やよい「でーと、してくれますか?」
美希「プラネタリウムで好きして!」
貴音「これが……恋患いでしょうか……」
伊織「スキスキ、だーい好き!」
あずさ「運命の人、み~つけた」
真「ファーストキスって、どんな味?」
小鳥「おもいでのアルバム」
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 00:34:57.22 :hvqEODyE0
12月10日・昼・事務所
真美(どどど、どーしよぅ……兄ちゃんのコト、気になってしょーがないよお)
真美(とりあえず、誰かに相談してみようかな……!)
真美(やっぱり、はるるんなら力になってくれそーだよね。そーと決まれば……)トテトテ
真美「はるるん、ちょっといーかなー?」
春香「ん? どしたの真美? 何かお話?」
真美「そ、そうなんだケド……。こ、こっち!」ガシッ
春香「わわっ! ど、どーしたのよう?」バタバタ
真美「屋上いこっ! 急いではるるん!」
春香「えぇ~? わ、わかったけど、走らないでよ~」
扉「バタン」

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3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 00:36:56.84 :hvqEODyE0
伊織「何やってるのかしら春香たち?」
やよい「どーしたんでしょーねー? あ! ババ引いちゃいましたあ……」
あずさ「あら。私はこれであがりです~」
雪歩「あずささんってトランプお強いんですねぇ~」
あずさ「そんなコト無いわよ~。たぶん、運が良かっただけね~」
伊織「運が良いだけで3回も勝たれちゃたまんないわよ。はい、わたしもあがりね」
雪歩「あ、わたしもです!」
やよい「はうう、また負けちゃいましたあ……」
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 00:39:00.59 :hvqEODyE0
765プロ事務所階段
P(ん? あれは真美と春香……? なんだか急いで出ていったぞ……?)
P(これから春香は雑誌の撮影だってのに。とりあえず呼びに行くか……)
屋上扉「バタン」
P「おーい春k ……」
春香「ええええ!?!? 真美はプロデューサーさんの事が好きなの!?」
真美「ちょ、声がおっきいよはるるん!」パシッ
春香「むぐぐ……、ご、ごめん。でもあんまり驚いちゃったから……」
物陰に潜むP「……なん、だと……?」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 00:40:56.09 :hvqEODyE0
春香「えと……、いつからなの?」
真美「それは……、分かんないケド、気づけば兄ちゃんのコトで頭がいっぱいで……」
春香「そっか。でも、真美はアイドル。プロデューサーさんは……」
真美「そ、そんなの知ってる……。でも、頭撫でられたときとか、もう嬉しくって、真美の“スキ”が止まらなくなっちゃった……」
春香(けっこう乙女だったのね真美って……)
物陰で焦るP(い、一体どうなってるんだ。真美が俺のことを……? 懐かれているとは思っていたが……)
春香「とりあえず、わたしこの後撮影あるから。この話は今度じっくり聞くよ」
真美「ごめんねはるるん……。あと、この事はヒミツだよ」
春香「うん。わかってる。それじゃ、事務所に戻りましょう?」
興奮状態のP「マズイ…・…! 見つかってしまう!」バタバタ
…………
……
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 00:43:21.23 :hvqEODyE0
14:20 移動車内
P(なんとか見つからずに済んだが……)
春香「……」
P(何だか気まずいぞ……落ち着け俺)
春香「ぷ、プロデューサーさん」
P「何だ?」
春香「前から気になっていたんですけど、プロデューサーさんは、その……か、彼女さんとか居ないんですか?」
P「い、居ないぞ。彼女がいたら、こんな仕事一辺倒な生活してないって」
春香「そ、そうなんですか……。それじゃ、今は恋なんてしてられない! って感じですか?」
P「まあ、な。今は事務所のみんなの為に働くのが楽しいし、お前たちの魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいと思ってるよ」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 00:46:12.37 :hvqEODyE0
春香「それは嬉しいんですけど……。あ、でも美希はプロデューサーさんの事、本気だと思いますよ?」
P「あー。最初は俺も、からかわれているだけだと思ってたんだが……。近頃ボディータッチが」
春香「あ、相変わらず美希は積極的ですね。でも、アイドルとプロデューサーが……その…」
P「分かってる。そもそも、いくつ歳が離れてると思ってるんだ。どれだけ可愛かろうと、そういう目で美希を見れないよ」
春香(美希でダメなら真美じゃあ……)
P「ん? どした春香?」
春香「へ? あ、大丈夫です。昨日夜更ししちゃって……えへへ」
P「しっかり頼むぞ。トップアイドル、なるんだろ?」
春香「……もちろんです!」
春香(真美……、力になれなくって、ごめんね)
…………
……
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 00:49:41.81 :hvqEODyE0
12月14日・夜・双海家―真美の部屋
真美(どーしよう。兄ちゃんの事しか考えられないよ……)
真美(はるるんに……話を聞いてもらお……)プルルル
ケータイ「はるかです! 只今電話に出ることが出来ません。ごめんね~」
真美「留守電だ。じゃあ、他の誰かに? うーん。誰がいいかなあ?」
真美「やっぱり、亜美なら話しやすいかな……」プルル
電話「んー真美~? どしたの? ってか隣に居るんだから電話で話す必要ないっしょ→」
真美「あ、そだね。今から亜美の部屋行ってもいーかな?」
亜美「なんか、元気ないね、真美。何でも聞くよ~」
真美「じゃあ、すぐ行くよー」トテトテ
ドア「ガチャ」
亜美「何かあったの? 真美」
真美「ちょっと……、兄ちゃんのコトで……」
亜美「にーちゃんの? あ、となり来てよ、寒いっしょ?」ガサガサ
真美「うん……。毛布あったかいね」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 00:52:27.34 :hvqEODyE0
亜美「二人でくっついてると、2倍ほっこりするよね~」
真美「……亜美。真美ね、兄ちゃんのコト好きになっちゃったみたい」
亜美「ええ!? それってホントなの真美ぃ」
真美「どーしよう亜美。これって、叶うはずない恋、だよね……。兄ちゃんはプロデューサーなんだし。きっと迷惑かけちゃうよね」
亜美「でもさでもさっ! たしかに、えーと、せけんてーが悪いからなんとかーって言うケド、そんな簡単に諦めちゃダメだよ真美」
真美「そーかなあ? 兄ちゃんのコト好きだって気持ち、抑えた方がいいんじゃないかな」
亜美「まだ分かんないじゃん! にいちゃんも真美のコト好きかもだし。これからは真美の“好きってキモチ”をもっとぶつけていけば、振り向いてくれるかもよ?」
真美「……真美のキモチ?」
亜美「そーだよっ! 子供じゃないんだぞってトコ、見せてあげないと! ……、それこそ、ジェミーに出てくる女の子みたいに、前向いてさ」
真美「ジェミーかあ。そだね。うん! 真美頑張ってみるよ!」
亜美「その意気だよ真美! それじゃ、そろそろ寝よっか?」
真美「ね、亜美。一緒に寝てもいい?」
亜美「むふふふ。今日だけトクベツですぞ~?」
…………
……
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 00:55:09.32 :hvqEODyE0
12月15日・18:30・事務所
真美(とりあえず、兄ちゃんとお話して、真美のこと意識してもらわなくっちゃ)
真美(えーと、兄ちゃんは……)キョロキョロ
美希「ハニー! 今日はお仕事終わりでしょ? 美希ね? ちょっと行きたいところがあるの!」
P「ば、ばか。くっつくなって……。それに、今日は残業なんだよ。また今度にしてくれ」
美希「むうう……、ハニーってば真面目すぎるの。あんまり頑張りすぎて、具合悪くなっちゃやだよ?」
P「分かってるよ。ありがとな美希。ほら、春香や千早たちが待ってるぞ」
美希「今度は逃がさないの! またねっハニー!」
春香「もー遅いよ美希ー」
千早「日が短くなってきたわね。早く帰りましょう」
ザワザワ……
ガヤガヤ……
真美(チャンスだ……!)スタッ
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 00:57:44.93 :hvqEODyE0
P「ふーっ。書類の束は増えるばかり、か」
真美「に、兄ちゃん。お疲れ様」
P「うわあ!? ま、真美か……。おどかすなよ」
真美「ご、ごめんなさい。あれ? ピヨちゃんは?」
P「ん? 音無さんに用か? さっき備品の買出しに出て行ったぞ」
真美「そっか……。そ、それじゃ、ふたりっきりだね」
P「な、何言ってんだよ。真美も遅くなったら危ないから、早く帰りな。亜美も待ってるんじゃないのか?」
真美「今日は……、その兄ちゃんに用事があって……」
P「俺に……? な、なんだ?」
真美(ど、どうしよー。すっごい恥ずかしいこと言っちゃいそう……。えとえと……そうだ! 兄ちゃん疲れてるみたいだし……)
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 01:00:12.78 :hvqEODyE0
真美「兄ちゃん! 肩もみしてあげるね」
P「え!? アイドルにそんな事させられないよ」
真美「いーから! 真美がしたいだけなの!」ギュッ
P「そう、か。それじゃ、しばらく頼む」ドキマギ
真美「りょーかい。じゃあ、肩の力、抜いて」
ギュッ、ギュッ……
真美(なりゆきで肩もみ始めちゃったけど、兄ちゃんの肩おっきくてあったかい……)
P(い、いいんだろうか。こんな……。というか、やっぱり真美は俺のことを?)
真美「き、気持ち良い? 兄ちゃん」
P「おお。一日の疲れが吹き飛ぶよ。ありがとな真美」
真美「え、えへへ」
P(なんだか真美が殊勝で可愛いカンジだぞ……。でも、俺はプロデューサーなんだ。忘れちゃいけない)
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 01:03:38.77 :hvqEODyE0
真美「ねえ、ミキミキって……可愛いよね」
P「へ? 美希か? ああ。確かに、カリスマ性があるしな。美希の成長を見るのは素直に楽しいよ」
真美「その……、好きになったりしてる?」
ギュッ、ギュッ……
P「……何言ってるんだ。美希はアイドル。俺はプロデューサー。それ以上の関係を持つことは、許されるはずがない。もちろん、可愛いし、好きだけど。それは765プロのみんなへの好きと同じものだよ」
真美「……じゃあ、真美のことは、どう?」
P「真美だって、大切な、たいせつな人だよ。だから、もっと多く仕事を取ってきてやりたい。真美がもっと輝けるなら、俺は頑張れる」
真美「そっか。みんなと同じ。アイドルだもんね」
P(これで良い。真美はまだ子供だけど、きっと分かってくれる)
P「よしっ。もういいぞ真美。ありがとう。仕事にもどるよ」
真美「う、うん! じゃあ真美も、帰るねー、じゃねー!」
P「車に気をつけるんだぞー。うちの大事なアイドルなんだからな」
真美「んじゃ、バイバイ」
…………
……
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 01:06:45.27 :hvqEODyE0
12月17日・11:40・事務所
春香「この間はごめんね真美。電話でられなくて~」
真美「あ、はるるん。んーん、気にしないで」
春香「何だか元気ないねぇ……。プロデューサーのこと?」コソコソ
真美「どーしたらいいか分かんなくなっちゃって」
春香「プロデューサーに、何か言われたの?」
真美「遠まわしに、自分はアイドルを好きにはならないって……」
春香「そっか……。まあ、当然といえば、当然よね。スキャンダルになっちゃう」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 01:10:08.33 :hvqEODyE0
真美「もお、自分のキモチ解んないよ。兄ちゃんへの“好きってキモチ”、どこにしまえばイイんだろ」
春香「焦らないで真美。とりあえず、プロデューサーさんへの気持ち、どうにかして伝えてみたらどうかな? その……、付き合うとか、そんなんじゃなくて。今の真美を、そのままぶつけるの」
真美「出来るかな。こわいよはるるん」
春香「私にいい考えがあるわ。ねえ真美。今晩家に来てみない?」
真美「はるるんの家に?」
春香「うん。どーかな? 忙しくなければ」
真美「じゃあ、いこーかな。明日オフだもんね」
春香「休みが合うのって中々ないケドね。えへへ」
…………
……
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 01:14:05.95 :hvqEODyE0
12月17日・20:00・天海邸
真美「千早ねーちゃんも来てたんだ」
千早「こんばんわ。真美。今日は一日中仕事だったから、春香に借りてたCDを返しに来てたところなの」
春香「せっかくだし、千早ちゃんも付き合ってよ。お菓子作り」
真美「へ? お菓子作りって?」
春香「だから、これが“いい考え”だよ。真美が自分でお菓子を作って、プロデューサーさんにプレゼントするの! ほら、ちょうど一週間後にはクリスマスでしょ?」
千早「真美がプロデューサーにプレゼント? どうして?」
真美「ちょ、はるるーん。千早おねーちゃんもいるのに~」
春香「わっ! ごめんなさい! 私ったらついうっかり……」
千早「まあ、おおかた予想はつくわ。日頃からお世話になっているプロデューサーに、労いと感謝の意味を込めてってことね」
真美「そ、そうなの! さーっすが千早おねーちゃん」
春香「そうそう! じゃ、じゃあさっそく始めますか! あはは……」
春香&真美(千早ちゃん(おねーちゃん)ってドンカン?)
…………
……
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 01:16:50.08 :hvqEODyE0
真美「ぜ、全然上手くできない……」
千早「なんだか歪になっちゃったわね」
春香「このお菓子本の中でも、かなり難しいものだからねえ……。でも、真美はこれがいいんでしょ?」
真美「うん……。なんか宝石みたいでキレイだし」
春香「私がもっと手伝えたらいいんだけど……」
千早「でも、真美の気持ちを届けるには、やっぱり真美の力で作るべきよね」
春香「千早ちゃんは相変わらずストイックなところあるよね~」
真美「また次の時に頑張る。ゼッタイあきらめない!」
春香「まだ時間はあるから、ちょっとずつ練習していこう!」
千早「じゃあ、今日は終わりね……。春香、お風呂借りてもいいかしら?」
春香「あ、うん。どうせなら三人一緒に入っちゃおうか?」
キャッキャ
…………
……
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 01:20:48.21 :hvqEODyE0
12月23日・21:20・天海邸
春香「上手く出来たね~。真美、おめでとー」
千早「6日前とは見違えるようだわ」
真美「うん。真美の気持ち、込められた気がする。ありがとね、はるるん。千早おねーちゃん」
春香「後は明日、プロデューサーさんに渡すだけだね。さ、ラッピングしちゃお」
千早「三回目でようやく美味しそうにできたわね。間に合って良かった。本当に」
真美「千早おねーちゃん、わざわざ付き合ってくれてありがと」
千早「お世話になっている人のために頑張る真美の姿は、私にとっても良い刺激になったわ」
春香「決戦は、明日のクリスマス・イブ、だね!」
…………
……
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 01:23:27.06 :hvqEODyE0
12月24日19:30・事務所
小鳥「真美ちゃん。それに、春香ちゃんに千早ちゃんも。こんな時間までどうしたの?」
春香「あ、あのープロデューサーさんを待ってるんですけど……」
小鳥「プロデューサーさん、もう帰ってくるはずなんだけどね。どうしたのかしら?」
千早「春香、どうしましょう。あまり遅くなるのも……」
真美「……兄ちゃん……」
春香「小鳥さん。プロデューサーさん、今日は誰に付いてるんですか?」
小鳥「えーっと、ちょっと待ってね」ペラリ
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 01:25:50.93 :hvqEODyE0
小鳥「今日は美希ちゃんのドラマ撮影に付き添ってるわね。夕方までだから、もう帰るはずだけど……」
真美「ミキミキ……」
春香「真美? 大丈夫?」
小鳥「それじゃ春香ちゃん。わたしは帰るから、あんまり遅くならないようにね?」
春香「は、はい。お疲れ様です」
千早「音無さんも、お気をつけて下さい。最近は風邪も流行ってます」
小鳥「わたしは大丈夫。千早ちゃんも、喉大事にしてね」
…………
……
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 01:30:45.28 :hvqEODyE0
真美「はるるんも千早おねーちゃんも帰らないの?」
春香「だって、真美が一人になっちゃうでしょ?」
千早「ただでさえ寒いんだから、一人ぼっちじゃ凍えちゃうわ」
春香「あはは。千早ちゃん何かおかしいよ~」
真美「……」
春香「……」
千早「……」
P「ただいまー」
美希「ただいまなのー」
春香「あ、お帰りなさいプロデューサーさん」
千早「お疲れ様ですプロデューサー」
真美「お、お帰り兄ちゃん」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 01:34:06.81 :hvqEODyE0
P「お、お前たちまだ帰ってなかったのか?」
美希「あ! 春香に千早さんに真美なの。どしたのー?」
春香「あ、えーと……、真美ちゃんがちょっと」
千早「春香。美希。さっさと帰りましょう」
美希「えー!? 千早さん。ちょっと待ってなの! 美希はハニーとこれからクリスマスデートするつもりで……」
千早「今日はプロデューサーも疲れてるだろうし、わがままを言ってはダメよ」
春香「そ、そうだよ。仲良く三人で帰ろ。今日も寒いし、くっついて歩けば少しはあったかいよ」
美希「えーん! ハニー、おやすみなさいなの~」ズルズル
P「お、おやすみ美希……。春香も千早も、気を付けてな……」
真美「……」
P「やれやれ。それで、真美。どうしたんだ?」
真美「も、もう遅いし、途中まで兄ちゃんに送って欲しいなー、なんて……」
P「お、おう。それぐらいならお安いご用だ。ちょっと待ってな。荷物まとめるから」
…………
……
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 01:38:14.47 :hvqEODyE0
クリスマス・イブの街は、たくさんの人で賑わっていた。
宝石みたいに輝くイルミネーションに囲まれたひとたちは、みんな笑っている。
「どーした? 真美。なんか相談事でもあるのか?」
「えと……もうちょっと歩いてから」
隣を歩く兄ちゃんの歩幅は大きくて、すこしぎこちない。きっと真美に歩調を合わせようとして、苦労しているんだろう。
そういう気づかいが、とっても嬉しいと思う。
「おー、イルミネーションすごいな。真美、ちょっと見ていこうか」
「そ、そだね、兄ちゃん」
声をかけられる度に、体がこわばって、ロボットのようにぎこちなく頷くことしか出来ない。
意識すればするほど、普段の自分じゃ居られなくなるような気がして、ちょっとだけ怖かった。
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 01:41:39.07 :hvqEODyE0
「うわ。すごい人だな。真美。はぐれないように気をつけてな」
そう言って、兄ちゃんは真美の右手をつかんだ。びくっと肩が震える。
ごつごつした、大きな手に包まれて暖かいけど、それよりも恥ずかしさでおかしくなりそうだった。
左手に提げた、手作りのお菓子がぶつからないように、胸の前でそっと抱く。
兄ちゃんへの“好き”が詰まったそれは、今では命よりも大切なモノのように思えた。
「キレイだなー。こういうの見てると、子供の頃思い出すよ」
「兄ちゃんの、子供のころ?」
「そう。昔は良く見たなって思ってさ」
兄ちゃんは、どんな男の子だったのかな。
きっと、面倒見が良くて、優しいのは変わらないんだろうな。
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 01:45:23.61 :hvqEODyE0
「それで……。話っていうのはなんだ?」
人の少ない場所へと移動してから、兄ちゃんは口を開いた。
兄ちゃんが少しかがんで、まっすぐに見つめてくる。
思わず、瞳に吸い込まれそうになる。
「あの……これを、渡したくて」
胸に抱いた、兄ちゃんへの気持ちを差し出す。
兄ちゃんは驚いたような顔をして、包みを受けとってくれる。
「真美からこれを……俺に?」
「そだよ。それね、はるるんと千早おねーちゃんに教えてもらって作ったお菓子なんだ」
何回も失敗しちゃったけど、気持ちは込められたと思う。宝石みたいにキレイな、甘いお菓子。
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 01:48:36.99 :hvqEODyE0
「そうか。ありがとう真美。もしかして、クリスマスだからか?」
「そ、そうだよ。それに……、それは真美のキモチだから……」
「真美の……?」
「うん」
もう、目を合わせて居られなかった。
でも下を向いたら涙がこぼれてしまいそうで、慌てて夜空を見上げる。
ちょうど、しんしんと雪が降ってきた。それはふわふわと舞い、紅潮した頬に当たると、一瞬で溶けてしまう。
「雪、降ってきたな」
「雪、とってもキレイだね」
穏やかな顔で、空を見上げる兄ちゃんを見て、今まで抑えていた気持ちが一気に溢れでるようだった。
胸がいっぱいになって、よろけるように、兄ちゃんの腰にしがみつく。
「ど、どうしたんだ真美?」
「このままで、聞いて!」
泣き出しそうになりながら、それでも確かに、言葉を紡いでゆく。
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 01:51:07.91 :hvqEODyE0
「いつの間にか、真美は兄ちゃんのコトが好きになってました。
間違いかもしれない、イケナイことかもしれないけど……。
お願いします。兄ちゃんのこと、好きでいさせてください!」
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 01:52:56.64 :hvqEODyE0
全身から力が抜けるようだった。これほどのドキドキは、ライブでも味わったことがない。
自分のものともわからない脚にぐっと力を入れ、なんとか兄ちゃんから離れる。
「真美……。実は、俺はお前の気持ち、知ってたんだ」
「へ……、もしかして、バレてた?」
「いや、真美さ。春香に相談してたろ? 事務所の上で。あの時偶々耳にしちゃってさ。もちろん、聞くつもりは無かったんだが」
「そ、そうだったんだ。じゃあ真美の……、こ、告白も意味なかったかな」
はるるんはやっぱりドジっ娘だ。まさかあんなに早く知られていたとは思わなかった。
意を決して気持ちを伝えたのに、真美がバカみたいだ。
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 01:55:18.51 :hvqEODyE0
「いや、意味はあったよ。真美が、その……俺のことを好きだって言ってくれたのは、
素直に嬉しい。こういう事あんまり経験ないからな、はは」
「ほ、ほんと?」
「でもな、返事はできないよ。真美や、765プロの皆は、家族みたいなものだと俺は思ってる。
だから、誰か一人と特別な関係になることはできない。ずるいかもしれないけど、分かってほしい」
それでも良かった。好きだ、と兄ちゃんに伝えることで、言いようのない満足感があった。
心のもやもやが、ゆっくりと、流れては消えてゆく。
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 01:56:56.66 :hvqEODyE0
「うん。わかった。ありがと兄ちゃん。大好きだよ!」
「おわっ! だから飛びつくなって! ほら、もう遅いし帰るぞ!」
「了解であります! 兄ちゃん腕組んでもいーい?」
と言いつつ、無理やりに兄ちゃんの左腕に抱きつく。今日だけは、許してくれるかな。
「しょうがないな……。明日からは、こういうことはダメだからな」
少し速めの歩調で、人ごみをかき分けてゆく。
雪が降っていてもお構いなしで、傘も刺さずに。
「そういえば、これはチョコレートなのか? それともケーキとか?」
「それはねっ、宝石みたいでキレイなお菓子だよ! 開けてからのお楽しみ~」
「何だよ、そりゃ」
「ね、兄ちゃん」
「んー?」
「ほんとに美しいもの、見つけたよ」
FIN
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 02:02:29.10 :lcR24pYH0
伊織「何やってるのかしら春香たち?」
やよい「どーしたんでしょーねー? あ! ババ引いちゃいましたあ……」
あずさ「あら。私はこれであがりです~」
雪歩「あずささんってトランプお強いんですねぇ~」
あずさ「そんなコト無いわよ~。たぶん、運が良かっただけね~」
伊織「運が良いだけで3回も勝たれちゃたまんないわよ。はい、わたしもあがりね」
雪歩「あ、わたしもです!」
やよい「はうう、また負けちゃいましたあ……」
765プロ事務所階段
P(ん? あれは真美と春香……? なんだか急いで出ていったぞ……?)
P(これから春香は雑誌の撮影だってのに。とりあえず呼びに行くか……)
屋上扉「バタン」
P「おーい春k ……」
春香「ええええ!?!? 真美はプロデューサーさんの事が好きなの!?」
真美「ちょ、声がおっきいよはるるん!」パシッ
春香「むぐぐ……、ご、ごめん。でもあんまり驚いちゃったから……」
物陰に潜むP「……なん、だと……?」
春香「えと……、いつからなの?」
真美「それは……、分かんないケド、気づけば兄ちゃんのコトで頭がいっぱいで……」
春香「そっか。でも、真美はアイドル。プロデューサーさんは……」
真美「そ、そんなの知ってる……。でも、頭撫でられたときとか、もう嬉しくって、真美の“スキ”が止まらなくなっちゃった……」
春香(けっこう乙女だったのね真美って……)
物陰で焦るP(い、一体どうなってるんだ。真美が俺のことを……? 懐かれているとは思っていたが……)
春香「とりあえず、わたしこの後撮影あるから。この話は今度じっくり聞くよ」
真美「ごめんねはるるん……。あと、この事はヒミツだよ」
春香「うん。わかってる。それじゃ、事務所に戻りましょう?」
興奮状態のP「マズイ…・…! 見つかってしまう!」バタバタ
…………
……
14:20 移動車内
P(なんとか見つからずに済んだが……)
春香「……」
P(何だか気まずいぞ……落ち着け俺)
春香「ぷ、プロデューサーさん」
P「何だ?」
春香「前から気になっていたんですけど、プロデューサーさんは、その……か、彼女さんとか居ないんですか?」
P「い、居ないぞ。彼女がいたら、こんな仕事一辺倒な生活してないって」
春香「そ、そうなんですか……。それじゃ、今は恋なんてしてられない! って感じですか?」
P「まあ、な。今は事務所のみんなの為に働くのが楽しいし、お前たちの魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいと思ってるよ」
春香「それは嬉しいんですけど……。あ、でも美希はプロデューサーさんの事、本気だと思いますよ?」
P「あー。最初は俺も、からかわれているだけだと思ってたんだが……。近頃ボディータッチが」
春香「あ、相変わらず美希は積極的ですね。でも、アイドルとプロデューサーが……その…」
P「分かってる。そもそも、いくつ歳が離れてると思ってるんだ。どれだけ可愛かろうと、そういう目で美希を見れないよ」
春香(美希でダメなら真美じゃあ……)
P「ん? どした春香?」
春香「へ? あ、大丈夫です。昨日夜更ししちゃって……えへへ」
P「しっかり頼むぞ。トップアイドル、なるんだろ?」
春香「……もちろんです!」
春香(真美……、力になれなくって、ごめんね)
…………
……
12月14日・夜・双海家―真美の部屋
真美(どーしよう。兄ちゃんの事しか考えられないよ……)
真美(はるるんに……話を聞いてもらお……)プルルル
ケータイ「はるかです! 只今電話に出ることが出来ません。ごめんね~」
真美「留守電だ。じゃあ、他の誰かに? うーん。誰がいいかなあ?」
真美「やっぱり、亜美なら話しやすいかな……」プルル
電話「んー真美~? どしたの? ってか隣に居るんだから電話で話す必要ないっしょ→」
真美「あ、そだね。今から亜美の部屋行ってもいーかな?」
亜美「なんか、元気ないね、真美。何でも聞くよ~」
真美「じゃあ、すぐ行くよー」トテトテ
ドア「ガチャ」
亜美「何かあったの? 真美」
真美「ちょっと……、兄ちゃんのコトで……」
亜美「にーちゃんの? あ、となり来てよ、寒いっしょ?」ガサガサ
真美「うん……。毛布あったかいね」
亜美「二人でくっついてると、2倍ほっこりするよね~」
真美「……亜美。真美ね、兄ちゃんのコト好きになっちゃったみたい」
亜美「ええ!? それってホントなの真美ぃ」
真美「どーしよう亜美。これって、叶うはずない恋、だよね……。兄ちゃんはプロデューサーなんだし。きっと迷惑かけちゃうよね」
亜美「でもさでもさっ! たしかに、えーと、せけんてーが悪いからなんとかーって言うケド、そんな簡単に諦めちゃダメだよ真美」
真美「そーかなあ? 兄ちゃんのコト好きだって気持ち、抑えた方がいいんじゃないかな」
亜美「まだ分かんないじゃん! にいちゃんも真美のコト好きかもだし。これからは真美の“好きってキモチ”をもっとぶつけていけば、振り向いてくれるかもよ?」
真美「……真美のキモチ?」
亜美「そーだよっ! 子供じゃないんだぞってトコ、見せてあげないと! ……、それこそ、ジェミーに出てくる女の子みたいに、前向いてさ」
真美「ジェミーかあ。そだね。うん! 真美頑張ってみるよ!」
亜美「その意気だよ真美! それじゃ、そろそろ寝よっか?」
真美「ね、亜美。一緒に寝てもいい?」
亜美「むふふふ。今日だけトクベツですぞ~?」
…………
……
12月15日・18:30・事務所
真美(とりあえず、兄ちゃんとお話して、真美のこと意識してもらわなくっちゃ)
真美(えーと、兄ちゃんは……)キョロキョロ
美希「ハニー! 今日はお仕事終わりでしょ? 美希ね? ちょっと行きたいところがあるの!」
P「ば、ばか。くっつくなって……。それに、今日は残業なんだよ。また今度にしてくれ」
美希「むうう……、ハニーってば真面目すぎるの。あんまり頑張りすぎて、具合悪くなっちゃやだよ?」
P「分かってるよ。ありがとな美希。ほら、春香や千早たちが待ってるぞ」
美希「今度は逃がさないの! またねっハニー!」
春香「もー遅いよ美希ー」
千早「日が短くなってきたわね。早く帰りましょう」
ザワザワ……
ガヤガヤ……
真美(チャンスだ……!)スタッ
P「ふーっ。書類の束は増えるばかり、か」
真美「に、兄ちゃん。お疲れ様」
P「うわあ!? ま、真美か……。おどかすなよ」
真美「ご、ごめんなさい。あれ? ピヨちゃんは?」
P「ん? 音無さんに用か? さっき備品の買出しに出て行ったぞ」
真美「そっか……。そ、それじゃ、ふたりっきりだね」
P「な、何言ってんだよ。真美も遅くなったら危ないから、早く帰りな。亜美も待ってるんじゃないのか?」
真美「今日は……、その兄ちゃんに用事があって……」
P「俺に……? な、なんだ?」
真美(ど、どうしよー。すっごい恥ずかしいこと言っちゃいそう……。えとえと……そうだ! 兄ちゃん疲れてるみたいだし……)
真美「兄ちゃん! 肩もみしてあげるね」
P「え!? アイドルにそんな事させられないよ」
真美「いーから! 真美がしたいだけなの!」ギュッ
P「そう、か。それじゃ、しばらく頼む」ドキマギ
真美「りょーかい。じゃあ、肩の力、抜いて」
ギュッ、ギュッ……
真美(なりゆきで肩もみ始めちゃったけど、兄ちゃんの肩おっきくてあったかい……)
P(い、いいんだろうか。こんな……。というか、やっぱり真美は俺のことを?)
真美「き、気持ち良い? 兄ちゃん」
P「おお。一日の疲れが吹き飛ぶよ。ありがとな真美」
真美「え、えへへ」
P(なんだか真美が殊勝で可愛いカンジだぞ……。でも、俺はプロデューサーなんだ。忘れちゃいけない)
真美「ねえ、ミキミキって……可愛いよね」
P「へ? 美希か? ああ。確かに、カリスマ性があるしな。美希の成長を見るのは素直に楽しいよ」
真美「その……、好きになったりしてる?」
ギュッ、ギュッ……
P「……何言ってるんだ。美希はアイドル。俺はプロデューサー。それ以上の関係を持つことは、許されるはずがない。もちろん、可愛いし、好きだけど。それは765プロのみんなへの好きと同じものだよ」
真美「……じゃあ、真美のことは、どう?」
P「真美だって、大切な、たいせつな人だよ。だから、もっと多く仕事を取ってきてやりたい。真美がもっと輝けるなら、俺は頑張れる」
真美「そっか。みんなと同じ。アイドルだもんね」
P(これで良い。真美はまだ子供だけど、きっと分かってくれる)
P「よしっ。もういいぞ真美。ありがとう。仕事にもどるよ」
真美「う、うん! じゃあ真美も、帰るねー、じゃねー!」
P「車に気をつけるんだぞー。うちの大事なアイドルなんだからな」
真美「んじゃ、バイバイ」
…………
……
12月17日・11:40・事務所
春香「この間はごめんね真美。電話でられなくて~」
真美「あ、はるるん。んーん、気にしないで」
春香「何だか元気ないねぇ……。プロデューサーのこと?」コソコソ
真美「どーしたらいいか分かんなくなっちゃって」
春香「プロデューサーに、何か言われたの?」
真美「遠まわしに、自分はアイドルを好きにはならないって……」
春香「そっか……。まあ、当然といえば、当然よね。スキャンダルになっちゃう」
真美「もお、自分のキモチ解んないよ。兄ちゃんへの“好きってキモチ”、どこにしまえばイイんだろ」
春香「焦らないで真美。とりあえず、プロデューサーさんへの気持ち、どうにかして伝えてみたらどうかな? その……、付き合うとか、そんなんじゃなくて。今の真美を、そのままぶつけるの」
真美「出来るかな。こわいよはるるん」
春香「私にいい考えがあるわ。ねえ真美。今晩家に来てみない?」
真美「はるるんの家に?」
春香「うん。どーかな? 忙しくなければ」
真美「じゃあ、いこーかな。明日オフだもんね」
春香「休みが合うのって中々ないケドね。えへへ」
…………
……
12月17日・20:00・天海邸
真美「千早ねーちゃんも来てたんだ」
千早「こんばんわ。真美。今日は一日中仕事だったから、春香に借りてたCDを返しに来てたところなの」
春香「せっかくだし、千早ちゃんも付き合ってよ。お菓子作り」
真美「へ? お菓子作りって?」
春香「だから、これが“いい考え”だよ。真美が自分でお菓子を作って、プロデューサーさんにプレゼントするの! ほら、ちょうど一週間後にはクリスマスでしょ?」
千早「真美がプロデューサーにプレゼント? どうして?」
真美「ちょ、はるるーん。千早おねーちゃんもいるのに~」
春香「わっ! ごめんなさい! 私ったらついうっかり……」
千早「まあ、おおかた予想はつくわ。日頃からお世話になっているプロデューサーに、労いと感謝の意味を込めてってことね」
真美「そ、そうなの! さーっすが千早おねーちゃん」
春香「そうそう! じゃ、じゃあさっそく始めますか! あはは……」
春香&真美(千早ちゃん(おねーちゃん)ってドンカン?)
…………
……
真美「ぜ、全然上手くできない……」
千早「なんだか歪になっちゃったわね」
春香「このお菓子本の中でも、かなり難しいものだからねえ……。でも、真美はこれがいいんでしょ?」
真美「うん……。なんか宝石みたいでキレイだし」
春香「私がもっと手伝えたらいいんだけど……」
千早「でも、真美の気持ちを届けるには、やっぱり真美の力で作るべきよね」
春香「千早ちゃんは相変わらずストイックなところあるよね~」
真美「また次の時に頑張る。ゼッタイあきらめない!」
春香「まだ時間はあるから、ちょっとずつ練習していこう!」
千早「じゃあ、今日は終わりね……。春香、お風呂借りてもいいかしら?」
春香「あ、うん。どうせなら三人一緒に入っちゃおうか?」
キャッキャ
…………
……
12月23日・21:20・天海邸
春香「上手く出来たね~。真美、おめでとー」
千早「6日前とは見違えるようだわ」
真美「うん。真美の気持ち、込められた気がする。ありがとね、はるるん。千早おねーちゃん」
春香「後は明日、プロデューサーさんに渡すだけだね。さ、ラッピングしちゃお」
千早「三回目でようやく美味しそうにできたわね。間に合って良かった。本当に」
真美「千早おねーちゃん、わざわざ付き合ってくれてありがと」
千早「お世話になっている人のために頑張る真美の姿は、私にとっても良い刺激になったわ」
春香「決戦は、明日のクリスマス・イブ、だね!」
…………
……
12月24日19:30・事務所
小鳥「真美ちゃん。それに、春香ちゃんに千早ちゃんも。こんな時間までどうしたの?」
春香「あ、あのープロデューサーさんを待ってるんですけど……」
小鳥「プロデューサーさん、もう帰ってくるはずなんだけどね。どうしたのかしら?」
千早「春香、どうしましょう。あまり遅くなるのも……」
真美「……兄ちゃん……」
春香「小鳥さん。プロデューサーさん、今日は誰に付いてるんですか?」
小鳥「えーっと、ちょっと待ってね」ペラリ
小鳥「今日は美希ちゃんのドラマ撮影に付き添ってるわね。夕方までだから、もう帰るはずだけど……」
真美「ミキミキ……」
春香「真美? 大丈夫?」
小鳥「それじゃ春香ちゃん。わたしは帰るから、あんまり遅くならないようにね?」
春香「は、はい。お疲れ様です」
千早「音無さんも、お気をつけて下さい。最近は風邪も流行ってます」
小鳥「わたしは大丈夫。千早ちゃんも、喉大事にしてね」
…………
……
真美「はるるんも千早おねーちゃんも帰らないの?」
春香「だって、真美が一人になっちゃうでしょ?」
千早「ただでさえ寒いんだから、一人ぼっちじゃ凍えちゃうわ」
春香「あはは。千早ちゃん何かおかしいよ~」
真美「……」
春香「……」
千早「……」
P「ただいまー」
美希「ただいまなのー」
春香「あ、お帰りなさいプロデューサーさん」
千早「お疲れ様ですプロデューサー」
真美「お、お帰り兄ちゃん」
P「お、お前たちまだ帰ってなかったのか?」
美希「あ! 春香に千早さんに真美なの。どしたのー?」
春香「あ、えーと……、真美ちゃんがちょっと」
千早「春香。美希。さっさと帰りましょう」
美希「えー!? 千早さん。ちょっと待ってなの! 美希はハニーとこれからクリスマスデートするつもりで……」
千早「今日はプロデューサーも疲れてるだろうし、わがままを言ってはダメよ」
春香「そ、そうだよ。仲良く三人で帰ろ。今日も寒いし、くっついて歩けば少しはあったかいよ」
美希「えーん! ハニー、おやすみなさいなの~」ズルズル
P「お、おやすみ美希……。春香も千早も、気を付けてな……」
真美「……」
P「やれやれ。それで、真美。どうしたんだ?」
真美「も、もう遅いし、途中まで兄ちゃんに送って欲しいなー、なんて……」
P「お、おう。それぐらいならお安いご用だ。ちょっと待ってな。荷物まとめるから」
…………
……
クリスマス・イブの街は、たくさんの人で賑わっていた。
宝石みたいに輝くイルミネーションに囲まれたひとたちは、みんな笑っている。
「どーした? 真美。なんか相談事でもあるのか?」
「えと……もうちょっと歩いてから」
隣を歩く兄ちゃんの歩幅は大きくて、すこしぎこちない。きっと真美に歩調を合わせようとして、苦労しているんだろう。
そういう気づかいが、とっても嬉しいと思う。
「おー、イルミネーションすごいな。真美、ちょっと見ていこうか」
「そ、そだね、兄ちゃん」
声をかけられる度に、体がこわばって、ロボットのようにぎこちなく頷くことしか出来ない。
意識すればするほど、普段の自分じゃ居られなくなるような気がして、ちょっとだけ怖かった。
「うわ。すごい人だな。真美。はぐれないように気をつけてな」
そう言って、兄ちゃんは真美の右手をつかんだ。びくっと肩が震える。
ごつごつした、大きな手に包まれて暖かいけど、それよりも恥ずかしさでおかしくなりそうだった。
左手に提げた、手作りのお菓子がぶつからないように、胸の前でそっと抱く。
兄ちゃんへの“好き”が詰まったそれは、今では命よりも大切なモノのように思えた。
「キレイだなー。こういうの見てると、子供の頃思い出すよ」
「兄ちゃんの、子供のころ?」
「そう。昔は良く見たなって思ってさ」
兄ちゃんは、どんな男の子だったのかな。
きっと、面倒見が良くて、優しいのは変わらないんだろうな。
「それで……。話っていうのはなんだ?」
人の少ない場所へと移動してから、兄ちゃんは口を開いた。
兄ちゃんが少しかがんで、まっすぐに見つめてくる。
思わず、瞳に吸い込まれそうになる。
「あの……これを、渡したくて」
胸に抱いた、兄ちゃんへの気持ちを差し出す。
兄ちゃんは驚いたような顔をして、包みを受けとってくれる。
「真美からこれを……俺に?」
「そだよ。それね、はるるんと千早おねーちゃんに教えてもらって作ったお菓子なんだ」
何回も失敗しちゃったけど、気持ちは込められたと思う。宝石みたいにキレイな、甘いお菓子。
「そうか。ありがとう真美。もしかして、クリスマスだからか?」
「そ、そうだよ。それに……、それは真美のキモチだから……」
「真美の……?」
「うん」
もう、目を合わせて居られなかった。
でも下を向いたら涙がこぼれてしまいそうで、慌てて夜空を見上げる。
ちょうど、しんしんと雪が降ってきた。それはふわふわと舞い、紅潮した頬に当たると、一瞬で溶けてしまう。
「雪、降ってきたな」
「雪、とってもキレイだね」
穏やかな顔で、空を見上げる兄ちゃんを見て、今まで抑えていた気持ちが一気に溢れでるようだった。
胸がいっぱいになって、よろけるように、兄ちゃんの腰にしがみつく。
「ど、どうしたんだ真美?」
「このままで、聞いて!」
泣き出しそうになりながら、それでも確かに、言葉を紡いでゆく。
「いつの間にか、真美は兄ちゃんのコトが好きになってました。
間違いかもしれない、イケナイことかもしれないけど……。
お願いします。兄ちゃんのこと、好きでいさせてください!」
全身から力が抜けるようだった。これほどのドキドキは、ライブでも味わったことがない。
自分のものともわからない脚にぐっと力を入れ、なんとか兄ちゃんから離れる。
「真美……。実は、俺はお前の気持ち、知ってたんだ」
「へ……、もしかして、バレてた?」
「いや、真美さ。春香に相談してたろ? 事務所の上で。あの時偶々耳にしちゃってさ。もちろん、聞くつもりは無かったんだが」
「そ、そうだったんだ。じゃあ真美の……、こ、告白も意味なかったかな」
はるるんはやっぱりドジっ娘だ。まさかあんなに早く知られていたとは思わなかった。
意を決して気持ちを伝えたのに、真美がバカみたいだ。
「いや、意味はあったよ。真美が、その……俺のことを好きだって言ってくれたのは、
素直に嬉しい。こういう事あんまり経験ないからな、はは」
「ほ、ほんと?」
「でもな、返事はできないよ。真美や、765プロの皆は、家族みたいなものだと俺は思ってる。
だから、誰か一人と特別な関係になることはできない。ずるいかもしれないけど、分かってほしい」
それでも良かった。好きだ、と兄ちゃんに伝えることで、言いようのない満足感があった。
心のもやもやが、ゆっくりと、流れては消えてゆく。
「うん。わかった。ありがと兄ちゃん。大好きだよ!」
「おわっ! だから飛びつくなって! ほら、もう遅いし帰るぞ!」
「了解であります! 兄ちゃん腕組んでもいーい?」
と言いつつ、無理やりに兄ちゃんの左腕に抱きつく。今日だけは、許してくれるかな。
「しょうがないな……。明日からは、こういうことはダメだからな」
少し速めの歩調で、人ごみをかき分けてゆく。
雪が降っていてもお構いなしで、傘も刺さずに。
「そういえば、これはチョコレートなのか? それともケーキとか?」
「それはねっ、宝石みたいでキレイなお菓子だよ! 開けてからのお楽しみ~」
「何だよ、そりゃ」
「ね、兄ちゃん」
「んー?」
「ほんとに美しいもの、見つけたよ」
FIN
乙乙
真美の可能性はホンマ未知数やで
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/23(月) 02:03:41.59 :RjY4D6P00真美の可能性はホンマ未知数やで
普段から可愛い真美がより可愛かった
乙乙
乙乙









































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