-
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/16(月) 23:34:49.00:K6wCfV400
【フリーダム】
唯「っていう夢を見たんだよ!!」
梓「私はそれを聞かされてどうすればいいんですか……」
唯「ぶぅー、あずにゃんの夢を見たから報告しただけなのにー」
梓「いや、なんというか……で、なんでしたっけ、その夢?」
唯「もう、あずにゃん聞いてなかったの?」
梓「いやー、また唯先輩の突拍子もない話かと思って集中してませんでした」
唯「ひどいっ!! しかも「また」って言った! あずにゃんはいつもそんな風に私の話を聞いてたんだね……」
梓「それは言葉の綾というか……」
唯「思ってたんだね」グイッ
梓「うっ……」
【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」
【速報】尾田っち、ワンピース最新話でやってしまうwwww
【東方】ルックス100点の文ちゃん
【日向坂46】ひなあい、大事件が勃発!?
韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/16(月) 23:35:45.69:K6wCfV400
唯「お・も・っ・て・た・ん・だ・ね?」
梓「……ほんの少し」
唯「あー、あずにゃん認めたー!ひどいっ」ヨヨヨ
梓「もうそんなバレバレの泣きまねにはひっかかりませんよ」
唯「……私のあずにゃんの性格が歪んでしまった……先輩として悲しいよあずにゃん」
梓「あぁっともう、そんなところで泣き崩れるマネしないでくださいよ。制服汚れますってば」
唯「あずにゃんはそんな私に手さえ差し伸べてくれないんだね……」じっー
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/16(月) 23:36:57.66:K6wCfV400
梓「……ほらっ、立ち上がってくださいよ」スッ
唯「あずにゃーん!」ガバッ
梓「ああもう、なんで手を差し出したのに抱きつくんですかー」
唯「ふふ、やっぱりこの感触は私のあずにゃんだよ!!」
梓「唯先輩の所有物になったつもりはないですけど、満足そうならよかったです」
唯「あずにゃん……なんか手馴れたね……」
梓「そりゃぁ、抱きつかれるのにももう慣れますよ……」
唯「ってあれ?なんの話してたっけ?」
梓「唯先輩ってほんとに自由に生きてますね」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/16(月) 23:38:43.50:K6wCfV400
【闇の中】
唯「はっ!そうだ。夢の話だった!!あまりのあずにゃんの抱き心地に忘れちゃうところだったよ」
梓「今の反応でわかりましたけど、忘れるってことは唯先輩自身でどうでもいいと思ってる話題ですよね」
唯「違うよあずにゃん、私は夢の話しよりあずにゃんとの触れ合いを優先しただけで、夢の話も重要だよっ!」
梓「……まぁいいです。で、結局その夢ってなんだったんですか?」
唯「えっとそのね、さっき授業中に見た夢なんだけどね……あずにゃんがね……」
梓「私ですか?」
唯「そうあずにゃんがでてきて………」
梓「?」
唯「……」
梓「どうしたんですか?」
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/16(月) 23:40:02.80:K6wCfV400
唯「忘れた……」
梓「はい?」
唯「あずにゃんと話してたら夢の詳しい内容をわすれちゃったよ!」
梓「……」
唯「うーん、楽しい夢だったような気もするんだけど……あっれー?」
梓「……」
唯「あずにゃん? もしかして気になるー?」ニヤニヤ
梓「なっ!? べつに気になってなんかいません」
唯「ふふ、かわいいやつじゃー。よしよし」ダキッ
梓「あー、もうやめてくださいって」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/16(月) 23:43:19.20:K6wCfV400
【連鎖】
――夜・梓の自室
梓「……とは言ったものの気になるなー」
梓「はっ!これじゃぁ唯先輩の思惑にはまった気がする……」
梓「……もう忘れて寝てしまおう……うんそうしよう」ヨイショ
――5分後
梓「……」ゴロン
――10分後
梓「……」ゴロ
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/16(月) 23:44:36.73:K6wCfV400
――30分後
梓「……」ゴロッ
梓「あああ、寝れないよー!」
梓「唯先輩に明日文句いってやろう……まったくほんと唯先輩は……」ブツブツ
――1時間後
梓「ていうか、いつも唯先輩はそうなんだよ……練習しないし……」ブツブツ
――2時間後
梓「すぅーすぅー」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/16(月) 23:50:20.25:K6wCfV400
――朝
梓「……うーん……はっ」ガバッ
梓「……唯先輩の夢を見た」
梓「………」
梓「寝る前に唯先輩のことばっかりぼやいてたせいかな?」
梓「まさかこれも唯先輩の狙い!?」
梓「……なんか悔しいから唯先輩には絶対にこの話しはしないことにしよう」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/16(月) 23:55:29.14:K6wCfV400
【印象】
律「こんな夢を見た……ねぇ……」
澪「おっ、律が文学の話しなんて珍しいな」
律「へ?」
澪「え?」
律「え? いやなんで文学?」
澪「えっ、だって今“こんな夢を見たって”……」
律「あぁ、それか。いや唯と梓がそんな話しをしてたなぁって」
澪「なんだ、そういうことか。いやぁ律が純文学読むなんておかしいと思ったら……」
律「どういう意味だっ! 私だって本くらい読むわいっ!!」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 00:01:12.61:gGCP9kQW0
【屈辱と逃亡】
梓「本くらいと言っておいて、さっきの反応で律先輩がこの話しを読んでないのはわかったわけで……」
律「うっ……」
澪「まぁ読んでたら、「なんで文学?」なんて言わないよな」
律「うう……」
紬「大丈夫、りっちゃんのいいところは他にいっぱいあるわ」
律「ムギ……!」
澪「でも「いいところは他にある」って、完全に問題から目を逸らしたよな」
梓「ですね」
紬「あはは……」
律「お前らっー!!」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 00:05:19.15:gGCP9kQW0
唯「りっちゃん、正直に話すなら今だよ」ポン
律「唯に諭されるのはなんか屈辱だな……」
唯「!?」ガーン
律「ええい、いいんだよー! 本なんか読まなくたって生きていける!」
唯「おおっ、りっちゃんが開き直った!」
澪「いや、唯。あれはどっちかというとヤケになったといったほうが」
律「………ちくしょおおー」ダッ
梓「あ、逃げましたね」
唯「おお、りっちゃん足はやーい」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 00:11:42.47:gGCP9kQW0
【たどりついた場所】
――生徒会室
律「のどか~!!」ガラガラ
和「えっ、律? え、どうしたの急に」
律「のどかー、軽音部で部長いじめが発生している。なんとかしてくれ」
和「……」
律「なんだその目は」
和「いや、いつものじゃれ合いかと思って」
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 00:15:19.43:gGCP9kQW0
律「なにをっー! こっちは真剣なんだぞ。生徒会長だろ、なんとかしてくれ」
和「はいはい、わかったからとりあえずそこに座ったら?」
律「むっ、なんか適当になってないか」
和「はいはい、それでどうしたの?」
律「いやぁ、さっきのことだけど、私が「こんな夢をみた」って呟いたら……」
和「あらっ? 律が文学なんて意外ね」
律「………」
和「?」
律「和なんて嫌いだああああ」ダッ
和「ちょ、律!?」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 00:19:32.46:gGCP9kQW0
【仲間探し】
――廊下
澪「ったく、律はどこいったんだ……」
唯「あっ」
紬「あっ」
梓「え?二人ともどうしたんですか」
紬「りっちゃん、いたわ♪ ほらあれ」
澪「あれは生徒会室か……」
唯「でもまたどこかに走っていったよ? あ、おーい和ちゃーん」
和「唯?……って軽音部でぞろぞろとどうしたの?」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 00:23:18.52:gGCP9kQW0
唯「りっちゃんのお迎えなのです!」エヘン
和「ああ、それなら律のこと任せていいかしら? なぜか急に大嫌いだー とか言って走ってどこかにいっちゃって……」
澪「和……ごめんな。また律が迷惑かけたみたいで」
和「え、ええ。それにしてもどうしたのかしら、文学なんて意外ねって言ったことが気に触ったのかしら」
澪「いや、そうじゃなくて……」
和「?」
澪「多分、自分と同じ仲間探しでもしてるんだと思う」
和「……? まぁ、よくわからないけど後はよろしくね。私まだ生徒会の仕事が残ってるのよ。」
唯「またねー、和ちゃん」バイバイ
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 00:27:38.14:gGCP9kQW0
【比較的自由な人達】
………
……
澪「……とりあえず部室に帰るか」
唯「えぇっー!? 澪ちゃん薄情だよ~」
澪「いや、だってどこにいったか分かんないし。どうせ飽きたら戻ってくるだろ」
梓「とりあえず唯先輩は練習しないといけませんしね」
唯「えっ?……やっぱり私はりっちゃんが心配だから探しにry」
梓「そういえば唯先輩、まだ部室にケーキ食べかけできましたよね」
唯「!!」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 00:29:04.51:gGCP9kQW0
澪「そういや紅茶も飲んでる途中だったな」
唯「あずにゃん、澪ちゃん!!はやく部室に戻るよ!!」ダッ
梓「……こんなときだけ唯先輩は……」
澪「ま、とりあえず帰るか。な、ムギ……ってムギもいない!?」
梓「ムギ先輩はさっき楽しそうに律先輩の走っていったほうに走っていきましたよ」
澪「……あー、まぁじゃぁ、律はムギに任せる方向で」
梓「……そうですね」
澪「ていうか、同類探ししてるのに和のところに行くのが間違いだよなあ。和とか絶対本読んでそうだし」
梓「たぶん、とりあえず知り合いのところに行こうって考えたんじゃないでしょうか」
澪「……戻るか」
梓「……はい」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 00:39:19.34:gGCP9kQW0
【分かる人、分からない人】
憂「それじゃ、純ちゃん帰ろっか」
純「いやー、悪いねー。掃除終わるまで待たせるどころか手伝ってもらっちゃって……ってなんか聞こえない?」
憂「え?」
「―――ういちゃーん」タッタッタッタ
憂「ほんとだ……でも聞いたことある声のような」
純「って憂、後ろー後ろ」
憂「え?」
律「ゼェゼェ……」
憂「律さん……?」
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 00:40:05.96:gGCP9kQW0
律「憂ちゃんは……」
憂「?」
律「憂ちゃんは「こんな夢を見た」なんていう本知らないよね?」
憂「へ? ……えっと夏目漱石ですか?」
律「……!!………そんな……年下の女の子にまで……」ガーン
純「え?律先輩なんの話しですか?」
律「純ちゃん! そうだ純ちゃんは「こんな夢を見た」なんて本知らないよな?」
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 00:40:56.70:gGCP9kQW0
純「……? 夢占いかなにかですか?」
律「純ちゃん……!! 結婚しよう」ダキッ
純「えええええー、ってちょ、ええ? なにどういうこと? え、どうなってるの?」
憂「あははは……」
純「いや、ホントどうなってるの!?
ていうか、あそこの廊下の柱のかげからムギ先輩が幸せそうな顔でこっち見てるんだけど……」
憂「えっと純ちゃん、私やっぱり先に帰るね」
純「えっ、ちょ、憂ー、うーいー……」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 00:49:10.38:gGCP9kQW0
【身近な同類】
梓「ていうか、唯先輩も絶対に知らないですよね」
唯「ふっふっふ、さすがあずにゃん、私のことよくわかってるね!」
梓「…………」
唯「どうしたのあずにゃん?」
梓「いえ、唯先輩はたくましいなって」
唯「えへへ、そんなに褒めたってなにも出ないよ?」
梓「褒めたわけじゃ……いや、もうなんかそれでいいです」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 00:51:58.69:gGCP9kQW0
【三度目の逃亡】
澪「ほら、唯、食べたのなら練習するぞー」
唯「えー、でもりっちゃんとムギちゃんがいないよー」
「なんだよー、結局追いかけてきてくれたのはムギだけかよー」
「うふふ、おかげでいいものが見れたわぁ♪」
梓「帰ってきましたね」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 00:53:06.52:gGCP9kQW0
――ガチャ
律「へっへーん、お前ら! 別に知らなかったの私だけじゃなかったもんねー」
澪「で、結局何かわかったのか?」
律「え………えっと夏目漱石の……」
澪「タイトルは?」
律「………」
澪「?」
律「ちくしょおおお、今日はもう解散だああああ」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 00:57:57.94:gGCP9kQW0
【一夜とか三夜とかは特に】
紬「それにしても澪ちゃん、大丈夫だったの?」
澪「え?なんのこと?」
紬「えっと夢十夜って結構ホラーチックな話しが……」
澪「………」
紬「澪ちゃん?」
澪「……ムギどうしよう…………」ブルブル
紬「え?」
澪「……内容を思い出しちゃって多分今日眠れない」
紬「えっと、ごめんなさい」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:02:01.88:gGCP9kQW0
【やった人、やらなかった人】
澪「実は中学の時に夏休みの宿題に読書感想文みたいなのがあって」
紬「あぁ、うちの中学校にもあったわ」
澪「で、その課題が夢十夜で……あぁ、あの時は1週間はまともに寝られなかったなぁ」
紬「それで読んだのね」
澪「うぅ……完全に内容おもいだしちゃった……」
紬「あれっ……?」
澪「ん?」
紬「えっと澪ちゃんとりっちゃんは同じ中学校よね?」
澪「………」
紬「………」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:07:58.32:gGCP9kQW0
【こなきりっちゃん的な】
律「みーお」ダキッ
澪「うわっと、律! 急に背中に抱きつくなよ」
律「ふふん」
澪「なんだその含み笑いは」
律「なぁ澪、重いか?」
澪「?……いや、そんなに重くはないけど」
律「ふっ、いつか澪のようなおっぱいに成長して重くなるぜ!」
澪「はは、なんだそれ」
律「ほーら澪、GO、進めー」
澪「おい、なんで乗っかったままなんだよ」
律「いいからいいから」
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:09:57.55:gGCP9kQW0
澪「ったく……ってあれ? なにしてたんだっけ?」
律「はは、なんだ澪、ボケたのか? まぁもう少し行くと解るよ」
澪「ん、なにが?」
律「なにがって、知ってるだろ」
澪「え?」
律「ほらここだ。ここだろ澪?」
澪「うん」(え?なんで私返事してるんだろう)
律「澪が私を殺したのは今から丁度100年前だね」
―――
澪「うわあああああああああああああああああああああ、って……夢か」
澪「よかった………本当によかった……」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:10:43.21:gGCP9kQW0
【無罪】
――通学路
「おーい、澪ー」
澪「!!」ビクッ
律「おはよ、澪。 ってなんでそんな引きつった顔してるんだ?」
澪「律のせいだよっ!!」
律「はっ……?」
澪「律のばか」タッタッタ
律「……私、何かしたっけ」ポツーン
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:17:15.85:gGCP9kQW0
【あと5年もしたら三十路】
さわこ「結婚式かぁ……はぁ……」
唯「ねぇ、さわちゃんが溜息ついてるよ……」ヒソヒソ
律「きっと友達の結婚式見たせいで、焦りみたいなのがうまれたんだろ……」ヒソヒソ
唯「そっか! じゃぁ放っておいてあげたほうがいいかもね」ヒソヒソ
さわこ「そこっ、あなたたち聞こえてるわよ!!」ビシッ
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:18:23.67:gGCP9kQW0
唯「ぶぅー、人がせっかく気を使ったのに~」
律「そうだそうだ!」
さわこ「あなたたちが失礼なこといってるからでしょー!」
律「で、なんで溜息なんか……」
さわこ「………」
唯「さわちゃん?」
さわこ「さてと、仕事しに職員室に戻りますかー」
律「やっぱり図星じゃねぇか」
唯「ていうか、やっぱりさわちゃんここにくつろぎに来てたんだね」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:23:02.20:gGCP9kQW0
【自己分析】
さわこ「だって、、まだ20代の中盤だっていうのに周りがどんどん結婚していくのよー!?」
さわこ「私だって寿退職を夢みるわよー……!」シクシク
唯「さわちゃん……」
さわこ「自分で言うのもなんだけど私だってね、結婚したらいいお嫁さんになると思うのよ~。
だってこうみえても家事もできるし、一応美人教師で通ってるわけじゃない。それに結構尽くすタイプだと思うの」
律「本当に自分で言うのははばかられることばっかりだな」
唯「で先生、肝心のお相手はー?」
さわ子「」
梓「唯先輩がとどめさしましたね」
紬「無自覚……なのよね?」
澪「……さ、さぁ練習しようか。なっ、なっ?」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:25:28.84:gGCP9kQW0
【いつか】
紬「でも、さわ子先生はお綺麗ですしお相手がいないのが不思議ですね」
さわ子「ムギちゃん……! そうよね、周りが見る目がないだけよね!」
律「やっぱり猫かぶってるのがいけないんじゃね?」
さわ子「うっ……」
唯「いつかありのままのさわちゃんを受け入れてくれる人がいるといいね」ポンポン
さわ子「やめて、余計に傷がつくから……」
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:28:50.14:gGCP9kQW0
【儚い】
律「さわちゃんの理想が高すぎるとかあるんじゃね?」
さわ子「えぇー、そんなことないわよー」
唯「ふむふむ、ちなみに先生の理想の相手は?」
さわ子「えっと、まずは優しい人のほうがいいわ。次にできればお金に困らない人のほうが、
後は一緒に家事をやってくれたり、あ、でもなにより私を好きでいてくれれば……」
梓「充分理想高いですね……」
律「夢だな夢」
唯「人の夢って書いて儚いってどこかで見たよ、さわちゃん!」
さわ子「あなたたちたまに容赦ないわね……」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:31:00.20:gGCP9kQW0
【どちらかというと嫁にしたい】
澪「(というか……優しくて……)」チラッ
紬「あ、先生どうぞ。今日はコーヒーセリーにしてみました」
さわ子「あらっ、ありがとう~、ムギちゃん」
梓「(お金に困らなくて……)」チラッ
紬「あ、先生。すいませんスプーン忘れてました」
唯「(家事も出来て……)」チラッ
紬「♪」
唯「ムギちゃん逃げて!」
律「ムギ!いますぐ逃げろ!!」
紬「え?」
さわ子「え?」
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:31:53.83:1IqbFBmCQ
【安堵】
タッタッタッタ ガチャ
梓「先輩方!!」バタン
澪「え?」
律「へ?」
紬「?」
唯「どうしたの?あずにゃん、そんなに慌てて」
梓「あ……よかった……」
唯・律・澪・紬「?」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:38:13.86:gGCP9kQW0
【普段は優等生】
律「は?怖い夢を見た?」
梓「………はい」
律「あっはっはっは! なんだ梓もかわいいところあるなぁ」ガシッ
梓「わぁ、もう頭なでないでください」
澪「わかるぞ梓……そうだよなぁ怖い夢見た後ってとてつもなく不安だよなぁ」
律「くっくっく……それにしても梓が……あははははは」
梓「うぅ……」
唯「もうりっちゃん、わらっちゃかわいそうだよ」ヨシヨシ
梓「あぁん、もう唯先輩もなでないでくださいー」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:39:11.84:gGCP9kQW0
紬「にしても、梓ちゃんも授業中に居眠りなんてあるのね♪」
梓「あっ……」
律「ぷっくくくく」
唯「……っぷ」
梓「あああああ、もういいですいいです。忘れてくださーい!」
唯「ああん、ごめんね、あずにゃんが居眠りしてるところ想像したら……ぷくくくく」
律「梓が居眠りとは……あはははっは」
梓「(うううう……やっぱり言うんじゃなかったあああ)」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:42:20.73:gGCP9kQW0
【普段の行いの差】
律「で、どんな夢を見たんだよ?」
梓「うぅ……もういいです」
唯「ほらっ、りっちゃんが笑いすぎたからだよっ!」
律「なっ、唯も笑ってただろ、このー」
唯「えー、りっちゃんが笑いすぎたせいだよー」
澪「ほら、二人ともだ。二人とも反省しろ」
唯・律「……はい」
紬「それで、梓ちゃん、どんな夢を見たの?」
梓「えっとですね……」
律「(ムギには素直だな、おい)」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:43:47.96:gGCP9kQW0
【うさぎ】
梓「皆さんがバラバラになる夢です」
唯「えっ……あずにゃんなかなかバイオレンスだね」
澪「………えっと……梓……そのホラーな話しか……?」
梓「あわ、違います! えっと皆さんが離れ離れになっていく夢でした」
律「それが怖い夢か」
梓「えっと……はい……」
唯「あずにゃーん!!」ダキッ
梓「うわっ、なんなんですか急に」
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:44:32.53:gGCP9kQW0
唯「よしよし、あずにゃんは寂しがりやだねー」ナデナデ
梓「なっ、べ、べつに寂しかったとかではなくて……」
紬「うふふ、私も梓ちゃんをぎゅっー」ダキッ
梓「もうムギ先輩まで、あーもう挟まれると暑いですって」
澪「そういえばうさぎって寂しくなると死ぬって言うよなー」
律「あー梓は猫だ猫だとおもってたけど、兎の気質もあったのか」
唯「じゃぁ今だけあずにゃんじゃなく、あずぴょんだね!!」
梓「だっー、もうやめてくださいってば」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:49:29.72:gGCP9kQW0
【スタッフロールは死体A】
律「ま、そんな簡単にバラバラにはならないって……そりゃ進路とかはわからないけどさ」
唯「そうだよあずにゃん、いやあずぴょん! 私達は、そう心!心でつながれてるんだよ!」
梓「唯先輩はたまにさらっと恥ずかしいこといいますね。っていうか、あずぴょんはやめてください」
澪「ま、梓は一個下だし不安な気持ちにもなるよなぁ……」
梓「澪先輩……」
律「で、その梓の夢の中では私達はなんで離れ離れになっていってたんだ?」
梓「え……? その……ちょっとひどいことになってましたけど聞きたいですか?」
唯「え?まさか本当にバラバラの死体に……」
梓「だから違いますってば……」
唯「だよねー。さすがにないよね」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:52:05.70:gGCP9kQW0
梓「まず、唯先輩はお菓子の食べすぎで死んでしまったことからはじまりました」
律「ぷっ……」クス
唯「えっ? 結局私死んじゃうの?……あずにゃん……りっちゃんもひどい……」ヨヨヨ
梓「あぁ、もう夢ですからそんな泣きそうな目でこっちみないでください」
律「で、続きは?」
梓「次に唯先輩がいなくなったことで、律先輩と澪先輩が喧嘩します。そしてタイミング悪く律先輩が車に引かれて死にます」
唯「ぷっ……」クスクス
律「唯ー! 梓ー!」
梓「あーもう、だから最初に聞きますかって確認とったじゃないですかー」
律「いや、バイオレンスすぎるだろ! 死人ばっかじゃん」
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:52:58.86:gGCP9kQW0
梓「で、澪先輩は車に引かれたのは自分のせいだ と言って病みます」
澪「……なんか全体的に鬱蒼としてきたな」
梓「残された私とムギ先輩はどうしようもなくなって解散ということになり、ムギ先輩はお家を継ぎます」
紬「あらあらうふふ♪」
唯「ムギちゃんだけ無事!」
梓「で、私だけがポツンと一人残されて……って律先輩と唯先輩抱き合ってなにしてるんですか」
律「あきらめろ、唯……これが人望の差だ……きっと梓の中では私達はピラミッドの底辺」
唯「厳しい現実だね、りっちゃん……。私あずにゃんの夢の中じゃ死人スタートだったよ……」
梓「だっー、わざとらしい三文芝居をはじめないでください!!」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:55:21.37:gGCP9kQW0
【帰り道・エロゲならフラグが立ってる】
澪「なぁ、律……」
律「ん?」
澪「……私達喧嘩別れとかないよな?」
律「なんだ? あっ、梓の夢のこと気にしてるのか。はは、馬鹿だなぁ澪は」
澪「いや、だって」
律「ないない。所詮夢だって」
澪「……だよな。うん、ないよな」
律「あはは、それに私達ってなんていうか、あれ、腐れ縁って感じじゃん?」
澪「いや、もうちょっと言葉選ぼうな律。腐れって……」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:56:07.57:gGCP9kQW0
律「まぁ、そんな感じじゃん」
澪「うん……だな」
律「澪こそ男ができたからって、この縁切ろうとすんなよー」
澪「なっ、お、お、男……!?」
律「うむ、このうぶな反応じゃまだ先の話しだな」
澪「うぅ……」
律「どのみち、私の感じゃ死ぬまでこの縁は続いてるって」
澪「律…………でもそれは嫌だなぁ」
律「うぉいっ!」
澪「あははは、嘘だよ」
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 02:03:55.77:gGCP9kQW0
【帰り道・寂しがりやな猫】
梓「あ、あの! 唯先輩?」
唯「ん、なにあずにゃん?」
梓「えっと……さっきの話し気にしてます?」
唯「?」
梓「さっきの夢の話しです」
唯「あぁ、あれねー。うーん、あずにゃんの夢にゲスト出演が死人っていうのはショックだけど……」
梓「うぅ、なんかすいません……ってけど?」
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 02:04:37.28:gGCP9kQW0
唯「あはは、謝ることじゃないよあずにゃん。
まぁ、そういう夢を見て怖いと思ってくれたってことは、私達と一緒にいたいってことだもんね」
梓「唯先輩……」
唯「それにね」
梓「はい?」
唯「やっぱりあずにゃんはあずぴょんじゃなく、あずにゃんだよ!!」フンス
梓「………」
唯「あれ?」
梓「もう、私の感動を返してくださいっ!!」
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 02:09:59.61:gGCP9kQW0
【レギュラー出演のあの人】
純「憂はあれだよねー。夢とかあんまり見なさそう。毎日熟睡って感じ」
梓「あー、たしかに夢って眠りが浅いときに見るっていうもんね」
憂「えー、そんなことないよ? 私だって夢を見るときくらいあるよ」
純「え? 例えばどんな夢」
梓「だいたい想像つくけどね」
憂「え?」
純「……あぁ」
憂「え?え?」
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 02:14:36.83:gGCP9kQW0
【隊員「りっちゃんの単独メタルプレートつくれよ」】
唯「ねぇねぇ、すごい夢を見たよ!」
澪「なんだ唯? あ、口元によだれのあとついてるぞ」
梓「唯先輩また授業中寝てましたね」
唯「そんなことより、すごい夢をみたよ」
紬「唯ちゃん、ちょっと口元失礼するわね」フキフキ
唯「ありがとうムギちゃん……」
律「で、なんだって?」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 02:16:24.28:gGCP9kQW0
唯「えっとね、私達がすっごく有名になる夢をみたよ。
デビューしててCDは大ヒットして、商品とかもいろいろ出て」
唯「それでね、コンビニでタイアップ商品とかが出て」
律「……なんかどっかのアイドルみたいんだな」
唯「最後には銀幕デビューだよっ!」
澪「ムリムリムリ、映画なんて無理無理」
律「いや澪、唯の夢だから……」
紬「でも、本当に楽しそうね♪」
唯「爆売れだよ爆売れ! 売れっ子ミュージシャン。あ、でも……」
律「でも?」
唯「りっちゃんのグッズは残ってた気がする」
梓「っぷ」
律「唯っー!! なかのっー!」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 02:26:35.47:gGCP9kQW0
【進路決定前】
唯「将来の夢……うーん……」
梓「唯先輩はなにを悩んでいるんですか?」
澪「ああ、さわこ先生に進路希望をまだ出してなくてな」
紬「そうしたら、さわ子先生が将来の夢とかにかかわる進路とかでいいわよ って」
梓「あぁ、それで悩んでるんですか。澪先輩とかムギ先輩はもうすでに?」
紬「えぇ、私は前から言ってた女子大のほうに」
澪「……」
梓「澪先輩?」
澪「あ、いやなんでもないよ? ほーら、唯はやく出さないとまたさわ子先生に……」
『3年生の平沢さん 今すぐ職員室に来なさい』
澪「ほら」
唯「あう……さわちゃん、わざわざそんな校内放送じゃなくても……」
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 02:30:29.10:gGCP9kQW0
【デジャブ】
ガチャ
唯「ただいまー」
律「ういーす」
澪「あれ、律も一緒だったのか」
唯「なんとりっちゃんも呼び出されていたのです!」
律「いたのだ!」
梓「軽音部から進路未定が二人も……」
律「こらっー、なかのー! 私達はそれだけ真剣なんだぞ!」
唯「そうだよあずにゃん、私達は真剣なんだよ」
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 02:31:13.32:gGCP9kQW0
澪「で、どうなったんだ?」
唯「そうそう、帰ってくるときにねー、りっちゃんと話してたんだけど、私達の夢はやっぱり武道館だよ!」
律「武道館でライブだー、おー!」
紬「おー!」
梓「って、いつのまにかムギ先輩まで。 いいから真面目に進路希望書いてくださいよー」
唯「ちぇー、あずにゃんのいけずぅー……えっと、第一希望ミュージシャンっと」カキカキ
律「よしかけた」
梓「いやいやいや、前怒られたときと同じじゃないですかー!」
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 02:35:06.05:gGCP9kQW0
【いつか】
律「よっし、じゃ、唯の分もさわちゃんに出してきてやるよ」
唯「おー、ありがたやーりっちゃんやー」
律「それじゃ行って来る」タッタッタ
梓「本当にあのままで行きましたね……」
澪「……」
梓「澪先輩?」
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 02:36:31.49:gGCP9kQW0
澪「あぁ、ごめん。ちょっと考え事してた。
そういえば軽音部のはじまりも目指せ武道館って言ってたなぁって」
唯「そうだよ! いまもその途中だよ」
梓「もうちょっと真剣に進路は考えてくださいよー」
澪「……でもそうなんだよな。 あの時、唯も部活に入って律が武道館だーって目標を決めて……」
紬「うふふ、楽しかったわね♪」
梓「澪先輩……ムギ先輩……。 ……わたしもたまに唯先輩たちと同学年がよかったなぁって思うときがありますよ」
唯「あずにゃん?」
梓「いえ、別に恨めしいとかそういうんじゃないんですよ。
この学年じゃないと憂と純とクラスメイトになれなかったわけですし……でもほんのちょっぴり思うときがあります」
唯「あずにゃん、」ガバッ
梓「あー、もうなんんですか。いきなり」
唯「大丈夫だよあずにゃん」ナデナデ
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 02:38:17.25:gGCP9kQW0
梓「なにが大丈夫なんですか?」
唯「私達がかつて見た夢はまだ続いてて、今ではその中にはあずにゃんもいるから大丈夫だよ」
梓「唯先輩……自分でなにいってるかあんまりわかってないですね」
唯「うん、そうかもね。でも……はじまりは違っても終わりは一緒だといいねって話だよ。ね、澪ちゃんムギちゃん」
紬「えぇ♪」
澪「そうだな……それにきっと律も」
唯「うん、だからあずにゃんは知っておいてね。私達がかつてもこんな夢をみたってこと」
梓「……はい!」
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 02:39:54.57:gGCP9kQW0
【あの時君は若かった】
――職員室
律「はい、これ私の分。あと唯の分も」
さわ子「はい、確かに。 っとどれどれ」
―第一希望 ミュージシャン―
さわ子「………」
律「さわちゃん?」
さわ子「あなたたち前と変わってないじゃない!! 却下です。まじめに書きなさい」
律「えー、たっくぅ……さわちゃんは文句ばっかり……」
さわ子「文句じゃなありません。指導です。 はい、もう一回書き直しね」
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 02:41:05.80:gGCP9kQW0
律「ちぇっ……」トボトボ
ガラガラ
さわ子「ったく……あの子たちは……」チラッ
さわ子「……ミュージシャンねぇ…………………ふふ」
さわ子「ほんと、あの子たちと一緒にいると昔を思い出すわ」
唯「こんな夢を見た」 おわり
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 02:43:47.81:2xgg0Ci40
唯「お・も・っ・て・た・ん・だ・ね?」
梓「……ほんの少し」
唯「あー、あずにゃん認めたー!ひどいっ」ヨヨヨ
梓「もうそんなバレバレの泣きまねにはひっかかりませんよ」
唯「……私のあずにゃんの性格が歪んでしまった……先輩として悲しいよあずにゃん」
梓「あぁっともう、そんなところで泣き崩れるマネしないでくださいよ。制服汚れますってば」
唯「あずにゃんはそんな私に手さえ差し伸べてくれないんだね……」じっー
梓「……ほらっ、立ち上がってくださいよ」スッ
唯「あずにゃーん!」ガバッ
梓「ああもう、なんで手を差し出したのに抱きつくんですかー」
唯「ふふ、やっぱりこの感触は私のあずにゃんだよ!!」
梓「唯先輩の所有物になったつもりはないですけど、満足そうならよかったです」
唯「あずにゃん……なんか手馴れたね……」
梓「そりゃぁ、抱きつかれるのにももう慣れますよ……」
唯「ってあれ?なんの話してたっけ?」
梓「唯先輩ってほんとに自由に生きてますね」
【闇の中】
唯「はっ!そうだ。夢の話だった!!あまりのあずにゃんの抱き心地に忘れちゃうところだったよ」
梓「今の反応でわかりましたけど、忘れるってことは唯先輩自身でどうでもいいと思ってる話題ですよね」
唯「違うよあずにゃん、私は夢の話しよりあずにゃんとの触れ合いを優先しただけで、夢の話も重要だよっ!」
梓「……まぁいいです。で、結局その夢ってなんだったんですか?」
唯「えっとそのね、さっき授業中に見た夢なんだけどね……あずにゃんがね……」
梓「私ですか?」
唯「そうあずにゃんがでてきて………」
梓「?」
唯「……」
梓「どうしたんですか?」
唯「忘れた……」
梓「はい?」
唯「あずにゃんと話してたら夢の詳しい内容をわすれちゃったよ!」
梓「……」
唯「うーん、楽しい夢だったような気もするんだけど……あっれー?」
梓「……」
唯「あずにゃん? もしかして気になるー?」ニヤニヤ
梓「なっ!? べつに気になってなんかいません」
唯「ふふ、かわいいやつじゃー。よしよし」ダキッ
梓「あー、もうやめてくださいって」
【連鎖】
――夜・梓の自室
梓「……とは言ったものの気になるなー」
梓「はっ!これじゃぁ唯先輩の思惑にはまった気がする……」
梓「……もう忘れて寝てしまおう……うんそうしよう」ヨイショ
――5分後
梓「……」ゴロン
――10分後
梓「……」ゴロ
――30分後
梓「……」ゴロッ
梓「あああ、寝れないよー!」
梓「唯先輩に明日文句いってやろう……まったくほんと唯先輩は……」ブツブツ
――1時間後
梓「ていうか、いつも唯先輩はそうなんだよ……練習しないし……」ブツブツ
――2時間後
梓「すぅーすぅー」
――朝
梓「……うーん……はっ」ガバッ
梓「……唯先輩の夢を見た」
梓「………」
梓「寝る前に唯先輩のことばっかりぼやいてたせいかな?」
梓「まさかこれも唯先輩の狙い!?」
梓「……なんか悔しいから唯先輩には絶対にこの話しはしないことにしよう」
【印象】
律「こんな夢を見た……ねぇ……」
澪「おっ、律が文学の話しなんて珍しいな」
律「へ?」
澪「え?」
律「え? いやなんで文学?」
澪「えっ、だって今“こんな夢を見たって”……」
律「あぁ、それか。いや唯と梓がそんな話しをしてたなぁって」
澪「なんだ、そういうことか。いやぁ律が純文学読むなんておかしいと思ったら……」
律「どういう意味だっ! 私だって本くらい読むわいっ!!」
【屈辱と逃亡】
梓「本くらいと言っておいて、さっきの反応で律先輩がこの話しを読んでないのはわかったわけで……」
律「うっ……」
澪「まぁ読んでたら、「なんで文学?」なんて言わないよな」
律「うう……」
紬「大丈夫、りっちゃんのいいところは他にいっぱいあるわ」
律「ムギ……!」
澪「でも「いいところは他にある」って、完全に問題から目を逸らしたよな」
梓「ですね」
紬「あはは……」
律「お前らっー!!」
唯「りっちゃん、正直に話すなら今だよ」ポン
律「唯に諭されるのはなんか屈辱だな……」
唯「!?」ガーン
律「ええい、いいんだよー! 本なんか読まなくたって生きていける!」
唯「おおっ、りっちゃんが開き直った!」
澪「いや、唯。あれはどっちかというとヤケになったといったほうが」
律「………ちくしょおおー」ダッ
梓「あ、逃げましたね」
唯「おお、りっちゃん足はやーい」
【たどりついた場所】
――生徒会室
律「のどか~!!」ガラガラ
和「えっ、律? え、どうしたの急に」
律「のどかー、軽音部で部長いじめが発生している。なんとかしてくれ」
和「……」
律「なんだその目は」
和「いや、いつものじゃれ合いかと思って」
律「なにをっー! こっちは真剣なんだぞ。生徒会長だろ、なんとかしてくれ」
和「はいはい、わかったからとりあえずそこに座ったら?」
律「むっ、なんか適当になってないか」
和「はいはい、それでどうしたの?」
律「いやぁ、さっきのことだけど、私が「こんな夢をみた」って呟いたら……」
和「あらっ? 律が文学なんて意外ね」
律「………」
和「?」
律「和なんて嫌いだああああ」ダッ
和「ちょ、律!?」
【仲間探し】
――廊下
澪「ったく、律はどこいったんだ……」
唯「あっ」
紬「あっ」
梓「え?二人ともどうしたんですか」
紬「りっちゃん、いたわ♪ ほらあれ」
澪「あれは生徒会室か……」
唯「でもまたどこかに走っていったよ? あ、おーい和ちゃーん」
和「唯?……って軽音部でぞろぞろとどうしたの?」
唯「りっちゃんのお迎えなのです!」エヘン
和「ああ、それなら律のこと任せていいかしら? なぜか急に大嫌いだー とか言って走ってどこかにいっちゃって……」
澪「和……ごめんな。また律が迷惑かけたみたいで」
和「え、ええ。それにしてもどうしたのかしら、文学なんて意外ねって言ったことが気に触ったのかしら」
澪「いや、そうじゃなくて……」
和「?」
澪「多分、自分と同じ仲間探しでもしてるんだと思う」
和「……? まぁ、よくわからないけど後はよろしくね。私まだ生徒会の仕事が残ってるのよ。」
唯「またねー、和ちゃん」バイバイ
【比較的自由な人達】
………
……
澪「……とりあえず部室に帰るか」
唯「えぇっー!? 澪ちゃん薄情だよ~」
澪「いや、だってどこにいったか分かんないし。どうせ飽きたら戻ってくるだろ」
梓「とりあえず唯先輩は練習しないといけませんしね」
唯「えっ?……やっぱり私はりっちゃんが心配だから探しにry」
梓「そういえば唯先輩、まだ部室にケーキ食べかけできましたよね」
唯「!!」
澪「そういや紅茶も飲んでる途中だったな」
唯「あずにゃん、澪ちゃん!!はやく部室に戻るよ!!」ダッ
梓「……こんなときだけ唯先輩は……」
澪「ま、とりあえず帰るか。な、ムギ……ってムギもいない!?」
梓「ムギ先輩はさっき楽しそうに律先輩の走っていったほうに走っていきましたよ」
澪「……あー、まぁじゃぁ、律はムギに任せる方向で」
梓「……そうですね」
澪「ていうか、同類探ししてるのに和のところに行くのが間違いだよなあ。和とか絶対本読んでそうだし」
梓「たぶん、とりあえず知り合いのところに行こうって考えたんじゃないでしょうか」
澪「……戻るか」
梓「……はい」
【分かる人、分からない人】
憂「それじゃ、純ちゃん帰ろっか」
純「いやー、悪いねー。掃除終わるまで待たせるどころか手伝ってもらっちゃって……ってなんか聞こえない?」
憂「え?」
「―――ういちゃーん」タッタッタッタ
憂「ほんとだ……でも聞いたことある声のような」
純「って憂、後ろー後ろ」
憂「え?」
律「ゼェゼェ……」
憂「律さん……?」
律「憂ちゃんは……」
憂「?」
律「憂ちゃんは「こんな夢を見た」なんていう本知らないよね?」
憂「へ? ……えっと夏目漱石ですか?」
律「……!!………そんな……年下の女の子にまで……」ガーン
純「え?律先輩なんの話しですか?」
律「純ちゃん! そうだ純ちゃんは「こんな夢を見た」なんて本知らないよな?」
純「……? 夢占いかなにかですか?」
律「純ちゃん……!! 結婚しよう」ダキッ
純「えええええー、ってちょ、ええ? なにどういうこと? え、どうなってるの?」
憂「あははは……」
純「いや、ホントどうなってるの!?
ていうか、あそこの廊下の柱のかげからムギ先輩が幸せそうな顔でこっち見てるんだけど……」
憂「えっと純ちゃん、私やっぱり先に帰るね」
純「えっ、ちょ、憂ー、うーいー……」
【身近な同類】
梓「ていうか、唯先輩も絶対に知らないですよね」
唯「ふっふっふ、さすがあずにゃん、私のことよくわかってるね!」
梓「…………」
唯「どうしたのあずにゃん?」
梓「いえ、唯先輩はたくましいなって」
唯「えへへ、そんなに褒めたってなにも出ないよ?」
梓「褒めたわけじゃ……いや、もうなんかそれでいいです」
【三度目の逃亡】
澪「ほら、唯、食べたのなら練習するぞー」
唯「えー、でもりっちゃんとムギちゃんがいないよー」
「なんだよー、結局追いかけてきてくれたのはムギだけかよー」
「うふふ、おかげでいいものが見れたわぁ♪」
梓「帰ってきましたね」
――ガチャ
律「へっへーん、お前ら! 別に知らなかったの私だけじゃなかったもんねー」
澪「で、結局何かわかったのか?」
律「え………えっと夏目漱石の……」
澪「タイトルは?」
律「………」
澪「?」
律「ちくしょおおお、今日はもう解散だああああ」
【一夜とか三夜とかは特に】
紬「それにしても澪ちゃん、大丈夫だったの?」
澪「え?なんのこと?」
紬「えっと夢十夜って結構ホラーチックな話しが……」
澪「………」
紬「澪ちゃん?」
澪「……ムギどうしよう…………」ブルブル
紬「え?」
澪「……内容を思い出しちゃって多分今日眠れない」
紬「えっと、ごめんなさい」
【やった人、やらなかった人】
澪「実は中学の時に夏休みの宿題に読書感想文みたいなのがあって」
紬「あぁ、うちの中学校にもあったわ」
澪「で、その課題が夢十夜で……あぁ、あの時は1週間はまともに寝られなかったなぁ」
紬「それで読んだのね」
澪「うぅ……完全に内容おもいだしちゃった……」
紬「あれっ……?」
澪「ん?」
紬「えっと澪ちゃんとりっちゃんは同じ中学校よね?」
澪「………」
紬「………」
【こなきりっちゃん的な】
律「みーお」ダキッ
澪「うわっと、律! 急に背中に抱きつくなよ」
律「ふふん」
澪「なんだその含み笑いは」
律「なぁ澪、重いか?」
澪「?……いや、そんなに重くはないけど」
律「ふっ、いつか澪のようなおっぱいに成長して重くなるぜ!」
澪「はは、なんだそれ」
律「ほーら澪、GO、進めー」
澪「おい、なんで乗っかったままなんだよ」
律「いいからいいから」
澪「ったく……ってあれ? なにしてたんだっけ?」
律「はは、なんだ澪、ボケたのか? まぁもう少し行くと解るよ」
澪「ん、なにが?」
律「なにがって、知ってるだろ」
澪「え?」
律「ほらここだ。ここだろ澪?」
澪「うん」(え?なんで私返事してるんだろう)
律「澪が私を殺したのは今から丁度100年前だね」
―――
澪「うわあああああああああああああああああああああ、って……夢か」
澪「よかった………本当によかった……」
【無罪】
――通学路
「おーい、澪ー」
澪「!!」ビクッ
律「おはよ、澪。 ってなんでそんな引きつった顔してるんだ?」
澪「律のせいだよっ!!」
律「はっ……?」
澪「律のばか」タッタッタ
律「……私、何かしたっけ」ポツーン
【あと5年もしたら三十路】
さわこ「結婚式かぁ……はぁ……」
唯「ねぇ、さわちゃんが溜息ついてるよ……」ヒソヒソ
律「きっと友達の結婚式見たせいで、焦りみたいなのがうまれたんだろ……」ヒソヒソ
唯「そっか! じゃぁ放っておいてあげたほうがいいかもね」ヒソヒソ
さわこ「そこっ、あなたたち聞こえてるわよ!!」ビシッ
唯「ぶぅー、人がせっかく気を使ったのに~」
律「そうだそうだ!」
さわこ「あなたたちが失礼なこといってるからでしょー!」
律「で、なんで溜息なんか……」
さわこ「………」
唯「さわちゃん?」
さわこ「さてと、仕事しに職員室に戻りますかー」
律「やっぱり図星じゃねぇか」
唯「ていうか、やっぱりさわちゃんここにくつろぎに来てたんだね」
【自己分析】
さわこ「だって、、まだ20代の中盤だっていうのに周りがどんどん結婚していくのよー!?」
さわこ「私だって寿退職を夢みるわよー……!」シクシク
唯「さわちゃん……」
さわこ「自分で言うのもなんだけど私だってね、結婚したらいいお嫁さんになると思うのよ~。
だってこうみえても家事もできるし、一応美人教師で通ってるわけじゃない。それに結構尽くすタイプだと思うの」
律「本当に自分で言うのははばかられることばっかりだな」
唯「で先生、肝心のお相手はー?」
さわ子「」
梓「唯先輩がとどめさしましたね」
紬「無自覚……なのよね?」
澪「……さ、さぁ練習しようか。なっ、なっ?」
【いつか】
紬「でも、さわ子先生はお綺麗ですしお相手がいないのが不思議ですね」
さわ子「ムギちゃん……! そうよね、周りが見る目がないだけよね!」
律「やっぱり猫かぶってるのがいけないんじゃね?」
さわ子「うっ……」
唯「いつかありのままのさわちゃんを受け入れてくれる人がいるといいね」ポンポン
さわ子「やめて、余計に傷がつくから……」
【儚い】
律「さわちゃんの理想が高すぎるとかあるんじゃね?」
さわ子「えぇー、そんなことないわよー」
唯「ふむふむ、ちなみに先生の理想の相手は?」
さわ子「えっと、まずは優しい人のほうがいいわ。次にできればお金に困らない人のほうが、
後は一緒に家事をやってくれたり、あ、でもなにより私を好きでいてくれれば……」
梓「充分理想高いですね……」
律「夢だな夢」
唯「人の夢って書いて儚いってどこかで見たよ、さわちゃん!」
さわ子「あなたたちたまに容赦ないわね……」
【どちらかというと嫁にしたい】
澪「(というか……優しくて……)」チラッ
紬「あ、先生どうぞ。今日はコーヒーセリーにしてみました」
さわ子「あらっ、ありがとう~、ムギちゃん」
梓「(お金に困らなくて……)」チラッ
紬「あ、先生。すいませんスプーン忘れてました」
唯「(家事も出来て……)」チラッ
紬「♪」
唯「ムギちゃん逃げて!」
律「ムギ!いますぐ逃げろ!!」
紬「え?」
さわ子「え?」
ああ、混ざりたい混ざりたい
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 01:35:55.26:gGCP9kQW0【安堵】
タッタッタッタ ガチャ
梓「先輩方!!」バタン
澪「え?」
律「へ?」
紬「?」
唯「どうしたの?あずにゃん、そんなに慌てて」
梓「あ……よかった……」
唯・律・澪・紬「?」
【普段は優等生】
律「は?怖い夢を見た?」
梓「………はい」
律「あっはっはっは! なんだ梓もかわいいところあるなぁ」ガシッ
梓「わぁ、もう頭なでないでください」
澪「わかるぞ梓……そうだよなぁ怖い夢見た後ってとてつもなく不安だよなぁ」
律「くっくっく……それにしても梓が……あははははは」
梓「うぅ……」
唯「もうりっちゃん、わらっちゃかわいそうだよ」ヨシヨシ
梓「あぁん、もう唯先輩もなでないでくださいー」
紬「にしても、梓ちゃんも授業中に居眠りなんてあるのね♪」
梓「あっ……」
律「ぷっくくくく」
唯「……っぷ」
梓「あああああ、もういいですいいです。忘れてくださーい!」
唯「ああん、ごめんね、あずにゃんが居眠りしてるところ想像したら……ぷくくくく」
律「梓が居眠りとは……あはははっは」
梓「(うううう……やっぱり言うんじゃなかったあああ)」
【普段の行いの差】
律「で、どんな夢を見たんだよ?」
梓「うぅ……もういいです」
唯「ほらっ、りっちゃんが笑いすぎたからだよっ!」
律「なっ、唯も笑ってただろ、このー」
唯「えー、りっちゃんが笑いすぎたせいだよー」
澪「ほら、二人ともだ。二人とも反省しろ」
唯・律「……はい」
紬「それで、梓ちゃん、どんな夢を見たの?」
梓「えっとですね……」
律「(ムギには素直だな、おい)」
【うさぎ】
梓「皆さんがバラバラになる夢です」
唯「えっ……あずにゃんなかなかバイオレンスだね」
澪「………えっと……梓……そのホラーな話しか……?」
梓「あわ、違います! えっと皆さんが離れ離れになっていく夢でした」
律「それが怖い夢か」
梓「えっと……はい……」
唯「あずにゃーん!!」ダキッ
梓「うわっ、なんなんですか急に」
唯「よしよし、あずにゃんは寂しがりやだねー」ナデナデ
梓「なっ、べ、べつに寂しかったとかではなくて……」
紬「うふふ、私も梓ちゃんをぎゅっー」ダキッ
梓「もうムギ先輩まで、あーもう挟まれると暑いですって」
澪「そういえばうさぎって寂しくなると死ぬって言うよなー」
律「あー梓は猫だ猫だとおもってたけど、兎の気質もあったのか」
唯「じゃぁ今だけあずにゃんじゃなく、あずぴょんだね!!」
梓「だっー、もうやめてくださいってば」
【スタッフロールは死体A】
律「ま、そんな簡単にバラバラにはならないって……そりゃ進路とかはわからないけどさ」
唯「そうだよあずにゃん、いやあずぴょん! 私達は、そう心!心でつながれてるんだよ!」
梓「唯先輩はたまにさらっと恥ずかしいこといいますね。っていうか、あずぴょんはやめてください」
澪「ま、梓は一個下だし不安な気持ちにもなるよなぁ……」
梓「澪先輩……」
律「で、その梓の夢の中では私達はなんで離れ離れになっていってたんだ?」
梓「え……? その……ちょっとひどいことになってましたけど聞きたいですか?」
唯「え?まさか本当にバラバラの死体に……」
梓「だから違いますってば……」
唯「だよねー。さすがにないよね」
梓「まず、唯先輩はお菓子の食べすぎで死んでしまったことからはじまりました」
律「ぷっ……」クス
唯「えっ? 結局私死んじゃうの?……あずにゃん……りっちゃんもひどい……」ヨヨヨ
梓「あぁ、もう夢ですからそんな泣きそうな目でこっちみないでください」
律「で、続きは?」
梓「次に唯先輩がいなくなったことで、律先輩と澪先輩が喧嘩します。そしてタイミング悪く律先輩が車に引かれて死にます」
唯「ぷっ……」クスクス
律「唯ー! 梓ー!」
梓「あーもう、だから最初に聞きますかって確認とったじゃないですかー」
律「いや、バイオレンスすぎるだろ! 死人ばっかじゃん」
梓「で、澪先輩は車に引かれたのは自分のせいだ と言って病みます」
澪「……なんか全体的に鬱蒼としてきたな」
梓「残された私とムギ先輩はどうしようもなくなって解散ということになり、ムギ先輩はお家を継ぎます」
紬「あらあらうふふ♪」
唯「ムギちゃんだけ無事!」
梓「で、私だけがポツンと一人残されて……って律先輩と唯先輩抱き合ってなにしてるんですか」
律「あきらめろ、唯……これが人望の差だ……きっと梓の中では私達はピラミッドの底辺」
唯「厳しい現実だね、りっちゃん……。私あずにゃんの夢の中じゃ死人スタートだったよ……」
梓「だっー、わざとらしい三文芝居をはじめないでください!!」
【帰り道・エロゲならフラグが立ってる】
澪「なぁ、律……」
律「ん?」
澪「……私達喧嘩別れとかないよな?」
律「なんだ? あっ、梓の夢のこと気にしてるのか。はは、馬鹿だなぁ澪は」
澪「いや、だって」
律「ないない。所詮夢だって」
澪「……だよな。うん、ないよな」
律「あはは、それに私達ってなんていうか、あれ、腐れ縁って感じじゃん?」
澪「いや、もうちょっと言葉選ぼうな律。腐れって……」
律「まぁ、そんな感じじゃん」
澪「うん……だな」
律「澪こそ男ができたからって、この縁切ろうとすんなよー」
澪「なっ、お、お、男……!?」
律「うむ、このうぶな反応じゃまだ先の話しだな」
澪「うぅ……」
律「どのみち、私の感じゃ死ぬまでこの縁は続いてるって」
澪「律…………でもそれは嫌だなぁ」
律「うぉいっ!」
澪「あははは、嘘だよ」
【帰り道・寂しがりやな猫】
梓「あ、あの! 唯先輩?」
唯「ん、なにあずにゃん?」
梓「えっと……さっきの話し気にしてます?」
唯「?」
梓「さっきの夢の話しです」
唯「あぁ、あれねー。うーん、あずにゃんの夢にゲスト出演が死人っていうのはショックだけど……」
梓「うぅ、なんかすいません……ってけど?」
唯「あはは、謝ることじゃないよあずにゃん。
まぁ、そういう夢を見て怖いと思ってくれたってことは、私達と一緒にいたいってことだもんね」
梓「唯先輩……」
唯「それにね」
梓「はい?」
唯「やっぱりあずにゃんはあずぴょんじゃなく、あずにゃんだよ!!」フンス
梓「………」
唯「あれ?」
梓「もう、私の感動を返してくださいっ!!」
【レギュラー出演のあの人】
純「憂はあれだよねー。夢とかあんまり見なさそう。毎日熟睡って感じ」
梓「あー、たしかに夢って眠りが浅いときに見るっていうもんね」
憂「えー、そんなことないよ? 私だって夢を見るときくらいあるよ」
純「え? 例えばどんな夢」
梓「だいたい想像つくけどね」
憂「え?」
純「……あぁ」
憂「え?え?」
【隊員「りっちゃんの単独メタルプレートつくれよ」】
唯「ねぇねぇ、すごい夢を見たよ!」
澪「なんだ唯? あ、口元によだれのあとついてるぞ」
梓「唯先輩また授業中寝てましたね」
唯「そんなことより、すごい夢をみたよ」
紬「唯ちゃん、ちょっと口元失礼するわね」フキフキ
唯「ありがとうムギちゃん……」
律「で、なんだって?」
唯「えっとね、私達がすっごく有名になる夢をみたよ。
デビューしててCDは大ヒットして、商品とかもいろいろ出て」
唯「それでね、コンビニでタイアップ商品とかが出て」
律「……なんかどっかのアイドルみたいんだな」
唯「最後には銀幕デビューだよっ!」
澪「ムリムリムリ、映画なんて無理無理」
律「いや澪、唯の夢だから……」
紬「でも、本当に楽しそうね♪」
唯「爆売れだよ爆売れ! 売れっ子ミュージシャン。あ、でも……」
律「でも?」
唯「りっちゃんのグッズは残ってた気がする」
梓「っぷ」
律「唯っー!! なかのっー!」
【進路決定前】
唯「将来の夢……うーん……」
梓「唯先輩はなにを悩んでいるんですか?」
澪「ああ、さわこ先生に進路希望をまだ出してなくてな」
紬「そうしたら、さわ子先生が将来の夢とかにかかわる進路とかでいいわよ って」
梓「あぁ、それで悩んでるんですか。澪先輩とかムギ先輩はもうすでに?」
紬「えぇ、私は前から言ってた女子大のほうに」
澪「……」
梓「澪先輩?」
澪「あ、いやなんでもないよ? ほーら、唯はやく出さないとまたさわ子先生に……」
『3年生の平沢さん 今すぐ職員室に来なさい』
澪「ほら」
唯「あう……さわちゃん、わざわざそんな校内放送じゃなくても……」
【デジャブ】
ガチャ
唯「ただいまー」
律「ういーす」
澪「あれ、律も一緒だったのか」
唯「なんとりっちゃんも呼び出されていたのです!」
律「いたのだ!」
梓「軽音部から進路未定が二人も……」
律「こらっー、なかのー! 私達はそれだけ真剣なんだぞ!」
唯「そうだよあずにゃん、私達は真剣なんだよ」
澪「で、どうなったんだ?」
唯「そうそう、帰ってくるときにねー、りっちゃんと話してたんだけど、私達の夢はやっぱり武道館だよ!」
律「武道館でライブだー、おー!」
紬「おー!」
梓「って、いつのまにかムギ先輩まで。 いいから真面目に進路希望書いてくださいよー」
唯「ちぇー、あずにゃんのいけずぅー……えっと、第一希望ミュージシャンっと」カキカキ
律「よしかけた」
梓「いやいやいや、前怒られたときと同じじゃないですかー!」
【いつか】
律「よっし、じゃ、唯の分もさわちゃんに出してきてやるよ」
唯「おー、ありがたやーりっちゃんやー」
律「それじゃ行って来る」タッタッタ
梓「本当にあのままで行きましたね……」
澪「……」
梓「澪先輩?」
澪「あぁ、ごめん。ちょっと考え事してた。
そういえば軽音部のはじまりも目指せ武道館って言ってたなぁって」
唯「そうだよ! いまもその途中だよ」
梓「もうちょっと真剣に進路は考えてくださいよー」
澪「……でもそうなんだよな。 あの時、唯も部活に入って律が武道館だーって目標を決めて……」
紬「うふふ、楽しかったわね♪」
梓「澪先輩……ムギ先輩……。 ……わたしもたまに唯先輩たちと同学年がよかったなぁって思うときがありますよ」
唯「あずにゃん?」
梓「いえ、別に恨めしいとかそういうんじゃないんですよ。
この学年じゃないと憂と純とクラスメイトになれなかったわけですし……でもほんのちょっぴり思うときがあります」
唯「あずにゃん、」ガバッ
梓「あー、もうなんんですか。いきなり」
唯「大丈夫だよあずにゃん」ナデナデ
梓「なにが大丈夫なんですか?」
唯「私達がかつて見た夢はまだ続いてて、今ではその中にはあずにゃんもいるから大丈夫だよ」
梓「唯先輩……自分でなにいってるかあんまりわかってないですね」
唯「うん、そうかもね。でも……はじまりは違っても終わりは一緒だといいねって話だよ。ね、澪ちゃんムギちゃん」
紬「えぇ♪」
澪「そうだな……それにきっと律も」
唯「うん、だからあずにゃんは知っておいてね。私達がかつてもこんな夢をみたってこと」
梓「……はい!」
【あの時君は若かった】
――職員室
律「はい、これ私の分。あと唯の分も」
さわ子「はい、確かに。 っとどれどれ」
―第一希望 ミュージシャン―
さわ子「………」
律「さわちゃん?」
さわ子「あなたたち前と変わってないじゃない!! 却下です。まじめに書きなさい」
律「えー、たっくぅ……さわちゃんは文句ばっかり……」
さわ子「文句じゃなありません。指導です。 はい、もう一回書き直しね」
律「ちぇっ……」トボトボ
ガラガラ
さわ子「ったく……あの子たちは……」チラッ
さわ子「……ミュージシャンねぇ…………………ふふ」
さわ子「ほんと、あの子たちと一緒にいると昔を思い出すわ」
唯「こんな夢を見た」 おわり
乙
原作アニメのツボ突くような場面もあって面白かった
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 02:44:42.96:gGCP9kQW0原作アニメのツボ突くような場面もあって面白かった
ごめんね、のろのろと。
支援お疲れ様でした と ありがとうございました
もしここにいる人がいるなら早く寝ろよ。
明日はローソンでゼリー戦争だぞ
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 02:55:49.18:uQt8MITf0支援お疲れ様でした と ありがとうございました
もしここにいる人がいるなら早く寝ろよ。
明日はローソンでゼリー戦争だぞ
乙
和んだよ
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 03:03:07.52:VpMB1kPH0和んだよ
おつ
少し角度を変えた原作って感じで良かった
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 03:54:13.48:sGFHazBS0少し角度を変えた原作って感じで良かった
短編集って感じで面白かったよ
コメント 5
コメント一覧 (5)
ttp://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/799_14972.html
こういう作品、ずっと読んでいたいなぁ…