P「世にも奇妙なアイドルマスター」 2
P「世にも奇妙なアイドルマスター」 3
P「世にも奇妙なアイドルマスター」完結
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 11:48:18.87 :sPxdux1b0
P「心配性と言うのは、その人しかわからない辛さがあります。他人からしたらどうでもいいことでも、その人にしたら死活問題なのかもしれません」
P「ちゃんと録画したのか、ちゃんと鍵を閉めたのか……。人によって程度は有りますが、彼女の場合はどうでしょうか?」
律子「ふぁーあ、えっと時間は6時半ね。事務所に9時だから多少余裕があるわね」
律子「~♪」
律子「よっと! 我ながらおいしそうな目玉焼きね。醤油醤油っと……。あっ、切れてる。帰りに買わなきゃ」
律子「それじゃあ行きましょうか」
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4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 11:56:04.96 :sPxdux1b0
車内にて
律子「えっと今日の予定は……」
律子「あれ? 家の鍵ちゃんと閉めたかしら?」
律子「大丈夫よね……」
律子「……」
律子「気になって仕方ないわ……。時間に余裕があるし戻りましょう」
律子「ふう、ちゃんと閉めてたわね。安心安心。それじゃあ行きましょう」
律子「えっと、ラジオでもつけようかしら」
ラジオ『タバコの不始末は火事になります。タバコの火は消しましょう』
律子「私には関係のない話ね」
律子「あれ? ガスの元栓閉めたかしら?」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 12:01:53.34 :sPxdux1b0
律子「一度心配しだしたらドキドキして仕方ないわ……。戻って確認しましょう」
律子「鍵を開けて、靴を脱いで……」
律子「ガスの元栓は……、あっ、閉まってるわね」
律子「なんだろ、今日は妙に心配になってくるわね。時間もそろそろやばいわね、遅刻したら美希に怒れないわ」
律子「行ってきます」
車内にて
律子「あれ? 鍵閉めなおしたかしら?」
『心配な女』 秋月律子
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 12:06:31.88 :6eLrHA2W0
P『あれ、律子。どうしたんだ?』
律子「すみません。少し遅れちゃいそうです」
P『遅刻か? お前が遅刻って珍しいな。寝坊でもしたのか?』
律子「いえ、そうじゃないんです。ただ……」
P「ただ?」
律子「鍵を閉めたかが心配になりまして」
P『はっ?』
律子「だから鍵を閉めたかが心配で何度も戻ってるんです。他にもガスの元栓閉めたかとか、テレビの電気つけっぱじゃないかとか……。極めつけは」
P『極めつけは?』
律子「お手洗いに行くと、手が汚れてしまったかのように思えて、時間をかけて手を洗わないと気が済まないんです」
P『心配し過ぎじゃないか、それ?』
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 12:10:25.53 :6eLrHA2W0
律子「そうかもしれません。でも……、あっ信号が変わったんで行きますね」
P『ああ、気を付けて来いよ』
律子「ふぅ、一体全体どうしちゃったのかしら……」
事務所
律子「遅れてごめんなさい!!」
社長「おや、珍しいね。いつもなら30分以上前には来て、今日のスケジュールの確認をしているというのに」
律子「ちょっと道中色々ありまして……」
伊織「しっかりしなさいよ? あんたはプロデューサーなんだから、これがこっちの営業なら大惨事よ」
律子「そうね、しっかりしなきゃね」
P「うっし、全員揃ったな。じゃあ軽くミーティングだ」
社長「うむ、今日の流行情報はこれだ!!」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 12:16:18.90 :GKaIbN1o0
律子「それじゃあ今日のスケジュールは……」
伊織「どうしたの、律子」
律子「ちょっと待って、この時間で合ってたかしら?」
伊織「は? 何言ってるのよあんた」
律子「ちょっとまって、確認するわ。おはようございます、竜宮小町のプロデューサーですが……」
亜美「なんか今日の律ちゃん変だね」
あずさ「なにか余裕がありませんね」
伊織「撮影時間いつもと同じじゃないの?」
律子「あっ、左様でございますか。ありがとうございます!!」
律子「撮影時間はこれで良しっと」
伊織「じゃあ行きましょう。どこでやるの?」
律子「場所は……。これで正しかったかしら?」
伊織「へ?」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 12:19:45.01 :GKaIbN1o0
律子「そういえば場所が取れなかったとか言ってたような言ってなかったような……」
伊織「聞いてないわよそんなこと」
律子「え? でも……、もう一回確かめましょう。もしもし、何度もすみません。竜宮小町の……」
亜美「しんぱいしょーだね」
あずさ「そうですね~」
伊織「心配にあるのが悪いとは言わないけど、これは気にし過ぎじゃないかしら?」
律子「あっ、そうですか。ありがとうございました!!」
律子「場所変更はなしね。行きましょう」
伊織「気にし過ぎよ」
律子「そうなんだけどね……」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 12:24:37.15 :sPxdux1b0
車内
亜美「律っちゃん、今日の予定なぁに?」
律子「料理番組と歌番組ね」
伊織「料理って作る方よね?」
律子「そうね。ちなみに今回は私も出るみたいよ?」
あずさ「まぁ、楽しみですね~」
律子「サプライズライブ以来私にも仕事が入るようになったのよね。どこがいいんだか」
伊織「過小評価し過ぎよ」
律子「自分のことは自分が一番分かってるわよ」
伊織「その割には自分の行動に自信が持ててないじゃない」
律子「そ、それは……。あれ?」
伊織「何よ、急に思い出したみたいな顔をして」
律子「タイムカード、通したかしら?」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 12:30:28.12 :sPxdux1b0
律子「そ、そう思うと手が震えて……」
亜美「わわっ! 律っちゃん危ないYO!」
律子「ご、ごめんなさい……。いつも決まった時間にしてたけど、今日は遅れちゃったし……」
伊織「ちょっと! なに引き返そうとしてるのよ! 間に合わないじゃない!」
律子「き、気になって仕方ないの!! そうじゃなきゃ事故に遭いそうで……」
あずさ「あのー、今小鳥さんに聞いたら、ちゃんと通ってるって」
伊織「あずさ、ナイスアシスト!!」
律子「も、もしかしたら見間違えじゃ……」
伊織「どこまで小鳥は無能なのよ!!」
あずさ「えっと、じゃあプロデューサーさんにも聞いてみますね?」
亜美「前に進んでYO!!」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 12:34:04.98 :omaxPBq10
あずさ「プロデューサーさんも入ってると言われましたが……」
律子「も、もしかしたら!」
あずさ「社長もそうおっしゃってましたよ?」
伊織「3人が同じこと言ってるんだから大丈夫でしょ! 早く行きなさーい!」
律子「は、はいぃ!!」
亜美「今日の律っちゃん面白いけど、なんか嫌だなぁ」
伊織「石橋をバズーカで壊して川の水をすべて抜いてから渡らないとダメとか言いそうね」
律子「だ、だ、大丈夫よね? ちゃんとお給料入るわよね?」
あずさ「どうしたのかしら?」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 12:36:30.88 :omaxPBq10
スタジオ
律子「すみません、ギリギリになって」
スタッフ「大丈夫ですよ。楽屋に着替えは有るので、着替えてこちらに集合してください」
律子「行きましょう。時間はあまりないわ」
伊織「誰のせいだと思ってるのよ」
律子「そ、それは反論できないわね……」
亜美「うーん、なんだかなぁ」
あずさ「変ですね~」
律子「わ、私は大丈夫ですから!!」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 12:41:45.89 :omaxPBq10
楽屋
亜美「メイド服だYO!」
あずさ「あらあら、コックさんですね~」
伊織「私のは……、給食を作る人みたいな服ね、これ」
亜美「いおりん似合ってますなぁ」
あずさ「給食のおばさんって感じです」
伊織「褒めてないわよね、それ!?」
律子「何してるのよ。えーと私は、チャングムみたいな服ね……。あら?」
伊織「どうしたのよ、固まって」
律子「い、いや……。これ解れてるわよね?」
伊織「あら、ホントね。でも気にするほどでもないんじゃ……」
律子「だ、誰か裁縫道具持ってない!? このまま出て服が解れて下着になったら……」
伊織「んなアホなことがあるか!!」
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 12:45:25.68 :omaxPBq10
律子「で、でも可能性は0じゃないし生放送でそんな痴態を見せつけたら……」
あずさ「あのー。私持ってるんですけど……」
律子「ホントですか!? 助かります!」
伊織「何で持ってるのよ」
あずさ「今日のラッキーアイテムって占いで言ってたの」
伊織「あー、随分ピンポイントな占いね」
亜美「当たっちゃったね」
律子「これをこうして……。痛っ」
あずさ「どうしました、律子さん」
律子「針が刺さっちゃって血が……」
伊織「こ、今度はどうしたのよ!」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 12:49:56.10 :6eLrHA2W0
律子「し、死んじゃうの?」
伊織「あるかー!!」
亜美「そうだよ、これぐらい舐めたら治るって!」
律子「でももし、私のつばに毒が入っていたら?」
亜美「律っちゃん人間でしょ!? ドクドクの実食べたの!?」
伊織「毒は舌だけにしなさいよ!」
あずさ「あらあら、消毒液はあったかしら……」
律子「し、し、死んじゃうの私……」
あずさ「ありました~」
伊織「あずさナイスよ!」
あずさ「何時でも怪我をした人に手当てが出来ると思って」
律子「ぐああ……、血が抜けていく……」
亜美「オーバーだね」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 12:54:15.18 :sPxdux1b0
律子「し、死ぬかと思ったわ……」
スタッフ「竜宮さん、出番です!」
律子「は、はーい。今いきます……」
伊織「律子、包丁の扱いには気を付けてよね……」
律子「大丈夫よ。これでも料理は涼に教えてもらってるんだから」
亜美「涼ちんに料理を……。あんま面白くないよ?」
あずさ「そうですね~」
律子「ギャグのつもりはないわよ!!」
伊織「はいはい、ショートコントはその辺にして頂戴」
律子「だからそんなつもりじゃ……」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 12:59:50.20 :GKaIbN1o0
リーダー「愛があればラブイズオーケー!! 愛のエプ□ン!」
竜宮「この後すぐ!!」
律子「とか言いながら本当はCMもあってすぐじゃないのよね……。これで詐欺だって訴えられないかしら……」
伊織「律子、あんたわざとやってない?」
律子「ち、違うわよ! 私は常に本気よ!!」
亜美「なんかあざといよ?」
あずさ「まぁまぁ、律子さんは心配性なだけですよ」
律子「そうなら良いんですけどね」
伊織「いや、ここまで来ると……」
亜美「どったのいおりん」
伊織「何でもないわ」
リーダー「それじゃあ調理開始や!」
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 13:05:49.26 :omaxPBq10
あずさ「えっとお味噌を……」
亜美「折角だからデスソース使っちゃえ!」
伊織「きゃあ! この伊勢海老まだ息があるじゃない!!」
律子「料理は余裕よ、余裕を持っていけば……」
律子「あ、あれ……。包丁ってこんなとがってたっけ?」
伊織「どうしたのよ、包丁を持ってフリーズして……。ってまさか……」
律子「ど、ど、ど、どうしよう……。包丁でざっくり切ってしまったら……。生放送で指つめちゃったらどうしよう……」
伊織「律子! しっかりしなさい!」
律子「もし前回の放送でフグをさばいて徹底的に洗浄していなかったら……」
伊織「考えすぎよ! そもそもフグを調理するのに免許がいるのよ!?」
律子「でも……」
伊織「でももテロもないわよ! 包丁は私がするわ!」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 13:12:58.43 :omaxPBq10
律子「お、お願いするわ! 私の指紋を拭いて……」
伊織「時間がないからいいわよ! 律子はフライパンで野菜を炒めて頂戴!」
律子「わ、分かったわ! 火を強火……」
伊織「律子っ、ってまたフリーズしてるし……」
律子「どうしよう……、火を消し忘れて大惨事になったら」
伊織「なるかー! って野菜焦げちゃうわよ!」
律子「え? あっ、ホントだ! えっとこうして」
律子「どうしよう、焦げた野菜を食べさせて癌に発展したら……」
伊織「気にし過ぎよ! ああ、もう! 律子は胡椒とか塩もってきて!」
律子「わ、分かった!」
伊織「一体全体律子に何があったのよ……」
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 13:17:25.76 :sPxdux1b0
律子「胡椒を……」
伊織「それをかけたら良いのよ。って今度は何!?」
律子「もし胡椒をかけてくしゃみをして料理を汚してしまったら……」
伊織「貸しなさい! 次塩!」
律子「これ、塩よね? 砂糖じゃないわよね?」
伊織「書いてるじゃない」
律子「で、でも実はシールの下には砂糖って書かれててドッキリ成功だなんて看板が出たら……」
伊織「塩ぱっぱ!!」
律子「もし醤油が中国産なら……」
伊織「味の素がスポンサーなのよ!」
伊織「ぜぇ……、ぜぇ……。まさか律子の心配性がここまでひどいとは……」
律子「ゴメンナサイ……」
伊織「もう良いわよ。でも仕事が終わったら病院に行った方がいいわよ?」
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 13:23:25.84 :GKaIbN1o0
律子「びょ、病院って……。まさか黄色い救急車で……」
伊織「違うわよ! あんたのその異常な心配性、下手したら強迫性障害かもしれないわ」
律子「きょ、強迫性障害!?」
伊織「声がおおきいっ! マスコミに変に勘ぐられたらいやでしょ?」
律子「そ、そうね……」
伊織「まあ聡明なあんたのことだから、意味は分かると思うけど。とにかく今日の収録が全部終わったら病院に行くことを勧めるわ。私からも紹介しておくわ」
律子「伊織、助かるわ」
伊織「律子がこんなんじゃ仕事になんないもの。早く何とかして頂戴」
律子「き、期待されてる……。もしその期待に応えられなかったら私は水瀬の地下組織で……」
伊織「無いわよ!!」
リーダー「料理できたか? そんじゃあ死食や!」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 13:26:25.11 :GKaIbN1o0
リーダー「なぁ亜美ちゃん、なんでしょうかこれは……」
亜美「食材ぜーんぶ使ったミックスお味噌汁だYO!」
リーダー「試食した?」
亜美「のヮの」
リーダー「いやいや。もしかしたら奇跡のケミストリーを……、ぐふっ!!」
亜美「リーダー!!」
リーダー「か、核兵器や……。アトミックや」
あずさ「あら、塩入れ過ぎちゃいましたね」
亜美「砂糖入れちゃったから中和すると思ったんだけどなぁ」
伊織「じゃあ次は私らの番ね……。律子?」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 13:30:41.12 :omaxPBq10
律子「どうしましょう……。そこまで美味しくなかったら、逆に微妙なまずさだったら……」
伊織「何を心配してるのよ」
律子「中途半端な料理を出したなら番組の空気が最悪になるわ! そして私は今後この局に入れなくなって……」
伊織「あのね、これはリアクションを見る番組じゃないわよ?」
律子「でも……」
伊織「この伊織ちゃんの手料理なんだから、美味しいに決まってるじゃない! ね?」
リーダー「うん、普通にまずい」
伊織「ぬわあんですってえええええ!!」
律子「ああ、両者不味いだなんて……。今後正統派料理番組には出れないんだわ……。
そして私たちみたいにアイドルは料理下手ってレッテルを張られて……」
伊織「考えすぎよ!!」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 14:00:52.91 :GKaIbN1o0
リーダー「お疲れ様でしたー!」
竜宮『お疲れ様でしたー!』
亜美「亜美たちさ、扱い悪くない!?」
あずさ「青森まで名札を持っていかれましたからね~」
伊織「あんたらは紛れもなく料理の天災よ……」
律子「どうしうおうどうしようどうしよう……」
伊織「あんたはしゃきっとしなさい! 次は歌番組ね」
亜美「気を取り直していくよ!」
あずさ「頑張らなくちゃね」
律子「どうしよう移動中車で子供を轢いてしまったら……」
伊織「……、もしもし新堂。ヘリを出してちょうだい」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 14:03:50.83 :6eLrHA2W0
律子「ヘ、ヘリ……。もし落ちたら、もしUFOとぶつかったら……」
伊織「後ついでに強い睡眠薬も持ってきて」
律子「わ、私殺されっ」
伊織「あんたは黙ってなさい!!」
律子「今のって心臓の音もって意味じゃ……」
伊織「Be silent!?」
亜美「律っちゃんさ、生きにくくない?」
あずさ「そうですよ? 可能性の低いことで悩んでても仕方ありませんよ?」
律子「な、何でわかってくれないの……? こんなに怖くて仕方ないのに……」
伊織「こりゃ重症ね」
律子「わ、私だけなの? コワイノハワタシダケ?」
伊織「変態プロデューサーに代打頼もうかしら?」
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 14:09:10.55 :GKaIbN1o0
律子「え? 私いらないの? ね、ねえ!? いらないの!?」
伊織「うわっ!」
律子「どうしてどうしてどうしてどうしてどうして? 今まで一緒に頑張って来たじゃない!」
亜美「律っちゃん落ち着いて!」
あずさ「ど、どうしましょう……」
律子「竜宮は私のもの私のもの私のもの私のもの……」
亜美「いおりんが死にそうだよ!」
伊織「し、新堂……。早く……」
律子「どうし……て……」パタン
伊織「遅いわよ、馬鹿。私たちはプロデューサーに送ってもらいましょう。新堂、律子を病院までお願い」
新堂「承知いたしました」
伊織「あっ、プロデューサー? アンタ今暇よね。じゃあ私たちを迎えにきなさーい!!」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 14:16:34.91 :GKaIbN1o0
律子「ん、ここは……」
医者「目が覚めましたか?」
律子「病院? はっ、歌番組は!? 竜宮小町は!?」
伊織「律子、もう終わったわよ」
律子「え? どういうこと?」
伊織「昨日の話よ。あまりにも律子が追い詰められていたから、勝手で悪いけど入院してもらったわ」
律子「にゅ、入院って……。それじゃあ竜宮は……」
伊織「変態プロデューサーに代理頼んでるわよ。もっとも、あいつは私たち以外もプロデュースしてるから、
早いとこ治って貰わないと、私たちも満足に動けないわ」
伊織「律子、私たちはあんたがいらないなんて思ったことないわ。あんたも入れて竜宮なんだから」
律子「伊織!」
伊織「なに?」
律子「私の家、泥棒入ってないわよね?」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 14:19:20.70 :FBRPBKgn0
伊織「へ?」
律子「換気扇つけっぱじゃないよね? 鍵あけっぱじゃないよね? ガスの元栓閉まってるよね?」
伊織「し、知らないわよ……」
律子「心配だ心配だ心配だ……」
伊織「分かったわよ! うちのスタッフ送るから安心して頂戴!」
律子「で、でもそのスタッフが泥棒なら……」
伊織「私を信用しなさいよ!!」
律子「ひぃ!」
伊織「そこまで心配なら、ガードマンもつけてあげるから。なんなら従弟に見張らせるわよ。じゃあね律子。また来るわ」
律子「い、伊織……。私、信じていいんだよね? 伊織たちのこと信じていいんだよね?」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 14:28:02.01 :omaxPBq10
律子(それから、私は少しずつリハビリを始めるのでした。しかし――)
涼「律子姉ちゃん、お見舞いに来たよ」
律子「涼?」
涼「765プロの方から聞いてたんだ。仕事が忙しくて、なかなか時間が取れなくてごめんね。はい、これでも食べて元気だしなよ?」
律子「これ、何?」
涼「あっ、うん。お菓子作ったんだ。みんな美味しいって言ってくれたし、味は自信あるよ?」
律子「先に食べて?」
涼「へ?」
律子「心配なの。もしこの中に針が入ってたら、もし毒が入ってたら、もし腐ってたら……」
涼「だ、大丈夫だよ! もう、毒見なんて酷いなぁ。うん、これ美味い」
律子「だ、大丈夫なのね……」
涼「お菓子一つにここまで心配になるなんて……。伊織さんが言ってたのは大袈裟なことじゃなかったんだ」
律子(分かってはいるけど、心の中で心配になってしまう自分がいるのも事実。次第に私は人を信じれなくなりました……)
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 14:33:41.06 :sPxdux1b0
涼「竜宮以外立ち入り禁止……、どうしちゃったの律子姉ちゃん……。あんなやせ細ってく姿見たくないよ」
伊織「状況は最悪ね……。こんなの張り出されたら、こっちも心配になってくるじゃない」
涼「どうしてこんなことに……」
亜美「律っちゃん、元に戻るのかな」
あずさ「早く戻ってほしいのですが……」
伊織「律子の心の持ちようとしか言えないわ。でも、これはゆゆしき事態よ……」
涼「それにしてもみなさんは律子姉ちゃんに信頼されてるんですね。少しうらやましいかも。僕なんか従弟なのに何もできなくて……」
伊織「今の律子が異常なだけよ。次期に戻って、あんたにまた女装させるわ」
涼「ぎゃおおおおん!」
律子「わ、私には竜宮しかないの……。あっ、竜宮の番組録画出来ているのかしら? 心配よ心配よ心配よ……」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 14:42:00.09 :GKaIbN1o0
律子(そして、私の最も恐れてた事態が訪れました)
司会『本日の一位! 竜宮小町の新曲、憂鬱が初登場1位! デビュー以来初のミリオンヒットとなりました!』
律子「え? ミリオンヒット? 100万枚?」
司会『プロデューサーの秋月律子さんが心労で入院し、最悪のピンチを迎えた竜宮小町ですが、ここで奇跡の巻き返し!』
伊織「まっ。100万枚なんか大したことないわ」
亜美「よゆーだよ!」
あずさ「あらあら~」
P「お、お前らなぁ……」
司会『となかなか強気なコメント! これなら律っちゃんも安心か!?』
律子「う、嘘よ」
律子「嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ
嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ
嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ」
律子「ウソヨソンナコト、ワタシイラナイノ?」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 14:48:59.17 :omaxPBq10
医者「秋月さーん、けんし……。い、いないぞ!? 大変だ! 秋月さんが失踪したぞ!!」
律子(心配心配心配心配心配心配心配心配心配心配心配)
真美「じゃあね亜美~」
亜美「まったあっとで~♪」
亜美「あれ? 律っちゃん、退院したの?」
律子「ええ、心配だから……、ねっ!!」バチッ
亜美「あっ……」
律子「大丈夫。少し眠っててもらうだけよ。さて、お次はあずささんが心配だわ。道に迷ってないかしら?」
あずさ「あらあら、ここはどこかしら~。岡科町? おかりょうまちっていうのかしら?」
あずさ「そうね、プロデューサーさんに……」
あずさ「あら? 律子さん? どうしてここに?」
律子「すみません、心配でしたので」バチッ
あずさ「え……」
律子「伊織も心配だわ。あの子、責任感強いから、潰れちゃうんじゃないかしら?」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 14:58:05.23 :omaxPBq10
伊織「な、なんですって!? 律子が脱走した!? 分かったわ、すぐに行くわ!!」
伊織「亜美とあずさにも連絡しなきゃ! もしもし、亜美!?」
亜美『あ、ああ……』
伊織「亜美!? どうしたの亜美!?」
亜美『り、律っちゃんが……。気を付けていおりん……』
伊織「律子がどうしたの!? まさか……」
律子「伊織、見つけたわ」
伊織「!?」
律子「心配したのよ? リーダーとしてみんなをひっぱてるみたいだったけど、潰れちゃうんじゃないかって」
伊織「り、律子……」
律子「でも大丈夫。もう何も心配しなくていいんだから」バチッ
伊織「あっ……、が」
律子「これで竜宮小町のみんなが揃ったわ。さあ最後の仕事に行きましょうか?」
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 15:04:37.81 :omaxPBq10
伊織「う、うう……、ここは車?」
律子「あら、目が覚めた?」
伊織「律子!? あんたいったい何をする気なの!?」
律子「なにって、お仕事よ。竜宮小町は私を合わせてこそでしょ? あんな男がプロデュースしていいものじゃないわ」
伊織「な、何言ってるのよ!!」
律子「入院してて気づいたの。竜宮は私以外がふれちゃダメなの。100万ヒットだってそう、あの男が陰でいろいろしたに決まってるわ」
伊織「違う! あいつはそんな奴じゃない! 私たちは律子を励まそうと頑張って来たのに! あっ……」
律子「ごめんなさいね、少し眠ってて頂戴。これから私たちは竜宮城に行くのよ。何も心配せず、ずっと4人でね……」
律子「だって……」
律子「私たちはずっと……でしょう?」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 15:07:03.60 :3zPKbXgq0
律子「あっ」
律子「部屋の鍵、ちゃんと閉めたかしら?」
――
P「これから死のうという人にも、心配ごとはあります。残された家族、仲間。
しかし彼女は最後まで、結局は自分の心配しかしていなかったのです」
P「この後、この4人が無事竜宮城へたどり着けたか、それは誰にもわかりません」
P「……、そう言えば俺も部屋の鍵閉めてきたっけ? ちょっと見てきていいですか? え、ダメ?」
世にも
奇妙な
アイドルマスター
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 15:17:13.10 :vAyIZbDx0
車内にて
律子「えっと今日の予定は……」
律子「あれ? 家の鍵ちゃんと閉めたかしら?」
律子「大丈夫よね……」
律子「……」
律子「気になって仕方ないわ……。時間に余裕があるし戻りましょう」
律子「ふう、ちゃんと閉めてたわね。安心安心。それじゃあ行きましょう」
律子「えっと、ラジオでもつけようかしら」
ラジオ『タバコの不始末は火事になります。タバコの火は消しましょう』
律子「私には関係のない話ね」
律子「あれ? ガスの元栓閉めたかしら?」
律子「一度心配しだしたらドキドキして仕方ないわ……。戻って確認しましょう」
律子「鍵を開けて、靴を脱いで……」
律子「ガスの元栓は……、あっ、閉まってるわね」
律子「なんだろ、今日は妙に心配になってくるわね。時間もそろそろやばいわね、遅刻したら美希に怒れないわ」
律子「行ってきます」
車内にて
律子「あれ? 鍵閉めなおしたかしら?」
『心配な女』 秋月律子
P『あれ、律子。どうしたんだ?』
律子「すみません。少し遅れちゃいそうです」
P『遅刻か? お前が遅刻って珍しいな。寝坊でもしたのか?』
律子「いえ、そうじゃないんです。ただ……」
P「ただ?」
律子「鍵を閉めたかが心配になりまして」
P『はっ?』
律子「だから鍵を閉めたかが心配で何度も戻ってるんです。他にもガスの元栓閉めたかとか、テレビの電気つけっぱじゃないかとか……。極めつけは」
P『極めつけは?』
律子「お手洗いに行くと、手が汚れてしまったかのように思えて、時間をかけて手を洗わないと気が済まないんです」
P『心配し過ぎじゃないか、それ?』
律子「そうかもしれません。でも……、あっ信号が変わったんで行きますね」
P『ああ、気を付けて来いよ』
律子「ふぅ、一体全体どうしちゃったのかしら……」
事務所
律子「遅れてごめんなさい!!」
社長「おや、珍しいね。いつもなら30分以上前には来て、今日のスケジュールの確認をしているというのに」
律子「ちょっと道中色々ありまして……」
伊織「しっかりしなさいよ? あんたはプロデューサーなんだから、これがこっちの営業なら大惨事よ」
律子「そうね、しっかりしなきゃね」
P「うっし、全員揃ったな。じゃあ軽くミーティングだ」
社長「うむ、今日の流行情報はこれだ!!」
律子「それじゃあ今日のスケジュールは……」
伊織「どうしたの、律子」
律子「ちょっと待って、この時間で合ってたかしら?」
伊織「は? 何言ってるのよあんた」
律子「ちょっとまって、確認するわ。おはようございます、竜宮小町のプロデューサーですが……」
亜美「なんか今日の律ちゃん変だね」
あずさ「なにか余裕がありませんね」
伊織「撮影時間いつもと同じじゃないの?」
律子「あっ、左様でございますか。ありがとうございます!!」
律子「撮影時間はこれで良しっと」
伊織「じゃあ行きましょう。どこでやるの?」
律子「場所は……。これで正しかったかしら?」
伊織「へ?」
律子「そういえば場所が取れなかったとか言ってたような言ってなかったような……」
伊織「聞いてないわよそんなこと」
律子「え? でも……、もう一回確かめましょう。もしもし、何度もすみません。竜宮小町の……」
亜美「しんぱいしょーだね」
あずさ「そうですね~」
伊織「心配にあるのが悪いとは言わないけど、これは気にし過ぎじゃないかしら?」
律子「あっ、そうですか。ありがとうございました!!」
律子「場所変更はなしね。行きましょう」
伊織「気にし過ぎよ」
律子「そうなんだけどね……」
車内
亜美「律っちゃん、今日の予定なぁに?」
律子「料理番組と歌番組ね」
伊織「料理って作る方よね?」
律子「そうね。ちなみに今回は私も出るみたいよ?」
あずさ「まぁ、楽しみですね~」
律子「サプライズライブ以来私にも仕事が入るようになったのよね。どこがいいんだか」
伊織「過小評価し過ぎよ」
律子「自分のことは自分が一番分かってるわよ」
伊織「その割には自分の行動に自信が持ててないじゃない」
律子「そ、それは……。あれ?」
伊織「何よ、急に思い出したみたいな顔をして」
律子「タイムカード、通したかしら?」
律子「そ、そう思うと手が震えて……」
亜美「わわっ! 律っちゃん危ないYO!」
律子「ご、ごめんなさい……。いつも決まった時間にしてたけど、今日は遅れちゃったし……」
伊織「ちょっと! なに引き返そうとしてるのよ! 間に合わないじゃない!」
律子「き、気になって仕方ないの!! そうじゃなきゃ事故に遭いそうで……」
あずさ「あのー、今小鳥さんに聞いたら、ちゃんと通ってるって」
伊織「あずさ、ナイスアシスト!!」
律子「も、もしかしたら見間違えじゃ……」
伊織「どこまで小鳥は無能なのよ!!」
あずさ「えっと、じゃあプロデューサーさんにも聞いてみますね?」
亜美「前に進んでYO!!」
あずさ「プロデューサーさんも入ってると言われましたが……」
律子「も、もしかしたら!」
あずさ「社長もそうおっしゃってましたよ?」
伊織「3人が同じこと言ってるんだから大丈夫でしょ! 早く行きなさーい!」
律子「は、はいぃ!!」
亜美「今日の律っちゃん面白いけど、なんか嫌だなぁ」
伊織「石橋をバズーカで壊して川の水をすべて抜いてから渡らないとダメとか言いそうね」
律子「だ、だ、大丈夫よね? ちゃんとお給料入るわよね?」
あずさ「どうしたのかしら?」
スタジオ
律子「すみません、ギリギリになって」
スタッフ「大丈夫ですよ。楽屋に着替えは有るので、着替えてこちらに集合してください」
律子「行きましょう。時間はあまりないわ」
伊織「誰のせいだと思ってるのよ」
律子「そ、それは反論できないわね……」
亜美「うーん、なんだかなぁ」
あずさ「変ですね~」
律子「わ、私は大丈夫ですから!!」
楽屋
亜美「メイド服だYO!」
あずさ「あらあら、コックさんですね~」
伊織「私のは……、給食を作る人みたいな服ね、これ」
亜美「いおりん似合ってますなぁ」
あずさ「給食のおばさんって感じです」
伊織「褒めてないわよね、それ!?」
律子「何してるのよ。えーと私は、チャングムみたいな服ね……。あら?」
伊織「どうしたのよ、固まって」
律子「い、いや……。これ解れてるわよね?」
伊織「あら、ホントね。でも気にするほどでもないんじゃ……」
律子「だ、誰か裁縫道具持ってない!? このまま出て服が解れて下着になったら……」
伊織「んなアホなことがあるか!!」
律子「で、でも可能性は0じゃないし生放送でそんな痴態を見せつけたら……」
あずさ「あのー。私持ってるんですけど……」
律子「ホントですか!? 助かります!」
伊織「何で持ってるのよ」
あずさ「今日のラッキーアイテムって占いで言ってたの」
伊織「あー、随分ピンポイントな占いね」
亜美「当たっちゃったね」
律子「これをこうして……。痛っ」
あずさ「どうしました、律子さん」
律子「針が刺さっちゃって血が……」
伊織「こ、今度はどうしたのよ!」
律子「し、死んじゃうの?」
伊織「あるかー!!」
亜美「そうだよ、これぐらい舐めたら治るって!」
律子「でももし、私のつばに毒が入っていたら?」
亜美「律っちゃん人間でしょ!? ドクドクの実食べたの!?」
伊織「毒は舌だけにしなさいよ!」
あずさ「あらあら、消毒液はあったかしら……」
律子「し、し、死んじゃうの私……」
あずさ「ありました~」
伊織「あずさナイスよ!」
あずさ「何時でも怪我をした人に手当てが出来ると思って」
律子「ぐああ……、血が抜けていく……」
亜美「オーバーだね」
律子「し、死ぬかと思ったわ……」
スタッフ「竜宮さん、出番です!」
律子「は、はーい。今いきます……」
伊織「律子、包丁の扱いには気を付けてよね……」
律子「大丈夫よ。これでも料理は涼に教えてもらってるんだから」
亜美「涼ちんに料理を……。あんま面白くないよ?」
あずさ「そうですね~」
律子「ギャグのつもりはないわよ!!」
伊織「はいはい、ショートコントはその辺にして頂戴」
律子「だからそんなつもりじゃ……」
リーダー「愛があればラブイズオーケー!! 愛のエプ□ン!」
竜宮「この後すぐ!!」
律子「とか言いながら本当はCMもあってすぐじゃないのよね……。これで詐欺だって訴えられないかしら……」
伊織「律子、あんたわざとやってない?」
律子「ち、違うわよ! 私は常に本気よ!!」
亜美「なんかあざといよ?」
あずさ「まぁまぁ、律子さんは心配性なだけですよ」
律子「そうなら良いんですけどね」
伊織「いや、ここまで来ると……」
亜美「どったのいおりん」
伊織「何でもないわ」
リーダー「それじゃあ調理開始や!」
あずさ「えっとお味噌を……」
亜美「折角だからデスソース使っちゃえ!」
伊織「きゃあ! この伊勢海老まだ息があるじゃない!!」
律子「料理は余裕よ、余裕を持っていけば……」
律子「あ、あれ……。包丁ってこんなとがってたっけ?」
伊織「どうしたのよ、包丁を持ってフリーズして……。ってまさか……」
律子「ど、ど、ど、どうしよう……。包丁でざっくり切ってしまったら……。生放送で指つめちゃったらどうしよう……」
伊織「律子! しっかりしなさい!」
律子「もし前回の放送でフグをさばいて徹底的に洗浄していなかったら……」
伊織「考えすぎよ! そもそもフグを調理するのに免許がいるのよ!?」
律子「でも……」
伊織「でももテロもないわよ! 包丁は私がするわ!」
律子「お、お願いするわ! 私の指紋を拭いて……」
伊織「時間がないからいいわよ! 律子はフライパンで野菜を炒めて頂戴!」
律子「わ、分かったわ! 火を強火……」
伊織「律子っ、ってまたフリーズしてるし……」
律子「どうしよう……、火を消し忘れて大惨事になったら」
伊織「なるかー! って野菜焦げちゃうわよ!」
律子「え? あっ、ホントだ! えっとこうして」
律子「どうしよう、焦げた野菜を食べさせて癌に発展したら……」
伊織「気にし過ぎよ! ああ、もう! 律子は胡椒とか塩もってきて!」
律子「わ、分かった!」
伊織「一体全体律子に何があったのよ……」
律子「胡椒を……」
伊織「それをかけたら良いのよ。って今度は何!?」
律子「もし胡椒をかけてくしゃみをして料理を汚してしまったら……」
伊織「貸しなさい! 次塩!」
律子「これ、塩よね? 砂糖じゃないわよね?」
伊織「書いてるじゃない」
律子「で、でも実はシールの下には砂糖って書かれててドッキリ成功だなんて看板が出たら……」
伊織「塩ぱっぱ!!」
律子「もし醤油が中国産なら……」
伊織「味の素がスポンサーなのよ!」
伊織「ぜぇ……、ぜぇ……。まさか律子の心配性がここまでひどいとは……」
律子「ゴメンナサイ……」
伊織「もう良いわよ。でも仕事が終わったら病院に行った方がいいわよ?」
律子「びょ、病院って……。まさか黄色い救急車で……」
伊織「違うわよ! あんたのその異常な心配性、下手したら強迫性障害かもしれないわ」
律子「きょ、強迫性障害!?」
伊織「声がおおきいっ! マスコミに変に勘ぐられたらいやでしょ?」
律子「そ、そうね……」
伊織「まあ聡明なあんたのことだから、意味は分かると思うけど。とにかく今日の収録が全部終わったら病院に行くことを勧めるわ。私からも紹介しておくわ」
律子「伊織、助かるわ」
伊織「律子がこんなんじゃ仕事になんないもの。早く何とかして頂戴」
律子「き、期待されてる……。もしその期待に応えられなかったら私は水瀬の地下組織で……」
伊織「無いわよ!!」
リーダー「料理できたか? そんじゃあ死食や!」
リーダー「なぁ亜美ちゃん、なんでしょうかこれは……」
亜美「食材ぜーんぶ使ったミックスお味噌汁だYO!」
リーダー「試食した?」
亜美「のヮの」
リーダー「いやいや。もしかしたら奇跡のケミストリーを……、ぐふっ!!」
亜美「リーダー!!」
リーダー「か、核兵器や……。アトミックや」
あずさ「あら、塩入れ過ぎちゃいましたね」
亜美「砂糖入れちゃったから中和すると思ったんだけどなぁ」
伊織「じゃあ次は私らの番ね……。律子?」
律子「どうしましょう……。そこまで美味しくなかったら、逆に微妙なまずさだったら……」
伊織「何を心配してるのよ」
律子「中途半端な料理を出したなら番組の空気が最悪になるわ! そして私は今後この局に入れなくなって……」
伊織「あのね、これはリアクションを見る番組じゃないわよ?」
律子「でも……」
伊織「この伊織ちゃんの手料理なんだから、美味しいに決まってるじゃない! ね?」
リーダー「うん、普通にまずい」
伊織「ぬわあんですってえええええ!!」
律子「ああ、両者不味いだなんて……。今後正統派料理番組には出れないんだわ……。
そして私たちみたいにアイドルは料理下手ってレッテルを張られて……」
伊織「考えすぎよ!!」
リーダー「お疲れ様でしたー!」
竜宮『お疲れ様でしたー!』
亜美「亜美たちさ、扱い悪くない!?」
あずさ「青森まで名札を持っていかれましたからね~」
伊織「あんたらは紛れもなく料理の天災よ……」
律子「どうしうおうどうしようどうしよう……」
伊織「あんたはしゃきっとしなさい! 次は歌番組ね」
亜美「気を取り直していくよ!」
あずさ「頑張らなくちゃね」
律子「どうしよう移動中車で子供を轢いてしまったら……」
伊織「……、もしもし新堂。ヘリを出してちょうだい」
律子「ヘ、ヘリ……。もし落ちたら、もしUFOとぶつかったら……」
伊織「後ついでに強い睡眠薬も持ってきて」
律子「わ、私殺されっ」
伊織「あんたは黙ってなさい!!」
律子「今のって心臓の音もって意味じゃ……」
伊織「Be silent!?」
亜美「律っちゃんさ、生きにくくない?」
あずさ「そうですよ? 可能性の低いことで悩んでても仕方ありませんよ?」
律子「な、何でわかってくれないの……? こんなに怖くて仕方ないのに……」
伊織「こりゃ重症ね」
律子「わ、私だけなの? コワイノハワタシダケ?」
伊織「変態プロデューサーに代打頼もうかしら?」
律子「え? 私いらないの? ね、ねえ!? いらないの!?」
伊織「うわっ!」
律子「どうしてどうしてどうしてどうしてどうして? 今まで一緒に頑張って来たじゃない!」
亜美「律っちゃん落ち着いて!」
あずさ「ど、どうしましょう……」
律子「竜宮は私のもの私のもの私のもの私のもの……」
亜美「いおりんが死にそうだよ!」
伊織「し、新堂……。早く……」
律子「どうし……て……」パタン
伊織「遅いわよ、馬鹿。私たちはプロデューサーに送ってもらいましょう。新堂、律子を病院までお願い」
新堂「承知いたしました」
伊織「あっ、プロデューサー? アンタ今暇よね。じゃあ私たちを迎えにきなさーい!!」
律子「ん、ここは……」
医者「目が覚めましたか?」
律子「病院? はっ、歌番組は!? 竜宮小町は!?」
伊織「律子、もう終わったわよ」
律子「え? どういうこと?」
伊織「昨日の話よ。あまりにも律子が追い詰められていたから、勝手で悪いけど入院してもらったわ」
律子「にゅ、入院って……。それじゃあ竜宮は……」
伊織「変態プロデューサーに代理頼んでるわよ。もっとも、あいつは私たち以外もプロデュースしてるから、
早いとこ治って貰わないと、私たちも満足に動けないわ」
伊織「律子、私たちはあんたがいらないなんて思ったことないわ。あんたも入れて竜宮なんだから」
律子「伊織!」
伊織「なに?」
律子「私の家、泥棒入ってないわよね?」
狂気を感じる
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 14:20:44.40 :6eLrHA2W0伊織「へ?」
律子「換気扇つけっぱじゃないよね? 鍵あけっぱじゃないよね? ガスの元栓閉まってるよね?」
伊織「し、知らないわよ……」
律子「心配だ心配だ心配だ……」
伊織「分かったわよ! うちのスタッフ送るから安心して頂戴!」
律子「で、でもそのスタッフが泥棒なら……」
伊織「私を信用しなさいよ!!」
律子「ひぃ!」
伊織「そこまで心配なら、ガードマンもつけてあげるから。なんなら従弟に見張らせるわよ。じゃあね律子。また来るわ」
律子「い、伊織……。私、信じていいんだよね? 伊織たちのこと信じていいんだよね?」
律子(それから、私は少しずつリハビリを始めるのでした。しかし――)
涼「律子姉ちゃん、お見舞いに来たよ」
律子「涼?」
涼「765プロの方から聞いてたんだ。仕事が忙しくて、なかなか時間が取れなくてごめんね。はい、これでも食べて元気だしなよ?」
律子「これ、何?」
涼「あっ、うん。お菓子作ったんだ。みんな美味しいって言ってくれたし、味は自信あるよ?」
律子「先に食べて?」
涼「へ?」
律子「心配なの。もしこの中に針が入ってたら、もし毒が入ってたら、もし腐ってたら……」
涼「だ、大丈夫だよ! もう、毒見なんて酷いなぁ。うん、これ美味い」
律子「だ、大丈夫なのね……」
涼「お菓子一つにここまで心配になるなんて……。伊織さんが言ってたのは大袈裟なことじゃなかったんだ」
律子(分かってはいるけど、心の中で心配になってしまう自分がいるのも事実。次第に私は人を信じれなくなりました……)
涼「竜宮以外立ち入り禁止……、どうしちゃったの律子姉ちゃん……。あんなやせ細ってく姿見たくないよ」
伊織「状況は最悪ね……。こんなの張り出されたら、こっちも心配になってくるじゃない」
涼「どうしてこんなことに……」
亜美「律っちゃん、元に戻るのかな」
あずさ「早く戻ってほしいのですが……」
伊織「律子の心の持ちようとしか言えないわ。でも、これはゆゆしき事態よ……」
涼「それにしてもみなさんは律子姉ちゃんに信頼されてるんですね。少しうらやましいかも。僕なんか従弟なのに何もできなくて……」
伊織「今の律子が異常なだけよ。次期に戻って、あんたにまた女装させるわ」
涼「ぎゃおおおおん!」
律子「わ、私には竜宮しかないの……。あっ、竜宮の番組録画出来ているのかしら? 心配よ心配よ心配よ……」
律子(そして、私の最も恐れてた事態が訪れました)
司会『本日の一位! 竜宮小町の新曲、憂鬱が初登場1位! デビュー以来初のミリオンヒットとなりました!』
律子「え? ミリオンヒット? 100万枚?」
司会『プロデューサーの秋月律子さんが心労で入院し、最悪のピンチを迎えた竜宮小町ですが、ここで奇跡の巻き返し!』
伊織「まっ。100万枚なんか大したことないわ」
亜美「よゆーだよ!」
あずさ「あらあら~」
P「お、お前らなぁ……」
司会『となかなか強気なコメント! これなら律っちゃんも安心か!?』
律子「う、嘘よ」
律子「嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ
嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ
嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ」
律子「ウソヨソンナコト、ワタシイラナイノ?」
医者「秋月さーん、けんし……。い、いないぞ!? 大変だ! 秋月さんが失踪したぞ!!」
律子(心配心配心配心配心配心配心配心配心配心配心配)
真美「じゃあね亜美~」
亜美「まったあっとで~♪」
亜美「あれ? 律っちゃん、退院したの?」
律子「ええ、心配だから……、ねっ!!」バチッ
亜美「あっ……」
律子「大丈夫。少し眠っててもらうだけよ。さて、お次はあずささんが心配だわ。道に迷ってないかしら?」
あずさ「あらあら、ここはどこかしら~。岡科町? おかりょうまちっていうのかしら?」
あずさ「そうね、プロデューサーさんに……」
あずさ「あら? 律子さん? どうしてここに?」
律子「すみません、心配でしたので」バチッ
あずさ「え……」
律子「伊織も心配だわ。あの子、責任感強いから、潰れちゃうんじゃないかしら?」
伊織「な、なんですって!? 律子が脱走した!? 分かったわ、すぐに行くわ!!」
伊織「亜美とあずさにも連絡しなきゃ! もしもし、亜美!?」
亜美『あ、ああ……』
伊織「亜美!? どうしたの亜美!?」
亜美『り、律っちゃんが……。気を付けていおりん……』
伊織「律子がどうしたの!? まさか……」
律子「伊織、見つけたわ」
伊織「!?」
律子「心配したのよ? リーダーとしてみんなをひっぱてるみたいだったけど、潰れちゃうんじゃないかって」
伊織「り、律子……」
律子「でも大丈夫。もう何も心配しなくていいんだから」バチッ
伊織「あっ……、が」
律子「これで竜宮小町のみんなが揃ったわ。さあ最後の仕事に行きましょうか?」
伊織「う、うう……、ここは車?」
律子「あら、目が覚めた?」
伊織「律子!? あんたいったい何をする気なの!?」
律子「なにって、お仕事よ。竜宮小町は私を合わせてこそでしょ? あんな男がプロデュースしていいものじゃないわ」
伊織「な、何言ってるのよ!!」
律子「入院してて気づいたの。竜宮は私以外がふれちゃダメなの。100万ヒットだってそう、あの男が陰でいろいろしたに決まってるわ」
伊織「違う! あいつはそんな奴じゃない! 私たちは律子を励まそうと頑張って来たのに! あっ……」
律子「ごめんなさいね、少し眠ってて頂戴。これから私たちは竜宮城に行くのよ。何も心配せず、ずっと4人でね……」
律子「だって……」
律子「私たちはずっと……でしょう?」
りっちゃん・・・
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 15:10:58.79 :omaxPBq10律子「あっ」
律子「部屋の鍵、ちゃんと閉めたかしら?」
――
P「これから死のうという人にも、心配ごとはあります。残された家族、仲間。
しかし彼女は最後まで、結局は自分の心配しかしていなかったのです」
P「この後、この4人が無事竜宮城へたどり着けたか、それは誰にもわかりません」
P「……、そう言えば俺も部屋の鍵閉めてきたっけ? ちょっと見てきていいですか? え、ダメ?」
世にも
奇妙な
アイドルマスター
おつん
世にもだなー
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 15:23:18.49 :6eLrHA2W0世にもだなー
律子編終了。これで残りは春香(別作者がすでに書いている)、やよい、亜美、真美、
小鳥、社長、Pってとこでしょうか? この後続けても、途中でバイトの時間になって、帰りも非常に遅いので、
落とすなりほかの方が書くなりしてくだされば幸いです。
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/05(土) 16:42:35.64 :43jBTB5m0小鳥、社長、Pってとこでしょうか? この後続けても、途中でバイトの時間になって、帰りも非常に遅いので、
落とすなりほかの方が書くなりしてくだされば幸いです。
乙
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内容は鬱だけど竜宮との絆がよく描かれてて好き