1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:43:07.20:41Ol7JVD0

まどか「即座に生徒指導室に連れていかれてて盛大に吹いた」

ほむら「……」

 
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:44:28.86:41Ol7JVD0

ほむら「まどか、今度の休日、私の車でドライブに……」

まどか「ごめんほむらちゃん、無免許運転の車になんて乗りたくないよ」

ほむら「……」

 
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:44:59.29:ZTVUcQiS0
ほむぅ

 
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:47:17.58:41Ol7JVD0

ほむら(まどかに喜んで欲しくて頑張って買ったのに……)

ほむら(運転テクニックも、GBのドラえもんカートでたくさん練習したから大丈夫なのに……)

ほむら(悲しいわ……)

 
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:52:41.18:41Ol7JVD0

ほむら(地図も買ってきたわ……)

ほむら(ナビの便利さもいいけれど……)

ほむら(まどかと一緒に地図を見ながら行き先を決めたら、凄く楽しそうだから……)

まどか「あれ? 地図なんか抱えてどうしたの、ほむらちゃん?」

ほむら「まどかとのドライブで使おうと思ってたの」

まどか「だから車は駄目だって。法律は守らなくちゃ駄目だよ」

ほむら「……」

まどか「でも……」

ほむら「??」

まどか「魔法での運転なら、事故は起こさないよね?」

ほむら「ええ」

まどか「そっか。それなら―――」

 
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:54:36.57:8CP79G5N0
タンクローリーだッ!

 
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:58:13.57:41Ol7JVD0

――――

土曜日


ぷっぷー

まどか「あ、クラクション!」

ほむら「迎えにきたわ、まどか」

まどか「ありがとう! それにしてもやっぱりリムジンは目立つねー」

ほむら「ええ……」

まどか「それじゃ乗せてもらうねー」

ほむら「どうぞ」

 
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:03:21.39:41Ol7JVD0

まどか「わぁー! すっごい広い!」

ほむら「……」ホムホム

まどか「シートも座り心地抜群!」

ほむら「……」ホムホム

まどか「これなら一泊二日のドライブもずっと快適に過ごせそう!」

ほむら「一泊二日?」

まどか「え、違うの? 土日ずっと小旅行するつもりでいたんだけど」

ほむら「……いえ、それでいきましょう」

ほむら(棚から苺大福ね……)

 
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:06:58.90:41Ol7JVD0

ぶろろろろー

まどか「ところでほむらちゃん。そこらへん曖昧だったけど、行き先はどうする?」

ほむら「そこに昨日私が持っていた地図があるわ。開いてみて」

まどか「あ、本当だ。えっと……、いくつか折り目がついてたり、ペンで印がつけてあったりするのは」

ほむら「良さそうな場所をいくつかピックアップしてみたの……」

まどか「なるほどー!」

 
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:10:08.72:41Ol7JVD0

まどか「ふふっ」

ほむら「??」

まどか「色々な場所が候補にあがってる」

ほむら「……」

まどか「ほむらちゃん、今日のドライブを本当に楽しみにしててくれたんだね」

ほむら「……ええ」

まどか「そんなほむらちゃんのために、今日はお昼をつくってきたよ」

ほむら(まどかの手作りお昼!?)

まどか「どこか落ち着く場所で食べようね」

 
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:15:08.26:41Ol7JVD0

まどか「あ、ここいいな!」

ほむら「何ページ?」

まどか「えっと、78ページのペンで印がつけてあるとこ!」

ほむら「ああ。海の方ね」

まどか「ほむらちゃんページ数で分かるの!?」

ほむら「たくさん地図と睨めっこしたから……」

まどか「すごーい! なんかかっこいいね!」

ほむら「……」ホムホム

 
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:19:21.44:41Ol7JVD0

ほむら「そのページに、蛍光ペンで四角く囲ってあるところがあるでしょう?」

まどか「えーと。あ、これ? ○○公園ってとこ?」

ほむら「そこであっているわ。その公園には、海を一望できる展望台があるそうなの」

まどか「わぁー! いいね!」

ほむら「……」

まどか「それじゃあまずはそこに行ってみようか!」

ほむら「ちょうどお昼頃には到着できると思うわ」

 
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:23:43.84:41Ol7JVD0

まどか「通り過ぎる人通り過ぎる人、みんなこっちの方を見ていくね」

ほむら「気になる?」

まどか「うーん、だんだん慣れてきた」

ほむら「もしも落ち着かないならカーテンを閉めるといいわ」

まどか「じゃあ、そうしよう」

 
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:27:13.17:41Ol7JVD0

ほむら「……」

まどか「ふわぁー……」

ほむら「ごめんなさい、退屈かしら……」

まどか「あ、違う違う! わくわくしてるよ!」

ほむら「……」

まどか「ただ、お弁当作るために早起きしたから、眠くって……」

ほむら「公園に着いたら起こすから、寝ていても構わないわよ」

まどか「でもそれだとほむらちゃんが退屈じゃない?」

ほむら「大丈夫。私は……」

まどか「ほむらちゃんは?」

ほむら「いえ。やっぱりなんでもないわ」

まどか「??」

ほむら(私はまどかと一緒にいられるだけで幸せだから……)

 
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:32:29.38:41Ol7JVD0

ほむら「……」

まどか「すーすー」

ほむら「……」ホムホム

まどか「すー、すぅー」

ほむら(そろそろ国道にのるわね……)

 
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:38:00.27:41Ol7JVD0

ほむら(よく晴れた空……)

ほむら(この天気が明日までもてばいいのだけれど)

まどか「ん、んんー……。もうついたぁー?」

ほむら「いいえ。もう少しよ」

まどか「そっかぁ」

ほむら「もう海沿いを走っているから、カーテンを開けて景色を見てみたらどうかしら」

まどか「どれどれ……。わあっ、綺麗な海!」

ほむら(まどかの方が綺麗よ……)

まどか「日光できらきらして、きれーい」

ほむら「そうね」

まどか「あっ、船だ! おっきーい!」

ほむら(はしゃぐまどかも可愛いわ……)

 
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:39:46.82:41Ol7JVD0

ほむら「そろそろ到着するわ」

まどか「おっ、あれだね! あの灯台みたいな建物が展望台かな?」

ほむら「だと思うわ」

まどか「あそこからだったら水平線の向こう側まで見えちゃいそうだね」

 
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:44:22.77:41Ol7JVD0

ききーっ

まどか「わっ!?」

ほむら「……」

まどか「きゅ、急に止まったからびっくりしちゃった」

ほむら「ごめんなさい……。まだリムジンの運転になれていなくて……」

まどか「あ、責めてる訳じゃないから大丈夫!」

ほむら「ほむぅ……」

まどか「それじゃ、降りよっか」

ほむら「そうね」

 
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:47:54.43:41Ol7JVD0

まどか「潮風が気持ちいいー……」

ほむら「そうね……」

まどか「海鳥の鳴き声といい、いかにも海の近くー! ……って感じだよね」

ほむら「公園といっても遊具はないわね」

まどか「どちらかというと広場のような感じの場所だね」

ほむら「あら。あそこに屋根付きのベンチがあるわ」

まどか「お昼はあそこでにしよっか!」

 
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:52:02.25:41Ol7JVD0

ほむら「そうそう。腰を落ち着ける前に、自販機で飲み物を買いましょう」

まどか「お弁当はサンドイッチ中心だから、お茶でもジュースでもどっちでも合うと思うよ」

ほむら「じゃあ……、コーラで」

まどか「わたしはおーい、お茶に」

ほむら「それだけは止めなさい」

まどか「えっ?」

ほむら「おーいお茶は良くないわ」

まどか「そうなの……?」

ほむら「許せないわ、おーいお茶」

まどか「ほむらちゃんがそこまで言うなら止めておくけど……」

 
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:55:45.75:LCKMbqMy0
どんだけ買ったんだwww

 
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:56:05.50:41Ol7JVD0

まどか「けっきょくわたしもコーラにしちゃった!」

ほむら「おそろいね……」

まどか「飲みあいとかできないね」

ほむら「……」

まどか「さて、お待ちかねのお弁当です! じゃーん!」

ほむら「……」

まどか「……」

ほむら(ぐっ、ぐちゃぐちゃに崩れているわ……)

 
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:59:33.75:41Ol7JVD0

ほむら(もしかして、さっき私が急気味にブレーキをかけたから……)

まどか「てへへ……。なんか、ごめんね。こんなに汚くって」

ほむら「もぐもぐ……。いえ、とっても美味しいわ」

まどか「本当……?」

ほむら「ええ。ありがとうまどか」

まどか「そっか。なら、よかった」

ほむら「……」ホムホム

 
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:04:04.38:41Ol7JVD0

ほむら「お昼を食べ終えたら展望台に登ってみる?」

まどか「そうしよう! その後は、砂浜の方に降りてみよっか」

ほむら「ここは泳ぐにはあまり適していないそうだけど……」

まどか「ちょっと砂浜でちゃぷちゃぷするぐらいなら平気平気ー。
       それにどちらにしろ、水着が無いから本格的に泳ぐことはできないしね」

ほむら「いえ、水着なら用意してあるわ」

まどか「ほむらちゃんは水着があってもわたしが……」

ほむら「まどかにぴったりの水着も用意してあるわ」

まどか「……なんでサイズが分かったの?」

ほむら「ほむぅ……」

 
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:06:03.45:41Ol7JVD0

まどか「あ。ほむらちゃん、ちょっとじっとしてて」

ほむら「!?」

ほむら(ど、どどど、どうしてそんなに接近して!?)

まどか「はい。口の端にサンドイッチの卵がついてたよ」

ほむら「あ……」

まどか「勿体ないし食べちゃえ」パクッ

ほむら「!!」

 
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:07:13.98:iidaFP3a0
ほむっ!?

 
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:07:35.46:91l2ow5N0
ほむむっ!

 
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:09:47.50:HNVZKz050
ほむむむっ♪

 
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:10:52.70:41Ol7JVD0

まどか「あれ? どうしてほむらちゃん顔が赤いの?」

ほむら「……」

まどか「なっ、なんだかわたしまで恥ずかしくなっちゃうよ……」

ほむら「……」

まどか「……」

ほむら「少しもたれかかってもいいかしら……」

まどか「うん。展望台へは、もう少しぼーっとしてからいこっか」

 
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:14:11.53:41Ol7JVD0

――――


まどか「わーっ! 凄い景色ー!」

ほむら「写真をでも撮る?」

まどか「カメラ持ってきてたの?」

ほむら「ええ。愛用のポラロイドカメラを持ってきたわ」

まどか「何故ポラロイド!?」

ほむら「ほむぅ……」

まどか「あ、そうだ。せっかくだし、青空と海をバックに2人で写ろうよ!」

 
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:21:23.97:41Ol7JVD0

まどか「もっとこっちに寄って寄って!」

ほむら(ほとんど密着状態だわ……)ホムホム

まどか「はい、チーズ!」

ぱしゃっ

まどか「あれ? 失敗した?」

ほむら「いえ。現像は徐々に進んでいくのよ」

 
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:24:22.99:41Ol7JVD0

まどか「こ、こんなにくっついてたんだ、わたし達……」

ほむら(一生の思い出ねの品……)

ほむら「写真の裏かはじっこに、ペンで日付でも記入しましょうか?」

まどか「いいねいいねー!」

ほむら「筆記用具は車の中にあるから、また少し後でになるけれどね」

 
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:27:23.28:41Ol7JVD0

まどか「この100円双眼鏡使ってみようよ!」

ほむら「いいわよ。はい」チャリン

まどか「えっ? お金出してもらっちゃっていいの?」

ほむら「勿論よ。そんなことより、早く覗かないと時間が勿体ないわ」

まどか「わぁー! そうだった!」

ほむら(そうしてはしゃいでいるまどかを後ろからじっと観察するの)ホムホム

 
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:33:14.23:41Ol7JVD0

まどか(遠くの景色が、まるで目の前にあるみたいに見える……)

まどか(世界って広いなー、なんちゃって)

まどか(あ、レンズが遮られた)

まどか「ほむらちゃーん、終わったよ」クルッ

ほむら「!?」ホムッ

まどか「ちかっ!?」

ほむら(い、いいい、今唇が当たりそうになった!!)

ほむら(ほむーっ! ほむーっ!)

 
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:35:28.02:41Ol7JVD0

まどか「そろそろ浜辺に降りていこう?」

ほむら「……」

まどか「ん? どうしたの?」

ほむら「その……、よかったら、手を」

まどか「ああ! うん、いいよ。繋ごう!」

ほむら「……」ホムホム

 
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:39:15.38:41Ol7JVD0

ほむら(少しずつ……指を絡めて……)

ほむら(できたわ、恋人繋ぎ!)

ほむら(これでもう傍から見たら、仲の良い恋人……には、見えないわよね)

ほむら(せいぜい仲のいい友達ぐらいにしか見えないのでしょうね……)

 
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:41:45.78:41Ol7JVD0

まどか「ここまで海に近付くと、波の音もよく聞こえるね」

ほむら「海沿いなのに人の喧騒がないから、余計に音が際立つわね」

まどか「靴、そこらに脱ぎ捨てちゃおっか?」

ほむら「邪魔だものね」

まどか「えいっ」

ほむら(まどかの足、ちっちゃくて可愛いわ……)

 
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:45:23.79:41Ol7JVD0

まどか「あはは、お水つめたーい!」

ほむら(いつまでもこの笑顔を見守っていたい……)

まどか「あっ! 見てみてほむらちゃん、カニさんだよ!」

ほむら「つかまえてみる?」

まどか「うーん。可哀想だからいいや」

ほむら(優しいわ)

 
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:48:45.90:41Ol7JVD0

まどか「それにしてもほむらちゃんって脚きれいだね」

ほむら「そうかしら……」

まどか「クラスのみんなにはナイショにしちゃお。わたしだけの秘密」

ほむら「……」

まどか「そうだ! 砂でお城でもつくってみない?」

ほむら「いいわよ。それは私の得意分野だし」

まどか「へえー。でも確かにほむらちゃんって、手先器用そうだもんね」

 
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:53:06.17:41Ol7JVD0

まどか「よいしょ、よいしょ」

まどか(できた! まどか城!)

まどか(ほむらちゃんは……)

ほむら「……」ホムホム

まどか「本気で上手っ!?」

ほむら「小さい頃よく砂場でつくっていたから……」

まどか「それにしても凄いよ……。ああ、まどか城がまどかハウスぐらいに見えてきた」

ほむら「ほむら城に移住してくればいいわ。まどかなら歓迎よ」

まどか「本当ー? それなら一緒にほむら城に住んじゃおっかな」

ほむら(まどかと1つ屋根の下だなんて……)

ほむら(なんという天国なのかしら……)

 
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:59:39.49:41Ol7JVD0

ほむら「完成したわ」

まどか「凄いすごーい! せっかくだしこれも写真にとっちゃおうよ!」

ほむら「まどかが撮りたいというのなら……」

まどか「よーし。それじゃあ早速―――」

ザザーン

ほむら「波で……お城が……」

まどか「あ、あはは……、潮が満ちてきてるみたいだね」

ほむら「ほむぅ……」

まどか「でも大丈夫。ほむら城はなくなっちゃったけど……」

ほむら「??」

まどか「ほむらちゃんの隣は、まだ残ってるもんね!」

ほむら「……」ドキドキ

 
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:06:16.09:41Ol7JVD0

まどか「だいぶ陽も落ちてきたねー」

ほむら「夕暮れ時の海は綺麗ね……」

まどか「こうして波の音を聞きながら、2人で並んで座ってると……」

ほむら「??」

まどか「なんだか、世界中にわたし達しかいないみたいに思えてくるね」

ほむら「ふふ。そんな世界じゃ、退屈なんじゃないかしら」

まどか「どうかな。それはそれで、悪くないかなって思うよ」

ほむら「……」

まどか「ねえ、ほむらちゃんはどう思―――」

まどか(えっ!?)

まどか(なっ、なんでだろう……)

まどか(ほむらちゃんの横顔が、とっても綺麗に見える……)

まどか(オレンジ色の光で染まって……、少し、いつもより大人っぽいかも)

 
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:13:06.98:41Ol7JVD0

ほむら「少し、考えたのだけれど」

まどか「うん」

ほむら「貴女にそんな寂しい世界は似合わないんじゃないかしら」

まどか「そう、かな……」

ほむら「ええ。貴女には、優しい人達に囲まれて、
       いつまでもきらきら輝いた笑顔を絶やさずいて欲しいの」

まどか「その、優しい人達って言葉の中には……」

ほむら「……?」

まどか「ほむらちゃんも入ってなくちゃ嫌だからね」

ほむら「まどか……」

まどか「だから約束して。突然いなくなったりしないって」

ほむら「……約束するわ」

まどか「ゆーびきりげんまん」

ほむら「うそついたらはりせんぼんのーます」

「「ゆびきった!」」

 
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:19:00.37:41Ol7JVD0

ほむら「そろそろ車に戻りましょうか。
       できれば暗くなりきる前に銭湯に着きたいわ」

まどか「あ、ちょっと待って」

ほむら「??」

まどか「最後に1つやってみたかったことがあるの」

ほむら「やってみたかったこと?」

まどか「こうね、足で砂をぐりぐりーって削って」

ほむら(これってまさか……)

まどか「砂浜にかいた相合傘ー、なんてね!」

ほむら「ほびゃあああああああ!!!!」

まどか「ちょっ、ほむらちゃん!? 大丈夫!?」

ほむら「失礼。取り乱したわ」

まどか「平気なら良いんだけど……」

 
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:23:20.65:IhpwX8jJ0
ほぴゃああああああああ

 
88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:23:38.41:41Ol7JVD0

まどか「砂浜にかいた文字なんて、すぐに消えちゃう。
       世界中の誰も……、わたしとほむらちゃん以外は、誰ひとり知ることのないままに」

ほむら「そうね……」

まどか「それでもね。たとえ形に残らなくっても」


ざざーん


まどか「相合傘が存在したことは、事実だから」


ざざーん


まどか「けっして無意味なんかじゃないって、そう感じるんだ」

ほむら「……私も、同感よ」

まどか「この相合傘は、あえて写真には残さないでおこうか」

ほむら「クラスのみんなにはナイショね」

まどか「うん。世界中で2人だけの秘密」

 
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:27:57.83:41Ol7JVD0

――――

ぶろろろろろ


まどか「銭湯まではどのぐらいなの?」

ほむら「車なら……、10分とかからないんじゃないかしら」

まどか「近いんだね!」

ほむら「お風呂に入ったらそのまま夕食をとりましょう。
       せっかくだし、美味しい海鮮料理屋さんでも見つけられるといいわね」

まどか「海鮮料理! 海鮮料理!」

ほむら(まどかとお風呂! まどかとお風呂!)

 
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:30:27.91:41Ol7JVD0

ききーっ……

ほむら「到着よ」

まどか「今度はゆっくり停車だったね」

ほむら「……」

まどか「えらいえらい」

ほむら「ほむぅ……」

 
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:34:28.12:41Ol7JVD0

まどか「露天風呂もあるんだー」

ほむら「身体を洗ったらそっちも入ってみましょうか」

まどか「だね!」

ほむら(汗ばんだ服を脱ぐとすっきりするわね……)

まどか「んしょ、っと」

ほむら(まどかが服を脱ぐ音を聞いただけで胸が高鳴るわ)

まどか「それじゃ行こう、ほむらちゃん」

ほむら「ええ」

ほむら(まどかの身体に巻きついてるタオル、そこかわって)

 
99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:39:20.97:41Ol7JVD0

まどか「シャンプーが目にはいったぁぁ……、染みるぅー」

ほむら(今なら裸をじろじろ見てもばれないんじゃないかしら!?)

まどか「ううぅ」

ほむら「……」ホムホム

まどか「ようやくひりひりがとれてきた」

ほむら「さっ、さあ。ボディーソープボディーソープ」

まどか「??」

 
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:42:07.77:41Ol7JVD0

まどか「お風呂上がったらさ」

ほむら「??」

まどか「あれやろっか。コーヒー牛乳一気飲み」

ほむら「私はいちごミルクにしようかしら」

まどか「それもいいねー」

ほむら「さて、と。身体を洗い終わったわ。まどかは?」

まどか「もうちょっとかかるから、先に露天風呂に行ってていいよ」

ほむら「いえ。せっかくだしまどかが洗い終わるのを待つわ」

まどか「そう? なら急いで洗っちゃうね」

 
105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:46:04.16:41Ol7JVD0

まどか「う……外への扉、重いぃー。えいっ!」

がらがらがら

ほむら「ああ、ほてった身体に夜の空気が心地いいわ。ね、まどか」

まどか「……」

ほむら「まどか……?」

まどか「ほむらちゃん、お空を見て」

ほむら「空?」

まどか「うん」

ほむら「……綺麗な星空」

まどか「おうちの近くじゃこんな空絶対に見れないよ……」

ほむら「そうね……」

 
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:53:27.18:41Ol7JVD0

ちゃぽん……

まどか「あったかーい……」

ほむら「こんなに幸せでいいのかしら……。
       宝石みたいな星空と、あったかい温泉と、それから……」

まどか「それから?」

ほむら「……」

まどか「……」

ほむら「今日は一緒に着いてきてくれてありがとう、まどか」

まどか「ううん! こちらこそ、とっても楽しかったし、綺麗なものも見れたし……。
       今日は1日ありがとう。それと……、運転お疲れ様」

ほむら「星が、手に掴めそうね……」

まどか「そうだね……」

 
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:59:33.13:41Ol7JVD0

――――


ほむら「いいお湯だったわ……」

まどか「はい、ほむらちゃん。いちごミルク」

ほむら「お金、払うわね。いくらだった?」

まどか「秘密だよーん。さ、いいから飲もう飲もう」

 
117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:12:30.04:uLh1uyTU0

まどか「あー。ほむらちゃん牛乳でひげができてる!」

ほむら「ふふっ。そういうまどかだって」

まどか「うそっ!? うわー、人にいっておきながら恥ずかしい……」

ほむら(まあそういう少し抜けてるところが可愛いのよね)

まどか「それじゃ、お食事どころを探しに行こうか!」

 
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:16:09.70:uLh1uyTU0

――――

かたかたかた


ほむら「このお店なんてどうかしら?」

まどか「おおっ、なんとなく地元の漁師さんと繋がりのありそうな感じのお店だね」

ほむら「決定ね」

「いらっしゃいませー」

ほむら「2人でお願いします」

ほむら「はい。座敷の席で」

 
120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:22:15.39:uLh1uyTU0

まどか「きたきた、海鮮丼! 具が多いー!」

ほむら(しまった。ついまどかと同じものを頼んでしまったわ)

ほむら(お昼のジュースの時と同じ轍を踏んでしまうなんて……不覚)

まどか「はい、あーん」

ほむら「……え?」

まどか「あーん」

ほむら「あーん……」

まどか「美味しい?」

ほむら「ええ。とっても美味しいわ」

まどか「よかった!」

ほむら(まどかああああああああ!! 好きぃいいいいいいいいいいい!!)

 
126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:28:59.75:uLh1uyTU0

――――


ほむら(もう頭がまどか一色で食べ物の味が分からなかったわ……)

まどか「美味しかったね!」

ほむら「そっ、そうね……」

まどか「さて、と。夜はどうしよっか?」

ほむら「いまから宿を探せるかは分からないし……。
       車の中で、ということになっても大丈夫かしら?」

まどか「うん、平気平気! あのリムジン、とっても広いもん!」

ほむら「……」ホムホム

まどか「ね。車まで、また手を繋いで歩こう?」

ほむら「ええ……!」

 
127以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:33:38.50:uLh1uyTU0

まどか「お店から車までだから、ほんの一瞬だったね」

ほむら「そうね。さ、今鍵を開けるわ」

まどか「……」

ほむら「まどか?」

まどか「ね! 車に戻るのは、やっぱり少し散歩してからにしようよ!」ギュッ

ほむら「別に構わないけれど……」

ほむら(気のせいかしら、まどかの指にこもる力が強くなったような)

ほむら(それにしても、まどかと手つなぎデートだなんて、まさしく至福の時だわ)

ほむら(まどかは、どう感じているのかしら)

 
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:45:20.35:6PMeLZ7G0
俺もリムジンを買えば…

 
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:45:29.96:/o61AnD80
いい話だけどなんか不安になる

 
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:46:24.42:uLh1uyTU0

まどか「流れ星はないかなー」

ほむら「うーん。狙って見つけられるようなものではないから、難しいんじゃないかしら」

まどか「そうだよねぇ」

ほむら「……」

まどか「だけど……、だけどもし、流れ星が落ちてきたら」

ほむら「??」

まどか「ほむらちゃんは、何をお願いする?」

ほむら「一泊二日の旅行を二泊三日にでも引きのばしてもらおうかしら」

 
136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:48:11.62:uLh1uyTU0

まどか「あはは、謙虚だねー」

ほむら「謙虚なんかじゃないわ。この上なく欲張りなお願いよ」

まどか「そうかなぁー」

ほむら「で、まどかだったらどんなお願いをするの?」

まどか「わたし? わたしはね……」


かたかたかた


まどか「永遠をお願いするかな」

ほむら「永遠……?」

まどか「うん。永遠。ほむらちゃんとの永遠」

ほむら「……」

まどか「見つかるといいね、流れ星」

ほむら「そうね……」

 
140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:54:29.60:uLh1uyTU0

まどか「はっくちゅん!」

ほむら「湯ざめしてしまったのかしら?」

まどか「そうかも……」

ほむら「そろそろ車に戻りましょう」

まどか「うん……」

 
142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:56:42.11:uLh1uyTU0

まどか「ううぅ、いつの間にかだいぶ気温が下がってた……」

ほむら「……こうすると、あったかいわ」

まどか「ほっ、ほむらちゃん!?」

ほむら「私に抱きしめられるなんて嫌だったかしら?」

まどか「あ、ううん! 嫌なんかじゃないよ! ただ……」

ほむら「ただ?」

まどか「急だったから、驚いただけ」

ほむら「そう……」

まどか「このままだと歩きにくいね」

ほむら「手を繋ぐだけに戻す?」

まどか「ううん。歩きにくいけど、このままがいい」

ほむら「私もよ」

まどか「流れ星見つけたかったなぁ……」

ほむら「見つけたかったわね……」

 
148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:06:19.40:uLh1uyTU0

――――

からからからから


まどか「なーんか、不思議」

ほむら「何が?」

まどか「ついちょっと前まで、リムジンはさすがに無いよー、なんて思ってたのにさ」

ほむら「ほむぅ……」

まどか「今、車内に戻ってきたら、なぜか凄くホッとした気持ちになった」

ほむら「そう……」

 
153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:15:10.42:uLh1uyTU0

ほむら「まどか。これは提案……、そう、あくまで提案なのだけど」

まどか「何かな?」

ほむら「別に歩いている時でなくても、手は繋げるわ」

まどか「……とっても素敵な提案だと思うよ」

ほむら「まどかぁぁ……」

まどか(リムジンよりもっと不思議なのはね、ほむらちゃん)

まどか(わたしの貴女に対する気持ち)

まどか(これって恋、なのかなあ……)

まどか(そんなわけないよね、女の子相手に……)

まどか(そう、そんなわけないのに……)

まどか(胸の中がほむらちゃんでいっぱいなのは、なんでだろう……)

 
157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:19:47.95:q84Yi/BK0
妙に切ない感じなのはなぜ

 
158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:19:56.97:d40/2AVD0
謎の音が鳴ってるのが不気味すぎるんだがなんなの

 
161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:21:01.31:6PMeLZ7G0
最近鬱多いから余計に勘ぐってしまう

 
163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:24:49.76:uLh1uyTU0

まどか「ほむらちゃんさ、好きな人いる?」

ほむら「……」

まどか「ほむらちゃん……?」

ほむら「わっ、私の、胸に……」

まどか「??」

ほむら「触ってみて……、くれるかしら?」

まどか「……」

ほむら「これが……、答えよ」

まどか(どくどくどくどく、って、ほむらちゃんの音がする)

まどか(張り裂けそうなぐらいに、指に伝わってくるよ……)

 
165以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:25:56.69:uLh1uyTU0

まどか「全然不思議なんかじゃなかったんだね」

ほむら「えっ?」

まどか「ううん。なんでも」

まどか(女の子だからとか、男の子だからとか、そういうのじゃなくて)

まどか(ほむらちゃんだから、わたしは大好きで)

まどか(きっとほむらちゃんも、同じなんだ……)

まどか(だから……)

まどか「今度はわたしの胸に触ってみて、ほむらちゃん」

 
170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:37:22.42:uLh1uyTU0

まどか「どう、かな……?」

ほむら「伝わってきたよ、まどかの鼓動」

まどか「……」

ほむら「とっても……、とっても嬉しい……」

まどか「わたしも。えへへ……」

ほむら「私、さっきまで自分の気持ちは間違っていると思っていた」

まどか「えっ?」

ほむら「凄く独りよがりで、おまけにその、一般的な嗜好じゃないから……。
       どこかでまどかに触れることを後ろめたく感じる自分がいたの」

まどか「……今は?」

ほむら「前より躊躇わずに、まどかに触れられるわ」

まどか「じゃ、もう一回抱きしめてくれる?」

ほむら「ええ。今夜は……、抱き合ったまま眠りましょう」

まどか「そうだね。そうしよう」

 
174以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:42:31.74:uLh1uyTU0

からからから


まどか「あったかい……」

ほむら「暑い、じゃなくて?」

まどか「身体は暑いけど、心があったかいの」

ほむら「なんとなく分かる気がするわ」

まどか「ふぁあー……」

ほむら「あら、もしかして眠くなっちゃった?」

まどか「うん……。ごめんね、夜更かしは苦手で……」

ほむら「気にしないで。貴女は無理せず、ありのままのまどかでいてくれればいいのよ」

まどか「ありがとう……」

ほむら「それじゃあ、おやすみなさい」

まどか「うん。おやすみ」

 
179以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:49:45.68:uLh1uyTU0

――――

翌朝


まどか(ん……、ぐるじい……)

ほむら「うぅー……」

まどか(って、うわっ!? ほ、ほむらちゃんの顔近っ!?)

ほむら「ううーん……、まろかぁ……」

まどか(寝言でまでわたしの名前呼んでるや……)

 
180以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:50:09.00:uLh1uyTU0

まどか(ほっぺつついちゃおうかな)

まどか「えいっ」

ほむら「はむっ……」

まどか(く、くくく、口で咥えられた!?)

まどか(あわわわわわわ)

ほむら「ちゅぷちゅぷ……、まろらぁ……」

まどか(や、やっと抜けた!)

まどか(朝からどきどきしちゃった……)

まどか(指についたほむらちゃんのよだれ、どうしよう……)

 
183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:55:56.91:uLh1uyTU0

まどか(直接口でなめとっても……)

ほむら「ほむー……、ほむー……」

まどか(だめだめ! そんなことしたら、なんかほむらちゃんに悪い気がする!)

まどか(わたし達は、そう……、プラトニックラブ? とかいうのなんだから!)

まどか(きちんとタオルか何かで拭こう、うん!)

まどか(ほむらちゃんのよだれに惑わされちゃうなんて、わたし変態なのかな……)

 
186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:00:28.85:uLh1uyTU0

まどか(でも……)

ほむら「ほむぅ……」

まどか(指で唇をなぞるぐらいなら、いいよね?)

まどか(よーし。そーっと、そーっと)

ほむら「……」パチッ

まどか「わっ!? お、おお、おはようほむらちゃん!」

ほむら「おはよう、まどか……。あら? どうしてそんなに慌てた顔をしているの?」

まどか「なっ、なんでもないよ! あはははは……」

ほむら「??」

 
189以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:07:48.98:uLh1uyTU0

まどか「これからどうする?」

ほむら「そうね……。とりあえず歯を磨きたいわ」

まどか「泊まるつもりで来たから、歯ブラシなら持ってきたよ!」

ほむら「さすが保健委員ね。用意がいいわ」

まどか「保健委員関係ないような……。あっ、でも1本しかなかった」

ほむら「……」

まどか「……」

ほむら「コンビニで買ってくるわ」

まどか「どちらにしろ水は必要だしね」

ほむら・まどか(まあ、私(わたし)はまどか(ほむらちゃん)と同じ歯ブラシを使ってもいいんだけど……)

 
193以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:16:12.31:uLh1uyTU0

――――


まどか「ドーナツ美味しいー」

ほむら「……」モッサモッサ

まどか「ほむらちゃんはカロリーメイトのポテト味?」

ほむら「ええ」

まどか「ポテト味って美味しいの?」

ほむら「……まずいわ」

まどか「あ、そうなんだ……」

ほむら「朝食が済んだらどこに行きましょう」

まどか「ほむらちゃんにお任せ、っていうのは、ありかな?」

 
194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:21:45.33:uLh1uyTU0

ぶるるるる


まどか「しゅっぱーつ!」

ほむら「行き先は、本当に私に任せてくれていいのね?」

まどか「うん。ほむらちゃんの行きたいところがわたしの行きたいところだよ」

ほむら「そう……。わたしの行きたい場所は帰りの方角と一致しているから、
       夕方までには貴女を家に送れると思うわ」

まどか「じゃ、あと何時間かしたらこの旅行も終わりかぁー」

ほむら「……」

まどか「なんだかあっという間だったね」

ほむら「そうね……。まるで昨日という一日が、丸ごと1つの夢みたい」

まどか「でも、夢なんかじゃないよ」

ほむら「……うん」

 
195以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:25:29.97:uLh1uyTU0

まどか「朝の海も爽やかで綺麗だねー」

ほむら「いいものよね」

まどか「またこようね」

ほむら「……これたらいいわね」

 
197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:31:45.57:uLh1uyTU0

――――

からからから


ほむら「さ、到着よ」

まどか「ほむらちゃんのきたかった場所って……、学校?」

ほむら「そう、学校よ」

まどか「でもどうして……?」

ほむら「ここが私と貴女の始まりの場所だから……」

まどか「あ」

ほむら「魔法を使えば施錠は外せるわ。こっそり侵入してしまいましょう」

まどか「ふふっ。なんだかわくわくしてきたよ」

 
199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:39:27.99:uLh1uyTU0

まどか「誰もいない校舎って、靴の音がよく響くんだね」

ほむら「まったく別の場所みたいね」


かつかつかつ


まどか「あ。気が付いたら自分のクラスの教室にきてた」

ほむら「ふふっ。私の最初の目的地はここだからいいのよ」

まどか「そうなの?」

ほむら「……まどか。自分の席についてくれるかしら」

 
202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:50:44.14:uLh1uyTU0

まどか「席に着いたよー!」

ほむら「そう。それじゃあいくわね」

まどか(いくって、何を……?)

がらがらがら……、かつかつかつ、ぴたっ

ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」

まどか(これって、転校初日の……)

ほむら「……何もかも、ここから始まったわ」

まどか「うん……、そうだね」

ほむら「隣の席に失礼してもいいかしら?」

まどか「うん!」

ほむら「よいしょ、と。……これが本当の私の席だったらよかったのにね」

まどか「てへへ。そうだね」

ほむら「まったく、先生ときたら気がきかないんだから」

まどか「あはは、ホントだよー」

 
204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:57:11.45:uLh1uyTU0

まどか「わーい、座りながらほむらちゃんに手が届くー!」

ほむら「せっかくだし少しの間だけ隣の席を満喫しましょうか」

まどか「だね!」

ほむら「こんなに近かったら……、手を繋ぎながら授業を受ける、なんてこともできるかもね」

まどか「そしたらクラス中から噂になっちゃったりして!」

ほむら「その前に2人して先生に怒られるでしょうね」

まどか「2人で廊下に立ってろー、なんて?」

ほむら「それじゃあご褒美じゃない」

まどか「確かに!」

ほむら「とにかく、とっても楽しそうね」

まどか「だね。一緒なのがほむらちゃんになるだけで、こんなにも違うんだね」

 
205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:03:12.51:K4ZD8kns0
嫌な予感がしてならない

 
206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:03:33.79:31mrVFW30
お願いします、このまままどほむラブラブちゅっちゅ最高ハッピーエンドで終わってください

 
207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:10:13.68:ju9Z36H80
本編が本編だから皆疑心暗鬼になってるw

 
208以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:10:32.64:uLh1uyTU0

ほむら「そうだわ。記念に黒板に落書きでもしていかない?」

まどか「ほむらちゃんいけないんだー」

ほむら「無免運転、不法侵入ときたら、もう怖いものなしよ」

まどか「そしてわたしもその片棒を担いでいるのでしたー!」


からからから


まどか「見てみて。ほむらちゃんだよー」

ほむら(まどかの絵はいつ見ても可愛いわ……)

まどか「ほむらちゃんは何描いてるの?」

ほむら「私? 私は……、まどかのつもり、だけど……」

まどか「なんで羽が生えてるの!? しかも頭にわっかまで!」

ほむら「まっ、まどかが天使すぎるのが悪いのよ!」

まどか「ええーっ!?」

 
211以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:18:20.82:uLh1uyTU0

ほむら「さて、次はグラウンドへ行きましょう」

まどか「その前にあれもやろうよ!」

ほむら「あれ?」

まどか「鹿目まどか。貴女は自分の人生が、貴いと思う? 家族や友達を、大切にしてる?」

ほむら「……よくそこまでしっかり覚えていたわね」

まどか「だってインパクトあったもん」

ほむら「あれは勘弁してもらえないかしら……」

まどか「ええーっ」

 
215以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:35:00.50:uLh1uyTU0

――――

グラウンド


ほむら「さて。まどか、今から貴女に魔法をかけてあげるわ」

まどか「魔法を?」

ほむら「そう。少し走ってみてくれる?」

まどか「走ってって……わっ!? は、早っ!?」

ほむら「その状態でジャンプしてみて。大丈夫、着地の衝撃は和らげるから」

まどか「わ、分かった! えいっ!!」

まどか(やっぱり高っ!?)

まどか(でも……、風を切る感覚がとっても気持ちいい)

 
216以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:35:41.03:uLh1uyTU0

ほむら「ずるっこだけど、いいものでしょう?」

まどか「あーっ! もしかして……、体育の時は、いつも魔法を使ってたの?」

ほむら「ふふっ、ばれなければいいのよ」

まどか「ほむらちゃんやっぱりいけないんだー」

ほむら「まどかだって人のことは言えないのよ?」

まどか「えっ……?」

ほむら「さあ。次に行きましょう」

まどか「あ、うん!」

 
218以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:45:38.34:uLh1uyTU0

――――

からからから


まどか「屋上まできて、何をするの?」

ほむら「私ね。前から一度やってみたいことがあったのよ」

まどか「やってみたいこと?」

ほむら「この場所で、2人きりでのんびり話してみたかった」

まどか「えーっ。そんなのいつだってできるよー!」

ほむら「ううん。やっておける時にやっておかないと」

まどか「……」

ほむら「美樹さやかと貴女は、時々ここでお喋りしてたわよね」

まどか「ああ……、うん。」

ほむら「実はあれにちょっと嫉妬しちゃってたんだ。
       それで、同じことを私もまどかとやりたいなって」

まどか「嫉妬だなんて、わたしとさやかちゃんはただの仲の良い友達だよー!」

 
221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:56:06.44:uLh1uyTU0

ほむら「空が綺麗ね……」

まどか「魔法の力で空を飛んだりできないの?」

ほむら「それはちょっと……」

まどか「そっかぁ。ちょびっと残念」

ほむら「案外不便なものなのよ、魔法って」

まどか「そっかぁ……」

 
222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:56:19.08:uLh1uyTU0

ほむら「まどかは今、幸せ?」

まどか「幸せだよ。ほむらちゃんは?」

ほむら「私もよ」

まどか「こんな幸せがいつまでも続けばいいのにね」

ほむら「ええ。本当に……」

 
224以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:59:14.12:uLh1uyTU0

まどか「なんだか少しうとうとしてきちゃった……」

ほむら「膝枕してあげるわ」

まどか「ありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「どういたしまして」

まどか「ほむらちゃんのお膝、気持ちいい……」

ほむら「まどか。そのままでいいから聞いてくれる?」

まどか「うん……」

 
226以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 04:05:56.15:uLh1uyTU0

ほむら「来週、この町に……」

まどか「この町に?」

ほむら「……」

まどか「ほむらちゃん……?」

ほむら「……ねえ。まどか」

まどか「うん……?」

ほむら「すぐに形が消えちゃった砂浜の相合傘にも、意味はあったのよね?」

まどか「あったよ。少なくとも私は、そう信じてる」

ほむら「そう。それならいいの……」

まどか「……」

ほむら「それなら私は、頑張れる……」

 
229以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 04:09:40.73:uLh1uyTU0

ほむら「さて、と。それじゃあそろそろ行きましょうか」

まどか「待って」

ほむら「……?」

まどか「キスしようよ」

ほむら「……」

 
232以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 04:16:30.54:uLh1uyTU0

からからから


まどか「こっ、こんなに恥ずかしいんだね……、キスって」

ほむら「そ、そそ、そうね……」

まどか「……」

ほむら「でも……、キスして良かったと思うわ」

まどか「うん。同じく」

ほむら「……」

まどか「……」

ほむら「来週」

まどか「??」

ほむら「来週、もう一度ここで、お話ししましょう」

まどか「えっ?」

ほむら「そしてそこで……、二度目のキスを、しましょう」

まどか「……うん。いいよ」

 
233以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 04:19:25.41:uLh1uyTU0

――――


からからからから


まどか「嘘つき!!」

まどか「ほむらちゃんの馬鹿ぁ!」

まどか「黙っていなくならないって言ったのに!」

まどか「来週もう一度屋上で話そうって約束したのに!」

まどか「こんな……」


ぶつっ

 
234:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 04:21:33.26:ju9Z36H80
ぶつっ・・・?

 
235以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 04:22:45.92:uLh1uyTU0

――――



「思い出の上映会はどうだった、ほむらちゃん」

「今のは全て幻なの?」

「砂浜にかいた相々傘と同じだよ」

「……」

「わたしにはあらゆる並行世界が見える」

「その並行世界の内の1つから、更に一場面だけを切り出したものが、今のフィルムなの」

「だから、幻だけど幻じゃない」

「つまり……、どこかで確かに存在した出来事なのね」

「そう。だから、思い出上映会」

 
236以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 04:24:08.18:uLh1uyTU0

「わたしの魔法少女絡みの仕事は、ほむらちゃんを導いたことでひと段落ついた」

「ほむらちゃんも、ここにきたということは……、もう役目を終えたといっていいよね」

「そうなるのでしょうね……」

「それじゃさ。これから2人で、思い出上映会をのんびり楽しもうよ」

「2人で?」

「うん、2人で。これからずーっと、ずーっとね」

「そんなに幸せで……、いいのかしら……」

「いいんだよ」

「まどか……」

「……さ、次の思い出が始まるよ」

映画館のような装いの空間に、ぽつりと2人だけ、隣り合わせで座る少女達
2人の手は、指と指で深く繋がっている

 
239以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 04:26:29.58:uLh1uyTU0

黒塗りの細長い車がスクリーンから消え、一瞬だけ、場が完全な暗闇に支配された

―――その僅かな隙をついて
黒い長髪の少女は、桜色の唇で、現在進行形の思い出をつくった

「てへへ。ほむらちゃんにキスされちゃった」

「愛してるわ、まどか」

「うん。わたしも」

かたかたと、次の思い出のフィルムが回り始める
フィルムの中では、桃色の髪の少女と黒髪の少女が、2人肩を並べて歩いていた

「やっと見つけられたね、わたし達の永遠」

「ええ……」

2人の視線は、再びスクリーンにそそがれた





おわり

 
242:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 04:30:47.74:bfnLo9fbO

切なくて甘酸っぱくて良かったよ

 
243:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 04:32:16.24:onHrQA+l0
おつほむ

 
246:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 05:16:31.82:K4ZD8kns0

切ないけどハッピーエンドでよかった…

 
260:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 08:40:18.60:6PMeLZ7G0
乙っちまどまど!
謎の音は映写機だったのね、本編もそういてばそうだったし
すげーいいSSでした

 
264:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 09:45:48.30:bUyfY62JO
ハッピーエンド(?)で安心したら涙出た

まどほむ!まどほむ!

次はさやかと杏子を幸せにしてやってくれ・・・

 
267:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 10:55:19.68:WOuzYLvd0
      /  カタカタカタカタカタ!  \
  \       カタカタカタカタカタ!゛     /
  <カラカラカラカ!_____ラカラカラカラ!>
     |<カタカタカ!      .|タカタカタ!>
     |<ホムホムホム!     | ホムホムホム!>
  <カラカラカラ!      カラカラカラカラカラ!>
     |<カタ!: (ノ;A;)>:     カタカタカタ!>
    / ̄ ̄ ̄ ̄: ( ヘヘ:: ̄ ̄ ̄ウェヒヒヒヒヒ!>
  <ウェヒヒヒヒヒ!         \ ウェヒヒヒヒヒ!>

乙・・・うあああああああああああああああああああ

 
269:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 11:10:27.97:GcKJ4R/m0
>>267
くそわろた

 
273:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 12:25:18.77:8CrIcsHq0
本編設定も活かしてて素晴らしいssだった

 
275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 12:57:28.69:oFEW8C4k0
タイトルはギャグっぽかったのにこんな展開になるなんて・・・

 
276:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 13:06:35.59:KnLzCA6F0
乙ー。
やっぱほむまどは王道だなぁ
映写機は、本編の入りとラストイメージしたのかな!