P「573プロダクションでアイドルをプロデュース!」 前編
P「573プロダクションでアイドルをプロデュース!」 後編
P「573プロでアイドルデュオをプロデュース!」
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 19:37:56.21:lNeLwKur0
前に落としたスレの続きです。かなり間が開いた上に対して投下しなかったので、一から投下し直します
こんにちは、私は天海春香ですイェイ!「アイドル研究生」やってますっ
小さいころから歌うのが好きで、「アイドル」目指して、芸能事務所に入りました
―――私が所属しているのは「573プロダクション」
芸能事務所としてはとっても大きな所で、綺麗な人、カッコいい人がたくさんいます
オーディションに合格したとはいえ、今でも私が入れたのが不思議なくらいの大手なんです……
いやいや!……私だってまだペーペーかもしれないけど、みなさんみたいに輝けるようになりたい!
……ということで、今はまだレッスンに明け暮れている日々です。早く芸能活動、してみたいな~……
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4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 19:38:27.82:lNeLwKur0
千早「……春香、どうしたのボーっとして」
春香「ぅえ?な、なんでもないよ千早ちゃん。レッスン頑張らなきゃな~って考えてて……」
千早「そう?次はダンスレッスンだけど……いつもみたいに、何もない所で転んだりしないでよ?」
春香「ぶぅ~いつもじゃないやい」
千早「ふふ……冗談よ。さあ行きましょう」
この長い髪の娘は如月千早ちゃん
私と一緒のオーディションを受けて、一緒に合格したアイドル研究生の、同級生
だからなんだけど、私たちは結構仲が良い。レッスンも一緒だし、休日も二人で遊びに行ったりする
良いライバルでありつつ、良い親友みたいなものかな
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 19:40:10.11:lNeLwKur0
少なくとも私は、そう思ってる
?「……おつかれさまでした~、失礼しま~す」ガチャ
やよい「あ、春香さん千早さん、おはようございま~す!」
千早「おはよう、高槻さん」
春香「おはよ、やよい。……ダンススタジオ空いたの?」
やよい「はい!わたしが最後だったんで、もう大丈夫ですよっ」
春香「わかったー。ありがとね」
この小さくて可愛い子は、アイドル研究生の高槻やよいちゃん
実は事務所に入ったのは私たちよりもちょっとだけ早いから、事務所では「先輩」になるの
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 19:40:50.68:lNeLwKur0
私たちは、別にやよいが先輩だからって何も気にしないのに
"やよい「お二人とも『こうはい』だなんて思ってません。よびすてでいいですよっ!」"
なんて言うから、それからは上下関係もない、友達みたいな付き合いをしている
年下なのに先輩ってなんか可笑しいけど……
これもテレビで芸人さんたちが話してた、芸能事務所の「複雑な関係」みたいで面白いと思う
千早「高槻さん。いつもより元気だけど、今日は何か良いことあったの?」
やよい「うっうー!そうなんですっ。もう少ししたら、わたしも『ぶしょ』に入れることになったんです~」
春香「へぇ~やったじゃん!」
やよい「はい、とっても嬉しいです~!」
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 19:41:46.80:lNeLwKur0
千早「高槻さんだったらどんな所でも輝けると思うわ。いつも一緒に見てきた私もそう思うもの」
やよい「えへへ~///でも実は、ほんとはもっとお二人と一緒にレッスンしたかったなーって……」
春香「大丈夫だよ、私たちもすぐに追いついて、一緒に仕事できるようになるからさ!」
千早「そうね。早く高槻さんに追いつかないとね」
やよい「おふたりとも……あ、ありがとうございます!わたし、いっぱいいっぱいがんばりますよ!」
春香「うん、期待してるよ」
千早「あまり無理はしないでね」
その後やよいは、満面の笑顔で廊下を走って行った。走ったら危ないよー……
……537プロの養成所で資質を磨いた後、研究生たちは「部署」に配属される
レッスンによってアイドルの適性を調べ、その結果から、各々の部署が決まるんだって
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 19:42:43.76:lNeLwKur0
春香「私たちはどこに入れるんだろうね~」
千早「……私も春香も、歌を中心に活動していきたいでしょ?」
春香「うん」
千早「そうなると……やっぱり『音楽部門』がベストね」
春香「そうだねぇ~」
春香「でもやよいは……どこに入れるんだろうね~」
千早「そうね……高槻さんに合った部署なら、いいんだけれど」
―――573プロダクション・「スポーツ部門」
矢部P「真君、今日のスケジュールは『パワプロ戦』の始球式でやんすよ」
矢部P「まあ始球式とは言っても、真君は打つ方、『バッター』なんでやんすけどね」
真「へへっ完璧ですよ!いくらアイドルだからって、舐められちゃオシマイですからね」ブンブン
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 19:44:44.58:yY63gRTtO
真「だから、この日のためにいっぱい練習してきたんですよ~」ブンブン
真「……今日の僕は、絶好調のオールAですよ!!」
矢部P「こ、言葉の意味はわからないけどすごい自信でやんす……これは期待できるでやんす!」
矢部P(まあとは言っても、プロ野球選手でも真君を「ただのアイドル」だなんて思う人はいないでしょうけどね)
矢部P(…………)
……菊地真。573プロのスポーツ部門所属アイドル
スポーツ部門担当のアイドルってのは、スポーツ事業にも力を入れる573プロの「広告塔」となる人物を育てる部署でやんす
会社が運営する野球チーム「573パワープログラムズ」……通称「パワプロ」や、
サッカーチーム「ウィーレ六本木」の宣伝なんかをしたりするのが、この部署のアイドルの主な仕事になるでやんす
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 19:47:05.50:lNeLwKur0
後はアイドル関係なく、有望な選手個人のスポンサーとなって、
トレーニング場の提供や遠征費用を負担する、選手を支える役目も持ってるでやんす
実際に、「カンフー貴公子」なんて呼ばれた格闘家「リー・ウーロン」も、
昔はこの会社のスポーツ部門に所属して、モデルなんかやってたでやんす
……本当なら、真君はただの「アイドル」として、スポーツ部門に来ただけだったでやんす
まさか、気まぐれに参加した格闘技の女性大会で優勝しちゃうなんて……
それによって注目度や知名度はかなり上がったでやんすけど……
真君はそれ以来「格闘家」としての仕事が増えたでやんす
真「……どうしたんです、プロデューサー?難しい顔しちゃって」
矢部P「……真君。今の現状、どう思うでやんす?」
真「現状って……仕事がたくさん来てるから、いいんじゃないですか?」
矢部P「そこが、問題なんでやんす…………」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 19:48:35.00:lNeLwKur0
矢部P「本当にいいでやんすか……?そりゃあ会社としては嬉しいでやんすけど」
矢部P「最初に会った時の真君は、アイドルとして『可愛い女の子になりたい』って言ってたでやんす……」
矢部P「身体に生傷たくさんつけるようなアイドルは、普通は居ないでやんす」
矢部P「それに格闘雑誌の取材とか、女性ボクサーとの対談とか、色んな大会からのゲスト参戦の要請とか」
矢部P「……今の仕事は、『可愛い』とは程遠いでやんす」
真「うぐっ、それは……ぼ、ボクだってなんとかしたいですけど……」
矢部P「……今日の始球式だって、よくある『アイドルの始球式』じゃないでやんす」
矢部P「真君がその気だったように、オファーした方も『格闘家の本気』を見たいから真君に掛け合ったんでやんす」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 19:52:02.29:lNeLwKur0
矢部P「真君の相手をするピッチャーは、若手女性選手の『早川あおい』でやんす」
矢部P「今日の始球式の注目度は高いけど、『異種格闘技戦』みたいな扱いになってるからでやんすよ」
真「そ、そりゃあ……始球式のコンセプトは知ってますよ」
真「……でも勝負を申し込まれた以上、やるからには全力で行かないと。早川選手にも失礼です」
真「女の子らしい恰好とかは……今スケジュールに入ってる仕事が終わってから、またゆっくり考えますよ」
真「へへっ、何だかんだ言って、『格闘家アイドル』として自己鍛錬を続けるのも嫌いじゃないんですよ?」グッ
矢部P「真君……」
矢部P(……なんとかしてあげたいでやんす……だけど、自分の力じゃあなぁ……でやんす)ハァ
真「さあさあプロデューサー、早く球場に行きましょうよ。集中力を高めたいんですから」
矢部P「わ、わかったでやんす……じゃあ行くでやんすか……」フゥ
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 19:55:31.79:lNeLwKur0
―――573プロダクション・「映画部門」
あずさ「監督さん、プロデューサーさん。おはようございます~」
小島監督「おう、おはよう」
オタコンP「やああずさ。今日は迷わないで来れたのかな?」
あずさ「ええ、そうなんですよ。親切な人が、このスタジオの前まで送ってくれたんです~」
小島監督「ああそうか…………って……んん?」
小島監督「ここまでって……それ関係者ちゃうの?」
あずさ「えーっと……名前は聞いてなかったんですけど、とっても落ち着いた良い声の方でした」
あずさ「あとは、外国の方で、とってもワイルドな見た目だったのが印象的でしたよ」
オタコンP「それって『スネーク』じゃないの?ふふっ」
小島監督「ホンマかいな……あずささーん、流石に主演俳優の人の顔くらい、はよ覚えて下さいよ~」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 19:56:40.11:lNeLwKur0
あずさ「え、えぇっ!?あ、あらあら~……私ったら大事な人に、とんでもないことを……」
あずさ「来る途中も、大御所さんだなんて知らずに普通に話しちゃってましたぁ……」ショボン
オタコンP「ははは。いやいや、そこがあずさの魅力なんだよ」
オタコンP「知らぬ間にスネーク本人と話してたなんて、面白いじゃあないか」
オタコンP「アイツは僕もよく知ってる。そんな気難しい奴じゃないさ……後で一緒にお礼を言いに行こう」
あずさ「はい~、すみませんプロデューサーさん」
小島監督「オタコンがおるから大丈夫やろうけど、あずささんも本番は頼んますよ~?」
あずさ「うふふ、監督さんもお優しいんですね……じゃあ、楽屋に行ってきますね」
オタコンP「ああちょっと!……迷われちゃたまらない。僕も一緒に行こう」
小島監督「じゃあまた後で」
あずさ「はい~」ドタプーン
小島監督(……やっぱあのチチはええな~)
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 19:57:48.06:lNeLwKur0
テクテク
……私、三浦あずさは、573プロダクションの映画部門に所属しています
映画部門はその名の通り、「映画に出る」ことを目的とした男優・女優を育てる部署なんです
もちろん映画にしか出ないわけじゃないですけど、「573プロと言えば映画」と考える人はとっても多いんですよぉ?
……今や世界に名だたる映画監督、「小島秀夫」さん
彼の代表作である「メタルギア」シリーズは、世界中で大ヒットしているんです
今も続編が作られていて、メタルギア人気と一緒に、小島さんの評判も世界中に知れ渡って行ったそうです
そしてその主演を務めた、この部門に所属する超大御所俳優「ソリッド・スネーク」さん
彼のおかげで、573プロはこんな大きな会社になったんだと言われてます~
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 19:58:34.86:lNeLwKur0
当時から所属する外国人タレントさんや俳優さんは多かったみたいですけど、
メタルギアのブレイクを機に573プロには外人さんがドッと増えたらしいんです
スネークさんは日本で育ったから、日本語も流暢なんだそうです……あ、そういえばさっきの道案内の時も、そうでしたね
実は私……自分の「運命の人」を探すという目的以外に……
同じ事務所の「メイ・リン」さんに憧れて、573プロに入ったんです
以前、親友の友美と一緒に見た「メタルギアソリッド」での聡明で知的な彼女の活躍、演技
あれを見て、私もああなりたいと思ったんです……私は、ちょっと普通より鈍臭いですから
だから彼女のようになれるかもしれない、映画部門に来れたのはとっても嬉しいんですが……
あずさ「プロデューサーさん、今日のお仕事は何をすればよかったんでしょうか」
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 19:59:31.95:lNeLwKur0
プロデューサーさんが振り返ります。実は、そんなプロデューサーさんも外国の方なんです
メタルギアにも出演された有名俳優さんなんですけど、プロデュース業に興味があって、こういうお仕事をされているそうです
日本が好きで、あまりに好きすぎて日本語を覚えちゃったそうなんです。うふふ、面白い方ですよね
オタコンP「えーとね、まずメタルギアシリーズ最新作の宣伝番組のアシスタントだね」
オタコンP「小島監督だけじゃなく主演のスネーク本人も出てくれるから、打ち合わせ前にさっきのお礼をしよう」
あずさ「はい~」
オタコンP「それが終わったら、今度は時代劇の『ゴエモン』シリーズ最新作の宣伝番組があるから、そっちの収録も」
あずさ「えーと、そっちもアシスタントなんですよね……」
オタコンP「そうだねぇ。……やっぱり、主役として活躍したいかい?」
あずさ「い、いえいえそんな……出たくないわけじゃないですけど、私なんかが……」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 20:01:33.40:lNeLwKur0
あずさ「…………」テクテク
はぁ……この前ついに、憧れのメイ・リンさんともお会いできました、お芝居も嫌いじゃないです
だけど……まだ新人の私には、映画部門でも大きな仕事は回ってこないんです
ちょっとしか出番のない役だったり、映画に関連した番組のアシスタントだったり……
ううん、そんなことで文句を言っちゃダメよ!
私がもっとしっかりして、積極的に動けば良い役や良い仕事が来るはずだもの
運命の人だって、私から探しに行かなきゃ会えないかもしれないんですもの、ね
あずさ「プロデューサーさん……監督さんやスネークさんに失礼の無いよう、今日は私、頑張りますね!」グッ
オタコンP「あずさ……」
オタコンP「ふぅ……別に無理しなくてもいいんだよ」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 20:06:36.30:lNeLwKur0
オタコンP「肩の力を抜いて……その方があずさらしいし、二人もその方が良いと言うだろう」
あずさ「あ、あら?そうでしょうか……」
あずさ「む、難しいですね、お仕事って……」ガックリ
オタコンP(うーん、大分思いつめちゃってるみたいだなぁ……)
オタコンP(あずさの自然体を活かせる場所があれば、本人のモチベーションも上がると思うけど)
オタコンP(今の与えられた役柄や立場じゃ、ちょっと難しいのかもな……何とかしないと)
―――カット!
五十嵐監督「オッケー、貴音ちゃん。じゃ次のシーンは休憩で」
貴音「はい、ありがとうございます。あとわたくしの出番は……」
五十嵐監督「えーっと、あと5シーンだけど、ラストとラスト前のシーンだね。そこまで来たら呼ぶから」
貴音「かしこまりました、監督殿」ペコリ
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 20:12:31.64:lNeLwKur0
―――わたくしの名は四条貴音。573ぷろだくしょん、の映画部門に所属しております
わたくしが芸能事務所に入った理由や目的、それは「とっぷしーくれっと」にございます
しかしながら、最初はそれが目的ではなかったというのに……芝居とは、実に面白きことです
演じる役柄になりきり、役という膜を通して持てる力を全て注ぎ、わたくし自身を曝け出す
その緊張感と、同様にして曝け出される共演者の方々との触れ合いが、わたくしをさらなる高みへ導いてくれるのです
……今日は「悪魔城どらきゅら」という映画しりぃずの、外伝映画の撮影を行っております
わたくしの役は、どらきゅらを討伐する目的を持った、人間離れした身体能力を持つ少女
何でもわたくしの容姿と演技を見て下さった、監督殿、直々の配役だということです。……真、光栄に思います
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 20:18:35.14:lNeLwKur0
AD「お疲れ様です四条さん。……あれ、そういえば今日はお一人なんですか?」
貴音「ええそうです。プロデューサー殿は他にも担当が居ります故、今日はそちらに」
貴音「わたくし一人でも大丈夫、と判断して下さった……これもまた、信頼の形であると思っております」
AD「はぁ~そうだったんですか。……あ、じゃあ僕は呼ばれてるんでここで。この後も頑張ってください」
貴音「はい、精進致します」ペコリ
えーでぃー、と呼ばれる役職の方が、私に飲料水を差し入れしてくださいました
こういった現場ですから、人と人との触れ合いはより一層大事なものに思えるものです
……わたくしの道がどこに向かっているのか。このまま女優の道を目指すべきかどうか……
わたくしには、まだまだそれを判断するだけの「経験」が足りません
故に、今のわたくしが考える「女優」というものは、ひょっとしたら偏った見方や考え方で構成されているのやもしれないのです
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 20:24:13.68:lNeLwKur0
貴音「…………ふむ」
……ならば、あえて一度、道を踏み外してみる……目指した道を脱線してみるのも、面白いかもしれません
違う世界を見ることで自分の「経験」が蓄積され、新たな考えを生み出す原動力になる可能性もある、というものです
わたくし自身は決して周りに流されずに
しかし、わたくし自身が「変わる」ことで、「変わらない」ための力を付けることができたら……
五十嵐監督「よし、今のシーンはこれでオッケー。次……貴音ちゃんスタンバイしといて」
貴音「……はい」スクッ
まずは……このお芝居を完璧にやり遂げる。それが一番大事です
この道をまっすぐ、綺麗に通り抜けることが出来たなら……
踏み外す試み、考えてみても良いのやもしれません
貴音「いざ、参りましょうか……」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 20:30:19.40:lNeLwKur0
―――573プロダクション・「バラエティ部門」
はいさーい!自分、我那覇響だぞっ
573プロダクションのアイドルなんだ。バラエティ部門所属だからよろしくな!
バラエティ部門っていうのは、名前の通りバラエティ番組を中心に頑張る部署さー
普通の番組に呼ばれることもあれば、573プロ所属の芸能人だけで番組を作ることもあるらしいんだ。凄いなぁ!
自分、今日はクイズ番組の収録に来てた所さー
番組の名前は、「クイズ・マジック・アカデミー」って言うんだ
魔法使いになりきって、クイズに正解して賢者を目指す、っていう設定の番組なんだ
とっても面白いぞぉ!うん面白い…………面白い、けど……
ルキア「えっとUNICEFだから……『国連児童基金』!」
ピンポーンピンポーン
ルキア「やったぁー、いっただき!」
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 20:36:20.94:lNeLwKur0
サツキ先生「……というわけで、今日の『賢者』の称号はルキアさんのものです。おめでとう」
ルキア「ひっさびさだぁ~、優勝なんて超うれしいかも!」
響「うがぁー、今日も全然駄目だったぁ~!」
タイガ「なはは、響の落ち込んだ顔もサマになってきたやないか」
響「うるさぁい!そ、そんなに毎回は落ち込んでないぞ!」
今回の収録では、事務所のルキア先輩が優勝を掴みとった
ううぅ、マジアカの問題は難しすぎるぞ。自分、もっと簡単な問題なら早く答えられるのに……
サツキ先生「成績下位の人たちには……お仕置きです!」
響「うわぁ~ん、またかぁ……うぎゃっ!」ビリビリ
お仕置きも嫌だし、クイズ番組はちょっと苦手さー……
自分が出たことのある番組だったら、ゲーム番組の「ビシバシチャンプ」とか面白かったなぁ
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 20:42:23.84:lNeLwKur0
―――
ペン太P「響君、今回も良い所無かったね……まあお仕置きが堂に入ってきたのはオイシくて良い所かもしれないけど」
響「うぐぐ……そんなの褒められてもうれしくないぞプロデューサー……」
プロデューサーはいつもペンギンの腕時計をしてる
実は自分、若い頃のプロデューサーが出てた番組がすっごく好きだったんだ
「けっきょく南極大冒険」っていう、自分が子供の頃にやってた番組さー
南極にいる色んな生物を観察したりする、ドキュメンタリー番組だったんだ
自分の動物好きは、この頃に形成されたのかもしれないのさー
そのあとは「夢大陸アドベンチャー」って名前で、活躍の場を世界に広げたり
大ヒットしたSF映画「グラディウス」、を元にしたバラエティ番組「パロディウス」の司会をやったり……
今の573プロのバラエティ部門の基礎を作った人と言っても過言ではない、それだけスゴイ人なんだぞぉ
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 20:48:41.81:lNeLwKur0
だから、憧れの人がプロデューサーで、一緒に仕事出来るのはとっても嬉しいさー
……だけど……
ペン太P「うーん、響君はバラエティでもっと弾けると思ったんだけどねぇ。今のところ空回りが多いかなぁ」
響「あうっ!そ、それは言わないで欲しいさぁ!」
ペン太P「だって言わないと自覚しないじゃないの。……何か良い解決策はないかなぁ」
響「解決策かぁ……」
……ちょっと自分、気が張り過ぎてるのかもなぁ
憧れの事務所、憧れのプロデューサー
その状況に舞い上がっちゃって、それだけ自分の中のプレッシャーもスゴいさぁ
バラエティ部門に入れてもらってから、そんな自分はなんとしても結果を残さなきゃって……
ちょっと、向う見ずに走り続けてきちゃったんだ
このままじゃ、自分で自分が許せないぞ……
それだけじゃなくて、憧れのプロデューサーにも迷惑さぁ……何とかしなきゃ
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 20:53:59.15:lNeLwKur0
響「うーん、何とか……うーん……」
ペン太P「…………」
ペン太P(素材は申し分無い……というか逸材なんだよなぁ)
ペン太P(どうしてこうなっちゃうのか……ふむ)
ペン太P(最初に与えられた状況がむしろ良すぎたのかなぁ)
ペン太P(響君はバラエティ向きの人間だけど、その期待感が響君の中での重圧になっちゃってる)
ペン太P(一回バラエティにとらわれない仕事を回すのがいいかもな……)
ペン太P「うん……そうだな」
響「?何がそうなんだ?」
ペン太P「響君、ちょっと提案なんだけど……」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 20:55:59.62:lNeLwKur0
―――お疲れ様でした~
亜美「ふぃー、CM撮影ちかれたねぇ真美」
真美「そうだねぇ……ま面白いからいいけどね。それにご褒美もさぁ……」ニヤリ
亜美「……早速やってみる?いち早くもらっちゃったフラゲ~パック使ってさぁ」ニヤリ
真美「んっふっふ~、大会優勝者の真美のデッキに勝てるかな?」
亜美「亜美だって準優勝だよぉー!やってみなきゃわかんないじゃーん!やろやろっ」
真美「よぉーし、望むところでっせぇ~」
律子「……着替えてからにしなさいよ、あんたら」
亜美「うわっりっちゃん!?」
真美「えぇー!?デュエリストたるもの、どんな時でも勝負は受けなきゃだよ、りっちゃん!」
亜美「そうそう、着替える時間が勿体ぬぁいよ!」
真美「りっちゃんのケチンボー、オニー」
亜美「リアリストー!凡骨ー!三沢ー!ファンサービスの心を忘れるなぁー!」
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 20:57:11.93:lNeLwKur0
律子「…………ほぉ~……」ゴゴゴゴゴ
真美「……更衣室いこっか、亜美」
亜美「そだね」
律子「……帰ってくるまでデッキとパックは預かっておきます」
亜美「……りっちゃんママみたい」
真美「ホントだよね~」ウンウン
律子「好きでそうなったんじゃありません」
律子「……ほら、早く着替え終わったら早くデュエルできるでしょ」
亜美・真美「「はぁーい……」」スゴスゴ
…………
全く、あの二人はいつもいつも……
あ、申し遅れました。私の名前は秋月律子、新人プロデューサーをやってます
573プロは芸能人だけじゃなく、プロデューサーも随時募集中なんですよ
私は独学以外に、P研究生として先輩プロデューサーと積極的に交流することで、ノウハウを学びました
そしてそんな私にも、遂に担当アイドルがつくことになったんです
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 20:58:07.81:lNeLwKur0
なったんですが……あの二人……双海亜美と双海真美は、中々の問題児でした
二人がいたずらっ子であるということもそうですが、もう一つ
あの二人は、並の大人でも歯が立たないくらいの有名「デュエリスト」であることが、特に問題なんです
下手に実力者だから、邪険に扱うと各方面の偉い人から怒られかねないんだとか何だとか
……まあ亜美も真美も、私によく懐いてくれてるのが唯一の救いです
一度、私が二人を叱ったことで実際に、偉い人からキツーイお灸を貰っていたときのことでした
"真美「ホント~は真美たちがイタズラしちゃったのが悪かったんだよぉ!」"
"亜美「もうりっちゃんを悪く言わないで、叱るなら亜美たちにして、お願い!」"
と泣いてお偉方に詫びていたその姿は、不覚にも私の涙腺を刺激してしまいました
まあ、そんなわけで私「秋月P」は、双子の「デュエルタレント」を鋭意プロデュース中なわけです
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 20:58:50.94:lNeLwKur0
……カードゲーム界にその名を轟かせる「遊戯王デュエルモンスターズ」
そのムーブメントは世界にまで広がり、今や大人でも子供でも遊戯王を知っているくらいです
毎年、そして至るところで大会が開かれ、その賞金で生計を立てる「プロ」も存在するほど
573プロはもはや「スポーツ部門」に遊戯王も統合しようかと言うほど、デュエリストの発掘・育成に力を入れています
まあ、というのも「伝説のデュエリスト」こと、「武藤遊戯」が573プロ出身のタレントだったからなんですけどね
普段は温厚で純朴な少年でありながら、デュエルでは豹変し、荒々しく、かつ繊細なデュエルを得意とする
そして劇的な勝負をいくつも生み出してきた……遊戯王の人気は、彼の人気と言っても過言ではないでしょう
彼に憧れて「デュエリスト」と「タレント」の両立……「デュエルタレント」を目指し、573プロに入る人も少なくありません
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 20:59:34.75:lNeLwKur0
これまでにも、人懐っこい性格で、ここぞの局面で勝負強い……通称「デュエルヒーロー」こと「遊城十代」や
高度なプレイングテクニックと、寡黙でクールなキャラクターが人気を博し
「シンクロの申し子」として人気を集めた「不動遊星」など……そうそうたる面々を輩出しています
そして最近でも「九十九遊馬」という若手デュエリストが、デュエル界、テレビ界に旋風を巻き起こしています
そんな中現れた「双子」で「子供」の「凄腕デュエリスト」……世間がほっとくわけありません
亜美と真美は、大会で結果を残すためのデュエルの訓練だけでなく、
その容姿を活かしたタレント活動にも積極的に参加することになりました
今日は新パックの宣伝のためのCM撮影
つい最近開催された大規模な大会の優勝者と準優勝者ということで、待遇もとても良いものでした
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 21:00:10.58:lNeLwKur0
そんな二人の担当に、私がなれた理由は……
新人で年が一番近いプロデューサーだったということと、同性であるということ
……今はどうかわかりませんが、おそらく当初の理由としては、そんなとこでしょう
新人に完璧な管理なんて、向こうも期待はしてなかったはずですからね
だとしても……
律子「あの子たちのこと、ちゃんと考えてあげないとね……」
二人とも、これからどうしていきたいのかを
プロのデュエリストになるのか、それともタレントと両立するのか、それともタレント活動のみになるのか
いくら新人でも、もう私は立派なプロデューサーなんだから
会社の期待値を上回るほどの活躍、あの二人にさせてあげたいわ
幸い、私も二人もやる気は十分みたいだしね
律子「当たり前だけどデュエリストとしての仕事が多いわね」
律子「うーん……何か、変化をつけてもいいんじゃないかしら……」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 21:06:15.69:lNeLwKur0
二人の「可愛いけど強い」のイメージを崩しつつ、亜美・真美の魅力が伝わるような仕事……
年頃の少女らしい、「純粋に可愛い」イメージをつけられるような
律子「……まあ、私にとっての課題ってところかしらね」
ふぅ、と溜息をつくと、着替え終わった亜美と真美がやって来た
パックとデッキを返してほしいから必死の形相になってるのかと思いきや、なんだかニヤニヤしてる
……ま、過ぎたイタズラだったら叱らせてもらいますけど、少しくらいは寛容にしてあげなくちゃね
さてさて、今回は何をしてくるつもりなのやら……
―――更衣室にて
亜美「ねね、真美、りっちゃんてさ、綺麗だと思わない?」
真美「はぁ~?思わないわけがないじゃーん」
真美「最初プロデューサーって言われるまで、タレントの先輩だと思ってたもん」
亜美「あ~そうだったねぇ」
真美「で、なんで急にそんな話になったの?」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 21:12:22.08:lNeLwKur0
亜美「んっふっふ~……実はね……」コショコショ
真美「…………」フムフム
亜美「……」コショコショ
亜美「……ということらしいんだよ」
真美「ふむふむ……ふむ」
真美「……なるほどぅ、亜美の狙いはバッチシわかっちゃったよぉ~ん」
亜美「ぬふふ、さすがは真美殿。……絶対イケルよねぇ?」
真美「そらそうっしょ!」
亜美「ていうかむしろ『プロデューサーなのに』ってとこがさ、余計にいいんじゃない?」
真美「そうだねぇ、真美たちもやってみたいし、全員でやればいいんじゃん?」
亜美「あ、その手があったか!さっすが真美~」
真美「んっふっふ~、真美に任せなさぁい」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 21:18:31.32:lNeLwKur0
―――573プロダクション・「美少女アイドル部門」
寧々P「表情が固いって言われちゃったわ……雪歩ちゃん、まだ慣れない?」
雪歩「ううぅ……お、男のカメラマンさんに撮られてると思うと……緊張しちゃってぇ……」ガクガク
寧々P「大丈夫、もうちょっと落ち着くまで待ってるから。……焦らなくていいわよ」ナデナデ
雪歩「はうぅ、す、すみませぇん……」グスッ
私ってば、ほんとにダメダメですぅ……
萩原雪歩。573プロダクションの、美少女アイドル部門所属のアイドルです
ああぁ、わ、私が「美少女」だなんてそんな……
私なんかより、プロデューサーの方がよっぽど美少女ですぅ……
……プロデューサーは以前、この部署に所属していたんです
しかも私でも知ってるくらいの、超売れっ子さんでした
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 21:24:14.37:lNeLwKur0
「美少女アイドル部門」……ドラマ、CM、モデル、イメージガール……
色々な分野に挑戦できる、「美少女」を育成する部署なんだそうですけど……
ひいぃ、わ、私がそんな部署に来るなんて、何かの間違いだったんですぅう
だってこの部署の所属アイドルさんは、みなさん私なんかよりよっぽど可愛い人たちばっかりなんですから
「永遠のアイドル」って言われてた大御所「藤崎詩織」さんとか、
影のある演技で一世を風靡した「八重花桜梨」さんとか……
最近だと「理想の清純派同級生」なんて言われてる「高嶺愛花」さんとか……
ううぅ、名前を出すだけでも畏れ多すぎますぅ
そしてプロデューサーは「姉ヶ崎寧々」さん……
人気絶頂の中突如引退したかと思うと、そのまま573プロのプロデューサーになっちゃった人なんだそうです
私がこの部署に来ただけでも何かの間違いなのに……プロデューサーがこんな大物の方だなんて……
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 21:30:29.90:lNeLwKur0
雪歩「……」ブルブル
寧々P「…………」
寧々P「雪歩ちゃん、男の人が怖いからって、そこから逃げてばかりじゃダメよ?」
雪歩「……え?」
寧々P「だってそうでしょう?最初に雪歩ちゃんと会った時に、『自分を変えたい』って言葉、ちゃんと聞いたもの」
雪歩「あ……!」
雪歩「そ、そうでした……確かに私……」
寧々P「ふふ……無理に頑張らなくてもいいけど、いつまでも足踏みしてちゃ何も変わらないわよ?」
雪歩「は、はい……!」
そうでした……私は、こんなダメダメな私を変えるために、573プロに入ったんです
……プロデューサーはとっても良い人です
男の人じゃないから、最初から私の素直な気持ちをぶつけることが出来ました
そしてプロデューサーは私の気持ちに応えてくれたんです
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 21:36:20.23:lNeLwKur0
毎日ちゃんと、私のためにと、色々なことをしてくださるんです
自分を変えるためにも、プロデューサーの頑張りに応えるためにも……
雪歩「そう、ですよね……足踏みしてばっかりじゃいけませんよね」グッ
寧々P「……もう落ち着いたかしら?」
雪歩「はい、大丈夫です。……写真撮影、戻りましょうプロデューサー」ギュッ
寧々P(ふふ……もう本当に大丈夫みたいね)
寧々P(…………)
寧々P(……そうね、今の雪歩ちゃんの調子が続くのなら……)
寧々P「雪歩ちゃん、この仕事が終わってからでいいんだけど……何かやってみたいことはある?」
雪歩「?やってみたいこと……ですか?」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 21:31:24.17:ToUvrFU10
寧々P「そう。今までは、私が仕事を取ってきて、それを雪歩ちゃんにこなしてもらうだけだった」
寧々P「でも本当に自分を変えたいなら……自分から、何かに挑戦してみるのもいいんじゃないかな」
雪歩「自分から…………」
寧々P「ゆっくりでいいのよ。今までやったことのない仕事でも、やってみたいことでも、考えてみてね」
雪歩「わかりました……!」
スタイリスト「あの~……もうそろそろ撮影を再開したいらしいんですが……」
雪歩「は、はい!いま行きます!」
寧々P「ふふ……まずは、このお仕事が一番よね」
寧々P「男の人に撮られても緊張しないよう……この仕事をバッチリ終わらせましょう?」
雪歩「は……はい!」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 21:48:09.43:lNeLwKur0
―――ドンッ
凜子「あ……ごめん、前見てなかった」
伊織「いつつ……もう、しっかりしなさいよね」
凜子「はいはいごめんって……それじゃ急いでるから」
スタスタ……
伊織「……ムッカ~、何なのよあの態度!」
伊織「ほんと、この天下の水瀬伊織ちゃんに向かって……失礼しちゃうわ」
小早川凜子……ぶっきらぼうな物言いに見えて、いざ仕事となると与えられた役割を完璧にこなす、実力派若手アイドル
そりゃあ、あの子の方が人気は……今の私よりは上よ
でも何でなのよ……なんであの子にばっかり注目が集まって、
「同期」の私……「水瀬伊織」には誰も目もくれないのよ!
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 21:52:18.43:lNeLwKur0
一緒の時期にテレビに出してもらったっていうのに……最近じゃあの子に仕事をとられっぱしじゃないの
何が足りないって言うの……実力も、仕事に対する姿勢も、あの子と変わらないだけ持ってるはずなのに……
伊織「まったく……世の中の男ども全員、伊織ちゃんの魅力をぜんっぜんわかってないわね!」
伊織「……」
……私の叫びは、虚しく廊下に響いただけだった
伊織「むっきぃ~!」ジタバタ
おかしい……本当なら今日は、あの変態プロデューサーが粗相してないか見張ろうと思っただけだったのに
でも今あの子に会って……なんかとてもじゃないけどジッとしてられなくなったわ
伊織「なんとか……なんとかしてやるんだからぁ」ギリギリ
とにかくどうすればいいのかしら……憤ってばっかりじゃ駄目だわ。何か手を打たないと
小早川凜子が手を出していないジャンル……というと、やっぱり「歌」かしら
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 21:53:42.27:lNeLwKur0
CDは出してたけど、そこまで本腰を入れて活動してたわけじゃないわ
私をもっと知ってもらうためには、小早川凜子との違いを明白に見せつける必要がある
歌、で違いを見せる……今考えたにしては、まあまあの策かもしれないわね……
……ん?
あ……そう言えば、「あのプロジェクト」なら……
…………
うん……そうね……それだったら……
伊織「……」ニヤリ
うん、もうこれで決まりね。プランは整ったわ
伊織「にひひっ、見てなさいよぉ~小早川凜子!今すぐ追いついてやるんだから!」
私の声はまたも廊下に響いたけど、もう「虚しく」なんかはなかった
今すぐあの変態プロデューサーを探して、絶対に実現させてやるんだから!
54:ここから前回投下できなかった部分:2012/04/13(金) 21:54:28.48:lNeLwKur0
―――573プロ・「音楽部門」
?「zzz……ん……むにゃ……」
?「……zzz」
小鳥「もーう……こら、美希ちゃん?」ツンツン
美希「むにゃ、……んん……も~……せっかく気持ちよく寝てたのにひどいの~」ムクリ
小鳥「いくらみんな居ないからって、寝るのは流石にダメよ」メッ
美希「む~……小鳥だって仕事しないで男の人の絵ばっかり描いてるの。人の事は言えないって思うな」
小鳥「アハハハー……まあ、それはそれ、これはこれよ」
あはは……みなさんお恥ずかしい所を……
私、573プロ音楽部門で事務員をやっております、音無小鳥といいます。絶賛恋人募集中です!
そしてこの金髪の娘は、つい先日音楽部門にやって来た、星井美希ちゃんです
いつも寝てばっかりだけど、秘めた才能を確かに感じる、天才肌の女の子なんです
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 21:55:49.84:lNeLwKur0
……573プロの中でも、特に歌手活動に力を入れる芸能人が所属する。それが音楽部門です
お抱えの実力ある作曲家先生方や、新進気鋭の新人音楽家の発掘、音楽界の大御所へのオファーなど、
573プロが音楽にかける情熱もまた、他の部署が得意とするものへの情熱には負けてはおりません!
……ですから、他部署の人が歌手活動をする場合は、この部署のお世話になります。
あとは573所属の俳優が主演の作品、その作品への音楽の提供なども、
時にはこの部署の作曲家が担当することになるんです。恐るべし、573プロ……
美希「……あふぅ」
美希「ねえ……まだ、会議終わらないの?」
小鳥「そうねぇ……美希ちゃんが音楽部門に来てから、ここ一週間ずっと会議続きね」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 21:57:04.91:lNeLwKur0
美希「そうなの。まだ美希、プロデューサーとも作曲家の人とも、ちゃんとお話できてないの」
美希「どういう曲を歌えばいいのかわかんないんだから、動きようがないの」アフゥ
美希「ミキ、そりゃあ楽な方が良いけど……何もしないのは、ヤなだけなの」
小鳥「み、美希ちゃん……」
……養成所の頃は、無気力でやる気が無いって思われてたみたいだけど……それは違う
この娘は、むしろ「本気」になれる場所を探しているようにも見える。私には、そう見える
だから、この娘が本気になった時のパワーは、私には想像もできないわ
……会社の人たちだって、それがわかっているから、ここに配属したんだと思いたい
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 21:58:40.00:lNeLwKur0
歌やダンスのポテンシャルも高いって評判だった。足りないのはやる気だけだって
だからこそ、「一流」の音楽に触れることで、美希ちゃんをその気にさせる
そういうことなんだって、私は思ってたわ……
だけどこの状況じゃ……せっかく美希ちゃんがやる気を出しても……
小鳥「……そうね」
小鳥「ちょっと、流石にもうそろそろ、私も黙ってられないわね」
美希「え?」
小鳥「……美希ちゃん」
小鳥「今日の会議が終わったら、プロデューサーさんに直談判しに行きましょう!」
美希「え!?……う、うん……いい……けど……」
小鳥「けど?(大丈夫よぉ、お姉さんがついてるからねぇ~)」
美希「小鳥がこんなに頼もしく見えるなんて……何かの冗談なの」
美希「ていうか、いきなりやる気になって気持ち悪いの」
小鳥「なんで!?どういうこと!?」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 21:59:42.46:lNeLwKur0
小鳥「―――あ、やっと終わったみたい」
美希「……あふぅ」
小鳥「ぷ、プロデューサーさん!」
振り向きP「( ゚д゚ )彡何だい!?」
小鳥(なんで毎回勢いよく振り向くのかしら……ってそうじゃなくて)
小鳥「あ、あの!美希ちゃんのことで、話があるんです」
美希(小鳥……その調子なの!お願いなの!)
小鳥(み、美希ちゃんも一緒に言ってよ!)
振り向きP「ああ、美希のことですか。ちょうど、こっちからも話があるんです」
小鳥「え?」
美希「へ?」
振り向きP「実はですね……」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 22:02:54.27:lNeLwKur0
―――573プロダクション・養成所
春香「えぇー!!わ、私と、千早ちゃんと、やよいが3人とも……!?」
やよい「ほ、ほ、ほんとーなんですかぁー!?」
千早「ええ、高槻さんはバラエティ部門になるって聞いてたから、もしかしたら会えなくなるかも、って思ってたけど」
やよい「また……ううん、こんどはお二人と一緒に、『お仕事』できるんですね!?」
春香「そうなるみたいだね……改めてよろしくね!」
千早「ええ、……むしろここからが本番だもの。気合入れて行かないとね」
やよい「うっうー!三人でいっぱいいっぱいがんばりましょー!」
ハイタッーチ、イェイ!
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 22:08:34.52:lNeLwKur0
―――573プロダクション・「スポーツ部門」
真「……『アイドルマスター』?」
矢部P「そうでやんす」
矢部P「前々から計画だけはあって、この度正式にプロジェクトが発足することになったんでやんす」
真「それに……ボクが?」
矢部P「ムフフ……その通りでやんす!」
―――573プロダクション・「映画部門」
あずさ「あの~、具体的には、どういったことをすればいいのでしょうか」
オタコンP「えーとね、まず参加者……資格は『573プロに所属する女性』、を全部署から募るんだ」
オタコンP「そこで審査が行われて、プロジェクトのメンバーに入るかどうかが決まる」
―――
貴音「選ばれた人々で『アイドルぐるぅぷ』を結成し、歌手活動を展開する」
貴音「573ぷろだくしょん、全部署を股に掛けた、びっぐぷろじぇくと」
貴音「なるほど、……こういう脱線の仕方もありますね」ニヤリ
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 22:14:14.39:lNeLwKur0
―――573プロダクション・「バラエティ部門」
響「それに、自分も応募するのか?」
ペン太P「それが良いと思う。響君、歌手活動とかも似合ってると思うよ」
響「……ひょっとして、自分はもうバラエティには必要ないって……」ジワッ
ペン太P「ちょっ、違う違う!……プロジェクトは長期間続けるけど、部署移動するわけじゃないから」
ペン太P「歌手に専念してもいいけど、並行してバラエティを続けてもいいんだ」
響「そ、そうなのか!」パアァ
ペン太P(響君の新しい一面……この活動で、見えるといいな)
響「そう言えば自分、歌うのは好きだけど、音楽部門には行ったことないなぁ」
ペン太P「まあね、僕も無いよ。部署がそれぞれ大きいから、他部署とはあんまり関われないんだよね」
ペン太P(……たぶん、そういった面を解消する意味でも、このプロジェクトは計画されたんだろうなぁ)
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 22:20:17.98:lNeLwKur0
―――
律子「そこまではいいわよ……なんで……」
律子「なんで私まで出る話になってるのよ!」
律子「甘かった……やけに素直に応募に応じたとは思ってたけど……」
真美「んっふっふ~、だってコレってさ、『プロデューサーは参加しちゃダメ』なんて、書いてないんだよ?」
亜美「そうそう、亜美たちは全然オッケーだけど、りっちゃんが参加してくんないんなら、選ばれても出ない!」
律子「ちょ……ウソでしょ……!?」
亜美「ぬふふふふ、もう審査書類は送っちゃったのだ~!!」
真美「落ちたらそれまでだけど、残ったらりっちゃんもアイドルなのだ~!!」
亜美「亜美たちと一緒に、歌って踊れるプロデューサーになるのだ~!!」
亜美・真美「「んっふっふ~♪」」
律子(絶対無いだろうけど……もし私だけ選ばれたらどうするつもりなのよ!!)
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 22:26:39.37:lNeLwKur0
―――573プロダクション・「美少女アイドル部門」
雪歩「プロデューサー、メンバー選出の第一報が来たって、本当ですか!?」
寧々P「ええ。……でも、今回は養成所からの子たちだけ発表みたいね」
寧々P「天海春香ちゃん、如月千早ちゃん、高槻やよいちゃん、の3人が選ばれたみたい」
雪歩「じゃあ部署にいる人たちの発表は……」
寧々P「もうちょっと待ってから、になるわね」
雪歩「そ、そうでしたか……」シュン
雪歩「はうぅ……私なんかが、ご、合格、できるんでしょうか……」ガクガク
寧々P「大丈夫、自信をしっかり持って……」
寧々P「雪歩ちゃんが自分からやりたいって言ってくれたんだもの。私はそのやる気、届いてると思うよ」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 22:32:17.77:lNeLwKur0
―――
伊織「この私、水瀬伊織ちゃん。同じ美少女アイドル部門の、萩原雪歩。そしてバラエティ部門の秋月律子……」
伊織「ま、最後の発表ってのが気に食わないけど、この伊織ちゃんも晴れてメンバーの一員ってわけね」
伊織「プロジェクトは最終的に、私を入れて13人」
伊織「1週間後に、音楽部門に専用スペースが出来上がるから、そこに全員集合……と」
伊織「にひひっ、小早川凜子だけじゃないわ……」
伊織「他の12人全員、この伊織ちゃんの魅力で打ち負かしてやるんだから!」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 22:38:16.79:lNeLwKur0
―――573プロダクション・「音楽部門」―――「THE IDOLM@STER」専用スペース
振り向きP「みんなよく集まってくれた。俺がこのプロジェクトの総合プロデューサーである、振り向きPだ」
振り向きP「応募の時に概要は見たと思うけど、このメンバーで『アイドル』として活動してもらう」
あずさ「……えーと、この場所では、具体的には何をすればいいんでしょう」
振り向き「ん?簡単だ、みんな一緒にレッスンやったり、この専用スペースで仕事の打ち合わせをしたりする」
響「でも、部署は変わらないって聞いたぞ?」
振り向きP「そう!( ゚д゚ )彡だよ。……だからここは、言うなれば『寮』みたいなものだね」
振り向きP「みんながお互いのことをよく知ってもらうためのスペース」
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 22:44:22.91:lNeLwKur0
美希(プロデューサー、またわざわざ後ろ向いてから、勢いよく振り向いてるの……)
貴音(今の面妖な行動の意味は何なのでしょうか……)
振り向きP「他部署の仕事があるなら、その時はそっちに行ってもらって構わない」
振り向きP「アイドルマスターとしての活動があるときだけ来る、ということも出来なくないが……」
振り向きP「さっき言ったように、お互いのことを知ってもらいたいから、ここで他部署の打ち合わせもしてもらった方がいいな」
千早「……根本的に、お互いを知る必要があるのは、なぜでしょうか」
振り向きP「……君たちを、だけじゃない。君たちの『関係性』を、よく知る必要があるからだよ」
春香「どういうことですか?」
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 22:50:16.48:lNeLwKur0
振り向きP「君たちに個性があるように、君たちが人と関わるときの関係性にも、それぞれの個性がある」
貴音「至極当然、のことですね」
振り向きP「ああ、何せ13人もいるからな。どこで衝突が起こったって不思議じゃない」
振り向きP「相性の問題もあるし、こちらからも、なるべく相性の悪い組み合わせは控えたいからな」
振り向きP「……まぁ、一番の理想は、誰が誰と組んでもお互いの良さを引き出せるグループだけど」
律子「確かに……中々の『理想』ですね。実現が限りなく難しいという意味で」
亜美「……り、りっちゃん!変なこと言わないでよ!」
真美「そうだよぉ!何かみんなと仲良くしたくないみたいじゃん!」
振り向きP「だ、そう!( ゚д゚ )彡だけど?」
律子「(何なのかしら……)いえ、誤解を招く言い方をしてしまってすみません」
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 22:52:04.80:lNeLwKur0
律子「普通に考えれば難しい、というだけで、私自身は誰とでも好意的に触れ合いたいと思ってます」
律子「その考え方自体は、おそらくここにいる全員がそうなんでしょうけどね」
伊織(…………ふんっ)
振り向きP「あ、そう!( ゚д゚ )彡ですか」
やよい「……プロデューサーって面白い人ですね~」
伊織(いや、とんでもないバカにしか見えないわよ……)
振り向きP「じゃあ……早速、それぞれの自己紹介からお願いしようか」
振り向きP「えーとそこの……赤いリボンの娘……春香ちゃんから」
春香「は、はい!」
―――
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 23:00:24.30:lNeLwKur0
振り向きP「……全員終わったな」
振り向きP「確認だけど、この13人全員で歌うこともあれば、個別で歌うこともある」
振り向きP「さっき言ったように、『ベストな組み合わせ』を色々と考えていくよ」
振り向きP「何にしても、君たちを正真正銘の『アイドル』にする……それがこのプロジェクトの基本理念」
振り向きP「グループの名前は『THE IDOLM@STER』……573プロの一大ビッグプロジェクトになる」
雪歩「は、はいぃ……」ブルブル
真「だ、大丈夫かい?」サスサス
雪歩「ああ、す、すみませぇん……」
振り向きP「……そんな緊張しなくてもいいんだよ。君たちの意見が第一なんだから」
振り向きP「悪いことするわけじゃないし、なるべく希望通りの活動をさせたい」
振り向きP「何より、君たちは1人じゃなくて、13人だ。『全員』で力を合わせることができる」
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 23:06:20.37:lNeLwKur0
振り向きP「その全員の力があれば、どんな困難も乗り越えられることだろう」
振り向きP「一人で抱え込まないで、誰かの力を頼るのも必要なことだと思う」
伊織「全員の力……ねぇ」
振り向きP「ま、そんなわけで……これから力を合わせて、頑張って行こう」
―――
ガチャッ
やよい「あ、水瀬さん、おはようございます!」
伊織「……おはよう」
やよい「あれ、……あんまり、元気ないですね」
伊織「そうかしら……?」
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 23:12:25.48:lNeLwKur0
伊織(……この私が、誰かと一緒じゃないと力が発揮できない、なんてこと……あるわけないじゃない)
伊織(目標は小早川凜子の椅子、ただ一つ……余計な手間をかけずに、ソロででも活動するのが気楽でいいわよね)
やよい「(ニコニコ)」
伊織(……って、何なのよこの娘は)
伊織「……何がそんなに面白いのよ」
やよい「ふぇ?……あ、あうぅ~」アタフタ
やよい「……そんなつもりじゃなかったんです。ごめんなさい……」シュン
伊織「ちょ、い、いや、別に責めたわけじゃないわよ。……なんで、そんなに笑顔なの?」
やよい「え!?あの、じ、実は……」
やよい「私、こういうのに憧れてたんです!」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 23:18:12.67:lNeLwKur0
伊織「?どういうこと?」
やよい「ウチって貧乏で、はやく『げーのー人』になって、お金いっぱいもらえるようにならなきゃなーって」
やよい「だけどそれだけじゃなくて、573プロに入ってみたら、学校でも会えないようなキレイな人とか、面白い人とかたくさんいて……」
やよい「そういう人たちともっと仲良くなって、一緒に活動していきたいなーって……」
やよい「だから私、今度からこのお部屋で、みなさんといっぱいおしゃべりしたくって」
やよい「そう思って、楽しみにしてたんです!」
伊織「そ、そうだったの……」
伊織(みんなと仲良く、ね……)
やよい「はい!だから水瀬さん……これから、よろしくおねがいしまーっす!」ガルーン
伊織「…………」
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 23:24:54.70:lNeLwKur0
伊織(何なのかしらこの子……)
伊織(なぜか知らないけど、放っておけないって気になっちゃう……)
伊織「…………」
やよい「……あ、あうぅ……水瀬、さん……?」
伊織「……名前」
やよい「え?」
伊織「名前でいいわよ。水瀬さん、だなんて」
やよい「えぇ!?い、いいんですか?」
やよい「……あの、えーと……伊織、さん……」
伊織「……さん付けもいいわ。なんかむず痒いもの」
やよい「じゃあ……伊織、ちゃん……?」
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 23:30:35.63:lNeLwKur0
伊織「……ふふっ、えぇ、それでいいわ」
伊織「改めてよろしくね、やよい」ニコッ
やよい「……!うっうー、はーいよろしくおねがいしまーっす……伊織ちゃん!」
伊織「はいはい、よろしくね」ギュッ
伊織(……あーあ、何なのよ全く)
伊織(私ってば、こんなキャラじゃなかったのに……)クスッ
―――
春香「私たちは、このまま音楽部門に……!」
春香「やった!やったね、千早ちゃん!」
千早「ええ、……プロデューサー、ありがとうございます」ペコリ
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 23:37:21.90:lNeLwKur0
振り向きP「そう!( ゚д゚ )彡言うな。お前たち自身の実力で決まったんだ。胸を張っていいぞ!」
春香(……コレさえなきゃ良い人なんだけどなぁ)
千早(まあ音楽部門に決まったなら、後はなんでも、いいですけれど)
振り向きP「プロジェクト中の音楽部門における全員の担当は、俺になる」
振り向きP「音楽に関する相談やら打ち合わせなんかは俺にしてくれ」
振り向きP「二人はその後も音楽部門だから、まずはプロジェクトに集中してもらって、そこから各々の方針を考えよう」
春香「はい!」
千早「わかりました」
振り向きP「この間まで研究生だったからって、気後れすることはない」
振り向きP「他部署で活躍してた人だって、ここでは新人なんだ。ガンガンみんなの輪の中に入って行け!」
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 23:42:15.16:lNeLwKur0
千早(ガンガン……そんなに積極的に、できるかしら)
千早「はい……善処します」
振り向きP「固いなぁ、千早。もっと自分を解放してもいいんだぞ!( ゚д゚ )彡」
春香「ふふっ大丈夫だよ、千早ちゃん。私も付いてるからさ」
千早「あ、ありがとう。春香……」
振り向きP「仲良きことは、美しきことかな……だな!頑張れ二人とも!」
―――
律子「信じられない。まさか本当に審査が通るだなんて……」
律子「悪い冗談としか思えないけど……まあ希望は通るみたいだから、控えめに売り出して欲しいわ」
律子「……しかし、この私が『アイドル』ねぇ……何この派手な衣装」
律子「…………」
律子「……………………」
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 23:48:14.49:lNeLwKur0
……
ガチャッ
亜美「りっちゃーん、今度の大会って、日曜日でいいんだったっけ~?」
律子「あ……」
亜美「うぉう!?」
律子「……あ、あの……」
律子「……えぅ……これは……その……///」カアァ
亜美「……」パクパク
亜美「り、り、り」
亜美「りっちゃんが、アイドルになった~~~!!」
律子「ちょっ!だま、黙って!静かにして!、お願い!」ガバッ
亜美「ングゥ……!」
亜美「(ジタバタ)」
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 23:52:17.72:lNeLwKur0
亜美「モボモガ……ぷはっ!り、りっちゃんどうしちゃったのさぁ!」
律子「いいい、いいから///ちょっとした気の迷いというか何というか」
律子「どうせいつかはやらなきゃなんないんだから、いっそのこと早いうちにというか……」
律子「と、とにかく!!もうこのことは忘れて、放ってお
亜美「すっごい可愛いよぉ!やっぱ亜美と真美の考えは間違ってなかったよぉ!」
律子「…………は、はぁ?///」
亜美「……」ホケー
亜美「ウンウン……りっちゃんその服、ちょ~似合ってるって!今すぐにでもアイドルなれるって!」
律子「い、いやいやいやいや……私をからかってどうするつもりよ!」
亜美「からかってなんかないよぅ!……ほおぉ……」マジマジ
律子(し、死にたい……///)マッカッカー
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 00:00:14.44:ZsE+SmLa0
―――
小鳥(ここにみんなが来てからだいぶ経つわね。レッスンや、それぞれをイメージした楽曲の制作も進んでるわ)
小鳥(美希ちゃんも目標や仲間が出来て、結構やる気になったみたいだし)
小鳥(うんうん、やっぱり「アイドルのいる事務所」ってのはこうでなくちゃ)
響「……でな、その時に自分が……って美希!それはハム蔵だぁ!食べちゃだめだぁ~!!」
美希「え…………?」ポケー
美希「…………」
ハム蔵「(申し訳ないが青二才に食べられるのはNG)」
美希「ハッ……あ、あぶない所だったの……茶色いおにぎりにしか見えなかったの……」
真「まだ寝ぼけてたのか……」
響「うぅ、ハム蔵、ちゃんと見てなくてごめんなぁ」スリスリ
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 00:07:18.20:8HTXptMd0
美希「ごめんなさいなの、響。えーと……こっちは、ちゃんとおにぎりなの」パクッ
真「おやつにおにぎりってのも……美希らしいなぁ」
雪歩「お待たせ~、あ、ちょうど良かった」
雪歩「はい美希ちゃん。熱いお茶飲めば、眠気も覚めるんじゃない?」コトッ
美希「ん~、ありがとうなの雪歩……あちっ」ズズッ
真「あ、雪歩、ボクにもちょうだい」
雪歩「うん、ちゃんとみんなの分も用意してるよ」
響「うわぁ、ありがとう雪歩」
ワイワイキャーキャー
小鳥(……ただ駄弁ってるようにしか見えないけど、あれでも仕事中なんです。多分……)
小鳥(…………)
小鳥(あずささんのプロデューサーさん、外国の方でカッコよかったな~)ポワワーン
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 00:12:22.50:ZsE+SmLa0
小鳥(ちょっとオタク趣味入ってるらしいけど……むしろお茶目な感じでイイ!わね)
小鳥(響ちゃんのとこのプロデューサーさんも、素朴で良い人そうだったわ……でも妻子持ちなのよねぇ)
小鳥(いや、「不倫」のシチュってのもたまには悪くないわね。素朴な男が、夜はケダモノに豹変する……)
小鳥(うちのプロデューサーも、なんだかんだでアリよね。振り向きがウザイのがアレだけど)
小鳥(…………)
小鳥(うーん、よりどりみどり……)ウヘヘヘヘ……
真美「……ぴよちゃんってたまに気持ち悪いよね」
貴音「小鳥嬢は、まただらしない顔をしているのですか」
あずさ「あらあら~、今日は何を考えているんでしょうか……」
伊織「どうせロクなことじゃないわよ」
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 00:18:20.05:ZsE+SmLa0
―――
決勝―――勝者・双海真美
真美「よっしゃ~!また真美の勝ちだね!」ガッチャ!
亜美「うがぁああぁ、なんでじゃ~!」ゼンメツメツメツ…
真美「ふっふっふ、亜美とはデュエルたくてぃくすが違うのだよ、たくてぃくすがね」
亜美「そんな変わんないって~むううぅぅ」
亜美「あ~もうくやしぃいい」ジタバタ
やよい「(ドキドキ)」
やよい「はわ~……初めて大会のおうえんに来たけど、亜美も真美もこんなに強かったんだぁ」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 00:24:24.37:ZsE+SmLa0
伊織(やよいに連れられて来てみたけど……私には理解できない世界だわ……)
伊織(でも、デュエルなんて何も知らないはずなのに……)
伊織(亜美と真美のデュエルを見てたら、いつの間にか目を離せなくなってしまう)
伊織(これが……「デュエルアイドル」ってやつの力なのかしら)
やよい「参加者の人たち、みんなふたりのこと知ってるなんて」
やよい「亜美も真美もすっごい有名人だったんだぁ!」
伊織「ま、この分野では伊織ちゃんも知名度で負けるかしらね……悔しくはないけど」
真美「んっふっふ~、そりゃあ、さいきょー天才デュエリストだかんね!」
真美「真美たちのことを知らないデュエリストなんて、ただのMO☆GU☆RIだよぉ」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 00:30:27.10:ZsE+SmLa0
亜美「うがががぁ……」
亜美「そりゃ亜美も真美もさいきょーだけど、最近は真美に負けっぱなしだよぉ」
亜美「んも~、やよいっちが真美ばっかり応援するからぁ!」
亜美「それに、いおりんもちょっとは応援してってば!つまんなそうな顔で見られてると、ちょ~テンションガタ落ちだよぉ!」
やよい「えぇ!?ご、ごめん……」
伊織「私はそもそも興味なんて無かったのよ!」
真美「もぅもぅ、亜美ってばやよいっちといおりんのせいにしちゃダメだよぉ~」
亜美「うぬぬ、勝者の余裕ってヤツかい……」
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 00:36:28.65:ZsE+SmLa0
ワイワイ
鉄夫「やっぱ双海姉妹はつえぇな~……」
徳之助「せっかく予選で双海真美と当たったのに手も足も出せずに負けたウラ……悔しいウラぁ~……」
鉄夫「俺もだよ……しっかし遊馬のヤツ、まさか今日に限って赤点テストの補習だなんてな」
鉄夫「話題の双子と戦えるって、かなり張り切ってたのに」
委員長「とどのつまり、彼は普段から真面目に勉強しないから、ツケが回ってくるんですよ」
委員長「ま、そこが良いと言う酔狂なファンの人もいるみたいですけど……」
鉄夫「まあ、遊馬の失敗沙汰なんて、俺らは日常茶飯事だもんな……」
鉄夫「でも、それでも立派に芸能人やってるんだぜ?アイツも中々スゴイよなぁ」
徳之助「……そういえば、小鳥は来てなかったウラ?」
亜美・真美「「!?」」ピクッ
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 00:42:19.27:ZsE+SmLa0
伊織「はぁ?」
やよい「え?いまだれか、小鳥さんって……?」
鉄夫「小鳥だったら遊馬の補習に付き合ってたぜ」
鉄夫「……ていうか俺らが遊馬の補習を無視して大会に来たんだけどな」
徳之助「もとから大会にはみんな参加する予定だったウラ」
徳之助「急に出れなくなった方が悪いに決まってるウラぁ~♪」
鉄夫「まあそりゃあそうだけど……小鳥はデュエルもしてなかったしな。ある意味都合が良かったよ」
委員長「彼女も中々の素質がありますから、『デュエルアイドル』を目指しても面白いんですけどねぇ」
真美「ちょ、ちょっとそこの君たち!」
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 00:48:17.80:ZsE+SmLa0
鉄夫「え?」
委員長「た、大会優勝者と準優勝者がこんなところに!と、とどのつまり、なんの用なんでしょうか」
亜美「い、いま小鳥って名前言わなかった!?」
徳之助「小鳥がどうかしたウラか?」
やよい「はわっ!やっぱり小鳥さんですか~!?」
伊織「なんであんたたちが、あの妄想OLのこと知ってるわけ?」
鉄夫「お、OLぅ?小鳥は俺たちの同級生だぞ!?」
亜美「んえ!?」
真美「マジで!?」
委員長「とどのつまり……どういうことでしょうか?」
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 00:52:18.35:ZsE+SmLa0
―――
あずさ「『ポリスノーツ』……ですか?」
オタコンP「ああ、小島監督の昔の作品なんだが、この度リメイクが決定してね」
オタコンP「その中の役の一つを、監督直々にあずさにお願いしたいってさ」
あずさ「ま、まぁ……本当なんですか!?」
オタコンP「ふふっ、本当さ。ただ、監督が撮ることが決まっただけで、撮影自体はだいぶ先になる」
オタコンP「アイドルマスターの仕事に支障をきたすようなことは、現時点ではないだろう」
あずさ「そうですか……プロデューサーさん、本当にありがとうございます」
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 01:00:17.70:ZsE+SmLa0
オタコンP「何言ってるんだい。監督があずさを見て、そして決めたことだ」
オタコンP「僕の力じゃない。正真正銘、君の力さ」
あずさ「そう、ですか……」
あずさ「か、監督さんは、私のどこを見て決めて下さったんでしょう?」ワクワク
オタコンP「え!?……えーとね、ど、どこだったかなぁ……ははは」
あずさ「?」
オタコンP(流石に、「胸が大きく揺れるかどうか」が選考基準だなんて言えないよなぁ……)
オタコンP(まあ、良い役であることに変わりはないし、ステップアップの機会としては十分だけど)
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 01:07:03.65:ZsE+SmLa0
―――
貴音「あぬびす……」
ディンゴP「俺が昔出演していた作品だ。ポリスノーツってのと一緒に、コレもリメイクが決定した」
ディンゴP「573プロの俳優が主演を務めた映画が2本同時にリメイク……話題性はかなりのものだろう」
貴音「しかし、『わたくし自身』が出られない……とは、どういうことなのでしょうか?」
ディンゴP「あぁ……お前の配役は、簡単に言えば『AI』なんだ」
貴音「えーあい……?」
ディンゴP「人工知能、と言い換えた方がわかりやすいか?感情を持った機械、その『声』を担当することになる」
貴音「な、なんと……!」
貴音「わたくしが、機械の声を担当するというのですか……」
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 01:12:37.15:ZsE+SmLa0
ディンゴ「……そういうことになるな」
ディンゴP「リメイクに俺自身が出ないように、その役、『ADA』の声も新規のものとなる。それに抜擢されたんだ」
ディンゴP「声優の仕事ということになるな。わざわざ演技の評判を聞きつけた監督が、お前に依頼を出した」
貴音「…………」
貴音「そう、でしたか……」
ディンゴP「…………不満か?」フゥ
貴音「……!い、いえ。決してそのようなことは……」
ディンゴP「……気持ちはわからないでもない。だがな、お前の声というのは、お前が持つ確かな『力』に他ならない」
貴音「わたくしの……力……」
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 01:18:18.66:ZsE+SmLa0
ディンゴP「自分が画面に映らないのは嫌かもしれない」
ディンゴP「だがこれを断れば、お前の力を発揮する場を、自ら失うことになる」
貴音「…………ふむ……」
ディンゴP「力は正しいことに使え。 少なくとも、自分がそう信じられることにな」
貴音「正しいこと……信じられること……ですか」
ディンゴP「お前は……貴音は、自分の声を『力』だとは思えないか?」
ディンゴP「声優の仕事は、正しいことだとは信じられないか?」
貴音「…………」
貴音「わたくしは……!」
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 01:24:46.19:ZsE+SmLa0
―――
カメラマン「お疲れさま、最近良い表情が多くなってきたよ」
雪歩「え、ほ、本当ですかぁ?ありがとうございます」ギュッ
カメラマン「(ぎゅってしたな今……)ああ、また今度も頼むよ」
雪歩「はーい♪」
テクテク
雪歩「プロデューサー、撮影終わりまし……ひっ!だ、誰ですか!?」
寧々P「あ、雪歩ちゃん……」
?「やあやあ、君が寧々さんの担当アイドルの娘かぁ。寧々さんに似て、可憐で美しいよ」
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 01:30:35.39:ZsE+SmLa0
白鳥P「おっと、申し遅れてしまったね。僕の名前は『白鳥正輝』だ。573プロのプロデューサーなのだよ」
雪歩「そそそ、そうですか……」ビクビク
白鳥P「はっはっは、そんなに怖がらなくてもいいじゃないか」
白鳥P「今ちょうど、君のプロデューサーと楽しくおしゃべりをしていたんだ」
雪歩「……プロデューサー?」チラッ
寧々P「……そ、そうでしたかね……」
白鳥P「ふふっ、つれないなぁ……まあ、そんなところもあなたの魅力の一つですけどね」
寧々P「あ、あはは……ありがとうございます……」
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 01:36:21.04:ZsE+SmLa0
白鳥P「どうです?もしお時間がありましたら……そうですねぇ」
雪歩「ひ……」ビクビク
白鳥P「雪歩ちゃんと一緒でも構わないのですが、この後にお食事なんてどうでしょう?」
寧々P「そ、そうですねえ。……雪歩ちゃん人見知りさんなんで、白鳥さんにご迷惑がかかるかもしれませんね……」
白鳥P「はっは、僕はそんなこと一切気にしませんよ」
寧々P(そういうことではないんだけど……)
白鳥P「何ならすぐそこのデキシーズでも構いませんよ?……雪歩ちゃんが嫌がるなら、寧々さんとふ
ドゲシッ
白鳥P「ぬごぉ!」ズザザザー
雪歩「!」ビクッ
伊織「…………」ワナワナ
伊織「……ほんっとにこの変態プロデューサーときたら……」
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 01:42:07.97:ZsE+SmLa0
伊織「よそのプロデューサーに言い寄るばかりか、まさか雪歩まで狙おうだなんて!」
伊織「この変態!ド変態!ザ変態!エル変態!変態大人!」ゲシゲシ
白鳥P「うおぉぉぉぉお!伊織君、そ、それは誤解だ!」
白鳥P「寧々さんが雪歩ちゃんと一緒じゃないと嫌がるかもしれないだろう?雪歩ちゃんの方も然りだぁ」
白鳥P「だ、だから非常に相手のことを思って、有意義な提案をしていたのだよ伊織君!」
寧々P(…………ハァ)
伊織「何にしても、雪歩を怖がらせた時点で褒められはしないわよ!」
伊織「うちの大事な仲間に手ぇ出したら、いくらプロデューサーと言えどもタダじゃおかないんだから!」
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 01:48:17.89:ZsE+SmLa0
雪歩「い、伊織ちゃん……」
伊織「雪歩や寧々Pだけじゃないわ……いい加減見境なく、そこら辺の女性をナンパするんじゃないわよ!」ゲシゲシ
伊織「私の担当Pがそんなド変態だなんて周りに知られて、恥よ恥!いい迷惑だわ!」
白鳥P「うがぁああ、悪かった!悪かったよ伊織君!……だからもう蹴るのをやめてくれぇええ!」
ワーワーギャーギャーウギャー
寧々P「……噂には聞いてたけど、『軽いP』と『惨いアイドル』のコンビって本当だったのね」
雪歩「そ、そんな噂が……」
雪歩(伊織ちゃん、前に「ライバルと比べて仕事が少ない」って愚痴ってたけど)
雪歩(ひょっとして、あのプロデューサーのせいなんじゃ……)
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 01:52:18.03:ZsE+SmLa0
―――
矢部P「今日はウィーレ六本木の応援部長として、サッカー場で営業するでやんす」
矢部P「試合前のパフォーマンスや、選手たちとの交流もしっかりと行うでやんすよ」
真「はい!気合入れてバリバリ行きましょう!」
矢部P「……」
真「へへっ!サッカー選手って、見た目ガッシリしてる選手は少ないけど、その分ドリブルとかのテクニックがスゴイんですよね」
真「間近で見れれば、技の参考にもなるかもしれませんよね、プロデューサー!」
矢部P「そ、そうでやんすね」
矢部P(真君、アイドル活動が決まってから、こっちの活動は吹っ切れたみたいでやんす)
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 02:00:11.38:ZsE+SmLa0
矢部P(世間がどれだけ「格闘家」として見ても、自分には「アイドル」になれる場所があると思えるからでやんす)
矢部P(……無理にでも審査書類出しといて、本当によかったでやんす)
真「あ、電話だ……ピッ、はいもしもし」
真「ええお久しぶりです!……はい、……えぇ……そうですね……はい……」
矢部P(……誰と電話してるでやんすか?)
真「ええそうですね、また……はい……はい、その日で大丈夫です……」
矢部P(友達との打ち合わせでやんすか……?……にしてはやけに丁寧すぎるしゃべり方だし……)
真「わかりました、……じゃあよろしくお願いします!……はい、じゃあ」
ピッ
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 02:06:06.83:ZsE+SmLa0
真「……あぁ楽しみだなぁ!」
真「プロデューサー、どうかしましたか?」
矢部P「え?あ、あぁいや……」
矢部P「今の電話、誰だったでやんすか?」
真「パワプロの早川選手ですよ」
矢部P「……」
矢部P「…………え?」
真「この前の始球式で勝負してから、なんだか意気投合しちゃって」
真「僕がオフの日は、早川選手の練習に付き合ったりしてるんです」
矢部P「え……そ、そんなの聞いてないでやんす……いつの間に……」
真「それで早川選手と仲の良い選手とも、今度合同で練習しようって話になってて」
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 02:06:40.73:fHbe8uZz0
真「六道聖選手とか、橘みずき選手とか」
真「練習とはいえ、3人のプロと一緒に鍛錬できるなんて、結構燃えますよね」
矢部P「…………」
矢部P(この前のオフに何してたか聞いたら)
"真「むかし、女子プロレスのイベントに参加したじゃないですか?その時に日ノ本零子選手と仲良くなれたんですよ!」"
"真「だから今度の格闘技大会に向けて、日ノ本選手とプレロス技の研究をしてたんです!」"
矢部P(って……)
矢部P(真君……本当にいざという時には、アイドルになれるんでやんすよね……)
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 02:17:00.20:ZsE+SmLa0
―――
よしこ「マァ~素晴らしい!最終XEXEXステージも、見事ノーミスでクリア~」
よしお「…………」モアーイ
よしこ「総合ポイントを見ても一目瞭然!……今回の優勝者は、我那覇響さんです!」
響「よっしゃ~!自分、今日は完璧だったぞぉ!」グッ
トロン「あああ~、何が悪かったのかしら……?」
亜乃亜「悔しい……もう!次はぜったいに負けない!」
響「えへへ~、悪いな二人とも!自分、次も負けないぞ!」
よしお「…………」モアーイ
よしこ「よしお様もこんなに喜んでおられるわ!響さんおめでとう!」
よしこ「……では『オトメディウス』、また次の機会に」
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 02:23:35.45:ZsE+SmLa0
…………
ペン太P「響君、やっぱりゲーム番組だと、いつもよりも魅力的だよ」
響「え?へへ、そ、そうかぁ……?///」
ペン太P「うん、いつもより自由に動けてる。体を動かせるからだろうね」
ペン太P(あとは、最近のアイドルマスターでの活動も影響してるんだろうな)
響「プロデューサーは、この番組の司会をやってたんだよな」
ペン太P「ん?そうだねぇ。最近は参加者を女性に絞ってるから『オトメディウス』って言ってるね」
ペン太P「パロディウス時代も懐かしいけど、これはこれで面白いんじゃない?」
響「そうかぁ……へへっ、なあ」
響「プロデューサーが司会者だった頃の話、自分すっごく興味あるぞ!」
響「プロデューサーが好きなステージとか、当時の思い出とか、教えてくれよ!」
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 02:30:21.03:ZsE+SmLa0
ペン太P「うーん、そうだなぁ……」
ペン太P(優勝できてだいぶ嬉しいんだろうなぁ。まぁご褒美に色々話してあげよう)
ペン太P「僕はやっぱり、自分が企画から手掛けた『南極ステージ』が思い出深いなぁ」
響「(ニヘー)」ガッツ!
響「やっぱりか!?……自分、実はそうだと思って、南極ステージは特に張り切ったんだ!」
ペン太P「へぇ……」
ペン太P「そうだったのか、えらいなぁ響君は」ナデナデ
響「えっへへー///」
ペン太P(……)
ペン太P(南極っつっても、結局は穴をジャンプして避けていくだけのゲームなんだけど……)
ペン太P(まぁそれで響君が頑張ってくれるなら、それでもいいのかな)
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 02:31:20.93:ZsE+SmLa0
ペン太P(……うん、そうだろうな)
響「他にも教えてくれよ!」
ペン太P「えーと……今の司会の『よしことよしお』は、昔はイースターステージのみの担当だったんだよ」
響「へぇ~そうだったのか!」
ペン太P「あとは……ツインビーステージは、響君のベルの記録が歴代3位だとか」
響「あ、やっぱりそんなに多かったのか!司会のよしこさんも、『どれだけ集めるのよ』って呆れてたぞ」
ペン太P「……」
ペン太P「……響君」
ペン太P「僕はね……響君のバラエティにかける情熱はすごいなぁ、としみじみ思うよ」
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 02:40:18.06:ZsE+SmLa0
響「……どうしたんだプロデューサー?急にそんなこと」
ペン太P「いや、何となく思っただけだよ」
響「…………」ニヘー
響「そりゃそうさ、憧れのプロデューサーが一緒に歩いてくれる道なんだからな!」
響「……プロデューサー、自分、もっともっと頑張るからな!」
ペン太P「響君、うん……うん」
ペン太P「……でも、無理はしちゃだめだ。また空回りしたりするかもしれないし」
響「へへ、なんくるないさー!」
響「自分はもうこれから、バラエティだけじゃない、正真正銘の『アイドル』になるんだからな!」
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 02:48:28.85:ZsE+SmLa0
―――
作曲家A「いや~、美希ちゃんって娘、予想以上に面白かったですねー」
作曲家B「そうだね。おも……オホハハハハwwww……面白いw……オホハハハハwwwww……」
A「思い出してツボに入ってんじゃないですかw」
B「……なんだろうね、あの娘。何かもうバラエティ班の方が面白そうだねw」
B「まあ今までのレッスンとかも見た感じ、アイドルの素質って意味じゃ十分だけどねぇ」
A「あ~、そうっすね。持ってるモノが違うって感じですかね」
B「そうそう」
A「あの娘用の曲も作っても面白そうだけど……もうほぼ完成してますからね」
B「僕らの担当の娘のための曲がね」
121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 02:51:39.92:ZsE+SmLa0
A「そうっすね。またの機会にってことで……まあ、どうせその機会もすぐ来そうですけどねw」
B「オホハハハww……しょっちゅうは困るけど定期的に作ってあげたいね」
A「ですねぇ~。最初はどうなるか思いましたけどね……良い娘ばっかりだし、みんな個性的だし」
A「みんな、けっこー良いの出来たんじゃないですか?」
B「ヨシタカくんもそうだと思うんだけど……会って話すると、イメージ膨らむよね」
ヨシタカ「あぁ、わかりますそれ!」
B「色んな娘と話してる時に、瞬間的に『この娘の曲が出来そう』って頭の中にメロディが浮かぶんだよ」
ヨシタカ「え、マジすかぁ!そこまで具体的なのは出なかったですよ!」
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 03:00:35.76:ZsE+SmLa0
ヨシタカ「やっぱタカさんの作曲センスがね……こう、群を抜いてるからじゃないですか?」
タカ「おだてても何も出ねぇよww」
タカ「まぁ、みんな上手い具合に、自分に合った担当アイドルが決まってよかったよ」
ヨシタカ「けっこー意外性ある人もいますけどね」
ヨシタカ「『このアイドルの曲、あの人が作るのー!?』……みたいな」
タカ「俺らのはむしろイメージしやすい方だもんねぇ」
ヨシタカ「全員の分なんて聞いてないですからね……すっげ楽しみですよ」
タカ「楽しみだねぇ、こっちとしても、アイドルの娘たちとしてもねぇ」
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 03:06:07.32:fHbe8uZz0
―――
美希「……本当に宇宙から来たの?」
満「何を言っているんだ、スーパースターはウソなんかつかないぞ」
満「地球にいるDJ YOSHITAKAくんからオファーをもらって、そのついでに地球に遊びに来たんだ」キメッ
千早「……では、宇宙のどこから来たんでしょうか?」
満「……え……?」
満「…………」
満「そうだな…………そう……だな…………」
満「…………」
美希(すっごい考えてるの、この人……)
千早(……なぜこんなことをしなくちゃいけないのかしら……)
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 03:12:22.70:ZsE+SmLa0
満「……え~~~~……」
満「……それはトップシークレットだ」キリッ
美希「……ングッw」
千早「プッ……ウ、ウググ……w」プルプル
美希(さんざん考えたわりに何も出てこなかったの……w)
千早(……)プルプル
別室・モニタールーム
ヨシタカ「wwwwww」
タカ「オホハハハハハハハwwwww」
ヨシタカ「言うに……事欠いて……トップシークレットとか……w」
タカ「何もw何も思いつかねえんだろwww思いつかねえだけだろwww」
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 03:12:33.29:a7RLL4Zw0
(数十分前)
千早「なんですかその企画」
美希「……ちょっと意味がわからないの」
振り向きP「573プロの先生方はな、そりゃあ凄い人たちだ。大物アイドルにも曲を提供してる」
振り向きP「その仕事振りから彼らもまた有名人だから、個別のファンも多い」
振り向きP「でもな、彼らもたまにはこう……『はっちゃけたい』という時がある」
振り向きP「その結果、今573プロには『スーパースター』を名乗る人物が存在しているわけだ」
千早(……何回聞き直しても意味がわからない……)
振り向きP「で、スーパースターがファンから好評なんで、ネット配信の動画を撮りたい」
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 03:24:24.10:ZsE+SmLa0
美希「それは聞いたの……やる内容の意味が、ぜんぜん理解できないの」
振り向きP「いや、だから……」
『スーパースターについて、アイドルの卵たちが突撃取材!』
振り向きP「これのどこが意味がわからないんだ?」
美希「だって、向こうは『スター』なんでしょ?この台本チラッと見たけど……」
美希「色んなところに『恥をかかせる』とか『えげつない質問』とかってたくさん書いてるの」
美希「そんなの聞かれるスターいないし、いたらミキの思う『スター』じゃない、って思うな」
振り向きP「なぁ~んだお前は、たまに本質を突くようなこと言いやがって!」
振り向きP「スターはスターなんだよ!とにかく台本通りでいいの!」
…………
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 03:30:26.80:ZsE+SmLa0
和室・座敷の間
千早「スーッハーッ……フゥ。では、スーパースター満さんに別の質問なのですが」
満「ああ、なんでも聞いてくれ」
千早「……573プロの作曲ブースにいる『TAG』さんとは、仲が悪いのですか?」
千早「彼と一緒にいる所を……えー、一度も……プッ……見たことが……ないの……で……ク…フフフww」プルプル
美希(千早さん、ここは台本通りの質問なのにツボに入っちゃったみたいなの)
満「TAGくんかぁ……彼もまた素晴らしいおんがくかだは、だとは思うのだが……」
満「かれとも中々々、出会うタイミングがっかめなくてね」
満「いっかふたりで、話をしてみ、してみたいとは思ってるんだ」
満「まぁ、彼の方が何というかはわかなないがね」
満「(ドヤァ)」
美希(すっごい噛み倒してるの……)
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 03:36:40.31:ZsE+SmLa0
美希(なのになんであんな顔ができるのか、理解できないの。もう意味分かんなすぎて、面白くなってきたの)
千早(ちょ……もう限界……笑いが……)プルプル
美希「えーと……何て言ったかわかんなかったの。だから、もっかい言ってくれない?」
満「!!!」
モニタールーム
タカ「聞くんかいww!もう一回聞くんかいww!」
ヨシタカ「wwwこの娘……もうエグりますね。スターの急所をガンガンとエグってますねww」
タカ「オホハハハハハハwwwww」
ヨシタカ「す、スーパースターは……アイドルの卵と交流を図れるのかって企画なのに……スター脇役ですからねww」
ヨシタカ「これ公開しても、みんなスター見ないで美希ちゃんたちの方見ますよねww」
タカ「み、見るww……見るねw見るw」
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 03:42:18.25:ZsE+SmLa0
―――
振り向きP「みんなお待たせ。ついに全員分の曲が完成した。1週間後にレコーディングに入るぞ」
ワァーヤッタネ、ヨウヤクナノ、ヘヘッドンナキョクカナー、ウッウーウレシイデスー
振り向きP「しばらく前から、作曲家の先生方とみんなでミーティングをやったりしたな?」
振り向きP「各々のイメージを向こうで膨らませてくれて、各アイドルの曲が出来上がった」
振り向きP「……で、最初は全員のCDをソロで出していく」
律子「アイドルグループなら、最初からグループで売り出した方が良いのでは?」
振り向きP「ふっふっふ……律子は先生方の影響力、人気を甘く見ている」
律子「というと?」
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 03:48:51.55:ZsE+SmLa0
振り向きP「多くの作曲家の先生に曲を書いてもらった。それぞれにたくさんのファンを持つ個性的な人たちだ」
振り向きP「まずは『この人が作った曲』という部分で、このグループのCDに興味を持ってもらう作戦だ」
振り向きP「最初は『アイマスというグループのメンバーのCD』という部分には、あまり焦点は当たらないだろう。そこは我慢してほしい」
響「曲を作った人を見て、それで買おうって思う、ってことか?」
振り向きP「そう!( ゚д゚ )彡いうことだな。まぁ、曲はどれも良いのばかりだから、評判は後から確実についてくる」
振り向きP「メンバーの個性と先生方の個性がぶつかり、どのCDも際立った素晴らしいモノとなるだろう」
振り向きP「そうすれば、結果的に個々のメンバーも覚えてもらいやすい」
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 03:52:16.37:ZsE+SmLa0
千早「その原理は何となく理解できますが、具体的にお願いします」
振り向きP「ああいいだろう。作曲家で興味を持たれる、ということは『曲を聴きこんでもらえる』ということだ」
振り向きP「聴きこんでもらえば各CD、各アイドルの違いも明白になる」
振り向きP「そう!( ゚д゚ )彡なればグループ活動より前に、個々のファンが獲得出来るほどになる」
振り向きP「ちゃんと全員で歌う曲も用意してもらってるから、その後でグループ活動を本格的に始動する」
律子「なるほど、確かに理にかなってますね」
振り向きP「そう!( ゚д゚ )彡かい?わかってもらえたら何よりだ」
137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 04:00:26.36:ZsE+SmLa0
振り向きP「じゃあ、それぞれの担当する曲と、作ってくれた先生を紹介しよう」
真「よ、ようやくですね」ドキドキ
振り向きP「と、その前にまずはCDの曲構成についてだ」
振り向きP「それぞれのオリジナルが2曲、そしてカバーが3曲、そして全員共通のオリジナルが1曲だ」
振り向きP「カバーは作曲家先生方の過去の曲から選出している」
やよい「えーっと全部で……6曲ですね!」
振り向きP「そう!( ゚д゚ )彡」
振り向きP「……じゃあ、早速紹介していこう。まずは春香から」
138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 04:19:04.58:ZsE+SmLa0
千早「……春香、どうしたのボーっとして」
春香「ぅえ?な、なんでもないよ千早ちゃん。レッスン頑張らなきゃな~って考えてて……」
千早「そう?次はダンスレッスンだけど……いつもみたいに、何もない所で転んだりしないでよ?」
春香「ぶぅ~いつもじゃないやい」
千早「ふふ……冗談よ。さあ行きましょう」
この長い髪の娘は如月千早ちゃん
私と一緒のオーディションを受けて、一緒に合格したアイドル研究生の、同級生
だからなんだけど、私たちは結構仲が良い。レッスンも一緒だし、休日も二人で遊びに行ったりする
良いライバルでありつつ、良い親友みたいなものかな
少なくとも私は、そう思ってる
?「……おつかれさまでした~、失礼しま~す」ガチャ
やよい「あ、春香さん千早さん、おはようございま~す!」
千早「おはよう、高槻さん」
春香「おはよ、やよい。……ダンススタジオ空いたの?」
やよい「はい!わたしが最後だったんで、もう大丈夫ですよっ」
春香「わかったー。ありがとね」
この小さくて可愛い子は、アイドル研究生の高槻やよいちゃん
実は事務所に入ったのは私たちよりもちょっとだけ早いから、事務所では「先輩」になるの
私たちは、別にやよいが先輩だからって何も気にしないのに
"やよい「お二人とも『こうはい』だなんて思ってません。よびすてでいいですよっ!」"
なんて言うから、それからは上下関係もない、友達みたいな付き合いをしている
年下なのに先輩ってなんか可笑しいけど……
これもテレビで芸人さんたちが話してた、芸能事務所の「複雑な関係」みたいで面白いと思う
千早「高槻さん。いつもより元気だけど、今日は何か良いことあったの?」
やよい「うっうー!そうなんですっ。もう少ししたら、わたしも『ぶしょ』に入れることになったんです~」
春香「へぇ~やったじゃん!」
やよい「はい、とっても嬉しいです~!」
千早「高槻さんだったらどんな所でも輝けると思うわ。いつも一緒に見てきた私もそう思うもの」
やよい「えへへ~///でも実は、ほんとはもっとお二人と一緒にレッスンしたかったなーって……」
春香「大丈夫だよ、私たちもすぐに追いついて、一緒に仕事できるようになるからさ!」
千早「そうね。早く高槻さんに追いつかないとね」
やよい「おふたりとも……あ、ありがとうございます!わたし、いっぱいいっぱいがんばりますよ!」
春香「うん、期待してるよ」
千早「あまり無理はしないでね」
その後やよいは、満面の笑顔で廊下を走って行った。走ったら危ないよー……
……537プロの養成所で資質を磨いた後、研究生たちは「部署」に配属される
レッスンによってアイドルの適性を調べ、その結果から、各々の部署が決まるんだって
春香「私たちはどこに入れるんだろうね~」
千早「……私も春香も、歌を中心に活動していきたいでしょ?」
春香「うん」
千早「そうなると……やっぱり『音楽部門』がベストね」
春香「そうだねぇ~」
春香「でもやよいは……どこに入れるんだろうね~」
千早「そうね……高槻さんに合った部署なら、いいんだけれど」
―――573プロダクション・「スポーツ部門」
矢部P「真君、今日のスケジュールは『パワプロ戦』の始球式でやんすよ」
矢部P「まあ始球式とは言っても、真君は打つ方、『バッター』なんでやんすけどね」
真「へへっ完璧ですよ!いくらアイドルだからって、舐められちゃオシマイですからね」ブンブン
コナミプロ?
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/13(金) 19:46:28.03:lNeLwKur0真「だから、この日のためにいっぱい練習してきたんですよ~」ブンブン
真「……今日の僕は、絶好調のオールAですよ!!」
矢部P「こ、言葉の意味はわからないけどすごい自信でやんす……これは期待できるでやんす!」
矢部P(まあとは言っても、プロ野球選手でも真君を「ただのアイドル」だなんて思う人はいないでしょうけどね)
矢部P(…………)
……菊地真。573プロのスポーツ部門所属アイドル
スポーツ部門担当のアイドルってのは、スポーツ事業にも力を入れる573プロの「広告塔」となる人物を育てる部署でやんす
会社が運営する野球チーム「573パワープログラムズ」……通称「パワプロ」や、
サッカーチーム「ウィーレ六本木」の宣伝なんかをしたりするのが、この部署のアイドルの主な仕事になるでやんす
後はアイドル関係なく、有望な選手個人のスポンサーとなって、
トレーニング場の提供や遠征費用を負担する、選手を支える役目も持ってるでやんす
実際に、「カンフー貴公子」なんて呼ばれた格闘家「リー・ウーロン」も、
昔はこの会社のスポーツ部門に所属して、モデルなんかやってたでやんす
……本当なら、真君はただの「アイドル」として、スポーツ部門に来ただけだったでやんす
まさか、気まぐれに参加した格闘技の女性大会で優勝しちゃうなんて……
それによって注目度や知名度はかなり上がったでやんすけど……
真君はそれ以来「格闘家」としての仕事が増えたでやんす
真「……どうしたんです、プロデューサー?難しい顔しちゃって」
矢部P「……真君。今の現状、どう思うでやんす?」
真「現状って……仕事がたくさん来てるから、いいんじゃないですか?」
矢部P「そこが、問題なんでやんす…………」
矢部P「本当にいいでやんすか……?そりゃあ会社としては嬉しいでやんすけど」
矢部P「最初に会った時の真君は、アイドルとして『可愛い女の子になりたい』って言ってたでやんす……」
矢部P「身体に生傷たくさんつけるようなアイドルは、普通は居ないでやんす」
矢部P「それに格闘雑誌の取材とか、女性ボクサーとの対談とか、色んな大会からのゲスト参戦の要請とか」
矢部P「……今の仕事は、『可愛い』とは程遠いでやんす」
真「うぐっ、それは……ぼ、ボクだってなんとかしたいですけど……」
矢部P「……今日の始球式だって、よくある『アイドルの始球式』じゃないでやんす」
矢部P「真君がその気だったように、オファーした方も『格闘家の本気』を見たいから真君に掛け合ったんでやんす」
矢部P「真君の相手をするピッチャーは、若手女性選手の『早川あおい』でやんす」
矢部P「今日の始球式の注目度は高いけど、『異種格闘技戦』みたいな扱いになってるからでやんすよ」
真「そ、そりゃあ……始球式のコンセプトは知ってますよ」
真「……でも勝負を申し込まれた以上、やるからには全力で行かないと。早川選手にも失礼です」
真「女の子らしい恰好とかは……今スケジュールに入ってる仕事が終わってから、またゆっくり考えますよ」
真「へへっ、何だかんだ言って、『格闘家アイドル』として自己鍛錬を続けるのも嫌いじゃないんですよ?」グッ
矢部P「真君……」
矢部P(……なんとかしてあげたいでやんす……だけど、自分の力じゃあなぁ……でやんす)ハァ
真「さあさあプロデューサー、早く球場に行きましょうよ。集中力を高めたいんですから」
矢部P「わ、わかったでやんす……じゃあ行くでやんすか……」フゥ
―――573プロダクション・「映画部門」
あずさ「監督さん、プロデューサーさん。おはようございます~」
小島監督「おう、おはよう」
オタコンP「やああずさ。今日は迷わないで来れたのかな?」
あずさ「ええ、そうなんですよ。親切な人が、このスタジオの前まで送ってくれたんです~」
小島監督「ああそうか…………って……んん?」
小島監督「ここまでって……それ関係者ちゃうの?」
あずさ「えーっと……名前は聞いてなかったんですけど、とっても落ち着いた良い声の方でした」
あずさ「あとは、外国の方で、とってもワイルドな見た目だったのが印象的でしたよ」
オタコンP「それって『スネーク』じゃないの?ふふっ」
小島監督「ホンマかいな……あずささーん、流石に主演俳優の人の顔くらい、はよ覚えて下さいよ~」
あずさ「え、えぇっ!?あ、あらあら~……私ったら大事な人に、とんでもないことを……」
あずさ「来る途中も、大御所さんだなんて知らずに普通に話しちゃってましたぁ……」ショボン
オタコンP「ははは。いやいや、そこがあずさの魅力なんだよ」
オタコンP「知らぬ間にスネーク本人と話してたなんて、面白いじゃあないか」
オタコンP「アイツは僕もよく知ってる。そんな気難しい奴じゃないさ……後で一緒にお礼を言いに行こう」
あずさ「はい~、すみませんプロデューサーさん」
小島監督「オタコンがおるから大丈夫やろうけど、あずささんも本番は頼んますよ~?」
あずさ「うふふ、監督さんもお優しいんですね……じゃあ、楽屋に行ってきますね」
オタコンP「ああちょっと!……迷われちゃたまらない。僕も一緒に行こう」
小島監督「じゃあまた後で」
あずさ「はい~」ドタプーン
小島監督(……やっぱあのチチはええな~)
テクテク
……私、三浦あずさは、573プロダクションの映画部門に所属しています
映画部門はその名の通り、「映画に出る」ことを目的とした男優・女優を育てる部署なんです
もちろん映画にしか出ないわけじゃないですけど、「573プロと言えば映画」と考える人はとっても多いんですよぉ?
……今や世界に名だたる映画監督、「小島秀夫」さん
彼の代表作である「メタルギア」シリーズは、世界中で大ヒットしているんです
今も続編が作られていて、メタルギア人気と一緒に、小島さんの評判も世界中に知れ渡って行ったそうです
そしてその主演を務めた、この部門に所属する超大御所俳優「ソリッド・スネーク」さん
彼のおかげで、573プロはこんな大きな会社になったんだと言われてます~
当時から所属する外国人タレントさんや俳優さんは多かったみたいですけど、
メタルギアのブレイクを機に573プロには外人さんがドッと増えたらしいんです
スネークさんは日本で育ったから、日本語も流暢なんだそうです……あ、そういえばさっきの道案内の時も、そうでしたね
実は私……自分の「運命の人」を探すという目的以外に……
同じ事務所の「メイ・リン」さんに憧れて、573プロに入ったんです
以前、親友の友美と一緒に見た「メタルギアソリッド」での聡明で知的な彼女の活躍、演技
あれを見て、私もああなりたいと思ったんです……私は、ちょっと普通より鈍臭いですから
だから彼女のようになれるかもしれない、映画部門に来れたのはとっても嬉しいんですが……
あずさ「プロデューサーさん、今日のお仕事は何をすればよかったんでしょうか」
プロデューサーさんが振り返ります。実は、そんなプロデューサーさんも外国の方なんです
メタルギアにも出演された有名俳優さんなんですけど、プロデュース業に興味があって、こういうお仕事をされているそうです
日本が好きで、あまりに好きすぎて日本語を覚えちゃったそうなんです。うふふ、面白い方ですよね
オタコンP「えーとね、まずメタルギアシリーズ最新作の宣伝番組のアシスタントだね」
オタコンP「小島監督だけじゃなく主演のスネーク本人も出てくれるから、打ち合わせ前にさっきのお礼をしよう」
あずさ「はい~」
オタコンP「それが終わったら、今度は時代劇の『ゴエモン』シリーズ最新作の宣伝番組があるから、そっちの収録も」
あずさ「えーと、そっちもアシスタントなんですよね……」
オタコンP「そうだねぇ。……やっぱり、主役として活躍したいかい?」
あずさ「い、いえいえそんな……出たくないわけじゃないですけど、私なんかが……」
あずさ「…………」テクテク
はぁ……この前ついに、憧れのメイ・リンさんともお会いできました、お芝居も嫌いじゃないです
だけど……まだ新人の私には、映画部門でも大きな仕事は回ってこないんです
ちょっとしか出番のない役だったり、映画に関連した番組のアシスタントだったり……
ううん、そんなことで文句を言っちゃダメよ!
私がもっとしっかりして、積極的に動けば良い役や良い仕事が来るはずだもの
運命の人だって、私から探しに行かなきゃ会えないかもしれないんですもの、ね
あずさ「プロデューサーさん……監督さんやスネークさんに失礼の無いよう、今日は私、頑張りますね!」グッ
オタコンP「あずさ……」
オタコンP「ふぅ……別に無理しなくてもいいんだよ」
オタコンP「肩の力を抜いて……その方があずさらしいし、二人もその方が良いと言うだろう」
あずさ「あ、あら?そうでしょうか……」
あずさ「む、難しいですね、お仕事って……」ガックリ
オタコンP(うーん、大分思いつめちゃってるみたいだなぁ……)
オタコンP(あずさの自然体を活かせる場所があれば、本人のモチベーションも上がると思うけど)
オタコンP(今の与えられた役柄や立場じゃ、ちょっと難しいのかもな……何とかしないと)
―――カット!
五十嵐監督「オッケー、貴音ちゃん。じゃ次のシーンは休憩で」
貴音「はい、ありがとうございます。あとわたくしの出番は……」
五十嵐監督「えーっと、あと5シーンだけど、ラストとラスト前のシーンだね。そこまで来たら呼ぶから」
貴音「かしこまりました、監督殿」ペコリ
―――わたくしの名は四条貴音。573ぷろだくしょん、の映画部門に所属しております
わたくしが芸能事務所に入った理由や目的、それは「とっぷしーくれっと」にございます
しかしながら、最初はそれが目的ではなかったというのに……芝居とは、実に面白きことです
演じる役柄になりきり、役という膜を通して持てる力を全て注ぎ、わたくし自身を曝け出す
その緊張感と、同様にして曝け出される共演者の方々との触れ合いが、わたくしをさらなる高みへ導いてくれるのです
……今日は「悪魔城どらきゅら」という映画しりぃずの、外伝映画の撮影を行っております
わたくしの役は、どらきゅらを討伐する目的を持った、人間離れした身体能力を持つ少女
何でもわたくしの容姿と演技を見て下さった、監督殿、直々の配役だということです。……真、光栄に思います
AD「お疲れ様です四条さん。……あれ、そういえば今日はお一人なんですか?」
貴音「ええそうです。プロデューサー殿は他にも担当が居ります故、今日はそちらに」
貴音「わたくし一人でも大丈夫、と判断して下さった……これもまた、信頼の形であると思っております」
AD「はぁ~そうだったんですか。……あ、じゃあ僕は呼ばれてるんでここで。この後も頑張ってください」
貴音「はい、精進致します」ペコリ
えーでぃー、と呼ばれる役職の方が、私に飲料水を差し入れしてくださいました
こういった現場ですから、人と人との触れ合いはより一層大事なものに思えるものです
……わたくしの道がどこに向かっているのか。このまま女優の道を目指すべきかどうか……
わたくしには、まだまだそれを判断するだけの「経験」が足りません
故に、今のわたくしが考える「女優」というものは、ひょっとしたら偏った見方や考え方で構成されているのやもしれないのです
貴音「…………ふむ」
……ならば、あえて一度、道を踏み外してみる……目指した道を脱線してみるのも、面白いかもしれません
違う世界を見ることで自分の「経験」が蓄積され、新たな考えを生み出す原動力になる可能性もある、というものです
わたくし自身は決して周りに流されずに
しかし、わたくし自身が「変わる」ことで、「変わらない」ための力を付けることができたら……
五十嵐監督「よし、今のシーンはこれでオッケー。次……貴音ちゃんスタンバイしといて」
貴音「……はい」スクッ
まずは……このお芝居を完璧にやり遂げる。それが一番大事です
この道をまっすぐ、綺麗に通り抜けることが出来たなら……
踏み外す試み、考えてみても良いのやもしれません
貴音「いざ、参りましょうか……」
―――573プロダクション・「バラエティ部門」
はいさーい!自分、我那覇響だぞっ
573プロダクションのアイドルなんだ。バラエティ部門所属だからよろしくな!
バラエティ部門っていうのは、名前の通りバラエティ番組を中心に頑張る部署さー
普通の番組に呼ばれることもあれば、573プロ所属の芸能人だけで番組を作ることもあるらしいんだ。凄いなぁ!
自分、今日はクイズ番組の収録に来てた所さー
番組の名前は、「クイズ・マジック・アカデミー」って言うんだ
魔法使いになりきって、クイズに正解して賢者を目指す、っていう設定の番組なんだ
とっても面白いぞぉ!うん面白い…………面白い、けど……
ルキア「えっとUNICEFだから……『国連児童基金』!」
ピンポーンピンポーン
ルキア「やったぁー、いっただき!」
サツキ先生「……というわけで、今日の『賢者』の称号はルキアさんのものです。おめでとう」
ルキア「ひっさびさだぁ~、優勝なんて超うれしいかも!」
響「うがぁー、今日も全然駄目だったぁ~!」
タイガ「なはは、響の落ち込んだ顔もサマになってきたやないか」
響「うるさぁい!そ、そんなに毎回は落ち込んでないぞ!」
今回の収録では、事務所のルキア先輩が優勝を掴みとった
ううぅ、マジアカの問題は難しすぎるぞ。自分、もっと簡単な問題なら早く答えられるのに……
サツキ先生「成績下位の人たちには……お仕置きです!」
響「うわぁ~ん、またかぁ……うぎゃっ!」ビリビリ
お仕置きも嫌だし、クイズ番組はちょっと苦手さー……
自分が出たことのある番組だったら、ゲーム番組の「ビシバシチャンプ」とか面白かったなぁ
―――
ペン太P「響君、今回も良い所無かったね……まあお仕置きが堂に入ってきたのはオイシくて良い所かもしれないけど」
響「うぐぐ……そんなの褒められてもうれしくないぞプロデューサー……」
プロデューサーはいつもペンギンの腕時計をしてる
実は自分、若い頃のプロデューサーが出てた番組がすっごく好きだったんだ
「けっきょく南極大冒険」っていう、自分が子供の頃にやってた番組さー
南極にいる色んな生物を観察したりする、ドキュメンタリー番組だったんだ
自分の動物好きは、この頃に形成されたのかもしれないのさー
そのあとは「夢大陸アドベンチャー」って名前で、活躍の場を世界に広げたり
大ヒットしたSF映画「グラディウス」、を元にしたバラエティ番組「パロディウス」の司会をやったり……
今の573プロのバラエティ部門の基礎を作った人と言っても過言ではない、それだけスゴイ人なんだぞぉ
だから、憧れの人がプロデューサーで、一緒に仕事出来るのはとっても嬉しいさー
……だけど……
ペン太P「うーん、響君はバラエティでもっと弾けると思ったんだけどねぇ。今のところ空回りが多いかなぁ」
響「あうっ!そ、それは言わないで欲しいさぁ!」
ペン太P「だって言わないと自覚しないじゃないの。……何か良い解決策はないかなぁ」
響「解決策かぁ……」
……ちょっと自分、気が張り過ぎてるのかもなぁ
憧れの事務所、憧れのプロデューサー
その状況に舞い上がっちゃって、それだけ自分の中のプレッシャーもスゴいさぁ
バラエティ部門に入れてもらってから、そんな自分はなんとしても結果を残さなきゃって……
ちょっと、向う見ずに走り続けてきちゃったんだ
このままじゃ、自分で自分が許せないぞ……
それだけじゃなくて、憧れのプロデューサーにも迷惑さぁ……何とかしなきゃ
響「うーん、何とか……うーん……」
ペン太P「…………」
ペン太P(素材は申し分無い……というか逸材なんだよなぁ)
ペン太P(どうしてこうなっちゃうのか……ふむ)
ペン太P(最初に与えられた状況がむしろ良すぎたのかなぁ)
ペン太P(響君はバラエティ向きの人間だけど、その期待感が響君の中での重圧になっちゃってる)
ペン太P(一回バラエティにとらわれない仕事を回すのがいいかもな……)
ペン太P「うん……そうだな」
響「?何がそうなんだ?」
ペン太P「響君、ちょっと提案なんだけど……」
―――お疲れ様でした~
亜美「ふぃー、CM撮影ちかれたねぇ真美」
真美「そうだねぇ……ま面白いからいいけどね。それにご褒美もさぁ……」ニヤリ
亜美「……早速やってみる?いち早くもらっちゃったフラゲ~パック使ってさぁ」ニヤリ
真美「んっふっふ~、大会優勝者の真美のデッキに勝てるかな?」
亜美「亜美だって準優勝だよぉー!やってみなきゃわかんないじゃーん!やろやろっ」
真美「よぉーし、望むところでっせぇ~」
律子「……着替えてからにしなさいよ、あんたら」
亜美「うわっりっちゃん!?」
真美「えぇー!?デュエリストたるもの、どんな時でも勝負は受けなきゃだよ、りっちゃん!」
亜美「そうそう、着替える時間が勿体ぬぁいよ!」
真美「りっちゃんのケチンボー、オニー」
亜美「リアリストー!凡骨ー!三沢ー!ファンサービスの心を忘れるなぁー!」
律子「…………ほぉ~……」ゴゴゴゴゴ
真美「……更衣室いこっか、亜美」
亜美「そだね」
律子「……帰ってくるまでデッキとパックは預かっておきます」
亜美「……りっちゃんママみたい」
真美「ホントだよね~」ウンウン
律子「好きでそうなったんじゃありません」
律子「……ほら、早く着替え終わったら早くデュエルできるでしょ」
亜美・真美「「はぁーい……」」スゴスゴ
…………
全く、あの二人はいつもいつも……
あ、申し遅れました。私の名前は秋月律子、新人プロデューサーをやってます
573プロは芸能人だけじゃなく、プロデューサーも随時募集中なんですよ
私は独学以外に、P研究生として先輩プロデューサーと積極的に交流することで、ノウハウを学びました
そしてそんな私にも、遂に担当アイドルがつくことになったんです
なったんですが……あの二人……双海亜美と双海真美は、中々の問題児でした
二人がいたずらっ子であるということもそうですが、もう一つ
あの二人は、並の大人でも歯が立たないくらいの有名「デュエリスト」であることが、特に問題なんです
下手に実力者だから、邪険に扱うと各方面の偉い人から怒られかねないんだとか何だとか
……まあ亜美も真美も、私によく懐いてくれてるのが唯一の救いです
一度、私が二人を叱ったことで実際に、偉い人からキツーイお灸を貰っていたときのことでした
"真美「ホント~は真美たちがイタズラしちゃったのが悪かったんだよぉ!」"
"亜美「もうりっちゃんを悪く言わないで、叱るなら亜美たちにして、お願い!」"
と泣いてお偉方に詫びていたその姿は、不覚にも私の涙腺を刺激してしまいました
まあ、そんなわけで私「秋月P」は、双子の「デュエルタレント」を鋭意プロデュース中なわけです
……カードゲーム界にその名を轟かせる「遊戯王デュエルモンスターズ」
そのムーブメントは世界にまで広がり、今や大人でも子供でも遊戯王を知っているくらいです
毎年、そして至るところで大会が開かれ、その賞金で生計を立てる「プロ」も存在するほど
573プロはもはや「スポーツ部門」に遊戯王も統合しようかと言うほど、デュエリストの発掘・育成に力を入れています
まあ、というのも「伝説のデュエリスト」こと、「武藤遊戯」が573プロ出身のタレントだったからなんですけどね
普段は温厚で純朴な少年でありながら、デュエルでは豹変し、荒々しく、かつ繊細なデュエルを得意とする
そして劇的な勝負をいくつも生み出してきた……遊戯王の人気は、彼の人気と言っても過言ではないでしょう
彼に憧れて「デュエリスト」と「タレント」の両立……「デュエルタレント」を目指し、573プロに入る人も少なくありません
これまでにも、人懐っこい性格で、ここぞの局面で勝負強い……通称「デュエルヒーロー」こと「遊城十代」や
高度なプレイングテクニックと、寡黙でクールなキャラクターが人気を博し
「シンクロの申し子」として人気を集めた「不動遊星」など……そうそうたる面々を輩出しています
そして最近でも「九十九遊馬」という若手デュエリストが、デュエル界、テレビ界に旋風を巻き起こしています
そんな中現れた「双子」で「子供」の「凄腕デュエリスト」……世間がほっとくわけありません
亜美と真美は、大会で結果を残すためのデュエルの訓練だけでなく、
その容姿を活かしたタレント活動にも積極的に参加することになりました
今日は新パックの宣伝のためのCM撮影
つい最近開催された大規模な大会の優勝者と準優勝者ということで、待遇もとても良いものでした
そんな二人の担当に、私がなれた理由は……
新人で年が一番近いプロデューサーだったということと、同性であるということ
……今はどうかわかりませんが、おそらく当初の理由としては、そんなとこでしょう
新人に完璧な管理なんて、向こうも期待はしてなかったはずですからね
だとしても……
律子「あの子たちのこと、ちゃんと考えてあげないとね……」
二人とも、これからどうしていきたいのかを
プロのデュエリストになるのか、それともタレントと両立するのか、それともタレント活動のみになるのか
いくら新人でも、もう私は立派なプロデューサーなんだから
会社の期待値を上回るほどの活躍、あの二人にさせてあげたいわ
幸い、私も二人もやる気は十分みたいだしね
律子「当たり前だけどデュエリストとしての仕事が多いわね」
律子「うーん……何か、変化をつけてもいいんじゃないかしら……」
二人の「可愛いけど強い」のイメージを崩しつつ、亜美・真美の魅力が伝わるような仕事……
年頃の少女らしい、「純粋に可愛い」イメージをつけられるような
律子「……まあ、私にとっての課題ってところかしらね」
ふぅ、と溜息をつくと、着替え終わった亜美と真美がやって来た
パックとデッキを返してほしいから必死の形相になってるのかと思いきや、なんだかニヤニヤしてる
……ま、過ぎたイタズラだったら叱らせてもらいますけど、少しくらいは寛容にしてあげなくちゃね
さてさて、今回は何をしてくるつもりなのやら……
―――更衣室にて
亜美「ねね、真美、りっちゃんてさ、綺麗だと思わない?」
真美「はぁ~?思わないわけがないじゃーん」
真美「最初プロデューサーって言われるまで、タレントの先輩だと思ってたもん」
亜美「あ~そうだったねぇ」
真美「で、なんで急にそんな話になったの?」
亜美「んっふっふ~……実はね……」コショコショ
真美「…………」フムフム
亜美「……」コショコショ
亜美「……ということらしいんだよ」
真美「ふむふむ……ふむ」
真美「……なるほどぅ、亜美の狙いはバッチシわかっちゃったよぉ~ん」
亜美「ぬふふ、さすがは真美殿。……絶対イケルよねぇ?」
真美「そらそうっしょ!」
亜美「ていうかむしろ『プロデューサーなのに』ってとこがさ、余計にいいんじゃない?」
真美「そうだねぇ、真美たちもやってみたいし、全員でやればいいんじゃん?」
亜美「あ、その手があったか!さっすが真美~」
真美「んっふっふ~、真美に任せなさぁい」
―――573プロダクション・「美少女アイドル部門」
寧々P「表情が固いって言われちゃったわ……雪歩ちゃん、まだ慣れない?」
雪歩「ううぅ……お、男のカメラマンさんに撮られてると思うと……緊張しちゃってぇ……」ガクガク
寧々P「大丈夫、もうちょっと落ち着くまで待ってるから。……焦らなくていいわよ」ナデナデ
雪歩「はうぅ、す、すみませぇん……」グスッ
私ってば、ほんとにダメダメですぅ……
萩原雪歩。573プロダクションの、美少女アイドル部門所属のアイドルです
ああぁ、わ、私が「美少女」だなんてそんな……
私なんかより、プロデューサーの方がよっぽど美少女ですぅ……
……プロデューサーは以前、この部署に所属していたんです
しかも私でも知ってるくらいの、超売れっ子さんでした
「美少女アイドル部門」……ドラマ、CM、モデル、イメージガール……
色々な分野に挑戦できる、「美少女」を育成する部署なんだそうですけど……
ひいぃ、わ、私がそんな部署に来るなんて、何かの間違いだったんですぅう
だってこの部署の所属アイドルさんは、みなさん私なんかよりよっぽど可愛い人たちばっかりなんですから
「永遠のアイドル」って言われてた大御所「藤崎詩織」さんとか、
影のある演技で一世を風靡した「八重花桜梨」さんとか……
最近だと「理想の清純派同級生」なんて言われてる「高嶺愛花」さんとか……
ううぅ、名前を出すだけでも畏れ多すぎますぅ
そしてプロデューサーは「姉ヶ崎寧々」さん……
人気絶頂の中突如引退したかと思うと、そのまま573プロのプロデューサーになっちゃった人なんだそうです
私がこの部署に来ただけでも何かの間違いなのに……プロデューサーがこんな大物の方だなんて……
雪歩「……」ブルブル
寧々P「…………」
寧々P「雪歩ちゃん、男の人が怖いからって、そこから逃げてばかりじゃダメよ?」
雪歩「……え?」
寧々P「だってそうでしょう?最初に雪歩ちゃんと会った時に、『自分を変えたい』って言葉、ちゃんと聞いたもの」
雪歩「あ……!」
雪歩「そ、そうでした……確かに私……」
寧々P「ふふ……無理に頑張らなくてもいいけど、いつまでも足踏みしてちゃ何も変わらないわよ?」
雪歩「は、はい……!」
そうでした……私は、こんなダメダメな私を変えるために、573プロに入ったんです
……プロデューサーはとっても良い人です
男の人じゃないから、最初から私の素直な気持ちをぶつけることが出来ました
そしてプロデューサーは私の気持ちに応えてくれたんです
毎日ちゃんと、私のためにと、色々なことをしてくださるんです
自分を変えるためにも、プロデューサーの頑張りに応えるためにも……
雪歩「そう、ですよね……足踏みしてばっかりじゃいけませんよね」グッ
寧々P「……もう落ち着いたかしら?」
雪歩「はい、大丈夫です。……写真撮影、戻りましょうプロデューサー」ギュッ
寧々P(ふふ……もう本当に大丈夫みたいね)
寧々P(…………)
寧々P(……そうね、今の雪歩ちゃんの調子が続くのなら……)
寧々P「雪歩ちゃん、この仕事が終わってからでいいんだけど……何かやってみたいことはある?」
雪歩「?やってみたいこと……ですか?」
寧々Pって誰?
50:>>48ラブプラス:2012/04/13(金) 21:42:16.37:lNeLwKur0寧々P「そう。今までは、私が仕事を取ってきて、それを雪歩ちゃんにこなしてもらうだけだった」
寧々P「でも本当に自分を変えたいなら……自分から、何かに挑戦してみるのもいいんじゃないかな」
雪歩「自分から…………」
寧々P「ゆっくりでいいのよ。今までやったことのない仕事でも、やってみたいことでも、考えてみてね」
雪歩「わかりました……!」
スタイリスト「あの~……もうそろそろ撮影を再開したいらしいんですが……」
雪歩「は、はい!いま行きます!」
寧々P「ふふ……まずは、このお仕事が一番よね」
寧々P「男の人に撮られても緊張しないよう……この仕事をバッチリ終わらせましょう?」
雪歩「は……はい!」
―――ドンッ
凜子「あ……ごめん、前見てなかった」
伊織「いつつ……もう、しっかりしなさいよね」
凜子「はいはいごめんって……それじゃ急いでるから」
スタスタ……
伊織「……ムッカ~、何なのよあの態度!」
伊織「ほんと、この天下の水瀬伊織ちゃんに向かって……失礼しちゃうわ」
小早川凜子……ぶっきらぼうな物言いに見えて、いざ仕事となると与えられた役割を完璧にこなす、実力派若手アイドル
そりゃあ、あの子の方が人気は……今の私よりは上よ
でも何でなのよ……なんであの子にばっかり注目が集まって、
「同期」の私……「水瀬伊織」には誰も目もくれないのよ!
一緒の時期にテレビに出してもらったっていうのに……最近じゃあの子に仕事をとられっぱしじゃないの
何が足りないって言うの……実力も、仕事に対する姿勢も、あの子と変わらないだけ持ってるはずなのに……
伊織「まったく……世の中の男ども全員、伊織ちゃんの魅力をぜんっぜんわかってないわね!」
伊織「……」
……私の叫びは、虚しく廊下に響いただけだった
伊織「むっきぃ~!」ジタバタ
おかしい……本当なら今日は、あの変態プロデューサーが粗相してないか見張ろうと思っただけだったのに
でも今あの子に会って……なんかとてもじゃないけどジッとしてられなくなったわ
伊織「なんとか……なんとかしてやるんだからぁ」ギリギリ
とにかくどうすればいいのかしら……憤ってばっかりじゃ駄目だわ。何か手を打たないと
小早川凜子が手を出していないジャンル……というと、やっぱり「歌」かしら
CDは出してたけど、そこまで本腰を入れて活動してたわけじゃないわ
私をもっと知ってもらうためには、小早川凜子との違いを明白に見せつける必要がある
歌、で違いを見せる……今考えたにしては、まあまあの策かもしれないわね……
……ん?
あ……そう言えば、「あのプロジェクト」なら……
…………
うん……そうね……それだったら……
伊織「……」ニヤリ
うん、もうこれで決まりね。プランは整ったわ
伊織「にひひっ、見てなさいよぉ~小早川凜子!今すぐ追いついてやるんだから!」
私の声はまたも廊下に響いたけど、もう「虚しく」なんかはなかった
今すぐあの変態プロデューサーを探して、絶対に実現させてやるんだから!
―――573プロ・「音楽部門」
?「zzz……ん……むにゃ……」
?「……zzz」
小鳥「もーう……こら、美希ちゃん?」ツンツン
美希「むにゃ、……んん……も~……せっかく気持ちよく寝てたのにひどいの~」ムクリ
小鳥「いくらみんな居ないからって、寝るのは流石にダメよ」メッ
美希「む~……小鳥だって仕事しないで男の人の絵ばっかり描いてるの。人の事は言えないって思うな」
小鳥「アハハハー……まあ、それはそれ、これはこれよ」
あはは……みなさんお恥ずかしい所を……
私、573プロ音楽部門で事務員をやっております、音無小鳥といいます。絶賛恋人募集中です!
そしてこの金髪の娘は、つい先日音楽部門にやって来た、星井美希ちゃんです
いつも寝てばっかりだけど、秘めた才能を確かに感じる、天才肌の女の子なんです
……573プロの中でも、特に歌手活動に力を入れる芸能人が所属する。それが音楽部門です
お抱えの実力ある作曲家先生方や、新進気鋭の新人音楽家の発掘、音楽界の大御所へのオファーなど、
573プロが音楽にかける情熱もまた、他の部署が得意とするものへの情熱には負けてはおりません!
……ですから、他部署の人が歌手活動をする場合は、この部署のお世話になります。
あとは573所属の俳優が主演の作品、その作品への音楽の提供なども、
時にはこの部署の作曲家が担当することになるんです。恐るべし、573プロ……
美希「……あふぅ」
美希「ねえ……まだ、会議終わらないの?」
小鳥「そうねぇ……美希ちゃんが音楽部門に来てから、ここ一週間ずっと会議続きね」
美希「そうなの。まだ美希、プロデューサーとも作曲家の人とも、ちゃんとお話できてないの」
美希「どういう曲を歌えばいいのかわかんないんだから、動きようがないの」アフゥ
美希「ミキ、そりゃあ楽な方が良いけど……何もしないのは、ヤなだけなの」
小鳥「み、美希ちゃん……」
……養成所の頃は、無気力でやる気が無いって思われてたみたいだけど……それは違う
この娘は、むしろ「本気」になれる場所を探しているようにも見える。私には、そう見える
だから、この娘が本気になった時のパワーは、私には想像もできないわ
……会社の人たちだって、それがわかっているから、ここに配属したんだと思いたい
歌やダンスのポテンシャルも高いって評判だった。足りないのはやる気だけだって
だからこそ、「一流」の音楽に触れることで、美希ちゃんをその気にさせる
そういうことなんだって、私は思ってたわ……
だけどこの状況じゃ……せっかく美希ちゃんがやる気を出しても……
小鳥「……そうね」
小鳥「ちょっと、流石にもうそろそろ、私も黙ってられないわね」
美希「え?」
小鳥「……美希ちゃん」
小鳥「今日の会議が終わったら、プロデューサーさんに直談判しに行きましょう!」
美希「え!?……う、うん……いい……けど……」
小鳥「けど?(大丈夫よぉ、お姉さんがついてるからねぇ~)」
美希「小鳥がこんなに頼もしく見えるなんて……何かの冗談なの」
美希「ていうか、いきなりやる気になって気持ち悪いの」
小鳥「なんで!?どういうこと!?」
小鳥「―――あ、やっと終わったみたい」
美希「……あふぅ」
小鳥「ぷ、プロデューサーさん!」
振り向きP「( ゚д゚ )彡何だい!?」
小鳥(なんで毎回勢いよく振り向くのかしら……ってそうじゃなくて)
小鳥「あ、あの!美希ちゃんのことで、話があるんです」
美希(小鳥……その調子なの!お願いなの!)
小鳥(み、美希ちゃんも一緒に言ってよ!)
振り向きP「ああ、美希のことですか。ちょうど、こっちからも話があるんです」
小鳥「え?」
美希「へ?」
振り向きP「実はですね……」
―――573プロダクション・養成所
春香「えぇー!!わ、私と、千早ちゃんと、やよいが3人とも……!?」
やよい「ほ、ほ、ほんとーなんですかぁー!?」
千早「ええ、高槻さんはバラエティ部門になるって聞いてたから、もしかしたら会えなくなるかも、って思ってたけど」
やよい「また……ううん、こんどはお二人と一緒に、『お仕事』できるんですね!?」
春香「そうなるみたいだね……改めてよろしくね!」
千早「ええ、……むしろここからが本番だもの。気合入れて行かないとね」
やよい「うっうー!三人でいっぱいいっぱいがんばりましょー!」
ハイタッーチ、イェイ!
―――573プロダクション・「スポーツ部門」
真「……『アイドルマスター』?」
矢部P「そうでやんす」
矢部P「前々から計画だけはあって、この度正式にプロジェクトが発足することになったんでやんす」
真「それに……ボクが?」
矢部P「ムフフ……その通りでやんす!」
―――573プロダクション・「映画部門」
あずさ「あの~、具体的には、どういったことをすればいいのでしょうか」
オタコンP「えーとね、まず参加者……資格は『573プロに所属する女性』、を全部署から募るんだ」
オタコンP「そこで審査が行われて、プロジェクトのメンバーに入るかどうかが決まる」
―――
貴音「選ばれた人々で『アイドルぐるぅぷ』を結成し、歌手活動を展開する」
貴音「573ぷろだくしょん、全部署を股に掛けた、びっぐぷろじぇくと」
貴音「なるほど、……こういう脱線の仕方もありますね」ニヤリ
―――573プロダクション・「バラエティ部門」
響「それに、自分も応募するのか?」
ペン太P「それが良いと思う。響君、歌手活動とかも似合ってると思うよ」
響「……ひょっとして、自分はもうバラエティには必要ないって……」ジワッ
ペン太P「ちょっ、違う違う!……プロジェクトは長期間続けるけど、部署移動するわけじゃないから」
ペン太P「歌手に専念してもいいけど、並行してバラエティを続けてもいいんだ」
響「そ、そうなのか!」パアァ
ペン太P(響君の新しい一面……この活動で、見えるといいな)
響「そう言えば自分、歌うのは好きだけど、音楽部門には行ったことないなぁ」
ペン太P「まあね、僕も無いよ。部署がそれぞれ大きいから、他部署とはあんまり関われないんだよね」
ペン太P(……たぶん、そういった面を解消する意味でも、このプロジェクトは計画されたんだろうなぁ)
―――
律子「そこまではいいわよ……なんで……」
律子「なんで私まで出る話になってるのよ!」
律子「甘かった……やけに素直に応募に応じたとは思ってたけど……」
真美「んっふっふ~、だってコレってさ、『プロデューサーは参加しちゃダメ』なんて、書いてないんだよ?」
亜美「そうそう、亜美たちは全然オッケーだけど、りっちゃんが参加してくんないんなら、選ばれても出ない!」
律子「ちょ……ウソでしょ……!?」
亜美「ぬふふふふ、もう審査書類は送っちゃったのだ~!!」
真美「落ちたらそれまでだけど、残ったらりっちゃんもアイドルなのだ~!!」
亜美「亜美たちと一緒に、歌って踊れるプロデューサーになるのだ~!!」
亜美・真美「「んっふっふ~♪」」
律子(絶対無いだろうけど……もし私だけ選ばれたらどうするつもりなのよ!!)
―――573プロダクション・「美少女アイドル部門」
雪歩「プロデューサー、メンバー選出の第一報が来たって、本当ですか!?」
寧々P「ええ。……でも、今回は養成所からの子たちだけ発表みたいね」
寧々P「天海春香ちゃん、如月千早ちゃん、高槻やよいちゃん、の3人が選ばれたみたい」
雪歩「じゃあ部署にいる人たちの発表は……」
寧々P「もうちょっと待ってから、になるわね」
雪歩「そ、そうでしたか……」シュン
雪歩「はうぅ……私なんかが、ご、合格、できるんでしょうか……」ガクガク
寧々P「大丈夫、自信をしっかり持って……」
寧々P「雪歩ちゃんが自分からやりたいって言ってくれたんだもの。私はそのやる気、届いてると思うよ」
―――
伊織「この私、水瀬伊織ちゃん。同じ美少女アイドル部門の、萩原雪歩。そしてバラエティ部門の秋月律子……」
伊織「ま、最後の発表ってのが気に食わないけど、この伊織ちゃんも晴れてメンバーの一員ってわけね」
伊織「プロジェクトは最終的に、私を入れて13人」
伊織「1週間後に、音楽部門に専用スペースが出来上がるから、そこに全員集合……と」
伊織「にひひっ、小早川凜子だけじゃないわ……」
伊織「他の12人全員、この伊織ちゃんの魅力で打ち負かしてやるんだから!」
―――573プロダクション・「音楽部門」―――「THE IDOLM@STER」専用スペース
振り向きP「みんなよく集まってくれた。俺がこのプロジェクトの総合プロデューサーである、振り向きPだ」
振り向きP「応募の時に概要は見たと思うけど、このメンバーで『アイドル』として活動してもらう」
あずさ「……えーと、この場所では、具体的には何をすればいいんでしょう」
振り向き「ん?簡単だ、みんな一緒にレッスンやったり、この専用スペースで仕事の打ち合わせをしたりする」
響「でも、部署は変わらないって聞いたぞ?」
振り向きP「そう!( ゚д゚ )彡だよ。……だからここは、言うなれば『寮』みたいなものだね」
振り向きP「みんながお互いのことをよく知ってもらうためのスペース」
美希(プロデューサー、またわざわざ後ろ向いてから、勢いよく振り向いてるの……)
貴音(今の面妖な行動の意味は何なのでしょうか……)
振り向きP「他部署の仕事があるなら、その時はそっちに行ってもらって構わない」
振り向きP「アイドルマスターとしての活動があるときだけ来る、ということも出来なくないが……」
振り向きP「さっき言ったように、お互いのことを知ってもらいたいから、ここで他部署の打ち合わせもしてもらった方がいいな」
千早「……根本的に、お互いを知る必要があるのは、なぜでしょうか」
振り向きP「……君たちを、だけじゃない。君たちの『関係性』を、よく知る必要があるからだよ」
春香「どういうことですか?」
振り向きP「君たちに個性があるように、君たちが人と関わるときの関係性にも、それぞれの個性がある」
貴音「至極当然、のことですね」
振り向きP「ああ、何せ13人もいるからな。どこで衝突が起こったって不思議じゃない」
振り向きP「相性の問題もあるし、こちらからも、なるべく相性の悪い組み合わせは控えたいからな」
振り向きP「……まぁ、一番の理想は、誰が誰と組んでもお互いの良さを引き出せるグループだけど」
律子「確かに……中々の『理想』ですね。実現が限りなく難しいという意味で」
亜美「……り、りっちゃん!変なこと言わないでよ!」
真美「そうだよぉ!何かみんなと仲良くしたくないみたいじゃん!」
振り向きP「だ、そう!( ゚д゚ )彡だけど?」
律子「(何なのかしら……)いえ、誤解を招く言い方をしてしまってすみません」
律子「普通に考えれば難しい、というだけで、私自身は誰とでも好意的に触れ合いたいと思ってます」
律子「その考え方自体は、おそらくここにいる全員がそうなんでしょうけどね」
伊織(…………ふんっ)
振り向きP「あ、そう!( ゚д゚ )彡ですか」
やよい「……プロデューサーって面白い人ですね~」
伊織(いや、とんでもないバカにしか見えないわよ……)
振り向きP「じゃあ……早速、それぞれの自己紹介からお願いしようか」
振り向きP「えーとそこの……赤いリボンの娘……春香ちゃんから」
春香「は、はい!」
―――
振り向きP「……全員終わったな」
振り向きP「確認だけど、この13人全員で歌うこともあれば、個別で歌うこともある」
振り向きP「さっき言ったように、『ベストな組み合わせ』を色々と考えていくよ」
振り向きP「何にしても、君たちを正真正銘の『アイドル』にする……それがこのプロジェクトの基本理念」
振り向きP「グループの名前は『THE IDOLM@STER』……573プロの一大ビッグプロジェクトになる」
雪歩「は、はいぃ……」ブルブル
真「だ、大丈夫かい?」サスサス
雪歩「ああ、す、すみませぇん……」
振り向きP「……そんな緊張しなくてもいいんだよ。君たちの意見が第一なんだから」
振り向きP「悪いことするわけじゃないし、なるべく希望通りの活動をさせたい」
振り向きP「何より、君たちは1人じゃなくて、13人だ。『全員』で力を合わせることができる」
振り向きP「その全員の力があれば、どんな困難も乗り越えられることだろう」
振り向きP「一人で抱え込まないで、誰かの力を頼るのも必要なことだと思う」
伊織「全員の力……ねぇ」
振り向きP「ま、そんなわけで……これから力を合わせて、頑張って行こう」
―――
ガチャッ
やよい「あ、水瀬さん、おはようございます!」
伊織「……おはよう」
やよい「あれ、……あんまり、元気ないですね」
伊織「そうかしら……?」
伊織(……この私が、誰かと一緒じゃないと力が発揮できない、なんてこと……あるわけないじゃない)
伊織(目標は小早川凜子の椅子、ただ一つ……余計な手間をかけずに、ソロででも活動するのが気楽でいいわよね)
やよい「(ニコニコ)」
伊織(……って、何なのよこの娘は)
伊織「……何がそんなに面白いのよ」
やよい「ふぇ?……あ、あうぅ~」アタフタ
やよい「……そんなつもりじゃなかったんです。ごめんなさい……」シュン
伊織「ちょ、い、いや、別に責めたわけじゃないわよ。……なんで、そんなに笑顔なの?」
やよい「え!?あの、じ、実は……」
やよい「私、こういうのに憧れてたんです!」
伊織「?どういうこと?」
やよい「ウチって貧乏で、はやく『げーのー人』になって、お金いっぱいもらえるようにならなきゃなーって」
やよい「だけどそれだけじゃなくて、573プロに入ってみたら、学校でも会えないようなキレイな人とか、面白い人とかたくさんいて……」
やよい「そういう人たちともっと仲良くなって、一緒に活動していきたいなーって……」
やよい「だから私、今度からこのお部屋で、みなさんといっぱいおしゃべりしたくって」
やよい「そう思って、楽しみにしてたんです!」
伊織「そ、そうだったの……」
伊織(みんなと仲良く、ね……)
やよい「はい!だから水瀬さん……これから、よろしくおねがいしまーっす!」ガルーン
伊織「…………」
伊織(何なのかしらこの子……)
伊織(なぜか知らないけど、放っておけないって気になっちゃう……)
伊織「…………」
やよい「……あ、あうぅ……水瀬、さん……?」
伊織「……名前」
やよい「え?」
伊織「名前でいいわよ。水瀬さん、だなんて」
やよい「えぇ!?い、いいんですか?」
やよい「……あの、えーと……伊織、さん……」
伊織「……さん付けもいいわ。なんかむず痒いもの」
やよい「じゃあ……伊織、ちゃん……?」
伊織「……ふふっ、えぇ、それでいいわ」
伊織「改めてよろしくね、やよい」ニコッ
やよい「……!うっうー、はーいよろしくおねがいしまーっす……伊織ちゃん!」
伊織「はいはい、よろしくね」ギュッ
伊織(……あーあ、何なのよ全く)
伊織(私ってば、こんなキャラじゃなかったのに……)クスッ
―――
春香「私たちは、このまま音楽部門に……!」
春香「やった!やったね、千早ちゃん!」
千早「ええ、……プロデューサー、ありがとうございます」ペコリ
振り向きP「そう!( ゚д゚ )彡言うな。お前たち自身の実力で決まったんだ。胸を張っていいぞ!」
春香(……コレさえなきゃ良い人なんだけどなぁ)
千早(まあ音楽部門に決まったなら、後はなんでも、いいですけれど)
振り向きP「プロジェクト中の音楽部門における全員の担当は、俺になる」
振り向きP「音楽に関する相談やら打ち合わせなんかは俺にしてくれ」
振り向きP「二人はその後も音楽部門だから、まずはプロジェクトに集中してもらって、そこから各々の方針を考えよう」
春香「はい!」
千早「わかりました」
振り向きP「この間まで研究生だったからって、気後れすることはない」
振り向きP「他部署で活躍してた人だって、ここでは新人なんだ。ガンガンみんなの輪の中に入って行け!」
千早(ガンガン……そんなに積極的に、できるかしら)
千早「はい……善処します」
振り向きP「固いなぁ、千早。もっと自分を解放してもいいんだぞ!( ゚д゚ )彡」
春香「ふふっ大丈夫だよ、千早ちゃん。私も付いてるからさ」
千早「あ、ありがとう。春香……」
振り向きP「仲良きことは、美しきことかな……だな!頑張れ二人とも!」
―――
律子「信じられない。まさか本当に審査が通るだなんて……」
律子「悪い冗談としか思えないけど……まあ希望は通るみたいだから、控えめに売り出して欲しいわ」
律子「……しかし、この私が『アイドル』ねぇ……何この派手な衣装」
律子「…………」
律子「……………………」
……
ガチャッ
亜美「りっちゃーん、今度の大会って、日曜日でいいんだったっけ~?」
律子「あ……」
亜美「うぉう!?」
律子「……あ、あの……」
律子「……えぅ……これは……その……///」カアァ
亜美「……」パクパク
亜美「り、り、り」
亜美「りっちゃんが、アイドルになった~~~!!」
律子「ちょっ!だま、黙って!静かにして!、お願い!」ガバッ
亜美「ングゥ……!」
亜美「(ジタバタ)」
亜美「モボモガ……ぷはっ!り、りっちゃんどうしちゃったのさぁ!」
律子「いいい、いいから///ちょっとした気の迷いというか何というか」
律子「どうせいつかはやらなきゃなんないんだから、いっそのこと早いうちにというか……」
律子「と、とにかく!!もうこのことは忘れて、放ってお
亜美「すっごい可愛いよぉ!やっぱ亜美と真美の考えは間違ってなかったよぉ!」
律子「…………は、はぁ?///」
亜美「……」ホケー
亜美「ウンウン……りっちゃんその服、ちょ~似合ってるって!今すぐにでもアイドルなれるって!」
律子「い、いやいやいやいや……私をからかってどうするつもりよ!」
亜美「からかってなんかないよぅ!……ほおぉ……」マジマジ
律子(し、死にたい……///)マッカッカー
―――
小鳥(ここにみんなが来てからだいぶ経つわね。レッスンや、それぞれをイメージした楽曲の制作も進んでるわ)
小鳥(美希ちゃんも目標や仲間が出来て、結構やる気になったみたいだし)
小鳥(うんうん、やっぱり「アイドルのいる事務所」ってのはこうでなくちゃ)
響「……でな、その時に自分が……って美希!それはハム蔵だぁ!食べちゃだめだぁ~!!」
美希「え…………?」ポケー
美希「…………」
ハム蔵「(申し訳ないが青二才に食べられるのはNG)」
美希「ハッ……あ、あぶない所だったの……茶色いおにぎりにしか見えなかったの……」
真「まだ寝ぼけてたのか……」
響「うぅ、ハム蔵、ちゃんと見てなくてごめんなぁ」スリスリ
美希「ごめんなさいなの、響。えーと……こっちは、ちゃんとおにぎりなの」パクッ
真「おやつにおにぎりってのも……美希らしいなぁ」
雪歩「お待たせ~、あ、ちょうど良かった」
雪歩「はい美希ちゃん。熱いお茶飲めば、眠気も覚めるんじゃない?」コトッ
美希「ん~、ありがとうなの雪歩……あちっ」ズズッ
真「あ、雪歩、ボクにもちょうだい」
雪歩「うん、ちゃんとみんなの分も用意してるよ」
響「うわぁ、ありがとう雪歩」
ワイワイキャーキャー
小鳥(……ただ駄弁ってるようにしか見えないけど、あれでも仕事中なんです。多分……)
小鳥(…………)
小鳥(あずささんのプロデューサーさん、外国の方でカッコよかったな~)ポワワーン
小鳥(ちょっとオタク趣味入ってるらしいけど……むしろお茶目な感じでイイ!わね)
小鳥(響ちゃんのとこのプロデューサーさんも、素朴で良い人そうだったわ……でも妻子持ちなのよねぇ)
小鳥(いや、「不倫」のシチュってのもたまには悪くないわね。素朴な男が、夜はケダモノに豹変する……)
小鳥(うちのプロデューサーも、なんだかんだでアリよね。振り向きがウザイのがアレだけど)
小鳥(…………)
小鳥(うーん、よりどりみどり……)ウヘヘヘヘ……
真美「……ぴよちゃんってたまに気持ち悪いよね」
貴音「小鳥嬢は、まただらしない顔をしているのですか」
あずさ「あらあら~、今日は何を考えているんでしょうか……」
伊織「どうせロクなことじゃないわよ」
―――
決勝―――勝者・双海真美
真美「よっしゃ~!また真美の勝ちだね!」ガッチャ!
亜美「うがぁああぁ、なんでじゃ~!」ゼンメツメツメツ…
真美「ふっふっふ、亜美とはデュエルたくてぃくすが違うのだよ、たくてぃくすがね」
亜美「そんな変わんないって~むううぅぅ」
亜美「あ~もうくやしぃいい」ジタバタ
やよい「(ドキドキ)」
やよい「はわ~……初めて大会のおうえんに来たけど、亜美も真美もこんなに強かったんだぁ」
伊織(やよいに連れられて来てみたけど……私には理解できない世界だわ……)
伊織(でも、デュエルなんて何も知らないはずなのに……)
伊織(亜美と真美のデュエルを見てたら、いつの間にか目を離せなくなってしまう)
伊織(これが……「デュエルアイドル」ってやつの力なのかしら)
やよい「参加者の人たち、みんなふたりのこと知ってるなんて」
やよい「亜美も真美もすっごい有名人だったんだぁ!」
伊織「ま、この分野では伊織ちゃんも知名度で負けるかしらね……悔しくはないけど」
真美「んっふっふ~、そりゃあ、さいきょー天才デュエリストだかんね!」
真美「真美たちのことを知らないデュエリストなんて、ただのMO☆GU☆RIだよぉ」
亜美「うがががぁ……」
亜美「そりゃ亜美も真美もさいきょーだけど、最近は真美に負けっぱなしだよぉ」
亜美「んも~、やよいっちが真美ばっかり応援するからぁ!」
亜美「それに、いおりんもちょっとは応援してってば!つまんなそうな顔で見られてると、ちょ~テンションガタ落ちだよぉ!」
やよい「えぇ!?ご、ごめん……」
伊織「私はそもそも興味なんて無かったのよ!」
真美「もぅもぅ、亜美ってばやよいっちといおりんのせいにしちゃダメだよぉ~」
亜美「うぬぬ、勝者の余裕ってヤツかい……」
ワイワイ
鉄夫「やっぱ双海姉妹はつえぇな~……」
徳之助「せっかく予選で双海真美と当たったのに手も足も出せずに負けたウラ……悔しいウラぁ~……」
鉄夫「俺もだよ……しっかし遊馬のヤツ、まさか今日に限って赤点テストの補習だなんてな」
鉄夫「話題の双子と戦えるって、かなり張り切ってたのに」
委員長「とどのつまり、彼は普段から真面目に勉強しないから、ツケが回ってくるんですよ」
委員長「ま、そこが良いと言う酔狂なファンの人もいるみたいですけど……」
鉄夫「まあ、遊馬の失敗沙汰なんて、俺らは日常茶飯事だもんな……」
鉄夫「でも、それでも立派に芸能人やってるんだぜ?アイツも中々スゴイよなぁ」
徳之助「……そういえば、小鳥は来てなかったウラ?」
亜美・真美「「!?」」ピクッ
伊織「はぁ?」
やよい「え?いまだれか、小鳥さんって……?」
鉄夫「小鳥だったら遊馬の補習に付き合ってたぜ」
鉄夫「……ていうか俺らが遊馬の補習を無視して大会に来たんだけどな」
徳之助「もとから大会にはみんな参加する予定だったウラ」
徳之助「急に出れなくなった方が悪いに決まってるウラぁ~♪」
鉄夫「まあそりゃあそうだけど……小鳥はデュエルもしてなかったしな。ある意味都合が良かったよ」
委員長「彼女も中々の素質がありますから、『デュエルアイドル』を目指しても面白いんですけどねぇ」
真美「ちょ、ちょっとそこの君たち!」
鉄夫「え?」
委員長「た、大会優勝者と準優勝者がこんなところに!と、とどのつまり、なんの用なんでしょうか」
亜美「い、いま小鳥って名前言わなかった!?」
徳之助「小鳥がどうかしたウラか?」
やよい「はわっ!やっぱり小鳥さんですか~!?」
伊織「なんであんたたちが、あの妄想OLのこと知ってるわけ?」
鉄夫「お、OLぅ?小鳥は俺たちの同級生だぞ!?」
亜美「んえ!?」
真美「マジで!?」
委員長「とどのつまり……どういうことでしょうか?」
―――
あずさ「『ポリスノーツ』……ですか?」
オタコンP「ああ、小島監督の昔の作品なんだが、この度リメイクが決定してね」
オタコンP「その中の役の一つを、監督直々にあずさにお願いしたいってさ」
あずさ「ま、まぁ……本当なんですか!?」
オタコンP「ふふっ、本当さ。ただ、監督が撮ることが決まっただけで、撮影自体はだいぶ先になる」
オタコンP「アイドルマスターの仕事に支障をきたすようなことは、現時点ではないだろう」
あずさ「そうですか……プロデューサーさん、本当にありがとうございます」
オタコンP「何言ってるんだい。監督があずさを見て、そして決めたことだ」
オタコンP「僕の力じゃない。正真正銘、君の力さ」
あずさ「そう、ですか……」
あずさ「か、監督さんは、私のどこを見て決めて下さったんでしょう?」ワクワク
オタコンP「え!?……えーとね、ど、どこだったかなぁ……ははは」
あずさ「?」
オタコンP(流石に、「胸が大きく揺れるかどうか」が選考基準だなんて言えないよなぁ……)
オタコンP(まあ、良い役であることに変わりはないし、ステップアップの機会としては十分だけど)
―――
貴音「あぬびす……」
ディンゴP「俺が昔出演していた作品だ。ポリスノーツってのと一緒に、コレもリメイクが決定した」
ディンゴP「573プロの俳優が主演を務めた映画が2本同時にリメイク……話題性はかなりのものだろう」
貴音「しかし、『わたくし自身』が出られない……とは、どういうことなのでしょうか?」
ディンゴP「あぁ……お前の配役は、簡単に言えば『AI』なんだ」
貴音「えーあい……?」
ディンゴP「人工知能、と言い換えた方がわかりやすいか?感情を持った機械、その『声』を担当することになる」
貴音「な、なんと……!」
貴音「わたくしが、機械の声を担当するというのですか……」
ディンゴ「……そういうことになるな」
ディンゴP「リメイクに俺自身が出ないように、その役、『ADA』の声も新規のものとなる。それに抜擢されたんだ」
ディンゴP「声優の仕事ということになるな。わざわざ演技の評判を聞きつけた監督が、お前に依頼を出した」
貴音「…………」
貴音「そう、でしたか……」
ディンゴP「…………不満か?」フゥ
貴音「……!い、いえ。決してそのようなことは……」
ディンゴP「……気持ちはわからないでもない。だがな、お前の声というのは、お前が持つ確かな『力』に他ならない」
貴音「わたくしの……力……」
ディンゴP「自分が画面に映らないのは嫌かもしれない」
ディンゴP「だがこれを断れば、お前の力を発揮する場を、自ら失うことになる」
貴音「…………ふむ……」
ディンゴP「力は正しいことに使え。 少なくとも、自分がそう信じられることにな」
貴音「正しいこと……信じられること……ですか」
ディンゴP「お前は……貴音は、自分の声を『力』だとは思えないか?」
ディンゴP「声優の仕事は、正しいことだとは信じられないか?」
貴音「…………」
貴音「わたくしは……!」
―――
カメラマン「お疲れさま、最近良い表情が多くなってきたよ」
雪歩「え、ほ、本当ですかぁ?ありがとうございます」ギュッ
カメラマン「(ぎゅってしたな今……)ああ、また今度も頼むよ」
雪歩「はーい♪」
テクテク
雪歩「プロデューサー、撮影終わりまし……ひっ!だ、誰ですか!?」
寧々P「あ、雪歩ちゃん……」
?「やあやあ、君が寧々さんの担当アイドルの娘かぁ。寧々さんに似て、可憐で美しいよ」
白鳥P「おっと、申し遅れてしまったね。僕の名前は『白鳥正輝』だ。573プロのプロデューサーなのだよ」
雪歩「そそそ、そうですか……」ビクビク
白鳥P「はっはっは、そんなに怖がらなくてもいいじゃないか」
白鳥P「今ちょうど、君のプロデューサーと楽しくおしゃべりをしていたんだ」
雪歩「……プロデューサー?」チラッ
寧々P「……そ、そうでしたかね……」
白鳥P「ふふっ、つれないなぁ……まあ、そんなところもあなたの魅力の一つですけどね」
寧々P「あ、あはは……ありがとうございます……」
白鳥P「どうです?もしお時間がありましたら……そうですねぇ」
雪歩「ひ……」ビクビク
白鳥P「雪歩ちゃんと一緒でも構わないのですが、この後にお食事なんてどうでしょう?」
寧々P「そ、そうですねえ。……雪歩ちゃん人見知りさんなんで、白鳥さんにご迷惑がかかるかもしれませんね……」
白鳥P「はっは、僕はそんなこと一切気にしませんよ」
寧々P(そういうことではないんだけど……)
白鳥P「何ならすぐそこのデキシーズでも構いませんよ?……雪歩ちゃんが嫌がるなら、寧々さんとふ
ドゲシッ
白鳥P「ぬごぉ!」ズザザザー
雪歩「!」ビクッ
伊織「…………」ワナワナ
伊織「……ほんっとにこの変態プロデューサーときたら……」
伊織「よそのプロデューサーに言い寄るばかりか、まさか雪歩まで狙おうだなんて!」
伊織「この変態!ド変態!ザ変態!エル変態!変態大人!」ゲシゲシ
白鳥P「うおぉぉぉぉお!伊織君、そ、それは誤解だ!」
白鳥P「寧々さんが雪歩ちゃんと一緒じゃないと嫌がるかもしれないだろう?雪歩ちゃんの方も然りだぁ」
白鳥P「だ、だから非常に相手のことを思って、有意義な提案をしていたのだよ伊織君!」
寧々P(…………ハァ)
伊織「何にしても、雪歩を怖がらせた時点で褒められはしないわよ!」
伊織「うちの大事な仲間に手ぇ出したら、いくらプロデューサーと言えどもタダじゃおかないんだから!」
雪歩「い、伊織ちゃん……」
伊織「雪歩や寧々Pだけじゃないわ……いい加減見境なく、そこら辺の女性をナンパするんじゃないわよ!」ゲシゲシ
伊織「私の担当Pがそんなド変態だなんて周りに知られて、恥よ恥!いい迷惑だわ!」
白鳥P「うがぁああ、悪かった!悪かったよ伊織君!……だからもう蹴るのをやめてくれぇええ!」
ワーワーギャーギャーウギャー
寧々P「……噂には聞いてたけど、『軽いP』と『惨いアイドル』のコンビって本当だったのね」
雪歩「そ、そんな噂が……」
雪歩(伊織ちゃん、前に「ライバルと比べて仕事が少ない」って愚痴ってたけど)
雪歩(ひょっとして、あのプロデューサーのせいなんじゃ……)
―――
矢部P「今日はウィーレ六本木の応援部長として、サッカー場で営業するでやんす」
矢部P「試合前のパフォーマンスや、選手たちとの交流もしっかりと行うでやんすよ」
真「はい!気合入れてバリバリ行きましょう!」
矢部P「……」
真「へへっ!サッカー選手って、見た目ガッシリしてる選手は少ないけど、その分ドリブルとかのテクニックがスゴイんですよね」
真「間近で見れれば、技の参考にもなるかもしれませんよね、プロデューサー!」
矢部P「そ、そうでやんすね」
矢部P(真君、アイドル活動が決まってから、こっちの活動は吹っ切れたみたいでやんす)
矢部P(世間がどれだけ「格闘家」として見ても、自分には「アイドル」になれる場所があると思えるからでやんす)
矢部P(……無理にでも審査書類出しといて、本当によかったでやんす)
真「あ、電話だ……ピッ、はいもしもし」
真「ええお久しぶりです!……はい、……えぇ……そうですね……はい……」
矢部P(……誰と電話してるでやんすか?)
真「ええそうですね、また……はい……はい、その日で大丈夫です……」
矢部P(友達との打ち合わせでやんすか……?……にしてはやけに丁寧すぎるしゃべり方だし……)
真「わかりました、……じゃあよろしくお願いします!……はい、じゃあ」
ピッ
真「……あぁ楽しみだなぁ!」
真「プロデューサー、どうかしましたか?」
矢部P「え?あ、あぁいや……」
矢部P「今の電話、誰だったでやんすか?」
真「パワプロの早川選手ですよ」
矢部P「……」
矢部P「…………え?」
真「この前の始球式で勝負してから、なんだか意気投合しちゃって」
真「僕がオフの日は、早川選手の練習に付き合ったりしてるんです」
矢部P「え……そ、そんなの聞いてないでやんす……いつの間に……」
真「それで早川選手と仲の良い選手とも、今度合同で練習しようって話になってて」
音ゲーはないのね
112:>>111もうちょっと待ってもらえれば:2012/04/14(土) 02:08:51.04:ZsE+SmLa0真「六道聖選手とか、橘みずき選手とか」
真「練習とはいえ、3人のプロと一緒に鍛錬できるなんて、結構燃えますよね」
矢部P「…………」
矢部P(この前のオフに何してたか聞いたら)
"真「むかし、女子プロレスのイベントに参加したじゃないですか?その時に日ノ本零子選手と仲良くなれたんですよ!」"
"真「だから今度の格闘技大会に向けて、日ノ本選手とプレロス技の研究をしてたんです!」"
矢部P(って……)
矢部P(真君……本当にいざという時には、アイドルになれるんでやんすよね……)
―――
よしこ「マァ~素晴らしい!最終XEXEXステージも、見事ノーミスでクリア~」
よしお「…………」モアーイ
よしこ「総合ポイントを見ても一目瞭然!……今回の優勝者は、我那覇響さんです!」
響「よっしゃ~!自分、今日は完璧だったぞぉ!」グッ
トロン「あああ~、何が悪かったのかしら……?」
亜乃亜「悔しい……もう!次はぜったいに負けない!」
響「えへへ~、悪いな二人とも!自分、次も負けないぞ!」
よしお「…………」モアーイ
よしこ「よしお様もこんなに喜んでおられるわ!響さんおめでとう!」
よしこ「……では『オトメディウス』、また次の機会に」
…………
ペン太P「響君、やっぱりゲーム番組だと、いつもよりも魅力的だよ」
響「え?へへ、そ、そうかぁ……?///」
ペン太P「うん、いつもより自由に動けてる。体を動かせるからだろうね」
ペン太P(あとは、最近のアイドルマスターでの活動も影響してるんだろうな)
響「プロデューサーは、この番組の司会をやってたんだよな」
ペン太P「ん?そうだねぇ。最近は参加者を女性に絞ってるから『オトメディウス』って言ってるね」
ペン太P「パロディウス時代も懐かしいけど、これはこれで面白いんじゃない?」
響「そうかぁ……へへっ、なあ」
響「プロデューサーが司会者だった頃の話、自分すっごく興味あるぞ!」
響「プロデューサーが好きなステージとか、当時の思い出とか、教えてくれよ!」
ペン太P「うーん、そうだなぁ……」
ペン太P(優勝できてだいぶ嬉しいんだろうなぁ。まぁご褒美に色々話してあげよう)
ペン太P「僕はやっぱり、自分が企画から手掛けた『南極ステージ』が思い出深いなぁ」
響「(ニヘー)」ガッツ!
響「やっぱりか!?……自分、実はそうだと思って、南極ステージは特に張り切ったんだ!」
ペン太P「へぇ……」
ペン太P「そうだったのか、えらいなぁ響君は」ナデナデ
響「えっへへー///」
ペン太P(……)
ペン太P(南極っつっても、結局は穴をジャンプして避けていくだけのゲームなんだけど……)
ペン太P(まぁそれで響君が頑張ってくれるなら、それでもいいのかな)
ペン太P(……うん、そうだろうな)
響「他にも教えてくれよ!」
ペン太P「えーと……今の司会の『よしことよしお』は、昔はイースターステージのみの担当だったんだよ」
響「へぇ~そうだったのか!」
ペン太P「あとは……ツインビーステージは、響君のベルの記録が歴代3位だとか」
響「あ、やっぱりそんなに多かったのか!司会のよしこさんも、『どれだけ集めるのよ』って呆れてたぞ」
ペン太P「……」
ペン太P「……響君」
ペン太P「僕はね……響君のバラエティにかける情熱はすごいなぁ、としみじみ思うよ」
響「……どうしたんだプロデューサー?急にそんなこと」
ペン太P「いや、何となく思っただけだよ」
響「…………」ニヘー
響「そりゃそうさ、憧れのプロデューサーが一緒に歩いてくれる道なんだからな!」
響「……プロデューサー、自分、もっともっと頑張るからな!」
ペン太P「響君、うん……うん」
ペン太P「……でも、無理はしちゃだめだ。また空回りしたりするかもしれないし」
響「へへ、なんくるないさー!」
響「自分はもうこれから、バラエティだけじゃない、正真正銘の『アイドル』になるんだからな!」
―――
作曲家A「いや~、美希ちゃんって娘、予想以上に面白かったですねー」
作曲家B「そうだね。おも……オホハハハハwwww……面白いw……オホハハハハwwwww……」
A「思い出してツボに入ってんじゃないですかw」
B「……なんだろうね、あの娘。何かもうバラエティ班の方が面白そうだねw」
B「まあ今までのレッスンとかも見た感じ、アイドルの素質って意味じゃ十分だけどねぇ」
A「あ~、そうっすね。持ってるモノが違うって感じですかね」
B「そうそう」
A「あの娘用の曲も作っても面白そうだけど……もうほぼ完成してますからね」
B「僕らの担当の娘のための曲がね」
A「そうっすね。またの機会にってことで……まあ、どうせその機会もすぐ来そうですけどねw」
B「オホハハハww……しょっちゅうは困るけど定期的に作ってあげたいね」
A「ですねぇ~。最初はどうなるか思いましたけどね……良い娘ばっかりだし、みんな個性的だし」
A「みんな、けっこー良いの出来たんじゃないですか?」
B「ヨシタカくんもそうだと思うんだけど……会って話すると、イメージ膨らむよね」
ヨシタカ「あぁ、わかりますそれ!」
B「色んな娘と話してる時に、瞬間的に『この娘の曲が出来そう』って頭の中にメロディが浮かぶんだよ」
ヨシタカ「え、マジすかぁ!そこまで具体的なのは出なかったですよ!」
ヨシタカ「やっぱタカさんの作曲センスがね……こう、群を抜いてるからじゃないですか?」
タカ「おだてても何も出ねぇよww」
タカ「まぁ、みんな上手い具合に、自分に合った担当アイドルが決まってよかったよ」
ヨシタカ「けっこー意外性ある人もいますけどね」
ヨシタカ「『このアイドルの曲、あの人が作るのー!?』……みたいな」
タカ「俺らのはむしろイメージしやすい方だもんねぇ」
ヨシタカ「全員の分なんて聞いてないですからね……すっげ楽しみですよ」
タカ「楽しみだねぇ、こっちとしても、アイドルの娘たちとしてもねぇ」
L.E.D.でアイドルとかどう考えても宇宙戦争
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 03:06:17.90:ZsE+SmLa0―――
美希「……本当に宇宙から来たの?」
満「何を言っているんだ、スーパースターはウソなんかつかないぞ」
満「地球にいるDJ YOSHITAKAくんからオファーをもらって、そのついでに地球に遊びに来たんだ」キメッ
千早「……では、宇宙のどこから来たんでしょうか?」
満「……え……?」
満「…………」
満「そうだな…………そう……だな…………」
満「…………」
美希(すっごい考えてるの、この人……)
千早(……なぜこんなことをしなくちゃいけないのかしら……)
満「……え~~~~……」
満「……それはトップシークレットだ」キリッ
美希「……ングッw」
千早「プッ……ウ、ウググ……w」プルプル
美希(さんざん考えたわりに何も出てこなかったの……w)
千早(……)プルプル
別室・モニタールーム
ヨシタカ「wwwwww」
タカ「オホハハハハハハハwwwww」
ヨシタカ「言うに……事欠いて……トップシークレットとか……w」
タカ「何もw何も思いつかねえんだろwww思いつかねえだけだろwww」
TAG……じゃない満さんは銀河からやってきたんだよ
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 03:18:17.88:ZsE+SmLa0(数十分前)
千早「なんですかその企画」
美希「……ちょっと意味がわからないの」
振り向きP「573プロの先生方はな、そりゃあ凄い人たちだ。大物アイドルにも曲を提供してる」
振り向きP「その仕事振りから彼らもまた有名人だから、個別のファンも多い」
振り向きP「でもな、彼らもたまにはこう……『はっちゃけたい』という時がある」
振り向きP「その結果、今573プロには『スーパースター』を名乗る人物が存在しているわけだ」
千早(……何回聞き直しても意味がわからない……)
振り向きP「で、スーパースターがファンから好評なんで、ネット配信の動画を撮りたい」
美希「それは聞いたの……やる内容の意味が、ぜんぜん理解できないの」
振り向きP「いや、だから……」
『スーパースターについて、アイドルの卵たちが突撃取材!』
振り向きP「これのどこが意味がわからないんだ?」
美希「だって、向こうは『スター』なんでしょ?この台本チラッと見たけど……」
美希「色んなところに『恥をかかせる』とか『えげつない質問』とかってたくさん書いてるの」
美希「そんなの聞かれるスターいないし、いたらミキの思う『スター』じゃない、って思うな」
振り向きP「なぁ~んだお前は、たまに本質を突くようなこと言いやがって!」
振り向きP「スターはスターなんだよ!とにかく台本通りでいいの!」
…………
和室・座敷の間
千早「スーッハーッ……フゥ。では、スーパースター満さんに別の質問なのですが」
満「ああ、なんでも聞いてくれ」
千早「……573プロの作曲ブースにいる『TAG』さんとは、仲が悪いのですか?」
千早「彼と一緒にいる所を……えー、一度も……プッ……見たことが……ないの……で……ク…フフフww」プルプル
美希(千早さん、ここは台本通りの質問なのにツボに入っちゃったみたいなの)
満「TAGくんかぁ……彼もまた素晴らしいおんがくかだは、だとは思うのだが……」
満「かれとも中々々、出会うタイミングがっかめなくてね」
満「いっかふたりで、話をしてみ、してみたいとは思ってるんだ」
満「まぁ、彼の方が何というかはわかなないがね」
満「(ドヤァ)」
美希(すっごい噛み倒してるの……)
美希(なのになんであんな顔ができるのか、理解できないの。もう意味分かんなすぎて、面白くなってきたの)
千早(ちょ……もう限界……笑いが……)プルプル
美希「えーと……何て言ったかわかんなかったの。だから、もっかい言ってくれない?」
満「!!!」
モニタールーム
タカ「聞くんかいww!もう一回聞くんかいww!」
ヨシタカ「wwwこの娘……もうエグりますね。スターの急所をガンガンとエグってますねww」
タカ「オホハハハハハハwwwww」
ヨシタカ「す、スーパースターは……アイドルの卵と交流を図れるのかって企画なのに……スター脇役ですからねww」
ヨシタカ「これ公開しても、みんなスター見ないで美希ちゃんたちの方見ますよねww」
タカ「み、見るww……見るねw見るw」
―――
振り向きP「みんなお待たせ。ついに全員分の曲が完成した。1週間後にレコーディングに入るぞ」
ワァーヤッタネ、ヨウヤクナノ、ヘヘッドンナキョクカナー、ウッウーウレシイデスー
振り向きP「しばらく前から、作曲家の先生方とみんなでミーティングをやったりしたな?」
振り向きP「各々のイメージを向こうで膨らませてくれて、各アイドルの曲が出来上がった」
振り向きP「……で、最初は全員のCDをソロで出していく」
律子「アイドルグループなら、最初からグループで売り出した方が良いのでは?」
振り向きP「ふっふっふ……律子は先生方の影響力、人気を甘く見ている」
律子「というと?」
振り向きP「多くの作曲家の先生に曲を書いてもらった。それぞれにたくさんのファンを持つ個性的な人たちだ」
振り向きP「まずは『この人が作った曲』という部分で、このグループのCDに興味を持ってもらう作戦だ」
振り向きP「最初は『アイマスというグループのメンバーのCD』という部分には、あまり焦点は当たらないだろう。そこは我慢してほしい」
響「曲を作った人を見て、それで買おうって思う、ってことか?」
振り向きP「そう!( ゚д゚ )彡いうことだな。まぁ、曲はどれも良いのばかりだから、評判は後から確実についてくる」
振り向きP「メンバーの個性と先生方の個性がぶつかり、どのCDも際立った素晴らしいモノとなるだろう」
振り向きP「そうすれば、結果的に個々のメンバーも覚えてもらいやすい」
千早「その原理は何となく理解できますが、具体的にお願いします」
振り向きP「ああいいだろう。作曲家で興味を持たれる、ということは『曲を聴きこんでもらえる』ということだ」
振り向きP「聴きこんでもらえば各CD、各アイドルの違いも明白になる」
振り向きP「そう!( ゚д゚ )彡なればグループ活動より前に、個々のファンが獲得出来るほどになる」
振り向きP「ちゃんと全員で歌う曲も用意してもらってるから、その後でグループ活動を本格的に始動する」
律子「なるほど、確かに理にかなってますね」
振り向きP「そう!( ゚д゚ )彡かい?わかってもらえたら何よりだ」
振り向きP「じゃあ、それぞれの担当する曲と、作ってくれた先生を紹介しよう」
真「よ、ようやくですね」ドキドキ
振り向きP「と、その前にまずはCDの曲構成についてだ」
振り向きP「それぞれのオリジナルが2曲、そしてカバーが3曲、そして全員共通のオリジナルが1曲だ」
振り向きP「カバーは作曲家先生方の過去の曲から選出している」
やよい「えーっと全部で……6曲ですね!」
振り向きP「そう!( ゚д゚ )彡」
振り向きP「……じゃあ、早速紹介していこう。まずは春香から」
アイドルごとの曲紹介に移りますが……休憩します
元々コレが書きたくて始めたので、落ちようが次スレ立てようが、絶対に書き上げます
まずは休憩します。
落ちた場合のスレタイは
振り向きP「573プロでアイドルをプロデュース!」
で立てます
145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/14(土) 06:58:05.70:/lLNzBOv0元々コレが書きたくて始めたので、落ちようが次スレ立てようが、絶対に書き上げます
まずは休憩します。
落ちた場合のスレタイは
振り向きP「573プロでアイドルをプロデュース!」
で立てます
この一週間毎晩スレ一覧でcontrol+Fで「573」って打ってたよ
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