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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 17:40:58.43:L454baQG0
まどか「ううん、ジンクスⅣを始めとする全てのプラモ化不遇機体を、HGで組み立てたい。……この手で!」
キュゥべえ「その祈りは……!」
キュゥべえ「そんな願いが叶うとすれば……、それは時間干渉なんてレヴェルじゃない! 新シリーズも始まるのに!」
まどか「……」
キュゥべえ「ッ! 君は本当に神になるつもりかい?」
まどか「神さまでもなんでもいい。今日までスクラッチに挑んできたみんなを、
発売を信じたモデラーを、私は泣かせたくない。最後まで笑顔でいてほしい」
まどか「それを邪魔するプラモ展開なんて、壊してみせる、変えてみせる」
まどか「これが私の祈り。私の願い」
まどか「さあ、叶えてよ。インキュベーター!!」
キュゥべえ「!!」
最終話 わたしの、最高の全塗装
【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」
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【東方】ルックス100点の文ちゃん
【日向坂46】ひなあい、大事件が勃発!?
韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 17:43:51.24:L454baQG0
マミ「鹿目さん、それがどんなに恐ろしい願いかわかっているの?」
まどか「多分……」
マミ「未来と過去と、全ての時間で、あなたは永遠にパチ組みし続けることになるのよ。
そうなればきっと、あなたはあなたという個体を保てなくなる……。仮組みなんて生易しいものじゃない。
未来永劫に終わりなく、あなたはHGジンクスⅣを存在させる概念として、この宇宙に固定されてしまうわ」
まどか「いいんです。そのつもりです」
まどか「欲しいプラモの発売を願うのが間違いだって言われたら、わたし、そんなのは違うって、何度でもそう言い返せます」
まどか「きっといつまでも、言い張れます」
杏子「いいんじゃねーの?」
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 17:47:52.82:L454baQG0
杏子「やれるもんならやってみなよ。多々買う理由、見つけたんだろ?
スクラッチしないって、自分で決めたんだろ? なら仕方ないじゃん。あとはもう、とことん組み立てるしかねーんだからさ」
まどか「うん、ありがとう杏子ちゃん」
マミ「じゃあ、預かっていたものを返さないとね」
マミ「はい、これ。ガンダムマーカーメッキシルバー。再販するといいわね」
まどか「ェへへ……」
マミ「あなたはガンプラを作るんじゃない。あなた自身がガンダムになるのよ。わたしたち全てのガンダムに……」
まどか(グフがいいな……)
――
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 17:51:55.79:L454baQG0
ほむら「……ここは?」
キュゥべえ「まどかのもたらした新しい法則に基づいて、模型屋が再編されているんだよ」
キュゥべえ「……そうか。君もまた、プラモに関する魔法の使い手だったね。じゃあ一緒に見届けようか。鹿目まどかという存在の結末を」
キュゥべえ「あれが、彼女の祈り。つまりはHGジンクスⅣを始めとする不遇機体のキット化がもたらしたソウルジェムだ」
キュゥべえ「その壮大過ぎる希望を叶えた代価に、模型屋が背負うことになる在庫の量がわかるかい?」
キュゥべえ「今まで発売されなかった機体が発売される。それはすなわち、模型屋を終わらせる程の絶望をもたらすことを意味する」
キュゥべえ「当然だよね。発売しない理由は多々あるけど、それらは概ね、
発売時期を逃した機体や採算がとれないと判断された機体、流用が効かない機体なんだから」
ほむら「そんな……。ブラストインパルスは流用も効くのに……」
キュゥべえ「人気。じゃないのかな?」
ほむら「主人公機体……」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 17:55:51.82:L454baQG0
まどか『……ううん、大丈夫』
ほむら「! まどか?」
キュゥべえ「!!」
まどか『わたしの願いは全てのプラモ化不遇機体を救済すること。
本当にそれが叶ったんだとしたら、HGブラストインパルスだって!』
まどか『もう発売しない理由なんて、ない!!』
バシュゥゥゥウ!!
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 17:59:56.29:L454baQG0
キュゥべえ「まどか。これで君のモデラー人生は、始まりも終わりもなくなった。
この世界で組んだキットも、使っていた工具も、もうどこにも残されていない……」
キュゥべえ「君という存在は、一つ上の領域にシフトして、ただの概念になり果ててしまった」
キュゥべえ「もう誰も君を認識出来ないし、君もまた、誰にも干渉できない。君はこの宇宙の一員では、なくなった」
ほむら「何よそれ……。これがまどかの望んだキット化だって言うの!?
こんなところでパチ組みをして、まどかは報われるの!? 冗談じゃないわ!!」
ほむら「こんなの……Gセイバーよりも、もっとひどい……」
まどか「ううん……。違うよ、ほむらちゃん」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 18:04:52.91:L454baQG0
まどか「今のわたしにはね、過去と未来の全てが見えるの。
参考出品されたのに発売されなかったキットも、いつかありえるかもしれないキットもみんな……」
ほむら「MGガンダムF90……。キュリオスコンテナ……」
まどか「それにね、全部わかったよ。いくつもの時間で、ほむらちゃんがわたしのために……」
ほむら『わたしは、このキットとの出会いをやり直したい!
角を折ってしまうわたしじゃなくて、しっかり完成させられるわたしになりたい!』
ほむら『伝えなきゃ……。みんなガンダムマーカー(白)に騙されてる!』
まどか「何度も泣いて、傷だらけになりなが……ら?」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 18:09:57.63:L454baQG0
ほむら『大丈夫だよ。二人で組もう? 一緒にデンドロビウムを完成させよう?』
ほむら『約束するわ。絶対にゼーゴックを作ってみせる。何度繰り返すことになっても、必ず作ってみせる!』
まどか「あー……」
ほむら『目に焼き付けておきなさい。天気の悪い日に塗装をするって、そういうことよ』
ほむら『HGUCザクⅡFZ……このキットはどこまで愚かなの?』
ほむら『バイアランちゅっちゅ』
ほむら『ごめんね……。シンナー臭いよね……。気持ち悪いよね……』
まどか「……なんか、うん。ありがと」
ほむら「……」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 18:12:55.09:L454baQG0
まどか「……今のわたしになったから、本当の良キットを知ることができた。こんなにも出来のいいHGがあったんだって。だから嬉しいよ」
まどか「バ○ダイホビー事業部さん、ありがと。あなたはわたしにとって、最高の企業だったんだね」
ほむら「だからってあなたは、このまま帰る場所もなくなって、大好きな映像作品とも離れ離れになって、
こんな場所で一人ぼっちで永遠にパチ組みするっていうの?」
まどか「ふふ……。一人じゃないよ。みんな、みんないつまでもわたしと一緒だよ」
まどか「これからのわたしはね、いつでもどこにでもいるの」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 18:16:20.70:L454baQG0
まどか「だから見えなくても聞こえなくても。わたしはプラモのそばにいるよ」
ほむら「まどかは……それでもいいの? 私はあなたを忘れちゃうのに?」
まどか「うん」
ほむら「まどかのことをもう感じ取ることさえできなくなっちゃうのに?」
ほむら「それにあなたの祈り……。その代償で模型店は……」
まどか「ううん。諦めるのはまだ早いよ。バン○イさんは平常運転時でも、誰得カスタムザクを発売して、しっかり売り上げたんだもの」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 18:19:57.07:L454baQG0
まどか「だから、元の世界に戻っても……。もしかしたら不遇機体が売れていて、模型屋も元気かも。……大丈夫、きっと大丈夫。信じようよ」
ほむら「まどか……」
まどか「だってガンプラはさ、夢と希望を与えられるんだから。
きっとほんの少しなら、本当の奇跡があるかもしれない……。そうでしょ?」
ほむら「まどか、行かないで!!」
まどか「ごめんね……。わたし、積みプラを崩しに行かないと。
いつかまたもう一度、ほむらちゃんとデンドロを組めるから。それまではほんのちょっとだけ、お別れだね」
まどか「明日ね、明日……。明日……」
ほむら「まどかああぁー!!!」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 18:25:03.63:L454baQG0
ほむら「……っ!」
ほむら「ここは……某大型家電量販店?」
ほむら「……」キョロキョロ
ほむら「HGジンクスⅣが売っている……」
ほむら「……まどか。……グッジョブ」
ほむら「この世界はまどかの願いが叶った世界」
ほむら「まどかの望んだガンダ……世界」
ほむら「不遇な機体が救済された世界なのね……」
ほむら「……」
ほむら「やったあああああぁぁああ!!」
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 18:30:22.56:L454baQG0
ほむら「HGバイアラン……ある!」
ほむら「ガンダムF90……ある!」
ほむら「ガンダムアシュタロン! スモー! メッメドーザ! ネロ! ウーンドウォート!
ライゴウにブロッサム、アクトザク。メルザ・ウン・カノーネまで……」
ほむら「他にも見たことのない箱ばかり……」
ほむら「……」ジュルリ
キュゥべえ「ずいぶん興奮しているようだね。暁美ほむら」
ほむら「これが興奮せずにいられる?」
キュゥべえ「人間の価値観はわからないや。それに、まどかのことはいいのかい?」
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 18:38:23.52:L454baQG0
ほむら「まどか?」
キュゥべえ「そうさ、こうなったのも彼女のおかげじゃないか」
ほむら「まどかならあっちでも立派にやっているわよ」
キュゥべえ「何を根拠に……」
まどか「私がどうかしたの?」
ほむら「!?」
キュゥべえ「!?」
ほむら「ま、まどか!?」
キュゥべえ「何故君がここに? 君は……」
まどか「えへへ……来ちゃった」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 18:41:49.73:L454baQG0
ほむら「どうして!? あなたは……、あなたはあのとき概念になったはずじゃ……?」
まどか「ほむらちゃん。落ち着いて考えてみてよ」
ほむら「?」
まどか「模型の発売を願ったくらいで概念になるわけないよ」
ほむら「えっ」
まどか「ねえ、キュゥべえ」
キュゥべえ「言われてみればそうだ。なんで僕は今まで気がつかなかったのだろう」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 18:47:03.20:L454baQG0
ほむら「で……、でもまどか? ここは確かにあなたの願いが遂げられた世界。あなたの願いが叶ったのなら……」
まどか「そう。私の願い『全てのプラモ化不遇機体を、HGで組み立てる』それが叶えられた。
この発売している数々のHGはいわば私の願いの副産物のようなもの」
キュゥべえ「HGで組み立てるにはHGを発売させるしかないからね。この結果は必然だよ」
まどか「……私の組み立てたいという願いは確かにかなったよ。でもね……」
まどか「ほむらちゃん、キュゥべえ。来てもらえる。私の家に」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 18:50:30.79:L454baQG0
ほむら「うわぁ……」
キュゥべえ「これはすごいね。壮観だ」
まどか「……」
キュゥべえ「君の強大な力が全てプラモに向けられた結果だ。良かったじゃないか、まどか。確かに、君の願いは遂げられた」
まどか「全然良くないよ! 私は契約して願った!『組み立てたい』って。でもその結果が……」
まどか「どうして私の家をプラモで埋め尽くすことになるのよぉ……」
ほむら(プラモの箱で覆われた家というのもシュールなものね)
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 18:55:04.45:L454baQG0
キュゥべえ「君が店でお金を払って買うことが出来る、というだけでは君の願いは遂げられないからね。
君の家に君の願いで発売されたプラモが組み立てられる状態で置かれたわけだ」
キュゥべえ「その量が膨大過ぎるせいでこのような形になってしまったようだけど」
まどか「当然の結果だって言いたいの?」
キュゥべえ「僕も想像だにしなかったよ。まさかこれだけのプラモを作り出してしまうとはね。君のお手柄だ」
まどか「これ……、どうしよう……」
ほむら「まどか。このバイアランもらえるかしら」
まどか「なんでほむらちゃんはこの中からバイアランを探しだせるの? あげないよ」
ほむら「けちね」
キュゥべえ「僕はこのアシュラテンプルを貰うことにするよ」
まどか「だからあげないって……」
キュゥべえ「そうかい」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 19:00:15.66:L454baQG0
キュゥべえ「それでまどか。君はこのプラモの山をどうするつもりだい?」
まどか「それなんだよ。このままじゃパパやママが帰って来たら怒られちゃうよ」
ほむら「父親も留守なのは珍しくないかしら?」
キュゥべえ「運がよかったんだね」
ほむら「そう」
まどか「どうしよう……。どうしたらいいかなほむらちゃん」
ほむら「任せておきなさい」
まどか「何か考えがあるの?」
キュゥべえ「?」
ほむら「……」ニヤリ
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 19:04:58.32:L454baQG0
ゴトン
キュゥべえ「それはなんだい?」
ほむら「盾よ。私の盾には物を収納することが出来る。……例えば、こうやって取り出すと」ゴソゴソ
ほむら「ほら」
キュゥべえ「これは……1/220のバイアランだね」
まどか「なんでまたバイアランなの……?」
ほむら「この盾の中に一旦これらの箱を詰めましょう。それから私の家で一緒に組み立てればいいわ」
まどか「ほむらちゃんすごいや!」ダキッ
ほむら「まどか!?」
まどか「ほむらちゃん大好き!」
ほむら「……」
キュゥべえ(はぁ……。この様子ではまどかの魔女化は当分先になりそうだなぁ)
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 19:11:40.43:L454baQG0
~数時間後~
ほむら「ふぅ……、これで最後ね」
まどか「すごいや……。本当に全部入っちゃった」
ほむら「やったわね、まどか」
まどか「うん、やったねほむらちゃん! 早くジンクスやバイアランを組み立てに行こ! さ、ほむらちゃんの家に!」
キュゥべえ「なぜ僕にも手伝わせたんだい。疲れるじゃないか」
まどか「キュゥべえ。どうせ暇でしょ。ならいいじゃない」
キュゥべえ「それはそうだけど」
ほむら「……」
まどか「? ほむらちゃん?」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 19:17:37.44:L454baQG0
ほむら「……」タッ
キュゥべえ「どうしたんだい?」
まどか「ほむらちゃん? ほむらちゃんの家はそっちじゃないよ!」
キュゥべえ「プラモデルを作らないのかい?」
ほむら「……私の戦場はここじゃない」
ほむら「……」
ほむら「……」バシュウ!!
「……………………」
まどか「……え?」
まどか「……消えちゃっ……た? どうなってるの!?」
キュゥべえ「暁美ほむら……! まさか君は!!」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 19:22:30.53:L454baQG0
まどか「どういうこと? わかるの、キュゥべえ!?」
キュゥべえ「君ははめられたんだよまどか!! 彼女は時を渡ることが出来る魔法少女だ! 君のプラモは全て持ち逃げされたんだ!」
まどか「え……? ええ?」
キュゥべえ「迂闊だった。もう少し早く彼女の策略に気がついていれば。過去に戻ってしまったらもう僕たちには干渉のしようがない」
まどか「嘘……ほむらちゃんはそんなこと……」
まどか「はめられたの……私。ほむらちゃんに……」
キュゥべえ(しめた!)
まどか「私……私……私……」
まどか「あ……あああぁ」
キュゥべえ「ソウルジェムが……」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 19:28:20.67:L454baQG0
まどか「あああああああああぁ!!」
キュゥべえ「ツヤツヤに輝いて……?」
キュゥべえ「?」
まどか「ふぅ……」
まどか「こういうのってさ、スッゴく興奮しない?」
キュゥべえ「え」
まどか「信じていた仲間に裏切られるとかさ! もう最高だよね! 震えが止まらないよ!」
キュゥべえ「……」
まどか「ほむらちゃんありがとう! あなたはどこに行っても、わたしの最高の友達だよ!」
キュゥべえ「わけがわからないよ」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 19:32:54.19:L454baQG0
ほむら「むふふ……ふふふふふ」
ほむら「戻ってこれた……。私が角を折ってしまったプラモとの出会いの日まで……。まどかとの買い物の日まで……」
ほむら「やった……。やり遂げたわ……」
ほむら「……計画通り」
ほむら「あの時間軸のまどかには悪いことをしたわね。でも無駄死にではないわ」
ほむら「これでこの時間軸のまどかはまだ契約をしていない状態。つまりもう一度、いえ、間接的になら何度でも願いを叶えられる」
「……むらちゃ……」
ほむら「いける……! 私の野望……。HG、RG、MG、PG全てのバイアランを手に入れるまで……後少し」
まどか「ほむらちゃん!」
ほむら「まどか!? ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
まどか「えぇ!?」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 19:40:24.39:L454baQG0
ほむら「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
まどか「お、落ち着いてよほむらちゃん。 あたし何か謝られることあったかな?」
ほむら「えっ……、あ」
ほむら(まどかの顔を見てすっかり気が動転してしまっていたわ。このまどかは私が騙したまどかとは違う。1ヶ月前の鹿目まどかだわ)
ほむら「……冗談よ、冗談」
まどか「そっか! ほむらちゃんは冗談が上手だね!」
ほむら「ええ。私だもの。当然よ」
まどか「ところでほむらちゃん。ほむらちゃんは何を買うの? リックドム?」
ほむら「リックほむ?」
まどか「リックドム!」
ほむら「そうね……。あなたは何を買うの?」
まどか「私? 私は……」
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 19:40:35.80:LdXhZi0SO
まどか「私はこれかな。『HG ストライクフリーダムガンダム』!」
ほむら「あなたはどこまで愚かなの?」
まどか「ふぇ!?」
ほむら「やめておきなさい。私のカンだと近々RGでフリーダムが出るわ」
まどか「フリーダムとストフリは違うんだけどなぁ……」
ほむら「それはわかっているわ。ただあなたにそのキットは過酷過ぎるわ」
まどか「ふーん……」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 19:54:21.17:L454baQG0
まどか「じゃあこれ、『MG ジ・O』! 大きくてかっこいいんだよ!」
ほむら「それ、高いわよ」
まどか「定価……12600円!? こんなの買えないよぉ」
ほむら「ふふ……」
ほむら(罪悪感はあるけれど……。このまどかにはMGバイアランのために、礎となって貰うわ)
ほむら(これは私のエゴ。でも私にはいつまでも待ち続けることは耐えられないの。ごめんね……)
ほむら「そうね、まどか。これなんかどうかしら。『1/100 ティエレン地上型』」
まどか「ださい」
ほむら「屋上に行きましょうか」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 20:00:01.58:L454baQG0
ほむら(それから……、この時間のまどかがインキュベーターと出会うまでの間。私はまどかにアピールを続けた)
~ある日~
まどか「ほむらちゃん! MGのゼータガンダムを作ったよ!」
ほむら「よく出来ているわね(スミ入れ濃い……)。ゼータガンダムといえばMGでジェリドの駆るあの機体は出ないのかしらね」
まどか「そうだねぇ、ほむらちゃん。バウンド・ドックは欲しいよね」
ほむら「……ちっ」
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 20:07:36.31:L454baQG0
~またある日~
まどか「見て見てほむらちゃん! ガンダムアストレイのブルーフレームだよ!」
ほむら「よく出来ているわね(合わせ目が気になる……)ところでまどか。
ブルーフレームのパイロットの中の人はジェリドと同じ人よね」
まどか「いい声だよね~」
ほむら「ジェリドといえばあの機体はMGで出ないかしら? ほら、あのシルエットが独特な」
まどか「シルエット……。ああ! バリュート装備のマラサイ? ほむらちゃん通だねぇ」
ほむら「いやちが」
まどか「バリュートは無理だけどマラサイならユニコーン効果であるいは……」
ほむら「だから……」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 20:14:32.89:L454baQG0
~またまたある日~
まどか「ほむらちゃ~ん! ブレイヴの指揮官用試験機が出来たよー!」
ほむら「よく出来ているわね(変形固定用のピンが折れてる……弄り過ぎたのね)」
まどか「ところでほむらちゃん。なんでHGのジンクスⅣは出ないのかな? 劇場版ではあんなにハシャいじゃってたのに」
ほむら(来た! 前はこのせいでまどかの願いの対象がHGになったんだ……。ならまどかの気を少しでもMGに向けるべきね)
ほむら「まどか、諦めなさい。HGは」
まどか「HGは?」
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 20:19:41.42:L454baQG0
ほむら「そうよ。でもMGなら……、ジンクスのフレームが流用出来る。可能性は低くないわ」
ほむら(高くもないけどね)
まどか「あ……」
ほむら「それにMGの展開はわりと読めないところがあるわ。もっとも、最近はカトキさんに少し偏ってるようだけど……」
ほむら「諦めては駄目よ、まどか。希望はいつももっていなくちゃ」
まどか「……うん。ありがとほむらちゃん。なんだか希望が持てたよ」
ほむら「話は変わるけど、試験機といえばキリマンジャロでテストをしていたあの機体。とてもかっこいいわよね」
まどか「うーん……。サイコガンダム……じゃないよね。ごめん、わからないや」
ほむら「くそっ……くそっ……」
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 20:28:55.63:L454baQG0
ほむら(そして数日がたった。……まどかの洗脳もままならないまま、運命の日が来た……)
キュゥべえ「僕と契約して、魔法少女になってよ!」
まどか「えぇ!?」
キュゥべえ「魔法少女になれば願い事を一つだけ、叶えてあげられる」
まどか「願いって……。どうしたらいいかな、ほむらちゃん?」
ほむら「なりなさい」
まどか「えええ!?」
キュゥべえ「僕としては早いほうが助かるな、まどか」
まどか「だって……。いきなり願いだ魔法少女だって言われても……」
ほむら「まどか。私も魔法少女なの。ほら」ヘンシーン
まどか「ほむらちゃんも!? それなら……」
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 20:31:40.52:L2+XM5qX0
キュゥべえ「さあまどか。早く願いを!」
まどか「……」
ほむら「……」
まどか「私、誰にも迷惑をかけない塗装環境が」
ほむら「私の家を使うといいわ」
まどか「本当に!? ほむらちゃん大好き!」
ほむら「……」テレ
キュゥべえ「まどか。他に願いは無いのかい?」
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 20:39:53.00:L454baQG0
まどか「それなら……」
ほむら「……」
まどか「私、お金が欲しい。どんなに高いプラモを買ってもなくならないほどのお金が」
ほむら「はい、百万円。あげるわ」
まどか「嬉しい! 抱いて!」
ほむら「そういうのはやめて頂戴」
まどか「そうなの? 残念」
キュゥべえ「……他は」
まどか「他? ……ふむむ」
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 20:45:30.32:L454baQG0
まどか「あ、そうだ!」
キュゥべえ「願い事が決まったのかい?」
まどか「……うん」
ほむら「……」
まどか「私、HGのジンクスⅣが」
ほむら「ここにあるわ」ポン
まどか「!?」
キュゥべえ「!!?」
ほむら「やべ」
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 20:49:54.67:L454baQG0
まどか「ど、どういうことなのほむらちゃん!? 00のHGの展開はブレイヴで止まっちゃったんだよ!」
ほむら「……」
キュゥべえ「まさか君は……!」
まどか「ほむらちゃん!?」
ほむら「私ね……」
まどか「?」
ほむら「私ね、未来から来たんだよ……。そのジンクスも未来のもの。
何度も何度も繰り返して。それでもバイアランが発売されなくて……」
まどか「え……?」
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 20:57:22.32:L454baQG0
キュゥべえ「バイアラン。確かティターンズの試作MSだったね」
ほむら「どうすればバイアランが発売されるのか、その答えだけを探して……」
ほむら「苦しんで、苦しんで。他のあなたを犠牲にしても得られたのはHGバイアランと愉快な仲間達だけ……」
キュゥべえ「暁美ほむら……」
ほむら「ごめんね……、わけわかんないよね。気持ち悪いよね……」
まどか「ほむらちゃん……」
ほむら「……」ニヤ
まどか「わかったよ。私、契約する。でも……」
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 21:00:55.99:L454baQG0
まどか「私、踏み台にはなりたくない。私がほむらちゃんのために願ったのに、
ほむらちゃんがプラモだけ回収して過去に逃げるなんて結末は嫌」
ほむら(バレてたか)
まどか「だから……私は願う」
キュゥべえ「さあ、まどか。君はどんな祈りをするんだい?」
まどか「……」
ほむら「……」
まどか「バンダイさんのこれからの……数年後、数十年後でいい。発売予定にPG、MG、RG、その他全てのバイアランを組み込んで!」
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 21:06:58.89:L454baQG0
ほむら「なっ!」
キュゥべえ「その祈りは!?」
まどか「この願いならほむらちゃんはこの時間に留まらざるをえない。その上ほむらちゃんの願いも叶うし、みんな幸せになれる」
キュゥべえ「……いいんだね、まどか」
まどか「……」コクリ
ほむら「全てのバイアランの発売ですって……? まどか……、あなたは。……あなたは」
まどか「……?」
キュゥべえ「?」
ほむら「あなたは私の、最高の友達よ!!」ダキッ
まどか「わぁ!?」
ほむら「まどか! まどかぁ!!」
まどか「えへへ。ほむらちゃんも私の最高の友達だよ!!」
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 21:11:52.66:L454baQG0
~1年後~
キュゥべえ「ついに明後日発売だね、MGバイアラン」
ほむら「ええ、そうね。あなたはそういう奴よね」
キュゥべえ「? どういうことだい?」
まどか「ほむらちゃ~ん! バイアラン買って来たよー!」
ほむら「ほら」
キュゥべえ「発売日は土曜日ではないのかい?」
ほむら「売りだすところは意外と早く売りだすものよ」
キュゥべえ「ふーん。しかしこのプラモデルというものは面白いね。まさか僕まではまってしまうとは思いもしなかったよ」
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 21:14:25.12:OwqimCfn0
ほむら「私にはわからないわね。アリシアちゃんやらセイバーさんやら。そんなにいいものかしら?」
キュゥべえ「あまり僕のアリシアをバカにしないで欲しいなあ。OIGAMIを背負った姿、最高にかっこいいじゃないか」
ほむら「重量過多じゃないのかしら?」
キュゥべえ「それが許されるのがプラモのいいところだよ」
ほむら「あら、異星体のくせに随分わかったような口を効くじゃない」
キュゥべえ「僕には君のほうがわからないけどね。なんだい? その奇妙な熊は」
ほむら「ベアッガイよ。目からビームを出せるわ。とてもプリティーでしょう」
キュゥべえ「まだ僕のほうが可愛いと思うけどなぁ」
まどか「はいはい二人とも、喧嘩しない。ほら、キュゥべえも、頼まれていたやつだよ」
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 21:24:31.29:L454baQG0
キュゥべえ「ありがとうまどか! ビックバイパーを買って来てくれたんだね!」
まどか「はい!」
キュゥべえ「……」
キュゥべえ「スカイガールズ版……! これは!?」
まどか「あはは! 冗談だよキュゥべえ! はい、コトブキヤさんの!」
キュゥべえ「感謝するよ、まどか!」
まどか「……あれ? ほむらちゃんは?」
キュゥべえ「?」
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 21:30:13.11:L454baQG0
まどか「どうしたの? ほむらちゃん」
ほむら「ああ、まどか。いえね、まさかこんなにも平穏な日々が訪れるとは思わなかったから……」
まどか「ふふ、そだね」
ほむら「ふぅー」
まどか「あ、そうだ。どうでもいいけどジ・Oってマミさんっぽいよね」
ほむら「そうかしら?」
まどか「黄色いし、巨体のくせに素早」
ほむら「やめなさい。せめてサバーニャとでも言ってあげなさい」
まどか「でも小説版のジ・Oは全身が砲門なデb」
ほむら「やめなさい」
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 21:36:47.53:L454baQG0
キュゥべえ「ところでほむら。バイアランの箱、開けないのかい?」
ほむら「急かさないで頂戴。今から始めるわ」
まどか「私も買って来たんだった! ほら、ゴッドガンダムだよ! 私に相応しいと思わない?
ほむらちゃんにわたしの、最高の全塗装を見せてあげるよ!」
ほむら「アルティメットガンダムの方が相応しいと思うけど……」
キュゥべえ「頑張るんだね、まどか」
まどか「てぃひひ」
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 21:41:41.05:L454baQG0
キュゥべえ「それにしても、バイアランの肩はやけにヒケが酷いね。ヤスってもキリがなさそうだよ」
ほむら「ボヤいたってしょうがないわ。さ、組むわよ」
まどか「うん!」
ほむら(組み立てと購入ばかりを繰り返す。どうしようもない世界だけど)
ほむら(それでもジンクスⅣは、かつて他の時を生きるまどかが作ろうとした機体なんだ)
ほむら(それを覚えてる。決して、忘れたりしない)
ほむら(だから私は、プラモを)
まどか「あ! パーツが飛んでいっちゃった!」
ほむら「!?」
ほむら(せっかく綺麗に締められると思ったのに……)
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 21:47:30.59:L454baQG0
まどか「わあぁ! キュゥべえ!」
キュゥべえ「え!?」ゴックン
ほむら「」
まどか「」
キュゥべえ「……間違えて背中の口で食べちゃったよ。きゅっぷい」
ほむら「な、なんてことを」
まどか「ちょっとぉ! 吐き出してよー!!」
キュゥべえ「ごめん……、無理なんだ」
まどか「ごめんで済んだら部品注文はいらないんだよ!」
キュゥべえ「ごめんよ……」
ほむら「はぁ……。まどか、そこのパーツなら…………」
(……どうしようもなくもない。幸せな世界で……)
(私は、プラモを組み続ける)パチッ
おわり
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 21:50:03.55:L454baQG0
マミ「鹿目さん、それがどんなに恐ろしい願いかわかっているの?」
まどか「多分……」
マミ「未来と過去と、全ての時間で、あなたは永遠にパチ組みし続けることになるのよ。
そうなればきっと、あなたはあなたという個体を保てなくなる……。仮組みなんて生易しいものじゃない。
未来永劫に終わりなく、あなたはHGジンクスⅣを存在させる概念として、この宇宙に固定されてしまうわ」
まどか「いいんです。そのつもりです」
まどか「欲しいプラモの発売を願うのが間違いだって言われたら、わたし、そんなのは違うって、何度でもそう言い返せます」
まどか「きっといつまでも、言い張れます」
杏子「いいんじゃねーの?」
杏子「やれるもんならやってみなよ。多々買う理由、見つけたんだろ?
スクラッチしないって、自分で決めたんだろ? なら仕方ないじゃん。あとはもう、とことん組み立てるしかねーんだからさ」
まどか「うん、ありがとう杏子ちゃん」
マミ「じゃあ、預かっていたものを返さないとね」
マミ「はい、これ。ガンダムマーカーメッキシルバー。再販するといいわね」
まどか「ェへへ……」
マミ「あなたはガンプラを作るんじゃない。あなた自身がガンダムになるのよ。わたしたち全てのガンダムに……」
まどか(グフがいいな……)
――
ほむら「……ここは?」
キュゥべえ「まどかのもたらした新しい法則に基づいて、模型屋が再編されているんだよ」
キュゥべえ「……そうか。君もまた、プラモに関する魔法の使い手だったね。じゃあ一緒に見届けようか。鹿目まどかという存在の結末を」
キュゥべえ「あれが、彼女の祈り。つまりはHGジンクスⅣを始めとする不遇機体のキット化がもたらしたソウルジェムだ」
キュゥべえ「その壮大過ぎる希望を叶えた代価に、模型屋が背負うことになる在庫の量がわかるかい?」
キュゥべえ「今まで発売されなかった機体が発売される。それはすなわち、模型屋を終わらせる程の絶望をもたらすことを意味する」
キュゥべえ「当然だよね。発売しない理由は多々あるけど、それらは概ね、
発売時期を逃した機体や採算がとれないと判断された機体、流用が効かない機体なんだから」
ほむら「そんな……。ブラストインパルスは流用も効くのに……」
キュゥべえ「人気。じゃないのかな?」
ほむら「主人公機体……」
まどか『……ううん、大丈夫』
ほむら「! まどか?」
キュゥべえ「!!」
まどか『わたしの願いは全てのプラモ化不遇機体を救済すること。
本当にそれが叶ったんだとしたら、HGブラストインパルスだって!』
まどか『もう発売しない理由なんて、ない!!』
バシュゥゥゥウ!!
キュゥべえ「まどか。これで君のモデラー人生は、始まりも終わりもなくなった。
この世界で組んだキットも、使っていた工具も、もうどこにも残されていない……」
キュゥべえ「君という存在は、一つ上の領域にシフトして、ただの概念になり果ててしまった」
キュゥべえ「もう誰も君を認識出来ないし、君もまた、誰にも干渉できない。君はこの宇宙の一員では、なくなった」
ほむら「何よそれ……。これがまどかの望んだキット化だって言うの!?
こんなところでパチ組みをして、まどかは報われるの!? 冗談じゃないわ!!」
ほむら「こんなの……Gセイバーよりも、もっとひどい……」
まどか「ううん……。違うよ、ほむらちゃん」
まどか「今のわたしにはね、過去と未来の全てが見えるの。
参考出品されたのに発売されなかったキットも、いつかありえるかもしれないキットもみんな……」
ほむら「MGガンダムF90……。キュリオスコンテナ……」
まどか「それにね、全部わかったよ。いくつもの時間で、ほむらちゃんがわたしのために……」
ほむら『わたしは、このキットとの出会いをやり直したい!
角を折ってしまうわたしじゃなくて、しっかり完成させられるわたしになりたい!』
ほむら『伝えなきゃ……。みんなガンダムマーカー(白)に騙されてる!』
まどか「何度も泣いて、傷だらけになりなが……ら?」
ほむら『大丈夫だよ。二人で組もう? 一緒にデンドロビウムを完成させよう?』
ほむら『約束するわ。絶対にゼーゴックを作ってみせる。何度繰り返すことになっても、必ず作ってみせる!』
まどか「あー……」
ほむら『目に焼き付けておきなさい。天気の悪い日に塗装をするって、そういうことよ』
ほむら『HGUCザクⅡFZ……このキットはどこまで愚かなの?』
ほむら『バイアランちゅっちゅ』
ほむら『ごめんね……。シンナー臭いよね……。気持ち悪いよね……』
まどか「……なんか、うん。ありがと」
ほむら「……」
まどか「……今のわたしになったから、本当の良キットを知ることができた。こんなにも出来のいいHGがあったんだって。だから嬉しいよ」
まどか「バ○ダイホビー事業部さん、ありがと。あなたはわたしにとって、最高の企業だったんだね」
ほむら「だからってあなたは、このまま帰る場所もなくなって、大好きな映像作品とも離れ離れになって、
こんな場所で一人ぼっちで永遠にパチ組みするっていうの?」
まどか「ふふ……。一人じゃないよ。みんな、みんないつまでもわたしと一緒だよ」
まどか「これからのわたしはね、いつでもどこにでもいるの」
まどか「だから見えなくても聞こえなくても。わたしはプラモのそばにいるよ」
ほむら「まどかは……それでもいいの? 私はあなたを忘れちゃうのに?」
まどか「うん」
ほむら「まどかのことをもう感じ取ることさえできなくなっちゃうのに?」
ほむら「それにあなたの祈り……。その代償で模型店は……」
まどか「ううん。諦めるのはまだ早いよ。バン○イさんは平常運転時でも、誰得カスタムザクを発売して、しっかり売り上げたんだもの」
まどか「だから、元の世界に戻っても……。もしかしたら不遇機体が売れていて、模型屋も元気かも。……大丈夫、きっと大丈夫。信じようよ」
ほむら「まどか……」
まどか「だってガンプラはさ、夢と希望を与えられるんだから。
きっとほんの少しなら、本当の奇跡があるかもしれない……。そうでしょ?」
ほむら「まどか、行かないで!!」
まどか「ごめんね……。わたし、積みプラを崩しに行かないと。
いつかまたもう一度、ほむらちゃんとデンドロを組めるから。それまではほんのちょっとだけ、お別れだね」
まどか「明日ね、明日……。明日……」
ほむら「まどかああぁー!!!」
ほむら「……っ!」
ほむら「ここは……某大型家電量販店?」
ほむら「……」キョロキョロ
ほむら「HGジンクスⅣが売っている……」
ほむら「……まどか。……グッジョブ」
ほむら「この世界はまどかの願いが叶った世界」
ほむら「まどかの望んだガンダ……世界」
ほむら「不遇な機体が救済された世界なのね……」
ほむら「……」
ほむら「やったあああああぁぁああ!!」
ほむら「HGバイアラン……ある!」
ほむら「ガンダムF90……ある!」
ほむら「ガンダムアシュタロン! スモー! メッメドーザ! ネロ! ウーンドウォート!
ライゴウにブロッサム、アクトザク。メルザ・ウン・カノーネまで……」
ほむら「他にも見たことのない箱ばかり……」
ほむら「……」ジュルリ
キュゥべえ「ずいぶん興奮しているようだね。暁美ほむら」
ほむら「これが興奮せずにいられる?」
キュゥべえ「人間の価値観はわからないや。それに、まどかのことはいいのかい?」
ほむら「まどか?」
キュゥべえ「そうさ、こうなったのも彼女のおかげじゃないか」
ほむら「まどかならあっちでも立派にやっているわよ」
キュゥべえ「何を根拠に……」
まどか「私がどうかしたの?」
ほむら「!?」
キュゥべえ「!?」
ほむら「ま、まどか!?」
キュゥべえ「何故君がここに? 君は……」
まどか「えへへ……来ちゃった」
ほむら「どうして!? あなたは……、あなたはあのとき概念になったはずじゃ……?」
まどか「ほむらちゃん。落ち着いて考えてみてよ」
ほむら「?」
まどか「模型の発売を願ったくらいで概念になるわけないよ」
ほむら「えっ」
まどか「ねえ、キュゥべえ」
キュゥべえ「言われてみればそうだ。なんで僕は今まで気がつかなかったのだろう」
ほむら「で……、でもまどか? ここは確かにあなたの願いが遂げられた世界。あなたの願いが叶ったのなら……」
まどか「そう。私の願い『全てのプラモ化不遇機体を、HGで組み立てる』それが叶えられた。
この発売している数々のHGはいわば私の願いの副産物のようなもの」
キュゥべえ「HGで組み立てるにはHGを発売させるしかないからね。この結果は必然だよ」
まどか「……私の組み立てたいという願いは確かにかなったよ。でもね……」
まどか「ほむらちゃん、キュゥべえ。来てもらえる。私の家に」
ほむら「うわぁ……」
キュゥべえ「これはすごいね。壮観だ」
まどか「……」
キュゥべえ「君の強大な力が全てプラモに向けられた結果だ。良かったじゃないか、まどか。確かに、君の願いは遂げられた」
まどか「全然良くないよ! 私は契約して願った!『組み立てたい』って。でもその結果が……」
まどか「どうして私の家をプラモで埋め尽くすことになるのよぉ……」
ほむら(プラモの箱で覆われた家というのもシュールなものね)
キュゥべえ「君が店でお金を払って買うことが出来る、というだけでは君の願いは遂げられないからね。
君の家に君の願いで発売されたプラモが組み立てられる状態で置かれたわけだ」
キュゥべえ「その量が膨大過ぎるせいでこのような形になってしまったようだけど」
まどか「当然の結果だって言いたいの?」
キュゥべえ「僕も想像だにしなかったよ。まさかこれだけのプラモを作り出してしまうとはね。君のお手柄だ」
まどか「これ……、どうしよう……」
ほむら「まどか。このバイアランもらえるかしら」
まどか「なんでほむらちゃんはこの中からバイアランを探しだせるの? あげないよ」
ほむら「けちね」
キュゥべえ「僕はこのアシュラテンプルを貰うことにするよ」
まどか「だからあげないって……」
キュゥべえ「そうかい」
キュゥべえ「それでまどか。君はこのプラモの山をどうするつもりだい?」
まどか「それなんだよ。このままじゃパパやママが帰って来たら怒られちゃうよ」
ほむら「父親も留守なのは珍しくないかしら?」
キュゥべえ「運がよかったんだね」
ほむら「そう」
まどか「どうしよう……。どうしたらいいかなほむらちゃん」
ほむら「任せておきなさい」
まどか「何か考えがあるの?」
キュゥべえ「?」
ほむら「……」ニヤリ
ゴトン
キュゥべえ「それはなんだい?」
ほむら「盾よ。私の盾には物を収納することが出来る。……例えば、こうやって取り出すと」ゴソゴソ
ほむら「ほら」
キュゥべえ「これは……1/220のバイアランだね」
まどか「なんでまたバイアランなの……?」
ほむら「この盾の中に一旦これらの箱を詰めましょう。それから私の家で一緒に組み立てればいいわ」
まどか「ほむらちゃんすごいや!」ダキッ
ほむら「まどか!?」
まどか「ほむらちゃん大好き!」
ほむら「……」
キュゥべえ(はぁ……。この様子ではまどかの魔女化は当分先になりそうだなぁ)
~数時間後~
ほむら「ふぅ……、これで最後ね」
まどか「すごいや……。本当に全部入っちゃった」
ほむら「やったわね、まどか」
まどか「うん、やったねほむらちゃん! 早くジンクスやバイアランを組み立てに行こ! さ、ほむらちゃんの家に!」
キュゥべえ「なぜ僕にも手伝わせたんだい。疲れるじゃないか」
まどか「キュゥべえ。どうせ暇でしょ。ならいいじゃない」
キュゥべえ「それはそうだけど」
ほむら「……」
まどか「? ほむらちゃん?」
ほむら「……」タッ
キュゥべえ「どうしたんだい?」
まどか「ほむらちゃん? ほむらちゃんの家はそっちじゃないよ!」
キュゥべえ「プラモデルを作らないのかい?」
ほむら「……私の戦場はここじゃない」
ほむら「……」
ほむら「……」バシュウ!!
「……………………」
まどか「……え?」
まどか「……消えちゃっ……た? どうなってるの!?」
キュゥべえ「暁美ほむら……! まさか君は!!」
まどか「どういうこと? わかるの、キュゥべえ!?」
キュゥべえ「君ははめられたんだよまどか!! 彼女は時を渡ることが出来る魔法少女だ! 君のプラモは全て持ち逃げされたんだ!」
まどか「え……? ええ?」
キュゥべえ「迂闊だった。もう少し早く彼女の策略に気がついていれば。過去に戻ってしまったらもう僕たちには干渉のしようがない」
まどか「嘘……ほむらちゃんはそんなこと……」
まどか「はめられたの……私。ほむらちゃんに……」
キュゥべえ(しめた!)
まどか「私……私……私……」
まどか「あ……あああぁ」
キュゥべえ「ソウルジェムが……」
まどか「あああああああああぁ!!」
キュゥべえ「ツヤツヤに輝いて……?」
キュゥべえ「?」
まどか「ふぅ……」
まどか「こういうのってさ、スッゴく興奮しない?」
キュゥべえ「え」
まどか「信じていた仲間に裏切られるとかさ! もう最高だよね! 震えが止まらないよ!」
キュゥべえ「……」
まどか「ほむらちゃんありがとう! あなたはどこに行っても、わたしの最高の友達だよ!」
キュゥべえ「わけがわからないよ」
ほむら「むふふ……ふふふふふ」
ほむら「戻ってこれた……。私が角を折ってしまったプラモとの出会いの日まで……。まどかとの買い物の日まで……」
ほむら「やった……。やり遂げたわ……」
ほむら「……計画通り」
ほむら「あの時間軸のまどかには悪いことをしたわね。でも無駄死にではないわ」
ほむら「これでこの時間軸のまどかはまだ契約をしていない状態。つまりもう一度、いえ、間接的になら何度でも願いを叶えられる」
「……むらちゃ……」
ほむら「いける……! 私の野望……。HG、RG、MG、PG全てのバイアランを手に入れるまで……後少し」
まどか「ほむらちゃん!」
ほむら「まどか!? ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
まどか「えぇ!?」
ほむら「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
まどか「お、落ち着いてよほむらちゃん。 あたし何か謝られることあったかな?」
ほむら「えっ……、あ」
ほむら(まどかの顔を見てすっかり気が動転してしまっていたわ。このまどかは私が騙したまどかとは違う。1ヶ月前の鹿目まどかだわ)
ほむら「……冗談よ、冗談」
まどか「そっか! ほむらちゃんは冗談が上手だね!」
ほむら「ええ。私だもの。当然よ」
まどか「ところでほむらちゃん。ほむらちゃんは何を買うの? リックドム?」
ほむら「リックほむ?」
まどか「リックドム!」
ほむら「そうね……。あなたは何を買うの?」
まどか「私? 私は……」
まどかよりバイアランが大事かwwwwww
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 19:47:18.45:L454baQG0まどか「私はこれかな。『HG ストライクフリーダムガンダム』!」
ほむら「あなたはどこまで愚かなの?」
まどか「ふぇ!?」
ほむら「やめておきなさい。私のカンだと近々RGでフリーダムが出るわ」
まどか「フリーダムとストフリは違うんだけどなぁ……」
ほむら「それはわかっているわ。ただあなたにそのキットは過酷過ぎるわ」
まどか「ふーん……」
まどか「じゃあこれ、『MG ジ・O』! 大きくてかっこいいんだよ!」
ほむら「それ、高いわよ」
まどか「定価……12600円!? こんなの買えないよぉ」
ほむら「ふふ……」
ほむら(罪悪感はあるけれど……。このまどかにはMGバイアランのために、礎となって貰うわ)
ほむら(これは私のエゴ。でも私にはいつまでも待ち続けることは耐えられないの。ごめんね……)
ほむら「そうね、まどか。これなんかどうかしら。『1/100 ティエレン地上型』」
まどか「ださい」
ほむら「屋上に行きましょうか」
ほむら(それから……、この時間のまどかがインキュベーターと出会うまでの間。私はまどかにアピールを続けた)
~ある日~
まどか「ほむらちゃん! MGのゼータガンダムを作ったよ!」
ほむら「よく出来ているわね(スミ入れ濃い……)。ゼータガンダムといえばMGでジェリドの駆るあの機体は出ないのかしらね」
まどか「そうだねぇ、ほむらちゃん。バウンド・ドックは欲しいよね」
ほむら「……ちっ」
~またある日~
まどか「見て見てほむらちゃん! ガンダムアストレイのブルーフレームだよ!」
ほむら「よく出来ているわね(合わせ目が気になる……)ところでまどか。
ブルーフレームのパイロットの中の人はジェリドと同じ人よね」
まどか「いい声だよね~」
ほむら「ジェリドといえばあの機体はMGで出ないかしら? ほら、あのシルエットが独特な」
まどか「シルエット……。ああ! バリュート装備のマラサイ? ほむらちゃん通だねぇ」
ほむら「いやちが」
まどか「バリュートは無理だけどマラサイならユニコーン効果であるいは……」
ほむら「だから……」
~またまたある日~
まどか「ほむらちゃ~ん! ブレイヴの指揮官用試験機が出来たよー!」
ほむら「よく出来ているわね(変形固定用のピンが折れてる……弄り過ぎたのね)」
まどか「ところでほむらちゃん。なんでHGのジンクスⅣは出ないのかな? 劇場版ではあんなにハシャいじゃってたのに」
ほむら(来た! 前はこのせいでまどかの願いの対象がHGになったんだ……。ならまどかの気を少しでもMGに向けるべきね)
ほむら「まどか、諦めなさい。HGは」
まどか「HGは?」
ほむら「そうよ。でもMGなら……、ジンクスのフレームが流用出来る。可能性は低くないわ」
ほむら(高くもないけどね)
まどか「あ……」
ほむら「それにMGの展開はわりと読めないところがあるわ。もっとも、最近はカトキさんに少し偏ってるようだけど……」
ほむら「諦めては駄目よ、まどか。希望はいつももっていなくちゃ」
まどか「……うん。ありがとほむらちゃん。なんだか希望が持てたよ」
ほむら「話は変わるけど、試験機といえばキリマンジャロでテストをしていたあの機体。とてもかっこいいわよね」
まどか「うーん……。サイコガンダム……じゃないよね。ごめん、わからないや」
ほむら「くそっ……くそっ……」
ほむら(そして数日がたった。……まどかの洗脳もままならないまま、運命の日が来た……)
キュゥべえ「僕と契約して、魔法少女になってよ!」
まどか「えぇ!?」
キュゥべえ「魔法少女になれば願い事を一つだけ、叶えてあげられる」
まどか「願いって……。どうしたらいいかな、ほむらちゃん?」
ほむら「なりなさい」
まどか「えええ!?」
キュゥべえ「僕としては早いほうが助かるな、まどか」
まどか「だって……。いきなり願いだ魔法少女だって言われても……」
ほむら「まどか。私も魔法少女なの。ほら」ヘンシーン
まどか「ほむらちゃんも!? それなら……」
絶対またプラモ持ち逃げするつもりだろwwwwww
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 20:34:00.83:L454baQG0キュゥべえ「さあまどか。早く願いを!」
まどか「……」
ほむら「……」
まどか「私、誰にも迷惑をかけない塗装環境が」
ほむら「私の家を使うといいわ」
まどか「本当に!? ほむらちゃん大好き!」
ほむら「……」テレ
キュゥべえ「まどか。他に願いは無いのかい?」
まどか「それなら……」
ほむら「……」
まどか「私、お金が欲しい。どんなに高いプラモを買ってもなくならないほどのお金が」
ほむら「はい、百万円。あげるわ」
まどか「嬉しい! 抱いて!」
ほむら「そういうのはやめて頂戴」
まどか「そうなの? 残念」
キュゥべえ「……他は」
まどか「他? ……ふむむ」
まどか「あ、そうだ!」
キュゥべえ「願い事が決まったのかい?」
まどか「……うん」
ほむら「……」
まどか「私、HGのジンクスⅣが」
ほむら「ここにあるわ」ポン
まどか「!?」
キュゥべえ「!!?」
ほむら「やべ」
まどか「ど、どういうことなのほむらちゃん!? 00のHGの展開はブレイヴで止まっちゃったんだよ!」
ほむら「……」
キュゥべえ「まさか君は……!」
まどか「ほむらちゃん!?」
ほむら「私ね……」
まどか「?」
ほむら「私ね、未来から来たんだよ……。そのジンクスも未来のもの。
何度も何度も繰り返して。それでもバイアランが発売されなくて……」
まどか「え……?」
キュゥべえ「バイアラン。確かティターンズの試作MSだったね」
ほむら「どうすればバイアランが発売されるのか、その答えだけを探して……」
ほむら「苦しんで、苦しんで。他のあなたを犠牲にしても得られたのはHGバイアランと愉快な仲間達だけ……」
キュゥべえ「暁美ほむら……」
ほむら「ごめんね……、わけわかんないよね。気持ち悪いよね……」
まどか「ほむらちゃん……」
ほむら「……」ニヤ
まどか「わかったよ。私、契約する。でも……」
まどか「私、踏み台にはなりたくない。私がほむらちゃんのために願ったのに、
ほむらちゃんがプラモだけ回収して過去に逃げるなんて結末は嫌」
ほむら(バレてたか)
まどか「だから……私は願う」
キュゥべえ「さあ、まどか。君はどんな祈りをするんだい?」
まどか「……」
ほむら「……」
まどか「バンダイさんのこれからの……数年後、数十年後でいい。発売予定にPG、MG、RG、その他全てのバイアランを組み込んで!」
ほむら「なっ!」
キュゥべえ「その祈りは!?」
まどか「この願いならほむらちゃんはこの時間に留まらざるをえない。その上ほむらちゃんの願いも叶うし、みんな幸せになれる」
キュゥべえ「……いいんだね、まどか」
まどか「……」コクリ
ほむら「全てのバイアランの発売ですって……? まどか……、あなたは。……あなたは」
まどか「……?」
キュゥべえ「?」
ほむら「あなたは私の、最高の友達よ!!」ダキッ
まどか「わぁ!?」
ほむら「まどか! まどかぁ!!」
まどか「えへへ。ほむらちゃんも私の最高の友達だよ!!」
~1年後~
キュゥべえ「ついに明後日発売だね、MGバイアラン」
ほむら「ええ、そうね。あなたはそういう奴よね」
キュゥべえ「? どういうことだい?」
まどか「ほむらちゃ~ん! バイアラン買って来たよー!」
ほむら「ほら」
キュゥべえ「発売日は土曜日ではないのかい?」
ほむら「売りだすところは意外と早く売りだすものよ」
キュゥべえ「ふーん。しかしこのプラモデルというものは面白いね。まさか僕まではまってしまうとは思いもしなかったよ」
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102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 21:17:51.41:L454baQG0ほむら「私にはわからないわね。アリシアちゃんやらセイバーさんやら。そんなにいいものかしら?」
キュゥべえ「あまり僕のアリシアをバカにしないで欲しいなあ。OIGAMIを背負った姿、最高にかっこいいじゃないか」
ほむら「重量過多じゃないのかしら?」
キュゥべえ「それが許されるのがプラモのいいところだよ」
ほむら「あら、異星体のくせに随分わかったような口を効くじゃない」
キュゥべえ「僕には君のほうがわからないけどね。なんだい? その奇妙な熊は」
ほむら「ベアッガイよ。目からビームを出せるわ。とてもプリティーでしょう」
キュゥべえ「まだ僕のほうが可愛いと思うけどなぁ」
まどか「はいはい二人とも、喧嘩しない。ほら、キュゥべえも、頼まれていたやつだよ」
キュゥべえ「ありがとうまどか! ビックバイパーを買って来てくれたんだね!」
まどか「はい!」
キュゥべえ「……」
キュゥべえ「スカイガールズ版……! これは!?」
まどか「あはは! 冗談だよキュゥべえ! はい、コトブキヤさんの!」
キュゥべえ「感謝するよ、まどか!」
まどか「……あれ? ほむらちゃんは?」
キュゥべえ「?」
まどか「どうしたの? ほむらちゃん」
ほむら「ああ、まどか。いえね、まさかこんなにも平穏な日々が訪れるとは思わなかったから……」
まどか「ふふ、そだね」
ほむら「ふぅー」
まどか「あ、そうだ。どうでもいいけどジ・Oってマミさんっぽいよね」
ほむら「そうかしら?」
まどか「黄色いし、巨体のくせに素早」
ほむら「やめなさい。せめてサバーニャとでも言ってあげなさい」
まどか「でも小説版のジ・Oは全身が砲門なデb」
ほむら「やめなさい」
キュゥべえ「ところでほむら。バイアランの箱、開けないのかい?」
ほむら「急かさないで頂戴。今から始めるわ」
まどか「私も買って来たんだった! ほら、ゴッドガンダムだよ! 私に相応しいと思わない?
ほむらちゃんにわたしの、最高の全塗装を見せてあげるよ!」
ほむら「アルティメットガンダムの方が相応しいと思うけど……」
キュゥべえ「頑張るんだね、まどか」
まどか「てぃひひ」
キュゥべえ「それにしても、バイアランの肩はやけにヒケが酷いね。ヤスってもキリがなさそうだよ」
ほむら「ボヤいたってしょうがないわ。さ、組むわよ」
まどか「うん!」
ほむら(組み立てと購入ばかりを繰り返す。どうしようもない世界だけど)
ほむら(それでもジンクスⅣは、かつて他の時を生きるまどかが作ろうとした機体なんだ)
ほむら(それを覚えてる。決して、忘れたりしない)
ほむら(だから私は、プラモを)
まどか「あ! パーツが飛んでいっちゃった!」
ほむら「!?」
ほむら(せっかく綺麗に締められると思ったのに……)
まどか「わあぁ! キュゥべえ!」
キュゥべえ「え!?」ゴックン
ほむら「」
まどか「」
キュゥべえ「……間違えて背中の口で食べちゃったよ。きゅっぷい」
ほむら「な、なんてことを」
まどか「ちょっとぉ! 吐き出してよー!!」
キュゥべえ「ごめん……、無理なんだ」
まどか「ごめんで済んだら部品注文はいらないんだよ!」
キュゥべえ「ごめんよ……」
ほむら「はぁ……。まどか、そこのパーツなら…………」
(……どうしようもなくもない。幸せな世界で……)
(私は、プラモを組み続ける)パチッ
おわり
おしまいです
バイアランがヤバい。試作機にも関わらずアムロさんが当然のように名前を知っていたり、飛行出来るのにSFSを使ったり格好良過ぎ
コスト250という悲しみを背負わされたりすることもあるし、
ヘイズルのイカロスユニットの方がGジェネだと使いやすかったりもするけれど、バイアランは素敵です
聞けばユニコーンの方でもはしゃいじゃってるみたいなんでそちらも期待しています
最後までありがとうございました
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 22:03:45.10:zJsDrdqe0バイアランがヤバい。試作機にも関わらずアムロさんが当然のように名前を知っていたり、飛行出来るのにSFSを使ったり格好良過ぎ
コスト250という悲しみを背負わされたりすることもあるし、
ヘイズルのイカロスユニットの方がGジェネだと使いやすかったりもするけれど、バイアランは素敵です
聞けばユニコーンの方でもはしゃいじゃってるみたいなんでそちらも期待しています
最後までありがとうございました
この作者は出来る。何かが。
とりあえず乙でした
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 22:20:18.26:rBgGPRDn0とりあえず乙でした
冗談抜きでHGUCのバイアラン欲しいわ
136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 22:29:29.01:akOl4Qs40
久々にいいSSを見たわ
俺も明日こそはMGユニコーンの角の部分塗装に挑戦してみる
138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 22:30:58.66:+cJBhLtL0俺も明日こそはMGユニコーンの角の部分塗装に挑戦してみる
乙
バイアランへの愛が感じられて素晴らしい。
ユニコーンでバイアランが暴れてるだと……小説ではそんな描写なかったからwktkが止まらん
139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/02(日) 22:31:00.47:rEEgedTi0バイアランへの愛が感じられて素晴らしい。
ユニコーンでバイアランが暴れてるだと……小説ではそんな描写なかったからwktkが止まらん
なんか知らんが面白かった
早くジンクスⅣキット化すれ
早くジンクスⅣキット化すれ
コメント 23
コメント一覧 (23)
これは卑怯だろw
もう塗料が劣化しちゃってるよ…
ほむらがまどかより自分の欲望優先で動くSSは当たりが多い気がする
ほむらの姿をした別人だけどね。
正直まどかそっちのけでHGバイアランに執心しているのには
笑いつつも複雑な気持ちにもなった。
にしても本当にGN-X IVキット化してくれないのだろうか?
ロボット魂も限定販売みたいだし
確かにゴッドガンダムの神じゃないなw俗っぽいし
さぁ全てのグレードでバイアランを発売するんだ!
試作カラーと採用版カラーの二種類をな!
あとバイアランのスラスター推力のデータさっさと修正しろ腋のスラスター4つ分が抜けてるんだよ!
アリーヤは飽き飽きなんだ、早くアルギュロスを…更に言えば月輪を…