1: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:15:37.78 :nZpEVRBq0
相棒×着信アリのクロスSSです。
需要なんてろくにないと思いますがそれでもという方はどうぞお読みください。
需要なんてろくにないと思いますがそれでもという方はどうぞお読みください。
2: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:16:13.44 :nZpEVRBq0
<2013年11月13日>
特命係の杉下右京と甲斐亨は城南大生・北川奈月が殺害された捜査で立ち寄った、
東山証券の本社ビルからの帰り道にある会話をしていた。
右京「キミ、内定ももらった事ないのによくコーヒーをかけられたとわかりましたね。」
カイト「俺実は…内定もらって断った事あったんです…その時は…凄い嫌な顔されてそれこそコーヒーぶっ掛けられそうな剣幕だったんで…」
右京「なるほど、しかしわかりませんねぇ…
キミは早稲田大学出身です、恐らく一流の企業から内定を貰えたはず。
それなのにそんな就職先を蹴ってまで警察官の道を選んだ…
しかも先ほどの会話の内容からして人事の面接官の方に剣幕を捲し立てられるほどに嫌な顔されても敢えて断った。
僕としてはどうにも納得いかない部分があるのですが…」
そんな右京の疑問にカイトは渋々ながらもこう答える。
<2013年11月13日>
特命係の杉下右京と甲斐亨は城南大生・北川奈月が殺害された捜査で立ち寄った、
東山証券の本社ビルからの帰り道にある会話をしていた。
右京「キミ、内定ももらった事ないのによくコーヒーをかけられたとわかりましたね。」
カイト「俺実は…内定もらって断った事あったんです…その時は…凄い嫌な顔されてそれこそコーヒーぶっ掛けられそうな剣幕だったんで…」
右京「なるほど、しかしわかりませんねぇ…
キミは早稲田大学出身です、恐らく一流の企業から内定を貰えたはず。
それなのにそんな就職先を蹴ってまで警察官の道を選んだ…
しかも先ほどの会話の内容からして人事の面接官の方に剣幕を捲し立てられるほどに嫌な顔されても敢えて断った。
僕としてはどうにも納得いかない部分があるのですが…」
そんな右京の疑問にカイトは渋々ながらもこう答える。
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4: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:17:00.58 :nZpEVRBq0
カイト「親父のいる警察に入るなんて御免だったんですよ、どうせコネで入ったんだろうと思われるに決まってるし…
だから就職活動もして内定ももらいました、でも……何か違うなって思ったんですよ…
親父がいるからって自分が本当にやりたい事諦めるなんて癪じゃないっすか…
その事に気づかせてくれた刑事さんがいたんですよ。」
右京「刑事さん?ひょっとしてどなたかに影響を受けたのですか?それもキミの父君とは違う警察官に?」
カイト「ハイ、あの人との出会いが無ければ恐らく俺は刑事はおろか…警察官にすら…
いやひょっとしたら生きてすらいなかったかもしれませんからね…」
そしてカイトは思い出す、自分がかつて影響を受けた刑事と遭遇した事件の事を…
カイト「親父のいる警察に入るなんて御免だったんですよ、どうせコネで入ったんだろうと思われるに決まってるし…
だから就職活動もして内定ももらいました、でも……何か違うなって思ったんですよ…
親父がいるからって自分が本当にやりたい事諦めるなんて癪じゃないっすか…
その事に気づかせてくれた刑事さんがいたんですよ。」
右京「刑事さん?ひょっとしてどなたかに影響を受けたのですか?それもキミの父君とは違う警察官に?」
カイト「ハイ、あの人との出会いが無ければ恐らく俺は刑事はおろか…警察官にすら…
いやひょっとしたら生きてすらいなかったかもしれませんからね…」
そしてカイトは思い出す、自分がかつて影響を受けた刑事と遭遇した事件の事を…
5: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:18:18.58 :nZpEVRBq0
<2005年8月2日>
~警視庁~
当時大学生のカイトは無事就職先も決まり、後は残りの大学生活を悠々自適に過ごす毎日を送っていたが…
ある事件がきっかけで同級生の女子大生と一緒にこの警視庁の入り口前に来ていた。
カイト「あの所轄の本宮とかいう刑事…本庁に行けばいいとか適当な事言いやがって…
だから警察とは関わりたくなかったんだ!」
カイトが警視庁の入り口付近の前で何やらブツブツと文句を呟いていると彼の前にある私服刑事の格好をした男が近付いてきた。
亀山「え~とキミ…その見た目だと…大学生くらいだよな…そうかわかったぞ!
警察官採用試験の申込用紙をもらいに来たんだろう!
ほらこれ!まだ期日までギリギリだがしっかり勉強すれば絶対受かるから頑張れよ未来の警察官!!」
亀山薫、当時の杉下右京の相棒であった刑事である。
彼はカイトが警察官採用試験の申込用紙を貰いに来たのかと思い彼にその申込用紙を渡したがどうも違うようであった…
カイト「違います!俺たちは警視庁の特命係っていう部署に用があって来たんですよ!」
亀山「ハイハイ、特命ね………ってウチ!?」
<2005年8月2日>
~警視庁~
当時大学生のカイトは無事就職先も決まり、後は残りの大学生活を悠々自適に過ごす毎日を送っていたが…
ある事件がきっかけで同級生の女子大生と一緒にこの警視庁の入り口前に来ていた。
カイト「あの所轄の本宮とかいう刑事…本庁に行けばいいとか適当な事言いやがって…
だから警察とは関わりたくなかったんだ!」
カイトが警視庁の入り口付近の前で何やらブツブツと文句を呟いていると彼の前にある私服刑事の格好をした男が近付いてきた。
亀山「え~とキミ…その見た目だと…大学生くらいだよな…そうかわかったぞ!
警察官採用試験の申込用紙をもらいに来たんだろう!
ほらこれ!まだ期日までギリギリだがしっかり勉強すれば絶対受かるから頑張れよ未来の警察官!!」
亀山薫、当時の杉下右京の相棒であった刑事である。
彼はカイトが警察官採用試験の申込用紙を貰いに来たのかと思い彼にその申込用紙を渡したがどうも違うようであった…
カイト「違います!俺たちは警視庁の特命係っていう部署に用があって来たんですよ!」
亀山「ハイハイ、特命ね………ってウチ!?」
6: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:19:01.04 :nZpEVRBq0
~特命係~
特命係の部屋に案内する亀山、その前の部署である組織対策5課を通り抜ける際にカイトはある疑問を抱いた。
亀山「ハイ、ここが警視庁特命係だよ。ちなみに隣は組織対策5課!よく間違えられるけどね…」
カイト「あの…亀山さん…でしたっけ、何で隣の部署は誰もいないんですか?」
そう、先ほど通り抜けた組織対策5課は現在無人の状態で常に「よ、暇か?」とコーヒーを強請りに
ちょっかいを出す角田課長率いる組対5課の刑事たちは現在部署にはいなくて無人の状態だった。
亀山「あぁ、隣は今ちょっとある事件を追っていてね。
これは一般人には言えないんだけどね、新宿の繁華街で中国マフィアが諍い起こして大変なんだって!」
カイト(おいおい…バッチリ言ってるじゃねえかよ!?この刑事さん大丈夫か…?)
亀山「本当は俺以外にもあともう一人上司がいるんだけど今は外出中でさ…
とりあえず俺が話を聞くから何でもいいから言ってみなよ!」
~特命係~
特命係の部屋に案内する亀山、その前の部署である組織対策5課を通り抜ける際にカイトはある疑問を抱いた。
亀山「ハイ、ここが警視庁特命係だよ。ちなみに隣は組織対策5課!よく間違えられるけどね…」
カイト「あの…亀山さん…でしたっけ、何で隣の部署は誰もいないんですか?」
そう、先ほど通り抜けた組織対策5課は現在無人の状態で常に「よ、暇か?」とコーヒーを強請りに
ちょっかいを出す角田課長率いる組対5課の刑事たちは現在部署にはいなくて無人の状態だった。
亀山「あぁ、隣は今ちょっとある事件を追っていてね。
これは一般人には言えないんだけどね、新宿の繁華街で中国マフィアが諍い起こして大変なんだって!」
カイト(おいおい…バッチリ言ってるじゃねえかよ!?この刑事さん大丈夫か…?)
亀山「本当は俺以外にもあともう一人上司がいるんだけど今は外出中でさ…
とりあえず俺が話を聞くから何でもいいから言ってみなよ!」
7: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:19:44.43 :nZpEVRBq0
亀山に対して不安を抱くカイトだが現状でこれから話す事を対応してくれるのはこの男しかいない…
そう思ったカイトは意を決して亀山にある事件について話し始めた。
カイト「まずは自己紹介しますけど俺は甲斐亨、こっちは同級生の中村由美です。
それじゃあ言いますけど亀山さんは『死の着信』って知っていますか?」
亀山「死の着信?いや…知らないけど…?」
何も知らない亀山のためにカイトは一応の説明をする。
亀山に対して不安を抱くカイトだが現状でこれから話す事を対応してくれるのはこの男しかいない…
そう思ったカイトは意を決して亀山にある事件について話し始めた。
カイト「まずは自己紹介しますけど俺は甲斐亨、こっちは同級生の中村由美です。
それじゃあ言いますけど亀山さんは『死の着信』って知っていますか?」
亀山「死の着信?いや…知らないけど…?」
何も知らない亀山のためにカイトは一応の説明をする。
8: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:20:16.28 :nZpEVRBq0
『死の着信』 それは1ヶ月前より巷で流行っている所謂都市伝説の怪奇話である。
この話にはあるいくつかのルールが存在する。
1.発信者は自分の携帯電話の番号である。
2.着信履歴に残る時刻は未来の時刻、人によってそれぞれだが最長1週間後の日付となっている。
3.着信メロディに何故か『ある特定の音源』が使用されている。
4.メールや音声で死ぬ直前の画像や動画や音声が送られてくる。
5.この着信を受け取った者は何があろうと必ず………『死ぬ!』
6.死の着信を受けた物の死体の口には必ず赤い飴玉が咥えられている。
7.殺された被害者の携帯電話の番号から次の被害者が選ばれ殺人は繰り返される。
『死の着信』 それは1ヶ月前より巷で流行っている所謂都市伝説の怪奇話である。
この話にはあるいくつかのルールが存在する。
1.発信者は自分の携帯電話の番号である。
2.着信履歴に残る時刻は未来の時刻、人によってそれぞれだが最長1週間後の日付となっている。
3.着信メロディに何故か『ある特定の音源』が使用されている。
4.メールや音声で死ぬ直前の画像や動画や音声が送られてくる。
5.この着信を受け取った者は何があろうと必ず………『死ぬ!』
6.死の着信を受けた物の死体の口には必ず赤い飴玉が咥えられている。
7.殺された被害者の携帯電話の番号から次の被害者が選ばれ殺人は繰り返される。
9: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:22:09.79 :nZpEVRBq0
亀山「ハハ…う…嘘だろそれ…」
その話を聞いた亀山は彼らが冗談を言いに来たと思い笑ってみせた。
だが彼らの真剣な顔を見てこの話に何か信憑性があるのではないかと疑問を持った。
亀山「まさか…本当なのか?」
亀山がこの話に疑いを持ち始めると同時に今まで頑なに黙っていた女子大生が話をし始めた。
由美「その話は本当です…」
カイトの同期の女子大生である中村由美は重苦しい表情で数日前の出来事を話し始めた…
亀山「ハハ…う…嘘だろそれ…」
その話を聞いた亀山は彼らが冗談を言いに来たと思い笑ってみせた。
だが彼らの真剣な顔を見てこの話に何か信憑性があるのではないかと疑問を持った。
亀山「まさか…本当なのか?」
亀山がこの話に疑いを持ち始めると同時に今まで頑なに黙っていた女子大生が話をし始めた。
由美「その話は本当です…」
カイトの同期の女子大生である中村由美は重苦しい表情で数日前の出来事を話し始めた…
11: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:22:38.29 :nZpEVRBq0
由美「私たちのサークルに『岡崎陽子』っていう子がいて…1週間前…つまり7月26日に私たち合コンをしていたんです…
『河合健二』、『小西なつみ』の5人のメンバーだったんです。」
カイト「俺たちは合コンの話で盛り上がっていました…
それでトイレに行った陽子の携帯に変な着信音が鳴ったんです、彼女そんな着信音の設定はしてないって言ってたのにですよ…
それでその彼女が…死の着信を受けたんです…送られてきたは着信時刻は7月28日23時04分でした…」
由美「その時、私は陽子と一緒にトイレで先輩が着信を受け取ったのを知ったんです…
でもその子は知らないうちに設定されていた着信音に相手の電話番号が自分のモノだった事でそれが死の着信じゃないかって疑って…
けどその時は唯の悪戯だろうって誰も信じてはいなかったんです…」
カイト「ちなみにこれがその時に送られてきた音声です。
俺…気になったんで陽子に頼んで音声のデータ移してもらったんで聞いてもらえますか?」
そしてカイトは亀山に岡崎陽子が受け取った時の死の着信の音声を聞いた。
由美「私たちのサークルに『岡崎陽子』っていう子がいて…1週間前…つまり7月26日に私たち合コンをしていたんです…
『河合健二』、『小西なつみ』の5人のメンバーだったんです。」
カイト「俺たちは合コンの話で盛り上がっていました…
それでトイレに行った陽子の携帯に変な着信音が鳴ったんです、彼女そんな着信音の設定はしてないって言ってたのにですよ…
それでその彼女が…死の着信を受けたんです…送られてきたは着信時刻は7月28日23時04分でした…」
由美「その時、私は陽子と一緒にトイレで先輩が着信を受け取ったのを知ったんです…
でもその子は知らないうちに設定されていた着信音に相手の電話番号が自分のモノだった事でそれが死の着信じゃないかって疑って…
けどその時は唯の悪戯だろうって誰も信じてはいなかったんです…」
カイト「ちなみにこれがその時に送られてきた音声です。
俺…気になったんで陽子に頼んで音声のデータ移してもらったんで聞いてもらえますか?」
そしてカイトは亀山に岡崎陽子が受け取った時の死の着信の音声を聞いた。
12: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:23:14.54 :nZpEVRBq0
((カンカンカンカンカン))
最初に聴こえてくるのはまるで電車の踏切の音。
『やだ、雨降ってきちゃった…』
次に女性の声、カイトが言うには岡崎陽子本人の声だという事だ。
そして最後に…
『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!』
岡崎陽子の悲鳴、まるで断末魔の叫びが部屋に響き渡った…
((カンカンカンカンカン))
最初に聴こえてくるのはまるで電車の踏切の音。
『やだ、雨降ってきちゃった…』
次に女性の声、カイトが言うには岡崎陽子本人の声だという事だ。
そして最後に…
『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!』
岡崎陽子の悲鳴、まるで断末魔の叫びが部屋に響き渡った…
13: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:23:53.86 :nZpEVRBq0
亀山「何だこりゃ…」
あまりの事に思わず声に出せない亀山、しかしこの話にはまだ続きがあった…
由美「私たちはこの話を半信半疑だと思い、仲間内で電話番号を交換してその日はお開きになったんです…
それから二日後の28日の23時頃に私は陽子と電話で話をしていました…
他愛のない会話です、今度一緒に水着買いに行こうって…健二に見せたいって…
その時でした…うぅ…グスッ…」
それから由美は泣きじゃくりまともに言葉が出なくなってしまい代わりにカイトが言う事になった…
カイト「由美から聞いたんですけど…その時どうやら陽子の近くで雨が降っていたらしいんですよ。
その時彼女が言った言葉がこうでした…」
『やだ、雨降ってきちゃった…』
そして次に陽子が発した言葉が…
『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!』
亀山「ちょ…ちょっと待って!それってつまり…」
亀山「何だこりゃ…」
あまりの事に思わず声に出せない亀山、しかしこの話にはまだ続きがあった…
由美「私たちはこの話を半信半疑だと思い、仲間内で電話番号を交換してその日はお開きになったんです…
それから二日後の28日の23時頃に私は陽子と電話で話をしていました…
他愛のない会話です、今度一緒に水着買いに行こうって…健二に見せたいって…
その時でした…うぅ…グスッ…」
それから由美は泣きじゃくりまともに言葉が出なくなってしまい代わりにカイトが言う事になった…
カイト「由美から聞いたんですけど…その時どうやら陽子の近くで雨が降っていたらしいんですよ。
その時彼女が言った言葉がこうでした…」
『やだ、雨降ってきちゃった…』
そして次に陽子が発した言葉が…
『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!』
亀山「ちょ…ちょっと待って!それってつまり…」
14: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:25:04.97 :nZpEVRBq0
あまりにも荒唐無稽な事態にさすがに同様の隠せない亀山、話はまだ終わりではなかった…
カイト「実は今日ここにもう一人来る事になっていたヤツがいたんです…
さっき話した『河合健二』っていう俺のダチなんですけど…そいつはこの話を全然信じてなくて…
でも昨日の事でした、あいつ…死の着信を受けたんですよ!」
亀山「それってどういう事なんだ?」
カイトが言うにはこうである。
死の着信を受けて死んだ人間の携帯から次の標的が定められる。
7月26日の合コンの時に彼らは携帯電話の番号をお互いに交換していた、つまり河合健二が標的に選ばれてしまったのだ…
カイト「ちなみに健二の携帯をちょっと強引に借りてあいつが受け取ったっていう着信の音声なんですけど…」
あまりにも荒唐無稽な事態にさすがに同様の隠せない亀山、話はまだ終わりではなかった…
カイト「実は今日ここにもう一人来る事になっていたヤツがいたんです…
さっき話した『河合健二』っていう俺のダチなんですけど…そいつはこの話を全然信じてなくて…
でも昨日の事でした、あいつ…死の着信を受けたんですよ!」
亀山「それってどういう事なんだ?」
カイトが言うにはこうである。
死の着信を受けて死んだ人間の携帯から次の標的が定められる。
7月26日の合コンの時に彼らは携帯電話の番号をお互いに交換していた、つまり河合健二が標的に選ばれてしまったのだ…
カイト「ちなみに健二の携帯をちょっと強引に借りてあいつが受け取ったっていう着信の音声なんですけど…」
16: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:26:40.90 :nZpEVRBq0
カイトが恐る恐る亀山に聞かせる河合健二という青年の死の着信の音声、それは8月3日15時34分の着信履歴…
『やっべ、完全に忘れてた!』
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!』
亀山「これも…演技にしちゃちょっと出来過ぎだろ…」
カイト「これが健二に送られてきた死の着信です、俺と由美はこの事を近くの所轄に相談しに行ったんですけど
誰もまともに取り合ってくれなくて…」
そりゃそうだ、こんなオカルト染みた案件なんて所轄の刑事が扱う訳がない…
亀山自身も内心この話を未だ信じられずにいた。
カイト「それで所轄の刑事さんたちが警視庁の特命係にいけばなんとかしてくれるかもって言われたんでここに来たんですけど…」
亀山(なるほど、要はこっちにたらい回しにされたって事か…)
カイトが恐る恐る亀山に聞かせる河合健二という青年の死の着信の音声、それは8月3日15時34分の着信履歴…
『やっべ、完全に忘れてた!』
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!』
亀山「これも…演技にしちゃちょっと出来過ぎだろ…」
カイト「これが健二に送られてきた死の着信です、俺と由美はこの事を近くの所轄に相談しに行ったんですけど
誰もまともに取り合ってくれなくて…」
そりゃそうだ、こんなオカルト染みた案件なんて所轄の刑事が扱う訳がない…
亀山自身も内心この話を未だ信じられずにいた。
カイト「それで所轄の刑事さんたちが警視庁の特命係にいけばなんとかしてくれるかもって言われたんでここに来たんですけど…」
亀山(なるほど、要はこっちにたらい回しにされたって事か…)
17: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:27:52.11 :nZpEVRBq0
さすがに今の話だけではなんとも言い難い状況、亀山はとりあえずこの事を上司と相談して対応してみると
カイトたちにそう話し、今日のところは帰らせる事にする。
それから亀山はカイトと由美を警視庁の出入口まで見送っていた。
亀山「じゃあな、とりあえず気を付けろよ!」
亀山の姿が見えなくなると同時に二人は先ほどの亀山の対応について話していた。
由美「さっきの刑事さん…どう見ても半信半疑だったよね…」
カイト「まぁ…しょうがねえだろ…俺だっていきなりこんな話振られたら対応困るしさ…」
由美「じゃあ真剣に対応してもらうためにカイトくんのお父さんの名前を…」
由美がカイトの父親の事を持ち出そうとした時であった。
さすがに今の話だけではなんとも言い難い状況、亀山はとりあえずこの事を上司と相談して対応してみると
カイトたちにそう話し、今日のところは帰らせる事にする。
それから亀山はカイトと由美を警視庁の出入口まで見送っていた。
亀山「じゃあな、とりあえず気を付けろよ!」
亀山の姿が見えなくなると同時に二人は先ほどの亀山の対応について話していた。
由美「さっきの刑事さん…どう見ても半信半疑だったよね…」
カイト「まぁ…しょうがねえだろ…俺だっていきなりこんな話振られたら対応困るしさ…」
由美「じゃあ真剣に対応してもらうためにカイトくんのお父さんの名前を…」
由美がカイトの父親の事を持ち出そうとした時であった。
18: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:28:19.63 :nZpEVRBq0
カイト「嫌だね!!あんなヤツに頼むだなんて死んでもゴメンだ!!」
父親の名を挙げたと同時に激しい嫌悪感を露わにするカイト、その態度を見て由美は思わず謝罪してしまう…
由美「あ、ゴメンなさい…」
カイト「いや…俺の方こそ…あ、これは…」
その時、鞄の中に先ほど亀山からもらった警察官採用申込用紙をまだ持っていた事に気付いた。
しかしここは道端、こんな通り道に捨てるわけにもいかずにしょうがなく持って帰る事にした…
カイト「嫌だね!!あんなヤツに頼むだなんて死んでもゴメンだ!!」
父親の名を挙げたと同時に激しい嫌悪感を露わにするカイト、その態度を見て由美は思わず謝罪してしまう…
由美「あ、ゴメンなさい…」
カイト「いや…俺の方こそ…あ、これは…」
その時、鞄の中に先ほど亀山からもらった警察官採用申込用紙をまだ持っていた事に気付いた。
しかしここは道端、こんな通り道に捨てるわけにもいかずにしょうがなく持って帰る事にした…
19: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:28:46.47 :nZpEVRBq0
一方、亀山はというと…
亀山「さてと、これからどうしたもんだかな…」
先ほどの事件についてまだ半信半疑であった、そこへ珍しい男が彼に声を掛けてきた。
小野田「亀山さん、今話していた少年は知り合いかしら?」
亀山「お…小野田官房長!?」
小野田公顕、警察庁長官官房室長の官房長であり実質警察庁のNo.2と言われる人物である。
そして特命係を創設した張本人でもあり事件が起きるたびに時に協力者、時に妨害をと敵か味方なのかわからない人物である。
一方、亀山はというと…
亀山「さてと、これからどうしたもんだかな…」
先ほどの事件についてまだ半信半疑であった、そこへ珍しい男が彼に声を掛けてきた。
小野田「亀山さん、今話していた少年は知り合いかしら?」
亀山「お…小野田官房長!?」
小野田公顕、警察庁長官官房室長の官房長であり実質警察庁のNo.2と言われる人物である。
そして特命係を創設した張本人でもあり事件が起きるたびに時に協力者、時に妨害をと敵か味方なのかわからない人物である。
20: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:29:27.21 :nZpEVRBq0
亀山「何で官房長が警視庁に!?」
小野田「それよりも先ほどの彼…何処かで見覚えがあると思ったら確かウチの甲斐さんの息子さんだったと思うんだけど…」
小野田が言うにはカイトは警察庁の幹部職員である甲斐峯秋の息子であり以前彼と面識があったという話である。
小野田「まぁよくは知りませんけど力になってあげたらどうかしら?
そうしたら亀山さんも上の人たちとお近づきになれるかもしれませんよ。」
冗談めいた事を言い残しその場を立ち去る小野田、一人その場に立ち尽くす亀山は半ば呆れ顔でいた。
亀山「ハハハ…つまり逆に言えばこの件を蔑にしたらお坊ちゃんのご機嫌を損ねてパパに文句言われちゃうって事かよ…
まったく冗談じゃねえや!」
そう思った矢先に亀山の携帯に右京からの連絡が入った。
右京「僕です、今暇ですか?」
そう言うと右京は至急ある場所へ来てくれとの事で亀山は急ぎ右京のいる場所へと向かった。
亀山自身も先ほどの死の着信とかいう馬鹿げたオカルト事件よりはマシだろうと思い足早に右京の下へと急いだ。
その頃、小野田は警視庁内のとある一室へと向かった。
亀山「何で官房長が警視庁に!?」
小野田「それよりも先ほどの彼…何処かで見覚えがあると思ったら確かウチの甲斐さんの息子さんだったと思うんだけど…」
小野田が言うにはカイトは警察庁の幹部職員である甲斐峯秋の息子であり以前彼と面識があったという話である。
小野田「まぁよくは知りませんけど力になってあげたらどうかしら?
そうしたら亀山さんも上の人たちとお近づきになれるかもしれませんよ。」
冗談めいた事を言い残しその場を立ち去る小野田、一人その場に立ち尽くす亀山は半ば呆れ顔でいた。
亀山「ハハハ…つまり逆に言えばこの件を蔑にしたらお坊ちゃんのご機嫌を損ねてパパに文句言われちゃうって事かよ…
まったく冗談じゃねえや!」
そう思った矢先に亀山の携帯に右京からの連絡が入った。
右京「僕です、今暇ですか?」
そう言うと右京は至急ある場所へ来てくれとの事で亀山は急ぎ右京のいる場所へと向かった。
亀山自身も先ほどの死の着信とかいう馬鹿げたオカルト事件よりはマシだろうと思い足早に右京の下へと急いだ。
その頃、小野田は警視庁内のとある一室へと向かった。
21: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:30:36.94 :nZpEVRBq0
~大河内の部屋~
大河内「お待ちしておりました官房長、わざわざお越しくださって恐縮です。」
小野田「まぁ別にいいけどね、隣のビル同士だし少しは運動しないと体が鈍っちゃうし…
それで何があったのかしら?」
大河内「実は…」
大河内が重苦しい雰囲気の中で小野田にある問題について説明をする。
それは数週間ほど前から警察のデータバンクにある警察官に関する情報が外部の人間によって閲覧された疑いがあるという話であった。
しかもその閲覧された情報には警察の幹部職員の情報も含まれていた。
小野田「なるほど、それは少し厄介な話ですね。
警察官の…それも幹部職員の情報を閲覧となると最悪の場合、犯罪者に我々幹部職員の生命を脅かされる恐れもあるよね…」
大河内「えぇ、それで私はこの件について独自に調査を開始したいと思うのですが…」
小野田「何か問題があるのかしら?」
~大河内の部屋~
大河内「お待ちしておりました官房長、わざわざお越しくださって恐縮です。」
小野田「まぁ別にいいけどね、隣のビル同士だし少しは運動しないと体が鈍っちゃうし…
それで何があったのかしら?」
大河内「実は…」
大河内が重苦しい雰囲気の中で小野田にある問題について説明をする。
それは数週間ほど前から警察のデータバンクにある警察官に関する情報が外部の人間によって閲覧された疑いがあるという話であった。
しかもその閲覧された情報には警察の幹部職員の情報も含まれていた。
小野田「なるほど、それは少し厄介な話ですね。
警察官の…それも幹部職員の情報を閲覧となると最悪の場合、犯罪者に我々幹部職員の生命を脅かされる恐れもあるよね…」
大河内「えぇ、それで私はこの件について独自に調査を開始したいと思うのですが…」
小野田「何か問題があるのかしら?」
22: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:31:05.74 :nZpEVRBq0
大河内「今回の件はもしかしたら警察内部の人間が手を貸している疑いがあります。
こんな状況では自分の部下も信用できません、そこで…」
小野田「なるほど、僕を呼んだのはキミが信頼できる人間を呼んでほしいという訳ですね。
わかりました、それで何人欲しいの?」
大河内「いえ、欲しいのは一人だけ…今回の件に関してはなるべき少数で動きたいので…」
小野田「へぇ…まぁいいや…僕の伝手で良い人材を紹介しましょう。」
大河内「ありがとうございます。」
それから小野田はすぐに部下に命じてある人物を呼びつけた、数分後…小野田と大河内の下にやってきた人物とは…
大河内「今回の件はもしかしたら警察内部の人間が手を貸している疑いがあります。
こんな状況では自分の部下も信用できません、そこで…」
小野田「なるほど、僕を呼んだのはキミが信頼できる人間を呼んでほしいという訳ですね。
わかりました、それで何人欲しいの?」
大河内「いえ、欲しいのは一人だけ…今回の件に関してはなるべき少数で動きたいので…」
小野田「へぇ…まぁいいや…僕の伝手で良い人材を紹介しましょう。」
大河内「ありがとうございます。」
それから小野田はすぐに部下に命じてある人物を呼びつけた、数分後…小野田と大河内の下にやってきた人物とは…
23: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:31:33.71 :nZpEVRBq0
神戸「お待たせしました、警察庁警備局警備企画課課長補佐の神戸尊警視です。
お久しぶりですね大河内さん♪」
大河内「まさかお前が来るとは…」
何と現れたのは大河内の旧知の間柄にして後に杉下右京の相棒となる神戸尊であった。
ちなみにこの時、彼はまだ警察庁の職員であり、数年後自分が特命係に飛ばされるとはこの時はまだ予想すらしていなかった…
小野田「二人は旧知の仲だし、まぁ顔見知り同士頑張ってね。」
神戸「頑張りましょうね♪」
大河内「ふん!」(バリッボリッ)
懐に忍ばせてあるラムネを頬張りながら大河内は不満そうな顔でこの決定を受け入れた。
しかしこの一見何の関係も無い幾つもの事件が全て繋がっていようとはこの時誰が予想出来ただろうか…
神戸「お待たせしました、警察庁警備局警備企画課課長補佐の神戸尊警視です。
お久しぶりですね大河内さん♪」
大河内「まさかお前が来るとは…」
何と現れたのは大河内の旧知の間柄にして後に杉下右京の相棒となる神戸尊であった。
ちなみにこの時、彼はまだ警察庁の職員であり、数年後自分が特命係に飛ばされるとはこの時はまだ予想すらしていなかった…
小野田「二人は旧知の仲だし、まぁ顔見知り同士頑張ってね。」
神戸「頑張りましょうね♪」
大河内「ふん!」(バリッボリッ)
懐に忍ばせてあるラムネを頬張りながら大河内は不満そうな顔でこの決定を受け入れた。
しかしこの一見何の関係も無い幾つもの事件が全て繋がっていようとはこの時誰が予想出来ただろうか…
24: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:34:27.81 :nZpEVRBq0
~のぞみの家~
右京から呼び出しを受けた亀山はこの『のぞみの家』という児童養護施設に来ていた。
亀山「まさかもう一度ここに来る事になるとはな…」
実はこの施設は以前に都内で発生した16人の子供が一斉に誘拐されるという
同時多発誘拐事件で逮捕された犯人夫婦が営む施設であった。
あの事件はその後、犯人夫妻に執行猶予が付き、更に二人とも模範囚であった事から数年前に仮釈放された。
そしてあの事件で人々からの注目が集まり再び施設を再開する事が出来たのである。
そんな場所に何故右京は亀山を呼び出したのか、些か疑問に思っていた。
そして建物の中に入った亀山はそこで待っていた右京と当時あの事件の犯人である望月ちとせと則彦と再会した。
~のぞみの家~
右京から呼び出しを受けた亀山はこの『のぞみの家』という児童養護施設に来ていた。
亀山「まさかもう一度ここに来る事になるとはな…」
実はこの施設は以前に都内で発生した16人の子供が一斉に誘拐されるという
同時多発誘拐事件で逮捕された犯人夫婦が営む施設であった。
あの事件はその後、犯人夫妻に執行猶予が付き、更に二人とも模範囚であった事から数年前に仮釈放された。
そしてあの事件で人々からの注目が集まり再び施設を再開する事が出来たのである。
そんな場所に何故右京は亀山を呼び出したのか、些か疑問に思っていた。
そして建物の中に入った亀山はそこで待っていた右京と当時あの事件の犯人である望月ちとせと則彦と再会した。
25: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:34:54.64 :nZpEVRBq0
右京「亀山くん、お待ちしていましたよ。」
ちとせ「刑事さん…あの時はどうも…」
則彦「馬鹿な真似をしてすみませんでした…」
亀山「いや、お二人は今は更生して無事に自由の身ですからね…
それで右京さん、何で俺たちが呼び出されたんですか?」
亀山の率直な疑問に対して右京は部屋の隅でジッとしたままでいるある少女を指摘する。
幼稚園児くらいの年齢で妙にボロボロなクマのぬいぐるみに小さなカバンを持った一人の少女…
どうやらこの少女についての事であった。
右京「亀山くん、お待ちしていましたよ。」
ちとせ「刑事さん…あの時はどうも…」
則彦「馬鹿な真似をしてすみませんでした…」
亀山「いや、お二人は今は更生して無事に自由の身ですからね…
それで右京さん、何で俺たちが呼び出されたんですか?」
亀山の率直な疑問に対して右京は部屋の隅でジッとしたままでいるある少女を指摘する。
幼稚園児くらいの年齢で妙にボロボロなクマのぬいぐるみに小さなカバンを持った一人の少女…
どうやらこの少女についての事であった。
27: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:35:36.95 :nZpEVRBq0
右京「少女の名前は『水沼菜々子』、年齢は5歳。この施設にやって来てまだ1ヶ月足らずです。
今回頼まれたのはあの少女のお母さんを探してほしいとの事です。
菜々子ちゃんのお母さん水沼マリエさんは1ヶ月前に菜々子ちゃんを『武蔵野青木外科医院』に連れて行き、
そのまま失踪してしまったそうですよ。」
亀山「武蔵野青木外科医院?どこかで聞き覚えがあるような気が…
あー!あの事件の時の!?けどなるほど…人探しですか!
よ~し!任せろよ菜々子ちゃん!必ず俺たちがキミのお母さんを見つけてあげるからな!!」
亀山は張り切り出して菜々子を励まそうとする。
先ほど相談を受けた死の着信なんてふざけた話よりはよっぽどマシで有意義だろうと思ったからだ。
だが菜々子はというと…
右京「少女の名前は『水沼菜々子』、年齢は5歳。この施設にやって来てまだ1ヶ月足らずです。
今回頼まれたのはあの少女のお母さんを探してほしいとの事です。
菜々子ちゃんのお母さん水沼マリエさんは1ヶ月前に菜々子ちゃんを『武蔵野青木外科医院』に連れて行き、
そのまま失踪してしまったそうですよ。」
亀山「武蔵野青木外科医院?どこかで聞き覚えがあるような気が…
あー!あの事件の時の!?けどなるほど…人探しですか!
よ~し!任せろよ菜々子ちゃん!必ず俺たちがキミのお母さんを見つけてあげるからな!!」
亀山は張り切り出して菜々子を励まそうとする。
先ほど相談を受けた死の着信なんてふざけた話よりはよっぽどマシで有意義だろうと思ったからだ。
だが菜々子はというと…
28: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:36:09.75 :nZpEVRBq0
菜々子「…」
亀山「あ…あれ?」
俯いていた、まるで母親を探してほしくないのではと疑いたくなるほどに…
ちとせ「それじゃ菜々子の母親の事お願いします…」
右京「えぇ、今回の件承りました。」
亀山「俺たちが必ず菜々子ちゃんのお母さんを見つけてあげますからね!」
望月夫妻の前で自信満々にそう答える亀山、だが夫の則彦は…
則彦「正直…見つからない方がいいのかも…」
そうぼそりと呟いていた…
菜々子「…」
亀山「あ…あれ?」
俯いていた、まるで母親を探してほしくないのではと疑いたくなるほどに…
ちとせ「それじゃ菜々子の母親の事お願いします…」
右京「えぇ、今回の件承りました。」
亀山「俺たちが必ず菜々子ちゃんのお母さんを見つけてあげますからね!」
望月夫妻の前で自信満々にそう答える亀山、だが夫の則彦は…
則彦「正直…見つからない方がいいのかも…」
そうぼそりと呟いていた…
29: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:36:37.06 :nZpEVRBq0
それから車に乗り込み施設を後にする右京と亀山。
亀山は何故菜々子や望月夫妻が今回の件について消極的なのかという事を問い質していた。
亀山「おかしくないですか?
母親を探してほしいから俺たちに依頼してきたんでしょ?それなのに見つからない方がいいかもとか言って…」
右京「確かに疑問はもっともです。
では今回の件、僕から詳しい説明を付け加えておきましょう。
実は…先ほどキミがお会いした水沼菜々子ちゃんですが虐待されている可能性があります。」
亀山「ぎゃ…虐待!?」
右京の説明は以下の通りである。
右京は亀山が来る前に望月夫妻の許可を得て菜々子の身体に虐待の痕跡を発見した。
それは殴られたりするような痣ではなく包丁や鋏による切り傷の跡が身体の箇所に複数見られていた。
さらにそれだけではなかった…
それから車に乗り込み施設を後にする右京と亀山。
亀山は何故菜々子や望月夫妻が今回の件について消極的なのかという事を問い質していた。
亀山「おかしくないですか?
母親を探してほしいから俺たちに依頼してきたんでしょ?それなのに見つからない方がいいかもとか言って…」
右京「確かに疑問はもっともです。
では今回の件、僕から詳しい説明を付け加えておきましょう。
実は…先ほどキミがお会いした水沼菜々子ちゃんですが虐待されている可能性があります。」
亀山「ぎゃ…虐待!?」
右京の説明は以下の通りである。
右京は亀山が来る前に望月夫妻の許可を得て菜々子の身体に虐待の痕跡を発見した。
それは殴られたりするような痣ではなく包丁や鋏による切り傷の跡が身体の箇所に複数見られていた。
さらにそれだけではなかった…
31: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:39:32.60 :nZpEVRBq0
右京「実は…菜々子ちゃんにはお姉さんがいました。
名前は『水沼美々子』、年齢は小学校5年生の11歳の少女でした。」
亀山は右京の言い方に違和感を感じる、『いました』『でした』…まるでもう姉がいないような言い方であった。
亀山「右京さん…その言い方はもしかして…」
右京「キミが推察する通り、美々子さんはもうこの世にはいません。
彼女は亡くなっています。」
右京の話はこうである。
菜々子の姉である水沼美々子は喘息を患っていた、直接的な死因は喘息による発作である事。
そしてある重要な事を右京は付け加えた。
右京「僕たちが依頼されたのは母親探しですが…
もしも母親が美々子さんの死を知りながら敢えてあえて放置したというのなら…これは殺人事件になります。
最悪の場合、僕たちは母親である水沼マリエさんを逮捕しなければなりません!」
右京「実は…菜々子ちゃんにはお姉さんがいました。
名前は『水沼美々子』、年齢は小学校5年生の11歳の少女でした。」
亀山は右京の言い方に違和感を感じる、『いました』『でした』…まるでもう姉がいないような言い方であった。
亀山「右京さん…その言い方はもしかして…」
右京「キミが推察する通り、美々子さんはもうこの世にはいません。
彼女は亡くなっています。」
右京の話はこうである。
菜々子の姉である水沼美々子は喘息を患っていた、直接的な死因は喘息による発作である事。
そしてある重要な事を右京は付け加えた。
右京「僕たちが依頼されたのは母親探しですが…
もしも母親が美々子さんの死を知りながら敢えてあえて放置したというのなら…これは殺人事件になります。
最悪の場合、僕たちは母親である水沼マリエさんを逮捕しなければなりません!」
32: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 18:40:06.92 :nZpEVRBq0
亀山「母親を…逮捕…」
その言葉を聞き、亀山は先ほど菜々子の前で母親を見つけ出すと息巻いていた自分の言葉を取り消したくなってきていた。
右京「菜々子ちゃんを虐待させて、そして美々子さんもまた虐待死させたのなら…
それは到底許されるべき行いではありません。
最初に言っておきますがこの件は菜々子ちゃんにとって必ずよい結果で終るとは思わない方がいいかもしれませんねぇ…」
亀山「…」
車内は重苦しい雰囲気に包まれつつ、車は菜々子の母親である水沼マリエを探すべく走り出した。
亀山「母親を…逮捕…」
その言葉を聞き、亀山は先ほど菜々子の前で母親を見つけ出すと息巻いていた自分の言葉を取り消したくなってきていた。
右京「菜々子ちゃんを虐待させて、そして美々子さんもまた虐待死させたのなら…
それは到底許されるべき行いではありません。
最初に言っておきますがこの件は菜々子ちゃんにとって必ずよい結果で終るとは思わない方がいいかもしれませんねぇ…」
亀山「…」
車内は重苦しい雰囲気に包まれつつ、車は菜々子の母親である水沼マリエを探すべく走り出した。
35: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:22:51.81 :nZpEVRBq0
<8月3日>
~水沼宅~
翌日、右京と亀山は水沼マリエが住んでいた団地、つまり菜々子が以前住んでいた場所にやってきていた。
ちなみにこの部屋は水沼美々子の死体が発見された場所でもある。
部屋の中は1ヶ月前に美々子が死んだ時のままの状態になっており子供が悪戯などをして物を荒らした痕跡が見られた。
それから右京はこの部屋に入る前に団地の郵便受けにある水沼宅の郵便物に紛れていた携帯電話の請求書を見てこう話した。
<8月3日>
~水沼宅~
翌日、右京と亀山は水沼マリエが住んでいた団地、つまり菜々子が以前住んでいた場所にやってきていた。
ちなみにこの部屋は水沼美々子の死体が発見された場所でもある。
部屋の中は1ヶ月前に美々子が死んだ時のままの状態になっており子供が悪戯などをして物を荒らした痕跡が見られた。
それから右京はこの部屋に入る前に団地の郵便受けにある水沼宅の郵便物に紛れていた携帯電話の請求書を見てこう話した。
36: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:23:31.70 :nZpEVRBq0
右京「今から1ヶ月前、怪しい物音を聞いた近所の住人が水沼宅へ入りその時既に意識の無い美々子さんを発見。
美々子さんは居間で喘息の発作によりもがき苦しみながら倒れていました。
彼女は救急車で搬送されましたが病院に着く前にそのまま死亡。
当時彼女の手には携帯電話が握られていたという事です。」
亀山「携帯電話?何でそんな物を?」
右京「美々子さんは喘息を患っていたとの事です。
近所の方が言うには恐らくいつでも母親と連絡を取れるように持たせていたのではという事ですが…
ちなみにこの請求書に書かれてあるマリエさんの携帯電話の番号ですが…
090‐〇〇‐××××ですが…予想はしていましたが一向に繋がりませんね。」
ここで亀山はある疑問を感じて右京にある質問をする。
亀山「それって何かおかしくないですか?
いなくなった母親は子供に虐待するような酷い人間だった訳ですよね!
それなのに何で携帯電話を持たせていたんですか?」
右京「えぇ、僕もそこに違和感がありました。
キミの言う通り虐待をするような母親がわざわざ子供に携帯電話を買い与えるモノなのか…
少し気になるところですねぇ。」
右京「今から1ヶ月前、怪しい物音を聞いた近所の住人が水沼宅へ入りその時既に意識の無い美々子さんを発見。
美々子さんは居間で喘息の発作によりもがき苦しみながら倒れていました。
彼女は救急車で搬送されましたが病院に着く前にそのまま死亡。
当時彼女の手には携帯電話が握られていたという事です。」
亀山「携帯電話?何でそんな物を?」
右京「美々子さんは喘息を患っていたとの事です。
近所の方が言うには恐らくいつでも母親と連絡を取れるように持たせていたのではという事ですが…
ちなみにこの請求書に書かれてあるマリエさんの携帯電話の番号ですが…
090‐〇〇‐××××ですが…予想はしていましたが一向に繋がりませんね。」
ここで亀山はある疑問を感じて右京にある質問をする。
亀山「それって何かおかしくないですか?
いなくなった母親は子供に虐待するような酷い人間だった訳ですよね!
それなのに何で携帯電話を持たせていたんですか?」
右京「えぇ、僕もそこに違和感がありました。
キミの言う通り虐待をするような母親がわざわざ子供に携帯電話を買い与えるモノなのか…
少し気になるところですねぇ。」
37: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:24:03.11 :nZpEVRBq0
亀山「うん?」
その時、亀山は居間の死角になる戸棚に注目した。
その戸棚は大人の背丈でなければ届かない場所である、しかもそれだけではなかった…
((ギィー))
亀山「おわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
亀山は思わず叫んでしまった、その戸棚の中から青白い人間の手が出てきたかのように見えてしまったからだ!
右京「亀山くんどうしましたか?」
亀山「い…今…人間の手が!……あ…あれ?」
しかし右京がその戸棚を開けてみると中に人間の手などありはしなかった。
だが代わりにあるモノが置かれていた。
亀山「うん?」
その時、亀山は居間の死角になる戸棚に注目した。
その戸棚は大人の背丈でなければ届かない場所である、しかもそれだけではなかった…
((ギィー))
亀山「おわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
亀山は思わず叫んでしまった、その戸棚の中から青白い人間の手が出てきたかのように見えてしまったからだ!
右京「亀山くんどうしましたか?」
亀山「い…今…人間の手が!……あ…あれ?」
しかし右京がその戸棚を開けてみると中に人間の手などありはしなかった。
だが代わりにあるモノが置かれていた。
38: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:24:38.14 :nZpEVRBq0
右京「これは…ビデオカメラ?」
亀山「本当だ…けど何で?」
そこに置かれていたのは一台の旧式のビデオカメラが設置されていた。
しかし中身のテープが無い、部屋の中を隈なく探しても何処にも見当たらなかった…
右京「ありませんねぇ、テープの中身が…」
亀山「きっとこれ子供たちの悪戯でしょ、それよりも今見つけたこの写真見てくださいよ!
たぶんこの家の子供たちの母親ですよ!」
右京「これは…ビデオカメラ?」
亀山「本当だ…けど何で?」
そこに置かれていたのは一台の旧式のビデオカメラが設置されていた。
しかし中身のテープが無い、部屋の中を隈なく探しても何処にも見当たらなかった…
右京「ありませんねぇ、テープの中身が…」
亀山「きっとこれ子供たちの悪戯でしょ、それよりも今見つけたこの写真見てくださいよ!
たぶんこの家の子供たちの母親ですよ!」
39: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:25:07.04 :nZpEVRBq0
亀山は先ほど驚いた拍子に床に散らばっていたこの水沼家の家族写真を発見する。
その写真に写っているのは娘の菜々子、それに姉の美々子、そして母親のマリエ、の三人の写真である。
ちなみにこの家に父親は存在しない、この一家は母子家庭であるからだ。
しかしその写真はバラバラに引き裂かれていてジグゾーパズルの如く組み合わせるも、
長女の美々子の顔の写っている部分だけは発見する事は出来なかった…
亀山「あれ?何で美々子ちゃんの顔写真だけ無いのかな~?」
右京「それはともかく…なるほど、この方が僕たちが探している水沼マリエさんですか…」
その家族写真に写る水沼マリエはとても穏やかな顔をしていて、子供に虐待を加えるような女性には決して見えなかった…
亀山は先ほど驚いた拍子に床に散らばっていたこの水沼家の家族写真を発見する。
その写真に写っているのは娘の菜々子、それに姉の美々子、そして母親のマリエ、の三人の写真である。
ちなみにこの家に父親は存在しない、この一家は母子家庭であるからだ。
しかしその写真はバラバラに引き裂かれていてジグゾーパズルの如く組み合わせるも、
長女の美々子の顔の写っている部分だけは発見する事は出来なかった…
亀山「あれ?何で美々子ちゃんの顔写真だけ無いのかな~?」
右京「それはともかく…なるほど、この方が僕たちが探している水沼マリエさんですか…」
その家族写真に写る水沼マリエはとても穏やかな顔をしていて、子供に虐待を加えるような女性には決して見えなかった…
40: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:25:51.02 :nZpEVRBq0
~葬儀屋~
部屋の捜索を一通り終えた右京と亀山はその足で葬儀屋へ向かう。
ちなみにこの葬儀屋であるが…以前亀山が更生させた若杉栄一が借金の取り立てをして…
その際にヤミ金の激しい取り立てに耐えられなくなった葬儀屋の女主人である阿部由紀子が、
借金をした旦那の身代わりにするために客の死体を自分の旦那にすり替えて誤魔化すという大胆な事件を起こした葬儀屋でもあった…
由紀子「まさかあの時の刑事さんが来るだなんて…」
右京「その節はどうも、実はお話があるのですが?」
由紀子「何でしょうか?もうお亡くなりになった仏さまを粗末に扱ってはいませんけど?」
亀山「いや俺たちはちょっと別件で来たんですけどね…」
~葬儀屋~
部屋の捜索を一通り終えた右京と亀山はその足で葬儀屋へ向かう。
ちなみにこの葬儀屋であるが…以前亀山が更生させた若杉栄一が借金の取り立てをして…
その際にヤミ金の激しい取り立てに耐えられなくなった葬儀屋の女主人である阿部由紀子が、
借金をした旦那の身代わりにするために客の死体を自分の旦那にすり替えて誤魔化すという大胆な事件を起こした葬儀屋でもあった…
由紀子「まさかあの時の刑事さんが来るだなんて…」
右京「その節はどうも、実はお話があるのですが?」
由紀子「何でしょうか?もうお亡くなりになった仏さまを粗末に扱ってはいませんけど?」
亀山「いや俺たちはちょっと別件で来たんですけどね…」
41: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:26:41.46 :nZpEVRBq0
由紀子はパートの女性と一緒に葬式に使う引き出物を作るための作業をしている真っ最中であり、
どうにもタイミングが悪い時に来てしまった。
それから右京たちは由紀子に水沼美々子の事を話した。
記録上美々子を埋葬したのはこの葬儀屋であるとの事だった。
由紀子「水沼って…あぁ…あの…まったく困ったものですよ!
親御さんが行方不明だから葬儀代が支払われていないんですよ、これ警察で支払ってもらえますか?」
亀山「いや…そういう事は俺たちには…あれ?」
その時、亀山は由紀子が作業のために使っていた数日前の新聞紙を見て思わずギョッとした。
由紀子はパートの女性と一緒に葬式に使う引き出物を作るための作業をしている真っ最中であり、
どうにもタイミングが悪い時に来てしまった。
それから右京たちは由紀子に水沼美々子の事を話した。
記録上美々子を埋葬したのはこの葬儀屋であるとの事だった。
由紀子「水沼って…あぁ…あの…まったく困ったものですよ!
親御さんが行方不明だから葬儀代が支払われていないんですよ、これ警察で支払ってもらえますか?」
亀山「いや…そういう事は俺たちには…あれ?」
その時、亀山は由紀子が作業のために使っていた数日前の新聞紙を見て思わずギョッとした。
42: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:28:12.53 :nZpEVRBq0
何故なら…その記事に自分が昨日聞いた岡崎陽子の名前が載っていたからだ…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―女子大生、電車に撥ねられ死亡―
7月28日、23時頃にJR○×線の電車に早稲田大学に通う岡崎陽子さん(20歳)が歩道橋から落ちて電車に撥ねられ死亡。
警察は事故死として判断、なお岡崎さんは即死ではなく右手右足切断が切断されていた状態ではあるが、
目撃者の証言によると数分間は息があった。
切断された右手には携帯電話が握られており、事故に合う数分前まで友人と会話していたとの事である。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
何故なら…その記事に自分が昨日聞いた岡崎陽子の名前が載っていたからだ…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―女子大生、電車に撥ねられ死亡―
7月28日、23時頃にJR○×線の電車に早稲田大学に通う岡崎陽子さん(20歳)が歩道橋から落ちて電車に撥ねられ死亡。
警察は事故死として判断、なお岡崎さんは即死ではなく右手右足切断が切断されていた状態ではあるが、
目撃者の証言によると数分間は息があった。
切断された右手には携帯電話が握られており、事故に合う数分前まで友人と会話していたとの事である。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
43: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:28:48.71 :nZpEVRBq0
亀山「なっ!?まさか…あの子たちが言っていたのは本当の事だったのか!?」
右京「どうしたのですか亀山くん?
おや、それは数日前の新聞ですね。確か女子大生が事故死したとか…
この時に遺体の検分を行った米沢さんに聞いたのですがこの岡崎陽子さんの口から『赤い飴玉』が発見されたそうですよ。」
亀山「赤い飴玉!?」
さらに話は続く、なんとその事件の目撃者が…
亀山「なっ!?まさか…あの子たちが言っていたのは本当の事だったのか!?」
右京「どうしたのですか亀山くん?
おや、それは数日前の新聞ですね。確か女子大生が事故死したとか…
この時に遺体の検分を行った米沢さんに聞いたのですがこの岡崎陽子さんの口から『赤い飴玉』が発見されたそうですよ。」
亀山「赤い飴玉!?」
さらに話は続く、なんとその事件の目撃者が…
44: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:29:33.57 :nZpEVRBq0
パートさん「あぁ…その事件の目撃者…私なんですけど…」
由紀子「そういえば28日に急なお客様が入ったから夜遅くまで残業させちゃったのよね。」
パートさん「ハイ、確か夜中の23時くらいでしたね。
雨が降り出してきたんです、私はその女性とすれ違いになってその人が…
『やだ、雨降ってきちゃった…』って言っていたのを確かに聞きましたけど。」
由紀子「ゴメンなさいね、残業なんかさせて変な事件に出くわす事になっちゃって…
最近依頼が立て込み続けて…そういえば1ヶ月前の『山下律子』さんが亡くなってから依頼が立て込んできたわよね…」
右京「なるほど、1ヶ月前からですか…」
その話を聞き亀山は顔面蒼白になってしまった…
それからすぐに亀山は慌てて右京を連れ出して急いである場所へと向かった。
パートさん「あぁ…その事件の目撃者…私なんですけど…」
由紀子「そういえば28日に急なお客様が入ったから夜遅くまで残業させちゃったのよね。」
パートさん「ハイ、確か夜中の23時くらいでしたね。
雨が降り出してきたんです、私はその女性とすれ違いになってその人が…
『やだ、雨降ってきちゃった…』って言っていたのを確かに聞きましたけど。」
由紀子「ゴメンなさいね、残業なんかさせて変な事件に出くわす事になっちゃって…
最近依頼が立て込み続けて…そういえば1ヶ月前の『山下律子』さんが亡くなってから依頼が立て込んできたわよね…」
右京「なるほど、1ヶ月前からですか…」
その話を聞き亀山は顔面蒼白になってしまった…
それからすぐに亀山は慌てて右京を連れ出して急いである場所へと向かった。
45: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:31:47.54 :nZpEVRBq0
~早稲田大学~
カイトたちが通う早稲田大学、亀山は昨日カイトたちと連絡を取り合う時のためにお互いの連絡先を聞いていた。
そこに急いで駆けつけた亀山と事態が読み込めない右京…
亀山「しまった…もう16時だ!?チクショウ間に合わなかったか…頼むぞ…無事でいてくれよ!」
右京「まったく、先ほどからキミの行動は理解し難い行動を取りますね。
どういう事か説明して頂けますか?」
亀山「あ…はい…実は…」
亀山が右京に昨日の説明をしようとしたその時であった。
~早稲田大学~
カイトたちが通う早稲田大学、亀山は昨日カイトたちと連絡を取り合う時のためにお互いの連絡先を聞いていた。
そこに急いで駆けつけた亀山と事態が読み込めない右京…
亀山「しまった…もう16時だ!?チクショウ間に合わなかったか…頼むぞ…無事でいてくれよ!」
右京「まったく、先ほどからキミの行動は理解し難い行動を取りますね。
どういう事か説明して頂けますか?」
亀山「あ…はい…実は…」
亀山が右京に昨日の説明をしようとしたその時であった。
46: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:33:47.51 :nZpEVRBq0
ファン!ファン!ファン!ファン!
数台のパトカーが大学の構内へと入ってきていた。
それもサイレンを点灯させて、間違いなくこの大学内で事件が発生したのだ!
ちなみに駆けつけたのはご存じ警視庁捜査一課の伊丹、三浦、芹沢の捜一トリオと鑑識の米沢といつものメンバーである。
伊丹「ここが現場か…むむっ!特命係の亀山!何でテメェがここにいやがる!?
ここはテメェの来る場所じゃ…」
伊丹がいつもの喧嘩腰のやりとりを言う途中で亀山は急いである質問をした。
亀山「なぁ!お前らが来たのは河合健二って青年が死んだからじゃないのか!?」
芹沢「先輩よくわかりましたね!
そうですよ、通報があってその河合健二って男性がエレベーターのドアが勝手に開いて転落死したんですよ!」
三浦「まさかお前…事件を目撃していたのか?」
右京「いえ、そんなはずはありませんよ!
亀山くんは今日はずっと僕と一緒でしたし僕たちも先ほどここへ来たばかりですから。」
亀山「こうしちゃいられねえ!」
伊丹「あ、おい待て!?」
ファン!ファン!ファン!ファン!
数台のパトカーが大学の構内へと入ってきていた。
それもサイレンを点灯させて、間違いなくこの大学内で事件が発生したのだ!
ちなみに駆けつけたのはご存じ警視庁捜査一課の伊丹、三浦、芹沢の捜一トリオと鑑識の米沢といつものメンバーである。
伊丹「ここが現場か…むむっ!特命係の亀山!何でテメェがここにいやがる!?
ここはテメェの来る場所じゃ…」
伊丹がいつもの喧嘩腰のやりとりを言う途中で亀山は急いである質問をした。
亀山「なぁ!お前らが来たのは河合健二って青年が死んだからじゃないのか!?」
芹沢「先輩よくわかりましたね!
そうですよ、通報があってその河合健二って男性がエレベーターのドアが勝手に開いて転落死したんですよ!」
三浦「まさかお前…事件を目撃していたのか?」
右京「いえ、そんなはずはありませんよ!
亀山くんは今日はずっと僕と一緒でしたし僕たちも先ほどここへ来たばかりですから。」
亀山「こうしちゃいられねえ!」
伊丹「あ、おい待て!?」
47: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:34:39.51 :nZpEVRBq0
亀山は急いで河合健二が死亡したであろうエレベーターの入口付近に来ていた。
そこには昨日会った中村由美がショックを受けて跪いた状態であった…
由美「…」
亀山「おい大丈夫か!何があったんだ!?」
由美「手が…エレベーターから手が…いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!????」
恐怖で錯乱状態に陥る由美、そんな由美を見て亀山はあの死の着信は本物であると確信した。
それから数分後、現場の検証を伊丹や米沢たちで行っていた。
亀山は急いで河合健二が死亡したであろうエレベーターの入口付近に来ていた。
そこには昨日会った中村由美がショックを受けて跪いた状態であった…
由美「…」
亀山「おい大丈夫か!何があったんだ!?」
由美「手が…エレベーターから手が…いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!????」
恐怖で錯乱状態に陥る由美、そんな由美を見て亀山はあの死の着信は本物であると確信した。
それから数分後、現場の検証を伊丹や米沢たちで行っていた。
48: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:35:35.08 :nZpEVRBq0
米沢「状況から察するに恐らくこのエレベーターのドアが何らかの拍子に開いてしまったのでしょうな。
そして被害者は運悪く転落死してしまったものかと…」
伊丹「エレベーターが着てないのにドアが勝手に開くものか?
もしかして誰かがドアに細工して被害者を突き落としたんじゃ…」
米沢「それはないでしょうな、そのような痕跡は見当たりませんでした…
第一エレベーターのドアは簡単に細工出来ないように作られていますよ。」
芹沢「じゃあこれって事故死ですか?」
三浦「あぁ、今のところ殺人の可能性は低いな。」
そんなやり取りが行われる中で亀山は右京に昨日彼女に死の着信で相談を受けていた事を伝えて、
落ち着いた由美から河合健二の死亡時の状況を聞いてみた。
米沢「状況から察するに恐らくこのエレベーターのドアが何らかの拍子に開いてしまったのでしょうな。
そして被害者は運悪く転落死してしまったものかと…」
伊丹「エレベーターが着てないのにドアが勝手に開くものか?
もしかして誰かがドアに細工して被害者を突き落としたんじゃ…」
米沢「それはないでしょうな、そのような痕跡は見当たりませんでした…
第一エレベーターのドアは簡単に細工出来ないように作られていますよ。」
芹沢「じゃあこれって事故死ですか?」
三浦「あぁ、今のところ殺人の可能性は低いな。」
そんなやり取りが行われる中で亀山は右京に昨日彼女に死の着信で相談を受けていた事を伝えて、
落ち着いた由美から河合健二の死亡時の状況を聞いてみた。
49: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:36:16.76 :nZpEVRBq0
由美「あの死の着信の時刻が迫ってきたから私…心配になって健二くんに付いていたんです…
それであのエレベーターに向かう途中の事でした…」
由美の話によると河合健二がエレベーターに乗ろうとした瞬間に知り合いの学生にこう言われたとの事である。
『昼休み、学園祭の出し物決めるってアンタが集合掛けたんでしょ!』
その時に彼が言った言葉がこうであった。
『やっべ、完全に忘れてた!』
その瞬間、エレベーターの扉が突然開いて中から…
((シュコー)) ((シュコー))
という奇妙な音が聞こえてきた、そして…
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!』
突然エレベーターに吸い込まれるように転落してそのまま死亡という事だった…
由美「あの死の着信の時刻が迫ってきたから私…心配になって健二くんに付いていたんです…
それであのエレベーターに向かう途中の事でした…」
由美の話によると河合健二がエレベーターに乗ろうとした瞬間に知り合いの学生にこう言われたとの事である。
『昼休み、学園祭の出し物決めるってアンタが集合掛けたんでしょ!』
その時に彼が言った言葉がこうであった。
『やっべ、完全に忘れてた!』
その瞬間、エレベーターの扉が突然開いて中から…
((シュコー)) ((シュコー))
という奇妙な音が聞こえてきた、そして…
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!』
突然エレベーターに吸い込まれるように転落してそのまま死亡という事だった…
50: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:36:54.66 :nZpEVRBq0
右京「なるほど、死の着信ですか。
なるほど、それでキミの行動にも納得がいきます、しかしもっと早く教えてほしかったものですねぇ…」
亀山「すんません…まさか本当にこんな事になるとは思わなくて…」
伊丹「何が死の着信だ!そんなの信じられるわけがねえだろ!?」
そんな右京たちのところへ現場検証を一通り終えた伊丹たちがやってきた。
伊丹「このバカ亀が!
妙に現場に早く到着してのはそれが理由か!
お前も一応刑事だろ!そんな馬鹿げた話を信じちゃいねえだろうな?」
亀山「馬鹿げたって…現にこうやって人が死んでるんだぞ!?」
芹沢「けどそんなオカルトな話信じられませんよ…今は21世紀なんですからね!」
三浦「何か幽霊が殺人を犯したっていう証拠でもあれば別だがな…」
証拠、この言葉を聞いて由美はある事を伊丹たちに訊ねてみた。
右京「なるほど、死の着信ですか。
なるほど、それでキミの行動にも納得がいきます、しかしもっと早く教えてほしかったものですねぇ…」
亀山「すんません…まさか本当にこんな事になるとは思わなくて…」
伊丹「何が死の着信だ!そんなの信じられるわけがねえだろ!?」
そんな右京たちのところへ現場検証を一通り終えた伊丹たちがやってきた。
伊丹「このバカ亀が!
妙に現場に早く到着してのはそれが理由か!
お前も一応刑事だろ!そんな馬鹿げた話を信じちゃいねえだろうな?」
亀山「馬鹿げたって…現にこうやって人が死んでるんだぞ!?」
芹沢「けどそんなオカルトな話信じられませんよ…今は21世紀なんですからね!」
三浦「何か幽霊が殺人を犯したっていう証拠でもあれば別だがな…」
証拠、この言葉を聞いて由美はある事を伊丹たちに訊ねてみた。
51: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:39:10.05 :nZpEVRBq0
由美「あの…健二くんの口から赤い飴玉は見つかりましたか?」
伊丹「飴玉だぁ?」
米沢「飴玉なら確かに被害者の口の中にありましたな、そういえば都内で最近同様の手口が何件かありましたが…」
由美「やっぱり…
実は私見たんです!健二くんが転落する直前に変な青白い手が彼を中に引っ張っていくところを…」
米沢の言葉を聞いた伊丹たちはもしかしたらこの事件は赤い飴玉を使いオカルトに見立ててた、
連続殺人事件ではないかと決め込み捜査を開始する!
伊丹「つまりこれは赤い飴玉を使った連続殺人の可能性があるな!こりゃデカい事件だぜ!!」
芹沢「ちょっと先輩…今回は事故死で片づけるんじゃなかったんですか?」
三浦「それでは我々はこれで失礼しますので…」
すぐにその場を後にする伊丹たちであった。
由美「あの…健二くんの口から赤い飴玉は見つかりましたか?」
伊丹「飴玉だぁ?」
米沢「飴玉なら確かに被害者の口の中にありましたな、そういえば都内で最近同様の手口が何件かありましたが…」
由美「やっぱり…
実は私見たんです!健二くんが転落する直前に変な青白い手が彼を中に引っ張っていくところを…」
米沢の言葉を聞いた伊丹たちはもしかしたらこの事件は赤い飴玉を使いオカルトに見立ててた、
連続殺人事件ではないかと決め込み捜査を開始する!
伊丹「つまりこれは赤い飴玉を使った連続殺人の可能性があるな!こりゃデカい事件だぜ!!」
芹沢「ちょっと先輩…今回は事故死で片づけるんじゃなかったんですか?」
三浦「それでは我々はこれで失礼しますので…」
すぐにその場を後にする伊丹たちであった。
52: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:39:44.43 :nZpEVRBq0
亀山「あいつら勝手に決めつけやがって…」
右京「赤い飴玉が口からですか…
まるで人間の魂が肉体から抜け落ちるような印象がありますが犯人がいるとしたら何故このような事をするのでしょうかねぇ…」
そんな疑問が右京の頭を過っていた、しかしこの場で考えていても拉致が明かない。
右京はとりあえず本来の依頼である水沼マリエの行方を捜しに行こうとするが亀山は…
亀山「すいません、ちょっと別行動を取らせてもらえますか?
今はこの子を一人にさせるわけにはいかないんで…」
右京「わかりました、水沼マリエさんの捜索は僕が行います。
キミは彼女が落ち着くまで傍にいてあげてください。」
そう言って右京もまたその場を立ち去った、そんな右京と入れ替わりでカイトが由美を心配して急いで駆けつけてきた。
亀山「あいつら勝手に決めつけやがって…」
右京「赤い飴玉が口からですか…
まるで人間の魂が肉体から抜け落ちるような印象がありますが犯人がいるとしたら何故このような事をするのでしょうかねぇ…」
そんな疑問が右京の頭を過っていた、しかしこの場で考えていても拉致が明かない。
右京はとりあえず本来の依頼である水沼マリエの行方を捜しに行こうとするが亀山は…
亀山「すいません、ちょっと別行動を取らせてもらえますか?
今はこの子を一人にさせるわけにはいかないんで…」
右京「わかりました、水沼マリエさんの捜索は僕が行います。
キミは彼女が落ち着くまで傍にいてあげてください。」
そう言って右京もまたその場を立ち去った、そんな右京と入れ替わりでカイトが由美を心配して急いで駆けつけてきた。
53: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:40:28.06 :nZpEVRBq0
カイト「由美大丈夫か!健二はどうした!?」
亀山「確か…甲斐くんだったよな…すまない、彼はもう…」
カイト「そんな…マジかよ…」
落胆するカイト…だが…そんなカイトの前に一人の女性が悲鳴を上げた…
「「イヤァァァァァァ!?」」
亀山「な…何だ!?」
カイト「なつみ!お前も来てたのかよ!」
悲鳴を上げた女性は小西なつみ。
カイトたちと一緒に26日の合コンで最初に殺害された被害者とアドレス交換していたメンバーであった。
カイト「由美大丈夫か!健二はどうした!?」
亀山「確か…甲斐くんだったよな…すまない、彼はもう…」
カイト「そんな…マジかよ…」
落胆するカイト…だが…そんなカイトの前に一人の女性が悲鳴を上げた…
「「イヤァァァァァァ!?」」
亀山「な…何だ!?」
カイト「なつみ!お前も来てたのかよ!」
悲鳴を上げた女性は小西なつみ。
カイトたちと一緒に26日の合コンで最初に殺害された被害者とアドレス交換していたメンバーであった。
54: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:41:31.63 :nZpEVRBq0
なつみ「け…携帯…私の携帯に死の着信が…」
亀山「死の着信だと!?」
((♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫))
まるで子守唄みたいなオルゴールのメロディ。
これこそが岡崎陽子、それに河合健二を死に至らしめた死の着信であった。
夏海は恐る恐る携帯電話を開けた、そこには画像が出ていて8月4日の0時0分と出ていた。
なつみ「そんな…今日の夜だなんて…嫌よこんなの!?」
すぐに携帯電話を外に放り投げてその場で泣き崩れるなつみ、その姿を見て呆然と立ち尽くすカイトに由美と亀山…
さすがの亀山も慰める言葉が見つからなかった…
なつみ「け…携帯…私の携帯に死の着信が…」
亀山「死の着信だと!?」
((♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫))
まるで子守唄みたいなオルゴールのメロディ。
これこそが岡崎陽子、それに河合健二を死に至らしめた死の着信であった。
夏海は恐る恐る携帯電話を開けた、そこには画像が出ていて8月4日の0時0分と出ていた。
なつみ「そんな…今日の夜だなんて…嫌よこんなの!?」
すぐに携帯電話を外に放り投げてその場で泣き崩れるなつみ、その姿を見て呆然と立ち尽くすカイトに由美と亀山…
さすがの亀山も慰める言葉が見つからなかった…
55: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:42:15.00 :nZpEVRBq0
そんな時、どこからか死の着信の噂を聞きつけてマスコミの人間がなつみに近付いてきていた。
藤枝「ねぇキミ、最近巷で噂になっている死の着信を受けたんだって!
ウチで取材受けない?勿論力にもなるよ、いい霊媒師を紹介するからさぁ!」
その男は東西テレビの藤枝一郎という男であった。
彼は半ば強引になつみへ取材を申し込み、落ち込むなつみに対してかなり強引にアプローチを仕掛けて
その態度にさすがの亀山も彼の行動を止めようとした。
亀山「おいお前こんな時に止めろ!彼女嫌がっているだろ!」
藤枝「おいおい刑事さん!それじゃあ聞くけどさ警察にこの事件の犯人捕まえる事出来るの?
出来ないよね、死の着信の噂が流れてからどれだけ人が死んでいるだろうかなぁ?
アンタならこの子を救えるって確証はぁ!あるのかぁ!!」
そんな時、どこからか死の着信の噂を聞きつけてマスコミの人間がなつみに近付いてきていた。
藤枝「ねぇキミ、最近巷で噂になっている死の着信を受けたんだって!
ウチで取材受けない?勿論力にもなるよ、いい霊媒師を紹介するからさぁ!」
その男は東西テレビの藤枝一郎という男であった。
彼は半ば強引になつみへ取材を申し込み、落ち込むなつみに対してかなり強引にアプローチを仕掛けて
その態度にさすがの亀山も彼の行動を止めようとした。
亀山「おいお前こんな時に止めろ!彼女嫌がっているだろ!」
藤枝「おいおい刑事さん!それじゃあ聞くけどさ警察にこの事件の犯人捕まえる事出来るの?
出来ないよね、死の着信の噂が流れてからどれだけ人が死んでいるだろうかなぁ?
アンタならこの子を救えるって確証はぁ!あるのかぁ!!」
56: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 20:43:29.60 :nZpEVRBq0
半ば恫喝染みた口調で亀山を詰る藤枝、その言葉を聞き確かに今の自分にはなつみを救う手段などありはしないと思い立ち尽くしてしまう。
そしてなつみも…
なつみ「わかりました、私…取材に応じます…」
藤枝「そうこなくっちゃ!有名な先生呼んであげるからね、あの先生なら絶対なんとかしてくれるから!
おい、すぐ局に帰るぞ!」
カイト「おいなつみ!」
由美「なつみ待って!」
亀山「やめろ!そんな無理に付いて行かなくたって…」
なつみ「でも…私…健二みたくなりたくないよ…ごめんね…」
そう言い残すとなつみは藤枝によって強引に東西テレビに連れて行かれてしまった…
半ば恫喝染みた口調で亀山を詰る藤枝、その言葉を聞き確かに今の自分にはなつみを救う手段などありはしないと思い立ち尽くしてしまう。
そしてなつみも…
なつみ「わかりました、私…取材に応じます…」
藤枝「そうこなくっちゃ!有名な先生呼んであげるからね、あの先生なら絶対なんとかしてくれるから!
おい、すぐ局に帰るぞ!」
カイト「おいなつみ!」
由美「なつみ待って!」
亀山「やめろ!そんな無理に付いて行かなくたって…」
なつみ「でも…私…健二みたくなりたくないよ…ごめんね…」
そう言い残すとなつみは藤枝によって強引に東西テレビに連れて行かれてしまった…
62: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 23:57:15.77 :nZpEVRBq0
~特命係~
部屋に戻ってきた亀山は落ち込んでいた、相談を受けておきながら見す見す河合健二なる青年を無残に死なせてしまい…
今度は小西なつみの命が危ういというのに自分にはこの事件を解決させる術がないという事を今回の事件で酷く痛感していた…
そこへ右京が水沼マリエの捜索から戻ってきた。
右京「遅くなりました、おや…随分と落ち込んでいますね。何があったのですか?」
亀山「…それが…」
亀山は右京に事の詳細を話した、その話を聞いて右京もまた亀山にある言葉をぶつけた。
~特命係~
部屋に戻ってきた亀山は落ち込んでいた、相談を受けておきながら見す見す河合健二なる青年を無残に死なせてしまい…
今度は小西なつみの命が危ういというのに自分にはこの事件を解決させる術がないという事を今回の事件で酷く痛感していた…
そこへ右京が水沼マリエの捜索から戻ってきた。
右京「遅くなりました、おや…随分と落ち込んでいますね。何があったのですか?」
亀山「…それが…」
亀山は右京に事の詳細を話した、その話を聞いて右京もまた亀山にある言葉をぶつけた。
63: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 23:57:58.56 :nZpEVRBq0
右京「なるほど、確かに今回の事件…仮に呪いの類が原因だったとしましょう。
解決できない、自分には無理だと言ってキミは助けられる被害者を見殺しにすると言うのですか?」
亀山「そんな!出来るわけ無いじゃないですか!?
俺だって助けてあげたいですよ!けど…この事件は犯人の痕跡が全く掴めないんじゃしょうがないですよ…」
右京「そうやってすぐに諦めてしまうのがキミの悪い所ですよ。
犯人に辿り着ける手段ならあります、犯人と同じ方法を使い逆に辿っていくのですよ!」
亀山「逆に?どういう事ですか?」
右京「先ほどキミから聞いた死の着信の条件です。
死の着信を受け取り死んだ者の携帯のアドレスから次の相手を見つけるという事でしたね。
ならば…被害者の携帯電話にはその前の被害者…
今回の場合で言うなら河合健二さんの携帯電話に岡崎陽子さんの携帯のアドレスが残っていたはず。
それを辿って行けば…」
右京「なるほど、確かに今回の事件…仮に呪いの類が原因だったとしましょう。
解決できない、自分には無理だと言ってキミは助けられる被害者を見殺しにすると言うのですか?」
亀山「そんな!出来るわけ無いじゃないですか!?
俺だって助けてあげたいですよ!けど…この事件は犯人の痕跡が全く掴めないんじゃしょうがないですよ…」
右京「そうやってすぐに諦めてしまうのがキミの悪い所ですよ。
犯人に辿り着ける手段ならあります、犯人と同じ方法を使い逆に辿っていくのですよ!」
亀山「逆に?どういう事ですか?」
右京「先ほどキミから聞いた死の着信の条件です。
死の着信を受け取り死んだ者の携帯のアドレスから次の相手を見つけるという事でしたね。
ならば…被害者の携帯電話にはその前の被害者…
今回の場合で言うなら河合健二さんの携帯電話に岡崎陽子さんの携帯のアドレスが残っていたはず。
それを辿って行けば…」
64: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 23:58:41.01 :nZpEVRBq0
亀山「そうか!
そうすれば犯人の携帯電話のアドレスに辿り着けるって訳ですね!それじゃあさっそく鑑識に行って…」
右京「そんな必要はありませんよ、既に僕が調べましたからね。」
亀山「せっかく閃いたのに…それで犯人は誰だったんですか!?」
右京「しかし残念ながら犯人にまでは辿り着けませんでした。
携帯電話のアドレスと赤い飴玉を口に咥えていたという死亡報告を照らし合わせた結果…
最初の被害者が判明しただけです。」
亀山「最初の被害者?」
亀山「そうか!
そうすれば犯人の携帯電話のアドレスに辿り着けるって訳ですね!それじゃあさっそく鑑識に行って…」
右京「そんな必要はありませんよ、既に僕が調べましたからね。」
亀山「せっかく閃いたのに…それで犯人は誰だったんですか!?」
右京「しかし残念ながら犯人にまでは辿り着けませんでした。
携帯電話のアドレスと赤い飴玉を口に咥えていたという死亡報告を照らし合わせた結果…
最初の被害者が判明しただけです。」
亀山「最初の被害者?」
65: ◆jPpg5.obl6:2014/01/29(水) 23:59:40.75 :nZpEVRBq0
右京「山下律子さん…聞き覚えがありませんんか?」
亀山「山下律子…?あぁー!確か葬儀屋で…」
そう、葬儀屋での会話の中に確かに山下律子の名が言われていた。
そして会話の中で彼女の死亡後から都内で頻繁に赤い飴玉を咥えた変死体が発見されたのと時期があった。
亀山「じゃあ山下律子の携帯を調べれば犯人がわかるんですね!」
右京「えぇ、そういう事になります。そしてその携帯電話も既に調べがついています。
その人物は…」
右京「山下律子さん…聞き覚えがありませんんか?」
亀山「山下律子…?あぁー!確か葬儀屋で…」
そう、葬儀屋での会話の中に確かに山下律子の名が言われていた。
そして会話の中で彼女の死亡後から都内で頻繁に赤い飴玉を咥えた変死体が発見されたのと時期があった。
亀山「じゃあ山下律子の携帯を調べれば犯人がわかるんですね!」
右京「えぇ、そういう事になります。そしてその携帯電話も既に調べがついています。
その人物は…」
68: ◆jPpg5.obl6:2014/01/30(木) 17:50:51.70 :0okmzFuL0
その時である、なんとも妙なタイミングで角田課長が現れた。
角田「よ、暇か?
ウチはここんところ大忙しだよ、近い内に二人にも手を貸してもらうからその時はよろしくな!」
亀山「角田課長…こんな時にですけど…」
右京「確か新宿の繁華街に潜伏している中国マフィアの一斉摘発でしたね。
その様子だと上手くいっているようですが…」
角田「まあね、証拠固めも順調だし後は摘発すればヤツら一網打尽よ!
王健峰とかいう台湾人がやってる台湾料理の店なんだが表向きは普通の飲食店だが裏じゃあの悪名高い城南金融と手を組んでるとんだ悪党だよ!
あ、摘発の時は二人とも応援頼むよ♪」
その時である、なんとも妙なタイミングで角田課長が現れた。
角田「よ、暇か?
ウチはここんところ大忙しだよ、近い内に二人にも手を貸してもらうからその時はよろしくな!」
亀山「角田課長…こんな時にですけど…」
右京「確か新宿の繁華街に潜伏している中国マフィアの一斉摘発でしたね。
その様子だと上手くいっているようですが…」
角田「まあね、証拠固めも順調だし後は摘発すればヤツら一網打尽よ!
王健峰とかいう台湾人がやってる台湾料理の店なんだが表向きは普通の飲食店だが裏じゃあの悪名高い城南金融と手を組んでるとんだ悪党だよ!
あ、摘発の時は二人とも応援頼むよ♪」
69: ◆jPpg5.obl6:2014/01/30(木) 17:51:22.40 :0okmzFuL0
亀山「いや…俺たちは今…」
亀山は現在自分たちが抱えている事件があるのでその話を断ろうとした時であった。
大木と小松が慌てて部屋にやってきた。
角田「な…どうしたんだよお前ら!?」
大木「大変…大変ですよ!」
小松「TV!TVをつけてください!東西テレビがとんでもない事やってますよ!」
亀山「TVだと…?」
右京「とりあえず付けてみましょうか。」
大木と小松の言う通りTVを付ける右京、そして東西テレビのチャンネルを見るととんでもない番組が始まっていた。
亀山「いや…俺たちは今…」
亀山は現在自分たちが抱えている事件があるのでその話を断ろうとした時であった。
大木と小松が慌てて部屋にやってきた。
角田「な…どうしたんだよお前ら!?」
大木「大変…大変ですよ!」
小松「TV!TVをつけてください!東西テレビがとんでもない事やってますよ!」
亀山「TVだと…?」
右京「とりあえず付けてみましょうか。」
大木と小松の言う通りTVを付ける右京、そして東西テレビのチャンネルを見るととんでもない番組が始まっていた。
70: ◆jPpg5.obl6:2014/01/30(木) 17:51:59.45 :0okmzFuL0
<緊急生特番!死の予告を受けた女子大生!!>
ナレーター『遂にこの時がやってきました、みなさんは自分の死の予告を自分の声で、
しかも携帯電話を使って伝えられたらどうしますか?
今夜は今、世間を騒がせている死の予告電話を徹底検証すべく緊急特別番組を生放送でお送りします!
ある女子大生が受けてしまった死の予告電話の時刻はまさに今夜…
8月4日0時、あと38分後です!!
そしてこの方が今回恐ろしい死の予告電話を受けてしまった小西なつみさんです、どうぞ!!』
なつみ『あ…あぁ…ハイ…』
<緊急生特番!死の予告を受けた女子大生!!>
ナレーター『遂にこの時がやってきました、みなさんは自分の死の予告を自分の声で、
しかも携帯電話を使って伝えられたらどうしますか?
今夜は今、世間を騒がせている死の予告電話を徹底検証すべく緊急特別番組を生放送でお送りします!
ある女子大生が受けてしまった死の予告電話の時刻はまさに今夜…
8月4日0時、あと38分後です!!
そしてこの方が今回恐ろしい死の予告電話を受けてしまった小西なつみさんです、どうぞ!!』
なつみ『あ…あぁ…ハイ…』
71: ◆jPpg5.obl6:2014/01/30(木) 17:52:29.44 :0okmzFuL0
突然の緊急報道番組、そしてその番組に出演していたのはなんと亀山が昼間に早稲田大学で会った小西なつみであった。
亀山「何だよこれ…どうなってやがる!?」
右京「なるほど、そういう事でしたか。
恐らくキミが昼間に出会った藤枝という男は小西なつみさんを利用してこの緊急特番の企画を成立させたかったのでしょうね。
死の予告電話を受けた人間ならそれだけで視聴者の興味が引き立てられますからねぇ…」
亀山「そんな…でもあいつ専門家の先生を呼んでやるって言ってたんですけど…」
なつみを心配する亀山がTVを観ると何やら霊媒師風の男が画面に映った。
その男を見た角田課長は思わず驚きを露わにする。
突然の緊急報道番組、そしてその番組に出演していたのはなんと亀山が昼間に早稲田大学で会った小西なつみであった。
亀山「何だよこれ…どうなってやがる!?」
右京「なるほど、そういう事でしたか。
恐らくキミが昼間に出会った藤枝という男は小西なつみさんを利用してこの緊急特番の企画を成立させたかったのでしょうね。
死の予告電話を受けた人間ならそれだけで視聴者の興味が引き立てられますからねぇ…」
亀山「そんな…でもあいつ専門家の先生を呼んでやるって言ってたんですけど…」
なつみを心配する亀山がTVを観ると何やら霊媒師風の男が画面に映った。
その男を見た角田課長は思わず驚きを露わにする。
72: ◆jPpg5.obl6:2014/01/30(木) 17:53:43.85 :0okmzFuL0
角田「おい!こいつ…天道白水じゃねえか!?
捜査二課がこいつの事を近々逮捕するって乗り出している最中だぞ!!」
亀山「逮捕?どういう事ですか!?」
角田「あぁ…こいつはとんでもない悪徳詐欺師でな!
霊感商法とか言って高値でガラクタ売りつけたり高額な除霊代を請求したりとんだ小悪党だよ!」
亀山「なんてこった…」
小西なつみは藤枝を信じて付いて行ったのだ。
それなのにこのような見世物の扱いを受け、さらに除霊をするのがインチキ霊媒師…
こんな光景を見てジッとしていられる亀山では…いや…特命係ではなかった!
亀山「右京さん、俺!」
右京「わかっています、至急東西テレビに向かいますよ!
角田課長、お手数ですがこの東西テレビの緊急特番を録画しておいてください!」
角田「わかった任せておけ!」
右京と亀山は急いでこの緊急特番を放送している東西テレビへと向かった。
角田「おい!こいつ…天道白水じゃねえか!?
捜査二課がこいつの事を近々逮捕するって乗り出している最中だぞ!!」
亀山「逮捕?どういう事ですか!?」
角田「あぁ…こいつはとんでもない悪徳詐欺師でな!
霊感商法とか言って高値でガラクタ売りつけたり高額な除霊代を請求したりとんだ小悪党だよ!」
亀山「なんてこった…」
小西なつみは藤枝を信じて付いて行ったのだ。
それなのにこのような見世物の扱いを受け、さらに除霊をするのがインチキ霊媒師…
こんな光景を見てジッとしていられる亀山では…いや…特命係ではなかった!
亀山「右京さん、俺!」
右京「わかっています、至急東西テレビに向かいますよ!
角田課長、お手数ですがこの東西テレビの緊急特番を録画しておいてください!」
角田「わかった任せておけ!」
右京と亀山は急いでこの緊急特番を放送している東西テレビへと向かった。
73: ◆jPpg5.obl6:2014/01/30(木) 17:54:31.61 :0okmzFuL0
~東西テレビ~
警備員「何だアンタらは!?」
右京「我々は警察です!そこをどきなさい!」
亀山「こんなふざけた報道はすぐにやめろ!」
東西TVに到着した右京と亀山は立ち塞がる警備員たちを押し退け急いでスタジオへ向う。
スタジオでは天道白水がなつみに対してわけのわからないお経を唱えている最中であった!
白水「なんまいだ~さんまいだ~よんまいだ~!」
なつみ「亀山さん!」
亀山「なつみさん!すぐにここを出るぞ!」
~東西テレビ~
警備員「何だアンタらは!?」
右京「我々は警察です!そこをどきなさい!」
亀山「こんなふざけた報道はすぐにやめろ!」
東西TVに到着した右京と亀山は立ち塞がる警備員たちを押し退け急いでスタジオへ向う。
スタジオでは天道白水がなつみに対してわけのわからないお経を唱えている最中であった!
白水「なんまいだ~さんまいだ~よんまいだ~!」
なつみ「亀山さん!」
亀山「なつみさん!すぐにここを出るぞ!」
74: ◆jPpg5.obl6:2014/01/30(木) 17:54:57.58 :0okmzFuL0
すぐにここから出ようと言う亀山、だがその時右京がある異変に気付く!
♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫
右京「待ってください!この着信音は何ですか?」
亀山「え?」
それはなつみのポケットの中から聞こえてくるあの死の着信音、彼女は恐る恐るポケットの中を探るとそこにあったのは…
なつみ「け…携帯電話…そんな…投げ捨てたはずなのにどうしてここに?」
投げ捨てたはずのなつみの携帯電話がそこに在った。
すぐにここから出ようと言う亀山、だがその時右京がある異変に気付く!
♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫
右京「待ってください!この着信音は何ですか?」
亀山「え?」
それはなつみのポケットの中から聞こえてくるあの死の着信音、彼女は恐る恐るポケットの中を探るとそこにあったのは…
なつみ「け…携帯電話…そんな…投げ捨てたはずなのにどうしてここに?」
投げ捨てたはずのなつみの携帯電話がそこに在った。
75: ◆jPpg5.obl6:2014/01/30(木) 17:55:30.06 :0okmzFuL0
なつみ「あぁ…そんな…嫌よ…」
亀山「投げ捨てた彼女の携帯が何でここにあるんだ!?」
なつみの手元に突然現れた携帯電話に驚く亀山、しかしそれだけではなかった…
((ドオオオオオン!))
白水「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」
除霊を行っていた白水が突然どういうわけか吹っ飛ばされてしまったのだ。
この事態に恐怖を感じたスタッフもさすがに…
ディレクター「おい!CM入れろ!CM!」
…と放送中止を呼びかけようとするが…
藤枝「CM入れるな!このまま続けろ!こりゃ高視聴率間違い無しだぞ!!」
藤枝は愚かにも放送を続けるようにと命じる、この後何が起こるか知っていればこのような事は命じなかったはずなのに…
なつみ「あぁ…そんな…嫌よ…」
亀山「投げ捨てた彼女の携帯が何でここにあるんだ!?」
なつみの手元に突然現れた携帯電話に驚く亀山、しかしそれだけではなかった…
((ドオオオオオン!))
白水「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」
除霊を行っていた白水が突然どういうわけか吹っ飛ばされてしまったのだ。
この事態に恐怖を感じたスタッフもさすがに…
ディレクター「おい!CM入れろ!CM!」
…と放送中止を呼びかけようとするが…
藤枝「CM入れるな!このまま続けろ!こりゃ高視聴率間違い無しだぞ!!」
藤枝は愚かにも放送を続けるようにと命じる、この後何が起こるか知っていればこのような事は命じなかったはずなのに…
76: ◆jPpg5.obl6:2014/01/30(木) 17:55:55.40 :0okmzFuL0
右京「亀山くん!時刻が…」
時刻は8月3日23時59分になった、死の着信の時刻まであと1分足らず…
右京と亀山は急いでなつみをこの場から逃がそうとする、するとそこへ…
「「なつみ!!」」
どこからか女性の声が聞こえてきた、その女性は中村由美であった。
亀山「由美さん!そうか、心配して来てくれたんだな!」
そしてなつみは由美のところへ急いで駆け寄った。
右京「亀山くん!時刻が…」
時刻は8月3日23時59分になった、死の着信の時刻まであと1分足らず…
右京と亀山は急いでなつみをこの場から逃がそうとする、するとそこへ…
「「なつみ!!」」
どこからか女性の声が聞こえてきた、その女性は中村由美であった。
亀山「由美さん!そうか、心配して来てくれたんだな!」
そしてなつみは由美のところへ急いで駆け寄った。
77: ◆jPpg5.obl6:2014/01/30(木) 17:57:11.53 :0okmzFuL0
なつみ「由美!私恐かった…恐かったよ!」
『安心して…もう終わったから…』
由美に抱きしめられ安堵するなつみ。
その姿を見た亀山はとりあえず安心して一息つける、だが右京は二人の映像をカメラ越しで見てこれが奇妙な光景であると気付く!
右京「なつみさん!急いでその女性から離れなさい!!」
亀山「な…何言っているんですか?由美さんはなつみさんの友達ですよ!」
右京「亀山くん!カメラ越しで由美さんを見てください!」
そして亀山もまたカメラ越しで由美となつみを見てみると…そこにはとてつもなく奇妙な光景が映っていた!
なつみ「由美!私恐かった…恐かったよ!」
『安心して…もう終わったから…』
由美に抱きしめられ安堵するなつみ。
その姿を見た亀山はとりあえず安心して一息つける、だが右京は二人の映像をカメラ越しで見てこれが奇妙な光景であると気付く!
右京「なつみさん!急いでその女性から離れなさい!!」
亀山「な…何言っているんですか?由美さんはなつみさんの友達ですよ!」
右京「亀山くん!カメラ越しで由美さんを見てください!」
そして亀山もまたカメラ越しで由美となつみを見てみると…そこにはとてつもなく奇妙な光景が映っていた!
78: ◆jPpg5.obl6:2014/01/30(木) 17:57:42.77 :0okmzFuL0
亀山「こ…これは!」
右京「今こちらのカメラにはなつみさん!あなたしか映っていません!
そこにいるのは由美さんではありませんね、一体誰なのですか!?」
なつみ「そ…そんな…」
なつみは急いで由美(?)から離れようとする、だが由美(?)はなつみを力強く掴んで離そうとしなかった。
そして次の瞬間!
((ブワッ!))
亀山「なっ…!なつみさんが空中に浮かんだ!?」
突如空中に浮かぶなつみ、しかしそれだけではなかった…
亀山「こ…これは!」
右京「今こちらのカメラにはなつみさん!あなたしか映っていません!
そこにいるのは由美さんではありませんね、一体誰なのですか!?」
なつみ「そ…そんな…」
なつみは急いで由美(?)から離れようとする、だが由美(?)はなつみを力強く掴んで離そうとしなかった。
そして次の瞬間!
((ブワッ!))
亀山「なっ…!なつみさんが空中に浮かんだ!?」
突如空中に浮かぶなつみ、しかしそれだけではなかった…
79: ◆jPpg5.obl6:2014/01/30(木) 17:58:19.85 :0okmzFuL0
((シュコー、シュコー))
奇妙な空気の音が流れると同時に嫌な音が右京と亀山の耳に入る、それはまるで骨が砕けるような音が…
((ベキッ!ボキッ!バキッ!))
なつみ「「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!??」」
なつみの両腕の骨がズタズタに引き裂かれる音がスタジオ内で響いていた。
右京は辺りを見回すがワイヤーで彼女を吊り上げているとかそんなトリックの痕跡は見当たらなかった。
とにかく一刻の猶予も無い、二人は急いで空中にいるなつみを連れ出そうとするが…
((シュコー、シュコー))
奇妙な空気の音が流れると同時に嫌な音が右京と亀山の耳に入る、それはまるで骨が砕けるような音が…
((ベキッ!ボキッ!バキッ!))
なつみ「「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!??」」
なつみの両腕の骨がズタズタに引き裂かれる音がスタジオ内で響いていた。
右京は辺りを見回すがワイヤーで彼女を吊り上げているとかそんなトリックの痕跡は見当たらなかった。
とにかく一刻の猶予も無い、二人は急いで空中にいるなつみを連れ出そうとするが…
80: ◆jPpg5.obl6:2014/01/30(木) 17:58:51.29 :0okmzFuL0
((ドンッ!!))
右京「ぐはっ…」
亀山「うわぁぁぁぁぁ!?」
二人も先ほどの白水と同じく目に見えない力によって吹き飛ばされてしまった。
そしてなつみは…
((ゴキッ! ゴキッ! グシャッ…グシャグシャグシャッ…………ブチッ!!))
首を何度も回転させられた後に何やら奇妙な音がした。
吹き飛ばされた右京と亀山は急いで立ち上がりなつみに近寄ろうとするがその時、亀山の足元に何かが転がって来た…
((ドンッ!!))
右京「ぐはっ…」
亀山「うわぁぁぁぁぁ!?」
二人も先ほどの白水と同じく目に見えない力によって吹き飛ばされてしまった。
そしてなつみは…
((ゴキッ! ゴキッ! グシャッ…グシャグシャグシャッ…………ブチッ!!))
首を何度も回転させられた後に何やら奇妙な音がした。
吹き飛ばされた右京と亀山は急いで立ち上がりなつみに近寄ろうとするがその時、亀山の足元に何かが転がって来た…
81: ◆jPpg5.obl6:2014/01/30(木) 17:59:49.20 :0okmzFuL0
亀山「待ってろよなつみさん!なんとか助けてやるからな!」
右京「いえ、どうやら手遅れのようです。亀山くん…キミの足元をよく見てください…」
亀山「え?足元?なっ…これは…!?」
そこに転がり落ちていたのはなつみの首であった、恐る恐るなつみの身体を見てみると…
((ブシュゥゥゥゥ!))
そこには首の無いなつみの死体が大量の出血を出して倒れていた。
そして彼女の口元からあるモノが転げ落ちた…
亀山「赤い…飴玉…」
右京「時刻は8月4日0時0分…どうやら犯人は予告通り殺人を完了したようですね…」
8月4日0時0分、死の着信は予告通り小西なつみを死に至らしめた…
亀山「待ってろよなつみさん!なんとか助けてやるからな!」
右京「いえ、どうやら手遅れのようです。亀山くん…キミの足元をよく見てください…」
亀山「え?足元?なっ…これは…!?」
そこに転がり落ちていたのはなつみの首であった、恐る恐るなつみの身体を見てみると…
((ブシュゥゥゥゥ!))
そこには首の無いなつみの死体が大量の出血を出して倒れていた。
そして彼女の口元からあるモノが転げ落ちた…
亀山「赤い…飴玉…」
右京「時刻は8月4日0時0分…どうやら犯人は予告通り殺人を完了したようですね…」
8月4日0時0分、死の着信は予告通り小西なつみを死に至らしめた…
84: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 16:30:43.90 :lFT9Bzvz0
1時間後…
藤枝「やめろ!俺は何もしてないぞ!?」
伊丹「ふざけんなこの野郎!テメェの所為で人が死んでんだぞ!!」
三浦「アンタは小西なつみさんが死の着信だとかわけのわからんオカルトで死ぬという話を予め知っていた!
だからそれを利用して高視聴率を取ろうと画策した、そして…彼女を実際に死に至らしめた!
現に今夜の東西TVの視聴率は70%超えてるからな!」
藤枝「馬鹿言うな!いくら数字のためとはいえそんな事で人殺しなんかするわけないだろ!?」
芹沢「たとえあなたが犯行に関わってなかったとしてもこんな危険な撮影を強行したんです!
殺人ほう助に問えなくもないんですよ!」
1時間後…
藤枝「やめろ!俺は何もしてないぞ!?」
伊丹「ふざけんなこの野郎!テメェの所為で人が死んでんだぞ!!」
三浦「アンタは小西なつみさんが死の着信だとかわけのわからんオカルトで死ぬという話を予め知っていた!
だからそれを利用して高視聴率を取ろうと画策した、そして…彼女を実際に死に至らしめた!
現に今夜の東西TVの視聴率は70%超えてるからな!」
藤枝「馬鹿言うな!いくら数字のためとはいえそんな事で人殺しなんかするわけないだろ!?」
芹沢「たとえあなたが犯行に関わってなかったとしてもこんな危険な撮影を強行したんです!
殺人ほう助に問えなくもないんですよ!」
85: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 16:31:47.06 :lFT9Bzvz0
藤枝は到着した捜査一課の伊丹たちに抑えられ、連行される最中であった。
捜査一課の見立てではこの藤枝が犯人と共謀して今回の犯行を行ったのではないかと考えていた。
その藤枝を警視庁に連行しようとする最中に亀山も彼に一言文句を言ってやろうとしたがそれを伊丹に阻まれた。
伊丹「おーっと!特命係の亀山ぁ!!
どきやがれ!これから藤枝を本部に連行しなきゃならねえんだ!」
亀山「うるせえ!あいつに言ってやらなきゃならねえ事があるんだよ!」
伊丹「だとしても今のテメェに言う資格なんかあるわきゃねえだろ!」
亀山「何!?」
伊丹「少なくともお前がこんな胡散臭い男に被害者を任せなきゃ、こんな見世物みたいな死に方はしなかったろうよ!
テメェの不甲斐無さの責任だ馬鹿が!!」
そんな捨て台詞を残し、亀山が呆然と見つめる中で伊丹たちは藤枝を連行していった…
藤枝は到着した捜査一課の伊丹たちに抑えられ、連行される最中であった。
捜査一課の見立てではこの藤枝が犯人と共謀して今回の犯行を行ったのではないかと考えていた。
その藤枝を警視庁に連行しようとする最中に亀山も彼に一言文句を言ってやろうとしたがそれを伊丹に阻まれた。
伊丹「おーっと!特命係の亀山ぁ!!
どきやがれ!これから藤枝を本部に連行しなきゃならねえんだ!」
亀山「うるせえ!あいつに言ってやらなきゃならねえ事があるんだよ!」
伊丹「だとしても今のテメェに言う資格なんかあるわきゃねえだろ!」
亀山「何!?」
伊丹「少なくともお前がこんな胡散臭い男に被害者を任せなきゃ、こんな見世物みたいな死に方はしなかったろうよ!
テメェの不甲斐無さの責任だ馬鹿が!!」
そんな捨て台詞を残し、亀山が呆然と見つめる中で伊丹たちは藤枝を連行していった…
86: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 16:32:56.76 :lFT9Bzvz0
そして追い打ちをかけるかのようにカイト、中村由美の二人が急いでこのスタジオへと駆けつけてきた。
二人は無残な死体となった小西なつみの前で思わず泣き崩れていた…
亀山「甲斐くん…それに由美さん…すまない…俺の所為で…」
由美「そんな…なつみが…
これであの合コンに参加したメンバーは私とカイトくんの二人だけに…あれ?携帯が…?」
♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫
由美の携帯から死の着信が鳴り響く、その時刻は8月4日20時26分であった。
カイト「由美!クソッ!?…なぁ…亀山さん!俺たちアンタにちゃんと相談したよな!?
それなのに…なつみが…なつみが死んじまったんだぞ!!」
(ドガッ!)
亀山「うわっ!?」
突然カイトに殴られる亀山、いつもならそう簡単に殴られるわけではないのだが…
先ほどの伊丹が言うように自分の所為で人が死んでしまった、そんな責任からカイトの拳を避ける事が出来なかった…
カイト「だから警察なんか最初から信用できなかったんだ…
もうアンタらには頼まねえ…こうなったら…俺がこの事件の犯人を捕まえてやる!!
みんなの敵を取ってやるんだ!!」
由美「待ってカイト!」
怒りの感情をむき出しにして亀山を殴りつけたカイトはそのままスタジオを後にする。
そんなカイトを心配して追いかける由美、一人…その場に取り残された亀山の前に米沢の鑑識の結果を聞いていた右京が現れた。
そして追い打ちをかけるかのようにカイト、中村由美の二人が急いでこのスタジオへと駆けつけてきた。
二人は無残な死体となった小西なつみの前で思わず泣き崩れていた…
亀山「甲斐くん…それに由美さん…すまない…俺の所為で…」
由美「そんな…なつみが…
これであの合コンに参加したメンバーは私とカイトくんの二人だけに…あれ?携帯が…?」
♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫
由美の携帯から死の着信が鳴り響く、その時刻は8月4日20時26分であった。
カイト「由美!クソッ!?…なぁ…亀山さん!俺たちアンタにちゃんと相談したよな!?
それなのに…なつみが…なつみが死んじまったんだぞ!!」
(ドガッ!)
亀山「うわっ!?」
突然カイトに殴られる亀山、いつもならそう簡単に殴られるわけではないのだが…
先ほどの伊丹が言うように自分の所為で人が死んでしまった、そんな責任からカイトの拳を避ける事が出来なかった…
カイト「だから警察なんか最初から信用できなかったんだ…
もうアンタらには頼まねえ…こうなったら…俺がこの事件の犯人を捕まえてやる!!
みんなの敵を取ってやるんだ!!」
由美「待ってカイト!」
怒りの感情をむき出しにして亀山を殴りつけたカイトはそのままスタジオを後にする。
そんなカイトを心配して追いかける由美、一人…その場に取り残された亀山の前に米沢の鑑識の結果を聞いていた右京が現れた。
87: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 16:33:41.17 :lFT9Bzvz0
右京「だいぶ荒れていますね、キミはもうこの事件からここで手を引きますか?」
亀山「そんなわけ…ないでしょ!
なつみさんは俺の所為で死んだようなものです、なら俺が…俺の手でこの事件を解決する事が彼女に対する俺の償いです!!」
亀山は落ち込んではいられなかった…
無残な死を遂げた彼女の無念を晴らすためにも刑事である自分のすべき事は嘆く事ではない。
一刻も早くこの事件の犯人を見つける事であると自分の職務を全うしようとしていた!
右京「そう言うと思っていましたよ。
それでは犯人の捜索ですが…一課はこの事件を藤枝さんの仕業だと思っているようですね。
恐らくそれは見当外れだと思いますよ。」
亀山「そうですよね、俺たちを吹き飛ばしたあの力はまるで超常的な力を感じました…
あんなのは人間業じゃないっすよ!」
右京「僕はキミのような霊感は無いのでそういった類の事は門外漢なのですが…
先ほどのなつみさんの殺害方法ですが…幼稚さを感じさせましたね、まるで子供が人形遊びをするようなそんな感じが…」
右京「だいぶ荒れていますね、キミはもうこの事件からここで手を引きますか?」
亀山「そんなわけ…ないでしょ!
なつみさんは俺の所為で死んだようなものです、なら俺が…俺の手でこの事件を解決する事が彼女に対する俺の償いです!!」
亀山は落ち込んではいられなかった…
無残な死を遂げた彼女の無念を晴らすためにも刑事である自分のすべき事は嘆く事ではない。
一刻も早くこの事件の犯人を見つける事であると自分の職務を全うしようとしていた!
右京「そう言うと思っていましたよ。
それでは犯人の捜索ですが…一課はこの事件を藤枝さんの仕業だと思っているようですね。
恐らくそれは見当外れだと思いますよ。」
亀山「そうですよね、俺たちを吹き飛ばしたあの力はまるで超常的な力を感じました…
あんなのは人間業じゃないっすよ!」
右京「僕はキミのような霊感は無いのでそういった類の事は門外漢なのですが…
先ほどのなつみさんの殺害方法ですが…幼稚さを感じさせましたね、まるで子供が人形遊びをするようなそんな感じが…」
88: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 16:34:17.46 :lFT9Bzvz0
亀山「幼稚さ…ですか?そういえば右京さんはさっき犯人の携帯電話の番号がわかっているって言いましたよね!
犯人は一体誰なんですか?」
亀山の問いに対して右京は少し苦い顔をしながらこう答えた。
右京「まだ犯人と断定できるわけではありませんが…
まったく…今回の事件は奇妙なモノですね…まさか二つの事件が繋がっていたとは…」
右京の言動に困惑の表情を浮かべる亀山、そして右京は犯人の名前を告げた。
右京「最初に殺害された山下律子さんの携帯に残っていたのは…
090‐〇〇‐××××、僕たちが現在行方を追っている水沼マリエさんの携帯番号でした。」
亀山「それじゃあまさか…犯人は…水沼マリエ!?」
亀山は右京に菜々子にとって必ずよい結果で終るとは思わない方がいいと言った言葉を思い出す…
まさか本当にそうなるとは…
そしてその会話をカイトが立ち聞きしていた…
カイト「水沼マリエ…その女がみんなを…!」
亀山「幼稚さ…ですか?そういえば右京さんはさっき犯人の携帯電話の番号がわかっているって言いましたよね!
犯人は一体誰なんですか?」
亀山の問いに対して右京は少し苦い顔をしながらこう答えた。
右京「まだ犯人と断定できるわけではありませんが…
まったく…今回の事件は奇妙なモノですね…まさか二つの事件が繋がっていたとは…」
右京の言動に困惑の表情を浮かべる亀山、そして右京は犯人の名前を告げた。
右京「最初に殺害された山下律子さんの携帯に残っていたのは…
090‐〇〇‐××××、僕たちが現在行方を追っている水沼マリエさんの携帯番号でした。」
亀山「それじゃあまさか…犯人は…水沼マリエ!?」
亀山は右京に菜々子にとって必ずよい結果で終るとは思わない方がいいと言った言葉を思い出す…
まさか本当にそうなるとは…
そしてその会話をカイトが立ち聞きしていた…
カイト「水沼マリエ…その女がみんなを…!」
89: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 16:39:17.04 :lFT9Bzvz0
<8月4日>
~武蔵野青木外科医院~
右京と亀山は死の着信の最初の被害者である山下律子が臨床心理士を務める武蔵野青木外科医院にやってきた。
ちなみに右京と亀山は以前にもこの病院を訪れた事がある。
この病院の前院長である青木征十郎が息子の『青木周作』の執刀ミスによる事故死。
その執刀ミスに疑問を持った右京と亀山は捜査を開始、事件の犯人はこの病院の勤務医である小林亘と妹の恭子の二人であった。
医者である人間が何故殺人を犯す事に膨大なエネルギーを使うのか…と嘆かねばならないなんとも痛ましい事件であった…
青木「まさか急患だと駆けつけてみればあなた方だとはね…」
右京「その節はどうも。」
亀山「俺たち一応怪我人なんで、ホラ!怪我してるでしょ!」
右京と亀山は東西テレビで吹き飛ばされた際の傷の手当てを、この病院の院長である青木に診てもらっていた。
<8月4日>
~武蔵野青木外科医院~
右京と亀山は死の着信の最初の被害者である山下律子が臨床心理士を務める武蔵野青木外科医院にやってきた。
ちなみに右京と亀山は以前にもこの病院を訪れた事がある。
この病院の前院長である青木征十郎が息子の『青木周作』の執刀ミスによる事故死。
その執刀ミスに疑問を持った右京と亀山は捜査を開始、事件の犯人はこの病院の勤務医である小林亘と妹の恭子の二人であった。
医者である人間が何故殺人を犯す事に膨大なエネルギーを使うのか…と嘆かねばならないなんとも痛ましい事件であった…
青木「まさか急患だと駆けつけてみればあなた方だとはね…」
右京「その節はどうも。」
亀山「俺たち一応怪我人なんで、ホラ!怪我してるでしょ!」
右京と亀山は東西テレビで吹き飛ばされた際の傷の手当てを、この病院の院長である青木に診てもらっていた。
90: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 16:40:02.92 :lFT9Bzvz0
青木「まったく…僕は親父の後を継いで院長なんですがね…まぁあんな事件の後じゃ患者は減るし勤務医も去って行くわで…
院長である私がこうして診察しなければならなくなりましてね…
杉下さんのは…まぁ擦り傷ですから湿布貼っておけば充分でしょ…
問題は亀山さんですね、この腕の傷ですけど…こりゃ縫合した方がいいですな。」
亀山「縫合!?…痛そう…」
嫌がる亀山を前にさっそく縫合を始める青木、そんな青木の縫合を見て右京はある事に興味を示す。
右京「おや、『女結び』なのですね。」
亀山「痛てて…って女結び?」
右京「結紮の仕方ですよ、縫合を行う際には女結び、男結び、外科結びの三種類があります。
その内の一つである女結びですね。」
青木「まったく…僕は親父の後を継いで院長なんですがね…まぁあんな事件の後じゃ患者は減るし勤務医も去って行くわで…
院長である私がこうして診察しなければならなくなりましてね…
杉下さんのは…まぁ擦り傷ですから湿布貼っておけば充分でしょ…
問題は亀山さんですね、この腕の傷ですけど…こりゃ縫合した方がいいですな。」
亀山「縫合!?…痛そう…」
嫌がる亀山を前にさっそく縫合を始める青木、そんな青木の縫合を見て右京はある事に興味を示す。
右京「おや、『女結び』なのですね。」
亀山「痛てて…って女結び?」
右京「結紮の仕方ですよ、縫合を行う際には女結び、男結び、外科結びの三種類があります。
その内の一つである女結びですね。」
91: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 16:41:20.41 :lFT9Bzvz0
青木「相変わらず何でも知ってますねぇ…
それで何の用ですか?まさかあなた方が遥々ここまで治療だけしに来たわけではないのしょう?」
右京「すみませんね、細かい事が気になるのが僕の悪い癖で…
ところで今日お邪魔したのは治療だけではありません。
1ヶ月ほど前にこの病院に勤める臨床心理士の山下律子さんが亡くなられた事で少しお尋ねした事があるのですが…」
青木「彼女は…事故…じゃなかったんですか?」
亀山「死の着信…ご存じありませんか?昨日の夜にTVで盛り上がっていたんですけどね…」
青木は少し動揺した表情を見せるが彼らが訪ねて来た理由は既に察していた。
青木「なるほど、やはり水沼マリエについて聞きに来たわけですか。」
亀山「彼女の事知ってるんですか!?」
青木「知っているも何も水沼マリエは元はこの病院で働いていたんですよ!
それが数年前からもっと稼ぎのある水商売をしたいというんでここを辞めていったらしいですけどね…
あぁ、ちなみに言っておきますけど娘二人もその縁でここでよく治療をしてましたよ。
菜々子ちゃんも怪我したらよくウチで診察受けてましたし、長女の美々子に至っては喘息持ちでしたから…」
青木「相変わらず何でも知ってますねぇ…
それで何の用ですか?まさかあなた方が遥々ここまで治療だけしに来たわけではないのしょう?」
右京「すみませんね、細かい事が気になるのが僕の悪い癖で…
ところで今日お邪魔したのは治療だけではありません。
1ヶ月ほど前にこの病院に勤める臨床心理士の山下律子さんが亡くなられた事で少しお尋ねした事があるのですが…」
青木「彼女は…事故…じゃなかったんですか?」
亀山「死の着信…ご存じありませんか?昨日の夜にTVで盛り上がっていたんですけどね…」
青木は少し動揺した表情を見せるが彼らが訪ねて来た理由は既に察していた。
青木「なるほど、やはり水沼マリエについて聞きに来たわけですか。」
亀山「彼女の事知ってるんですか!?」
青木「知っているも何も水沼マリエは元はこの病院で働いていたんですよ!
それが数年前からもっと稼ぎのある水商売をしたいというんでここを辞めていったらしいですけどね…
あぁ、ちなみに言っておきますけど娘二人もその縁でここでよく治療をしてましたよ。
菜々子ちゃんも怪我したらよくウチで診察受けてましたし、長女の美々子に至っては喘息持ちでしたから…」
92: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 16:41:50.61 :lFT9Bzvz0
青木の話を聞いて右京は何故山下律子の携帯電話に水沼マリエの番号があったのかがわかった。
右京「なるほど、そういう事でしたか。
恐らく菜々子ちゃんの身体の傷を見た山下律子さんは親である水沼マリエさんが、
子供たちに虐待をしている事に気付いたのでしょうね。
その行為を止めさせるためにマリエさんの携帯を使いマリエさんと連絡を取ろうとしていたのではないでしょうか。」
亀山「じゃあやっぱり一連の事件の犯人は水沼マリエ…
けど彼女は何で子供たちを病院に連れて行って治療をさせていたんですかね?
そんな虐待をする母親なら普通は面倒臭がって放置するでしょ!」
右京「僕も以前その点に関して疑問を持っていました。
しかし山下律子さんが臨床心理士という事にある疑惑が浮かびました。
臨床心理士というのは精神的な病を専門職としています。
ならば山下律子さんは水沼マリエさんに精神的な障害があったと思われたのではないでしょうか?」
亀山「精神的な障害?それって何ですか?」
亀山の疑問に対して青木がある病名を告げる…
青木の話を聞いて右京は何故山下律子の携帯電話に水沼マリエの番号があったのかがわかった。
右京「なるほど、そういう事でしたか。
恐らく菜々子ちゃんの身体の傷を見た山下律子さんは親である水沼マリエさんが、
子供たちに虐待をしている事に気付いたのでしょうね。
その行為を止めさせるためにマリエさんの携帯を使いマリエさんと連絡を取ろうとしていたのではないでしょうか。」
亀山「じゃあやっぱり一連の事件の犯人は水沼マリエ…
けど彼女は何で子供たちを病院に連れて行って治療をさせていたんですかね?
そんな虐待をする母親なら普通は面倒臭がって放置するでしょ!」
右京「僕も以前その点に関して疑問を持っていました。
しかし山下律子さんが臨床心理士という事にある疑惑が浮かびました。
臨床心理士というのは精神的な病を専門職としています。
ならば山下律子さんは水沼マリエさんに精神的な障害があったと思われたのではないでしょうか?」
亀山「精神的な障害?それって何ですか?」
亀山の疑問に対して青木がある病名を告げる…
93: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 16:43:16.62 :lFT9Bzvz0
青木「『代理ミュンヒハウゼン症候群』…山下くんは水沼マリエをそう診断していましたよ…」
亀山「だ…代理…ミュ…?何すかそれ?」
まったくわからないという表情を浮かべる亀山に対して右京が答える。
右京「代理ミュンヒハウゼン症候群、精神疾患の一種です。
通常のミュンヒハウゼン症候群は患者が周囲の関心や同情を引くために病気を装ったり、
自らの体を傷付けたりするといった自傷行為を指します。
しかし代理ミュンヒハウゼン症候群は自分ではなく…
対象は他者…それも自分の身近にいる人間が代わりに傷つけ周囲の関心を引き寄せる事を言います。」
亀山「な…なんすかそれは…
それじゃつまり水沼マリエは精神病だったって事ですか!?」
青木「疑いの段階でした、病院には児童虐待の痕跡を見つけたら通報を義務付けられていましたが僕が止めていましたよ…
まだ決めつけるのは早いと思いましてね、仮にも相手はたった一人の母親…
施設送りになればあの母子家庭がどうなるかだなんて目に見えているでしょう…」
青木「『代理ミュンヒハウゼン症候群』…山下くんは水沼マリエをそう診断していましたよ…」
亀山「だ…代理…ミュ…?何すかそれ?」
まったくわからないという表情を浮かべる亀山に対して右京が答える。
右京「代理ミュンヒハウゼン症候群、精神疾患の一種です。
通常のミュンヒハウゼン症候群は患者が周囲の関心や同情を引くために病気を装ったり、
自らの体を傷付けたりするといった自傷行為を指します。
しかし代理ミュンヒハウゼン症候群は自分ではなく…
対象は他者…それも自分の身近にいる人間が代わりに傷つけ周囲の関心を引き寄せる事を言います。」
亀山「な…なんすかそれは…
それじゃつまり水沼マリエは精神病だったって事ですか!?」
青木「疑いの段階でした、病院には児童虐待の痕跡を見つけたら通報を義務付けられていましたが僕が止めていましたよ…
まだ決めつけるのは早いと思いましてね、仮にも相手はたった一人の母親…
施設送りになればあの母子家庭がどうなるかだなんて目に見えているでしょう…」
94: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 16:44:34.14 :lFT9Bzvz0
一見水沼一家を心配そうに言っている青木だが本心は違うだろうと亀山は喰ってかかった。
亀山「本当にそうなんですかね?
水沼マリエは元はここのスタッフだった、そんな彼女が虐待しているなんて知られたらどうなるだろうな!
アンタはこの病院の看板にこれ以上傷を付けたくないから通報を止めてただけじゃないのか!
その所為で姉の美々子ちゃんが死んじまったんだぞ!?」
青木「フフ、病院の看板に傷だなんて…あの事件以来堕ちっぱなしですよ…
それに…美々子は…いやまぁいいでしょう…
とにかく僕は今回の事件には関わっていません、それだけはご理解願えますかね!」
右京「なるほど、わかりました。
ところで水沼美々子さんですが救急車でこの掛かり付けの病院に搬送される途中との事でしたね。
その時に死亡診断をなされた診断書などできたら拝見させてもらえますか?」
青木「どうぞ…お好きに…」
一見水沼一家を心配そうに言っている青木だが本心は違うだろうと亀山は喰ってかかった。
亀山「本当にそうなんですかね?
水沼マリエは元はここのスタッフだった、そんな彼女が虐待しているなんて知られたらどうなるだろうな!
アンタはこの病院の看板にこれ以上傷を付けたくないから通報を止めてただけじゃないのか!
その所為で姉の美々子ちゃんが死んじまったんだぞ!?」
青木「フフ、病院の看板に傷だなんて…あの事件以来堕ちっぱなしですよ…
それに…美々子は…いやまぁいいでしょう…
とにかく僕は今回の事件には関わっていません、それだけはご理解願えますかね!」
右京「なるほど、わかりました。
ところで水沼美々子さんですが救急車でこの掛かり付けの病院に搬送される途中との事でしたね。
その時に死亡診断をなされた診断書などできたら拝見させてもらえますか?」
青木「どうぞ…お好きに…」
95: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 16:45:19.15 :lFT9Bzvz0
さっそく右京は青木から美々子の死亡時の診断書を渡されてそれを見ていた。
ちなみに青木はその後すぐに仕事があるからと言って院長室に戻ってしまう。
亀山「やっぱあの男…全然変わってませんでしたね!
あれじゃ近い内にまた医療ミスを起こして今度こそ本当に医師免許失効するかもしれませんよ!」
右京「まぁ、それはともかく…
やはりですね、水沼美々子の診断書は喘息の発作に間違いがありません。
それ以外には大した傷がありませんが…」
二人が診断書を調べていた時であった、廊下から何やら看護師たちの話声がしてきた。
気になった亀山は看護師たちに何の話をしているのか聞いてみる。
さっそく右京は青木から美々子の死亡時の診断書を渡されてそれを見ていた。
ちなみに青木はその後すぐに仕事があるからと言って院長室に戻ってしまう。
亀山「やっぱあの男…全然変わってませんでしたね!
あれじゃ近い内にまた医療ミスを起こして今度こそ本当に医師免許失効するかもしれませんよ!」
右京「まぁ、それはともかく…
やはりですね、水沼美々子の診断書は喘息の発作に間違いがありません。
それ以外には大した傷がありませんが…」
二人が診断書を調べていた時であった、廊下から何やら看護師たちの話声がしてきた。
気になった亀山は看護師たちに何の話をしているのか聞いてみる。
96: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 16:50:04.74 :lFT9Bzvz0
亀山「何話してんですか?」
看護師「あぁ…この病院の事を話してたんですよ…
院長がボンボンのバカ息子だから頼りないし他の病院に移ろうかなって…
相変わらず先物取引には手を出すしなんだか知らないけどここ最近妙に携帯電話を買い替えてるし…
あまりにもアレだから昔は先代の院長が台湾の貧しい地域にNPOの派遣医師として行ってこいって無理矢理駆り出されてましたからね…」
亀山「ハハ、昔から相変わらずなんですね…」
どうもこの看護師は昔からこの病院に勤務しているようで病院内の内情に詳しかったようで右京は水沼マリエについて聞いてみた。
右京「失礼ですが水沼マリエさんの事をご存知ですか?」
看護師「マリエちゃん?えぇ、知っていますとも!
この病院に勤めていましたからね、それに美々子ちゃんと菜々子ちゃんの出産もウチの病院でやりましたから!
今はありませんけど前の病院じゃ産婦人科もやっていましたからね!
いい子だったから前の院長もあの子が辞める時結構な退職金を上げていたそうですよ。」
亀山「何話してんですか?」
看護師「あぁ…この病院の事を話してたんですよ…
院長がボンボンのバカ息子だから頼りないし他の病院に移ろうかなって…
相変わらず先物取引には手を出すしなんだか知らないけどここ最近妙に携帯電話を買い替えてるし…
あまりにもアレだから昔は先代の院長が台湾の貧しい地域にNPOの派遣医師として行ってこいって無理矢理駆り出されてましたからね…」
亀山「ハハ、昔から相変わらずなんですね…」
どうもこの看護師は昔からこの病院に勤務しているようで病院内の内情に詳しかったようで右京は水沼マリエについて聞いてみた。
右京「失礼ですが水沼マリエさんの事をご存知ですか?」
看護師「マリエちゃん?えぇ、知っていますとも!
この病院に勤めていましたからね、それに美々子ちゃんと菜々子ちゃんの出産もウチの病院でやりましたから!
今はありませんけど前の病院じゃ産婦人科もやっていましたからね!
いい子だったから前の院長もあの子が辞める時結構な退職金を上げていたそうですよ。」
97: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 16:50:55.89 :lFT9Bzvz0
右京「前の病院?もしかしてこの病院は以前他の場所にあったのですか?」
看護師「そうですよ、この病院は10年前に移転された場所ですから。
それにしてもマリエちゃんも可哀想な子なんですよ…ろくでもない男に妊娠させられたんだから…」
亀山「それはどういう事ですか!」
看護師が言うには美々子と菜々子の二人は共に私生児で、妹の菜々子はホステスの客との子供であるが…
美々子の父親については誰であるのか一切明かされてはいなかった。
看護師「何て言うんでしょうかね…あの子…いい子なんだけど男運はさっぱりと言った感じで…」
右京「なるほど、水沼マリエの戸籍を調べてみる必要がありますね。」
亀山「ウッス!」
看護師「ところでなんだけど…」
右京「前の病院?もしかしてこの病院は以前他の場所にあったのですか?」
看護師「そうですよ、この病院は10年前に移転された場所ですから。
それにしてもマリエちゃんも可哀想な子なんですよ…ろくでもない男に妊娠させられたんだから…」
亀山「それはどういう事ですか!」
看護師が言うには美々子と菜々子の二人は共に私生児で、妹の菜々子はホステスの客との子供であるが…
美々子の父親については誰であるのか一切明かされてはいなかった。
看護師「何て言うんでしょうかね…あの子…いい子なんだけど男運はさっぱりと言った感じで…」
右京「なるほど、水沼マリエの戸籍を調べてみる必要がありますね。」
亀山「ウッス!」
看護師「ところでなんだけど…」
98: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 16:51:30.39 :lFT9Bzvz0
右京と亀山が病院を出ようとしたその時、看護師は思い出したかのようにある事を告げた。
看護師「そういえば…アンタたちみたく二人の若いカップルがマリエちゃんの事を聞きに来たんだけどあの子らもアンタたちの知り合いなの?」
右京「はぃ?」
亀山「若いカップルってまさか…その二人に何を話したんですか?」
看護師「今さっき話した事を言っただけよ!
そしたら男の子の方が前の病院に何かあるかもしれないって思って飛び出して行っちゃったんだけど…」
亀山「早まった事を…右京さん!俺は移転前の病院に行きます!」
右京「わかりました、僕は水沼マリエさんの戸籍を調べに行きます。」
そして亀山は右京と別行動を取り、移転前の病院へと向かった…
右京と亀山が病院を出ようとしたその時、看護師は思い出したかのようにある事を告げた。
看護師「そういえば…アンタたちみたく二人の若いカップルがマリエちゃんの事を聞きに来たんだけどあの子らもアンタたちの知り合いなの?」
右京「はぃ?」
亀山「若いカップルってまさか…その二人に何を話したんですか?」
看護師「今さっき話した事を言っただけよ!
そしたら男の子の方が前の病院に何かあるかもしれないって思って飛び出して行っちゃったんだけど…」
亀山「早まった事を…右京さん!俺は移転前の病院に行きます!」
右京「わかりました、僕は水沼マリエさんの戸籍を調べに行きます。」
そして亀山は右京と別行動を取り、移転前の病院へと向かった…
99: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 16:55:23.89 :lFT9Bzvz0
~旧武蔵野青木外科医院~
<20時00分>
移転前の病院へやってきた亀山、そこは10年以上買い手が見つからないために放置され、
建物がかなり老朽化していた。
さっそく中に入った亀山だが、人の気配はまるで感じられず本当にカイトと由美がいるのか疑問を感じていた時であった…
カイト「もしかして…亀山さん?」
亀山「甲斐くん!よかった無事だったんだな!ところで由美さんは…?」
カイト「実は…さっきはぐれてしまって…」
カイトが説明するには二人でこの建物に入ったのは確かなのだが途中彼女とはぐれてしまったという事であった。
そんな訳で亀山はカイトと一緒に由美を探す事になった。
しかしふて腐れ気味なカイトと何か話でもしようかと思った亀山だが会話の糸口が見つからないでいた…
~旧武蔵野青木外科医院~
<20時00分>
移転前の病院へやってきた亀山、そこは10年以上買い手が見つからないために放置され、
建物がかなり老朽化していた。
さっそく中に入った亀山だが、人の気配はまるで感じられず本当にカイトと由美がいるのか疑問を感じていた時であった…
カイト「もしかして…亀山さん?」
亀山「甲斐くん!よかった無事だったんだな!ところで由美さんは…?」
カイト「実は…さっきはぐれてしまって…」
カイトが説明するには二人でこの建物に入ったのは確かなのだが途中彼女とはぐれてしまったという事であった。
そんな訳で亀山はカイトと一緒に由美を探す事になった。
しかしふて腐れ気味なカイトと何か話でもしようかと思った亀山だが会話の糸口が見つからないでいた…
100: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 16:57:21.46 :lFT9Bzvz0
カイト「…」
亀山「あのさぁ…甲斐くん…そういえばキミは何で『カイト』って呼ばれてるの?」
カイト「……甲斐亨だからカイトって呼ばれているだけですよ。昔からそういうあだ名なんで…」
亀山「あぁ…そっか…それにしてもどうしてこの場所に辿り着けたんだ?」
カイト「大した事ありませんよ、アンタたちの会話をちょっと盗み聞きしてたんですよ。
それでこの病院を探し当てた、それにあの病院の看護師さんから聞いて水沼マリエが隠れていそうな場所に…
この閉鎖された無人の病院跡地が打ってつけだと思ったまでです。」
なんとか会話の糸口を切り出した亀山、そこでカイトの父親が警察官である事に関して話題を振ってみようとする。
カイト「…」
亀山「あのさぁ…甲斐くん…そういえばキミは何で『カイト』って呼ばれてるの?」
カイト「……甲斐亨だからカイトって呼ばれているだけですよ。昔からそういうあだ名なんで…」
亀山「あぁ…そっか…それにしてもどうしてこの場所に辿り着けたんだ?」
カイト「大した事ありませんよ、アンタたちの会話をちょっと盗み聞きしてたんですよ。
それでこの病院を探し当てた、それにあの病院の看護師さんから聞いて水沼マリエが隠れていそうな場所に…
この閉鎖された無人の病院跡地が打ってつけだと思ったまでです。」
なんとか会話の糸口を切り出した亀山、そこでカイトの父親が警察官である事に関して話題を振ってみようとする。
101: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 16:58:59.59 :lFT9Bzvz0
亀山「な…なるほど…さすが警察官のお父さんを持っていると違うな…
刑事になれそうな先入観の持ち主だ!」
カイト「親父は!……親父は関係ないだろ!!」
亀山「え…?」
地雷を踏んでしまった、どうやら父親とは不仲な事をさすがに察した。
カイト「どいつもこいつも親父の事ばかり持ち出しやがって…あんな男の何がスゴいんだよ!?」
亀山「お父さんの事は…嫌いなんだね…」
カイト「あの男がこの世に存在している事自体が憎たらしいですね!
だからあの親父と同じ職の警察官にだって本当は…今回の事件を解決してほしくはなかったんだ…」
父親と同じ職の警察官にすら嫌悪の感情を抱き始めるカイト。
そんなカイトを諌めようかと思ったが、自分がもっと真剣に対応していれば少なくとも小西なつみは死ななかったのでは…
という負い目を感じていた亀山は強気には出れなかった。
そんな時であった…
亀山「な…なるほど…さすが警察官のお父さんを持っていると違うな…
刑事になれそうな先入観の持ち主だ!」
カイト「親父は!……親父は関係ないだろ!!」
亀山「え…?」
地雷を踏んでしまった、どうやら父親とは不仲な事をさすがに察した。
カイト「どいつもこいつも親父の事ばかり持ち出しやがって…あんな男の何がスゴいんだよ!?」
亀山「お父さんの事は…嫌いなんだね…」
カイト「あの男がこの世に存在している事自体が憎たらしいですね!
だからあの親父と同じ職の警察官にだって本当は…今回の事件を解決してほしくはなかったんだ…」
父親と同じ職の警察官にすら嫌悪の感情を抱き始めるカイト。
そんなカイトを諌めようかと思ったが、自分がもっと真剣に対応していれば少なくとも小西なつみは死ななかったのでは…
という負い目を感じていた亀山は強気には出れなかった。
そんな時であった…
102: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 16:59:27.63 :lFT9Bzvz0
「「イヤァァァァァァ!!!!!!!!!」」
カイト「この声は由美のだ!」
亀山「急ぐぞ!」
二人は急いで叫び声のした方へ行ってみる、そこは病院内の死体安置所…
中に居たのは先ほど悲鳴を上げた中村由美とそして…
カイト「由美!大丈夫か!」
由美「か…カイトくん…こ…これ…」
由美は死体を洗浄する蓋の付いた浴槽に指を差す。
そこには腐りかけた人間の手が見えていた。
亀山とカイトはその蓋を開けてみるとそこにあったのは…
「「イヤァァァァァァ!!!!!!!!!」」
カイト「この声は由美のだ!」
亀山「急ぐぞ!」
二人は急いで叫び声のした方へ行ってみる、そこは病院内の死体安置所…
中に居たのは先ほど悲鳴を上げた中村由美とそして…
カイト「由美!大丈夫か!」
由美「か…カイトくん…こ…これ…」
由美は死体を洗浄する蓋の付いた浴槽に指を差す。
そこには腐りかけた人間の手が見えていた。
亀山とカイトはその蓋を開けてみるとそこにあったのは…
103: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:00:21.73 :lFT9Bzvz0
亀山「これは…死体!?」
そこにあったのは死体、しかしただの死体ではない…
1ヶ月以上放置されていた腐乱死体、体格は女性…そしてその死体の横には奇妙な瓶と携帯電話が置かれていた。
その携帯電話の中を見てこの携帯電話が亀山たちが探している水沼マリエの物であると判明した。
亀山「この携帯は水沼マリエの物だ、という事はこの死体は水沼マリエって事に…」
カイト「ちょっと待ってくださいよ!
この死体はどう見たって1ヶ月以上経っていますよ!彼女が犯人じゃないんですか!?」
カイトの当然な疑問、確かに亀山も彼女が犯人ではないかと疑っていた…
しかし当の本人がこうして死体となって発見されたとなれば話は別である。
二人がそんな疑問を抱く中、由美が興味を持ったのか死体であるマリエの顔をよく見ようと近付いてきた。
亀山「これは…死体!?」
そこにあったのは死体、しかしただの死体ではない…
1ヶ月以上放置されていた腐乱死体、体格は女性…そしてその死体の横には奇妙な瓶と携帯電話が置かれていた。
その携帯電話の中を見てこの携帯電話が亀山たちが探している水沼マリエの物であると判明した。
亀山「この携帯は水沼マリエの物だ、という事はこの死体は水沼マリエって事に…」
カイト「ちょっと待ってくださいよ!
この死体はどう見たって1ヶ月以上経っていますよ!彼女が犯人じゃないんですか!?」
カイトの当然な疑問、確かに亀山も彼女が犯人ではないかと疑っていた…
しかし当の本人がこうして死体となって発見されたとなれば話は別である。
二人がそんな疑問を抱く中、由美が興味を持ったのか死体であるマリエの顔をよく見ようと近付いてきた。
104: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:01:55.17 :lFT9Bzvz0
由美「あの…私にもよく見せて…」
亀山「やめときなって、こんな死体見たって…うん?」
由美は死体の顔を見ようと手で触れようとした。
亀山は由美の手に注目する、その手にはまるでタバコで押し付けられたかのような火傷の跡があった!
亀山「おいこの火傷の痕どうしたんだ!誰にやられた!」
由美「あ…これは…昔両親に…」
カイト「由美は昔母子家庭で母親から虐待を受けていたんですよ…
まったくどこの家もろくな親がいやしないんだからな…」
親に絶望感を抱くカイト、そんなカイトを亀山が諭す。
亀山「親ってそんなに悪いもんじゃないと思うぞ。
少なくともキミたちだっていずれ愛する人と結婚して子供産んで親になるんだからさ!
ま、俺も今は結婚考えてる人がいるんだけどさ…」
カイト「何すかいきなりノロケ話して…」
由美「でもこの人…こんなところに一人で…可哀想…」
カイト「可哀想なもんかよ、子供に虐待してたんだろ!当然の報いだ!」
由美「あの…私にもよく見せて…」
亀山「やめときなって、こんな死体見たって…うん?」
由美は死体の顔を見ようと手で触れようとした。
亀山は由美の手に注目する、その手にはまるでタバコで押し付けられたかのような火傷の跡があった!
亀山「おいこの火傷の痕どうしたんだ!誰にやられた!」
由美「あ…これは…昔両親に…」
カイト「由美は昔母子家庭で母親から虐待を受けていたんですよ…
まったくどこの家もろくな親がいやしないんだからな…」
親に絶望感を抱くカイト、そんなカイトを亀山が諭す。
亀山「親ってそんなに悪いもんじゃないと思うぞ。
少なくともキミたちだっていずれ愛する人と結婚して子供産んで親になるんだからさ!
ま、俺も今は結婚考えてる人がいるんだけどさ…」
カイト「何すかいきなりノロケ話して…」
由美「でもこの人…こんなところに一人で…可哀想…」
カイト「可哀想なもんかよ、子供に虐待してたんだろ!当然の報いだ!」
105: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:02:27.26 :lFT9Bzvz0
((ギギギギギギギギ…))
その時である、まるでカイトの言葉に反応したかのように死体が動き出した!
カイト「なっ!?死体が動いた!?」
由美「そんな…死んでいるはずじゃ…」
亀山「どうなってんだこりゃ!?とにかく二人は逃げろ!こいつは俺が…」
カイト「は…ハイ!行くぞ由美!」
由美「う…うん!」
亀山は二人を逃がして死体を取り押さえようとする…が…
((ギギギギギギギギ…))
その時である、まるでカイトの言葉に反応したかのように死体が動き出した!
カイト「なっ!?死体が動いた!?」
由美「そんな…死んでいるはずじゃ…」
亀山「どうなってんだこりゃ!?とにかく二人は逃げろ!こいつは俺が…」
カイト「は…ハイ!行くぞ由美!」
由美「う…うん!」
亀山は二人を逃がして死体を取り押さえようとする…が…
106: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:03:35.34 :lFT9Bzvz0
((バシッ!))
亀山「うわぁっ!?」
亀山はまるで見えない何かの力で弾き飛ばされてしまう…
亀山「こりゃあの時のスタジオで吹っ飛ばされた時と同じだ…
じゃあつまり一連の事件は死体となった水沼マリエの仕業って事かよ!?」
マリエ(あ゛ぁぁぁ…)
亀山「違うなら反論してみろ!アンタが何で死んだのかはわからねえが子供を虐待死させるなんてな!
アンタそれでも母親か!?」
亀山はマリエに対して激しく詰め寄った、子供たちを虐待させ死後も人々を呪い殺す禍々しい存在…
そんな者に躊躇している場合ではなかったからだ。
だが…マリエは何やら奇妙な事を亀山の前で呟き始める…
((バシッ!))
亀山「うわぁっ!?」
亀山はまるで見えない何かの力で弾き飛ばされてしまう…
亀山「こりゃあの時のスタジオで吹っ飛ばされた時と同じだ…
じゃあつまり一連の事件は死体となった水沼マリエの仕業って事かよ!?」
マリエ(あ゛ぁぁぁ…)
亀山「違うなら反論してみろ!アンタが何で死んだのかはわからねえが子供を虐待死させるなんてな!
アンタそれでも母親か!?」
亀山はマリエに対して激しく詰め寄った、子供たちを虐待させ死後も人々を呪い殺す禍々しい存在…
そんな者に躊躇している場合ではなかったからだ。
だが…マリエは何やら奇妙な事を亀山の前で呟き始める…
107: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:04:02.45 :lFT9Bzvz0
マリエ(チガウ…ワタシ…ジャ…ナ…イ…)
亀山「な…何言ってんだ?」
亀山が事件の犯人を水沼マリエと断定した時であった。
((ヴィー、ヴィー、ヴィー、))
亀山の携帯電話が突然鳴り出した、相手は右京であった。
亀山は急いで右京にこの事を伝えるようとする…
亀山「右京さんですか!わかりました犯人は水沼マリエですよ!
美々子ちゃんを虐待死させただけじゃ飽き足らずに携帯電話を使って次々と呪いを掛けて人々を殺していったんです!」
亀山はこれまでの事態を急いで右京に報告し水沼マリエが犯人であることを告げる。
だが右京は…
マリエ(チガウ…ワタシ…ジャ…ナ…イ…)
亀山「な…何言ってんだ?」
亀山が事件の犯人を水沼マリエと断定した時であった。
((ヴィー、ヴィー、ヴィー、))
亀山の携帯電話が突然鳴り出した、相手は右京であった。
亀山は急いで右京にこの事を伝えるようとする…
亀山「右京さんですか!わかりました犯人は水沼マリエですよ!
美々子ちゃんを虐待死させただけじゃ飽き足らずに携帯電話を使って次々と呪いを掛けて人々を殺していったんです!」
亀山はこれまでの事態を急いで右京に報告し水沼マリエが犯人であることを告げる。
だが右京は…
108: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:07:41.70 :lFT9Bzvz0
右京『キミの言っている事は少し理解に苦しむ点がありますが…
犯人は水沼マリエではありませんよ!』
亀山「え?」
マリエ(…)
右京の言葉を聞き思わず驚く亀山、そして動きを止めるマリエ。
そんな二人の反応は無視して右京は電話越しで推理を語り出す。
右京『そもそも水沼マリエさんは虐待なんてしていなかったのですよ。
水沼美々子さんの診断書を見て僕は疑問に思っていました。
菜々子ちゃんには虐待の痕跡が多数見つかったというのに美々子さんの死体には虐待の痕跡はなかった…
つまりこう考えるべきです、虐待を受けていたのは美々子さんと菜々子ちゃんではなく菜々子ちゃんだけであったと!』
亀山「待ってください!それってどういう事なんですか!?」
右京『キミの言っている事は少し理解に苦しむ点がありますが…
犯人は水沼マリエではありませんよ!』
亀山「え?」
マリエ(…)
右京の言葉を聞き思わず驚く亀山、そして動きを止めるマリエ。
そんな二人の反応は無視して右京は電話越しで推理を語り出す。
右京『そもそも水沼マリエさんは虐待なんてしていなかったのですよ。
水沼美々子さんの診断書を見て僕は疑問に思っていました。
菜々子ちゃんには虐待の痕跡が多数見つかったというのに美々子さんの死体には虐待の痕跡はなかった…
つまりこう考えるべきです、虐待を受けていたのは美々子さんと菜々子ちゃんではなく菜々子ちゃんだけであったと!』
亀山「待ってください!それってどういう事なんですか!?」
109: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:08:49.45 :lFT9Bzvz0
右京『ここで注目すべき点があります、僕たちが水沼宅へお邪魔した際に戸棚から発見されたビデオカメラです。
残念ながら中身のテープは抜き取られていましたがそもそもなぜあのようなモノが設置されていたと思いますか?』
亀山「え…そりゃ映像を撮るためじゃないですか?」
右京『そう!そうなのですよ!ですが誰が何のために?
考えてみれば不自然でした、あの戸棚は子供たちには届きにくい戸棚でした!
つまり…あの戸棚にビデオカメラを設置したのは大人なのですよ!
そして、水沼家で大人といえばたった一人しかいません。
母親である水沼マリエさんがあのビデオカメラを設置したのです!!』
亀山「なんですって!けどそれならマリエさんは一体何を撮ったというんですか?
それに誰が菜々子ちゃんを虐待したんです!?」
亀山の言う通り、虐待を行っていたのがマリエでないとすれば誰が虐待を行ったのか…という当然の疑問が浮かぶ。
右京は…暫く口を閉ざしたが意を決っして菜々子に虐待を行っていた者の名を言う事にした。
右京『ここで注目すべき点があります、僕たちが水沼宅へお邪魔した際に戸棚から発見されたビデオカメラです。
残念ながら中身のテープは抜き取られていましたがそもそもなぜあのようなモノが設置されていたと思いますか?』
亀山「え…そりゃ映像を撮るためじゃないですか?」
右京『そう!そうなのですよ!ですが誰が何のために?
考えてみれば不自然でした、あの戸棚は子供たちには届きにくい戸棚でした!
つまり…あの戸棚にビデオカメラを設置したのは大人なのですよ!
そして、水沼家で大人といえばたった一人しかいません。
母親である水沼マリエさんがあのビデオカメラを設置したのです!!』
亀山「なんですって!けどそれならマリエさんは一体何を撮ったというんですか?
それに誰が菜々子ちゃんを虐待したんです!?」
亀山の言う通り、虐待を行っていたのがマリエでないとすれば誰が虐待を行ったのか…という当然の疑問が浮かぶ。
右京は…暫く口を閉ざしたが意を決っして菜々子に虐待を行っていた者の名を言う事にした。
110: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:13:32.00 :lFT9Bzvz0
右京『……マリエさんの戸籍を調べたすぐ後に…僕は現在、菜々子ちゃんのいるのぞみの家に来ています。
そして思い出してください、菜々子ちゃんは小さなカバンを持っていましたね。
もしもあの家からテープが持ち出されたとしたら菜々子ちゃんが持っていたとしても不思議ではないと思いませんか。
つまり彼女はマリエさんからテープを受け取っていたのですよ!』
亀山「テープを菜々子ちゃんが…じゃあそのテープを見れば菜々子ちゃんに虐待を行っていた人間の正体がわかるんですね!」
右京『実はもうそのテープを見ている最中です。
それから菜々子ちゃんのカバンからテープと一緒に飴玉が出てきました。
あの被害者たちが口に咥えられていたあの赤い飴玉です。』
亀山「赤い飴玉…?
ちょ…ちょっと待ってください!何で菜々子ちゃんのカバンの中から飴玉が出てくるんですか!?」
右京『……マリエさんの戸籍を調べたすぐ後に…僕は現在、菜々子ちゃんのいるのぞみの家に来ています。
そして思い出してください、菜々子ちゃんは小さなカバンを持っていましたね。
もしもあの家からテープが持ち出されたとしたら菜々子ちゃんが持っていたとしても不思議ではないと思いませんか。
つまり彼女はマリエさんからテープを受け取っていたのですよ!』
亀山「テープを菜々子ちゃんが…じゃあそのテープを見れば菜々子ちゃんに虐待を行っていた人間の正体がわかるんですね!」
右京『実はもうそのテープを見ている最中です。
それから菜々子ちゃんのカバンからテープと一緒に飴玉が出てきました。
あの被害者たちが口に咥えられていたあの赤い飴玉です。』
亀山「赤い飴玉…?
ちょ…ちょっと待ってください!何で菜々子ちゃんのカバンの中から飴玉が出てくるんですか!?」
111: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:14:08.75 :lFT9Bzvz0
右京『菜々子ちゃんはこの飴玉を『お姉ちゃんから貰った』と証言してくれました。
こう言ってくれたと証言してくれましたよ。』
菜々子『お姉ちゃん飴くれた、早く良くなってねって…』
亀山「それってつまり…虐待を行っていたのは…」
右京『菜々子ちゃんはこの飴玉を『お姉ちゃんから貰った』と証言してくれました。
こう言ってくれたと証言してくれましたよ。』
菜々子『お姉ちゃん飴くれた、早く良くなってねって…』
亀山「それってつまり…虐待を行っていたのは…」
112: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:15:40.93 :lFT9Bzvz0
右京『そうです!奈々子ちゃんへの虐待を行っていたのは姉である水沼美々子だったのですよ!!』
右京『そうです!奈々子ちゃんへの虐待を行っていたのは姉である水沼美々子だったのですよ!!』
113: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:18:06.09 :lFT9Bzvz0
電話越しで告げられたあまりにも衝撃的な事実、菜々子に虐待を行っていたのが実の姉である美々子であったとは…
その時亀山は自分が持っていたマリエの携帯を見てある事に気付く。
その携帯電話の着信履歴の最後は娘の水沼美々子の番号が登録されていた。
亀山「じゃあすると待てよ…あの死の着信を送っていたのは…」
右京『恐らく…娘の美々子さんの仕業なのでしょうね。
無念の死を遂げた彼女が死の着信を送り続けている、これが事件の全容ですよ!
そしてキミの目の前にいるであろう水沼マリエさん、彼女こそ水沼美々子が発信した死の着信の最初の被害者だったのですよ!』
右京の言葉を聞きマリエを見る亀山、マリエは既に死体となった身体で何かを話そうとしていた。
マリエ(…アノコタチヲ…スクッテアゲテ…)
聴こえるかどうかのか細い声でそう言うとマリエはある瓶を亀山に託す。
それは…眼球…人間の両眼がホルマリン漬けされた瓶であった…
その瓶を亀山に託すとマリエの身体は白骨化し彼女はまるで成仏するかのように消えて行った…
亀山「マリエさん…それにしてもこの眼は…誰のだ?」
亀山がそんな事を疑問に思う中であった。
電話越しで告げられたあまりにも衝撃的な事実、菜々子に虐待を行っていたのが実の姉である美々子であったとは…
その時亀山は自分が持っていたマリエの携帯を見てある事に気付く。
その携帯電話の着信履歴の最後は娘の水沼美々子の番号が登録されていた。
亀山「じゃあすると待てよ…あの死の着信を送っていたのは…」
右京『恐らく…娘の美々子さんの仕業なのでしょうね。
無念の死を遂げた彼女が死の着信を送り続けている、これが事件の全容ですよ!
そしてキミの目の前にいるであろう水沼マリエさん、彼女こそ水沼美々子が発信した死の着信の最初の被害者だったのですよ!』
右京の言葉を聞きマリエを見る亀山、マリエは既に死体となった身体で何かを話そうとしていた。
マリエ(…アノコタチヲ…スクッテアゲテ…)
聴こえるかどうかのか細い声でそう言うとマリエはある瓶を亀山に託す。
それは…眼球…人間の両眼がホルマリン漬けされた瓶であった…
その瓶を亀山に託すとマリエの身体は白骨化し彼女はまるで成仏するかのように消えて行った…
亀山「マリエさん…それにしてもこの眼は…誰のだ?」
亀山がそんな事を疑問に思う中であった。
114: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:18:44.29 :lFT9Bzvz0
「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」」
亀山「何だこの悲鳴は!?」
急いで駆けつけるとそこにいたのは…
カイト「う…うぅ…由美…何で…」
由美『…』
なんと血だらけで倒れたカイトと血の付いた刃物を持った由美の姿があった。
亀山「おい!何してんだ!?」
由美『…』
「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」」
亀山「何だこの悲鳴は!?」
急いで駆けつけるとそこにいたのは…
カイト「う…うぅ…由美…何で…」
由美『…』
なんと血だらけで倒れたカイトと血の付いた刃物を持った由美の姿があった。
亀山「おい!何してんだ!?」
由美『…』
115: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:22:16.73 :lFT9Bzvz0
由美は既に正気では無かった、まるで誰かに操られているような狂った眼差しで立ち尽くしていた…
そして亀山は恐る恐る時計を見ると時刻は20時26分、由美の死亡予告時刻だというのに由美は何故か死なずに予告時刻は過ぎていた。
それからすぐに本部に事の一部始終を報告、捜査一課は由美こそが一連の事件の犯人ではないかと思い逮捕するが…
精神鑑定の結果、解離性同一性障害が認められ彼女は警察に拘留される事は無く、そのまま精神病院へと収容される。
甲斐亨もまた急所を外していたために、命に別状はなく現在病院で療養中である。
由美は既に正気では無かった、まるで誰かに操られているような狂った眼差しで立ち尽くしていた…
そして亀山は恐る恐る時計を見ると時刻は20時26分、由美の死亡予告時刻だというのに由美は何故か死なずに予告時刻は過ぎていた。
それからすぐに本部に事の一部始終を報告、捜査一課は由美こそが一連の事件の犯人ではないかと思い逮捕するが…
精神鑑定の結果、解離性同一性障害が認められ彼女は警察に拘留される事は無く、そのまま精神病院へと収容される。
甲斐亨もまた急所を外していたために、命に別状はなく現在病院で療養中である。
116: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:29:35.09 :lFT9Bzvz0
~特命係~
部屋に戻ってきた右京と亀山は右京が菜々子のカバンから押収したというビデオテープを見ていた。
テープの内容は美々子と菜々子が映っていた、二人は仲良く遊んでいるようで母親のマリエはどこかへ出かけているようであった。
すると突然刃物を取り出して菜々子を傷つける美々子、泣き叫ぶ菜々子に…
美々子『病院に行こ…』
…と言って赤い飴玉を渡す美々子。
そこへ母親のマリエが帰ってきて刃物を持った美々子を見て…
マリエ『美々子…やっぱりお前の仕業だったのね!何でこんな事をしたの!?』
母親に菜々子への虐待を見られたショックなのか、突然美々子の喘息の発作が起きた。
美々子『ゴホッ!ゴホッ!』
マリエは泣き叫ぶ菜々子をすぐに病院へと連れて行こうとするが…
美々子『待って…ママ…置いてかないで…』
美々子はあまりの苦しさから母親に助けを求める、しかしマリエはそんな美々子を放って菜々子と一緒に部屋から出て行った。
美々子『ゲホッ!ゴホッ!ガハッ………』
苦しみ悶える美々子、映像はここで終っていた…
~特命係~
部屋に戻ってきた右京と亀山は右京が菜々子のカバンから押収したというビデオテープを見ていた。
テープの内容は美々子と菜々子が映っていた、二人は仲良く遊んでいるようで母親のマリエはどこかへ出かけているようであった。
すると突然刃物を取り出して菜々子を傷つける美々子、泣き叫ぶ菜々子に…
美々子『病院に行こ…』
…と言って赤い飴玉を渡す美々子。
そこへ母親のマリエが帰ってきて刃物を持った美々子を見て…
マリエ『美々子…やっぱりお前の仕業だったのね!何でこんな事をしたの!?』
母親に菜々子への虐待を見られたショックなのか、突然美々子の喘息の発作が起きた。
美々子『ゴホッ!ゴホッ!』
マリエは泣き叫ぶ菜々子をすぐに病院へと連れて行こうとするが…
美々子『待って…ママ…置いてかないで…』
美々子はあまりの苦しさから母親に助けを求める、しかしマリエはそんな美々子を放って菜々子と一緒に部屋から出て行った。
美々子『ゲホッ!ゴホッ!ガハッ………』
苦しみ悶える美々子、映像はここで終っていた…
117: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:30:14.08 :lFT9Bzvz0
亀山「これが水沼家の虐待の真相ってわけですか…
母親のマリエさんが美々子を放っておいたのは菜々子ちゃんに行っていた虐待に恐れたからなんですね…」
右京「そうでしょうね、母親であるマリエさんが菜々子ちゃんの虐待に気づき…
そしてあのビデオカメラを設置してその証拠を撮ろうとしていた、そしてその証拠のテープを菜々子ちゃんのカバンに託しておいたのでしょう。
山下律子が診断した代理ミュンヒハウゼン症候群に陥っていたのはマリエさんではなく、
実は娘の美々子さんだったのですから。
ちなみにあの死の着信の間際に聞いたあの空気の音はこれです。」
右京は亀山の前にある物を渡す、それは喘息用の吸引器であった。
亀山「なるほど、あの空気の音はこの喘息用の吸引器の音だったのか!
けど右京さん…このテープを見ると美々子は何で吸引器を使わなかったんですかね?
自分一人でも吸引器は使えたはずですよ?」
右京「その吸引器ですが、菜々子ちゃんのカバンの中に入っていました。
恐らく菜々子ちゃんがいたずらで隠してしまったのではないでしょうか…
だから美々子さんはあのような虐待をしてしまった、そう考えるべきではありませんかね。」
亀山「そういう事だったんすね…」
亀山「これが水沼家の虐待の真相ってわけですか…
母親のマリエさんが美々子を放っておいたのは菜々子ちゃんに行っていた虐待に恐れたからなんですね…」
右京「そうでしょうね、母親であるマリエさんが菜々子ちゃんの虐待に気づき…
そしてあのビデオカメラを設置してその証拠を撮ろうとしていた、そしてその証拠のテープを菜々子ちゃんのカバンに託しておいたのでしょう。
山下律子が診断した代理ミュンヒハウゼン症候群に陥っていたのはマリエさんではなく、
実は娘の美々子さんだったのですから。
ちなみにあの死の着信の間際に聞いたあの空気の音はこれです。」
右京は亀山の前にある物を渡す、それは喘息用の吸引器であった。
亀山「なるほど、あの空気の音はこの喘息用の吸引器の音だったのか!
けど右京さん…このテープを見ると美々子は何で吸引器を使わなかったんですかね?
自分一人でも吸引器は使えたはずですよ?」
右京「その吸引器ですが、菜々子ちゃんのカバンの中に入っていました。
恐らく菜々子ちゃんがいたずらで隠してしまったのではないでしょうか…
だから美々子さんはあのような虐待をしてしまった、そう考えるべきではありませんかね。」
亀山「そういう事だったんすね…」
118: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:30:50.07 :lFT9Bzvz0
事件の顛末はこれでわかった、しかし…
右京「ですが新たな謎が浮上しましたね。
キミが病院跡地で見つけた人間の両眼が入った瓶ですか…一体誰の物なのでしょうねぇ?」
亀山「マリエさんの死体にはちゃんと眼球はありましたし…
それに美々子の死体にも両目がえぐられたなんていう痕跡はなかったはずですからね…
まさか全く関わりの無い赤の他人の眼じゃないですよね?」
右京「そんな訳がありませんよ。
この眼の持ち主は間違いなく今回の事件の関係者、それにマリエさんが言っていた言葉も気になります。
『あの子たちを救ってあげて』と確かに彼女はそう言ったのですね?」
亀山「えぇ…聞こえるかどうかの小さな声で言ってましたけど間違いないはずです!
でもあの子たちってたぶん菜々子ちゃんと美々子の事でしょ?
あの家には他に子供なんかいませんよ?」
右京「確かに…その通りなのですが…」
亀山「でも結局これで終わったんでしょうか…?」
右京「いいえ、美々子さんの呪いはまだ消えてなどいません。
むしろ僕にはこれでようやくスタートラインに立てたとそう思うべきですね。」
亀山「スタートライン…」
事件の顛末はこれでわかった、しかし…
右京「ですが新たな謎が浮上しましたね。
キミが病院跡地で見つけた人間の両眼が入った瓶ですか…一体誰の物なのでしょうねぇ?」
亀山「マリエさんの死体にはちゃんと眼球はありましたし…
それに美々子の死体にも両目がえぐられたなんていう痕跡はなかったはずですからね…
まさか全く関わりの無い赤の他人の眼じゃないですよね?」
右京「そんな訳がありませんよ。
この眼の持ち主は間違いなく今回の事件の関係者、それにマリエさんが言っていた言葉も気になります。
『あの子たちを救ってあげて』と確かに彼女はそう言ったのですね?」
亀山「えぇ…聞こえるかどうかの小さな声で言ってましたけど間違いないはずです!
でもあの子たちってたぶん菜々子ちゃんと美々子の事でしょ?
あの家には他に子供なんかいませんよ?」
右京「確かに…その通りなのですが…」
亀山「でも結局これで終わったんでしょうか…?」
右京「いいえ、美々子さんの呪いはまだ消えてなどいません。
むしろ僕にはこれでようやくスタートラインに立てたとそう思うべきですね。」
亀山「スタートライン…」
119: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:31:55.12 :lFT9Bzvz0
事件はまだ始まったばかりだと言う右京。
しかしこれ以上何を調べろと言うのか、右京にそう訊ねようとした時である。
角田「よ、暇か?」
角田課長が部屋に現れた、どうやら先日言っていた新宿の繁華街にある台湾料理店のガサ入れを手伝ってくれとの事であるが…
亀山「課長…その実は俺たち今抱えている事件がるんで…」
亀山が角田課長の断ろうとした時であった。
右京「わかりました、是非ともお受けします。」
角田「お、助かるわ♪それじゃすぐ来てくれるか!」
右京「頼まれれば何でも引き受けるのが特命係ですからね。」
事件はまだ始まったばかりだと言う右京。
しかしこれ以上何を調べろと言うのか、右京にそう訊ねようとした時である。
角田「よ、暇か?」
角田課長が部屋に現れた、どうやら先日言っていた新宿の繁華街にある台湾料理店のガサ入れを手伝ってくれとの事であるが…
亀山「課長…その実は俺たち今抱えている事件がるんで…」
亀山が角田課長の断ろうとした時であった。
右京「わかりました、是非ともお受けします。」
角田「お、助かるわ♪それじゃすぐ来てくれるか!」
右京「頼まれれば何でも引き受けるのが特命係ですからね。」
120: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:32:47.01 :lFT9Bzvz0
角田課長は上機嫌で部屋を出て行った。
亀山は何故今抱えている事件があるのに組対5課の事件を手伝わなければいけないのか右京に聞いてみた。
亀山「右京さん何で手伝いなんか?俺たちには抱えている事件が…」
右京「その抱えている事件が偶然にも角田課長たちが追っている事件とある共通点があるのですよ。
実は水沼マリエさんの戸籍を拝見したのですが父親欄が『チャン・ウェイ』となっていました。
水沼マリエの父親は台湾からの移民だったのですよ!」
亀山「けどいくら同じ台湾人だからって知り合いって訳じゃ…」
右京「さらにわかった事なのですがチャン・ウェイはどうやらこの日本に同郷の人間と日本にやってきたそうです。
その同郷の人間というのが…」
亀山「まさか…そいつが王健峰!?」
右京「そうです、この事件の手掛かりはまだ途絶えていません。
さぁ角田課長たちと一緒に新宿の繁華街に行きますよ!」
亀山「了解!!」
こうして右京と亀山の二人は角田課長の組対5課の刑事たちと一緒に新宿の繁華街へと向かう。
その頃…
角田課長は上機嫌で部屋を出て行った。
亀山は何故今抱えている事件があるのに組対5課の事件を手伝わなければいけないのか右京に聞いてみた。
亀山「右京さん何で手伝いなんか?俺たちには抱えている事件が…」
右京「その抱えている事件が偶然にも角田課長たちが追っている事件とある共通点があるのですよ。
実は水沼マリエさんの戸籍を拝見したのですが父親欄が『チャン・ウェイ』となっていました。
水沼マリエの父親は台湾からの移民だったのですよ!」
亀山「けどいくら同じ台湾人だからって知り合いって訳じゃ…」
右京「さらにわかった事なのですがチャン・ウェイはどうやらこの日本に同郷の人間と日本にやってきたそうです。
その同郷の人間というのが…」
亀山「まさか…そいつが王健峰!?」
右京「そうです、この事件の手掛かりはまだ途絶えていません。
さぁ角田課長たちと一緒に新宿の繁華街に行きますよ!」
亀山「了解!!」
こうして右京と亀山の二人は角田課長の組対5課の刑事たちと一緒に新宿の繁華街へと向かう。
その頃…
121: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:34:08.54 :lFT9Bzvz0
~鑑識課~
米沢「さてと…こちらが1ヶ月前の変死体で発見された水沼美々子の携帯電話。
そしてこっちが先ほど腐乱死体で発見されたその母親のマリエさんの携帯電話ですが…
あまり目新しい情報はありませんな、娘の携帯には母親と掛かり付けの医者の電話番号のみ…
母親の方は…ホステスをしていただけあってお客の携帯番号が多数登録されていますな。」
米沢は右京に頼まれ1ヶ月前に亡くなり警視庁に保管されていた美々子の携帯。
それに亀山が発見したマリエの携帯を調べてもらうように米沢に依頼していた。
だが右京の期待に応えられるような真新しい情報を得られずにいたが…
~鑑識課~
米沢「さてと…こちらが1ヶ月前の変死体で発見された水沼美々子の携帯電話。
そしてこっちが先ほど腐乱死体で発見されたその母親のマリエさんの携帯電話ですが…
あまり目新しい情報はありませんな、娘の携帯には母親と掛かり付けの医者の電話番号のみ…
母親の方は…ホステスをしていただけあってお客の携帯番号が多数登録されていますな。」
米沢は右京に頼まれ1ヶ月前に亡くなり警視庁に保管されていた美々子の携帯。
それに亀山が発見したマリエの携帯を調べてもらうように米沢に依頼していた。
だが右京の期待に応えられるような真新しい情報を得られずにいたが…
122: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:34:56.24 :lFT9Bzvz0
((ピ・ポ・パ・ピ・ポ))
米沢「おや?」
米沢は一瞬、美々子の携帯が勝手に動いたのかと思った。
だが目の錯覚だろうと思い気にも留めずにいた、これこそがこの後起きる大参事の予兆とも知らずに…
右京「着信アリ?」
終わり
右京「着信アリ2?」
へ続く→
((ピ・ポ・パ・ピ・ポ))
米沢「おや?」
米沢は一瞬、美々子の携帯が勝手に動いたのかと思った。
だが目の錯覚だろうと思い気にも留めずにいた、これこそがこの後起きる大参事の予兆とも知らずに…
右京「着信アリ?」
終わり
右京「着信アリ2?」
へ続く→
125: ◆jPpg5.obl6:2014/01/31(金) 17:45:50.55 :lFT9Bzvz0
※補足
ちなみに今回出てきた過去の事件ですが一応紹介させてもらうと…
相棒シーズン2
第17話『同時多発誘拐 消えた16人の子供達』
>>24
こののぞみの家の望月夫妻が17話の犯人です
第7話『消えた死体』
>>40
ここで出てきた葬儀屋さんが7話の葬儀屋さんです
第10話 『殺意あり』
>>89
この青木外科医院というのが10話の舞台となった場所です
ちなみにこの青木医師は関係者ではありますが犯人役ではありません
ちなみに今回出てきた過去の事件ですが一応紹介させてもらうと…
相棒シーズン2
第17話『同時多発誘拐 消えた16人の子供達』
>>24
こののぞみの家の望月夫妻が17話の犯人です
第7話『消えた死体』
>>40
ここで出てきた葬儀屋さんが7話の葬儀屋さんです
第10話 『殺意あり』
>>89
この青木外科医院というのが10話の舞台となった場所です
ちなみにこの青木医師は関係者ではありますが犯人役ではありません
126:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/31(金) 18:03:00.00 :+IrT7PU8o
乙です
1: ◆jPpg5.obl6:2014/02/04(火) 21:44:20.61 :gyEg9Ks40
相棒×着信アリ2のクロスssです。
右京「着信アリ?」の続きになります。
※以下の諸注意があります。
このスレを読む前にまずは前スレをご覧ください。
舞台は相棒シーズン4、2005年の設定になっています。
話の都合上、着信アリの原作設定が大幅に変わっていたりしますがその辺はご容赦ください。
それでも良いという方はどうか見てやってください。
右京「着信アリ?」の続きになります。
※以下の諸注意があります。
このスレを読む前にまずは前スレをご覧ください。
舞台は相棒シーズン4、2005年の設定になっています。
話の都合上、着信アリの原作設定が大幅に変わっていたりしますがその辺はご容赦ください。
それでも良いという方はどうか見てやってください。
2: ◆jPpg5.obl6:2014/02/04(火) 21:46:22.16 :gyEg9Ks40
<8月10日>
~警視庁~
大河内「…」
神戸「…」
大河内「…」
神戸「…あの…」
大河内「何だ?」
警視庁にある大河内の部屋で不審なアクセスを行う者の正体を暴く作業を黙々と行う大河内と神戸。
しかし二人はせっかくの旧知の間柄だというのにろくに会話が無かった…
<8月10日>
~警視庁~
大河内「…」
神戸「…」
大河内「…」
神戸「…あの…」
大河内「何だ?」
警視庁にある大河内の部屋で不審なアクセスを行う者の正体を暴く作業を黙々と行う大河内と神戸。
しかし二人はせっかくの旧知の間柄だというのにろくに会話が無かった…
4: ◆jPpg5.obl6:2014/02/04(火) 21:47:19.79 :gyEg9Ks40
神戸「いえ…こうして二人きりで作業なのだから少しはコミュニケーションを取り合うべきではないかと思いまして…」
大河内「くだらない事を言う暇があったら手を動かせ。
しかしまさかあのお前が警察庁の推薦組として警備部の配属になるとはな…
今だから言うが、お前が推薦されて警察庁に異動になる際に上申書を出して反対をしたんだがな…」
神戸「それ…冗談ですよね…?」
大河内「さあな…それで何かわかった事は?」
神戸「えぇ、この外部からのデータバンクへのアクセス記録なんですけど確かにひとつはこの警視庁からなのは確かなんですけど…
もうひとつは…これ台湾の回線を経由しているみたいなんですよ、これってどういう事なんですかね?」
大河内「台湾…だと…」
未だに警視庁へ違法アクセスを続ける者の捜査を続ける神戸と大河内の二人、その頃…
神戸「いえ…こうして二人きりで作業なのだから少しはコミュニケーションを取り合うべきではないかと思いまして…」
大河内「くだらない事を言う暇があったら手を動かせ。
しかしまさかあのお前が警察庁の推薦組として警備部の配属になるとはな…
今だから言うが、お前が推薦されて警察庁に異動になる際に上申書を出して反対をしたんだがな…」
神戸「それ…冗談ですよね…?」
大河内「さあな…それで何かわかった事は?」
神戸「えぇ、この外部からのデータバンクへのアクセス記録なんですけど確かにひとつはこの警視庁からなのは確かなんですけど…
もうひとつは…これ台湾の回線を経由しているみたいなんですよ、これってどういう事なんですかね?」
大河内「台湾…だと…」
未だに警視庁へ違法アクセスを続ける者の捜査を続ける神戸と大河内の二人、その頃…
5: ◆jPpg5.obl6:2014/02/04(火) 21:47:54.99 :gyEg9Ks40
~台湾料理店山平居~
ここは新宿繁華街にある王健峰という台湾人が営む料理店である。
しかし実はこの料理店、表向きは普通の料理店だが…
その実態は城南金融のヤクザと中国マフィアによる違法な取引が行われている場として使われていた。
そこへ角田課長率いる組対5課の刑事たちと警視庁特命係の杉下右京、それに亀山薫が張り込みを行っていた。
時刻は深夜1時を過ぎていた。
料理店の営業時間は過ぎて店は閉店したがそこへ怪しい男たちが次々と店の中に入って行く光景を右京たちは目撃していた。
~台湾料理店山平居~
ここは新宿繁華街にある王健峰という台湾人が営む料理店である。
しかし実はこの料理店、表向きは普通の料理店だが…
その実態は城南金融のヤクザと中国マフィアによる違法な取引が行われている場として使われていた。
そこへ角田課長率いる組対5課の刑事たちと警視庁特命係の杉下右京、それに亀山薫が張り込みを行っていた。
時刻は深夜1時を過ぎていた。
料理店の営業時間は過ぎて店は閉店したがそこへ怪しい男たちが次々と店の中に入って行く光景を右京たちは目撃していた。
7: ◆jPpg5.obl6:2014/02/04(火) 21:48:49.30 :gyEg9Ks40
右京「既にお店の閉店時間は過ぎています、なのにあの男たちはお店の中に入って行きますねぇ。」
亀山「間違いないっすね!ヤツら城南金融や中国マフィアの悪党っすよ!
課長、すぐにガサ入れしましょう!!」
角田「おぅ!よーし行くぞお前ら!!」
角田課長の指揮の下、張り込みをしていた刑事たちが一斉に王の店に突入していった。
角田「ハイ警察!全員動くな!!」
ヤクザ「クソッ!サツかよ!?」
マフィア「クッ!ニゲバガナイゾ!?」
大木「課長拳銃です!」
小松「こっちには麻薬ですよ!」
角田「まったく…ここは違法取引のバーゲンセールか?」
右京「既にお店の閉店時間は過ぎています、なのにあの男たちはお店の中に入って行きますねぇ。」
亀山「間違いないっすね!ヤツら城南金融や中国マフィアの悪党っすよ!
課長、すぐにガサ入れしましょう!!」
角田「おぅ!よーし行くぞお前ら!!」
角田課長の指揮の下、張り込みをしていた刑事たちが一斉に王の店に突入していった。
角田「ハイ警察!全員動くな!!」
ヤクザ「クソッ!サツかよ!?」
マフィア「クッ!ニゲバガナイゾ!?」
大木「課長拳銃です!」
小松「こっちには麻薬ですよ!」
角田「まったく…ここは違法取引のバーゲンセールか?」
8: ◆jPpg5.obl6:2014/02/04(火) 21:51:05.52 :gyEg9Ks40
急なガサ入れに騒然とする店内、角田課長たちの大捕物は成功したようである。
一方、右京と亀山の二人はこの店の店主である王健峰を探していた。
亀山「王のヤツ…見つからないっすね…どこ行ったんですかね?」
右京「彼はこの店の店主です、もしかしたら厨房にいるのかも…」
右京の言う通り、王健峰は厨房で何やらコソコソとしていた。
右京「王健峰さんですね、警察です!動かないでください!!」
亀山「お前の逃げ場はもう無いぞ!大人しくしろ!!」
二人は厨房の出入り口の前に立ち王健峰の逃げ場を封じる。
これに観念したのか王健峰は抵抗せずに大人しく捕まろうとした。
そして二人は王健峰に、今回の一件とは別の二人が追っている『死の着信』を引き起こしている水沼美々子について訊ねてみた。
急なガサ入れに騒然とする店内、角田課長たちの大捕物は成功したようである。
一方、右京と亀山の二人はこの店の店主である王健峰を探していた。
亀山「王のヤツ…見つからないっすね…どこ行ったんですかね?」
右京「彼はこの店の店主です、もしかしたら厨房にいるのかも…」
右京の言う通り、王健峰は厨房で何やらコソコソとしていた。
右京「王健峰さんですね、警察です!動かないでください!!」
亀山「お前の逃げ場はもう無いぞ!大人しくしろ!!」
二人は厨房の出入り口の前に立ち王健峰の逃げ場を封じる。
これに観念したのか王健峰は抵抗せずに大人しく捕まろうとした。
そして二人は王健峰に、今回の一件とは別の二人が追っている『死の着信』を引き起こしている水沼美々子について訊ねてみた。
9: ◆jPpg5.obl6:2014/02/04(火) 21:51:53.97 :gyEg9Ks40
右京「王健峰さん、今のうちにお話を聞かせてもらいます。
あなたの同郷の人間であるチャン・ウェイをご存知ですよね、彼の孫娘に当る水沼美々子さんについてご存じはありませんか?」
亀山「なんでもいい!知っている事があるなら教えてくれ!」
王健峰「美々子…?………!?」
美々子の名を言った瞬間であった、王健峰の表情が急に険しくなりまるで恐ろしいモノでも見たかのような顔をしていた。
そして王健峰は右京たちに向かいこう呟いた。
王健峰「不再回来…!」
亀山「え…?あいつ何言ってるんですか!?」
右京「北京語で二度と帰らない…彼はそう言っています。どういう意味でしょうかね?」
右京「王健峰さん、今のうちにお話を聞かせてもらいます。
あなたの同郷の人間であるチャン・ウェイをご存知ですよね、彼の孫娘に当る水沼美々子さんについてご存じはありませんか?」
亀山「なんでもいい!知っている事があるなら教えてくれ!」
王健峰「美々子…?………!?」
美々子の名を言った瞬間であった、王健峰の表情が急に険しくなりまるで恐ろしいモノでも見たかのような顔をしていた。
そして王健峰は右京たちに向かいこう呟いた。
王健峰「不再回来…!」
亀山「え…?あいつ何言ってるんですか!?」
右京「北京語で二度と帰らない…彼はそう言っています。どういう意味でしょうかね?」
10: ◆jPpg5.obl6:2014/02/04(火) 21:54:40.25 :gyEg9Ks40
その時であった、先ほど王健峰がコソコソしていた辺りから携帯の着信音が聞こえてきた。
しかしその着信音は…
♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫
右京「これはまさか…」
亀山「間違いない!死の着信ですよ!おいアンタ!その携帯を取るな!?」
亀山は携帯を取るなと忠告を促すが王健峰は厨房のテーブルに置いてあった携帯を取ってしまう…
その携帯から女性の声が聞こえてきた。
『オトウサンドコ?』
王健峰「美鳳カ?美鳳ナンデオマエ…」
亀山「声からして女の人…?」
右京「どうやらそのようですね、『オトウサン』と呼んでいる事からどうやら彼の娘のようですが…」
相手は王健峰の娘らしい、女性は王健峰と同じく日本人ではないらしくその口調もどこかカタコトな発音であった。
そして電話越しの彼女は父親に対してこう告げる…
その時であった、先ほど王健峰がコソコソしていた辺りから携帯の着信音が聞こえてきた。
しかしその着信音は…
♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫
右京「これはまさか…」
亀山「間違いない!死の着信ですよ!おいアンタ!その携帯を取るな!?」
亀山は携帯を取るなと忠告を促すが王健峰は厨房のテーブルに置いてあった携帯を取ってしまう…
その携帯から女性の声が聞こえてきた。
『オトウサンドコ?』
王健峰「美鳳カ?美鳳ナンデオマエ…」
亀山「声からして女の人…?」
右京「どうやらそのようですね、『オトウサン』と呼んでいる事からどうやら彼の娘のようですが…」
相手は王健峰の娘らしい、女性は王健峰と同じく日本人ではないらしくその口調もどこかカタコトな発音であった。
そして電話越しの彼女は父親に対してこう告げる…
11: ◆jPpg5.obl6:2014/02/04(火) 21:56:12.68 :gyEg9Ks40
『…ッタク…マタアブラヒニカケッパナシ…アブナイッテイッテルノニ!』
それはまるで父親を心配するような内容であった。
しかし次の瞬間…
『キャァァァァァ!?』
王健峰「美鳳!?」
娘の悲鳴を聴き、王健峰は思わず厨房にある火の付いたフライパンに目をやると…
((ボッ!))
王健峰「ギャァァァァ!?」
突然フライパンに火がつき…そしてその火が王健峰の顔に燃え広がった。
だがそれだけではなかった…
右京「焦げ臭い…まさか…亀山くんあれを見てください!」
亀山「あれって…あぁ!?」
亀山は右京が指を差すガス栓のホースに注目した。
そこには一匹の鼠がまるで狂ったかのようにホースを食い千切っている光景があった!
『…ッタク…マタアブラヒニカケッパナシ…アブナイッテイッテルノニ!』
それはまるで父親を心配するような内容であった。
しかし次の瞬間…
『キャァァァァァ!?』
王健峰「美鳳!?」
娘の悲鳴を聴き、王健峰は思わず厨房にある火の付いたフライパンに目をやると…
((ボッ!))
王健峰「ギャァァァァ!?」
突然フライパンに火がつき…そしてその火が王健峰の顔に燃え広がった。
だがそれだけではなかった…
右京「焦げ臭い…まさか…亀山くんあれを見てください!」
亀山「あれって…あぁ!?」
亀山は右京が指を差すガス栓のホースに注目した。
そこには一匹の鼠がまるで狂ったかのようにホースを食い千切っている光景があった!
12: ◆jPpg5.obl6:2014/02/04(火) 22:01:26.70 :gyEg9Ks40
右京「まずいですよ!早くこの部屋から出ますよ!」
亀山「けど王健峰が…」
右京「もうダメです、彼は手遅れですよ!」
右京の言う通り王健峰は火にあぶられ既に息絶えていた、そしてその火がガスに引火して厨房は火事に!
((ゴオオオオオ!!))
角田「な…何だこりゃ火事か!?」
右京「課長!すぐに退避してください!厨房で火災が!」
亀山「急がないと俺たちまで巻き添え喰っちゃいますよ!」
角田「わかった!おいお前ら証拠とか全部持ってけ!早くしないと消し炭になっちまうぞ!!」
大木「でも火が…」
小松「とにかく急げー!?」
右京たちは店内でガサ入れの最中であった角田課長たちを急いで退避させる。
それから数時間後…
右京「まずいですよ!早くこの部屋から出ますよ!」
亀山「けど王健峰が…」
右京「もうダメです、彼は手遅れですよ!」
右京の言う通り王健峰は火にあぶられ既に息絶えていた、そしてその火がガスに引火して厨房は火事に!
((ゴオオオオオ!!))
角田「な…何だこりゃ火事か!?」
右京「課長!すぐに退避してください!厨房で火災が!」
亀山「急がないと俺たちまで巻き添え喰っちゃいますよ!」
角田「わかった!おいお前ら証拠とか全部持ってけ!早くしないと消し炭になっちまうぞ!!」
大木「でも火が…」
小松「とにかく急げー!?」
右京たちは店内でガサ入れの最中であった角田課長たちを急いで退避させる。
それから数時間後…
18: ◆jPpg5.obl6:2014/02/05(水) 20:19:55.06 :7nGZP1a20
現場は消防車や警察車輌が入り混じり騒然とした状態になっていた。
勿論現場には捜査一課の伊丹たちや鑑識の米沢も駆けつけて捜査を始めていた。
ちなみに角田課長は現場を伊丹たちに任せて捕まえた連中の取り調べのために本庁に戻った。
伊丹「まったく…組対5課がガサ入れの最中にボヤ騒ぎかよ…
なんだって俺たちが連中の後始末をしなきゃならねえんだか…」
三浦「幸い火は厨房だけで止まって店が全焼する事は無かったが…」
右京「これも消防隊の方々が迅速に対応してくれたおかげです。」
亀山「あちらさんはお前らよりも優秀だからな!」
三浦「警部殿…今回はあなた方の目の前で被害者が亡くなったらしいですねぇ…」
伊丹「特命係の死神!お前が行くとこは死体の山ばっかじゃねーかコラ!?」
亀山「誰が死神だ!?こっちだって好きで死体と鉢合わせしているわけじゃねえんだよ!」
現場は消防車や警察車輌が入り混じり騒然とした状態になっていた。
勿論現場には捜査一課の伊丹たちや鑑識の米沢も駆けつけて捜査を始めていた。
ちなみに角田課長は現場を伊丹たちに任せて捕まえた連中の取り調べのために本庁に戻った。
伊丹「まったく…組対5課がガサ入れの最中にボヤ騒ぎかよ…
なんだって俺たちが連中の後始末をしなきゃならねえんだか…」
三浦「幸い火は厨房だけで止まって店が全焼する事は無かったが…」
右京「これも消防隊の方々が迅速に対応してくれたおかげです。」
亀山「あちらさんはお前らよりも優秀だからな!」
三浦「警部殿…今回はあなた方の目の前で被害者が亡くなったらしいですねぇ…」
伊丹「特命係の死神!お前が行くとこは死体の山ばっかじゃねーかコラ!?」
亀山「誰が死神だ!?こっちだって好きで死体と鉢合わせしているわけじゃねえんだよ!」
19: ◆jPpg5.obl6:2014/02/05(水) 20:20:53.71 :7nGZP1a20
そんなお決まりのやり取りが行われている中で右京は米沢にある重要な事を確認していた。
米沢「被害者の死因はこの重度の火傷ですな。
特に頭部の顔面の火傷は酷いですなぁ…ただでさえ強面の顔が一層…あ、失礼…こりゃ私の感想です…」
右京「米沢さん、被害者の口から飴玉は発見できましたか?」
米沢「いえ、飴玉は発見出来ませんでしたがその代わり妙なモノが見つかりました。
微量な『石炭』です、それが口の中にありました…」
右京「石炭?飴玉ではなく石炭…どういう事なのでしょうか?それと被害者の携帯電話を調べたいのですが…」
米沢「携帯電話…ですか?」
米沢は右京に被害者が死亡直前まで使用していた携帯電話を見せた。
しかしこの携帯電話、明るい場所でよく見ると男物ではなく…シールやデコを付けた今時の若い女性が使用するような携帯電話であった。
米沢「正直この携帯を中年の男性が使っていたとは私には思えないのですが…」
右京「同感です、これは本来被害者の携帯ではないのでしょうね。」
そんなお決まりのやり取りが行われている中で右京は米沢にある重要な事を確認していた。
米沢「被害者の死因はこの重度の火傷ですな。
特に頭部の顔面の火傷は酷いですなぁ…ただでさえ強面の顔が一層…あ、失礼…こりゃ私の感想です…」
右京「米沢さん、被害者の口から飴玉は発見できましたか?」
米沢「いえ、飴玉は発見出来ませんでしたがその代わり妙なモノが見つかりました。
微量な『石炭』です、それが口の中にありました…」
右京「石炭?飴玉ではなく石炭…どういう事なのでしょうか?それと被害者の携帯電話を調べたいのですが…」
米沢「携帯電話…ですか?」
米沢は右京に被害者が死亡直前まで使用していた携帯電話を見せた。
しかしこの携帯電話、明るい場所でよく見ると男物ではなく…シールやデコを付けた今時の若い女性が使用するような携帯電話であった。
米沢「正直この携帯を中年の男性が使っていたとは私には思えないのですが…」
右京「同感です、これは本来被害者の携帯ではないのでしょうね。」
21: ◆jPpg5.obl6:2014/02/05(水) 20:21:30.22 :7nGZP1a20
するとそこへ芹沢が一人の女性を連れて現れた。
女性は現場に入ると被害者の死体を見て急に駆け寄り泣き出してしまう。
美鳳「オトウサァァァァン!?」
亀山「お父さんってどういう事だ?」
芹沢「彼女は王美鳳さん、亡くなったこの店の主人の王健峰さんの一人娘だそうです。
ちなみに今日は友達と飲みに行っていて帰りが遅かったらしいですよ。」
美鳳「ダカラワタシイッタノニ!
コンナアブナイシゴトヤメヨウッテ!ヤクザノシゴトヒキウケタッテロクナコトナイヨ!」
父親の遺体の前で号泣する美鳳、そんな気まずい雰囲気の中で右京は美鳳にある事を聞いてみた。
右京「失礼ですがよろしいですか、この携帯電話ですがもしかしたらあなたの物ではありませんか?」
美鳳「ハイ…コノケイタイハワタシノデス。
キョウ、オミセノテツダイシテイルトキニチュウボウニワスレテシマッテ…」
するとそこへ芹沢が一人の女性を連れて現れた。
女性は現場に入ると被害者の死体を見て急に駆け寄り泣き出してしまう。
美鳳「オトウサァァァァン!?」
亀山「お父さんってどういう事だ?」
芹沢「彼女は王美鳳さん、亡くなったこの店の主人の王健峰さんの一人娘だそうです。
ちなみに今日は友達と飲みに行っていて帰りが遅かったらしいですよ。」
美鳳「ダカラワタシイッタノニ!
コンナアブナイシゴトヤメヨウッテ!ヤクザノシゴトヒキウケタッテロクナコトナイヨ!」
父親の遺体の前で号泣する美鳳、そんな気まずい雰囲気の中で右京は美鳳にある事を聞いてみた。
右京「失礼ですがよろしいですか、この携帯電話ですがもしかしたらあなたの物ではありませんか?」
美鳳「ハイ…コノケイタイハワタシノデス。
キョウ、オミセノテツダイシテイルトキニチュウボウニワスレテシマッテ…」
22: ◆jPpg5.obl6:2014/02/05(水) 20:22:28.37 :7nGZP1a20
右京「なるほど、ところでお聞きしたいのですが…
水沼マリエ、もしくは美々子という名前に何か心当たりはありますか?」
美鳳「マリエ?美々子?フタリトモシリアイデスケド…
チナミニフタリノケイタイノバンゴウモワタシトウロクシテイマス。」
美鳳の携帯には確かにマリエと美々子の携帯番号が登録されていた。
美鳳の話によると実はチャン・ウェイとは家族ぐるみの付き合いだったようで…
以前、マリエは娘たちをこの王一家に紹介していたとの事であった。
亀山「なんだって!?
キミのお父さんは水沼一家について何か言ってなかったかい?」
美鳳「ソウイエバ…」
右京「なるほど、ところでお聞きしたいのですが…
水沼マリエ、もしくは美々子という名前に何か心当たりはありますか?」
美鳳「マリエ?美々子?フタリトモシリアイデスケド…
チナミニフタリノケイタイノバンゴウモワタシトウロクシテイマス。」
美鳳の携帯には確かにマリエと美々子の携帯番号が登録されていた。
美鳳の話によると実はチャン・ウェイとは家族ぐるみの付き合いだったようで…
以前、マリエは娘たちをこの王一家に紹介していたとの事であった。
亀山「なんだって!?
キミのお父さんは水沼一家について何か言ってなかったかい?」
美鳳「ソウイエバ…」
23: ◆jPpg5.obl6:2014/02/05(水) 20:23:02.34 :7nGZP1a20
美鳳は思い出したかのようにある事を話す。
それは王健峰にマリエが娘たちを紹介した時の事であった。
その時、王健峰は美々子の顔を見て思わず恐怖してしまいある言葉を呟いたという…
美鳳「『李麗』…オトウサンハタシカニソウイッテマシタ…」
亀山「李麗…?中国の女の人の名前ですね?」
右京「一体誰の事なのでしょうか?」
それから右京と亀山は美鳳からある情報を聞き出し、その場を伊丹たちに任せてとある飲み屋へとやってきた。
美鳳は思い出したかのようにある事を話す。
それは王健峰にマリエが娘たちを紹介した時の事であった。
その時、王健峰は美々子の顔を見て思わず恐怖してしまいある言葉を呟いたという…
美鳳「『李麗』…オトウサンハタシカニソウイッテマシタ…」
亀山「李麗…?中国の女の人の名前ですね?」
右京「一体誰の事なのでしょうか?」
それから右京と亀山は美鳳からある情報を聞き出し、その場を伊丹たちに任せてとある飲み屋へとやってきた。
27: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 11:07:57.78 :Ja8cAamy0
~飲み屋~
ここは東池袋の人生横丁にあるとある場末の飲み屋。
そこに右京と亀山はある人物に聞き込みをするためにやってきたのだが…
右京「失礼します、警察ですが…」
亀山「あなたは確か…辻真理子さん!?どうしてここにいるんですか?」
真理子「久しぶりねぇ刑事さんたち…」
飲み屋には二人の女性が居てその内の一人はなんと、以前右京と亀山が逮捕したこの人生横丁で殺人事件を犯した辻真理子であった。
彼女は以前、息子が死んだ時に担当をしていた保険会社の社員である久保田を殺害してしまい服役中であったが…
現在は仮出所しているとの事であった。
まさかの偶然な再会、亀山は思わず何故彼女がこんなにも早く出所出来たのかその理由を聞いてみた。
~飲み屋~
ここは東池袋の人生横丁にあるとある場末の飲み屋。
そこに右京と亀山はある人物に聞き込みをするためにやってきたのだが…
右京「失礼します、警察ですが…」
亀山「あなたは確か…辻真理子さん!?どうしてここにいるんですか?」
真理子「久しぶりねぇ刑事さんたち…」
飲み屋には二人の女性が居てその内の一人はなんと、以前右京と亀山が逮捕したこの人生横丁で殺人事件を犯した辻真理子であった。
彼女は以前、息子が死んだ時に担当をしていた保険会社の社員である久保田を殺害してしまい服役中であったが…
現在は仮出所しているとの事であった。
まさかの偶然な再会、亀山は思わず何故彼女がこんなにも早く出所出来たのかその理由を聞いてみた。
28: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 11:08:26.59 :Ja8cAamy0
亀山「けど随分と早い出所ですよね、失礼ですけどいくら模範囚でも2~3年そこらで出られるわけが…」
真理子「それは…」
右京「なるほど、大企業・神田グループのトップ、神田喜一氏のお力添えがあったからですね。
恐らく彼がよほど腕の良い弁護士に依頼をして刑期を短くしてくれたのでしょうね。」
真理子「まったく…私は刑務所でお勤めしようかと思ったのに…あの男は…未だに未練がましいわ…」
亀山「何言ってんですか!彼はあなたのためを思ってやってくれたんですよ!
感謝こそされるにしてもそんな恨み言を言うべきじゃないでしょうが!」
真理子「本当に感謝されたいなら20年以上前に私と一緒になってくれたら…」
亀山「あ…」
右京「失礼しました…」
亀山「けど随分と早い出所ですよね、失礼ですけどいくら模範囚でも2~3年そこらで出られるわけが…」
真理子「それは…」
右京「なるほど、大企業・神田グループのトップ、神田喜一氏のお力添えがあったからですね。
恐らく彼がよほど腕の良い弁護士に依頼をして刑期を短くしてくれたのでしょうね。」
真理子「まったく…私は刑務所でお勤めしようかと思ったのに…あの男は…未だに未練がましいわ…」
亀山「何言ってんですか!彼はあなたのためを思ってやってくれたんですよ!
感謝こそされるにしてもそんな恨み言を言うべきじゃないでしょうが!」
真理子「本当に感謝されたいなら20年以上前に私と一緒になってくれたら…」
亀山「あ…」
右京「失礼しました…」
29: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 11:08:52.89 :Ja8cAamy0
辻真理子の言う20年以上前とは…
かつて彼女は神田喜一と付き合っていて既に妊娠して子供が生まれようとしていた。
しかし神田喜一は地位を得たいがために当時妊娠していた真理子と別れ他の女と結婚する事になる。
それから20数年後、彼女の息子と神田が他の女との間に出来た息子が偶然にもモーターボートの事故に巻き込まれて死亡。
その後、二人は保健会社から真理子の息子は3000万円、神田の息子は3億円と同じ男の息子なのに何故こうも命の値段が違うのかと…
彼女は保健会社の人間を殺害、真理子が殺人を犯した事に責任を感じた神田が一時はその罪を自分が被ろうとしたのであった…
真理子「フフ、それで…私に用があってこんな場所にわざわざ来たの?」
右京「いえ、今回はあなたではなくこちらの女将である水沼浩子さんにお聞きしたい事があって来た次第です。」
浩子「私?」
辻真理子の言う20年以上前とは…
かつて彼女は神田喜一と付き合っていて既に妊娠して子供が生まれようとしていた。
しかし神田喜一は地位を得たいがために当時妊娠していた真理子と別れ他の女と結婚する事になる。
それから20数年後、彼女の息子と神田が他の女との間に出来た息子が偶然にもモーターボートの事故に巻き込まれて死亡。
その後、二人は保健会社から真理子の息子は3000万円、神田の息子は3億円と同じ男の息子なのに何故こうも命の値段が違うのかと…
彼女は保健会社の人間を殺害、真理子が殺人を犯した事に責任を感じた神田が一時はその罪を自分が被ろうとしたのであった…
真理子「フフ、それで…私に用があってこんな場所にわざわざ来たの?」
右京「いえ、今回はあなたではなくこちらの女将である水沼浩子さんにお聞きしたい事があって来た次第です。」
浩子「私?」
30: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 11:09:27.55 :Ja8cAamy0
右京たちがこの店を訪れた理由はこの水沼浩子にあった。
ちなみに彼女は辻真理子とは旧知の間柄で仮釈放中の真理子の身元引受人はこの浩子でもある。
右京「あなたは水沼マリエさんの実の母親、そして台湾人男性のチャン・ウェイの妻であったそうですね。
そしてあなたは…」
亀山「水沼美々子の祖母でもあったはず!
お願いです、水沼美々子の事について知っている事があるならなんでもいいので教えてください!」
浩子「そう言われてもねぇ…
実を言うとマリエが美々子を妊娠した時、私はあの子に子供を堕ろせと言ったのよ。
それなのにあの子産んじゃって…父親についてもろくに明かさないしさ…一体何を考えているやら…」
右京「ではマリエさんとは娘さんたちが生まれてからは…」
右京たちがこの店を訪れた理由はこの水沼浩子にあった。
ちなみに彼女は辻真理子とは旧知の間柄で仮釈放中の真理子の身元引受人はこの浩子でもある。
右京「あなたは水沼マリエさんの実の母親、そして台湾人男性のチャン・ウェイの妻であったそうですね。
そしてあなたは…」
亀山「水沼美々子の祖母でもあったはず!
お願いです、水沼美々子の事について知っている事があるならなんでもいいので教えてください!」
浩子「そう言われてもねぇ…
実を言うとマリエが美々子を妊娠した時、私はあの子に子供を堕ろせと言ったのよ。
それなのにあの子産んじゃって…父親についてもろくに明かさないしさ…一体何を考えているやら…」
右京「ではマリエさんとは娘さんたちが生まれてからは…」
31: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 11:10:14.80 :Ja8cAamy0
浩子「この10年間疎遠だったわ…それが今から数か月前だったかしら…
王さん一家とここで飲み会していたらあの子が子供を連れてやってきたのよ。」
真理子「あの時の事は私も覚えているわ。
娘二人連れてきて紹介してくれたのよ、美々子ちゃんの父親については結局明かしてくれなかったけど…
もう一人の菜々子ちゃんの父親についてはTV局に勤めているとか言っていたわね。
けど…あんな5歳くらいの子供を放ったらかしにしている男なんてろくなものじゃないと思うけど…」
右京「なるほど、美々子さんの父親については明かさなかった訳ですか…
ところでこちらに夫のチャン・ウェイさんはいらっしゃいますか?
彼にもお話を伺いたいのですが…」
右京は浩子に夫のチャン・ウェイの居場所を聞いてみた、だが返答は…
浩子「この10年間疎遠だったわ…それが今から数か月前だったかしら…
王さん一家とここで飲み会していたらあの子が子供を連れてやってきたのよ。」
真理子「あの時の事は私も覚えているわ。
娘二人連れてきて紹介してくれたのよ、美々子ちゃんの父親については結局明かしてくれなかったけど…
もう一人の菜々子ちゃんの父親についてはTV局に勤めているとか言っていたわね。
けど…あんな5歳くらいの子供を放ったらかしにしている男なんてろくなものじゃないと思うけど…」
右京「なるほど、美々子さんの父親については明かさなかった訳ですか…
ところでこちらに夫のチャン・ウェイさんはいらっしゃいますか?
彼にもお話を伺いたいのですが…」
右京は浩子に夫のチャン・ウェイの居場所を聞いてみた、だが返答は…
32: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 11:11:05.30 :Ja8cAamy0
浩子「いない…突然国に帰っちまったんだよ…」
亀山「国に帰ったってどういう事ですか?」
浩子「こっちが聞きたいくらいだよ!
思えば変だと思ったのはあの時だ、マリエが娘たちを連れて来た時にチャンが変な事を言ったんだ!
李麗ってさ…」
李麗、先ほど王美鳳から聞いた女の名前であった。
一体誰の名前なのかと聞いてみるが…
浩子「だから知らないんだよ!
そういえば11年前…あの時もそうだった…
台湾の炭鉱の故郷に里帰りしたチャンと王さんが帰って来た時も…あんな恐怖で引きつった顔をして…」
亀山「炭鉱?」
右京「なるほど、そうなるとあの石灰は…」
浩子「いない…突然国に帰っちまったんだよ…」
亀山「国に帰ったってどういう事ですか?」
浩子「こっちが聞きたいくらいだよ!
思えば変だと思ったのはあの時だ、マリエが娘たちを連れて来た時にチャンが変な事を言ったんだ!
李麗ってさ…」
李麗、先ほど王美鳳から聞いた女の名前であった。
一体誰の名前なのかと聞いてみるが…
浩子「だから知らないんだよ!
そういえば11年前…あの時もそうだった…
台湾の炭鉱の故郷に里帰りしたチャンと王さんが帰って来た時も…あんな恐怖で引きつった顔をして…」
亀山「炭鉱?」
右京「なるほど、そうなるとあの石灰は…」
33: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 11:11:34.29 :Ja8cAamy0
浩子が言うにはかつて11年前にチャン・ウェイと王健峰は故郷の炭鉱で『何か』が起こり、
それから故郷には一切帰っていなかったそうだ。
その時の二人の顔を見た真理子は自身と重なるある心当たりがあった。
真理子「あの二人…たぶん…人を殺した事があるんだよ…」
亀山「何でそんな事がわかるんですか…?」
真理子「あの時の二人は私と同じ顔をしていたんだよ、人を殺して恐怖と罪悪感を抱いたあの顔に…」
右京「恐怖と罪悪感ですか…」
殺人を犯した者だけにわかる気配、その言葉に信憑性を感じる右京。
話を聞いた右京と亀山はとりあえず本庁に戻ろうとする、しかし戻る間際に二人は辻真理子にある事を話す。
浩子が言うにはかつて11年前にチャン・ウェイと王健峰は故郷の炭鉱で『何か』が起こり、
それから故郷には一切帰っていなかったそうだ。
その時の二人の顔を見た真理子は自身と重なるある心当たりがあった。
真理子「あの二人…たぶん…人を殺した事があるんだよ…」
亀山「何でそんな事がわかるんですか…?」
真理子「あの時の二人は私と同じ顔をしていたんだよ、人を殺して恐怖と罪悪感を抱いたあの顔に…」
右京「恐怖と罪悪感ですか…」
殺人を犯した者だけにわかる気配、その言葉に信憑性を感じる右京。
話を聞いた右京と亀山はとりあえず本庁に戻ろうとする、しかし戻る間際に二人は辻真理子にある事を話す。
34: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 11:13:10.42 :Ja8cAamy0
右京「ところでこれは事件とは関係ないのですが…
辻さん、いい加減神田さんを許してあげてはどうでしょうか。」
真理子「そんなの…アンタたちには関係ない事じゃ…」
亀山「確かに…関係ないかもしれませんよ…けどね!
あの時、神田さんがあなたのために罪を被ろうとした愛情は本物っすよ!
あなたが逮捕された時、彼は今まで押し殺していた感情を荒げて泣き出したんですから…」
右京「こんな事は一刑事としての発言としては相応しくないかもしれませんが…
大企業のトップと場末の飲み屋の女性、いくら世間の目が気になろうとも…
彼の愛情だけは信じてあげるべきだと思いますよ。」
当時、真理子を逮捕し神田の嘘の証言を見破った二人だからこそ告げられる言葉。
しかしそれでも真理子は…
真理子「ありがとう刑事さん…けど私は人を殺した身…幸せになる権利なんか…」
右京「わかりました、ですがこれだけは覚えていてください。
天国にいる息子さんはあなた方ご両親が不幸になる事は望んでいないと思いますよ。」
亀山「そうっすよ、子供は親の幸せを望んでいるはずですから!」
二人はかつて神田が本当に真理子とその息子を愛していた事を真理子に言い残し、店を出て行った…
右京「ところでこれは事件とは関係ないのですが…
辻さん、いい加減神田さんを許してあげてはどうでしょうか。」
真理子「そんなの…アンタたちには関係ない事じゃ…」
亀山「確かに…関係ないかもしれませんよ…けどね!
あの時、神田さんがあなたのために罪を被ろうとした愛情は本物っすよ!
あなたが逮捕された時、彼は今まで押し殺していた感情を荒げて泣き出したんですから…」
右京「こんな事は一刑事としての発言としては相応しくないかもしれませんが…
大企業のトップと場末の飲み屋の女性、いくら世間の目が気になろうとも…
彼の愛情だけは信じてあげるべきだと思いますよ。」
当時、真理子を逮捕し神田の嘘の証言を見破った二人だからこそ告げられる言葉。
しかしそれでも真理子は…
真理子「ありがとう刑事さん…けど私は人を殺した身…幸せになる権利なんか…」
右京「わかりました、ですがこれだけは覚えていてください。
天国にいる息子さんはあなた方ご両親が不幸になる事は望んでいないと思いますよ。」
亀山「そうっすよ、子供は親の幸せを望んでいるはずですから!」
二人はかつて神田が本当に真理子とその息子を愛していた事を真理子に言い残し、店を出て行った…
39: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 19:59:11.78 :Ja8cAamy0
~特命係~
警視庁に戻った右京と亀山は、角田課長に録画を頼んだ小西なつみが緊急特番中に死亡した時のビデオと、
美々子が虐待を行ったビデオを同時に観ながら検証していた。
右京「なるほど、興味深い事がわかりました。
美々子さんが菜々子ちゃんに虐待を行う前の光景です、施設にいた菜々子ちゃんが持っていたぬいぐるみがありますね。」
亀山「あ、本当だ!
けどこのぬいぐるみを美々子が持って…ぬいぐるみの手を捻じ曲げた!
それに最後は…ぬいぐるみの頭を…捻じ曲げてまるで首を捥げそうと…あれ?これってまさか!?」
右京「そうです、小西なつみさんの殺害方法と全く同じなのですよ!
これこそ彼女が小西なつみさんを殺害した立派な証拠なります。」
~特命係~
警視庁に戻った右京と亀山は、角田課長に録画を頼んだ小西なつみが緊急特番中に死亡した時のビデオと、
美々子が虐待を行ったビデオを同時に観ながら検証していた。
右京「なるほど、興味深い事がわかりました。
美々子さんが菜々子ちゃんに虐待を行う前の光景です、施設にいた菜々子ちゃんが持っていたぬいぐるみがありますね。」
亀山「あ、本当だ!
けどこのぬいぐるみを美々子が持って…ぬいぐるみの手を捻じ曲げた!
それに最後は…ぬいぐるみの頭を…捻じ曲げてまるで首を捥げそうと…あれ?これってまさか!?」
右京「そうです、小西なつみさんの殺害方法と全く同じなのですよ!
これこそ彼女が小西なつみさんを殺害した立派な証拠なります。」
40: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 19:59:50.93 :Ja8cAamy0
亀山「しかしこの美々子の虐待の光景っすけど…俺昔を思い出しちゃうんですよね…
俺の家ですけど…姉ちゃんが一人いるんですけどその姉ちゃんに喧嘩でボコボコにやられてたんですよね…
まぁさすがに美々子ほどじゃないですけど…ほら兄弟とかって幼い頃はかなりいがみ合ったりするじゃないですか。」
右京「なるほど、参考になる幼少時の体験ですね。それよりも注目してほしいのがこちらです。」
亀山「それよりもって…酷いな…」
右京は美々子の虐待を映したテープを早送りする。
そこに映っていたのは美々子が喘息の発作で苦しむ姿、美々子は苦しみながらも携帯で誰かに連絡をしようとしていた。
亀山「しかしこの美々子の虐待の光景っすけど…俺昔を思い出しちゃうんですよね…
俺の家ですけど…姉ちゃんが一人いるんですけどその姉ちゃんに喧嘩でボコボコにやられてたんですよね…
まぁさすがに美々子ほどじゃないですけど…ほら兄弟とかって幼い頃はかなりいがみ合ったりするじゃないですか。」
右京「なるほど、参考になる幼少時の体験ですね。それよりも注目してほしいのがこちらです。」
亀山「それよりもって…酷いな…」
右京は美々子の虐待を映したテープを早送りする。
そこに映っていたのは美々子が喘息の発作で苦しむ姿、美々子は苦しみながらも携帯で誰かに連絡をしようとしていた。
41: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:00:19.58 :Ja8cAamy0
亀山「これって美々子が携帯で連絡している光景ですよね?
けど…これは母親のマリエさんに掛けているんじゃないんですか?」
右京「確かにキミの言う通りマリエさんの携帯には美々子さんからの着信記録が残されていました。
しかし…死ぬ瀬戸際ですよ、他に掛ける相手がいたのかもしれません。おや?」
その時、右京はTVの画面に耳を充てていた。
亀山「右京さん、TVを観る時は部屋を明るくして離れるべきですよ。」
右京「亀山くん、ちょっと音を上げてもらえますか?何か一瞬聞き覚えのある音が…」
亀山「音ですか?わかりました。」
右京の言う通り亀山はテープを巻き戻してTVの音を上げてみた。
それは美々子が喘息の発作を起こしてテープの映像が終わる間際のシーンであった。
右京「ここです!この音ですよ!」
亀山「この音は…」
右京が指摘する音、それは…
亀山「これって美々子が携帯で連絡している光景ですよね?
けど…これは母親のマリエさんに掛けているんじゃないんですか?」
右京「確かにキミの言う通りマリエさんの携帯には美々子さんからの着信記録が残されていました。
しかし…死ぬ瀬戸際ですよ、他に掛ける相手がいたのかもしれません。おや?」
その時、右京はTVの画面に耳を充てていた。
亀山「右京さん、TVを観る時は部屋を明るくして離れるべきですよ。」
右京「亀山くん、ちょっと音を上げてもらえますか?何か一瞬聞き覚えのある音が…」
亀山「音ですか?わかりました。」
右京の言う通り亀山はテープを巻き戻してTVの音を上げてみた。
それは美々子が喘息の発作を起こしてテープの映像が終わる間際のシーンであった。
右京「ここです!この音ですよ!」
亀山「この音は…」
右京が指摘する音、それは…
42: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:00:56.77 :Ja8cAamy0
♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫
死の着信であった、TVの画面に注目するとその死の着信は美々子の携帯電話から鳴っていたのだ。
亀山「これ!映像が終わる間際に死の着信が鳴ってますよ!」
右京「どうやらそのようですね、しかし一体誰が…」
右京の言うように誰が美々子の携帯電話に死の着信を送ったのか、それが疑問であった。
しかし疑問はそれだけではない、今回の王健峰の死亡は明らかに今までとは違うからだ。
亀山「王健峰の死に方ですけどヤツは自分の携帯を持っていなかったそうじゃないですか!
それなのに死の着信を受けて死んだ…これってどういう事なんですかね?」
右京「恐らくですが彼は…身代わりになったのではないのでしょうか?」
亀山「身代わり?」
♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫
死の着信であった、TVの画面に注目するとその死の着信は美々子の携帯電話から鳴っていたのだ。
亀山「これ!映像が終わる間際に死の着信が鳴ってますよ!」
右京「どうやらそのようですね、しかし一体誰が…」
右京の言うように誰が美々子の携帯電話に死の着信を送ったのか、それが疑問であった。
しかし疑問はそれだけではない、今回の王健峰の死亡は明らかに今までとは違うからだ。
亀山「王健峰の死に方ですけどヤツは自分の携帯を持っていなかったそうじゃないですか!
それなのに死の着信を受けて死んだ…これってどういう事なんですかね?」
右京「恐らくですが彼は…身代わりになったのではないのでしょうか?」
亀山「身代わり?」
43: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:01:29.61 :Ja8cAamy0
そんな中、特命係の部屋に鑑識結果の報告をしに米沢がやってきた。
米沢「杉下警部お待たせしました。
鑑識の結果ですが死亡した被害者の口から検出された石炭は台湾産のモノだという事が判明しました。」
右京「どうもありがとう、なるほど台湾ですか。」
亀山「台湾って確かマリエさんの父親のチャン・ウェイや王健峰の故郷ですよね?」
右京「それだけではありません。
確か彼らの故郷は台湾にある炭鉱だと浩子さんが話していました。
それに李麗という女性、もしかしたら台湾の女性かもしれませんね
もしかしたら今回の事件は台湾に関係しているのかもしれませんよ!」
亀山「台湾か!よっしゃー!右京さんさっそく台湾に行きましょう!」
右京「そうですね、行ってみましょうか。」
そんな中、特命係の部屋に鑑識結果の報告をしに米沢がやってきた。
米沢「杉下警部お待たせしました。
鑑識の結果ですが死亡した被害者の口から検出された石炭は台湾産のモノだという事が判明しました。」
右京「どうもありがとう、なるほど台湾ですか。」
亀山「台湾って確かマリエさんの父親のチャン・ウェイや王健峰の故郷ですよね?」
右京「それだけではありません。
確か彼らの故郷は台湾にある炭鉱だと浩子さんが話していました。
それに李麗という女性、もしかしたら台湾の女性かもしれませんね
もしかしたら今回の事件は台湾に関係しているのかもしれませんよ!」
亀山「台湾か!よっしゃー!右京さんさっそく台湾に行きましょう!」
右京「そうですね、行ってみましょうか。」
44: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:02:09.97 :Ja8cAamy0
台湾にこの事件の核心がある、そう思った右京と亀山は台湾へ行く事にする。
しかしその前に米沢は思い出したかのようにある事を言っておいた。
米沢「あぁ、そういえば…捜査一課から聞いたのですが…
小西なつみさんの事件で逮捕された東西テレビの藤枝という男ですが殺人ほう助の形で書類送検になったそうですよ。
同じく天道白水も捜査二課が逮捕したようですな、しばらくは刑務所暮らしでしょう。
天道は国内だけじゃなく海外でも霊感詐欺を行っていたので余罪の追及が大変だと二課が嘆いていましたよ。
ちなみに藤枝は取り調べ中にテレビ局から解雇処分を受けたそうですな。」
亀山「ケッ!当然でしょ!
あんな危険な撮影やって小西なつみさんを見世物の様に見殺しにしたんだ!当然の報いですよ!!」
右京「亀山くん、それ以上は警察官としてはあるまじき発言ですよ。
それはそうと米沢さん、ひとつお願いがあるのですが…」
米沢「杉下警部のお願いとはまた無茶ぶりな事でないといいのですが…」
台湾にこの事件の核心がある、そう思った右京と亀山は台湾へ行く事にする。
しかしその前に米沢は思い出したかのようにある事を言っておいた。
米沢「あぁ、そういえば…捜査一課から聞いたのですが…
小西なつみさんの事件で逮捕された東西テレビの藤枝という男ですが殺人ほう助の形で書類送検になったそうですよ。
同じく天道白水も捜査二課が逮捕したようですな、しばらくは刑務所暮らしでしょう。
天道は国内だけじゃなく海外でも霊感詐欺を行っていたので余罪の追及が大変だと二課が嘆いていましたよ。
ちなみに藤枝は取り調べ中にテレビ局から解雇処分を受けたそうですな。」
亀山「ケッ!当然でしょ!
あんな危険な撮影やって小西なつみさんを見世物の様に見殺しにしたんだ!当然の報いですよ!!」
右京「亀山くん、それ以上は警察官としてはあるまじき発言ですよ。
それはそうと米沢さん、ひとつお願いがあるのですが…」
米沢「杉下警部のお願いとはまた無茶ぶりな事でないといいのですが…」
45: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:03:44.12 :Ja8cAamy0
~亀山のマンション~
その夜、亀山はマンションに帰ると早速台湾に行くための準備を始めていた。
準備をしながら台湾に行く理由を恋人で同棲中の奥寺美和子に話していた。
亀山「…という訳で明日から台湾に行く事になったから!」
美和子「台湾ねぇ、普通公務員がそんな簡単に海外に行けるわけ無いんだけどなぁ…
いいよね特命係は暇で…」
亀山「放っとけ!」
美和子「ところでさ、その台湾に行くのだけの…
私も付いてくね、実は前から取材したい事があってね。」
亀山「取材だと?」
~亀山のマンション~
その夜、亀山はマンションに帰ると早速台湾に行くための準備を始めていた。
準備をしながら台湾に行く理由を恋人で同棲中の奥寺美和子に話していた。
亀山「…という訳で明日から台湾に行く事になったから!」
美和子「台湾ねぇ、普通公務員がそんな簡単に海外に行けるわけ無いんだけどなぁ…
いいよね特命係は暇で…」
亀山「放っとけ!」
美和子「ところでさ、その台湾に行くのだけの…
私も付いてくね、実は前から取材したい事があってね。」
亀山「取材だと?」
46: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:04:32.32 :Ja8cAamy0
美和子「薫ちゃんさ、『エリセ化粧品』って知ってる?」
亀山「エリセ化粧品ってあの化粧品で有名な会社だろ?」
美和子が説明するには台湾でエリセ化粧品が化粧品の原料を調達するために所有する炭鉱で、
数年前から原因不明の難病が発生しているとの話であった。
しかも11年前には妙な騒動があったという噂が出回っていたらしい…
美和子「詳しい事は現地に行ってみなきゃわからないけど…
村人たち…特に子供に妙な病気が流行っていたらしいの、当時は村の人たちはこれを祟りや呪いの所為にしていたとかって話で…
それでね、私思うんだけど…もしかしたらこれってエリセ化粧品が何か公害を巻き散らかした原因じゃないかって…」
亀山「公害ねぇ…」
亀山は押し入れから旅行用のトランクを取り出しながらその話を聞いていた。
美和子「薫ちゃんさ、『エリセ化粧品』って知ってる?」
亀山「エリセ化粧品ってあの化粧品で有名な会社だろ?」
美和子が説明するには台湾でエリセ化粧品が化粧品の原料を調達するために所有する炭鉱で、
数年前から原因不明の難病が発生しているとの話であった。
しかも11年前には妙な騒動があったという噂が出回っていたらしい…
美和子「詳しい事は現地に行ってみなきゃわからないけど…
村人たち…特に子供に妙な病気が流行っていたらしいの、当時は村の人たちはこれを祟りや呪いの所為にしていたとかって話で…
それでね、私思うんだけど…もしかしたらこれってエリセ化粧品が何か公害を巻き散らかした原因じゃないかって…」
亀山「公害ねぇ…」
亀山は押し入れから旅行用のトランクを取り出しながらその話を聞いていた。
47: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:05:07.40 :Ja8cAamy0
その時であった…
((ギィー))
トランクが中から勝手に開いた、するとそこにはなんと…
亀山「「うわぁぁぁぁぁぁ!!??」」
美和子「どうしたの薫ちゃん!?」
亀山「お…女の子…!トランクの中に女の子が!?」
その時であった…
((ギィー))
トランクが中から勝手に開いた、するとそこにはなんと…
亀山「「うわぁぁぁぁぁぁ!!??」」
美和子「どうしたの薫ちゃん!?」
亀山「お…女の子…!トランクの中に女の子が!?」
48: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:05:33.89 :Ja8cAamy0
そう、そこにいたのは生気の無い青白い肌に両目を縫合された奇妙な少女がトランクの中から覗こうとしていた。
美和子「何言ってんのよ、女の子なんかいないじゃないの?トランクの中は空っぽよ!」
亀山「そ…そうか…気の所為だったのかな?」
唯の気の所為だと思い、気にも留めない亀山…
しかしそれは見間違いなどではなかった、その少女こそこの物語の核心を担う重要な人物なのだから…
そう、そこにいたのは生気の無い青白い肌に両目を縫合された奇妙な少女がトランクの中から覗こうとしていた。
美和子「何言ってんのよ、女の子なんかいないじゃないの?トランクの中は空っぽよ!」
亀山「そ…そうか…気の所為だったのかな?」
唯の気の所為だと思い、気にも留めない亀山…
しかしそれは見間違いなどではなかった、その少女こそこの物語の核心を担う重要な人物なのだから…
50: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:06:31.91 :Ja8cAamy0
<8月12日>
~台湾~
無事台湾に着いた、右京、亀山、それに美和子の三人。
美和子「すいません、我が儘言って付いてきちゃって…」
右京「別に構いませんよ、それにしてもまさか美和子さんと僕たちの目的地が一緒だったとは…」
そう…チャン・ウェイと王健峰の生まれ故郷、そして美和子が取材するエリセ化粧品の所有する炭鉱は、
偶然にも侯硐という同じ場所にあった。
亀山「ところで右京さん、いいんですか?このホルマリン漬けの目玉を持ってきちゃって…」
右京「ちゃんと米沢さんに頼んで許可は頂いています。
それにもしかしたらその眼の持ち主はこの台湾にいるのかもしれませんからねぇ。」
右京が米沢に頼んで持ってきたのは亀山が廃墟と化した病院で見つけた両目の眼球の入った瓶であった。(前スレ参照)
<8月12日>
~台湾~
無事台湾に着いた、右京、亀山、それに美和子の三人。
美和子「すいません、我が儘言って付いてきちゃって…」
右京「別に構いませんよ、それにしてもまさか美和子さんと僕たちの目的地が一緒だったとは…」
そう…チャン・ウェイと王健峰の生まれ故郷、そして美和子が取材するエリセ化粧品の所有する炭鉱は、
偶然にも侯硐という同じ場所にあった。
亀山「ところで右京さん、いいんですか?このホルマリン漬けの目玉を持ってきちゃって…」
右京「ちゃんと米沢さんに頼んで許可は頂いています。
それにもしかしたらその眼の持ち主はこの台湾にいるのかもしれませんからねぇ。」
右京が米沢に頼んで持ってきたのは亀山が廃墟と化した病院で見つけた両目の眼球の入った瓶であった。(前スレ参照)
51: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:08:03.81 :Ja8cAamy0
亀山「一応上に掛け合って持ち出しの許可は得ましたけど…こんな物持ち歩くなんて気味が悪いですね…」
右京「まぁもしかしたらですが…あぁそれはキミが持っていてください。」
右京の言う通りに亀山は自分の懐にこの瓶を入れておいた。
亀山「嫌だなぁ…こんな気味の悪そうなの持ってるの…
あ、そういえば菜々子ちゃんが持っていた吸引器返したそうですね!」
右京「えぇ、既に鑑識で調べてもらいましたし…
今となってはあれが姉である美々子さんの唯一の遺品ですからね。
事件性は無いので返却しておきましたよ、それにもしかしたら万が一の時の護身になるかもしれませんからね…」
亀山「?」
右京「さぁ、早くタクシーを拾いましょう。」
そして三人はさっそく現地に向かうためにタクシーを拾おうとするが…
亀山「おーい、誰か侯硐に連れて行ってくれませんかー!」
亀山は大声で現地のタクシードライバーに侯硐に連れて行ってほしいと頼むが…
どういう訳だか全員恐がった顔でその場所に行く事を拒否していた。
これでは埒が明かない、そう思っていた時である。
亀山「一応上に掛け合って持ち出しの許可は得ましたけど…こんな物持ち歩くなんて気味が悪いですね…」
右京「まぁもしかしたらですが…あぁそれはキミが持っていてください。」
右京の言う通りに亀山は自分の懐にこの瓶を入れておいた。
亀山「嫌だなぁ…こんな気味の悪そうなの持ってるの…
あ、そういえば菜々子ちゃんが持っていた吸引器返したそうですね!」
右京「えぇ、既に鑑識で調べてもらいましたし…
今となってはあれが姉である美々子さんの唯一の遺品ですからね。
事件性は無いので返却しておきましたよ、それにもしかしたら万が一の時の護身になるかもしれませんからね…」
亀山「?」
右京「さぁ、早くタクシーを拾いましょう。」
そして三人はさっそく現地に向かうためにタクシーを拾おうとするが…
亀山「おーい、誰か侯硐に連れて行ってくれませんかー!」
亀山は大声で現地のタクシードライバーに侯硐に連れて行ってほしいと頼むが…
どういう訳だか全員恐がった顔でその場所に行く事を拒否していた。
これでは埒が明かない、そう思っていた時である。
52: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:08:50.13 :Ja8cAamy0
「「右京さーん!亀山さーん!美和子さーん!」」
何処からか右京と亀山たちを呼ぶ声が聞こえてきた、その声の方を振り向くとなんと懐かしい男がそこにいた。
右京「おやおや、あなたは…」
亀山「お前…栄一じゃねーか!?」
美和子「本当だ!でも何でここに?」
栄一「ハイ、お久しぶりです亀山さん!」
彼の名は若杉栄一。
かつて東京で借金取りをしていた頃に亀山に逮捕された過去があり、その後も何度か特命係の二人と何かしらの事件で遭遇しているという…
まさに不運に見舞われがちな人物である。
「「右京さーん!亀山さーん!美和子さーん!」」
何処からか右京と亀山たちを呼ぶ声が聞こえてきた、その声の方を振り向くとなんと懐かしい男がそこにいた。
右京「おやおや、あなたは…」
亀山「お前…栄一じゃねーか!?」
美和子「本当だ!でも何でここに?」
栄一「ハイ、お久しぶりです亀山さん!」
彼の名は若杉栄一。
かつて東京で借金取りをしていた頃に亀山に逮捕された過去があり、その後も何度か特命係の二人と何かしらの事件で遭遇しているという…
まさに不運に見舞われがちな人物である。
53: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:09:19.66 :Ja8cAamy0
亀山「何でお前台湾にいるんだよ?北海道で商工会に勤めてたんじゃないのか?」
栄一「それが…こっちで一旗揚げようと真子ちゃんと一緒にこっちに移住したんですよ♪」
右京「相変わらず短絡的な思考ですね、そんな事ではいつか奥様の真子さんに愛想を尽かれてしまいますよ…」
亀山「まぁいいや!お前こっちでタクシーのドライバーやってんだな!
それじゃちょっと悪いんだが俺たちを侯硐に連れて行ってくれないか?」
栄一「侯硐?わかりました!さぁ乗ってください!」
こうして栄一のタクシーに乗り侯硐へと向かう右京たち、その道中で右京は栄一にある事を尋ねた。
亀山「何でお前台湾にいるんだよ?北海道で商工会に勤めてたんじゃないのか?」
栄一「それが…こっちで一旗揚げようと真子ちゃんと一緒にこっちに移住したんですよ♪」
右京「相変わらず短絡的な思考ですね、そんな事ではいつか奥様の真子さんに愛想を尽かれてしまいますよ…」
亀山「まぁいいや!お前こっちでタクシーのドライバーやってんだな!
それじゃちょっと悪いんだが俺たちを侯硐に連れて行ってくれないか?」
栄一「侯硐?わかりました!さぁ乗ってください!」
こうして栄一のタクシーに乗り侯硐へと向かう右京たち、その道中で右京は栄一にある事を尋ねた。
54: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:09:59.92 :Ja8cAamy0
右京「ところで栄一さん以外のタクシードライバーさんはどなたもこの場所に来る事を拒んでいたのですが…
侯硐に何かあるのですか?」
栄一「あぁ、それはたぶん呪いの所為じゃないんですかね?」
亀山「呪い?」
栄一「俺もここに来たばかりで詳しい話は知らないんですけど…
11年くらい前に女の子が侯硐で行方不明になったらしいですよ。
この辺りじゃ血を吐いて死ぬ病気が流行り出してその子の呪いじゃないのかって言われてるくらいですからね!
それで確かその女の子の名前が…」
右京「もしや李麗という名前ではありませんか?」
栄一「そうそう!そんな名前ですよ!
それで現地のドライバーはそこに行くの嫌がってるみたいですけど…まぁそんなの迷信ですよ!ハハハ♪」
亀山「本当に…迷信なんですかね?」
右京「さぁ、まだ何とも言えませんが…」
右京「ところで栄一さん以外のタクシードライバーさんはどなたもこの場所に来る事を拒んでいたのですが…
侯硐に何かあるのですか?」
栄一「あぁ、それはたぶん呪いの所為じゃないんですかね?」
亀山「呪い?」
栄一「俺もここに来たばかりで詳しい話は知らないんですけど…
11年くらい前に女の子が侯硐で行方不明になったらしいですよ。
この辺りじゃ血を吐いて死ぬ病気が流行り出してその子の呪いじゃないのかって言われてるくらいですからね!
それで確かその女の子の名前が…」
右京「もしや李麗という名前ではありませんか?」
栄一「そうそう!そんな名前ですよ!
それで現地のドライバーはそこに行くの嫌がってるみたいですけど…まぁそんなの迷信ですよ!ハハハ♪」
亀山「本当に…迷信なんですかね?」
右京「さぁ、まだ何とも言えませんが…」
55: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:10:57.57 :Ja8cAamy0
こうして侯硐に辿り着く一行、辿り着いた侯硐は既に炭鉱を閉鎖されて見事なまでに荒れ果てていた…
亀山「こりゃ酷えな…」
右京「廃墟マニアが喜びそうな光景ですねぇ…」
美和子「既に炭鉱は閉鎖されているそうです。あ、でもあそこだけ新しいわ!」
美和子が指を差したのは炭鉱のある山の麓に建つ真新しい電波塔が建てられていた。
外観からして建てられてまだ1年も経っていないという程の新設であった…
右京「電波塔ですか…それにしてもこの辺りには住んでいる住人の方はいらっしゃらないのでしょうかね?」
亀山「そうっすよね、一人くらい住んでいてもいいはずじゃ…」
こうして侯硐に辿り着く一行、辿り着いた侯硐は既に炭鉱を閉鎖されて見事なまでに荒れ果てていた…
亀山「こりゃ酷えな…」
右京「廃墟マニアが喜びそうな光景ですねぇ…」
美和子「既に炭鉱は閉鎖されているそうです。あ、でもあそこだけ新しいわ!」
美和子が指を差したのは炭鉱のある山の麓に建つ真新しい電波塔が建てられていた。
外観からして建てられてまだ1年も経っていないという程の新設であった…
右京「電波塔ですか…それにしてもこの辺りには住んでいる住人の方はいらっしゃらないのでしょうかね?」
亀山「そうっすよね、一人くらい住んでいてもいいはずじゃ…」
56: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:12:33.44 :Ja8cAamy0
右京と亀山が住人がいないか探していると一軒の家を発見。
その家以外に人が住んでいる気配はなく仕方なくこの家の住人に話を聞いてみる事にする。
亀山「ニ…ニイハオ…?」
亀山が恐る恐る家に入るとそこには…小さな位牌が置いてあった。
その位牌の隣にはぬいぐるみが、そして一人の少女の写真が…その少女の顔を見た瞬間…
右京「これは…美々子さん…?」
亀山「間違いないっすよ!この子は美々子ですよ!」
右京「ですが何故彼女の写真が台湾に、しかもこの写真は古いですね…
取られてから10年以上は経過していますよ!」
写真の少女は間違いなく美々子だと思う右京と亀山、そんな中…
右京と亀山が住人がいないか探していると一軒の家を発見。
その家以外に人が住んでいる気配はなく仕方なくこの家の住人に話を聞いてみる事にする。
亀山「ニ…ニイハオ…?」
亀山が恐る恐る家に入るとそこには…小さな位牌が置いてあった。
その位牌の隣にはぬいぐるみが、そして一人の少女の写真が…その少女の顔を見た瞬間…
右京「これは…美々子さん…?」
亀山「間違いないっすよ!この子は美々子ですよ!」
右京「ですが何故彼女の写真が台湾に、しかもこの写真は古いですね…
取られてから10年以上は経過していますよ!」
写真の少女は間違いなく美々子だと思う右京と亀山、そんな中…
57: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:13:11.99 :Ja8cAamy0
「その子は美々子じゃない…李麗だよ…」
家の奥からひとりの老婆が現れた。
高淑梅「私は高淑梅…それ日本語…ひょっとしてお前さんたち日本人かい?」
高淑梅、この場に住む唯一人の住人であった。
しかし何か様子がおかしい、それもそのはず…彼女は盲目だった…
亀山「右京さん…このお婆さん…目が…」
右京「どうやらそのようですね、お婆さん。この写真に写っている子の事を教えて頂けますか?」
右京は写真に写る少女の事を教えてもらおうとしたが…
「その子は美々子じゃない…李麗だよ…」
家の奥からひとりの老婆が現れた。
高淑梅「私は高淑梅…それ日本語…ひょっとしてお前さんたち日本人かい?」
高淑梅、この場に住む唯一人の住人であった。
しかし何か様子がおかしい、それもそのはず…彼女は盲目だった…
亀山「右京さん…このお婆さん…目が…」
右京「どうやらそのようですね、お婆さん。この写真に写っている子の事を教えて頂けますか?」
右京は写真に写る少女の事を教えてもらおうとしたが…
58: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:13:52.48 :Ja8cAamy0
高淑梅「余所者に教える事は何もない!出て行け!!」
そう大声で怒鳴られ何も教えてもらえなかった。
結局、わかった事はこの村に李麗という少女がいたという事だけであった。
これだけでは埒が明かないと思い右京はある思い切った行動に出ようとした。
亀山「まさか俺たちが探している李麗が美々子と瓜二つな外見だったなんて…
あの婆ちゃん絶対何か隠していますよ!けど簡単には喋ってくれそうにないし…
右京さん、これからどうしますか?」
右京「そうですね、ではちょっとあの新設された電波塔に行ってみましょうか。」
美和子「あ、私はここで別れるわ。エリセ化粧品の人と取材の約束があるから。」
栄一「じゃあ俺が送って行きますね!」
こうして右京、亀山の二人は電波塔へ、美和子と栄一は少し先にあるエリセ化粧品の台湾工場へとそれぞれ別行動を取る事になった。
高淑梅「余所者に教える事は何もない!出て行け!!」
そう大声で怒鳴られ何も教えてもらえなかった。
結局、わかった事はこの村に李麗という少女がいたという事だけであった。
これだけでは埒が明かないと思い右京はある思い切った行動に出ようとした。
亀山「まさか俺たちが探している李麗が美々子と瓜二つな外見だったなんて…
あの婆ちゃん絶対何か隠していますよ!けど簡単には喋ってくれそうにないし…
右京さん、これからどうしますか?」
右京「そうですね、ではちょっとあの新設された電波塔に行ってみましょうか。」
美和子「あ、私はここで別れるわ。エリセ化粧品の人と取材の約束があるから。」
栄一「じゃあ俺が送って行きますね!」
こうして右京、亀山の二人は電波塔へ、美和子と栄一は少し先にあるエリセ化粧品の台湾工場へとそれぞれ別行動を取る事になった。
59: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:14:36.85 :Ja8cAamy0
高淑梅の家から電波塔へ向かう途中に右京は坑道へ続くトンネルを発見。
興味を持った右京はこのトンネルへ入ってみようかと言ってみた。
右京「どうでしょう、ちょっと入ってみませんか?」
亀山「やめましょうよ右京さん!なんか恐そうだし…それに閉鎖した坑道なんて聞けんじゃないですか!」
右京「ですが…この行動少し気になるのですよ。
足元を見てください、少しですが二つの足跡が確認出来ますね。」
右京の言う通り、二つの足跡が確認できた。
ひとつは男の足跡、もうひとつは女の足跡らしきモノが…
亀山「本当だ、けどこんな人気の無い場所に入って何をする気だったんだ?」
二人は足跡の続く方へと探索を始める、その足跡はドンドン奥へと続きするとそこは灯りが照らされていた。
高淑梅の家から電波塔へ向かう途中に右京は坑道へ続くトンネルを発見。
興味を持った右京はこのトンネルへ入ってみようかと言ってみた。
右京「どうでしょう、ちょっと入ってみませんか?」
亀山「やめましょうよ右京さん!なんか恐そうだし…それに閉鎖した坑道なんて聞けんじゃないですか!」
右京「ですが…この行動少し気になるのですよ。
足元を見てください、少しですが二つの足跡が確認出来ますね。」
右京の言う通り、二つの足跡が確認できた。
ひとつは男の足跡、もうひとつは女の足跡らしきモノが…
亀山「本当だ、けどこんな人気の無い場所に入って何をする気だったんだ?」
二人は足跡の続く方へと探索を始める、その足跡はドンドン奥へと続きするとそこは灯りが照らされていた。
60: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:15:38.15 :Ja8cAamy0
((ピィッ!ピィッ!ピィッ!))
灯りの前には籠に入った鳥が一羽いた。
右京「この鳥は恐らくこういった坑道に有害な毒を感知するために置かれている鳥でしょうね。」
亀山「それにしても何で鳥がいるんですか?ここは既に閉鎖されているはずですよ!」
右京「恐らく何者かがこの行動を今も利用しているのでしょうね。
その証拠に見てください、死体ですよ!」
亀山「うわぁぁぁぁ!?本当に死体だ!!」
右京と亀山が坑道の奥で見つけたのは灯りの前で壁越しにうつ伏せになっていた死体であった。
死体は死後1ヶ月以上経過した成人男性の死体、所有物から手帳とそれにパスポートを発見した。
((ピィッ!ピィッ!ピィッ!))
灯りの前には籠に入った鳥が一羽いた。
右京「この鳥は恐らくこういった坑道に有害な毒を感知するために置かれている鳥でしょうね。」
亀山「それにしても何で鳥がいるんですか?ここは既に閉鎖されているはずですよ!」
右京「恐らく何者かがこの行動を今も利用しているのでしょうね。
その証拠に見てください、死体ですよ!」
亀山「うわぁぁぁぁ!?本当に死体だ!!」
右京と亀山が坑道の奥で見つけたのは灯りの前で壁越しにうつ伏せになっていた死体であった。
死体は死後1ヶ月以上経過した成人男性の死体、所有物から手帳とそれにパスポートを発見した。
63: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 20:17:05.53 :Ja8cAamy0
右京「パスポートで確認しましたがどうやらこの死体は僕たちが探していたチャン・ウェイに間違いないですね。」
亀山「けど何でこの場所で死んでいるんですか?」
右京「その理由ですが…なるほど、手帳に記載されていましたよ。
かつてこの村では…」
その時である、死体がずれ落ちて後ろに何かお札が出てきた。
そのお札は赤い血文字で『悪霊退散』などと書かれている奇妙なモノであった。
気になった亀山はこのお札を剥がそうとする、だが…
「「触れるなぁぁぁぁぁぁ!!」」
突然二人の背後から大声で怒鳴る人物が、それは先ほど出会った老婆の高淑梅であった。
右京「パスポートで確認しましたがどうやらこの死体は僕たちが探していたチャン・ウェイに間違いないですね。」
亀山「けど何でこの場所で死んでいるんですか?」
右京「その理由ですが…なるほど、手帳に記載されていましたよ。
かつてこの村では…」
その時である、死体がずれ落ちて後ろに何かお札が出てきた。
そのお札は赤い血文字で『悪霊退散』などと書かれている奇妙なモノであった。
気になった亀山はこのお札を剥がそうとする、だが…
「「触れるなぁぁぁぁぁぁ!!」」
突然二人の背後から大声で怒鳴る人物が、それは先ほど出会った老婆の高淑梅であった。
67: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:28:34.46 :Ja8cAamy0
亀山「お婆ちゃん!何でここに?」
右京「なるほど、そういう事ですか。
僕たちを尾行していたのですね、それだけではなく…あなたはこの村で何が起きたか全て知っていますね!」
亀山「この村でって…一体何の話ですか?」
思わず首を傾げる亀山、そんな亀山に対して右京は先ほどチャン・ウェイの死体から発見した手帳を取り出した。
右京「この手帳に全て書かれていました。
かつてこの村で起きた悲惨な出来事の数々が記されていましたよ!」
亀山「悲惨な出来事…?」
そして右京は語り始める、11年前この村で起きたある悲惨な出来事について…
亀山「お婆ちゃん!何でここに?」
右京「なるほど、そういう事ですか。
僕たちを尾行していたのですね、それだけではなく…あなたはこの村で何が起きたか全て知っていますね!」
亀山「この村でって…一体何の話ですか?」
思わず首を傾げる亀山、そんな亀山に対して右京は先ほどチャン・ウェイの死体から発見した手帳を取り出した。
右京「この手帳に全て書かれていました。
かつてこの村で起きた悲惨な出来事の数々が記されていましたよ!」
亀山「悲惨な出来事…?」
そして右京は語り始める、11年前この村で起きたある悲惨な出来事について…
68: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:29:19.47 :Ja8cAamy0
右京「今から11年前、この村で謎の流行病が発生しました。
子供やお年寄りなど身体の弱い者たちが次々と発症し、死に至る病です。
当時あなた方村人はこの原因をある少女が原因だと決めつけました、それこそが…」
亀山「まさか…それが李麗!けど何でその子が原因だなんて思ったんですか?」
右京「それは…」
高淑梅「それは…あの李麗がこの村に呪いを撒き散らしたからなんじゃ…」
亀山「なんだって!?」
右京「この手帳にも書いてあります、李麗という村に住む幼い娘が村に呪いを掛けたと…」
高淑梅「そうだ、あれは10年前…この村で起きた悲劇だ…」
右京「今から11年前、この村で謎の流行病が発生しました。
子供やお年寄りなど身体の弱い者たちが次々と発症し、死に至る病です。
当時あなた方村人はこの原因をある少女が原因だと決めつけました、それこそが…」
亀山「まさか…それが李麗!けど何でその子が原因だなんて思ったんですか?」
右京「それは…」
高淑梅「それは…あの李麗がこの村に呪いを撒き散らしたからなんじゃ…」
亀山「なんだって!?」
右京「この手帳にも書いてあります、李麗という村に住む幼い娘が村に呪いを掛けたと…」
高淑梅「そうだ、あれは10年前…この村で起きた悲劇だ…」
69: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:30:00.62 :Ja8cAamy0
高淑梅が語る過去の悲劇…
それは10年前、この村で謎の流行病が発生。
その時、真っ先に疑われたのが李麗だった…
亀山「何で李麗がそんな事を…?」
高淑梅「李麗は薄気味の悪い子だった…
いつも一人でブツブツ言って…まるで見えない誰かと話しているみたいで…
その所為で近所の子供に石を投げられ…虐められていた…
それだけじゃない…あの子の母親は余所者の…この地にやってきた日本人の医者が父親だった…
羽振りのいい日本人だ、当時じゃ珍しい携帯電話を持っていたからな…
だから余所者の血が流れる李麗を…村人たちは毛嫌いしていた…
そしてある日、李麗は虐めていた子供にある予言を告げた…」
『お前は三日後、血を吐いて死ぬ!』
高淑梅「それから三日後、李麗を虐めていた子供は血を吐いて死んだ…
その子だけじゃない…李麗に死ねと言われ村人たちは次々と血を吐いて苦しんで死んだ…
私の…旦那も…弟も…昔からの友達も…みんな…李麗に殺された…」
亀山「それで李麗はどうなったんですか!」
高淑梅「李麗は…」
高淑梅が語る過去の悲劇…
それは10年前、この村で謎の流行病が発生。
その時、真っ先に疑われたのが李麗だった…
亀山「何で李麗がそんな事を…?」
高淑梅「李麗は薄気味の悪い子だった…
いつも一人でブツブツ言って…まるで見えない誰かと話しているみたいで…
その所為で近所の子供に石を投げられ…虐められていた…
それだけじゃない…あの子の母親は余所者の…この地にやってきた日本人の医者が父親だった…
羽振りのいい日本人だ、当時じゃ珍しい携帯電話を持っていたからな…
だから余所者の血が流れる李麗を…村人たちは毛嫌いしていた…
そしてある日、李麗は虐めていた子供にある予言を告げた…」
『お前は三日後、血を吐いて死ぬ!』
高淑梅「それから三日後、李麗を虐めていた子供は血を吐いて死んだ…
その子だけじゃない…李麗に死ねと言われ村人たちは次々と血を吐いて苦しんで死んだ…
私の…旦那も…弟も…昔からの友達も…みんな…李麗に殺された…」
亀山「それで李麗はどうなったんですか!」
高淑梅「李麗は…」
70: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:30:41.63 :Ja8cAamy0
右京「この坑道に埋められたのでしょうね。
この坑道なら死体を隠したところで余所の人間には決して気づかれる事もありません。
死体を隠す場所としては打って付けですからね!」
亀山「けど待ってください!ここは炭鉱ですよ、炭鉱にいる誰かが掘ればすぐにバレる可能性が…」
右京「……恐らく…いえ…間違いなくと言いましょう!
李麗を殺すのに村人たち全員の手でやったのではありませんか!どうなんですか!?」
右京がきつい口調で高淑梅を問い詰める、さすがに観念したのか高淑梅は当時の事を苦い顔をしながら話し始めた。
高淑梅「そうだ…私たち村人は…生きたまま李麗をこの坑道に閉じ込めた…
それだけじゃない…泣き叫ぶあの子の目をくり抜きそしてその瞼と…
そして口を……」
亀山「アンタらは李麗に一体何をしたんだよ!?」
高淑梅「縫ったんだよ!あの子のまるでこの世の全てを恨んでいるような気味の悪い眼!そして呪いを告げる口!
私たち村人は…呪いを止めさせるために文字通りあの子の口を塞いだのさ…
だがそれでも…李麗は50日もの間この閉じ込めた坑道の中で泣き叫んでいた…」
右京「この坑道に埋められたのでしょうね。
この坑道なら死体を隠したところで余所の人間には決して気づかれる事もありません。
死体を隠す場所としては打って付けですからね!」
亀山「けど待ってください!ここは炭鉱ですよ、炭鉱にいる誰かが掘ればすぐにバレる可能性が…」
右京「……恐らく…いえ…間違いなくと言いましょう!
李麗を殺すのに村人たち全員の手でやったのではありませんか!どうなんですか!?」
右京がきつい口調で高淑梅を問い詰める、さすがに観念したのか高淑梅は当時の事を苦い顔をしながら話し始めた。
高淑梅「そうだ…私たち村人は…生きたまま李麗をこの坑道に閉じ込めた…
それだけじゃない…泣き叫ぶあの子の目をくり抜きそしてその瞼と…
そして口を……」
亀山「アンタらは李麗に一体何をしたんだよ!?」
高淑梅「縫ったんだよ!あの子のまるでこの世の全てを恨んでいるような気味の悪い眼!そして呪いを告げる口!
私たち村人は…呪いを止めさせるために文字通りあの子の口を塞いだのさ…
だがそれでも…李麗は50日もの間この閉じ込めた坑道の中で泣き叫んでいた…」
71: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:31:24.39 :Ja8cAamy0
年端もいかない少女の眼を抉り取りその眼と口を縫った、その残虐な行為に思わず嫌悪感を露わにする右京と亀山…
しかしここで亀山は思い出す、台湾に行く前日に見た奇妙な少女の幻を…
もしかしたらあの少女こそ、非業の死を遂げた李麗の姿かもしれないと…
亀山「けどそれなら…呪いは終わったんですよね?何でこの村には婆さん以外の人間がいないんですか!?」
高淑梅「……みんな…殺された…李麗の手で…
李麗が坑道に閉じ込められて50日が過ぎたある日…村に一通の手紙が届いた…
それは村人全員に届けられた李麗からの手紙…
その内容は…死を予告する手紙だった…読んだ者は一人、また一人と次々に死んでいった…
私は読む事を拒み、両目を箸で突き刺して潰したことで難を逃れた…その所為で盲目になってしまったがね…
そしてある日本人の霊媒師から高額でお札をもらった、それを李麗を閉じ込めた」
亀山「そうか…王健峰が死ぬ間際に二度と帰りたくないって言っていたのは…
この村で起きた悲劇を思い出したくないから帰りたくないって言っていたのか!」
年端もいかない少女の眼を抉り取りその眼と口を縫った、その残虐な行為に思わず嫌悪感を露わにする右京と亀山…
しかしここで亀山は思い出す、台湾に行く前日に見た奇妙な少女の幻を…
もしかしたらあの少女こそ、非業の死を遂げた李麗の姿かもしれないと…
亀山「けどそれなら…呪いは終わったんですよね?何でこの村には婆さん以外の人間がいないんですか!?」
高淑梅「……みんな…殺された…李麗の手で…
李麗が坑道に閉じ込められて50日が過ぎたある日…村に一通の手紙が届いた…
それは村人全員に届けられた李麗からの手紙…
その内容は…死を予告する手紙だった…読んだ者は一人、また一人と次々に死んでいった…
私は読む事を拒み、両目を箸で突き刺して潰したことで難を逃れた…その所為で盲目になってしまったがね…
そしてある日本人の霊媒師から高額でお札をもらった、それを李麗を閉じ込めた」
亀山「そうか…王健峰が死ぬ間際に二度と帰りたくないって言っていたのは…
この村で起きた悲劇を思い出したくないから帰りたくないって言っていたのか!」
72: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:33:00.54 :Ja8cAamy0
右京「そしてそれから11年の時が過ぎた、ある日…チャン・ウェイが村に帰ってきたのですね。
11年前、チャン・ウェイと王健峰はこの地に里帰りした際にあなた方の凶行に手を貸したのですね!」
高淑梅「そうだ…チャンは急に帰ってくるなりこの閉ざされた坑道で李麗の死体を確認しようとした…
私は止めたが…聞いてもらえず…馬鹿な息子だ…」
亀山「息子?チャン・ウェイはあなたの息子だったんですか!」
高淑梅「そうだ…それだけじゃない…李麗は私の孫だった…私らは一族で…李麗に生き地獄を与えたのさ…
これも全ては村を守るためだった…なのに…どうしてこんな事に…」
全ての真相を知り唖然とする亀山、その時であった。
亀山の携帯が鳴り響く、相手は美和子からだった。
右京「そしてそれから11年の時が過ぎた、ある日…チャン・ウェイが村に帰ってきたのですね。
11年前、チャン・ウェイと王健峰はこの地に里帰りした際にあなた方の凶行に手を貸したのですね!」
高淑梅「そうだ…チャンは急に帰ってくるなりこの閉ざされた坑道で李麗の死体を確認しようとした…
私は止めたが…聞いてもらえず…馬鹿な息子だ…」
亀山「息子?チャン・ウェイはあなたの息子だったんですか!」
高淑梅「そうだ…それだけじゃない…李麗は私の孫だった…私らは一族で…李麗に生き地獄を与えたのさ…
これも全ては村を守るためだった…なのに…どうしてこんな事に…」
全ての真相を知り唖然とする亀山、その時であった。
亀山の携帯が鳴り響く、相手は美和子からだった。
73: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:34:41.12 :Ja8cAamy0
亀山「美和子からです、けどどうしてこんな坑道で携帯が通じたんだろ?」
右京「どうやらここは例の電波塔の近くのようですね、だからこんな坑道の中でも携帯が通じたのでしょうね。」
亀山は美和子からの連絡を受け取ると、彼女からある情報を得た。
美和子『もしもし薫ちゃん?悪い予感がしたんだけど今すぐそこから離れた方がいいよ。
実はさっきエリセ化粧品の人を問い詰めて白状させたんだけど…
その辺りで昔起きた流行病は…やっぱり公害だったわ!』
亀山「なんだって!?」
亀山「美和子からです、けどどうしてこんな坑道で携帯が通じたんだろ?」
右京「どうやらここは例の電波塔の近くのようですね、だからこんな坑道の中でも携帯が通じたのでしょうね。」
亀山は美和子からの連絡を受け取ると、彼女からある情報を得た。
美和子『もしもし薫ちゃん?悪い予感がしたんだけど今すぐそこから離れた方がいいよ。
実はさっきエリセ化粧品の人を問い詰めて白状させたんだけど…
その辺りで昔起きた流行病は…やっぱり公害だったわ!』
亀山「なんだって!?」
74: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:35:41.74 :Ja8cAamy0
右京「やはり、そういう事ですか。
つまりこの事件の全容はこうだったわけですよ。
今から11年前、エリセ化粧品がこの地に公害を撒き散らした。
しかし、当時あなた方の疑いの目はエリセ化粧品ではなくこの村で薄気味悪いと噂される李麗という少女に向けられました。
そしてあなた方は李麗の眼をくり抜き口と瞼を縫いこの坑道に生き埋めにした…
その結果、李麗は呪いの力を得て本当の殺人鬼と化してしまったのですよ!」
高淑梅「馬鹿な!それでは私たちがやった事は…」
右京「ただの殺人行為です!
死に逝く肉親の悲しみが村人たちに本来の真実を曇らせてしまい、そして罪の無い少女を死に追いやってしまった…
そこにある悪霊退散などというインチキ紛いなお札ですが、そのお札を手配した霊媒師は天道白水という名前ではありませんか?
彼は日本で詐欺師として逮捕されましたよ、あなた方の愚かさが一人の少女を死なせた…
これは許される事ではありませんよ!!」
右京「やはり、そういう事ですか。
つまりこの事件の全容はこうだったわけですよ。
今から11年前、エリセ化粧品がこの地に公害を撒き散らした。
しかし、当時あなた方の疑いの目はエリセ化粧品ではなくこの村で薄気味悪いと噂される李麗という少女に向けられました。
そしてあなた方は李麗の眼をくり抜き口と瞼を縫いこの坑道に生き埋めにした…
その結果、李麗は呪いの力を得て本当の殺人鬼と化してしまったのですよ!」
高淑梅「馬鹿な!それでは私たちがやった事は…」
右京「ただの殺人行為です!
死に逝く肉親の悲しみが村人たちに本来の真実を曇らせてしまい、そして罪の無い少女を死に追いやってしまった…
そこにある悪霊退散などというインチキ紛いなお札ですが、そのお札を手配した霊媒師は天道白水という名前ではありませんか?
彼は日本で詐欺師として逮捕されましたよ、あなた方の愚かさが一人の少女を死なせた…
これは許される事ではありませんよ!!」
75: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:36:39.79 :Ja8cAamy0
右京により明かされたこの村で起きた悲劇の真相。
この真実を聞き、亀山もこれほどまでに報われない死に方を遂げた李麗に同情した…
亀山「なんてこった…これじゃ李麗も浮かばれねえよ…
けど右京さん、このチャン・ウェイが再びこの村に来た理由は何なんですか?」
右京「それは恐らく水沼美々子にあったのでしょう。
数か月前にチャン・ウェイは孫娘の美々子と初めて出会った、その時の美々子さんの容姿は李麗と瓜二つだった。
そこで彼はこう思ったのでしょう、もしかしたら李麗は転生して美々子として生まれ変わったのではないか?
それを確かめるために彼はこの地に戻ってきたのですよ!」
亀山「そしてなんらかの出来事があってここで死んだ…何だよこれ!誰も報われないじゃないか!?」
高淑梅「あぁ…私はなんという愚かな事を…許してくれ…李麗!チャン!」
右京により明かされたこの村で起きた悲劇の真相。
この真実を聞き、亀山もこれほどまでに報われない死に方を遂げた李麗に同情した…
亀山「なんてこった…これじゃ李麗も浮かばれねえよ…
けど右京さん、このチャン・ウェイが再びこの村に来た理由は何なんですか?」
右京「それは恐らく水沼美々子にあったのでしょう。
数か月前にチャン・ウェイは孫娘の美々子と初めて出会った、その時の美々子さんの容姿は李麗と瓜二つだった。
そこで彼はこう思ったのでしょう、もしかしたら李麗は転生して美々子として生まれ変わったのではないか?
それを確かめるために彼はこの地に戻ってきたのですよ!」
亀山「そしてなんらかの出来事があってここで死んだ…何だよこれ!誰も報われないじゃないか!?」
高淑梅「あぁ…私はなんという愚かな事を…許してくれ…李麗!チャン!」
76: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:37:05.90 :Ja8cAamy0
今は亡き二人に詫びる高淑梅、その言葉を聞き右京はチャン・ウェイが死んだ理由がわかった。
右京「なるほど、チャン・ウェイを殺したのは母親のあなたですね。高淑梅さん!」
高淑梅「そうだ…李麗の死体を暴こうとするチャンを仕方なく…
チャンは電波塔の中に李麗の死体を持ち出して確かめようとした…だからここに誘き出して…殺した…
もしも李麗が再び目覚めれば…あの時以上の惨劇が起きる…それだけはなんとしても阻止しなければならなかったのだ…」
高淑梅は泣き叫びながらチャン・ウェイの遺体の前で謝り続けた。
その時であった…
今は亡き二人に詫びる高淑梅、その言葉を聞き右京はチャン・ウェイが死んだ理由がわかった。
右京「なるほど、チャン・ウェイを殺したのは母親のあなたですね。高淑梅さん!」
高淑梅「そうだ…李麗の死体を暴こうとするチャンを仕方なく…
チャンは電波塔の中に李麗の死体を持ち出して確かめようとした…だからここに誘き出して…殺した…
もしも李麗が再び目覚めれば…あの時以上の惨劇が起きる…それだけはなんとしても阻止しなければならなかったのだ…」
高淑梅は泣き叫びながらチャン・ウェイの遺体の前で謝り続けた。
その時であった…
77: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:37:37.15 :Ja8cAamy0
((ガシッ!ボギッ!))
高淑梅「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!??」
亀山「婆さん!?」
右京「これは…」
既に死体となったチャン・ウェイの身体が突然動き出し、高淑梅の首を掴みそのまま首の骨を折った。
右京「高淑梅さん!ダメです…既に亡くなっています…」
チャン・ウェイ『…』
亀山「何だこりゃ…どうなって……あぁ!?」
亀山はチャン・ウェイの後ろにある少女がいる事に気付く。
その少女は亀山が先日目撃した瞼と口を縫った少女であった!
((ガシッ!ボギッ!))
高淑梅「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!??」
亀山「婆さん!?」
右京「これは…」
既に死体となったチャン・ウェイの身体が突然動き出し、高淑梅の首を掴みそのまま首の骨を折った。
右京「高淑梅さん!ダメです…既に亡くなっています…」
チャン・ウェイ『…』
亀山「何だこりゃ…どうなって……あぁ!?」
亀山はチャン・ウェイの後ろにある少女がいる事に気付く。
その少女は亀山が先日目撃した瞼と口を縫った少女であった!
78: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:39:44.76 :Ja8cAamy0
亀山「まさか…そうか!右京さんこのチャン・ウェイは李麗に操られているんですよ!?」
右京「なんと…とにかく危険です、ここを抜け出しましょう!」
二人は迫りくるチャン・ウェイから逃げるために坑道を更に奥に進んだ。
すると出口が出てきた、その先にはフェンス越しの電波塔があった。
右京「電波塔ですね…」
亀山「坑道はここに繋がっていたのか…うん?この着信音は…」
♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫
亀山「死の着信!?」
右京「何故キミの携帯に…?」
突然、亀山の形態に死の着信が鳴り響く。
右京は何故亀山の携帯に死の着信が鳴るのか疑問を抱いたが、亀山にはその心当たりがあった。
亀山「そういえば…!」
亀山「まさか…そうか!右京さんこのチャン・ウェイは李麗に操られているんですよ!?」
右京「なんと…とにかく危険です、ここを抜け出しましょう!」
二人は迫りくるチャン・ウェイから逃げるために坑道を更に奥に進んだ。
すると出口が出てきた、その先にはフェンス越しの電波塔があった。
右京「電波塔ですね…」
亀山「坑道はここに繋がっていたのか…うん?この着信音は…」
♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫
亀山「死の着信!?」
右京「何故キミの携帯に…?」
突然、亀山の形態に死の着信が鳴り響く。
右京は何故亀山の携帯に死の着信が鳴るのか疑問を抱いたが、亀山にはその心当たりがあった。
亀山「そういえば…!」
79: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:40:14.20 :Ja8cAamy0
亀山は以前、カイトたちに自身の連絡先を教えていた事を思い出した。
死の着信を受けた者の携帯から次の標的が選ばれる。
亀山が死の着信を受けた者に携帯電話の番号を教えたのはカイトと中村由美。
恐らく中村由美の携帯から亀山の携帯番号を知ったのだろう…
そして亀山はその携帯を取ろうとしたその時であった…
((ガシッ!))
右京「亀山くん!」
亀山「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
亀山は地面に倒れ込み、そのまま見えない何者かに元来た坑道に引っ張られそうになる。
これで終わった、そう思い目を瞑った時であった…
亀山は以前、カイトたちに自身の連絡先を教えていた事を思い出した。
死の着信を受けた者の携帯から次の標的が選ばれる。
亀山が死の着信を受けた者に携帯電話の番号を教えたのはカイトと中村由美。
恐らく中村由美の携帯から亀山の携帯番号を知ったのだろう…
そして亀山はその携帯を取ろうとしたその時であった…
((ガシッ!))
右京「亀山くん!」
亀山「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
亀山は地面に倒れ込み、そのまま見えない何者かに元来た坑道に引っ張られそうになる。
これで終わった、そう思い目を瞑った時であった…
80: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:41:12.21 :Ja8cAamy0
亀山「………あれ?無事だぞ…?」
そう、亀山は無事だった。
どういう事だか訳のわからなかった、だがその代わりに先ほどまで一緒にいた右京の姿が見当たらなかった。
亀山は自分が先ほど連れられそうになった坑道の方に視線を移す、するとそこには…
亀山「右京さん!?」
なんとそこには右京が亀山の携帯を手に取りながら代わりに坑道に引きずり込まれようとしていた!
右京「やはり…思った通りですね!
新宿の台湾料理店で何故携帯を持たない王健峰が死ななければいけなかったのか…
それは彼が誤って本来の持ち主である娘の代わりに携帯に出てしまったからなのです!
つまりあの場で本来死ぬはずだったのは王健峰ではなく娘の王美鳳の方だったのですよ!」
亀山「………あれ?無事だぞ…?」
そう、亀山は無事だった。
どういう事だか訳のわからなかった、だがその代わりに先ほどまで一緒にいた右京の姿が見当たらなかった。
亀山は自分が先ほど連れられそうになった坑道の方に視線を移す、するとそこには…
亀山「右京さん!?」
なんとそこには右京が亀山の携帯を手に取りながら代わりに坑道に引きずり込まれようとしていた!
右京「やはり…思った通りですね!
新宿の台湾料理店で何故携帯を持たない王健峰が死ななければいけなかったのか…
それは彼が誤って本来の持ち主である娘の代わりに携帯に出てしまったからなのです!
つまりあの場で本来死ぬはずだったのは王健峰ではなく娘の王美鳳の方だったのですよ!」
81: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:42:15.18 :Ja8cAamy0
亀山「な…なるほど…じゃなくて!
何で右京さんが俺の代わりに死の着信を受けたんですか!?」
亀山の当然の疑問であった、いくらなんでも自分の命と引き換えに相棒の命を助けるなど普通なら考えられない行動だからだ。
右京「キミも知っての通り…僕は以前多くの仲間を失ってしまった…
もう二度とあのような思いはしたくはないのです…」
右京の言う後悔の言葉に亀山は心当たりがあった、それは以前に小野田官房長より聞いた話…
かつて外務省公邸人質監禁・篭城事件に対処すべく、現在の特命係の前身である『緊急対策特命係』が結成。
その作戦指揮を官房長が、そして作戦参謀に右京が選ばれた。しかし事件は最悪の結末を迎える…
隊員、人質の数名が死亡。その責任を右京が一人で被る事になりこれが特命係誕生した経緯でもあった…
亀山「な…なるほど…じゃなくて!
何で右京さんが俺の代わりに死の着信を受けたんですか!?」
亀山の当然の疑問であった、いくらなんでも自分の命と引き換えに相棒の命を助けるなど普通なら考えられない行動だからだ。
右京「キミも知っての通り…僕は以前多くの仲間を失ってしまった…
もう二度とあのような思いはしたくはないのです…」
右京の言う後悔の言葉に亀山は心当たりがあった、それは以前に小野田官房長より聞いた話…
かつて外務省公邸人質監禁・篭城事件に対処すべく、現在の特命係の前身である『緊急対策特命係』が結成。
その作戦指揮を官房長が、そして作戦参謀に右京が選ばれた。しかし事件は最悪の結末を迎える…
隊員、人質の数名が死亡。その責任を右京が一人で被る事になりこれが特命係誕生した経緯でもあった…
82: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:42:47.41 :Ja8cAamy0
亀山「右京さん!そんな…俺なんかのために…」
右京「もう僕の目の前で仲間に死んでほしくないだけですよ…それも相棒なら尚更です…
ですが僕はまだ生きる事を諦めた訳ではありませんよ、こうなればキミに…全てを託します!
必ず…彼女を救ってください……信じて…ますよ…」
そして右京は見えない何かに引っ張られながら坑道に引き込まれていった…
亀山「わかりました!俺が…俺が必ずみんなを…右京さんを助けてみせます!」
亀山は右京を救うべく急いでこの電波塔の中に入ろうとした。
亀山「右京さん!そんな…俺なんかのために…」
右京「もう僕の目の前で仲間に死んでほしくないだけですよ…それも相棒なら尚更です…
ですが僕はまだ生きる事を諦めた訳ではありませんよ、こうなればキミに…全てを託します!
必ず…彼女を救ってください……信じて…ますよ…」
そして右京は見えない何かに引っ張られながら坑道に引き込まれていった…
亀山「わかりました!俺が…俺が必ずみんなを…右京さんを助けてみせます!」
亀山は右京を救うべく急いでこの電波塔の中に入ろうとした。
83: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:43:29.29 :Ja8cAamy0
しかしその時、李麗に操られたチャン・ウェイの死体が再び亀山の前に現れて亀山の行く手を妨害する!
チャン・ウェイ『…』
亀山「おいやめてくれ!俺は…相棒を救いたいだけなんだよ!!」
そしてそのチャンを背後から操り愉快に楽しむ李麗の姿があった…
李麗『フフフ…アハハ…』
縫合された口から洩れる李麗の笑い声、その声に恐怖を感じる亀山。
だがそんな事を気にしている暇は無い、急がなければ右京の命が危ないのだから…
((ドガッ!))
亀山「おわぁぁぁ!」
しかしその時、李麗に操られたチャン・ウェイの死体が再び亀山の前に現れて亀山の行く手を妨害する!
チャン・ウェイ『…』
亀山「おいやめてくれ!俺は…相棒を救いたいだけなんだよ!!」
そしてそのチャンを背後から操り愉快に楽しむ李麗の姿があった…
李麗『フフフ…アハハ…』
縫合された口から洩れる李麗の笑い声、その声に恐怖を感じる亀山。
だがそんな事を気にしている暇は無い、急がなければ右京の命が危ないのだから…
((ドガッ!))
亀山「おわぁぁぁ!」
84: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:44:15.88 :Ja8cAamy0
しかし、生身の人間を相手にしているわけではなく…
目に見えない奇妙な力で吹っ飛ばされてしまう…その時、亀山は自分の懐から日本から持ち出した眼球の入った瓶が
転げ落ちてしまい…それが李麗の前に転がってしまった…
李麗『…』
その瓶に李麗が触れた時、李麗はまるで怒りが和らげたかのように消えてしまった。
それと同時に先ほどまで妨害していたチャン・ウェイの死体もまるで操り人形の糸が切れたかのように止まってしまう…
亀山「これ…どうなってるんだ?」
右京「どうやら…彼女の怒りが和らげたようですね…」
亀山「右京さん!よかった、無事だったんですね!」
亀山の下に先ほど坑道に引きずり込まれたはずの右京が現れた。
どうやら先ほど李麗が消えたように死の着信の呪いから解き放たれたようだ。
二人はそのまま電波塔の中に入るとチャン・ウェイが掘り起こした李麗の死体を発見する。
しかし、生身の人間を相手にしているわけではなく…
目に見えない奇妙な力で吹っ飛ばされてしまう…その時、亀山は自分の懐から日本から持ち出した眼球の入った瓶が
転げ落ちてしまい…それが李麗の前に転がってしまった…
李麗『…』
その瓶に李麗が触れた時、李麗はまるで怒りが和らげたかのように消えてしまった。
それと同時に先ほどまで妨害していたチャン・ウェイの死体もまるで操り人形の糸が切れたかのように止まってしまう…
亀山「これ…どうなってるんだ?」
右京「どうやら…彼女の怒りが和らげたようですね…」
亀山「右京さん!よかった、無事だったんですね!」
亀山の下に先ほど坑道に引きずり込まれたはずの右京が現れた。
どうやら先ほど李麗が消えたように死の着信の呪いから解き放たれたようだ。
二人はそのまま電波塔の中に入るとチャン・ウェイが掘り起こした李麗の死体を発見する。
85: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:47:17.95 :Ja8cAamy0
亀山「酷え…あの婆さんが言ってたように本当に瞼と口を縫いやがったんですよ!」
右京「それにしてもこの縫合…女結びなのですね…
それはともかく亀山くん、瓶の中身を出してください、李麗にその両目を返してあげましょう。」
亀山「ハイ!」
そして右京と亀山は李麗に縫われた縫合を切り離し、死体の両目を元に戻した。
その瞬間、亀山の目の前に再び李麗が現れる。
李麗は眼の輝きを取り戻し、瞼や口の縫合を取り、あの化け物のような醜い容姿ではなく…
年相応な少女の笑みを浮かべていた。
李麗『…謝謝…』
その言葉を言い残し、李麗は消えるようにその場からいなくなった…
亀山「酷え…あの婆さんが言ってたように本当に瞼と口を縫いやがったんですよ!」
右京「それにしてもこの縫合…女結びなのですね…
それはともかく亀山くん、瓶の中身を出してください、李麗にその両目を返してあげましょう。」
亀山「ハイ!」
そして右京と亀山は李麗に縫われた縫合を切り離し、死体の両目を元に戻した。
その瞬間、亀山の目の前に再び李麗が現れる。
李麗は眼の輝きを取り戻し、瞼や口の縫合を取り、あの化け物のような醜い容姿ではなく…
年相応な少女の笑みを浮かべていた。
李麗『…謝謝…』
その言葉を言い残し、李麗は消えるようにその場からいなくなった…
86: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:48:04.86 :Ja8cAamy0
亀山「李麗は成仏していきましたよ…これで全部終わったんですね…」
右京「そうですね、チャン・ウェイは李麗のこの電波塔に隠した。
李麗はこれをチャンスと思い、この電波塔を通じて日本にいた自分の親族である水沼美々子と偶然にも繋がり共鳴した。
そして彼女たちは目的を果たすために次々と死の着信を送り続け人々を死に至らしめたのです。」
亀山「彼女たちの目的は失われたモノを取り戻す事だったんですね…
美々子は自分を死に至らしめる原因となった水沼マリエを…
李麗は高淑梅、チャン・ウェイ、を次々と殺していった…そして李麗は自分の眼を取り戻して成仏できた訳ですか…」
李麗は成仏できた、この時亀山が言った言葉に右京にある疑問が生じた。
右京「亀山くん、大事な事をお聞きしますが成仏できたのは李麗だけなのですか?
水沼美々子はその場にいなかったのですか!?」
亀山「いや…李麗だけですよ…そういえば何で美々子はいなかったんだろ?先に成仏したとか?」
右京「そうではありません!つまりまだ…事件は終わってはいません!!」
亀山「李麗は成仏していきましたよ…これで全部終わったんですね…」
右京「そうですね、チャン・ウェイは李麗のこの電波塔に隠した。
李麗はこれをチャンスと思い、この電波塔を通じて日本にいた自分の親族である水沼美々子と偶然にも繋がり共鳴した。
そして彼女たちは目的を果たすために次々と死の着信を送り続け人々を死に至らしめたのです。」
亀山「彼女たちの目的は失われたモノを取り戻す事だったんですね…
美々子は自分を死に至らしめる原因となった水沼マリエを…
李麗は高淑梅、チャン・ウェイ、を次々と殺していった…そして李麗は自分の眼を取り戻して成仏できた訳ですか…」
李麗は成仏できた、この時亀山が言った言葉に右京にある疑問が生じた。
右京「亀山くん、大事な事をお聞きしますが成仏できたのは李麗だけなのですか?
水沼美々子はその場にいなかったのですか!?」
亀山「いや…李麗だけですよ…そういえば何で美々子はいなかったんだろ?先に成仏したとか?」
右京「そうではありません!つまりまだ…事件は終わってはいません!!」
87: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:49:36.46 :Ja8cAamy0
~警視庁~
右京と亀山の特命係が台湾で李麗の霊と遭遇していた頃、
大河内と神戸はようやく警視庁内で不審なアクセスを行っている出所が判明した。
神戸「ふぅ、ようやく突き止めた…でもこの場所って…」
大河内「何だ?わかったのならさっさと教えろ、こんな手こずる作業に数日も労力を割かれてストレスが溜まる一方なんだ。」
大河内がラムネを貪りながら聞いてきた、そんな不満そうな大河内を前にして神戸は首を傾げながらこう言った。
神戸「不正アクセスの出所は警視庁の鑑識課からですよ。」
大河内「何だと?」
その言葉を聞き、大河内は引き続き神戸に不正アクセスを行っている者の特定を急がせつつ、自分は急いで鑑識課へ向かった。
~警視庁~
右京と亀山の特命係が台湾で李麗の霊と遭遇していた頃、
大河内と神戸はようやく警視庁内で不審なアクセスを行っている出所が判明した。
神戸「ふぅ、ようやく突き止めた…でもこの場所って…」
大河内「何だ?わかったのならさっさと教えろ、こんな手こずる作業に数日も労力を割かれてストレスが溜まる一方なんだ。」
大河内がラムネを貪りながら聞いてきた、そんな不満そうな大河内を前にして神戸は首を傾げながらこう言った。
神戸「不正アクセスの出所は警視庁の鑑識課からですよ。」
大河内「何だと?」
その言葉を聞き、大河内は引き続き神戸に不正アクセスを行っている者の特定を急がせつつ、自分は急いで鑑識課へ向かった。
88: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:50:12.73 :Ja8cAamy0
~鑑識課~
大河内「監察官の大河内です、鑑識課のみなさんは一旦作業を中止してください!」
米沢「そ…そんな!?」
米沢以下、鑑識課の人間たちは突然の監察官聴取を受ける事になり動揺を隠せなかった。
そんな中で米沢は右京にこの状況を伝えようと携帯で連絡を取った。
米沢「もしもし杉下警部ですか?そちらは今台湾ですか、どうりで回線が遠いわけですな。
実はですな…」
右京に連絡を取る米沢、その光景を見て大河内は思わず聞き耳を立てていた。
米沢「……という訳です、…って大河内監察官!何故そんな近くで聞き耳を立てているんですか!?」
大河内「お気になさらず、ところで少し代わっていただけますか。
もしもし大河内です。実は今回の件なのですが…」
~鑑識課~
大河内「監察官の大河内です、鑑識課のみなさんは一旦作業を中止してください!」
米沢「そ…そんな!?」
米沢以下、鑑識課の人間たちは突然の監察官聴取を受ける事になり動揺を隠せなかった。
そんな中で米沢は右京にこの状況を伝えようと携帯で連絡を取った。
米沢「もしもし杉下警部ですか?そちらは今台湾ですか、どうりで回線が遠いわけですな。
実はですな…」
右京に連絡を取る米沢、その光景を見て大河内は思わず聞き耳を立てていた。
米沢「……という訳です、…って大河内監察官!何故そんな近くで聞き耳を立てているんですか!?」
大河内「お気になさらず、ところで少し代わっていただけますか。
もしもし大河内です。実は今回の件なのですが…」
89: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:51:10.26 :Ja8cAamy0
大河内からこれまでの経緯の説明を受ける右京、1ヶ月前から始まった警視庁のデータバンクへの奇妙な不正アクセス。
しかし犯人は足取りを掴ませる事が困難な徹底ぶり、しかも犯人が閲覧した情報は警察職員の情報を閲覧と奇妙な事ばかりであった。
右京『なるほど、1ヶ月前からですか…そしてその出所が鑑識課からですか…
もしかして…』
大河内「何か心当たりがあるのですか!」
右京『ひょっとして今そちらの鑑識の方で水沼美々子の携帯電話を調べてはいませんか?』
その右京の質問に対して米沢は急いで自分のデスクにあるPCを見た。
確かに右京の言う通り、米沢は捜査の一環としてこの美々子の携帯を自分の端末を使い調べていたのだった。
大河内からこれまでの経緯の説明を受ける右京、1ヶ月前から始まった警視庁のデータバンクへの奇妙な不正アクセス。
しかし犯人は足取りを掴ませる事が困難な徹底ぶり、しかも犯人が閲覧した情報は警察職員の情報を閲覧と奇妙な事ばかりであった。
右京『なるほど、1ヶ月前からですか…そしてその出所が鑑識課からですか…
もしかして…』
大河内「何か心当たりがあるのですか!」
右京『ひょっとして今そちらの鑑識の方で水沼美々子の携帯電話を調べてはいませんか?』
その右京の質問に対して米沢は急いで自分のデスクにあるPCを見た。
確かに右京の言う通り、米沢は捜査の一環としてこの美々子の携帯を自分の端末を使い調べていたのだった。
90: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:52:10.24 :Ja8cAamy0
米沢「杉下警部の仰る通りです!確かに私が調べているのは水沼美々子の携帯電話です!」
大河内「何だ…どういう事だ?」
それと同時に大河内の携帯にも神戸から連絡があった。
神戸「もしもし大河内さん、神戸です。
ようやく不正アクセスの発信元がわかりました、けどこれは…まさか…」
大河内「どうした?」
神戸「携帯電話からなんですよ、けど何でわざわざ携帯からアクセスしてるんでしょうか?」
大河内「なんだと!?」
米沢「杉下警部の仰る通りです!確かに私が調べているのは水沼美々子の携帯電話です!」
大河内「何だ…どういう事だ?」
それと同時に大河内の携帯にも神戸から連絡があった。
神戸「もしもし大河内さん、神戸です。
ようやく不正アクセスの発信元がわかりました、けどこれは…まさか…」
大河内「どうした?」
神戸「携帯電話からなんですよ、けど何でわざわざ携帯からアクセスしてるんでしょうか?」
大河内「なんだと!?」
91: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:52:39.48 :Ja8cAamy0
その時だった、米沢は水沼美々子の携帯電話を見てとんでもない光景を目撃した!
米沢「大河内監察官あれを見てください!水沼美々子の携帯が…」
米沢の言うように大河内は美々子の携帯を見た。
((ピ・ポ・パ・ピ・ポ))
誰も触っていない携帯電話が勝手に動き出した。
右京は急いで携帯電話をPCから取り外すように指示を出したが既に遅かった…
((ポチッ!))
美々子の携帯電話の開始ボタンが押された。
その瞬間、日本中の警察官に死の着信が送られた…
そして死の着信を受け取った警察官たちが携帯を開くと…
その時だった、米沢は水沼美々子の携帯電話を見てとんでもない光景を目撃した!
米沢「大河内監察官あれを見てください!水沼美々子の携帯が…」
米沢の言うように大河内は美々子の携帯を見た。
((ピ・ポ・パ・ピ・ポ))
誰も触っていない携帯電話が勝手に動き出した。
右京は急いで携帯電話をPCから取り外すように指示を出したが既に遅かった…
((ポチッ!))
美々子の携帯電話の開始ボタンが押された。
その瞬間、日本中の警察官に死の着信が送られた…
そして死の着信を受け取った警察官たちが携帯を開くと…
92: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:53:27.15 :Ja8cAamy0
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「苦しいよぉぉぉぉぉぉ」
「誰か助けてくれぇぇぇ」
日本中の警察官が苦しむ悲鳴がそこら中から聞こえてきた!
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「苦しいよぉぉぉぉぉぉ」
「誰か助けてくれぇぇぇ」
日本中の警察官が苦しむ悲鳴がそこら中から聞こえてきた!
93: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:54:18.03 :Ja8cAamy0
そして警視庁内でも…
伊丹「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
三浦「く…苦しい!?」
芹沢「何すかコレ!?」
角田「何だよこれ…携帯を開いたら急に苦しくなって…」
大木「まさかこれは…」
小松「巷で噂の死の着信か…!」
内村「何だ…新手のテロか…うぐぅぅぅ…」
中園「何故私たちまで…」
そして被害は警視庁だけではなく…
そして警視庁内でも…
伊丹「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
三浦「く…苦しい!?」
芹沢「何すかコレ!?」
角田「何だよこれ…携帯を開いたら急に苦しくなって…」
大木「まさかこれは…」
小松「巷で噂の死の着信か…!」
内村「何だ…新手のテロか…うぐぅぅぅ…」
中園「何故私たちまで…」
そして被害は警視庁だけではなく…
94: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:54:50.38 :Ja8cAamy0
~警察庁~
小野田「そちらの防衛庁は今度省に格上げですか。それはおめでたい事で…」
山岸「ありがとうございます、長年の努力が報われたと思っているところですよ。」
小野田官房長は防衛庁の幹部職員である山岸邦充と会合を開いていた。
そんな折に携帯電話が鳴り、その場で苦しむように倒れ込んでしまった…
小野田「うぅぅぅ…年貢の納め時かしら…?殺されるなら杉下にと思っていたけど…」
山岸「こ…これは…一体…まさか…!」
警視庁、それに警察庁内でも既に死の着信が蔓延し始めていた…
すぐに手を打たないと日本の警察組織が崩壊してしまうであろう事態にまで陥ってしまった!
~警察庁~
小野田「そちらの防衛庁は今度省に格上げですか。それはおめでたい事で…」
山岸「ありがとうございます、長年の努力が報われたと思っているところですよ。」
小野田官房長は防衛庁の幹部職員である山岸邦充と会合を開いていた。
そんな折に携帯電話が鳴り、その場で苦しむように倒れ込んでしまった…
小野田「うぅぅぅ…年貢の納め時かしら…?殺されるなら杉下にと思っていたけど…」
山岸「こ…これは…一体…まさか…!」
警視庁、それに警察庁内でも既に死の着信が蔓延し始めていた…
すぐに手を打たないと日本の警察組織が崩壊してしまうであろう事態にまで陥ってしまった!
95: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:56:14.65 :Ja8cAamy0
~台湾~
携帯越しから日本の様子が伝わる右京たち、最早一刻の猶予も無いのだが…
右京「僕とした事が迂闊でした!
水沼美々子と李麗を同一人格として考えてしまった、そんな訳がありません!
二人ともちゃんと別人なのですからね!
思えばこれは罠だったのかもしれません、日本にいない僕たちではこの事態に対処することが出来ない…
人を動かしたくても恐らく僕たちの知り合いは全て死の着信を受けて苦しんでいるはずですよ!」
亀山「そんな…美々子はこんな事をして…一体何が目的なんですか!?」
その時、右京は前に亀山が言っていたある言葉を思い出した。
右京「そういえば亀山くん、キミは以前に言っていましたね。
虐待のテープを見て兄弟喧嘩がどうとか…もしかしたら美々子の目的は…」
美々子の狙いがわかった右京、だがそれでもこの事態を対処する人手が無い状態でいた…
右京「誰か適当な人間がいてくれればいいのですが…
出来れば今回の事件に関わっていて事情をある程度把握している人物が…」
亀山「警察関係者じゃない今回の事件に関わっている人物…そうだ!」
右京の言った条件に一人だけ心当たりがある亀山、その頃…
~台湾~
携帯越しから日本の様子が伝わる右京たち、最早一刻の猶予も無いのだが…
右京「僕とした事が迂闊でした!
水沼美々子と李麗を同一人格として考えてしまった、そんな訳がありません!
二人ともちゃんと別人なのですからね!
思えばこれは罠だったのかもしれません、日本にいない僕たちではこの事態に対処することが出来ない…
人を動かしたくても恐らく僕たちの知り合いは全て死の着信を受けて苦しんでいるはずですよ!」
亀山「そんな…美々子はこんな事をして…一体何が目的なんですか!?」
その時、右京は前に亀山が言っていたある言葉を思い出した。
右京「そういえば亀山くん、キミは以前に言っていましたね。
虐待のテープを見て兄弟喧嘩がどうとか…もしかしたら美々子の目的は…」
美々子の狙いがわかった右京、だがそれでもこの事態を対処する人手が無い状態でいた…
右京「誰か適当な人間がいてくれればいいのですが…
出来れば今回の事件に関わっていて事情をある程度把握している人物が…」
亀山「警察関係者じゃない今回の事件に関わっている人物…そうだ!」
右京の言った条件に一人だけ心当たりがある亀山、その頃…
96: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:56:49.96 :Ja8cAamy0
~のぞみの家~
ちとせ「キャァッ!?」
則彦「うわぁぁぁ!?」
この児童養護施設であるのぞみの家に何者かが侵入し、この施設で大人である望月夫妻を襲っていた。
重傷を負うが辛うじて命を取られずにいた夫妻、この侵入者の目的は夫妻ではない…
それは…
~のぞみの家~
ちとせ「キャァッ!?」
則彦「うわぁぁぁ!?」
この児童養護施設であるのぞみの家に何者かが侵入し、この施設で大人である望月夫妻を襲っていた。
重傷を負うが辛うじて命を取られずにいた夫妻、この侵入者の目的は夫妻ではない…
それは…
97: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:57:17.75 :Ja8cAamy0
『ハァ…ハァ…見つけた…』
刃物を取り出し一人の少女に迫ろうとする。
その少女は水沼菜々子、今となっては水沼一家のたった一人の生き残りの少女…何故この少女が狙われるのか…?
『お前の所為だ…お前の所為で私は…』
侵入者は怯える菜々子に刃物を振り降ろそうとする!
ちとせ「ダメー!やめてー!」
則彦「その子に何か恨みでもあるのかー!?」
『ハァ…ハァ…見つけた…』
刃物を取り出し一人の少女に迫ろうとする。
その少女は水沼菜々子、今となっては水沼一家のたった一人の生き残りの少女…何故この少女が狙われるのか…?
『お前の所為だ…お前の所為で私は…』
侵入者は怯える菜々子に刃物を振り降ろそうとする!
ちとせ「ダメー!やめてー!」
則彦「その子に何か恨みでもあるのかー!?」
98: ◆jPpg5.obl6:2014/02/07(金) 23:59:30.31 :Ja8cAamy0
恨み…?
恨みならある、この子の所為で私は今も苦しんでいる…この子さえいなくなれば…
凶行に駆られた侵入者の刃が無垢な少女に振り降ろされた!……はずだった…
((ガシッ!))
『!?』
カイト「ハァ…ハァ…間に合ってよかった!」
侵入者の凶行は突然現れたカイトによって防がれた、実は数分前…
恨み…?
恨みならある、この子の所為で私は今も苦しんでいる…この子さえいなくなれば…
凶行に駆られた侵入者の刃が無垢な少女に振り降ろされた!……はずだった…
((ガシッ!))
『!?』
カイト「ハァ…ハァ…間に合ってよかった!」
侵入者の凶行は突然現れたカイトによって防がれた、実は数分前…
99: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:00:51.01 :ESJIi1d+0
~武蔵野青木外科医院~
中村由美に刺されて病室でようやく目覚めたばかりのカイトは亀山から連絡をもらっていた。
カイト「亀山さん、どうしたんですか?」
亀山『頼みがある!お前しかいないんだ!
これからのぞみの家っていう養護施設に行って水沼菜々子ちゃんって子を助けてくれないか!』
突然の亀山からの申し出に驚くカイト。
詳しい話は省かれたが現在警察官の殆どが動ける状態に無いという、そして亀山も現在国内にいない…
助けられるのは今回の事件に関わるカイトしかいないとそう言われた。
しかしカイトは…
~武蔵野青木外科医院~
中村由美に刺されて病室でようやく目覚めたばかりのカイトは亀山から連絡をもらっていた。
カイト「亀山さん、どうしたんですか?」
亀山『頼みがある!お前しかいないんだ!
これからのぞみの家っていう養護施設に行って水沼菜々子ちゃんって子を助けてくれないか!』
突然の亀山からの申し出に驚くカイト。
詳しい話は省かれたが現在警察官の殆どが動ける状態に無いという、そして亀山も現在国内にいない…
助けられるのは今回の事件に関わるカイトしかいないとそう言われた。
しかしカイトは…
100: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:01:42.16 :ESJIi1d+0
カイト「亀山さん…何で俺なんですか?
俺は民間人だしただの大学生です、そんな俺をアンタはどうして信用するんですか?
ひょっとして俺が警察庁の幹部である甲斐峯秋の息子だからですか?」
そして右京も亀山に対して同様の質問をしていた。
右京『亀山くん、やめておきなさい!
今回の事件は極めて危険です、場合によってはこの協力者の少年が命を落とす危険すらある!
僕もキミのする事に許可は出来ませんよ!』
当然の事を言われた、確かにカイトを現場に送るのは現時点では無謀とも言える行いである。
だがそんな二人に対して亀山はこう言った!
カイト「亀山さん…何で俺なんですか?
俺は民間人だしただの大学生です、そんな俺をアンタはどうして信用するんですか?
ひょっとして俺が警察庁の幹部である甲斐峯秋の息子だからですか?」
そして右京も亀山に対して同様の質問をしていた。
右京『亀山くん、やめておきなさい!
今回の事件は極めて危険です、場合によってはこの協力者の少年が命を落とす危険すらある!
僕もキミのする事に許可は出来ませんよ!』
当然の事を言われた、確かにカイトを現場に送るのは現時点では無謀とも言える行いである。
だがそんな二人に対して亀山はこう言った!
101: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:02:10.03 :ESJIi1d+0
亀山「俺は…甲斐峯秋なんて人は知らない!
確かに警察庁の幹部さまとなりゃ偉いのかもしれない…
だがそんな事…俺は知らない!
俺が知っているのは生意気だが友達のために犯人を捕まえようとしていた甲斐亨という男だけだ!!
だから頼む、菜々子ちゃんを…それに日本中の警察官…俺たちの仲間を救ってくれ!!」
カイト「亀山さん…」
そして右京に対しても…
亀山「右京さん…あなたはさっき俺を信じてくれましたよね…
なら…俺が信じる男の事を信じてやってください!」
右京「わかりました、キミの信じる人間なら僕もその少年を信じてみましょう!」
その言葉に、右京も納得してカイトに全てを託した…
亀山「俺は…甲斐峯秋なんて人は知らない!
確かに警察庁の幹部さまとなりゃ偉いのかもしれない…
だがそんな事…俺は知らない!
俺が知っているのは生意気だが友達のために犯人を捕まえようとしていた甲斐亨という男だけだ!!
だから頼む、菜々子ちゃんを…それに日本中の警察官…俺たちの仲間を救ってくれ!!」
カイト「亀山さん…」
そして右京に対しても…
亀山「右京さん…あなたはさっき俺を信じてくれましたよね…
なら…俺が信じる男の事を信じてやってください!」
右京「わかりました、キミの信じる人間なら僕もその少年を信じてみましょう!」
その言葉に、右京も納得してカイトに全てを託した…
102: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:02:51.07 :ESJIi1d+0
カイト「まったく加減してほしいな…こっちは病み上がりなんだぞ!」
『…』
傷口を押さえるカイト、その時侵入者が油断したカイトに仕掛けようとした!
だが…
カイト「おらっ!」
逆に押さえ込み侵入者を拘束させる事に成功する。
そして持っていた携帯電話から右京がカイトに指示を送る!
右京『今です!』
カイト「ほら!これを咥えろ!」
カイト「まったく加減してほしいな…こっちは病み上がりなんだぞ!」
『…』
傷口を押さえるカイト、その時侵入者が油断したカイトに仕掛けようとした!
だが…
カイト「おらっ!」
逆に押さえ込み侵入者を拘束させる事に成功する。
そして持っていた携帯電話から右京がカイトに指示を送る!
右京『今です!』
カイト「ほら!これを咥えろ!」
103: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:03:34.93 :ESJIi1d+0
そう言ってカイトは菜々子のカバンからある物を取り出して侵入者の口にそれを咥えさせた。
次の瞬間!
((シュコー、シュコー、))
身体の中に送り込まれる空気の音、カイトが侵入者に咥えさせたのは喘息用の吸引器であった。
『苦しくない…ようやく…解放された…』
まるで癇癪を起した赤ん坊が疲れて眠るような安らかな居心地になる侵入者。
そしてカイトはその侵入者の耳元に自分の携帯電話を当てて右京の声が聞こえるようにした。
そう言ってカイトは菜々子のカバンからある物を取り出して侵入者の口にそれを咥えさせた。
次の瞬間!
((シュコー、シュコー、))
身体の中に送り込まれる空気の音、カイトが侵入者に咥えさせたのは喘息用の吸引器であった。
『苦しくない…ようやく…解放された…』
まるで癇癪を起した赤ん坊が疲れて眠るような安らかな居心地になる侵入者。
そしてカイトはその侵入者の耳元に自分の携帯電話を当てて右京の声が聞こえるようにした。
104: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:05:14.81 :ESJIi1d+0
右京『ようやく捕まえましたよ、…水沼美々子さん!
あなたと李麗には異なる点があった、それはあなたは喘息を患っていた事です!
その苦しさは誰の所為なのか?そう疑念を抱いたあなたはその矛先を妹の菜々子ちゃんに向けた!
しかし、ただひとつ誤算があった!
それは菜々子ちゃんは携帯電話を持っていなかったのです!
携帯電話で殺害を行うあなたにとってこれでは埒が明かない、そこであなたはある方法に踏み切った。
それこそが…』
カイト「それが由美を利用する事だった!」
カイトは帽子で隠れた侵入者の顔を暴く。
そこには精神病院に収容されていたはずの中村由美の姿があった!
右京『ようやく捕まえましたよ、…水沼美々子さん!
あなたと李麗には異なる点があった、それはあなたは喘息を患っていた事です!
その苦しさは誰の所為なのか?そう疑念を抱いたあなたはその矛先を妹の菜々子ちゃんに向けた!
しかし、ただひとつ誤算があった!
それは菜々子ちゃんは携帯電話を持っていなかったのです!
携帯電話で殺害を行うあなたにとってこれでは埒が明かない、そこであなたはある方法に踏み切った。
それこそが…』
カイト「それが由美を利用する事だった!」
カイトは帽子で隠れた侵入者の顔を暴く。
そこには精神病院に収容されていたはずの中村由美の姿があった!
105: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:06:06.14 :ESJIi1d+0
右京『そうです、あなたは自由に動ける身体が欲しかった!
そこで虐待を受けていた中村由美さんを利用した!
死の着信が送られていたのに由美さんが死ななかったのは彼女の魂と共鳴してその身体を乗っ取ったからなのですね!
そして警視庁内のデータバンクにアクセスしたのは警察職員を行動不能にしたのは、
精神病院で彼女を見張る警察官を抑えるため…どうなのですか!?』
右京の激しい詰問に由美の口から由美ではない…別の人間の声が聞こえてきた…
美々子『ずっと…苦しくて…寂しかった…
生まれた時からずっとお母さんは…私を疎ましい目で見ていた…
菜々子が生まれてから…お母さんは菜々子の事ばっかりで…それで私はお母さんに振り向いてほしかった…』
亀山『じゃあキミが代理ミュンヒハウゼン症候群に陥ったのは…』
右京『全ては母親であるマリエさんに振り向いてほしかったからですね。』
その言葉に首を傾げる由美、更に懺悔の言葉は続いた…
右京『そうです、あなたは自由に動ける身体が欲しかった!
そこで虐待を受けていた中村由美さんを利用した!
死の着信が送られていたのに由美さんが死ななかったのは彼女の魂と共鳴してその身体を乗っ取ったからなのですね!
そして警視庁内のデータバンクにアクセスしたのは警察職員を行動不能にしたのは、
精神病院で彼女を見張る警察官を抑えるため…どうなのですか!?』
右京の激しい詰問に由美の口から由美ではない…別の人間の声が聞こえてきた…
美々子『ずっと…苦しくて…寂しかった…
生まれた時からずっとお母さんは…私を疎ましい目で見ていた…
菜々子が生まれてから…お母さんは菜々子の事ばっかりで…それで私はお母さんに振り向いてほしかった…』
亀山『じゃあキミが代理ミュンヒハウゼン症候群に陥ったのは…』
右京『全ては母親であるマリエさんに振り向いてほしかったからですね。』
その言葉に首を傾げる由美、更に懺悔の言葉は続いた…
106: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:06:39.55 :ESJIi1d+0
美々子『だから…菜々子を傷つけた…
いけない事だってわかってた…けど…やめられなかった…私は菜々子を傷つけるたびに病院へ連れて行った…
そしたら病院の人たちが…妹想いのいいお姉さんだねって…
お母さんもお姉ちゃんがしっかりしてて頼りになるって言ってくれた…
嬉しかった…お母さんにも…みんなにも褒められて…でも…それなのに…全部バレて…
だから…お母さんにバラした菜々子を…殺そうと…』
全ては愛に飢えた少女が起こした悲劇であった…
携帯電話越しで美々子の境遇を知る右京と亀山、それにカイト…
今の彼らには美々子に掛ける言葉が無かった…人を傷つける事でしか愛を得られなかった哀れな子供…
そんな子供にどんな言葉を投げかければいいのか…そんな時だった…
菜々子「お姉ちゃん…苦しいの?」
菜々子が泣いていた由美(美々子)に声を掛ける。由美(美々子)は一瞬身構えようとするが菜々子は…
美々子『だから…菜々子を傷つけた…
いけない事だってわかってた…けど…やめられなかった…私は菜々子を傷つけるたびに病院へ連れて行った…
そしたら病院の人たちが…妹想いのいいお姉さんだねって…
お母さんもお姉ちゃんがしっかりしてて頼りになるって言ってくれた…
嬉しかった…お母さんにも…みんなにも褒められて…でも…それなのに…全部バレて…
だから…お母さんにバラした菜々子を…殺そうと…』
全ては愛に飢えた少女が起こした悲劇であった…
携帯電話越しで美々子の境遇を知る右京と亀山、それにカイト…
今の彼らには美々子に掛ける言葉が無かった…人を傷つける事でしか愛を得られなかった哀れな子供…
そんな子供にどんな言葉を投げかければいいのか…そんな時だった…
菜々子「お姉ちゃん…苦しいの?」
菜々子が泣いていた由美(美々子)に声を掛ける。由美(美々子)は一瞬身構えようとするが菜々子は…
107: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:07:40.69 :ESJIi1d+0
菜々子「お姉ちゃん大丈夫だよ、菜々子がいるからね。
お姉ちゃんはひとりぼっちじゃないよ、苦しい時は菜々子が一緒だよ。」
その言葉に思わず涙を浮かべる由美(美々子)そして右京に代わり亀山が携帯に出て由美(美々子)に対してこう告げた!
亀山『そうだ、お前はひとりなんかじゃないんだよ!
お前にはお母さんや病院の人たちだけじゃない、いつも妹の菜々子ちゃんがいたじゃないか!』
その言葉に涙を流し菜々子を抱きしめる由美(美々子)
その後、まるで別れる様に由美の身体から離れる美々子…
最後に美々子はこう言った。
美々子(ありがとう…ごめんね…)
カイト「…消えてく…成仏したんだな…」
菜々子「お姉ちゃん大丈夫だよ、菜々子がいるからね。
お姉ちゃんはひとりぼっちじゃないよ、苦しい時は菜々子が一緒だよ。」
その言葉に思わず涙を浮かべる由美(美々子)そして右京に代わり亀山が携帯に出て由美(美々子)に対してこう告げた!
亀山『そうだ、お前はひとりなんかじゃないんだよ!
お前にはお母さんや病院の人たちだけじゃない、いつも妹の菜々子ちゃんがいたじゃないか!』
その言葉に涙を流し菜々子を抱きしめる由美(美々子)
その後、まるで別れる様に由美の身体から離れる美々子…
最後に美々子はこう言った。
美々子(ありがとう…ごめんね…)
カイト「…消えてく…成仏したんだな…」
108: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:08:16.94 :ESJIi1d+0
そんな美々子のためにぬいぐるみのお腹を押す菜々子。
すると音が鳴り響く、その音は…
♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫
右京『これは死の着信の音…?なるほど、この音の出所は…ぬいぐるみから…』
菜々子「このぬいぐるみはお姉ちゃんから貰った物なの…
お姉ちゃんはこの音が大好きでいっつも聞いていたの…」
まるで美々子のための鎮魂歌のように奏でられる音。
その音に導かれる様に美々子は消えて行った。
そんな美々子のためにぬいぐるみのお腹を押す菜々子。
すると音が鳴り響く、その音は…
♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫
右京『これは死の着信の音…?なるほど、この音の出所は…ぬいぐるみから…』
菜々子「このぬいぐるみはお姉ちゃんから貰った物なの…
お姉ちゃんはこの音が大好きでいっつも聞いていたの…」
まるで美々子のための鎮魂歌のように奏でられる音。
その音に導かれる様に美々子は消えて行った。
109: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:09:04.57 :ESJIi1d+0
それと同時に日本中の警察官を襲った死の着信の脅威も消え去っていた…
伊丹「ハァ…ハァ…助かった…」
三浦「今のは一体何だったんだ?」
芹沢「きっと俺たちの知らないところで先輩たちが解決してくれてたりして…」
そして台湾にいた亀山も目撃していた。
天に向かい昇って行く美々子と李麗、二人の魂を…
亀山「右京さん…美々子と李麗の二人が成仏していきますよ…」
右京「そうですか、僕には見えませんがこれで死の着信の呪いは去ったのですね…」
それと同時に日本中の警察官を襲った死の着信の脅威も消え去っていた…
伊丹「ハァ…ハァ…助かった…」
三浦「今のは一体何だったんだ?」
芹沢「きっと俺たちの知らないところで先輩たちが解決してくれてたりして…」
そして台湾にいた亀山も目撃していた。
天に向かい昇って行く美々子と李麗、二人の魂を…
亀山「右京さん…美々子と李麗の二人が成仏していきますよ…」
右京「そうですか、僕には見えませんがこれで死の着信の呪いは去ったのですね…」
110: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:10:17.13 :ESJIi1d+0
それから数日後…
~警察庁~
警察庁にある小野田官房長の部屋に呼び出された大河内と神戸、大河内は小野田官房長に今回の顛末を全て報告していた。
大河内「以上、これが今回の事件の全容です。」
小野田「なるほど、つまり今回の事件は幽霊の仕業って事ね…」
神戸「信じられませんけどそういう事になりますね…」
小野田「あら?神戸さんは幽霊とか信じないの?
僕はそういうオカルトに興味のある知り合いがいるんだけどね。
まぁそれはそうと、今回の件は他言無用でお願いね。
資料にも残したりしないでね、まさか全警察官職員が危うく呪い殺されるなんて事態を世間に公表する訳にはいきませんからね。」
大河内「しかし官房長…」
小野田「お願いね♪」
それから数日後…
~警察庁~
警察庁にある小野田官房長の部屋に呼び出された大河内と神戸、大河内は小野田官房長に今回の顛末を全て報告していた。
大河内「以上、これが今回の事件の全容です。」
小野田「なるほど、つまり今回の事件は幽霊の仕業って事ね…」
神戸「信じられませんけどそういう事になりますね…」
小野田「あら?神戸さんは幽霊とか信じないの?
僕はそういうオカルトに興味のある知り合いがいるんだけどね。
まぁそれはそうと、今回の件は他言無用でお願いね。
資料にも残したりしないでね、まさか全警察官職員が危うく呪い殺されるなんて事態を世間に公表する訳にはいきませんからね。」
大河内「しかし官房長…」
小野田「お願いね♪」
111: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:11:13.22 :ESJIi1d+0
結局小野田の一言で今回の一件は世間には公表されず、闇の中へ…
その回答に納得のできない大河内はまたもやラムネを貪っていた。
((バリッ!ボリッ!))
神戸「僕は今回の処分妥当だと思いますよ、こんな事をそもそも世間が信じてくれるわけがありませんし…」
大河内「フンッ、変わったな神戸…実に警察庁の官僚的な考察だ。」
神戸「お言葉ですが、僕から言わせてもらえば変わったのは大河内さんの方だと思いますよ。
以前の大河内さんなら官房長の決断に不満なんかなかったでしょうに…」
大河内「きっと、特命係の影響なんだろうな…
神戸、いずれ警視庁に戻ってこい!そしたらお前を特命係に送ってやる。
あそこにいればお前ももっと骨のある警察官になれるかもしれんぞ!」
神戸「ご冗談を、特命係って警察庁でも有名な左遷部署でしょ…
そんな場所にどんなヘマをやらかしたら行けるのかその部署にいる人に聞いてみたいところですよ!」
余談だが神戸尊はこの4年後、上層部の命により特命係に配属される事になるのだが…
これは暫く先のお話である…
結局小野田の一言で今回の一件は世間には公表されず、闇の中へ…
その回答に納得のできない大河内はまたもやラムネを貪っていた。
((バリッ!ボリッ!))
神戸「僕は今回の処分妥当だと思いますよ、こんな事をそもそも世間が信じてくれるわけがありませんし…」
大河内「フンッ、変わったな神戸…実に警察庁の官僚的な考察だ。」
神戸「お言葉ですが、僕から言わせてもらえば変わったのは大河内さんの方だと思いますよ。
以前の大河内さんなら官房長の決断に不満なんかなかったでしょうに…」
大河内「きっと、特命係の影響なんだろうな…
神戸、いずれ警視庁に戻ってこい!そしたらお前を特命係に送ってやる。
あそこにいればお前ももっと骨のある警察官になれるかもしれんぞ!」
神戸「ご冗談を、特命係って警察庁でも有名な左遷部署でしょ…
そんな場所にどんなヘマをやらかしたら行けるのかその部署にいる人に聞いてみたいところですよ!」
余談だが神戸尊はこの4年後、上層部の命により特命係に配属される事になるのだが…
これは暫く先のお話である…
112: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:11:56.17 :ESJIi1d+0
~武蔵野青木外科医院~
亀山「ハックション!」
カイト「か…風邪っすか?移さないでくださいよ!」
亀山「馬鹿言え!まだ夏だぞ、風邪なんか引く訳が…ハックション!
きっと誰かが今回の事件で俺の事を噂してんだな!」
その頃、その特命係に配属されている亀山は無断で外出してしまい入院日数が伸びてしまったカイトの病室にお見舞いに来ていた。
カイト「わざわざお見舞いありがとうございます。」
亀山「いや…今回の事件の責任は俺にもあるしな…悪かったな…もっと真剣に対応してればこんな事には…」
~武蔵野青木外科医院~
亀山「ハックション!」
カイト「か…風邪っすか?移さないでくださいよ!」
亀山「馬鹿言え!まだ夏だぞ、風邪なんか引く訳が…ハックション!
きっと誰かが今回の事件で俺の事を噂してんだな!」
その頃、その特命係に配属されている亀山は無断で外出してしまい入院日数が伸びてしまったカイトの病室にお見舞いに来ていた。
カイト「わざわざお見舞いありがとうございます。」
亀山「いや…今回の事件の責任は俺にもあるしな…悪かったな…もっと真剣に対応してればこんな事には…」
113: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:12:38.57 :ESJIi1d+0
カイト「いや…どの道同じだったと思いますよ…
それを言ったら俺だってそもそもあんな合コンやらなきゃこんな事にはならなかったはずですからね…」
今は亡き岡崎陽子、河合健二、小西なつみ、の三人の死を悼む二人…
ちなみに中村由美は事件後、カイトや望月夫妻を負傷させた際の記憶が無く…
未だに精神病院で入院している最中であった。
そんな中でカイトは自分のこれからの人生の目標について亀山に語った。
カイト「亀山さん、実は俺…本当は警察官に憧れていたんですよ…
けど…警察に入ると親父の目が気になって…それで民間の企業に就職をしようかと思ってたんです…
けど今回の事件に遭遇して…俺の本当にやりたかった事は…警察官だってやっとわかったんです!」
亀山「そうだな、本当にやりたい事があるなら親父さんの目なんか気にする必要ねえよ!
大体警察だってそんな血縁関係なんて関係ないからな!
お坊ちゃんだろうがエリートさまだろうがみんな扱き使われるのが警察官だしよ!」
カイト「いや…どの道同じだったと思いますよ…
それを言ったら俺だってそもそもあんな合コンやらなきゃこんな事にはならなかったはずですからね…」
今は亡き岡崎陽子、河合健二、小西なつみ、の三人の死を悼む二人…
ちなみに中村由美は事件後、カイトや望月夫妻を負傷させた際の記憶が無く…
未だに精神病院で入院している最中であった。
そんな中でカイトは自分のこれからの人生の目標について亀山に語った。
カイト「亀山さん、実は俺…本当は警察官に憧れていたんですよ…
けど…警察に入ると親父の目が気になって…それで民間の企業に就職をしようかと思ってたんです…
けど今回の事件に遭遇して…俺の本当にやりたかった事は…警察官だってやっとわかったんです!」
亀山「そうだな、本当にやりたい事があるなら親父さんの目なんか気にする必要ねえよ!
大体警察だってそんな血縁関係なんて関係ないからな!
お坊ちゃんだろうがエリートさまだろうがみんな扱き使われるのが警察官だしよ!」
114: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:13:27.54 :ESJIi1d+0
カイト「ハハ、現役の人が言うと説得力ありますね!
そういえば今回俺に指示を出してくれた亀山さんの相棒って誰だったんですか?
何か妙に偉そうな感じだったんですけど…」
亀山「あぁ…それは…」
甲斐との質問に答えようとした時、その当人である右京から呼び出しが掛かった。
慌てて右京の下へ急ぐ亀山、しかし最後にカイトにこう言っておいた。
亀山「ゴメンな!その相棒から呼び出し掛かっちゃって…
けど今回はありがとうな、それと頑張れよ!未来の警察官!!」
カイト「亀山さんも、彼女さんに早くプロポーズ出来ると良いですね!」
亀山「一言多いんだよ!…じゃあなカイト!!」
そう言って亀山はカイトの病室から出て行った。
残ったカイトはそういえばと思い出したかのように自分の鞄からある物を探した。
カイト「ハハ、現役の人が言うと説得力ありますね!
そういえば今回俺に指示を出してくれた亀山さんの相棒って誰だったんですか?
何か妙に偉そうな感じだったんですけど…」
亀山「あぁ…それは…」
甲斐との質問に答えようとした時、その当人である右京から呼び出しが掛かった。
慌てて右京の下へ急ぐ亀山、しかし最後にカイトにこう言っておいた。
亀山「ゴメンな!その相棒から呼び出し掛かっちゃって…
けど今回はありがとうな、それと頑張れよ!未来の警察官!!」
カイト「亀山さんも、彼女さんに早くプロポーズ出来ると良いですね!」
亀山「一言多いんだよ!…じゃあなカイト!!」
そう言って亀山はカイトの病室から出て行った。
残ったカイトはそういえばと思い出したかのように自分の鞄からある物を探した。
115: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:14:10.37 :ESJIi1d+0
カイト「あった!」
それは亀山と最初に会った際に貰った警察官採用試験の申込用紙であった。
カイト「まだ8月だし…今から猛勉強すれば間に合うかな…?
その前に内定先に行って就職断んなきゃな…あーぁ…せっかくの8月だってのに憂鬱だな…」
そんな言葉とは裏腹にカイトの気持ちは前向きだった。
ようやく自分の気持ちに素直になれたと…まるで長年の鬱憤が見事に晴れたかのようなスッキリした気分だった…
そして右京から呼び出しを受けた亀山、その頃右京はというと…
カイト「あった!」
それは亀山と最初に会った際に貰った警察官採用試験の申込用紙であった。
カイト「まだ8月だし…今から猛勉強すれば間に合うかな…?
その前に内定先に行って就職断んなきゃな…あーぁ…せっかくの8月だってのに憂鬱だな…」
そんな言葉とは裏腹にカイトの気持ちは前向きだった。
ようやく自分の気持ちに素直になれたと…まるで長年の鬱憤が見事に晴れたかのようなスッキリした気分だった…
そして右京から呼び出しを受けた亀山、その頃右京はというと…
116: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:15:20.12 :ESJIi1d+0
右京「それでは神原さん…つまりこれは…」
神原「…そうです…そういう事ですから…」
右京「なるほど、大変参考になりました。どうもありがとう。」
神原「では僕はこれで、それじゃ。」
神原という医者風の男から意見を聞いていた右京、そんな時であった。
右京「おや?…キミ…怪我をしていますね…誰にやられたのですか?」
「…」
小児科に治療に来ていた4歳くらいの傷だらけの少年に語りかけていた。
しかし少年は右京の言葉に耳を傾ける事は無く、一切を無視していた。
そして少年の母親らしき人物が声を掛けてきた。
「俊雄、早く来なさい…」
俊雄と呼ばれた少年は母親の手を取り、その場を立ち去る。
右京「それでは神原さん…つまりこれは…」
神原「…そうです…そういう事ですから…」
右京「なるほど、大変参考になりました。どうもありがとう。」
神原「では僕はこれで、それじゃ。」
神原という医者風の男から意見を聞いていた右京、そんな時であった。
右京「おや?…キミ…怪我をしていますね…誰にやられたのですか?」
「…」
小児科に治療に来ていた4歳くらいの傷だらけの少年に語りかけていた。
しかし少年は右京の言葉に耳を傾ける事は無く、一切を無視していた。
そして少年の母親らしき人物が声を掛けてきた。
「俊雄、早く来なさい…」
俊雄と呼ばれた少年は母親の手を取り、その場を立ち去る。
117: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:15:59.01 :ESJIi1d+0
そしてその少年と入れ替わりで亀山がやってきた。
亀山「もう…右京さんこんなとこにいたんですか!一緒にカイトのお見舞いに来てくれればいいのに…
ところでさっき小野田官房長に似た人がいたんですけど誰なんですか?」
右京「彼は神原晶といって今は医師免許を剥奪されていますが
それでも昔はかなりの凄腕の医師でドクターXと呼ばれていた人物ですよ。ちょっと彼に聞きたい事があったので…
まぁその話はともかく…その少年は怪我人なのでしょう、それなのに押し掛けるのは無作法だと思いましてね。
ところで今の子供、ちょっと気になりますね。
あの怪我は子供同士の喧嘩や事故で負う様な怪我ではありません。
ひょっとしたらあの子…」
亀山「まさか…虐待ですか?」
右京「さぁ、既に行ってしまいましたしそうでない事を祈りたいのですが…」
結局その子供と母親はまるで幽霊のように最初からいなかったかのようにいなくなってしまった…
そして同じ頃…
そしてその少年と入れ替わりで亀山がやってきた。
亀山「もう…右京さんこんなとこにいたんですか!一緒にカイトのお見舞いに来てくれればいいのに…
ところでさっき小野田官房長に似た人がいたんですけど誰なんですか?」
右京「彼は神原晶といって今は医師免許を剥奪されていますが
それでも昔はかなりの凄腕の医師でドクターXと呼ばれていた人物ですよ。ちょっと彼に聞きたい事があったので…
まぁその話はともかく…その少年は怪我人なのでしょう、それなのに押し掛けるのは無作法だと思いましてね。
ところで今の子供、ちょっと気になりますね。
あの怪我は子供同士の喧嘩や事故で負う様な怪我ではありません。
ひょっとしたらあの子…」
亀山「まさか…虐待ですか?」
右京「さぁ、既に行ってしまいましたしそうでない事を祈りたいのですが…」
結局その子供と母親はまるで幽霊のように最初からいなかったかのようにいなくなってしまった…
そして同じ頃…
118: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:16:35.75 :ESJIi1d+0
~防衛庁~
先日、山岸は小野田の尋常ではない苦しみ方…そして全警察官が死の着信を送られ…
奇妙な苦しみ方をしたのを知りある計画を持ち出そうとしていた…
山岸「やはり呪いは実在する!今こそ長年の計画を実行に移す時だ!!」
そして彼はデスクからあるファイルを取り出す。
そのファイルに掛かれていた文字は『ProjectRING』
後に行われる悪魔の実験がまさか今回の事件がきっかけで開始されるとはこの時誰も予想できなかっただろう…
そして病院で右京が出会った俊雄という少年も…後に今回の水沼美々子以上の呪いを広めるのだが…
それはまた別の話である…
~防衛庁~
先日、山岸は小野田の尋常ではない苦しみ方…そして全警察官が死の着信を送られ…
奇妙な苦しみ方をしたのを知りある計画を持ち出そうとしていた…
山岸「やはり呪いは実在する!今こそ長年の計画を実行に移す時だ!!」
そして彼はデスクからあるファイルを取り出す。
そのファイルに掛かれていた文字は『ProjectRING』
後に行われる悪魔の実験がまさか今回の事件がきっかけで開始されるとはこの時誰も予想できなかっただろう…
そして病院で右京が出会った俊雄という少年も…後に今回の水沼美々子以上の呪いを広めるのだが…
それはまた別の話である…
121: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:22:24.68 :ESJIi1d+0
119: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:17:23.32 :ESJIi1d+0
そして現在、2013年11月13日
~花の里~
城南大生・北川奈月の捜査も終わり、二人は花の里で一杯やっていた。
カイト「まさかあの時俺が出会った亀山さんが実は特命係の先輩だったなんて…
それに杉下さんがその亀山さんの相棒だったなんて凄い偶然ですよね!」
右京「そうですね、さらにキミが特命係に在籍しているのですから…
というか亀山くんから僕の事を一切聞かなかったのですか?」
カイト「いや…聞く前に亀山さんいなくなっちゃったんで…
俺もその後、公務員試験の勉強やら警察官学校に入ったりで忙しくてすっかり疎遠になっちゃって…」
そして現在、2013年11月13日
~花の里~
城南大生・北川奈月の捜査も終わり、二人は花の里で一杯やっていた。
カイト「まさかあの時俺が出会った亀山さんが実は特命係の先輩だったなんて…
それに杉下さんがその亀山さんの相棒だったなんて凄い偶然ですよね!」
右京「そうですね、さらにキミが特命係に在籍しているのですから…
というか亀山くんから僕の事を一切聞かなかったのですか?」
カイト「いや…聞く前に亀山さんいなくなっちゃったんで…
俺もその後、公務員試験の勉強やら警察官学校に入ったりで忙しくてすっかり疎遠になっちゃって…」
120: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 00:20:05.13 :ESJIi1d+0
幸子「人って知らないところで繋がっているモノなんですねぇ。
カイトさんはまだお飲みになりますか?」
この店の主人である月本幸子からの誘い、だがカイトは断った。
カイト「いや…俺はこれで…
今夜は恋人の悦子と一緒に過ごすって約束してるんで、それじゃ!」
こうしてカイトは一足先に帰って行った、残った右京は酒を一杯飲みながら想う事があった…
当時の相棒であった亀山薫は去り、彼の代わりに新たに相棒になった神戸尊も去り今は甲斐亨が相棒となった。
これまでの相棒たちと違い、まだまだな面があるがそれはこれからの彼の成長に期待しようと思う右京であった…
終わり(?)
―――――――
―――――
―――
幸子「人って知らないところで繋がっているモノなんですねぇ。
カイトさんはまだお飲みになりますか?」
この店の主人である月本幸子からの誘い、だがカイトは断った。
カイト「いや…俺はこれで…
今夜は恋人の悦子と一緒に過ごすって約束してるんで、それじゃ!」
こうしてカイトは一足先に帰って行った、残った右京は酒を一杯飲みながら想う事があった…
当時の相棒であった亀山薫は去り、彼の代わりに新たに相棒になった神戸尊も去り今は甲斐亨が相棒となった。
これまでの相棒たちと違い、まだまだな面があるがそれはこれからの彼の成長に期待しようと思う右京であった…
終わり(?)
―――――――
―――――
―――
127: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 07:18:58.99 :ESJIi1d+0
幸子「なんだか…まだ話し足りないって顔をしていますね。」
右京「えぇ、実は先ほどの話にはまだ続きがあります。
ですがこの話は出来ればカイトくんにはしたくなかったもので…」
幸子「それじゃぁ私が代わりに聞いてあげちゃいましょうか♪」
気軽に受け答えする幸子、しかしこの話はそんな気軽に聞けるような内容ではなかった…
幸子「なんだか…まだ話し足りないって顔をしていますね。」
右京「えぇ、実は先ほどの話にはまだ続きがあります。
ですがこの話は出来ればカイトくんにはしたくなかったもので…」
幸子「それじゃぁ私が代わりに聞いてあげちゃいましょうか♪」
気軽に受け答えする幸子、しかしこの話はそんな気軽に聞けるような内容ではなかった…
128: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 07:19:45.89 :ESJIi1d+0
時は再び遡り2008年…
~武蔵野青木外科医院~
「…」
右京と亀山はカイトのお見舞いの後にある物を持って病院の屋上へとやってきていた。
そこにある人物が骨壺らしきものを持って静かに佇んでいた。
右京「こちらにお出ででしたか。
実はあなたにどうしてもお尋ねしなければいけない事がありましてね。」
亀山「実は葬儀屋さんに連絡を取りましてね。
聞いたら未払いだった水沼美々子の葬式費用をあなたが支払ったという話でしたよ!
それ…やっぱりあなたが持っていたんですね、水沼美々子の骨壺を!」
右京と亀山の話を黙って聞く人物、だが彼らの詰問はまだこれからだった。
時は再び遡り2008年…
~武蔵野青木外科医院~
「…」
右京と亀山はカイトのお見舞いの後にある物を持って病院の屋上へとやってきていた。
そこにある人物が骨壺らしきものを持って静かに佇んでいた。
右京「こちらにお出ででしたか。
実はあなたにどうしてもお尋ねしなければいけない事がありましてね。」
亀山「実は葬儀屋さんに連絡を取りましてね。
聞いたら未払いだった水沼美々子の葬式費用をあなたが支払ったという話でしたよ!
それ…やっぱりあなたが持っていたんですね、水沼美々子の骨壺を!」
右京と亀山の話を黙って聞く人物、だが彼らの詰問はまだこれからだった。
129: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 07:20:11.66 :ESJIi1d+0
右京「実は今回の事件でずっと引っ掛かる事がありました。
それは『父親』です。水沼美々子、それに李麗の父親…僕には彼女たちの父親の全体像がまるで見えませんでした。
ひょっとしたら彼女たちの不在ではないのかと…いえ…そんな事はありません!
父親は実在していたのですよ、それも今回の事件の根底に関わっていたのです!」
父親…その言葉に思わず反応する人物。
そして右京はこの事件で重要な部分を挙げていった。
右京「そもそも水沼マリエの死体が発見されたあの廃墟と化した旧青木医院。
何故あんなところに死体が隠されていたのでしょうか?
答えは簡単です、彼女はある人物に呼び出されたからですよ!
その人物ですが、この場合考えるまでもなく病院の関係者なのは間違いないでしょうね!
そうですね、マリエさんを呼び出した青木周作院長!」
青木「…よくわかったもんだ…さすがだよ…」
そう、この病院を務める院長である青木周作。
彼こそが水沼マリエをあの廃墟と化した病院に呼んだ張本人でもあった。
右京「実は今回の事件でずっと引っ掛かる事がありました。
それは『父親』です。水沼美々子、それに李麗の父親…僕には彼女たちの父親の全体像がまるで見えませんでした。
ひょっとしたら彼女たちの不在ではないのかと…いえ…そんな事はありません!
父親は実在していたのですよ、それも今回の事件の根底に関わっていたのです!」
父親…その言葉に思わず反応する人物。
そして右京はこの事件で重要な部分を挙げていった。
右京「そもそも水沼マリエの死体が発見されたあの廃墟と化した旧青木医院。
何故あんなところに死体が隠されていたのでしょうか?
答えは簡単です、彼女はある人物に呼び出されたからですよ!
その人物ですが、この場合考えるまでもなく病院の関係者なのは間違いないでしょうね!
そうですね、マリエさんを呼び出した青木周作院長!」
青木「…よくわかったもんだ…さすがだよ…」
そう、この病院を務める院長である青木周作。
彼こそが水沼マリエをあの廃墟と化した病院に呼んだ張本人でもあった。
130: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 07:21:20.65 :ESJIi1d+0
青木「なるほど、確かにあんな人目に付かない廃墟を密会場所に選ぶのは僕しかないだろうね。」
右京「あなたは何らかの理由で水沼マリエさんを呼び出した。
ですが殺してはいない、殺害したのは彼女の娘である水沼美々子だったはず。
しかしそれだけなら彼女の死をさっさと通報すればよかったはずです。
それをしなかったのは…」
青木「僕は病院の院長だ、世間体を気にして連絡が出来なかった…違うかい?」
亀山「アンタ…!」
亀山は青木の舐めた態度に苛立っていたがそんな亀山を右京が抑えていた。
そして右京は彼が隠しているであろう事実を明かそうとしていた。
右京「あなたは以前こう仰っていましたね。
『僕は誤解されやすい』と、その言葉を信じるなら僕にはこの事件の全容が違った視点で見る事が出来るのですよ。
ひょっとしてあなたは自分が関与しているのが恐れていたのではなく、
美々子さんが犯人ではないかと疑われるのを恐れていたのではありませんか?
そう考えれば辻褄が合うのですよ!
あなたが山下律子さんに口止めをして美々子さんに代理ミュンヒハウゼン症候群の疑いがあっても
菜々子ちゃんの虐待を通報しなかった理由も!」
青木「なるほど、確かにあんな人目に付かない廃墟を密会場所に選ぶのは僕しかないだろうね。」
右京「あなたは何らかの理由で水沼マリエさんを呼び出した。
ですが殺してはいない、殺害したのは彼女の娘である水沼美々子だったはず。
しかしそれだけなら彼女の死をさっさと通報すればよかったはずです。
それをしなかったのは…」
青木「僕は病院の院長だ、世間体を気にして連絡が出来なかった…違うかい?」
亀山「アンタ…!」
亀山は青木の舐めた態度に苛立っていたがそんな亀山を右京が抑えていた。
そして右京は彼が隠しているであろう事実を明かそうとしていた。
右京「あなたは以前こう仰っていましたね。
『僕は誤解されやすい』と、その言葉を信じるなら僕にはこの事件の全容が違った視点で見る事が出来るのですよ。
ひょっとしてあなたは自分が関与しているのが恐れていたのではなく、
美々子さんが犯人ではないかと疑われるのを恐れていたのではありませんか?
そう考えれば辻褄が合うのですよ!
あなたが山下律子さんに口止めをして美々子さんに代理ミュンヒハウゼン症候群の疑いがあっても
菜々子ちゃんの虐待を通報しなかった理由も!」
131: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 07:22:39.65 :ESJIi1d+0
青木「…」
右京が告げた真実に青木は否定するでも肯定するでもなくただ黙って沈黙していた…
その沈黙の中ようやく重い口を開いた。
青木「何故僕がそんな事をしなければならないんだ?」
右京「一つ可能性があります、最初にあなたに水沼一家についてお尋ねした時の事です。
あなたは菜々子ちゃんの事を『菜々子ちゃん』、美々子さんの事を『美々子』と呼び捨てしていましたね。
確かに美々子さんは既に小学校高学年、ちゃん付するにはどうかという年齢かもしれませんが昔馴染みだというあなたが…
姉妹の片方をあえて呼び捨てにする理由、その理由がわかったのですよ!
水沼美々子の父親はあなたですね!青木さん!」
青木「…」
その途端、彼の顔から笑みが消えた。
まるで今まで被っていた道化の仮面を外したかのように青木の顔から表情は消えたのだ。
青木「…」
右京が告げた真実に青木は否定するでも肯定するでもなくただ黙って沈黙していた…
その沈黙の中ようやく重い口を開いた。
青木「何故僕がそんな事をしなければならないんだ?」
右京「一つ可能性があります、最初にあなたに水沼一家についてお尋ねした時の事です。
あなたは菜々子ちゃんの事を『菜々子ちゃん』、美々子さんの事を『美々子』と呼び捨てしていましたね。
確かに美々子さんは既に小学校高学年、ちゃん付するにはどうかという年齢かもしれませんが昔馴染みだというあなたが…
姉妹の片方をあえて呼び捨てにする理由、その理由がわかったのですよ!
水沼美々子の父親はあなたですね!青木さん!」
青木「…」
その途端、彼の顔から笑みが消えた。
まるで今まで被っていた道化の仮面を外したかのように青木の顔から表情は消えたのだ。
132: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 07:23:47.39 :ESJIi1d+0
亀山「それだけじゃないでしょ、NPOにも問い合わせました。
あなたは今から20年前、医師免許習得後にお父さんに半ば強制的に台湾に行かされましたね。
そこである地域に派遣された、そこは…」
青木「侯硐…昔は炭鉱で賑わっていた小さな村ですよ…」
かつて彼も侯硐に行った事がある、その事実を告げても驚きもしない青木。
しかし右京たちには…
右京「実は僕たちは先日その村に行きましてね…
李麗…憶えてますよね…彼女もまたあなたの娘なのですから!!
そして今日はある物を持ってきました、李麗の骨壺です。
台湾にいる李麗の肉親が亡くなった今、唯一の親族であるあなたに渡すのが一番かと思い持って来た次第です。」
青木「!?」
その言葉に今まで沈黙を守ってきた青木の表情が曇っていく…
亀山「それだけじゃないでしょ、NPOにも問い合わせました。
あなたは今から20年前、医師免許習得後にお父さんに半ば強制的に台湾に行かされましたね。
そこである地域に派遣された、そこは…」
青木「侯硐…昔は炭鉱で賑わっていた小さな村ですよ…」
かつて彼も侯硐に行った事がある、その事実を告げても驚きもしない青木。
しかし右京たちには…
右京「実は僕たちは先日その村に行きましてね…
李麗…憶えてますよね…彼女もまたあなたの娘なのですから!!
そして今日はある物を持ってきました、李麗の骨壺です。
台湾にいる李麗の肉親が亡くなった今、唯一の親族であるあなたに渡すのが一番かと思い持って来た次第です。」
青木「!?」
その言葉に今まで沈黙を守ってきた青木の表情が曇っていく…
133: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 07:24:35.09 :ESJIi1d+0
青木「何故それを…知っている…!?」
右京「僕たちが侯硐に行った時、高淑梅さんから聞かされました。
『李麗の母親は日本人の医者の子供を生んだ!』とね。」
青木「あの婆さん…まだ生きていたんですか…
まったく…何で世の中…憎まれた者ばかり長生きするのやら…」
高淑梅の事を嫌悪感丸出しで語る青木。
かつて二人は侯硐においてそれだけの確執があった…
右京「それに…証拠はもう一つあります。ぬいぐるみです。
あのぬいぐるみ…菜々子ちゃんが持っていたぬいぐるみと同じ物でした。
二つとも中にオルゴールが内蔵されていたタイプですね。
菜々子ちゃんから話を聞きましたよ、あのぬいぐるみは美々子さんが生まれた時にあなたが誕生祝にプレゼントなされた物だとか…」
青木「あぁ…そうだ…あれは僕が二人の娘にプレゼントした物だ…
せめてあのぬいぐるみを二人が姉妹だという数少ない証拠にしたかったんだ…」
亀山「まさかあのぬいぐるみにそんな意味があったなんて…」
青木「何故それを…知っている…!?」
右京「僕たちが侯硐に行った時、高淑梅さんから聞かされました。
『李麗の母親は日本人の医者の子供を生んだ!』とね。」
青木「あの婆さん…まだ生きていたんですか…
まったく…何で世の中…憎まれた者ばかり長生きするのやら…」
高淑梅の事を嫌悪感丸出しで語る青木。
かつて二人は侯硐においてそれだけの確執があった…
右京「それに…証拠はもう一つあります。ぬいぐるみです。
あのぬいぐるみ…菜々子ちゃんが持っていたぬいぐるみと同じ物でした。
二つとも中にオルゴールが内蔵されていたタイプですね。
菜々子ちゃんから話を聞きましたよ、あのぬいぐるみは美々子さんが生まれた時にあなたが誕生祝にプレゼントなされた物だとか…」
青木「あぁ…そうだ…あれは僕が二人の娘にプレゼントした物だ…
せめてあのぬいぐるみを二人が姉妹だという数少ない証拠にしたかったんだ…」
亀山「まさかあのぬいぐるみにそんな意味があったなんて…」
134: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 07:25:03.18 :ESJIi1d+0
その意味に思わず驚く亀山、だが驚愕な事実はそれだけではなかった…
右京「しかし李麗があなたの娘であるとひとつだけ腑に落ちない疑問が残ります!
それは李麗が拷問をされたかの如く死んだ時です。
あなたは親だというのに何処で何をしていたのでしょうかね?
しかしその問題は解決させてくれました、あなたが医者である事が全ての謎を解決してくれたのですよ!」
右京は青木の前で真実を語ろうとする、だが…
青木「もういい…やめてくれ…」
思わず彼はやめてくれと呟き始めた、しかしそんな彼の言葉をまるで無視するかのように右京は話を進めていく。
その意味に思わず驚く亀山、だが驚愕な事実はそれだけではなかった…
右京「しかし李麗があなたの娘であるとひとつだけ腑に落ちない疑問が残ります!
それは李麗が拷問をされたかの如く死んだ時です。
あなたは親だというのに何処で何をしていたのでしょうかね?
しかしその問題は解決させてくれました、あなたが医者である事が全ての謎を解決してくれたのですよ!」
右京は青木の前で真実を語ろうとする、だが…
青木「もういい…やめてくれ…」
思わず彼はやめてくれと呟き始めた、しかしそんな彼の言葉をまるで無視するかのように右京は話を進めていく。
135: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:12:42.63 :ESJIi1d+0
右京「思えば発見された李麗の遺体には口と瞼に縫合された痕がありました。
その縫合をある医師の方に診てもらったところ、この縫合は医術に覚えのある者が行った事がわかりました。
それと…亀山くん、先日こちらの青木院長に縫合して頂いた腕の治療痕を見せてください。」
亀山「わかりました!」
亀山は右京と青木の前で腕の治療痕を見せる。
それと同じく右京も李麗の死体の写真、それも縫ってあった部分の写真を青木に見せつけた。
青木「もう…やめてくれ!」
右京「いいえ、やめませんよ!重要な事なのですから!
僕の知り合いの医師によると医者の縫合とはそれぞれ特徴があるようですね。
以前にも言いましたが女結び、男結び、外科結びと外科医の癖によって色々なバリエーションがあるようですね。
詳しい説明は医師であるあなたの手前、省きますが亀山くんと李麗の結紮してある部分が全て女結びでした。
この事から最悪な真実が判明しました!」
青木「やめろー!言わないでくれぇぇぇぇ!?」
青木は右京に向かいその最悪な真実を言わないでくれと頼んだ。
しかし、右京はそれでもあえてその真実を告げてみせた!
右京「思えば発見された李麗の遺体には口と瞼に縫合された痕がありました。
その縫合をある医師の方に診てもらったところ、この縫合は医術に覚えのある者が行った事がわかりました。
それと…亀山くん、先日こちらの青木院長に縫合して頂いた腕の治療痕を見せてください。」
亀山「わかりました!」
亀山は右京と青木の前で腕の治療痕を見せる。
それと同じく右京も李麗の死体の写真、それも縫ってあった部分の写真を青木に見せつけた。
青木「もう…やめてくれ!」
右京「いいえ、やめませんよ!重要な事なのですから!
僕の知り合いの医師によると医者の縫合とはそれぞれ特徴があるようですね。
以前にも言いましたが女結び、男結び、外科結びと外科医の癖によって色々なバリエーションがあるようですね。
詳しい説明は医師であるあなたの手前、省きますが亀山くんと李麗の結紮してある部分が全て女結びでした。
この事から最悪な真実が判明しました!」
青木「やめろー!言わないでくれぇぇぇぇ!?」
青木は右京に向かいその最悪な真実を言わないでくれと頼んだ。
しかし、右京はそれでもあえてその真実を告げてみせた!
136: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:13:23.59 :ESJIi1d+0
右京「いいえ、敢えて言わせて頂きます!
11年前、侯硐の坑道で李麗は…医師であり、そして実の父親である青木周作さん!
あなたによって生きたまま眼球を抉り取られ、そして瞼と口を縫わされてしまったのですよ!!」
右京「いいえ、敢えて言わせて頂きます!
11年前、侯硐の坑道で李麗は…医師であり、そして実の父親である青木周作さん!
あなたによって生きたまま眼球を抉り取られ、そして瞼と口を縫わされてしまったのですよ!!」
137: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:13:57.88 :ESJIi1d+0
青木「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
右京が青木に真実を告げたと同時に、屋上に青木の絶叫が響いた。
そして彼は語り出した、忌まわしい過去の出来事を…
青木「今から20年ほど前…医師免許を得た僕は本当に世間知らずを絵に描いたような人間だった…
親父はそんな僕を鍛えるためだとか言って海外のNPOの紹介で台湾の侯硐に派遣させた…
そして現地で出会った娘と付き合い…李麗が生まれた…
まさか僕のような人間に子供が出来るとは思わなかった…人並みに嬉しかったさ!
李麗の母親はあの子が幼い頃死んでしまった…だから僕があの子を育てた…
恐らく人生で一番幸せだったのはあの時だったはずだよ…
けど村人たちは李麗を毛嫌いしていた…あの子が何か悪い事をしたのか!?
いいや…何もしちゃいない!それなのにあいつらは…」
右京「公害を李麗の所為だと言って罪を擦り付けた。
しかし李麗の瞼や口を閉じらせるにはそれなりの医療経験のある者が必要だった、そこで選ばれたのが…」
青木「そうさ、僕だよ!ヤツらは僕に…李麗の目を抉り取らせそして…瞼と口を縫わせて生き地獄を与えたんだ!
忌まわしいヤツラだ…しかし村人全員を相手に僕一人で立ち向かえるわけがない…
僕は李麗の両眼が入った瓶を抱えてそのまま逃げるように村を立ち去った…
ちなみにその後村人が壊滅したという話を聞いたがもうそんな事はどうでもよかった…」
青木「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
右京が青木に真実を告げたと同時に、屋上に青木の絶叫が響いた。
そして彼は語り出した、忌まわしい過去の出来事を…
青木「今から20年ほど前…医師免許を得た僕は本当に世間知らずを絵に描いたような人間だった…
親父はそんな僕を鍛えるためだとか言って海外のNPOの紹介で台湾の侯硐に派遣させた…
そして現地で出会った娘と付き合い…李麗が生まれた…
まさか僕のような人間に子供が出来るとは思わなかった…人並みに嬉しかったさ!
李麗の母親はあの子が幼い頃死んでしまった…だから僕があの子を育てた…
恐らく人生で一番幸せだったのはあの時だったはずだよ…
けど村人たちは李麗を毛嫌いしていた…あの子が何か悪い事をしたのか!?
いいや…何もしちゃいない!それなのにあいつらは…」
右京「公害を李麗の所為だと言って罪を擦り付けた。
しかし李麗の瞼や口を閉じらせるにはそれなりの医療経験のある者が必要だった、そこで選ばれたのが…」
青木「そうさ、僕だよ!ヤツらは僕に…李麗の目を抉り取らせそして…瞼と口を縫わせて生き地獄を与えたんだ!
忌まわしいヤツラだ…しかし村人全員を相手に僕一人で立ち向かえるわけがない…
僕は李麗の両眼が入った瓶を抱えてそのまま逃げるように村を立ち去った…
ちなみにその後村人が壊滅したという話を聞いたがもうそんな事はどうでもよかった…」
138: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:14:29.07 :ESJIi1d+0
右京「そしてあなたは日本へ戻ってきた。」
青木「日本に戻ってきてからの僕は抜け殻だったよ。
その頃だったかな、小林賢三の手術ミスをしたのは…そんな時だった、マリエと出会ったのは…」
亀山「じゃあマリエさんとアンタは付き合ってたのか?」
青木「そうさ、マリエのおかげで僕は立ち直れた。
そして子供も妊娠して彼女と結婚しようと親父に報告しようとした時だ。
親父のヤツ何をしたと思う?」
青木はまるでクイズ番組のように面白がっていた。
その光景を見て右京と亀山は逆に切なさを感じるがそれでも敢えて右京は答えた。
右京「そしてあなたは日本へ戻ってきた。」
青木「日本に戻ってきてからの僕は抜け殻だったよ。
その頃だったかな、小林賢三の手術ミスをしたのは…そんな時だった、マリエと出会ったのは…」
亀山「じゃあマリエさんとアンタは付き合ってたのか?」
青木「そうさ、マリエのおかげで僕は立ち直れた。
そして子供も妊娠して彼女と結婚しようと親父に報告しようとした時だ。
親父のヤツ何をしたと思う?」
青木はまるでクイズ番組のように面白がっていた。
その光景を見て右京と亀山は逆に切なさを感じるがそれでも敢えて右京は答えた。
139: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:25:37.99 :ESJIi1d+0
右京「恐らくあなたのお父様はマリエさんに多額の示談金を渡されたのでしょうね。
以前もお聞きしましたがあなたのお父様は成り上がりで世間体を気になさる方だとか…
そのような方が名家の令嬢でもない女性と付き合うのは言語道断だとでも言われたのではないですか?」
亀山「そういえば!以前年配の看護師さんもマリエさんに多額の退職金が支払われたって言ってましたよね!」
青木「正解だよ杉下さん!さすがは何でも知ってるね!」
亀山「それじゃアンタは父親に結婚を認められなかったのか?」
青木「そうだよ、僕は親父に結婚を認めらてもらえなかった…
そしてマリエも結婚できないのならとその多額の示談金を受け取り病院を辞めて行った…
そして2年前、親父が死んで僕は院長になった。
僕は今度こそと思いマリエと結婚しようと彼女を一目の付かないあの旧病院に呼び出した。
だが…」
右京「恐らくあなたのお父様はマリエさんに多額の示談金を渡されたのでしょうね。
以前もお聞きしましたがあなたのお父様は成り上がりで世間体を気になさる方だとか…
そのような方が名家の令嬢でもない女性と付き合うのは言語道断だとでも言われたのではないですか?」
亀山「そういえば!以前年配の看護師さんもマリエさんに多額の退職金が支払われたって言ってましたよね!」
青木「正解だよ杉下さん!さすがは何でも知ってるね!」
亀山「それじゃアンタは父親に結婚を認められなかったのか?」
青木「そうだよ、僕は親父に結婚を認めらてもらえなかった…
そしてマリエも結婚できないのならとその多額の示談金を受け取り病院を辞めて行った…
そして2年前、親父が死んで僕は院長になった。
僕は今度こそと思いマリエと結婚しようと彼女を一目の付かないあの旧病院に呼び出した。
だが…」
140: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:27:04.10 :ESJIi1d+0
右京「今度は彼女自身から断られてしまった…」
青木「そうさ…彼女は結婚を考えている男がいると言って僕の前から去ろうとした…
その時だった…あの死の着信を受けてマリエが死んだ…
携帯電話を見て僕はこれが美々子の仕業であると確信した!
もしも美々子が殺したとするなら父親として…その罪を暴かせるわけにはいかなかった…
そこでマリエの死体を以前から隠していた李麗の両眼が入った瓶と一緒にあの廃墟内に隠してたんだ…
せめて死の着信が止むまで隠せればと思っていたが…」
右京「なるほど、あなたがここ最近携帯電話を買い替えていたのは美々子さんの死の着信に怯えていたからですね。
目の前で死の着信の恐怖を知ったからこそ警戒して何度も携帯電話を変えて番号を特定されないようにしていた…
そういう事だったのですね!」
青木「フフ、娘二人に先立たれて自殺する勇気も無い惨めな男だ。
笑ってくれても構わないよ…まったく何なんだろうかね僕の人生…それに美々子や李麗の人生は…
何が悪かったんだ…?誰を恨めばいい…?
あの村の連中か?僕を台湾に送り込みそしてマリエとの結婚を反対した親父か?
教えてくれ…僕は一体誰を恨めばいいんだ!?」
右京「今度は彼女自身から断られてしまった…」
青木「そうさ…彼女は結婚を考えている男がいると言って僕の前から去ろうとした…
その時だった…あの死の着信を受けてマリエが死んだ…
携帯電話を見て僕はこれが美々子の仕業であると確信した!
もしも美々子が殺したとするなら父親として…その罪を暴かせるわけにはいかなかった…
そこでマリエの死体を以前から隠していた李麗の両眼が入った瓶と一緒にあの廃墟内に隠してたんだ…
せめて死の着信が止むまで隠せればと思っていたが…」
右京「なるほど、あなたがここ最近携帯電話を買い替えていたのは美々子さんの死の着信に怯えていたからですね。
目の前で死の着信の恐怖を知ったからこそ警戒して何度も携帯電話を変えて番号を特定されないようにしていた…
そういう事だったのですね!」
青木「フフ、娘二人に先立たれて自殺する勇気も無い惨めな男だ。
笑ってくれても構わないよ…まったく何なんだろうかね僕の人生…それに美々子や李麗の人生は…
何が悪かったんだ…?誰を恨めばいい…?
あの村の連中か?僕を台湾に送り込みそしてマリエとの結婚を反対した親父か?
教えてくれ…僕は一体誰を恨めばいいんだ!?」
141: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:28:00.23 :ESJIi1d+0
誰を恨めばいいのか…そんな事を右京と亀山に聞く青木。
そんなふざけた質問に対して亀山は青木の胸ぐらを掴みこう言った。
亀山「誰の所為でもないよ…アンタ自身の所為だ!
アンタが死ぬ気で子供を庇って…そして親父さんの反対なんか押し切って結婚でもすれば誰も不幸にはならずにすんだんだ!
マリエさんがアンタと結婚しなかったのもわかる気がするよ、アンタのその頼りなさが…
マリエさんは不安になっちまった!だから結婚に踏み切れなかったんだ!」
青木「その僕の不甲斐無さの所為で子供たちは殺人鬼に…か…
クク…本当に誰も報われない話だよ…」
自分の至らなさが我が子を殺人鬼にさせた、しかし右京はその考えを否定する。
誰を恨めばいいのか…そんな事を右京と亀山に聞く青木。
そんなふざけた質問に対して亀山は青木の胸ぐらを掴みこう言った。
亀山「誰の所為でもないよ…アンタ自身の所為だ!
アンタが死ぬ気で子供を庇って…そして親父さんの反対なんか押し切って結婚でもすれば誰も不幸にはならずにすんだんだ!
マリエさんがアンタと結婚しなかったのもわかる気がするよ、アンタのその頼りなさが…
マリエさんは不安になっちまった!だから結婚に踏み切れなかったんだ!」
青木「その僕の不甲斐無さの所為で子供たちは殺人鬼に…か…
クク…本当に誰も報われない話だよ…」
自分の至らなさが我が子を殺人鬼にさせた、しかし右京はその考えを否定する。
142: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:28:44.10 :ESJIi1d+0
右京「あの子たちは本来殺人鬼などではなかったはずですよ。
そもそも何故携帯電話を使った殺人が行われていたと思いますか?
それは…当時あなたが持っていた携帯電話を李麗が見ていたのでしょう。
だから李麗は父親を探すためにあの電波塔を利用して父親であるあなたを探すとした!」
亀山「待ってください、それだと美々子が警視庁のデータバンクにアクセスしていたのは…」
右京「そうですよ、彼女たちは連続殺人を犯したかったわけではありません!
父親である青木周作さん、あなたを探していたのですよ!!」
青木「そんな…あの子たちは…僕を…うわぁぁぁぁぁぁ!!??」
青木は右京と亀山が見ている前で恥ずかしげもなく号泣していた。
自分の過ちがこのような悲劇に発展するなど最早償う事すら出来ないのだから…
右京「あの子たちは本来殺人鬼などではなかったはずですよ。
そもそも何故携帯電話を使った殺人が行われていたと思いますか?
それは…当時あなたが持っていた携帯電話を李麗が見ていたのでしょう。
だから李麗は父親を探すためにあの電波塔を利用して父親であるあなたを探すとした!」
亀山「待ってください、それだと美々子が警視庁のデータバンクにアクセスしていたのは…」
右京「そうですよ、彼女たちは連続殺人を犯したかったわけではありません!
父親である青木周作さん、あなたを探していたのですよ!!」
青木「そんな…あの子たちは…僕を…うわぁぁぁぁぁぁ!!??」
青木は右京と亀山が見ている前で恥ずかしげもなく号泣していた。
自分の過ちがこのような悲劇に発展するなど最早償う事すら出来ないのだから…
143: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:30:18.01 :ESJIi1d+0
右京「青木さん、僕たちはあなたを裁く事は出来ません。
あなたが李麗に行った違法な行為は罪に問えないからですよ。」
亀山「それはどういう事なんですか?だって11年前ならまだ時効が…」
右京「李麗が亡くなったのは台湾です。
しかし日本は台湾と犯罪人引渡し条約を結んではいません。」
亀山「犯罪人引渡し条約?」
犯罪人引渡し条約、国外に逃亡した犯罪容疑者の引き渡しに関する国際条約である。
現在日本ではこの条約を韓国とだけしか結んでいない。
それと余談であるが後に右京も亀山が警察を辞めた直後にこの国際条約に纏わる事件と関わる事になる。
青木「僕が社会的に追及される罪なんてマリエの死体隠匿くらいだろ…
初犯が付けば書類送検だけですまされてしまうかもしれんしな…」
あっけらかんとした態度を取る青木、そんな青木に詰め寄ろとする亀山であったが…
右京「青木さん、僕たちはあなたを裁く事は出来ません。
あなたが李麗に行った違法な行為は罪に問えないからですよ。」
亀山「それはどういう事なんですか?だって11年前ならまだ時効が…」
右京「李麗が亡くなったのは台湾です。
しかし日本は台湾と犯罪人引渡し条約を結んではいません。」
亀山「犯罪人引渡し条約?」
犯罪人引渡し条約、国外に逃亡した犯罪容疑者の引き渡しに関する国際条約である。
現在日本ではこの条約を韓国とだけしか結んでいない。
それと余談であるが後に右京も亀山が警察を辞めた直後にこの国際条約に纏わる事件と関わる事になる。
青木「僕が社会的に追及される罪なんてマリエの死体隠匿くらいだろ…
初犯が付けば書類送検だけですまされてしまうかもしれんしな…」
あっけらかんとした態度を取る青木、そんな青木に詰め寄ろとする亀山であったが…
144: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:31:34.73 :ESJIi1d+0
亀山「おいアンタ!いい加減に…」
その時、亀山に対して青木は自分が持っていた美々子の骨壺を渡した。
青木「しばらく僕は…警察にお世話にならなきゃいけない…
だから少しその骨壺を預かっていてくれないか…頼むよ…」
亀山「あぁ…わかった…」
右京「さ、亀山くん行きましょう。」
二人は美々子と李麗の骨壺を持ってそのまま黙って青木の前から立ち去った。
唯一人その場で立ち尽くす青木、そんな彼の前に一人の男が現れる…
亀山「おいアンタ!いい加減に…」
その時、亀山に対して青木は自分が持っていた美々子の骨壺を渡した。
青木「しばらく僕は…警察にお世話にならなきゃいけない…
だから少しその骨壺を預かっていてくれないか…頼むよ…」
亀山「あぁ…わかった…」
右京「さ、亀山くん行きましょう。」
二人は美々子と李麗の骨壺を持ってそのまま黙って青木の前から立ち去った。
唯一人その場で立ち尽くす青木、そんな彼の前に一人の男が現れる…
145: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:32:58.73 :ESJIi1d+0
青木「患者さんですか?
診療室は1階ですよ、こんな屋上に何の御用ですか?」
そんな冗談めいた言葉を男に言う青木、だが次の瞬間…
((ドスッ!))
青木「ぐはっ!?」
男が持っていたナイフに刺される青木、そのナイフを刺した相手は…
藤枝「アハハハハ!やった!殺せた!こいつの所為だ、こいつの所為で俺は…テレビ局をクビにされたんだ!」
青木を刺したのは東西テレビをクビになった藤枝であった。
彼は青木を刺すとまるで高笑いして狂ったように飛び上がるように舞い上がっていた!
青木「な…何故だ?」
藤枝「教えてやろうか?俺はなぁ……」
青木「な…何!?」
青木「患者さんですか?
診療室は1階ですよ、こんな屋上に何の御用ですか?」
そんな冗談めいた言葉を男に言う青木、だが次の瞬間…
((ドスッ!))
青木「ぐはっ!?」
男が持っていたナイフに刺される青木、そのナイフを刺した相手は…
藤枝「アハハハハ!やった!殺せた!こいつの所為だ、こいつの所為で俺は…テレビ局をクビにされたんだ!」
青木を刺したのは東西テレビをクビになった藤枝であった。
彼は青木を刺すとまるで高笑いして狂ったように飛び上がるように舞い上がっていた!
青木「な…何故だ?」
藤枝「教えてやろうか?俺はなぁ……」
青木「な…何!?」
146: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:35:41.75 :ESJIi1d+0
藤枝からある事実を聞かされ驚愕する青木、しかし藤枝はそんな事を気にもせずに屋上の手すりに登りそこから…飛び落ちようとした!
藤枝「ざまぁみろ!!」
((グシャッ!))
そして屋上から飛び落ちた藤枝、その場で血塗れに倒れていた青木はある事を呟いていた…
青木「親父…やはり…僕は医者に向いてなかったよ…」
その時、青木が落とした携帯からある着信音が流れる。
♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫
今まではこの曲に脅えて生きていた。
しかし今となってはまるで安らかな子守歌のような…そんな居心地さえ感じる…
そう思いながら彼はそっと目を閉じた…
藤枝からある事実を聞かされ驚愕する青木、しかし藤枝はそんな事を気にもせずに屋上の手すりに登りそこから…飛び落ちようとした!
藤枝「ざまぁみろ!!」
((グシャッ!))
そして屋上から飛び落ちた藤枝、その場で血塗れに倒れていた青木はある事を呟いていた…
青木「親父…やはり…僕は医者に向いてなかったよ…」
その時、青木が落とした携帯からある着信音が流れる。
♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫ ♪ ♬ ♫
今まではこの曲に脅えて生きていた。
しかし今となってはまるで安らかな子守歌のような…そんな居心地さえ感じる…
そう思いながら彼はそっと目を閉じた…
147: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:37:30.73 :ESJIi1d+0
~花の里~
右京「そうですか、どうもありがとう。
伊丹さんからです、青木周作の死亡が確認されました…」
亀山「クソッ!」
美和子「藤枝も即死だったし…何か後味悪い事件だよね…」
伊丹から青木の死亡報告を聞く右京。
その報告を聞いて苛立つ亀山、結局この事件の関係者で報われた者は一人としていなかった…
美和子「あの天道白水って霊媒師ですけどあの後記者会見でバラエティ番組で使用されていた
タライが落っこちて当たり所が悪くて亡くなったとか…
まさかこれ死の着信の影響じゃないですよね?」
右京「さぁ、どうでしょうかね。」
~花の里~
右京「そうですか、どうもありがとう。
伊丹さんからです、青木周作の死亡が確認されました…」
亀山「クソッ!」
美和子「藤枝も即死だったし…何か後味悪い事件だよね…」
伊丹から青木の死亡報告を聞く右京。
その報告を聞いて苛立つ亀山、結局この事件の関係者で報われた者は一人としていなかった…
美和子「あの天道白水って霊媒師ですけどあの後記者会見でバラエティ番組で使用されていた
タライが落っこちて当たり所が悪くて亡くなったとか…
まさかこれ死の着信の影響じゃないですよね?」
右京「さぁ、どうでしょうかね。」
148: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:38:06.19 :ESJIi1d+0
亀山「それにしても驚きましたよ、まさか藤枝が菜々子ちゃんの父親だったなんて…」
右京「恋愛とは不可思議なモノですねぇ、こればかりは理解の範疇を超えますよ。
水沼マリエはやはり山下律子が診断する通り、良い母親ではなかったのでしょうか?」
亀山「いや、俺はそうは思いませんよ。
彼女は死んでもなお俺に美々子や李麗の身を託して子供たちの事を案じていました。
そんな女性が子供を蔑にしてただなんて俺には思えません!」
右京「そうですか…そうですね、そう思いましょう。」
そう納得しようとする右京、そして美和子も今回の事件である決意を固めていた。
亀山「それにしても驚きましたよ、まさか藤枝が菜々子ちゃんの父親だったなんて…」
右京「恋愛とは不可思議なモノですねぇ、こればかりは理解の範疇を超えますよ。
水沼マリエはやはり山下律子が診断する通り、良い母親ではなかったのでしょうか?」
亀山「いや、俺はそうは思いませんよ。
彼女は死んでもなお俺に美々子や李麗の身を託して子供たちの事を案じていました。
そんな女性が子供を蔑にしてただなんて俺には思えません!」
右京「そうですか…そうですね、そう思いましょう。」
そう納得しようとする右京、そして美和子も今回の事件である決意を固めていた。
149: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:39:29.18 :ESJIi1d+0
美和子「私…今回の事件…発端になったエリセ化粧品の本を書こうと思うんです!
私に出来るのは真実を公表する事ですから…
こんな悲劇を繰り返したくないためにもっとエリセ化粧品の取材を続けて今回のノンフィクションの本を出そうかなって…
タイトルはもう決めてるんだ!『沈黙の森』ってね。」
亀山「沈黙の森かぁ、そういえばあの侯硐って人気が無かったから随分と森が生い茂っていたよな!
避暑地としちゃ最高かな?」
右京「しかし帝都新聞社にいる間はそのような一企業を批判するような本を出せるのですか?
帝都新聞の上層部から許可が下りないと思いますが…」
美和子「たぶんそうなるかもしれませんね、だから…いずれは帝都新聞を辞めてフリージャーナリストになろうかと決めてるんです。
そうすれば今まで以上に好きな事バンバン書けるから!」
そんな将来の展望を目を輝かせて語る美和子、そんな影響を受けたのか亀山も…
美和子「私…今回の事件…発端になったエリセ化粧品の本を書こうと思うんです!
私に出来るのは真実を公表する事ですから…
こんな悲劇を繰り返したくないためにもっとエリセ化粧品の取材を続けて今回のノンフィクションの本を出そうかなって…
タイトルはもう決めてるんだ!『沈黙の森』ってね。」
亀山「沈黙の森かぁ、そういえばあの侯硐って人気が無かったから随分と森が生い茂っていたよな!
避暑地としちゃ最高かな?」
右京「しかし帝都新聞社にいる間はそのような一企業を批判するような本を出せるのですか?
帝都新聞の上層部から許可が下りないと思いますが…」
美和子「たぶんそうなるかもしれませんね、だから…いずれは帝都新聞を辞めてフリージャーナリストになろうかと決めてるんです。
そうすれば今まで以上に好きな事バンバン書けるから!」
そんな将来の展望を目を輝かせて語る美和子、そんな影響を受けたのか亀山も…
150: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:40:01.85 :ESJIi1d+0
亀山「俺も…今回の事件で考えさせられました…
人を助けるにしても一警察官には限界があるんだなって…今回の事件…発端は理性を失った大人が原因じゃないっすか…
ちゃんとした大人がいれば李麗や美々子が死ぬ事は無かったはずだと思うんすよ!」
右京「確かに僕もそう思います、しかしそれは一警察官としては職務範囲を超えた話です。
それは警察官としてではなく別の道を歩まない限り無理な話なのでしょうね。」
亀山「別の道…」
この時、亀山は漠然とだが思ったのかもしれな…
警察官じゃない他の自分の人生について、後に彼が警察を辞める決心を固めたのはこの事件がきっかけではないのだろうか…
亀山「俺も…今回の事件で考えさせられました…
人を助けるにしても一警察官には限界があるんだなって…今回の事件…発端は理性を失った大人が原因じゃないっすか…
ちゃんとした大人がいれば李麗や美々子が死ぬ事は無かったはずだと思うんすよ!」
右京「確かに僕もそう思います、しかしそれは一警察官としては職務範囲を超えた話です。
それは警察官としてではなく別の道を歩まない限り無理な話なのでしょうね。」
亀山「別の道…」
この時、亀山は漠然とだが思ったのかもしれな…
警察官じゃない他の自分の人生について、後に彼が警察を辞める決心を固めたのはこの事件がきっかけではないのだろうか…
151: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:40:32.07 :ESJIi1d+0
しかしそんな話の最中にこの店の女主人である宮部たまきがある質問をした。
たまき「それで右京さん、この骨壺ですけどどうなさるんですか?」
右京「本来ならご遺族に渡すのが常です、ですが…」
亀山「彼女たちの親は既に亡くなってますからね…
唯一の親族となると今じゃ…菜々子ちゃんくらいですけど…あの子は幼いし…
でも青木が俺たちにこの骨壺を託したのってまさか死ぬのを予感してたからじゃ…?」
右京「そこまでは何とも言えませんが、さて…どうしたものでしょうかねぇ。」
右京たちは美々子と李麗の骨壺の処遇について頭を悩ませていた。
既に彼女たちの親族の殆どが他界している、唯一の生き残りである菜々子もまだ幼い…
どうしたものかと悩ませているとたまきがある妙案を持ち掛ける。
たまき「それなら…」
右京「はぃ?」
しかしそんな話の最中にこの店の女主人である宮部たまきがある質問をした。
たまき「それで右京さん、この骨壺ですけどどうなさるんですか?」
右京「本来ならご遺族に渡すのが常です、ですが…」
亀山「彼女たちの親は既に亡くなってますからね…
唯一の親族となると今じゃ…菜々子ちゃんくらいですけど…あの子は幼いし…
でも青木が俺たちにこの骨壺を託したのってまさか死ぬのを予感してたからじゃ…?」
右京「そこまでは何とも言えませんが、さて…どうしたものでしょうかねぇ。」
右京たちは美々子と李麗の骨壺の処遇について頭を悩ませていた。
既に彼女たちの親族の殆どが他界している、唯一の生き残りである菜々子もまだ幼い…
どうしたものかと悩ませているとたまきがある妙案を持ち掛ける。
たまき「それなら…」
右京「はぃ?」
152: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:41:46.81 :ESJIi1d+0
そして再び2013年11月13日
~花の里~
峯秋「急に飯でも食おうかだなんて驚いただろうね。」
右京「えぇ、少し。」
峯秋「なんだかもう一度この店に来たくなってね。」
一連の話を終えた右京は、カイトと入れ替わりで現れた彼の父親であり警察庁の甲斐峯秋次長とこの花の里で食事を楽しんでいた。
そんな中で、甲斐次長は自分の息子であるカイトの近況について右京に聞いてみた。
そして再び2013年11月13日
~花の里~
峯秋「急に飯でも食おうかだなんて驚いただろうね。」
右京「えぇ、少し。」
峯秋「なんだかもう一度この店に来たくなってね。」
一連の話を終えた右京は、カイトと入れ替わりで現れた彼の父親であり警察庁の甲斐峯秋次長とこの花の里で食事を楽しんでいた。
そんな中で、甲斐次長は自分の息子であるカイトの近況について右京に聞いてみた。
153: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:42:15.42 :ESJIi1d+0
峯秋「あいつもよくここに来るのかね?」
右京「僕と時々。」
幸子「良い息子さんですよね、お父さまと同じ道を選ばれて…
今時な中々ありませんよね。」
甲斐次長の前でカイトを褒める幸子、だが甲斐次長はというと…
峯秋「何故だろうね?」
右京「はぃ?」
峯秋「何故あいつは警察官に拘るんだ?まぁ大方私への嫌がらせのつもりだろうがね…」
カイトが警察官になったのが自分への嫌がらせだと語る甲斐次長、だが右京の答えは違った。
右京「それは違うと思いますが。」
峯秋「違う?」
右京「えぇ、違うと思います。」
峯秋「あいつもよくここに来るのかね?」
右京「僕と時々。」
幸子「良い息子さんですよね、お父さまと同じ道を選ばれて…
今時な中々ありませんよね。」
甲斐次長の前でカイトを褒める幸子、だが甲斐次長はというと…
峯秋「何故だろうね?」
右京「はぃ?」
峯秋「何故あいつは警察官に拘るんだ?まぁ大方私への嫌がらせのつもりだろうがね…」
カイトが警察官になったのが自分への嫌がらせだと語る甲斐次長、だが右京の答えは違った。
右京「それは違うと思いますが。」
峯秋「違う?」
右京「えぇ、違うと思います。」
154: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:43:32.19 :ESJIi1d+0
そして右京は先ほどカイトが自分の前で警察官を目指した本当の理由について甲斐次長。
その言葉を聞き、面白げに笑った。
その笑みがカイトを嘲笑うものなどではなく、まるで蛙の子は蛙だなとそのような笑みであった…
そんな時、右京は思い出したかのように幸子にある事を頼んだ。
右京「幸子さん、そちらの上の戸棚を少し開けて頂けませんか?」
幸子「はい。」
幸子が戸棚を開けるとそこには二つの位牌と骨壺が置いてあった。
それはかつての事件で亡くなった水沼美々子と李麗の骨壺。
実はあの事件の後、たまきの厚意によりこの店に二人の骨壺が置かれたのだ。
そして右京は先ほどカイトが自分の前で警察官を目指した本当の理由について甲斐次長。
その言葉を聞き、面白げに笑った。
その笑みがカイトを嘲笑うものなどではなく、まるで蛙の子は蛙だなとそのような笑みであった…
そんな時、右京は思い出したかのように幸子にある事を頼んだ。
右京「幸子さん、そちらの上の戸棚を少し開けて頂けませんか?」
幸子「はい。」
幸子が戸棚を開けるとそこには二つの位牌と骨壺が置いてあった。
それはかつての事件で亡くなった水沼美々子と李麗の骨壺。
実はあの事件の後、たまきの厚意によりこの店に二人の骨壺が置かれたのだ。
155: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:44:24.34 :ESJIi1d+0
峯秋「この骨壺は何だね?」
右京「これはとある事件で不幸な死を遂げた二人の少女の骨壺です。
あのまま無縁仏で処分するのもどうかと思い、このお店の前の女将の厚意でこちらに置いてもらっています。」
峯秋「なるほど、それは不幸な事だ。」
飲んでいた酒を手元に置き、手を合わせ供養する峯秋。
そんな彼に対して右京はある忠告を彼に促した。
右京「実はこの少女たちの骨壺を甲斐次長に見せたのにはひとつ、理由があります。
彼女たちは共に親に恵まれなかった…
いえ、もしかしたら親とわかりあえる機会があったのかもしれません。
その所為で二人は不幸な死を遂げてしまった…ですが次長、あなたたちは…」
右京の言葉を聞き、何故今回右京が自分の申し出に応じてくれたのか甲斐次長もようやく察しがついた。
峯秋「なるほど、キミが今回呼んだのは私と倅の仲を…
よしてくれ、もうお互い関係は修復できるとは思ってはいない…だが…
それでもヤツが警察官としての道を歩むのなら…好きにやればいい…
私は…好きに出来なかったのでね…」
その言葉を聞き、少し安堵の笑みを浮かべる右京。
まだ少しではあるがカイトを認めつつあるのだという確信が得られたのだから…
峯秋「この骨壺は何だね?」
右京「これはとある事件で不幸な死を遂げた二人の少女の骨壺です。
あのまま無縁仏で処分するのもどうかと思い、このお店の前の女将の厚意でこちらに置いてもらっています。」
峯秋「なるほど、それは不幸な事だ。」
飲んでいた酒を手元に置き、手を合わせ供養する峯秋。
そんな彼に対して右京はある忠告を彼に促した。
右京「実はこの少女たちの骨壺を甲斐次長に見せたのにはひとつ、理由があります。
彼女たちは共に親に恵まれなかった…
いえ、もしかしたら親とわかりあえる機会があったのかもしれません。
その所為で二人は不幸な死を遂げてしまった…ですが次長、あなたたちは…」
右京の言葉を聞き、何故今回右京が自分の申し出に応じてくれたのか甲斐次長もようやく察しがついた。
峯秋「なるほど、キミが今回呼んだのは私と倅の仲を…
よしてくれ、もうお互い関係は修復できるとは思ってはいない…だが…
それでもヤツが警察官としての道を歩むのなら…好きにやればいい…
私は…好きに出来なかったのでね…」
その言葉を聞き、少し安堵の笑みを浮かべる右京。
まだ少しではあるがカイトを認めつつあるのだという確信が得られたのだから…
156: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:45:20.78 :ESJIi1d+0
そんな彼らの前にもう一人訪ねてきた人物がいた。
神戸「お待たせしました、神戸尊ただいま到着しました。」
右京「おやおや神戸くん、キミも呼ばれていたのですか。」
遅れてやってきたのはかつてのもう一人の相棒である神戸尊。
どうやら彼も次長に呼ばれて今回やってきたのだが、何故遅れてきたのかというとそれには理由があった…
神戸「実は…先日、神田グループのトップ神田喜一氏が突然失踪してしまって…
それで警察庁で内密に調査する事になって、そしたら驚いた事にとんでもないところに彼がいたんですよ!」
峯秋「とんでもないとはどこにいたんだね?」
そんな彼らの前にもう一人訪ねてきた人物がいた。
神戸「お待たせしました、神戸尊ただいま到着しました。」
右京「おやおや神戸くん、キミも呼ばれていたのですか。」
遅れてやってきたのはかつてのもう一人の相棒である神戸尊。
どうやら彼も次長に呼ばれて今回やってきたのだが、何故遅れてきたのかというとそれには理由があった…
神戸「実は…先日、神田グループのトップ神田喜一氏が突然失踪してしまって…
それで警察庁で内密に調査する事になって、そしたら驚いた事にとんでもないところに彼がいたんですよ!」
峯秋「とんでもないとはどこにいたんだね?」
157: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:46:08.45 :ESJIi1d+0
神戸「それが東池袋の飲み屋ですよ!
しかも名字を『神田』から『神谷』に変えてそこのホステスの女性と夫婦同然の生活をして…
しかも施設から水沼菜々子という身寄りのない少女を引き取ったりともう僕にはわけがわかりませんね…
何で大企業のトップの座を蹴って場末の居酒屋で働くのやら…」
右京「なるほど、ようやく素直になれた訳ですね…」
神戸、峯秋「「?」」
どこか納得した表情で酒を一杯飲む右京。
事件が終わり、誰もが幸せになれた訳ではない。
しかしそれでも生き残った者たちには是非とも幸せな人生を歩んでほしいと心の底から願った…
完
神戸「それが東池袋の飲み屋ですよ!
しかも名字を『神田』から『神谷』に変えてそこのホステスの女性と夫婦同然の生活をして…
しかも施設から水沼菜々子という身寄りのない少女を引き取ったりともう僕にはわけがわかりませんね…
何で大企業のトップの座を蹴って場末の居酒屋で働くのやら…」
右京「なるほど、ようやく素直になれた訳ですね…」
神戸、峯秋「「?」」
どこか納得した表情で酒を一杯飲む右京。
事件が終わり、誰もが幸せになれた訳ではない。
しかしそれでも生き残った者たちには是非とも幸せな人生を歩んでほしいと心の底から願った…
完
158: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:50:00.78 :ESJIi1d+0
これにてこのSSは完結です。
読みやすいようにと二つにスレを分けたのですが逆に読みづらかったらすいません…
そして法解釈なんですが、今回かなりあやふやな面があるので話半分程度に思ってください
所詮SSですので、フィクションですので…
それと今回亀山さんとカイトくんを取り上げた所為で割を喰った神戸さん活躍させられなくてすんません…
さすがに神戸さんを活躍させる機会が無かった…
読みやすいようにと二つにスレを分けたのですが逆に読みづらかったらすいません…
そして法解釈なんですが、今回かなりあやふやな面があるので話半分程度に思ってください
所詮SSですので、フィクションですので…
それと今回亀山さんとカイトくんを取り上げた所為で割を喰った神戸さん活躍させられなくてすんません…
さすがに神戸さんを活躍させる機会が無かった…
159: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 08:59:16.62 :ESJIi1d+0
※補足
今回のSSで使用された原作の話です
若杉栄一:相棒シーズン2~3にかけて何度か登場しています。
>>81
相棒シーズン1 第11話右京撃たれる〜特命係15年目の真実
緊急対策特命係にまつわる話です
>>143
こちらで言われている事件は相棒シーズン7 第12話逃亡者
罪を犯した外国人が国外逃亡して逃げ得する話です。
>>149
相棒シーズン5 第7話空中の楼閣
美和子さんが後にエリセ化粧品の公害についてまとめたノンフィクションの本を出版しようとした事件です。
以上が今回本編から取り上げた話です。
今回のSSで使用された原作の話です
若杉栄一:相棒シーズン2~3にかけて何度か登場しています。
>>81
相棒シーズン1 第11話右京撃たれる〜特命係15年目の真実
緊急対策特命係にまつわる話です
>>143
こちらで言われている事件は相棒シーズン7 第12話逃亡者
罪を犯した外国人が国外逃亡して逃げ得する話です。
>>149
相棒シーズン5 第7話空中の楼閣
美和子さんが後にエリセ化粧品の公害についてまとめたノンフィクションの本を出版しようとした事件です。
以上が今回本編から取り上げた話です。
160: ◆jPpg5.obl6:2014/02/08(土) 09:29:16.94 :ESJIi1d+0
更に追記
>>116
こちらに出ていた官房長似の神原晶とは誰か…
これ実は去年放送されていたドクターXのドラマで官房長の中の人が演じていた人です。
つまり所謂特別出演でした。
>>116
こちらに出ていた官房長似の神原晶とは誰か…
これ実は去年放送されていたドクターXのドラマで官房長の中の人が演じていた人です。
つまり所謂特別出演でした。
161:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/02/08(土) 09:33:44.26 :899dfPVOo
乙でした
やはり、>>1の書く相棒ssは本当に素晴らしい
やはり、>>1の書く相棒ssは本当に素晴らしい
コメント 4
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右京さん流石っす
晶さんでててワロタwww