1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:19:47.63:dZaQwsey0

  **「はい、じゃあみんなに挨拶してね。」

  少年「今日からみんなと一緒にお勉強することになりました。よろしくお願いします。」

  **「あいつのウチ、かーちゃんいないらしいぜ。」

  **「なんかヨニゲ?してきたらしいよ?」

  **「ヨニゲってなんだ?」

  **「知らない。」

 
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:20:43.47:dZaQwsey0

  **「こら、そこ、ちゃんと聞きなさい。」

  **「はーい。」

  **「分からない事があったら、みんなに聞いてね。」

  少年「うん。」

  **「みんなも仲良くしてあげなさい。わかった?」

  **「はーい。」

 
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:21:20.34:dZaQwsey0

  お婆「どうだったぇ?ガッコは?」

  少年「うーん…」

  お婆「友達ぁでぎだが?」

  少年「わかんない。」

  お婆「前のガッコよりぁ子供すぐねだろ?」

  少年「うん。」

 
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:22:24.91:dZaQwsey0

  お婆「はよぅ馴染めだらええだがな…」

  少年「うん…」

  お婆「何ぞ嫌なこどでも言われだが?」

  少年「ううん。」

  お婆「おやつ出しといたで、食ってええど。」

  少年「ありがとう。」

 
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:22:59.79:dZaQwsey0

  少年「お父さんは?」

  お婆「さーで…今夜も遅くなるでねが?」

  少年「そっか…」

  お婆「寂しがか?」

  少年「ううん。おばーちゃんが居るし。」

  お婆「お前はええ子じゃの。」

 
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:24:18.53:dZaQwsey0

  **「お前んち、かーちゃん居ないってホントか?」

  少年「お母さんは入院してるんだ。」

  **「ふーん。」

  **「なんで引っ越してきたんだ?」

  少年「お父さんの仕事で…」

  **「ふーん。」

 
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:25:00.81:dZaQwsey0

  **「もういいや、行こうぜ。」

  **「そーだな。」

  少年「どこに行くの?」

  **「秘密基地。」

  少年「あ、待って。僕も…」

  **「お前はダメだ。まだニュウダンシカクもってない。」

 
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:27:37.91:dZaQwsey0

  お婆「ほうか、秘密基地なんぞ作っておるがか。」

  少年「おばーちゃん何か知ってる?」

  お婆「いんや。なーんにも。」

  少年「そっか…」

  お婆「たんだ、河童を退治するばゆうとったこだあっだな。」

  少年「河童?居るの?」

  お婆「見たちゅうもんはおる。が、ババは会ったこだねえなぁ。」

 
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:28:24.12:dZaQwsey0

  **「なんだ、仲間に入れて欲しいのか?」

  少年「うん。」

  **「じゃあ、ニュウダンシケンをしてやろう。」

  **「えー?こいつ入れんの?」

  **「昨日のアレ…な?」

  **「ああ!そういうことか。」

  **「そうだな!使ってみないとな!」

 
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:29:04.01:dZaQwsey0

  **「みんな持ってきたか?」

  **「おー!」

  少年「何をすればいいの?」

  **「昨日作った特製ゴム銃の実験台になってもらう。」

  少年「へ?」

  **「河童に通用するか試すんだよ。」

 
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:30:03.11:dZaQwsey0

  少年「痛い!痛いよ!」

  **「輪ゴム無くなった。分けてくれ。」

  **「その袋に入ってるよ。赤いのは取るなよ。トドメ用のスペシャルだ。」

  少年「まって!もうやめて!」

  **「ふーん…じゃあ、シケンは不合格な。」

  少年「そんなぁ…」

  **「わかったら帰れ。ついて来るなよ。」

 
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:31:26.08:dZaQwsey0

  少年「うー…」

  ??「アハハ、ひどい顔してるな。」

  少年「なんだよ?」

  ??「あの悪ガキどもにやられたんだ?」

  少年「君…誰?」

  ??「僕?僕はあいつらが退治しようとしてるモノだよ。」

  少年「河童!?」

 
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:32:24.16:dZaQwsey0

  河童「そのとーり。」

  少年「ふーん…」

  河童「なんだ、驚いて逃げないのか。」

  少年「別に…怖くなんかないし…」

  河童「あ、そっか、今日は変装してないや。」

  少年「変装?」

 
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:32:55.72:dZaQwsey0

  河童「河童って、どんな格好してると思ってた?」

  少年「皿があって…くちばしと水かきがあって、甲羅。」

  河童「うん、皿と水かきは合ってるけど、くちばしと甲羅は変装なんだよ。」

  少年「嘘だ。僕が都会から来たから騙そうとしてるんだろ?」

  河童「騙す意味がないと思うけどなぁ…」

  少年「河童なんているわけがないじゃん。」

 
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:33:32.07:dZaQwsey0

  河童「ほら、僕の手。ちゃんと水かき付いてるよ。」

  少年「手袋か何かでしょ。」

  河童「疑り深いヤツだなぁ…じゃあ、ちょっとこっちの手を引っ張ってみなよ。」

  少年「引っ張る?」

  河童「うん。思いっきりね。」

 
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:34:43.75:dZaQwsey0

  少年「手が、伸びた・・・!?」

  河童「伸びたっていうのはちょっと違うかなぁ。こっちの手は縮んでるでしょ?」

  少年「あ…」

  河童「ちょっとは信じる気になったかな?」

  少年「うん…」

  河童「じゃあ、悪いけど今度は逆にこっち引っ張ってよ。元に戻して。ね?」

 
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:35:26.89:dZaQwsey0

  少年「なんで僕に話しかけたの?」

  河童「なんでかな?友達になれたらいいなーって思って。」

  少年「なんだよそれ。」

  河童「なんだろうね?友達いない同士だから?みたいな。」

  少年「…っ!僕には…!」

  河童「いないだろ?」

 
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:36:38.86:dZaQwsey0

  少年「引っ越す前は居たんだよ。」

  河童「僕もここに来る前は居たよ?」

  少年「前?」

  河童「あの川のずっと上流、源流近くに住んでたんだけどさ。」

  少年「引っ越した?」

  河童「大雨の時に流されちゃって。」

  少年「戻らないの?」

  河童「恥ずかしいじゃん。」

 
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:37:23.41:dZaQwsey0

  河童「河童の川流れって知らない?」

  少年「なにそれ?習ってないよ。」

  河童「まあいっか。」

  少年「でも、今は友達いないけどそのうち作るもん。」

  河童「その初めの1人が僕じゃあ駄目なのかい?」

  少年「え…?」

 
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:38:01.41:dZaQwsey0

  少年「…別に…いいよ。」

  河童「それはどっちの『いい』なのかな?」

  少年「友達になっても…いいよ。」

  河童「やったね!」

  少年「一緒に…遊ぶ?」

  河童「うん!じゃあねぇ…とりあえず、相撲取ろう!」

 
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:38:45.25:dZaQwsey0

  お婆「今日はどうしだ?泥んこでねが。いじめが?」

  少年「ううん。違うよ。」

  お婆「ん?なにやらいい事でもあったべ?」

  少年「うん。まあ…わかるの?」

  お婆「その顔ば見りゃあな。」

 
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:40:03.06:dZaQwsey0

  少年「そう言えば、なんで変装なんてしてるの?」

  河童「ギャワ!ギャワ!」

  少年「それ外して。」

  河童「ギャワ…ああ、ごめんごめん。で、何?」

  少年「そのくちばしとか甲羅、なんで変装なんかするのって。」

 
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:40:49.52:dZaQwsey0

  河童「人間が寄って来ないようにだよ。」

  少年「なんでさ?」

  河童「怖いものには近付かないだろ?」

  少年「そうじゃなくて、人間を近づけたくない理由。」

  河童「めんどくさいから…かな?人間は僕らを捕まえようとするって聞いた。」

  少年「変装してたら逆に目立つんじゃないかな?」

  河童「さあね。昔からこうしてきたみたいだし、効果はちゃんとあったんだと思うよ。」

 
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:41:29.35:dZaQwsey0

  少年「僕はいいの?」

  河童「なにがさ?」

  少年「人間は近づけたくないのに、僕はいいの?」

  河童「いいんじゃない?まあ、君は友達だしね。」

  少年「そっか。そうだね。」

  河童「言ってなかったけど、僕のこと誰かに話した?」

  少年「話してないよ。でも、話しても誰も信じないよ。」

 
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:42:30.33:dZaQwsey0

  河童「大人はそうかな。でも、あの悪ガキ達はどうだろ…」

  少年「それだったら心配いらないよ。話すわけがないじゃん。」

  河童「別にあの子たちと話をするのはいいよ。僕の事は内緒にしてほしいだけ。」

  少年「でもなぁ…」

  河童「話をしろって言ってるんじゃないんだよ。」

  少年「ん?」

  河童「君が他に友達作るのを邪魔したくないの。」

 
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:43:15.58:dZaQwsey0

  少年「でも、あいつら秘密基地とか作ってて僕をのけものにしてるし。」

  河童「じゃあさ、僕たちも作ろっか。」

  少年「秘密基地を?」

  河童「そう、僕たちのだ。」

  少年「引っ越してきたばっかりだから、いい場所が分からないよ。」

  河童「僕のとっておきを教えるよ。そのかわり絶対秘密にして。」

 
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:43:59.97:dZaQwsey0

  河童「こっちこっち。」

  少年「そっちは川じゃないの?」

  河童「そうだよ?」

  少年「川の中に基地つくるの?」

  河童「まあ付いてきてよ。このカヤの茂みを抜けると…」

 
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:45:30.53:dZaQwsey0

  河童「ここなんかどうかな?」

  少年「すっげー!」

  河童「靴は濡れちゃうだろうけど、この辺は浅いからさ。」

  少年「まあ、それは仕方ないよ。」

  河童「雨が降ってもこの木が雨避けになるんだ。ま、僕は平気だけどね。」

  少年「この石に座ればズボンも濡れないね。」

  河童「僕は濡れてもいいけどね。」

 
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:48:46.62:dZaQwsey0

  河童「周りはさ、カヤに囲まれてて外から見えないし。」

  少年「この木にカゴとか付ければいろんなもの置けるね。」

  河童「気に入ってくれたかな?」

  少年「うん。でも、いいの?」

  河童「もう教えちゃったんだし、いまさらダメとは言えなくない?」

  少年「わかった。絶対秘密は守るよ。」

 
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:50:32.43:dZaQwsey0

  河童「あー…でも、1つだけお願いしてもいいかな。」

  少年「うん。何?」

  河童「ここじゃ、ちょっと無理だから一旦あがろ。」

  少年「だから、何?」

  河童「また僕と相撲取ってよ。」

 
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:54:46.97:dZaQwsey0

  少年「また負けたー!」

  河童「でも、惜しかったじゃん。」

  少年「相撲好きなんだ?」

  河童「うん。大好きだ。」

  少年「ここに来る前は他の河童とやってたの?」

  河童「ううん。僕は取らせてもらえなかった。」

  少年「ふーん。」

  河童「だから今は凄くうれしい。」

 
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:55:11.54:dZaQwsey0

  河童「もう…日が暮れちゃうね。」

  少年「そんな時間か。じゃあ明日いろいろ持ってくるから、基地作ろ。」

  河童「あ、あの…僕、鉄とか金っ気がニガテなんだ。だから…」

  少年「木とかロープならいい?」

  河童「それも、できれば切ってから持ってきてほしい。ハサミとかいらないように。」

  少年「わかった。じゃあ、また明日!」

  河童「うん。また明日!」

 
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 19:58:36.44:dZaQwsey0

  少年「だいぶそれっぽくなってきたんじゃない?」

  河童「うーん…そういうのは良く分からないな。」

  少年「今日はキュウリ持ってきたんだ。後で食べよ。」

  河童「ほんとに河童がキュウリ好きだと思ってるの?」

  少年「違うの?」

  河童「違わないけどね。」

 
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:02:14.49:dZaQwsey0

  河童「人間は河童にくちばしがあると思ってるんでしょ?」

  少年「普通はそうでしょ。」

  河童「くちばしでキュウリ、上手く食べれるかな?」

  少年「カラスとかは食べるよ。おばーちゃんが言ってた。」

  河童「あれは食べるっていうより、ついばむ。だね。」

  少年「大きいくちばしだったら食べれるんじゃないかな。」

  河童「くちばしがあるってことは、歯がないってことだよ。」

 
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:06:32.00:dZaQwsey0

  河童「だから、ちぎることはできても噛めないってわけ。」

  少年「それは食べることにはならないの?」

  河童「わかんない。でも、キュウリはこのポリポリの歯ごたえがいいんじゃないか。」

  少年「あー…それはわかるなぁ。茄子はポリポリしないもんね。」

  河童「茄子は嫌い?」

  少年「あんまり好きじゃないなぁ。でも、ちゃんと残さず食べれるよ。」

 
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:10:05.26:dZaQwsey0

  河童「相撲が好きなのに甲羅があるのも変だよね。」

  少年「そうなの?」

  河童「背中に固い甲羅があったら、体曲げられないよ。」

  少年「そっか、体をひねったりできなくなっちゃうね。」

  河童「まあ、人間が見るのはそういう格好に変装してる河童だから、仕方ないか。」

  少年「そうだね。仕方ないね。」

 
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:13:52.98:dZaQwsey0

  お婆「おめ、最近靴ブダブダにして帰って来るだな。」

  少年「あ、ごめんね。おばーちゃん。」

  お婆「あぶねトコさ寄っだりしでねばええだが。」

  少年「危なくないよ。川で遊んでるの。」

  お婆「んなら、今度がらは長靴履いて遊びに行くとええが。」

  少年「うん。そうする。」

 
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:14:24.29:dZaQwsey0

  河童「ねえ、これは何?昨日は無かったよね?」

  少年「鉄砲のおもちゃ。バネの力でこの弾を飛ばすの。」

  河童「弾?このつぶつぶが?」

  少年「BB弾っていうの。」

  河童「ふーん。これで遊ぶの?」

  少年「違うよ。警備のための武器にするの。ちょっと手のひら出して。」

 
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:18:05.87:dZaQwsey0

  河童「痛っ!これ痛いよ!?」

  少年「ね。もしもあいつらが来たらこれで追い払うんだ。」

  河童「でも、これ、怪我するよ。」

  少年「あいつらもゴム銃たくさん持ってたし。対抗するものがないと。」

  河童「ここにはそういう物は置いてほしくないな。」

  少年「何もないときには絶対に使わないよ?」

  河童「しょうがないか…本当は嫌だけど…」

 
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:19:19.33:dZaQwsey0

  少年「じゃあさ、君が持っててよ。本当にダメなら隠してもいいから。」

  河童「捨てちゃうかもしれないよ?」

  少年「それでもいいよ。」

  河童「じゃあ、預かるよ。」

  少年「………」

  河童「………」

  少年「相撲取ろっか?」

 
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:22:01.61:dZaQwsey0

  河童「負けた…」

  少年「勝ったー!」

  河童「なんか強くなった?練習とか稽古とかしてる?」

  少年「してないよ。」

  河童「じゃあ今度から本気出そうかな。」

  少年「だったら僕は本気の本気を出すもん。」

 
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:27:34.29:dZaQwsey0

  少年「あのさ、合言葉決めない?」

  河童「2人しかいないのに合言葉なんかいるの?」

  少年「あったほうがふいんき(←なぜか変換できない)出るじゃん。」

  河童「そんなものかな?」

  少年「なんにしよっか?」

  河童「うーん…そうだなぁ…」

 
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:28:00.21:dZaQwsey0

  河童「じゃあ、『ハッケヨイ』と『ノコッタ』で。」

  少年「合言葉にならないよ!」

  河童「駄目だった?」

  少年「知らなくても思い付きで答えられるじゃん。」

  河童「じゃあ『サラ』と『ナガグツ』で。」

  少年「なんのこと?」

  河童「『サラ』は僕のこと、『ナガグツ』は君だ。」

  少年「なるほど。」

 
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:31:56.89:dZaQwsey0

  **「それでさ、昨日爺ちゃんから凄い情報教えてもらった。」

  **「なんだよ。俺にも教えろよ。」

  **「河童は鉄が嫌いなんだって。だから針金でお守り作ったんだ。」

  少年「……?」

  **「河童が出てもこれを着けてれば近付いて来れないってわけ。」

  少年「……」

 
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:34:37.87:dZaQwsey0

  **「なに見てんだよ。なんかもんくあんの?」

  少年「…別に。」

  **「行こうぜ。」

  **「パトロールもあるしな。」

  **「付いて来るんじゃないぞ。」

  少年「行かないよ。」

 
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:38:37.69:dZaQwsey0

  少年「なんかさ、針金でお守りを作ったとか言ってたよ。」

  河童「へえ…それはちょっと嫌だな。いや、かなり嫌かな。」

  少年「鉄に触ると死んじゃうの?」

  河童「死んだりはしないよ。鉄のにおいとかが凄く怖いんだ。」

  少年「鉄ってにおうの?」

  河童「くさいとかそういうのじゃないけど、においはするよ。」

 
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:43:45.41:dZaQwsey0

  少年「でも、針金で作ったものなら小さいんじゃない?見てないけど。」

  河童「お守りってことは持ち歩くってことでしょ?」

  少年「うん。」

  河童「鉄の機械や建物はさ、自分から近付かなければいいだけなんだ。」

  少年「あ、付けた人間が近づいて来るかもしれない?」

  河童「僕が言おうと思ってたのに…」

 
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:46:43.38:dZaQwsey0

  河童「しっ…誰か来たみたい。」

  少年「あいつらかな?」

  河童「話し声がしないから1人だけじゃないかな…」

  少年「でも、見つかりたくないね…」

  河童「ちょっと僕が見てくる。」

  少年「あ、変装は?」

  河童「見てくるだけだから。」

 
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:50:42.47:dZaQwsey0

  **「だっ、誰か居るのか?」

  河童「……」

  **「気のせいか…ビックリさせやがって。」

  河童(このにおいは…!ダメだまずい!)

  **「おっ!お前は誰だ!?」

  河童「ぼ、僕は…その…」

 
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:54:59.94:dZaQwsey0

  **「もしかして、お前が…」

  少年「ギャワ!ギャワ!(帰れ!)」

  河童「!」

  **「!」

  少年「ギャギャギャギャ!(帰らないとタタリだぞ!)」

  **「うわ!ホントに河童が出た!!」

 
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:55:28.79:dZaQwsey0

  少年「ギャワ!ギャワ!(早く行けったら)」

  **「来るな!こ、この!おまままま…お守りが有れば…」

  少年「ギャウギャウ!ギャワワ!(そんなもの効かないよ)」

  **「うわーん!おかーさーん!!」

  少年「クー…ポロロロ…(追い返したよ)」

  河童「くっ…」

 
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:57:57.97:dZaQwsey0

  少年「キュー?(大丈夫?)」

  河童「…ふっ!」

  少年「キュー?(どうしたの?)」

  河童「アハハハハハハハ!!」

  少年「ギャワ!ギャワ!(なんだよ!)」

 
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:02:27.99:dZaQwsey0

  河童「ごめんごめん。その…いろいろとおかしくって…プッ…クックック…」

  少年「ひどいや。せっかく助けたのに。」

  河童「だからごめんってば。それと、ありがとう。」

  少年「もういいや。」

  河童「だってさあ、君の格好…」

  少年「しょうがないじゃん、服着てたら模様でバレるし、髪の毛も隠さないと…」

  河童「それは分かってるよ、頭に巻いてるのは着てた服でしょ。」

 
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:02:57.68:dZaQwsey0

  河童「くちばしと甲羅だけは河童だけど、後はどう見ても人間じゃないか。ダハハ…」

  少年「笑うなよ。」

  河童「君を笑ってなんていないよ。それを見て『河童だー!』って逃げたのがおかしくて。」

  少年「ほんとに?」

  河童「やっぱりごめん、半分うそだ。」

  少年「もう!」

 
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:06:58.52:dZaQwsey0

  少年「このくちばし付けて喋ると、勝手に鳴き声になるんだね。」

  河童「うん、凄いでしょ。」

  少年「おかげで上手く騙せたよ。」

  河童「あ、血が出てるよ。痛くない?」

  少年「裸で茂みの中突っ切ったからかな…でも、そんなに痛くないよ。」

  河童「バイ菌はいったらいけないよ。ちょっとじっとしてて。」

 
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:09:31.96:dZaQwsey0

  少年「ひゃうっ!なんで舐めるの!?ちょっ、くすぐったいってば!」

  河童「らっへ…犬も猫も怪我したら舐めて治すし、河童のツバって効きそうじゃない?」

  少年「わけわかんないよ。効きそうってなんだよ。」

  河童「なんとなくだよ。ガマの油?みたいな?」

  少年「もういいよ。自分でやるから。」

  河童「そっか、じゃあハイ。あー…」

  少年「自分のツバつけるからいいよ!」

 
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:11:34.84:dZaQwsey0

  少年「もう血も止まったし、大丈夫かな。」

  河童「家族の人が傷を見て心配しないかな?」

  少年「服を着てれば見えないし、お風呂も1人で入れるから。」

  河童「今日は本当にありがとうね。」

  少年「友達だろ。」

  河童「うん。じゃあ、また明日。」

  少年「うん。また明日。」

 
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:15:23.07:dZaQwsey0

  **「昨日、河童に会ったんだ。」

  **「まじ?」

  少年(あ、あいつだ…)

  **「お守り効いたか?やっつけたのか?」

  **「お守りは効果なかった。ぜんぜん平気みたい。」

  **「なーんだ。じゃあ、もういらないな。」

 
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:15:56.58:dZaQwsey0

  **「で、でも、河童はやっつけたぞ!逃げて行った!」

  少年「…ぷっ」

  **「なんだよお前?」

  少年「なんでもないよ。」

  **「どの辺で見たんだ?」

  **「今日の学校終ったら、みんなで行こうぜ。」

  少年(!!)

  **「え!…それは、その…」

  **「逃げたんだろ?みんなで行けば降参させられるって。」

 
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:19:20.47:dZaQwsey0

  河童「今日はずいぶんあわてて来たんだね。」

  少年「え?」

  河童「だって、最近はいつも長靴に履きかえてから来てたじゃないか。」

  少年「今日はあいつらがみんなで来るんだって。学校で言ってた。」

  河童「1人じゃ怖くても、みんなでやれば怖くない…ってことか。」

  少年「ううん。昨日のヤツが嘘ついたんだ、1人でもやっつけたって。」

  河童「なんだか君って、前に言ってたスパイみたいだね。」

 
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:22:03.26:dZaQwsey0

  少年「そんなことより、どうしよう?」

  河童「今日は僕が変装して行くよ。」

  少年「うまくいくかな?」

  河童「うまくいかなくてもいいよ。」

  少年「なんで?」

  河童「これ、返すから、君が僕を追い払うの。」

  少年「?」

 
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:24:56.45:dZaQwsey0

  河童「なるべく当てないように撃ってね。これ痛いから。」

  少年「どういうこと?」

  河童「僕があの子たちを困らせるから、君が登場して僕をやっつけるんだ。」

  少年「なんでそんなことするんだよ?」

  河童「そしたら君はあの子たちと仲良くなれるかなーと思ってさ。昨日のお返しだよ。」

  少年「そんなのダメだよ。嫌だよ。」

  -ここか?-

 
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:27:45.76:dZaQwsey0

  -本当にこの辺だったのか?-

  河童「あ、来たみたいだね。」

  -うん…鳴き声がして飛び出してきたよ-

  河童「ちょっと待ってから出てきてね。」

  少年「……」

  -ギャワ!ギャワ!-

  -うわー!出たー!-

 
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:30:12.01:dZaQwsey0

  -撃て!撃て!-

  -ギャギャギャギャ!-

  -逃げないぞ?-

  -効かないのか?-

  -ギャワワ!-

  -もう輪ゴムないよ!-

  少年「くっ…」

  -うわ、こっち来るぞ!-

 
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:31:49.19:dZaQwsey0

  **「や、やめろ!来るな!」

  少年「マテ!ボクガアイテダ!」

  **「お前…?」

  少年「コレデモクラエ!」

  河童「ギャン!キー…キー…」

  少年「ミンナ!イマノウチダ!ニゲロ!」

  河童「!?」

  **「!!」

 
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:32:24.88:dZaQwsey0

  **「うわぁぁぁ!!」

  **「あ、待ってよー!!」

  **「おいてかないでよー!!」

  少年「…また…明日。」

  河童「……」

 
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:35:22.41:dZaQwsey0

  **「はぁ!はぁ!」

  少年「もう大丈夫、追いかけて来ないみたいだ。」

  **「お前…すげえな。」

  **「河童に全然効かなかったぞ!嘘ついたのか?」

  **「だって…だって…」

  少年「あの近くは河童のナワバリみたいだ。もう近付かない方がいいよ。」

 
88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:37:24.44:dZaQwsey0

  **「あの鉄砲があれば河童に勝てるんじゃないか?」

  少年「あ、逃げる途中で落としちゃった。」

  **「そっかー…でも、あの河童なんとかしないと…」

  少年「あそこに近づかなかったら何もしてこないよ。」

  **「そうだな、他の場所で河童見たこと無いもんな。」

  **「あそこで見たのも初めてだけど。」

 
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:39:21.30:dZaQwsey0

  **「あのさ、お前…あの…その…」

  少年「僕はもう帰るよ。なんか疲れた。」

  **「あ、うん。」

  少年「じゃ、また明日ね。」

  **「またな。」

  **「グッバイ…」

 
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:41:00.77:dZaQwsey0

  **「なあ、昨日はサンキューな。」

  少年「ん?あ…ううん。」

  **「それで、みんなと話したんだけどな。」

  少年「何の話?」

  **「河童退治はもうやめようって決めた。」

 
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:43:04.47:dZaQwsey0

  河童「そうか、一応仲良くはなれたんだね。」

  少年「んで、今度はツチノコを探すんだってさ。」

  河童「そんなことまで聞き出したのか。」

  少年「実は仲間に誘われたからね。副隊長にしてやるって。」

  河童「おー良かったじゃん。」

  少年「断ったけどね。」

  河童「なんで?」

 
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:44:44.76:dZaQwsey0

  少年「みんなと一緒に行ったら、こっちに来れないじゃん。」

  河童「僕とはたまに遊んでくれればいいんだよ。」

  少年「僕は君と毎日遊びたい。」

  河童「むう…」

  少年「イヤ?」

  河童「そんなことは無いけど…」

 
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:47:38.90:dZaQwsey0

  **「それでは、明日から夏休みですが、みなさん健康には気をつけてください。」

  **「はーい。」

  **「夏休みの間も、早寝早起きを心がけましょう。だらけてはいけません。」

  **「はーい。」

  **「それと、おうちの人に心配をかけないように。宿題も忘れてはだめですよ。」

  **「はーい。」

  少年(……)

 
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:52:59.08:dZaQwsey0

  少年「明日から夏休みなんだ。」

  河童「昨日も言ってたよ?ずーっと学校が休みになるんでしょ?」

  少年「うん。だからさ、毎日たくさん遊べるよ。」

  河童「そうだね。」

  少年「明日はお弁当作ってもらって、朝から来るよ!」

  河童「うん、待ってる。」

 
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:56:24.63:dZaQwsey0

  少年「おはよう!」

  河童「ああ、おはよう。」

  少年「今日もお弁当持って来たよ。おばーちゃんが2人分作ってくれた。」

  河童「今日は何をしようか?」

  少年「一緒に探検に行こう。だめかな?」

  河童「僕はこの辺はだいたい知ってるけど、君が一緒なら退屈はしないよ。」

 
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:01:04.44:dZaQwsey0

  河童「僕の思いすごしかもしれないけど、君は最近あせってないかい?」

  少年「え?」

  河童「一緒に遊んでて楽しいって思ってる?」

  少年「楽しいよ。」

  河童「うわの空っていうのかな。別のことを考えてる時が良くあるよ。」

  少年「そんなことないよ…」

  河童「やっぱり、僕だけよりもみんなと一緒に行った方が良かったんじゃない?」

 
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:03:29.70:dZaQwsey0

  少年「そうじゃないよ。そんなんじゃないんだ。」

  河童「やっぱり何かあるんだ。」

  少年「僕、また引っ越しするんだ…」

  河童「そうだったのか。じゃあ、準備とかで忙しいのを抜け出して来てるの?」

  少年「違うよ。引っ越し先が凄く遠いんだ。」

  河童「自転車でも行けないくらい?」

  少年「引っ越したら……もうここには来れないくらい遠いの。」

 
99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:07:13.55:dZaQwsey0

  河童「…………」

  少年「…………」

  河童「そっか、会えなくなっちゃうんだね。」

  少年「うん、だから今のうちにいっぱい遊ぼうって…」

  河童「いつ、引っ越すの?」

  少年「夏休みが終わったら、そのあとすぐ。」

  河童「じゃあ、いっぱい遊ぼうね。」

  少年「うん、いっぱい遊ぼう。」

―――――――――― ― ― - - ・…

 
101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:10:33.13:dZaQwsey0

…・- - ― ― ― ――――――――――

  お婆「おお、早がっだな。もう着いでだが。」

  青年「あ、お婆ちゃん。これからまたご厄介になります。」

  お婆「こっぢの子供らでん、都会のガッコに進学するもんのおるだになぁ。」

  青年「正直言うと、学校はどこでもいいんだ。僕はこっちに住みたかっただけ。」

  お婆「ほうか、その……母ちゃんのこだぁ残念だったな。」

  青年「まあ、仕方ないよ。僕らがくよくよしてても喜ばないしね。」

  お婆「そーだな。」

  青年「懐かしいところとか、回ってこようと思うんだ。荷物の整理は後でいいかな?」

  お婆「ああ、好きにしたらええで。」

 
103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:14:05.21:dZaQwsey0

  青年(道路とか随分変わったけど、このあたりは変わらないな。)

  **「よう!久しぶりだな。」

  青年「やあ。」

  **「戻って来てたんなら連絡くらいくれたっていいじゃねーか。」

  青年「いや、さっき着いたばっかりだよ。」

  **「お前、こっちの高校に通うんだってな。」

  青年「うん。みんなは?」

 
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:18:36.00:dZaQwsey0

  **「俺は家業を継ぐよ。もう勉強なんてしたくねーし。」

  **「俺は進学。まあ、その後はこっちへ戻って跡取りだけどな。」

  **「執行猶予3年か、せいぜい遊んで過ごせよ。」

  **「うるせーよ。」

  **「俺はお前と同じ高校だよ。やっぱり故郷には愛着がーってな?」

  **「お前の成績で行けるトコが他になかっただけじゃねえか。」

  **「あ、それ言う?言っちまう?」

  青年「はは、みんな変わらないな。」

 
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:22:55.68:dZaQwsey0

  青年「でも、小学生のころ少し居ただけなのに良くわかったね。」

  **「生徒がすくねーからな。その分記憶に残るんだろ。」

  **「そこは俺とお前の仲だろ。とか言えよ。」

  青年「いろいろと思い出すなぁ。そう言えば、河童は?」

  **「河童?お前、いまだに河童とか信じてんの?」

  **「俺は今でもサンタクロースは居るって信じてるけどな。」

  青年「……じゃ、まだ他にもいろんなところ回りたいから。」

  **「おう、またな。」

 
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:28:14.45:dZaQwsey0

  -そう言えば、なんで仲良くなったんだっけ?-

  -さあ、なんかの成り行きだったと思うぜ-

  青年(…………)

  -まあ、忘れたって事は大したことじゃなかったんだろ-

  青年(まだ、居るかな?)

 
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:30:14.23:dZaQwsey0

  青年「確か、こっちだったはず…」

  青年「このカヤ、昔は背よりも高い気がしてたけど、そうでもなかったんだな。」

  青年「あの木も、家の屋根くらい大きい気がしてた。」

  青年「あいつは…居ないか…」

  青年「元居た場所に帰ったのかも知れないな。」

 
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:34:34.38:dZaQwsey0

  青年「待ってたら、ひょっこり来たりしないかな……」

  青年「…………」

  青年「もう少し、もう少しだけ待とう。」

  青年「…………」

  青年「……何やってんだろ。」

 
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:39:41.15:dZaQwsey0

  青年「?」

  青年「……気のせいか。」

  -ギャワ!ギャワ!-

  青年「!」

  青年「なあ、いるのか?」

  -キュー……-

  青年「俺…僕だよ!どこなの?」

 
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:46:39.77:dZaQwsey0

  -皿……-

  青年「姿を見せてよ。どこに居るの?」

  -サ! ラ!-

  青年「!」

  -…………-

  青年「ナガグツ!」

 
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:49:02.71:dZaQwsey0

  河童「ふふ、僕たちの秘密基地へようこそ。久しぶりだね。」

  青年「あ!」

  河童「ちょっと意地悪だったかな? 元気そうで何よりだよ。」

  青年「うん……君も……」

  河童「姿を見せろって言ったくせに、どうして目を逸らすんだい?」

  青年「いや、えーと……その……」

 
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:51:31.87:dZaQwsey0

  河童「随分大きくなったね。最初は誰かわからなかったよ。」

  青年「それはお互いさまじゃない?」

  河童「僕はそんなに伸びてないと思うけど……あ、おっぱいのこと?」

  青年「いや、違うよ!」

  河童「違うのか、それはそれで残念だな。」

  青年「あー、違うけど、違わない。」

 
117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:54:46.83:dZaQwsey0

  青年「何か着ないの?」

  河童「僕は河童だよ?」

  青年「せめて何か巻こうよ。」

  河童「そうしよっか。君がこっちを向いてくれないからね。」

  青年「うすうすそんな気はしてたけど、女の子だったんだ?」

  河童「隠してるつもりは無かったけどね。気にするかい?」

  青年「いや、別に。以前はそういうのあんまり意識してなかったし。」

 
119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:56:49.75:dZaQwsey0

  青年「あれから何をしてたの?」

  河童「まあ、いろいろだね。詳しく聞きたい?」

  青年「うん。」

  河童「時間はあるの?急ぐ用事は無い?」

  青年「またこっちに引っ越してきたから、時間はいくらでもあるよ。」

  河童「じゃあ、話をする前に…」

  青年「なに?」

  河童「相撲取ろっか。」


――――――――――――――――――――おわり

 
120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:58:45.33:dZaQwsey0
以上になります。
お付き合いどうもでした。

 
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:59:22.96:Bwn+gTdQ0
お疲れ!!

 
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 23:00:34.96:wocRlnwNO
まさかの女の子w
乙!良かった

 
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 23:12:00.00:L4erK+LW0
乙!すごく和んだ

 
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 23:14:59.70:l2tWsv9v0

>>1ってほかにもどんなSS書いた?

 
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 23:19:12.93:dZaQwsey0
>>130
猫またの話と鬼の話と狐&狸の話
基本的に人外もの。

 
136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 23:26:59.41:p0Ekgw69O
>>133
タイトルおせーて

 
139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 23:36:02.23:dZaQwsey0
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 23:22:12.44:p0Ekgw69O

すごくよかった

 


ぐるぐるログ