいましたね」
男「寒くないか?」
女「大丈夫です」
男「これ」
女「ありがとうございます」
男「この雨、止むのか?」
女「はい、あと1時間ほどで」
男「1時間……か」
女「ご主人様」
男「ん?」
女「寒くないですか?」
男「大丈夫だよ、それより、風邪気味のあんたのが心配だ」
女「心配していただけて光栄です」
男「そうかい」ブルルッ
女「寒いのですね」
男「体は正直だ……」
女「……」ヒョコ
男「!」
女「くっつけば暖かいです」
男「そんなの、どこで覚えたんだ?」
女「基礎知識です」
男「……そうか」
女「はい」
男(だけどだな……)
女「どうしましたか?」
男「濡れてるからなぁ」
女「そうですか」
男「って、まさかとは思うが……」
女「はい?」ヌギヌギ
男「やっぱりな……」
女「人肌はあたたかいですよ?」
男「ああ、それも基礎知識なんだろ」
女「はい、基礎知識です」
男(こんなとこ誰かに見られたらまずいぞ……)
女「完了しました、それでは……」
男「いやいや、それはまずいって」
女「?」
男「『?』って……」
女「私では嫌ですか?」
男「誰でもダメだよ」
女「ご主人様には欲が無いのですか?」
男「いや、あるよ」
女「私が性的対象に入っていない……ということでしょうか」
男「そんな真っ直ぐな目で俺を見ないでくれ」
女「どういう意味ですか?」
男「いや……なんか」(嘘がつけなくなるっつーか)
女「ご主人様が初めてです」
男「?」
女「こういう接し方をしてくれるのは」
男「え……でも、俺が初めて実験協力者なんじゃ?」
女「はい、そうです」
男「なのに、なんで?」
女「さっきの人だかり、散歩中の視線……」
男「……」
女「性的な目が、私に向けられていました」
男「……ああ」
女「でも、あなたは違います」
男「……」
女「私を、一人の女として――」
男「……」
女「――見て、くれました」
ガバッ
女「……」
男「俺がいつ、あんたのことを性的な目で見てないって言った?」
女「……言っていませんでした」
男「……」
女「最初から、ですか?」
男「?」
女「最初から、ずっと……私を」
男「……」
女「そう……ですか」
男「……」
女「でも、私は……」
男「?」
女「ご主人様なら、構いません」
男「……はぁ……」
女「?」
男「そんなわけないだろ……」
女「え?」
男「というか、あんたはもっと抵抗しないと」
女「抵抗する理由がありません」
男「大アリだろ!」
助手「もう、いいとこだったのにー」
男「いやいや、そんなこと……ってうわぁ!」
女「あ、助手さん」
助手「どもども」
男「いや、神出鬼没すぎるでしょ!?」
助手「そうかな? まま、そんなこと置いといてさ、どうよ、メイドは?」
男「え、メイド?」
助手「私が頑張って色々いじってみたけど、可愛かったでしょ?」
男「ま、まあ……というか、助手さん、ビチョビチョじゃないですか。中入ってください」
助手「いいの、悪いね~」
男(って、助手さん、透けてる……!)
女「……」
助手「いやあ、まさか雨に降られると思わなかったからね~」
男「こんな公園の遊具で雨宿りしてる3人って……」
女「狭いですか?」
男「いやいや、全然」
助手「さて、そろそろDDL-003直さないとね~」
男「直すんですか?」
助手「うん、博士に怒られちゃうし」
カチャ
女「あひぃ!?」
男「まさか、あれは……」
助手「私の独断でーす、ごめんねー」
女「らめです、そこは……ひゃぁあっ……」
男(うう、声が生々しい)
助手「うん、これでオーケー!」
女「はぁはぁ……はしたないところを見せてしまいました、ごめんなさい」
男「だ、大丈夫か?」
女「心配して下さるのですか?」
男「あ、ああ」
女「嬉しいです」
男「……」
男(なんか、なぁ)
助手「うう、寒いなぁ」
男「大丈夫ですか?」
助手「うん、平気平気! これでもカイロ沢山持ってるからね」
男(それは逆に熱いような……)
助手「それじゃあ、私はまた観察に戻りまーす」
男「え、外に出るんですか?」
助手「いや、しばらくはここにいるつもり」
男「え、じゃあ……」
助手「じゃっじゃじゃーん、傘ー」
ザァー
男「……」
スタスタスタ
女「……」ピッタリ
男(胸の感触が……)
助手『メイド服が濡れちゃうからこのスタイリッシュなワンピースにしましょー!』
男(確かに可愛いけど……)
女「?」
男(これはちょっと反則的な可愛さだぞ……! しかも腕に胸当たってるんですけど!)
女「相合傘です」
男「そうだな」
女「カップルは相合傘をすると、密着します」
男「今の状態だな」
女「そうですね」
男(落ち着け、この柔らかい感触を忘れないように……って、落ち着ける場合じゃないけどな!)
女「あ、かたつむり」
男「ああ、雨降るとよく見かけるよな」
女「ゆっくりゆっくり、歩いてます」
男「おう」
女「まるで、私みたい」
男「あんたはかたつむりより可愛いけどな」
女「え?」
男「な、なんでもない」
女「男さん」
男(あ、戻ってる)「なに?」
女「他の機械にも、会いたいですか?」
男「え?」
女「はい、私はDDL-003、つまり001,002がいればそれ以上の者もいます」
男「なんで急に」
女「私が嫌であれば、いつでもチェンジができるのです」
男「嫌なわけないだろ」
女「……本当ですか?」
男「本当だよ、女」
女「……」
男「もう、俺たちは友達なんだから」
女「友達……」
男「まあ、その言い方は変かもしれないけどな」
女「……変じゃないです」
男「そうか? なら良かった」
女「……嬉しいのに」
男「え?」
女「嬉しいのに、上手く表現ができません」
男(……なんか、こんな展開どこかで見たことあるような気がする……ぞ?)
女「これから、すこしずつ、できるようになって見せます」
男「……女」
女「応援、してくれますか?」
男「おう、もちろん」
女「嬉しいです」ギュッ
男(やわらけええええ!!)
女「?」
ガチャ
男「ただいま~」
女「誰に言ってるのですか?」
男「誰もいなくても言うの」
女「なるほど。ただいま戻りました」
男「それでよし」
女「はい」
男「まあ、今日も色々あったけども」
女「はい」
男「これからよろしくね」
女「こちらこそ」
―――――
助手「博士、観察結果は送ったはずですけど?」
助手「ふむふむ、いやいやいやいや……」
助手「確かに良い結果が出てますね。DDL-003らしからぬ思考ルーチンの成長が起きています」
助手「はい……はいはい……」
助手「え? 他のも送って、完成に近づける?」
助手「マジですか? はい、わかってますよわかってますよん。博士が冗談を言うタチでないことはわかってます」
助手「……わかりました、それじゃあ」プツッ
助手「ふふ、楽しくなるかもなぁ~……観察は大変になるけどね」
男「これからずっと一緒とは約束できない」
女「それでも未来はあるはず」
男「だからこそ俺は――」
女「だからこそ私は――」
――前へ進む。
SS速報に続く。
悪辣メイド&ロボ姉の人?
ならとっても嬉しい
昔に超絶ブラック会社のプログラマーの話書いてなかった?
965:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/21(木) 00:35:18.85:ylgrfMXd0ならとっても嬉しい
昔に超絶ブラック会社のプログラマーの話書いてなかった?
立てました。
女「機械の体ですけど、一緒に過ごします?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303313514/
>>337
ボクっ子SSを書いているものです。
最近はあまり書いてませんでしたが……。
974:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/21(木) 00:49:37.35:xbWFqyHK0女「機械の体ですけど、一緒に過ごします?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303313514/
>>337
ボクっ子SSを書いているものです。
最近はあまり書いてませんでしたが……。
>>966
乙かれ~
続き期待してます。
969:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/21(木) 00:43:34.32:q9YzJRCj0乙かれ~
続き期待してます。
乙
続きに期待
続きに期待
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