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2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 20:22:06.34:z9MK5UWB0
さやか「アイツ…」
苦節100周超にして、私はようやく3人の魔法少女を生き残らせることに成功したが、
しかし、彼女らをワルプル戦に加えるつもりはなかった。
杏子「……まじかよ」
辛苦の果てに生存させた彼女達をここで失うわけにはいかない。
前夜、私は今まで重ねてきた事実を、その理由を、全て彼女達に、そしてまどかに打ち明かした。
マミ「暁美さん……」
対ワルプル戦の圧倒的なノウハウがある、と彼女たちを説得した私は独り、最悪の魔女と対峙した。
まどか「ほむらちゃ…!」
そして―――。
QB「まさかあのワルプルギスの夜を、一人で倒すとはね」
【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」
【速報】尾田っち、ワンピース最新話でやってしまうwwww
【東方】ルックス100点の文ちゃん
【日向坂46】ひなあい、大事件が勃発!?
韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 20:24:34.86:z9MK5UWB0
ワルプル「ンホォォォォォォォォォォォォォォォォ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
轟音を鳴り響かせ崩れ落ちる魔女。
その姿は段々と薄れていき、煌々とした光点が形成されていく。
嘘のような静穏に辺りが満たされると、集束したグリーフシードは足下にコツンと落ちて転がった。
ほむら(やった……!遂に…やった……)
ほむら(巴マミを無頭身にすることなく…美樹さやかを魔女にすることもなく、まどかを魔法少女にすることもなく……!)
ほむら(ワルプルを斃した……!)
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 20:26:45.78:z9MK5UWB0
私達は、雷雲晴れゆく空の下で女5人、キャッキャウフフと喜びを分かち合っている。
心底どうでもよかった。
早くまどかと悦びを分かち合いたい。
クンカクンカしたいまどか。クンクンまどか。
嗚呼まどか。
私にはどうでもいい時間なので、テキトーに話を合わせながらこれまでを回想する。
佐倉杏子――。
巴マミの生存によって疎遠になるかと思われた佐倉杏子は、わざわざ隣のテリトリーから新米魔法少女☆美樹さやかを冷やかしに来るようになっていた。
グリーフシードのストックがある余裕からか、それとも彼女の持つ因果かは分からない。
あわよくば新米を舎弟にしようと目論んでいたようで、
しばしば巴マミと衝突し美樹さやかとは犬猿の仲といった様相であったけれど、
"誰かのために願った"魔法少女同士は、通ずる点も感じ取っていたように見える。
涙目で手を握るまどかかわいい。
まどきゃわい過ぎ。
早く抱き寄せたい。愛しいまどか。
早く終われこの時間。
美樹さやか――。
上条恭介のために願いを叶えた美樹さやかは、魔法少女の身体の真実を知り自らの恋路を諦めた。
志筑仁美が上条恭介に惚れては美樹さやかの生存が危ぶまれるために私は奮闘したが、それはまた別の話。
巴マミ――。
頭があるって素晴らしい。
私が半分スプラッタになりつつシャルロッテのあむーの身代わりとなる。
命を助けた代わりにまどかを魔法少女にしたら許さないと釘を打つ。
魔法少女コンビは美樹さやかと結成できたので結果オーライ。もう何も怖くない。
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 20:29:04.85:z9MK5UWB0
回想―――シャルロッテ戦翌日。
まどか『昨日は本当にびっくりしました。あの、私、早く魔法少女になってマミさんの力になりたいです』
マミ『それには及ばないわ』
まどか『えっ』
マミ『昨日なんだか身体が軽い気がしたけれど、そんなことはなかった』
まどか『あ、あれは誰だって』
マミ『きっと貴方には"魔法少女としての覚悟《風に投じられた警戒》"と、
私との"友情パワー《カメァラードリィ》"が足りないの』
まどか『えっ』
マミ『だから貴方はまず風とは何かを知りカメァr』
まどか『あ、あの!……私、マミさんに、嫌われちゃいましたか……?』
マミ『そんなことはないわ。貴方は私の最初のお友達。大切な大切なお友達。
だから、よーく考えて、魔法少女になってほしいの。私のためじゃなくて。貴方自身のために。だからカメァr』
QB『僕は友達じゃなかったのかい?』
マミ『人間としてのお友達よ。同じ女の子として、大切なお友達。だからカメァラ―――――』
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 20:31:05.61:z9MK5UWB0
マミ「じゃあそろそろ、うん、一度お別れにしましょうか」グスッ
杏子「そうだな、避難区域に女5人じゃ怪しまれるしなぁ」
さやか「ええー。皆でぱぁーっとやりましょーよお?せっかくなんだし」
杏子「人の話聞いてんのか」
さやか「うっさい。アンタは来なくていいわよ、ご近所さんには関係ないでしょーしぃ?」
杏子「あぁ?」
マミ「まあまあ……暁美さんも疲れてるでしょうし、またいつでも会えるんだから」
まどか「うん……これからは、大丈夫、なんだよね?」
QB「いずれ魔女は現れるだろうけどね。最悪の魔女は倒されたんだ。少しは平穏な日々が続くだろう」
まどか「そっか……」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 20:33:22.39:z9MK5UWB0
ほむら「ま、まどか……いっしょに、帰ろ…?(早く早く早く早く……)」
まどか「うん、本当にお疲れ様ほむらちゃん。かえろっか」
さやか「んじゃ私m」ングゥッ
杏子(おまっ空気嫁っ)ネンワ
さやか(何すんのよ!)ネンワ
マミ「?」
杏子「(アイツの表情見てみろ…)ぱ、ぱぁーっとやりたいんならアタシが付き合ってやんよ」
ほむら「」ホムゥッ ←めっちゃ睨んでる
さやか「(……りょーかい)そ、それもあり、かなぁ」
まどか「あれ、そーなの?」
杏子「いやいやいやいやいやアタシ達も帰るだけっ帰るだけだから気にすんなっまじで」ダラダラダラダラ
ほむら「そうよね二人とも、だから帰りましょう一緒にまどか」パッ
まどか「んぅ?うんっかえろ」
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 20:35:43.90:z9MK5UWB0
まどかと二人、避難所に向かって歩き出す。
まどか「……」
ほむら「……」
私達は沈黙していた。
肩が時折触れる。
それだけで胸が焼けるように熱くなる。
もっと触れたくて、私は距離を縮め、自然を装い、肩を擦り付ける。
涙がこぼれそうになる。
決戦前夜、私は全てを話した。
幾数年にも渡る私の苦心を、この子は負い目に感じるだろうか。
まどかが好き。
まどかが愛しい。
周回を重ねるごとに、無垢な貴方を見るたびに、私の情愛は昂り止まらなかった。
私の全てはまどかに染められていた。
持ち切れない感情をこの子に伝えたい。
愛しい。
怯えられてもかまわない。
震えが止まるまでまどかを私で染めたい。
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 20:38:12.14:z9MK5UWB0
ほむら「ねえ……」
やっと。
満願成就のこの時。
まどか「……うん?」
手を取って繋ぐ。
まどか「わわっ」
温もりが心地よくて堪らない。
指がとろけそう。
ほむら「私の部屋、行こ…」
―――この気持ちは、とまりそうにない。
まどかは、黙したまま伏し目で頷いた。
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 20:40:16.48:z9MK5UWB0
私の部屋。
まどかを先に入れる。
中は間接照明に照らされて薄暗い。主照明は点けていない。
扉を閉め、私は後ろから彼女を抱き締めた。
まどか「ぁ……」
その肩に、腰に掌を当て、ぎゅっと抱き寄せる。
細い身体、白く艶のある肌。まどかの愛しい身体。
撫子色の髪を、まどかの匂いを深く嗅ぎ込む。何度も。
ほむら「…~~っ!~~っ!~~~……っ!」
吸い入れる度に嗅神経が痺れる、咽喉から腹腔が熱く沸き立つ。
ほむら「~~~~~っ!~~~~っ!~~~っ!」
ずっと、この時を。好き。
好き。まどか。愛おしい。
もっと。ずっと。
キスをしたい。
撫でたい。
舐めたい。
肌を擦りたい。
まどか。愛しいまどか。
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 20:42:28.38:z9MK5UWB0
まどか「ほ、ほむらちゃ……わっ」グィッ
口を開いたまどかの身体を廻し、唇を重ねる。
まどか「ん………っ~~~っ……っ…っ」
何度も唇を押し付ける。この熱を伝えるように。
唇で揉み合うように。形を変えて押し付ける。
ギュっと目を瞑るまどか。
私の両腕を掴んでいるが力は込められていない。
頭が逆上せてしまいそう。
好き。好き。
まどか。
好きでたまらない。
肩を掴んだ手を背に回し、抱き寄せる。
舌を出してまどかの唇を舐めてゆく。
まどか「ふ…っ!?……っ~~~っっっ!」
無味の唇が美味しい。
もっと、もっと舐めたい。
唾液を絡め、舌を這わす。
もっと奥に。
まどかの歯を、舌を、味わいたい。
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 20:44:43.81:z9MK5UWB0
背に回した掌を撫で降ろし、小振りな尻を包んで抱き寄せる。
口、胸、お腹、全身を、もっと密着させたい。
もっとまどかの温もりを。
唇を重ねながら片足を股の間に踏み入れる。
まどか「んぅ…っ!?っふ…っ!ふ……っ!んぅ…っっっ!~~っ!」
熱い唇は緩み、私の舌はまどかの歯を、歯茎を少しずつ舐め回していく。
美味しい。
まどかの唾が美味しい。
たじろぐように一歩、後ずさるまどか。
薄く開いた瞳は時折足下へ向けられ、私が見つめるたびに恥ずかしげに閉じられる。
私は反対の脚を再び踏み入れる。
再び一歩、後ずさられる。
片手の指を絡ませて繋ぎ、また一歩、深く踏み入れる。
まどか「ん…っふ…っん……っ!んぅ……っんん………っ!」
一歩、一歩、指と唇を繋がらせたまま、私はベッドの前まで数歩歩かせ、彼女を押し倒した。
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 20:46:52.54:z9MK5UWB0
まどか「んぁっ……っ!?……んんぅっ!?」ガバッ
間を開けず唇を合わせ舌を滑り入れる。
今度は小刻みに、歯茎の隅をくすぐるように。
まどか「ふ…っんっ!?は……ぁ……っ!ふぁ……っ!ふ…ぅ…っ!~っっ!!」
顎の力が緩み口が開いていくのが分かる。
漏れる息が私の劣情を高めていく。
私は舌を休めない。
もっと口を開かせたい。舌を舐めたい。
続けながら、両手をまどかのリボンに伸ばす。
緩く結ばれたそれをほどき外して、髪を指で梳る。
愛おしい。
そのまま撫でた頬は熱かった。まどかも感じてくれているのだろうか。
私は頭を抱き寄せるように腕を廻し、深く舌を差し入れ、まどかと絡ませた。
まどか「んぁぁ……っぁ…っん…っ……っ…っぁ……っっ!!」
私は、泣いていた。
堪えることができなった、嬉しくて、堪らない。
まどかが、好き。
愛しい。
ずっと、ずっと、この唇を、舌を求めていた。
身体が震え出す。
もっと、もっと。まどかの舌を味わいたい。
わたしの舌を味わってほしい。
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 20:48:55.15:z9MK5UWB0
やらしい音が部屋に響いている。
構わない。
両手の指を、互いの脚を絡ませ、寄り添うように身体を重ねたまま。
私はまどかの舌に夢中になっていた。
まどかも舌を伸ばして答えてくれる。
心が満たされるのに、欲しくて堪らない。
どれほど舌を絡ませたかは分からないけれど、
私もまどかもじっとりと汗ばんでいた。
もっとまどかが欲しい。
まどかと交わりたい。
そう思うのに、唇を離せない。指を解けない。
舌を吸い合うまま、指を絡ませたまま、
私は、まどかに溺れていた。
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 20:51:28.92:z9MK5UWB0
それがさらに続いて、唇がふやけそうな程に重ね合って。
私はまどかの太腿に腰を擦り付けていた。
唇を離す余裕はできていたけれど、
離すたびにまどかは何かを言おうとする。
それが、怖かった。
私はまどかを唇で塞いでいた。
何度かそんなやり取りを繰り返した。
愛情と恐怖の収拾がつかなくて、涙も止まらなくて。
私は、何とおぞましいのだろう。
どうすれば。
どうすればいいのか。
思っていると視界が回転した。
ほむら「!?」
まどかとの体位が逆転している。
馬乗りになったまどかの顔が近付いてくる。
ほむら「ん……っ!…っ!……っ!……っ!………っっ!」
舌を絡ませてくるまどか。
嬉しくて、身体が跳ねる。
私も、舌を伸ばす。
少し触れて、まどかの舌が抜けていく。
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 20:53:41.71:z9MK5UWB0
ほむら「はぁ…っ……ふ……っ……は……ぁ……」
まどか「ふ…ぅ…っ……はー…ぁ…。ほむら、ちゃ…ん」
私を見下ろして言うまどか。私は、彼女の手を握っていた。
まどか「……ありがと、ね」
そういって微笑むまどか。
ほむら「……ごめんな、さい」
私は、礼に足る"モノ"、なのだろうか。
私は、守るはずのものが、ほしくなって。
それは、人間ではない私には、許されないことで。
まどか「ううん…ありがと……本当に、」
それでも。
微笑み掛けてくれるまどかが愛しくて。
ほむら「……ごめ……っ」
その声に、表情に、染められてしまって。
まどか「ううん、……だいすき」
……っ!!
ほむら「私も……っ!……すきっ……だいすきっ!」
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 20:56:27.13:z9MK5UWB0
まどか「うん……嬉し………」
パタン、と私の横に身を倒すまどか。
まどか「えと……。私、ね……。魔法少女にはならない……ことにする」
私の頬にまどかの手が触れる。
まどか「ホントは、願いを使って……ほむらちゃんに恩返し、したい、けど。
……私が魔法少女になったら……ほむらちゃんの気持ち、無駄に、しちゃうから…。
精一杯、生きてみる。私の、人生。ほむらちゃんが、繋いでくれた、人生。
私が、皆と同じ、魔法少女になったら、もっと、ほむらちゃんと、皆と、辛いこと、いろんなこと、分かち合えるのかもしれない。
そうしたい。そうすべきなのかもしれない。
でも、それは、きっとずるいんだ。
私が、皆と違うこと、普通でいることに、怯えているだけなんだ。
そう、おもうから。
ほむらちゃんが好きだから。
私、魔法少女には、ならないことに…する、ね」
ほむら「……うん」
まどか「ごめん、こんな言い方も、ずるい、よね。
なんて言ったらいいのかな。分からなくて。
どうして、涙が、出ちゃうんだろ。
私は、泣いちゃだめ、なのに。
…………。
……ほむらちゃ……ん」
私は、震えるまどかに、静かに唇を重ねた。
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 20:59:49.39:z9MK5UWB0
まどかの耳介を舐め上げながら、サイハイソックスをゆっくりと脱がしてゆく。
顔を背けるようにして耳を逃がそうとするので、私は覆い被さるようになって舐め上げる。
まどか「ひゃ………ぅっ~~~っ!……んっ…っ……んっっ……」
膝を曲げさせうまく片方を脱がせた。
露わになった白い脚の内側にゆっくりと指を這わせて、もう片方に指を掛ける。
耳孔を舌先でくすぐりながら、同様に脱ぎ下ろす。
まどか「…ん…っ…ん…っ!んぅ…っ!」
耳も美味しい。
インナーブラウスの胸リボンに手を掛け、引き解く。
まどか「……ぁ……………」
頬を上気させたまどかと眼が合う。
ほむら「まどか……脱ご……?」
上着だけは一人では脱がしづらいのだった。
まどか「……うん」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:03:25.09:z9MK5UWB0
まどかに上着を脱いでもらっている間、私も上着とチェックスカート、黒タイツを脱ぎ捨て、カチューシャを外す。
インナーブラウスのボタンは外してはだけさせておく。
下着上下にブラウスを羽織っているだけの状態。
脱ぎ終えて振り返ると、ベッドの縁に背を向けて座っているまどか。恥ずかしいのだろうか。
上着は既に脱いだようで、自らインナーブラウスのボタンを外しに掛かっている。
私は背後に座り、まどかを抱き寄せる。
うなじに舌をゆっくり這わせながら、ブラウスのボタンを外してゆく。
まどか「あぅ……っ…………んっ……」
小振りな胸を包むシェルピンクのブラが露わになる。
まどか「は、恥ずかし、…ぃ…かな……」
控えめなレースの装飾がまどかの肌と調和していてすごくイイ。
ほむら「可愛…ぃ……。フロントホック、なのね」
まどか「あはは…私、不器用だから…後ろ苦手なんだ……」
笑い掛けるまどかの声が私の脳細胞を焼いていく。
ホックをずらして外し、カップを除けると、小さな乳頭が突起していた。
ほむら「~~~……っ!」
私の中で、何かが弾ける音を聞いた。
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:05:26.41:z9MK5UWB0
まどか「……わっ」グイッ
肩のストラップをブラウスごと捲り下げて、まどかをベッドに倒す。
白く華奢な両肩が露わになる。
自分がいっそう発情していくのが分かる。
私は覆い被さり、乳房を口に含んで、乳輪に舌でなぞっていく。
まどか「ふ…っ!ん………はー…っはぁ…っ!あ…っぅん…っ!」
もっとたくさん焦らすつもりだったのに、微かに触れた乳首は既にかたくて。
私はそのまま、乳首を舌で転がす。
まどか「あ゛…っ!?~~…っ!んぅ…っ!…っ!~~っ!」
欲望のままに、舌を激しく動かしてまどかの乳首を味わう。
美味しい。
すごくおいしい。
空いた手で、反対の乳首を擦り、内股をゆっくりと撫で回す。
まどかが感じて、身体がぴくぴくと揺れるのがうれしい。
脳神経が焼き切れてしまいそう。
もっと、もっと。
私で、感じてほしい。
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:07:42.53:z9MK5UWB0
まどか「はー…っ……っ……はぁ…っ……」
仄かな薄明かりに照らされ、まどかの胸が、お腹が、太腿が、私の唾液に塗れて怪しい光を返している。
ブラウスを脱ぎ捨てた私はまどかの横に寄り添い、何度目か分からないキスをしながら、絶対領域へ手を這わす。
まどか「ん……っ……ふ……っ…」
スカートを軽く捲り、絶対領域から三角地帯へ。割れ目に指を合わせ薄布を撫で上げていく。
まどか「……ぁ……ん゛……っ……ひぅ……っんぅ゛……っ」
舌を控えめに吸いながら、クリトリスを狙って撫で付けていく。
腰をくねらせて感じるまどかが愛おしくて、私はまどかの髪に顔を埋める。
ほむら「~~~っ!…~~~っ!~~~…っ!」
まどか「ぁ゛…っんぁ゛…っん゛っ……ぁ゛……ん゛……っっ!」
まどかの匂い。匂いだけで気持ちいい。
嗅細胞でまどかを堪能しながら私は指の動きをやさしいまま速め、多様化させていく。
上から、下から、左右から撫で付け。摘まんで、揺らして、転がして。
まどか「……ぅ゛…っ!?~~~っ!?…っ!…っっ!…っっ!!」ビグッ
股がギュッと閉じられ、まどかの身体が跳ねる。
軽くイッたらしい。
そろそろ、いいだろうか。
息の乱れるまどかを眺めながら、私はブラとショーツを脱ぎ捨て、裸となった。
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:11:01.34:z9MK5UWB0
まどか「は……ぁ……はー……ぁ……ぁ…」
くたり、と力の抜けたまどかを、丁寧に脱がしてゆく。
ブラウスの袖を外し、ブラのストラップをくぐらせて。
チェックスカートとシェルピンクのショーツも脱がし下ろして。
まどかの綺麗な裸体を眺めつつ、枕の裏からローターと紙テープを取りだす。
まどか「………?」
きょとんとしているまどかを尻目にクリトリスの上側、皮を覆うようにローターを横に当て、
陰毛を巻き込まないようにしながら厳重に紙テープで固定する。
まどか「な…?なに……??」
最強でスイッチオン。
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:13:03.38:z9MK5UWB0
まどか「な゛―――っ!?~~~っ!?あ゛ぅ゛…っ!?ん゛ん゛に゛ぁ゛…っ!?~~~~っっ!?」ビクビクビクビクビクッ
大きく、まどかの身体が跳ねる。腰を浮かし、手を伸ばして取ろうとするので、両手を繋ぎ直す。
まどか「ほぉ゛……っ……ん゛っ!ん゛っん゛ぅっっ!!ちゃ…ぁ゛あ゛…っ!?」ヴヴヴヴヴヴヴ
そのまま私は、まどかの股に割って入り、下腹部をまどかに押し付ける。
私のクリトリスもローターに当たるように。
ほむら「~~~~…っ!!!はぁ゛…っ!すご…ぉ゛…っ」ヴヴヴヴヴヴヴ
まどか「ん゛あ゛あ゛あ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛…っ!!!!」ビグビグビグビグッ
ほむら「まどかぁ゛ぁ゛ぅ゛っ……っ!ま゛…っ…ぁ゛……っ~~~っっっ!!!」ビクッビクッビクッ
私が押し付ける分、まどかの刺激は強くなる。
まどかの腰が跳ねれば、私に当たって擦れる。
私が感じるほどに、力が抜け、まどかに圧し掛かる。
止め処なく、快楽が廻っていく。
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:15:27.27:z9MK5UWB0
ほむら「ん゛っ!すきぃ゛…っ!ん゛ぅ゛……っ!ぅ゛ぅ゛……っ~~っ!!」ビグッビグッ
まどか「~~~…っ!!……ん゛ぁ゛ぅっ!あ゛っっ!っ!ぃ゛……っ!ぃ゛ぅ゛っっ!」ビクッビクッビクッ
貪るように舌を絡めながら、私は好きと云ってしまう。
云わずにいられない。好きで、好きで。
もっと好きになってしまって。
どうしようもなくて。
ほむら「しゅ゛…っ…きぃ゛…!…ぃ゛い゛ぅ゛っっ!!」ビグビグッ
吐露するほどになおさら愛しくなる。
背を丸め、乳首が擦れ合うようにしながら、舌を舐め合い、秘所を重ね合う。
まどか「ぁ゛~~っっ!~~~っっっ!!……っ!!!…っ!!ぉ゛ぅ゛ぅっ……ん゛ぅ゛っっっ!!!」ヒグヒグヒグヒグヒグ
別の生き物のようにまどかの腰が跳ね、乱暴に私を責める。
私はまどかに腰を深く押し入れると、二人の身体が溶けるように震える。
まどかが気を失えば、私が耳を噛んで起こし、
私が気を失うと、まどかは秘部に掛かる重圧で嬌声を上げるので、目を覚ます。
止まらないオーガズムが私達を一つにしていく。
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:17:27.98:z9MK5UWB0
絶え間ない交歓は深夜まで続いた。
電池切れが、私達の時間を終わらせた。
どうしようもなく、私はまどかに溺れていたので、ちょうどよかった。
そのまま私達は、どちらとなく、眠りに落ちた。
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:18:10.23:zk2cSDWy0
翌朝。
まどか「おはよ」
目を覚ますと、まどかがそこにいる。
私より先に目覚めたらしい、制服を着ている。
ほむら「……お、おはよう」
全裸の私は恥ずかしくて、服を探す。サイドテーブルに綺麗に畳まれていた。
まどか「うん、おはよ」
ほむら「あ、ありがとぅ」
服を手元に寄せてまどかに言う。
まどか「んぅ?ああ、勝手に触っちゃって、よかったのかな」
ほむら「よ、よかった」
語調がおかしくなる。
なんて返せばいいのか分からない。
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:23:47.35:z9MK5UWB0
まどか「こ、これも、剥がして、洗っちゃったんだけど、大丈夫、だった……?」
手元から下げられているのは、昨日の玩具だった。
ほむら「大、丈夫」
まどか「そ、そっか。じゃ、ここ、置いておくね」
ほむら「ええ。……その。ごめん、なさい」
まどか「……んーん。すごく、嬉しかった。今まで、本当に、お疲れさま、ほむらちゃん」
ほむら「」
その労いの言葉だけで、嬉しくて頭が真っ白になる。
まどか「ん…」
私はまどかに抱きすがっていた。
まどかが言葉なく私の頭を撫でる。
堪えられず私は泣きだしていた。
まどか「本当に、本当に、ありがとう。お疲れさま」ナデナデ
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:25:49.89:z9MK5UWB0
一方―――帰り路その②
さやか「だいたいひと月をワンサイクルにして、年単位でぐーるぐる……。そりゃあ、まどかラブっ!てなるのも分からなくはないけど…」
杏子「まー、馬鹿な女だよなぁ」
さやか「何それ?あんたフォローしてたじゃん」
杏子「そりゃあ…アレだよ。よく考えてみろ、アソコで邪魔なんかしたらあいつソッコー魔女になっちまうだろ?」
さやか「ああ、なるほど」
杏子「やっぱりまだまだヒヨッコだねぇアンタ」
さやか「むぅ……。……ふむ。あんたも、一応は、優しいとこあるんだね」
杏子「な、……はぁ!?」
さやか「だってちゃーんとアイツの気持ちのために」
杏子「ち、違ぇ!そーじゃねえだろ!あくまで魔法少女ってヤツのリスクを」
さやか「普段は、育ててグリーフシードにしちゃえー、なんて言ってるのに」
杏子「ちがっ、ちょっと黙れ!アイツが魔女になったらどんだけアタシらが苦労して」
さやか「はいはいそーですねー☆さすがはセンパイですー☆」
杏子「おま、ちょ、オイ、話を聞けっ!」
さやか「なはははははー」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:27:50.60:z9MK5UWB0
―――――帰り路その③
マミ「もしかして、まだ鹿目さんのこと、狙ってる?」
QB「もちろん。彼女が魔法少女になれば、僕らの望むエネルギーは一瞬で満たされる。逆に宇宙の寿命を縮めてしまいそうなほどだ」
マミ「そう。じゃあ、なおさらあの子は魔法少女にさせられないわね」
QB「君も鹿目まどかの力を求めていたんじゃなかったのかい?」
マミ「そんなに強いとは思わなかったもの。QBの仕事が終わっちゃったら、私達もおしまいでしょ。あの日、亡くした命だけど、もう少し、生きていたいわ」
QB「なるほどね。未練があるわけだ」
マミ「未練、なのかしら。何かって言われると困るけど、じゃあ今すぐおしまいでいいの?って言われるとそうでもない……」
QB「鹿目まどかがどうなろうと、僕らの仕事がどうなろうと、君たち魔法少女は遅かれ早かれ魔女になる。それは、変わらないことだよ」
マミ「……ええ。……わかっているわ」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:29:54.09:z9MK5UWB0
見滝原市のとある喫茶店。
まどか「ごめんね、待たせた?」
あれから10年が経った。まどかはもう24で、背が少し伸びた。
ほむら「いいえ。今きたところよ。仕事は大丈夫?」
まどか「うん、ホントは今日休みなんだけどね。色々電話入っちゃって」
まどかは見滝原市民会館の事務職員になっていた。
正義感に燃え大学では政策学を専攻したものの、就職活動では普通の職にさえ採用されなかった。
人づてにやっとありついた仕事だという。
ほむら「構わないわ」
私達はあれからも逢瀬を重ねたが、まどかが進学し、そして就職してからは、段々と疎遠になっていた。
今日も、半年振りの再会だった。
ウェイターがやってくる。
まどか「ええと、私はBのケーキセットで。はい、そうですガトーショコラの。あ、アイスコーヒーで。はい、両方お願いします。それで、この子は……」
ほむら「同じものを。エスプレッソ、ダブルで。ええ。以上で」
私達魔法少女の姿は、変わっていない。
そのため、美樹さやかは、中学卒業後、佐倉杏子と共に見滝原市を離れた。
QBの尽力もあったのだろうか、その翌年、失踪扱いとなり、葬儀が行われ、人間としての美樹さやかの存在は終了した。
今は片田舎で二人、ほとんど魔法を使うこともなく食べる分だけの食糧を作りながら静かに暮らしている。
時おり近場の魔女退治に加勢することもあるが、基本的には後輩魔法少女に仕事を譲り隠居しているような形だ。
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:32:02.87:z9MK5UWB0
まどか「ほむらちゃん、ちっちゃくてかわいい~」
ほむら「はあ、毎度毎度。貴方はもっと小さかったのよ、まったく」
まどか「あはは。……見滝原市は、どう?ほむらちゃんも大変?」
ほむら「最近は"後輩の魔女"が多いわ。どの子も皆、短命」
まどか「そうなんだ?えと、新人さんにはマミさんが付いているんだよね?」
ほむら「そうよ」
巴マミは、QBのアシスタントのようなものになっていた。
各地に追従し、新人魔法少女のマネジメントを行う。
QBは酷く説明不足なので、少女達の反感を買うこともしばしばある。
互いの利益に叶っているのだろう。
ほむら「それがかえって少女達を安心させるし、油断させている。契約者は増えるばかりだし、些細なことで魔女になる子も多い」
まどか「うーん…。私が、魔法少女になっていたら……」
ほむら「」ホムゥ
まどか「ごめ、今のなし。ごめん」
ほむら「ううん、いいの。ごめんなさい」
まどか「ごめん」
ほむら「……。キスするわよ」
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:34:32.15:z9MK5UWB0
まどか「え」
ほむら「千日手の話はおしまいってこと。キリがないわ」
まどか「ああ、うん。わかった」
ほむら「うん。ありがと」
まどか「えっと、その。マミさんも、大変なのかな」
ほむら「手に負えてない感じは、あるわね。
慕ってくれる後輩がいることで、どうも彼女は満足しているように見える。
だから、"友達"が魔女になればなるほど彼女は新たな"友達"を求めるし、QBも自ら催促ができない分、そんな彼女を利用している。
とはいえたしかに、巴マミが監督することで、魔女や使い魔との戦闘での大きな被害というのは減ってきているんだけど」
まどか「そっか……。後輩さん、ほむらちゃんにも、いるの?」
ほむら「まどかの居る街を誰かに任せる気になんてならないわ。これまでも、これからも、私が、守る」
私はこの10年、見滝原市をテリトリーに闘ってきた。
私がかつての"輪廻"で廻した時間と、同じくらいの時間が経った。
まどか「嬉しいけど、無理はしないでね。いつも、ありがと」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:36:33.74:z9MK5UWB0
変化のない日常にかつて打ちのめされた私。
今の日常も変わらない。
生命維持、魔女退治、ソウルジェム保守。
あれからも、これまでも、これからも、変化はない。
ただ、まどかと会うことを生き甲斐にして。
でも、まどかは、自分の人生を生きていて。
会うたびに離れていく心地がして。
ただひとつ変わっていく現実に、今も蹂躙されていた。
ほむら「部屋に行っても、いい、かしら」
まどか「……うん」
―――半年振りに抱いたまどかは、未だに処女だった。
私達の交歓は、この十年、先端だけで済まされていた。
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:38:56.16:z9MK5UWB0
―――――
まどか「こんばんわ」
杏子「……。……へ?」
まどか「あれ。杏子ちゃん、だよね?」
杏子「鹿目まどか、なのか……?」
まどか「そーだよ」
杏子「……老けたな」
まどか「あー、ひどい。まあ…もう34、だからね」
杏子「そんなに経ったか」
まどか「経ったんだね。ちゃんと会えて良かった」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:40:59.82:z9MK5UWB0
杏子「QBがひさびさに出やがったと思ったら、アンタが呼んでるって言うから驚いたよ。
それも、アタシとサシで会いたいって。いったいどんな風の吹きまわしだい?」
まどか「ちょっと……ご相談がありまして」
杏子「あの黒いのに言えばいいだろうに。まだ生きてるんだろ、アイツ」
まどか「もちろん生きてるよほむらちゃん」
杏子「言えない話か」
まどか「まあ、そんなとこ。とりあえず、全部話すから。……そうだ、何か食べにいく?」
杏子「もう、十分すぎるほどに喰ってきたよ。いいから話してみな」
まどか「うん、ありがと」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:44:53.33:z9MK5UWB0
杏子「なるほどな。プロポーズされた、か」
まどか「うん」
杏子「よりにもよってあの坊やから」
まどか「……うん」
杏子「ふふ、そりゃ、アタシに来るわな。アンタにご執心の黒いのでもなく、坊やにご執心だったさやかでもなくさ」
まどか「色々良くしてもらってたの。仕事が見つかったのも上条君のお陰だし……」
杏子「下心じゃねーのか」
まどか「食事は何度もしたけど、まだ何もされてないよ。それに私、もうおばちゃんだよ?したいだけ、ならプロポーズなんてしないと思うし……」
杏子「関係ねーって。アンタ、おぼこ(処女)だろ?」
まどか「え。……どうしてわかるの」
杏子「見てりゃわかる。事情からも想像がつく」
まどか「えー…」
杏子「その歳で顔もイイ、胸もあって身体は崩れてない、挙句に処女ときたら十分役満さ」
まどか「え?え?え?…や、やく?薬?」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:46:55.13:z9MK5UWB0
杏子「気にすんな。プロポーズには足るってこった。
逆にそんだけガード堅けりゃ、とりあえずテキトーにプロポーズしてでもやりたい男はいるだろってこと。
一回ヤッてみりゃいいじゃねーか。いつまでも黒いのに義理立てしてられねーだろ」
まどか「うぅ……。でも、ほむらちゃんにも、さやかちゃんにも悪いし……」
杏子「悩むってことは、坊やのこと悪くは思ってねーんだろ?」
まどか「それは……そう、だけど。……さやかちゃんは、どう思う、かな?許してくれる、かな?」
杏子「バレなきゃ結果オーライ、ってとこか」
まどか「そーじゃなくて」
杏子「そーなんだよ。アンタには20年前、かもしれないけどさ。アタシ達は、ずっとその20年前を生きてんだよ、ある意味じゃ」
まどか「…………」
杏子「まーさやかについては、いかにアタシがフォローするかにも掛かってるんだろーけどさ。黒いのはどうなるやら」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:50:15.27:z9MK5UWB0
まどか「相談は、ちゃんとするつもりだったけど。まずは、杏子ちゃんの意見が聞きたくて」
杏子「……ふむ。アタシ個人にとってはどーでもいい。ただし、さやかが知ったら悲しむから、やめてほしいのはある。
アタシらもいい加減魔女にでもなんなきゃいけねーのかもしれねーけどさ。こんなことで、さやかを終わらせたくはない」
まどか「うん……」
杏子「まーでも気にすんな。どうせアンタじゃなくても坊やは誰かと一緒になるんだ。
こっちは遅かれ早かれ結果は変わらない。さやかはアタシが繋いでみせる。だから、心配しなくていい」
まどか「そっか……。確かにそう、なんだよね。……ありがと」
杏子「アンタは黒いのと話すことを考えな。逃げね―でさ。そーだな、さやかとは逆に話さない方がいい。
アイツの性格からいって引っ込みがつかなくなる。あたしにまかせておけ」
まどか「……うん、うん。……ちゃんと、ほむらちゃんと話してみるよ」
杏子「そうしてみな。アイツが本当に"冷静な人の味方"なら、うまくいくだろうよ。どっちに決まろーが、決意が固まったら教えてくれるかい」
まどか「わかった。また、QB探して連絡するよ。色々ありがと。会えて本当に良かった」
杏子「おぅ、達者でな」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:53:37.52:z9MK5UWB0
―――――
杏子「ということがあった」
さやか「……。そっか。……ふむ。どーして。恭介なんだろ」
杏子「そりゃあ…」
さやか「うん、さっき聞いたけどさ。まあ、あいつもお人好しだからね。まどかみたいに可愛いのには、コロっといっちゃうよね、そりゃあ」
杏子「……祝ってやれるかい?アイツのこと、坊やのこと」
さやか「むぅ。あんたもいつからそんなお人好しになったのよー?まどかと仲良かったっけ?浮気?」
杏子「そーじゃねえ。アタシに言わせりゃ二人ともどーでもいいし、実際、アイツにもそう言ってやった」
さやか「じゃあ、何なのよ…」
杏子「あんただよ。さやかがちゃんと向き合えるかが心配なんだ」
さやか「ふーん……。まあ、大丈夫だよ。どーせこんな身体で恭介に会ってもただのオバケだしー。
20年も仙人みたいな生活してたんだ、いまさら嫉妬なんて湧かないわよ」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:58:23.23:z9MK5UWB0
杏子「そうじゃない。認められるのか?アイツのこと」
さやか「……何?マジな顔しちゃって、さっきからさ」
杏子「さやかが魔女にでもなるんじゃないかと、心配だよ」
さやか「直球だねえ?アンタにとってさやかちゃんはそーんなヤワな子なのかなー」
杏子「……アタシはっ」
さやか「あはは、ごめん、ごめん。今のはズルいよねー、なしで。メンゴ」
杏子「……」
さやか「ふふふ。あたしは最初っから、恭介の幸せを願ってたんだ。
左手がどーにかなれば、あいつは幸せになれる、って思ってたけど。
そうじゃないよね。
恭介だって男だもん、ちゃんと奥さんもらって幸せにならないと。
子供もたくさんつくってさー。ふふ。
だから、まどかには感謝しないと。
あの子なら、きっと恭介を幸せにできる。あはは、なんか変な言い方。
でも、こんなもんなのかな。
満足かなー杏子くん?」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 22:02:33.80:z9MK5UWB0
杏子「……本気か?」
さやか「自棄、かな。嘘じゃないけどさ。……あたし。ちょっと。消えたい、かも」
杏子「……消えるなよ」
さやか「"また独りにはなりたくない"、から?」
杏子「さやかが、好きだから」
さやか「……そんなの、初めて聞いたんですけど。散々今までえっちしたけどさ」
杏子「言いたく、なかったし」
さやか「なにそれ。わけわかんない」
杏子「呼んでもらえるまで、言いたくなかった。杏子ってさ」
さやか「……え」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 22:04:42.27:z9MK5UWB0
杏子「だから、まだ、消えんな」
さやか「杏子くん?」
杏子「ちゃんと呼べ」
さやか「杏子ちゃん?」
杏子「違え」
さやか「……きょーこ」
杏子「……おぅ」
さやか「消えていい……?」
杏子「まだ、足りないよ。もっと呼べよ」
さやか「……杏子」
杏子「もっとだよ。朝も夜も、今までの時間ひっくり返すぐらい、全部、呼べよ。ずっと我慢してたんだ。あたしももっと好きって言わなきゃ気が済まない」
さやか「……バカだね、あんた。杏子さんは大バカさんだ」
杏子「何とでも言いな。今夜は寝かさねえ」
さやか「ばーか。ったく、こっちは悩んでるってのに。名前呼ばれて、発情しちゃったかなー杏子さん?」
杏子「うっせ。アタシが、全部。埋めてやる」
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 22:07:08.64:z9MK5UWB0
―――――
またあの喫茶店に入る。
ここに来るのは10年ぶりだった。
いつもの席だった場所にはまどかがいる。
嬉しくて仕方ない。
あれから私達はしばしば会ったけれど、それでも一年振りの再会だった。
まどかは34になっていて、また、前より綺麗になった。
席について、いつものやりとりをして。
ただそれだけのことで、胸が苦しい。
この店の懐かしさなど何も感じられないほどに、永い、永い一年だった。
何を話そうかと、頭が真っ白になる。
最初に口を開いたのは、まどかだった。
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 22:11:53.48:z9MK5UWB0
ほむら「……そう」
と一応の返事を返しつつ、私の思考は混濁していた。
分かってはいた。
まどかが、私と疎遠になり、上条恭介と交際まがいの付き合いを始めていたこと。
それでもなお、彼女が処女であったこと。
まどか「どうしたら、いい、かな」
ほむら「いいんじゃ、ないかしら」
そう答えるべきで。そう答えた。
まどか「……いいの?」
ほむら「今まで、十分、お礼は頂いたもの」
そう。お礼だった。
私達の関係は。私が救って。まどかが救われて。だから、まどかが私を救っていた。
まどか「お礼、だったんだ……」
ほむら「……そう」
じゃない。
私はまどかが好き。愛している。
でも言えるはずない。
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 22:14:17.76:z9MK5UWB0
まどか「今までよりもっと、会えなくなると思う……部屋にも、いけなくなると、思う」
ほむら「会わなくていいわ」
その肌に触れられないのなら。
誰かのものになってしまうのなら。
そんなの。
会えるはずない。
まどか「……私。ほむらちゃんのこと、好きだった。今でも好き。上条君よりも。ずっと。女同士でも、好きだった」
私も。
私も好き。
まどかが好き。
大好き。
まどか「プロポーズ、されて、驚いた。私を必要としてくれた。迷うことなんてない結婚だって、おかーさんにも言われたし、私もそう思う」
まどか「でも、私はほむらちゃんが好きだから。こんなおばさんになっても。好きで。だから、どうしたらいいか分からなくて」
心は決まっているのだ。
きっと。
言葉尻にも、態度にも、透けて見える。
それでも、まどかは待っている。
私が、引き留めるのを。
―――言えるわけが、ない。
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 22:16:20.88:z9MK5UWB0
ほむら「……幸せに、なりなさい。人間として。鹿目まどかとして」
それが、私の限界だった。
それが、私の願いだった。
全く、嘘偽りのない。
だから、まどかは上条恭介を選ぶべきで。私もそれを願って。
まどかは、上条恭介の嫁となった。
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 22:18:45.79:z9MK5UWB0
―――――
さやか「よぅ、転校生」
ほむら「……。いつの話よ」
さやか「いつだったっけね。まーいいじゃない」
ほむら「はるばる見滝原市へようこそ」
さやか「懐かしいわー。すごく。変わったけど、変わってない」
ほむら「そうでしょうね」
さやか「今日でしょ?まどかの結婚式」
ほむら「……会うつもり?」
さやか「まさか。あんたに会いに来たのよ」
ほむら「私が、魔女になるとでも?」
さやか「そう」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 22:19:40.61:iJiNnu9V0
ほむら「貴方には言われたくないわ」
さやか「あたしだから言うんだよ」
ほむら「……心配なんていらない。危なくなったらソウルジェムを壊してでも魔女にはならない。迷惑なんて掛けない」
さやか「ふふ。あたしもおんなじこと考えてた」
ほむら「いい心構えね」
さやか「……これからも、耐えられるの?あんた。この街を、守っていくこと。あんたに任せていいの?」
ほむら「今日から、まどかの幸せには、上条恭介も含まれる。どっちも守ってみせるわ」
さやか「ずっと、独りで?」
ほむら「100年も掛からないなら、あっという間よ。そうしたら、私も、休ませてもらう」
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 22:23:16.31:z9MK5UWB0
さやか「……たまには、おいでよ?杏子も会いたがってる」
ほむら「あらかわいい。本当かしら?あの子は嫉妬が強そうだけど」
さやか「あはは、お前がゆーなって。あたし達みたいなマジカル不良少女は毎日暇なのだよ」
ほむら「勤労なさい。少しは巴マミの暴走を止めてちょうだい」
さやか「あたし達だって、人のこと言えないんだよ、きっと。やってることは、かわらないんだ」
ほむら「貴方も歳をとったのね」
さやか「なにそれ。お互いぴっちぴっちのばばあだよ」
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 22:25:29.98:z9MK5UWB0
―――――
杏子「よっ」
マミ「あら?懐かしい顔ね。生きていてくれてうれしいわ」
杏子「よく言うよ。まだアタシのこと怨んでるのかい?」
マミ「恨む?もしかして、美樹さんのことかしら。気にしてないわ。あの子には家族がいたもの。いずれ見滝原を離れる運命だった」
杏子「分かってんならいいけどよ。アンタ、QBとあちこち飛び回ってるんだって?」
マミ「定住していない、って方が正確ね。わざわざどうしたの?」
杏子「アンタが近くに来たから出向いてやったんだ。苦情の申し立てってやつでさ」
マミ「わたしに?」
杏子「うちみたいな辺鄙な所でも、最近じゃあ魔女だの魔法少女だので引っ切り無しでね。どうなってやがるのさ、いったい」
マミ「仕方ないわ。魔法少女が増えれば魔女は増える。魔女が増えれば魔法少女も増える」
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:01:32.32:z9MK5UWB0
杏子「後者は自重してもいいんじゃねーか?」
マミ「若い子が育つ前に逝ってしまうんだもの、ある程度の数で戦わないと共倒れだわ」
杏子「教育者がよくねーんじゃ……」
マミ「それを言われると困ってしまうけど。頑張ってるつもりよ。ただ、最近の若い子って、ちょっと変」
杏子「歳寄りの発想だな」
マミ「そう言わないで。QBも感情が薄いって言ってる。そんなことはないと思うけれど、力が弱い子が多いのは事実よ」
杏子「へえ。まあ、何でもいいけど。アタシにはアンタが貯め込んでるように見えるね、グリーフシードをさ。どうなんだい実際?」
マミ「魔法少女にとって必要なものよ。不思議なことじゃない。貴方達のせいでもあるし」
杏子「はぁ?アタシらが何したってゆーんだよ」
マミ「何もしないからよ。ほとんどね。いつまでも消えずに、魔女にもならずに。そんなに未練があるのかしら」
杏子「関係ねーこと当て擦ってんじゃねえぞ?だいたいお前だって同じじゃねーか」
マミ「関係あるのよ。私も同じかもしれないけれど、違うつもりよ」
杏子「話になんねーな。とにかく、もう少しうまくやんな。何でも、下手糞な奴が出しゃばるのが一番うっとおしいんだよ」
マミ「そうね、気をつけるわ」
杏子「やるなら頑張りな」
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:04:09.52:z9MK5UWB0
―――――
それから、私が再びまどかと会ったのは、20年後のことだった。
上条恭介が死亡したという。死因は心筋梗塞。
コンサートマスターとしての上演後、楽屋でのことだった。
プログラムはマーラー特集。
最後の曲目は9番。
全国紙にも大きく取り上げられ、人々に嘆かれながらも、大いに称賛された。イカれていると思う。
まどかは54歳。すでに18と15になる二人の娘がいた。
私を呼んだ彼女は、私の胸の内に縋って泣いた。
かつての自分を見たような気がした。
私と彼女の再会はそれだけのことであった。
私も彼女も、歳を取っていた。
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:06:53.05:z9MK5UWB0
―――――
さやか「待ってたよ、まどか」
まどか「え……」
さやか「……まどか、だよね?」
まどか「さやかちゃ…ん?」
さやか「そーだよ。よかった。なんか、すっごい久しぶり。老けたねーまどか」
まどか「どうして……ここ……」
さやか「私は恭介のことなら何でも知っているのだよ、ふふん。イイお墓立ててもらって幸せだねー恭介」ナデナデ
まどか「そっか……うん…。…これからの生活はあるけど、お墓だけはちゃんとしようと思って…」
さやか「良いことだー、感謝感謝。こんなイイ嫁置いてくとはいかんな恭介は」
まどか「えっと……その。………・ごめn」
さやか「謝るのは、なしにしよ。……あたし、まどかには本当に感謝してるんだ。嫁になってくれて、子を産んでくれて」
まどか「……うん」
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:09:31.46:z9MK5UWB0
さやか「ホントは生きてるころからさ、いつか死んでも、お墓参りさえするもんか、って考えてた。
恭介はもう、まどかのものだから。
娘ちゃんとばったり会っても気まずいだろーし」
まどか「そんなこと…」
さやか「ううん。
でも、ただ一つだけ、したいことあってさ。
今よりももっともっと、歳とって、恭介の奴がおじいちゃんになって、もっと先。
ヴァイオリンも弾けなくなって、もう死にそーって、病院とか家のベッドで独りで寝てる恭介がいて。
そこにあたしが現れてさ。オバケだぞーって脅かしてやるの。どういう反応するのか楽しみで楽しみで。ふふ。
覚えてんのかな。まどかみたいなイイ嫁がいればボケたりはないかなあと思ってたんだけど。
それで、いろんなこと話して、花飾ってあげたり、掃除したり、身体拭いてあげたりしてね。
一日上条家嫁体験コースみたいな?それだけはまどかに許してもらおうかと思って。ゲザる気満々だったんだよ。
何かね、そんなことが、すごく、すごく楽しみだったの」
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:13:30.10:z9MK5UWB0
さやか「もし、そんなことがあったら、まどかはあたしのこと、許してくれた?」
まどか「……そん、な……私が、許してもらわなきゃ、いけない、のに……」
さやか「あはは。40年経ってもまどかはいい子だなあ。
……早いなあ。早すぎるよ。
あともう40年は生きてくれないと、全然できない陰謀だったよね…残念だ。
私の祈りじゃ、40年分、ってとこだったのかなあ」
まどか「……」
さやか「うん、あたし、嫌な子になっちゃってるね。ごめん。少しは、成長したつもり、だったんだけどね」
まどか「ううん、そんなこと、ない」
さやか「……よかった。まあ、そんなこんなで、一度だけ、お墓参りしたくなって。まどかの顔も見たくなってさ」
まどか「いつでも、会おうよ。お墓にも、来てあげてほしい」
さやか「ありがと」
まどか「……うん」
さやか「……私、もういくよ」
まどか「うん。来てくれて、ありがと……」
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:15:50.34:z9MK5UWB0
―――――
私がQBと再会したのは、上条恭介の納骨式が行われた一ヶ月後であった。
QB「久しぶりだね、暁美ほむら」
ほむら「そうね。問題なく見滝原市を保守してきたつもりだけど。どういう用件かしら」
QB「美樹さやかが自らのソウルジェムを破壊したよ」
ほむら「……そう」
想像は、ついていた。
私が美樹さやかなら、同じように、終わらせていた。
ほむら「魔女にはならなかったのね」
QB「それでも君達が今まで叶えてきた希望がちゃらになるわけじゃない。
魔女になって撒き散らされるはずだった絶望は、壊れたソウルジェムから溢れ、辺りを汚染する」
ほむら「大したことではないわ。魔女になるより余程マシ。
たとえ美樹さやかほど使い尽されたソウルジェムであっても、せいぜい周りの運が悪くなる程度のこと。
違うかしら?」
QB「人間社会に対する影響はその程度だろうね。だけど、近くに魔法少女がいたとしたら?」
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:19:42.51:z9MK5UWB0
ほむら「……佐倉杏子」
QB「そういうことだよ。佐倉杏子が魔女になった。
佐倉杏子は美樹さやかの放った穢れを全て取り込んだ。二人とも魔女になったのと変わらないよ」
独り、この世を去ろうとする美樹さやか。
駆けつける佐倉杏子。
いくつか見えたシナリオは、どれも悲惨だった。
そして、痛いほどに分かる。
QB「これほど強大な魔女となると、立ち向かえるのは、かつての最悪の魔女を独りで打ち倒した君しかいないだろう。暁美ほむら」
ほむら「私を、魔女にしたいのかしら」
QB「君が倒せないなら、僕らはお手上げだよ」
巴マミの名は出されない。
使い捨てるなら、私の方が利になると思っているのだろう。
もう、潮時か。
ほむら「……わかったわ。詳細を教えて」
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:23:18.79:z9MK5UWB0
―――――
まどかとは、会わなかった。
顔を見たら決心が揺らぐだろうから。
もっと、機械的に、この案件を処理しなくてはならない。
ワルプルギスの夜でさえ、膨大な統計と計算のもとに打倒した。
今度は、ノーコンティニューで、それ以上の相手を倒さなければならない。
グリーフシードは、巴マミからQB経由で幾つか提供された。
時間停止の魔法は、停止の時間とその間に干渉する質量で消費される魔力が決まる。
全快で挑んでも、時間停止を使用できるのは良くて10回か。
私の死亡・魔女化は、前提条件。
その上で、いかに対象を斃すか。
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:25:35.48:z9MK5UWB0
かつて私は、魔女になった美樹さやかと対峙した。
魔法少女としての能力から、魔女の攻撃パターンはある程度、類推できるようだった。
佐倉杏子で考えるとどうなるのか。
槍を象徴とする直線攻撃。
多節棍を象徴とする屈折攻撃。
鎖を象徴とする捕縛、及び曲折攻撃。
考えるだけでも、隙が見えない。
どうしたもの、だろうか。
魔女としての性質は、心象も左右する。
とはいえ、佐倉杏子が何を想ったか、私には分からない。
恋慕か、悲恋か、それとも嫉妬か。
まあ、いい。
やれるだけのことはしよう。
だめなら巴マミが、その後輩が、何とかしてくれるだろう。
もう、私は十分に生きた。
137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:29:51.65:z9MK5UWB0
まどか「久しぶりだね、QB。どうしたの?」
QB「僕と契約して、魔法少女になってよ」
まどか「あはは、懐かしい」
QB「僕は本気だよ、鹿目まどか」
まどか「ふふ、からかわないでよ。もうおばちゃんだよ私?ぜんぜん少女じゃない」
QB「暁美ほむらが魔女になったんだ。君の力が必要なんだよ」
まどか「…………え?」
QB「あの時間遡行者、暁美ほむらだ。彼女が重ねた膨大な因果は彼女を正真正銘最悪の魔女にしたよ」
まどか「………だ…って、……え?」
QB「もしも君にまだ、願いがあるというなら、協力してほしい。
君ほどの年齢になっても、君に存在する測り知れない素質は衰えていないんだ。君はまだ、魔法少女になれる」
まどか「そんなの……おかしい、よ。……だって、この前、会って、それで、まだ」
QB「残念だけど、本当のことだ。もし僕が嘘をついているなら、もっと早く言っているよ」
まどか「……そん、な。どう、して」
QB「美樹さやかが死んで、佐倉杏子が魔女になった。暁美ほむらはその討伐に成功したが、今度はその彼女が魔女になった」
まどか「……う、…………そ………」
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:32:06.97:z9MK5UWB0
QB「泣いていても変わらないよ。君が、暁美ほむらを救うんだ」
まどか「……わかった。……嘘だったら、承知しない、から」
QB「構わないよ。嘘じゃない。願いは、決まったかい?」
まどか「……うん」
QB「それじゃあ、鹿目まどか――その魂を代価にして、君は、何を願う?」
まどか「私の娘が、二人とも、魔法少女になれないように。魔法少女の契約を、結べないように」
146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:34:35.81:z9MK5UWB0
―――――
QB「僕達は、十分過ぎるエネルギーを回収した。うまく事が運んだよ」
マミ「そう」
QB「鹿目まどかは、もうすぐ魔女になる。君達も好きにするといい。といっても、人類そのものがすぐに終わってしまうだろうけどね」
マミ「永い付き合いだったわねQB」
QB「そうだねマミ。君は良く働いてくれた。何の利益もないというのに、君達は本当に分からない存在だね」
マミ「……それが感情というものなのよ」
150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:37:08.15:z9MK5UWB0
マミ「これをあの子達に渡してくれないかしら」
QB「貯めていたグリーフシードだね。君の後輩達にかい?」
マミ「そう。私が魔女になったらよろしく、って」
QB「……まさか、まどかに立ち向かう気なのか?」
マミ「……私の大事なお友達が待ってるの。最初の大事なお友達。ちゃんと終わらせてあげたいの、彼女を」
QB「馬鹿げているよ、無茶だ」
マミ「グリーフシードはまだあるわ。孵化した瞬間なら、何とかなると思うの。
私が魔女になっても、あの子たちが皆で倒せたなら、この魔女の連鎖は終わる。
QB。貴方がいなくなるなら、これから魔法少女が増えることもないでしょ。
全てに、決着をつけましょう」
QB「まったく。君達は最後まで、分からない存在だったね。好きにするといいよ。僕にはもう、どうでもいいことだ」
マミ「……ありがとう」
152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:39:16.92:z9MK5UWB0
貴方はきっと魔法少女になって
魔女になる
世界を終わらせてしまうほどの
最凶の魔女に
そう思って、生きてきて
外れてほしいのに、当たってしまった
ずっと、貴方が好きだった
貴方の幸せは、私ではなかったけれど
私の幸せは、貴方だったの
貴方の最期は、きっと不幸に終わるのだろう
最悪の魔女として
絶望を撒き、絶望に溺れながら
157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:41:19.48:z9MK5UWB0
そうは、させない
貴方の人生を、ちゃんと終わらせてあげる
それだけのために、ずっと、ずっと、生きてきた
醜い女よね、私
それでも、大切な友達のために、
私ができる、たったひとつの答えを、
ずっと
信じてきた
158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:43:45.59:z9MK5UWB0
――――さあ、お待たせ。
一緒に、終わりましょう?
私の、愛しい人。
「――――ティロ、フィナーレ」
(了)
163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:45:21.24:TNSR7jqV0
ワルプル「ンホォォォォォォォォォォォォォォォォ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
轟音を鳴り響かせ崩れ落ちる魔女。
その姿は段々と薄れていき、煌々とした光点が形成されていく。
嘘のような静穏に辺りが満たされると、集束したグリーフシードは足下にコツンと落ちて転がった。
ほむら(やった……!遂に…やった……)
ほむら(巴マミを無頭身にすることなく…美樹さやかを魔女にすることもなく、まどかを魔法少女にすることもなく……!)
ほむら(ワルプルを斃した……!)
私達は、雷雲晴れゆく空の下で女5人、キャッキャウフフと喜びを分かち合っている。
心底どうでもよかった。
早くまどかと悦びを分かち合いたい。
クンカクンカしたいまどか。クンクンまどか。
嗚呼まどか。
私にはどうでもいい時間なので、テキトーに話を合わせながらこれまでを回想する。
佐倉杏子――。
巴マミの生存によって疎遠になるかと思われた佐倉杏子は、わざわざ隣のテリトリーから新米魔法少女☆美樹さやかを冷やかしに来るようになっていた。
グリーフシードのストックがある余裕からか、それとも彼女の持つ因果かは分からない。
あわよくば新米を舎弟にしようと目論んでいたようで、
しばしば巴マミと衝突し美樹さやかとは犬猿の仲といった様相であったけれど、
"誰かのために願った"魔法少女同士は、通ずる点も感じ取っていたように見える。
涙目で手を握るまどかかわいい。
まどきゃわい過ぎ。
早く抱き寄せたい。愛しいまどか。
早く終われこの時間。
美樹さやか――。
上条恭介のために願いを叶えた美樹さやかは、魔法少女の身体の真実を知り自らの恋路を諦めた。
志筑仁美が上条恭介に惚れては美樹さやかの生存が危ぶまれるために私は奮闘したが、それはまた別の話。
巴マミ――。
頭があるって素晴らしい。
私が半分スプラッタになりつつシャルロッテのあむーの身代わりとなる。
命を助けた代わりにまどかを魔法少女にしたら許さないと釘を打つ。
魔法少女コンビは美樹さやかと結成できたので結果オーライ。もう何も怖くない。
回想―――シャルロッテ戦翌日。
まどか『昨日は本当にびっくりしました。あの、私、早く魔法少女になってマミさんの力になりたいです』
マミ『それには及ばないわ』
まどか『えっ』
マミ『昨日なんだか身体が軽い気がしたけれど、そんなことはなかった』
まどか『あ、あれは誰だって』
マミ『きっと貴方には"魔法少女としての覚悟《風に投じられた警戒》"と、
私との"友情パワー《カメァラードリィ》"が足りないの』
まどか『えっ』
マミ『だから貴方はまず風とは何かを知りカメァr』
まどか『あ、あの!……私、マミさんに、嫌われちゃいましたか……?』
マミ『そんなことはないわ。貴方は私の最初のお友達。大切な大切なお友達。
だから、よーく考えて、魔法少女になってほしいの。私のためじゃなくて。貴方自身のために。だからカメァr』
QB『僕は友達じゃなかったのかい?』
マミ『人間としてのお友達よ。同じ女の子として、大切なお友達。だからカメァラ―――――』
マミ「じゃあそろそろ、うん、一度お別れにしましょうか」グスッ
杏子「そうだな、避難区域に女5人じゃ怪しまれるしなぁ」
さやか「ええー。皆でぱぁーっとやりましょーよお?せっかくなんだし」
杏子「人の話聞いてんのか」
さやか「うっさい。アンタは来なくていいわよ、ご近所さんには関係ないでしょーしぃ?」
杏子「あぁ?」
マミ「まあまあ……暁美さんも疲れてるでしょうし、またいつでも会えるんだから」
まどか「うん……これからは、大丈夫、なんだよね?」
QB「いずれ魔女は現れるだろうけどね。最悪の魔女は倒されたんだ。少しは平穏な日々が続くだろう」
まどか「そっか……」
ほむら「ま、まどか……いっしょに、帰ろ…?(早く早く早く早く……)」
まどか「うん、本当にお疲れ様ほむらちゃん。かえろっか」
さやか「んじゃ私m」ングゥッ
杏子(おまっ空気嫁っ)ネンワ
さやか(何すんのよ!)ネンワ
マミ「?」
杏子「(アイツの表情見てみろ…)ぱ、ぱぁーっとやりたいんならアタシが付き合ってやんよ」
ほむら「」ホムゥッ ←めっちゃ睨んでる
さやか「(……りょーかい)そ、それもあり、かなぁ」
まどか「あれ、そーなの?」
杏子「いやいやいやいやいやアタシ達も帰るだけっ帰るだけだから気にすんなっまじで」ダラダラダラダラ
ほむら「そうよね二人とも、だから帰りましょう一緒にまどか」パッ
まどか「んぅ?うんっかえろ」
まどかと二人、避難所に向かって歩き出す。
まどか「……」
ほむら「……」
私達は沈黙していた。
肩が時折触れる。
それだけで胸が焼けるように熱くなる。
もっと触れたくて、私は距離を縮め、自然を装い、肩を擦り付ける。
涙がこぼれそうになる。
決戦前夜、私は全てを話した。
幾数年にも渡る私の苦心を、この子は負い目に感じるだろうか。
まどかが好き。
まどかが愛しい。
周回を重ねるごとに、無垢な貴方を見るたびに、私の情愛は昂り止まらなかった。
私の全てはまどかに染められていた。
持ち切れない感情をこの子に伝えたい。
愛しい。
怯えられてもかまわない。
震えが止まるまでまどかを私で染めたい。
ほむら「ねえ……」
やっと。
満願成就のこの時。
まどか「……うん?」
手を取って繋ぐ。
まどか「わわっ」
温もりが心地よくて堪らない。
指がとろけそう。
ほむら「私の部屋、行こ…」
―――この気持ちは、とまりそうにない。
まどかは、黙したまま伏し目で頷いた。
私の部屋。
まどかを先に入れる。
中は間接照明に照らされて薄暗い。主照明は点けていない。
扉を閉め、私は後ろから彼女を抱き締めた。
まどか「ぁ……」
その肩に、腰に掌を当て、ぎゅっと抱き寄せる。
細い身体、白く艶のある肌。まどかの愛しい身体。
撫子色の髪を、まどかの匂いを深く嗅ぎ込む。何度も。
ほむら「…~~っ!~~っ!~~~……っ!」
吸い入れる度に嗅神経が痺れる、咽喉から腹腔が熱く沸き立つ。
ほむら「~~~~~っ!~~~~っ!~~~っ!」
ずっと、この時を。好き。
好き。まどか。愛おしい。
もっと。ずっと。
キスをしたい。
撫でたい。
舐めたい。
肌を擦りたい。
まどか。愛しいまどか。
まどか「ほ、ほむらちゃ……わっ」グィッ
口を開いたまどかの身体を廻し、唇を重ねる。
まどか「ん………っ~~~っ……っ…っ」
何度も唇を押し付ける。この熱を伝えるように。
唇で揉み合うように。形を変えて押し付ける。
ギュっと目を瞑るまどか。
私の両腕を掴んでいるが力は込められていない。
頭が逆上せてしまいそう。
好き。好き。
まどか。
好きでたまらない。
肩を掴んだ手を背に回し、抱き寄せる。
舌を出してまどかの唇を舐めてゆく。
まどか「ふ…っ!?……っ~~~っっっ!」
無味の唇が美味しい。
もっと、もっと舐めたい。
唾液を絡め、舌を這わす。
もっと奥に。
まどかの歯を、舌を、味わいたい。
背に回した掌を撫で降ろし、小振りな尻を包んで抱き寄せる。
口、胸、お腹、全身を、もっと密着させたい。
もっとまどかの温もりを。
唇を重ねながら片足を股の間に踏み入れる。
まどか「んぅ…っ!?っふ…っ!ふ……っ!んぅ…っっっ!~~っ!」
熱い唇は緩み、私の舌はまどかの歯を、歯茎を少しずつ舐め回していく。
美味しい。
まどかの唾が美味しい。
たじろぐように一歩、後ずさるまどか。
薄く開いた瞳は時折足下へ向けられ、私が見つめるたびに恥ずかしげに閉じられる。
私は反対の脚を再び踏み入れる。
再び一歩、後ずさられる。
片手の指を絡ませて繋ぎ、また一歩、深く踏み入れる。
まどか「ん…っふ…っん……っ!んぅ……っんん………っ!」
一歩、一歩、指と唇を繋がらせたまま、私はベッドの前まで数歩歩かせ、彼女を押し倒した。
まどか「んぁっ……っ!?……んんぅっ!?」ガバッ
間を開けず唇を合わせ舌を滑り入れる。
今度は小刻みに、歯茎の隅をくすぐるように。
まどか「ふ…っんっ!?は……ぁ……っ!ふぁ……っ!ふ…ぅ…っ!~っっ!!」
顎の力が緩み口が開いていくのが分かる。
漏れる息が私の劣情を高めていく。
私は舌を休めない。
もっと口を開かせたい。舌を舐めたい。
続けながら、両手をまどかのリボンに伸ばす。
緩く結ばれたそれをほどき外して、髪を指で梳る。
愛おしい。
そのまま撫でた頬は熱かった。まどかも感じてくれているのだろうか。
私は頭を抱き寄せるように腕を廻し、深く舌を差し入れ、まどかと絡ませた。
まどか「んぁぁ……っぁ…っん…っ……っ…っぁ……っっ!!」
私は、泣いていた。
堪えることができなった、嬉しくて、堪らない。
まどかが、好き。
愛しい。
ずっと、ずっと、この唇を、舌を求めていた。
身体が震え出す。
もっと、もっと。まどかの舌を味わいたい。
わたしの舌を味わってほしい。
やらしい音が部屋に響いている。
構わない。
両手の指を、互いの脚を絡ませ、寄り添うように身体を重ねたまま。
私はまどかの舌に夢中になっていた。
まどかも舌を伸ばして答えてくれる。
心が満たされるのに、欲しくて堪らない。
どれほど舌を絡ませたかは分からないけれど、
私もまどかもじっとりと汗ばんでいた。
もっとまどかが欲しい。
まどかと交わりたい。
そう思うのに、唇を離せない。指を解けない。
舌を吸い合うまま、指を絡ませたまま、
私は、まどかに溺れていた。
それがさらに続いて、唇がふやけそうな程に重ね合って。
私はまどかの太腿に腰を擦り付けていた。
唇を離す余裕はできていたけれど、
離すたびにまどかは何かを言おうとする。
それが、怖かった。
私はまどかを唇で塞いでいた。
何度かそんなやり取りを繰り返した。
愛情と恐怖の収拾がつかなくて、涙も止まらなくて。
私は、何とおぞましいのだろう。
どうすれば。
どうすればいいのか。
思っていると視界が回転した。
ほむら「!?」
まどかとの体位が逆転している。
馬乗りになったまどかの顔が近付いてくる。
ほむら「ん……っ!…っ!……っ!……っ!………っっ!」
舌を絡ませてくるまどか。
嬉しくて、身体が跳ねる。
私も、舌を伸ばす。
少し触れて、まどかの舌が抜けていく。
ほむら「はぁ…っ……ふ……っ……は……ぁ……」
まどか「ふ…ぅ…っ……はー…ぁ…。ほむら、ちゃ…ん」
私を見下ろして言うまどか。私は、彼女の手を握っていた。
まどか「……ありがと、ね」
そういって微笑むまどか。
ほむら「……ごめんな、さい」
私は、礼に足る"モノ"、なのだろうか。
私は、守るはずのものが、ほしくなって。
それは、人間ではない私には、許されないことで。
まどか「ううん…ありがと……本当に、」
それでも。
微笑み掛けてくれるまどかが愛しくて。
ほむら「……ごめ……っ」
その声に、表情に、染められてしまって。
まどか「ううん、……だいすき」
……っ!!
ほむら「私も……っ!……すきっ……だいすきっ!」
まどか「うん……嬉し………」
パタン、と私の横に身を倒すまどか。
まどか「えと……。私、ね……。魔法少女にはならない……ことにする」
私の頬にまどかの手が触れる。
まどか「ホントは、願いを使って……ほむらちゃんに恩返し、したい、けど。
……私が魔法少女になったら……ほむらちゃんの気持ち、無駄に、しちゃうから…。
精一杯、生きてみる。私の、人生。ほむらちゃんが、繋いでくれた、人生。
私が、皆と同じ、魔法少女になったら、もっと、ほむらちゃんと、皆と、辛いこと、いろんなこと、分かち合えるのかもしれない。
そうしたい。そうすべきなのかもしれない。
でも、それは、きっとずるいんだ。
私が、皆と違うこと、普通でいることに、怯えているだけなんだ。
そう、おもうから。
ほむらちゃんが好きだから。
私、魔法少女には、ならないことに…する、ね」
ほむら「……うん」
まどか「ごめん、こんな言い方も、ずるい、よね。
なんて言ったらいいのかな。分からなくて。
どうして、涙が、出ちゃうんだろ。
私は、泣いちゃだめ、なのに。
…………。
……ほむらちゃ……ん」
私は、震えるまどかに、静かに唇を重ねた。
まどかの耳介を舐め上げながら、サイハイソックスをゆっくりと脱がしてゆく。
顔を背けるようにして耳を逃がそうとするので、私は覆い被さるようになって舐め上げる。
まどか「ひゃ………ぅっ~~~っ!……んっ…っ……んっっ……」
膝を曲げさせうまく片方を脱がせた。
露わになった白い脚の内側にゆっくりと指を這わせて、もう片方に指を掛ける。
耳孔を舌先でくすぐりながら、同様に脱ぎ下ろす。
まどか「…ん…っ…ん…っ!んぅ…っ!」
耳も美味しい。
インナーブラウスの胸リボンに手を掛け、引き解く。
まどか「……ぁ……………」
頬を上気させたまどかと眼が合う。
ほむら「まどか……脱ご……?」
上着だけは一人では脱がしづらいのだった。
まどか「……うん」
まどかに上着を脱いでもらっている間、私も上着とチェックスカート、黒タイツを脱ぎ捨て、カチューシャを外す。
インナーブラウスのボタンは外してはだけさせておく。
下着上下にブラウスを羽織っているだけの状態。
脱ぎ終えて振り返ると、ベッドの縁に背を向けて座っているまどか。恥ずかしいのだろうか。
上着は既に脱いだようで、自らインナーブラウスのボタンを外しに掛かっている。
私は背後に座り、まどかを抱き寄せる。
うなじに舌をゆっくり這わせながら、ブラウスのボタンを外してゆく。
まどか「あぅ……っ…………んっ……」
小振りな胸を包むシェルピンクのブラが露わになる。
まどか「は、恥ずかし、…ぃ…かな……」
控えめなレースの装飾がまどかの肌と調和していてすごくイイ。
ほむら「可愛…ぃ……。フロントホック、なのね」
まどか「あはは…私、不器用だから…後ろ苦手なんだ……」
笑い掛けるまどかの声が私の脳細胞を焼いていく。
ホックをずらして外し、カップを除けると、小さな乳頭が突起していた。
ほむら「~~~……っ!」
私の中で、何かが弾ける音を聞いた。
まどか「……わっ」グイッ
肩のストラップをブラウスごと捲り下げて、まどかをベッドに倒す。
白く華奢な両肩が露わになる。
自分がいっそう発情していくのが分かる。
私は覆い被さり、乳房を口に含んで、乳輪に舌でなぞっていく。
まどか「ふ…っ!ん………はー…っはぁ…っ!あ…っぅん…っ!」
もっとたくさん焦らすつもりだったのに、微かに触れた乳首は既にかたくて。
私はそのまま、乳首を舌で転がす。
まどか「あ゛…っ!?~~…っ!んぅ…っ!…っ!~~っ!」
欲望のままに、舌を激しく動かしてまどかの乳首を味わう。
美味しい。
すごくおいしい。
空いた手で、反対の乳首を擦り、内股をゆっくりと撫で回す。
まどかが感じて、身体がぴくぴくと揺れるのがうれしい。
脳神経が焼き切れてしまいそう。
もっと、もっと。
私で、感じてほしい。
まどか「はー…っ……っ……はぁ…っ……」
仄かな薄明かりに照らされ、まどかの胸が、お腹が、太腿が、私の唾液に塗れて怪しい光を返している。
ブラウスを脱ぎ捨てた私はまどかの横に寄り添い、何度目か分からないキスをしながら、絶対領域へ手を這わす。
まどか「ん……っ……ふ……っ…」
スカートを軽く捲り、絶対領域から三角地帯へ。割れ目に指を合わせ薄布を撫で上げていく。
まどか「……ぁ……ん゛……っ……ひぅ……っんぅ゛……っ」
舌を控えめに吸いながら、クリトリスを狙って撫で付けていく。
腰をくねらせて感じるまどかが愛おしくて、私はまどかの髪に顔を埋める。
ほむら「~~~っ!…~~~っ!~~~…っ!」
まどか「ぁ゛…っんぁ゛…っん゛っ……ぁ゛……ん゛……っっ!」
まどかの匂い。匂いだけで気持ちいい。
嗅細胞でまどかを堪能しながら私は指の動きをやさしいまま速め、多様化させていく。
上から、下から、左右から撫で付け。摘まんで、揺らして、転がして。
まどか「……ぅ゛…っ!?~~~っ!?…っ!…っっ!…っっ!!」ビグッ
股がギュッと閉じられ、まどかの身体が跳ねる。
軽くイッたらしい。
そろそろ、いいだろうか。
息の乱れるまどかを眺めながら、私はブラとショーツを脱ぎ捨て、裸となった。
まどか「は……ぁ……はー……ぁ……ぁ…」
くたり、と力の抜けたまどかを、丁寧に脱がしてゆく。
ブラウスの袖を外し、ブラのストラップをくぐらせて。
チェックスカートとシェルピンクのショーツも脱がし下ろして。
まどかの綺麗な裸体を眺めつつ、枕の裏からローターと紙テープを取りだす。
まどか「………?」
きょとんとしているまどかを尻目にクリトリスの上側、皮を覆うようにローターを横に当て、
陰毛を巻き込まないようにしながら厳重に紙テープで固定する。
まどか「な…?なに……??」
最強でスイッチオン。
まどか「な゛―――っ!?~~~っ!?あ゛ぅ゛…っ!?ん゛ん゛に゛ぁ゛…っ!?~~~~っっ!?」ビクビクビクビクビクッ
大きく、まどかの身体が跳ねる。腰を浮かし、手を伸ばして取ろうとするので、両手を繋ぎ直す。
まどか「ほぉ゛……っ……ん゛っ!ん゛っん゛ぅっっ!!ちゃ…ぁ゛あ゛…っ!?」ヴヴヴヴヴヴヴ
そのまま私は、まどかの股に割って入り、下腹部をまどかに押し付ける。
私のクリトリスもローターに当たるように。
ほむら「~~~~…っ!!!はぁ゛…っ!すご…ぉ゛…っ」ヴヴヴヴヴヴヴ
まどか「ん゛あ゛あ゛あ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛…っ!!!!」ビグビグビグビグッ
ほむら「まどかぁ゛ぁ゛ぅ゛っ……っ!ま゛…っ…ぁ゛……っ~~~っっっ!!!」ビクッビクッビクッ
私が押し付ける分、まどかの刺激は強くなる。
まどかの腰が跳ねれば、私に当たって擦れる。
私が感じるほどに、力が抜け、まどかに圧し掛かる。
止め処なく、快楽が廻っていく。
ほむら「ん゛っ!すきぃ゛…っ!ん゛ぅ゛……っ!ぅ゛ぅ゛……っ~~っ!!」ビグッビグッ
まどか「~~~…っ!!……ん゛ぁ゛ぅっ!あ゛っっ!っ!ぃ゛……っ!ぃ゛ぅ゛っっ!」ビクッビクッビクッ
貪るように舌を絡めながら、私は好きと云ってしまう。
云わずにいられない。好きで、好きで。
もっと好きになってしまって。
どうしようもなくて。
ほむら「しゅ゛…っ…きぃ゛…!…ぃ゛い゛ぅ゛っっ!!」ビグビグッ
吐露するほどになおさら愛しくなる。
背を丸め、乳首が擦れ合うようにしながら、舌を舐め合い、秘所を重ね合う。
まどか「ぁ゛~~っっ!~~~っっっ!!……っ!!!…っ!!ぉ゛ぅ゛ぅっ……ん゛ぅ゛っっっ!!!」ヒグヒグヒグヒグヒグ
別の生き物のようにまどかの腰が跳ね、乱暴に私を責める。
私はまどかに腰を深く押し入れると、二人の身体が溶けるように震える。
まどかが気を失えば、私が耳を噛んで起こし、
私が気を失うと、まどかは秘部に掛かる重圧で嬌声を上げるので、目を覚ます。
止まらないオーガズムが私達を一つにしていく。
絶え間ない交歓は深夜まで続いた。
電池切れが、私達の時間を終わらせた。
どうしようもなく、私はまどかに溺れていたので、ちょうどよかった。
そのまま私達は、どちらとなく、眠りに落ちた。
そこはかとなく破滅の香りがする
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 21:21:43.19:z9MK5UWB0翌朝。
まどか「おはよ」
目を覚ますと、まどかがそこにいる。
私より先に目覚めたらしい、制服を着ている。
ほむら「……お、おはよう」
全裸の私は恥ずかしくて、服を探す。サイドテーブルに綺麗に畳まれていた。
まどか「うん、おはよ」
ほむら「あ、ありがとぅ」
服を手元に寄せてまどかに言う。
まどか「んぅ?ああ、勝手に触っちゃって、よかったのかな」
ほむら「よ、よかった」
語調がおかしくなる。
なんて返せばいいのか分からない。
まどか「こ、これも、剥がして、洗っちゃったんだけど、大丈夫、だった……?」
手元から下げられているのは、昨日の玩具だった。
ほむら「大、丈夫」
まどか「そ、そっか。じゃ、ここ、置いておくね」
ほむら「ええ。……その。ごめん、なさい」
まどか「……んーん。すごく、嬉しかった。今まで、本当に、お疲れさま、ほむらちゃん」
ほむら「」
その労いの言葉だけで、嬉しくて頭が真っ白になる。
まどか「ん…」
私はまどかに抱きすがっていた。
まどかが言葉なく私の頭を撫でる。
堪えられず私は泣きだしていた。
まどか「本当に、本当に、ありがとう。お疲れさま」ナデナデ
一方―――帰り路その②
さやか「だいたいひと月をワンサイクルにして、年単位でぐーるぐる……。そりゃあ、まどかラブっ!てなるのも分からなくはないけど…」
杏子「まー、馬鹿な女だよなぁ」
さやか「何それ?あんたフォローしてたじゃん」
杏子「そりゃあ…アレだよ。よく考えてみろ、アソコで邪魔なんかしたらあいつソッコー魔女になっちまうだろ?」
さやか「ああ、なるほど」
杏子「やっぱりまだまだヒヨッコだねぇアンタ」
さやか「むぅ……。……ふむ。あんたも、一応は、優しいとこあるんだね」
杏子「な、……はぁ!?」
さやか「だってちゃーんとアイツの気持ちのために」
杏子「ち、違ぇ!そーじゃねえだろ!あくまで魔法少女ってヤツのリスクを」
さやか「普段は、育ててグリーフシードにしちゃえー、なんて言ってるのに」
杏子「ちがっ、ちょっと黙れ!アイツが魔女になったらどんだけアタシらが苦労して」
さやか「はいはいそーですねー☆さすがはセンパイですー☆」
杏子「おま、ちょ、オイ、話を聞けっ!」
さやか「なはははははー」
―――――帰り路その③
マミ「もしかして、まだ鹿目さんのこと、狙ってる?」
QB「もちろん。彼女が魔法少女になれば、僕らの望むエネルギーは一瞬で満たされる。逆に宇宙の寿命を縮めてしまいそうなほどだ」
マミ「そう。じゃあ、なおさらあの子は魔法少女にさせられないわね」
QB「君も鹿目まどかの力を求めていたんじゃなかったのかい?」
マミ「そんなに強いとは思わなかったもの。QBの仕事が終わっちゃったら、私達もおしまいでしょ。あの日、亡くした命だけど、もう少し、生きていたいわ」
QB「なるほどね。未練があるわけだ」
マミ「未練、なのかしら。何かって言われると困るけど、じゃあ今すぐおしまいでいいの?って言われるとそうでもない……」
QB「鹿目まどかがどうなろうと、僕らの仕事がどうなろうと、君たち魔法少女は遅かれ早かれ魔女になる。それは、変わらないことだよ」
マミ「……ええ。……わかっているわ」
見滝原市のとある喫茶店。
まどか「ごめんね、待たせた?」
あれから10年が経った。まどかはもう24で、背が少し伸びた。
ほむら「いいえ。今きたところよ。仕事は大丈夫?」
まどか「うん、ホントは今日休みなんだけどね。色々電話入っちゃって」
まどかは見滝原市民会館の事務職員になっていた。
正義感に燃え大学では政策学を専攻したものの、就職活動では普通の職にさえ採用されなかった。
人づてにやっとありついた仕事だという。
ほむら「構わないわ」
私達はあれからも逢瀬を重ねたが、まどかが進学し、そして就職してからは、段々と疎遠になっていた。
今日も、半年振りの再会だった。
ウェイターがやってくる。
まどか「ええと、私はBのケーキセットで。はい、そうですガトーショコラの。あ、アイスコーヒーで。はい、両方お願いします。それで、この子は……」
ほむら「同じものを。エスプレッソ、ダブルで。ええ。以上で」
私達魔法少女の姿は、変わっていない。
そのため、美樹さやかは、中学卒業後、佐倉杏子と共に見滝原市を離れた。
QBの尽力もあったのだろうか、その翌年、失踪扱いとなり、葬儀が行われ、人間としての美樹さやかの存在は終了した。
今は片田舎で二人、ほとんど魔法を使うこともなく食べる分だけの食糧を作りながら静かに暮らしている。
時おり近場の魔女退治に加勢することもあるが、基本的には後輩魔法少女に仕事を譲り隠居しているような形だ。
まどか「ほむらちゃん、ちっちゃくてかわいい~」
ほむら「はあ、毎度毎度。貴方はもっと小さかったのよ、まったく」
まどか「あはは。……見滝原市は、どう?ほむらちゃんも大変?」
ほむら「最近は"後輩の魔女"が多いわ。どの子も皆、短命」
まどか「そうなんだ?えと、新人さんにはマミさんが付いているんだよね?」
ほむら「そうよ」
巴マミは、QBのアシスタントのようなものになっていた。
各地に追従し、新人魔法少女のマネジメントを行う。
QBは酷く説明不足なので、少女達の反感を買うこともしばしばある。
互いの利益に叶っているのだろう。
ほむら「それがかえって少女達を安心させるし、油断させている。契約者は増えるばかりだし、些細なことで魔女になる子も多い」
まどか「うーん…。私が、魔法少女になっていたら……」
ほむら「」ホムゥ
まどか「ごめ、今のなし。ごめん」
ほむら「ううん、いいの。ごめんなさい」
まどか「ごめん」
ほむら「……。キスするわよ」
まどか「え」
ほむら「千日手の話はおしまいってこと。キリがないわ」
まどか「ああ、うん。わかった」
ほむら「うん。ありがと」
まどか「えっと、その。マミさんも、大変なのかな」
ほむら「手に負えてない感じは、あるわね。
慕ってくれる後輩がいることで、どうも彼女は満足しているように見える。
だから、"友達"が魔女になればなるほど彼女は新たな"友達"を求めるし、QBも自ら催促ができない分、そんな彼女を利用している。
とはいえたしかに、巴マミが監督することで、魔女や使い魔との戦闘での大きな被害というのは減ってきているんだけど」
まどか「そっか……。後輩さん、ほむらちゃんにも、いるの?」
ほむら「まどかの居る街を誰かに任せる気になんてならないわ。これまでも、これからも、私が、守る」
私はこの10年、見滝原市をテリトリーに闘ってきた。
私がかつての"輪廻"で廻した時間と、同じくらいの時間が経った。
まどか「嬉しいけど、無理はしないでね。いつも、ありがと」
変化のない日常にかつて打ちのめされた私。
今の日常も変わらない。
生命維持、魔女退治、ソウルジェム保守。
あれからも、これまでも、これからも、変化はない。
ただ、まどかと会うことを生き甲斐にして。
でも、まどかは、自分の人生を生きていて。
会うたびに離れていく心地がして。
ただひとつ変わっていく現実に、今も蹂躙されていた。
ほむら「部屋に行っても、いい、かしら」
まどか「……うん」
―――半年振りに抱いたまどかは、未だに処女だった。
私達の交歓は、この十年、先端だけで済まされていた。
―――――
まどか「こんばんわ」
杏子「……。……へ?」
まどか「あれ。杏子ちゃん、だよね?」
杏子「鹿目まどか、なのか……?」
まどか「そーだよ」
杏子「……老けたな」
まどか「あー、ひどい。まあ…もう34、だからね」
杏子「そんなに経ったか」
まどか「経ったんだね。ちゃんと会えて良かった」
杏子「QBがひさびさに出やがったと思ったら、アンタが呼んでるって言うから驚いたよ。
それも、アタシとサシで会いたいって。いったいどんな風の吹きまわしだい?」
まどか「ちょっと……ご相談がありまして」
杏子「あの黒いのに言えばいいだろうに。まだ生きてるんだろ、アイツ」
まどか「もちろん生きてるよほむらちゃん」
杏子「言えない話か」
まどか「まあ、そんなとこ。とりあえず、全部話すから。……そうだ、何か食べにいく?」
杏子「もう、十分すぎるほどに喰ってきたよ。いいから話してみな」
まどか「うん、ありがと」
杏子「なるほどな。プロポーズされた、か」
まどか「うん」
杏子「よりにもよってあの坊やから」
まどか「……うん」
杏子「ふふ、そりゃ、アタシに来るわな。アンタにご執心の黒いのでもなく、坊やにご執心だったさやかでもなくさ」
まどか「色々良くしてもらってたの。仕事が見つかったのも上条君のお陰だし……」
杏子「下心じゃねーのか」
まどか「食事は何度もしたけど、まだ何もされてないよ。それに私、もうおばちゃんだよ?したいだけ、ならプロポーズなんてしないと思うし……」
杏子「関係ねーって。アンタ、おぼこ(処女)だろ?」
まどか「え。……どうしてわかるの」
杏子「見てりゃわかる。事情からも想像がつく」
まどか「えー…」
杏子「その歳で顔もイイ、胸もあって身体は崩れてない、挙句に処女ときたら十分役満さ」
まどか「え?え?え?…や、やく?薬?」
杏子「気にすんな。プロポーズには足るってこった。
逆にそんだけガード堅けりゃ、とりあえずテキトーにプロポーズしてでもやりたい男はいるだろってこと。
一回ヤッてみりゃいいじゃねーか。いつまでも黒いのに義理立てしてられねーだろ」
まどか「うぅ……。でも、ほむらちゃんにも、さやかちゃんにも悪いし……」
杏子「悩むってことは、坊やのこと悪くは思ってねーんだろ?」
まどか「それは……そう、だけど。……さやかちゃんは、どう思う、かな?許してくれる、かな?」
杏子「バレなきゃ結果オーライ、ってとこか」
まどか「そーじゃなくて」
杏子「そーなんだよ。アンタには20年前、かもしれないけどさ。アタシ達は、ずっとその20年前を生きてんだよ、ある意味じゃ」
まどか「…………」
杏子「まーさやかについては、いかにアタシがフォローするかにも掛かってるんだろーけどさ。黒いのはどうなるやら」
まどか「相談は、ちゃんとするつもりだったけど。まずは、杏子ちゃんの意見が聞きたくて」
杏子「……ふむ。アタシ個人にとってはどーでもいい。ただし、さやかが知ったら悲しむから、やめてほしいのはある。
アタシらもいい加減魔女にでもなんなきゃいけねーのかもしれねーけどさ。こんなことで、さやかを終わらせたくはない」
まどか「うん……」
杏子「まーでも気にすんな。どうせアンタじゃなくても坊やは誰かと一緒になるんだ。
こっちは遅かれ早かれ結果は変わらない。さやかはアタシが繋いでみせる。だから、心配しなくていい」
まどか「そっか……。確かにそう、なんだよね。……ありがと」
杏子「アンタは黒いのと話すことを考えな。逃げね―でさ。そーだな、さやかとは逆に話さない方がいい。
アイツの性格からいって引っ込みがつかなくなる。あたしにまかせておけ」
まどか「……うん、うん。……ちゃんと、ほむらちゃんと話してみるよ」
杏子「そうしてみな。アイツが本当に"冷静な人の味方"なら、うまくいくだろうよ。どっちに決まろーが、決意が固まったら教えてくれるかい」
まどか「わかった。また、QB探して連絡するよ。色々ありがと。会えて本当に良かった」
杏子「おぅ、達者でな」
―――――
杏子「ということがあった」
さやか「……。そっか。……ふむ。どーして。恭介なんだろ」
杏子「そりゃあ…」
さやか「うん、さっき聞いたけどさ。まあ、あいつもお人好しだからね。まどかみたいに可愛いのには、コロっといっちゃうよね、そりゃあ」
杏子「……祝ってやれるかい?アイツのこと、坊やのこと」
さやか「むぅ。あんたもいつからそんなお人好しになったのよー?まどかと仲良かったっけ?浮気?」
杏子「そーじゃねえ。アタシに言わせりゃ二人ともどーでもいいし、実際、アイツにもそう言ってやった」
さやか「じゃあ、何なのよ…」
杏子「あんただよ。さやかがちゃんと向き合えるかが心配なんだ」
さやか「ふーん……。まあ、大丈夫だよ。どーせこんな身体で恭介に会ってもただのオバケだしー。
20年も仙人みたいな生活してたんだ、いまさら嫉妬なんて湧かないわよ」
杏子「そうじゃない。認められるのか?アイツのこと」
さやか「……何?マジな顔しちゃって、さっきからさ」
杏子「さやかが魔女にでもなるんじゃないかと、心配だよ」
さやか「直球だねえ?アンタにとってさやかちゃんはそーんなヤワな子なのかなー」
杏子「……アタシはっ」
さやか「あはは、ごめん、ごめん。今のはズルいよねー、なしで。メンゴ」
杏子「……」
さやか「ふふふ。あたしは最初っから、恭介の幸せを願ってたんだ。
左手がどーにかなれば、あいつは幸せになれる、って思ってたけど。
そうじゃないよね。
恭介だって男だもん、ちゃんと奥さんもらって幸せにならないと。
子供もたくさんつくってさー。ふふ。
だから、まどかには感謝しないと。
あの子なら、きっと恭介を幸せにできる。あはは、なんか変な言い方。
でも、こんなもんなのかな。
満足かなー杏子くん?」
杏子「……本気か?」
さやか「自棄、かな。嘘じゃないけどさ。……あたし。ちょっと。消えたい、かも」
杏子「……消えるなよ」
さやか「"また独りにはなりたくない"、から?」
杏子「さやかが、好きだから」
さやか「……そんなの、初めて聞いたんですけど。散々今までえっちしたけどさ」
杏子「言いたく、なかったし」
さやか「なにそれ。わけわかんない」
杏子「呼んでもらえるまで、言いたくなかった。杏子ってさ」
さやか「……え」
杏子「だから、まだ、消えんな」
さやか「杏子くん?」
杏子「ちゃんと呼べ」
さやか「杏子ちゃん?」
杏子「違え」
さやか「……きょーこ」
杏子「……おぅ」
さやか「消えていい……?」
杏子「まだ、足りないよ。もっと呼べよ」
さやか「……杏子」
杏子「もっとだよ。朝も夜も、今までの時間ひっくり返すぐらい、全部、呼べよ。ずっと我慢してたんだ。あたしももっと好きって言わなきゃ気が済まない」
さやか「……バカだね、あんた。杏子さんは大バカさんだ」
杏子「何とでも言いな。今夜は寝かさねえ」
さやか「ばーか。ったく、こっちは悩んでるってのに。名前呼ばれて、発情しちゃったかなー杏子さん?」
杏子「うっせ。アタシが、全部。埋めてやる」
ちなみに魔法少女は契約後、歳を取らない(=見た目が変わらない)という設定です、あしからず
申し訳ない
老けてるのはまどかonlyです
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 22:09:21.90:z9MK5UWB0申し訳ない
老けてるのはまどかonlyです
―――――
またあの喫茶店に入る。
ここに来るのは10年ぶりだった。
いつもの席だった場所にはまどかがいる。
嬉しくて仕方ない。
あれから私達はしばしば会ったけれど、それでも一年振りの再会だった。
まどかは34になっていて、また、前より綺麗になった。
席について、いつものやりとりをして。
ただそれだけのことで、胸が苦しい。
この店の懐かしさなど何も感じられないほどに、永い、永い一年だった。
何を話そうかと、頭が真っ白になる。
最初に口を開いたのは、まどかだった。
ほむら「……そう」
と一応の返事を返しつつ、私の思考は混濁していた。
分かってはいた。
まどかが、私と疎遠になり、上条恭介と交際まがいの付き合いを始めていたこと。
それでもなお、彼女が処女であったこと。
まどか「どうしたら、いい、かな」
ほむら「いいんじゃ、ないかしら」
そう答えるべきで。そう答えた。
まどか「……いいの?」
ほむら「今まで、十分、お礼は頂いたもの」
そう。お礼だった。
私達の関係は。私が救って。まどかが救われて。だから、まどかが私を救っていた。
まどか「お礼、だったんだ……」
ほむら「……そう」
じゃない。
私はまどかが好き。愛している。
でも言えるはずない。
まどか「今までよりもっと、会えなくなると思う……部屋にも、いけなくなると、思う」
ほむら「会わなくていいわ」
その肌に触れられないのなら。
誰かのものになってしまうのなら。
そんなの。
会えるはずない。
まどか「……私。ほむらちゃんのこと、好きだった。今でも好き。上条君よりも。ずっと。女同士でも、好きだった」
私も。
私も好き。
まどかが好き。
大好き。
まどか「プロポーズ、されて、驚いた。私を必要としてくれた。迷うことなんてない結婚だって、おかーさんにも言われたし、私もそう思う」
まどか「でも、私はほむらちゃんが好きだから。こんなおばさんになっても。好きで。だから、どうしたらいいか分からなくて」
心は決まっているのだ。
きっと。
言葉尻にも、態度にも、透けて見える。
それでも、まどかは待っている。
私が、引き留めるのを。
―――言えるわけが、ない。
ほむら「……幸せに、なりなさい。人間として。鹿目まどかとして」
それが、私の限界だった。
それが、私の願いだった。
全く、嘘偽りのない。
だから、まどかは上条恭介を選ぶべきで。私もそれを願って。
まどかは、上条恭介の嫁となった。
―――――
さやか「よぅ、転校生」
ほむら「……。いつの話よ」
さやか「いつだったっけね。まーいいじゃない」
ほむら「はるばる見滝原市へようこそ」
さやか「懐かしいわー。すごく。変わったけど、変わってない」
ほむら「そうでしょうね」
さやか「今日でしょ?まどかの結婚式」
ほむら「……会うつもり?」
さやか「まさか。あんたに会いに来たのよ」
ほむら「私が、魔女になるとでも?」
さやか「そう」
ほむほむ…
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 22:20:58.30:z9MK5UWB0ほむら「貴方には言われたくないわ」
さやか「あたしだから言うんだよ」
ほむら「……心配なんていらない。危なくなったらソウルジェムを壊してでも魔女にはならない。迷惑なんて掛けない」
さやか「ふふ。あたしもおんなじこと考えてた」
ほむら「いい心構えね」
さやか「……これからも、耐えられるの?あんた。この街を、守っていくこと。あんたに任せていいの?」
ほむら「今日から、まどかの幸せには、上条恭介も含まれる。どっちも守ってみせるわ」
さやか「ずっと、独りで?」
ほむら「100年も掛からないなら、あっという間よ。そうしたら、私も、休ませてもらう」
さやか「……たまには、おいでよ?杏子も会いたがってる」
ほむら「あらかわいい。本当かしら?あの子は嫉妬が強そうだけど」
さやか「あはは、お前がゆーなって。あたし達みたいなマジカル不良少女は毎日暇なのだよ」
ほむら「勤労なさい。少しは巴マミの暴走を止めてちょうだい」
さやか「あたし達だって、人のこと言えないんだよ、きっと。やってることは、かわらないんだ」
ほむら「貴方も歳をとったのね」
さやか「なにそれ。お互いぴっちぴっちのばばあだよ」
―――――
杏子「よっ」
マミ「あら?懐かしい顔ね。生きていてくれてうれしいわ」
杏子「よく言うよ。まだアタシのこと怨んでるのかい?」
マミ「恨む?もしかして、美樹さんのことかしら。気にしてないわ。あの子には家族がいたもの。いずれ見滝原を離れる運命だった」
杏子「分かってんならいいけどよ。アンタ、QBとあちこち飛び回ってるんだって?」
マミ「定住していない、って方が正確ね。わざわざどうしたの?」
杏子「アンタが近くに来たから出向いてやったんだ。苦情の申し立てってやつでさ」
マミ「わたしに?」
杏子「うちみたいな辺鄙な所でも、最近じゃあ魔女だの魔法少女だので引っ切り無しでね。どうなってやがるのさ、いったい」
マミ「仕方ないわ。魔法少女が増えれば魔女は増える。魔女が増えれば魔法少女も増える」
杏子「後者は自重してもいいんじゃねーか?」
マミ「若い子が育つ前に逝ってしまうんだもの、ある程度の数で戦わないと共倒れだわ」
杏子「教育者がよくねーんじゃ……」
マミ「それを言われると困ってしまうけど。頑張ってるつもりよ。ただ、最近の若い子って、ちょっと変」
杏子「歳寄りの発想だな」
マミ「そう言わないで。QBも感情が薄いって言ってる。そんなことはないと思うけれど、力が弱い子が多いのは事実よ」
杏子「へえ。まあ、何でもいいけど。アタシにはアンタが貯め込んでるように見えるね、グリーフシードをさ。どうなんだい実際?」
マミ「魔法少女にとって必要なものよ。不思議なことじゃない。貴方達のせいでもあるし」
杏子「はぁ?アタシらが何したってゆーんだよ」
マミ「何もしないからよ。ほとんどね。いつまでも消えずに、魔女にもならずに。そんなに未練があるのかしら」
杏子「関係ねーこと当て擦ってんじゃねえぞ?だいたいお前だって同じじゃねーか」
マミ「関係あるのよ。私も同じかもしれないけれど、違うつもりよ」
杏子「話になんねーな。とにかく、もう少しうまくやんな。何でも、下手糞な奴が出しゃばるのが一番うっとおしいんだよ」
マミ「そうね、気をつけるわ」
杏子「やるなら頑張りな」
―――――
それから、私が再びまどかと会ったのは、20年後のことだった。
上条恭介が死亡したという。死因は心筋梗塞。
コンサートマスターとしての上演後、楽屋でのことだった。
プログラムはマーラー特集。
最後の曲目は9番。
全国紙にも大きく取り上げられ、人々に嘆かれながらも、大いに称賛された。イカれていると思う。
まどかは54歳。すでに18と15になる二人の娘がいた。
私を呼んだ彼女は、私の胸の内に縋って泣いた。
かつての自分を見たような気がした。
私と彼女の再会はそれだけのことであった。
私も彼女も、歳を取っていた。
―――――
さやか「待ってたよ、まどか」
まどか「え……」
さやか「……まどか、だよね?」
まどか「さやかちゃ…ん?」
さやか「そーだよ。よかった。なんか、すっごい久しぶり。老けたねーまどか」
まどか「どうして……ここ……」
さやか「私は恭介のことなら何でも知っているのだよ、ふふん。イイお墓立ててもらって幸せだねー恭介」ナデナデ
まどか「そっか……うん…。…これからの生活はあるけど、お墓だけはちゃんとしようと思って…」
さやか「良いことだー、感謝感謝。こんなイイ嫁置いてくとはいかんな恭介は」
まどか「えっと……その。………・ごめn」
さやか「謝るのは、なしにしよ。……あたし、まどかには本当に感謝してるんだ。嫁になってくれて、子を産んでくれて」
まどか「……うん」
さやか「ホントは生きてるころからさ、いつか死んでも、お墓参りさえするもんか、って考えてた。
恭介はもう、まどかのものだから。
娘ちゃんとばったり会っても気まずいだろーし」
まどか「そんなこと…」
さやか「ううん。
でも、ただ一つだけ、したいことあってさ。
今よりももっともっと、歳とって、恭介の奴がおじいちゃんになって、もっと先。
ヴァイオリンも弾けなくなって、もう死にそーって、病院とか家のベッドで独りで寝てる恭介がいて。
そこにあたしが現れてさ。オバケだぞーって脅かしてやるの。どういう反応するのか楽しみで楽しみで。ふふ。
覚えてんのかな。まどかみたいなイイ嫁がいればボケたりはないかなあと思ってたんだけど。
それで、いろんなこと話して、花飾ってあげたり、掃除したり、身体拭いてあげたりしてね。
一日上条家嫁体験コースみたいな?それだけはまどかに許してもらおうかと思って。ゲザる気満々だったんだよ。
何かね、そんなことが、すごく、すごく楽しみだったの」
さやか「もし、そんなことがあったら、まどかはあたしのこと、許してくれた?」
まどか「……そん、な……私が、許してもらわなきゃ、いけない、のに……」
さやか「あはは。40年経ってもまどかはいい子だなあ。
……早いなあ。早すぎるよ。
あともう40年は生きてくれないと、全然できない陰謀だったよね…残念だ。
私の祈りじゃ、40年分、ってとこだったのかなあ」
まどか「……」
さやか「うん、あたし、嫌な子になっちゃってるね。ごめん。少しは、成長したつもり、だったんだけどね」
まどか「ううん、そんなこと、ない」
さやか「……よかった。まあ、そんなこんなで、一度だけ、お墓参りしたくなって。まどかの顔も見たくなってさ」
まどか「いつでも、会おうよ。お墓にも、来てあげてほしい」
さやか「ありがと」
まどか「……うん」
さやか「……私、もういくよ」
まどか「うん。来てくれて、ありがと……」
―――――
私がQBと再会したのは、上条恭介の納骨式が行われた一ヶ月後であった。
QB「久しぶりだね、暁美ほむら」
ほむら「そうね。問題なく見滝原市を保守してきたつもりだけど。どういう用件かしら」
QB「美樹さやかが自らのソウルジェムを破壊したよ」
ほむら「……そう」
想像は、ついていた。
私が美樹さやかなら、同じように、終わらせていた。
ほむら「魔女にはならなかったのね」
QB「それでも君達が今まで叶えてきた希望がちゃらになるわけじゃない。
魔女になって撒き散らされるはずだった絶望は、壊れたソウルジェムから溢れ、辺りを汚染する」
ほむら「大したことではないわ。魔女になるより余程マシ。
たとえ美樹さやかほど使い尽されたソウルジェムであっても、せいぜい周りの運が悪くなる程度のこと。
違うかしら?」
QB「人間社会に対する影響はその程度だろうね。だけど、近くに魔法少女がいたとしたら?」
ほむら「……佐倉杏子」
QB「そういうことだよ。佐倉杏子が魔女になった。
佐倉杏子は美樹さやかの放った穢れを全て取り込んだ。二人とも魔女になったのと変わらないよ」
独り、この世を去ろうとする美樹さやか。
駆けつける佐倉杏子。
いくつか見えたシナリオは、どれも悲惨だった。
そして、痛いほどに分かる。
QB「これほど強大な魔女となると、立ち向かえるのは、かつての最悪の魔女を独りで打ち倒した君しかいないだろう。暁美ほむら」
ほむら「私を、魔女にしたいのかしら」
QB「君が倒せないなら、僕らはお手上げだよ」
巴マミの名は出されない。
使い捨てるなら、私の方が利になると思っているのだろう。
もう、潮時か。
ほむら「……わかったわ。詳細を教えて」
―――――
まどかとは、会わなかった。
顔を見たら決心が揺らぐだろうから。
もっと、機械的に、この案件を処理しなくてはならない。
ワルプルギスの夜でさえ、膨大な統計と計算のもとに打倒した。
今度は、ノーコンティニューで、それ以上の相手を倒さなければならない。
グリーフシードは、巴マミからQB経由で幾つか提供された。
時間停止の魔法は、停止の時間とその間に干渉する質量で消費される魔力が決まる。
全快で挑んでも、時間停止を使用できるのは良くて10回か。
私の死亡・魔女化は、前提条件。
その上で、いかに対象を斃すか。
かつて私は、魔女になった美樹さやかと対峙した。
魔法少女としての能力から、魔女の攻撃パターンはある程度、類推できるようだった。
佐倉杏子で考えるとどうなるのか。
槍を象徴とする直線攻撃。
多節棍を象徴とする屈折攻撃。
鎖を象徴とする捕縛、及び曲折攻撃。
考えるだけでも、隙が見えない。
どうしたもの、だろうか。
魔女としての性質は、心象も左右する。
とはいえ、佐倉杏子が何を想ったか、私には分からない。
恋慕か、悲恋か、それとも嫉妬か。
まあ、いい。
やれるだけのことはしよう。
だめなら巴マミが、その後輩が、何とかしてくれるだろう。
もう、私は十分に生きた。
まどか「久しぶりだね、QB。どうしたの?」
QB「僕と契約して、魔法少女になってよ」
まどか「あはは、懐かしい」
QB「僕は本気だよ、鹿目まどか」
まどか「ふふ、からかわないでよ。もうおばちゃんだよ私?ぜんぜん少女じゃない」
QB「暁美ほむらが魔女になったんだ。君の力が必要なんだよ」
まどか「…………え?」
QB「あの時間遡行者、暁美ほむらだ。彼女が重ねた膨大な因果は彼女を正真正銘最悪の魔女にしたよ」
まどか「………だ…って、……え?」
QB「もしも君にまだ、願いがあるというなら、協力してほしい。
君ほどの年齢になっても、君に存在する測り知れない素質は衰えていないんだ。君はまだ、魔法少女になれる」
まどか「そんなの……おかしい、よ。……だって、この前、会って、それで、まだ」
QB「残念だけど、本当のことだ。もし僕が嘘をついているなら、もっと早く言っているよ」
まどか「……そん、な。どう、して」
QB「美樹さやかが死んで、佐倉杏子が魔女になった。暁美ほむらはその討伐に成功したが、今度はその彼女が魔女になった」
まどか「……う、…………そ………」
QB「泣いていても変わらないよ。君が、暁美ほむらを救うんだ」
まどか「……わかった。……嘘だったら、承知しない、から」
QB「構わないよ。嘘じゃない。願いは、決まったかい?」
まどか「……うん」
QB「それじゃあ、鹿目まどか――その魂を代価にして、君は、何を願う?」
まどか「私の娘が、二人とも、魔法少女になれないように。魔法少女の契約を、結べないように」
―――――
QB「僕達は、十分過ぎるエネルギーを回収した。うまく事が運んだよ」
マミ「そう」
QB「鹿目まどかは、もうすぐ魔女になる。君達も好きにするといい。といっても、人類そのものがすぐに終わってしまうだろうけどね」
マミ「永い付き合いだったわねQB」
QB「そうだねマミ。君は良く働いてくれた。何の利益もないというのに、君達は本当に分からない存在だね」
マミ「……それが感情というものなのよ」
マミ「これをあの子達に渡してくれないかしら」
QB「貯めていたグリーフシードだね。君の後輩達にかい?」
マミ「そう。私が魔女になったらよろしく、って」
QB「……まさか、まどかに立ち向かう気なのか?」
マミ「……私の大事なお友達が待ってるの。最初の大事なお友達。ちゃんと終わらせてあげたいの、彼女を」
QB「馬鹿げているよ、無茶だ」
マミ「グリーフシードはまだあるわ。孵化した瞬間なら、何とかなると思うの。
私が魔女になっても、あの子たちが皆で倒せたなら、この魔女の連鎖は終わる。
QB。貴方がいなくなるなら、これから魔法少女が増えることもないでしょ。
全てに、決着をつけましょう」
QB「まったく。君達は最後まで、分からない存在だったね。好きにするといいよ。僕にはもう、どうでもいいことだ」
マミ「……ありがとう」
貴方はきっと魔法少女になって
魔女になる
世界を終わらせてしまうほどの
最凶の魔女に
そう思って、生きてきて
外れてほしいのに、当たってしまった
ずっと、貴方が好きだった
貴方の幸せは、私ではなかったけれど
私の幸せは、貴方だったの
貴方の最期は、きっと不幸に終わるのだろう
最悪の魔女として
絶望を撒き、絶望に溺れながら
そうは、させない
貴方の人生を、ちゃんと終わらせてあげる
それだけのために、ずっと、ずっと、生きてきた
醜い女よね、私
それでも、大切な友達のために、
私ができる、たったひとつの答えを、
ずっと
信じてきた
――――さあ、お待たせ。
一緒に、終わりましょう?
私の、愛しい人。
「――――ティロ、フィナーレ」
(了)
最初はネタかと思ったけどぜんぜん違った
165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:46:19.03:oqjJWZFGQ
(;ω;)ブワッ
171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:49:36.30:tAr6GB+60
重すぎる…開くんじゃなかった
でも乙
172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:49:59.53:hWYfkVVt0でも乙
やっぱまどマギのキーワードは「友達」で「絆」なんだな…乙でした
マミ後輩'sが魔女になったら誰が狩るんだろ
173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:50:44.39:zkGHVyt3Pマミ後輩'sが魔女になったら誰が狩るんだろ
報われないからこそ印象に残る話もあるってものだ。
てなことで、忘れ物置いてくです。
乙!
174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:51:25.07:U/qyUmAH0てなことで、忘れ物置いてくです。
乙!
皆もっと自分のために生きるべきだろJK
おつ
175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:53:11.72:z9MK5UWB0おつ
魔法熟女を真面目にやってみたらこうなった
前回アドリブでSS書いて下手こいたので書き貯めてみたら大差無かったり
もっと精進します
読んでくれた方、ありがとう
176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/06(金) 23:53:40.26:GAeHBb2X0前回アドリブでSS書いて下手こいたので書き貯めてみたら大差無かったり
もっと精進します
読んでくれた方、ありがとう
乙
良いSSだった
180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 00:03:17.16:/xgT17WzO良いSSだった
ほむまど杏さやで将来末永く過ごしましたエンドかと思ったらこうなるとは…
時間の経過を描写されたら重くなるね
182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 00:08:21.92:7ke5a9dG0時間の経過を描写されたら重くなるね
一応疑問に答えておくと
・ほむほむ自殺できなかったの?→無理でした
・どうしてまどかは早く魔法少女にならなかったの?→まどかが魔法少女にならないことがほむほむの何よりの願いだったので
・マミさんは後輩達が魔女になったらどうするつもりだったの?
→もう生きる目的そのものがまどかだったので、大して考えてない。善悪相殺なら、ひと通り被害を出したら消えるでしょう
・フルキャスト生存じゃなくて良かったのでは?まどかだけ生きてれば→よりよい余生をまどかに送らせたかったので。あとはSS創作上仕方n(
・なるべく矛盾なくしたつもりだけど、老化のアレもあったり、それほど厳重に設定を調べてなかった。申し訳ない
185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 00:10:16.05:ISuRBuSu0・ほむほむ自殺できなかったの?→無理でした
・どうしてまどかは早く魔法少女にならなかったの?→まどかが魔法少女にならないことがほむほむの何よりの願いだったので
・マミさんは後輩達が魔女になったらどうするつもりだったの?
→もう生きる目的そのものがまどかだったので、大して考えてない。善悪相殺なら、ひと通り被害を出したら消えるでしょう
・フルキャスト生存じゃなくて良かったのでは?まどかだけ生きてれば→よりよい余生をまどかに送らせたかったので。あとはSS創作上仕方n(
・なるべく矛盾なくしたつもりだけど、老化のアレもあったり、それほど厳重に設定を調べてなかった。申し訳ない
>>182
あまり設定にがんじがらめになると二次創作はしにくいから、まあ良かったのでは?
183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 00:09:17.92:fG1J0gOwPあまり設定にがんじがらめになると二次創作はしにくいから、まあ良かったのでは?
時の流れは残酷だからねー。このSSてはマミさんが一番先を見据えてましたね。
195:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 00:33:17.63:SeKLNOr1O
愛する人は年をとって老いていくのに、自分はその人とともに年をとることができない…
人を愛することにおいてこれほど残酷なことはないのではなかろうか…
(´;ω;`)
みたいなことを考えさせられました、おつおつでした
199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 00:39:21.02:/xgT17WzO人を愛することにおいてこれほど残酷なことはないのではなかろうか…
(´;ω;`)
みたいなことを考えさせられました、おつおつでした
>>195
最初ほむらもかわいそうだと思ったけど、
愛する人と同じ立場に立てないまどかも十分きついね
198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 00:39:13.80://u92bOo0最初ほむらもかわいそうだと思ったけど、
愛する人と同じ立場に立てないまどかも十分きついね
本編のまどかの選択が一番最良だったということか
コメント 15
コメント一覧 (15)
くぱぁーっとに見えた
公式の結末は俺にとっては優しい結末だったんだな。
認められない、この物語は。
悲しすぎて、誰も救われていないから。
どうやったら二人は幸せになれる?なれた?
わからない…わからない…。
本当に切ない…
魔法少女になるってこういうことなんだな…
さやかの「嫁になってくれて。子を産んでくれて。」
これで爆笑シチマったwwwwww
切なすぎる…