2: ◆yz988L0kIg:2018/01/15(月) 01:44:29.53 :v5gX7mQK0
ペロ「佐城の話をするとしましょう」
ペロ「まずはその前に私の話をしましょう」
ペロ「私はそうね……昔は野良猫だったわ」
ペロ「時折人からご飯をもらったり、スズメを狩ったりして生きてきたの」
ペロ「とはいえあの頃はまだ子猫だったから、獲物を取るのも苦労したわ」
ペロ「ある寒い冬の夜に一人の女性と出会ったの」
ペロ「雪美ちゃんのママね」
ペロ「彼女は私に『娘の友達になってくれ』と言ってきたの」
ペロ「そのとき私は友達なんていなかったし作るつもりもなかった」
ペロ「でもそのときはなぜか、ついていってみようという気になって」
ペロ「彼女についていくことにしたの」
ペロ「佐城の話をするとしましょう」
ペロ「まずはその前に私の話をしましょう」
ペロ「私はそうね……昔は野良猫だったわ」
ペロ「時折人からご飯をもらったり、スズメを狩ったりして生きてきたの」
ペロ「とはいえあの頃はまだ子猫だったから、獲物を取るのも苦労したわ」
ペロ「ある寒い冬の夜に一人の女性と出会ったの」
ペロ「雪美ちゃんのママね」
ペロ「彼女は私に『娘の友達になってくれ』と言ってきたの」
ペロ「そのとき私は友達なんていなかったし作るつもりもなかった」
ペロ「でもそのときはなぜか、ついていってみようという気になって」
ペロ「彼女についていくことにしたの」

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3: ◆yz988L0kIg:2018/01/15(月) 01:45:14.88 :v5gX7mQK0
ペロ「大きな家だったわ」
ペロ「私はまず、窓の外からこっそり彼女の娘…佐城雪美を見ることにしたの」
ペロ「正直言うと少し、ぞっとしたわ」
ペロ「プルシアンブルーの髪に真っ白な肌と優しそうな目」
ペロ「人形のような整った顔立ちと人形とは似ても似つかない暖かみのある眼差し」
ペロ「雪美ちゃんだけがまるで別の世界に居るように見えたわ」
ペロ「そのときは確か部屋の中に居る雪美はずっと本を読んだ居た気がするわ」
ペロ「それから雪美ちゃんのママと少し話して、私は大きな靴下に入って雪美ちゃんが目がさめるのを待つことにしたの」
ペロ「あんまり人間の風習は詳しくないけど、クリスマスではこうするみたいね」
ペロ「靴下の中はとてもあたたかくすぐ眠りについたわ」
ペロ「大きな家だったわ」
ペロ「私はまず、窓の外からこっそり彼女の娘…佐城雪美を見ることにしたの」
ペロ「正直言うと少し、ぞっとしたわ」
ペロ「プルシアンブルーの髪に真っ白な肌と優しそうな目」
ペロ「人形のような整った顔立ちと人形とは似ても似つかない暖かみのある眼差し」
ペロ「雪美ちゃんだけがまるで別の世界に居るように見えたわ」
ペロ「そのときは確か部屋の中に居る雪美はずっと本を読んだ居た気がするわ」
ペロ「それから雪美ちゃんのママと少し話して、私は大きな靴下に入って雪美ちゃんが目がさめるのを待つことにしたの」
ペロ「あんまり人間の風習は詳しくないけど、クリスマスではこうするみたいね」
ペロ「靴下の中はとてもあたたかくすぐ眠りについたわ」
4: ◆yz988L0kIg:2018/01/15(月) 01:47:27.60 :v5gX7mQK0
ペロ「目が覚めると目の前に赤い瞳があったの」
ペロ「ぼーっと眺めていると赤い瞳の黒い瞳孔が開いていくのが見えたわ」
ペロ「確か最初は『はじめまして……私……雪美………』と言っていた気がするわ」
ペロ「私は寝起きで『どうも』なんて間抜けた声を出したように思う」
ペロ「すると彼女は私の頭を撫でてきて、お返しに私も彼女の手を舐めてみたの」
ペロ「すると彼女は『わっ………。ふふっ、ペロって……びっくりした……。あなた……名前は……?』って言ったっけ」
ペロ「名前は特にないわって答えると『あなた…ペロってする……。だから……ペロ……』と言われ名前が決まったの」
ペロ「確かに安直かもしれないけれど、名前なんてそんなものだと思うわ」
ペロ「身体が黒いからクロとか白いからシロとか……私の知り合いはそういうのばっかりだったし」
ペロ「目が覚めると目の前に赤い瞳があったの」
ペロ「ぼーっと眺めていると赤い瞳の黒い瞳孔が開いていくのが見えたわ」
ペロ「確か最初は『はじめまして……私……雪美………』と言っていた気がするわ」
ペロ「私は寝起きで『どうも』なんて間抜けた声を出したように思う」
ペロ「すると彼女は私の頭を撫でてきて、お返しに私も彼女の手を舐めてみたの」
ペロ「すると彼女は『わっ………。ふふっ、ペロって……びっくりした……。あなた……名前は……?』って言ったっけ」
ペロ「名前は特にないわって答えると『あなた…ペロってする……。だから……ペロ……』と言われ名前が決まったの」
ペロ「確かに安直かもしれないけれど、名前なんてそんなものだと思うわ」
ペロ「身体が黒いからクロとか白いからシロとか……私の知り合いはそういうのばっかりだったし」
5: ◆yz988L0kIg:2018/01/15(月) 01:49:01.70 :v5gX7mQK0
ペロ「それから佐城家での生活が始まったの」
ペロ「最初にびっくりしたのは雪美ちゃんのパパもママも全然帰ってこないこと」
ペロ「雪美ちゃん曰くお仕事で忙しいらしい。人間って大変ね」
ペロ「まだあんなに小さかったのに……1人で食事も作ったり色々したりってすごいと思ったわ」
ペロ「でも雪美ちゃんはいつも寂しそうだった」
ペロ「私はいつも1人だったからあまり寂しいという気持ちはわからなかったけど」
ペロ「でも、なんとかしてあげたいと思って雪美ちゃんが学校に行っている間に街をふらついていたの」
ペロ「ある日、公園でくつろいでる黒尽くめの人間を見つけたの」
ペロ「大体公園に居る黒尽くめの人間はなぜか目が死んでいるのだけど、その男だけはなぜか生気に満ち溢れた目をしていたわ」
ペロ「だからなんとなく気になって近寄ってみたの」
ペロ「それから佐城家での生活が始まったの」
ペロ「最初にびっくりしたのは雪美ちゃんのパパもママも全然帰ってこないこと」
ペロ「雪美ちゃん曰くお仕事で忙しいらしい。人間って大変ね」
ペロ「まだあんなに小さかったのに……1人で食事も作ったり色々したりってすごいと思ったわ」
ペロ「でも雪美ちゃんはいつも寂しそうだった」
ペロ「私はいつも1人だったからあまり寂しいという気持ちはわからなかったけど」
ペロ「でも、なんとかしてあげたいと思って雪美ちゃんが学校に行っている間に街をふらついていたの」
ペロ「ある日、公園でくつろいでる黒尽くめの人間を見つけたの」
ペロ「大体公園に居る黒尽くめの人間はなぜか目が死んでいるのだけど、その男だけはなぜか生気に満ち溢れた目をしていたわ」
ペロ「だからなんとなく気になって近寄ってみたの」
6: ◆yz988L0kIg:2018/01/15(月) 01:50:39.10 :v5gX7mQK0
ペロ「隣に座って、ダメ元で『どうも』って声をかけてみたの」
ペロ「私が人語を解するのを知ってか知らずか……そしたらその人は一方的に話し始めたの」
ペロ「自分がプロデューサーであることやアイドルのこと」
ペロ「その人の言葉を借りていうなら”ティンと来た”わ」
ペロ「雪美ちゃんはアイドルになれば寂しくないんじゃないかって」
ペロ「それから連絡先の書いた紙をもらってさよならしたの」
ペロ「そこから先はトントン拍子に話が進んでいった気がするわ」
ペロ「私が雪美ちゃんにメモを渡して、雪美ちゃんがママに名詞を渡して」
ペロ「オーディション会場に来てオーディションに受かって」
ペロ「それから公園に居た人……プロデューサーと再会したの」
ペロ「お礼を言ってみたのだけれど首を傾げていたからやっぱり言葉がわからなかったのね、ってそのとき初めて気づいたわ」
ペロ「隣に座って、ダメ元で『どうも』って声をかけてみたの」
ペロ「私が人語を解するのを知ってか知らずか……そしたらその人は一方的に話し始めたの」
ペロ「自分がプロデューサーであることやアイドルのこと」
ペロ「その人の言葉を借りていうなら”ティンと来た”わ」
ペロ「雪美ちゃんはアイドルになれば寂しくないんじゃないかって」
ペロ「それから連絡先の書いた紙をもらってさよならしたの」
ペロ「そこから先はトントン拍子に話が進んでいった気がするわ」
ペロ「私が雪美ちゃんにメモを渡して、雪美ちゃんがママに名詞を渡して」
ペロ「オーディション会場に来てオーディションに受かって」
ペロ「それから公園に居た人……プロデューサーと再会したの」
ペロ「お礼を言ってみたのだけれど首を傾げていたからやっぱり言葉がわからなかったのね、ってそのとき初めて気づいたわ」
7: ◆yz988L0kIg:2018/01/15(月) 01:52:47.85 :v5gX7mQK0
ペロ「それからまずはレッスンが始まったんだっけ」
ペロ「雪美ちゃんは身体が硬くて苦労してたみたいね。家でも私を動きを見ては真似していたわ」
ペロ「約束だから…ってあんなに熱心に何かに取り組む雪美ちゃんは初めて見たわ」
ペロ「人間と猫じゃ骨格が違うのにね」
ペロ「その甲斐あってかなんとか仕事にありつけて」
ペロ「そういえば私と一緒に写真をとったこともあったわね」
ペロ「それから色んな人……もちろんあなたとも出会って……」
ペロ「本当に雪美ちゃんは変わったと思うわ」
ペロ「最初はプロデューサーと私ばっかり見ていたけれど、今はみんなも見えている」
ペロ「雪美ちゃんの世界は今も広がっているところだと思うの」
ペロ「だからこれからも雪美ちゃんのこと、見守っていてね」
みく「ふむふむ、にゃるほど」
李衣菜「みく、ペロちゃんの言ってることわかるの!?」
みく「いや、全然」
ペロ「なんで聞いてたの!?!?!?!?!」
終わり
ペロ「それからまずはレッスンが始まったんだっけ」
ペロ「雪美ちゃんは身体が硬くて苦労してたみたいね。家でも私を動きを見ては真似していたわ」
ペロ「約束だから…ってあんなに熱心に何かに取り組む雪美ちゃんは初めて見たわ」
ペロ「人間と猫じゃ骨格が違うのにね」
ペロ「その甲斐あってかなんとか仕事にありつけて」
ペロ「そういえば私と一緒に写真をとったこともあったわね」
ペロ「それから色んな人……もちろんあなたとも出会って……」
ペロ「本当に雪美ちゃんは変わったと思うわ」
ペロ「最初はプロデューサーと私ばっかり見ていたけれど、今はみんなも見えている」
ペロ「雪美ちゃんの世界は今も広がっているところだと思うの」
ペロ「だからこれからも雪美ちゃんのこと、見守っていてね」
みく「ふむふむ、にゃるほど」
李衣菜「みく、ペロちゃんの言ってることわかるの!?」
みく「いや、全然」
ペロ「なんで聞いてたの!?!?!?!?!」
終わり
8: ◆yz988L0kIg:2018/01/15(月) 01:55:53.42 :v5gX7mQK0
以上です。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
これからも膝の上の恋人こと佐城雪美ちゃんをよろしくお願い致します!
セレナードオブユキミン!
前作もよろしくお願い致します。
【モバマス】こずえ「おひざのせてー…のせろー…」雪美「だめ………」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515860311/
最後まで読んで頂きありがとうございました。
これからも膝の上の恋人こと佐城雪美ちゃんをよろしくお願い致します!
セレナードオブユキミン!
前作もよろしくお願い致します。
【モバマス】こずえ「おひざのせてー…のせろー…」雪美「だめ………」
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