-
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/27(金) 21:06:26.40:ayTW2/XjP
佐々木「自白剤の類なの?」
橘「い、いえ。そういうキケンなものでは……」
佐々木「ふうん」
橘「最近女の子の間で流行ってるんです!好きな人に告白したいけど勇気がでない、みたいな時に」
佐々木「これを飲むのね」
橘「そうなんです!まあ、実際はただのあめ玉なんですけど……」
佐々木「プラシーボ効果というやつね、実際にそういう心理状況っていうのは、事象に少なからず影響を……」
橘「あ、あの!それあげますから、使ってみてください」
佐々木「え」
橘「ぜひ!」
佐々木「はあ、まあいいけど」
橘「……うっし」
佐々木「?」
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10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/27(金) 21:10:44.96:ayTW2/XjP
佐々木「というわけなんだ、キョン」
キョン「いかにもうさんくさいものを渡されたな」
佐々木「そうなんだよ、彼女はああ言ってたけど、僕はあまり信用していなくてね」
佐々木「こういう非日常的を日常とする君に助言を求めに来たのさ」
キョン「なんだ、バカにしてるのか」
佐々木「まさか、尊敬しているんだよ」
キョン「まあいいさ。経験則から言わしてもらうが、あの手の連中から貰ったものなら、下手に手を出さない方がいいな」
佐々木「やはりそうかな」
キョン「うちの連中にも言えることだが、何か俺たちには及びも付かないような意図を裏に隠してるんだ、いつも」
佐々木「怖いなあ、まったく。くっくっ」
キョン「楽しそうじゃないか」
佐々木「おや、そうかい?」
キョン「やれやれ」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/27(金) 21:18:33.38:ayTW2/XjP
佐々木「大体、僕は誰かさんと違ってひねくれ者でもないからね」
キョン「はあ?」
佐々木「自画自賛するようで、あまり気分はよろしくないけど、僕は結構自分に素直なタチだと思うんだよ」
キョン「そうかい」
佐々木「そもそも、用途が告白の時の背中押しとなれば、僕には全く必要がないのさ」
キョン「言ってて自分で哀しくないのか、お前は」
佐々木「そういう君だって、似たもの同士じゃないか」
キョン「あのなあ、俺はお前と違って、出来るものなら彼女だって欲しいし、青春を謳歌したいんだよ!普通にな!」
佐々木「くっくっ、そうだったね。まあ、そんなに怒らないでおくれよ」
キョン「まあいいさ、お前に使うアテがないんなら、さっさと捨てちまえ」
佐々木「それも悪いじゃないか」
キョン「ふむ……じゃあ、今ここで飲んじまえよ」
佐々木「一応用心して、救急車を呼ぶ準備だけはしておいて欲しいな」
キョン「あめ玉なんだろ、ただの」
佐々木「毒とも限らないさ」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/27(金) 21:25:53.89:ayTW2/XjP
佐々木「ごくん」
キョン「……」
佐々木「……」
キョン「……」
佐々木「ぐっ……ううっ……」
キョン「さ、佐々木!?」
佐々木「く、苦しい……」
キョン「おい!?だ、大丈夫か!きゅ、救急車!119!」
佐々木「……くっくっ」
キョン「……え」
佐々木「す、すまないね……ふふっ……心配させたみたいで……くくくっ」
キョン「お、お前な!」
佐々木「ちょっとからかってみたくなったのさ、君の態度があまりにもつっけんどんだったんでね」
キョン「やれやれ」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/27(金) 21:32:09.62:ayTW2/XjP
佐々木「実においしいアメだったよ」
キョン「そうか、うんとまずかったらよかったんだが」
佐々木「おいおい、怒らないでおくれよ」
キョン「俺はこの一年間で、何が起こっても信じちまうような、純粋無垢な受容の心を身につけたんだ」
佐々木「くっくっ、悪かったね、それは」
キョン「お前な……」
佐々木「まあでも、ほら、いつもの通り。何の変わりもない。心配してくれてありがとう」
キョン「心臓に悪いから、冗談は時と場合をわきまえてくれよ、これからは」
佐々木「うん、約束するよ。君に嫌われたら生きていけないからね、もう」
キョン「……ん?」
佐々木「え?あ、ああ……僕は友達が少ないってことだよ」
キョン「あ、ああ……」
佐々木「まあ、友達が少なくたって、キョンが傍にいてくれればそれで問題ないんだけど」
佐々木「……!?」
19: 忍法帖【Lv=23,xxxPT】 :2011/05/27(金) 21:33:57.80:u2ntF9TC0
キョン「お、おい……佐々木?」
佐々木「(ぼ、僕は何を言って……)」
キョン「おまえやっぱり、その薬で何か……」
佐々木「いや、僕はなんともない!今まで通りさ!」
キョン「ほんとか?」
佐々木「そうとも、今まで通り君のことがだいす……わぁぁぁっ!?」
キョン「!?」
佐々木「あ、あはは!冗談さ!びっくりしたかい?」
キョン「あのなあ……だから本当に心臓に悪いからやめろって」
佐々木「そ、そうだね。気をつけるよ、じゃあね、キョン!」
すたこらさっさっさー
キョン「やれやれ、なんだったんだ一体」
~~~~~~
佐々木「はぁ……はぁ……」
佐々木「これはとんでもないことになった」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/27(金) 21:40:29.88:bbCsvC0o0
~その夜・佐々木の部屋~
佐々木「だいたい何だって言うんだ」
佐々木「もらったのは素直になる薬のはずなのに」
佐々木「あれじゃあただの男好きじゃないか……ああ、思い出しただけでも恥ずかしい」
佐々木「あ、明日には薬の効果も切れていてくれないと困るな」
佐々木「何せ僕の学校はただでさえ男子が多いんだし……」
佐々木「ああ、憂鬱だ」
~翌朝~
佐々木「さて、体に変わったところもなさそうだし」
佐々木「もう大丈夫かな……」
とぅるるるる
佐々木「ん、キョンか……」
佐々木「もしもし」
キョン「おお、元気そうだな」
佐々木「なんだい、藪から棒に」
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/27(金) 22:00:51.99:ayTW2/XjP
キョン「いや、なんというか。昨日の去り際のお前が何だか妙な感じがしたからな」
佐々木「そ、そうかな」
キョン「ちょっと気になって電話したのさ。いや、なんともないならいいんだ」
佐々木「まったく、心配性だね君も。でも、そういう優しい所が好きだよ」
キョン「え?」
佐々木「い、いや!ゆ、友人としてね!」
キョン「あ、ああ、そうか」
佐々木「(だめだ……全然治ってないじゃないか……)」
佐々木「と、とにかく、もう切るよ」
キョン「あ、なんだ。忙しかったか、悪いな」
佐々木「違うよ、君の声を聞いてると、会いたくなっちゃうから」
キョン「はあ?」
佐々木「いやその!学校の友達とね!早く学校行きたいなあなんて!」
キョン「(昨日友達少ないって言ってたなかったっけ……?)」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/27(金) 22:25:58.51:ayTW2/XjP
佐々木「まずい」
佐々木「こんな調子で学校なんかに行ったら……」
佐々木「……」
佐々木「こんな僕にだって、一応イメージってものがあるんだ」
佐々木「うーん」
佐々木「まあいいか、とりあえず登校してみて、ダメそうなら早退すればいいさ」
~放課後~
佐々木「……なんともなかった」
佐々木「何事もなく、普通……」
佐々木「朝で薬が切れたと考えるべきなのかな」
佐々木「やれやれ、人騒がせなあめ玉だったよ」
佐々木「くっくっくっ」
キョン「あれ?佐々木じゃないか」
佐々木「やあ、奇遇だね」キュン
佐々木「あ、あれ……?」
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/27(金) 22:39:12.28:JzyMNjwP0
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/27(金) 22:50:24.65:0g56vlD40
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/27(金) 22:41:51.18:ayTW2/XjP
キョン「どうかしたか?」
佐々木「い、いや、何も……」
キョン「ははあ、さては腹が減ってるな?」
佐々木「え?」
キョン「俺からたかろうったってそうは行かないぞ、何せ財布がスッカラカンだからな!」
佐々木「いや、誰も聞いてないんだけどね……」
キョン「そ、そうか」
ぐー
佐々木「キョン、君、お腹が減っているのかい」
キョン「……」
~~~~~~
佐々木「くっくっくっ」
キョン「いつまで笑ってるんだよ、まったく。弁当を忘れる日だってあるだろう」
佐々木「悪いね。でも、そんなにがっついてハンバーガーを頬張ることないじゃないか」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/27(金) 22:46:23.68:ayTW2/XjP
佐々木「ハンバーガーは逃げないよ」
キョン「いや、そうとも限らん」
佐々木「くっくっ、君は本当に用心深くなったな」
キョン「何が起きても不思議じゃないからな……がつがつ」
佐々木「……」
キョン「……?」
佐々木「あ、ああ、ごめん。君の食べっぷりがいいから、なんだか見とれていたよ」
キョン「動物園感覚か?まあおごってもらってるから文句は言わんがな」
佐々木「違うよ、なんていうか、愛おしいっていうか」
キョン「はあ?」
佐々木「あ!?いや、だからやっぱりあれだね、動物園感覚だね、はは」
キョン「お前、やっぱりなんか変じゃないか?」
佐々木「き、気のせいだよ」
キョン「ふむ……」じー
佐々木「あう……」
479:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 00:03:59.35:VdEny4q/P
佐々木「きょ、キョン。あんまり見つめないでくれないか、恥ずかしいじゃないか」
キョン「お前、何か隠してるだろ」
佐々木「そ、そんなことないったら」
キョン「んー?」じー
佐々木「だ、だから……その、ええと」
キョン「ははあ、わかったぞ」
佐々木「!」
キョン「さてはお前、ほんとはこっちのテリヤキの方がよかったんだろ」
佐々木「……はあ?」
キョン「チーズバーガー頼んだものの、俺がテリヤキ頼んだの見て、急に食べたくなったんだな」
佐々木「いや、あのね」
キョン「皆まで言うな、ある、俺にもあるぞそういうこと。だから気持ちはよくわかる」
佐々木「キョン?」
キョン「まあもともとお前の金で買ったハンバーガーだ。好きなだけ食えよ」
佐々木「……なんだかなあ」
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/27(金) 23:28:46.28:jfuHiEmX0
488:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 00:12:04.72:VdEny4q/P
キョン「確かにこのテリヤキの匂いは殺人的だからな」
佐々木「くっくっ、まあそういうことにしておこうか」
佐々木「(助かったね、これは)」
キョン「ほれ」
佐々木「ん?」
キョン「食っていいぞ。ほれ、あーん」
佐々木「……え?」
キョン「お前におごってもらったんだ、遠慮するなよ」
佐々木「いや、そういうことじゃなくて……」
きゅん
佐々木「(あ、あれ……?体が勝手に)」
佐々木「……あむ」
キョン「そうそう、我慢はよくないぞ」
佐々木「(これは、いわゆる間接キスというやつじゃないか……というか、あーんって)」
佐々木「(ぼ、僕はなんて恥ずかしい真似を……でも、でも)」
497:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 00:24:34.81:VdEny4q/P
佐々木「……はっ」
キョン「?」
佐々木「危ない危ない、僕としたことが、状況に流されるところだったよ」
キョン「何だ、流されるって」
佐々木「いや、こっちの話だよ。気にしないでくれ」
キョン「なんだそりゃ。まあいいか、ほれ、それよりもっと食べるか?」
佐々木「いや、もう結構だよ……あーん」
キョン「それは新しいギャグなのか?」
佐々木「い、いや!ちがっ……これは」
キョン「……ほれ、あーん」
佐々木「あむ」
キョン「ははは」
佐々木「(だ、だめだ……だんだん抗えなくなってきている様な気がする……)」
498:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 00:26:15.76:1Th7VU7B0
佐々木「ね、ねえキョン。もうやめにしないか、周りが見てるよ」
キョン「え?そうか?」
佐々木「周りから、恋人か何かかと思われてしまうよ」
キョン「別にいいじゃないか」
佐々木「え?」
きゅんっ
佐々木「はう……」
キョン「知り合いに見られてるわけでもなし、そんなに気にするなよ」
佐々木「ぽけー」
キョン「おい、聞いてるか?」
佐々木「そ、それは告白と受け取ってもいいのかな」
キョン「はい?」
佐々木「はっ……うわぁぁっ!な、なんでもない!なんでもないよ!」
506:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 00:41:12.85:VdEny4q/P
キョン「なあ、体調悪いのか?」
佐々木「……ある意味そうかもね」
キョン「なんだ、無理させちまったみたいで悪かったな」
佐々木「いや、気に病むことはないよ。僕は君とこうして二人でいるのが好きだからね」
キョン「え?あ、そ、そうか?」
佐々木「あ、その……うん、それは本当に」
佐々木「(これは本当にそうだからなあ……否定もできないけれど……あれ)」
佐々木「(ちょっと待てよ……僕が飲んだのは素直になる薬だったな)」
佐々木「(僕はさっきから、薬のせいで変になっていると思っていたけれど)」
佐々木「(あれは全部僕の本心なのか……?自然な気持ち……?)」
佐々木「……」
キョン「なんか本当に具合悪そうだな、とりあえず家まで送ろう」
佐々木「え?あ、ああ……すまないね」
509:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 00:47:50.65:VdEny4q/P
キョン「ちゃんと掴まってろよ」
佐々木「うん」
キョン「なんか久しぶりだな、こうして二人で自転車乗るのも」
佐々木「そうかもしれない」
キョン「学校は楽しいか?」
佐々木「それなり、かな」
キョン「そうか」
佐々木「……ねえ、キョン」
キョン「ん?」
佐々木「風が気持ちいいね」
キョン「そうだな」
佐々木「(僕の、素直な気持ち……か)」
518:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 00:59:59.54:VdEny4q/P
佐々木「……」
ぎゅっ
キョン「え?」
佐々木「ちゃんと掴まってろ、って言っただろう?」
キョン「あ、ああ」
佐々木「あのね、キョン」
キョン「ん」
佐々木「正直なところ、僕は今現在のこの生活に結構満足しているんだ」
佐々木「それなりに充実もしているし、そんなに退屈だとも思わない」
佐々木「むしろ、劇的にいろいろなことが起こり続けていて、驚きの連続さ」
キョン「そいつはよかった」
佐々木「でもね」
佐々木「そんな慌ただしい毎日の中でも、こうして君と二人で自転車に乗っていた時のことを思い出すんだ」
521:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 01:09:49.14:VdEny4q/P
佐々木「僕らが中学生だった頃、周りの景色はとても退屈に見えたよ」
佐々木「まるで世界が止まってしまっているような閉塞感の中にいた」
佐々木「今振り返るとそんな気がしてならない」
佐々木「でも、それでも、僕はあの時のことをしつこく思い出す」
佐々木「過去のどこかに落とし物でもしてきたみたいにね」
キョン「ふむ」
佐々木「それでね、思ったのさ」
佐々木「あの頃の僕にあって、今の僕にないもの」
キョン「なんだそりゃ」
佐々木「……キョン」
ぎゅっ
キョン「わわっ!?」
佐々木「君が隣に居ない、ただ、それだけの違いなんだけれど」
佐々木「でも、それは……僕にとって、世界がまるで変わってしまうことより大きな出来事みたい」
551:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 02:36:04.58:sPnxPRwC0
552:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 02:38:44.14:Gn5SuFZC0
680:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 13:45:50.68:5Sm7e2Wv0
799:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 22:29:32.27:VdEny4q/P
キョン「さ、佐々木?」
佐々木「ねえ、どうしてだろうね」
キョン「え?」
佐々木「こうして君の傍にいると、僕はなんとも言えない気分になるのさ」
キョン「はあ」
佐々木「なんというか、気兼ねなく、自分らしくいられるんだ」
佐々木「自分自身を演じたり、体面を取り繕ったり、そういう煩わしいことを考えなくてもいい」
佐々木「ある種の心地よさ、とでも表現すると、一番近いのかな」
キョン「まあ、長い付き合いだからな」
佐々木「そうだね」
佐々木「その、こんなことを言うと、変に思われるかもしれないけれど」
佐々木「僕は、君の隣に勝手に自分の居場所を見つけていたのさ」
キョン「……」
佐々木「悪いね、つまらないことをベラベラとしゃべってしまって」
806:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 22:47:21.93:VdEny4q/P
キョン「……かまわんさ」
佐々木「はー」
佐々木「(随分と好き勝手に喋ってしまった……きっと、薬の効果が切れたらとんでもなく恥ずかしいんだろうな)」
佐々木「(でも、いいじゃないか。今は、こうして身を任せていたいよ)」
ぎゅっ
キョン「なあ、佐々木」
佐々木「なんだい?」
キョン「たとえばの話なんだが」
キョン「もし、俺に彼女がいたら、どうする?」
佐々木「……え?」
807:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 22:58:32.37:VdEny4q/P
佐々木「……それは、涼宮さんのことかい?」
キョン「今、俺はたとえばの話をしてるんだ」
佐々木「……そうか」
キョン「お前さっき、俺といると楽だっていっただろ、自分の居場所みたいだって」
佐々木「いざ振り返ってみると、なんだか恥ずかしいね」
キョン「もし、俺に誰かそういう、いわゆる恋人がいたらさ」
佐々木「(なんだろう……胸の奥がちくちくするな)」
キョン「お前は、こうやって俺と過ごすことも、なくなっていくんだろうか」
佐々木「そうかもしれないね」
キョン「やっぱり、そうだよな」
佐々木「現に君は涼宮さんたちと過ごす時間が増えて、僕らはめったに会わなくなっただろう」
佐々木「誰かと誰かの距離が近づくっていうことは、また別の誰かと距離をおくことでもあるのさ」
811:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 23:14:02.94:VdEny4q/P
佐々木「どうしたんだい、急に。よくわからない仮定の話なんか持ち出してさ」
佐々木「(なんだかイライラするな……)」
キョン「なあ、佐々木」
佐々木「だから、なんだい」
キョン「お前が、自分の居場所を見つけたって言うならさ」
キョン「俺は、なるべくならそれを守ってやりたいと思うんだ」
佐々木「え……?」
キョン「あんまり、お前がつまらなさそうな顔をしてるのを見るのが好きじゃないからな、俺は」
佐々木「きょ、キョン?」
どくん
佐々木「(あ、あれ……なんだろう、この感じ……)」
キョン「だからさ、俺はお前とこうして気楽に過ごす時間を大事にしていきたいんだよ」
佐々木「う、うん」
815:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 23:25:40.65:VdEny4q/P
キョン「ははは、悪いな、俺もつまらんことをベラベラとしゃべっちまった」
佐々木「ううん……そんなことないよ」
佐々木「つまらなくなんか、ない」
キョン「ま、彼女なんか出来る見込みもさらさらないんだけどな」
佐々木「……」
佐々木「ね、ねえキョン」
佐々木「……はっ」
キョン「ん?」
佐々木「(僕は今、何を言おうとしたんだ?)」
佐々木「い、いや、なんでもないよ」
キョン「そうか。なあ、どうでもいいが少し休憩しないか?どうも最近運動不足でな」
佐々木「あ、ああ、ごめんよ。随分長い間走らせてしまったね」
キョン「そこの公園でいいか。コーヒーでも買ってくるよ」
佐々木「……うん」
818:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 23:40:04.66:VdEny4q/P
キョン「あー、ダメだな。もう年だ」
佐々木「くっくっ、バカなこと言わないでおくれよ。まだ高校生だっていうのにさ」
キョン「まあ、さっきの話だが、忘れてくれて構わんぞ」
キョン「俺に彼女ができるような遠い未来までには、お前も別の居場所を見つけてるさ」
佐々木「……」
キョン「?」
佐々木「なんだか寂しいね、それも」
キョン「そうか?」
佐々木「……」
佐々木「(さっきから、胸の奥の方でもやもやしているもの)」
佐々木「(僕は、とっくの昔にその正体に気づいていたのかもしれない)」
佐々木「(でも、それだけはだめなんだ。それだけは、言っちゃいけない)」
佐々木「(僕は本当に、キョンとのこの関係にやすらぎを感じてるんだ。それを、壊すことなんてできない)」
823:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 23:49:20.63:VdEny4q/P
キョン「どうしたんだよ、急に黙っちゃって」
佐々木「え?あ、ああ、な、何でもないよ」
キョン「そんな下手くそな動揺の隠し方があるか」
佐々木「うう」
キョン「やっぱりお疲れの様子だな」
佐々木「(色々考えすぎて、頭が疲れちゃってるんだよ)」
キョン「まあ、無理もないさ。お前もあの素っ頓狂な連中に日々振り回されてるんだろう」
佐々木「当たらずとも遠からず、かな」
キョン「お互い苦労するよな、やれやれ」
佐々木「(僕は今、まったく別件で気を揉んでいるんだけどね)」
佐々木「(はあ、とにかく落ち着かなきゃいけないな)」
ごそごそ
佐々木「(ん……ポケットにアメ玉が入ってるな。糖分でも取れば、少しは気分転換になるかもしれない)」
佐々木「ぱくっ」
佐々木「……あれ、これって」
826:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/30(月) 00:01:32.48:U3xcwhPmP
佐々木「こ、この包み紙……僕はなんてことを」
キョン「ん?どうした?」
佐々木「……!」
きゅんっ
佐々木「ふぁっ……」
キョン「?」
佐々木「(だめだ……切ないよ……)」
キョン「なんかまた具合が悪そうだな、病院寄っていくか?」
佐々木「……いや、もう少しこうしていようよ」
佐々木「(だめだ、もうキョンと別れて帰らないと、でないと……)」
キョン「そうか?」
佐々木「(僕は……本当に……)」
830:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/30(月) 00:06:13.31:U3xcwhPmP
佐々木「ねえ、キョン」
キョン「ん?」
佐々木「さっきの話なんだけれど」
キョン「ああ」
佐々木「君は、僕の居心地のいい居場所を、なるべく残したいって言ってくれた」
キョン「そうだな」
佐々木「ただ、僕らがいくら親友だと言ったからって、いつまでもこんな毎日が続くワケじゃない」
キョン「そうとも」
佐々木「僕らだって大人になって、周りを取り巻く環境だって、大きく変わっていくんだ」
キョン「うむ」
佐々木「でも、でもね」
キョン「?」
佐々木「(だめ……やめて……)」
佐々木「僕は……僕は……」
佐々木「ずっと、君とこうしていたいって思うよ」
835:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/30(月) 00:13:32.99:U3xcwhPmP
キョン「ん?ああ、そ、そうか」
佐々木「そのために、僕はどうすればいいのか、ってずっと考えていたんだ」
キョン「……」
佐々木「時間が流れて、僕らの周りの景色が変わっていくなら」
佐々木「僕らも、変わらなきゃいけないって、そう思った」
キョン「あいかわらず小難しい話が好きだな」
佐々木「キョン」
キョン「おう」
佐々木「(言わないで……お願い……)」
佐々木「僕はさ、ずっと恋愛は心の病だって言ってきただろう?」
佐々木「でも、気がついたら、僕は君のことばっかり考えているんだ」
佐々木「これって、心の病なんだよ」
佐々木「ねえ、もし僕みたいなのが、その……あの
佐々木「き、きき、君の彼女になりたい、なんて言ったらさ……ええと」
佐々木「キョンは、どう思うのかな……」
838:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/30(月) 00:18:22.12:U3xcwhPmP
キョン「……」
佐々木「……」
佐々木「(すごく胸が苦しい……こんな気持ちなんだな、人を好きになるっていうのは)」
キョン「あー、その、なんだ」
佐々木「……」
キョン「笑っちまうだろうな、そんなこと言われたら」
佐々木「え……」
キョン「だって、佐々木が、だろ?想像もつかんわ」
佐々木「そ、そうだよね、僕みたいなのが……」
佐々木「(わかってたのに……こうなるってことくらい、大切なモノが壊れちゃうってことくらい……)」
佐々木「っく……ひっく……はは、変だな……なんで僕は、泣いて……ううっ」
843:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/30(月) 00:25:34.74:U3xcwhPmP
キョン「お、おい!」
佐々木「ごめん、キョン……やっぱり僕は疲れてるみたいだ……ぐすっ」
佐々木「もう、帰るよ」
佐々木「(このアメのせいだ……こんなもののせいで、僕は大切な居場所を失ったんだ……)」
佐々木「(さよなら、キョン)」
キョン「……ちょっと待て」
ぎゅっ
佐々木「ふぁ!?」
キョン「いいか、人の話は最後まで聞くもんだ」
佐々木「きょ、キョン!?」
キョン「なあ、佐々木。いくら鈍感な俺でも今のはわかるぞ」
キョン「お前は、勇気を振り絞って俺に好意を伝えてくれたんだろう」
佐々木「だ、だからなんなのさ、関係ないだろう!僕なんか!僕なんか!」
キョン「お前から問いかけてきたんだから、最後までこっちの答えを聞けと言うとるんだ」
佐々木「いらないよ!もう十分だ!」
848:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/30(月) 00:31:39.05:U3xcwhPmP
キョン「もし、お前が俺の彼女になりたいって言ったら?」
キョン「そんなもん、笑いがとまらんにきまっとるだろうが」
佐々木「ううっ……ひどいよ……」
キョン「だってな、そんな幸せなことってあるか?」
佐々木「え……?」
キョン「なあ、佐々木。俺はな、今まで生きててこんなに笑いがとまらんことはなかったぞ」
佐々木「あ、あの、え?いや、じょ、状況が……」
キョン「お前は頭はいいが、肝心な所が抜けてるから、わかりやすく言うぞ」
キョン「もし、お前が俺の彼女になりたい、なんて言ったらな」
佐々木「は、はい」
キョン「俺は全力を尽くして、お前のこと幸せにしてやるから覚悟しとけ!」
ぎゅぅぅ
佐々木「あ……あ……」
佐々木「ひっく……ひっく……うう……うわああああああああん」
856:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/30(月) 00:39:45.28:rSBiHXIeO
~~~~
キョン「なあ、いいかげん泣きやんでくれよ」
佐々木「す、すまない……でも、なんだか止まらなくて……ぐすっ」
キョン「なんだか端から見たら俺が悪者みたいじゃないか」
佐々木「で、でもっ……ひっく、その、ほんと……うれしくって……うう」
キョン「あーもう、ズルいなお前は」
ちゅっ
佐々木「んんっ!?……んっ……ちゅ」
キョン「はあ」
佐々木「……」
キョン「あ……すまん、つい」
佐々木「ず、ずるいのはどっちさ……こんなことされたら……んん」
キョン「!?」
佐々木「んちゅ……はむ……んっ……んちゅぅ」
佐々木「(もう、なんにも我慢できなくなっちゃうじゃないか……ばか)」
866:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/30(月) 00:47:02.16:jaXp9p6U0
キョン「ぷぁっ……さ、佐々木!ストップ!タイム!」
佐々木「キョンが悪いんだぞ……まだ、もっと」
キョン「んっ……んんっ……!」
佐々木「ん……ちゅっ……んむ……」
佐々木「ふにゃ……」
すりすり
キョン「……ゴクリ」
佐々木「……もっと」
キョン「……ちくしょう」
佐々木「んちゅ……んん……はむ」
佐々木「んん……もっと」
キョン「……ぐぐ」
佐々木「……♥」
878:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/30(月) 01:04:53.11:U3xcwhPmP
佐々木「ねえ、キョン。ぎゅーってしておくれ」
キョン「あ、ああ」
ぎゅー
佐々木「ん……これで、ここはずっと僕の居場所になったかな」
キョン「そうだな」
佐々木「くっくっ、そういえば、さっき僕が言っただろう?『周りの景色が変わるなら、僕らも変わらなきゃ』って」
キョン「あー、言ってたな」
佐々木「僕はね、あの時思っていたのさ。何かを得るために、大切なモノを失う覚悟が必要なんだって」
キョン「ん?」
佐々木「キョンという親友を失うかわりに、恋人になれたら、ってね」
佐々木「でもね、違ったんだ」
佐々木「君は、昔も、今も、そしてこれからも、ずっと僕の隣にいるって、そう言ってくれたんだ」
佐々木「だからね、親友だったキョンも、これからの、その、こ、恋人のキョンも、ずっと僕と一緒に歩いてくれる」
881:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/30(月) 01:08:23.13:U3xcwhPmP
佐々木「それはね、すごく素敵なことだと思うんだよ」
キョン「そうだな」
佐々木「ねえキョン、これからもひとつ、よろしく頼むよ」
キョン「ああ」
おしまい
884:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/30(月) 01:10:51.90:U3xcwhPmP
256:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 18:50:11.96:aBFL3uELO
ハルヒ「キョン、その佐々木さんってただの親友なのよね」
キョン「そうだが」
ハルヒ「親友ってわざわざ毎日うちの学校の校門まで来て一緒に帰るくらい仲いいわけ?」
キョン「それくらいいいんじゃないか、親友だし」
ハルヒ「……本当にただの親友なの?」
キョン「親友だっつの、な、佐々木?」
佐々木「うん、そうだね。 僕とキョンは確かに親友だよ」
ハルヒ「ふ、ふーん」
257:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 18:54:56.34:wstVNwPt0
佐々木「それでさ、~~」
キョン「ハハハ、そいつはえらいアホなヤツだな」
ハルヒ「ねえ」
佐々木「でしょ?」
キョン「あ、そういえば先週あそこに新しい~~」
佐々木「本当かい?ぜひ行きたいな、僕」
キョン「じゃあ」
ハルヒ「ねえ!ってば!」
キョン「なんだよさっきから」
ハルヒ「親友って普通手つないで歩いたりしないと思うんだけど!」
キョン「そうか?んー……」キョロキョロ
佐々木「あ、ほらキョンあれじゃないかい?」
キョン「ああ、ほらハルヒ、見てみろよ」
ハルヒ「?」
262:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 19:05:34.47:aBFL3uELO
JK「キャッキャッ」
JK「キャッキャッ」
キョン「な?ただの友達同士であるだろう女子高生だって手つないでるだろ?」
ハルヒ「あれは女の子同士でしょ!!」
キョン「女と女がいいんだから女と男でも別にいいだろ」
ハルヒ「違うの!」
佐々木「?」
キョン「? 佐々木、ハルヒの言ってる事分かるか?」
佐々木「う~ん……よくわからないや」
ハルヒ「女と女じゃ友達かもしれないけど女と男が手をつないでたら恋人って決まってるの!」
佐々木「あの……涼宮さん?だから私達は親友だってば」
キョン「そうそう」
ハルヒ「いー!!!」
264:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 19:09:28.96:QnQXsV660
ハルヒ「いー!!」
ハルヒ「……わかったわ、あそこの女子高生達を見なさい」
JK「アハハ」
JK「ウフフ」
キョン「仲いいな」
ハルヒ「手!つないでる手の形!」
佐々木「?」
キョン「大差ないだろ」
ハルヒ「ダメなの!あんたたちのは恋人つなぎっていうの!恋人しかしちゃダメなの!」
キョン「そうなのか……仕方ないな、ほどくか」
佐々木「えー」
ハルヒ「えー、じゃない!」
268:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 19:21:27.41:aBFL3uELO
キョン「嫌なのか?」
佐々木「うん」
キョン「でもなぁ、これ恋人つなぎらしいしなぁ」
佐々木「キョン、あのね」
キョン「うん?」
佐々木「確かに僕達は恋人同士じゃないかもしれない、しかしよく考えて欲しいんだ」
キョン「ふむ……」
佐々木「この深く絡み合う君と、僕の指のように繋がっている僕達の絆を表すにはただのつなぎ方じゃいささか役不足だと思うんだ」
キョン「なるほどな」
佐々木「だからね、キョン。 たとえ僕達がまだ恋人同士じゃないとしても、僕は君にこんな風にずっと手をつないで欲しいと思ってるよ」
キョン「さ、佐々木……!」
佐々木「あぁ、キョン……!」
ハルヒ「ハイハイハイハイハイハイハイハイ!!!!」
277:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 19:29:19.47:aBFL3uELO
佐々木「む」
ハルヒ「ちょっとアンタ!ちょっと、あの、えと……アンタ!!」
キョン「佐々木にアンタとか言うな」ベチ
ハルヒ「いてっ」
ハルヒ「さ、佐々木さん?さっき何しようとしてたのかしら?」
佐々木「さあ?何かしようとしてるように見えたかしら?」
ハルヒ「絶対!絶対、絶対、絶対、絶対ち、ちゅ、ちゅちゅ……キスしようとしてたわよ!」
キョン「おいおいそんな馬鹿なハル」
ハルヒ「アンタはちょっと黙りなさいよ!」
佐々木「そうだよ涼宮さん、キョンの言う通りだ、私がキョンに?キスを?そんな……僕達は親友だよ?ん?」
ハルヒ「あんた喧嘩売ってんのかってくらいムカつく女ね……」
287:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 19:42:33.63:aBFL3uELO
ハルヒ「だいたいさっき佐々木さん『まだ』、とか言ってたわよね」
佐々木「んー、私そんな事言ったかな?キョンはどうだい、覚えてる?」
キョン「まだ?……そんな断片的にあげられてもなぁ」
佐々木「ね、涼宮さんって面白いね」
キョン「それだけは保証する」
ハルヒ「うっさいわよバカキョン!」
キョン「やれやれ」
ハルヒ「『まだ恋人同士じゃない』うんぬん言ってたでしょ!?まだってことはこれからなるって事なんじゃないの!?」
佐々木「うーんどうだろう?そもそもそんな事言ったかも覚えてないしね、言葉のアヤかもしれないね」
ハルヒ「……」
佐々木「じゃあキョン、僕達はそろそろ行こうか」
キョン「あぁ」
ハルヒ「ちょ、待ちなさいよ!」
290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 19:48:50.15:VsshxsRg0
ハルヒ「どこいくのよ」
キョン「新しいクレープ屋できたろ? そこに行くんだ、佐々木はクレープ好きだからな」
佐々木「じゃあね、涼宮さん」
ハルヒ「あたしも行く」
佐々木「えー」
キョン「まあまあ、そう邪険にするなよ」
佐々木「うん、わかったよ」
キョン「よしよし」ナデナデ
佐々木「へへ」
ハルヒ「……ねぇ、あたしがついてったら何か不都合あるわけ?ねぇ、なんか悪い?ねぇねぇ?」
佐々木「……は?」
ハルヒ「キョンに媚び売るのは上手なのね、もうちょっと愛想よくすれば?そうすれば友達増えるかもよ、友達の少ない佐・々・木さん?」
佐々木「……ちょっと、言わせておけば」
キョン「二人で内緒話しか?仲いいなぁ」
佐々木・ハルヒ「ううん!全っ然!?」
299: 忍法帖【Lv=4,xxxP】 :2011/05/28(土) 20:05:37.05:/j1Pjf6A0
キョン「俺は……そうだな、チョコバナナでいいかな」
佐々木「僕もそれが好き」
キョン「じゃあ佐々木もチョコバナナか」
ハルヒ「あたし苺生クリームがいい!」
キョン「はいはい、じゃあその三つで」
佐々木「おいしいね」
キョン「ああ」
ハルヒ「はむはふ!」
佐々木「おやキョン、口の横に生クリームがついているよ?」
キョン「ん?ああそうか、スマン、とってくれるか?」
佐々木「お安いごようだよ」ぺろっ
ハルヒ「!?!?!?」
キョン「綺麗になったか?」
佐々木「ああ、大丈夫だ」
ハルヒ「ちょっと!!!」
302:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 20:10:17.29:pd7hafms0
304:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 20:15:43.31:HAfRKBeS0
佐々木「ん?なぁに、涼宮さん?」
ハルヒ「あ、あんたさっき!」
キョン「ハルヒ、口の周りクリームだらけだぞ」
佐々木「食べ方が汚いからね」
ハルヒ「う、うっさいわ……よ……フフーン、キョン、取りなさい!」
佐々木「っ!?」
キョン「は?まぁいいが」
佐々木「あぁっ!涼宮さん!向こうにキャトルミューティレーションされてる乳牛が!」
涼宮「えっ嘘!?」バッ
310:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 20:23:05.93:aBFL3uELO
佐々木「……」スッ
ハルヒ「う、嘘ついたわね!嘘つきはしけむぐゅむぐむぐ!?」
佐々木「はい、綺麗になった。 全く、涼宮さんって意外に子供っぽいのね」
キョン「あ、そのティッシュもこっちに渡せ、クレープの包み紙と一緒に捨ててくる」
佐々木「ああ、ありがとうキョン」
ハルヒ「……」
佐々木「……くっくっく」
ハルヒ「なにすんのよ!」
佐々木「口を拭いてあげたの、逆に感謝してほしいな?」
ハルヒ「あ、あんたさっきキョンの口舐めたでしょ!エッチ!」
佐々木「口の端だよ、キスじゃあるまいし」
ハルヒ「みーまーしーたー!下唇にちょっと舌を這わせた所みーまーしーたー!」
佐々木「なっ」
ハルヒ「エロ!エッチ!淫乱!」
佐々木「くっ……」
314:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 20:25:46.81:DARkfJsR0
佐々木「ん?……ふふ、涼宮さん、向こうにいる女子高生達を見てみてよ」
ハルヒ「は?」
JK「ン……ハァッ」チュッチュッ
JK「ンフ……ッ」チュッチュッ
ハルヒ「あ、あ」
佐々木「ね?最近は友達同士でキスする事も普通なの」
ハルヒ「あの人達はどうみてもそっち系の人達でしょ!?」
佐々木「そうかなぁ?私には美しい友情にみえるけどなぁ」
ハルヒ「あ、あんたまさか……」
佐々木「ち、違うよ!私が言いたいのは、友達同士でキスするのは全然おかしいことじゃないって事!」
ハルヒ「いい加減無理があるわよ」
佐々木「な、無いよ」
327:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 20:40:32.62:aBFL3uELO
キョン「よっ、何話してんだ?」
佐々木「な、なんでもないよ」
ハルヒ「ねえキョン、あの女子高生達何に見える?」
佐々木「あっ!ちょっ!」
キョン「ん?……お、おぉう」
ハルヒ「ね、何に見える?友達?」
キョン「いや、友達っていうかあれは……あれだろ、その、同性愛者の方々っていうかなんていうか」
ハルヒ「そうよね!フフっ、佐々木ね?あの人達がただの友達同士に見えるんだって」
佐々木「ち、違っ!そんなこと言ってないもん!」
キョン「さ、佐々木……」
佐々木「キョン……信じてよ……」
332:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 20:50:37.39:aBFL3uELO
キョン「ふむ、確かにそう言われてみればそうみえなくともないな、最近じゃ女の子同士で遊びでキスすることもあるようだし」
ハルヒ「なっ」
佐々木「だよね!だよね、キョン!」
ハルヒ「あの二人はどう見てもただのレズビアンじゃない!」
キョン「ハルヒ!!!」
ハルヒ「!?」
キョン「なんでもかんでも偏見の目で見るんじゃない」
キョン「それにもしお前が同性愛者だとしてだ、好きな人と一緒にいた所にさっきのお前みたいな奴がやってきて『レズビアンだー!』って指差しながら叫んだらどう思う?ん?」
ハルヒ「そんなの……嫌よ、嫌に決まってるわ」
キョン「そうだな、そしてお前はそんな奴じゃないよな」
ハルヒ「うん」
キョン「よし」
ハルヒ「私……謝ってくる!」
キョン「うむ、いい子だ」
ハルヒ「う、うっさいばか!」タタタッ
336:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 20:56:44.46:aBFL3uELO
佐々木「彼女、結構良い人じゃないか」
キョン「だろ?」
佐々木「……さて、僕達はそろそろ帰ろうか」
キョン「だな」
佐々木「ねえキョン、今日もいいかい?」
キョン「もう二週間連続になるぞ?本当に親御さんから了承は得てるんだろうな?」
佐々木「もちろんだよ、それともキョンは帰っても誰もいない寂しい家僕に帰れっていうのかい?」
キョン「そんな馬鹿な」
佐々木「じゃあもしかして……迷惑、かい?」
キョン「それこそ馬鹿な、むしろウェルカムだ、妹も喜ぶしな」
佐々木「くっくっく、じゃあ今夜もお邪魔させてもらおうかな」
キョン「あぁ」
ハルヒ「ちょっとぉぉぉぉぉ!?」
337:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 20:58:47.40:lRrFRNY60
佐々木「やれやれ……ずいぶん地獄耳だな」
ハルヒ「さっき泊まるとかなんとか言わなかった?」
キョン「言ったが」
ハルヒ「二週間になるとかなんとかも言ってなかった?」
佐々木「言ってたね」
ハルヒ「ダメでしょおおおおお!?」
キョン「はぁ、何がだよ」
ハルヒ「そ、そんなの不純異性交遊よバカキョン!」
キョン「不純異性交遊って……お前なぁ」
佐々木「ほぅ不純異性交遊、不純異性交遊ねぇ……」
ハルヒ「な、何よ」
345:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 21:16:20.96:aBFL3uELO
佐々木「つまり涼宮さんは私とキョンがセックスをしていると、そう言いたい訳だね?」
キョン「せ、セックスって、ば、ばかお前……」
ハルヒ「か、可能性よ!可能性があるだけで高校生男女の同棲なんて許されるわけないわよ!」
佐々木「なるほど、涼宮さんは『親友』という間柄は性行為を行う可能性がある間柄だ、と、そう認識している訳だ」
ハルヒ「は、はぅぁあ!!!!」
佐々木「だそうだよキョン?どうだろう、親友としての間柄を深めるために今夜あたり、幸いな事に僕達は男女の親友だからそういう事をするのも不可能ではない訳だけど……」
キョン「バッバカ、佐々木!おおおおま、なっ、えっ!?本気かっ!?」
佐々木「くくく、冗談だよ、キョン」
キョン「ふぅ、あまり過ぎた悪ふざけはよせよ佐々木……」
佐々木「それにしては本気で動揺していたね?」
キョン「お前がやたらと真に迫ってたからな」
佐々木「ばっ、ばか、何を言うんだ君は!も、もう、まったく」
349:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 21:25:13.20:aBFL3uELO
ハルヒ「わ、わかったわよ」
キョン「何がだ?」
ハルヒ「あんた達が変な事しないように私もキョンの家に泊まるわ」
キョン「は?いや部屋がなぁ」
ハルヒ「わ、私はキョンの部屋で一緒に寝るから」
佐々木「キョンの部屋には私がもういるけど」
ハルヒ「はぁ!?ぜ、絶対変な事してるじゃない!」
キョン「してねぇっつの」
佐々木「なんなら今夜しようか?」
キョン「おい」
佐々木「冗談」
ハルヒ「と、とにかく私も泊まるから!」
352:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 21:31:39.00:aBFL3uELO
佐々木「どうぞどうぞ」
キョン「いやおい佐々木……」
佐々木「キョンは私の家に泊まる事にするから」
キョン「はぁ!?」
佐々木「ね、キョン」
ハルヒ「な、なんでよ!」
佐々木「だって、涼宮さんはキョンに家に泊まるんでしょ?」
ハルヒ「でも……」
佐々木「それで私達は寝る所が無くなっちゃうから、私の家に行く事にするの」
ハルヒ「そうじゃなくて……」
佐々木「わかった?」
ハルヒ「……」
佐々木「ねぇ、涼宮さん」
ハルヒ「……」
359:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 21:40:32.95:aBFL3uELO
キョン「おい佐々木、ちょっとそこまでだこっちこい」グイッ
佐々木「えっ、キョン」
キョン「こいつはな、自分のわがままほとんどそのまま通してきたから、あまり言い負かされる事に慣れちゃいないんだよ」
佐々木「だからって」
キョン「分かってる、だから言い負かすのは段階的に、ちょっとずつにしてくれ、な?」
佐々木「……」
キョン「古泉も死ぬかも知れんし……それにほら、あんな風にしょげてるのは可哀相だろ?」
佐々木「……もう、わかったよ」
キョン「佐々木、ありがとな」
佐々木「本当に、誰にも優しいんだな、君は」
キョン「そんなんじゃないっての」
361:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 21:41:54.25:05YpMMpl0
佐々木「涼宮さん」
ハルヒ「……な、なによ」
佐々木「な、泣いてるの!?」
ハルヒ「泣いてないわよ!目にゴミがはいっただけ!」
佐々木「……キョンが二人泊まるくらいならなんとかなるって」
ハルヒ「ほんと!?」
佐々木「うん」
ハルヒ「じゃあ私も一緒に泊まるわ!」
佐々木「うん、だから誘おうと思って」
ハルヒ「さ、佐々木さん……」
佐々木「ん?」
ハルヒ「えっと……あ、ありがとね」
佐々木「う、うん」
キョン「じゃあ行くかー」
373:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 22:00:40.82:oMUdXRvo0
387:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 22:09:57.69:aBFL3uELO
キョン妹「おかえりー!あ、ハルにゃんもいるー!」
キョン「あれ、母さんは?」
キョン妹「用事があって突然帰れないってー、ご飯はキョン君とささにゃんに作ってもらえって言ってたー」
キョン「そっか、すまん佐々木、頼めるか?」
佐々木「まかせてよ」
ハルヒ「私も作る!」
キョン「そっか、じゃあ任せた」
393:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 22:20:51.86:aBFL3uELO
キョン「うん、美味かった」
キョン妹「おいしかったねー!」
佐々木「後片付けは僕がするよ、キョン達はお茶でも飲んでてくれ」
ハルヒ「わ、私も手伝う」
佐々木「そう?ありがと」
キョン妹「ねーねーキョンくーん」
キョン「んー?」
キョン妹「キョンくんさー、どっちと結婚するのー?」
佐々木「!」
ハルヒ「!」
キョン「結婚はまだ考えてないからなー、そんな先の事聞かれてもなー」
キョン妹「えー」
キョン「ホラ、いいからお風呂の準備してきなさい」
キョン妹「はーい」
398:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 22:33:29.61:aBFL3uELO
佐々木「なかなかませてるんだね」
キョン「ん?」
佐々木「キョンの妹さんだよ」
キョン「ああ、そうだな」
佐々木「キョンは結婚するならどんな女性と、とか決めているのかい?」
キョン「お前もか……うん、気が合う人じゃないか、よくわからんが」
佐々木「そうかい」
佐々木「ところでキョン」
キョン「ん?」
佐々木「僕達なかなか気が合うと思わないか?」
キョン「なんでだ?」
佐々木「僕も結婚するなら気が合う男性とって考えていたんだ」
キョン「そうか!そりゃ気が合うな、ハハハ」
ハルヒ「~~~!」
403:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 22:42:57.76:aBFL3uELO
佐々木「さて、洗いものも終わったし……」キュッ
佐々木「僕も妹さんと一緒にお風呂入ってくるよ」
キョン「おうお疲れ」
ハルヒ「わ、私も一緒に入ってくるわ!」
キョン「いやいいんだがな、そういやお前パジャマとかスウェットとか持ってきてないだろ」
ハルヒ「あ、そうだったわ、どうしよ……」
キョン「……あー、俺のでよかったら貸すぞ、もちろん嫌ならいいんだが」
ハルヒ「ほんと!?」
キョン「ああ、ちょっと取ってくる」
ハルヒ「ふふん」
佐々木「じゃあ僕先入ってるよ」
ハルヒ「お先どーぞ!」
408:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 22:52:29.43:aBFL3uELO
キョン妹「あつーい、もう出るー」
佐々木「うん、ちゃんとバスタオルで体拭いて上がるんだよ?」
ハルヒ『入るわ』
佐々木「どうぞ」
ハルヒ「ふっ」バンッ
佐々木「良いスタイルだね」
ハルヒ「えっ」
佐々木「そう言って欲しかったんだろう?」
ハルヒ「……なんかイラつく言い方ね」
佐々木「キョンが大きい胸が好きな男だといいね」
ハルヒ「好きよ!」
佐々木「……へぇ、そうなんだ、良い情報を聞いたよ、僕も努力してみようかな」
ハルヒ「な、なんなのよその余裕!」
416:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 23:01:47.40:aBFL3uELO
佐々木「まだまだ子供だね」ザバァ
ハルヒ「……!」
佐々木「女の魅力は胸やお尻だけじゃない、首、鎖骨、肩、腰、脚、それこそ全身に魅せ方があるんだ」
ハルヒ「……」ドキドキ
佐々木「胸が大きいからあなたより勝ち、なんて考えはまだまだ『女の子』の考えだよ涼宮さん」
ハルヒ「……」
佐々木「じゃあ、私も上がるね」ポン
ハルヒ「くっ……」
パタン
佐々木「くっ……」
421:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 23:10:52.46:sxuBPFZ70
キョン「お、佐々木も出たのか」
佐々木「うん……あ、あのさ」
キョン「ん?」
佐々木「キョンはさ、あのさ……えっと」
キョン「どうしたんだ?」
佐々木「……くく、いや、なんでもない」
キョン「そうか……?」
キョン妹「佐々木お姉ちゃーん髪の毛かわかしてー」
佐々木「うん、こっちに座って?」
キョン妹「わーい」
キョン「……?」
427:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 23:22:12.49:aBFL3uELO
ハルヒ「……」スゥーッ
ハルヒ「はぁー……いいわ」
キョン『ハルヒもう出たのか?』
ハルヒ「わわっ!?」
キョン『俺もそろそろ入りたいから急いでくれ』
ハルヒ「わ、わかったわよ!」
キョン「佐々木が俺の部屋に布団敷いてくれたから、そこで寝ろよ」
ハルヒ「うん」
ガチャ
佐々木「あ、涼宮さんこっちなの?」
ハルヒ「ちょっとぉぉ!!」
佐々木「涼宮さん、もう夜だよ」
ハルヒ「はっきり言わせてもらうけどその格好は妹ちゃんの教育に悪いわ!」
佐々木「僕これしかもってないんだ」
ハルヒ「嘘ついてんじゃないわよ!」
443:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 23:38:47.41:aBFL3uELO
佐々木「やれやれ、そんな嘘をついて私に何の得があるの?」
ハルヒ「こ…の……」
佐々木「涼宮さんは床の布団でいいよね」
ハルヒ「は?」
佐々木「私とキョンはこっちのベッドに寝るから」モソモソ
ハルヒ「ちょ……っと待ちなさいよ~!」ズルズル
佐々木「きゃっ、ちょ、ちょっと足引っ張らないで、ホントに!めくれる!めくれるから!」
ハルヒ「そんなのうっっっすぃ~~の着てるのから悪いんでしょぉ~!」ズルズル
佐々木「ちょっと!ちょっと待ってよ涼宮さん、見えちゃうから!」
ハルヒ「めくれてなくても見えてるわよこのエロ女!」
446:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 23:41:32.65:DARkfJsR0
キャーキャー
キョン「ふむ、案外仲良くやってるみたいだな」
キョン妹「キョンく~ん早く寝ようよ~」
キョン「ああはいはい、今そっちにも布団敷くんだから」
佐々木「ずるいよ!布団にくるまるなんてずるいよ!」
ハルヒ「アハハハハッ!このベッドは私のものよ!」
佐々木「えいっえいっ」ドン、ドン
ハルヒ「わっ、キャッ」コロコロドサッ
佐々木「くっくっく、自らの策があだとなったね、やっぱり君はまだお子様だよ」
ハルヒ「くっ」
佐々木「これでキョンのベッドは私の物!そしてキョン自身も私のもの!」
ハルヒ「なー!?本性あらわしたわね!?」
キャーキャー
こうしてキョンのベッドの取り合いは、キョンが妹の部屋で寝ている事に気がつく夜更けまで続きましたとさ。
糸冬
460:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 23:54:34.43:aBFL3uELO
佐々木「というわけなんだ、キョン」
キョン「いかにもうさんくさいものを渡されたな」
佐々木「そうなんだよ、彼女はああ言ってたけど、僕はあまり信用していなくてね」
佐々木「こういう非日常的を日常とする君に助言を求めに来たのさ」
キョン「なんだ、バカにしてるのか」
佐々木「まさか、尊敬しているんだよ」
キョン「まあいいさ。経験則から言わしてもらうが、あの手の連中から貰ったものなら、下手に手を出さない方がいいな」
佐々木「やはりそうかな」
キョン「うちの連中にも言えることだが、何か俺たちには及びも付かないような意図を裏に隠してるんだ、いつも」
佐々木「怖いなあ、まったく。くっくっ」
キョン「楽しそうじゃないか」
佐々木「おや、そうかい?」
キョン「やれやれ」
佐々木「大体、僕は誰かさんと違ってひねくれ者でもないからね」
キョン「はあ?」
佐々木「自画自賛するようで、あまり気分はよろしくないけど、僕は結構自分に素直なタチだと思うんだよ」
キョン「そうかい」
佐々木「そもそも、用途が告白の時の背中押しとなれば、僕には全く必要がないのさ」
キョン「言ってて自分で哀しくないのか、お前は」
佐々木「そういう君だって、似たもの同士じゃないか」
キョン「あのなあ、俺はお前と違って、出来るものなら彼女だって欲しいし、青春を謳歌したいんだよ!普通にな!」
佐々木「くっくっ、そうだったね。まあ、そんなに怒らないでおくれよ」
キョン「まあいいさ、お前に使うアテがないんなら、さっさと捨てちまえ」
佐々木「それも悪いじゃないか」
キョン「ふむ……じゃあ、今ここで飲んじまえよ」
佐々木「一応用心して、救急車を呼ぶ準備だけはしておいて欲しいな」
キョン「あめ玉なんだろ、ただの」
佐々木「毒とも限らないさ」
佐々木「ごくん」
キョン「……」
佐々木「……」
キョン「……」
佐々木「ぐっ……ううっ……」
キョン「さ、佐々木!?」
佐々木「く、苦しい……」
キョン「おい!?だ、大丈夫か!きゅ、救急車!119!」
佐々木「……くっくっ」
キョン「……え」
佐々木「す、すまないね……ふふっ……心配させたみたいで……くくくっ」
キョン「お、お前な!」
佐々木「ちょっとからかってみたくなったのさ、君の態度があまりにもつっけんどんだったんでね」
キョン「やれやれ」
佐々木「実においしいアメだったよ」
キョン「そうか、うんとまずかったらよかったんだが」
佐々木「おいおい、怒らないでおくれよ」
キョン「俺はこの一年間で、何が起こっても信じちまうような、純粋無垢な受容の心を身につけたんだ」
佐々木「くっくっ、悪かったね、それは」
キョン「お前な……」
佐々木「まあでも、ほら、いつもの通り。何の変わりもない。心配してくれてありがとう」
キョン「心臓に悪いから、冗談は時と場合をわきまえてくれよ、これからは」
佐々木「うん、約束するよ。君に嫌われたら生きていけないからね、もう」
キョン「……ん?」
佐々木「え?あ、ああ……僕は友達が少ないってことだよ」
キョン「あ、ああ……」
佐々木「まあ、友達が少なくたって、キョンが傍にいてくれればそれで問題ないんだけど」
佐々木「……!?」
wktk
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/27(金) 21:40:07.36:ayTW2/XjPキョン「お、おい……佐々木?」
佐々木「(ぼ、僕は何を言って……)」
キョン「おまえやっぱり、その薬で何か……」
佐々木「いや、僕はなんともない!今まで通りさ!」
キョン「ほんとか?」
佐々木「そうとも、今まで通り君のことがだいす……わぁぁぁっ!?」
キョン「!?」
佐々木「あ、あはは!冗談さ!びっくりしたかい?」
キョン「あのなあ……だから本当に心臓に悪いからやめろって」
佐々木「そ、そうだね。気をつけるよ、じゃあね、キョン!」
すたこらさっさっさー
キョン「やれやれ、なんだったんだ一体」
~~~~~~
佐々木「はぁ……はぁ……」
佐々木「これはとんでもないことになった」
佐々木ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!俺だぁぁぁ!結婚してくれええええええええええええ!!、!
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/27(金) 21:53:10.72:ayTW2/XjP~その夜・佐々木の部屋~
佐々木「だいたい何だって言うんだ」
佐々木「もらったのは素直になる薬のはずなのに」
佐々木「あれじゃあただの男好きじゃないか……ああ、思い出しただけでも恥ずかしい」
佐々木「あ、明日には薬の効果も切れていてくれないと困るな」
佐々木「何せ僕の学校はただでさえ男子が多いんだし……」
佐々木「ああ、憂鬱だ」
~翌朝~
佐々木「さて、体に変わったところもなさそうだし」
佐々木「もう大丈夫かな……」
とぅるるるる
佐々木「ん、キョンか……」
佐々木「もしもし」
キョン「おお、元気そうだな」
佐々木「なんだい、藪から棒に」
キョン「いや、なんというか。昨日の去り際のお前が何だか妙な感じがしたからな」
佐々木「そ、そうかな」
キョン「ちょっと気になって電話したのさ。いや、なんともないならいいんだ」
佐々木「まったく、心配性だね君も。でも、そういう優しい所が好きだよ」
キョン「え?」
佐々木「い、いや!ゆ、友人としてね!」
キョン「あ、ああ、そうか」
佐々木「(だめだ……全然治ってないじゃないか……)」
佐々木「と、とにかく、もう切るよ」
キョン「あ、なんだ。忙しかったか、悪いな」
佐々木「違うよ、君の声を聞いてると、会いたくなっちゃうから」
キョン「はあ?」
佐々木「いやその!学校の友達とね!早く学校行きたいなあなんて!」
キョン「(昨日友達少ないって言ってたなかったっけ……?)」
佐々木「まずい」
佐々木「こんな調子で学校なんかに行ったら……」
佐々木「……」
佐々木「こんな僕にだって、一応イメージってものがあるんだ」
佐々木「うーん」
佐々木「まあいいか、とりあえず登校してみて、ダメそうなら早退すればいいさ」
~放課後~
佐々木「……なんともなかった」
佐々木「何事もなく、普通……」
佐々木「朝で薬が切れたと考えるべきなのかな」
佐々木「やれやれ、人騒がせなあめ玉だったよ」
佐々木「くっくっくっ」
キョン「あれ?佐々木じゃないか」
佐々木「やあ、奇遇だね」キュン
佐々木「あ、あれ……?」
だれか佐々木の画像はよ
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/27(金) 22:40:13.74:0g56vlD4062:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/27(金) 22:50:24.65:0g56vlD40
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/27(金) 22:41:51.18:ayTW2/XjP
キョン「どうかしたか?」
佐々木「い、いや、何も……」
キョン「ははあ、さては腹が減ってるな?」
佐々木「え?」
キョン「俺からたかろうったってそうは行かないぞ、何せ財布がスッカラカンだからな!」
佐々木「いや、誰も聞いてないんだけどね……」
キョン「そ、そうか」
ぐー
佐々木「キョン、君、お腹が減っているのかい」
キョン「……」
~~~~~~
佐々木「くっくっくっ」
キョン「いつまで笑ってるんだよ、まったく。弁当を忘れる日だってあるだろう」
佐々木「悪いね。でも、そんなにがっついてハンバーガーを頬張ることないじゃないか」
佐々木「ハンバーガーは逃げないよ」
キョン「いや、そうとも限らん」
佐々木「くっくっ、君は本当に用心深くなったな」
キョン「何が起きても不思議じゃないからな……がつがつ」
佐々木「……」
キョン「……?」
佐々木「あ、ああ、ごめん。君の食べっぷりがいいから、なんだか見とれていたよ」
キョン「動物園感覚か?まあおごってもらってるから文句は言わんがな」
佐々木「違うよ、なんていうか、愛おしいっていうか」
キョン「はあ?」
佐々木「あ!?いや、だからやっぱりあれだね、動物園感覚だね、はは」
キョン「お前、やっぱりなんか変じゃないか?」
佐々木「き、気のせいだよ」
キョン「ふむ……」じー
佐々木「あう……」
佐々木「きょ、キョン。あんまり見つめないでくれないか、恥ずかしいじゃないか」
キョン「お前、何か隠してるだろ」
佐々木「そ、そんなことないったら」
キョン「んー?」じー
佐々木「だ、だから……その、ええと」
キョン「ははあ、わかったぞ」
佐々木「!」
キョン「さてはお前、ほんとはこっちのテリヤキの方がよかったんだろ」
佐々木「……はあ?」
キョン「チーズバーガー頼んだものの、俺がテリヤキ頼んだの見て、急に食べたくなったんだな」
佐々木「いや、あのね」
キョン「皆まで言うな、ある、俺にもあるぞそういうこと。だから気持ちはよくわかる」
佐々木「キョン?」
キョン「まあもともとお前の金で買ったハンバーガーだ。好きなだけ食えよ」
佐々木「……なんだかなあ」
最近は佐々木スレが多くて嬉しい。小躍りしそう
198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 13:10:07.04:lRrFRNY60488:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 00:12:04.72:VdEny4q/P
キョン「確かにこのテリヤキの匂いは殺人的だからな」
佐々木「くっくっ、まあそういうことにしておこうか」
佐々木「(助かったね、これは)」
キョン「ほれ」
佐々木「ん?」
キョン「食っていいぞ。ほれ、あーん」
佐々木「……え?」
キョン「お前におごってもらったんだ、遠慮するなよ」
佐々木「いや、そういうことじゃなくて……」
きゅん
佐々木「(あ、あれ……?体が勝手に)」
佐々木「……あむ」
キョン「そうそう、我慢はよくないぞ」
佐々木「(これは、いわゆる間接キスというやつじゃないか……というか、あーんって)」
佐々木「(ぼ、僕はなんて恥ずかしい真似を……でも、でも)」
佐々木「……はっ」
キョン「?」
佐々木「危ない危ない、僕としたことが、状況に流されるところだったよ」
キョン「何だ、流されるって」
佐々木「いや、こっちの話だよ。気にしないでくれ」
キョン「なんだそりゃ。まあいいか、ほれ、それよりもっと食べるか?」
佐々木「いや、もう結構だよ……あーん」
キョン「それは新しいギャグなのか?」
佐々木「い、いや!ちがっ……これは」
キョン「……ほれ、あーん」
佐々木「あむ」
キョン「ははは」
佐々木「(だ、だめだ……だんだん抗えなくなってきている様な気がする……)」
おい なんだコイツ 可愛いぞ
499:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 00:30:24.48:VdEny4q/P佐々木「ね、ねえキョン。もうやめにしないか、周りが見てるよ」
キョン「え?そうか?」
佐々木「周りから、恋人か何かかと思われてしまうよ」
キョン「別にいいじゃないか」
佐々木「え?」
きゅんっ
佐々木「はう……」
キョン「知り合いに見られてるわけでもなし、そんなに気にするなよ」
佐々木「ぽけー」
キョン「おい、聞いてるか?」
佐々木「そ、それは告白と受け取ってもいいのかな」
キョン「はい?」
佐々木「はっ……うわぁぁっ!な、なんでもない!なんでもないよ!」
キョン「なあ、体調悪いのか?」
佐々木「……ある意味そうかもね」
キョン「なんだ、無理させちまったみたいで悪かったな」
佐々木「いや、気に病むことはないよ。僕は君とこうして二人でいるのが好きだからね」
キョン「え?あ、そ、そうか?」
佐々木「あ、その……うん、それは本当に」
佐々木「(これは本当にそうだからなあ……否定もできないけれど……あれ)」
佐々木「(ちょっと待てよ……僕が飲んだのは素直になる薬だったな)」
佐々木「(僕はさっきから、薬のせいで変になっていると思っていたけれど)」
佐々木「(あれは全部僕の本心なのか……?自然な気持ち……?)」
佐々木「……」
キョン「なんか本当に具合悪そうだな、とりあえず家まで送ろう」
佐々木「え?あ、ああ……すまないね」
キョン「ちゃんと掴まってろよ」
佐々木「うん」
キョン「なんか久しぶりだな、こうして二人で自転車乗るのも」
佐々木「そうかもしれない」
キョン「学校は楽しいか?」
佐々木「それなり、かな」
キョン「そうか」
佐々木「……ねえ、キョン」
キョン「ん?」
佐々木「風が気持ちいいね」
キョン「そうだな」
佐々木「(僕の、素直な気持ち……か)」
佐々木「……」
ぎゅっ
キョン「え?」
佐々木「ちゃんと掴まってろ、って言っただろう?」
キョン「あ、ああ」
佐々木「あのね、キョン」
キョン「ん」
佐々木「正直なところ、僕は今現在のこの生活に結構満足しているんだ」
佐々木「それなりに充実もしているし、そんなに退屈だとも思わない」
佐々木「むしろ、劇的にいろいろなことが起こり続けていて、驚きの連続さ」
キョン「そいつはよかった」
佐々木「でもね」
佐々木「そんな慌ただしい毎日の中でも、こうして君と二人で自転車に乗っていた時のことを思い出すんだ」
佐々木「僕らが中学生だった頃、周りの景色はとても退屈に見えたよ」
佐々木「まるで世界が止まってしまっているような閉塞感の中にいた」
佐々木「今振り返るとそんな気がしてならない」
佐々木「でも、それでも、僕はあの時のことをしつこく思い出す」
佐々木「過去のどこかに落とし物でもしてきたみたいにね」
キョン「ふむ」
佐々木「それでね、思ったのさ」
佐々木「あの頃の僕にあって、今の僕にないもの」
キョン「なんだそりゃ」
佐々木「……キョン」
ぎゅっ
キョン「わわっ!?」
佐々木「君が隣に居ない、ただ、それだけの違いなんだけれど」
佐々木「でも、それは……僕にとって、世界がまるで変わってしまうことより大きな出来事みたい」
552:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 02:38:44.14:Gn5SuFZC0
>>551
うっ!!
くぅっ!
ふぅ・・・
559:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 03:06:06.10:t1wpg5c50うっ!!
くぅっ!
ふぅ・・・
680:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 13:45:50.68:5Sm7e2Wv0
799:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/29(日) 22:29:32.27:VdEny4q/P
キョン「さ、佐々木?」
佐々木「ねえ、どうしてだろうね」
キョン「え?」
佐々木「こうして君の傍にいると、僕はなんとも言えない気分になるのさ」
キョン「はあ」
佐々木「なんというか、気兼ねなく、自分らしくいられるんだ」
佐々木「自分自身を演じたり、体面を取り繕ったり、そういう煩わしいことを考えなくてもいい」
佐々木「ある種の心地よさ、とでも表現すると、一番近いのかな」
キョン「まあ、長い付き合いだからな」
佐々木「そうだね」
佐々木「その、こんなことを言うと、変に思われるかもしれないけれど」
佐々木「僕は、君の隣に勝手に自分の居場所を見つけていたのさ」
キョン「……」
佐々木「悪いね、つまらないことをベラベラとしゃべってしまって」
キョン「……かまわんさ」
佐々木「はー」
佐々木「(随分と好き勝手に喋ってしまった……きっと、薬の効果が切れたらとんでもなく恥ずかしいんだろうな)」
佐々木「(でも、いいじゃないか。今は、こうして身を任せていたいよ)」
ぎゅっ
キョン「なあ、佐々木」
佐々木「なんだい?」
キョン「たとえばの話なんだが」
キョン「もし、俺に彼女がいたら、どうする?」
佐々木「……え?」
佐々木「……それは、涼宮さんのことかい?」
キョン「今、俺はたとえばの話をしてるんだ」
佐々木「……そうか」
キョン「お前さっき、俺といると楽だっていっただろ、自分の居場所みたいだって」
佐々木「いざ振り返ってみると、なんだか恥ずかしいね」
キョン「もし、俺に誰かそういう、いわゆる恋人がいたらさ」
佐々木「(なんだろう……胸の奥がちくちくするな)」
キョン「お前は、こうやって俺と過ごすことも、なくなっていくんだろうか」
佐々木「そうかもしれないね」
キョン「やっぱり、そうだよな」
佐々木「現に君は涼宮さんたちと過ごす時間が増えて、僕らはめったに会わなくなっただろう」
佐々木「誰かと誰かの距離が近づくっていうことは、また別の誰かと距離をおくことでもあるのさ」
佐々木「どうしたんだい、急に。よくわからない仮定の話なんか持ち出してさ」
佐々木「(なんだかイライラするな……)」
キョン「なあ、佐々木」
佐々木「だから、なんだい」
キョン「お前が、自分の居場所を見つけたって言うならさ」
キョン「俺は、なるべくならそれを守ってやりたいと思うんだ」
佐々木「え……?」
キョン「あんまり、お前がつまらなさそうな顔をしてるのを見るのが好きじゃないからな、俺は」
佐々木「きょ、キョン?」
どくん
佐々木「(あ、あれ……なんだろう、この感じ……)」
キョン「だからさ、俺はお前とこうして気楽に過ごす時間を大事にしていきたいんだよ」
佐々木「う、うん」
キョン「ははは、悪いな、俺もつまらんことをベラベラとしゃべっちまった」
佐々木「ううん……そんなことないよ」
佐々木「つまらなくなんか、ない」
キョン「ま、彼女なんか出来る見込みもさらさらないんだけどな」
佐々木「……」
佐々木「ね、ねえキョン」
佐々木「……はっ」
キョン「ん?」
佐々木「(僕は今、何を言おうとしたんだ?)」
佐々木「い、いや、なんでもないよ」
キョン「そうか。なあ、どうでもいいが少し休憩しないか?どうも最近運動不足でな」
佐々木「あ、ああ、ごめんよ。随分長い間走らせてしまったね」
キョン「そこの公園でいいか。コーヒーでも買ってくるよ」
佐々木「……うん」
キョン「あー、ダメだな。もう年だ」
佐々木「くっくっ、バカなこと言わないでおくれよ。まだ高校生だっていうのにさ」
キョン「まあ、さっきの話だが、忘れてくれて構わんぞ」
キョン「俺に彼女ができるような遠い未来までには、お前も別の居場所を見つけてるさ」
佐々木「……」
キョン「?」
佐々木「なんだか寂しいね、それも」
キョン「そうか?」
佐々木「……」
佐々木「(さっきから、胸の奥の方でもやもやしているもの)」
佐々木「(僕は、とっくの昔にその正体に気づいていたのかもしれない)」
佐々木「(でも、それだけはだめなんだ。それだけは、言っちゃいけない)」
佐々木「(僕は本当に、キョンとのこの関係にやすらぎを感じてるんだ。それを、壊すことなんてできない)」
キョン「どうしたんだよ、急に黙っちゃって」
佐々木「え?あ、ああ、な、何でもないよ」
キョン「そんな下手くそな動揺の隠し方があるか」
佐々木「うう」
キョン「やっぱりお疲れの様子だな」
佐々木「(色々考えすぎて、頭が疲れちゃってるんだよ)」
キョン「まあ、無理もないさ。お前もあの素っ頓狂な連中に日々振り回されてるんだろう」
佐々木「当たらずとも遠からず、かな」
キョン「お互い苦労するよな、やれやれ」
佐々木「(僕は今、まったく別件で気を揉んでいるんだけどね)」
佐々木「(はあ、とにかく落ち着かなきゃいけないな)」
ごそごそ
佐々木「(ん……ポケットにアメ玉が入ってるな。糖分でも取れば、少しは気分転換になるかもしれない)」
佐々木「ぱくっ」
佐々木「……あれ、これって」
佐々木「こ、この包み紙……僕はなんてことを」
キョン「ん?どうした?」
佐々木「……!」
きゅんっ
佐々木「ふぁっ……」
キョン「?」
佐々木「(だめだ……切ないよ……)」
キョン「なんかまた具合が悪そうだな、病院寄っていくか?」
佐々木「……いや、もう少しこうしていようよ」
佐々木「(だめだ、もうキョンと別れて帰らないと、でないと……)」
キョン「そうか?」
佐々木「(僕は……本当に……)」
佐々木「ねえ、キョン」
キョン「ん?」
佐々木「さっきの話なんだけれど」
キョン「ああ」
佐々木「君は、僕の居心地のいい居場所を、なるべく残したいって言ってくれた」
キョン「そうだな」
佐々木「ただ、僕らがいくら親友だと言ったからって、いつまでもこんな毎日が続くワケじゃない」
キョン「そうとも」
佐々木「僕らだって大人になって、周りを取り巻く環境だって、大きく変わっていくんだ」
キョン「うむ」
佐々木「でも、でもね」
キョン「?」
佐々木「(だめ……やめて……)」
佐々木「僕は……僕は……」
佐々木「ずっと、君とこうしていたいって思うよ」
キョン「ん?ああ、そ、そうか」
佐々木「そのために、僕はどうすればいいのか、ってずっと考えていたんだ」
キョン「……」
佐々木「時間が流れて、僕らの周りの景色が変わっていくなら」
佐々木「僕らも、変わらなきゃいけないって、そう思った」
キョン「あいかわらず小難しい話が好きだな」
佐々木「キョン」
キョン「おう」
佐々木「(言わないで……お願い……)」
佐々木「僕はさ、ずっと恋愛は心の病だって言ってきただろう?」
佐々木「でも、気がついたら、僕は君のことばっかり考えているんだ」
佐々木「これって、心の病なんだよ」
佐々木「ねえ、もし僕みたいなのが、その……あの
佐々木「き、きき、君の彼女になりたい、なんて言ったらさ……ええと」
佐々木「キョンは、どう思うのかな……」
キョン「……」
佐々木「……」
佐々木「(すごく胸が苦しい……こんな気持ちなんだな、人を好きになるっていうのは)」
キョン「あー、その、なんだ」
佐々木「……」
キョン「笑っちまうだろうな、そんなこと言われたら」
佐々木「え……」
キョン「だって、佐々木が、だろ?想像もつかんわ」
佐々木「そ、そうだよね、僕みたいなのが……」
佐々木「(わかってたのに……こうなるってことくらい、大切なモノが壊れちゃうってことくらい……)」
佐々木「っく……ひっく……はは、変だな……なんで僕は、泣いて……ううっ」
キョン「お、おい!」
佐々木「ごめん、キョン……やっぱり僕は疲れてるみたいだ……ぐすっ」
佐々木「もう、帰るよ」
佐々木「(このアメのせいだ……こんなもののせいで、僕は大切な居場所を失ったんだ……)」
佐々木「(さよなら、キョン)」
キョン「……ちょっと待て」
ぎゅっ
佐々木「ふぁ!?」
キョン「いいか、人の話は最後まで聞くもんだ」
佐々木「きょ、キョン!?」
キョン「なあ、佐々木。いくら鈍感な俺でも今のはわかるぞ」
キョン「お前は、勇気を振り絞って俺に好意を伝えてくれたんだろう」
佐々木「だ、だからなんなのさ、関係ないだろう!僕なんか!僕なんか!」
キョン「お前から問いかけてきたんだから、最後までこっちの答えを聞けと言うとるんだ」
佐々木「いらないよ!もう十分だ!」
キョン「もし、お前が俺の彼女になりたいって言ったら?」
キョン「そんなもん、笑いがとまらんにきまっとるだろうが」
佐々木「ううっ……ひどいよ……」
キョン「だってな、そんな幸せなことってあるか?」
佐々木「え……?」
キョン「なあ、佐々木。俺はな、今まで生きててこんなに笑いがとまらんことはなかったぞ」
佐々木「あ、あの、え?いや、じょ、状況が……」
キョン「お前は頭はいいが、肝心な所が抜けてるから、わかりやすく言うぞ」
キョン「もし、お前が俺の彼女になりたい、なんて言ったらな」
佐々木「は、はい」
キョン「俺は全力を尽くして、お前のこと幸せにしてやるから覚悟しとけ!」
ぎゅぅぅ
佐々木「あ……あ……」
佐々木「ひっく……ひっく……うう……うわああああああああん」
生きててよかった
860: 忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/05/30(月) 00:42:45.38:VS7d62Lc0
きたあああぁぁぁぁ♪───O(≧∇≦)O────♪
862:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/30(月) 00:44:30.43:syCj/cJ/0
SOS団がアップを始めました
864:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/30(月) 00:45:46.39:U3xcwhPmP~~~~
キョン「なあ、いいかげん泣きやんでくれよ」
佐々木「す、すまない……でも、なんだか止まらなくて……ぐすっ」
キョン「なんだか端から見たら俺が悪者みたいじゃないか」
佐々木「で、でもっ……ひっく、その、ほんと……うれしくって……うう」
キョン「あーもう、ズルいなお前は」
ちゅっ
佐々木「んんっ!?……んっ……ちゅ」
キョン「はあ」
佐々木「……」
キョン「あ……すまん、つい」
佐々木「ず、ずるいのはどっちさ……こんなことされたら……んん」
キョン「!?」
佐々木「んちゅ……はむ……んっ……んちゅぅ」
佐々木「(もう、なんにも我慢できなくなっちゃうじゃないか……ばか)」
佐々木ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!11
872:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/30(月) 00:58:29.42:U3xcwhPmPキョン「ぷぁっ……さ、佐々木!ストップ!タイム!」
佐々木「キョンが悪いんだぞ……まだ、もっと」
キョン「んっ……んんっ……!」
佐々木「ん……ちゅっ……んむ……」
佐々木「ふにゃ……」
すりすり
キョン「……ゴクリ」
佐々木「……もっと」
キョン「……ちくしょう」
佐々木「んちゅ……んん……はむ」
佐々木「んん……もっと」
キョン「……ぐぐ」
佐々木「……♥」
佐々木「ねえ、キョン。ぎゅーってしておくれ」
キョン「あ、ああ」
ぎゅー
佐々木「ん……これで、ここはずっと僕の居場所になったかな」
キョン「そうだな」
佐々木「くっくっ、そういえば、さっき僕が言っただろう?『周りの景色が変わるなら、僕らも変わらなきゃ』って」
キョン「あー、言ってたな」
佐々木「僕はね、あの時思っていたのさ。何かを得るために、大切なモノを失う覚悟が必要なんだって」
キョン「ん?」
佐々木「キョンという親友を失うかわりに、恋人になれたら、ってね」
佐々木「でもね、違ったんだ」
佐々木「君は、昔も、今も、そしてこれからも、ずっと僕の隣にいるって、そう言ってくれたんだ」
佐々木「だからね、親友だったキョンも、これからの、その、こ、恋人のキョンも、ずっと僕と一緒に歩いてくれる」
佐々木「それはね、すごく素敵なことだと思うんだよ」
キョン「そうだな」
佐々木「ねえキョン、これからもひとつ、よろしく頼むよ」
キョン「ああ」
おしまい
三日に渡ってのろのろと書いてすまんかった、以上
886:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/30(月) 01:11:51.43:B9hQSqkY0
>>884
いやいや、めっちゃよかった乙
やっぱ佐々キョンはハッピーエンドですわ・・・
888:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/30(月) 01:13:23.03:43Cl3oxK0いやいや、めっちゃよかった乙
やっぱ佐々キョンはハッピーエンドですわ・・・
>>884乙
面白かった
891:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/30(月) 01:16:30.04:jaXp9p6U0面白かった
>>884
ありがとう、最高だった
なんかもうやっぱり佐々木は可愛いな
ありがとう、最高だった
なんかもうやっぱり佐々木は可愛いな
256:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 18:50:11.96:aBFL3uELO
ハルヒ「キョン、その佐々木さんってただの親友なのよね」
キョン「そうだが」
ハルヒ「親友ってわざわざ毎日うちの学校の校門まで来て一緒に帰るくらい仲いいわけ?」
キョン「それくらいいいんじゃないか、親友だし」
ハルヒ「……本当にただの親友なの?」
キョン「親友だっつの、な、佐々木?」
佐々木「うん、そうだね。 僕とキョンは確かに親友だよ」
ハルヒ「ふ、ふーん」
がんばれ
260:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 18:59:40.10:aBFL3uELO佐々木「それでさ、~~」
キョン「ハハハ、そいつはえらいアホなヤツだな」
ハルヒ「ねえ」
佐々木「でしょ?」
キョン「あ、そういえば先週あそこに新しい~~」
佐々木「本当かい?ぜひ行きたいな、僕」
キョン「じゃあ」
ハルヒ「ねえ!ってば!」
キョン「なんだよさっきから」
ハルヒ「親友って普通手つないで歩いたりしないと思うんだけど!」
キョン「そうか?んー……」キョロキョロ
佐々木「あ、ほらキョンあれじゃないかい?」
キョン「ああ、ほらハルヒ、見てみろよ」
ハルヒ「?」
JK「キャッキャッ」
JK「キャッキャッ」
キョン「な?ただの友達同士であるだろう女子高生だって手つないでるだろ?」
ハルヒ「あれは女の子同士でしょ!!」
キョン「女と女がいいんだから女と男でも別にいいだろ」
ハルヒ「違うの!」
佐々木「?」
キョン「? 佐々木、ハルヒの言ってる事分かるか?」
佐々木「う~ん……よくわからないや」
ハルヒ「女と女じゃ友達かもしれないけど女と男が手をつないでたら恋人って決まってるの!」
佐々木「あの……涼宮さん?だから私達は親友だってば」
キョン「そうそう」
ハルヒ「いー!!!」
いいぞもっとやれ
266:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 19:13:07.80:aBFL3uELOハルヒ「いー!!」
ハルヒ「……わかったわ、あそこの女子高生達を見なさい」
JK「アハハ」
JK「ウフフ」
キョン「仲いいな」
ハルヒ「手!つないでる手の形!」
佐々木「?」
キョン「大差ないだろ」
ハルヒ「ダメなの!あんたたちのは恋人つなぎっていうの!恋人しかしちゃダメなの!」
キョン「そうなのか……仕方ないな、ほどくか」
佐々木「えー」
ハルヒ「えー、じゃない!」
キョン「嫌なのか?」
佐々木「うん」
キョン「でもなぁ、これ恋人つなぎらしいしなぁ」
佐々木「キョン、あのね」
キョン「うん?」
佐々木「確かに僕達は恋人同士じゃないかもしれない、しかしよく考えて欲しいんだ」
キョン「ふむ……」
佐々木「この深く絡み合う君と、僕の指のように繋がっている僕達の絆を表すにはただのつなぎ方じゃいささか役不足だと思うんだ」
キョン「なるほどな」
佐々木「だからね、キョン。 たとえ僕達がまだ恋人同士じゃないとしても、僕は君にこんな風にずっと手をつないで欲しいと思ってるよ」
キョン「さ、佐々木……!」
佐々木「あぁ、キョン……!」
ハルヒ「ハイハイハイハイハイハイハイハイ!!!!」
佐々木「む」
ハルヒ「ちょっとアンタ!ちょっと、あの、えと……アンタ!!」
キョン「佐々木にアンタとか言うな」ベチ
ハルヒ「いてっ」
ハルヒ「さ、佐々木さん?さっき何しようとしてたのかしら?」
佐々木「さあ?何かしようとしてるように見えたかしら?」
ハルヒ「絶対!絶対、絶対、絶対、絶対ち、ちゅ、ちゅちゅ……キスしようとしてたわよ!」
キョン「おいおいそんな馬鹿なハル」
ハルヒ「アンタはちょっと黙りなさいよ!」
佐々木「そうだよ涼宮さん、キョンの言う通りだ、私がキョンに?キスを?そんな……僕達は親友だよ?ん?」
ハルヒ「あんた喧嘩売ってんのかってくらいムカつく女ね……」
ハルヒ「だいたいさっき佐々木さん『まだ』、とか言ってたわよね」
佐々木「んー、私そんな事言ったかな?キョンはどうだい、覚えてる?」
キョン「まだ?……そんな断片的にあげられてもなぁ」
佐々木「ね、涼宮さんって面白いね」
キョン「それだけは保証する」
ハルヒ「うっさいわよバカキョン!」
キョン「やれやれ」
ハルヒ「『まだ恋人同士じゃない』うんぬん言ってたでしょ!?まだってことはこれからなるって事なんじゃないの!?」
佐々木「うーんどうだろう?そもそもそんな事言ったかも覚えてないしね、言葉のアヤかもしれないね」
ハルヒ「……」
佐々木「じゃあキョン、僕達はそろそろ行こうか」
キョン「あぁ」
ハルヒ「ちょ、待ちなさいよ!」
なんだろう胸がスッとする
291:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 19:57:01.33:aBFL3uELOハルヒ「どこいくのよ」
キョン「新しいクレープ屋できたろ? そこに行くんだ、佐々木はクレープ好きだからな」
佐々木「じゃあね、涼宮さん」
ハルヒ「あたしも行く」
佐々木「えー」
キョン「まあまあ、そう邪険にするなよ」
佐々木「うん、わかったよ」
キョン「よしよし」ナデナデ
佐々木「へへ」
ハルヒ「……ねぇ、あたしがついてったら何か不都合あるわけ?ねぇ、なんか悪い?ねぇねぇ?」
佐々木「……は?」
ハルヒ「キョンに媚び売るのは上手なのね、もうちょっと愛想よくすれば?そうすれば友達増えるかもよ、友達の少ない佐・々・木さん?」
佐々木「……ちょっと、言わせておけば」
キョン「二人で内緒話しか?仲いいなぁ」
佐々木・ハルヒ「ううん!全っ然!?」
いいぞいいぞもっと頑張れ
300:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 20:05:48.79:aBFL3uELOキョン「俺は……そうだな、チョコバナナでいいかな」
佐々木「僕もそれが好き」
キョン「じゃあ佐々木もチョコバナナか」
ハルヒ「あたし苺生クリームがいい!」
キョン「はいはい、じゃあその三つで」
佐々木「おいしいね」
キョン「ああ」
ハルヒ「はむはふ!」
佐々木「おやキョン、口の横に生クリームがついているよ?」
キョン「ん?ああそうか、スマン、とってくれるか?」
佐々木「お安いごようだよ」ぺろっ
ハルヒ「!?!?!?」
キョン「綺麗になったか?」
佐々木「ああ、大丈夫だ」
ハルヒ「ちょっと!!!」
304:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 20:15:43.31:HAfRKBeS0
>>302
やはり貼られてるか
305:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 20:17:12.98:aBFL3uELOやはり貼られてるか
佐々木「ん?なぁに、涼宮さん?」
ハルヒ「あ、あんたさっき!」
キョン「ハルヒ、口の周りクリームだらけだぞ」
佐々木「食べ方が汚いからね」
ハルヒ「う、うっさいわ……よ……フフーン、キョン、取りなさい!」
佐々木「っ!?」
キョン「は?まぁいいが」
佐々木「あぁっ!涼宮さん!向こうにキャトルミューティレーションされてる乳牛が!」
涼宮「えっ嘘!?」バッ
佐々木「……」スッ
ハルヒ「う、嘘ついたわね!嘘つきはしけむぐゅむぐむぐ!?」
佐々木「はい、綺麗になった。 全く、涼宮さんって意外に子供っぽいのね」
キョン「あ、そのティッシュもこっちに渡せ、クレープの包み紙と一緒に捨ててくる」
佐々木「ああ、ありがとうキョン」
ハルヒ「……」
佐々木「……くっくっく」
ハルヒ「なにすんのよ!」
佐々木「口を拭いてあげたの、逆に感謝してほしいな?」
ハルヒ「あ、あんたさっきキョンの口舐めたでしょ!エッチ!」
佐々木「口の端だよ、キスじゃあるまいし」
ハルヒ「みーまーしーたー!下唇にちょっと舌を這わせた所みーまーしーたー!」
佐々木「なっ」
ハルヒ「エロ!エッチ!淫乱!」
佐々木「くっ……」
ほらやっぱり佐々木はエロいんだよ
323:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 20:33:04.92:aBFL3uELO佐々木「ん?……ふふ、涼宮さん、向こうにいる女子高生達を見てみてよ」
ハルヒ「は?」
JK「ン……ハァッ」チュッチュッ
JK「ンフ……ッ」チュッチュッ
ハルヒ「あ、あ」
佐々木「ね?最近は友達同士でキスする事も普通なの」
ハルヒ「あの人達はどうみてもそっち系の人達でしょ!?」
佐々木「そうかなぁ?私には美しい友情にみえるけどなぁ」
ハルヒ「あ、あんたまさか……」
佐々木「ち、違うよ!私が言いたいのは、友達同士でキスするのは全然おかしいことじゃないって事!」
ハルヒ「いい加減無理があるわよ」
佐々木「な、無いよ」
キョン「よっ、何話してんだ?」
佐々木「な、なんでもないよ」
ハルヒ「ねえキョン、あの女子高生達何に見える?」
佐々木「あっ!ちょっ!」
キョン「ん?……お、おぉう」
ハルヒ「ね、何に見える?友達?」
キョン「いや、友達っていうかあれは……あれだろ、その、同性愛者の方々っていうかなんていうか」
ハルヒ「そうよね!フフっ、佐々木ね?あの人達がただの友達同士に見えるんだって」
佐々木「ち、違っ!そんなこと言ってないもん!」
キョン「さ、佐々木……」
佐々木「キョン……信じてよ……」
キョン「ふむ、確かにそう言われてみればそうみえなくともないな、最近じゃ女の子同士で遊びでキスすることもあるようだし」
ハルヒ「なっ」
佐々木「だよね!だよね、キョン!」
ハルヒ「あの二人はどう見てもただのレズビアンじゃない!」
キョン「ハルヒ!!!」
ハルヒ「!?」
キョン「なんでもかんでも偏見の目で見るんじゃない」
キョン「それにもしお前が同性愛者だとしてだ、好きな人と一緒にいた所にさっきのお前みたいな奴がやってきて『レズビアンだー!』って指差しながら叫んだらどう思う?ん?」
ハルヒ「そんなの……嫌よ、嫌に決まってるわ」
キョン「そうだな、そしてお前はそんな奴じゃないよな」
ハルヒ「うん」
キョン「よし」
ハルヒ「私……謝ってくる!」
キョン「うむ、いい子だ」
ハルヒ「う、うっさいばか!」タタタッ
佐々木「彼女、結構良い人じゃないか」
キョン「だろ?」
佐々木「……さて、僕達はそろそろ帰ろうか」
キョン「だな」
佐々木「ねえキョン、今日もいいかい?」
キョン「もう二週間連続になるぞ?本当に親御さんから了承は得てるんだろうな?」
佐々木「もちろんだよ、それともキョンは帰っても誰もいない寂しい家僕に帰れっていうのかい?」
キョン「そんな馬鹿な」
佐々木「じゃあもしかして……迷惑、かい?」
キョン「それこそ馬鹿な、むしろウェルカムだ、妹も喜ぶしな」
佐々木「くっくっく、じゃあ今夜もお邪魔させてもらおうかな」
キョン「あぁ」
ハルヒ「ちょっとぉぉぉぉぉ!?」
ハルヒwww
344:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 21:14:05.40:aBFL3uELO佐々木「やれやれ……ずいぶん地獄耳だな」
ハルヒ「さっき泊まるとかなんとか言わなかった?」
キョン「言ったが」
ハルヒ「二週間になるとかなんとかも言ってなかった?」
佐々木「言ってたね」
ハルヒ「ダメでしょおおおおお!?」
キョン「はぁ、何がだよ」
ハルヒ「そ、そんなの不純異性交遊よバカキョン!」
キョン「不純異性交遊って……お前なぁ」
佐々木「ほぅ不純異性交遊、不純異性交遊ねぇ……」
ハルヒ「な、何よ」
佐々木「つまり涼宮さんは私とキョンがセックスをしていると、そう言いたい訳だね?」
キョン「せ、セックスって、ば、ばかお前……」
ハルヒ「か、可能性よ!可能性があるだけで高校生男女の同棲なんて許されるわけないわよ!」
佐々木「なるほど、涼宮さんは『親友』という間柄は性行為を行う可能性がある間柄だ、と、そう認識している訳だ」
ハルヒ「は、はぅぁあ!!!!」
佐々木「だそうだよキョン?どうだろう、親友としての間柄を深めるために今夜あたり、幸いな事に僕達は男女の親友だからそういう事をするのも不可能ではない訳だけど……」
キョン「バッバカ、佐々木!おおおおま、なっ、えっ!?本気かっ!?」
佐々木「くくく、冗談だよ、キョン」
キョン「ふぅ、あまり過ぎた悪ふざけはよせよ佐々木……」
佐々木「それにしては本気で動揺していたね?」
キョン「お前がやたらと真に迫ってたからな」
佐々木「ばっ、ばか、何を言うんだ君は!も、もう、まったく」
ハルヒ「わ、わかったわよ」
キョン「何がだ?」
ハルヒ「あんた達が変な事しないように私もキョンの家に泊まるわ」
キョン「は?いや部屋がなぁ」
ハルヒ「わ、私はキョンの部屋で一緒に寝るから」
佐々木「キョンの部屋には私がもういるけど」
ハルヒ「はぁ!?ぜ、絶対変な事してるじゃない!」
キョン「してねぇっつの」
佐々木「なんなら今夜しようか?」
キョン「おい」
佐々木「冗談」
ハルヒ「と、とにかく私も泊まるから!」
佐々木「どうぞどうぞ」
キョン「いやおい佐々木……」
佐々木「キョンは私の家に泊まる事にするから」
キョン「はぁ!?」
佐々木「ね、キョン」
ハルヒ「な、なんでよ!」
佐々木「だって、涼宮さんはキョンに家に泊まるんでしょ?」
ハルヒ「でも……」
佐々木「それで私達は寝る所が無くなっちゃうから、私の家に行く事にするの」
ハルヒ「そうじゃなくて……」
佐々木「わかった?」
ハルヒ「……」
佐々木「ねぇ、涼宮さん」
ハルヒ「……」
キョン「おい佐々木、ちょっとそこまでだこっちこい」グイッ
佐々木「えっ、キョン」
キョン「こいつはな、自分のわがままほとんどそのまま通してきたから、あまり言い負かされる事に慣れちゃいないんだよ」
佐々木「だからって」
キョン「分かってる、だから言い負かすのは段階的に、ちょっとずつにしてくれ、な?」
佐々木「……」
キョン「古泉も死ぬかも知れんし……それにほら、あんな風にしょげてるのは可哀相だろ?」
佐々木「……もう、わかったよ」
キョン「佐々木、ありがとな」
佐々木「本当に、誰にも優しいんだな、君は」
キョン「そんなんじゃないっての」
古泉、バイトの時間です
366:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 21:48:28.22:aBFL3uELO佐々木「涼宮さん」
ハルヒ「……な、なによ」
佐々木「な、泣いてるの!?」
ハルヒ「泣いてないわよ!目にゴミがはいっただけ!」
佐々木「……キョンが二人泊まるくらいならなんとかなるって」
ハルヒ「ほんと!?」
佐々木「うん」
ハルヒ「じゃあ私も一緒に泊まるわ!」
佐々木「うん、だから誘おうと思って」
ハルヒ「さ、佐々木さん……」
佐々木「ん?」
ハルヒ「えっと……あ、ありがとね」
佐々木「う、うん」
キョン「じゃあ行くかー」
何よりイチャイチャしてるキョンと佐々木を見ながらぐぬぬしても手も足も出ない無様なハルヒが見たい
375:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 22:00:50.51:lRrFRNY60387:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 22:09:57.69:aBFL3uELO
キョン妹「おかえりー!あ、ハルにゃんもいるー!」
キョン「あれ、母さんは?」
キョン妹「用事があって突然帰れないってー、ご飯はキョン君とささにゃんに作ってもらえって言ってたー」
キョン「そっか、すまん佐々木、頼めるか?」
佐々木「まかせてよ」
ハルヒ「私も作る!」
キョン「そっか、じゃあ任せた」
キョン「うん、美味かった」
キョン妹「おいしかったねー!」
佐々木「後片付けは僕がするよ、キョン達はお茶でも飲んでてくれ」
ハルヒ「わ、私も手伝う」
佐々木「そう?ありがと」
キョン妹「ねーねーキョンくーん」
キョン「んー?」
キョン妹「キョンくんさー、どっちと結婚するのー?」
佐々木「!」
ハルヒ「!」
キョン「結婚はまだ考えてないからなー、そんな先の事聞かれてもなー」
キョン妹「えー」
キョン「ホラ、いいからお風呂の準備してきなさい」
キョン妹「はーい」
佐々木「なかなかませてるんだね」
キョン「ん?」
佐々木「キョンの妹さんだよ」
キョン「ああ、そうだな」
佐々木「キョンは結婚するならどんな女性と、とか決めているのかい?」
キョン「お前もか……うん、気が合う人じゃないか、よくわからんが」
佐々木「そうかい」
佐々木「ところでキョン」
キョン「ん?」
佐々木「僕達なかなか気が合うと思わないか?」
キョン「なんでだ?」
佐々木「僕も結婚するなら気が合う男性とって考えていたんだ」
キョン「そうか!そりゃ気が合うな、ハハハ」
ハルヒ「~~~!」
佐々木「さて、洗いものも終わったし……」キュッ
佐々木「僕も妹さんと一緒にお風呂入ってくるよ」
キョン「おうお疲れ」
ハルヒ「わ、私も一緒に入ってくるわ!」
キョン「いやいいんだがな、そういやお前パジャマとかスウェットとか持ってきてないだろ」
ハルヒ「あ、そうだったわ、どうしよ……」
キョン「……あー、俺のでよかったら貸すぞ、もちろん嫌ならいいんだが」
ハルヒ「ほんと!?」
キョン「ああ、ちょっと取ってくる」
ハルヒ「ふふん」
佐々木「じゃあ僕先入ってるよ」
ハルヒ「お先どーぞ!」
キョン妹「あつーい、もう出るー」
佐々木「うん、ちゃんとバスタオルで体拭いて上がるんだよ?」
ハルヒ『入るわ』
佐々木「どうぞ」
ハルヒ「ふっ」バンッ
佐々木「良いスタイルだね」
ハルヒ「えっ」
佐々木「そう言って欲しかったんだろう?」
ハルヒ「……なんかイラつく言い方ね」
佐々木「キョンが大きい胸が好きな男だといいね」
ハルヒ「好きよ!」
佐々木「……へぇ、そうなんだ、良い情報を聞いたよ、僕も努力してみようかな」
ハルヒ「な、なんなのよその余裕!」
佐々木「まだまだ子供だね」ザバァ
ハルヒ「……!」
佐々木「女の魅力は胸やお尻だけじゃない、首、鎖骨、肩、腰、脚、それこそ全身に魅せ方があるんだ」
ハルヒ「……」ドキドキ
佐々木「胸が大きいからあなたより勝ち、なんて考えはまだまだ『女の子』の考えだよ涼宮さん」
ハルヒ「……」
佐々木「じゃあ、私も上がるね」ポン
ハルヒ「くっ……」
パタン
佐々木「くっ……」
>>416
>佐々木「くっ……」
ワロタ
417:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 23:08:15.13:aBFL3uELO>佐々木「くっ……」
ワロタ
キョン「お、佐々木も出たのか」
佐々木「うん……あ、あのさ」
キョン「ん?」
佐々木「キョンはさ、あのさ……えっと」
キョン「どうしたんだ?」
佐々木「……くく、いや、なんでもない」
キョン「そうか……?」
キョン妹「佐々木お姉ちゃーん髪の毛かわかしてー」
佐々木「うん、こっちに座って?」
キョン妹「わーい」
キョン「……?」
ハルヒ「……」スゥーッ
ハルヒ「はぁー……いいわ」
キョン『ハルヒもう出たのか?』
ハルヒ「わわっ!?」
キョン『俺もそろそろ入りたいから急いでくれ』
ハルヒ「わ、わかったわよ!」
キョン「佐々木が俺の部屋に布団敷いてくれたから、そこで寝ろよ」
ハルヒ「うん」
ガチャ
佐々木「あ、涼宮さんこっちなの?」
ハルヒ「ちょっとぉぉ!!」
佐々木「涼宮さん、もう夜だよ」
ハルヒ「はっきり言わせてもらうけどその格好は妹ちゃんの教育に悪いわ!」
佐々木「僕これしかもってないんだ」
ハルヒ「嘘ついてんじゃないわよ!」
佐々木「やれやれ、そんな嘘をついて私に何の得があるの?」
ハルヒ「こ…の……」
佐々木「涼宮さんは床の布団でいいよね」
ハルヒ「は?」
佐々木「私とキョンはこっちのベッドに寝るから」モソモソ
ハルヒ「ちょ……っと待ちなさいよ~!」ズルズル
佐々木「きゃっ、ちょ、ちょっと足引っ張らないで、ホントに!めくれる!めくれるから!」
ハルヒ「そんなのうっっっすぃ~~の着てるのから悪いんでしょぉ~!」ズルズル
佐々木「ちょっと!ちょっと待ってよ涼宮さん、見えちゃうから!」
ハルヒ「めくれてなくても見えてるわよこのエロ女!」
めくれる・・・やはりネグリジェか・・・女狐め
455:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 23:52:10.29:aBFL3uELOキャーキャー
キョン「ふむ、案外仲良くやってるみたいだな」
キョン妹「キョンく~ん早く寝ようよ~」
キョン「ああはいはい、今そっちにも布団敷くんだから」
佐々木「ずるいよ!布団にくるまるなんてずるいよ!」
ハルヒ「アハハハハッ!このベッドは私のものよ!」
佐々木「えいっえいっ」ドン、ドン
ハルヒ「わっ、キャッ」コロコロドサッ
佐々木「くっくっく、自らの策があだとなったね、やっぱり君はまだお子様だよ」
ハルヒ「くっ」
佐々木「これでキョンのベッドは私の物!そしてキョン自身も私のもの!」
ハルヒ「なー!?本性あらわしたわね!?」
キャーキャー
こうしてキョンのベッドの取り合いは、キョンが妹の部屋で寝ている事に気がつく夜更けまで続きましたとさ。
糸冬
今更だけど俺>>1じゃないからね
474:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/28(土) 23:59:31.69:ObaS32QL0
ID:aBFL3uELO
乙、よかった
乙、よかった
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二度おいしいSSだったぜ