1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 15:45:07.69 :gJsDt4eH0
貴音「いま溢れるキミはメロディ~……♪」
ぽんっ!
P「うわわっ!」ドテッ
貴音「はて、プロデューサー?」
P「いたたた……な、なんだ? ここは……レッスンスタジオ?」
貴音「突然現れて、どうしたのですか?」
P「貴音? いやー、何がなんだか俺にもさっぱりわからないんだけどさ……
ついさっきまで事務所にいたんだけどなぁ」ポリポリ
貴音「面妖な……」
貴音「いま溢れるキミはメロディ~……♪」
ぽんっ!
P「うわわっ!」ドテッ
貴音「はて、プロデューサー?」
P「いたたた……な、なんだ? ここは……レッスンスタジオ?」
貴音「突然現れて、どうしたのですか?」
P「貴音? いやー、何がなんだか俺にもさっぱりわからないんだけどさ……
ついさっきまで事務所にいたんだけどなぁ」ポリポリ
貴音「面妖な……」
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2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 15:50:07.42 :gJsDt4eH0
P「せっかくだし、貴音の歌うところでも見ていこうかな」
貴音「レッスンを見てくださるのですか?」
P「ああ。まぁ、俺が出来るアドバイスなんて、もうほとんど無いだろうけど……いいか?」
貴音「……ええ、構いませんよ。では……」
……今溢れるキミはメロディ
誰も止められないメロディ……♪
P「……」
貴音(……こうしてあなた様にレッスンを見てもらうのも、随分と久しぶりですね)
貴音(私、なんだか、緊張してしまいます……)
P「せっかくだし、貴音の歌うところでも見ていこうかな」
貴音「レッスンを見てくださるのですか?」
P「ああ。まぁ、俺が出来るアドバイスなんて、もうほとんど無いだろうけど……いいか?」
貴音「……ええ、構いませんよ。では……」
……今溢れるキミはメロディ
誰も止められないメロディ……♪
P「……」
貴音(……こうしてあなた様にレッスンを見てもらうのも、随分と久しぶりですね)
貴音(私、なんだか、緊張してしまいます……)
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 15:57:32.12 :gJsDt4eH0
……
P「……良い歌だった、掛け値なしに」パチパチ
貴音「ふふっ。ありがとうございます」
P「じゃ、俺はそろそろ事務所に戻るよ。仕事も残ってるからさ」
貴音「あっ、あの……」
P「どうした?」
貴音「……いえ。それでは、また後ほど」
P「ああ。レッスンが終わったら、報告に来てくれ」
貴音「はい……」
P「このあともレッスン、頑張れよ。それじゃ!」
貴音(行ってしまいました……)
貴音(……しかたありませんね。昔と違って、今のプロデューサーは、大変にお忙しい身なのですから)
……
P「……良い歌だった、掛け値なしに」パチパチ
貴音「ふふっ。ありがとうございます」
P「じゃ、俺はそろそろ事務所に戻るよ。仕事も残ってるからさ」
貴音「あっ、あの……」
P「どうした?」
貴音「……いえ。それでは、また後ほど」
P「ああ。レッスンが終わったら、報告に来てくれ」
貴音「はい……」
P「このあともレッスン、頑張れよ。それじゃ!」
貴音(行ってしまいました……)
貴音(……しかたありませんね。昔と違って、今のプロデューサーは、大変にお忙しい身なのですから)
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 16:10:31.41 :gJsDt4eH0
……
貴音「……。もう、こんな時間ですね」
貴音「私もそろそろ、帰るといたしましょう」
……
【街中】
テクテク……
貴音(765プロでアイドルとしてデビューして、あのお方と出会い……)
貴音(私達は共に、頂点を目指して尽力して参りました)
貴音(……光陰矢のごとし。気が付けば、あれから、
およそ一年の時間が経過していて……)
貴音「……」チラッ
街頭テレビ『……ねぇ いいかな ずっと願い続けてて……』
貴音(私、四条貴音の名は確かに、それまでとは比べ物にならないほど、
多くの人々の間で知れ渡るようになりました)
貴音(けれど……)
……
貴音「……。もう、こんな時間ですね」
貴音「私もそろそろ、帰るといたしましょう」
……
【街中】
テクテク……
貴音(765プロでアイドルとしてデビューして、あのお方と出会い……)
貴音(私達は共に、頂点を目指して尽力して参りました)
貴音(……光陰矢のごとし。気が付けば、あれから、
およそ一年の時間が経過していて……)
貴音「……」チラッ
街頭テレビ『……ねぇ いいかな ずっと願い続けてて……』
貴音(私、四条貴音の名は確かに、それまでとは比べ物にならないほど、
多くの人々の間で知れ渡るようになりました)
貴音(けれど……)
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 16:23:36.09 :gJsDt4eH0
貴音(けれど……)
『貴音、次はテレビ局に営業に行こうか』
『良い仕事、取れるといいんだけど……あ、いや、ごめんごめん。俺がこんな弱気じゃいけないよな』
『そうだな。俺たちなら、絶対にいける! 一緒に頑張ろう!』
貴音(……、そんなやり取りをしたのも、もう随分と、昔のこと)
貴音(今私が歩むその隣に、あなた様はおりません……)
貴音(あなた様は今では、押しも押されぬ有名プロデューサー。
もう、私だけに構っている時間など、ないのです……)
貴音「……」
貴音(……私はいつから、再びこんなにも、弱くなってしまったのでしょうか)
貴音(プロデューサーと共に多くの苦難を乗り越え、
希薄だった自分の存在に、価値を見出すことが出来て……)
貴音(もう……、昔のままの私では無くなったはずなのに……)
貴音(けれど……)
『貴音、次はテレビ局に営業に行こうか』
『良い仕事、取れるといいんだけど……あ、いや、ごめんごめん。俺がこんな弱気じゃいけないよな』
『そうだな。俺たちなら、絶対にいける! 一緒に頑張ろう!』
貴音(……、そんなやり取りをしたのも、もう随分と、昔のこと)
貴音(今私が歩むその隣に、あなた様はおりません……)
貴音(あなた様は今では、押しも押されぬ有名プロデューサー。
もう、私だけに構っている時間など、ないのです……)
貴音「……」
貴音(……私はいつから、再びこんなにも、弱くなってしまったのでしょうか)
貴音(プロデューサーと共に多くの苦難を乗り越え、
希薄だった自分の存在に、価値を見出すことが出来て……)
貴音(もう……、昔のままの私では無くなったはずなのに……)
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 16:34:19.42 :gJsDt4eH0
【765プロ事務所】
ガチャッ
貴音「ただいま戻りました」
小鳥「あら、貴音ちゃんじゃない!」
貴音「小鳥嬢……」
小鳥「レッスン、お疲れ様。報告に来てくれたのね」
貴音「ええ。あの……プロデューサーはどこに?」
小鳥「ああ、プロデューサーさんなら、やよいちゃん達を連れて外に行っちゃったわよ」
貴音「……、ここには、いないのですか?」
小鳥「うん、さっき急に仕事が入ってきてね。イベントがあったんだけど、人手が足りなくなっちゃったらしくて……
それで、ちょうど事務所にいたやよいちゃんに……」
貴音「……」
小鳥「……貴音ちゃん?」
貴音「……! は、はい」
小鳥「どうしたの? なんだかぼんやりとしてるみたいだけど……」
貴音「……いえ」
【765プロ事務所】
ガチャッ
貴音「ただいま戻りました」
小鳥「あら、貴音ちゃんじゃない!」
貴音「小鳥嬢……」
小鳥「レッスン、お疲れ様。報告に来てくれたのね」
貴音「ええ。あの……プロデューサーはどこに?」
小鳥「ああ、プロデューサーさんなら、やよいちゃん達を連れて外に行っちゃったわよ」
貴音「……、ここには、いないのですか?」
小鳥「うん、さっき急に仕事が入ってきてね。イベントがあったんだけど、人手が足りなくなっちゃったらしくて……
それで、ちょうど事務所にいたやよいちゃんに……」
貴音「……」
小鳥「……貴音ちゃん?」
貴音「……! は、はい」
小鳥「どうしたの? なんだかぼんやりとしてるみたいだけど……」
貴音「……いえ」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 16:43:01.13 :gJsDt4eH0
小鳥「それにしても、凄いわね、貴音ちゃん」
貴音「はて……、凄い、とは……なんのことでしょうか?」
小鳥「新曲。発売までまだ一ヶ月もあるのに、もうどの店舗も予約でいっぱいだって、
プロデューサーさんも喜んでたわよ」
貴音「……」
小鳥「……あ、あら? 貴音ちゃんはあんまり、嬉しくない?」
貴音「……いいえ。大変光栄に思います」
小鳥「そ、そう……」
貴音「……」
小鳥(うう、なんだか気まずい)
小鳥「え、えっと、どんな感じだったかしら。新曲の出だし……」
小鳥「いま重なるキミはメロディ~……?」
貴音「……ふふっ。違いますよ、小鳥嬢」
小鳥「それにしても、凄いわね、貴音ちゃん」
貴音「はて……、凄い、とは……なんのことでしょうか?」
小鳥「新曲。発売までまだ一ヶ月もあるのに、もうどの店舗も予約でいっぱいだって、
プロデューサーさんも喜んでたわよ」
貴音「……」
小鳥「……あ、あら? 貴音ちゃんはあんまり、嬉しくない?」
貴音「……いいえ。大変光栄に思います」
小鳥「そ、そう……」
貴音「……」
小鳥(うう、なんだか気まずい)
小鳥「え、えっと、どんな感じだったかしら。新曲の出だし……」
小鳥「いま重なるキミはメロディ~……?」
貴音「……ふふっ。違いますよ、小鳥嬢」
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 16:51:01.14 :gJsDt4eH0
貴音(……私の顔を見て、小鳥嬢は何やら察したようです)
貴音(……ありがとうございます。そして……申し訳ありません)
貴音「重なる、ではなく……正しくは……」
スゥ……
……今 溢れるキミはメロディ……♪
小鳥「ああ、そうだったわね──
ぽぽんっ!
P「フレーフレーガンバレ さぁ行こお……、お、うおぉっ!?」ドテッ
小鳥「……!? ぷ、プロデューサーさん!?」
貴音「まぁ……!」
P「な、なんだなんだ……!? ここは……事務所!?」
小鳥「な、何でここに? やよいちゃん達はどうしたんです?」
P「こっちが聞きたいですよ……あいたたた」
貴音(……私の顔を見て、小鳥嬢は何やら察したようです)
貴音(……ありがとうございます。そして……申し訳ありません)
貴音「重なる、ではなく……正しくは……」
スゥ……
……今 溢れるキミはメロディ……♪
小鳥「ああ、そうだったわね──
ぽぽんっ!
P「フレーフレーガンバレ さぁ行こお……、お、うおぉっ!?」ドテッ
小鳥「……!? ぷ、プロデューサーさん!?」
貴音「まぁ……!」
P「な、なんだなんだ……!? ここは……事務所!?」
小鳥「な、何でここに? やよいちゃん達はどうしたんです?」
P「こっちが聞きたいですよ……あいたたた」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 17:07:42.70 :7SuVbaiCO
Pノリノリだな
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 16:59:13.21 :gJsDt4eH0
貴音「あなた様……!」
P「あ、貴音……レッスン、終わったのか?」
貴音「は、はい……」
P「そっかそっか。お疲れ様!」
貴音「……」モジモジ
P「……貴音?」
貴音(……不思議なものです。一体なぜでしょうか……。
先ほどまで、あれほど、あなた様のお顔を一目見たいと、そう思っていたのに)
貴音(いざ、目の前にしてみると……言葉が、見つかりません)
小鳥「プロデューサーさん。はやく会場に戻ったほうが、いいんじゃないですか?」
P「そうですね……」
貴音「あっ、あの!」
P「ん? どうした?」
貴音「……」
貴音「……私も、あなた様と一緒に行って、よろしいでしょうか……?」
貴音「あなた様……!」
P「あ、貴音……レッスン、終わったのか?」
貴音「は、はい……」
P「そっかそっか。お疲れ様!」
貴音「……」モジモジ
P「……貴音?」
貴音(……不思議なものです。一体なぜでしょうか……。
先ほどまで、あれほど、あなた様のお顔を一目見たいと、そう思っていたのに)
貴音(いざ、目の前にしてみると……言葉が、見つかりません)
小鳥「プロデューサーさん。はやく会場に戻ったほうが、いいんじゃないですか?」
P「そうですね……」
貴音「あっ、あの!」
P「ん? どうした?」
貴音「……」
貴音「……私も、あなた様と一緒に行って、よろしいでしょうか……?」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 17:08:48.51 :gJsDt4eH0
【イベント会場】
やよい「……あっ! プロデューサー!」トテテ
P「おお、やよい! 突然のステージだったけど、どうだった?」
やよい「えっへへー、ばっちりでしたっ!
お客さんみーんな喜んでくれて、思わず私も嬉しくなっちゃって、うっうーって!」
貴音「やよい、お疲れ様です」
やよい「ああっ! 貴音さんも! えへへー……こんにちは!」
貴音(やよいはいつでも、元気に満ち溢れていますね……)
貴音(……私は……そんなあなたのことを、とても羨ましく思います)
P「突然いなくなっちゃって、ごめんな」
やよい「へーきです! でも、どこに行ってたんですか?」
P「事務所だよ。気が付いたらあっちに行ってて」
やよい「へー……フシギですねっ!」
P「そうだなぁ……ま、やよいが一人でもちゃんとやれたみたいで、良かったよ」
貴音(……)
【イベント会場】
やよい「……あっ! プロデューサー!」トテテ
P「おお、やよい! 突然のステージだったけど、どうだった?」
やよい「えっへへー、ばっちりでしたっ!
お客さんみーんな喜んでくれて、思わず私も嬉しくなっちゃって、うっうーって!」
貴音「やよい、お疲れ様です」
やよい「ああっ! 貴音さんも! えへへー……こんにちは!」
貴音(やよいはいつでも、元気に満ち溢れていますね……)
貴音(……私は……そんなあなたのことを、とても羨ましく思います)
P「突然いなくなっちゃって、ごめんな」
やよい「へーきです! でも、どこに行ってたんですか?」
P「事務所だよ。気が付いたらあっちに行ってて」
やよい「へー……フシギですねっ!」
P「そうだなぁ……ま、やよいが一人でもちゃんとやれたみたいで、良かったよ」
貴音(……)
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 17:17:56.28 :gJsDt4eH0
やよい「あれ? でも……」
貴音「……? どうしたのですか、私の顔に何か……」
やよい「あのっ! 貴音さん、なんだか元気がないかなーって……」
貴音「そ、そう……でしょうか」
やよい「あぅ……そ、それじゃあ! 元気がないなら、アレをしましょーうっ!」
貴音「はて……アレ、とは?」
やよい「えへへー……」
スッ
貴音「……ふふ。アレ、ですね」スッ
やよい「ハイ、ターッチ!」
貴音「たーっち!」
パチンッ……
やよい・貴音「yeah!!!」
貴音(……きっと、私は……。やよいの元気を羨ましく思ったのでは、ありませんね)
貴音(私が真に羨ましかったのは……プロデューサーの瞳にうつるあなたの姿、なのでしょう……)
やよい「あれ? でも……」
貴音「……? どうしたのですか、私の顔に何か……」
やよい「あのっ! 貴音さん、なんだか元気がないかなーって……」
貴音「そ、そう……でしょうか」
やよい「あぅ……そ、それじゃあ! 元気がないなら、アレをしましょーうっ!」
貴音「はて……アレ、とは?」
やよい「えへへー……」
スッ
貴音「……ふふ。アレ、ですね」スッ
やよい「ハイ、ターッチ!」
貴音「たーっち!」
パチンッ……
やよい・貴音「yeah!!!」
貴音(……きっと、私は……。やよいの元気を羨ましく思ったのでは、ありませんね)
貴音(私が真に羨ましかったのは……プロデューサーの瞳にうつるあなたの姿、なのでしょう……)
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 17:26:57.25 :gJsDt4eH0
P「さて、それじゃあ……帰ろうか」
やよい・貴音「はい!」
……
【車の中】
ブロロロロ……
P「……しっかしどうしようかな。しかたないからもう一個車出しちゃったけど、
会場近くの駐車場にも……明日取りに行くしかないか……」ブツブツ
やよい「すぅ……すぅ……」
貴音「……寝てしまいました」
P「ん? そっか……なんだかんだ言って、疲れてたんだろうね。
やよいはいつもパワフルだけど、ここのところずっと、仕事であっちこっち行ってたから」
貴音「……ふふっ」ナデナデ
やよい「むにゃむにゃ……」
貴音「まるで、天使のようですね……」
P「……ああ、そうだな」
P「さて、それじゃあ……帰ろうか」
やよい・貴音「はい!」
……
【車の中】
ブロロロロ……
P「……しっかしどうしようかな。しかたないからもう一個車出しちゃったけど、
会場近くの駐車場にも……明日取りに行くしかないか……」ブツブツ
やよい「すぅ……すぅ……」
貴音「……寝てしまいました」
P「ん? そっか……なんだかんだ言って、疲れてたんだろうね。
やよいはいつもパワフルだけど、ここのところずっと、仕事であっちこっち行ってたから」
貴音「……ふふっ」ナデナデ
やよい「むにゃむにゃ……」
貴音「まるで、天使のようですね……」
P「……ああ、そうだな」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 17:37:02.21 :gJsDt4eH0
ブロロロ……
P「……そういえば、貴音。さっきはどうして、ついてくるなんて言い出したんだ?」
貴音「……あの、ご迷惑、だったでしょうか……?」
P「い、いやいや! そんなことはないけど……
でも貴音だって、今日はレッスンだけだったけど、最近休みもほとんどないじゃないか」
P「だから、スケジュールが済んだなら、もう帰って休んでても良かったんだぞ」
貴音「……プロデューサー」
P「ん?」
貴音「ふふっ……相変わらずのようですね」
P「相変わらずって……なんのこと?」
貴音「……いえ」
貴音(あなた様は……相変わらず、いけずです。あの頃から、ずっと……。
少し考えれば、私の思いなど、すぐに気付くことも出来るはずなのに……)
貴音「……たまには、あなた様のご活躍ぶりを、この目で見ておきたいと思ったから……。それだけですよ」
P「そ、そっか……」
貴音「ええ……」
ブロロロ……
P「……そういえば、貴音。さっきはどうして、ついてくるなんて言い出したんだ?」
貴音「……あの、ご迷惑、だったでしょうか……?」
P「い、いやいや! そんなことはないけど……
でも貴音だって、今日はレッスンだけだったけど、最近休みもほとんどないじゃないか」
P「だから、スケジュールが済んだなら、もう帰って休んでても良かったんだぞ」
貴音「……プロデューサー」
P「ん?」
貴音「ふふっ……相変わらずのようですね」
P「相変わらずって……なんのこと?」
貴音「……いえ」
貴音(あなた様は……相変わらず、いけずです。あの頃から、ずっと……。
少し考えれば、私の思いなど、すぐに気付くことも出来るはずなのに……)
貴音「……たまには、あなた様のご活躍ぶりを、この目で見ておきたいと思ったから……。それだけですよ」
P「そ、そっか……」
貴音「ええ……」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 17:45:56.22 :gJsDt4eH0
……
P「それじゃ、また」
貴音「はい。ここまで送っていただき、ありがとうございました」
P「……なぁ、貴音」
貴音「……?」
P「何か……、俺に言いたいことが、あるんじゃないか?」
貴音「……」
P「勘違いだったらごめん。でもさっきからさ、心ここにあらずって感じだったからさ。
俺でよかったら、いつでも相談に乗るぞ」
貴音「……ふふっ」ニコッ
P「……」
貴音「何も……、ありませんよ。心配には及びません」
P「……そっか」
貴音(……今の私は)
貴音(少しでも、あなた様のおそばにいられたなら……それで、十分なのですから)
……
P「それじゃ、また」
貴音「はい。ここまで送っていただき、ありがとうございました」
P「……なぁ、貴音」
貴音「……?」
P「何か……、俺に言いたいことが、あるんじゃないか?」
貴音「……」
P「勘違いだったらごめん。でもさっきからさ、心ここにあらずって感じだったからさ。
俺でよかったら、いつでも相談に乗るぞ」
貴音「……ふふっ」ニコッ
P「……」
貴音「何も……、ありませんよ。心配には及びません」
P「……そっか」
貴音(……今の私は)
貴音(少しでも、あなた様のおそばにいられたなら……それで、十分なのですから)
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 17:59:39.03 :gJsDt4eH0
……
貴音「……」
リーンリーン……
貴音「……」
貴音(……ふと見上げた月は、とてもさみしがっているように感じられました)
貴音(身体の一部がぽっかりと欠けてしまった、三日月……)
貴音(それはまるで、今の私の心のようで)
貴音(真夜中の迷路に、ひとり迷い込み……彷徨っている)
貴音(……そんな風に、見えました)
……
貴音「……」
リーンリーン……
貴音「……」
貴音(……ふと見上げた月は、とてもさみしがっているように感じられました)
貴音(身体の一部がぽっかりと欠けてしまった、三日月……)
貴音(それはまるで、今の私の心のようで)
貴音(真夜中の迷路に、ひとり迷い込み……彷徨っている)
貴音(……そんな風に、見えました)
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 18:08:13.17 :gJsDt4eH0
……音も無く散るのは、枯葉なのか 夢か
この道を 紅く染める……
……ひび割れた願いに 傷ついた心は
帰る場所 無くしたまま……
貴音「……」
『お帰り、貴音。今日もお疲れ様。良いステージだったみたいじゃないか!』
『ああ、ごめん……今からまた、出なくちゃいけないから……、報告はあとで聞かせてくれ』
貴音(私の帰る場所は……ただひとつ、あなた様のおそばなのです)
貴音(それでも、今の私には……そんな気持ちを伝えられぬまま……)
貴音(三日月の輝きを抱きしめることしか、出来ません)
貴音(……あなた様)
貴音(あなた様はいま、何をしておられるのでしょうか……)
……音も無く散るのは、枯葉なのか 夢か
この道を 紅く染める……
……ひび割れた願いに 傷ついた心は
帰る場所 無くしたまま……
貴音「……」
『お帰り、貴音。今日もお疲れ様。良いステージだったみたいじゃないか!』
『ああ、ごめん……今からまた、出なくちゃいけないから……、報告はあとで聞かせてくれ』
貴音(私の帰る場所は……ただひとつ、あなた様のおそばなのです)
貴音(それでも、今の私には……そんな気持ちを伝えられぬまま……)
貴音(三日月の輝きを抱きしめることしか、出来ません)
貴音(……あなた様)
貴音(あなた様はいま、何をしておられるのでしょうか……)
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 18:18:10.06 :gJsDt4eH0
貴音(……少しでも)
貴音「……っ、……」
貴音(少しでも、私のことを……、考えていてくれますか?)
ぽろぽろ……
貴音(貴音は今、こんなにも……あなた様のことを、想っています)
貴音(大きくなりすぎた気持ちが、心から溢れて……
涙という形になって、この瞳から零れてしまうくらいに……)
貴音「う、うぅ……!」ポロポロ
貴音(この想いの、十分の一でも……いえ、百分の一でも、
私達が、同じ気持ちなら……)
貴音「それ、だけで……」
貴音「……それだけで……っ、十分、なのに……」
貴音「……あなた様……!」
貴音(……少しでも)
貴音「……っ、……」
貴音(少しでも、私のことを……、考えていてくれますか?)
ぽろぽろ……
貴音(貴音は今、こんなにも……あなた様のことを、想っています)
貴音(大きくなりすぎた気持ちが、心から溢れて……
涙という形になって、この瞳から零れてしまうくらいに……)
貴音「う、うぅ……!」ポロポロ
貴音(この想いの、十分の一でも……いえ、百分の一でも、
私達が、同じ気持ちなら……)
貴音「それ、だけで……」
貴音「……それだけで……っ、十分、なのに……」
貴音「……あなた様……!」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 18:25:56.81 :gJsDt4eH0
ジー……
ジ、ジー……
貴音「……?」
ピッ……!
貴音「はて……テレビが、勝手に……?」
『……それではお聞きください。来月発売、四条貴音ちゃんの新曲……』
『「キミはメロディ」です……どうぞ』
……──♪
……Come out,Spread your heart,
You're my melody……
貴音「……」
ジー……
ジ、ジー……
貴音「……?」
ピッ……!
貴音「はて……テレビが、勝手に……?」
『……それではお聞きください。来月発売、四条貴音ちゃんの新曲……』
『「キミはメロディ」です……どうぞ』
……──♪
……Come out,Spread your heart,
You're my melody……
貴音「……」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 18:35:10.42 :gJsDt4eH0
……今 溢れるキミはメロディ
誰も止められないメロディ……
貴音(……そういえば、本日は……)
貴音(私がこの歌を口ずさむと、なぜか、あなた様が近くに現れましたね……)
……窓の外の陽だまりに咲く 風にそよぐ太陽の薫り
触れた指が届けてくれる 世界中を照らすドキドキ……
貴音(……あれは一体、なんだったのでしょうか)
貴音(高木殿お得意の手品? それとも……)
貴音(……)
……──♪
貴音「……」
貴音「……──れる、キミはメロディ……♪」
……今 溢れるキミはメロディ
誰も止められないメロディ……
貴音(……そういえば、本日は……)
貴音(私がこの歌を口ずさむと、なぜか、あなた様が近くに現れましたね……)
……窓の外の陽だまりに咲く 風にそよぐ太陽の薫り
触れた指が届けてくれる 世界中を照らすドキドキ……
貴音(……あれは一体、なんだったのでしょうか)
貴音(高木殿お得意の手品? それとも……)
貴音(……)
……──♪
貴音「……」
貴音「……──れる、キミはメロディ……♪」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 18:40:59.02 :gJsDt4eH0
……今溢れるキミはメロディ
言葉より確かな物は
キミと紡ぐメモリー
二人で描いたストーリー……
貴音(……思い出が、溢れてきます)
貴音(そのどれもが……輝かしいあの日の、二人で描いた物語)
……キラキラひかるキミの瞳の中には
天使がくれた生まれたての涙……
貴音(今、あなた様の瞳には……、私の姿など、うつっていないのでしょう)
貴音(けれど……、けれど、私は……!)
貴音「……、……!」
ぽろぽろ……
……今溢れるキミはメロディ
言葉より確かな物は
キミと紡ぐメモリー
二人で描いたストーリー……
貴音(……思い出が、溢れてきます)
貴音(そのどれもが……輝かしいあの日の、二人で描いた物語)
……キラキラひかるキミの瞳の中には
天使がくれた生まれたての涙……
貴音(今、あなた様の瞳には……、私の姿など、うつっていないのでしょう)
貴音(けれど……、けれど、私は……!)
貴音「……、……!」
ぽろぽろ……
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 18:45:47.61 :gJsDt4eH0
……──♪
貴音「……あ、なた……さま……!」
貴音「う、うぅ……!」
P「……貴音」
貴音「……!?」
P「……泣いているのか?」
貴音「え、え……!?」
P「……」
貴音「あなたさ、ま……なぜ、ここに?」
P「あはは……、実は俺にも、よくわかってなくて」
貴音「……っ、……」ゴシゴシ
貴音「それは……真、面妖なこと、ですね……」
P「本当だよなぁ……」ポリポリ
……──♪
貴音「……あ、なた……さま……!」
貴音「う、うぅ……!」
P「……貴音」
貴音「……!?」
P「……泣いているのか?」
貴音「え、え……!?」
P「……」
貴音「あなたさ、ま……なぜ、ここに?」
P「あはは……、実は俺にも、よくわかってなくて」
貴音「……っ、……」ゴシゴシ
貴音「それは……真、面妖なこと、ですね……」
P「本当だよなぁ……」ポリポリ
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 18:50:10.59 :gJsDt4eH0
P「と、とにかく! 急にお邪魔してごめん。すぐ帰るから……」
貴音「……! ま、待ってくださいっ!」
P「え?」
貴音「……あの……もう少し、ここに」
貴音「私のそばに……、いてくださいませんか……?」
P「……ああ。貴音がいいなら、もちろん」
貴音「……」
貴音「……ありがとう、ございます……」
P「と、とにかく! 急にお邪魔してごめん。すぐ帰るから……」
貴音「……! ま、待ってくださいっ!」
P「え?」
貴音「……あの……もう少し、ここに」
貴音「私のそばに……、いてくださいませんか……?」
P「……ああ。貴音がいいなら、もちろん」
貴音「……」
貴音「……ありがとう、ございます……」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 19:01:00.15 :gJsDt4eH0
P「……なんか、ふっと聞こえたんだよ」
貴音「聞こえた、とは?」
P「貴音の歌。今日事務所にいたときも、イベント会場でも……それに、今も」
貴音「……」
P「やよいが大きな声でキラメキラリを歌っていたときも、
まるで心に直接届いてるみたいに、はっきりと聞こえた気がして……」
P「それで、その歌声をもっとよく聞こうと思って、耳を澄ますんだけど……
気が付いたら、お前の近くに飛んできてたんだ」
貴音「……そう、なのですか」
P「今日はなんだか、フシギなことがよく起こるよなー……」
貴音「……ふふっ」
P「……まぁ、いいか。細かいことは」
貴音「……そうですね」
貴音(本当に……細かいことなど、どうでも良いのです)
貴音(あなた様が、私のそばにいる……。それだけで、私は……十分なのですから)
P「……なんか、ふっと聞こえたんだよ」
貴音「聞こえた、とは?」
P「貴音の歌。今日事務所にいたときも、イベント会場でも……それに、今も」
貴音「……」
P「やよいが大きな声でキラメキラリを歌っていたときも、
まるで心に直接届いてるみたいに、はっきりと聞こえた気がして……」
P「それで、その歌声をもっとよく聞こうと思って、耳を澄ますんだけど……
気が付いたら、お前の近くに飛んできてたんだ」
貴音「……そう、なのですか」
P「今日はなんだか、フシギなことがよく起こるよなー……」
貴音「……ふふっ」
P「……まぁ、いいか。細かいことは」
貴音「……そうですね」
貴音(本当に……細かいことなど、どうでも良いのです)
貴音(あなた様が、私のそばにいる……。それだけで、私は……十分なのですから)
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 19:08:51.08 :gJsDt4eH0
貴音(きっとこれは、神さまが与えてくれた奇蹟なのでしょう)
貴音(それならば、私は──!)
貴音「……あなた様」
P「ん?」
貴音「今宵は、月がよく見えていますね」
P「そうだな……」
貴音「ですから……久しぶりに、ふたりで……お月見でも、いたしませんか?」
P「……ああ」
貴音(……二人で見上げた三日月は)
貴音(先ほどとは打って変わって、とても明るく、輝いて見えました)
貴音(あなたも、また……出会えたのでしょうか。見つけ出して、もらえたのでしょうか)
貴音(この真夜中の迷宮の中で……)
貴音(欠けた心を満たす、大切な何かと……)
貴音(きっとこれは、神さまが与えてくれた奇蹟なのでしょう)
貴音(それならば、私は──!)
貴音「……あなた様」
P「ん?」
貴音「今宵は、月がよく見えていますね」
P「そうだな……」
貴音「ですから……久しぶりに、ふたりで……お月見でも、いたしませんか?」
P「……ああ」
貴音(……二人で見上げた三日月は)
貴音(先ほどとは打って変わって、とても明るく、輝いて見えました)
貴音(あなたも、また……出会えたのでしょうか。見つけ出して、もらえたのでしょうか)
貴音(この真夜中の迷宮の中で……)
貴音(欠けた心を満たす、大切な何かと……)
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 19:18:27.70 :gJsDt4eH0
貴音(……それから私達は、月を眺めながら、今日までの思い出を語り合いました)
貴音(それは、二人で紡いできた、大切な記憶)
貴音(それは……二人で描き、選んできた……大切な物語)
貴音(……もう、先程の私とは違います)
貴音(言葉が溢れて、いくら語っても、話題が尽きることなどありません)
貴音(……そして、やがて──)
* * *
P「ん……ああ、ほら、貴音」
貴音「え? あぁ……」
貴音(二人の瞳にうつった、眩しく輝く、あの光は──……)
P「……あはは。朝になっちゃったな」
貴音「……ふふっ……、もう、こんなにも……時間が経っていたのですね……」
貴音(……それから私達は、月を眺めながら、今日までの思い出を語り合いました)
貴音(それは、二人で紡いできた、大切な記憶)
貴音(それは……二人で描き、選んできた……大切な物語)
貴音(……もう、先程の私とは違います)
貴音(言葉が溢れて、いくら語っても、話題が尽きることなどありません)
貴音(……そして、やがて──)
* * *
P「ん……ああ、ほら、貴音」
貴音「え? あぁ……」
貴音(二人の瞳にうつった、眩しく輝く、あの光は──……)
P「……あはは。朝になっちゃったな」
貴音「……ふふっ……、もう、こんなにも……時間が経っていたのですね……」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 19:26:13.00 :gJsDt4eH0
貴音「……あなた様」
P「どうした?」
貴音「覚えていますか? 前にも、一度、このようなことが……」
P「……もちろん。二人で、初めて、いっしょに月見をした日だよな」
貴音「……あれから、本当に……たくさんの時間が経ちましたね」
P「そうだな……」
貴音「……私は、太陽に、なれたでしょうか」
P「……」
貴音「照らされるだけではない……自ら光り輝く、あの太陽のように……」
貴音「今のあなた様の瞳には、私は……、そんな風に、うつっていますか?」
P「……ああ。貴音は……、俺の誇りだよ」
貴音「……。……ほんとう、に……?」
P「俺が貴音に嘘ついたこと、ないだろ?」
貴音「……」
貴音「……ふふっ、ふふふ……そう、でしたね……!」
貴音「……あなた様」
P「どうした?」
貴音「覚えていますか? 前にも、一度、このようなことが……」
P「……もちろん。二人で、初めて、いっしょに月見をした日だよな」
貴音「……あれから、本当に……たくさんの時間が経ちましたね」
P「そうだな……」
貴音「……私は、太陽に、なれたでしょうか」
P「……」
貴音「照らされるだけではない……自ら光り輝く、あの太陽のように……」
貴音「今のあなた様の瞳には、私は……、そんな風に、うつっていますか?」
P「……ああ。貴音は……、俺の誇りだよ」
貴音「……。……ほんとう、に……?」
P「俺が貴音に嘘ついたこと、ないだろ?」
貴音「……」
貴音「……ふふっ、ふふふ……そう、でしたね……!」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 19:39:18.23 :gJsDt4eH0
貴音(……あなた様は、いつだって……私にそれを、教えてくれます)
貴音(明けない夜は無い。たとえ真夜中の迷宮に迷い込んでも、
二人で手を取り合えば、必ず……朝が訪れ、果ての無い道が開かれると)
貴音「私にとっても……あなた様は、誇りです」
貴音「私を救い出し、見つけ出して……あなた様がいなかったら、今の私は、おりません」
P「あはは……それは大げさじゃないか?」
貴音「……」
P「……貴音?」
貴音「……大げさなどということは、ありませんよ」
貴音「なぜなら……、私は、あなたさまのこ────……!」
ぐ~
貴音「……あ」
P「……あ、あはは……」
貴音「……!!」カァァ
貴音(……あなた様は、いつだって……私にそれを、教えてくれます)
貴音(明けない夜は無い。たとえ真夜中の迷宮に迷い込んでも、
二人で手を取り合えば、必ず……朝が訪れ、果ての無い道が開かれると)
貴音「私にとっても……あなた様は、誇りです」
貴音「私を救い出し、見つけ出して……あなた様がいなかったら、今の私は、おりません」
P「あはは……それは大げさじゃないか?」
貴音「……」
P「……貴音?」
貴音「……大げさなどということは、ありませんよ」
貴音「なぜなら……、私は、あなたさまのこ────……!」
ぐ~
貴音「……あ」
P「……あ、あはは……」
貴音「……!!」カァァ
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 20:10:30.39 :gJsDt4eH0
P「……一晩経ったけど、そういえば何も食べてなかったもんな」
貴音「……」
P「えーっと……まぁ、しかたない! うん、だから……」
貴音「……」
P「た、貴音さん……?」
貴音「わ、私は……」ボッ
P「そんなに気にするなって……貴音のお腹の音なんて、俺は聞きなれてるしさ」
貴音「そういうことではありませんっ!!」
P「えっ……」
貴音(……わ、私は……)
貴音(今、何を言おうとしていたのでしょうか……)プルプル
P「……一晩経ったけど、そういえば何も食べてなかったもんな」
貴音「……」
P「えーっと……まぁ、しかたない! うん、だから……」
貴音「……」
P「た、貴音さん……?」
貴音「わ、私は……」ボッ
P「そんなに気にするなって……貴音のお腹の音なんて、俺は聞きなれてるしさ」
貴音「そういうことではありませんっ!!」
P「えっ……」
貴音(……わ、私は……)
貴音(今、何を言おうとしていたのでしょうか……)プルプル
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 20:16:51.62 :gJsDt4eH0
P「……あ、あはは……朝ごはん、食べにいこうか」
貴音「……らーめん」
P「マジか……朝から……?」
貴音「私の胃袋は、二十四時間準備万端ですので……」プルプル
P「嫌な胃袋だな……い、いや、付き合うよ! だからそんな、泣きそうな顔するなって!」
* * *
貴音(……それからの私は)
貴音(まともに、プロデューサーのお顔を見ることが、出来ませんでした)
貴音「……」チュルチュル
P「……」ズルズル
貴音(……それでも、あなた様は……)
P「……あ、あはは……朝ごはん、食べにいこうか」
貴音「……らーめん」
P「マジか……朝から……?」
貴音「私の胃袋は、二十四時間準備万端ですので……」プルプル
P「嫌な胃袋だな……い、いや、付き合うよ! だからそんな、泣きそうな顔するなって!」
* * *
貴音(……それからの私は)
貴音(まともに、プロデューサーのお顔を見ることが、出来ませんでした)
貴音「……」チュルチュル
P「……」ズルズル
貴音(……それでも、あなた様は……)
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 20:24:38.09 :gJsDt4eH0
* * *
貴音「ふぅ……ごちそうさまでした」
P「ほら」スッ
貴音「え? これは……お水、ですか?」
P「水、飲みたそうな顔してたから。好きだったろ?」
貴音「……ふふっ。ありがとうございます」
貴音(あなた様は、いつだって……こんな私のことを……)
貴音(たとえ離れていても、考えてくださって……)
貴音(決して、見捨てずに……見放さずに、いてくれたのですね)
貴音「……」コクコク
貴音「はやー……」
P「あはは、相変わらず、美味そうに水を飲むんだな」
貴音「そ、そんなに、見ないでください……」
* * *
貴音「ふぅ……ごちそうさまでした」
P「ほら」スッ
貴音「え? これは……お水、ですか?」
P「水、飲みたそうな顔してたから。好きだったろ?」
貴音「……ふふっ。ありがとうございます」
貴音(あなた様は、いつだって……こんな私のことを……)
貴音(たとえ離れていても、考えてくださって……)
貴音(決して、見捨てずに……見放さずに、いてくれたのですね)
貴音「……」コクコク
貴音「はやー……」
P「あはは、相変わらず、美味そうに水を飲むんだな」
貴音「そ、そんなに、見ないでください……」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 20:27:40.93 :gJsDt4eH0
* * *
「……それでは、歌っていただきましょう!」
「リリース以来、常にランキングトップに輝き続けている、
四条貴音さんのニューシングル……」
キャー……!
「……『キミはメロディ』ですっ! どうぞー!」
ワァァ……!
* * *
「……それでは、歌っていただきましょう!」
「リリース以来、常にランキングトップに輝き続けている、
四条貴音さんのニューシングル……」
キャー……!
「……『キミはメロディ』ですっ! どうぞー!」
ワァァ……!
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 20:29:48.50 :gJsDt4eH0
……Come out,Spread your heart,
You're my melody……
……Come out,Spread your heart,
You're my melody……
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 20:35:12.93 :gJsDt4eH0
貴音(それから……)
貴音(二人で月を見上げた、あの日から……、また、幾日もの時間が経ちました)
今溢れるキミはメロディ
誰も止められないメロディ……♪
貴音(私は、今も変わらずに……、アイドルを続けています)
窓の外の陽だまりに咲く
風にそよぐ太陽の薫り……♪
貴音(……いえ、変わらず、というのは……少し違いますね)
触れた指が届けてくれる
世界中を照らすドキドキ──……♪
貴音(それから……)
貴音(二人で月を見上げた、あの日から……、また、幾日もの時間が経ちました)
今溢れるキミはメロディ
誰も止められないメロディ……♪
貴音(私は、今も変わらずに……、アイドルを続けています)
窓の外の陽だまりに咲く
風にそよぐ太陽の薫り……♪
貴音(……いえ、変わらず、というのは……少し違いますね)
触れた指が届けてくれる
世界中を照らすドキドキ──……♪
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 20:43:22.85 :gJsDt4eH0
無理に笑顔作らないでよ
ありのままを受け入れたら 今日も素敵な朝がはじまるよ
貴音(私の心は、今この瞬間も……、様々な色に染まっていっているのですから)
今 溢れるキミはメロディ
言葉より確かな物は……♪
貴音(……この歌を歌っても、もう、何も起こりません。
神さまが与えてくれた奇蹟は、終わってしまったようです)
キミと紡ぐメモリー
二人で描いたストーリー……♪
無理に笑顔作らないでよ
ありのままを受け入れたら 今日も素敵な朝がはじまるよ
貴音(私の心は、今この瞬間も……、様々な色に染まっていっているのですから)
今 溢れるキミはメロディ
言葉より確かな物は……♪
貴音(……この歌を歌っても、もう、何も起こりません。
神さまが与えてくれた奇蹟は、終わってしまったようです)
キミと紡ぐメモリー
二人で描いたストーリー……♪
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 20:46:05.20 :gJsDt4eH0
キラキラ輝るキミの瞳の中には
天使がくれた 生まれたての涙……♪
貴音(……それでも)
貴音(今の私には、誰かが与えてくれた奇蹟など……、必要ないのかもしれませんね)
貴音「……」ニコッ
ワァァ……!!
キャー……!!
貴音(なぜなら……今の私は────)
──────
────
──
キラキラ輝るキミの瞳の中には
天使がくれた 生まれたての涙……♪
貴音(……それでも)
貴音(今の私には、誰かが与えてくれた奇蹟など……、必要ないのかもしれませんね)
貴音「……」ニコッ
ワァァ……!!
キャー……!!
貴音(なぜなら……今の私は────)
──────
────
──
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 21:02:34.41 :gJsDt4eH0
* * *
貴音「……もしもし」
貴音「はい……今、無事に収録が終わりました。はい、ええ……」
貴音(──なぜなら、今の私の心は……、音で彩られているから)
貴音「あの……あなた様?」
貴音「……迎えに、来てくれませんか?」
貴音(あなた様と私が奏でる、このメロディ)
貴音(この音に耳を傾けているだけで、私は……世界中の誰よりも、幸せになれるのですから)
貴音「……ありがとうございます」
貴音「あの、出来るだけ早く……来てくださいね? 私、心待ちにしていますので……」
貴音「ふふっ……それでは、また、後ほど……」
ピッ……
おわり
* * *
貴音「……もしもし」
貴音「はい……今、無事に収録が終わりました。はい、ええ……」
貴音(──なぜなら、今の私の心は……、音で彩られているから)
貴音「あの……あなた様?」
貴音「……迎えに、来てくれませんか?」
貴音(あなた様と私が奏でる、このメロディ)
貴音(この音に耳を傾けているだけで、私は……世界中の誰よりも、幸せになれるのですから)
貴音「……ありがとうございます」
貴音「あの、出来るだけ早く……来てくださいね? 私、心待ちにしていますので……」
貴音「ふふっ……それでは、また、後ほど……」
ピッ……
おわり
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 21:04:22.26 :2wd5uf480
良かったよ
乙‼
乙‼
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 21:05:10.45 :SHYZzp420
なんだか落ち着いた感じでよかった
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 21:07:43.41 :ehlErX54O
乙!
SFでのこの歌、水着お姫ちんに
釘付けだったのを思い出してしまった…
SFでのこの歌、水着お姫ちんに
釘付けだったのを思い出してしまった…
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/14(木) 21:07:58.23 :gJsDt4eH0
読んでくれた方ありがとうございました
なんか途中で何を書いてるのかわかんなくなっちゃったけど、細かいことは気にしないでください
お姫ちんは寂しがりやでちょっと依存しちゃう可愛い女の子
なんか途中で何を書いてるのかわかんなくなっちゃったけど、細かいことは気にしないでください
お姫ちんは寂しがりやでちょっと依存しちゃう可愛い女の子
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コメント一覧 (17)
つきもぼくをみる
かみさまつきをおまもりください
かみさまぼくをおまもりください
貴音は可愛いのに、※欄ときたらよう・・・・・。
最近こういう※欄の~だから響のファン止めるとか飽きてきた…
そろそろ新しいネタ仕入れろ何度もやられると飽きるんだよ
皆が響ファン辞めるので僕も響ファン辞めて、響の夫になります
かなさんどっ
それは許さん響の夫になるのはオレだ!