1:名無しさん@おーぷん:2018/10/06(土)22:10:25 :tjo
樹里「いきなりなんだよ……」
果穂「事件ですかっ!? 大変です! いったいどうしたんですか? ちょこ先輩!」
樹里「ノリ良いな!」
果穂「事件ですから! 当然です!」
智代子「そうそう。果穂は素直な良い子だね〜。樹里ちゃんとは違って!」
樹里「……チョコ」
智代子「ひぅっ! い、言い過ぎました。ごめんなさい……」
樹里「いきなりなんだよ……」
果穂「事件ですかっ!? 大変です! いったいどうしたんですか? ちょこ先輩!」
樹里「ノリ良いな!」
果穂「事件ですから! 当然です!」
智代子「そうそう。果穂は素直な良い子だね〜。樹里ちゃんとは違って!」
樹里「……チョコ」
智代子「ひぅっ! い、言い過ぎました。ごめんなさい……」
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2:名無しさん@おーぷん:2018/10/06(土)22:11:08 :tjo
樹里「……はぁ」
樹里「で、事件ってどうしたんだよ、チョコ」
智代子「よくぞ聞いてくれました! これは私が一生懸命レッスンをこなして事務所に戻ってきたときのこと……ほわんほわんほわんほわん」
樹里「なんだその音」
智代子「回想シーンに移るときの音だよ! ね? 果穂!」
果穂「はい! 回想シーンに入るときは『ほわんほわんほわんほわん』に決まってますから!」
樹里「それ、口で言う必要あるか?」
智代子「ないよ!」
樹里「ないのかよ! ……ったく、話が進まねえ。さっさと続きだ続き」
智代子「はーい」
樹里「……はぁ」
樹里「で、事件ってどうしたんだよ、チョコ」
智代子「よくぞ聞いてくれました! これは私が一生懸命レッスンをこなして事務所に戻ってきたときのこと……ほわんほわんほわんほわん」
樹里「なんだその音」
智代子「回想シーンに移るときの音だよ! ね? 果穂!」
果穂「はい! 回想シーンに入るときは『ほわんほわんほわんほわん』に決まってますから!」
樹里「それ、口で言う必要あるか?」
智代子「ないよ!」
樹里「ないのかよ! ……ったく、話が進まねえ。さっさと続きだ続き」
智代子「はーい」
3:名無しさん@おーぷん:2018/10/06(土)22:11:52 :tjo
智代子「それで、レッスンに疲れていた私は疲れていたから糖分を欲していたわけです。糖分……つまり、チョコだね! 私、チョコアイドルだから! チョコアイドルだから!!!」
果穂「ちょこ先輩ですもんね!」
智代子「そう! ちょこ先輩だからね!」
樹里「……で、そのチョコ先輩はどうしたんだよ」
智代子「あ、樹里ちゃんに先輩って呼ばれるの新鮮かも。もう一回呼んでくれない?」
樹里「嫌だ」
智代子「えー……あ、怒らないで怒らないで。言う。続き言うから」
智代子「レッスンに疲れて身体がチョコを欲するであろうことは経験上わかっていました。だから! 今日は事前にチョコを冷蔵庫に冷やしておいておいたのです!」
樹里「で、そのチョコを楽しみに帰ってきたら冷蔵庫になかった……ってか?」
智代子「ちょ、ちょっと樹里ちゃん! オチを先に言わないで〜!」
智代子「それで、レッスンに疲れていた私は疲れていたから糖分を欲していたわけです。糖分……つまり、チョコだね! 私、チョコアイドルだから! チョコアイドルだから!!!」
果穂「ちょこ先輩ですもんね!」
智代子「そう! ちょこ先輩だからね!」
樹里「……で、そのチョコ先輩はどうしたんだよ」
智代子「あ、樹里ちゃんに先輩って呼ばれるの新鮮かも。もう一回呼んでくれない?」
樹里「嫌だ」
智代子「えー……あ、怒らないで怒らないで。言う。続き言うから」
智代子「レッスンに疲れて身体がチョコを欲するであろうことは経験上わかっていました。だから! 今日は事前にチョコを冷蔵庫に冷やしておいておいたのです!」
樹里「で、そのチョコを楽しみに帰ってきたら冷蔵庫になかった……ってか?」
智代子「ちょ、ちょっと樹里ちゃん! オチを先に言わないで〜!」
4:名無しさん@おーぷん:2018/10/06(土)22:12:33 :tjo
果穂「ふむふむ……わかりました! つまり、今回の事件は『ちょこ先輩のチョコ失踪事件』ということですね!?」
智代子「その通り! 私のチョコはいったいどこにいったのか……それを探すのが、私たちチョコ捜索隊の仕事ってことだよ!」
果穂「捜索隊! カッコいいです!」
樹里「……それ、アタシも隊員に数えられてんのか?」
智代子「もちろん! 樹里隊員! 君の頭脳を頼りにしてるよ!」
果穂「頭脳……樹里ちゃんは我が隊の司令塔、ということですか!」
樹里「アタシは明らかに司令塔ってガラじゃねーだろ」
樹里「でも、チョコがどこにいったのかって、もう誰かに食べられた後なんじゃねーか?」
智代子「うっ……か、考えないようにしていたことをバッサリと……」
果穂「司令塔はときに冷静な判断が求められる……樹里ちゃん、まさに司令塔です!」
樹里「司令塔のハードル低いな? で、チョコのチョコだけど……」
智代子「チョコのチョコって何のことかわかりにくいね」
樹里「茶化すな。……で、食べられたならゴミ箱に包装でも入ってんじゃねーか……と思ったんだけど、パッと見た感じだとねぇな」
智代子「ほんと!? ……あっ、ほんとだ! ない!」
樹里「チョコ、お前……アイドル以前に女の子なんだから躊躇なくゴミ箱をあさるなよ」
果穂「でも、ゴミ箱にないなら、ちょこ先輩のチョコはいったいどこにいったんでしょう……不思議です!」
果穂「ふむふむ……わかりました! つまり、今回の事件は『ちょこ先輩のチョコ失踪事件』ということですね!?」
智代子「その通り! 私のチョコはいったいどこにいったのか……それを探すのが、私たちチョコ捜索隊の仕事ってことだよ!」
果穂「捜索隊! カッコいいです!」
樹里「……それ、アタシも隊員に数えられてんのか?」
智代子「もちろん! 樹里隊員! 君の頭脳を頼りにしてるよ!」
果穂「頭脳……樹里ちゃんは我が隊の司令塔、ということですか!」
樹里「アタシは明らかに司令塔ってガラじゃねーだろ」
樹里「でも、チョコがどこにいったのかって、もう誰かに食べられた後なんじゃねーか?」
智代子「うっ……か、考えないようにしていたことをバッサリと……」
果穂「司令塔はときに冷静な判断が求められる……樹里ちゃん、まさに司令塔です!」
樹里「司令塔のハードル低いな? で、チョコのチョコだけど……」
智代子「チョコのチョコって何のことかわかりにくいね」
樹里「茶化すな。……で、食べられたならゴミ箱に包装でも入ってんじゃねーか……と思ったんだけど、パッと見た感じだとねぇな」
智代子「ほんと!? ……あっ、ほんとだ! ない!」
樹里「チョコ、お前……アイドル以前に女の子なんだから躊躇なくゴミ箱をあさるなよ」
果穂「でも、ゴミ箱にないなら、ちょこ先輩のチョコはいったいどこにいったんでしょう……不思議です!」
5:名無しさん@おーぷん:2018/10/06(土)22:13:08 :tjo
ガチャ
凛世「ただいま、帰りました……」
夏葉「私も帰ったわ! ……あら? 三人とも、どうしたの?」
果穂「凛世さん! 夏葉さん! 大変なんです! 事件です!」
凛世「事件……ですか?」
智代子「そうなんだよ、凛世ちゃん、夏葉ちゃん。私のチョコが! どこかにいったんだよ!」
果穂「『ちょこ先輩のチョコ失踪事件』です!」
樹里「説明不足過ぎるだろ! そんな説明でわかるわけ……」
夏葉「わかったわ。つまり、智代子がレッスン後に食べようと冷蔵庫に冷やしていたチョコが帰ってきたらどこかに消えていた……と、そういうことね?」
樹里「なんでわかるんだよ! 冷蔵庫どこから来たんだよ!」
ガチャ
凛世「ただいま、帰りました……」
夏葉「私も帰ったわ! ……あら? 三人とも、どうしたの?」
果穂「凛世さん! 夏葉さん! 大変なんです! 事件です!」
凛世「事件……ですか?」
智代子「そうなんだよ、凛世ちゃん、夏葉ちゃん。私のチョコが! どこかにいったんだよ!」
果穂「『ちょこ先輩のチョコ失踪事件』です!」
樹里「説明不足過ぎるだろ! そんな説明でわかるわけ……」
夏葉「わかったわ。つまり、智代子がレッスン後に食べようと冷蔵庫に冷やしていたチョコが帰ってきたらどこかに消えていた……と、そういうことね?」
樹里「なんでわかるんだよ! 冷蔵庫どこから来たんだよ!」
6:名無しさん@おーぷん:2018/10/06(土)22:14:24 :tjo
凛世「誰かが食べた……というわけでは、ないのですか?」
智代子「たぶん……ゴミ箱にも何もなかったし」
夏葉「……智代子。アナタ、ゴミ箱をあさったの?」
智代子「うっ……そ、捜査のためには自らの手が汚れることも厭わないのが優秀な捜査官ということで……」
果穂「ゴミ箱にないなら、いったいどこに……というのが、現在の捜査状況です!」
夏葉「……ゴミ箱にないからと言って、誰も食べていない、とは言い切れないわ」
智代子「ど、どういうこと!? 夏葉ちゃん!」
樹里「……このバカ騒ぎに乗ることには乗るんだな」
凛世「誰かが食べた……というわけでは、ないのですか?」
智代子「たぶん……ゴミ箱にも何もなかったし」
夏葉「……智代子。アナタ、ゴミ箱をあさったの?」
智代子「うっ……そ、捜査のためには自らの手が汚れることも厭わないのが優秀な捜査官ということで……」
果穂「ゴミ箱にないなら、いったいどこに……というのが、現在の捜査状況です!」
夏葉「……ゴミ箱にないからと言って、誰も食べていない、とは言い切れないわ」
智代子「ど、どういうこと!? 夏葉ちゃん!」
樹里「……このバカ騒ぎに乗ることには乗るんだな」
7:名無しさん@おーぷん:2018/10/06(土)22:15:13 :tjo
夏葉「想像してみなさい。智代子がもし冷蔵庫に入っていたチョコを間違えて食べてしまったら、どうするかしら」
智代子「それは……謝るか、誤魔化そうとするかな?」
凛世「誤魔化すとは……どのように?」
智代子「うーん……とりあえず、そのままゴミを捨てると食べたってバレちゃうから……同じものが買えるなら……その人が帰ってくる前に……夏葉ちゃん!」
夏葉「そうよ! 間違えて食べてしまったなら、そもそも『食べたという事実が客観的になかったことと同じ』になればいいのよ!」
果穂「隠蔽工作……ですか!」
智代子「そ、その発想はなかったよ、夏葉ちゃん……! つまり、私のチョコは……?」
夏葉「また事務所に誰もいない状況になったら、誰かがこっそりと戻している……という可能性があるわね」
樹里「あるか……?」
智代子「そんな……正直に言ってくれたら、私も怒らないのに……」
樹里「冷蔵庫からチョコがなくなっていただけでこんな騒ぎを起こすようなやつが?」
智代子「……ま、まあ! とにかく! そうと決まれば誰かがチョコを戻すことができるように、ちょこっと外に出ていようよ!」
樹里「誰かって誰だよ」
果穂「樹里ちゃん……それを探るのは野暮ってものです」
夏葉「そうよ……その食べてしまった人も、悪気があったわけではないのでしょうから……」
樹里「……いや、それでいいならいいけどよ」
夏葉「想像してみなさい。智代子がもし冷蔵庫に入っていたチョコを間違えて食べてしまったら、どうするかしら」
智代子「それは……謝るか、誤魔化そうとするかな?」
凛世「誤魔化すとは……どのように?」
智代子「うーん……とりあえず、そのままゴミを捨てると食べたってバレちゃうから……同じものが買えるなら……その人が帰ってくる前に……夏葉ちゃん!」
夏葉「そうよ! 間違えて食べてしまったなら、そもそも『食べたという事実が客観的になかったことと同じ』になればいいのよ!」
果穂「隠蔽工作……ですか!」
智代子「そ、その発想はなかったよ、夏葉ちゃん……! つまり、私のチョコは……?」
夏葉「また事務所に誰もいない状況になったら、誰かがこっそりと戻している……という可能性があるわね」
樹里「あるか……?」
智代子「そんな……正直に言ってくれたら、私も怒らないのに……」
樹里「冷蔵庫からチョコがなくなっていただけでこんな騒ぎを起こすようなやつが?」
智代子「……ま、まあ! とにかく! そうと決まれば誰かがチョコを戻すことができるように、ちょこっと外に出ていようよ!」
樹里「誰かって誰だよ」
果穂「樹里ちゃん……それを探るのは野暮ってものです」
夏葉「そうよ……その食べてしまった人も、悪気があったわけではないのでしょうから……」
樹里「……いや、それでいいならいいけどよ」
8:名無しさん@おーぷん:2018/10/06(土)22:17:25 :tjo
凛世「あの……少し、よろしいでしょうか……?」
智代子「ん? どうしたの、凛世ちゃん」
凛世「一度……確認してみたいことが……」
果穂「確認……ですか?」
凛世「はい。……智代子さんがチョコを置いていたというのは、この冷蔵庫で合っているでしょうか?」
智代子「うん。そうだけど……」
凛世「智代子さんは……この夏に、様々な氷菓を食べておりました」
智代子「う、うん。チョコは溶けちゃうからね。それが、どうしたの?」
凛世「その際に使っていた場所は冷蔵庫ではなく冷凍庫……で、あれば」ガチャ
凛世「このように、誤って冷凍庫に入れてしまった、ということがあるのではないか、と思いまして……智代子さん。これが探していたものでしょうか?」
智代子「お、おぉ……! それ! それだよ! 凛世ちゃん! ありがとう!」
凛世「いえ……お礼を言われるほどのことでは……」
智代子「そんなことないよ! 凛世ちゃんがいなければ、このチョコの行方はいつまでもわからなかったかもしれないんだから……!」
凛世「それは……クス。そうですね……どういたしまして、智代子さん」
凛世「あの……少し、よろしいでしょうか……?」
智代子「ん? どうしたの、凛世ちゃん」
凛世「一度……確認してみたいことが……」
果穂「確認……ですか?」
凛世「はい。……智代子さんがチョコを置いていたというのは、この冷蔵庫で合っているでしょうか?」
智代子「うん。そうだけど……」
凛世「智代子さんは……この夏に、様々な氷菓を食べておりました」
智代子「う、うん。チョコは溶けちゃうからね。それが、どうしたの?」
凛世「その際に使っていた場所は冷蔵庫ではなく冷凍庫……で、あれば」ガチャ
凛世「このように、誤って冷凍庫に入れてしまった、ということがあるのではないか、と思いまして……智代子さん。これが探していたものでしょうか?」
智代子「お、おぉ……! それ! それだよ! 凛世ちゃん! ありがとう!」
凛世「いえ……お礼を言われるほどのことでは……」
智代子「そんなことないよ! 凛世ちゃんがいなければ、このチョコの行方はいつまでもわからなかったかもしれないんだから……!」
凛世「それは……クス。そうですね……どういたしまして、智代子さん」
9:名無しさん@おーぷん:2018/10/06(土)22:18:41 :tjo
樹里「……なぁ。結局、これって」
夏葉「智代子の注意不足にみんな巻きこまれた、ということになるわね」
智代子「あっ……え、えーっと……み、みんなも食べる?」
樹里「……ったく」
樹里「遠慮しねえからな? 騒がせたぶん、しっかりもらってやる」
果穂「あたしもいただきます!」
凛世「凛世も……いただきます……」
夏葉「私もいただくわ。食べたぶんは、またしっかりレッスンしましょう!」
智代子「れ、レッスン……が、ガンバリマス」
果穂「これにて一件落着、ですね!」
終
樹里「……なぁ。結局、これって」
夏葉「智代子の注意不足にみんな巻きこまれた、ということになるわね」
智代子「あっ……え、えーっと……み、みんなも食べる?」
樹里「……ったく」
樹里「遠慮しねえからな? 騒がせたぶん、しっかりもらってやる」
果穂「あたしもいただきます!」
凛世「凛世も……いただきます……」
夏葉「私もいただくわ。食べたぶんは、またしっかりレッスンしましょう!」
智代子「れ、レッスン……が、ガンバリマス」
果穂「これにて一件落着、ですね!」
終
10:名無しさん@おーぷん:2018/10/06(土)22:19:28 :tjo
おわりです。ありがとうございました。放課後かわいいです。
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森きのこ
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森きのこ
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