星奈「へ?」
小鷹「いや、俺夜空いるし」
星奈「……え」
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6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 16:09:15.91:+LeP7e9S0
星奈「ハ、ハァ!?な、なんであのバカの名前が出てくるのよ!!」
小鷹「実は先週夜空から告られてさ、それで俺たち付き合い始めたんだ」
星奈「なにそれ……」
小鷹「いやーまさかあいつがあんな大胆な行動に出るとは思わなかったぜ。すげー可愛かったし」
星奈「あ、あんたねえ!」
小鷹「つーわけだから。それじゃ」スタスタ
星奈「……」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 16:20:03.76:+LeP7e9S0
星奈「……」ポツーン
星奈「なにこれ……」
星奈「あ、あはは!きっと冗談に違いないわ!だってあたしと小鷹、ずーっと恋人同然の仲だったじゃない!」
星奈「……小鷹にメールいれとこ」
~~~~~~~~~~~~~~~~
FROM 星奈
『もう、悪い冗談はやめなさいよね! (`・ω・´)』
ピロリン
FROM 小鷹
『いや、マジだけど』
星奈「え……」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 16:28:36.96:+LeP7e9S0
FROM 星奈
『え、本当に夜空とつきあってるの?』
小鷹「しつけーなぁ……」
小鷹「……無視しとくか」
30分後
小鷹「………」パカッ
FROM 星奈
『ちょっと!返事ぐらいよこしなさいよ!!』
FROM 星奈
『ねぇ、嘘よね?』
FROM 星奈
『あの夜空が、そんなことするわけないわよね?』
小鷹「うぜぇ……」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 16:47:38.12:+LeP7e9S0
さらに30分後
FROM 星奈
『小鷹、タチの悪い嘘ついたらあたし怒るわよ』
FROM 星奈
『ねえ、返事してよ』
FROM 星奈
『ねえってば!!!!』
FROM 星奈
『返事してよ……おねがいだから……』
小鷹「こ、この……」イライライラ
小鷹「直接電話してやる」
プルルルル
星奈「……!!こ、小鷹っ!!!」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 16:54:01.55:MdHd0bQC0
星奈「も、もしもs」
小鷹「さっきからしつけーんだよ!!いい加減にしろ!!!」
ブチッ
星奈「……ふぇ?」
星奈「なにいまの……」
星奈「なんで否定しないの?なんで夜空とつきあってないって言ってくれないの?」
星奈「なんで、なんで……俺には星奈がいるよって……言ってくれないの……?」
星奈「なんでよ……どうして…………」グスッ
星奈「うぅ……うわあああああん…………」ポロポロ
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 17:18:03.90:+LeP7e9S0
夜。小鷹の家にて。
小鷹「まったく……星奈の奴……」
小鷹「あいつのああいう自分の思い通りにならないと気が済まないところは、マジ勘弁して欲しいな……」
小鷹「たぶんこれからも自分中心に世界が回ってるってずっと信じてるんだろうな」
小鷹「まーいいや、星奈のことは。さて、夜空にメールするか」カパッ
小鷹「うおっ!?なんだこれ!」
着信メール:30件 着信:10件
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 17:32:48.36:+LeP7e9S0
FROM 星奈
『ねえ、本当はやっぱり嘘なんでしょ?』
FROM 星奈
『あの夜空が告白なんてするわけないよね(^-^)』
FROM 星奈
『だってあたしと小鷹、つい最近いっしょにおでかけしたじゃない!』
FROM 星奈
『別に嘘ついて自分の気持ちごまかしたりしなくていいのよ?』
FROM 星奈
『あはっ、小鷹って恥ずかしがりやさんね(*´▽`*)』
※一部抜粋
小鷹「怖……こいつ怖っ……」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 17:43:59.30:jOyE2nGY0
小鷹「ちょっと夜空に相談してみるか……」
プルルル
夜空「小鷹か。あ、あの今日ちょっと試しにクッキーを作ってみたんだが……お前が良ければ、その、明日」
小鷹「すまん夜空。折り入って相談があるんだが」
夜空「む……。なんだ?」
小鷹「実は……」
~~~~~~~~~~~~~~~
夜空「……なんだ、そんなことか」
小鷹「そんなことって……俺の立場にもなってくれよ」
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 18:02:05.44:+LeP7e9S0
小鷹「言っとくがすげー不気味だぞこれ……普通の顔文字も怖く見えるレベルだ」
夜空「心配するな小鷹。肉の性格から考えてみろ」
小鷹「あいつの性格?」
夜空「熱しやすく冷めやすい……明日になればけろっとした顔で元の肉に戻っているだろう」
小鷹「そうだといいけどな……」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 18:16:32.40:+LeP7e9S0
夜更け。
小鷹「夜空は心配するなって言ってたけど……俺の杞憂なのか?」
小鷹「まぁあれからメールも着信も来ないし……とりあえず寝るか」
そして夜中の2時。
プルルルルルル
小鷹「こんな時間に家の電話が鳴ってる……何か嫌な予感するんだが」
プルルルルルル
小鷹「取りたくねえ……」
プルルルルルル
小鷹「しかたないな……」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 18:26:03.74:+LeP7e9S0
小鷹「……はい。羽瀬川ですけど」
星奈「やっほー小鷹!あたしよあ・た・しっ♪」
小鷹(やっぱり……ていうか、なんでこいつこんなにテンション高いんだ?)
小鷹「あのな……お前今何時だと思ってるんだよ」
星奈「2時だけど」
小鷹(こいつ……)
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 18:37:43.05:+LeP7e9S0
小鷹(もしかして酒でも飲んで……いや、そんな感じじゃない)
小鷹「……何か用か?」
星奈「べつに?あたしは小鷹と話したかっただけっ!えへー」
小鷹「……せめて俺の携帯にかけてくれ。家の電話だと、小鳩にも迷惑だろ」
星奈「めい、わく…………」
小鷹「ああ。だいたいこんな夜中に」
星奈「………………ないじゃない」ボソッ
小鷹「え?」
星奈「あたしが電話しても出てくれないじゃない!!!」
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 18:52:30.58:+LeP7e9S0
小鷹「お、落ち着け星奈……」
星奈「…………」
小鷹「電話に出なかったのは悪かった……謝る」
星奈「わかれば、いいのよ」
小鷹「…………」
星奈「…………」
小鷹(切りてえ……でも怖え……)
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 19:07:01.78:+LeP7e9S0
星奈「……ねぇ、昼間のことなんだけど」
小鷹「お、おう」ビクッ
星奈「あたし、全然気にしてないから!!」
小鷹「……へ?」
星奈「だって冷静に考えてみたら、あんたと夜空が付き合うなんて絶対にありえないし!あはは!」
小鷹「……」
星奈「まったく、エイプリルフールはまだ早いわよっ!特別に許してあげるケド」
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 19:20:40.40:+LeP7e9S0
小鷹「なぁ、星奈……」
星奈「じゃあもう切るわね!バイバイ!!」
プッツーツーツー
小鷹「あいつ……」
~~~~~~~~~~~~~~~
柏崎家。同時刻。
星奈「…………」
ステラ「お嬢様、深夜にあまり大きな声を出されるのは」
星奈「…………さい」ボソッ
ステラ「はい?」
星奈「うるさいって言ってんのよ!!!」
ステラ「!」
星奈「…………寝るわ。明日も学校あるし」
ステラ(お嬢様……?)
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 19:38:22.68:+LeP7e9S0
星奈の部屋
星奈「……そうよ、そうよね」
星奈「嘘に決まってるわ……」
星奈「全てにおいて完璧なこのあたしが、夜空なんかに負けるわけない」
星奈「そもそも今までずっと小鷹といっしょに過ごしてきたのは、あたしなのよ!」
星奈「それなのに……今更そんな……信じれるわけないじゃない……」ポロポロ
121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 19:53:26.71:+LeP7e9S0
次の日。学校にて
星奈「おはよー!小鷹っ!」
小鷹「お、おっす」
小鷹(目が赤く腫れてる……すげー充血してるし、大丈夫か……?)
星奈「教室まで一緒に行こ?」
小鷹「ああ……」
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 20:08:03.76:+LeP7e9S0
小鷹の教室の前
小鷹「じゃな」スタスタ
星奈「うん」
小鷹(さて、1時限目の準備も出来たし、ちょっと夜空と喋るか)
夜空「……」←机にふせている
小鷹(…………なんか強い視線を感じる)
星奈「…………」ジィー
小鷹「おわっ!?」
小鷹(ドアの隙間からすげーこっち見てる……)
135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 20:25:14.01:+LeP7e9S0
星奈「…………」ジロジロ
小鷹(もしかして見張ってるのか?俺と夜空がしゃべらないように……)
星奈「…………」ジロジロリ
小鷹(落ち着かない……つか怖え……)
~~~~~~~~~~
休み時間
星奈「…………」ジロリ
小鷹(おいおい毎回来る気かよ!?)
夜空「……」←読書してる
小鷹(基本的に俺が夜空にいつも話しかけてるからな……昼メシだって夜空の席で食ってるし)
小鷹(夜空が星奈の視線に気付いてる様子はないし……どうしたものか……)
146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 20:42:31.66:+LeP7e9S0
キンコンカンコン
小鷹(結局そのまま昼休みになってしまった……)
小鷹(星奈は来てない、か……夜空とメシ食おう)
小鷹「おーいよぞr」
星奈「こ~だか~!!」ダキッ
小鷹「うわっ!」
星奈「一緒にゴハン食べよっ♪」
小鷹「え……」
150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 20:51:21.16:+LeP7e9S0
小鷹「いや、俺夜空と……」
星奈「あっ、ここじゃちょっとアレだし、別のところ行きましょ!ね?」
小鷹「おい、人の話を」
星奈「はやく、はやくっ♪」グイグイ
小鷹「お、おい!ひっぱんなって!」
夜空(む……小鷹の奴、私を差し置いて肉と……)
157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 21:02:20.71:+LeP7e9S0
学校の屋上
星奈「じゃーん!どう?すごいでしょ!うちのシェフが腕によりをかけて作った特製弁当よ!」
小鷹(4段重ねって……こいつこんなに食えるのかよ)
星奈「小鷹にもおかず分けてあげる!えへへっ」
小鷹「なぁ……星奈……」
星奈「んー?なに?」
小鷹「お前ちょっとヘンだぞ……昨日から」
星奈「えっ」
162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 21:11:47.42:+LeP7e9S0
星奈「えっ?えっ?ヘン……ヘンってなにが?」
小鷹「いや、なんつーか……」
星奈「な、何言ってんの!?全然普通だし!!そう、すっごく普通だけど?」
小鷹「普通……」
星奈「……」
小鷹「……」
小鷹(気まずい……)
170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 21:22:22.69:+LeP7e9S0
星奈「…………小鷹」
小鷹「は、はい」ビクッ
星奈「……本当はあたしと一緒にお弁当食べたくないんでしょ」
小鷹「別に、そういうわけじゃ……」
星奈「……はっきり……言ってよ」
小鷹「へ」
星奈「あたしじゃなくて!夜空と一緒に食べたいんでしょ!!」
171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 21:24:49.96:EW9Sl8Bi0
174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 21:29:56.98:+LeP7e9S0
小鷹「う……」
星奈「……否定しないんだ」
小鷹「せ、星奈。あのな」
星奈「行っちゃえば?」
小鷹「え」
星奈「夜空と食べたいんでしょ!?早くあいつのとこに戻りなさいよ!!」
180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 21:44:20.46:+LeP7e9S0
小鷹「……」トコトコ
バタム
小鷹(昨日……俺の言葉、ちょっと軽率すぎたのかもしれない)
小鷹(でも、俺星奈のことずっと友達としか思ってなかったし……)
小鷹(どうすりゃいいんだろ……)
193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 22:00:51.78:+LeP7e9S0
星奈「……」
星奈「あはははは!!バッカみたい!!」
星奈「自分から誘っておいて!何やってんだろ、あたし!!」
星奈「…………どうしてよ」
星奈「どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして」
星奈「どうして夜空なのよ!!!!」
196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 22:03:15.07:KkmYGhh2O
星奈「…………小鷹」
星奈「ずっとそばにいてよ……」ポロ
星奈「あたしを……一人にしないでよ……こだかぁ……」ポロポロ
~~~~~~~~~~~~~
放課後
小鷹(部活行きたくないな……)
小鷹「なぁ、夜空」
夜空「ん?どうした」
小鷹「今日、一緒に帰らないか?……部活は休みってことで」
228:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 22:57:16.22:+hWcwAEl0
夜空「ああ、別に構わないが」
小鷹「ん。じゃ、行こうぜ」
~~~~~~~~~
バス停前
小鷹(星奈には悪いけど……俺と夜空は付き合ってるんだ)
小鷹「バス……なかなか来ないな」
夜空「そうだな。……な、なぁ小鷹?」
小鷹「ん?」
夜空「こういうとき恋人同士というのは……その、手とかつないだりするものなんだろうか」
241:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 23:10:31.16:+hWcwAEl0
小鷹「ま、まぁ詳しくは知らないけど……そういうものかもしれないな」
夜空「そ、そうか」
小鷹「……」
夜空「……」
小鷹「な、なぁ」
夜空「つないでも…………いい、か?」ドキドキ
小鷹「お、おぅ……」ドキドキ
253:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 23:27:11.59:+hWcwAEl0
ギュッ
小鷹「いやー……なんつーか、新鮮だよなこういうの」
夜空「そ、そうだな……ただ、手をつないでるだけなのに、妙に落ち着かない」
小鷹「そりゃ、昔とは違うし」
夜空「昔、か……今は」
小鷹「カレカノ、だしな」
夜空「……///」
小鷹「どうした?」
夜空「い、いやなんでもっ!そうだな、私達は……こ、こ、恋人同士なんだよなっ///」
小鷹(顔が真っ赤だ……)
262:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 23:39:00.30:+hWcwAEl0
星奈(はぁ……もう部活とかどうでもいいわ……帰ろ)
星奈(え?あれって……小鷹と……夜空?)
星奈(…………なんで、手つないでるの?)
星奈(……小鷹、なんであんた……そんなに嬉しそうにしてるの?)
星奈(いや……いやぁっ……)
星奈「イヤアアアアアアアアアアアアッッ!!!!」
小鷹・夜空「!!」
269:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 23:48:02.51:+hWcwAEl0
夜空「お、おい肉!!大丈夫か!?」
小鷹「星奈……お前……」
星奈「はぁ、はぁ、うう、うえっ…………」
夜空「と、とりあえず立てるか?手を貸してやる」
パシッ
星奈「…………さわらないで」
夜空「!」
星奈「次にさわろうとしたら……殺すわよ」
274:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 23:57:04.58:+hWcwAEl0
小鷹(なんだよこれ……星奈がこんな目してるところ見たことないぞ……)
夜空「こ、殺すって肉、お前……」
星奈「………………ぷぷっ」
星奈「あははははははははははははははははは!!!」
小鷹・夜空「!!」ビクッ
星奈「冗談よ、じょ・う・だ・ん!!なにもしかして夜空、あんたビビっちゃったの?あはは!」
夜空「こ、こいつ……」ムカッ
281:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 00:09:24.86:+hWcwAEl0
夜空「ふん!帰るぞ、小鷹!!」
小鷹「お、おい……。星奈、とりあえずお前ちょっと休んだ方がいいと思う……真面目に」
星奈「…………」
小鷹「じゃ、じゃあな」
星奈「…………」
星奈「……死ねばいいのに」
451:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 13:34:22.81:NN/6Rn080
バスの中
小鷹(明らかに星奈の様子がおかしい……)
小鷹(あいつは、あんな本気で誰かに『殺す』なんて言う奴じゃない)
小鷹(やっぱり昨日、俺の言い方がまずかったのか?そのせいであいつは……)
小鷹「……夜空」
夜空「なんだ」
小鷹「これからの昼休みのこと、なんだけど」
459:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 13:51:22.12:NN/6Rn080
夜空「……まさか、肉と昼ゴハンを食べたいなんて言い出すんじゃないだろうな」
小鷹(鋭いな……)
夜空「私は、あいつが私達をおちょくっているようにしか見えないんだが」
小鷹(俺には、星奈が意識してわざとああいう行動をとっているとは思えない……)
夜空「ああいう構ってちゃんには、スルーが一番効果的だろう」
小鷹「そう、か……そうだな」
小鷹(俺も正直……今の星奈は怖い。あまり関わりたくはない……)
462:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 14:03:30.54:NN/6Rn080
柏崎家。夜
星奈「…………」
星奈「夜空……」ギリ
星奈「ああああああああもう!!ムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクッ!!!」
星奈「あたしは小鷹と手つないだことなんてないのにっ!!!」
星奈「…………恋人」ボソ
星奈「あたしは小鷹がこんなに大好きなのに……小鷹はあたしなんてどうでもいいの……?」
星奈「イヤだよぅ……そんなの……」ポロ
星奈「こだかぁ…………」ポロポロ
464:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 14:16:20.04:NN/6Rn080
朝
ステラ「お嬢様、朝食のご準備ができました」
星奈「……いらない」
ステラ「え?」
星奈「気持ち悪いの……だから、いらない。あと、学校も休むわ」
ステラ「そう、ですか……」
ステラ(今、旦那様はご不在。私がどうこう言える立場にはない)
468:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 14:25:32.75:NN/6Rn080
~~~~~~~~~~~~~
カチッカチッ
星奈「…………」ポケー←ネットサーフィン中
星奈「恋人に作って欲しい手料理特集……」
星奈「……これだわ」
星奈「待ってて、小鷹……えへへ……」
~~~~~~~~~~~~~
星奈「というわけで、あたしに料理教えてっ!!」
料理人「は、はぁ」
ステラ(お嬢様が自分から料理を学びたい、なんて……)
473:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 14:38:23.45:NN/6Rn080
一方、学校にて。
小鷹(今日は星奈の姿を見かけなかった)
小鷹(もしかしたら、学校を休んでるのかもしれない)
小鷹(あいつが学校休むこと自体、珍しい。やっぱり、星奈の奴……)
小鷹(心配してないと言ったら嘘になる。でも……ほっとしてるのも事実なんだよな……)
夜空「小鷹。今日は部活行くのか?」
小鷹「あ、ああ」
夜空「部活に行く前にその、なんだ……ちょっと見て欲しいものがあるんだが」
小鷹「え?」
479:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 14:45:42.46:NN/6Rn080
学校のベンチ
小鷹「こ、これは」
夜空「この前電話で言ってたクッキーだ。そ、その初めて作ったから美味くないかもしれないが……」
小鷹(電話……そういえばあのときそんなことも。ほとんど忘れかけてたけど……)
小鷹(しかし月型のクッキーとか……わかりやすいな)
小鷹「じゃ、いただきます」パクッ
482:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 14:58:02.92:NN/6Rn080
小鷹「……」モグモグ
夜空「ど、どうだ!?」
小鷹「……うまい」
夜空「ほ、本当か!?」
小鷹(ちょっとしょっぱいような気もするけど……でも、初めてにしてはいい出来だと思う)
夜空「よ、よかった……//」
小鷹(可愛いな)
小鷹(夜空のこういう、女の子っぽい一面を見るとやたらドキドキするんだよな……普段とのギャップのせいだろうか)
486:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 15:15:21.64:NN/6Rn080
そんなこんなで3日経過。
羽瀬川家。
小鷹(あれから一度も星奈を見かけてない……)
小鷹(ちょっと本気で心配になってきたんだが)
小鷹(もし、ずっと学校を休んでるんだったら……明日あいつの家まで行ってみようか)
ピンポン
小鷹「呼鈴……あ、はーい」
ガチャ
星奈「やっほー!小鷹っ♪」
小鷹「せ、星奈!」
492:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 15:26:53.05:NN/6Rn080
星奈「ひさしぶりー!元気にしてた?」
小鷹「あ、ああ……」
小鷹(久しぶりっていうほどでもないような……でもこいつ、元気そうだな)
小鷹(ただ、手に持ってるその袋は?ジャガイモとかにんじんがちらっと見えるけど……)
星奈「今日はこのあ・た・し・が!特別に料理を振舞ってあげるわ!感謝しなさいよねっ♪」
小鷹「りょ、料理?」
星奈「ふふん、あんたも好きでしょ?カレー。それじゃ、あがらせてもらうわね!」
小鷹(何の連絡もなしにいきなり……なんなんだ……)
493:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 15:36:40.83:NN/6Rn080
~~~~~~~~~~~
星奈「おじゃましまーす♪」
小鳩「げっ」
星奈「あ、小鳩ちゅわん、こんばんわっ!今日もカワイイわね♪」
小鳩「あんちゃん、なんでこいつ……」
小鷹「いや、俺にもさっぱり……」
星奈「じゃ、キッチン借りるわね!小鷹は何もしなくていいから、座って待ってて」
小鷹「ん、ああ……」
496:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 15:46:26.65:NN/6Rn080
星奈「~~♪」トントントン
小鳩「あんちゃん、あいつなんかヘン……」ヒソヒソ
小鷹「俺もそう思うんだが……」ヒソヒソ
ブシュッ
星奈「あ、いたっ」
小鷹「お、おい星奈!」
500:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 15:53:40.78:NN/6Rn080
星奈「……」
小鷹「指、切れてるじゃないか!今、バンソーコーを」
星奈「ねぇ小鷹」
小鷹「え?」
星奈「…………なんでもない」
星奈(なめたり、してくれないんだ……)
504:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 16:04:40.83:NN/6Rn080
~~~~~~~~~~
星奈「じゃーん!できたわよっ特製カレー!!」
星奈「さっ、食べて食べて♪」
小鷹・小鳩「い、いただきます」
小鷹・小鳩「……」モグモグ
小鳩「ほ、ほう……なかなか美味いではないか」
星奈「えっホント!?きゃーうれしい!ありがとう小鳩ちゅわん!!」
507:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 16:16:54.58:NN/6Rn080
星奈「ねー小鷹は?小鷹は?」
小鷹「お、おぅ。俺も、すげーウマイと思う」
小鷹(見た目も味も完璧だ……まぁ、こいつはどんなことでも簡単にマスターする奴だし。だけど)
小鷹(なんだろう、この腑に落ちない感覚……)
星奈「うふふ、トーゼンよねっ!なにせ、アレも入れたし」
小鷹「……アレ?」
星奈「えへへ、ナ・イ・ショ!」
小鷹「……」
512:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 16:27:57.60:NN/6Rn080
そして次の日。
ピンポン
小鷹(昨日と同じ時間……まさか……)
ガチャ
星奈「えへへ、また来ちゃった!」
小鷹「お、お前……」
星奈「今日は小鷹と小鳩ちゃんのためにパスタ作ってあげようと思って!」
小鷹(つーか、昨日のカレーまだだいぶ残ってるんだが……)
星奈「それじゃ、お邪魔しまーす♪」
小鷹(しかも2日連続……何考えてんだよこいつ……)
519:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 16:41:32.14:NN/6Rn080
星奈「~~♪」トントントン
小鳩「あんちゃん、あいつまた来とる……」ヒソヒソ
小鷹「別に呼んではいないんだけどな……」ヒソヒソ
小鳩「まぁ……我としては美味な晩餐が出るのはやぶさかではない……」ヒソヒソ
小鷹「そういう問題か……?」ヒソヒソ
ピロリロリンピロリロリン←小鷹のケータイ着信音
カパッ
小鷹(あ、夜空からだ)
星奈「~~♪」トントントントン
小鷹(……自分の部屋に行ったほうがよさそうだな)
525:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 16:55:33.74:NN/6Rn080
小鷹の部屋
夜空「じゃ、じゃあ来週の日曜、遠夜駅前で!」
小鷹「オーケー、じゃあな」
ピッ
小鷹「ふぅ」
星奈「…………小鷹」ボソ
小鷹「!!」ビクッ
小鷹(こ、こいついつの間に後ろに……)
531:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 17:06:35.42:vn7ZYKDZ0
小鷹「せ、星奈お前メシ作ってたんじゃ……」
星奈「誰と……電話してたの?」
小鷹「へ?あ、いや別に」
星奈「誰と話してたかって……聞いてるのよ……」
小鷹(なんで包丁持ったままなんだ……怖えよ……)
小鷹「……理科としゃべってた。いやーあいつ電話でも下ネタばっかり言っててさ」
星奈「…………そう」
星奈「それなら、いいけど」
小鷹「……」
541:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 17:28:17.39:NN/6Rn080
~~~~~~~~~~
小鳩「ふむ……この血に染まりし呪いの供物……なかなか美味ではないか」
小鷹「普通にナポリタンって言えよ……」
星奈「うふふ、ありがと」
星奈(昨日のカレーについて言えば、あながち嘘でもないケド♪)
542:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 17:30:32.30:QOugbhiC0
で、さらに次の日。
ピンポン
小鷹「……」
ガチャ
星奈「やっほー!今日も来てあげたわよっ」
小鷹(マジかよ……つか、呼んでねーし……)
星奈「んー?どしたの、小鷹?」
小鷹「…………別に」ムスッ
546:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 17:35:45.55:DW3kGowu0
星奈「~~♪」トントントン
小鳩「あいつ、今日もきちょる……」ヒソヒソ
小鷹「……」
小鷹(確かに代わりにメシを作ってくれるのは、ありがたいといえばありがたい)
小鷹(でも……明らかにおかしくねえか?三日続いて来るとか……)
小鷹(はっきり言って、異常だぞ……)
555:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 18:00:11.33:NN/6Rn080
次の日。学校にて。
小鷹「はぁ……」
夜空「どうした?元気なさそうだが」
小鷹「いや……そういえば今日も星奈学校来てないな」
夜空「インフルエンザにでもかかったんじゃないか?気にすることはないだろう」
小鷹(夜空に、また相談するべきか……?)
小鷹(いや、星奈は本気で夜空を嫌っている感じがする。……話せば、ややこしくなるだけかもしれない)
557:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 18:07:38.43:NN/6Rn080
柏崎家。
ステラ「お嬢様。旦那様から電話が」
星奈「今忙しいの……あとでかけるって言っておいて」
ステラ「……どうしても話しておきたいことがある、そうです」
星奈「チッ……わかったわよ」
560:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 18:13:57.00:NN/6Rn080
~~~~~~~~~~~
星奈「はい、もしもs」
ペガサス「この、馬鹿者!!!」
星奈「……」
ペガサス「話は全部聞いている!一週間も学校を休んで何をやっているんだ!!」
星奈「うるさいわね……あたしの勝手じゃない」
ペガサス「な、何を!?とにかく、私はもうすぐ戻る!それまでにきちんと自分の生活を改めておけ!!」
564:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 18:22:08.58:NN/6Rn080
ガチャ
星奈「うざ……」
星奈(パパになんて言われようと……関係ない)
星奈(小鷹は、あたしの手料理に喜んでくれてる)
星奈(今日は何作ってあげようかなぁ……ハンバーグとか、いいかしら?)
星奈「えへへ……」
566:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 18:26:59.18:NN/6Rn080
~~~~~~~~~~~~
羽瀬川家にて。
小鷹(この時刻になると、落ち着かなくなる……)
ピンポン
小鷹「!!」
小鷹「は、はい……」
ガチャ
星奈「こんばんはっ!」
小鷹「星奈……」
568:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 18:36:28.03:NN/6Rn080
星奈「おじゃましまーす!あれ?今日は小鳩ちゃんいないのね」
小鷹「ああ、あいつ学校の行事で泊り、だから」
星奈「へ、へぇ……じゃ、じゃあ小鷹とふたりきり、ね……」
小鷹(正直……嫌だな。もちろんそんなこと言えないけど……)
星奈「今日は小鷹のために腕によりをかけて作るからっ!期待してて!」
小鷹「ああ……」
571:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 18:44:06.33:NN/6Rn080
~~~~~~~~~~
星奈「~~♪」トントントン
小鷹(星奈は楽しそうだけど、俺はちっとも楽しくない。むしろ苦痛だ……)
小鷹(数ヶ月に1回、こういうことがあるならまだ納得はいく。だがさすがにここまで毎日だと……)
小鷹(怖いけど……きちんと言わないと、何も変わりそうにない)
小鷹「な、なぁ……星奈」
星奈「ん?なーに?」
小鷹「その、アレだ、毎日来てくれるのはありがたいんだけど……さ」
小鷹「正直、もううちには来ない方がいいと思う」
575:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 18:52:45.07:NN/6Rn080
星奈「…………」
星奈「……………………は?」
星奈「え?待って待って!……何言ってんの小鷹?」
小鷹「いや、だから、その……もう、できたら、来ないで欲しい」
星奈「はぁ?意味わかんないんだけど……」
578:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 19:03:21.01:NN/6Rn080
星奈「小鷹の、小鷹のた・め・に!あたし毎日こうやってゴハン作ってあげてるのよ?」
小鷹「確かにそれはありがたいんだが……なんつーか」
星奈「じゃあ何が不満なのよ!言ってみなさいよ!!」
小鷹「……いいのか?」
星奈「……」
小鷹「ぶっちゃけ、迷惑なんだ。落ち着かないし……もう来ないでくれ」
星奈「えっ」
583:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 19:09:20.30:NN/6Rn080
星奈(…………)
星奈(小鷹今……『迷惑』って言った?)
星奈(………………なにそれ)
星奈(あたし、小鷹のために一生懸命料理習ったのよ?)
星奈(小鷹のために材料買って、家に来て、料理作ってあげて……)
星奈(迷惑?嘘でしょ?)
591:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 19:18:31.33:NN/6Rn080
星奈(…………ああ、そっか)
星奈(小鷹……操られてるんだ)
星奈(悪い奴に騙されて操られて……それで無理やり嘘を言わされてる)
星奈(絶対に……そうよ)
星奈(小鷹を操っているのは…………)
星奈「……さない」ボソッ
小鷹「え」
592:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 19:19:33.53:OHDxOUHk0
星奈「…………帰る」
小鷹「そ、そうか……」
星奈「……」
小鷹「じゃ、じゃあな……」
小鷹(これでもう、うちに来ることはない……よな)
608:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 19:32:46.50:NN/6Rn080
2日後。学校にて、放課後。
小鷹(昨日から、夜空が学校を休んでいる……)
小鷹(電話しても出ないし、メールも返事がない。風邪でも引いたのか……?)
ピロリロリン
小鷹(電話だ。……星奈から?)
ピッ
小鷹「……はい、もしもし」
616:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 19:38:41.14:yrArmUfe0
星奈「小鷹。あたしだけど」
小鷹「……何だ」
星奈「今日、ちょっとあたしの家まで来てくれない?」
小鷹「……悪いが、今日は」
星奈「あんたさ……夜空のこと気にならない?」
小鷹「は?……どういう意味だ」
625:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 19:47:20.95:z4neadU10
星奈「意味も何も、そのままよ。もし来てくれたら……教えてあげるわ。夜空のコト」
小鷹「な……!おい!お前あいつに何かしたのか!!」
星奈「……」
ピッ
小鷹「おいっ!!クソ、切りやがった!!」
631:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 19:57:10.31:NN/6Rn080
~~~~~~~~~~~~
柏崎家の私有地入り口前
小鷹(あれから何度星奈に電話しても出ないし……結局来てしまった)
小鷹(誰か歩いてくる……星奈か)
星奈「……ちゃんと来たのね」
小鷹「おい。夜空はどこだ?」
星奈「……ついてきて」テクテク
小鷹「っておいお前、どこに向かって……」
星奈「いいから」
小鷹「……」
646:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 20:06:26.81:NN/6Rn080
~~~~~~~~~~~~
少し離れたところの空き地
小鷹「なぁ……夜空の姿がまったく見当たらないんだが。一体どういう……」
星奈「すぐにわかるわよ」
星奈「小鷹があっと驚くような、サプライズプレゼントが待ってるから」
小鷹「……は?」
星奈「~~♪」フンフンフーン
660:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 20:17:23.83:NN/6Rn080
小鷹(サプライズ?プレゼント?……夜空と何の関係があるんだ?意味がわからん……)
30分後。
小鷹(ん?宅急便のトラックが……)
星奈「……来たわね」テクテク
小鷹「っておい星奈!危ねえ!」
キキーッ!
小鷹(あいつ何考えてるんだ……見通しのいい道路とはいえ、轢かれてもおかしくないぞ)
673:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 20:28:28.60:NN/6Rn080
小鷹(ドライバーもキレていいだろ……あれ?あいつ何か受け取ってる……)
小鷹(白い箱……サイコロみたいな形だ)
星奈「~~♪」テクテク
小鷹「なぁ星奈。それが……サプライズってやつか?」
星奈「…………」
小鷹「俺はそんなのどうでもいいんだよ!つか夜空はどこに居るんだよ!!」
700:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 20:40:44.14:NN/6Rn080
星奈「ねぇ……小鷹」
小鷹「あ?」
星奈「この箱…………何が入ってると思う?」
小鷹「………………え」
星奈「な・に・が、入ってると思う?」
727:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 20:50:29.63:NN/6Rn080
小鷹「…………まさか、お前」
星奈「えへへへ……」
小鷹「……悪い冗談はやめろ」
星奈「よく見て。この箱……茶色い汚れが、あるでしょ?」
小鷹「…………」
星奈「夜空は………………『ここ』よ」
731: 忍法帖【Lv=14,xxxPT】 :2012/01/03(火) 20:51:12.36:UXUa6la+0
小鷹「う」
小鷹「うわあああああああ!!!」
星奈「あははははは!!驚いてくれて何より♪サプライズプレゼントだしねっ」
小鷹「嘘だ!信じない!信じられるか!!」
星奈「もーほんとに苦労したのよ?プレゼント用意するの」
小鷹「やめろ……聞きたくない……」
星奈「特にニオイとか……ね」
小鷹「黙れ!!!」
766:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:10:16.36:NN/6Rn080
星奈「あたしは何も嘘なんてついてないわ。本当に、『ここ』に夜空はいるもの」
小鷹「頼む、やめてくれ……」
星奈「これで小鷹とあたしを邪魔するものはなくなった……」
小鷹「嘘だろ……」
星奈「やっと、恋人同士になれるね。大好き……小鷹っ♪」
小鷹「うわああああああああああああああああああああああ!!!」
THE END
772:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:11:06.86:Nl/7tTU40
数週間後
Plll
小鷹「…ん?誰からだ?非通知?」
??「…だかか?」
小鷹「ん?誰だ?」
??『…小鷹か…?』
小鷹「…!!おい、まさか…!あぁ、そうだ!俺だ!小鷹だ!」
??『よかった…やっと声が聞けた…』グス
夜空『お願いだ、小鷹…私を…助けてくれ…』
True End始まりとかないっすかね
819: 忍法帖【Lv=14,xxxPT】 :2012/01/03(火) 21:44:30.46:UXUa6la+0
小鷹「お前…!今、どこにいるんだよ!」
夜空『わからない…肉に…星奈につれさられて…どこかの別荘みたいだけど…』
小鷹「今は…無事なのか!?」
夜空『最近はグッタリしてたからな、肉も油断して拘束を緩くしてくれたよ。
今は室内の電話を使ってる』
小鷹「そうか、だったらそこから警察に…」
夜空『何処にいるかもわからない私の通報を警察が信じてくれると思うか…?』
小鷹「あー、そうか…」
826:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:59:37.37:/+AGbo/XO
小鷹「でも、星奈の別荘ってのは?」
夜空『あぁ、別荘というのは少し違うか…
だが、肉の所有の建物内だと思う。それも私達の町からそう遠くはない』
小鷹「どうして?」
夜空『今まで毎日、私の様子を見に来てくれてたからな…
お前が学校で何をしているのかを聞いていたし』
小鷹「なるほど…」
夜空『………すまない』
小鷹「あん?」
夜空『お前を危険なことに巻き込もうとしてる…』グスッ
829:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:05:31.74:/+AGbo/XO
小鷹「………」
夜空『ごめん…ごめん…小鷹…!』グスッ
小鷹「バーカ」
夜空『へ?』
小鷹「俺はお前の彼氏だぜ?安心しろ、必ず助けてやる」
夜空『小鷹…』
小鷹「俺が助けに行くまでの間、しっかり囚われのお姫様を演じてろよ。しおらしくな」
夜空『…うん!』
小鷹「あと、もう電話してこない方がいいだろうな。」
夜空『そう…だな…』
小鷹「心細いだろうが、頑張ってくれよ」
夜空『あぁ、お前の声を聞けただけで私は頑張れる…!』
834:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:13:02.81:/+AGbo/XO
~翌日~
小鷹(結局、あの後建物外の状況を聞いて位置を特定しようとしたが収穫はなかった…)
小鷹「聞こえるのが川の音だけってのはなぁ…」アクビ
小鷹(寝ずに地図帳と睨めっこしてたから眠い)グヌヌ
星奈「あ、小鷹ー♪」ダキッ
小鷹(星奈…!アイツ…!!)
小鷹「あ、あぁ、おはよう」
星奈「どうしたの?寝不足?」
小鷹「あぁ、まぁな…」
星奈「だめよー?しっかり寝なくちゃ♪」
小鷹「………善処するよ」
840:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:22:19.45:/+AGbo/XO
~放課後~
小鷹(現在隣人部は活動休止状態だ。今はありがたいがな。この間に夜空の居場所を探さないと…となると…)
星奈「小鷹ー♪帰りましょー♪」
小鷹(コイツを利用するしかない!)
~帰宅中~
星奈「え?私のパパに?」
小鷹「あぁ、一時期お前が登校拒否ってた時に俺の家に毎日通ってたろ?
そん時のお詫び兼お礼をしなきゃなー、と思ってさ。ホラ当事者として」
星奈「んー、いいわよ?いつにする?」
小鷹「いや、いつでもいいよ。出来るだけ早い時期の方がありがたいけど」
星奈「わかったわ、今日聞いてみる」
小鷹(天馬さんに会うのは明後日の晩になった)
843:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:27:00.76:/+AGbo/XO
~明後日、晩~
天馬「やぁ、いらっしゃい。小鷹くん」
小鷹「お久しぶりです、天馬さん」
星奈「あれ?小鳩ちゃんは?」
小鷹「いる訳無いだろ。今回は遊びに来た訳じゃなくて謝りに来たんだからな」
星奈「ぶー」
天馬「お前も少しは小鷹くんを見習って大人になるんだな」
星奈「はいはい」
小鷹(このチャンス…絶対に逃す訳にはいかない!)
847:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:34:24.30:/+AGbo/XO
~晩飯後~
星奈「ちょっと、小鷹大丈夫?」
小鷹「あー大丈夫、少しワイン飲み過ぎただけだからさ」フラフラ
星奈「パパにのせられたからって調子にのりすぎよ、まったく…」
小鷹「面目ない…」フラフラ
天馬「このままじゃしんどかろう。小鷹くん、今日は泊まって行きなさい」
小鷹「すいません、ではお世話になります」
~数十分後~
天馬「ん?星奈はどうした?」
ステラ「今は御入浴中です」
小鷹(来た!チャンスが!)
小鷹「あの!天馬さん!」
天馬「ん?小鷹くん、しっかり休まないt…」
小鷹「お願いしたいことがあるんです!」
851:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:42:27.01:/+AGbo/XO
~事情説明~
天馬「そんな…星奈が…くっ!今からアイツを!」
小鷹「待ってください!星奈は俺達の部活の仲間です…出来れば穏便に…
それに今の星奈を刺激したら何をしでかすか…」
天馬「くっ…!」
小鷹「なので…」
天馬「分かった…この付近の水辺に所有している建物だな。
後日、ステラに鍵と地図を持って行かせる。」
小鷹「ありがとうございます!」
天馬「小鷹くん…」
小鷹「…はい?」
天馬「すまない」
小鷹「……」
854:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:47:15.46:/+AGbo/XO
~数日後・早朝~
小鷹(あの晩の翌日、すぐにステラさんから鍵と地図を渡された。ステラさんの沈痛な面持ちが俺の胸を締め付ける)
小鷹「小鳩には朝飯も弁当も作ったし……いざという時のための置き手紙もしたし…」
小鷹「…サボりになっちまうけど…よし、行くか!」
858:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:53:56.86:/+AGbo/XO
~目的地~
小鷹「ここかな…」
小鷹「鍵は…よし回った!失礼しまーす」ソロリ
小鷹(夜空はどこだ?)ソロソロ→ガチャッ
小鷹「!?夜空ッ!」ダッ
夜空「…小鷹か…?」グッタリ
小鷹「大丈夫か?夜空!怪我は!?」
夜空「大丈夫だ…ただ、満足に食事出来てなかったから体は怠いがな。
それより…」
小鷹「ん?」※お姫様抱っこ
夜空「本当に…来てくれたんだな…小鷹」ウルウル
861:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:57:39.92:/+AGbo/XO
小鷹「当たり前だろうが。この間、俺が言ったこと忘れたのかよ」
夜空「……」フルフル
夜空「ありがとう、小鷹」ギュッ
小鷹「夜空…」
パチパチパチパチパチ
小鷹・夜空「!!!?」
星奈「はーい、感動的なラブシーンありがとうございましたー」
夜空「…!」ビクッ
小鷹「星奈…」
星奈「で、これ…どういうこと?」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 23:26:57.56:UybC610/0
小鷹「なんでって…そりゃ夜空は俺の彼女だし、それにこんなことって間ちg…」
星奈「そうじゃない!!!」
星奈「なんで?夜空がいなくなったのに、どうして私を好きになってくれないの?私は
こんなに小鷹を好きなのに…」
小鷹「それは…」
星奈「そりゃ夜空は平均よりかはマシだけど…
だけど、私の方が美人だし可愛いし頭もいいし運動も出来るし…!
それにそれに…!」
星奈「私の方が夜空よりも小鷹の方が好きなんだから!!」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 23:31:35.52:UybC610/0
夜空「肉…お前」
星奈「そうよ!私は小鷹が好き!気づいたらアンタのことばかり探してた!
アンタの背中ばかり追いかけてた!友達を作るよりもアンタを手に入れたかった!
ずっと…ずっと小鷹の傍にいたかった…」
小鷹「星奈…」
星奈「なんで、小鷹…?夜空が私より先に告白したから?
それとも同じクラスで一緒に隣人部を作ったから?」
小鷹「………」
星奈「なんで、なんでよ!もし告白した順番が悪いなら考え直してよ!私も小鷹が好き!だから…だから…」
小鷹「星奈…」
星奈「こだかぁ…」グスッ
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 23:37:18.34:UybC610/0
小鷹「ごめん。俺は夜空が…今、一緒にいる三日月夜空が好きなんだ」
夜空「小鷹…」
星奈「なんで…?なんで!?どうして!?」
小鷹「わからないよ、ただ…俺はお前と同じようにいつの間にか夜空のことが好きになってた。
気づいたらコイツの事を探して、休み時間には不貞腐れたように寝たふりする様子眺めたり
隣人部の部室で読書するコイツを見つめていた、好きになってたんだ。
俺が傍にいてほしいのは夜空だけなんだよ、だからお前の気持ちには応えられない。ゴメン、星奈」
星奈「………」
夜空「にk…星奈…」
星奈「じゃあ、じゃあ夜空…小鷹を頂戴よ…」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 23:42:13.23:UybC610/0
夜空「…は?」
星奈「だってアンタ可愛いし!男子からもモテるって聞くし!きっと小鷹よりも好きになれる人もいるんじゃない!?
でも、私には小鷹しかいないの!私と“一緒に”いてくれる人は小鷹しかいないの!
また一人になるのは嫌だ!小鷹とずっと一緒にいたいの!」
夜空「……星奈…」
星奈「ねぇ、わかってくれるでしょ?夜空?あなたもずっと一人だったんだし…私の気持ちわかるよね?」
夜空「そうだな…一人の気持ちは、一人になる気持ちも辛さもよく知ってるよ」
星奈「だったら…!」
夜空「だが、すまんな。お前に小鷹は渡せない」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 23:47:39.73:UybC610/0
星奈「…は?」
夜空「いや、だからこそと言い直すべきだろうな。だから小鷹は渡せない」
星奈「どうして…?」
夜空「決まってるだろう。私も小鷹が好きだからだ。幼いころからずっと…ずっとだ。
我ながらどうかしていると思うよ。幼いころの“友達”をずっと “好き”だったんだからな
だからこそ私の理由はシンプルだな、私は小鷹が好きだ。だから渡せん、以上だ」
星奈「なんでよ!なんで!!?」
夜空「言ったとおりだ。
いつもなら回りくどい言い方をして煙に巻くところだが、お前の気持ちに免じて私の本心をすべてぶちまけてやった。感謝しろよ、肉」
小鷹「夜空…」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 23:52:11.50:UybC610/0
星奈「小鷹も?やっぱり気持ちは変わらない?」
小鷹「あぁ」
星奈「そう、じゃあもういいかな」
夜空「肉…」
星奈「全部なくしちゃえ…」スッ
小鷹「おい、それって…!」
星奈「ジッポーよ?ちなみに灯油ならさっきアンタ達がラブシーンやってる隙に家中にまいておいたから」
夜空「お前…そこまで小鷹のことを…」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 23:54:48.97:UybC610/0
小鷹「星奈!!お前!」
夜空「小鷹、黙っていろ」
小鷹「だけど!」
夜空「頼む」
星奈「あー、アンタ達最後の最期まで見せつけてくれるわねー腹立つわホント」
夜空「なぁ、肉…お前は隣人部をどう思う?」
星奈「はぁ?いきなり何よ?」
夜空「いいから答えろ」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 23:59:00.51:UybC610/0
星奈「なに?私を説得して止めようとしてるの?」
夜空「そうだな、それも半分だ」
星奈「半分?もう半分はなによ?」
夜空「ここで最期かもしれない、せっかくだからついでに色々とぶちまけとこうと、そんな感じだな」
星奈「ふぅーん…そう、まぁ、そうね…楽しかったわよ?今までに経験したことのないこと色々出来たしね。
海行ったり、プール行ったり、お祭りに行ったり、花火したり…それ以外にも無駄にダラダラと時間を過ごすことが楽しいなんて思ったことなかったし」
夜空「ほぅ」
星奈「アンタはどうなのよ?」
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 00:03:18.70:C6a/PT8U0
夜空「私か?そうだな…私はお前と違って楽しいが大半で占められてはいないな」
星奈「なに?どういうことよ?」
夜空「そのまんまの意味だよ、色々と気苦労が多かった」
星奈「は?アンタが隣人部で気苦労?少なくともクラスよかは居心地よかったでしょ?
まさか部長の仕事がしんどかったとか言わないわよね?」
夜空「まさか、部活動がしんどかったなどと情けないことは言うわけないだろ。
私の気苦労は…コイツだ」グイッ
星奈「コイツって…」
小鷹「ん?……俺!?」
夜空「そうだ」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 00:09:59.90:C6a/PT8U0
夜空「その様子だと私の気苦労は知らなかったようだな、このエセ朴念仁が」
星奈「で、どういうことよ?」イライラ
夜空「あぁ、そうだったな。そもそもだな、私が隣人部を作ったのは小鷹と一緒にいる時間を作るためだったんだよ。
単なる口実に過ぎなかった。ここまで部員が増えることも、ましてやこんな事件に巻き込まれることなんか予想してなかった」
星奈「どういうことよ?」
夜空「細かい話は省くが、小鷹と私は昔、親友だったんだよ。コイツが転校したせいで離れ離れになってしまったがな。
そして数年後、コイツが戻ってきた時、私は一緒にいようと隣人部を作った。
もっとも小鷹はそのことを最近までサッパリ忘れていてくれたようだがな…」
小鷹「いや、だからアレは…」
星奈「そう、一緒にいる場所を…ねぇ」
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 00:17:17.78:C6a/PT8U0
星奈「それと、気苦労がどんな関係があるのよ」
夜空「ここまで言って気づかんとは…もはや狂牛病並みのスポンジ脳だな、肉。
私は小鷹と一緒にいる…もっといえば2人きりでいるために隣人部を作った。
なのになんだ?今の現状は!!
お前に理科、幸村にマリアにそしてコイツの妹の小鳩ちゃん!!全員が全員コイツに好意を持っているではないか!」
小鷹「いや、その…」
夜空「理科と幸村に至っては小鷹目当てで入部してくる始末!!
その時の私のはらわたが煮えくり返る心境、貴様にわかるか!?いや、わからんだろう!わかろうはずがない!!」
星奈「だ、だけど…部活ってある以上」
夜空「そうだ、これは部活動なのだ。だからこそ無碍に退部させるわけにもいかん。部活という形式が意味をなくしてしまうからな」
星奈「そんなのアンタの自業自得でしょ、それで責められる理由なんて」
夜空「そうだ、ない」
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 00:25:02.38:C6a/PT8U0
夜空「小鷹が転校してきた時、私から“実は私はソラなんだ。出来れば今から時間をもらえないか?”と告白する。
おそらくこれが最も手っ取り早く、尚かつ最善の手だったのだろうな」
星奈「まぁ、休み時間に寝たふりしてるような真正ぼっちなアンタがそんな真似できるはずないわよね」
夜空「そうだ、その通り。故に、この状況も私の責任と言えるかもな。
部活などを作らず、小鷹に告白してしまえば晴れてカップル成立。周りを巻き込まずに私は充実した学園生活を送れただろう」
星奈「………後悔してるの?」
夜空「ほぅ…中々難しいことを言ってくれるな、肉…」
星奈「どうなのよ」
夜空「そうだな…色々な意味で後悔はしているかもな」
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 00:30:24.98:C6a/PT8U0
星奈「色々な意味で?」
夜空「そうだ、色々な意味でだ」
星奈「それって…」
夜空「もちろん、今の事も含まれているぞ?」
星奈「……ッ!!」
夜空「他にも先ほど述べたとおりの心労だな。性格に欠陥はあるが小鷹の周りに集まる奴はいかんせん顔がいい。
私もそれなりの顔だと自負はあるが、それでも不安で仕方がなかった。
コイツがあっちにフラフラ、こっちにフラフラする度にお前のようなドス黒いモノが溜まっていったような気がするよ」
星奈「そう」
夜空「もしも結果が違ったら隣人部を廃部するどころじゃすまなかったかもな。それこそ今のお前のような凶行に及んだかもしれん」
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 00:39:41.37:C6a/PT8U0
夜空「……だからと言って隣人部を立てなかったらきっとここまで楽しい思いは出来なかっただろうな。
ストレートで小鷹と恋人同士になったら味わえてなかった満足感だったよ」
星奈「そりゃ、アンタは楽しいでしょうね。隣人部で遊んで、それで小鷹も手に入れて…」
夜空「そう腐るなよ、肉。
まぁ、たらればなんて言ってもしょうがないんだが、もし隣人部を作ってなくても私はきっと後悔していたと思う。
もしかしたら、小鷹ともここまで互いを思いあう関係に至れなかったかもしれない」
星奈「で、何が言いたいのよ」イライラ
夜空「そうだな、とりとめなく話しすぎてしまったようだ。
私は隣人部を作ったことを満足しているよ、後悔はしているがな。」
星奈「フン」
夜空「で、お前はどうなんだ?肉」
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 00:41:50.40:C6a/PT8U0
星奈「は?」
夜空「隣人部に入ってどうだった?」
星奈「私は…その…」
夜空「………」
星奈「その…えと…うん、と…」
夜空「………」
星奈「………」
夜空「じれったい奴だな、肉…仕方ない、私から色々とネタを提供してやろう」
星奈「え?」
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 00:49:54.77:C6a/PT8U0
夜空「隣人部に入ってどうだった?海行ったりして楽しかったか?
部室でやるギャルゲやエロゲはどうだった?背徳感に興奮したか?
小鷹を好きになって、慣れない気持ちに戸惑ってどうだった?苦しかったか?うれしかったか?」
星奈「ちょっと…そんなに」
夜空「お前がチンタラ答えをためらっているからこちらから話かけてやっているんだろう。
それでどうだった?花火をして私の髪を燃やした感想は?後悔したか?ざまぁみろ!と心中で爆笑したか?」ペラペラ
星奈「いきなり言われても…」
夜空「さっさと答えろよ、肉。質問はいたってシンプルだぞ。幼稚園児レベルだ」
星奈「そりゃ…そりゃ、楽しかったわよ!!凄く楽しかった!」
夜空「……」フン
星奈「小鷹とられて苦しくて悔しくて辛くてもうどうしようもなかったけど!
隣人部は大好きで!友達と認めたくない友達と一緒にバカなことやって無駄に時間過ごして楽しかったわよ!!」
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 00:54:05.72:C6a/PT8U0
星奈「……」ハァハァ
小鷹「………」
夜空「……そうか」
星奈「そうか…ってそれだけ?」
夜空「ん?……あぁ、そうか説得だったな、コレは。お前を苛めていると隣人部にいるテンションに戻ってしまっていかん」
星奈「アンタ、ふざけているの?」
夜空「ふざけてなどいないさ。で、それがお前の本心か?」
星奈「………えぇ」
夜空「それで?お前はどうしたい?」
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 01:00:53.60:C6a/PT8U0
星奈「え、私?私の話?」
夜空「そうだ、お前が何をしたいか、それを今は聞いている」
星奈「そんなこと言われても…」オドオド
夜空「またコレか…いいか、お前にはふたつ選択肢がある。
1つはそのジッポライターに火をつけ仲良く焼死体になること。
もう1つは大人しく日常に戻ることだ」
星奈「は?日常?」
夜空「そうだ。あぁ勿論、小鷹は渡さんぞ?」
星奈「そういう問題じゃなくて…その私はアンタをその誘拐して…酷い目にして…
そして今もこんな状況だし…」
夜空「あぁ、そのことか…そうだな。私の両親に対してお前が口裏を合わせてくれれば私はどこにも言うつもりはない。
小鷹はどうするつもりかわからんがな」
星奈「なに?同情?駆け引きのつもり?」
146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 01:06:43.87:C6a/PT8U0
夜空「そうだな、それもあるかもな。それに小鷹と付き合い始めてから色々とやりたいことが見えてきた」
星奈「やりたいこと?」
夜空「そうだ、まずは大学を推薦で通る。そのためにはこんな事件に関わった、なんていう浮いたプロフィールは邪魔なんだよ。
警察に言わないのはこれが目的でもある。
そして、推薦合格した私は隣人部の部室で小鷹を私の合格した大学に合格させるため個人授業を行う。
放課後に彼氏と勉強会、実にリア充らしいと思わないか?今から考えただけでもワクワクする」
小鷹「え、俺、お前と一緒の大学に行くの?」
夜空「当然だろうが、でなければ誰が今必死に内申上げをするか」
星奈「……」
夜空「話が逸れたな。まぁ、そんな訳だ、内訳で言うと同情が6、大学進学が4くらいなもんだな」
150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 01:12:53.69:C6a/PT8U0
星奈「なんで…なんでよ…」
夜空「ん?」
星奈「どうして、こんな優しいのよ、アンタは…」グスッ
夜空「優しいなどと気色悪いことを言うな、肉。言っただろう、これは打算だ」
小鷹「あ、ちなみに俺も大事にする気はないぞ。彼女の進学を邪魔したとあっちゃ彼氏の名折れだからな」
夜空「と、言う訳だ。どうする?あとの生殺与奪の選択はお前次第だ」
星奈「ねぇ、夜空…」
夜空「なんだ?」
星奈「これからもいつも通りでいてくれる?」
夜空「あぁ、隣人部の部室に来ればいつでも“苛めて”やる」
星奈「そっか…」
154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 01:20:00.29:C6a/PT8U0
キキーッ!!セナーセナー!オジョウサマーッ!
星奈「パパが来たみたいね…」
夜空「みたいだな、どうする?残り時間はもうないぞ?」
星奈「冗談…帰るわよ」
~数十分後・車内~
小鷹(それから、天馬さんがやってきてこの事件は収束した。ビンタやら酷い叱責はあったものの、途中で天馬さんが泣き出してしまったために中断。
ステラさんの乗る車で親子仲良く帰って行った。ちなみに俺と夜空は別の車で天馬さんが手配してくれたお抱えの医者に向かっている最中だ)
夜空「小鷹…」
小鷹「大人しくしてろ、あんなにしゃべったんだ、もうヘトヘトだろ」
夜空「怖かった…」グスッ
小鷹「………」
夜空「怖かったよ、小鷹…小鷹ぁ…」グスッ
小鷹「頑張ったな、夜空」ナデナデ
164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 01:26:41.65:C6a/PT8U0
夜空「あそこまで敵意を向けられたことはなかった…恐怖と感じることも…」
小鷹「そうか」
夜空「でも」
小鷹「ん?」
夜空「でも、相手が肉だと…その怖かったけど、報復してやろうとか…そんな気になれなかった。
不思議と“肉達のいる”隣人部の日常に戻りたいって思ったんだ。
そこに帰れないことが凄く怖くて、気づいたら震えて泣いてしまっていた…」
小鷹「そっか」
夜空「なぁ、小鷹…」
小鷹「ん?」
夜空「ギュッてして欲しい////」
小鷹「おう」ギュッ
小鷹「なぁ、夜空」
夜空「ん?」
小鷹「よかったじゃないか、“友達”出来てさ」
夜空「冗談、アイツはただの“肉”だ。友達なんかじゃない…」
177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 01:35:34.03:C6a/PT8U0
エピローグ
~数週間後~
小鷹「ちぃーっす」ガチャ
理科「あ、小鷹先輩、今日はお早いですね。」
幸村「あにき、おつかれさまです。いますぐおちゃをごよういいたします」
小鷹「あぁ、頼む。夜空は掃除当番で少し遅れるけどな」
理科「あの人がクラスメートとお掃除してるところ想像できないんですけど」
小鷹「まぁ、最近は色々頑張ってるらしいぞ?」
理科「え!マジっすか!!?なんで!?」ビクッ
小鷹「内申のためだとさ」ニガワライ
理科「は?内申?」
189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 01:43:24.53:C6a/PT8U0
小鷹「まぁ、友達は作れなくとも、知り合いぐらいは作れるんじゃないか?」
理科「確かに…小鷹先輩は知り合いすら作れませんからねー」※同情のまなざし
小鷹「ほっとけよ!どうせ話しかけようとしたら逃げられるよ!」
幸村「あにき、おちゃです」スッ
小鷹「お、サンキュ」
~部室までの廊下~
夜空「くそッ…リア充どもが…なーにが“三日月さん、最近雰囲気変わったねー”だ!
こちとら、お前らと話すだけでHPが減るんだよ。毒の沼地レベルではなく呪いにかかったレベルで削られるんだよ。
口は災いの元だな…しっかりと内申稼がないと、推薦が…」
夜空「さてと…今日はもう小鷹は部室にいるだろうな。
とりあえず理科がちょっかいをかけてた時のためにハエ叩きは手に持っておくか」ゴソゴソ
星奈「あれ?夜空じゃない?」
193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 01:48:03.53:C6a/PT8U0
夜空「む、肉か」
星奈「ってか、なによ、その手に持ってるの」
夜空「ハエ叩きだ」
星奈「まぁ、用途は聞かないようにするわ…」
夜空「それにしてもお前にしては今日は遅かったな。
掃除…はないか、お前の場合取り巻きにやらせるからな」
星奈「まぁねー。ん、まぁ、アレよ、放課後に呼び出されて…」
夜空「タイマンか」
星奈「そうなのよ~。相手ってば制服の中にジャンプ仕込んでたせいでボディブローが効きにくくて…
って違うわ!」
夜空「随分とノリノリだったな。……で、どうだったのだ?」
199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 01:56:37.24:C6a/PT8U0
星奈「フったに決まってるじゃない。本命がいるんだもの」
夜空「お前も随分とあきらめが悪いな…」ヤレヤレ
星奈「当然よ、少しでも隙を見せたら最後だと思いなさい!」フフン
夜空「見せるか、肉。すでに小鷹と私はお互いの身体に互いの所有物であるという証を刻んだのだからな」
星奈「……はぁ!?それって…////!ちょっと見せなさいよ!夜空!早く!!脱げ!!」
夜空「バカ!!お前はこんなところで何をするつもりだ!見せるわけないだろ!!」ダッ
星奈「なっ!待ちなさい!バカ夜空!!」
夜空(今までは空虚で冷たい時間を、ただ黙々と機械のように過ごしてきた私だが…)
星奈(今では毎日がこうも騒がしく、無駄が多くてもそ・れ・な・り・に!!楽しく生きている)
夜空(この場所で…この時間を…)
ガチャッ
夜空「さぁ、隣人部の活動を始めるぞ!!」バンッ
~乗っ取りTRUE END終わり~
207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 02:04:54.57:ZrsqOy8H0
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5
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7
8
9
星奈「ハ、ハァ!?な、なんであのバカの名前が出てくるのよ!!」
小鷹「実は先週夜空から告られてさ、それで俺たち付き合い始めたんだ」
星奈「なにそれ……」
小鷹「いやーまさかあいつがあんな大胆な行動に出るとは思わなかったぜ。すげー可愛かったし」
星奈「あ、あんたねえ!」
小鷹「つーわけだから。それじゃ」スタスタ
星奈「……」
星奈「……」ポツーン
星奈「なにこれ……」
星奈「あ、あはは!きっと冗談に違いないわ!だってあたしと小鷹、ずーっと恋人同然の仲だったじゃない!」
星奈「……小鷹にメールいれとこ」
~~~~~~~~~~~~~~~~
FROM 星奈
『もう、悪い冗談はやめなさいよね! (`・ω・´)』
ピロリン
FROM 小鷹
『いや、マジだけど』
星奈「え……」
FROM 星奈
『え、本当に夜空とつきあってるの?』
小鷹「しつけーなぁ……」
小鷹「……無視しとくか」
30分後
小鷹「………」パカッ
FROM 星奈
『ちょっと!返事ぐらいよこしなさいよ!!』
FROM 星奈
『ねぇ、嘘よね?』
FROM 星奈
『あの夜空が、そんなことするわけないわよね?』
小鷹「うぜぇ……」
さらに30分後
FROM 星奈
『小鷹、タチの悪い嘘ついたらあたし怒るわよ』
FROM 星奈
『ねえ、返事してよ』
FROM 星奈
『ねえってば!!!!』
FROM 星奈
『返事してよ……おねがいだから……』
小鷹「こ、この……」イライライラ
小鷹「直接電話してやる」
プルルルル
星奈「……!!こ、小鷹っ!!!」
肉は泣いてる時が一番輝いてる
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 17:02:52.53:+LeP7e9S0星奈「も、もしもs」
小鷹「さっきからしつけーんだよ!!いい加減にしろ!!!」
ブチッ
星奈「……ふぇ?」
星奈「なにいまの……」
星奈「なんで否定しないの?なんで夜空とつきあってないって言ってくれないの?」
星奈「なんで、なんで……俺には星奈がいるよって……言ってくれないの……?」
星奈「なんでよ……どうして…………」グスッ
星奈「うぅ……うわあああああん…………」ポロポロ
夜。小鷹の家にて。
小鷹「まったく……星奈の奴……」
小鷹「あいつのああいう自分の思い通りにならないと気が済まないところは、マジ勘弁して欲しいな……」
小鷹「たぶんこれからも自分中心に世界が回ってるってずっと信じてるんだろうな」
小鷹「まーいいや、星奈のことは。さて、夜空にメールするか」カパッ
小鷹「うおっ!?なんだこれ!」
着信メール:30件 着信:10件
FROM 星奈
『ねえ、本当はやっぱり嘘なんでしょ?』
FROM 星奈
『あの夜空が告白なんてするわけないよね(^-^)』
FROM 星奈
『だってあたしと小鷹、つい最近いっしょにおでかけしたじゃない!』
FROM 星奈
『別に嘘ついて自分の気持ちごまかしたりしなくていいのよ?』
FROM 星奈
『あはっ、小鷹って恥ずかしがりやさんね(*´▽`*)』
※一部抜粋
小鷹「怖……こいつ怖っ……」
肉かわいいよ肉
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 17:47:48.08:+LeP7e9S0小鷹「ちょっと夜空に相談してみるか……」
プルルル
夜空「小鷹か。あ、あの今日ちょっと試しにクッキーを作ってみたんだが……お前が良ければ、その、明日」
小鷹「すまん夜空。折り入って相談があるんだが」
夜空「む……。なんだ?」
小鷹「実は……」
~~~~~~~~~~~~~~~
夜空「……なんだ、そんなことか」
小鷹「そんなことって……俺の立場にもなってくれよ」
小鷹「言っとくがすげー不気味だぞこれ……普通の顔文字も怖く見えるレベルだ」
夜空「心配するな小鷹。肉の性格から考えてみろ」
小鷹「あいつの性格?」
夜空「熱しやすく冷めやすい……明日になればけろっとした顔で元の肉に戻っているだろう」
小鷹「そうだといいけどな……」
夜更け。
小鷹「夜空は心配するなって言ってたけど……俺の杞憂なのか?」
小鷹「まぁあれからメールも着信も来ないし……とりあえず寝るか」
そして夜中の2時。
プルルルルルル
小鷹「こんな時間に家の電話が鳴ってる……何か嫌な予感するんだが」
プルルルルルル
小鷹「取りたくねえ……」
プルルルルルル
小鷹「しかたないな……」
小鷹「……はい。羽瀬川ですけど」
星奈「やっほー小鷹!あたしよあ・た・しっ♪」
小鷹(やっぱり……ていうか、なんでこいつこんなにテンション高いんだ?)
小鷹「あのな……お前今何時だと思ってるんだよ」
星奈「2時だけど」
小鷹(こいつ……)
小鷹(もしかして酒でも飲んで……いや、そんな感じじゃない)
小鷹「……何か用か?」
星奈「べつに?あたしは小鷹と話したかっただけっ!えへー」
小鷹「……せめて俺の携帯にかけてくれ。家の電話だと、小鳩にも迷惑だろ」
星奈「めい、わく…………」
小鷹「ああ。だいたいこんな夜中に」
星奈「………………ないじゃない」ボソッ
小鷹「え?」
星奈「あたしが電話しても出てくれないじゃない!!!」
小鷹「お、落ち着け星奈……」
星奈「…………」
小鷹「電話に出なかったのは悪かった……謝る」
星奈「わかれば、いいのよ」
小鷹「…………」
星奈「…………」
小鷹(切りてえ……でも怖え……)
星奈「……ねぇ、昼間のことなんだけど」
小鷹「お、おう」ビクッ
星奈「あたし、全然気にしてないから!!」
小鷹「……へ?」
星奈「だって冷静に考えてみたら、あんたと夜空が付き合うなんて絶対にありえないし!あはは!」
小鷹「……」
星奈「まったく、エイプリルフールはまだ早いわよっ!特別に許してあげるケド」
小鷹「なぁ、星奈……」
星奈「じゃあもう切るわね!バイバイ!!」
プッツーツーツー
小鷹「あいつ……」
~~~~~~~~~~~~~~~
柏崎家。同時刻。
星奈「…………」
ステラ「お嬢様、深夜にあまり大きな声を出されるのは」
星奈「…………さい」ボソッ
ステラ「はい?」
星奈「うるさいって言ってんのよ!!!」
ステラ「!」
星奈「…………寝るわ。明日も学校あるし」
ステラ(お嬢様……?)
星奈の部屋
星奈「……そうよ、そうよね」
星奈「嘘に決まってるわ……」
星奈「全てにおいて完璧なこのあたしが、夜空なんかに負けるわけない」
星奈「そもそも今までずっと小鷹といっしょに過ごしてきたのは、あたしなのよ!」
星奈「それなのに……今更そんな……信じれるわけないじゃない……」ポロポロ
次の日。学校にて
星奈「おはよー!小鷹っ!」
小鷹「お、おっす」
小鷹(目が赤く腫れてる……すげー充血してるし、大丈夫か……?)
星奈「教室まで一緒に行こ?」
小鷹「ああ……」
小鷹の教室の前
小鷹「じゃな」スタスタ
星奈「うん」
小鷹(さて、1時限目の準備も出来たし、ちょっと夜空と喋るか)
夜空「……」←机にふせている
小鷹(…………なんか強い視線を感じる)
星奈「…………」ジィー
小鷹「おわっ!?」
小鷹(ドアの隙間からすげーこっち見てる……)
星奈「…………」ジロジロ
小鷹(もしかして見張ってるのか?俺と夜空がしゃべらないように……)
星奈「…………」ジロジロリ
小鷹(落ち着かない……つか怖え……)
~~~~~~~~~~
休み時間
星奈「…………」ジロリ
小鷹(おいおい毎回来る気かよ!?)
夜空「……」←読書してる
小鷹(基本的に俺が夜空にいつも話しかけてるからな……昼メシだって夜空の席で食ってるし)
小鷹(夜空が星奈の視線に気付いてる様子はないし……どうしたものか……)
キンコンカンコン
小鷹(結局そのまま昼休みになってしまった……)
小鷹(星奈は来てない、か……夜空とメシ食おう)
小鷹「おーいよぞr」
星奈「こ~だか~!!」ダキッ
小鷹「うわっ!」
星奈「一緒にゴハン食べよっ♪」
小鷹「え……」
小鷹「いや、俺夜空と……」
星奈「あっ、ここじゃちょっとアレだし、別のところ行きましょ!ね?」
小鷹「おい、人の話を」
星奈「はやく、はやくっ♪」グイグイ
小鷹「お、おい!ひっぱんなって!」
夜空(む……小鷹の奴、私を差し置いて肉と……)
学校の屋上
星奈「じゃーん!どう?すごいでしょ!うちのシェフが腕によりをかけて作った特製弁当よ!」
小鷹(4段重ねって……こいつこんなに食えるのかよ)
星奈「小鷹にもおかず分けてあげる!えへへっ」
小鷹「なぁ……星奈……」
星奈「んー?なに?」
小鷹「お前ちょっとヘンだぞ……昨日から」
星奈「えっ」
星奈「えっ?えっ?ヘン……ヘンってなにが?」
小鷹「いや、なんつーか……」
星奈「な、何言ってんの!?全然普通だし!!そう、すっごく普通だけど?」
小鷹「普通……」
星奈「……」
小鷹「……」
小鷹(気まずい……)
星奈「…………小鷹」
小鷹「は、はい」ビクッ
星奈「……本当はあたしと一緒にお弁当食べたくないんでしょ」
小鷹「別に、そういうわけじゃ……」
星奈「……はっきり……言ってよ」
小鷹「へ」
星奈「あたしじゃなくて!夜空と一緒に食べたいんでしょ!!」
174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 21:29:56.98:+LeP7e9S0
小鷹「う……」
星奈「……否定しないんだ」
小鷹「せ、星奈。あのな」
星奈「行っちゃえば?」
小鷹「え」
星奈「夜空と食べたいんでしょ!?早くあいつのとこに戻りなさいよ!!」
小鷹「……」トコトコ
バタム
小鷹(昨日……俺の言葉、ちょっと軽率すぎたのかもしれない)
小鷹(でも、俺星奈のことずっと友達としか思ってなかったし……)
小鷹(どうすりゃいいんだろ……)
星奈「……」
星奈「あはははは!!バッカみたい!!」
星奈「自分から誘っておいて!何やってんだろ、あたし!!」
星奈「…………どうしてよ」
星奈「どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして」
星奈「どうして夜空なのよ!!!!」
ヤンデレキタ━━(゚∀゚)━━!!!
217:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/02(月) 22:35:04.72:+hWcwAEl0星奈「…………小鷹」
星奈「ずっとそばにいてよ……」ポロ
星奈「あたしを……一人にしないでよ……こだかぁ……」ポロポロ
~~~~~~~~~~~~~
放課後
小鷹(部活行きたくないな……)
小鷹「なぁ、夜空」
夜空「ん?どうした」
小鷹「今日、一緒に帰らないか?……部活は休みってことで」
夜空「ああ、別に構わないが」
小鷹「ん。じゃ、行こうぜ」
~~~~~~~~~
バス停前
小鷹(星奈には悪いけど……俺と夜空は付き合ってるんだ)
小鷹「バス……なかなか来ないな」
夜空「そうだな。……な、なぁ小鷹?」
小鷹「ん?」
夜空「こういうとき恋人同士というのは……その、手とかつないだりするものなんだろうか」
小鷹「ま、まぁ詳しくは知らないけど……そういうものかもしれないな」
夜空「そ、そうか」
小鷹「……」
夜空「……」
小鷹「な、なぁ」
夜空「つないでも…………いい、か?」ドキドキ
小鷹「お、おぅ……」ドキドキ
ギュッ
小鷹「いやー……なんつーか、新鮮だよなこういうの」
夜空「そ、そうだな……ただ、手をつないでるだけなのに、妙に落ち着かない」
小鷹「そりゃ、昔とは違うし」
夜空「昔、か……今は」
小鷹「カレカノ、だしな」
夜空「……///」
小鷹「どうした?」
夜空「い、いやなんでもっ!そうだな、私達は……こ、こ、恋人同士なんだよなっ///」
小鷹(顔が真っ赤だ……)
星奈(はぁ……もう部活とかどうでもいいわ……帰ろ)
星奈(え?あれって……小鷹と……夜空?)
星奈(…………なんで、手つないでるの?)
星奈(……小鷹、なんであんた……そんなに嬉しそうにしてるの?)
星奈(いや……いやぁっ……)
星奈「イヤアアアアアアアアアアアアッッ!!!!」
小鷹・夜空「!!」
夜空「お、おい肉!!大丈夫か!?」
小鷹「星奈……お前……」
星奈「はぁ、はぁ、うう、うえっ…………」
夜空「と、とりあえず立てるか?手を貸してやる」
パシッ
星奈「…………さわらないで」
夜空「!」
星奈「次にさわろうとしたら……殺すわよ」
小鷹(なんだよこれ……星奈がこんな目してるところ見たことないぞ……)
夜空「こ、殺すって肉、お前……」
星奈「………………ぷぷっ」
星奈「あははははははははははははははははは!!!」
小鷹・夜空「!!」ビクッ
星奈「冗談よ、じょ・う・だ・ん!!なにもしかして夜空、あんたビビっちゃったの?あはは!」
夜空「こ、こいつ……」ムカッ
夜空「ふん!帰るぞ、小鷹!!」
小鷹「お、おい……。星奈、とりあえずお前ちょっと休んだ方がいいと思う……真面目に」
星奈「…………」
小鷹「じゃ、じゃあな」
星奈「…………」
星奈「……死ねばいいのに」
バスの中
小鷹(明らかに星奈の様子がおかしい……)
小鷹(あいつは、あんな本気で誰かに『殺す』なんて言う奴じゃない)
小鷹(やっぱり昨日、俺の言い方がまずかったのか?そのせいであいつは……)
小鷹「……夜空」
夜空「なんだ」
小鷹「これからの昼休みのこと、なんだけど」
夜空「……まさか、肉と昼ゴハンを食べたいなんて言い出すんじゃないだろうな」
小鷹(鋭いな……)
夜空「私は、あいつが私達をおちょくっているようにしか見えないんだが」
小鷹(俺には、星奈が意識してわざとああいう行動をとっているとは思えない……)
夜空「ああいう構ってちゃんには、スルーが一番効果的だろう」
小鷹「そう、か……そうだな」
小鷹(俺も正直……今の星奈は怖い。あまり関わりたくはない……)
柏崎家。夜
星奈「…………」
星奈「夜空……」ギリ
星奈「ああああああああもう!!ムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクッ!!!」
星奈「あたしは小鷹と手つないだことなんてないのにっ!!!」
星奈「…………恋人」ボソ
星奈「あたしは小鷹がこんなに大好きなのに……小鷹はあたしなんてどうでもいいの……?」
星奈「イヤだよぅ……そんなの……」ポロ
星奈「こだかぁ…………」ポロポロ
朝
ステラ「お嬢様、朝食のご準備ができました」
星奈「……いらない」
ステラ「え?」
星奈「気持ち悪いの……だから、いらない。あと、学校も休むわ」
ステラ「そう、ですか……」
ステラ(今、旦那様はご不在。私がどうこう言える立場にはない)
~~~~~~~~~~~~~
カチッカチッ
星奈「…………」ポケー←ネットサーフィン中
星奈「恋人に作って欲しい手料理特集……」
星奈「……これだわ」
星奈「待ってて、小鷹……えへへ……」
~~~~~~~~~~~~~
星奈「というわけで、あたしに料理教えてっ!!」
料理人「は、はぁ」
ステラ(お嬢様が自分から料理を学びたい、なんて……)
一方、学校にて。
小鷹(今日は星奈の姿を見かけなかった)
小鷹(もしかしたら、学校を休んでるのかもしれない)
小鷹(あいつが学校休むこと自体、珍しい。やっぱり、星奈の奴……)
小鷹(心配してないと言ったら嘘になる。でも……ほっとしてるのも事実なんだよな……)
夜空「小鷹。今日は部活行くのか?」
小鷹「あ、ああ」
夜空「部活に行く前にその、なんだ……ちょっと見て欲しいものがあるんだが」
小鷹「え?」
学校のベンチ
小鷹「こ、これは」
夜空「この前電話で言ってたクッキーだ。そ、その初めて作ったから美味くないかもしれないが……」
小鷹(電話……そういえばあのときそんなことも。ほとんど忘れかけてたけど……)
小鷹(しかし月型のクッキーとか……わかりやすいな)
小鷹「じゃ、いただきます」パクッ
小鷹「……」モグモグ
夜空「ど、どうだ!?」
小鷹「……うまい」
夜空「ほ、本当か!?」
小鷹(ちょっとしょっぱいような気もするけど……でも、初めてにしてはいい出来だと思う)
夜空「よ、よかった……//」
小鷹(可愛いな)
小鷹(夜空のこういう、女の子っぽい一面を見るとやたらドキドキするんだよな……普段とのギャップのせいだろうか)
そんなこんなで3日経過。
羽瀬川家。
小鷹(あれから一度も星奈を見かけてない……)
小鷹(ちょっと本気で心配になってきたんだが)
小鷹(もし、ずっと学校を休んでるんだったら……明日あいつの家まで行ってみようか)
ピンポン
小鷹「呼鈴……あ、はーい」
ガチャ
星奈「やっほー!小鷹っ♪」
小鷹「せ、星奈!」
星奈「ひさしぶりー!元気にしてた?」
小鷹「あ、ああ……」
小鷹(久しぶりっていうほどでもないような……でもこいつ、元気そうだな)
小鷹(ただ、手に持ってるその袋は?ジャガイモとかにんじんがちらっと見えるけど……)
星奈「今日はこのあ・た・し・が!特別に料理を振舞ってあげるわ!感謝しなさいよねっ♪」
小鷹「りょ、料理?」
星奈「ふふん、あんたも好きでしょ?カレー。それじゃ、あがらせてもらうわね!」
小鷹(何の連絡もなしにいきなり……なんなんだ……)
~~~~~~~~~~~
星奈「おじゃましまーす♪」
小鳩「げっ」
星奈「あ、小鳩ちゅわん、こんばんわっ!今日もカワイイわね♪」
小鳩「あんちゃん、なんでこいつ……」
小鷹「いや、俺にもさっぱり……」
星奈「じゃ、キッチン借りるわね!小鷹は何もしなくていいから、座って待ってて」
小鷹「ん、ああ……」
星奈「~~♪」トントントン
小鳩「あんちゃん、あいつなんかヘン……」ヒソヒソ
小鷹「俺もそう思うんだが……」ヒソヒソ
ブシュッ
星奈「あ、いたっ」
小鷹「お、おい星奈!」
星奈「……」
小鷹「指、切れてるじゃないか!今、バンソーコーを」
星奈「ねぇ小鷹」
小鷹「え?」
星奈「…………なんでもない」
星奈(なめたり、してくれないんだ……)
~~~~~~~~~~
星奈「じゃーん!できたわよっ特製カレー!!」
星奈「さっ、食べて食べて♪」
小鷹・小鳩「い、いただきます」
小鷹・小鳩「……」モグモグ
小鳩「ほ、ほう……なかなか美味いではないか」
星奈「えっホント!?きゃーうれしい!ありがとう小鳩ちゅわん!!」
星奈「ねー小鷹は?小鷹は?」
小鷹「お、おぅ。俺も、すげーウマイと思う」
小鷹(見た目も味も完璧だ……まぁ、こいつはどんなことでも簡単にマスターする奴だし。だけど)
小鷹(なんだろう、この腑に落ちない感覚……)
星奈「うふふ、トーゼンよねっ!なにせ、アレも入れたし」
小鷹「……アレ?」
星奈「えへへ、ナ・イ・ショ!」
小鷹「……」
そして次の日。
ピンポン
小鷹(昨日と同じ時間……まさか……)
ガチャ
星奈「えへへ、また来ちゃった!」
小鷹「お、お前……」
星奈「今日は小鷹と小鳩ちゃんのためにパスタ作ってあげようと思って!」
小鷹(つーか、昨日のカレーまだだいぶ残ってるんだが……)
星奈「それじゃ、お邪魔しまーす♪」
小鷹(しかも2日連続……何考えてんだよこいつ……)
星奈「~~♪」トントントン
小鳩「あんちゃん、あいつまた来とる……」ヒソヒソ
小鷹「別に呼んではいないんだけどな……」ヒソヒソ
小鳩「まぁ……我としては美味な晩餐が出るのはやぶさかではない……」ヒソヒソ
小鷹「そういう問題か……?」ヒソヒソ
ピロリロリンピロリロリン←小鷹のケータイ着信音
カパッ
小鷹(あ、夜空からだ)
星奈「~~♪」トントントントン
小鷹(……自分の部屋に行ったほうがよさそうだな)
小鷹の部屋
夜空「じゃ、じゃあ来週の日曜、遠夜駅前で!」
小鷹「オーケー、じゃあな」
ピッ
小鷹「ふぅ」
星奈「…………小鷹」ボソ
小鷹「!!」ビクッ
小鷹(こ、こいついつの間に後ろに……)
やべえよやべえよ・・・
534:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 17:11:48.40:NN/6Rn080小鷹「せ、星奈お前メシ作ってたんじゃ……」
星奈「誰と……電話してたの?」
小鷹「へ?あ、いや別に」
星奈「誰と話してたかって……聞いてるのよ……」
小鷹(なんで包丁持ったままなんだ……怖えよ……)
小鷹「……理科としゃべってた。いやーあいつ電話でも下ネタばっかり言っててさ」
星奈「…………そう」
星奈「それなら、いいけど」
小鷹「……」
~~~~~~~~~~
小鳩「ふむ……この血に染まりし呪いの供物……なかなか美味ではないか」
小鷹「普通にナポリタンって言えよ……」
星奈「うふふ、ありがと」
星奈(昨日のカレーについて言えば、あながち嘘でもないケド♪)
あらま
543:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 17:30:38.22:yaItFWti0
ひゃぁああ
545:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 17:34:31.47:NN/6Rn080で、さらに次の日。
ピンポン
小鷹「……」
ガチャ
星奈「やっほー!今日も来てあげたわよっ」
小鷹(マジかよ……つか、呼んでねーし……)
星奈「んー?どしたの、小鷹?」
小鷹「…………別に」ムスッ
肉怖いw
547:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 17:36:26.63:/eZzGDtM0
恐ろしい肉だ
551:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 17:49:31.65:NN/6Rn080星奈「~~♪」トントントン
小鳩「あいつ、今日もきちょる……」ヒソヒソ
小鷹「……」
小鷹(確かに代わりにメシを作ってくれるのは、ありがたいといえばありがたい)
小鷹(でも……明らかにおかしくねえか?三日続いて来るとか……)
小鷹(はっきり言って、異常だぞ……)
次の日。学校にて。
小鷹「はぁ……」
夜空「どうした?元気なさそうだが」
小鷹「いや……そういえば今日も星奈学校来てないな」
夜空「インフルエンザにでもかかったんじゃないか?気にすることはないだろう」
小鷹(夜空に、また相談するべきか……?)
小鷹(いや、星奈は本気で夜空を嫌っている感じがする。……話せば、ややこしくなるだけかもしれない)
柏崎家。
ステラ「お嬢様。旦那様から電話が」
星奈「今忙しいの……あとでかけるって言っておいて」
ステラ「……どうしても話しておきたいことがある、そうです」
星奈「チッ……わかったわよ」
~~~~~~~~~~~
星奈「はい、もしもs」
ペガサス「この、馬鹿者!!!」
星奈「……」
ペガサス「話は全部聞いている!一週間も学校を休んで何をやっているんだ!!」
星奈「うるさいわね……あたしの勝手じゃない」
ペガサス「な、何を!?とにかく、私はもうすぐ戻る!それまでにきちんと自分の生活を改めておけ!!」
ガチャ
星奈「うざ……」
星奈(パパになんて言われようと……関係ない)
星奈(小鷹は、あたしの手料理に喜んでくれてる)
星奈(今日は何作ってあげようかなぁ……ハンバーグとか、いいかしら?)
星奈「えへへ……」
~~~~~~~~~~~~
羽瀬川家にて。
小鷹(この時刻になると、落ち着かなくなる……)
ピンポン
小鷹「!!」
小鷹「は、はい……」
ガチャ
星奈「こんばんはっ!」
小鷹「星奈……」
星奈「おじゃましまーす!あれ?今日は小鳩ちゃんいないのね」
小鷹「ああ、あいつ学校の行事で泊り、だから」
星奈「へ、へぇ……じゃ、じゃあ小鷹とふたりきり、ね……」
小鷹(正直……嫌だな。もちろんそんなこと言えないけど……)
星奈「今日は小鷹のために腕によりをかけて作るからっ!期待してて!」
小鷹「ああ……」
~~~~~~~~~~
星奈「~~♪」トントントン
小鷹(星奈は楽しそうだけど、俺はちっとも楽しくない。むしろ苦痛だ……)
小鷹(数ヶ月に1回、こういうことがあるならまだ納得はいく。だがさすがにここまで毎日だと……)
小鷹(怖いけど……きちんと言わないと、何も変わりそうにない)
小鷹「な、なぁ……星奈」
星奈「ん?なーに?」
小鷹「その、アレだ、毎日来てくれるのはありがたいんだけど……さ」
小鷹「正直、もううちには来ない方がいいと思う」
星奈「…………」
星奈「……………………は?」
星奈「え?待って待って!……何言ってんの小鷹?」
小鷹「いや、だから、その……もう、できたら、来ないで欲しい」
星奈「はぁ?意味わかんないんだけど……」
星奈「小鷹の、小鷹のた・め・に!あたし毎日こうやってゴハン作ってあげてるのよ?」
小鷹「確かにそれはありがたいんだが……なんつーか」
星奈「じゃあ何が不満なのよ!言ってみなさいよ!!」
小鷹「……いいのか?」
星奈「……」
小鷹「ぶっちゃけ、迷惑なんだ。落ち着かないし……もう来ないでくれ」
星奈「えっ」
星奈(…………)
星奈(小鷹今……『迷惑』って言った?)
星奈(………………なにそれ)
星奈(あたし、小鷹のために一生懸命料理習ったのよ?)
星奈(小鷹のために材料買って、家に来て、料理作ってあげて……)
星奈(迷惑?嘘でしょ?)
星奈(…………ああ、そっか)
星奈(小鷹……操られてるんだ)
星奈(悪い奴に騙されて操られて……それで無理やり嘘を言わされてる)
星奈(絶対に……そうよ)
星奈(小鷹を操っているのは…………)
星奈「……さない」ボソッ
小鷹「え」
夜空逃げて!
598:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 19:24:01.13:JVGQhhqM0
ぎゃー俺の夜空が危ない!
601:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 19:25:56.28:NN/6Rn080星奈「…………帰る」
小鷹「そ、そうか……」
星奈「……」
小鷹「じゃ、じゃあな……」
小鷹(これでもう、うちに来ることはない……よな)
2日後。学校にて、放課後。
小鷹(昨日から、夜空が学校を休んでいる……)
小鷹(電話しても出ないし、メールも返事がない。風邪でも引いたのか……?)
ピロリロリン
小鷹(電話だ。……星奈から?)
ピッ
小鷹「……はい、もしもし」
oh...
620:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 19:42:27.21:NN/6Rn080星奈「小鷹。あたしだけど」
小鷹「……何だ」
星奈「今日、ちょっとあたしの家まで来てくれない?」
小鷹「……悪いが、今日は」
星奈「あんたさ……夜空のこと気にならない?」
小鷹「は?……どういう意味だ」
こえええええ
626:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 19:50:56.08:NN/6Rn080星奈「意味も何も、そのままよ。もし来てくれたら……教えてあげるわ。夜空のコト」
小鷹「な……!おい!お前あいつに何かしたのか!!」
星奈「……」
ピッ
小鷹「おいっ!!クソ、切りやがった!!」
~~~~~~~~~~~~
柏崎家の私有地入り口前
小鷹(あれから何度星奈に電話しても出ないし……結局来てしまった)
小鷹(誰か歩いてくる……星奈か)
星奈「……ちゃんと来たのね」
小鷹「おい。夜空はどこだ?」
星奈「……ついてきて」テクテク
小鷹「っておいお前、どこに向かって……」
星奈「いいから」
小鷹「……」
~~~~~~~~~~~~
少し離れたところの空き地
小鷹「なぁ……夜空の姿がまったく見当たらないんだが。一体どういう……」
星奈「すぐにわかるわよ」
星奈「小鷹があっと驚くような、サプライズプレゼントが待ってるから」
小鷹「……は?」
星奈「~~♪」フンフンフーン
小鷹(サプライズ?プレゼント?……夜空と何の関係があるんだ?意味がわからん……)
30分後。
小鷹(ん?宅急便のトラックが……)
星奈「……来たわね」テクテク
小鷹「っておい星奈!危ねえ!」
キキーッ!
小鷹(あいつ何考えてるんだ……見通しのいい道路とはいえ、轢かれてもおかしくないぞ)
小鷹(ドライバーもキレていいだろ……あれ?あいつ何か受け取ってる……)
小鷹(白い箱……サイコロみたいな形だ)
星奈「~~♪」テクテク
小鷹「なぁ星奈。それが……サプライズってやつか?」
星奈「…………」
小鷹「俺はそんなのどうでもいいんだよ!つか夜空はどこに居るんだよ!!」
星奈「ねぇ……小鷹」
小鷹「あ?」
星奈「この箱…………何が入ってると思う?」
小鷹「………………え」
星奈「な・に・が、入ってると思う?」
小鷹「…………まさか、お前」
星奈「えへへへ……」
小鷹「……悪い冗談はやめろ」
星奈「よく見て。この箱……茶色い汚れが、あるでしょ?」
小鷹「…………」
星奈「夜空は………………『ここ』よ」
いやああああああああああああああ
732:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 20:51:19.67:seT3rsu00
うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
752:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 20:59:00.84:NN/6Rn080小鷹「う」
小鷹「うわあああああああ!!!」
星奈「あははははは!!驚いてくれて何より♪サプライズプレゼントだしねっ」
小鷹「嘘だ!信じない!信じられるか!!」
星奈「もーほんとに苦労したのよ?プレゼント用意するの」
小鷹「やめろ……聞きたくない……」
星奈「特にニオイとか……ね」
小鷹「黙れ!!!」
星奈「あたしは何も嘘なんてついてないわ。本当に、『ここ』に夜空はいるもの」
小鷹「頼む、やめてくれ……」
星奈「これで小鷹とあたしを邪魔するものはなくなった……」
小鷹「嘘だろ……」
星奈「やっと、恋人同士になれるね。大好き……小鷹っ♪」
小鷹「うわああああああああああああああああああああああ!!!」
THE END
え?
775:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:11:29.81:BTWc4p4c0
夜空は星なったのか。
779: 忍法帖【Lv=4,xxxP】 :2012/01/03(火) 21:12:09.40:VzOR9zh40
なっなんだってー
785:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:14:52.80:NN/6Rn080
つーことで終わりです。駄SSに付き合ってくださってありがとうございました。
保守してくれたみなさんに感謝です
ちょっと病んだお肉様を書きたかっただけなのに、とんでもない方向に行ってしまった…。
箱の中身の正体は…みなさんの想像におまかせします。
797:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:17:12.62:QOugbhiC0保守してくれたみなさんに感謝です
ちょっと病んだお肉様を書きたかっただけなのに、とんでもない方向に行ってしまった…。
箱の中身の正体は…みなさんの想像におまかせします。
>>785
おつかれ
はがないSSは少ないからまた書いてくれよ
787:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:15:15.03:ZkYGqBJV0おつかれ
はがないSSは少ないからまた書いてくれよ
いやいやいや
801:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:23:09.63:AMOje9YU0
匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。
813:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:34:00.24:GLzSsHjt0
肉は病むにしても、なんか笑える病み方をしそう
カツラみたいに
818:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:43:48.54:/+AGbo/XOカツラみたいに
数週間後
Plll
小鷹「…ん?誰からだ?非通知?」
??「…だかか?」
小鷹「ん?誰だ?」
??『…小鷹か…?』
小鷹「…!!おい、まさか…!あぁ、そうだ!俺だ!小鷹だ!」
??『よかった…やっと声が聞けた…』グス
夜空『お願いだ、小鷹…私を…助けてくれ…』
True End始まりとかないっすかね
>>818
お前を待っていた
822:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:50:56.25:/+AGbo/XOお前を待っていた
小鷹「お前…!今、どこにいるんだよ!」
夜空『わからない…肉に…星奈につれさられて…どこかの別荘みたいだけど…』
小鷹「今は…無事なのか!?」
夜空『最近はグッタリしてたからな、肉も油断して拘束を緩くしてくれたよ。
今は室内の電話を使ってる』
小鷹「そうか、だったらそこから警察に…」
夜空『何処にいるかもわからない私の通報を警察が信じてくれると思うか…?』
小鷹「あー、そうか…」
小鷹「でも、星奈の別荘ってのは?」
夜空『あぁ、別荘というのは少し違うか…
だが、肉の所有の建物内だと思う。それも私達の町からそう遠くはない』
小鷹「どうして?」
夜空『今まで毎日、私の様子を見に来てくれてたからな…
お前が学校で何をしているのかを聞いていたし』
小鷹「なるほど…」
夜空『………すまない』
小鷹「あん?」
夜空『お前を危険なことに巻き込もうとしてる…』グスッ
小鷹「………」
夜空『ごめん…ごめん…小鷹…!』グスッ
小鷹「バーカ」
夜空『へ?』
小鷹「俺はお前の彼氏だぜ?安心しろ、必ず助けてやる」
夜空『小鷹…』
小鷹「俺が助けに行くまでの間、しっかり囚われのお姫様を演じてろよ。しおらしくな」
夜空『…うん!』
小鷹「あと、もう電話してこない方がいいだろうな。」
夜空『そう…だな…』
小鷹「心細いだろうが、頑張ってくれよ」
夜空『あぁ、お前の声を聞けただけで私は頑張れる…!』
~翌日~
小鷹(結局、あの後建物外の状況を聞いて位置を特定しようとしたが収穫はなかった…)
小鷹「聞こえるのが川の音だけってのはなぁ…」アクビ
小鷹(寝ずに地図帳と睨めっこしてたから眠い)グヌヌ
星奈「あ、小鷹ー♪」ダキッ
小鷹(星奈…!アイツ…!!)
小鷹「あ、あぁ、おはよう」
星奈「どうしたの?寝不足?」
小鷹「あぁ、まぁな…」
星奈「だめよー?しっかり寝なくちゃ♪」
小鷹「………善処するよ」
~放課後~
小鷹(現在隣人部は活動休止状態だ。今はありがたいがな。この間に夜空の居場所を探さないと…となると…)
星奈「小鷹ー♪帰りましょー♪」
小鷹(コイツを利用するしかない!)
~帰宅中~
星奈「え?私のパパに?」
小鷹「あぁ、一時期お前が登校拒否ってた時に俺の家に毎日通ってたろ?
そん時のお詫び兼お礼をしなきゃなー、と思ってさ。ホラ当事者として」
星奈「んー、いいわよ?いつにする?」
小鷹「いや、いつでもいいよ。出来るだけ早い時期の方がありがたいけど」
星奈「わかったわ、今日聞いてみる」
小鷹(天馬さんに会うのは明後日の晩になった)
~明後日、晩~
天馬「やぁ、いらっしゃい。小鷹くん」
小鷹「お久しぶりです、天馬さん」
星奈「あれ?小鳩ちゃんは?」
小鷹「いる訳無いだろ。今回は遊びに来た訳じゃなくて謝りに来たんだからな」
星奈「ぶー」
天馬「お前も少しは小鷹くんを見習って大人になるんだな」
星奈「はいはい」
小鷹(このチャンス…絶対に逃す訳にはいかない!)
~晩飯後~
星奈「ちょっと、小鷹大丈夫?」
小鷹「あー大丈夫、少しワイン飲み過ぎただけだからさ」フラフラ
星奈「パパにのせられたからって調子にのりすぎよ、まったく…」
小鷹「面目ない…」フラフラ
天馬「このままじゃしんどかろう。小鷹くん、今日は泊まって行きなさい」
小鷹「すいません、ではお世話になります」
~数十分後~
天馬「ん?星奈はどうした?」
ステラ「今は御入浴中です」
小鷹(来た!チャンスが!)
小鷹「あの!天馬さん!」
天馬「ん?小鷹くん、しっかり休まないt…」
小鷹「お願いしたいことがあるんです!」
~事情説明~
天馬「そんな…星奈が…くっ!今からアイツを!」
小鷹「待ってください!星奈は俺達の部活の仲間です…出来れば穏便に…
それに今の星奈を刺激したら何をしでかすか…」
天馬「くっ…!」
小鷹「なので…」
天馬「分かった…この付近の水辺に所有している建物だな。
後日、ステラに鍵と地図を持って行かせる。」
小鷹「ありがとうございます!」
天馬「小鷹くん…」
小鷹「…はい?」
天馬「すまない」
小鷹「……」
~数日後・早朝~
小鷹(あの晩の翌日、すぐにステラさんから鍵と地図を渡された。ステラさんの沈痛な面持ちが俺の胸を締め付ける)
小鷹「小鳩には朝飯も弁当も作ったし……いざという時のための置き手紙もしたし…」
小鷹「…サボりになっちまうけど…よし、行くか!」
~目的地~
小鷹「ここかな…」
小鷹「鍵は…よし回った!失礼しまーす」ソロリ
小鷹(夜空はどこだ?)ソロソロ→ガチャッ
小鷹「!?夜空ッ!」ダッ
夜空「…小鷹か…?」グッタリ
小鷹「大丈夫か?夜空!怪我は!?」
夜空「大丈夫だ…ただ、満足に食事出来てなかったから体は怠いがな。
それより…」
小鷹「ん?」※お姫様抱っこ
夜空「本当に…来てくれたんだな…小鷹」ウルウル
小鷹「当たり前だろうが。この間、俺が言ったこと忘れたのかよ」
夜空「……」フルフル
夜空「ありがとう、小鷹」ギュッ
小鷹「夜空…」
パチパチパチパチパチ
小鷹・夜空「!!!?」
星奈「はーい、感動的なラブシーンありがとうございましたー」
夜空「…!」ビクッ
小鷹「星奈…」
星奈「で、これ…どういうこと?」
小鷹「なんでって…そりゃ夜空は俺の彼女だし、それにこんなことって間ちg…」
星奈「そうじゃない!!!」
星奈「なんで?夜空がいなくなったのに、どうして私を好きになってくれないの?私は
こんなに小鷹を好きなのに…」
小鷹「それは…」
星奈「そりゃ夜空は平均よりかはマシだけど…
だけど、私の方が美人だし可愛いし頭もいいし運動も出来るし…!
それにそれに…!」
星奈「私の方が夜空よりも小鷹の方が好きなんだから!!」
夜空「肉…お前」
星奈「そうよ!私は小鷹が好き!気づいたらアンタのことばかり探してた!
アンタの背中ばかり追いかけてた!友達を作るよりもアンタを手に入れたかった!
ずっと…ずっと小鷹の傍にいたかった…」
小鷹「星奈…」
星奈「なんで、小鷹…?夜空が私より先に告白したから?
それとも同じクラスで一緒に隣人部を作ったから?」
小鷹「………」
星奈「なんで、なんでよ!もし告白した順番が悪いなら考え直してよ!私も小鷹が好き!だから…だから…」
小鷹「星奈…」
星奈「こだかぁ…」グスッ
小鷹「ごめん。俺は夜空が…今、一緒にいる三日月夜空が好きなんだ」
夜空「小鷹…」
星奈「なんで…?なんで!?どうして!?」
小鷹「わからないよ、ただ…俺はお前と同じようにいつの間にか夜空のことが好きになってた。
気づいたらコイツの事を探して、休み時間には不貞腐れたように寝たふりする様子眺めたり
隣人部の部室で読書するコイツを見つめていた、好きになってたんだ。
俺が傍にいてほしいのは夜空だけなんだよ、だからお前の気持ちには応えられない。ゴメン、星奈」
星奈「………」
夜空「にk…星奈…」
星奈「じゃあ、じゃあ夜空…小鷹を頂戴よ…」
夜空「…は?」
星奈「だってアンタ可愛いし!男子からもモテるって聞くし!きっと小鷹よりも好きになれる人もいるんじゃない!?
でも、私には小鷹しかいないの!私と“一緒に”いてくれる人は小鷹しかいないの!
また一人になるのは嫌だ!小鷹とずっと一緒にいたいの!」
夜空「……星奈…」
星奈「ねぇ、わかってくれるでしょ?夜空?あなたもずっと一人だったんだし…私の気持ちわかるよね?」
夜空「そうだな…一人の気持ちは、一人になる気持ちも辛さもよく知ってるよ」
星奈「だったら…!」
夜空「だが、すまんな。お前に小鷹は渡せない」
星奈「…は?」
夜空「いや、だからこそと言い直すべきだろうな。だから小鷹は渡せない」
星奈「どうして…?」
夜空「決まってるだろう。私も小鷹が好きだからだ。幼いころからずっと…ずっとだ。
我ながらどうかしていると思うよ。幼いころの“友達”をずっと “好き”だったんだからな
だからこそ私の理由はシンプルだな、私は小鷹が好きだ。だから渡せん、以上だ」
星奈「なんでよ!なんで!!?」
夜空「言ったとおりだ。
いつもなら回りくどい言い方をして煙に巻くところだが、お前の気持ちに免じて私の本心をすべてぶちまけてやった。感謝しろよ、肉」
小鷹「夜空…」
星奈「小鷹も?やっぱり気持ちは変わらない?」
小鷹「あぁ」
星奈「そう、じゃあもういいかな」
夜空「肉…」
星奈「全部なくしちゃえ…」スッ
小鷹「おい、それって…!」
星奈「ジッポーよ?ちなみに灯油ならさっきアンタ達がラブシーンやってる隙に家中にまいておいたから」
夜空「お前…そこまで小鷹のことを…」
小鷹「星奈!!お前!」
夜空「小鷹、黙っていろ」
小鷹「だけど!」
夜空「頼む」
星奈「あー、アンタ達最後の最期まで見せつけてくれるわねー腹立つわホント」
夜空「なぁ、肉…お前は隣人部をどう思う?」
星奈「はぁ?いきなり何よ?」
夜空「いいから答えろ」
星奈「なに?私を説得して止めようとしてるの?」
夜空「そうだな、それも半分だ」
星奈「半分?もう半分はなによ?」
夜空「ここで最期かもしれない、せっかくだからついでに色々とぶちまけとこうと、そんな感じだな」
星奈「ふぅーん…そう、まぁ、そうね…楽しかったわよ?今までに経験したことのないこと色々出来たしね。
海行ったり、プール行ったり、お祭りに行ったり、花火したり…それ以外にも無駄にダラダラと時間を過ごすことが楽しいなんて思ったことなかったし」
夜空「ほぅ」
星奈「アンタはどうなのよ?」
夜空「私か?そうだな…私はお前と違って楽しいが大半で占められてはいないな」
星奈「なに?どういうことよ?」
夜空「そのまんまの意味だよ、色々と気苦労が多かった」
星奈「は?アンタが隣人部で気苦労?少なくともクラスよかは居心地よかったでしょ?
まさか部長の仕事がしんどかったとか言わないわよね?」
夜空「まさか、部活動がしんどかったなどと情けないことは言うわけないだろ。
私の気苦労は…コイツだ」グイッ
星奈「コイツって…」
小鷹「ん?……俺!?」
夜空「そうだ」
夜空「その様子だと私の気苦労は知らなかったようだな、このエセ朴念仁が」
星奈「で、どういうことよ?」イライラ
夜空「あぁ、そうだったな。そもそもだな、私が隣人部を作ったのは小鷹と一緒にいる時間を作るためだったんだよ。
単なる口実に過ぎなかった。ここまで部員が増えることも、ましてやこんな事件に巻き込まれることなんか予想してなかった」
星奈「どういうことよ?」
夜空「細かい話は省くが、小鷹と私は昔、親友だったんだよ。コイツが転校したせいで離れ離れになってしまったがな。
そして数年後、コイツが戻ってきた時、私は一緒にいようと隣人部を作った。
もっとも小鷹はそのことを最近までサッパリ忘れていてくれたようだがな…」
小鷹「いや、だからアレは…」
星奈「そう、一緒にいる場所を…ねぇ」
星奈「それと、気苦労がどんな関係があるのよ」
夜空「ここまで言って気づかんとは…もはや狂牛病並みのスポンジ脳だな、肉。
私は小鷹と一緒にいる…もっといえば2人きりでいるために隣人部を作った。
なのになんだ?今の現状は!!
お前に理科、幸村にマリアにそしてコイツの妹の小鳩ちゃん!!全員が全員コイツに好意を持っているではないか!」
小鷹「いや、その…」
夜空「理科と幸村に至っては小鷹目当てで入部してくる始末!!
その時の私のはらわたが煮えくり返る心境、貴様にわかるか!?いや、わからんだろう!わかろうはずがない!!」
星奈「だ、だけど…部活ってある以上」
夜空「そうだ、これは部活動なのだ。だからこそ無碍に退部させるわけにもいかん。部活という形式が意味をなくしてしまうからな」
星奈「そんなのアンタの自業自得でしょ、それで責められる理由なんて」
夜空「そうだ、ない」
夜空「小鷹が転校してきた時、私から“実は私はソラなんだ。出来れば今から時間をもらえないか?”と告白する。
おそらくこれが最も手っ取り早く、尚かつ最善の手だったのだろうな」
星奈「まぁ、休み時間に寝たふりしてるような真正ぼっちなアンタがそんな真似できるはずないわよね」
夜空「そうだ、その通り。故に、この状況も私の責任と言えるかもな。
部活などを作らず、小鷹に告白してしまえば晴れてカップル成立。周りを巻き込まずに私は充実した学園生活を送れただろう」
星奈「………後悔してるの?」
夜空「ほぅ…中々難しいことを言ってくれるな、肉…」
星奈「どうなのよ」
夜空「そうだな…色々な意味で後悔はしているかもな」
星奈「色々な意味で?」
夜空「そうだ、色々な意味でだ」
星奈「それって…」
夜空「もちろん、今の事も含まれているぞ?」
星奈「……ッ!!」
夜空「他にも先ほど述べたとおりの心労だな。性格に欠陥はあるが小鷹の周りに集まる奴はいかんせん顔がいい。
私もそれなりの顔だと自負はあるが、それでも不安で仕方がなかった。
コイツがあっちにフラフラ、こっちにフラフラする度にお前のようなドス黒いモノが溜まっていったような気がするよ」
星奈「そう」
夜空「もしも結果が違ったら隣人部を廃部するどころじゃすまなかったかもな。それこそ今のお前のような凶行に及んだかもしれん」
夜空「……だからと言って隣人部を立てなかったらきっとここまで楽しい思いは出来なかっただろうな。
ストレートで小鷹と恋人同士になったら味わえてなかった満足感だったよ」
星奈「そりゃ、アンタは楽しいでしょうね。隣人部で遊んで、それで小鷹も手に入れて…」
夜空「そう腐るなよ、肉。
まぁ、たらればなんて言ってもしょうがないんだが、もし隣人部を作ってなくても私はきっと後悔していたと思う。
もしかしたら、小鷹ともここまで互いを思いあう関係に至れなかったかもしれない」
星奈「で、何が言いたいのよ」イライラ
夜空「そうだな、とりとめなく話しすぎてしまったようだ。
私は隣人部を作ったことを満足しているよ、後悔はしているがな。」
星奈「フン」
夜空「で、お前はどうなんだ?肉」
星奈「は?」
夜空「隣人部に入ってどうだった?」
星奈「私は…その…」
夜空「………」
星奈「その…えと…うん、と…」
夜空「………」
星奈「………」
夜空「じれったい奴だな、肉…仕方ない、私から色々とネタを提供してやろう」
星奈「え?」
夜空「隣人部に入ってどうだった?海行ったりして楽しかったか?
部室でやるギャルゲやエロゲはどうだった?背徳感に興奮したか?
小鷹を好きになって、慣れない気持ちに戸惑ってどうだった?苦しかったか?うれしかったか?」
星奈「ちょっと…そんなに」
夜空「お前がチンタラ答えをためらっているからこちらから話かけてやっているんだろう。
それでどうだった?花火をして私の髪を燃やした感想は?後悔したか?ざまぁみろ!と心中で爆笑したか?」ペラペラ
星奈「いきなり言われても…」
夜空「さっさと答えろよ、肉。質問はいたってシンプルだぞ。幼稚園児レベルだ」
星奈「そりゃ…そりゃ、楽しかったわよ!!凄く楽しかった!」
夜空「……」フン
星奈「小鷹とられて苦しくて悔しくて辛くてもうどうしようもなかったけど!
隣人部は大好きで!友達と認めたくない友達と一緒にバカなことやって無駄に時間過ごして楽しかったわよ!!」
星奈「……」ハァハァ
小鷹「………」
夜空「……そうか」
星奈「そうか…ってそれだけ?」
夜空「ん?……あぁ、そうか説得だったな、コレは。お前を苛めていると隣人部にいるテンションに戻ってしまっていかん」
星奈「アンタ、ふざけているの?」
夜空「ふざけてなどいないさ。で、それがお前の本心か?」
星奈「………えぇ」
夜空「それで?お前はどうしたい?」
星奈「え、私?私の話?」
夜空「そうだ、お前が何をしたいか、それを今は聞いている」
星奈「そんなこと言われても…」オドオド
夜空「またコレか…いいか、お前にはふたつ選択肢がある。
1つはそのジッポライターに火をつけ仲良く焼死体になること。
もう1つは大人しく日常に戻ることだ」
星奈「は?日常?」
夜空「そうだ。あぁ勿論、小鷹は渡さんぞ?」
星奈「そういう問題じゃなくて…その私はアンタをその誘拐して…酷い目にして…
そして今もこんな状況だし…」
夜空「あぁ、そのことか…そうだな。私の両親に対してお前が口裏を合わせてくれれば私はどこにも言うつもりはない。
小鷹はどうするつもりかわからんがな」
星奈「なに?同情?駆け引きのつもり?」
夜空「そうだな、それもあるかもな。それに小鷹と付き合い始めてから色々とやりたいことが見えてきた」
星奈「やりたいこと?」
夜空「そうだ、まずは大学を推薦で通る。そのためにはこんな事件に関わった、なんていう浮いたプロフィールは邪魔なんだよ。
警察に言わないのはこれが目的でもある。
そして、推薦合格した私は隣人部の部室で小鷹を私の合格した大学に合格させるため個人授業を行う。
放課後に彼氏と勉強会、実にリア充らしいと思わないか?今から考えただけでもワクワクする」
小鷹「え、俺、お前と一緒の大学に行くの?」
夜空「当然だろうが、でなければ誰が今必死に内申上げをするか」
星奈「……」
夜空「話が逸れたな。まぁ、そんな訳だ、内訳で言うと同情が6、大学進学が4くらいなもんだな」
星奈「なんで…なんでよ…」
夜空「ん?」
星奈「どうして、こんな優しいのよ、アンタは…」グスッ
夜空「優しいなどと気色悪いことを言うな、肉。言っただろう、これは打算だ」
小鷹「あ、ちなみに俺も大事にする気はないぞ。彼女の進学を邪魔したとあっちゃ彼氏の名折れだからな」
夜空「と、言う訳だ。どうする?あとの生殺与奪の選択はお前次第だ」
星奈「ねぇ、夜空…」
夜空「なんだ?」
星奈「これからもいつも通りでいてくれる?」
夜空「あぁ、隣人部の部室に来ればいつでも“苛めて”やる」
星奈「そっか…」
キキーッ!!セナーセナー!オジョウサマーッ!
星奈「パパが来たみたいね…」
夜空「みたいだな、どうする?残り時間はもうないぞ?」
星奈「冗談…帰るわよ」
~数十分後・車内~
小鷹(それから、天馬さんがやってきてこの事件は収束した。ビンタやら酷い叱責はあったものの、途中で天馬さんが泣き出してしまったために中断。
ステラさんの乗る車で親子仲良く帰って行った。ちなみに俺と夜空は別の車で天馬さんが手配してくれたお抱えの医者に向かっている最中だ)
夜空「小鷹…」
小鷹「大人しくしてろ、あんなにしゃべったんだ、もうヘトヘトだろ」
夜空「怖かった…」グスッ
小鷹「………」
夜空「怖かったよ、小鷹…小鷹ぁ…」グスッ
小鷹「頑張ったな、夜空」ナデナデ
夜空「あそこまで敵意を向けられたことはなかった…恐怖と感じることも…」
小鷹「そうか」
夜空「でも」
小鷹「ん?」
夜空「でも、相手が肉だと…その怖かったけど、報復してやろうとか…そんな気になれなかった。
不思議と“肉達のいる”隣人部の日常に戻りたいって思ったんだ。
そこに帰れないことが凄く怖くて、気づいたら震えて泣いてしまっていた…」
小鷹「そっか」
夜空「なぁ、小鷹…」
小鷹「ん?」
夜空「ギュッてして欲しい////」
小鷹「おう」ギュッ
小鷹「なぁ、夜空」
夜空「ん?」
小鷹「よかったじゃないか、“友達”出来てさ」
夜空「冗談、アイツはただの“肉”だ。友達なんかじゃない…」
エピローグ
~数週間後~
小鷹「ちぃーっす」ガチャ
理科「あ、小鷹先輩、今日はお早いですね。」
幸村「あにき、おつかれさまです。いますぐおちゃをごよういいたします」
小鷹「あぁ、頼む。夜空は掃除当番で少し遅れるけどな」
理科「あの人がクラスメートとお掃除してるところ想像できないんですけど」
小鷹「まぁ、最近は色々頑張ってるらしいぞ?」
理科「え!マジっすか!!?なんで!?」ビクッ
小鷹「内申のためだとさ」ニガワライ
理科「は?内申?」
小鷹「まぁ、友達は作れなくとも、知り合いぐらいは作れるんじゃないか?」
理科「確かに…小鷹先輩は知り合いすら作れませんからねー」※同情のまなざし
小鷹「ほっとけよ!どうせ話しかけようとしたら逃げられるよ!」
幸村「あにき、おちゃです」スッ
小鷹「お、サンキュ」
~部室までの廊下~
夜空「くそッ…リア充どもが…なーにが“三日月さん、最近雰囲気変わったねー”だ!
こちとら、お前らと話すだけでHPが減るんだよ。毒の沼地レベルではなく呪いにかかったレベルで削られるんだよ。
口は災いの元だな…しっかりと内申稼がないと、推薦が…」
夜空「さてと…今日はもう小鷹は部室にいるだろうな。
とりあえず理科がちょっかいをかけてた時のためにハエ叩きは手に持っておくか」ゴソゴソ
星奈「あれ?夜空じゃない?」
夜空「む、肉か」
星奈「ってか、なによ、その手に持ってるの」
夜空「ハエ叩きだ」
星奈「まぁ、用途は聞かないようにするわ…」
夜空「それにしてもお前にしては今日は遅かったな。
掃除…はないか、お前の場合取り巻きにやらせるからな」
星奈「まぁねー。ん、まぁ、アレよ、放課後に呼び出されて…」
夜空「タイマンか」
星奈「そうなのよ~。相手ってば制服の中にジャンプ仕込んでたせいでボディブローが効きにくくて…
って違うわ!」
夜空「随分とノリノリだったな。……で、どうだったのだ?」
星奈「フったに決まってるじゃない。本命がいるんだもの」
夜空「お前も随分とあきらめが悪いな…」ヤレヤレ
星奈「当然よ、少しでも隙を見せたら最後だと思いなさい!」フフン
夜空「見せるか、肉。すでに小鷹と私はお互いの身体に互いの所有物であるという証を刻んだのだからな」
星奈「……はぁ!?それって…////!ちょっと見せなさいよ!夜空!早く!!脱げ!!」
夜空「バカ!!お前はこんなところで何をするつもりだ!見せるわけないだろ!!」ダッ
星奈「なっ!待ちなさい!バカ夜空!!」
夜空(今までは空虚で冷たい時間を、ただ黙々と機械のように過ごしてきた私だが…)
星奈(今では毎日がこうも騒がしく、無駄が多くてもそ・れ・な・り・に!!楽しく生きている)
夜空(この場所で…この時間を…)
ガチャッ
夜空「さぁ、隣人部の活動を始めるぞ!!」バンッ
~乗っ取りTRUE END終わり~
>>199
乙~
True End良かった
200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 01:59:18.83:ZrsqOy8H0乙~
True End良かった
>お互いの身体に互いの所有物であるという証を刻んだのだからな
このへんkwsk
204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 02:02:42.20:C6a/PT8U0このへんkwsk
>>200
同人誌で補完宜しく
206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/04(水) 02:04:09.84:ZrH/d3W40同人誌で補完宜しく
面白かった
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5
6
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8
9
コメント 15
コメント一覧 (15)
乙でした
主演はたしかレオナルド・デカプリオとモーガン・フリーマンだったけ?
完全にエリオやないかっ!
って画像が紛れてるよな?w
ブラピ
そうだったそうだった、(^^;;
訂正サンクス
新たな可能性を見た気がする
ありきたりすぎて飽きたわ
てか夜空さんがデレデレだった。
クックック・・・>>1乙である・・・
箱は?箱はどうなっちゃうの?
はがないのss期待しているのでこれからがんばもってほしいのでおじゃる