2: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:42:40.11 :0aQoxZ1l0
―――――事務所・廊下―――――
橘ありす(今日のレッスンは悪くなかったですね……)トコトコ
ありす(さて……、今日のフレデリカさんは何を始めるんでしょうか……)
ありす(まあどうせ、今日もくだらないことを始めるんでしょうね……)
ありす(いや別に、嫌だというわけではないですが)
ありす「だっ、だからと言って決して楽しみなわけでは……っ!」
ありす(……)
ありす(……私は何を言ってるんでしょうか)トコトコ
―――――事務所・廊下―――――
橘ありす(今日のレッスンは悪くなかったですね……)トコトコ
ありす(さて……、今日のフレデリカさんは何を始めるんでしょうか……)
ありす(まあどうせ、今日もくだらないことを始めるんでしょうね……)
ありす(いや別に、嫌だというわけではないですが)
ありす「だっ、だからと言って決して楽しみなわけでは……っ!」
ありす(……)
ありす(……私は何を言ってるんでしょうか)トコトコ
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3: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:43:10.56 :0aQoxZ1l0
―――――事務所・ルーム―――――
ガチャ
ありす「こんにちは」
宮本フレデリカ「……」ボーッ
ありす「……あれ?」
フレデリカ「……」ボーッ
ありす「フレデリカさん? ちょっと……」
フレデリカ「……」ボーッ
ありす「生きてますかー?」トントン
フレデリカ「わわわぁっ!?」ビクゥ
ありす「うわぁ!?」ビクゥ
―――――事務所・ルーム―――――
ガチャ
ありす「こんにちは」
宮本フレデリカ「……」ボーッ
ありす「……あれ?」
フレデリカ「……」ボーッ
ありす「フレデリカさん? ちょっと……」
フレデリカ「……」ボーッ
ありす「生きてますかー?」トントン
フレデリカ「わわわぁっ!?」ビクゥ
ありす「うわぁ!?」ビクゥ
4: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:44:01.68 :0aQoxZ1l0
フレデリカ「あ、ありすちゃん……」
ありす「? こんにちは」
フレデリカ「こ、こんにちは……!」
ありす「……何か変ですよ?」
フレデリカ「え!? そ、そんなことないよー? いつも通り、後方伸身宙返り4回ひねりだってできちゃうよ!」
ありす「シライ!?」
フレデリカ「あ、ありすちゃん……」
ありす「? こんにちは」
フレデリカ「こ、こんにちは……!」
ありす「……何か変ですよ?」
フレデリカ「え!? そ、そんなことないよー? いつも通り、後方伸身宙返り4回ひねりだってできちゃうよ!」
ありす「シライ!?」
5: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:44:57.26 :0aQoxZ1l0
ありす「そんなの見たことないですよ!?」
フレデリカ「あれー? ありすちゃんが頭下げて泣いて頼むから覚えたのにー……」
ありす「頭下げてないし泣いてないし頼んでない!」
フレデリカ「次はトリプルアクセルだね!」
ありす「競技が違いますし! 選手に謝ってください!」
ありす「そんなの見たことないですよ!?」
フレデリカ「あれー? ありすちゃんが頭下げて泣いて頼むから覚えたのにー……」
ありす「頭下げてないし泣いてないし頼んでない!」
フレデリカ「次はトリプルアクセルだね!」
ありす「競技が違いますし! 選手に謝ってください!」
6: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:45:46.55 :0aQoxZ1l0
ありす「まったく……。今日は“スポーツウーマンフレデリカ”でも名乗るんですか?」
フレデリカ「……」
ありす「フレデリカさん?」
フレデリカ「え!? あ! うん! そうだね! プロテインだね!」
ありす「ホントに聞いてます!?」
ありす「まったく……。今日は“スポーツウーマンフレデリカ”でも名乗るんですか?」
フレデリカ「……」
ありす「フレデリカさん?」
フレデリカ「え!? あ! うん! そうだね! プロテインだね!」
ありす「ホントに聞いてます!?」
7: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:46:29.92 :0aQoxZ1l0
ありす「フレデリカさん、今日はやっぱり変ですよ……?」
フレデリカ「逆に言えば普段は変ではないってこと!?」
ありす「いえ普段から変です」バッサリ
フレデリカ「」ショボーン
ありす「あっ! ご、ごめんなさい」
フレデリカ「生まれ変わったら石油王になりたい……」
ありす「高望み」
ありす「フレデリカさん、今日はやっぱり変ですよ……?」
フレデリカ「逆に言えば普段は変ではないってこと!?」
ありす「いえ普段から変です」バッサリ
フレデリカ「」ショボーン
ありす「あっ! ご、ごめんなさい」
フレデリカ「生まれ変わったら石油王になりたい……」
ありす「高望み」
8: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:47:05.45 :0aQoxZ1l0
ありす「えっと……、き、今日は何をするんですか?」
フレデリカ「パス」
ありす「パス!? バスではなく!?」
フレデリカ「本当はねー、“運び屋フレデリカ”だったんだけどねー……」
ありす「割と気になりますけど!」
フレデリカ「今日は有給を取得いたしますのだー……!」
ありす「むしろタクシーフレデリカとかに給料が出てたんですか!?」
ありす「えっと……、き、今日は何をするんですか?」
フレデリカ「パス」
ありす「パス!? バスではなく!?」
フレデリカ「本当はねー、“運び屋フレデリカ”だったんだけどねー……」
ありす「割と気になりますけど!」
フレデリカ「今日は有給を取得いたしますのだー……!」
ありす「むしろタクシーフレデリカとかに給料が出てたんですか!?」
9: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:47:37.85 :0aQoxZ1l0
ありす(昨日は普通のフレデリカさんだったはず……。ということは……)
ありす「フレデリカさん」
フレデリカ「?」
ありす「今日のお仕事、どうでしたか?」
フレデリカ「……!」
フレデリカ「べ、別にフツ―だったよっ! アアタノシカッタナアー!」
ありす「ウソつくの下手すぎじゃないですか!?」
ありす(昨日は普通のフレデリカさんだったはず……。ということは……)
ありす「フレデリカさん」
フレデリカ「?」
ありす「今日のお仕事、どうでしたか?」
フレデリカ「……!」
フレデリカ「べ、別にフツ―だったよっ! アアタノシカッタナアー!」
ありす「ウソつくの下手すぎじゃないですか!?」
11: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:48:08.95 :0aQoxZ1l0
ありす「何かあったんですね?」
フレデリカ「……」
ありす「フレデリカさん……?」
フレデリカ「……あれは、私が母国フランスを出てから4回目の」
ありす「誤魔化さない」
フレデリカ「ウィッス」
ありす「何かあったんですね?」
フレデリカ「……」
ありす「フレデリカさん……?」
フレデリカ「……あれは、私が母国フランスを出てから4回目の」
ありす「誤魔化さない」
フレデリカ「ウィッス」
12: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:48:39.78 :0aQoxZ1l0
フレデリカ「そ、そんなに大したことじゃないよー!」
ありす「……私に話しても無駄ってことですか」
フレデリカ「うぇ!? い、いや、本当にビックリしちゃうくらいくだらない話なんだよ!」
ありす「でもフレデリカさんが凹んでるのは事実じゃないですか……」
フレデリカ「凹んでナイナイ! むしろ凸んでる気もしてきたかも!?」
ありす「何て読むんですか!?」
フレデリカ「そ、そんなに大したことじゃないよー!」
ありす「……私に話しても無駄ってことですか」
フレデリカ「うぇ!? い、いや、本当にビックリしちゃうくらいくだらない話なんだよ!」
ありす「でもフレデリカさんが凹んでるのは事実じゃないですか……」
フレデリカ「凹んでナイナイ! むしろ凸んでる気もしてきたかも!?」
ありす「何て読むんですか!?」
13: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:49:24.94 :0aQoxZ1l0
ありす「って、誤魔化されませんよ!」
フレデリカ「それでこそ我の認めた“永遠の好敵手≪ディスティニー・ライバル≫”だね!」
ありす「急に中二病!?」
フレデリカ「ニノの真似だよー」
ありす「飛鳥さんをニノって呼んでる人初めて見ました」
フレデリカ「この前呼んだら無視されちゃった」
ありす「それ気づいてないだけだと思いますけど?」
ありす「って、誤魔化されませんよ!」
フレデリカ「それでこそ我の認めた“永遠の好敵手≪ディスティニー・ライバル≫”だね!」
ありす「急に中二病!?」
フレデリカ「ニノの真似だよー」
ありす「飛鳥さんをニノって呼んでる人初めて見ました」
フレデリカ「この前呼んだら無視されちゃった」
ありす「それ気づいてないだけだと思いますけど?」
14: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:49:51.47 :0aQoxZ1l0
ありす「話が一向に進まないじゃないですか!」
フレデリカ「人生、足踏みも必要なんだよー?」
ありす「フレデリカさんが言うと薄っぺらいですね」
フレデリカ「」ショボーン
ありす「今日メンタル弱くないですか!?」
ありす「話が一向に進まないじゃないですか!」
フレデリカ「人生、足踏みも必要なんだよー?」
ありす「フレデリカさんが言うと薄っぺらいですね」
フレデリカ「」ショボーン
ありす「今日メンタル弱くないですか!?」
15: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:50:22.82 :0aQoxZ1l0
ありす「フレデリカさん、午前はバラエティの収録だって言ってましたよね?」
フレデリカ「う、うん」
ありす「撮影は順調に終わりましたか?」
フレデリカ「うん! 撮影は楽しかったよー!」
ありす「撮影“は”……?」
フレデリカ「う……」
ありす「撮影前になにかあったなら、撮影まで引きずりそうですから“楽しかった”という感想は出てこないはず……「
フレデリカ「うう……」
ありす「……撮影後に何かあったと?」
フレデリカ「そ、そんなことよりお昼でも……」
ありす「こ、この期に及んでまだ話題の変更を!?」
ありす「フレデリカさん、午前はバラエティの収録だって言ってましたよね?」
フレデリカ「う、うん」
ありす「撮影は順調に終わりましたか?」
フレデリカ「うん! 撮影は楽しかったよー!」
ありす「撮影“は”……?」
フレデリカ「う……」
ありす「撮影前になにかあったなら、撮影まで引きずりそうですから“楽しかった”という感想は出てこないはず……「
フレデリカ「うう……」
ありす「……撮影後に何かあったと?」
フレデリカ「そ、そんなことよりお昼でも……」
ありす「こ、この期に及んでまだ話題の変更を!?」
16: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:51:00.48 :0aQoxZ1l0
ありす「……」
ありす「……フレデリカさん」
フレデリカ「?」
ありす「本当に話したくないなら、話さなくても大丈夫です……」
フレデリカ「ありすちゃん……」
ありす「もしかしたら、少し考える邪魔をしてしまったのかもしれませんね」
フレデリカ「そ、そんな、ジャマなんかじゃ」
ありす「私は少し席を外します。もしも話したくなったら、話してください」
フレデリカ「……」
ありす「それでは」トコトコ
フレデリカ「あ……」
フレデリカ「……」
ありす「……」
ありす「……フレデリカさん」
フレデリカ「?」
ありす「本当に話したくないなら、話さなくても大丈夫です……」
フレデリカ「ありすちゃん……」
ありす「もしかしたら、少し考える邪魔をしてしまったのかもしれませんね」
フレデリカ「そ、そんな、ジャマなんかじゃ」
ありす「私は少し席を外します。もしも話したくなったら、話してください」
フレデリカ「……」
ありす「それでは」トコトコ
フレデリカ「あ……」
フレデリカ「……」
17: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:51:40.74 :0aQoxZ1l0
フレデリカ「……ま、待って!!!」
ありす「え?」
フレデリカ「……ま、待って!!!」
ありす「え?」
18: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:52:18.47 :0aQoxZ1l0
フレデリカ「……今日の撮影の後にね? スタッフさんと話してたの」
ありす「……はい」
フレデリカ「その時に、ちょっと……」
ありす「ちょっと……?」
フレデリカ「口論になっちゃってー……」
ありす「す、スタッフさんとですか!?」
フレデリカ「もしかしたらあの番組にはもう呼んでもらえないかもなーって……」
ありす「それで凹んでたんですね……」
フレデリカ「……今日の撮影の後にね? スタッフさんと話してたの」
ありす「……はい」
フレデリカ「その時に、ちょっと……」
ありす「ちょっと……?」
フレデリカ「口論になっちゃってー……」
ありす「す、スタッフさんとですか!?」
フレデリカ「もしかしたらあの番組にはもう呼んでもらえないかもなーって……」
ありす「それで凹んでたんですね……」
19: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:52:46.24 :0aQoxZ1l0
ありす「それで、口論の内容は?」
フレデリカ「え!? そ、それは……」
ありす「……」
フレデリカ「……」
フレデリカ「えっと……、そ、そう! フレちゃん、朝はパン派なんだけど、そのスタッフさんは“ご飯以外ありえない!”って! ひどいよね!」
ありす「……」
フレデリカ「……」
ありす「……は?」
ありす「それで、口論の内容は?」
フレデリカ「え!? そ、それは……」
ありす「……」
フレデリカ「……」
フレデリカ「えっと……、そ、そう! フレちゃん、朝はパン派なんだけど、そのスタッフさんは“ご飯以外ありえない!”って! ひどいよね!」
ありす「……」
フレデリカ「……」
ありす「……は?」
20: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:53:15.64 :0aQoxZ1l0
ありす「そ、そんなくだらないことで……!?」
フレデリカ「く、くだらなくないよー! 就活問題だよー!」
ありす「それを言うなら死活問題です! 近年の就職活動については話してません!!!」
フレデリカ「ナイスツッコミ! 座布団7枚!」
ありす「司会変更前最終回の笑点か!!!」
ありす「そ、そんなくだらないことで……!?」
フレデリカ「く、くだらなくないよー! 就活問題だよー!」
ありす「それを言うなら死活問題です! 近年の就職活動については話してません!!!」
フレデリカ「ナイスツッコミ! 座布団7枚!」
ありす「司会変更前最終回の笑点か!!!」
21: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:53:44.30 :0aQoxZ1l0
ありす「もう……! 心配して損しましたよ!」プイッ
フレデリカ「怒らないでー! モンドセレクション金賞あげるからー!」
ありす「欲しがった記憶が全くない!!!」
フレデリカ「ノーベル賞もつけちゃうよ!」
ありす「そんなオマケにしていい賞じゃないですよ!?」
ありす「もう……! 心配して損しましたよ!」プイッ
フレデリカ「怒らないでー! モンドセレクション金賞あげるからー!」
ありす「欲しがった記憶が全くない!!!」
フレデリカ「ノーベル賞もつけちゃうよ!」
ありす「そんなオマケにしていい賞じゃないですよ!?」
22: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:54:19.42 :0aQoxZ1l0
ありす「まったくもう! 私はちょっと出かけます! 失礼しました!」
ガチャ
フレデリカ「……」
フレデリカ「さすがにねー……」
フレデリカ「はぁ……」
ありす「まったくもう! 私はちょっと出かけます! 失礼しました!」
ガチャ
フレデリカ「……」
フレデリカ「さすがにねー……」
フレデリカ「はぁ……」
23: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:55:07.99 :0aQoxZ1l0
―――――事務所・廊下―――――
ありす(まったく! 心配しただけ無駄でした!)
ありす(まあ、あまり深刻な事態じゃなくてよかったとは思いますが……)
ありす(……あれ)
速水奏「あら、ありすちゃん、こんにちは」
ありす「奏さん、こんにちは。き、聞いてくださいよ! さっきフレデリカさんが」
奏「ずいぶんいきなり捲し立てるのね……。って、え? フレデリカと会ったの?」
ありす「はい? 普通に部屋にいましたが……」
奏「そう……。あの娘もなかなか、間が悪いというか……」
ありす「え?」
奏「ごめんなさい、こっちの話」
―――――事務所・廊下―――――
ありす(まったく! 心配しただけ無駄でした!)
ありす(まあ、あまり深刻な事態じゃなくてよかったとは思いますが……)
ありす(……あれ)
速水奏「あら、ありすちゃん、こんにちは」
ありす「奏さん、こんにちは。き、聞いてくださいよ! さっきフレデリカさんが」
奏「ずいぶんいきなり捲し立てるのね……。って、え? フレデリカと会ったの?」
ありす「はい? 普通に部屋にいましたが……」
奏「そう……。あの娘もなかなか、間が悪いというか……」
ありす「え?」
奏「ごめんなさい、こっちの話」
24: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:55:44.24 :0aQoxZ1l0
奏「フレデリカ、凹んでたでしょう?」
ありす「な、なんで知ってるんですか……!?」
奏「だって私、午前中はフレデリカと同じバラエティの収録だったもの」
ありす「あ、そうだったんですか」
奏「ええ」
ありす「じゃあ、フレデリカさんのくだらない口論についても知ってるんですよね?」
奏「くだらない……?」
ありす「はい! ご飯がどうとかパンがどうとか! 心配して損しました!」
奏「え? ……ああ……なるほど……」
奏「フレデリカ、凹んでたでしょう?」
ありす「な、なんで知ってるんですか……!?」
奏「だって私、午前中はフレデリカと同じバラエティの収録だったもの」
ありす「あ、そうだったんですか」
奏「ええ」
ありす「じゃあ、フレデリカさんのくだらない口論についても知ってるんですよね?」
奏「くだらない……?」
ありす「はい! ご飯がどうとかパンがどうとか! 心配して損しました!」
奏「え? ……ああ……なるほど……」
25: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:56:18.89 :0aQoxZ1l0
ありす「呆れて部屋を出てきたところですよ……!」
奏「……」
ありす「奏さん?」
奏「ありすちゃん」
ありす「は、はいっ」
奏「冷静に……冷静になってみて?」
ありす「え?」
奏「あなたの知ってるフレデリカは、そんなことで怒る人?」
ありす「私の……知ってる……?」
ありす「呆れて部屋を出てきたところですよ……!」
奏「……」
ありす「奏さん?」
奏「ありすちゃん」
ありす「は、はいっ」
奏「冷静に……冷静になってみて?」
ありす「え?」
奏「あなたの知ってるフレデリカは、そんなことで怒る人?」
ありす「私の……知ってる……?」
26: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:56:50.52 :0aQoxZ1l0
奏「フレデリカが“Aが好き”って言って、ありすちゃんが“Bが好き”って言ったとして、フレデリカはそこに食ってかかると思う?」
ありす「それは……」
奏「思わないでしょう?」
ありす「はい……」
奏「結論から言わせてもらうと、その話はウソよ」
ありす「え……!? じ、じゃあフレデリカさんが凹んでることも……!?」
奏「いいえ、そこは本当。スタッフさんと口論ってところもね」
ありす「ってことは、口論の内容がウソってことですか?」
奏「ええ、そうなるわ」
ありす「……」
奏「フレデリカが“Aが好き”って言って、ありすちゃんが“Bが好き”って言ったとして、フレデリカはそこに食ってかかると思う?」
ありす「それは……」
奏「思わないでしょう?」
ありす「はい……」
奏「結論から言わせてもらうと、その話はウソよ」
ありす「え……!? じ、じゃあフレデリカさんが凹んでることも……!?」
奏「いいえ、そこは本当。スタッフさんと口論ってところもね」
ありす「ってことは、口論の内容がウソってことですか?」
奏「ええ、そうなるわ」
ありす「……」
27: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:57:27.54 :0aQoxZ1l0
奏「怒ってる?」
ありす「……少し」
奏「ウソをつかれたのだから当然ね。でも……」
ありす「……」
奏「まあ、口止めされてるわけではないし、フレデリカには悪いけど話させてもらおうかしら……」
ありす「……お願いします」
奏「ええ」
奏「怒ってる?」
ありす「……少し」
奏「ウソをつかれたのだから当然ね。でも……」
ありす「……」
奏「まあ、口止めされてるわけではないし、フレデリカには悪いけど話させてもらおうかしら……」
ありす「……お願いします」
奏「ええ」
28: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:58:06.16 :0aQoxZ1l0
奏「なるべくかいつまんで話すけど……。収録してたバラエティ、聞いたことある?」
ありす「えっと、割と最近始まったやつですよね?」
奏「そう、でも、あの番組、いわゆる“レギュラー出演者”がいないの」
ありす「……?」
奏「それがコンセプト……と言ってしまえばそれで終わりそうなんだけど、実際に行ってみてわかったわ」
ありす「わかった?」
奏「オブラートには包ませてもらうと……、あの番組ね、ディレクターがあまり“良くない”の」
ありす「……」
奏「“牛耳る”とか“私物化”みたいな言葉を思い浮かべてもらえればいいわ。だから、気に入らない出演者はもう出さないの。時には事務所ごと切り捨てたりしてね」
ありす「だから毎回、様々な出演者がとっかえひっかえだったんですね……」
奏「ええ。ま、それ以前に性格があまり……ね」
奏「なるべくかいつまんで話すけど……。収録してたバラエティ、聞いたことある?」
ありす「えっと、割と最近始まったやつですよね?」
奏「そう、でも、あの番組、いわゆる“レギュラー出演者”がいないの」
ありす「……?」
奏「それがコンセプト……と言ってしまえばそれで終わりそうなんだけど、実際に行ってみてわかったわ」
ありす「わかった?」
奏「オブラートには包ませてもらうと……、あの番組ね、ディレクターがあまり“良くない”の」
ありす「……」
奏「“牛耳る”とか“私物化”みたいな言葉を思い浮かべてもらえればいいわ。だから、気に入らない出演者はもう出さないの。時には事務所ごと切り捨てたりしてね」
ありす「だから毎回、様々な出演者がとっかえひっかえだったんですね……」
奏「ええ。ま、それ以前に性格があまり……ね」
29: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:58:46.37 :0aQoxZ1l0
奏「でも、自画自賛にはなるけど、私とフレデリカは完璧に収録をこなしたのよ?」
ありす「ではどうして……」
奏「収録後に、別のスタッフさんと3人で話をしていたの。そこに、そのディレクターが来ちゃって」
ありす「……」
奏「『ハーフなんて今どき何のウリにもならない』とか『テレビならまだしも実際に話すとイライラするキャラ設定だな』とか、好き勝手言ってきたの。……私もいくつか言われたわ」
ありす「ひどい……」ギリッ…
奏「勘違いしないで。私もフレデリカも、そんなことでは怒らないわ。特にフレデリカはなんにも気にせずに会話を続けててね……」
ありす「……」
奏「でも、自画自賛にはなるけど、私とフレデリカは完璧に収録をこなしたのよ?」
ありす「ではどうして……」
奏「収録後に、別のスタッフさんと3人で話をしていたの。そこに、そのディレクターが来ちゃって」
ありす「……」
奏「『ハーフなんて今どき何のウリにもならない』とか『テレビならまだしも実際に話すとイライラするキャラ設定だな』とか、好き勝手言ってきたの。……私もいくつか言われたわ」
ありす「ひどい……」ギリッ…
奏「勘違いしないで。私もフレデリカも、そんなことでは怒らないわ。特にフレデリカはなんにも気にせずに会話を続けててね……」
ありす「……」
30: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:59:16.90 :0aQoxZ1l0
奏「そこで、『まあ次も呼んでやるからありがたく思え』って言われたの。内心はもちろんお断りだけど、“お仕事だもの、しょうがない”……って思ってたら、“ウチの事務所から他にも誰か出せないか”って」
ありす「……」
奏「それで、向こうの要望が、『今の年齢層が高いからガキがいい。なるべく収録で好き勝手言わなそうな』だったのよ」
ありす「それって……」
奏「私もフレデリカも、ありすちゃんが浮かんだけど、“こんな奴に会わせられない”って思って、何も言わなかったわ。でも、もう1人のスタッフが“橘ありすちゃんとかどうですか”なんて言い出してね」
ありす「……っ!」
奏「ありすちゃん、ここからは、ちょっとありすちゃんが耳を塞ぎたくなるような言葉が出てくるかもしれないけど……」
ありす「……大丈夫です。聞かせてください」
奏「……わかったわ」
奏「そこで、『まあ次も呼んでやるからありがたく思え』って言われたの。内心はもちろんお断りだけど、“お仕事だもの、しょうがない”……って思ってたら、“ウチの事務所から他にも誰か出せないか”って」
ありす「……」
奏「それで、向こうの要望が、『今の年齢層が高いからガキがいい。なるべく収録で好き勝手言わなそうな』だったのよ」
ありす「それって……」
奏「私もフレデリカも、ありすちゃんが浮かんだけど、“こんな奴に会わせられない”って思って、何も言わなかったわ。でも、もう1人のスタッフが“橘ありすちゃんとかどうですか”なんて言い出してね」
ありす「……っ!」
奏「ありすちゃん、ここからは、ちょっとありすちゃんが耳を塞ぎたくなるような言葉が出てくるかもしれないけど……」
ありす「……大丈夫です。聞かせてください」
奏「……わかったわ」
31: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 12:59:44.12 :0aQoxZ1l0
奏「それを聞いたディレクターは……、今度はありすちゃんについて、いろいろ言い始めてね」
ありす「……」
奏「やれ『ガキのくせに理屈っぽくて』とか、やれ『あの名前が云々』とか……」
ありす「……」
奏「私は気分が悪くなって、フレデリカを連れて戻ろうと思ったの。……結果的には、あと少し、早く決断するべきだったんだけど」
奏「それを聞いたディレクターは……、今度はありすちゃんについて、いろいろ言い始めてね」
ありす「……」
奏「やれ『ガキのくせに理屈っぽくて』とか、やれ『あの名前が云々』とか……」
ありす「……」
奏「私は気分が悪くなって、フレデリカを連れて戻ろうと思ったの。……結果的には、あと少し、早く決断するべきだったんだけど」
32: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 13:00:30.82 :0aQoxZ1l0
奏「……フレデリカの顔を見たら、……今までに見たことのないような表情で。すぐに手を引こうと思ったその時だった」
『ありすちゃんを馬鹿にしないで!!!!!』
奏「って」
ありす「……!」
奏「……フレデリカの顔を見たら、……今までに見たことのないような表情で。すぐに手を引こうと思ったその時だった」
『ありすちゃんを馬鹿にしないで!!!!!』
奏「って」
ありす「……!」
33: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 13:01:19.27 :0aQoxZ1l0
奏「まあ、この先を詳しく伝える必要はなさそうね」
ありす「それが……フレデリカさんの言ってた“口論”……」
奏「ええ。……結果的に、あの番組にウチの事務所からアイドルが行くことはもうないでしょうね」
ありす「それであんなに……」
奏「もちろん、自分を馬鹿にされた悔しさがあって、他のアイドルの仕事を減らしたかもしれないという罪悪感があって……。でも、一番はやっぱり、ありすちゃんを馬鹿にされたことでしょう」
ありす「……」
奏「あの娘はね、自分のためには怒らないと思うの。でも、誰かのために怒ることができる娘なのよ」
ありす「……」
奏「……バカよね」
ありす「……本当に……バカなんですから……」
奏「まあ、この先を詳しく伝える必要はなさそうね」
ありす「それが……フレデリカさんの言ってた“口論”……」
奏「ええ。……結果的に、あの番組にウチの事務所からアイドルが行くことはもうないでしょうね」
ありす「それであんなに……」
奏「もちろん、自分を馬鹿にされた悔しさがあって、他のアイドルの仕事を減らしたかもしれないという罪悪感があって……。でも、一番はやっぱり、ありすちゃんを馬鹿にされたことでしょう」
ありす「……」
奏「あの娘はね、自分のためには怒らないと思うの。でも、誰かのために怒ることができる娘なのよ」
ありす「……」
奏「……バカよね」
ありす「……本当に……バカなんですから……」
34: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 13:01:46.69 :0aQoxZ1l0
ありす「……お話、ありがとうございました」
奏「構わないわ。むしろ、辛い言葉を聞かせちゃってごめんなさいね」
ありす「それこそ構いません。ありがとうございました」
奏「これから、どうするの?」
ありす「……部屋に戻ります」
奏「あら、忘れ物?」クスッ
ありす「……そういうことにしておいてください」トコトコ
奏「……フレデリカは、あなたのそういうところが大好きなのよ」
ありす「よく聞こえませんね」トコトコ
ありす「……お話、ありがとうございました」
奏「構わないわ。むしろ、辛い言葉を聞かせちゃってごめんなさいね」
ありす「それこそ構いません。ありがとうございました」
奏「これから、どうするの?」
ありす「……部屋に戻ります」
奏「あら、忘れ物?」クスッ
ありす「……そういうことにしておいてください」トコトコ
奏「……フレデリカは、あなたのそういうところが大好きなのよ」
ありす「よく聞こえませんね」トコトコ
35: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 13:02:16.39 :0aQoxZ1l0
―――――事務所・ルーム―――――
フレデリカ「……」ボーッ
ガチャ
ありす「……こんにちは」
フレデリカ「わわっ!? あ、ありすちゃん!? わ、忘れ物かな!?」
ありす「奏さんから全て聞きました」
フレデリカ「!!!」
フレデリカ「そ、そう……なんだ……」
―――――事務所・ルーム―――――
フレデリカ「……」ボーッ
ガチャ
ありす「……こんにちは」
フレデリカ「わわっ!? あ、ありすちゃん!? わ、忘れ物かな!?」
ありす「奏さんから全て聞きました」
フレデリカ「!!!」
フレデリカ「そ、そう……なんだ……」
36: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 13:02:51.21 :0aQoxZ1l0
ありす「あなたは大馬鹿者です!!!」
フレデリカ「!」ビクゥ
ありす「……目を閉じてください」
フレデリカ「え……?」
ありす「早く」
フレデリカ「は、はい」ギュッ
ありす「あなたは大馬鹿者です!!!」
フレデリカ「!」ビクゥ
ありす「……目を閉じてください」
フレデリカ「え……?」
ありす「早く」
フレデリカ「は、はい」ギュッ
37: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 13:03:18.35 :0aQoxZ1l0
フレデリカ(ありすちゃん、怒ってる……)
フレデリカ(ウソついちゃったからかな……?)
フレデリカ(怖い……)
フレデリカ(ありすちゃん、怒ってる……)
フレデリカ(ウソついちゃったからかな……?)
フレデリカ(怖い……)
38: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 13:03:55.05 :0aQoxZ1l0
チュッ
フレデリカ「……え???」パチッ
ありす「……目を閉じてと言ったはずですが」
フレデリカ「い、今……、ほっぺに……」
ありす「……」
フレデリカ「か、顔、赤いよー……?」
ありす「……だから閉じてと言ったんです」
チュッ
フレデリカ「……え???」パチッ
ありす「……目を閉じてと言ったはずですが」
フレデリカ「い、今……、ほっぺに……」
ありす「……」
フレデリカ「か、顔、赤いよー……?」
ありす「……だから閉じてと言ったんです」
39: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 13:04:25.14 :0aQoxZ1l0
フレデリカ「……」
ありす「……」
フレデリカ(ほっぺへのキスは……確か……)
ありす「“感謝・親愛”」
フレデリカ「……!」
ありす「まあ、調べた知識ですが」
フレデリカ「……」
ありす「……」
フレデリカ(ほっぺへのキスは……確か……)
ありす「“感謝・親愛”」
フレデリカ「……!」
ありす「まあ、調べた知識ですが」
40: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 13:04:51.32 :0aQoxZ1l0
ありす「私のせいで凹んでるようで癪だっただけです」
フレデリカ「あ……」
ありす「?」
フレデリカ「ありすちゃぁぁぁぁぁーん!!!!!」ダキッ
ありす「うわ! ちょっと! こ、こうなる予感はしてましたけど!!!」
フレデリカ「これからもよろしくねぇぇぇぇ!!!」
ありす「はあ……、まぁ、飽きない限りは、ですよ」
フレデリカ「うわああああああん!!!」
ありす「うるさい!!!!!」
ありす「私のせいで凹んでるようで癪だっただけです」
フレデリカ「あ……」
ありす「?」
フレデリカ「ありすちゃぁぁぁぁぁーん!!!!!」ダキッ
ありす「うわ! ちょっと! こ、こうなる予感はしてましたけど!!!」
フレデリカ「これからもよろしくねぇぇぇぇ!!!」
ありす「はあ……、まぁ、飽きない限りは、ですよ」
フレデリカ「うわああああああん!!!」
ありす「うるさい!!!!!」
41: ◆i/Ay6sgovU:2016/05/22(日) 13:05:23.31 :0aQoxZ1l0
―――――ドアの外―――――
奏(まあ、ハッピーエンド……かしら)
緒方智絵里「あれ? 奏さん! 入らないんですか?」
奏「貴方はダメ。本当に今はダメ」
智絵里「?」
おわり
―――――ドアの外―――――
奏(まあ、ハッピーエンド……かしら)
緒方智絵里「あれ? 奏さん! 入らないんですか?」
奏「貴方はダメ。本当に今はダメ」
智絵里「?」
おわり
コメント 23
コメント一覧 (23)
最終回?(真顔)
デレステでもお姉さんとしてユニットの和をとろうとしてたし、フレデリカさんの株が俺の中で急上昇だわ
シリアスもコメディもどっちもよいSS!
実際フレちゃんみたいなのがいたら番組が成り立たない気がするし、ありすはアンチがネットでガンガン叩くだろう
能天気なように見えて人一倍気遣いの子だという側面が最近ピックアップされてきて担当としてはうれしい
たしかに。前にも別の所で書いたが、智絵里や世田谷さんとは違い「子供」であることを有効に使えないありすはテレビ的には使いにくいし、 ましてや「ハーフタレント」なフレちゃんが説明したとこで(ウサミンの時みたいに「あぁあいつの言うことか」でむしろ……)だからなぁ
ニューウェーブの時は、泉とさくらの仲直りで済んだけど……出てこないふみふみや智絵里とほたるに晶葉と雪美でなんとかしそうだけど、期待してまっせ
番組を私物化しているようなプロデューサーなんだから、出演者の扱い方なんてその人の力量次第なんじゃねーのか
その言葉でテレビが面白くないのがわかった気がする ニュースとヒストリーチャンネル位しか観てないけど
テレビに限った話じゃないし。アイマスだって石原や坂上が似たような事してるだろ。それが918の原因でもある
嫌いじゃない