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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/28(金) 23:32:13.41:ITOH8hrN0
改装店内
ガシャン
QB「ハァハァ……助けて」
まどか「あなたが私を?」
ほむら「そいつから離れて」
まどか「だ、だめ、酷いことしないで」
ガシャァン
ジン「いってぇ!」
キール「なにやってんだよ。迷子になるっていったって限度があるだろう」
ジン「でもよ、人に会えたぜキ-ル」
キール「おお! 美女発見! 御髪の綺麗なフロイライン。恋の迷子になった私を案内していただけないかな?」
ほむら「……」
ジン「なんだ、 景色が……ナンパって雰囲気でもないみたいだぜキール」
キール「極限状態で恋は生まれやすいんだぜジン」

【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」

【速報】尾田っち、ワンピース最新話でやってしまうwwww

【東方】ルックス100点の文ちゃん

【日向坂46】ひなあい、大事件が勃発!?

韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/28(金) 23:35:32.42:At0j0Zmr0
ヒゲ「(クビカルヨー)」
まどか「きゃぁ!」
キンキンキン
ジン「あぶねっ。なんだこいつら。ハサミぶんまわして物騒だな」ザザザッ
キール「フロイライン、あなたのお友達かい?」
ほむら「そんなわけ、ないじゃない」ガシャン
キール「ちょぉっ、ぶっそうなもの持ち出して。そこまでオレうるさかった?」
ジン「キジも鳴かずば撃たれまいってね」
ガンガンガァン
キール「うう、やられた。おいしいサムゲタンにしてくれな」
ジン「なわけないだろう。お前好みのお嬢さんが増えたぜ。二人も」
キール「なにぃい!」
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/28(金) 23:40:38.73:ExsGT79f0
さやか「まどか、大丈夫?」
まどか「さやかちゃん、どうしたの?」
さやか「まどか探してたらこの人にあって……一緒に探してくれてたの」
マミ「あらあら賑やかね。自己紹介の前にちょっと片付けちゃうわね」ピカッ
マミ「はっ!」
ガガガガガガガガン
ジン「すげー……」
キール「う、美しい」
マミ「っと、こんなものよ。魔女には逃げられちゃったけどね。あなたたち無事ね? あと使い魔…じゃないわよね。キミと鳥さんは?」
キール「はい! キールです! あとこっちはジン!」
マミ「ふふふ、元気がいいのね」
まどか「私は見滝原中2年。こっちは友達の美樹さやかちゃんと……クラスメートの暁美ほむらちゃんです」
マミ「ふぅん。さて、色々話したいこともあるしちょっと場所かえようか」
カツ
マミ「あなたもよ。ほむらさん」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/28(金) 23:58:21.62:ITOH8hrN0
ほむら「……わかったわ」
キール「えーっと、オレたちはどうすればいいかな。できれば色々と教えてもらいたいこともあるんだけど。シニョリーナの好きな男のタイプとか」
マミ「できれば今日のことは忘れてもらいたいところだけど……」
キール「こんな美しい方との出会いを忘れろとはなんと残酷な方。今日よりこの日の天使を想い私は毎日枕を涙で濡らす日々を送りましょう」
ジン「ははは……」
マミ「くすくす。いいわ、一緒にきて。あなたも魔法について知識あるみたいだし」
ジン「まあ、ね。結構色々旅してきたからさ」
キール「あなたとなら地獄の果てまでご一緒いたしましょう」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 00:09:31.32:zsVeagrU0
喫茶店
マミ「……というわけなの。私達魔法少女はQBとの契約で戦う運命を背負うわ」
まどか「魔法少女かあ。かっこいいです!」
さやか「どんな願いも……」
ほむら「けれど死の危険もあると言ったでしょう。私は勧めないわ」
マミ「そうね。こればかりは強制できないから良く考えてね」
キール「世界中のレディのハートをってのもアリか」
QB「少女に限るからキミは無理だよ。それに鳥との契約なんて前例もない」
キール「残念。オレは誰かの奇跡で手に入れた恋に興味はないからよ」
QB「それならかまわない」
マミ「さて、私は二人を送るわ。ほむらさんはどうする?」
ほむら「私はもう少しここにいるわ」
ジン「俺も。旅の最中なんでね、ここで夕飯食べていくよ」
マミ「そう。今後のことはまたお話しましょう。この街にいる魔法少女同士としてのね」
ほむら「ええ。そうね」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 00:23:16.90:zsVeagrU0
店員「マタノゴリヨウヲー」
ジン「で、ほむら。マミが知らない魔法少女の秘密。教えてくれよ」
ほむら「やっぱり気づいていたのね」
ジン「職業柄、人の顔読むのが得意なんだ」
ほむら「子供なのに仕事してるの?」
ジン「ドロボウさ」
ほむら「おもしろくないジョークね」
ジン「まっ、余裕がなけりゃ誰の言葉も冗句になるさ」
キール「ジン、おめーの女の扱いが下手なんだよ。それで、フロイライン。お聞かせ願えますかな」
ほむら「そうね、条件があるわ」
ジン「なんなりと」
ほむら「もし、必要があれば彼女達を躊躇なく殺せる?」
ジン「!」
キール「な……」
ほむら「……」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 00:37:37.22:zsVeagrU0
ジン「なるほどね。なんとなくわかった。約束しよう」
キール「おい、どいいうことだよ」
ほむら「飲み込みが早くて助かるわ。それじゃ、話すわね」
・
・
・
キール「なんだよ……それ」
ジン「タダより高いものはないってことだろ」
ほむら「その通りよ」
ジン「つっても、それだけ叶えたい願いがみんなあるんだよな」
ほむら「代償は、命を賭しても払いきれないものだけれどね。こればかりはどんな色男でも用意できないわ。そう言う意味ではキール、あなたよりQBの方がいい男ということになるわね」」
キール「はっ。火鼠の皮が用意できたからっていい男かどうかなんてわからねえぜ」
ジン「不死の薬持ってたって女心なんかわかんねえよなあ」
ほむら「それで、あなたたちはどうしたいの?」
ジン「利用してくれりゃいいよ。この街にきてまだ目的ないしさ」
ほむら「そう。ならいずれまた呼ぶわ」スッ
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 00:59:16.90:zsVeagrU0
翌日/学校
マミ「それで、共闘できそうかしら」
ほむら「できればお願いしたいわ。けれど、あの子たちを契約させてほしくないの。私はただそれだけが望み」
マミ「理由は言えないのよね」
キール「今は、言えない、だろ」
マミ「あら、二人とも見滝原の制服着て。いけないのよ」
キール「お久しぶりですシニョリーナ。あなたと別れてから一日千秋の思いで今日を待ち焦がれました」
ジン「fall in loveってか。秋だけに」
マミ「ふふふ。お口がうまいわね」
キール「ええ、歌も自信ありますよ。もちろんキスもね」
マミ「理由も言えないのに従えって言うのもねぇ」
キール「(流された)」
ほむら「飲めないならいいわ。私なりに動くから」
マミ「待って。まだ断るとは言っていないわ。ええ、飲むわ。でも、私からも条件がある。使い魔も倒させてもらうわ。グリーフシードは必要に応じて分けること」
ほむら「それでいいわ。私はグリーフシードは十分持っているからそういった争いは無意味よ」
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 01:11:52.04:zsVeagrU0
マミ「それと、彼女達を連れての魔法少女研修はさせてもらうわね。恐ろしいと思えば止めるでしょうし」
ほむら「……それが最大の譲歩案なのね。けれど私も同行するわ」
マミ「もとよりそのつもりよ。その、二人の方が心強いものね」
キール「マミ、オレもいるぜ!」
マミ「そうだったわ。私を守ってねキールさん」
ジン「やれやれ、無事に話が済んでよかったぜ。ほむらが戦争でもいくような顔でいるもんだから冷や冷やしたぜ」
ほむら「……」
マミ「ふふふ。そんな怖い顔してばっかりいるとキールさんにも振り返ってもらえなくなるわよ」
キール「フロイラインほむら。いつだって私はあなたのことを見つめておりますよ」
ほむら「話はそれだけよ」
マミ「まって、もう一個条件つけていいかしら」
ほむら「なに」
マミ「一緒に……お昼ご飯……どうかな」
キール「喜んで!」
ジン「おいおい」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 01:18:24.20:zsVeagrU0
マミ「あなたたちもいいわよ。私料理得意なのよ」
キール「マミ、毎日オレの為に味噌汁を作ってくれないか」キリッ
ほむら「……二人も連れてきたほうがいいかしら?」
マミ「そうね、お願いするわ」
ジン「キール、お前下手になったか?」
キール「向こうがうわてだって可能性もあるぜ」
ジン「女の子がいると本当に生き生きしてるなあ……」
・
・
・
後日/病院
まどか「これって、グリーフシード!」
QB「孵化しかかってる!」
さやか「まどか! マミさん呼んできて!」
まどか「う、うん!」
タタタタ
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 01:24:13.92:zsVeagrU0
シャルロッテ結界内
マミ「鹿目さん、離れないでね」
まどか「は、はい。ほむらちゃんは?」
マミ「連絡はしておいたんだけど……」
・
・
・
タタタタ
ほむら「どうしてこんなときに限って他の魔女に出くわすのかしら!」ガァンガァン
ジン「さだめってやつじゃないの?」キィンキィン
ほむら「そんなの私が打ち砕いてみせる!」ドガァン
ジン「すげえすげえ」
ほむら タタタタ
キール「もういっちまった。オレたち出番ねえなあ」
ジン「俺はともかくお前の出番はもうじきあるかもよ」
キール「はあ?」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 01:28:28.02:zsVeagrU0
シャルロッテ結界
まどか「私、契約したいなって。ほむらちゃんとマミさんに止められてるけど、いつか時がきたらみんなの役に立つ魔法少女になろうと思います」
マミ「本当? ありがとう! 私、本当に嬉しい! あなたみたいないい子と一緒に戦えたらきっと私……グス、ふふまだいい先輩じゃないといけないのにごめんなさいね」
まどか「ええ、マミさんと一緒に!」
マミ「そうとわかったら張り切っちゃうんだから!」キラッ
使い魔「キュキュキュー」
マミ「はああ!」
ガンガンガン
使い魔「キュアー」
マミ「さ、急ぎましょう」
まどか「はいっ!」
・
・
・
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 01:31:40.12:zsVeagrU0
シャルロッテ部屋
さやか「二人ともやっときた。もう怖かったんだから」
マミ「速攻でカタつけるわよ」
バァンバァン
マミ「ティロ・フィナーレ!」
ドォン
シャルロッテ グニョォン
さやか「マミさん、危ない!」
シャルロッテ アァン
マミ「え?」
・
・
・
タタタタタ
ほむら「お願い間に合って!」
ジン「……」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 01:36:57.86:zsVeagrU0
シャルロッテ結界内
タタタタタ
ほむら「急がないと彼女が危ない」
キール「ほむら。このキールがきっとあの子達を守ってみせるぜ」
ほむら「時間が、ないの」
ジン「もうじきゴールみたいだぜ。んじゃ、準備するか」
キール「ん? 準備って? なにオレの首根っこ掴んでるの?」
ジン「この物語に相応しいハイライトってやつの演出さ」
キール「よくわかんねえんだけど?」
ジン「マミを助けたいんだろ?」
キール「その願い、叶えてやるぜ」
ほむら「扉よ!」
バァン
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 01:41:49.09:zsVeagrU0
シャルロッテ アーン
ほむら「マミ!」
ジン「いっけえーキール!」ブン
キール「オレを投げんなあ!」
ジン「マミ! 手を伸ばせ!」
マミ「え!? キールさんが腕に?」
ジン「叫べ!」
シャルロッテ アング
マミ「ティロ・ロワイヤル!」
ドッガアアアアアン
ほむら「間に合ったようね」タァン
シャルロッテ本体「」
キール「美女を助ける為っていったって即興で歌うのも結構難しいんだぜ」
ジン「でも、助けられたろ?」
マミ「あ、あ、あ……ありがとう!」ムギュ
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 01:50:03.23:zsVeagrU0
キール「うひょぉお」ムニュ
ジン「こうしてキールの願いは叶いましたとさ。っと、これでよかったんだろ?」
ほむら「よかった……本当に……」
ジン「……」
・
・
・
後日/上条恭介病室
上条「さやかは僕をからかって楽しんでいるのかい?」
さやか「え?」
上条「奇跡でも起こらない限り治らないんだよ! こんな腕!」
さやか「大丈夫だよ恭介。奇跡も魔法も……あるんだよ」
バタン タタタタタ
上条「……くっそおお!」
キール「情けねえなあ」
上条「だ、誰だ!」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 02:04:40.61:zsVeagrU0
キール「ほむらに頼まれてさやかを追ってればこういうことかよ。世界がうらやむイケメン鳥キール様よ」
上条「しゃべる鳥? 誰が動かしてるか知らないけどそういうのやめてくれよ」
キール「まあ、話そうぜ。上条って言ったか。お前情けないなあ」
上条「ああ、情けないさ。こんな動きもしない腕を抱えて生きてることがさ」
キール「ちげえよ。女の子の気持ちも汲めないようなことがさ」
上条「え?」
キール「さやかがなんで毎日見舞いにくるか考えたことあるか? 自分の時間も潰してCD探してよ」
上条「それは……友達だから?」
キール「キィール・羽ビンタ!」
上条「ブゴフッ」
キール「今すぐメール、いや電話して呼び戻せ。んで聞き出せ。どうしてって」
上条「え、でも」
キール「キーィル、羽b」
上条「わ、わかったよ。……あ、もしもし、さやか、話があるんだすぐに戻ってきて……。これでいいかい」
キール「もう一つ。どうして『女の子』がお前のところにくるか。もう一度考えな」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 02:11:28.86:zsVeagrU0
上条「女の子……あっ」
キール「オレはコウノトリじゃねえんでね。運ぶのは願いだけさ。そもそも他人の恋路なんてガラじゃねえ」
ジン「言うこと聞かないとトリガラにするって脅されていたけどな」
上条「え、君はだれ?」
ジン「どうも。俺の飼い主が厄介になってたみたいだね」
上条「飼い主って? え?」
キール「帰ろうぜ。こんなとこに長居は無用だ」
ジン「そうそう、俺からアドバイス。指が動かなくても夢は抱けるんだぜ?」
キール「女もな」
ザッ
バタン
さやか「恭介……話って?」
上条「あ、あのさ。ずっと僕に見舞いにきてくれてありがとう……それで……」
・
・
・
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 02:14:39.38:ffO/Z9y70
ほむら「うまくいったみたいね」
キール「恋のプロフェッショナルだからな」
ジン「愛にまで発展したことないって意味だろ」
キール「いいの! オレは世界にたった一つの愛を探す旅人なの!」
ほむら「たった一つの……。見つからないものよね」
ジン「恋は盲目だからな」
キール「目を開けば愛になるのさ」
ほむら「夢だったら?」
ジン「もう一回目を閉じて寝るかなあ」
キール「正夢だって信じるだけさ」
ほむら「そう、ね。信じる。それしかないものね」
キール「そういうわけで、報酬の愛をオレに」
ほむら「今度キールと一日デートしてあげるわ。日はもう決めてあるから」
キール「やったぜ!」
ジン「キール……不憫だな」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 02:29:21.67:zsVeagrU0
ある日/マミホーム/夕方
マミ「ウトウト……あ、あら居眠りしちゃった」
ヒュゥ
マミ「窓開けっ放しだったかしら?」
ジン「こんにちは、ドロボウです」
キール「お菓子を頂きに参りました」
マミ「とんだお客さんね」
キール「あなたに会いに飛んできました」
ジン「ほむらから言伝だあってきたんだけど、いいかな。悪いね、ノックしても返事なかったもんだからさ」
マミ「ええ。あなた達なら歓迎よ。今お茶いれるわね」
キール「いい部屋に住んでるなあ」
マミ「あまりジロジロ見ないで。散らかってるから」
ジン「構わないよ。それで、用件っていうのはワルプルギスの夜っていうのについてなんだ」
マミ「見滝原に、くるの?」
ジン「らしいよ。でその日なんだけどさ」
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 02:37:06.96:zsVeagrU0
キール「シクシク、デートじゃねえじゃん。ほむらぁ」
マミ「? はい紅茶よ。ケーキもあるわ。お口にあうといいのだけど」
ジン「あ、ほっといて。ショックなことがあったんだけど、鳥頭だからすぐ忘れるよ」
キール「マミぃ。傷心のオレを優しく慰めてくれよ。もうキミだけなんだ」
マミ「まずお菓子を食べましょう。きっと心が落ち着くわ」
キール「手作りかよ! いっただっきまーす」
ジン「それで、戦力になりそうな人を呼んで欲しいって話なんだ」
マミ「そうね。心当たりがあるわね。でも、その子……」
ジン「問題でも?」
マミ「色々あってね。もう随分あってないの。でも、頼めばやってくれるかもしれないわ。いくらかグリーフシードを渡してみれば聞いてくれるかも」
ジン「ふぅん」
キール「おい、これすげーうめーぞジン!」
マミ「あ、おかわりもあるわよ。……そうだ、その子に届けて欲しいものあるの。お願いできないかしら」
ジン「いいぜ。ケーキのお礼をどうしようかと思ってたところなんだ」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 02:45:15.43:zsVeagrU0
ホテル/佐倉杏子部屋
コンコン
杏子「なんだ」
???「ルームサービスでございます」
杏子「頼んだ覚えはないぞ」
???「巴マミ様よりです」
杏子「……いいぜ」
ガチャン
カラカラカラ
ボーイ「こちら、巴マミ様手作りの桃のスフレとお紅茶でございます」
杏子「確かに、これはマミのケーキだ……。お前なにもんだ?」
ボーイ「ただの従業員でございます」
杏子「ボーイが妙な鳥をつれてくるかよ」ブンッ
ジン「あーあ、バレちゃった。お前の変装が下手なんだよ」ヒョイ
キール「人に成れたら苦労しねえよ」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 02:58:18.39:zsVeagrU0
ジン「とりあえずほい、この手紙を頼まれたんだ」
杏子「手紙? ……ワルプルギスがくるのか! ふぅん……」
ジン「まだあったんだ。ほら、マミからグリーフシード。これでどうか一緒に戦ってくれないかってさ」
杏子「二個だけかよ。ってこれでも全部じゃないのか。お人よし過ぎるぜ。けど、あたしは……」
ジン「で、これは俺から。これだけあれば彼女のお願い聞いてくれるかい?」
ドザザザザザザザザ
杏子「わっぷ、膝がうまっちまった。これ全部グリーフシードかよ! どうしたんだよ」
ジン「言ってなかったっけ? 俺ボーイでもポスティーノでもなくってドロボウなんだよ。ちょっくら盗んできた。あるところにはあるもんだね」
杏子「こ、これだけあればそりゃああいつみたいなお人よしもできるだろうさ」
ジン「マミにはあげてないよ。彼女は今最後のグリーフシード持って埠頭で戦ってる」
杏子「バカ野郎、それをなんで早くいわねえ!」
ジン「昔に決別、したんだろ?」
杏子「ああ、したさ」
ジン「じゃあ、どうしてそんなに慌てるの?」
杏子「決別したんだよ。昔のバカな私とね」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 03:07:11.60:zsVeagrU0
ジン「ゲンキンだねえこれが全部無くなったらまた別れるかい?」
杏子「そのとき考えるさ!」ダッ
キール「シンプルでわかりやすいな」
ジン「だからこそ不器用になっちまうんだ」
キール「可愛いねえ」
ジン「こずるくてもいやだけどな」
キール「翻弄されるのも快感になるぜ」
ジン「俺は御免だね。お宝追うだけでいっぱいいっぱいさ」
キール「お前の場合乳離れもできてないしな」
ジン「はははっ、違いないな」
キール「つってもマミさん見てると乳離れなんてできる自信なくなるんだよな」
ジン「哺乳類でもないのにか?」
キール「男のロマンさ」
・
・
・
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 03:11:42.17:zsVeagrU0
マミホーム
マミ「ありがとう。二人とも。おかげで杏子が手伝ってくれるって」
ジン「マミのケーキがいただければいくらでもやるよ」
キール「こんなにうまいケーキはどの世界いってもなかなか見つからないぜ」
マミ「うふふ、つくりがいがあっていいわ」
キール「けど大変だよな。魔法少女って。学校も日常もあったり、魔女が出たり、ライバルがいたり」
マミ「そうね、でも選んだ道だから」
キール「それに、ソウルジェムが真っ黒になったら魔女になっちまうなんて運命まで」
マミ「え?」
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 03:16:11.50:8E04OKIZO
ジン「(バカッ!)」
キール「なんてことは知りませんよ、アハハ」
マミ「どういうこと」
ジン「ソウルジェムは君たちから取り出された魂なんだ。それが絶望で黒く染まると魔法少女は魔女になる……。ほむらから聞いた」
マミ「そんな、魔女になるなんて……耐えられない。みんな、みんな魔法少女は死ぬしかないの!?」
キール「……」
マミ「ぐすっ、グスンッ」
ジン「マミ」
マミ「なに?」
ジン「死にたいかい?」
マミ「そう……ね、いっそのこと」
キール「お、おいジン本気かよ!」
ジン「俺はドロボウだ。お宝であれば命だって盗む」
マミ「お願い。もう何もかもが怖い。黒く濁って見えてきた。私の体すら穢れてるように思えて」
キール「ソウルジェムが黒くなってくじゃねえか」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 03:31:02.34:zsVeagrU0
ジン「ああ、盗んでやるよ。マミの命」
マミ「早く、持って行って、私の、命……」
ジン「だからさ、仕舞ってよ。ソウルジェム」
マミ「なにを……言ってるの?」
ジン「今日は予告さ。マミが魔女になるとき改めて俺はキミの命を盗みにくる」
マミ「今じゃ、ダメなの?」
ジン「警備の手薄な宝石なんて、ね」
マミ「で、でも」
ジン「マミ。まだキミは少しも穢れちゃいない。魔女になる気配もないさ。それに、気をつけていないと、魂以外のものも盗まれちゃうよ?」
マミ「え? ンッっ……」
ジン「……」
マミ「……」
ジン「……ほら、気をつけて」
マミ「ば、ばか!///」
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 03:32:28.08:uu3Lov3q0
ジン「とりあえず、今のが予告状だ。輝くものは星さえ盗むと言われた王ドロボウの宣告を受けたんだ。キミに逃れる術はないよ」
マミ「ええ、あなたがすぐにでも盗みにきたくなるぐらい綺麗に磨いておくわ。そして大事に守っておくからね。私の警備は厳重よ?」
ジン「ああ、だからこそ盗みがいがあるってもんだ。おい、キール死んだフリしてるんじゃない」
キール「あら、私は誰? ここはどこ?」
マミ「ここはあなたが絶望させたマミの家で、あなたはうっかり口をすべらせて女の子を悲しませたキールさんよ」
キール「もっかい死んでいいか?」
マミ「残念。それは私が許さないわ」
ジン「あはは」
マミ「うふふ」
キール「なんだよこいつら、オレが死んでる間に仲良くなってねえか?」
・
・
・
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 03:47:49.31:zsVeagrU0
学校/屋上/夕方
まどか「呼び出してごめんね」
ジン「構わないよ」
まどか「ジンくんって不思議な人だよね。すごい大人っぽい気もするし、子供みたいにはしゃいだり」
ジン「子供さ、頭の中は間違いなくね」
まどか「ふふ。あのね。ほむらちゃんがお願いしちゃいけないっていうから今はまだ契約してないけど、私契約したいんだ」
ジン「願いを、聞いていい」
まどか「人の役に立ちたいの。私なにもできなくて、生まれてきた意味もわからなくて、自分がわからない。でも、みんなすごい自分で考えて前に歩いてる。それみたらなんだか自分が余計にかっこ悪くて」
ジン「ふぅん。役に立ちたい、かあ」
まどか「ジンくんからなにか言ってくれるかなって」
ジン「まどかは世界で一番大切な人っている? いや、誰かって決めてる?」
まどか「えっと……。ママやパパ、がそう言ってくれてたり、みんなが好きだからなんだけど……私が一番大切かな」
ジン「うん」」
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 03:56:09.38:zsVeagrU0
まどか「ママが私の顔見ると安心するって。帰ってきたって思うって。そう、名前もね私がいてみんなが集まる円になるようにってつけたんだって」
ジン「まどかはみんなの帰る場所なんだね」
まどか「うん。私のこと見て笑顔になってくれる人がいるから、その人の為に私は自分が大切って言えるように生きてきたの」
ジン「なんだ、もう願い叶ってるじゃん」
まどか「え?」
ジン「まどかが笑顔でいる。それを信じられるからみんな強くなれるし、キミに会いたいといつだって思える。キミはただいるだけで希望なんだ」
まどか「私のできること……って」
ジン「キミがいる、それがみんなの願いでキミの願いでもあったんだ。そうだね、叶っていたら自分の願いなんて気づけないよね」
まどか「……私、もう叶っていたんだ」
ジン「その願いは誰も叶えることができない、まどか自身だけが生み出せる本当の奇跡だよ」
まどか「あは……あはは。ありがとう。私大事なこと忘れてみんなを裏切るところだった」
ジン「礼には及ばないさ」
まどか「そうだ。ジンくんドロボウなんだよね。えっと、なにか盗ませてあげられるものないかな。えっと」
ジン「あはははっ。そういう人は始めてあったよ。いいよ、別に」
まどか「ううん。ダメ! あ、あった。お気に入りの飴だけど……」
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 03:58:34.72:zsVeagrU0
ジン「これかい?」
まどか「あ、大袋のほう!」
ジン「残念、もういただいておりました」コロコロ
まどか「なくなったらまた盗みにきてね」
ジン「ああ、いただくよ。じゃ、明日が戦いの日だけど、ほむらやみんなの帰りを信じて家族と待っていてね」
まどか「うん!」
・
・
・
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 04:03:33.34:zsVeagrU0
BGM-magia
ワルプルギスの夜襲来/見滝原市内
ほむら「きたわ、ワルプルギスの夜よ」
杏子「でっけえなあ」
マミ「いくわ」
キール「オレはほむらのおつきで」
ジン「俺は使い魔の梅雨払いっと」
・
・
・
ワルプルギスの夜「キャハハハハ」
杏子「うらああ!」ギャインギャイン
マミ「はっ!」ダダダダダダッ
杏子「固いィィ」
マミ「使い魔も多くて戦いづらいわ!」
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 04:07:56.79:zsVeagrU0
杏子「マミ、ビルが!」
ほむら「はっ!」
ドッゴォン
マミ「ありがとう、暁美さん」
キール「で、オレはほむらにくっついていればいいの?」
ジン「また即興で一発歌ってあげればいいよ」
キール「まどかの飴で喉も調子いいしな」
ワルプルギス「キャハハハハ」
キール「あれよりはうまく歌うぜ」
ジン「ほっほっほっ」
マミ「ジンさん器用ね。瓦礫を踏み台にうまく空にいるわ」
杏子「あいつはオカシイんだよ。それより、胴体一斉にしかけるぞ。せえの!」
マミ「ティロ・フィナーレ!」
ゴゴゴォン
マみ「だめ、傷もついてない」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 04:14:42.42:zsVeagrU0
杏子「そういえば二人……と一匹は?」
マミ「直接叩くって足元に入っていったわ」
・
・
・
ほむら「この舞台に火薬を仕掛けて……」
ピッ ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォン
ジン「ほいっほいっほいっと」
キール「歯車はルームランナーじゃねえぜ」
ジン「ここは外だもんな」
ほむら「なら、あのときのキールの力で。ふふ、まさか私が技を叫ぶ日がふるとはね」
キール「これは名前ではありません。いわばオレとほむらの愛のシンフォニー。紡がれる想いのスペルです」
ほむら「キィィル・アンペリアル!」(無視)
ドッゴォォォン
ジン「やったか?」
ほむら「くっ、これでもダメだなんて」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 04:19:18.35:zsVeagrU0
使い魔「きゃはははは」
ほむら「く、沢山の使い魔が押し寄せてきた。いったん引くわ。ジン、キール下がるわよ」
ジン「ほいほいっと」
使い魔「きゃはは」バンバン
ジン「うおっあっ」ズルッ
キール「歯車に飲まれるぞ! ジン掴まれ!」
ジン「う、うわぁああ」
使い魔「ぅふふふ」バァン
キール「うあああ!」
ほむら「え、そんな! ジン! キール!」
使い魔たち「うふふ、きゃはは、うひひ」
ほむら「なんてこと……引くしか……ないのね」
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 04:22:55.27:zsVeagrU0
・
・
・
地上
マミ「暁美さん、ジンさんは!?」
ほむら フルフル
杏子「なんてこった。ちくしょう! あたしたちはあいつに勝てないのか!」
ほむら「ごめんなさい」
マミ「あなたが謝ることじゃないわ」
ほむら「けれど、みんなを引っ張りだしたのは私」
杏子「そんなこと言ってる場合じゃないみたいだぜ。ワルプルキスの夜が反転しようとしてる」
マミ「とうとう見滝原も終り……あら? 途中から動かないわよ。歯車も回ってるけど、あれ以上あがらないように見えない?」
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 04:29:20.79:zsVeagrU0
ワルプルギスの夜「キャハハハハハハハハハ……」
杏子「使い魔も瓦礫も動かない。火も吐いてこない。なにしてるんだ?」
ジン「本当、なにしてるんだろうね」
キール「考えごとじゃないの?」
ジン「大笑いしながら?」
キール「そういう思考法かもな。ほら、笑うと前向きになれるっていうじゃん」
ジン「でもあれ、逆さま」
キール「その場合は……上を向いてあるこう?」
ジン「Going my 上へ、かな」
ほむマミ杏『ジン! キール!』
BGM-Shout it loud
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 04:35:48.49:zsVeagrU0
ジン「危なく生パスタになるところだったぜ」
キール「オレはかしわ肉って感じか」
ほむら「よく助かったわね」
ジン「まあ、ね。みんなで帰るってまどかに約束したからな」
杏子「でも、あいつが倒せないんじゃどのみち見滝原は終りだ」
マミ「そういえばワルプルギスの夜が動かなくなった理由わかる?」
キール「あれじゃね?」
ジン「これか」
マミ「なに、その歯車」
ジン「いやね、逃げるときに一個もらってきた。あとこれ」
杏子「ワルプルギスの夜の……グリーフシードかよ!」
キール「あいつは今本当に空回り中なのさ」
ほむら「……あなたたち本当にドロボウなのね」
ジン「ああ、輝くものなら星さえも盗む王ドロボウってな」
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 04:40:43.37:HMOUCInb0
キール「気をつけないとハートまでもっていかれるぜ?」
ジン「ああ、森羅万象たちまちな」
キール「喉は出来上がってるぜ、ジン」
ジン「これ咥えとけ」
キール「あいつのグリーフシードな。あいよ」
ジン「さあ、もう舞台はエピローグだ。お前の出番は終りだぜ、ワルプルギスの夜」
キール「クワァア」
ジン「キィィィィィルロワイヤル!!!」
・
・
・
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 04:53:53.27:gizrNb5L0
BGM-シャラ・ラ
エピローグ
グリーフシードを砕き、ワルプルギスを貫いた閃光が私達の願いを叶えた。
初めて迎えるワルプルギスの夜以降の日常に少々戸惑うこともあったが、彼らが残した繋がりのおかげかすべては概ね順調に進んでいる。
マミなどはまた会いたいとよく言っているが、実際彼らが今どこにいるかなどはわからない。
ただ、まどかが飴がよくなくなると言っていたので、近くにいて盗みにきているのかもしれない。
と、それはまどかの言葉を信じるのならば、だけれど。
私も、皆も、ただ食べすぎているのに気づかないだけだろうと思っている。
……とはいえ、心の奥で誰もが彼らが傍にいてくれることを夢に見ている。
あの小気味いいおしゃべりが今にも聞こえるようで。
暁美ほむら 談
・
・
・
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 05:07:47.53:zsVeagrU0
キール「結局盗んだものは飴ちゃんとこの歯車か」
ジン「そう言うな。結構おもしろかっただろ」
キール「次はどこいこうか。美女がいるといいなあ」
ジン「グリーフシード盗みに入ったQBのとこでさ、QBを作った連中の居場所わかったんだ。そことかどうだ? 彼女たちみたいな魔法少女がたくさん捕まってるかもしれないぜ。俺はでっかいソウルジェムでも見つけてやるかな」
キール「美女にあえるならどこでもいくぜ。んで、戻ったらまたマミのケーキ食べに帰るか。うーん、マミのハートを盗めなかったのが残念だぜ」
ジン「……」ポリポリ
キール「おい、なんか言えよジン。お前! さては!」
ジン「いやいや、なんでもねーって」
キール「なんでお前ばっかいい目みるんだよ!」
ジン「ほらほら、まどかの飴もう一個あげるから」
キール「あまいー。ってごまかされねえ!」
ジン「しらねーよーっだ! HO! HO! HO!」
ほむら「あなたたち、誰?」ジン&キール『ドロボウです』 end.
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 05:09:35.22:zsVeagrU0
これは……
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/28(金) 23:38:46.42:ITOH8hrN0ヒゲ「(クビカルヨー)」
まどか「きゃぁ!」
キンキンキン
ジン「あぶねっ。なんだこいつら。ハサミぶんまわして物騒だな」ザザザッ
キール「フロイライン、あなたのお友達かい?」
ほむら「そんなわけ、ないじゃない」ガシャン
キール「ちょぉっ、ぶっそうなもの持ち出して。そこまでオレうるさかった?」
ジン「キジも鳴かずば撃たれまいってね」
ガンガンガァン
キール「うう、やられた。おいしいサムゲタンにしてくれな」
ジン「なわけないだろう。お前好みのお嬢さんが増えたぜ。二人も」
キール「なにぃい!」
王ドロボウのSS始めて見た
支援
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/28(金) 23:48:44.72:ITOH8hrN0支援
さやか「まどか、大丈夫?」
まどか「さやかちゃん、どうしたの?」
さやか「まどか探してたらこの人にあって……一緒に探してくれてたの」
マミ「あらあら賑やかね。自己紹介の前にちょっと片付けちゃうわね」ピカッ
マミ「はっ!」
ガガガガガガガガン
ジン「すげー……」
キール「う、美しい」
マミ「っと、こんなものよ。魔女には逃げられちゃったけどね。あなたたち無事ね? あと使い魔…じゃないわよね。キミと鳥さんは?」
キール「はい! キールです! あとこっちはジン!」
マミ「ふふふ、元気がいいのね」
まどか「私は見滝原中2年。こっちは友達の美樹さやかちゃんと……クラスメートの暁美ほむらちゃんです」
マミ「ふぅん。さて、色々話したいこともあるしちょっと場所かえようか」
カツ
マミ「あなたもよ。ほむらさん」
ほむら「……わかったわ」
キール「えーっと、オレたちはどうすればいいかな。できれば色々と教えてもらいたいこともあるんだけど。シニョリーナの好きな男のタイプとか」
マミ「できれば今日のことは忘れてもらいたいところだけど……」
キール「こんな美しい方との出会いを忘れろとはなんと残酷な方。今日よりこの日の天使を想い私は毎日枕を涙で濡らす日々を送りましょう」
ジン「ははは……」
マミ「くすくす。いいわ、一緒にきて。あなたも魔法について知識あるみたいだし」
ジン「まあ、ね。結構色々旅してきたからさ」
キール「あなたとなら地獄の果てまでご一緒いたしましょう」
喫茶店
マミ「……というわけなの。私達魔法少女はQBとの契約で戦う運命を背負うわ」
まどか「魔法少女かあ。かっこいいです!」
さやか「どんな願いも……」
ほむら「けれど死の危険もあると言ったでしょう。私は勧めないわ」
マミ「そうね。こればかりは強制できないから良く考えてね」
キール「世界中のレディのハートをってのもアリか」
QB「少女に限るからキミは無理だよ。それに鳥との契約なんて前例もない」
キール「残念。オレは誰かの奇跡で手に入れた恋に興味はないからよ」
QB「それならかまわない」
マミ「さて、私は二人を送るわ。ほむらさんはどうする?」
ほむら「私はもう少しここにいるわ」
ジン「俺も。旅の最中なんでね、ここで夕飯食べていくよ」
マミ「そう。今後のことはまたお話しましょう。この街にいる魔法少女同士としてのね」
ほむら「ええ。そうね」
店員「マタノゴリヨウヲー」
ジン「で、ほむら。マミが知らない魔法少女の秘密。教えてくれよ」
ほむら「やっぱり気づいていたのね」
ジン「職業柄、人の顔読むのが得意なんだ」
ほむら「子供なのに仕事してるの?」
ジン「ドロボウさ」
ほむら「おもしろくないジョークね」
ジン「まっ、余裕がなけりゃ誰の言葉も冗句になるさ」
キール「ジン、おめーの女の扱いが下手なんだよ。それで、フロイライン。お聞かせ願えますかな」
ほむら「そうね、条件があるわ」
ジン「なんなりと」
ほむら「もし、必要があれば彼女達を躊躇なく殺せる?」
ジン「!」
キール「な……」
ほむら「……」
ジン「なるほどね。なんとなくわかった。約束しよう」
キール「おい、どいいうことだよ」
ほむら「飲み込みが早くて助かるわ。それじゃ、話すわね」
・
・
・
キール「なんだよ……それ」
ジン「タダより高いものはないってことだろ」
ほむら「その通りよ」
ジン「つっても、それだけ叶えたい願いがみんなあるんだよな」
ほむら「代償は、命を賭しても払いきれないものだけれどね。こればかりはどんな色男でも用意できないわ。そう言う意味ではキール、あなたよりQBの方がいい男ということになるわね」」
キール「はっ。火鼠の皮が用意できたからっていい男かどうかなんてわからねえぜ」
ジン「不死の薬持ってたって女心なんかわかんねえよなあ」
ほむら「それで、あなたたちはどうしたいの?」
ジン「利用してくれりゃいいよ。この街にきてまだ目的ないしさ」
ほむら「そう。ならいずれまた呼ぶわ」スッ
翌日/学校
マミ「それで、共闘できそうかしら」
ほむら「できればお願いしたいわ。けれど、あの子たちを契約させてほしくないの。私はただそれだけが望み」
マミ「理由は言えないのよね」
キール「今は、言えない、だろ」
マミ「あら、二人とも見滝原の制服着て。いけないのよ」
キール「お久しぶりですシニョリーナ。あなたと別れてから一日千秋の思いで今日を待ち焦がれました」
ジン「fall in loveってか。秋だけに」
マミ「ふふふ。お口がうまいわね」
キール「ええ、歌も自信ありますよ。もちろんキスもね」
マミ「理由も言えないのに従えって言うのもねぇ」
キール「(流された)」
ほむら「飲めないならいいわ。私なりに動くから」
マミ「待って。まだ断るとは言っていないわ。ええ、飲むわ。でも、私からも条件がある。使い魔も倒させてもらうわ。グリーフシードは必要に応じて分けること」
ほむら「それでいいわ。私はグリーフシードは十分持っているからそういった争いは無意味よ」
マミ「それと、彼女達を連れての魔法少女研修はさせてもらうわね。恐ろしいと思えば止めるでしょうし」
ほむら「……それが最大の譲歩案なのね。けれど私も同行するわ」
マミ「もとよりそのつもりよ。その、二人の方が心強いものね」
キール「マミ、オレもいるぜ!」
マミ「そうだったわ。私を守ってねキールさん」
ジン「やれやれ、無事に話が済んでよかったぜ。ほむらが戦争でもいくような顔でいるもんだから冷や冷やしたぜ」
ほむら「……」
マミ「ふふふ。そんな怖い顔してばっかりいるとキールさんにも振り返ってもらえなくなるわよ」
キール「フロイラインほむら。いつだって私はあなたのことを見つめておりますよ」
ほむら「話はそれだけよ」
マミ「まって、もう一個条件つけていいかしら」
ほむら「なに」
マミ「一緒に……お昼ご飯……どうかな」
キール「喜んで!」
ジン「おいおい」
マミ「あなたたちもいいわよ。私料理得意なのよ」
キール「マミ、毎日オレの為に味噌汁を作ってくれないか」キリッ
ほむら「……二人も連れてきたほうがいいかしら?」
マミ「そうね、お願いするわ」
ジン「キール、お前下手になったか?」
キール「向こうがうわてだって可能性もあるぜ」
ジン「女の子がいると本当に生き生きしてるなあ……」
・
・
・
後日/病院
まどか「これって、グリーフシード!」
QB「孵化しかかってる!」
さやか「まどか! マミさん呼んできて!」
まどか「う、うん!」
タタタタ
シャルロッテ結界内
マミ「鹿目さん、離れないでね」
まどか「は、はい。ほむらちゃんは?」
マミ「連絡はしておいたんだけど……」
・
・
・
タタタタ
ほむら「どうしてこんなときに限って他の魔女に出くわすのかしら!」ガァンガァン
ジン「さだめってやつじゃないの?」キィンキィン
ほむら「そんなの私が打ち砕いてみせる!」ドガァン
ジン「すげえすげえ」
ほむら タタタタ
キール「もういっちまった。オレたち出番ねえなあ」
ジン「俺はともかくお前の出番はもうじきあるかもよ」
キール「はあ?」
シャルロッテ結界
まどか「私、契約したいなって。ほむらちゃんとマミさんに止められてるけど、いつか時がきたらみんなの役に立つ魔法少女になろうと思います」
マミ「本当? ありがとう! 私、本当に嬉しい! あなたみたいないい子と一緒に戦えたらきっと私……グス、ふふまだいい先輩じゃないといけないのにごめんなさいね」
まどか「ええ、マミさんと一緒に!」
マミ「そうとわかったら張り切っちゃうんだから!」キラッ
使い魔「キュキュキュー」
マミ「はああ!」
ガンガンガン
使い魔「キュアー」
マミ「さ、急ぎましょう」
まどか「はいっ!」
・
・
・
シャルロッテ部屋
さやか「二人ともやっときた。もう怖かったんだから」
マミ「速攻でカタつけるわよ」
バァンバァン
マミ「ティロ・フィナーレ!」
ドォン
シャルロッテ グニョォン
さやか「マミさん、危ない!」
シャルロッテ アァン
マミ「え?」
・
・
・
タタタタタ
ほむら「お願い間に合って!」
ジン「……」
シャルロッテ結界内
タタタタタ
ほむら「急がないと彼女が危ない」
キール「ほむら。このキールがきっとあの子達を守ってみせるぜ」
ほむら「時間が、ないの」
ジン「もうじきゴールみたいだぜ。んじゃ、準備するか」
キール「ん? 準備って? なにオレの首根っこ掴んでるの?」
ジン「この物語に相応しいハイライトってやつの演出さ」
キール「よくわかんねえんだけど?」
ジン「マミを助けたいんだろ?」
キール「その願い、叶えてやるぜ」
ほむら「扉よ!」
バァン
シャルロッテ アーン
ほむら「マミ!」
ジン「いっけえーキール!」ブン
キール「オレを投げんなあ!」
ジン「マミ! 手を伸ばせ!」
マミ「え!? キールさんが腕に?」
ジン「叫べ!」
シャルロッテ アング
マミ「ティロ・ロワイヤル!」
ドッガアアアアアン
ほむら「間に合ったようね」タァン
シャルロッテ本体「」
キール「美女を助ける為っていったって即興で歌うのも結構難しいんだぜ」
ジン「でも、助けられたろ?」
マミ「あ、あ、あ……ありがとう!」ムギュ
キール「うひょぉお」ムニュ
ジン「こうしてキールの願いは叶いましたとさ。っと、これでよかったんだろ?」
ほむら「よかった……本当に……」
ジン「……」
・
・
・
後日/上条恭介病室
上条「さやかは僕をからかって楽しんでいるのかい?」
さやか「え?」
上条「奇跡でも起こらない限り治らないんだよ! こんな腕!」
さやか「大丈夫だよ恭介。奇跡も魔法も……あるんだよ」
バタン タタタタタ
上条「……くっそおお!」
キール「情けねえなあ」
上条「だ、誰だ!」
キール「ほむらに頼まれてさやかを追ってればこういうことかよ。世界がうらやむイケメン鳥キール様よ」
上条「しゃべる鳥? 誰が動かしてるか知らないけどそういうのやめてくれよ」
キール「まあ、話そうぜ。上条って言ったか。お前情けないなあ」
上条「ああ、情けないさ。こんな動きもしない腕を抱えて生きてることがさ」
キール「ちげえよ。女の子の気持ちも汲めないようなことがさ」
上条「え?」
キール「さやかがなんで毎日見舞いにくるか考えたことあるか? 自分の時間も潰してCD探してよ」
上条「それは……友達だから?」
キール「キィール・羽ビンタ!」
上条「ブゴフッ」
キール「今すぐメール、いや電話して呼び戻せ。んで聞き出せ。どうしてって」
上条「え、でも」
キール「キーィル、羽b」
上条「わ、わかったよ。……あ、もしもし、さやか、話があるんだすぐに戻ってきて……。これでいいかい」
キール「もう一つ。どうして『女の子』がお前のところにくるか。もう一度考えな」
上条「女の子……あっ」
キール「オレはコウノトリじゃねえんでね。運ぶのは願いだけさ。そもそも他人の恋路なんてガラじゃねえ」
ジン「言うこと聞かないとトリガラにするって脅されていたけどな」
上条「え、君はだれ?」
ジン「どうも。俺の飼い主が厄介になってたみたいだね」
上条「飼い主って? え?」
キール「帰ろうぜ。こんなとこに長居は無用だ」
ジン「そうそう、俺からアドバイス。指が動かなくても夢は抱けるんだぜ?」
キール「女もな」
ザッ
バタン
さやか「恭介……話って?」
上条「あ、あのさ。ずっと僕に見舞いにきてくれてありがとう……それで……」
・
・
・
かっこよすぎわろた
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 02:19:06.47:zsVeagrU0ほむら「うまくいったみたいね」
キール「恋のプロフェッショナルだからな」
ジン「愛にまで発展したことないって意味だろ」
キール「いいの! オレは世界にたった一つの愛を探す旅人なの!」
ほむら「たった一つの……。見つからないものよね」
ジン「恋は盲目だからな」
キール「目を開けば愛になるのさ」
ほむら「夢だったら?」
ジン「もう一回目を閉じて寝るかなあ」
キール「正夢だって信じるだけさ」
ほむら「そう、ね。信じる。それしかないものね」
キール「そういうわけで、報酬の愛をオレに」
ほむら「今度キールと一日デートしてあげるわ。日はもう決めてあるから」
キール「やったぜ!」
ジン「キール……不憫だな」
ある日/マミホーム/夕方
マミ「ウトウト……あ、あら居眠りしちゃった」
ヒュゥ
マミ「窓開けっ放しだったかしら?」
ジン「こんにちは、ドロボウです」
キール「お菓子を頂きに参りました」
マミ「とんだお客さんね」
キール「あなたに会いに飛んできました」
ジン「ほむらから言伝だあってきたんだけど、いいかな。悪いね、ノックしても返事なかったもんだからさ」
マミ「ええ。あなた達なら歓迎よ。今お茶いれるわね」
キール「いい部屋に住んでるなあ」
マミ「あまりジロジロ見ないで。散らかってるから」
ジン「構わないよ。それで、用件っていうのはワルプルギスの夜っていうのについてなんだ」
マミ「見滝原に、くるの?」
ジン「らしいよ。でその日なんだけどさ」
キール「シクシク、デートじゃねえじゃん。ほむらぁ」
マミ「? はい紅茶よ。ケーキもあるわ。お口にあうといいのだけど」
ジン「あ、ほっといて。ショックなことがあったんだけど、鳥頭だからすぐ忘れるよ」
キール「マミぃ。傷心のオレを優しく慰めてくれよ。もうキミだけなんだ」
マミ「まずお菓子を食べましょう。きっと心が落ち着くわ」
キール「手作りかよ! いっただっきまーす」
ジン「それで、戦力になりそうな人を呼んで欲しいって話なんだ」
マミ「そうね。心当たりがあるわね。でも、その子……」
ジン「問題でも?」
マミ「色々あってね。もう随分あってないの。でも、頼めばやってくれるかもしれないわ。いくらかグリーフシードを渡してみれば聞いてくれるかも」
ジン「ふぅん」
キール「おい、これすげーうめーぞジン!」
マミ「あ、おかわりもあるわよ。……そうだ、その子に届けて欲しいものあるの。お願いできないかしら」
ジン「いいぜ。ケーキのお礼をどうしようかと思ってたところなんだ」
ホテル/佐倉杏子部屋
コンコン
杏子「なんだ」
???「ルームサービスでございます」
杏子「頼んだ覚えはないぞ」
???「巴マミ様よりです」
杏子「……いいぜ」
ガチャン
カラカラカラ
ボーイ「こちら、巴マミ様手作りの桃のスフレとお紅茶でございます」
杏子「確かに、これはマミのケーキだ……。お前なにもんだ?」
ボーイ「ただの従業員でございます」
杏子「ボーイが妙な鳥をつれてくるかよ」ブンッ
ジン「あーあ、バレちゃった。お前の変装が下手なんだよ」ヒョイ
キール「人に成れたら苦労しねえよ」
ジン「とりあえずほい、この手紙を頼まれたんだ」
杏子「手紙? ……ワルプルギスがくるのか! ふぅん……」
ジン「まだあったんだ。ほら、マミからグリーフシード。これでどうか一緒に戦ってくれないかってさ」
杏子「二個だけかよ。ってこれでも全部じゃないのか。お人よし過ぎるぜ。けど、あたしは……」
ジン「で、これは俺から。これだけあれば彼女のお願い聞いてくれるかい?」
ドザザザザザザザザ
杏子「わっぷ、膝がうまっちまった。これ全部グリーフシードかよ! どうしたんだよ」
ジン「言ってなかったっけ? 俺ボーイでもポスティーノでもなくってドロボウなんだよ。ちょっくら盗んできた。あるところにはあるもんだね」
杏子「こ、これだけあればそりゃああいつみたいなお人よしもできるだろうさ」
ジン「マミにはあげてないよ。彼女は今最後のグリーフシード持って埠頭で戦ってる」
杏子「バカ野郎、それをなんで早くいわねえ!」
ジン「昔に決別、したんだろ?」
杏子「ああ、したさ」
ジン「じゃあ、どうしてそんなに慌てるの?」
杏子「決別したんだよ。昔のバカな私とね」
ジン「ゲンキンだねえこれが全部無くなったらまた別れるかい?」
杏子「そのとき考えるさ!」ダッ
キール「シンプルでわかりやすいな」
ジン「だからこそ不器用になっちまうんだ」
キール「可愛いねえ」
ジン「こずるくてもいやだけどな」
キール「翻弄されるのも快感になるぜ」
ジン「俺は御免だね。お宝追うだけでいっぱいいっぱいさ」
キール「お前の場合乳離れもできてないしな」
ジン「はははっ、違いないな」
キール「つってもマミさん見てると乳離れなんてできる自信なくなるんだよな」
ジン「哺乳類でもないのにか?」
キール「男のロマンさ」
・
・
・
マミホーム
マミ「ありがとう。二人とも。おかげで杏子が手伝ってくれるって」
ジン「マミのケーキがいただければいくらでもやるよ」
キール「こんなにうまいケーキはどの世界いってもなかなか見つからないぜ」
マミ「うふふ、つくりがいがあっていいわ」
キール「けど大変だよな。魔法少女って。学校も日常もあったり、魔女が出たり、ライバルがいたり」
マミ「そうね、でも選んだ道だから」
キール「それに、ソウルジェムが真っ黒になったら魔女になっちまうなんて運命まで」
マミ「え?」
おいこの鳥頭おい
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 03:17:41.50:zsVeagrU0ジン「(バカッ!)」
キール「なんてことは知りませんよ、アハハ」
マミ「どういうこと」
ジン「ソウルジェムは君たちから取り出された魂なんだ。それが絶望で黒く染まると魔法少女は魔女になる……。ほむらから聞いた」
マミ「そんな、魔女になるなんて……耐えられない。みんな、みんな魔法少女は死ぬしかないの!?」
キール「……」
マミ「ぐすっ、グスンッ」
ジン「マミ」
マミ「なに?」
ジン「死にたいかい?」
マミ「そう……ね、いっそのこと」
キール「お、おいジン本気かよ!」
ジン「俺はドロボウだ。お宝であれば命だって盗む」
マミ「お願い。もう何もかもが怖い。黒く濁って見えてきた。私の体すら穢れてるように思えて」
キール「ソウルジェムが黒くなってくじゃねえか」
ジン「ああ、盗んでやるよ。マミの命」
マミ「早く、持って行って、私の、命……」
ジン「だからさ、仕舞ってよ。ソウルジェム」
マミ「なにを……言ってるの?」
ジン「今日は予告さ。マミが魔女になるとき改めて俺はキミの命を盗みにくる」
マミ「今じゃ、ダメなの?」
ジン「警備の手薄な宝石なんて、ね」
マミ「で、でも」
ジン「マミ。まだキミは少しも穢れちゃいない。魔女になる気配もないさ。それに、気をつけていないと、魂以外のものも盗まれちゃうよ?」
マミ「え? ンッっ……」
ジン「……」
マミ「……」
ジン「……ほら、気をつけて」
マミ「ば、ばか!///」
今回のジンガールはマミさんか
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 03:38:38.54:zsVeagrU0ジン「とりあえず、今のが予告状だ。輝くものは星さえ盗むと言われた王ドロボウの宣告を受けたんだ。キミに逃れる術はないよ」
マミ「ええ、あなたがすぐにでも盗みにきたくなるぐらい綺麗に磨いておくわ。そして大事に守っておくからね。私の警備は厳重よ?」
ジン「ああ、だからこそ盗みがいがあるってもんだ。おい、キール死んだフリしてるんじゃない」
キール「あら、私は誰? ここはどこ?」
マミ「ここはあなたが絶望させたマミの家で、あなたはうっかり口をすべらせて女の子を悲しませたキールさんよ」
キール「もっかい死んでいいか?」
マミ「残念。それは私が許さないわ」
ジン「あはは」
マミ「うふふ」
キール「なんだよこいつら、オレが死んでる間に仲良くなってねえか?」
・
・
・
学校/屋上/夕方
まどか「呼び出してごめんね」
ジン「構わないよ」
まどか「ジンくんって不思議な人だよね。すごい大人っぽい気もするし、子供みたいにはしゃいだり」
ジン「子供さ、頭の中は間違いなくね」
まどか「ふふ。あのね。ほむらちゃんがお願いしちゃいけないっていうから今はまだ契約してないけど、私契約したいんだ」
ジン「願いを、聞いていい」
まどか「人の役に立ちたいの。私なにもできなくて、生まれてきた意味もわからなくて、自分がわからない。でも、みんなすごい自分で考えて前に歩いてる。それみたらなんだか自分が余計にかっこ悪くて」
ジン「ふぅん。役に立ちたい、かあ」
まどか「ジンくんからなにか言ってくれるかなって」
ジン「まどかは世界で一番大切な人っている? いや、誰かって決めてる?」
まどか「えっと……。ママやパパ、がそう言ってくれてたり、みんなが好きだからなんだけど……私が一番大切かな」
ジン「うん」」
まどか「ママが私の顔見ると安心するって。帰ってきたって思うって。そう、名前もね私がいてみんなが集まる円になるようにってつけたんだって」
ジン「まどかはみんなの帰る場所なんだね」
まどか「うん。私のこと見て笑顔になってくれる人がいるから、その人の為に私は自分が大切って言えるように生きてきたの」
ジン「なんだ、もう願い叶ってるじゃん」
まどか「え?」
ジン「まどかが笑顔でいる。それを信じられるからみんな強くなれるし、キミに会いたいといつだって思える。キミはただいるだけで希望なんだ」
まどか「私のできること……って」
ジン「キミがいる、それがみんなの願いでキミの願いでもあったんだ。そうだね、叶っていたら自分の願いなんて気づけないよね」
まどか「……私、もう叶っていたんだ」
ジン「その願いは誰も叶えることができない、まどか自身だけが生み出せる本当の奇跡だよ」
まどか「あは……あはは。ありがとう。私大事なこと忘れてみんなを裏切るところだった」
ジン「礼には及ばないさ」
まどか「そうだ。ジンくんドロボウなんだよね。えっと、なにか盗ませてあげられるものないかな。えっと」
ジン「あはははっ。そういう人は始めてあったよ。いいよ、別に」
まどか「ううん。ダメ! あ、あった。お気に入りの飴だけど……」
ジン「これかい?」
まどか「あ、大袋のほう!」
ジン「残念、もういただいておりました」コロコロ
まどか「なくなったらまた盗みにきてね」
ジン「ああ、いただくよ。じゃ、明日が戦いの日だけど、ほむらやみんなの帰りを信じて家族と待っていてね」
まどか「うん!」
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BGM-magia
ワルプルギスの夜襲来/見滝原市内
ほむら「きたわ、ワルプルギスの夜よ」
杏子「でっけえなあ」
マミ「いくわ」
キール「オレはほむらのおつきで」
ジン「俺は使い魔の梅雨払いっと」
・
・
・
ワルプルギスの夜「キャハハハハ」
杏子「うらああ!」ギャインギャイン
マミ「はっ!」ダダダダダダッ
杏子「固いィィ」
マミ「使い魔も多くて戦いづらいわ!」
杏子「マミ、ビルが!」
ほむら「はっ!」
ドッゴォン
マミ「ありがとう、暁美さん」
キール「で、オレはほむらにくっついていればいいの?」
ジン「また即興で一発歌ってあげればいいよ」
キール「まどかの飴で喉も調子いいしな」
ワルプルギス「キャハハハハ」
キール「あれよりはうまく歌うぜ」
ジン「ほっほっほっ」
マミ「ジンさん器用ね。瓦礫を踏み台にうまく空にいるわ」
杏子「あいつはオカシイんだよ。それより、胴体一斉にしかけるぞ。せえの!」
マミ「ティロ・フィナーレ!」
ゴゴゴォン
マみ「だめ、傷もついてない」
杏子「そういえば二人……と一匹は?」
マミ「直接叩くって足元に入っていったわ」
・
・
・
ほむら「この舞台に火薬を仕掛けて……」
ピッ ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォン
ジン「ほいっほいっほいっと」
キール「歯車はルームランナーじゃねえぜ」
ジン「ここは外だもんな」
ほむら「なら、あのときのキールの力で。ふふ、まさか私が技を叫ぶ日がふるとはね」
キール「これは名前ではありません。いわばオレとほむらの愛のシンフォニー。紡がれる想いのスペルです」
ほむら「キィィル・アンペリアル!」(無視)
ドッゴォォォン
ジン「やったか?」
ほむら「くっ、これでもダメだなんて」
使い魔「きゃはははは」
ほむら「く、沢山の使い魔が押し寄せてきた。いったん引くわ。ジン、キール下がるわよ」
ジン「ほいほいっと」
使い魔「きゃはは」バンバン
ジン「うおっあっ」ズルッ
キール「歯車に飲まれるぞ! ジン掴まれ!」
ジン「う、うわぁああ」
使い魔「ぅふふふ」バァン
キール「うあああ!」
ほむら「え、そんな! ジン! キール!」
使い魔たち「うふふ、きゃはは、うひひ」
ほむら「なんてこと……引くしか……ないのね」
・
・
・
地上
マミ「暁美さん、ジンさんは!?」
ほむら フルフル
杏子「なんてこった。ちくしょう! あたしたちはあいつに勝てないのか!」
ほむら「ごめんなさい」
マミ「あなたが謝ることじゃないわ」
ほむら「けれど、みんなを引っ張りだしたのは私」
杏子「そんなこと言ってる場合じゃないみたいだぜ。ワルプルキスの夜が反転しようとしてる」
マミ「とうとう見滝原も終り……あら? 途中から動かないわよ。歯車も回ってるけど、あれ以上あがらないように見えない?」
ワルプルギスの夜「キャハハハハハハハハハ……」
杏子「使い魔も瓦礫も動かない。火も吐いてこない。なにしてるんだ?」
ジン「本当、なにしてるんだろうね」
キール「考えごとじゃないの?」
ジン「大笑いしながら?」
キール「そういう思考法かもな。ほら、笑うと前向きになれるっていうじゃん」
ジン「でもあれ、逆さま」
キール「その場合は……上を向いてあるこう?」
ジン「Going my 上へ、かな」
ほむマミ杏『ジン! キール!』
BGM-Shout it loud
ジン「危なく生パスタになるところだったぜ」
キール「オレはかしわ肉って感じか」
ほむら「よく助かったわね」
ジン「まあ、ね。みんなで帰るってまどかに約束したからな」
杏子「でも、あいつが倒せないんじゃどのみち見滝原は終りだ」
マミ「そういえばワルプルギスの夜が動かなくなった理由わかる?」
キール「あれじゃね?」
ジン「これか」
マミ「なに、その歯車」
ジン「いやね、逃げるときに一個もらってきた。あとこれ」
杏子「ワルプルギスの夜の……グリーフシードかよ!」
キール「あいつは今本当に空回り中なのさ」
ほむら「……あなたたち本当にドロボウなのね」
ジン「ああ、輝くものなら星さえも盗む王ドロボウってな」
かっくいいな
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 04:48:47.56:zsVeagrU0キール「気をつけないとハートまでもっていかれるぜ?」
ジン「ああ、森羅万象たちまちな」
キール「喉は出来上がってるぜ、ジン」
ジン「これ咥えとけ」
キール「あいつのグリーフシードな。あいよ」
ジン「さあ、もう舞台はエピローグだ。お前の出番は終りだぜ、ワルプルギスの夜」
キール「クワァア」
ジン「キィィィィィルロワイヤル!!!」
・
・
・
HO! HO! HO!
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 04:56:34.29:zsVeagrU0BGM-シャラ・ラ
エピローグ
グリーフシードを砕き、ワルプルギスを貫いた閃光が私達の願いを叶えた。
初めて迎えるワルプルギスの夜以降の日常に少々戸惑うこともあったが、彼らが残した繋がりのおかげかすべては概ね順調に進んでいる。
マミなどはまた会いたいとよく言っているが、実際彼らが今どこにいるかなどはわからない。
ただ、まどかが飴がよくなくなると言っていたので、近くにいて盗みにきているのかもしれない。
と、それはまどかの言葉を信じるのならば、だけれど。
私も、皆も、ただ食べすぎているのに気づかないだけだろうと思っている。
……とはいえ、心の奥で誰もが彼らが傍にいてくれることを夢に見ている。
あの小気味いいおしゃべりが今にも聞こえるようで。
暁美ほむら 談
・
・
・
キール「結局盗んだものは飴ちゃんとこの歯車か」
ジン「そう言うな。結構おもしろかっただろ」
キール「次はどこいこうか。美女がいるといいなあ」
ジン「グリーフシード盗みに入ったQBのとこでさ、QBを作った連中の居場所わかったんだ。そことかどうだ? 彼女たちみたいな魔法少女がたくさん捕まってるかもしれないぜ。俺はでっかいソウルジェムでも見つけてやるかな」
キール「美女にあえるならどこでもいくぜ。んで、戻ったらまたマミのケーキ食べに帰るか。うーん、マミのハートを盗めなかったのが残念だぜ」
ジン「……」ポリポリ
キール「おい、なんか言えよジン。お前! さては!」
ジン「いやいや、なんでもねーって」
キール「なんでお前ばっかいい目みるんだよ!」
ジン「ほらほら、まどかの飴もう一個あげるから」
キール「あまいー。ってごまかされねえ!」
ジン「しらねーよーっだ! HO! HO! HO!」
ほむら「あなたたち、誰?」ジン&キール『ドロボウです』 end.
以上で終了です
結構長丁場になってしまいましたが、
おつきあいいただき、本当にありがとうございました
彼らのカッコよさが少しでも演出できてたら嬉しいです
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 05:14:06.52:IgAS2jQN0結構長丁場になってしまいましたが、
おつきあいいただき、本当にありがとうございました
彼らのカッコよさが少しでも演出できてたら嬉しいです
乙
久々に漫画を引っ張り出して読みたくなった
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 05:29:25.38:zsVeagrU0久々に漫画を引っ張り出して読みたくなった
漫画読みたくなっていただけたのなら、最高に嬉しいです
彼らの理屈抜きの痛快な活躍が大好きなんです
キールを他の子に使わせたのはちょっとやりすぎだったかもって思いましたけど、ティロ・ロワイヤルができたので満足
文中にBGMタイトルを掲載するのも悩みましたが、ジンのサントラがかっこいいので思わず使用
スクーデリアエレクトロ好きなんですよね
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 05:31:28.82:pRMRK+Nn0彼らの理屈抜きの痛快な活躍が大好きなんです
キールを他の子に使わせたのはちょっとやりすぎだったかもって思いましたけど、ティロ・ロワイヤルができたので満足
文中にBGMタイトルを掲載するのも悩みましたが、ジンのサントラがかっこいいので思わず使用
スクーデリアエレクトロ好きなんですよね
>>109
俺もわざわざ取りよせてCD買ったわ
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 05:29:55.51:ffO/Z9y70俺もわざわざ取りよせてCD買ったわ
おもしろかったぜ
しかしこいつらかっこいいな
乙だ
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 05:41:49.09:gxBtT1iGOしかしこいつらかっこいいな
乙だ
まどマギの世界観でジンらしいハッピーエンドにしてくれたのが嬉しい
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/29(土) 05:53:22.72:zsVeagrU0
ジンとキールにも感謝です
彼らだったからこそこの物語ができたわけですから
それではみなさん、『今日も鮮やかなる日』をお過ごしください
その胸に『芽吹くTruth』と共に『羽根つきのシューズ』を履いて
私は寝ます
よい夢を
『必ず何かが変わると信じて』
彼らだったからこそこの物語ができたわけですから
それではみなさん、『今日も鮮やかなる日』をお過ごしください
その胸に『芽吹くTruth』と共に『羽根つきのシューズ』を履いて
私は寝ます
よい夢を
『必ず何かが変わると信じて』

コメント 15
コメント一覧 (15)
ただもうちょっとまどマギ勢の見せ場が欲しかったかな
子供のころボンボンで読んだな
また読んでみたくなったよ
再開しねーかなー…