1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 05:22:29.50:U6dOGIO20

海岸

釣り師「……」

少女「……もぐもぐ」

釣り師「おい」

少女「お兄さん、良い餌使ってないね。もっとこう生きのいい餌にしたほうがいいよ?」

釣り師「それ、ルアーだ」

少女「―――あだだだ!!!口の裏に針が刺さった!!」

釣り師「お前、誰だよ!!」

少女「はえ?誰って……人魚ですけど、なにか?」

 
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 05:26:07.59:U6dOGIO20

釣り師「……いいから、ルアー返せ」

少女「あがが……ふう……取れた。はい」

釣り師「涎と血が……きたねえ……」

少女「いやー。久々に陸にあがっちゃったなぁー」

釣り師「……なあ」

少女「ん?」

釣り師「人魚って言ったな?」

少女「はい」

釣り師「俺にはスクール水着を着た、中学生ぐらいにしかみえないが?」

少女「あっはっはっは。何を馬鹿な。こうやって胸のところに『にんぎょ』ってちゃんとかいてるでしょ?」

釣り師「……」

少女「それにしてもここはいつもかわんないなぁー。ま、一昨日も陸に上がったんですけど!」

釣り師「なんだ、こいつ」

 
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 05:30:15.92:U6dOGIO20

少女「いや……やっぱ、陸は寒いですね!!」

釣り師「もう秋だからな」

少女「お兄さん、なにか暖かいものを」

釣り師「……お前、人間だろ?」

少女「人魚ですって」

釣り師「人魚っていったら、普通は下半身が魚じゃないのか?」

少女「あはははははは!!お兄さん、人魚童貞?」

釣り師「人類の大半はそうだろうな」

少女「人魚は人類です。だから、見た目は貴方達と変わりません」

釣り師「その水着は?」

少女「これは我々の民族衣装です」

釣り師「変わった民族だな」

少女「そんなことな……は……は……はっくしゅん!!―――あはー、はなみじゅーでだー」

釣り師「きたねえ……」

 
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 05:35:06.73:U6dOGIO20

少女「お兄さん、ティッフちょーらい」

釣り師「ほらよ……」

少女「ありがほお……チーン!!」

釣り師「ほら、この上着貸してやる」

少女「マジで!?お兄さん、優しいね。どう?私が好きになったら、惚れる?」

釣り師「……で、なんでこんなところで泳いでたんだ?」

少女「えー?お姉ちゃんがコンビニでスルメ買ってこいって言うから、まあ、陸を目指してたんだけど」

釣り師「スルメ……」

少女「そこに私好みの餌が泳いでたから、パクって」

釣り師「お前ら、人魚なんだよな?」

少女「なんどいえば分ってくれるの?」

釣り師「魚とか海の生き物食ってんのか?」

少女「そこにしか食糧ないし」

釣り師「共食いじゃねーのか?」

少女「いや、人魚と魚は同胞じゃないよ?何言ってるの?」

 
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 05:39:57.69:U6dOGIO20

釣り師「魚と会話できたりするんじゃないのか?」

少女「あはは。ラノベのよみすぎー」

釣り師「……」

少女「そんなの絵本の中だけだよー?」

釣り師「お前が人魚っていうのが本当に信じられないんだけど……証拠はあるのか?」

少女「証拠?」

釣り師「人魚ってことが一発で分かるものとかねーのか?」

少女「……ふふーん!!」

釣り師「なんだ、貧相な胸を張っても悲しいだけだぞ?」

少女「ちがっ!?ここ、ここ!!『にんぎょ』って書いてあるでしょ!?」

釣り師「書いただけだろ」

少女「もう……だから人間は嫌い……全然信じてくれないし」

釣り師「無理だろ」

少女「かわいいから!?」

釣り師「いや……かわいいけど」

 
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 05:43:58.11:U6dOGIO20

少女「っと、こんなところで油を売ってる場合じゃなかった!!」

釣り師「どっか行くのか?」

少女「スルメ、買いに!!」

釣り師「車に気を付けてな」

少女「ありがとーお兄さん!ティッシュ、柔らかかったよ?」

釣り師「上着の礼を言えよ」

少女「おお、そうだった。はい、上着。あまり温かくならなかったのは内緒ね?」

釣り師「誰にだよ」

少女「じゃ、また運命が交錯したら会おうね~!!」

釣り師「ああ……」

少女「ばいば――――ふぎょ!?」

釣り師「あ、こけた」

少女「えーい!!こんなところに石を置いたやつはだれだー!!」

釣り師(元気そうだし、大丈夫か……さてと、釣りの続きでもすっか)

少女「犯人は波ですな!!」

 
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 05:48:40.40:U6dOGIO20

―――数十分後

釣り師「釣れないな……ふわぁぁぁ」

釣り師「……」

少女「わたし、だーれだ!」

釣り師「なんで俺の顔を覗き込んでそれを言うんだ。普通は手で目を隠すだろ」

少女「おぉ。じゃあ、はい。―――だーれだ♪」

釣り師「おせーし、前から隠すな。うっとうしい」

少女「文句多いなぁ。人魚童貞め」

釣り師「お前が人魚なら、もう童貞じゃないな」

少女「ひ……私の処女が……これで30人目……くらいかな?」

釣り師「買い物は終わったのか?」

少女「うん!ばっちりだよ!」

釣り師「良かったな」

少女「ねえねえ、釣れてる?」

釣り師「見ての通りだ。まだ収穫ゼロ」

 
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 05:51:57.82:U6dOGIO20

少女「そっか」

釣り師「ああ」

少女「~♪」

釣り師「……」

少女「つがるかいきょぉぉふゆげぇーしきぃぃ♪」

釣り師「おい」

少女「ん?」

釣り師「魚はやらないぞ?」

少女「えー!?なんでー!?!?」

釣り師「なんで、当然のように貰おうとしてるんだよ!?」

少女「だって、お兄さんに口の中、ズタズタにされたし」

釣り師「それは……まあ、悪かったけど」

少女「では、遠慮なく♪」

釣り師「隣で待つなよ!?」

少女「なんでー?いいじゃなーい」

 
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 05:55:46.49:U6dOGIO20

釣り師「よくねーよ。早く帰れよ」

少女「ぶー」

釣り師「お姉さんが待ってるんじゃないのか?」

少女「へーきへーき。今、お姉ちゃんは爆睡してるから」

釣り師「もう朝だぞ?起こさなくてもいいのか?」

少女「今日は祝日だし」

釣り師「人魚の世界も祝日があるんだな」

少女「まあね」

釣り師「……お!?」

少女「竿が痙攣してますよ!?エロいですねー!!」

釣り師「どこ見ていってんだよ!?」

少女「うは」

釣り師「そ、それより今度こそ大物が!!」

少女「ふれーふれー!お兄さん!今晩のおかずはマグロの塩焼きがいいなー♪」

釣り師「手伝えよ!!」

 
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 06:00:17.85:U6dOGIO20

釣り師「ふぬぬぬ……!!」

少女「うおー!!―――お兄さん!!あっちにサーファーがいますよ!!」

釣り師「お前、釣れても絶対に分け前はやらん」

少女「それは困る」

釣り師「なら、手伝え!!」

少女「はいはい。―――オーエス」

釣り師「袖を摘まむだけで手伝ってると言えるのか?」

少女「えー?」

釣り師「ほら、お前も竿を引け!」

少女「はいはい、人使いが荒いんだから……いや、まあ、人魚だし、ここは人魚使いと言ったほうが文法的に……」

釣り師「……」

少女「に、睨まないで……冗談、ですって……」

釣り師「早く」

少女「わかりましたよ。―――おりゃぁぁぁ!!」

釣り師「おし!もうちょいだ!!影が見えてきたぞ!!」

 
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 06:03:53.36:U6dOGIO20

少女「カジキマグロをしょもぉぉぉぉ!!!」

釣り師「えぇぇぇい!!」

姉「ぬわーーー!!!」

釣り師「……」

少女「あー♪お姉ちゃんだー♪」

姉「いってー!!なんだこれ!?釣り針かよ!!ひっでー!!」

少女「お姉ちゃん、はい、スルメ♪」

姉「あがが……ふう……お、サンキュー」

少女「珍しいね、浅瀬まで来るなんて」

姉「いや、なんか寝ぼけてここまで流されちゃったよ」

少女「もう、お姉ちゃんはドジっ子なんだからぁ」

姉「おまえに言われたくないやい」

少女「あははは」

姉「あははは」

釣り師「―――さてと、今日は日が悪いな。帰ろう」

 
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 06:07:47.28:U6dOGIO20

少女「あれ?帰るの?」

姉「誰?このおっさん」

釣り師「まだ20代だ!!」

少女「今日の食材屋さん」

姉「へえ。でかいの頼むわ」

釣り師「なんで、俺がお前らのために釣らなきゃいけないんだよ?」

姉「なんでって」

少女「さあ?」

釣り師「……で、あなたは?」

姉「私?―――どう?見て分かるでしょ?」

釣り師「分かるかよ」

姉「人魚です」

釣り師「俺にはビキニのエロい人にしか見えない」

姉「エロいって……どこみてんのよ!!エッチ!!」

釣り師「なんで尻を手で隠すんだ?普通、胸だろ」

 
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 06:10:16.55:q15/LRuXO
姉www

 
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 06:11:18.29:U6dOGIO20

姉「え?」

少女「ほらほら、人魚と人間はセックスアピールするとこが違うじゃない」

姉「ああ。そっか」

釣り師「何言ってんだよ」

姉「それより、はよはよ」

少女「おっきいの釣って♪釣って♪」

釣り師「うっせーな……」

姉「あ、じゃあ、このスルメあげるから」

釣り師「いらねーよ!!」

姉「おいしいのに……もぐもぐ……」

少女「ねー?……もぐもぐ」

釣り師「はぁ……少し待ってろ」

姉「いいよー……はい、あーん」

釣り師「……もぐもぐ……」

少女「今日はいいてんきだねー」

 
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 06:16:10.60:U6dOGIO20

―――十数分後

姉「ふわぁぁぁ……」

少女「テトラポットのぼおってぇー♪」

釣り師「……一つ、聞いてもいいか?」

姉「スリーサイズは、上から84―――」

釣り師「違う」

少女「私はねー、74―――」

釣り師「いいから」

姉「違うの?男は訊きたがるってきいたけど?」

釣り師「いや、俺が訊きたいのは、本当に人魚なのかってこと」

少女「まだ、信じてないんですか?」

姉「なに?人魚童貞?私で卒業しちゃう?うふ」

釣り師「人魚童貞ってどうやったら卒業できるんだよ……」

少女「え……そ、それは……えっと……あの……うぅ……」

釣り師「そこで恥ずかしがるのな」

 
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 06:21:25.87:U6dOGIO20

姉「なに?どうやったら信じるわけ?」

釣り師「なんか、話を聞いてたら俺の知っている人魚のイメージとはかけ離れてて、信じられないんだ」

少女「というと?」

釣り師「下半身が魚じゃないし……魚と話もできないんだろ?」

姉「なにこいつ?馬鹿?」

少女「お姉ちゃん、そんな本当のことをいっちゃだめだよ?」

姉「だってー」

釣り師「おい」

姉「じゃあ、海中素潜りでもやろっか?」

釣り師「ああ、それいいな」

少女「おおー」

姉「んじゃ、見てなさいよ……そりゃー!!!」

少女「がんばれー!!」

釣り師「まあ、十分ぐらい潜ってられたらほんも―――」

姉「―――ぷはぁ!!クラゲが山ほどいるからやめとく!!―――いた!!!刺された!!!」

 
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 06:25:44.73:U6dOGIO20

少女「だ、だいじょうぶ?」

姉「いってー……最悪……責任とりなさいよ!!」

釣り師「なんで俺が!?」

姉「あんたのために飛び込んだんだから、当然でしょ?」

少女「そうだー!カジキマグロをとれー!」

姉「もしくはイワシだー」

釣り師「……もういいよ。黙って見ててくれ」

少女「あー?信じてないでしょー?」

姉「もういいよ。こいつは一生、人魚童貞決定ね。魔法使いになって賢者になればいいのよ」

釣り師「言ってろ」

少女「でも、そうなると暇だねー?」

姉「そうだなぁ……お!じゃあ、あれやるか」

少女「え?もしかして……あれですか?」

釣り師「……何やる気だ?」

 
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 06:29:49.91:U6dOGIO20

姉「―――オォォォォォォ!!!」

人魚「どうかした?」

人魚「なになに!?」

人魚「おっはよー」

釣り師「うわぁぁ!!!海からいっぱいなんか出てきた!?!」

少女「みんなー、人魚衰弱やろうよー」

人魚「朝から元気だねー」

人魚「えー……いいよー!」

人魚「やったー!人魚衰弱だー」

釣り師「……人魚衰弱……?」

姉「じゃあ、みんな位置についてー」

人魚「「おー」」

釣り師「……?」

少女「よーい……ドン!」

釣り師「……」

 
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 06:33:50.31:U6dOGIO20

姉「……(プカー」

少女「……(プカー」

人魚「「……(プカプカ」」

釣り師(水死体が浮かんでるようにしか見えんぞ……)

姉「…………」

少女「…………」

釣り師(静かになったし、まあ、これで釣りに集中できるな)

人魚「……ぷはぁ!!もうだめ!!」

人魚「―――はぁ……はぁ……苦しい……」

人魚「ぶはぁあぁ!!?きっつう……」

釣り師「……」

少女「ぷわぁ!?―――あーん、またお姉ちゃんがトップかぁ……」

姉「」

少女「あれ?お姉ちゃん?―――大変!!お姉ちゃんが溺れたー!!」

釣り師「あいつら、やっぱり普通の人間か」

 
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 06:37:26.68:U6dOGIO20

少女「人工呼吸しないと!!」

人魚「あ、そこの人!」

釣り師「なんだよ?」

人魚「なんだじゃないっしょ。早くする!」

釣り師「はぁ?」

少女「お兄さん、お姉ちゃんを助けて欲しいの……」

釣り師「なんで俺が!?」

人魚「私たちは人間の男に人工呼吸してもらわないと……死ぬんです」

釣り師「嘘付け」

少女「本当だって!!お願い!!早くしないと死んじゃう!!」

姉「……」

釣り師「………」

姉「……」

釣り師「……脇腹、くすぐったらどうなるんだ?―――こちょこちょ」

姉「―――ぶっ!!あははははは!!!やめて!!わたし、そ、こ……よわいのぉ……!!」

 
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 06:40:53.16:U6dOGIO20

釣り師「釣りの邪魔するな」

少女「ごめんなさーい……」

姉「みんな、ばいばーい」

人魚「うん」

人魚「またねー」

釣り師「海には戻っていくのか……」

少女「まだ、釣れないの?」

姉「早くしてよね」

釣り師「うっせえな。お前らが海中で騒ぐから魚が逃げたんじゃねーの?」

少女「マジ!?」

姉「そ、そうなの……ご、ごめんなさい……」

釣り師「い、いや……そこまで落ち込まなくても……」

少女「お姉ちゃん、少し大人しくしてよ?」

姉「そうね……」

釣り師「ず、ずいぶん物分かりがいいな……」

 
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 06:44:54.20:U6dOGIO20

少女「……」

姉「……」

釣り師(なんか静かになると気味悪いな)

少女「……で……」

姉「……あ……そ……」

釣り師(……なんだ?)

少女「……やっぱり、言った方がいいよ」

姉「……そうね」

釣り師「……どうした?」

少女「あ、あの……お兄さん?」

釣り師「なんだよ?」

少女「……ここ、お魚、いないよ?」

釣り師「……」

姉「釣り場はもっと向こうだけど?」

釣り師「……なんで、それを先に言ってくれないんだ……」

 
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 06:49:53.50:U6dOGIO20

少女「あ、なんかいるのかなって」

姉「私達も全ての海域を知ってるわけじゃないから、例外があるかもって思ってたんだけど」

少女「うん……今のお兄ちゃんの言葉で……やっぱりここにはお魚いないんだなーって」

姉「ごめんね?まあ、大物が二人も釣れたし、大漁じゃないの?」

釣り師「……帰る」

少女「えー!?場所、変えて続きやってよー」

姉「ハマチまだー?」

釣り師「もういいよ……」

少女「すっかり萎えちゃったみたい」

姉「ま、私たちも悪いけど……」

釣り師「……じゃあ、ちょっと話さないか?」

少女「え?なにについて?」

姉「引き潮?」

釣り師「違う……人魚について」

少女「はぇ?」

 
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 06:55:46.62:U6dOGIO20

釣り師「人魚について話してみてくれないか?」

少女「どういうことですか?」

釣り師「いつまでも人魚童貞はやだかなら」

姉「ふーん……じゃあ、何から聞きたい?」

釣り師「そうだな……普段はどんな生活してんだ?」

少女「いつもは海中で寝起きしてるかなぁ?」

姉「まあ、人魚だしね」

釣り師「一日のスケジュールはどんな感じなんだ?」

少女「えーと……朝起きて、顔洗って、学校に行って、部活して、家に帰って、ご飯食べて、お風呂にはいって、寝る」

姉「まあ、そんな感じね」

釣り師「人間と変わんねえな。―――じゃあ、人間と違うところはないのか?」

少女「人間と違うところ……?」

姉「……エラ呼吸?」

少女「あはは、エラないよー」

姉「あ、そっか!」

 
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 07:00:35.81:U6dOGIO20

釣り師「……そうだ。お前ら、どうやって呼吸してるんだ?」

少女「え?」

釣り師「エラ呼吸じゃないなら……どうやって……」

姉「うーん……考えたこともなかったなぁ……」

釣り師「え……?」

少女「多分、海のご加護とかじゃないかな?」

釣り師「あのなぁ……もっと生物学的な答えを……」

姉「いや……確かに人間と変わらないけど、人間じゃなくて人魚だから」

少女「そーそー」

釣り師「……からかってんのかよ」

少女「そんなことないよ」

姉「うんうん」

釣り師「……わかった。お前らの家を見せてくれないか?」

少女「え?い、家ですか……!?」

釣り師「ああ、海中に連れていってくれよ」

 
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 07:06:07.02:U6dOGIO20

姉「息が続くの?」

釣り師「勿論、後日だ。色々準備してくる」

少女「だ、大丈夫なんですか……?」

釣り師「一応、ダイバーの資格もある」

姉「本気……?」

釣り師「なんだ、無理なのか?」

少女「い、いえ……貴方が行きたいというなら……構いません」

釣り師「なら、決定だな」

姉「ふう……まあ、いいか」

釣り師「じゃあ、一週間後のこの時間に来るから」

少女「わ、わかりました……」

姉「……」

釣り師「ちゃんと約束は守ってくれよ?」

少女「は、はい」

姉「はいはい」

 
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 07:10:09.15:U6dOGIO20

釣り師「あ、少し待っててくれ」

少女「あ、はい」

姉「どこにいくの?」

釣り師「ちょっとな」

少女「―――お姉ちゃん……いいのかなぁ?」

姉「あの人、次第ね」

少女「……やだよ、私?」

姉「アンタが嫌なら私が……」

少女「お姉ちゃん!?」

姉「……仕方ないわ。それが私達の掟、でしょ?」

少女「……そうだけど」

姉「心配いらないわ。貴女が気にすることじゃない」

少女「うぅ……おねえちゃん……わたし……」

釣り師「おーい……って、どうかしたのか?」

姉「ううん。別に。それより何しに行ったの?」

 
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 07:16:29.51:U6dOGIO20

釣り師「ほら。今日は何も釣れなかったからな」

少女「え……これ」

姉「いいの?」

釣り師「ああ。まあ、コンビニで買ってきた弁当とおにぎりだけど」

少女「えへへ……ありがとう!」

姉「ちゃんと温めてあるじゃない。気が効くわね」

釣り師「海中には電子レンジなんてなさそうだからな」

少女「ほぉ……」

釣り師「な、なんだよ……?」

少女「いえ……久しぶりだったんで」

釣り師「何が?」

少女「私のこと……ホテルに誘わない男性……」

釣り師「お前……大変だったんだな」

少女「なんでか鼻息荒い太った人に目をつけられてました、いつも」

釣り師「そういう服装だしな」

 
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 07:19:35.93:U6dOGIO20

姉「その都度、私がその男を溺れさせたわけだけど」

釣り師「おいおい」

少女「これ、遠慮なしに頂きますね!」

釣り師「もっと、言い方があるだろ……まあ、いいけど」

姉「もう帰るの?」

釣り師「ああ。また、一週間後な」

少女「……」

姉「ええ。待ってるわ」

釣り師「じゃあ、また」

少女「……は、はい」

姉「ええ……」

釣り師(なんだ……?様子が違うな……)

釣り師(俺、なんか言ったか……?)

 
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 07:25:05.55:U6dOGIO20

―――1週間後 海岸

少女「できたー!!」

姉「ぐしゃー」

少女「わーん!!!小石で築いたアンコールワットがぁー!!!」

釣り師「楽しそうだな……」

姉「おー」

少女「あ、おはようございます」

釣り師「ああ」

姉「にしても大荷物ね」

釣り師「命を繋ぐものだからな」

少女「お持ちしますよ」

釣り師「大丈夫か?結構重いぞ?」

少女「大丈夫―――ぐほぉ!?お、おもすぎ……!?」

姉「ばかねえ、私がもって―――ぬわーー!!脱臼する!!」

釣り師「もういいよ。早く行こう」

 
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 07:29:09.00:U6dOGIO20

男「んじゃ、沖まで出るよ」

釣り師「お願いします」

少女「うぷ……船酔い、した」

釣り師「はえーよ」

姉「……おろろろ」

釣り師「……」

男「でも、娘さんたちはなにをしに?」

釣り師「ああ、二人は……」

少女「きにしないでくだ――――おろろろ」

男「まあ、いいけどね」

姉「はぁ……はぁ……」

釣り師「なんで船酔いなんてするんだ?」

姉「乗りなれてないからに決まってるでしょ?」

釣り師「……」

少女「うろろろろ!!」

 
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 07:42:21.50:U6dOGIO20

―――沖

男「じゃあ、気を付けてな」

釣り師「はい。―――ふっ」

少女「おー……じゃあ、お姉ちゃん?」

姉「ええ、行きますか」

男「え?ちょっと、二人とも?」

少女「ここまでありがとうござましたー♪」

姉「またね?」

男「え……あ、あぶな―――」

少女「私は鳥になる!!」

姉「ドルフィンキック!!」

男「あ―――潜った……」

男「大丈夫かな……?」

 
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 07:47:16.96:U6dOGIO20

―――海中

釣り師「(―――こっちだ)」

少女「なんですかー?」

姉「ぶくぶく言っててよくわかんないわよ。魚語でオッケーよ」

釣り師「……」

少女「よし、とりあえずこちらへ」

姉「引っ張っていってあげるわ」

釣り師「……」

少女「あー、みてください。私のゲロに魚がむらがってますよー」

姉「あらやだ。恥ずかしい」

釣り師「(そんな報告いらねーよ!!)」

少女「なんですか?ぶくぶく言っててよく分かりません」

姉「ぶくぶくー♪」

釣り師「(あとで犯してやろうか、こいつら)」

 
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 07:52:31.47:U6dOGIO20

少女「ふんふふーん♪」

釣り師(でも……こいつらが人魚って信じるしかないみたいだな……)

姉「あ、魚だ。―――キャッチ&ディナー!!……もぐもぐ」

釣り師(手づかみできるのかよ……)

少女「あ、やっほー」

人魚「あれ?人間の男を連れて、どうかしたの?」

釣り師(この前の人魚か)

姉「こいつが私たちの家に連れて行けっていうのよ」

人魚「え!?ほんとに!?」

少女「う、うん……」

釣り師(なんだ……?)

人魚「そう……さよなら」

少女「うん」

姉「またね」

釣り師(今、こっちを悲しそうな目で見たな……何かあるのか?)

 
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 07:56:54.13:U6dOGIO20

――人魚の里

少女「ここでーす」

釣り師「(ただの岩場じゃないか)」

姉「で、どっちの家に行きたいの?」

釣り師「(どういうことだ?)」

少女「それは……あの」

姉「私としては……妹じゃなくて私の家に来てほしいんだけど」

釣り師「(何かあるのか……?)」

姉「……」

少女「か、帰るなら、今のうちですよ……?」

釣り師「(はぁ?)」

姉「ダメよ。ここまで連れてきたらもう私達もこの人も引き返せないわ」

少女「……」

釣り師「(お、おい……なんだよ……?)」

姉「……いいから。決めて。どっちの家にいくの?」

 
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 08:00:45.44:U6dOGIO20

釣り師「(いや、折角だから二人の家に……)」

少女「な……!?!?」

姉「本気で言ってるの!?」

釣り師「(あ、ああ)」

少女「お姉ちゃん……どうする?」

姉「前例がないこともないけど……」

釣り師「(なんだよ?言えよ)」

少女「分かりました……こちらへ」

姉「いいの?」

少女「……うん」

姉「じゃあ、もう何も言わないわ」

少女「ありがとう……」

釣り師「(なんだよ……・?)」

姉「いい?貴方はもう……逃げられないからね?」

釣り師「(なに……?)」

 
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 08:04:46.81:U6dOGIO20

―――少女の家

少女「ど、どうぞ……」

釣り師「あ、ここ、空気がある……お邪魔します……」

姉「それじゃあ、また後でね」

少女「うん」

釣り師「……タンスとちゃぶ台はあるのか」

少女「あ、あの……」

釣り師「ん?」

少女「……ど、どうぞ」

釣り師「どうした?ちゃぶ台の上に寝るなんてお行儀悪いぞ?それともそれが人魚の作法か?」

少女「ち、違います……どうぞ」

釣り師「なにが?」

少女「…………人魚童貞……卒業、できますよ?」

釣り師「……は?」

少女「………きゃっ……そんなに見つめないでください……」

 
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 08:09:05.20:U6dOGIO20

釣り師「……」

少女「……あ、七輪で焼きます?」

釣り師「いや、どういうことだ?」

少女「いえ……ここに来た人間は私達を食べないといけません」

釣り師「なんで?」

少女「なんでって、ここで生活するためですよ」

釣り師「いや……」

少女「人魚を食べることで人間も水中で呼吸が可能になるのです」

釣り師「はぁ」

少女「―――さぁ。どうぞ。この後はお姉ちゃんも食べるのでしょう!?」

釣り師「え?いや……」

少女「この変態!!早くしてよ!!―――もう、私は……魚嫁に行けません……」

釣り師「……」

少女「おしょうゆは戸棚にあります!マヨネーズは持参してください!!」

釣り師「……どうすりゃいいだよ」

 
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 08:13:12.81:U6dOGIO20

少女「生が……おす、すめです……うぅ……ぐすっ……」

釣り師「ちょっと待て。俺はここに住む気なんてないぞ」

少女「ダメです」

釣り師「なにが?」

少女「ここの存在を知った以上は……地上には出れません」

釣り師「そういうことは先に言えよ!?」

少女「人魚の常識です!!」

釣り師「お前らの常識が人間に浸透してるとでも思ってんのか?!」

少女「はい!!」

釣り師「元気いいな」

少女「さあ……何も言わずに食べてください」

釣り師「……」

少女「頭からはちょっとやめてください。せめて手からお願いします」

釣り師「……パクッ」

少女「やぁはぁん……♪」

 
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 08:18:03.76:U6dOGIO20

釣り師「……ちゅぱ……じゅる……」

少女「はぁん……♪おに、いさん……指ばっかり……あぁん♪」

釣り師「……」

少女「……あれ?やめるの?」

釣り師「いや、くえねーよ」

少女「えー?食べてくれないとこーまーるー」

釣り師「ちゃぶ台でジタバタすんな」

少女「折角、お淑やかにしてたのにー」

釣り師「いや。そんな演技されてもな」

少女「いいからくえー!!膝からくえー!!」

釣り師「こえーよ!!」

少女「でも、食べないと……私が長に怒られちゃう……」

釣り師「長?」

少女「この掟を決めた人だよ?」

釣り師「……ふーん」

 
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 08:23:54.23:U6dOGIO20

少女「じゃあ、胸から?」

釣り師「……」

少女「お尻は……恥ずかしい……けど、お兄さんが……どうしてもっていうなら……うふ」

釣り師「……お尻って一番恥ずかしいところなのか?」

少女「きゃぁあ!?どこ触ってるの!?このスケベ!!」

釣り師「お前らの羞恥心がよくわからん」

少女「けだもの!!食べるなら指からにしてっていったのにぃ!!」

釣り師「悪かったよ……」

少女「ひーん……」

釣り師「……ちゅぱ……はむはむ……」

少女「ぉぉっほ♪」

釣り師「……」

少女「あ、ぅ……おにいさん……わ、たし……はぁん♪……もう……ぁ……♪」

釣り師「……何もしてないけど?」

少女「……」

 
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 08:28:08.13:U6dOGIO20

釣り師「……よし。とりあえず、その長にあってみるか」

少女「えー?!なんでー!?」

釣り師「俺はここに住む気なんてない」

少女「えー!?楽しいのにぃ……」

釣り師「……それに……」

少女「?」

釣り師「と、とにかく……長のところに案内してくれ」

少女「本当に会うんですか……?」

釣り師「なんだ、やばいのか?」

少女「い、いえ……やばいと言えば……まあ、そうですけど」

釣り師「会えるなら会いたいんだけど」

少女「わ、わかりました……」

釣り師「頼む」

少女(はぁ……どうなるんだろう……)

 
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 08:32:39.06:U6dOGIO20

―――長の家

釣り師「―――ごめんください」

長「はぁい?」

釣り師「ぶっ?!!」

長「あら、良い男じゃないの」

少女「もう、長。裸でいるのはやめてください」

長「人魚が服を着なきゃいけないなんてルールはないはずよ?」

少女「それは長が勝手にルールを変えたからじゃないですか!!」

長「私は長よ?―――股は広げても許される」

釣り師「わぁあああああ!!!!!」

少女「男の人の前でなにやってるんですか!!!」

長「なによ?あなた……人魚童貞?」

釣り師「いつになったら人魚童貞から卒業できるだよ……」

少女「とりあえず、股を閉じてください!!」

長「はいはい……うっさいわね」

 
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 08:38:28.66:U6dOGIO20

長「で、何用?」

釣り師「……」

少女「あの……お兄さん?何か、言わないと」

釣り師「正直……直視できない」

少女「……」

長「なに?結婚するの?じゃあ、早く食べちゃいな」

釣り師「い、いや……その、俺はここに住むつもりはないんです!」

長「あらま。どうしてぇ?ここは地上のように汗水流して働かなくていいわよぉ?」

釣り師「……それなりに地上の生活が気に入ってます」

少女「そうだったんだぁ」

釣り師「……」

長「ふーん。で、どうしたいわけ?」

釣り師「地上に帰ります」

長「そう……じゃあ、帰れば?」

 
101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 08:43:31.72:U6dOGIO20

釣り師「いいんですか!?」

長「くぱぁ」

釣り師「ぶっふぅ!?!」

少女「長!!」

長「冗談よ」

釣り師「冗談じゃないよ……股、広げんなよ」

長「いいわよ。別に。帰りたきゃ帰りなさい」

釣り師「でも……掟では……帰れないんじゃあ?」

長「え?今、変えたわ」

釣り師「……」

長「帰りたいっていう男は貴方が初めてだったからねえ。先代のルールを今、変えたの」

釣り師「初めて……?」

長「ええ。ここに来た男はみーんな、人魚に惚れこんじゃうからね。貴方は違うんでしょ?」

釣り師「あ、えっと……」

少女「……?」

 
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 08:47:10.10:U6dOGIO20

長「む……」

釣り師「……この子と一緒に地上へ行きたいんですが」

少女「えぇ!?」

長「そう来たか……」

釣り師「ダメ、ですか?」

長「うーん……」

少女「もう!やだなぁー!!なんの冗談!?」

釣り師「俺は真剣だ」

少女「うぐ……」

長「そんなちんちくりんでいいわけ?」

少女「酷い!?」

釣り師「構いません」

少女「フォローなーし!?」

長「……」

釣り師「……やはり、ダメですか?」

 
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 08:51:16.40:U6dOGIO20

長「一つだけ……約束を守ってくれる?」

釣り師「……はい」

長「―――必ず、その子を幸せにすること」

釣り師「はい……します」

長「浮気は絶対にダメよ?」

釣り師「はい」

長「さて……あなたは、どうなの?」

少女「はぅぅ……」

釣り師「……ダメか?」

少女「あ、あの……私でいいの?」

釣り師「勿論だ……」

少女「わた、しの……どこが……好き?」

釣り師「……俺、スク水が似合う女の子が好きなんだ」

少女「……」

釣り師「……正直、一目ぼれだった」

 
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 08:51:46.80:0jSZpY7y0
釣り師はロリコンだったんや!

 
114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 08:56:11.08:U6dOGIO20

少女「服……だけ?」

釣り師「……全部好きだ」

少女「……」

長「さあ、どうするの?」

少女「えと……じゃあ、あの……お友達、から……ま、まだ、お互いのことよくわかってませんし……」

釣り師「ああ……でも、すぐに恋人にしてみせるよ」

少女「あ……は、はい……期待、してます……」

釣り師「ありがとう」

少女「おぉ……そ、そんな……」

長「ふふ……よかったわねえ。まあ、地上の生活は大変だろうけど。頑張るのよ?」

少女「は、はい……!!」

釣り師「ありがとうございました!」

長「お幸せにね?」

釣り師「じゃあ、行こうか」

少女「う、うん……ふ、ふつつかな人魚ですが……どうぞ、よろしく……ね?」

 
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 08:58:34.70:A4jHO8I30
なんだこれ

 
117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 09:01:14.83:U6dOGIO20

―――姉の家

姉「さてと……胸には生クリームももったし……乳首にはイチゴものせた」

姉「お腹の上には刺し身ものせた……」

姉「股にはお酒も注いだ」

姉「もてなす準備は完璧ね」

姉「これが我が一族に伝わる秘伝……その名も『人魚盛り』!!」

姉「さあ、いつでも来なさい……」

姉「あの子のあとだから体力を消耗しているかもしれない……でも!!この腕にある牛肉でスタミナ回復も万全!!」

姉「ふふ……ついに私も人並みの幸せを手にするときがきた……」

姉「あはははは!!さあ、いつでもかもーん!!私達の王子様!!」

姉「……はっくしゅん!!!」

姉「にしても、この格好はひえるわねー……ずず……」

姉「早く来ないかしら」

 
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 09:05:16.10:U6dOGIO20

―――海岸

男「―――はーい、着いたよ」

釣り師「どうも」

少女「ありがとうございました」

男「いいってことよ。心配したんだぜ?」

釣り師「あはは」

少女「ごめんなさい」

男「……にしても、なにか忘れてないか?」

釣り師「え?」

少女「いえ?」

男「そうか?……なんか欠けてるような気がするんだけど……おっちゃんも歳だな……」

釣り師「それでは、これで」

男「あ、ああ」

少女「じゃあ、えっと……」

釣り師「これからは俺の家で住もう……さ、帰ろう」

 
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 09:11:14.27:U6dOGIO20

―――数週間後 釣り師 自宅

少女「あさですよー!!」

釣り師「あ、ああ……」

少女「ほらほらー……ん」

釣り師「ん!?」

少女「えへへ、はい。目が覚めた?」

釣り師「すっげー覚めた……もう一回、キスしてくれる?」

少女「だーめ!―――夜、まで……お、お預けだもん……」

釣り師「そうか……じゃあ、頑張ってくるよ」

少女「はい!」

釣り師「あ、そうだ。今週末、久しぶりに釣りに行こうと思うんだけど、一緒に行くか?」

少女「あ、うん!いくいくー!!」

釣り師「よし、じゃあ行こうな。夜中に出発するから、覚悟しとけ?」

少女「はーい♪やったー!久しぶりのデートッ♪デートッ♪」

釣り師「はは……さてと、朝ごはんにするか」

 
126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 09:15:36.61:U6dOGIO20

―――週末 海岸

釣り師「ここに来るのも久しぶりだな」

少女「うん……」

釣り師「君を釣ることができて良かったよ」

少女「私も……貴方に釣られて良かった」

釣り師「……ん」

少女「ん……ふふ」

釣り師「あはは……ちゃんと結婚しような?」

少女「はい……喜んで……」

釣り師「あ……リールが……!!」

少女「おお!すごい引きだ!!カジキマグロの予感!!」

釣り師「よし。引くぞ!!」

少女「おー♪」

釣り師「ぬおぉぉぉぉぉ……!!―――どりゃぁぁ!!!」

姉「―――ぬわーーー!!!!やっとみつけたぞぉぉぉぉ!!!!!きさまらぁぁぁ!!!!」

 
129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 09:20:32.76:U6dOGIO20

少女「お姉ちゃん!?!?」

釣り師「わ、忘れてた……」

姉「あがががが……ふん!!―――はぁ……はぁ……また、釣りあげてくれてありがとう……」

釣り師「あ、えと……」

姉「……してよ」

少女「え?」

姉「私とも結婚してよぉぉ!!長からきいたぞぉぉ!!妹ばかりずるいじゃん!!うわーん!!!」

釣り師「あぁぁ……泣いちゃった……」

少女「お姉ちゃん……」

姉「ひっく……えぐっ……わ、たしっだって……結婚……したもん……ぐすっ……」

釣り師「あー……」

少女「お姉ちゃん……じゃあ、三人一緒になろうよ」

釣り師「おい!?」

姉「え……?いい、の?」

少女「うん!私はいいよ!お兄さんも、いいよね?」

 
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 09:25:55.97:U6dOGIO20

姉「……」

釣り師「……」

姉「やったー!!」

釣り師「何もいってねえよ!?」

少女「これからは一緒だね、お姉ちゃん!」

姉「うん!よろしくぅ」

釣り師「……はぁ……」

少女「お兄さん……」

姉「あなた……」

釣り師「……こりゃ……確かに大物を釣り上げたなぁ……」

少女「さ、釣りの続きしよ♪続き♪」

姉「イワシ、ゲットだー♪」

釣り師「はいはい……じゃあ、がんばるわ……」

人魚姉妹「「がんばってね♪」」


おしまい。

 
137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 09:30:00.02:JN0cNpNi0
ちょっと釣り行ってくる

 
140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 09:37:05.88:U6dOGIO20
魚だからぶっかけが好きなんだろうな
みんな朝から乙でした

 
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 09:37:37.28:UoipoNNN0
これは近年稀にみる釣りスレ

 
143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 09:39:24.63:GNAq73J/0
おつ
今度釣り行ってお姉さん釣ってくる

 
144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 09:40:27.79:TY5roxn40
俺も魚釣りになろうとおもいました(40代独身)

 
150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 09:55:39.60:yid4+7hL0

面白かった

 
151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/10(月) 09:56:02.12:tJsy3RGL0

久しぶりにいい釣りだった

 


ぐるぐるログ