真姫「ふっふっふ～ん」

にこ（ちょっとつけてみよっと）

真姫「……こちゃーん」

にこ（……ん？）

真姫「にっこちゃーんにっこちゃーん」

にこ「」

真姫「にっこちゃーんにっこちゃーん、にっこにっこにー」

にこ「」

真姫「ぴょんぴょこぴょんぴょんにっこちゃーん」

にこ「」

真姫「私のアイドルにっこにっこにー」

にこ「」

真姫「ずーるいよかーわいいにっこにっこにー」

にこ（なんだあれは）

真姫「ちっちゃーいかーわいいにっこにっこにー」

にこ（ほんとに真姫ちゃんなの……？）

真姫「どぎまぎしちゃうよにっこちゃーん」

にこ（……声大きいっての）

真姫「抱きしめーたいよにっこちゃーん」

にこ（もうやめて……）

真姫「ウール目に流し目魅力的ー」

にこ（……）

真姫「私が大好きにっこにっこにー」

にこ「真姫ちゃん！」

真姫「」ﾋﾞｸｯ

真姫「に、ににににににこちゃん？　き、奇遇ね、こんなところで……」

にこ「ええ、そうね」ｼﾞﾄｰ

真姫「な、なにかしら？」

にこ「……さっきの歌、なに？」ｼﾞｯ

真姫「ﾅﾝﾉｺﾄｶｼﾗ」

にこ「そういうのいいから、白状なさい！」

真姫「わ、私が即興で考えた、その……」

にこ「なによ？」

真姫「……に、にこちゃん大好きの歌……」ｶｧｯ

にこ「」

真姫「ちょっと！　なんか言ってよ、恥ずかしいんだから！」

にこ（なにをどう言えばいいの？　にこわかんない……）

真姫「く……人通りがないからって油断してたわ……」

にこ「あの、それよりも外で歌いながら歩くのはダメだと思うよ」

真姫「……いじゃない」

にこ「え？」

真姫「にこちゃんがかわいいせいよ！　しょうがないじゃない！」

にこ「」

真姫「にこちゃんの髪の毛がぴょんぴょこしてるのも」

にこ「」

真姫「ちっちゃくて抱きしめたくなるのも」

にこ「」

真姫「ころころ変わるいろんな表情も」

にこ「」

真姫「全部かわいくて大好きなの！」

真姫「……」

にこ「……」

真姫「……ごめんなさい、今日の私、ちょっとおかしかったわね」

にこ「……あ、ううん、そんなこと」

真姫「いえ、ちょっと気持ちが舞い上がってたのよ」

にこ「そっか……なにかあったの？」

真姫「にこちゃんのスク水姿が見られると聞いて」

にこ「」

真姫「学年が違うばっかりに……」

にこ「」

真姫「合宿の時の水着も私としてはすごく良かったと思うわ」

にこ「」

真姫「μ'sの衣装も、私の意見も聞いてもらえるおかげで毎回素晴らしいものになってるし」

にこ「え？　ちょ……ことりになに言ってんのよ」

真姫「寝るときの髪をおろした姿なんて、もう最高だったわ」

にこ「そ、そう？」

真姫「服と合わせてかわいさ何倍増し？」

にこ「あえてそう言われると、ちょっと恥ずかしいかも……」

真姫「恥ずかしがってるにこちゃんかわいい」

にこ「……台無しね」

真姫「もういいわ。正直に言うと、私はにこちゃんが大好き」

にこ（さっきから何回か聞いたなぁ……）

真姫「私だけのアイドルになって」

にこ「で、でもぉ、にこはぁ、みんなのアイドルだからぁ」

真姫「ふざけないで」ｷｯ

にこ（……なんでにこが怒られるんだろう）

真姫「そうだ。ねぇにこちゃん、今から時間ある？」

にこ「え、うん。あんまり遅くならなければ大丈夫だけど」

真姫「なら、私の家に来なさい。にこちゃんのかわいさについてみっちりと教えてあげるわ」

にこ「いや、にこはかわいいってにこわかってるから……」

真姫「不十分よ！　そんなんじゃアイドルやっていけないわよ！」

にこ（……どういうこと？）

真姫「ほら、早く行くわよ！」

にこ「ちょ、真姫ちゃん！　引っ張んないでよー！」

真姫「あぁ、このちっちゃくて柔らかい手もいいわね……」

にこ「今の！　今のちょっと変態っぽい！」

真姫「かわいい声でそんなこと言われてもご褒美にしかならないわよ？」

にこ「うわ……なにこの真姫ちゃん……あ、だから引っ張んないでって……いやああぁぁぁあああ！」

――終わり