506:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 16:10:19.70 :LyBQRhwm0
――スクール隠れ家
洋榎「ロンや、8000ッ!!」ゴッ
憧「ふきゅ……!?」
哩「ふう、まくられたか」
憧「ご、ごめん……哩」
哩「いや、憧のせいやなかとよ」
洋榎「せや、ただうちが強いだけやっ!」
白望「さっきは三位だったくせに……」
洋榎「こらっ、シロ! いらんこと言うなっ!!」
久「憧、今のは、突っ張るならこっちのほうがよかったかもね。そうすれば……ほら、ここがこうなって――」
憧「ちょ、ちょっとタイム! か……顔洗ってくる! 今度は負けないからねっ!!」タッタッタッ
――――
――スクール隠れ家
洋榎「ロンや、8000ッ!!」ゴッ
憧「ふきゅ……!?」
哩「ふう、まくられたか」
憧「ご、ごめん……哩」
哩「いや、憧のせいやなかとよ」
洋榎「せや、ただうちが強いだけやっ!」
白望「さっきは三位だったくせに……」
洋榎「こらっ、シロ! いらんこと言うなっ!!」
久「憧、今のは、突っ張るならこっちのほうがよかったかもね。そうすれば……ほら、ここがこうなって――」
憧「ちょ、ちょっとタイム! か……顔洗ってくる! 今度は負けないからねっ!!」タッタッタッ
――――
507:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 16:15:09.42 :LyBQRhwm0
――――
憧(ふう……しっかりしろ、あたしっ!! 洋榎たちが強いのは当たり前じゃないっ!! これくらいでメゲちゃダメ!! 久に……どこまでもついて行くって決めたんだから――これくらいで……!!)ウルウル
憧(あたし……こんなんじゃみんなの役に立てないよ……! どうしたらいいの? あたしなりに頭使って打ってるのに、全然勝てないっ!! みんなは……あたしのことセンスあるって言ってくれるけれど、とても信じられない……)ポロポロ
久「憧……」
憧「ひ、久っ!? な、なに、どうかした!?」ゴシゴシ
久「どうかしたってほどでもないけれど、気になってね」
憧「…………あたしの泣き顔を見にきたわけ……?」
久「そうね。憧ったら、最近一人で泣くようになったから。久しぶりに、あなたの可愛い顔を見たくなって」
憧「バカ……最悪……!」ウルウル
久「憧……頑張ってるのは偉いと思うけど、一人で悩んでもいいことなんてないわよ」
憧「け、けど……」
久「いいから……たまには先輩らしいことをさせなさい」ギュ
憧「っ!? ひ、久っ!! その……あたし……」
久「ほら、遠慮しない」ナデナデ
憧「うっ……////」
久「思っていること……ちゃんと言ってくれないと、わからないわよ?」
憧「っ……! なっ……なんで……!! なんであたしは勝てないのっ!? 久にも、洋榎にも、哩にもシロにも!! 四人だけじゃない!! 智葉にもゆみにも恭子にも勝てなかった!!
ねえ、久、正直に答えて。あたし、向いてないのかな……麻雀……」
久「そうね。向いてないかも」
憧「えー!!?」
――――
憧(ふう……しっかりしろ、あたしっ!! 洋榎たちが強いのは当たり前じゃないっ!! これくらいでメゲちゃダメ!! 久に……どこまでもついて行くって決めたんだから――これくらいで……!!)ウルウル
憧(あたし……こんなんじゃみんなの役に立てないよ……! どうしたらいいの? あたしなりに頭使って打ってるのに、全然勝てないっ!! みんなは……あたしのことセンスあるって言ってくれるけれど、とても信じられない……)ポロポロ
久「憧……」
憧「ひ、久っ!? な、なに、どうかした!?」ゴシゴシ
久「どうかしたってほどでもないけれど、気になってね」
憧「…………あたしの泣き顔を見にきたわけ……?」
久「そうね。憧ったら、最近一人で泣くようになったから。久しぶりに、あなたの可愛い顔を見たくなって」
憧「バカ……最悪……!」ウルウル
久「憧……頑張ってるのは偉いと思うけど、一人で悩んでもいいことなんてないわよ」
憧「け、けど……」
久「いいから……たまには先輩らしいことをさせなさい」ギュ
憧「っ!? ひ、久っ!! その……あたし……」
久「ほら、遠慮しない」ナデナデ
憧「うっ……////」
久「思っていること……ちゃんと言ってくれないと、わからないわよ?」
憧「っ……! なっ……なんで……!! なんであたしは勝てないのっ!? 久にも、洋榎にも、哩にもシロにも!! 四人だけじゃない!! 智葉にもゆみにも恭子にも勝てなかった!!
ねえ、久、正直に答えて。あたし、向いてないのかな……麻雀……」
久「そうね。向いてないかも」
憧「えー!!?」
508:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 16:19:48.15 :LyBQRhwm0
久「そういう風に、負けたくらいでいちいち後ろ向きになっちゃう程度の覚悟しかないのなら……麻雀なんてやらないほうがいいと思うわ」
憧「久……そこは『そんなことないよ』って励ましてくれるとこじゃないわけ?」
久「あなた、これだけ一緒にいて、まだ私の性格を理解してないの? 悪いけど、私、弱い子に興味はないわ」
憧「なによ、それ……っ!! 久のバカ!! あたしが弱いっていうの!?」
久「違う。私は弱い子に興味はない。つまり、私が目をかけたあなたは……強いのよ」
憧「は……?」
久「けど、あなた自身が、自分は弱いというのなら、私の見立ては間違っていたのかもね」
憧「け、けど……あたしは実際、久たちに勝てないし……」
久「だから……わからない子ね。私たちが初めて会ったとき、あなた、麻雀で私に勝ててたかしら? あっという間にトばされてたでしょ。けど、それでも、私があなたを学生議会室に誘ったのは、なんでだったと思う?」
憧「き、気紛れ……?」
久「気紛れで智葉がいるような異次元空間に新入生はつれていかないわよ。私、そこまで外道じゃないわ」
憧「じゃ、じゃあ――」
久「言ったはずよ。私はあなたの目が好きなの。とても強い目。この子なら、きっと、挫けても壊れても……何度だって立ち上がって、私たちの後を追ってくる。そう思ったから、私はあなたを五人目にすると決めた」
憧「久……」
久「そういう風に、負けたくらいでいちいち後ろ向きになっちゃう程度の覚悟しかないのなら……麻雀なんてやらないほうがいいと思うわ」
憧「久……そこは『そんなことないよ』って励ましてくれるとこじゃないわけ?」
久「あなた、これだけ一緒にいて、まだ私の性格を理解してないの? 悪いけど、私、弱い子に興味はないわ」
憧「なによ、それ……っ!! 久のバカ!! あたしが弱いっていうの!?」
久「違う。私は弱い子に興味はない。つまり、私が目をかけたあなたは……強いのよ」
憧「は……?」
久「けど、あなた自身が、自分は弱いというのなら、私の見立ては間違っていたのかもね」
憧「け、けど……あたしは実際、久たちに勝てないし……」
久「だから……わからない子ね。私たちが初めて会ったとき、あなた、麻雀で私に勝ててたかしら? あっという間にトばされてたでしょ。けど、それでも、私があなたを学生議会室に誘ったのは、なんでだったと思う?」
憧「き、気紛れ……?」
久「気紛れで智葉がいるような異次元空間に新入生はつれていかないわよ。私、そこまで外道じゃないわ」
憧「じゃ、じゃあ――」
久「言ったはずよ。私はあなたの目が好きなの。とても強い目。この子なら、きっと、挫けても壊れても……何度だって立ち上がって、私たちの後を追ってくる。そう思ったから、私はあなたを五人目にすると決めた」
憧「久……」
509:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 16:27:32.35 :LyBQRhwm0
久「憧、いい? この白糸台にいる雀士はね……たった一人を除いて、みんな麻雀が弱いのよ。
誰もが、そいつには勝てないの。負けっぱなしなの。どんなに頭を使っても、どんな能力を使っても、たとえ三人がかりでも……そいつには敵わない」
憧「……もしかして、宮永照のこと?」
久「そう。私たちはみんな、洋榎や智葉でさえ、宮永照には勝てない。宮永照より弱いのよ。だからこそ……トーナメントで勝つためには、どんな状況になっても諦めない――強い心を、持っていないといけないの。
それが、宮永照が《頂点》に君臨するこの学園都市で、本当に強い雀士になるための、最初の一歩。その一歩を踏み出せない人間は、決して高みに行くことはできないわ」
憧「あたしは……その一歩を――」
久「既に踏み出している、と私は思っていたけれど、違ったかしら? 私の力を目にしても、私より上の雀士がいると知っても、あなたは強くなりたいと願った。本当に楽しいのはこれからだって、あのときのあなたは、目を輝かせていた……」
憧「あたし……」
久「勝てないとか向いてないとか、そんな言葉をいくら口にしたって、現状が変わるわけじゃない。本当に大切なことが何か、頭のいいあなたなら、わかっているはずよ。
憧……本気で私たちについてくるというのなら、ちゃんと言ってごらんなさい。あなたが口にするべき言葉は、泣き言や世迷言じゃない。戯言みたいな絵空事。
無理でもいい。無茶でもいい。思っていることを……願っていることを、ちゃんと叫んでみなさい」
憧「あたし……! あたしは――強くなりたいッ! 勝ちたいッ!! 勝って勝って勝って……学園都市の《頂点》に立ってやるッ!!!」
久「何度も負けることになるわよ? 何度も絶望することになるわよ? それでも……勝ちたい?」
憧「勝ちたいわよっ!! 当たり前でしょ!! 久にも洋榎にも哩にもシロにも……宮永照にだって!! どうせ最後には勝ってやるつもりなんだもん!! それまでなら……何回だって負けてやるわよっ!!」
久「……いいわね。やっぱり、あなたはその顔が一番だわ。泣き顔も可愛いけれど、その生意気な顔が、最高にそそる――」スッ
憧「ちょ、久っ!? なに発情してんのよ!! こんなとこで――むぐっ!?」
久「ジタバタしないで。間違って唇にしちゃったらどうするの……?」チュッ
憧「…………ほっぺなら許してるわけじゃないっつーの……////」
久「どうかしら? 強くなれるおまじない。効いた?」
憧「この……ド淫乱っ!! 腐れ外道!! 最悪ッ!!」
久「けど、そんな私が?」
憧「大好きよ! 何回も言わせんなっ、バカっ!!」
久「いい子ね。さ、元気が出たところでもう一局よ。泣いてる暇があったらどんどん打つ! とにかく前に進むのよ!!」
憧「言われなくても……突っ走ってやるわよっ!!」
――――――
――――
――
久「憧、いい? この白糸台にいる雀士はね……たった一人を除いて、みんな麻雀が弱いのよ。
誰もが、そいつには勝てないの。負けっぱなしなの。どんなに頭を使っても、どんな能力を使っても、たとえ三人がかりでも……そいつには敵わない」
憧「……もしかして、宮永照のこと?」
久「そう。私たちはみんな、洋榎や智葉でさえ、宮永照には勝てない。宮永照より弱いのよ。だからこそ……トーナメントで勝つためには、どんな状況になっても諦めない――強い心を、持っていないといけないの。
それが、宮永照が《頂点》に君臨するこの学園都市で、本当に強い雀士になるための、最初の一歩。その一歩を踏み出せない人間は、決して高みに行くことはできないわ」
憧「あたしは……その一歩を――」
久「既に踏み出している、と私は思っていたけれど、違ったかしら? 私の力を目にしても、私より上の雀士がいると知っても、あなたは強くなりたいと願った。本当に楽しいのはこれからだって、あのときのあなたは、目を輝かせていた……」
憧「あたし……」
久「勝てないとか向いてないとか、そんな言葉をいくら口にしたって、現状が変わるわけじゃない。本当に大切なことが何か、頭のいいあなたなら、わかっているはずよ。
憧……本気で私たちについてくるというのなら、ちゃんと言ってごらんなさい。あなたが口にするべき言葉は、泣き言や世迷言じゃない。戯言みたいな絵空事。
無理でもいい。無茶でもいい。思っていることを……願っていることを、ちゃんと叫んでみなさい」
憧「あたし……! あたしは――強くなりたいッ! 勝ちたいッ!! 勝って勝って勝って……学園都市の《頂点》に立ってやるッ!!!」
久「何度も負けることになるわよ? 何度も絶望することになるわよ? それでも……勝ちたい?」
憧「勝ちたいわよっ!! 当たり前でしょ!! 久にも洋榎にも哩にもシロにも……宮永照にだって!! どうせ最後には勝ってやるつもりなんだもん!! それまでなら……何回だって負けてやるわよっ!!」
久「……いいわね。やっぱり、あなたはその顔が一番だわ。泣き顔も可愛いけれど、その生意気な顔が、最高にそそる――」スッ
憧「ちょ、久っ!? なに発情してんのよ!! こんなとこで――むぐっ!?」
久「ジタバタしないで。間違って唇にしちゃったらどうするの……?」チュッ
憧「…………ほっぺなら許してるわけじゃないっつーの……////」
久「どうかしら? 強くなれるおまじない。効いた?」
憧「この……ド淫乱っ!! 腐れ外道!! 最悪ッ!!」
久「けど、そんな私が?」
憧「大好きよ! 何回も言わせんなっ、バカっ!!」
久「いい子ね。さ、元気が出たところでもう一局よ。泣いてる暇があったらどんどん打つ! とにかく前に進むのよ!!」
憧「言われなくても……突っ走ってやるわよっ!!」
――――――
――――
――
510:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 16:30:34.01 :LyBQRhwm0
――――
憧(あぁあ……まーた恥ずかしいこと思い出しちゃった。久のやつってばホント所構わず――もうっ!! いや、まあ、ここで無様に負けるほうがよっぽど恥ずいけどね……!!)フゥ
浩子(ん、なんや。やっとお目覚めかいな……)
灼(やっぱり、これくらいで諦めるような人じゃない、か。強い一年生……同じチームで戦ってみたかったかも)
憧(なーに取り乱してんのよ、あたし。これくらいの凹みは日常茶飯事じゃない。久たちが相手なら、今頃焼き鳥で蚊帳の外だわ。けど……幸い、頑張れば、和了れないってほどでもない)
憧(駆け引きで敵わなくとも、他のところで上回ればいい。まだ負けが決まったわけじゃないんだ。ここで弱気になって縮こまるとかもってのほか!!)
憧(久たち相手に散々ボコられてきたあたしの底力は、こんなものじゃない。今に逆転してやるわ……見てなさいよッ!!)ゴッ
泉:19000 灼:32500 浩子:33000 憧:15500
――――
憧(あぁあ……まーた恥ずかしいこと思い出しちゃった。久のやつってばホント所構わず――もうっ!! いや、まあ、ここで無様に負けるほうがよっぽど恥ずいけどね……!!)フゥ
浩子(ん、なんや。やっとお目覚めかいな……)
灼(やっぱり、これくらいで諦めるような人じゃない、か。強い一年生……同じチームで戦ってみたかったかも)
憧(なーに取り乱してんのよ、あたし。これくらいの凹みは日常茶飯事じゃない。久たちが相手なら、今頃焼き鳥で蚊帳の外だわ。けど……幸い、頑張れば、和了れないってほどでもない)
憧(駆け引きで敵わなくとも、他のところで上回ればいい。まだ負けが決まったわけじゃないんだ。ここで弱気になって縮こまるとかもってのほか!!)
憧(久たち相手に散々ボコられてきたあたしの底力は、こんなものじゃない。今に逆転してやるわ……見てなさいよッ!!)ゴッ
泉:19000 灼:32500 浩子:33000 憧:15500
511:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 16:39:53.88 :LyBQRhwm0
南一局・親:泉
泉(覆面《A》……なんや、踏み止まったっぽいな。何か打開策でも見つけたんやろか? それとも、単に気合を入れ直しただけ?
ようわからん……ようわからんけど、今のうちよりはマシやろか。いまいち方針が決まらへん……)タンッ
灼(新子さんのほうは落ち着いたみたいだけど、こっちの《I》さんは、まだふわふわしてる……)タンッ
浩子(二条泉……格下相手なら安定して打てるけど、格上相手にはちょっとガタついてまう。決して弱い打ち手やないはずなんやけど……どうにも精神的に脆いとこがあるらしいな)タンッ
憧(んー……手牌微妙だなー。覆面《I》がよさそうだけど、どーしたもんか)タンッ
泉(っと、張ってもうた。高めは狙えるっちゃ狙えるけど……ここは素直に先制しといたほうがええやろか? 後手に回るんも嫌やしな。ほな、親やしリーチしとこかー!)
泉「リーチ」チャ
灼(と、速い速い。連荘はさせたくないし……浩子)タンッ
浩子(わかっとるわ……)タンッ
灼「ポン……」タンッ
泉(ん……?)
浩子(この辺りやんな)タンッ
灼「(大正解)ロン、2000」パラララ
泉(うちの親リーが流されたー!? こんな潰され方……セコ過ぎるわっ!! なんやねん、二年生が二人掛かりで――)ハッ
泉(待て待て……なんかおかしいで。二年生が二人掛かりで、うちの親リーを潰した? いや、そういう連携は実戦でよく起こることやけど……にしても、なんやろ、この違和感……)
――ロン、ですわー!!
――あ、ツモった。ドラ四赤四。 ――純正九蓮宝燈……。
――追っかけるけどー?
泉(せや……! こないな細かいこと、小蒔さんたちはしてこーへんかったんやっ!!
あの人ら、うちがリーチしようとしまいとお構いなしやもんな。連携も何もあったもんやない。それぞれ勝手に得意技かまして、ほんで、いつもいつもうちは打ち負けるっ!!)
泉(関係ないんや。あの人らにとっては……うちの存在なんてあってないようなもん。それくらい力の差がある。まあ、起きとるときの小蒔さんは例外やけど)
泉(……もしかして、うち、今、警戒されたんか? うちの親リーは、上級生が二人掛かりで潰してくるほどの、恐さがあるんか? それってつまり、潰さへんかったら、和了られてヤバい思ったわけやんな?)
泉(うちに負けるかもしれへんって、思ったわけやんな……?)
泉(ははっ……! なんやそれっ! こんな、なんの能力も持たへん一年相手に……随分と必死やんな、二軍《セカンドクラス》の上級生ともあろう二人が――!!)ゴッ
灼(む、こっちも……? 戦意喪失するどころか、火がついちゃったか。ふむ……面白……)
浩子(ほーん? なんや、打たれ弱いモヤシかと思うたら、こっちもこっちで生意気な一年やんな。こんなのが和以外に二人もおるんかい。薄墨先輩らがいなくなっても楽しめそうやで、学園都市……!!)
泉(ほな……さっさとまくるでー!!)ゴッ
泉:18000 灼:35500 浩子:31000 憧:15500
南一局・親:泉
泉(覆面《A》……なんや、踏み止まったっぽいな。何か打開策でも見つけたんやろか? それとも、単に気合を入れ直しただけ?
ようわからん……ようわからんけど、今のうちよりはマシやろか。いまいち方針が決まらへん……)タンッ
灼(新子さんのほうは落ち着いたみたいだけど、こっちの《I》さんは、まだふわふわしてる……)タンッ
浩子(二条泉……格下相手なら安定して打てるけど、格上相手にはちょっとガタついてまう。決して弱い打ち手やないはずなんやけど……どうにも精神的に脆いとこがあるらしいな)タンッ
憧(んー……手牌微妙だなー。覆面《I》がよさそうだけど、どーしたもんか)タンッ
泉(っと、張ってもうた。高めは狙えるっちゃ狙えるけど……ここは素直に先制しといたほうがええやろか? 後手に回るんも嫌やしな。ほな、親やしリーチしとこかー!)
泉「リーチ」チャ
灼(と、速い速い。連荘はさせたくないし……浩子)タンッ
浩子(わかっとるわ……)タンッ
灼「ポン……」タンッ
泉(ん……?)
浩子(この辺りやんな)タンッ
灼「(大正解)ロン、2000」パラララ
泉(うちの親リーが流されたー!? こんな潰され方……セコ過ぎるわっ!! なんやねん、二年生が二人掛かりで――)ハッ
泉(待て待て……なんかおかしいで。二年生が二人掛かりで、うちの親リーを潰した? いや、そういう連携は実戦でよく起こることやけど……にしても、なんやろ、この違和感……)
――ロン、ですわー!!
――あ、ツモった。ドラ四赤四。 ――純正九蓮宝燈……。
――追っかけるけどー?
泉(せや……! こないな細かいこと、小蒔さんたちはしてこーへんかったんやっ!!
あの人ら、うちがリーチしようとしまいとお構いなしやもんな。連携も何もあったもんやない。それぞれ勝手に得意技かまして、ほんで、いつもいつもうちは打ち負けるっ!!)
泉(関係ないんや。あの人らにとっては……うちの存在なんてあってないようなもん。それくらい力の差がある。まあ、起きとるときの小蒔さんは例外やけど)
泉(……もしかして、うち、今、警戒されたんか? うちの親リーは、上級生が二人掛かりで潰してくるほどの、恐さがあるんか? それってつまり、潰さへんかったら、和了られてヤバい思ったわけやんな?)
泉(うちに負けるかもしれへんって、思ったわけやんな……?)
泉(ははっ……! なんやそれっ! こんな、なんの能力も持たへん一年相手に……随分と必死やんな、二軍《セカンドクラス》の上級生ともあろう二人が――!!)ゴッ
灼(む、こっちも……? 戦意喪失するどころか、火がついちゃったか。ふむ……面白……)
浩子(ほーん? なんや、打たれ弱いモヤシかと思うたら、こっちもこっちで生意気な一年やんな。こんなのが和以外に二人もおるんかい。薄墨先輩らがいなくなっても楽しめそうやで、学園都市……!!)
泉(ほな……さっさとまくるでー!!)ゴッ
泉:18000 灼:35500 浩子:31000 憧:15500
512:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 16:46:44.66 :LyBQRhwm0
南二局・親:灼
泉(言うても……うちになんの能力もないのは変わらへん。仕方ない。無能力者は無能力者らしく、創意工夫でどうにかせな。
染谷さんかて、そうやった。いつも通りに打って勝てるんなら、それでよし。やけど、この人らには、いつも通りでは勝てへんやろ。せやったら……やり方を変えるまでや……!!)
――――――
――――
――
――アイテム隠れ家
豊音「ロンだよー。5200ー」パラララ
泉「うがああああああ!! また追っかけに振り込んだー!!」ジャラジャラ
玄「もー、だから、泉ちゃん。何度言ったらわかるの? 豊音さんを相手に先制リーチをして勝てる道理はないんだよ」
泉「せ、せやかて……この手でリーチを掛けへんのは、うちの麻雀とちゃう!! うちは今までこうやって勝ってきたんやっ!!」
透華「笑止! そんなプライドはドブに投げ捨てろですわー!!」
玄「ついでに言うと、リーチしたって裏が乗るわけじゃないんだからね?」
泉「や、やけど、せっかくテンパイできてん! リーチかけて少しでも高い手和了っとかんと、玄さんのドラ爆一発でまくられますやん!!」
玄「えへへ……ごめんね。ドラゴンさんたちに罪はないよ」
泉「ドラもないッ! リーチもダメッ! こんなんでどうやって勝てっちゅーんですかー!!」
小蒔「わ、私はそんな負けっぱなしの泉さんを応援してますっ!!」
透華「簡単ですわ。わたくしくらい強くなれば勝てますの!!」
玄「そうだね。学園都市でも屈指のデジタル――透華ちゃんくらい強いなら、私たちといい勝負ができるよ」
豊音「トーカは相手が強ければ強いほど精度とキレが上がっていくからねー」
泉「け、けど……透華さんかて、時々《支配力》使うてますやん。ランクS指定されてへんだけで、本気出せば小蒔さんと張り合えるくらいのトンデモパワー持ってますやん!」
透華「泉、そういう減らず口は、ネット麻雀で一度でもわたくしに勝ってから叩くんですわね」ゴッ
泉「うぐっ……!」
南二局・親:灼
泉(言うても……うちになんの能力もないのは変わらへん。仕方ない。無能力者は無能力者らしく、創意工夫でどうにかせな。
染谷さんかて、そうやった。いつも通りに打って勝てるんなら、それでよし。やけど、この人らには、いつも通りでは勝てへんやろ。せやったら……やり方を変えるまでや……!!)
――――――
――――
――
――アイテム隠れ家
豊音「ロンだよー。5200ー」パラララ
泉「うがああああああ!! また追っかけに振り込んだー!!」ジャラジャラ
玄「もー、だから、泉ちゃん。何度言ったらわかるの? 豊音さんを相手に先制リーチをして勝てる道理はないんだよ」
泉「せ、せやかて……この手でリーチを掛けへんのは、うちの麻雀とちゃう!! うちは今までこうやって勝ってきたんやっ!!」
透華「笑止! そんなプライドはドブに投げ捨てろですわー!!」
玄「ついでに言うと、リーチしたって裏が乗るわけじゃないんだからね?」
泉「や、やけど、せっかくテンパイできてん! リーチかけて少しでも高い手和了っとかんと、玄さんのドラ爆一発でまくられますやん!!」
玄「えへへ……ごめんね。ドラゴンさんたちに罪はないよ」
泉「ドラもないッ! リーチもダメッ! こんなんでどうやって勝てっちゅーんですかー!!」
小蒔「わ、私はそんな負けっぱなしの泉さんを応援してますっ!!」
透華「簡単ですわ。わたくしくらい強くなれば勝てますの!!」
玄「そうだね。学園都市でも屈指のデジタル――透華ちゃんくらい強いなら、私たちといい勝負ができるよ」
豊音「トーカは相手が強ければ強いほど精度とキレが上がっていくからねー」
泉「け、けど……透華さんかて、時々《支配力》使うてますやん。ランクS指定されてへんだけで、本気出せば小蒔さんと張り合えるくらいのトンデモパワー持ってますやん!」
透華「泉、そういう減らず口は、ネット麻雀で一度でもわたくしに勝ってから叩くんですわね」ゴッ
泉「うぐっ……!」
513:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 16:51:02.01 :LyBQRhwm0
玄「泉ちゃん、弱いことを無能力のせいにしちゃダメだよ。私はレベル5の旧第一位で、花田さんが来る前は、誰よりも強度の高い能力を持っていたけど……それでも、一年生の頃は負けっぱなしだったよ。
泉ちゃん、染谷さんのことは、知ってるよね?」
泉「もちろんですわ。あの人は……うちら無能力者みんなの希望や。無能力なだけやない、荒川憩みたいな特例の才能を持っとるんともちゃう。
己の経験と努力と工夫だけで能力者と渡り合う……そんな染谷さんに、うちは憧れてん」
豊音「だったら、やることはわかってるよね、イズミ」
小蒔「そうですっ! 頑張りましょう!! 泉さんは素の私よりずっとお強いんですから、きっと大丈夫です!!」
泉「せやな……ほな、もう一局お願いしますっ!! 今度こそ、豊音さんの追っかけを振り切って、リーチ一発を和了ったりますわ!! ついでに裏も乗っけたりますわっ!!」
透華「あなたはなんの話を聞いていたんですのー!?」
泉「えっ!? せやから、能力くらい気合でどうにかせなあかんて……」
玄「泉ちゃん、それ言って一回でもドラが来たことあった? 豊音さんに打ち勝てたことあった?」
泉「つ、次はいけるかもしれへんですやん!!」
透華「……泉、いい加減にしないとお仕置きですわよ?」ヒュオオオオオ
泉「冷たっ! ちょ、透華さん、冗談です、冗談っ!!」
透華「なら、冗談も言えないほどに……心胆寒からしめてやらないといけないようですわね……!!」ゴッ
泉「ぎゃあああああああああ!?」
――――
泉(あ……回想間違えたわ。これやない。なんやっけ、このあと、夜になって……)
――――
玄「泉ちゃん、弱いことを無能力のせいにしちゃダメだよ。私はレベル5の旧第一位で、花田さんが来る前は、誰よりも強度の高い能力を持っていたけど……それでも、一年生の頃は負けっぱなしだったよ。
泉ちゃん、染谷さんのことは、知ってるよね?」
泉「もちろんですわ。あの人は……うちら無能力者みんなの希望や。無能力なだけやない、荒川憩みたいな特例の才能を持っとるんともちゃう。
己の経験と努力と工夫だけで能力者と渡り合う……そんな染谷さんに、うちは憧れてん」
豊音「だったら、やることはわかってるよね、イズミ」
小蒔「そうですっ! 頑張りましょう!! 泉さんは素の私よりずっとお強いんですから、きっと大丈夫です!!」
泉「せやな……ほな、もう一局お願いしますっ!! 今度こそ、豊音さんの追っかけを振り切って、リーチ一発を和了ったりますわ!! ついでに裏も乗っけたりますわっ!!」
透華「あなたはなんの話を聞いていたんですのー!?」
泉「えっ!? せやから、能力くらい気合でどうにかせなあかんて……」
玄「泉ちゃん、それ言って一回でもドラが来たことあった? 豊音さんに打ち勝てたことあった?」
泉「つ、次はいけるかもしれへんですやん!!」
透華「……泉、いい加減にしないとお仕置きですわよ?」ヒュオオオオオ
泉「冷たっ! ちょ、透華さん、冗談です、冗談っ!!」
透華「なら、冗談も言えないほどに……心胆寒からしめてやらないといけないようですわね……!!」ゴッ
泉「ぎゃあああああああああ!?」
――――
泉(あ……回想間違えたわ。これやない。なんやっけ、このあと、夜になって……)
――――
514:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 16:53:20.24 :LyBQRhwm0
――――
小蒔「」スゥスゥ
玄「さて……小蒔ちゃんも本格的に眠ったことだし」
豊音「秘密特訓の始まりだよー!!」
透華「まったく……泉は本当に困った子ですわね」
泉「せやけど……起きてる小蒔さんの前で、能力に屈する姿なんて見せられへんもん。カッコつけていたいんですもん」
玄「むしろカッコ悪かったと思うけど……」
豊音「ちょー負けてばっかだったよねー」
透華「ま、強くなってくれるのなら、なんでもいいですわ。で、泉、わたくしが渡した資料はちゃんと読んできたんでしょうね?」
泉「ハノーヴァーのやつですよね。読みましたよ。あっちでは《能力》のことを《魔術》って言うんですね。なんか新鮮でしたわ」
透華「そんな文化の違いはどうでもいいですわ。ちゃんと討魔《アンチオカルト》の部分は読んだんですの?」
泉「一通りは。なんや、向こうは、随分偏った打ち手ばっかりなんですね」
玄「どういうこと?」
――――
小蒔「」スゥスゥ
玄「さて……小蒔ちゃんも本格的に眠ったことだし」
豊音「秘密特訓の始まりだよー!!」
透華「まったく……泉は本当に困った子ですわね」
泉「せやけど……起きてる小蒔さんの前で、能力に屈する姿なんて見せられへんもん。カッコつけていたいんですもん」
玄「むしろカッコ悪かったと思うけど……」
豊音「ちょー負けてばっかだったよねー」
透華「ま、強くなってくれるのなら、なんでもいいですわ。で、泉、わたくしが渡した資料はちゃんと読んできたんでしょうね?」
泉「ハノーヴァーのやつですよね。読みましたよ。あっちでは《能力》のことを《魔術》って言うんですね。なんか新鮮でしたわ」
透華「そんな文化の違いはどうでもいいですわ。ちゃんと討魔《アンチオカルト》の部分は読んだんですの?」
泉「一通りは。なんや、向こうは、随分偏った打ち手ばっかりなんですね」
玄「どういうこと?」
515:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 16:57:58.43 :LyBQRhwm0
透華「向こうでは、能力者……魔術師は、基本的に宗教団体に所属していますの。一方、能力を持たない一般の雀士は、普通の大学――学術の分野で麻雀を学びますわ。つまり……」
豊音「能力者対無能力者、っていう図式が学園都市よりも際立つってことだよねー」
玄「へえ、科学と能力が共存する学園都市とは違うんだね」
泉「そうなんです。学園都市では、能力持ちやけど基本はデジタル打ち――みたいな、科学《デジタル》と能力《オカルト》のハイブリット雀士が標準です。
けど、向こうでは、魔術師はオカルト、一般人はデジタル……その対立構造がはっきりしとるんですわ」
豊音「だから、対オカルトの研究が進むんだねー。なるほどー。学園都市だと、能力にデジタル一本で対抗することは少ないもんね。みんな、能力を織り交ぜて戦うから」
透華「ただ、なんの能力もない泉には、海外流の、デジタルのみでオカルトを制圧するスタイルのほうが合っている――そう思って、資料を取り寄せたんですの」
泉「ま、ちょっと内容を全部理解するのには、時間かかりそうですけどね。この海外流のデジタルっちゅーんも、なかなかクセがあるんですわ。
なんや、読んでると、ちょいちょい《流れ》とか《運命》とか、ようわからんこと言いよるんです」
透華「わからないところは無理にわかろうとしなくて結構ですわ。海外流のデジタルは、あくまで戦うヒントになれば、と思って紹介しただけですのよ。
使えそうな部分だけ取り入れて、本選までに、少しでも自分の幅を広げるんですの」
泉「わかってます。っちゅーわけで、皆さん、今日のうちは一味違いますよ。まだ付け焼刃やけど、なんちゃって海外流デジタル……最初の餌食になりたい人からかかってきなはれっ!!」
玄「ま、言われなくてもそうするけど」ゴッ
豊音「でも、餌食になるのは、いつも通りイズミのほうだよー?」ゴッ
透華「新しいスパイスで一味違うというその力、舐るように味わって差し上げますわ!!」ゴッ
泉「ほな、場決めしましょかー!!」
――――――
――――
――
透華「向こうでは、能力者……魔術師は、基本的に宗教団体に所属していますの。一方、能力を持たない一般の雀士は、普通の大学――学術の分野で麻雀を学びますわ。つまり……」
豊音「能力者対無能力者、っていう図式が学園都市よりも際立つってことだよねー」
玄「へえ、科学と能力が共存する学園都市とは違うんだね」
泉「そうなんです。学園都市では、能力持ちやけど基本はデジタル打ち――みたいな、科学《デジタル》と能力《オカルト》のハイブリット雀士が標準です。
けど、向こうでは、魔術師はオカルト、一般人はデジタル……その対立構造がはっきりしとるんですわ」
豊音「だから、対オカルトの研究が進むんだねー。なるほどー。学園都市だと、能力にデジタル一本で対抗することは少ないもんね。みんな、能力を織り交ぜて戦うから」
透華「ただ、なんの能力もない泉には、海外流の、デジタルのみでオカルトを制圧するスタイルのほうが合っている――そう思って、資料を取り寄せたんですの」
泉「ま、ちょっと内容を全部理解するのには、時間かかりそうですけどね。この海外流のデジタルっちゅーんも、なかなかクセがあるんですわ。
なんや、読んでると、ちょいちょい《流れ》とか《運命》とか、ようわからんこと言いよるんです」
透華「わからないところは無理にわかろうとしなくて結構ですわ。海外流のデジタルは、あくまで戦うヒントになれば、と思って紹介しただけですのよ。
使えそうな部分だけ取り入れて、本選までに、少しでも自分の幅を広げるんですの」
泉「わかってます。っちゅーわけで、皆さん、今日のうちは一味違いますよ。まだ付け焼刃やけど、なんちゃって海外流デジタル……最初の餌食になりたい人からかかってきなはれっ!!」
玄「ま、言われなくてもそうするけど」ゴッ
豊音「でも、餌食になるのは、いつも通りイズミのほうだよー?」ゴッ
透華「新しいスパイスで一味違うというその力、舐るように味わって差し上げますわ!!」ゴッ
泉「ほな、場決めしましょかー!!」
――――――
――――
――
516:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 17:06:22.15 :LyBQRhwm0
――――
泉(これやこれや……ほんでこのあと、まあ、普通に負かされてん。せやけど、少し、海外流デジタルのコツがわかった。いや、理屈を理解したわけやない。向こうの理論はホンマ何言うてるかわからんからな)
泉(ほんでも、その打ち筋そのものは、初めて見るはずやのに、なぜか馴染みがあった。
ま、ちょっと考えたら理由はわかったわ。海外流デジタル――その理想系に一番近い雀士っちゅーんが、学園都市やと、他ならぬ染谷先輩なんやからな……)
泉(染谷先輩は、小さい頃からの訓練で、場そのもののイメージを捉えることに長けとる。場のイメージ……たぶん、ようわからんけど、向こうでいうところの《流れ》とか《運命》っちゅーんが、それに相当するんやと思う。
それを読み取って場をコントロールする染谷先輩は、まさに海外流の討魔師《アンチオカルティスト》そのもの。やり方次第では、能力そのものを潰すことやってやってのける)
泉(あとは、簡単やん。うちは要するに、今まで通り、尊敬する人を目指して強くなればええ。海外流デジタルはそのためのガイドや。
あんな打ち方、染谷先輩にしかできひんって思ってたけど、参考書があれば……うちでも猿真似くらいはできる……!!)
泉(ま、あとはうちの持つ類稀なる才能でどうにかするしかあらへんよな。原村みたいに完全デジタルで打つんは性に合わへん。古典確率論、オカルト対策、海外流デジタル――持てる限りの武器を全部使って戦うのがうち流や)
泉(勝つために手段は選らばへんでっ! さあ……反撃開始や!!)
泉「チー!」タンッ
灼(む……?)タンッ
泉「ポン!!」タンッ
泉(さ……これで、それなりに思い通りの場になったらええんやけど、果たしてどーやろか……!?)
灼(ちょっとよくわからない鳴き。混一狙い? けど、それだけじゃないような……)
浩子(妙やな。二条泉は和や新子に比べれば、そんなに鳴きが得意なタイプでもなかったはずなんやけど……)タンッ
泉「ロン、5200ッ!!」
浩子(む……その手で混一にしないんか? ちゅーか、飜数より速度を優先するなんて……イマイチこいつらしくない。けど、こういう不自然な和了りは覚えがあるわ。染谷さんがたまにこういうことやっとったな……)
灼(打ち方を変えてきた? 三位以下ならドジョウすくいなのに、落ち着いてるなぁ。この場面でその手なら、一発逆転でトップを狙ってもよかったと思……。あと二局でひっくり返せる自信がある、ってことか)
泉(よし、手応えアリッ! こんな見よう見まね……玄さんや透華さんや豊音さんには通じひんかもやけど、この人たちはあの人らとちゃう!
百パー勝てるっちゅー保証はあらへんけど、百パー負けるっちゅーわけでもない。オーラスまで……やれるだけのことをやるで!!)ゴッ
泉:23200 灼:35500 浩子:25800 憧:15500
――――
泉(これやこれや……ほんでこのあと、まあ、普通に負かされてん。せやけど、少し、海外流デジタルのコツがわかった。いや、理屈を理解したわけやない。向こうの理論はホンマ何言うてるかわからんからな)
泉(ほんでも、その打ち筋そのものは、初めて見るはずやのに、なぜか馴染みがあった。
ま、ちょっと考えたら理由はわかったわ。海外流デジタル――その理想系に一番近い雀士っちゅーんが、学園都市やと、他ならぬ染谷先輩なんやからな……)
泉(染谷先輩は、小さい頃からの訓練で、場そのもののイメージを捉えることに長けとる。場のイメージ……たぶん、ようわからんけど、向こうでいうところの《流れ》とか《運命》っちゅーんが、それに相当するんやと思う。
それを読み取って場をコントロールする染谷先輩は、まさに海外流の討魔師《アンチオカルティスト》そのもの。やり方次第では、能力そのものを潰すことやってやってのける)
泉(あとは、簡単やん。うちは要するに、今まで通り、尊敬する人を目指して強くなればええ。海外流デジタルはそのためのガイドや。
あんな打ち方、染谷先輩にしかできひんって思ってたけど、参考書があれば……うちでも猿真似くらいはできる……!!)
泉(ま、あとはうちの持つ類稀なる才能でどうにかするしかあらへんよな。原村みたいに完全デジタルで打つんは性に合わへん。古典確率論、オカルト対策、海外流デジタル――持てる限りの武器を全部使って戦うのがうち流や)
泉(勝つために手段は選らばへんでっ! さあ……反撃開始や!!)
泉「チー!」タンッ
灼(む……?)タンッ
泉「ポン!!」タンッ
泉(さ……これで、それなりに思い通りの場になったらええんやけど、果たしてどーやろか……!?)
灼(ちょっとよくわからない鳴き。混一狙い? けど、それだけじゃないような……)
浩子(妙やな。二条泉は和や新子に比べれば、そんなに鳴きが得意なタイプでもなかったはずなんやけど……)タンッ
泉「ロン、5200ッ!!」
浩子(む……その手で混一にしないんか? ちゅーか、飜数より速度を優先するなんて……イマイチこいつらしくない。けど、こういう不自然な和了りは覚えがあるわ。染谷さんがたまにこういうことやっとったな……)
灼(打ち方を変えてきた? 三位以下ならドジョウすくいなのに、落ち着いてるなぁ。この場面でその手なら、一発逆転でトップを狙ってもよかったと思……。あと二局でひっくり返せる自信がある、ってことか)
泉(よし、手応えアリッ! こんな見よう見まね……玄さんや透華さんや豊音さんには通じひんかもやけど、この人たちはあの人らとちゃう!
百パー勝てるっちゅー保証はあらへんけど、百パー負けるっちゅーわけでもない。オーラスまで……やれるだけのことをやるで!!)ゴッ
泉:23200 灼:35500 浩子:25800 憧:15500
517:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 17:09:41.61 :LyBQRhwm0
南三局・親:浩子
灼(覆面さん、二人とも手強……ここで、突き放す……!!)
灼「リーチ……!!」
浩子(お、灼のやつ……今日はいつになく燃えとるやんか。なんや、そんなに新子のことが気に入ったんか?)タンッ
憧「…………」タンッ
泉「チー」タンッ
灼(む……ズラされた?)タンッ
浩子(二条泉、さっきからちょこちょこと……せやけど、まだ張れてへんやろ……)タンッ
憧「ロン、2600」パラララ
浩子(しまっ……狙われた? 直前で灼の現物に待ちを切り替えとるやん! っちゅーか、新子がダマやと? こんなん知らんで……!)
灼(私の一発をズラすために《I》さんに鳴かせつつ、浩子のベタオリに狙いを変更。私たちの打ち方に柔軟に対応している。これで一年生か……上手……)
憧(ふう……やってみるもんね。点数は低いけど、誰かに和了られるよりはマシ。大丈夫、あたしはラス親。今のはほんのジャブってことで。次に一発かまして終わらせる……っ!!)
泉:23200 灼:34500 浩子:23200 憧:19100
南三局・親:浩子
灼(覆面さん、二人とも手強……ここで、突き放す……!!)
灼「リーチ……!!」
浩子(お、灼のやつ……今日はいつになく燃えとるやんか。なんや、そんなに新子のことが気に入ったんか?)タンッ
憧「…………」タンッ
泉「チー」タンッ
灼(む……ズラされた?)タンッ
浩子(二条泉、さっきからちょこちょこと……せやけど、まだ張れてへんやろ……)タンッ
憧「ロン、2600」パラララ
浩子(しまっ……狙われた? 直前で灼の現物に待ちを切り替えとるやん! っちゅーか、新子がダマやと? こんなん知らんで……!)
灼(私の一発をズラすために《I》さんに鳴かせつつ、浩子のベタオリに狙いを変更。私たちの打ち方に柔軟に対応している。これで一年生か……上手……)
憧(ふう……やってみるもんね。点数は低いけど、誰かに和了られるよりはマシ。大丈夫、あたしはラス親。今のはほんのジャブってことで。次に一発かまして終わらせる……っ!!)
泉:23200 灼:34500 浩子:23200 憧:19100
518:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 17:14:12.99 :LyBQRhwm0
南四局・親:憧
憧(さあ、泣いても笑ってもオーラスっ! 正体バレだけは避けないと、久たちに迷惑がかかるかもしれない。なんとしても勝つのよ……あたしっ!!)タンッ
泉(速攻でケリつけたるっ!!)タンッ
灼(トップは譲らない……そうすれば、《A》さんか《I》さん、どちらかを三位以下にすることができる)
浩子(うちが和了れば、新子も二条も尋問できる。勝負決めたるで……!!)タンッ
――七巡目
浩子(ほいっと……出来たで、勝負手っ!!)タンッ
憧(む、鳴ける……っ! けど、なんだろコレ――)
浩子(さあ、鳴くなら鳴きや……!!)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
憧(わ、罠っぽー!! ダメダメ! この人相手にいつも通りに打つと、間違いなく嵌められる。ここは一旦回避っ!!)タンッ
浩子(面子を崩した……やと? こっちの考えが見透かされとる? せやけど……それならそれで、ツモればええだけの話や!!)
憧(速く追いつかないとっ!! 久、洋榎、哩、シロ……誰でもいいから、あんたたちの無駄にいいツモ運――今だけあたしに分けてよっ!!)
――十一巡目
憧(っしゃー! 願いが通じたー!! ひどい悪形で、和了り牌も残り一枚っ!! しかも役ナシっ!!
でも、これ以上は巡目的に回せない。こんなの、久じゃなくたってリーチするしかないじゃないっ!! ええい……ままよっ!!)
憧「リーチッ!!」ゴッ
泉(げっ……マズい感じやこれ!!)タンッ
灼(リーチとか……珍し)タンッ
浩子(ちっ、追いつかれてもうたか……! せやけど、退けへん!!)タンッ
憧「……っ! ツモッ!! 2600オール!!」
浩子(ちょ、一発とか……!?)
灼(やるなぁ)
泉(げーーーーーーーー!! 三位になってもーたー!!? うわああああああ、どーしたらええんやー!!)
憧(さて、と。二位にはなれたけど……ど、どーしよ……)チラッ
泉(なぜや……何がいけなかってん……!!)ウルウル
憧(まっ、たぶん、久ならこうするよね……!!)
憧「さて……続行よっ!!」ジャラジャラ
泉・灼・浩子「!?」
憧「なによ、そんなに驚かなくてもいいじゃん。こんくらいフツーでしょ。だって……麻雀は一位を目指すものなんだからっ!!」
泉「せ、せやなっ!! せやせや!! 続行大歓迎やー!!」
浩子「ははっ、ええ心掛けやんな。ま、すぐに後悔させたるでッ!!」
灼「まくらせないよ……!!」
憧「さあ……一本場ッ!!」ゴッ
泉:20600 灼:31900 浩子:20600 憧:26900
南四局・親:憧
憧(さあ、泣いても笑ってもオーラスっ! 正体バレだけは避けないと、久たちに迷惑がかかるかもしれない。なんとしても勝つのよ……あたしっ!!)タンッ
泉(速攻でケリつけたるっ!!)タンッ
灼(トップは譲らない……そうすれば、《A》さんか《I》さん、どちらかを三位以下にすることができる)
浩子(うちが和了れば、新子も二条も尋問できる。勝負決めたるで……!!)タンッ
――七巡目
浩子(ほいっと……出来たで、勝負手っ!!)タンッ
憧(む、鳴ける……っ! けど、なんだろコレ――)
浩子(さあ、鳴くなら鳴きや……!!)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
憧(わ、罠っぽー!! ダメダメ! この人相手にいつも通りに打つと、間違いなく嵌められる。ここは一旦回避っ!!)タンッ
浩子(面子を崩した……やと? こっちの考えが見透かされとる? せやけど……それならそれで、ツモればええだけの話や!!)
憧(速く追いつかないとっ!! 久、洋榎、哩、シロ……誰でもいいから、あんたたちの無駄にいいツモ運――今だけあたしに分けてよっ!!)
――十一巡目
憧(っしゃー! 願いが通じたー!! ひどい悪形で、和了り牌も残り一枚っ!! しかも役ナシっ!!
でも、これ以上は巡目的に回せない。こんなの、久じゃなくたってリーチするしかないじゃないっ!! ええい……ままよっ!!)
憧「リーチッ!!」ゴッ
泉(げっ……マズい感じやこれ!!)タンッ
灼(リーチとか……珍し)タンッ
浩子(ちっ、追いつかれてもうたか……! せやけど、退けへん!!)タンッ
憧「……っ! ツモッ!! 2600オール!!」
浩子(ちょ、一発とか……!?)
灼(やるなぁ)
泉(げーーーーーーーー!! 三位になってもーたー!!? うわああああああ、どーしたらええんやー!!)
憧(さて、と。二位にはなれたけど……ど、どーしよ……)チラッ
泉(なぜや……何がいけなかってん……!!)ウルウル
憧(まっ、たぶん、久ならこうするよね……!!)
憧「さて……続行よっ!!」ジャラジャラ
泉・灼・浩子「!?」
憧「なによ、そんなに驚かなくてもいいじゃん。こんくらいフツーでしょ。だって……麻雀は一位を目指すものなんだからっ!!」
泉「せ、せやなっ!! せやせや!! 続行大歓迎やー!!」
浩子「ははっ、ええ心掛けやんな。ま、すぐに後悔させたるでッ!!」
灼「まくらせないよ……!!」
憧「さあ……一本場ッ!!」ゴッ
泉:20600 灼:31900 浩子:20600 憧:26900
519:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 17:20:06.82 :LyBQRhwm0
南四局一本場・親:憧
憧(これで負けたら赤っ恥ー!! けど、二位で満足するような打ち方じゃ、きっとみんなのいるところには辿り着けない。みんな、口を揃えて言うもんね。麻雀は……一位にならなきゃつまんないって!)タンッ
泉(覆面《A》、感謝するで! ま、勝負は勝負、たとえ自分を地に落としてでも、うちは二位以上になったる……!!)タンッ
灼(薄氷の上のトップだけど、守り通すっ!!)タンッ
浩子「……リーチやっ!!」ゴッ
憧(ぎゃー!! これ振り込んだら死ぬやつだー!! うううう……でも、退かない、退けない、退きたくないっ!!)タンッ
泉(だ、大丈夫……うちは《高一最強》や……うちならできるはずやっ!!)タンッ
灼(よし、これで……私も張ったっ!!)タンッ
泉「ロ――ロンやっ!! 5200は5500ッ!!」ゴッ
灼(嘘っ!? ひ、浩子のを見逃しとか――!? あっ……そっか! リー棒出ないと届かないから!!
けど、そんな危ない橋を渡るくらいなら、もっと早くにリーチ掛けて、勝負を決めにいってもよかったような……いや、きっちりまくったんだから、この場は泉さんのやり方が正しかったってこと。やってくれるなぁ)
泉(先制リーチ掛けて、素直に和了らせてくれるような面子ちゃうもんな。ギリギリやった……ギリギリやったけど、滑り込みセーフやっ!!)
憧(ま……負けた……!?)
浩子(ちゃー、ええように利用されてもーたわ。こりゃ敵わへん。大した一年生やで、二人とも。せやけど……なーんか勘違いしてへんか? これは団体戦やなく個人戦――まだ終わりとちゃうで)ニヤッ
憧「ふう。じゃ、じゃあ、お疲れ様でした!」ガタッ
泉「ほな、うちらの勝ちってことで!」ガタッ
浩子「待たんかいコラ……!!」ゴッ
灼「そうそう」ゴゴッ
憧・泉「えっ……?」
浩子「『えっ?』やない。何をすっとぼけとんねん。まだ席を立つんは早いで」
灼「ちゃんと、最後まで付き合ってもらう」
憧・泉「えーっと……」
浩子・灼「西入や(だよ)!!」
憧・泉(な、なんだ(や)ってー!!)
泉:27100 灼:26400 浩子:19600 憧:26900
――――――
――――
――
南四局一本場・親:憧
憧(これで負けたら赤っ恥ー!! けど、二位で満足するような打ち方じゃ、きっとみんなのいるところには辿り着けない。みんな、口を揃えて言うもんね。麻雀は……一位にならなきゃつまんないって!)タンッ
泉(覆面《A》、感謝するで! ま、勝負は勝負、たとえ自分を地に落としてでも、うちは二位以上になったる……!!)タンッ
灼(薄氷の上のトップだけど、守り通すっ!!)タンッ
浩子「……リーチやっ!!」ゴッ
憧(ぎゃー!! これ振り込んだら死ぬやつだー!! うううう……でも、退かない、退けない、退きたくないっ!!)タンッ
泉(だ、大丈夫……うちは《高一最強》や……うちならできるはずやっ!!)タンッ
灼(よし、これで……私も張ったっ!!)タンッ
泉「ロ――ロンやっ!! 5200は5500ッ!!」ゴッ
灼(嘘っ!? ひ、浩子のを見逃しとか――!? あっ……そっか! リー棒出ないと届かないから!!
けど、そんな危ない橋を渡るくらいなら、もっと早くにリーチ掛けて、勝負を決めにいってもよかったような……いや、きっちりまくったんだから、この場は泉さんのやり方が正しかったってこと。やってくれるなぁ)
泉(先制リーチ掛けて、素直に和了らせてくれるような面子ちゃうもんな。ギリギリやった……ギリギリやったけど、滑り込みセーフやっ!!)
憧(ま……負けた……!?)
浩子(ちゃー、ええように利用されてもーたわ。こりゃ敵わへん。大した一年生やで、二人とも。せやけど……なーんか勘違いしてへんか? これは団体戦やなく個人戦――まだ終わりとちゃうで)ニヤッ
憧「ふう。じゃ、じゃあ、お疲れ様でした!」ガタッ
泉「ほな、うちらの勝ちってことで!」ガタッ
浩子「待たんかいコラ……!!」ゴッ
灼「そうそう」ゴゴッ
憧・泉「えっ……?」
浩子「『えっ?』やない。何をすっとぼけとんねん。まだ席を立つんは早いで」
灼「ちゃんと、最後まで付き合ってもらう」
憧・泉「えーっと……」
浩子・灼「西入や(だよ)!!」
憧・泉(な、なんだ(や)ってー!!)
泉:27100 灼:26400 浩子:19600 憧:26900
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――
520:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 17:22:46.55 :LyBQRhwm0
――――
灼「お疲れ様。いい闘牌だったよ。次はプライベートで、お互い立場を気にせず打ちたいかも」
浩子「ここまでとは思ってへんかったわ。うちらに勝ったんやから、そこらへんの雀士に負けるんやないで、二代目《A》と一代目《I》」
憧「ありがと(危なかった! 本当に危なかった!!)」ハァハァ
泉「おおきに(死ぬかと思ったで……!!)」ハァハァ
灼「じゃ、頑張って。応援してる」
憧「あっ、あの……」
灼「ん?」
憧(えっと……久たちは、みんな、元気してる。本選が終わったら……あたしたちみんな、風紀委員や、《姫松》や《新道寺》の皆さんに謝りにいくつもり。だから、もうちょっとだけ、好きにさせて。お願いっ!)コソッ
灼(ありがとう、新子さん。伝えておく。あ、もし、風紀委員の力が必要になったら、いつでも言って。これ、私の連絡先。よかったら)
憧(あ、ありがとうございます、えっと、鷺森せんぱい)
灼(灼でい……)
――――
――――
灼「お疲れ様。いい闘牌だったよ。次はプライベートで、お互い立場を気にせず打ちたいかも」
浩子「ここまでとは思ってへんかったわ。うちらに勝ったんやから、そこらへんの雀士に負けるんやないで、二代目《A》と一代目《I》」
憧「ありがと(危なかった! 本当に危なかった!!)」ハァハァ
泉「おおきに(死ぬかと思ったで……!!)」ハァハァ
灼「じゃ、頑張って。応援してる」
憧「あっ、あの……」
灼「ん?」
憧(えっと……久たちは、みんな、元気してる。本選が終わったら……あたしたちみんな、風紀委員や、《姫松》や《新道寺》の皆さんに謝りにいくつもり。だから、もうちょっとだけ、好きにさせて。お願いっ!)コソッ
灼(ありがとう、新子さん。伝えておく。あ、もし、風紀委員の力が必要になったら、いつでも言って。これ、私の連絡先。よかったら)
憧(あ、ありがとうございます、えっと、鷺森せんぱい)
灼(灼でい……)
――――
521:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 17:24:34.58 :LyBQRhwm0
――――
浩子「ほななー」
泉(あ、あの、風紀委員の方、ですよね?)コソッ
浩子(船久保浩子や。なんか用か、二条泉ちゃん)
泉(や……やっぱうちのこと知って――)
浩子(ま、負けてもうた以上、正体をバラすようなことはせーへんよ。ほんで、何なん?)
泉(あ、いや、その……前までうちがおったスキルアウトのメンバーは、今どうしてるんやろって。みんな、無事なんやろか……風紀委員の先輩なら、なんか知りませんか……?)
浩子(んー、個人差はあったけど、今はみんなもう復帰しとる。それぞれなんとかやっとるみたいやわ。
っちゅーか、みんな、逆に自分のこと心配しとるで。本選で、元気な顔見せて安心させたれ。それが自分の、リーダーとしての、最後の仕事や)
泉(お、おおきにです、船久保先輩っ!)
浩子(フナQ様と呼ぶがええ)
――――
――――
浩子「ほななー」
泉(あ、あの、風紀委員の方、ですよね?)コソッ
浩子(船久保浩子や。なんか用か、二条泉ちゃん)
泉(や……やっぱうちのこと知って――)
浩子(ま、負けてもうた以上、正体をバラすようなことはせーへんよ。ほんで、何なん?)
泉(あ、いや、その……前までうちがおったスキルアウトのメンバーは、今どうしてるんやろって。みんな、無事なんやろか……風紀委員の先輩なら、なんか知りませんか……?)
浩子(んー、個人差はあったけど、今はみんなもう復帰しとる。それぞれなんとかやっとるみたいやわ。
っちゅーか、みんな、逆に自分のこと心配しとるで。本選で、元気な顔見せて安心させたれ。それが自分の、リーダーとしての、最後の仕事や)
泉(お、おおきにです、船久保先輩っ!)
浩子(フナQ様と呼ぶがええ)
――――
522:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 17:26:03.80 :LyBQRhwm0
――――
憧・泉「じゃ、またどこかで!!」
灼・浩子「またどこかで。次は私(うち)が勝つ!」
タッタッタッ
泉「だああああああああああ!! しんどかったわー!!」
憧「マジお疲れ……お互い、大変だったよね」
泉「せやな。けど……本選ではあの二人以上の強敵と当たることもある。もっと強くならな!」
憧「同感。まだまだできることはある」
泉「にしても、自分、ここまで強い雀士とは思ってへんかったで。なあ、新子憧」
憧「はあっ!? 《I》、なんであたしのこと……!?」
泉「新入生代表挨拶しとったやつくらい、覚えとるわ。同じクラスならなおさらな」
憧「同じクラス……ちょっと待って、無能力者で関西弁でこの打ち筋で《I》……あんた、もしかして、二条泉?」
泉「正解や」
――――
憧・泉「じゃ、またどこかで!!」
灼・浩子「またどこかで。次は私(うち)が勝つ!」
タッタッタッ
泉「だああああああああああ!! しんどかったわー!!」
憧「マジお疲れ……お互い、大変だったよね」
泉「せやな。けど……本選ではあの二人以上の強敵と当たることもある。もっと強くならな!」
憧「同感。まだまだできることはある」
泉「にしても、自分、ここまで強い雀士とは思ってへんかったで。なあ、新子憧」
憧「はあっ!? 《I》、なんであたしのこと……!?」
泉「新入生代表挨拶しとったやつくらい、覚えとるわ。同じクラスならなおさらな」
憧「同じクラス……ちょっと待って、無能力者で関西弁でこの打ち筋で《I》……あんた、もしかして、二条泉?」
泉「正解や」
523:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 17:28:42.25 :LyBQRhwm0
憧「……あんた、確か、あの《アイテム》って人たちと予選に出てたよね?」
泉「そっちこそ、あの《スクール》に混じって打っとるんやろ?」
憧・泉「…………」
憧「あ、そうだ。あんたんとこのレベル5――松実玄さん。色々ごめんなさいって伝えてほしいの。久も、その、いろいろ事情があってさ、口は悪いけど、中身はそこまでひどいやつじゃないのよ」
泉「ああ……あったな、そんなこと。けど、そっちの竹井先輩のおかげで、トーナメントに乗り気やなかった玄さんに喝が入ってん。うちとしては大助かりやったで」
憧「そ、よかった」
泉「ほな、うちも謝りたいことあんねん。亦野先輩のこと……あれ、うちがヘマこいたんや。それで、亦野先輩もそうやし、《スクール》の人らにも迷惑かけてもうて……ホンマ申し訳あらへん」
憧「ま、まあ、久たちはノリノリだったし、別に気にしてないと思うよ。亦野さんのことは気の毒だけど、襲ったやつらはきちんと処罰を受けたらしいし。とにかく、あんたのせいじゃないわよ」
泉「そう言うてもらえると、多少楽になるわ」
憧「……あんた、確か、あの《アイテム》って人たちと予選に出てたよね?」
泉「そっちこそ、あの《スクール》に混じって打っとるんやろ?」
憧・泉「…………」
憧「あ、そうだ。あんたんとこのレベル5――松実玄さん。色々ごめんなさいって伝えてほしいの。久も、その、いろいろ事情があってさ、口は悪いけど、中身はそこまでひどいやつじゃないのよ」
泉「ああ……あったな、そんなこと。けど、そっちの竹井先輩のおかげで、トーナメントに乗り気やなかった玄さんに喝が入ってん。うちとしては大助かりやったで」
憧「そ、よかった」
泉「ほな、うちも謝りたいことあんねん。亦野先輩のこと……あれ、うちがヘマこいたんや。それで、亦野先輩もそうやし、《スクール》の人らにも迷惑かけてもうて……ホンマ申し訳あらへん」
憧「ま、まあ、久たちはノリノリだったし、別に気にしてないと思うよ。亦野さんのことは気の毒だけど、襲ったやつらはきちんと処罰を受けたらしいし。とにかく、あんたのせいじゃないわよ」
泉「そう言うてもらえると、多少楽になるわ」
524:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 17:33:56.07 :LyBQRhwm0
憧「ま、お互い、化け物に囲まれてるけど、足引っ張んないように頑張りましょう」
泉「せやな。もっともっと強くならな、小蒔さんらは超化け物やからな」
憧「本当、久たちみたいな超超化け物についていくには、生半可な強さじゃダメ」
泉「うちらが強くなった分だけ、勝率が上がるんや。小蒔さんらは超超超化け物でまず負けへんからなー」
憧「っていうか、あたしたちが勝てば、チームが勝てるのよね。なんたって、久たちは超超超超化け物だから、間違いなく勝つし」
憧・泉「…………」
泉「おい、自分、ちょっと言葉の使い方がおかしいんとちゃうか? 『化け物』に『超』は三つまでやろ。インフレになるからやめーや。《スクール》の人らがなんぼ強いゆーても、『超』二つくらいが妥当やんな」
憧「インフレを起こしたのはそっちのほうでしょ。《アイテム》の人たちは確かに化け物。なら、久たちは超化け物。それでちょうどよかったのに、なんか変な見栄を張り出してさ」
泉「もしかして、うちの耳が悪いんかな。まるで《アイテム》より《スクール》のほうが強いみたいな言い方やないか」
憧「そう言ったのよ。あんた、耳だけじゃなくて頭も悪いんじゃない?」
泉「笑かしてくれんなー! 自分、小蒔さんらと打ったこともないくせによう言うわ」
憧「それ、《アイテム》の人たちが強いんじゃなくて、あんたが弱いだけなんじゃないの?」
泉「アホか。弱っちくて力の差がわからへんのはそっちやろ」
憧「はあ!? ちょっと! 私がラス親続行したおかげで勝てたくせに、なに言ってるわけ!?」
泉「ラス親続行したんは自分の判断やん。そのあと普通に勝ったんはうちや。団体戦やったら西入がないから、結局、うちのが強いっちゅーことやろ?」
憧「最終的に勝ったのは私なんだけど……?」
泉「そんなんうちが差し込んだったからやん。勘違いしてもろたら困るで。鷺森先輩のリーチ掛かって、助けてー、って涙目オーラ出してくるから、同じ覆面雀士として、同情心から一位を譲っただけや」
憧「…………あんたとは、色々白黒はっきりさせないといけないようね、二条泉ッ!」
泉「…………ほな、一週間後、決着つけよかー。もちろん、それまで自分が覆面剥がされてへんかったらの話やけどな、新子憧ッ!」
憧・泉「むむむむむ……!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
憧「あたしと打つまで負けるんじゃないわよ、泉!」
泉「そっちこそ、そこらへんのザコにやられたらあかんで、憧!」
憧・泉「じゃあ(ほな)、一週間後にっ!!」
――――――
――――
――
憧「ま、お互い、化け物に囲まれてるけど、足引っ張んないように頑張りましょう」
泉「せやな。もっともっと強くならな、小蒔さんらは超化け物やからな」
憧「本当、久たちみたいな超超化け物についていくには、生半可な強さじゃダメ」
泉「うちらが強くなった分だけ、勝率が上がるんや。小蒔さんらは超超超化け物でまず負けへんからなー」
憧「っていうか、あたしたちが勝てば、チームが勝てるのよね。なんたって、久たちは超超超超化け物だから、間違いなく勝つし」
憧・泉「…………」
泉「おい、自分、ちょっと言葉の使い方がおかしいんとちゃうか? 『化け物』に『超』は三つまでやろ。インフレになるからやめーや。《スクール》の人らがなんぼ強いゆーても、『超』二つくらいが妥当やんな」
憧「インフレを起こしたのはそっちのほうでしょ。《アイテム》の人たちは確かに化け物。なら、久たちは超化け物。それでちょうどよかったのに、なんか変な見栄を張り出してさ」
泉「もしかして、うちの耳が悪いんかな。まるで《アイテム》より《スクール》のほうが強いみたいな言い方やないか」
憧「そう言ったのよ。あんた、耳だけじゃなくて頭も悪いんじゃない?」
泉「笑かしてくれんなー! 自分、小蒔さんらと打ったこともないくせによう言うわ」
憧「それ、《アイテム》の人たちが強いんじゃなくて、あんたが弱いだけなんじゃないの?」
泉「アホか。弱っちくて力の差がわからへんのはそっちやろ」
憧「はあ!? ちょっと! 私がラス親続行したおかげで勝てたくせに、なに言ってるわけ!?」
泉「ラス親続行したんは自分の判断やん。そのあと普通に勝ったんはうちや。団体戦やったら西入がないから、結局、うちのが強いっちゅーことやろ?」
憧「最終的に勝ったのは私なんだけど……?」
泉「そんなんうちが差し込んだったからやん。勘違いしてもろたら困るで。鷺森先輩のリーチ掛かって、助けてー、って涙目オーラ出してくるから、同じ覆面雀士として、同情心から一位を譲っただけや」
憧「…………あんたとは、色々白黒はっきりさせないといけないようね、二条泉ッ!」
泉「…………ほな、一週間後、決着つけよかー。もちろん、それまで自分が覆面剥がされてへんかったらの話やけどな、新子憧ッ!」
憧・泉「むむむむむ……!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
憧「あたしと打つまで負けるんじゃないわよ、泉!」
泉「そっちこそ、そこらへんのザコにやられたらあかんで、憧!」
憧・泉「じゃあ(ほな)、一週間後にっ!!」
――――――
――――
――
529:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 20:12:20.63 :LyBQRhwm0
――――
宥「最近やっと落ち着いてきたね、覆面ブーム」
尭深「一週間前くらいがピークでしたよね。もう、残ってる覆面さんは両手で数えるくらいしかいません」
竜華「懐かしいわー。二年前のときは、《A》と《T》が激突して終わったんやったな」
美穂子「愛宕さんのドジョウすくいは見ものでしたね。惜しむらくは、《T》さんのそれが見れなかったこと。《T》さんがどちらの《T》だったにせよ、さぞ面白かったでしょう」
霞「今年は誰が最後まで生き残るのかしら。目立つのは、《A》さんと《I》さんあたりだけれど」
宥「私は《A》さんを応援してるんだ。あの小気味よさは見習いたいなぁ」
竜華「うちの推しメンは《I》やな。あれこれ頑張っとる感じが好きや」
尭深「他には、《T》さんと《K》さんですかね」
美穂子「もしかすると、今日くらいに、頂上決戦をするかもしれませんね」
霞「ま、覆面の子たちは本選に出場する一年生って可能性が高いから、そろそろ修行も最終段階よね」
尭深「見に行きますか? 本選に出てくる一年生の中には、牌譜が少ない人も何人かいます。偵察という意味で」
美穂子「私は賛成です。ドジョウすくいが見たいという意味で」
竜華「うちは《I》の応援しに行きたいわっ!」
宥「わ、私は《A》さんの応援に……」
霞「私も、個人的に気になっていたのよね。《A》さんや《I》さんはもちろんだけど、《T》さんが特に」
尭深「では、決まりですね。えっと……あっ、《A》さんと《I》さんと《T》さんと《K》さんが直接対決するみたいですね。ネットで話題になってます。間もなく始まるとか。急ぎましょう」
――――
――――
宥「最近やっと落ち着いてきたね、覆面ブーム」
尭深「一週間前くらいがピークでしたよね。もう、残ってる覆面さんは両手で数えるくらいしかいません」
竜華「懐かしいわー。二年前のときは、《A》と《T》が激突して終わったんやったな」
美穂子「愛宕さんのドジョウすくいは見ものでしたね。惜しむらくは、《T》さんのそれが見れなかったこと。《T》さんがどちらの《T》だったにせよ、さぞ面白かったでしょう」
霞「今年は誰が最後まで生き残るのかしら。目立つのは、《A》さんと《I》さんあたりだけれど」
宥「私は《A》さんを応援してるんだ。あの小気味よさは見習いたいなぁ」
竜華「うちの推しメンは《I》やな。あれこれ頑張っとる感じが好きや」
尭深「他には、《T》さんと《K》さんですかね」
美穂子「もしかすると、今日くらいに、頂上決戦をするかもしれませんね」
霞「ま、覆面の子たちは本選に出場する一年生って可能性が高いから、そろそろ修行も最終段階よね」
尭深「見に行きますか? 本選に出てくる一年生の中には、牌譜が少ない人も何人かいます。偵察という意味で」
美穂子「私は賛成です。ドジョウすくいが見たいという意味で」
竜華「うちは《I》の応援しに行きたいわっ!」
宥「わ、私は《A》さんの応援に……」
霞「私も、個人的に気になっていたのよね。《A》さんや《I》さんはもちろんだけど、《T》さんが特に」
尭深「では、決まりですね。えっと……あっ、《A》さんと《I》さんと《T》さんと《K》さんが直接対決するみたいですね。ネットで話題になってます。間もなく始まるとか。急ぎましょう」
――――
530:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 20:16:22.24 :LyBQRhwm0
――――
憧「ついにこの日が来たわ。ちゃんとドジョウすくいの練習はしてきたんでしょうね、覆面《I》……いや、泉っ!!」
泉「しぶとく勝ち残っとったんやな。そんなにうちに剥かれたかったんか、覆面《A》……もとい、憧っ!!」
憧・泉「ぬぬぬぬぬぬぬ……!!」ゴッ
覆面《T》「まあまあ、《A》さんも《I》さんも! そんなに睨み合ってないで、せっかくの覆面対決、思いっきり楽しみましょうっ!」
泉「むっ、なんや、あ――《A》、このジャージ娘が、自分が見つけてきたツレか?」
憧「ちょっと前に同卓して、仲良くなったのよ。今日の対局に相応しいと思って誘ったの」
T「覆面《T》ですっ、よろしくお願いします!!」
泉「(ふん、あんまり強くなさそうやな!)こちらこそ、よろしくな」
憧(ふっふっふ、泉のやつ、油断してるわね。見た目のダサさに騙されちゃダメなのよ。名前までは聞いてないから百パーとは言えないけど、このジャージ、間違いない。噂に聞くレベル5の第七位――学園都市最高の《原石》!!
まだ一回しか対局してないし、そのときはなんの力も使ってこなかったからフツーに勝っちゃったけど、今日は頂上決戦……きっと何かしてくるはず! 泉、高をくくっていられるのは今のうちなんだから)ニヤッ
泉「ほな、うちもツレを紹介するわ。このうちを最強の覆面《I》と知ってなお、今日の頂上決戦に名乗りを上げた勇気ある覆面雀士――《K》や!」
覆面《K》「よ、よろしくお願いします……だじょ!」
憧「(変な喋り方。マントも似合ってないし。ぶっちゃけ弱そ)よろしくね、《K》さん」
泉(ふっふっふ、憧のやつ、油断しとるな。溢れ出るパチモン感に騙されちゃダメなんや。名前までは聞いてへんから百パーとは言えへんけど、この特徴ある語尾、間違いない。四月に一世を風靡した《ゴールデンルーキー》こと《東風の神》!!
まだ一回しか対局してへんし、そのときはなんの力も使ってこーへんかったから楽勝やったけど、今日は頂上決戦……きっと何かしてくるはずや! 憧、余裕ぶっこいてられんのも今のうちやで)ニヤッ
T「《K》さん、よろしくお願いしますっ!」
K「よ、よろしく……だじぇ!」
憧・泉「じゃ(ほな)、場決めね(や)!!」
――――
――――
憧「ついにこの日が来たわ。ちゃんとドジョウすくいの練習はしてきたんでしょうね、覆面《I》……いや、泉っ!!」
泉「しぶとく勝ち残っとったんやな。そんなにうちに剥かれたかったんか、覆面《A》……もとい、憧っ!!」
憧・泉「ぬぬぬぬぬぬぬ……!!」ゴッ
覆面《T》「まあまあ、《A》さんも《I》さんも! そんなに睨み合ってないで、せっかくの覆面対決、思いっきり楽しみましょうっ!」
泉「むっ、なんや、あ――《A》、このジャージ娘が、自分が見つけてきたツレか?」
憧「ちょっと前に同卓して、仲良くなったのよ。今日の対局に相応しいと思って誘ったの」
T「覆面《T》ですっ、よろしくお願いします!!」
泉「(ふん、あんまり強くなさそうやな!)こちらこそ、よろしくな」
憧(ふっふっふ、泉のやつ、油断してるわね。見た目のダサさに騙されちゃダメなのよ。名前までは聞いてないから百パーとは言えないけど、このジャージ、間違いない。噂に聞くレベル5の第七位――学園都市最高の《原石》!!
まだ一回しか対局してないし、そのときはなんの力も使ってこなかったからフツーに勝っちゃったけど、今日は頂上決戦……きっと何かしてくるはず! 泉、高をくくっていられるのは今のうちなんだから)ニヤッ
泉「ほな、うちもツレを紹介するわ。このうちを最強の覆面《I》と知ってなお、今日の頂上決戦に名乗りを上げた勇気ある覆面雀士――《K》や!」
覆面《K》「よ、よろしくお願いします……だじょ!」
憧「(変な喋り方。マントも似合ってないし。ぶっちゃけ弱そ)よろしくね、《K》さん」
泉(ふっふっふ、憧のやつ、油断しとるな。溢れ出るパチモン感に騙されちゃダメなんや。名前までは聞いてへんから百パーとは言えへんけど、この特徴ある語尾、間違いない。四月に一世を風靡した《ゴールデンルーキー》こと《東風の神》!!
まだ一回しか対局してへんし、そのときはなんの力も使ってこーへんかったから楽勝やったけど、今日は頂上決戦……きっと何かしてくるはずや! 憧、余裕ぶっこいてられんのも今のうちやで)ニヤッ
T「《K》さん、よろしくお願いしますっ!」
K「よ、よろしく……だじぇ!」
憧・泉「じゃ(ほな)、場決めね(や)!!」
――――
531:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 20:18:01.20 :LyBQRhwm0
――――
南家:憧
西家:泉 卓 東家:K
北家:T
憧「(最初からガンガン行くわよっ! とりあえず泉には勝つ……!!)よろしくっ!」
泉「(全局攻撃姿勢で行くでっ! とりあえず憧には勝ったる……!!)よろしくな!」
T「よろしくお願いしますっ!!」
K「よろしく……だじぇ!!」
――――
――――
南家:憧
西家:泉 卓 東家:K
北家:T
憧「(最初からガンガン行くわよっ! とりあえず泉には勝つ……!!)よろしくっ!」
泉「(全局攻撃姿勢で行くでっ! とりあえず憧には勝ったる……!!)よろしくな!」
T「よろしくお願いしますっ!!」
K「よろしく……だじぇ!!」
――――
532:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 20:26:44.19 :LyBQRhwm0
――――
ガヤガヤ
尭深「けっこうな数の人が集まっていますね」
竜華「プライベートな対局やのに映像を公開しとるっちゅーんが、覆面対決の面白さやからな。二年前の頂上決戦もぎょーさん観客がおったでー」
霞「今は夏休みで、予選で敗退した子たちは時間のゆとりがあるしね」
美穂子「席、空いているでしょうか」
宥「あっ、それなら大丈夫。お友達にメールして取っておいてもらったの。えっとね、確かあっちのほうって……」
灼「宥さーんっ!」
宥「あ、灼ちゃんっ!」
灼「お久しぶりですね。予選突破おめでとうございます」
宥「灼ちゃんたちこそ、おめでとう。お互い頑張ろうね」
灼「ま、出るからには、一回戦くらいは突破したいです」
宥「応援してるよっ」
竜華「よっす、鷺森さん。自分がおるっちゅーことは」
浩子「うちもおりまっせ、清水谷先輩」
竜華「おー! 浩子ー!! 元気しとるかー!?」
浩子「ぼちぼちですわ」
竜華「浩子、自分、《I》と打って負けとったやろー。なに油断しとんねん」
浩子「油断なんかしてませんよ。ガチでやって負けましたわ。データにも目を通して準備万端で臨んだんですけど、なかなかどーして、手強かったです」
竜華「ふーん。浩子にここまで言わせるんか……ますます気に入ったで、《I》!」
宥「同じ卓に灼ちゃんもいたんだよね? 《A》さんはどうだった?」
灼「いい感じに強いですよ。ま、宥さんなら負けないと思いますけど」
宥「ほえ~」
――――
ガヤガヤ
尭深「けっこうな数の人が集まっていますね」
竜華「プライベートな対局やのに映像を公開しとるっちゅーんが、覆面対決の面白さやからな。二年前の頂上決戦もぎょーさん観客がおったでー」
霞「今は夏休みで、予選で敗退した子たちは時間のゆとりがあるしね」
美穂子「席、空いているでしょうか」
宥「あっ、それなら大丈夫。お友達にメールして取っておいてもらったの。えっとね、確かあっちのほうって……」
灼「宥さーんっ!」
宥「あ、灼ちゃんっ!」
灼「お久しぶりですね。予選突破おめでとうございます」
宥「灼ちゃんたちこそ、おめでとう。お互い頑張ろうね」
灼「ま、出るからには、一回戦くらいは突破したいです」
宥「応援してるよっ」
竜華「よっす、鷺森さん。自分がおるっちゅーことは」
浩子「うちもおりまっせ、清水谷先輩」
竜華「おー! 浩子ー!! 元気しとるかー!?」
浩子「ぼちぼちですわ」
竜華「浩子、自分、《I》と打って負けとったやろー。なに油断しとんねん」
浩子「油断なんかしてませんよ。ガチでやって負けましたわ。データにも目を通して準備万端で臨んだんですけど、なかなかどーして、手強かったです」
竜華「ふーん。浩子にここまで言わせるんか……ますます気に入ったで、《I》!」
宥「同じ卓に灼ちゃんもいたんだよね? 《A》さんはどうだった?」
灼「いい感じに強いですよ。ま、宥さんなら負けないと思いますけど」
宥「ほえ~」
533:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 20:33:42.94 :LyBQRhwm0
霞「で、そっちは《T》さんと打ったのよね。感想はいかが、巴ちゃん?」
巴「悪くなかったですよ。って……二位だった私が言うのもアレですけど。でも、あの子、本気は出してなかったと思います。
打った感じ、少しスロースターター気味なところがあるようなので、半荘一回だと調子が上がりきらないのかもしれませんね」
霞「ふふっ……風紀委員の副委員長様にここまで言わせるとは。ますます本選で戦ってみたいわね、二代目《T》さん」
宥「えっ、霞ちゃん、二代目って……?」
霞「あら、気付いてなかったの? 覆面のデザインが二年前の《T》と同じじゃない」
巴「ああ、《H》ことハッちゃんが負けたあの人ですね」
尭深「あの、さっきからちょこちょこ出てくる二年前の《T》というのは……」
霞「私たちが一年生の頃の、最強の覆面雀士よ。ヒント、同学年で愛宕さんより強い《T》」
尭深「…………なるほど、つまり、私のよく知っている人ですね」
宥「えっ、なんでそう思うの? 愛宕さんより強い《T》さんは二人いるよね?」
尭深「愛宕先輩より強い二人の《T》。今のチームメンバーに、姓か名が同じく《T》である後輩を持つのは、私のよく知っている人のほうですから」
宥「あ、そっか。霞ちゃん曰く、二代目……なんだもんね」
尭深「ま、二代目云々を抜きに考えても、やっぱりあの人のほうでしょう。あの人の性格なら、やりかねない」
美穂子「とてもそんなイメージはないですけどね。さすがは元チームメンバー」
竜華「ちょ、ちょー待って! ほな、あの《T》は……もしかしてあれか、レベル5の第七位――!?」
霞「学園都市最高の《原石》……高鴨穏乃さん、で間違いないと思うわよ」
――――
霞「で、そっちは《T》さんと打ったのよね。感想はいかが、巴ちゃん?」
巴「悪くなかったですよ。って……二位だった私が言うのもアレですけど。でも、あの子、本気は出してなかったと思います。
打った感じ、少しスロースターター気味なところがあるようなので、半荘一回だと調子が上がりきらないのかもしれませんね」
霞「ふふっ……風紀委員の副委員長様にここまで言わせるとは。ますます本選で戦ってみたいわね、二代目《T》さん」
宥「えっ、霞ちゃん、二代目って……?」
霞「あら、気付いてなかったの? 覆面のデザインが二年前の《T》と同じじゃない」
巴「ああ、《H》ことハッちゃんが負けたあの人ですね」
尭深「あの、さっきからちょこちょこ出てくる二年前の《T》というのは……」
霞「私たちが一年生の頃の、最強の覆面雀士よ。ヒント、同学年で愛宕さんより強い《T》」
尭深「…………なるほど、つまり、私のよく知っている人ですね」
宥「えっ、なんでそう思うの? 愛宕さんより強い《T》さんは二人いるよね?」
尭深「愛宕先輩より強い二人の《T》。今のチームメンバーに、姓か名が同じく《T》である後輩を持つのは、私のよく知っている人のほうですから」
宥「あ、そっか。霞ちゃん曰く、二代目……なんだもんね」
尭深「ま、二代目云々を抜きに考えても、やっぱりあの人のほうでしょう。あの人の性格なら、やりかねない」
美穂子「とてもそんなイメージはないですけどね。さすがは元チームメンバー」
竜華「ちょ、ちょー待って! ほな、あの《T》は……もしかしてあれか、レベル5の第七位――!?」
霞「学園都市最高の《原石》……高鴨穏乃さん、で間違いないと思うわよ」
――――
534:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 20:38:14.12 :LyBQRhwm0
――――
東一局・親:K
穏乃「くっしゅん!」
穏乃(誰かが私の噂をしてるのかな? いい噂だといいなっ!)タンッ
K「……」タンッ
憧(むー、なかなか鳴くチャンスがないわね)タンッ
泉(静かやな。憧は上家をチラ見しとるから、たぶんまだ張ってへん。チー待ちや。せやけど、この《K》と《T》は……)
穏乃(さーて、幸先よくテンパイ! 照さんからは『その覆面で負けたら承知しない』って言われてるけど……これなら今日もなんとかなりそう。じゃ、早速行ってみよっか!)
穏乃「リー」
K「ロン、12000」パラララ
憧・泉「!?」
穏乃(いきなり親満喰らったー!! どどどど、どーしよー!?)グルグル
泉(危ない危ない……。これは、ようわからんけど能力なんかな。起親で高打点っちゅーんは《東風の神》の特徴やし。それなりに警戒しといてよかったわ)
憧(ちょー! 何やってるの、《原石》!! あんたには泉を撃ち落してもらわらないといけないんだから、しっかりしてよ!!)
穏乃(しまったしまった、焦り過ぎた。つい……わくわくしちゃって。《A》さんと《I》さんと《K》さん。みんな強そうで、登り甲斐がある山ばかり。一合目からいきなりダッシュはなかったかな。
ゆっくり行こう。ペースを守って、地に足つけて、一歩ずつ……!)
K「……」
穏乃(まだ見たことのない景色を見に行くんだ。くー! 楽しいっ!!)ゴッ
K:37000 憧:25000 泉:25000 穏乃:13000
――――
東一局・親:K
穏乃「くっしゅん!」
穏乃(誰かが私の噂をしてるのかな? いい噂だといいなっ!)タンッ
K「……」タンッ
憧(むー、なかなか鳴くチャンスがないわね)タンッ
泉(静かやな。憧は上家をチラ見しとるから、たぶんまだ張ってへん。チー待ちや。せやけど、この《K》と《T》は……)
穏乃(さーて、幸先よくテンパイ! 照さんからは『その覆面で負けたら承知しない』って言われてるけど……これなら今日もなんとかなりそう。じゃ、早速行ってみよっか!)
穏乃「リー」
K「ロン、12000」パラララ
憧・泉「!?」
穏乃(いきなり親満喰らったー!! どどどど、どーしよー!?)グルグル
泉(危ない危ない……。これは、ようわからんけど能力なんかな。起親で高打点っちゅーんは《東風の神》の特徴やし。それなりに警戒しといてよかったわ)
憧(ちょー! 何やってるの、《原石》!! あんたには泉を撃ち落してもらわらないといけないんだから、しっかりしてよ!!)
穏乃(しまったしまった、焦り過ぎた。つい……わくわくしちゃって。《A》さんと《I》さんと《K》さん。みんな強そうで、登り甲斐がある山ばかり。一合目からいきなりダッシュはなかったかな。
ゆっくり行こう。ペースを守って、地に足つけて、一歩ずつ……!)
K「……」
穏乃(まだ見たことのない景色を見に行くんだ。くー! 楽しいっ!!)ゴッ
K:37000 憧:25000 泉:25000 穏乃:13000
535:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 20:57:16.53 :LyBQRhwm0
――――
竜華「よしっ、そこや!!」
宥「あっ、ダメ――!!」
泉『ロンッ!! 5200やっ!!』
憧『っ!!』
灼「調子乗り過ぎ……」
浩子「ま、これで原点に戻ったな、あの二人は」
巴「《I》さんの、さっきのリーチ自体が伏線だったのかもですね」
美穂子「たぶん、そこまでは考えていなかったでしょう。単純に、前局でリーチを掻い潜ってきた《A》さんを警戒して、今回はダマで待った。《A》さんから直撃を取れたのはたまたまです」
尭深「最初の《K》さんの親満から点数が動きませんね」
霞「あと少しすれば《T》さんも仕掛けてくるんじゃないかしら。巴ちゃん曰く、スロースターターとのことだから」
泉『リーチやー!!』
浩子「懲りんやっちゃなー、あのドアホ」
憧『チー!!』
灼「さて、今度はどっちに軍配が上がるか」
泉『ツモッ!! 700オール!!』
竜華「しょっぱー!!」
宥「ほあ……助かったぁ」
穏乃『ロン、7700は8000!』
泉『』
竜華・浩子「アホー!!」
美穂子「ま、攻めの姿勢を崩さない、というのは大切なことです」
巴「取られたら取られた分だけ取り返せばいいんですもんね」
霞「そんなのがほいほいできるのは巴ちゃんくらいよ」
穏乃『ロン、5800!』
憧『』
宥・灼「あ…………」
霞「あらあら、ようやくギアが上がってきたのかしら。《原石》さん」
竜華「っちゅーか、《K》が堅いなー。最初に和了ったっきり、他家のテンパイ気配を感じたらベタオリ。このままトップを譲らへんつもりや」
尭深「ツモで削り落とせればいいんですけどね。しかし、他の三人が……」
美穂子「《A》さんと《I》さんは互いを意識するばかりで、《K》さんのことは目に入っていません。《T》さんは逆に視野が広いので、隙のない《K》さんを避けているようですね」
宥「《K》さんは安泰……ってことかな」
憧・泉『テンパイ』
穏乃・K『ノーテン』
霞「南入ね……」
――――
――――
竜華「よしっ、そこや!!」
宥「あっ、ダメ――!!」
泉『ロンッ!! 5200やっ!!』
憧『っ!!』
灼「調子乗り過ぎ……」
浩子「ま、これで原点に戻ったな、あの二人は」
巴「《I》さんの、さっきのリーチ自体が伏線だったのかもですね」
美穂子「たぶん、そこまでは考えていなかったでしょう。単純に、前局でリーチを掻い潜ってきた《A》さんを警戒して、今回はダマで待った。《A》さんから直撃を取れたのはたまたまです」
尭深「最初の《K》さんの親満から点数が動きませんね」
霞「あと少しすれば《T》さんも仕掛けてくるんじゃないかしら。巴ちゃん曰く、スロースターターとのことだから」
泉『リーチやー!!』
浩子「懲りんやっちゃなー、あのドアホ」
憧『チー!!』
灼「さて、今度はどっちに軍配が上がるか」
泉『ツモッ!! 700オール!!』
竜華「しょっぱー!!」
宥「ほあ……助かったぁ」
穏乃『ロン、7700は8000!』
泉『』
竜華・浩子「アホー!!」
美穂子「ま、攻めの姿勢を崩さない、というのは大切なことです」
巴「取られたら取られた分だけ取り返せばいいんですもんね」
霞「そんなのがほいほいできるのは巴ちゃんくらいよ」
穏乃『ロン、5800!』
憧『』
宥・灼「あ…………」
霞「あらあら、ようやくギアが上がってきたのかしら。《原石》さん」
竜華「っちゅーか、《K》が堅いなー。最初に和了ったっきり、他家のテンパイ気配を感じたらベタオリ。このままトップを譲らへんつもりや」
尭深「ツモで削り落とせればいいんですけどね。しかし、他の三人が……」
美穂子「《A》さんと《I》さんは互いを意識するばかりで、《K》さんのことは目に入っていません。《T》さんは逆に視野が広いので、隙のない《K》さんを避けているようですね」
宥「《K》さんは安泰……ってことかな」
憧・泉『テンパイ』
穏乃・K『ノーテン』
霞「南入ね……」
――――
536:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 20:58:50.71 :LyBQRhwm0
――――
南一局流れ二本場・親:K
憧(うーん。イマイチ牌が馴染まないっていうか、ペースが掴めないっていうか。ノッてこないのよね。テンパイしたはいいけど、欲を言えばもっと点が欲しい)タンッ
泉「リーチッ!!」
憧(げっ!? 泉のやつ、引くって単語が辞書にないわけ? 無駄に高そうなのがまた厄介よね。どーしたもんか……)
K「……」タンッ
憧(えっ……? あ、これ、どーしよ。えっと、泉がいかにも高そうな手でリーチしてて、私の手はよくて満貫止まりくらいだから、この場合、期待値は……ああっ、もう、わかんなーいっ!!)
憧「ロ、ロン。1000は1600ッ!」パラララ
K「はい……だじょ」チャ
泉(なーっ!! うちの倍満があああ!!)
憧(も、もうちょっと高いほうがよかった……? あー、もう、やめやめ! 過ぎたことを考えるのはあとっ!)
穏乃(んー……?)
K:33200 憧:22600 泉:19600 穏乃:24600
――――
南一局流れ二本場・親:K
憧(うーん。イマイチ牌が馴染まないっていうか、ペースが掴めないっていうか。ノッてこないのよね。テンパイしたはいいけど、欲を言えばもっと点が欲しい)タンッ
泉「リーチッ!!」
憧(げっ!? 泉のやつ、引くって単語が辞書にないわけ? 無駄に高そうなのがまた厄介よね。どーしたもんか……)
K「……」タンッ
憧(えっ……? あ、これ、どーしよ。えっと、泉がいかにも高そうな手でリーチしてて、私の手はよくて満貫止まりくらいだから、この場合、期待値は……ああっ、もう、わかんなーいっ!!)
憧「ロ、ロン。1000は1600ッ!」パラララ
K「はい……だじょ」チャ
泉(なーっ!! うちの倍満があああ!!)
憧(も、もうちょっと高いほうがよかった……? あー、もう、やめやめ! 過ぎたことを考えるのはあとっ!)
穏乃(んー……?)
K:33200 憧:22600 泉:19600 穏乃:24600

【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」

【速報】尾田っち、ワンピース最新話でやってしまうwwww

【東方】ルックス100点の文ちゃん

【日向坂46】ひなあい、大事件が勃発!?

韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
537:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 21:04:22.34 :LyBQRhwm0
南二局・親:憧
泉(憧のやつ、うちのリーチが恐くてひよったんか? さっきの手、稼ぐつもりならリーチかけてもよかったはずや。
手替わりを待っとったにしろ、結局1000点で和了ってまうなんて、勿体ないにもほどがある)タンッ
泉(ま、ああでもしなきゃ、うちを止められへんかったんやろな。その用心深さはさすがやで。けど……うちはさらにその上を行くっ!!)
泉「もっぺんリーチやー!!」チャ
泉(ツモでゴットーやけど、裏や一発がつけばその限りやない。この卓に玄さんや豊音さんはおらんねん。何度潰されようと、リーチで勝負する意味はあるはずや……!!)
憧(さっきからテンパイ速過ぎっ! 引くことを知らないから引きがいいって? そんなオカルトあってたまるもんですか! こいつは無能力者――古典確率論以上に警戒することはない……!!)タンッ
――――
南二局・親:憧
泉(憧のやつ、うちのリーチが恐くてひよったんか? さっきの手、稼ぐつもりならリーチかけてもよかったはずや。
手替わりを待っとったにしろ、結局1000点で和了ってまうなんて、勿体ないにもほどがある)タンッ
泉(ま、ああでもしなきゃ、うちを止められへんかったんやろな。その用心深さはさすがやで。けど……うちはさらにその上を行くっ!!)
泉「もっぺんリーチやー!!」チャ
泉(ツモでゴットーやけど、裏や一発がつけばその限りやない。この卓に玄さんや豊音さんはおらんねん。何度潰されようと、リーチで勝負する意味はあるはずや……!!)
憧(さっきからテンパイ速過ぎっ! 引くことを知らないから引きがいいって? そんなオカルトあってたまるもんですか! こいつは無能力者――古典確率論以上に警戒することはない……!!)タンッ
――――
538:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 21:10:48.84 :LyBQRhwm0
――――
泉『ツモ……500・1000や』
竜華「まったまた微妙やなー」
浩子「まあ、あいつは無能力者ですから」
尭深「オーラスが近付いてきましたね」
宥「トップの《K》さんが32700、ラスの《A》さんが21600。かなり接戦だね」
灼「大きいのが一発出れば、簡単にひっくり返る」
霞「どうかしらね。先ほどから、比較的小粒な和了りばかり。満貫以上の手が、最初の親満だけ」
穏乃『ポン……』
巴「あ、《原石》さんが動いた」
泉『それや、チーッ!』
美穂子「また細かい勝負になりそうですね」
穏乃『ツモ。1000・2000』
竜華「ぎゃー! 《I》のラス親がああああ!!」
浩子「まだオーラスがあります。この点差なら、ハネツモで逆転できますわ。二位抜けなら満ツモでもええ」
宥「《A》さん、さっきから全然鳴けてない」
尭深「上家の《K》さんが、牌を絞っている感じがしますね」
灼「《K》さんは相手の牌譜をよく研究してる。それに、立ち回りが上手い」
巴「さっき、《I》さんのリーチで《A》さんに差し込んでいましたよね」
美穂子「…………」
霞「どうしたの、美穂子ちゃん」
美穂子「いえ、そう言えば、あの《K》さんは誰なのだろう、と思いまして」
――――
泉『ツモ……500・1000や』
竜華「まったまた微妙やなー」
浩子「まあ、あいつは無能力者ですから」
尭深「オーラスが近付いてきましたね」
宥「トップの《K》さんが32700、ラスの《A》さんが21600。かなり接戦だね」
灼「大きいのが一発出れば、簡単にひっくり返る」
霞「どうかしらね。先ほどから、比較的小粒な和了りばかり。満貫以上の手が、最初の親満だけ」
穏乃『ポン……』
巴「あ、《原石》さんが動いた」
泉『それや、チーッ!』
美穂子「また細かい勝負になりそうですね」
穏乃『ツモ。1000・2000』
竜華「ぎゃー! 《I》のラス親がああああ!!」
浩子「まだオーラスがあります。この点差なら、ハネツモで逆転できますわ。二位抜けなら満ツモでもええ」
宥「《A》さん、さっきから全然鳴けてない」
尭深「上家の《K》さんが、牌を絞っている感じがしますね」
灼「《K》さんは相手の牌譜をよく研究してる。それに、立ち回りが上手い」
巴「さっき、《I》さんのリーチで《A》さんに差し込んでいましたよね」
美穂子「…………」
霞「どうしたの、美穂子ちゃん」
美穂子「いえ、そう言えば、あの《K》さんは誰なのだろう、と思いまして」
539:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 21:15:09.24 :LyBQRhwm0
竜華「へっ? あの子ちゃうの? ほら、合同合宿んときの」
宥「《幻奏》の片岡優希ちゃん。東場に強い《ゴールデンルーキー》の子だよね」
尭深「今回も起親で大きいのを和了ってましたし」
美穂子「……本当にそうでしょうか。私の見る限り、とても、片岡さんの打ち方とは思えません。あれは、むしろ――」
ダッダッダッ
?「巴さーんっ!! 遅くなりましたー!!」
巴「あっ、華菜」
尭深「華菜ちゃん……」
浩子「池田ァー、自分どこほっつき歩いてたんやー」
灼「もう頂上決戦が終わっちゃう」
華菜「すまんし! あっちの会場でも覆面対決してて、気になって覗いてたらこんな時間に――って、《豊穣》の皆さんっ!!
わああ、福路先輩っ!? 実物だし……!!」
美穂子「こんにちは、池田さん。いつも差し入れありがとう。たまには直接渡しにきてくれてもいいのよ?」
華菜「そ、そんな……畏れ多いですよっ! それに、あたしだけ抜け駆けみたいなことしたら、他の会員に怒られますし!!」
尭深「華菜ちゃんが会長を務める福路先輩ファンクラブ。確か、80人くらいいるんだっけ」
華菜「そうそう……ってたかみーん! 久しぶりだしー!!」
尭深「相変わらず元気そうで何より。今年は予選突破おめでとう。華菜ちゃんもそうだし、ファンクラブの皆さんも」
華菜「そっちこそ、福路先輩と一緒にトーナメントとか、超うらやましいしっ!」
美穂子「池田さん、今度、よかったらみんなでお茶会でもしましょう。私、クッキーを焼いてくるわ」
華菜「にゃ!? ありがとうございますっ! みはるんたちも大喜びですよーっ!!」
竜華「へっ? あの子ちゃうの? ほら、合同合宿んときの」
宥「《幻奏》の片岡優希ちゃん。東場に強い《ゴールデンルーキー》の子だよね」
尭深「今回も起親で大きいのを和了ってましたし」
美穂子「……本当にそうでしょうか。私の見る限り、とても、片岡さんの打ち方とは思えません。あれは、むしろ――」
ダッダッダッ
?「巴さーんっ!! 遅くなりましたー!!」
巴「あっ、華菜」
尭深「華菜ちゃん……」
浩子「池田ァー、自分どこほっつき歩いてたんやー」
灼「もう頂上決戦が終わっちゃう」
華菜「すまんし! あっちの会場でも覆面対決してて、気になって覗いてたらこんな時間に――って、《豊穣》の皆さんっ!!
わああ、福路先輩っ!? 実物だし……!!」
美穂子「こんにちは、池田さん。いつも差し入れありがとう。たまには直接渡しにきてくれてもいいのよ?」
華菜「そ、そんな……畏れ多いですよっ! それに、あたしだけ抜け駆けみたいなことしたら、他の会員に怒られますし!!」
尭深「華菜ちゃんが会長を務める福路先輩ファンクラブ。確か、80人くらいいるんだっけ」
華菜「そうそう……ってたかみーん! 久しぶりだしー!!」
尭深「相変わらず元気そうで何より。今年は予選突破おめでとう。華菜ちゃんもそうだし、ファンクラブの皆さんも」
華菜「そっちこそ、福路先輩と一緒にトーナメントとか、超うらやましいしっ!」
美穂子「池田さん、今度、よかったらみんなでお茶会でもしましょう。私、クッキーを焼いてくるわ」
華菜「にゃ!? ありがとうございますっ! みはるんたちも大喜びですよーっ!!」
540:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 21:19:14.03 :LyBQRhwm0
竜華「そーいや、池田さん。さっきチラッと言うてたけど、どっかで別の覆面対決もやっとるん?」
華菜「そうなんですっ! 面白いですよ、最強の覆面《K》を決める戦い! 打ってる面子全員が《K》なんです!!」
宥「あ、《K》さんってそんなにいたんだ……」
美穂子「池田さん……その、四人の《K》さんのうち、正体がわかっている子っている? よければ、こっそり教えてくれないかしら?」
華菜「えっ? ま、まあ、福路先輩の頼みなら、いくらでも。えーっと、あてずっぽうなんですけど、この前対局して、たぶん例の《ゴールデンルーキー》じゃないかなーってやつがいました。
マントつけてて、必ず起親になるんです。能力は使ってないっぽかったんで、あのときはあたしがトップでしたが……」
尭深「……それは、ここで打っているあの《K》さんとは、別人なの?」
華菜「ここ――って、あー!! あいつ、偽物《K》だしっ!!」
巴「華菜、偽物ってどういうこと……?」
華菜「《ゴールデンルーキー》の真似をしてるやつがいるんですよ。喋り方も格好もそれっぽくして。
あたしはどっちとも対局したことがあるので、見ればどっちかわかります。あれは偽物《K》のほうです」
灼「見分け方とかあるの?」
華菜「本物《K》は、たぶん、能力なのか体質なのか、必ず起親になる。偽物《K》は、そうじゃない」
浩子「今回、あの《K》は起親やけど?」
華菜「あと、覆面とマントの質感が全然違うし! 本物は、なんか、オーダーメイドな高級感があるんだけど、偽物は、ハンドメイドなパチモノ感があるというか……!」
竜華「そーいや、池田さん。さっきチラッと言うてたけど、どっかで別の覆面対決もやっとるん?」
華菜「そうなんですっ! 面白いですよ、最強の覆面《K》を決める戦い! 打ってる面子全員が《K》なんです!!」
宥「あ、《K》さんってそんなにいたんだ……」
美穂子「池田さん……その、四人の《K》さんのうち、正体がわかっている子っている? よければ、こっそり教えてくれないかしら?」
華菜「えっ? ま、まあ、福路先輩の頼みなら、いくらでも。えーっと、あてずっぽうなんですけど、この前対局して、たぶん例の《ゴールデンルーキー》じゃないかなーってやつがいました。
マントつけてて、必ず起親になるんです。能力は使ってないっぽかったんで、あのときはあたしがトップでしたが……」
尭深「……それは、ここで打っているあの《K》さんとは、別人なの?」
華菜「ここ――って、あー!! あいつ、偽物《K》だしっ!!」
巴「華菜、偽物ってどういうこと……?」
華菜「《ゴールデンルーキー》の真似をしてるやつがいるんですよ。喋り方も格好もそれっぽくして。
あたしはどっちとも対局したことがあるので、見ればどっちかわかります。あれは偽物《K》のほうです」
灼「見分け方とかあるの?」
華菜「本物《K》は、たぶん、能力なのか体質なのか、必ず起親になる。偽物《K》は、そうじゃない」
浩子「今回、あの《K》は起親やけど?」
華菜「あと、覆面とマントの質感が全然違うし! 本物は、なんか、オーダーメイドな高級感があるんだけど、偽物は、ハンドメイドなパチモノ感があるというか……!」
541:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 21:24:02.19 :LyBQRhwm0
宥「打ったときの印象は……どうだった?」
華菜「ああ、えっと、それはその――」
霞「何か、変わったことでも?」
華菜「あ、い、いえ! 本物《K》も偽物《K》も、あたしと打ったときは能力ナシの完全デジタルでした。ただ、その、恥ずかしながら……」
竜華「どうしたん?」
華菜「偽物《K》には……運悪く、負けてしまいまして」
美穂子「運悪く……ね。とても池田さん――尭深さんと同じ白糸台の《生ける伝説》にして、風紀委員内でも屈指のトップ率を誇る《砲号》――の口から出るような言葉とは思えないけれど」
華菜「ま、まあ……あたしにも、調子が出ないときくらいありますよ。それに、あの偽物《K》、視野が広いというか、目がいいというか、ちょっとだけ福路先輩みたいなところがあって。
もちろん、本物の福路先輩とは雲泥の差ですけど! あたし的には、その、やりにくい相手でした……」
美穂子「私みたいな――か。そうね。確かに、あの《K》さんは、時々私みたいな打ち方をするときがある。それも……けど、当然と言えば当然なのかも」
華菜「?」
霞「もしかして……あの《K》は、あの子なの?」
宥「えっ、えっ? どういうこと?」
尭深「宥さん、よく思い出してください。あの合同合宿の二日目、福路先輩が指南役を担当していたのが、誰だったのか」
竜華「そうか……! あの子も《K》やったなっ!」
宥「打ったときの印象は……どうだった?」
華菜「ああ、えっと、それはその――」
霞「何か、変わったことでも?」
華菜「あ、い、いえ! 本物《K》も偽物《K》も、あたしと打ったときは能力ナシの完全デジタルでした。ただ、その、恥ずかしながら……」
竜華「どうしたん?」
華菜「偽物《K》には……運悪く、負けてしまいまして」
美穂子「運悪く……ね。とても池田さん――尭深さんと同じ白糸台の《生ける伝説》にして、風紀委員内でも屈指のトップ率を誇る《砲号》――の口から出るような言葉とは思えないけれど」
華菜「ま、まあ……あたしにも、調子が出ないときくらいありますよ。それに、あの偽物《K》、視野が広いというか、目がいいというか、ちょっとだけ福路先輩みたいなところがあって。
もちろん、本物の福路先輩とは雲泥の差ですけど! あたし的には、その、やりにくい相手でした……」
美穂子「私みたいな――か。そうね。確かに、あの《K》さんは、時々私みたいな打ち方をするときがある。それも……けど、当然と言えば当然なのかも」
華菜「?」
霞「もしかして……あの《K》は、あの子なの?」
宥「えっ、えっ? どういうこと?」
尭深「宥さん、よく思い出してください。あの合同合宿の二日目、福路先輩が指南役を担当していたのが、誰だったのか」
竜華「そうか……! あの子も《K》やったなっ!」
543:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 21:27:53.21 :LyBQRhwm0
美穂子「もちろん、可能性の話です。覆面の下を見たわけではないので、確証はありません。それに、私自身、言っておいてなんですけど、まだ信じられなくて……」
霞「どういうこと?」
美穂子「一言で言えば、見違えました」
宥「打ち方が変わってる……ってこと?」
竜華「ちゃうな。たぶん、打ち方が進化した――って感じやろ」
美穂子「そうです。あの《K》さんは……私の知っている彼女とはまるで別人。彼女、あのときは、ラスを回避することすらままならなかったのに。それが、今はどうでしょう」
尭深「覆面雀士の頂上決戦――《原石》さんや、鷺森さんと船久保さん相手に勝つような雀士を相手に、東一局からトップを守り続けている」
美穂子「池田さんが勝てなかったことも、偶然ではないのなら、あの子、この一ヶ月ほどで二軍《セカンドクラス》相当の力を手にしたことになります。一ヶ月前は五軍以下の力しかなかった子が……」
霞「予選決勝の牌譜は見たけれど、そのときは、合宿と大差ない、お世辞にも上等とは言えない打ち方だったわ」
竜華「なら、化けたんは……この覆面ブームの間ってことか」
宥「それが本当なら、これから本選まで、彼女、ものすごい勢いで強くなるんじゃ……?」
尭深「ま、まあ……とりあえず、あれこれ詮索するのは対局を見届けてからにしますか……」
憧・泉『……ノーテン』
K・穏乃『テンパイ』
穏乃『ラス親、続行します』
――――
美穂子「もちろん、可能性の話です。覆面の下を見たわけではないので、確証はありません。それに、私自身、言っておいてなんですけど、まだ信じられなくて……」
霞「どういうこと?」
美穂子「一言で言えば、見違えました」
宥「打ち方が変わってる……ってこと?」
竜華「ちゃうな。たぶん、打ち方が進化した――って感じやろ」
美穂子「そうです。あの《K》さんは……私の知っている彼女とはまるで別人。彼女、あのときは、ラスを回避することすらままならなかったのに。それが、今はどうでしょう」
尭深「覆面雀士の頂上決戦――《原石》さんや、鷺森さんと船久保さん相手に勝つような雀士を相手に、東一局からトップを守り続けている」
美穂子「池田さんが勝てなかったことも、偶然ではないのなら、あの子、この一ヶ月ほどで二軍《セカンドクラス》相当の力を手にしたことになります。一ヶ月前は五軍以下の力しかなかった子が……」
霞「予選決勝の牌譜は見たけれど、そのときは、合宿と大差ない、お世辞にも上等とは言えない打ち方だったわ」
竜華「なら、化けたんは……この覆面ブームの間ってことか」
宥「それが本当なら、これから本選まで、彼女、ものすごい勢いで強くなるんじゃ……?」
尭深「ま、まあ……とりあえず、あれこれ詮索するのは対局を見届けてからにしますか……」
憧・泉『……ノーテン』
K・穏乃『テンパイ』
穏乃『ラス親、続行します』
――――
544:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 21:44:46.82 :LyBQRhwm0
――――
南四局一本場・親:穏乃
穏乃(……おかしい)タンッ
穏乃(さっきから、全然山の頂上が見えてこない。それどころか、頂上がどこにあるのかもわからなくなってきた。
最初は、確かに見えていたのに。踏み出して、踏み入れた瞬間から――感覚が狂わされっぱなしだ)タンッ
穏乃(私の調子が悪いのかな、とも思ったけど、他の二つの山はもう中腹くらいまで来れた。視界良好。
なのに……この人。この人だけ、うまく登れない。こんなこと……初めてだ)タンッ
穏乃(さっきだって、逆転できると思ったのに……テンパイ止まり。和了りへの道を進んでいたはずなのに、途中で、何度も何度も、行く手を阻まれて、引き返して、かと思えば退路まで断たれて……最後には完全に迷子)タンッ
穏乃(険しいのとは違う。照さんみたいな、切り立った崖を登る感覚とは、違う難しさ。
この人の場合は、まるで……そう、なんの変哲もない小山なのに、頂上へ至る道がどれも塞がれてて……いや、それも少し違うかな)タンッ
穏乃(道を塞ぐのは、どちらかというと塞さんの麻雀だ。この人の場合は、塞さんのよりもっとひどい。
道を、道そのものを、断ち切ってしまう。地震で大地が割れるみたいに、底のない溝が――私を取り囲むんだ)タンッ
穏乃(塞さんの力は、頑張れば、回り道を探すこともできる。和了りへの道は一本じゃない。どこかに必ず別の道がある。
でも、この人を相手にしていると、びっくりするくらいに、道が――生路がない)タンッ
穏乃(あちこち止められて……いつの間にか、あんなに開けていた山が、出口のない地下迷宮みたいになってる。
登っていたはずなのに、下ってる。日の降り注ぐ頂上だと思って辿り着いた場所が、実際は、真っ暗な、深い深い奈落の底……)タンッ
穏乃(蟻地獄みたいだ。もがけばもがくほど、深みに嵌る。私の感覚がまったく役に立たない。そもそも、これは本当に山なのかな? いや、もっと言えば……これは本当に麻雀――?)タンッ
K「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
穏乃(うっ……まただ。私のすごいパワー(略称:すごパ)が機能しない。
照さんに吹き飛ばされても、塞さんに塞がれても、純さんやまこさんに乱されても、すごパそのものを断ち切られることは絶対になかったのに。だとすると、この人……まさか――)
穏乃「ロン、2000は2300」パラララ
憧「ひゃわっ!?」
穏乃「ラス親、続行で……」
K:33200 憧:16800 泉:18100 穏乃:31900
穏乃(なんにせよ、可能な限り挑んでみたい。いざ戦うってなったときのために、少しでも、その本質を捉えておきたいから……)コロコロ
穏乃(さあ……行くぞ! 今度こそ、どうにかして頂上に辿り着――)
K「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
穏乃(っ……!? そんな、この人……!! こんなことが――!!?)ゾゾゾゾッ
穏乃(て、照さん……っ!!!)
――――
――――
南四局一本場・親:穏乃
穏乃(……おかしい)タンッ
穏乃(さっきから、全然山の頂上が見えてこない。それどころか、頂上がどこにあるのかもわからなくなってきた。
最初は、確かに見えていたのに。踏み出して、踏み入れた瞬間から――感覚が狂わされっぱなしだ)タンッ
穏乃(私の調子が悪いのかな、とも思ったけど、他の二つの山はもう中腹くらいまで来れた。視界良好。
なのに……この人。この人だけ、うまく登れない。こんなこと……初めてだ)タンッ
穏乃(さっきだって、逆転できると思ったのに……テンパイ止まり。和了りへの道を進んでいたはずなのに、途中で、何度も何度も、行く手を阻まれて、引き返して、かと思えば退路まで断たれて……最後には完全に迷子)タンッ
穏乃(険しいのとは違う。照さんみたいな、切り立った崖を登る感覚とは、違う難しさ。
この人の場合は、まるで……そう、なんの変哲もない小山なのに、頂上へ至る道がどれも塞がれてて……いや、それも少し違うかな)タンッ
穏乃(道を塞ぐのは、どちらかというと塞さんの麻雀だ。この人の場合は、塞さんのよりもっとひどい。
道を、道そのものを、断ち切ってしまう。地震で大地が割れるみたいに、底のない溝が――私を取り囲むんだ)タンッ
穏乃(塞さんの力は、頑張れば、回り道を探すこともできる。和了りへの道は一本じゃない。どこかに必ず別の道がある。
でも、この人を相手にしていると、びっくりするくらいに、道が――生路がない)タンッ
穏乃(あちこち止められて……いつの間にか、あんなに開けていた山が、出口のない地下迷宮みたいになってる。
登っていたはずなのに、下ってる。日の降り注ぐ頂上だと思って辿り着いた場所が、実際は、真っ暗な、深い深い奈落の底……)タンッ
穏乃(蟻地獄みたいだ。もがけばもがくほど、深みに嵌る。私の感覚がまったく役に立たない。そもそも、これは本当に山なのかな? いや、もっと言えば……これは本当に麻雀――?)タンッ
K「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
穏乃(うっ……まただ。私のすごいパワー(略称:すごパ)が機能しない。
照さんに吹き飛ばされても、塞さんに塞がれても、純さんやまこさんに乱されても、すごパそのものを断ち切られることは絶対になかったのに。だとすると、この人……まさか――)
穏乃「ロン、2000は2300」パラララ
憧「ひゃわっ!?」
穏乃「ラス親、続行で……」
K:33200 憧:16800 泉:18100 穏乃:31900
穏乃(なんにせよ、可能な限り挑んでみたい。いざ戦うってなったときのために、少しでも、その本質を捉えておきたいから……)コロコロ
穏乃(さあ……行くぞ! 今度こそ、どうにかして頂上に辿り着――)
K「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
穏乃(っ……!? そんな、この人……!! こんなことが――!!?)ゾゾゾゾッ
穏乃(て、照さん……っ!!!)
――――
545:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 21:50:55.41 :LyBQRhwm0
――――
K『ロン……1000は1600、だじょ』
泉『うげ――』
尭深「終わり、ですね」
美穂子「勝ったのは……《K》さんと《T》さんですか」
霞「竜華ちゃんと宥ちゃんのお気に入りさんは、残念ながら力及ばずって感じだったわね」
竜華「ま、面が割れたんはラッキーやったけどな。そっかー、二条泉いうんか。あの化け物揃いの《逢天》の一年生やんな。本選で当たるかどうかはわからへんけど、覚えとこー」
宥「新子憧ちゃん……竹井さんたち《久遠》の一年生。あっ、灼ちゃん、事情を聞いてこなくて大丈夫なの?」
灼「前に直接対局したときに、向こうからそれとなく教えてくれましたよ」
浩子「ま、うちらは負けたわけですから、そっとしとくんが雀士としては正しいと思います」
華菜「それで、結局、偽物《K》については何かわかったんですか?」
巴「霞さんたちは、何か心当たりがあるみたいだけど……」
霞「まあ、言われてみれば、十中八九、あの子なのよね」
竜華「せやけど、あの《K》は覆面対決を制したわけやからな。直接打ったわけでもないうちらが正体をあれこれ言うんは野暮ってもんや」
美穂子「本選で戦うときは、こちらも本気で勝ちにいかなければなりませんね」
宥「合宿のときのようにはいかない……か」
尭深「まあ、それは他のチームにも言えることです。もとより、全力を出さずに優勝できるなどとは思っていません」
灼「応援してるよ、《豊穣》。頑張って」
浩子「委員長が目を三角にしはるから、あくまで《新約》の次に、やけどな」
巴「ああ、ハッちゃんと霞さんは喧嘩するほど仲良しだからね」
華菜「もし本選で当たったら、お互い悔いのないように打つしっ!」
尭深「ありがとうございます。薄墨先輩たちにもよろしくお伝えください。では、私たちはこれで失礼します。また本選でお会いしましょう……」
――――
――――
K『ロン……1000は1600、だじょ』
泉『うげ――』
尭深「終わり、ですね」
美穂子「勝ったのは……《K》さんと《T》さんですか」
霞「竜華ちゃんと宥ちゃんのお気に入りさんは、残念ながら力及ばずって感じだったわね」
竜華「ま、面が割れたんはラッキーやったけどな。そっかー、二条泉いうんか。あの化け物揃いの《逢天》の一年生やんな。本選で当たるかどうかはわからへんけど、覚えとこー」
宥「新子憧ちゃん……竹井さんたち《久遠》の一年生。あっ、灼ちゃん、事情を聞いてこなくて大丈夫なの?」
灼「前に直接対局したときに、向こうからそれとなく教えてくれましたよ」
浩子「ま、うちらは負けたわけですから、そっとしとくんが雀士としては正しいと思います」
華菜「それで、結局、偽物《K》については何かわかったんですか?」
巴「霞さんたちは、何か心当たりがあるみたいだけど……」
霞「まあ、言われてみれば、十中八九、あの子なのよね」
竜華「せやけど、あの《K》は覆面対決を制したわけやからな。直接打ったわけでもないうちらが正体をあれこれ言うんは野暮ってもんや」
美穂子「本選で戦うときは、こちらも本気で勝ちにいかなければなりませんね」
宥「合宿のときのようにはいかない……か」
尭深「まあ、それは他のチームにも言えることです。もとより、全力を出さずに優勝できるなどとは思っていません」
灼「応援してるよ、《豊穣》。頑張って」
浩子「委員長が目を三角にしはるから、あくまで《新約》の次に、やけどな」
巴「ああ、ハッちゃんと霞さんは喧嘩するほど仲良しだからね」
華菜「もし本選で当たったら、お互い悔いのないように打つしっ!」
尭深「ありがとうございます。薄墨先輩たちにもよろしくお伝えください。では、私たちはこれで失礼します。また本選でお会いしましょう……」
――――
546:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 21:58:17.05 :LyBQRhwm0
――――
K「…………」フゥ
穏乃「お疲れ様です。覆面《K》さん」
K「あっ、ああ、はい。お疲れ様でした……じょ!」
穏乃「いいですよ、無理しなくて。私、この覆面期間中に、本物の片岡さんと打ったことがあるんです。卓を囲んだときから、別人だってことには気付いていました」
K「バレていましたか……お恥ずかしい」
穏乃「いやー、それにしても、びっくりするくらい強い能力ですね! 私、こう見えてレベルは結構高いんですけど、こんなにやり込められたのは初めてですっ!」
K「いえいえ! たまたま最初にラッキーパンチが当たっただけで、最後までひやひやしっぱなしでしたよっ! やり込めたなんてとんでもない!!」
穏乃「そうですか? なんの能力かわからないですけど、こんなに手も足も出なかったことなんて今までなかったです。
なんていうか、止められてるなーっていうか、閉ざされてるなーっていう感じで」
K「そ、そうなんですか? けど、今回の対局では、私、能力は一度も使っていませんよ?」
穏乃「………………えっ?」
K「あ、いや! その、手加減していたとかではなく、本当に、運が良かっただけです。
あ……でも、そうですね。特に意識はしていませんでしたが、もしかすると、どこかで使っていたのかもしれません、能力」
穏乃「特に……意識はしていない……?」
K「す、すいません! 何分、常時発動型というか、体質というか、そんな感じの能力なものでして、その――」
穏乃「……………………」
K「ど、どうかされました?」
穏乃「いえ! なんでもないですっ! では、本選でお会いできるといいですねっ! 今度は覆面ナシで戦いましょう!! さようならーっ!!」ダダダダダダダダダダ
K「あっ――な、なんてダッシュ力……」
――――
K「…………」フゥ
穏乃「お疲れ様です。覆面《K》さん」
K「あっ、ああ、はい。お疲れ様でした……じょ!」
穏乃「いいですよ、無理しなくて。私、この覆面期間中に、本物の片岡さんと打ったことがあるんです。卓を囲んだときから、別人だってことには気付いていました」
K「バレていましたか……お恥ずかしい」
穏乃「いやー、それにしても、びっくりするくらい強い能力ですね! 私、こう見えてレベルは結構高いんですけど、こんなにやり込められたのは初めてですっ!」
K「いえいえ! たまたま最初にラッキーパンチが当たっただけで、最後までひやひやしっぱなしでしたよっ! やり込めたなんてとんでもない!!」
穏乃「そうですか? なんの能力かわからないですけど、こんなに手も足も出なかったことなんて今までなかったです。
なんていうか、止められてるなーっていうか、閉ざされてるなーっていう感じで」
K「そ、そうなんですか? けど、今回の対局では、私、能力は一度も使っていませんよ?」
穏乃「………………えっ?」
K「あ、いや! その、手加減していたとかではなく、本当に、運が良かっただけです。
あ……でも、そうですね。特に意識はしていませんでしたが、もしかすると、どこかで使っていたのかもしれません、能力」
穏乃「特に……意識はしていない……?」
K「す、すいません! 何分、常時発動型というか、体質というか、そんな感じの能力なものでして、その――」
穏乃「……………………」
K「ど、どうかされました?」
穏乃「いえ! なんでもないですっ! では、本選でお会いできるといいですねっ! 今度は覆面ナシで戦いましょう!! さようならーっ!!」ダダダダダダダダダダ
K「あっ――な、なんてダッシュ力……」
547:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 22:05:31.19 :LyBQRhwm0
ダッダッダッ
淡「キーラーメー!!」ダキッ
煌「淡さんっ!?」
淡「見てたよー!! やったじゃん! これでキラメが最強の覆面雀士だよっ!! あの《原石》にも勝っちゃうなんてすばらっ!!」
煌「えっ、《原石》って――ええええ!? では、先ほどの覆面《T》さんが……あのレベル5の第七位、学園都市最高の《原石》と名高い《深山幽谷の化身》――高鴨穏乃さんだったんですか!!?」
淡「そうだよ。っていうか、《原石》が裸ジャージだってのは有名な話じゃん」
煌「そ、そう言えば前にそんなことを聞いたような……! 奇抜な格好だとは思っていましたが……」
淡「まっ、でも、所詮は第七位ってことだよね! 第一位のキラメが負けるわけがない!!」
煌「そ、そうでしょうか……? 今回はたまたまですよ。たまたま、東一局で大きな和了りをものにできた。あとは防戦一方でした」
淡「今までは、そのたまたまの和了りすらできてなかったんだよ。キラメ……いっぱい勉強したもんね。
私たちとの特訓だけじゃない。ミホコとかの牌譜を研究したり、そりゃもう雀卓にかじりつく勢いで」
煌「いえ、私はまだまだ……淡さんたちのいる場所には、辿り着けていませんよ……」
淡「……けど?」
煌「けど、以前よりも、ずっと近くまで来られたような気がします。私はまだまだ弱いですが……私はまだまだ強くなれる。今回の覆面修行で、かなり自信がつきました。
淡さんのアドバイス通り、片岡さんを模したのも効果があったのかもしれません。虎の威を借る狐ではないですが、不思議と、東場では負ける気がしなかったものです。もちろん、ただの錯覚でしょうが」
淡「気持ちが前向きになった分だけ、今までよりもたくさんのものが見えるようになったんだよ。
キラメは、学園都市に来て、いっぱい強い人と打ってきた。その経験が、キラメの背中を後押ししてるんだ」
煌「ありがとうございます。それで……いかがですかね。卒業試験は合格でしょうか?」
淡「合格も合格!! あの面子相手にトップを取れるなら、もう先鋒は卒業だよっ!! キラメも胸を張って言えるでしょ。本選からは、キラメが私たち《煌星》の――」
煌「大将、と。ええ、お任せください。淡さんたちのご尽力を無駄にする私ではありません。この花田煌、必ずや、皆さんを一軍《レギュラー》へと導く《超巨星》となりましょうッ!!」
淡「そうこなくっちゃ!! じゃ、キラメ。みんなのところに帰って報告しよっ! キラメが最強の覆面雀士になったってねー!!」
煌「そうですね。行きましょう、淡さん」スッ
淡「ふふっ……キラメ、わかってきたじゃん。私は嬉しいよ!」ギュ
煌「これしきのこと、先輩として当然です。淡さんは……私の大切な後輩ですからね」
淡「ありがとっ! キラメ、だーい好きーっ!!」ガバッ
煌「おやおや、淡さん。あまりくっつかれては歩きにくいです。いい子ですから、せめて腕だけにしてください」ナデナデ
淡「言うようになっちゃってー!! このこのー!!」
――――――
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――
ダッダッダッ
淡「キーラーメー!!」ダキッ
煌「淡さんっ!?」
淡「見てたよー!! やったじゃん! これでキラメが最強の覆面雀士だよっ!! あの《原石》にも勝っちゃうなんてすばらっ!!」
煌「えっ、《原石》って――ええええ!? では、先ほどの覆面《T》さんが……あのレベル5の第七位、学園都市最高の《原石》と名高い《深山幽谷の化身》――高鴨穏乃さんだったんですか!!?」
淡「そうだよ。っていうか、《原石》が裸ジャージだってのは有名な話じゃん」
煌「そ、そう言えば前にそんなことを聞いたような……! 奇抜な格好だとは思っていましたが……」
淡「まっ、でも、所詮は第七位ってことだよね! 第一位のキラメが負けるわけがない!!」
煌「そ、そうでしょうか……? 今回はたまたまですよ。たまたま、東一局で大きな和了りをものにできた。あとは防戦一方でした」
淡「今までは、そのたまたまの和了りすらできてなかったんだよ。キラメ……いっぱい勉強したもんね。
私たちとの特訓だけじゃない。ミホコとかの牌譜を研究したり、そりゃもう雀卓にかじりつく勢いで」
煌「いえ、私はまだまだ……淡さんたちのいる場所には、辿り着けていませんよ……」
淡「……けど?」
煌「けど、以前よりも、ずっと近くまで来られたような気がします。私はまだまだ弱いですが……私はまだまだ強くなれる。今回の覆面修行で、かなり自信がつきました。
淡さんのアドバイス通り、片岡さんを模したのも効果があったのかもしれません。虎の威を借る狐ではないですが、不思議と、東場では負ける気がしなかったものです。もちろん、ただの錯覚でしょうが」
淡「気持ちが前向きになった分だけ、今までよりもたくさんのものが見えるようになったんだよ。
キラメは、学園都市に来て、いっぱい強い人と打ってきた。その経験が、キラメの背中を後押ししてるんだ」
煌「ありがとうございます。それで……いかがですかね。卒業試験は合格でしょうか?」
淡「合格も合格!! あの面子相手にトップを取れるなら、もう先鋒は卒業だよっ!! キラメも胸を張って言えるでしょ。本選からは、キラメが私たち《煌星》の――」
煌「大将、と。ええ、お任せください。淡さんたちのご尽力を無駄にする私ではありません。この花田煌、必ずや、皆さんを一軍《レギュラー》へと導く《超巨星》となりましょうッ!!」
淡「そうこなくっちゃ!! じゃ、キラメ。みんなのところに帰って報告しよっ! キラメが最強の覆面雀士になったってねー!!」
煌「そうですね。行きましょう、淡さん」スッ
淡「ふふっ……キラメ、わかってきたじゃん。私は嬉しいよ!」ギュ
煌「これしきのこと、先輩として当然です。淡さんは……私の大切な後輩ですからね」
淡「ありがとっ! キラメ、だーい好きーっ!!」ガバッ
煌「おやおや、淡さん。あまりくっつかれては歩きにくいです。いい子ですから、せめて腕だけにしてください」ナデナデ
淡「言うようになっちゃってー!! このこのー!!」
――――――
――――
――
548:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 22:09:33.39 :LyBQRhwm0
――同時刻
覆面《K》「優希……腕を上げたようね」
覆面《K》「貴様……やっぱり数絵だったかっ!?」
数絵「南場の私を相手に、能力を使わずここまでの打ち回しができるなんて……四月の頃とは大違い。いい師に巡り合ったのね」
優希「そうなんだじょ! やえお姉さんは頭もいいしお金も持ってるし麻雀も強いし、言うことなしだじぇ!!」
数絵「できれば、本選で、何の縛りもないあなたと、対戦してみたかった」
優希「ふっふっふ。いくら数絵でも、今の私には楽勝できないじぇ?」
数絵「そのようね。けど、いい師に巡り合って強くなったのは、私も同じ。そうですよね」
覆面《K》「なに、一つ二つアドバイスをしただけだ」
優希「おっ、この《K》は数絵の知り合いなのか?」
数絵「加治木ゆみさん、三年生よ」
ゆみ「よろしくな、《東風の神》。私はチーム《鶴賀》のリーダーをしていた者だ。既に予選で負けた身だから、こういう非公式の対局でしか打てないと思うが、また機会があればぜひ」
優希「喜んでだじょ!」
数絵「優希、私たち《鶴賀》は、あなたたち予選突破組より一足先に、未来に向けて動いているわ。この覆面修行も、その一環」
優希「じょ……ってことはまさか……!」
数絵「ええ。こちらの、もう一人の《K》も、《鶴賀》のメンバーの一人」
覆面《K》「ど、どうも……!」
数絵「妹尾先輩、もう覆面を脱いで結構ですよ」
佳織「ぷはっ! 初めまして、片岡さん。二年の妹尾佳織です。数絵さんからよく話は聞いてます。今日は私の練習に付き合っていただきありがとうございましたっ!」
優希「それを言うならこっちもありがとうだじぇ。お姉さんに役満ツモられたときは口から胃が飛び出るかと思ったけど、いい練習になったじょ!!」
――同時刻
覆面《K》「優希……腕を上げたようね」
覆面《K》「貴様……やっぱり数絵だったかっ!?」
数絵「南場の私を相手に、能力を使わずここまでの打ち回しができるなんて……四月の頃とは大違い。いい師に巡り合ったのね」
優希「そうなんだじょ! やえお姉さんは頭もいいしお金も持ってるし麻雀も強いし、言うことなしだじぇ!!」
数絵「できれば、本選で、何の縛りもないあなたと、対戦してみたかった」
優希「ふっふっふ。いくら数絵でも、今の私には楽勝できないじぇ?」
数絵「そのようね。けど、いい師に巡り合って強くなったのは、私も同じ。そうですよね」
覆面《K》「なに、一つ二つアドバイスをしただけだ」
優希「おっ、この《K》は数絵の知り合いなのか?」
数絵「加治木ゆみさん、三年生よ」
ゆみ「よろしくな、《東風の神》。私はチーム《鶴賀》のリーダーをしていた者だ。既に予選で負けた身だから、こういう非公式の対局でしか打てないと思うが、また機会があればぜひ」
優希「喜んでだじょ!」
数絵「優希、私たち《鶴賀》は、あなたたち予選突破組より一足先に、未来に向けて動いているわ。この覆面修行も、その一環」
優希「じょ……ってことはまさか……!」
数絵「ええ。こちらの、もう一人の《K》も、《鶴賀》のメンバーの一人」
覆面《K》「ど、どうも……!」
数絵「妹尾先輩、もう覆面を脱いで結構ですよ」
佳織「ぷはっ! 初めまして、片岡さん。二年の妹尾佳織です。数絵さんからよく話は聞いてます。今日は私の練習に付き合っていただきありがとうございましたっ!」
優希「それを言うならこっちもありがとうだじぇ。お姉さんに役満ツモられたときは口から胃が飛び出るかと思ったけど、いい練習になったじょ!!」
549:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 22:14:13.32 :LyBQRhwm0
数絵「優希……本選でも頑張って。今のあなたなら、きっと上級生相手にも渡り合える。私が保証する」
優希「任せろだじぇ! 数絵の分まで勝ってくるから、ばっちり見ててくれだじょ!!」
数絵「優希……。ねえ、その、もし、優希さえよければ……この大会が――」
優希「おっと、数絵。その先はまだ言っちゃダメだじょ」
数絵「……そうね。ごめんなさい。少し、気が急いてしまった」
優希「今は目の前のトーナメントに集中したいじぇ。それが終わったら、また一緒に遊ぼうじぇ! もちろん、麻雀もたくさん打つじょ!!」
数絵「ありがとう。一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》――南場で苦しくなったら、心の中で私を呼んで。
あなたのいる対局室まで、観戦室から風を届けてみせる。私は……《南風》はいつでもあなたの味方よ」
優希「私――《東風》だって、ずーっと数絵の味方だじょ! というか、もういっそ合体しちゃえばいいのか、私たち!?」
数絵「それも悪くなさそうだけれど、やはり、私たちは二人でいるべきよ。あなたとは、今後もよきライバルとして、付き合っていきたいから」
優希「数絵はうまいこと言うじぇ~! じゃ、数絵! それにゆみお姉さん、佳織お姉さんもっ! 今日は楽しかったじょ! 本選では応援よろしくだじぇー!!」
――――――
――――
――
数絵「優希……本選でも頑張って。今のあなたなら、きっと上級生相手にも渡り合える。私が保証する」
優希「任せろだじぇ! 数絵の分まで勝ってくるから、ばっちり見ててくれだじょ!!」
数絵「優希……。ねえ、その、もし、優希さえよければ……この大会が――」
優希「おっと、数絵。その先はまだ言っちゃダメだじょ」
数絵「……そうね。ごめんなさい。少し、気が急いてしまった」
優希「今は目の前のトーナメントに集中したいじぇ。それが終わったら、また一緒に遊ぼうじぇ! もちろん、麻雀もたくさん打つじょ!!」
数絵「ありがとう。一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》――南場で苦しくなったら、心の中で私を呼んで。
あなたのいる対局室まで、観戦室から風を届けてみせる。私は……《南風》はいつでもあなたの味方よ」
優希「私――《東風》だって、ずーっと数絵の味方だじょ! というか、もういっそ合体しちゃえばいいのか、私たち!?」
数絵「それも悪くなさそうだけれど、やはり、私たちは二人でいるべきよ。あなたとは、今後もよきライバルとして、付き合っていきたいから」
優希「数絵はうまいこと言うじぇ~! じゃ、数絵! それにゆみお姉さん、佳織お姉さんもっ! 今日は楽しかったじょ! 本選では応援よろしくだじぇー!!」
――――――
――――
――
550:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 22:36:27.98 :LyBQRhwm0
――――
塞「あっ、おかえり、高鴨」
穏乃「ただいまです」
純「よう、どうだった。頂上決戦とやらは」
穏乃「なんとか二位に滑り込みました。覆面は脱がされずに済みましたよ。と、それはそれとして、まこさん」
まこ「なんじゃ?」
穏乃「前に言っていた、二条さん……でしたっけ。今日、対局してきました」
まこ「ほうか。元気じゃったか?」
穏乃「はい。たぶん、《アイテム》の人たちと仲良くやっているんじゃないかと思います。命令や強制で打っているのとは違う、二条さん自身の『勝ちたい』っていう気持ちが伝わってきました」
まこ「組織潰したやつらとよろしくやっとるんか。あいつめ……薄情なやつじゃ」
穏乃「そうでもないと思いますよ。時々、まこさんみたいな打ち方をしていましたから。きっと、二条さんなりに、まこさんを目標にして、強くなろうとしているんだと思います」
まこ「ほなら……足元すくわれんようにせんとのう。本選で会うんが楽しみじゃ」
――――
塞「あっ、おかえり、高鴨」
穏乃「ただいまです」
純「よう、どうだった。頂上決戦とやらは」
穏乃「なんとか二位に滑り込みました。覆面は脱がされずに済みましたよ。と、それはそれとして、まこさん」
まこ「なんじゃ?」
穏乃「前に言っていた、二条さん……でしたっけ。今日、対局してきました」
まこ「ほうか。元気じゃったか?」
穏乃「はい。たぶん、《アイテム》の人たちと仲良くやっているんじゃないかと思います。命令や強制で打っているのとは違う、二条さん自身の『勝ちたい』っていう気持ちが伝わってきました」
まこ「組織潰したやつらとよろしくやっとるんか。あいつめ……薄情なやつじゃ」
穏乃「そうでもないと思いますよ。時々、まこさんみたいな打ち方をしていましたから。きっと、二条さんなりに、まこさんを目標にして、強くなろうとしているんだと思います」
まこ「ほなら……足元すくわれんようにせんとのう。本選で会うんが楽しみじゃ」
551:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 22:46:24.15 :LyBQRhwm0
塞「ところで、高鴨。あんた、二位だって言ってたけど、一位はどこの誰だったの? 例の《ゴールデンルーキー》? それとも、シロたち失踪組についてったっていう、鳴きの子?」
穏乃「いえ……その二人ではないです。初めて対局する人でした」
純「強かったか?」
穏乃「強い……いえ、どちらかというと、恐い、ですね。あんな能力者は見たことがないです。だって、あの人、私のすごパを完全に無力化してきましたから」
塞・まこ・純「!!?」
穏乃「というわけで、お菓子を食べている場合じゃないですよ、照さん」
照「……」モグモグ
穏乃「覆面《K》……ほぼ間違いなく、花田煌さんだと思われます。レベル5の第一位――《通行止め》。
あの人は、明らかに他の雀士とは違います。事と次第によっては、私よりも異質な打ち手かもしれません」
照「……詳しく聞かせて」
穏乃「あの人は、たぶん、学園都市で唯一、私のすごパを無力化できる人です。他のレベル5も含めた、いわゆる能力者と言われる人たちとは、一線を画している。
一切の能力、支配力、すごいパワーすら断絶する《絶対》の力。照さん……恐らく、あなたでも、あの人の《通行止め》――具体的にどんな能力なのかまではわかりませんでしたが――を破ることはできません」
照「それでも、負ける気はしないかな。能力を破れないくらい、松実さんや尭深で経験してる。支配力がどうこうっていう部分も、あなたで特訓した。そうだよね、高鴨さん」
穏乃「そうですね。けれど……それも、きっと、今のうちだけです」
塞「ところで、高鴨。あんた、二位だって言ってたけど、一位はどこの誰だったの? 例の《ゴールデンルーキー》? それとも、シロたち失踪組についてったっていう、鳴きの子?」
穏乃「いえ……その二人ではないです。初めて対局する人でした」
純「強かったか?」
穏乃「強い……いえ、どちらかというと、恐い、ですね。あんな能力者は見たことがないです。だって、あの人、私のすごパを完全に無力化してきましたから」
塞・まこ・純「!!?」
穏乃「というわけで、お菓子を食べている場合じゃないですよ、照さん」
照「……」モグモグ
穏乃「覆面《K》……ほぼ間違いなく、花田煌さんだと思われます。レベル5の第一位――《通行止め》。
あの人は、明らかに他の雀士とは違います。事と次第によっては、私よりも異質な打ち手かもしれません」
照「……詳しく聞かせて」
穏乃「あの人は、たぶん、学園都市で唯一、私のすごパを無力化できる人です。他のレベル5も含めた、いわゆる能力者と言われる人たちとは、一線を画している。
一切の能力、支配力、すごいパワーすら断絶する《絶対》の力。照さん……恐らく、あなたでも、あの人の《通行止め》――具体的にどんな能力なのかまではわかりませんでしたが――を破ることはできません」
照「それでも、負ける気はしないかな。能力を破れないくらい、松実さんや尭深で経験してる。支配力がどうこうっていう部分も、あなたで特訓した。そうだよね、高鴨さん」
穏乃「そうですね。けれど……それも、きっと、今のうちだけです」
552:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 22:53:42.05 :LyBQRhwm0
照「……どういうこと?」
穏乃「花田さん、対局後に言っていました。『特に意識しないで能力を使っていた』――と。わかりますか?
あの人は、無意識で、なんの指向性もない確率干渉の奔流だけで、私のすごパを無力化したんです」
塞「ちょ……なにそれ? 不気味過ぎるんだけど。だって、高鴨は、私が本気で塞いでも稀に和了ってくることがあるくらいなのに……」
まこ「それほどの力……意識して使うたら、どんなことになるんじゃろな」
純「っていうか、そもそもどんな力なのかもわかってねえのに、意識も無意識もあるのかよ。旧第一位の松実だって、ほぼ無意識で能力を使ってるじゃねえか」
穏乃「純さん、常時発動型だからといって、無意識なわけではないですよ。照さん曰く、松実さんは一年生の頃からその辺りの制御はきちんとやっているそうですし、場合によっては、自らの意思で能力を反転させることができます。
けど、花田さんの場合は、たぶんそうではない。常時発動型というよりは、『体質』――と本人は言っていました」
塞「体質……か。確か、宮永の妹も似た感じなのよね? どう打っても必ず《プラマイゼロ》になっちゃうって」
穏乃「照さんの妹さんは、予選では、《プラマイゼロ》でないときがありました。同じ体質のような力だとしても、照さんの妹さんは、意識して力を制御することができている。
他には、ほぼ毎回起親になる片岡さんも、そうですね。私が打ったときの片岡さんは、きちんと狙って起親になっていました」
照「花田さんは……そうじゃない、ってこと?」
穏乃「はい。たぶん、あの人は、まだ自分の能力を完全には把握できていない――制御できていないんだと思います。
並みの能力者ならそれでもいい、ちょっとムラがあるくらいの話で済みます。けど、花田さんは並みの能力者ではない」
まこ「レベル5の第一位……それも、あの理事長すらねじ伏せるほどの、古今東西に類を見ない強度の超能力者なんじゃもんな」
穏乃「無意識で、それなんです。ただそこに存在するだけで、あの人は、他の全ての雀士を圧倒する。もし、あの人が、本気で、確固たる意思を持って、自由に能力を使いこなしてきたら――」
純「超能力者を超える能力者――都市伝説で聞いたことがあるぜ。《神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの》――幻の絶対能力者《レベル6》ってやつに、なっちまうのかもな」
照「……どういうこと?」
穏乃「花田さん、対局後に言っていました。『特に意識しないで能力を使っていた』――と。わかりますか?
あの人は、無意識で、なんの指向性もない確率干渉の奔流だけで、私のすごパを無力化したんです」
塞「ちょ……なにそれ? 不気味過ぎるんだけど。だって、高鴨は、私が本気で塞いでも稀に和了ってくることがあるくらいなのに……」
まこ「それほどの力……意識して使うたら、どんなことになるんじゃろな」
純「っていうか、そもそもどんな力なのかもわかってねえのに、意識も無意識もあるのかよ。旧第一位の松実だって、ほぼ無意識で能力を使ってるじゃねえか」
穏乃「純さん、常時発動型だからといって、無意識なわけではないですよ。照さん曰く、松実さんは一年生の頃からその辺りの制御はきちんとやっているそうですし、場合によっては、自らの意思で能力を反転させることができます。
けど、花田さんの場合は、たぶんそうではない。常時発動型というよりは、『体質』――と本人は言っていました」
塞「体質……か。確か、宮永の妹も似た感じなのよね? どう打っても必ず《プラマイゼロ》になっちゃうって」
穏乃「照さんの妹さんは、予選では、《プラマイゼロ》でないときがありました。同じ体質のような力だとしても、照さんの妹さんは、意識して力を制御することができている。
他には、ほぼ毎回起親になる片岡さんも、そうですね。私が打ったときの片岡さんは、きちんと狙って起親になっていました」
照「花田さんは……そうじゃない、ってこと?」
穏乃「はい。たぶん、あの人は、まだ自分の能力を完全には把握できていない――制御できていないんだと思います。
並みの能力者ならそれでもいい、ちょっとムラがあるくらいの話で済みます。けど、花田さんは並みの能力者ではない」
まこ「レベル5の第一位……それも、あの理事長すらねじ伏せるほどの、古今東西に類を見ない強度の超能力者なんじゃもんな」
穏乃「無意識で、それなんです。ただそこに存在するだけで、あの人は、他の全ての雀士を圧倒する。もし、あの人が、本気で、確固たる意思を持って、自由に能力を使いこなしてきたら――」
純「超能力者を超える能力者――都市伝説で聞いたことがあるぜ。《神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの》――幻の絶対能力者《レベル6》ってやつに、なっちまうのかもな」
553:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 22:57:16.56 :LyBQRhwm0
穏乃「絶対能力者《レベル6》――それが何を意味するのか私にはわからないので、そこについては、なんとも言えないのですが……」
塞「なに? まだ何かヤバいことがあるの?」
穏乃「はい。私が何よりも恐いのが……そんな、既存の常識を越えるほどの潜在能力を持つ花田さんの能力が、もし……もしもですよ、暴走したらどうなると思いますか?」
まこ「暴走って……そんな大袈裟じゃろ」
穏乃「大袈裟でしょうか? 例えば、強い支配力を持つ照さんは、その気になれば、古典確率論ではまずありえない異常現象を平気で引き起こすことができます。花田さんがそうじゃないとは、言い切れない」
塞「何が起こるっていうのよ……? 天変地異とか?」
穏乃「わかりません。けれど、とても危険な気がするんです」
照「いずれにせよ、《照魔鏡》で確かめればいい。もし、高鴨さんが言うほどに危険な能力者なら、学園都市の《頂点》である私が、なんとかしてみせる」
穏乃「手遅れにならないことを祈りますよ。最悪、トーナメント決勝の大将戦までお二人が戦わない、って可能性もありますから。そこで何かがあったら、取り返しがつきません」
照「……高鴨さん、もしかして、何かあった?」
穏乃「あ……いえ……」
照「どんなことでもいい。何か引っかかってるなら、話して」
穏乃「えっと……あの、なんて言えば伝わるのか、わからないんですけど……」
照「うん」
穏乃「絶対能力者《レベル6》――それが何を意味するのか私にはわからないので、そこについては、なんとも言えないのですが……」
塞「なに? まだ何かヤバいことがあるの?」
穏乃「はい。私が何よりも恐いのが……そんな、既存の常識を越えるほどの潜在能力を持つ花田さんの能力が、もし……もしもですよ、暴走したらどうなると思いますか?」
まこ「暴走って……そんな大袈裟じゃろ」
穏乃「大袈裟でしょうか? 例えば、強い支配力を持つ照さんは、その気になれば、古典確率論ではまずありえない異常現象を平気で引き起こすことができます。花田さんがそうじゃないとは、言い切れない」
塞「何が起こるっていうのよ……? 天変地異とか?」
穏乃「わかりません。けれど、とても危険な気がするんです」
照「いずれにせよ、《照魔鏡》で確かめればいい。もし、高鴨さんが言うほどに危険な能力者なら、学園都市の《頂点》である私が、なんとかしてみせる」
穏乃「手遅れにならないことを祈りますよ。最悪、トーナメント決勝の大将戦までお二人が戦わない、って可能性もありますから。そこで何かがあったら、取り返しがつきません」
照「……高鴨さん、もしかして、何かあった?」
穏乃「あ……いえ……」
照「どんなことでもいい。何か引っかかってるなら、話して」
穏乃「えっと……あの、なんて言えば伝わるのか、わからないんですけど……」
照「うん」
554:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 23:03:52.04 :LyBQRhwm0
穏乃「さっきから、私の周囲が……いや、街全体が、閉ざされていくような感じがするんです。花田さんと対局してから、ずっと。
何か、得体の知れない黒い影みたいなものが、付き纏っているというか……。
しかも、それがどんどん、学園都市の外……世界中に広がっていっているような気がして――」
塞「こ、恐いこと言わないでよっ! 能力《オカルト》と古典的な心霊現象《オカルト》は別物でしょっ!?」
純「どーだかな。海外じゃ、能力は《魔術》って言うらしいぜ? 根っこのところでは、《心霊》や《呪術》なんかとも繋がってるのかもしれねえ」
まこ「物騒な話になってきたのう……これじゃけえ能力者いうんは苦手なんじゃ。わけのわからんことを平然としよる」
照(花田煌さん……か。咲が懐いているみたいだから、悪い人じゃないのは間違いないんだけど。
でも、急な転校……それに、今回のトーナメント、《アイテム》のことも、菫が天江さんを引っ張り出したことも、小走さんが誠子と大会に出てきたことも……それにあの二つのルール改定……ひょっとして、全部が全部――)
穏乃「照さん、何か言いたいこと、ありますか?」
照「まあ、色々思うことはあるけれど、言いたいことは一つかな」
穏乃「どうぞ」
照「誰が相手だろうと、私は学園都市の《頂点》として戦う。そして勝つ。それだけ」
穏乃「さっきから、私の周囲が……いや、街全体が、閉ざされていくような感じがするんです。花田さんと対局してから、ずっと。
何か、得体の知れない黒い影みたいなものが、付き纏っているというか……。
しかも、それがどんどん、学園都市の外……世界中に広がっていっているような気がして――」
塞「こ、恐いこと言わないでよっ! 能力《オカルト》と古典的な心霊現象《オカルト》は別物でしょっ!?」
純「どーだかな。海外じゃ、能力は《魔術》って言うらしいぜ? 根っこのところでは、《心霊》や《呪術》なんかとも繋がってるのかもしれねえ」
まこ「物騒な話になってきたのう……これじゃけえ能力者いうんは苦手なんじゃ。わけのわからんことを平然としよる」
照(花田煌さん……か。咲が懐いているみたいだから、悪い人じゃないのは間違いないんだけど。
でも、急な転校……それに、今回のトーナメント、《アイテム》のことも、菫が天江さんを引っ張り出したことも、小走さんが誠子と大会に出てきたことも……それにあの二つのルール改定……ひょっとして、全部が全部――)
穏乃「照さん、何か言いたいこと、ありますか?」
照「まあ、色々思うことはあるけれど、言いたいことは一つかな」
穏乃「どうぞ」
照「誰が相手だろうと、私は学園都市の《頂点》として戦う。そして勝つ。それだけ」
555:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/19(土) 23:16:01.91 :LyBQRhwm0
穏乃「ふふっ……さすが照さんです。よーしっ、私も頑張るぞーっ!!」
塞「もちろん、宮永一人に負担は掛けないわよ。私たち四人で勝負をつけるくらいの気持ちで打つんだからっ!」
純「人数合わせみたいに思われるのは癪だしな」
まこ「無能力者代表として、能力者どもに一泡吹かせてやらんとのう」
照「ありがとう。みんなとチームになれて、本当によかった」
塞「なーに言ってんのよ。そういうことは、トーナメントで優勝してから言いなさいって!」
照「どの道優勝するんだから、勿体ぶらずに何度言ったっていいはず」
純「ハッ、違いねえ……!」
まこ「言いよる言いよる」
穏乃「照さんが素敵過ぎますっ!」
塞「もう、あんたってホントあんたなのね。再確認したわ」
照「さて……じゃあ、高鴨さんも戻ってきたし、練習をしようか。本選まであと少し。みんな、頑張ろうっ!」
穏乃・純・まこ・塞「おー!!」
[一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》本選まで、あと一週間]
穏乃「ふふっ……さすが照さんです。よーしっ、私も頑張るぞーっ!!」
塞「もちろん、宮永一人に負担は掛けないわよ。私たち四人で勝負をつけるくらいの気持ちで打つんだからっ!」
純「人数合わせみたいに思われるのは癪だしな」
まこ「無能力者代表として、能力者どもに一泡吹かせてやらんとのう」
照「ありがとう。みんなとチームになれて、本当によかった」
塞「なーに言ってんのよ。そういうことは、トーナメントで優勝してから言いなさいって!」
照「どの道優勝するんだから、勿体ぶらずに何度言ったっていいはず」
純「ハッ、違いねえ……!」
まこ「言いよる言いよる」
穏乃「照さんが素敵過ぎますっ!」
塞「もう、あんたってホントあんたなのね。再確認したわ」
照「さて……じゃあ、高鴨さんも戻ってきたし、練習をしようか。本選まであと少し。みんな、頑張ろうっ!」
穏乃・純・まこ・塞「おー!!」
[一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》本選まで、あと一週間]
569:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 12:19:46.44 :h0RBhQr80
――前略。
――学園都市に来てから、早いものでもう三ヶ月が経とうとしています。
――こちらは相変わらずの麻雀漬けの毎日で、楽しい限りです。
――つい三日前、一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》の一回戦を突破しました。私自身は課題の多い内容でしたが、ひとまず、ほっとしています。
――正直なところ、未だに信じられないことばかりです。
――自分がレベル5であること。白糸台高校麻雀部の一軍《レギュラー》を目指して戦っていること。一回戦を勝ち上がれたこと。
――そして、今日の二回戦。
――今日の対戦相手を三ヶ月前の私が聞いたら、いかに健康自慢の私でも、卒倒してしまうかもしれません。
――驚かないで聞いてください。今日の対戦相手は、なんとあの
――前略。
――学園都市に来てから、早いものでもう三ヶ月が経とうとしています。
――こちらは相変わらずの麻雀漬けの毎日で、楽しい限りです。
――つい三日前、一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》の一回戦を突破しました。私自身は課題の多い内容でしたが、ひとまず、ほっとしています。
――正直なところ、未だに信じられないことばかりです。
――自分がレベル5であること。白糸台高校麻雀部の一軍《レギュラー》を目指して戦っていること。一回戦を勝ち上がれたこと。
――そして、今日の二回戦。
――今日の対戦相手を三ヶ月前の私が聞いたら、いかに健康自慢の私でも、卒倒してしまうかもしれません。
――驚かないで聞いてください。今日の対戦相手は、なんとあの
570:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 12:25:11.27 :h0RBhQr80
――Aブロック二回戦当日・朝・白糸台寮
淡「キーラメっ! なーに書いてるのっ!?」ガバッ
煌「手紙です」
淡「このご時勢にレトロだねー。誰宛て?」
煌「母ですね」
淡「ああ、キラメの名前をつけたっていう、すばらくセンスのあるお母さん!」
煌「ネーミングセンスがすばらかどうかまではわかりませんが……ただ、麻雀はものすごく強いですよ」
淡「どれくらい?」
煌「身内贔屓かもしれませんが、淡さんと同じくらい」
淡「ふえっ!?」
煌「恐らくは、学園都市で言うところの、能力者なのだと思います。淡さんと同じで、光り輝くような麻雀を打つんですよ。勝てたことは一回もありません。今の私が打っても、まず勝負が成立するかどうか……」
淡「そんなに強いんだー」
煌「私に麻雀を教えてくれたのも、母です」
淡「じゃあ、私も感謝しないといけないね。キラメに麻雀を教えてくれて、どうもありがとうございましたってさ!」
煌「麻雀を打っていなければ、学園都市に来ることはありませんでしたし、淡さんとも出会えませんでしたからね」
――Aブロック二回戦当日・朝・白糸台寮
淡「キーラメっ! なーに書いてるのっ!?」ガバッ
煌「手紙です」
淡「このご時勢にレトロだねー。誰宛て?」
煌「母ですね」
淡「ああ、キラメの名前をつけたっていう、すばらくセンスのあるお母さん!」
煌「ネーミングセンスがすばらかどうかまではわかりませんが……ただ、麻雀はものすごく強いですよ」
淡「どれくらい?」
煌「身内贔屓かもしれませんが、淡さんと同じくらい」
淡「ふえっ!?」
煌「恐らくは、学園都市で言うところの、能力者なのだと思います。淡さんと同じで、光り輝くような麻雀を打つんですよ。勝てたことは一回もありません。今の私が打っても、まず勝負が成立するかどうか……」
淡「そんなに強いんだー」
煌「私に麻雀を教えてくれたのも、母です」
淡「じゃあ、私も感謝しないといけないね。キラメに麻雀を教えてくれて、どうもありがとうございましたってさ!」
煌「麻雀を打っていなければ、学園都市に来ることはありませんでしたし、淡さんとも出会えませんでしたからね」
571:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 12:28:53.05 :h0RBhQr80
淡「ね、その手紙、私も一言添えていい?」
煌「構いませんよ。淡さんのことは既に話してあります。きっと喜ぶでしょう」
淡「えーっと……『初めまして、大星淡と申します。いつもキラメさんにはお世話になっています。さて、早速ですが、キラメさんをください』っと」
煌「淡さんっ!?」
淡「あ、ごめん。単刀直入過ぎたかな? もっと時候の挨拶からやんわり入ったほうがいい?」
煌「そういう問題じゃありません!!」
淡「えー!? でもでもっ、ほら、きっとキラメのお母さんならわかってくれるよ。だってキラメにキラメって名前つけたんだよ?
ゆくゆくは名字が大星になるってわかってたんだと思うんだよね! 大星煌なんてぴったりな名前、なかなかないもんっ!」
煌「そ、それを言うなら、花田淡もなかなか悪くありませんよ……?」
淡「いや、断然、大星煌っ!! だって、大きな星が煌めくだよ!? こんなにキラメにぴったりな名前はないよ! 並び替えたら大煌星だよっ!?」
煌「あっ……もしかして、チーム《煌星》って、淡さんと私の名前から取ったんですか?」
淡「今頃気付いたのー!?」
煌「てっきり『綺羅星の如く』からきているのだとばかり……」
淡「ダブルミーニングなの!」
淡「ね、その手紙、私も一言添えていい?」
煌「構いませんよ。淡さんのことは既に話してあります。きっと喜ぶでしょう」
淡「えーっと……『初めまして、大星淡と申します。いつもキラメさんにはお世話になっています。さて、早速ですが、キラメさんをください』っと」
煌「淡さんっ!?」
淡「あ、ごめん。単刀直入過ぎたかな? もっと時候の挨拶からやんわり入ったほうがいい?」
煌「そういう問題じゃありません!!」
淡「えー!? でもでもっ、ほら、きっとキラメのお母さんならわかってくれるよ。だってキラメにキラメって名前つけたんだよ?
ゆくゆくは名字が大星になるってわかってたんだと思うんだよね! 大星煌なんてぴったりな名前、なかなかないもんっ!」
煌「そ、それを言うなら、花田淡もなかなか悪くありませんよ……?」
淡「いや、断然、大星煌っ!! だって、大きな星が煌めくだよ!? こんなにキラメにぴったりな名前はないよ! 並び替えたら大煌星だよっ!?」
煌「あっ……もしかして、チーム《煌星》って、淡さんと私の名前から取ったんですか?」
淡「今頃気付いたのー!?」
煌「てっきり『綺羅星の如く』からきているのだとばかり……」
淡「ダブルミーニングなの!」
572:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 12:35:58.53 :h0RBhQr80
煌「まあ、とりあえず、母へは、淡さんはお茶目な方なのだと伝えておきます」カキカキ
淡「むう……なんとでも伝えればいいよ。どうせ、いつかは直々に同じこと言うんだから、今は冗談ってことにしといてあげる」
煌「はて、何か言いましたか?」カキカキ
淡「なーんでも。書き終わった?」
煌「ええ」
淡「じゃっ、キラメ。行こっか!」
煌「そうですね。一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》……二回戦、ですね」
淡「……緊張する?」
煌「それは、まあ。ついにシードチームが出てくるわけですから」
淡「ブロック予選で好成績を残した四チームね。ま、遅かれ早かれ倒すことになる相手なんだから、一緒でしょ」
煌「そうはおっしゃいますけれど、やはり、ついこの間まで外の世界にいた私にとって、今日の対戦相手は特別なのです。
まだ、心のどこかで、これは夢なんじゃないかと思ってるくらいで」
煌「まあ、とりあえず、母へは、淡さんはお茶目な方なのだと伝えておきます」カキカキ
淡「むう……なんとでも伝えればいいよ。どうせ、いつかは直々に同じこと言うんだから、今は冗談ってことにしといてあげる」
煌「はて、何か言いましたか?」カキカキ
淡「なーんでも。書き終わった?」
煌「ええ」
淡「じゃっ、キラメ。行こっか!」
煌「そうですね。一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》……二回戦、ですね」
淡「……緊張する?」
煌「それは、まあ。ついにシードチームが出てくるわけですから」
淡「ブロック予選で好成績を残した四チームね。ま、遅かれ早かれ倒すことになる相手なんだから、一緒でしょ」
煌「そうはおっしゃいますけれど、やはり、ついこの間まで外の世界にいた私にとって、今日の対戦相手は特別なのです。
まだ、心のどこかで、これは夢なんじゃないかと思ってるくらいで」
573:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 12:38:25.87 :h0RBhQr80
淡「にしては、なーんか口元が緩んで見えるけど?」
煌「ええ、だって、本当に夢のようなんですから。夢だったんですから。
学園都市――白糸台高校麻雀部で、名立たる雀士に混じって麻雀を打つ。誰もが憧れる夢物語……どうせ夢なら、楽しみたいのです」
淡「あはっ! なら、思いっきり楽しんじゃってー!!」
煌「楽しみますとも。そして、できることなら、次へ駒を進めたいものです」
淡「何を当たり前のこと言ってるの、キラメ! 私たちは優勝するんだから! 二回戦くらい楽勝なのさーっ!!」
煌「さすがは淡さんです。では、行きましょうか」スッ
淡「うん、行こうっ!」ギュ
――――
淡「にしては、なーんか口元が緩んで見えるけど?」
煌「ええ、だって、本当に夢のようなんですから。夢だったんですから。
学園都市――白糸台高校麻雀部で、名立たる雀士に混じって麻雀を打つ。誰もが憧れる夢物語……どうせ夢なら、楽しみたいのです」
淡「あはっ! なら、思いっきり楽しんじゃってー!!」
煌「楽しみますとも。そして、できることなら、次へ駒を進めたいものです」
淡「何を当たり前のこと言ってるの、キラメ! 私たちは優勝するんだから! 二回戦くらい楽勝なのさーっ!!」
煌「さすがは淡さんです。では、行きましょうか」スッ
淡「うん、行こうっ!」ギュ
――――
574:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 12:41:57.20 :h0RBhQr80
――――
塞「宮永、そろそろ行かないと遅刻するよ」
照「待って。まだ、今日のおやつの選別を終えていない」
塞「あんたね……。そんなノリで、ちゃんと組み合わせ表見たの?
今日、あの高鴨が恐いって言ってた、例の《煌星》と直接対決するのよ」
照「……菫のチームが、ね」
塞「あそこが負けるとは思えない。でも、番狂わせっていうか、何かあるかもしれない。強い強いって言ったって、あそこはレベル5が一人もいないわけだし」
照「臼沢さん……全然、わかってないね」
塞「む。ど、どういうこと?」
照「菫のチームに不慮の敗北はないんだよ。あの菫が、そういうメンバーを集めたんだから。
たとえ花田さんの能力がどんなに強力でも、そこに咲や、《虎姫》の五人目になるはずだった大星さんがいたとしても。菫は……負けない」
塞「で、でも、万が一ってやつが――」
照「その万が一は……ここにいる。一万分の一。白糸台高校麻雀部一万人の《頂点》――つまり、私。菫たちが万が一負けるとしたら、それは、私たちと戦うときだけだよ」
塞「信頼してるのね、弘世のこと」
照「もちろん、二年間一緒に戦った仲間だから」
塞「ちゃー、敵わないなぁ」
照「そんなことは、ないよ。二年間一緒だった菫が敵になって、頭が真っ白になって、そんなとき、臼沢さんは、私の傍にいてくれた。すごく……嬉しかった」
塞「ちょ、宮永……////」
――――
塞「宮永、そろそろ行かないと遅刻するよ」
照「待って。まだ、今日のおやつの選別を終えていない」
塞「あんたね……。そんなノリで、ちゃんと組み合わせ表見たの?
今日、あの高鴨が恐いって言ってた、例の《煌星》と直接対決するのよ」
照「……菫のチームが、ね」
塞「あそこが負けるとは思えない。でも、番狂わせっていうか、何かあるかもしれない。強い強いって言ったって、あそこはレベル5が一人もいないわけだし」
照「臼沢さん……全然、わかってないね」
塞「む。ど、どういうこと?」
照「菫のチームに不慮の敗北はないんだよ。あの菫が、そういうメンバーを集めたんだから。
たとえ花田さんの能力がどんなに強力でも、そこに咲や、《虎姫》の五人目になるはずだった大星さんがいたとしても。菫は……負けない」
塞「で、でも、万が一ってやつが――」
照「その万が一は……ここにいる。一万分の一。白糸台高校麻雀部一万人の《頂点》――つまり、私。菫たちが万が一負けるとしたら、それは、私たちと戦うときだけだよ」
塞「信頼してるのね、弘世のこと」
照「もちろん、二年間一緒に戦った仲間だから」
塞「ちゃー、敵わないなぁ」
照「そんなことは、ないよ。二年間一緒だった菫が敵になって、頭が真っ白になって、そんなとき、臼沢さんは、私の傍にいてくれた。すごく……嬉しかった」
塞「ちょ、宮永……////」
575:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 12:45:13.25 :h0RBhQr80
照「それに、染谷さんも、井上さんも、高鴨さんも。みんな、信頼してる。《虎姫》のみんなと同じくらい。
そうじゃなきゃ、私はこのトーナメント、出てなかったかも。信頼できる人と戦えないのなら、菫に勝てるはずないもん」
塞「そ、っか。ありがと。なんか、改めて、気合入ってきた」
照「それはよかった。けど、あんまり力まなくて大丈夫。落ち着いて、いつも通りに打てば、勝てるよ。
休憩中に食べるお菓子は何にしようかな、って、そんなことを考える余裕があるくらいで、ちょうどいい」
塞「でも、相手はどこも一回戦を突破してきた強敵よ? 特に……あの《最凶》がいるチーム《新約》は、一回戦で大暴れしてたし」
照「薄墨さん……確かに、あの人は強い。けど、臼沢さんなら、勝てるでしょ?」
塞「な、なによ、いきなりそんなプレッシャー掛けてっ!?」
照「妥当な評価だと思うけど」
塞「まあ……確かに、薄墨とは、何度か打ったことがあるけどさ……」
照「なら、大丈夫。臼沢さんは強いから。私は、心配してないよ」
塞「……なんだかなぁ、もう、勝つしかなくなっちゃったじゃない。宮永、あんた自身はどう思ってるか知らないけど、たぶん、弘世以上に向いてると思うよ、チームリーダー」
照「ありがとう。じゃあ、待たせてごめん。行こうか」
塞「そうね。行きましょうか」
――――
照「それに、染谷さんも、井上さんも、高鴨さんも。みんな、信頼してる。《虎姫》のみんなと同じくらい。
そうじゃなきゃ、私はこのトーナメント、出てなかったかも。信頼できる人と戦えないのなら、菫に勝てるはずないもん」
塞「そ、っか。ありがと。なんか、改めて、気合入ってきた」
照「それはよかった。けど、あんまり力まなくて大丈夫。落ち着いて、いつも通りに打てば、勝てるよ。
休憩中に食べるお菓子は何にしようかな、って、そんなことを考える余裕があるくらいで、ちょうどいい」
塞「でも、相手はどこも一回戦を突破してきた強敵よ? 特に……あの《最凶》がいるチーム《新約》は、一回戦で大暴れしてたし」
照「薄墨さん……確かに、あの人は強い。けど、臼沢さんなら、勝てるでしょ?」
塞「な、なによ、いきなりそんなプレッシャー掛けてっ!?」
照「妥当な評価だと思うけど」
塞「まあ……確かに、薄墨とは、何度か打ったことがあるけどさ……」
照「なら、大丈夫。臼沢さんは強いから。私は、心配してないよ」
塞「……なんだかなぁ、もう、勝つしかなくなっちゃったじゃない。宮永、あんた自身はどう思ってるか知らないけど、たぶん、弘世以上に向いてると思うよ、チームリーダー」
照「ありがとう。じゃあ、待たせてごめん。行こうか」
塞「そうね。行きましょうか」
――――
576:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 12:49:43.16 :h0RBhQr80
――――
怜「なんや、みんなお早い集合やなー! 昨日眠れんかったんか? ま、気持ちはわかるわー。なんたって、今日の相手はあの宮永照やからな!」
和「怜さん……どんなにはしゃいで見せても、目の下のクマは隠せませんよ」
怜「こ、これは……ちゃうねん! うち病弱(嘘)やからっ!」
和「まったく、チームリーダーがそんなことでどうするんですか。対局までにはきちんとコンディションを整えてくださいね。
睡眠が足りないというのなら、その……枕くらい、貸しますから……」ゴニョゴニョ
怜「なに? 聞こえへんで?」
和「なんでもありませんっ!!」
初美「ま、緊張するのは仕方ないですよー。一昨日派手に勝っちゃった反動も恐いですしー。けど、いつも通り打つですよー、いつも通りにー」
姫子「とか言いつつ、初美さん、今日は巫女服ば着崩してなかとですね。日焼け跡の見えなか初美さんなんて、初美さんやなかとです」
絹恵「初美さん……また塞がれるのが恐いんですね?」
初美「そそそそ、そんなことないですー!!」
――――
怜「なんや、みんなお早い集合やなー! 昨日眠れんかったんか? ま、気持ちはわかるわー。なんたって、今日の相手はあの宮永照やからな!」
和「怜さん……どんなにはしゃいで見せても、目の下のクマは隠せませんよ」
怜「こ、これは……ちゃうねん! うち病弱(嘘)やからっ!」
和「まったく、チームリーダーがそんなことでどうするんですか。対局までにはきちんとコンディションを整えてくださいね。
睡眠が足りないというのなら、その……枕くらい、貸しますから……」ゴニョゴニョ
怜「なに? 聞こえへんで?」
和「なんでもありませんっ!!」
初美「ま、緊張するのは仕方ないですよー。一昨日派手に勝っちゃった反動も恐いですしー。けど、いつも通り打つですよー、いつも通りにー」
姫子「とか言いつつ、初美さん、今日は巫女服ば着崩してなかとですね。日焼け跡の見えなか初美さんなんて、初美さんやなかとです」
絹恵「初美さん……また塞がれるのが恐いんですね?」
初美「そそそそ、そんなことないですー!!」
577:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 12:54:51.98 :h0RBhQr80
怜「《塞王》……やんな。初美が打つたびに完封されるっちゅー」
初美「和と絹恵と打ったときは完封されてないですー! 最後にはちゃんと小四喜和了ったですー!!」
和「よくわかりませんが、そもそも狙って小四喜を和了るなどというオカルト――」
姫子「まーまー、和。そんくらいにしんさい。初美さん、天敵ば前にしてナーバスになっとるけん」
初美「ナーバスになんかなってないですー! 私はいつも通りですー!!」
絹恵「天敵なのは否定せんのですね……」
初美「ま、まあ……意識くらいはしてるですよー。いくら私が《最凶》でも、あっちは封殺系の最上位に君臨するマジヤバい能力者ですからねー。みんなも、あのモノクルには十分気をつけるですよー」
絹恵「それに、あっこには、井上さんと染谷さんもおりますからね。あの二人はホンマに強いですよ。
今でこそ、公式戦で目立った活躍はしてへんけど、うちらの学年で知らんやつはおらん。《双頭の番犬》――《拒魔の狛犬》っちゅうて」
姫子「高鴨も恐ろしかですよ。強度測定で打ったことのあっばってん、そんときは、私の《約束の鍵》の崩されかけて、たった一局で打ち止めになったとです。
これ以上は……私に悪影響やけんて。未だにその能力の詳細はわかっとらん。ただ、強力な打ち手なんは間違いなか」
怜「《塞王》……やんな。初美が打つたびに完封されるっちゅー」
初美「和と絹恵と打ったときは完封されてないですー! 最後にはちゃんと小四喜和了ったですー!!」
和「よくわかりませんが、そもそも狙って小四喜を和了るなどというオカルト――」
姫子「まーまー、和。そんくらいにしんさい。初美さん、天敵ば前にしてナーバスになっとるけん」
初美「ナーバスになんかなってないですー! 私はいつも通りですー!!」
絹恵「天敵なのは否定せんのですね……」
初美「ま、まあ……意識くらいはしてるですよー。いくら私が《最凶》でも、あっちは封殺系の最上位に君臨するマジヤバい能力者ですからねー。みんなも、あのモノクルには十分気をつけるですよー」
絹恵「それに、あっこには、井上さんと染谷さんもおりますからね。あの二人はホンマに強いですよ。
今でこそ、公式戦で目立った活躍はしてへんけど、うちらの学年で知らんやつはおらん。《双頭の番犬》――《拒魔の狛犬》っちゅうて」
姫子「高鴨も恐ろしかですよ。強度測定で打ったことのあっばってん、そんときは、私の《約束の鍵》の崩されかけて、たった一局で打ち止めになったとです。
これ以上は……私に悪影響やけんて。未だにその能力の詳細はわかっとらん。ただ、強力な打ち手なんは間違いなか」
578:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 12:59:56.61 :h0RBhQr80
怜「封殺系最強の能力者と、超能力者殺しの山の主、それに魔除け属性の二年生……。
学園都市の誇る討魔《アンチオカルト》四天王が、揃いも揃ってあの《大魔王》の下におるっちゅーんやから、随分とデコボコな魔王軍もあったもんやで」
和「皆さん……何を非科学的なことを言ってるですか。魔とか能力とか、そんなオカルトに惑わされてはいけません。咲さんのお姉さんは確かに強い――それは過去の成績が物語っています。
しかし、それ以外の方々は、客観的なデータを見る限り、先輩方のほうがむしろ上位にいます。必要以上に警戒することはありません。私に言わせれば、十分手が届く範囲です」
初美「さすがデジタルの申し子は言うことが違うですねー」
怜「もちろん、うちかて負けるつもりはあらへんよ。っちゅーか、負けられへんやろ! この二回戦、突破すれば、いよいよ会えるわけやから……!!」
絹恵「そうですね……やっとここまで来たんやから!」
姫子「絶対に勝つと!!」
和・初美「当然です(よー)」
怜「ほな、みんな腹くくったな!? ここが正念場の二回戦や。気張っていくで……せーのっ!!」
怜・姫子・絹恵・和・初美「っしゃああああああー!!」
――――
怜「封殺系最強の能力者と、超能力者殺しの山の主、それに魔除け属性の二年生……。
学園都市の誇る討魔《アンチオカルト》四天王が、揃いも揃ってあの《大魔王》の下におるっちゅーんやから、随分とデコボコな魔王軍もあったもんやで」
和「皆さん……何を非科学的なことを言ってるですか。魔とか能力とか、そんなオカルトに惑わされてはいけません。咲さんのお姉さんは確かに強い――それは過去の成績が物語っています。
しかし、それ以外の方々は、客観的なデータを見る限り、先輩方のほうがむしろ上位にいます。必要以上に警戒することはありません。私に言わせれば、十分手が届く範囲です」
初美「さすがデジタルの申し子は言うことが違うですねー」
怜「もちろん、うちかて負けるつもりはあらへんよ。っちゅーか、負けられへんやろ! この二回戦、突破すれば、いよいよ会えるわけやから……!!」
絹恵「そうですね……やっとここまで来たんやから!」
姫子「絶対に勝つと!!」
和・初美「当然です(よー)」
怜「ほな、みんな腹くくったな!? ここが正念場の二回戦や。気張っていくで……せーのっ!!」
怜・姫子・絹恵・和・初美「っしゃああああああー!!」
――――
579:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 13:03:07.80 :h0RBhQr80
――――
憧「……で、こんな朝っぱらから、なんであたしらは白糸台校舎に侵入してるわけ? しかも一年教室棟じゃんここ! っていうか、あたしのクラスの教室じゃんここ!!」
久「思い出の場所なのよ。全てはここから始まったわ」
哩「懐かしか。自己紹介とクラス対抗戦のメンバー編成ば兼ねた、入学式の日の放課後の、クラス内交流戦。学園都市に来て最初の対局。そこで……四人で打ったと」
洋榎「確か、うちが一位で終わったやつやんな」
白望「いや、あのときの一位は私」
哩「なに言っとう、私とね」
久「あなたたちの記憶って本当に都合がいいわね。あのときの一位は私よ?」
洋榎・白望・哩「うち(私)や(だ・と)!!」
憧「はいはい、三年生が子供みたいなことで喧嘩しない」
――――
憧「……で、こんな朝っぱらから、なんであたしらは白糸台校舎に侵入してるわけ? しかも一年教室棟じゃんここ! っていうか、あたしのクラスの教室じゃんここ!!」
久「思い出の場所なのよ。全てはここから始まったわ」
哩「懐かしか。自己紹介とクラス対抗戦のメンバー編成ば兼ねた、入学式の日の放課後の、クラス内交流戦。学園都市に来て最初の対局。そこで……四人で打ったと」
洋榎「確か、うちが一位で終わったやつやんな」
白望「いや、あのときの一位は私」
哩「なに言っとう、私とね」
久「あなたたちの記憶って本当に都合がいいわね。あのときの一位は私よ?」
洋榎・白望・哩「うち(私)や(だ・と)!!」
憧「はいはい、三年生が子供みたいなことで喧嘩しない」
580:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 13:04:50.53 :h0RBhQr80
久「ま、それから色々あったけれど……あのときの約束が、私たちを、こうしてここに再び集めた」
洋榎「因果なもんやなー」
哩「腐れ縁と」
白望「ダルいようなダルくないようなダルいような……」
久「と、ゆーわけで、憧の机はどれかしら?」
憧「は? いきなりなに? なんで?」
久「いいからいいから」
憧「ま、まあ、これだけど……」
洋榎「おおーっ! これやこれやっ!! ごっつー見覚えあるわー!!」
哩「洋榎も憧も、一年一組出席番号一番やけんね」
白望「ちょっとガタガタすると板が外れる不良品なんだよね、この机」
憧「えっ……まさか、久たち……!?」
久「ま、それから色々あったけれど……あのときの約束が、私たちを、こうしてここに再び集めた」
洋榎「因果なもんやなー」
哩「腐れ縁と」
白望「ダルいようなダルくないようなダルいような……」
久「と、ゆーわけで、憧の机はどれかしら?」
憧「は? いきなりなに? なんで?」
久「いいからいいから」
憧「ま、まあ、これだけど……」
洋榎「おおーっ! これやこれやっ!! ごっつー見覚えあるわー!!」
哩「洋榎も憧も、一年一組出席番号一番やけんね」
白望「ちょっとガタガタすると板が外れる不良品なんだよね、この机」
憧「えっ……まさか、久たち……!?」
581:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 13:06:47.55 :h0RBhQr80
久「そのまさか。じゃ、憧、ちょっと失礼するわよっ」ガタガタ
憧「ああっ!?」
哩「おお……!!」
洋榎「ははっ、うちもまだまだ若かったなー」
白望「彫るの超ダルかった……」
久「放課後に机囲んで、みんなでガリガリやったわねぇ」
『目指せ、インターハイ優勝 竹井久』
『宇宙最強の雀士になったる!! 愛宕洋榎』
『日々是決戦 白水哩』
『ダルくてもがんばる 小瀬川白望』
久「そのまさか。じゃ、憧、ちょっと失礼するわよっ」ガタガタ
憧「ああっ!?」
哩「おお……!!」
洋榎「ははっ、うちもまだまだ若かったなー」
白望「彫るの超ダルかった……」
久「放課後に机囲んで、みんなでガリガリやったわねぇ」
『目指せ、インターハイ優勝 竹井久』
『宇宙最強の雀士になったる!! 愛宕洋榎』
『日々是決戦 白水哩』
『ダルくてもがんばる 小瀬川白望』
582:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 13:08:46.13 :h0RBhQr80
憧「久たちってば、一年生の頃からワルだったんだね! 学校の備品にこんなことして……まったく――羨ましいったらないわっ!!」
久「ふふっ。もちろん、憧ならそう言うと思って、ちゃんと用意してきたわ。さすがに彫ってる時間はないから、はい、油性ペン」キュポン
憧「さすが久っ! 学生議会長のくせに後輩に落書きを強いる――そういう最悪なところが最高っ!!」
『目指せ、インターハイ優勝 竹井久』
『宇宙最強の雀士になったる!! 愛宕洋榎』
『一軍になる! マジで!! あと、みんなずっと一緒!!! 新子憧』
『日々是決戦 白水哩』
『ダルくてもがんばる 小瀬川白望』
憧「久たちってば、一年生の頃からワルだったんだね! 学校の備品にこんなことして……まったく――羨ましいったらないわっ!!」
久「ふふっ。もちろん、憧ならそう言うと思って、ちゃんと用意してきたわ。さすがに彫ってる時間はないから、はい、油性ペン」キュポン
憧「さすが久っ! 学生議会長のくせに後輩に落書きを強いる――そういう最悪なところが最高っ!!」
『目指せ、インターハイ優勝 竹井久』
『宇宙最強の雀士になったる!! 愛宕洋榎』
『一軍になる! マジで!! あと、みんなずっと一緒!!! 新子憧』
『日々是決戦 白水哩』
『ダルくてもがんばる 小瀬川白望』
583:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 13:11:09.82 :h0RBhQr80
洋榎「おっ、あれこれ欲張りやな。これは哩に影響されたんちゃうか? 哩はなにかにつけて貪欲やからなー」
哩「そい言うたら、こんなに無駄に『!』ばつけるんは、いっつもぎゃあぎゃあうるさか洋榎の影響と」
久「ちゃっかり私たちの真ん中に書き込むあたりが、シロっぽいわよね」
白望「白々しい……五人目のために真ん中を空けようって言ったのは、久。
憧は、私たちが何も言わなくてもそこにきちんと書き込んだ。二人は似た者同士で、お似合い」
憧「こんだけ一緒にいれば、そりゃ全員にちょっとずつ似てくるわよね……」
久「お気に召さない?」
憧「そんなわけないじゃん! ってか、まさかあたしの机の裏にこんな落書きがあったなんてなー。運命を感じるわよね、運命をっ!
《スクール》はあたしが現れるのを待ってたと言っても過言じゃない――なんちゃって……!!」
洋榎「おっ、あれこれ欲張りやな。これは哩に影響されたんちゃうか? 哩はなにかにつけて貪欲やからなー」
哩「そい言うたら、こんなに無駄に『!』ばつけるんは、いっつもぎゃあぎゃあうるさか洋榎の影響と」
久「ちゃっかり私たちの真ん中に書き込むあたりが、シロっぽいわよね」
白望「白々しい……五人目のために真ん中を空けようって言ったのは、久。
憧は、私たちが何も言わなくてもそこにきちんと書き込んだ。二人は似た者同士で、お似合い」
憧「こんだけ一緒にいれば、そりゃ全員にちょっとずつ似てくるわよね……」
久「お気に召さない?」
憧「そんなわけないじゃん! ってか、まさかあたしの机の裏にこんな落書きがあったなんてなー。運命を感じるわよね、運命をっ!
《スクール》はあたしが現れるのを待ってたと言っても過言じゃない――なんちゃって……!!」
584:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 13:12:53.54 :h0RBhQr80
洋榎「……いや、実際、的を射てるんちゃうかな」
憧「えっ?」
哩「私たち《スクール》は、二年間、憧ば待っとったとよ」
憧「ちょ、哩まで!」
白望「憧がいなかったら、私たちはこうして集まってなかったと思う」
憧「シロも!? な、なによ……やめてよ、大事な初戦の前に泣かせるなっつーの……っ!!」
久「いいじゃない。泣くのは得意でしょ、憧」
憧「全然よくないから……!! もう、みんなしてっ!!」
洋榎「それだけ感謝しとるんや。これ、有難く思うとこやで?」
哩「こがん我儘な私たちと一緒に戦ってくれる憧のためにも……こんトーナメント、必ず優勝すっと」
白望「ダルいけど、全力以上で打つ。大船に乗ったつもりでいて」
憧「みんな……!!」
洋榎「……いや、実際、的を射てるんちゃうかな」
憧「えっ?」
哩「私たち《スクール》は、二年間、憧ば待っとったとよ」
憧「ちょ、哩まで!」
白望「憧がいなかったら、私たちはこうして集まってなかったと思う」
憧「シロも!? な、なによ……やめてよ、大事な初戦の前に泣かせるなっつーの……っ!!」
久「いいじゃない。泣くのは得意でしょ、憧」
憧「全然よくないから……!! もう、みんなしてっ!!」
洋榎「それだけ感謝しとるんや。これ、有難く思うとこやで?」
哩「こがん我儘な私たちと一緒に戦ってくれる憧のためにも……こんトーナメント、必ず優勝すっと」
白望「ダルいけど、全力以上で打つ。大船に乗ったつもりでいて」
憧「みんな……!!」
585:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 13:20:14.43 :h0RBhQr80
久「憧……私たち全員、あなたと同じ気持ちよ。勝って、一軍《レギュラー》になって、ずっとみんなで一緒にわいわい遊んでいたい。それこそ、永遠に、いつまでも――」
憧「ありがとう……マジ嬉しい。ずっと――そうよっ、ずっと一緒だからねっ! 言うなれば、《久遠》の誓いってやつよッ!!」
久「ふふっ、いいわね、それ。さ、て……用は済んだし、ぼちぼち行こうかしら。みんな、準備はできてる?」
洋榎「誰に言うとんねん。うちは年中無休で臨戦態勢やで!」
哩「心も身体も万全と」
白望「いい感じにダルい……」
憧「もちろん、私も完璧よ!!」
久「オーケー。それじゃあ出撃するとしますか……! 一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》――みんな、思いっきり暴れるわよッ!!」
憧・洋榎・哩・白望「おおおおおおおっ!!」
――――
久「憧……私たち全員、あなたと同じ気持ちよ。勝って、一軍《レギュラー》になって、ずっとみんなで一緒にわいわい遊んでいたい。それこそ、永遠に、いつまでも――」
憧「ありがとう……マジ嬉しい。ずっと――そうよっ、ずっと一緒だからねっ! 言うなれば、《久遠》の誓いってやつよッ!!」
久「ふふっ、いいわね、それ。さ、て……用は済んだし、ぼちぼち行こうかしら。みんな、準備はできてる?」
洋榎「誰に言うとんねん。うちは年中無休で臨戦態勢やで!」
哩「心も身体も万全と」
白望「いい感じにダルい……」
憧「もちろん、私も完璧よ!!」
久「オーケー。それじゃあ出撃するとしますか……! 一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》――みんな、思いっきり暴れるわよッ!!」
憧・洋榎・哩・白望「おおおおおおおっ!!」
――――
586:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 13:27:31.31 :h0RBhQr80
――――
やえ「さて、今日の二回戦からシードとぶつかるわけだが」
誠子「………………」
優希「誠子先輩っ! 元気出すじょ!! 確かに、元《虎姫》でシードになれなかったのは誠子先輩だけだけど……長い人生そんなこともあるじょ!!」
ネリー「っていうか、シードになれなかったのは、主にやえのせいだよねー」
セーラ「ブロック予選決勝の先鋒戦、初っ端で小三元ドラ四の倍満に振り込んだときは、控え室でアホかー叫んだで」
やえ「それを言うなら、片岡は配牌の向聴数を感知できる能力者に手の良し悪しを見抜かれてあしらわれていたし、亦野なんかポン材を感知できる能力者に封殺されかけていたではないか。
あと、何よりセーラ……お前、あいつは《三家立直で必ず和了る》という私の忠告を、なぜ聞かなかった」
セーラ「やって一年の最初に打ったときは普通に俺が和了れてたんやもーん」
やえ「莫迦者。あれは場に《塞王》がいたからだ。それ以外の能力者であいつを封殺できるやつは、私の知る限り、学園都市に一人もいない」
――――
やえ「さて、今日の二回戦からシードとぶつかるわけだが」
誠子「………………」
優希「誠子先輩っ! 元気出すじょ!! 確かに、元《虎姫》でシードになれなかったのは誠子先輩だけだけど……長い人生そんなこともあるじょ!!」
ネリー「っていうか、シードになれなかったのは、主にやえのせいだよねー」
セーラ「ブロック予選決勝の先鋒戦、初っ端で小三元ドラ四の倍満に振り込んだときは、控え室でアホかー叫んだで」
やえ「それを言うなら、片岡は配牌の向聴数を感知できる能力者に手の良し悪しを見抜かれてあしらわれていたし、亦野なんかポン材を感知できる能力者に封殺されかけていたではないか。
あと、何よりセーラ……お前、あいつは《三家立直で必ず和了る》という私の忠告を、なぜ聞かなかった」
セーラ「やって一年の最初に打ったときは普通に俺が和了れてたんやもーん」
やえ「莫迦者。あれは場に《塞王》がいたからだ。それ以外の能力者であいつを封殺できるやつは、私の知る限り、学園都市に一人もいない」
587:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 13:41:44.76 :h0RBhQr80
ネリー「みんなダメダメだねー。私はあんなにも優秀な成績だったというのに!」
優希「ネリちゃん、あのダマオンリーの小さい人に何度も何度も振り込んでたじょ」
ネリー「だ、だって、あの人すっごいテンパイ気配ないから! でも三割にしたら余裕で勝てたもーん!!」
誠子「ま、まあ……予選の決勝もそうですし、本選の一回戦も厳しい戦いでした。その分だけ、私たちは経験を積めたわけですから、有難いことですよ……あはは……」
優希「誠子先輩、目が全然笑ってないじょ!?」
やえ「ええい、過ぎたことは気にするなっ!! いいか、今日は二回戦だ!! 気を引き締めないと負けるぞっ!! シード云々を度外視しても、チーム《久遠》は半端なチームではない。
《劫初》や《永代》ほどではないだろうが、総合力はあの《豊穣》と互角かそれ以上。目をつけられたらラスに落とされる可能性もある。各自、背水の陣で臨んでくれ。でないと……死人が出るぞッ!!」
ネリー「ふっふっふ。みんながあんまり不甲斐ないと、私が十割出さないといけなくなるからねー?」
セーラ「ネリーの十割か。そろそろ見てみたい気もするんやけどな」
誠子「に、二回戦レベルで十割は……かなりマズいです。去年の宮永先輩だって、準決勝までは、他の雀士に配慮して、力をセーブしていましたから」
優希「死屍累々になるじょー」
ネリー「みんなダメダメだねー。私はあんなにも優秀な成績だったというのに!」
優希「ネリちゃん、あのダマオンリーの小さい人に何度も何度も振り込んでたじょ」
ネリー「だ、だって、あの人すっごいテンパイ気配ないから! でも三割にしたら余裕で勝てたもーん!!」
誠子「ま、まあ……予選の決勝もそうですし、本選の一回戦も厳しい戦いでした。その分だけ、私たちは経験を積めたわけですから、有難いことですよ……あはは……」
優希「誠子先輩、目が全然笑ってないじょ!?」
やえ「ええい、過ぎたことは気にするなっ!! いいか、今日は二回戦だ!! 気を引き締めないと負けるぞっ!! シード云々を度外視しても、チーム《久遠》は半端なチームではない。
《劫初》や《永代》ほどではないだろうが、総合力はあの《豊穣》と互角かそれ以上。目をつけられたらラスに落とされる可能性もある。各自、背水の陣で臨んでくれ。でないと……死人が出るぞッ!!」
ネリー「ふっふっふ。みんながあんまり不甲斐ないと、私が十割出さないといけなくなるからねー?」
セーラ「ネリーの十割か。そろそろ見てみたい気もするんやけどな」
誠子「に、二回戦レベルで十割は……かなりマズいです。去年の宮永先輩だって、準決勝までは、他の雀士に配慮して、力をセーブしていましたから」
優希「死屍累々になるじょー」
588:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 13:44:42.13 :h0RBhQr80
やえ「未来ある雀士を廃人にするわけにはいかない。セーラ、亦野、片岡、私たちの勝利はお前たち三人の稼ぎに掛かっているからな。誰が相手でも必ずプラスで帰ってこい! いいなっ!?」
セーラ「ま、俺はええけど……優希と誠子はどや?」
優希「東風戦でいいなら楽勝だじぇ!!」
誠子「私は……正直、自信はないです。《久遠》の三年生は全員上位ナンバーですから。けど――」
ネリー「せーこ?」
誠子「尭深と、約束したんです。必ず決勝に行こうって。そうすれば、間違いなく勝ち上がってくるだろう宮永先輩と弘世先輩と……また《虎姫》の四人で集まれる。だから、こんなところで、負けるわけにはいきません」
やえ「さすが、去年の一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》を制した雀士だな。亦野、頼んだぞ」
誠子「任せてください。シードを食うくらいのつもりで打ちますよ。元一軍《レギュラー》として、《虎姫》の名に恥じない戦いをお見せしましょうッ!」ゴッ
やえ「気合は十分のようだな。よかろう。では……行くぞ。あと三回トップに立てば優勝だ。ぬかるなよ、お前たちッ!!」
ネリー・優希・誠子・セーラ「おおおおおおっ!!」
――――
やえ「未来ある雀士を廃人にするわけにはいかない。セーラ、亦野、片岡、私たちの勝利はお前たち三人の稼ぎに掛かっているからな。誰が相手でも必ずプラスで帰ってこい! いいなっ!?」
セーラ「ま、俺はええけど……優希と誠子はどや?」
優希「東風戦でいいなら楽勝だじぇ!!」
誠子「私は……正直、自信はないです。《久遠》の三年生は全員上位ナンバーですから。けど――」
ネリー「せーこ?」
誠子「尭深と、約束したんです。必ず決勝に行こうって。そうすれば、間違いなく勝ち上がってくるだろう宮永先輩と弘世先輩と……また《虎姫》の四人で集まれる。だから、こんなところで、負けるわけにはいきません」
やえ「さすが、去年の一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》を制した雀士だな。亦野、頼んだぞ」
誠子「任せてください。シードを食うくらいのつもりで打ちますよ。元一軍《レギュラー》として、《虎姫》の名に恥じない戦いをお見せしましょうッ!」ゴッ
やえ「気合は十分のようだな。よかろう。では……行くぞ。あと三回トップに立てば優勝だ。ぬかるなよ、お前たちッ!!」
ネリー・優希・誠子・セーラ「おおおおおおっ!!」
――――
589:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 13:48:45.09 :h0RBhQr80
――――
尭深「宥さん……やっぱりここ(温室)でしたか」
宥「あ、ごめん。ちょっと、試合の前に、温まりたくてっていうか、落ち着きたくて……」
尭深「緊張、していますか?」
宥「もちろんだよ。試合の前に緊張しなかったことなんて、一回もない。尭深ちゃんは……わりといつも通りだね。まあ、元一軍《レギュラー》で、去年は優勝してるんだもんね……すごいなぁ」
尭深「いえ、こんなの、強がっているだけです。内心はドキドキ。わかりにくいですが、手だって震えています。本選はこれが初戦ということもありますし……それ以上に、相手が相手ですからね」
宥「そうだね。玄ちゃん……まさか、こんなに早く戦うことになるとは思ってなかったよ」
尭深「玄ちゃんだけではありません。神代さんも、龍門渕さんも、私たちの学年では突出した力を持つ雀士です。
なのに、公式の団体戦に出た回数が、一番多くても龍門渕さんの二回。もったいないと常々思っていました」
宥「尭深ちゃんたち二年生は、強い人いっぱいなのに、団体戦で目立つ人が少ないよね。
灼ちゃんたちは風紀委員の活動がメインで、決まったチームを組まないし、玄ちゃんたちも、出たとしても個人戦」
尭深「私と誠子ちゃんと、姫子ちゃん、漫ちゃんと愛宕さん、それに船久保さんくらいですかね。団体戦の常連なのは。一年生の最初だけは、そんなことなかったんですけど」
――――
尭深「宥さん……やっぱりここ(温室)でしたか」
宥「あ、ごめん。ちょっと、試合の前に、温まりたくてっていうか、落ち着きたくて……」
尭深「緊張、していますか?」
宥「もちろんだよ。試合の前に緊張しなかったことなんて、一回もない。尭深ちゃんは……わりといつも通りだね。まあ、元一軍《レギュラー》で、去年は優勝してるんだもんね……すごいなぁ」
尭深「いえ、こんなの、強がっているだけです。内心はドキドキ。わかりにくいですが、手だって震えています。本選はこれが初戦ということもありますし……それ以上に、相手が相手ですからね」
宥「そうだね。玄ちゃん……まさか、こんなに早く戦うことになるとは思ってなかったよ」
尭深「玄ちゃんだけではありません。神代さんも、龍門渕さんも、私たちの学年では突出した力を持つ雀士です。
なのに、公式の団体戦に出た回数が、一番多くても龍門渕さんの二回。もったいないと常々思っていました」
宥「尭深ちゃんたち二年生は、強い人いっぱいなのに、団体戦で目立つ人が少ないよね。
灼ちゃんたちは風紀委員の活動がメインで、決まったチームを組まないし、玄ちゃんたちも、出たとしても個人戦」
尭深「私と誠子ちゃんと、姫子ちゃん、漫ちゃんと愛宕さん、それに船久保さんくらいですかね。団体戦の常連なのは。一年生の最初だけは、そんなことなかったんですけど」
590:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 13:52:06.90 :h0RBhQr80
宥「懐かしいなぁ……。あの頃――《虎姫》に誘われる前の、本当に最初の頃。尭深ちゃん、玄ちゃんと一緒のクラスで、よく一緒に遊んでたよね」
尭深「宥さんと出会ったのも、玄ちゃんを通してでしたよね」
宥「あれから一年以上経つのか……」
尭深「当時四人でも多いと言われていたレベル5が、今はなんと七人も」
宥「あ、そうそう。すごかったよね、尭深ちゃんと、玄ちゃんと、鶴田さんの超能力者トリオ。《レベル5》って言葉が学園都市に広まったのは、三人が入ってきてからだもんね」
尭深「それを言うなら、神代さんと天江さんは、超人じみた和了りを連発して《ランクS》って言葉を広めましたし、
荒川さんは、当時一年生ながらに上級生を薙ぎ倒して宮永先輩に迫り、《ナンバー》という言葉を広めました」
宥「神代小蒔さん、天江衣さん、荒川憩さん。尭深ちゃんたちの学年の《三強》さん。すごいよねぇ。
《4K》の集いって言って対局に誘われて、玄ちゃん、毎回ボロボロ泣いて帰ってきたっけなぁ……一回なんかもう全身の……うん、本当にひどい有様だったよ……」
尭深「まさに《悪鬼羅刹》でしたね。思えば、公式戦にあの《三強》が出揃うのは、あれ以降だと、これが初めてですか」
宥「そのうちの一人は、今は玄ちゃんと一緒のチームにいる」
尭深「そのうちの二人は、今は弘世先輩と一緒のチームにいます」
宥「そして……尭深ちゃんが、私のチームにいるんだよね」
尭深「宥さん……」
宥「懐かしいなぁ……。あの頃――《虎姫》に誘われる前の、本当に最初の頃。尭深ちゃん、玄ちゃんと一緒のクラスで、よく一緒に遊んでたよね」
尭深「宥さんと出会ったのも、玄ちゃんを通してでしたよね」
宥「あれから一年以上経つのか……」
尭深「当時四人でも多いと言われていたレベル5が、今はなんと七人も」
宥「あ、そうそう。すごかったよね、尭深ちゃんと、玄ちゃんと、鶴田さんの超能力者トリオ。《レベル5》って言葉が学園都市に広まったのは、三人が入ってきてからだもんね」
尭深「それを言うなら、神代さんと天江さんは、超人じみた和了りを連発して《ランクS》って言葉を広めましたし、
荒川さんは、当時一年生ながらに上級生を薙ぎ倒して宮永先輩に迫り、《ナンバー》という言葉を広めました」
宥「神代小蒔さん、天江衣さん、荒川憩さん。尭深ちゃんたちの学年の《三強》さん。すごいよねぇ。
《4K》の集いって言って対局に誘われて、玄ちゃん、毎回ボロボロ泣いて帰ってきたっけなぁ……一回なんかもう全身の……うん、本当にひどい有様だったよ……」
尭深「まさに《悪鬼羅刹》でしたね。思えば、公式戦にあの《三強》が出揃うのは、あれ以降だと、これが初めてですか」
宥「そのうちの一人は、今は玄ちゃんと一緒のチームにいる」
尭深「そのうちの二人は、今は弘世先輩と一緒のチームにいます」
宥「そして……尭深ちゃんが、私のチームにいるんだよね」
尭深「宥さん……」
591:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 13:54:52.20 :h0RBhQr80
宥「尭深ちゃんには、感謝してるんだ。それこそ、尭深ちゃんが入学してきたばっかりの頃の話……」
宥「それまでの白糸台は、軍《クラス》重視っていうのかな、チームで競う団体戦の結果が全てって感じだった。
でもね、尭深ちゃんたちが入ってきてから、《レベル》や《ランク》や《ナンバー》……強さにも色々な形があるって、気付くことができたんだ」
宥「あの頃の私は、今ほど勝ててなかったの。美穂子ちゃんたちみたいに、何人かは、私の力を認めてくれるお友達もいたけど……成績はずっと伸び悩んで、二軍《セカンドクラス》でも下のほうだった。
けど、尭深ちゃんや玄ちゃんのおかげで、自分の能力《レベル》を誇れるようになった。それからは、上級生が相手でも、ちゃんと立ち向かっていくことができた……」
宥「今の私があるのは、尭深ちゃんのおかげなんだよ。尭深ちゃんが、私の中に、自信の種を植えてくれたの。それが実を結んで、三年生に上がる頃には、あの弘世さんとも、打ち合えるようになった」
宥「だから、この実り――今の私の力を、尭深ちゃんのために使うことができて、私……とっても幸せなんだ」
尭深「そ、それを言うなら……私だって……!」
宥「尭深ちゃん……?」
宥「尭深ちゃんには、感謝してるんだ。それこそ、尭深ちゃんが入学してきたばっかりの頃の話……」
宥「それまでの白糸台は、軍《クラス》重視っていうのかな、チームで競う団体戦の結果が全てって感じだった。
でもね、尭深ちゃんたちが入ってきてから、《レベル》や《ランク》や《ナンバー》……強さにも色々な形があるって、気付くことができたんだ」
宥「あの頃の私は、今ほど勝ててなかったの。美穂子ちゃんたちみたいに、何人かは、私の力を認めてくれるお友達もいたけど……成績はずっと伸び悩んで、二軍《セカンドクラス》でも下のほうだった。
けど、尭深ちゃんや玄ちゃんのおかげで、自分の能力《レベル》を誇れるようになった。それからは、上級生が相手でも、ちゃんと立ち向かっていくことができた……」
宥「今の私があるのは、尭深ちゃんのおかげなんだよ。尭深ちゃんが、私の中に、自信の種を植えてくれたの。それが実を結んで、三年生に上がる頃には、あの弘世さんとも、打ち合えるようになった」
宥「だから、この実り――今の私の力を、尭深ちゃんのために使うことができて、私……とっても幸せなんだ」
尭深「そ、それを言うなら……私だって……!」
宥「尭深ちゃん……?」
592:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 13:57:45.01 :h0RBhQr80
尭深「こ、こんなにも……誰かのために勝ちたいと思うのは、宥さんと一緒のチームだからこそなんです。《虎姫》とは違うチームのあり方。宥さんの暖かさが、私の力になるんです」
尭深「もう、宮永先輩や弘世先輩に頼る気持ちが残っていた《虎姫》のときの私はいません。私は、もっと頼ってもらいたいんです。私に力をくれる宥さんの力に、私はなりたいんです」
尭深「先輩相手にこんなことを思うのは……いけないことでしょうか?」
宥「そんなことはないよ。尭深ちゃんは、十分、頼りになる、私たちのリーダー。尭深ちゃんなら、弘世さんよりもカッコよくて、宮永さんよりも強い雀士になれる。私は……信じてる」
尭深「……ありがとうございます。震え、止まりました」
宥「そう? それは……残念。震えてるなら、暖めてあげたかったのに」
尭深「宥さん、それはそれ、これはこれです。震えていようといまいと、初めから、私はそのつもりでここに来ました……」ギュ
宥「ふふっ……尭深ちゃんは、二人きりだと、本当に甘えたがりだよねぇ」ギュ
尭深「宥さん……トーナメント、優勝しましょうね……」
宥「うん、もちろん。それで……優勝したら、あのときここでした話の続き……聞かせてね」
尭深「はい、絶対に……」
――――
尭深「こ、こんなにも……誰かのために勝ちたいと思うのは、宥さんと一緒のチームだからこそなんです。《虎姫》とは違うチームのあり方。宥さんの暖かさが、私の力になるんです」
尭深「もう、宮永先輩や弘世先輩に頼る気持ちが残っていた《虎姫》のときの私はいません。私は、もっと頼ってもらいたいんです。私に力をくれる宥さんの力に、私はなりたいんです」
尭深「先輩相手にこんなことを思うのは……いけないことでしょうか?」
宥「そんなことはないよ。尭深ちゃんは、十分、頼りになる、私たちのリーダー。尭深ちゃんなら、弘世さんよりもカッコよくて、宮永さんよりも強い雀士になれる。私は……信じてる」
尭深「……ありがとうございます。震え、止まりました」
宥「そう? それは……残念。震えてるなら、暖めてあげたかったのに」
尭深「宥さん、それはそれ、これはこれです。震えていようといまいと、初めから、私はそのつもりでここに来ました……」ギュ
宥「ふふっ……尭深ちゃんは、二人きりだと、本当に甘えたがりだよねぇ」ギュ
尭深「宥さん……トーナメント、優勝しましょうね……」
宥「うん、もちろん。それで……優勝したら、あのときここでした話の続き……聞かせてね」
尭深「はい、絶対に……」
――――
593:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 14:00:07.27 :h0RBhQr80
――――
泉「おはよーございまーすっ!! って、豊音さん、早いですね」
豊音「ちょーわくわくして飛び起きちゃったんだよー。だって、今日はついにチーム《豊穣》と対決だよー! サインもらいたい人いっぱいだよー!」
泉「豊音さんは相変わらずですねぇ。他の三人はまだですか?」
豊音「あっちにいるよー」
泉「あれは……? えっ、あのグラサンの人は誰ですか?」
豊音「イズミ、知らないのっ!? 超音波《ソナー》の百鬼藍子さんだよー! 《自分の和了り牌が卓上のどこにあるか見通す》感知系の大能力者《レベル4》だよー!!」
泉「和了り牌が見えるって……またどえらい雀士がいたもんですね。それで、そんな人が、なんでランクSの小蒔さんと、レベル5の玄さんと、デジタル最強(自称)の透華さんと話しとるんですか?」
豊音「昔、公式戦で一回だけ同卓したことがあるんだってー」
泉「ごっつう恐ろしい卓ですね……」
――――
泉「おはよーございまーすっ!! って、豊音さん、早いですね」
豊音「ちょーわくわくして飛び起きちゃったんだよー。だって、今日はついにチーム《豊穣》と対決だよー! サインもらいたい人いっぱいだよー!」
泉「豊音さんは相変わらずですねぇ。他の三人はまだですか?」
豊音「あっちにいるよー」
泉「あれは……? えっ、あのグラサンの人は誰ですか?」
豊音「イズミ、知らないのっ!? 超音波《ソナー》の百鬼藍子さんだよー! 《自分の和了り牌が卓上のどこにあるか見通す》感知系の大能力者《レベル4》だよー!!」
泉「和了り牌が見えるって……またどえらい雀士がいたもんですね。それで、そんな人が、なんでランクSの小蒔さんと、レベル5の玄さんと、デジタル最強(自称)の透華さんと話しとるんですか?」
豊音「昔、公式戦で一回だけ同卓したことがあるんだってー」
泉「ごっつう恐ろしい卓ですね……」
594:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 14:02:23.03 :h0RBhQr80
豊音「私が転校してくる前の話だから、直接見たわけではないんだけどねー。
四人が一年生で、まだ入学したばかりの頃だったんだって。クラス対抗戦の決勝――副将戦かな。チームリーダー対決だったらしいよー」
泉「へえ……? ほな、小蒔さんたち、最初は敵同士やったんですか」
豊音「そういうことになるねー」
泉「せやけど、ほんなら、なんで今は一緒におるんですかね。敵同士の、よりにもよってリーダー同士が三人も集まるなんて……わからんもんですねー」
豊音「ま、色々あったらしいよー」
泉「クラス対抗戦……うちやったら、憧と、あのけったいな《一年最強の大能力者》とかいうのと組んどった可能性もあったっちゅーことか。
あれ? でも、なんで今年はやんなかったんですか、クラス対抗戦」
豊音「ま、色々あったらしいよー……」
泉「はあ……?」
――――
豊音「私が転校してくる前の話だから、直接見たわけではないんだけどねー。
四人が一年生で、まだ入学したばかりの頃だったんだって。クラス対抗戦の決勝――副将戦かな。チームリーダー対決だったらしいよー」
泉「へえ……? ほな、小蒔さんたち、最初は敵同士やったんですか」
豊音「そういうことになるねー」
泉「せやけど、ほんなら、なんで今は一緒におるんですかね。敵同士の、よりにもよってリーダー同士が三人も集まるなんて……わからんもんですねー」
豊音「ま、色々あったらしいよー」
泉「クラス対抗戦……うちやったら、憧と、あのけったいな《一年最強の大能力者》とかいうのと組んどった可能性もあったっちゅーことか。
あれ? でも、なんで今年はやんなかったんですか、クラス対抗戦」
豊音「ま、色々あったらしいよー……」
泉「はあ……?」
――――
595:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 14:05:01.74 :h0RBhQr80
――――
憩「おろ、衣ちゃん。珍しいなー、一番乗りやなんて」
衣「ようやく衣の舌を満足させるだけの贄が出てくるかと思うと、居ても立ってもいられなくてな……!!」
憩「予選の決勝も、なんやかんやで調整にしかならへんかったからなー」
衣「過ぎたことはいい。今日は……けいのお気に入りと打てるのだろう?」
憩「花田さん率いる《煌星》な。あとは、ほら、覚えとるか? 一年のときのクラス対抗戦。小蒔ちゃん相手に頑張っとった超音波《ソナー》の百鬼さんも出てくる。
ついでに、衣ちゃんお気に入りの《砲号》――池田さんもな」
衣「頑健な玩具の見本市か。どれが最後まで壊れずに残るか……思う存分楽しめそうだ!!」ゴッ
憩「こらこらー。今からそんな恐ーい顔しとると、対局まで持たへんでー」ナデナデ
衣「ふあっ!? この、や、やめろー!!」ジタバタ
憩「ふふ、可愛えな、衣ちゃん。ミニサイズにして持ち歩きたいわー」ナデナデ
――――
憩「おろ、衣ちゃん。珍しいなー、一番乗りやなんて」
衣「ようやく衣の舌を満足させるだけの贄が出てくるかと思うと、居ても立ってもいられなくてな……!!」
憩「予選の決勝も、なんやかんやで調整にしかならへんかったからなー」
衣「過ぎたことはいい。今日は……けいのお気に入りと打てるのだろう?」
憩「花田さん率いる《煌星》な。あとは、ほら、覚えとるか? 一年のときのクラス対抗戦。小蒔ちゃん相手に頑張っとった超音波《ソナー》の百鬼さんも出てくる。
ついでに、衣ちゃんお気に入りの《砲号》――池田さんもな」
衣「頑健な玩具の見本市か。どれが最後まで壊れずに残るか……思う存分楽しめそうだ!!」ゴッ
憩「こらこらー。今からそんな恐ーい顔しとると、対局まで持たへんでー」ナデナデ
衣「ふあっ!? この、や、やめろー!!」ジタバタ
憩「ふふ、可愛えな、衣ちゃん。ミニサイズにして持ち歩きたいわー」ナデナデ
596:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 14:06:40.69 :h0RBhQr80
衣「言わせておけば、けいッ! 今ここで決着をつけてもいいのだぞ!? 誰が学年最強の打ち手か、いい加減はっきりさせようではないか!!」ゴッ
憩「ええな、それ。ほな、ちょっと小蒔ちゃんに連絡して、一年数ヶ月ぶりの《三強》対決しよかー。もう一人はもちろん四人目のK――玄ちゃんでええよなー?」
衣「無論、あのドラ置き場は必須だ。衣たちの勝負にドラがあると、一瞬でケリがついてしまうからな」
憩「衣ちゃんと小蒔ちゃんの火力が高過ぎるんよー。ウチは全然フツーの範囲内やのに」
衣「どの口が言う……この《悪魔》めっ!!」
憩「《修羅》の衣ちゃんに言われたらおしまいやわー」
菫「……なにをじゃれ合っている、二人とも」
憩「あっ、菫さん。おはよーございますっ!!」
衣「けいっ、待て! 話はまだ終わってないぞ!!」
菫「あまり聞きたくはないが……何の話だ?」
衣「言わせておけば、けいッ! 今ここで決着をつけてもいいのだぞ!? 誰が学年最強の打ち手か、いい加減はっきりさせようではないか!!」ゴッ
憩「ええな、それ。ほな、ちょっと小蒔ちゃんに連絡して、一年数ヶ月ぶりの《三強》対決しよかー。もう一人はもちろん四人目のK――玄ちゃんでええよなー?」
衣「無論、あのドラ置き場は必須だ。衣たちの勝負にドラがあると、一瞬でケリがついてしまうからな」
憩「衣ちゃんと小蒔ちゃんの火力が高過ぎるんよー。ウチは全然フツーの範囲内やのに」
衣「どの口が言う……この《悪魔》めっ!!」
憩「《修羅》の衣ちゃんに言われたらおしまいやわー」
菫「……なにをじゃれ合っている、二人とも」
憩「あっ、菫さん。おはよーございますっ!!」
衣「けいっ、待て! 話はまだ終わってないぞ!!」
菫「あまり聞きたくはないが……何の話だ?」
597:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 14:09:38.55 :h0RBhQr80
憩「いえいえ、ただの昔話ですよ。一年以上も前の……ウチらが《悪鬼羅刹》なんて呼ばれていた頃の話ですわ」
菫「ああ……あったな、そんなことも。チーム《刹那》だったか。《悪魔》と《鬼神》と《修羅》――学園都市を恐怖のどん底に叩き落とした《悪鬼羅刹》の《三強》。
当時、照の連覇を阻む最大の障害はお前たちになるだろうと、旧《虎姫》の副リーダーだった私は戦々恐々としていたものだ。
結局、チーム《刹那》はその名の通り、あっという間に解散してしまったわけだが」
憩「せやけど、その《刹那》のうちの二人が、巡り巡って、今は菫さんの味方におります」
菫「ああ、もちろん、頼りにしている。ただ……」
衣「《刹那》のもう二人が……彼方にいるわけだな」
憩「せやね。あの《双頭の番犬》が牙を剥くわけや。ウチらを護っとってくれた《拒魔の狛犬》が、今は屠るべき敵チームで魔除けをしとる」
菫「彼女たちは、それほどに強いのか?」
憩「そらもちろん。同学年でウチらについてこれた数少ない雀士ですから。
タイプ的にはガイトさんに近いんかな。オカルトもデジタルも関係あらへん。自分の枠を超えられへん雀士は、簡単に取って食われますわ」
衣「すみれとえいすりんは特に危ない。あの二人は鼻が利くからな。能力に頼った打ち方をしていると、痛い目を見ることになるぞ」
菫「ふむ……心しておこう」
憩「いえいえ、ただの昔話ですよ。一年以上も前の……ウチらが《悪鬼羅刹》なんて呼ばれていた頃の話ですわ」
菫「ああ……あったな、そんなことも。チーム《刹那》だったか。《悪魔》と《鬼神》と《修羅》――学園都市を恐怖のどん底に叩き落とした《悪鬼羅刹》の《三強》。
当時、照の連覇を阻む最大の障害はお前たちになるだろうと、旧《虎姫》の副リーダーだった私は戦々恐々としていたものだ。
結局、チーム《刹那》はその名の通り、あっという間に解散してしまったわけだが」
憩「せやけど、その《刹那》のうちの二人が、巡り巡って、今は菫さんの味方におります」
菫「ああ、もちろん、頼りにしている。ただ……」
衣「《刹那》のもう二人が……彼方にいるわけだな」
憩「せやね。あの《双頭の番犬》が牙を剥くわけや。ウチらを護っとってくれた《拒魔の狛犬》が、今は屠るべき敵チームで魔除けをしとる」
菫「彼女たちは、それほどに強いのか?」
憩「そらもちろん。同学年でウチらについてこれた数少ない雀士ですから。
タイプ的にはガイトさんに近いんかな。オカルトもデジタルも関係あらへん。自分の枠を超えられへん雀士は、簡単に取って食われますわ」
衣「すみれとえいすりんは特に危ない。あの二人は鼻が利くからな。能力に頼った打ち方をしていると、痛い目を見ることになるぞ」
菫「ふむ……心しておこう」
598:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 14:10:55.11 :h0RBhQr80
智葉「おはよう」
菫「おう、智葉か。おはよう」
智葉「ん? どうした、三人とも、朝っぱらから辛気臭い顔をして」
衣「何をー!?」
憩「ガイトさんにだけは辛気臭いとか言われたくないですわー」
智葉「ああ?」ゴッ
菫「やめんか、三人とも」
衣「ふん。ところで、さとは、えいすりんはどうした?」
智葉「さあ……大方、またどこかで絵でも描いてるんじゃないか?」
エイスリン「オハヨー! ゴザマッ!!」
智葉「噂をすれば……」
智葉「おはよう」
菫「おう、智葉か。おはよう」
智葉「ん? どうした、三人とも、朝っぱらから辛気臭い顔をして」
衣「何をー!?」
憩「ガイトさんにだけは辛気臭いとか言われたくないですわー」
智葉「ああ?」ゴッ
菫「やめんか、三人とも」
衣「ふん。ところで、さとは、えいすりんはどうした?」
智葉「さあ……大方、またどこかで絵でも描いてるんじゃないか?」
エイスリン「オハヨー! ゴザマッ!!」
智葉「噂をすれば……」
599:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 14:14:01.79 :h0RBhQr80
菫「よし、これで全員集合だな。……っと、ウィッシュアート、その絵はなんだ?」
エイスリン「サッキ、ミカケタ! クロカミ、ビジン!!」バッ
菫「へえ……なるほど。確かに、整った顔立ちをしている」
憩(なああ!? 菫さんは黒髪がええんですか……!? そ、染めようかな……)
衣「しかし、この者、どこかで見たことがあるような……」
智葉「………………」
エイスリン「サトハ、ドーシタ!? インキクサイカオシヤガッテ!!」
智葉「誰が陰気臭い顔だ!? 私だって、眼鏡を取って髪を下ろせば、そこそこ見栄えする顔に――」
憩「まったまたー、ガイトさん。見栄えする顔っちゅーんは、菫さんやエイさんやこの絵の美少女みたいなことを言うんですよー? オモロい冗談はやめてください。腹筋ねじ切れますわー」
智葉「おい、荒川。ちょっと屋上の対局室行こうか。久しぶりにキレちまったぞ……!!」ゴッ
衣「おおっ、なら衣もっ!!」ゴゴッ
エイスリン「ワタシモッ!!」ゴゴゴッ
菫「お前たち、ホントそればっかりだな……」
――――
菫「よし、これで全員集合だな。……っと、ウィッシュアート、その絵はなんだ?」
エイスリン「サッキ、ミカケタ! クロカミ、ビジン!!」バッ
菫「へえ……なるほど。確かに、整った顔立ちをしている」
憩(なああ!? 菫さんは黒髪がええんですか……!? そ、染めようかな……)
衣「しかし、この者、どこかで見たことがあるような……」
智葉「………………」
エイスリン「サトハ、ドーシタ!? インキクサイカオシヤガッテ!!」
智葉「誰が陰気臭い顔だ!? 私だって、眼鏡を取って髪を下ろせば、そこそこ見栄えする顔に――」
憩「まったまたー、ガイトさん。見栄えする顔っちゅーんは、菫さんやエイさんやこの絵の美少女みたいなことを言うんですよー? オモロい冗談はやめてください。腹筋ねじ切れますわー」
智葉「おい、荒川。ちょっと屋上の対局室行こうか。久しぶりにキレちまったぞ……!!」ゴッ
衣「おおっ、なら衣もっ!!」ゴゴッ
エイスリン「ワタシモッ!!」ゴゴゴッ
菫「お前たち、ホントそればっかりだな……」
――――
600:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 14:15:49.97 :h0RBhQr80
――――
華菜「巴さーんっ! おはよーございまーす!!」タッタッタッ
巴「おはよう、華菜」
華菜「すいません、遅くなって。待ちました?」
巴「ううん、私も今来たところだから」
華菜「……いよいよ二回戦、ですね」
巴「正直、一回戦を勝ち上がれただけで、私はかなり満足しちゃってるんだけど……。
でも、一回戦で涙を飲んだチームや、予選を突破できなかったチームのことを考えると、手を抜くわけにはいかない。
ハッちゃんたち《新約》や船久保さんたち《姫松》も反対側で頑張ってるし、何より、今回、私たちは伝統ある《新道寺》のメンバーとして大会に参加してる。頑張らなきゃだよね。
華菜のほうは、どうなの?」
華菜「あたしはやる気満々ですよ! なんたって、一年越しのリベンジがかかってますからっ!」
巴「ああ、天江さんのこと。去年、福路さんファンクラブの人たちと一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》に参加して、予選の決勝で大変な目に遭ったんだっけ」
華菜「巴さん、そのことは忘れてください。去年のあたしは本調子じゃなかった!!」
巴「へ、へえ?」
――――
華菜「巴さーんっ! おはよーございまーす!!」タッタッタッ
巴「おはよう、華菜」
華菜「すいません、遅くなって。待ちました?」
巴「ううん、私も今来たところだから」
華菜「……いよいよ二回戦、ですね」
巴「正直、一回戦を勝ち上がれただけで、私はかなり満足しちゃってるんだけど……。
でも、一回戦で涙を飲んだチームや、予選を突破できなかったチームのことを考えると、手を抜くわけにはいかない。
ハッちゃんたち《新約》や船久保さんたち《姫松》も反対側で頑張ってるし、何より、今回、私たちは伝統ある《新道寺》のメンバーとして大会に参加してる。頑張らなきゃだよね。
華菜のほうは、どうなの?」
華菜「あたしはやる気満々ですよ! なんたって、一年越しのリベンジがかかってますからっ!」
巴「ああ、天江さんのこと。去年、福路さんファンクラブの人たちと一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》に参加して、予選の決勝で大変な目に遭ったんだっけ」
華菜「巴さん、そのことは忘れてください。去年のあたしは本調子じゃなかった!!」
巴「へ、へえ?」
601:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 14:18:15.16 :h0RBhQr80
華菜「今年のあたしは去年に比べて断然好調ですからね。たとえ《悪鬼羅刹》が相手でも張り合ってみせますよっ!」
巴「すごい自信……分けてほしいくらい。まあ、もちろん、華菜の強さは知っているつもりだけれど。
でも、そんなに去年と今年で差があるの? 華菜は去年から十分強かったよね?」
華菜「全然違います。だって今年は、巴さんが一緒ですから!」
巴「えっ? 私?」
華菜「巴さんが傍にいてくれれば、それだけで恐いものなしです。運気百倍です!」
巴「私、霧島出身だけど無能力者だから、そういう特別な力は持ってないけど……?」
華菜「ところがどっこい、あるんです! 私にだけ効く能力なんですっ!!」
巴「ふふっ……華菜って、時々、変なこと言うよね。面白い」
華菜「じゃあ、行きましょうか、巴さん。江崎先輩たち、もう会場に着いてるかもしれません」ギュ
巴「えっ、ちょ、華菜?」
華菜「ダッシュです、巴さんっ!」ダッ
巴「わっ!? 華菜、は、走るの速いよーっ!!」
――――
華菜「今年のあたしは去年に比べて断然好調ですからね。たとえ《悪鬼羅刹》が相手でも張り合ってみせますよっ!」
巴「すごい自信……分けてほしいくらい。まあ、もちろん、華菜の強さは知っているつもりだけれど。
でも、そんなに去年と今年で差があるの? 華菜は去年から十分強かったよね?」
華菜「全然違います。だって今年は、巴さんが一緒ですから!」
巴「えっ? 私?」
華菜「巴さんが傍にいてくれれば、それだけで恐いものなしです。運気百倍です!」
巴「私、霧島出身だけど無能力者だから、そういう特別な力は持ってないけど……?」
華菜「ところがどっこい、あるんです! 私にだけ効く能力なんですっ!!」
巴「ふふっ……華菜って、時々、変なこと言うよね。面白い」
華菜「じゃあ、行きましょうか、巴さん。江崎先輩たち、もう会場に着いてるかもしれません」ギュ
巴「えっ、ちょ、華菜?」
華菜「ダッシュです、巴さんっ!」ダッ
巴「わっ!? 華菜、は、走るの速いよーっ!!」
――――
602:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 14:21:52.10 :h0RBhQr80
――――
?「……あら、遅かったですね、百鬼さん。珍しいこともあるものです。何かトラブルでも?」
藍子「いやー、そういうんじゃないです。すいません。ちょっと懐かしい顔に会っちゃったもんだから、つい話しこんでしまって」
?「懐かしい顔っちゅうんは?」
藍子「一年の最初にあったクラス対抗戦の、決勝戦の面子です。ほら、隣のBブロックにいるじゃないですか、チーム《逢天》って」
?「」ブツブツブツブツ
藍子「そう、そこそこ。で、三回戦で会おうって、もー盛り上がっちゃって!」
?「……藍子、オーダー提出」
藍子「うわっと!? もうそんな時間でしたか。すいませんすいません。では、最後に全員でチェックしましょう。
利仙さん、絃さん、いちごさん、もこも。今日のオーダーはこれでばっちりですか?」
利仙「特に問題はないかと」
絃「確認した」
いちご「誰と当たるんかのう」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「ありがとーございます! じゃ、これで――」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「なーに、もこ? あっはっは! あのね、そんな当たり前のこと、言われなくたってみーんなわかってるよ。うん。少なくとも私はダイジョーブ。
皆さんのほうも、大丈夫ですよね? 本日のコンディションはばっちりですよね?」
利仙「ええ、なんの問題もありません」
絃「確認するまでもない」
いちご「誰と当たるかにもよるがの」
藍子「だってさ。安心した、もこ?」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「それはよかった。じゃ……ま、もこも言ってますが、改めて気合入れましょっか。
今日の二回戦……ちょっとばかし手強そうな相手ばっかですけど――勝つのは私たちチーム《夜行》ですっ!! 頑張りましょーっ!! おーっ!!」
利仙・絃・いちご「おーっ!!」
もこ「」ブツブツブツブツ
――――――
――――
――
――――
?「……あら、遅かったですね、百鬼さん。珍しいこともあるものです。何かトラブルでも?」
藍子「いやー、そういうんじゃないです。すいません。ちょっと懐かしい顔に会っちゃったもんだから、つい話しこんでしまって」
?「懐かしい顔っちゅうんは?」
藍子「一年の最初にあったクラス対抗戦の、決勝戦の面子です。ほら、隣のBブロックにいるじゃないですか、チーム《逢天》って」
?「」ブツブツブツブツ
藍子「そう、そこそこ。で、三回戦で会おうって、もー盛り上がっちゃって!」
?「……藍子、オーダー提出」
藍子「うわっと!? もうそんな時間でしたか。すいませんすいません。では、最後に全員でチェックしましょう。
利仙さん、絃さん、いちごさん、もこも。今日のオーダーはこれでばっちりですか?」
利仙「特に問題はないかと」
絃「確認した」
いちご「誰と当たるんかのう」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「ありがとーございます! じゃ、これで――」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「なーに、もこ? あっはっは! あのね、そんな当たり前のこと、言われなくたってみーんなわかってるよ。うん。少なくとも私はダイジョーブ。
皆さんのほうも、大丈夫ですよね? 本日のコンディションはばっちりですよね?」
利仙「ええ、なんの問題もありません」
絃「確認するまでもない」
いちご「誰と当たるかにもよるがの」
藍子「だってさ。安心した、もこ?」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「それはよかった。じゃ……ま、もこも言ってますが、改めて気合入れましょっか。
今日の二回戦……ちょっとばかし手強そうな相手ばっかですけど――勝つのは私たちチーム《夜行》ですっ!! 頑張りましょーっ!! おーっ!!」
利仙・絃・いちご「おーっ!!」
もこ「」ブツブツブツブツ
――――――
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――
603:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 14:23:54.51 :h0RBhQr80
――《煌星》控え室
淡「っと、ゆーわけで、私が先鋒でエースだからね!!」
桃子「超新星さんなら誰が相手でも大丈夫そうっすよね」
咲「ま、たとえ淡ちゃんがヘタこいても、真のエースの私がなんとかするから、みんな安心してね!」
友香「まっ、自分でエースを名乗るくらいなんだから、期待してるんでー!」
淡「任せてっ! 高校100年生の実力を見せ付けてくるよ……!!」
煌「淡さん……」
淡「キラメも、応援よろしくっ! じゃ、行ってくるね!!」
煌「えっ? しかし、まだ少し時間が――」
淡「早く打ちたくって気が急くの! それじゃっ!!」ダッダッダッ
煌(あ……淡さん……?)
――《煌星》控え室
淡「っと、ゆーわけで、私が先鋒でエースだからね!!」
桃子「超新星さんなら誰が相手でも大丈夫そうっすよね」
咲「ま、たとえ淡ちゃんがヘタこいても、真のエースの私がなんとかするから、みんな安心してね!」
友香「まっ、自分でエースを名乗るくらいなんだから、期待してるんでー!」
淡「任せてっ! 高校100年生の実力を見せ付けてくるよ……!!」
煌「淡さん……」
淡「キラメも、応援よろしくっ! じゃ、行ってくるね!!」
煌「えっ? しかし、まだ少し時間が――」
淡「早く打ちたくって気が急くの! それじゃっ!!」ダッダッダッ
煌(あ……淡さん……?)
604:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 14:26:06.94 :h0RBhQr80
――理事長室
恒子「始まったね~、二回戦」
健夜「ここで十六チームが八チームになるんだね。順当に行けば、そのうち四チームはシードなんだろうけど」
恒子「残り四チームは、どこになると思う?」
健夜「理事長として特定のチームに肩入れするわけにはいかないけど、個人的にはチーム《煌星》に頑張ってほしいと思ってるよ。
《レベル6シフト計画》のためにも、花田さんには勝ち抜いてもらわないとだからね」
恒子「《煌星》か。あそこもかなり大変なブロックに入っちゃったからなぁ。どうなることやら」
健夜「うん。そうだ……ね――」フラッ
恒子「おっと!?」ガシッ
健夜「あ、ごめん……寝不足かな……」
恒子「大丈夫? なんか、最近立ちくらみとか、ぼーっとすること多くない? 年だから? アラフォーだから?」
健夜「アラサーだよ……。そんなことより、モニター。見て、各試合、先鋒戦の選手が対局室に入ってきた」
恒子「ベスト8を決める戦い。最初の賽が振られるまで、あと五分だね」
健夜「うん……」
恒子「生き残るのは誰になるのか」
健夜「先は長いよ。お茶でも飲みながら……焦らず騒がず見守ろう」
――理事長室
恒子「始まったね~、二回戦」
健夜「ここで十六チームが八チームになるんだね。順当に行けば、そのうち四チームはシードなんだろうけど」
恒子「残り四チームは、どこになると思う?」
健夜「理事長として特定のチームに肩入れするわけにはいかないけど、個人的にはチーム《煌星》に頑張ってほしいと思ってるよ。
《レベル6シフト計画》のためにも、花田さんには勝ち抜いてもらわないとだからね」
恒子「《煌星》か。あそこもかなり大変なブロックに入っちゃったからなぁ。どうなることやら」
健夜「うん。そうだ……ね――」フラッ
恒子「おっと!?」ガシッ
健夜「あ、ごめん……寝不足かな……」
恒子「大丈夫? なんか、最近立ちくらみとか、ぼーっとすること多くない? 年だから? アラフォーだから?」
健夜「アラサーだよ……。そんなことより、モニター。見て、各試合、先鋒戦の選手が対局室に入ってきた」
恒子「ベスト8を決める戦い。最初の賽が振られるまで、あと五分だね」
健夜「うん……」
恒子「生き残るのは誰になるのか」
健夜「先は長いよ。お茶でも飲みながら……焦らず騒がず見守ろう」
605:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 14:35:23.60 :h0RBhQr80
――Aブロック二回戦・対局室
淡「うっわー広っ! 天井高っ!」テクテク
淡(一回戦の部屋とはかなり違うんだね。ま、そりゃそうか。シードチームも出てくるわけだし)
ゾクッ
淡(あ――
な
に
こ
れ…………?)
ドクッ
淡(ちょ!? あれ……? 私、今、ここに何分突っ立ってた……!?)
ドクッ
――どうした《超新星》……座らんのか?
ドクッ
淡「えっ、あ、ああ……すいません……」
ドクッ
――どこか、具合でも悪いの?
ドクッ
淡「い、いえ! 全然っ!!」
ドクッ
――始まるぞ。
ドクッ
淡「は――はいっ!!」
――キラメが! みんなが見てる!!
淡(も……もしかして、私――)
――勝たなきゃ……!!
淡(緊張してる……の!?)
『Aブロック二回戦先鋒戦、まもなく開始します』
淡(あわわわわわわわわわわ――!!!?)
――Aブロック二回戦・対局室
淡「うっわー広っ! 天井高っ!」テクテク
淡(一回戦の部屋とはかなり違うんだね。ま、そりゃそうか。シードチームも出てくるわけだし)
ゾクッ
淡(あ――
な
に
こ
れ…………?)
ドクッ
淡(ちょ!? あれ……? 私、今、ここに何分突っ立ってた……!?)
ドクッ
――どうした《超新星》……座らんのか?
ドクッ
淡「えっ、あ、ああ……すいません……」
ドクッ
――どこか、具合でも悪いの?
ドクッ
淡「い、いえ! 全然っ!!」
ドクッ
――始まるぞ。
ドクッ
淡「は――はいっ!!」
――キラメが! みんなが見てる!!
淡(も……もしかして、私――)
――勝たなきゃ……!!
淡(緊張してる……の!?)
『Aブロック二回戦先鋒戦、まもなく開始します』
淡(あわわわわわわわわわわ――!!!?)
606:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/23(水) 14:38:19.35 :h0RBhQr80
――先鋒戦前半
菫「よろしくお願いします」
東家:弘世菫(劫初・100000)
巴「よろしくお願いいたします」
南家:狩宿巴(新道寺・100000)
絃「よろしく」
北家:霜崎絃(夜行・100000)
淡「よ……よろしくねっ!!」
西家:大星淡(煌星・100000)
『先鋒戦前半――開始ですッ!!』
――先鋒戦前半
菫「よろしくお願いします」
東家:弘世菫(劫初・100000)
巴「よろしくお願いいたします」
南家:狩宿巴(新道寺・100000)
絃「よろしく」
北家:霜崎絃(夜行・100000)
淡「よ……よろしくねっ!!」
西家:大星淡(煌星・100000)
『先鋒戦前半――開始ですッ!!』
613:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 09:54:49.94 :N2Lnp4EF0
東一局・親:菫
菫(ふむ……配牌が見事にバラバラ。これが大星淡の一つ目の能力――《絶対安全圏》か。天江と違って配牌後は普通に手が伸びるのは救いだが、決して楽ではない)タンッ
菫(狩宿と霜崎は、二軍《セカンドクラス》の三年同士。お互い見知った仲だ。ある程度打ち筋も把握している。ただ、こいつはそうではないからな)タンッ
淡「ポンッ!」タンッ
菫(大星淡――《宮永照の後継者》として理事長が海外からスカウトしてきた、五人目のランクS。果たしてどれほどのものか。本気の照と戦う前のいい予行演習になるだろう……しかし)タンッ
淡「ポン!!」タンッ
菫(予選の牌譜より軽い印象だな。速度を追求しているのか、それとも単に浮き足立っているだけなのか。まだなんとも言えないが、あまりがっかりさせてくれるなよ……)タンッ
東一局・親:菫
菫(ふむ……配牌が見事にバラバラ。これが大星淡の一つ目の能力――《絶対安全圏》か。天江と違って配牌後は普通に手が伸びるのは救いだが、決して楽ではない)タンッ
菫(狩宿と霜崎は、二軍《セカンドクラス》の三年同士。お互い見知った仲だ。ある程度打ち筋も把握している。ただ、こいつはそうではないからな)タンッ
淡「ポンッ!」タンッ
菫(大星淡――《宮永照の後継者》として理事長が海外からスカウトしてきた、五人目のランクS。果たしてどれほどのものか。本気の照と戦う前のいい予行演習になるだろう……しかし)タンッ
淡「ポン!!」タンッ
菫(予選の牌譜より軽い印象だな。速度を追求しているのか、それとも単に浮き足立っているだけなのか。まだなんとも言えないが、あまりがっかりさせてくれるなよ……)タンッ
614:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 09:56:39.38 :N2Lnp4EF0
淡(《絶対安全圏》はちゃんと機能してる。ツモも悪くない。支配力だってばっちり行き渡ってる。何の憂いもない……はずなんだけど!)
淡(なんでだろう、さっきから手の震えが収まらない。頭に靄がかかったみたいで、考えもまとまらない。鳴かないほうがよかったかな?
わからない。いつもならもっとキュピーンって期待値計算できるのに……!)
淡(と、とにかく、一つ和了って落ち着こう。大丈夫、私はランクSでレベル4でマルチスキルなんだから、たとえ二軍《セカンドクラス》の三年が三人束になってかかってきたって……負けることはない!!)
淡「ロン、5200」パラララ
絃「……はい」チャ
淡(よし! 普通に和了れるじゃん。このまま押せ押せで行くよ……!)
菫:100000 巴:100000 淡:105200 絃:94800
淡(《絶対安全圏》はちゃんと機能してる。ツモも悪くない。支配力だってばっちり行き渡ってる。何の憂いもない……はずなんだけど!)
淡(なんでだろう、さっきから手の震えが収まらない。頭に靄がかかったみたいで、考えもまとまらない。鳴かないほうがよかったかな?
わからない。いつもならもっとキュピーンって期待値計算できるのに……!)
淡(と、とにかく、一つ和了って落ち着こう。大丈夫、私はランクSでレベル4でマルチスキルなんだから、たとえ二軍《セカンドクラス》の三年が三人束になってかかってきたって……負けることはない!!)
淡「ロン、5200」パラララ
絃「……はい」チャ
淡(よし! 普通に和了れるじゃん。このまま押せ押せで行くよ……!)
菫:100000 巴:100000 淡:105200 絃:94800
615:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 10:10:34.03 :N2Lnp4EF0
東二局・親:巴
絃(噂の転校生の一人……大星淡。まだ本調子ではないと見える。配牌六向聴は確かに面倒だが、最速なら六回ツモればテンパイ。取り立てて騒ぐほどの枷ではない。それが証拠に、七対子、テンパイ――)
絃(と、ツモったか。七対子ツモのみ、800・1600。普通ならば、さっきリーチを掛けていれば――などとぼやきつつも、手堅く和了るところだろう。
巡目的にも、大星なら張っている可能性がある。安くても流しておくのが無難……)
絃(そう、本来なら、この東二局はここで終了。これより先の未来は存在しない。半分以上の山牌が未消化のまま次のゲームに移る。
それが既定で規定の路線。もしこれがネット麻雀なら、私だってそうしていただろう)
絃(だが、生憎と、私の麻雀はツモってからが本番。私の能力は、終わるはずだった対局を強引に引き伸ばし、あるはずのなかった未来を描き出す。ここは当然の――和了り拒否)タンッ
絃(さあ……《強制延長》の時間だ)ゴゴゴゴゴゴゴ
東二局・親:巴
絃(噂の転校生の一人……大星淡。まだ本調子ではないと見える。配牌六向聴は確かに面倒だが、最速なら六回ツモればテンパイ。取り立てて騒ぐほどの枷ではない。それが証拠に、七対子、テンパイ――)
絃(と、ツモったか。七対子ツモのみ、800・1600。普通ならば、さっきリーチを掛けていれば――などとぼやきつつも、手堅く和了るところだろう。
巡目的にも、大星なら張っている可能性がある。安くても流しておくのが無難……)
絃(そう、本来なら、この東二局はここで終了。これより先の未来は存在しない。半分以上の山牌が未消化のまま次のゲームに移る。
それが既定で規定の路線。もしこれがネット麻雀なら、私だってそうしていただろう)
絃(だが、生憎と、私の麻雀はツモってからが本番。私の能力は、終わるはずだった対局を強引に引き伸ばし、あるはずのなかった未来を描き出す。ここは当然の――和了り拒否)タンッ
絃(さあ……《強制延長》の時間だ)ゴゴゴゴゴゴゴ
616:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 10:14:07.54 :N2Lnp4EF0
――《煌星》控え室
桃子「和了り拒否!? さっきテンパったときにリーチしなかったから、まさかと思ってたっすけど、やっぱりあの人……!」
友香「過去の牌譜にも多々ある、不自然なツモ和了り拒否。高め狙いとも少し違う。淡の能力下でも迷いなくやってきたってことは、もうそういう能力だってことでいいんでー」
咲「霜崎絃さん……不自然なツモ和了り拒否をするときは、決まって、フリテンを解消し次第、誰かから直撃を取る。
過去のデータを見ても、ツモ和了りは全体の10パーセント以下。極端な出和了り特化の雀士」
煌「ツモれば終わっていたはずの対局を無理矢理に続行し、その後の局面を優位に進めていく、と。
なるほど。《強制延長》とはそういうことでしたか――」
――《煌星》控え室
桃子「和了り拒否!? さっきテンパったときにリーチしなかったから、まさかと思ってたっすけど、やっぱりあの人……!」
友香「過去の牌譜にも多々ある、不自然なツモ和了り拒否。高め狙いとも少し違う。淡の能力下でも迷いなくやってきたってことは、もうそういう能力だってことでいいんでー」
咲「霜崎絃さん……不自然なツモ和了り拒否をするときは、決まって、フリテンを解消し次第、誰かから直撃を取る。
過去のデータを見ても、ツモ和了りは全体の10パーセント以下。極端な出和了り特化の雀士」
煌「ツモれば終わっていたはずの対局を無理矢理に続行し、その後の局面を優位に進めていく、と。
なるほど。《強制延長》とはそういうことでしたか――」
617:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 10:14:47.19 :N2Lnp4EF0
――《夜行》控え室
藍子「はーい、《強制延長》入りましたー! エクストラゲームならぬボーナスゲーム! こっからは絃さんのやりたい放題ですよーっ!!」
いちご「テンパイ効率が良くてツモ和了りまでが速い絃じゃからこそ、使える能力じゃな。並みの打ち手が絃と同じことをしようもんなら、フリテンを回避しとる間に対局が終わってしまうけえの」
利仙「ツモ和了りまでが速いなら、普通にツモを連発すれば勝てるんじゃないですか……と本人に聞いたこともあるんですけれど。
霜崎さん曰く、同格以上の雀士が相手では、それだと押し負けてしまうんだとか」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「そうね。《強制延長》は、伸び悩んでた絃さんが苦労の末に手に入れた能力。
その進化の真価は、ただ出和了りを取れるだけじゃない! 絃さん……ぶちかましてくださいっ!!」
――《夜行》控え室
藍子「はーい、《強制延長》入りましたー! エクストラゲームならぬボーナスゲーム! こっからは絃さんのやりたい放題ですよーっ!!」
いちご「テンパイ効率が良くてツモ和了りまでが速い絃じゃからこそ、使える能力じゃな。並みの打ち手が絃と同じことをしようもんなら、フリテンを回避しとる間に対局が終わってしまうけえの」
利仙「ツモ和了りまでが速いなら、普通にツモを連発すれば勝てるんじゃないですか……と本人に聞いたこともあるんですけれど。
霜崎さん曰く、同格以上の雀士が相手では、それだと押し負けてしまうんだとか」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「そうね。《強制延長》は、伸び悩んでた絃さんが苦労の末に手に入れた能力。
その進化の真価は、ただ出和了りを取れるだけじゃない! 絃さん……ぶちかましてくださいっ!!」
618:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 10:16:01.81 :N2Lnp4EF0
――対局室
絃「ロン、6400」パラララ
菫「む……(これは――やれやれ、《強制延長》か。やられたな)」チャ
淡(っ!! ツモ和了り拒否からの張り替え出和了り……これ、キラメが要注意って言ってたやつだ。ってことは、この人はそういう能力者。気をつけないとっ!!)
巴(《強制延長》の霜崎さん……出和了りが多いのは、恐い反面、親だと親っ被りの心配をしなくていいからちょっと助かる、かも?)
菫:93600 巴:100000 淡:105200 絃:101200
――対局室
絃「ロン、6400」パラララ
菫「む……(これは――やれやれ、《強制延長》か。やられたな)」チャ
淡(っ!! ツモ和了り拒否からの張り替え出和了り……これ、キラメが要注意って言ってたやつだ。ってことは、この人はそういう能力者。気をつけないとっ!!)
巴(《強制延長》の霜崎さん……出和了りが多いのは、恐い反面、親だと親っ被りの心配をしなくていいからちょっと助かる、かも?)
菫:93600 巴:100000 淡:105200 絃:101200
619:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 10:17:50.61 :N2Lnp4EF0
東三局・親:淡
淡(親、か)コロコロ
淡(やっちゃう? やっちゃおっか……? キラメからは能力解禁の許可が出てる。最終判断は現場の私。
どうしようかな。先行きは不透明。できることなら、今のうちにこのもやもや感を払拭しておきたい。ダブリー……これで突き放せるなら、言うことなし――だよね?)
淡(いいよね、キラメ? 私、間違ってない……よね?)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫(このプレッシャー……仕掛けてくるか、ランクSの魔物)
絃(予選の決勝で見せたダブリー。これで、能力だったのかどうかわかる)
巴(うわっ、北家のハッちゃんばりの圧力! 間違いない。能力を使ってくる……!!)
淡「行っくよー、ダブリーッ!!」
菫・絃・巴(来たッ!!)ゾクッ
東三局・親:淡
淡(親、か)コロコロ
淡(やっちゃう? やっちゃおっか……? キラメからは能力解禁の許可が出てる。最終判断は現場の私。
どうしようかな。先行きは不透明。できることなら、今のうちにこのもやもや感を払拭しておきたい。ダブリー……これで突き放せるなら、言うことなし――だよね?)
淡(いいよね、キラメ? 私、間違ってない……よね?)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫(このプレッシャー……仕掛けてくるか、ランクSの魔物)
絃(予選の決勝で見せたダブリー。これで、能力だったのかどうかわかる)
巴(うわっ、北家のハッちゃんばりの圧力! 間違いない。能力を使ってくる……!!)
淡「行っくよー、ダブリーッ!!」
菫・絃・巴(来たッ!!)ゾクッ
620:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 10:20:11.08 :N2Lnp4EF0
――《劫初》控え室
淡『行っくよー、ダブリーッ!!』
智葉「確定か」
憩「どう、衣ちゃん? あの子の支配力。自分や小蒔ちゃんと比べて」
衣「こまきの降ろす神の、強いほうから三、四番手と同格といったところか。衣で言えば、半月時のそれをゆうに凌ぐ力を感じる。無論、もっと上がある可能性も否めないが」
エイスリン「エライ、コッテス!」
智葉「支配階級《ランク》もそうだが、大星淡――あいつは予選でゆみを下してここに来た。それだけでも十分評価に値する」
憩「ま、そこそこ強いんはわかってたことです。せやけど、あの子、今日はちょっと緊張しとるみたいやから、たぶん今のとこは菫さんの敵やないと思いますよー」
衣「む、すみれが射の構えに入ったぞ……!!」
エイスリン「スミレ、メダ、メヲネラエッ!」
憩「目には目を、歯には歯を、能力には能力をやね」
智葉「予選では決勝の一度だけ。本選では、当然これが初シャープシュート(通常)となるわけだが――」
――《劫初》控え室
淡『行っくよー、ダブリーッ!!』
智葉「確定か」
憩「どう、衣ちゃん? あの子の支配力。自分や小蒔ちゃんと比べて」
衣「こまきの降ろす神の、強いほうから三、四番手と同格といったところか。衣で言えば、半月時のそれをゆうに凌ぐ力を感じる。無論、もっと上がある可能性も否めないが」
エイスリン「エライ、コッテス!」
智葉「支配階級《ランク》もそうだが、大星淡――あいつは予選でゆみを下してここに来た。それだけでも十分評価に値する」
憩「ま、そこそこ強いんはわかってたことです。せやけど、あの子、今日はちょっと緊張しとるみたいやから、たぶん今のとこは菫さんの敵やないと思いますよー」
衣「む、すみれが射の構えに入ったぞ……!!」
エイスリン「スミレ、メダ、メヲネラエッ!」
憩「目には目を、歯には歯を、能力には能力をやね」
智葉「予選では決勝の一度だけ。本選では、当然これが初シャープシュート(通常)となるわけだが――」
621:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 10:24:44.47 :N2Lnp4EF0
――対局室
菫(霜崎の《強制延長》が発動していたところからすると、大星淡の支配下にあっても能力自体が《無効化》されるということはないらしい。ま、照でもそんなことはできないのだから、当然と言えば当然か)
菫(となれば、あとは能力の相性と駆け引きの勝負だ。大星淡のダブリー……そしてカン裏。荒川曰く、カンするまでは押せるだろうとのこと。いつカンしてくるのかはわからないが、こちらも手が整った)
淡(しまった……角の位置確認してなかった!? あんなに深い位置にあったとか、うかつー!!)
菫(先制リーチ者に射掛けてみるのは、そう言えば初めてか。普段の《シャープシュート》と要領は違うが、やるだけやってみよう……《照準》……!!)
淡(我ながらおバカ過ぎるよっ! どうしよう……みんなもたついてくれたらいいんだけど、もし途中で能力の干渉を受けたら……!!)
菫「……!!」ギロッ
淡「っ!!」ゾワッ
――対局室
菫(霜崎の《強制延長》が発動していたところからすると、大星淡の支配下にあっても能力自体が《無効化》されるということはないらしい。ま、照でもそんなことはできないのだから、当然と言えば当然か)
菫(となれば、あとは能力の相性と駆け引きの勝負だ。大星淡のダブリー……そしてカン裏。荒川曰く、カンするまでは押せるだろうとのこと。いつカンしてくるのかはわからないが、こちらも手が整った)
淡(しまった……角の位置確認してなかった!? あんなに深い位置にあったとか、うかつー!!)
菫(先制リーチ者に射掛けてみるのは、そう言えば初めてか。普段の《シャープシュート》と要領は違うが、やるだけやってみよう……《照準》……!!)
淡(我ながらおバカ過ぎるよっ! どうしよう……みんなもたついてくれたらいいんだけど、もし途中で能力の干渉を受けたら……!!)
菫「……!!」ギロッ
淡「っ!!」ゾワッ
622:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 10:27:26.68 :N2Lnp4EF0
淡(や――ばっ! せめてあと数巡待ってほしかったよ。ぼちぼちカンしようって矢先に矢尻を向けられるなんてね……なんて言ってる場合じゃないっ! どうにか、支配力で無理矢理、力を逸らせて――)ゴゴゴッ
菫(ふん、悪足掻きを。既に狙いは定めた。あとは矢を放つだけ。この状態から私の矢をかわしてみせたのは、初見だと照や松実宥さん、それに智葉や荒川もだったか。
しかし、今のお前に彼女たちと同じことができるか……!?)
淡(マズいマズいマズい! 弘世菫が着々と待ちを寄せてる感じがするっ!! せめて、せめて角が来れば……私の能力で弘世菫の能力を《無効化》できるかもなのに!!)
菫(大星淡のダブリーは脅威だと思っていたが、こうして追いついてしまえば、どうということはないな。
《照準》でいずれ出てくる牌が見える私にしてみれば、こんなにやりやすい相手は他にいない)
淡(くっ……逸らせない、か――!!)ツモッ
菫(リーチさえかけていなければ、カンのいいこいつのことだ、私の矢をかわすこともできただろう。
しかし、どうやら私の能力は、こいつの能力と相性がいいらしい。第二打からツモ切りを繰り返すお前は……私にとって格好の的だッ!!)
淡(通って!!)タンッ
菫「(通すかッ!!)ロン、8000ッ!」ゴッ
淡(や――ばっ! せめてあと数巡待ってほしかったよ。ぼちぼちカンしようって矢先に矢尻を向けられるなんてね……なんて言ってる場合じゃないっ! どうにか、支配力で無理矢理、力を逸らせて――)ゴゴゴッ
菫(ふん、悪足掻きを。既に狙いは定めた。あとは矢を放つだけ。この状態から私の矢をかわしてみせたのは、初見だと照や松実宥さん、それに智葉や荒川もだったか。
しかし、今のお前に彼女たちと同じことができるか……!?)
淡(マズいマズいマズい! 弘世菫が着々と待ちを寄せてる感じがするっ!! せめて、せめて角が来れば……私の能力で弘世菫の能力を《無効化》できるかもなのに!!)
菫(大星淡のダブリーは脅威だと思っていたが、こうして追いついてしまえば、どうということはないな。
《照準》でいずれ出てくる牌が見える私にしてみれば、こんなにやりやすい相手は他にいない)
淡(くっ……逸らせない、か――!!)ツモッ
菫(リーチさえかけていなければ、カンのいいこいつのことだ、私の矢をかわすこともできただろう。
しかし、どうやら私の能力は、こいつの能力と相性がいいらしい。第二打からツモ切りを繰り返すお前は……私にとって格好の的だッ!!)
淡(通って!!)タンッ
菫「(通すかッ!!)ロン、8000ッ!」ゴッ
623:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 10:30:59.07 :N2Lnp4EF0
淡(痛ああああっ!? の、脳天ブチ抜かれた気分だよっ。これが生の《シャープシュート》。予想以上に精神的ダメージがあるんだけど……!?)
淡(確か、《シャープシュート》そのものは能力じゃなくて、《いずれ相手の手から溢れる牌を見抜く》感知系の大能力と、《待ちを片寄せると有効牌が入る》自牌干渉系の大能力を複合して狙い撃ちをしてるんだっけ)
淡(過去の牌譜だと、相手がテンパイした直後に、手出しの余剰牌を射貫くパターンが多かった。
けど、《いずれ相手の手から溢れる牌》って、別に手出しとは限らないんだ。困った……角が来る前に狙われたら、避ける手段がない――!!)
菫(ふむ。先制リーチをされても、案外なんとかなるものだな。今まで私は、私のほうが先にテンパイできたときにばかり射ていたが……こんな使い方もあるのか。いい実験になった。礼を言うぞ、大星淡)
淡(げえーっ! なんかすっごいナメられてる気がする!! こんなの、今回はたまたま角が遠かっただけなんだからね。調子に乗らないでよねっ!!)ゴッ
菫(逆鱗に触れてしまったか? いいだろう。そんなにダブリーがしたいなら、いくらでも仕掛けてくるがいい。その五体が蜂の巣になるまで……何度でも射貫いてやるさ……!!)
菫:102600 巴:100000 淡:96200 絃:101200
淡(痛ああああっ!? の、脳天ブチ抜かれた気分だよっ。これが生の《シャープシュート》。予想以上に精神的ダメージがあるんだけど……!?)
淡(確か、《シャープシュート》そのものは能力じゃなくて、《いずれ相手の手から溢れる牌を見抜く》感知系の大能力と、《待ちを片寄せると有効牌が入る》自牌干渉系の大能力を複合して狙い撃ちをしてるんだっけ)
淡(過去の牌譜だと、相手がテンパイした直後に、手出しの余剰牌を射貫くパターンが多かった。
けど、《いずれ相手の手から溢れる牌》って、別に手出しとは限らないんだ。困った……角が来る前に狙われたら、避ける手段がない――!!)
菫(ふむ。先制リーチをされても、案外なんとかなるものだな。今まで私は、私のほうが先にテンパイできたときにばかり射ていたが……こんな使い方もあるのか。いい実験になった。礼を言うぞ、大星淡)
淡(げえーっ! なんかすっごいナメられてる気がする!! こんなの、今回はたまたま角が遠かっただけなんだからね。調子に乗らないでよねっ!!)ゴッ
菫(逆鱗に触れてしまったか? いいだろう。そんなにダブリーがしたいなら、いくらでも仕掛けてくるがいい。その五体が蜂の巣になるまで……何度でも射貫いてやるさ……!!)
菫:102600 巴:100000 淡:96200 絃:101200
624:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 10:32:45.86 :N2Lnp4EF0
東四局・親:絃
淡「ダブリーッ!!」ゴッ
菫(懲りんやつだ。しかし、こちらもテンパイしないことには始まらない。連発されたら打ち合い……火力勝負か。
こいつの支配力と能力の効果を考えれば、私一人では分が悪いかもしれん。だが――)
菫(大星淡、まだ緊張が解けてないのか? 随分と周りが見えていないようだな。お前を狙っているのは、私だけではないというのに。
《シャープシューター》と呼ばれるこの私と、ほぼ同程度の直撃率を誇る、白糸台屈指の出和了り特化能力者――《強制延長》の霜崎絃。今親をしているのは、他ならぬ彼女だぞ……!!)
絃「」ゴゴゴゴゴゴゴ
淡(えっ、こ、今度はこっち!?)
東四局・親:絃
淡「ダブリーッ!!」ゴッ
菫(懲りんやつだ。しかし、こちらもテンパイしないことには始まらない。連発されたら打ち合い……火力勝負か。
こいつの支配力と能力の効果を考えれば、私一人では分が悪いかもしれん。だが――)
菫(大星淡、まだ緊張が解けてないのか? 随分と周りが見えていないようだな。お前を狙っているのは、私だけではないというのに。
《シャープシューター》と呼ばれるこの私と、ほぼ同程度の直撃率を誇る、白糸台屈指の出和了り特化能力者――《強制延長》の霜崎絃。今親をしているのは、他ならぬ彼女だぞ……!!)
絃「」ゴゴゴゴゴゴゴ
淡(えっ、こ、今度はこっち!?)
625:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 10:35:03.00 :N2Lnp4EF0
絃(ツモ平和のみ、700オール。あの配牌から、我ながら大した速度だと思う)
絃(しかし、こんな細かい和了りをいくら繰り返したところで、この場、この面子、一発大きいのを喰らったらその時点でアウト。それではダメなんだ)
絃(大星淡のダブリー、弘世菫のシャープシュート。待ち受ける脅威は無数にある。ここで手牌を倒し、対局を終わらせれば、それらのリスクを無に帰すことができる。だが……!!)
絃(リスクが大きいからこそ、それに立ち向かったときのリターンもまた大きなものになる。
恐怖から目を背けていては、その奥にある宝物もまた見えない。そのことを教えてくれた藍子のためにも、ここは――和了り拒否ッ!!)ゴッ
淡(こ、これが、霜崎絃――!!)
絃(さあ……付き合ってもらうぞ、ランクSの魔物。本来ならなかったはずの未来。眠っていた無限の危険性と可能性。その両方と――私は向き合うッ!!)
淡(《強制延長》……!!?)ゾクッ
絃(ツモ平和のみ、700オール。あの配牌から、我ながら大した速度だと思う)
絃(しかし、こんな細かい和了りをいくら繰り返したところで、この場、この面子、一発大きいのを喰らったらその時点でアウト。それではダメなんだ)
絃(大星淡のダブリー、弘世菫のシャープシュート。待ち受ける脅威は無数にある。ここで手牌を倒し、対局を終わらせれば、それらのリスクを無に帰すことができる。だが……!!)
絃(リスクが大きいからこそ、それに立ち向かったときのリターンもまた大きなものになる。
恐怖から目を背けていては、その奥にある宝物もまた見えない。そのことを教えてくれた藍子のためにも、ここは――和了り拒否ッ!!)ゴッ
淡(こ、これが、霜崎絃――!!)
絃(さあ……付き合ってもらうぞ、ランクSの魔物。本来ならなかったはずの未来。眠っていた無限の危険性と可能性。その両方と――私は向き合うッ!!)
淡(《強制延長》……!!?)ゾクッ
626:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 10:41:39.09 :N2Lnp4EF0
――去年・個人戦
絃(ふう……なんとかオーラスまでトップを守れた。このまま、最終局も私がツモって終わらせる。親の連荘などさせない……)
――――
藍子「ツモ、4000オールッ! うっしゃ、まくったー!!」
絃(やられた……。くっ、今年はここまでか。参ったな。こいつのような力のある一年は、きっと他にもいるだろう。
私は……今のままで、いつまで二軍《セカンドクラス》に残れるだろうか……)
藍子「いやぁー、危なかったぁ。じゃ、ありがとうございましたっ!」
絃「ああ……ありがとうございまし――」ハッ
絃(な、なんだ、こいつの、この手順……? 序盤で和了っているのに、それを拒否して高めを引いただと!?
ラス親なら、安手でも和了っておけば連荘できる。なぜ素直にツモらなかった? 和了り拒否などして、他家に和了られたらどうするつもりだったんだ……!!)
絃「あ……あの、あなた」
藍子「えっ? あっ、どーも、百鬼藍子です! 一年です。今日はありがとうございましたっ!!」
絃「ああ、いや、こちらこそ……じゃなくて! あなた、どうしてこんな打ち方を? 序盤でどうしてツモ和了りしなかった?」
藍子「おろっ、気付いちゃいましたか!? えっと……ネタバラシすると、ただ能力を使っただけです。超音波《ソナー》――私、自分の和了り牌が卓上のどこにあるか見えるんです。
あのまま行けば、いずれ高めをツモれることはわかっていました。和了り拒否は、私の超音波《ソナー》的に色々とメリットが多いんで、わりとよくやるんですよねー」
――去年・個人戦
絃(ふう……なんとかオーラスまでトップを守れた。このまま、最終局も私がツモって終わらせる。親の連荘などさせない……)
――――
藍子「ツモ、4000オールッ! うっしゃ、まくったー!!」
絃(やられた……。くっ、今年はここまでか。参ったな。こいつのような力のある一年は、きっと他にもいるだろう。
私は……今のままで、いつまで二軍《セカンドクラス》に残れるだろうか……)
藍子「いやぁー、危なかったぁ。じゃ、ありがとうございましたっ!」
絃「ああ……ありがとうございまし――」ハッ
絃(な、なんだ、こいつの、この手順……? 序盤で和了っているのに、それを拒否して高めを引いただと!?
ラス親なら、安手でも和了っておけば連荘できる。なぜ素直にツモらなかった? 和了り拒否などして、他家に和了られたらどうするつもりだったんだ……!!)
絃「あ……あの、あなた」
藍子「えっ? あっ、どーも、百鬼藍子です! 一年です。今日はありがとうございましたっ!!」
絃「ああ、いや、こちらこそ……じゃなくて! あなた、どうしてこんな打ち方を? 序盤でどうしてツモ和了りしなかった?」
藍子「おろっ、気付いちゃいましたか!? えっと……ネタバラシすると、ただ能力を使っただけです。超音波《ソナー》――私、自分の和了り牌が卓上のどこにあるか見えるんです。
あのまま行けば、いずれ高めをツモれることはわかっていました。和了り拒否は、私の超音波《ソナー》的に色々とメリットが多いんで、わりとよくやるんですよねー」
627:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 10:50:15.68 :N2Lnp4EF0
絃「し、しかし、いくら和了り牌の位置がわかっていたとしても、ツモ順をズラされたりしたら、手詰まりを起こすのではないか?
というか、高めを待っている間に他家に和了られたら、その時点で負けではないか……?」
藍子「んんー、もちろん、そういうこともよくあります。けど、今回はどーしても、高めで和了って、一撃で勝負を決めたかった。
安手で連荘もできますけど、次の局で和了れるとは限らないですし」
絃「それはそうだが……」
藍子「霜崎……先輩でしたっけ。先輩がトップだったっていうのも、和了り拒否した理由の一つです。
先輩、門前派のデジタルみたいですけど、和了率高いし和了巡目もめちゃめちゃ速いですもんね。先輩みたいな強い人がいるんですもん、こっちも無茶しなきゃ勝てませんよ」
絃「無茶をしたからって、勝率が上がるとは限らないだろう。無難に次のチャンスを待ったほうが、期待値が高かったのではないか? 私だって、別にいつも和了れるわけではないのだし……」
藍子「まー、正直なとこ、私そんなに計算速いほうじゃないんで、細かいことはわっかんないっす! でもでもっ!!」
絃「でも……なんだ?」
絃「し、しかし、いくら和了り牌の位置がわかっていたとしても、ツモ順をズラされたりしたら、手詰まりを起こすのではないか?
というか、高めを待っている間に他家に和了られたら、その時点で負けではないか……?」
藍子「んんー、もちろん、そういうこともよくあります。けど、今回はどーしても、高めで和了って、一撃で勝負を決めたかった。
安手で連荘もできますけど、次の局で和了れるとは限らないですし」
絃「それはそうだが……」
藍子「霜崎……先輩でしたっけ。先輩がトップだったっていうのも、和了り拒否した理由の一つです。
先輩、門前派のデジタルみたいですけど、和了率高いし和了巡目もめちゃめちゃ速いですもんね。先輩みたいな強い人がいるんですもん、こっちも無茶しなきゃ勝てませんよ」
絃「無茶をしたからって、勝率が上がるとは限らないだろう。無難に次のチャンスを待ったほうが、期待値が高かったのではないか? 私だって、別にいつも和了れるわけではないのだし……」
藍子「まー、正直なとこ、私そんなに計算速いほうじゃないんで、細かいことはわっかんないっす! でもでもっ!!」
絃「でも……なんだ?」
628:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 10:53:23.15 :N2Lnp4EF0
藍子「序盤で和了っちゃうのって、なーんかもったいなくありません!? 山が半分以上残っているんですよ?
深くまで踏み込めば、もっと素敵なお宝に出会えたかもしれない。もちろん崖から落ちるって危険性もあります。でも、そうじゃない可能性を私は信じたいっ!
っていうか、ま、これ、和了り牌の在り処がわかるからなんですけどね。私の超音波《ソナー》なら、宝物がどこにあるか、はっきり見えるんです。
《宝の地図》が手元にあるのに諦めるなんて……そんなのつまんないじゃないですかっ!!」
絃「つまらない……?」
藍子「はいっ! 私、麻雀って、宝探しだと思ってるんです。和了り牌っていうお宝が眠る山を駆け回る、トレジャーハンティング。
毎回毎回、色んな冒険が楽しめる。今回のオーラスもわっくわっくしましたっ!
ツモって山を崩してしまったら、もう二度と同じ冒険はできません。だからこそ、私は一回の対局を、目一杯遊び尽くしたいんです!!」
絃「だが、負けてしまえばなんにもならないだろう……?」
藍子「ちっちっちっ、先輩、わかっていませんね。トレジャーハンティングは、スカも楽しむのが通ってもんなんです。
宝物が手に入らないことなんてしょっちゅう。せっかく苦労して手に入れた宝箱が空っぽだった!? みたいなこともあったり。
けど、それはそれで、笑えるじゃないですか!!」
絃「笑えるって……あなた、無茶苦茶だな……」
藍子「そーですかぁ? 自分ではわりと普通だと思ってるんですけどね~」
藍子「序盤で和了っちゃうのって、なーんかもったいなくありません!? 山が半分以上残っているんですよ?
深くまで踏み込めば、もっと素敵なお宝に出会えたかもしれない。もちろん崖から落ちるって危険性もあります。でも、そうじゃない可能性を私は信じたいっ!
っていうか、ま、これ、和了り牌の在り処がわかるからなんですけどね。私の超音波《ソナー》なら、宝物がどこにあるか、はっきり見えるんです。
《宝の地図》が手元にあるのに諦めるなんて……そんなのつまんないじゃないですかっ!!」
絃「つまらない……?」
藍子「はいっ! 私、麻雀って、宝探しだと思ってるんです。和了り牌っていうお宝が眠る山を駆け回る、トレジャーハンティング。
毎回毎回、色んな冒険が楽しめる。今回のオーラスもわっくわっくしましたっ!
ツモって山を崩してしまったら、もう二度と同じ冒険はできません。だからこそ、私は一回の対局を、目一杯遊び尽くしたいんです!!」
絃「だが、負けてしまえばなんにもならないだろう……?」
藍子「ちっちっちっ、先輩、わかっていませんね。トレジャーハンティングは、スカも楽しむのが通ってもんなんです。
宝物が手に入らないことなんてしょっちゅう。せっかく苦労して手に入れた宝箱が空っぽだった!? みたいなこともあったり。
けど、それはそれで、笑えるじゃないですか!!」
絃「笑えるって……あなた、無茶苦茶だな……」
藍子「そーですかぁ? 自分ではわりと普通だと思ってるんですけどね~」
629:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 11:18:01.06 :N2Lnp4EF0
絃「……名前、なんて言ったっけ」
藍子「百鬼藍子ですっ! お好きなように呼んでくださいっ!」
絃「じゃあ、藍子」
藍子「はいはいっ、藍子でーす!」
絃「藍子……負けた私がこんなことを言うのは図々しいと思うのだが、一つだけ、私の我儘を聞いてくれないか?」
藍子「なんなりとっ!!」
絃「あなたとの勝負を、《強制延長》させてほしい。この一回きりで終わりにしてしまうのは、なんだかつまらない気がするんだ。
あなたさえよければ、またいつか、どこかで再戦しよう。私は二年の霜崎絃。次に会うときは、必ず私が勝つ」
藍子「絃さんですねっ! りょーかいでっす。また何度でも打ちましょー!!」
――――――
――――
――
絃「……名前、なんて言ったっけ」
藍子「百鬼藍子ですっ! お好きなように呼んでくださいっ!」
絃「じゃあ、藍子」
藍子「はいはいっ、藍子でーす!」
絃「藍子……負けた私がこんなことを言うのは図々しいと思うのだが、一つだけ、私の我儘を聞いてくれないか?」
藍子「なんなりとっ!!」
絃「あなたとの勝負を、《強制延長》させてほしい。この一回きりで終わりにしてしまうのは、なんだかつまらない気がするんだ。
あなたさえよければ、またいつか、どこかで再戦しよう。私は二年の霜崎絃。次に会うときは、必ず私が勝つ」
藍子「絃さんですねっ! りょーかいでっす。また何度でも打ちましょー!!」
――――――
――――
――
630:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 11:22:13.52 :N2Lnp4EF0
――――
絃(あれから……私は変わった。和了率は下がり、平均和了巡目も遅くなってしまった。けれど、打点がそれを補って余りあるほどに高くなったんだ)
絃(安手のツモでひたすら和了り続けていた頃は、得点力のある上位ナンバーに押し負けてばかりだった。
それが、ツモ和了りを拒否して対局を《強制延長》することで、それなりに張り合えるようになった)
絃(私は、決して、藍子の言う宝探しを楽しんでいるわけではない。そもそも、私は和了り牌がどこにあるかなど、わからないしな。今だって、和了り拒否をするのは、死ぬほど恐い)
絃(けれど、その恐怖を超えた先に勝利があることを、藍子は教えてくれた。あいつには……感謝している)
絃(自分でも……不思議だ。ただツモが速いだけの非能力者だった私の奥底に、まさかこんな宝物――能力が眠っていたなんてな。
藍子は、それを見抜いていたのかいないのか、私に私の可能性の存在を示してくれた)
絃(《強制延長》――ツモ和了りを拒否すると、フリテンを解消し次第、高確率で他家から直撃を取ることができる大能力……!
しかも、必ず元のツモより高い点数で――ッ!!)
――――
絃(あれから……私は変わった。和了率は下がり、平均和了巡目も遅くなってしまった。けれど、打点がそれを補って余りあるほどに高くなったんだ)
絃(安手のツモでひたすら和了り続けていた頃は、得点力のある上位ナンバーに押し負けてばかりだった。
それが、ツモ和了りを拒否して対局を《強制延長》することで、それなりに張り合えるようになった)
絃(私は、決して、藍子の言う宝探しを楽しんでいるわけではない。そもそも、私は和了り牌がどこにあるかなど、わからないしな。今だって、和了り拒否をするのは、死ぬほど恐い)
絃(けれど、その恐怖を超えた先に勝利があることを、藍子は教えてくれた。あいつには……感謝している)
絃(自分でも……不思議だ。ただツモが速いだけの非能力者だった私の奥底に、まさかこんな宝物――能力が眠っていたなんてな。
藍子は、それを見抜いていたのかいないのか、私に私の可能性の存在を示してくれた)
絃(《強制延長》――ツモ和了りを拒否すると、フリテンを解消し次第、高確率で他家から直撃を取ることができる大能力……!
しかも、必ず元のツモより高い点数で――ッ!!)
631:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 11:26:34.09 :N2Lnp4EF0
絃(宝物とはよく言ったものだ。本当に、麻雀は深い。たまらない……やみつきになる!!)タンッ
淡(うっ、また角まであと少しのところで!?)
絃(張り替え完了ッ! 覚悟しろ、ランクS。ツモ和了りを拒否した瞬間から、この場の全てが私の支配領域《テリトリー》。
勇んで踏み込んだ者だけが手に入れられる宝物――和了り牌を、私に寄越せッ!!)
淡(こんな――ことって……!!)タンッ
絃「ロンッ! 12000!!」ゴッ
淡(また……!? ツモ和了り拒否から、張り替えで出和了りって!
私の能力下で序盤にツモれるその和了速度だけでも半端ないのに、そこから的確に高い手にして直撃かましてくるとか――白糸台の三年って、こんな厄介なのばっかなわけっ!?)
淡(どうしよう……弘世菫も霜崎絃も出和了り特化の能力者。追いつかれたら、狙われるのはツモ切りしかできない私)
淡(もちろん、いつもいつも追いつかれるわけじゃないと思うし、私のダブリーだって打点は低くないんだけど……さすがに一対二はしんどい。このままじゃ削り殺される。ダブリーは一旦封印っ!)
淡(つ、次は普通に和了ってやるんだから……!!)
菫:102600 巴:100000 淡:83200 絃:114200
絃(宝物とはよく言ったものだ。本当に、麻雀は深い。たまらない……やみつきになる!!)タンッ
淡(うっ、また角まであと少しのところで!?)
絃(張り替え完了ッ! 覚悟しろ、ランクS。ツモ和了りを拒否した瞬間から、この場の全てが私の支配領域《テリトリー》。
勇んで踏み込んだ者だけが手に入れられる宝物――和了り牌を、私に寄越せッ!!)
淡(こんな――ことって……!!)タンッ
絃「ロンッ! 12000!!」ゴッ
淡(また……!? ツモ和了り拒否から、張り替えで出和了りって!
私の能力下で序盤にツモれるその和了速度だけでも半端ないのに、そこから的確に高い手にして直撃かましてくるとか――白糸台の三年って、こんな厄介なのばっかなわけっ!?)
淡(どうしよう……弘世菫も霜崎絃も出和了り特化の能力者。追いつかれたら、狙われるのはツモ切りしかできない私)
淡(もちろん、いつもいつも追いつかれるわけじゃないと思うし、私のダブリーだって打点は低くないんだけど……さすがに一対二はしんどい。このままじゃ削り殺される。ダブリーは一旦封印っ!)
淡(つ、次は普通に和了ってやるんだから……!!)
菫:102600 巴:100000 淡:83200 絃:114200
632:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 11:31:45.61 :N2Lnp4EF0
――《煌星》控え室
友香「淡が二連続振り込み……!? 《絶対安全圏》とダブリーのコンボがまったく効いてないんでー!!」
咲「効いてない、わけじゃないはずだよ。能力の相性もあるけど、それ以上に、あの人たち、普通に地力が高いんだと思う。
お姉ちゃんと同学年の二軍《セカンドクラス》。さすがは白糸台高校麻雀部で二年間鍛えてきた人たち。超新参ことぽっと出の淡ちゃんとは場数が違う」
桃子「け、けど、超新星さんなら、なんとかしてくれるっす! ダブリーがダメなら、普通に打って和了ればいい。なんたって高校100年生っすよ?」
煌「普通に打って、ですか。しかし、あまり素直に手を進めるのは、いささか安易かもしれません。そういう相手を討ち取ることこそ、あの《シャープシューター》――弘世菫さんの十八番なのですから……」
菫『ロン、3900は4200』
淡『は、はい……』
咲「はあー!? さっきからポンコツにもほどがあるよー!!」
友香「全然場が見えてないんでー。いつもなら、もっと冷静に立ち回れるのに」
桃子「そんな……あの超新星さんが翻弄されてるっす……」
菫『ロン、7700』
巴『はい……』
友香「でっ! また《シャープシュート》!!」
桃子「超新星さんどうしちゃったっすかー!?」
咲「同じランクSとして恥ずかしい……」
煌「今は信じて見守りましょう。私たち《煌星》のエースが……このまま終わるわけがありません」
――《煌星》控え室
友香「淡が二連続振り込み……!? 《絶対安全圏》とダブリーのコンボがまったく効いてないんでー!!」
咲「効いてない、わけじゃないはずだよ。能力の相性もあるけど、それ以上に、あの人たち、普通に地力が高いんだと思う。
お姉ちゃんと同学年の二軍《セカンドクラス》。さすがは白糸台高校麻雀部で二年間鍛えてきた人たち。超新参ことぽっと出の淡ちゃんとは場数が違う」
桃子「け、けど、超新星さんなら、なんとかしてくれるっす! ダブリーがダメなら、普通に打って和了ればいい。なんたって高校100年生っすよ?」
煌「普通に打って、ですか。しかし、あまり素直に手を進めるのは、いささか安易かもしれません。そういう相手を討ち取ることこそ、あの《シャープシューター》――弘世菫さんの十八番なのですから……」
菫『ロン、3900は4200』
淡『は、はい……』
咲「はあー!? さっきからポンコツにもほどがあるよー!!」
友香「全然場が見えてないんでー。いつもなら、もっと冷静に立ち回れるのに」
桃子「そんな……あの超新星さんが翻弄されてるっす……」
菫『ロン、7700』
巴『はい……』
友香「でっ! また《シャープシュート》!!」
桃子「超新星さんどうしちゃったっすかー!?」
咲「同じランクSとして恥ずかしい……」
煌「今は信じて見守りましょう。私たち《煌星》のエースが……このまま終わるわけがありません」
633:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 11:39:32.85 :N2Lnp4EF0
南一局一本場・親:菫
淡「ツ、ツモ!! 3100・6100ッ!!」ゴッ
淡(見たことかっ! 別にダブリーじゃなくたって和了れるんだもん!! すぐに逆転してやるっ!!)
菫(ふん、本調子でなくともこの力強さ。やはり侮れんな、大星淡。引き続き、細心の注意と最大の警戒を払わなくては)
絃(さすがに大崩れはしてくれない、か。学園都市に来て三ヶ月で一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》の二回戦まで上り詰めてきた、化け物一年生。恐い恐い……)
巴(うー、私だけ焼き鳥。さっき弘世さんに射られちゃったしな。まあ、逃げてばかりじゃ勝てないのはわかっていたこと。取られたら取り返す。次からは、私も攻めなきゃ……!)
菫:108400 巴:89200 淡:91300 絃:111100
南一局一本場・親:菫
淡「ツ、ツモ!! 3100・6100ッ!!」ゴッ
淡(見たことかっ! 別にダブリーじゃなくたって和了れるんだもん!! すぐに逆転してやるっ!!)
菫(ふん、本調子でなくともこの力強さ。やはり侮れんな、大星淡。引き続き、細心の注意と最大の警戒を払わなくては)
絃(さすがに大崩れはしてくれない、か。学園都市に来て三ヶ月で一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》の二回戦まで上り詰めてきた、化け物一年生。恐い恐い……)
巴(うー、私だけ焼き鳥。さっき弘世さんに射られちゃったしな。まあ、逃げてばかりじゃ勝てないのはわかっていたこと。取られたら取り返す。次からは、私も攻めなきゃ……!)
菫:108400 巴:89200 淡:91300 絃:111100
634:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 11:43:04.74 :N2Lnp4EF0
――《新道寺》控え室
華菜「巴さんっ! 頑張れだしっ!!」
友清「狩宿せんぱい……大丈夫とですかねー?」
仁美「なあに、心配は要らん。巴はあの薄墨の仕切る風紀委員会の副委員長と。こんくらいすぐに取り返すけん、黙って見ときんしゃい」
美子「狩宿さん、ある意味でド安定やけんね。データば見せてもらってびっくりしたと。半荘一回の平均獲得点数のほぼゼロで、分散も極端に小さか」
華菜「ぶ……? つ、つまりどういうことですか……?」
仁美「勝たんし負けん。毎局ほぼ原点で戻ってくる。
そいけん、個人成績は決してよかとは言えんばってん、たとえ相手があの石戸霞や薄墨初美でも、巴はほとんど失点せん。団体戦でこれほど心強か味方はおらん」
美子「友清の学園都市に来る前……私らの二年ん頃やね。同じ地方出身のよしみで、霧島の巫女さんらとは、よう合同練習ばしとったとよ。
で、私や仁美はもちろん、哩でも、狩宿さんば削ることはできんやった」
――《新道寺》控え室
華菜「巴さんっ! 頑張れだしっ!!」
友清「狩宿せんぱい……大丈夫とですかねー?」
仁美「なあに、心配は要らん。巴はあの薄墨の仕切る風紀委員会の副委員長と。こんくらいすぐに取り返すけん、黙って見ときんしゃい」
美子「狩宿さん、ある意味でド安定やけんね。データば見せてもらってびっくりしたと。半荘一回の平均獲得点数のほぼゼロで、分散も極端に小さか」
華菜「ぶ……? つ、つまりどういうことですか……?」
仁美「勝たんし負けん。毎局ほぼ原点で戻ってくる。
そいけん、個人成績は決してよかとは言えんばってん、たとえ相手があの石戸霞や薄墨初美でも、巴はほとんど失点せん。団体戦でこれほど心強か味方はおらん」
美子「友清の学園都市に来る前……私らの二年ん頃やね。同じ地方出身のよしみで、霧島の巫女さんらとは、よう合同練習ばしとったとよ。
で、私や仁美はもちろん、哩でも、狩宿さんば削ることはできんやった」
635:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 11:45:28.43 :N2Lnp4EF0
仁美「哩だけやなかと。能力アリの姫子でん、どーにもならんやった」
友清「えーっ!? 姫子せんぱいが……!? ありえんとですー!?」
美子「なんなら、牌譜ば見せてもよかよ」
仁美「私らも最初は信じられんやった。あの防御に定評のある石戸でさえ、強か能力ば使えば、削らるっこともあっ。
しかし、巴はどんな力ば受けてもビクともせん。たとえ一時的に点棒ば減らしても、どこかで必ず取り返すと」
華菜「そ、そう言えば……あたしも巴さんを凹ませられたことは一回もなかったし!? 巴さん、あんまり振り込んでこないし、ツモで削ったりできても、いつの間にか原点に戻ってて……!!」
美子「狩宿さんは、その打ち筋から、薄墨さんの《悪石の巫女》ばもじって、《落石の巫女》なんて呼ばれとう。
それだけ確かな実力のある人やけん、大丈夫。きっとこの場もなんとかしてくれると」
仁美「そいより、私らは私らの心配ばせんとな。この試合に勝てっか否か。私ら四人の稼ぎにかかっとるけん!」
友清「頑張るとですよーっ!」
華菜「任せろだしっ!!」
仁美「哩だけやなかと。能力アリの姫子でん、どーにもならんやった」
友清「えーっ!? 姫子せんぱいが……!? ありえんとですー!?」
美子「なんなら、牌譜ば見せてもよかよ」
仁美「私らも最初は信じられんやった。あの防御に定評のある石戸でさえ、強か能力ば使えば、削らるっこともあっ。
しかし、巴はどんな力ば受けてもビクともせん。たとえ一時的に点棒ば減らしても、どこかで必ず取り返すと」
華菜「そ、そう言えば……あたしも巴さんを凹ませられたことは一回もなかったし!? 巴さん、あんまり振り込んでこないし、ツモで削ったりできても、いつの間にか原点に戻ってて……!!」
美子「狩宿さんは、その打ち筋から、薄墨さんの《悪石の巫女》ばもじって、《落石の巫女》なんて呼ばれとう。
それだけ確かな実力のある人やけん、大丈夫。きっとこの場もなんとかしてくれると」
仁美「そいより、私らは私らの心配ばせんとな。この試合に勝てっか否か。私ら四人の稼ぎにかかっとるけん!」
友清「頑張るとですよーっ!」
華菜「任せろだしっ!!」
636:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 11:50:08.94 :N2Lnp4EF0
南二局・親:巴
巴(さっきから三人とも大暴れ。それでいて華があるんだから、羨ましい。この感じ……ハッちゃんと、霞さんと、姫様と同卓したときみたい。あのときと今と……どっちのほうが大変かな)タンッ
巴(純粋な点数獲得能力で言えば、私より、江崎さんや華菜のほうがずっと上。
なのに私がこの先鋒《エース》のポジションを任されたのには、ちゃんと理由がある。簡単に言えば、場慣れしてるから。というか、魔慣れしてるから、か)
巴(ハッちゃんは四喜和だし、霞さんは絶一門、姫様にいたっては神様の大盤振る舞い。とてもとても、無能力者の私が混ざって勝てるような相手じゃない)
巴(この場もそう。元一軍《レギュラー》の弘世さんに、今回のブロック予選ではMVPだった霜崎さん、それに噂の転校生。
私の力じゃ、逆立ちしたってトップは無理。でも、だからこそ、私にできることがある……)
巴(どんなに強い人でも、能力の相性だったり、調子の良し悪しによっては、大負けする可能性がある。
けれど、私はそうじゃない。どんな不測の事態が起こっても、私なら、半荘一回の失点をマイナス五千点以内に抑えることができる)
巴(もっとも、得点も大抵プラス五千点以内に収まっちゃうから、ポイントは常にゼロ以下。勝つとなると大仕事なんだけどね。
でも、負けないだけなら、なんとかなる。小さい頃から姫様たちの相手をしてきたんだもの。これくらいの凹みは慣れっこ)
巴(大丈夫。どんなに勝ち目がなくたって、前に向かって進み続ける限り、神様はきっとチャンスをくれる。私はそれを知っている。
だって、私はずっと、神様と麻雀を打ってきたんだから――!)
巴「ツモです、3900オール」パラララ
淡(わ、私の一人沈み……!?)
菫(さっきの射貫きがまったく応えていないとは。あの《悪石の巫女》こと薄墨初美を傍で支える、風紀委員会の副委員長。あの石戸や、神代小蒔とも縁がある霧島の巫女。これはこれで手強い……)
絃(狩宿巴……大勝ちしているところは見たことがない。が、大負けしているところも見たことがない。
《落石の巫女》とはよく言ったものだ。これを正面から砕こうとすれば、文字通り骨が折れる。くたびれるだけになっては最悪だ。となると狙いは――)
巴「一本場です」コロコロ
菫:104500 巴:100900 淡:87400 絃:107200
南二局・親:巴
巴(さっきから三人とも大暴れ。それでいて華があるんだから、羨ましい。この感じ……ハッちゃんと、霞さんと、姫様と同卓したときみたい。あのときと今と……どっちのほうが大変かな)タンッ
巴(純粋な点数獲得能力で言えば、私より、江崎さんや華菜のほうがずっと上。
なのに私がこの先鋒《エース》のポジションを任されたのには、ちゃんと理由がある。簡単に言えば、場慣れしてるから。というか、魔慣れしてるから、か)
巴(ハッちゃんは四喜和だし、霞さんは絶一門、姫様にいたっては神様の大盤振る舞い。とてもとても、無能力者の私が混ざって勝てるような相手じゃない)
巴(この場もそう。元一軍《レギュラー》の弘世さんに、今回のブロック予選ではMVPだった霜崎さん、それに噂の転校生。
私の力じゃ、逆立ちしたってトップは無理。でも、だからこそ、私にできることがある……)
巴(どんなに強い人でも、能力の相性だったり、調子の良し悪しによっては、大負けする可能性がある。
けれど、私はそうじゃない。どんな不測の事態が起こっても、私なら、半荘一回の失点をマイナス五千点以内に抑えることができる)
巴(もっとも、得点も大抵プラス五千点以内に収まっちゃうから、ポイントは常にゼロ以下。勝つとなると大仕事なんだけどね。
でも、負けないだけなら、なんとかなる。小さい頃から姫様たちの相手をしてきたんだもの。これくらいの凹みは慣れっこ)
巴(大丈夫。どんなに勝ち目がなくたって、前に向かって進み続ける限り、神様はきっとチャンスをくれる。私はそれを知っている。
だって、私はずっと、神様と麻雀を打ってきたんだから――!)
巴「ツモです、3900オール」パラララ
淡(わ、私の一人沈み……!?)
菫(さっきの射貫きがまったく応えていないとは。あの《悪石の巫女》こと薄墨初美を傍で支える、風紀委員会の副委員長。あの石戸や、神代小蒔とも縁がある霧島の巫女。これはこれで手強い……)
絃(狩宿巴……大勝ちしているところは見たことがない。が、大負けしているところも見たことがない。
《落石の巫女》とはよく言ったものだ。これを正面から砕こうとすれば、文字通り骨が折れる。くたびれるだけになっては最悪だ。となると狙いは――)
巴「一本場です」コロコロ
菫:104500 巴:100900 淡:87400 絃:107200
637:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 11:54:32.75 :N2Lnp4EF0
――《劫初》控え室
エイスリン「トモエ、ツエーナ!!」
智葉「あいつを削るのは私でも神経を使う。実際、二年前のクラス対抗戦では、半荘二回で五、六千点しかマイナスにできなかった。削っても削っても、あいつはその分を、どこかで必ず取り返す。
麻雀が四人でやる競技である以上、誰か一人を徹底的にマークすることは稀だ。あいつはその意識の間隙に割り込むのが異常に上手い。ちょっと気を逸らすと、さっきのように一瞬で立て直してくる」
絃『ロン、2000は2300』パラララ
淡『っ!?』
憩「それに比べて、超新星さんはさっきからガタガタやなー。これは後半戦に期待かなー?」
衣「貴様は誰目線で話しているのだ、けい」
智葉「さて、霜崎にまた少し離されたか。あいつはテンパイまでが速いからな。菫も射貫きにくいんだろうが……果たして、このまま逃げ切りを許すのか否か」
憩「チャンスがあれば狙っていくと思いますよ。菫さん、クールそうに見えて、結構意地っ張りやから」
智葉「結構だと? バカ言え。死ぬほど意地っ張りだよ、あいつは。でなきゃ、本気で宮永照を敵に回そうなどとは思わんはずだ。意地っ張りで負けず嫌い。学園都市で一、二を争うほどにな」
衣「むっ、あの中華服、またツモ和了りを拒否したぞ。だが、これは……面白い。やっと直接対決か!」
エイスリン「スミレ、ソコダ、ヤッチマエ!!」
智葉「白糸台でも屈指の出和了り特化能力者――《シャープシューター》と《強制延長》。能力値《レベル》も実力もほぼ互角。さて、どう転ぶかな」
憩「菫さんは負けませんよ。《虎姫》解散から今日まで、ウチら四人を相手に毎日必死で打ってきたんです。練習の密度も、優勝に懸ける想いも、今の菫さんに敵う人はおらん……!」
――《劫初》控え室
エイスリン「トモエ、ツエーナ!!」
智葉「あいつを削るのは私でも神経を使う。実際、二年前のクラス対抗戦では、半荘二回で五、六千点しかマイナスにできなかった。削っても削っても、あいつはその分を、どこかで必ず取り返す。
麻雀が四人でやる競技である以上、誰か一人を徹底的にマークすることは稀だ。あいつはその意識の間隙に割り込むのが異常に上手い。ちょっと気を逸らすと、さっきのように一瞬で立て直してくる」
絃『ロン、2000は2300』パラララ
淡『っ!?』
憩「それに比べて、超新星さんはさっきからガタガタやなー。これは後半戦に期待かなー?」
衣「貴様は誰目線で話しているのだ、けい」
智葉「さて、霜崎にまた少し離されたか。あいつはテンパイまでが速いからな。菫も射貫きにくいんだろうが……果たして、このまま逃げ切りを許すのか否か」
憩「チャンスがあれば狙っていくと思いますよ。菫さん、クールそうに見えて、結構意地っ張りやから」
智葉「結構だと? バカ言え。死ぬほど意地っ張りだよ、あいつは。でなきゃ、本気で宮永照を敵に回そうなどとは思わんはずだ。意地っ張りで負けず嫌い。学園都市で一、二を争うほどにな」
衣「むっ、あの中華服、またツモ和了りを拒否したぞ。だが、これは……面白い。やっと直接対決か!」
エイスリン「スミレ、ソコダ、ヤッチマエ!!」
智葉「白糸台でも屈指の出和了り特化能力者――《シャープシューター》と《強制延長》。能力値《レベル》も実力もほぼ互角。さて、どう転ぶかな」
憩「菫さんは負けませんよ。《虎姫》解散から今日まで、ウチら四人を相手に毎日必死で打ってきたんです。練習の密度も、優勝に懸ける想いも、今の菫さんに敵う人はおらん……!」
638:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 11:56:09.30 :N2Lnp4EF0
――対局室
菫(霜崎……手出しで出来面子を崩してきた。恐らくは《強制延長》に入ったのだろう。
が、おかげでこちらも《照準》を定めることができた。ここからは、駆け引きも引っ掛けもない。正真正銘――殺し合いだ……ッ!!)ギロッ
絃(これは……ターゲットは私だろうか。《強制延長》で対局を引き伸ばしたことで、かえって弘世菫に時間を与えてしまったか?
まあ、いい。私とあなたが同卓すれば、遅かれ早かれ撃ち合いになる。そんなことはわかっていた。
私は逃げも隠れもしない。殺し合い……上等ッ!!)ゴッ
巴(な、流れ矢に注意ー!!)
淡(…………)
菫・絃(さあ、勝負――ッ!!)ゴゴゴゴゴゴゴゴ
――対局室
菫(霜崎……手出しで出来面子を崩してきた。恐らくは《強制延長》に入ったのだろう。
が、おかげでこちらも《照準》を定めることができた。ここからは、駆け引きも引っ掛けもない。正真正銘――殺し合いだ……ッ!!)ギロッ
絃(これは……ターゲットは私だろうか。《強制延長》で対局を引き伸ばしたことで、かえって弘世菫に時間を与えてしまったか?
まあ、いい。私とあなたが同卓すれば、遅かれ早かれ撃ち合いになる。そんなことはわかっていた。
私は逃げも隠れもしない。殺し合い……上等ッ!!)ゴッ
巴(な、流れ矢に注意ー!!)
淡(…………)
菫・絃(さあ、勝負――ッ!!)ゴゴゴゴゴゴゴゴ
639:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 11:59:32.20 :N2Lnp4EF0
――《煌星》控え室
菫『ロン、8000ッ!!』ゴッ
絃『っ……! はい』
桃子「つ、強いっすね。さすが元一軍《レギュラー》……《虎姫》のリーダー、SSS(シャープシューター菫)さんっす」
友香「まさに貫禄勝ちでー」
咲「お姉ちゃんのお友達さん、目力だけで人を殺せそうな感じだよ。鬼気迫ってるよ……恐いよ……」ウルウル
煌「……しかし、安心しました」
咲「ほえっ? な、何がですか……?」
煌「弘世菫さん。目を見ていれば、あの方の意識が今どこにあるか、初対局でも、なんとなくわかります」
桃子「そうっすね。もし同卓することになったら、できるだけ早く《ステルスモード》に入って、あの視線から逃れたいっす」
煌「ええ。私も、あの人に目をつけられたら、蛇に睨まれた蛙のように動けなくなってしまうでしょう。しかし、そうではない人が、あそこに一人、座っています。
睨まれても臆さず、睨まれなければ憤慨するような、負けず嫌いの高校100年生。ようやくお目覚めのようですね……!!」
咲「ああっ! 寝ボケた麻雀してると思ったら、本当に寝てやがったんですねっ!!」
友香「淡っ!! 今、笑って……!!」
桃子「超新星さん……もうっ! 一人でおかしくなって一人で立ち直るとか、本当になんなんっすかあの人はっ!!」
煌「あれほど力のある方々が、自分を除け者にして一騎打ちを始めたんです。そんな様を見せられて、黙っている淡さんではないでしょう」
――《煌星》控え室
菫『ロン、8000ッ!!』ゴッ
絃『っ……! はい』
桃子「つ、強いっすね。さすが元一軍《レギュラー》……《虎姫》のリーダー、SSS(シャープシューター菫)さんっす」
友香「まさに貫禄勝ちでー」
咲「お姉ちゃんのお友達さん、目力だけで人を殺せそうな感じだよ。鬼気迫ってるよ……恐いよ……」ウルウル
煌「……しかし、安心しました」
咲「ほえっ? な、何がですか……?」
煌「弘世菫さん。目を見ていれば、あの方の意識が今どこにあるか、初対局でも、なんとなくわかります」
桃子「そうっすね。もし同卓することになったら、できるだけ早く《ステルスモード》に入って、あの視線から逃れたいっす」
煌「ええ。私も、あの人に目をつけられたら、蛇に睨まれた蛙のように動けなくなってしまうでしょう。しかし、そうではない人が、あそこに一人、座っています。
睨まれても臆さず、睨まれなければ憤慨するような、負けず嫌いの高校100年生。ようやくお目覚めのようですね……!!」
咲「ああっ! 寝ボケた麻雀してると思ったら、本当に寝てやがったんですねっ!!」
友香「淡っ!! 今、笑って……!!」
桃子「超新星さん……もうっ! 一人でおかしくなって一人で立ち直るとか、本当になんなんっすかあの人はっ!!」
煌「あれほど力のある方々が、自分を除け者にして一騎打ちを始めたんです。そんな様を見せられて、黙っている淡さんではないでしょう」
640:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 12:03:53.41 :N2Lnp4EF0
南四局・親:絃
淡(ったく……笑っちゃうよね、ホント笑うしかない。まーたキラメにカッコ悪いとこ見せちゃった。
この私が蚊帳の外……? ボコスカやられて、しまいにはトップ争いを観戦させられるなんて――ありえないでしょ!!)
淡(わかったよ、わかったわかった。この人たちは強い。能力もいい感じだし、実力もある。経験も豊富で、積み重ねた努力が段違い。勝てない。勝てるわけないよ。
たとえ私が、ランクSで、レベル4で、マルチスキルだったとしても……この人たちには敵わない)
淡(ははっ、私、何を勘違いしてたんだろう。『ランクSでレベル4でマルチスキルなんだから、たとえ二軍《セカンドクラス》の三年が三人束になってかかってきたって負けることはない』だっけ?
そうじゃない……そうじゃないでしょ、私)
淡(私が強いのは、能力や支配力があるからだっけ? 違う……私は私だから強いんだ。どうしてそんな当たり前のことを忘れてたんだろう。
私の本当の強さは……機械や理屈で推し量れるようなものじゃないはずだよっ!!)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫(っと、大星淡……ここに来て立ち直ったか。そして、息を吹き返した途端に、この風の吹き回し。どういうことだ?
真意は読めんが、とにかく、さっきよりは格段に楽になった……!)
絃(配牌がいい……だと? 《絶対安全圏》とやらを使うのを止めた? なぜ? まあ、関係ないか。ラス親、稼ぐだけ稼いでやる)
巴(これは……配牌いいけど、早々に店仕舞いしたほうがよさそうかな。
易しいことは、優しいこととは違うんだよね。この配牌、一見容易く和了れそうだけど、その緩んだ心の隙を見逃してくれるほど、ランクSの魔物っていうのは優しくない。
姫様と同じ《牌に愛された子》――白糸台に五人しかいないランクS。支配者は、いつだって厳然としてそこに在る。油断は禁物……)
――――
南四局・親:絃
淡(ったく……笑っちゃうよね、ホント笑うしかない。まーたキラメにカッコ悪いとこ見せちゃった。
この私が蚊帳の外……? ボコスカやられて、しまいにはトップ争いを観戦させられるなんて――ありえないでしょ!!)
淡(わかったよ、わかったわかった。この人たちは強い。能力もいい感じだし、実力もある。経験も豊富で、積み重ねた努力が段違い。勝てない。勝てるわけないよ。
たとえ私が、ランクSで、レベル4で、マルチスキルだったとしても……この人たちには敵わない)
淡(ははっ、私、何を勘違いしてたんだろう。『ランクSでレベル4でマルチスキルなんだから、たとえ二軍《セカンドクラス》の三年が三人束になってかかってきたって負けることはない』だっけ?
そうじゃない……そうじゃないでしょ、私)
淡(私が強いのは、能力や支配力があるからだっけ? 違う……私は私だから強いんだ。どうしてそんな当たり前のことを忘れてたんだろう。
私の本当の強さは……機械や理屈で推し量れるようなものじゃないはずだよっ!!)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫(っと、大星淡……ここに来て立ち直ったか。そして、息を吹き返した途端に、この風の吹き回し。どういうことだ?
真意は読めんが、とにかく、さっきよりは格段に楽になった……!)
絃(配牌がいい……だと? 《絶対安全圏》とやらを使うのを止めた? なぜ? まあ、関係ないか。ラス親、稼ぐだけ稼いでやる)
巴(これは……配牌いいけど、早々に店仕舞いしたほうがよさそうかな。
易しいことは、優しいこととは違うんだよね。この配牌、一見容易く和了れそうだけど、その緩んだ心の隙を見逃してくれるほど、ランクSの魔物っていうのは優しくない。
姫様と同じ《牌に愛された子》――白糸台に五人しかいないランクS。支配者は、いつだって厳然としてそこに在る。油断は禁物……)
――――
641:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 12:08:16.45 :N2Lnp4EF0
――――
淡「ロン……8000ッ!」パラララ
菫「――っ!(なんて基本に忠実な手作り……速さと高さを両立した、お手本のような打牌。
ダブリーを得意技としながら、デジタルでここまでの闘牌を見せるのか。大星淡、後半戦も心して掛からねばなるまい)」
一位:弘世菫・+4500(劫初・104500)
絃(トップが凹んだのは有難い。ただ、欲を言えばもっと点がほしいところ。幸い私のチームはスコアラーに恵まれているが、それは他も同じだ。
特に、チーム《劫初》は危険過ぎる。弘世菫――ある意味で一般人の最高峰である彼女を相手に、できるだけ食い下がっておかないと……後々取り返しがつかなくなる……)
二位:霜崎絃・+1500(夜行・101500)
巴(ひとまず、前半戦はちょこっとプラス。後半戦も現状維持したいけど、オーラスの大星さんの様子を見るに、それも厳しそう。今日のオーダーでは、華菜や江崎さんも、苦戦は必至。
私にできること……できるだけ離されない。できることならちょっとでも貯金を作る。通常モードの姫様を見習って、全力以上で頑張りましょう)
三位:狩宿巴・+900(新道寺・100900)
淡(ふう……調子、少しは戻ってきたのかな? それでも、簡単には勝たせてくれないと思うけど。
まったく、《煌星》のエースがなんて情けない。これは冗談じゃなく、本気でサッキーにエース取られちゃうよ……)
四位:大星淡・-6900(煌星・93100)
――――
淡「ロン……8000ッ!」パラララ
菫「――っ!(なんて基本に忠実な手作り……速さと高さを両立した、お手本のような打牌。
ダブリーを得意技としながら、デジタルでここまでの闘牌を見せるのか。大星淡、後半戦も心して掛からねばなるまい)」
一位:弘世菫・+4500(劫初・104500)
絃(トップが凹んだのは有難い。ただ、欲を言えばもっと点がほしいところ。幸い私のチームはスコアラーに恵まれているが、それは他も同じだ。
特に、チーム《劫初》は危険過ぎる。弘世菫――ある意味で一般人の最高峰である彼女を相手に、できるだけ食い下がっておかないと……後々取り返しがつかなくなる……)
二位:霜崎絃・+1500(夜行・101500)
巴(ひとまず、前半戦はちょこっとプラス。後半戦も現状維持したいけど、オーラスの大星さんの様子を見るに、それも厳しそう。今日のオーダーでは、華菜や江崎さんも、苦戦は必至。
私にできること……できるだけ離されない。できることならちょっとでも貯金を作る。通常モードの姫様を見習って、全力以上で頑張りましょう)
三位:狩宿巴・+900(新道寺・100900)
淡(ふう……調子、少しは戻ってきたのかな? それでも、簡単には勝たせてくれないと思うけど。
まったく、《煌星》のエースがなんて情けない。これは冗談じゃなく、本気でサッキーにエース取られちゃうよ……)
四位:大星淡・-6900(煌星・93100)
642:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 12:11:04.80 :N2Lnp4EF0
桃子(超新星さん、超新星さん)ユラッ
淡(うわっ!? モモコ! びっくりした。なに、急に?)コソッ
桃子(超新星さん、控え室に戻って来づらいだろうからって、きらめ先輩が私を伝令に出したっす)コソッ
淡(それで後ろから耳打ち? 闇討ちかと思ったよ)
桃子(冗談を言えるくらいには元気みたいっすね。よかったす。で、きらめ先輩から伝言。『そのままでいい』そうっす)
淡(あははっ、ラスに終わった私にそのままでいいとか、相変わらずキラメは優しいなー)
桃子(もちろん、オーラスの感じのままでいい、って意味っすよ。また序盤みたいなヘタれた闘牌したら、今度は本当に闇討ちに来るっす)
淡(任せてよ。キラメに伝えて。本気の私を見せてやるって……!!)
桃子(あと、嶺上さんから追伸があるっす。『私のためのハンデ付けご苦労様』)
淡(うがぁー! ぐーの音も出ないよーっ!!)
桃子(超新星さん、超新星さん)ユラッ
淡(うわっ!? モモコ! びっくりした。なに、急に?)コソッ
桃子(超新星さん、控え室に戻って来づらいだろうからって、きらめ先輩が私を伝令に出したっす)コソッ
淡(それで後ろから耳打ち? 闇討ちかと思ったよ)
桃子(冗談を言えるくらいには元気みたいっすね。よかったす。で、きらめ先輩から伝言。『そのままでいい』そうっす)
淡(あははっ、ラスに終わった私にそのままでいいとか、相変わらずキラメは優しいなー)
桃子(もちろん、オーラスの感じのままでいい、って意味っすよ。また序盤みたいなヘタれた闘牌したら、今度は本当に闇討ちに来るっす)
淡(任せてよ。キラメに伝えて。本気の私を見せてやるって……!!)
桃子(あと、嶺上さんから追伸があるっす。『私のためのハンデ付けご苦労様』)
淡(うがぁー! ぐーの音も出ないよーっ!!)
643:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 12:12:53.20 :N2Lnp4EF0
『先鋒戦後半、間もなく開始です。対局者は席についてください』
桃子(ま、そーゆーわけで、後半は期待してるっす)
淡(……うん。ありがとう、モモコ。きっとプラスで繋げてみせる。みんなにもよろしくね)
桃子(お願いっすよー)ユラッ
淡(さて、と。じゃあー、やろっか! 蹂躙しよっか! 滅茶苦茶にしよっか!! 私は私らしく、さ!!)
淡(ふっふっふ……《シャープシューター》に、《強制延長》、あとは《落石の巫女》だっけ。
前半戦の私とは思わないことだね! スーパー天才美少女雀士――《超新星》こと私の麻雀は、ここからが始まりだよッ!!)ゴッ
――――
『先鋒戦後半、間もなく開始です。対局者は席についてください』
桃子(ま、そーゆーわけで、後半は期待してるっす)
淡(……うん。ありがとう、モモコ。きっとプラスで繋げてみせる。みんなにもよろしくね)
桃子(お願いっすよー)ユラッ
淡(さて、と。じゃあー、やろっか! 蹂躙しよっか! 滅茶苦茶にしよっか!! 私は私らしく、さ!!)
淡(ふっふっふ……《シャープシューター》に、《強制延長》、あとは《落石の巫女》だっけ。
前半戦の私とは思わないことだね! スーパー天才美少女雀士――《超新星》こと私の麻雀は、ここからが始まりだよッ!!)ゴッ
――――
644:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 12:22:37.67 :N2Lnp4EF0
――Dブロック
『先鋒戦前半終了――!! Dブロックの暫定トップは当然このチーム……宮永照率いるチーム《永代》ッ!!』
照「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
一位:宮永照・+36900(永代・136900)
初美(相変わらず化け物ですねー。これで半分の力も出してないんだから参っちゃうですー。
東一局で私の役満を親っ被りしてなお大トップ……やんなっちゃうですよー)
二位:薄墨初美・+5400(新約・105400)
漫(不発やった……。まだ息をしてられるんは、薄墨さんが四喜和を捨ててまで宮永照の連荘を止めてくれたからや。ホンマ助かったで。
せやけど、次も薄墨さんが宮永照の上家に座るとは限らん。自力でどーにかせなっ!)
三位:上重漫・-17900(姫松・82100)
成香(素敵に死んじゃいそうです……!!)ガタガタ
四位:本内成香・-24400(有珠山・75600)
――Dブロック
『先鋒戦前半終了――!! Dブロックの暫定トップは当然このチーム……宮永照率いるチーム《永代》ッ!!』
照「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
一位:宮永照・+36900(永代・136900)
初美(相変わらず化け物ですねー。これで半分の力も出してないんだから参っちゃうですー。
東一局で私の役満を親っ被りしてなお大トップ……やんなっちゃうですよー)
二位:薄墨初美・+5400(新約・105400)
漫(不発やった……。まだ息をしてられるんは、薄墨さんが四喜和を捨ててまで宮永照の連荘を止めてくれたからや。ホンマ助かったで。
せやけど、次も薄墨さんが宮永照の上家に座るとは限らん。自力でどーにかせなっ!)
三位:上重漫・-17900(姫松・82100)
成香(素敵に死んじゃいそうです……!!)ガタガタ
四位:本内成香・-24400(有珠山・75600)
645:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 12:26:37.74 :N2Lnp4EF0
――Cブロック
白望(まあ、こんなもんかな。《幻奏》の一年生には少し驚いたけど。ズラしても和了るんだもんなぁ。久から聞いてたのと違う……)
一位:小瀬川白望・+15100(久遠・115100)
初瀬(うぅ……さすがに強い。けどっ、小瀬川先輩のチームの新子さん……中学の頃の地区大会では私とどっこいどっこいだったあの人が、今はこの小瀬川先輩たちと肩を並べてる。私だって頑張るんだ。これ以上離されてたまるか!)
四位:岡橋初瀬・-23900(晩成・76100)
未春(残念、先鋒は小瀬川先輩だったか。福路先輩ファンクラブの副会長として、できれば竹井先輩と打ちたかったな。
竹井先輩――いや、竹井久。福路先輩を泣かせたあの女だけは決して許さないんだから……っ!!)
二位:吉留未春・+8200(風越・108200)
優希(プ……プラスはプラスでもこれは――)
三位:片岡優希・+600(幻奏・100600)
優希(いや! ポジティブに考えるじょ。私の苦戦を見かねたやえお姉さんは、きっと最高級タコスを用意してくれているはずだじぇ。そうと決まれば、控え室にダッシュ!!)
誠子「あ、優希」
優希「誠子先輩っ! そっちから来てくれるとは! さあ、私に新しいタコスを……!!」
誠子「いや、私は伝令――というか忠告しに来たんだ。小走先輩も江口先輩も優希の不甲斐なさにカンカン……控え室に戻っても、タコスはない。むしろ、タコ殴りにされるぞ」
優希「そんなタコは嫌だじょー!!」
――Cブロック
白望(まあ、こんなもんかな。《幻奏》の一年生には少し驚いたけど。ズラしても和了るんだもんなぁ。久から聞いてたのと違う……)
一位:小瀬川白望・+15100(久遠・115100)
初瀬(うぅ……さすがに強い。けどっ、小瀬川先輩のチームの新子さん……中学の頃の地区大会では私とどっこいどっこいだったあの人が、今はこの小瀬川先輩たちと肩を並べてる。私だって頑張るんだ。これ以上離されてたまるか!)
四位:岡橋初瀬・-23900(晩成・76100)
未春(残念、先鋒は小瀬川先輩だったか。福路先輩ファンクラブの副会長として、できれば竹井先輩と打ちたかったな。
竹井先輩――いや、竹井久。福路先輩を泣かせたあの女だけは決して許さないんだから……っ!!)
二位:吉留未春・+8200(風越・108200)
優希(プ……プラスはプラスでもこれは――)
三位:片岡優希・+600(幻奏・100600)
優希(いや! ポジティブに考えるじょ。私の苦戦を見かねたやえお姉さんは、きっと最高級タコスを用意してくれているはずだじぇ。そうと決まれば、控え室にダッシュ!!)
誠子「あ、優希」
優希「誠子先輩っ! そっちから来てくれるとは! さあ、私に新しいタコスを……!!」
誠子「いや、私は伝令――というか忠告しに来たんだ。小走先輩も江口先輩も優希の不甲斐なさにカンカン……控え室に戻っても、タコスはない。むしろ、タコ殴りにされるぞ」
優希「そんなタコは嫌だじょー!!」
646:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 12:32:44.96 :N2Lnp4EF0
――Bブロック
玄(とりあえず、目標数値は達成。チーム的には、この状況で私がムキになる必要は全然ないんだけど、《一桁ナンバー》の壁には興味がある。んー、あっちの出方次第かな……)
二位:松実玄・+11500(逢天・111500)
美幸(これぞ先鋒戦って感じの化け物卓なのよもー。私もそんなに弱いほうではないんだけど、ドラ抜きで《一桁ナンバー》はキツいって。もー、どうしよっかなこれー)
四位:椿野美幸・-19300(劔谷・80700)
ソフィア(プラス収支の二人が互いに底を見せてないってのが、また恐ろしいな。うちのオーダーを考えれば、ここで私が凹むと二回戦突破は大分厳しくなる。なんとか後半で巻き返す……!)
三位:新井ソフィア・-8900(越谷・91100)
美穂子(レベル5の旧第一位――《ドラゴンロード》、松実玄さん。見る限り、まだ余裕がありそうですね。なかなかどうして、本気で捻りたくなってきました。
尭深さんの許可は下りてます。決勝で上埜さんと戦うまでと思っていましたが、この松実さんが相手なら、ちょうどいいかもしれませんね。肩を慣らす、否、目を慣らすにはもってこいです)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
一位:福路美穂子・+16700(豊穣・116700)
――Bブロック
玄(とりあえず、目標数値は達成。チーム的には、この状況で私がムキになる必要は全然ないんだけど、《一桁ナンバー》の壁には興味がある。んー、あっちの出方次第かな……)
二位:松実玄・+11500(逢天・111500)
美幸(これぞ先鋒戦って感じの化け物卓なのよもー。私もそんなに弱いほうではないんだけど、ドラ抜きで《一桁ナンバー》はキツいって。もー、どうしよっかなこれー)
四位:椿野美幸・-19300(劔谷・80700)
ソフィア(プラス収支の二人が互いに底を見せてないってのが、また恐ろしいな。うちのオーダーを考えれば、ここで私が凹むと二回戦突破は大分厳しくなる。なんとか後半で巻き返す……!)
三位:新井ソフィア・-8900(越谷・91100)
美穂子(レベル5の旧第一位――《ドラゴンロード》、松実玄さん。見る限り、まだ余裕がありそうですね。なかなかどうして、本気で捻りたくなってきました。
尭深さんの許可は下りてます。決勝で上埜さんと戦うまでと思っていましたが、この松実さんが相手なら、ちょうどいいかもしれませんね。肩を慣らす、否、目を慣らすにはもってこいです)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
一位:福路美穂子・+16700(豊穣・116700)
647:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 12:35:55.24 :N2Lnp4EF0
――Aブロック
淡(起親か。いいね、東一局でひっくり返してやるっ!)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
東家:大星淡(煌星・93100)
絃(空気が変わったか。先程までのこいつとは思わないほうがいいな)
西家:霜崎絃(夜行・101500)
巴(すごい支配力……前半の比じゃない)
北家:狩宿巴(新道寺・100900)
菫(いよいよ本気が見られるのだろうか。ま、私のやることに変わりはない。全力で迎え撃つまでだ……!!)
南家:弘世菫(劫初・104500)
『先鋒戦後半……開始ですッ!!』
――Aブロック
淡(起親か。いいね、東一局でひっくり返してやるっ!)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
東家:大星淡(煌星・93100)
絃(空気が変わったか。先程までのこいつとは思わないほうがいいな)
西家:霜崎絃(夜行・101500)
巴(すごい支配力……前半の比じゃない)
北家:狩宿巴(新道寺・100900)
菫(いよいよ本気が見られるのだろうか。ま、私のやることに変わりはない。全力で迎え撃つまでだ……!!)
南家:弘世菫(劫初・104500)
『先鋒戦後半……開始ですッ!!』
648:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/29(火) 12:39:56.00 :N2Lnp4EF0
ご覧いただきありがとうございます。
次回は、一週間以内に更新します。
以下、運命のラダーです。
――――
○ブロック:《シード》、《チーム》×3(名前順)
Aブロック:《劫初》、《煌星》、《新道寺》、《夜行》
Bブロック:《豊穣》、《逢天》、《劔谷》、《越谷》
Cブロック:《久遠》、《風越》、《幻奏》、《晩成》
Dブロック:《永代》、《有珠山》、《新約》、《姫松》
次回は、一週間以内に更新します。
以下、運命のラダーです。
――――
○ブロック:《シード》、《チーム》×3(名前順)
Aブロック:《劫初》、《煌星》、《新道寺》、《夜行》
Bブロック:《豊穣》、《逢天》、《劔谷》、《越谷》
Cブロック:《久遠》、《風越》、《幻奏》、《晩成》
Dブロック:《永代》、《有珠山》、《新約》、《姫松》
655:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 17:48:25.96 :0DAp6Rns0
東一局・親:淡
淡「」ゴゴゴゴゴゴゴ
絃(ダブリーこそしてこないものの、連荘する気満々といった感じだな。配牌も元通り五向聴。ようやく本調子になったか。
しかし、もしも、本調子になれば勝てるなどと考えているのなら……その思い上がりは正さねばなるまい)
絃「チー」タンッ
淡(む……?)タンッ
菫(珍しいな。霜崎は副露率の低い打ち手だったはずだが)タンッ
巴(嫌な予感がする)タンッ
絃「ロンだ、3900」パラララ
巴「はい……」チャ
淡(ちょー!? いきなりそんなセオリー外!!)
菫(あまりにもったいない和了り。大星の親を蹴るために速さだけを追求したか)
巴(霜崎さんは元々門前でも速い人。その上で鳴きを入れてきたってことは、よっぽど大星さんの親を警戒していたってことだよね。ザンクくらいで済んでよかった、のかな)
絃(ランクSの魔物は場をある程度コントロールできるらしいと聞いたことがある。あのまま普通に手を進めていたら、どうなっていたことやら……)
淡:93100 菫:104500 絃:105400 巴:97000
東一局・親:淡
淡「」ゴゴゴゴゴゴゴ
絃(ダブリーこそしてこないものの、連荘する気満々といった感じだな。配牌も元通り五向聴。ようやく本調子になったか。
しかし、もしも、本調子になれば勝てるなどと考えているのなら……その思い上がりは正さねばなるまい)
絃「チー」タンッ
淡(む……?)タンッ
菫(珍しいな。霜崎は副露率の低い打ち手だったはずだが)タンッ
巴(嫌な予感がする)タンッ
絃「ロンだ、3900」パラララ
巴「はい……」チャ
淡(ちょー!? いきなりそんなセオリー外!!)
菫(あまりにもったいない和了り。大星の親を蹴るために速さだけを追求したか)
巴(霜崎さんは元々門前でも速い人。その上で鳴きを入れてきたってことは、よっぽど大星さんの親を警戒していたってことだよね。ザンクくらいで済んでよかった、のかな)
絃(ランクSの魔物は場をある程度コントロールできるらしいと聞いたことがある。あのまま普通に手を進めていたら、どうなっていたことやら……)
淡:93100 菫:104500 絃:105400 巴:97000
656:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 17:51:09.74 :0DAp6Rns0
東二局・親:菫
淡(び、びっくりだよ。あんな序盤で何を感じ取ったのか知らないけど、用心深いにも程がある。大きいのを狙ったのがマズかったかな? 改めて思う。この人たちは……強い)タンッ
淡(けど、強い相手って、いいよね。なんたって、相手が強ければ強いほど、そんな人たちにも勝つ私の天才っぷりが際立つんだもん……!)タンッ
淡(キラメ、心配しないで見ててね。私、今、楽しんでるよっ。苦戦なんて久しぶりだけど、こっち的には大歓迎。だって、これを乗り越えたとき、私はまた一つ強くなっているはずだから!)タンッ
淡(最終目標は優勝――弘世菫、霜崎絃、狩宿巴……あなたたちには、私たちが《頂点》に立つための踏み台になってもらうよ。
踏み台というには若干高いけど、私は天才だから、これくらいがちょうどいいっ!!)
淡「ロン。5200」パラララ
絃「(っと、なんの気配もなく……?)はい」
菫(和了ったか。特に不自然さはないが、それが逆に恐い)
巴(暴れるわけでもなく、ブレるわけでもない。感情や状況に流されずに、冷静に取り返した。力の最大値はともかく、支配力の扱いに関しては、姫様たち《神憑き》と比べてもなんら遜色ない。
これを独学で身に着けたの? それとも、天賦の才? いずれにしても、ものすごい《超新星》さんだわ、この子。《宮永照の後継者》って言われるのもわかる気がする)
淡(さあ……じゃんじゃん行くよっ!)ゴッ
淡:98300 菫:104500 絃:100200 巴:97000
東二局・親:菫
淡(び、びっくりだよ。あんな序盤で何を感じ取ったのか知らないけど、用心深いにも程がある。大きいのを狙ったのがマズかったかな? 改めて思う。この人たちは……強い)タンッ
淡(けど、強い相手って、いいよね。なんたって、相手が強ければ強いほど、そんな人たちにも勝つ私の天才っぷりが際立つんだもん……!)タンッ
淡(キラメ、心配しないで見ててね。私、今、楽しんでるよっ。苦戦なんて久しぶりだけど、こっち的には大歓迎。だって、これを乗り越えたとき、私はまた一つ強くなっているはずだから!)タンッ
淡(最終目標は優勝――弘世菫、霜崎絃、狩宿巴……あなたたちには、私たちが《頂点》に立つための踏み台になってもらうよ。
踏み台というには若干高いけど、私は天才だから、これくらいがちょうどいいっ!!)
淡「ロン。5200」パラララ
絃「(っと、なんの気配もなく……?)はい」
菫(和了ったか。特に不自然さはないが、それが逆に恐い)
巴(暴れるわけでもなく、ブレるわけでもない。感情や状況に流されずに、冷静に取り返した。力の最大値はともかく、支配力の扱いに関しては、姫様たち《神憑き》と比べてもなんら遜色ない。
これを独学で身に着けたの? それとも、天賦の才? いずれにしても、ものすごい《超新星》さんだわ、この子。《宮永照の後継者》って言われるのもわかる気がする)
淡(さあ……じゃんじゃん行くよっ!)ゴッ
淡:98300 菫:104500 絃:100200 巴:97000
657:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 17:54:22.86 :0DAp6Rns0
――《劫初》控え室
淡『ツモ、300・500!』
智葉「想像以上に落ち着いてるな。毎年、一年でもそこそこ強いやつっていうのが必ず一人くらいはいるもんだが、こいつは間違いなくその一人だろう」
憩「ちなみに、去年はウチやんなー」
衣「衣だっ!!」
淡『ロン、5200!』
絃『……はい』
エイスリン「マクラレタッ!?」
憩「鳴きの速攻一本で行くのかと思ったら、普通にダマで待ったりするんやねー。
能力で相手の手を遅らせて、スピードを重視しつつ、チャンスが来れば踏み込んでくる。これを攻略するのは大変やでー」
衣「親に戻ったか。すみれ……そろそろ止めなければ付け上がるぞ」
智葉「あいつもそれはわかっているはずだがな。しかし、あの一年、なかなか隙らしい隙を見せない」
エイスリン「イコロセ、スミレ!!」
淡『ツモ、1000オール!!』
憩「おーぅ、ええ感じやねー!」
――《劫初》控え室
淡『ツモ、300・500!』
智葉「想像以上に落ち着いてるな。毎年、一年でもそこそこ強いやつっていうのが必ず一人くらいはいるもんだが、こいつは間違いなくその一人だろう」
憩「ちなみに、去年はウチやんなー」
衣「衣だっ!!」
淡『ロン、5200!』
絃『……はい』
エイスリン「マクラレタッ!?」
憩「鳴きの速攻一本で行くのかと思ったら、普通にダマで待ったりするんやねー。
能力で相手の手を遅らせて、スピードを重視しつつ、チャンスが来れば踏み込んでくる。これを攻略するのは大変やでー」
衣「親に戻ったか。すみれ……そろそろ止めなければ付け上がるぞ」
智葉「あいつもそれはわかっているはずだがな。しかし、あの一年、なかなか隙らしい隙を見せない」
エイスリン「イコロセ、スミレ!!」
淡『ツモ、1000オール!!』
憩「おーぅ、ええ感じやねー!」
658:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 18:00:46.70 :0DAp6Rns0
――対局室
南一局一本場・親:淡
淡「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
東家:大星淡(煌星・107600)
菫(刻むようになったか。鳴きを入れても打点が下がらない天江よりはマシだが、この配牌でその速さについていくのは至難の技だな)
南家:弘世菫(劫初・103200)
菫(オカルトとデジタルのバランス感覚が照に近い。えてして強い能力者はオカルトに頼りがちだが、こいつは違う。完全デジタルでも、そこらの二軍《セカンドクラス》を凌ぐ技量を備えている。
そんなやつが最高の支配力と複数の大能力を持っているというんだから、まさに《超新星》に相応しい。照の後継者というのも納得だ)
菫(だが、智葉たち《一桁ナンバー》には及ばなくとも、私も上位ナンバーの端くれ。この白糸台で、数多の化け物・魔物としのぎを削ってきた。
何より、私はあの宮永照と、二年間ずっと打ってきたのだ……!)
菫(この程度の逆境で膝をついていては、照に挑む資格もない。大星淡、お前は確かに強い。
それでも、現段階では、明確に照より下だ。あいつとの対局に比べれば、こんなもの児戯に等しい。まだ楽しむ心が残っているくらいだぞ)
淡「チー!」
菫「(テンパイしたか。だが、こちらも追い付いたッ!)リーチ!!」
淡(え……先制リーチ? 《シャープシュート》は封印ってこと!?)
菫(私は大能力者《レベル4》だが、完全デジタルで打っても、それなりの結果を出せると自負している。
出和了りに固執せず、牌効率を最適化すれば、たとえお前の能力下でも、数局に一回は先制することもできよう。あまりナメないでもらおうか……!!)
淡(さ、先に和了ればいいだけだもんねー!!)タンッ
菫(させるか――!)
菫「ツモ、2100・4000!!」
淡(親っ被り……! 三年生が得意技を放棄とか、プライドないわけ!? もー参っちゃうなっ! 形振り構わない実力者ほど厄介なものはないってのに……!!)
菫(さあ、次は私の親番だッ!!)ゴッ
淡:103600 菫:111400 絃:91400 巴:93600
――対局室
南一局一本場・親:淡
淡「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
東家:大星淡(煌星・107600)
菫(刻むようになったか。鳴きを入れても打点が下がらない天江よりはマシだが、この配牌でその速さについていくのは至難の技だな)
南家:弘世菫(劫初・103200)
菫(オカルトとデジタルのバランス感覚が照に近い。えてして強い能力者はオカルトに頼りがちだが、こいつは違う。完全デジタルでも、そこらの二軍《セカンドクラス》を凌ぐ技量を備えている。
そんなやつが最高の支配力と複数の大能力を持っているというんだから、まさに《超新星》に相応しい。照の後継者というのも納得だ)
菫(だが、智葉たち《一桁ナンバー》には及ばなくとも、私も上位ナンバーの端くれ。この白糸台で、数多の化け物・魔物としのぎを削ってきた。
何より、私はあの宮永照と、二年間ずっと打ってきたのだ……!)
菫(この程度の逆境で膝をついていては、照に挑む資格もない。大星淡、お前は確かに強い。
それでも、現段階では、明確に照より下だ。あいつとの対局に比べれば、こんなもの児戯に等しい。まだ楽しむ心が残っているくらいだぞ)
淡「チー!」
菫「(テンパイしたか。だが、こちらも追い付いたッ!)リーチ!!」
淡(え……先制リーチ? 《シャープシュート》は封印ってこと!?)
菫(私は大能力者《レベル4》だが、完全デジタルで打っても、それなりの結果を出せると自負している。
出和了りに固執せず、牌効率を最適化すれば、たとえお前の能力下でも、数局に一回は先制することもできよう。あまりナメないでもらおうか……!!)
淡(さ、先に和了ればいいだけだもんねー!!)タンッ
菫(させるか――!)
菫「ツモ、2100・4000!!」
淡(親っ被り……! 三年生が得意技を放棄とか、プライドないわけ!? もー参っちゃうなっ! 形振り構わない実力者ほど厄介なものはないってのに……!!)
菫(さあ、次は私の親番だッ!!)ゴッ
淡:103600 菫:111400 絃:91400 巴:93600
659:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 18:05:36.70 :0DAp6Rns0
南二局・親:菫
淡(ここで引き離されるわけにはいかない。スピード勝負なら私が圧倒的に有利なことは変わらないんだから、このまま和了りまくって片をつけるっ!)
菫「ポン」タンッ
淡(役牌……? 特急券? だから何っ!!)
菫「チー!」タンッ
淡(二副露……いや、でも、こっちだって一向聴。ここはダマで打点を保ちつつ手広く待――)
菫「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
淡(~~~っ!! 今の感じ、能力で手を進めたっぽい。私の余剰牌が狙われてる……?
っていうか門前じゃなくても有効なんだその能力。うーん……前半も一回やられてるし、オッケー。だったら念には念を入れて――こっち!)タンッ
?「ロン――」
淡(は!? 待って、ちょ、誰が……!?)
菫(ここでお前が来るのか……狩宿ッ!!)
巴「断ヤオドラ二、5200です」パラララ
淡(な、なにこの巫女さんっ!? 全然気配を感じなかったっ!? そりゃ、意識の大半は弘世菫に向いてたけど、河は三人分ちゃんと見てたつもり。もしかして、モモコに近い感応系の能力?)
淡(……いや、違う。この人からはなんの力も感じない。ってことは、これはこの人なりの何かなんだ。
うまく言えないけど、技術っていうか、習慣っていうか、個性っていうか。ちょ、ちょっと対策の仕方がわからないんだけど……!?)
菫(一瞬で肝が冷えたな……大星一人に気を取られ過ぎていた。一歩間違えば、私が振り込んでいたかもしれん。
注意の目を向けることをやめた瞬間に、突如として降り注ぐ災厄……これが《落石の巫女》の本領か)
巴(二人とも熱くなってくれたおかげで、やっと割って入れた。できれば弘世さんから取りたかったし、もっと高い手のほうがよかったけど……点棒は点棒。大事にしなきゃ……!)
絃(狩宿が持ち直したか。相変わらず現状維持が病的に上手い。ま、あの悪名高い薄墨初美が傍に置くほどの雀士だからな。一方、こちらはトップの背中が遠い。次はラス親、どうしたものか……)
淡:98400 菫:111400 絃:91400 巴:98800
南二局・親:菫
淡(ここで引き離されるわけにはいかない。スピード勝負なら私が圧倒的に有利なことは変わらないんだから、このまま和了りまくって片をつけるっ!)
菫「ポン」タンッ
淡(役牌……? 特急券? だから何っ!!)
菫「チー!」タンッ
淡(二副露……いや、でも、こっちだって一向聴。ここはダマで打点を保ちつつ手広く待――)
菫「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
淡(~~~っ!! 今の感じ、能力で手を進めたっぽい。私の余剰牌が狙われてる……?
っていうか門前じゃなくても有効なんだその能力。うーん……前半も一回やられてるし、オッケー。だったら念には念を入れて――こっち!)タンッ
?「ロン――」
淡(は!? 待って、ちょ、誰が……!?)
菫(ここでお前が来るのか……狩宿ッ!!)
巴「断ヤオドラ二、5200です」パラララ
淡(な、なにこの巫女さんっ!? 全然気配を感じなかったっ!? そりゃ、意識の大半は弘世菫に向いてたけど、河は三人分ちゃんと見てたつもり。もしかして、モモコに近い感応系の能力?)
淡(……いや、違う。この人からはなんの力も感じない。ってことは、これはこの人なりの何かなんだ。
うまく言えないけど、技術っていうか、習慣っていうか、個性っていうか。ちょ、ちょっと対策の仕方がわからないんだけど……!?)
菫(一瞬で肝が冷えたな……大星一人に気を取られ過ぎていた。一歩間違えば、私が振り込んでいたかもしれん。
注意の目を向けることをやめた瞬間に、突如として降り注ぐ災厄……これが《落石の巫女》の本領か)
巴(二人とも熱くなってくれたおかげで、やっと割って入れた。できれば弘世さんから取りたかったし、もっと高い手のほうがよかったけど……点棒は点棒。大事にしなきゃ……!)
絃(狩宿が持ち直したか。相変わらず現状維持が病的に上手い。ま、あの悪名高い薄墨初美が傍に置くほどの雀士だからな。一方、こちらはトップの背中が遠い。次はラス親、どうしたものか……)
淡:98400 菫:111400 絃:91400 巴:98800
660:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 18:08:49.02 :0DAp6Rns0
――《夜行》控え室
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「あー、いやいや、そりゃあの面子じゃ苦戦もするってー。でも、大丈夫。絃さんなら、きっとなんとかしてくれるっ!」
利仙「ここは打ち負けるのも覚悟で、ツモった場合は素直に和了宣言してもよいと思うのですが……どうでしょう。
《強制延長》の発動条件は、《ツモ和了りを拒否》して《フリテンを回避する》――ですが、今の足の速い場では使いどころが難しい。
火力を捨てるのは惜しいですが、和了りは和了り。あまり能力に拘り過ぎても益が少ないかと」
いちご「絃もそりゃあ承知の上じゃろ。それでも……あいつはたぶん、《強制延長》すると思う。絃は、まだプラスにすることを諦めとらん」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「えっ、なに?」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「あっ、ホントだっ!? 絃さんがツモったー!! これで――」
利仙「いや……待ってください。いつもと様子が違います。普段の霜崎さんなら、こんなところで悩みません」
いちご「絃……何をする気じゃ!?」
もこ「」ブツブツブツブツ
――《夜行》控え室
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「あー、いやいや、そりゃあの面子じゃ苦戦もするってー。でも、大丈夫。絃さんなら、きっとなんとかしてくれるっ!」
利仙「ここは打ち負けるのも覚悟で、ツモった場合は素直に和了宣言してもよいと思うのですが……どうでしょう。
《強制延長》の発動条件は、《ツモ和了りを拒否》して《フリテンを回避する》――ですが、今の足の速い場では使いどころが難しい。
火力を捨てるのは惜しいですが、和了りは和了り。あまり能力に拘り過ぎても益が少ないかと」
いちご「絃もそりゃあ承知の上じゃろ。それでも……あいつはたぶん、《強制延長》すると思う。絃は、まだプラスにすることを諦めとらん」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「えっ、なに?」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「あっ、ホントだっ!? 絃さんがツモったー!! これで――」
利仙「いや……待ってください。いつもと様子が違います。普段の霜崎さんなら、こんなところで悩みません」
いちご「絃……何をする気じゃ!?」
もこ「」ブツブツブツブツ
661:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 18:14:56.38 :0DAp6Rns0
――対局室
南三局・親:絃
絃(さて、後半戦で初めて、他家に先んじてツモれた。《強制延長》に入るチャンスが来たはいいものの……これは――)
絃手牌:一一一二三四五六②②②北北 ツモ:七 ドラ:七
絃(1300オールか。三位をまくることすらできないが、ここで和了宣言して、連荘を狙うか? 否、次も同じように和了れる保証はどこにもない)
絃(そもそも連荘を許してくれる面子ではないのだ。東二局から大星淡が連続和了をしていたが、それは大星淡だからできたこと。
そして、その大星でさえ、ラス親は一本場で弘世菫に止められた……)
絃(待ちに待ったこのチャンス……これを物にできなければ、プラス収支は絶望的。後に続くみんなのためにも、ここは一発決めておきたい。
なら、ツモ和了りを拒否して、いつものように《強制延長》するか?)
絃手牌:一一一二三四五六②②②北北 ツモ:七 ドラ:七
絃(和了り拒否して二、三萬を落とせば、経験上、恐らく次巡で北が入ってくる。ドラの七萬は私から四枚見えているから、出てくるとすれば四萬。
三暗刻ドラ一……弘世菫への直撃ならトップに立てる。しかし……)
淡「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
絃(萬子は対面に危うい気がする……振り込みはなくとも、ポンで手を進ませてしまう可能性がある。
そうなると、フリテン回避を終えた直後にツモられる、なんてことになるかもしれない)
絃(たった一巡……されど大きな一巡だ。遠回りというほど遠回りではないが、この場においては、その僅かな差が明暗を分ける。
どうする……手牌を倒すか? プラス収支を諦めるか……?)
――諦めるなんて……そんなのつまんないじゃないですかっ!!
絃(……そうだな、藍子。ここで手牌を倒してしまったら、確かに面白くもなんともないよな。それで勝てるならまだしも、勝ちを諦めてなおかつ面白くないなど、最悪だ)
絃(ならば、いっそ楽しんでみるか。あなたの言う――《宝探し》というやつをっ!!)
絃(諦めることはいつでもできる。終わらせることはいつでもできる。
だからこそ、可能性が消えないうちは足掻いてやろうじゃないか。
いいだろう。この場の誰も知らない未来――宝の山の奥深くへと踏み込んでやるっ!
楽しい楽しい《強制延長》の始まりだ……ッ!!)ゴッ
――対局室
南三局・親:絃
絃(さて、後半戦で初めて、他家に先んじてツモれた。《強制延長》に入るチャンスが来たはいいものの……これは――)
絃手牌:一一一二三四五六②②②北北 ツモ:七 ドラ:七
絃(1300オールか。三位をまくることすらできないが、ここで和了宣言して、連荘を狙うか? 否、次も同じように和了れる保証はどこにもない)
絃(そもそも連荘を許してくれる面子ではないのだ。東二局から大星淡が連続和了をしていたが、それは大星淡だからできたこと。
そして、その大星でさえ、ラス親は一本場で弘世菫に止められた……)
絃(待ちに待ったこのチャンス……これを物にできなければ、プラス収支は絶望的。後に続くみんなのためにも、ここは一発決めておきたい。
なら、ツモ和了りを拒否して、いつものように《強制延長》するか?)
絃手牌:一一一二三四五六②②②北北 ツモ:七 ドラ:七
絃(和了り拒否して二、三萬を落とせば、経験上、恐らく次巡で北が入ってくる。ドラの七萬は私から四枚見えているから、出てくるとすれば四萬。
三暗刻ドラ一……弘世菫への直撃ならトップに立てる。しかし……)
淡「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
絃(萬子は対面に危うい気がする……振り込みはなくとも、ポンで手を進ませてしまう可能性がある。
そうなると、フリテン回避を終えた直後にツモられる、なんてことになるかもしれない)
絃(たった一巡……されど大きな一巡だ。遠回りというほど遠回りではないが、この場においては、その僅かな差が明暗を分ける。
どうする……手牌を倒すか? プラス収支を諦めるか……?)
――諦めるなんて……そんなのつまんないじゃないですかっ!!
絃(……そうだな、藍子。ここで手牌を倒してしまったら、確かに面白くもなんともないよな。それで勝てるならまだしも、勝ちを諦めてなおかつ面白くないなど、最悪だ)
絃(ならば、いっそ楽しんでみるか。あなたの言う――《宝探し》というやつをっ!!)
絃(諦めることはいつでもできる。終わらせることはいつでもできる。
だからこそ、可能性が消えないうちは足掻いてやろうじゃないか。
いいだろう。この場の誰も知らない未来――宝の山の奥深くへと踏み込んでやるっ!
楽しい楽しい《強制延長》の始まりだ……ッ!!)ゴッ
662:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 18:17:08.82 :0DAp6Rns0
――《劫初》控え室
智葉「悩んだ末に……ツモ和了り拒否の、ドラ切りか」
絃手牌:一一一二三四五六②②②北北 捨て:七 ドラ:七
憩「普通に二、三萬を落とすと思うとりましたわ。《強制延長》さん……なんや、違う道が見えたんかな?
うまいこと《超新星》さんの魔の手から逃れよった感じやわー」
淡手牌:二二四四五五五六六234[5] ドラ七
エイ「イーカン、イーシャン!!」
衣「中華服の意図はわからないが、《超新星》の表情を見る限り、あれの想定を超える打牌をしたことは確かなようだな。
それはただの悪足掻きか、それとも、裂魔の一太刀となるか……」
――《劫初》控え室
智葉「悩んだ末に……ツモ和了り拒否の、ドラ切りか」
絃手牌:一一一二三四五六②②②北北 捨て:七 ドラ:七
憩「普通に二、三萬を落とすと思うとりましたわ。《強制延長》さん……なんや、違う道が見えたんかな?
うまいこと《超新星》さんの魔の手から逃れよった感じやわー」
淡手牌:二二四四五五五六六234[5] ドラ七
エイ「イーカン、イーシャン!!」
衣「中華服の意図はわからないが、《超新星》の表情を見る限り、あれの想定を超える打牌をしたことは確かなようだな。
それはただの悪足掻きか、それとも、裂魔の一太刀となるか……」
663:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 18:21:56.64 :0DAp6Rns0
――《煌星》控え室
友香「フリテン回避で二萬を落としてくれてれば、淡が鳴いてテンパイできてたんでー。なんでよりにもよってドラ切りなんか――」
咲「ッ!?」ガタッ
桃子「うわっ!? どうしたっすか、嶺上さん。急に立ち上がって。びっくりするじゃないっすか……」
煌「咲さんも気付きましたか。もし、霜崎さんの能力が《ツモ和了りを拒否》して《フリテンを回避する》と《誰かから直撃を取る》《しかも元のツモ和了りより高い点数で》という性質を持っていたとすると、これは――」
咲「あの人……!!」
桃子「ちょ、えっ、きらめ先輩? 嶺上さん?」
友香「あの……私たちにもわかるように説明してほしいんでー」
煌「今の霜崎さんの手は、役ナシです。そして、霜崎さんの《強制延長》による出和了りは、基本的にリーチに頼りません。
となれば、次巡に北を引いて三暗刻に変化する――というのが、最も自然なパターンでしょう。
しかし、霜崎さんは自らその変化を捨てました」
淡手牌:二二四四五五五六六234[5] ドラ:七
絃手牌:一一一二三四五六②②②北北 捨て:七 ドラ:七
桃子「あっ……そうっすね! 次巡で北が来ても、三暗刻で出和了りしようとする限り、どうやったってフリテンっす! 出和了りはできない!!」
友香「ってことは、あそこからもっと別の役に変化するんでー? 混一とか?」
煌「萬子の混一を狙うなら、どう考えても二筒から切るはずでしょう」
友香「なら、やっぱり北が入って三暗刻で……何かまったく別の牌で単騎待ち――?」
煌「それもないでしょうね。現状から単騎待ちにするには、最終的に二萬か六萬を落とす必要があります。どちらも淡さんが鳴ける牌。
どの道そんな危険牌を切ることになるのなら、北の対子落としから一通を狙ってもよかったはずです。いずれにせよ、わざわざドラから落とす理由がありません」
――《煌星》控え室
友香「フリテン回避で二萬を落としてくれてれば、淡が鳴いてテンパイできてたんでー。なんでよりにもよってドラ切りなんか――」
咲「ッ!?」ガタッ
桃子「うわっ!? どうしたっすか、嶺上さん。急に立ち上がって。びっくりするじゃないっすか……」
煌「咲さんも気付きましたか。もし、霜崎さんの能力が《ツモ和了りを拒否》して《フリテンを回避する》と《誰かから直撃を取る》《しかも元のツモ和了りより高い点数で》という性質を持っていたとすると、これは――」
咲「あの人……!!」
桃子「ちょ、えっ、きらめ先輩? 嶺上さん?」
友香「あの……私たちにもわかるように説明してほしいんでー」
煌「今の霜崎さんの手は、役ナシです。そして、霜崎さんの《強制延長》による出和了りは、基本的にリーチに頼りません。
となれば、次巡に北を引いて三暗刻に変化する――というのが、最も自然なパターンでしょう。
しかし、霜崎さんは自らその変化を捨てました」
淡手牌:二二四四五五五六六234[5] ドラ:七
絃手牌:一一一二三四五六②②②北北 捨て:七 ドラ:七
桃子「あっ……そうっすね! 次巡で北が来ても、三暗刻で出和了りしようとする限り、どうやったってフリテンっす! 出和了りはできない!!」
友香「ってことは、あそこからもっと別の役に変化するんでー? 混一とか?」
煌「萬子の混一を狙うなら、どう考えても二筒から切るはずでしょう」
友香「なら、やっぱり北が入って三暗刻で……何かまったく別の牌で単騎待ち――?」
煌「それもないでしょうね。現状から単騎待ちにするには、最終的に二萬か六萬を落とす必要があります。どちらも淡さんが鳴ける牌。
どの道そんな危険牌を切ることになるのなら、北の対子落としから一通を狙ってもよかったはずです。いずれにせよ、わざわざドラから落とす理由がありません」
664:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 18:25:46.77 :0DAp6Rns0
桃子「じゃ、じゃあ、あのチャイナさんは一体何をどうやって出和了りするつもりっすか……?」
煌「恐らくですが、霜崎さんは出和了り――ロンをするつもりがありません」
友香「それこそ意味がわからないんでー!? だって、あの人の能力は《ツモ和了りを拒否して》《誰かから直撃を取る》なんですよね?
ロンしないでどうやって直撃を取るっていうんですか……!?」
咲「取れるよ。ロンをしないでも、直撃は取れるんだよ」
桃子「な、なんの謎々っすか……!?」
煌「簡単です。ツモればいいんですよ。それならフリテンも関係ありません」
友香「い、いやいや! 確かに《フリテン回避》はできますけど、ツモじゃ直撃にならないんでー!!」
咲「友香ちゃん、それは違うよ。ちょっと考えればわかること。私、練習で何度もやったことあるもん……」
友香「え……? あっ、ああ――!!」
桃子「う、嘘……っすよね……?」
煌「お分かりになったようですね。すばらです。
そう……あのやり方なら、あの手牌でも、《フリテン回避》をして《誰かから直撃を取る》ことが可能なのです。
その場合の役は、三暗刻でも混一でも一通でもありません」
咲「ドラの七萬切りは、言わばその布石みたいなもの。それでもって……《元のツモ和了りより高い点数で》って効果もあるなら、一回じゃ終わらないはずだよ……」
淡『……』タンッ
友香「あ、淡――! ダメッ、そこは……!!」
絃『……カンッ!』
友香・桃子・咲「っ!!」ゾッ
桃子「じゃ、じゃあ、あのチャイナさんは一体何をどうやって出和了りするつもりっすか……?」
煌「恐らくですが、霜崎さんは出和了り――ロンをするつもりがありません」
友香「それこそ意味がわからないんでー!? だって、あの人の能力は《ツモ和了りを拒否して》《誰かから直撃を取る》なんですよね?
ロンしないでどうやって直撃を取るっていうんですか……!?」
咲「取れるよ。ロンをしないでも、直撃は取れるんだよ」
桃子「な、なんの謎々っすか……!?」
煌「簡単です。ツモればいいんですよ。それならフリテンも関係ありません」
友香「い、いやいや! 確かに《フリテン回避》はできますけど、ツモじゃ直撃にならないんでー!!」
咲「友香ちゃん、それは違うよ。ちょっと考えればわかること。私、練習で何度もやったことあるもん……」
友香「え……? あっ、ああ――!!」
桃子「う、嘘……っすよね……?」
煌「お分かりになったようですね。すばらです。
そう……あのやり方なら、あの手牌でも、《フリテン回避》をして《誰かから直撃を取る》ことが可能なのです。
その場合の役は、三暗刻でも混一でも一通でもありません」
咲「ドラの七萬切りは、言わばその布石みたいなもの。それでもって……《元のツモ和了りより高い点数で》って効果もあるなら、一回じゃ終わらないはずだよ……」
淡『……』タンッ
友香「あ、淡――! ダメッ、そこは……!!」
絃『……カンッ!』
友香・桃子・咲「っ!!」ゾッ
665:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 18:29:59.39 :0DAp6Rns0
――対局室
絃「……カンッ!」
淡(い……一萬大明槓!? 萬子の多面張っぽいところに怪しいドラ切りが来たから、たとえ《強制延長》でも一・四・七萬はフリテンで和了れないはずって思ったけど、これって――ちょ、そっか、大明槓って……まさかッ!!)ゾッ
絃(今更気付いても遅い……! これで《ツモ和了り拒否》と《フリテン回避》はクリア――《発動条件》は満たしたっ!!)ゴッ
巴(この感じ……霜崎さんの《強制延長》が最終段階に入ってる……?
でも、おかしい。あれって《フリテン回避》のために一旦出来面子を崩すことが多いんじゃなかったっけ? だけど、河を見る限り――あっ、そうか!?)
菫(ドラの七萬切り。この時点で《ツモ和了り拒否》をしていたのだろう。
そこから一萬で大明槓……手牌によっては、待ちを張り替えずとも、カンした瞬間に《フリテン回避》ができる。つまり、霜崎の狙いは――)
淡・巴・菫(大明槓の責任払いッ!!!)
絃(そう……そして、ドラが涸れた以上、一回だけでは終わらない! まだまだ続くぞ――《強制延長》ッ!!)
絃「もいっこ……カンだッ!!」ゴッ
淡・巴・菫(連槓――!!?)ゾワッ
――対局室
絃「……カンッ!」
淡(い……一萬大明槓!? 萬子の多面張っぽいところに怪しいドラ切りが来たから、たとえ《強制延長》でも一・四・七萬はフリテンで和了れないはずって思ったけど、これって――ちょ、そっか、大明槓って……まさかッ!!)ゾッ
絃(今更気付いても遅い……! これで《ツモ和了り拒否》と《フリテン回避》はクリア――《発動条件》は満たしたっ!!)ゴッ
巴(この感じ……霜崎さんの《強制延長》が最終段階に入ってる……?
でも、おかしい。あれって《フリテン回避》のために一旦出来面子を崩すことが多いんじゃなかったっけ? だけど、河を見る限り――あっ、そうか!?)
菫(ドラの七萬切り。この時点で《ツモ和了り拒否》をしていたのだろう。
そこから一萬で大明槓……手牌によっては、待ちを張り替えずとも、カンした瞬間に《フリテン回避》ができる。つまり、霜崎の狙いは――)
淡・巴・菫(大明槓の責任払いッ!!!)
絃(そう……そして、ドラが涸れた以上、一回だけでは終わらない! まだまだ続くぞ――《強制延長》ッ!!)
絃「もいっこ……カンだッ!!」ゴッ
淡・巴・菫(連槓――!!?)ゾワッ
666:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 18:33:16.45 :0DAp6Rns0
――《煌星》控え室
友香「大明槓の責任払い狙いで二連槓って!? そんな、咲じゃあるまいしっ!!」
桃子「どうして……? 責任払いで直撃が取れるなら、普通に嶺上で四萬ツモって終わりでいいじゃないっすか!? なんであそこで槓材の二筒を引くっすか!!」
絃手牌:二三四五六北北②②②/一一(一)一 嶺上ツモ:② ドラ:七・?
煌「《元のツモ和了りの点数より高くなる》からですよ」
友香「でー……?」
咲「一萬を大明槓して四萬を引いてきても、嶺上開花のみで2400にしかならない。
同じように、この二筒の暗槓で嶺上開花したとしても、嶺上開花のみでは2900。どっちも元の1300オールより低い点数」
煌「あの手牌で大明槓からの責任払いを狙うと、手役は嶺上開花のみになります。その状態でどうやって1300オールを超えるかと言えば、カンドラを乗せるしかありませんよね」
咲「大明槓はカンドラが後めくりだから、一萬の大明槓で嶺上開花しても、その時点では、ドラは表ドラの七萬だけ。
元の点数を超えるためにカンドラを乗せるしかないのなら、必然的に、連槓が起こる」
――《煌星》控え室
友香「大明槓の責任払い狙いで二連槓って!? そんな、咲じゃあるまいしっ!!」
桃子「どうして……? 責任払いで直撃が取れるなら、普通に嶺上で四萬ツモって終わりでいいじゃないっすか!? なんであそこで槓材の二筒を引くっすか!!」
絃手牌:二三四五六北北②②②/一一(一)一 嶺上ツモ:② ドラ:七・?
煌「《元のツモ和了りの点数より高くなる》からですよ」
友香「でー……?」
咲「一萬を大明槓して四萬を引いてきても、嶺上開花のみで2400にしかならない。
同じように、この二筒の暗槓で嶺上開花したとしても、嶺上開花のみでは2900。どっちも元の1300オールより低い点数」
煌「あの手牌で大明槓からの責任払いを狙うと、手役は嶺上開花のみになります。その状態でどうやって1300オールを超えるかと言えば、カンドラを乗せるしかありませんよね」
咲「大明槓はカンドラが後めくりだから、一萬の大明槓で嶺上開花しても、その時点では、ドラは表ドラの七萬だけ。
元の点数を超えるためにカンドラを乗せるしかないのなら、必然的に、連槓が起こる」
667:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 18:37:11.63 :0DAp6Rns0
煌「っと……見てください。一萬大明槓での後めくりのドラと、二筒暗槓での即めくりのドラ――後者のほうで、見事にドラが乗りましたよ。あとは、嶺上から和了り牌を引くだけです」
咲「生きてる役牌がないから、嶺上で和了れなければ完全に役ナシになって、その後はどうやっても出和了りができない。
《強制延長》が発動して直撃が保証されている以上、和了るとしたら、河底を除けば、この嶺上のタイミングしかない。
すごいよ……効果範囲の広い能力を、敢えて自分から手を縛ることで、限定的に使ってる。
今更淡ちゃんがバカ力を使って妨害しようとしても、能力的に《ここしかない》のなら、それはもう《ここしかない》んだ……」
絃手牌:二三四五六北北/②②②②/一一(一)一 嶺上ツモ:? ドラ:七・①・北
友香「さっきツモったときと変わらない一・四・七萬待ち……七萬を切った以上はフリテンで、淡の出した一萬でロンすることは不可能だったはずなのに。
大明槓をすることで、張り替えることもなく、和了り拒否した直後に責任払いで直撃を取るなんて……」
桃子「一・七萬は場に四枚見えてて、四萬は超新星さんの手に二枚とチャイナさんの手に一枚……残り一枚っす。
古典確率論的に言えば、ここで最後の一枚を嶺上から引く確率なんて、ほとんど0のはずっす」
煌「っと……見てください。一萬大明槓での後めくりのドラと、二筒暗槓での即めくりのドラ――後者のほうで、見事にドラが乗りましたよ。あとは、嶺上から和了り牌を引くだけです」
咲「生きてる役牌がないから、嶺上で和了れなければ完全に役ナシになって、その後はどうやっても出和了りができない。
《強制延長》が発動して直撃が保証されている以上、和了るとしたら、河底を除けば、この嶺上のタイミングしかない。
すごいよ……効果範囲の広い能力を、敢えて自分から手を縛ることで、限定的に使ってる。
今更淡ちゃんがバカ力を使って妨害しようとしても、能力的に《ここしかない》のなら、それはもう《ここしかない》んだ……」
絃手牌:二三四五六北北/②②②②/一一(一)一 嶺上ツモ:? ドラ:七・①・北
友香「さっきツモったときと変わらない一・四・七萬待ち……七萬を切った以上はフリテンで、淡の出した一萬でロンすることは不可能だったはずなのに。
大明槓をすることで、張り替えることもなく、和了り拒否した直後に責任払いで直撃を取るなんて……」
桃子「一・七萬は場に四枚見えてて、四萬は超新星さんの手に二枚とチャイナさんの手に一枚……残り一枚っす。
古典確率論的に言えば、ここで最後の一枚を嶺上から引く確率なんて、ほとんど0のはずっす」
668:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 18:40:42.06 :0DAp6Rns0
咲「だけど……能力論的には、そうじゃない。合同合宿で小走さんが講義してくれたこと――牌の《存在波》と、能力による《上書き》」
友香「『全ての牌は、表に返すまで、その牌が何であるのかが決定しない。
伏せられた牌が何であるのかは、一般に波動関数として表現される。その波動関数を、能力論では牌の《存在波》と呼ぶ』……」
桃子「『特別な力が作用しない限り、牌の存在波は、忠実に古典確率論に従う』っす。けど――」
咲「私たちは、その牌の存在波に干渉する『特別な力』を持っている」
友香「人間なら誰しもが持っている自分だけの現実《パーソナルリアリティ》。
その空間内において、私たちは複数の確率干渉の波動を発信する。それらは重なり合って、空間内に固有の干渉縞を形成。
重ね合わさった意識の波動は、空間内の《特異点》において、高密度の《波束》となる。確率干渉力のエネルギーが閾値を超える特異点――そこが、私たちの支配領域《テリトリー》」
桃子「超新星さんもチャイナさんも嶺上さんもでー子さんも、それぞれのパーソナルリアリティ空間内で、それぞれの支配領域《テリトリー》を展開、未決定の牌を、その内側に取り込むっす」
咲「その支配領域《テリトリー》に含まれる牌の存在波に、自らの意識の《波束》を干渉させる。
すると、意識の《波束》によって、古典確率論に縛られていた波動関数が、一定の論理に従って、歪曲するんだよね」
友香「そうして、私たちの意識は、牌の存在波に干渉し、そこに非古典確率論的な偏りを生み出すことができる……と」
咲「だけど……能力論的には、そうじゃない。合同合宿で小走さんが講義してくれたこと――牌の《存在波》と、能力による《上書き》」
友香「『全ての牌は、表に返すまで、その牌が何であるのかが決定しない。
伏せられた牌が何であるのかは、一般に波動関数として表現される。その波動関数を、能力論では牌の《存在波》と呼ぶ』……」
桃子「『特別な力が作用しない限り、牌の存在波は、忠実に古典確率論に従う』っす。けど――」
咲「私たちは、その牌の存在波に干渉する『特別な力』を持っている」
友香「人間なら誰しもが持っている自分だけの現実《パーソナルリアリティ》。
その空間内において、私たちは複数の確率干渉の波動を発信する。それらは重なり合って、空間内に固有の干渉縞を形成。
重ね合わさった意識の波動は、空間内の《特異点》において、高密度の《波束》となる。確率干渉力のエネルギーが閾値を超える特異点――そこが、私たちの支配領域《テリトリー》」
桃子「超新星さんもチャイナさんも嶺上さんもでー子さんも、それぞれのパーソナルリアリティ空間内で、それぞれの支配領域《テリトリー》を展開、未決定の牌を、その内側に取り込むっす」
咲「その支配領域《テリトリー》に含まれる牌の存在波に、自らの意識の《波束》を干渉させる。
すると、意識の《波束》によって、古典確率論に縛られていた波動関数が、一定の論理に従って、歪曲するんだよね」
友香「そうして、私たちの意識は、牌の存在波に干渉し、そこに非古典確率論的な偏りを生み出すことができる……と」
669:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 18:45:51.59 :0DAp6Rns0
桃子「で、そんな偏った存在波を持つ牌を表に返すと、一体何が起こるか――」
咲「意識の《波束》によって存在波を歪められた牌が何になるのか――それは、もはや古典確率論には従わない。
私が嶺上牌をツモれば、それは私の有効牌になるし、友香ちゃんのリーチ直後のツモ牌だって、友香ちゃんの和了り牌になる。淡ちゃんが捲るカン裏表示牌も同じ」
友香「牌の存在波に偏りを生み出し、牌を表に返すと同時に、その波動関数を特定のポイントに収縮させる。それが、牌の《上書き》でー」
桃子「嶺上さんたちは、牌の《上書き》をすることによって、限りなく0の確率を、限りなく1に近付けることができるっす」
咲「霜崎さんの《強制延長》は、《ツモ和了り拒否》して《フリテン回避》をするのが《発動条件》。
それさえ満たせば、《元のツモより高い点数で》《誰かから直撃を取る》ことができる。
そういう結果になるように、霜崎さんは、能力を使って牌を《上書き》することができる……」
煌「その通りです。皆さん、すばらですよ」
桃子「チャイナさんの能力の《発動条件》は、超新星さんが大明槓された瞬間に、既に達成されてるっす……」
友香「その上……咲が言ったように、霜崎先輩が誰かから直撃を取るとしたら、もう《ここしかない》」
煌「私たちには、行く末を見守ることしかできません――」
絃『ツモ……嶺上開花ドラ二――11600ッ!!』
桃子「で、そんな偏った存在波を持つ牌を表に返すと、一体何が起こるか――」
咲「意識の《波束》によって存在波を歪められた牌が何になるのか――それは、もはや古典確率論には従わない。
私が嶺上牌をツモれば、それは私の有効牌になるし、友香ちゃんのリーチ直後のツモ牌だって、友香ちゃんの和了り牌になる。淡ちゃんが捲るカン裏表示牌も同じ」
友香「牌の存在波に偏りを生み出し、牌を表に返すと同時に、その波動関数を特定のポイントに収縮させる。それが、牌の《上書き》でー」
桃子「嶺上さんたちは、牌の《上書き》をすることによって、限りなく0の確率を、限りなく1に近付けることができるっす」
咲「霜崎さんの《強制延長》は、《ツモ和了り拒否》して《フリテン回避》をするのが《発動条件》。
それさえ満たせば、《元のツモより高い点数で》《誰かから直撃を取る》ことができる。
そういう結果になるように、霜崎さんは、能力を使って牌を《上書き》することができる……」
煌「その通りです。皆さん、すばらですよ」
桃子「チャイナさんの能力の《発動条件》は、超新星さんが大明槓された瞬間に、既に達成されてるっす……」
友香「その上……咲が言ったように、霜崎先輩が誰かから直撃を取るとしたら、もう《ここしかない》」
煌「私たちには、行く末を見守ることしかできません――」
絃『ツモ……嶺上開花ドラ二――11600ッ!!』
670:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 18:50:06.17 :0DAp6Rns0
――《夜行》控え室
藍子「絃さあああああああんっ! 最高でぇーすっ! そんな深ぁーいところにあるお宝をゲットするなんて!! 本家の私でもやったことないのにー!!」
利仙「責任払いで直撃を取るとは考えましたね。弱点であるフリテン回避のための張り替えも、嶺上開花でツモ和了るなら必要ありません。和了り拒否をしたその巡目から、直撃を狙えます」
いちご「王牌は山の深奥――支配領域《テリトリー》の《未開地帯》。そこから和了りをもぎ取るとは……信じられんのう。
いくら場の全てが支配領域《テリトリー》になるタイプの能力っちゅうても、そうそうできることじゃないじゃろ」
藍子「ただでさえ支配が行き届きにくい王牌の中でも、嶺上牌は特に《上書き》しにくい領域ですからねぇ。まさに高嶺の花って感じで。
というか、あそこを恒常的に支配領域《テリトリー》にしている自牌干渉系能力者なんて、学園都市に存在するんですか?」
利仙「私の知る限りはただの一人もいません。もし仮に存在したとしたら、それはたぶん、人間ではない何かでしょう。《未開地帯》の《最高峰》――あそこは特別な領域ですから。
たとえ、今回のように状況を限定して支配領域《テリトリー》に取り込めたとしても、実際に《上書き》するのは非常に困難。実戦ともなればなおさらです。いやはや……驚きました」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「えっ? もこ、ヤバいって何――」
淡『』ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
藍子・利仙・いちご「ッ!?」ゾッ
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「そっかぁ……! だとしたら、ここが正念場だね。でも、なんとかなる……さっきは不発だったわけだしっ!!」
淡『ダブリーッ!!』ゴッ
藍子「な、なんとか……! なんとかなーれーっ!!」
――《夜行》控え室
藍子「絃さあああああああんっ! 最高でぇーすっ! そんな深ぁーいところにあるお宝をゲットするなんて!! 本家の私でもやったことないのにー!!」
利仙「責任払いで直撃を取るとは考えましたね。弱点であるフリテン回避のための張り替えも、嶺上開花でツモ和了るなら必要ありません。和了り拒否をしたその巡目から、直撃を狙えます」
いちご「王牌は山の深奥――支配領域《テリトリー》の《未開地帯》。そこから和了りをもぎ取るとは……信じられんのう。
いくら場の全てが支配領域《テリトリー》になるタイプの能力っちゅうても、そうそうできることじゃないじゃろ」
藍子「ただでさえ支配が行き届きにくい王牌の中でも、嶺上牌は特に《上書き》しにくい領域ですからねぇ。まさに高嶺の花って感じで。
というか、あそこを恒常的に支配領域《テリトリー》にしている自牌干渉系能力者なんて、学園都市に存在するんですか?」
利仙「私の知る限りはただの一人もいません。もし仮に存在したとしたら、それはたぶん、人間ではない何かでしょう。《未開地帯》の《最高峰》――あそこは特別な領域ですから。
たとえ、今回のように状況を限定して支配領域《テリトリー》に取り込めたとしても、実際に《上書き》するのは非常に困難。実戦ともなればなおさらです。いやはや……驚きました」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「えっ? もこ、ヤバいって何――」
淡『』ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
藍子・利仙・いちご「ッ!?」ゾッ
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「そっかぁ……! だとしたら、ここが正念場だね。でも、なんとかなる……さっきは不発だったわけだしっ!!」
淡『ダブリーッ!!』ゴッ
藍子「な、なんとか……! なんとかなーれーっ!!」
671:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 18:52:11.72 :0DAp6Rns0
――対局室
南三局一本場・親:絃
淡「ダブリーッ!!」ゴッ
西家:大星淡(煌星・86800)
菫(三度目の正直か。玉数制限があるのかないのか……いずれにせよ、止めるッ!)
北家:弘世菫(劫初・111400)
絃(トップの背中が見えた。直撃は元より、親っ被りも回避しなければ)
東家:霜崎絃(夜行・103000)
巴(何かを降ろすでも纏うでもなく、個人でこれだけの力を出せるなんて……。しかも、もう後半戦のオーラス間近なのに。底無しなの、この子……?)
南家:狩宿巴(新道寺・98800)
淡(私は《煌星》のエースだよッ! どんなに凹まされたって、最後には必ず勝ってやるんだから……!!)ゴゴゴゴゴゴゴゴ
――対局室
南三局一本場・親:絃
淡「ダブリーッ!!」ゴッ
西家:大星淡(煌星・86800)
菫(三度目の正直か。玉数制限があるのかないのか……いずれにせよ、止めるッ!)
北家:弘世菫(劫初・111400)
絃(トップの背中が見えた。直撃は元より、親っ被りも回避しなければ)
東家:霜崎絃(夜行・103000)
巴(何かを降ろすでも纏うでもなく、個人でこれだけの力を出せるなんて……。しかも、もう後半戦のオーラス間近なのに。底無しなの、この子……?)
南家:狩宿巴(新道寺・98800)
淡(私は《煌星》のエースだよッ! どんなに凹まされたって、最後には必ず勝ってやるんだから……!!)ゴゴゴゴゴゴゴゴ
672:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 18:56:02.25 :0DAp6Rns0
――《新道寺》控え室
華菜「な、なんかヤバいし! 全然伝わってこないけど、去年の天江並みにヤバい感じなのは……友清を見ればわかるしっ!! ってか大丈夫だし!?」
美子「吐き気……おさまったと?」サスサス
友清「な、なんとか……。いや、私のことなんかより、すぐ近くにいる狩宿せんぱいのほうがヤバかとです……!!」
仁美「やけん、巴の心配は要らんて、何度言うたらわかっとね。確かにあの一年はとんでもなか。想像ば超える超大型台風。暴風波浪注意報と。ばってん――」
華菜「あっ……全員の注意が大星淡に向いているっ! だからこそ!!」
友清「狩宿せんぱい的には、イケイケとですか……!?」
美子「そうやね。あん卓は今、超大型台風の来て、ドシャ降りの大雨模様と」
仁美「さーて、ここで問題と。大雨のときは何に注意したらよか?
洪水? 浸水? いやいや、そいは不正解。本当の災厄は、足下やなく、頭上から降ってきよる」
美子「水かさは目に見えて増してくるばってん、ついつい、どう見ても動きそうになかもんは、見逃しがちと」
友清「そ、そっか……土砂崩れとですねーっ!?」
華菜「岩雪崩だしっ!!」
美子「あん卓の天気、大雨時々……大岩と!」
仁美「正解は――《落石》注意ッ!!」
巴『ロン、2000は2300』
華菜「巴さああああああんっ!! 大っ好きだしーーーーー!!」
――《新道寺》控え室
華菜「な、なんかヤバいし! 全然伝わってこないけど、去年の天江並みにヤバい感じなのは……友清を見ればわかるしっ!! ってか大丈夫だし!?」
美子「吐き気……おさまったと?」サスサス
友清「な、なんとか……。いや、私のことなんかより、すぐ近くにいる狩宿せんぱいのほうがヤバかとです……!!」
仁美「やけん、巴の心配は要らんて、何度言うたらわかっとね。確かにあの一年はとんでもなか。想像ば超える超大型台風。暴風波浪注意報と。ばってん――」
華菜「あっ……全員の注意が大星淡に向いているっ! だからこそ!!」
友清「狩宿せんぱい的には、イケイケとですか……!?」
美子「そうやね。あん卓は今、超大型台風の来て、ドシャ降りの大雨模様と」
仁美「さーて、ここで問題と。大雨のときは何に注意したらよか?
洪水? 浸水? いやいや、そいは不正解。本当の災厄は、足下やなく、頭上から降ってきよる」
美子「水かさは目に見えて増してくるばってん、ついつい、どう見ても動きそうになかもんは、見逃しがちと」
友清「そ、そっか……土砂崩れとですねーっ!?」
華菜「岩雪崩だしっ!!」
美子「あん卓の天気、大雨時々……大岩と!」
仁美「正解は――《落石》注意ッ!!」
巴『ロン、2000は2300』
華菜「巴さああああああんっ!! 大っ好きだしーーーーー!!」
673:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 18:59:45.97 :0DAp6Rns0
――《劫初》控え室
巴『ロン、2000は2300』
菫『……はい』
エイスリン「スミレ、フーリコーンダー!!」
憩「あーあーあー。これは今日の試合が終わったら、またキツーいお仕置きせなあきまへんなー」
衣「すみれのうつけ者め。灰燼にしてくれる」
智葉「そう言ってやるな。トップを譲ったわけじゃない。恐らく、振り込む前提で、わざと大星だけに集中して、狩宿を意識の外に追いやったのだろう。消極的差し込みってやつだな」
憩「にしても、《超新星》さん、最後まで不発でしたね。
ま、逆に、不発で不調でこれだけ菫さんたちに張り合えるんやから、ホンマ大したもんやけど。たぶん、去年の衣ちゃんより強いんちゃう、あの子」
衣「烏滸事をッ!!」
智葉「潜在能力は評価しよう。だが、結果は結果。次に期待だな」
エイスリン「ツギガ、アレバ、イイケドナ!!」
憩「いち《煌星》ファンとして、あれがあの子の一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》最後の和了りにならんことを祈るばかりですわー」
淡『ツモ、3000・6000』
『先鋒戦終了! 制したのは安定した強さを見せた《シャープシューター》――弘世菫! しかし、大差がつくには至りませんでした!!』
――《劫初》控え室
巴『ロン、2000は2300』
菫『……はい』
エイスリン「スミレ、フーリコーンダー!!」
憩「あーあーあー。これは今日の試合が終わったら、またキツーいお仕置きせなあきまへんなー」
衣「すみれのうつけ者め。灰燼にしてくれる」
智葉「そう言ってやるな。トップを譲ったわけじゃない。恐らく、振り込む前提で、わざと大星だけに集中して、狩宿を意識の外に追いやったのだろう。消極的差し込みってやつだな」
憩「にしても、《超新星》さん、最後まで不発でしたね。
ま、逆に、不発で不調でこれだけ菫さんたちに張り合えるんやから、ホンマ大したもんやけど。たぶん、去年の衣ちゃんより強いんちゃう、あの子」
衣「烏滸事をッ!!」
智葉「潜在能力は評価しよう。だが、結果は結果。次に期待だな」
エイスリン「ツギガ、アレバ、イイケドナ!!」
憩「いち《煌星》ファンとして、あれがあの子の一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》最後の和了りにならんことを祈るばかりですわー」
淡『ツモ、3000・6000』
『先鋒戦終了! 制したのは安定した強さを見せた《シャープシューター》――弘世菫! しかし、大差がつくには至りませんでした!!』
674:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 19:03:12.73 :0DAp6Rns0
憩「はー、終わった終わった。なんやかんやで点数真っ平らやんかー。菫さんにはもっと頑張ってもらわんと、後に続くウチらがしんどいでー」
智葉「心にもないことを言うな、荒川。いや、しかし……《悪魔》に心を期待するほうが間違っているか」
憩「もーガイトさんは顔だけやなく口も悪いんやからー」
智葉「ぶち殺すぞお前」
憩「理不尽ですーぅ!!」
衣「だが、さとはは事実を言ったまで。貴様に心がないのは本当のことではないか、けい」
エイスリン「ケイノ、ココロハ、ユクエフメイニ、ナッタ!!」
憩「エイさんまで……!? みんなウチのことをなんやと思っとるんですかー!!」
智葉「《悪魔》だろ」
衣「《悪魔》」
エイスリン「《アクマ》ッ!!」
憩「こ、こんな可愛らしい子に向かってなんてことを……!!」
智葉「違うと思うなら、菫にも聞いてみればいい」
憩「はー、終わった終わった。なんやかんやで点数真っ平らやんかー。菫さんにはもっと頑張ってもらわんと、後に続くウチらがしんどいでー」
智葉「心にもないことを言うな、荒川。いや、しかし……《悪魔》に心を期待するほうが間違っているか」
憩「もーガイトさんは顔だけやなく口も悪いんやからー」
智葉「ぶち殺すぞお前」
憩「理不尽ですーぅ!!」
衣「だが、さとはは事実を言ったまで。貴様に心がないのは本当のことではないか、けい」
エイスリン「ケイノ、ココロハ、ユクエフメイニ、ナッタ!!」
憩「エイさんまで……!? みんなウチのことをなんやと思っとるんですかー!!」
智葉「《悪魔》だろ」
衣「《悪魔》」
エイスリン「《アクマ》ッ!!」
憩「こ、こんな可愛らしい子に向かってなんてことを……!!」
智葉「違うと思うなら、菫にも聞いてみればいい」
675:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 19:05:49.77 :0DAp6Rns0
ガラッ
菫「ただいま戻ったぞ…………と、どうした?」
一位:弘世菫・+6100(劫初・106100)
憩「おおっ! おかえりなさい、菫さんっ! いきなりやけど聞いてくださいっ!
さっきからみんなしてウチのこと心のない《悪魔》や言うんで」
菫「その通りじゃないか」
憩「食い気味で即答されたー!?」
智葉「ほらな」
衣「どんまい、けい!」
エイスリン「ウケイレロ!!」
菫「えーっと……」
憩「いやーもーこれショックですわー悲しいですわーこうなったら憂さ晴らしに対戦相手をギタギタにしたろー」
智葉「勢い余ってトばすなよ。三回戦に臨む前に、私も一度くらいは試し斬りをしておきたい」
エイスリン「サトハ、コソ、トバスナヨ! ワタシモ、タメシガキ、シタイ!!」
衣「えいすりんこそ、ちゃんと衣まで回すのだぞ! 衣も有象無象を粉微塵にしたいっ!」
菫「……お前たちの対戦相手には心から同情するぞ……」
――――
ガラッ
菫「ただいま戻ったぞ…………と、どうした?」
一位:弘世菫・+6100(劫初・106100)
憩「おおっ! おかえりなさい、菫さんっ! いきなりやけど聞いてくださいっ!
さっきからみんなしてウチのこと心のない《悪魔》や言うんで」
菫「その通りじゃないか」
憩「食い気味で即答されたー!?」
智葉「ほらな」
衣「どんまい、けい!」
エイスリン「ウケイレロ!!」
菫「えーっと……」
憩「いやーもーこれショックですわー悲しいですわーこうなったら憂さ晴らしに対戦相手をギタギタにしたろー」
智葉「勢い余ってトばすなよ。三回戦に臨む前に、私も一度くらいは試し斬りをしておきたい」
エイスリン「サトハ、コソ、トバスナヨ! ワタシモ、タメシガキ、シタイ!!」
衣「えいすりんこそ、ちゃんと衣まで回すのだぞ! 衣も有象無象を粉微塵にしたいっ!」
菫「……お前たちの対戦相手には心から同情するぞ……」
――――
676:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 19:09:20.31 :0DAp6Rns0
――――
淡(なんとか三位に滑り込んだけど……結局ダブリーは一回も成功しなかった。
後半戦はぼちぼち調子も戻ってきてた気がするのになぁ。それでもなお、思うようにいかない。
これが一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》……ただ単純に、敵が手強い、か)
三位:大星淡・-2200(煌星・97800)
桃子「ちわーっす」ユラッ
淡「うわ!? まーたモモコ!! びっくりさせないでよーっ!?」
桃子「普通に声かけただけっすよ。こっちはちゃんと目立つようにサンバ踊りながら歩いてたっす。下を向いてなければ気付けてたっす、たぶん」
淡「面目ない……」シュン
桃子「でも、きらめ先輩は褒めてたっすよ。超新星さん、最後まで冷静に戦い抜いた。結果は結果でしかないって」
淡「ぅぅぅぅ……」ウルウル
桃子「本当に……仕方のない人っすね。ほら、いいっすよ。胸なら貸してあげるっす。ついでに気配も消しとくっす。
近くには誰もいないっすから、一人で枕を濡らすつもりで泣いたらいいっすよ」
淡「モモコー!! 気を抜くと惚れちゃいそうだよー!!」ガバッ
桃子「いいってことっす。代わりに、超新星さんのパワー、ちょっとだけ分けてもらうっすから」ギュ
淡「いくらでも使ってー!!」ギュー
――――
淡(なんとか三位に滑り込んだけど……結局ダブリーは一回も成功しなかった。
後半戦はぼちぼち調子も戻ってきてた気がするのになぁ。それでもなお、思うようにいかない。
これが一軍決定戦《ファーストクラス・トーナメント》……ただ単純に、敵が手強い、か)
三位:大星淡・-2200(煌星・97800)
桃子「ちわーっす」ユラッ
淡「うわ!? まーたモモコ!! びっくりさせないでよーっ!?」
桃子「普通に声かけただけっすよ。こっちはちゃんと目立つようにサンバ踊りながら歩いてたっす。下を向いてなければ気付けてたっす、たぶん」
淡「面目ない……」シュン
桃子「でも、きらめ先輩は褒めてたっすよ。超新星さん、最後まで冷静に戦い抜いた。結果は結果でしかないって」
淡「ぅぅぅぅ……」ウルウル
桃子「本当に……仕方のない人っすね。ほら、いいっすよ。胸なら貸してあげるっす。ついでに気配も消しとくっす。
近くには誰もいないっすから、一人で枕を濡らすつもりで泣いたらいいっすよ」
淡「モモコー!! 気を抜くと惚れちゃいそうだよー!!」ガバッ
桃子「いいってことっす。代わりに、超新星さんのパワー、ちょっとだけ分けてもらうっすから」ギュ
淡「いくらでも使ってー!!」ギュー
677:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 19:12:12.23 :0DAp6Rns0
桃子「……次鋒戦、《劫初》と《夜行》――どっちも一番強い人が出てくるっす」
淡「……そうだね」
桃子「私の力でどこまでやれるか、不安しかないっすよ」
淡「モモコ……」
桃子「超新星さん……私が負けたら、同じように慰めてくれるっすか?」
淡「それは断固拒否っ!!」
桃子「えええーっ!?」
淡「私の胸は敗北者に貸すほど安くないんだよっ! 借りたいなら、勝って帰ってこなきゃダメっ!! わかった!?」
桃子「……まったく、私の胸を水浸しにしておきながら、横暴ここに極まれりっす」
淡「なんとでも言ってよねーん!」
桃子「ま、いいっすよ、超新星さんはそれで。私は私なりに頑張るっす。
それで負けたら、きらめ先輩が励ましてくれる。勝ったら、超新星さんが褒めてくれる。安心して対局に臨めるってもんっす」
淡「お願いね、モモコ!」
桃子「任せてください。必ず取り返してくるっすよ……!!」ゴッ
桃子「……次鋒戦、《劫初》と《夜行》――どっちも一番強い人が出てくるっす」
淡「……そうだね」
桃子「私の力でどこまでやれるか、不安しかないっすよ」
淡「モモコ……」
桃子「超新星さん……私が負けたら、同じように慰めてくれるっすか?」
淡「それは断固拒否っ!!」
桃子「えええーっ!?」
淡「私の胸は敗北者に貸すほど安くないんだよっ! 借りたいなら、勝って帰ってこなきゃダメっ!! わかった!?」
桃子「……まったく、私の胸を水浸しにしておきながら、横暴ここに極まれりっす」
淡「なんとでも言ってよねーん!」
桃子「ま、いいっすよ、超新星さんはそれで。私は私なりに頑張るっす。
それで負けたら、きらめ先輩が励ましてくれる。勝ったら、超新星さんが褒めてくれる。安心して対局に臨めるってもんっす」
淡「お願いね、モモコ!」
桃子「任せてください。必ず取り返してくるっすよ……!!」ゴッ
678:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 19:15:08.43 :0DAp6Rns0
――《夜行》控え室
絃「まったく稼げなかった……」
二位:霜崎絃・+0(夜行・100000)
藍子「全然っ! 二位なら問題なっしんぐでぇーすっ!! あとは私たちにお任せください」
絃「ありがとう、藍子。あなたには……助けられてばっかりだ」
藍子「いえいえ、それほどでもー!!」
利仙「……さて、そろそろ時間ですか」
いちご「利仙……相手はあの《悪魔》じゃ。無理はせんでええけえの」
利仙「ふふっ、佐々野さん。私の心配なんて、いつからそんなに偉くなられたんですか?」
いちご「こ、の……言ってんさいっ!」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「あははっ、確かに! いちごさんの心配をしたことはあっても、利仙さんの心配をしたことはないかもっ!!」
いちご「わ、わりゃあらまで!?」
絃「実際、利仙は安定してるから、落ち着いて見ていられる。いちごも別に弱くないけれど、あなたの麻雀は心臓に悪い」
いちご「うううぅ……ボロ負けしたらみんなのせいじゃけえのっ!」
利仙「そうなっても大丈夫なように、私がいるのです。佐々野さんの分まで稼いできますよ。お任せください」
藍子「任せましたっ!」
いちご「わら負けたら承知せんからなーっ!!」
絃「普通に負けないと思うけどな。利仙なら」
もこ「」ブツブツブツブツ
利仙「ありがとうございます、皆さん。では、行って参ります――」ゴッ
――《夜行》控え室
絃「まったく稼げなかった……」
二位:霜崎絃・+0(夜行・100000)
藍子「全然っ! 二位なら問題なっしんぐでぇーすっ!! あとは私たちにお任せください」
絃「ありがとう、藍子。あなたには……助けられてばっかりだ」
藍子「いえいえ、それほどでもー!!」
利仙「……さて、そろそろ時間ですか」
いちご「利仙……相手はあの《悪魔》じゃ。無理はせんでええけえの」
利仙「ふふっ、佐々野さん。私の心配なんて、いつからそんなに偉くなられたんですか?」
いちご「こ、の……言ってんさいっ!」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「あははっ、確かに! いちごさんの心配をしたことはあっても、利仙さんの心配をしたことはないかもっ!!」
いちご「わ、わりゃあらまで!?」
絃「実際、利仙は安定してるから、落ち着いて見ていられる。いちごも別に弱くないけれど、あなたの麻雀は心臓に悪い」
いちご「うううぅ……ボロ負けしたらみんなのせいじゃけえのっ!」
利仙「そうなっても大丈夫なように、私がいるのです。佐々野さんの分まで稼いできますよ。お任せください」
藍子「任せましたっ!」
いちご「わら負けたら承知せんからなーっ!!」
絃「普通に負けないと思うけどな。利仙なら」
もこ「」ブツブツブツブツ
利仙「ありがとうございます、皆さん。では、行って参ります――」ゴッ
679:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 19:18:58.48 :0DAp6Rns0
――《新道寺》控え室
華菜「巴さーんっ! 大活躍でしたねー!!」
巴「うん、いや、ラスなんだけどね……」
四位:狩宿巴・-3900(新道寺・96100)
仁美「あの面子ば相手に、半荘二回でトップと一万点差しかついとらん。さすがの《落石の巫女》と」
巴「喜んでいいのやら悪いのやら。ま、私なりに仕事はしたつもりです。あとは……皆さんに託します」
友清「任せっとですよーっ! いよいよ私の本気ば見せるときが来たとですーっ!!」
美子「友清、本当に、決して油断ばしたらいかん。相手はあの《悪魔》ぞ」
友清「大丈夫とですよー。強か強か言うても、レベル5の姫子せんぱいほどじゃなかとですよね?」
仁美「確かに能力アリの姫子ないよか勝負のできるばってん……そいでん、よか勝負止まりと。
一年の最初に二人の戦ったとき、あん《悪魔》は、姫子の役満ば親っ被ってもトップば取っとった。それくらい強か」
友清「えーっ?」
華菜「ま、別に好きなように打ってくればいいし! 負けてもあたしが取り返すし!」
友清「やけん、私は負けんとですー!!」
仁美「まあ……変に弱気になるよりはよかか。
そいたら、友清。あんたの大好きな姫子も、きっと私らの牌譜ばあとから見るやろ。笑われんよう、しっかり打ってきんしゃい!」
友清「姫子せんぱい……!! そいですね。江崎せんぱい、ナイスアドバイスとですっ! 俄然やる気になってきたとですよー!!」
美子「ほんに……友清は姫子のことばっかやなぁ」
巴「頑張ってね、友清さん」
友清「はいっ! そいたら……行ってくっとですーっ!」ゴッ
――《新道寺》控え室
華菜「巴さーんっ! 大活躍でしたねー!!」
巴「うん、いや、ラスなんだけどね……」
四位:狩宿巴・-3900(新道寺・96100)
仁美「あの面子ば相手に、半荘二回でトップと一万点差しかついとらん。さすがの《落石の巫女》と」
巴「喜んでいいのやら悪いのやら。ま、私なりに仕事はしたつもりです。あとは……皆さんに託します」
友清「任せっとですよーっ! いよいよ私の本気ば見せるときが来たとですーっ!!」
美子「友清、本当に、決して油断ばしたらいかん。相手はあの《悪魔》ぞ」
友清「大丈夫とですよー。強か強か言うても、レベル5の姫子せんぱいほどじゃなかとですよね?」
仁美「確かに能力アリの姫子ないよか勝負のできるばってん……そいでん、よか勝負止まりと。
一年の最初に二人の戦ったとき、あん《悪魔》は、姫子の役満ば親っ被ってもトップば取っとった。それくらい強か」
友清「えーっ?」
華菜「ま、別に好きなように打ってくればいいし! 負けてもあたしが取り返すし!」
友清「やけん、私は負けんとですー!!」
仁美「まあ……変に弱気になるよりはよかか。
そいたら、友清。あんたの大好きな姫子も、きっと私らの牌譜ばあとから見るやろ。笑われんよう、しっかり打ってきんしゃい!」
友清「姫子せんぱい……!! そいですね。江崎せんぱい、ナイスアドバイスとですっ! 俄然やる気になってきたとですよー!!」
美子「ほんに……友清は姫子のことばっかやなぁ」
巴「頑張ってね、友清さん」
友清「はいっ! そいたら……行ってくっとですーっ!」ゴッ
680:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/03(土) 19:21:23.50 :0DAp6Rns0
――対局室
憩「よろしくなー」
北家:荒川憩(劫初・106100)
桃子「よろしくっす」
東家:東横桃子(煌星・97800)
友清「よろしくとですっ!」
西家:友清(新道寺・96100)
利仙「よろしくお願いいたします」
南家:藤原利仙(夜行・100000)
『次鋒戦前半……開始です!!』
――対局室
憩「よろしくなー」
北家:荒川憩(劫初・106100)
桃子「よろしくっす」
東家:東横桃子(煌星・97800)
友清「よろしくとですっ!」
西家:友清(新道寺・96100)
利仙「よろしくお願いいたします」
南家:藤原利仙(夜行・100000)
『次鋒戦前半……開始です!!』
687:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 19:31:49.55 :dbMVuUxv0
東一局・親:桃子
桃子(学園都市のナンバー2……《白衣の悪魔》。当面の最大警戒人物はこのナースさんっすね。
きらめ先輩の話では、手を高める以外では決して裏目らない脅威のテンパイ効率を誇るとのこと……)タンッ
憩「♪」タンッ
桃子(それを可能にしているのが、通称《悪魔の目》だったっすか。嘘かホントか、相手の手牌だけでなく山牌すらシースルーっていう超チート性能の千里眼。
加えて、あの《新約》のおっぱいさんすら足元にも及ばないらしいスパコン級の演算能力……)
桃子(スペックが人間離れし過ぎてて、どれくらいすごいのか想像もできないっす。
きらめ先輩曰く、合宿のときの博士さんのパソコン――あのAIが、山牌と手牌をフルオープンの状態で打ち回してくる感じに近い……とかなんとか)
桃子(ただ、気をつけなくちゃいけないのは、機械と違って純粋に効率の良さだけを求める打ち筋じゃないってことっす。それが、《デジタルの神の化身》――おっぱいさんとの最大の違い)
桃子(この人は、おっぱいさんのように、何千局スパンの勝率を考慮して打ってるわけじゃない。
その場、その局、その面子――デジタルだけでなく、リアルもオカルトも計算に織り込んで、最適な解を弾き出す……)
桃子(否、最低な解をはじき出す……だったっすよね。このナースさんが《悪魔》と揶揄される由縁。過去の牌譜を見ても、時々、背筋が凍るような打ち回しを見せることがあった)
桃子(速いだけじゃない。強いだけじゃない。すごいだけじゃない。速くて強くてすごいのは、むしろ同じチームの天使さんのほうっす。
この人は……そんな天使さん以上の力を持つ大天使のはずなのに、《悪魔》へと成り果てた堕天使。
天使なんかじゃないんだってことを、あくまで悪魔なんだってことを肝に銘じておかないと、点棒どころか心まで削り取られるっす……!!)
東一局・親:桃子
桃子(学園都市のナンバー2……《白衣の悪魔》。当面の最大警戒人物はこのナースさんっすね。
きらめ先輩の話では、手を高める以外では決して裏目らない脅威のテンパイ効率を誇るとのこと……)タンッ
憩「♪」タンッ
桃子(それを可能にしているのが、通称《悪魔の目》だったっすか。嘘かホントか、相手の手牌だけでなく山牌すらシースルーっていう超チート性能の千里眼。
加えて、あの《新約》のおっぱいさんすら足元にも及ばないらしいスパコン級の演算能力……)
桃子(スペックが人間離れし過ぎてて、どれくらいすごいのか想像もできないっす。
きらめ先輩曰く、合宿のときの博士さんのパソコン――あのAIが、山牌と手牌をフルオープンの状態で打ち回してくる感じに近い……とかなんとか)
桃子(ただ、気をつけなくちゃいけないのは、機械と違って純粋に効率の良さだけを求める打ち筋じゃないってことっす。それが、《デジタルの神の化身》――おっぱいさんとの最大の違い)
桃子(この人は、おっぱいさんのように、何千局スパンの勝率を考慮して打ってるわけじゃない。
その場、その局、その面子――デジタルだけでなく、リアルもオカルトも計算に織り込んで、最適な解を弾き出す……)
桃子(否、最低な解をはじき出す……だったっすよね。このナースさんが《悪魔》と揶揄される由縁。過去の牌譜を見ても、時々、背筋が凍るような打ち回しを見せることがあった)
桃子(速いだけじゃない。強いだけじゃない。すごいだけじゃない。速くて強くてすごいのは、むしろ同じチームの天使さんのほうっす。
この人は……そんな天使さん以上の力を持つ大天使のはずなのに、《悪魔》へと成り果てた堕天使。
天使なんかじゃないんだってことを、あくまで悪魔なんだってことを肝に銘じておかないと、点棒どころか心まで削り取られるっす……!!)
688:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 19:50:02.35 :dbMVuUxv0
憩「おっ、ツモや。1000・2000」カチャカチャパラララ
桃子(門前のスピード勝負で上を行かれたっ!? 覚悟してたっすけど、こんなに差があるもんっすか。この速度がこの人の平常運転だとすると、かなりキツいっす。どうしたもんっすかね……)
友清(安かっ!? んー……細かく刻まるっと能力の使いどころの難しかですね。ひとまず、もう少し様子ば見るとですよーっ!)
利仙(和了るときまで理牌しないクセ――相変わらずですね。荒川さんは、他家が理牌をしている間に、卓上の牌という牌を観測して、無数の和了りルートを演算していると言われています……)
憩「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
利仙(かつて、古典力学が席巻した古代。世界は運動方程式で十全に記述できると信じられていた頃――)
利仙(もし、全ての原子の位置と運動量を観測し知ることができれば、運動方程式を用いて、過去、未来のあらゆる現象を、純粋な計算のみによって導き出すことができるのではないか――という問題提起がなされました)
利仙(そのような『観測力』と、観測結果を元に世界の過現未を把握できるほどの『演算力』を持った、極めて『知性』的な存在。
それを、当時の人々は、畏怖を込めて『悪魔』と呼んだわけですね)
憩「おっ、ツモや。1000・2000」カチャカチャパラララ
桃子(門前のスピード勝負で上を行かれたっ!? 覚悟してたっすけど、こんなに差があるもんっすか。この速度がこの人の平常運転だとすると、かなりキツいっす。どうしたもんっすかね……)
友清(安かっ!? んー……細かく刻まるっと能力の使いどころの難しかですね。ひとまず、もう少し様子ば見るとですよーっ!)
利仙(和了るときまで理牌しないクセ――相変わらずですね。荒川さんは、他家が理牌をしている間に、卓上の牌という牌を観測して、無数の和了りルートを演算していると言われています……)
憩「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
利仙(かつて、古典力学が席巻した古代。世界は運動方程式で十全に記述できると信じられていた頃――)
利仙(もし、全ての原子の位置と運動量を観測し知ることができれば、運動方程式を用いて、過去、未来のあらゆる現象を、純粋な計算のみによって導き出すことができるのではないか――という問題提起がなされました)
利仙(そのような『観測力』と、観測結果を元に世界の過現未を把握できるほどの『演算力』を持った、極めて『知性』的な存在。
それを、当時の人々は、畏怖を込めて『悪魔』と呼んだわけですね)
689:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 19:59:53.96 :dbMVuUxv0
利仙(荒川さんは、麻雀において、古典力学におけるその悪魔と、ほとんど同様のことができます。
卓上の全ての牌の位置と種類を見抜く驚異の『観測力』。
そこから考えられる無数の道筋を、他家が理牌するほんの数十秒のうちに解析してしまう脅威の『演算力』。
さらには、心理学や医学を応用して、こちらの心の動きすらも正確に読み取ってくるという、恐怖の『人心把握力』)
利仙(荒川さんの有する《悪魔の目》とは、つまり、これらの人智を超えた知性の総称です。
この《悪魔の目》を駆使して、荒川さんは、おおよそ人のすることではない所業を、次々にやってのける)
利仙(それが、学園都市のナンバー2――《白衣の悪魔》という雀士)
利仙(まあ……理論的に言えば、伏せられた牌は未決定のはずなのですけどね。真偽のほどはわかりませんが、荒川さんの《悪魔の目》には、山牌の並びが『見える』といいます。
世界中のどこを探しても、過去の歴史を紐解いても、はたまた未来に思いを馳せても、荒川さんと同値の人間は、決して存在し得ないそうだとか。彼女が《特例》と称される由縁ですね)
利仙(とは言え、あまり意識し過ぎてもいけません。荒川さんは《特例》であっても、あくまで《悪魔》な無能力者。古典確率論に縛られている以上、無限に和了り続けることは、物理的に不可能です)
利仙(そして、無能力者であるがゆえに、荒川さんはこちらの確率干渉を根本から断ち切る術を持たない。たとえ彼女が何をしようと、私の能力は常に有効ということです。
なら、私は私のベストを尽くしましょう。恐らく、それがこの《悪魔》にとって、最も効果的な対策のはずです……)
利仙「さて、私の親番ですね」コロコロ
桃子:95800 利仙:99000 友清:95100 憩:110100
利仙(荒川さんは、麻雀において、古典力学におけるその悪魔と、ほとんど同様のことができます。
卓上の全ての牌の位置と種類を見抜く驚異の『観測力』。
そこから考えられる無数の道筋を、他家が理牌するほんの数十秒のうちに解析してしまう脅威の『演算力』。
さらには、心理学や医学を応用して、こちらの心の動きすらも正確に読み取ってくるという、恐怖の『人心把握力』)
利仙(荒川さんの有する《悪魔の目》とは、つまり、これらの人智を超えた知性の総称です。
この《悪魔の目》を駆使して、荒川さんは、おおよそ人のすることではない所業を、次々にやってのける)
利仙(それが、学園都市のナンバー2――《白衣の悪魔》という雀士)
利仙(まあ……理論的に言えば、伏せられた牌は未決定のはずなのですけどね。真偽のほどはわかりませんが、荒川さんの《悪魔の目》には、山牌の並びが『見える』といいます。
世界中のどこを探しても、過去の歴史を紐解いても、はたまた未来に思いを馳せても、荒川さんと同値の人間は、決して存在し得ないそうだとか。彼女が《特例》と称される由縁ですね)
利仙(とは言え、あまり意識し過ぎてもいけません。荒川さんは《特例》であっても、あくまで《悪魔》な無能力者。古典確率論に縛られている以上、無限に和了り続けることは、物理的に不可能です)
利仙(そして、無能力者であるがゆえに、荒川さんはこちらの確率干渉を根本から断ち切る術を持たない。たとえ彼女が何をしようと、私の能力は常に有効ということです。
なら、私は私のベストを尽くしましょう。恐らく、それがこの《悪魔》にとって、最も効果的な対策のはずです……)
利仙「さて、私の親番ですね」コロコロ
桃子:95800 利仙:99000 友清:95100 憩:110100
690:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 20:06:23.06 :dbMVuUxv0
――《劫初》控え室
憩『ロン、1300』
友清『はっ――はい……』
菫「相変わらず目がモニターと繋がっているのかっていうくらい、見透かしたように和了るやつだ。感知系能力者も真っ青だろう」
智葉「一巡先が見える園城寺、様々なリアルの情報から他家の手牌を見通す福路や清水谷竜華、相手の手の高さを感じ取る天江、和了り牌がどこにあるかわかる百鬼……等々。
その手の感知系能力や洞察技術を全て足し合わせたのが、あの《悪魔の目》だからな。その上、知覚した情報は決して忘れないという完全記憶能力まで持っていやがる。
実際、そこらのモニターより格段に高性能だと思うぞ」
エイスリン「ケイ、オソロシイ、コ!!」
衣「ま、それでも衣には及ばないがなっ!」
憩『ツモ、400・700』
菫「というか、実際どうなんだ。荒川とお前と神代――《三強》の中の序列というのは。
一年の初めの頃は、よく松実さんの妹を誘って、《4K》の集いというのをしていたんだろう?」
衣「言わずもがな、トップ率一位は衣だっ!」
智葉「総合ポイントだとどうなる?」
衣「む……それだと、まあ、けいのほうが上だな。衣は月が欠けているとマイナスになったりするが、けいは常にプラスをキープする」
エイスリン「ナラ、オニハ、サイジャク?」
衣「極大誤解っ! それは違うぞ、えいすりん。衣もけいも、《三強》で一番畏るべき存在はこまきだと確信している。衣たち三人の中で最も稀代で偉大な打ち手――それがこまきだっ!」
――《劫初》控え室
憩『ロン、1300』
友清『はっ――はい……』
菫「相変わらず目がモニターと繋がっているのかっていうくらい、見透かしたように和了るやつだ。感知系能力者も真っ青だろう」
智葉「一巡先が見える園城寺、様々なリアルの情報から他家の手牌を見通す福路や清水谷竜華、相手の手の高さを感じ取る天江、和了り牌がどこにあるかわかる百鬼……等々。
その手の感知系能力や洞察技術を全て足し合わせたのが、あの《悪魔の目》だからな。その上、知覚した情報は決して忘れないという完全記憶能力まで持っていやがる。
実際、そこらのモニターより格段に高性能だと思うぞ」
エイスリン「ケイ、オソロシイ、コ!!」
衣「ま、それでも衣には及ばないがなっ!」
憩『ツモ、400・700』
菫「というか、実際どうなんだ。荒川とお前と神代――《三強》の中の序列というのは。
一年の初めの頃は、よく松実さんの妹を誘って、《4K》の集いというのをしていたんだろう?」
衣「言わずもがな、トップ率一位は衣だっ!」
智葉「総合ポイントだとどうなる?」
衣「む……それだと、まあ、けいのほうが上だな。衣は月が欠けているとマイナスになったりするが、けいは常にプラスをキープする」
エイスリン「ナラ、オニハ、サイジャク?」
衣「極大誤解っ! それは違うぞ、えいすりん。衣もけいも、《三強》で一番畏るべき存在はこまきだと確信している。衣たち三人の中で最も稀代で偉大な打ち手――それがこまきだっ!」
691:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 20:12:09.58 :dbMVuUxv0
菫「しかし、トップ率一位がお前で、総合ポイントトップが荒川なら、神代はお前たちにやや及ばないということにならないか?」
衣「無論、記録の上ではな。だが、それは、衣とけいが少々賢しいだけなのだ」
智葉「賢しい、とは?」
衣「衣とけいは……よくも悪くも人間離れした人間に過ぎない。衣は能力と支配力が比類なく、けいはそれ以外の才能が人智を超えている――言ってしまえば、それだけの人間なのだ。
衣とけいはヒトの身で麻雀を打つ。ゆえに、記録という、ヒトの世界の尺度においては、こまきを上回る結果を残す。
が……本当の意味でヒトの領域から外れる者――《神の領域に踏み込む者》は、あの宮永照という《頂点》を除けば、この学園都市で唯一、こまきだけだろう。
嘘だと思うなら、こまきがトップを取ったときの牌譜を見せてやる。驚々愕々必至だぞ」
菫「正直あまり見たくはないな……。その、要点だけ聞かせてくれ。神代がトップのときは、何がどう驚愕なんだ?」
衣「なに、言葉にすれば簡単なこと。こまき……あやつは、衣とけい――《三強》と言われる雀士を二人同時に、さながら風の前の塵の如く、鎧袖一触、骨も灰も残さず一瞬でトばすことができる!!」
エイスリン「マサニ、《キシン》!!」
智葉「一度打ってみたいものだな」
菫「聞けば聞くほど松実さんの妹が不憫でならない……」
憩『ツモ、1300オール』
衣「と……そう言えば、こまきの話で一つ、思い出したことがある」
智葉「ほう、次はどんな怪談話を聞かせてくれるんだ?」
菫「しかし、トップ率一位がお前で、総合ポイントトップが荒川なら、神代はお前たちにやや及ばないということにならないか?」
衣「無論、記録の上ではな。だが、それは、衣とけいが少々賢しいだけなのだ」
智葉「賢しい、とは?」
衣「衣とけいは……よくも悪くも人間離れした人間に過ぎない。衣は能力と支配力が比類なく、けいはそれ以外の才能が人智を超えている――言ってしまえば、それだけの人間なのだ。
衣とけいはヒトの身で麻雀を打つ。ゆえに、記録という、ヒトの世界の尺度においては、こまきを上回る結果を残す。
が……本当の意味でヒトの領域から外れる者――《神の領域に踏み込む者》は、あの宮永照という《頂点》を除けば、この学園都市で唯一、こまきだけだろう。
嘘だと思うなら、こまきがトップを取ったときの牌譜を見せてやる。驚々愕々必至だぞ」
菫「正直あまり見たくはないな……。その、要点だけ聞かせてくれ。神代がトップのときは、何がどう驚愕なんだ?」
衣「なに、言葉にすれば簡単なこと。こまき……あやつは、衣とけい――《三強》と言われる雀士を二人同時に、さながら風の前の塵の如く、鎧袖一触、骨も灰も残さず一瞬でトばすことができる!!」
エイスリン「マサニ、《キシン》!!」
智葉「一度打ってみたいものだな」
菫「聞けば聞くほど松実さんの妹が不憫でならない……」
憩『ツモ、1300オール』
衣「と……そう言えば、こまきの話で一つ、思い出したことがある」
智葉「ほう、次はどんな怪談話を聞かせてくれるんだ?」
692:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 20:21:02.55 :dbMVuUxv0
衣「いや、こまきから聞いたというだけで、こまきの話ではない。別の雀士の話だ。
なんでも、こまきが中等二年の頃に、いんたーみどるを目指して特訓がしたいからと、霧島に足しげく通ってきた一人の雀士がいたそうな。
巫女修行になるからと、こまきや分家の者どもも、快く受け入れたらしい」
エイスリン「フンフム……?」
衣「かの者は、当時、麻雀を始めてまだ半年かそこらだったそうだ。
だが、元々素質があったのか、霧島に通うようになってから瞬く間に腕を上げ、たった一ヶ月ほどで、こまきや分家の者どもと渡り合うほどに成長したという」
菫「霧島というと、先ほどの狩宿もそうだし、薄墨、それに石戸もそうだな。たった一ヶ月であいつらに追いついたというのだから、並みの打ち手ではあるまい。そいつは能力者か何かだったのか?」
衣「こまきと同じ属性を持つ雀士――即ち《神憑き》。強大な神通力の持ち主だと、こまきは手放しで賞賛していた。無論、こまきの最高状態には及ぶべくもないが」
智葉「その《神憑き》は神代と同郷なんだよな? 名はなんという?」
衣「なんだったか……えっとだな、後のいんたーみどるで見事に地区代表の座についたかの者は、勢いそのままに全国でも好成績を収め、その打ち筋から《花散る里の天女》と称されたらしい。
ついた異名が――《百花仙》」
エイスリン「ヒャッカセン……!?」
智葉「ちなみにだが、今、荒川の対面に藤原利仙という雀士がいる。聞き覚えは?」
衣「そいつだっ!?」
智葉「だろうな。神代と同郷で、霧島の巫女以外の《神憑き》……十中八九、あの《最愛》の大能力者――藤原利仙のことだと思った」
菫「一応聞いておくが、荒川と神代の相性はどうなんだ?」
衣「若干ではあるが、けいは衣より、こまきに打ち負けることのほうが多い。
けいは基本的に振り込まないから、高打点の出和了りを好む衣より、ツモを連発するこまきのほうが、けいを削りやすいのだ」
智葉「なら、藤原との相性も、決して良くはないだろうな」
エイスリン「ヒャッカセン、ツモ、オオイヨ!」
衣「なに、こまきならともかく、猪口才なそこらの《神憑き》程度にけいが遅れを取るわけが――」
利仙『ツモ……3000・6000の一本付けです』
菫「やはりこの次鋒戦最大の障害はあいつか。元《一桁ナンバー》……ナンバー10――藤原利仙ッ!!」
衣「いや、こまきから聞いたというだけで、こまきの話ではない。別の雀士の話だ。
なんでも、こまきが中等二年の頃に、いんたーみどるを目指して特訓がしたいからと、霧島に足しげく通ってきた一人の雀士がいたそうな。
巫女修行になるからと、こまきや分家の者どもも、快く受け入れたらしい」
エイスリン「フンフム……?」
衣「かの者は、当時、麻雀を始めてまだ半年かそこらだったそうだ。
だが、元々素質があったのか、霧島に通うようになってから瞬く間に腕を上げ、たった一ヶ月ほどで、こまきや分家の者どもと渡り合うほどに成長したという」
菫「霧島というと、先ほどの狩宿もそうだし、薄墨、それに石戸もそうだな。たった一ヶ月であいつらに追いついたというのだから、並みの打ち手ではあるまい。そいつは能力者か何かだったのか?」
衣「こまきと同じ属性を持つ雀士――即ち《神憑き》。強大な神通力の持ち主だと、こまきは手放しで賞賛していた。無論、こまきの最高状態には及ぶべくもないが」
智葉「その《神憑き》は神代と同郷なんだよな? 名はなんという?」
衣「なんだったか……えっとだな、後のいんたーみどるで見事に地区代表の座についたかの者は、勢いそのままに全国でも好成績を収め、その打ち筋から《花散る里の天女》と称されたらしい。
ついた異名が――《百花仙》」
エイスリン「ヒャッカセン……!?」
智葉「ちなみにだが、今、荒川の対面に藤原利仙という雀士がいる。聞き覚えは?」
衣「そいつだっ!?」
智葉「だろうな。神代と同郷で、霧島の巫女以外の《神憑き》……十中八九、あの《最愛》の大能力者――藤原利仙のことだと思った」
菫「一応聞いておくが、荒川と神代の相性はどうなんだ?」
衣「若干ではあるが、けいは衣より、こまきに打ち負けることのほうが多い。
けいは基本的に振り込まないから、高打点の出和了りを好む衣より、ツモを連発するこまきのほうが、けいを削りやすいのだ」
智葉「なら、藤原との相性も、決して良くはないだろうな」
エイスリン「ヒャッカセン、ツモ、オオイヨ!」
衣「なに、こまきならともかく、猪口才なそこらの《神憑き》程度にけいが遅れを取るわけが――」
利仙『ツモ……3000・6000の一本付けです』
菫「やはりこの次鋒戦最大の障害はあいつか。元《一桁ナンバー》……ナンバー10――藤原利仙ッ!!」
693:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 20:27:55.75 :dbMVuUxv0
――《煌星》控え室
煌「これが私のツモの分布、こちらが予選と一回戦での藤原利仙さんのツモの分布です」
友香「わっかりやすくど真ん中に寄ってるんでー」
淡「さっきの和了りも四五六の三色だったしね」
咲「筒子も多いよ」
煌「《筒子及び四五六牌が集まる》常時発動型の自牌干渉系能力――だと思われます。基本的にどういう手作りをしても断ヤオがつくというのが、わかりやすい特徴ですね」
淡「似たようなタイプの能力者だと、《豊穣》のあったかいお姉さんがそうだったっけ」
咲「赤い牌が寄る人だよね。ツモが偏ってる分だけ幅のある打ち方をしてたっていうか、あんまり弱点らしい弱点はなかったかな。かなり手強かった印象があるよ」
友香「しかも、藤原先輩は元《一桁ナンバー》――現ナンバー10。個人成績を比べるなら、松実先輩よりも強いことになる。崩すのは大変そうでー」
――《煌星》控え室
煌「これが私のツモの分布、こちらが予選と一回戦での藤原利仙さんのツモの分布です」
友香「わっかりやすくど真ん中に寄ってるんでー」
淡「さっきの和了りも四五六の三色だったしね」
咲「筒子も多いよ」
煌「《筒子及び四五六牌が集まる》常時発動型の自牌干渉系能力――だと思われます。基本的にどういう手作りをしても断ヤオがつくというのが、わかりやすい特徴ですね」
淡「似たようなタイプの能力者だと、《豊穣》のあったかいお姉さんがそうだったっけ」
咲「赤い牌が寄る人だよね。ツモが偏ってる分だけ幅のある打ち方をしてたっていうか、あんまり弱点らしい弱点はなかったかな。かなり手強かった印象があるよ」
友香「しかも、藤原先輩は元《一桁ナンバー》――現ナンバー10。個人成績を比べるなら、松実先輩よりも強いことになる。崩すのは大変そうでー」
694:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 20:33:10.87 :dbMVuUxv0
――対局室
南一局・親:桃子
桃子(天女さん……《筒子及び四五六牌》にツモが偏っている常時発動型の大能力者《レベル4》。来る牌がわかっているなら、その分テンパイ効率がいい。速いわけっすよね)
東家:東横桃子(煌星・91000)
利仙「」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
南家:藤原利仙(夜行・109600)
桃子(さらには、基本的にどう打っても断ヤオがつく上に、四五六の三色と赤ドラがデフォときてるっす。
リーチをかけずとも、ハネツモは余裕。決して裏目らないナースさんと互角の速度と、高打点のツモを見事に両立してるっす)
桃子(真ん中が寄りやすいだけなら、狙い撃ちも比較的楽だったっすけど、この人は筒子に染まることもある。
《豊穣》のマフラーさんが、萬子染めと見せかけた五六七三色とかを和了ってくるみたいに、なかなか的を絞らせてくれない。その辺りの上手さは、さすが元《一桁ナンバー》って感じっすね)
桃子(けど、天女さんのツモが偏ってるなら、私に流れてくる牌も、それ以外の牌に偏るはずっす。
そこを計算に組み込めば、ぎりぎり追いつけない速さじゃない。実際、この局はいい感じに手が伸びた……!)
桃子手牌:12346789二三四八八 ドラ:八
桃子(最初は二三四のタンピン三色でいけるかなって思ったっすけど、序盤で筒子を見切って正解だったっすね。索子が端っこからどんどん入ってきたっす。一通ドラドラ、ヤミで満貫)
――対局室
南一局・親:桃子
桃子(天女さん……《筒子及び四五六牌》にツモが偏っている常時発動型の大能力者《レベル4》。来る牌がわかっているなら、その分テンパイ効率がいい。速いわけっすよね)
東家:東横桃子(煌星・91000)
利仙「」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
南家:藤原利仙(夜行・109600)
桃子(さらには、基本的にどう打っても断ヤオがつく上に、四五六の三色と赤ドラがデフォときてるっす。
リーチをかけずとも、ハネツモは余裕。決して裏目らないナースさんと互角の速度と、高打点のツモを見事に両立してるっす)
桃子(真ん中が寄りやすいだけなら、狙い撃ちも比較的楽だったっすけど、この人は筒子に染まることもある。
《豊穣》のマフラーさんが、萬子染めと見せかけた五六七三色とかを和了ってくるみたいに、なかなか的を絞らせてくれない。その辺りの上手さは、さすが元《一桁ナンバー》って感じっすね)
桃子(けど、天女さんのツモが偏ってるなら、私に流れてくる牌も、それ以外の牌に偏るはずっす。
そこを計算に組み込めば、ぎりぎり追いつけない速さじゃない。実際、この局はいい感じに手が伸びた……!)
桃子手牌:12346789二三四八八 ドラ:八
桃子(最初は二三四のタンピン三色でいけるかなって思ったっすけど、序盤で筒子を見切って正解だったっすね。索子が端っこからどんどん入ってきたっす。一通ドラドラ、ヤミで満貫)
695:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 20:37:45.34 :dbMVuUxv0
桃子(天女さんは真ん中を寄せる。それはつまり、中盤を過ぎれば、真ん中が手から溢れてくるってことっす。
四索と六索が早々に切られてるから、五索はきっと不要牌。ステルス関係なく、撃ち落してやるっすよ……!!)
利仙(《煌星》の《ステルスモモ》――東横桃子さん、でしたか。事前の分析を元に、その場その場に合わせた能力対策を講じてくる。自身の能力に頼ることなくこれだけの闘牌ができるとは。
先鋒の《超新星》さんと比較してもなんら遜色ない技量。一年生の頃の私なら、手玉に取られていたかもしれません。それほどに確かな強さを持つ雀士。無論、一年生にしては、ですが)
利仙「カン」パラララ
桃子(五索を……暗槓ッ!? 和了り牌を握り潰された……!! っていうか、四・六索を早々に落としてるのに五索は抱えてたって、もしかして――)
利仙(っと、やはり嶺上牌を《上書き》するには、相当な集中力が必要ですね。
荒川さんがいつどこで何をしてくるかわかりません。できればここで和了ってしまいたかったですが……仕方ないですね。通常のツモ牌を《上書き》するとしましょう)タンッ
桃子(天女さんは真ん中を寄せる。それはつまり、中盤を過ぎれば、真ん中が手から溢れてくるってことっす。
四索と六索が早々に切られてるから、五索はきっと不要牌。ステルス関係なく、撃ち落してやるっすよ……!!)
利仙(《煌星》の《ステルスモモ》――東横桃子さん、でしたか。事前の分析を元に、その場その場に合わせた能力対策を講じてくる。自身の能力に頼ることなくこれだけの闘牌ができるとは。
先鋒の《超新星》さんと比較してもなんら遜色ない技量。一年生の頃の私なら、手玉に取られていたかもしれません。それほどに確かな強さを持つ雀士。無論、一年生にしては、ですが)
利仙「カン」パラララ
桃子(五索を……暗槓ッ!? 和了り牌を握り潰された……!! っていうか、四・六索を早々に落としてるのに五索は抱えてたって、もしかして――)
利仙(っと、やはり嶺上牌を《上書き》するには、相当な集中力が必要ですね。
荒川さんがいつどこで何をしてくるかわかりません。できればここで和了ってしまいたかったですが……仕方ないですね。通常のツモ牌を《上書き》するとしましょう)タンッ
696:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 20:43:20.40 :dbMVuUxv0
友清(むきゃー! こっちはまだ二向聴とですよー!!)タンッ
西家:友清(新道寺・88700)
憩(この巡目でその手……さすが《花散る里の天女》――《百花仙》の藤原利仙さん。こういう普通に強い人が一番苦手やわー)タンッ
北家:荒川憩(劫初・110700)
桃子(は、張り替えなきゃっす……!!)タンッ
利仙「っと……ツモですね」パラララ
桃子(間に合わ――ってか、その手牌!? マジで冗談きついっすよ!!)
利仙「三色同刻三暗刻断ヤオ赤三ツモ、4000・8000です」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
利仙手牌:四四五五④⑤⑤[⑤][⑤]⑥/5[5]55 ツモ:五 ドラ:八・東
桃子(倍満親っ被り……勘弁してくれっすっ!!)
友清(ツモられるのは厄介とですねー……)
憩(五索も五筒も四枚きっちり揃えとる。真ん中を抱えることで、他家の手の広がりを制限する。これも藤原さんの強みやんなー)
利仙(さて、可能なら、次のラス親で、もう一回くらい大きいのをツモっておきたいところ。しかし、楽はさせてくれないでしょうね……)
憩(しゃあー、全力で邪魔したるでーぇ!!)
桃子:83000 利仙:125600 友清:84700 憩:106700
友清(むきゃー! こっちはまだ二向聴とですよー!!)タンッ
西家:友清(新道寺・88700)
憩(この巡目でその手……さすが《花散る里の天女》――《百花仙》の藤原利仙さん。こういう普通に強い人が一番苦手やわー)タンッ
北家:荒川憩(劫初・110700)
桃子(は、張り替えなきゃっす……!!)タンッ
利仙「っと……ツモですね」パラララ
桃子(間に合わ――ってか、その手牌!? マジで冗談きついっすよ!!)
利仙「三色同刻三暗刻断ヤオ赤三ツモ、4000・8000です」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
利仙手牌:四四五五④⑤⑤[⑤][⑤]⑥/5[5]55 ツモ:五 ドラ:八・東
桃子(倍満親っ被り……勘弁してくれっすっ!!)
友清(ツモられるのは厄介とですねー……)
憩(五索も五筒も四枚きっちり揃えとる。真ん中を抱えることで、他家の手の広がりを制限する。これも藤原さんの強みやんなー)
利仙(さて、可能なら、次のラス親で、もう一回くらい大きいのをツモっておきたいところ。しかし、楽はさせてくれないでしょうね……)
憩(しゃあー、全力で邪魔したるでーぇ!!)
桃子:83000 利仙:125600 友清:84700 憩:106700
697:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 20:48:04.12 :dbMVuUxv0
――《夜行》控え室
藍子「もーれつーぅ!! 利仙さんサイコーですっ!!」
いちご「あの巡目で他家の捨て牌に頼らず三色同刻を和了れる雀士は、学園都市にもそうおらんじゃろうな。さすが利仙じゃあ」
絃「《煌星》の一年が一通を張ったときはひやりとしたがな」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「まっ、そりゃそーね。あの荒川さんがこのまま終わるわけない。それは私らも利仙さんもわかってる。それが証拠に、今局はちょっと利仙さんでもヤバいかも……!」
利仙手牌:三四[五]六六④④[⑤]⑥⑥566 ツモ:4 ドラ:3
絃「断ヤオ一盃口赤二テンパイ……だが」
憩手牌:五六七3336888西西西 ドラ:3
いちご「高め三暗刻西ドラ三……向こうも向こうでえらいの張っちょるのう」
――《夜行》控え室
藍子「もーれつーぅ!! 利仙さんサイコーですっ!!」
いちご「あの巡目で他家の捨て牌に頼らず三色同刻を和了れる雀士は、学園都市にもそうおらんじゃろうな。さすが利仙じゃあ」
絃「《煌星》の一年が一通を張ったときはひやりとしたがな」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「まっ、そりゃそーね。あの荒川さんがこのまま終わるわけない。それは私らも利仙さんもわかってる。それが証拠に、今局はちょっと利仙さんでもヤバいかも……!」
利仙手牌:三四[五]六六④④[⑤]⑥⑥566 ツモ:4 ドラ:3
絃「断ヤオ一盃口赤二テンパイ……だが」
憩手牌:五六七3336888西西西 ドラ:3
いちご「高め三暗刻西ドラ三……向こうも向こうでえらいの張っちょるのう」
698:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 21:10:08.51 :dbMVuUxv0
藍子「利仙さんが迷ってる。自然に打つと危ないってことは気付いてるんだ。となると、ここは雀頭の六萬を落として様子見かな」
利仙手牌:三四[五]六④④[⑤]⑥⑥4566 捨て:六 ドラ:3
絃「対して、《悪魔》はどう動くか――」
憩『チーッ!』
いちご「喰い替えじゃと? 三暗刻を確定させたかったんじゃろか。しかし、それにしては……」
憩手牌:六333888西西西/(六)五七 捨て:6 ドラ:3
藍子「あっ……利仙さんの手が――!?」
利仙手牌:三四[五]六④④[⑤]⑥⑥4566 ツモ:⑤ ドラ:3
いちご「これは……六萬が切れん!! さっきの鳴き……利仙の雀頭落としに狙いを定めたんか!?」
絃「いや……恐らく、それだけではないだろう。六萬を狙われても、三萬を切れば三・六索待ちでテンパイできる。
だが、六索は河に二枚と利仙の手に二枚、ドラの三索は荒川の手に三枚と東横の手に一枚。言ってしまえば純カラも同然。三・六索待ちになる三萬切りでは、まず和了れない。その次点で利仙は詰みだ」
藍子「なら、ここはフリテン承知で、ツモ狙いの六索切り? というか、そういう風に利仙さんの手を限定するのが真の狙い……?
あっ、利仙さんが六索を切った。振り込みは回避できたけど、見えてない三萬は残り一枚しか――ってぇー! 言ってるそばから下家が三萬ツモ切りっ!? これはひどいっ!!」
絃「ここまで見えていたというのか?」
いちご「本当に悪魔のようじゃの……!!」
藍子「利仙さんが迷ってる。自然に打つと危ないってことは気付いてるんだ。となると、ここは雀頭の六萬を落として様子見かな」
利仙手牌:三四[五]六④④[⑤]⑥⑥4566 捨て:六 ドラ:3
絃「対して、《悪魔》はどう動くか――」
憩『チーッ!』
いちご「喰い替えじゃと? 三暗刻を確定させたかったんじゃろか。しかし、それにしては……」
憩手牌:六333888西西西/(六)五七 捨て:6 ドラ:3
藍子「あっ……利仙さんの手が――!?」
利仙手牌:三四[五]六④④[⑤]⑥⑥4566 ツモ:⑤ ドラ:3
いちご「これは……六萬が切れん!! さっきの鳴き……利仙の雀頭落としに狙いを定めたんか!?」
絃「いや……恐らく、それだけではないだろう。六萬を狙われても、三萬を切れば三・六索待ちでテンパイできる。
だが、六索は河に二枚と利仙の手に二枚、ドラの三索は荒川の手に三枚と東横の手に一枚。言ってしまえば純カラも同然。三・六索待ちになる三萬切りでは、まず和了れない。その次点で利仙は詰みだ」
藍子「なら、ここはフリテン承知で、ツモ狙いの六索切り? というか、そういう風に利仙さんの手を限定するのが真の狙い……?
あっ、利仙さんが六索を切った。振り込みは回避できたけど、見えてない三萬は残り一枚しか――ってぇー! 言ってるそばから下家が三萬ツモ切りっ!? これはひどいっ!!」
絃「ここまで見えていたというのか?」
いちご「本当に悪魔のようじゃの……!!」
699:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 21:22:23.37 :dbMVuUxv0
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「えっ? どういうこと、もこ。まだ終わりじゃないって――」
憩手牌:六333888西西西/(六)五七 ツモ:9 ドラ:3
憩『♪』タンッ
いちご「六萬切りじゃと!?」
憩手牌:3338889西西西/(六)五七 捨て:六 ドラ:3
絃「わざわざ三暗刻確定を崩してまで……何が狙いだ、荒川憩……」
藍子「うおおっ……ごちゃごちゃやってる間に《煌星》の一年生がテンパイした!?」
桃子手牌:一二七八九11123①②③ ドラ:3
絃「っ――! そ、そういうことか!?」
いちご「ちょ、マズい、利仙がっ……!!」
利仙手牌:三四[五]六④④⑤[⑤]⑥⑥456 ツモ:7 ドラ:3
憩手牌:3338889西西西/(六)五七 ドラ:3
桃子手牌:一二七八九11123①②③ ドラ:3
藍子「和了り目が消えた直後に、張り替えるには絶好の七索を引いた!? 荒川さんへの振り込み回避ができて、高め三色ハネ満となれば、当然切るのは……!!」
いちご「いかん、利仙……!! それが《悪魔》の――」
桃子『ロ、ロンっす……12000』
利仙『っ!?』
絃「計算通り、か。待ちを切り替えて利仙の手牌を縛り、最後には他家を利用して削らせる。
利仙も違和感は覚えていたはずだが、三萬は直前に《新道寺》の一年が出している。避けろというほうが酷だろう。
荒川憩……本当にどこまで見えているんだ、あいつの《悪魔の目》には」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「えっ? どういうこと、もこ。まだ終わりじゃないって――」
憩手牌:六333888西西西/(六)五七 ツモ:9 ドラ:3
憩『♪』タンッ
いちご「六萬切りじゃと!?」
憩手牌:3338889西西西/(六)五七 捨て:六 ドラ:3
絃「わざわざ三暗刻確定を崩してまで……何が狙いだ、荒川憩……」
藍子「うおおっ……ごちゃごちゃやってる間に《煌星》の一年生がテンパイした!?」
桃子手牌:一二七八九11123①②③ ドラ:3
絃「っ――! そ、そういうことか!?」
いちご「ちょ、マズい、利仙がっ……!!」
利仙手牌:三四[五]六④④⑤[⑤]⑥⑥456 ツモ:7 ドラ:3
憩手牌:3338889西西西/(六)五七 ドラ:3
桃子手牌:一二七八九11123①②③ ドラ:3
藍子「和了り目が消えた直後に、張り替えるには絶好の七索を引いた!? 荒川さんへの振り込み回避ができて、高め三色ハネ満となれば、当然切るのは……!!」
いちご「いかん、利仙……!! それが《悪魔》の――」
桃子『ロ、ロンっす……12000』
利仙『っ!?』
絃「計算通り、か。待ちを切り替えて利仙の手牌を縛り、最後には他家を利用して削らせる。
利仙も違和感は覚えていたはずだが、三萬は直前に《新道寺》の一年が出している。避けろというほうが酷だろう。
荒川憩……本当にどこまで見えているんだ、あいつの《悪魔の目》には」
700:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 21:32:09.71 :dbMVuUxv0
藍子「『どこまでも』――荒川さん、前にそう言ってましたよ。『冗談やけど』って笑ってましたけどね。この局……利仙さんはベタオリのほうがよかったかもしれません」
いちご「ラス親でベタオリ? それこそありえんじゃろう」
藍子「そういう人間の心理も全て計算尽くで打ち回してくるんです、あの人は。
ただ、荒川さんのことだから、たとえ利仙さんがベタオリで振り込みを回避しても、次巡くらいであっさりツモるような気もしますけど」
絃「どう進んでもバッドエンドか。まさに悪魔のシナリオだな」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「そう……甘く見ていたわけじゃない。けど、利仙さんならっ! 基本的に振り込まない荒川さんが相手でも、ツモで削り落とすことができる……分の悪い勝負じゃない。そう思ってたんだけどね――ッ!!」
憩『ロン、7700』
利仙『……はい』
いちご「そんな、あの利仙が直撃……っ!? っちゅうか、まくられたっ!?」
絃「これで荒川がトップ奪還でラス親。当然、和了っても続行を選ぶだろう。元《一桁ナンバー》の利仙をも玩弄する《悪魔》を、一体誰がどうやって止めるというのだ……」
藍子「『どこまでも』――荒川さん、前にそう言ってましたよ。『冗談やけど』って笑ってましたけどね。この局……利仙さんはベタオリのほうがよかったかもしれません」
いちご「ラス親でベタオリ? それこそありえんじゃろう」
藍子「そういう人間の心理も全て計算尽くで打ち回してくるんです、あの人は。
ただ、荒川さんのことだから、たとえ利仙さんがベタオリで振り込みを回避しても、次巡くらいであっさりツモるような気もしますけど」
絃「どう進んでもバッドエンドか。まさに悪魔のシナリオだな」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「そう……甘く見ていたわけじゃない。けど、利仙さんならっ! 基本的に振り込まない荒川さんが相手でも、ツモで削り落とすことができる……分の悪い勝負じゃない。そう思ってたんだけどね――ッ!!」
憩『ロン、7700』
利仙『……はい』
いちご「そんな、あの利仙が直撃……っ!? っちゅうか、まくられたっ!?」
絃「これで荒川がトップ奪還でラス親。当然、和了っても続行を選ぶだろう。元《一桁ナンバー》の利仙をも玩弄する《悪魔》を、一体誰がどうやって止めるというのだ……」
701:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 21:34:48.73 :dbMVuUxv0
――対局室
南四局・親:憩
友清(とかなんとか……言われとっとやなかとですかー? ところがどっこいっ! この卓にはまだ私がおるとですよーっ!! この《避雷針》の友清がっ!!)タンッ
北家:友清(新道寺・84700)
友清(私の能力のうまく嵌れば……この点差でんブチ抜けっとですよー。
ナンバー2の《悪魔》さんでも、能力によるツモの偏りまではどーしよーもなか。そいはこの《百花仙》さんの証明してくれたとです。そいない……私にもワンチャンあっ!!)タンッ
友清(さあ……やってやっとですよー! 姫子せんぱいに太鼓判ばもらった私の大能力――ついに公式戦初お披露目とですっ!!)
憩「ツモ、1000オール♪」カチャカチャパラララ
友清(つ、次こそは……っ!!)
桃子:95000 利仙:104900 友清:83700 憩:116400
――対局室
南四局・親:憩
友清(とかなんとか……言われとっとやなかとですかー? ところがどっこいっ! この卓にはまだ私がおるとですよーっ!! この《避雷針》の友清がっ!!)タンッ
北家:友清(新道寺・84700)
友清(私の能力のうまく嵌れば……この点差でんブチ抜けっとですよー。
ナンバー2の《悪魔》さんでも、能力によるツモの偏りまではどーしよーもなか。そいはこの《百花仙》さんの証明してくれたとです。そいない……私にもワンチャンあっ!!)タンッ
友清(さあ……やってやっとですよー! 姫子せんぱいに太鼓判ばもらった私の大能力――ついに公式戦初お披露目とですっ!!)
憩「ツモ、1000オール♪」カチャカチャパラララ
友清(つ、次こそは……っ!!)
桃子:95000 利仙:104900 友清:83700 憩:116400
702:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 21:38:53.03 :dbMVuUxv0
――《新道寺》控え室
華菜「友清のやつ……大丈夫だし?」
仁美「身内贔屓で見てもダメやろね」
美子「荒川さん、友清の能力ば知ってか知らずか、この半荘はずっと安和了りばっかやけん」
巴「どうだろう……安く早く仕上げてるのは、門前でも速度のある藤原さんと東横さんを警戒しているんだと思うけど」
華菜「じゃ、じゃあ……場合によっては一発逆転もあるってことですかね?」
憩『ツモ、700は800オール♪』
仁美「池田……こいは私らでどげんかせんといかんっぽかね」
華菜「が、頑張るしっ!!」
美子「友清……完全に空回っとう」
巴「んー、今回は友清さんにとって、ちょっと苦しい面子かも。相性的には弘世さん辺りならばっちりだったんだろうけど……。
となると、荒川さんを止められそうなのは、本命が利仙さん、次点があの子ってことになるのかな。ハッちゃんが『ちょっと面倒』って言ってた……《煌星》の消える一年生――」
――《新道寺》控え室
華菜「友清のやつ……大丈夫だし?」
仁美「身内贔屓で見てもダメやろね」
美子「荒川さん、友清の能力ば知ってか知らずか、この半荘はずっと安和了りばっかやけん」
巴「どうだろう……安く早く仕上げてるのは、門前でも速度のある藤原さんと東横さんを警戒しているんだと思うけど」
華菜「じゃ、じゃあ……場合によっては一発逆転もあるってことですかね?」
憩『ツモ、700は800オール♪』
仁美「池田……こいは私らでどげんかせんといかんっぽかね」
華菜「が、頑張るしっ!!」
美子「友清……完全に空回っとう」
巴「んー、今回は友清さんにとって、ちょっと苦しい面子かも。相性的には弘世さん辺りならばっちりだったんだろうけど……。
となると、荒川さんを止められそうなのは、本命が利仙さん、次点があの子ってことになるのかな。ハッちゃんが『ちょっと面倒』って言ってた……《煌星》の消える一年生――」
703:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 21:42:19.74 :dbMVuUxv0
――《煌星》控え室
憩『ツモ、1000は1200オール♪』
友香「《ステルスモモ》の独壇場はまだでー!?」
淡「相手はナンバー2とナンバー10……この半荘のうちに消えられればもうけもんかな」
咲「《新道寺》の一年生には効いてるっぽいんだけどね。さっきから荒川さんが桃子ちゃんがテンパイするより早く和了っちゃうんだもんなぁ」
煌「面白いように手が進むとは、荒川さんのためにあるような言葉ですね」
淡「まずはあの早和了りをどーにかしないと、ってことだよね」
咲「私ならカンで手を進めることができるけど……」
友香「いや、それでも桃子なら……! 淡の《絶対安全圏》を正面から突破できる桃子の最高速なら――《悪魔》にも対抗できるはずでーっ!!」
煌「そうですね。これは、やはり早く《ステルスモード》に入ってもらうしか……」
咲「えっ、でも、《ステルス》は感応系の能力だから、発動しても別に速度が上がるわけじゃないですよね?」
――《煌星》控え室
憩『ツモ、1000は1200オール♪』
友香「《ステルスモモ》の独壇場はまだでー!?」
淡「相手はナンバー2とナンバー10……この半荘のうちに消えられればもうけもんかな」
咲「《新道寺》の一年生には効いてるっぽいんだけどね。さっきから荒川さんが桃子ちゃんがテンパイするより早く和了っちゃうんだもんなぁ」
煌「面白いように手が進むとは、荒川さんのためにあるような言葉ですね」
淡「まずはあの早和了りをどーにかしないと、ってことだよね」
咲「私ならカンで手を進めることができるけど……」
友香「いや、それでも桃子なら……! 淡の《絶対安全圏》を正面から突破できる桃子の最高速なら――《悪魔》にも対抗できるはずでーっ!!」
煌「そうですね。これは、やはり早く《ステルスモード》に入ってもらうしか……」
咲「えっ、でも、《ステルス》は感応系の能力だから、発動しても別に速度が上がるわけじゃないですよね?」
704:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 22:07:18.11 :dbMVuUxv0
淡「まったまたー。サッキーは本当に嶺上牌しか見てないんだから。練習でモモコが何度ステルス無双してたことか!」
友香「桃子が淡の《絶対安全圏》を破るとき――それは必ず《ステルスモード》に入ってからなんでー!!」
咲「言われてみれば……!? いつも淡ちゃんザマアとしか思ってなかったよっ!!」
淡「ねえ、キラメ。私とサッキーが仲良くなれる日ってもう一生来ないんじゃないかな?」
煌「いえいえ、お二人は十分仲良しですよ。と、閑話休題。
そうです……桃子さんは完全デジタルでも十分な速度を発揮しますが、《ステルスモード》に入ると、それがさらに加速します。最大の理由は、振り込みを度外視して手を進められるからですね。
また、《新約》の原村さんと同じように、桃子さんも集中の度合いに段階があります。原村さんの場合は、《のどっち》モードが最高状態。そして、桃子さんの場合は、《ステルスモード》がそうなのです」
友香「いつも一人でいたから、誰からも意識されない《ステルスモード》のときが一番リラックスできる、とかなんとか」
淡「消える上に速くなるとか……それを喰らうこっちはたまったもんじゃないよねっ!!」
憩『ロン、3900は4800』
桃子『……はい』
咲「うっ……まだ消えられてない!? 桃子ちゃん……頑張ってっ!!」
煌「大丈夫、桃子さんは落ち着いていますよ。今も、振り込んだとは言え、高めは回避しました。一時ほど点数も凹んでいません。まだ逆転のチャンスは十分にあります」
憩『ほな、四本場~♪』
淡「まったまたー。サッキーは本当に嶺上牌しか見てないんだから。練習でモモコが何度ステルス無双してたことか!」
友香「桃子が淡の《絶対安全圏》を破るとき――それは必ず《ステルスモード》に入ってからなんでー!!」
咲「言われてみれば……!? いつも淡ちゃんザマアとしか思ってなかったよっ!!」
淡「ねえ、キラメ。私とサッキーが仲良くなれる日ってもう一生来ないんじゃないかな?」
煌「いえいえ、お二人は十分仲良しですよ。と、閑話休題。
そうです……桃子さんは完全デジタルでも十分な速度を発揮しますが、《ステルスモード》に入ると、それがさらに加速します。最大の理由は、振り込みを度外視して手を進められるからですね。
また、《新約》の原村さんと同じように、桃子さんも集中の度合いに段階があります。原村さんの場合は、《のどっち》モードが最高状態。そして、桃子さんの場合は、《ステルスモード》がそうなのです」
友香「いつも一人でいたから、誰からも意識されない《ステルスモード》のときが一番リラックスできる、とかなんとか」
淡「消える上に速くなるとか……それを喰らうこっちはたまったもんじゃないよねっ!!」
憩『ロン、3900は4800』
桃子『……はい』
咲「うっ……まだ消えられてない!? 桃子ちゃん……頑張ってっ!!」
煌「大丈夫、桃子さんは落ち着いていますよ。今も、振り込んだとは言え、高めは回避しました。一時ほど点数も凹んでいません。まだ逆転のチャンスは十分にあります」
憩『ほな、四本場~♪』
705:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 22:10:26.24 :dbMVuUxv0
――対局室
桃子(ちゃー……まだ見えてたっすか。しぶといっすね。他の二人には効いてるのに、このナースさんだけがしつこく私を見てる。視線を感じるっす……否――!)タンッ
南家:東横桃子(煌星・88200)
憩「?」
東家:荒川憩(劫初・127200)
桃子(ようやく私のことを意識から外してくれたっすね? これで……やっと本気を出せるっす。
生まれてこの方、他人に無視される日常を過ごしてきたわけっすからね。
こうやって、真剣勝負の場で、痛いほどの視線を浴びる――未だに慣れないっす。けど……それももはやなくなった……!!)タンッ
桃子(さあ、集中するっすよ……! 自分の手牌、他家の捨て牌、そこから考えられる他家の手牌、手の進み具合……見える情報を片っ端から集めるっす。
《悪魔の目》なんか関係ない。私は私にできることをするっす)タンッ
桃子(門前の、振り込みを度外視した最速の手作り。きらめ先輩が欲しいと言ってくれた私の力。ここで使わずいつ使うっすか!)タンッ
桃子(ナースさん……ナースさんの目は確かにヤバいっす。さっき、私が天女さんから直撃を取れたとき……きっと、ナースさんがその目をフル活用して何かしてたっすよね。
けど、あまりに性能が良過ぎるのも……それはそれで枷になるっす!)タンッ
――対局室
桃子(ちゃー……まだ見えてたっすか。しぶといっすね。他の二人には効いてるのに、このナースさんだけがしつこく私を見てる。視線を感じるっす……否――!)タンッ
南家:東横桃子(煌星・88200)
憩「?」
東家:荒川憩(劫初・127200)
桃子(ようやく私のことを意識から外してくれたっすね? これで……やっと本気を出せるっす。
生まれてこの方、他人に無視される日常を過ごしてきたわけっすからね。
こうやって、真剣勝負の場で、痛いほどの視線を浴びる――未だに慣れないっす。けど……それももはやなくなった……!!)タンッ
桃子(さあ、集中するっすよ……! 自分の手牌、他家の捨て牌、そこから考えられる他家の手牌、手の進み具合……見える情報を片っ端から集めるっす。
《悪魔の目》なんか関係ない。私は私にできることをするっす)タンッ
桃子(門前の、振り込みを度外視した最速の手作り。きらめ先輩が欲しいと言ってくれた私の力。ここで使わずいつ使うっすか!)タンッ
桃子(ナースさん……ナースさんの目は確かにヤバいっす。さっき、私が天女さんから直撃を取れたとき……きっと、ナースさんがその目をフル活用して何かしてたっすよね。
けど、あまりに性能が良過ぎるのも……それはそれで枷になるっす!)タンッ
706:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 22:13:22.24 :dbMVuUxv0
桃子(ナースさんの《悪魔の目》はあらゆる可能性を見通す。振り込みも当然考慮に入れて、それを回避するように手を作ってるはずっす。
それは……ほんの僅かっすけど、振り込みを度外視できる私が勝れるポイント――!)タンッ
桃子(まったく同じ順番で同じ牌をツモったとき、振り込みのあるナースさんの速度は、振り込みのない私には敵わない。
理屈では、《ステルスモード》の私はナースさんより速いはずっす。あとはそれを……現実にするだけっ!!)タンッ
桃子(私は、ナンバーや実力では、ナースさんや天女さんに遠く及ばないっす。
それでも、そんな私を……きらめ先輩は好きだと言ってくれた! 私のような打ち方が理想だと言ってくれた……!!)タンッ
桃子(見ててくださいっすよ、きらめ先輩。あなたが師に選んだ私の麻雀は――あなたに教え込んだこの《ステルスモモ》の麻雀は……たとえ学園都市のナンバー2が相手でも、通用する!!)タンッ
桃子(これが――その証明っす!!)ユラッ
桃子「ロンッ! 5200の四本場は6400っす……!!」パラララ
憩「(ひゅうっ! やるーぅ!!)……はいな~」チャ
桃子「これで、前半戦、終了っすねッ!」ユラッ
桃子(ナースさんの《悪魔の目》はあらゆる可能性を見通す。振り込みも当然考慮に入れて、それを回避するように手を作ってるはずっす。
それは……ほんの僅かっすけど、振り込みを度外視できる私が勝れるポイント――!)タンッ
桃子(まったく同じ順番で同じ牌をツモったとき、振り込みのあるナースさんの速度は、振り込みのない私には敵わない。
理屈では、《ステルスモード》の私はナースさんより速いはずっす。あとはそれを……現実にするだけっ!!)タンッ
桃子(私は、ナンバーや実力では、ナースさんや天女さんに遠く及ばないっす。
それでも、そんな私を……きらめ先輩は好きだと言ってくれた! 私のような打ち方が理想だと言ってくれた……!!)タンッ
桃子(見ててくださいっすよ、きらめ先輩。あなたが師に選んだ私の麻雀は――あなたに教え込んだこの《ステルスモモ》の麻雀は……たとえ学園都市のナンバー2が相手でも、通用する!!)タンッ
桃子(これが――その証明っす!!)ユラッ
桃子「ロンッ! 5200の四本場は6400っす……!!」パラララ
憩「(ひゅうっ! やるーぅ!!)……はいな~」チャ
桃子「これで、前半戦、終了っすねッ!」ユラッ
707:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 22:18:12.33 :dbMVuUxv0
利仙(あの《悪魔》が振り込むとは……。差し込み以外では滅多に見られない光景です。なるほど、これが《ステルスモモ》ですか。後半戦は気をつけないといけませんね)
二位:藤原利仙・+2900(夜行・102900)
友清(わ……私だけ焼き鳥とですかーっ!!?)
四位:友清・-14400(新道寺・81700)
桃子(よし……マイナスとは言え、ぎりぎり喰らいつけてるっす。後半戦からはステルス全開……なんとかプラスで繋ぐっすよ!!)
三位:東横桃子・-3200(煌星・94600)
憩(《ステルスモモ》……ええ感じに消えてくれるやん。このテンパイ気配のなさはガイトさんのそれとはちゃう。完全に能力《オカルト》やな。ロンされた瞬間、変な声が出るかと思ったわー)
一位:荒川憩・+14700(劫初・120800)
憩(ま、それはそれとして。予想はしとったけど、生やとホンマに捨て牌も手牌も本人すら見えへんのな。
後半戦はこれがずっと……ウチの《悪魔の目》は能力《オカルト》とちゃうから、単純に読み取れる情報が一人分減るんか。こんな相手は初めてやわー)
憩(それに、消えるだけやない。オーラスのたった一回とは言え、ウチや藤原さんを上回る速度を見せた。
エイさんや霜崎さん、それにネットの《のどっち》……その辺りの人らと比較しても、十分タメ張るテンパイスピード。
対応力もそこそこあるんは、藤原さんとの駆け引きを見てもわかる。能力使わず普通に打ってもわりと強いんちゃう? いや……ちゃうか。能力が発動したから、本領発揮で強くなったんやな……)
憩(オモロいやん。オモロい子ばっかや、チーム《煌星》。まさか、このウチが予期せぬ直撃を喰らうなんてな。ガイトさんや衣ちゃんと打つときかて、滅多にあれへんっちゅーのに……ホンマに――)
憩(ホンマに屈辱も屈辱やっ! ふん……菫さんの前でえらい恥かかせてくれたやんか。これは……ちぃーとばかし痛い目見せたらなあかんな――!!)ゴッ
利仙(あの《悪魔》が振り込むとは……。差し込み以外では滅多に見られない光景です。なるほど、これが《ステルスモモ》ですか。後半戦は気をつけないといけませんね)
二位:藤原利仙・+2900(夜行・102900)
友清(わ……私だけ焼き鳥とですかーっ!!?)
四位:友清・-14400(新道寺・81700)
桃子(よし……マイナスとは言え、ぎりぎり喰らいつけてるっす。後半戦からはステルス全開……なんとかプラスで繋ぐっすよ!!)
三位:東横桃子・-3200(煌星・94600)
憩(《ステルスモモ》……ええ感じに消えてくれるやん。このテンパイ気配のなさはガイトさんのそれとはちゃう。完全に能力《オカルト》やな。ロンされた瞬間、変な声が出るかと思ったわー)
一位:荒川憩・+14700(劫初・120800)
憩(ま、それはそれとして。予想はしとったけど、生やとホンマに捨て牌も手牌も本人すら見えへんのな。
後半戦はこれがずっと……ウチの《悪魔の目》は能力《オカルト》とちゃうから、単純に読み取れる情報が一人分減るんか。こんな相手は初めてやわー)
憩(それに、消えるだけやない。オーラスのたった一回とは言え、ウチや藤原さんを上回る速度を見せた。
エイさんや霜崎さん、それにネットの《のどっち》……その辺りの人らと比較しても、十分タメ張るテンパイスピード。
対応力もそこそこあるんは、藤原さんとの駆け引きを見てもわかる。能力使わず普通に打ってもわりと強いんちゃう? いや……ちゃうか。能力が発動したから、本領発揮で強くなったんやな……)
憩(オモロいやん。オモロい子ばっかや、チーム《煌星》。まさか、このウチが予期せぬ直撃を喰らうなんてな。ガイトさんや衣ちゃんと打つときかて、滅多にあれへんっちゅーのに……ホンマに――)
憩(ホンマに屈辱も屈辱やっ! ふん……菫さんの前でえらい恥かかせてくれたやんか。これは……ちぃーとばかし痛い目見せたらなあかんな――!!)ゴッ
708:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 22:21:02.06 :dbMVuUxv0
――《劫初》控え室
智葉「……終わったな」
菫「何がだ? 対局か?」
衣「見ればわかるではないか」
エイスリン「サトハ、モーロク、シタカ!?」
智葉「やかましいぞ、ウィッシュアート。というか、お前、このチームに入ってから明らかに口が悪くなったよな。一体誰に影響されたんだか……」
菫「私ではないと信じたい」
衣「で、終わった、とは何のことなのだ?」
智葉「ああ、あの一年だよ。《煌星》のほう」
エイスリン「ケイ、フーリコーンダー!!」
智葉「練習でも、私と天江くらいか、あいつの不意を突けるのは。ウィッシュアートはツモが多いし、菫の出和了りは狙いがバレバレだからな」
菫「返す言葉もない」
衣「……ああ、なるほど。そういうことか。理解した」
エイスリン「ハ?」
智葉「だから、ナンバー3の私や《三強》の天江ならともかく、まだまだ無名の一年が荒川から直撃を取った……それが問題なのだ」
――《劫初》控え室
智葉「……終わったな」
菫「何がだ? 対局か?」
衣「見ればわかるではないか」
エイスリン「サトハ、モーロク、シタカ!?」
智葉「やかましいぞ、ウィッシュアート。というか、お前、このチームに入ってから明らかに口が悪くなったよな。一体誰に影響されたんだか……」
菫「私ではないと信じたい」
衣「で、終わった、とは何のことなのだ?」
智葉「ああ、あの一年だよ。《煌星》のほう」
エイスリン「ケイ、フーリコーンダー!!」
智葉「練習でも、私と天江くらいか、あいつの不意を突けるのは。ウィッシュアートはツモが多いし、菫の出和了りは狙いがバレバレだからな」
菫「返す言葉もない」
衣「……ああ、なるほど。そういうことか。理解した」
エイスリン「ハ?」
智葉「だから、ナンバー3の私や《三強》の天江ならともかく、まだまだ無名の一年が荒川から直撃を取った……それが問題なのだ」
709:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 22:24:59.96 :dbMVuUxv0
菫「いや、そうは言っても、東横も大星に負けず劣らずかなりの打ち手だぞ。能力的な相性もあるしな。
荒川の振り込みは確かに珍しいが、仕方あるまい。あいつだって完璧な人間ではないのだから」
智葉「だから、それが問題だと言っている」
菫「よくわからないが……?」
智葉「わからないなら、わからないでいい」
菫「なんだそれは? まあ、確かに荒川は《悪魔》と揶揄されるほどの打ち手……余人には計り知れん心理があるのかもしれんが」
智葉「いや、ごくごく一般的な感覚だよ」
エイスリン「ナルホド! ヨク、ワカッタ!!」
菫「?」
智葉(鈍いやつだ。自分だって《虎姫》時代に似たような経験はいくらでもしたはずだろう。そう……誰だって自分をよく見せたいものさ。意識する者の前では特に、な)
衣「さとは……何をにやけている?」
エイスリン「キメーゾ!」
智葉「押し倒すぞ、この似非天使」
エイスリン「ジョートーダヨ! コノ、モブメガネ!!」
智葉「お前……! その忌々しいペンを耳ごと斬り落として金髪以外に特徴のないクソモブに落としてやろうか!? ああッ!?」
菫「ウィッシュアートの口汚さはたぶんお前の影響だぞ、智葉……」
衣「まさに因果応報っ!」
『次鋒戦後半、間もなく開始します』
菫「いや、そうは言っても、東横も大星に負けず劣らずかなりの打ち手だぞ。能力的な相性もあるしな。
荒川の振り込みは確かに珍しいが、仕方あるまい。あいつだって完璧な人間ではないのだから」
智葉「だから、それが問題だと言っている」
菫「よくわからないが……?」
智葉「わからないなら、わからないでいい」
菫「なんだそれは? まあ、確かに荒川は《悪魔》と揶揄されるほどの打ち手……余人には計り知れん心理があるのかもしれんが」
智葉「いや、ごくごく一般的な感覚だよ」
エイスリン「ナルホド! ヨク、ワカッタ!!」
菫「?」
智葉(鈍いやつだ。自分だって《虎姫》時代に似たような経験はいくらでもしたはずだろう。そう……誰だって自分をよく見せたいものさ。意識する者の前では特に、な)
衣「さとは……何をにやけている?」
エイスリン「キメーゾ!」
智葉「押し倒すぞ、この似非天使」
エイスリン「ジョートーダヨ! コノ、モブメガネ!!」
智葉「お前……! その忌々しいペンを耳ごと斬り落として金髪以外に特徴のないクソモブに落としてやろうか!? ああッ!?」
菫「ウィッシュアートの口汚さはたぶんお前の影響だぞ、智葉……」
衣「まさに因果応報っ!」
『次鋒戦後半、間もなく開始します』
718:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 23:44:51.72 :l59g8/kao
エイちゃんちょーこわいよー
710:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/06(火) 22:26:06.21 :dbMVuUxv0
――対局室
桃子(後半はやってやるっす!)
北家:東横桃子(煌星・94600)
友清(後半はやってやっとですよー!)
東家:友清(新道寺・81700)
利仙(後半もやるだけやってみますか)
西家:藤原利仙(夜行・102900)
憩(さて、やったるかー……)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
南家:荒川憩(劫初・120800)
『次鋒戦後半――開始ですッ!!』
――対局室
桃子(後半はやってやるっす!)
北家:東横桃子(煌星・94600)
友清(後半はやってやっとですよー!)
東家:友清(新道寺・81700)
利仙(後半もやるだけやってみますか)
西家:藤原利仙(夜行・102900)
憩(さて、やったるかー……)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
南家:荒川憩(劫初・120800)
『次鋒戦後半――開始ですッ!!』
723:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 17:27:35.05 :CRK6ltOp0
東一局・親:友清
友清(ヤバかヤバかヤバかー! いくらなんでん焼き鳥はヤバかとですーっ!)
東家:友清(新道寺・81700)
友清(かと言って、能力ナシの私でこの人たちについていくのはぶっちゃけ無茶。略してぶちゃとですっ! これは、素直に姫子せんぱいの言うことば聞いとればよかったとですかねー……?)
――――――
――――
――
――――
友清「姫子せーんぱいっ!」ガバッ
姫子「わっ!? 友清……なんね、私は勉強中と。邪魔ばすっないあっち行っとれ」
友清「つれないお言葉っ!? 白水せんぱいにフラれた姫子せんぱいば慰めるために足繁く通う私になんてこ」
ゴン
友清「痛ああ!?」ナミダメ
姫子「私はフラれとらん! 哩先輩は……その、ちょっと、たまーに、恋人より友達ば大事にすっこともあっ! そういうタイプなだけと!!」
友清「えーっ? ばってん、哩先輩はこれが最後の大会とです。言うなれば、ここ一番というときに恋人より友達ば選ぶタイ」
ゴン
友清「痛ああああ!?」ナミダメ
姫子「とーもーきーよー!? そいより先ば言うたら鉄槌食らわすけんな!?」
友清「既に二発も喰らっとっとですよー! もうっ、私のアホ毛は鉄槌やなく雷槌専用とですよっ!? 能力の使えなくなったらどげんすっとですかー!?」
姫子「能力ば使えなくなったら……大人しくデジタル論ば一から勉強しんしゃい」
友清「……ふむ、鉄槌より重かアドバイスとですね」
東一局・親:友清
友清(ヤバかヤバかヤバかー! いくらなんでん焼き鳥はヤバかとですーっ!)
東家:友清(新道寺・81700)
友清(かと言って、能力ナシの私でこの人たちについていくのはぶっちゃけ無茶。略してぶちゃとですっ! これは、素直に姫子せんぱいの言うことば聞いとればよかったとですかねー……?)
――――――
――――
――
――――
友清「姫子せーんぱいっ!」ガバッ
姫子「わっ!? 友清……なんね、私は勉強中と。邪魔ばすっないあっち行っとれ」
友清「つれないお言葉っ!? 白水せんぱいにフラれた姫子せんぱいば慰めるために足繁く通う私になんてこ」
ゴン
友清「痛ああ!?」ナミダメ
姫子「私はフラれとらん! 哩先輩は……その、ちょっと、たまーに、恋人より友達ば大事にすっこともあっ! そういうタイプなだけと!!」
友清「えーっ? ばってん、哩先輩はこれが最後の大会とです。言うなれば、ここ一番というときに恋人より友達ば選ぶタイ」
ゴン
友清「痛ああああ!?」ナミダメ
姫子「とーもーきーよー!? そいより先ば言うたら鉄槌食らわすけんな!?」
友清「既に二発も喰らっとっとですよー! もうっ、私のアホ毛は鉄槌やなく雷槌専用とですよっ!? 能力の使えなくなったらどげんすっとですかー!?」
姫子「能力ば使えなくなったら……大人しくデジタル論ば一から勉強しんしゃい」
友清「……ふむ、鉄槌より重かアドバイスとですね」
724:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 17:33:41.38 :CRK6ltOp0
姫子「私は今まで能力……哩先輩にずっと頼りきりやった。そのツケの今、こうして回ってきとう。
友清、悪かことは言わん。能力ば使わんでん戦えるように、日頃から準備ばしときんしゃい。いつかきっと役に立つけん」
友清「姫子せんぱいは……別に能力ナシでん強かと思います。それに、白水せんぱいに頼りきりやったわけでもなかとも思います。
やって、姫子せんぱいは、完全デジタルで打っても江崎せんぱいや安河内せんぱいと互角の力のあっとですよ?」
姫子「練習では、やろ? 実戦では、能力のなか私はきっと先輩たちに勝てんよ。上辺だけの技術ではダメと。もっと、心の支えになるような力やないと、いざってときに使いものにならん。
友清……友清は、自分の能力――《避雷針》に自信ばあっと?」
友清「もっちろんとですよーっ! 姫子せんぱいに認められた私の力……そいが私の誇りとですっ!!」
姫子「認めたって……そいな大袈裟な。ただ、強かったけん、『強かね』って言っただけと」
友清「そいで十分とです。懐かしか……インターミドルの地区大会の決勝、姫子せんぱいとは、大将戦で都合二度、戦ったとですよね」
姫子「二度目は友清の勝ちやったな」
友清「チームとしては二連敗とです。個人としても、勝ったというほど勝った気はしとらんとです。二度目は運のよかった」
姫子「私は今まで能力……哩先輩にずっと頼りきりやった。そのツケの今、こうして回ってきとう。
友清、悪かことは言わん。能力ば使わんでん戦えるように、日頃から準備ばしときんしゃい。いつかきっと役に立つけん」
友清「姫子せんぱいは……別に能力ナシでん強かと思います。それに、白水せんぱいに頼りきりやったわけでもなかとも思います。
やって、姫子せんぱいは、完全デジタルで打っても江崎せんぱいや安河内せんぱいと互角の力のあっとですよ?」
姫子「練習では、やろ? 実戦では、能力のなか私はきっと先輩たちに勝てんよ。上辺だけの技術ではダメと。もっと、心の支えになるような力やないと、いざってときに使いものにならん。
友清……友清は、自分の能力――《避雷針》に自信ばあっと?」
友清「もっちろんとですよーっ! 姫子せんぱいに認められた私の力……そいが私の誇りとですっ!!」
姫子「認めたって……そいな大袈裟な。ただ、強かったけん、『強かね』って言っただけと」
友清「そいで十分とです。懐かしか……インターミドルの地区大会の決勝、姫子せんぱいとは、大将戦で都合二度、戦ったとですよね」
姫子「二度目は友清の勝ちやったな」
友清「チームとしては二連敗とです。個人としても、勝ったというほど勝った気はしとらんとです。二度目は運のよかった」
725:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 17:38:42.33 :CRK6ltOp0
姫子「謙遜せんでよかよ。友清の力はよう知っとう。安定感はお世辞にもあっとは言えんばってん、うまく嵌れば哩先輩でん苦戦するほどの能力と。
《約束の鍵》ば持ってなかレベル0状態の私では、相手にならん」
友清「そんなことなかとですっ! 私なんて、姫子せんぱいにはまだまだ全然! これっぽっちも及ばんとですっ!!」
姫子「……なんやろ、友清は私に幻想ば持ち過ぎと。そりゃ、中一で能力の目覚めて、初めて負けた格上の能力者の私やけん、無理もなかと思うばってん……私の能力は哩先輩ありき。私の力やなか。むしろ尊敬すべきは哩先輩やろ」
友清「ちーがーうーとーでーすー!! 白水せんぱいは確かにすごか! 強かっ! それに、白水せんぱいの《リザベーション》ばせんかったら、姫子せんぱいは能力ば使えん!
ばってん!! 白水せんぱいの《約束》ば形にできるのは……この世でたった一人! 姫子せんぱいだけとですっ!!」
姫子「ちょ……恥ずかしかっ! 照れるけん、もっと言って……///」
友清「なーに変なモード入っとっとですかーっ!? いや、やけん、とにかく!
姫子せんぱいには姫子せんぱいにしかない良さのあっとですっ! 白水せんぱいは関係なか……姫子せんぱいだけの魅力があっ!!」
姫子「そ、そうやろか……? とてもそうは思えんけど……」
友清「例えばっ! 白水せんぱいに捨てられてもメゲずにデジタル論の勉強ばすっ」
ゴン
友清「痛ああああああ!!?」ナミダメ
姫子「捨てられとらん! 一時的に離れて、ちょっと、いつ戻ってくるかわからんだけと!!」
友清「世間ではそいば捨てられた言うとですよ……」
姫子「謙遜せんでよかよ。友清の力はよう知っとう。安定感はお世辞にもあっとは言えんばってん、うまく嵌れば哩先輩でん苦戦するほどの能力と。
《約束の鍵》ば持ってなかレベル0状態の私では、相手にならん」
友清「そんなことなかとですっ! 私なんて、姫子せんぱいにはまだまだ全然! これっぽっちも及ばんとですっ!!」
姫子「……なんやろ、友清は私に幻想ば持ち過ぎと。そりゃ、中一で能力の目覚めて、初めて負けた格上の能力者の私やけん、無理もなかと思うばってん……私の能力は哩先輩ありき。私の力やなか。むしろ尊敬すべきは哩先輩やろ」
友清「ちーがーうーとーでーすー!! 白水せんぱいは確かにすごか! 強かっ! それに、白水せんぱいの《リザベーション》ばせんかったら、姫子せんぱいは能力ば使えん!
ばってん!! 白水せんぱいの《約束》ば形にできるのは……この世でたった一人! 姫子せんぱいだけとですっ!!」
姫子「ちょ……恥ずかしかっ! 照れるけん、もっと言って……///」
友清「なーに変なモード入っとっとですかーっ!? いや、やけん、とにかく!
姫子せんぱいには姫子せんぱいにしかない良さのあっとですっ! 白水せんぱいは関係なか……姫子せんぱいだけの魅力があっ!!」
姫子「そ、そうやろか……? とてもそうは思えんけど……」
友清「例えばっ! 白水せんぱいに捨てられてもメゲずにデジタル論の勉強ばすっ」
ゴン
友清「痛ああああああ!!?」ナミダメ
姫子「捨てられとらん! 一時的に離れて、ちょっと、いつ戻ってくるかわからんだけと!!」
友清「世間ではそいば捨てられた言うとですよ……」
726:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 17:42:20.09 :CRK6ltOp0
姫子「まあ……捨てられたかどうかは置いとくとして、今回一緒に戦えなかはもう決定事項と。そいでん私は哩先輩に会いたか。やけん、友清の褒めてくれたように、私は必死にデジタル論の勉強ばすっ。
わかったら、友清は江崎先輩たちと練習ばしてきんしゃい。お互い遊んどう暇はなかはずと」
友清「さすがは姫子せんぱい。私も見習わんとですねっ!」
姫子「デジタル論の練習も忘れんとしっかりな」
友清「えーっ!? やけん、私は能力ば使えなくなることなんてなかとですけん、よかとです。束縛の強過ぎて白水せんぱいに逃げられた姫子せ」
ゴン
友清「痛ああああああああああ!?」ナミダメ
姫子「哩先輩は逃げたりせんっ!! 束縛すればするほど、むしろ喜ぶと!!」
友清「憧れの姫子せんぱいとは言え今の発言はちょっとドン引きとです……! ま、まあ!! とにかく私は姫子せんぱいの味方とですよーっ!!」
姫子「はいはい。あいがとなー」
姫子「まあ……捨てられたかどうかは置いとくとして、今回一緒に戦えなかはもう決定事項と。そいでん私は哩先輩に会いたか。やけん、友清の褒めてくれたように、私は必死にデジタル論の勉強ばすっ。
わかったら、友清は江崎先輩たちと練習ばしてきんしゃい。お互い遊んどう暇はなかはずと」
友清「さすがは姫子せんぱい。私も見習わんとですねっ!」
姫子「デジタル論の練習も忘れんとしっかりな」
友清「えーっ!? やけん、私は能力ば使えなくなることなんてなかとですけん、よかとです。束縛の強過ぎて白水せんぱいに逃げられた姫子せ」
ゴン
友清「痛ああああああああああ!?」ナミダメ
姫子「哩先輩は逃げたりせんっ!! 束縛すればするほど、むしろ喜ぶと!!」
友清「憧れの姫子せんぱいとは言え今の発言はちょっとドン引きとです……! ま、まあ!! とにかく私は姫子せんぱいの味方とですよーっ!!」
姫子「はいはい。あいがとなー」
727:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 17:47:16.83 :CRK6ltOp0
友清「むぅー!! あの、姫子せんぱい、愛ってどげんしたら伝わっとですかー……?」
姫子「愛に言葉は要らん。身体ば使いんしゃい」
友清「………………むりゃー!!!」ガバッ
姫子「ちょ!? な、なんばすっとね友清ー!?」
友清「溢れる愛ば体現しとるとですー!!」ムギュー
姫子「……ごめん、友清。私は哩先輩一筋やけん。友清の気持ちには応えられなか……」
友清「なぜ告白してフラれた感じになっとっとですかー!? 違うとですけんねっ!? 愛は愛でん、こいは《新道寺》愛とです!!」
姫子「《新道寺》愛……?」
友清「姫子せんぱいには、私や江崎せんぱいや安河内せんぱいの分まで、頑張ってもらわんとですけん。
姫子せんぱいは《新道寺》の代表――白水せんぱいに、私たちの気持ちば伝えてもらわんとですけん。こうして愛ばちゅーにゅーしとるです」ムギュー
姫子「……あいがと。嬉しかよ」
友清「姫子せんぱいは、一人やなかとですけんねっ! 白水せんぱいのいなくなっても、江崎せんぱいや安河内せんぱい、それにもちろん、私も傍におるとです。
約束してください。こん溢れる《新道寺》愛ば……白水せんぱいに見せ付けるって!!」
姫子「いつでんどこでん使える《新道寺》キーやね。任せんしゃい、哩先輩の目の前で、《絶対》に形にしちゃる!」
友清「さっすが姫子せんぱいとです! 大好きとですーっ!!」ムギュー
姫子「ちょいちょい、そがん力いっぱい抱き締めんでも、十分《新道寺》愛は伝わっとうよ」
友清「ふふっ、喜んでください、姫子せんぱい。今ちゅーにゅーしとるのは、私からの個人的な愛とです!!」
姫子「ってことは、こいは《避雷針》キーと?」
友清「そーゆーこととです! 困ったときに使ってくださいっ!! この《避雷針》こと友清……姫子せんぱいのお呼びとあらば、いつでんどこでん稲妻になってかけつけっとですよー!!」
姫子「そいは頼もしか。有難く使わせてもらうけんね、《避雷針》様」
友清「どーぞどーぞとですーっ!!」
――――――
――――
――
友清「むぅー!! あの、姫子せんぱい、愛ってどげんしたら伝わっとですかー……?」
姫子「愛に言葉は要らん。身体ば使いんしゃい」
友清「………………むりゃー!!!」ガバッ
姫子「ちょ!? な、なんばすっとね友清ー!?」
友清「溢れる愛ば体現しとるとですー!!」ムギュー
姫子「……ごめん、友清。私は哩先輩一筋やけん。友清の気持ちには応えられなか……」
友清「なぜ告白してフラれた感じになっとっとですかー!? 違うとですけんねっ!? 愛は愛でん、こいは《新道寺》愛とです!!」
姫子「《新道寺》愛……?」
友清「姫子せんぱいには、私や江崎せんぱいや安河内せんぱいの分まで、頑張ってもらわんとですけん。
姫子せんぱいは《新道寺》の代表――白水せんぱいに、私たちの気持ちば伝えてもらわんとですけん。こうして愛ばちゅーにゅーしとるです」ムギュー
姫子「……あいがと。嬉しかよ」
友清「姫子せんぱいは、一人やなかとですけんねっ! 白水せんぱいのいなくなっても、江崎せんぱいや安河内せんぱい、それにもちろん、私も傍におるとです。
約束してください。こん溢れる《新道寺》愛ば……白水せんぱいに見せ付けるって!!」
姫子「いつでんどこでん使える《新道寺》キーやね。任せんしゃい、哩先輩の目の前で、《絶対》に形にしちゃる!」
友清「さっすが姫子せんぱいとです! 大好きとですーっ!!」ムギュー
姫子「ちょいちょい、そがん力いっぱい抱き締めんでも、十分《新道寺》愛は伝わっとうよ」
友清「ふふっ、喜んでください、姫子せんぱい。今ちゅーにゅーしとるのは、私からの個人的な愛とです!!」
姫子「ってことは、こいは《避雷針》キーと?」
友清「そーゆーこととです! 困ったときに使ってくださいっ!! この《避雷針》こと友清……姫子せんぱいのお呼びとあらば、いつでんどこでん稲妻になってかけつけっとですよー!!」
姫子「そいは頼もしか。有難く使わせてもらうけんね、《避雷針》様」
友清「どーぞどーぞとですーっ!!」
――――――
――――
――
728:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 17:57:35.98 :CRK6ltOp0
――対局室
友清(おっとっと……ついつい姫子せんぱいとの数少ないいちゃいちゃタイムまで回想してしまったとです。で、何の話やっけ……?
あ、能力のアリナシの話とでした! つまり、能力の使えなかときに、どげん戦うか――)
桃子「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
友清(《煌星》の東横さんは、能力ナシでん《百花仙》さんにブチ当てとったとです。未だにテンパイすらできん私とは大違いとですね。
発動までに時間のかかる能力やけん、それまで耐えるのにデジタルに強かなった――って理屈やと思うばってん、これは一石一丁に身に着く技術やなかとです。
そいだけの努力ば……東横さんはしてきたに違いなかとです)
友清(もちろん、私もできることはしてきたつもりとです。ただ、頑張る方向の違っとっただけ。
できないことば羨むより、できることば誇りたか。要するに、私は姫子せんぱいの忠告ば聞かんかったとですよね……!)
友清(私は私やけん。能力も含めて私やけん。そいば無視して付け焼刃のデジタル論ば勉強したところで……姫子せんぱいの言う『心の支えになるような力』は手に入らん)
友清(私の自信は……私の心の支えは、姫子せんぱいに認めてもらったこの力。こん能力ば使って、私は勝つとです。
もし一度も能力の使えんまま対局の終わったら……そんときは、《発動条件》ば満たせんかった私の未熟ば悔いるだけとですよ)
友清(能力のなくても戦えるように頑張るんは……なんやろ、ちょっと違うとです。私はあくまで、能力ば前提に戦いたかとです。
姫子せんぱいに『強かね』って言われた私のままで、強くなりたかとですっ!!)
友清(さてさてとです。前半戦の中盤から私は東横さんの見えとらん。これはつまり、私の能力の見せ時ってこととですよね。
さあ……振れば降ったる雷様っ! 《避雷針》はここにあっとですよ……!! さっさと力ば寄越しんしゃいッ!!)ゴッ
桃子「ロンっす、8000っ!」ユラッ
利仙「……はい」チャ
友清(~~~~~っ!?)
友清:81700 憩:120800 利仙:94900 桃子:102600
――対局室
友清(おっとっと……ついつい姫子せんぱいとの数少ないいちゃいちゃタイムまで回想してしまったとです。で、何の話やっけ……?
あ、能力のアリナシの話とでした! つまり、能力の使えなかときに、どげん戦うか――)
桃子「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
友清(《煌星》の東横さんは、能力ナシでん《百花仙》さんにブチ当てとったとです。未だにテンパイすらできん私とは大違いとですね。
発動までに時間のかかる能力やけん、それまで耐えるのにデジタルに強かなった――って理屈やと思うばってん、これは一石一丁に身に着く技術やなかとです。
そいだけの努力ば……東横さんはしてきたに違いなかとです)
友清(もちろん、私もできることはしてきたつもりとです。ただ、頑張る方向の違っとっただけ。
できないことば羨むより、できることば誇りたか。要するに、私は姫子せんぱいの忠告ば聞かんかったとですよね……!)
友清(私は私やけん。能力も含めて私やけん。そいば無視して付け焼刃のデジタル論ば勉強したところで……姫子せんぱいの言う『心の支えになるような力』は手に入らん)
友清(私の自信は……私の心の支えは、姫子せんぱいに認めてもらったこの力。こん能力ば使って、私は勝つとです。
もし一度も能力の使えんまま対局の終わったら……そんときは、《発動条件》ば満たせんかった私の未熟ば悔いるだけとですよ)
友清(能力のなくても戦えるように頑張るんは……なんやろ、ちょっと違うとです。私はあくまで、能力ば前提に戦いたかとです。
姫子せんぱいに『強かね』って言われた私のままで、強くなりたかとですっ!!)
友清(さてさてとです。前半戦の中盤から私は東横さんの見えとらん。これはつまり、私の能力の見せ時ってこととですよね。
さあ……振れば降ったる雷様っ! 《避雷針》はここにあっとですよ……!! さっさと力ば寄越しんしゃいッ!!)ゴッ
桃子「ロンっす、8000っ!」ユラッ
利仙「……はい」チャ
友清(~~~~~っ!?)
友清:81700 憩:120800 利仙:94900 桃子:102600
729:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 18:08:41.10 :CRK6ltOp0
東二局・親:憩
桃子(《ステルス》は機能してる……手もいい感じに伸びてるっす。けど、なんっすかね。さっきから悪寒がしてならないっすけど――)
友清「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
桃子(《新道寺》の一年生――アホ毛さん。きらめ先輩が言ってたっすね。この人は能力を隠してるんじゃないかって。
《避雷針》っていうのも決して蔑称じゃなく、もっと恐ろしい何かを示す通り名なんじゃないかって……)
――――――
――――
――
――――
桃子「えっ? 《新道寺》で一番恐いのはこの一年生っすか?」
友香「牌譜を見る限り、安定した力を持ってるのは三年生の江崎先輩って人な気がしますけど」
咲「負ける気はしないけど、風紀委員で助っ人の池田さんって人もなかなか」
淡「他の三年生二人も実際に打ったらそれなりに厄介そう。でも、キラメ的には、この一年坊になにか引っかかることがあるんだね?」
煌「ええ。《新道寺》は基本的にデジタルな打ち手ばかりなのですが、どうにも……この友清さんという方だけは違うような気がするのです」
桃子「予選の牌譜では、不自然な打ち回しや牌の偏りはなかったっす」
友香「なら、能力を隠してるってことでー?」
淡「それは確かにちょっと警戒が必要だね!」
咲「しかも、一番恐い――んですもんね。何か、能力のアテというか、ヒントを掴んでいるんですか?」
東二局・親:憩
桃子(《ステルス》は機能してる……手もいい感じに伸びてるっす。けど、なんっすかね。さっきから悪寒がしてならないっすけど――)
友清「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
桃子(《新道寺》の一年生――アホ毛さん。きらめ先輩が言ってたっすね。この人は能力を隠してるんじゃないかって。
《避雷針》っていうのも決して蔑称じゃなく、もっと恐ろしい何かを示す通り名なんじゃないかって……)
――――――
――――
――
――――
桃子「えっ? 《新道寺》で一番恐いのはこの一年生っすか?」
友香「牌譜を見る限り、安定した力を持ってるのは三年生の江崎先輩って人な気がしますけど」
咲「負ける気はしないけど、風紀委員で助っ人の池田さんって人もなかなか」
淡「他の三年生二人も実際に打ったらそれなりに厄介そう。でも、キラメ的には、この一年坊になにか引っかかることがあるんだね?」
煌「ええ。《新道寺》は基本的にデジタルな打ち手ばかりなのですが、どうにも……この友清さんという方だけは違うような気がするのです」
桃子「予選の牌譜では、不自然な打ち回しや牌の偏りはなかったっす」
友香「なら、能力を隠してるってことでー?」
淡「それは確かにちょっと警戒が必要だね!」
咲「しかも、一番恐い――んですもんね。何か、能力のアテというか、ヒントを掴んでいるんですか?」
730:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 18:16:29.40 :CRK6ltOp0
煌「左様です。ちょっと見てほしいのは、友清さんの予選でのデータ。これ……少し、偏りがあると思いませんか?」
桃子「うー、私はこういうの苦手っす」
友香「数字だけ見てもでー」
淡「生で打てば大体わかるんだけどなー」
咲「…………放銃率が高いですね」
煌「すばらっ! その通りです、咲さん!」
咲「えへへ。一すばらゲット……///」
淡「あっ! そういえば、牌譜見てちょっとツッパることが多いかもって思ってたんだよねー! 親リー相手に一発目から平気でど真ん中切ったりするしー!!」
咲「ふん。今更気付いてましたアピールをしても遅いよ、淡ちゃん」
淡「ぐぬぬぬ……!!」
友香「何か裏は取れたんですか?」
煌「調べてみたところ、友清さんは、インターミドルの団体戦地区予選決勝で、二年連続で鶴田さんと大将対決をしていたそうです。
恐らく、この高い放銃率も、その頃からの特徴なのだと思われます」
淡「どうしてそんなことがわかるのー?」
煌「友清さんの中学時代の通り名が、《避雷針》だからです」
煌「左様です。ちょっと見てほしいのは、友清さんの予選でのデータ。これ……少し、偏りがあると思いませんか?」
桃子「うー、私はこういうの苦手っす」
友香「数字だけ見てもでー」
淡「生で打てば大体わかるんだけどなー」
咲「…………放銃率が高いですね」
煌「すばらっ! その通りです、咲さん!」
咲「えへへ。一すばらゲット……///」
淡「あっ! そういえば、牌譜見てちょっとツッパることが多いかもって思ってたんだよねー! 親リー相手に一発目から平気でど真ん中切ったりするしー!!」
咲「ふん。今更気付いてましたアピールをしても遅いよ、淡ちゃん」
淡「ぐぬぬぬ……!!」
友香「何か裏は取れたんですか?」
煌「調べてみたところ、友清さんは、インターミドルの団体戦地区予選決勝で、二年連続で鶴田さんと大将対決をしていたそうです。
恐らく、この高い放銃率も、その頃からの特徴なのだと思われます」
淡「どうしてそんなことがわかるのー?」
煌「友清さんの中学時代の通り名が、《避雷針》だからです」
731:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 18:22:42.19 :CRK6ltOp0
桃子「《避雷針》って……つまり、この人のいる卓では、この人が直撃を喰らうことが多いから、他の人的には安心って意味っすね!?」
友香「けど、《避雷針》なんて通り名がつくほど放銃が多いのに、あのレベル5の鶴田先輩と大将対決をしていた。
しかも、二年連続ってことは、中一の頃から大将だったってわけですね。ただのデジタルじゃないってことはもう間違いなさそうでー」
淡「そっか……放銃しても、それを上回る得点が期待できるんだね。そういう能力を持ってるってこと……!」
煌「えてして能力者は、その能力に応じたクセというものを、多かれ少なかれ持っているものです。
ネット麻雀での数字がいい例ですね。友香さんはリーチ率が高く、桃子さんは副露率が低いです」
咲「能力は……打ち方の傾向とか意識の偏りの延長で、後天的に発現するものが多いですからね。
私の《プラマイゼロ》もそうだし、優希ちゃんの《東風》なんかもそう。優希ちゃん、ネット麻雀でも東場のほうが調子いいですもん」
淡「で、キラメはどんな能力だと予想してるの、その《避雷針》」
煌「残念ながら、そこまでは。推測できるのは、二つ。淡さんが言ったように、高い放銃率をカバーするほどの得点力を有しているだろうということ。もう一つは――」
咲「放銃が能力の《制約》または《発動条件》になっていること、ですね?」
煌「すばらっ! さすがの洞察力ですね、咲さん」
咲「二すばらゲットだよ……////」
淡「くぅぅぅぅー!!」
煌「というわけで、この友清さんには十分注意してください。中学時代にあの鶴田さんと渡り合ったほどの雀士です。
《避雷針》という通り名が、そのまま放銃率の高さだけを示しているはずがありません。
仮にですが、倍返しのカウンターのような能力だとしたら、自分が直撃を取った分だけ反撃が来る――ということになるわけです。
まあ、そんなに都合のいい能力が存在するかどうかはわかりませんが、いずれにせよ得点力の高い能力である可能性が高い。
放銃が《制約》か《発動条件》かは不明ですが、後者の場合、友清さんから直撃を取った直後、友清さんが振り込んだ直後は、場に何か異変が起きていないかどうか、わかる範囲で探ってみてください。よろしいですね?」
桃子・友香・咲・淡「はーい!」
――――
桃子「《避雷針》って……つまり、この人のいる卓では、この人が直撃を喰らうことが多いから、他の人的には安心って意味っすね!?」
友香「けど、《避雷針》なんて通り名がつくほど放銃が多いのに、あのレベル5の鶴田先輩と大将対決をしていた。
しかも、二年連続ってことは、中一の頃から大将だったってわけですね。ただのデジタルじゃないってことはもう間違いなさそうでー」
淡「そっか……放銃しても、それを上回る得点が期待できるんだね。そういう能力を持ってるってこと……!」
煌「えてして能力者は、その能力に応じたクセというものを、多かれ少なかれ持っているものです。
ネット麻雀での数字がいい例ですね。友香さんはリーチ率が高く、桃子さんは副露率が低いです」
咲「能力は……打ち方の傾向とか意識の偏りの延長で、後天的に発現するものが多いですからね。
私の《プラマイゼロ》もそうだし、優希ちゃんの《東風》なんかもそう。優希ちゃん、ネット麻雀でも東場のほうが調子いいですもん」
淡「で、キラメはどんな能力だと予想してるの、その《避雷針》」
煌「残念ながら、そこまでは。推測できるのは、二つ。淡さんが言ったように、高い放銃率をカバーするほどの得点力を有しているだろうということ。もう一つは――」
咲「放銃が能力の《制約》または《発動条件》になっていること、ですね?」
煌「すばらっ! さすがの洞察力ですね、咲さん」
咲「二すばらゲットだよ……////」
淡「くぅぅぅぅー!!」
煌「というわけで、この友清さんには十分注意してください。中学時代にあの鶴田さんと渡り合ったほどの雀士です。
《避雷針》という通り名が、そのまま放銃率の高さだけを示しているはずがありません。
仮にですが、倍返しのカウンターのような能力だとしたら、自分が直撃を取った分だけ反撃が来る――ということになるわけです。
まあ、そんなに都合のいい能力が存在するかどうかはわかりませんが、いずれにせよ得点力の高い能力である可能性が高い。
放銃が《制約》か《発動条件》かは不明ですが、後者の場合、友清さんから直撃を取った直後、友清さんが振り込んだ直後は、場に何か異変が起きていないかどうか、わかる範囲で探ってみてください。よろしいですね?」
桃子・友香・咲・淡「はーい!」
――――
732:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 18:27:51.25 :CRK6ltOp0
――――
桃子(ここまで、アホ毛さんの放銃は一回。前半戦東一局にナースさんに振り込んだ1300。そのときはなんともなかったっすけど、だからといって早合点するわけにはいかないっす)
桃子(実際、アホ毛さんは前半戦から毎局全ツッパっす。これは《制約》というより《発動条件》っぽいっすね。なんというか、狙って振り込みにいってるような感じ……)
桃子(他家から直撃を取りやすいのが私の《ステルス》っすけど、この人の《避雷針》とは相性がいいのやら悪いのやら。
さっき天女さんから和了ったとき、アホ毛さん、悔しそうな顔してたっす。自分が振り込みたかった――みたいな)
桃子(憶測の域を出ないっすけど、振り込むだけじゃなく、振り込む点数も関係しているのかもっすね。《避雷針》……避けると言いつつ敢えて雷を呼び込む針。
雷って言うくらいっすからね。1300くらいの静電気じゃダメなのかもっす。もっと……空気の絶縁を破るくらいの、強力なやつじゃなきゃ――)
友清「」タンッ
桃子(……と、それ和了れるっす。どうする……? いや、でも、もうリーチかけてるっすもんね。後には退けない。くっ――天に祈るっす!!)
桃子「ロンっす、6400」ユラッ
友清(お――惜しいっ!! 裏の乗ってくれてれば……!!)
憩(おっとっとー? なんやろこのちまい子、前半から不思議に思っとったけど、振り込んだときの心拍数の変化がえらい急やんな。
もろもろ合わせて考えると、高い手に振り込みたい――って思うてるっぽい。
さては能力者か? そういえば、ガイトさんが放銃率の高さを気にしてはったな。菫さんも危険度中って言ってはった。一応、気ぃつけとくか……)
桃子(だ、大丈夫……だったっすかね? なんにせよ、次の局は要注意っす!)
利仙(《新道寺》の一年生が少し気になりますが、それよりも今は《ステルスモモ》ですね。荒川さんが動いてこないということは、彼女の目にも見えていないということでしょう。
大した能力です。感応系の能力は、レベル5の使い手こそいないという話ですが、系統最強であるアレしかり……打ち破る手段がこれといってないのが強みです。
まあ、別に打ち破らずとも、勝つ方法はいくらでもありますけどね……)
友清:75300 憩:120800 利仙:94900 桃子:109000
――――
桃子(ここまで、アホ毛さんの放銃は一回。前半戦東一局にナースさんに振り込んだ1300。そのときはなんともなかったっすけど、だからといって早合点するわけにはいかないっす)
桃子(実際、アホ毛さんは前半戦から毎局全ツッパっす。これは《制約》というより《発動条件》っぽいっすね。なんというか、狙って振り込みにいってるような感じ……)
桃子(他家から直撃を取りやすいのが私の《ステルス》っすけど、この人の《避雷針》とは相性がいいのやら悪いのやら。
さっき天女さんから和了ったとき、アホ毛さん、悔しそうな顔してたっす。自分が振り込みたかった――みたいな)
桃子(憶測の域を出ないっすけど、振り込むだけじゃなく、振り込む点数も関係しているのかもっすね。《避雷針》……避けると言いつつ敢えて雷を呼び込む針。
雷って言うくらいっすからね。1300くらいの静電気じゃダメなのかもっす。もっと……空気の絶縁を破るくらいの、強力なやつじゃなきゃ――)
友清「」タンッ
桃子(……と、それ和了れるっす。どうする……? いや、でも、もうリーチかけてるっすもんね。後には退けない。くっ――天に祈るっす!!)
桃子「ロンっす、6400」ユラッ
友清(お――惜しいっ!! 裏の乗ってくれてれば……!!)
憩(おっとっとー? なんやろこのちまい子、前半から不思議に思っとったけど、振り込んだときの心拍数の変化がえらい急やんな。
もろもろ合わせて考えると、高い手に振り込みたい――って思うてるっぽい。
さては能力者か? そういえば、ガイトさんが放銃率の高さを気にしてはったな。菫さんも危険度中って言ってはった。一応、気ぃつけとくか……)
桃子(だ、大丈夫……だったっすかね? なんにせよ、次の局は要注意っす!)
利仙(《新道寺》の一年生が少し気になりますが、それよりも今は《ステルスモモ》ですね。荒川さんが動いてこないということは、彼女の目にも見えていないということでしょう。
大した能力です。感応系の能力は、レベル5の使い手こそいないという話ですが、系統最強であるアレしかり……打ち破る手段がこれといってないのが強みです。
まあ、別に打ち破らずとも、勝つ方法はいくらでもありますけどね……)
友清:75300 憩:120800 利仙:94900 桃子:109000
733:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 18:35:34.78 :CRK6ltOp0
――《夜行》控え室
利仙『ツモ、6000オールです』
いちご「ええぞー! 利仙ー!!」
絃「技術的に振り込まない荒川と、能力的に振り込まない東横。その二人を同時に削る最高の一撃だ」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「確かに、《新道寺》の一年生は逆に予選で振り込みが多かったかも。何か能力的なものなのかもねー」
絃「それならなおのこと、ツモで稼ぐ利仙にはうってつけだな」
いちご「おっ、これは今局も行けるじゃろっ! 味方ながらに恐ろしいやつじゃ……あの《最愛》の大能力者は!!」
利仙手牌:②②③③④④⑤⑥⑥⑦⑦⑧⑧ ドラ:北
藍子「だ・い・しゃ・り~んっ!! ここで利仙さんの超必殺が来ましたよー!!」
絃「高めなら門前清一タンピン二盃口……!!」
利仙『リーチです……』
いちご「あいつ……赤五ツモって数えを和了る気か!? ダマでええじゃろうに無茶しよる……!!」
絃「いや、東横がいる以上、フリテン警戒で和了るならツモ一択。なら、数えを見るのは当然だ。
それに、赤五筒は《百花仙》の能力的に最も引きやすい牌。《神憑き》の利仙なら、他家が鳴きで場を乱してきたところで、強引にツモを《上書き》することもできるはずだ」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「そうね。利仙さんはいちごさんの分まで稼がなくちゃいけないから!!」
いちご「わりゃ、もこ! ちょっとこっち来んさいコラ!!」
藍子「ま、今のは私の冗談ですがっ!」
いちご「藍子!?」
――《夜行》控え室
利仙『ツモ、6000オールです』
いちご「ええぞー! 利仙ー!!」
絃「技術的に振り込まない荒川と、能力的に振り込まない東横。その二人を同時に削る最高の一撃だ」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「確かに、《新道寺》の一年生は逆に予選で振り込みが多かったかも。何か能力的なものなのかもねー」
絃「それならなおのこと、ツモで稼ぐ利仙にはうってつけだな」
いちご「おっ、これは今局も行けるじゃろっ! 味方ながらに恐ろしいやつじゃ……あの《最愛》の大能力者は!!」
利仙手牌:②②③③④④⑤⑥⑥⑦⑦⑧⑧ ドラ:北
藍子「だ・い・しゃ・り~んっ!! ここで利仙さんの超必殺が来ましたよー!!」
絃「高めなら門前清一タンピン二盃口……!!」
利仙『リーチです……』
いちご「あいつ……赤五ツモって数えを和了る気か!? ダマでええじゃろうに無茶しよる……!!」
絃「いや、東横がいる以上、フリテン警戒で和了るならツモ一択。なら、数えを見るのは当然だ。
それに、赤五筒は《百花仙》の能力的に最も引きやすい牌。《神憑き》の利仙なら、他家が鳴きで場を乱してきたところで、強引にツモを《上書き》することもできるはずだ」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「そうね。利仙さんはいちごさんの分まで稼がなくちゃいけないから!!」
いちご「わりゃ、もこ! ちょっとこっち来んさいコラ!!」
藍子「ま、今のは私の冗談ですがっ!」
いちご「藍子!?」
734:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 18:38:31.11 :CRK6ltOp0
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「え? いや、でも、東横さんがいるんだから、それはないんじゃ――」
憩『ロンや、1000は1300』
友清『はっ、へ、はい……?』
藍子「は?」
いちご「なんじゃあの和了りは……」
絃「東横がいるのに躊躇いなく出和了りしただと……? しかも、わざと点数を下げているな。どういう意図があるんだか」
藍子「《新道寺》の一年生――《避雷針》。能力者っぽい雰囲気はあるんですけど……ってか、問題はそっちじゃなく!」
絃「そうだな。東横は《捨て牌が見えなくなる》感応系能力者だと思っていたが、それにしては荒川が自由過ぎる。何か抜け道があるのだろうか……」
憩『ロン、2000』
桃子『は、はい……?』
藍子「うそーんっ!?」
絃「これは……どうなっている?」
いちご「荒川憩には効かない、とかじゃろか? 感応系の能力は効き目に個人差があるけえ」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「えっ? なんだって?」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「ま、まあ、そりゃ荒川さんは《悪魔》だけど――えっ?」
もこ「」ブツブツブツブツ
絃「なんだ、どうした?」
藍子「……荒川さんが、ヤバいそうです」
いちご「ヤバいのは重々承知じゃ。あれは正真正銘の《悪魔》じゃけえの」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「も、もこ……?」
もこ「」ブツブツブツブツ
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「え? いや、でも、東横さんがいるんだから、それはないんじゃ――」
憩『ロンや、1000は1300』
友清『はっ、へ、はい……?』
藍子「は?」
いちご「なんじゃあの和了りは……」
絃「東横がいるのに躊躇いなく出和了りしただと……? しかも、わざと点数を下げているな。どういう意図があるんだか」
藍子「《新道寺》の一年生――《避雷針》。能力者っぽい雰囲気はあるんですけど……ってか、問題はそっちじゃなく!」
絃「そうだな。東横は《捨て牌が見えなくなる》感応系能力者だと思っていたが、それにしては荒川が自由過ぎる。何か抜け道があるのだろうか……」
憩『ロン、2000』
桃子『は、はい……?』
藍子「うそーんっ!?」
絃「これは……どうなっている?」
いちご「荒川憩には効かない、とかじゃろか? 感応系の能力は効き目に個人差があるけえ」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「えっ? なんだって?」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「ま、まあ、そりゃ荒川さんは《悪魔》だけど――えっ?」
もこ「」ブツブツブツブツ
絃「なんだ、どうした?」
藍子「……荒川さんが、ヤバいそうです」
いちご「ヤバいのは重々承知じゃ。あれは正真正銘の《悪魔》じゃけえの」
もこ「」ブツブツブツブツ
藍子「も、もこ……?」
もこ「」ブツブツブツブツ
735:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 18:43:20.79 :CRK6ltOp0
――《煌星》控え室
淡「はー!? モモコが振り込んだよっ!!」ガタッ
友香「荒川さんからはさっきのオーラスで直撃を取った。てっきり《ステルス》は効いてるもんだと思ってたけど……」
咲「……煌さん、さっきの出和了りと、今の直撃、どう思いますか?」
煌「推測はできますが、まだ確信が持てません。ただ、桃子さんが非常に危ういこと、それから……荒川さんが本気になったことは確かですね」
友香「今まで本気じゃなかったんでー!?」
淡「やけに安く刻んでるなーとは思ってたけど」
咲「まあ、それは速さ重視だったからじゃない? 桃子ちゃんもあの藤原さんって人もテンパイ速いから」
煌「先ほどはそれでトップを取っていました。今回も、ここまでは同じ方針のようでしたが、恐らく、次からは違います。
本気になったというと少々語弊がありますか。スタンスを変えてきた、といった感じですね」
友香「《百花仙》さんに親っパネをツモられたからですか?」
煌「いえ、何が原因でスイッチが入ったのかは、さすがに私も人の心が読めるわけではないので……。
ただ、荒川さんのクセといいますか。あの方は、考え事をするとき、こう……手の甲で片目を隠す仕草をするんです。
先刻、桃子さんから和了った局、第一打を放つ前に、それをしていました。何か、思うところがあったのかと」
――《煌星》控え室
淡「はー!? モモコが振り込んだよっ!!」ガタッ
友香「荒川さんからはさっきのオーラスで直撃を取った。てっきり《ステルス》は効いてるもんだと思ってたけど……」
咲「……煌さん、さっきの出和了りと、今の直撃、どう思いますか?」
煌「推測はできますが、まだ確信が持てません。ただ、桃子さんが非常に危ういこと、それから……荒川さんが本気になったことは確かですね」
友香「今まで本気じゃなかったんでー!?」
淡「やけに安く刻んでるなーとは思ってたけど」
咲「まあ、それは速さ重視だったからじゃない? 桃子ちゃんもあの藤原さんって人もテンパイ速いから」
煌「先ほどはそれでトップを取っていました。今回も、ここまでは同じ方針のようでしたが、恐らく、次からは違います。
本気になったというと少々語弊がありますか。スタンスを変えてきた、といった感じですね」
友香「《百花仙》さんに親っパネをツモられたからですか?」
煌「いえ、何が原因でスイッチが入ったのかは、さすがに私も人の心が読めるわけではないので……。
ただ、荒川さんのクセといいますか。あの方は、考え事をするとき、こう……手の甲で片目を隠す仕草をするんです。
先刻、桃子さんから和了った局、第一打を放つ前に、それをしていました。何か、思うところがあったのかと」
736:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 18:49:26.15 :CRK6ltOp0
咲「でも、あの人ってものすごく計算が速いんですよね? それこそ和ちゃん以上に。
そんな人が考え事って……一体これから何をするつもりなんでしょうか?」
煌「わかりません。しかし、あの表情を見る限り、結論は出ているようです……」
憩『ロン……8000』
友香「満貫!? さっきまで平均3000点くらいの和了りしかしてなかったのに!!」
淡「火力を上げてきたってこと!?」
咲「ちょ、待って! それより今直撃を受けたのって」
友清『は――はいとですーっ!!』ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
友香・淡・咲「ッ――!!?」ビリビリビリビリ
煌「なるほど……放銃は《発動条件》でしたか。断定はできませんが、恐らく――《満貫以上の放銃》」
友香「うっわ……!? ちょ、なんでーそれ!! 配牌激ヤバッ!? 間違いなく能力でー!! 」
咲「《発動条件》が《発動条件》だけに、能力値《レベル》も高そう。淡ちゃん、どう? あれ……例のやつで封じられる?」
淡「微妙なとこかな。支配力でどこまで補正できるかにもよるけど、純粋な能力勝負なら、私の《絶対安全圏》はノーリスクだし、条件の厳しい向こうのほうが強度は上だと思う」
咲「本当に大した《絶対》だよね、淡ちゃんのそれ。レベル5でもないのに《絶対》とか言っちゃうの恥ずかしくない? いっそ《大体安全圏》に改名したら?」
淡「サッキー、今からモモコと代わって、あの人にサッキーの最大の弱点を突かれてくればいいよ。暗槓を槍槓されてくればいいよ」
咲「し、死んでも嫌……っ!!」ガタガタ
友香「は、配牌だけじゃなくツモまでそれって……!! じゃあ、これは藤原先輩と同じ常時発動型の自牌干渉系能力でー? だとしたら遠からず……」
煌「どうやら想像以上に危険な方だったようですね。振り込みという雷から他家を守る《避雷針》とは真逆の存在。
卓上に雷槌を振り下ろす飛電の神。言わば今の友清さんは――」
咲「でも、あの人ってものすごく計算が速いんですよね? それこそ和ちゃん以上に。
そんな人が考え事って……一体これから何をするつもりなんでしょうか?」
煌「わかりません。しかし、あの表情を見る限り、結論は出ているようです……」
憩『ロン……8000』
友香「満貫!? さっきまで平均3000点くらいの和了りしかしてなかったのに!!」
淡「火力を上げてきたってこと!?」
咲「ちょ、待って! それより今直撃を受けたのって」
友清『は――はいとですーっ!!』ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
友香・淡・咲「ッ――!!?」ビリビリビリビリ
煌「なるほど……放銃は《発動条件》でしたか。断定はできませんが、恐らく――《満貫以上の放銃》」
友香「うっわ……!? ちょ、なんでーそれ!! 配牌激ヤバッ!? 間違いなく能力でー!! 」
咲「《発動条件》が《発動条件》だけに、能力値《レベル》も高そう。淡ちゃん、どう? あれ……例のやつで封じられる?」
淡「微妙なとこかな。支配力でどこまで補正できるかにもよるけど、純粋な能力勝負なら、私の《絶対安全圏》はノーリスクだし、条件の厳しい向こうのほうが強度は上だと思う」
咲「本当に大した《絶対》だよね、淡ちゃんのそれ。レベル5でもないのに《絶対》とか言っちゃうの恥ずかしくない? いっそ《大体安全圏》に改名したら?」
淡「サッキー、今からモモコと代わって、あの人にサッキーの最大の弱点を突かれてくればいいよ。暗槓を槍槓されてくればいいよ」
咲「し、死んでも嫌……っ!!」ガタガタ
友香「は、配牌だけじゃなくツモまでそれって……!! じゃあ、これは藤原先輩と同じ常時発動型の自牌干渉系能力でー? だとしたら遠からず……」
煌「どうやら想像以上に危険な方だったようですね。振り込みという雷から他家を守る《避雷針》とは真逆の存在。
卓上に雷槌を振り下ろす飛電の神。言わば今の友清さんは――」
737:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 18:56:01.09 :CRK6ltOp0
――《新道寺》控え室
仁美「《飛雷神》――ここに降臨とッ!!」
友清『』ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
華菜「《百花仙》の藤原先輩や《導火線》の漫と同じ――常時発動型の自牌干渉系能力者ッ!!」
巴「《満貫以上の放銃》をすることで《次局の配牌とツモを》」
美子「《全てヤオ九牌にする》大能力……ッ!!」
友清配牌:一九⑨999東南西北白發中 ツモ:1 ドラ:⑧
仁美「一巡目で国士無双テンパイ……あいつの能力は相変わらず眩し過ぎて眩暈のすっと」
美子「インターミドルの地区予選、《飛雷神》モードの友清ば止められたのは、《約束の鍵》ば持っとった姫子だけやったらしいな」
華菜「親で発動したら天和国士も可能な超びっくり能力だしっ!」
巴「配牌もツモもヤオ九牌しか来ないから、捨て牌も最初の数巡くらいはあんまり不自然に見えない……というか国士気配はゼロ。予備知識なしで見抜くのは至難だよね」
仁美「仮に能力の発動ば察知されても、まさかこいほどの強度と効果やとは想像もできんやろ。それこそあの《悪魔の目》でんなか限り」
美子「強いて弱点ば挙げれば、友清のヤオ九牌ば抱える分、他家に中張牌の行きやすかことくらい。
あと、見た目のインパクトほど、劇的に和了速度のあるわけやなかことか」
華菜「けど、友清は国士だけじゃないし。配牌によっては、序盤で鳴いて対々を狙ってくることもある。
最高で字一色か清老頭、最低でも混老対々。和了りさえすれば満貫分は取り戻せるし!」
巴「まあ、今回は運良く早々に張れた。いくら荒川さんでも、ツモの偏りを引き起こす確率干渉そのものは止められない。これはかなり期待できそう」
美子「頑張っとよ……友清っ!!」
仁美「友清、姫子や哩にしっかり見せてやりんしゃい……!! 《新道寺》の未来のエースの力ば――!!」
――《新道寺》控え室
仁美「《飛雷神》――ここに降臨とッ!!」
友清『』ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
華菜「《百花仙》の藤原先輩や《導火線》の漫と同じ――常時発動型の自牌干渉系能力者ッ!!」
巴「《満貫以上の放銃》をすることで《次局の配牌とツモを》」
美子「《全てヤオ九牌にする》大能力……ッ!!」
友清配牌:一九⑨999東南西北白發中 ツモ:1 ドラ:⑧
仁美「一巡目で国士無双テンパイ……あいつの能力は相変わらず眩し過ぎて眩暈のすっと」
美子「インターミドルの地区予選、《飛雷神》モードの友清ば止められたのは、《約束の鍵》ば持っとった姫子だけやったらしいな」
華菜「親で発動したら天和国士も可能な超びっくり能力だしっ!」
巴「配牌もツモもヤオ九牌しか来ないから、捨て牌も最初の数巡くらいはあんまり不自然に見えない……というか国士気配はゼロ。予備知識なしで見抜くのは至難だよね」
仁美「仮に能力の発動ば察知されても、まさかこいほどの強度と効果やとは想像もできんやろ。それこそあの《悪魔の目》でんなか限り」
美子「強いて弱点ば挙げれば、友清のヤオ九牌ば抱える分、他家に中張牌の行きやすかことくらい。
あと、見た目のインパクトほど、劇的に和了速度のあるわけやなかことか」
華菜「けど、友清は国士だけじゃないし。配牌によっては、序盤で鳴いて対々を狙ってくることもある。
最高で字一色か清老頭、最低でも混老対々。和了りさえすれば満貫分は取り戻せるし!」
巴「まあ、今回は運良く早々に張れた。いくら荒川さんでも、ツモの偏りを引き起こす確率干渉そのものは止められない。これはかなり期待できそう」
美子「頑張っとよ……友清っ!!」
仁美「友清、姫子や哩にしっかり見せてやりんしゃい……!! 《新道寺》の未来のエースの力ば――!!」
738:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 19:03:49.10 :CRK6ltOp0
――対局室
南二局・親:憩
友清(何がなんでん和了る……っ!!)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
友清手牌:一九⑨199東南西北白發中 ドラ:⑧
北家:友清(新道寺・60000)
利仙(非常に高強度の能力が発動しているのを感じますね。まだ一巡目。捨て牌は九索。読み取れる情報はあまりに少ない。できるだけ現物以外を切らないようにしつつ、能力の正体を探ることに専念しましょう。
大丈夫。問題はさほどありません。たとえ役満をツモられても、荒川さんとの点差は縮まるわけですし、この局は全力で店仕舞いしましょう)
南家:藤原利仙(夜行・111900)
桃子(どういう能力なのかは現時点では見当もつかないっすけど、私の《ステルス》は効果を失ってない。先にテンパイできれば、流せるかもっすね。
ただ、アホ毛さんのこれが今後もずっと続くなら、流局で手牌を見てみたい気持ちもあるっす……)
西家:東横桃子(煌星・101000)
憩(これはこれは……配牌がヤオ九牌だらけ。ほんでもって、一索ツモからの、九索切り。すごいな。一巡目で国士をテンパったんか)
東家:荒川憩(劫初・127100)
――対局室
南二局・親:憩
友清(何がなんでん和了る……っ!!)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
友清手牌:一九⑨199東南西北白發中 ドラ:⑧
北家:友清(新道寺・60000)
利仙(非常に高強度の能力が発動しているのを感じますね。まだ一巡目。捨て牌は九索。読み取れる情報はあまりに少ない。できるだけ現物以外を切らないようにしつつ、能力の正体を探ることに専念しましょう。
大丈夫。問題はさほどありません。たとえ役満をツモられても、荒川さんとの点差は縮まるわけですし、この局は全力で店仕舞いしましょう)
南家:藤原利仙(夜行・111900)
桃子(どういう能力なのかは現時点では見当もつかないっすけど、私の《ステルス》は効果を失ってない。先にテンパイできれば、流せるかもっすね。
ただ、アホ毛さんのこれが今後もずっと続くなら、流局で手牌を見てみたい気持ちもあるっす……)
西家:東横桃子(煌星・101000)
憩(これはこれは……配牌がヤオ九牌だらけ。ほんでもって、一索ツモからの、九索切り。すごいな。一巡目で国士をテンパったんか)
東家:荒川憩(劫初・127100)
739:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 19:14:43.58 :CRK6ltOp0
憩(なるほどな……そういう能力やったんか。能力値は間違いなくレベル4。藤原さんと同じ常時発動型の自牌干渉系能力。
ほんで、強度そのものは、たぶんこの子のほうが上や。配牌とツモがヤオ九牌に偏る――なんて生温い。配牌とツモが『全て』ヤオ九牌になるってとこやろな)
憩(《避雷針》――否、《飛雷神》とでも呼ぼか。確かにオモロそうな能力やな。嵌れば強い。さすが一年生で伝統ある《新道寺》に誘われるだけのことはある。
せやけど、ヤオ九牌だけツモろうがなんやろうが、和了れなければそれまでやで)
憩(発動条件を満たせば絶対に国士が和了れるんならまだしも、たかがヤオ九牌をランダムに引き寄せるだけの力――取り立てて騒ぐようなもんでもあらへん。
率直な感想を言わせてもらえば、それがどないしたん? って感じや)
憩(ほな、ま、何はともあれ、この子の期待値を計算してみよかー。この子がランダムにヤオ九牌52枚を手に引き込んでいくと仮定する。
とりあえず、ヤオ九牌52枚から、確定しとる配牌13枚と第一ツモ1枚を引いて、残り38枚について考えていけばええわけやんな)
憩(この38枚を、この子の残りツモ16枚、その他22枚に振り分ける。22239974430パターン。その上で、ツモ16枚の順列が16の階乗で20922789888000やから、掛け合わせて――ほい出た全465322312113382563840000パターン。あとは虱潰しやろ)
憩(現状でウチから見えとるヤオ九牌を考慮に入れて、この465322312113382563840000パターンを篩いにかける。
出揃ったら、あとは巡目ごとの期待値を弾き出して――っと。あかんあかん! つい計算に熱中してもうた……!?)
憩(これ……小走さんに指摘されたウチの悪いクセやんな。力技で演算するんは機械と変わらへん。人間なら『目的に応じて合理的で効率的な計算をしろ』やっけ)
憩(なるほどな……そういう能力やったんか。能力値は間違いなくレベル4。藤原さんと同じ常時発動型の自牌干渉系能力。
ほんで、強度そのものは、たぶんこの子のほうが上や。配牌とツモがヤオ九牌に偏る――なんて生温い。配牌とツモが『全て』ヤオ九牌になるってとこやろな)
憩(《避雷針》――否、《飛雷神》とでも呼ぼか。確かにオモロそうな能力やな。嵌れば強い。さすが一年生で伝統ある《新道寺》に誘われるだけのことはある。
せやけど、ヤオ九牌だけツモろうがなんやろうが、和了れなければそれまでやで)
憩(発動条件を満たせば絶対に国士が和了れるんならまだしも、たかがヤオ九牌をランダムに引き寄せるだけの力――取り立てて騒ぐようなもんでもあらへん。
率直な感想を言わせてもらえば、それがどないしたん? って感じや)
憩(ほな、ま、何はともあれ、この子の期待値を計算してみよかー。この子がランダムにヤオ九牌52枚を手に引き込んでいくと仮定する。
とりあえず、ヤオ九牌52枚から、確定しとる配牌13枚と第一ツモ1枚を引いて、残り38枚について考えていけばええわけやんな)
憩(この38枚を、この子の残りツモ16枚、その他22枚に振り分ける。22239974430パターン。その上で、ツモ16枚の順列が16の階乗で20922789888000やから、掛け合わせて――ほい出た全465322312113382563840000パターン。あとは虱潰しやろ)
憩(現状でウチから見えとるヤオ九牌を考慮に入れて、この465322312113382563840000パターンを篩いにかける。
出揃ったら、あとは巡目ごとの期待値を弾き出して――っと。あかんあかん! つい計算に熱中してもうた……!?)
憩(これ……小走さんに指摘されたウチの悪いクセやんな。力技で演算するんは機械と変わらへん。人間なら『目的に応じて合理的で効率的な計算をしろ』やっけ)
740:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 19:21:58.83 :CRK6ltOp0
憩(ほな、小走さんなら、どう計算するかな。たぶん、あの人はホンマに状況を単純化するやろな……)
憩(この子は一巡目で国士をテンパイ。待ちは残り4枚の一筒。これが、残り38枚に含まれとる。つまり、次巡でツモる確率は4/38――約10パーセント)
憩(今度は10巡目までに和了る確率を考えてみよか。残り38枚あるヤオ九牌から、ランダムに9枚ツモったとき、その9枚の中に一筒が一枚も含まれへん――つまり一筒をツモらへん確率は、570024/1771560で約32パーセント。
ゆえに、10巡目までのどこかでツモる確率は、ひっくり返って約68パーセントってことや。
ははっ、七割! ピカ○ュウの『かみなり』の命中率とほぼ同じやん!! 大した大能力者《レベル4》や……《飛雷神》!!)
憩(恐るるに足りんな、雷神様。ウチはもっとどえらい神様を見たことがあるで。ヤオ九牌52枚支配よりもっとえぐい……《鬼神》こと小蒔ちゃんの一色牌36枚支配をな……!!)
憩(今思い出しても寒気がするわ。一回……ホンマに死ぬかと思ったときがあった。
衣ちゃんとふざけて、小蒔ちゃんが大切にとっといたおやつのプリンを食べてもうたとき。小蒔ちゃん……大激怒やったな)
憩(あれは……鬼は鬼でも、神なんて高尚なもんやなかった。ただの欲望の権化。食い意地の悪い畜生や。《鬼神》モードならぬ《鬼畜》モード。
その話を小走さんにしたら、『愉快だな』とか言ってニヒルに笑っとったけど――)
憩(アホか!! 全然愉快ちゃうわ!! こっちは三途の川を二往復くらいしたわ!! 玄ちゃんなんかもう全身の――いや、これ以上は玄ちゃんの尊厳に関わるから思い出すのやめとこ……)
憩(ま、とにかく《飛雷神》の能力は大方わかった。なんや、拍子抜けっちゅーか。いかにも能力使いたそうな感じやったから、せっかく高いの直撃したったのに、その結果が《ヤオ九牌を引き寄せる》だけ)
憩(ほな、小走さんなら、どう計算するかな。たぶん、あの人はホンマに状況を単純化するやろな……)
憩(この子は一巡目で国士をテンパイ。待ちは残り4枚の一筒。これが、残り38枚に含まれとる。つまり、次巡でツモる確率は4/38――約10パーセント)
憩(今度は10巡目までに和了る確率を考えてみよか。残り38枚あるヤオ九牌から、ランダムに9枚ツモったとき、その9枚の中に一筒が一枚も含まれへん――つまり一筒をツモらへん確率は、570024/1771560で約32パーセント。
ゆえに、10巡目までのどこかでツモる確率は、ひっくり返って約68パーセントってことや。
ははっ、七割! ピカ○ュウの『かみなり』の命中率とほぼ同じやん!! 大した大能力者《レベル4》や……《飛雷神》!!)
憩(恐るるに足りんな、雷神様。ウチはもっとどえらい神様を見たことがあるで。ヤオ九牌52枚支配よりもっとえぐい……《鬼神》こと小蒔ちゃんの一色牌36枚支配をな……!!)
憩(今思い出しても寒気がするわ。一回……ホンマに死ぬかと思ったときがあった。
衣ちゃんとふざけて、小蒔ちゃんが大切にとっといたおやつのプリンを食べてもうたとき。小蒔ちゃん……大激怒やったな)
憩(あれは……鬼は鬼でも、神なんて高尚なもんやなかった。ただの欲望の権化。食い意地の悪い畜生や。《鬼神》モードならぬ《鬼畜》モード。
その話を小走さんにしたら、『愉快だな』とか言ってニヒルに笑っとったけど――)
憩(アホか!! 全然愉快ちゃうわ!! こっちは三途の川を二往復くらいしたわ!! 玄ちゃんなんかもう全身の――いや、これ以上は玄ちゃんの尊厳に関わるから思い出すのやめとこ……)
憩(ま、とにかく《飛雷神》の能力は大方わかった。なんや、拍子抜けっちゅーか。いかにも能力使いたそうな感じやったから、せっかく高いの直撃したったのに、その結果が《ヤオ九牌を引き寄せる》だけ)
741:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 19:32:13.96 :CRK6ltOp0
憩(いや、別にけなすつもりはあらへんけどな。侮るつもりもあらへん。確かな計算に基づいて、そこそこ正当な評価をしとるつもりや。
ただ……気に入らへんことが一つだけある。これは《ステルスモモ》もそうなんやけどな……)
憩(一年が……頑張れば勝てるみたいな顔しよる。毎日練習に励めば、能力を駆使すれば、全力以上の闘牌ができれば、心の底から勝ちたいと願えば――勝てるみたいな顔しよる)
憩(確かにそれは正しいわ。強い人らはみんなそう。毎日練習に励み、能力を駆使し、全力以上の闘牌をし、心の底から勝ちたいと願って……実際に勝っとる。菫さんもガイトさんもエイさんも衣ちゃんもそうや)
憩(ただな……勘違いしてもろたら困る。それは、強くなるための初歩の初歩に過ぎひん。頑張れば勝てるんと違う。頑張らなければ勝てへんってだけや)
憩(そして、さらに大事なことやけど、この世界にはな、死ぬ気で頑張ったって、どう足掻いたって、勝てへん相手っちゅーんが……確かにおんねん)
憩(ほんで、なあ……《飛雷神》、《ステルスモモ》。自分らの前におるんは誰やと思っとん。ウチはこの学園都市のナンバー2やで……?)
憩(強い能力とか、必死の頑張りとか、諦めない気持ちとか――そういうあれこれを武器に立ち向かってくる一万人の雀士を、片っ端から蹴散らして、ウチは今、ここにおる)
憩(ウチに勝てるんは、この学園都市にただ一人――宮永照だけや。で、自分らは宮永照か? ちゃうよな?
ほなら、ウチが今から教えたるわ。その身の程ってやつをな……!!)
憩(好きなだけ能力使ったらええ! 好きなだけ全力で打ったらええ! 好きなだけ勝ちたいと願えばええ!!
せやけどな、一年生ッ! そんなもん、ナンバー2の重みと比べたら、紙風船みたいなもんやで……!!)
憩「ロン、11600ッ!!」カチャカチャパラララ
友清・桃子(っ――!?)
利仙「は、はい……」チャ
憩(いや、別にけなすつもりはあらへんけどな。侮るつもりもあらへん。確かな計算に基づいて、そこそこ正当な評価をしとるつもりや。
ただ……気に入らへんことが一つだけある。これは《ステルスモモ》もそうなんやけどな……)
憩(一年が……頑張れば勝てるみたいな顔しよる。毎日練習に励めば、能力を駆使すれば、全力以上の闘牌ができれば、心の底から勝ちたいと願えば――勝てるみたいな顔しよる)
憩(確かにそれは正しいわ。強い人らはみんなそう。毎日練習に励み、能力を駆使し、全力以上の闘牌をし、心の底から勝ちたいと願って……実際に勝っとる。菫さんもガイトさんもエイさんも衣ちゃんもそうや)
憩(ただな……勘違いしてもろたら困る。それは、強くなるための初歩の初歩に過ぎひん。頑張れば勝てるんと違う。頑張らなければ勝てへんってだけや)
憩(そして、さらに大事なことやけど、この世界にはな、死ぬ気で頑張ったって、どう足掻いたって、勝てへん相手っちゅーんが……確かにおんねん)
憩(ほんで、なあ……《飛雷神》、《ステルスモモ》。自分らの前におるんは誰やと思っとん。ウチはこの学園都市のナンバー2やで……?)
憩(強い能力とか、必死の頑張りとか、諦めない気持ちとか――そういうあれこれを武器に立ち向かってくる一万人の雀士を、片っ端から蹴散らして、ウチは今、ここにおる)
憩(ウチに勝てるんは、この学園都市にただ一人――宮永照だけや。で、自分らは宮永照か? ちゃうよな?
ほなら、ウチが今から教えたるわ。その身の程ってやつをな……!!)
憩(好きなだけ能力使ったらええ! 好きなだけ全力で打ったらええ! 好きなだけ勝ちたいと願えばええ!!
せやけどな、一年生ッ! そんなもん、ナンバー2の重みと比べたら、紙風船みたいなもんやで……!!)
憩「ロン、11600ッ!!」カチャカチャパラララ
友清・桃子(っ――!?)
利仙「は、はい……」チャ
742:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 19:41:52.80 :CRK6ltOp0
利仙(私としたことが……《新道寺》の一年生に気を取られ過ぎましたか。
いや、しかし、東横さんの《ステルス》が発動しているこの場で、先ほどからの躊躇ない出和了りは、一体どういうことなのでしょう。
無論、私は荒川さんの下家ですから、私への直撃でフリテンが起きることがないのはわかります。ですが、荒川さんは友清さん、それに東横さんからも直撃を取っていた……。
私に見えていないのですから、当然、無能力者の荒川さんにも、東横さんの姿は見えていないはず。否――相手は《悪魔》ですからね。同じ人間とは思わないほうがいい。
荒川さんの親番。取り返しがつかなくなる前に、速度特化に切り替えて流すとしますか……)
友清(なああああ!? 嘘と……なんそい!? 一筒ば止められとうやと!? ちょ、は、意味わからん――!? どげんすればそがんこと……っ!? ば、ばってん、まだ……最後までチャンスはあっ!!)
桃子(ナースさん……気迫も打点もさっきまでとは桁違いっす。っていうか、さっきから出和了りしまくりっていうのは、なんなんっすか?
視線は一切感じない。おっぱいさんとは違う。見えてない……私のことは見えてないはずっす。じゃあ、なぜ……? くっ、わからない……けど、どうにかこうにかやるしかないっす――!!)
憩「(へえ……? 健気にも立ち向かってくるつもりか。ほな、こっちも全力で叩き潰すまで。せいぜい心までペチャンコにならんように気張りや……!!)一本場ッ!!」
友清:60000 憩:138700 利仙:100300 桃子:101000
利仙(私としたことが……《新道寺》の一年生に気を取られ過ぎましたか。
いや、しかし、東横さんの《ステルス》が発動しているこの場で、先ほどからの躊躇ない出和了りは、一体どういうことなのでしょう。
無論、私は荒川さんの下家ですから、私への直撃でフリテンが起きることがないのはわかります。ですが、荒川さんは友清さん、それに東横さんからも直撃を取っていた……。
私に見えていないのですから、当然、無能力者の荒川さんにも、東横さんの姿は見えていないはず。否――相手は《悪魔》ですからね。同じ人間とは思わないほうがいい。
荒川さんの親番。取り返しがつかなくなる前に、速度特化に切り替えて流すとしますか……)
友清(なああああ!? 嘘と……なんそい!? 一筒ば止められとうやと!? ちょ、は、意味わからん――!? どげんすればそがんこと……っ!? ば、ばってん、まだ……最後までチャンスはあっ!!)
桃子(ナースさん……気迫も打点もさっきまでとは桁違いっす。っていうか、さっきから出和了りしまくりっていうのは、なんなんっすか?
視線は一切感じない。おっぱいさんとは違う。見えてない……私のことは見えてないはずっす。じゃあ、なぜ……? くっ、わからない……けど、どうにかこうにかやるしかないっす――!!)
憩「(へえ……? 健気にも立ち向かってくるつもりか。ほな、こっちも全力で叩き潰すまで。せいぜい心までペチャンコにならんように気張りや……!!)一本場ッ!!」
友清:60000 憩:138700 利仙:100300 桃子:101000
743:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 19:49:16.08 :CRK6ltOp0
――《劫初》控え室
利仙『ツモです……! 2100・4100ッ!!』
菫「荒川の親番がツモで流されただと……!?」ガタッ
智葉「今の荒川は速度より火力を重視している。その隙を突いて、自身のツモの偏りを、荒川とは逆の傾向――火力から速度へと切り替えた。
ついさっき数え役満を狙ってリーチを掛けたやつとは思えんな。この辺りの柔軟さは、支配力の扱いに長けた《神憑き》でこそだろう」
エイスリン「《ヒャッカセン》、ダテジャナイヨ!」
衣「ふん……満貫の親っ被り程度、けいならすぐに取り返すだろう」
憩『ロン、3900ッ!』
利仙『……っ!』
菫「あいつ……やりたい放題だな」
智葉「そうでもないと思うぞ。親番を流されたことで、火力の上昇にブレーキが掛かった。なかなか自由には打たせてくれない。さすがは《最愛》の大能力者――《百花仙》の藤原利仙。
しかし、逆に言えば、あの藤原でさえ、荒川が相手では対局を流すのが精一杯――ということになる。いわんや他の一年をや、だな。
さて、もう十分に点は稼いだはずだが……ここで終わるようなやつじゃあるまい、あの《悪魔》は」
菫「そう言えば、《煌星》の一年生がヤバいという話だったな。幸か不幸か彼女はラス親。対局が終わったときに息をしていればいいが……」
衣「ふっふっふ……久方ぶりに見るぞ! 荒ぶるけいっ! かつて衣を大いに楽しませてくれた悪魔の所業はまだかッ!?」
エイスリン「ジゴクノ、ゴウカデ、オウサツダー!!」
憩『……ロン』
菫「っ!?」ゾワッ
智葉「ほう……」
衣・エイスリン「来たー(キター)!!」
――《劫初》控え室
利仙『ツモです……! 2100・4100ッ!!』
菫「荒川の親番がツモで流されただと……!?」ガタッ
智葉「今の荒川は速度より火力を重視している。その隙を突いて、自身のツモの偏りを、荒川とは逆の傾向――火力から速度へと切り替えた。
ついさっき数え役満を狙ってリーチを掛けたやつとは思えんな。この辺りの柔軟さは、支配力の扱いに長けた《神憑き》でこそだろう」
エイスリン「《ヒャッカセン》、ダテジャナイヨ!」
衣「ふん……満貫の親っ被り程度、けいならすぐに取り返すだろう」
憩『ロン、3900ッ!』
利仙『……っ!』
菫「あいつ……やりたい放題だな」
智葉「そうでもないと思うぞ。親番を流されたことで、火力の上昇にブレーキが掛かった。なかなか自由には打たせてくれない。さすがは《最愛》の大能力者――《百花仙》の藤原利仙。
しかし、逆に言えば、あの藤原でさえ、荒川が相手では対局を流すのが精一杯――ということになる。いわんや他の一年をや、だな。
さて、もう十分に点は稼いだはずだが……ここで終わるようなやつじゃあるまい、あの《悪魔》は」
菫「そう言えば、《煌星》の一年生がヤバいという話だったな。幸か不幸か彼女はラス親。対局が終わったときに息をしていればいいが……」
衣「ふっふっふ……久方ぶりに見るぞ! 荒ぶるけいっ! かつて衣を大いに楽しませてくれた悪魔の所業はまだかッ!?」
エイスリン「ジゴクノ、ゴウカデ、オウサツダー!!」
憩『……ロン』
菫「っ!?」ゾワッ
智葉「ほう……」
衣・エイスリン「来たー(キター)!!」
744:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 19:53:33.53 :CRK6ltOp0
――対局室
憩「……ロン」
友清(えっ……?)
利仙(ここまでですか)パタッ
桃子(はっ――ちょ、そんな……!?)ゾッ
憩「聞こえへんかったか? その二筒でロン言うたんや。驚いとらんで、はよ姿見せーや」
桃子「だ……だからどうして見えるっすか!? え!? だって、私の《ステルス》は効いてるっすよね!!」ユラッ
憩「《ステルス》――この自分の姿と手牌と捨て牌が見えなくなる感応系の能力やんな。それなら確かに効いとんで。せやけど、効いとるからなんやねん。
それでウチが出和了りを控えると思うた? 直撃は取られへんと思うた? いやいや。さっきからボコボコ出和了りしとるやん。東四局では自分から直撃とったったやん。何を今更びっくりしとん?」
桃子「いや……それは――でも、ど、どうして…………」
――対局室
憩「……ロン」
友清(えっ……?)
利仙(ここまでですか)パタッ
桃子(はっ――ちょ、そんな……!?)ゾッ
憩「聞こえへんかったか? その二筒でロン言うたんや。驚いとらんで、はよ姿見せーや」
桃子「だ……だからどうして見えるっすか!? え!? だって、私の《ステルス》は効いてるっすよね!!」ユラッ
憩「《ステルス》――この自分の姿と手牌と捨て牌が見えなくなる感応系の能力やんな。それなら確かに効いとんで。せやけど、効いとるからなんやねん。
それでウチが出和了りを控えると思うた? 直撃は取られへんと思うた? いやいや。さっきからボコボコ出和了りしとるやん。東四局では自分から直撃とったったやん。何を今更びっくりしとん?」
桃子「いや……それは――でも、ど、どうして…………」
745:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 20:04:46.13 :CRK6ltOp0
憩「ほな、種明かししよかー? まず、山牌が持ち上がるな? で、そんときにどの牌がどこにあるか見れるだけ見とくな?
ほんで、サイコロ振るやん。自分のとこに配牌行くやん。あとは、また山牌に目凝らして、自分のとこに何の牌が入ったか見るやん」
桃子「や、山牌に目を凝らす!? 何を言ってるっすか!!?」
憩「やって、自分のことは見えへんねんから、山牌経由で自分の配牌とツモを見るしかないやん。ほんで、ま、それが何かわかれば、あとはちょーっと頭使えば、自分の手牌を確定できるやんな」
桃子「なに……言って――」
憩「山牌経由で見た自分の配牌とツモ――そこから、自分の過去の牌譜をベースに、この前後半で把握した自分の打ち筋、手作りのパターン、好みやクセ等々をトレースして、手の進みを先読みする。
すると、ちょうどこのタイミングで二筒をロンできるやろなーってわかる。それだけのことやん」
桃子「意味がわからないっす……!? 山牌を見る!? 《ステルスモード》の私の手の進みを先読みする!? だ、だって……そんなの、多少の推測はできても――」
憩「ちょいちょい、言葉はちゃんと使いーや。『推測』やなくて『確定』。自分の手――左から順に三四五[⑤]⑥⑨⑨[5]67899やろ? あ、どの牌が逆様になっとるかまで言ったほうがええ?」
桃子「――っ!?」ゾワッ
桃子手牌:三四五[⑤]⑥⑨⑨[5]67899
憩「ま、普通の目にはそこまではっきり見えへんらしいな、山牌。普通の頭ではそこまでぴったり計算できひんらしいな、手牌。
せやけど――なあ、自分の前におるんが誰か……ちょっと言ってみい」
桃子「学園都市のナンバー2――《白衣の悪魔》……ッ!!」
憩「そーゆーこと。自分の能力……《ステルス》。確かに人間の目には映らへんみたいやな。
けど、ウチの《悪魔の目》は誤魔化せへんよ。まだまだやね。次はもうちょっと楽しませてーな? ほな――」
桃子「あ、あの……!」
憩「あー、せやったせやった。手牌倒すん忘れとった。ほな、ご開帳ー」カチャカチャパラララ
桃子「そ、それ――っ!?」
憩「〆て16000。おおきに~」
桃子(倍満って!! ナースさんの今日最高打点じゃないっすかー!?)
憩「ほな、種明かししよかー? まず、山牌が持ち上がるな? で、そんときにどの牌がどこにあるか見れるだけ見とくな?
ほんで、サイコロ振るやん。自分のとこに配牌行くやん。あとは、また山牌に目凝らして、自分のとこに何の牌が入ったか見るやん」
桃子「や、山牌に目を凝らす!? 何を言ってるっすか!!?」
憩「やって、自分のことは見えへんねんから、山牌経由で自分の配牌とツモを見るしかないやん。ほんで、ま、それが何かわかれば、あとはちょーっと頭使えば、自分の手牌を確定できるやんな」
桃子「なに……言って――」
憩「山牌経由で見た自分の配牌とツモ――そこから、自分の過去の牌譜をベースに、この前後半で把握した自分の打ち筋、手作りのパターン、好みやクセ等々をトレースして、手の進みを先読みする。
すると、ちょうどこのタイミングで二筒をロンできるやろなーってわかる。それだけのことやん」
桃子「意味がわからないっす……!? 山牌を見る!? 《ステルスモード》の私の手の進みを先読みする!? だ、だって……そんなの、多少の推測はできても――」
憩「ちょいちょい、言葉はちゃんと使いーや。『推測』やなくて『確定』。自分の手――左から順に三四五[⑤]⑥⑨⑨[5]67899やろ? あ、どの牌が逆様になっとるかまで言ったほうがええ?」
桃子「――っ!?」ゾワッ
桃子手牌:三四五[⑤]⑥⑨⑨[5]67899
憩「ま、普通の目にはそこまではっきり見えへんらしいな、山牌。普通の頭ではそこまでぴったり計算できひんらしいな、手牌。
せやけど――なあ、自分の前におるんが誰か……ちょっと言ってみい」
桃子「学園都市のナンバー2――《白衣の悪魔》……ッ!!」
憩「そーゆーこと。自分の能力……《ステルス》。確かに人間の目には映らへんみたいやな。
けど、ウチの《悪魔の目》は誤魔化せへんよ。まだまだやね。次はもうちょっと楽しませてーな? ほな――」
桃子「あ、あの……!」
憩「あー、せやったせやった。手牌倒すん忘れとった。ほな、ご開帳ー」カチャカチャパラララ
桃子「そ、それ――っ!?」
憩「〆て16000。おおきに~」
桃子(倍満って!! ナースさんの今日最高打点じゃないっすかー!?)
746:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 20:07:41.35 :CRK6ltOp0
憩「っちゅーわけで、これにて次鋒戦は終了や。皆さん、お疲れさまでしたー」
一位:荒川憩・+48400(劫初・154500)
友清「お、お疲れ様とでした……(後半戦も焼き鳥とでした……うぅぅぅ……!!)」
四位:友清・-38200(新道寺・57900)
利仙「お疲れ様です(本当に疲れましたね……稼ぐことはできませんでしたが、点棒を減らさなかっただけよしとしましょう)」
二位:藤原利仙・+4700(夜行・104700)
桃子「お疲れ様っす……(私の《ステルス》を……上位レベルの能力で《無効化》するでも、特性を逆手に取るでもなく、一切の小細工なく、文字通りに見破ってくるなんて……!!)」
憩「♪」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
桃子(これが学園都市のナンバー2!? 本当に……本当に《悪魔》だったっす――!!)ゾッ
三位:東横桃子・-14900(煌星・82900)
――――
憩「っちゅーわけで、これにて次鋒戦は終了や。皆さん、お疲れさまでしたー」
一位:荒川憩・+48400(劫初・154500)
友清「お、お疲れ様とでした……(後半戦も焼き鳥とでした……うぅぅぅ……!!)」
四位:友清・-38200(新道寺・57900)
利仙「お疲れ様です(本当に疲れましたね……稼ぐことはできませんでしたが、点棒を減らさなかっただけよしとしましょう)」
二位:藤原利仙・+4700(夜行・104700)
桃子「お疲れ様っす……(私の《ステルス》を……上位レベルの能力で《無効化》するでも、特性を逆手に取るでもなく、一切の小細工なく、文字通りに見破ってくるなんて……!!)」
憩「♪」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
桃子(これが学園都市のナンバー2!? 本当に……本当に《悪魔》だったっす――!!)ゾッ
三位:東横桃子・-14900(煌星・82900)
――――
747:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 20:15:58.34 :CRK6ltOp0
――――
憩(ふー……ちょっと熱くなってもーた。どーにも菫さんが絡むと冷静さを失いがちや。反省反省……)
智葉「よう、荒川。快勝だったな」
憩「げっ、ガイトさん。なんや、ニヤニヤしはって、ごっつキモいですわ」
智葉「ウィッシュアートに悪影響を与えている主犯はやはりお前か」ムギュー
憩「真顔でひょっぺたつねふのやめてくりゃひゃい!?」
智葉「にしても、さっきの……最後は随分ムキになって打っていたな。そんなに《煌星》の一年にやられたのが悔しかったか?」
憩「ま、そんなとこですわ。一年生なんかにほいほい直撃取られとったら、ウチの沽券に関わるでしょ」
智葉「本当にそれだけか?」
憩「何が言いたいんですか?」
智葉「いや、まるで一年前のお前を見ているようだと思ってな。《煌星》の一年しかり、《新道寺》の一年しかり」
憩「……昔のことをチクチク掘り返すんはやめてください。ガイトさん、まだウチに負けたこと根に持ってはるんですか?」
智葉「人聞きの悪い。これでも心配しているんだ。お前は菫と違って、なまじ強い分折れやすい。あまり気を張り過ぎるな、楽にしてろ」ムギュー
憩「やから……真顔でほっぺたつねるのやめてくださいって……」
智葉「表情が硬いぞ、荒川。お前は笑っていろ。そのほうが断然見栄えがする」
憩「別にガイトさんに褒められても嬉しくないですわー」
智葉「可愛くないやつめ……」
憩「大体、それを言うたらガイトさんやって、そのモブっぽい眼鏡と髪型やめればええのに。そしたらちょっとは見栄えしますわ」
智葉「貴重な意見として受け取っておこう」
憩「ほな、お気をつけて~」
智葉「言っている意味がわからんな。誰に何を気をつけろと?」
憩「へ? ナンバー3のガイトさんに、点棒取り過ぎて衣ちゃんたちにどやされんよう気をつけてください、言うたんですけど――何か問題ありました?」
智葉「…………たまに、無性にお前を抱き締めたくなるときがある」
憩「マジホンマやめてください……今、全身の毛がよだちましたわ」ゾワワ
智葉「ふん、その調子で頑張れよ」
憩「何がですか……まあ、ええです。行ってらっしゃい」
智葉「ああ、行ってくる――」ゴッ
――――
――――
憩(ふー……ちょっと熱くなってもーた。どーにも菫さんが絡むと冷静さを失いがちや。反省反省……)
智葉「よう、荒川。快勝だったな」
憩「げっ、ガイトさん。なんや、ニヤニヤしはって、ごっつキモいですわ」
智葉「ウィッシュアートに悪影響を与えている主犯はやはりお前か」ムギュー
憩「真顔でひょっぺたつねふのやめてくりゃひゃい!?」
智葉「にしても、さっきの……最後は随分ムキになって打っていたな。そんなに《煌星》の一年にやられたのが悔しかったか?」
憩「ま、そんなとこですわ。一年生なんかにほいほい直撃取られとったら、ウチの沽券に関わるでしょ」
智葉「本当にそれだけか?」
憩「何が言いたいんですか?」
智葉「いや、まるで一年前のお前を見ているようだと思ってな。《煌星》の一年しかり、《新道寺》の一年しかり」
憩「……昔のことをチクチク掘り返すんはやめてください。ガイトさん、まだウチに負けたこと根に持ってはるんですか?」
智葉「人聞きの悪い。これでも心配しているんだ。お前は菫と違って、なまじ強い分折れやすい。あまり気を張り過ぎるな、楽にしてろ」ムギュー
憩「やから……真顔でほっぺたつねるのやめてくださいって……」
智葉「表情が硬いぞ、荒川。お前は笑っていろ。そのほうが断然見栄えがする」
憩「別にガイトさんに褒められても嬉しくないですわー」
智葉「可愛くないやつめ……」
憩「大体、それを言うたらガイトさんやって、そのモブっぽい眼鏡と髪型やめればええのに。そしたらちょっとは見栄えしますわ」
智葉「貴重な意見として受け取っておこう」
憩「ほな、お気をつけて~」
智葉「言っている意味がわからんな。誰に何を気をつけろと?」
憩「へ? ナンバー3のガイトさんに、点棒取り過ぎて衣ちゃんたちにどやされんよう気をつけてください、言うたんですけど――何か問題ありました?」
智葉「…………たまに、無性にお前を抱き締めたくなるときがある」
憩「マジホンマやめてください……今、全身の毛がよだちましたわ」ゾワワ
智葉「ふん、その調子で頑張れよ」
憩「何がですか……まあ、ええです。行ってらっしゃい」
智葉「ああ、行ってくる――」ゴッ
――――
748:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 20:19:49.42 :CRK6ltOp0
――《新道寺》控え室
友清「うぁあぁあああぁぁぁああ……!!」ポロポロ
美子「おー、よしよし。友清はよう頑張ったとー」ナデナデ
仁美「あとは私らに任せんしゃい」
友清「ぅぅううぅぅうぅ……江崎せんぱい……安河内せんぱい……!!」ポロポロ
華菜「泣くほど恥ずかしい闘牌じゃなかったと思うし! 姫子もきっと同じこと言うし!」
巴「元気出して。次は勝てるように、また頑張ろう」
友清「はいぃぃ……あいがととですー……」グズッ
仁美「そいたら……美子。頼めるか?」
美子「うん。やれるだけやってみっとよ」
友清「安河内せんぱい……っ!!」
美子「仇はとったるけん。応援ばよろしくな、友清!」
友清「は――はいっ!!」
――――
――《新道寺》控え室
友清「うぁあぁあああぁぁぁああ……!!」ポロポロ
美子「おー、よしよし。友清はよう頑張ったとー」ナデナデ
仁美「あとは私らに任せんしゃい」
友清「ぅぅううぅぅうぅ……江崎せんぱい……安河内せんぱい……!!」ポロポロ
華菜「泣くほど恥ずかしい闘牌じゃなかったと思うし! 姫子もきっと同じこと言うし!」
巴「元気出して。次は勝てるように、また頑張ろう」
友清「はいぃぃ……あいがととですー……」グズッ
仁美「そいたら……美子。頼めるか?」
美子「うん。やれるだけやってみっとよ」
友清「安河内せんぱい……っ!!」
美子「仇はとったるけん。応援ばよろしくな、友清!」
友清「は――はいっ!!」
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749:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 20:23:50.70 :CRK6ltOp0
――――
桃子(参ったっす……始まったときは一位と一万点差もなかったのに、終わってみれば二位と二万点差。一位とは七万点も離された。特に最後の倍満……あれは最低っす。完全に力の差を測り間違えた――)フゥ
咲「もーもーこーちゃーん?」ウロウロ
桃子「ちょっちょっちょっ!? 嶺上さん、なに一人で歩き回ってるっすか!? 迷子になったらどーするっすか!!」
咲「ご、ごめん。いてもたってもいられなくて」
桃子「……心配ご無用っすよ。私はある意味で負け慣れてるっすから。超新星さんと嶺上さんのカンドバッグ――もといサンドバッグにされてた日々を思えば、これくらいはへっちゃらっす」
咲「そこはもうちょっと悔しがってよ。ま、元はと言えば淡ちゃんがやらかしたのがいけないんだけどさ。でも、一位と七万点差は、ちょっとね」
桃子「嶺上さんは私を励ましに来たっすか? 傷口に塩を塗りに来たっすか……?」
咲「どっちも……かな?」
桃子「いい性格してるっす」
咲「せ、性格がいいなんて言われたの初めてかもっ///」
桃子「褒め言葉じゃないっすよ……」
咲「えー?」
桃子「まったく……嶺上さんのその余裕っぷりが羨ましいっす。もしかして負けたことないっすか?」
咲「負けたことくらいあるよ。《プラマイゼロ》でも三位になることはあるもん」
桃子「………………ん?」
――――
桃子(参ったっす……始まったときは一位と一万点差もなかったのに、終わってみれば二位と二万点差。一位とは七万点も離された。特に最後の倍満……あれは最低っす。完全に力の差を測り間違えた――)フゥ
咲「もーもーこーちゃーん?」ウロウロ
桃子「ちょっちょっちょっ!? 嶺上さん、なに一人で歩き回ってるっすか!? 迷子になったらどーするっすか!!」
咲「ご、ごめん。いてもたってもいられなくて」
桃子「……心配ご無用っすよ。私はある意味で負け慣れてるっすから。超新星さんと嶺上さんのカンドバッグ――もといサンドバッグにされてた日々を思えば、これくらいはへっちゃらっす」
咲「そこはもうちょっと悔しがってよ。ま、元はと言えば淡ちゃんがやらかしたのがいけないんだけどさ。でも、一位と七万点差は、ちょっとね」
桃子「嶺上さんは私を励ましに来たっすか? 傷口に塩を塗りに来たっすか……?」
咲「どっちも……かな?」
桃子「いい性格してるっす」
咲「せ、性格がいいなんて言われたの初めてかもっ///」
桃子「褒め言葉じゃないっすよ……」
咲「えー?」
桃子「まったく……嶺上さんのその余裕っぷりが羨ましいっす。もしかして負けたことないっすか?」
咲「負けたことくらいあるよ。《プラマイゼロ》でも三位になることはあるもん」
桃子「………………ん?」
750:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/09(金) 20:27:00.21 :CRK6ltOp0
咲「なに、桃子ちゃん?」
桃子「えっと……嶺上さん、つかぬことを伺うっす。ポイントがマイナスになったことは?」
咲「えっ? ないよ? なんでそんな当たり前のこと聞くの?」
桃子「が、学園都市に来てから一度も……?」
咲「というか、子供の頃に能力に目覚めてから、一度もないよ」
桃子「で、でも、宮永照――お姉さんなら嶺上さんの能力を破れるんじゃ……?」
咲「お姉ちゃんなら、確かにやろうと思えばできるかも。でも、そう言えば一回もやってこなかったな……。諦められてたのかも」
桃子「えっ、じゃあ、ガチで負けたことないっすか?」
咲「いや、だから、負けたことはあるよ。《プラマイゼロ》でも三位って負けでしょ?」
桃子「………………」
咲「どうかした、桃子ちゃん?」
桃子「あ、い、いや……まあ、いいっす。嶺上さんなら大丈夫っす。うん、嶺上さんなら」
咲「変な桃子ちゃん。ま、それじゃあ応援よろしくねっ! できるだけ取り返してくるよっ!!」
桃子「い、行ってらっしゃいっす……」
咲「うん、行ってくるねー!」ダッダッダッ
桃子「あー!? 対局室はそっちじゃないっすー!!」
――――
咲「なに、桃子ちゃん?」
桃子「えっと……嶺上さん、つかぬことを伺うっす。ポイントがマイナスになったことは?」
咲「えっ? ないよ? なんでそんな当たり前のこと聞くの?」
桃子「が、学園都市に来てから一度も……?」
咲「というか、子供の頃に能力に目覚めてから、一度もないよ」
桃子「で、でも、宮永照――お姉さんなら嶺上さんの能力を破れるんじゃ……?」
咲「お姉ちゃんなら、確かにやろうと思えばできるかも。でも、そう言えば一回もやってこなかったな……。諦められてたのかも」
桃子「えっ、じゃあ、ガチで負けたことないっすか?」
咲「いや、だから、負けたことはあるよ。《プラマイゼロ》でも三位って負けでしょ?」
桃子「………………」
咲「どうかした、桃子ちゃん?」
桃子「あ、い、いや……まあ、いいっす。嶺上さんなら大丈夫っす。うん、嶺上さんなら」
咲「変な桃子ちゃん。ま、それじゃあ応援よろしくねっ! できるだけ取り返してくるよっ!!」
桃子「い、行ってらっしゃいっす……」
咲「うん、行ってくるねー!」ダッダッダッ
桃子「あー!? 対局室はそっちじゃないっすー!!」
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