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ハルヒ「東中出身、涼み―――」渚「古河渚です!!」
ハルヒ「暇ねぇ……」渚「そうですか?」
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 06:50:29.46:gngBjijo0
担任「あ……いや、古河はまだだから」
渚「あ、す、すいません!!」
クスクス……
渚「うぅ……」
ハルヒ「あ……えと」
担任「あ、じゃあ、続きを」
ハルヒ「す、涼宮ハルヒ……です」
担任「じゃあ、次」
渚「……」
担任「おーい、古河ー!次がお前だぞー!」
渚「え?あ、すいません!!」
クスクス……
ハルヒ「……」

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韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 06:55:52.73:gngBjijo0
―――昼休み
ガヤガヤ
渚「はぁ……」
トボトボ
ハルヒ「……」
ツカツカ
朋也「なぁ」
キョン「ん?」
朋也「飯、一緒に食わないか?」
キョン「お、おお」
朋也「悪いな」
キョン「いや、別に」
朋也「俺、岡崎。よろしく」
キョン「ああ、俺は―――」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 06:58:58.95:gngBjijo0
―――中庭
渚「あんぱん!!」
渚「ふう……」
ハルヒ「ちょっと、あなた」
渚「え?」
ハルヒ「なに、メロンパンを手にしながらあんぱんとか叫んだわけ?」
渚「あ、今はあんパンが食べたいんですけど、メロンパンしかなかったんです」
ハルヒ「はぁ?」
渚「えへへ」
ハルヒ「……ふうん」
渚「あ、あの」
ハルヒ「なに?」
渚「どこかで、お会いしましたか?」
ハルヒ「同じクラスでしょ!!」
渚「ええ!?あ、すいません!!」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 07:02:14.98:gngBjijo0
ハルヒ「全く」
渚「すいません、あの、私、ちょっとその物覚えが悪くて……」
ハルヒ「別にいいわ。それより、隣いい?」
渚「あ、はい」
ハルヒ「……」
渚「……(もぐもぐ」
ハルヒ「ねえ、あなたは宇宙人って信じる?」
渚「え?宇宙人ですか?」
ハルヒ「ええ」
渚「……いたら、面白いですね」
ハルヒ「未来人は?」
渚「会ってみたいです」
ハルヒ「超能力者は?」
渚「スプーンを曲げるところを見てみたいです」
ハルヒ「……ふうん」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 07:04:42.24:gngBjijo0
渚「……(もぐもぐ」
ハルヒ「じゃあ、私は行くから」
渚「はい」
ハルヒ「……」
渚「あ、涼宮さん!!」
ハルヒ「……なに?」
渚「これからよろしくお願いします(ペコリ」
ハルヒ「ええ」
渚「……」
渚「お友達になってくれるでしょうか……?」
渚「……(もぐもぐ」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 07:08:00.06:gngBjijo0
―――ゴールデンウィーク明け
朋也「よ、キョン」
キョン「お前までそう呼び気か?」
朋也「ダメか?呼びやすくでいいんだけど」
キョン「いや、別にいいけど」
朋也「あ、そういえば、あの涼宮って奴の噂知ってるか?」
キョン「ああ、全部活に仮入部したって話か?」
朋也「そーそー。で、すげー運動神経してるらしくってオファーが殺到したとかなんとか」
キョン「でも、結局はどこにも入らなかったんだろ?」
朋也「みたいだな」
キョン「変人って噂もあるし、あまり関わらない方がいいんじゃないか?」
朋也「それもそうだな」
20: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2011/08/15(月) 07:08:29.58:2hgBaEWR0
―――学校
ハルヒ「……」
キョン「……」
ハルヒ「……ふん」
キョン(なんか睨まれてる気がする……)
渚「はぁ……」
朋也「……おい」
渚「え?あ、はい?」
朋也「そこ、俺の席だ。昨日席替えしただろ?」
渚「あ、すいません!間違えました!!」
朋也「えと、古河だっけ?お前は向こうな」
渚「すいません!すぐに片付け―――きゃぁ!」
ガタン!!
朋也「おいおい。焦んな」
渚「す、すいません……」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 07:18:10.59:gngBjijo0
―――昼休み 中庭
渚「……ごちそうさまでした」
渚「……(ぼー」
ハルヒ「……はぁ」
渚「あ、涼宮さん」
ハルヒ「……ねえ、つまらないと思わない?」
渚「何がですか?」
ハルヒ「全部」
渚「全部?」
ハルヒ「そう。毎日がつまらない。そう思わない?」
渚「えと、どうしてですか?」
ハルヒ「だって、毎日同じことの繰り返しじゃない。宇宙人も未来人も超能力者だっていない」
渚「なるほど」
ハルヒ「不思議がまっったくない。だから、つまらないの。そう思うでしょ?」
渚「そうですね。普通に生活していたらそんな不思議には出逢うことはないと思います……」
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 07:25:06.30:gngBjijo0
ハルヒ「そうでしょう?」
渚「でも、それなら、自分が不思議になってしまえばいいと思います」
ハルヒ「え……?」
渚「自分が宇宙人にでも未来人にでも超能力者にでもなってしまえばいいんです」
ハルヒ「なにを言ってるわけ?」
渚「あの、演じてしまえばいいかななんて……」
ハルヒ「演じる?」
渚「はい」
ハルヒ「演じてもそれは普通と変わらないでしょ?」
渚「そうでしょうか?」
ハルヒ「……」
渚「本当に演じることができれば、きっと違う世界にいったも同じことだと思うんです」
ハルヒ「違う世界に……?」
渚「演じるってきっと違う自分を違う世界から連れてくることなんだって、思います」
ハルヒ「……ふうん」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 07:28:12.83:gngBjijo0
渚「あ、すいません。変なことを言って……」
ハルヒ「あなた、演劇に興味でもあるわけ?」
渚「え、あ、はい、少しだけ、ですけど……」
ハルヒ「そう」
渚「……」
ハルヒ「……ねえ」
渚「はい?」
ハルヒ「その違う世界って私でも行ける?」
渚「え?そ、それは勿論です!涼宮さんでも、誰でも……!」
ハルヒ「そう……じゃあ、あなたも?」
渚「え……あ、はい!」
ハルヒ「ふうん」
渚「なんでしょうか?」
ハルヒ「ちょっと用事ができたわ」
渚「あ、はい」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 07:32:13.02:gngBjijo0
―――生徒会室
朝倉「では、失礼します」
智代「ああ」
ハルヒ「ちょっと」
智代「ん?」
朝倉「涼宮さん?」
ハルヒ「新しい部を作るにはどうしたらいいわけ?」
智代「……簡単だ。部員を五人、顧問を一人見つけてくればいい」
ハルヒ「そう。分かったわ」
智代「誰だ、今の?」
朝倉「涼宮ハルヒさんです」
智代「ああ、彼女が噂の……なるほど、中々気が強そうだ」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 07:34:41.06:gngBjijo0
―――教室
キョン「岡崎、帰るか?」
朋也「おー」
ハルヒ「ちょっと、待ちなさい」
キョン「な、なんだよ!?」
ハルヒ「こっちに来なさい!」
キョン「ええ!?」
朋也「んじゃ、お先に」
ハルヒ「あんたも来るの!!」
朋也「はぁ!?」
ハルヒ「つべこべ言わずに従いなさい!」
キョン「な、なんだ?」
朋也「さあ?」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 07:37:30.22:gngBjijo0
―――階段 踊り場
ハルヒ「―――というわけだから」
キョン「要するに演劇部を作るわけか?」
ハルヒ「ええ、そうよ」
朋也「パス」
ハルヒ「拒否権なんてあると思うの?」
朋也「なんだと!?」
キョン「ちょっと待て。いくらなんでも急すぎる!!」
ハルヒ「とりあえず名前だけでいいわ」
朋也「つか、なんで俺たちが?」
ハルヒ「暇そうだったからよ」
キョン「おいおい」
ハルヒ「じゃあ、よろしくね」
朋也「あ、おい!!」
キョン「……なんだっていうんだ?」
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 07:40:02.35:gngBjijo0
―――図書室
ハルヒ「……」
長門「……」
ことみ「……」
ハルヒ「ねえ」
長門「……」
ことみ「……」
ハルヒ「ねえってば!!」
長門「……?」
ことみ「……?」
ハルヒ「ちょっと、いいかしら?」
長門「……(こく」
ことみ「なに?」
ハルヒ「演劇に興味ない?」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 07:44:38.42:gngBjijo0
長門「ない」
ことみ「ない」
ハルヒ「……んな?!」
長門「……さよなら」
ことみ「……バイバイ。ハルヒちゃん」
ハルヒ「え……?なんで、名前知ってるの?」
ことみ「え?」
ハルヒ「え?じゃなくて」
ことみ「私は一之瀬ことみ。ひらがなみっつでことみ」
ハルヒ「知ってるわ。そっちは長門有希でしょ?学校随一の頭脳を持つ二人」
ことみ「そうなの?」
長門「しらない」
ハルヒ「まあ、いいわ。とりあえず演劇部に入りなさい!いいわね!!」
ことみ「え?」
長門「……」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 07:48:09.44:gngBjijo0
―――中庭
ハルヒ「さてと……」
渚「……あんぱん!」
ハルヒ「ちょっと」
渚「あ、はい?」
ハルヒ「なんで気合いいれたの?」
渚「それが、あの、買い物を頼まれて」
ハルヒ「誰に?」
渚「お母さんです。でも、何を買うのかよく思い出せなくて、それで気合いを入れてみました」
ハルヒ「で、思い出せた?」
渚「……だめです。思い出せません。どうしたらいいでしょうか、涼宮さん?」
ハルヒ「知らないわよ。……それより、はい」
渚「え?入部届?なんですか?」
ハルヒ「演劇部、作ったから。当然、貴方も入るわよね?」
渚「え?」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 07:51:33.58:gngBjijo0
渚「演劇部……?」
ハルヒ「そうよ。演劇、したかったんでしょ?」
渚「それは……はい」
ハルヒ「じゃあ、入りなさい」
渚「ええ?」
ハルヒ「なに?嫌なわけ?」
渚「い、いえ、そんなことは……むしろ、嬉しくて……びっくりしました」
ハルヒ「そう。ならいいわ」
渚「でも、作ったって部員は……?」
ハルヒ「それなら大丈夫。もう即戦力を二人も引き込んだから!」
渚「すごいです!」
ハルヒ「だから、あんたもやるの。いいわね?」
渚「は、はい!どこまでできるかわかりませんが、がんばります!!」
ハルヒ「じゃあ、また明日ね」
渚「はい!」
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 07:55:53.54:gngBjijo0
―――翌日 放課後 空き教室
ハルヒ「じゃーん!!ここが私たち『SOS劇団』の部室よ!!」
キョン「なんだ、その助けを乞うような劇団は!?」
朋也「ふーん、まあ、良い部屋じゃないか?」
ハルヒ「でしょ?」
渚「素敵です!涼宮さん、がんばりましょう!」
ハルヒ「ええ」
キョン「でも、部員が揃ってないぞ?あと一人はいるんだろ?」
朋也「それに顧問な」
ハルヒ「顧問なんて私たちの演技を見せつければ、向こうから土下座して顧問にしてくれって言ってくるわ」
キョン「なんだそりゃ。で、部員は?」
ハルヒ「部員は問題ないわ!」
長門「……」
ことみ「ここなの?」
朋也「うわ!?」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 07:59:35.75:gngBjijo0
キョン「おいおい、この二人って……」
朋也「俺がもっとも嫌いなタイプだな……」
ことみ「あ……♪」
朋也「なんだよ!?」
ことみ「私は一之瀬ことみ。ひらがなみっつでことみ」
朋也「知ってる」
ことみ「なんで知っているの?」
長門「長門有希」
キョン「知ってる」
長門「……(じー」
キョン「なんで睨む?」
ハルヒ「はい。じゃあ、自己紹介も済んだことだし、第一回SOS劇団定例会議を開きます!!!」
渚「わー♪」
ことみ「パチパチ……」
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 08:03:35.41:gngBjijo0
―――廊下
春原「やあ、すいません。貴方の可憐な笑顔に僕のハートはぐちゃぐちゃになりました」
朝比奈「え、ええ?」
春原「どうか、あなたの抱擁で治してくれませんか?」
朝比奈「ええ?!」
鶴屋「うぉーい!!!みくるに手を出すなー!!」
春原「うお!?」
谷口「春原、失敗だ!逃げるぞ!!」
春原「了解!!!」
朝比奈「あ……」
鶴屋「まてー!!―――会長、たのむにょろ!!」
春原「なに!?」
智代「風紀を乱すなと、何度言えば分かる!!!」
春原「へぶろぼぉ!!!!」
谷口「春原ぁぁぁぁぁ!!!!!」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 08:06:57.11:IcJs66c+0
智代「ふん」
朝倉「もう、春原くん。ほどほどにしないと、ぐちゃぐちゃになるのはハートじゃなくて心臓になるぞ♪」
春原「あ、はい……すびません」
谷口「春原……お前の雄姿は忘れない!!」
智代「―――貴様も同罪だ」
谷口「え……!?」
智代「ふ!!」
谷口「ぶへろばぁ!!!」
鶴屋「大丈夫だったかい、みくる?」
朝比奈「は、はい」
智代「さてと……そういえば、朝倉さん」
朝倉「はい?」
智代「涼宮さんが演劇部を作ったと聞いたが?」
朝倉「ええ。まだ顧問はいないようですけど、部員は集まってみたいです」
智代「ふむ。昨日の今日で部員を揃えるとは……凄まじい行動力だ」
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 08:08:37.55:Rtsm3qhP0
―――SOS劇団 部室
ハルヒ「―――というわけ!!」
渚「凄いです!壮大です!!」
長門「……」
ことみ「宇宙人が未来人で超能力者なの?」
ハルヒ「そうよ!」
ことみ「うんうん」
朋也「おい、キョン」
キョン「なんだ?」
朋也「通訳頼む」
キョン「えーとだな。まあ、かいつまんで言えば、未来から来た宇宙人が超能力を使って異世界怪物を倒すって話だな」
朋也「なるほどね」
ハルヒ「じゃあ、配役を決めましょうか!」
渚「ええ?!もうですか!?」
ハルヒ「当たり前でしょ!こういうのは早い方がいいの!!」
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 08:16:24.31:gngBjijo0
ハルヒ「じゃあ、渚!」
渚「は、はい!」
ハルヒ「貴方は主役の宇宙人ナギサをやってもらうわ!」
渚「ええ!?そ、そんなの無理です!!」
ハルヒ「大丈夫よ。私がしっかり演技を教えてあげるから」
渚「で、でも!!」
ハルヒ「なによ?」
渚「あの、私よりも長門さんや一之瀬さんや涼宮さんの方が可愛いですし……」
ハルヒ「あんたも十分可愛いわよ?」
渚「ええ!?そんなこと……」
キョン「うん、いいんじゃないか?」
朋也「容姿については比較できないだろ」
渚「そ、そんなぁ……」
ハルヒ「これは決定事項です!渚は主役!これでいいの!!」
渚「ええぇえ!?」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 08:20:27.71:gngBjijo0
渚「考え直したほうがいいです……」
ハルヒ「うるさい」
渚「……っ!?」
ハルヒ「じゃあ、次、有希」
有希「……」
朋也「アイツ、演技とかできんのか?」
キョン「どうだろうな?まあ、無表情無感情のやつが舞台では化けるって良く聞くけど」
ハルヒ「アナタはヒロインのユキ姫よ!」
キョン「ちょっと、待て!」
ハルヒ「なによ!?」
キョン「ユキ姫ってなんだよ!?」
ハルヒ「あのねえ。こういう話では攫われるお姫さまが定番の必須でしょ?」
キョン「……そういうもんか?」
朋也「俺に聞くな」
ハルヒ「……あれ?でも、そうねえ。お姫様を出すなら家来とかいるわね……」
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 08:25:04.62:gngBjijo0
ハルヒ「まあ、増員はあとでもいいか」
ことみ「ハルヒちゃん、ことみは?ことみ姫?」
ハルヒ「あなたは悪の異世界怪物コトミゴンだから」
ことみ「わぁ、かわいい♪」
朋也「まてよ!!」
ハルヒ「今度はなに?」
朋也「いや、女の子にやらせる役じゃないだろ!?」
ハルヒ「しょうがないじゃない。怪物と戦う話なんだから」
朋也「それにしたってだなぁ」
キョン「涼宮、台本はあるのか?」
ハルヒ「え?そんなもの後からでいいでしょ?」
朋也「なにいってやがる。台本もなしに配役を決められるかよ」
ハルヒ「今、決めてるじゃない」
キョン「見切り発車すぎるだろ!!!」
ことみ「コトミゴン、だぞー、がぉぉん♪」
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 08:29:52.59:gngBjijo0
ハルヒ「さすがね。もう役になりきってるわ!」
ことみ「がおー♪」
長門「きゃー、さらわれたー」
ことみ「おまえをたべるためさー」
渚「いけません!きっとお腹を壊します!やめてください!」
ハルヒ「いいわねえ。何も言わなくても監督のしたいことを理解できる役者が三人もいるなんて」
キョン「どんな話になるんだよ……」
朋也「だから俺に聞くなって」
ハルヒ「あ、そうそう。あんたたちは雑用だから」
キョン「それはいいけど、何をさせるつもりだ?」
ハルヒ「衣装とか作りなさい」
朋也「無茶苦茶いうな!!」
ハルヒ「自分でできないなら人材を探す!!」
キョン「こいつ……!!」
ハルヒ「じゃあ、明日から稽古を始めるからね!!みんな、気合い入れなさいよ!!いいわね!?」
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 08:35:08.98:gngBjijo0
―――翌日 昼休み
ハルヒ「渚!行くわよ!」
渚「は、はい!」
キョン「はぁ……」
朋也「衣装ねえ……」
谷口「くそぉ……朝比奈さんは絶対に落とせると思うんだよ」
春原「おお!あの押しの弱さ。絶対いけるよな!!」
谷口「そのためにはまずは鶴屋さんという防御壁をどうにかしないと……」
春原「そのあとに召喚される坂上智代と朝倉涼子もだな」
谷口「じゃあ、こんどはさりげなく声をかけよう」
春原「例えば?」
谷口「そうだなぁ……あ、いけね。俺のズボンのお尻がさけた。あ、朝比奈さん、いいところに。ちょっと縫ってくれません?とか」
春原「すげぇぇぇぇ!!!!いける!!!朝比奈さんは裁縫が得意だって話だしな!!!いけるぞぉぉぉ!!!」
谷口「うし!今日の放課後、やるぞ!!!」
キョン&朋也「……いいこと聞いた」
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 08:39:56.01:gngBjijo0
―――放課後
杏「おーい、鶴屋さん」
鶴屋「ほいほーい?」
杏「あ、ちょっとノートを貸して欲しんだけど」
鶴屋「おー、いいよー。五分で五百円ね!!」
杏「ええ!?」
鶴屋「でも、杏ちゃんは友達だからタダでいいよ!!」
杏「びっくりさせないでよ……」
朝比奈「さようなら」
椋「はい。また明日」
春原「おし。ズボンは裂いておいたぞ」
谷口「完璧だな……ふふ、いくか」
春原「おぉ!」
朝倉「あら、お尻、やぶけてるわよ?」
春原「え?ほんとですか……って、げ!?」
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 08:43:33.57:gngBjijo0
智代「密告してくれた者に感謝せねばな……お前たち覚悟はいいか?」
谷口「あわわわ!!!」
春原「ああ!?まだ何もしてないだろぉ!?」
智代「それもそうだな……わかった、見逃してやる」
春原「よっしゃ!―――朝比奈さぁぁん!」
谷口「やめろ!!これは罠だ!!!」
智代「やっぱりじゃないかぁ!!!!!!」
春原「へぼるがぁ!!!!」
谷口「春原ぁぁぁぁ!!!!」
朝倉「じゃあ、死んで?」
谷口「おれもかぁぁぁぁ!!!!!!ひぎゃぁあああああ!!!!」
朝比奈「え?衣装、ですか?」
キョン「はい」
朋也「なんとか」
朝比奈「えっと……どうしましょう」
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 08:48:24.09:gngBjijo0
鶴屋「どったの?」
朝比奈「あ、鶴屋さん」
杏「朋也……朝比奈さんになにか用なわけ?」
朋也「ガサツなお前に用はない」
杏「ほぉ……ふん!!」
朋也「あだだだだだ!!!!!その骨はそっちにまがんねええから!!!!」
キョン「実は演劇に必要な衣装を作ることが出来る人材を探していまして」
鶴屋「なーる。それでみくるに?」
キョン「はい」
朝比奈「えと……どうしましょうか?」
鶴屋「面白そうだし、やってあげなよ。みくる!」
朝比奈「そ、そうですか?」
キョン「お願いします!」
朝比奈「……分かりました。あの、出来る限りは協力します」
キョン「そうですか……。すいません、ありがとうございます!」
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 08:53:09.57:gngBjijo0
―――SOS劇団 部室
ハルヒ「もう一回!」
渚「あめんぼあかいなあいうえお」
長門「かえるぴょこぴょこむぴょこぴょこ」
ことみ「なんでやねん!なんでやねん!」
キョン「……これは」
ハルヒ「あら?やっときたわね?あなたたちの仕事もあるんだからちゃんと来なさいよね、全く」
朋也「衣装を作れる人材を連れてきたんだ」
ハルヒ「うそ!?ホント!?」
朝比奈「2年の朝比奈みくるです……」
ハルヒ「へえ!やるじゃないの!!―――というか、かわいいわね」
朝比奈「え?あ、ありがとうございます」
ハルヒ「決めた!アナタはユキ姫のメイド役ね!!」
朝比奈「えぇぇぇえええええ!?!?!衣装を作るだけって話じゃあ!??」
ハルヒ「貴女が可愛いのがいけないの!はい、そうと決まれば早速稽古よ!!」
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 08:57:38.36:gngBjijo0
キョン「まてまて、涼宮!!」
ハルヒ「なによ?」
朋也「朝比奈さんは衣装作りを快諾してくれただけだ。役者志望じゃない」
朝比奈「そ、そうです……」
ハルヒ「別にいいじゃない。可愛いんだし。胸でかいし」
キョン「関係ないだろ!?」
朋也「あのなぁ」
ハルヒ「はいはい、とりあえずあんたら、これ台本にして」
キョン「な、なんだと?」
ハルヒ「この原稿をワープロかなんかで台本みたいにするの!!早く!!」
朋也「なんで俺たちが!?」
ハルヒ「雑用でしょ!?とっととしなさい!!」
キョン「……なろぉ」
朝比奈「あの、わたしは……?」
ハルヒ「そうねえ、発声練習からしましょうか!!」
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 09:04:53.94:gngBjijo0
―――廊下
智代「ふむ……ずいぶんと賑やかだ」
朝倉「そうですね」
智代「まだ顧問は決まっていないみたいだ」
朝倉「まあ、演劇部は去年廃部になってますし。それに廃部になった原因は……」
智代「顧問の不在と部員の卒業か……厳しいな」
朝倉「顧問になってくれる先生がいればいいけれど……」
有紀寧「ふんふーん」
古泉「もう少し持ちますよ?」
有紀寧「大丈夫です。古泉さんにはもうたくさんもってもらってます」
古泉「そうですか?」
智代「ん?」
古泉「これはこれは、生徒会長さん」
有紀寧「どうも」
智代「えっと……確か……」
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 09:08:48.99:gngBjijo0
―――SOS劇団 部室
ハルヒ「はい!じゃあ、今日の稽古はこれまで!」
渚「はぁ……疲れました」
朝比奈「なんで、私まで……」
長門「どうぞ」
渚「あ、お茶ですか。すいません」
ことみ「なんでやねん」
ハルヒ「あ、そうそう。キョン、朋也」
キョン「なんだよ。台本はもう少し待ってくれ」
ハルヒ「そんなことより、会場は用意できたの?」
朋也「会場?なんの?」
ハルヒ「SOS劇団の劇を発表する会場に決まってるでしょ!?」
キョン「ええ!?」
朋也「あ、まあ、確かにまだだ」
ハルヒ「早くしてよね。予定では一ヶ月後に開演するんだから!」
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 09:13:57.37:gngBjijo0
―――生徒会室
智代「―――というわけだ」
有紀寧「なるほど」
古泉「やけに熱心ですね。なにかあるのですか?あの新興演劇部に」
智代「努力は報われるべき。私はそう思っている。少なくとも涼宮さんは真っ当な方法で部を発足させ、稽古に励んでいるからな」
朝倉「流石は会長ですね」
智代「で、どうだろうか?」
有紀寧「んー。まあ、できないことはないです。会長の許可さえあれば」
智代「そうか」
古泉「でも、それはいつになるんですか?」
智代「それは黙っていても向こうから勝手に宣伝する。そのときを待てばいい」
有紀寧「流石に明日からとかは無理ですよ?」
智代「いや。彼女のことだ……きっと―――」
トントン……ガチャ
ハルヒ「お邪魔します!ちょっと相談があってきました!!」
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 09:19:13.42:gngBjijo0
キョン「おいおい、俺たちが行くっていっただろ!?」
朋也「そうだ」
ハルヒ「うっさいわね。あんたたちがモタモタしてるからでしょ!?」
智代「なんだろう?」
ハルヒ「私たちのSOS劇団の劇をやらせてくれないかしら?」
智代「……いつ?」
ハルヒ「一ヶ月後。体育館でね」
智代「そう。考えておこう」
ハルヒ「ありがと」
智代「―――ただし。条件がある」
ハルヒ「なに?」
智代「その舞台を行った後、顧問となる教員が現れなければ、演劇部を部としては認めない」
朋也「なんだと!?」
キョン「それはあんまりじゃあ……」
智代「……顧問は部の立ち上げに必須条件だ。どうだ、これが飲めないのなら君たちにチャンスを与えることはできない」
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 09:25:55.89:gngBjijo0
ハルヒ「―――面白いじゃない」
キョン「おい!」
朋也「いいのかよ!?」
ハルヒ「坂上智代、貴女の方こそあとで演劇部に入りたいと思ってももう定員オーバーで無理になると思うわ!!」
智代「ほお……それほどまでに自信が?」
ハルヒ「勿論。こっちには最高の役者が4人もいるんだから!」
智代「じゃあ、演劇部のために一日だけ体育館を貸し出そう。―――宮沢文化委員長」
有紀寧「はい」
智代「明日から大々的に宣伝してほしい。いいかな?」
有紀寧「はい。古泉君と二人で盛り上げます」
キョン「おい。どういうことだ?」
智代「生徒会総出で君たちの演劇を応援する。―――顧問が現れなくても言い訳できないように」
朋也「えぐいなぁ」
ハルヒ「ふん!!それで体育館が観客で破裂しないことを願っていればいいわ!!―――帰るわよ、二人とも!」
智代「ああ、楽しみにしている」
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 09:30:08.84:gngBjijo0
―――廊下
ハルヒ「……」
キョン「おい、大丈夫か?」
朋也「いくら演劇がうまくいっても、顧問が現れるかなんてわかんねえぞ?」
ハルヒ「それでもやるの!!」
キョン「涼宮……」
ハルヒ「違う世界……私と渚ならきっと……」
朋也「……とりあえず、台本のことだけど」
ハルヒ「なに?」
朋也「話が壮大すぎて、4人じゃすこし物足りない」
ハルヒ「え……?」
キョン「ああ。脇に何人か据えとくべきだ」
ハルヒ「あんた達……」
朋也「乗りかかった船だ。最後まで乗ってやる」
ハルヒ「―――ええ。頼りにしてるわよ」
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 09:35:45.73:gngBjijo0
―――数日後
風子「なんでしょう……演劇部?」
椋「あ、これって朝比奈さんが関わってるっていう」
杏「ああ、あれね。本当にやるのね」
佐々木「へえ……」
周防「見る?」
佐々木「キョンが携わっているなら……見ないとね」
渚「な、なんだか大事になってませんか?」
長門「生徒会の全面バックアップによるもの」
ことみ「ことみ、がんばるの」
ハルヒ「注目度は抜群ね!」
キョン「これだけポスターが貼られてればな」
朋也「……一ヶ月後の金曜日、放課後に体育館へ来たれ!……か」
ハルヒ「さあ、みんな!気合いを入れ直していくわよぉ!!」
渚「はい!」
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 09:39:43.03:gngBjijo0
―――昼休み 教室
ハルヒ「あんたたち!!」
春原「ひっぃ!!!」
谷口「な、なんだよ!?」
ハルヒ「私の演劇に参加しなさい!」
春原「やだね。なんでそんな面倒な事を」
谷口「俺もパース」
ハルヒ「ふーん……みくるちゃん」
朝比奈「あ、あのぉ……一緒に演劇を―――」
春原&谷口「やります!!!!!」
朝比奈「うきゅ!?」
ハルヒ「ダメよ。おさわりは劇が終わってからね」
朝比奈「おおお、おさわりってなんですかぁ!?」
キョン「雑魚AとBはこれでいいな」
朋也「あとは、脚本と演技次第か……」
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 09:46:09.09:gngBjijo0
―――数日後 放課後 SOS劇団 部室
春原「ふぉっふぉっふぉ」
谷口「げっけっけっけ」
ことみ「ユキ姫はいただいていくー」
長門「きゃーたすけてー」
渚「ユキ姫をかえせー」
朝比奈「ユ、ユキ姫さまー」
ハルヒ「うんうん」
キョン「やばいな」
朋也「ああ。脚本もだけど、そのそも演技になってない」
キョン「はぁ……もう三週間を切ってるのに……」
朋也「どうすっかなぁ」
ハルヒ「よし!じゃあ、少し休憩したあと、ユキ姫が特殊な力に目覚めて隕石を落とすシーンからね」
キョン「そんなシーンあったか!?!」
ハルヒ「今、作ったの。その方が盛り上がるでしょ?」
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 09:50:38.17:gngBjijo0
朋也「バカ野郎!!そんな力があるなら助け出す理由がなくなるだろうが!」
ハルヒ「大丈夫よ。その隕石を操る力はうまく操れないって設定だから」
キョン「強引すぎる!!」
ことみ「なんでやねん」
朋也「なにがだ!?」
ハルヒ「つべこべ言わない!やるったらやるの!!」
―――廊下
智代「いい感じに盛り上がっているな」
朝倉「いいんですか?」
智代「なにがだ?」
朝倉「顧問をしてくれる先生なんて……きっと」
智代「構わない」
朝倉「え?」
智代「……彼女たちが本気なら、きっと現れる」
朝倉「会長……ふふ、そうですね」
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 09:55:22.52:Q+PfxwIOi
―――開演当日
渚「うぅ……」
朋也「なんだ?緊張してるのか?」
渚「あ、当たり前です!」
キョン「まあ、古河に緊張するなっていうほうが無茶だもんな」
渚「キョンさんまで……」
キョン「古河までその呼び方か……」
ハルヒ「さあ、みんな衣装に着替えて着替えて!!」
長門「……ドレス」
ことみ「コトミゴン……あついの……」
キョン「一之瀬、大丈夫か?着ぐるみだもんなぁ」
春原「おほぉぉおおお!!!!朝比奈さん、Goodです!!!」
朝比奈「はずかしい、ですぅ」
谷口「メイド服、さいこーです!!!」
ハルヒ「ほらほら、最終チャックするわよ。開演までもう30分なんだからね!」
136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 10:00:15.27:gngBjijo0
―――体育館
智代「ふむ」
朝倉「楽しみですね、会長?」
智代「ああ」
風子「むむむ」
佐々木「あ、隣いいかな?」
風子「ダメです。隣はもう座っています」
佐々木「え?あ、このヒトデ?」
風子「はい。ヒトデが座ってます」
佐々木「ふふ、じゃあ、ダメだね」
風子「はい」
鶴屋「星じゃないにょろ?」
杏「星よねえ?」
風子「ヒトデです!確定的にヒトデです!!」
周防「……どうでもいい」
138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 10:05:48.53:gngBjijo0
―――舞台袖
渚「す、すごい人ですよ、岡崎さん!!」
ことみ「ことみ、震えがとまらないの……」
長門「……全校生徒の七割が来場」
朝比奈「ひぃぃん……こんな恰好でこんな大勢の前にでるんですかぁ……」
ハルヒ「大丈夫よ!!みんななら出来るわ!!」
谷口「おう!なんかやれそうな気がしてきたぜ!!!」
春原「しゃー!!!!」
キョン「朋也、ここのシーンで赤いライトを頼む」
朋也「分かった。キョンもBGMの切り替え、ミスるなよ?」
キョン「はいはい」
ハルヒ「さあ、みんな。円陣組んで、手を出して!!」
渚「は、はい!」
ハルヒ「絶対に成功させるわよ!!いい!!?」
全員「「おおー!!!」」
139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 10:13:32.83:gngBjijo0
ハルヒ(ナレーション)「これはここではないどこか遠い世界の物語……」
ハルヒ「未来の宇宙が異世界魔獣コトミゴンの手により滅ぼされてしまった世界」
ハルヒ「そんな未来を変えるため、一人の勇者が立ちあがりました」
渚「わ、わたしは、未来の宇宙からやってきた超能力者、ナギサ!コトミゴンを過去で倒し、未来の宇宙を平和にしてみせる!!」
ハルヒ「そう意気込みながら、ナギサはコトミゴンが初めて出現した日本へと降り立ちました」
杏「……なんか壮大ね」
椋「うん」
佐々木「キョンが考えた脚本ではなそうだね」
風子「引き込まれます……風子、涙腺が決壊しそうです」
朝倉「ちょっと、早くないかしら?」
渚「ここが日本……は、はやくコトミゴンを探し、倒さなくては」
長門「あなたは、誰?」
渚「あ、あなたは……?!」
ハルヒ「日本に来たナギサはユキ姫に一目ぼれしてしまいました。地球人と宇宙人。決して許されるはずのない恋でした」
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 10:18:38.64:gngBjijo0
渚「す、すいません、訳あって名乗れません」
長門「そんなことを言わずに……さあ」
渚「しかし……」
朝比奈「ユ、ユキ姫さまーどこですかぁー」
渚「メイドが呼んでいます。さあ、もう行ってください」
長門「しかし……」
ドドーン!!!
ハルヒ「突如の爆音。それは不吉の調べ。ついにコトミゴンが姿を現しました」
ことみ「がぉおん!!ユキ姫ー、私と結婚するのー」
渚「そ、そうはとんやがおろしません!」
ハルヒ「ナギサは決死の覚悟で挑みます」
風子「いけー!!」
智代「静かに」
風子「あ、すいません」
鶴屋「みくるかわいいー!!」
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 10:24:08.61:gngBjijo0
谷口「ぐへへへ、ユキ姫は攫っていくぞー」
春原「ぐへへへへ」
渚「とう!やあ!」
谷口「ぐは!」
春原「ぐえ!」
ハルヒ「なんなく雑魚の二人を倒し、コトミゴンに勝負をしかけます」
渚「はぁ!」
ことみ「ぜんぜんきかないのー、10000光年はやいのー」
ハルヒ「コトミゴンの容赦ない一撃に寄ってナギサは倒れてしまいます」
長門「いやー!」
ハルヒ「そのとき、ユキ姫の悲しみと怒りによって地球に巨大隕石が迫ってきました」
有紀寧「あらあら」
椋「ど、どうなるんだろう……(ドキドキ」
杏「なんていうB級展開……」
古泉「ふむ、悪くはないですが、ユキ姫の能力説明を挟むべきだったと思いますね」
144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 10:29:46.89:gngBjijo0
渚「このままでは地球が滅んでしまいます!」
ハルヒ「死の淵から復活したナギサは隕石を止めるべく、超能力を発動させます」
渚「うわぁぁぁぁー」
ハルヒ「見事隕石は直撃コースを外れました」
朝比奈「ナギサさん、私もユキ姫さまをきゅ、救出したいです」
渚「わかりました。一緒にいきましょう」
ハルヒ「ナギサは戦うメイド、ミクルを仲間に従え、宇宙空間へと飛び立ちました」
杏「ええ!?ミクルって普通の地球人じゃないの!?」
風子「しっ!」
杏「あ、うん」
佐々木「あはは、面白い」
周防「……そう?」
渚「まて、コトミゴン!」
ハルヒ「ついにナギサとコトミゴンが合間見えました」
145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 10:35:41.49:gngBjijo0
長門「たすけてー、ナギサさまー」
コトミゴン「ぜったいにユキ姫はわたさないのー」
渚「そうは行きません!」
朝比奈「私から行きます!」
ハルヒ「ミクルが特攻します。しかし、所詮は地球人。コトミゴンに敵うはずもなく、敗れてしまいました」
渚「ミクルさん、しっかりしてください!」
朝比奈「す、すいません。あとのことは、お、ね、がい……ガクッ」
渚「朝比―――じゃなくて、ミクルさぁーん!!」
コトミゴン「地球人はよわいのー、よわいのにむかってきちゃだめなのー」
渚「ゆるさない。ゆるさないぞ、コトミゴン!」
ハルヒ「怒りに震えたナギサは内なる力を解放させます」
杏「……」
風子「……」
古泉「……」
智代(すごいな……こんな大味な脚本と演技で観客を惹くなんて)
147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 10:41:07.12:gngBjijo0
渚「くらえ!ナギサ・ファイナリティ・デッド・エンド!」
コトミゴン「うわああーー」
ハルヒ「ナギサ決死の最終奥義により、コトミゴンは時空の彼方へと飛ばされました」
長門「ナギサさま」
渚「ユキ姫」
長門「ずっとお傍にいてください」
渚「はい」
ハルヒ「こうして禁断の愛を乗り越えた二人は結ばれ、永遠の愛を宇宙に伝えていきました」
ハルヒ「未来の宇宙は一人の勇者とそれを支えた恋人の愛によって守られたのです」
ハルヒ「めでたし、めでたし」
杏「……」
風子「……(パチ……パチ」
朝倉「……(パチパチ」
智代「……(パチパチパチ」
―――パチパチパチパチ!!
148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 10:44:07.80:gngBjijo0
―――舞台裏
ハルヒ「やるじゃないの!!!もう最高の出来だったわよ!!!」
渚「はい!涼宮さんのおかげです!」
ハルヒ「もう、渚。ハルヒでいいわよ」
渚「え……?」
ハルヒ「もう私たちは親友でしょ?」
渚「……はい、ハルヒ」
ハルヒ「うん」
渚「えへへ」
キョン「ま、とりあえず成功でいいか」
朋也「あとは顧問か」
朝比奈「はぁ……恥ずかしかったです」
谷口「じゃあ、朝比奈さん……」
春原「約束のおさわりを……」
朝比奈「えええ!?!!?」
149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 10:48:22.86:gngBjijo0
鶴屋「ほい、そこまでにょろ」
智代「お前たちは余韻を性欲に変えるんだな」
谷口「いででででで!!!!」
春原「あでで!!!」
キョン「坂上さん、どうして?」
智代「生徒会が全面協力したんだ、成功の労いぐらい言わせてくれ」
ハルヒ「ふん!どーよ。未だ鳴りやまない歓声と拍手。これで成功じゃないとは言わせないわ!!」
智代「勿論だ。これを失敗という奴は私が叩きのめす」
渚「会長さん……」
智代「だが、この成功と部の存続は別問題だ」
ハルヒ「む……わかってるわよ」
智代「物好きが現れるといいが」
ハルヒ「どういう意味よ!?」
智代「ふふ、そのままの意味だ」
ハルヒ「なんですって!?」
162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 11:23:20.52:gngBjijo0
―――SOS劇団 部室
ハルヒ「えー、みんな。よくがんばってくれたわ!あとは顧問を待つだけね」
渚「はぁ……不安です」
ことみ「大丈夫。ことみも渚ちゃんも頑張ったから」
渚「一ノ瀬さん……はい、そうですね。きっと私たちの想いは伝わったはずです!」
朋也「じゃあ、そろそろ乾杯しようぜ」
キョン「そうだな」
ハルヒ「分かってるわよ。―――じゃあ、みんな。お疲れ様!!かんぱーい!!!」
全員「「かんぱーい」」
―――職員室
智代「失礼します。相楽先生はいらっしゃいますか?」
美佐江「ん?どうかした?」
智代「実は折り入ってご相談が……」
美佐江「珍しいわね。なに?」
智代「はい。それが―――」
164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 11:28:12.83:gngBjijo0
―――数日後 放課後 部室
ハルヒ「……なんでよ」
渚「あ、どうかしましたか?」
ハルヒ「あれからもう三日よ!?なんで教師どもは座視してるわけ!?」
渚「あ、あの、落ち着いてください」
ハルヒ「これが落ち着いていられるもんですか!!!みくちゃんや有希、ことみはともかく、キョンと朋也まで来ないし!!」
渚「みなさん、それぞれ用事がありますから」
ハルヒ「もう我慢できないわ!!渚、行くわよ!!」
渚「え?どこにですか?」
ハルヒ「職員室に決まってるでしょ!!」
渚「ええ?」
ハルヒ「放課後なのに職員室で腰を落ち着かせてる奴を顧問にするのよ!!」
渚「そんな強引はダメです!!」
ハルヒ「なに?演劇部が潰れてもいいわけ?」
渚「それもダメです!!」
166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 11:32:27.80:gngBjijo0
ハルヒ「ほらほら、早くする!!」
渚「あ、ちょっと待ってください―――」
智代「涼宮、さん」
ハルヒ「……なによ?」
智代「顧問、まだ現れていないようだな」
ハルヒ「すぐに現れるわ」
智代「生徒会としても最低限の規定すら守れない部活をこのまま残しておくわけにはいかない」
ハルヒ「……」
渚「あ、あの……」
智代「今日中に見つけるんだ。いいな?」
ハルヒ「ふん」
渚「あ、すいません。失礼します!―――待ってください!」
智代「やはり、自分から動きだしたか……」
168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 11:36:03.72:gngBjijo0
―――職員室
ハルヒ「たのもー!!」
渚「ちょっと、職員室では静かにしたほうが……」
ハルヒ「……む。いたわよ」
渚「え?」
ハルヒ「ちょっと、いいですか?」
美佐江「んー?」
ハルヒ「顧問になってください」
渚「あ……」
美佐江「……」
ハルヒ「お願いします。このまま演劇部を終わらせたくありません」
渚「……クリームパン!!」
ハルヒ「……渚?」
渚「私からもお願いします!!みんなの想いがあるんです!!このまま終わらせたくないです!!」
美佐江「―――ふふ。ふふ……すごい……坂上の言った通りだ」
169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 11:40:33.77:gngBjijo0
ハルヒ「え……?」
美佐江「坂上がね、私に演劇部の顧問になってくれって言いに来たの」
渚「会長さんが?」
美佐江「で、私は断った。面倒だから。でも、坂上がある条件を出してきた」
ハルヒ「条件?」
美佐江「うん。自分から……つまりアナタ自身が頭を下げに来たらなってほしいってね」
ハルヒ「な!?」
美佐江「で、坂上の思惑通り、あなたは私に頭を下げに来た。だから、顧問になってあげる」
渚「本当ですか!?」
美佐江「勿論、演技指導なんてできないけどね」
ハルヒ「―――全く、坂上智代……食えない女ね」
美佐江「そんなこと言わない。ほらほら、部室に行こうか。部員を紹介してくれる?」
渚「はい……あ、でも、今日は……」
ハルヒ「まあ、いいじゃない。とりあえず戻りましょう」
渚「はい。そうですね」
170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 11:47:17.36:gngBjijo0
―――SOS劇団 部室前
朝比奈「あ、あの、押さないでくださいぃ!」
朋也「えっと、名前は?」
風子「ヒトデです!!」
朋也「いや、自分の名前をだな……」
ハルヒ「な、なに……人が集まってる……?」
渚「あ、一ノ瀬さん!」
ことみ「あ、渚ちゃん。大変なの、みんなSOS劇団に入団したいって来てるの」
ハルヒ「えええ!?」
渚「す、すごいです!!」
美佐江「はは、こりゃ、部員の顔を覚えるだけでも大変……はぁ……やめときゃよかった」
長門「今、全員でオーディションをしていた。貴方達も手伝って」
ハルヒ「―――当然でしょ!!!下手な子はいらないわ!!!私の千里眼で将来の俳優、女優を見定めてやるわ!!」
渚「はい!―――これからもっと違う世界にいけそうですね?」
ハルヒ「ええ。でも……こんなに楽しい世界、他にないけどね」
END
175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 11:52:33.78:lTdpjtkq0
―――昼休み
ガヤガヤ
渚「はぁ……」
トボトボ
ハルヒ「……」
ツカツカ
朋也「なぁ」
キョン「ん?」
朋也「飯、一緒に食わないか?」
キョン「お、おお」
朋也「悪いな」
キョン「いや、別に」
朋也「俺、岡崎。よろしく」
キョン「ああ、俺は―――」
―――中庭
渚「あんぱん!!」
渚「ふう……」
ハルヒ「ちょっと、あなた」
渚「え?」
ハルヒ「なに、メロンパンを手にしながらあんぱんとか叫んだわけ?」
渚「あ、今はあんパンが食べたいんですけど、メロンパンしかなかったんです」
ハルヒ「はぁ?」
渚「えへへ」
ハルヒ「……ふうん」
渚「あ、あの」
ハルヒ「なに?」
渚「どこかで、お会いしましたか?」
ハルヒ「同じクラスでしょ!!」
渚「ええ!?あ、すいません!!」
ハルヒ「全く」
渚「すいません、あの、私、ちょっとその物覚えが悪くて……」
ハルヒ「別にいいわ。それより、隣いい?」
渚「あ、はい」
ハルヒ「……」
渚「……(もぐもぐ」
ハルヒ「ねえ、あなたは宇宙人って信じる?」
渚「え?宇宙人ですか?」
ハルヒ「ええ」
渚「……いたら、面白いですね」
ハルヒ「未来人は?」
渚「会ってみたいです」
ハルヒ「超能力者は?」
渚「スプーンを曲げるところを見てみたいです」
ハルヒ「……ふうん」
渚「……(もぐもぐ」
ハルヒ「じゃあ、私は行くから」
渚「はい」
ハルヒ「……」
渚「あ、涼宮さん!!」
ハルヒ「……なに?」
渚「これからよろしくお願いします(ペコリ」
ハルヒ「ええ」
渚「……」
渚「お友達になってくれるでしょうか……?」
渚「……(もぐもぐ」
―――ゴールデンウィーク明け
朋也「よ、キョン」
キョン「お前までそう呼び気か?」
朋也「ダメか?呼びやすくでいいんだけど」
キョン「いや、別にいいけど」
朋也「あ、そういえば、あの涼宮って奴の噂知ってるか?」
キョン「ああ、全部活に仮入部したって話か?」
朋也「そーそー。で、すげー運動神経してるらしくってオファーが殺到したとかなんとか」
キョン「でも、結局はどこにも入らなかったんだろ?」
朋也「みたいだな」
キョン「変人って噂もあるし、あまり関わらない方がいいんじゃないか?」
朋也「それもそうだな」
食事中に喋っちゃらめえええええええ
そういえばこの設定後半消えたよな
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 07:13:07.34:gngBjijo0そういえばこの設定後半消えたよな
>>20
やべえ、そんな設定あったな
忘れてた
俺にわか乙
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 07:11:02.54:gngBjijo0やべえ、そんな設定あったな
忘れてた
俺にわか乙
―――学校
ハルヒ「……」
キョン「……」
ハルヒ「……ふん」
キョン(なんか睨まれてる気がする……)
渚「はぁ……」
朋也「……おい」
渚「え?あ、はい?」
朋也「そこ、俺の席だ。昨日席替えしただろ?」
渚「あ、すいません!間違えました!!」
朋也「えと、古河だっけ?お前は向こうな」
渚「すいません!すぐに片付け―――きゃぁ!」
ガタン!!
朋也「おいおい。焦んな」
渚「す、すいません……」
―――昼休み 中庭
渚「……ごちそうさまでした」
渚「……(ぼー」
ハルヒ「……はぁ」
渚「あ、涼宮さん」
ハルヒ「……ねえ、つまらないと思わない?」
渚「何がですか?」
ハルヒ「全部」
渚「全部?」
ハルヒ「そう。毎日がつまらない。そう思わない?」
渚「えと、どうしてですか?」
ハルヒ「だって、毎日同じことの繰り返しじゃない。宇宙人も未来人も超能力者だっていない」
渚「なるほど」
ハルヒ「不思議がまっったくない。だから、つまらないの。そう思うでしょ?」
渚「そうですね。普通に生活していたらそんな不思議には出逢うことはないと思います……」
ハルヒ「そうでしょう?」
渚「でも、それなら、自分が不思議になってしまえばいいと思います」
ハルヒ「え……?」
渚「自分が宇宙人にでも未来人にでも超能力者にでもなってしまえばいいんです」
ハルヒ「なにを言ってるわけ?」
渚「あの、演じてしまえばいいかななんて……」
ハルヒ「演じる?」
渚「はい」
ハルヒ「演じてもそれは普通と変わらないでしょ?」
渚「そうでしょうか?」
ハルヒ「……」
渚「本当に演じることができれば、きっと違う世界にいったも同じことだと思うんです」
ハルヒ「違う世界に……?」
渚「演じるってきっと違う自分を違う世界から連れてくることなんだって、思います」
ハルヒ「……ふうん」
渚「あ、すいません。変なことを言って……」
ハルヒ「あなた、演劇に興味でもあるわけ?」
渚「え、あ、はい、少しだけ、ですけど……」
ハルヒ「そう」
渚「……」
ハルヒ「……ねえ」
渚「はい?」
ハルヒ「その違う世界って私でも行ける?」
渚「え?そ、それは勿論です!涼宮さんでも、誰でも……!」
ハルヒ「そう……じゃあ、あなたも?」
渚「え……あ、はい!」
ハルヒ「ふうん」
渚「なんでしょうか?」
ハルヒ「ちょっと用事ができたわ」
渚「あ、はい」
―――生徒会室
朝倉「では、失礼します」
智代「ああ」
ハルヒ「ちょっと」
智代「ん?」
朝倉「涼宮さん?」
ハルヒ「新しい部を作るにはどうしたらいいわけ?」
智代「……簡単だ。部員を五人、顧問を一人見つけてくればいい」
ハルヒ「そう。分かったわ」
智代「誰だ、今の?」
朝倉「涼宮ハルヒさんです」
智代「ああ、彼女が噂の……なるほど、中々気が強そうだ」
―――教室
キョン「岡崎、帰るか?」
朋也「おー」
ハルヒ「ちょっと、待ちなさい」
キョン「な、なんだよ!?」
ハルヒ「こっちに来なさい!」
キョン「ええ!?」
朋也「んじゃ、お先に」
ハルヒ「あんたも来るの!!」
朋也「はぁ!?」
ハルヒ「つべこべ言わずに従いなさい!」
キョン「な、なんだ?」
朋也「さあ?」
―――階段 踊り場
ハルヒ「―――というわけだから」
キョン「要するに演劇部を作るわけか?」
ハルヒ「ええ、そうよ」
朋也「パス」
ハルヒ「拒否権なんてあると思うの?」
朋也「なんだと!?」
キョン「ちょっと待て。いくらなんでも急すぎる!!」
ハルヒ「とりあえず名前だけでいいわ」
朋也「つか、なんで俺たちが?」
ハルヒ「暇そうだったからよ」
キョン「おいおい」
ハルヒ「じゃあ、よろしくね」
朋也「あ、おい!!」
キョン「……なんだっていうんだ?」
―――図書室
ハルヒ「……」
長門「……」
ことみ「……」
ハルヒ「ねえ」
長門「……」
ことみ「……」
ハルヒ「ねえってば!!」
長門「……?」
ことみ「……?」
ハルヒ「ちょっと、いいかしら?」
長門「……(こく」
ことみ「なに?」
ハルヒ「演劇に興味ない?」
長門「ない」
ことみ「ない」
ハルヒ「……んな?!」
長門「……さよなら」
ことみ「……バイバイ。ハルヒちゃん」
ハルヒ「え……?なんで、名前知ってるの?」
ことみ「え?」
ハルヒ「え?じゃなくて」
ことみ「私は一之瀬ことみ。ひらがなみっつでことみ」
ハルヒ「知ってるわ。そっちは長門有希でしょ?学校随一の頭脳を持つ二人」
ことみ「そうなの?」
長門「しらない」
ハルヒ「まあ、いいわ。とりあえず演劇部に入りなさい!いいわね!!」
ことみ「え?」
長門「……」
―――中庭
ハルヒ「さてと……」
渚「……あんぱん!」
ハルヒ「ちょっと」
渚「あ、はい?」
ハルヒ「なんで気合いいれたの?」
渚「それが、あの、買い物を頼まれて」
ハルヒ「誰に?」
渚「お母さんです。でも、何を買うのかよく思い出せなくて、それで気合いを入れてみました」
ハルヒ「で、思い出せた?」
渚「……だめです。思い出せません。どうしたらいいでしょうか、涼宮さん?」
ハルヒ「知らないわよ。……それより、はい」
渚「え?入部届?なんですか?」
ハルヒ「演劇部、作ったから。当然、貴方も入るわよね?」
渚「え?」
渚「演劇部……?」
ハルヒ「そうよ。演劇、したかったんでしょ?」
渚「それは……はい」
ハルヒ「じゃあ、入りなさい」
渚「ええ?」
ハルヒ「なに?嫌なわけ?」
渚「い、いえ、そんなことは……むしろ、嬉しくて……びっくりしました」
ハルヒ「そう。ならいいわ」
渚「でも、作ったって部員は……?」
ハルヒ「それなら大丈夫。もう即戦力を二人も引き込んだから!」
渚「すごいです!」
ハルヒ「だから、あんたもやるの。いいわね?」
渚「は、はい!どこまでできるかわかりませんが、がんばります!!」
ハルヒ「じゃあ、また明日ね」
渚「はい!」
―――翌日 放課後 空き教室
ハルヒ「じゃーん!!ここが私たち『SOS劇団』の部室よ!!」
キョン「なんだ、その助けを乞うような劇団は!?」
朋也「ふーん、まあ、良い部屋じゃないか?」
ハルヒ「でしょ?」
渚「素敵です!涼宮さん、がんばりましょう!」
ハルヒ「ええ」
キョン「でも、部員が揃ってないぞ?あと一人はいるんだろ?」
朋也「それに顧問な」
ハルヒ「顧問なんて私たちの演技を見せつければ、向こうから土下座して顧問にしてくれって言ってくるわ」
キョン「なんだそりゃ。で、部員は?」
ハルヒ「部員は問題ないわ!」
長門「……」
ことみ「ここなの?」
朋也「うわ!?」
キョン「おいおい、この二人って……」
朋也「俺がもっとも嫌いなタイプだな……」
ことみ「あ……♪」
朋也「なんだよ!?」
ことみ「私は一之瀬ことみ。ひらがなみっつでことみ」
朋也「知ってる」
ことみ「なんで知っているの?」
長門「長門有希」
キョン「知ってる」
長門「……(じー」
キョン「なんで睨む?」
ハルヒ「はい。じゃあ、自己紹介も済んだことだし、第一回SOS劇団定例会議を開きます!!!」
渚「わー♪」
ことみ「パチパチ……」
―――廊下
春原「やあ、すいません。貴方の可憐な笑顔に僕のハートはぐちゃぐちゃになりました」
朝比奈「え、ええ?」
春原「どうか、あなたの抱擁で治してくれませんか?」
朝比奈「ええ?!」
鶴屋「うぉーい!!!みくるに手を出すなー!!」
春原「うお!?」
谷口「春原、失敗だ!逃げるぞ!!」
春原「了解!!!」
朝比奈「あ……」
鶴屋「まてー!!―――会長、たのむにょろ!!」
春原「なに!?」
智代「風紀を乱すなと、何度言えば分かる!!!」
春原「へぶろぼぉ!!!!」
谷口「春原ぁぁぁぁぁ!!!!!」
バカ二人出てきたか
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 08:07:34.92:j+5mFHCU0
春原は谷口とセットかwwwwwwww
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 08:07:35.50:gngBjijo0智代「ふん」
朝倉「もう、春原くん。ほどほどにしないと、ぐちゃぐちゃになるのはハートじゃなくて心臓になるぞ♪」
春原「あ、はい……すびません」
谷口「春原……お前の雄姿は忘れない!!」
智代「―――貴様も同罪だ」
谷口「え……!?」
智代「ふ!!」
谷口「ぶへろばぁ!!!」
鶴屋「大丈夫だったかい、みくる?」
朝比奈「は、はい」
智代「さてと……そういえば、朝倉さん」
朝倉「はい?」
智代「涼宮さんが演劇部を作ったと聞いたが?」
朝倉「ええ。まだ顧問はいないようですけど、部員は集まってみたいです」
智代「ふむ。昨日の今日で部員を揃えるとは……凄まじい行動力だ」
古泉「……」
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 08:11:40.17:gngBjijo0―――SOS劇団 部室
ハルヒ「―――というわけ!!」
渚「凄いです!壮大です!!」
長門「……」
ことみ「宇宙人が未来人で超能力者なの?」
ハルヒ「そうよ!」
ことみ「うんうん」
朋也「おい、キョン」
キョン「なんだ?」
朋也「通訳頼む」
キョン「えーとだな。まあ、かいつまんで言えば、未来から来た宇宙人が超能力を使って異世界怪物を倒すって話だな」
朋也「なるほどね」
ハルヒ「じゃあ、配役を決めましょうか!」
渚「ええ?!もうですか!?」
ハルヒ「当たり前でしょ!こういうのは早い方がいいの!!」
ハルヒ「じゃあ、渚!」
渚「は、はい!」
ハルヒ「貴方は主役の宇宙人ナギサをやってもらうわ!」
渚「ええ!?そ、そんなの無理です!!」
ハルヒ「大丈夫よ。私がしっかり演技を教えてあげるから」
渚「で、でも!!」
ハルヒ「なによ?」
渚「あの、私よりも長門さんや一之瀬さんや涼宮さんの方が可愛いですし……」
ハルヒ「あんたも十分可愛いわよ?」
渚「ええ!?そんなこと……」
キョン「うん、いいんじゃないか?」
朋也「容姿については比較できないだろ」
渚「そ、そんなぁ……」
ハルヒ「これは決定事項です!渚は主役!これでいいの!!」
渚「ええぇえ!?」
渚「考え直したほうがいいです……」
ハルヒ「うるさい」
渚「……っ!?」
ハルヒ「じゃあ、次、有希」
有希「……」
朋也「アイツ、演技とかできんのか?」
キョン「どうだろうな?まあ、無表情無感情のやつが舞台では化けるって良く聞くけど」
ハルヒ「アナタはヒロインのユキ姫よ!」
キョン「ちょっと、待て!」
ハルヒ「なによ!?」
キョン「ユキ姫ってなんだよ!?」
ハルヒ「あのねえ。こういう話では攫われるお姫さまが定番の必須でしょ?」
キョン「……そういうもんか?」
朋也「俺に聞くな」
ハルヒ「……あれ?でも、そうねえ。お姫様を出すなら家来とかいるわね……」
ハルヒ「まあ、増員はあとでもいいか」
ことみ「ハルヒちゃん、ことみは?ことみ姫?」
ハルヒ「あなたは悪の異世界怪物コトミゴンだから」
ことみ「わぁ、かわいい♪」
朋也「まてよ!!」
ハルヒ「今度はなに?」
朋也「いや、女の子にやらせる役じゃないだろ!?」
ハルヒ「しょうがないじゃない。怪物と戦う話なんだから」
朋也「それにしたってだなぁ」
キョン「涼宮、台本はあるのか?」
ハルヒ「え?そんなもの後からでいいでしょ?」
朋也「なにいってやがる。台本もなしに配役を決められるかよ」
ハルヒ「今、決めてるじゃない」
キョン「見切り発車すぎるだろ!!!」
ことみ「コトミゴン、だぞー、がぉぉん♪」
ハルヒ「さすがね。もう役になりきってるわ!」
ことみ「がおー♪」
長門「きゃー、さらわれたー」
ことみ「おまえをたべるためさー」
渚「いけません!きっとお腹を壊します!やめてください!」
ハルヒ「いいわねえ。何も言わなくても監督のしたいことを理解できる役者が三人もいるなんて」
キョン「どんな話になるんだよ……」
朋也「だから俺に聞くなって」
ハルヒ「あ、そうそう。あんたたちは雑用だから」
キョン「それはいいけど、何をさせるつもりだ?」
ハルヒ「衣装とか作りなさい」
朋也「無茶苦茶いうな!!」
ハルヒ「自分でできないなら人材を探す!!」
キョン「こいつ……!!」
ハルヒ「じゃあ、明日から稽古を始めるからね!!みんな、気合い入れなさいよ!!いいわね!?」
―――翌日 昼休み
ハルヒ「渚!行くわよ!」
渚「は、はい!」
キョン「はぁ……」
朋也「衣装ねえ……」
谷口「くそぉ……朝比奈さんは絶対に落とせると思うんだよ」
春原「おお!あの押しの弱さ。絶対いけるよな!!」
谷口「そのためにはまずは鶴屋さんという防御壁をどうにかしないと……」
春原「そのあとに召喚される坂上智代と朝倉涼子もだな」
谷口「じゃあ、こんどはさりげなく声をかけよう」
春原「例えば?」
谷口「そうだなぁ……あ、いけね。俺のズボンのお尻がさけた。あ、朝比奈さん、いいところに。ちょっと縫ってくれません?とか」
春原「すげぇぇぇぇ!!!!いける!!!朝比奈さんは裁縫が得意だって話だしな!!!いけるぞぉぉぉ!!!」
谷口「うし!今日の放課後、やるぞ!!!」
キョン&朋也「……いいこと聞いた」
―――放課後
杏「おーい、鶴屋さん」
鶴屋「ほいほーい?」
杏「あ、ちょっとノートを貸して欲しんだけど」
鶴屋「おー、いいよー。五分で五百円ね!!」
杏「ええ!?」
鶴屋「でも、杏ちゃんは友達だからタダでいいよ!!」
杏「びっくりさせないでよ……」
朝比奈「さようなら」
椋「はい。また明日」
春原「おし。ズボンは裂いておいたぞ」
谷口「完璧だな……ふふ、いくか」
春原「おぉ!」
朝倉「あら、お尻、やぶけてるわよ?」
春原「え?ほんとですか……って、げ!?」
智代「密告してくれた者に感謝せねばな……お前たち覚悟はいいか?」
谷口「あわわわ!!!」
春原「ああ!?まだ何もしてないだろぉ!?」
智代「それもそうだな……わかった、見逃してやる」
春原「よっしゃ!―――朝比奈さぁぁん!」
谷口「やめろ!!これは罠だ!!!」
智代「やっぱりじゃないかぁ!!!!!!」
春原「へぼるがぁ!!!!」
谷口「春原ぁぁぁぁ!!!!」
朝倉「じゃあ、死んで?」
谷口「おれもかぁぁぁぁ!!!!!!ひぎゃぁあああああ!!!!」
朝比奈「え?衣装、ですか?」
キョン「はい」
朋也「なんとか」
朝比奈「えっと……どうしましょう」
鶴屋「どったの?」
朝比奈「あ、鶴屋さん」
杏「朋也……朝比奈さんになにか用なわけ?」
朋也「ガサツなお前に用はない」
杏「ほぉ……ふん!!」
朋也「あだだだだだ!!!!!その骨はそっちにまがんねええから!!!!」
キョン「実は演劇に必要な衣装を作ることが出来る人材を探していまして」
鶴屋「なーる。それでみくるに?」
キョン「はい」
朝比奈「えと……どうしましょうか?」
鶴屋「面白そうだし、やってあげなよ。みくる!」
朝比奈「そ、そうですか?」
キョン「お願いします!」
朝比奈「……分かりました。あの、出来る限りは協力します」
キョン「そうですか……。すいません、ありがとうございます!」
―――SOS劇団 部室
ハルヒ「もう一回!」
渚「あめんぼあかいなあいうえお」
長門「かえるぴょこぴょこむぴょこぴょこ」
ことみ「なんでやねん!なんでやねん!」
キョン「……これは」
ハルヒ「あら?やっときたわね?あなたたちの仕事もあるんだからちゃんと来なさいよね、全く」
朋也「衣装を作れる人材を連れてきたんだ」
ハルヒ「うそ!?ホント!?」
朝比奈「2年の朝比奈みくるです……」
ハルヒ「へえ!やるじゃないの!!―――というか、かわいいわね」
朝比奈「え?あ、ありがとうございます」
ハルヒ「決めた!アナタはユキ姫のメイド役ね!!」
朝比奈「えぇぇぇえええええ!?!?!衣装を作るだけって話じゃあ!??」
ハルヒ「貴女が可愛いのがいけないの!はい、そうと決まれば早速稽古よ!!」
キョン「まてまて、涼宮!!」
ハルヒ「なによ?」
朋也「朝比奈さんは衣装作りを快諾してくれただけだ。役者志望じゃない」
朝比奈「そ、そうです……」
ハルヒ「別にいいじゃない。可愛いんだし。胸でかいし」
キョン「関係ないだろ!?」
朋也「あのなぁ」
ハルヒ「はいはい、とりあえずあんたら、これ台本にして」
キョン「な、なんだと?」
ハルヒ「この原稿をワープロかなんかで台本みたいにするの!!早く!!」
朋也「なんで俺たちが!?」
ハルヒ「雑用でしょ!?とっととしなさい!!」
キョン「……なろぉ」
朝比奈「あの、わたしは……?」
ハルヒ「そうねえ、発声練習からしましょうか!!」
―――廊下
智代「ふむ……ずいぶんと賑やかだ」
朝倉「そうですね」
智代「まだ顧問は決まっていないみたいだ」
朝倉「まあ、演劇部は去年廃部になってますし。それに廃部になった原因は……」
智代「顧問の不在と部員の卒業か……厳しいな」
朝倉「顧問になってくれる先生がいればいいけれど……」
有紀寧「ふんふーん」
古泉「もう少し持ちますよ?」
有紀寧「大丈夫です。古泉さんにはもうたくさんもってもらってます」
古泉「そうですか?」
智代「ん?」
古泉「これはこれは、生徒会長さん」
有紀寧「どうも」
智代「えっと……確か……」
―――SOS劇団 部室
ハルヒ「はい!じゃあ、今日の稽古はこれまで!」
渚「はぁ……疲れました」
朝比奈「なんで、私まで……」
長門「どうぞ」
渚「あ、お茶ですか。すいません」
ことみ「なんでやねん」
ハルヒ「あ、そうそう。キョン、朋也」
キョン「なんだよ。台本はもう少し待ってくれ」
ハルヒ「そんなことより、会場は用意できたの?」
朋也「会場?なんの?」
ハルヒ「SOS劇団の劇を発表する会場に決まってるでしょ!?」
キョン「ええ!?」
朋也「あ、まあ、確かにまだだ」
ハルヒ「早くしてよね。予定では一ヶ月後に開演するんだから!」
―――生徒会室
智代「―――というわけだ」
有紀寧「なるほど」
古泉「やけに熱心ですね。なにかあるのですか?あの新興演劇部に」
智代「努力は報われるべき。私はそう思っている。少なくとも涼宮さんは真っ当な方法で部を発足させ、稽古に励んでいるからな」
朝倉「流石は会長ですね」
智代「で、どうだろうか?」
有紀寧「んー。まあ、できないことはないです。会長の許可さえあれば」
智代「そうか」
古泉「でも、それはいつになるんですか?」
智代「それは黙っていても向こうから勝手に宣伝する。そのときを待てばいい」
有紀寧「流石に明日からとかは無理ですよ?」
智代「いや。彼女のことだ……きっと―――」
トントン……ガチャ
ハルヒ「お邪魔します!ちょっと相談があってきました!!」
キョン「おいおい、俺たちが行くっていっただろ!?」
朋也「そうだ」
ハルヒ「うっさいわね。あんたたちがモタモタしてるからでしょ!?」
智代「なんだろう?」
ハルヒ「私たちのSOS劇団の劇をやらせてくれないかしら?」
智代「……いつ?」
ハルヒ「一ヶ月後。体育館でね」
智代「そう。考えておこう」
ハルヒ「ありがと」
智代「―――ただし。条件がある」
ハルヒ「なに?」
智代「その舞台を行った後、顧問となる教員が現れなければ、演劇部を部としては認めない」
朋也「なんだと!?」
キョン「それはあんまりじゃあ……」
智代「……顧問は部の立ち上げに必須条件だ。どうだ、これが飲めないのなら君たちにチャンスを与えることはできない」
ハルヒ「―――面白いじゃない」
キョン「おい!」
朋也「いいのかよ!?」
ハルヒ「坂上智代、貴女の方こそあとで演劇部に入りたいと思ってももう定員オーバーで無理になると思うわ!!」
智代「ほお……それほどまでに自信が?」
ハルヒ「勿論。こっちには最高の役者が4人もいるんだから!」
智代「じゃあ、演劇部のために一日だけ体育館を貸し出そう。―――宮沢文化委員長」
有紀寧「はい」
智代「明日から大々的に宣伝してほしい。いいかな?」
有紀寧「はい。古泉君と二人で盛り上げます」
キョン「おい。どういうことだ?」
智代「生徒会総出で君たちの演劇を応援する。―――顧問が現れなくても言い訳できないように」
朋也「えぐいなぁ」
ハルヒ「ふん!!それで体育館が観客で破裂しないことを願っていればいいわ!!―――帰るわよ、二人とも!」
智代「ああ、楽しみにしている」
―――廊下
ハルヒ「……」
キョン「おい、大丈夫か?」
朋也「いくら演劇がうまくいっても、顧問が現れるかなんてわかんねえぞ?」
ハルヒ「それでもやるの!!」
キョン「涼宮……」
ハルヒ「違う世界……私と渚ならきっと……」
朋也「……とりあえず、台本のことだけど」
ハルヒ「なに?」
朋也「話が壮大すぎて、4人じゃすこし物足りない」
ハルヒ「え……?」
キョン「ああ。脇に何人か据えとくべきだ」
ハルヒ「あんた達……」
朋也「乗りかかった船だ。最後まで乗ってやる」
ハルヒ「―――ええ。頼りにしてるわよ」
―――数日後
風子「なんでしょう……演劇部?」
椋「あ、これって朝比奈さんが関わってるっていう」
杏「ああ、あれね。本当にやるのね」
佐々木「へえ……」
周防「見る?」
佐々木「キョンが携わっているなら……見ないとね」
渚「な、なんだか大事になってませんか?」
長門「生徒会の全面バックアップによるもの」
ことみ「ことみ、がんばるの」
ハルヒ「注目度は抜群ね!」
キョン「これだけポスターが貼られてればな」
朋也「……一ヶ月後の金曜日、放課後に体育館へ来たれ!……か」
ハルヒ「さあ、みんな!気合いを入れ直していくわよぉ!!」
渚「はい!」
―――昼休み 教室
ハルヒ「あんたたち!!」
春原「ひっぃ!!!」
谷口「な、なんだよ!?」
ハルヒ「私の演劇に参加しなさい!」
春原「やだね。なんでそんな面倒な事を」
谷口「俺もパース」
ハルヒ「ふーん……みくるちゃん」
朝比奈「あ、あのぉ……一緒に演劇を―――」
春原&谷口「やります!!!!!」
朝比奈「うきゅ!?」
ハルヒ「ダメよ。おさわりは劇が終わってからね」
朝比奈「おおお、おさわりってなんですかぁ!?」
キョン「雑魚AとBはこれでいいな」
朋也「あとは、脚本と演技次第か……」
―――数日後 放課後 SOS劇団 部室
春原「ふぉっふぉっふぉ」
谷口「げっけっけっけ」
ことみ「ユキ姫はいただいていくー」
長門「きゃーたすけてー」
渚「ユキ姫をかえせー」
朝比奈「ユ、ユキ姫さまー」
ハルヒ「うんうん」
キョン「やばいな」
朋也「ああ。脚本もだけど、そのそも演技になってない」
キョン「はぁ……もう三週間を切ってるのに……」
朋也「どうすっかなぁ」
ハルヒ「よし!じゃあ、少し休憩したあと、ユキ姫が特殊な力に目覚めて隕石を落とすシーンからね」
キョン「そんなシーンあったか!?!」
ハルヒ「今、作ったの。その方が盛り上がるでしょ?」
朋也「バカ野郎!!そんな力があるなら助け出す理由がなくなるだろうが!」
ハルヒ「大丈夫よ。その隕石を操る力はうまく操れないって設定だから」
キョン「強引すぎる!!」
ことみ「なんでやねん」
朋也「なにがだ!?」
ハルヒ「つべこべ言わない!やるったらやるの!!」
―――廊下
智代「いい感じに盛り上がっているな」
朝倉「いいんですか?」
智代「なにがだ?」
朝倉「顧問をしてくれる先生なんて……きっと」
智代「構わない」
朝倉「え?」
智代「……彼女たちが本気なら、きっと現れる」
朝倉「会長……ふふ、そうですね」
オールスターすぎる
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 09:56:18.55:gngBjijo0―――開演当日
渚「うぅ……」
朋也「なんだ?緊張してるのか?」
渚「あ、当たり前です!」
キョン「まあ、古河に緊張するなっていうほうが無茶だもんな」
渚「キョンさんまで……」
キョン「古河までその呼び方か……」
ハルヒ「さあ、みんな衣装に着替えて着替えて!!」
長門「……ドレス」
ことみ「コトミゴン……あついの……」
キョン「一之瀬、大丈夫か?着ぐるみだもんなぁ」
春原「おほぉぉおおお!!!!朝比奈さん、Goodです!!!」
朝比奈「はずかしい、ですぅ」
谷口「メイド服、さいこーです!!!」
ハルヒ「ほらほら、最終チャックするわよ。開演までもう30分なんだからね!」
―――体育館
智代「ふむ」
朝倉「楽しみですね、会長?」
智代「ああ」
風子「むむむ」
佐々木「あ、隣いいかな?」
風子「ダメです。隣はもう座っています」
佐々木「え?あ、このヒトデ?」
風子「はい。ヒトデが座ってます」
佐々木「ふふ、じゃあ、ダメだね」
風子「はい」
鶴屋「星じゃないにょろ?」
杏「星よねえ?」
風子「ヒトデです!確定的にヒトデです!!」
周防「……どうでもいい」
―――舞台袖
渚「す、すごい人ですよ、岡崎さん!!」
ことみ「ことみ、震えがとまらないの……」
長門「……全校生徒の七割が来場」
朝比奈「ひぃぃん……こんな恰好でこんな大勢の前にでるんですかぁ……」
ハルヒ「大丈夫よ!!みんななら出来るわ!!」
谷口「おう!なんかやれそうな気がしてきたぜ!!!」
春原「しゃー!!!!」
キョン「朋也、ここのシーンで赤いライトを頼む」
朋也「分かった。キョンもBGMの切り替え、ミスるなよ?」
キョン「はいはい」
ハルヒ「さあ、みんな。円陣組んで、手を出して!!」
渚「は、はい!」
ハルヒ「絶対に成功させるわよ!!いい!!?」
全員「「おおー!!!」」
ハルヒ(ナレーション)「これはここではないどこか遠い世界の物語……」
ハルヒ「未来の宇宙が異世界魔獣コトミゴンの手により滅ぼされてしまった世界」
ハルヒ「そんな未来を変えるため、一人の勇者が立ちあがりました」
渚「わ、わたしは、未来の宇宙からやってきた超能力者、ナギサ!コトミゴンを過去で倒し、未来の宇宙を平和にしてみせる!!」
ハルヒ「そう意気込みながら、ナギサはコトミゴンが初めて出現した日本へと降り立ちました」
杏「……なんか壮大ね」
椋「うん」
佐々木「キョンが考えた脚本ではなそうだね」
風子「引き込まれます……風子、涙腺が決壊しそうです」
朝倉「ちょっと、早くないかしら?」
渚「ここが日本……は、はやくコトミゴンを探し、倒さなくては」
長門「あなたは、誰?」
渚「あ、あなたは……?!」
ハルヒ「日本に来たナギサはユキ姫に一目ぼれしてしまいました。地球人と宇宙人。決して許されるはずのない恋でした」
渚「す、すいません、訳あって名乗れません」
長門「そんなことを言わずに……さあ」
渚「しかし……」
朝比奈「ユ、ユキ姫さまーどこですかぁー」
渚「メイドが呼んでいます。さあ、もう行ってください」
長門「しかし……」
ドドーン!!!
ハルヒ「突如の爆音。それは不吉の調べ。ついにコトミゴンが姿を現しました」
ことみ「がぉおん!!ユキ姫ー、私と結婚するのー」
渚「そ、そうはとんやがおろしません!」
ハルヒ「ナギサは決死の覚悟で挑みます」
風子「いけー!!」
智代「静かに」
風子「あ、すいません」
鶴屋「みくるかわいいー!!」
谷口「ぐへへへ、ユキ姫は攫っていくぞー」
春原「ぐへへへへ」
渚「とう!やあ!」
谷口「ぐは!」
春原「ぐえ!」
ハルヒ「なんなく雑魚の二人を倒し、コトミゴンに勝負をしかけます」
渚「はぁ!」
ことみ「ぜんぜんきかないのー、10000光年はやいのー」
ハルヒ「コトミゴンの容赦ない一撃に寄ってナギサは倒れてしまいます」
長門「いやー!」
ハルヒ「そのとき、ユキ姫の悲しみと怒りによって地球に巨大隕石が迫ってきました」
有紀寧「あらあら」
椋「ど、どうなるんだろう……(ドキドキ」
杏「なんていうB級展開……」
古泉「ふむ、悪くはないですが、ユキ姫の能力説明を挟むべきだったと思いますね」
渚「このままでは地球が滅んでしまいます!」
ハルヒ「死の淵から復活したナギサは隕石を止めるべく、超能力を発動させます」
渚「うわぁぁぁぁー」
ハルヒ「見事隕石は直撃コースを外れました」
朝比奈「ナギサさん、私もユキ姫さまをきゅ、救出したいです」
渚「わかりました。一緒にいきましょう」
ハルヒ「ナギサは戦うメイド、ミクルを仲間に従え、宇宙空間へと飛び立ちました」
杏「ええ!?ミクルって普通の地球人じゃないの!?」
風子「しっ!」
杏「あ、うん」
佐々木「あはは、面白い」
周防「……そう?」
渚「まて、コトミゴン!」
ハルヒ「ついにナギサとコトミゴンが合間見えました」
長門「たすけてー、ナギサさまー」
コトミゴン「ぜったいにユキ姫はわたさないのー」
渚「そうは行きません!」
朝比奈「私から行きます!」
ハルヒ「ミクルが特攻します。しかし、所詮は地球人。コトミゴンに敵うはずもなく、敗れてしまいました」
渚「ミクルさん、しっかりしてください!」
朝比奈「す、すいません。あとのことは、お、ね、がい……ガクッ」
渚「朝比―――じゃなくて、ミクルさぁーん!!」
コトミゴン「地球人はよわいのー、よわいのにむかってきちゃだめなのー」
渚「ゆるさない。ゆるさないぞ、コトミゴン!」
ハルヒ「怒りに震えたナギサは内なる力を解放させます」
杏「……」
風子「……」
古泉「……」
智代(すごいな……こんな大味な脚本と演技で観客を惹くなんて)
渚「くらえ!ナギサ・ファイナリティ・デッド・エンド!」
コトミゴン「うわああーー」
ハルヒ「ナギサ決死の最終奥義により、コトミゴンは時空の彼方へと飛ばされました」
長門「ナギサさま」
渚「ユキ姫」
長門「ずっとお傍にいてください」
渚「はい」
ハルヒ「こうして禁断の愛を乗り越えた二人は結ばれ、永遠の愛を宇宙に伝えていきました」
ハルヒ「未来の宇宙は一人の勇者とそれを支えた恋人の愛によって守られたのです」
ハルヒ「めでたし、めでたし」
杏「……」
風子「……(パチ……パチ」
朝倉「……(パチパチ」
智代「……(パチパチパチ」
―――パチパチパチパチ!!
―――舞台裏
ハルヒ「やるじゃないの!!!もう最高の出来だったわよ!!!」
渚「はい!涼宮さんのおかげです!」
ハルヒ「もう、渚。ハルヒでいいわよ」
渚「え……?」
ハルヒ「もう私たちは親友でしょ?」
渚「……はい、ハルヒ」
ハルヒ「うん」
渚「えへへ」
キョン「ま、とりあえず成功でいいか」
朋也「あとは顧問か」
朝比奈「はぁ……恥ずかしかったです」
谷口「じゃあ、朝比奈さん……」
春原「約束のおさわりを……」
朝比奈「えええ!?!!?」
鶴屋「ほい、そこまでにょろ」
智代「お前たちは余韻を性欲に変えるんだな」
谷口「いででででで!!!!」
春原「あでで!!!」
キョン「坂上さん、どうして?」
智代「生徒会が全面協力したんだ、成功の労いぐらい言わせてくれ」
ハルヒ「ふん!どーよ。未だ鳴りやまない歓声と拍手。これで成功じゃないとは言わせないわ!!」
智代「勿論だ。これを失敗という奴は私が叩きのめす」
渚「会長さん……」
智代「だが、この成功と部の存続は別問題だ」
ハルヒ「む……わかってるわよ」
智代「物好きが現れるといいが」
ハルヒ「どういう意味よ!?」
智代「ふふ、そのままの意味だ」
ハルヒ「なんですって!?」
―――SOS劇団 部室
ハルヒ「えー、みんな。よくがんばってくれたわ!あとは顧問を待つだけね」
渚「はぁ……不安です」
ことみ「大丈夫。ことみも渚ちゃんも頑張ったから」
渚「一ノ瀬さん……はい、そうですね。きっと私たちの想いは伝わったはずです!」
朋也「じゃあ、そろそろ乾杯しようぜ」
キョン「そうだな」
ハルヒ「分かってるわよ。―――じゃあ、みんな。お疲れ様!!かんぱーい!!!」
全員「「かんぱーい」」
―――職員室
智代「失礼します。相楽先生はいらっしゃいますか?」
美佐江「ん?どうかした?」
智代「実は折り入ってご相談が……」
美佐江「珍しいわね。なに?」
智代「はい。それが―――」
―――数日後 放課後 部室
ハルヒ「……なんでよ」
渚「あ、どうかしましたか?」
ハルヒ「あれからもう三日よ!?なんで教師どもは座視してるわけ!?」
渚「あ、あの、落ち着いてください」
ハルヒ「これが落ち着いていられるもんですか!!!みくちゃんや有希、ことみはともかく、キョンと朋也まで来ないし!!」
渚「みなさん、それぞれ用事がありますから」
ハルヒ「もう我慢できないわ!!渚、行くわよ!!」
渚「え?どこにですか?」
ハルヒ「職員室に決まってるでしょ!!」
渚「ええ?」
ハルヒ「放課後なのに職員室で腰を落ち着かせてる奴を顧問にするのよ!!」
渚「そんな強引はダメです!!」
ハルヒ「なに?演劇部が潰れてもいいわけ?」
渚「それもダメです!!」
ハルヒ「ほらほら、早くする!!」
渚「あ、ちょっと待ってください―――」
智代「涼宮、さん」
ハルヒ「……なによ?」
智代「顧問、まだ現れていないようだな」
ハルヒ「すぐに現れるわ」
智代「生徒会としても最低限の規定すら守れない部活をこのまま残しておくわけにはいかない」
ハルヒ「……」
渚「あ、あの……」
智代「今日中に見つけるんだ。いいな?」
ハルヒ「ふん」
渚「あ、すいません。失礼します!―――待ってください!」
智代「やはり、自分から動きだしたか……」
―――職員室
ハルヒ「たのもー!!」
渚「ちょっと、職員室では静かにしたほうが……」
ハルヒ「……む。いたわよ」
渚「え?」
ハルヒ「ちょっと、いいですか?」
美佐江「んー?」
ハルヒ「顧問になってください」
渚「あ……」
美佐江「……」
ハルヒ「お願いします。このまま演劇部を終わらせたくありません」
渚「……クリームパン!!」
ハルヒ「……渚?」
渚「私からもお願いします!!みんなの想いがあるんです!!このまま終わらせたくないです!!」
美佐江「―――ふふ。ふふ……すごい……坂上の言った通りだ」
ハルヒ「え……?」
美佐江「坂上がね、私に演劇部の顧問になってくれって言いに来たの」
渚「会長さんが?」
美佐江「で、私は断った。面倒だから。でも、坂上がある条件を出してきた」
ハルヒ「条件?」
美佐江「うん。自分から……つまりアナタ自身が頭を下げに来たらなってほしいってね」
ハルヒ「な!?」
美佐江「で、坂上の思惑通り、あなたは私に頭を下げに来た。だから、顧問になってあげる」
渚「本当ですか!?」
美佐江「勿論、演技指導なんてできないけどね」
ハルヒ「―――全く、坂上智代……食えない女ね」
美佐江「そんなこと言わない。ほらほら、部室に行こうか。部員を紹介してくれる?」
渚「はい……あ、でも、今日は……」
ハルヒ「まあ、いいじゃない。とりあえず戻りましょう」
渚「はい。そうですね」
―――SOS劇団 部室前
朝比奈「あ、あの、押さないでくださいぃ!」
朋也「えっと、名前は?」
風子「ヒトデです!!」
朋也「いや、自分の名前をだな……」
ハルヒ「な、なに……人が集まってる……?」
渚「あ、一ノ瀬さん!」
ことみ「あ、渚ちゃん。大変なの、みんなSOS劇団に入団したいって来てるの」
ハルヒ「えええ!?」
渚「す、すごいです!!」
美佐江「はは、こりゃ、部員の顔を覚えるだけでも大変……はぁ……やめときゃよかった」
長門「今、全員でオーディションをしていた。貴方達も手伝って」
ハルヒ「―――当然でしょ!!!下手な子はいらないわ!!!私の千里眼で将来の俳優、女優を見定めてやるわ!!」
渚「はい!―――これからもっと違う世界にいけそうですね?」
ハルヒ「ええ。でも……こんなに楽しい世界、他にないけどね」
END
このクロスには可能性を感じるな
176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 11:52:33.92:/CSvyHJy0
乙
面白かったよ
179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 12:03:00.78:smbp+WPg0面白かったよ
面白かった
>>1ありがとう
186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 12:41:40.01:L+cTv4gq0>>1ありがとう
乙!

コメント 8
コメント一覧 (8)
けいおん×クラナドのクロス思い出した
少し見たかったwwww
でも凄く最高だった!!!!!
萎えるわ
まぁ、続きがあるなら期待
地味に似通ったキャラ多いのは気づかなかった。
智代は会長だから先輩になってんのか?
杏と岡崎の出会いは高校からでは?
ハルヒ軸に沿ったのは良いが、それによって色々間違いが起きてるのが残念に感じられた
つっても、二年三年からのSOS団ってのもな……
ひとまず乙