-
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 13:36:56.12:hp8VdakV0
―――深夜 廃ビル
少女霊「ふわぁぁ……おはようございまーす」
幽霊「おう、起きたか」
少女霊「今日も静かでいいですねぇ」
幽霊「そうだな……もう夏休みも終わりだから、肝試しに来る子どももいない」
少女霊「やっぱり、こうして静かな夜は最高ですね」
幽霊「全くだ」
ゾンビ「すっげ!すっげ!!日本やべえ!!」
ゾンビ「貨物船に密航した甲斐がありましたな!!」
ゾンビ「ねえねえ、私達の拠点どこにする?」
ゾンビ「そうだな……あ、あの廃ビルなんていいんじゃないの?」
ゾンビ「雰囲気、出てますなぁ」
ゾンビ「ふふ……我々の野望はあの廃ビルから始まるのですね」
ゾンビ「おーし、じゃあみんな、人間に見つからないように移動すっぞ」
ゾンビ「うーっす」

【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」

【速報】尾田っち、ワンピース最新話でやってしまうwwww

【東方】ルックス100点の文ちゃん

【日向坂46】ひなあい、大事件が勃発!?

韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 13:41:02.45:hp8VdakV0
幽霊「おーい、なんか団体さんがこっちに向かってきてるよ」
幽霊「まじんがー?」
少女霊「えー……もう、どこの馬鹿?」
幽霊「でも、なんか様子がおかしいんだよな」
幽霊「どんな風に?」
幽霊「足を引きずってるっていうか……なんか人間らしくないっていうか」
少女霊「どういうことですか?」
ゾンビ「はーい、集合!」
ゾンビ「おーっす」
ゾンビ「では、この廃ビルに入るわけですが、もしかしたら人間がいるかもしれません」
ゾンビ「そーですね」
ゾンビ「というわけで、えっと、先発部隊の少女ゾンビちゃん!」
少女ゾンビ「え!?いつから先発部隊に選ばれたんですか!?」
ゾンビ「いいから、いってきなさい!これも勉強ですよ」
少女ゾンビ「はぁーい……めんどっちいなぁ」
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 13:45:15.52:hp8VdakV0
―――廃ビル 一階
少女ゾンビ「―――というか、誰もいないでしょ……」
少女ゾンビ「だれかぁ……いますかぁ?」
少女ゾンビ「……」
少女ゾンビ「やっほー!」
少女ゾンビ「二階に行こうかな」
少女霊「外に集まってるみたいですね」
幽霊「数は……50人ぐらいか」
幽霊「どうします?」
幽霊「そりゃ、お前、お出迎えするしかないだろ」
幽霊「はぁ……折角の休日が」
少女霊「じゃあ、ポルターガイストさんたちを呼びにいきますね」
幽霊「おう、頼むよ」
少女霊「全く……夏休みの宿題は終わってるのかなぁ」
幽霊「さてと、ここに人間が来るまで暇だな……かくれんぼするやつ、この指とーまれ!」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 13:46:34.53:EUYucUbe0
―――二階
少女ゾンビ「つかれた……」
少女ゾンビ「ここ無駄に広いなぁ」
少女ゾンビ「……お、ソファあるじゃん。すわろーっと」
少女ゾンビ「ふぅ……」
少女ゾンビ「ゾンビになってもう半年か……私、なにやってるのかなぁ」
少女霊「ポルターさん!出番ですよー!」
ポルターガイスト「ん?おー少女霊ちゃん、ちょっと背が伸びた?」
少女霊「あ、わかります?」
ポルターガイスト「わかるよ。うん、かわくなって」
少女霊「えへへ、どうもありがとうございます」
ポルターガイスト「あ、仕事?」
少女霊「はい。人間さんが来たので。とりあえず驚かせて下さい」
ポルターガイスト「おっしゃ、おっちゃんにまかせとき!」
少女霊「はい!」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 13:56:13.77:hp8VdakV0
少女ゾンビ「……さてと、いきますか」
ヒュン!
少女ゾンビ「―――いた!?」
少女ゾンビ「なに!?なんか、飛んできたけど……靴?」
少女ゾンビ「あ、そっか。私、裸足だもんね。誰かが気を利かせてくれたのかな?」
少女ゾンビ「……よし。ちっとだけ大きいけど、ま、靴ずれはしないでしょ。ゾンビだし」
少女ゾンビ「誰か知らないけど、サンキュー!」
ポルターガイスト「あ、れ?驚いてないどころか、お礼された……」
ポルターガイスト「もういっこいっとくか」
ヒュン!
少女ゾンビ「……いた!!もう一足きた……片方だけじゃだめってことか」
少女ゾンビ「おし。さあ、いこ」
ポルターガイスト「ええ!?なんか変だぞ、あの子……」
ポルターガイスト「むむ……あんなタイプの子は初めてだな。これは報告しておくか」
少女ゾンビ「……いた!!さっそく靴ずれした!!―――でえい!!ゾンビは裸足が一番ってことか、バーロー!!」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 13:59:18.08:dXvbbTeE0
―――廃ビル 外
ガヤガヤ……
ゾンビ「おやつ食ってもいーっすか?―――え?だめ?」
ゾンビ「はぁ……」
ゾンビ「どうしたの?」
ゾンビ「いやね、ほら、前に出逢った人間さんとメールしてんだけど」
ゾンビ「うんうん」
ゾンビ「なんか会いたいって言ってきちゃって」
ゾンビ「まずいじゃん」
ゾンビ「絶対、引くよなぁ。ゾンビだしなぁ」
ゾンビ「少女ゾンビちゃん、遅いなぁ。なんかあったのかしら?」
ゾンビ「あ!おい!もう二時じゃん!!ワンセグ携帯持ってる奴いるか!?」
ゾンビ「あるよー」
ゾンビ「ちょっと、見たいアニメがあるんだよね!」
ゾンビ「……よし、暇だし、少女ゾンビちゃんを追うか」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 14:02:17.16:TmIpglqY0
少女霊「ええ?驚かない?」
ポルターガイスト「ああ」
幽霊「ふうん……音とか試した?」
ポルターガイスト「ああ、やってみたが無関心だ」
幽霊「それは困ったな……」
少女霊「どうします?」
幽霊「―――よし、では三階に奴らを投入しよう」
少女霊「奴らって……は!!」
幽霊「来なさい」
オフィスレディ霊「仕事の時間ですわ!」
オフィスレディ霊「構いませんわ!やってやりますわ!」
少女霊「いけますかね?」
幽霊「我々のエリート部隊だ。いける」
ポルターガイスト「こいつは面白くなってきたぜ」
幽霊「幽霊の誇りにかけて、驚かせてやるぞ!」
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 14:10:06.13:hp8VdakV0
―――廃ビル 一階
ゾンビ「ねえねえ、隊長。今更ですけど勝手に入って大丈夫?」
ゾンビ「大丈夫。ここの地主はもう死んでいる」
ゾンビ「幽霊とか出そうだね」
ゾンビ「やめてよぉ」
ゾンビ「おいおい。幽霊なんて非科学的な連中がいるはずないだろ?脳みそまで腐ったのか?」
ゾンビ「頭が陥没してるお前にいわれたくないね!!」
ゾンビ「ほら、静かに!―――えーでは、これから未知の領域に入るので、トイレは済ませておくように!」
ゾンビ「はーい」
オフィスレディ霊「ここで待機ですわ!」
オフィスレディ霊「はい!御姉様!」
オフィスレディ霊「足を組んでみたりして、大人を表現ですわ!」
オフィスレディ霊「キーボードをカタカタ叩いて、眼鏡をくいっ!これがオフィスレディですわ!」
オフィスレディ霊「おほほほ!!」
少女ゾンビ(うわぁ……変な人たちがいる……どうしよう?)
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 14:14:31.49:hp8VdakV0
少女ゾンビ(とりあえず、絡まれたら厄介そうだし……そーっと……そーっと……)
オフィスレディ霊「それにしても、上司の幽霊さん。最近、人使いが荒くない?」
オフィスレディ霊「だよね。このキャラ設定とかなんなの?」
オフィスレディ霊「ですわ!っていうのがオフィスレディっぽいって思ってるらしいよ?」
オフィスレディ霊「恥ずかしいっつーの」
オフィスレディ霊「というか、私はまだ16歳なんだけど」
オフィスレディ霊「え?ああ、確かにスーツが似合ってないもんね」
オフィスレディ霊「でしょ?」
オフィスレディ霊「にしても……人間、遅いなぁ」
少女ゾンビ(人間って……私のこと人間に見えるの……)
少女ゾンビ(ちょっと、嬉しいんですけど……ふふ)
少女ゾンビ(良い人たちかも……よし)
少女ゾンビ「―――あ、あの」
オフィスレディ霊「あ……」
オフィスレディ霊「―――人間ですわ!」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 14:18:25.88:hp8VdakV0
少女ゾンビ「あ、あの……貴方達は?」
オフィスレディ霊「え……?オフィスレディ霊ですわ!」
少女ゾンビ「私、少女ゾンビっていいます」
オフィスレディ霊「……」
少女ゾンビ「……てへ」
オフィスレディ霊「いや、驚かないの?」
少女ゾンビ「何がですか?」
オフィスレディ霊「え?いや、私達、幽霊なんだけど」
少女ゾンビ「えぇぇぇええええ!!?!?」
オフィスレディ霊「―――ふふふ!!さあ、呪い殺してあげますわ!」
少女ゾンビ「あ、すいません。私、ゾンビなんでもう死んでるんです。だから、その殺すのはちょっと無理かなぁって」
オフィスレディ霊「え?ゾンビ?」
少女ゾンビ「はい」
オフィスレディ霊「―――きゃぁあああああああ!!!!!!」
少女ゾンビ「ひぃ!?」
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 14:23:13.30:hp8VdakV0
―――二階
ゾンビ「なぁなぁ……怖い話しようぜ」
ゾンビ「やめて!!」
ドガァ!!
ゾンビ「ぎゃああ!!腕がぁぁぁ!!!もげたぁぁぁ!!!」
ゾンビ「あ、ごめん」
ゾンビ「ここにはなにもないな」
ポルターガイスト「すげえ人数だ……腕が鳴るぜ……おらおら!!」
ヒュン!ヒュン!ヒュン!!
ゾンビ「―――何か飛んでくる!!」
ガン!ザン!!ブチュ!!
ゾンビ「うわあああ!!!!顔が粉砕したぁぁ!!!」
ゾンビ「ひぃぃぃ!!」
ポルターガイスト「あわわ……ばかな……金ダライを投げただけなのに……や、やってしまった……幽霊として一番の禁忌……「人殺し」を……」
ゾンビ「おい!懐中電灯つけて顔を探せって!」
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 14:27:36.38:hp8VdakV0
―――36階
幽霊「―――じゃあ、次のシーンだ。おほん……アウトだよ!!」
幽霊「えーと……日常の第6話か?」
少女霊「月が綺麗……」
幽霊「君の方が綺麗だよ?」
少女霊「はいはい」
幽霊「ほんとだってばぁ」
オフィスレディ霊「―――いやぁぁぁぁぁ!!!!」
幽霊「うわぁぁ!!!こら!!床をすり抜けてくるなって!!びっくりするだろ!!」
オフィスレディ霊「大変です!!ゾンビです!!!」
幽霊「何の話だ?」
オフィスレディ霊「あいつら……人間じゃないんです!!」
幽霊「ええ?」
少女霊「あの、落ち着いてください」
オフィスレディ霊「やばいですわ!!日本の終わりですわ!!」
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 14:32:47.45:hp8VdakV0
幽霊「―――ゾンビ?」
オフィスレディ霊「は、はい!!」
幽霊「ぷ!あははははは!!ゾンビって、ありえねー!!」
オフィスレディ霊「え?いや、本当ですわ!!」
幽霊「俺、宇宙人とかゾンビとかそういうの信じないタイプなんだ」
オフィスレディ霊「でもでも!!」
少女霊「でも、ゾンビなんて想像上の怪物なんじゃ……」
オフィスレディ霊「信じてください!!」
幽霊「まてまて。ゾンビだっていう確証はないだろ。本人が「ゾンビだ」って言っただけじゃん」
オフィスレディ霊「それは、そうですけど……」
少女霊「でも、オフィスレディ霊さんたちがここまで怯えるのも不思議ですね」
幽霊「たしかにな。リングとか見てもまばたき一つしなかった彼女たちが……」
幽霊「分かった。よし、少女霊ちゃん。ちょっと、様子を見てきてくれ」
少女霊「はい!」
幽霊「無理はしないでね?少女霊ちゃんは僕らのアイドルだし」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 14:36:58.39:hp8VdakV0
―――二階
ゾンビ「ちょっとー、トイレの水が流れないわ!」
ゾンビ「こまりんこ」
ゾンビ「あのなぁ……それは当然だろ」
少女ゾンビ「―――わぁぁぁぁ!!!」
ゾンビ「ひっぃい!?!」
ゾンビ「きゃぁぁ!!」
少女ゾンビ「ちょっとちょっと!逃げないでください!!私ですよ!!」
ゾンビ「あ、なんだ……ここにいるゾンビかと思った」
少女ゾンビ「それより、大変です!!」
ゾンビ「なにが?ガスの元栓でも閉め忘れた?」
少女ゾンビ「違います!ちゃんと閉めてきました!―――ここに幽霊がいるんです!」
ゾンビ「幽霊……?」
少女ゾンビ「はい」
ゾンビ「どうしたの?暑さで脳みそが馬鹿になったの?」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 14:40:24.60:TmIpglqY0
少女ゾンビ「本当ですよ!!この目で見ました!!」
ゾンビ「腐った魚の目をしているぞ」
少女ゾンビ「ほっといてください!」
ゾンビ「幽霊なんているわけねーだろ」
ゾンビ「うんだ」
少女ゾンビ「あーん!みたんだってばぁ!!」
ゾンビ「いいかい?幽霊ってのはプラズマの一種でね」
少女ゾンビ「じゃあ、こっちに来てください!」
ゾンビ「あ、ちょっと!?」
少女ゾンビ「本当にいるんですから!!」
ゾンビ「ひぃぃ!!腕がちぎれる!!」
少女ゾンビ「ほらほら!来てください!!」
ゾンビ「やろうども!少女ゾンビちゃんに続け!」
ゾンビ「うーっす」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 14:45:09.45:hp8VdakV0
―――三階
少女ゾンビ「あ……れ?」
ゾンビ「ほら、何もいない」
少女ゾンビ「でも、アソコに変な人たちが……」
ゾンビ「おー!こいつは、また古いPCだなぁ」
ゾンビ「使えそう?」
ゾンビ「うーん……電源は……つかないか」
ゾンビ「自家発電装置でも持ってくるべきだったね」
ゾンビ「あの屋敷には必要だったからなぁ」
少女ゾンビ「はぁ……」
ゾンビ「少女ゾンビちゃんは初めての遠征で疲れただけだよ。ほら、10分だけここで休憩しよう」
少女ゾンビ「はい……そうします」
ゾンビ「うん」
ゾンビ「この椅子回るー♪うひょー♪」
ゾンビ「それそれー!まわれまわれー!!」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 14:49:27.84:hp8VdakV0
少女霊「―――この下から声が」
ポルターガイスト「―――ぬわぁぁぁ!!!」
少女霊「きゃぁあ!?って、ポルターさん?」
ポルターガイスト「やってまった……少女霊ちゃん、俺、もうだめだぁ」
少女霊「どど、どうしかたんですか?!」
ポルターガイスト「おれ……殺しちゃった……うぅ……人間……しんじゃった……」
少女霊「ええ!?」
ゾンビ「いやぁ、やっと頭が見つかったぜ」
ゾンビ「そういえばさっきの金ダライなんだったんだ?」
ゾンビ「なんか急に飛んできたよな」
少女ゾンビ「……え?」
ゾンビ「なんのブービートラップなんだよな」
少女ゾンビ「あの……私も靴が飛んできました」
ゾンビ「マジ?もう、なにここ、怖い」
少女ゾンビ「もしかして、というか、絶対に誰かいますよ。この廃ビル」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 14:57:12.20:hp8VdakV0
ポルターガイスト「うぅ……もうおら……かえるだぁ」
少女霊「泣かないでくださいよぉ」
ポルターガイスト「もうやだ!もうだめだ!!故郷のおっかあに合わせる顔がないだよぉ!!」
少女霊「あぅ……」
ポルターガイスト「少女霊ちゃん……やべえよぉ!!」
少女霊「うーん……」
少女霊(でも……ゾンビさんならセーフですよね……尚更、確かめないと)
少女ゾンビ「人間かどうかは分かりませんが、金ダライは明らかな敵意を感じます」
ゾンビ「そやね」
ゾンビ「うち、金ダライはないとおもうんやわぁ」
ゾンビ「ああ、これはやばい匂いがプンプンするぜ」
ゾンビ「腐臭ってこと?」
ゾンビ「よし。これは我々に対する挑戦だな。―――みなもの、今から我々はゾンビとしての意地をみせるぞ」
ゾンビ「ははーん……隊長も悪ですねえ……いいでしょう、やってやりましょう!!」
ゾンビ「よし!全力をもって、ここにいる何者かをビビらせて、追い出すぞ!!」
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 15:03:49.02:hp8VdakV0
少女霊「とにかく少し落ちついてください」
ポルターガイスト「でもぉ」
少女霊「もしかしたら人間じゃないかもしれません」
ポルターガイスト「え?でも、喋ってたし」
少女霊「ゾンビだとオフィスレディ霊さんが言っているんです」
ポルターガイスト「ゾンビ!?そんな非現実なこと……!!」
少女霊「確かに信じられませんが……でも、あの人たちが酷く怯えていました」
ポルターガイスト「そ、そうなのか……」
少女霊「ゾンビじゃないにしろ、なにかあると思うんです。それを今から確かめましょう」
ゾンビ「でもさ、どうする?ここは新天地だ。勝手が違うからビビらすのも大変だぞ?」
ゾンビ「だよねえ。そもそも、相手はきっと俺たちよりも上階にいるし、地形的にも不利だ」
少女ゾンビ「うん……あの人たちも上に逃げていったし……」
ゾンビ「隊長……どうするおつもりで?」
ゾンビ「ふん……頭を使え。……確かに地の利を活かせることはできないが、いくらでもそれを覆すことはできる」
ゾンビ「というと?」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 15:08:21.96:hp8VdakV0
少女霊「では、行きましょう」
ポルターガイスト「お、おう!」
少女霊「あの……どうして私の後ろに?」
ポルターガイスト「だって、それは……ゾンビだったらこわいだろーが!!」
少女霊「意外と怖がりなんですね」
ポルターガイスト「ほっとけ!!」
少女霊「では、行きますよ」
ゾンビ「あーあー」
ゾンビ「うーうー」
少女霊「!?」
ポルターガイスト「な、なんだ!?このうめき声は……!!」
少女霊「……人間にしては少し不気味な声ですね」
ポルターガイスト「ま、まじで……ゾンビか……」
少女霊「そんなバカな……とりあえず下に向かいましょう」
ポルターガイスト「くそぉ……ポルターガイスト歴30年の俺が……少女霊ちゃんの後ろに隠れないといけねえとは……!!」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 15:12:22.30:hp8VdakV0
―――三階
少女霊「……誰もいない」
ポルターガイスト「そんなわけねーだろ。確かに声がしたんだから」
少女霊「ポルターさん、私は向こうの部屋を見てみますから」
ポルターガイスト「お、おう。じゃあ、俺は向こうのトイレを調べてみる」
少女霊「お願いします」
ポルターガイスト「……ひぃぃ」
ガチャ
少女霊「……誰もいないか」
少女霊「でも、さっきの声は……うーん……わかりません」
ポルターガイスト「だ、誰かいやがるのか!?でてきやがれってんでえ!!!」
ポルターガイスト「―――な、なんだ、やっぱりだれも―――」
ゾンビ「―――あぁあぁあああ」
ポルターガイスト「ぎゃぁあああああああああ!!!!!!!」
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 15:13:29.24:TmIpglqY0
少女霊「ポルターさん!?」
少女霊「ポルターさん!!どうかしました!!?」
少女霊「―――いない!?」
少女霊「……うそ……ポルターさんが消えちゃった……」
少女霊「大変だ……!!みんなに知らせないと!!」
―――トイレ 個室
ポルターガイスト「ん!!!?!?んん?!?!?」
ゾンビ「なんすか?この半透明のやつ」
ゾンビ「知らんよ」
ゾンビ「今の女の子テラワカユス」
ゾンビ「デュフフフ!いいでござるな!」
少女ゾンビ「そうかなぁ……着物とかダサくないかな?」
ゾンビ「タンクトップの少女ゾンビちゃんもそそるけど、やっぱり露出が少ない女の子も魅力あるんだよね」
ゾンビ「そうだな。そういうこのパンチラとかすげー興奮するもんな!少女ゾンビちゃんはタンクトップとパンティーだけだから、もう有難味ないけど」
少女ゾンビ「好きでこんな恰好になってません!!!」
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 15:24:52.01:hp8VdakV0
ポルターガイスト「―――ぷはぁ!!てやんでい!!!!人間風情が俺を素手で掴むとはいい度胸だこらぁ!!」
ゾンビ「静かにしろ。我々は人間ではない」
ポルターガイスト「なんだと?」
ゾンビ「ほらほら。ちゃんと臭いなさい。そして腐臭に悶えなさい」
ポルターガイスト「わ、わりい……俺、幽霊なもんで、嗅覚はねえんだ。あるやつもいるけど」
ゾンビ「幽霊!?」
ポルターガイスト「なんだ……そういうお前らはなにものなんでえ」
ゾンビ「我々はゾンビだ。この度はある事情により日本にやってきた」
ポルターガイスト「ゾンビ!?」
ゾンビ「すげえ!日本って幽霊にさわれるんすね!」
ゾンビ「マジはんぱねえ!」
ポルターガイスト「やめろ!!足を掴むな!!」
少女ゾンビ「ほら!私の言った通りじゃないですか!幽霊はいるんです!!」
ゾンビ「うむ……」
ポルターガイスト「ゾンビって本当なのかよ……確かに目ん玉ないやつとかいるけどよぉ」
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 15:30:34.81:hp8VdakV0
―――36階
幽霊「パワーゲイザー!!」
幽霊「テリー!」
幽霊「正解!」
幽霊「じゃあ、次は俺だな。―――10年早いんだよ!!」
幽霊「バーチャファイターの……だれだっけ?」
少女霊「みなさん!!」
幽霊「おかえり。どうしたの血相変えて」
少女霊「そ、それが……ポルターさんが……消えました!!」
幽霊「なんだとっぉ!?」
幽霊「―――そうか、相手は僧侶か何かか?」
少女霊「分かりません。気が付いたらポルターさんはいなくて。でも、他には誰もいなくて……」
幽霊「……どういうことだ?」
幽霊「とりあえず、仲間が何かに巻き込まれたのは間違いない」
幽霊「そうだな。よし、みんな第一種戦闘配置だ!」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 15:35:45.66:hp8VdakV0
ゾンビ「幽霊か……本当なんだな」
ポルターガイスト「俺も初めてみたぜ、ゾンビなんてよ」
ゾンビ「隊長、どうします?悪いの俺達じゃないっすか?」
ゾンビ「そうだな。無断で幽霊たちの縄張りを荒らしたわけだしな」
少女ゾンビ「謝りにいきます?」
ゾンビ「うむ、それが良かろう」
ポルターガイスト「なんだ、結構いい奴なんだな」
ゾンビ「はは、幽霊とゾンビ。似た者同士だ、争う必要がどこにある」
ポルターガイスト「それもそうだな」
ゾンビ「とりあえず、ポルターさんに道案内を頼みたい」
ポルターガイスト「おうよ。おっちゃんにまかせな」
少女ゾンビ「ふう……でも、幽霊って以外に怖くないんだ」
ゾンビ「やっぱ、俺たちも死んでるからかな?」
少女ゾンビ「どうだろうね?」
ポルターガイスト「じゃ、いくか」
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 15:41:16.88:hp8VdakV0
―――五階
少女ゾンビ「もっと上なんですか?」
ゾンビ「やべえ、足もげそう……冗談抜きで」
ポルターガイスト「そうか……俺たちは肉体がないから疲労とか感じなくなってるけど、ゾンビは違うもんな」
ゾンビ「マジできついっす」
ポルターガイスト「まあ、ゆっくりいこう。焦ることはないからな」
ゾンビ「んじゃ、休憩しよ」
ゾンビ「花咲くいろはってこの時間じゃなかった?」
ゾンビ「うひゃ!!!まずいじゃん!!」
ゾンビ「アホか!何やってんだ!!早くワンセグ!!」
少女ゾンビ「すいません。ちょっとお手洗いに行ってきます」
ポルターガイスト「ああ、その先の突き当たりにあるから」
少女ゾンビ「はーい」
ゾンビ「このオープニング曲はいいよなぁ」
ゾンビ「ホビロン!!」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 15:45:21.65:hp8VdakV0
―――女子トイレ
少女ゾンビ「ふう……」
少女ゾンビ「幽霊かぁ……ふふ。私達と変わらないみたい……」
少女霊(いました……ふふ)
少女ゾンビ「ん……はぁ♪」
少女霊「―――わ!!!」
少女ゾンビ「ぎゃぁああああああ!!!!!!」
ゾンビ「ところでポルターガイストさん」
ポルターガイスト「ん?」
ゾンビ「ここには幽霊はどの程度いるんだ?」
ポルターガイスト「そうだな……今は50人ってとこだな」
ゾンビ「そうか……我々と同じぐらいか」
ポルターガイスト「そういうこった。―――ところで、あんたたちが来日した目的ってなんだ?」
ゾンビ「気になるか?―――だが、秘密だ」
ポルターガイスト「ええ?別にいいだろぉ」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 15:50:58.51:hp8VdakV0
少女ゾンビ「うあぁああああ……!!!」
少女霊「あ!ちょっと、待って!!」
幽霊「あーあ、逃げちゃった」
少女霊「はぁ」
幽霊「だから出てきたところでって言ったじゃない」
少女霊「すいません」
幽霊「ん……?」
少女霊「どうしまし……ひぃぃ!?」
幽霊「うでだ……!?」
少女霊「誰の腕でしょうか……」
ポルターガイスト「ふうん……それで日本にな」
ゾンビ「ああ」
少女ゾンビ「わぁああああああ!!!!」
ゾンビ「どうしたの!?片腕ないよ!!!」
少女ゾンビ「おしっこのぞかれたぁ……!!」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 15:56:15.32:hp8VdakV0
ゾンビ「なんですと!?」
ゾンビ「誰だ!そんな良い旅夢気分になってるやつは!!」
ポルターガイスト「どんなやつだったんだ?」
少女ゾンビ「そ、それが……ドアの隙間からにゅっと顔が……」
ポルターガイスト「俺の仲間か……?」
ゾンビ「幽霊でも女の子のトイレを覗くんすか?」
ゾンビ「マジぱねえ」
ポルターガイスト「そんなわけないだろう。きっと何かの間違いだ。見回り中だったのかもしれん」
ゾンビ「とりあえず、腕は探さないと」
少女ゾンビ「う、うん」
ゾンビ「よし、みんなで探そうぜ」
ゾンビ「おう」
ポルターガイスト「おっちゃんにまかせろ!」
少女ゾンビ「ありがとう……みんな」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 16:05:20.61:hp8VdakV0
―――36階
少女霊「……」
幽霊「腕、持ってきちゃったけど」
オフィスレディ霊「こわいですわ!」
少女霊「マネキンのではなさそうですね」
幽霊「そだね」
幽霊「なんだろう……なんか、質感が気持ち悪い」
幽霊「腐ってるかんじしねえ?」
少女霊「もしかし……ゾンビ?」
幽霊「だから、そんなのあり得ないって」
―――五階 トイレ
ゾンビ「あった?」
ゾンビ「ないっしゅ」
少女ゾンビ「そんなぁ……ここ以外落とす場所なんて……」
ゾンビ「捨てられたとか……ないよな?」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 16:10:38.79:hp8VdakV0
少女ゾンビ「え……?」
ポルターガイスト「それはないと思うが」
ゾンビ「ポルターガイストさん、先に仲間の方と合流してくれませんか?我々の足では朝を迎えてしまう」
ポルターガイスト「おう。分かった。何人かここに連れて来てやる」
ゾンビ「腕の所在もお願いしたい」
ポルターガイスト「任せとけって。―――んじゃ、ちっとだけ待ってな」
少女ゾンビ「はぁ……うで……」
ゾンビ「大丈夫だって」
ゾンビ「そうそう」
ゾンビ「おっぱいがポロリしちゃうよりはマシでしょ?」
少女ゾンビ「……」
ゾンビ「に、睨まないで……」
少女ゾンビ「はぁ……」
ゾンビ「戻ろう。向こうのソファで休もう」
少女ゾンビ「はい」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 16:15:22.97:hp8VdakV0
―――36階
少女霊「……腕……」
幽霊「キモイし捨てるか?」
幽霊「そうだな」
オフィスレディ霊「それがいいですわ!」
幽霊「じゃあ、少女霊ちゃん、お願いできる?」
少女霊「うぇ……私が捨ててくるんですか?」
幽霊「だって……ねえ」
幽霊「少女霊ちゃんが持っていきましょうって言ったし」
少女霊「わ、わかりましたよぉ」
幽霊「よろぴく」
少女霊「もう……」
幽霊「―――さてと、次はなにして時間潰す?」
幽霊「いいの?階下に謎の集団がいるんだろ?」
ポルターガイスト「―――ただいまっと!!!」
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 16:21:11.02:hp8VdakV0
幽霊「ポルターおじさん!!」
ポルターガイスト「その呼び方はやめろ!」
オフィスレディ霊「あら、ポルターさんですわ」
ポルターガイスト「よう!」
幽霊「今までどこにいたのさ。少女霊ちゃんが心配してたよ?」
ポルターガイスト「わりいな。ちょっとゾンビに捕まってさ」
幽霊「ゾンビ!?」
幽霊「どういうこと?!」
ポルターガイスト「おう。この世はまだまだ不思議なことがあるもんだ」
幽霊「ちょっと、詳しく説明してくれ」
少女霊「さてと……この腕……どうしよっかな」
少女霊「あ……このダストシュートに捨てればいいか」
少女霊「―――てい」
少女霊「ふう。よし」
少女霊「さてと、帰ろう」
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 16:26:05.42:hp8VdakV0
幽霊「―――ゾンビってマジですか」
ポルターガイスト「えらくマジだ」
幽霊「ゾンビなんて信じられねえ」
ポルターガイスト「でも、本当だ」
オフィスレディ霊「ね?ね?私たちの言った通りですわ!」
幽霊「うーん……でも、嘘には思えないしなぁ」
ポルターガイスト「だからマジだって」
少女霊「あ、ポルターさん!!無事だったんですね!!!」
ポルターガイスト「おうよ!」
幽霊「どうする?」
幽霊「ゾンビか……会ってみる価値はあるな」
ポルターガイスト「おう、そうか」
少女霊「やっぱりゾンビだったんですか?」
ポルターガイスト「そうなんだよ。誰でもいいから数人ついてきてくれ。ゾンビたちも会いたがってる」
幽霊「分かった。よし、行こう」
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 16:30:26.42:hp8VdakV0
ゾンビ「ちーちちっちおっぱい!」
ゾンビ「もげもげ!」
少女ゾンビ「……」
ゾンビ「遅いなぁ」
少女ゾンビ「……腕……」
ポルターガイスト「おっす、待たせたな」
ゾンビ「おお」
幽霊「……どうも」
少女霊「ゾンビ、さん?」
少女ゾンビ「あー!!!トイレ覗いた子!?」
少女霊「あ!トイレの子!?」
ゾンビ「トイレの子だって」
ゾンビ「なんだが、興奮するね」
少女ゾンビ「それより、私の腕はどこですか!?」
少女霊「うで?」
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 16:34:36.12:hp8VdakV0
ポルターガイスト「ああ、そうだ。訊くのすっかり忘れてたぜ」
幽霊「なんのこと?」
ゾンビ「実は、この子がトイレで腕を落としたらしくって」
少女ゾンビ「腕がないとなんか寂しいんです!返してください!!」
幽霊「……」
少女霊「……」
ゾンビ「どうして目をそらす?」
幽霊「ほら、ちゃんと謝らないと」
少女霊「ええ!?酷い!」
少女ゾンビ「まさか……捨てたんじゃないよね?」
少女霊「……」
少女ゾンビ「ちょっと!!」
少女霊「……ごめんなさい」
少女ゾンビ「―――うわぁぁぁぁん!!」
少女霊「あ、の……すいません」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 16:39:20.86:hp8VdakV0
ゾンビ「はぁ……」
幽霊「まさかゾンビの腕だなんて思わなくて……」
ゾンビ「かわいそ!かわいそ!」
ゾンビ「少女ゾンビちゃん、ドントクラーイ!」
ゾンビ「おいこら!ちょっと可愛いからって、腕を捨てるなんて暴挙はゆるされないよ!」
ゾンビ「パンツみせろこら!!」
少女霊「えぇ!?」
少女ゾンビ「うでぇ……うでぇ……」
ゾンビ「おらおら!どんなパンツ穿いてるか教えろください!!」
少女霊「あの……パンツってなんです?」
ゾンビ「……」
幽霊「この子、下着がない時代に死んだんでそういう知識がないんですよ」
ゾンビ「―――ぐはぁ!!!」
ゾンビ「ああ!!ゾンビさんが鼻血を!?」
少女霊「え?え?」
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 16:42:49.00:hp8VdakV0
ゾンビ「ともかく、少女ゾンビちゃんの腕はちゃんと探してください」
幽霊「そうですね。おい」
少女霊「は、はい?」
幽霊「ちゃんと探すように」
少女霊「えぇ~!?」
幽霊「私たちはゾンビさんたちを36階まで案内するから」
少女霊「もう……わかりました!!」
ゾンビ「悪いね」
少女霊「はぁ……なんで私ばっかり」
少女霊「じゃあ、行ってきます」
少女ゾンビ「まって」
少女霊「え?」
少女ゾンビ「私もついてく」
少女霊「別に構いませんが……」
ゾンビ「うん。いいんじゃないの。いってらっしゃい」
91: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2011/08/29(月) 16:44:11.85:xpxuIZKP0
―――五階 廊下
少女ゾンビ「どこに捨てたの?」
少女霊「えっと……36階のダストシュートから……ぽいっと」
少女ゾンビ「なんで勝手に捨てるのよ!!」
少女霊「すいませんってば!!」
少女ゾンビ「もう……なんか違和感あるんだからね」
少女霊「はい」
少女ゾンビ「早く回収しなきゃ……よいしょ」
少女霊「え?あの、なにしてるんですか?」
少女ゾンビ「何ってこの中に捨てたんでしょ?」
少女霊「そうですけど、ダストシュートから直接行く気ですか!?」
少女ゾンビ「だって歩くのしんどいし」
少女霊「いやいや、やめたほうが……!!」
少女ゾンビ「いっきまーす♪―――きゃぁああああああああ!!!!!!」
少女霊「わぁああああ!!!!!少女ゾンビさぁぁぁぁん!!!!」
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 16:53:21.23:hp8VdakV0
―――36階
ゾンビ「いやぁ……まさか運んでくれるとはありがとうございます」
幽霊「いえいえ。触れられるのが幸いしましたね」
オフィスレディ霊「ゾンビさん、お茶ですわ!」
ゾンビ「ええ尻しとるなぁ……ぺろん」
オフィスレディ霊「きゃぁ!?」
ゾンビ「おい!これ、ランカちゃんの限定フィギュアじゃん!?」
幽霊「え?しってんの!?」
ゾンビ「もちろんでござるよ!!」
幽霊「えーそっちでもアニメ流行ってるんだ」
ゾンビ「ニホンノアニメサイコーネ!」
幽霊「急にカタコトにならんでください」
ゾンビ「いやぁ、いいところですね」
幽霊「そういえば、どうしてここに?」
ポルターガイスト「ああ、そのことなんだけど」
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 17:00:43.65:hp8VdakV0
―――地下 ゴミ捨て場
少女霊「少女ゾンビさん!!どこですか!!」
少女ゾンビ「……こ、こ……ここ……」
少女霊「え……きゃぁあああ!!!!!首だけ!?!?」
少女ゾンビ「ごめん……落ちた衝撃でバラバラになっちゃった……すごく、痛い」
少女霊「えとえと!?大丈夫……じゃないですよね!?ええ……どうしたらいいですか!?」
少女ゾンビ「と、とりあえず……パーツを拾ってくれると、嬉しんだけど……」
少女霊「わ、わかりました!!」
少女ゾンビ「さいあく……いっ!」
幽霊「ほお……日本の文化が好きで永住を?」
ゾンビ「そうです。今回はその下見で日本を訪れました」
幽霊「それで人目につかない場所を探して、ここに来たわけですね?」
ゾンビ「はい。しかし、大変失礼なことをしてしまったようだ」
幽霊「いやいや。こちらも事情を知らなかったとはいえ、ご無礼を」
ポルターガイスト「で、どうする?俺的には別にこの廃ビルの一部を貸してやってもいいと思うが」
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 17:07:04.05:JczJ9f4Y0
少女ゾンビ「はやくぅ……」
少女霊「もう、だから止めた方がいいっていったじゃないですか……あ、右足発見」
少女ゾンビ「まさかあんなに急だとは思わなかったの」
少女霊「ゴミがクッションになると思ったんですか?……あ、これは右腕……捨てた奴だ」
少女ゾンビ「うっさいなぁ。早く拾ってよ」
少女霊「む……これ、燃やしてもいいんですけど?」
少女ゾンビ「ちょっと!笑えないから!!」
少女霊「じゃあ、少し黙っててください……これは、胴体だ」
幽霊「貸すというか、ここは俺達の所有物じゃないし。住みたければご自由にどうぞって感じだけど」
ゾンビ「いいんですか!?」
ポルターガイスト「ああ、お前らがいるとなんか楽しそうだしな」
ゾンビ「それはありがたい」
幽霊「何人程度の移住を考えているのですか?」
ゾンビ「大体100人ぐらいですね」
幽霊「100人か……まあ、余裕でしょう」
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 17:10:03.96:TmIpglqY0
少女霊「これで全部ですかね?」
少女ゾンビ「ありがと……よいしょ」
少女霊「手足ってくっつくんですね」
少女ゾンビ「まあね……ゾンビだから」
少女霊「ゾンビってすごいですね」
少女ゾンビ「そう?幽霊のほうがいいじゃない。壁とかすり抜けられるんでしょ?」
少女霊「でも、肉体があるほうがいいなーって思う時もありますよ?生きている人は私たちのことを見ることができませんし」
少女ゾンビ「ふうん、そういうものなの?」
少女霊「はい」
少女ゾンビ「ゾンビも大変だけどね。すぐに疲れちゃうし。手足はもげるし。人間が私たちを見たら大概吐くし」
少女霊「ええ?吐く?」
少女ゾンビ「臭いんだって。酷い話よ」
少女霊「臭いんですか?」
少女ゾンビ「臭わない?」
少女霊「別に感じません……幽霊ですし」
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 17:18:32.91:hp8VdakV0
少女ゾンビ「そっか……臭わないんだ……そうなんだ……」
少女霊「それより、ここから出ましょう。いつまでもゴミ捨て場には入れませんし」
少女ゾンビ「そっか……でもダストシュートからは戻れそうにないわね」
少女霊「当たり前じゃないですか」
少女ゾンビ「どこからか出られるの?」
少女霊「えっと、確か……こっちだったと思います」
少女ゾンビ「道案内、お願いね」
少女霊「ここあまり使わないんで、正直不安なんですけど……」
ゾンビ「では、試しに一週間ほどここに住んでみてもいいですか?」
幽霊「許可などいりませんよ。気に入ったのならどうぞ」
ゾンビ「助かります」
ポルターガイスト「そういえば二人おせえな」
幽霊「そういえば……」
ゾンビ「うむ……少し心配になってきた。四肢が粉砕してなきゃいいけど」
幽霊「ゾンビも大変ですね」
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 17:22:45.01:hp8VdakV0
少女霊「ここですね」
少女ゾンビ「鍵開けてよ」
少女霊「え?」
少女ゾンビ「いや、私はすり抜けられないから」
少女霊「あ……ここ錠前が……」
少女ゾンビ「鍵はある?」
少女霊「うーん……何分ここは廃ビルなんで」
少女ゾンビ「マジぃ?」
少女霊「ともかく探してみますね」
少女ゾンビ「お願いね」
―――36階 廊下
オフィスレディ霊「ふんふーん」
ゾンビ「あ、ちっす」
オフィスレディ霊「あら、どうかしました?」
ゾンビ「ここって禁煙っすか?」
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 17:27:08.48:hp8VdakV0
オフィスレディ霊「違いますけど、タバコお吸いになられるんですか?」
ゾンビ「そうなんすよ……じゃ、失礼して」
オフィスレディ霊「あ、でもその辺に吸殻は捨てないでくださいね?」
ゾンビ「うーっす」
ゾンビ「スパー……いやぁ、うまいなぁ」
幽霊「こっちにもっとアニメグッズおいてるんですよ!見ます!?」
ゾンビ「見るでござる!!」
ゾンビ「やっほー!やっぱり日本は違うぜ!!」
幽霊「急ぎましょう!」
ゾンビ「ひゃっはー!!」
ダダダッ……ドン!
ゾンビ「いて!……おいおい、気を付けろよな」」
ゾンビ「あ、ごめん」
幽霊「すいません。廊下は走らずにいきましょう」
ゾンビ「全く、アニオタどもめ……あれ?タバコ、どこいった?」
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 17:32:26.36:hp8VdakV0
―――地下 ゴミ捨て場
少女ゾンビ「おっそいなぁ……退屈……」
少女ゾンビ「ここに住むことになるのかなぁ……だとしたら、あの子とももっと……」
少女ゾンビ「……うん、悪くないかも」
少女ゾンビ「ふう……」
……ボッ!
少女ゾンビ「ん?」
―――1階 警備室
幽霊「異常なし!」
幽霊「うす!」
少女霊「すいませーん」
幽霊「どったの?こんなところに用事なんて珍しいね」
少女霊「あの、ゴミ捨て場の鍵ってあります?」
幽霊「鍵?いやぁ、見ての通りここには何もないよ?俺たちも警備員のマネをしてるだけだし」
少女霊「はぁ……ですよね……どうしよぉ」
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 17:36:06.44:dGrHUAQ10
少女霊「はう……困ったなぁ」
幽霊「なんかあったの?」
少女霊「それが少女ゾンビさんが閉じ込められちゃって」
幽霊「ええ?あんなところに?」
少女霊「はい」
幽霊「なにやってんだか」
少女霊「でも、なんとかしてあげないと」
幽霊「そうだねえ」
―――36階
ポルターガイスト「やっぱり遅いな」
幽霊「なんかあったのかなぁ」
ゾンビ「うむ」
ジリリリリリリリリリ!!!!!!
オフィスレディ霊「きゃぁあ!?なに!?」
ゾンビ「これは!?」
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 17:41:26.21:hp8VdakV0
―――警備室
幽霊「なんだ?また警報装置の誤報か?」
幽霊「なんでこれだけ生きてんすかね?」
幽霊「さあ?」
少女霊「とりあえず戻ります。鍵はどうします?」
幽霊「一応、探してみるよ」
少女霊「お願いします」
―――ゴミ捨て場
少女ゾンビ「うそ……もえてる!!!ファイヤー!!!」
少女ゾンビ「洒落にならないって!!!助けて!!!」
ガチャガチャ!!
少女ゾンビ「ちょっと!!だれか!!!」
少女ゾンビ「ごほ!ごほ!!……けむい……」
少女ゾンビ「あーあ……こんなとことで二度目の死を迎えるんだ……なんだ……もう、つまんないなぁ……ごほ!!」
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 17:46:45.26:hp8VdakV0
―――36階
ジリリリリ……
幽霊「鳴りやんだ。やっぱり誤報ですね」
ゾンビ「多いんですか?」
幽霊「まあ、なんであれだけ生きてるのか不思議なくらいなんで」
ゾンビ「なるほど」
ポルターガイスト「俺、ちょっくら様子みてくるわ」
幽霊「あ、おねがいしまっす」
ゾンビ「ん?なんか焦げくさくない?」
幽霊「えー?わかんないよ?」
ゾンビ「いや、臭うでござるよ……くんくん」
幽霊「ごめん、僕達は嗅覚がなくて」
ゾンビ「どこからだ……あ、廊下からだ」
ゾンビ「ここっぽくね?」
幽霊「ダストシュートだ……あ、なんか黒い煙が出てきてる」
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 17:59:03.21:JczJ9f4Y0
―――ゴミ捨て場
少女ゾンビ「ごほ!ごほ!!……あー、ゴミはよく燃えるなぁ……ごほ!!」
少女霊「―――あの、すいません鍵が見当たらなくて」
少女ゾンビ「そう……ごほ!!」
少女霊「って、燃えてる!!燃えてますよ!?!?」
少女ゾンビ「そうね。燃えてるわぁ」
少女霊「逃げましょう!!早く!!」
少女ゾンビ「鍵」
少女霊「あ……そっか」
少女ゾンビ「馬鹿……ごほ!!ごほ!!」
少女霊「さ、探してきます!!」
少女ゾンビ「待って。ここに居て」
少女霊「え……でも……」
少女ゾンビ「いいから。―――やっと、出逢えた友達ともっと喋りたいし」
少女霊「少女ゾンビさん……」
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 18:05:56.63:hp8VdakV0
―――1階
ポルターガイスト「ったく、どこにもいねえぞ」
幽霊「これ、なんすか?」
幽霊「煙だ……地下ってゴミ捨て場だっけ?」
ポルターガイスト「どうした?」
幽霊「あ、ここから黒い煙が」
ポルターガイスト「なんだと?」
―――36階
ゾンビ「うわ……やっぱりどこかで燃えてんじゃん?」
幽霊「まじでー?」
ゾンビ「どうかしたのか?」
ゾンビ「隊長、これ」
ゾンビ「ん?―――おい!こりゃ火事じゃないか!?」
幽霊「えええ!?!」
オフィスレディ霊「大変ですわ!!」
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 18:12:07.14:hp8VdakV0
―――ゴミ捨て場
少女ゾンビ「―――でね、ごほ……そのゾンビがまたドジでさぁ……ごほ!」
少女霊「……あの」
少女ゾンビ「ん?」
少女霊「……わたし」
少女ゾンビ「いいから。傍にいて」
少女霊「でも!!」
少女ゾンビ「私、友達を作れないまま死んだから、こうして貴女とお喋りするの楽しいのよ」
少女霊「諦めないでください!!ここから出ればもっとお話できますって!!」
少女ゾンビ「……そうね」
少女霊「ね、でましょう?私も、少女ゾンビさんともっと、もっとお話したいですから!」
少女ゾンビ「ふふ……うれし……ごほ!!……でも、もう無理だと思う。鍵、無いんでしょ?」
少女霊「それは……探せばきっと!!」
少女ゾンビ「ダメね……こうして廃棄された建物の鍵なんてとっくに処分されてるもの」
少女霊「そ、んなぁ……」
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 18:17:10.43:hp8VdakV0
―――36階
ゾンビ「やべえじゃん!?やべえじゃん!?」
幽霊「どうしよう!!こんなこと初めてだぁ!?」
オフィスレディ霊「大変ですわ!大変ですわ!!」
ゾンビ「ええい!うろたえるな!!」
幽霊「でも!?」
ゾンビ「隊長、どうするんすか?」
ゾンビ「消火栓は使えるのか?」
幽霊「え……いや、多分、水が来てないと思います」
ゾンビ「むう……」
オフィスレディ霊「あの!お時間をくださればできますわ!!」
ゾンビ「本当か!?」
幽霊「あ、無理矢理水道を繋げる気?!あれ、ばれたから人間が来ちゃうよ?」
オフィスレディ霊「でも、ここを灰にしたくはありませんわ!」
ゾンビ「頼む。俺たちは燃えやすいのでな。やってほしい」
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 18:22:09.37:hp8VdakV0
少女ゾンビ「あ……もうすぐ、燃えちゃうなぁ」
少女霊「くそ!くそ!これさえ開けば!!」
ガチャガチャ!!
少女ゾンビ「もういいから」
少女霊「でも!!」
少女ゾンビ「ありがとう」
少女霊「え?」
少女ゾンビ「出逢ったばかりなのに、そんなに真剣に助けようとしてくれて」
少女霊「そんなの……!!」
少女ゾンビ「幽霊だから燃えないでしょ?最後まで居てよ」
少女霊「そんなの……いや、です!貴女が燃えるところなんて見たくないですよぉ!!」
少女ゾンビ「おねがい…・・ごほ!ごほ!!」
少女霊「―――お願い!開いて!!開いてください!!!」
ガチャガチャ!!!
ポルターガイスト「―――ばかやろう。そんなんじゃあ、開くわけねえよ」
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 18:26:59.35:hp8VdakV0
少女霊「え?」
少女ゾンビ「あなたは……ごほ!」
ポルターガイスト「やっぱりここにいたのか。遅いから心配したぜ?」
少女霊「ポルターさん……ここの鍵が開かないと少女ゾンビさんが!!」
ポルターガイスト「そうだな。―――おっちゃんに任せろ」
少女ゾンビ「え?」
少女霊「あ……そっか、ポルターさんは……」
ポルターガイスト「物を操るのが俺の能力よ?―――こんなの朝飯前だっての」
カチャン……!
少女霊「あいた!!開きました!!!」
少女ゾンビ「あ……ありがとう」
ポルターガイスト「ばかやろ、礼なんているかよ!!早く逃げるぞ!!」
少女霊「そうですよ!」
少女ゾンビ「そっか……うん」
少女霊「脱出です!!」
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 18:31:35.41:HqUVcFF60
―――36階
ゾンビ「各員、配置についたか?」
ゾンビ「うっす!各階、ダストシュートまでホースを持って行きました。あとは弁を解放するだけです!」
幽霊「―――え?できた?おし!」
ゾンビ「もういいのか?」
幽霊「はい!今、オフィスレディ霊たちが水道管をぶっこわして繋げたみたいです」
ゾンビ「分かった。では、一斉に放水するぞ!!」
幽霊「じゃあ、私たちが各階のゾンビさんに知らせてきます!」
ゾンビ「頼む!」
幽霊「お任せを!!」
ゾンビ「いくぞぉぉぉ!!ダストシュートから水を流しこめ!!」
ゾンビ「せいやー!!」
ザザー!!
ゾンビ「これでなんかとなるか……!?」
ゾンビ「初期消火は完全に間に合ってないっすけどね!」
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 18:39:29.55:hp8VdakV0
―――1階
幽霊「あ、出てきた!!」
少女霊「ふう、なんとかなりましたね!」
少女ゾンビ「まあね」
ポルターガイスト「おい、扉を閉めろ」
幽霊「あ、はい!」
ポルターガイスト「とりあえずそれで延焼を防げるはずだ」
少女ゾンビ「……はぁ、つかれちゃった」
少女霊「あはは……火事なんて初めてです」
少女ゾンビ「私も」
少女霊「えへへ」
少女ゾンビ「ふふ」
幽霊「今、ダストシュートから放水してるんでもうすぐ鎮火するかと!」
少女ゾンビ「あ、1階からはまだなんだ。私がやる……やらせて!」
ポルターガイスト「消火栓は向こうだ。俺がこっちまでホースを延ばしてやるぜ!!―――こっちこいや、ホース!!」
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 18:44:45.66:hp8VdakV0
―――数十分後
少女霊「―――確認してきました。もう大丈夫です。ゴミ捨て場はもうプールみたいになってましたけど」
少女ゾンビ「はぁ……よかったぁ……」
ポルターガイスト「にしても、なんで火事になったんだ?俺たちは燃えるもんなんてもってないのに」
幽霊「それは追々調べましょう。今は少女ゾンビさんを休ませてあげないと」
少女霊「そ、そうですね!」
少女ゾンビ「ごめんね」
少女霊「そんな……友達ですから、お礼なんていいですよ」
少女ゾンビ「そう……じゃあ、もういわない」
少女霊「いや、でも言ってくれたら嬉しいですので」
少女ゾンビ「もう、どっちよ?」
少女霊「えへへ」
少女ゾンビ「ちょっと寝るわ」
少女霊「はい」
少女ゾンビ「ありがとね……ほんとに」
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 18:49:21.36:hp8VdakV0
―――明け方
ゾンビ「なんと言ったらいいか……まさかタバコが原因だったとは」
幽霊「いえ、私たちのほうにも原因はあるようですので、ここはお互い様としましょう」
ゾンビ「すまないな……」
幽霊「顔を上げてください。これからここで生活する者同士、助け合っていきましょう」
ゾンビ「そう言ってくれるのか……感謝する」
少女ゾンビ「そう、もう寝るの?」
少女霊「はい。朝は弱いんですよね」
少女ゾンビ「そっか。お休み」
少女霊「はい……おやすみ―――」
ゾンビ「消えた……」
少女ゾンビ「さてと、隊長。私たちはどうしますか?」
ゾンビ「決まっているだろ。皆でどこに住むか決めるのだ!」
ゾンビ「やっほー!!アニメ部屋作ろうぜ!!」
少女ゾンビ「―――これからお世話になるね。よろしく」
139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 19:03:06.29:hp8VdakV0
―――1年後 夏 廃ビル
男「ここ、出るらしいな」
女「マジで……ちょーこわ」
友「ほらほら、もうカメラは回ってるからいこうぜ」
男「そうだな。いい心霊映像が撮れればいいけどな」
女「それでテレビ局に売るんでしょ?ちょーうける」
少女霊「人間さんが来ましたね」
幽霊「そっかもう夏休みだもんなぁ」
少女霊「これから忙しくなりますね」
幽霊「全くだ。深夜アニメが遠のくよ」
ゾンビ「なになに?人間が来たの?」
少女ゾンビ「おっし!じゃあ、私達の協力技で絶望の淵に立たせちゃおうか!」
ゾンビ「ひゃっほー!少女ゾンビちゃん、最高!!」
少女霊「ほどほどでお願いしますよ?」
少女ゾンビ「分かってるって!―――んじゃ、いこっか!」
141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 19:06:01.98:hp8VdakV0
少女霊「―――かえれぇ!」
男「うわぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
女「やばいやばいやばい!!!!!」
友「にげろぉぉぉ!!!!」
少女ゾンビ「にがすかぁ……」
男「ひぃぃぃぃ!?!?!?」
ゾンビ「うぁあぁぁあぁぁ……」
女「ぎゃぁああああああ―――――」
友「まてよ!!!!おいてくなぁあぁぁああ!!!!!」
幽霊「もっとあそびましょう?」
男「たすけてくれぇぇぇぇぇ!!!?!?!!?」
少女ゾンビ「―――がぁぁああああああ」
女「うぎゃぁあああああ!!!こっちくんなぁああああ!!!!」
少女霊「―――かえれ!かえれ!!」
男「ひぁぁああぁあぃぃぃぃぃ!!!!!!」
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 19:12:41.51:hp8VdakV0
少女ゾンビ「―――あっはっはっは!!あの男、ションベンちびってやんのー♪」
少女霊「もう、やり過ぎですってば!」
少女ゾンビ「そう?あれぐらいでいいと思うけど」
少女霊「もう……まあ、今度から気を付けてくださいね?」
少女ゾンビ「はいはい」
少女霊「ホントに分かってるんですか?」
少女ゾンビ「わかってるって!」
少女霊「ふぅ……じゃあ、信じます」
少女ゾンビ「ふふ……ありがとっ」
幽霊「おーい!みんなでかくれんぼしようぜ!」
ゾンビ「おっしゃー!昨日のリベンジだっぜ!!」
少女ゾンビ「かくれんぼだって!いこっ!」
少女霊「はい!―――負けませんよ?幽霊ですから、手加減しません。たとえ、親友でも、です」
少女ゾンビ「私だってゾンビだもん。負けないからね。親友だからって手は抜けないしね♪」
お し ま い
143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 19:13:30.76:HiXQl19f0
幽霊「おーい、なんか団体さんがこっちに向かってきてるよ」
幽霊「まじんがー?」
少女霊「えー……もう、どこの馬鹿?」
幽霊「でも、なんか様子がおかしいんだよな」
幽霊「どんな風に?」
幽霊「足を引きずってるっていうか……なんか人間らしくないっていうか」
少女霊「どういうことですか?」
ゾンビ「はーい、集合!」
ゾンビ「おーっす」
ゾンビ「では、この廃ビルに入るわけですが、もしかしたら人間がいるかもしれません」
ゾンビ「そーですね」
ゾンビ「というわけで、えっと、先発部隊の少女ゾンビちゃん!」
少女ゾンビ「え!?いつから先発部隊に選ばれたんですか!?」
ゾンビ「いいから、いってきなさい!これも勉強ですよ」
少女ゾンビ「はぁーい……めんどっちいなぁ」
―――廃ビル 一階
少女ゾンビ「―――というか、誰もいないでしょ……」
少女ゾンビ「だれかぁ……いますかぁ?」
少女ゾンビ「……」
少女ゾンビ「やっほー!」
少女ゾンビ「二階に行こうかな」
少女霊「外に集まってるみたいですね」
幽霊「数は……50人ぐらいか」
幽霊「どうします?」
幽霊「そりゃ、お前、お出迎えするしかないだろ」
幽霊「はぁ……折角の休日が」
少女霊「じゃあ、ポルターガイストさんたちを呼びにいきますね」
幽霊「おう、頼むよ」
少女霊「全く……夏休みの宿題は終わってるのかなぁ」
幽霊「さてと、ここに人間が来るまで暇だな……かくれんぼするやつ、この指とーまれ!」
せいぜい5人とかかと思ったら50人いたでござる
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 13:50:27.91:hp8VdakV0―――二階
少女ゾンビ「つかれた……」
少女ゾンビ「ここ無駄に広いなぁ」
少女ゾンビ「……お、ソファあるじゃん。すわろーっと」
少女ゾンビ「ふぅ……」
少女ゾンビ「ゾンビになってもう半年か……私、なにやってるのかなぁ」
少女霊「ポルターさん!出番ですよー!」
ポルターガイスト「ん?おー少女霊ちゃん、ちょっと背が伸びた?」
少女霊「あ、わかります?」
ポルターガイスト「わかるよ。うん、かわくなって」
少女霊「えへへ、どうもありがとうございます」
ポルターガイスト「あ、仕事?」
少女霊「はい。人間さんが来たので。とりあえず驚かせて下さい」
ポルターガイスト「おっしゃ、おっちゃんにまかせとき!」
少女霊「はい!」
少女ゾンビ「……さてと、いきますか」
ヒュン!
少女ゾンビ「―――いた!?」
少女ゾンビ「なに!?なんか、飛んできたけど……靴?」
少女ゾンビ「あ、そっか。私、裸足だもんね。誰かが気を利かせてくれたのかな?」
少女ゾンビ「……よし。ちっとだけ大きいけど、ま、靴ずれはしないでしょ。ゾンビだし」
少女ゾンビ「誰か知らないけど、サンキュー!」
ポルターガイスト「あ、れ?驚いてないどころか、お礼された……」
ポルターガイスト「もういっこいっとくか」
ヒュン!
少女ゾンビ「……いた!!もう一足きた……片方だけじゃだめってことか」
少女ゾンビ「おし。さあ、いこ」
ポルターガイスト「ええ!?なんか変だぞ、あの子……」
ポルターガイスト「むむ……あんなタイプの子は初めてだな。これは報告しておくか」
少女ゾンビ「……いた!!さっそく靴ずれした!!―――でえい!!ゾンビは裸足が一番ってことか、バーロー!!」
実際ゾンビのあの体で痛覚あったら大変だよな
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 14:00:03.00:hp8VdakV0―――廃ビル 外
ガヤガヤ……
ゾンビ「おやつ食ってもいーっすか?―――え?だめ?」
ゾンビ「はぁ……」
ゾンビ「どうしたの?」
ゾンビ「いやね、ほら、前に出逢った人間さんとメールしてんだけど」
ゾンビ「うんうん」
ゾンビ「なんか会いたいって言ってきちゃって」
ゾンビ「まずいじゃん」
ゾンビ「絶対、引くよなぁ。ゾンビだしなぁ」
ゾンビ「少女ゾンビちゃん、遅いなぁ。なんかあったのかしら?」
ゾンビ「あ!おい!もう二時じゃん!!ワンセグ携帯持ってる奴いるか!?」
ゾンビ「あるよー」
ゾンビ「ちょっと、見たいアニメがあるんだよね!」
ゾンビ「……よし、暇だし、少女ゾンビちゃんを追うか」
なんでゾンビがワンセグ持ってんのwww
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 14:04:28.17:hp8VdakV0少女霊「ええ?驚かない?」
ポルターガイスト「ああ」
幽霊「ふうん……音とか試した?」
ポルターガイスト「ああ、やってみたが無関心だ」
幽霊「それは困ったな……」
少女霊「どうします?」
幽霊「―――よし、では三階に奴らを投入しよう」
少女霊「奴らって……は!!」
幽霊「来なさい」
オフィスレディ霊「仕事の時間ですわ!」
オフィスレディ霊「構いませんわ!やってやりますわ!」
少女霊「いけますかね?」
幽霊「我々のエリート部隊だ。いける」
ポルターガイスト「こいつは面白くなってきたぜ」
幽霊「幽霊の誇りにかけて、驚かせてやるぞ!」
―――廃ビル 一階
ゾンビ「ねえねえ、隊長。今更ですけど勝手に入って大丈夫?」
ゾンビ「大丈夫。ここの地主はもう死んでいる」
ゾンビ「幽霊とか出そうだね」
ゾンビ「やめてよぉ」
ゾンビ「おいおい。幽霊なんて非科学的な連中がいるはずないだろ?脳みそまで腐ったのか?」
ゾンビ「頭が陥没してるお前にいわれたくないね!!」
ゾンビ「ほら、静かに!―――えーでは、これから未知の領域に入るので、トイレは済ませておくように!」
ゾンビ「はーい」
オフィスレディ霊「ここで待機ですわ!」
オフィスレディ霊「はい!御姉様!」
オフィスレディ霊「足を組んでみたりして、大人を表現ですわ!」
オフィスレディ霊「キーボードをカタカタ叩いて、眼鏡をくいっ!これがオフィスレディですわ!」
オフィスレディ霊「おほほほ!!」
少女ゾンビ(うわぁ……変な人たちがいる……どうしよう?)
少女ゾンビ(とりあえず、絡まれたら厄介そうだし……そーっと……そーっと……)
オフィスレディ霊「それにしても、上司の幽霊さん。最近、人使いが荒くない?」
オフィスレディ霊「だよね。このキャラ設定とかなんなの?」
オフィスレディ霊「ですわ!っていうのがオフィスレディっぽいって思ってるらしいよ?」
オフィスレディ霊「恥ずかしいっつーの」
オフィスレディ霊「というか、私はまだ16歳なんだけど」
オフィスレディ霊「え?ああ、確かにスーツが似合ってないもんね」
オフィスレディ霊「でしょ?」
オフィスレディ霊「にしても……人間、遅いなぁ」
少女ゾンビ(人間って……私のこと人間に見えるの……)
少女ゾンビ(ちょっと、嬉しいんですけど……ふふ)
少女ゾンビ(良い人たちかも……よし)
少女ゾンビ「―――あ、あの」
オフィスレディ霊「あ……」
オフィスレディ霊「―――人間ですわ!」
少女ゾンビ「あ、あの……貴方達は?」
オフィスレディ霊「え……?オフィスレディ霊ですわ!」
少女ゾンビ「私、少女ゾンビっていいます」
オフィスレディ霊「……」
少女ゾンビ「……てへ」
オフィスレディ霊「いや、驚かないの?」
少女ゾンビ「何がですか?」
オフィスレディ霊「え?いや、私達、幽霊なんだけど」
少女ゾンビ「えぇぇぇええええ!!?!?」
オフィスレディ霊「―――ふふふ!!さあ、呪い殺してあげますわ!」
少女ゾンビ「あ、すいません。私、ゾンビなんでもう死んでるんです。だから、その殺すのはちょっと無理かなぁって」
オフィスレディ霊「え?ゾンビ?」
少女ゾンビ「はい」
オフィスレディ霊「―――きゃぁあああああああ!!!!!!」
少女ゾンビ「ひぃ!?」
―――二階
ゾンビ「なぁなぁ……怖い話しようぜ」
ゾンビ「やめて!!」
ドガァ!!
ゾンビ「ぎゃああ!!腕がぁぁぁ!!!もげたぁぁぁ!!!」
ゾンビ「あ、ごめん」
ゾンビ「ここにはなにもないな」
ポルターガイスト「すげえ人数だ……腕が鳴るぜ……おらおら!!」
ヒュン!ヒュン!ヒュン!!
ゾンビ「―――何か飛んでくる!!」
ガン!ザン!!ブチュ!!
ゾンビ「うわあああ!!!!顔が粉砕したぁぁ!!!」
ゾンビ「ひぃぃぃ!!」
ポルターガイスト「あわわ……ばかな……金ダライを投げただけなのに……や、やってしまった……幽霊として一番の禁忌……「人殺し」を……」
ゾンビ「おい!懐中電灯つけて顔を探せって!」
―――36階
幽霊「―――じゃあ、次のシーンだ。おほん……アウトだよ!!」
幽霊「えーと……日常の第6話か?」
少女霊「月が綺麗……」
幽霊「君の方が綺麗だよ?」
少女霊「はいはい」
幽霊「ほんとだってばぁ」
オフィスレディ霊「―――いやぁぁぁぁぁ!!!!」
幽霊「うわぁぁ!!!こら!!床をすり抜けてくるなって!!びっくりするだろ!!」
オフィスレディ霊「大変です!!ゾンビです!!!」
幽霊「何の話だ?」
オフィスレディ霊「あいつら……人間じゃないんです!!」
幽霊「ええ?」
少女霊「あの、落ち着いてください」
オフィスレディ霊「やばいですわ!!日本の終わりですわ!!」
幽霊「―――ゾンビ?」
オフィスレディ霊「は、はい!!」
幽霊「ぷ!あははははは!!ゾンビって、ありえねー!!」
オフィスレディ霊「え?いや、本当ですわ!!」
幽霊「俺、宇宙人とかゾンビとかそういうの信じないタイプなんだ」
オフィスレディ霊「でもでも!!」
少女霊「でも、ゾンビなんて想像上の怪物なんじゃ……」
オフィスレディ霊「信じてください!!」
幽霊「まてまて。ゾンビだっていう確証はないだろ。本人が「ゾンビだ」って言っただけじゃん」
オフィスレディ霊「それは、そうですけど……」
少女霊「でも、オフィスレディ霊さんたちがここまで怯えるのも不思議ですね」
幽霊「たしかにな。リングとか見てもまばたき一つしなかった彼女たちが……」
幽霊「分かった。よし、少女霊ちゃん。ちょっと、様子を見てきてくれ」
少女霊「はい!」
幽霊「無理はしないでね?少女霊ちゃんは僕らのアイドルだし」
―――二階
ゾンビ「ちょっとー、トイレの水が流れないわ!」
ゾンビ「こまりんこ」
ゾンビ「あのなぁ……それは当然だろ」
少女ゾンビ「―――わぁぁぁぁ!!!」
ゾンビ「ひっぃい!?!」
ゾンビ「きゃぁぁ!!」
少女ゾンビ「ちょっとちょっと!逃げないでください!!私ですよ!!」
ゾンビ「あ、なんだ……ここにいるゾンビかと思った」
少女ゾンビ「それより、大変です!!」
ゾンビ「なにが?ガスの元栓でも閉め忘れた?」
少女ゾンビ「違います!ちゃんと閉めてきました!―――ここに幽霊がいるんです!」
ゾンビ「幽霊……?」
少女ゾンビ「はい」
ゾンビ「どうしたの?暑さで脳みそが馬鹿になったの?」
どっちも存在認めろよwww
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 14:40:27.41:hp8VdakV0少女ゾンビ「本当ですよ!!この目で見ました!!」
ゾンビ「腐った魚の目をしているぞ」
少女ゾンビ「ほっといてください!」
ゾンビ「幽霊なんているわけねーだろ」
ゾンビ「うんだ」
少女ゾンビ「あーん!みたんだってばぁ!!」
ゾンビ「いいかい?幽霊ってのはプラズマの一種でね」
少女ゾンビ「じゃあ、こっちに来てください!」
ゾンビ「あ、ちょっと!?」
少女ゾンビ「本当にいるんですから!!」
ゾンビ「ひぃぃ!!腕がちぎれる!!」
少女ゾンビ「ほらほら!来てください!!」
ゾンビ「やろうども!少女ゾンビちゃんに続け!」
ゾンビ「うーっす」
―――三階
少女ゾンビ「あ……れ?」
ゾンビ「ほら、何もいない」
少女ゾンビ「でも、アソコに変な人たちが……」
ゾンビ「おー!こいつは、また古いPCだなぁ」
ゾンビ「使えそう?」
ゾンビ「うーん……電源は……つかないか」
ゾンビ「自家発電装置でも持ってくるべきだったね」
ゾンビ「あの屋敷には必要だったからなぁ」
少女ゾンビ「はぁ……」
ゾンビ「少女ゾンビちゃんは初めての遠征で疲れただけだよ。ほら、10分だけここで休憩しよう」
少女ゾンビ「はい……そうします」
ゾンビ「うん」
ゾンビ「この椅子回るー♪うひょー♪」
ゾンビ「それそれー!まわれまわれー!!」
少女霊「―――この下から声が」
ポルターガイスト「―――ぬわぁぁぁ!!!」
少女霊「きゃぁあ!?って、ポルターさん?」
ポルターガイスト「やってまった……少女霊ちゃん、俺、もうだめだぁ」
少女霊「どど、どうしかたんですか?!」
ポルターガイスト「おれ……殺しちゃった……うぅ……人間……しんじゃった……」
少女霊「ええ!?」
ゾンビ「いやぁ、やっと頭が見つかったぜ」
ゾンビ「そういえばさっきの金ダライなんだったんだ?」
ゾンビ「なんか急に飛んできたよな」
少女ゾンビ「……え?」
ゾンビ「なんのブービートラップなんだよな」
少女ゾンビ「あの……私も靴が飛んできました」
ゾンビ「マジ?もう、なにここ、怖い」
少女ゾンビ「もしかして、というか、絶対に誰かいますよ。この廃ビル」
ポルターガイスト「うぅ……もうおら……かえるだぁ」
少女霊「泣かないでくださいよぉ」
ポルターガイスト「もうやだ!もうだめだ!!故郷のおっかあに合わせる顔がないだよぉ!!」
少女霊「あぅ……」
ポルターガイスト「少女霊ちゃん……やべえよぉ!!」
少女霊「うーん……」
少女霊(でも……ゾンビさんならセーフですよね……尚更、確かめないと)
少女ゾンビ「人間かどうかは分かりませんが、金ダライは明らかな敵意を感じます」
ゾンビ「そやね」
ゾンビ「うち、金ダライはないとおもうんやわぁ」
ゾンビ「ああ、これはやばい匂いがプンプンするぜ」
ゾンビ「腐臭ってこと?」
ゾンビ「よし。これは我々に対する挑戦だな。―――みなもの、今から我々はゾンビとしての意地をみせるぞ」
ゾンビ「ははーん……隊長も悪ですねえ……いいでしょう、やってやりましょう!!」
ゾンビ「よし!全力をもって、ここにいる何者かをビビらせて、追い出すぞ!!」
少女霊「とにかく少し落ちついてください」
ポルターガイスト「でもぉ」
少女霊「もしかしたら人間じゃないかもしれません」
ポルターガイスト「え?でも、喋ってたし」
少女霊「ゾンビだとオフィスレディ霊さんが言っているんです」
ポルターガイスト「ゾンビ!?そんな非現実なこと……!!」
少女霊「確かに信じられませんが……でも、あの人たちが酷く怯えていました」
ポルターガイスト「そ、そうなのか……」
少女霊「ゾンビじゃないにしろ、なにかあると思うんです。それを今から確かめましょう」
ゾンビ「でもさ、どうする?ここは新天地だ。勝手が違うからビビらすのも大変だぞ?」
ゾンビ「だよねえ。そもそも、相手はきっと俺たちよりも上階にいるし、地形的にも不利だ」
少女ゾンビ「うん……あの人たちも上に逃げていったし……」
ゾンビ「隊長……どうするおつもりで?」
ゾンビ「ふん……頭を使え。……確かに地の利を活かせることはできないが、いくらでもそれを覆すことはできる」
ゾンビ「というと?」
少女霊「では、行きましょう」
ポルターガイスト「お、おう!」
少女霊「あの……どうして私の後ろに?」
ポルターガイスト「だって、それは……ゾンビだったらこわいだろーが!!」
少女霊「意外と怖がりなんですね」
ポルターガイスト「ほっとけ!!」
少女霊「では、行きますよ」
ゾンビ「あーあー」
ゾンビ「うーうー」
少女霊「!?」
ポルターガイスト「な、なんだ!?このうめき声は……!!」
少女霊「……人間にしては少し不気味な声ですね」
ポルターガイスト「ま、まじで……ゾンビか……」
少女霊「そんなバカな……とりあえず下に向かいましょう」
ポルターガイスト「くそぉ……ポルターガイスト歴30年の俺が……少女霊ちゃんの後ろに隠れないといけねえとは……!!」
―――三階
少女霊「……誰もいない」
ポルターガイスト「そんなわけねーだろ。確かに声がしたんだから」
少女霊「ポルターさん、私は向こうの部屋を見てみますから」
ポルターガイスト「お、おう。じゃあ、俺は向こうのトイレを調べてみる」
少女霊「お願いします」
ポルターガイスト「……ひぃぃ」
ガチャ
少女霊「……誰もいないか」
少女霊「でも、さっきの声は……うーん……わかりません」
ポルターガイスト「だ、誰かいやがるのか!?でてきやがれってんでえ!!!」
ポルターガイスト「―――な、なんだ、やっぱりだれも―――」
ゾンビ「―――あぁあぁあああ」
ポルターガイスト「ぎゃぁあああああああああ!!!!!!!」
ポルターガイストwwwただのおっさんになってるwww
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 15:18:34.98:hp8VdakV0少女霊「ポルターさん!?」
少女霊「ポルターさん!!どうかしました!!?」
少女霊「―――いない!?」
少女霊「……うそ……ポルターさんが消えちゃった……」
少女霊「大変だ……!!みんなに知らせないと!!」
―――トイレ 個室
ポルターガイスト「ん!!!?!?んん?!?!?」
ゾンビ「なんすか?この半透明のやつ」
ゾンビ「知らんよ」
ゾンビ「今の女の子テラワカユス」
ゾンビ「デュフフフ!いいでござるな!」
少女ゾンビ「そうかなぁ……着物とかダサくないかな?」
ゾンビ「タンクトップの少女ゾンビちゃんもそそるけど、やっぱり露出が少ない女の子も魅力あるんだよね」
ゾンビ「そうだな。そういうこのパンチラとかすげー興奮するもんな!少女ゾンビちゃんはタンクトップとパンティーだけだから、もう有難味ないけど」
少女ゾンビ「好きでこんな恰好になってません!!!」
ポルターガイスト「―――ぷはぁ!!てやんでい!!!!人間風情が俺を素手で掴むとはいい度胸だこらぁ!!」
ゾンビ「静かにしろ。我々は人間ではない」
ポルターガイスト「なんだと?」
ゾンビ「ほらほら。ちゃんと臭いなさい。そして腐臭に悶えなさい」
ポルターガイスト「わ、わりい……俺、幽霊なもんで、嗅覚はねえんだ。あるやつもいるけど」
ゾンビ「幽霊!?」
ポルターガイスト「なんだ……そういうお前らはなにものなんでえ」
ゾンビ「我々はゾンビだ。この度はある事情により日本にやってきた」
ポルターガイスト「ゾンビ!?」
ゾンビ「すげえ!日本って幽霊にさわれるんすね!」
ゾンビ「マジはんぱねえ!」
ポルターガイスト「やめろ!!足を掴むな!!」
少女ゾンビ「ほら!私の言った通りじゃないですか!幽霊はいるんです!!」
ゾンビ「うむ……」
ポルターガイスト「ゾンビって本当なのかよ……確かに目ん玉ないやつとかいるけどよぉ」
―――36階
幽霊「パワーゲイザー!!」
幽霊「テリー!」
幽霊「正解!」
幽霊「じゃあ、次は俺だな。―――10年早いんだよ!!」
幽霊「バーチャファイターの……だれだっけ?」
少女霊「みなさん!!」
幽霊「おかえり。どうしたの血相変えて」
少女霊「そ、それが……ポルターさんが……消えました!!」
幽霊「なんだとっぉ!?」
幽霊「―――そうか、相手は僧侶か何かか?」
少女霊「分かりません。気が付いたらポルターさんはいなくて。でも、他には誰もいなくて……」
幽霊「……どういうことだ?」
幽霊「とりあえず、仲間が何かに巻き込まれたのは間違いない」
幽霊「そうだな。よし、みんな第一種戦闘配置だ!」
ゾンビ「幽霊か……本当なんだな」
ポルターガイスト「俺も初めてみたぜ、ゾンビなんてよ」
ゾンビ「隊長、どうします?悪いの俺達じゃないっすか?」
ゾンビ「そうだな。無断で幽霊たちの縄張りを荒らしたわけだしな」
少女ゾンビ「謝りにいきます?」
ゾンビ「うむ、それが良かろう」
ポルターガイスト「なんだ、結構いい奴なんだな」
ゾンビ「はは、幽霊とゾンビ。似た者同士だ、争う必要がどこにある」
ポルターガイスト「それもそうだな」
ゾンビ「とりあえず、ポルターさんに道案内を頼みたい」
ポルターガイスト「おうよ。おっちゃんにまかせな」
少女ゾンビ「ふう……でも、幽霊って以外に怖くないんだ」
ゾンビ「やっぱ、俺たちも死んでるからかな?」
少女ゾンビ「どうだろうね?」
ポルターガイスト「じゃ、いくか」
―――五階
少女ゾンビ「もっと上なんですか?」
ゾンビ「やべえ、足もげそう……冗談抜きで」
ポルターガイスト「そうか……俺たちは肉体がないから疲労とか感じなくなってるけど、ゾンビは違うもんな」
ゾンビ「マジできついっす」
ポルターガイスト「まあ、ゆっくりいこう。焦ることはないからな」
ゾンビ「んじゃ、休憩しよ」
ゾンビ「花咲くいろはってこの時間じゃなかった?」
ゾンビ「うひゃ!!!まずいじゃん!!」
ゾンビ「アホか!何やってんだ!!早くワンセグ!!」
少女ゾンビ「すいません。ちょっとお手洗いに行ってきます」
ポルターガイスト「ああ、その先の突き当たりにあるから」
少女ゾンビ「はーい」
ゾンビ「このオープニング曲はいいよなぁ」
ゾンビ「ホビロン!!」
―――女子トイレ
少女ゾンビ「ふう……」
少女ゾンビ「幽霊かぁ……ふふ。私達と変わらないみたい……」
少女霊(いました……ふふ)
少女ゾンビ「ん……はぁ♪」
少女霊「―――わ!!!」
少女ゾンビ「ぎゃぁああああああ!!!!!!」
ゾンビ「ところでポルターガイストさん」
ポルターガイスト「ん?」
ゾンビ「ここには幽霊はどの程度いるんだ?」
ポルターガイスト「そうだな……今は50人ってとこだな」
ゾンビ「そうか……我々と同じぐらいか」
ポルターガイスト「そういうこった。―――ところで、あんたたちが来日した目的ってなんだ?」
ゾンビ「気になるか?―――だが、秘密だ」
ポルターガイスト「ええ?別にいいだろぉ」
少女ゾンビ「うあぁああああ……!!!」
少女霊「あ!ちょっと、待って!!」
幽霊「あーあ、逃げちゃった」
少女霊「はぁ」
幽霊「だから出てきたところでって言ったじゃない」
少女霊「すいません」
幽霊「ん……?」
少女霊「どうしまし……ひぃぃ!?」
幽霊「うでだ……!?」
少女霊「誰の腕でしょうか……」
ポルターガイスト「ふうん……それで日本にな」
ゾンビ「ああ」
少女ゾンビ「わぁああああああ!!!!」
ゾンビ「どうしたの!?片腕ないよ!!!」
少女ゾンビ「おしっこのぞかれたぁ……!!」
ゾンビ「なんですと!?」
ゾンビ「誰だ!そんな良い旅夢気分になってるやつは!!」
ポルターガイスト「どんなやつだったんだ?」
少女ゾンビ「そ、それが……ドアの隙間からにゅっと顔が……」
ポルターガイスト「俺の仲間か……?」
ゾンビ「幽霊でも女の子のトイレを覗くんすか?」
ゾンビ「マジぱねえ」
ポルターガイスト「そんなわけないだろう。きっと何かの間違いだ。見回り中だったのかもしれん」
ゾンビ「とりあえず、腕は探さないと」
少女ゾンビ「う、うん」
ゾンビ「よし、みんなで探そうぜ」
ゾンビ「おう」
ポルターガイスト「おっちゃんにまかせろ!」
少女ゾンビ「ありがとう……みんな」
―――36階
少女霊「……」
幽霊「腕、持ってきちゃったけど」
オフィスレディ霊「こわいですわ!」
少女霊「マネキンのではなさそうですね」
幽霊「そだね」
幽霊「なんだろう……なんか、質感が気持ち悪い」
幽霊「腐ってるかんじしねえ?」
少女霊「もしかし……ゾンビ?」
幽霊「だから、そんなのあり得ないって」
―――五階 トイレ
ゾンビ「あった?」
ゾンビ「ないっしゅ」
少女ゾンビ「そんなぁ……ここ以外落とす場所なんて……」
ゾンビ「捨てられたとか……ないよな?」
少女ゾンビ「え……?」
ポルターガイスト「それはないと思うが」
ゾンビ「ポルターガイストさん、先に仲間の方と合流してくれませんか?我々の足では朝を迎えてしまう」
ポルターガイスト「おう。分かった。何人かここに連れて来てやる」
ゾンビ「腕の所在もお願いしたい」
ポルターガイスト「任せとけって。―――んじゃ、ちっとだけ待ってな」
少女ゾンビ「はぁ……うで……」
ゾンビ「大丈夫だって」
ゾンビ「そうそう」
ゾンビ「おっぱいがポロリしちゃうよりはマシでしょ?」
少女ゾンビ「……」
ゾンビ「に、睨まないで……」
少女ゾンビ「はぁ……」
ゾンビ「戻ろう。向こうのソファで休もう」
少女ゾンビ「はい」
―――36階
少女霊「……腕……」
幽霊「キモイし捨てるか?」
幽霊「そうだな」
オフィスレディ霊「それがいいですわ!」
幽霊「じゃあ、少女霊ちゃん、お願いできる?」
少女霊「うぇ……私が捨ててくるんですか?」
幽霊「だって……ねえ」
幽霊「少女霊ちゃんが持っていきましょうって言ったし」
少女霊「わ、わかりましたよぉ」
幽霊「よろぴく」
少女霊「もう……」
幽霊「―――さてと、次はなにして時間潰す?」
幽霊「いいの?階下に謎の集団がいるんだろ?」
ポルターガイスト「―――ただいまっと!!!」
幽霊「ポルターおじさん!!」
ポルターガイスト「その呼び方はやめろ!」
オフィスレディ霊「あら、ポルターさんですわ」
ポルターガイスト「よう!」
幽霊「今までどこにいたのさ。少女霊ちゃんが心配してたよ?」
ポルターガイスト「わりいな。ちょっとゾンビに捕まってさ」
幽霊「ゾンビ!?」
幽霊「どういうこと?!」
ポルターガイスト「おう。この世はまだまだ不思議なことがあるもんだ」
幽霊「ちょっと、詳しく説明してくれ」
少女霊「さてと……この腕……どうしよっかな」
少女霊「あ……このダストシュートに捨てればいいか」
少女霊「―――てい」
少女霊「ふう。よし」
少女霊「さてと、帰ろう」
幽霊「―――ゾンビってマジですか」
ポルターガイスト「えらくマジだ」
幽霊「ゾンビなんて信じられねえ」
ポルターガイスト「でも、本当だ」
オフィスレディ霊「ね?ね?私たちの言った通りですわ!」
幽霊「うーん……でも、嘘には思えないしなぁ」
ポルターガイスト「だからマジだって」
少女霊「あ、ポルターさん!!無事だったんですね!!!」
ポルターガイスト「おうよ!」
幽霊「どうする?」
幽霊「ゾンビか……会ってみる価値はあるな」
ポルターガイスト「おう、そうか」
少女霊「やっぱりゾンビだったんですか?」
ポルターガイスト「そうなんだよ。誰でもいいから数人ついてきてくれ。ゾンビたちも会いたがってる」
幽霊「分かった。よし、行こう」
ゾンビ「ちーちちっちおっぱい!」
ゾンビ「もげもげ!」
少女ゾンビ「……」
ゾンビ「遅いなぁ」
少女ゾンビ「……腕……」
ポルターガイスト「おっす、待たせたな」
ゾンビ「おお」
幽霊「……どうも」
少女霊「ゾンビ、さん?」
少女ゾンビ「あー!!!トイレ覗いた子!?」
少女霊「あ!トイレの子!?」
ゾンビ「トイレの子だって」
ゾンビ「なんだが、興奮するね」
少女ゾンビ「それより、私の腕はどこですか!?」
少女霊「うで?」
ポルターガイスト「ああ、そうだ。訊くのすっかり忘れてたぜ」
幽霊「なんのこと?」
ゾンビ「実は、この子がトイレで腕を落としたらしくって」
少女ゾンビ「腕がないとなんか寂しいんです!返してください!!」
幽霊「……」
少女霊「……」
ゾンビ「どうして目をそらす?」
幽霊「ほら、ちゃんと謝らないと」
少女霊「ええ!?酷い!」
少女ゾンビ「まさか……捨てたんじゃないよね?」
少女霊「……」
少女ゾンビ「ちょっと!!」
少女霊「……ごめんなさい」
少女ゾンビ「―――うわぁぁぁぁん!!」
少女霊「あ、の……すいません」
ゾンビ「はぁ……」
幽霊「まさかゾンビの腕だなんて思わなくて……」
ゾンビ「かわいそ!かわいそ!」
ゾンビ「少女ゾンビちゃん、ドントクラーイ!」
ゾンビ「おいこら!ちょっと可愛いからって、腕を捨てるなんて暴挙はゆるされないよ!」
ゾンビ「パンツみせろこら!!」
少女霊「えぇ!?」
少女ゾンビ「うでぇ……うでぇ……」
ゾンビ「おらおら!どんなパンツ穿いてるか教えろください!!」
少女霊「あの……パンツってなんです?」
ゾンビ「……」
幽霊「この子、下着がない時代に死んだんでそういう知識がないんですよ」
ゾンビ「―――ぐはぁ!!!」
ゾンビ「ああ!!ゾンビさんが鼻血を!?」
少女霊「え?え?」
ゾンビ「ともかく、少女ゾンビちゃんの腕はちゃんと探してください」
幽霊「そうですね。おい」
少女霊「は、はい?」
幽霊「ちゃんと探すように」
少女霊「えぇ~!?」
幽霊「私たちはゾンビさんたちを36階まで案内するから」
少女霊「もう……わかりました!!」
ゾンビ「悪いね」
少女霊「はぁ……なんで私ばっかり」
少女霊「じゃあ、行ってきます」
少女ゾンビ「まって」
少女霊「え?」
少女ゾンビ「私もついてく」
少女霊「別に構いませんが……」
ゾンビ「うん。いいんじゃないの。いってらっしゃい」
なにこれかわいい
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 16:47:51.52:hp8VdakV0―――五階 廊下
少女ゾンビ「どこに捨てたの?」
少女霊「えっと……36階のダストシュートから……ぽいっと」
少女ゾンビ「なんで勝手に捨てるのよ!!」
少女霊「すいませんってば!!」
少女ゾンビ「もう……なんか違和感あるんだからね」
少女霊「はい」
少女ゾンビ「早く回収しなきゃ……よいしょ」
少女霊「え?あの、なにしてるんですか?」
少女ゾンビ「何ってこの中に捨てたんでしょ?」
少女霊「そうですけど、ダストシュートから直接行く気ですか!?」
少女ゾンビ「だって歩くのしんどいし」
少女霊「いやいや、やめたほうが……!!」
少女ゾンビ「いっきまーす♪―――きゃぁああああああああ!!!!!!」
少女霊「わぁああああ!!!!!少女ゾンビさぁぁぁぁん!!!!」
―――36階
ゾンビ「いやぁ……まさか運んでくれるとはありがとうございます」
幽霊「いえいえ。触れられるのが幸いしましたね」
オフィスレディ霊「ゾンビさん、お茶ですわ!」
ゾンビ「ええ尻しとるなぁ……ぺろん」
オフィスレディ霊「きゃぁ!?」
ゾンビ「おい!これ、ランカちゃんの限定フィギュアじゃん!?」
幽霊「え?しってんの!?」
ゾンビ「もちろんでござるよ!!」
幽霊「えーそっちでもアニメ流行ってるんだ」
ゾンビ「ニホンノアニメサイコーネ!」
幽霊「急にカタコトにならんでください」
ゾンビ「いやぁ、いいところですね」
幽霊「そういえば、どうしてここに?」
ポルターガイスト「ああ、そのことなんだけど」
―――地下 ゴミ捨て場
少女霊「少女ゾンビさん!!どこですか!!」
少女ゾンビ「……こ、こ……ここ……」
少女霊「え……きゃぁあああ!!!!!首だけ!?!?」
少女ゾンビ「ごめん……落ちた衝撃でバラバラになっちゃった……すごく、痛い」
少女霊「えとえと!?大丈夫……じゃないですよね!?ええ……どうしたらいいですか!?」
少女ゾンビ「と、とりあえず……パーツを拾ってくれると、嬉しんだけど……」
少女霊「わ、わかりました!!」
少女ゾンビ「さいあく……いっ!」
幽霊「ほお……日本の文化が好きで永住を?」
ゾンビ「そうです。今回はその下見で日本を訪れました」
幽霊「それで人目につかない場所を探して、ここに来たわけですね?」
ゾンビ「はい。しかし、大変失礼なことをしてしまったようだ」
幽霊「いやいや。こちらも事情を知らなかったとはいえ、ご無礼を」
ポルターガイスト「で、どうする?俺的には別にこの廃ビルの一部を貸してやってもいいと思うが」
ゾンビと幽霊が大量にいるビルか……
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 17:07:21.80:hp8VdakV0少女ゾンビ「はやくぅ……」
少女霊「もう、だから止めた方がいいっていったじゃないですか……あ、右足発見」
少女ゾンビ「まさかあんなに急だとは思わなかったの」
少女霊「ゴミがクッションになると思ったんですか?……あ、これは右腕……捨てた奴だ」
少女ゾンビ「うっさいなぁ。早く拾ってよ」
少女霊「む……これ、燃やしてもいいんですけど?」
少女ゾンビ「ちょっと!笑えないから!!」
少女霊「じゃあ、少し黙っててください……これは、胴体だ」
幽霊「貸すというか、ここは俺達の所有物じゃないし。住みたければご自由にどうぞって感じだけど」
ゾンビ「いいんですか!?」
ポルターガイスト「ああ、お前らがいるとなんか楽しそうだしな」
ゾンビ「それはありがたい」
幽霊「何人程度の移住を考えているのですか?」
ゾンビ「大体100人ぐらいですね」
幽霊「100人か……まあ、余裕でしょう」
余裕なんだwww
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 17:13:13.68:hp8VdakV0少女霊「これで全部ですかね?」
少女ゾンビ「ありがと……よいしょ」
少女霊「手足ってくっつくんですね」
少女ゾンビ「まあね……ゾンビだから」
少女霊「ゾンビってすごいですね」
少女ゾンビ「そう?幽霊のほうがいいじゃない。壁とかすり抜けられるんでしょ?」
少女霊「でも、肉体があるほうがいいなーって思う時もありますよ?生きている人は私たちのことを見ることができませんし」
少女ゾンビ「ふうん、そういうものなの?」
少女霊「はい」
少女ゾンビ「ゾンビも大変だけどね。すぐに疲れちゃうし。手足はもげるし。人間が私たちを見たら大概吐くし」
少女霊「ええ?吐く?」
少女ゾンビ「臭いんだって。酷い話よ」
少女霊「臭いんですか?」
少女ゾンビ「臭わない?」
少女霊「別に感じません……幽霊ですし」
少女ゾンビ「そっか……臭わないんだ……そうなんだ……」
少女霊「それより、ここから出ましょう。いつまでもゴミ捨て場には入れませんし」
少女ゾンビ「そっか……でもダストシュートからは戻れそうにないわね」
少女霊「当たり前じゃないですか」
少女ゾンビ「どこからか出られるの?」
少女霊「えっと、確か……こっちだったと思います」
少女ゾンビ「道案内、お願いね」
少女霊「ここあまり使わないんで、正直不安なんですけど……」
ゾンビ「では、試しに一週間ほどここに住んでみてもいいですか?」
幽霊「許可などいりませんよ。気に入ったのならどうぞ」
ゾンビ「助かります」
ポルターガイスト「そういえば二人おせえな」
幽霊「そういえば……」
ゾンビ「うむ……少し心配になってきた。四肢が粉砕してなきゃいいけど」
幽霊「ゾンビも大変ですね」
少女霊「ここですね」
少女ゾンビ「鍵開けてよ」
少女霊「え?」
少女ゾンビ「いや、私はすり抜けられないから」
少女霊「あ……ここ錠前が……」
少女ゾンビ「鍵はある?」
少女霊「うーん……何分ここは廃ビルなんで」
少女ゾンビ「マジぃ?」
少女霊「ともかく探してみますね」
少女ゾンビ「お願いね」
―――36階 廊下
オフィスレディ霊「ふんふーん」
ゾンビ「あ、ちっす」
オフィスレディ霊「あら、どうかしました?」
ゾンビ「ここって禁煙っすか?」
オフィスレディ霊「違いますけど、タバコお吸いになられるんですか?」
ゾンビ「そうなんすよ……じゃ、失礼して」
オフィスレディ霊「あ、でもその辺に吸殻は捨てないでくださいね?」
ゾンビ「うーっす」
ゾンビ「スパー……いやぁ、うまいなぁ」
幽霊「こっちにもっとアニメグッズおいてるんですよ!見ます!?」
ゾンビ「見るでござる!!」
ゾンビ「やっほー!やっぱり日本は違うぜ!!」
幽霊「急ぎましょう!」
ゾンビ「ひゃっはー!!」
ダダダッ……ドン!
ゾンビ「いて!……おいおい、気を付けろよな」」
ゾンビ「あ、ごめん」
幽霊「すいません。廊下は走らずにいきましょう」
ゾンビ「全く、アニオタどもめ……あれ?タバコ、どこいった?」
―――地下 ゴミ捨て場
少女ゾンビ「おっそいなぁ……退屈……」
少女ゾンビ「ここに住むことになるのかなぁ……だとしたら、あの子とももっと……」
少女ゾンビ「……うん、悪くないかも」
少女ゾンビ「ふう……」
……ボッ!
少女ゾンビ「ん?」
―――1階 警備室
幽霊「異常なし!」
幽霊「うす!」
少女霊「すいませーん」
幽霊「どったの?こんなところに用事なんて珍しいね」
少女霊「あの、ゴミ捨て場の鍵ってあります?」
幽霊「鍵?いやぁ、見ての通りここには何もないよ?俺たちも警備員のマネをしてるだけだし」
少女霊「はぁ……ですよね……どうしよぉ」
うわあああ!!早く鍵を!!
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 17:36:48.34:hp8VdakV0少女霊「はう……困ったなぁ」
幽霊「なんかあったの?」
少女霊「それが少女ゾンビさんが閉じ込められちゃって」
幽霊「ええ?あんなところに?」
少女霊「はい」
幽霊「なにやってんだか」
少女霊「でも、なんとかしてあげないと」
幽霊「そうだねえ」
―――36階
ポルターガイスト「やっぱり遅いな」
幽霊「なんかあったのかなぁ」
ゾンビ「うむ」
ジリリリリリリリリリ!!!!!!
オフィスレディ霊「きゃぁあ!?なに!?」
ゾンビ「これは!?」
―――警備室
幽霊「なんだ?また警報装置の誤報か?」
幽霊「なんでこれだけ生きてんすかね?」
幽霊「さあ?」
少女霊「とりあえず戻ります。鍵はどうします?」
幽霊「一応、探してみるよ」
少女霊「お願いします」
―――ゴミ捨て場
少女ゾンビ「うそ……もえてる!!!ファイヤー!!!」
少女ゾンビ「洒落にならないって!!!助けて!!!」
ガチャガチャ!!
少女ゾンビ「ちょっと!!だれか!!!」
少女ゾンビ「ごほ!ごほ!!……けむい……」
少女ゾンビ「あーあ……こんなとことで二度目の死を迎えるんだ……なんだ……もう、つまんないなぁ……ごほ!!」
―――36階
ジリリリリ……
幽霊「鳴りやんだ。やっぱり誤報ですね」
ゾンビ「多いんですか?」
幽霊「まあ、なんであれだけ生きてるのか不思議なくらいなんで」
ゾンビ「なるほど」
ポルターガイスト「俺、ちょっくら様子みてくるわ」
幽霊「あ、おねがいしまっす」
ゾンビ「ん?なんか焦げくさくない?」
幽霊「えー?わかんないよ?」
ゾンビ「いや、臭うでござるよ……くんくん」
幽霊「ごめん、僕達は嗅覚がなくて」
ゾンビ「どこからだ……あ、廊下からだ」
ゾンビ「ここっぽくね?」
幽霊「ダストシュートだ……あ、なんか黒い煙が出てきてる」
ゾンビ娘ちゃんが幽霊になっちゃう!
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 18:02:13.67:hp8VdakV0―――ゴミ捨て場
少女ゾンビ「ごほ!ごほ!!……あー、ゴミはよく燃えるなぁ……ごほ!!」
少女霊「―――あの、すいません鍵が見当たらなくて」
少女ゾンビ「そう……ごほ!!」
少女霊「って、燃えてる!!燃えてますよ!?!?」
少女ゾンビ「そうね。燃えてるわぁ」
少女霊「逃げましょう!!早く!!」
少女ゾンビ「鍵」
少女霊「あ……そっか」
少女ゾンビ「馬鹿……ごほ!!ごほ!!」
少女霊「さ、探してきます!!」
少女ゾンビ「待って。ここに居て」
少女霊「え……でも……」
少女ゾンビ「いいから。―――やっと、出逢えた友達ともっと喋りたいし」
少女霊「少女ゾンビさん……」
―――1階
ポルターガイスト「ったく、どこにもいねえぞ」
幽霊「これ、なんすか?」
幽霊「煙だ……地下ってゴミ捨て場だっけ?」
ポルターガイスト「どうした?」
幽霊「あ、ここから黒い煙が」
ポルターガイスト「なんだと?」
―――36階
ゾンビ「うわ……やっぱりどこかで燃えてんじゃん?」
幽霊「まじでー?」
ゾンビ「どうかしたのか?」
ゾンビ「隊長、これ」
ゾンビ「ん?―――おい!こりゃ火事じゃないか!?」
幽霊「えええ!?!」
オフィスレディ霊「大変ですわ!!」
―――ゴミ捨て場
少女ゾンビ「―――でね、ごほ……そのゾンビがまたドジでさぁ……ごほ!」
少女霊「……あの」
少女ゾンビ「ん?」
少女霊「……わたし」
少女ゾンビ「いいから。傍にいて」
少女霊「でも!!」
少女ゾンビ「私、友達を作れないまま死んだから、こうして貴女とお喋りするの楽しいのよ」
少女霊「諦めないでください!!ここから出ればもっとお話できますって!!」
少女ゾンビ「……そうね」
少女霊「ね、でましょう?私も、少女ゾンビさんともっと、もっとお話したいですから!」
少女ゾンビ「ふふ……うれし……ごほ!!……でも、もう無理だと思う。鍵、無いんでしょ?」
少女霊「それは……探せばきっと!!」
少女ゾンビ「ダメね……こうして廃棄された建物の鍵なんてとっくに処分されてるもの」
少女霊「そ、んなぁ……」
―――36階
ゾンビ「やべえじゃん!?やべえじゃん!?」
幽霊「どうしよう!!こんなこと初めてだぁ!?」
オフィスレディ霊「大変ですわ!大変ですわ!!」
ゾンビ「ええい!うろたえるな!!」
幽霊「でも!?」
ゾンビ「隊長、どうするんすか?」
ゾンビ「消火栓は使えるのか?」
幽霊「え……いや、多分、水が来てないと思います」
ゾンビ「むう……」
オフィスレディ霊「あの!お時間をくださればできますわ!!」
ゾンビ「本当か!?」
幽霊「あ、無理矢理水道を繋げる気?!あれ、ばれたから人間が来ちゃうよ?」
オフィスレディ霊「でも、ここを灰にしたくはありませんわ!」
ゾンビ「頼む。俺たちは燃えやすいのでな。やってほしい」
少女ゾンビ「あ……もうすぐ、燃えちゃうなぁ」
少女霊「くそ!くそ!これさえ開けば!!」
ガチャガチャ!!
少女ゾンビ「もういいから」
少女霊「でも!!」
少女ゾンビ「ありがとう」
少女霊「え?」
少女ゾンビ「出逢ったばかりなのに、そんなに真剣に助けようとしてくれて」
少女霊「そんなの……!!」
少女ゾンビ「幽霊だから燃えないでしょ?最後まで居てよ」
少女霊「そんなの……いや、です!貴女が燃えるところなんて見たくないですよぉ!!」
少女ゾンビ「おねがい…・・ごほ!ごほ!!」
少女霊「―――お願い!開いて!!開いてください!!!」
ガチャガチャ!!!
ポルターガイスト「―――ばかやろう。そんなんじゃあ、開くわけねえよ」
少女霊「え?」
少女ゾンビ「あなたは……ごほ!」
ポルターガイスト「やっぱりここにいたのか。遅いから心配したぜ?」
少女霊「ポルターさん……ここの鍵が開かないと少女ゾンビさんが!!」
ポルターガイスト「そうだな。―――おっちゃんに任せろ」
少女ゾンビ「え?」
少女霊「あ……そっか、ポルターさんは……」
ポルターガイスト「物を操るのが俺の能力よ?―――こんなの朝飯前だっての」
カチャン……!
少女霊「あいた!!開きました!!!」
少女ゾンビ「あ……ありがとう」
ポルターガイスト「ばかやろ、礼なんているかよ!!早く逃げるぞ!!」
少女霊「そうですよ!」
少女ゾンビ「そっか……うん」
少女霊「脱出です!!」
ポル△
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 18:32:20.44:EbJiJvY40
おっちゃんGJ!
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 18:32:50.72:hp8VdakV0―――36階
ゾンビ「各員、配置についたか?」
ゾンビ「うっす!各階、ダストシュートまでホースを持って行きました。あとは弁を解放するだけです!」
幽霊「―――え?できた?おし!」
ゾンビ「もういいのか?」
幽霊「はい!今、オフィスレディ霊たちが水道管をぶっこわして繋げたみたいです」
ゾンビ「分かった。では、一斉に放水するぞ!!」
幽霊「じゃあ、私たちが各階のゾンビさんに知らせてきます!」
ゾンビ「頼む!」
幽霊「お任せを!!」
ゾンビ「いくぞぉぉぉ!!ダストシュートから水を流しこめ!!」
ゾンビ「せいやー!!」
ザザー!!
ゾンビ「これでなんかとなるか……!?」
ゾンビ「初期消火は完全に間に合ってないっすけどね!」
―――1階
幽霊「あ、出てきた!!」
少女霊「ふう、なんとかなりましたね!」
少女ゾンビ「まあね」
ポルターガイスト「おい、扉を閉めろ」
幽霊「あ、はい!」
ポルターガイスト「とりあえずそれで延焼を防げるはずだ」
少女ゾンビ「……はぁ、つかれちゃった」
少女霊「あはは……火事なんて初めてです」
少女ゾンビ「私も」
少女霊「えへへ」
少女ゾンビ「ふふ」
幽霊「今、ダストシュートから放水してるんでもうすぐ鎮火するかと!」
少女ゾンビ「あ、1階からはまだなんだ。私がやる……やらせて!」
ポルターガイスト「消火栓は向こうだ。俺がこっちまでホースを延ばしてやるぜ!!―――こっちこいや、ホース!!」
―――数十分後
少女霊「―――確認してきました。もう大丈夫です。ゴミ捨て場はもうプールみたいになってましたけど」
少女ゾンビ「はぁ……よかったぁ……」
ポルターガイスト「にしても、なんで火事になったんだ?俺たちは燃えるもんなんてもってないのに」
幽霊「それは追々調べましょう。今は少女ゾンビさんを休ませてあげないと」
少女霊「そ、そうですね!」
少女ゾンビ「ごめんね」
少女霊「そんな……友達ですから、お礼なんていいですよ」
少女ゾンビ「そう……じゃあ、もういわない」
少女霊「いや、でも言ってくれたら嬉しいですので」
少女ゾンビ「もう、どっちよ?」
少女霊「えへへ」
少女ゾンビ「ちょっと寝るわ」
少女霊「はい」
少女ゾンビ「ありがとね……ほんとに」
―――明け方
ゾンビ「なんと言ったらいいか……まさかタバコが原因だったとは」
幽霊「いえ、私たちのほうにも原因はあるようですので、ここはお互い様としましょう」
ゾンビ「すまないな……」
幽霊「顔を上げてください。これからここで生活する者同士、助け合っていきましょう」
ゾンビ「そう言ってくれるのか……感謝する」
少女ゾンビ「そう、もう寝るの?」
少女霊「はい。朝は弱いんですよね」
少女ゾンビ「そっか。お休み」
少女霊「はい……おやすみ―――」
ゾンビ「消えた……」
少女ゾンビ「さてと、隊長。私たちはどうしますか?」
ゾンビ「決まっているだろ。皆でどこに住むか決めるのだ!」
ゾンビ「やっほー!!アニメ部屋作ろうぜ!!」
少女ゾンビ「―――これからお世話になるね。よろしく」
―――1年後 夏 廃ビル
男「ここ、出るらしいな」
女「マジで……ちょーこわ」
友「ほらほら、もうカメラは回ってるからいこうぜ」
男「そうだな。いい心霊映像が撮れればいいけどな」
女「それでテレビ局に売るんでしょ?ちょーうける」
少女霊「人間さんが来ましたね」
幽霊「そっかもう夏休みだもんなぁ」
少女霊「これから忙しくなりますね」
幽霊「全くだ。深夜アニメが遠のくよ」
ゾンビ「なになに?人間が来たの?」
少女ゾンビ「おっし!じゃあ、私達の協力技で絶望の淵に立たせちゃおうか!」
ゾンビ「ひゃっほー!少女ゾンビちゃん、最高!!」
少女霊「ほどほどでお願いしますよ?」
少女ゾンビ「分かってるって!―――んじゃ、いこっか!」
少女霊「―――かえれぇ!」
男「うわぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
女「やばいやばいやばい!!!!!」
友「にげろぉぉぉ!!!!」
少女ゾンビ「にがすかぁ……」
男「ひぃぃぃぃ!?!?!?」
ゾンビ「うぁあぁぁあぁぁ……」
女「ぎゃぁああああああ―――――」
友「まてよ!!!!おいてくなぁあぁぁああ!!!!!」
幽霊「もっとあそびましょう?」
男「たすけてくれぇぇぇぇぇ!!!?!?!!?」
少女ゾンビ「―――がぁぁああああああ」
女「うぎゃぁあああああ!!!こっちくんなぁああああ!!!!」
少女霊「―――かえれ!かえれ!!」
男「ひぁぁああぁあぃぃぃぃぃ!!!!!!」
少女ゾンビ「―――あっはっはっは!!あの男、ションベンちびってやんのー♪」
少女霊「もう、やり過ぎですってば!」
少女ゾンビ「そう?あれぐらいでいいと思うけど」
少女霊「もう……まあ、今度から気を付けてくださいね?」
少女ゾンビ「はいはい」
少女霊「ホントに分かってるんですか?」
少女ゾンビ「わかってるって!」
少女霊「ふぅ……じゃあ、信じます」
少女ゾンビ「ふふ……ありがとっ」
幽霊「おーい!みんなでかくれんぼしようぜ!」
ゾンビ「おっしゃー!昨日のリベンジだっぜ!!」
少女ゾンビ「かくれんぼだって!いこっ!」
少女霊「はい!―――負けませんよ?幽霊ですから、手加減しません。たとえ、親友でも、です」
少女ゾンビ「私だってゾンビだもん。負けないからね。親友だからって手は抜けないしね♪」
お し ま い
乙 少女ゾンビちゃん可愛かった
145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 19:14:10.88:fyprnrEV0
( ;∀;) イイハナシダナー
147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 19:16:03.55:39S3dxU00
乙
少女霊ちゃんは俺の嫁
151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/29(月) 19:32:45.98:HcP24oqZ0少女霊ちゃんは俺の嫁
乙! おもしろかったわ!

コメント 3
コメント一覧 (3)